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特表2022-544751固定水調製ユニットを有する透析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】固定水調製ユニットを有する透析システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A61M1/16 161
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506546
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020071264
(87)【国際公開番号】W WO2021023579
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】102019121003.8
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515143739
【氏名又は名称】ビー.ブラウン アビタム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B. BRAUN AVITUM AG
【住所又は居所原語表記】Schwarzenberger Weg 73-79, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレディー ヒルボールド
(72)【発明者】
【氏名】ステファン クリーテメヤー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ オーデルンハイマー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC09
4C077DD14
4C077DD25
4C077EE03
4C077KK30
(57)【要約】
固定透析システムは、好ましくは浸透タイプの、少なくとも2つの別個の水調製ユニット(2、3)であって、選択可能な供給バリアントに従って、少なくとも2つのリングライン(6、7)に流体接続可能、及び/又は、少なくとも2つの別個のリングライン(6、7)から流体分離可能な少なくとも2つの水調製ユニットを備える。供給バリアントを表わす複数の固定された不変の水圧回路は、水調製ユニット(2、3)をリングライン(6、7)に流体接続、及び/又は、リングライン(6、7)から流体分離するために、透析システム(1)の回路受容手段に導入することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定透析システム(1)であって、好ましくは浸透タイプの、少なくとも2つの別個の水調製ユニット(2、3)であって、選択可能な供給バリアントに従って、少なくとも2つのリングライン(6、7)に流体接続可能、及び/又は、前記少なくとも2つの別個のリングライン(6、7)から流体分離可能な前記少なくとも2つの水調製ユニットを備え、
前記供給バリアントを表わす複数の固定された不変の水圧回路を有する水圧回路が、前記水調製ユニット(2、3)を前記リングライン(6、7)に流体接続、及び/又は、前記リングライン(6、7)から流体分離するために、前記透析システム(1)の回路受容手段に挿入されていることを特徴とする、固定透析システム。
【請求項2】
前記透析システム(1)は、さらに、
前記水圧回路を介して、前記リングライン(6、7)に接続可能な少なくとも2つの別個のリングライン戻りライン(8、9)を備える、請求項1に記載の透析システム(1)。
【請求項3】
前記水圧回路は、取付プレート(18; 35)に固定して配置された管状接続要素(13、14、15、16; 36、37)として設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の透析システム(1)。
【請求項4】
前記取付プレート(18; 35)が、前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)と共に、前記リングライン(6、7)、前記排液ライン(8、9)、及び、前記水調製ユニット(2、3)に接続された給水ライン(4、5)のための接続クリップ(17)として設計された接続点を有する回路受容手段として形成されたメインフレームに挿入されることを特徴とする、請求項3に記載の透析システム(1)。
【請求項5】
前記接続点(17)が、コーディングで設計され、
前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)が、前記接続点(17)のコーディングに対応するコーディングで設計されることを特徴とする、請求項4に記載の透析システム(1)。
【請求項6】
前記接続点(17)のコーディングが凹部として設計され、
前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)のコーディングが、前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)の設置状態において、前記接続点(17)の前記凹部に係合する突起として設計されることを特徴とする、請求項5に記載の透析システム(1)。
【請求項7】
前記透析システムは、さらに、
前記水圧回路、及び、前記供給バリアントを検出するためのセンサ(19、20、21、22、23、24、25、26)、好ましくは近接センサを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の透析システム(1)。
