(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】セルラキャリアアグリゲーションにわたるダウンリンクスケジューリング
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20221012BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221012BHJP
【FI】
H04W72/12 130
H04W72/04 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509618
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020045707
(87)【国際公開番号】W WO2021034535
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】アラスティ メディ
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】ソロンド マリアム
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
基地局からユーザ機器(UE)へのデータ伝送をスケジューリングするための様々なシステム及び方法が提示される。複数のUEに対応するチャンネル品質指示子値はセルラネットワークのキャリアアグリゲーションの複数のキャリアコンポーネントについて決定され得る。UEのための瞬間データ転送速度を含むスケジューリングマトリクスが作成され得る。前記スケジューリングマトリクス内の要素は、平均データ伝送速度を使用して瞬間データ伝送速度を修正することによって正規化され得る。データ転送のためのスケジューリング決定は、正規化スケジューリングマトリクスに基づいてUEのために行われ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局からユーザ機器(UE)へのデータ伝送をスケジューリングするための方法であって、
セルラネットワークによって、複数のUEに対応する複数のチャンネル品質指示子(CQI)値を決定することであって、
前記複数のUEの各UEについて、前記複数のCQI値のCQI値は、キャリアアグリゲーションを構成する複数のキャリアコンポーネントのキャリアコンポーネント毎に決定されることと、
前記セルラネットワークによって、前記複数のUEの各UEについての平均データ転送速度を決定することと、
前記セルラネットワークのスケジューラシステムによって、決定された前記複数のCQI値に基づく複数の瞬間データ転送速度を記憶する複数の要素を含むスケジューリングマトリクスを作成することと、
前記セルラネットワークの前記スケジューラシステムによって、複数の平均データ転送速度に基づいて前記複数の瞬間データ転送速度を修正することによって、前記スケジューリングマトリクスの前記複数の要素の各要素を正規化することとであって、
前記複数の平均データ転送速度の各平均データ転送速度は、前記複数の要素の要素にマッピングされた前記複数のUEのUEに対応することと、
前記スケジューラによって、前記正規化スケジューリングマトリクスに基づいて前記複数のUEについてスケジューリング決定を行うことと、を含む方法。
【請求項2】
前記スケジューリング決定に基づいて、前記セルラネットワークの前記基地局によって、データを前記複数のUEへ送信することをさらに含む、請求項1に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項3】
前記UEとの通信のために、前記セルラネットワークは5G新無線(NR)無線アクセス技術(RAT)を使用する、請求項1に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項4】
前記スケジューリングマトリクスの各行は、複数の物理リソースブロック(PRB)のPRBに対応し、
前記スケジューリングマトリクスの各列は、前記複数のUEのUEに対応し、
前記複数のPRBの各PRBは前記複数のキャリアコンポーネントのうちの1つに対応する、
請求項1に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項5】
前記スケジューリングマトリクスの各行について、前記行の対応UEが前記キャリアコンポーネント上の前記基地局からの通信範囲外である前記複数のキャリアコンポーネントのキャリアコンポーネントに対応するエントリを削除する、
請求項4に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項6】
前記スケジューリングマトリクスの各行について、前記行の対応UEが割り当てられた1つ又は複数のアクティブ帯域幅部分(BWP)外にある前記複数のPRBのPRBに対応するエントリを削除する、
請求項4に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項7】
前記複数のUEの各UEについて、前記複数のキャリアコンポーネントの各キャリアコンポーネント及び前記UEに対応する前記複数のCQI値のCQI値は、前記平均データ転送速度を計算するために使用される、請求項4に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項8】
前記スケジューラシステムによって、前記複数の要素のうちの最大値を有する前記スケジューリングマトリクスの前記複数の要素の要素を特定すること
をさらに含む、請求項4に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項9】
