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特表2022-544706回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(54)【発明の名称】回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 1/06 20060101AFI20221013BHJP
   E05D 3/12 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
E05D1/06 Z
E05D3/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511286
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020010946
(87)【国際公開番号】W WO2021034067
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0101986
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520460258
【氏名又は名称】フィローブ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,クァン-ソク
(57)【要約】
本発明は、回転式ドアを構成するギアヒンジ部において、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間の安定的な回転作動をガイドできる装置に関し、より詳しくは、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間にギアヒンジ部が提供されるドアヒンジにおいて、ドアの荷重により第2支持ブラケットを通じてギアヒンジ部に印加される回転モーメントによってドア中立軸の下部の下端ギアヒンジ部で発生する圧縮応力及びドア中立軸の上部の上端ギアヒンジ部で発生する引張応力を最小化することで、ドアの正確な開閉性能を確保し維持できるだけでなく、ドアヒンジで発生する摩擦による部品損傷や摩擦騒音の発生を最小化することができる回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式ドア(1000)を構成するギアヒンジ部(1300)において、ドア枠の支持フレーム(1100)側に固定連結された第1支持ブラケット(1150)とドア(1200)側に固定連結された第2支持ブラケット(1250)との間の安定的な回転作動をガイドできる装置であって、
ドア(1200)の荷重により第2支持ブラケット(1250)を通じてギアヒンジ部(1300)に印加される回転モーメントによってドア中立軸(a-a’)の下部の下端ギアヒンジ部(1300)で発生する圧縮応力及びドア中立軸(a-a’)の上部の上端ギアヒンジ部(1300)で発生する引張応力を最小化できるように、
ドア枠の支持フレーム(1100)の下端部に取り付けられるものであって、ドア枠の支持フレーム(1100)に固設される固定端(1512)と、ドア(1200)の第2支持ブラケット(1250)のギア部(1250a)の回転作動円弧状軌跡の中心部に置かれ、ドア(1200)の第2支持ブラケット(1250)のギア部(1250a)の回転作動円弧状軌跡に対応する第1垂直接触面(1510a、1510b)を備えた第1回転ガイド体とを一体的に含んでなる、固定された第1垂直支持具(1510)と、
ドア(1200)の下端部に取り付けられるものであって、ドア(1200)に固設される固定端(1522)と、ドア(1200)の第2支持ブラケット(1250)のギア部(1250a)の回転作動円弧状軌跡上に置かれ、ドアの回転作動時に、前記第1垂直支持具(1510)の第1回転ガイド体の前記第1垂直接触面(1510a、1510b)と線接触する第2垂直接触面(1520a、1520b)を備えた第2回転ガイド体とを一体的に含んでなる、回転する第2垂直支持具(1520)と、を備えてなる、回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置(1500)。
【請求項2】
前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)が凸状の接触面(1510a)であるとき、前記第2垂直支持具(1520)に提供される前記第2垂直接触面(1520a、1520b)は凹状の接触面(1520a)として形成され、
前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)が凹状の接触面(1510b)であるとき、これと線接触する前記第2垂直支持具(1520)に提供される前記第2垂直接触面(1520a、1520b)は凸状の接触面(1520b)として形成されることを特徴とする、請求項1に記載の回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置(1500)。
