(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6471 20110101AFI20221012BHJP
H01R 13/655 20060101ALI20221012BHJP
H01R 13/6587 20110101ALI20221012BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20221012BHJP
H01R 13/40 20060101ALI20221012BHJP
H01R 13/28 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H01R13/6471
H01R13/655
H01R13/6587
H01R12/71
H01R13/40 Z
H01R13/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509134
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 US2020056231
(87)【国際公開番号】W WO2021080884
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ジョン シー ロールクス
(72)【発明者】
【氏名】ユエティン チャン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB07
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5E223BA08
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5E223CD01
5E223CD02
5E223DA33
5E223DB31
5E223EB15
5E223EB32
(57)【要約】
【解決手段】電気コネクタアセンブリ(100)が、平坦な基板に取り付け可能なプラグコネクタと、複数のケーブル(108)を受け入れるように構成され、プラグコネクタと嵌合可能なレセプタクルコネクタ(104)とを含むことができる。プラグコネクタは、取り付け面に露出して平坦な基板と導通接触する第1のインライン端子列及び第2のインライン端子列を含むことができる。レセプタクルコネクタは、複数のケーブルで導電的に終端可能な、共通のウェハ平面内に位置合わせされた終端部を有する複数の端子を含むことができる。プラグコネクタ及び電気コネクタは、共通のウェハ平面と同一平面上にある終端部から第1及び第2のインライン端子列までの電気チャネルを形成するように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタアセンブリであって、
平坦な基板に取り付け可能なプラグコネクタであって、該プラグコネクタは、プラグ絶縁体ハウジングと、各々が嵌合端部、該嵌合端部とは反対側の取り付け端部、及び前記嵌合端部を前記取り付け端部に接続する中間本体部分を有する複数の端子を有するプラグ端子アレイとを含み、前記複数の端子は、第1のインライン端子列に位置合わせされた第1の複数の取り付け端部と、第2のインライン端子列に位置合わせされた第2の複数の取り付け端部とを含み、前記第1及び第2のインライン端子列は、互いに平行に離間している、プラグコネクタと、
該プラグコネクタに嵌合可能なレセプタクルコネクタであって、該レセプタクルコネクタは、レセプタクル絶縁体ハウジングと、各々が嵌合端部、該嵌合端部とは反対側の終端部、及び前記嵌合端部と前記終端部とを接続する中間本体部分を有する複数の端子を有するレセプタクル端子アレイとを含み、該レセプタクル端子アレイは、前記複数の端子の終端部が共通のウェハ平面内で同一平面上にあるように配列されている、レセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグ端子アレイ及び前記レセプタクル端子アレイの少なくとも一方の複数の端子の中間本体部分は、前記複数の端子が、前記第1のインライン端子列に対応する第1のオフセット端子平面と位置合わせされた第1の複数の端子端部と、前記第2のインライン端子列に対応する第2のオフセット端子平面と位置合わせされた第2の複数の端子端部とを含む、オフセット中間本体部分である、
電気コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のオフセット端子平面及び第2の端子嵌合平面は、前記レセプタクル端子アレイの共通のウェハ平面と互いに平行に離間している、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記レセプタクル端子アレイの共通のウェハ平面は、前記第1のオフセット端子平面と前記第2のオフセット端子平面との間に配置されている、請求項2に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記共通のウェハ平面、前記第1のオフセット端子平面、及び前記第2のオフセット端子平面は、前記平坦な基板に対してほぼ垂直である、請求項3に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記プラグ端子アレイの第1の複数の取り付け端部と前記プラグ端子アレイの第2の複数の取り付け端部とは互いにシフト(オフセット)されている、請求項4に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記プラグ端子アレイの第1の複数の取り付け端部の大部分と前記プラグ端子アレイの第2の複数の取り付け端部の大部分とが互いの間に交互に介在している、請求項5に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の複数の取り付け端部はピッチ距離だけ離間し、
前記第2の複数の取り付け端部はピッチ距離だけ離間している、
請求項6に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記プラグ端子アレイの第1の複数の取り付け端部と第2の複数の取り付け端部とは、ピッチ距離の半分だけシフト(オフセット)されている、請求項7に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記オフセット中間本体部分は、前記共通のウェハ平面、前記第1のオフセット端子平面、及び前記第2のオフセット端子平面に対してほぼ垂直である、請求項4に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記プラグ端子アレイ及び前記レセプタクル端子アレイの少なくとも一方の複数の端子のうちの少なくとも1つの中間本体部分は、前記共通のウェハ平面、前記第1のオフセット端子平面、及び前記第2のオフセット端子平面にほぼ平行な平坦な中間本体部分を含む、請求項9に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記プラグ端子アレイの第1の複数の取り付け端部に関連付けられた前記複数の端子は、第1のプラグウェハに含まれ、前記プラグ端子アレイの第2の複数の取り付け端部に関連付けられた前記複数の端子は、第2のプラグウェハに含まれる、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、互いに平行にシフト(オフセット)されている、請求項11に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハはそれぞれ、前記第1の複数の取り付け端部に関連付けられた複数の端子及び前記第2の複数の取り付け端部に関連付けられた複数の端子の各々の周りに配置された端子支持成形体を含む、請求項12に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、同一かつ雌雄同体であり、相互に接続する、請求項13に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記レセプタクル端子アレイの複数の端子は、単一のレセプタクルウェハ内に配置されている、請求項14に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記プラグ端子アレイ内の複数の端子の嵌合端部は、前記レセプタクル端子アレイ内の複数の端子の嵌合端部との摺動導電接触のための曲がった端部として形成されている、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記レセプタクル端子アレイ内の複数の端子の嵌合端部は、前記プラグ端子アレイ内の複数の端子の嵌合端部との摺動導電接触のための傾斜した摺動部として形成されている、請求項16に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記プラグ端子アレイ内の複数の端子及び前記レセプタクル端子アレイ内の複数の端子はそれぞれ、信号端子及び接地端子を含み、前記信号端子は差動対に配列され、接地端子が各差動対の間に配置されている、請求項17に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項19】
各差動対に対応する前記接地端子の嵌合端部は接地ブリッジによって導電接続されている、請求項18に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項20】
前記レセプタクル端子アレイ内の接地端子の終端部は全て、接地レールによって導電接続されている、請求項19に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項21】
電気コネクタ用の端子ウェハであって、
嵌合端部と、取り付け端部と、前記嵌合端部と前記取り付け端部とを接続する平坦な中間本体部分とを有する複数の端子を含む導電性の端子アレイであって、前記平坦な中間本体部分は全て、共通のアレイ平面と同一平面上に位置合わせされ、前記複数の端子は複数の端子群に配列され、各端子群は1つ以上の端子を含む、導電性の端子アレイと、
該端子アレイの周りに配置され、該端子アレイを支持する非導電性材料の端子支持成形体であって、該端子支持成形体は、第1の側方ウェハ端部と第2の側方ウェハ端部との間に延在するウェハスパインを含み、該ウェハスパインは、前記複数の端子の平坦な中間本体部分の表面に隣接して延在し、前記端子支持成形体は複数の保持バーを更に含み、各保持バーは、前記平坦な中間本体部分の反対側の表面に隣接する端子群の周りに延在する、端子支持成形体と、
を備える、端子ウェハ。
【請求項22】
前記保持バーは、前記端子ウェハの基板への取り付け時に、前記複数の端子の取り付け端部から前記嵌合端部へのはんだ上がりを阻止するように構成されている、請求項21に記載の端子ウェハ。
【請求項23】
各保持バーは、第1のバー端部と、第2のバー端部と、前記第1のバー端部と前記第2のバー端部との間に延びる棒状のバー本体とを含む、請求項22に記載の端子ウェハ。
【請求項24】
前記第1のバー端部及び前記第2のバー端部は前記ウェハスパインに一体に接合されている、請求項23に記載の端子ウェハ。
【請求項25】
前記第1のバー端部及び前記第2のバー端部は、前記バー本体を前記取り付け端部に向かって、かつ前記複数の端子の嵌合端部から離れるように導く、請求項24に記載の端子ウェハ。
【請求項26】
前記複数の端子の嵌合端部は前記保持バーの上方に延在する、請求項25に記載の端子ウェハ。
【請求項27】
前記複数の端子の嵌合端部は、前記平坦な中間本体部分に対してある角度で配置された曲がった端部として形成されている、請求項26に記載の端子ウェハ。
【請求項28】
前記複数の端子の取り付け端部は前記保持バーの下方に延在する、請求項27に記載の端子ウェハ。
【請求項29】
前記複数の端子の取り付け端部は、前記複数の端子の各々の平坦な中間本体部分に対して実質的に垂直に配置されている、請求項28に記載の端子ウェハ。
【請求項30】
前記複数の端子の取り付け端部は、表面取り付けテールとして構成されている、請求項29に記載の端子ウェハ。
【請求項31】
前記複数の端子は、複数の信号端子及び複数の接地端子を含み、前記複数の端子群はそれぞれ、少なくとも1つの信号端子及び少なくとも1つの接地端子を含む、請求項30に記載の端子ウェハ。
【請求項32】
前記複数の信号端子は差動対に配列され、接地端子が各差動対の間に配置されている、請求項31に記載の端子ウェハ。
【請求項33】
前記複数の端子群はそれぞれ、信号端子の差動対と第1及び第2の接地端子とを含む、請求項32に記載の端子ウェハ。
【請求項34】
各端子群の第1及び第2の接地端子の嵌合端部は、接地ブリッジによって導電接続されている、請求項33に記載の端子ウェハ。
【請求項35】
