(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(54)【発明の名称】廃棄物の処理のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
C08J 11/12 20060101AFI20221013BHJP
C08J 11/14 20060101ALI20221013BHJP
C10J 3/00 20060101ALI20221013BHJP
C10J 3/72 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
C08J11/12 ZAB
C08J11/14
C10J3/00 C
C10J3/72 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022503819
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 GB2020051731
(87)【国際公開番号】W WO2021009519
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522023901
【氏名又は名称】パワーハウス・エナジー・グループ・ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ライアン
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA27
4F401BA01
4F401BA03
4F401CA70
4F401CB01
4F401CB09
4F401CB16
4F401CB34
4F401EA47
4F401FA01X
4F401FA01Y
4F401FA09Y
(57)【要約】
粉砕廃棄物を処理するための方法および装置であって、a)1つまたは複数の加熱手段(40a~f)を用いて加熱室(28)内の粉砕廃棄物を加熱して可燃性ガスを生成するステップと、b)加熱室内の温度を測定または決定するステップと、c)加熱室(28)内の測定または決定された温度を所定の温度範囲と比較するステップと、d)加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するために、1つまたは複数の加熱手段(40a~f)によって加熱室(28)に加えられる熱の量を調整するステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕廃棄物を処理する方法であって、
a)1つまたは複数の加熱手段を用いて加熱室内の粉砕廃棄物を加熱して可燃性ガスを生成するステップと、
b)前記加熱室内の温度を測定または決定するステップと、
c)前記加熱室内の前記測定または決定された温度を所定の温度範囲と比較するステップと、
d)前記加熱室内の前記温度を前記所定の温度範囲内に維持するために、前記1つまたは複数の加熱手段によって前記加熱室に加えられる熱の量を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の加熱手段は、1つまたは複数の燃焼加熱手段を含む、請求項1に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される空気の質量流量を減少または増加させるステップを含む、請求項2に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料の質量流量を減少または増加させるステップを含む、請求項2または3に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料混合物の2つ以上の成分の比率を変更するステップを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項6】
ステップc)は、前記加熱室の外側に配置された1つまたは複数の温度センサを用いて前記加熱室内の前記温度を測定または決定するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項7】
ステップc)は、前記加熱室の内側に配置された1つまたは複数の温度センサを用いて前記加熱室内の前記温度を測定または決定するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項8】
前記加熱室内へ粉砕廃棄物を送給するステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項9】
前記加熱室内へ蒸気を導入するステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項10】
前記加熱室を加熱するため、前記生成された可燃性ガスの少なくとも一部を前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給するステップe)を含む、請求項2から5のいずれか一項または請求項2に従属しているときの請求項6から9のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項11】
前記加熱室は、使用中、回転可能であり、前記方法は、前記加熱室を回転させるステップf)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項12】
粉砕廃棄物を処理するための装置であって、粉砕廃棄物から可燃性ガスを生成するための加熱室であって、粉砕廃棄物の前記加熱室内への導入のための入口と、生成された可燃性ガスの前記加熱室からの排出のための出口と、を含む、加熱室と、使用中、前記加熱室の内容物を加熱するように構成されたまたは構成可能な1つまたは複数の加熱手段と、前記加熱室内の温度を測定または決定するように配置されたまたは配置可能な温度感知手段と、前記加熱室の測定された温度を所定の温度範囲と比較し、前記1つまたは複数の加熱手段によって加えられる熱の量を調整して、前記加熱室内の前記温度を前記所定の温度範囲内に維持するように構成されたまたは構成可能なコントローラと、を含む、装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数の加熱手段は、1つまたは複数の燃焼加熱手段を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に空気を供給するように配置されたまたは配置可能な空気の供給部を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される空気の質量流量を減少または増加させるように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に燃料を供給するように配置されたまたは配置可能な燃料の供給部を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料の質量流量を減少または増加させるように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記燃料の供給部は、第1の燃料の第1の供給部および第2の燃料の第2の供給部を含む、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される前記第1の燃料および前記第2の燃料の比率を変更するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記温度感知手段は1つまたは複数の温度センサを含む、請求項12から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数が前記加熱室の外側に配置されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数が前記加熱室の内側に配置されている、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
使用中、前記加熱室で生成された可燃性ガスの少なくとも一部を前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給するように構成されたまたは構成可能な供給システムを含む、請求項13から19のいずれか一項または請求項13に従属しているときの請求項20から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記加熱室は、使用中、回転可能であるように配置または構成されている、請求項12から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記加熱室内へ蒸気を導入するように構成されたまたは構成可能な蒸気送達手段を含む、請求項12から21のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、廃棄物を処理する方法に、および廃棄物を処理するための装置に関する。より具体的には、排他的ではないが、本発明は、粉砕廃棄物を処理する方法に、および粉砕廃棄物を処理するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマス材料を加熱して合成ガスを生成することが知られている。合成ガスは、他の物質の中でも、水素、一酸化炭素およびメタンを含むガス状混合物である。処理プロセスは通常、キルン内で粒状の、または他の方法で粉砕されたバイオマス廃棄物を加熱することを伴う。キルンは一般的に加熱システムによって加熱される。キルンの内容物に蒸気を加えて、たとえば、合成ガスをより容易に生成することができかつ/または合成ガスの成分の比率を制御することができる還元雰囲気を提供することも知られている。蒸気は通常、蒸気のキルン内への導入前に、さらなる加熱システムを用いて水を加熱することによって事前生成される。生成された合成ガスは次いでさらなる処理に送ることができる。
【0003】
当業者によって理解されるように、合成ガスを生成するための(およびそのさらなる処理のための)装置は比較的複雑である。さらに、処理プロセスは通常、連続的に、たとえば1日24時間実行される。したがって、加熱システム、圧縮システムなどには、比較的大量のエネルギーが要求される。これらの比較的高いエネルギー要件の結果、このような装置は動作コストが比較的高くなる可能性がある。しかしながら、バイオマス廃棄物から生成される水素(たとえば)が他の発生源から生成される水素と経済的に競合するためには、処理方法は必然的に可能な限り安価でなければならない。したがって、廃棄物を処理するためのこのような装置のランニングコストを最小限に抑えることが有利であろう。
【0004】
たとえば先行技術の方法に対して、方法の効率を高めることも有益であろう。キルン加熱方法の、蒸気製造方法の、ガス化プロセスの、および/または生成ガスの成分(たとえば水素)の製造の効率を相対的に高めることは有益であろう。
【0005】
近年、プラスチック製品および包装の急増により、大量の廃棄物が発生している(そして発生し続けている)。プラスチック廃棄物は、自然分解させるため、従来、埋め立て地に運ばれてきた。しかしながら、このようなプラスチック廃棄物は、たとえば数百年単位で、自然に分解するのに長い時間がかかる可能性がある。したがって、廃プラスチック材料を埋め立て地に運ぶ代わりにこれを処理して、処理された廃棄物の副産物を用いることができるようにすることが提案されてきた。プラスチック材料を再処理して有用な製品を製造することができるようにこれを分離およびリサイクルすることは好都合であろう。
【0006】
残念ながら、プラスチック廃棄物に関してリサイクルおよびリサイクル技術は普遍的ではない。さらに、汚染された廃プラスチック材料、または混合されたプラスチック廃棄物の流れを処理することは比較的高価で困難である。実際、現在リサイクルが不可能な(または法外に高価な)プラスチック材料がいくつかある。残念ながら、廃棄物の流れが汚染されている場合、リサイクル可能なプラスチック材料をリサイクル可能でないものから分離することは高価すぎると証明される傾向があるので、廃棄物の流れ全体が処理されない可能性がある。
【0007】
プラスチック包装、たとえば食品包装に用いられるプラスチックバリアフィルムは、通常、プラスチックの機能的特性のため、リサイクルが困難なプラスチック材料の主要な発生源である。タイヤも処理が困難な廃棄物である。
【0008】
廃棄物の流れをリサイクルすることができない状況においては、廃棄物の流れは通常、埋め立て地に運ばれることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、プラスチック廃棄物、たとえば、混合および/または汚染された廃プラスチック材料および車両タイヤから有用な作業を抽出することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の第1の態様は、粉砕廃棄物を処理する方法を提供し、この方法は、
