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特表2022-544613デング熱及びA型肝炎を予防するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】デング熱及びA型肝炎を予防するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/12 20060101AFI20221012BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20221012BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20221012BHJP
   A61K 39/125 20060101ALI20221012BHJP
   C12N 7/01 20060101ALN20221012BHJP
【FI】
A61K39/12 ZNA
A61K39/39
A61P31/14
A61K39/125
C12N7/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509723
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020020991
(87)【国際公開番号】W WO2021034349
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】PID2019-07241
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ID
(31)【優先権主張番号】19195692.9
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16/561,953
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/049749
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
2.TWEEN
3.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】507028479
【氏名又は名称】タケダ ワクチン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス、デレック
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA45
4C085AA04
4C085AA38
4C085BA51
4C085BA52
4C085EE03
4C085EE06
4C085FF02
4C085GG03
4C085GG04
(57)【要約】
本発明は、デング熱ワクチン組成物及びA型肝炎ワクチンの単位用量を同日同時に投与することにより、対象または対象集団におけるデング熱疾患及びA型肝炎を予防する方法に関する。デング熱ワクチン組成物の単位用量は、デング熱感染からの保護を改善するために、各デング熱血清型(例えば、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4)のコンストラクトを様々な濃度で含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象または対象集団におけるA型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法に使用するためのA型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量であって、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に投与することを含み、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記A型ワクチン組成物及び前記単位用量。
【請求項2】
前記A型肝炎ワクチンが不活化ウイルスワクチンである、請求項1に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項3】
前記デング熱ワクチン組成物が、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると以下を含む、請求項1または2に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量:
(i)キメラ型デング熱血清型2/1株の場合、少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度、
(ii)デング熱血清型2株の場合、少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度、
(iii)キメラ型デング熱血清型2/3株の場合、少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度、及び
(iv)キメラ型デング熱血清型2/4株の場合、少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度。
【請求項4】
前記対象集団または前記対象が、全てのデング熱血清型に対し血清陰性である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項5】
前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が皮下注射によって投与され、前記A型肝炎ワクチンが筋肉内注射によって投与され、前記注射が好ましくは腕に投与され、より好ましくは腕の三角筋領域に投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項6】
前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンが、異なる解剖学的部位(例えば、反対側の腕)に投与される、請求項5に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項7】
前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量が、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内に投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項8】
前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの1回の用量を、特定的には以下のスケジュールに従って、投与することを含む、請求項7に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量:
-1日目に、前記デング熱ワクチン組成物の第1の単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの第1の同時投与、ならびに
-前記第1の同時投与の後に(例えば、約3ヵ月後に)、前記デング熱ワクチン組成物の第2の単位用量の第2の投与。
【請求項9】
前記対象集団または前記対象が2歳~60歳である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項10】
前記対象集団または前記対象が、デング熱流行地域出身である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項11】
前記対象集団または前記対象が、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行及びA型肝炎非流行地域の出身である、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項12】
前記A型肝炎ワクチンが、A型肝炎ウイルスHM-175株に由来するA型肝炎ウイルスを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項13】
前記A型肝炎ワクチンが、不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスが、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項14】
前記A型肝炎ワクチンが、不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスが、アルミニウムに吸着されている、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項15】
前記アルミニウムが、水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である、請求項14に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項16】
前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記A型肝炎ワクチンが、リン酸緩衝生理食塩水と、その中にアミノ酸形形態及びポリソルベート形態で溶解した賦形剤とを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項17】
前記A型肝炎ワクチンが、ウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)の範囲の濃度で含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項18】
前記方法が、前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象のA型肝炎の血清状態及び/またはデング熱の血清状態が不明である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項19】
前記方法が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を投与するステップの前、間、及び後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与のステップの前、間、または後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象の前記A型肝炎の血清状態及び/または前記デング熱の血清状態が不明である、請求項18に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項20】
前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行請求項のいずれかに記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から四価デング熱ウイルス組成物単位用量及びA型肝炎ワクチンの投与を行う対象を、過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定することなく選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに任意選択で
(C)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の少なくとも1回のさらなる単位用量を、前記第1の単位用量の投与から3~12ヵ月以内に投与すること、ならびに任意選択で
(D)前記対象に、前記A型肝炎ワクチンの少なくとも1回のさらなる用量を、前記第1の単位用量の投与から6~18ヵ月以内に投与すること。
【請求項21】
前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から前記四価デング熱ウイルス組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの投与を行う対象を選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに
(C)前記対象に、前記第1の単位用量の投与から約6ヵ月時及び約12ヵ月時に、前記四価デング熱ウイルス組成物を2回のさらなる単位用量を投与し、前記第1の単位用量の投与の約6ヵ月時または約12ヵ月時のいずれかに、前記A型肝炎ワクチンを投与すること。
【請求項22】
ステップ(A)が、過去にA型肝炎に感染していたかの判定なしに行われる、請求項21に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項23】
前記デング熱ワクチン組成物を医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、前記pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度が、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である、請求項3~22のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項24】
前記方法が、前記デング熱ワクチン組成物と前記A型肝炎ワクチンとの間に適合性をもたらす、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項25】
前記方法が、前記デング熱ワクチン組成物と前記A型肝炎ワクチンとの間に相乗効果をもたらす、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項26】
前記方法が、1つの対象集団及び1つの対照対象集団に分けられた少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で非劣性をもたらし、前記対象集団が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受け、前記対照対象集団が、A型肝炎ワクチン及びプラセボ投与物を同日同時に受ける、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項27】
前記A型肝炎ワクチンが、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%のA型肝炎の血清保護率をもたらす、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項28】
前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、
前記健康な対象が、
e)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団と、
f)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または50例の対象の対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項29】
前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、前記A型肝炎ワクチンが、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のA型肝炎血清保護率をもたらし、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)、ならびにベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)を含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項30】
前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含み、
前記健康な対象が、
e)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対象集団と、
f)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対照対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、請求項1~26のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項31】
前記対象または前記対象集団が、A型肝炎ウイルスの大流行及び/またはデング熱ウイルスの大流行にさらされている、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項32】
前記方法が、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデングウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後にもたらす抗A型肝炎ウイルス抗体幾何平均濃度(GMC)が、少なくとも70mIU/ml、または少なくとも80mIU/ml、または少なくとも90mIU/mlである、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項33】
前記対象または前記対象集団への、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記同日同時の投与が安全である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項34】
前記同日同時の投与に関連する重篤な有害事象が存在しない、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項35】
前記方法が、以下のMNT50によって測定される中和抗体の幾何平均力価(GMT):
-デング熱血清型1の場合、少なくとも110、または少なくとも140、または少なくとも150、
-デング熱血清型2の場合、少なくとも3000、または少なくとも3500、または少なくとも3900、
-デング熱血清型3の場合、少なくとも100、または少なくとも120、または少なくとも140、及び/または
-デング熱血清型4の場合、少なくとも80、または少なくとも110、または少なくとも140を、
ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、ベースラインで全てのデング熱ウイルスの血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象集団に、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が同日同時に投与(0/1日目)されてから30日後にもたらす、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項36】
前記対象または前記対象集団が18~60歳である、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のためのA型肝炎ワクチン及び単位用量。
【請求項37】
A型肝炎及びデング熱疾患に対するキットであって、
少なくとも以下を含む箱を含む、前記キット:
(a)A型肝炎ワクチンを保持する第1の容器、及び
(b)デング熱ワクチン組成物の単位用量を保持する第2の容器であって、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記第2の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象または対象集団に、デング熱ワクチン組成物の単位用量をA型肝炎ワクチンと共に同日同時に投与するための方法に関する。本発明に従う単位用量は、デング熱ウイルスの全ての血清型、すなわち、DENV-1、DENV-2、DENV-3、及びDENV-4に対する免疫応答、ならびにA型肝炎ウイルスに対する免疫応答をもたらす。
【背景技術】
【0002】
ウイルス感染症に対する保護のためのワクチンは、ヒトの疾患の発生率を低減するために有効に使用されてきた。ウイルスワクチンのための最も成功している技術の1つは、弱体化または弱毒化ウイルス株(「弱毒化生ウイルス」)で動物またはヒトを免疫するためのものである。免疫後の複製の制限のため、弱毒化ウイルス株は疾患を引き起こさない。しかし、ウイルス複製が制限されていても、ウイルス抗原の完全なレパートリーを発現させるのには十分であり、ウイルスに対し強力で長期に持続する免疫応答を生じることができる。したがって、免疫された個体は、その後病原性ウイルス株に曝露された際に疾患から保護される。これらの弱毒化生ウイルスワクチンは、公衆衛生上最も成功しているワクチンに含まれる。
【0003】
デング熱疾患は、デング熱ウイルスの感染によって引き起こされる蚊媒介疾患である。デング熱ウイルス感染症は、突然の高熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛、吐き気、嘔吐及び皮膚発疹を含む消耗性及び疼痛性症状につながり得る。これまでのところ、デング熱ウイルスの4つの血清型:デング熱-1(DENV-1)、デング熱-2(DENV-2)、デング熱-3(DENV-3)、及びデング熱-4(DENV-4)が同定されている。デング熱ウイルス血清型1~4はまた、デング出血熱(DHF)及びデング熱ショック症候群(DSS)を引き起こし得る。最も重度の症例では、DHF及びDSSは生命を脅かし得る。デング熱ウイルスは、各年に5000万~1億症例の消耗性デング熱、500,000症例のDHF/DSS、及び20,000件を超える死亡を引き起こし、その大部分が小児である。デング熱ウイルスの4つの血清型はいずれも世界の熱帯地域全体で流行しており、蚊が媒介するウイルスとしては熱帯地域のヒトに対する最も重大な脅威に相当する。デング熱ウイルスは、主にAedes aegypti蚊によってヒトに媒介されるが、Aedes albopictus蚊によっても媒介される。1つのデング熱ウイルス血清型の感染は、その血清型による再感染からの生涯保護をもたらすが、他の3つのデング熱ウイルス血清型のうちの1つによる二次感染を予防するものではない。実際、1つのデング熱ウイルス血清型による過去の感染は、異なる血清型による二次感染時に、重度疾患(DHF/DSS)のリスクの上昇につながり得る。
【0004】
現在まで、1つのみのワクチン、すなわち、黄熱病骨格に基づく四価デング熱ワクチンCYD-TDV(Dengvaxia(登録商標)、Sanofi Pasteur、Lyon、France)が、アジア及び中南米における小児の56~61%のウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的ワクチン有効性(VE)の臨床的実証に基づいていくつかの国において認可されている(Capeding MR et al.Clinical efficacy and safety of a novel tetravalent dengue vaccine in healthy children in Asia:a phase 3,randomised,observer-masked,placebo-controlled trial.Lancet 2014,384:1358-65;Villar LA et al.Safety and immunogenicity of a recombinant tetravalent dengue vaccine in 9-16 year olds:a randomized,controlled,phase II trial in Latin America. Pediatr Infect Dis J 2013,32:1102-9)。しかしながら、臨床試験は、Dengvaxia(登録商標)が、過去にデング熱ウイルスに感染していない個体(血清陰性集団)におけるデング熱感染による重度疾患のリスクを低減するよりむしろ増強し得ることを示している。そのため、Dengvaxia(登録商標)は、過去に少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に感染した個体(血清陽性集団)において使用するために推奨されているにすぎない。より具体的には、その製品についての欧州医薬品庁の欧州公衆評価報告書(EPAR)によれば、Dengvaxia(登録商標)は、以前にデング熱ウイルスに感染したことがあり、かつこの感染症が流行している地域に居住している9~45歳の人々における使用のためのものにすぎない。流行地域は、その疾患が年間を通して定期的に生じる地域である。Sridhar S et al.Effect of Dengue Serostatus on Dengue Vaccine Safety and Efficacy. N Engl J Med 2018,379:327-40;及びWorld Health Organization. Dengue vaccine:WHO position paper-September 2018. Wkly. Epidemiol. Rec.2018,93:457-476も参照されたい。S.R.Hadinegoroらは、the New England Journal of Medicine,Vol.373,page 1195において“Efficacy and Long-Term Safety of a Dengue Vaccine in Regions of Endemic Disease”で、9歳未満におけるウイルス学的に確認されたデング熱疾患の入院のプールリスクが1.58と報告しており、これは、ワクチン接種済み群で重度デング熱のリスクが増加することを示すものである。このため、デング熱ナイーブ個体及び血清陽性個体(流行地域に居住しているデング熱ナイーブ集団、デング熱に対していかなる血清陽性応答も発症したことがないまたはデング熱に曝露されたことがない可能性がある若年の個体、ならびに非流行地域からの渡航者及び個体を含む)のいずれにおいても良好な安全性プロファイルを備えた有効なワクチンに対し、相当程度のアンメットニーズが残されている。1回のみの用量の後にデング熱のリスクを低減する大流行制御または渡航ワクチン接種も必要とされている。
【0005】
現在承認されている唯一のデング熱ワクチンであるDengvaxia(登録商標)の1つのさらなる欠点は、デング熱ウイルスの過去の感染を示す陽性の検査結果を有していた人々、すなわち、デング熱についての既知の血清状態を有する個体のみに提供しなければならないことである(EPAR)。したがって、デング熱の血清状態が不明な個体は、Dengvaxia(登録商標)でワクチン接種することができない。
【0006】
したがって、より広い年齢群にとって、特定的には9歳以下の対象にとっても安全である、血清陰性及び血清陽性の両方の集団において全てのデング熱血清型に対する免疫応答、好ましくは全ての血清型に対するバランスのとれた免疫応答を刺激し、任意の重症度のデング熱疾患(DSS、DHFを含む)に対して保護するデング熱ワクチン及び対応する接種方法が必要とされている。流行状況において及び渡航の目的のために、血清陰性及び血清陽性の両方の集団、特定的には小児及び若年成人及び高齢対象を含む全ての集団を保護することが可能な安全かつ有効なワクチンの開発は、この世界的な疾患の予防及び制御に対する重要なアプローチに相当する。
【0007】
よって、血清状態にかかわらず、広い年齢群において安全かつ有効であるデング熱ワクチン及び対応する接種方法が医学的に必要とされている。費用及び時間を要する血清状態の検査または血清有病率の検討を回避するデング熱ワクチン及び対応する接種方法が必要とされている。大流行の状況で使用され得るデング熱ワクチン及び対応する接種方法が必要とされている。さらに、安全かつ有効であるだけでなく、デング熱の血清状態が不明の個体、9歳未満の小児、及び血清陰性の個体にも投与することができるデング熱ワクチンが医学的に必要とされている。
【0008】
また、6ヵ月間隔で3回用量を投薬する現在のDengvaxia(登録商標)のスケジュールよりも少ない回数の用量で投与されるワクチン、例えば、有効とするのにわずか2回用量または1回用量で投与することができるワクチンも必要とされている。
【0009】
上記目的は、WHOがデング熱ワクチンにおいて提供する研究優先度に見合うものである:WHO方針説明書-2018年9月(Wkly. Epidemiol. Rec.2018、93:457-476)。
【0010】
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)によって引き起こされる肝臓疾患である。そのウイルスは、感染していない(及びワクチン未接種の)人が、感染した人の糞便で汚染された食品または水を摂取した場合に主に広がる。その疾患は、安全ではない水または食品、不適切な公衆衛生及び個人的衛生状態の不良と密接に関連している。そのウイルスはまた、感染した人との密接な身体的接触を介して伝染し得る。B型及びC型肝炎とは異なり、A型肝炎感染症は、慢性肝臓疾患を引き起こさず、致命的であることはほとんどないが、消耗性症状及び劇症肝炎(急性肝臓不全)を引き起こし得、それはしばしば致命的である。A型肝炎は、世界中で散発的に流行し、周期的に再発する傾向がある。
【0011】
A型肝炎ウイルスは、食品媒介感染症の最も頻繁な原因のうちの1つである。汚染された食品または水に関連する伝染病は、約300,000人の人々に影響を及ぼした1988年の上海における伝染病など、爆発的に発生し得る。A型肝炎ウイルスは、環境中に存続し、細菌性病原体を不活化及び/または制御するために慣用的に使用される食品生成プロセスに耐え得る。その疾患は、地域社会において重大な経済的及び社会的結末につながり得る。病気から回復した人が仕事、学校、または日常生活に戻るには、数週間または数ヵ月かかることがある。ウイルスが確認された食品事業所、及び全体的な地域生産性に対する影響は重大であり得る。不十分な衛生状態及び衛生基準が不十分な発展途上国では、ほとんどの小児(90%)が10歳になる前にA型肝炎ウイルスに感染したことがある。
【0012】
国際渡航をする人々の数は、ここ数十年で大幅に増えている。国連世界観光機関(UNWTO)によれば、11億人を超える観光客が2014年に外国に渡航した。国際渡航中に病気になるリスクは、訪れた世界の地域、渡航の長さ、及び計画された活動の多様性などの様々な要因に依存する。ワクチンの推奨は、国際渡航前の健康準備の重要な位置を占める。A型肝炎ウイルスに対するワクチン接種は、アジア、アフリカ、及び中南米を含む世界中のリスクのある地域への渡航者に一般的に推奨されている。
【0013】
慣用的なA型肝炎ワクチン接種では、とりわけ実質的にA型肝炎に罹患するリスクのある渡航者及び免疫不全状態の個体の場合、2回用量スケジュールが推奨されている。しかしながら、健康な個体では、単回用量で同等の有効性が達成されている。小児/若年成人(生後12ヵ月~18歳)及び成人(19歳以上)のためのワクチン接種スケジュールは、筋肉内投与する一次用量及び6~18ヵ月後に筋肉内投与するさらなるブースター用量からなる。
【0014】
利用可能なA型肝炎ワクチンには、HAVRIX(登録商標)及びVAQTA(登録商標)が含まれる。
【0015】
したがって、デング熱疾患及びA型肝炎を同時に予防する安全で効果的な方法が必要とされている。特定的には、対象または対象集団に同時に投与した場合に非劣性をもたらすA型肝炎及びデング熱ワクチン、ならびに相乗効果達成するための好適な投与スケジュールが必要とされている。
【0016】
さらに、自らのA型肝炎及び/またはデング熱の血清状態を把握していない対象、特定的には、デング熱及びA型肝炎の流行国に渡航する非流行国からの対象におけるデング熱及びA型肝炎を有効かつ安全に予防することが必要とされている。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的は、デング熱疾患及びA型肝炎に対する安全かつ有効な保護をもたらすことである。
【0018】
本発明の目的は、対象が自分のデング熱及び/またはA型肝炎の血清状態を把握しておらず、対応する血清試験が利用できないか、実用的でないか、または信頼できない場合の典型的なワクチン接種の状況で有用である、A型肝炎及びデング熱疾患を予防するための投与方法を提供することである。
【0019】
本発明の目的は、A型肝炎及びデング熱の非流行国からの旅行者、特定的にはトラベルクリニックでワクチン接種を受ける旅行者をデング熱疾患及びA型肝炎から安全かつ有効に保護することである。このような状況下では、同じ診察中の重複を回避し、複数の疾患に対するワクチン接種を同時に行うことができれば有益である。
【0020】
本発明の目的は、対象または対象集団におけるA型肝炎及びデング熱疾患のための安全で有効なワクチンと、デング熱流行地域及びデング熱非流行地域出身の対象または対象集団におけるA型肝炎及びデング熱疾患を予防する対応する方法とを、幅広い年齢層、特定的には、2~60歳、好ましくは18~60歳の対象向けに、過去にいずれかのデング熱ウイルス血清型及び/またはA型肝炎ウイルスにさらされた経験とは無関係に、またワクチン接種前のデング熱及び/またはA型肝炎に関する対応する血清陽性または血清陰性とは無関係に、提供することである。
【0021】
本発明の目的は、ワクチン及びA型肝炎及びデング熱疾患を予防する対応する方法を提供することであり、これは、対象または対象集団に個別にA型肝炎及びデング熱ワクチンを投与する前に、個別のデング熱及び/またはA型肝炎の血清状態を検査することを回避し、あるいはワクチン接種を行う対象または対象集団におけるデング熱及び/またはA型肝炎の血清有病率の分析を回避する。
【0022】
本発明の目的は、対象がHAV及びデング熱の流行国に海外渡航する前に、旅行用ワクチンとしてTDVと共に安全に同時投与することができるデング熱ワクチン及びA型肝炎ワクチン、ならびにこれらのワクチンを安全に投与する方法を提供することである。
【0023】
そのため、本発明は、デング熱疾患及びA型肝炎を予防する方法を対象とする。
【0024】
本発明はさらに、対象または対象集団のA型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に投与することを含み、当該単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、方法を対象とする。
【0025】
定義
本発明を記載する上で、以下の用語は、以下に示されるように使用されるべきである。本明細書で使用する場合、文脈による別段の明確な指示がない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」には複数の指示対象が含まれる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「デング熱ワクチン組成物の単位用量」、「単位用量」、及び「本明細書に記載の発明の単位用量」という用語は、単回用量で対象に投与するデング熱ワクチンの量を指す。1つの実施形態において、1回の単位用量がバイアル内に存在し、この単位用量が(例えば、任意選択で再構成後に)対象に投与される。1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の複数の単位用量は、1つのバイアルの内容物で、複数の対象にワクチン接種することができるように、バイアル内に存在し得る。
【0027】
「凍結乾燥された単位用量」または「凍結乾燥形態の単位用量」は、0.5mLなどの所与の体積の液体デング熱ワクチン組成物を凍結乾燥に供することによって得られる単位用量を指す。したがって、医薬的に許容される賦形剤及び4つのデング熱ウイルス株、好ましくはTDV-1~TDV-4を含むデング熱ウイルス組成物を組み合わせることによって生成されるデング熱ワクチン組成物の水性製剤は、凍結乾燥された単位用量を得るために凍結乾燥に供される。
【0028】
「再構成された単位用量」または「再構成された形態の単位用量」は、医薬的に許容される希釈剤での再構成によって凍結乾燥された用量から得られる。希釈剤は、デング熱ウイルスを含有しない。再構成された単位用量は、例えば、皮下注射などの注射によって対象に投与され得る液体である。
【0029】
本明細書で使用する場合、「0.5mLで再構成すると」という用語は、再構成を0.5mLの希釈剤を使用して実施することに限定するものではないが、0.5mLの希釈剤が再構成のために使用された場合に再構成された単位用量に存在するデング熱ウイルスの濃度を指す。再構成のために異なる体積(例えば、0.8mL)を使用すると、再構成された単位用量におけるデング熱ウイルスの異なる濃度をもたらすのに対し、単位用量の合計体積(例えば、0.8mL)の投与は、投与されるデング熱ウイルスの同じ全量をもたらす。
【0030】
本明細書で使用する場合、「少なくともXlog10pfu/0.5mLの濃度」は、0.5mL中のデング熱血清型の濃度を指すが、単位用量を0.5mLに限定するものではない。単位用量が0.5mLとは異なる体積を有する場合、または0.5mLとは異なる体積から凍結乾燥される場合、または0.5mLとは異なる体積で再構成される場合、当該濃度は、「少なくともXlog10pfu/0.5mLの濃度」とは異なることになる。ただし、単位用量の体積が0.5mLの場合、または0.5mLの体積から凍結乾燥される場合、または0.5mLの体積で再構成される場合、当該濃度は、「少なくともXlog10pfu/0.5mLの濃度」となる。したがって、濃度は異なり得るのに対し、単位用量におけるウイルスの合計量は同じままである。
【0031】
本明細書で使用する場合、「デング熱血清型」という用語は、その細胞表面抗原によって定義され、そのため、当技術分野で知られている血清学的方法によって区別され得るデング熱ウイルスの種を指す。現在のところ、デング熱ウイルスの4つの血清型、すなわち、デング熱血清型1(DENV-1)、デング熱血清型2(DENV-2)、デング熱血清型3(DENV-3)及びデング熱血清型4(DENV-4)が知られている。
【0032】
本明細書で使用する場合、「四価デング熱ウイルス組成物」という用語は、4つの異なるデング熱血清型DENV-1、DENV-2、DENV-3、及びDENV-4に由来する4つの異なる免疫原性成分を含む、好ましくは4つの異なる弱毒化生デング熱ウイルス(それぞれ1つのデング熱血清型を表す)を含み、かつ4つ全てのデング熱血清型に対する免疫応答を刺激することを目標とするデング熱ウイルス組成物を指す。
【0033】
本明細書で使用する場合、「弱毒化生デング熱ウイルス」という用語は、病原性を低下させるように変異させた生存可能なデング熱ウイルスを指す。弱毒化生デング熱ウイルスは、全ての成分が同じデング熱血清型から誘導されるデング熱ウイルスの場合もあれば、2つ以上のデング熱血清型に由来する部分を有するキメラデング熱ウイルス、または他のフラビウイルスに由来する部分を有する混合型キメラデング熱ウイルスの場合もある。
【0034】
「ウイルス株」及び特定的には「デング熱ウイルス株」は、特定の核酸配列を特徴とするウイルス、特定的にはデング熱ウイルスの遺伝子サブタイプである。デング熱血清型は、同じ細胞表面抗原を有する異なる核酸配列を有する異なる株を含み得る。デング熱ウイルス株は、全ての成分が同じデング熱血清型から誘導されるデング熱ウイルスであり得、またはそれは、2つ以上のデング熱血清型に由来する部分を有するキメラデング熱ウイルスであり得る。
【0035】
本明細書で使用する場合、「TDV-2」は、弱毒化生DEN-2 PDK-53ウイルス株から誘導される分子的に特徴があり、クローン化されたデング熱血清型2株を指す。PDK-53株は、例えば、Bhamarapravati et al.(1987)Bulletin of the World Health Organization 65(2):189-195に記載されている。1つの実施形態において、TDV-2株は、TDV-1、TDV-3、及びTDV-4株に由来する部分が導入されたキメラTDV-1、TDV-3、及びTDV-4株のための骨格として機能した。
【0036】
「非キメラデング熱ウイルス」または「非キメラデング熱血清型株」または「非キメラデング熱株」は、1つのデング熱血清型に由来する部分しか含まない。特定的には、非キメラデング熱ウイルスは、異なるフラビウイルス(例えば、黄熱病ウイルス、ジカウイルス、ウエストナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス)に由来する部分を含まない。TDV-2は、非キメラデング熱ウイルスの例である。
【0037】
「キメラデング熱ウイルス」または「キメラデング熱血清型株」または「キメラデング熱株」は、少なくとも2つの異なるデング熱血清型に由来する部分を含む。本明細書で使用する場合、キメラデング熱ウイルスは、異なるフラビウイルス(例えば、黄熱病ウイルス、ジカウイルス、ウエストナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス)に由来する部分を含まない。特定的には、本明細書に記載のキメラデング熱ウイルスは、黄熱病ウイルスに由来する部分を含まない。本明細書で使用する場合、「キメラデング熱血清型2/1株」または「DENV-2/1キメラ」または「TDV-1」は、DENV-2及びDENV-1の両方に由来する部分を含むデング熱ウイルスキメラコンストラクトを指す。特定的には、キメラデング熱血清型2/1株において、DENV-1に由来するprM及びEタンパク質は、以下に詳述されるようにDENV-2に由来するprM及びEタンパク質に取って代わる。本明細書で使用する場合、「キメラデング熱血清型2/3株」または「DENV-2/3キメラ」または「TDV-3」は、DENV-2及びDENV-3の両方に由来する部分を含むデング熱ウイルスキメラコンストラクトを指す。特定的には、キメラデング熱血清型2/3株において、DENV-3に由来するprM及びEタンパク質は、以下に詳述されるようにDENV-2に由来するprM及びEタンパク質に取って代わる。本明細書で使用する場合、「キメラデング熱血清型2/4株」または「DENV-2/4キメラ」または「TDV-4」は、DENV-2及びDENV-4の両方に由来する部分を含むデング熱ウイルスキメラコンストラクトを指す。特定的には、キメラデング熱血清型2/4株において、DENV-4に由来するprM及びEタンパク質は、以下に詳述されるようにDENV-2に由来するprM及びEタンパク質に取って代わる。混合型キメラデング熱ウイルスは、他のフラビウイルスの一部を有する。
【0038】
本明細書で使用する場合、「TDV」は、4つのデング熱血清型DENV-1、DENV-2、DENV-3及びDENV-4にそれぞれ由来する表面抗原を発現する4つの弱毒化生デング熱ウイルス株TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4の混合物を含む四価弱毒化生デング熱ワクチンを指す。1つの実施形態において(例えば、実施例においても)、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び/または配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する。1つの実施形態において、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び/または配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する。1つの実施形態において、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び/または配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する。1つの実施形態において、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び/または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する。
【0039】
本明細書で使用する場合、「デング熱疾患」という用語は、デング熱ウイルスの感染が原因で生じる疾患を指す。デング熱疾患の症状には、突然の高熱、頭痛、関節及び筋肉痛、吐き気、嘔吐及び皮膚発疹が含まれる。デング熱疾患という用語にはまた、デング出血熱(DHF)及びデング熱ショック症候群(DSS)のより重度の形態が含まれる。DHFの症状には、上昇した血管透過性、血液量減少及び異常な血液凝固メカニズムが含まれる。DHFを有する対象は、血漿漏出及び出血の重度の徴候を示し得る。DHFを有する対象がショックを受けた場合、その人は、DSSを有するものとして分類される。DSSの症状には、皮膚上の血液の小さな点及び皮膚下の血液の大きな斑点として現れ得る出血が含まれる。持続するショックは、死につながり得る大量の消化器出血を含む合併症に関連する主な要因である。本明細書で使用する場合、DHF症例は、WHO1997DHF基準を満たすVCD症例として定義される。高齢対象のデング熱疾患を予防する文脈において、「デング熱疾患を予防すること」という用語は、好ましくはDHF及び/またはDSSを予防することを含む。高齢対象のデング熱疾患を予防する文脈において、「デング熱疾患を予防すること」という用語は、好ましくは、デング熱の重度の末期器官徴候(例えば、肝腫大及び急性腎不全)を予防することを含む。
【0040】
本明細書で使用する場合、「デング熱疾患を予防すること」は、デング熱ウイルスでの感染により、デング熱疾患の1つ以上の症状の発症から対象を予防することを指す。特定的には、デング熱疾患を予防することは、本明細書に記載の再構成された単位用量などのデング熱ワクチン組成物を対象にワクチン接種または接種することによって達成される。本明細書で使用する場合、「デング熱疾患を予防的に治療すること」という用語は、「デング熱疾患を予防すること」と等価である。特定の実施形態において、デング熱疾患を予防することは、DHS及び/またはDSSを予防することを含む。
【0041】
本明細書で使用する場合、「ウイルス学的に確認されたデング熱疾患」、「VCD症例」、または「VCD熱」という用語は、陽性の血清型特異的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)でデング熱疾患であることが臨床的に疑われる熱性疾病または疾病を指す。「ウイルス学的に確認可能なデング熱」疾患という用語は、臨床的にデング熱疾患である疑いのある熱性疾病または疾病を有する対象であって、(例えば、RT-PCRを用いた)対象の検査によって少なくとも1つのデング熱血清型の存在が確認されると考えられる対象を指す。VCD熱の重度の形態は、以下のように同定される:デング出血熱(DHF)がWHO1997基準に従って定義された。重度デング熱は、憲章で再定義された基準に基づいて全ての入院VCD症例(重度/非重度)を評価する独立したデング熱症例裁定委員会の評価を通して定義された。全ての入院していない症例は、非重度とみなされる。
【0042】
本明細書で使用する場合、「熱性疾病」という用語は、連続した3日のうちの任意の2日で体温が38℃以上となるものとして定義される。
【0043】
本明細書で使用する場合、「入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患」という用語は、重度デング熱の代わりに用いられる用語とみなされ、「入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患の発生率」は安全性パラメーターとして使用される。本明細書で使用する場合、「入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患に関する相対リスク」は、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患の事象数を本明細書に開示する単位用量で処置した対象数で割った値を、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患の事象数をプラセボで処置した対象数で割った値で割ったものを意味する。「入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患に関する相対リスク」が1以下である場合、ワクチンは、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患のリスクをプラセボ以下のリスクにし、「安全」と考えられる。この文脈において、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患のリスクは、特定的には、第2の投与の30日後から第2の投与の12ヵ月後に決定する場合、特定的には、4~16歳の対象の年齢群、4歳から9歳未満の対象の年齢群、2歳から9歳未満の対象の年齢群、4~5歳の対象の年齢群、6~11歳の対象の年齢群、及び12~16歳の対象の年齢群から選択される年齢群で決定する場合、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、または0.1以下であってもよい。
【0044】
