(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】地震検出および警報ユニットおよびシステム
(51)【国際特許分類】
G01V 1/18 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
G01V1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509654
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 IL2020050872
(87)【国際公開番号】W WO2021028906
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522058224
【氏名又は名称】サジラウィ,サミ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】サジラウィ,サミ
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB01
2G105EE01
2G105FF02
2G105FF16
2G105MM02
2G105NN02
2G105NN04
(57)【要約】
上下動を検出するための上下動および水平動の検出および警報ユニット、ならびに運動を検出するための運動検出および警報装置が記載される。監視域全体を通して複数の場所に位置する、複数の、記載されたような運動検出および警報装置を備える広域地震警報システムが記載される。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下動を検出するための上下動検出および警報ユニットであって、
監視すべき地面または構造物に着設または配置されたフレームと、
上方ロッカおよび下方ロッカであって、
各々が軸によって前記フレームに接続されており、前記フレームに対して前記軸を中心に旋回することができ、
両方のロッカの前記旋回軸は、互いに平行で、互いの上にあり、本質的に水平であり、
前記旋回軸からある距離で前記ロッカに接続されているカウンタウェイトを各々が有する、上方ロッカおよび下方ロッカと、
前記上方ロッカと前記下方ロッカとを接続する菅であって、それにより、
前記管の上端が、前記カウンタウェイトからある距離で、前記カウンタウェイトとは反対側に、前記上方ロッカの前記旋回軸の軸で、前記上方ロッカに接続され、
前記管の下端が、前記下方ロッカの前記旋回軸から本質的に同じ距離で、前記カウンタウェイトとは反対側である同じ側に、軸で、前記下方ロッカに接続されている、菅と、
前記管内を自由に動き、ばねで前記管の前記上端に接続されているウェイトであって、
前記カウンタウェイトは、本質的に、前記管、前記ばね、および前記ウェイトの重量に対して前記ロッカのバランスをとる、ウェイトと、
前記下方ロッカに接続され、前記上方ロッカの方に本質的に垂直に向いている下方ニードルと、
前記フレームに調節可能に接続され、前記下方ロッカ内の空洞に挿入されている調節可能弾性部材と、
ばね荷重上方ニードルを備える、前記上方ロッカに接続されたトリガ機構であって、充備状態では、前記上方ニードルの遠位端が、前記下方ニードルの遠位端上に静置しており、
前記ニードルの前記遠位端の相対的運動が、前記ばね荷重上方ニードルが前記ばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、前記トリガ機構を作動させる、トリガ機構と、
前記ばね荷重上方ニードルに結合され、前記ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができるスイッチと、を備え、
前記フレームの上下動が、前記ロッカを回転させ、したがって、前記トリガ機構を作動させ、
前記空洞内にある前記弾性部材の長さを変えると、前記トリガ機構を作動させるのに必要な前記上下動の大きさが変わる、上下動検出および警報ユニット。
【請求項2】
水平動を検出するための水平動検出および警報ユニットであって、
監視すべき地面または構造物に着設または配置されたフレームと、
前記フレームに接続され、支柱を支えるジンバルであって、
前記支柱は、本質的に、前記ジンバルから垂直に懸吊されており、
前記ジンバルを中心に2つの方向に自由に回転し、
その上端に接続された下方ニードルを有し、
その下端に空洞を有する、ジンバルと、
前記支柱に接続されたウェイトであって、
前記支柱に沿った前記ウェイトの位置が調節可能である、ウェイトと、
ばね荷重上方ニードルを備える、前記フレームに接続されたトリガ機構であって、充備状態では、前記上方ニードルの遠位端が、前記下方ニードルの遠位端上に静置しており、
前記下方ニードルの前記遠位端の運動が、前記ばね荷重上方ニードルが前記ばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、前記トリガ機構を作動させる、トリガ機構と、
前記ばね荷重上方ニードルに結合され、前記ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができるスイッチと、を備え、
任意の方向における前記フレームの水平動が、前記支柱を回転させ、したがって、前記トリガ機構を作動させ、
前記支柱に沿って前記ウェイトの位置を変えると、前記トリガ機構を作動させるのに必要な前記水平動の大きさが変わり、
前記支柱の前記空洞内にある前記弾性部材の長さを変えると、前記トリガ機構を作動させるのに必要な前記水平動の大きさがさらに変わる、水平動検出および警報ユニット。