前記要素に対応する前記複数のUEのUEについて、前記要素に対応する前記複数のPRBのPRBを割り当てること
をさらに含む、請求項8に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項10】
前記PRBが割り当てられた前記UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされないと判定することと、
前記UEへのデータ伝送のために、前記追加PRBが必要とされないと判定したことに応答して、前記スケジューリングマトリクス内の前記UEについての他の全エントリを削除することと
をさらに含む請求項9に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項11】
前記PRBが割り当てられた前記UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされると判定することと、
前記UEへのデータ伝送のために、前記追加PRBが必要とされると判定したことに応答して、前記スケジューリングマトリクス内の前記UEにマッピングされた他の全要素についての前記データ転送速度を更新することと
をさらに含む、請求項9に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項12】
前記データ転送速度を更新することは、前記UEにマッピングされた他の全要素の大きさを減少させることを含む、請求項11に記載の前記基地局から前記UEへのデータ伝送をスケジューリングするための方法。
【請求項13】
ダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワークであって、
スケジューラシステムを含む基地局を含み、前記基地局は、
複数のUEに対応する複数のチャンネル品質指示子(CQI)値を決定するように構成され、
前記複数のUEの各UEについて、前記複数のCQI値のCQI値は、キャリアアグリゲーションを構成する複数のキャリアコンポーネントの各キャリアコンポーネントについて決定され、
前記基地局は、前記複数のUEの各UEについての平均データ転送速度を決定し、
複数の瞬間データ転送速度を記憶する複数の要素を含むスケジューリングマトリクスを作成し、
複数の平均データ転送速度に基づいて前記複数の瞬間データ転送速度を修正することによって、前記スケジューリングマトリクスの前記複数の要素の各要素を正規化するように構成され、
前記複数の平均データ転送速度の各平均速度は、前記複数の要素の前記要素にマッピングされた前記複数のUEのUEに対応し、
前記基地局は、前記正規化スケジューリングマトリクスに基づいて前記複数のUEについてスケジューリング決定を行うように構成された、セルラネットワーク。
【請求項14】
前記複数のUEをさらに含む、請求項13に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項15】
前記基地局はgNodeBであり、前記セルラネットワークは5G新無線(NR)無線アクセス技術(RAT)セルラネットワークである、請求項13に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項16】
複数の基地局を含み、前記複数の基地局のそれぞれは、その基地局の機能を実行するように構成された、請求項15に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項17】
前記基地局は、前記スケジューリング決定に基づいて、データを前記複数のUEに送信するようにさらに構成された、請求項13に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項18】
前記スケジューリングマトリクスの各行は、複数の物理リソースブロック(PRB)のPRBに対応し、
前記スケジューリングマトリクスの各列は、前記複数のUEのUEに対応し、
前記複数のPRBの各PRBは、前記複数のキャリアコンポーネントのうちの1つに対応する、
請求項13に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項19】
前記基地局は、
前記複数の要素のうちの最大値を有する前記スケジューリングマトリクスの前記複数の要素の要素を特定し、
前記要素に対応する前記複数のUEのUEについて、前記要素に対応する前記複数のPRBのPRBを割り当てる
ようにさらに構成された、請求項18に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【請求項20】
前記基地局は、
前記PRBが割り当てられた前記UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされないと判定し、
前記UEへのデータ伝送のために、前記追加PRBが必要とされないと判定したことに応答して、前記スケジューリングマトリクス内の前記UEについての他の全エントリを削除する
ようにさらに構成された、請求項19に記載のダウンリンクデータ伝送をスケジューリングするセルラネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、2019年8月16日に出願された「Methods and Systems for Scheduling Across a Cellular Carrier Aggregation」という名称の米国仮特許出願第62/888,001号に対する優先権を主張する2019年11月8日に出願された「DOWNLINK SCHEDULING ACROSS A CELLULAR CARRIER AGGREGATION」という名称の米国非仮特許出願第16/678,974号に対する優先権を主張するものであり、その開示全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