本明細書で使用する場合、代替的に、ワクチンは、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患に関するワクチン有効性(VE)が0%以上である場合、「安全」と考えられる。これは、ワクチンが、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患の可能性をプラセボ以下にすることを意味する。特定的に考慮される「安全性」は、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性であって、特定的には、当該単位用量または当該プラセボが6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与したときに、およそ投与スケジュールの第1の投与からまたは第2のまたは最後の投与の30日後から投与スケジュールの第2のまたは最後の投与の少なくとも12ヵ月後まで、12~18ヵ月後まで、12ヵ月後まで、または18ヵ月後まで、特定的には、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性であり、またはベースラインで少なくとも1つの血清型に対し血清陽性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに(特定的には、4~16歳の対象の年齢群、4歳から9歳未満の対象の年齢群、2歳から9歳未満の対象の年齢群、4~5歳の対象の年齢群、6~11歳の対象の年齢群、及び12~16歳の対象の年齢群から選択される年齢群で測定したときに)、下限が25%を超える、複合ワクチン有効性である。特定的には、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、66%を超え、67%を超え、68%を超え、70%を超え、または75%を超え得る。特定的には、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性の両側95%信頼区間は、血清陽性及び血清陰性の対象を比較した場合、両側信頼区間の下限を10%ポイント以内または15%ポイント以内または20%ポイント以内にする。特定の実施形態において、「安全」とは、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性であって、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの最後の投与の12~18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な4~16歳の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が65%を超える、複合ワクチン有効性をもたらすことを意味する。
【0045】
「安全」という用語についての上記で定義される基準のうちの1つが満たされる場合、ワクチンは、本発明の意味の範囲内で安全とみなされる。この文脈において、安全は、特定的には、ベースラインの血清状態にかかわらず全ての対象にとって安全であるワクチンを指す。これは、ワクチンが、投与前の対象における過去のデング熱感染の発生の決定を必要とせずに投与することができることを意味する。好ましくは、ワクチンは、好ましくは血清状態にかかわらず、4歳から開始する全ての年齢群に関して、特定的には4~60歳または4~16歳に関して、上記で定義されるように安全である。この文脈における関連のある下位群は、9歳未満、2歳から9歳未満、4歳から9歳未満、4~5歳、6~11歳及び12~16歳または4~16歳の範囲内の任意の年齢群である。入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患に対するVEのさらなる定義については、ある特定の治療方法に関する以下の開示で言及する。
【0046】
本明細書で使用する場合、「ワクチン有効性」または「VE」は、ワクチン接種済みの人々の症例の比例的減少を測定する。ワクチン有効性(VE)は、ワクチン接種済みの人々及びワクチン未接種の人々における疾患のリスクを計算し、ワクチン未接種の人々に対するワクチン接種済み人々の疾患リスクの減少パーセンテージを決定することにより、測定される。ワクチン接種済み群の疾病の減少パーセンテージが高いほど、ワクチン有効性が高くなる。例えば、90%のVEは、ワクチン接種済み群における疾患発生の90%の減少、またはワクチン未接種の場合に予測される症例数の90%の減少を示す。ワクチン有効性は、式:100*(1-HR)(式中、HRは、ワクチンのハザード率(λv)をプラセボのハザード率(λc)で割ったもの、すなわち、HR=λv/λcとして定義されるハザード比である)によって計算される。λvは、本明細書に開示する四価デング熱ワクチン組成物でワクチン接種した対象におけるハザード率を示し、λcは、ワクチン接種未接種の対象、すなわち、プラセボ投与対象におけるハザード率を示す。ハザード率比HRは、ファクターとしての試験ワクチンを用いたCox比例ハザードモデルから推定され、年齢について調整され、地域によって層別化される。本明細書で使用する場合、「4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性」という用語は、ウイルス学的に確認されたデング熱疾患の原因となる血清型及び対象のベースラインの血清状態にかかわらないデング熱疾患のリスクに関するワクチン有効性として定義される。ワクチンは、複合有効性が30%を超える場合に「有効」とみなされる。この文脈において、複合ワクチン有効性は、特定的には、4~16歳の対象の年齢群、4歳から9歳未満の対象の年齢群、2歳から9歳未満の対象の年齢群、4~5歳の対象の年齢群、6~11歳の対象の年齢群、及び12~16歳の対象の年齢群から選択される年齢群で決定したときに、特定的には、第2の投与から30日後~第2の投与から12ヵ月後または第2のワクチン接種から18ヵ月後に決定したときに、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、72%以上、または80%以上であり得る。この文脈において、有効は、特定的には、ベースラインの血清状態にかかわらず全ての対象にとって有効であるワクチンを指す。好ましくは、ワクチンは、好ましくは、血清状態にかかわらず4歳から開始する全ての年齢群に関して、特定的には、血清状態にかかわらず4~60歳または4~16歳に関して有効である。この文脈における関連のある下位群は、9歳未満、2歳から9歳未満、4歳から9歳未満、4~5歳、6~11歳及び12~16歳または4~16歳の範囲内の任意の年齢群である。ある特定の実施形態において、「有効」とは、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの最後の投与の18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性の下限が60%を超える、複合ワクチン有効性をもたらすことを意味する。さらなる具体的な有効性が定義され得る。本明細書で使用する場合、「血清陰性対象の4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性」は、ベースラインで血清陰性である対象で測定された有効性を指す。本明細書で使用する場合、「特定の血清型、例えば、血清型1に対するワクチン有効性」は、ウイルス学的に確認されたデング熱疾患の原因となる特定の血清型に関する有効性を指す。本明細書で使用する場合、「入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性」とは、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱症例のみが考慮される有効性を指す。このようなワクチン有効性は、ベースラインで血清陰性または血清陽性である対象に関して、また、異なる年齢群毎に決定され得る。
【0047】
本明細書で使用する場合、「相対リスク」は、ウイルス学的に確認されたデング熱疾患の事象の数を本明細書に開示する単位用量で処置した対象数で割った値を、ウイルス学的に確認されたデング熱疾患の事象数をプラセボで処置した対象数で割った値で割ったものを意味する。本明細書で使用する場合、「4つ全ての血清型に対する複合相対リスク」という用語は、ウイルス学的に確認されたデング熱疾患の原因となる血清型及び対象のベースラインの血清状態にかかわらないデング熱疾患のリスクに関する相対リスクとして定義される。
【0048】
本明細書で使用する場合、「ワクチン接種」または「接種」は、対象が疾患の1つ以上の症状を発症するのを予防することを目的とする、対象へのワクチンの投与を指す。本明細書で使用する場合、「デング熱疾患に対するワクチン接種」または「デング熱疾患に対する接種」は、対象がデング熱疾患の1つ以上の症状を発症するのを予防することを目的とする、対象へのデング熱ワクチン組成物の投与を指す。原理的には、方法は、一次ワクチン接種と、任意選択で1つ以上のブースターワクチン接種とを含む。一次ワクチン接種は、保護的免疫応答を確立するための本明細書で開示する組成物または単位用量を投与するための一次投与スケジュールとして定義され、例えば、3ヵ月以内の、例えば、2回の投与からなる。本開示の範囲内で投与が言及される際は常に、このような投与は、ブースターワクチン接種として指定されない限り一次ワクチン接種を指す。ブースターワクチン接種とは、一次ワクチン接種後、例えば、一次ワクチン接種スケジュールの最後の投与、例えば、第2の投与の少なくとも1年後、または4~4.5年、または5もしくは10年後においても行われる投与または投与スケジュールを指す。ブースター投与は、一次ワクチン接種の免疫応答を増強または再確立することを試みる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「対象(単数または複数)」という用語は、ヒト対象(例えば、幼児、小児または成人)に限定される。「高齢対象(単数または複数)」という用語は、年齢が60歳超、例えば、61~100歳、61~90歳、61~80歳、61~75歳、または61~70歳の対象を指す。
【0050】
本明細書で使用する場合、「対象集団」は、対象の群を指す。対象集団は、少なくとも40例の対象、少なくとも50例の対象、少なくとも60例の対象、少なくとも100例の対象または少なくとも1000例の対象を指すことができ、ある特定のパラメーターによって定義される。対象集団を定義するために使用され得るパラメーターには、限定されるものではないが、対象がデング熱流行地域の出身であるか、またはデング熱非流行地域の出身であるかにかかわらず、対象の年齢及び対象の血清状態が含まれる。
【0051】
本明細書で使用する場合、「流行地域」は、この地域内の集団において疾患または感染性物質が絶えず存在しており、及び/または通常蔓延している地域を指す。本明細書で使用する場合、「非流行地域」は、疾患が存在しないか、または通常は蔓延していない地域を指す。したがって、「デング熱流行地域」は、デング熱ウイルスの感染症がベースラインレベルで絶えず維持される地理的地域を指す。「デング熱非流行地域」は、デング熱ウイルスの感染症がベースラインレベルで絶えず維持されない地理的地域である。したがって、「デング熱流行地域の出身」または「デング熱非流行地域の出身」の対象集団または対象は、上記で定義される地理的地域に居住している対象集団または対象を指す。地理的地域または対象集団がデング熱流行であるかそうでないかは、Bhatt et al.(2013)Nature 496(7446):504-507及び補充資料ならびにStanaway et al.(2016)Lancet Infect Dis.16(6):712-723及び補充資料に記載されているものなどの異なる計算方法によって決定され得る。デング熱流行地域及びデング熱疫学の概要は、例えば、WHOまたはCDCによって定期的に公開されている。典型的なデング熱流行地域は、中南米、東南アジア及び太平洋諸島にあり、デング熱流行国には、オーストラリア、ブラジル、バングラディシュ、コロンビア、中国、ドミニカ共和国、インドネシア、インド、メキシコ、マレーシア、ニカラグア、ナイジェリア、パキスタン、パナマ、フィリピン、プエルトリコ、シンガポール、スリランカ、タイ及びベトナムが含まれるがこれらに限定されない。地域の感染力は、血清有病率として提供される血清有病性調査によって測定される。極めて高い感染力を有する地域は、80%を超える血清有病率を有すると考えられる。本明細書で使用する場合、「地域」という用語は、血清有病率に関する場合、血清有病率が決定される可能性があるか、または知られている地理的地域、例えば、村、町、都市、地域、郡、州、地区または前述の一部または国全体を指す。
【0052】
本明細書で使用する場合、「血清状態」は、対象がある特定の感染性物質、特定的にはデング熱ウイルスに関して有する抗体の量を指す。本明細書で使用する場合、「血清陰性」または「血清ナイーブ」は、対象が、血清中にデング熱血清型DENV-1、DENV-2、DENV-3、及びDENV-4のいずれか1つに対する中和抗体を有しないことを意味する。血清陰性または血清ナイーブ対象または対象集団は、4つのデング熱血清型の各1つについて10未満の中和抗体力価によって定義される。少なくとも1つのデング熱血清型について10以上の中和抗体力価を有する対象または対象集団は、当該デング熱血清型に関して「血清陽性」として定義される。ベースラインにおける血清状態は、本明細書に記載されるデング熱ワクチン組成物の投与前の血清状態を指す。
【0053】
本明細書で使用する場合、「中和抗体力価」は、それぞれのデング熱血清型を中和する対象の血清中の抗体の量を指す。DENV-1、DENV-2、DENV-3、及びDENV-4に対する中和抗体力価は、WHOガイドライン(World Health Organization Department of Immunization Vaccines Biologicals(2007)Guidelines for plaque reduction neutralization testing of human antibodies to dengue viruses,WHO/IVB/07.07)に記載されているプラーク減少中和試験(PRNT)または本明細書に記載されるマイクロ中和(MNT50)アッセイなどの既知の方法を使用して対象の血清サンプルにおいて決定される。本明細書で使用する場合、「20以下のデング熱血清型2の中和抗体力価のデング熱血清型4の中和抗体力価に対する比」は、デング熱血清型2の中和抗体力価をデング熱血清型4の中和抗体力価で割って得られた比が20以下であることを意味する。すなわち、そのデング熱血清型2の中和抗体力価は、対象におけるデング熱血清型4の中和抗体力価の20倍以下の高さである。
【0054】
本明細書で使用する場合、「幾何平均中和抗体力価」及び「GMT」という用語は、対象集団における対象の血清中の対応するデング熱血清型に対する中和抗体の力価の幾何平均値を指す。幾何平均値は、よく知られている式によって計算される。本明細書で使用する場合、「20以下のデング熱血清型2のGMTのデング熱血清型4のGMTに対する比」は、デング熱血清型2の幾何平均中和抗体力価(GMT DENV-2)をデング熱血清型4の幾何平均中和抗体力価(GMT DENV-4)で割って得られた比が20以下であることを意味する。すなわち、そのデング熱血清型2の幾何平均中和抗体力価は、対象集団におけるデング熱血清型4の幾何平均中和抗体力価の20倍以下の高さである。
【0055】
本明細書で使用する場合、「免疫応答」とは、デング熱ワクチンの投与に対する対象の応答を指す。特定的には、免疫応答には、1つ以上のデング熱血清型に対する中和抗体の形成が含まれる。また免疫応答には、細胞媒介応答の刺激または非構造タンパク質(例えば、NS1)に対する抗体の形成が含まれ得る。免疫応答が本明細書に記載の発明の単位用量の投与によって刺激されるのは、前述の単位用量の前述の投与後に、少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型、好ましくは4つ全てのデング熱ウイルス血清型に対する中和抗体の力価が上昇する場合である。免疫応答が本明細書に記載の発明の単位用量の投与によって刺激されるのは、当該単位用量の当該投与後に、デング熱ウイルスタンパク質に由来するペプチドで刺激される末梢血単球細胞によるインターフェロンガンマの分泌が上昇する場合である。免疫応答が本明細書に記載の発明の単位用量の投与によって刺激されるのは、当該単位用量の当該投与後に、非構造タンパク質(例えば、NS1)に対する抗体の力価が上昇する場合である。特定の実施形態において、本明細書に記載の本発明の再構成された単位用量の投与は、1つ以上のデング熱血清型に対する中和抗体の形成、細胞媒介応答、及び非構造タンパク質(例えば、NS1)に対する抗体の形成を刺激する。
【0056】
本明細書で使用する場合、「バランスのとれた免疫応答」は、4つのデング熱血清型に対する免疫応答が、4つ全てのデング熱血清型による感染に対する保護をもたらすのに十分であり、好ましくは4つのデング熱血清型に対する免疫応答が同様の強さを有することを意味する。特定的には、本明細書に記載の発明の第1の再構成された単位用量の投与後180日目または365日目での4つのデング熱血清型に対する中和抗体力価は同様であり、すなわち、それは、30倍未満、25倍未満または20倍未満だけ異なる。
【0057】
四価デング熱ワクチンの各個々の成分についての濃度パーセンテージの計算のための基準値として機能する「pfu/0.5mlでの総濃度」は、3.60log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型1、4.00log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2、4.60log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型3及び5.11log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型4を含む1つの例示的な四価ワクチン組成物のために示される。
主として、濃度の対数値は数値に変換される。この変換の結果は、血清型1については4×10pfu/0.5ml、血清型2については1×10pfu/0.5ml、血清型3については4×10pfu/0.5ml及び血清型4については1.3×10pfu/0.5mlである。pfu/0.5mlでの総濃度は、1.84×10pfu/0.5mlをもたらす先行数値の合計である。
【0058】
血清型1、2、3、及び4の各々についての「濃度パーセンテージ」は、個々の血清型の濃度数値(pfu/0.5mlとして表される)を総濃度(pfu/0.5mlで表される)で除算し、その結果に100を乗算することによって得られる。すなわち、
血清型1の濃度パーセンテージ=(4×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=2%
血清型2の濃度パーセンテージ=(1×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=5%
血清型3の濃度パーセンテージ=(4×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=22%
血清型4の濃度パーセンテージ=(1.3×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=71%。
濃度パーセンテージは、四捨五入して整数にする。
【0059】
本明細書で使用する場合、「同時」投与とは、デング熱ワクチン及びA型肝炎ワクチンなどの少なくとも2つの異なるワクチンを同日に投与することを意味する。「同日」は、24時間以内(例えば、1暦日内)という通常の意味を有する。同時投与は、同じ医師によって、例えば、同一の医学的診察中に投与され得る。
【0060】
本明細書で使用する場合、「連続」投与とは、少なくとも2つの異なるワクチン(例えば、デング熱ワクチン及び黄熱ワクチン、またはデング熱ワクチン及びA型肝炎ワクチン)を、異なる日または後続の日に、例えば90日以内に、ただし複合投与スケジュールで投与することを意味する。
【0061】
本明細書で使用する場合、「慢性疾患または状態」という用語には、高齢対象で3ヵ月以上持続する疾患及び状態が含まれる。特定的には、それには、糖尿病、高血圧、アレルギー、過去の脳卒中、虚血性心疾患、慢性腎障害及び慢性閉塞性肺疾患が含まれる。
【0062】
本明細書で使用する場合、「免疫機能不全」という用語は、免疫系の少なくとも1つの成分の少なくとも1つの機能が、より若い対象、すなわち、60歳未満の年齢を有する対象におけるものよりも弱いことを意味する。これらの機能には、デング熱ウイルスによって誘発される酸化ストレスに対する単球の抗酸化応答の低下及びデング熱ウイルス感染症に応答するT細胞応答及びサイトカイン産生の低下が含まれる。
【0063】
本明細書で使用する場合、6歳未満の小児における「非自発的全身性有害事象」は、各ワクチン接種後14日内に生じた発熱、過敏性/癇癪、眠気及び食欲の喪失として定義され、6歳以上の小児では、各ワクチン接種後14日内に生じた発熱、頭痛、無力症、不快感及び筋肉痛として定義される。
【0064】
本明細書で使用する場合、「非自発的局所有害事象」は、各ワクチン接種後7日以内に生じた注射部位の疼痛、注射部位の紅斑、注射部位の腫れである。
【0065】
本明細書で使用する場合、「自発的有害事象」は、上記で定義される非自発的局所または全身性AEではない任意の有害事象(AE)である。
【0066】
本明細書で使用する場合、「重篤な有害事象」または「SAE」は、任意の用量で死亡に至る、生命を脅かす、入院または既存の入院の延長を必要とする、持続的または重大な障害/能力不全をもたらす、先天性異常/出生時欠損である、または上記の基準以外の理由により医学的に重要である任意の予期せぬ医学的事象または影響である。
【0067】
試験ワクチン(複数可)に対する非自発的全身性AE(非自発的局所AEが関連していると考えられる)を含む各AEの関係は、以下のカテゴリーを使用して評価される:本明細書で使用する場合、「IP関連AE」または「ワクチン関連AE」は、ワクチンとAEとの間の関係があること(見込みの程度の決定を伴わない);ワクチンがAEに寄与した合理的可能性があることを意味する。本明細書で使用する場合、「非IP関連」または「非ワクチン関連」は、ワクチンとAEとの間の関係があるという疑いがないこと;他のより可能性のある原因があること、及びワクチンの投与がAEに寄与したと疑われないことを意味する。
【0068】
本明細書で使用する場合、「2~60歳」または「18~60歳」である対象または対象集団は、本明細書に記載されるデング熱ワクチン組成物の投与の1日目に2~60歳または18~60歳である対象または対象集団を指す。
【0069】
本明細書で使用する場合、「%ポイント」は、2つの%値の%値の差を指す。例えば、%での2つの値が5%ポイント以内にある場合、例えば、1つの値が1%で、2つ目の値が6%であることを指す。
【0070】
本明細書で使用する場合、「投与前の対象における過去のデング熱感染の判定」という用語は、適切に認証された血清学的試験により、例えば、実施例2に記載のMNT50試験などの本明細書に開示する方法または地域疾患疫学に基づく特異性及び交差反応性の観点から適正な性能を有する任意の血清試験によって実験室で確認されたデング熱の既往歴があるという過去のデング熱感染がワクチン接種前に評価されなければならないことを意味する。
【0071】
本明細書で使用する場合、%w/vは%mg/mlを指し、例えば、150mg/mlは15%w/vである。
【0072】
本明細書で使用する場合、「A型肝炎ウイルス」という用語は「HAV」と略記されることがある。
【0073】
本明細書で使用する場合、「プラセボ」という用語は「Pbo」と略記されることがある。
【0074】
本明細書で使用する場合、「ベースラインでA型肝炎血清陰性」または「(ベースラインで)A型肝炎ナイーブ」は各々、対象が血清中に予め定義された量の抗A型肝炎抗体を有しないことを意味する。定量的には、対象のA型肝炎血清陰性度は、抗A型肝炎抗体レベル<10mIU/mlとして定義される。ELISAによって抗A型肝炎抗体を決定する場合、定量化の下位レベルは12.5mIU/mlであり、これが血清陰性を決定するための抗HAV抗体の事実上の下位レベルとなる。抗A型肝炎抗体レベル≧12.5mIU/mlの対象をA型肝炎血清陽性として定義する。抗A型肝炎抗体を決定するためのELISAは、例えば、Beck et al.J Travel Med 2004;11:201-207に開示されている。
【0075】
本明細書で使用する場合、「ベースラインで」は、最初のワクチン接種の前に対象の血清状態を最後に測定した時点を指す。
【0076】
本明細書で使用する場合、「mIU/ml」という単位は、1ミリメートル当たりのミリ国際単位を意味する。この濃度単位は、(例えば、ワクチン接種前または接種後に測定したときの)対象の血清中の抗A型肝炎抗体の量を指す。本明細書で使用する場合、本発明の「A型肝炎ワクチンのウイルス抗原活性」は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を用いたWHOの標準勧告の観点から表される。このWHOの勧告(2012年6月発行のWHO Information Sheet“Observed Rate of Vaccine Reactions - Hepatitis A Vaccine”参照)によると、A型肝炎ワクチンのウイルス抗原活性はELISA単位(EL.U.)の観点で表される。A型肝炎ワクチンのウイルス抗原活性は、例えば、Andre FE.,Hepburn A.D’Hondt E.,“Inactivated candidate vaccines for hepatitis”,A.Prog Med Virol 1990;37:72-95に従い、ELISAによって決定することができる。
【0077】
本明細書で使用する場合、「CCID」という用語は、細胞培養物の50%に感染するウイルス(例えば、ワクチンウイルス)の量を指す。CCID50アッセイは、統計的力価計算を用いた限界希釈アッセイである(Morrison D et al,J Infect Dis.2010;201(3):370-7))。
【0078】
本明細書で使用する場合、A型肝炎ワクチン及び四価デング熱ワクチンの同日同時投与に関する「非劣性」とは、特定的には、HAV及びプラセボを受ける対象群(同日同時に受ける対象群、すなわち対照対象集団)のSPRと、HAV及びTDVを(同日同時に)受ける対象群のSPRとの間の血清保護率(SPR)の差が、10%に設定した非劣性マージンよりも低い両側95%信頼区間の上限を有する場合に結論付けられ、このとき血清保護率は、1日目に同時投与してから30日後の測定値に基づいており、ニューコムスコア法を用いて算出される。非劣性臨床試験は、少なくとも2つの治療方法を比較するように設計された試験であり、本事例では、デング熱ワクチン及びA型肝炎ワクチンの同時投与と、デング熱ワクチンまたはA型肝炎ワクチンのいずれかの単剤投与とを比較する。
【0079】
本明細書で使用する場合、「血清保護率」(「SPR」と略記)という用語は、ベースラインでHAVまたはDEN-ナイーブの対象が最初のワクチン接種から30日後(1ヵ月後)にそれぞれHAVまたはDENVに対し血清保護されている割合/パーセンテージによって定義される。
【0080】
本明細書で使用する場合、「対照対象集団」という用語は、臨床試験設定(例えば、非劣性臨床試験)で、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の同時投与を受けるのではなく、1つのverum(例えば、A型肝炎ワクチンまたはデング熱ワクチン組成物の単位用量)及びプラセボを同じ日に受ける対象の群を指す。
【0081】
本明細書で使用する場合、「相乗性(synergism)」または「相乗作用(synergy)」という用語は、対象または対象集団に、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を、同日同時に投与することによる効果として定義され、当該投与は、デング熱ウイルスの各血清型に対し、対応するA型肝炎ワクチン及びプラセボの同日同時投与、及び/またはデング熱ワクチン組成物の単位用量及びプラセボの同日同時投与(単剤投与)よりも高い抗A型肝炎抗体濃度及び/または高い中和抗体の平均力価をもたらす。このように、単剤投与に比べて同時投与後の抗体濃度が高いことは、同時投与に有利な徴候である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】TDVに含有される4つのデング熱株の遺伝子構造。赤抜きの三角形は、5’NCR、NS1及びNS3タンパク質に存在する3つの弱毒化変異を示している。TDV-1、TDV-3、及びTDV-4株は、デング熱血清型1、3、及び4に由来するprM及びE遺伝子がそれぞれTDV-2骨格内に挿入されているキメラウイルスである。
図2】中和抗体の力価を決定するために使用されるマイクロ中和試験(MNT)を示す概略図。
図3】実施例3の臨床試験のフロー図。
図4】ベースラインの血清状態毎のパート1試験期間中の経時的なA)ウイルス学的に確認されたデング熱症例及びB)入院したウイルス学的に確認されたデング熱症例の累積発生率(安全性セットデータ;18ヵ月目で切り取られて示されたデータ)。表は、パート1試験期間の終了までの様々な時点における追跡調査下の参加者の数を示している。
図5】実施例3に記載の第III相試験の試験設計。
図6】実施例4に記載のHAV及びTDVの同時投与試験の試験設計のスキーム。
【発明を実施するための形態】
【0083】
デング熱ウイルス株
デング熱ウイルスは、フラビウイルス科の一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。分類法が表1にまとめられている。フラビウイルス科には、3つの属、すなわち、フラビウイルス属、ヘパシウイルス属及びペスチウイルス属が含まれる。フラビウイルス属は、非常に病原性があり、かつ潜在的に出血性の熱ウイルス、例えば、黄熱病ウイルス及びデング熱ウイルス、脳炎ウイルス、例えば、日本脳炎ウイルス、マレーバレー脳炎ウイルス及びウエストナイルウイルス、ならびに多数のより病原性が低いウイルスを含有する。
【0084】
【表1】
【0085】
フラビウイルスゲノムは、5’から3’方向で(図1参照):
-5’-ノンコーディング領域(5’-NCR)、
-カプシドタンパク質(C)コード領域、
-プレメンブレンタンパク質(prM)コード領域、
-エンベロープタンパク質(E)コード領域、
-非構造タンパク質(NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、NS5)をコードする領域及び
-3’ノンコーディング領域(3’-NCR)、を含む。
【0086】
ウイルス構造タンパク質は、C、prM及びEであり、非構造タンパク質は、NS1~NS5である。構造及び非構造タンパク質は、単一のポリタンパク質として翻訳され、細胞及びウイルスプロテアーゼによって処理される。
【0087】
本明細書に記載の発明の単位用量は、デング熱血清型1、デング熱血清型2、デング熱血清型3、及びデング熱血清型4を表す4つの弱毒化生デング熱ウイルス株(四価デング熱ウイルス組成物)を含むデング熱ウイルス組成物を含む。好ましくは、組成物は、キメラデング熱ウイルス及び任意選択で少なくとも1つの非キメラデング熱ウイルス、特定的には、弱毒化生DEN-2 PDK-53ウイルス株(TDV-2)から誘導される分子的に特徴付けられ、クローン化されたデング熱血清型2株、ならびにTDV-2株に由来する構造タンパク質prM及びEを他のデング熱血清型に由来する対応する構造タンパク質に置き換え、以下のキメラデング熱株:
-DENV-2/1キメラ(TDV-1)、
-DENV-2/3キメラ(TDV-3)及び
-DENV-2/4キメラ(TDV-4)、をもたらすことによってTDV-2株から誘導された3つのキメラデング熱株を含む。
【0088】
遺伝子修飾された四価デング熱ワクチンTDVは、分子的に特徴付けられ、クローン化されたデング熱-2ウイルス株(TDV-2)に基づく。この弱毒化TDV-2株は、Mahidol University,Bangkok,Thailand(Kinney et al.(1997)Virology 230(2):300-308)において元々単離された実験室由来の弱毒化DEN-2 PDK-53ウイルス株のcDNAクローニングによって生成された。DEN-2 PDK-53は、初代イヌ腎臓(PDK)細胞において32℃で53回の連続継代によって生成された(Bhamarapravati et al.(1987)Bull. World Health Organ.65(2):189-195)。
【0089】
弱毒化DEN-2 PDK-53株(TDV-2の前駆体)は、野生型ウイルス株DEN-2 16681(配列番号11)から誘導され、以下のように9個のヌクレオチドにおいて野生型とは異なる(Kinney et al.(1997)Virology 230(2):300-308):
(i)5’-ノンコーディング領域(NCR)-57(nt-57 CからT):主要弱毒化遺伝子座
(ii)prM-29 AspからVal(nt-524 AからT)
(iii)nt-2055 CからT(E遺伝子)サイレント変異
(iv)NS1-53 GlyからAsp(nt-2579 GからA):主要弱毒化遺伝子座
(v)NS2A-181 LeuからPhe(nt-4018 CからT)
(vi)NS3-250 GluからVal(nt-5270 AからT):主要弱毒化遺伝子座
(vii)nt-5547(NS3遺伝子) TからC サイレント変異
(viii)NS4A-75 GlyからAla(nt-6599 GからC)
nt-8571 CからT(NS5遺伝子)サイレント変異
【0090】
5’ノンコーディング領域(NCR)(ヌクレオチド57)(変異(i))、NS-1(配列番号4のアミノ酸828)(変異(iv))及びNS-3遺伝子(配列番号4のアミノ酸1725)(変異(vi))に位置する3つのヌクレオチド変化は、DEN-2 PDK-53株の弱毒化表現型のための基礎を形成する(Butrapet et al.(2000)J.Virol.74(7):3111-3119)(表2)。これらの3つの変異は、「弱毒化変異」として本明細書で称され、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4に含まれる。
【0091】
【表2】
【0092】
1つの実施形態において、TDV-2は、3つの弱毒化変異に加えて、
a)prM遺伝子におけるヌクレオチド524でのアデニンからチミジンへの変異であって、位置143でのアスパラギンからバリンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
b)E遺伝子におけるヌクレオチド2055でのシトシンからチミジンへのサイレント変異、及び/または
c)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド4018でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置1308でのロイシンからフェニルアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
d)NS3遺伝子におけるヌクレオチド5547でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、及び/または
e)NS4A遺伝子におけるヌクレオチド6599でのグアニンからシトシンへの変異であって、位置2168でのグリシンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
f)prM遺伝子におけるヌクレオチド900でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
DEN-2 PDK-53のNS5遺伝子におけるヌクレオチド8571でのシトシンからチミジンへのサイレント変異は、TDV-2株には存在しない。
【0093】
別の実施形態において、TDV-2は、3つの弱毒化変異に加えて、
g)prM遺伝子におけるヌクレオチド592でのアデニンからグアニンへの変異であって、位置166でのリジンからグルタミンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
h)NS5遺伝子におけるヌクレオチド8803でのアデニンからグアニンへの変異であって、位置2903でのイソロイシンからバリンへのアミノ酸変化をもたらす変異 から選択される1つ以上の変異を含む。
【0094】
別の実施形態において、TDV-2は、3つの弱毒化変異に加えて、変異a)及びg)、好ましくは変異a)、g)、c)、e)、及びh)、より好ましくは変異a)、g)、c)、e)、h)、及びb)、さらにより好ましくは変異a)、g)、c)、e)、h)、b)、及びd)、最も好ましくは変異a)~h)を含む。TDV-2のヌクレオチド位置及びアミノ酸位置は、配列番号3に示されるヌクレオチド配列及び配列番号4に示されるアミノ酸配列を指す。
【0095】
デング熱ウイルスの構造エンベロープ(E)タンパク質及びプレメンブレン(prM)タンパク質は、中和保護抗体応答を誘発する一次抗原として同定されている(Plotkin 2001)。四価デング熱ワクチン(TDV)の作製のため、標準的な分子遺伝子操作法(Huang et al.(2003)J.Virol.77(21):11436-11447)を使用してDENV-2のprM及びEの糖タンパク質をコードする核酸配列をDENV-1、DENV-3、及びDENV-4の野生型株DENV-1 16007、DENV-3 16562またはDENV-4 1036ウイルスにそれぞれ由来する対応する野生型prM及びEの糖タンパク質をコードする核酸配列に置き換えることによってTDV-2を修飾した(表3参照)。
【0096】
【表3】
【0097】
デング熱ワクチン組成物に含まれる4つのTDV株の図が図1に示されている。
【0098】
キメラデング熱株TDV-1、TDV-3、及びTDV-4は、表3にそれぞれ示されるように、DENV-1、DENV-3、またはDENV-4ウイルスの表面抗原prM及びEを発現し、TDV-2の弱毒化の原因となる遺伝子的変化を保持している。したがって、TDV-1、TDV-3、及びTDV-4株の各々は、表2に記載の弱毒化変異を含む。
【0099】
1つの実施形態において、TDV-1は、3つの弱毒化変異に加えて、
c)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド4018でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置1308でのロイシンからフェニルアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
d)NS3遺伝子におけるヌクレオチド5547でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、及び/または
e)NS4A遺伝子におけるヌクレオチド6599でのグアニンからシトシンへの変異であって、位置2168でのグリシンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
i)E遺伝子におけるヌクレオチド1575でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、及び/または
j)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド453でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、及び/または
k)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド2381/2382でのチミジン-グアニンからシトシン-シトシンへの変異であって、位置762でのバリンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0100】
別の実施形態において、TDV-1は、3つの弱毒化変異に加えて、
l)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド3823でのアデニンからシトシンへの変異であって、位置1243でのイソロイシンからロイシンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
m)NS2B遺伝子におけるヌクレオチド4407でのアデニンからチミジンへの変異であって、位置1437でのグルタミンからアスパラギンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
n)NS4B遺伝子におけるヌクレオチド7311でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0101】
別の実施形態において、TDV-1株は、3つの弱毒化変異に加えて、変異l)及びm)、好ましくは変異l)、m)、c)、及びe)、さらにより好ましくは変異l)、m)、c)、e)、d)及びn)、最も好ましくは変異l)、m)、c)、e)、d)、n)、i)、j)、及びk)を含む。TDV-1のヌクレオチド位置及びアミノ酸位置は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列及び配列番号2に示されるアミノ酸配列を指す。
【0102】
1つの実施形態において、TDV-3は、3つの弱毒化変異に加えて、
c)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド4012でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置1306でのロイシンからフェニルアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
d)NS3遺伝子におけるヌクレオチド5541でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、及び/または
e)NS4A遺伝子におけるヌクレオチド6593でのグアニンからシトシンへの変異であって、位置2166でのグリシンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
j)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド453でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、及び/または
k)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド2375/2376でのチミジン-グアニンからシトシン-シトシンへの変異であって、位置760でのバリンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
o)prM遺伝子におけるヌクレオチド552でのシトシンからチミジンへのサイレント変異、及び/または
p)E遺伝子におけるヌクレオチド1970でのアデニンからチミジンへの変異であって、位置625でのヒスチジンからロイシンへのアミノ酸変化をもたらす変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0103】
別の実施形態において、TDV-3は、3つの弱毒化変異に加えて、
q)E遺伝子におけるヌクレオチド1603でのアデニンからチミジンへの変異であって、位置503でのトレオニンからセリンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
r)NS5遺伝子におけるヌクレオチド7620でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0104】
別の実施形態において、TDV-3は、3つの弱毒化変異に加えて、変異p)及びq)、好ましくは変異p)、q)、c)、及びe)、さらにより好ましくは変異p)、q)、c)、e)、d)、及びr)、最も好ましくは変異p)、q)、c)、e)、d)、r)、j)、k)、及びo)を含む。TDV-3のヌクレオチド位置及びアミノ酸位置は、配列番号5に示されるヌクレオチド配列及び配列番号6に示されるアミノ酸配列を指す。
【0105】
1つの実施形態において、TDV-4は、3つの弱毒化変異に加えて、
c)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド4018でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置1308でのロイシンからフェニルアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
d)NS3遺伝子におけるヌクレオチド5547でのチミジンからシトシンへのサイレント変異、及び/または
e)NS4A遺伝子におけるヌクレオチド6599でのグアニンからシトシンへの変異であって、位置2168でのグリシンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
j)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド453でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、及び/または
k)prM-E遺伝子とDEN-2 PDK-53骨格との間の接合部位におけるヌクレオチド2381/2382でのチミジン-グアニンからシトシン-シトシンへの変異であって、位置762でのバリンからアラニンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
s)C遺伝子におけるヌクレオチド396でのアデニンからシトシンへの変異であって、位置100でのアルギニンからセリンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
t)E遺伝子におけるヌクレオチド1401でのアデニンからグアニンへのサイレント変異、及び/または
u)E遺伝子におけるヌクレオチド2027でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置644でのアラニンからバリンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
v)E遺伝子におけるヌクレオチド2275でのアデニンからシトシンへの変異であって、位置727でのメチオニンからロイシンへのアミノ酸変化をもたらす変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0106】
別の実施形態において、TDV-4は、3つの弱毒化変異に加えて、
w)C遺伝子におけるヌクレオチド225でのアデニンからチミジンへのサイレント変異、及び/または
x)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド3674でのアデニンからグアニンへの変異であって、位置1193でのアスパラギンからグリシンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
y)NS2A遺伝子におけるヌクレオチド3773でのアデニンからアデニン/グアニンミックスへの変異であって、位置1226でのリジンからリジン/アスパラギンミックスへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
z)NS3遺伝子におけるヌクレオチド5391でのシトシンからチミジンへのサイレント変異、及び/または
aa)NS4A遺伝子におけるヌクレオチド6437でのシトシンからチミジンへの変異であって、位置2114でのアラニンからバリンへのアミノ酸変化をもたらす変異、及び/または
bb)NS4B遺伝子におけるヌクレオチド7026でのチミジンからチミジン/シトシンミックスへのサイレント変異、及び/または
cc)NS5遺伝子におけるヌクレオチド9750でのアデニンからシトシンへのサイレント変異、から選択される1つ以上の変異を含む。
【0107】
別の実施形態において、TDV-4は、3つの弱毒化変異に加えて、変異s)、u)、及びv)、好ましくは変異s)、u)、v)、c)、e)、x)、y)、及びaa)、さらにより好ましくは変異s)、u)、v)、c)、e)、x)、y)、aa)、及びw)、さらにより好ましくは変異s)、u)、v)、c)、e)、x)、y)、aa)、w)、d)、z)、bb)、及びcc)、最も好ましくは変異s)、u)、v)、c)、e)、x)、y)、aa)、w)、d)、z)、bb)、cc)、j)、k)、及びt)を含む。TDV-4のヌクレオチド位置及びアミノ酸位置は、配列番号7に示されるヌクレオチド配列及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を指す。
【0108】