【請求項3】
運動を検出するための運動検出および警報装置であって、
請求項1に記載の上下動を検出するための上下動検出および警報ユニットと、
請求項2に記載の水平動を検出するための水平動検出および警報ユニットと、を備え、
それにより、前記運動検出および警報装置は、上下動および水平動の両方を検出することができ、
前記上下動検出および警報ユニットまたは前記水平動検出および警報ユニットのうちの少なくとも一方が作動されたとき、作動されて、警報信号を生成する、運動検出および警報装置。
【請求項4】
前記上下動検出および警報ユニットの感度と、前記水平動検出および警報ユニットの感度とが、地震事象を検出するように調整されている、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項5】
前記上下動検出および警報ユニットの前記感度と、前記水平動検出および警報ユニットの前記感度とが、リヒタースケール上の事前設定値よりも大きいマグニチュードを有する地震事象を検出するように調整されている、請求項4に記載の運動検出および警報装置。
【請求項6】
前記運動検出および警報装置が作動されたときに警報を鳴らす音声警報をさらに有する、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項7】
前記運動検出および警報装置が作動されたときに警報信号を遠隔位置に送信するための信号送信機をさらに有する、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項8】
前記運動検出および警報装置は、非腐食性材料でできており、温度および湿度の影響を受けない、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項9】
前記運動検出および警報装置は、非腐食性材料でできており、温度および湿度の影響を受けない、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項10】
作動後に前記トリガ機構をリセットすることが、前記ばね荷重上方ニードルを持ち上げて前記上方ニードルを下方ニードル上に再び静置させることによって手動で行われる、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項11】
前記上下動検出および警報ユニットの前記感度と、前記水平動検出および警報ユニットの前記感度とが、人為的な地面の運動を検出するように調整されている、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項12】
前記人為的な地面の運動は、掘削またはトンネル工事のうちの少なくとも一方によって引き起こされる、請求項3に記載の運動検出および警報装置。
【請求項13】
広域地震警報システムであって、
監視域全体を通して複数の場所に位置する、複数の、請求項7に記載の運動検出および警報装置であって、各々が、地震事象を検出し、いったん作動されると、警報信号を送信するための運動検出および警報装置と、
作動されたとき警報音を鳴らすための複数のサイレンと、
遠隔サーバーであって、
前記運動検出および警報装置から警報信号を受信し、
前記運動検出および警報装置から受信した前記警報信号に応答して、前記サイレンのうちの少なくとも1つを作動させるための遠隔サーバーと、を備える、広域地震警報システム。
【請求項14】
運動検出器用トリガであって、
下方ニードルと、
ばね荷重上方ニードルであって、充備状態では、前記上方ニードルの遠位端が、前記下方ニードルの遠位端上に静置しており、
前記ニードルの前記遠位端の相対的運動が、前記ばね荷重上方ニードルが前記ばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、トリガ機構を作動させる、ばね荷重上方ニードルと、
前記ばね荷重上方ニードルに結合されたスイッチであって、前記スイッチは、前記ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができる、スイッチと、を備える、運動検出器用トリガ。
【請求項15】
前記トリガが作動された後、事前設定時間に、前記ばね荷重上方ニードルを前記ばねの力に抗して押すことにより、前記トリガをその作動位置からその充備状態に戻してリセットするように構成されたリセット機構をさらに備える、請求項14に記載の運動検出器用トリガ。
【請求項16】
前記事前設定時間は、3秒である、請求項14に記載の運動検出器用トリガ。
【請求項17】
前記リセット機構は、ソレノイドを備える、請求項14に記載の運動検出器用トリガ。
【請求項18】
前記リセット機構は、電気モータを備える、請求項14に記載の運動検出器用トリガ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、地震によって引き起こされるような動きを検出するための装置に関する。より具体的には、本開示の主題は、事前設定された閾値よりも大きな動きが発生した場合に、検出して警報信号を生成するための警報ユニットおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震検知デバイスは、強い地震を検知し、警告信号を生成するように設計されており、それにより、影響を受ける人々がそれに応じて必要な防御措置を講じ得る。
【0003】
地震検知デバイスの重要性から、高精度で、小型で、かつ低コストの様々な地震検知デバイスが開発されている。
【0004】
