(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】輸送用パレット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/24 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
B65D19/24 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510114
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 NO2020050203
(87)【国際公開番号】W WO2021029775
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522060618
【氏名又は名称】ビーウィー ノープラスタ アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フルネス、モートン
(72)【発明者】
【氏名】グデム リングダレン、マーティン
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA01
3E063EE03
3E063FF03
(57)【要約】
輸送パレット(100)は、第1および第2の対向する短辺(101、102)と、第1および第2の対向する長辺(103、104)とからなる。支承面は、多数の相互に平行に延びる細長いリブ(106)と、細長いリブに対して垂直に延びる多数の相互に平行に延びる横方向リブ(107)とからなるフレームワークによって構成される。多数の脚部(105)がリブの延長部として形成され、支持面から下方に延び、支持面の下に相互に分配されている。短辺(101、102)にも同様にフォークリフトポケット(112)が形成されている。リブ延長部には傾斜が形成されているので、脚部(105)はパレット下面から離れる方向に狭くなっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管および/または輸送するための統合型でプラスチック製のパレット(100)であって、前記パレットが短辺間に配置された第1および第2の対向する短辺(101、102)と第1および第2の対向する長辺(103、104)とを備え、
パレット支持面は多数の細長いリブ(106)と、前記細長いリブ(106)に対して垂直に延びる多数の横方向リブ(107)とによって構成され、
多数の脚部(105)がパレット(100)支持面の下側から下方に延び、
前記脚部(105)の各々は2つの対向する細長い脚部リブ部分(115、116)および2つの対向する横方向リブ部分(107)の延長部として一体に形成され、
前記脚部リブ部分(108、109、115、116)の各々は垂直に延びる上側脚部リブ部分(106’)および下側傾斜脚部リブ部分(106’’)を画定する段部(113)を有して形成され、
前記脚部(105)の各々は前記パレット(100)支持面から遠ざかる方向で狭くなり、
前記横方向リブ(107)が細長いリブ(106)よりも小さい垂直延長部を示す、
パレット。
【請求項2】
下側リブ延長部(106’’)の傾斜角度は、垂直方向に対して約5度である、請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記パレット支持面の下面には、丸みを帯びた縁部(114)が設けられている、請求項1又は請求項2に記載のパレット。
【請求項4】
前記脚部(105)を形成する前記細長いリブ部品(106’;108)の半分は、補強材として機能する残りの細長いリブ(106;109)よりも大きな厚さを示す、請求項1~3のいずれか一項に記載のパレット。
【請求項5】
前記パレット(100)の短辺(101、102)及び長辺(103、104)にそれぞれ最も近い好ましい実施形態における脚部(105)は、航空機パレットのレールの水平方向延長部に対応するそれぞれの前記短辺(101、102)及び前記長辺(103、104)から離れた距離に配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項6】
前記距離が約5cmである、請求項5に記載のパレット。
【請求項7】
多数の細長いリブ(106)は、横方向リブ(107)に対して略垂直に延びる傾斜リブ(117)として形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のパレット。
【請求項8】