無線デバイスと基地局との間でデータ伝送をスケジューリングする際、セルラネットワークの効率全体の増大を図って、物理リソースブロックなどの通信リソースが割り当てられ得る。さらに、異なる無線デバイスがデータをセルラネットワークに伝送する機会が与えられるように、スケジューリングは公平に実行される必要があり得る。本明細書で詳述される実施形態は、効率的にユーザ機器にわたってスペクトルを割り当てるための構成に焦点が当てられる。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施形態が、基地局からユーザ機器(UE)へのデータ伝送をスケジューリングするための方法に関して説明される。いくつかの実施形態では、基地局からユーザ機器(UE)へのデータ伝送をスケジューリングするための方法が説明される。方法は、セルラネットワークによって、複数のUEに対応し得る複数のチャンネル品質指示子(CQI)値を決定することを含み得る。複数のUEの各UEについて、複数のCQI値のCQI値は、キャリアアグリゲーションを構成し得る複数のキャリアコンポーネントのキャリアコンポーネント毎に決定され得る。方法は、セルラネットワークによって、複数のUEの各UEについての平均データ転送速度を決定することを含み得る。方法は、セルラネットワークのスケジューラシステムによって、決定された複数のCQI値に基づく複数の瞬間データ転送速度を記憶する複数の要素を含むスケジューリングマトリクスを作成することを含み得る。方法は、セルラネットワークのスケジューラシステムによって、複数の平均データ転送速度に基づき得る複数の瞬間データ転送速度を修正することによって、スケジューリングマトリクスの複数の要素の各要素を正規化することを含み得る。複数の平均データ転送速度の各平均データ転送速度は、複数の要素の要素にマッピングされた複数のUEのUEに対応し得る。方法は、スケジューラによって、正規化スケジューリングマトリクスに基づいて複数のUEについてスケジューリング決定を行うことを含み得る。
【0004】
そのような方法の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。方法は、スケジューリング決定に基づいて、セルラネットワークの基地局によって、データを複数のUEへ送信することをさらに含み得る。UEとの通信のために、セルラネットワークは5G新無線(NR)無線アクセス技術(RAT)を使用し得る。スケジューリングマトリクスの各行は、複数の物理リソースブロック(PRB)のPRBに対応し得る。スケジューリングマトリクスの各列は、複数のUEのUEに対応し得る。複数のPRBの各PRBは複数のキャリアコンポーネントのうちの1つに対応し得る。スケジューリングマトリクスの各行について、行の対応UEがキャリアコンポーネント上の基地局からの通信範囲外であり得る複数のキャリアコンポーネントのキャリアコンポーネントに対応するエントリを削除する。スケジューリングマトリクスの各行について、行の対応UEが割り当てられ得る1つ又は複数のアクティブ帯域幅部分(BWP)外にあり得る複数のPRBのうちのPRBに対応し得るエントリを削除する。複数のUEの各UEについて、複数のキャリアコンポーネントの各キャリアコンポーネント及びUEに対応し得る複数のCQI値のCQI値は、平均データ転送速度を計算するために使用され得る。方法は、スケジューラシステムによって、複数の要素のうちの最大値を有し得るスケジューリングマトリクスの複数の要素の要素を特定することをさらに含み得る。方法は、要素に対応し得る複数のUEのUEについて、要素に対応し得る複数のPRBのPRBを割り当てることをさらに含み得る。方法は、PRBが割り当てられ得るUEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされない場合があると判定することをさらに含み得る。方法は、UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされない場合があると判定したことに応答して、スケジューリングマトリクス内のUEについての他の全エントリを削除することをさらに含み得る。方法は、PRBが割り当てられ得るUEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされる場合があると判定することをさらに含み得る。方法は、UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされる場合があると判定したことに応答して、スケジューリングマトリクス内のUEにマッピングされた他の全要素についてのデータ転送速度を更新することをさらに含み得る。データ転送速度を更新することは、UEにマッピングされた他の全要素の大きさを減少させることを含み得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、ダウンリンクデータ伝送をスケジューリングし得るセルラネットワークが説明される。ネットワークは、スケジューラシステムを含み得る基地局を含み得る。基地局は、複数のUEに対応し得る複数のチャンネル品質指示子(CQI)値を決定するように構成され得る。複数のUEの各UEについて、複数のCQI値のCQI値は、キャリアアグリゲーションを構成し得る複数のキャリアコンポーネントの各キャリアコンポーネントについて決定され得る。基地局は、複数のUEの各UEについての平均データ転送速度を決定するように構成され得る。基地局は、複数の瞬間データ転送速度を記憶する複数の要素を含むスケジューリングマトリクスを作成するように構成され得る。基地局は、複数の平均データ転送速度に基づいて複数の瞬間データ転送速度を修正することによって、スケジューリングマトリクスの複数の要素の各要素を正規化するように構成され得る。複数の平均データ転送速度の各平均速度は、複数の要素の要素にマッピングされた複数のUEのUEに対応し得る。基地局は、正規化スケジューリングマトリクスに基づいて複数のUEについてスケジューリング決定を行うように構成され得る。