米国特許第5,408,457号(大阪ガス株式会社および関西ガスメータ株式会社に譲渡)は、ガスメータ内で使用するための地震検知デバイスを開示した。地震検知デバイスは、強い地震を検知することができ、連続した壁に囲まれた空間内に懸吊された鋼球を備える。地震が発生すると、鋼球の動きにより、鋼球の上方に位置する誘導回路によって、一連のオンおよびオフの信号が生成される。これらのオン/オフ信号を使用して、地震の存在を判定し得る。
【0005】
米国特許第5,742,235号には、地震のいくつかの特徴が開示された。それらの分析によると、地震では、その縦波(p波)は横波(s波)よりも速い伝達速度を有する。他方で、縦波の大きさおよび破壊力は、横波よりもはるかに小さい。結果として、米国特許第5,742,235号では、地震の縦波を検知するために、半導体製造プロセスで作られた微小振動スイッチが発明された。この発明の利点は、この地震センサの構造が単純であることと、その製造コストが比較的低いことである。しかしながら、地震の特徴の別の分析によれば、地震の縦波の大きさは非常に小さい(約0.01g)。そのような小さなスケールでは、縦波だけを検知して判定の唯一の基礎として使用すると、地震の判定におけるエラーが容易に引き起こされる。
【0006】
したがって、業界には、高精度で、小型で、かつ低コストの地震センサを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の主題の一態様によれば、上下動を検出するための上下動検出および警報ユニットであって、監視すべき地面または構造物に着設または配置されたフレームと、上方ロッカおよび下方ロッカであって、各々が軸によってフレームに接続されており、フレームに対して軸を中心に旋回することができ、両方のロッカの旋回軸は、互いに平行で、互いの上にあり、本質的に水平であり、旋回軸からある距離でロッカに接続されているカウンタウェイトを各々が有する、上方ロッカおよび下方ロッカと、上方ロッカと下方ロッカとを接続する菅であって、それにより、管の上端が、カウンタウェイトからある距離で、カウンタウェイトとは反対側に、上方ロッカの旋回軸の軸で、上方ロッカに接続され、管の下端が、下方ロッカの旋回軸から本質的に同じ距離で、カウンタウェイトとは反対側である同じ側に、軸で、下方ロッカに接続されている菅と、管内を自由に動き、ばねで管の上端に接続されているウェイトであって、カウンタウェイトは、本質的に、管、ばね、およびウェイトの重量に対してロッカのバランスをとる、ウェイトと、下方ロッカに接続され、上方ロッカの方に本質的に垂直に向いている下方ニードルと、フレームに調節可能に接続され、下方ロッカ内の空洞に挿入されている調節可能弾性部材と、ばね荷重上方ニードルを備える、上方ロッカに接続されたトリガ機構であって、充備状態では、上方ニードルの遠位端が、下方ニードルの遠位端上に静置しており、ニードルの遠位端の相対的運動が、ばね荷重上方ニードルがばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、トリガ機構を作動させる、トリガ機構と、ばね荷重上方ニードルに結合され、ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができるスイッチと、を備え、フレームの上下動が、ロッカを回転させ、したがって、トリガ機構を作動させ、空洞内にある弾性部材の長さを変えると、トリガ機構を作動させるのに必要な上下動の大きさが変わる、上下動検出および警報ユニットが提供される。
【0008】
本開示の主題の別の態様によれば、水平動を検出するための水平動検出および警報ユニットであって、監視すべき地面または構造物に着設または配置されたフレームと、フレームに接続され、支柱を支えるジンバルであって、支柱は、本質的に、ジンバルから垂直に懸吊されており、ジンバルを中心に2つの方向に自由に回転し、その上端に接続された下方ニードルを有し、その下端に空洞を有する、ジンバルと、支柱に接続されたウェイトであって、支柱に沿ったウェイトの位置が調節可能である、ウェイトと、ばね荷重上方ニードルを備える、フレームに接続されたトリガ機構であって、充備状態では、上方ニードルの遠位端が、下方ニードルの遠位端上に静置しており、下方ニードルの遠位端の運動が、ばね荷重上方ニードルがばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、トリガ機構を作動させる、トリガ機構と、ばね荷重上方ニードルに結合され、ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができるスイッチと、を備え、
【0009】
任意の方向におけるフレームの水平動が、支柱を回転させ、したがって、トリガ機構を作動させ、支柱に沿ってウェイトの位置を変えると、トリガ機構を作動させるのに必要な水平動の大きさが変わり、支柱の空洞内にある弾性部材の長さを変えると、トリガ機構を作動させるのに必要な水平動の大きさがさらに変わる、水平動検出および警報ユニットが提供される。
【0010】
