(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(54)【発明の名称】心臓弁又は血管の石灰化を治療するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507707
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 CN2020088393
(87)【国際公開番号】W WO2021022849
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】201910720924.1
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522049093
【氏名又は名称】沛嘉医療科技(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】陳劍鋒
(72)【発明者】
【氏名】張一
(72)【発明者】
【氏名】パン,コンロン カール
(72)【発明者】
【氏名】郭克
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE08
4C160EE12
4C160MM36
(57)【要約】
本発明は、心臓弁又は血管の石灰化を治療するための衝撃波装置を提供する。ガイドヘッド端と、少なくとも二つが前記ガイドヘッド端に接続される複数のバルーンとを有し、前記複数のバルーンのうちの少なくとも一つのバルーンは、少なくとも一つのバルーン本体と、衝撃波を伝導するための液体を前記バルーンに注入することにより、前記バルーンを膨張させる少なくとも一つの貫通孔と、電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させるために少なくとも一つの電極ケーブル及び少なくとも一つの電極プローブを含む少なくとも一つの衝撃波ランチャーとを備える心臓弁又は血管の石灰化を治療するための衝撃波装置。本発明の衝撃波装置は、操作が簡単で、衝撃波の伝導過程での減衰を効果的に低減することができる。本発明は、動物の心臓弁又は血管の石灰化を治療するための方法をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドヘッド端と、その中少なくとも二つが前記ガイドヘッド端に接続される複数のバルーンとを有し、
前記複数のバルーンのうち、少なくとも一つのバルーンは、
少なくとも一つのバルーン本体と、
衝撃波を伝導するための液体を前記バルーンに注入することにより、前記バルーンを膨張させる少なくとも一つの貫通孔と、
電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させるために少なくとも一つの電極ケーブル及び少なくとも一つの電極プローブを含む少なくとも一つの衝撃波ランチャーと
を備えることを特徴とする心臓弁又は血管の石灰化を治療するための衝撃波装置。
【請求項2】
前記ガイドヘッド端が前記衝撃波装置における遠位端に設けられ、前記複数のバルーンの遠位端がいずれも前記ガイドヘッド端に接続される、請求項1に記載の衝撃波装置。
【請求項3】
少なくとも一つの拡張部材をさらに備え、
前記拡張部材は、少なくとも一つの本体及び少なくとも一つの貫通孔を含み、前記貫通孔により流体を前記拡張部材に注入することにより前記拡張部材を膨張させ、
前記複数のバルーンは、前記拡張部材を囲繞してその外周に分布されている、請求項1又は2に記載の衝撃波装置。
【請求項4】
前記拡張部材は、直径が6-12mmである、請求項3に記載の衝撃波装置。
【請求項5】
前記バルーンの少なくとも一つのバルーン本体の内部に設置され、前記少なくとも一つのバルーン本体の長手方向の全体に延伸する少なくとも一つの芯線をさらに備え、
前記衝撃波ランチャーの前記電極プローブは、前記芯線に固定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の衝撃波装置。
【請求項6】
前記電極プローブは、導電体で構成された内部電極及び外部電極を含み、
前記内部電極及び前記外部電極は、同軸で設置され互いに絶縁される、請求項1~5のいずれか一項に記載の衝撃波装置。
【請求項7】
前記内電極と前記外部電極は、前記芯線と同軸になるように前記芯線の外周に設置される、請求項6に記載の衝撃波装置。
【請求項8】
前記電極プローブ、前記バルーンの端部及び前記芯線の少なくとも一つに設置される現像部材を含む少なくとも一つの現像装置をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の衝撃波装置。
【請求項9】
前記芯線の毎に、前記現像部材が設置されており、
異なる前記芯線に設置されている現像部材はそれぞれ、異なる位置、形状、長さ又は数を有する、請求項8に記載の衝撃波装置。
【請求項10】
複数の導線をさらに備え、
前記複数の導線の毎に、前記衝撃波ランチャーに電圧/電流パルスを輸送するために一つ以上の前記電極ケーブルにそれぞれ接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載の衝撃波装置。
【請求項11】
前記貫通孔に接続されることにより前記液体を前記伝導システム及び前記バルーン内で流通させる伝導システムをさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の衝撃波装置。
【請求項12】
前記伝導システムの内部に位置する複数の通路をさらに備え、
前記複数の通路の毎に、一つ以上の前記バルーンの前記貫通孔とそれぞれ連通される、請求項11に記載の衝撃波装置。
【請求項13】
前記複数の通路のうち、少なくとも一つの通路が、前記拡張部材の貫通孔と連通される、請求項11に記載の衝撃波装置。
【請求項14】
前記バルーンに向かって開く傘状の構造を有する保護傘をさらに備える、請求項1~13に記載の衝撃波装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の衝撃波装置を治療対象の目標領域に搬送すること、
前記衝撃波装置の前記複数のバルーンを膨張させることにより、前記複数のバルーンの前記バルーン本体を石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着することと、
前記衝撃波ランチャーに衝撃波を発生させることにより、前記石灰化病変の心臓弁又は血管を治療することと、
を備えることを特徴とする心臓弁又は血管の石灰化を治療するための方法。
【請求項16】