【0006】
そのようなネットワークの実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。セルラネットワークは、複数のUEをさらに含み得る。基地局はgNodeBでもよく、セルラネットワークは5G新無線(NR)無線アクセス技術(RAT)セルラネットワークでもよい。セルラネットワークは複数の基地局を含んでもよく、複数の基地局のそれぞれは、その基地局の機能を実行するように構成され得る。基地局は、スケジューリング決定に基づいて、データを複数のUEに送信するようにさらに構成され得る。スケジューリングマトリクスの各行は、複数の物理リソースブロック(PRB)のPRBに対応し得る。スケジューリングマトリクスの各列は、複数のUEのUEに対応し得る。複数のPRBの各PRBは、複数のキャリアコンポーネントのうちの1つに対応し得る。基地局は、複数の要素のうちの最大値を有し得るスケジューリングマトリクスの複数の要素の要素を特定するようにさらに構成され得る。基地局は、要素に対応し得る複数のUEのUEについて、要素に対応し得る複数のPRBのPRBを割り当てるようにさらに構成され得る。基地局は、PRBが割り当てられ得るUEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされない場合があると判定するようにさらに構成され得る。基地局は、UEへのデータ伝送のために、追加PRBが必要とされない場合があると判定したことに応答して、スケジューリングマトリクス内のUEについての他の全エントリを削除するようにさらに構成され得る。
【0007】
様々な実施形態の特性及び利点のさらなる理解は、以下の図面を参照することによって実現され得る。添付図面において、類似の構成要素又は特徴は同一の参照符号を有する場合がある。さらに、同一の種類の様々な構成要素は、参照符号の後にダッシュを付し、その後に類似の構成要素を区別する第2の符号を付すことによって区別され得る。本明細書において第1の参照符号のみが使用されている場合、その記載は、第2の参照符号にかかわらず同一の第1の参照符号を有する類似の構成要素のいずれかに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】キャリアアグリゲーション(CA)を形成する複数のキャリアコンポーネント(CC)の実施形態を示す図である。
【
図2】比例公平なスケジューリングを実行可能なセルラシステムの実施形態を示す図である。
【
図3】スケジューリングを行うための方法の実施形態を示す図である。
【
図4】スケジューリングマトリクスの実施形態を示す図である。
【
図5】正規化スケジューリングマトリクスを使用して、どのようにスケジューリング決定が行われるかの方法の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、キャリアアグリゲーション(CA)を形成する複数のキャリアコンポーネント(CC)の実施形態100を示す図である。セルラネットワークキャリアは、連続していないスペクトルの様々な部分に対する権利を有し得る。例えば、スペクトルの様々な部分に対する権利は、時間の経過にともなって様々なソースから取得され得る。実施形態100において、キャリアコンポーネント101-1、キャリアコンポーネント101-2、及びキャリアコンポーネント101-3という3つのキャリアコンポーネントが存在する。これらのキャリアコンポーネントは帯域幅が異なり得る。例えば、CC101-1はCC101-2よりも大きな帯域幅を有し得る。セルラネットワークキャリアは、CC101-1とCC101-2との間、又はCC101-2とCC101-3との間で周波数を使用することを許可されていない場合がある。
【0010】
CC101は、幅広い範囲の周波数にわたって広がり得る。例えば、CC101-1はおよそ600MHzを中心とすることが可能であり、CC101-2はおよそ800MHzを中心とすることが可能であり、CC101-3はおよそ1.9GHzを中心とすることが可能である。基地局(BS)と各CCのユーザ機器(UE)との間の信号強度は、UEとBSとの間の距離及び障害物に起因して、BSに関連したUEのロケーションに基づいて変化し得ることが予想され得る。例えば、UEは、周波数に対するパス損失依存性に起因して、CC101-3よりCC101-1におけるBSから大きな信号強度を経験し得る。一般的に、周波数が高いほど、パス損失が大きくなる。本明細書で詳述される実施形態は、CA全体にわたるBSとUEとの間の通信をスケジューリングするための公平且つ比例な構成に焦点が当てられる。
【0011】
実施形態100は3つのCCを示すが、この数は例に過ぎないことを理解されるべきである。CCの数の増減が可能であり、例えば、Rep-15NRは、16個までのキャリアコンポーネントのキャリアアグリゲーションをサポートし得る。いくつかの実施形態では、単一のCCのみが存在してもよい。他の実施形態では、2、4、5、6、又はそれ以上のCCが存在してもよい。さらに、個々のCCの帯域幅は異なってもよく、例えば、5G NRセルラネットワークの場合、各CCの帯域幅は100MHzまででもよく、総キャリアアグリゲーション帯域幅は1GHzまででもあり得る。
【0012】