【請求項3】
ドア(1200)の回転開閉作動過程を通じて、前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)上の線接触が行われる接触線の変化距離(Ro)が、前記第2垂直支持具(1520)に提供される前記第2垂直接触面(1520a、1520b)上の線接触が行われる接触線の変化距離(Lo)よりも大きくなるように形成されることを特徴とする、請求項2に記載の回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置(1500)。
【請求項4】
前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)には、凹状の接触面部分(1510b)及び凸状の接触面部分(1510a)がすべて提供され、前記第2垂直支持具(1520)に提供される前記第2垂直接触面(1520a、1520b)にも、対応するように凸状の接触面部分(1520b)及び凹状の接触面部分(1520a)がすべて提供されることを特徴とする、請求項2または3に記載の回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置(1500)。
【請求項5】
前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)の前記凹状の接触面部分(1510b)は、ドアの閉状態で前記第2垂直支持具(1520)に提供される前記第2垂直接触面(1520a、1520b)の凸状の接触面部分(1520b)と接触するように形成され、
前記第1垂直支持具(1510)に提供される前記第1垂直接触面(1510a、1510b)の前記凹状の接触面部分(1510b)から前記凸状の接触面部分(1510a)へと接触部が変わりながら変曲点を通る区間で、接触線数の増大により線接触部の接触応力が減少するように形成されることを特徴とする、請求項4に記載の回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置(1500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式ドアを構成するギアヒンジ部において、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間の(相対的に)安定的な回転作動をガイドできる装置に関する。より詳しくは、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間にギアヒンジ部が提供されるドアヒンジにおいて、ドアの荷重により第2支持ブラケットを通じてギアヒンジ部に印加される回転モーメントによってドア中立軸の下部の下端ギアヒンジ部で発生する圧縮応力及びドア中立軸の上部の上端ギアヒンジ部で発生する引張応力を最小化することで、ドアの正確な開閉性能を確保し維持できるだけでなく、ドアヒンジで発生する摩擦による部品の損傷や摩擦騒音の発生を最小化することができる回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回転式ドアは、ドアが取り付けられるドア枠の支持フレーム内にドアの一側面を固定設置し、該固定設置面内に回転軸を備えたドアヒンジ部を取り付けてドアを水平回転させることで、ドアを開閉可能にする構造を有している。
【0003】
このようなドアヒンジ部としては、多様な形態と構造の製品が開発され使用されている。最も一般に使用されるピン型のヒンジ棒を用いたヒンジ部の場合、ヒンジ棒を支持するヒンジフレームが変形せず、ヒンジフレームをドアまたはドア枠の支持フレームに固定連結する固定手段の剛性が十分であれば、ドアの垂直荷重による垂直変位が酷く発生することは通常ない。しかし、ドアの上端と下端との間に生じる垂直面上の回転モーメントに抵抗する剛性が弱く、ドアを大型化する場合には、ヒンジ蝶番部の大きさと剛性及びその固定手段(アンカー)の大きさと剛性も一緒に増加しなければならないため、ドアを大型化し難いという問題がある。さらに、ドアは大型化しながらもドアの断面規格(または、ドアを構成するガラス窓を支持するドアフレームの断面規格)は最小化してスリム化しようとする需要者層のニーズに応えることと、固定手段(アンカー)の大きさを増加させることとは相反する問題であるため、両方を充足する解決策を見出し難いという限界がある。
【0004】
このようなピン型のヒンジ棒を用いた一般的なヒンジ部と異なる構造として、図1図12に示されたように、ドアの大型化傾向に合わせてドアの垂直面上でドアの上端と下端との間に生じる回転モーメントを最小化できる構造体としてのギアヒンジ部(ギア蝶番部)が開発され使用されている。
【0005】
まず、本発明に対する理解を助けるため、このようなギアヒンジ部の詳細な構成とそれを使用した回転式ドアの使用例を説明する。説明の内容と図1図12は、韓国特許第10-1489246号公報及び国際特許公開WO2016/043355号公報を参照できる。
【0006】
