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特表2022-544661クランプによって固定された剛毛の束を有するブラシ、及び該クランプの製造用ワイヤー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(54)【発明の名称】クランプによって固定された剛毛の束を有するブラシ、及び該クランプの製造用ワイヤー
(51)【国際特許分類】
   A46B 3/16 20060101AFI20221013BHJP
   A46B 9/04 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
A46B3/16
A46B9/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508989
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2020069771
(87)【国際公開番号】W WO2021028139
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】102019121693.1
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008700
【氏名又は名称】ベルケンホフ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Berkenhoff GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ネーテ
(72)【発明者】
【氏名】バルデマール シュレーダー
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB19
3B202BA02
3B202BB03
3B202BE13
3B202EA00
3B202EG10
3B202HA03
(57)【要約】
本発明は、剛毛束(13)をその上に配置するための塑性的に変形可能なプラスチック材料から作られた支持体を含むブラシに関し、支持体は、各々が1つの剛毛束(13)を収容するように機能する複数の毛束穴(14)を有し、剛毛束(13)は、クリップ(16)によって毛束穴(14)内に固定され、クリップ(16)は、毛束穴軸に本質的に平行に配置された少なくとも1つの長手方向側面(22)上のクリップ突起(23,24)の領域内に、不連続な構造要素を少なくとも備え、構造要素は、クリップ(16)の長手方向の端部に対して距離を置いて配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に剛毛束(13)を配置するための可塑的に変形可能なプラスチック材料で構成される支持体(12)を備えるブラシであって、
前記支持体(12)は、1つの剛毛束(13)をそれぞれ収容する複数の毛束穴(14)を備え、前記剛毛束(13)は、クリップ(16,40)によって毛束穴(14)に固定され、前記クリップ(16,40)は、両側の長手方向の端部(37,38)上にクリップ突起(23、24)を形成するように、毛束穴(14)の直径Dよりも大きい長さlを有し、前記クリップ(16,40)は、毛束穴軸に対して略平行に配置された少なくとも1つの長手方向側面(21,22;43,44)上で、少なくともクリップ突起(23、24)の領域において、不連続な構造要素(30,42)を備え、前記クリップ突起(23,24)は、構造要素(30,42)を備え、前記構造要素(30,42)は、前記支持体(12)の変形可能なプラスチック材料中に圧入され、それによって前記剛毛束(13)を固定するように前記支持体(12)に埋め込まれ、
前記構造要素(30,42)は、前記クリップ(16,40)の長手方向の端部(18,46,47)から離れた位置に配置されることを特徴とする、
ブラシ。
【請求項2】
前記構造要素(30,42)が、前記長手方向側面(21,22;43,44)の扁平状の基底面(50,49)に対してピーク(36,48)又は谷(35,47)であることを特徴とする、請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
前記構造要素(30,42)が、前記長手方向側面(21,22;43,44)の前記基底面(50,49)に対して谷(35,47)及びピーク(36,48)の両方を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のブラシ。
【請求項4】
前記谷(35,47)が少なくとも部分的にピーク(36,48)を囲むことを特徴とする請求項3に記載のブラシ。
【請求項5】
前記ピーク(36,48)が前記谷(35,47)によって堀状に囲まれていることを特徴とする、請求項4に記載のブラシ。
【請求項6】