【請求項8】
前記透析システムは、さらに、
前記センサ(19、20、21、22、23、24、25、26)によって検出された設置状態を検出し、それに基づいて、少なくとも1つの動作表示ランプ(29、30、31、32、33)を有する表示ユニット(28)を制御する制御ユニット(27)を備える、請求項7に記載の透析システム(1)。
【請求項9】
前記リングライン(6、7)に接続された前記水調製ユニット(2、3)、及び、前記透析ユニット(12)が、局所的に互いから分離されるように、特に異なる部屋、好ましくは異なるフロアに配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の透析システム(1)。
【請求項10】
前記透析システムは、さらに、
前記供給バリアントを表示するために、前記透析ユニット(12)の中央または上に配置される遠隔制御ユニット(34)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の透析システム(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、好ましくは浸透タイプの、少なくとも2つの固定水調製ユニットであって、それぞれの流出口に給水ラインが接続される少なくとも2つの固定水調製ユニットと、固定、及び/又は、可動透析ユニットに選択的に流体連結されることができる複数の分岐接続部を有する少なくとも2つのリングライン流入口と、少なくとも2つのリングライン戻り/リングライン戻りライン/排液ラインであって、それを経由して、透析ユニットから未使用の透析水が戻ることができるリングライン戻り/リングライン戻りライン/排液ラインと、設置状態において、流入口側のリングラインを給水ラインに流体接続し、流出口側のリングラインを排液ラインに流体接続する管状接続要素と、を備える、固定透析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
透析処理ユニットの数が増加するにつれて、2つ以上の水調製ユニット、および、それらに接続可能な2つ以上のリングラインも、数を増して固定透析システムに設置される。
ここでの主な考え方は、1つの水調製ユニットが故障した場合、又は、1つの水調製ユニットにメンテナンス作業が発生した場合に、1つまたは複数の残りの水調製ユニットが、リングラインに透析透過液/透析液を供給しなければならないということである。しかしながら、これは、リングラインへの供給における水圧変化、又は、水調製ユニットとリングラインとの間の接続部における水圧変化を必要とする。水調製ユニットのメンテナンス中において、例えば、このユニットをリングラインから流体的に分離することが必要であり、残りの水調製ユニットが、リングラインに透析流体を供給することとなる。
【0003】
ここで、ほとんどの場合、供給されるべきリングラインは、空間的に分離した処理ユニット(部屋またはフロア)に配置される。しかしながら、患者が、認識されていない又は実行されていない消毒プロセス、即ち、汚染されたリングライン、又は、水調製ユニット又は透析ユニット等の接続された医療技術システムの動作不良によるいかなるリスクにもさらされないように、接続された水調製ユニットの動作状態に関する情報は、各処理ユニットにおいて利用可能でなければならない。医療技術システムからのこの情報は、通常、接続された医療技術システムの動作状態を表示することができる遠隔制御装置(遠隔制御モジュール)に送信される。(例えば、進行中の消毒プロセスについての)情報の欠落、又は、誤送信された情報は、患者にかなりのリスクをもたらす。
【0004】
従来の固定透析システム、及び、それらのリングラインアセンブリ又はリングライン配置では、手動で切り替え可能な油圧バルブ、例えば、3/2方バルブが、水調製ユニットとリングラインとの間に設置される。これらの水圧バルブを切り替えることにより、個々のラインセクションは、水調製ユニットとリングラインとの間の流体接続部に導入されたバイパスを介してバイパスすることができ、リングラインへの供給を変化させることができる。しかしながら、数学的観点からは、この場合、意味の有るスイッチングバリアント(Schalttvarianten)よりも、意味の無いスイッチングバリアントが起こり得る。リングラインアセンブリ(「リングラインスプリッタ」)の隣に配置されるオペレータに表示されるスイッチングバリアント、又は、バルブ位置のみが、許可されたスイッチングバリアントである。
【0005】
一般に、認識されたリスクは、医療技術システムにおいて、好ましくは誤作動を不可能にする設計手段によって、可能な限り防止されなければならない(ISO14971参照)。しかしながら、リスクを示すためのラベリングのような視覚的な手段は、リスクを許容できる点まで低減させない。
【0006】
1つの固定水調製ユニットのみを有する固定透析システムの例が、独国特許出願公開第102013107673号に開示されている。ここで、処理された水を供給するための給水ラインは、水調製ユニットの流出口に接続され、水調製ユニットは、透析機械が選択的に流体結合されるいくつかの分岐接続部を有している。また、透析システムは、使用済み透析流体を排出するための排液ラインを有する。
【0007】
一方、欧州特許第2663345号は、透析流体を生成するための固定生産ユニットと、透析流体を導くためのホース形状又は管状ライン部材と、複数の透析処理ユニットと、を備える透析システムを開示している。透析処理ユニットは、接続部材によってライン部材に接続される。透析処理ユニットへの透析流体の流れは、ライン部材に配置された複数のバルブを切り換えることによって制御される。
【0008】
