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特表2022-544742エレベータ装置およびエレベータの改修方法
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  • 特表-エレベータ装置およびエレベータの改修方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】エレベータ装置およびエレベータの改修方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/06 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B66B7/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502917
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2019008791
(87)【国際公開番号】W WO2021010519
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0085134
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522019867
【氏名又は名称】韓国三菱エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ホミン
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305BB02
3F305BB19
3F305DA11
3F305DA15
(57)【要約】
本発明は、エレベータ装置およびエレベータの改修方法を提供する。
前記エレベータの改修方法は、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違するエレベータ装置に改修するエレベータの改修方法であって、既設の巻上げ機を撤去して機械室内に形成された空間に、機械台を設置し、前記機械台上に新設の巻上げ機を設置する第1ステップと、かごにかご吊りシーブを設置し、釣合おもりに釣合おもり吊りシーブを設置し、前記昇降路内にかごと釣合おもりを配置する第2ステップと、メインロープを、かご吊りシーブと、巻上げ機に備えられたメインシーブおよび釣合おもり吊りシーブに巻き取り、前記メインロープの両端部を前記機械台に固定する第3ステップとを含み、前記第1ステップまたは前記第2ステップにおいて、前記メインシーブの回転軸方向である第1方向と、前記かご吊りシーブの回転軸方向である第2方向とが互いに傾斜するように、前記巻上げ機と前記かご吊りシーブを配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内でかごガイドレールに沿って昇降するかごと、
前記かごの上部に結合するかご吊りシーブと、
前記昇降路内で釣合おもりガイドレールに沿って昇降する釣合おもりと、
前記釣合おもりの上部に結合する釣合おもり吊りシーブと、
前記かご吊りシーブと前記釣合おもり吊りシーブにメインロープで連結されるメインシーブを備え、前記かご吊りシーブと前記釣合おもり吊りシーブを回転させて前記かごと前記釣合おもりを昇降させる駆動力を提供する巻上げ機とを含み、
前記巻上げ機に備えられた前記メインシーブの回転軸方向である第1方向と、前記かご吊りシーブの回転軸方向である第2方向とが互いに傾斜するように、前記巻上げ機と前記かご吊りシーブを配置する、エレベータ装置。
【請求項2】
前記かごガイドレールは、前記昇降路の内に一対が垂直に備えられ、一対の前記かごガイドレールを連結した仮想の面を基準面とした時に、
前記第1方向と前記第2方向のうち少なくとも一方向が前記基準面に対して傾斜するように、前記メインシーブと前記かご吊りシーブが配置される、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項3】
前記かごガイドレールは、前記昇降路の内に一対が垂直に備えられ、一対の前記かごガイドレールを連結した仮想の面を基準面とした時に、
前記かご吊りシーブは、前記第2方向が前記基準面に平行な方向に延長するように配置され、
前記巻上げ機は、前記メインシーブの前記第1方向が前記基準面に対して傾斜した方向に延長するように配置される、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項4】