前記クリップ(16,40)上に形成された前記クリップ突起(23,24)がそれぞれ、マトリックス列(32)の中に配置された少なくとも2つの構造要素(30,42)を含む構造要素マトリックス(31,39)を有することを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項7】
前記構造要素(30)が、前記クリップ(16)の長手方向において、前記クリップ突起(23,24)の長さよりも小さい長さを有することを特徴とする、請求項6に記載のブラシ。
【請求項8】
前記マトリックス列(32)に配置された2つの構造要素(30)間の距離bが、隣接するマトリックス列(32)に配置された構造要素(30)が、距離bによって形成された空間(34)に少なくとも部分的に突出するように寸法決めされることを特徴とする、請求項6又は7に記載のブラシ。
【請求項9】
前記クリップ(16)の長手方向側面(21,22)の50%以上が、前記クリップ突起(23,24)の領域の構造要素(30)によって覆われていることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項10】
前記構造要素(30,42)が同等に設計されていることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項11】
ワイヤ(15)が、当該ワイヤの長手方向の2つの端部(18)の間に伸びる対向する2つの長手方向側面(21,22)の少なくとも1つの上に構造要素(30)を有する、請求項1~10のうちいずれか1つ以上のブラシ用のクリップ(16)を形成するためのワイヤ(15)であって、
前記構造要素(30)は、前記ワイヤ(15)の長手方向端部(18)に距離を置いて配置されることを特徴とする、ワイヤ(15)。
【請求項12】
前記構造要素(30)が、前記長手方向側面(21,22)の扁平状の基底面(50)に対するピーク(36)又は谷(35)であることを特徴とする、請求項11に記載のワイヤ。
【請求項13】
前記構造要素(30)が、基底面(50)に対して谷(35)及びピーク(36)の両方を有することを特徴とする、請求項11又は12に記載のワイヤ。
【請求項14】
前記谷(35)が少なくとも部分的に前記ピーク(36)を囲むことを特徴とする請求項13に記載のワイヤ。
【請求項15】
前記ピーク(36)が前記谷(35)によって堀状に囲まれていることを特徴とする請求項14に記載のワイヤ。
【請求項16】
前記構造要素(30)は、構造要素マトリックス(31)内に配置され、マトリックス列(32)内に配置された2つの構造要素(30)間の距離bは、隣接するマトリックス列(32)内に配置された構造要素(30)が、距離bによって形成された空間(34)内に少なくとも部分的に突出するように寸法決定されることを特徴とする請求項11乃至15のうちいずれか1項に記載のワイヤ。
【請求項17】
前記構造要素(30)が、同等に設計されていることを特徴とする、請求項11から16のうちいずれか一項記載のワイヤ。
【請求項18】
前記構造要素(30)は、長手方向側面(21,22)全体に亘って分布していることを特徴とする、請求項11~17のうちいずれか一項に記載のワイヤ。
【請求項19】
前記構造要素(30)は、前記構造要素マトリックス(31)のマトリックス列(32)及びマトリックス行(33)内に一定間隔で配置されることを特徴とする、請求項16~18のうちいずれか1項に記載のワイヤ。
【請求項20】
前記ワイヤ(15)の長手方向側面(21,22)の50%以上が構造要素(30)によって覆われていることを特徴とする、請求項11~19のうちいずれか一項に記載のワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛毛束をその上に配置するための可塑的に変形可能なプラスチック材料で作られた支持体を有するブラシであって、前記支持体は、剛毛束を各々収容する毛束孔を複数有し、剛毛束の各々は、クリップによって1つの毛束穴に固定され、クリップは、長手方向の両端にクリップ突起を形成するように毛束穴の直径よりも大きい長さを有し、クリップは、毛束穴軸に対して略平行に配置された少なくとも1つの長手方向側面上における少なくとも突起の領域において、構造要素を備え、構造要素はクリップの長手方向において不連続であり、構造要素を備えたクリップ突起は、支持体のプラスチック材料に押し込まれ、それによって剛毛束を固定するように支持体のプラスチック材料に埋め込まれる、ブラシに関する。更に、本発明は、このようなブラシのクリップを形成するためのワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラシは、異なる実施態様において、及び様々な使用に関して知られている。実施形態及び意図される使用に関係なく、ブラシは、その中で剛毛束を配置するための毛束穴を有し、剛毛束は前記毛束穴内に固定されている。特に、歯ブラシは、可塑的に変形可能なプラスチック材料で作られた支持体内に形成される毛束穴内に配置された剛毛束を有することが知られている。剛毛束はワイヤクリップによって毛束穴に固定される。ワイヤクリップは、クリップ突起を形成するように毛束穴の直径よりも長く、ワイヤクリップの長手方向の端部に形成されたクリップ突起が支持体の材料中に押し込まれ、その結果、剛毛束は、ブラシ穴を通って伸びるワイヤクリップによって、圧力ばめされてぴったりと合うように支持体中に固定される。