図2は、比例公平なスケジューリングを実行可能なセルラシステム200の実施形態を示す図である。セルラシステム200は、UE110と、基地局タワー120と、gNodeB130と、5Gコアネットワーク140とを含み得る。BSタワー120及びgNodeB130はまとめてBSと呼ばれ得る。セルラシステム200は5G及びgNodeBを指す一方、本明細書で詳述される実施形態は、gNodeBの代わりにeNodeBを使用する4Gロングタームエボリューション(LTE)セルラネットワークなどの他の種類のセルラネットワークに適用可能である。セルラシステム200は、5G新無線(NR)無線アクセス技術(RAT)にしたがって動作する。他の実施形態では、3G、4Gロングタームエボリューション(LTE)、又は何らかの他のRATなどの異なるRATが使用され得る。いくつかの実施形態では、5Gネットワークは発展型パケットコア(EPC)を使用してもよい。基地局タワー120からUE110への通信はスケジューリングされ得る。様々な物理リソースブロック(PRB)は、通信のためにCAの複数のCCにわたって利用可能であり得る。各PRBは、CC内の特定の周波数においてタイムスロットを定義し得る。所与のCC上で利用可能なPRBの数は、CCの帯域幅及びCCのサブキャリア間隔(SCS)に依存する。
【0013】
UE110は、セルラシステム200のRATにしたがって通信可能な様々な形態の無線デバイスであることが可能である。例えば、UE110は、スマートフォン、無線モデム、セルラフォン、ラップトップコンピュータ、及び無線アクセスポイント(AP)などであることが可能である。BSタワー120から受信されたデータに応答して、各UEは、信号強度測定を実行し得る。チャンネル品質指示子(CQI)は、ダウンリンク(gNBからUEへ)チャンネル品質を表す指標値であり得る。CQIは、UEとBSとの間で達成され得る特定のデータ転送速度を示す。CAの異なるCCは異なる周波数にあるため、CAの異なるCCにおけるPRBのためのCQIは異なり得る。したがって、状況によっては、CAのあるCCで、他のCCよりも高い、又は低いデータ転送速度が実現可能である。さらに、大帯域幅を有するCCの場合は特に、同一のCC内のUEについてCQIが変化することは可能であり得る。例えば、CQIは、CCの帯域幅の上端付近よりもCCの帯域幅の下端付近の方が高くなり得る。
【0014】
図2に図示された実施形態において、セルラネットワークのRATは5G NRである。したがって、BSは、gNodeB(gNB)を含む。他の実施形態では、BSは、UEとの通信を制御するための異なるシステムを含み得る。例えば、4G LTEセルラネットワークにおいて、eNodeB(eNB)がgNBの代わりに使用され得る。図示された実施形態において、gNodeB130は、CQI測定結果収集コンポーネント131と、スケジューラ132とを含む。他の種類の無線ネットワークの場合、これらのコンポーネントはBSの一部でもよく、又はコア無線ネットワークの一部でもよい。セルラシステム200では、スケジューラ132はgNB130によって実行されるが、他の実施形態において、5Gコアネットワーク140のコンポーネントがスケジューリングタスクを実行することが可能であり得る。
【0015】
CQI測定結果収集コンポーネント131は、UE110からCQI測定結果を受信し、受信したCQI測定結果を記憶し得る。各PRBデータ伝送は少なくともいくつかの基準信号を有するため、UEは、CQI測定結果を得るために基準信号の品質を測定できる。したがって、CQI測定結果は、BSからのPRB上でデータがUEによって事前に受信されたPRBのダウンリンクチャンネル品質を示す。所与のUEについてのこれらの受信CQIから、スケジューラ132は、CA全体にわたる各UEのCQIを考慮に入れた比例公平なスケジュールを作成できる。他の実施形態では、CQI測定結果を使用するのではなく、信号強度又はチャンネル品質の何らかの他の標示が使用され得る。スケジューラ132は、個々のCCで各UEによって経験されたチャンネル品質に基づいて、CAにわたるデータ伝送のためのスケジュールを作成する。
図3に関連して、どのようにスケジューラ132が機能するかの詳細が説明される。スケジューラ132及びCQI測定結果収集コンポーネント131の機能は、1つ又は複数のプロセッサ及び1つ又は複数の非一時的プロセッサ可読媒体を使用して実行され得る。
【0016】
スケジューラ132は、1つ又は複数の専用又は汎用プロセッサを含み得る。そのような専用プロセッサは、本明細書で詳述される機能を実行するように特別に設計されたプロセッサを含み得る。そのような専用プロセッサは、本明細書で詳述される機能を実行するように物理的及び電気的に構成された汎用コンポーネントであるASIC又はFPGAでもよい。そのような汎用プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)などの1つ又は複数の非一時的プロセッサ可読媒体を使用して記憶された専用ソフトウェアを実行し得る。
【0017】
図2において、単一のgNodeBが図示される。セルラネットワークでは、多数のgNodeB、又はより一般的には基地局が存在し得る。各BSは、BSの一部としてローカルに組み込まれた、又はBSと通信するシステムの一部である、それ自体のスケジューラを有し得る。例えば、gNodeBが、ある地理的領域に分散された複数の基地局タワーと通信することが可能であってもよい。したがって、スケジューラ132が複数の基地局タワーのためのスケジューリングを管理可能でもよい。
【0018】
様々な方法が、
図1及び
図2に関連して詳述された実施形態及びシステムを使用して実行され得る。