しかしながら、水圧バルブを介して切り換えることができるリングライン配置を有する従来の固定透析システムは、供給ライン間の切り換え後の供給ラインにおける消毒プロセスが示されていないために、残存する消毒液によって患者が毒される危険性が増大するという欠点を常に有する。さらに、3/2方バルブの誤った位置のために、(高温の/化学)消毒液が、接続されたリングラインに誤って導入される可能性がある。さらに、ボールバルブとして設計されたバルブからの起こり得る漏れ(初期故障)は検出できない。切り替え後に洗浄されないライン部分では、透析流体が溜まるデッドゾーンが生じ、汚染が容易に発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、従来技術の欠点を改善または排除することである。特に、透析動作を行うための水の処理のための、好ましくは浸透タイプの複数の固定水調製ユニットを有する固定透析システムを提供することが意図される。これは、意図しない動作状態を排除し、よって水調製ユニットと透析ユニットとの間の接続ラインに発生し得る漏れ、又は、透析ユニットの誤った接続に起因する患者に対する危険を防止する。また、一人の人によって、任意選択で1つまたは複数のリングラインへの透析流体の供給を安全にスイッチングすることが可能にならなければならず、同時に、水供給における細菌汚染を防止するために、(例えば、ボールバルブの領域における)水圧システムのデッドゾーンは、設計によって回避されなければならない。本開示による透析システムは、さらに、供給タイプが切り替えられたときに、動作信号、及び/又は、アラーム信号を確実に送信し、表示することができる。
【0010】
本開示の目的は、請求項1の特徴を含む固定透析システムによって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の主題であり、以下でより詳細に説明される。
【0011】
本開示のメインコンセプトは、バルブを使わずに、水調製ユニットとリングラインとの間の流体接続の異なる幾何学的/水力学的設計によって、有用なスイッチングバリアント/供給バリアントのみを示すことである。言い換えれば、本開示によれば、従来技術から知られ、手動又は電気的に調整可能なバルブを使用して、2つ以上の別個の(固定)水調製ユニットを、バルブ位置に応じて、自由に選択可能な異なる組合せバリアント/供給バリアントで、2つ以上の別個の(固定)リングラインに流体接続又はリングラインから流体分離する水圧スイッチングデバイスは、それぞれの場合において、(水調製ユニット/システム、及び、リングライン、ならびに、適用可能な場合には、排液ラインも永久的に接続される)(固定)マスクレセプタクル(回路受容手段)内に挿入される固定または不変の(バルブのない)組合せバリアントを有する、いくつかの(複数の)いわゆる結合マスク/接続マスク(水圧回路)によって置き換えられ、そしてこの1つのマスク固有の組合せバリアントに応じて水調製ユニットをリングライン、及び、適用可能な場合には排液ラインに/から接続又は分離する。これは、複数の結合マスク、又は、結合マスクのセットが提供され、各マスクは、1つ(又は多くとも2つ)の結合バリアントを表し、マスクは、選択された方法でマスクレセプタクルに(交互に)挿入され得ることを意味する。
言い換えれば、リングラインへの水調製ユニットの流体接続、及び/又は、リングラインからの流体分離のために、供給バリアントを表す複数の固定された不変の水圧回路からなる水圧回路が、透析システムの回路受容手段に挿入されるか、又は、このような複数の水圧回路が、リングラインへの水調製ユニットの流体接続、及び/又は、リングラインからの流体分離のための回路受容手段に挿入されることができる。この接続において、それぞれの場合において現在挿入されているマスクを、その中に配置されている流体ライン、又は、接続ライン、又は、ラベルに基づいて認識し、現在のマスクによって実現されるそれぞれの組み合わせバリアントに対応する信号を現在接続されている(モバイル)透析ユニット/装置に送信する少なくとも1つのセンサを、マスクレセプタクルに挿入、又は、一体化することが好ましい。
【0012】
本開示によれば、管状接続要素(流体ライン)は、給水ライン、リングライン、及び、排液ラインのための接続点を有するハウジング、好ましくは制御キャビネット(マスクレセプタクル)内に設置することができる取付プレート(マスク)上に配置することができ、これらの接続点は、クランプ状の接続クリップとして設計される。言い換えれば、接続要素は、取付プレート上に事前に組付けられ、次いで、接続要素とともに上述のマスクの形態でハウジング内に挿入される。
【0013】
この接続において、接続クリップは、好ましくは、ホースクランプの形で設計され、ヒンジによって結合される上部シェルと下部シェル、及び、下部シェルに対して上部シェルをロックするためのロック機構を有する。次に、接続要素は、好ましくは、それらの端部のそれぞれに1つの接続フランジを有することができる。接続フランジは、接続要素の設置の際にそれぞれの下部シェルに挿入することができ、上部シェルが折り畳まれた後に、ロック機構によって固定することができる。
【0014】
さらに、接続点が、好ましくは構造的なコーディングで設計され、接続要素が、接続点のコーディングに対応する、好ましくは構造的なコーディングで設計されることが有利である。好ましくは、構造設計によって、接続要素を有する取付プレート(接続マスク)の誤った設置が不可能となるように、接続点のコーディングは凹部として設計することができ、接続要素のコーディングは、接続要素の設置状態において、接続点の凹部に係合する突起として設計することができる。従って、リングラインへの消毒剤の検出されない移動は除外される。