好ましい実施形態において、TDV-1は、配列番号1のヌクレオチド配列を有し、TDV-2は、配列番号3のヌクレオチド配列を有し、TDV-3は、配列番号5のヌクレオチド配列を有し、及び/またはTDV-4は、配列番号7のヌクレオチド配列を有する。さらに好ましい実施形態において、TDV-1は、配列番号2のアミノ酸配列を有し、TDV-2は、配列番号4のアミノ酸配列を有し、TDV-3は、配列番号6のアミノ酸配列を有し、TDV-4は、配列番号8のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい実施形態において、TDV-1は、配列番号2のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有し、TDV-2は、配列番号4のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有し、TDV-3は、配列番号6のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有し、TDV-4は、配列番号8のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0109】
【表4】
【0110】
したがって、特定の好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の単位用量は、弱毒化生デング熱ウイルス株TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4を含み、TDV-1、TDV-3、及びTDV-4は、TDV-2に基づいており、それぞれDENV-1、-3、及び-4のprM及びE領域を含む。別の特定の好ましい実施形態において、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0111】
DENV-3のEタンパク質は、DENV-2のEタンパク質よりも2つ少ないアミノ酸を有する。そのため、配列番号5のヌクレオチド2374及び配列番号6のアミノ酸760でDENV-3のE領域の後に開始するTDV-2のヌクレオチド及びコードされるアミノ酸骨格は、元々のTDV-2ヌクレオチド及びアミノ酸位置よりもそれぞれ6ヌクオチド及び2アミノ酸少ない。
【0112】
デング熱ワクチン組成物
本発明は、部分的には、記載のようなデング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。デング熱ワクチン組成物は、デング熱ウイルス組成物とも称される四価デング熱ウイルス組成物及び医薬的に許容される賦形剤を含む。
【0113】
デング熱ウイルス組成物、ウイルス濃度及び%濃度
本発明は、部分的には、デング熱ワクチン組成物の単位用量であって、デング熱ワクチン組成物が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)好ましくは少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型1、
(ii)好ましくは少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2、
(iii)好ましくは少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型3、及び
(iv)好ましくは少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0114】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)好ましくは少なくとも3.3log10pfu/0.5mL~3.8log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型1、
(ii)好ましくは少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2、
(iii)好ましくは少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型3、及び
(iv)好ましくは少なくとも4.5log10pfu/0.5mlまたは4.6log10pfu/0.5mL、任意選択で6.2log10pfu/0.5mlまでの濃度のデング熱血清型4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む。
【0115】
本発明はさらに、部分的には、デング熱ワクチン組成物の単位用量であって、デング熱ワクチン組成物が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度のキメラデング熱血清型2/1株、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2株、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のキメラデング熱血清型2/3株、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度のキメラデング熱血清型2/4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0116】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mL~3.8log10pfu/0.5mlの濃度のキメラデング熱血清型2/1株、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2株、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のキメラデング熱血清型2/3株、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mLまたは少なくとも4.6log10pfu/0.5mL、任意選択で6.2log10pfu/0.5mlまでの濃度のキメラデング熱血清型2/4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む。
【0117】
好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。
【0118】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/0.5mL~5.3log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/0.5mL~5.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/0.5mL~6.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/0.5mL~6.5log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0119】
1つのこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/0.5mL~5.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/0.5mL~4.9log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/0.5mL~5.7log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/0.5mL~6.2log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0120】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~4.9log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~5.7log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~5.5log10pfu/用量の濃度を有する。
【0121】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~4.1log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~3.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~4.7log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~5.3log10pfu/用量の濃度を有する。
【0122】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/0.5mL~3.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/0.5mL~4.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/0.5mL~4.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/0.5mlまたは4.6log10pfu/0.5mL~5.1log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0123】
別の実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、4.3log10pfu/0.5mL~4.4log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、3.7log10pfu/0.5mL~3.8log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.5log10pfu/0.5mL~5.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.5log10pfu/0.5mL~5.6log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0124】
特に好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、4.4log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、3.8log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.5log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.6log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0125】
別の特に好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、4.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.1log10pfu/0.5mLの濃度を有する。
【0126】
別の好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、4つ全ての血清型の算術的合計は、6.7log10pfu/0.5mL未満、好ましくは5.5log10pfu/0.5mL未満である。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型の算術的合計は、少なくとも4.6log10pfu/0.5mLである。好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、4つ全ての血清型の算術的合計は、4.6log10pfu/0.5mL~6.7log10pfu/0.5mLの範囲内、好ましくは4.6log10pfu/0.5mL~5.5log10pfu/0.5mLの範囲内である。
【0127】
好ましくは、前述の実施形態において、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0128】
本発明は、部分的には、デング熱ワクチン組成物の単位用量であって、デング熱ワクチン組成物が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)少なくとも3.3log10pfu/用量の濃度のデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/用量の濃度のデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/用量の濃度のデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/用量の濃度のデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0129】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~5.3log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~6.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~6.5log10pfu/用量の濃度を有する。
【0130】
1つのこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~4.9log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~5.7log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~6.2log10pfu/用量の濃度を有する。
【0131】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~4.9log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~5.7log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~5.5log10pfu/用量の濃度を有する。
【0132】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~4.1log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~3.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~4.7log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~5.3log10pfu/用量の濃度を有する。
【0133】
さらにこのような実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~3.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~4.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~4.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量4.6log10pfu/用量~5.1log10pfu/用量の濃度を有する。
【0134】
別の実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、4.3log10pfu/用量~4.4log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、3.7log10pfu/用量~3.8log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.5log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.5log10pfu/用量~5.6log10pfu/用量の濃度を有する。
【0135】
特に好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、4.4log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、3.8log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.5log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.6log10pfu/用量の濃度を有する。
【0136】
別の特に好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、4.0log10pfu/用量の濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.6log10pfu/用量の濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、5.1log10pfu/用量の濃度を有する。
【0137】
別の好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、4つ全ての血清型の算術的合計は、6.7log10pfu/用量未満、好ましくは5.5log10pfu/用量未満である。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型の算術的合計は、少なくとも4.6log10pfu/用量である。好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、4つ全ての血清型の算術的合計は、4.6log10pfu/用量~6.7log10pfu/用量の範囲内、好ましくは4.6log10pfu/用量~5.5log10pfu/用量の範囲内である。
【0138】
1つの実施形態において、組成物において、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該濃度を基準として、(iii)の濃度は、pfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも10%である。
【0139】
1つの実施形態において、組成物において、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である。
【0140】
pfu/0.5mLでの(iii)の再構成された単位用量における濃度は、少なくとも10%であることが好ましい。
【0141】
1つの実施形態において、組成物において、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、前述の総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、2%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%である。
【0142】
好ましくは、前述の実施形態において、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0143】
異なるデング熱ウイルスの濃度は、好ましくは当該技術分野で知られているイムノフォーカスアッセイによって決定される。例えば、濃度は、デング熱ウイルスの段階希釈物が、Vero細胞などの接着細胞の単層に適用されるイムノフォーカスアッセイによって決定され得る。感染性ウイルスが細胞に結合し、細胞に取り込まれることを可能にする期間後、子孫ウイルスが元の感染した細胞に隣接する細胞にしか感染できないようにウイルスの拡散を防止するためにアガロースまたはカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤を含有するオーバーレイが添加される。ウイルス複製を可能とするためのインキュベート期間後、細胞は固定され、血清型特異的抗デング熱モノクローナル抗体及びアルカリホスファターゼで標識された抗体などの二次抗体を使用して染色される。5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウムホスファターゼ基質などの、二次抗体に結合した酵素のための好適な基質を添加することによって輝点が染色される。プレート上のプラークの数は、細胞に適用された溶液中のウイルスのプラーク形成単位に相当する。例えば、1,000pfu/μlの濃度は、細胞に適用された1μlの溶液が、細胞単層中に1,000プラークを生成するのに十分なウイルスを含有することを示す。
【0144】
デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、キメラデング熱血清型2/1株、デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株は、pfu/0.5mLの総濃度が得られる。「pfu/0.5mLでの総濃度」または「pfu/用量での総濃度」という用語は、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)及びデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度の合計、好ましくはTDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4の濃度の合計であり、0.5mL中または用量中のpfu(プラーク形成単位)によって決定される100%のデング熱ウイルス濃度として定義される。
【0145】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及びデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度は、総濃度の10%未満、または総濃度の8%未満、または6%未満であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度は、総濃度の少なくとも50%または少なくとも60%または少なくとも65%である。1つの実施形態において、当該総濃度を基準として、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度は、総濃度の0.3~10%または0.5~8%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度は、総濃度の50%~90%または60%~88%である。これは、デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度が、デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度よりも低いことを意味する。
【0146】
1つのこのような実施形態において、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の少なくとも1%であり、及び/またはpfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の少なくとも6%、または総濃度の少なくとも7%、または8%、10%、12%、14%、16%、もしくは18%である。1つのこのような実施形態において、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の1%~7%または2%~6%または2.0%~5.0%であり、及び/またはpfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の6%~25%または7%~25%または10%~25%または18%~25%である。これは、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度が、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度よりも低いことを意味する。
【0147】
好ましい実施形態において、pfu/0.5mLで測定されるTDV-2などのデング熱血清型2株の濃度は、総濃度の10%未満、好ましくは6%未満または2%未満であり、pfu/0.5mLで測定されるTDV-4などのデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度は、総濃度の少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%であり、pfu/0.5mLで測定されるTDV-1などのデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の少なくとも1%、好ましくは1%~7%の間または2.0%~5.0%であり、pfu/0.5mLで測定されるTDV-3などのデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の少なくとも6%、好ましくは6%~25%の間または10%~25%または18%~25%である。
【0148】
さらに好ましい実施形態において、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4などのデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及びデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)を含むデング熱ウイルス組成物が提供され、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の少なくとも1%、好ましくは1%~7%の間または2.0%~5.0%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度は、総濃度の10%未満、好ましくは6%未満または2%未満であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の少なくとも6%、好ましくは6%~25%または10%~25%の間または18%~25%である。デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4つ全てのデング熱血清型のうち最も高い濃度を有することが特に好ましい。
【0149】
さらに好ましい実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の1%~7%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度は、総濃度の8%未満、例えば、総濃度の1%~8%の範囲内であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の少なくとも10%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度は、総濃度の少なくとも65%、例えば、65%~80%の範囲内である。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型の算術的合計は、4.6log10pfu/0.5mL~6.7log10pfu/0.5mLの範囲内、好ましくは4.6log10pfu/0.5mL~5.5log10pfu/0.5mLの範囲内である。
【0150】
さらに好ましい実施形態において、TDV-1などのデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)及びTDV-2などのデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、それぞれ、pfu/0.5mLでの総濃度を基準として、互いに5%ポイント以内の濃度で存在し、及び/または合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満である。ある特定のこのような実施形態において、TDV-3などのデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%であり、より好ましくはTDV-4などのデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、pfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%である。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)(例えば、TDV-4)は、4つ全ての血清型のうち組成物において最も高い濃度を表し、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%を有し、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)は、4つ全ての血清型のうち組成物において2番目に高い濃度を表し、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%を有し、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)(例えば、TDV-1)及びデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)(例えば、TDV-2)は、それぞれ、血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)の濃度よりも低い濃度を表し、任意選択で合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満を表す。
【0151】
好ましくは、前述の実施形態において、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0152】
さらなる実施形態によれば、キメラデング熱血清型2/4株、好ましくはTDV-4は、デング熱ワクチン組成物において最も高い濃度を有し、その次がキメラデング熱血清型2/3株、好ましくはTDV-3、その次がキメラデング熱血清型2/1株、好ましくはTDV-1、その次がデング熱血清型2株、好ましくはTDV-2である。デング熱血清型2株は、デング熱ワクチン組成物に存在する4つの株のうち最も低い濃度を有することが特に好ましい。
【0153】
濃度/0.5mlに言及するときはいつでも、これは、本明細書に記載の単位用量の体積を0.5mlに限定するものではない。0.5mlは、pfu/mlでの組成物中のウイルス株の濃度の決定のための参照体積である。単位用量当たりの体積及び/または量は、それぞれのチャプターに記載されている。
【0154】
医薬的に許容される賦形剤
本発明は、部分的には、デング熱ワクチン組成物の単位用量であって、デング熱ワクチン組成物が1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、非還元糖、界面活性剤、タンパク質、及び無機塩を含む。好ましくは、非還元糖は、トレハロースであり、界面活性剤は、ポロキサマー407であり、タンパク質は、ヒト血清アルブミンであり、無機塩は、塩化ナトリウムである。
【0155】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約10%w/v~約20%w/vのα,α-トレハロース二水和物または等モル量のα,α-トレハロースの他の形態、
-約0.5%w/v~約1.5%w/vのポロキサマー407、
-約0.05%w/v~約2%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約70mM~140mMの塩化ナトリウム、を含む。
【0156】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の単位用量は、0.5ml中で測定された場合、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約10%w/v~約20%w/vのα,α-トレハロースまたは等モル量のα,α-トレハロースの他の形態、
-約0.5%w/v~約1.5%w/vのポロキサマー407、
-約0.05%w/v~約2%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約70mM~140mMの塩化ナトリウムを含み、好ましくは
-7~8.5のpHを有する。
【0157】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の単位用量は、0.5ml中で測定された場合、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約143mg/ml~約185mg/mlのα,α-トレハロース二水和物または等モル量のα,α-トレハロースの他の形態、
-約9.1mg/ml~約12.4mg/mlのポロキサマー407、
-約0.88%mg/ml~約1.32mg/mlのヒト血清アルブミン、及び
-約70mM~140mMの塩化ナトリウムを含み、好ましくは
-7~8.5のpHを有する。
【0158】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の凍結乾燥された単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約15%w/vのα,α-トレハロース二水和物、
-約1%w/vのポロキサマー407、
-約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約100mMの塩化ナトリウム、を含む。
【0159】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の凍結乾燥された単位用量は、0.5ml中で測定された場合、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約15%w/vのα,α-トレハロース、
-約1%w/vのポロキサマー407、
-約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約100mMの塩化ナトリウム、を含む。
【0160】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の凍結乾燥された単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約82.9mgのα,α-トレハロース二水和物、
-約5mgのポロキサマー407、
-約0.5mgのヒト血清アルブミン、及び
-約50μモルの塩化ナトリウム、を含む。
【0161】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約15%w/vのα,α-トレハロース二水和物、
-約1%w/vのポロキサマー407、
-約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約137mMの塩化ナトリウムを含み、好ましくは
-7~8.5のpHを有する
【0162】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量は、0.5ml中で測定された場合、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約15%w/vのα,α-トレハロース、
-約1%w/vのポロキサマー407、
-約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び好ましくは
-約137mMの塩化ナトリウムを含み、好ましくは
-7~8.5のpHを有する。
【0163】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約82.9mgのα,α-トレハロース二水和物、
-約5mgのポロキサマー407、
-約0.5mgのヒト血清アルブミン、及び好ましくは
-約68.5μモルの塩化ナトリウムを含み、好ましくは
-7~8.5のpHを有する。
【0164】
ヒト血清アルブミンは、天然または組換えヒト血清アルブミン(rHSA)であり得る。ポロキサマー407は、例えば、Pluronic F127であり得る。
【0165】
1つの実施形態において、単位用量はさらに、緩衝液を含む。緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)であり得る。緩衝液は、塩化ナトリウム(NaCl)、リン酸二水素一ナトリウム(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、塩化カリウム(KCl)、及びリン酸二水素カリウム(KHPO)のうちの少なくとも1つを含み得る。好ましい実施形態において、緩衝液は、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、塩化カリウム(KCl)、及びリン酸二水素カリウム(KHPO)を含み得る。緩衝液は、25℃で7.0~8.5の範囲内のpHを有し得る。
【0166】
単位用量
本発明は、部分的には、本明細書に記載の四価デング熱ウイルス組成物と、本明細書に記載の医薬的に許容される賦形剤とを含むデング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0167】
本発明は、部分的には、例えば、
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)、の上述したデング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0168】
好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0169】
1つの実施形態において、単位用量は、凍結乾燥されている。1つのこのような実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、本明細書に記載の医薬的に許容される賦形剤と、4つのデング熱ウイルス株、特定的にはTDV-1~TDV-4を含む本明細書に記載のデング熱ワクチン組成物を組み合わせることによって生成された体積0.5mLの水性デング熱ワクチン組成物を凍結乾燥に供することによって得られる。好ましい実施形態において、カール・フィッシャー測定によって決定される残留水分含有量は、5.0%以下であり、好ましくは3%以下である。
【0170】
別の実施形態において、単位用量は再構成される。再構成された単位用量は、好ましくはデング熱ワクチンの投与前に、凍結乾燥された単位用量を医薬的に許容される希釈剤での再構成に供することによって得られる。1つのこのような実施形態において、再構成は、注射用水、リン酸緩衝生理食塩水または塩化ナトリウム水溶液などの医薬的に許容される希釈剤を凍結乾燥された単位用量に添加することによって達成される。1つの実施形態において、塩化ナトリウム水溶液(例えば、37mMの塩化ナトリウム水溶液)が、再構成のために凍結乾燥された単位用量に添加される。1つのこのような実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、0.3~0.8mL、または0.4~0.7mL、または0.5mLの希釈剤で再構成される。好ましい実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、0.3~0.8mL、0.4~0.7mL、または0.5mLの37mMの塩化ナトリウム水溶液で再構成される。より好ましい実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、0.5mLの37mMの塩化ナトリウム水溶液で再構成される。その後、再構成された単位用量は、皮下投与され得る。
【0171】
凍結乾燥された形態の単位用量は、単位用量の製造後の最終製品かつ単位用量の保存形態であり、再構成された形態の単位用量は、単位用量の対象への投与前に調製されることが好ましい。
【0172】
本発明はさらに、部分的には、
4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価ウイルス組成物を含むデング熱ワクチン組成物の単位用量であって、単位用量が、凍結乾燥されており、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mlの濃度のキメラデング熱血清型2/1株などのデング熱血清型1、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2株などのデング熱血清型2、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mlの濃度のキメラデング熱血清型2/3株などのデング熱血清型3、及び
(iv) 少なくとも4.5log10pfu/0.5mlの濃度のキメラデング熱血清型2/4株などのデング熱血清型4、を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0173】
1つの実施形態において、再構成された単位用量の体積は、例えば0.5mLであり、医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該濃度を基準として、(iii)の濃度は、pfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも10%である。
【0174】
別の実施形態において、再構成された単位用量の体積は、例えば0.5mLであり、医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である。
【0175】
pfu/0.5mLでの(iii)の再構成された単位用量における濃度は、少なくとも10%であることが好ましい。
【0176】
1つの実施形態において、再構成された単位用量の体積は、例えば0.5mLであり、医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、2%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%である。
【0177】
1つの実施形態において、本発明は、デング熱ワクチン組成物の凍結乾燥された単位用量であって、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度を有するデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)、ならびに本明細書に記載の医薬的に許容される賦形剤を含み、単位用量が、好ましくは凍結乾燥前に0.5mLで製剤化される、デング熱ワクチン組成物の凍結乾燥された単位用量を対象とする。好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0178】
1つのこのような実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、3.3log10pfu/用量~5.0log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、2.7log10pfu/用量~4.9log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、4.0log10pfu/用量~5.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び4.5log10pfu/用量~5.5log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)、ならびに本明細書に記載の医薬的に許容される賦形剤を含む0.5mLのデング熱ワクチン組成物を凍結乾燥させることによって得られる。好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。
【0179】
1つのこのような実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、3.3log10pfu/0.5mL~3.6log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、2.7log10pfu/0.5mL~4.0log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、4.0log10pfu/0.5mL~4.6log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び4.5log10pfu/0.5mLまたは4.6log10pfu/0.5mL~5.1log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)、ならびに本明細書に記載の医薬的に許容される賦形剤を含む0.5mLのデング熱ワクチン組成物を凍結乾燥させることによって得られる。好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。
【0180】
ある特定の実施形態において、凍結乾燥された単位用量は、TDV-2及びTDV-4が、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4のpfu/0.5mLでの総濃度を基準として、ある特定の相対量で存在し、pfu/0.5mLで測定されるTDV-2の濃度が、10%未満または8%未満または6%未満であり、pfu/0.5mLで測定されるTDV-4の濃度が、少なくとも50%または少なくとも65%である、凍結乾燥前の0.5mLを指す。これらの実施形態の一部では、pfu/0.5mLで測定されるTDV-1の濃度は、少なくとも1%であり、及び/またはpfu/0.5mLで測定されるTDV-3の濃度は、少なくとも6%、7%、8%、10%、12%、14%、16%または少なくとも18%である。
【0181】
ある特定の実施形態において、再構成された単位用量の体積は0.5mLであり、TDV-2及びTDV-4は、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4のpfu/0.5mLでの総濃度を基準として、ある特定の相対量で存在し、pfu/0.5mLで測定されるTDV-2の濃度は、10%未満または8%未満または6%未満であり、pfu/0.5mLで測定されるTDV-4の濃度は、少なくとも50%または少なくとも65%である。これらの実施形態の一部では、pfu/0.5mLで測定されるTDV-1の濃度は、少なくとも1%であり、及び/またはpfu/0.5mLで測定されるTDV-3の濃度は、少なくとも6%、7%、8%、10%、12%、14%、16%または少なくとも18%である。
【0182】
さらに好ましい実施形態において、再構成された単位用量の体積は0.5mLであり、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型1(例えば、デング熱血清型2/1株)の濃度は、総濃度の1%~7%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度は、総濃度の8%未満、例えば、総濃度の1%~8%の範囲内であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、デング熱血清型2/3株)の濃度は、総濃度の少なくとも10%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度は、総濃度の少なくとも65%、例えば、65%~80%の範囲内である。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型の算術的合計は、4.6log10pfu/0.5mL~6.7log10pfu/0.5mLの範囲内、好ましくは4.6log10pfu/0.5mL~5.5log10pfu/0.5mLの範囲内である。
【0183】