前記衝撃波装置の前記少なくとも一つの拡張部材を膨張させることにより、前記バルーンの前記バルーン本体を前記石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記衝撃波装置の前記複数のバルーンの前記衝撃波ランチャーに少なくとも二種類の異なる強度の衝撃波を発生させる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記衝撃波装置の前記複数のバルーンの前記衝撃波ランチャーは、順次でトリガされることにより衝撃波を発生させる、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つの前記衝撃波ランチャーに、手術中に異なる強度の衝撃波を発生させる、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記衝撃波装置の前記複数のバルーン及び/又は前記少なくとも一つの拡張部材は、少なくとも二種類の異なる膨張度を有する、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも一つの前記バルーンは、手術中に少なくとも二種類の異なる膨張度を有する、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一つの前記拡張部材は、手術中に少なくとも二種類の異なる膨張度を有する、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記現像部材の前記芯線における前記位置、前記形状、前記長さ及び前記数量の少なくとも一種に基づいて特定のバルーンを選択して、選択されたバルーンが特定の膨張度を有する又は選択されたバルーン内の前記衝撃波ランチャーが特定の強度の衝撃波を発生させるように制御する、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記動物が人である、請求項15~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術分野に関し、具体的には、心臓弁又は血管の石灰化を治療する装置、及び動物の心臓弁又は血管の石灰化を治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓弁の石灰化は、心臓弁の狭窄及び返流等の主な病理表現であり、一般的には、高齢者群に発生する;血管の石灰化は、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病血管病変、血管損傷、慢性腎症及び老化等において一般的に存在する共通の病理表現である。
【0003】
現在、簡単な操作及びバルーン事前拡張の利点を有するため、衝撃波バルーン技術は、心臓弁又は血管の石灰化を治療するために用いられる。
図1に示すように、従来の技術で、心臓弁の石灰化を治療する衝撃波装置900は、衝撃波ランチャー920及びバルーン910を含む。衝撃波ランチャー920は、電極ケーブル、及び電極プローブ922を含み、電極ケーブルは、電圧/電流パルスを受信して伝導し、電極プローブ922を電極ケーブルに電気的に接続することによって、電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させる。バルーン910は、衝撃波ランチャー920の外部を包み、かつ、伸縮可能、折り畳み可能及び絶縁性を有するものである。バルーン910は、バルーン910の内部に液体が満たされるために液体が流入される貫通孔をさらに有する。バルーン910の内部に液体が満たされた後、バルーン910を膨張させることにより、バルーン910の外表面の少なくとも一部が石灰化病変の心臓弁又は血管(以下、「石灰化病変部」又は「石灰化病変の心臓弁又は血管」と略称する場合がある)と接触することができる。電極プローブ922により発生された衝撃波は、バルーン910の内部の液体を介して径方向にバルーン910の表面に伝導され、さらにバルーンの表面を介して石灰化病変部に伝導される。衝撃波が石灰化病変に伝導された時、衝撃波の圧縮応力により、石灰化病変部の石灰化組織が破壊される。適切な強度の衝撃波は、石灰化組織を破壊しつつ石灰化組織の周囲の軟組織に余計な負担を与えないようにすることができる。
【0004】
ところが、衝撃波の強度は、電極プローブ922の径方向から伝導する過程において、伝導距離の増加に伴って急速に減衰された。特に、僧帽弁又は三尖弁などの大内径の組織において、衝撃波は、バルーン910の中心に位置する電極プローブ922から、心臓弁の石灰化病変部に接触するバルーン910の外表面に伝導された時、大幅に減衰されており、理想的な治療効果を得ることが困難である。
【0005】
図2は、従来技術の別の衝撃波装置800を示す。
図2に示すように、衝撃波装置800は、複数のバルーン810を含み、各バルーン810の内に、共に衝撃波ランチャーが設置されている。手術の過程において、複数のバルーン810は、特定の角度で半径方向に互いに離れる(分散する)ことにより、複数のバルーン810はそれぞれ、複数の弁の凹部に接触することができる。しかしながら、
図2に示す衝撃波装置800は、手術中の操作が煩雑であり、特に各バルーン810を各石灰化病変部に正確に位置決めすることが困難である。したがって、操作者のスキルレベルに対して高い要求を有し、手術時間が長すぎることをもたらすので、治療対象への負担を増加させ、さらに手術の成功率を低下させる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、操作しやすく、かつ衝撃波の減衰を効果的に低減し、心臓弁又は血管の石灰化に対して満足な治療効果を実現することが可能な心臓弁又は血管の石灰化を治療する衝撃波装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明の実施例の一態様は、ガイドヘッド端と、その中少なくとも二つが前記ガイドヘッド端に接続される複数のバルーンとを有し、
前記複数のバルーンのうち、少なくとも一つのバルーンは、
少なくとも一つのバルーン本体と、
衝撃波を伝導するための液体を前記バルーンに注入することにより、前記バルーンを膨張させる少なくとも一つの貫通孔と、
電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させるために少なくとも一つの電極ケーブル及び少なくとも一つの電極プローブを含む少なくとも一つの衝撃波ランチャーと、
を備えることを特徴とする心臓弁又は血管の石灰化を治療するための衝撃波装置を提供する。
【0008】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記ガイドヘッド端が前記衝撃波装置における遠位端に設けられ、前記複数のバルーンの遠位端がいずれも前記ガイドヘッド端に接続される。
【0009】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、少なくとも一つの拡張部材をさらに備え、
前記拡張部材は、少なくとも一つの本体及び少なくとも一つの貫通孔を含み、前記貫通孔により流体を前記拡張部材に注入することにより前記拡張部材を膨張させ、
前記複数のバルーンは、前記拡張部材を囲繞してその外周に分布されている。
【0010】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記拡張部材は、直径が6-12mmである。
【0011】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記バルーンの少なくとも一つのバルーン本体の内部に設置され、前記少なくとも一つのバルーン本体の長手方向の全体に延伸する少なくとも一つの芯線をさらに備え、
前記衝撃波ランチャーの前記電極プローブは、前記芯線に固定される。
【0012】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記電極プローブは、導電体で構成された内部電極及び外部電極を含み、
前記内部電極及び前記外部電極は、同軸で設置され互いに絶縁される。
【0013】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記内電極と前記外部電極は、前記芯線と同軸になるように前記芯線の外周に設置される。
【0014】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記電極プローブ、前記バルーンの端部及び前記芯線の少なくとも一つに設置される現像部材を含む少なくとも一つの現像装置をさらに備える。
【0015】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記芯線の毎に、前記現像部材が設置されており、