前記かごガイドレールは、前記昇降路の内に一対が垂直に備えられ、一対の前記かごガイドレールを連結した仮想の面を基準面とした時に、
前記巻上げ機は、前記メインシーブの前記第1方向が前記基準面に平行な方向に延長するように配置され、
前記かご吊りシーブは、前記第2方向が前記基準面に対して傾斜した方向に延長するように配置される、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項5】
前記かごガイドレールは、前記昇降路の内に一対が垂直に備えられ、一対の前記かごガイドレールを連結した仮想の面を基準面とし、前記かごの中心を前記基準面に垂直した方向に延長した面を中心面とした時に、
前記第1方向と前記第2方向が互いに傾斜するように配置されることにより、前記釣合おもりの中心および前記釣合おもり吊りシーブの中心が、前記中心面上に位置する、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項6】
前記メインシーブの回転軸と前記釣合おもり吊りシーブの回転軸は、互いに直交するように備えられる、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項7】
前記かご吊りシーブは、複数備えられ、
複数の前記かご吊りシーブは、一列に配置される、請求項1に記載のエレベータ装置。
【請求項8】
既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違するエレベータ装置に改修するエレベータの改修方法であって、
既設の巻上げ機を撤去して機械室内に形成された空間に、機械台を設置し、前記機械台上に新設の巻上げ機を設置する第1ステップと、
かごにかご吊りシーブを設置し、釣合おもりに釣合おもり吊りシーブを設置し、昇降路内にかごと釣合おもりを配置する第2ステップと、
メインロープを、かご吊りシーブと、巻上げ機に備えられたメインシーブおよび釣合おもり吊りシーブに巻き取り、前記メインロープの両端部を前記機械台に固定する第3ステップとを含み、
前記第1ステップまたは前記第2ステップにおいて、前記メインシーブの回転軸方向である第1方向と、前記かご吊りシーブの回転軸方向である第2方向とが互いに傾斜するように、前記巻上げ機と前記かご吊りシーブを配置する、エレベータの改修方法。
【請求項9】
前記昇降路内に垂直に配置された一対のかごガイドレールを互いに連結した仮想の面を基準面とし、前記かごの中心を前記基準面に垂直した方向に延長した面を中心面とした時に、
前記第1方向と前記第2方向が互いに傾斜するように配置されることにより、前記釣合おもりを既設の釣合おもりガイドレールによってガイドされるように配置した状態で、前記釣合おもりの中心および前記釣合おもり吊りシーブの中心が、前記中心面上に位置する、請求項8に記載のエレベータの改修方法。
【請求項10】
既設のエレベータ装置は、1:1ローピング方式で設けられ、ギヤード巻上げ機を含み、
改修され新設されるエレベータ装置は、2:1ローピング方式で設けられ、ギヤレス巻上げ機を含む、請求項8に記載のエレベータの改修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ装置およびエレベータの改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、ローピング方式に応じて、1:1ローピング方式、2:1ローピング方式などに分けられ、巻上げ機の種類に応じて、ギヤード巻上げ機タイプとギヤレス巻上げ機タイプとに分けられる。
【0003】
エレベータ改修工事は、運行中の老朽したエレベータの全体または部分的な部品の入れ替えにより、顧客が求める品質を確保することを目的とする。一般的には、改修工事の時には、既存のローピング方式と巻上げ機のタイプをそのまま維持して入れ替えを行っている。
【0004】
既存の老朽したエレベータシステムは、ほとんどがギヤード巻上げ機(Geared Traction Machine)を用いた1:1ローピング方式であり、機械室にギヤード巻上げ機を設置し、かごと釣合おもり(Counterweight)に吊りシーブ(Suspension Sheave)がないローピング方式である。かごと釣合おもりの位置に応じて、メインシーブ以外の補助シーブを追加設置してロープを離隔させて運行している。
【0005】