前記端子支持成形体が複数の凹部を含み、各凹部内に端子群が配置されている、請求項1に記載の端子ウェハ。
【請求項36】
前記端子支持成形体は、前記ウェハスパインから突出する複数の成形体ブロックを含み、該複数の成形体ブロックは前記複数の凹部を画成する、請求項35に記載の端子ウェハ。
【請求項37】
該端子ウェハは雌雄同体であり、同一の端子ウェハと相互接続するように構成されている、請求項36に記載の端子ウェハ。
【請求項38】
前記端子支持成形体は、前記ウェハスパインから突出する複数のペグと、前記ウェハスパイン内に配置された複数のペグ開口部とを含み、各ペグ開口部は各ペグを受け入れるように構成されている、請求項37に記載の端子ウェハ。
【請求項39】
前記ペグ及び前記ペグ開口部は、前記第1の側方ウェハ端部と前記第2の側方ウェハ端部との間で前記ウェハスパインに沿って交互に配置されている、請求項38に記載の端子ウェハ。
【請求項40】
前記端子支持成形体は前記端子アレイ上にオーバーモールドされている、請求項39に記載の端子ウェハ。
【請求項41】
電気コネクタアセンブリであって、
平坦な基板に取り付け可能なプラグコネクタであって、該プラグコネクタは、プラグ絶縁体ハウジングと、複数の端子を有する第1のプラグ端子アレイを有する第1のプラグウェハと、複数の端子を有する第2のプラグ端子アレイを有する第2のプラグウェハとを含み、前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、前記第1の端子アレイが第1のインライン端子列に位置合わせされ、前記第2のプラグ端子アレイが第2のインライン端子列に位置合わせされ、前記第1のインライン端子列と前記第2のインライン端子列とが互いに平行に離間するように配列されている、プラグコネクタと、
該プラグコネクタに嵌合可能なレセプタクルコネクタであって、該レセプタクルコネクタは、レセプタクル絶縁体ハウジングと、複数の端子を有するレセプタクル端子アレイを有するレセプタクルウェハとを含み、各端子は、嵌合端部と、終端部と、前記嵌合端部と前記終端部とを接続するオフセット中間本体部分とを含み、前記レセプタクル端子アレイは、前記複数の端子の終端部が共通のウェハ平面内に位置合わせされ、前記複数の端子のうちの第1の端子群の嵌合端部が第1のオフセット嵌合平面内に位置合わせされ、前記複数の端子のうちの第2の端子群の嵌合端部が第2のオフセット嵌合平面内に位置合わせされるように配列されている、レセプタクルコネクタと、
を備え、
前記第1のオフセット嵌合平面内の第1の端子群の嵌合端部は、前記第1のプラグウェハの複数の端子と位置合わせされて導電接触し、前記第2のオフセット嵌合平面内の第2の端子群の嵌合端部は、前記第2のプラグウェハの複数の端子と位置合わせされて導電接触する、
電気コネクタアセンブリ。
【請求項42】
前記第1のオフセット嵌合平面と前記第2のオフセット嵌合平面とは平行に離間している、請求項41に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項43】
前記共通のウェハ平面は、前記第1のオフセット嵌合平面及び前記第2のオフセット嵌合平面と平行であり、前記第1のオフセット嵌合平面と前記第2のオフセット嵌合平面との間にある、請求項42に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項44】
前記共通のウェハ平面、前記第1のオフセット嵌合平面、及び前記第2のオフセット嵌合平面は、前記平坦な基板に対してほぼ垂直である、請求項43に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項45】
前記第1の端子群及び前記第2の端子群の端子の前記オフセット中間本体部分は、共通のアレイ平面並びに前記第1及び第2のオフセット嵌合平面に対してほぼ垂直である、請求項44に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項46】
前記レセプタクルウェハの第1の端子群は、少なくとも1つの端子を含む複数の第1の端子サブグループを含み、前記レセプタクルウェハの第2の端子群は、少なくとも1つの端子を含む複数の第2の端子サブグループを含む、請求項45に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項47】
前記レセプタクルウェハの第1の端子群と前記レセプタクルウェハの第2の端子群とは互いにシフト(オフセット)されている、請求項46に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項48】
前記第1の端子サブグループの大部分と前記第2の端子サブグループの大部分とは互いに交互に介在している、請求項47に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項49】
前記複数の第1の端子サブグループはピッチ距離だけ離間し、
前記複数の第2の端子サブグループはピッチ距離だけ離間している、
請求項48に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項50】
前記レセプタクルウェハの第1の端子群と前記レセプタクルウェハの第2の端子群とは前記ピッチ距離の半分だけ互いにシフト(オフセット)されている、請求項49に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項51】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、互いにシフト(オフセット)されている、請求項50に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項52】
前記第1のプラグウェハの第1の端子アレイ内の複数の端子は、複数の第1の端子群に配列され、
前記第2のプラグウェハの第2の端子アレイ内の複数の端子は、複数の第2の端子群に配列されている、
請求項51に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項53】
前記第1のプラグウェハの第1の端子群の大部分と前記第2のプラグウェハの第2の端子群の大部分とは互いに交互に介在している、請求項52に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項54】
前記第1のプラグウェハの複数の第1の端子群は、ピッチ距離だけ離間し、
前記第2のプラグウェハの複数の第2の端子群は、前記ピッチ距離だけ離間している、
請求項53に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項55】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、ピッチ距離の半分だけシフト(オフセット)されている、請求項54に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項56】
前記第1のプラグウェハ及び前記第2のプラグウェハは、雌雄同体であり、相互に接続するように構成されている、請求項55に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項57】
前記第1のオフセット嵌合平面に関連付けられた前記複数の第1の端子サブグループは、前記第1のプラグウェハの複数の端子群と導電接触し、
前記第2のオフセット嵌合平面に関連付けられた前記複数の第2の端子サブグループは、前記第2のプラグウェハの複数の端子群と導電接触する、
請求項56に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項58】
前記レセプタクルウェハの複数の端子は、複数の信号端子及び複数の接地端子を含み、前記複数の第1の端子サブグループの各々及び前記複数の第2の端子サブグループの各々は、少なくとも1つの信号端子及び少なくとも1つの接地端子を含む、請求項48に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項59】
前記複数の信号端子は差動対に配列され、接地端子が各差動対の間に配置されている、請求項58に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項60】
前記複数の第1の端子サブグループの各々は、信号端子の差動対と第1及び第2の接地端子とを含み、
前記複数の第2の端子サブグループの各々は、信号端子の差動対と第1及び第2の接地端子とを含む、
請求項59に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項61】
前記接地端子のうちの1つ以上が二股に分かれており、二股に分かれたオフセット中間本体部分と、二股に分かれた嵌合端部とを含む、請求項60に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項62】
前記二股に分かれた接地端子は、前記第1のオフセット嵌合平面と位置合わせされた二股に分かれた嵌合端部と、前記第2のオフセット嵌合平面と位置合わせされた二股に分かれた嵌合端部とを有する、請求項61に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項63】
前記第1のプラグウェハの複数の端子は、差動対に配列された複数の信号端子と、信号端子の各差動対の間に接地端子が配置された複数の接地端子とを含み、
前記第2のプラグウェハの複数の端子は、差動対に配列された複数の信号端子と、信号端子の各差動対の間に接地端子が配置された複数の接地端子とを含む、
請求項62に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項64】
前記レセプタクルウェハの二股に分かれた接地端子が、前記第1のプラグウェハの接地端子に導電接触し、前記第2のプラグウェハの接地端子に導電接触する、請求項63に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項65】
前記レセプタクル端子アレイ内の複数の端子は、複数の信号端子及び複数の接地端子を含む、請求項41に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項66】
前記レセプタクルウェハは、
前記レセプタクル端子アレイの周りに配置された非導電性材料の端子支持成形体であって、複数の成形体開口部を含む、端子支持成形体と、
該端子支持成形体に隣接して配置された導電性の接地シールドであって、該導電性の接地シールドから突出して前記成形体開口部を横断し、前記レセプタクル端子アレイの接地端子と機械的かつ電気的に相互接続する複数の接地突起を含む、導電性の接地シールドと、
を含む、請求項65に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項67】
前記レセプタクル端子アレイの複数の接地端子はそれぞれ、前記接地シールドの複数の接地突起の各々1つを受け入れるための接地開口部を含む、請求項66に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項68】
前記接地突起及び前記接地開口部は、非相補的であり、該接地開口部への挿入時に前記接地突起を歪ませるように構成されている、請求項67に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項69】
前記接地突起は、前記共通のウェハ平面に対して垂直である、請求項68に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項70】
前記接地突起は、突起プレートから打ち抜かれた、該突起プレートと一体の接地タブである、請求項69に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項71】
前記接地シールドは、前記突起プレートと前記端子支持成形体との間に中間プレートを含み、該中間プレートは導電性材料で作製され、前記突起プレートよりも厚い、請求項70に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項72】
前記中間プレートは、前記複数の接地突起を受け入れるために前記中間プレートに設けられた複数のスロットを含む、請求項71に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項73】
前記コネクタアセンブリを前記平坦な基板に取り付けるために、前記プラグ絶縁体ハウジング及び前記レセプタクル絶縁体ハウジングに設けられた位置合わせされた爪開口部を通して挿入可能な取り付け爪を更に備える、請求項41に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項74】