【0015】
さらに、本開示による透析システムは、水圧回路、特に接続要素または接続マスクの設置状態を検出するためのセンサ、好ましくは近接センサと、センサで検出された水圧回路または設置状態、従って、供給バリアントを検出し、これに基づいて、少なくとも1つの動作表示ランプを有して設計された表示ユニットを制御する制御ユニットと、を備えることが有利な点である。接続要素又は接続マスクの構造的設計と共に、制御ユニットにおける設置状態の論理的評価によって、患者が被毒する危険性を最小限に低減することができる。
【0016】
本開示による透析システムが設置されると、水調製ユニット、及び、透析ユニットは、好ましくは、それらが互いに局所的に分離されるように配置されることができる。これに関連して、水調製ユニット、及び、透析ユニットが、クリニックの異なる部屋、特に異なるフロアに配置されることも有利であることができる。これにより、許可を得た職員のみが水調整ユニットにアクセスできることを保証することができる。
【0017】
好ましい実施形態によれば、透析システムは、さらに、供給バリアント、又は、設置状態を表示するために、透析ユニット上に配置された遠隔制御ユニット/遠隔制御装置を備えることができる。この場合、遠隔制御ユニットは、各透析ユニット上のスクリーンとすることができる。しかしながら、代替的に、遠隔制御ユニットを、例えば、タブレットPCのようなモバイルコンピュータユニットの形態の、中央表示ユニット、特にモバイルの表示ユニットとして実現することも考えられる。従って、遠隔制御ユニットによって、設置状態をいつでも監視することができ、透析システムのそれぞれの供給バリアント、及び、任意のエラーメッセージをいつでも監視することが可能である。
【0018】
好ましい例示的な実施形態では、第1の供給バリアントは、接続マスク、特に取付プレートによって実現することができる。さらに、1つの取付プレートを別の取付プレートと交換することによって、第2の供給バリアントを、好ましくは同じマスクレセプタクル上で実現することができる。本明細書では、さらなる取付プレートの配向を幾何学的に変化させることによって、第3の供給バリアントを実現することが可能である。本開示によれば、第1の供給バリアントの接続要素は、実質的に軸方向に延びるパイプラインとして設計することができ、第2又は第3の供給バリアントでは、1つの流入口及び2つの流出口を有する分岐パイプセクション(「スプリット供給器」)として設計することができる。この結果、流体は、それぞれの供給バリアントに要求されるパイプライン、即ち、給水ライン、リングライン、排液ラインのみを通って流れ、設計により、パイプライン内に汚染を促進するデッドゾーンが生成されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示は、好ましい例示的な実施形態を参照して以下に記載される。しかしながら、この実施形態は、本質的に例示的なものにすぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0020】
図1】本開示の好ましい例示的な実施形態による透析システムの第1の供給バリアントの概略図である。
図2】好ましい例示的な実施形態における、接続要素を有する取付プレートの図である。
図3】設置状態における好ましい例示的な実施形態による、接続要素を備えた取付プレートの図である。
図4】本開示による表示ユニットの概略図である。
図5】表示ユニットの動作表示ランプの、第1の供給バリアントに対応する表示状態の表形式の概要である。
図6】本開示の好ましい例示的な実施形態による透析システムの第2の供給バリアントの概略図である。
図7】表示ユニットの動作表示ランプの、第2の供給バリアントに対応する表示状態の表形式の概要である。
図8】第2の供給バリアントのための好ましい例示的な実施形態による接続要素を有する取付プレートの図である。
図9】本開示の好ましい例示的な実施形態による透析システムの第3の供給バリアントの概略図である。
図10】表示ユニットの動作表示ランプの、第3の供給バリアントに対応する表示状態の表形式の概要である。
図11】第3の供給バリアントの設置状態における、好ましい例示的な実施形態による接続要素を有する取付プレートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本開示の好ましい例示的な実施形態による固定透析システム1の第1のスイッチング構成/供給バリアントの概略図を示す。
【0023】
好ましい例示的な実施形態では、透析システム1は、水を処理するための2つの逆浸透ユニット2、3を有し、それぞれの流出口には、給水ライン4、5が接続され、それを介して、処理された水がメインフレームとして設計されたマスクレセプタクルに導かれる。このマスクレセプタクルには、さらに、第1のリングライン6、第2のリングライン7、及び、未使用の透析浸透液を水処理前に容器10に戻すための2つのリングライン戻りライン8、9が接続されている。この結果、処理された水は、マスクレセプタクル内の接続マスクを通って、第1のリングライン6、及び、第2のリングライン7に分配され、そこを流れた後、接続マスク、及び、リングライン戻りライン8、9を通って、容器10に流れることができる。この場合、逆浸透ユニット2、給水ライン4、及び、リングライン戻りライン8は、第1のシステムAを形成し、逆浸透ユニット3、給水ライン5、及び、リングライン戻りライン9は、第2のシステムBを形成する。
【0024】
好ましい例示的な実施形態では、逆浸透ユニット2、3は、本開示における「水調製ユニット」の例である。しかしながら、逆浸透ユニット2、3に加えて、またはその代わりに、他の水調製ユニットも当然使用することができる。