a)1つまたは複数の加熱手段またはヒータ(たとえば1つまたは複数のヒータ)を用いて加熱室内の粉砕廃棄物を加熱して可燃性ガスを生成するステップと、
b)加熱室内の温度を測定または決定するステップと、
c)加熱室内の測定または決定された温度を所定の温度範囲と比較するステップと、
d)加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するために、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップと、
を含む。
【0011】
有利には、本発明は、先行技術の方法によって提供されるより相対的により効率的な粉砕廃棄物の処理を提供する。1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整して、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持することによって、廃棄物の処理が所望の温度で行われる。したがって、処理プロセスおよび可燃性ガスへの変換をより容易かつ正確に制御することができる。したがって必要とされるエネルギーを少なくすることができ、エネルギーおよびしたがってコストの削減につながる。加えて、比較的大量の可燃性ガスおよび/または可燃性ガスの所望の成分、たとえば比較的大量のメタンおよび/または水素を生成することができる。
【0012】
粉砕廃棄物は、廃プラスチック材料、たとえばポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリビニルクロリド、ポリプロピレンなどを含むことができる。粉砕廃棄物は、ゴム、バイオマス、タイヤの粉などを含むことができる。粉砕廃棄物は、プラスチック材料および/または他の材料の任意の適切な組み合わせを含むことができる。
【0013】
本明細書で用いられる「粉砕(comminuted)」という用語は、小さな粒子または断片に削減された物質を意味するように解釈されるべきである。
【0014】
可燃性ガスは、可燃性炭化水素、たとえばメタンまたは別の適切なアルカンを含むことができる。可燃性ガスは、ガス状混合物、たとえば生成されたガス状混合物の成分を形成することができる。ガス状混合物は合成ガスを含むことができる。合成ガスは、水素、メタン、一酸化炭素を含むことができる。合成ガスは1つまたは複数のさらなる物質を含むことができる。実施形態において、合成ガスは主に水素(たとえば他の物質または成分より相対的に大きなパーセンテージまたは量の水素)を含むことができる。実施形態において、この方法は、たとえば、生成された可燃性ガスの他の物質または成分より相対的に大きなパーセンテージまたは量の水素を生成するステップを含むことができる。実施形態において、この方法は、たとえば加熱室を離れたら、生成された可燃性ガスをさらに処理するステップを含むことができる。さらなる処理は、生成された可燃性ガスの1つまたは複数の成分を分離するステップ、たとえば水素を分離するステップを含むことができる。
【0015】
実施形態において、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するために、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップは、加熱室内の測定または決定された温度が所定の温度範囲の外側にあれば、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップを含むことができる。実施形態において、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するために、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップは、加熱室内の測定または決定された温度の変化率が設定値より大きければ、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップを含むことができる。実施形態において、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するために、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップは、加熱室内の測定または決定された温度が所定の温度範囲の1つの限界の閾値量内にあれば、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加熱室に加えられる熱の量を調整するステップを含むことができる。調整はたとえばPID制御下で自動的とすることができる。実施形態において、調整は少なくとも部分的に手動とすることができる。
【0016】
実施形態において、1つまたは複数の加熱手段またはヒータは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータを含むことができる。
【0017】
実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータによって加えられる熱の量を調整するステップは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される空気の質量流量を減少または増加させるステップを含むことができる。
【0018】
実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータによって加えられる熱の量を調整するステップは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される燃料の質量流量を減少または増加させるステップを含むことができる。
【0019】
実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータによって加えられる熱の量を調整するステップは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される燃料混合物の2つ以上の成分の比率を変更するステップを含むことができる。燃料混合物の2つ以上の成分は、2つ以上の燃料供給部から供給することができる。燃料混合物の2つ以上の成分は、2つ以上の成分の比率を制御するように個別に計量することができる。
【0020】
第1の導管によって燃料混合物の第1の成分を1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給することができる。第2の導管によって燃料混合物の第2の成分を1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給することができる。第1の導管および第2の導管は、マニホールドまたは他の混合手段またはミキサで合流することができる。第1の導管は第1の弁手段または第1の弁を含むことができる。第2の導管は第2の弁手段または第2の弁を含むことができる。第1の弁手段または弁および第2の弁手段または弁は、マニホールドに供給される第1の成分と第2の成分との比率を制御するように個別に制御する、または制御可能とすることができる。マニホールドはマニホールド弁手段またはマニホールド弁を含むことができる。マニホールドは、燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接させることができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁は、燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接させることができる。
【0021】
空気供給導管によって1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに空気を供給することができる。空気供給導管によってマニホールドに空気を供給することができる。空気供給導管は空気供給弁手段または空気供給弁を有することができる。燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接するマニホールドに空気を供給することができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁と燃焼加熱手段または燃焼ヒータとの間のマニホールドに空気を供給することができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁が空気供給導管と燃焼加熱手段または燃焼ヒータとの間にあるように、マニホールドに空気を供給することができる。
【0022】
実施形態において、ステップc)は、たとえば加熱室の内側または外側に配置された1つまたは複数の温度センサを用いて加熱室内の温度を測定または決定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数を加熱室の内側に配置することができ、温度センサの1つまたは複数を加熱室の外側に配置することができる。
【0023】
加熱室内に第1のゾーンおよび第2のゾーンを画定することができる。実施形態において、加熱室内に第3のゾーンを画定することができる。この方法は、加熱室の第1のゾーンにおける温度を(たとえば独立して)測定または決定するステップを含むことができる。この方法は、加熱室の第2のゾーンにおける温度を(たとえば独立して)測定または決定するステップを含むことができる。この方法は、加熱室の第3のゾーンにおける温度を(たとえば独立して)測定または決定するステップを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、この方法は、たとえば加熱室の入口を通して、加熱室内へ粉砕廃棄物を送給するステップを含むことができる。
【0025】
実施形態において、この方法は、たとえば加熱室の入口を通して、加熱室内へ蒸気を導入するステップを含むことができる。蒸気は、約400℃と800℃との間、たとえば約500℃と700℃との間、たとえば約550℃と650℃との間、たとえば約600℃の温度で導入することができる。
【0026】
所定の温度範囲は、設定温度T±設定温度Tの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%または30%とすることができる。あるいは、所定の温度範囲は、設定温度T±1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、20℃、25℃または30℃とすることができる。
【0027】
実施形態において、ステップa)は、加熱室の第1のゾーンにおいて粉砕廃棄物を第1の温度T1に加熱して、たとえば粉砕廃棄物をガス化するステップを含むことができる。第1の温度T1は第1の設定温度T1を含むことができる。
【0028】
実施形態において、ステップa)は、加熱室の第2のゾーンにおいてガス化物質を第2の温度T2に加熱して、たとえば可燃性ガスを生成するステップを含むことができる。第2の温度T2は第2の設定温度T2を含むことができる。第2の温度T2は第1の温度T1より高くすることができる。
【0029】
実施形態において、ステップa)は、加熱室の第3のゾーンにおいて可燃性ガスを、たとえば第3の温度T3に加熱するステップを含むことができる。第3の温度T3は第3の設定温度T3を含むことができる。第3の温度T3は第1の温度T1より高くすることができる。第3の温度T3は第2の温度T2より低くすることができる。第3の温度T3は第2の温度T2より高くすることができる。第3の温度T3は第2の温度T2に(たとえば実質的に)等しくすることができる。
【0030】
設定温度は、たとえば加熱室についての平均温度(たとえば中間温度)を含むことができる。第1の設定温度は、たとえば加熱室の第1のゾーンについての平均温度(たとえば中間温度)を含むことができる。第2の設定温度は、たとえば加熱室の第2のゾーンについての平均温度(たとえば中間温度)を含むことができる。第3の設定温度は、たとえば加熱室の第3のゾーンについての平均温度(たとえば中間温度)を含むことができる。
【0031】
加熱室の第1のゾーン(設けられた場合)には第1の所定の温度範囲があり得る。加熱室の第2のゾーン(設けられた場合)には第2の所定の温度範囲があり得る。加熱室の第3のゾーン(設けられた場合)には第3の所定の温度範囲があり得る。第1のゾーンにおける第1の所定の温度範囲は、650℃と750℃との間、たとえば660℃、670℃、680℃または690℃と710℃、720℃、730℃または740℃との間とすることができる。第2のゾーンにおける第2の所定の温度範囲は、850℃と950℃との間、たとえば860℃、870℃、880℃または890℃と910℃、920℃、930℃または940℃との間とすることができる。第3のゾーンにおける第3の所定の温度範囲は、約1050℃と1150℃との間、たとえば約1060℃、1070℃、1080℃または1090℃と1110℃、1120℃、1130℃または1140℃との間とすることができる。