異なる前記芯線に設置されている現像部材はそれぞれ、異なる位置、形状、長さ又は数を有する。
【0016】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、複数の導線をさらに備え、
前記複数の導線の毎に、前記衝撃波ランチャーに電圧/電流パルスを輸送するために一つ以上の前記電極ケーブルにそれぞれ接続される。
【0017】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記貫通孔に接続されることにより、前記液体を前記伝導システム及び前記バルーン内で流通させる伝導システムをさらに備える。
【0018】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記伝導システムの内部に位置する複数の通路をさらに備え、
前記複数の通路の毎に、一つ以上の前記バルーンの前記貫通孔とそれぞれ連通される。
【0019】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記複数の通路のうち、少なくとも一つの通路が、前記拡張部材の貫通孔と連通する。
【0020】
本発明の実施例の一態様に係る装置において、前記バルーンに向かって開く傘状の構造を有する保護傘をさらに備える。
【0021】
本発明の一態様は、本願の衝撃波装置を治療対象の目標領域に搬送することと、
前記衝撃波装置の前記複数のバルーンを膨張させることにより、前記複数のバルーンの前記バルーン本体を石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着することと、
前記衝撃波ランチャーに衝撃波を発生させることにより、前記石灰化病変の心臓弁又は血管を治療することと、
を備えることを特徴とする心臓弁又は血管の石灰化を治療するための方法を提供する。
【0022】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記衝撃波装置の前記少なくとも一つの拡張部材を膨張させることにより、前記バルーンの前記バルーン本体を前記石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着することをさらに備える。
【0023】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記衝撃波装置の前記複数のバルーンの前記衝撃波ランチャーに少なくとも二種類の異なる強度の衝撃波を発生させる。
【0024】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記衝撃波装置の前記複数のバルーンの前記衝撃波ランチャーは、順次でトリガされることにより衝撃波を発生させる。
【0025】
本発明の実施例の一態様の方法において、少なくとも一つの前記衝撃波ランチャーに、手術中に異なる強度の衝撃波を発生させる。
【0026】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記衝撃波装置の前記複数のバルーン及び/又は前記少なくとも一つの拡張部材は、少なくとも二種類の異なる膨張度を有する。
【0027】
本発明の実施例の一態様の方法において、少なくとも一つの前記バルーンは、手術中に少なくとも二種類の異なる膨張度を有する。
【0028】
本発明の実施例の一態様の方法において、少なくとも一つの前記拡張部材は、手術中に少なくとも二種類の異なる膨張度を有する。
【0029】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記現像部材の前記芯線における前記位置、前記形状、前記長さ及び前記数量の少なくとも一種に基づいて特定のバルーンを選択して、選択されたバルーンが特定の膨張度を有する又は選択されたバルーン内の前記衝撃波ランチャーが特定の強度の衝撃波を発生させるように制御する。
【0030】
本発明の実施例の一態様の方法において、前記動物が人である。
【0031】
本発明の一つの実施例によれば、心臓弁又は血管の石灰化を治療する衝撃波装置を提供することができる。該衝撃波装置は、衝撃波の伝導での減衰を効果的に低減しただけでなく、バルーンの破損又は厳しく密封していないことによる手術上の潜在的なリスクを除去したことにより、安全で確実に満足な治療効果を実現することができる。また、本発明の衝撃波装置は、操作が簡単で、操作者の操作熟練度に要求が顕著に低下することにより、手術時間を顕著に短縮し、治療対象への負担を軽減し、さらに手術の成功率を向上させ、かつ手術の過程における様々なリスクを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の実施例に係る発明をより明確に説明するために、以下に、実施例に必要な図面を簡単に説明し、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとっては、創造的労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。ただし、
【
図1】従来の技術の衝撃波装置の構造の概略図である。
【
図2】従来の技術の衝撃波装置の構造の概略図である。
【
図3】本発明の衝撃波装置の一実施例の構造の概略図である。
【
図4】本発明の衝撃波装置の一実施例の使用状態の概略図である。
【
図5】
図4に示す衝撃波装置のバルーン部分の断面概略図である。
【
図6】本発明の衝撃波装置の一実施例の構造の概略図である。
【
図7A】本発明の衝撃波装置の一実施例によるバルーン部分の断面概略図である。
【
図7B】本発明の衝撃波装置の一実施例によるバルーン部分の断面概略図である。
【
図8A】本発明の衝撃波装置の実施例の断面概略図である。
【
図8B】本発明の衝撃波装置の実施例の断面概略図である。
【
図8C】本発明の衝撃波装置の実施例の断面概略図である。
【
図9】本発明の衝撃波装置の一実施例による伝導システム部分の概略図である。
【
図10】本発明の衝撃波装置の一実施例の構造概略図である。
【
図11】本発明の衝撃波装置の一実施例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施例の技術案について、図面を参照しながら明確で且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0034】
本願では、「衝撃波」は、電極プローブが放電する時に発生される様々な形式波(例えば、圧力波など)の総称であるが、具体的な波形態はこれに限定されるものではない。
【0035】
本願では、衝撃波装置又はその部品の「遠位端」とは、手術中に治療対象の体内に入った導線ヘッド端に向かう端であり、衝撃波装置又はその部品の「近位端」とは、手術中に治療対象の体外に残っているハンドルの端である。
【0036】
本願では、「複数」は、二つ又は二つ以上を指し、これにより、本発明の一実施例では、「複数」を「少なくとも二つ」として理解することができる。「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述し、三種類の関係が存在してもよく、例えば、A及び/又はBは、単独でAが存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという三種類の状況が存在すると表すことができる。なお、特に断りのない限り文字「/」は、一般的に、その前後の関連対象が「又は」の関係を意味する。
【0037】
本願では、「心臓弁」及び「弁」は、僧帽弁、三尖弁及び大動脈弁を含む弁を総称するものである。本願では、「石灰化病変が存在する心臓弁及び血管」は、単に「石灰化病変の心臓弁及び血管」又は「石灰化病変部」と呼ばれることがある。