【0025】
第1のリングライン6、及び、第2のリングライン7に沿って、それぞれの場合において複数の分岐接続部11が配置されており、分岐接続部11には、好ましくは可動式の、透析ユニット12を接続することができる。透析ユニット12は、ここでは、逆浸透ユニット2、3から局所的に切り離され、例えば、透析システム1が使用されるクリニックにおいて、逆浸透ユニット2、3とは異なるフロアに配置される。
【0026】
逆浸透ユニット2、3と透析ユニット12との流体接続、及び、透析ユニット12と排液ライン8、9との流体接続のために、図2に示される管状接続要素13、14、15、16が、図3に示されるように、マスクレセプタクルに設置される。この目的のために、後述する接続クリップ(「クランプコネクタ」)17は、接続要素13、14、15、16を、給水ライン4、5、第1のリングライン6と第2のリングライン7の流入口と流出口、及び、リングライン戻りライン8、9に接続するために、マスクレセプタクル内に不動に配置される。
【0027】
換言すれば、接続クリップ17は、接続要素13、14、15、16の設置の際に、逆浸透ユニット2、3と透析ユニット12との間の流体接続、及び、透析ユニット12と排液ライン8、9との間の流体接続を確立するための接続点を形成する。好ましい例示的な実施形態による透析システム1では、接続クリップ17は、給水ライン4及びリングライン戻りライン8の接続クリップ17が、第1のリングライン6の流入口又は流出口の接続クリップ17に対向し、給水ライン5及びリングライン戻りライン9の接続クリップ17が、第2のリングライン7の流入口又は流出口の接続クリップ17に対向するように、制御キャビネット内に配置される。
【0028】
この点に関し、接続クリップ17は、ヒンジによって結合される上部シェルと下部シェル、及び、下部シェルに対して上部シェルをロックするためのロック機構を有するホースクランプの形態で設計されている。次に、図2に示すように、接続要素13、14、15、16の端部の各々は、接続要素13、14、15、16の設置中にそれぞれの下部シェルに挿入することができ、上部シェルが折り畳まれているときにロック機構によって固定される接続フランジを有する。
【0029】
さらに、接続クリップ17は凹部/切込みを有し、接続要素13、14、15、16に形成された突起が設置されると突起がその凹部/切込みに係合する。言い換えれば、接続クリップ17、及び、接続要素13、14、15、16は、凹部および突起によって構造的にコード化された方法で設計される。
【0030】
図2に示すように、接続要素13、14、15、16は、さらに、マスクレセプタクル内に取り付けられた取付プレート(接続マスク)18上に不動に取付けられている。取付プレート18上のこの不動の配置、及び、凹部および突起による上述の構造的コーディングは、1つの設置状態のみを可能にし、従って1つの供給バリアントのみを可能にする。言い換えれば、接続クリップ17のコーディングにより、接続クリップ17を閉じることができないので、取付プレート18の1つの設置状態のみが機械的に可能である。
【0031】
接続要素13、14、15、16が取付けられているのか否か、及び、どの接続要素が設置されているのかを検出できるように、近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26が制御キャビネット内に追加的に設置されている。ここで、近接センサ19、20は、近接センサ19が接続要素13のリングライン側区間を検出でき、近接センサ20が接続要素13の給水側区間を検出できるように、接続要素13の領域に配置されている。従って、近接センサ23、24も、接続要素15のリングライン側区間、接続要素15の給水側区間をそれぞれ検出できるように、接続要素15の領域に配置されている。
【0032】
近接センサ21、22、及び、25、26は、近接センサ21、22が接続要素14のリングライン側区間、リングライン戻りライン側区間をそれぞれ検出し、近接センサ25、26が接続要素16のリングライン側区間、リングライン戻りライン側区間をそれぞれ検出するために、接続要素14、16の領域に配置されている。近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26は、検出結果に応じて、即ち、それぞれの接続要素13、14、15、16の対応する区間の有無に応じて、制御ユニット27に信号を出力する。この制御部は、検出された設置状態を評価し、図4に示す表示ユニット28を制御する。この表示ユニット28は、制御キャビネットの外部、好ましくは、制御キャビネットのドア上に配置され、好ましい例示的な実施形態では、5つの動作表示ランプ29、30、31、32、33を有する。動作表示ランプ29、30、31、32、33は、それぞれ、2つの動作状態(ON又は「点灯」;OFF又は「点灯しない」)で動作させることができる。動作表示ランプ29は、透析システム1のスイッチが入っているのか否か、即ち、電力が供給されているのか否かを示す。動作表示ランプ30、31、32は、それぞれ、第1の供給バリアント、第2の供給バリアント、又は、第3の供給バリアントが存在するのか否かを示し、動作表示ランプ33は、エラー表示として使用され、制御ユニット27が故障信号を受信するとすぐにオンになる。
【0033】
制御ユニット27は、動作表示ランプ29、30、31、32、33を制御する他に、供給バリアントに関する情報を透析ユニット12上に形成された遠隔制御ユニット(「遠隔制御」)34に追加的に出力する。この遠隔制御ユニットは、制御ユニット27の情報が出力されるスクリーンの形態で各透析ユニット12上に設計することができる。代替的に、遠隔制御ユニット34は、制御ユニット27の情報を出力する中央ユニットとすることもできる。例えば、遠隔制御ユニット34は、タブレットPCの形態のポータブルコンピュータとすることができる。