【0032】
第1のゾーン(設けられた場合)についての第1の所定の温度範囲は、第1の設定温度T1±第1の設定温度T1の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%または30%とすることができる。あるいは、第1のゾーンについての第1の所定の温度範囲は、第1の設定温度T1±1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、20℃、25℃または30℃とすることができる。第1の設定温度T1は、約650℃、660℃、670℃、680℃、690℃、700℃、710℃、720℃、730℃、740℃または750℃とすることができる。
【0033】
第2のゾーン(設けられた場合)についての第2の所定の温度範囲は、第2の設定温度T2±第2の設定温度T2の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%または30%とすることができる。あるいは、第2のゾーンについての第2の所定の温度範囲は、第2の設定温度T2±1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、20℃、25℃または30℃とすることができる。第2の設定温度T2は、約850℃、860℃、870℃、880℃、890℃、900℃、910℃、920℃、930℃、940℃または950℃とすることができる。
【0034】
第3のゾーン(設けられた場合)についての第3の所定の温度範囲は、第3の設定温度T3±第3の設定温度T3の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%または30%とすることができる。あるいは、第3のゾーンについての第3の所定の温度範囲は、第3の設定温度T3±1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、20℃、25℃または30℃とすることができる。第3の設定温度T3は、約850℃、860℃、870℃、880℃、900℃、910℃、920℃、930℃、940℃、950℃、960℃、970℃、980℃、990℃、1000℃、1010℃、1020℃、1030℃、1040℃、1050℃、1060℃、1070℃、1080℃、1090℃または1100℃とすることができる。
【0035】
実施形態において、加熱室の第1のゾーンにおける測定または決定された温度が第1の所定の温度範囲の外側にある(たとえばより低いまたは高い)場合、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって第1のゾーンに加えられる熱の量を調整することができる。加熱室の第2のゾーンにおける測定または決定された温度が第2の所定の温度範囲の外側にある(たとえばより低いまたは高い)場合、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって第2のゾーンに加えられる熱の量を調整することができる。加熱室の第3のゾーンにおける測定または決定された温度が第3の所定の温度範囲の外側にある(たとえばより低いまたは高い)場合、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって第3のゾーンに加えられる熱の量を調整することができる。
【0036】
加えられる熱の量を調整するステップは、加えられる熱の量を増加または減少させるステップを含むことができる。
【0037】
測定または決定された温度は、たとえば加熱室における、または加熱室の第1のゾーン、第2のゾーンもしくは第3のゾーン(設けられた場合)における平均温度(たとえば中間温度)を含むことができる。
【0038】
実施形態において、この方法は、たとえば加熱室を加熱するため、生成された可燃性ガスの少なくとも一部を1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給するステップe)を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、加熱室は、使用中、回転可能とすることができる。この方法は、加熱室を回転させるステップf)を含むことができる。
【0040】
この方法は、連続的な方法とする、またはこれを含むことができる。たとえば、この方法は、粉砕廃棄物を連続的に処理する方法とすることができる。
【0041】
実施形態において、生成された可燃性ガスの少なくとも一部をガスグリッドに送達または供給することができる。実施形態において、生成された可燃性ガスの少なくとも一部を1つまたは複数のさらなる化学物質へと処理することができる。
【0042】
本発明のさらなる一態様は、粉砕廃棄物を処理するための装置を提供し、この装置は、粉砕廃棄物から可燃性ガスを生成するための加熱室であって、粉砕廃棄物の加熱室内への導入のための入口と、生成された可燃性ガスの加熱室からの排出のための出口と、を含む、加熱室と、使用中、加熱室の内容物を加熱するように構成されたまたは構成可能な1つまたは複数の加熱手段またはヒータ(たとえば1つまたは複数のヒータ)と、加熱室内の温度を測定または決定するように配置されたまたは配置可能な温度感知手段または温度センサ(たとえば1つまたは複数の温度センサ)と、加熱室の測定された温度を所定の温度範囲と比較し、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加えられる熱の量を調整して、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成されたまたは構成可能なコントローラ(たとえば制御システム)と、を含む。
【0043】
実施形態において、コントローラは、加熱室内の測定または決定された温度が所定の温度範囲の外側にあれば、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加えられる熱の量を調整して、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成する、または構成可能とすることができる。実施形態において、コントローラは、加熱室内の測定または決定された温度の変化率が設定値より大きければ、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加えられる熱の量を調整して、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成する、または構成可能とすることができる。実施形態において、コントローラは、加熱室内の測定または決定された温度が所定の温度範囲の1つの限界の閾値量内にあれば、1つまたは複数の加熱手段またはヒータによって加えられる熱の量を調整して、加熱室内の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成する、または構成可能とすることができる。
【0044】
実施形態において、1つまたは複数の加熱手段またはヒータは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータ(たとえば1つまたは複数の燃焼ヒータ)を含むことができる。
【0045】
実施形態において、この装置は、たとえば1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに空気を供給するように配置されたまたは配置可能な空気の供給部を含むことができる。
【0046】
実施形態において、コントローラは、空気の供給部から1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される空気の質量流量を減少または増加させるように構成する、または構成可能とすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、この装置は、たとえば1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに燃料を供給するように配置されたまたは配置可能な燃料の供給部を含むことができる。
【0048】
実施形態において、コントローラは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに(たとえば燃料の供給部から)供給される燃料の質量流量を減少または増加させるように構成する、または構成可能とすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、燃料の供給部は、たとえば、第1の燃料の第1の供給部および第2の燃料の第2の供給部を含むことができる。
【0050】
実施形態において、コントローラは、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される第1の燃料および第2の燃料の比率を変更するように構成することができる。第1の燃料は、天然ガスとする、またはこれを含むことができる。第2の燃料は、加熱室で生成された可燃性ガスとする、またはこれを含むことができる。
【0051】
第1の燃料は、第1の導管によって1つまたは複数の燃焼加熱手段またはヒータに供給することができる。第2の燃料は、第2の導管によって1つまたは複数の燃焼加熱手段またはヒータに供給することができる。第1の導管および第2の導管は、マニホールドまたは他の混合手段もしくはミキサで合流することができる。第1の導管は第1の弁手段または第1の弁を含むことができる。第2の導管は第2の弁手段または第2の弁を含むことができる。第1の弁手段または弁および第2の弁手段または弁は、マニホールドに供給される第1の燃料と第2の燃料との比率を制御するように個別に制御する、または制御可能とすることができる。マニホールドはマニホールド弁手段またはマニホールド弁を含むことができる。マニホールドは、燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接させることができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁は、燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接させることができる。
【0052】
空気供給導管によって1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに空気を供給することができる。空気供給導管によってマニホールドに空気を供給することができる。空気供給導管は空気供給弁手段または空気供給弁を有することができる。燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接するマニホールドに空気を供給することができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁と燃焼加熱手段または燃焼ヒータとの間のマニホールドに空気を供給することができる。マニホールド弁手段またはマニホールド弁が空気供給導管と燃焼加熱手段または燃焼ヒータとの間にあるように、マニホールドに空気を供給することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、加熱室内の第1のゾーンを第1の温度T1に加熱するように構成する、または構成可能とすることができる。1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、加熱室内の第2のゾーンを第2の温度T2に加熱するように構成する、または構成可能とすることができる。第2の温度T2は第1の温度T1より高くすることができる。
【0054】
実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、加熱室内の第3のゾーンを第3の温度T3に加熱するように構成する、または構成可能とすることができる。第3の温度T3は第1の温度T1より高くすることができる。
【0055】