図1図3に示された回転式ドア100Uでは、ドア枠のドア支持フレーム10の一側の垂直フレームにギアヒンジ部30を構成する第1支持ブラケット31がねじ30aによって固定連結され、ギアヒンジ部30を構成する第2支持ブラケット32がドア20の一側面にねじ30aによって固定連結され、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32との対向面には縦方向にそれぞれ形成されるギア部31a、32aが互いに歯合するように提供され、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32とのギア部31a、32aが互いに歯合した状態を維持しながら、その歯合するギアの歯が変わりながら第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32とが折畳回動できるように、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32との間でギア部31a、32aを後方から支持する回動支持フレーム33(図2を参照)が提供される。
【0007】
一方、ギアヒンジ部30は、図4図7に示されたように、円滑な回動作用と回転モーメントに対する高い抵抗力を提供する平面回動構造を有している。図4に示されたように、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32の一端部に設けられて互いに歯合するギア部31a、32aの反対側に形成される回転軸支持ポケット31b、32bには、回動支持フレーム33の両端から折り曲げられて形成されるヒンジ軸突出部33aが回転自在に嵌合される。また、図5及び図6に示されたように、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32はそれぞれ回動支持フレーム33両端のヒンジ軸突出部33aを中心に相互連動して軸回転するが、例えば第1支持ブラケット31がドア枠の支持フレーム10側に固定され、第2支持ブラケット32がドア20側に固定される場合であれば、図5図7に示されたように、第2支持ブラケット32が固定された第1支持ブラケット31に対して相対的に回転するようになる。
【0008】
また、図7に示されたように、このような第2支持ブラケット32の軸回転の限界は、外側に回動する第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32の外側面に形成された回転軸支持ポケット31b、32bに、回動支持フレーム33両端の折曲部の外側角部が収容されることで、それ以上の過度な回転が遮断される構造によって決定される。
【0009】
図4図7に示された構造の場合、第1支持ブラケット31に対して第2支持ブラケット32が約180°回転可能な構造を例示している。
【0010】
このように回動され折り畳まれる第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32との両側に縦方向に形成されるギア部31a、32a、及び該ギア部31a、32aの歯合回動を支持する回動支持フレーム33は、図8に示されたように、水平面上における第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32との間の円滑な回動を提供しながら、縦方向に長く形成されたギアの歯が互いに歯合している構造を提供するため、ドア20が大型化してドアの垂直面上でドアの上端と下端との間に生じる回転モーメントが増加しても十分に対抗でき、それによってドアの取付け方向や位置に捩れが生じる可能性を最小化できる構造的な安定性を提供する。
【0011】
一方、両側に縦方向で形成されるギア部31a、32aによって互いに歯合した状態で回転する第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32は、図9に示されたように、ドア20側に固定連結された第2支持ブラケット32がドア枠の支持フレーム10側に固定連結された第1支持ブラケット31に対して縦方向に変位可能な断面構造を有する。そのため、それを防止しようとして、図10及び図11に示されたように、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32とに互いに対向する開口部31c、32cを形成する。そして、図10及び図11に示されたように、対向する開口部31c、32cに共通して嵌め込まれる垂直係止具34を挿入し、それを締結具35によって回動支持フレーム33の内側面に固定する。このような係止具34の一端は回動支持フレーム33の内側空間部と形状がマッチングし、収容されて一体的なギアヒンジ部30を形成する。
【0012】
