(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(54)【発明の名称】X線断層撮影システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/02 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A61B6/02 300B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022510083
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 IB2020057673
(87)【国際公開番号】W WO2021033105
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517112007
【氏名又は名称】アダプティックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ソロヴィエフ,ヴァディム
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA11
4C093CA13
4C093EA06
4C093EB13
4C093EB17
4C093FD05
4C093FD12
4C093FG04
(57)【要約】
画像再構成アルゴリズムの大部分はDT及びCTに共通であり、再構成ボリューム割り当てを必要とし、光線追跡技術に基づく。再構成された3次元画像は、ボリューム全体が処理され、アルゴリズムが完了した後にのみ利用可能になる。
本発明は選択された再構成スライス内の各グリッドセルについての平均逆投影強度を計算するために、選択された再構成スライス上に、各減衰像内の各画素をその画像を生成したエミッタに向かって逆投影し、スライス内のグリッドセルとの重複の割合を決定して重み付け係数を得ることによって、アルゴリズムの完了を待たずに、スライスごとに再構成を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トモグラムを生成する方法であって、
複数の画素を有するx線検出器パネルを提供するステップ、
前記x線検出器パネルから離間して配置されたx線エミッタパネルを提供するステップであって、前記エミッタパネルは、複数のx線エミッタを備える、該ステップ、
前記エミッタ及び画素の互いに対する相対位置を識別するステップ、
各エミッタから前記検出器パネルに向けてx線放射のそれぞれのコーンを放射するステップ、
前記検出器パネルに衝突するx線放射の各それぞれのコーンに応じて、前記検出器パネルでそれぞれの減衰像を生成するステップ、及び、
前記検出器パネルとエミッタパネルとの間に位置する平面に対応する再構成スライスを選択することと、
前記再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供することと、
前記再構成スライスを選択することに応じて、各それぞれの減衰像に対して、前記それぞれの減衰像内の各画素をその減衰像についての前記それぞれのエミッタに向けて戻して前記再構成スライス上に逆投影し、その逆投影画素の各グリッドセルとの重複の割合を決定して、その逆投影画素についての各グリッドセルについてのそれぞれの重み付け係数を含む複数の重み付け係数を得ることと、
各減衰像における各逆投影画素についての前記複数の重み付け係数を用いて、選択された前記再構成スライスにおける各グリッドセルについての平均逆投影強度を計算して、選択された前記再構成スライスについての平均強度画像を生成することと、
前記平均強度画像をランプフィルタで畳み込んで、選択された前記再構成スライス内の前記密度関数を得ること
によって、前記x線放射の減衰を示す密度関数を再構成する前記ステップを含む、方法。
【請求項2】
トモグラムを生成するためのシステムであって、
複数のx線エミッタを含むx線エミッタパネルであって、各エミッタは、x線放射のそれぞれのコーンを放射するように構成される、前記x線エミッタパネル、
複数の画素を含むx線検出器パネルであって、前記x線検出器パネルは前記x線エミッタパネルから離間して配置され、前記x線エミッタパネルからの前記検出器パネルに衝突するx線放射の各それぞれのコーンに応じてそれぞれの減衰像を生成するように構成される、前記x線検出器パネル、
前記エミッタ及び画素の互いに対する相対的な位置を識別するための空間位置システム、及び、
前記検出器パネルとエミッタパネルとの間に位置する平面に対応する再構成スライスを選択することと、
前記再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供することと、
前記再構成スライスを選択することに応じて、各それぞれの減衰像に対して、前記それぞれの減衰像内の各画素をその減衰像についての前記それぞれのエミッタに向けて戻して前記再構成スライス上に逆投影し、その逆投影画素の各グリッドセルとの重複の割合を決定して、その逆投影画素についての各グリッドセルについてのそれぞれの重み付け係数を含む複数の重み付け係数を得ることと、