さらに好ましい実施形態において、再構成された単位用量の体積は0.5mLであり、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、TDV-1などのデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)及びTDV-2などのデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、それぞれ、pfu/0.5mLでの総濃度を基準として、互いに5%ポイント以内の濃度で存在し、及び/または合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満である。ある特定のこのような実施形態において、TDV-3などのデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%であり、より好ましくはTDV-4などのデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、pfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%である。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)(例えば、TDV-4)は、4つ全ての血清型のうち組成物において最も高い濃度を表し、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%を有し、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)は、4つ全ての血清型のうち組成物において2番目に高い濃度を表し、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%を有し、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)(例えば、TDV-1)及びデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)(例えば、TDV-2)は、それぞれ、血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)の濃度よりも低い濃度を表し、任意選択で合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満を表す。
【0184】
0.5mLで再構成された凍結乾燥された単位用量は、4つのデング熱血清型について上記の濃度が得られる。本明細書に記載のデング熱ワクチン組成物の単位用量は、0.5mL中のデング熱血清型の濃度を指すのに対し、凍結乾燥された単位用量は、投与されるウイルス絶対量も互いのウイルスの比も変化させることなく、他の体積の医薬的に許容される希釈剤、例えば、塩化ナトリウム水溶液で再構成され得る。
【0185】
ある特定の実施形態において、本発明の凍結乾燥された単位用量は、非還元糖、界面活性剤、タンパク質、及び無機塩を含む溶液から調製される。
【0186】
ある特定の実施形態において、本発明の凍結乾燥された単位用量は、トレハロース、ポロキサマー407、ヒト血清アルブミン、及び塩化ナトリウムを含む溶液から調製される。
【0187】
ある特定の実施形態において、本発明の凍結乾燥された単位用量は、約10%w/v~約20%w/vのα,α-トレハロース二水和物または等モル量のα,α-トレハロースの他の形態、約0.5%w/v~約1.5%w/vのポロキサマー407、約0.05%w/v~約2%w/vのヒト血清アルブミン、及び約70mM~約120mMの塩化ナトリウムを含む溶液から調製される。
【0188】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の凍結乾燥された単位用量は、約15%w/vのα,α-トレハロース二水和物、約1%w/vのポロキサマー407、約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び約100mMの塩化ナトリウムを含む溶液から調製される。
【0189】
1つの実施形態において、凍結乾燥された単位用量が調製される溶液はさらに、緩衝液を含む。緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)であり得る。緩衝液は、塩化ナトリウム(NaCl)、リン酸二水素一ナトリウム(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、塩化カリウム(KCl)、及びリン酸二水素カリウム(KHPO)のうちの少なくとも1つを含み得る。好ましい実施形態において、緩衝液は、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、塩化カリウム(KCl)、及びリン酸二水素カリウム(KHPO)を含み得る。緩衝液は、25℃で約7.0~約8.5の範囲のpHまたは25℃で約6.8~約7.6のpH、好ましくは25℃で約7.2のpHを有し得る。
【0190】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量は、約15%w/vのα,α-トレハロース二水和物、約1%w/vのポロキサマー407、約0.1%w/vのヒト血清アルブミン、及び約137mMの塩化ナトリウムを含む。再構成された単位用量は、25℃で約7.0~約8.5のpH、好ましくは25℃で約7.2のpHを有し得る。
【0191】
本明細書に記載の発明の単位用量は、血清陰性及び血清陽性の両方の対象集団または血清陰性及び血清陽性の両方の対象において免疫系(中和抗体、細胞性免疫及び、抗NS1抗体)の複数の手段を活性化する。したがって、本明細書に記載の発明の単位用量は、デング熱疾患に対しデング熱血清陰性の対象集団または対象及びデング熱血清陽性の対象集団または対象を共に保護する。
【0192】
1つの実施形態において、1回の単位用量は、容器、好ましくはバイアル内に存在し、当該単位用量は、再構成後に対象に投与される。1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の複数の単位用量は、1つの容器、好ましくはバイアルの内容物で、複数の対象にワクチン接種することができるように、容器、好ましくはバイアル内に存在し得る。1つの実施形態において、本明細書に記載の発明の複数の単位用量を含む容器は、本明細書に記載の発明の方法で使用する再構成された単位用量をもたらすために使用される。
【0193】
ある特定の実施形態において、本発明の単位用量を含む容器は、キットの一部である。したがって、本発明は、部分的には、本明細書に記載の本発明の凍結乾燥された単位用量と、医薬的に許容される再構成用希釈剤とを含む、再構成された単位用量を調製するためのキットを対象とする。
【0194】
ある特定の実施形態において、再構成用希釈剤は、容器、好ましくはバイアル、またはプレフィルドシリンジ内に提供される。いくつかの実施形態において、再構成用希釈剤は、注射用水、リン酸緩衝生理食塩水、または塩化ナトリウム水溶液から選択される。好ましい実施形態において、再構成用希釈剤は、30~40mMの塩化ナトリウム、例えば、37mMの塩化ナトリウムである。
【0195】
ある特定の実施形態において、キットはさらに、A型肝炎ワクチン、例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標)を含み得る。いくつかの実施形態において、A型肝炎ワクチンは、別々の容器、例えば、バイアル内に存在し得る。別の実施形態において、A型肝炎ワクチン及び本発明の単位用量は、同じ容器内に存在し得る。したがって、本発明は、部分的には、複合デング熱/A型肝炎ワクチンであって、本明細書に記載の発明の単位用量がA型肝炎ワクチンと組み合わされる、デング熱/A型肝炎ワクチンを対象とする。このような複合デング熱/A型肝炎ワクチンは、同じ製剤中に本明細書に記載の発明の単位用量及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))を含む。ある特定の実施形態において、本発明は、このような複合デング熱/A型肝炎ワクチンと、本明細書に記載の発明の単位用量とを含むキットを対象とする。
【0196】
A型肝炎ワクチン
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、不活化A型肝炎ワクチンである。
【0197】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来するA型肝炎ウイルスを含む。
【0198】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、不活化A型肝炎ウイルスを含み、不活化A型肝炎ウイルスは、野生型A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する。
【0199】
ある特定の実施形態において、不活化A型肝炎ウイルスは、担体アルミニウムに吸着させる。これらの実施形態の一部において、アルミニウムは水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である。
【0200】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、リン酸緩衝生理食塩水と、アミノ酸の形態及びポリソルベートの形態でその中に溶解している賦形剤とを含む。このような実施形態において、アミノ酸は0.2~0.8%w/vの濃度で存在し、及び/またはポリソルベートは0.01~0.09mg/mlの濃度で存在する。
【0201】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)、好ましくは700EL.U~1600EL.U.、最も好ましくは1300~1550EL.U.の範囲の濃度でウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを含む。代替的に、濃度は500EL.U.~900EL.U.の範囲である。さらなる実施形態において、濃度は200~400EL.U.の範囲である。
【0202】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、液体の1ml用量または0.5ml用量に含まれる。
【0203】
このようなA型肝炎ワクチンの例としては、GlaxoSmithKline製のHAVRIX(登録商標)があり、これは筋肉内投与用の不活化ウイルスの無菌懸濁液である。HAVRIX(登録商標)は、野生型A型肝炎ウイルス(HAV)HM-175に由来するA型肝炎ウイルス株HM-175を使用しており、その完全なヌクレオチド配列は、Cohen et al.,Journal of Virology,Vol.61,No.1(published Jan.1987)の50~59ページに開示されている(特定的には、野生型A型肝炎ウイルスHM-175の全塩基配列は、当該刊行物の図1に示されている)。
【0204】
ウイルス(HM175株)は、MRC-5ヒト2倍体細胞内で増殖する。細胞培養培地の除去後、細胞を溶解して懸濁液を形成する。この懸濁液は、限外濾過及びゲル浸透クロマトグラフィーの手順により精製される。この溶解物のホルマリンでの処置により、ウイルス不活化を確保する。ウイルス抗原活性は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して標準に対して参照され、そのため、ELISA単位(EL.U.)の観点で表される。ワクチンの成人(≧18歳)のための各1mL用量は、水酸化アルミニウムとして0.5mgのアルミニウムに吸着された1440EL.U.のウイルス抗原を含有する。ワクチンの小児及び若年成人(生後12ヵ月~18歳)の各0.5mL用量は、水酸化アルミニウムとしての0.25mgのアルミニウムに吸着された720EL.U.のウイルス抗原を含有する。HAVRIX(登録商標)は、以下の賦形剤:リン酸緩衝生理食塩水中のアミノ酸補充物(0.3%w/v)及びポリソルベート20(0.05mg/mL)を含有する。製造プロセスから、HAVRIX(登録商標)は、細胞成長培地に含まれる残留MRC-5細胞性タンパク質(5μg/mL以下)、ホルマリン(0.1mg/mL以下)、及びアミノグリコシド系抗生物質である硫酸ネオマイシン(40ng/mL以下)も含有する。HAVRIX(登録商標)は、防腐剤を用いずに製剤化される。
【0205】
Merck Sharp & Dohme Corp.製のA型肝炎ワクチンであるVAQTA(登録商標)は、ヒトMRC-5の2倍体線維芽細胞の細胞培養で成長させたA型肝炎ウイルスから誘導された不活化全体ウイルスワクチンである。このワクチンは、元は実証済みの弱毒化株をさらに連続継代することによって誘導された株の不活化ウイルスを含有する。このウイルスを成長させ、採取し、Merck Research Laboratoriesで開発された物理的及び高速液体クロマトグラフィー技術の組合せによって精製し、ホルマリン不活化し、次いで非晶質アルミニウムヒドロキシホスフェートスルフェートに吸着させる。VAQTA(登録商標)は、筋肉内注射のための滅菌懸濁液である。1ミリリットルのワクチンは、防腐剤を用いずに精製及び製剤化されたおよそ50UのA型肝炎ウイルス抗原である。現在のアッセイの利用可能性の限界の範囲内で、50U用量のVAQTA(登録商標)は、0.1μg未満の非ウイルスタンパク質、4×10-6μg未満のDNA、10-4μg未満のウシアルブミン、及び0.8μg未満のホルムアルデヒドを含有する。ネオマイシンを含む他のプロセスの化学的残留物は、10パーツパービリオン(ppb)未満である。各0.5mLの小児用量は、0.9%の塩化ナトリウム中に、非晶質アルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩として提供されるおよそ0.225mgのアルミニウムに吸着された25UのA型肝炎ウイルス抗原、及びpH安定化剤としての35μgのホウ酸ナトリウムを含有する。各1mLの成人用量は、0.9%の塩化ナトリウム中に、非晶質アルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩として提供されるおよそ0.45mgのアルミニウムに吸着された50UのA型肝炎ウイルス抗原、及びpH安定化剤としての70μgのホウ酸ナトリウムを含有する。
【0206】
黄熱病ワクチン
皮下使用のためのSanofi製の黄熱病ワクチンであるYF-VAX(登録商標)は、生存トリ白血病ウイルスフリー(ALVフリー)ニワトリ胚において黄熱病ウイルスのYF-17D株を培養することによって調製される。そのワクチンは、ソルビトール及びゼラチン(安定化剤として)を含有し、凍結乾燥されている。防腐剤は添加されない。YF-VAXは、その製品の寿命全体を通して0.5mLの用量当たり4.74log10pfu以上を含有するように製剤化される。
【0207】
複合ワクチン組成物
本発明はさらに、部分的には、HAVRIX(登録商標)やVAQTA(登録商標)などのA型肝炎抗原と、デング熱抗原(例えば、本明細書に開示する四価デング熱ワクチン(TDV)または他の任意の好適な四価弱毒化生デング熱ウイルスワクチン)とを含む、複合ワクチン組成物も対象とする。
【0208】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物が、四価弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)好ましくは少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型1、
(ii)好ましくは少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2、
(iii)好ましくは少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型3、及び
(iv)好ましくは少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、デング熱ワクチン組成物の単位用量を対象とする。
【0209】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物が、四価弱毒化生デング熱ウイルス株:
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mL~3.8log10pfu/0.5mlの濃度のキメラデング熱血清型2/1株、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度のデング熱血清型2株、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度のキメラデング熱血清型2/3株、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mLまたは少なくとも4.6log10pfu/0.5mL、任意選択で6.2log10pfu/0.5mlまでの濃度のキメラデング熱血清型2/4株、を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0210】
好ましくは、前述の実施形態において、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0211】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物を医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0212】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物が1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、複合ワクチン組成物を対象とする。1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物は、非還元糖、界面活性剤、タンパク質、及び無機塩を含む。好ましくは、非還元糖は、トレハロースであり、界面活性剤は、ポロキサマー407であり、タンパク質は、ヒト血清アルブミンであり、無機塩は、塩化ナトリウムである。
【0213】
さらに、当業者に知られている任意のワクチン賦形剤またはその組合せ(例えば、WO2018/027075A1に開示されているもの)を複合ワクチン組成物に使用することができる。
【0214】
1つの実施形態において、デング熱ワクチン組成物の単位用量は、以下の医薬的に許容される賦形剤:
-約10%w/v~約20%w/vのα,α-トレハロース二水和物または等モル量のα,α-トレハロースの他の形態、
-約0.5%w/v~約1.5%w/vのポロキサマー407、
-約0.05%w/v~約2%w/vのヒト血清アルブミン、及び
-約70mM~140mMの塩化ナトリウム、を含む。
【0215】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物が他のデング熱ワクチン(例えば、Dengvaxia(登録商標))を含む、複合ワクチン組成物を対象とする。Dengvaxia(登録商標)は、黄熱病骨格に基づく混合されたキメラデング熱ウイルスを含む四価デング熱ワクチンCYD-TDV(Dengvaxia(登録商標);Sanofi Pasteur,Lyon,France)であり、アジア及び中南米における小児の56~61%のウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的ワクチン有効性(VE)の臨床的実証に基づいていくつかの国において認可されている(Capeding MR et al.Clinical efficacy and safety of a novel tetravalent dengue vaccine in healthy children in Asia:a phase 3,randomised,observer-masked,placebo-controlled trial.Lancet 2014,384:1358-65;Villar LA et al.Safety and immunogenicity of a recombinant tetravalent dengue vaccine in 9-16 year olds:a randomized,controlled,phase II trial in Latin America. Pediatr Infect Dis J 2013,32:1102-9)。これらの特定の株CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4の調製は、国際特許出願WO98/37911、WO03/101397、WO07/021672、WO08/007021、WO08/047023、及びWO08/065315に詳細に記載されており、それらの調製のためのプロセスの正確な記載のためにこれらに対する参照がなされ得る。CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4のprM-E領域の対応するヌクレオチド配列は、WO2016034629で提供されており、配列番号は、この参考文献の表16に示されている。
【0216】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、本発明のワクチン組成物に含まれるCYD-TDV内のキメラデング熱ウイルスの量が約10CCID50~約10CCID50の範囲内にある、複合ワクチン組成物に関する。CYD剤形(例えば、Dengvaxia(登録商標))に含まれる血清型1~4の各々の弱毒化生キメラデング熱ウイルスの量は、好ましくは等しい。
【0217】
このような実施形態において、CYD-TDVは、0.4%のNaClを含む溶液に溶解させる/溶解可能である。
【0218】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、デング熱ワクチン組成物が、他のデング熱ワクチン(例えば、TV003またはTV005)を含む、複合ワクチン組成物を対象とする。米国国立アレルギー・感染症研究所が開発したTV003は、ワクチン成分rDEN1Δ30、rDEN2/4Δ30、rDEN3Δ30/31、及びrDEN4Δ30を含み、これらの成分の各々が3log10PFUの濃度で存在する。TV005はTV003に類似するが、TV005中のrDEN2/4Δ30の濃度が4log10PFUである点が異なる。ワクチンTV003、TV005、及びこれらのワクチン成分、ならびにこれらの生産については、WO2008/022196A2及びS.S.Whitehead,Expert Rev Vaccines,2016,15(4):509 to 517でより詳細に説明されている。組換えDNA技術を用いて、TV003またはTV005のワクチン成分に対し、3’非翻訳領域の欠失及び構造遺伝子のキメラ化という2つの弱毒化戦略を利用した。例えば、成分rDEN4Δ30は、野生型DENV-4の全ての構造タンパク質及び非構造タンパク質を含むが、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失(「Δ30」と表記)によって弱毒化されている。他方のワクチン成分も、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失によって弱毒化されている。加えて、rDEN3Δ30/31は、3’非翻訳領域内に31ヌクレオチドの欠失を含む(WO2008/022196A2の図1c及び図13に詳細に示されている)。rDEN2/4Δ30成分は、DENV-2のprM及びE遺伝子を置換してrDEN4Δ30ゲノムにすることによって作出された。TV003またはTV005の生産に使用することができるデング熱株の完全なゲノム配列は、WO2008/022196A1の表AのGenbankアクセッション番号で利用可能である。
【0219】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ワクチンである、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0220】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチンは、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来するA型肝炎ウイルスを含む。
【0221】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、不活化A型肝炎ウイルスが野生型A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0222】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、不活化A型肝炎ウイルスを担体アルミニウムに吸着させている、複合ワクチン組成物を対象とする。これらの実施形態の一部において、アルミニウムは水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である。
【0223】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、A型肝炎ワクチンが、リン酸緩衝生理食塩水と、アミノ酸の形態及びポリソルベートの形態でその中に溶解している賦形剤とを含む、複合ワクチン組成物を対象とする。このような実施形態において、アミノ酸は0.2~0.8%w/vの濃度で存在し、及び/またはポリソルベートは0.01~0.09mg/mlの濃度で存在する。
【0224】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、A型肝炎ワクチンが、500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)、好ましくは700EL.U~1600EL.U.、最も好ましくは1300~1550EL.U.の範囲の濃度でウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを含む、複合ワクチン組成物を対象とする。代替的に、濃度は500EL.U.~900EL.U.の範囲である。さらなる実施形態において、濃度は200~400EL.U.の範囲である。
【0225】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物であって、複合ワクチンが液体を含む用量に含まれ、液体の体積が0.5ml、1ml、または1.5mlである、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0226】
ある特定の実施形態において、複合ワクチン組成物は、液体形態または脱水形態(例えば、凍結乾燥形態)の1つのバイアルで提供される。
【0227】
ある特定の実施形態において、複合ワクチン組成物は、シリンジ内でデング熱ワクチン組成物の単位用量及びA型肝炎ワクチンの用量を混合することから得られる。
【0228】
また、本発明は、部分的には、上記の複合ワクチン組成物のいずれかを対象または対象集団に投与する方法も対象とする。
【0229】
ある特定の実施形態において、本発明は、複合ワクチン組成物が皮下または筋肉内に投与される当該方法も対象とする。
【0230】
デング熱疾患及びA型肝炎を予防する方法、対応する使用、ならびに対応するキット
本発明は、A型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法を対象とする。
【0231】
本発明は、部分的には、対象または対象集団のA型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法であって、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に投与することを含み、当該単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、方法を対象とする。
【0232】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))が不活化ウイルスを含む、方法を対象とする。好ましくは、A型肝炎ワクチンは、不活化A型肝炎ウイルスを含み、不活化A型肝炎ウイルスは、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する。
【0233】
ある特定の実施形態において、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))は、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する。
【0234】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))(好ましくは、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来するウイルスである)をアルミニウムに吸着させる、方法を対象とする。これらの実施形態の一部によれば、アルミニウムは水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である。
【0235】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))、好ましくはA型肝炎ウイルス株HM-175に由来するA型肝炎ワクチンが、リン酸緩衝生理食塩水と、その中にアミノ酸形態及びポリソルベート形態で溶解している賦形剤とを含む、方法を対象とする。
【0236】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))が、500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)、好ましくは700EL.U~1600EL.U.、最も好ましくは1300~1550EL.U.の範囲の濃度でウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを含む、方法を対象とする。代替的に、濃度は500EL.U.~900EL.U.の範囲である。さらなる実施形態において、濃度は200~400EL.U.の範囲である。
【0237】
例えば、A型肝炎ワクチンのウイルス抗原活性は、Andre FE.,Hepburn A.,D’Hondt E.,“Inactivated candidate vaccines for hepatitis”,A.Prog Med Virol 1990;37:72-95に開示されている方法に従って測定することができる。
【0238】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、デング熱ワクチン組成物が、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると以下を含む、方法を対象とする:
(i)キメラ型デング熱血清型2/1株の場合、少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度、
(ii)デング熱血清型2株の場合、少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度、
(iii)キメラ型デング熱血清型2/3株の場合、少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度、及び
(iv)キメラ型デング熱血清型2/4株の場合、少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度。
【0239】
これらの実施形態の一部によれば、デング熱ワクチン組成物を医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である。
【0240】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である、方法を対象とする。これらの実施形態の一部によれば、対象集団または対象は、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である。
【0241】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が0/1日目に投与される、方法を対象とする。
【0242】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量が皮下注射によって投与され、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が筋肉内注射によって投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態によれば、注射は、腕、好ましくは腕の三角筋領域に投与される。これらの実施形態の一部によれば、本明細書に記載の発明の単位用量の皮下注射及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))の筋肉内注射)は、異なる解剖学的部位(例えば、反対の腕)に投与される。
【0243】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明のデング熱ワクチン組成物の2回の単位用量が投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の発明の2回の単位用量は、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内(例えば、0/1日目及び90日目)に投与される。これらの実施形態の一部によれば、本明細書に記載の発明のさらなる第3の単位用量が第2の投与後に投与される。このような第3の投与は、第1の投与の6~12ヵ月後、例えば、第1の投与の12ヵ月後、または第1の投与の12ヵ月後よりも遅く、例えば、第2の投与の12ヵ月(1年)後または第1もしくは第2の投与の5年以上後でさえ投与され得、ブースターとして作用し得る。
【0244】
ある特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載の発明の2回の単位用量及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))の1回の用量は、特定的には以下のスケジュールに従って投与される:
-0/1日目に、第1の単位用量及び当該A型肝炎ワクチンの第1の同時投与、及び
-当該第1の同時投与の後、例えば、3ヵ月後、好ましくは90日目に、第2の再構成された単位用量の第2の投与。
【0245】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、対象または対象集団に皮下投与され、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が、対象または対象集団に筋肉内投与され、対象または対象集団が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、少なくとも1つのデング熱血清型に関して血清陽性である。
【0246】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が、デング熱流行地域の出身の対象または対象集団に投与される、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、デング熱流行地域の出身の対象または対象集団に、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が皮下投与され、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が筋肉内投与される。
【0247】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団は、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行及びA型肝炎非流行地域の出身である、方法を対象とする。
【0248】
いくつかの実施形態によれば、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))の第2の用量が投与される。A型肝炎ワクチンの第2の用量は、A型肝炎ワクチンの第1の投与の後に投与され得る。このような第2の投与は、ブースターとしての機能を果たすことができ、A型肝炎ワクチンの第1の投与の6~12ヵ月または6~18ヵ月後、例えば9ヵ月後(例えば、270日目)に投与され得る。
【0249】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が皮下投与され、A型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))が、17歳超、または18歳超、または18~60歳の対象または対象集団に筋肉内投与される、方法を対象とする。さらなる実施形態において、対象または対象集団は、21歳超、または21~60歳、または21~45歳の成人である。いくつかの実施形態において、対象または対象集団は、デング熱流行地域の出身である。別の実施形態において、対象または対象集団は、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行及びA型肝炎非流行地域の出身である。ある特定の実施形態によれば、対象または対象集団は、4つ全てのデング熱血清型に関して血清陰性である。
【0250】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチンの投与前及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与前に、対象集団または対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいはA型肝炎ワクチンの投与前及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与前に、対象集団または対象のA型肝炎の血清状態及び/またはデング熱の血清状態が不明である、方法を対象とする。ある特定の実施形態によれば、当該方法は、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与のステップの前、間、または後のいずれの時点でも、対象集団または対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与のステップの前、間、または後のいずれかの時点でも、対象集団または対象のA型肝炎の血清状態及び/またはデング熱の血清状態が不明である。
【0251】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、方法を対象とする:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から四価デング熱ウイルス組成物の単位用量及びA型肝炎ワクチンの投与を行う対象を、過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定することなく選択すること、ならびに
(B)対象に、四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを同日同時に投与すること、ならびに任意選択で
(C)対象に、四価デング熱ウイルス組成物の第2の単位用量を、第1の単位用量の投与から3~12ヵ月以内に投与すること、ならびに任意選択で
(D)対象に、A型肝炎ワクチンの少なくとも1回のさらなる用量を、第1の単位用量の投与から6~18ヵ月以内に、投与すること。
【0252】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、方法を対象とする:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から四価デング熱ウイルス組成物の単位用量及びA型肝炎ワクチンの投与を行う対象を選択すること、ならびに
(B)対象に、四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを同日同時に投与すること、ならびに
(C)対象に、四価デング熱ウイルス組成物のさらなる2回の単位用量を、第1の単位用量の投与の約6ヵ月後及び約12ヵ月後に投与し、さらなるA型肝炎ワクチンを、第1の単位用量の投与の約6ヵ月後または約12ヵ月後のいずれかに投与すること。これらの実施形態の一部において、対象を選択するステップ(A)は、過去にA型肝炎に感染していたかの判定なしで行われる。
【0253】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、単位用量を医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である、複合ワクチン組成物を対象とする。
【0254】
特定の実施形態において、当該方法は、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の適合性をもたらす。適合性とは、特定的には、同時投与後の免疫応答が、これらのワクチンの単回投与と比較して劣っていないことを意味する。
【0255】
特定の実施形態において、当該方法は、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の相乗作用をもたらす。相乗作用とは、特定的には、同時投与後の免疫応答が、一方または両方のワクチンを単剤投与した場合よりも良好であることを意味する。
【0256】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、1つの対象集団及び1つの対照対象集団に分けられた少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で非劣性をもたらし、対象集団が、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受け、対照対象集団が、A型肝炎ワクチン及びプラセボ投与物を同日同時に受ける、方法を対象とする。
【0257】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、A型肝炎ワクチンが、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%のA型肝炎の血清保護率をもたらす、方法を対象とする。
【0258】
ある特定の実施形態において、本発明は、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらす前述の方法であって、当該差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、
健康な対象が、
a)A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団と、
b)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または50例の対象の対照対象集団とに分けられ、
投与(0/1日目)から30日後の対照対象集団のA型肝炎の血清保護率と、投与(0/1日目)から30日後の対象集団のA型肝炎の血清保護率との間の差が決定され、
両側95%信頼区間内の当該差の上限が10%未満である、方法を対象とする。
【0259】
ある特定の実施形態において、本発明は、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、A型肝炎ワクチンが、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のA型肝炎の血清保護率をもたらす前述の方法であって、健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、方法を対象とする。
【0260】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、当該差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、当該健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含み、
健康な対象が、
a)A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、対象集団と、
b)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対照対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、対照対象集団とに分けられ、
投与(0/1日目)から30日後の対照対象集団のA型肝炎の血清保護率と、投与(0/1日目)から30日後の対象集団のA型肝炎の血清保護率との間の差が決定され、
両側95%信頼区間内の当該差の上限が10%未満である、方法を対象とする。
【0261】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、A型肝炎ワクチン大流行及び/またはデング熱ウイルス大流行にさらされている、方法を対象とする。
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデングウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後にもたらす抗A型肝炎ウイルス抗体幾何平均濃度(GMC)が、少なくとも70mIU/ml、または少なくとも80mIU/ml、または少なくとも90mIU/mlである、方法を対象とする。
【0262】
抗A型肝炎抗体を決定するためのELISAは、例えば、Beck et al.J Travel Med 2004;11:201-207に開示されている。
【0263】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量の対象または対象集団への同時投与が、同時投与に関連する重篤な有害事象をもたらさない、方法を対象とする。加えて、同時投与に関連する死亡例も認められない。
【0264】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、以下のMNT50によって測定される中和抗体の幾何平均力価(GMT):
-デング熱血清型1の場合、少なくとも110、または少なくとも140、または少なくとも150、
-デング熱血清型2の場合、少なくとも3000、または少なくとも3500、または少なくとも3900、
-デング熱血清型3の場合、少なくとも100、または少なくとも120、または少なくとも140、及び/または
-デング熱血清型4の場合、少なくとも80、または少なくとも110、または少なくとも140を、
ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、ベースラインで全てのデング熱ウイルスの血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象集団に、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量が同日同時に投与(0/1日目)されてから30日後にもたらす、方法を対象とする。
【0265】
いくつかの実施形態において、対象集団の幾何平均中和抗体力価(GMT)または対象の中和抗体力価は、マイクロ中和試験に従って(例えば、実施例2に記載の方法に従って)決定される。
【0266】
本発明は、部分的には、対象または対象集団におけるA型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に投与することを含み、当該単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、前記4つの弱毒化生デング熱ウイルス株が、上記で定義した単位用量で使用されたものとは異なる、方法を対象とする。
【0267】
本発明の1つの実施形態において、当該方法は、A型肝炎ワクチンを他のデング熱ワクチン(例えば、Dengvaxia(登録商標))と共に同日同時に投与することを対象とする。Dengvaxia(登録商標)は、黄熱病骨格に基づく四価デング熱ワクチンCYD-TDV(Dengvaxia(登録商標)、Sanofi Pasteur、Lyon、France)であり、アジア及び中南米における小児の56~61%のウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的ワクチン効力(VE)の臨床的実証に基づいていくつかの国において認可されている(Capeding MR et al.Clinical efficacy and safety of a novel tetravalent dengue vaccine in healthy children in Asia:a phase 3,randomised,observer-masked,placebo-controlled trial.Lancet 2014,384:1358-65;Villar LA et al.Safety and immunogenicity of a recombinant tetravalent dengue vaccine in 9-16 year olds:a randomized,controlled,phase II trial in Latin America. Pediatr Infect Dis J 2013,32:1102-9)。これらの特定の株CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4の調製は、国際特許出願WO98/37911、WO03/101397、WO07/021672、WO08/007021、WO08/047023、及びWO08/065315に詳細に記載されており、それらの調製のためのプロセスの正確な記載のためにこれらに対する参照がなされ得る。CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4のprM-E領域の対応するヌクレオチド配列は、WO2016034629で提供されており、配列番号は、この参考文献の表16に示されている。