本開示の主題の別の態様によれば、運動を検出するための運動検出および警報装置が提供され、運動を検出するための装置は、上下動を検出するための上下動検出および警報ユニットと、水平動を検出するための水平動検出および警報ユニットとを備え、それにより、運動検出および警報装置は、上下動および水平動の両方を検出することができ、上下動検出および警報ユニットまたは水平動検出および警報ユニットのうちの少なくとも一方が作動されたとき、作動されて、警報信号を生成する。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、上下動検出および警報ユニットの感度と、水平動検出および警報ユニットの感度とが、地震事象を検出するように調整される。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、上下動検出および警報ユニットの感度と、水平動検出および警報ユニットの感度とが、リヒタースケール上の事前設定値よりも大きいマグニチュードを有する地震事象を検出するように調整される。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、運動検出および警報装置は、運動検出および警報装置が作動されたときに警報を鳴らす音声警報をさらに有する。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、運動検出および警報装置は、運動検出および警報装置が作動されたときに警報信号を遠隔位置に送信するための信号送信機をさらに有する。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態では、運動検出および警報装置は、非腐食性材料でできており、温度および湿度の影響を受けない。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態では、運動検出および警報装置は、非腐食性材料でできており、温度および湿度の影響を受けない。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、作動後にトリガ機構をリセットすることが、ばね荷重上方ニードルを持ち上げて上方ニードルを下方ニードル上に再び静置させることによって手動で行われる。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、上下動検出および警報ユニットの感度と、水平動検出および警報ユニットの感度とが、人為的な地面の運動を検出するように調整される。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、人為的な地面の運動は、掘削またはトンネル工事のうちの少なくとも一方によって引き起こされる。
【0020】
本開示の主題の別の態様によれば、広域地震警報システムであって、監視域全体を通して複数の場所に位置する、複数の運動検出および警報装置であって、各々が、地震事象を検出し、いったん作動されると、警報信号を送信するための運動検出および警報装置と、作動されたとき警報音を鳴らすための複数のサイレンと、遠隔サーバーであって、運動検出および警報装置から警報信号を受信し、運動検出および警報装置から受信した警報信号に応答して、サイレンのうちの少なくとも1つを作動させるための遠隔サーバーと、を備える、広域地震警報システムが提供される。
【0021】
本開示の主題のさらに別の態様によれば、運動検出器用トリガであって、下方ニードルと、ばね荷重上方ニードルであって、充備状態では、上方ニードルの遠位端が、下方ニードルの遠位端上に静置しており、ニードルの遠位端の相対的運動が、ばね荷重上方ニードルがばねによって作動位置に押されることを可能にすることによって、トリガ機構を作動させる、ばね荷重上方ニードルと、ばね荷重上方ニードルに結合され、ばね荷重上方ニードルがその作動位置まで動いたときに、警報信号を生成することができるスイッチと、を備える、運動検出器用トリガが提供される。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、運動検出器用トリガは、トリガが作動された後、事前設定時間に、ばね荷重上方ニードルをばねの力に抗して押すことにより、トリガをその作動位置からその充備状態に戻してリセットするように構成されたリセット機構をさらに備える。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態では、事前設定時間は、3秒である。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態では、リセット機構は、ソレノイドを備える。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、リセット機構は、電気モータを備える。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の主題が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を本開示の主題の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料が以下に記載される。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先される。加えて、材料、方法、および例は、例示のみであり、限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付の図面を参照して、例としてのみ、開示された主題のいくつかの実施形態が記載される。ここで詳細に図面を具体的に参照すると、示されている詳細は、例として、および本開示の主題の好ましい実施形態の例示的な考察の目的のためのみであり、開示された主題の原理および概念的側面の最も有用で、容易に理解される記載と考えられるものを提供するために提示される。この点に関して、開示された主題の基本的な理解に必要であるよりも多くの詳細で、開示された主題の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面に伴う記載は、いくつかの開示された主題の形態が、実際に具体化され得る方法を当業者に明らかにしている。