前記パレットは、1つのプラスチック部品が摩擦コーティングとして機能する2成分ポリマーから形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の輸送パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
輸送パレットは商品の輸送に広く使用されており、その大部分は、ヨーロッパ規格に従って、標準的な外形寸法および輸送能力に対する要件で配送される。輸送パレットはトラックまたはハンドパレットトラックによる便利な取扱いを提供し、パレット上に配置された物品に応じて積み重ね可能である。輸送パレットは、木材またはプラスチックで製造される。運搬能力に対する要求を満たすためにパレットに含まれなければならない材料のために、それらは手動で取り扱うのに重い。さらに、その結果、パレットの重量は輸送されるべき総質量に寄与し、コストに負の寄与を与える。別の欠点は、従来技術のパレット、特に木製のパレットを洗浄することが困難であることである。
【0003】
特定の例を提供するために、飛行機に搭載される魚キャリアの道路輸送は空港への輸送のためにトラックに搭載される前に、魚キャリアをパレット上に積み重ねることによって実行される。ほとんどのパレットは、木製の使い捨てパレットである。しかしながら、これらのパレットはかなり重く、12~20kgであり、ペイロードに寄与する重量であり、従って、輸送コストに負の寄与を与える。その後、魚の運搬船は、真空リフトによって飛行機のパレット(PMCアルミフレークとも呼ばれる)に1台ずつ手動で積み込まれ、そこに積み重ねられる。その後、パレットは廃棄され、再利用されていない。これは、輸送コストに対する付加的な負の寄与を構成する。
【0004】
しかし、発泡スチロール(EPS)のパレットがあり、トラックで飛行機のパレットに直接積載できる。したがって、この輸送および積載方法はより少ない手作業を必要とし、パレットは、目的地までずっと追従することができる。しかしながら、EPSパレットが魚のような食品の輸送のために再使用される場合には、食品衛生に関して洗浄性が要求される。
【0005】
しかし、飛行機のパレットには、飛行機のパレットを囲むレールがあり、通常、水平方向に5cmを追加する。そのため、隣接するパレット間に10cmのデッドスペースが作られ、これは荷物の高さと貨物室内にある隣接するパレットの全長を掛ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術のパレットよりも高い曲げ強度を有するこのタイプの輸送用パレットを提供することである。本発明の別の目的は、従来技術のパレットよりも材料が少なく、したがって重量が少ない搬送パレットを提供することである。本発明のさらに別の目的は、従来技術のパレットよりも清掃が容易なパレットを提供することである。平面上のパレット貨物の輸送中の別の目的は上記のように、貨物区画内の隣接するパレット間の死腔を利用することである。さらに別の目的は保管スペースの必要性を低減し、輸送コストを低減するために、パレットを互いに積み重ねることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、請求項1の特徴部分による輸送パレットによって達成される。さらなる有利な特徴は、独立請求項から明らかである。
【0008】
本発明は物品の保管および/または輸送のための一体化されたプラスチックのパレットに関し、第1および第2の対向する短辺と、短辺の間に配置された第1および第2の対向する長辺とを備える。パレットのベアリング面は多数の細長いリブと、該細長いリブに対して垂直に延びる多数の横方向リブとによって構成され、多数の脚部はパレットベアリング面の下側から下方に延びている。各脚部は、パレットと一体に形成され、2つの対向する細長い脚部リブ部および2つの対向する横脚部リブ部の延長部として形成される。脚リブ部は、上部垂直に延びるリブ部及び下部傾斜リブ部を画定するステップを有して形成され、これにより各脚部がパレット軸受面から離れる方向に狭まる。さらに、横方向リブは、細長いリブよりも垂直方向の延長が少ない。
【0009】
下側傾斜リブ延長部の傾斜角度は、上下方向に対して約5度である。
【0010】
ハンドパレットトラックまたはフォークリフトのフォークの挿入を簡単にするために、パレット荷重支持面の下面には、有利には丸みを帯びた縁部が設けられている。
【0011】
パレットの曲げ剛性をさらに増加させるために、脚部を形成する細長いリブの半分は、補強として機能する残りの細長いリブよりも大きな厚さを示す。このようにして、パレットは曲げ剛性を増加させるが、追加材料消費を最小限に抑え、重量増加を最小限に抑えて提供される。
【0012】
好ましい実施形態では特に航空機内でのボックスの輸送のために、パレットの短辺及び長辺にそれぞれ最も近い脚部は航空機パレット上のレールの水平方向の延長に対応してそれぞれの短辺及び長辺から離れた距離、通常約5cmに配置される。