【0268】
1つのこのような実施形態において、当該方法は、以下のステップからなるワクチン接種を含む:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性からCYD-TDV組成物(例えば、Dengvaxia(登録商標))の等用量及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))の投与を行う対象を選択すること、ならびに
(B)対象に、第1の用量のCYD-TDV組成物(例えば、Dengvaxia(登録商標))及びA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))を0ヵ月目に投与すること、
(C)対象に、CYD-TDV組成物(例えば、Dengvaxia(登録商標))のさらなる用量、及び任意選択でA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))を、第1のCYD-TDV用量の投与から3~11ヵ月以内、特定的には約6ヵ月時に投与すること、ならびに
(D)対象に、CYD-TDV(例えば、Dengvaxia(登録商標))の最終用量、及び任意選択でA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標)またはVAQTA(登録商標))を、約12ヵ月時に投与すること。
【0269】
ある特定の実施形態において、対象は2~60歳である。
【0270】
特定の好ましい実施形態において、対象は、2~18歳、4~16歳、または18~60歳である。
【0271】
好ましくは、投与するCYD-TDVの各成分の正確な量は、ワクチン接種する対象の年齢及び体重、投与頻度、ならびに組成物中の他の成分に応じて変化し得る。ワクチン組成物の用量に含まれるCYD-TDV内のキメラデング熱ウイルスの量は、約10CCID50~約10CCID50の範囲内にある。CYD剤形(例えば、Dengvaxia(登録商標))に含まれる血清型1~4の各々の弱毒化生キメラデング熱ウイルスの量は、好ましくは等しい。有利には、このセクションに記載のワクチン組成物は、本明細書で定義されるデング抗原の有効量を含む。
【0272】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、デング熱ワクチン組成物が、他のデング熱ワクチン(例えば、TV003またはTV005)を含む、方法を対象とする。米国国立アレルギー・感染症研究所が開発したTV003は、ワクチン成分rDEN1Δ30、rDEN2/4Δ30、rDEN3Δ30/31、及びrDEN4Δ30を含み、これらの成分の各々が3log10PFUの濃度で存在する。TV005はTV003に類似するが、TV005のrDEN2/4Δ30の濃度が4log10PFUである点が異なる。ワクチンTV003、TV005、及びこれらのワクチン成分、ならびにこれらの生産については、WO2008/022196A2及びS.S.Whitehead,Expert Rev Vaccines,2016,15(4):509 to 517でより詳細に説明されている。組換えDNA技術を用いて、TV003またはTV005のワクチン成分に対し、3’非翻訳領域の欠失及び構造遺伝子のキメラ化という2つの弱毒化戦略を利用した。例えば、成分rDEN4Δ30は、野生型DENV-4の全ての構造タンパク質及び非構造タンパク質を含むが、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失(「Δ30」と表記)によって弱毒化されている。他方のワクチン成分も、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失によって弱毒化されている。加えて、rDEN3Δ30/31は、3’非翻訳領域内に31ヌクレオチドの欠失を含む(WO2008/022196A2の図1c及び図13に詳細に示されている)。rDEN2/4Δ30成分は、DENV-2のprM及びE遺伝子を置換してrDEN4Δ30ゲノムにすることによって作出された。TV003またはTV005の生産に使用することができるデング熱株の完全なゲノム配列は、WO2008/022196A1の表AのGenbankアクセッション番号で利用可能である。
【0273】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)と、本明細書に開示するA型肝炎ワクチンを同日同時に投与する、方法を対象とする。
【0274】
ある特定の実施形態において、本発明は前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するA型肝炎ワクチンとを、第1の投与として、0/1日目に同日同時に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)を、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する、方法を対象とする。代替的に、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)及び本明細書に開示するA型肝炎ワクチンは、対象または対象集団に、第1の投与として、0/1日目に同日同時に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量(特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む)は、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する。
【0275】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するTV003またはTV005と、本明細書に開示するA型肝炎ワクチンを同日同時に投与する、方法を対象とする。
【0276】
ある特定の実施形態において、本発明は前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するA型肝炎ワクチンとを、第1の投与として、0/1日目に同日同時に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示するTV003またはTV005を、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する、方法を対象とする。代替的に、本明細書に開示するTV003またはTV005及び本明細書に開示するA型肝炎ワクチンは、対象または対象集団に、第1の投与として、0/1日目に同日同時に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量(特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む)は、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する。
【0277】
上記の方法は、デング熱疾患及びA型肝炎を予防するこのような方法のための本明細書に開示するデング熱ワクチンの単位用量の使用の文脈においても、デング熱疾患及びA型肝炎を予防するこのような方法のための医薬品の製造のためのデング熱ワクチンの単位用量の使用の文脈においても、考慮される。
【0278】
さらに、本発明は、A型肝炎及びデング熱疾患に対するキットであって、
少なくとも以下を含む箱を含む、キットを対象とする:
(a)上記で定義されるようなA型肝炎ワクチン(例えば、HAVRIX(登録商標))を保持する第1の容器、及び
(b)上記で定義されるようなデング熱ワクチン組成物の単位用量を保持する第2の容器であって、当該単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、第2の容器。
【0279】
デング熱疾患及び黄熱病を予防する方法及び使用
本発明は、部分的には、対象におけるデング熱疾患及び黄熱病を予防する方法を対象とする。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、対象におけるデング熱疾患を予防する方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量を対象に投与することを含み、当該方法がさらに、黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の対象への併用投与によって対象における黄熱病を予防することを含む、方法を対象とする。
【0280】
本発明は、部分的には、対象集団におけるデング熱疾患及び黄熱病を予防する方法を対象とする。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団におけるデング熱疾患を予防する方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量を対象集団に投与することを含み、当該方法がさらに、黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の対象集団への併用投与によって対象集団における黄熱病を予防することを含む、方法を対象とする。
【0281】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)が同時に投与される、方法を対象とする。これらの実施形態の一部において、同時投与は0日目または90日目、好ましくは0日目に行われる。他の実施形態において、本明細書に記載の本発明の単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の投与は、黄熱病ワクチンが、本明細書に記載のデング熱ワクチンの単位用量の前または後(例えば約6週間以内、例えば約4週間以内、例えば約2週間以内、または例えば約1週間以内)に投与されるように、順次行われる。
【0282】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、皮下注射によって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が投与され、黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)が投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態によれば、皮下注射は、腕、好ましくは腕の三角筋領域に投与される。これらの実施形態の一部によれば、本明細書に記載の発明の単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の皮下注射は、特定的には、ワクチンが同時に投与される場合、異なる解剖学的部位、例えば、反対の腕に投与される。
【0283】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の2回の単位用量が投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の発明の2回の単位用量は、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内、例えば、0/1日目及び90日目に投与される。これらの実施形態の一部によれば、本明細書に記載の発明のさらなる第3の単位用量が第2の後に投与される。このような第3の投与は、ブースターとして作用し得、第1の投与から6~12ヵ月後、例えば、第1の投与から12ヵ月後、または第1の投与から12ヵ月後よりも遅く、例えば、第2の投与から12ヵ月(1年)後または第1もしくは第2の投与から5年以上後でさえ投与され得る。
【0284】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の2回の再構成された単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の1回の用量が、特定的には以下のスケジュールに従って投与される、方法を対象とする:
-0日目に、当該黄熱病ワクチンの投与、
-当該黄熱病ワクチンを投与した後、例えば、3ヵ月後、好ましくは90日目に、第1の再構成された単位用量の第1の投与、及び
-再構成された単位用量の当該第1の投与の後、例えば、3ヵ月後、好ましくは180日目、第2の再構成された単位用量の第2の投与。
【0285】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の2回の再構成された単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の1回の用量が、特定的には以下のスケジュールに従って投与される、方法を対象とする:
-0日目に、第1の再構成された単位用量の第1の投与、
-再構成された単位用量の当該第1の投与の後、例えば、3ヵ月後、好ましくは90日目に、第2の再構成された単位用量の第2の投与、及び
-再構成された単位用量の当該第2の投与の後、例えば、3ヵ月後、好ましくは180日目に、黄熱病ワクチンの投与。
【0286】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の2回の再構成された単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)の1回の用量が、特定的には以下のスケジュールに従って投与される、方法を対象とする:
-0日目に、第1の再構成された単位用量及び当該黄熱病ワクチンの同時投与、及び
-当該同時投与の後、例えば、3ヵ月後、好ましくは90日目に、第2の再構成された単位用量の第2の投与。
【0287】
好ましい実施形態において、黄熱病ワクチン及び本明細書に記載の発明の単位用量は、0日目に同時に、または90日目に同時に投与される。
【0288】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、全てのデング熱血清型に対し血清陰性である、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が対象または対象集団に皮下投与され、黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17Dワクチン)が対象または対象集団に皮下投与され、対象または対象集団が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、少なくとも1つのデング熱血清型に関して血清陽性である。
【0289】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)が、デング熱流行地域の出身の対象または対象集団に投与される、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)は、デング熱流行地域の出身の対象または対象集団に皮下投与される。他の実施形態において、対象または対象集団は、デング熱非流行地域の出身である。このような対象集団またはこのような対象は、デング熱流行地域及び黄熱病流行地域への渡航の状況下で本発明に従ってワクチン接種され得る。
【0290】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量及び黄熱病ワクチン(特定的には、YF-17D)が、17歳超、または18歳超、または18~60歳の対象または対象集団に皮下投与される、方法を対象とする。さらなる実施形態において、対象または対象集団は、21歳超、または21~60歳、または21~45歳の成人である。いくつかの実施形態において、対象または対象集団は、デング熱流行地域の出身である。別の実施形態において、対象または対象集団は、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行及び黄熱病非流行地域の出身である。これらの実施形態の一部によれば、対象または対象集団は、4つ全てのデング熱血清型に関して血清陰性である。
【0291】
上記の方法は、このような方法のための本明細書に開示するデング熱ワクチンの単位用量の使用の文脈においても、このような方法のための医薬品の製造のためのデング熱ワクチンの単位用量の使用の文脈においても、考慮される。
【0292】
デング熱に対する予防する方法及び使用、接種する方法及び使用
本発明は、部分的には、対象におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防する方法を対象とする。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、対象におけるデング熱疾患を予防する方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量/四価デング熱ウイルス組成物、特定的には、再構成された単位用量を対象に投与することを含む、方法を対象とする。
【0293】
本発明は、部分的には、デング出血熱(DHF)及びデング熱ショック症候群(DSS)を予防する方法を対象とする。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、デング出血熱(DHF)及びデング熱ショック症候群(DSS)を予防する方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物を対象に投与することを含む、方法を対象とする。
【0294】
そのため、本発明は、血清型1、血清型2、血清型3、及び血清型4を表す4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物をウイルス学的に確認可能なデング熱疾患に対して対象に接種する方法であって、特定的には、四価デング熱ウイルス組成物は、キメラデング熱血清型2/1株及びデング熱血清型2株及びキメラデング熱血清型2/3株及びキメラデング熱血清型2/4株を含み、特定的には、デング熱血清型2株は、野生型ウイルス株DEN-2 16681(配列番号11)から誘導され、以下のように少なくとも3つのヌクレオチドにおいてその野生型とは異なり、
a)5’-ノンコーディング領域(NCR)-57(nt-57 CからT):主要弱毒化遺伝子座
b)NS1-53 GlyからAsp(nt-2579 GからA):主要弱毒化遺伝子座
c)NS3-250 GluからVal(nt-5270 AからT):主要弱毒化遺伝子座、
3つのキメラデング熱株は、血清型2株に由来する構造タンパク質prM及びEを他のデング熱血清型に由来する対応する構造タンパク質に置き換え、以下のキメラデング熱株:
-DENV-2/1キメラ、
-DENV-2/3キメラ及び
-DENV-2/4キメラ、をもたらすことによって血清型2株から誘導される、方法を対象とする。
【0295】
四価組成物の血清型に関するさらなる情報は、上記のセクション「デング熱ウイルス株」から誘導され得る。
【0296】
このような方法のための四価デング熱ウイルス組成物は、
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型1、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型3、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型4、を含む単位用量の形態であり得る。
【0297】
本発明は、特定的には、単位用量が、凍結乾燥されており、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型1、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型3、及び
(iv)少なくとも4.5log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型4を含むような方法を対象とする。
【0298】
四価組成物または単位用量に関するさらなる情報は、上記のセクション「デング熱ワクチン組成物」及び「単位用量」から誘導することができる。
【0299】
そのため、本発明は、方法及び対応する使用であって、当該方法が、以下のステップ:
(A)四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量を対象に投与することと、
(B)第1の単位用量の投与から3ヵ月以内に、四価デング熱ウイルス組成物の第2の単位用量を対象に投与することと、を含む、2回のみの単位用量の投与による一次ワクチン接種を含む、方法及び対応する使用を対象とする。
この実施形態によれば、3ヵ月以内に2回の用量を投与するだけで、後のデング熱感染に対する有効な保護をもたらすのに十分である。
【0300】
このような方法は好ましくは、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性をもたらし、このとき、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの第2の投与の18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、14~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限は60%を超える。
【0301】
このような方法はまた好ましくは、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性をもたらし、このとき、投与スケジュールの第2の投与の30日後から投与スケジュールの第2の投与の18ヵ月後まで、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である14~16歳の少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限は45%を超える。
【0302】
ある特定の実施形態によれば、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患に対する接種方法は、デング熱血清型2、及び/またはデング熱血清型1によるものである。当該方法は、デング熱血清型2及びデング熱血清型1に対する極めて高い有効性及びデング熱血清型2に対する最も高い有効性を有する。
【0303】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型1に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超える、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、35%を超えは、40%を超え、45%を超え、50%を超え、または54%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性であり、下限は、35%を超える。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、両側95%信頼区間で血清型1に対するワクチン有効性が得られ、下限は10%ポイント以内である。
【0304】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型1に対するワクチン有効性を有する、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、または65%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、5%ポイント以内の血清型1に対するワクチン有効性が得られる。
【0305】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型2に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超える、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、50%を超え、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または85%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、両側95%信頼区間で血清型2に対するワクチン有効性が得られ、下限は5%ポイント以内である。
【0306】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型2に対するワクチン有効性を有する、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または90%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、5%ポイント以内の血清型2に対するワクチン有効性が得られる。
【0307】
当該方法の有効性については、以下のこのセクションでさらにより詳細に説明する。
【0308】
ある特定の実施形態において、単位用量は、再構成され、皮下注射によって投与される。これらの実施形態の一部によれば、皮下注射は、腕、好ましくは腕の三角筋領域に投与される。
【0309】
1つの実施形態によれば、このような方法は、単位用量の投与前に対象が過去にデング熱に感染していたかの判定のステップを含まず、または単位用量の投与前に対象の血清状態が不明である。
【0310】
1つの実施形態によれば、このような方法は、好ましくは投与のステップの前、間、もしくは後のいずれの時点でも、対象が過去にデング熱に感染していたかの判定のステップを含まず、または好ましくは投与のステップの前、間、もしくは後のいずれの時点でも対象の血清状態が不明である。
【0311】
本発明による方法は、ワクチン接種前の血清状態の検査を必要とせず、よって、即時の処置及び大流行制御を可能にする。ある特定の実施形態によれば、当該使用は、対象がデング熱大流行に曝露される場合の方法に用いられる。ある特定のこのような実施形態において、大流行は、デング熱血清型2に起因し、及び/または血清型1に起因する。
【0312】
このような方法の1つの実施形態によれば、対象は、血清有病率が不明の地域、及び/または血清有病率が80%未満、または70%未満、または60%未満の地域の出身である。
【0313】
このような方法の1つの実施形態によれば、対象は、ベースラインで血清陰性であり、血清有病率が血清型1及び/または血清型2に関して高い、すなわち、80%、または90%、またはそれを超える地域の出身であり、またはその地域に渡航する。
【0314】
この実施形態によれば、ワクチン及び対応する方法は、血清陰性及び血清陽性の対象にとって安全であり、よって、血清状態の分析も、過去のデング熱感染または地域における高い血清有病率の決定も必要としない。このような方法は好ましくは、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性をもたらし、このとき、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの第2の投与の12~18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な4~16歳の対象集団で、好ましくはベースラインで血清陰性である少なくとも1,500例の健康な4~16歳の対象でプラセボに対し測定したときに、下限は65%を超える。好ましくは、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性の両側95%信頼区間は、血清陽性及び血清陰性の対象を比較したときに、両側信頼区間の下限が10%ポイント以内または15%ポイント以内または20%ポイント以内を示す。当該方法は、好ましくは血清型1及び血清型2に関して安全であり、そのため、血清型1及び/または血清型2に起因する大流行の状況下で使用することができ、あるいは血清陰性対象(例えば、渡航者)や血清型1及び/または血清型2に起因する血清有病率(>80%)が極めて高い地域で血清状態が不明の対象にさえも、使用することができる。
【0315】
当該方法の安全性については、セクション「予防する方法、接種する方法」でさらにより詳細に説明する。
【0316】
1つの実施形態によれば、このような方法は、第1及び第2の単位用量の投与後に対象の熱性疾病に関する積極的監視を含まない。積極的監視中に、熱性疾病(連続した3日のうちの任意の2日における≧38℃の発熱として定義される)を有する任意の対象は、治験責任医師によってデング熱評価のための検査施設に戻るように求められる。対象/保護者は、対象/保護者に熱性疾病の場合にその検査施設に戻る彼らの義務を思い出させることによって熱性疾病の確実な特定を確保するために少なくとも週1回連絡される。この連絡は、各試験の検査施設において異なり得る適切な方法(例えば、電話、テキストメッセージ、自宅訪問、学校ベースの監視)を介して実行される。
【0317】
1つの実施形態によれば、このような方法は、デング熱中和抗体についてのGMTを含むワクチン免疫原性分析を含まない。
【0318】
1つの実施形態によれば、このような方法は、反応原性分析を含まない。このような反応原性分析は、例えば、日誌カードの収集により各ワクチン接種後7日間及び14日間(ワクチン接種日が含まれる)それぞれ評価される非自発的局所AE(注射部位の疼痛、注射部位の紅斑、及び注射部位の腫れ)及び非自発的全身性AE(<6歳の小児:発熱、過敏性/癇癪、眠気及び食欲の喪失;≧6歳の小児:無力症、発熱、頭痛、不快感及び筋肉痛)に関する。
【0319】
1つの実施形態によれば、当該方法は、積極的監視、免疫原性分析、及び反応原性分析を含まない。
【0320】
このような実施形態によれば、ワクチン及び対応する接種方法は、安全であり、そのため、監視または分析のさらなるステップを必要としない。
【0321】
上記の観点から、1つの実施形態による方法は、以下のステップ:
(A)デング熱感染に対する保護の必要性から四価デング熱ウイルス組成物の単位用量の投与を行う対象を、過去のデング熱感染の判定なしで選択することと、
(B)四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量を対象に投与することと、
(C)第1の単位用量の投与から3ヵ月以内に四価デング熱ウイルス組成物の第2の単位用量を対象に投与することとからなる、一次ワクチン接種を含む。
そのため、接種する方法は、過去にデング熱に感染したかの判定なしで終了する。当該方法はさらに、任意選択で、単位用量のブースター用量を、第2の単位用量の投与の少なくとも1年後に含む。
【0322】
対象の選択には、全てのタイプの考慮が含まれ得るが、過去にデング熱に感染していたかの判定が含まれないことが好ましい。選択には、年齢、健康状態、及び感染の恐れの考慮が含まれ得る。感染の恐れには、対象が通常居住しているか、または渡航することを意図している地域における血清有病率、血清型特異的血清有病率、及び大流行の状況または血清型特異的な大流行の状況の考慮が含まれる。対象は、その血清型1及び/または血清型2への曝露によりまたはそれが特定のデング熱血清型、すなわち、血清型1及び/または血清型2に対する保護を必要とするという事実により選択され得る。
【0323】
本発明によれば、当該方法は、全ての種類の年齢の対象に適用可能である。1つの実施形態によれば、対象は、9歳未満、または4~5歳、または6~11歳、または12~16歳、または6~16歳、または4~16歳、または2~17歳、または9歳、または9歳超、または9~17歳、または18~45歳、または46~60歳、または60歳超である。
【0324】
特定的には、本発明は、方法が安全であるような方法を対象とする。
【0325】
特定的には、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性をもたらす方法であって、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの最後の投与の12~18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な4~16歳の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が65%を超える、方法を対象とする。
【0326】
特定的には、本発明は、方法が有効であるような方法を対象とする。
【0327】
特定的には、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性をもたらす方法であって、投与スケジュールの第1の投与から投与スケジュールの最後の投与の18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、14~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が60%を超える、方法を対象とする。
【0328】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である、方法を対象とする。
【0329】
本発明は、部分的には、対象集団におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防する方法を対象とする。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団におけるデング熱疾患を予防する方法であって、単位用量、特定的には、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量を対象集団に投与することを含む、方法を対象とする。
【0330】
本発明は、部分的には、対象集団におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防するための前述の方法であって、少なくとも本明細書に記載の発明の第1の再構成された単位用量を対象集団に投与することを含み、対象集団への前述の第1の単位用量の投与後180日目または365目における幾何平均中和抗体力価(GMT)のある特定の比が達成される、方法を対象とする。いくつかの実施形態によれば、デング熱血清型2についての幾何平均中和抗体力価(GMT DENV-2)及びデング熱血清型4についての幾何平均中和抗体力価(GMT DENV-4)は、少なくとも40例、または少なくとも50例、または少なくとも60例の対象で、少なくとも本明細書に記載の発明の当該再構成された単位用量の第1の投与の後、及び任意選択で当該第1の投与の90日後の本明細書に記載の発明の再構成された単位用量の第2の投与の後、180日目または365日目に試験したときに、GMT DENV-2:GMT DENV-4の比を50以下、または40以下、または30以下、または20以下にする。これらの実施形態の一部において、GMT DENV-2:GMT DENV-1の比は、当該第1の再構成された単位用量の投与後180日目または365日目に20以下、または18以下、または15以下であり、及び/またはGMT DENV-2:GMT DENV-3の比は、当該第1の再構成された単位用量の投与後180日目または365日目に20以下、または18以下、または15以下である。
【0331】
本発明は、部分的には、対象におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防するための前述の方法であって、少なくとも本明細書に記載の発明の第1の再構成された単位用量を対象に投与することを含み、対象への前述の第1の単位用量の投与後180日目または365目における中和抗体力価のある特定の比が達成される、方法を対象とする。いくつかの実施形態によれば、少なくとも本明細書に記載の発明の再構成された単位用量の第1の投与の後、及び任意選択で第1の投与の90日後の本明細書に記載の発明の再構成された単位用量の第2の投与の後、180日目または365日目における、デング熱血清型2に対する中和抗体力価及びデング熱血清型4に対する中和抗体力価は、DENV-2に対する中和抗体力価:GMT DENV-4に対する中和抗体力価の比を50以下、または40以下、または30以下、または20以下にする。これらの実施形態の一部において、DENV-2:DENV-1の中和抗体力価の比は、第1の再構成された単位用量の投与から180日後または365日後において20以下、または18以下、または15以下であり、及び/またはDENV-2:DENV-3の中和抗体力価の比は、第1の再構成された単位用量の投与から180日後または365日後において20以下、または18以下、または15以下である。
【0332】
対象集団の幾何平均中和抗体力価(GMT)または対象の中和抗体力価は、本明細書に開示するマイクロ中和試験に従って、例えば、実施例2に記載の方法に従って決定される。いかなる理論にも束縛されることは望まないが、現時点では、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量の投与によるよりバランスのとれた免疫応答を誘導する方法が、4つのデング熱血清型に対する幾何平均中和抗体力価(GMT)または4つのデング熱血清型に対する中和抗体力価の間で差がより少ないという観点から、ワクチン接種する対象または対象集団に有益であるものと理解されている。特定的には、4つの血清型のいずれか1つ(例えば、DENV-2)に対するはるかに大きな応答は、他の血清型と比較してあまり有益ではないことが理解される。
【0333】
本発明は、部分的には、対象または対象集団におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防するための前述の方法であって、1日目及び90日目に、2回の単位用量の皮下投与を含めて、少なくとも50例の対象の対象集団に血清陽性率をもたらし、対象集団の対象が、ベースラインで全てのデング熱血清型に対し血清陰性である、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、対象集団の少なくとも80%は、第1の単位用量の投与の少なくとも1ヵ月後、例えば、30日目に4つ全てのデング熱血清型について血清陽性であり、及び/または対象集団の少なくとも80%は、第2の単位用量の投与の前または投与時に、例えば、90日目に4つ全てのデング熱血清型について血清陽性であり、及び/または対象集団の少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%は、第2の単位用量の投与後、例えば、120日目に4つ全てのデング熱血清型について血清陽性であり、及び/または対象集団の少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%は、第2の単位用量の投与後、例えば、270日目に4つ全てのデング熱血清型について血清陽性である。
【0334】
本発明は、部分的には、対象または対象集団におけるデング熱疾患(特定的には、ウイルス学的に確認可能なデング熱、VCD)を予防するための前述の方法であって、1日目及び90日目での2回の単位用量の皮下投与を含む少なくとも100例の対象の対象集団における血清陽性率をもたらし、対象集団の対象が、全てのデング熱血清型に対し血清陰性である20%~40%の対象と、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型に対し血清陽性である60%~80%の対象とを含み、120日目及び/または270日目に、対象集団の血清陰性パートにおける4つ全てのデング熱血清型の血清陽性率と、対象集団の血清陽性パートにおける4つ全てのデング熱血清型の血清陽性率とが、10%ポイントを超えて逸脱せず、及び/または、120日目に、対象集団の血清陰性パートにおける4つ全てのデング熱血清型の血清陽性率と、対象集団の血清陽性パートにおける4つ全てのデング熱血清型の血清陽性率とが、5%ポイントを超えて逸脱しない、方法を対象とする。
【0335】
本発明は、部分的には、対象または対象集団におけるウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する方法であって、対象または対象集団に、4つの弱毒化生デング熱血清型(特定的には、本明細書に記載のウイルス株)を含む四価デング熱ウイルス組成物の再構成された単位用量を投与することを含む、方法を対象とする。
【0336】
本発明は、部分的には、対象または対象集団における入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する方法であって、対象または対象集団に、4つの弱毒化生デング熱血清型(特定的には、本明細書に記載のウイルス株)を含む四価デング熱ウイルス組成物の再構成された単位用量を投与することを含む、方法を対象とする。
【0337】
ある特定の実施形態において、方法は、対象または対象集団におけるデング熱疾患を予防するために投与されるデング熱ワクチン組成物の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物を含み、再構成された単位用量は、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価ウイルス組成物を含み、単位用量は、凍結乾燥されており、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、
(i)少なくとも3.3log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)、
(ii)少なくとも2.7log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)、
(iii)少なくとも4.0log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)、及び
(vi)少なくとも4.5log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)を含む、再構成された単位用量が得られる。
【0338】
好ましくは、再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物は、本発明のデング熱疾患を予防する方法で使用され、医薬的に許容される希釈剤で単位用量を再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、2%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも6%であり、対象または対象集団は、18~60歳である。
【0339】
別の好ましい実施形態において、再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物は、本発明のデング熱疾患を予防する方法で使用され、医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、当該総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度は、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度は、少なくとも8%であり、対象または対象集団は、2~17歳である。
【0340】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、当該単位用量が、4つの弱毒化生デング熱血清型(特定的には、本明細書に記載のウイルス株)を含む四価デング熱ウイルス組成物を含み、血清型が、ウイルス組成物及び単位用量に対し、本明細書に記載のようなある特定の濃度を有する、例えば、
(i)デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)は、3.3log10pfu/用量~5.0log10pfu/用量、または3.3log10pfu/0.5mL~5.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(ii)デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)は、2.7log10pfu/用量~4.9log10pfu/0.5用量、または2.7log10pfu/0.5ml~4.9log10pfu/0.5mlの濃度を有し、
(iii)デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、4.0log10pfu/用量~5.7log10pfu/0.5用量、または4.0log10pfu/0.5mL~5.7log10pfu/0.5mLの濃度を有し、
(iv)デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、4.5log10pfu/用量~5.5log10pfu/0.5用量、または4.5log10pfu/0.5mL~5.5log10pfu/0.5mLの濃度を有する、方法を対象とする。
好ましいこのような実施形態において、対象または対象集団は、2~17歳、例えば、4~16歳、好ましくは9歳未満である。他の好ましい実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳、6~11歳または12~16歳である。
【0341】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、当該単位用量が、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)については3.3log10pfu/0.5mL~3.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、デング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)については2.7log10pfu/0.5mL~4.0log10pfu/0.5mLの濃度を有し、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)については4.0log10pfu/0.5mL~4.6log10pfu/0.5mLの濃度を有し、デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)については4.5log10pfu/0.5mLまたは4.6log10pfu/0.5mL~5.1log10pfu/0.5mLの濃度を有する、方法を対象とする。好ましいこのような実施形態において、対象または対象集団は、2~17歳、例えば、4~16歳、好ましくは9歳未満である。他の好ましい実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳、6~11歳または12~16歳である。
【0342】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)の濃度が、総濃度の1%~7%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)の濃度が、総濃度の8%未満、例えば、総濃度の1%~8%の範囲内であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)の濃度が、総濃度の少なくとも10%であり、pfu/0.5mLで測定されるデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)の濃度が、総濃度の少なくとも65%、例えば、65%~80%の範囲内である、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型の算術的合計は、4.6log10pfu/0.5mL~6.7log10pfu/0.5mLの範囲内、好ましくは4.6log10pfu/0.5mL~5.5log10pfu/0.5mLの範囲内である。好ましくは、当該実施形態において、対象または対象集団は、2~17歳、例えば、4~16歳、さらにより好ましくは9歳未満である。他の好ましい実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳、6~11歳または12~16歳である。