【0038】
図3に示すように、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100は、複数のバルーン10を含む。複数のバルーン10のうち、少なくとも一つのバルーンが、少なくとも一つのバルーン本体を有する。好ましくは、バルーン10のバルーン本体は、膨張後の形状が円柱状である。膨張されたバルーン10のバルーン本体が円柱状であれば、長手方向におけるバルーン10の両端部の形状は特に限定されない。より好ましくは、バルーン10は、円柱状のバルーン本体が長手方向に互いに平行である。具体的には、バルーン10の円柱状のバルーン本体は、それぞれの長手方向の軸線が互いに平行である。本発明の衝撃波装置のバルーン10は、他の形状を有してもよい。例えば、本発明の一実施例では、バルーン10は、複数のバルーン本体を有しており、これらのバルーン本体が液体により充填された後に、同じ形状、例えば円柱体を有することができ、これらのバルーン本体間が互いに連通することにより、液体がこれらのバルーン本体間に流動することができる。
【0039】
バルーン10は、セミコンプライアンス(semi compliance)又はコンプライアンスのバルーン(Non compliance)にポリマー材料で形成され、かつ、伸縮可能、折り畳み可能及び絶縁性を有する。バルーン10を形成するための材料は特に限定されず、例えば、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)やポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。バルーン10は、接続管A14と連通し、バルーン10を膨張させるように液体をバルーン10の内部に注入させる少なくとも一つの貫通孔をさらに有する。バルーン10の内部に液体が満たされた後、バルーン10を膨張させることにより、バルーン10の外表面の少なくとも一部を石灰化病変の心臓弁又は血管(石灰化病変部)に接触する。
【0040】
バルーン10の内部には、電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させるために少なくとも一つの衝撃波ランチャー20が設置されている。好ましくは、
図8Cに示すように、バルーン10の各バルーン本体内に、共に少なくとも一つの衝撃波ランチャー20が設置されている。衝撃波ランチャー20は、電圧/電流パルスを受信し伝導する少なくとも一つの電極ケーブル21と、電極ケーブル21に電気的に接続され、電圧/電流パルスを受信して衝撃波を発生させるための少なくとも一つの電極プローブ22とを含む。電極プローブ22により発生された衝撃波は、バルーン10の内部の液体を介して径方向にバルーン10の表面に伝導され、さらにバルーンの表面を介して石灰化病変部に伝導される。
【0041】
図4に示すように、手術中、衝撃波装置100のバルーン10が心臓弁の部位に位置決めされている。好ましくは、バルーン10内の電極プローブ22の位置を石灰化病変部に対応して位置決めすることにより、電極プローブ22と石灰化病変との間の距離を最も短いものにする。
【0042】
図5は、
図4に示す衝撃波装置100のバルーン部分の作動状態(膨張後)を示す断面模式図である。
図5に示すように、各バルーン10は、いずれもそのバルーン本体の内部に設置された衝撃波ランチャー20を含む。そのため、
図1に示す従来技術の衝撃波装置900に対して、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100を使用している状態で、衝撃波を発生させる衝撃波ランチャー20の電極プローブ22からバルーン10の石灰化病変部に接触する部分の外表面までの距離が顕著に短縮される。したがって、より低い電圧/電流パルスにより発生された衝撃波が石灰化病変に伝導された時にも、十分な強度を保持することができ、さらに満足な治療効果を得ることができる。
【0043】
一方、本発明の衝撃波装置100は、上記構造を有しており、すなわち、衝撃波装置100において、各バルーン10の円柱状のバルーン本体が互いに平行であるため、手術中、バルーンが石灰化病変部に接触した時、バルーンが弁の僅かな押圧による変位を引き起こしにくくなっり、医療従事者からの簡単な位置決め操作だけで、満足な治療効果を得ることができる。そのため、
図2に示す従来技術の衝撃波装置800に対して、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100は、操作者の操作習熟度に要求が顕著に低減されたので、一般的な介入手術経験を有している操作者としても、本発明の衝撃波装置100を熟練して操作することができる。したがって、手術時間を顕著に短縮し、治療対象の負担を低減し、さらに手術の成功率を向上させ、かつ手術過程における様々なリスクを低減することができる。
【0044】
一方、本発明の一実施例では、複数のバルーン10が設置されているため、各バルーン10間に血液が通過するための隙間が存在し、血液がスムーズな状態で手術を行うことを保証することにより、手術の治療対象への負担を軽減することができる。具体的には、
図5に示すように、複数のバルーン10(
図5で、3つ)には、それぞれ、膨張後、バルーンの外側領域及びバルーンの内側領域に十分な隙間が残されている。
図5に示す本発明の実施例では、衝撃波装置100には、三つのバルーン10が設置されているが、他の実施例では、バルーン10の数が二つ、四つ以上であってもよい。
【0045】
本発明の一実施例では、衝撃波装置100は、さらに、少なくとも一つの拡張部材16を含む。拡張部材16は、少なくとも一つの本体を有する。好ましくは、拡張部材16の本体は、膨張された後に円柱状である。拡張部材16の膨張された本体は、円柱状であれば、拡張部材16の長手方向の両端部の形状は特に限定されない。
図6及び
図7に示すように、拡張部材16が複数のバルーン10の内側に設置され、且つ、拡張部材16及び複数のバルーン10が膨張状態の場合、バルーン10の外表面が拡張部材16の外表面に密着する。拡張部材16を形成する材料は特に限定されないが、例えば、バルーン10と同じ材料で、拡張部材16をセミコンプライアンス又はノンコンプライアンスバルーンに形成することができ、かつ伸縮可能で、折り畳み可能で絶縁性を有する。拡張部材16の内部には、衝撃波ランチャーが設けられない。拡張部材16は、接続管路と連通し、流体を拡張部材16の内部に流入させることにより拡張部材16を膨張させる少なくとも一つの貫通孔を有する。拡張部材16を膨張させるための流体は、バルーン10を拡張させるための液体と同じであってよいし異なってもよいが、好ましくは、拡張部材16を膨張させるための流体がバルーン10を拡張させるための液体と同じである。本願では、「液体」と「流体」との間には上下関係がなく、バルーン10及び拡張部材16の内部にそれぞれ注入し膨張させる物質を区別しやすくなるためだけである。上記の構成によれば、拡張部材16が設置されているため、バルーン10の直径をさらに減縮させることができ、さらに電極プローブと石灰化病変部との間の距離をさらに短縮することができる。そのため、衝撃波の伝送での減衰をより低減することができる。
【0046】
本発明の一実施例では、バルーン10が拡張部材16の周りに外周に均一に分布することができる。本明細書において、バルーンが拡張部材の外周に分布するという記載は、膨張後のバルーンが膨張後の拡張部材の外周に分布する意味である。
図8Aに示すように、複数のバルーン10は、拡張部材16の外周の全体に均一に分布することができる。
【0047】
或は、