各減衰像における各逆投影画素についての前記複数の重み付け係数を用いて、選択された前記再構成スライスにおける各グリッドセルについての平均逆投影強度を計算して、選択された前記再構成スライスについての平均強度画像を生成することと、
前記平均強度画像をランプフィルタで畳み込んで、選択された前記再構成スライス内の前記密度関数を得ること
によって前記x線放射の減衰を示す密度関数を再構成するプロセッサを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にデジタルトモグラム撮影(又は、トモグラフィー/断層撮影/tomography)に関し、x線トモグラム撮影において特に有用であるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
デジタルトモシンセシス(DT)は、3Dイメージングの利点を提供する限定角度トモグラム撮影の一種である。コンピュータ断層撮影(CT)のように、DTは、一度に1つのスライスを見ることによって、3D構造のより大きな検出を可能にする。高い面内分解能、3次元性、及び低い放射線量は、DTを多くの医用画像化用途におけるCTの魅力的な代替物にする。
【0003】
CTとは対照的に、DT投影データセットは不完全であり、これは、断層撮影の十分条件に違反し、再構成された画像において限定された角度アーチファクト(angle artefacts)をもたらす。DTはボリュメトリック撮像技術であり、物体の内部構造に関する情報を提供するが、物体に関する3D情報全体を再構成することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像再構成アルゴリズムの大部分はDT及びCTに共通であり、最も一般的なものは、同時代数的再構成、フィルタ補正逆投影、コーン(又は、円錐)ビーム再構成、及びそれらの変形を含む。画像再構成は、最適化問題を解くものとして定式化することもできる。前述の方法はすべて、再構成ボリューム割り当てを必要とし、光線追跡法(又は、レイトレーシング)に基づく。再構成された3次元画像は、ボリューム全体が処理され、アルゴリズムが完了した後にのみ利用可能になる。
【0005】
単一の線源ではなく小さなx線エミッタのアレイからなるエミッタパネルは物理的な移動が不要であるため、モーター付き移動装置のコストを回避し、エミッタ間を電子的に切り換えることによってモーションブラーを回避することができるので、有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、トモグラム(又は、断層像/tomogram)を生成する方法が提供され、前記方法は、複数の画素を含むx線検出器パネルを提供するステップと、前記x線検出器パネルから離間して配置されたx線エミッタエミッタパネルを提供するステップであって、前記エミッタパネルは複数のx線エミッタを含む該ステップと、前記エミッタ及び画素の互いに対する相対的位置を識別するステップと、各エミッタから前記検出器パネルに向けてx線放射のそれぞれのコーン(又は、円錐)を放射するステップと、前記検出器パネルに衝突するx線放射のそれぞれのコーンに応じて、前記検出器パネルでそれぞれの減衰像(又は、減衰画像/attenuation image)を生成するステップと、前記検出器パネルとエミッタパネルとの間に位置する平面に対応する再構成スライスを選択し、前記再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供し、前記再構成スライスを選択することに応じて、各それぞれの減衰像に対し、前記それぞれの減衰像内の各画素を前記減衰像に対する前記それぞれのエミッタに向けて戻して前記再構成スライス上に逆投影し、その逆投影画素に対する各グリッドセルについてのそれぞれの重み付け係数を含む複数の重み付け係数を得るために、その逆投影画素の、各グリッドセルとの重複の割合を決定し、選択された再構成スライスについての平均強度画像を生成するために、選択された再構成スライス内の各グリッドセルについての平均逆投影強度を計算するために、各減衰像内の各逆投影画素についての複数の重み付け係数を使用し、選択された再構成スライス内の密度関数(又は、濃度関数/density function)を得るために、平均強度画像をランプフィルタ(ramp filter)で畳み込む(又は、平均強度画像とランプフィルタの畳み込みを行う)ことによって、前記x線放射の減衰を示す密度関数を再構築するステップと、を含む。
【0007】
従って、再構成はスライス毎に行うことができ、ここで、スライスは、第1の平面に平行な平面内で取られる。アルゴリズムの完了を待たずに、一度に1つのスライスをインタラクティブに(又は、双方向的に、対話式に)再構成することができる。このアプローチは従来の方法よりもはるかに高速であり、コンピュータメモリに対する要求もはるかに少ない。このアプローチは、再構成ボリューム全体の一部のみが関心対象である場合に特に効率的である。