【0034】
図5では、第1の供給バリアントに対する動作表示ランプ29、30、31、32、33の作動状態が表形式で示されている。ここで、動作表示ランプ31、32、33が点灯していない間は、動作表示ランプ29、30が点灯している。これは、透析システム1がスイッチオンされており、第1の供給バリアントが選択されていることを意味する。
【0035】
第1の供給バリアントでは、図1及び図3に示すように、逆浸透ユニット2及び給水ライン4が、接続要素13を介して、第1のリングライン6の流入口に流体接続されている。接続要素14は、第1のリングライン6の流出口をリングライン戻りライン8に流体接続する。給水ライン5を有する逆浸透ユニット3は、接続要素15を介して、第2のリングライン7の流入口に流体的に接続され、接続要素16は、第2のリングライン7の流出口をリングライン戻りライン9に接続する。これは、第1の例示的な実施形態における供給バリアントでは、第1のリングライン6が、第1のシステムAを介して供給され、第2のリングライン7が、第2のシステムBを介して流体的に別個の様式で供給されることを意味する。
【0036】
図1から明らかなように、すべての近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26は、接続要素13、14、15、16のそれぞれの区間の存在を検出し、これらの信号を制御ユニット27に送信する。
【0037】
言い換えれば、第1の供給バリアント(直接供給;標準動作モード)では、2つの逆浸透ユニット2、3のそれぞれは、2つの液圧的に分離したリングライン6、7のうちの一方に別々に供給する。システムAは第1のリングライン6に供給し、システムBは第2のリングライン7に供給する。第1のシステムA及び第1のリングライン6は、第2のシステムB及び第2のリングライン7から、水圧的に分離された方法で動作する。設置バリアントは、近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26を介して検出される。システムA、Bの動作メッセージ(透析動作、消毒、警報)は、接続された遠隔制御ユニット34に表示される。
【0038】
図6では、好ましい例示的な実施形態における透析システム1が、第2の供給バリアントで概略的に示されている。以下では、この第2の供給バリアントの説明は、図1に示す第1の供給バリアントとの相違点のみについて言及する。
【0039】
透析システム1が第2の供給バリアントで動作する場合、取付プレート18は、接続要素13、14、15、16と共に、不動に配置された接続要素36、37を有する取付プレート35に置き換えられる。図8に示すように、接続要素36、37は、ここでは、1つの流入口、及び、2つの流出口を有する分岐管セクション(「スプリット供給器」)として設計されている。特殊な工具でしか解放することができない2つの接続要素36、37の間の、例えばクランプとディスタンスロッドの組合せを介した固定接続38により、接続要素36、37のうちの1つのみが設置されることは不可能であり、これは、許容できない供給バリアントをもたらすことになる。
【0040】
第2の供給バリアントでは、接続要素36は、給水ライン4を、第1のリングライン6の流入口、及び、第2のリングライン7の流入口に接続する。一方、接続要素37は、リングライン戻りライン8を、第1のリングライン6の流出口、及び、第2のリングライン7の流出口に接続する。第2のシステムBの接続されていない接続クリップ17、即ち、給水ライン5及びリングライン戻りライン9上の接続クリップ17は、ダミーピースによって閉じられている。
【0041】
従って、第2の供給バリアントでは、近接センサ19、20、21、22、23及び25は、存在している接続要素36及び/又は37を検出し、2つの近接センサ24、26は、接続要素の不存在を検出する。これらの検出結果は、近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26によって、第1の供給バリアントと同様に、制御ユニット27に送信される。これに基づいて、制御ユニット27は動作表示ランプ29、30、31、32、33とともに表示ユニット28を制御する。第2の供給バリアントにおける動作表示ランプ29、30、31、32、33の動作状態は、図7に表形式で示されている。
ここで、動作表示ランプ30、32、33が点灯しない間は、動作表示ランプ29、31が点灯する。これは、透析システム1がスイッチオンされており、第2の供給バリアントが選択されていることを意味する。
【0042】
言い換えれば、取付プレート18を交換し、取付プレート35を挿入することによって、第1のシステムAは、透析透過液を第1のリングライン6および第2のリングライン7に供給するために使用される。第2のシステムBの開いた接続クリップ17は、ダミーピースによって閉じられる。近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26は、第2の供給バリアントを、受け入れ可能な、許可された供給バリアントとして認識する。第1のシステムA及び第2のシステムBによって、単一のリングライン、即ち、第1のリングライン6又は第2のリングライン7の理論的に考えられる供給バリアント(図8において、取付プレート35をx軸の周りに180°回転させることに対応)は、凹部及び突起を介して、接続クリップ17を構成的にコード化することによって、機械的に防止される。上述したように、2つの接続要素36、37の別個の使用は、接続要素36、37間の固定接続38によっても除外される。