図8B及び8Cに示すように、複数のバルーン10は、拡張部材16の外周に間隔をあけて分布することができる。したがって、治療対象の一部の弁しかが石灰化していない場合、石灰化病変部を針対的に治療することができ、かつ石灰化なしの組織への負担を軽減することができる。かつ、
図7A及び
図7Bに示すように、拡張部材16の外周に複数のバルーン10を間隔をあけて設置することにより、バルーン(バルーン10と拡張部材16を含む)間の隙間をさらに増加させることができ、手術時の血液のスムーズさをさらに保証することができる。
【0048】
本発明の一実施例では、衝撃波装置100は、複数の拡張部材16を有してもよい。該複数の拡張部材16は、複数のバルーン10の内側に設置され、その長手方向における断面が規則的な形状又は不規則な形状を呈するように配置されていてもよい。また、複数のバルーン10は、複数の拡張部材16の規則的又は不規則な断面形状の外周に配置されている。当該構成によれば、不規則な形状の弁(例えば、僧帽弁)に対して、より効果的に治療することができる。
【0049】
また、本発明の一実施例では、各バルーン10内の毎には、電極プローブ22が設置されている。一方、本発明の他の実施例では、バルーン10内には、複数の電極プローブ22が設置されていてもよい。
【0050】
好ましくは、
図6に示すように、本発明の衝撃波装置は、さらに、少なくとも一つの芯線12を含む。好ましくは、芯線12は、バルーン10の各バルーン本体の内部に設置されており、かつ、バルーン本体の長手方向に延伸し、バルーン本体を貫通する。芯線12は、ステンレス鋼やニッケルチタン合金やポリマー等の材料から製造することができる。芯線12の両端はそれぞれ、バルーン10の内側でバルーン10の両端に接続されている。芯線12は、バルーン10の内部に固設された衝撃波ランチャー20に用いられる。本発明の一実施例では、バルーン10の内部には、衝撃波ランチャー20の電極ケーブル21及び電極プローブ22が共に芯線12に沿って設置され、芯線12に固定される。本発明の一実施例では、接着剤、熱収縮チューブ又は溶接などの方式により、衝撃波ランチャー20を芯線12に固定してもよい。
図6に示すように、本発明の一実施例では、電極プローブ22は、同軸で設置された少なくとも一対の導電体から構成されたチップ、即ち、外部電極221と内部電極222とを含むことができる。外部電極221及び内部電極222は、銅、ステンレス鋼又は導電性のポリマーなどの導電体で製造され、この両者は、絶縁層により隔てられる。本発明の一実施例では、外部電極221及び内部電極222は、環状又は円弧状の形状を有することができる。本発明の一実施例では、外部電極221及び内部電極222は、芯線12と同軸で芯線12の外周に設けられている。
【0051】
本発明の衝撃波装置では、複数のバルーン10が設置されているため、膨張された状態で、バルーン表面からは、各バルーン10のバルーン本体内での衝撃波ランチャー20特に電極プローブ22の距離が短くなる。また、拡張部材16が設置された時、バルーン表面からの電極プローブ22の距離がさらに短縮される。衝撃波ランチャー20を芯線12に沿って設置して芯線12に固定するような構造により、電極プローブ22がバルーン10の内面に接触しないことを確保することができ、これにより、手術中、電極プローブ22の外部電極221と内電極222との間に放電により生じたスパークによりバルーン10に損傷を与える状況を回避することができる。
【0052】
本発明の一実施例では、電極プローブ22の内電極と外部電極との間の放電火花がバルーン10を損傷しないように確保した場合、電極チップ22の末端が一定の角度で曲げることで電極末端と石灰化病変部との間の距離をさらに短縮することにより、衝撃波の減衰をさらに低減することができる。
【0053】
本発明の一実施例に係る衝撃波装置100は、バルーン10の本体部分の直径が2-12mmである。拡張部材16を設置しない場合、バルーン10の直径は、6-10mmであることが好ましく、8-10mmであるがより好ましい。バルーンの直径が12mmより大きい場合、電極プローブ22と石灰化病変部との間の距離が増大して、衝撃波の強度が過度に減衰するおそれがある。
【0054】
バルーン10は、本体部分の長さが20-60mmであり、例えば、20mm、35mm、40mm、55mm又は60mmである。バルーン10の長さが長すぎると、手術中に心臓組織に損傷を与える恐れがあり、介入手術の過程では、衝撃波装置の輸送時に曲げを通る難しさが大きすぎる。一方、バルーン10の長さが短すぎると、手術中に、衝撃波装置を位置決めする操作の難しさを増加する恐れがある。
【0055】
本発明の衝撃波装置は、拡張部材16の本体部分の直径として、好ましくは6~12mmであり、より好ましくは8~10mmである。拡張部材16を設置している場合、拡張部材16の外周に配置されたバルーン10の本体部分は、直径が2-8mmであり、好ましくは4-6mmである。
【0056】
本発明の一実施例では、複数のバルーン10の直径が互いに異なってもよい。各バルーン内部の衝撃波ランチャーに輸送される電圧/電流パルスが同じである場合、バルーン10の直径が異なることにより、最終的に石灰化病変に伝導された衝撃波の強度も同じではない。そのため、治療対象の弁において異なる部位での石灰化状況に差異が存在した際、本発明の衝撃波装置100の上記構造により、各衝撃波ランチャー20から発生された衝撃波の強度がいずれも同じであったとしても、石灰化病况が異なる部位に輸送された衝撃波は、強度の差異を針対的に有することができる。具体的には、手術中、小径のバルーンを石灰化の病况がひどい部位に設置することにより、石灰化病変部に輸送された衝撃波がより大きな強度を保持することができる。一方、大径のバルーンを石灰化の病况がひどくない部位に設置することにより、石灰化病変部に輸送された衝撃波の強度が低く、手術中の治療対象への負担をさらに軽減することができる。
【0057】
本発明の衝撃波装置100に用いられるバルーン10の内部に注入される液体は、特に限定されない。該液体として、生理食塩水などの電解質液体やグリセリンなどの非電解質液体が挙げられる。同様に、拡張部材16に注入される流体としては、生理食塩水などの電解質流体やグリセリンなどの非電解質流体が挙げられる。好ましくは、バルーン10の内部に注入される液体は、拡張部材16に注入される流体と同じである。
【0058】
本発明の衝撃波装置100のバルーン10は、使い捨ての消耗品或は再利用可能な消耗品に設計されてもよく、再利用可能な消耗品の場合、使用する前、消毒滅菌を行う必要がある。また、本発明の衝撃波装置100は、複数の独立しているバルーン10を有しているため、一つのバルーンが破損された場合、破損されたバルーンのみを交換することにより、衝撃波装置全体を廃棄する必要がなく、衝撃波装置のメンテナンスコストを顕著に低減することができる。
【0059】
本発明の一実施例では、衝撃波装置100は、医者が衝撃波装置100を正確に位置決めするように助けることにより衝撃波ランチャー20及び/又はバルーン10による治療対象の対象領域での治療を確保する現像装置をさらに含む。本発明の一実施例では、現像装置は、外部の現像装置(例えば、X射線撮像装置など)の作用により、治療対象体内の位置を観察することができる。
【0060】
本発明の一実施例では、現像装置は、現像部材を含む。本発明の一実施例では、現像部材は、電極プローブ22に設置されていてもよい。好ましくは、電極プローブ22は、現像作用を有する材料を含むことから、X射線影像設備などの作用で、現像し、医者による衝撃波装置100の位置決めを助けることができる。この時、電極プローブ22自体は、現像部材として使用されることができる。本発明の一実施例では、現像装置は、バルーン10の両端に設置される現像部材11をさらに含んでいてもよい。本発明の一実施例では、