第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32との間で生じる縦方向の変位を抑制し、垂直荷重を支持するために提供される垂直係止具34の上面及び下面は、ドアが回動開閉するとき、第1支持ブラケット31と第2支持ブラケット32のギア部31a、32aで開口部31c、32cが形成された部分の断面と摩擦してこれらを支持する。したがって、一般にアルミニウム合金素材などの金属材料で製造される第1支持ブラケット31及び第2支持ブラケット32とは異なって、摩擦騒音を防止できて摩擦係数の低い合成樹脂材料で製造される。
【0013】
しかし、大型化したドア20を、上述したギアヒンジ部30を介してドア枠の支持フレーム10に取り付けて使用する実際の状況では、図12に示されたように、ドア20の荷重Wによってドア20側に固定連結された第2支持ブラケット32に引き起こされる下方変位によって垂直係止具34との接触断面における摩擦力が増加し、ドアの回動開閉時に摩擦騒音が過度に発生するようになる。このような大型化したドアで生じる摩擦騒音は、上述した材料的な解決策だけでは回避し難い。
【0014】
さらに、このように幅Wdの拡大によって大型化したドア20を上述したギアヒンジ部30を介してドア枠の支持フレーム10に取り付け、ドアハンドル20hの開閉作動を通じて回転開放する、図13に示されたような実際の状況では、カンチレバー支持構造のため、ドア20の開放時に垂直面上でドアの上端と下端との間で発生する回転モーメントが増加しながら、中立軸に該当するa-a’中立軸線の上部のギアヒンジ部30には引張(tension)応力が発生し(図15aを参照)、中立軸に該当するa-a’中立軸線の下部のギアヒンジ部30には圧縮(compression)応力が発生するようになる(図15bを参照)。特に、トリプルガラス20Gを含むドア20の場合は、ドア幅Wdの増加によるドア重量Wの増加程度が大きいため、ドア20が閉められている図14の状態(閉)から図15a及び図15bに示されたようにドア20が回転開放されるとき、ギアヒンジ部30に発生する引張応力または圧縮応力による変形量が増加する。このように増加する変形量は、ドア20の開閉(閉状態の断面:図14、開状態の断面:図15a(上面図)、図15b(底面図))時に騒音が発生する可能性を高め、経時的な永久変形量まで増加すれば、完全に閉鎖し難いという問題がある。
【0015】
特に、図15bの底面図に示されたように、ドア20が回転開放されるとき、a-a’中立軸線の下部のギアヒンジ部30には圧縮応力が発生するため、ドアの荷重が増加することでその圧縮変形量が増加するようになれば、第1支持ブラケット31のギア部31aと第2支持ブラケット32のギア部32aとが互いに歯合した状態で、その歯合するギア歯部分で永久的な圧縮変形が発生し、そのようになれば、時間の経過とともにドアの回転作動軌跡自体が徐々に変化し、さらにドア回転時の作動騒音が増加するおそれもある。
【0016】
以上、回転式ドアのドアヒンジに関する従来技術の問題点を説明しながらギアヒンジ部を使用した例を中心に説明したが、ドアの上端と下端との間に発生する回転モーメントの増加によって回転式ドアのドアヒンジ部を構成する部品に過度な圧縮応力や引張応力が発生し得る構造を有するものであれば、ヒンジ部の具体的な構成が異なっても、ギアヒンジ部が抱えている技術的な問題と実質的に同じ問題を有すると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の技術的課題は、回転式ドアを構成するドアの荷重により、ドアの回転開閉時に、ドアの垂直面上でドアヒンジ部の水平方向の中立軸を中心にしてドアの上端と下端との間に発生する回転モーメントが増加する傾向が強まる現象を解消できるように、ドアの上端と下端との間での回転モーメントの発生を最小化することができるドア支持構造を簡単な装置を通じて達成することである。
【0018】
特に、回転式ドアのギアヒンジ部を構成するようにドア側に固定連結された第2支持ブラケット側のギア部とドア支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケット側のギア部との間に発生する圧縮応力と圧縮変形を最小化できる装置を提供し、ドアの正確な開閉性能を確保し維持できるとともに、ドアヒンジで発生する摩擦による部品損傷や摩擦騒音の発生を最小化することができる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の技術的課題を達成するため、本発明によれば、
回転式ドアを構成するギアヒンジ部において、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間の安定的な回転作動をガイドできる装置であって、
ドアの荷重により第2支持ブラケットを通じてギアヒンジ部に印加される回転モーメントによってドア中立軸の下部の下端ギアヒンジ部で発生する圧縮応力及びドア中立軸の上部の上端ギアヒンジ部で発生する引張応力を最小化できるように、
ドア枠の支持フレームの下端部に取り付けられるものであって、ドア枠の支持フレームに固設される固定端と、ドアの第2支持ブラケットのギア部の回転作動円弧状軌跡の中心部に置かれ、ドアの第2支持ブラケットのギア部の回転作動円弧状軌跡に対応する第1垂直接触面を備えた第1回転ガイド体とを一体的に含んでなる、固定された第1垂直支持具と、