前記位置合わせされた爪開口部内に位置する片持ち支持されたラッチアームを有する爪ラッチを更に備え、前記片持ち支持されたラッチアームは、前記取り付け爪の挿入時に撓むように構成されている、請求項73に記載の電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/925,243号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、電気コネクタに関し、より具体的には、高データレート用途での使用に適した入出力コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
入出力(IO)コネクタを、基板対基板システム、電線対電線システム、及び電線対基板システムを含む様々なシステム用に設計することができる。電線対基板システムは、電線に取り付けられる自由端コネクタと、基板に取り付けられる固定端コネクタとを含む。要件とコネクタの使用が意図される環境とに応じて、システムの種類ごとに様々な適切な設計が存在する。
【0004】
しかしながら、データレートが高く、物理的スペースが限られている用途では、多くの要件が競合するためにコネクタ設計がより困難となる。高データレート(25Gbps以上のデータレート)では、典型的には、差動信号を送信するために、2つの導体が対になって電気的に結合され、物理的に配列された差動結合信号対が使用される。送信される信号は、導体対の間で測定された電気差によって具現化される。差動信号伝送は、スプリアス信号及び電子クロストークに対する耐性の向上に役立ち、好ましくは、隣り合う別様に結合された信号対による意図しない信号伝送モードの生成を回避するのに十分な間隔を維持する。コネクタインターフェースでは、電気的接地へのリターンパスを形成すると共に差動対間を遮蔽するために、接地端子を追加することができる。しかしながら、スペースが問題である場合には、コネクタのピッチを縮小し、全ての端子を互いに近づけることが望ましい(但し、クロストークが増加する傾向がある)。
【0005】
したがって、電気コネクタは、典型的には、機械的要件及び電気的要件の両方を満たすように設計される。高速又は高データレートの電気コネクタは、例えば、非常に高い導体密度及び高いデータレートを必要とするバックプレーン用途で使用されることが多い。そのようなコネクタには、多くの場合、所望の機械的要件及び電気的要件を達成するために、複数の導電性の端子を支持する絶縁ウェブを有する複数のウェハアセンブリが組み込まれている。所望の高データレートを達成可能であると同時に、所望の組立プロセスを支持できる程度に十分に堅牢な構造を構築するためには、多くの場合、ウェハアセンブリを使用することが望ましい。しかしながら、高いデータレートが望まれるが物理的スペースが狭小である場合、ウェハは、データ伝送のための適切な電気的特性を維持しながら、コネクタの物理的フットプリントを最小限に抑えるように構成されなければならない。加えて、コネクタは、複数の基板が密接な間隔の構成で平行に配列されていることにより、コネクタが基板の表面から突出し得る垂直距離を制限するメザニン型の配列で使用されてもよい。本開示は、このような状況で使用するための電気コネクタに関する。
【0006】
前述の背景技術の説明は、読者を補助することのみを意図している。前述の説明は、本明細書に記載された技術革新を限定することも、議論された従来技術を限定又は拡張することも意図していない。したがって、前述の説明は、先行システムの任意の特定の要素が本明細書に記載の技術革新と共に使用するのに適していないことを示すものと解釈されるべきではなく、任意の要素が本明細書に記載の技術革新を実施するのに不可欠であることを示すものでもない。本明細書に記載された技術革新の実施及び適用は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、プリント回路基板及び複数のケーブルなどの2つの基板を電気的に相互接続するための電気コネクタアセンブリを記載する。電気コネクタアセンブリは、レセプタクルコネクタに嵌合可能なプラグコネクタを含むことができる。プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタのそれぞれの中に、非導電性の端子支持成形体内に部分的に配置可能な導電性の端子アレイを有する少なくとも1つの端子ウェハを収容することができる。端子アレイは、両端部が他のコネクタ内の対応する端子又は基板若しくはケーブルに嵌合するか又は取り付けられるように構成されている、細長い形状であってもよい複数の端子を含む。端子の両端部は、中間本体部分によって接続されてもよい。様々な実施形態では、端子ウェハの複数の端子は、データ信号を伝送するための信号端子と、電気的リターンパスを遮蔽及び/又は形成するための接地端子とを含むことができる。
【0008】
一態様において、プラグコネクタは、プラグコネクタの取り付け面上に露出する第1のインライン端子列及び第2のインライン端子列を含んでもよい。レセプタクルウェハ内の端子は、ケーブルを終端させる、共通のウェハ平面内に位置合わせされた終端部を含むことができる。レセプタクルウェハ及びプラグウェハの少なくとも一方の中間本体部分は、各端子の一部分を第1のオフセット端子平面及び第2のオフセット端子平面内に位置合わせするオフセット中間本体部分である。オフセット端子平面は、レセプタクルコネクタの共通のウェハ平面からプラグコネクタの第1及び第2のインライン端子列までの導電性チャネルを形成する。
【0009】
別の一態様では、端子ウェハは、複数の端子の各々が嵌合端部、取り付け端部、及び嵌合端部と取り付け端部とを接続する平坦な中間本体を有する端子アレイを含むことができる。端子は、各々が少なくとも1つの端子を含む複数の端子群に更に配列されてもよい。端子支持成形体は、端子アレイの周りに部分的に配置されて端子を支持することができる。端子支持成形体は、端子アレイの平坦な中間本体の表面に隣接するウェハスパインを含むことができる。端子支持成形体はまた、平坦な中間本体の反対側の表面上の端子群の周りに延在して端子アレイを支持する保持バーを含むことができる。
【0010】
本開示の上記の特徴及び利点等は、以下の詳細な説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、例として示されており、添付の図面に限定されない。添付の図面において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0012】
【
図1】本開示による、基板に取り付けられたプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを含むコネクタシステムの斜視図である。
【
図2】コネクタを基板上に位置決めするための取り付け爪を示す、取り付けられていない状態の
図1のコネクタシステムの斜視図である。
【
図3】レセプタクルコネクタ内に収容されたプラグコネクタと、第1及び第2のインライン端子列に配列された複数の露出した端子テールとを示す、コネクタシステムの底面からの斜視図である。
【
図4】嵌合していない状態のプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを示す、
図1のコネクタシステムの分解図である。
【
図5】第1及び第2の端子ウェハから組み立てられた端子サブアセンブリを保持するプラグ絶縁体ハウジングを示す、プラグコネクタの上部からの斜視図である。
【
図6】プラグ絶縁体ハウジング内に保持された状態の端子サブアセンブリを示す、プラグコネクタの底部からの斜視図である。
【
図7】プラグ絶縁体ハウジングから取り外された端子サブアセンブリを示す、プラグコネクタの上部からの斜視組立図である。
【
図8】プラグ絶縁体ハウジングから取り外された端子サブアセンブリを示す、プラグコネクタの底部からの斜視組立図である。
【
図9】2つの同一の相互接続された雌雄同体の端子ウェハによって形成された端子サブアセンブリの上方からの斜視図である。
【
図10】互いから分離された2つの雌雄同体の端子ウェハを示す、端子サブアセンブリの上方からの斜視図である。
【
図11】端子支持成形体内に保持された導電性の端子アレイを示す、端子ウェハの正面からの斜視図である。
【
図12】端子支持成形体上の雌雄同体の接続機構を示す、端子ウェハの背面からの斜視図である。
【
図13】端子群に配列された複数の信号端子及び複数の接地端子を含む端子ウェハの端子アレイの斜視図である。
【
図14】信号端子及び接地端子が端子群に配列され、各端子群が保持バーによって端子支持成形体に保持されている端子ウェハの詳細図である。
【
図15】複数のケーブルが終端する端子サブアセンブリを収容する、組み立てられていない下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素を示す、
図1のレセプタクルコネクタの上方からの正面斜視図である。
【
図16】端子サブアセンブリを収容する、組み立てられていない下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素を示す、レセプタクルコネクタの上方からの背面斜視図である。
【
図17】端子サブアセンブリを収容する下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素を示す、レセプタクルコネクタの側面組立図である。
【
図18】端子支持成形体内に部分的に埋め込まれた端子アレイを示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの正面からの斜視図である。
【
図19】レセプタクルコネクタの端子ウェハに隣接して取り付けられた導電性の接地シールドを示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの背面からの斜視図である。
【
図20】レセプタクルコネクタの端子ウェハに対する導電性の接地シールドを示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの正面からの斜視組立図である。
【
図21】レセプタクルコネクタの端子ウェハに対する導電性の接地シールドを示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの背面からの斜視組立図である。
【
図22】複数の信号端子及び接地端子を示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの端子アレイの正面からの斜視図である。
【
図23】端子アレイに終端されたケーブルを示す、レセプタクルコネクタの端子ウェハの斜視図である。
【
図24】コネクタシステムを完成させるために互いに嵌合される、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの断面の下方からの斜視図である。
【
図25】コネクタシステムを完成させるために互いに嵌合される、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの断面の上方からの斜視図である。
【
図26】取り付け爪と爪ラッチとの相互作用を示す、コネクタアセンブリの斜視組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図4を参照すると、電線対基板コネクタアセンブリ100が示されている。コネクタアセンブリ100は、レセプタクルコネクタ104内に使い捨て可能なプラグコネクタ102を含む。プラグコネクタ102は、基板106上に取り付けられるように構成され、レセプタクルコネクタ104は、複数の導電性ケーブル108に終端するように構成されている。プラグコネクタ102は、レセプタクルコネクタ104に嵌合して、基板106と複数の導電性ケーブル108との間の電気的連通を確立することができる。参照を目的として、コネクタアセンブリ100は、直交x-y-z座標系に対して空間的に配列されてもよく、直交x-y-z座標系では、基板106に垂直なプラグコネクタ102とレセプタクルコネクタ104との積層方向は、垂直方向又はz軸方向と呼ばれてもよく、コネクタアセンブリ100の幅は、横方向又はx軸方向と呼ばれてもよく、横方向に垂直な方向は、前後方向又はy軸方向であってもよい。前後方向又はy軸方向に応じて、複数のケーブル108は、コネクタアセンブリ100の後側又は表面から延在すると考えることができ、反対側又は表面は、コネクタアセンブリ100の正面又は前方方向と考えることができる。しかしながら、相対的な座標及び方向への参照は、参照のみを目的としたものであり、特許請求の範囲に対する限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。プラグコネクタ102は、基板106の表面に対して隣接して配置されてもよく、レセプタクルコネクタ104は、ケーブル108が、基板に対して平行であり、かつプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタ102、104の垂直(z軸)方向に対してほぼ垂直である前後(y軸)方向に向けられるように配置され得る。したがって、コネクタアセンブリ100は、直交又は直角の構成を有する。更に、コネクタアセンブリ100が間隔を考慮した薄型に維持されるように、プラグコネクタ102及びレセプタクルコネクタ104の垂直高さを最小化することができる。