1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、1つまたは複数の燃焼ヒータ、たとえばガスのような燃料源を用いる1つまたは複数のヒータを含むことができる。各ゾーンにおいて温度を制御する(たとえば微細制御または微調整する)ように1つまたは複数のヒータに近接または隣接してまたは比較的近くで、1つまたは複数のヒータへの燃料の供給を制御する、または制御可能とすることができる。1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、1つまたは複数のガスヒータ、たとえば1つまたは複数のガスバーナを含むことができる。1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される燃料は、燃料混合物の第1の成分および燃料混合物の第2の成分を含むことができる。燃料混合物の第1の成分と第2の成分との比率は、各ゾーンにおいて温度を制御するように制御する、または制御可能とすることができる。1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに空気を供給することができる。各ゾーンにおいて温度を制御する(たとえば微細制御または微調整する)ように1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに近接または隣接してまたは比較的近くで、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給される空気を制御する、または制御可能とすることができる。実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、使用中、加熱室の外側に配置することができる。1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、加熱室を加熱するように配置することができる。
【0056】
実施形態において、1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータは、複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータを含む。加熱室の第1のゾーンにおいて粉砕廃棄物を、たとえば第1の温度T1に加熱するように(加熱室内に複数のゾーンが画定される場合)、第1の燃焼加熱手段または燃焼ヒータを構成する、または構成可能とすることができる。加熱室の第2のゾーンにおいてガス化物質を、たとえば第2の温度T2に加熱するように、第2の燃焼加熱手段または燃焼ヒータを構成する、または構成可能とすることができる。加熱室の第3のゾーンを、たとえば第3の温度T3に加熱するように、第3の燃焼加熱手段または燃焼ヒータを構成する、または構成可能とすることができる。実施形態において、第1のゾーンは、加熱室の入口に、またはこれに隣接した位置にあることができる。第3のゾーンは、加熱室の出口に、またはこれに隣接した位置にあることができる。第2のゾーンは、第1のゾーンおよび第3のゾーン間の位置にあることができる。1つまたは複数のゾーンにおける温度は、それぞれの燃焼加熱手段または燃焼ヒータへの燃料の供給を制御することによって制御する、または制御可能とすることができる。1つまたは複数のゾーンにおける温度は、それぞれの燃焼加熱手段または燃焼ヒータへの燃料の供給および空気の供給、ならびにこれらの比率を制御することによって制御する、または制御可能とすることができる。
【0057】
実施形態において、温度感知手段または温度センサは、1つまたは複数の温度センサを含むことができる。1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数を加熱室の外側に配置することができる。1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数を加熱室の内側に配置することができる。1つまたは複数の温度センサは、加熱室のゾーンの1つ、いくつかまたはそれぞれ(複数のゾーンが中に画定されている場合)の温度を測定または決定するように配置または構成することができる。実施形態において、第1のゾーンの温度を測定または決定するように1つまたは複数の温度センサを配置することができる。第2のゾーンの温度を測定または決定するように1つまたは複数の温度センサを配置することができる。第3のゾーンの温度を測定または決定するように1つまたは複数の温度センサを配置することができる。複数の温度センサが設けられる場合、これらはアレイ(たとえば複数のアレイ)を含むことができる。温度センサ(または温度センサのアレイ)の1つまたは複数を加熱室の内側に配置することができる。温度センサ(または温度センサのアレイ)の1つまたは複数を加熱室の外側に配置することができる。
【0058】
実施形態において、コントローラは、たとえば加熱室内の温度が所定の閾値を超える(たとえば所定の閾値温度より高いまたは低い)場合、装置を停止するように構成する、または構成可能とすることができる。実施形態において、コントローラは、たとえば加熱室内の温度が所定の閾値を超えれば、オペレータに警告するように構成する、または構成可能とすることができる。警告は、視覚的および/または聴覚的とすることができる警報を含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、この装置は、たとえば、使用中、加熱室で生成された可燃性ガスの少なくとも一部を1つまたは複数の燃焼加熱手段または燃焼ヒータに供給するように構成されたまたは構成可能な供給システムを含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、この装置は、キルン、たとえばロータリーキルンを含むことができる。ロータリーキルンは直接型または間接型とすることができる。加熱室はキルン内に提供または画定することができる。加熱室またはキルンまたはその一部は、使用中、回転可能であるように配置または構成することができる。加熱室は熱変換室を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、この装置は、蒸気送達手段または蒸気送達システムを含むことができ、たとえばこれは、加熱室内へ蒸気を導入するように構成する、または構成可能とすることができる。蒸気送達手段または蒸気送達システムは水源を含むことができる。蒸気送達手段または蒸気送達システムは、(たとえば水源からの)たとえば水を沸騰させるように配置されたまたは配置可能なボイラを含むことができる。
【0062】
誤解を避けるために、本明細書に記載の特徴のいずれも、本発明のいずれの態様にも等しく当てはまる。たとえば、この装置は、この装置に関連する方法の任意の1つまたは複数の特徴を含むことができ、かつ/またはこの方法は、この装置の1つまたは複数の特徴に関連する任意の1つまたは複数の特徴またはステップを含むことができる。
【0063】
本発明のさらなる一態様は、前述の方法の1つまたは複数のステップを実施する手順をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラムコード手段またはコンピュータ可読プログラムコードシステムを含むコンピュータプログラム要素を提供する。
【0064】
本発明のさらに他の一態様は、コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラム要素を提供する。
【0065】
本発明のさらに他の一態様は、プログラムが格納されたコンピュータ可読媒体を提供し、プログラムは、前述の方法の1つまたは複数のステップを実施する手順をコンピュータに実行させるように構成されている。
【0066】
本発明のさらに他の一態様は、前述のコンピュータプログラム要素またはコンピュータ可読媒体を含む制御手段または制御システムまたはコントローラを提供する。
【0067】
本願の範囲内で、前の段落に、請求項に、および/または次の説明および図面に記述されたさまざまな態様、実施形態、例および代替案、および特にこれらの個々の特徴は、独立して、または任意の組み合わせで解釈され得ることが明確に意図されている。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴を、このような特徴が非互換的でなければ、任意の方法および/または組み合わせで組み合わせることができる。誤解を避けるために、「may(可能性がある)」、「and/or(および/または)」、「e.g.(たとえば)」、「for example(たとえば)」という用語および本明細書で用いられるような同様の用語は、そのように説明されたいかなる特徴も存在する必要がないように非限定的であると解釈されるべきである。実際、任意選択の特徴の任意の組み合わせが、これらが明示的に特許請求されているか否かにかかわらず、本発明の範囲から逸脱することなく明示的に想定される。
【0068】
ここで本発明の実施形態を、添付の図面を参照して単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】本発明の一実施形態による粉砕廃棄物を処理するための装置の一般化された概略図である。
【
図2】
図1に示す間接ロータリーキルン、加熱システムおよび蒸気システムの詳細な概略図である。
【
図3】
図2に示す間接ロータリーキルンの拡大図である。
【
図6】
図2に示す合成ガス除去および圧力逃がしシステムを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法のフロー図である。
【
図8】本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法のフロー図である。
【
図9】本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法のフロー図である。
【
図10】本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
ここで
図1を参照すると、本発明の一実施形態による粉砕廃棄物を処理するための装置1の概略図が示されている。使用中、(以下でより詳細に説明するように)装置1は、廃棄物原料、たとえば粒状プラスチックを合成ガスに変換する。
【0071】
図3に示すように、装置1は加熱室28を含み、これはこの実施形態において間接ロータリーキルン2内に設けられている。装置1は、廃棄物送給システム3、加熱システム4、蒸気システム5、洗浄システム6、貯蔵システム7およびさらなる処理システム8をさらに含む。加熱システム4は複数の燃焼ヒータ40を含む。複数の燃焼ヒータ40は、使用中、間接ロータリーキルン2の内容物を加熱するように配置されている。廃棄物送給システム3は、使用中、間接ロータリーキルン2内へ粉砕廃棄物を導入するように配置されている。蒸気システム5は、使用中、間接ロータリーキルン2内へ蒸気を導入するように配置されている。間接ロータリーキルン2は、供給システムSによって加熱システム4に流体接続されている。供給システムSは、この実施形態において洗浄システム6および貯蔵システム7を含む。しかしながら、いくつかの実施形態において、供給システムSは、洗浄システム6および貯蔵システム7の1つまたはそれぞれがないことがある。
【0072】
洗浄システム6は、使用中、生成された合成ガスを間接ロータリーキルン2から受け取るように配置されている。貯蔵システム7は、使用中、洗浄された合成ガスを洗浄システム6から受け取るように配置されている。貯蔵システム7は、洗浄された合成ガスの少なくとも一部をさらなる処理システム8に送るように配置されている。
【0073】
ここで
図2から
図6を参照すると、
図1に示す粉砕廃棄物を処理するための装置の部分の詳細な概略図が示されている。
【0074】
図3に示すように、間接ロータリーキルン2は入口21および出口22を含む。入口21および出口22は、この実施形態において、間接ロータリーキルン2の両端に配置されている。間接ロータリーキルン2はドラム23を含む。ドラム23は外側シェル23aを含む。外側シェル23aは断熱耐火レンガ23bの層を取り囲んでいる。断熱耐火レンガ23bは回転可能チューブ23cを取り囲んでいる。回転可能チューブ23cは両端で外側シェル23aの端部を超えて延在している。断熱耐火レンガ23bと回転可能チューブ23cとの間に加熱空間23dが画定されている。使用中、回転可能チューブ23cが回転しても、外側シェル23aおよび断熱耐火レンガ23bは静止している。回転可能チューブ23cは約1.5mの直径を有することができる。回転可能チューブ23cは約10mの加熱長さを有することができる。
【0075】
間接ロータリーキルン2は、使用のために、約1.5°の水平に対する角度で設置されている。間接ロータリーキルン2は、入口21が出口22より相対的に高くなるように配置されている。可変速駆動モータ26aが設けられ、これはこの実施形態において間接ロータリーキルン2の入口21に隣接して配置されている。機械的駆動チェーン26bも設けられている。機械的駆動チェーン26bは可変速駆動モータ26aを回転可能チューブ23cに連結する。使用中、可変速駆動モータ26aの作動により機械的駆動チェーン26bが移動し、したがって回転可能チューブ23cが回転する。ロータリーキルン2は水冷ベアリング(図示せず)上に支持されている。回転可能チューブ23cは、窒素パージスプリング付きシール(図示せず)を用いて封止されている。
【0076】
間接回転可能キルン2の出口22に隣接して排出フード22aが設けられている。排出フード22aは出口22と流体連通している。排出フード22a上に検査ハッチ22bが設けられている。
【0077】