ドアの下端部に取り付けられるものであって、ドアに固設される固定端と、ドアの第2支持ブラケットのギア部の回転作動円弧状軌跡上に置かれ、ドアの回転作動時に、前記第1垂直支持具の第1回転ガイド体の前記第1垂直接触面と線接触する第2垂直接触面を備えた第2回転ガイド体とを一体的に含んでなる、回転する第2垂直支持具と、を備えてなる、回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置を提供する。
【0020】
ここで、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面が凸状の接触面であるとき、前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面は凹状の接触面として形成され、
前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面が凹状の接触面であるとき、これと線接触する前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面は凸状の接触面として形成されることを特徴とする、回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置を提供する。
【0021】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、ドアの回転開閉作動過程を通じて、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面上の線接触が行われる接触線の変化距離が、前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面上の線接触が行われる接触線の変化距離よりも大きくなるように形成されることを特徴とする。
【0022】
一方、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面には、凹状の接触面部分及び凸状の接触面部分がすべて提供され、前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面にも、対応するように凸状の接触面部分及び凹状の接触面部分がすべて提供されることが望ましい。
【0023】
ここで、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面の前記凹状の接触面部分は、ドアの閉状態で前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面の凸状の接触面部分と接触するように形成されることがドアの閉状態の固定力向上により望ましく、また、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面の前記凹状の接触面部分から前記凸状の接触面部分へと接触部が変わりながら変曲点を通る区間で、接触線数の増大により線接触部の接触応力が減少するように形成することは、このようなドアの閉状態の固定力向上に一層有用である。
【発明の効果】
【0024】
本発明による回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置は、以下のような効果を奏することができる。
【0025】
本発明の基本的な構成によれば、回転式ドアを構成するギアヒンジ部において、ドア枠の支持フレーム側に固定連結された第1支持ブラケットとドア側に固定連結された第2支持ブラケットとの間の安定的な回転作動をガイドできるようにし、ドアの荷重により第2支持ブラケットを通じてギアヒンジ部に印加される回転モーメントを減少させることで、このような回転モーメントによってドア中立軸の下部の下端ギアヒンジ部で発生する圧縮応力及び圧縮変形とドア中立軸の上部の上端ギアヒンジ部で発生する引張応力及び引張変形を最小化することができる。したがって、特にドアの水平中立軸線の下端部のギアヒンジ部での圧縮応力によって発生する圧縮変形量を減少させることで、第1支持ブラケットのギア部と第2支持ブラケットのギア部とが互いに歯合した状態で、その歯合するギア歯部分における永久的な圧縮変形を減少させ、ドアの回転作動軌跡をより長期間維持できるとともに、作動騒音を減少させることができる。
【0026】
特に、本発明の望ましい実施形態によれば、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面には凹状の接触面部分及び凸状の接触面部分がすべて提供され、前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面にも対応するように凸状の接触面部分及び凹状の接触面部分がすべて提供されることで、二重的な凸凹面の結合によって、ドア回転作動時の単一線接触による過荷重状態を防止できるとともに、ドアの閉めに近接した状態でより安定的な固定維持力を得ることができる。
【0027】