【0008】
この方法は、再構成された密度関数からトモグラムを生成するステップを明示的に含むことができる。
【0009】
驚くべきことに、本発明は、特に走査される比較的厚い物体に対して、より高いコントラストの画像を生成することを可能にする。
【0010】
エミッタ及び画素の互いに対する相対位置を識別するステップは、ハードウェアからの指示(例えば、ファームウェア読み出し)を受信すること、エミッタ及び/又は検出器パネル上の位置合わせピン(又は、registration pin)から配置情報(position information)を受信すること、エミッタ及び検出器パネルを操作するための位置決めアーマチャ(又は、電機子)又は同様のデバイスから位置情報(location information)を受信すること、パネルの相対方向の表示を受信することなどを含むことができる。
【0011】
減衰像は輸送係数(transport coefficient)の空間分布(例えば、Beer-Lambert則)のラドン変換を表すことができる。
【0012】
再構成スライスを選択することは、オペレータがスライスを選択することを含むことができ、又はスライスをコンピュータによって自動的に選択することができ、例えば、スライスの選択は事前に定義することができる。
【0013】
x線放射の減衰を示す密度関数を再構成するステップは、更なる再構成スライスを選択することを更に含むことができる。さらなる再構成スライスは同様の方法で選択されてもよく、再構成は同様の方法で実行されてもよい。このようにして、オペレータは、第1の再構成スライスを見て、それらの結果に基づいて、どの再構成スライスを次に選択するかを決定することができる。あるいは、このさらなる選択が自動的に実行されてもよい(例えば、予め決定されてもよい)。再構成スライスのその後の選択は、領域全体が再構成されるまで、同様の方法で実行することができる。
【0014】
上記平面は、実質的に平坦、すなわち平面であってもよい。平面は検出器パネルに対して平行に配向されてもよいが、代替の実施形態では検出器パネルに対して傾斜させてもよい(すなわち、任意の配向で)。同様に、平面はエミッタパネルに対して平行に配向されてもよく、又はエミッタパネルに対して傾斜させてもよい。
【0015】
再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供することは、予め決定されてもよく、オペレータによって選択されてもよく、又は計算されてもよい。各スライス上のグリッドセルのアレイは互いのスライス上と同じであってもよく、代替的に又は追加的に、それらは異なっていてもよい。さらに、グリッドセルのアレイの寸法は、逆投影画像の画素サイズ及び画素数が検出器パネルの画素サイズ及び画素数と一致しない可能性があるように、検出器パネル上の画素のアレイの寸法と異なる可能性がある。
【0016】
再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供することは、対応するグリッドセルの二次元アレイを得るために、再構成スライス上に複数の画素を正投影すること(orthographically projecting)を含み得る。
【0017】
あるいは、再構成スライス上にグリッドセルのアレイを提供することは、対応するグリッドセルの二次元アレイを得るために、再構成スライス上に複数のエミッタを正投影することを含み得る。しかしながら、必要とされる再構成スライスの解像度及び/又はハードウェアの限界内で可能な解像度に応じて、任意の他の計算方法を使用することができる。
【0018】
画素値は、検出器パネルの画素が再構成スライス上にマッピングされるように、画素の角とエミッタを結ぶ光線に沿って、面の指定された高さで逆投影されてもよい。このマッピングは4つの光線がピラミッドを形成するように、検出器パネルの各画素の4つの角のそれぞれから所与のエミッタに仮想光線を発射することによって達成されてもよい。次に、ピラミッドと選択された再構成スライスとの間の交点が、正投影を定義することができる。グリッドセルのアレイの寸法は検出器パネル上の画素のアレイの寸法と異なる場合があるため、正投影はいくつかのグリッドセルの一部のみをカバーし得る。
【0019】
その逆投影画素の各グリッドセルとの重複の割合を決定することは、正投影がカバーする各グリッドセルについて、正投影によってカバーされるグリッドセルの割合を決定することを含み得、次いで、この領域はさらに、グリッドセルの面積によって分割され得、これは重み付け係数をもたらす。
【0020】
それぞれの減衰像の画素値はこの係数で重み付けされ、グリッドセルの値に加算される。これは全ての減衰像について繰り返されてグリッドセルについての合成値を得ることができ、これは、その後、再構成平面内の重複画素の総数に関して正規化されて、平均値を得ることができる。