【0028】
【
図1A-1B】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、動きを検出するための装置に使用されるニードルベースのトリガ機構を概略的に示す。
【
図2A】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための垂直ユニットを概略的に示す。
【
図2B-2C】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための、設計図垂直ユニットを概略的に示す。
【
図2D-2E】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための較正機構を有する設計図垂直ユニットを概略的に示す。
【
図2F】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による垂直ユニットのいくつかの部品の分解図を概略的に示す。
【
図3A】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、あらゆる方向における水平の動きを検出するための、水平ユニットを概略的に示す。
【
図3B】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、ジンバルの拡大図を概略的に示す。
【
図3C】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による水平の動きを検出するための、水平ユニットの設計図の等角図を概略的に示す。
【
図4】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、水平および上下の両方の動きを検出するための、運動検出装置内に組み合わされた水平ユニットおよび垂直ユニットの両方の設計図の等角図を概略的に示す。
【
図5】開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による広域地震警報システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
開示された主題の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、開示された主題は、その適用において、以下の説明に記載、または図面に示される構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。開示された主題は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施もしくは実行されることが可能である。加えて、本明細書で用いられる語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定と見なされるべきではないことを理解されたい。図面は、概して縮尺どおりではない。明確にするために、必須ではない要素は、一部の図面から省略された。
【0030】
用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、および「有している(having)」は、それらの活用形とともに、「含むがこれらに限定されない」を意味する。用語「からなる(consisting of)」は、「を含み、および限定される」と同じ意味を持つ。
【0031】
用語「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造が、追加の成分、ステップおよび/または部品を含み得るが、追加の成分、ステップおよび/または部品が、特許請求された組成物、方法または構造の基本的および新規の特性を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0033】
本出願を通して、本開示された主題の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔にするためのものであり、開示された主題の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値だけでなく、すべての可能性のある部分的範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。
【0034】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載されている、開示された主題の特定の特徴もまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される開示された主題の様々な特徴はまた、別個に、または任意の好適な部分的組み合わせで、または開示された主題の他の記載された実施形態で好適であるように提供され得る。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。図面では、同じ番号は、同じまたは類似の要素を指す。
【0035】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、動きを検出するための装置に使用されるニードルベースのトリガ機構170を概略的に示す
図1Aおよび
図1Bを参照する。
【0036】
同様のトリガ機構170が、上下および水平の両方の動きを検出するために使用され、これについては、後で説明する。
【0037】
充備状態では、