また、本発明のより望ましい実施形態によれば、ドアの回転開閉作動過程を通じて、前記第1垂直支持具に提供される前記第1垂直接触面上の線接触が行われる接触線の変化距離が、前記第2垂直支持具に提供される前記第2垂直接触面上の線接触が行われる接触線の変化距離よりも大きくなるように形成されることで、ドアの閉状態よりもドアの開状態に進行するほどドアの回転作動ガイドがより円滑に作用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】回転式ドアの取付け状態の斜視図であって、上端の角部分を拡大して示した図である。
図2図1の回転式ドアのドアヒンジを構成するギアヒンジ部を分解して示した分解斜視図である。
図3】回転式ドアの取付け状態の斜視図であって、下端の角部分を拡大して示した図である。
図4図2に示されたギアヒンジ部の作動状態を示した断面図であって、ドアに連結される第2支持ブラケットが折り畳まれた状態を示している。
図5図2に示されたギアヒンジ部の作動状態を示した断面図である。
図6図2に示されたギアヒンジ部の作動状態を示した断面図である。
図7図2に示されたギアヒンジ部の作動状態を示した断面図であって、ドアが全開放されるように第2支持ブラケットが回転した状態を示している。
図8】ギアヒンジ部の第1支持ブラケットと第2支持ブラケットとの間の回動角度変化に伴うギア部の歯合状態の変化を示した図である。
図9】ギアヒンジ部の第1支持ブラケットと第2支持ブラケットとの間に垂直方向(縦方向)の相対変位が生じた状態を示した図である。
図10】ギアヒンジ部の後面の分解斜視図である。
図11図10の要部Kにおける垂直係止具の組立て状態を前面から示した組立図である。
図12図10のギアヒンジ部において、第1支持ブラケットと第2支持ブラケットとの間の回動角度の変化に伴ってギア部の歯合状態が変化した状態を示した図である。
図13】本発明による回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置が取り付けられていない状態の回転式ドアにギアヒンジ部が設けられた状態であって、ドアの閉状態を示した正面図である。
図14図13のa-a’に沿った断面を示した図である。
図15a図14のドアが開放された状態のa-a’に沿った断面の上面図である。
図15b図14のドアが開放された状態のa-a’に沿った断面の底面図である。
図16】本発明の望ましい一実施形態による回転式ドアの閉状態におけるドア下部の部分斜視図である。
図17図16に示された回転式ドアのギアヒンジ部(Part H)を拡大して示した図である。
図18】ギアヒンジ部の下部に設けられた回転作動ガイド装置部分(Part G)を拡大して示した図であって、ドアの閉状態における第1垂直支持具と第2垂直支持具との間の結合状態を示した断面図をさらに含んでいる。
図19】本発明の望ましい一実施形態による回転式ドアが約45゜開放された状態のドア下部の部分斜視図である。
図20図19に示された回転式ドアのギアヒンジ部(Part H)を拡大して示した図である。
図21】ギアヒンジ部の下部に設けられた回転作動ガイド装置部分(Part G)を拡大して示した図であって、ドアが約45゜開放された状態における第1垂直支持具と第2垂直支持具との間の結合状態を示した断面図をさらにに含んでいる。
図22】本発明の望ましい一実施形態による回転式ドアが約90゜開放された状態のドア下部の部分斜視図である。
図23図22に示された回転式ドアのギアヒンジ部(Part H)を拡大して示した図である。
図24】ギアヒンジ部の下部に設けられた回転作動ガイド装置部分(Part G)を拡大して示した図であって、ドアが約90゜開放された状態における第1垂直支持具と第2垂直支持具との間の結合状態を示した断面図をさらにに含んでいる。
図25】本発明による回転作動ガイド装置が設けられたドアにおいて、ドアが約180゜範囲で回転開閉作動する間に、固定された位置の第1垂直支持具に対して相対的な位置が変化する第2垂直支持具の位置変化状態を示した作動状態図である。
図26図25の第1垂直支持具及び第2垂直支持具を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相異なる形態で具現でき、後述される実施形態によって限定されるものではない。
【0030】
本発明の望ましい一実施形態を示した図16は回転式ドアのドアの閉状態におけるドア下部の部分斜視図であり、図17図16に示された回転式ドアのギアヒンジ部(Part H)を拡大して示した図であり、図18はギアヒンジ部の下部に設けられた回転作動ガイド装置部分(Part G)を拡大して示した図であって、ドアの閉状態における第1垂直支持具と第2垂直支持具との間の結合状態を示した断面図をさらに含んでいる。
【0031】
また、ドアが約45゜開放された状態を示した図面として、図16図19にそれぞれ対応する図20図22を参照し、ドアが約90゜開放された状態を示した図面として、図16図19または図20図22にそれぞれ対応する図23図25を参照できる。
【0032】
まず、本発明による回転式ドアの回転作動ガイド装置の望ましい一実施形態を図面を参照して説明する。