図6に示すように、現像装置は、芯線12に設置される複数の現像部材19を含むことができる。現像部材19の芯線における具体的な位置は特に限定されず、異なる手術位置(例えば、大動脈弁、僧帽弁又は三尖弁)に応じて調整することができる。現像部材の材料は特に限定されず、X射線影像設備などの作用で現像することにより、医者による衝撃波装置100の正確な位置決めを効果的に助け、衝撃波ランチャー20及び/又はバルーン10による治療対象の対象領域での治療を確保すればよい。現像部材の形状は特に限定されないが、環状に製造されてもよく、また他の形状、例えばバルーン10に固定されるリング状部材等に製造されていてもよい。
【0061】
本発明の一実施例では、
図6に示すように、異なるバルーン内の芯線にそれぞれ設置されている現像部材19は、それぞれの芯線12における具体的な位置が異なる。例えば、一つの芯線12において、現像部材19が芯線12の長手方向の端部に設置されていてもよいし、現像部材19が芯線12の中部に設置されていてもよい。あるいは、各現像部材19は、互いに異なる形状、長さ、または数を有していてもよい。例えば、現像装置の現像で、異なる芯線12に設置された現像部材19は、円形、長方形、正方形及び三角形などの異なる形状を有することができる。当該構造によれば、弁の各部位の石灰化の状況が完全に同じではない場合、各バルーン10内にそれぞれ設置された芯線12における異なる位置又は異なる形状、長さ又は数を有する現像部材19により、各バルーン10の手術中の正確な位置決めを実現することができ、石灰化の程度によっては、バルーン内の衝撃波ランチャー20に対して異なる強度の電圧/電流パルスを針対的に印加して、異なる強度の衝撃波を発生させた。これにより、バルーン10の直径が同じであったとしても、石灰化病况の異なる部位に対して強度の異なる衝撃波を印加する効果を達成することができる。
【0062】
本発明の一実施例では、現像装置は、バルーン10に注入される液体内に混合される現像剤を含む。現像剤は、従来の医療技術分野での一般的な現像剤であってもよく、X射線現像装置又は血管形成装置DSAにより現像することができる。バルーン10内に現像剤を含んたる液体を充填する時、血管形成装置は、現像剤によりバルーン10内の液体の量を監視することができ、液体の充填によりバルーン10が拡張して石灰化病変部に密着したら、バルーン10内への液体の充填を停止させる。この方式により、バルーン10を石灰化病変にできるだけ近接することができる一方、バルーン10内への液体の充填が過剰になることを回避し、さらに弁又は血管壁に損傷を与えることを回避することができる。
【0063】
本発明の一実施例では、
図9に示すように、衝撃波装置100は、パルス発生器40、伝導システム30及び導線60をさらに備えている。伝導システム30は、各バルーン10の貫通孔にそれぞれ接続された接続管A14と、拡張部材16の貫通孔に接続された接続管とを含むことにより、伝導システム30がバルーン10及び拡張部材16の内部に連通して、密封キャビティを形成することができる。伝導システム30は、手術中に治療対象の体外に位置する部分には、第一孔を設置しており、外部液体が当該第一孔を介して伝導システム30に流入し、さらにバルーン10及び拡張部材16に流入することができる。この場合、バルーン10の内部に注入された液体は、拡張部材16の内部に注入された流体と同じである。
【0064】
本発明の一実施例では、
図10に示すように、伝導システム30の内部には、複数の導線60が設置されていてもよい。パルス発生器40は、外部電源と接続することによって、電圧/電流パルスを発生させる。
図10に示すように、複数の導線60は、伝導システム30の内部に位置し、その一端がパルス発生器40に電気的に接続され、他端が衝撃波ランチャー20の電極ケーブル21に電気的に接続されることにより、パルス発生器40から発生された電圧/電流パルスを衝撃波ランチャー20に伝導することができる。本発明の一実施例では、一つの導線60は、各衝撃波ランチャーのそれぞれに電圧/電流パルスを伝導するために、単独でバルーン10内の一つの衝撃波ランチャー20に電気的に接続されていてもよい。又は、二つ以上の衝撃波ランチャーに電圧/電流パルスを伝導するために、複数の導線60のうちの一つの導線が、同じバルーン内に設置された上記二つ以上の衝撃波ランチャー20と電気的に接続されてもよく、異なるバルーン内に設置された上記二つ以上の衝撃波ランチャーと電気的に接続されていてもよい。上記の構成によれば、本発明の衝撃波装置100は、複数のバルーン10の内部の衝撃波ランチャー20のそれぞれに異なる強度の電圧/電流パルスを伝達するように、複数の導線60を独立して制御することができる。
【0065】
実際の手術では、治療対象の石灰化病変が弁の個別の部位のみにあり、又は、治療対象弁の異なる位置での石灰化状況が完全に同じない可能性がある。この場合、バルーン内の全ての衝撃波ランチャー20に同じ強度の電圧/電流パルスを輸送すれば、全ての衝撃波ランチャーが同じ強度の衝撃波を発生させるので、石灰化なし又は石灰化の状況が低い部位に不必要な負担を与えるリスクがある。本発明の衝撃波装置の上記構造によれば、異なる石灰化程度に基づいて、各石灰化部位に対応する衝撃波ランチャーに対して、それぞれ、異なる強度の電圧/電流パルスを伝送することを実現することができる。例えば、石灰化程度がひどい病変部に対応する衝撃波ランチャーに対して、高い強度の電圧/電流パルスを輸送することにより強度の高い衝撃波を発生させ、石灰化程度が軽い病変部に対応する衝撃波ランチャーに対して、強度の低い電圧/電流パルスを輸送することにより強度の低い衝撃波を発生させる。従って、石灰化状況の異なる病変部に、異なる強度の衝撃波を針対的に作用させることにより、治療対象への負担をさらに低減することができる。
【0066】
本発明の一実施例では、ある/複数のバルーン10又は一つのバルーン10の一つ/複数のバルーン本体が接触している部位に石灰化病変がない場合、対応するバルーン/バルーン本体に輸送される電圧/電流パルスをゼロに低下させることにより、衝撃波を発生させず、治療対象への負担をさらに軽減することができる。
【0067】
本発明の一実施例では、複数の導線60をそれぞれ制御することにより、複数のバルーン10内の衝撃波ランチャー20の電極プローブ22が循環的にトリガされる。すなわち、全て又は複数のバルーン内の衝撃波ランチャーが同時に衝撃波を発生させることを回避することにより、手術過程における治療対象への負担をさらに軽減することができる。
【0068】
本発明の一実施例では、バルーン10内に設置された芯線12における異なる位置、形状、長さ又は数を有する現像部材19に応じて、バルーン10内の衝撃波ランチャーを効果よく選択的に制御することにより、上記効果を達成することが可能となる。
【0069】