ギヤード巻上げ機は、効率が悪く、潤滑油の使用による環境汚染などの問題を有しており、最近、ギヤレス巻上げ機(Gearless Traction Machine)を適用した2:1ローピング方式のエレベータシステムが使用されている。しかし、改修工事の時に、1:1ローピング方式のエレベータシステムから2:1ローピング方式のエレベータシステムに改修するためには、既存の釣合おもりガイドレールが移動しなければならないため、工事日程の増加およびコストアップの問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するために導き出されたものであり、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違する本発明のエレベータ装置に改修する場合に、釣合おもりガイドレールの位置を移動して再設置する過程を伴わなくても改修工事が可能なエレベータ装置およびエレベータの改修方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、エレベータの改修工事の時に、ローピング方式と巻上げ機の種類の切り替えが容易であり、ガイドレール交換の工期短縮およびコストダウンを図るエレベータ装置およびエレベータの改修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるエレベータ装置は、昇降路内でかごガイドレールに沿って昇降するかごと、前記かごの上部に結合するかご吊りシーブと、昇降路内で釣合おもりガイドレールに沿って昇降する釣合おもりと、前記釣合おもりの上部に結合する釣合おもり吊りシーブと、前記かご吊りシーブと前記釣合おもり吊りシーブにメインロープで連結されるメインシーブを備え、前記かご吊りシーブと前記釣合おもり吊りシーブを回転させて前記かごと前記釣合おもりを昇降させる駆動力を提供する巻上げ機とを含み、前記巻上げ機に備えられた前記メインシーブの回転軸方向である第1方向と、前記かご吊りシーブの回転軸方向である第2方向とが互いに傾斜するように、前記巻上げ機と前記かご吊りシーブを配置する。
【0009】
本発明によるエレベータの改修方法は、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違するエレベータ装置に改修するエレベータの改修方法であって、既設の巻上げ機を撤去して機械室内に形成された空間に、機械台を設置し、前記機械台上に新設の巻上げ機を設置する第1ステップと、かごにかご吊りシーブを設置し、釣合おもりに釣合おもり吊りシーブを設置し、前記昇降路内にかごと釣合おもりを配置する第2ステップと、メインロープを、かご吊りシーブと、巻上げ機に備えられたメインシーブおよび釣合おもり吊りシーブに巻き取り、前記メインロープの両端部を前記機械台に固定する第3ステップとを含み、前記第1ステップまたは前記第2ステップにおいて、前記メインシーブの回転軸方向である第1方向と、前記かご吊りシーブの回転軸方向である第2方向とが互いに傾斜するように、前記巻上げ機と前記かご吊りシーブを配置する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるエレベータ装置は、巻上げ機またはかご吊りシーブの設置角度を調節することで、釣合おもり吊りシーブとかご吊りシーブのローピング位置に合わせて、メインシーブ、釣合おもり吊りシーブおよびかご吊りシーブを適切な角度で配置することができる。
【0011】
特に、本発明によるエレベータ装置を用いると、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違する本発明のエレベータ装置に改修する場合に、釣合おもりガイドレールの位置を移動して再設置する過程を伴わなくても改修工事を行うことができる。
【0012】
したがって、本発明によると、エレベータの改修工事の時に、ローピング方式と巻上げ機の種類の切り替えが容易であり、ガイドレール交換の工期短縮およびコストダウンを図るという優れた効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来1:1ローピング方式のエレベータ装置を図示した図である。
図2】本発明の比較例による2:1ローピング方式のエレベータ装置を図示した図である。
図3】本発明の第1実施形態によるエレベータ装置を図示した図である。
図4】本発明の第2実施形態によるエレベータ装置を図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0015】