【0033】
図17図24に示されたように、本発明の望ましい一実施形態では、
回転式ドア1000を構成するギアヒンジ部1300において、ドア枠の支持フレーム1100側に固定連結された第1支持ブラケット1150とドア1200側に固定連結された第2支持ブラケット1250との間の安定的な回転作動をガイドできる装置であって、
ドア1200の荷重により第2支持ブラケット1250を通じてギアヒンジ部1300に印加される回転モーメントによってドア中立軸(図13のa-a’)の下部の下端ギアヒンジ部1300で発生する圧縮応力及びドア中立軸(a-a’)の上部の上端ギアヒンジ部1300で発生する引張応力を最小化できるように、
ドア枠の支持フレーム1100の下端部に取り付けられるものであって、ドア枠の支持フレーム1100に固設される固定端1512と、ドア1200の第2支持ブラケット1250のギア部1250aの回転作動円弧状軌跡の中心部に置かれ、ドア1200の第2支持ブラケット1250のギア部1250aの回転作動円弧状軌跡に対応する第1垂直接触面1510a、1510bを備えた第1回転ガイド体とを一体的に含んでなる、固定された第1垂直支持具1510と、
ドア1200の下端部に取り付けられるものであって、ドア1200に固設される固定端1522と、ドア1200の第2支持ブラケット1250のギア部1250aの回転作動円弧状軌跡上に置かれ、ドアの回転作動時に、前記第1垂直支持具1510の第1回転ガイド体の前記第1垂直接触面1510a、1510bと線接触する第2垂直接触面1520a、1520bを備えた第2回転ガイド体とを一体的に含んでなる、回転する第2垂直支持具1520と、を備えてなる、回転式ドアのギアヒンジ部の回転作動ガイド装置1500を提供する。
【0034】
ここで、ギアヒンジ部の回転作動ガイド装置1500は、図16図18図19図21図22図24及び図26に示されたように、
前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510bが凸状の接触面1510aであるとき、前記第2垂直支持具1520に提供される前記第2垂直接触面1520a、1520bは凹状の接触面1520aとして形成され、
前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510bが凹状の接触面1510bであるとき、これと線接触する前記第2垂直支持具1520に提供される前記第2垂直接触面1520a、1520bは凸状の接触面1520bとして形成され得る。
【0035】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、図25に示されたドアの約180゜の回転範囲に対する第1垂直支持具及び第2垂直支持具を拡大して示した図26に示されたように、ドア1200の回転開閉作動過程を通じて、前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510b上の線接触が行われる接触線の変化距離(Ro)が、前記第2垂直支持具1520に提供される前記第2垂直接触面1520a、1520b上の線接触が行われる接触線の変化距離(Lo)よりも大きくなるように形成され得る。
【0036】
一方、前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510bには、凹状の接触面部分1510b及び凸状の接触面部分1510aがすべて提供され、前記第2垂直支持具1520に提供される前記第2垂直接触面1520a、1520bにも、対応するように凸状の接触面部分1520b及び凹状の接触面部分1520aがすべて提供されることが望ましい。
【0037】
ここで、前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510bの前記凹状の接触面部分1510bは、ドアの閉状態で前記第2垂直支持具1520に提供される前記第2垂直接触面1520a、1520bの凸状の接触面部分1520bと接触するように形成されることがドアの閉状態の固定力向上により望ましい。また、前記第1垂直支持具1510に提供される前記第1垂直接触面1510a、1510bの前記凹状の接触面部分1510bから前記凸状の接触面部分1510aへと接触部が変わりながら変曲点を通る区間で、接触線数の増大により線接触部の接触応力が減少するように形成することが、ドアの閉状態の固定力を向上させるのに一層有用である。
【符号の説明】
【0038】
1000:回転式ドア
1100:ドア枠の支持フレーム
1200:ドア
1300:ギアヒンジ部
1150:第1支持ブラケット
1120:第2支持ブラケット
1150a、1250a:ギア部
1512、1522:固定端
1510a、1510b:第1垂直接触面
1510:第1垂直支持具
1520a、1520b:第2垂直接触面
1520:第2垂直支持具
1500:回転作動ガイド装置
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【国際調査報告】