【0013】
定義
【0014】
「輸送パレット」という用語は、輸送されるだけでなく、その上に静止して保管することもできる、物品を収容するためのパレットを指す。したがって、「輸送用パレット」と「パレット」という用語は、互換的に使用される。
【0015】
用語「長辺/長辺」は、長方形パレットの反対側の辺を示す。用語「短辺/短辺」は、長方形パレット内の長辺の間に位置する、対向する側辺縁部を指す。しかしながら、パレットは正方形の幾何学的形状を示すこともできるが、用語「長辺」及び「短辺」はパレットの説明を単純化する目的で正方形のパレットにも関連する。したがって、パレットの正方形の実施形態の長辺および短辺は、同じ延長を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明に係るパレットを上方から見たときの図である。
【
図2】
図2は本発明に係るパレットを下方から見たときの図である。
【
図3】
図3はパレットの軸受/搬送面の枠組みの部分を上方から見たときの図である。
【
図5】
図5は上方から見たリブの枠組みの部分図である。
【
図6】
図6は
図5と同様の図面であるが、脚部の仮想表面が除去されたところを示す図である。
【
図7】
図7は互いに積み重ねられた2つのパレットを細長いリブの好ましい実施で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明によるパレット100を上方から見た図であり、一方、
図2は、パレットを下方から見た図である。パレット100は、第1の短辺101と、第2の反対側の短辺102と、第1の長辺103と、第2の反対側の長辺104とを備え、輸送または保管のためにそれらの間に商品のための支持/運搬表面を形成する。短辺および長辺には、有利には丸みを帯びた下縁部(
図4A)が設けられ、ハンドパレットトラックまたはフォークリフトのフォークの挿入を簡単にする。多数の脚部105がベアリング表面から下方に延び、ここで、それぞれの短辺102および103の隣接する脚部105の間の区画111は、手動プーレットトラックのフォークのためのポケットを確立する。同様のポケット112がフォークリフトのフォークのためのポケットを確立するために、それぞれの長辺103および105の隣接する脚105の間に形成される。
【0018】
次に、
図3を参照すると、多数の細長いリブ106と、細長いリブ106に対して垂直に延在し、パレットが表面上に静止しているときに実質的に垂直に延在する表面を有し、かくしてパレットのベアリング表面を形成する多数の横リブ107とからなる、ベアリング表面のセクションが示されている。脚部105を形成する領域に第1及び第2の細長いリブ部108,109で構成された多数の隣接する細長い脚部リブ106が互いに向きをなす角度で配置されており、リブ108,109がパレットの軸受面から離れる方向に互いに接近するようになっている。2つのリブ107の隣接する横方向リブ部分115及び116を有する傾斜した細長い脚部リブ部分108及び109は、このようにして、第1のパレット上に積み重ねられた別のパレットの脚部105を収容するためのキャビティ110を形成する。細長い脚部リブ部分108及び109の傾斜角度は、有利には垂直線に対して約5度である。有利な実施形態では脚部105を形成するリブ部分108、109、115、116の半分は残りのリブ106、107、109よりも大きな厚さを示し、補強リブ108を表すが、材料消費は最小であり、重量増加は最小である。
【0019】
パレット100のフレームは一片に鋳造されており、
図5には、細長いリブ106と横方向リブ107の形態のフレームを有する部分の形態で示されている。特に
図5から明らかなように、脚部(明確には示されていない)はそれぞれの細長いリブ106および横断リブ107の4つの隣接する脚部リブ部分108、109、115および116の延長部としてそれぞれ形成され、各脚部リブ部分108、109、115および116はパレットの下側から距離をおいて折れ目または段部113が形成され、その結果、それぞれの脚部リブ部分は傾斜した下側部分106’および垂直に延びる上側部分106’’によって形成される。横リブも同様に形成される(図示せず)。Xでマークされた表面は、フレームワークの角度幾何学的形状をより良く示すために含まれる仮想表面である。
図6では、本発明によるパレットのフレームワークの一部を示すために仮想表面が除去されている。
図4Aおよび
図4Bは、リブの延長部として形成された脚部の角度幾何学形状を示す側面図である。
【0020】