図1Aに見られるように、上方ニードル161が、下方ニードル162上に静置している210。一方または両方のニードルが他方に対していずれかの方向に動くと199、
図1Bに見られるように、トリガ機構が作動される。いったん上方ニードルが下方ニードル上に静置しなくなると、ニードルアセンブリ197は、ニードルばね203によって強制されて、その支持体193上に静置しているニードル軸202を中心に回転し195、マイクロスイッチ201が作動されて電気警報信号を生成する。
【0038】
ニードル161および162の頭部は細いので、ニードルのわずかな相対的動きでさえ、トリガ機構170を作動させるのに十分である。
【0039】
トリガ機構170をリセットすることは、ニードルアセンブリ197を持ち上げて、上方ニードル161を下方ニードル162上に再び静置させることによって手動で行われる。
【0040】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための、垂直ユニット400を概略的に示す
図2Aを参照する。
【0041】
垂直ユニット400は、第1の台座438、第2の台座488、第3の台座448、および第4の台座460が接続されているフレーム410を備える。
【0042】
トリガ機構170は、第2の台座448に配置されている。
【0043】
上方ロッカ430および下方ロッカ440が、それぞれ、第1の台座438および第3の台座448に関して、それぞれの上方揺動軸432および下方揺動軸442を中心に揺動することができる。上方ロッカ430および下方ロッカ440は、ピボット436を介して上方ロッカ430に接続され、かつピボット446を介して下方ロッカ440に接続された管470によって接続されているので、互いに平行のままであるように制限されている。
【0044】
ウェイト472が、ばね474で管470の上部に接続され、それにより、ウェイト472は、管内で自由に上下に動くように閉じ込められている。上方カウンタウェイト434と下方カウンタウェイト444とが、管の重量と管内の重量とに対してロッカのバランスをとるために使用される。任意選択的に、上方カウンタウェイト434および下方カウンタウェイト444は、ロッカのバランスをとることを可能にするために、それぞれのロッカに沿って動くことができる490。
【0045】
下方ニードル162は、支柱450によって下方ロッカ440に接続され、軸442を中心に回転する。支柱450は、弾性要素462が挿入される空洞452を有する。弾性要素462は、第4の台座460にねじ込まれている垂直感度調整ノブ464を回転させることによって、空洞452に対して上下に動かすことができる。下げられた弾性要素462は、空洞452の外側に弾性要素462をより多く露出させ、システムをより敏感にする。
【0046】
カウンタウェイト434および444の慣性により、ロッカが反時計回りに回転し、フレームの上向き運動に応答してばねが伸び、したがって、トリガ機構170の作動を引き起こす。トリガ機構170は、フレームの下向き運動により、同様に作動される。
【0047】
ユニットの感度を上げるために、すべての軸とピボットは低摩擦タイプであることが好ましい。メンテナンスの手間がかからないために、グリースは使用しないことが好ましい。
【0048】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための、設計図垂直ユニット400を概略的に示す
図2Bおよび
図2Cを参照する。
【0049】
【0050】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための、較正機構500を有する設計図垂直ユニット400を概略的に示す
図2Dおよび
図2Eを参照する。
【0051】
【0052】
図2Dおよび
図2Eには、正確な較正スケール機構500が追加されている。較正ノブ510を回すと、感度インジケータ540が目盛りに沿って上下に動く(目盛りの印はこの図には見られない)。較正ノブ510はまた、較正ボックス530を作動させて弾性要素462を伸長または後退させる減速ギア520を回転させる。
【0053】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による上下の動きを検出するための、垂直ユニット400のいくつかの部品の分解図を概略的に示す
図2Fを参照する。
【0054】
本明細書では、これまでに説明されていない部品のみを説明する。見られる詳細は、非限定的な例示的な実施形態として与えられている。
【0055】
管470は、第1の台座438および第3の台座448にそれぞれ接続するためのピボット436および446のための空洞を示す上端プラグ470aおよび下端プラグを有する。任意選択的な観察スリット870が、ウェイト472を観察することを可能にする。
【0056】
上方ビーム843および下方ビーム844が、それぞれ上方カウンタウェイト434および下方カウンタウェイト444を位置決めするように構成されている。
【0057】
トリガ170のいくつかの詳細もここに見られ、特に、上方ニードル161の位置は、スリーブ802をニードル軸202上で動かして固定し、近位部分869bの空洞内での遠位部分869aの位置決めを調整することによって、ニードルアセンブリ197を伸長または短縮することによって、水平面内で調整することができる。したがって、上方ニードル161の端部が下方ニードル162の端部と整列していることが保証される。
【0058】
下方ニードル162の高さは、上方および下方のニードル基部部分862aおよび862bの相対的位置を調整することによって、上方ニードル161の端部に合うように調整することができる。