【0043】
図9では、好ましい例示的な実施形態による透析システム1が、第3の供給バリアントで概略的に示されている。以下では、この第3の供給バリアントの説明は、図6に示す第2の供給バリアントとの相違点のみを言及する。
【0044】
透析システム1が第3の供給バリアントで動作される場合、不動に配置された接続要素36、37を有する取付プレート(接続マスク)35は、第2の供給バリアントと比較して、その垂直軸(図8のz軸に対応)に沿って180°回動され、次いで、図10に示されるように挿入される。
【0045】
これにより、第3の供給バリアントでは、接続要素36は、給水ライン5を、第1のリングライン6の流入口及び第2のリングライン7の流入口に接続する。一方、接続要素37は、リングライン戻りライン9を、第1のリングライン6の流出口及び第2のリングライン7の流出口に接続する。第2のシステムAの接続されていない接続クリップ17、即ち、給水ライン4及びリングライン戻りライン8上の接続クリップ17は、ダミーピースによって閉じられている。
【0046】
従って、第2の供給状況において、近接センサ19、21、23、24、25、及び、26は、存在している接続要素36及び/又は37を検出し、2つの近接センサ20、22は、接続要素の不存在を検出する。これらの検出結果は、近接センサ19、20、21、22、23、24、25、26によって、第1又は第2の供給バリアントと同様に、制御ユニット27に送信される。これに基づいて、制御ユニット27は動作表示ランプ29、30、31、32、33とともに表示ユニット28を制御する。第2の供給バリアントにおける動作表示ランプ29、30、31、32、33の動作状態は、図9に表形式で示されている。ここで、動作表示ランプ30、31、32が点灯しない間は、動作表示ランプ29、32が点灯する。これは、透析システム1がスイッチオンされており、第3の供給バリアントが選択されていることを意味する。
【0047】
言い換えれば、取付プレート35を回転させることによって、第2のシステムBを使用して、透析透過液を第1のリングライン6及び第2のリングライン7に供給することができる。第1のシステムAの開いた接続クリップ17は、ダミーピースによって閉じられる。
【0048】
許容されない供給バリアント、例えば、接続要素36、37の別個の使用は、接続クリップ17の構成上のコード化及び接続要素36、37間の固定接続38によって防止され、動作表示ランプ33が点灯するという事実によって示される。この場合、透析システム1の逆浸透ユニット2、3は、故障モードに切り替えられる。
【符号の説明】
【0049】
1:透析システム
2、3:逆浸透ユニット
4、5:給水ライン
6:第1のリングライン
7:第2のリングライン
8、9:リングライン戻りライン
10:流出口
11:分岐接続
12:透析ユニット
13、14、15、16、36、37:接続要素
17:接続クリップ
18、35:取付プレート(接続マスク)
19、20、21、22、23、24、25、26:近接センサ
27:制御ユニット
28:表示ユニット
29、30、31、32、33:動作表示ランプ
34:遠隔制御ユニット
38:固定接続
A:第1のシステム
B:第2のシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定透析システムであって、少なくとも2つの別個の水調製ユニットであって、選択可能な供給バリアントに従って、少なくとも2つのリングラインに流体接続可能、及び/又は、前記少なくとも2つの別個のリングラインから流体分離可能な前記少なくとも2つの水調製ユニットを備え、
前記供給バリアントを表わす複数の固定された不変の水圧回路を有する水圧回路が、前記水調製ユニットを前記リングラインに流体接続、及び/又は、前記リングラインから流体分離するために、前記透析システムの回路受容手段に挿入されていることを特徴とする、固定透析システム。
【請求項2】
前記透析システムは、さらに、
前記水圧回路を介して、前記リングラインに接続可能な少なくとも2つの別個のリングライン戻りラインを備える、請求項1に記載の透析システム。
【請求項3】
前記水圧回路は、取付プレートに固定して配置された管状接続要素として設計されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の透析システム。
【請求項4】
前記取付プレートが、前記接続要素と共に、前記リングライン、少なくとも2つの別個のリングライン戻りライン、及び、前記水調製ユニットに接続された給水ラインのための接続クリップとして設計された接続点を有する回路受容手段として形成されたメインフレームに挿入されることを特徴とする、請求項3に記載の透析システム。
【請求項5】
前記接続点が、コーディングで設計され、
前記接続要素が、前記接続点のコーディングに対応するコーディングで設計されることを特徴とする、請求項4に記載の透析システム。
【請求項6】
前記接続点のコーディングが凹部として設計され、
前記接続要素のコーディングが、前記接続要素の設置状態において、前記接続点の前記凹部に係合する突起として設計されることを特徴とする、請求項5に記載の透析システム。
【請求項7】
前記透析システムは、さらに、
前記水圧回路、及び、前記供給バリアントを検出するためのセンサを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の透析システム。
【請求項8】
前記透析システムは、さらに、