多数の航空機パレット(図示せず)上に配置された商品を有する隣接するパレット間のデッドスペースを利用するために、脚部105は、それぞれの側101、102および長辺103、104から離れて配置された、パレットの長辺および側に最も近い好ましい実施形態である。この距離は、飛行機のパレットレール(図示せず)の水平方向の延長に対応する。このようにして、隣接する航空機パレット内に配置される本発明によるパレット100はそれぞれのベアリング面を互いに近接して配置することができ、従来技術による隣接する積荷運搬用航空機パレット間のデッドスペースを利用する。これらの脚部の配置は、特に
図1、
図2および
図4Aから明らかである。
【0021】
ここで
図7を参照すると、互いに積み重ねられた2つのパレットの部分断面が示されている。この図は、輸送パレットの別の有利な実施形態を示す。良好な洗浄性を有する中実脚部を提供するために、いくつかの細長いリブが、長手方向全体にわたって傾斜して配置されている。これらの細長い傾斜リブは、参照番号117で示されている。この解決策は脚部の外側断面を最大にし、脚部の段差点を排除し、細長いリブの段差を排除する。しかし、横リブ107は垂直である。これは、連続した仕切り線と、適切に配置された解放方向とを得るために必要である。したがって、この領域における壁の脚部は、相互の積み重ねを確実にするための段部を有していなければならない。脚部はパレットの長手方向に細長いので、段部は脚部の強度をできるだけ弱くしないように、すなわち横方向リブ107において配置される。
【0022】
図8は、パレットの領域内の解放方向を示しており、互いに積み重ねられた2つのパレットの斜視図で部として示されている。参照番号188でマークされたリブ部分は上方向に解放方向を有し、一方、参照番号119でマークされたリブ部分は、下方向に解放方向を有する。本発明によるパレットのこの実施形態は、傾斜した細長いリブ117に出発点をとることによって構成され、次いで、横方向リブ107の壁が調整されて、連続した仕切り線が得られる。
【0023】
最後に、各サイドエッジの下部(図示せず)は傾斜しており、パレットから離れる方向にサイドエッジの下部当業者を有し、フォークリフトとの接触における損傷のリスクを低減することに言及すべきである。これには、リフティングフォークの位置が高すぎる場合に、パレットを押し込む代わりに持ち上げることが含まれる。傾斜したサイドエッジもパレットの曲げ剛性の増加に寄与する。
【0024】
技術的効果
【0025】
本発明によるパレットは、いくつかの利点を有する。リブの上側を除いて、パレットは水平面またはコンパートメントを有しておらず、洗浄に関して高度に評価される特徴である。剛性フレームワークは、従来技術のパレットと比較して、実質的な曲げ剛性パレットをもたらす。さらに、丸みを帯びたエッジが曲げ剛性の増加に寄与する。パレットの下面に沿って分散された脚部を有するフレームワークおよび配置は表面に向かって良好な荷重配分を提供し、パレットは、高荷重からニールすることはない。最終的に、しかし少なくともではないが、材料消費は従来技術のパレットと比較して非常に低い。本発明によるパレットは、従来技術と比較して、材料消費量の半分でより高い重量を運ぶことができる。より短い垂直延長部を有する細長いリブおよび横断リブのそれぞれの異なる高さは、最大の剛性をもたらし、重量および材料消費の低減ももたらす。
【0026】
特に、典型的な輸送機の貨物区画に搭載された飛行機パレット上の箱のような荷物に対して、長辺に最も近い脚部及び短辺部を同じものから離して配置することは、従来技術による最大161個の箱と比較して、貨物区画が約168個の箱を収容可能であることをもたらす。サケを有するEPSキャリアは、約10kgの魚を収容する。この手段は、飛行機の運送で140キログラムの魚を追加する。
【0027】
また、パレットの大きさと脚の形状を形成することで、いわゆる動燃機フライトパレットの標準的な上に8個のパレットを配置できることを強調しておく必要がある。さらに、パレットは好ましくは2成分ポリマーから形成され、そのうちの1つのプラスチック成分はパレット内に鋳造された摩擦コーティングとして働く。このタイプの摩擦コーティングは、通常、パレット自体の鋳造後にパレットの外部に施される。
【符号の説明】
【0028】
100 パレット/輸送パレット
101 パレットの最初の短辺
102 パレットの第2短辺
103 パレットの最初の長辺
104 パレットの第2の長辺
105 脚/支持脚
106 細長い肋骨
107 外側肋骨
108 第1の長尺脚リブ部(補強リブ)
109 第2の細長い脚部リブ部分
110 脚105の空洞
111 ハンドパレットトラックポケット
112 フォークリフトポケット
113 ステップ
114 丸縁
115 第1の細長い脚部リブ部分
116 第2の細長い脚部リブ部分
117 傾斜細長リブ
118 つば部の引上げ方向
119 つば部の下方引張り方向
【国際調査報告】