【0343】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、前述の方法であって、TDV-1などのデング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)及びTDV-2などのデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)が、それぞれ、pfu/0.5mLでの総濃度を基準として、互いに5%ポイント以内の濃度で存在し、及び/または合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満である、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、TDV-3などのデング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)は、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%であり、より好ましくはTDV-4などのデング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)は、pfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%である。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型4(例えば、キメラデング熱血清型2/4株)(例えば、TDV-4)は、4つ全ての血清型のうち組成物において最も高い濃度、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約70%に相当し、デング熱血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)は、4つ全ての血清型のうち組成物において2番目に高い濃度、好ましくはpfu/0.5mLでの総濃度の少なくとも約10%に相当し、デング熱血清型1(例えば、キメラデング熱血清型2/1株)(例えば、TDV-1)及びデング熱血清型2(例えば、デング熱血清型2株)(例えば、TDV-2)は各々、血清型3(例えば、キメラデング熱血清型2/3株)(例えば、TDV-3)の濃度よりも低い濃度に相当し、任意選択で、合わせてpfu/0.5mLでの総濃度の約10%未満に相当する。
【0344】
好ましくは、キメラデング熱血清型2/1株は、TDV-1であり、デング熱血清型2株は、TDV-2であり、キメラデング熱血清型2/3株は、TDV-3であり、キメラデング熱血清型2/4株は、TDV-4である。より好ましくは、TDV-1は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列及び配列番号2に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-2は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-3は、配列番号5に記載のヌクレオチド配列及び配列番号6に記載のアミノ酸配列を特徴とし、TDV-4は、配列番号7に記載のヌクレオチド配列及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を特徴とする。
【0345】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、皮下注射によって投与される、方法を対象とする。これらの実施形態の一部によれば、皮下注射は、腕、好ましくは腕の三角筋領域に投与される。
【0346】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、再構成された単位用量が、血清状態が不明の対象に投与される、及び/または本明細書に記載の単位用量が投与される(前)に対象が血清陽性もしくは血清陰性かを判定するための検査が行われていない、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、1例または複数例の対象における過去のデング熱感染の決定のステップを含まない、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、地域における血清有病率の分析を含まない、または80%未満、70%未満、もしくは60%未満の血清有病性を有する地域で行われる、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、対象の血清状態が不明な場合の方法を対象とする。このような実施形態において、血清状態は、この方法に関して投与の前及び後の任意の時点で決定されない。本発明のある特定の実施形態において、当該方法は、大流行の状況で使用される。ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、臨床試験外で行われる、方法を対象とする。
【0347】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、全てのデング熱血清型に対し血清陰性である、方法を対象とする。
【0348】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の2回の単位用量が投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態において、2回の単位用量は、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内に、かつ任意選択で少なくとも4週間隔てて、例えば、0日目及び90日目、または1日目及び90日目に投与される。これらの実施形態の一部によれば、本明細書に記載される発明のさらなる第3の単位用量が、第2の投与後に投与される。このような第3の投与は、ブースターとして作用し得、第1の投与から6~12ヵ月後、例えば、第1の投与から12ヵ月後、または第1の投与から12ヵ月後よりも遅く、例えば、第2の投与から12ヵ月(1年)後または第1もしくは第2の投与から5年以上後でさえ投与され得る。
【0349】
ある特定の実施形態において、本発明の方法は、投与を行う本発明の単回単位用量を含むかまたはそれからなる。
【0350】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である対象または対象集団に皮下投与される、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、少なくとも1つのデング熱血清型に関して血清陽性である。
【0351】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量が、デング熱流行地域の出身の対象または対象集団に投与される、方法を対象とする。これらの実施形態の一部では、対象または対象集団は、シンガポール、ドミニカ共和国、パナマ、フィリピン、コロンビア、プエルトリコまたはタイ、特定的には、シンガポール、ドミニカ共和国、パナマ、またはフィリピンの出身である。好ましい実施形態において、対象または対象集団は、アジア太平洋または中南米の出身である。これらの実施形態の他の一部では、対象または対象集団は、タイ、スリランカ、フィリピン、パナマ、ニカラグア、ドミニカ共和国、コロンビアまたはブラジルの出身である。他の実施形態において、対象または対象集団は、デング熱非流行地域の出身である。このような対象集団またはこのような対象は、デング熱流行地域への渡航の観点から本発明に従ってワクチン接種され得る。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量は、デング熱流行地域またはデング熱非流行地域の出身の対象、または対象集団に皮下投与される。
【0352】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、2~60歳の対象または対象集団に皮下投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態において、対象または対象集団は、17歳を超え、または18歳を超え、または18~60歳の成人である。さらなる特定の実施形態において、対象または対象集団は、21歳を超え、または21~60歳、または21~45歳の成人である。
【0353】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、2~17歳の小児及び若年成人に皮下投与される、方法を対象とする。いくつかの実施形態において、対象または対象集団は、9歳未満、または4歳未満である。いくつかの実施形態において、対象または対象集団は、2~9歳、または2~5歳、または4~9歳、または6~9歳である。他の実施形態において、対象または対象集団は、4~16歳である。いくつかのこのような実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。任意選択で、対象または対象集団は、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である。
【0354】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の単位用量が、2歳未満、好ましくは2ヵ月~2歳、または2ヵ月~1.5歳、または2ヵ月~1歳の小児対象または小児対象集団に投与される、方法を対象とする。これらの実施形態の一部によれば、小児対象または小児対象集団は、血清陰性であり、デング熱流行地域の出身である。
【0355】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量が、2歳未満、好ましくは2ヵ月~2歳、または2ヵ月~1.5歳、または2ヵ月~1歳の小児対象または小児対象集団に、好ましくは皮下注射によって投与される、方法を対象とする。これらの実施形態の一部によれば、小児対象または小児対象集団は、血清陰性であり、デング熱流行地域の出身である。
【0356】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、4~5歳でありかつアジア太平洋の出身であり、6~11歳でありかつアジア太平洋の出身であり、または12~16歳でありかつアジア太平洋の出身である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳でありかつ中南米の出身であり、6~11歳でありかつ中南米の出身であり、または12~16歳でありかつ中南米の出身である。
【0357】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、4~5歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、6~11歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、または12~16歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、4~5歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である、6~11歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である、または12~16歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である。
【0358】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、アジア太平洋または中南米の出身でありかつベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、アジア太平洋または中南米の出身でありかつベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性である。
【0359】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、アジア太平洋の出身であり、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、アジア太平洋の出身であり、ベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。さらに他の実施形態において、対象または対象集団は、中南米の出身であり、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。他の実施形態において、対象または対象集団は、アメリカの出身であり、ベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。
【0360】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団が、黄熱病に対する事前のワクチン接種を受けた、方法を対象とする。他の実施形態において、対象または対象集団は、日本脳炎に対する事前のワクチン接種を受けている。さらに他の実施形態において、対象または対象集団は、黄熱病に対する事前のワクチン接種を受けていない。他の実施形態において、対象または対象集団は、日本脳炎に対する事前のワクチン接種を受けていない。事前のワクチン接種は、本明細書に記載の再構成された単位用量を用いた第2の投与から30日後より前(例えば、第1の投与後4ヵ月以内)のワクチン接種を示す。例えば、第2のワクチン接種の30日後から実施例6で決定されるワクチン有効性(VE)について、黄熱病の事前のワクチン接種は、第2のワクチン接種の30日後より前に行われる黄熱病ワクチン接種として定義される。ある特定の実施形態において、対象または対象集団は、本明細書に記載の投与レジメンの範囲内または第1の用量の投与から4.5年以内にDengvaxia(登録商標)を受けている。
【0361】
特に、4つのデング熱血清型に対する中和抗体のバランスがとれていない力価は、市販のデング熱ワクチンの投与後に血清陰性集団または対象において観察される。本発明は、特定的には、血清陰性対象が、本明細書に記載の発明の再構成された単位用量の投与の後に4つのデング熱血清型に対するよりバランスのとれた免疫応答を示すことを示す。そのため、本明細書に記載の発明の単位用量及び本明細書に記載の本発明の方法は、血清陽性及び血清陰性の両方の対象を含む対象集団においてより強力な免疫応答をもたらし得ることが企図される。このバランスのとれた応答ならびにバランスのとれた有効性及び安全性は、事前の血清状態分析なしで接種を可能にするのに必要となるものであり、これは、ワクチン接種プログラムにおいて、とりわけ大流行の状況下では大きな利点である。
【0362】
本発明は、部分的には、対象におけるウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する方法であって、対象に、血清型1、血清型2、血清型3、及び血清型4を表す4つのデング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を投与することを含み、ウイルス株は、任意選択で弱毒化生デング熱ウイルス株である、方法を対象とする。
【0363】
本発明は、部分的には、対象におけるウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する方法であって、血清型1、血清型2、血清型3、及び血清型4を表す4つのデング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を対象に投与することからなり、ウイルス株は、任意選択で弱毒化生デング熱ウイルス株である、方法を対象とする。
【0364】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、ベースラインで対象の血清状態を決定するステップがない、すなわち、前述の方法が、四価デング熱ウイルス組成物の投与前に、ベースラインで対象の過去のデング熱感染歴を決定することを含まない、方法を対象とする。特定的には、このような方法は、安全かつ有効である。したがって、ある特定のこのような実施形態において、対象は、過去のデング熱感染の有無について検査されていない。
【0365】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象が四価デング熱ウイルス組成物の投与前に過去にデング熱に感染していたという判定の有無にかかわらず、ワクチン投与が安全である、方法を対象とする。特定的には、このような方法は有効でもある。
【0366】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、方法が安全及び/または有効である、方法を対象とする。
【0367】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、組成物が少なくとも1つのキメラデング熱ウイルスを含む、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、本発明は、前述の方法であって、組成物が、少なくとも1つの非キメラデング熱ウイルス及び少なくとも1つのキメラデング熱ウイルス、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株及びデング熱血清型2株及びキメラデング熱血清型2/3株及びキメラデング熱血清型2/4株を含む、方法を対象とする。組成物の詳細は、上述されている。
【0368】
そのため、ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、ワクチン有効性、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、第1の投与後または第2の/最後の投与の30日後から第2の/最後の投与の少なくとも12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、例えば、14~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。諸実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、ワクチン有効性、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第1の投与の15~21ヵ月(例えば、15ヵ月または21ヵ月)後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量もしくは四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが少なくとも1回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、55%を超え、60%を超え、65%を超え、70%を超え、または72%を超える。好ましくは、前述の再構成された単位用量またはプラセボは、約3ヵ月以内、例えば、0日目及び90日目に皮下投与される。
【0369】
そのため、ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、第1の投与後から最後の投与の18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が60%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。これらの実施形態において、下限は、例えば、62%を超え、64%を超え、66%を超え、68%を超え、または69%を超える。
【0370】
ある特定の実施形態において、本発明は、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、第1の投与後または第2の投与/最後の投与の30日後から第2の投与/最後の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、例えば、14~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ワクチン有効性、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量もしくは四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、投与スケジュールの第1の投与の15ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ワクチン有効性、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量もしくは四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが少なくとも1回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、55%を超え、60%を超え、65%を超え、70%を超え、75%を超え、78%を超え、79%を超え、または約80%である。好ましくは、前述の再構成された単位用量またはプラセボは、約3ヵ月以内、例えば、0日目及び90日目に皮下投与される。
【0371】
そのため、ある特定の実施形態において、本発明は、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、第1の投与後から最後の投与の18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、14~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が66%を超える前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量もしくは四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内に)少なくとも2回投与される、方法を対象とする。これらの実施形態において、ワクチン有効性は、例えば、68%を超え、70%を超え、72%を超え、または74%を超える。
【0372】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認可能なウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、ワクチン有効性、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が0%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量もしくは四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、10%を超え、20%を超え、30%を超え、40%を超え、50%を超え、55%を超え、60%を超え、65%を超え、70%を超え、または80%を超え、または90%を超える。
【0373】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で血清陰性対象において4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、または55%を超える。
【0374】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、35%を超え、40%を超え、または45%を超える。
【0375】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、40%を超え、45%を超え、50%を超え、60%を超え、または65%を超える。
【0376】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性であるまたはベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ベースラインで血清陽性の対象及びベースラインで全ての血清型に対し血清陰性の対象によってもたらされる下限間の差は、15%ポイント以下である。
【0377】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、血清陰性対象における4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性対象における4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、または70%を超える。
【0378】
ある特定の実施形態において、本発明は、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、当該ワクチン有効性は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、55%を超え、60%を超え、または65%を超える。
【0379】
ある特定の実施形態において、本発明は、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、当該ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、70%を超え、または75%を超える。
【0380】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性であるまたはベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ベースラインで血清陽性の対象及びベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である対象によってもたらされる下限間の差は、15%ポイント以下、または10%ポイント以下である。
【0381】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時において4~5歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、45%を超える。
【0382】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時に4~5歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、または70%を超える。
【0383】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時に6~11歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、60%を超え、または70%を超える。
【0384】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時において6~11歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、75%を超え、または80%を超える。
【0385】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時に12~16歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、または68%を超える。
【0386】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時において12~16歳の少なくとも1,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全てのデング熱血清型に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、75%を超え、または80%を超える。
【0387】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で血清型1に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、または50%を超える。
【0388】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型1に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、35%を超えは、40%を超え、45%を超え、50%を超え、または54%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性であり、下限は、35%を超える。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、両側95%信頼区間で血清型1に対するワクチン有効性が得られ、下限は10%ポイント以内である。
【0389】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、デング熱血清型1に対するワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型1に対するワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、65%を超え、または70%を超える。
【0390】
ある特定の実施形態において、本発明は、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型1に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、または65%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、5%ポイント以内の血清型1に対するワクチン有効性が得られる。
【0391】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で血清型2に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50を超え、60を超え、70を超え、80を超え、または90%を超える。
【0392】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間でウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型2に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、50%を超え、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または85%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、両側95%信頼区間で血清型2に対するワクチン有効性が得られ、下限は5%ポイント以内である。
【0393】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、デング熱血清型2に対するワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型2に対するワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、80を超え、または90%を超える。
【0394】
ある特定の実施形態において、本発明は、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも1,500例、または少なくとも2,000例、または少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、血清型2に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または90%を超える。ある特定のこのような実施形態において、少なくとも1,500例の対象集団は、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である。ある特定のこのような実施形態において、血清陰性及び血清陽性の集団は各々、5%ポイント以内の血清型2に対するワクチン有効性が得られる。
【0395】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で血清型3に対するワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超える。
【0396】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象、または少なくとも10,000例の健康な対象、または少なくとも15,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、デング熱血清型3に対するワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、デング熱血清型3に対するワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、55%を超え、または60%を超える。
【0397】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、第1の投与から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月もしくは18ヵ月時に)、または最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12もしくは18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、10%を超え、20%を超え、30%を超え、40%を超え、50%を超え、55%を超え、60%を超え、65%を超え、66%を超え、67%を超え、70%を超え、75%を超え、77%を超え、または80%を超える。
【0398】
ある特定の実施形態において、本発明は、入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、第1の投与から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月もしくは18ヵ月時に)、または最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12もしくは18ヵ月時に)、ベースラインの血清状態にかかわらず、4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、70%を超え、75%を超え、80%を超え、または82%を超え、または85%を超え、88%を超える。
【0399】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対し、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、または75%を超える。
【0400】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、60%を超え、65%を超え、66%を超え、67%を超え、70%を超え、75%を超え、77%を超え、または80%を超える。
【0401】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または90%を超える。
【0402】
ある特定の実施形態において、本発明は、入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、当該ワクチン有効性は、60%を超え、65%を超え、66%を超え、67%を超え、70%を超え、75%を超え、77%を超え、80を超え、または85%を超える。
【0403】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱疾患に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの第2の投与の約30日後から投与スケジュールの第2の投与の少なくとも12ヵ月後または12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、30%を超え、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、または80%を超える。
【0404】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、下限は、60%を超え、65%を超え、70%を超え、75%を超え、または80%を超える。
【0405】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後までまたは12~18ヵ月後まで(例えば、12または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性である少なくとも1,500例または少なくとも2,000例の健康な対象の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性が30%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、4つ全ての血清型に対する入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱に対する複合ワクチン有効性は、40%を超え、50%を超え、60%を超え、70%を超え、80%を超え、または90%を超える。
【0406】
ある特定の実施形態において、本発明は、入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、ベースラインで血清陽性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ワクチン有効性は、75%を超え、70%を超え、80%を超え、85%を超え、または90%を超える。
【0407】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、ベースラインで血清陽性またはベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が25%を超え、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ベースラインで血清陽性の対象及びベースラインで全ての血清型に対し血清陰性の対象によってもたらされる下限間の差は、15%ポイント以下である。
【0408】
ある特定の実施形態において、本発明は、入院を伴うウイルス学的に確認可能なデング熱疾患を予防する上で、ベースラインで血清陽性またはベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である4~16歳の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、最後の投与の30日後から最後の投与の12~18ヵ月後まで(例えば、12ヵ月または18ヵ月時に)、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、例えば、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内に)少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ベースラインで血清陽性の対象及びベースラインで全ての血清型に対し血清陰性である対象によってもたらされるワクチン有効性間の差は、10%ポイント以下または5%ポイント以下である。
【0409】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で相対リスク、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合相対リスクを有する前述の方法であって、第2の投与の30日後、第2の投与の少なくとも12ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、上限が0.75未満であり、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、上限は、0.70未満、0.65未満、0.60未満、0.55未満、0.50未満、0.45未満、0.40未満、0.35未満、0.30未満、または0.28未満である。好ましくは、前述の再構成された単位用量またはプラセボは、約3ヵ月以内、例えば、0日目及び90日目に皮下投与される。
【0410】
ある特定の実施形態において、本発明は、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、相対リスク、好ましくは4つ全ての血清型に対する複合相対リスクが0.70未満である前述の方法であって、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、相対リスクは、0.65未満、0.60未満、0.55未満、0.50未満、0.45未満、0.40未満、0.35未満、0.30未満、0.25未満、または0.23未満である。好ましくは、前述の再構成された単位用量またはプラセボは、約3ヵ月以内、例えば、0日目及び90日目に皮下投与される。
【0411】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、第2の投与の30日後から第2の投与の少なくとも12ヵ月または少なくとも18ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患が対象の2.5%未満で生じ、本明細書に記載の再構成された単位用量/四価デング熱ウイルス組成物またはプラセボが、6ヵ月未満以内(例えば、3ヵ月以内)に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。ある特定のこのような実施形態において、ウイルス学的に確認可能なデング熱疾患は、対象の2.0%未満、対象の1.5%未満、対象の1.0%未満、対象の0.8%未満、または対象の0.6%未満に生じる。好ましくは、前述の再構成された単位用量またはプラセボは、約3ヵ月以内、例えば、0日目及び90日目に皮下投与される。
【0412】
ある特定の実施形態において、本発明は、両側95%信頼区間で4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性を有する前述の方法であって、投与スケジュールの最後の投与の約30日後から投与スケジュールの最後の投与の少なくとも12または13ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時に4~16歳の対象からなる群から選択される流行地域の出身の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、下限が61.0%を超え、または65.0を超え、または70.0%を超え、または72.0%を超え、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月以下以内に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。
【0413】
ある特定の実施形態において、本発明は、投与スケジュールの最後の投与の約30日後から投与スケジュールの最後の投与から少なくとも12ヵ月または13ヵ月後まで、ベースラインの血清状態にかかわらず、ランダム化時に4~16歳の対象からなる群から選択される流行地域の出身の少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が66%を超え、または70%を超え、または75%を超え、または77%を超え、または80.0%を超える前述の方法であって、当該単位用量/四価デング熱ウイルス組成物または当該プラセボが、6ヵ月以下以内に少なくとも2回投与される、方法を対象とする。
【0414】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が、投与スケジュールの最後の投与の約30日後から投与スケジュールの最後の投与の12または13ヵ月後まで測定される、方法を対象とする。
【0415】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、当該単位用量または当該プラセボが、3ヵ月以内に少なくとも2回、特定的には約1日目及び約90日目に投与され、4つ全ての血清型に対する複合ワクチン有効性が、投与スケジュールの第2の投与の30日後から第2の投与の12または13ヵ月後まで測定される、方法を対象とする。
【0416】
ある特定の実施形態において、本発明は、有効かつ安全である前述の方法を対象とする。これらの実施形態の一部では、対象または対象集団は、9歳未満、4歳未満、または2歳未満または2~9歳、または2~5歳、または4~9歳、または6~9歳である。任意選択で、対象は、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である。
【0417】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、少なくとも5,000例の健康な対象(または少なくとも10,000例、または少なくとも15,000例の健康な対象)の対象集団でプラセボに対し測定したときに、入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱の相対リスクが1以下、または0.8以下、または0.6以下である、方法を対象とする。これらの実施形態の一部において、対象または対象集団は、9歳未満、4歳未満、もしくは2歳未満、または2~9歳、もしくは2~5歳、もしくは4~9歳、もしくは6~9歳である。任意選択で、対象は、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である。
【0418】
ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団の健康な対象が4~16歳である、前述の方法を対象とする。このような実施形態の一部では、対象集団の健康な対象は、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。
【0419】
ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団の健康な対象が、実施例6で規定された除外基準の観点から健康であるものとして定義される、前述の方法を対象とする。
【0420】
ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団の健康な対象が、アジア太平洋または中南米の出身である、前述の方法を対象とする。
【0421】
ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団の健康な対象が、少なくとも1つの血清型に関して血清陽性である、前述の方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、全ての血清型に関して血清陰性である。
【0422】
ある特定の実施形態において、本発明は、対象集団の健康な対象が、4~5歳でありかつアジア太平洋の出身であり、6~11歳でありかつアジア太平洋の出身であり、または12~16歳でありかつアジア太平洋の出身である、前述の方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、4~5歳でありかつ中南米の出身であり、6~11歳でありかつ中南米の出身であり、または12~16歳でありかつ中南米の出身である。
【0423】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、4~5歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、6~11歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、または12~16歳でありかつ少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、4~5歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である、6~11歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である、または12~16歳でありかつ全てのデング熱血清型について血清陰性である。
【0424】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、アジア太平洋または中南米の出身であり、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、アジア太平洋または中南米の出身であり、ベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性である。
【0425】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、アジア太平洋の出身であり、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である、方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、アジア太平洋の出身であり、ベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。さらに他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、中南米の出身であり、ベースラインで少なくとも1つのデング熱血清型について血清陽性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、アメリカの出身であり、ベースラインで全てのデング熱血清型について血清陰性であり、4~5歳、6~11歳、または12~16歳である。