【0014】
基板106は、基板の取り付け面112上の複数の導電性パッド110に電気的に接続された導電性トレースを有する、プリント回路基板、バックプレーン基板、又はフレキシブル回路などの任意の種類のほぼ平坦な部材であってもよい。
図3に示すように、プラグコネクタ102は、一般に、レセプタクルコネクタ104によって画定されたキャビティ内に封入され、基板106上の導電性パッド110と導電接触することができる、プラグコネクタ102内に配置された複数の導電接点又は端子を含むことができる。図示の例では、端子の露出部分は、第1のインライン端子列114及び平行な第2のインライン端子列116に配列されている。本開示の一態様によれば、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタ102、104は、レセプタクルコネクタ104によって受け入れられた単一列のケーブル108によって形成される導体経路が方向転換されて、平行な第1及び第2のインライン端子列114、116をプラグコネクタ102の取り付け面上に形成するように動作可能に構成されてもよい。複数のケーブル108を単一の平行な列に位置合わせすることにより、コネクタアセンブリ100の垂直高さが制限される一方で、平行な第1及び第2のインライン端子列114、116が形成され、コネクタアセンブリ100が基板106と共に形成することができる通信チャネルの密度が増加する。更に、以下で説明するように、複数の端子をグループ化することができ、第1及び第2のインライン端子列114、116を、インライン端子列の端子群が互いからオフセットされて互い違いになるように配列することができる。コネクタアセンブリ100は、プラグコネクタ102及びレセプタクルコネクタ104が解放可能に嵌合することができ、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタが動作可能に関連付けられる電気部品の組み立て及び交換が容易となるように構成されてもよい。
【0015】
図2~
図4を参照すると、一実施形態では、プラグコネクタ102を基板に位置合わせして固定するために、コネクタアセンブリ100は、1つ以上の取り付け爪120を含むことができる。取り付け爪120は略円筒形状であり、爪ヘッド122と、爪ヘッド122から突出し、爪ヘッドよりも直径の小さい爪プロング124とを含む。爪ヘッド122と爪プロングとは、ヘッド又はプロングのいずれよりも直径の小さい周方向スロット126で接合されてもよい。爪プロング124は、遠位端で先細となっていてもよく、プラグコネクタ102の開口部を通して挿入されて、基板106の取り付け面112に配置された対応する爪開口部129内に受け入れられてもよい。爪プロング124は、はんだ又は接着剤によって爪開口部129内に固着されてもよい。より直径の大きい爪ヘッド122は、プラグコネクタ102の上面に当接し、プラグコネクタを基板106の取り付け面112に隣接して保持する。基板上の爪開口部129及び導電性パッド110の位置は、取り付け爪120がプラグコネクタ102を通って挿入され、爪開口部129内に受け入れられると、第1及び第2のインライン端子列114、116がそれぞれの導電性パッド110と位置合わせされるように、動作可能に配列することができる。
【0016】
図5~
図8を参照すると、プラグコネクタ102は、プラグ絶縁体ハウジング130と、端子サブアセンブリ160とを含む。プラグ絶縁体ハウジング130は、略長方形であり、嵌合面132と、平行であるが対向して離間した取り付け面134とを有する。プラグコネクタ102が基板に取り付けられると、プラグ絶縁体ハウジング130の取り付け面134は基板に隣接し、嵌合面132は基板から離れて突出し、嵌合時にレセプタクルコネクタに面するように配向される。プラグ絶縁体ハウジング130は、一対の離間した、より短い端壁138に一体に接合された一対の離間した細長い側壁136を含み、端壁138は側壁間に延在し、側壁と端壁とは直交するように配置されて、プラグ絶縁体ハウジング130の長方形状を形成する。側壁136及び端壁138は、嵌合面132と取り付け面134とを接合する。取り付け爪を収容するために、1つ以上の爪開口部139を、プラグ絶縁体ハウジング130を貫通して嵌合面132と取り付け面134との間に配置することができる。前方側壁136は、後方側壁136の上方かつ端壁138の上方に垂直に突出して、垂直プラグ壁を画定する。プラグ絶縁体ハウジング130は、成形された熱可塑性樹脂などの任意の適切な非導電性材料から作製することができる。
【0017】
端子サブアセンブリ160を収容するために、複数の端子開口部140が、プラグ絶縁体ハウジング130を貫通して嵌合面132と取り付け面134との間に配置されている。複数の端子開口部140は、前方側壁136に隣接する第1の開口部列142及び、後方側壁136に隣接する第2の開口部列144に位置合わせされている。第1及び第2の開口部列142、144は、第1の開口部列142の端子開口部140が第2の開口部列144の端子開口部140に対して側方に(x軸に対して)オフセットされるように、互いに対してシフトされるか又は互い違いになっている。位置合わせビーム146が、第1及び第2の開口部列142、144の間に側方に延在し、前方側壁136又は後方側壁136に向かって交互に配置された交互オフセット148を含む。オフセット148が交互に配列されていることにより、第1及び第2の開口部列142、144の外観が互い違いとなる。位置合わせビーム146は、各オフセット148から前方側壁及び後方側壁136のうちの近接する側壁に向かって前方又は後方に垂直に延在する複数の支持ビーム150によって、第1及び第2の開口部列142、144の間に支持されている。端子開口部140の形状は、位置合わせビーム146内のオフセット148の交互配列によって、かつ支持ビーム150によって画定され、各端子開口部140は、略長方形の切り欠き152及びノッチ154を含む。長方形の切り欠き152は、前方側壁及び後方側壁136に対して平行に位置合わせされ、一方、ノッチ154は、位置合わせビーム146の交互オフセット148に対して相補的である。
【0018】
図9及び
図10を参照すると、端子サブアセンブリ160は、相互接続可能な第1及び第2のプラグウェハ162、163から形成することができる。一実施形態では、プラグウェハ162、163は、互いにほぼ同一とすることができ、平行な対向関係に位置合わせされると、相互に交換可能に接続可能な雌雄同体の対を形成することができる。したがって、一方のプラグウェハ162の説明は第2のプラグウェハ163の説明となる。プラグウェハ162、163が隣り合って平行に配列されていることにより、プラグコネクタ102の底部に露出された第1及び第2のインライン端子列114、116が形成される。端子サブアセンブリ160は、プラグ絶縁体ハウジング130の位置合わせビーム146の長さにほぼ一致するサブアセンブリ長164を有してもよい。後述するように、一方のプラグウェハ162の端子群が他方のプラグウェハ163の端子群に対して互い違いとなるように、端子群を配列してもよい。
【0019】
図9~
図12を参照すると、プラグウェハ162、163はそれぞれ、非導電性の端子支持成形体172内に部分的に配置され、非導電性の端子支持成形体172によって支持された導電性の端子アレイ170を含むことができる。一実施形態では、端子アレイ170は、データ信号を伝送するための複数のデータ信号端子174と、複数の接地端子176とを含むことができる。信号端子174及び接地端子176を、これらの端子の垂直な延在部が共通のアレイ平面178内に位置合わせされるように、並列な構成に配列してもよい。一実施形態では、差動信号伝送のために、信号端子174を、隣り合う接地端子176間に配置された差動信号対として配列することができる。信号端子174の各対は、互いに電気的に結合することができ、差動信号の一部を伝送することができる。しかしながら、信号端子及び接地端子174、176の他の構成又はパターンも企図される。端子アレイ170は、信号端子及び接地端子174、176を、端子支持成形体172内に嵌め込まれるか又は嵌合される三次元形状に型抜きすることにより、平坦な板金から型抜きして形成することができる。
【0020】
端子支持成形体172から取り外された端子アレイ170を示す
図13を参照すると、各信号端子174は、嵌合端部180と、取り付け端部182と、嵌合端部180と取り付け端部182との間に延在する中間本体部分184とを含むことができる。図示の実施形態では、中間本体部分184は、平坦であってもよく、端子アレイ170の共通のアレイ平面178と同一平面上にあって共通のアレイ平面178を部分的に画成してもよい。嵌合端部180は、レセプタクルコネクタ内の対応する信号端子に対して摺動して導電接触するように意図されており、したがって、対応する端子を案内して対応する端子との衝突を防止するための曲がった端部として形成される。嵌合端部180の曲がった端部は、例えば、平坦な中間本体部分184及び共通のアレイ平面178に対して約30°の角度でオフセットされてもよい。基板上の導電性パッドに当接するために、取り付け端部182は、平坦な中間本体部分184に対してほぼ垂直な、嵌合端部180の曲がった端部とは反対方向に突出する表面取り付けテールとして形成される。端子アレイ170が板金から型抜きされて形成される実施形態では、信号端子174は、略長方形の断面を有することができる。
【0021】
各接地端子176は、嵌合端部190と、取り付け端部192と、嵌合端部190と取り付け端部192との間に延在する中間本体部分194とを含むことができる。図示の実施形態では、中間本体部分194は、平坦であってもよく、端子アレイ170の共通のアレイ平面178と同一平面上にあり、かつこれを部分的に画成してもよい。嵌合端部180は、レセプタクルコネクタからの対応する接地端子に対して摺動して導電接触するように意図されており、したがって、対応する端子を案内して対応する端子との衝突を防止するための曲がった端部として形成することができる。一実施形態では、隣り合う接地端子176の対の嵌合端部190は、部分的に曲がった端部を形成する導電性の接地ブリッジ196によって接続することができる。接地ブリッジ196は、嵌合端部190と一体であってもよく、接地端子176の残りの部分と同じ導電性材料から作製することができる。信号端子174が差動対として配列されている実施形態では、接地ブリッジ196は、信号端子174の差動対の嵌合端部180の上方に、嵌合端部180にわたって側方に(横方向又はx軸方向に)延在することができる。基板上の導電性パッドに当接するために、各接地端子176の取り付け端部192は、平坦な中間本体部分194に対してほぼ垂直な、嵌合端部190の曲がった端部とは反対方向に突出する表面取り付けテールとして形成される。端子アレイ170が板金から型抜きされて形成される実施形態では、接地端子176は、略長方形の断面を有することができる。
【0022】
一実施形態では、端子支持成形体内への接地端子176の保持を補助するために、各接地端子は、接地端子176の平坦な中間本体部分194から側方に(横方向又はx軸方向に)突出する保持ウィング198を含むことができる。保持ウィング178は、平坦な中間本体部分194とほぼ同一平面上にあってもよい。接地端子176が接地ブリッジ196によって対をなして接続されている実施形態では、各接地端子176の保持ウィング198は、平坦な中間本体部分194から接地ブリッジ196とは反対の横方向に、接続されている接地端子から側方に離れて延びてもよい。保持ウィング198は各々、複数の接地端子176を端子支持成形体内に更に固定するために、ウィングの上縁部に沿って形成され、ウィングの上縁部から突出する側方隆起部199を含むことができる。
図13に示すように、複数の接地端子176が端子アレイ170に配列されると、並列な接地端子176の側方に延びる保持ウィング198は、相互に当接して導電接触することができる。
【0023】