回転可能チューブ23c内には加熱室28が画定されている。加熱室28は、第1のゾーン28a、第2のゾーン28bおよび第3のゾーン28cに分割されている。第1のゾーン28aは入口21に隣接している。第3のゾーン28cは出口22に隣接している。第2のゾーン28bは、第1のゾーン28aおよび第3のゾーン28c間に設けられている。この実施形態において、ゾーン28a、28b、28cのそれぞれは、ほぼ等しい長さおよび/または容積である。しかしながら、いくつかの実施形態において、こうである必要はなく、ゾーン28a、28b、28cの1つまたは複数は、異なる長さおよび/または容積であってもよい。
【0078】
装置1は、この実施形態において、温度センサのアレイ29を含む。アレイ29は、この実施形態において、回転可能チューブ23cの内側に配置された温度センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fを含む。回転可能チューブ23cの内側に配置された温度センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fの2つが、この実施形態において、ゾーン28a、28b、28cのそれぞれの内側に配置されている。アレイ29はまた、加熱空間23dに配置された温度センサ29g、29h、29i、29j、29k、29lを含む。
【0079】
この装置は圧力センサ29mを含む。圧力センサ29mは、加熱空間23d内の圧力を監視するように構成または配置されている。
【0080】
加熱空間23dは、3つの排気口25a、25b、25cを含み、これらは外側シェル23aを通して設けられている。排気口25a、25b、25cは、加熱空間23dと流体連通している。排気口25a、25b、25cの1つが、それぞれ、加熱室28のゾーン28a、28b、28cのそれぞれに隣接して配置されている。
【0081】
装置1は第1の窒素供給部21aをさらに含む。第1の窒素供給部21aは間接ロータリーキルン2の入口21と流体連通している。装置1は第2の窒素供給部22cをさらに含む。第2の窒素供給部22cは排出フード22aと流体連通している。第1の窒素供給部21aと回転可能チューブ23cとの間に逆止弁21bが設けられている。第2の窒素供給部22cと排出フード22aとの間に逆止弁22dが設けられている。
【0082】
送給システム3はこの実施形態において送給スクリュー(図示せず)を含む。しかしながら、いくつかの実施形態において送給システム3は、当業者によって理解されるように、間接ロータリーキルン2内へ廃棄物を送給するための任意の適切な手段を含むことができる。
図1に示すように、加熱室28内への粉砕廃棄物の量(たとえば質量流量)を監視するように流量センサ30が配置されている。
【0083】
ここで
図4を参照すると、加熱システム4は、この実施形態において、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fである複数の燃焼ヒータ40を含む。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fは、使用中、加熱空間23dを加熱するように配置されている。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fは、希薄燃焼高効率ガスバーナである。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fは、(後でより詳細に説明するように)個別に制御可能であるように構成されている。この実施形態において、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの2つが、ゾーン28a、28b、28cのそれぞれに隣接して配置されている。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fは、間接ロータリーキルン2の長さに沿って等間隔である。各ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fには、それぞれの監視装置40g、40h、40i、40j、40k、40lが設けられている。監視装置40g、40h、40i、40j、40k、40lは、この実施形態において、火炎検出器である。
【0084】
加熱システム4は天然ガス供給部41を含む。天然ガス供給部41は、天然ガスパイプライン41aを介してガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fと流体連通している。天然ガスパイプライン41aは、並列な分岐部41b、41c、41d、41e、41f、41gを有する。各分岐部41b、41c、41d、41e、41f、41gには、それぞれ、ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fが配置されている。流量センサ41hも設けられている。流量センサ41hは、天然ガスパイプライン41aを通る流れ、たとえば天然ガス供給部41と第1の分岐部41bとの間の流れを監視するように配置されている。
【0085】
加熱システム4はまた、(後でより詳細に説明するように)生成された合成ガスの貯蔵部42と流体連通する合成ガス供給パイプライン42aを含む。合成ガス供給パイプライン42aは、ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fと流体連通している。合成ガスパイプライン42aは、並列な分岐部42b、42c、42d、42e、42f、42gを有する。圧力センサ42hも設けられている。圧力センサ42hは、合成ガスパイプライン42a内の、たとえば遠位分岐部42gと合成ガスの貯蔵部42との間のガスの圧力を測定または決定するように構成されている。
【0086】
天然ガスパイプライン41aは、ガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fによって、それぞれ、各ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに流体接続されている。合成ガス供給パイプライン42aは、ガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fによって、それぞれ、各ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに流体接続されている。各ガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fは、ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fを含む。各ガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fは、温度制御弁42aa、42bb、42cc、42dd、42ee、42ffを含む。
【0087】
各ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fは、天然ガスパイプライン41aのそれぞれの分岐部41b、41c、41d、41e、41f、41gとそれぞれのガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fとの間に配置されている。各ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fは、合成ガスパイプライン42aのそれぞれの分岐部42b、42c、42d、42e、42f、42gとそれぞれのガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fとの間に配置されている。
【0088】
加熱システム4は燃焼用空気供給部43をさらに含む。燃焼用空気供給部43は、燃焼用空気パイプライン43aを介して、燃焼用空気ファン46と流体連通している。燃焼用空気ファン46は電気駆動モータ46aを含む。燃焼用空気パイプライン43aは、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fのそれぞれに、たとえば、それぞれ、分岐部43b、43c、43d、43e、43f、43gを介して流体接続されている。各ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fとそれぞれの分岐部43b、43c、43d、43e、43f、43gとの間の線上に、空気制御弁43h、43i、43j、43k、43l、43mが設けられている。燃焼用空気パイプライン43aの各分岐部43b、43c、43d、43e、43f、43gは、温度制御弁42aa、42bb、42cc、42dd、42ee、42ffとガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fとの間のそれぞれのガスパイプ45a、45b、45c、45d、45e、45fに接続されている。
【0089】
ここで
図5を参照すると、蒸気システム5には水源51が設けられている。水源51は、蒸気パイプライン51aを介して蒸気過熱器52と流体連通している。水源51から蒸気過熱器52への水の流れを測定するように流量センサ51bが配置されている。蒸気パイプライン51aには流量制御弁51cが配置されている。蒸気過熱器52は、蒸気パイプライン51aを介して回転可能チューブ23cの入口21と流体連通している。
【0090】
蒸気過熱器52は、加熱空間23dからの剰余熱によって加熱される。排気口25a、25b、25cは、過熱器52と流体連通して、これに剰余熱を提供する。剰余熱は水を加熱して、回転可能チューブ23cの入口21に過熱蒸気を提供する。
【0091】
ここで
図6を参照すると、排出フード22aは、たとえば出口パイプ61を介して合成ガスファン60と流体連通している。排出フード22aは、たとえば出口パイプ61を介して圧力制御弁62と流体連通している。圧力制御弁62は圧力逃がしシステム(図示せず)と流体連通している。合成ガスファン60は洗浄システム6と流体連通している。合成ガスファン60は可変速電気駆動モータ60aを含む。回転可能チューブ23cの内側の圧力をその出口22でおよび/またはこれに隣接して監視するように圧力センサ63が配置されている。排出フード22aの内側の圧力を監視するように圧力センサ64が配置されている。使用中、排出フード22aから合成ガスファン60へ流れるガスの温度を監視するように温度センサ65が配置されている。使用中、合成ガスファン60から洗浄システム6へ流れるガスの圧力を監視するように圧力センサ66が配置されている。
【0092】
再び
図2を参照すると、この装置は、排出フード22aから残留物を受け取るように配置された残留物除去システム9を含む。この残留物は、残留物処理システム(図示せず)でのさらなる処理に送ることができる。
【0093】
装置1は制御システム(図示せず)をさらに含む。監視装置40g、40h、40i、40j、40k、40lは、制御システムに有線接続している。逆止弁21b、22dは、制御システムと有線通信する。圧力送信機29mは制御システムと有線通信する。温度送信機29a、29b、29c、29d、29e、29f、29g、29h、29i、29j、29k、29lは、制御システムと有線通信する。可変速駆動モータ26aは制御システムと有線通信する。ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fは、制御システムと有線通信する。流量センサ41hは制御システムと有線通信する。圧力センサ42hは制御システムと有線通信する。温度制御弁42aa、42bb、42cc、42dd、42ee、42ffは、制御システムと有線通信する。電気駆動モータ46aは制御システムと有線通信する。空気制御弁43h、43i、43j、43k、43l、43mは、制御システムと有線通信する。流量センサ51bおよび流量制御弁51cは制御システムと有線通信する。可変速電気駆動モータ60aは制御システムと有線通信する。圧力制御弁62は制御システムと有線通信する。圧力センサ64は制御システムと有線通信する。圧力センサ63は制御システムと有線通信する。温度センサ65は制御システムと有線通信する。圧力センサ66は制御システムと有線通信する。流量センサ30は制御システムと有線通信する。いくつかの実施形態において、上述の構成要素の1つ、いくつかまたはそれぞれは、加えて、またはあるいは、制御システムと無線通信することができる。
【0094】
ここで
図7を参照すると、
図1から
図6に示す装置を用いて、本発明の一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法が示されている。
【0095】
第1のステップS1において、加熱室28および複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fを含む装置1が提供される。回転可能チューブ23cを回転させる。
【0096】