【0426】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、黄熱病に対する事前のワクチン接種を受けた、方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、黄熱病に対する事前のワクチン接種を受けていない。事前のワクチン接種は、本明細書に記載の再構成された単位用量での第1のワクチン接種より前に行うワクチン接種を示す。例えば、第2のワクチン接種の30日後から実施例6で決定されるワクチン有効性(VE)について、黄熱病の事前のワクチン接種は、第2のワクチン接種の30日後より前に行われる黄熱病ワクチン接種として定義される。
【0427】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、日本脳炎に対する事前のワクチン接種を受けた、方法を対象とする。他の実施形態において、対象集団の健康な対象は、日本脳炎に対する事前のワクチン接種を受けていない。
【0428】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象集団の健康な対象が、本明細書に記載の投与レジメン内または第1の用量の投与から4.5年以内にDengvaxia(登録商標)を受けた、方法を対象とする。ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、ワクチン関連重篤有害事象の発生が0.1%未満である、方法を対象とする。
【0429】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、投与から4週間以内に生じるワクチン関連自発的有害事象の発生が2%未満である、方法を対象とする。
【0430】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、投与から2週間以内に生じるワクチン関連非自発的有害事象の発生が35%未満である、方法を対象とする。
【0431】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、投与から1週間以内に生じるワクチン関連非自発的局所反応の発生が40%未満である、方法を対象とする。
【0432】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、個体(例えば、血清陰性の個体)における入院を伴うウイルス学的に確認されたデング熱のリスクを上昇させない、方法を対象とする。
【0433】
上記の方法は、このような方法で使用するための単位用量、またはこのような方法のための医薬品の製造で使用するための単位用量の使用の文脈においても考慮される。
【0434】
ある特定の実施形態において、デング熱疾患に対する接種のために四価デング熱ワクチン(例えば、Dengvaxia(登録商標))が使用される。Dengvaxia(登録商標)は、黄熱病骨格に基づく四価デング熱ワクチンCYD-TDV(Dengvaxia(登録商標)、Sanofi Pasteur、Lyon、France)であり、アジア及び中南米における小児の56~61%のウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的ワクチン効力(VE)の臨床的実証に基づいていくつかの国において認可されている(Capeding MR et al.Clinical efficacy and safety of a novel tetravalent dengue vaccine in healthy children in Asia:a phase 3,randomised,observer-masked,placebo-controlled trial.Lancet 2014,384:1358-65;Villar LA et al.Safety and immunogenicity of a recombinant tetravalent dengue vaccine in 9-16 year olds:a randomized,controlled,phase II trial in Latin America. Pediatr Infect Dis J 2013,32:1102-9)。これらの特定の株CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4の調製は、国際特許出願WO98/37911、WO03/101397、WO07/021672、WO08/007021、WO08/047023、及びWO08/065315に詳細に記載されており、それらの調製のためのプロセスの正確な記載のためにこれらに対する参照がなされ得る。CYD1、CYD2、CYD3、及びCYD4のprM-E領域の対応するヌクレオチド配列は、WO2016034629で提供されており、配列番号は、この参考文献の表16に示されている。
【0435】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)とを、同日同時に投与する、方法を対象とする。
【0436】
ある特定の実施形態において、本発明は前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量を第1の投与として0/1日目に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)を、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する、方法を対象とする。代替的に、本明細書に開示するDengvaxia(登録商標)は、対象または対象集団に、第1の投与として0/1日目に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量は、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する。
【0437】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、デング熱ワクチン組成物が、他のデング熱ワクチン(例えば、TV003またはTV005)を含む、方法を対象とする。米国国立アレルギー・感染症研究所が開発したTV003は、ワクチン成分rDEN1Δ30、rDEN2/4Δ30、rDEN3Δ30/31、及びrDEN4Δ30を含み、これらの成分の各々が3log10PFUの濃度で存在する。TV005はTV003に類似するが、TV005中のrDEN2/4Δ30の濃度が4log10PFUである点が異なる。ワクチンTV003、TV005、及びこれらのワクチン成分、ならびにこれらの生産については、WO2008/022196A2及びS.S.Whitehead,Expert Rev Vaccines,2016,15(4):509 to 517でより詳細に説明されている。組換えDNA技術を用いて、TV003またはTV005のワクチン成分に対し、3’非翻訳領域の欠失及び構造遺伝子のキメラ化という2つの弱毒化戦略を利用した。例えば、成分rDEN4Δ30は、野生型DENV-4の全ての構造タンパク質及び非構造タンパク質を含むが、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失(「Δ30」と表記)によって弱毒化されている。他方のワクチン成分も、3’非翻訳領域内の30ヌクレオチドの欠失によって弱毒化されている。加えて、rDEN3Δ30/31は、3’非翻訳領域内に31ヌクレオチドの欠失を含む(WO2008/022196A2の図1c及び図13に詳細に示されている)。rDEN2/4Δ30成分は、DENV-2のprM及びE遺伝子を置換してrDEN4Δ30ゲノムにすることによって作出された。TV003またはTV005の生産に使用することができるデング熱株の完全なゲノム配列は、WO2008/022196A1の表AのGenbankアクセッション番号で利用可能である。
【0438】
ある特定の実施形態において、本発明は、前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量と、本明細書に開示するTV003またはTV005とを同日同時に投与する、方法を対象とする。
【0439】
ある特定の実施形態において、本発明は前述の方法であって、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量、特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む単位用量を第1の投与として0/1日目に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示するTV003またはTV005を、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する、方法を対象とする。代替的に、本明細書に開示するTV003またはTV005は、対象または対象集団に、第1の投与として0/1日目に投与し、続いて、対象または対象集団に、本明細書に開示する単位用量(特定的には、キメラデング熱血清型2/1株、弱毒化生デング熱血清型2株、キメラデング熱血清型2/3株、及びキメラデング熱血清型2/4株を含む)は、第2の投与として、第1の投与から3ヵ月以内、例えば第1の投与から90日目に投与する。
【実施例
【0440】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明のある特定の態様及び実施形態を実証するために含まれる。しかしながら、以下の記載は例示的なものにすぎず、本発明の限定としてどのようにも解釈されるべきではないことは、当業者によって理解されるべきである。
【0441】
実施例1:デング熱ウイルス株の調製
キメラデング熱株TDV-1、-3、及び-4を生成するために使用した方法は、標準的な分子クローニング及びDNA工学的方法であり、et al.(2003)J.Virology 77(21):11436-11447に記載されている。デング熱血清型1、3、及び4のprM-E遺伝子をTDV-2骨格内に構築及び導入するために以下のよく知られている方法を使用した:逆転写酵素PCR(RT-PCR)、PCR、制限酵素消化、DNA断片ライゲーション、エレクトロポレーションによる細菌形質転換、プラスミドDNA調製、T7RNAポリメラーゼによるin vitro転写、及びエレクトロポレーションによるVero細胞の形質移入。
【0442】
Huang et al.(2013)PLOS Neglected Dis,7(5):e2243に記載のように、異なるデング熱血清型を別々に成長させ、精製した後、これを実施例4に示されているある特定の濃度で混合する。デング熱血清型の混合物は、デング熱ワクチン組成物中に存在し、医薬的に許容される賦形剤の組成物と合わせて、15%w/vのα,αトレハロース二水和物、1%w/vのポロキサマー407、0.1%w/vのヒト血清アルブミン及び100mMの塩化ナトリウムを含むデング熱ワクチン組成物が得られる。デング熱ワクチン組成物は凍結乾燥されており、TDVの凍結乾燥単位用量に相当する。凍結乾燥された単位用量を37mMの塩化ナトリウム水溶液で再構成し、再構成された単位用量は、15%w/vのα,αトレハロース二水和物、1%w/vのポロキサマー407、0.1%w/vのヒト血清アルブミン及び137mMの塩化ナトリウムを含む。
【0443】
実施例2:マイクロ中和試験
免疫原性は、プラーク値の50%減少(MNT50)をもたらす希釈として定義される力価を用いて4つのデング熱血清型の各1つに対するマイクロ中和アッセイによって測定した。簡潔には、1日目にVero細胞を96ウェルアッセイプレート上でDMEM及び10%FBS中に2.5×10細胞/mlの密度で播種し、37℃で24時間インキュベートした。2日目に熱不活化抗体含有試験及び対照血清サンプルの段階希釈物(希釈物は1:10~1:20480の範囲である)を調製し、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて一定濃度のデング熱ウイルス(特定的には、DENV-1株16007、DENV-2株16681、DENV-3株16562、及びDENV-4株1036)と混合し(目標60~80pfu/ウェル)、2~8℃で一晩インキュベートして、血清中に存在する抗体によるウイルスの中和を可能にした。インキュベート後、ウイルスと抗体との混合物をVero細胞を有する96ウェルプレートに移し、プレートを37℃で90~120分間インキュベートして、Vero細胞を感染させた。DMEM中の1%メチルセルロースオーバーレイをプレートに適用して、子孫ウイルスの拡散を制限し、プレートをデング熱血清型に応じて34℃で46~70時間インキュベートした:
DENV1-66±2時間
DENV2-70±2時間
DENV3-66±2時間
DENV4-46±2時間
【0444】
インキュベート後、細胞をPBSで2回洗浄し、冷メタノールを添加し、≦-20℃の温度で60分間インキュベートすることによって固定した。固定後、プレートを乾燥させ、洗浄緩衝液(1×PBS、0.5%Tweenを有するpH7.4)で3回洗浄してから、ウェル当たりブロッキング溶液(PBST中の2.5%脱脂粉乳)中50μlの血清型特異的抗デング熱モノクローナル抗体を添加し、細胞と共に2~8℃で18±4時間インキュベートした。
【0445】
モノクローナル抗体は、Gentry et al.(1982)Am.J.Trop. Med.Hyg.31,548-555;Henchal et al.(1985)Am.J.Trop. Med.Hyg.34,162-169;及びHenchal et al.(1982)Am.J.Trop. Med.Hyg.31(4):830-6)に記載されているように作製した。簡潔には、抗DENV-1 HBDはデング熱1株Hawaiiのエンベロープに対して作製し、抗DENV-2はデング熱2株New Guinea Cのエンベロープのアイソタイプ1に対して作製し、抗DENV-3 HBDはデング熱3株H87のエンベロープのアイソタイプ2Aに対して作製し、抗DENV-4 HBDはデング熱4株H241のエンベロープのアイソタイプ2Aに対して作製した。
【0446】
インキュベート後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、ブロッキング溶液中の50μlの二次ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)(KPL Cat#074-1806)を添加し、37℃で90~120分間インキュベートした。次いでプレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、50μlの沈殿剤基質(2.5mlのDMSO中の2-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)錠剤、47.5mlの50mM酢酸緩衝液及び250μlの過酸化水素)を添加し、混合物を室温で20分間インキュベートした。最後に、基質を除去し、プレートをdHOですすぎ、乾燥させた。
【0447】
サンプルの力価は、線形回帰法を使用して計算され、各サンプルについてのMNT50力価として報告される。臨床データは、各処置群における個々のMNT50力価の全てについての幾何平均力価として報告される。簡潔には、各ウェルにおける感染性輝点の数をカウントし、ウイルスのみ含有するウェルと比較した、抗体(試験サンプル)を含有するウェルにおける感染性輝点中心の減少率を比較することによって中和抗体の力価を決定した。MNT50は、以下の線形回帰式を使用して計算した:
MNT50=10^[(50-c)/m])(式中、c=回帰直線のy切片及びm=回帰直線の傾き)
【0448】
各試験サンプルを三重に試験し、力価を三重の平均から計算した。この試験で実施したステップの概略図を図2に示す。
【0449】
実施例3:小児における第III相臨床試験
タイ、スリランカ、フィリピン、パナマ、ニカラグア、ドミニカ共和国、コロンビア、またはブラジルに居住する4~16歳の20100例を対象とする第III相二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を実施し、四価デング熱ワクチン(以下、TDV(本明細書に記載のTDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4)と称される)の有効性、安全性、及び免疫原性を評価した。本試験は3つのパートを含む。パート1は、ワクチン有効性(VE)を評価し、以下の2つの基準の両方が満たされるまで継続した:(i)120症例のデング熱が確認されること、及び(ii)第2のワクチン接種後12ヵ月の対象追跡調査の最小継続期間。パート2は、VEを評価するため及び副次有効性分析のためのさらなる6ヵ月である。パート3は、副作用について参加者を追跡することによって長期安全性を評価し、追加の3年間継続する。
【0450】
パート1:全ての対象における有効性の主要評価のための積極的監視。この期間中、潜在的にデング熱に起因し得る熱性疾病の特定を確実にするために少なくとも週1回対象に連絡した。このパートは、ワクチン接種の日に開始し、以下の2つの基準の両方が満たされると終了した:(i)120症例のデング熱が確認されること、及び(ii)第2のワクチン接種後12ヵ月の対象追跡調査の最小継続期間。パート1の終了は、第2のワクチン接種後のフォローアップの継続期間が全ての対象についてほぼ同じとなるように各対象について定義した。パート1におけるウイルス学的に確認された症例は、第2のワクチン接種後少なくとも30日に生じた場合に、主要有効性対象にカウントする。パート1は、第2のワクチン接種の12ヵ月後に終了した。
【0451】
パート2:パート1の完了後の各対象についての追加の6ヵ月間、すなわち、第2のワクチン接種後18ヵ月の積極的監視。この期間中、潜在的にデング熱に起因し得る熱性疾病の特定を確実にするために少なくとも週1回対象に連絡した。パート1及び2におけるウイルス学的に確認された症例は、副次有効性対象に対して寄与する。
【0452】
パート3:パート2の完了後各対象に対し3年継続する全ての対象における安全性評価のための改変された積極的監視。パート3中の改変された積極的監視は、試験のパート3を通して少なくとも週1回の連絡を維持するが、入院の必要性に基づいて調査の強度を改変する。監視は、潜在的にデング熱に起因する可能性のある任意の重症度の熱性疾病を特定する。
【0453】
選択基準には以下が含まれる:
●対象は、ランダム化時に4~16歳(両端を含む)であった。
●病歴、身体検査(バイタルサインを含む)及び治験責任医師の臨床判断によって決定される試験への参加時に良好な健康状態であった個体。
●対象及び/または対象の親/保護者が、地域の規制要件に従って試験の特質が説明された後、任意の試験手順の開始前に、同意書/書面によるインフォームドコンセント用紙(該当する場合)、及び任意の必要とされるプライバシーの承認に署名し、日付を記入した。
●試験手順を遵守することができ、追跡調査の継続期間中に対応可能な個体。
【0454】
除外基準には以下が含まれる:
1.ランダム化時に熱性疾病(体温≧38℃)または中等度もしくは重度の急性疾病または感染症。
2.治験責任医師の見解において、試験の結果に干渉する可能性があるか、または試験への参加により対象に追加のリスクをもたらす可能性がある、以下を含むがこれらに限定されない既往歴または任意の疾病:
a.ワクチン成分のいずれかに対する既知の過敏症またはアレルギー。
b.妊娠中または授乳中の女性対象(初潮後)。
c.治験責任医師の判断により任意の重篤の慢性または進行性疾患(例えば、新生物、インスリン依存性糖尿病、心臓、腎臓もしくは肝臓疾患、神経もしくは発作障害またはギランバレー症候群)を有する個体。
d.以下を含む、既知のまたは疑われている免疫機能の障害/変化:
i.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に経口ステロイドを慢性使用していること(≧12週間の20mg/日のプレドニゾン/≧2週間の≧2mg/kg体重/日のプレドニゾンと同等)(吸入、経鼻、または外用コルチコステロイドの使用は認められる)。
ii.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に非経口ステロイドを受けていること(≧12週間の20mg/日のプレドニゾン/≧2週間の≧2mg/kg体重/日のプレドニゾンと同等)
iii.1日目(0ヵ月目)の3ヵ月前以降にイムノグロブリン及び/または任意の血液製剤の投与を受けたか、または試験中に投与を受ける予定があること。
iv.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に免疫刺激剤を受けていること。
v.1日目(0ヵ月目)の6ヵ月前以降に抗がん剤化学療法または放射線療法などの免疫抑制療法を受けていること。
vi.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染またはHIV関連疾患。
vii.遺伝性免疫不全。
3.1日目(0ヵ月目)の14日前以降(不活化ワクチンの場合)または28日前以降(生ワクチンの場合)に任意の他のワクチンを受けているか、または1日目(0ヵ月目)から28日以内に任意のワクチンを受ける予定があること。
4.1日目(0ヵ月目)の30日前に別の治験薬での任意の臨床試験への参加またはこの試験の実行中の任意の時点で別の臨床試験に参加する意図。
5.デング熱ワクチンの候補の任意の臨床試験における過去の参加、またはデング熱ワクチンの過去の接種。
6.試験実行に関与する個体の一等親近親者。
7.性的に活動的であり、1日目(0ヵ月目)の前の少なくとも2ヵ月間許容可能な避妊方法のいずれかも使用していない妊娠可能性のある女性。
8.性的に活動的であり、第2のワクチン接種の6週間後まで許容可能な避妊方法の使用を拒否する妊娠可能性のある女性。
9.行政または裁判所の命令によって自由を奪われている、または緊急的状況下にある、または強制的に入院している。
10.試験手順を遵守する対象の能力を妨げ得る現在のアルコール乱用または薬物依存症。
11.治験責任医師または試験センターの雇用者として特定されており、提案された試験またはその治験責任医師もしくは試験センターの指示下の他の試験に直接関与している。
【0455】
適格である対象を2つの処置群にランダム化した(2:1):第1群は、1日目及び90日目にTDVの1つの皮下(SC)用量を上腕部に受け、第2群は、1日目及び90日目にプラセボの1つの皮下用量を上腕部に受けた。ランダム化は、地域(アジア太平洋及び中南米)及び年齢範囲(4~5歳、6~11歳、及び12~16歳の小児)によって層別化され、各年齢範囲で、確実に各地域内のプラセボに対するTDVの比が適切になるようにした。ランダム化後は、脱落者を置き換えなかった。試験1日目は、TDVまたはプラセボの第1の用量の投与の日と定義される。TDVを実施例1に記載されているように調製した。TDVの各皮下用量は0.5mLであり、各用量におけるTDVワクチン中の4つのデング熱血清型の濃度は、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4のそれぞれ3.6log10PFU/用量、4.0log10PFU/用量、4.6log10PFU/用量、及び5.1log10PFU/用量であった。
【0456】
四価デング熱ワクチンの各個々の成分についての濃度パーセンテージの計算のための基準値として機能する「pfu/0.5mlでの総濃度」は、3.60log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型1、4.00log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型2、4.60log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型3、及び5.11log10pfu/0.5mlの濃度のデング熱血清型4を含む1つの例示的な四価ワクチン組成物のために示される。
主として、濃度の対数値は数値に変換される。この変換の結果は、血清型1については4×10pfu/0.5ml、血清型2については1×10pfu/0.5ml、血清型3については4×10pfu/0.5ml及び血清型4については1.3×10pfu/0.5mlである。pfu/0.5mlでの総濃度は、1.84×10pfu/0.5mlをもたらす先行数値の合計である。
【0457】
血清型1、2、3、及び4の各々についての「濃度パーセンテージ」は、個々の血清型の濃度数値(pfu/0.5mlとして表される)を総濃度(pfu/0.5mlで表される)で除算し、その結果に100を乗算することによって得られる。すなわち、
血清型1の濃度パーセンテージ=(4×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=2%
血清型2の濃度パーセンテージ=(1×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=5%
血清型3の濃度パーセンテージ=(4×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=22%
血清型4の濃度パーセンテージ=(1.3×10pfu/0.5ml÷1.84×10pfu/0.5ml)×100=71%。
濃度パーセンテージは、四捨五入して整数にする。
【0458】
主要アウトカム指標には、任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング(VCD)熱を予防する上でのTDVの2回の用量のワクチン有効性(VE)が含まれた[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート1の終了まで]。VEは、1-(λv/λc)(式中、λv及びλcは、それぞれ、TDV及びプラセボ群についてのハザード率を示す)として定義される。ウイルス学的に確認されたデング熱症例は、熱性疾病(連続した3日のうちの任意の2日における≧38℃の体温として定義される)または陽性の血清型特異的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で治験責任医師によってデング熱であることが臨床的に疑われる疾病として定義される。熱性疾病は、1つの発病に由来する急性かつ回復期の来院と2回目の発病のものとの重複を避けるため、過去の熱性疾病から少なくとも14日の間隔を必要とする。
【0459】
副次アウトカム測定には以下が含まれる:
1)各デング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング熱を予防する上でのTDVの2回の用量のVE[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート2の終了まで]。
2)ベースラインでデング熱血清陰性の参加者において任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング熱を予防する上でのTDVの2回の用量のVE[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート2の終了まで(最大で21ヵ月)]。
3)ベースラインでデング熱血清陽性の参加者において任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング熱を予防する上でのTDVの2回の用量のVE[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート2の終了まで]。
4)任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング熱に起因する入院を予防する上でのTDVの2回の用量のVE[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート2の終了まで]。
5)任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認された重度のデング熱を予防する上でのTDVの2回の用量のVE[時間枠:第2のワクチン接種の30日後(120日目)からパート2の終了まで]。
6)安全性サブセットにおける非自発的局所注射部位の有害事象(AE)を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:各ワクチン接種後1日目から7日目]及び非自発的局所注射AEの重症度。注射部位での非自発的局所AEは、各ワクチン接種後7日以内に生じた疼痛、紅斑及び腫れとして定義される。
7)安全性サブセットにおける非自発的全身性有害事象(AE)を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:各ワクチン接種後1日目から14日目]及び非自発的全身性AEの重症度。小児(<6歳)における非自発的全身性AEは、各ワクチン接種後14日以内に生じた発熱、過敏性/癇癪、眠気及び食欲の喪失として定義される。小児(≧6歳)における非自発的全身性AEは、各ワクチン接種後14日以内に生じた発熱、頭痛、無力症、不快感及び筋肉痛として定義される。
8)安全性サブセットにおける任意の自発的有害事象(AE)を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:各ワクチン接種後1日目から28日目]。自発的AEは、上記で定義される非自発的局所または全身性AEではない任意のAEである。
9)パート1及び2中の重篤有害事象(SAE)を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:1日目からパート1及び2の終了まで]。重篤な有害事象(SAE)は、任意の用量で死亡に至る、生命を脅かす、入院または既存の入院の延長を必要とする、持続的または重大な障害/能力不全をもたらす、先天性異常/出生時欠損である、または上記の基準以外の理由により医学的に重要である任意の予期せぬ医学的事象または影響である。
10)パート3の前半及び後半の間に、致命的なSAE及び試験薬に関連するSAEを有する参加者のパーセンテージ[時間枠:パート2の終了(第1のワクチン接種のおよそ21ヵ月後)から開始して3年間(18ヵ月で二分割)]。
11)免疫原性サブセットにおける4つのデング熱血清型の各々についての血清陽性応答を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:1日目及び1、3、4、9、15ヵ月目及び次いで1年毎(最大で3年)]。血清陽性応答は、相互中和力価≧10として定義される。4つのDENV血清型は、DEN-1、DEN-2、DEN-3、及びDEN-4である。
12)免疫原性サブセットにおける複数のデング熱血清型についての血清陽性応答を有する参加者のパーセンテージ[時間枠:1日目及び1、3、4、9、15ヵ月目及び次いで1年毎(最大で3年)]。
13)免疫原性サブセットにおける4つのデング熱血清型の各々についての中和抗体の幾何平均力価(GMT)[時間枠:1日目及び1、3、4、9、15ヵ月目及び次いで1年毎(最大で3年)]。中和抗体のGMTを実施例2に記載されているようにマイクロ中和試験(MNT)により測定する。
【0460】
a)試験集団
スクリーニング後、20,099例の参加者をランダム化し、20,071例は少なくとも1回の注射を受けた。合計で、プラセボ参加者の97.4%(n/N:6,521/6,698)及びワクチン接種者の97.3%(n/N:13,038/13,401)が試験のパート1を完了した(図3)。試験中止の理由には、AE、参加者の追跡調査欠如、妊娠、プロトコル違反、及び参加者(または親/保護者)による中止が含まれた。ベースラインの特徴は、両処置群間で同様であった(表5)。試験参加者の平均年齢は9.6歳であり、27.7%のベースライン血清陰性率を有し、登録者数は地域間で広くバランスがとれていた(アジアで46.5%、中南米で53.5%)。最も高い血清陰性率はパナマ(62.2%)であり、続いてスリランカ(38.5%)、タイ(34.4%)、ブラジル(28.8%)、ニカラグア(22.3%)、コロンビア(15.4%)、フィリピン(12.4%)、及びドミニカ共和国(2.8%)であった。
【0461】
【表5】
【0462】
b)熱性疾病及びVCD
パート1の間、熱性疾病の5,754件及び4,663件の発病がアジア及び中南米の地域でそれぞれ報告された。アジア及び中南米でそれぞれ急性サンプルをこれらの症例の99.5%及び96.6%で取得し、サンプルの98.3%及び85.1%は5日以内に採取した。パート1の期間全体の間で安全性セットにおける278件のVCD症例(76件の入院)があり、そのうち210件(58件の入院)は、PPSにおける第2のワクチン接種の30日後であり(表6;表8)、主要エンドポイント分析に含めた。
【0463】
c)主要エンドポイント分析に含まれるVCDの分布
DENV-1は、VCDを有する全ての国において報告され、パナマでは21症例の全てを含んでいた。スリランカでは、60件のVCDのうち54件がDENV-2であり、フィリピンでは109件のVCDのうち87件がDENV-3であった。7件全てのDENV-4のVCDは、フィリピンで報告された。ニカラグアまたはドミニカ共和国ではVCDは報告されなかった。関連する58件の入院したVCDのうち、43件がスリランカで報告された。合計で2件の重度デング熱(両方ともDENV-3)及び5件のデング出血熱(DHF;3件のDENV-2;2件のDENV-3)の症例が報告された(表7)。またこのような症例は、パート1の安全性セット全体でこの7件のみであった。
【0464】
d)ワクチン有効性
任意の血清型のVCDに対するVEは、80.2%であった(95%CI:73.3~85.3;P<0.001)。安全性セットにおける用量間及び第1の用量後の81%(95%CI:64.1~90.0)の同様の有効性(表6)は、ワクチンが第1の用量後に効果的であったことを示唆している。副次有効性エンドポイントの探索的分析は、DENV-2に対する最も高い有効性(97.7%)、続いてDENV-1(73.7%)、DENV-4(63.2%、ゼロを含むCIを伴う)、及びDENV-3(62.6%;表7)で血清型によって異なる有効性の傾向を示した。全体として、有効性は、ベースラインの血清陰性者(74.9%)及び血清陽性者(82.2%;図4上)で同様であったが、これは血清型によって変動した。DENV-2に対する有効性は、血清状態によって影響を受けなかった;DENV-1に対する有効性は、ベースライン血清陰性者(67.2%;95%CI:23.2~86.0)よりもベースライン血清陽性者(79.8%;95%CI:51.3~91.6)でわずかに高かった。有効性は、DENV-3に対しては、ベースライン血清陽性者(71.3%;95%CI:54.2~82.0)と比較してベースライン血清陰性者(-38.7%;95%CI:-335.7~55.8)では観察されなかった。血清状態毎の有効性は、DENV-4については、ベースライン血清陰性者の症例が観察されなかったため、計算しなかった。PPSの主要エンドポイント時間枠では、プラセボ群における53症例と比較してワクチン群では入院を必要とする5件のみのVCDが報告され、95.4%のVE(95%CI:88.4~98.2;ベースライン血清陰性者については97.2%及びベースライン血清陽性者については94.4%;表7;図4下)を有し、これは第1の用量後からの安全性セットにおける93.3%のVE(95%CI:86.7~96.7)と一貫する。
【0465】
任意のデング熱血清型によって誘発されたウイルス学的に確認されたデング(VCD)熱を予防する上でのTDVの2回の用量の主要ワクチン有効性(VE)を表6に示す。
【0466】
【表6-1】
【0467】
【表6-2】
【0468】
表6に示される有効性評価のため、VCDの症例は、陽性血清型特異的RT-PCR(すなわち、陽性デング熱検出RT-PCR)を用いて、第2のワクチン接種の30日後(120日目[4ヵ月目])から開始してパート1の終了までの任意の時点で生じた熱性疾病(連続した3日のうちの任意の2日における≧38℃の発熱として定義される)として定義された。パープロトコルセット(PPS)及び安全性セットに対する分析を実施した。
【0469】
本明細書で使用する場合、「パープロトコルセット(PPS)」は、重大なプロトコル違反がなかったTDVまたはプラセボの少なくとも1回の用量を受けた全てのランダム化された対象からなる全分析セット(FAS)における全ての対象からなる。重大なプロトコル違反は、TDVまたはプラセボ投与の両方の用量を受けていないこと、正しい間隔で両方の用量を受けていないこと、TDVまたはプラセボを正しく投与していないこと、対象による禁止された薬剤/ワクチンの使用、対象が上記で定義された2d、3、4または5の除外基準のいずれかを満たすことまたは製品調製の過誤である。
【0470】
p値は、以下の式において臨界値Zを解くことによって得られる:
HRの片側(1-p%)CIの上限=0.75(式中、HRはハザード比であり、HR=λV/λCとして定義される)
e^[β^+Z*S^E]=0.75(式中、β^は処置を定義し、S^Eは関連する標準誤差を定義する)
片側p値は、1-(標準正規分布からの臨界値Zの左側の面積)である。仮説は5%の有意レベルで両側の確認的手法で試験されるので、計算された片側p値は0.025と比較されるべきである。
【0471】
要約すると、この試験のパート1において、4~16歳の小児で任意の血清型のウイルス学的に確認されたデング熱に対する80.2%の高いワクチン有効性が認められた。これには、ベースライン血清陰性者における74.9%の有効性及び入院者における95.4%の強力な減少が含まれた。第1の用量の後に保護の開始が認められ、用量間の有効性は81%であった。全体として、これらの結果は、過去のデング熱曝露または年齢に関係なく、各ワクチンレシピエントにとっての潜在的な利益を示唆している。デング熱に対するワクチン開発が、特にデング熱ナイーブの個体については困難であり、デング熱は、2019.19においてWHOの世界の健康に対するトップ10の脅威の1つであり続けているため、この知見は重要である。さらに、第1の用量の後の保護の開始は、大流行制御または渡航ワクチン接種の状況において潜在的有用性を有し、1回用量のみの後のデング熱のリスクを低減する。
【0472】
デング熱の重度形態は、以下のように評価された:1997WHO定義によって定義されるデング出血熱(DHF)。デング熱症例裁定委員会による重度デング熱。デング熱症例裁定委員会(DCAC)は、4名のメンバー:投票権のある議長1名、投票権のあるメンバー2名、及び独立した投票権のない統計学者1名からなった。DCACの投票権のあるメンバー3名は全て医師であり、臨床デング熱専門家である。DCACのメンバーは、試験の治験責任医師ではなく、試験データのそれらのレビューにバイアスをかけるであろういかなる利益相反も有さない。全ての入院していない症例は、非重度とみなした。ウイルス学的に確認された入院したデング熱症例に盲検法で適用されたDCACの重度デング熱症例基準は以下のとおりである:1)出血異常、重度とみなされる場合には、輸血、鼻腔内パッキング、ホルモン療法、または脳などの重要な器官に生じた出血などの出血発症に対して必要とされる重要な介入が必要である;2)血漿漏出、重度とみなされる場合には、血漿漏出及び機能障害の両方の証拠が必要である(血漿漏出には、臨床的証拠、放射線学的証拠、または正常値もしくはベースラインより>20%上昇したヘマトクリットが含まれる;ショックまたは呼吸困難として定義される機能障害);3)肝臓、重度とみなされる場合には、肝炎及び機能障害の両方の証拠が必要である(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]またはアラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT]>10正常範囲の上限[ULN]として定義される肝炎;プロトロンビン[PT]>1.5ULN以上または低アルブミン血症として定義される機能障害);4)腎臓、血清クレアチニン>ULNの2.5倍または透析を必要とするもの;5)心臓、心臓に内在する異常(すなわち、血管内容積減少に起因しない)であり、機能障害の証拠を有するもの(内在する異常の例:心筋炎、心膜炎、及び心筋心膜炎;機能障害の例:不規則な心拍リズムをもたらす新たな伝導異常[すなわち、一過性の第1度心ブロックではない]);6)中枢神経系、単純な熱性痙攣または短時間のせん妄を除く任意の異常;7)ショック、重度とみなされる全てのショック症例。(基準3、4、5、6のうち)少なくとも1つの機能障害が存在する必要があるが、データの全体性がその評価においてメンバーによって考慮された。
【0473】
パート1及びパート2のさらなる結果を表7a~cに示す。
【0474】
【表7-1】
【0475】
【表7-2】

【0476】
【表8-1】
【0477】
【表8-2】
【0478】
【表9】

【0479】
【表10】
【0480】
安全性セットデータにおけるパート1の試験期間中のウイルス学的に確認されたデング熱症例の臨床的徴候及び症状を表8に示す。
【0481】
【表11-1】
【0482】
【表11-2】
【0483】
e)免疫原性
最も高い幾何平均力価(GMT)がベースラインの血清状態に関係なくDENV-2に対して観察された(表10)。第2の用量の1ヵ月後にベースライン血清陰性者で極めて高い四価血清陽性率(99.5%)(表9及び10)が観察された。
【0484】
4つのデング熱血清型の各々についての血清陽性率(血清陽性対象の%)は、1日目(0ヵ月目)でのワクチン接種前、30日目(1ヵ月目)での第1のワクチン接種後、90日目(3ヵ月目)でのワクチン接種前、120日目(4ヵ月目)での第2のワクチン接種後、270日目(9ヵ月目)、450日目(15ヵ月目)、次いで1年毎に決定される。0日目、30日目、90日目、120日目、及び270日目の血清陽性率(参加者%、95%CI)を、免疫原性データにおけるデング熱血清型パープロトコルセット毎に表9に示す。
【0485】
3つ以上の血清型(三価)に対するデング熱血清型別及び4つ全ての血清型(四価)に対するデング熱血清型別の血清陽性率(対象%、95%CI)を、0日目、30日目、90日目、120日目、及び270日目の免疫原性データにおけるパープロトコルセット毎に表9に示す。ベースライン血清陰性者は、第2の投与の6ヵ月後の四価血清陽性率が高かった(>91%)。
【0486】
【表12-1】
【0487】
【表12-2】
【0488】
各デング熱血清型についての中和抗体の幾何平均力価(GMT)(マイクロ中和試験[MNT])は、1日目(0ヵ月目)でのワクチン接種前、30日目(1ヵ月目)での第1のワクチン接種後、90日目(3ヵ月目)でのワクチン接種前、120日目(4ヵ月目)での第2のワクチン接種後、270日目(9ヵ月目)、450日目(15ヵ月目)、次いで1年毎に決定される。0日目、30日目、90日目、120日目、及び270日目についての免疫原性データのためのデング熱血清型パープロトコルセット毎の幾何平均力価(95%CI)を表10に示す。
【0489】
【表13-1】
【0490】
【表13-2】
【0491】
各ワクチン接種後30日以内に熱性疾病を有する対象において3つのPCR:デング熱検出RT-PCR、ワクチンスクリーニングPCR及びTDVシーケンシングによってワクチンウイルス血症を評価した。
f)安全性
【0492】
重篤有害事象(SAE)の比率は、ワクチン群及びプラセボ群で同様であった(それぞれ参加者の3.1%及び3.8%;表11)。1例のワクチン接種者及び4例のプラセボレシピエントは、治験責任医師によって盲検化治験薬の投与に関連するものとみなされたSAEを経験した(2例が過敏症を経験し、2例がデング熱と診断され、1例がDHFと診断された)。パート1中に5件の死亡があり、全てが治験薬または試験手順と無関係であるとみなされた。自発的AEの合計比率は、ワクチン群とプラセボ群との間で同様であった。好ましい期間によって任意の用量の4週間以内に最も一般的に(ワクチンレシピエントの≧1%)報告された自発的AEは、発熱(ワクチン群1.5%;プラセボ1.4%)、鼻咽頭炎(ワクチン2.7%;プラセボ3.0%)、上気道感染症(ワクチン2.6%;プラセボ2.9%)、及びウイルス感染症(ワクチン1.1%;プラセボ0.9%)であった。非自発的局所反応は、ワクチン群でより頻繁に報告された。
【0493】
【表14】
【0494】
【表15-1】
【0495】
【表15-2】
【0496】
【表16】
【0497】
【表17-1】
【0498】
【表17-2】
【0499】
追加的に、上述の第III相試験の後続試験としてのブースター用量の有効性を評価する試験も可能である。この場合、ブースターは、上述の第III相試験の十分に大きなサブセット(例えば、少なくとも20例の対象または少なくとも200例の対象を含む)において、第2の用量から4~4.5年後に投与する。
【0500】
実施例4:A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチンの併用投与
4.1 本試験の導入、目的、及び目標
デング熱疾患及びA型肝炎ウイルス(HAV)の非流行国の18~60歳の約900例の健康な成人対象(全年齢範囲にわたり分布)でランダム化オブザーバー盲検第3相試験を行って、四価デング熱ワクチンTDV(皮下(SC)注射)の2回用量、ならびにHAVワクチン(不活化HAVを含む;筋肉内(IM)注射))及びTDV(SC注射)の単回用量の同日同時投与の免疫原性及び安全性を検討した。
【0501】
本試験の目的は、HAV及びデング(DENV)流行国への海外渡航前に、旅行用ワクチンとしてHAVワクチンをTDVと同じ日に安全に同時に投与することができるかを評価することであった。
【0502】
本試験の主要な目的は、ワクチン接種から1ヵ月後のDENV/HAV-ナイーブ対象において、TDV1回用量と同日にHAVワクチン1回用量を同日同時に投与した場合の免疫応答が、同日にプラセボを同日同時に投与した場合と比較して、非劣性(NI)を示すことであった。
【0503】
本試験の副次目的は、DENV/HAV-ナイーブ対象におけるTDVの1回用量後のTDV誘発免疫原性を説明すること、DENV/HAV-ナイーブ対象における90日間隔のTDVの2回用量後のTDV誘発免疫原性を説明すること、DENV/HAV-ナイーブ対象におけるHAVワクチン誘発免疫原性を説明すること、及び全試験群における各ワクチン注射後の安全性プロファイルを評価することであった。
【0504】
4.2 適格基準
選択基準には以下が含まれる:
1.参加者は18~60歳(両端を含む)とする。
2.病歴、身体検査(バイタルサインを含む)、及び治験責任医師の臨床判断により、試験への参加時に健康状態が良好と判定される参加者。
3.参加者は、地域の規制要件に従って試験の特質が説明された後、任意の試験手順の開始前に、同意書/書面によるインフォームドコンセント用紙及び任意の必要とされるプライバシーの承認に署名し、日付を記入する。
4.試験手順を遵守することができ、追跡調査の継続期間中に対応可能な参加者。
【0505】
除外基準には以下が含まれる:
1.ワクチン接種予定日から3日以内に口腔温が上昇した(≧38℃または100.4°F)参加者。
2.ワクチン成分(治験用ワクチンまたはプラセボの賦形剤を含む)に対する既知の過敏性またはアレルギーがあること。
3.行動障害もしくは認知障害または精神疾患を有し、試験に参加する能力に干渉する可能性があると治験責任医師が判断する参加者。
4.進行性または重度の神経学的障害、発作性障害、または神経炎症性疾患(例えば、ギラン・バレー症候群)の任意の既往歴がある参加者。
5.試験の結果に干渉する可能性があるか、または試験への参加により参加者に追加のリスクをもたらす可能性がある、既往歴または任意の疾病を有する参加者。
6.以下を含む、既知のまたは疑われている免疫機能の障害/変化:
1.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に経口ステロイドを慢性使用していること(≧12週間の20mg/日のプレドニゾン/≧2週間の≧2mg/kg体重/日のプレドニゾンと同等)(吸入、経鼻、または外用コルチコステロイドの使用は認められる)。
2.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に非経口ステロイドを受けていること(≧12週間の20mg/日のプレドニゾン/≧2週間の≧2mg/kg体重/日のプレドニゾンと同等)
3.1日目(0ヵ月目)の3ヵ月前以降にイムノグロブリン及び/または任意の血液製剤の投与を受けたか、または試験中に投与を受ける予定があること。
4.1日目(0ヵ月目)の60日前以降に免疫刺激剤を受けていること。
5.1日目(0ヵ月目)の6ヵ月前以降に抗がん剤化学療法または放射線療法などの免疫抑制療法を受けていること。
6.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染またはHIV関連疾患。
7.A型肝炎ウイルス(HAV)感染。
8.C型肝炎ウイルス感染。