先ず、以下で説明する実施形態は、本発明であるエレベータ装置およびエレベータの改修方法の技術的な特徴の理解を促すのに好適な実施形態である。ただし、本発明が以下で説明する実施形態に限定して適用されるか、以下で説明する実施形態によって本発明の技術的特徴が制限されるものではなく、本発明の技術範囲内で様々な変形実施が可能である。
【0016】
本発明は、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機21の種類が相違するエレベータ装置に改修することを目的とする。例えば、図1に図示されている1:1ローピング方式のギヤード巻上げ機11(Geared Traction Machine)を適用したエレベータシステムから、図2に図示されている2:1ローピング方式のギヤレス巻上げ機21(Gearless Traction Machine)を適用したエレベータシステムに改修するためのものである。
【0017】
ギヤード巻上げ機11(Geared Traction Machine)は、減速機が取り付けられた巻上げ機であり、ギヤレス巻上げ機21(Gearless Traction Machine)は、減速機を使用することなく電動機の回転軸に直接メインシーブ22(Main Sheave)を結合した巻上げ機である。
【0018】
しかし、図1に図示されている方式から図2に図示されている方式に転換して改修するためには、釣合おもりガイドレール25を移動して設置する過程が必要である。
【0019】
具体的には、図1を参照すると、ギヤード巻上げ機11を用いた1:1ローピング方式のエレベータ装置は、かご吊りシーブ23と釣合おもり吊りシーブ25を使用しないため、かご2の中心C1と釣合おもり4の中心C2が同一線上に位置することができる。ギヤード巻上げ機11の駆動シーブ12とローピングされた補助シーブ13をさらに備えることができる。
【0020】
ここで、昇降路1内のかごガイドレール3は、昇降路1の内に一対が垂直に備えられ、昇降路1内に垂直に配置された一対のかごガイドレール3を互いに連結した仮想の面を基準面RPとし、かご2の中心C1を基準面RPに垂直な方向に延長した面を中心面CPとした時に、釣合おもり4の中心C2が中心面CP上に位置することができる。
【0021】
一方、図2を参照すると、2:1ローピング方式のエレベータ装置は、かご吊りシーブ23と釣合おもり吊りシーブ25を使用するため、かご2の中心C1と釣合おもり4の中心C2が同一線上に位置しないこともある。すなわち、釣合おもり4の中心C2が中心面CP上に位置しないこともある。
【0022】
したがって、図1に図示されている従来の1:1ローピング方式のエレベータ装置を、図2に図示されている従来の2:1ローピング方式のエレベータ装置に改修するためには、釣合おもり4をガイドする釣合おもりガイドレール25の位置を移動して再設置する過程が必要である。そのため、改修工事の時に、工事日程の増加およびコストアップの問題が発生することがある。
【0023】
したがって、本発明は、上記の問題を解決すべく、釣合おもりガイドレール25の位置を移動しなくても1:1ローピング方式のエレベータ装置を、2:1ローピング方式のエレベータ装置に切り替えることができるエレベータ装置およびエレベータの改修方法を提供する。
【0024】
以下では、図3および図4を参照して、エレベータ装置およびエレベータの改修方法について説明する。説明の便宜上、改修工事前の巻上げ機11を既設の巻上げ機とし、改修工事後の巻上げ機21を新設の巻上げ機または巻上げ機とする。
【0025】
先ず、図3を参照すると、本発明によるエレベータ装置は、昇降路1内でかごガイドレール3に沿って昇降するかご2と、かご2の上部に結合するかご吊りシーブ23と、昇降路1内で釣合おもりガイドレール25に沿って昇降する釣合おもり4と、釣合おもり4の上部に結合する釣合おもり吊りシーブ25とを含む。ここで、かごガイドレール3と釣合おもりガイドレール25は、昇降路1内に垂直に備えられ、互いに離隔して一対に備えられることができる。
【0026】
説明の便宜上、一対のかごガイドレール3を連結した仮想の面を基準面RPとし、かご2の中心C1を基準面RPに垂直な方向に延長した面を中心面CPとする。
【0027】
また、エレベータ装置は、巻上げ機21をさらに含む。巻上げ機21は、かご吊りシーブ23と釣合おもり吊りシーブ25を回転させてかご2と釣合おもり4を昇降させる駆動力を提供する。また、巻上げ機21は、メインシーブ22をさらに含み、メインシーブ22は、かご吊りシーブ23と釣合おもり吊りシーブ25にメインロープで連結される。本発明による巻上げ機21は、電動機の駆動軸とメインシーブ22の回転軸R1が一致することができる。したがって、巻上げ機21の設置角度を調節すると、メインシーブ22の設置角度が調節されることができる。