第2のステップS2において、粉砕廃棄物が送給システム3によって入口21を通して回転可能チューブ23c内へ、したがって加熱室28内へ送給される。いかなる理論によっても縛られることを望まないが、間接ロータリーキルン2の傾斜角により、送給材料が回転可能チューブ23cに沿って、たとえば重力送給によって、出口22に向かって移動することが促進されると考えられる。
【0097】
第3のステップS3において、蒸気が蒸気システム5によって加熱室28内へ注入される。蒸気が蒸気パイプライン51aによって入口21を通して回転チューブ23c内へ導入される。蒸気は約600℃で回転チューブ23c内へ導入される。
【0098】
温水が温水源51から蒸気過熱器52へ提供される。蒸気過熱器52への温水の流量は流量センサ51bによって監視され、測定値は制御システムに送られる。流量制御弁51cを調整することによって、制御システムは蒸気過熱器52への温水の流量を調整することができる。温水は、回転可能チューブ23cへの導入のために蒸気過熱器52内で蒸気に加熱される。
【0099】
有利には、蒸気は、合成ガスの生成のための還元雰囲気を提供する。したがって、いかなる特定の理論によっても縛られることを望まないが、加熱室28内の廃棄物は、蒸気の存在下でより容易かつ効率的に合成ガスにガス化されると考えられる。さらに、蒸気は、加熱室28の内側の廃棄物に直接熱を伝達するように作用する。有益には、ゾーン28a、28b、28cにおいて要求される温度に到達するのにガスバーナから要求される熱をしたがって比較的減少させることができる。
【0100】
第4のステップS4において、加熱室28内の粉砕廃棄物は、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fを用いて加熱される。
【0101】
廃棄物は、回転可能チューブ23cに沿って移動するとき、3つのゾーン28a、28b、28cを通過する。一実施形態において、第1のゾーン28aにおける第1の温度T1は約700℃であり、第2のゾーン28bにおける第2の温度T2は約900℃であり、第3のゾーン28cにおける第3の温度T3は約1100℃である。加熱空間23dの出口22の近くの温度は約1200℃とすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、第1の温度T1、第2の温度T2、および/または第3の温度T3は異なっていてもよい。
【0102】
第5のステップS5において、合成ガスが加熱室28内で生成される。合成ガスは、実施形態において、水素、メタンおよび一酸化炭素の混合物を含む。用いられる粉砕廃棄物に応じて、追加のガス状物質、たとえば二酸化炭素および酸素も存在する可能性がある。生成された合成ガス中の水素とメタンとの比率は、装置1のさまざまな動作要因を調整することによって調整することができる。たとえば、第2のゾーン28bおよび/または第3のゾーン28cにおいて比較的高い温度に加熱することによって、メタンに対して比較的大きな比率の水素を生成することができるということが見出されている。このような比較的高い温度は、たとえば、1000℃から1200℃の範囲とすることができる。このように最大の水素生成を達成することができる。逆に、第2のゾーン28bおよび/または第3のゾーン28cにおける比較的低い温度の結果、生成された合成ガス中の水素に対するメタンの比率が比較的高くなる可能性がある。このような比較的低い温度は、たとえば、850℃から950℃の範囲とすることができる。このような比較的低い温度の下では、回転可能チューブ23cから除去される合成ガス中に比較的多くのメタンが存在する可能性がある。これは、生成された合成ガスの少なくとも一部を、加熱室28を加熱するためにガスバーナに送るのに有利であり得る。加えて、またはあるいは、生成された合成ガスの少なくとも一部を、電気エネルギーを生成するための発電機に送ることができる。この電気エネルギーは、この装置の少なくとも一部に電力を供給するために用いることができ、かつ/または電力網に送って、および/または他の機械に電力を供給することができる。
【0103】
加熱室28内の廃棄物の加熱は、加熱室28における合成ガス(これは可燃性ガスを含む)の生成、たとえば第5のステップS5につながる。
【0104】
生成された合成ガスは、約10秒のキルン2内での滞留時間を有することができる。生成された合成ガスの滞留時間は、合成ガスファン60によって生成される吸引を増加または減少させることによって変更することができる。合成ガスファン60への電力を増加させることは、回転可能チューブ23cからの合成ガスの流れを相対的に増加させるように作用することができる。
【0105】
第6のステップS6において、生成された合成ガスの少なくとも一部が、加熱室28から複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給される。いくつかの実施形態において、複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fによって用いられる燃料は、生成された合成ガスによってほとんどまたは全部を提供することができる。実施形態において、生成された合成ガス(またはその少なくとも一部)は、複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給される前に処理することができる。たとえば、生成された合成ガスの1つまたは複数の成分(たとえば水素)を、複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給する前に除去することができる。
【0106】
粉砕廃棄物が回転可能チューブ23cに入ってから、関連する残留物が残留物除去システム9によって除去されるまでの時間は、10分から20分の範囲である。
【0107】
生成された合成ガスは出口22を通って回転可能チューブ23cを出る。合成ガスは、合成ガスファン60の作用によって回転可能チューブ23cから引き出される。合成ガスは次いで排出フード22aに入る。合成ガスは次いで排出フード22aから洗浄システム6へ引き込まれる。加えて、内部分配器(図示せず)が、加熱ゾーン28を通して排出フード22aへ固体残留物を輸送するのを支援する。これらの固体残留物は次いで除去され、残留物除去システム9で処理される。加えて、有利には、内部分配器はまた、加熱ゾーン28内のガスおよび蒸気に乱流を導入する。いかなる理論によっても縛られることを望まないが、この乱流により、たとえばガス化された廃棄物と蒸気との混合を強化することを通して、合成ガス生成の効率が高まると考えられる。生成された合成ガスは洗浄システム6において洗浄される。洗浄された合成ガスは次いで貯蔵システム7に送られる。合成ガスの少なくとも一部が次いで貯蔵システム7からガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに送られる。
【0108】
有利には、上述の方法および装置1は先行技術のシステムより相対的に効率的なシステムを提供する。たとえば、装置1によって生成された合成ガスを、複数のガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40f用の燃料源として利用することによって、外部燃料の量が相対的に減少する。加熱室28を加熱するコストは、したがって、先行技術の装置および方法に対して相対的に低減することができる。
【0109】
当業者によって理解されるように、上述のさまざまなステップは同時に行うことができる。たとえば、以前に送給された廃棄物がガスバーナによって加熱されているのと同時に、間接キルン2内へ廃棄物を送給することができる。
【0110】
回転可能チューブ23c内の圧力は圧力センサ63によって監視される。出口パイプ61内の温度は温度センサ65によって監視される。制御システムは、監視された圧力および温度を受け取る。監視された圧力が事前定義された閾値より大きければ、制御システムは、圧力制御弁62を作動させて合成ガスが回転可能チューブ23cから逃げることを可能にするように構成されている。たとえば、回転可能チューブ23cにおける閉塞のような事故によって圧力上昇が引き起こされる可能性がある。監視された圧力が事前定義された閾値より小さければ、制御システムはファン60の吸引を増加させる。回転可能チューブ23c内の圧力は、約1バール、たとえば大気圧に設定することができる。
【0111】
残留物除去システム9は、適切に処理されるように排出フード22aから固形残留物を除去する。
【0112】
制御システムは、逆止弁21bを開くことによって、第1の窒素供給部21aから回転可能チューブ23cの入口へ窒素パージを周期的に提供することができる。制御システムはまた、逆止弁22dを開くことによって第2の窒素供給部22cから排出フード22aへ窒素パージを提供することができる。
【0113】
ここで
図8を参照すると、本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法が示されている。
【0114】
第1のステップS11において、加熱室28内の粉砕廃棄物が、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fを用いて加熱される。
【0115】
第2のステップS12において、加熱室28内の温度が、温度センサ29a、29b、29c、29d、29e、29f、29g、29h、29i、29j、29k、29lによって測定される。測定された温度は制御システムに送られる。加熱空間23dの内側の温度は、温度センサ29g、29h、29i、29j、29k、29lによって測定される。この測定された温度は制御システムに送られる。理解されるように、加熱室28のゾーン28a、28b、28cのそれぞれにおける温度は、個別に測定または決定することができる。加えて、またはあるいは、ゾーン28a、28b、28cのそれぞれに隣接する加熱空間内の温度も、個別に測定または決定することができる。
【0116】
加えて、監視装置40g、40h、40i、40j、40k、40lが、それぞれ、各ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fでの火炎の有無を記録する。圧力センサ42hは供給パイプライン42a内の合成ガスの圧力を測定する。流量センサ41hは、天然ガスパイプライン41aを通る天然ガスの流量を測定する。
【0117】
第3のステップS13において、制御システムは、加熱室28内の監視または決定された温度を所定の温度範囲と比較する。特に、加熱室28の第1のゾーン28aにおける監視または決定された温度は、第1のゾーン28aについての所定の温度範囲と比較される。加熱室28の第2のゾーン28bにおける監視または決定された温度は、第2のゾーン28bについての所定の温度範囲と比較される。加熱室28の第3のゾーン28cにおける監視または決定された温度は、第3のゾーン28cについての所定の温度範囲と比較される。
【0118】
加えて、制御システムは、監視装置40g、40h、40i、40j、40k、40l、圧力センサ42hおよび流量センサ42hから受け取ったデータを用いて、加熱システム4の動作を監視する。
【0119】
第4のステップS14において、加熱室内の測定または決定された温度が所定の温度範囲の外側にあれば、制御システムは、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの1つまたは複数によって加熱室28に加えられる熱の量を調整する。たとえば、加熱室28の第1のゾーン28aにおける測定または決定された温度が所定の温度範囲より低ければ、制御システムは、ガスバーナ40aおよび40bの1つまたはそれぞれを調整して、これらが第1のゾーン28aへ加える熱の量を増加させる。
【0120】
第1のゾーン28aにおける所定の温度範囲は、650℃と750℃との間、たとえば660℃、670℃、680℃または690℃と710℃、720℃、730℃または740℃との間とすることができる。第2のゾーン28bにおける所定の温度範囲は、850℃と950℃との間、たとえば860℃、870℃、880℃または890℃と910℃、920℃、930℃または940℃との間とすることができる。第3のゾーン28cにおける所定の温度範囲は、約1050℃と1150℃との間、たとえば約1060℃、1070℃、1080℃または1090℃と1110℃、1120℃、1130℃または1140℃との間とすることができる。所定の温度範囲は、廃棄物(たとえば加熱室28内へ送給される廃棄物)の組成に応じて変更または設定することができる。
【0121】