図示の実施形態では、端子アレイ170の信号端子及び接地端子174、176は、各々が少なくとも1つの信号端子174及び1つの接地端子176を含む複数の端子群200に配列されてもよい。差動信号伝送実施形態では、各端子群200は、信号端子174の差動対と、信号端子の両側に配置された接地端子176の対応する対とを含むことができ、これらの接地端子は接地ブリッジ196によって接合されている。更に、端子群200は、端子アレイ170内で均一なピッチ距離202だけ相互に横方向に離間していてもよい。ピッチ距離202は、端子群200の横幅と端子群間の横方向の距離とが等しくなるような距離であってもよい。ピッチ距離202は、隣り合う端子群200の横方向中心点の間などの任意の適切な点から測定することができる。任意の適切な数の端子群200が含まれてもよく、複数の端子群200を端子アレイ170の長さに沿って横方向に離間させることができる。
【0024】
図11及び
図12を参照すると、信号端子及び接地端子174、176の間の横方向の配列及び間隔を保持及び維持するために、端子支持成形体172は、端子アレイ170を部分的に包囲することができる。端子支持成形体172は、細長い構造とすることができ、第1の側方ウェハ端部212と第2の側方ウェハ端部214との間に延在する側方ウェハスパイン210を含む。ウェハスパイン210は、プラグウェハ162、163の横方向寸法と同延であることが理解されよう。ウェハスパイン210は、第1の側方ウェハ端部及び第2の側方ウェハ端部212、214の間に延在する第1の側面又は前方側面216及び第2の側面又は後方側面218を含むことができる。端子アレイ170は、ウェハスパイン210の前方側面216に隣接して配置することができ、一実施形態では、信号端子174の平坦な中間本体部分184及び接地端子176の平坦な中間本体部分194は、ウェハスパイン210の材料内に部分的に埋め込まれてもよい。信号端子及び接地端子174、176の平坦な中間本体部分184、194がウェハスパイン210内に保持された状態で、嵌合端部180、190が端子支持成形体172の上方に突出してもよく、取り付け端部182、192が端子支持成形体172の下方に突出してもよい。端子支持成形体172は、型抜きされて形成された端子アレイ170の周りに適切な製造プロセスによってインサート成形又はオーバーモールドされる、非導電性の熱可塑性材料から作製することができる。
【0025】
信号端子及び接地端子174、176が端子群200に配列される実施形態では、端子支持成形体172は、個々の端子群200を収容するための複数の成形体切り欠き又は成形体凹部220を含むことができる。成形体凹部220は、第1及び第2の側方ウェハ端部212、214の間でウェハスパイン210の長さに沿って側方に(横方向又はx軸方向に)離間していてもよい。成形体凹部220は、ウェハスパイン200の前方側面216から垂直に前方に(前後方向又はy軸方向に)突出し、長方形のブロック状の形状を有することができる成形体ブロック222によって画成されてもよい。したがって、成形体ブロック222は、端子群200がウェハスパイン210上に離間して支持されるように、各成形体凹部220の両側に配置されている。
【0026】
図14を参照すると、本開示の一態様では、端子アレイ170の信号端子及び接地端子174、176を端子支持成形体172に更に固定するために、成形体凹部220内に位置する端子群200の各々の周りに延在する複数の保持バー230が含まれてもよい。保持バー230は、各成形体凹部220内のウェハスパイン210の前方側面216上に配置された薄く細長い棒状の構造とすることができる。保持バー230は、ウェハスパイン210に一体に接合された第1のバー端部232及び第2のバー端部234と、第1及び第2のバー端部232、234の間に延びる棒状のバー本体236とを含むことができる。棒状のバー236の断面及び厚さは、バー236が接合されるウェハスパイン210よりも薄くすることができる。バー本体236が端子群の各信号端子及び接地端子174、176の平坦な中間本体部分184、194にわたって側方に延在するように、第1のバー端部222を端子群200の第1の接地端子176に隣接してウェハスパイン210に接合することができ、第2のバー端部234を端子群200の第2の接地端子176に隣接してウェハスパイン210に接合することができる。一実施形態では、バー本体236が信号端子及び接地端子174、176の取り付け端部182、192に向かって配置されるように、第1及び第2のバー端部232、234を下方に向けてもよい。これにより、信号端子及び接地端子174、176の平坦な中間本体部分184、194は、ウェハスパイン210の前方側面216と保持バー230との間に挟まれるか、又は固定される。一実施形態では、保持バー230は、端子支持成形体172と同じオーバーモールドプロセスによって製造することができ、同じ非導電性材料から作製することができる。
【0027】
保持バー230は、端子支持成形体172への信号端子及び接地端子174、176の保持を補助することに加えて、基板へのプラグウェハ162、163のはんだ付けを容易にすることもできる。特に、プラグウェハ162、163の垂直高さが低いために、表面取り付けテールとして構成された信号端子及び接地端子174、176の取り付け端部182、192は、平坦な中間本体部分184、194及び嵌合端部180、190に垂直に近接している。はんだ付けプロセスの間、溶融したはんだが信号端子及び接地端子174、176の平坦な中間本体部分184、194を嵌合端部180、190に向かって吸い上げる傾向があり、この場合、はんだがレセプタクルコネクタへの嵌合インターフェースと干渉して、例えば、嵌合したコネクタを互いに不可逆的に結合させてしまうおそれがある。保持バー230を信号端子及び接地端子174、176の平坦な中間本体部分184、194にわたって延在させることによって、取り付け端部182、192からのはんだの毛管流を遮断することができる。
【0028】
図9~
図12に示すように、また上述したように、プラグウェハ162、163は雌雄同体であってもよく、端子サブアセンブリ160を組み立てるために互いに対となって係合するように構成されてもよい。雌雄同体の構成を形成するために、端子支持成形体172は、互いに同一とすることができ、ウェハスパイン210の後面218に沿って形成された相補的な雌雄同体の接続構造240を含むことができる。雌雄同体の接続構造240は、ウェハスパイン210の後面218から垂直に延在する複数の柱又はペグ242を含むことができる。ペグ242は、短い円筒形の突出部として形成することができ、ウェハスパイン210の横方向長さ(x軸)に沿って各々から離間している。雌雄同体の接続構造240はまた、ペグ242と形状及び数が相補的であり、ウェハスパイン210の長さに沿って横方向に離間している、ウェハスパイン210の後面218内に垂直に配置された複数のペグ開口部244を含むことができる。ペグ242とペグ開口部244との間の横方向の間隔は、2つの同一のプラグウェハ162、163が、相互に隣り合うウェハスパイン210の後面218と対向する平行な関係で対称的に配置されると、複数のペグ242をそれぞれの複数のペグ開口部244内に受け入れることができるような間隔であってもよい。一対のプラグウェハ162、163が互いに係合又は圧入されて端子サブアセンブリ160を形成する実施形態では、ペグ242及びペグ開口部244は、互いに摩擦嵌合を形成するような大きさとすることができる。
【0029】
一実施形態では、端子サブアセンブリ160が組み立てられると、第1及び第2のプラグウェハ162、163は、絶縁体プラグハウジング130の端子開口部140の互い違いの構成を補完するために、互いに対して横方向にシフト又はオフセットされてもよい。例えば、
図9~
図12を参照すると、信号端子及び接地端子174、176が端子群200に配列され、端子群がピッチ距離202だけ離間している場合、第1のプラグウェハ162、163及び第2のプラグウェハ162は、第1のプラグウェハの端子群200が第2のプラグウェハ163の端子群200と横方向に位置合わせされないようにシフトされてもよい。むしろ、第1のプラグウェハ162の端子群200の大部分は、第2のプラグウェハ163の2つの隣り合う端子群200間に交互に介在し、逆もまた同様である。第1及び第2のプラグウェハの側端部にある端子群には、隣り合う介在端子群が存在しない。第1及び第2のプラグウェハ162、163の端子群200間の互い違いの介在関係は、接続されたプラグウェハをピッチ距離202の約半分だけシフトさせることから生じてもよい。雌雄同体の接続構造240のペグ242及びペグ開口部244は、オフセットをもたらすように動作可能に配列することができる。プラグウェハ162、163をシフトさせた結果として、第1及び第2の側方ウェハ端部212、214が同延に位置合わせされず、横方向(x軸方向)に離間される場合もある。
図5~
図8を参照すると、端子サブアセンブリ160がプラグ絶縁体ハウジング130へと組み立てられると、オフセットされたプラグウェハ162、163の端子群200は、第1及び第2の開口部列142、144に関連付けられたオフセットされた端子開口部140と位置合わせされ、これらの中に収容され得る。信号端子及び接地端子174、176の取り付け端部は、
図3に示す第1及び第2の平行なインライン端子列114、116に対応する第1及び第2のプラグウェハ162、163から下方に(垂直z軸方向に)突出することを理解されたい。
【0030】
図15~
図17を参照すると、レセプタクルコネクタ104は、複数のケーブル108を受け入れてプラグコネクタと導電接続させるようになっている。レセプタクルコネクタ104は、複数のケーブル108が導電的に終端される端子サブアセンブリ400を収容することができる、成形された熱可塑性樹脂などの非導電性材料で作製されたレセプタクル絶縁体ハウジング300を含むことができる。レセプタクル絶縁体ハウジング300は、垂直(z軸)方向に互いに嵌合して端子サブアセンブリ400を封入することの可能な非導電性材料で同様に作製された下側ハウジング構成要素302及び上側ハウジング構成要素304を含むことができる。一実施形態では、以下に説明するように、取り付け爪と相互作用し、コネクタアセンブリを基板に固定するために、下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304の間に配置された爪ラッチ310がレセプタクル絶縁体ハウジング300に含まれてもよい。爪ラッチ310は、型抜きされた板金から作製することができ、ラッチ支持体314と共に二股状に接合された片持ち支持されたラッチアーム312を含む長方形の細長い構造であってもよく、ラッチ支持体314は、ラッチアーム312の遠位端の周りに同延に延在する同様の細長いアームであってもよい。スロットが、ラッチアーム312とラッチ支持体314との間に配置され、片持ち支持されたラッチアーム312は、ラッチ支持体314に対してばね式に撓むようになっている。
【0031】
下側ハウジング構成要素302は、上側ハウジング構成要素304のフットプリントよりも小さいフットプリント及び形状を有することができ、上側ハウジング構成要素304内に配置された対応するキャビティ内に嵌合するように構成することができる。下側ハウジング構成要素304は、下側の嵌合面320と、対向して配置された上側の組立面322とを含む。下側ハウジング構成要素304は、略長方形であり、側壁326に直交して長方形の形状を画成する2つの平行な細長い側壁326と2つの平行なより短い端壁328とを含むことができる。一実施形態では、プラグコネクタを基板に固定する取り付け爪を収容するために、下側ハウジング構成要素302は、1つ以上の適切に配置された爪開口部329を内部に有することができる。
【0032】
組立面322は、複数のケーブル108と端子サブアセンブリ400に関連付けられた端子とを管理するような形状及び輪郭を有してもよい。複数のケーブル108を受け入れて編成するために、複数のケーブル凹部330が、下側ハウジング構成要素302の後方側壁326に沿って横方向に(x軸方向に)配置されている。複数のケーブル凹部330はそれぞれ、組立面322内に配置されて後方側壁326から内側に垂直に延在する、丸い又は湾曲した凹部であってもよい。ケーブル凹部330の数は、ケーブル108の数に対応してもよい。また、略長方形状であってもよく、嵌合面320の上方に離間したトラフ床334で終端するトラフ332が、組立面322内に配置され、複数のケーブル凹部330の前に延在してもよい。トラフ床334内に、断面が長方形又は正方形であってもよい、横方向に離間した複数の位置合わせ凹部336を、トラフ床334から嵌合面320までにわたって配置することができる。下側ハウジング構成要素302の組立面322の輪郭に対応する隆起した肩部340及び端子プラットフォーム342をトラフ332の前に配置してもよい。隆起した肩部340は、下側ハウジング構成要素302の対向する端壁328間に横方向に延在する平坦な表面であってもよい。