図3は、スケジューリングのための方法300の実施形態を示す図である。方法300は、5G NR RATセルラネットワークのgNB又は4G LTE RATセルラネットワークのeNBなどの基地局のコンポーネントによって実行され得る。具体的には、方法300のブロックは、
図2のCQI測定結果収集コンポーネント131及びスケジューラ132によって実行され得る。
【0019】
ブロック305で、CQIは、BSと通信しているUEからBSによって受信されてもよい。このCQIは、基地局(例えば、gNB)によって受信され、記憶されてもよい。各CQIは、UEが事前にデータを受信した特定のリソースブロックに関する品質を示し得る。複数のCQIは、各UEから受信され、そのUE毎に記憶されてもよい。例えば、データが事前にUEについて送信されたPRB毎に、個別のCQIが受信され得る。UEがCAの各CCにわたってデータを受信した場合、CAの各CCに関するチャンネル品質を表す少なくとも1つのCQIが記憶され得る。UEがCC毎にアクティブな帯域幅部分(BWP)を割り当てられているため、特定のUEについてCQI値が利用可能でないPRBが存在し得る。いくつかの実施形態では、特定のCCについて、最近のCQI又は最近のCQIの平均のみが記憶されてもよい。他の実施形態では、CC内のPRB毎など、複数のCQIがUE毎に記憶されてもよい。所与のCCについて複数のCQIを記憶することによって、CCの帯域幅で発生するチャンネル品質のばらつきを考慮に入れることが可能となり得る。例えば、UEは、CCの高周波数部分と比較して、低周波部分において異なるチャンネル品質を経験する場合がある。
【0020】
CQIデータがブロック305で読み込まれる前、又は読み込まれている間、又はその後に実行され得るブロック310で、平均データ伝送速度であり得る過去データ伝送速度が、UE毎にスケジューラによって計算され得る。したがって、単一の過去データ伝送速度がUE毎に計算され得る。過去データ伝送速度r
n(t)は、以下の式1において表される指数フィルタによって計算され得る。
【数1】
【0021】
式1において、nはn番目のUEを示し、tはスケジューリングが実行された現在の時間を示す。したがって、rn(t-1)は、直前のスケジューリング時間における過去データ伝送速度を表す。したがって、スケジューラは、UE毎の平均データ伝送速度を記憶してもよく、又は記憶された平均データ伝送速度へアクセス可能でもよい。Tは指数フィルタの時定数を表す。いくつかの実施形態では、Tの値は、3と5との間でもよい。式1が指数フィルタを使用して平均データ伝送速度を計算し得る1つの可能な手法を提供するが、過去データ伝送速度を求めるために、他の様々なフィルタリング方法が使用されることが可能である。
【0022】
Rn(t)は、スケジューリング時間tにおけるUEnの瞬間速度を表す。Rn(t)は、特定のPRBについて決定されたCQIに基づく。CQIに基づいて、PRBにおけるデータビット数が変化する。PRBの一部として伝送されたシンボルの総数は同一のままである一方、チャンネル品質が高まると、誤り訂正と比較してPRBにおいてデータに割り当てられ得るシンボルの比率が増加する。したがって、異なるPRBについて、事前に測定されたCQI値に基づいて、個別のRn(t)値が算出され得る。
【0023】
計算された値rn(t)は、スケジューラによって記憶され得る。次の時間間隔におけるスケジューリングについては、rn(t)がrn(t-1)として使用され得る。
【0024】
ブロック315で、スケジューリングマトリクスが作成され得る。スケジューリングマトリクスは、CAの各PRB及びBSに接続されたUEに対応するエントリが存在するように作成され得る。PRBはCA全体にわたって広がっているため、スケジューリングマトリクスは、CAのCC毎のPRBを含む。いくつかの実施形態では、スケジューリングマトリクスの各行は、異なるUEに対応する。(他の実施形態では、スケジューリングマトリクスの各列が異なるUEに対応する)。各列は異なるPRBに対応し得る。したがって、列はCAの異なるCC上のPRBに対応する。(他の実施形態では、異なる行が異なるPRBに対応し得る)。したがって、スケジューリングマトリクス内の各エントリは、特定のUE及びPRBに対応する。
図4は、スケジューリングマトリクスの実施形態400を示す図である。スケジューリングマトリクス401は、N個のUE及びM個のPRBについてのエントリを有する。各エントリの値Rは、CQIに依存するUEの瞬間ダウンリンクデータ伝送速度を表す。したがって、PRB
m上で送信するUE
nの瞬間速度はR
nm(t)である。
【0025】
ブロック320で、スケジューリングマトリクスにおいて行が存在するUE毎に、UEがPRBと関連付けられたキャリアコンポーネント上でデータを受信できない場合、マトリクス要素がゼロに設定される。例えば、UEがBSから遠いほど、高周波数のCCが通信のために使用される十分な信号強度を有さない場合がある。
【0026】
さらに、又は若しくは、UEが所与のCCを使用して通信できる可能性があるにもかかわらず、UEがCCの一部のみを使用することが許可されている場合がある。各UEは、そのUEによって使用されることに適した、又は1つ又は複数のCC全体を使用から潜在的に除外する各CCの部分を定義するアクティブBWP定義が提供されている場合がある。例えば、CAが3つのCCを含む場合、各UEは、アップリンク通信のための3つのアクティブBWP定義、ダウンリンク通信のための3つのアクティブBWP定義を有し得る。ブロック325で、スケジューリングマトリクスにおいて行が存在するUE毎に、CAの各CC上のUEのアクティブダウンリンクBWP内にないPRBについて、スケジューラによってマトリクス要素がゼロに設定される。
【0027】