【0003】
支持体の材料にクリップ突起を固定するために、クリップ突起が材料に押し込まれたときに材料の変位によって生じる材料の流れに関連する材料の変位の結果としてクリップ突起に形成された構造要素と支持体の材料との間にアンカーが確実に形成されるように、金属ワイヤで作られたクリップの反対側の側面に構造要素を設けることが知られている。アンカーによって、支持体における剛毛束の固定の向上がもたらされ、これは、押し込み方向に対して反対の引っ張り運動によって、クリップと支持体の材料との間の結合を切断するのに必要な引張力の増大に反映される。
【0004】
上述の引張力の増大を可能にする第1の発展型は、特許文献1に記載されており、クリップを製造するためのワイヤが記載されており、このワイヤは、長手方向の対向する2つの側面に複数の平行な溝が設けられており、前記溝は、ワイヤの長手方向に連続的に延びている。
【0005】
特許文献1が示した最新技術に基づき、特許文献2のように長手方向の側面にダイヤモンドパターンを形成する構造要素をクリップの長手方向の側面に不連続に形成することによって、引張力の増大を得ることが可能となった。この構造要素は、対角線の表面溝の交差レイアウトによって生成され、適切に鋭利な端部を有する。
【0006】
既知のダイアモンド状構造の製造は、クリップの長手方向の側面の同等に複雑な表面処理を前提とするという事実とは別に、対角線溝部の交差配列に起因するクリップの結晶状物質の突出部を有する公知の表面構造がクリップの長手方向の端部に伸長し、その結果、特に、クリップが押されたときに支持体の材料に突き当たるクリップの端部は、均等な厚さではなく、むしろ、材料の突出部により形成され、押圧力の増大につながる、厚くなった部分を有しているという不利な点があることが分かった。増大した押圧力によって、座屈を防止する寸法決めと、それに従って、プレス加工中の座屈と、それによる部品の損傷とを防止するために、クリップのための増加した材料投入が必要になる。押圧力の増加と物質投入量の増加の両方が、生産コストの増加につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第97/46136A1号
【特許文献2】国際公開第98/05238A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、よりコスト効率の良い生産を可能にする上記の種類のブラシを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明によるブラシは、請求項1の特徴を有する。
【0010】
本発明によるブラシの構造要素は、クリップの長手方向の端部から離れた位置に配置され、その結果、クリップの長手方向の端部上に連続した切れ刃を形成することができ、前記連続した切れ刃は、クリップ突起を支持体の材料内に押し込んでそれらを埋め込むことを容易にし、その結果、ブラシを製造する際に必要とされる押圧力が、より小さい。これは、特に、ブラシを生産するために必要なエネルギー投入量を減少させ、従って、ブラシ生産における生産コストの割合を減少させる。さらに、押付け力の減少は、クリップの寸法を相応に減少させることを可能にし、その結果、材料投入量の減少は、ブラシの製造コストをも減少させることができる。
【0011】
本発明の有利な効果は、大多数の構造要素がクリップの長手方向の端部までの距離に配置されている限り、個々の構造要素が端部から距離を有していなくてもなお発揮される。
【0012】
本発明によるブラシの構造要素は、長手方向側面の扁平状の基底面に対してピーク又は谷の両方として形成することができる。
【0013】
特に好ましい実施形態によると、構造要素が長手方向側面の扁平状の基底面に対して谷とピークの両方を有する場合、各構造要素が扁平状の基底面に対して全てピーク又は谷である構造要素の設計と比較して、引張力を増大することができる。
【0014】
このような引張力の増加は、構造要素がクリップの長手方向の端部に延びる場合にも達成することができ、その結果、構造要素がクリップの長手方向の端部まで少し距離を置いて配置されるかどうかにかかわらず、引張力の増加の有利な効果を達成することができる。
【0015】
特に好ましくは、谷は、ピークを少なくとも部分的に包囲しており、その結果、谷と、一つのピークと、同じ構造要素からなる理想的な同心円状の配置が、特に有効なアンカーをもたらし、ピークは谷に対して材料の突出部を形成しており、材料の前記突出部の一部のみ、すなわち、扁平状の基底面を越えたピークの突出部は、圧縮力の大きさに影響を及ぼすクリップの厚さの増加の原因となる。