【0033】
端子プラットフォーム342は、同様に、対向する端壁328間に横方向に延在し、端子サブアセンブリ400からの端子を収容するために、下側ハウジング構成要素302を貫通して嵌合面320までにわたって配置された複数の端子スロット344を含むことができる。端子のうちの一方を受け入れるように意図された端子スロット344はそれぞれ、断面が長方形であってもよく、平行な列及び互い違いの群に配列されてもよい。特に、端子スロット344は、前方側壁326に近接する第1のスロット列346と、隆起した肩部340に近接する平行な第2のスロット列348とに横方向に配列されている。端子スロット344は更に、例えば、各々が4つの端子スロット344を含むことができ、第1及び第2のスロット列346、348において相互に対してオフセットされている複数の群350に分かれて配列されている。端子スロット344の端子群350はそれぞれ、下側ハウジング構成要素302と一体に形成され、嵌合面320に対して下方に延在する端子支持ブロック349に関連付けられてもよい。第1のスロット列346の端子群350は、第1及び第2のスロット列346、348の端子群350が典型的には互いの間に介在するように、第2のスロット列348の端子群350に対してシフト又はオフセットされている。第1及び第2の端子列346、348の側端部にある端子群350には、隣り合う介在端子群が存在しない。端子群350が交互に配列されていることにより、第1及び第2のスロット列346、348が、プラグコネクタに関して上述した互い違いの外観と相補的な互い違いの外観となる。上側ハウジング構成要素304と位置合わせして組み立てるために、下側ハウジング構成要素302の前方の細長い側壁326は、隆起した垂直壁として形成されてもよく、組立面322から上方に突出して上側ハウジング構成要素304に設けられた対応する凹部内に受け入れることができる複数の位置合わせ突起354を含むことができる。
【0034】
図15~
図17を参照すると、上側ハウジング構成要素304は、下側ハウジング構成要素302と組み立てられるように構成され、下側ハウジング構成要素302及び端子サブアセンブリ400を受け入れて収容するために、わずかに大きいフットプリントを有することができる。上側ハウジング構成要素304はまた、長方形状であってもよく、組立面360と、組立面360から平行に離間した天井362と、細長い平行な前方側壁及び後方側壁366と、前方側壁及び後方側壁366と直交して配置されたより短い平行な端壁368と、を含むことができ、天井は端壁368を覆って延在する。下側ハウジング構成要素302及び端子サブアセンブリ400を収容するために、キャビティ370が組立面360内に配置され、直交する側壁366及び端壁368によって囲まれている。複数のケーブル108をキャビティ370内に挿入できるようにするために、下側ハウジング構成要素302のケーブル凹部330と位置及び形状が相補する複数のケーブル凹部372を、後方側壁366の下縁部に沿って横方向に形成することができる。したがって、下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304が組み立てられると、複数のケーブル108は、下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素の協働するケーブル凹部330、372の間に挟まれて保持され得る。下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素は、例えば、スナップフィット構造などによって互いに固定することができる。一実施形態では、取り付け爪を収容するために、上側ハウジング構成要素304は、端壁368に概ね隣接して配置された天井362を通って配置された1つ以上の爪開口部374を含むことができる。
【0035】
図16を参照すると、複数のケーブル108は、前方及び後方(y軸)方向に、かつ下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304の後方側壁326、366に対して垂直に延びる横方向列に配列することができる。ケーブル108は、導電性の信号導体380及び接地導体382を含むことができる。信号導体及び接地導体380、382は、ケーブルが電気部品と機器との間に容易に延伸できるように、比較的可撓性であってもよい。ケーブル108は、信号導体及び接地導体380、382に加えて、電力導体及び他の種類の導体を含むことができる。一実施形態では、各ケーブル108は、非導電性材料の絶縁体384によって包囲されたケーブルの長さにわたって延びる、銅線などの導電性材料製の2つの信号導体380を含むTwinaxケーブルであってもよい。2つの信号導体380は、差動信号を協働して伝送するように構成され得る。接地導体382はまた、信号導体380に隣接して延びる絶縁体384内に配置することもでき、信号導体380を包囲する銅線又は金属箔として形成してもよい。他の実施形態では、複数のケーブル108は、異なる数又は構成の信号導体及び接地導体を有することができ、例えば、ケーブルは同軸ケーブルであってもよい。
【0036】
端子サブアセンブリ400に対して複数のケーブル108を管理し、ケーブルをレセプタクル絶縁体ハウジング104内に誘導するために、非導電性材料製の横方向に細長いケーブルオーバーモールド390を、オーバーモールドプロセスによってこれらのケーブルにわたって横方向に配置することができる。ケーブルオーバーモールド390は、ケーブルオーバーモールド390の本体の床394の下に延在する長方形の下側突起392を含む階段状の構造を有することができる。ケーブルオーバーモールド390に沿って横方向に離間していてもよい略長方形ブロック状構造の複数の位置合わせ突起396が、複数のケーブル198の向きに垂直な下側突起392から下方に突出することができる。同様の複数の位置合わせ突起398が、ケーブルオーバーモールド390の上面から上方に突出することができる。レセプタクルコネクタ104が組み立てられると、複数のケーブル108は、上側ハウジング構成要素のキャビティ370へのアクセスを提供する下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304のケーブル凹部330、372と位置合わせされ、ケーブル凹部によって受け入れられ得る。下側突起392は、下側ハウジング構成要素302の組立面322内に配置されたトラフ332内に受け入れられてもよく、ケーブルオーバーモールド390の床394は、組立面322の隆起した肩部340に当接してもよい。更に、下側突起392から延びる位置合わせ突起396を、トラフ床334に配置された位置合わせ凹部336内に受け入れることができる。同様に、ケーブルオーバーモールド390上の上方に突出する位置合わせ突起398を、上側ハウジング構成要素304に形成された対応する位置合わせ凹部内に受け入れることができる。ケーブルオーバーモールド390上の位置合わせ突起396、398と、下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304内に配置された対応する位置合わせ凹部との間の嵌合は、機械的ストレインリリーフとして機能し、ケーブル108がレセプタクルコネクタ104から意図せずに引っ張られるのを防止する。
【0037】
複数のケーブル108が終端する端子サブアセンブリ400は、ケーブルオーバーモールド390の前に配置することができる。
図18~
図21を参照すると、端子サブアセンブリ400は、下側ハウジング構成要素と上側ハウジング構成要素との間に受け入れられるように構成されたレセプタクルウェハ402を含む。本開示の一態様において、レセプタクルコネクタ104は、プラグコネクタ102の第1及び第2のプラグウェハとは異なり、単一のレセプタクルウェハを含んでもよい。レセプタクルウェハ402は、非導電性材料の端子支持成形体406内に部分的に配置された導電性の端子アレイ404を含む。レセプタクルウェハ402は、細長い構造であってもよく、以下で更に説明するようにウェハ平面408を画定してもよい。端子アレイ404は、データ信号を伝送するための複数の信号端子410と、電気的リターンパスを遮蔽及び/又は形成するための複数の接地端子412とを含むことができる。一実施形態では、差動信号伝送のために、信号端子410を、差動信号の一部を送信するために相互に電気的に結合可能な差動対として配列することができる。差動対を離間させるために、差動信号端子410の各対の間に接地端子412を配置することができる。他の実施形態では、信号端子及び接地端子410、412の他の構成又はパターンが企図される。
【0038】
端子支持成形体から取り外された端子アレイ404を示す
図22を参照すると、各信号端子410は、嵌合端部420と、嵌合端部420の反対側の終端部422と、嵌合端部と終端部とを接続する中間本体部分424とを含むことができる。嵌合端部420は、プラグコネクタ内の対応する信号端子に対して摺動して導電接触するように意図されており、したがって、各信号端子に対して偏向して各信号端子を付勢する片持ちばね状の特性を示すことができる傾斜した遠位端426を有する指梁として形成することができる。各信号導体の終端部422は、複数のケーブルからの信号導体に導電接続して、これらの信号導体を終端させるように意図され、終端部422を貫通して配置された導体終端孔428を含むことができる。更に、複数の信号端子410の平坦な終端部422は、導体終端孔428が終端部に対して垂直に配置されるように、共通のウェハ平面408と同一平面上にあってもよい。
【0039】
各接地端子412は、嵌合端部430と、嵌合端部の反対側の終端部432と、嵌合端部と終端部とを接続する中間本体部分434とを含むことができる。嵌合端部430は、プラグコネクタ内の対応する接地端子に対して摺動して導電接触するように意図されており、したがって、各接地端子に対して偏向して各接地端子を付勢する片持ちばね状の特性を示すことができる傾斜した遠位端436を有する指梁として形成することができる。図示の実施形態では、接地端子412が複数のケーブルからの接地導体と接続して接地導体を終端させることを可能にするために、複数の接地端子412の終端部432は、端子アレイ404にわたって横方向に延びる導電性の接地レール438と一体に形成することができ、接地レール438によって電気的に相互接続される。特に、接地レール438は、信号端子410を電気的に絶縁するために、差動対の終端部422の上方に、終端部422にわたって延在する。接地レール438には、ケーブルからの接地導体を受け入れて終端させることの可能な複数の導体終端孔439を設けることができる。接地レール438の導体終端孔439はそれぞれ、信号端子410の導体終端孔428の上方及び間に、これらの終端孔が三角形の輪郭を画成するように配置することができる。更に、接地端子412の終端部432及び接地レール438は、導体終端孔439が接地端子及び接地レールに対して垂直になるように、共通のウェハ平面408と同一平面上にあってもよい。
【0040】
レセプタクルウェハ402からの信号端子及び接地端子410、412が第1及び第2のプラグウェハ内の信号端子及び接地端子との電気通信を確立することを可能にするために、接地端子及び信号端子410、412の嵌合端部420、430は、第1のオフセット端子平面440内又は第2のオフセット端子平面442内のいずれかにオフセットされてもよい。第1及び第2のオフセット端子平面442、440は、前後(y軸)方向に対して互いに平行に離間していてもよい。更に、第1及び第2のオフセット端子平面440、442は、信号端子及び接地端子410、412の終端部422、432と同一平面上にあるレセプタクルウェハ402に関連付けられた共通のウェハ平面408に対して面一であってもよく、共通のウェハ平面408からオフセットされてもよい。信号端子及び接地端子410、412の嵌合端部420、430を第1又は第2のオフセット端子平面440、442のいずれかの中に配置するために、端子の中間本体部分424、434をオフセット中間本体部分として形成することができる。例えば、
図18、
図20、及び
図22を参照すると、信号端子410のオフセット中間本体部分424は、嵌合端部420及び終端部422に対してほぼ垂直に接合されて、共通のウェハ平面408と第1及び第2のオフセット端子平面440、442との間の距離を横切ってもよい。同様に、接地端子412のオフセット中間本体部分434は、嵌合端部430及び終端部432に対してほぼ垂直に接合されて、共通のウェハ平面408と第1及び第2のオフセット端子平面440、442との間の距離を横切ってもよい。このように、オフセット中間本体部分424、434は、前後(y軸)方向に位置合わせされている。したがって、プラグウェハに関連付けられた信号端子及び接地端子の平坦な中間本体部分とは異なり、レセプタクルウェハ402の信号端子及び接地端子410、412のオフセット中間本体部分424、434は、関連する共通のウェハ平面408並びに第1のオフセット端子平面及び第2のオフセット端子平面440、442に対して垂直である。