加熱室28のゾーン28a、28b、28cのそれぞれにおける温度は、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fのそれぞれによって加えられる熱を制御することによって制御される。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fのそれぞれによって加えられる熱は、制御システムによって独立して制御される。たとえば、制御システムは、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの1つ、いくつかまたはそれぞれに供給される空気の質量流量を増加または減少させることができる。制御システムはまた、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの1つ、いくつかまたはそれぞれへの燃料の質量流量を増加または減少させることができる。燃料は天然ガスと合成ガスとの混合物を含むことができる。加えて、またはあるいは、制御システムは、燃料中の合成ガスに対する天然ガスの混合物の比率を変更することができる。各ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fは、それぞれのガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給される天然ガスの量を変更する、またはいかなる天然ガスもそれぞれのガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給されるのを防止することができる。各ガス制御弁44a、44b、44c、44d、44e、44fは、それぞれのガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給される合成ガスの量を変更する、またはいかなる合成ガスもそれぞれのガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給されるのを防止することができる。実施形態において、合成ガスのみを、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの1つ、いくつかまたはそれぞれに供給することができる。実施形態において、天然ガスのみを、ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fの1つ、いくつかまたはそれぞれに供給することができる。たとえば、利用可能な合成ガスが不十分であるとき、天然ガスのみをガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fに供給することができる。このような状況は、装置1の初期起動および運転中に起こる可能性がある。
【0122】
3つの温度ゾーン28a~28cにおける温度は加えて、制御システムが回転可能チューブ23cの回転速度を変更することによって制御することができる。制御システムは、可変速駆動モータ26を制御して回転チューブ23cを所望の回転速度で回転させるように構成されている。
【0123】
燃焼用空気ファン46は、一定速度または可変速度で(たとえば、制御システムによって)動作可能である。電気駆動モータ46aは制御システムによって制御することができる。ガスバーナ40a、40b、40c、40d、40e、40fへの燃焼用空気の流量は、燃焼用空気制御弁43h、43i、43j、43k、43l、43mによって決定されるので、燃焼用空気ファン46での電気駆動モータ46aの可変制御は、加熱システム4の動作効率を改善するためにのみ提供される。
【0124】
ここで
図9を参照すると、本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法が示されている。
【0125】
第1の、任意選択のステップS21において、粉砕廃棄物の質量流量に対する蒸気の質量流量の比率が計算される。実施形態においてこれは、制御システムによって、またはこれを用いて計算することができる。この比率は、加熱室28で生成される合成ガスの成分の目標量を提供するように計算される。実施形態において、この比率は、メタンまたは水素の目標量を提供するように計算される。この比率は、過去の動作データに基づいて計算することができる。この比率は、理論的分析、および独自のプロセスシミュレーションソフトウェアを介したモデリングに基づくことができる。この比率は、過去の動作データと理論的分析との組み合わせに基づいて計算することができる。この比率は、間接ロータリーキルン2の具体的な形状および動作条件、ならびに粉砕廃棄物の種類および粒度に基づいて計算される。
【0126】
第2のステップS22において、
図7に関して説明した方法のステップS2に関して説明したものと同様の方法で、粉砕廃棄物が加熱室28内へ送給される。第3のステップS23において、蒸気が加熱室28へ導入される。
【0127】
第2のステップS22において、蒸気は粉砕廃棄物と接触し、これは、この実施形態において、混合を含む。
図7に関して説明した方法のステップS2に関して説明したものと同様の方法で、粉砕廃棄物が加熱室28内へ送給される。蒸気が加熱室28へ導入される。この実施形態において、蒸気と粉砕廃棄物との混合は加熱室28の内側で起こる。しかしながら、いくつかの実施形態において、混合(および、実際は接触)は、加熱室28の少なくとも部分的に外部で起こり得る。
【0128】
第3のステップS23において、蒸気および粉砕廃棄物は加熱室28の内側で加熱されて合成ガスを生成する。この生成された合成ガスは次いで加熱室28を出て、上述のように、さらなる処理のために洗浄システム6に入る。
【0129】
第4のステップS24において、加熱室28のゾーン28a、28b、28cにおける1つまたは複数の所与の温度で、生成された合成ガスがその成分(たとえばメタンまたは水素)の目標量を含むように、粉砕廃棄物の質量流量に対する蒸気の質量流量の比率が調整される。
【0130】
加熱室28内へ送給される粉砕廃棄物の質量流量が測定または決定される。実施形態において、これは、送給スクリューによって加熱室28内へ送給される粉砕廃棄物の質量を監視することによって達成される。これは、送給スクリューの角速度を測定または決定することによって達成することができる。実施形態において、送給スクリューの角速度は、(たとえば送給スクリューの回転を駆動するモータの角速度を測るまたは知ることを介して)直接測定することができ、かつ/または(たとえばエンコーダを用いて)間接的に測定することができる。
【0131】
加熱室28内への蒸気の質量流量は、この実施形態において、流量センサ51bを介して水の流れを監視することによって測定または決定される。しかしながら、いくつかの実施形態において、加熱室28内への蒸気の質量流量を監視するための任意の適切な手段を用いることができる。
【0132】
加熱室28内への粉砕廃棄物の送給速度を次いで、送給スクリューの角速度を調整することによって制御することができる。加えて、またはあるいは、加熱室28内への蒸気の質量流量は、流量制御弁51cを(たとえば自動または手動で)調整することによって制御することができる。このように、加熱室28内への粉砕廃棄物の質量流量は、粉砕廃棄物の質量流量に対する蒸気の質量流量の計算された比率に到達するように調整することができる。このように、生成された合成ガスの成分(たとえば水素またはメタン)の目標量が達成される。
【0133】
当業者によって理解されるように、第1の、任意選択のステップS21は、(たとえば少なくとも部分的に)この方法の他のステップのいずれかの前またはこれと同時にいつでも実行することができる。ステップS22、S23、S24およびS25は、実施形態において、粉砕廃棄物の処理中、連続的(または実質的に連続的)とすることができる。第1の、任意選択のステップS21は、粉砕廃棄物の処理中、1回または複数回実行することができる。たとえば、生成される合成ガスの成分の異なる目標量を設定することができる。加えて、またはあるいは、生成される合成ガスの異なる成分を設定することができる。加えて、またはあるいは、加熱室の1つまたは複数の動作特性(たとえばその中の1つまたは複数の温度および/またはその回転速度)を変更することができ、かつ/または粉砕廃棄物の組成および/または種類(たとえば異なるプラスチック材料またはプラスチック材料の混合物、および/または廃棄物の粉砕粒子の異なる大きさまたは大きさの範囲)を用いることができる。新たな計算が実行される場合、上で特定された特性および/または目標成分量のいずれか1つまたは複数に基づくことができる。実施形態において、任意選択のステップS21は、他のステップの1つまたは複数がすでに始まってから実行することができる。実施形態において、第6のステップS26は、たとえば、任意選択のステップS21に続けて実行することができ、任意選択のステップS21からの結果に基づくことができる。
【0134】
(実施例)
生成される合成ガスの成分の目標量を提供するために必要な粉砕廃棄物の質量流量に対する蒸気の質量流量の比率の計算を提供する(たとえば任意選択の第1のステップS21)ために独自のプロセスモデリングソフトウェアを用いる理論的分析を行った。
【0135】
一例において、粉砕廃棄物はポリプロピレンであり、加熱室28内の動作温度は1150℃に設定した。目標成分はメタンに設定し、その目標量は生成される合成ガスの35%v/vに設定した。
【0136】
理論的分析を用いて、粉砕廃棄物の質量流量に対する蒸気の質量流量の比率は0.6であると決定した。
【0137】
驚くべきことに、粉砕廃棄物に対する蒸気の比率を0と0.6との間の比率で増加させることによって、生成される水素の量(生成された合成ガスのパーセンテージv/vで)が減少するという結果が見出された。しかしながら、粉砕廃棄物に対する蒸気の比率を0.6と1との間の比率で増加させると、生成される水素の量(生成された合成ガスのパーセンテージv/vで)が増加するという結果になる。
【0138】
ここで
図10を参照すると、本発明のさらなる一実施形態による粉砕廃棄物を処理する方法が示されている。
【0139】
図10に示す方法の最初の3つのステップS31、S32、S33は、それぞれ、
図9に示す方法の最初の3つのステップS21、S22、S23と同様である。
【0140】
図10に示す方法は、生成される合成ガスに含まれる成分の量を制御するためのフィードバックループ(たとえば閉ループ)を含む第4のステップS34を含む。
【0141】
第4のステップS34は、生成された合成ガスにおける成分の量を測定する第1の段階S35を含む。この測定は、キルン2の外側または内側で行うことができ、かつ/またはガス分析手段またはシステム(図示せず)の使用を通して達成することができる。ガス分析手段またはシステムは、ガスクロマトグラフを含むことができ、かつ/またはガスクロマトグラフィおよび/または当業者に知られているような任意の他の適切な技術を用いることができる。実施形態において、(たとえば追加で)生成された合成ガスの1つまたは複数の他の成分を測定することができる。
【0142】
第2の段階S36において、生成される合成ガスの成分の目標量と成分の測定された量との間の差をコントローラが決定または計算する。差があれば、コントローラは、送給スクリューの角速度に対する変更および/または流量制御弁51cに対する変更を計算して、成分の目標量を生成するため、それぞれ、粉砕廃棄物の送給速度および加熱室28内への蒸気の質量流量を調整する。この計算は、少なくとも部分的に自動化することができ、またはオペレータによって実行することができる。
【0143】
第3の段階S37a、S37bにおいて、流量制御弁51cに対する調整を行って、加熱室に入る蒸気の質量流量を増加または減少させ、かつ/または送給スクリューの角速度に対する調整を行って、加熱室内への粉砕廃棄物の送給速度を増加または減少させる。調整は、第2の段階S36で実行された計算に応じて行われる。一実施形態において、蒸気の質量流量のみが調整される。他の一実施形態において、粉砕廃棄物の送給速度のみが調整される。
【0144】
第4のステップS34の上述のフィードバックループは、成分の目標量が生成されるように、生成される合成ガスの監視および制御を提供する。有利には、これにより、動作中、生成される合成ガスの成分の目標量を維持することが可能になる。さらに有利には、これにより、この方法の動作中、目標量および/または成分を変更することが可能になる。このように、最終用途の要件に対する変更をより迅速かつ容易に満たすことができる。
【0145】
本発明の範囲から逸脱することなく前述の実施形態に対するいくつかの変形が想定されるということが当業者によって理解されるであろう。たとえば、1つの方法の1つまたは複数のステップまたは段階を、加えて、またはあるいは、他の方法のいずれかで用いることができる。さらに、制御システムは、(たとえば少なくとも部分的に)自動化することも、または(たとえば少なくとも部分的に)手動で監視および/または制御することもできる。制御システムは、遠隔に、または装置1に、またはこれに隣接して配置することができる。加えて、またはあるいは、天然ガス源41が記載されているが、これは代わりに、石油または石炭などのような別の可燃性燃料であってもよい。加えて、またはあるいは、6つのガスバーナが示されているが、代わりに、たとえば6つより多いまたは少ない任意の適切な数があり得る。加えて、またはあるいは、単一の間接ロータリーキルンが示されているが、代わりに複数の間接ロータリーキルンがあってもよい。1より多くの間接ロータリーキルンが設けられる場合、各間接ロータリーキルンについて加熱システム、蒸気システム、供給システムなどがあってもよい。あるいは、1より多くの間接ロータリーキルンが設けられる場合、加熱システム、蒸気システム、供給システムなどを、2つ以上の間接ロータリーキルン間で共有することができる。