前記センサによって検出された設置状態を検出し、それに基づいて、少なくとも1つの動作表示ランプを有する表示ユニットを制御する制御ユニットを備える、請求項7に記載の透析システム。
【請求項9】
前記リングラインに接続された前記水調製ユニット、及び、前記透析ユニッが、局所的に互いから分離されるように配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の透析システム。
【請求項10】
前記透析システムは、さらに、
前記供給バリアントを表示するために、前記透析ユニットの中央または上に配置される遠隔制御ユニットを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の透析システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
一方、欧州特許第2663345号は、透析流体を生成するための固定生産ユニットと、透析流体を導くためのホース形状又は管状ライン部材と、複数の透析処理ユニットと、を備える透析システムを開示している。透析処理ユニットは、接続部材によってライン部材に接続される。透析処理ユニットへの透析流体の流れは、ライン部材に配置された複数のバルブを切り換えることによって制御される。米国特許出願公開第2014/0083917号明細書及び独国特許出願公開第102008013109号明細書は、固定透析システムのさらなる例を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
許容されない供給バリアント、例えば、接続要素36、37の別個の使用は、接続クリップ17の構成上のコード化及び接続要素36、37間の固定接続38によって防止され、動作表示ランプ33が点灯するという事実によって示される。この場合、透析システム1の逆浸透ユニット2、3は、故障モードに切り替えられる。
以下の項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
固定透析システム(1)であって、好ましくは浸透タイプの、少なくとも2つの別個の水調製ユニット(2、3)であって、選択可能な供給バリアントに従って、少なくとも2つのリングライン(6、7)に流体接続可能、及び/又は、前記少なくとも2つの別個のリングライン(6、7)から流体分離可能な前記少なくとも2つの水調製ユニットを備え、
前記供給バリアントを表わす複数の固定された不変の水圧回路を有する水圧回路が、前記水調製ユニット(2、3)を前記リングライン(6、7)に流体接続、及び/又は、前記リングライン(6、7)から流体分離するために、前記透析システム(1)の回路受容手段に挿入されていることを特徴とする、固定透析システム。
(項目2)
前記透析システム(1)は、さらに、
前記水圧回路を介して、前記リングライン(6、7)に接続可能な少なくとも2つの別個のリングライン戻りライン(8、9)を備える、項目1に記載の透析システム(1)。
(項目3)
前記水圧回路は、取付プレート(18; 35)に固定して配置された管状接続要素(13、14、15、16; 36、37)として設計されていることを特徴とする、項目1又は2に記載の透析システム(1)。
(項目4)
前記取付プレート(18; 35)が、前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)と共に、前記リングライン(6、7)、前記排液ライン(8、9)、及び、前記水調製ユニット(2、3)に接続された給水ライン(4、5)のための接続クリップ(17)として設計された接続点を有する回路受容手段として形成されたメインフレームに挿入されることを特徴とする、項目3に記載の透析システム(1)。
(項目5)
前記接続点(17)が、コーディングで設計され、
前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)が、前記接続点(17)のコーディングに対応するコーディングで設計されることを特徴とする、項目4に記載の透析システム(1)。
(項目6)
前記接続点(17)のコーディングが凹部として設計され、
前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)のコーディングが、前記接続要素(13、14、15、16; 36、37)の設置状態において、前記接続点(17)の前記凹部に係合する突起として設計されることを特徴とする、項目5に記載の透析システム(1)。
(項目7)
前記透析システムは、さらに、
前記水圧回路、及び、前記供給バリアントを検出するためのセンサ(19、20、21、22、23、24、25、26)、好ましくは近接センサを備える、項目1から6のいずれか1項に記載の透析システム(1)。
(項目8)
前記透析システムは、さらに、
前記センサ(19、20、21、22、23、24、25、26)によって検出された設置状態を検出し、それに基づいて、少なくとも1つの動作表示ランプ(29、30、31、32、33)を有する表示ユニット(28)を制御する制御ユニット(27)を備える、項目7に記載の透析システム(1)。
(項目9)
前記リングライン(6、7)に接続された前記水調製ユニット(2、3)、及び、前記透析ユニット(12)が、局所的に互いから分離されるように、特に異なる部屋、好ましくは異なるフロアに配置されることを特徴とする、項目1から8のいずれか1項に記載の透析システム(1)。
(項目10)
前記透析システムは、さらに、
前記供給バリアントを表示するために、前記透析ユニット(12)の中央または上に配置される遠隔制御ユニット(34)を備える、項目1から9のいずれか一項に記載の透析システム(1)。
【国際調査報告】