【0021】
選択された再構成スライス内の密度関数を得るために平均強度画像をランプフィルタで畳み込むことは、下記再構成式を評価することを含み得る。
ここで、
fはx線放射の減衰を示す密度関数であり、
x,yは再構成平面内のデカルト座標であり、
x’,y’は積分に使用されるデカルトパラメータであり、
<"g">は再構成平面に対して決定される平均強度であり、
hはランプフィルタである。
【0022】
ランプフィルタは、当技術分野で知られている任意の適切なランプフィルタを含むことができる。例えば、ランプフィルタは、
kをx軸に沿った波数として、
、及び/又は、
nを画素内の距離x又はy、λを画素のサイズとして、
で与えられる。λは、使用されている選択された再構成グリッドの波長の類似物であってもよい。
【0023】
本方法はさらに、例えば、フラットパネル検出器境界によって引き起こされる、再構成平面に対して決定される平均強度<"g">における不連続性を識別することを含み得る。例えば、これは、各グリッドセルについて、その逆投影がそれぞれのグリッドセルに寄与する減衰像の数を決定し、隣接するグリッドセルの減衰像のそれぞれの数を比較することによって達成され得る。例えば、隣接するグリッドセル内のx軸に沿って、異なる数の減衰像を識別することに応答して、積分の輪郭(例えば、直線)がxc(ジャンプを有するところ)で不連続部がある、又は、y軸に沿って、ycで不連続部があると定義されてもよい。xc及び/又はycの他の定義方法も考えられる。輪郭のさらなる説明はx軸のみを参照するが、y軸への適用も可能であり、(必要ではないが)望ましく、同様に適用されてもよい。
【0024】
選択された再構成スライス内の密度関数を得るために平均強度画像をランプフィルタで畳み込むことは、以下の再構成式を評価することを含み得る。
ここで、
x’がx
cに近い場合は、"Ψ"(x’,y)は、
に等しくなり得、x’がxcから遠い場合は、"Ψ"(x’,y)は、<"g">に等しくなり得、
<"g">’は<"g">の導関数であり、
sign(x-x
c)は、式x-x
cの符号(プラス又はマイナス)である。
【0025】
xがxcに近いということは、所定数の画素内、特に3と30の間、より具体的には5と25の間、例えば10と20の間、例えば15であることを意味する。
【0026】
xがxcから遠いということは、所定数の画素、特に3と30の間、より具体的には5と25の間、例えば10と20の間、例えば15の外側であることを意味する。
【0027】
すなわち、再構成平面に対して決定された平均強度<"g">は、輪郭に近い関数"Ψ"で置き換えられる。上記のアプローチはx軸に平行な輪郭に対して同様に成り立ち(例えば、ycで)、x軸及びy軸の両方に平行な輪郭を補正する場合は、両方の積分においてこの置き換えを行ってもよい。
【0028】
エッジの場合、積分のうちの1つがドロップアウト(すなわち、ゼロに評価)することがあり、その結果、xの場合には、
となり、yの場合には必要な変更がなされた同様の記述となる。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、トモグラムを生成するためのシステムであって、前記システムは、複数のx線エミッタを含むx線エミッタパネルであって、各エミッタがx線放射のそれぞれのコーンを放射するように構成された前記x線エミッタパネルと、複数の画素を含むx線検出器パネルであって、前記x線エミッタパネルから離間して配置され、前記x線エミッタパネルからの前記検出器パネルに衝突するx線放射のそれぞれのコーンに応じてそれぞれの減衰像を生成するように構成された前記x線検出器パネルと、前記エミッタ及び画素の互いに関する相対的位置を識別するための空間位置システムと、前記x線放射の減衰を示す密度関数を再構成するためのプロセッサであって、前記検出器パネル及び前記エミッタパネルの間に位置する平面に対応する再構成スライスを選択することと、前記再構成スライス上にグリッドセルのアレイを設けることと、前記再構成スライスを選択することに応じて、各それぞれの減衰像に対して、それぞれの減衰像内の各画素をその減衰像に対するそれぞれのエミッタに向けて戻して前記再構成スライス上に逆投影し、その逆投影された画素の、各グリッドセルとの重複の割合を決定して、その逆投影された画素に対する各グリッドセルについてのそれぞれの重み付け係数を含む複数の重み係数を得ることと、選択された再構成スライスについての平均強度画像を生成するために、選択された再構成スライス内の各グリッドセルについての平均逆投影強度を計算するために、各減衰像内の各逆投影画素についての複数の重み付け係数を使用することと、選択された再構成スライス内の密度関数を得るために、平均強度画像とランプフィルタの畳み込みを作ることとにより再構成する前記プロセッサを含む。
【0030】