【0016】
この有利な効果は、ピークが堀のように谷に囲まれている場合、特に効果的になる。
【0017】
好ましくは、クリップ上に形成されたクリップ突起は、各々、マトリックス列に配置された少なくとも2つの構造要素を含む構造要素マトリックスを有し、これにより、不連続な構造要素の有利な効果がクリップ突起において複数回達成され得ることが確保される。
【0018】
マトリックス列内に配置される2つの構造要素の間の距離が、隣接するマトリックス列内に配置される構造要素が、距離によって形成される空間に少なくとも部分的に突出するように寸法決めされる場合、構造要素は、特に有効に配置され得る。
【0019】
クリップの長手方向側面の50%以上がクリップ突起の領域における構造要素により覆われていることが望ましい。
【0020】
アンカー効果、すなわち引張力の大きさに関して特によく再現できるブラシの構成は、構造要素が同じように設計されていれば可能となる。
【0021】
ブラシの費用効率の良い生産を可能にする本発明のワイヤーは、請求項11の特徴を有する。
【0022】
本発明によれば、構造要素は、長手方向の端部まで少し距離を置いて配置される。
【0023】
好ましくは、構造要素は、長手方向側面の扁平状の基底面に対するピーク又は谷である。
【0024】
特に好ましくは、構造要素は、長手方向側面の扁平状の基底面上に配置されており、基底面に対して谷とピークの両方を有することであり、このような方法で設計され、ブラシの支持の材料に包埋され、かつ本発明のワイヤから所定の長さに切断することにより製造されたクリップの交互の固定の有利な効果は、構造要素がクリップの長手方向の端部までの距離に配置されているかどうかに関係なく、達成され得る。
【0025】
特に有利には、谷は少なくとも部分的にピークを囲んでいる。
【0026】
特に好ましくは、ピークは、堀状に谷によって囲まれる。
【0027】
好ましくは、構造要素は、構造マトリックス内に配置され、マトリックス列内に配置された2つの構造要素の間の距離は、隣接するマトリックス列内に配置された構造要素が、その距離によって形成される空間に少なくとも部分的に突出するように寸法決めされ、その結果、特に構造要素の高密度の形成が可能になる。
【0028】
好ましくは、構造要素は、同等に設計され、構造要素は、特に好ましくは、長手方向側面の全体に亘って分散されることであり、その結果、剛毛束及びブラシの支持体を固定するためのクリップは、ワイヤの一部をワイヤの任意の地点の長さに切断することによって製造することができる。
【0029】
特に好ましくは、構造マトリックスの行及び列内の構造要素は、一定の間隔で配置される。
【0030】
さらに、ワイヤの長手方向側面の50%以上が構造要素によって覆われることが特に好ましい。
【0031】
以下、本発明について、図に示されている好ましい実施形態を参照してより詳細に考察する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、歯ブラシの等尺性図である;
図2図2は、図1に示した歯ブラシのブラシヘッドの上からの拡大図である;
図3図3は、図2のIII-III線に沿った拡大図及び断面図で、図2に示したブラシヘッドの毛束穴に固定された剛毛束を示している;
図4図4は、図2に例示したブラシヘッドの毛束穴に刺入した剛毛束を示す図2のIV-IV線に従った拡大図と断面図である;
図5図5は、図3及び図4に示されている剛毛束を固定するためのクリップの等尺性図である;
図6図6は、図5に図示したクリップの上面図である;
図7図7は、図6に図示されたクリップを示す図6のVII~VII線に沿った断面図である;
図8図8は、図3のVIII~VIII線に沿った断面図であり、図3に例示したクリップ上に形成されたクリップ突起を示している;
図9図9は、図2~8のクリップ製造用クリップワイヤーである;
図10図10は、クリップの別の実施形態の上面図である;
図11図11は、図10のXI-XI線に沿った断面図であり、図10に例示したクリップを示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、ハンドル11に対向する歯ブラシ本体の一端にブラシヘッドを有する歯ブラシ10を示し、このブラシヘッドは、複数の剛毛束13のための支持体12として機能する。少なくとも支持体12であるブラシヘッドは、可塑的に変形可能なプラスチック材料でできており、特に図2に示すように、剛毛束12の数に相当する多数の毛束穴14を有する;各々が、複数の略平行な剛毛又は単繊維で構成される剛毛束13を、特に図3及び4に示すように、毛束穴14の中に挿入し、固定する。
【0034】
図9に示すワイヤ15のトリミングされた部分によって形成されるクリップ16は、剛毛束13を毛束穴14内に固定するように機能し、クリップ16は、図9の分離線17によって示されるように、ワイヤ15から分離される。
【0035】