本発明の一実施例では、伝導システム30の内部には、複数の通路が設置されていてもよい。本発明の一実施例では、各バルーン10のそれぞれに液体を輸送し、拡張部材16に流体を輸送するために、通路は、各バルーン10の貫通孔とそれぞれ連通する接続管A14と、拡張部材16の貫通孔と連通する接続管とを含んでいてもよい。また、液体/流体を外部から複数の通路に注入するために、該複数の通路の毎は、その近位端が第一孔と連通されていてもよい。複数の通路のうちの一つの通路は、一つ以上のバルーンに液体を輸送するために接続管Aを介して当該一つ以上のバルーン10の貫通孔と連通されていてもよい。複数の通路のうちの少なくとも一つの通路は、拡張部材16に流体を輸送するために接続管Bを介して拡張部材16の貫通孔と連通されていてもよい。複数の通路は、伸縮可能、折り畳みかつ絶縁性を有する可撓性材料から形成される。上記構成によれば、本発明の衝撃波装置100は、複数の通路をそれぞれ制御することにより、各バルーン10及び/又は拡張部材16がそれぞれ、異なる膨張度を有することができる。本発明では、「膨張度」とは、バルーン10又は拡張部材16の内部に実際に充填された液体又は流体の体積とバルーン10又は拡張部材16の内部の最大膨張可能な体積(バルーン10又は拡張部材16の最大液体/流体の容量)との比である。バルーン10を例として、バルーン10の内部に実際に膨張された液体の体積がバルーン10の最大液体の容量と同じであり、すなわち、バルーンが液体により完全に充填されてバルーンの形状が臨界状態(該臨界状態を超える場合、バルーンが破裂する)に達した時、該バルーンの膨張度が100%である。バルーン10の内部に実際に充填された液体の体積がバルーン10の最大液体の容量より小さい場合、膨張度が100%より低い。本発明では、バルーン膨張度の下限値は、衝撃波を発生させる電極プローブが液体で囲まれ、かつ該電極プローブがバルーン壁に接触しておらず、電極プローブと石灰化病変部に接触したバルーン表面との間に液体により満たされたことから、衝撃波を電極プローブから石灰化病変部に効果的に伝送することを確保することができるものである。同様に、本発明において、拡張部材16の膨張度の上限値が100%である。一方、拡張部材の膨張度が下限値の場合、拡張部材16がその外周に分布されているバルーン10に対して支持作用を果たすことができる。
【0070】
手術の過程で、治療対象の弁がバルーン10を押圧することがある場合、高膨張度のバルーンは、バルーン内部の電極プローブとバルーンの内表面との間の距離をバルーンの半径に近づけるか又は到達することを確保することができる。膨張度が低いバルーンは、押圧により僅かに変形して、電極プローブとバルーンの内表面との間の距離がバルーンの直径より小さくなり、即ち電極プローブと石灰化病変との間の距離を短縮するので、衝撃波の減衰をさらに低減することができる。そのため、治療対象の弁の各部位での石灰化状況が異なる場合、異なる石灰化部位に対して、バルーン10に対応する異なる膨張度を持たせることにより、異なる石灰化病変に異なる強度の衝撃波を印加する効果を実現することができる。
【0071】
本発明の一実施例では、バルーン10内に設置された芯線12における異なる位置、形状、長さ又は数を有する現像部材19に応じて、バルーン10の膨張度を効果的に選択的に制御することにより、上記効果を達成することが可能となる。
【0072】
本発明の一実施例では、治療対象の実際の状況に応じて、手術中に複数のバルーン10内の衝撃波ランチャー20をそれぞれ制御することにより、強度の異なる衝撃波をそれぞれ発生させることができ、或は、複数のバルーン10及び/又は少なくとも一つの拡張部材16の膨張度をそれぞれ制御することにより、石灰化程度の異なる石灰化病変部に伝送される衝撃波の強度をそれぞれ制御することができ、或は、両者を結合して得た方式を採用してもよく、石灰化程度の異なる石灰化病変部に強度の異なる衝撃波を発生/搬送することができる。
【0073】
手術開始の段階では、石灰化病変部における石灰化状況がひどいため、強い衝撃波を印加して治療する必要がある。手術の進行に伴い、石灰化病変部での石灰化組織が衝撃波の作用で粉砕されたか又は分解されたので、石灰化病変部での石灰化状況が緩和される。この時、該石灰化病変部に印加される衝撃波の強度を低下して、即ち低強度の衝撃波により、該石灰化病変部に後続の治療を行ってもよい。そのため、本発明の一実施例では、手術中の石灰化病変における治療状況に応じて、手術の異なる段階で、異なる衝撃波ランチャーに搬送される電圧/電流パルスを絶えず調整することにより、同一の衝撃波ランチャーが手術の異なる段階では異なる強度の衝撃波を発生させることができる。又は、手術の異なる段階で、異なるバルーン及び/又は拡張部材に輸送される液体及び/又は流体の量を調整することにより、同一のバルーンが手術の異なる段階で異なる膨張度を有することができ、手術の異なる段階で同じ位置での石灰化病変に印加された衝撃波の強度は異なることが可能となる。本発明の上記実施例によれば、治療対象への負担をさらに低減することができる。
【0074】
本発明の一実施例では、石灰化病変がない弁の組織に接近されたバルーン10につては、対応する通路を制御することにより、該バルーンに液体を輸送せず該バルーンが圧縮状態を保持することができる。この時、これに対して、当該バルーン10の衝撃波ランチャー20に電圧/電流パルスを輸送しないように、対応する導線60を制御する。上記構成により、石灰化された弁のみを治療するという目的を達成することが可能であるため、手術の過程で、治療対象への負担をさらに軽減することができる。
【0075】
図9に示すように、発明の一実施例では、第一孔においては、管路33が設置されていてもよく、該管路33は、伝導システム30の外部のみに位置し、かつ第一孔と連通し、或は、該管路33は、伝導システム30の外部から第一孔に沿って伝導システム30の内部に延び、かつ伝導システムの内部で複数の通路と連通してもよい。同様に、バルーン10及び拡張部材16内の液体/流体も伝導システム30(又は複数の通路)、第一孔を通過して流出する。好ましくは、本発明の一実施例では、
図11に示すように、伝導システム30には、拡張部材の内部に流体を単独で輸送するか又は拡張部材内の流体を該孔から流出させるために、拡張部材16に接続される貫通孔が設置された接続管B15の通路と連通している第二孔が設置されていてもよい。好ましくは、該第二孔においては、伝導システム30の外部に位置しておりかつ第二孔と連通している管路34が設置されていてもよい。伝導システム30及び通路は、伸縮可能で、折り畳みかつ絶縁性を有する可撓性の材料で形成されてもよい。伝導システム30は、表面が円弧状であり、例えば、伝導システム30の外形が球状体であってもよく、例えば、球体、楕円体、弧度を有する突起球体などである。
【0076】
発明の一つの実施例に係る衝撃波装置100は、液体/流体のオンオフを制御するために液体/流体の搬送経路に設置される制御弁32をさらに含んでもよい。具体的には、制御弁が上記管路33に設けられることにより、医療従事者が制御しやすくなる。
【0077】
本発明の一実施例では、
図3に示すように、衝撃波装置100は、衝撃波装置100における伝導システム30から離れた遠位端に位置するガイドヘッド端70をさらに含んでもよい。ガイドヘッド端70がガイド作用を果たすことにより、バルーン10の部分が血管又は弁位置に入ることを容易にすることができる。好ましくは、ガイド先端70は、その末端が滑らかで尖角がない円錐形状を有していることにより、手術中に血管及び弁に傷が付くことを回避することができる。さらに、ガイドヘッド端70は、可撓性材料で構成されるため、一定の変形可能な能力を有しているので血管形状に伴って湾曲することができ、衝撃波装置の輸送時に曲げを通ることを容易にする。
【0078】
本発明の一実施例では、衝撃波装置100に備える複数のバルーン10のうちの少なくとも二つのバルーンは、それぞれの遠位端が互いに接続される。好ましくは、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100において、複数のバルーン10の遠位端が共にガイドチップ70に接続されている。さらに好ましくは、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100において、バルーン10及び拡張部材16は、それぞれの遠位端がいずれもガイドチップ70に接続されている。上記の構造によれば、手術中に複数のバルーン10の遠端の分散による血管、弁及び心臓組織への損傷を回避することができる。
【0079】