本発明の上記及び他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、単に例示のために与えられる。以下に引用する参考図は、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、逆投影の幾何学的形状の側面図である。
【0032】
【
図2】
図2は、グリッドセル上に投影された画素の平面図である。
【0033】
【
図3】
図3は、重み付け係数が適用された後の平均強度の決定の例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は特定の図面に関して説明されるが、本発明はそれに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は、概略的なものにすぎず、非限定的なものである。各図面は、本発明の特徴のすべてを含むわけではなく、したがって、必ずしも本発明の実施形態であると見なされるべきではない。図面において、いくつかの要素のサイズは、説明の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。寸法及び相対的寸法は、本発明の実施に対する実際の縮尺に対応しない。
【0035】
さらに、説明及び特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は同様の要素を区別するために使用され、必ずしも時間的に、空間的に、ランキングで、又は任意の他の方法でシーケンスを説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、動作は、本明細書で説明又は図示されたものとは別の順序で可能であることを理解されたい。同様に、特定の順序で説明又は特許請求される方法ステップは、異なる順序で動作すると理解され得る。
【0036】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における頂部、底部、上方、下方などの用語は、説明の目的のために使用され、必ずしも相対的な位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、動作は、本明細書で説明又は図示されたものとは別の向きで可能であることを理解されたい。
【0037】
特許請求の範囲で使用される「含む(comprising)」という語は、その後に列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではないことに留意されたい。したがって、言及された記載された特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を明示するものとして解釈されるべきであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ又は構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「手段A及びBを含む装置」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきではなく、本発明に関して、装置の関連する構成要素がA及びBのみであることを意味する。
【0038】
同様に、本明細書で使用される「接続される(connected)」という用語は、直接接続のみに限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。したがって、「装置Bに接続される装置A」という表現の範囲は装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続されている装置やシステムに限定されるものではなく、Aの出力とBの入力との間に経路が存在し、これは他の装置や手段を含む経路であってもよいことを意味する。「接続される」とは2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していること、又は2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用していることを意味し得る。例えば、無線接続が考えられる。
【0039】
本明細書全体を通して、「実施形態」又は「態様」という言及は、実施形態又は態様に関連して記載された特定の特徴、構成、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態又は態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、又は「一態様において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態又は態様を参照しているわけではなく、異なる実施形態又は態様を参照することができる。さらに、本発明の任意の1つの実施形態又は態様の特定の特徴、構造、又は特性は本開示から当業者には明らかなように、1つ又は複数の実施形態又は態様において、本発明の別の実施形態又は態様の任意の他の特定の特徴、構造、又は特性と任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0040】