9.遺伝性免疫不全。
7.脾臓または胸腺の機能異常。
8.既知の出血性素因、または出血時間の持続に関連し得る任意の状態を有する参加者。
9.任意の重篤な慢性または進行性の疾患を有すると治験責任医師が判断する参加者(例えば、新生物、インスリン依存性糖尿病、心疾患、腎疾患、または肝疾患)。
10.体格指数(BMI)が35kg/m^2(=体重(kg)/[身長(m)])以上の参加者。
11.1日目(0ヵ月目)の30日前に別の治験薬での任意の臨床試験への参加またはこの試験の実行中の任意の時点で別の臨床試験に参加する参加者。
12.本試験登録の14日前以降(不活化ワクチンの場合)もしくは28日前以降(生ワクチンの場合)に他のワクチンを接種した参加者、または本試験ワクチン投与後28日以内に他のワクチンを接種する予定のある参加者。
13.過去にHAVワクチン接種を受けていること(臨床試験中にまたは承認済み製品で)。
14.試験実施に関与した参加者またはその一親等の親族。
15.過去2年以内に物質またはアルコールの乱用歴を有する参加者。
16.妊娠中または授乳中の女性参加者。
17.性的に活動的であり、1日目(0ヵ月目)以前の少なくとも2ヵ月以上、許容される避妊方法のいずれも使用していない妊娠可能な女性。
1.妊娠可能とは、初潮を迎えた後、以下の状態:両側卵管結紮(少なくとも1年以上前)、両側卵巣摘出(少なくとも1年以上前)、または子宮摘出、のいずれにも該当しない状態として定義される。
2.許容される避妊方法は、以下のうちの1つ以上のものとして定義される。
i. ホルモン系避妊具(例えば、経口薬、注射、経皮パッチ、インプラント、子宮頸管リング)。
ii. バリア法(殺精子剤入りコンドームまたは殺精子剤入りダイヤフラム)を性交時に毎回行うこと。
iii. 子宮内デバイス(IUD)。iv. 精管切除を受けたパートナーとの一夫一婦の関係(パートナーは、1日目[0ヵ月目]の少なくとも6ヵ月前には精管切除を受けていなければならない)。
その他の避妊法については、治験依頼者との合意において検討し、規制当局及び適切な倫理委員会による実質的な修正が承認された後にのみ実施することができる。
18.性的に活発であり、試験ワクチンの最終用量から最大6週間後(90日目[3ヵ月目])までの許容される避妊法の使用を拒否する妊娠可能な女性。加えて、この期間中は卵子を提供しないよう勧告しなければならない。
19.任意の妊娠検査が陽性または不確定であること。
20.任意のフラビウイルス(デング熱ウイルス、黄熱病(YF)ウイルス、日本脳炎(JE)ウイルス、またはダニ媒介脳炎を含む)に対するワクチン接種歴及び(試験実施中の)接種予定。
21.デング熱ウイルスまたは他のフラビウイルス(例えば、西ナイル[WN]ウイルス)の候補ワクチンの臨床試験に参加したことがあること(ただし、このような試験でプラセボを受けた参加者は除く)。
22.フラビウイルス(例えば、デング熱、ジカ熱、YF熱、JE熱、WN熱、ダニ媒介脳炎、またはマレーバレー脳炎)に現在感染しているまたは過去に感染した参加者、及びデング熱の流行地域に長期間(1年以上)居住した経験がある参加者。
23.製品情報に明記されているHAVワクチンの禁忌、警告、及び/または注意事項に該当する参加者。
【0506】
4.3 試験設計及びワクチン接種
対象を以下の3つの試験群(1群当たり300例の対象)のうちの1つに均等にランダム化した(1:1:1の比):
-第1群:1日目(0ヵ月目)にHAVワクチン(IM)及びプラセボ(SC)を同日同時に投与し、90日目(3ヵ月目)にプラセボ(SC)を投与する。
-第2群:1日目(0ヵ月目)にTDV(SC)及びプラセボ(IM)を同日同時に投与し、90日目(3ヵ月目)にTDV(SC)を投与する。
-第3群:1日目(0ヵ月目)にTDV(SC)及びHAVワクチン(IM)を同日同時に投与し、90日目(3ヵ月目)にTDV(SC)を投与する。
研究設計の詳細を図6に示す。第1のワクチン接種の28日前までに登録を行い、抗HAV抗体のスクリーニングのために血液を採取した。1日目に、ワクチン接種前の血液サンプルを採取した。30日目(1日目の第1のワクチン接種後)に、ワクチン接種後の血液サンプルを採取した。120日目(1日目の第1のワクチン接種後)に、別の血液サンプルを採取した。安全性の追跡調査は(1日目の第1回のワクチン接種後から)270日目に行った。
【0507】
TDVを実施例1に記載のように調製した。TDVの各皮下用量は0.5mLであり、各用量におけるTDVワクチン中の4つのデング熱血清型の濃度は、TDV-1、TDV-2、TDV-3、及びTDV-4のそれぞれ5.1log10PFU/0.5ml、4.5log10PFU/0.5ml、5.4log10PFU/0.5ml、及び5.9log10PFU/0.5mlであった。1回の皮下用量は、プルロニックF127(10.6mg/ml)、トレハロース二水和物(170mg/ml)、及びヒト血清アルブミン(1.08mg/ml)を含む0.5mlの水溶液に分散させたTDVを含む。
【0508】
HAVワクチンは、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来する不活化A型肝炎ウイルス(上記定義参照)を含み、上述のようにHAVRIX(登録商標)という商品名で市販されている。第1)群及び第3)群に投与したHAVワクチンの筋肉内用量は1mlであり、各1mlの用量は約1440EL.Uのウイルス抗原活性を有し、ウイルス抗原を水酸化アルミニウムの形態で0.5mgのアルミニウムに吸着させた。A型肝炎ワクチンは、リン酸緩衝生理食塩水に溶解したアミノ酸補充物(約0.3%w/v)の形態及びポリソルベート(約0.05mg/ml)の形態で賦形剤を含む。
【0509】
同日同時に、試験ワクチンを反対側の腕に注射した。注射用生理食塩水(0.9%NaCl)をプラセボとして使用した。抗HAV抗体検査用の血液サンプルを全ての対象からスクリーニング時に採取して、ワクチン接種の28日前までに抗HAV抗体について陽性である対象を除外した(図6参照)。全ての対象を90日目(3ヵ月目)の第2のワクチン接種から6ヵ月間追跡調査するため、試験継続期間は、各対象につき270日または9ヵ月となる(スクリーニング期間を含まない)。この試験の枠外では、試験手順の完了後、270日目(9ヵ月目)に第1群及び第3群の対象にHAVワクチンブースター用量を提供する。
【0510】
第1の試験ワクチン接種前(1日目(0ヵ月目))、第1の試験ワクチン接種の1ヵ月後(30日目(1ヵ月目))、及び第2の試験ワクチン接種の1ヵ月後(120日目(4ヵ月目))に採取した血液サンプルを用いて、デング熱中和抗体(マイクロ中和試験(MNT50))を測定した。第1の試験ワクチン接種前(1日目(0ヵ月目))及び第1の試験ワクチン接種の1ヵ月後(30日目(1ヵ月目))に、抗HAV抗体の測定(酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))用の血液サンプルを採取した。
【0511】
4.4 主要エンドポイント
主要エンドポイントには、ベースラインでHAV/DENV-ナイーブの対象のうち、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)による測定において30日目(1ヵ月目)時にHAVに対し血清保護されている対象の割合を含めた。言い換えれば、主要エンドポイントには血清保護率(SPR)を含めた。血清保護は、血清抗HAV抗体レベル≧10mIU/mLとして定義される。HAV/DENVに対する免疫学的ナイーブ性は、抗HAV抗体レベル<10mIU/mL及び4つ全てのデング熱血清型についての相互中和力価<10として定義される。
【0512】
4.5 副次エンドポイント
a)免疫原性に関する副次エンドポイント
【0513】
副次エンドポイントには、ベースラインでHAV/DENV-ナイーブの対象において決定される30日目(1ヵ月目)及び120日目(4ヵ月目)での4つのデング熱血清型の各々についての中和抗体の幾何平均力価(GMT)(マイクロ中和試験(MNT50))、30日目(1ヵ月目)及び120日目(4ヵ月目)での4つのデング熱血清型の各々について血清陽性であるベースラインでHAV/DENVナイーブの対象の割合(血清保護率)、及びベースラインでHAV/DENVナイーブの対象の30日目(1ヵ月目)での抗HAV抗体の幾何平均濃度(GMC)を含めた。
【0514】
デング熱ウイルスについての血清陽性は、免疫原性に関する副次エンドポイント内の4つのデング熱血清型のいずれかについての相互中和力価≧10として定義される。
【0515】
b)安全性に関する副次エンドポイント
【0516】
安全性に関する副次エンドポイントには、各試験ワクチン接種から7日後の非自発的局所有害事象(AE)の頻度及び重症度、各試験ワクチン接種から14日後の非自発的全身性AEの頻度及び重症度、各試験ワクチン接種から28日後の自発的AEが発生した対象のパーセンテージ、試験期間中に重篤な有害事象(SAE)が発生した対象のパーセンテージ、ならびに試験期間中に診療を要した有害事象(MAAE)が発生した対象のパーセンテージを含めた。
【0517】
4.6 本試験の分析セット
以下の表12は、本試験の各分析セットを示している。合計で、「全てのスクリーニングを受けた」群に属する対象1199例には、スクリーニングで失敗したかどうかにかかわらず、インフォームドコンセントに署名した全ての対象が含まれた。最初のスクリーニングの後、900例の対象を「ランダム化セット」に含めた。これは、IPのいかなる用量を受けたかにかかわらず、ランダム化した全ての対象を含むセットである。897例の対象からなる安全性セットには、IPの1回以上の用量を受けた全てのランダム化された対象が含まれる。免疫原性対象には合計359例が含まれ、以下の4つのサブセットに分かれている。HAV-full分析セット(HAV-FAS)には、免疫原性サブセットに含まれるランダム化対象のうち、試験ワクチンを1回以上接種し、1日目及び30日目の抗HAV抗体測定値が利用可能な全ての対象が含まれる。HAVパープロトコルセット(HAV-PPS)には、重大なプロトコル違反がない全てのHAV-FASのHAV-及びDENV-ナイーブの対象が含まれる。TDV-full分析セット(TDV-FAS)には、免疫原性サブセットに含まれるランダム化対象のうち、試験ワクチンを1回以上接種し、1日目の1つ以上の用量後測定値が利用可能な全ての対象が含まれる。TDVパープロトコルセット(TDV-PPS)は、重大なプロトコル違反がない197例からなり、全てのTDV-FASのHAV-及びDENV-ナイーブの対象が含まれる。
【0518】
【表18-1】
【0519】
【表18-2】
【0520】
免疫原性サブセット内の総数359例の対象(1回以上のワクチン接種を受けた全ての対象を含む)のうち、13例については、HAVの有効なベースライン及び投与後(30日目)の測定値が得られなかったため、HAV-FASから除外した。さらに、HAV-PPSには、重大なプロトコル違反がなかったHAV-FASの全てのHAV-及びDENV-ナイーブが含まれる。主要な非劣性目的のために分析した対象は、HAV/Pbo群及びHAV/TDV群のHAV-PS対象に基づいているが、これら2つの群(HAV/Pbo群及びHAV/TDV群)のHAV-PSに基づき、一部の対象については、30日目の測定がプロトコル定義受診ウィンドウ外であったために、30日目の分析には含めなかった(HAV/Pbo群の対象6例及びHAV/TDV群の対象2例)。そのため、主要な非劣性目的の分析のためにTDV/Pbo群には合計69例、HAV/TDV群には合計79例の対象が含まれた。
【0521】
免疫原性サブセット内の総数359例の対象(1回以上のワクチン接種を受けた全ての対象を含む)のうち、11例については、TDVの有効なベースライン及び少なくとも1回の投与後の測定値(30日目及び/または120日目)が得られなかったため、TDV-FASから除外した。さらに、総数151例の対象については、ベースラインでHAV及びDENV-ナイーブである、第1及び第2の両方のワクチン接種を受けていない、第2のワクチン接種(通常は90日目)がウィンドウ-15/+25日の範囲外であった、ならびに重大なプロトコル違反があった、という理由により、TDV-PSから除外した。
【0522】
4.7 HAVベースライン血清状態ならびに人口統計学的及びベースラインの特徴
ベースラインHAV抗体レベルを評価した安全性セットには、合計362例の対象が含まれ、このうち27.3%がベースラインでHAV血清陽性であった(表13参照)。
【0523】
HAS-FASには、ベースラインHAV抗体レベルが評価された合計346例の対象が含まれた(表13参照)。HAVナイーブ性は、抗HAV抗体(ab)レベル<10mIU/ml未満として定義した。しかし、血清分析に使用したELISAは、12.5mIU/ml未満のレベルでは検証することができなかった。定性スクリーニング検査は、事実上、定量下限値70mIU/mlに相当する仕様であった。これらの基準を考慮すると、ベースラインのHAV抗体レベルを評価した当該HAS-FASの対象のうち、72.5%がベースラインでHAV-ナイーブであった(表13参照)。
【0524】
【表19】
【0525】
HAV-PPSには、総数227例の対象が含まれた(表14参照)。HAV-PPSの対象総数のうち、DENV-及びHAV-ナイーブである対象の平均年齢は34.8歳であった。HAV-PPSの対象総数のうち、31.3%が女性であった(表14参照)。合計で、HAV-PPSの総対象の97.8%がヒスパニックまたはラテン系「以外」の民族であり、特定的には、HAV-PPSの89.9%が「白人ヨーロッパ系」人種であった。これは特に、HAV及びデング熱の非流行国の旅行者の状況を反映するためである(表14参照)。
【0526】
安全性セットには、合計897例の対象が含まれた(表14参照)。安全性セットの対象総数の平均年齢は35.4歳で、そのうち31.3%が女性であった。合計で、HAV-PPSの総対象の97.7%がヒスパニックまたはラテン系「以外」の民族であり、特定的には、HAV-PPS参加者の87.1%が「白人ヨーロッパ系」人種であった。これは特に、HAV及びデング熱の非流行国の旅行者の状況を反映するためである(表14参照)。
【0527】
【表20】

【0528】
4.8 試験結果
a)主要エンドポイント及び感度分析
【0529】
本試験は、HAV及びTDVの同日同時投与の非劣性という主要な目的を満たすことに成功した。表15は、第1のワクチン接種(1日目)から30日後の第1群(HAV/Pbo投与)及び第3群(HAV/TDV投与)の血清保護率(SPR)、30日目のHAV/Pbo群及びHAV/TDV群のSPR差、ならびにHAV及びDENV-ベースラインナイーブ対象についてのこれらのSPR差の信頼区間(CI)を示している。これらの値(SPR、SPR差;CI)を本試験の主要エンドポイント評価に使用した。表15はさらに、対象のベースラインHAV/TDV血清値が異なった(すなわち、混在した)場合の3つの感度分析の結果(非劣性評価にも使用)についてもこれらの値を示している。本試験では、第1群(1日目にHAV及びプラセボを受けた)と第3群(1日目にHAV及びTDVを受けた)との間の血清保護率(SPR)の差において、ニューカムスコア法を用いて算出した両側95%信頼区間の上限が10%の非劣性マージンより低い場合に、同日同時に投与したA型肝炎ワクチン及び四価デング熱ワクチンが非劣性であると結論付けた。この基準は、表15の各群で満たされている。主要エンドポイント群では、SPR差の95%CIの上限は4.31%であり、10%の非劣性マージンを下回っている(表15の上から2行目参照)。
【0530】
上述のように、感度分析1~3を使用して、ベースラインでデング熱及び/またはA型肝炎について血清陽性であった対象を含む集団を評価した。これは特定的には、非流行国における「現実の」トラベルクリニックの特定的には状況を反映しており、対象、すなわちデング熱及びHAVの流行国に行く予定の旅行者は、旅行前のワクチン接種を要請する以前のHAV及び/またはデング熱の血清状態を常に把握しているわけではない。
【0531】
感度分析1~3においても、同日同時投与の非劣性目的は満たされた(SPR差の95%CIの上限は3.21%、2.93%、2.55%であり、各々が非劣性マージンの10%未満である。)さらに、HAV/TDV群のSPR(それぞれ98.8%、99.0%、99.1%、表15参照)は、HAV/Pbo群のSPR(それぞれ96.2%、96.9%、97.2%、表15参照)よりもそれぞれ高かった。
【0532】
そのため、HAV及び全てのデング熱血清型に関してベースライン血清状態が混合している(及びベースラインがナイーブな)対象にHAVワクチン及びTDVの同日同時に投与することが非劣性であることから、HAVワクチン及びTDVを同日同時に投与する前に、2つの疾患の各々に関する対象のベースライン血清状態を判定する必要も知る必要もない。
【0533】
【表21】
【0534】
b)免疫原性に関する副次エンドポイント
【0535】
表16は、HAV/TDV、TDV及びプラセボ、ならびにHAV及びプラセボ(Pbo)をそれぞれ受けた群を含むDENV-PSの対象において、1日目の第1のワクチン接種前、(1日目の)第1のワクチン接種から30日目、(1日目の)第1のワクチン接種から120日目に測定したときの(4つのデング熱血清型DENV1~DENV4の各々に関する)GMTを示している。表16は、全てのデング熱のGMTに関して、(HAV/TDVを受けた)同日同時の投与群に有利なポジティブな傾向を示している。
【0536】
前述の同日同時の投与に有利なポジティブな傾向及び同日同時に投与したワクチンの30日目の相乗性は、表17でも確認される。
【0537】
【表22】
【0538】
【表23】
【0539】
c)安全性に関する副次エンドポイント
【0540】
安全性セットについては、試験期間全体にわたり、非自発的有害事象、非自発的全身性有害事象、自発的有害事象、及び重篤な有害事象を調べた。表18a~21cは、安全性の各副次エンドポイントに関する安全性セットの試験結果を示している。
【0541】
【表24】
【0542】
【表25】
【0543】
【表26】
【0544】
【表27】
【0545】
【表28】
【0546】
【表29】
【0547】
【表30】
【0548】
【表31-1】
【0549】
【表31-2】
【0550】
【表32】
【0551】
本発明の第1の項目リスト
1.対象または対象集団におけるA型肝炎及びデング熱疾患を予防する方法であって、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に投与することを含み、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記方法。
2.前記A型肝炎ワクチンが不活化ウイルスワクチンである、項目1に記載の方法。
3.前記デング熱ワクチン組成物が、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると以下を含む、項目1または2に記載の方法:
(i)キメラ型デング熱血清型2/1株の場合、少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度、
(ii)デング熱血清型2株の場合、少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度、
(iii)キメラ型デング熱血清型2/3株の場合、少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度、及び
(iv)キメラ型デング熱血清型2/4株の場合、少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度。
4.前記対象集団または前記対象が、全てのデング熱血清型に対し血清陰性である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
5.前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が皮下注射によって投与され、前記A型肝炎ワクチンが筋肉内注射によって投与され、前記注射が好ましくは腕に投与され、より好ましくは腕の三角筋領域に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
6.前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンが、異なる解剖学的部位、例えば反対側の腕に投与される、項目5に記載の方法。
7.前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量が、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
8.前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量、及び前記A型肝炎ワクチンの1回用量を、特定的には以下のスケジュールに従って、投与することを含む、項目7に記載の方法:
-0日目に、前記デング熱ワクチン組成物の第1の単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの第1の同時投与、ならびに
-前記第1の同時投与の後に(例えば、約3ヵ月後に)、前記デング熱ワクチン組成物の第2の単位用量の第2の投与。
9.前記対象集団または前記対象が2~60歳である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
10.前記対象集団または前記対象が、デング熱流行地域の出身である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
11.前記対象集団または前記対象が、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行地域及びA型肝炎非流行地域の出身である、項目1~9のいずれか1項に記載の方法。
12.前記A型肝炎ワクチンが、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来するA型肝炎ウイルスを含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
13.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスがA型肝炎ウイルス株HM-175に由来する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
14.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスがアルミニウムに吸着されている、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
15.前記アルミニウムが、水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である、項目14に記載の方法。
16.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記A型肝炎ワクチンが、リン酸緩衝生理食塩水と、その中にアミノ酸形形態及びポリソルベート形態で溶解した賦形剤とを含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
17.前記A型肝炎ワクチンが、ウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)の範囲の濃度で含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
18.前記方法が、前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象のA型肝炎の血清状態及び/またはデング熱の血清状態が不明である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
19.前記方法が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を投与するステップの前、間、及び後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与のステップの前、間、または後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象の前記A型肝炎の血清状態及び/または前記デング熱の血清状態が不明である、項目18に記載の方法。
20.前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から前記四価デング熱ウイルス組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの投与を行う対象を、過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定することなく選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに任意選択で
(C)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の少なくとも1回のさらなる単位用量を、前記第1の単位用量の投与から3~12ヵ月以内に投与すること、ならびに任意選択で
(D)前記対象に、前記A型肝炎ワクチンの少なくとも1回のさらなる用量を、前記第1の単位用量の投与から6~18ヵ月以内に投与すること。
21.前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から前記四価デング熱ウイルス組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの投与を行う対象を選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに
(C)前記対象に、前記第1の単位用量の投与から約6ヵ月時及び約12ヵ月時に、前記四価デング熱ウイルス組成物を2回のさらなる単位用量を投与し、前記第1の単位用量の投与の約6ヵ月時または約12ヵ月時のいずれかに、前記A型肝炎ワクチンを投与すること。
22.ステップ(A)が、過去にA型肝炎に感染していたかの判定なしで行われる、項目21に記載の方法。
23.前記複合ワクチン組成物を医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、前記pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度が、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である、項目3~22のいずれか1項に記載の方法。
24.前記方法が、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の適合性をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
25.前記方法が、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の相乗作用をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
26.前記方法が、1つの対象集団及び1つの対照対象集団に分けられた少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で非劣性をもたらし、前記対象集団が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受け、前記対照対象集団が、A型肝炎ワクチン及びプラセボ投与物を同日同時に受ける、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
27.前記A型肝炎ワクチンが、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%のA型肝炎の血清保護率をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
28.前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、
前記健康な対象が、
a)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団と、
b)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または50例の対象の対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
29.前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、前記A型肝炎ワクチンが、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のA型肝炎血清保護率をもたらし、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)、ならびにベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)を含む、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
30.前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含み、
前記健康な対象が、
a)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対象集団と、
b)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対照対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
31.前記対象または前記対象集団が、A型肝炎ウイルスの大流行及び/またはデング熱ウイルスの大流行にさらされている、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
32.前記方法が、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデングウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後にもたらす抗A型肝炎ウイルス抗体幾何平均濃度(GMC)が、少なくとも70mIU/ml、または少なくとも80mIU/ml、または少なくとも90mIU/mlである、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
33.前記対象または前記対象集団への前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記同日同時の投与が安全である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
34.前記同日同時の投与に関連する重篤な有害事象が存在しない、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
35.前記方法が、以下のMNT50によって測定される中和抗体の幾何平均力価(GMT):
-デング熱血清型1の場合、少なくとも110、または少なくとも140、または少なくとも150、
-デング熱血清型2の場合、少なくとも3000、または少なくとも3500、または少なくとも3900、
-デング熱血清型3の場合、少なくとも100、または少なくとも120、または少なくとも140、及び/または
-デング熱血清型4の場合、少なくとも80、または少なくとも110、または少なくとも140を、
ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、ベースラインで全てのデング熱ウイルスの血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象集団に、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が同日同時に投与(0/1日目)されてから30日後にもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
36.前記対象または前記対象集団が18~60歳である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
37.A型肝炎及びデング熱疾患に対するキットであって、
少なくとも以下を含む箱を含む、前記キット:
(a)A型肝炎ワクチンを保持する第1の容器、及び
(b)デング熱ワクチン組成物の単位用量を保持する第2の容器であって、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記第2の容器。
【0552】
本発明の第2の項目リスト
1.対象または対象集団におけるA型肝炎を予防するための医薬品の製造のためのA型肝炎ワクチンの使用及び前記対象または前記対象集団におけるデング熱疾患を予防するための医薬品の製造のためのデング熱ワクチン組成物の単位用量の使用であって、A型肝炎及びデング熱疾患の前記予防が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に投与することを含み、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記使用。
2.前記A型肝炎ワクチンが不活化ウイルスワクチンである、項目1に記載の使用。
3.前記デング熱ワクチン組成物が、0.5mLの医薬的に許容される希釈剤で再構成すると以下を含む、項目1または2に記載の使用:
(i)キメラ型デング熱血清型2/1株の場合、少なくとも3.3log10pfu/0.5mLの濃度、
(ii)デング熱血清型2株の場合、少なくとも2.7log10pfu/0.5mLの濃度、
(iii)キメラ型デング熱血清型2/3株の場合、少なくとも4.0log10pfu/0.5mLの濃度、及び
(iv)キメラ型デング熱血清型2/4株の場合、少なくとも4.5log10pfu/0.5mLの濃度。
4.前記対象集団または前記対象が、全てのデング熱血清型に関して血清陰性である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
5.前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が皮下注射によって投与され、前記A型肝炎ワクチンが筋肉内注射によって投与され、前記注射が好ましくは腕に投与され、より好ましくは腕の三角筋領域に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
6.前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンが、異なる解剖学的部位、例えば反対側の腕に投与される、項目5に記載の使用。
7.前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量が、12ヵ月以上の範囲内、または6ヵ月以内、または3ヵ月以内に投与される、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
8.前記デング熱ワクチン組成物の2回の前記単位用量、及び前記A型肝炎ワクチンの1回用量を、特定的には以下のスケジュールに従って、投与することを含む、項目7に記載の使用:
-0日目に、前記デング熱ワクチン組成物の第1の単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの第1の同時投与、ならびに
-前記第1の同時投与の後に(例えば、約3ヵ月後に)、前記デング熱ワクチン組成物の第2の単位用量の第2の投与。
9.前記対象集団または前記対象が2~60歳である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
10.前記対象集団または前記対象が、デング熱流行地域の出身である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
11.前記対象集団または前記対象が、デング熱非流行地域、好ましくはデング熱非流行地域及びA型肝炎非流行地域の出身である、項目1~9のいずれか1項に記載の使用。
12.前記A型肝炎ワクチンが、A型肝炎ウイルス株HM-175に由来するA型肝炎ウイルスを含む、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
13.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスがA型肝炎ウイルス株HM-175に由来する、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
14.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記不活化A型肝炎ウイルスがアルミニウムに吸着されている、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
15.前記アルミニウムが、水酸化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩である、項目14に記載の使用。
16.前記A型肝炎ワクチンが不活化A型肝炎ウイルスを含み、前記A型肝炎ワクチンが、リン酸緩衝生理食塩水と、その中にアミノ酸形形態及びポリソルベート形態で溶解した賦形剤とを含む、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
17.前記A型肝炎ワクチンが、ウイルス抗原を発現するA型肝炎ウイルスを500ELISA単位(EL.U.)~2000ELISA単位(EL.U.)の範囲の濃度で含む、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
18.前記方法が、前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチンの前記投与前及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記投与前に、前記対象集団または前記対象のA型肝炎の血清状態及び/またはデング熱の血清状態が不明である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
19.前記方法が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を投与するステップの前、間、及び後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象が過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定するステップを含まない、あるいは
前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与のステップの前、間、または後のいずれの時点でも、前記対象集団または前記対象の前記A型肝炎の血清状態及び/または前記デング熱の血清状態が不明である、項目18に記載の使用。
20.前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行項目のいずれか1項に記載の使用:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から前記四価デング熱ウイルス組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの投与を行う対象を、過去にデング熱に感染していたか、及び/または過去にA型肝炎に感染していたかを判定することなく選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに任意選択で
(C)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の少なくとも1回のさらなる単位用量を、前記第1の単位用量の投与から3~12ヵ月以内に投与すること、ならびに任意選択で
(D)前記対象に、前記A型肝炎ワクチンの少なくとも1回のさらなる用量を、前記第1の単位用量の投与から6~18ヵ月以内に投与すること。
21.前記方法が、以下のステップからなる一次ワクチン接種を含む、先行項目のいずれか1項に記載の使用:
(A)デング熱感染及びA型肝炎感染に対する保護の必要性から前記四価デング熱ウイルス組成物の前記単位用量及び前記A型肝炎ワクチンの投与を行う対象を選択すること、ならびに
(B)前記対象に、前記四価デング熱ウイルス組成物の第1の単位用量及びA型肝炎ワクチンを投与すること、ならびに
(C)前記対象に、前記第1の単位用量の投与から約6ヵ月時及び約12ヵ月時に、前記四価デング熱ウイルス組成物を2回のさらなる単位用量を投与し、前記第1の単位用量の投与の約6ヵ月時または約12ヵ月時のいずれかに、前記A型肝炎ワクチンを投与すること。
22.ステップ(A)が、過去にA型肝炎に感染していたかの判定なしで行われる、項目21に記載の使用。
23.医薬的に許容される希釈剤で再構成すると、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)が、pfu/0.5mLの総濃度が得られ、前記pfu/0.5mlの総濃度を基準として、(ii)のpfu/0.5mLでの濃度が、10%未満であり、(iv)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも50%であり、(i)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも1%であり、(iii)のpfu/0.5mLでの濃度が、少なくとも6%、少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%である、項目3~22のいずれか1項に記載の使用。
24.前記方法が、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の適合性をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
25.前記方法が、デング熱ワクチン組成物とA型肝炎ワクチンとの間の相乗作用をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
26.前記方法が、1つの対象集団及び1つの対照対象集団に分けられた少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で非劣性をもたらし、前記対象集団が、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受け、前記対照対象集団が、A型肝炎ワクチン及びプラセボ投与物を同日同時に受ける、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
27.前記A型肝炎ワクチンが、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%のA型肝炎の血清保護率をもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
28.前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、
前記健康な対象が、
c)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団と、
d)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または50例の対象の対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
29.前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、前記A型肝炎ワクチンが、投与(0/1日目)から30日後に、少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%のA型肝炎血清保護率をもたらし、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)、ならびにベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)を含む、項目1~26のいずれか1項に記載の使用。
30.前記方法が、A型肝炎の単剤投与に対するA型肝炎の血清保護率の差をもたらし、前記差が、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性である少なくとも60例または少なくとも120例の健康な対象を含む非劣性臨床試験で決定され、前記健康な対象が、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含み、
前記健康な対象が、
c)前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対象集団と、
d)A型肝炎ワクチン及びプラセボの投与を(0/1日目に)同日同時に受ける、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対照対象集団であって、ベースラインで少なくとも1つのデング熱ウイルス血清型に関して血清陽性である健康な対象(複数可)と、ベースラインで全てのデング熱ウイルス血清型に関して血清陰性である健康な対象(複数可)とを含む、前記対照対象集団とに分けられ、
前記投与(0/1日目)から30日後の前記対照対象集団の前記A型肝炎の血清保護率と、前記投与(0/1日目)から30日後の前記対象集団の前記A型肝炎の血清保護率との間の前記差が決定され、
両側95%信頼区間内の前記差の上限が10%未満である、項目1~26のいずれか1項に記載の使用。
31.前記対象または前記対象集団が、A型肝炎ウイルスの大流行及び/またはデング熱ウイルスの大流行にさらされている、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
32.前記方法が、A型肝炎ワクチン及びデング熱ワクチン組成物の単位用量を同日同時に受ける、ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、かつベースラインで全てのデングウイルス血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象の対象集団に対し、投与(0/1日目)から30日後にもたらす抗A型肝炎ウイルス抗体幾何平均濃度(GMC)が、少なくとも70mIU/ml、または少なくとも80mIU/ml、または少なくとも90mIU/mlである、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
33.前記対象または前記対象集団への前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量の前記同日同時の投与が安全である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
34.前記同日同時の投与に関連する重篤な有害事象が存在しない、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
35.前記方法が、以下のMNT50によって測定される中和抗体の幾何平均力価(GMT):
-デング熱血清型1の場合、少なくとも110、または少なくとも140、または少なくとも150、
-デング熱血清型2の場合、少なくとも3000、または少なくとも3500、または少なくとも3900、
-デング熱血清型3の場合、少なくとも100、または少なくとも120、または少なくとも140、及び/または
-デング熱血清型4の場合、少なくとも80、または少なくとも110、または少なくとも140を、
ベースラインでA型肝炎に関して血清陰性であり、ベースラインで全てのデング熱ウイルスの血清型に関して血清陰性である、少なくとも30例または少なくとも50例の健康な対象集団に、前記A型肝炎ワクチン及び前記デング熱ワクチン組成物の前記単位用量が同日同時に投与(0/1日目)されてから30日後にもたらす、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
36.前記対象または前記対象集団が18~60歳である、先行項目のいずれか1項に記載の使用。
37.A型肝炎及びデング熱疾患に対するキットであって、
少なくとも以下を含む箱を含む、前記キット:
(a)A型肝炎ワクチンを保持する第1の容器、及び
(b)デング熱ワクチン組成物の単位用量を保持する第2の容器であって、前記単位用量が、4つの弱毒化生デング熱ウイルス株を含む四価デング熱ウイルス組成物を含む、前記第2の容器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【配列表】
2022544613000001.app
【国際調査報告】