【0059】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態によるあらゆる方向での水平の動きを検出するための、水平ユニット300を概略的に示す
図3Aを参照する。
【0060】
水平ユニット300は、第1の台座312、第2の台座314、および第3の台座316が取り付けられたフレーム410を備える。
【0061】
第1の台座312は、すでに説明されたトリガ機構170を収容している。
【0062】
第2の台座314に収容されたジンバル230が、その上端に下方ニードル162を有する支柱330を支持する。支柱330には、ウェイト350が取り付けられている。感度を調整するために、ウェイト350を動かし351、支柱330に沿った位置に固定することができる。
【0063】
感度の微調整は、垂直ユニットで行われるのと同様に行われる。第3の台座316は、支柱330の底部の空洞452’内の弾性要素462’を伸長または後退させる較正ノブ464’を担持する。
【0064】
支柱330がジンバル320上であらゆる方向に自由に回転するとき、弾性要素462’に打ち勝つのに十分な大きさである、任意の水平方向におけるフレーム310の動きが、警報をトリガする。
【0065】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による、ジンバル320の拡大図を概略的に示す
図3Bを参照する。
【0066】
支柱330を支持する内側セクション321は、低摩擦ピボット323を使用して第2の台座314に対して直交方向に回転することができるリング322に対して一方向に回転することができる。
【0067】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による水平の動きを検出するための、水平ユニット300の設計図の等角図を概略的に示す
図3Cを参照する。
【0068】
すでに論じられた要素に加えて、図は、較正スケール390と、ウェイト350の高さに位置決めされた感度インジケータ392とを示す。ポール360上を動くランプ394が、ウェイト350を支柱330に沿ってインジケータ392とともに注意深く上下させるために使用され、インジケータ392は、ポール360に沿って動き、次いでポール360に固定される。ポール360はまた、ユニットを運ぶときにウェイトを固定するためにも使用される。
【0069】
ジンバルの使用とニードルの対称性とにより、水平ユニットは、いかなる方向の運動に対しても同じ感度を有することに留意されたい。これは、2つの軸間の45度の方向の運動に対して感度が低くなり得る、水平方向ごとに1つずつの、2つのセンサを使用する他のユニットタイプとは対照的である。
【0070】
トリガされた後、デバイス(例えば、水平および/または垂直ユニット)を再充備するために、ソレノイドまたは電気モータなどの電気機械式ニードルリセット機構299が任意選択に使用され得る。
【0071】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による水平および上下の両方の動きを検出するための、運動検出装置700内に組み合わされた水平ユニット300および垂直ユニット400の両方の設計図の等角図を概略的に示す
図4を参照する。
【0072】
ここで、開示の主題のいくつかの例示的な実施形態による広域地震警報システム950を概略的に示す
図5を参照する。
【0073】
複数の運動検出装置700が、全国に位置決めされ、好ましくは、いくつかの運動検出装置700は、既知のまたは疑わしい断層線の近くに位置決めされる。運動検出装置700の各々は、電話、インターネット、または無線通信チャネルを介して作動されたときに、警報信号を送信することができる。加えて、複数の警報サイレン900が、全国に、好ましくは人口密集地域の近くに位置決めされる。各警報サイレン900は、警報信号を受信することができ、近隣の人々に地震事象を警告するために作動される。場合によっては、検出装置700および警報サイレン900は、互いに近接しており、警報サイレンは、検出装置に局所的に接続され、それによって局所的に作動される。
【0074】
警報サーバー100が、運動検出装置からの信号を監視し、作動された運動検出装置の相対的位置、それらの作動のタイミング、およびそれらの作動の順序に従って、警報サイレンのうちのどれを作動させるかを決定する。
【0075】
本開示の主題のユニットおよび装置は、温度変化または湿度の影響を受けないように、アルミニウム、ステンレス鋼、およびプラスチックなどの非腐食性材料でできている。
【0076】
ユニットは、所望のトリガ閾値に細かく較正することができる。機械デバイスであることで、長期的な安定性と最小限の消費電力とが可能になる。
【0077】
本開示の主題のユニットおよび装置は、自然の動きおよび人為的な動きの検出に使用し得る。例えば、ユニットおよび装置は、近くの掘削またはトンネル工事作業の検出に使用し得る。
【0078】
本発明は、その特定の実施形態と併せて記載されてきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであることは明確である。したがって、添付の請求項の趣旨および広い範囲内にある、そのようなすべての代替、修正、および変形を包含することが意図される。本明細書に言及されているすべての公開物、特許、および特許出願は、個々の公開物、特許、または特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】