【0041】
第1及び第2のプラグウェハに関連付けられた複数の端子群と協働して嵌合するために、信号端子及び接地端子410、412は、端子群450ごとに少なくとも1つの信号端子410及び1つの接地端子412を有する複数の端子群450に配列されてもよい。差動信号伝送実施形態では、各端子群450は、信号端子410の差動対と、信号端子対の両側に配置された接地端子412の対応する対とを含むことができ、これらの接地端子は接地レール438によって接合されている。更に、第1及び第2のオフセット端子平面440、442を実現するために、複数の端子群450は、第1のオフセット取り付け平面440に動作可能に関連付けられた複数の第1の端子サブグループ452と、第2のオフセット取り付け平面442に動作可能に関連付けられた複数の第2の端子サブグループ454とに更に配列されてもよい。特に、第1の端子サブグループ452の信号端子及び接地端子410、412のオフセット中間本体部分424、434が共通のウェハ平面408から前方に突出して、第1のオフセット取り付け平面440内にそれぞれの嵌合端部420、430を配置してもよい。同様に、第2の端子サブグループ454の信号端子及び接地端子410、412のオフセット中間本体部分424、434が共通のウェハ平面408から後方に突出して、第2のオフセット取り付け平面442内にそれぞれの嵌合端部420、430を配置してもよい。
【0042】
複数の第1の端子サブグループ452は互いからピッチ距離456だけ横方向に離間していてもよく、複数の第2の端子サブグループ454も互いからピッチ距離456だけ横方向に離間していてもよい。ピッチ距離456は、隣り合う端子サブグループ452、454の横方向中心点の間などの任意の適切な点から測定することができる。ピッチ距離456は、第1及び第2のプラグウェハに関連付けられたピッチ距離に対応する寸法であってもよい。更に、第1のオフセット端子平面440又は第2のオフセット端子平面442のいずれかに関連付けられた端子の交互配列をレセプタクルウェハ402が有するように、第1の端子サブグループ442が第2の端子サブグループ454と交互に(横方向又はx軸方向に)配列されてもよい。第1の端子サブグループ442がピッチ距離456だけ離間し、第2の端子サブグループ454がピッチ距離456だけ離間し、第1の端子サブグループ452、454と第2の端子サブグループとが交互に配列されているために、第1の端子サブグループ452の大部分は、典型的には、2つの第2の端子サブグループ454の間に横方向に介在し、第2の端子サブグループ454は、典型的には、2つの第1の端子サブグループ452の間に横方向に介在する。レセプタクルウェハの側端部にある端子サブグループには、隣り合う端子サブグループが存在しない。
【0043】
差動信号伝送実施形態では、隣り合う信号端子410の差動対の間に接地端子412を配置することを可能にするために、接地端子412は、嵌合端部430及びオフセット中間本体部分434に沿って二股に分かれていてもよい。特に、この二股に分かれた接地端子412は、第1のオフセット端子平面440又は第2のオフセット端子平面442のいずれかに向かって交互に突出する二股に分かれた中間本体部分434を有する共通の終端部432を有してもよい。この接地端子412の二股に分かれた嵌合端部430の2つの部分は、第1及び第2のオフセット端子平面440、442内に交互に配置される。レセプタクルウェハ402の二股に分かれた接地端子412は、それぞれの第1及び第2のオフセット端子平面440、442内に第1の端子サブグループ452及び第2の端子サブグループ454を交互に配列することを容易にする。したがって、二股に分かれた接地端子は、レセプタクルコネクタ104がプラグコネクタに嵌合されると、第1のプラグウェハに関連付けられた接地端子と第2のプラグウェハに関連付けられた接地端子とに同時に物理的かつ電気的に接触することができる。レセプタクルウェハ402の側端部では、二股に分かれた接地端子は不要である。
【0044】
端子支持成形体406は、レセプタクルウェハ402の端子アレイ404の周りに配置することができ、第1の側方ウェハ端部460と反対側の第2の側方ウェハ端部462との間で横方向に延びて、端子サブアセンブリ400のサブアセンブリ長さ464を画定することができる。サブアセンブリ長さ464は、プラグコネクタの端子サブアセンブリのサブアセンブリ長さと同延であってもよい。端子支持成形体は、オフセット中間本体部分424、434及び嵌合端部420、430が端子支持成形体406の下面から延びることができるように、信号端子及び接地端子410、412の終端部422、432を概ね埋め込むか、又は包み込む。信号端子及び接地端子410、412に関連付けられた導体終端孔428、439へのアクセスを提供するために、端子支持成形体406は、後面に配置された位置合わせされた開口部468を有することができる。一実施形態では、端子支持成形体406は、型抜きされて形成された端子アレイ404の周りに適切な製造プロセスによってインサート成形又はオーバーモールドされてもよい。
【0045】
図23を参照すると、ケーブル108は、レセプタクルウェハ402によって受け入れられ、レセプタクルウェハ402内で終端することができる。特に、絶縁体384は、ケーブル108の端部から除去されて、信号導体380及び接地導体382を露出させることができる。信号導体380は、信号端子410の導体終端孔428に挿入することができ、接地導体482は、接地端子412の導体終端孔439に挿入することができる。信号導体380の端部及び接地導体382の端部は、ケーブル108と端子アレイ404との間の導電接続を確立するために、例えばレーザ溶接によってそれぞれの導体終端孔428、439内に接合することができる。接地端子412は、それらの終端部432で導電性の接地レール438によって相互接続されているので、接地導体412は全て相互に導電接続され、共通の電気接地を形成する。
【0046】
図18~
図21を参照すると、レセプタクル端子サブアセンブリ400は、コネクタアセンブリを更に電磁的に遮蔽する、レセプタクルウェハ402上に配置された導電性の接地シールド500を含むことができる。接地シールド500は、レセプタクルウェハ402の後部に隣接して配置された平坦な平面構造である。特に、接地シールド500は、端子支持成形体406の第1及び第2の側方ウェハ端部460、462の間で側方に(横方向又はx軸方向に)延在してもよく、ウェハ長さ464と同延であってもよい。一実施形態では、接地シールド500は、型抜きされて形成された板金又は金属板から作製することができる。別の一実施形態では、接地シールドは、金属粉末を結合剤と混合し、金属粉末に起因する導電特性を有する完成部品に成形する金属射出成形プロセスによって作製することができる。別の一実施形態では、接地シールド500は、成形プラスチック部品が金属でコーティングされて導電特性を付与する金属化プラスチックから形成することができる。
【0047】
レセプタクルウェハ402の後部に取り付けられている場合、接地シールド500は、共通のウェハ平面408、並びに端子アレイ404の信号端子及び接地端子410、412の配列に関連付けられた第1のオフセット端子平面及び第2のオフセット端子平面440、442に平行である。一実施形態では、接地シールド500は、比較的薄い平坦な突起プレート502及び比較的厚い中間プレート504から組み立てることができる。レセプタクルウェハ402の端子アレイ404と相互接続するために、突起プレート502は、突起プレート502の平面から垂直に、したがって共通のウェハ平面408並びに第1及び第2のオフセット端子平面440、442に対して垂直に延在する複数の接地突起510を含むことができる。接地突起510は、接地シールド500の横方向長さに沿って横方向に間隔を置いて配置することができ、レセプタクルウェハ402内の複数の接地端子412に対応する数及び位置であってもよい。一実施形態では、接地突起510は、(垂直z軸に対して)垂直方向に位置合わせされ、関連する垂直高さ512を有することができる接地タブとすることができる。接地突起510を生成するために、一実施形態では、突起プレート502を板金から作製することができ、接地突起510に対応するタブは、突起プレート502から型抜きされるか又は打ち抜かれた、突起プレート502と一体のフラップとすることができる。接地突起510が突起プレート502から打ち抜かれることにより、隣り合う接地突起510の間の突起プレート502に長方形のタブ開口部514が形成される。他の実施形態では、接地突起510は、他の適切な形状及び構成を有することができる。
【0048】
複数のケーブルからのケーブルが接地シールド500を通過することを可能にするために、複数のケーブル開口部516が突起プレート502を貫通して配置されている。ケーブル開口部516は、レセプタクルウェハ402の信号端子410及び接地端子412に設けられた導体終端孔428、439の三角形の輪郭に一致するように、略三角形又は洋梨形とすることができる。したがって、ケーブル開口部516は、Twinaxケーブルの信号導体及び接地導体の三角形の配列を収容する。ケーブル開口部516は、突起プレート502から延びる横方向に隣り合う接地突起510間に配置することができる。
【0049】
より厚い中間プレート504は、打ち抜かれた金属板などの導電性材料から作製してもよいが、鋳造又は焼結金属であってもよい。中間プレート504はまた、レセプタクルウェハ402のウェハ長464と横方向に同延であり、端子支持成形体406の第1及び第2の側方ウェハ端部460、462の間に延在する。中間プレート504は、より薄い突起プレート502に対する中間プレートの相対的な嵩を規定する厚さ520を有することができる。第1の複数のケーブルの通過を可能にするために、中間プレート504は、突起プレート502に配置された複数のケーブル開口部516と位置合わせされた、同様の形状の複数のケーブル開口部522を含む。突起プレート502からの接地突起510がレセプタクルウェハ402の接地端子412へと延在して接地端子412と接続することを可能にするために、中間プレート504は、中間プレート504にわたって横方向に一列に配列された複数のスロット524を含むことができる。複数のスロット524は、中間プレート504の本体を貫通して延在し、レセプタクルウェハ402の共通のウェハ平面408に向かって垂直に配向されている。スロット524の数及び位置合わせを、複数の接地突起510に対応させてもよい。接地突起510が関連する垂直タブ高さ512を有する垂直タブとして形成される実施形態では、スロット524は、タブが中間プレート504を貫通して通過することを可能にするために、同様の寸法を有してもよい。
【0050】
接地シールド500からの接地突起510との機械的かつ電気的な接続のために、複数の接地開口部540をレセプタクルウェハ402の端子アレイ404に設けてもよい。例えば、
図18~
図19に示すように、接地開口部540は、端子アレイにわたって延びる接地レール438の直下の端子アレイ404の各接地端子412の終端部432に設けることができる。接地開口部540の数及び位置合わせを、第1の複数の接地突起510の数及び位置合わせに対応させてもよい。接地端子412の終端部432が端子支持成形体406内に埋め込まれているので、
図21に示すように、終端部近傍の端子支持成形体から材料を除去して、接地開口部540を接地突起510に露出させる突起開口部442を設けてもよい。
【0051】
図20~
図22に示すように、一実施形態では、接地開口部540は、接地突起510をねじるか又は歪ませるために、形状又は位置合わせが接地突起510と非相補的であってもよい。例えば、接地開口部540は、接地突起510を形成するタブと垂直寸法が同様であるが、接地突起の垂直方向の位置合わせに対して(x軸方向に)側方にオフセットされた第1及び第2のオフセット脚部544を有するスロットの形状としてもよい。第1及び第2のオフセット脚部544は、接地開口部540が突起プレート502から延びる接地突起510と垂直方向に位置合わせされないように、レセプタクルウェハの側方ウェハ端部に向かって配置することができる。更に、オフセット脚部544のオフセットの横方向を、隣り合う接地端子412間で互い違いとして、端子アレイ404にわたって横方向に配置されたオフセット接地開口部540の交互配列を形成することができる。他の実施形態では、突起と開口部との間の非相補的な位置合わせを、例えば、大きさの異なる円、正方形、及び/又は菱形を含む突起及び開口部の非相補的な形状又は輪郭によって、あるいは接地端子を貫通して非垂直方向に開口部を配置することによってなどの他の配列によって形成してもよい。