【0146】
加えて、またはあるいは、上述の方法のいずれかは、生成された合成ガスおよび/またはその任意の成分を洗浄するステップを含むことができる。加えて、またはあるいは、上述の方法のいずれかは、生成された(および/または洗浄された)合成ガスおよび/またはその任意の成分をガスグリッドに、またはこれのために準備または送達するステップを含むことができる。加えて、またはあるいは、上述の方法のいずれかは、生成された合成ガスおよび/またはその任意の成分をさらに処理して、たとえば特定の成分または化合物(たとえばメタノールまたは一酸化炭素など)を生成するステップを含むことができる。
【0147】
加えて、またはあるいは、装置1は間接回転可能キルン2を含むと説明されているが、こうである必要はなく、代わりに、キルンは直接キルン、たとえば直接回転可能キルンであってもよい。
【0148】
加えて、またはあるいは、粉砕廃棄物と蒸気とは混合されると説明されているが、この混合は、粉砕廃棄物の蒸気と接触する導入にのみ起因し得る。あるいは、混合は、粉砕廃棄物と蒸気との混合を補助または強化するように構成された混合手段またはミキサの使用を含むことができる。設けられた場合、混合手段またはミキサは、キルン2の内側、たとえば加熱室28の内側に設けることができる。あるいは、混合手段またはミキサは、キルン2の少なくとも部分的に外側に(たとえば加熱室28の少なくとも部分的に外側に)設けることができる。
【0149】
前述の特徴および/または添付の図面に示すものの任意の数の組み合わせは、先行技術に対して明らかな利点を提供し、したがって本明細書に記載の本発明の範囲内にあることも、当業者によって理解されよう。
【符号の説明】
【0150】
1 装置
2 キルン
3 供給システム
4 加熱システム
5 蒸気システム
6 洗浄システム
7 貯蔵システム
8 さらなる処理システム
9 残留物除去システム
21 入口
21a 第1の窒素供給部
21b 逆止弁
22 出口
22a 排出フード
22b 検査ハッチ
22c 第2の窒素供給部
22d 逆止弁
23 ドラム
23a 外側シェル
23b 断熱耐火レンガ
23c 回転可能チューブ
23d 加熱空間
25a~25c 排気口
26a 可変速駆動モータ
26b 機械的駆動チェーン
28 加熱室
28a 第1のゾーン
28b 第2のゾーン
28c 第3のゾーン
29a~29l 温度センサ
29m 圧力センサ
30 流量センサ
40 燃焼ヒータ
40a~40f ガスバーナ
40g~40l 監視装置
41 天然ガス供給部
41a 天然ガスパイプライン
41b~41g 分岐部
41h 流量センサ
42 貯蔵部
42a 合成ガス供給パイプライン
42b~42g 分岐部
42h 圧力センサ
42aa~42ff 温度制御弁
43 燃焼用空気供給部
43a 燃焼用空気パイプライン
43b~43g 分岐部
43h~43m 空気制御弁
44a~44f ガス制御弁
45a~45f ガスパイプ
46 燃焼用空気ファン
46a 電気駆動モータ
51 水源
51a 蒸気パイプライン
51b 流量センサ
51c 流量制御弁
52 蒸気過熱器
60 合成ガスファン
60a 可変速電気駆動モータ
61 出口パイプ
62 圧力制御弁
63 圧力センサ
64 圧力センサ
65 温度センサ
66 圧力センサ
【手続補正書】
【提出日】2021-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕廃棄物を処理する方法であって、
a)1つまたは複数の加熱手段を用いて
回転可能加熱室
の第1のゾーン、第2のゾーンおよび第3のゾーン内の粉砕廃棄物を加熱して可燃性ガスを生成するステップと、
b)前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーン内の温度を測定または決定するステップと、
c)前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーン内の前記測定または決定された温度を
、前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンのそれぞれについての所定の温度範囲と比較するステップと、
d)前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンのそれぞれ内の前記温度を
、前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンのそれぞれについての前記所定の温度範囲内に維持するために、前記1つまたは複数の加熱手段によって前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンに加えられる熱の量を調整するステップ
であって、前記第1のゾーンは第1の温度T1を有し、前記第2のゾーンは第2の温度T2を有し、前記第3のゾーンは第3の温度T3を有し、前記第2の温度T2および前記第3の温度T3は前記第1の温度T1より高い、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の加熱手段は、1つまたは複数の燃焼加熱手段を含む、請求項1に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される空気の質量流量を減少または増加させるステップを含む、請求項2に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料の質量流量を減少または増加させるステップを含む、請求項2または3に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段によって加えられる熱の量を調整するステップは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料混合物の2つ以上の成分の比率を変更するステップを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項6】
ステップc)は、前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーンの外側に配置された1つまたは複数の温度センサを用いて前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーン内の前記温度を測定または決定するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項7】
ステップc)は、前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーンの内側に配置された1つまたは複数の温度センサを用いて前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーン内の前記温度を測定または決定するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項8】
前記
回転可能加熱室内へ粉砕廃棄物を送給するステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項9】
前記
回転可能加熱室内へ蒸気を導入するステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項10】
前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンを加熱するため、前記生成された可燃性ガスの少なくとも一部を前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給するステップe)を含む、請求項2から5のいずれか一項または請求項2に従属しているときの請求項6から9のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項11】
前記方法は、前記
回転可能加熱室を回転させるステップf)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の粉砕廃棄物を処理する方法。
【請求項12】
粉砕廃棄物を処理するための装置であって、粉砕廃棄物から可燃性ガスを生成するための
回転可能加熱室であって、粉砕廃棄物の前記
回転可能加熱室内への導入のための入口と、生成された可燃性ガスの前記
回転可能加熱室からの排出のための出口と、を含む、
回転可能加熱室と、使用中、前記
回転可能加熱室
の第1のゾーン、第2のゾーンおよび第3のゾーンの内容物を加熱するように構成されたまたは構成可能な1つまたは複数の加熱手段と、前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーン内の温度を測定または決定するように配置されたまたは配置可能な温度感知手段と、前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンの測定された温度を所定の温度範囲と比較し、前記1つまたは複数の加熱手段によって加えられる熱の量を調整して、前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーン内の前記温度を
、前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンのそれぞれについての前記所定の温度範囲内に維持するように構成されたまたは構成可能なコントローラ
であって、前記第1のゾーンは第1の温度T1を有し、前記第2のゾーンは第2の温度T2を有し、前記第3のゾーンは第3の温度T3を有し、前記第2の温度T2および前記第3の温度T3は前記第1の温度T1より高い、コントローラと、を含む、装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数の加熱手段は、1つまたは複数の燃焼加熱手段を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に空気を供給するように配置されたまたは配置可能な空気の供給部を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される空気の質量流量を減少または増加させるように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に燃料を供給するように配置されたまたは配置可能な燃料の供給部を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される燃料の質量流量を減少または増加させるように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記燃料の供給部は、第1の燃料の第1の供給部および第2の燃料の第2の供給部を含む、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給される前記第1の燃料および前記第2の燃料の比率を変更するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記温度感知手段は1つまたは複数の温度センサを含む、請求項12から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数が前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーンの外側に配置されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記1つまたは複数の温度センサの1つまたは複数が前記
回転可能加熱室の
前記第1のゾーン/前記第2のゾーンおよび/または前記第3のゾーンの内側に配置されている、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
使用中、前記
回転可能加熱室
の前記第1のゾーン、前記第2のゾーンおよび前記第3のゾーンで生成された可燃性ガスの少なくとも一部を前記1つまたは複数の燃焼加熱手段に供給するように構成されたまたは構成可能な供給システムを含む、請求項13か
ら請求項13に従属しているときの請求項22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記
回転可能加熱室内へ蒸気を導入するように構成されたまたは構成可能な蒸気送達手段を含む、請求項12から
23のいずれか一項に記載の装置。
【国際調査報告】