ブロック330で、ダウンリンクを介したUEへの伝送のためのデータ保留が全くないとスケジューラが判定するUE毎に、そのUEについての全エントリがゼロに設定される。したがって、UEへのデータ転送が保留されていない場合、そのUEに対応するスケジューリングマトリクスのエントリの行全体の各エントリはゼロに設定される(又は、他の方法で無視される)。ブロック320~330の動作順序は、あらゆる順序で実行されることが可能である。
【0028】
ブロック335で、スケジューリングマトリクスの各エントリは、正規化され得る。ブロック335によって、スケジューリングマトリクスはスパースでもよく、これは要素のうちの多くがゼロであることを意味する。ブロック335の正規化プロセスは、結果として、スケジューリングマトリクス内のゼロに設定されたエントリを変化させない。むしろ、UE毎に、スケジューリングマトリクス内の非ゼロのエントリが、UEの平均データ転送ビットレートに基づいて調節される。この正規化は、正規化スケジューリングマトリクス402に反映され、各エントリはα
Nで表される平均データ転送ビットレートr
N(t-1)によって除算される。ブロック335の正規化プロセスは、スケジューリングを比例公平にする上で役立ち得る。すなわち、瞬間転送速度が小さい数によって除算されることによって、比較的低データ転送速度を以前有していたUEが、比較的高データ転送速度を以前有していたUEよりも優先される。初期状態で、全β
N値はゼロである。β
Nの算出に関するさらなる詳細が
図5に関連して提供される。
【0029】
ブロック340で、スケジューリングマトリクスが正規化されると、1)BSからUEへ送信されるデータの保留を有するUEのみ、2)信号強度及びBWP定義に基づいてUEが受信可能なCC内に存在するPRB、及び3)UEのアクティブダウンリンクBWP定義のうちの1つの範囲、について正規化エントリが存在するスパースなマトリクスが存在する。このスケジューリングマトリクス内の他の全エントリはゼロに設定される。
【0030】
方法300にしたがって作成された上記のような正規化スケジューリングマトリクスの例が表1に示される。
【表1】
表1
【0031】
表1において、6つのUE及び6つのPRBについての例示のスケジューリングマトリクスが示されている。現実の実施例では、UE及びPRBの数は非常に多くなる可能性があることを理解されたい。しかし、より少ない数のUE、より少ない数のPRB、又はその両方が存在することも可能である。表1は、方法300のブロック320、ブロック325、及びブロック330に基づく様々なエントリの削除(例えば、ゼロ設定)に起因してスパースである。一例として、PRB6がUE1について不適格なCCの一部であるため、UE1についてPRB6はゼロ設定される。他の例として、PRB2がPRB2の存在するCCのためのBWP定義外にあるため、PRB2はUE4についてゼロ設定される。この例を続けると、UE2及びUE5がBSから受信されるデータを全く有さないため、UE2及びUE5についての全エントリはゼロ設定される。
【0032】
図5は、正規化スケジューリングマトリクスを使用して、どのようにブロック340のスケジューリング決定が行われるかの方法500の実施形態を示す図である。方法500は、5G NR RATセルラネットワークのgNB又は4G LTE RATセルラネットワークのeNBなど、基地局のコンポーネントによって実行され得る。具体的には、方法500のブロックは、
図2のスケジューラ132によって実行され得る。方法500の全ては、方法300のブロック340の一部として実行されてもよく、又は何らかの他の方法にしたがって作成されたスケジューリングマトリクスを使用して実行されてもよい。
【0033】
ブロック505で、スケジューリングマトリクス内で最大値を有するいずれかの行又は列の要素が選択される。この要素はUE(例えば、行毎)及びPRB(例えば、列毎)にマッピングされる。ブロック510で、最大値にマッピングされたPRBは、最大値にマッピングされたUEに割り当てられる。ブロック510は、それが特定のUEに割り当てられたことを示すためにそのブロックを修正することを含み得る。若しくは、特定のPRBがそのUEに割り当てられたことを示す個別の表又はデータ記憶構成が作成され得る。
【0034】
PRBがここで割り当てられ、いずれかのPRBが所与の時間において単一のUEのみ割り当てられることが可能であるため、マトリクスにおけるそのPRBについての他の全エントリは、例えばブロック515でゼロに変換するなどによって削除されるか、又は他の方法で削除される。例えば、表1の例に戻って参照すると、表2において、要素(UE
3、PRB
3)は、最大値を有すると判定される。したがって、PRB
3はUE
3に割り当てられる。表1の修正版である表2は、PRB
3に対応する行の他のエントリがゼロ設定されたことを反映する。
【表2】
表2
【0035】
ブロック520で、ブロック510でPRBが割り当てられたUEがそのUEについて送信されるデータのために追加のPRBを必要としているかが判定される。例えば、ダウンリンクを介してそのUEへ送信されるデータ量は単一のPRB内に収まり得る。若しくは、より多くのデータ量について、1つ又は複数の追加PRBが必要とされる場合がある。追加のPRBが必要ない場合、方法500はブロック525に進む。ブロック525で、そのUEについての少なくとも他の全エントリが、その値をゼロに変換するなどによって削除される。したがって、そのUEについての行全体が全てゼロに変換されることが可能である。その後、方法500はブロック535に進む。
【0036】