同様に、説明において、本発明の様々な特徴は開示を合理化し、様々な本発明の態様のうちの1つ又は複数の理解を助けるために、単一の実施形態、図、又はそれらの説明において一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、請求項に記載された発明が各請求項に明示的に記載されたよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。さらに、任意の個々の図面又は態様の説明は、必ずしも本発明の実施形態であると見なされるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲はこの詳細な説明に明確に組み込まれ、各特許請求の範囲はそれ自体が本発明の別個の実施形態として存在する。
【0041】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは当業者によって理解されるように、本発明の範囲内であり、さらなる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲では、特許請求の範囲に記載された実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用することができる。
【0042】
本明細書で提供される説明では、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが理解される。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の方法、構造、及び技法は詳細に示されていない。
【0043】
本発明の議論では反対に述べられていない限り、パラメータの許容範囲の上限又は下限に対する代替値の開示は、前記値のうちの1つが他の値よりも非常に好ましいという指示と相まって、前記代替値のうちのより好ましい値とより好ましくない値との間にある前記パラメータの各中間値自体が前記より好ましくない値よりも好ましく、また、前記より好ましくない値と前記中間値との間にある各値よりも好ましいという暗黙のステートメントとして解釈されるべきである。
【0044】
用語「少なくとも1つ」の使用は、特定の状況において1つのみを意味し得る。用語「いずれか」の使用は、特定の状況において「全て」及び/又は「各々」を意味し得る。
【0045】
ここで、本発明の原理を、例示的な特徴に関する少なくとも1つの図面の詳細な説明によって説明する。他の配置が基礎となる概念又は技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成され得ることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【0046】
図1は、エミッタパネル1が検出器パネル3の上方に配置されたバックプロジェクション(又は、逆投影/back-projection)の幾何学的形状の側面図である。エミッタパネル1は、複数のエミッタ(m,m-1,m-2)を備える。検出器パネル3は、複数の画素5を備える。各減衰像"f"
m(エミッタmによって生成される)に対して、光線が各画素からエミッタmにトレースバックされる。例えば、減衰像"f"
m(エミッタmにより生成される)については光線7が画素5bからエミッタmにトレースバックされ、減衰像"f"
m-1(エミッタm-1により生成される)については光線9が画素5bからエミッタm-1にトレースバックされる。
【0047】
これらの光線7,9は、エミッタパネル1と検出器パネル3との間に位置し、図中にそれと平行に示されている(ただし、これは代替実施形態において必ずしも当てはまるとは限らない)種々の再構成平面11,13,15と交差する。このようにして、画素5bはこれらの平面上に、例えば、エミッタmの場合は平面11上に領域17aで、エミッタm-1の場合は領域17bで投影され得る。
【0048】
そして、各エミッタmに対して、選択された再構成平面11における逆投影像を"g"mとして決定することができる。
【0049】
図2は、それぞれ領域17a,19a,21a及び23aとして、単一エミッタmについて平面11のグリッドセル上に投影された
図1の画素5a及び5b(及び追加の隣接画素5e及び5f)の平面図である。
【0050】
図3は、いったん重み付け係数が適用された、エミッタm=1、m=2及びm=3のそれぞれからの逆投影画素領域17c,17d,17eに対する平面11内の平均強度<"g">の決定の例である。
【0051】
<訳注> 明細書及び特許請求の範囲の翻訳文における"記号"は、ハーチェク付きの記号を表す。例えば、"g"は、下記記号を表す。
【国際調査報告】