本発明の衝撃波装置100は、予備チャネル80をさらに含んでもよい。予備チャネル80は、衝撃波装置100の内部に位置し、ハンドル部位から伝導システム30及びバルーン部分を介してガイドヘッド端70まで延伸する。手術の過程で、予備チャネル80内で外部の金属ワイヤ又は他の係合器具が通過することができるので、外部の金属ワイヤが該予備チャネル80内に入った後、該衝撃波装置100の前進方向をガイドすることができる。
【0080】
本発明の複数のバルーン10を備える衝撃波装置100は、予備チャネル80が、
図5に示すように、複数のバルーン10の内側領域の隙間Cの部位に設置されていてもよい。本発明の衝撃波装置に拡張部材16が設置された場合、予備チャネル80は、拡張部材16の内部に設置されかつ拡張部材16の長手方向に沿って拡張部材16を貫通してもよい。好ましくは、予備チャネル80は、拡張部材16の接続管の内部に設置されることにより、接続管を介して拡張部材の内部に入ることができる。好ましくは、本発明の衝撃波装置100に二つ以上の拡張部材16が設置された場合、予備チャネル80は、二つ以上の拡張部材16の内側の隙間の部位に設置されてもよく、一つの拡張部材の内部に設置されてもよい。
【0081】
本発明の一実施例では、衝撃波装置100は、さらに保護傘を含む。当該保護傘は、超弾性を有する材料で製造される。保護傘は、伝導システム30の外周に設置され、開閉の二種類の状態を有してもよい。手術の過程で、保護傘は、遠位端がバルーン10に向かって開き、その近位端が伝導システム30の外表面に保持されることにより、保護傘23は、収縮状態からバルーン10に向かって開く傘状の構造を呈する開状態になる。上記構造によれば、手術中、保護傘は、遊離している生物組織の破片が通過することを防止することにより、これらの組織破片が血管に入ることを回避することができる。
【0082】
図9に示すように、本発明の一実施例に係る衝撃波装置100は、さらにハンドル90を含むので、介入治療の方式に適用される。一方、外科手術の方式で治療する必要がある場合、手持ち式の衝撃波装置に設計されてもよい。具体的には、ハンドル90は、伝導システム30におけるバルーン10から離れる方向(近位端方向)の末端に接続されていてもよい。ハンドル90と伝導システム30との間の接続方式は特に限定されず、例えば、ネジ締め又は係合の方式で接続することが挙げられる。
【0083】
手術の過程で、ハンドル90が操作医者により把持されるので、ハンドル90は、医師の把持を操作するのに有利な円弧状などの形状に設計することができる。ハンドル90が滑脱する可能性を低減するために、さらにハンドル90の外部に凹凸構造を設置するか又はハンドル90の外表面粗さを増加させることにより、接触面積及びハンドル90と人の手との間の摩擦力を増大することができる。ハンドル90の部位には、さらに接続コネクタ31が接続されており、当該接続コネクタ31が導線60に電気的に接続しながらパルス発生器に接続することにより、パルス発生器と衝撃波ランチャー20を接続することができる。
【0084】
本願の一実施例では、ハンドル90又はパルス発生器40に制御スイッチシステムがさらに設置されることにより、治療対象の目的領域(例えば、弁、弁葉、血管など)での石灰化程度に応じて、異なる電流/電圧パルス強度、繰り返し周波数、持続回数を調整して出力することができる。さらに、ハンドル90には、手術中の照明のための光源が設置されてもよい。
【0085】
以上、主に治療対象の心臓弁の石灰化を例として、本発明の衝撃波装置を説明した。もちろん、上記の説明は、治療対象の血管の石灰化を治療することにも同様に適用される。
【0086】
以下、本発明の衝撃波装置の使用方法について説明する。
【0087】
具体的には、手術の過程で、本発明の衝撃波装置100を使用する場合には、ガイドヘッド端70によりバルーン10を人体に引き込み、誘導作用を果たす;医療従事者は、現像装置(例えば、X射線現像装置等)により現像装置の位置を観察し、さらに、衝撃波装置100のバルーン10を治療対象の対象領域に位置決めすることができる。
【0088】
液体及び/又は流体は、伝導システム30又は通路を介してバルーン10及び/又は拡張部材16に入ったことにより、バルーン10及び/又は拡張部材16を膨張されることにより、バルーン10のバルーン本体を石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着することができる。続いて、パルス発生器40が電圧/電流パルスを発生させて、導線60が電圧/電流パルスを衝撃波ランチャー20に伝導して、衝撃波ランチャー20が衝撃波を輸送して、液体により衝撃波を治療対象の目標領域に伝導する。治療が終了した後、液体をバルーン10から流出させると共に、流体を拡張部材16から流出させ、衝撃波装置100を人体から除去する。
【0089】
具体的には、介入手術の場合、まず、心臓弁及び血管の石灰化を治療するための衝撃波装置100は、輸送システムにより止血弁を通し、通路製品の経路に沿って人体に入り、かつ現像装置の補助で治療対象の目標領域に送られる。次に、バルーン10及び拡張部材16を膨張させるために、血管画像形成装置DSAの作用で、第一孔を介して、現像剤を含有する生理食塩水をバルーン10に注入し、かつ第二孔を介して、現像剤を含まない生理食塩水を拡張部材16に注入したことにより、バルーン10のバルーン本体を石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着させる;制御スイッチシステムをオンにし、パラメータを調整し、衝撃波ランチャー20による輸送衝撃波を開始し、治療対象の目的領域を治療する;治療が完了した後、現像剤を含有する生理食塩水をバルーン10から流出させ、第一孔を介して衝撃波装置の外部に流れ、同時に現像剤を含まない生理食塩水を拡張部材16に流出させ、第二孔を介して衝撃波装置の外部に流れることにより、バルーン10及び拡張部材16を減圧する;通路製品により衝撃波装置100を引き戻し、治療過程を完了する。一方、外科手術の場合、操作者が外科手術により治療対象を開胸した後、心尖に切開を行い、医療従事者が該衝撃波装置100を持って、予め設立された通路経路に沿って心臓内に入り、現像部材11の作用で治療対象の目的領域に到達する;バルーン10及び拡張部材16を膨張させるために、血管画像形成装置DSAの作用で、第一孔を介して、現像剤を含有する生理食塩水をバルーン10に注入し、第二孔を介して、現像剤を含まない生理食塩水を拡張部材16に注入することにより、バルーン10のバルーン本体を石灰化病変の心臓弁又は血管壁に密着させる;制御スイッチシステムをオンにし、パラメータを調整し、衝撃波ランチャー20による輸送衝撃波を開始し、治療対象の目的領域を治療する;治療が完了した後、現像剤を含有する生理食塩水をバルーン10から流出させ、第一孔を介して衝撃波装置の外部に流れ、同時に現像剤を含まない生理食塩水を拡張部材16に流出させ、第二孔を介して衝撃波装置の外部に流れることにより、バルーン10及び拡張部材16を減圧する;通路製品により衝撃波装置100を引き戻し、治療過程を完了する。
【0090】
本発明の上記実施例では、人を治療対象として、本発明の衝撃波装置の構造及び使用方法を説明した。しかし、本発明の衝撃波装置の治療対象は人に限らず、他の動物であってもよい。例えば、本発明の衝撃波装置の特許対象は、猫、犬などのペットであってもよく、牛、馬などの大型動物であってもよく、パンダなどのレアリティの野生動物であってもよい。
【0091】
以上、本発明の実施例だけであり、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容を利用して行われた等価構造又は等価フロー変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】