【0028】
ここで、本発明は、巻上げ機21に備えられたメインシーブ22の回転軸R1方向である第1方向と、かご吊りシーブ23の回転軸R2方向である第2方向とが互いに傾斜するように、巻上げ機21とかご吊りシーブ23を配置する。
【0029】
このように、本発明によるエレベータ装置は、巻上げ機21またはかご吊りシーブ23の設置角度を調節することで、釣合おもり吊りシーブ25とかご吊りシーブ23のローピング位置に合わせて、メインシーブ22、釣合おもり吊りシーブ25およびかご吊りシーブ23を適切な角度で配置することができる。
【0030】
特に、本発明によるエレベータ装置を用いると、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違する本発明のエレベータ装置に改修する場合に、釣合おもりガイドレール25の位置を移動して再設置する過程を伴わなくても改修工事を行うことができる。
【0031】
したがって、本発明によると、エレベータの改修工事の時にローピング方式と巻上げ機21種類の切り替えが容易であり、ガイドレール交換の工期短縮およびコストダウンを図るという優れた効果を提供することができる。
【0032】
具体的には、本発明は、巻上げ機21またはかご吊りシーブ23を設置する時に、第1方向と第2方向のうち少なくとも一方向が基準面RPに対して傾斜するように、メインシーブ22とかご吊りシーブ23を配置することができる。ここで、第1方向と第2方向の傾斜した程度は、かご2と釣合おもり4の位置に応じて適切に調整することができる。
【0033】
より具体的には、図3に図示されている第1実施形態を参照すると、かご吊りシーブ23は、第2方向が基準面RPに平行な方向に延長するように配置されることができる。また、巻上げ機21は、メインシーブ22の第1方向が基準面RPに対して傾斜した方向に延長するように配置されることができる。
【0034】
このように、巻上げ機21が斜めに設置されることで、釣合おもり4の中心C2および釣合おもり吊りシーブ25の中心が、中心面CP上に位置することができる。すなわち、改修前の1:1ローピング方式のギヤード巻上げ機11を用いたエレベータの配置のように、本発明の釣合おもり4の中心C2が中心面CP上に位置することができ、釣合おもりガイドレール25が同じ位置に配置されることができる。
【0035】
図4に図示されている第2実施形態を参照すると、巻上げ機21は、メインシーブ22の第1方向が基準面RPに平行な方向に延長するように配置されることができる。また、かご吊りシーブ23は、第2方向が基準面RPに対して傾斜した方向に延長するように配置されることができる。
【0036】
具体的には、かご吊りシーブ23をかご2の上端面に設置する時に、メインシーブ22と釣合おもりガイドレール25のローピング位置を考慮して、第2方向が傾斜するように設置することができる。このように、かご吊りシーブ23が斜めに設置されることで、釣合おもり4の中心C2および釣合おもり吊りシーブ25の中心が中心面CP上に位置することができる。
【0037】
図3および図4に図示されている実施形態のように、第1方向と第2方向が互いに傾斜するように配置されることにより、釣合おもり4の中心C2および釣合おもり吊りシーブ25の中心が中心面CP上に位置することができる。
【0038】
ただし、第1方向と第2方向が互いに傾斜するように配置する方式は、図3および図4に限定されるものではなく、釣合おもり4の中心C2および釣合おもり吊りシーブ25の中心が中心面CP上に位置することができれば、様々な方式に変形実施可能である。例えば、第1方向と第2方向の両方が基準面RPに対して傾斜した方向に延長するように配置されることができる。
【0039】
一方、図示されている実施形態のように、メインシーブ22の回転軸R1と釣合おもり吊りシーブ25の回転軸R3とは、互いに直交するように備えられることができる。したがって、釣合おもり4吊りの角度は、巻上げ機21の設置角度に応じて変更されることができる。ただし、メインシーブ22の回転軸R1と釣合おもり吊りシーブ25の回転軸R3が成す角度は、これに限定されるものではない。
【0040】
一方、図示されている実施形態のように、かご吊りシーブ23は、複数備えられることができ、複数のかご吊りシーブ23は、一列に配置されることができる。ここで、複数のかご吊りシーブ23の回転軸R2は、互いに平行であることができる。
【0041】