図3図4の組合せから理解できるように、クリップ16の長手方向の下端部の周囲に、2つの対向する毛束脚19、20が、クリップ16の2つの対向する長手方向側面21、22と接触し、且つ毛束穴14の直径Dよりも大きいクリップ長さlを有するクリップ16が、図3に示されている押圧力Eにより毛束穴14に挿入されるように、もともとはまっすぐな剛毛ストランドである剛毛束13を包み込むことによって、剛毛束13は、毛束穴14内に固定される。クリップ16の長さlは直径Dに比較してより長いので、クリップ16の長手方向の下端部18に接触する剛毛束の基底部25が毛束穴14の底部26に接触するまで、クリップ突起23、24は、毛束穴14を制限する支持体12のプラスチック材料15に圧入される
【0036】
特に図8によって明らかにされるように、圧入工程は、クリップ突起23、24が移動する経路に従って、クリップ突起23、24に、支持体12のプラスチック材料25の中に切り口28を形成させ、長手方向の下端部18が切断エッジ27を形成し、プラスチック材料がクリップ突起23、24によって変位されるようにする。プラスチック材料の可塑的な変形性は、構造要素30を備えたクリップ16の長手方向側面21、22にそれら自体を適合させる切り口28によって形成されるクリップ突起23、24、カッティングフランク29の領域に、クリップ突起23、24を流入させる。
【0037】
図5、6及び7の組み合わせから分かるように、特に、対向する長手方向側面21、22には、マトリックス列32に配置された2つの構造要素30を含む構造要素マトリックス31と、マトリックス列32に配置された3つの構造要素30を含む構造要素マトリックス39とが、特にクリップ16の長手方向の端部37、38上に形成され、これらクリップ突起23、24を図3及び図4を参照して説明した圧入工程中に形成するように、構造要素30が設けられている。図5に例示されるクリップ16の実施形態において、構造要素30はさらに、長手方向側面21、22全体に亘って、構造要素30は、マトリックス列32及びマトリックス行33において、一定の間隔で配置されている。さらに、隣接するマトリックス列32間の距離は、隣接するマトリックス列32内に配置される構造要素30が、マトリックス列32内の構造要素の距離bによって形成される空間34内に少なくとも部分的に突出するように寸法決めされる。
【0038】
図6及び図7の組合せから明らかなように、クリップ16の長手方向の側面は、それぞれ、構造要素30が配置された平坦な基底面50を有し、各構造要素30は、基底面34に対して谷35及びピーク36の両方を有する。目下に示される例示的な実施形態の場合、ピーク36はさらに、谷35によって堀状に囲まれる。
【0039】
図8に示すように、クリップ突起23の領域に形成され、各長手方向側面21、22上のマトリックス列32に配置された構造要素30を含む構造要素マトリックス39と関連するプラスチック材料の流動挙動は、クリップ突起23と支持体12の隣接するプラスチック材料との間で歯付の係合をもたらし、その結果、プラスチック材料25が構造要素30の谷35内に突出し、構造要素30のピーク36が支持体12のプラスチック材料25内に突出する。クリップ突起23と支持体のプラスチック材料との間のこのような交互の係合は、クリップ16と支持体12との間の特に耐久性のある接続をもたらし、これは、特に高い引張力によってのみ切断される。
【0040】
特に図7からわかるように、構造要素30は、長手方向の下端部18までの距離sに配置されており、上記のように、切断エッジ27を形成し、その結果、切断エッジ27は、基底面34に対してピーク36の突出hによりクリップ16のより大きな幅tよりも小さい端厚tを有する。その結果、構造要素が長手方向の下端部18まで離れないで配置された場合よりも、上述した圧入工程の開始時に比較的小さな圧入力を作用させなければならない。その結果、長手方向の下端部18上に形成された切断エッジ37の厚さがクリップ16の幅に対応することになる。
【0041】
図10及び図11は、別の実施形態を示し、クリップ40は、マトリックス配列41に配置された構造要素42を備え、構造要素42は、対向する長手方向側面43、44に設けられており、クリップ16との更なる対応において、構造要素42と長手方向の端部45、46との間に、距離sが形成されている。
【0042】
構造要素42は、基底面49に対して谷47及びピーク48を有し、ピーク48は、目下の実施形態において、ピラミッドの形状を有する。
【0043】
ワイヤ15の長手方向側面21、22の両面上の構造要素30は、図9に図示され、クリップ16を製造するために用いられる。クリップ40を製造するために用いられるワイヤの長手方向側面43、44上の構造要素42は、簡易な圧延によって製造することができる。ここで、長手方向側面に滑らかな表面を備えたワイヤは、2つのエンボス加工の圧延棒の間に形成されたロールギャップに通される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】