【0052】
図20~
図21に示すように、第1の接地シールド500と接地端子412とを機械的かつ電気的に相互接続するために、突起プレート502は、接地突起510が接地端子412の複数の接地開口部540と位置合わせされるように、レセプタクルウェハ402の残りの部分に対して配置される。中間プレート504は、中間プレート504のスロット524と端子支持成形体406の対応する成形開口部542とが位置合わせされて、接地突起510が突起プレート502の平面からレセプタクルウェハ402の共通のウェハ平面408を通って通過することを可能にするように、端子支持成形体406と突起プレート502との間に配置されてもよい。接地突起510が接地端子412の接地開口部540内に挿入されると、オフセット脚部544は、タブ状の接地突起を接地突起及び接地端子の垂直延在部に対して回転させるか又はねじる。突起プレート502の材料及び厚さは、接地突起510を容易に歪ませるように選択することができる。各接地開口部540内の接地突起510の回転によって引き起こされるねじり力は、接地シールド500と接地端子412の各々との間に、接地シールドと接地端子とが良好な導電性を維持すると同時に外れにくい、良好な機械的かつ電気的な接触を提供する。
【0053】
一実施形態では、中間プレート504に配置されたスロット524はまた、中間プレートを通した挿入時に接地突起を歪ませるための、タブ状の接地突起510の垂直延在部に対して側方にオフセットされたオフセット脚部528を有してもよい。スロット524内の接地突起510の歪みによって、突起プレート502と中間プレート504とが互いに機械的かつ電気的に確実に結合される。
図18~
図21及び
図23を参照すると、信号導体380が信号端子410の導体終端孔428内で終端する複数のケーブル108から絶縁体384を除去することができるので、第1の接地シールド500の厚さは、終端点でのインピーダンスを補助することができる。更に、接地突起510は、突起プレート502のケーブル開口部516及び中間プレート504のケーブル開口部522の両方の側に配置されているため、タブ状の接地突起510は、ケーブルがレセプタクルウェハ402と接続されると、ケーブルの両側に、かつケーブルと平行に延在することが理解されよう。更に、
図20~
図23に示すように、接地突起510は、接地突起510が信号端子410の差動対の各々の終端部間に位置するように、信号導体と信号端子410とが導電接合される導体終端孔428に隣接する。したがって、接地突起510は、レセプタクルウェハ内の信号導体を更に離間させると共に、これらの間の結合を改善する。
【0054】
図24~
図25を参照すると、コネクタアセンブリシステム100を完成させるためのプラグコネクタ102とレセプタクルコネクタ104との組み立てが示されている。プラグコネクタ102を完成させるために、同一かつ雌雄同体の第1及び第2のプラグウェハ162、163が互いに接続されて、取り付け面132からプラグ絶縁体ハウジング130に挿入することの可能なプラグ端子サブアセンブリ160を形成する。プラグ端子サブアセンブリ160が取り付けられると、接地端子及び信号端子172、174の嵌合端部180、190は、プラグ絶縁体ハウジング120に設けられた端子開口部140を通って、(垂直z軸に沿って)上方に突出する。各端子開口部140は、例えば信号端子174の差動対と隣接する接地端子176との複数の端子群200のうちの1つを収容することができ、第1及び第2のプラグウェハ162、163を(横方向又はx軸に対して)側方にシフトさせることによって可能となるオフセットされた互い違いの関係に端子群200を維持することができる。信号端子及び接地端子174、176の取り付け端部182、192は、プラグコネクタ102の取り付け面132に露出し、取り付け面132と実質的に同一平面上にある。第1及び第2のプラグウェハ162、163が平行に接続されているので、表面取り付けテールとして形成可能な取り付け端部182、192は、上述のコネクタアセンブリ100の平行な第1及び第2のインライン端子列114、116に対応する。
【0055】
レセプタクルコネクタ104を完成させるために、一列に位置合わせされた複数のケーブル108を、上述のようにレセプタクルハウジング300内に導入し、レセプタクルウェハ402の信号端子及び接地端子410、412に終端させてもよい。図示するように、例えば、ケーブル108の信号導体380を、信号端子410の導体終端孔428で終端させてもよい。レセプタクルウェハ402は、レセプタクルウェハ402に設けられた個々の端子スロット344内に嵌合端部420、430が受け入れられた状態で、下側ハウジング構成要素302内に取り付けられる。前述のように、各端子スロット344は、(垂直z軸方向に対して)下方に向けられ、下側ハウジング構成要素302の嵌合面320を介してアクセス可能であり得る信号端子又は接地端子410、412の嵌合端部420、430のうちの1つを受け入れることができる。信号端子及び接地端子410、412のオフセット中間本体部分424、434は、上述のように、第1又は第2のオフセット端子平面440、442のいずれかの中に嵌合端部420、430を位置合わせする。更に、信号端子及び接地端子410、412は、下向きの嵌合端部420、430が複数の端子支持ブロック449のうちの1つの中に支持された状態で、上述のように端子群450並びに第1及び第2の端子サブグループ452、454に配列される。レセプタクルウェハ402を封入し、複数のケーブル108をレセプタクルコネクタ104に固定するために、上側ハウジング構成要素304を下側ハウジング構成要素302の上に取り付けてもよい。
【0056】
プラグコネクタ102とレセプタクルコネクタ104とを互いに嵌合させるために、レセプタクルコネクタ104を(垂直z軸方向に)垂直下方に移動させて、レセプタクルコネクタ102が下側ハウジング302の嵌合面320内に受け入れられるようにする。レセプタクルコネクタ104内の信号端子及び接地端子410、412の下向きの嵌合端部420、430は、摺動して撓み、プラグコネクタ102の対応する信号端子174、176及び接地端子の上向きの嵌合端部180、190に対して付勢されて導電接触する。このようにして、単一のレセプタクルウェハ402が第1及び第2のプラグウェハ162、163に嵌合される。更に、レセプタクルウェハ402の第1の端子サブグループ452の信号端子及び接地端子410、412は、第1のプラグウェハ162の各端子群200と位置合わせされて導電接触し、レセプタクルウェハ402の第2の端子サブグループ454の信号端子及び接地端子は、第2のプラグウェハ163の各端子群200と位置合わせされて導電接触する。プラグウェハ162、163上に保持バー220を含む実施形態では、保持バー220は、信号導体及び接地導体170、172の取り付け端部182、192に近接して配置され、嵌合端部間の摺動接触との干渉を回避できる程度に低い位置に配置される。
【0057】
図26を参照すると、関連する実施形態では、プラグコネクタ102及びレセプタクルコネクタ104を基板に固定するために、取り付け爪120は、上側ハウジング構成要素304に配置された爪開口部374、下側ハウジング構成要素302の爪開口部329、及びプラグ絶縁体ハウジング130の爪開口部129を通して挿入することができる。異なる爪開口部129、329、374が、プラグ絶縁体ハウジング130とレセプタクル絶縁体ハウジング300との協働嵌合機構の結果として、(垂直z軸に対して)垂直に位置合わせされてもよい。取り付け爪120は、爪プロング124がプラグコネクタ102に関連付けられた下側の取り付け面134から突出して基板と係合するように、コネクタアセンブリ100の垂直高さよりも大きい垂直高さを有してもよい。爪ヘッド122は、上側ハウジング構成要素304の爪開口部374内に収容されるような寸法であってもよいが、爪ヘッド322が爪開口部374を貫通するのを防止するために、それぞれ下側ハウジング構成要素及びプラグ絶縁体ハウジング302、130の爪開口部329、130よりも大きい直径を有する。
【0058】
取り付け爪120を下側ハウジング構成要素及びプラグ絶縁体ハウジング302、130に対してロックするために、爪ラッチ310は、より短い端壁328、368に近接してレセプタクルハウジング300の下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304の間に配置されてもよい。爪ラッチ310は、片持ち支持されたラッチアーム312が下側ハウジング構成要素及び上側ハウジング構成要素302、304の爪開口部329、374と位置合わせされ、爪開口部329、374の間に位置するように配置されてもよい。一実施形態では、爪ラッチ310は、レセプタクルコネクタ104の組み立て中に、又はレセプタクルコネクタ104とプラグコネクタ102との嵌合後に、下側ハウジング構成要素と上側ハウジング構成要素との間に取り付けられてもよい。取り付け爪120が上側ハウジング構成要素304の爪開口部374を通って挿入されると、爪プロング324の先細の先端は、爪ラッチ310の片持ち支持されたラッチアーム312に接触し、ラッチアーム312を横方向に撓ませて下側プラグハウジング302の爪開口部を露出させる。爪プロング124は、下側ハウジング構成要素302及びプラグ絶縁体ハウジング130を通って挿入されてもよく、片持ち支持されたラッチアームは、爪プロング124と爪ヘッド122との間の周方向スロット126内にそれ自体を押し込んで構成要素を一緒にロックすることができる。コネクタアセンブリ100を分解するために、片持ち支持されたラッチアーム312を偏向させて取り付け爪120を解放することの可能な、例えばピンセットなどの適切なツールを挿入するためのツール開口部318を、上側ハウジング構成要素304の天井362を貫通して配置してもよい。
【0059】
本開示の利点は、共通のウェハ平面から第1及び第2のインライン端子列に関連付けられた第1及び第2のオフセット端子平面へと端子接続を導くことによって、電気チャネル密度を維持しながらコネクタアセンブリの垂直高さを最小化できることである。別の利点は、保持バーを端子ウェハの端子群の中間本体部分の周りに延在させることによって、取り付け面から嵌合面へのはんだ上がり又ははんだ毛管流を防止できることである。前述の説明は、本開示の実施形態を説明したものであり、限定的な効果を有すると解釈されるべきではない。例えば、本開示は、オフセット端子平面がレセプタクルウェハ内に実現されるように、オフセット中間本体部分がレセプタクルウェハ内の端子の一部分であることを説明しているが、オフセット中間本体部分は、オフセット端子平面がプラグウェハ内に実現されるように、プラグウェハ内の端子に含まれてもよい。同様に、オフセット端子平面は、レセプタクルウェハ内の端子の嵌合端部に関連付けられるものとして説明されているが、オフセット端子平面は、プラグウェハ内の端子の取り付け端部に関連付けられてもよい。そのような実施形態では、取り付け端部をプラグコネクタの取り付け面に露出した第1及び第2のインライン端子列と位置合わせするために、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの端子の嵌合端部は、レセプタクルコネクタ内のレセプタクルウェハに関連付けられた共通のウェハ平面内に位置合わせされ、オフセット端子平面はプラグコネクタ内に形成されている。
【0060】
前述の説明は、開示されたシステム及び技術の例を提供することが理解されよう。しかしながら、本開示の他の実施態様は、前述の例とは詳細が異なり得ることが企図されている。本開示又はその例への全ての言及は、その時点で論じられている特定の例を参照することを意図しており、本開示の範囲に関してより一般的に限定することを意味するものではない。特定の特徴に関する区別及び差別化の全ての文言は、それらの特徴に対する選好の欠如を示すことを意図しているが、特に明記しない限り、そのようなものを本開示の範囲から完全に除外することを意図していない。
【0061】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。
【0062】
したがって、本開示は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正及び均等物を含む。更に、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが本開示に含まれる。更に、本明細書に記載の利点は、特許請求の範囲に包含される全ての実施形態に適用可能であるとは限らない。
【国際調査報告】