ブロック520で、そのUEについてのダウンリンク伝送のために1つ又は複数の追加PRBが必要とされる場合、方法500がブロック530に進む。ブロック530で、スケジューリングマトリクスにおけるUEの(ダウンリンク)データ転送速度が更新される。αNが平均データ転送速度を反映する一方、βNは現在のスケジューリングプロセス中にUEについて割り当てられたデータ転送ビットレートを反映する。合計すると、αN+βNはUEのデータ転送ビットレートを表し得る。スケジューリングプロセス中により多くのPRBが特定のUEに割り当てられると、そのUEに現時点で割り当てられている転送ビットレートを反映するために、βNの値は増加される。したがって、βNが増加すると、スケジューリングマトリクス内の対応要素の値の大きさが減少し得る。その更新を実行するために、PRBに割り当てられたUEに対応する各エントリのβNは、割り当てられたPRB上でUEについて送信されるデータ伝送速度を反映するために更新される。したがって、βNはUEによってPRB(又はCC)上で事前に測定されたCQIに依存する。スケジューリングマトリクス中のUEのエントリを調節するためにβNを使用することは、UEの値の大きさが減少され、したがって他のPRBの後続の割当て中に選択される可能性が低いため、UEの行の各値のドミネータを増加し、他のUEと比較してそのUEの優先度を下げる効果を有する。
【0037】
表1及び表2の上記例を継続して参照して、追加PRBを必要とするUE
3について追加データが送信される必要があると仮定すると、UE
3に対応する他のエントリは、そのβ
Nの値が更新される。β
Nの更新値は、PRB
3を使用して発生するデータ転送ビットレートを反映する。表3は、そのような実行された更新を反映する。
【表3】
表3
【0038】
PRB3が最初に割り当てられたPRBである場合、他の全UEについてのβの値は依然としてゼロとなり得る。β3の値が更新されることによって、UE3についての列の値は再計算され、その結果として各値が減少し、それによってそれらの値のうちの1つが割当てのための次に大きい値となる可能性を下げる。
【0039】
ブロック535で、スケジューラによって、1つ又は複数の追加PRBがまだ割り当てられていないかに関する判定がなされる。1つ又は複数の追加PRBがまだ割り当てられていない場合、方法500はブロック505に戻る。ブロック505で、修正されたスケジューリングマトリクス中の最大値を有する現在の要素が特定され、ブロック505~530が繰り返される。表3の例に戻ると、PRB3のみが割り当てられている。したがって、方法500は、PRB1、PRB2、PRB4、PRB5、及びPRB6が割り当てられるまで繰り返し得る。したがって、表1~表3のこの例では、方法500の5回の反復が実行され得る。表1~表3の例では、PRBが列を割り当てられ、UEが行を割り当てられるように、表が回転されることが可能であることを理解されたい。
【0040】
ブロック535で割り当てられていない追加PRBがないと判定された場合、方法500はブロック540に進み得る。ブロック540で、スケジューリングが完了し、様々なUEへのダウンリンクデータ転送は、方法500の実行中に行われた割当てにしたがって、BSによって実行され得る。
【0041】
上述した方法、システム、及び装置は例である。様々な構成が、必要に応じて様々な手続き又は構成要素を省略、置換、又は追加してもよい。例えば、代替の構成において、方法は、上述した順序と異なる順序で実行されてもよく、及び/又は様々な段階が追加、省略、及び/又は組み合わされてもよい。さらに、特定の構成に関して説明した特徴は、様々な他の構成において組み合わされてもよい。その構成の異なる態様及び要素が同様に組み合わされてもよい。また、技術は進化するものであり、したがって要素の多くは例であり、本開示の範囲又は特許請求の範囲を限定しない。
【0042】
例示の構成(実施例を含む)の十分な理解を実現するために、本明細書において具体的な詳細が示されている。しかし、構成は、それらの具体的な詳細なしで実践され得る。例えば、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技法は、構成を不明瞭とすることを避けるために、不要な詳細なく示されている。本明細書は、例示の構成のみを提示しており、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の上記説明は、当業者に、上述した技法を実施するための実現説明を提供する。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成について様々な変更がなされてもよい。
【0043】
また、構成は、フロー図又はブロック図として図示されるプロセスとして説明されてもよい。それぞれは、順次プロセスとして動作を説明する場合があるが、動作の多くは並列又は同時に実行可能である。加えて、動作の順序は並び替えられてもよい。プロセスは、図に含まれていない追加ステップを有してもよい。さらに、方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこの組み合わせによって実施されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードにおいて実施された場合、その必要なタスクを実行するプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサが上述のタスクを実行してもよい。
【0044】
いくつかの例示の構成について説明したが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構造、及び同等物が使用されてもよい。例えば、上述した要素は、より大きなシステムの構成要素でもよく、ここで他の規則は、本発明の適用よりも優先されてもよく、又は本発明の適用を他の方法で修正してもよい。さらに、上述した要素が考慮される前、間、後に、多くのステップが実行されてもよい。
【国際調査報告】