一方、以下では、本発明によるエレベータの改修方法について説明する。本発明によるエレベータの改修方法は、既設のエレベータ装置10を上記の本発明によるエレベータ装置に改修する方法に関し、以下では、上記の説明と重複する説明は省略する。
【0042】
本発明によるエレベータの改修方法は、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違するエレベータ装置に改修することに基づく。一例として、本発明によるエレベータの改修方法において、既設のエレベータ装置は、1:1ローピング方式で設けられ、ギヤード巻上げ機11を含むことができ(図1参照)、改修され新設されるエレベータ装置は、2:1ローピング方式で設けられ、ギヤレス巻上げ機21を含むことができる(図3または図4参照)。
【0043】
本発明によるエレベータの改修方法は、第1ステップ、第2ステップおよび第3ステップを含むことができる。
【0044】
第1ステップは、既設の巻上げ機11を撤去して機械室内に形成された空間に、機械台6を設置し、機械台6上に新設の巻上げ機21を設置するステップである。
【0045】
第1ステップの前に、既設の巻上げ機11とメインロープとかご2と釣合おもり4を解体し、既設の巻上げ機11を機械室から除去することができる。既設の巻上げ機11を除去した空間に機械支持台7と機械台6を設置し、その上に巻上げ機21を載置して固定することができる。
【0046】
第2ステップは、かご2にかご吊りシーブ23を設置し、釣合おもり4に釣合おもり吊りシーブ25を設置し、昇降路1内にかご2と釣合おもり4を配置するステップである。
【0047】
第3ステップは、メインロープを、かご吊りシーブ23と、巻上げ機21に備えられたメインシーブ22および釣合おもり吊りシーブ25に巻き取り、メインロープの両端部を機械台6に固定するステップである。
【0048】
具体的には、第3ステップにおいて、メインロープをかご吊りシーブ23から巻上げ機21のメインシーブ22を経て釣合おもり吊りシーブ25に巻きかけ、両端部を機械台6のヒッチ部に固定することができる。これにより、巻上げ機21のメインシーブ22が回転すると、メインロープが動くにつれてかご吊りシーブ23、釣合おもり吊りシーブ25が回転することができる。この際、かご2と釣合おもり4は、それぞれ、かごガイドレール3と釣合おもりガイドレール25に沿って上下方向に移動し、且つかご2と釣合おもり4は上下方向に交互に運行することができる。
【0049】
第1ステップまたは第2ステップにおいて、メインシーブ22の回転軸R1方向である第1方向と、かご吊りシーブ23の回転軸R2方向である第2方向とが互いに傾斜するように、巻上げ機21とかご吊りシーブ23を配置する。
【0050】
具体的には、第1方向と第2方向のうち少なくとも一方向が、基準面RPに対して傾斜するように、メインシーブ22とかご吊りシーブ23が配置されることができる(図3および図4参照)。
【0051】
このように、第1方向と第2方向が互いに傾斜するように配置されることにより、釣合おもり4を既設の釣合おもりガイドレール25によってガイドされるように配置した状態で、釣合おもり4の中心C2および釣合おもり吊りシーブ25の中心が、中心面CP上に位置することができる。したがって、改修工事の時に、既設の釣合おもりガイドレール25を移動する必要がなくなる。
【0052】
本発明によるエレベータ装置は、巻上げ機またはかご吊りシーブの設置角度を調節することで、釣合おもり吊りシーブとかご吊りシーブのローピング位置に合わせて、メインシーブ、釣合おもり吊りシーブおよびかご吊りシーブを適切な角度で配置することができる。
【0053】
特に、本発明によるエレベータ装置を用いると、既設のエレベータ装置を、ローピング方式と巻上げ機の種類が相違する本発明のエレベータ装置に改修する場合に、釣合おもりガイドレールの位置を移動して再設置する過程を伴わなくても改修工事を行うことができる。
【0054】
したがって、本発明によると、エレベータの改修工事の時に、ローピング方式と巻上げ機の種類の切り替えが容易であり、ガイドレール交換の工期短縮およびコストダウンを図るという優れた効果を提供することができる。
【0055】
以上、本発明の特定の実施形態について詳述しているが、本発明の思想および範囲は、このような特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、特許請求の範囲に記載の本発明の要旨を変更しない範囲内で様々に修正および変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】