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特表2022-544756多重的なDL SPSのためのHARQコードブック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】多重的なDL SPSのためのHARQコードブック
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/16 20060101AFI20221014BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20221014BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221014BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20221014BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04 110
H04W72/04 136
H04W72/12 150
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022506830
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 IB2020057700
(87)【国際公開番号】W WO2021033116
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/888,095
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, シウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブランケンシップ, ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】フレンネ, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ムルガナタン, シヴァ
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA02
5K014FA03
5K067AA13
5K067AA33
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD24
5K067DD34
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE72
5K067GG01
5K067HH22
5K067HH28
5K067JJ12
5K067JJ13
(57)【要約】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックを構築するためのシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態において、ユーザ機器(UE)により実行される方法は、動的にスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関連付けられるHARQ ACKビットの第1のセット、及び半永続的スケジューリング(SPS)PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築することと、前記SPS PDSCHインデックスに従って、HARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えることと、を含む。いくつかの実施形態において、前記UEは、ネットワークノードから、各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、前記UEは、前記ネットワークノードへ、前記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKフィードバックを送信する。この手法で、重複する可能性のある時間ドメインリソース割当てを伴うUE向けに構成される複数のDL SPSについてHARQ ACKフィードバックが可能とされる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(912)により実行される方法であって、
1つ以上の動的にスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関連付けられるハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答(ACK)ビットの第1のセット、及び各々半永続的スケジューリング(SPS)構成インデックスを伴う1つ以上のアクティブ化されたSPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築すること(1300)と、
前記1つ以上のアクティブ化されたSPS PDSCHの前記SPS構成インデックスに従って、HARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えること(1302)と、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、HARQ ACKビットの前記第2のセットは、HARQ ACKビットの前記第1のセットに付加される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記動的HARQコードブックを、アップリンクのスロット又はサブスロット内のアップリンクチャネルにおいて、ネットワークノードへ送信すること(1304)、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)である、方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法であって、さらに、
前記ネットワークノードから、各々セルインデックスを伴う1つ以上のサービングセルの各々について、各々前記SPS構成インデックスを伴う1つ以上のダウンリンクSPS PDSCHの構成を受信すること、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法であって、さらに、前記1つ以上のサービングセルから、1つ以上のアクティブ化されたダウンリンクSPS PDSCHを受信すること、を含む、方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法であって、さらに、
前記ネットワークノードへ、前記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKフィードバックを送信すること、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法であって、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えることは、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを昇順に並び替えること、を含む、方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法であって、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えることは、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを降順に並び替えること、を含む、方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法であって、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えることは、さらに、まず前記サービングセルインデックス、次いで前記SPS構成インデックスが増加する順にHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えること、を含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法であって、前記SPS構成インデックスに従ってHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えることは、さらに、まず前記SPS構成インデックス、次いで前記サービングセルインデックスが増加する順にHARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替えること、を含む、方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法であって、複数の送受信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信について、半静的なHARQコードブック内のHARQ ACKビットは:
まずTRP、次いでサービングセル;及び
まず前記サービングセル、次いで前記TRP;
からなる群のうちの1つに従って並び替えられる、方法。
【請求項13】
請求項1~13のいずれか1項に記載の方法であって、前記ネットワークノードは、基地局(902)である、方法。
【請求項14】
ネットワークノードにより実行される方法であって、
各々1つ以上の半永続的スケジューリング(SPS)物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を伴う1つ以上のサービングセルと共にユーザ機器(UE)を構成することと、
前記1つ以上のSPS PDSCHをアクティブ化し送信することと、
1つ以上の動的にスケジューリングされるPDSCHを送信することと、
アップリンクスロットにおいて、前記1つ以上の動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答(ACK)ビットの第1のセット、及び前記1つ以上のSPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットの第2のセットを含むHARQ ACKコードブックを受信することと、
を含む方法。
【請求項15】
ユーザ機器(UE)(912)により実行される、ネットワークノードから、複数のダウンリンク(DL)半永続的スケジューリング(SPS)物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を受信し、前記ネットワークノードへ、SPS PDSCHに関連付けられるハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答(ACK)フィードバックを返送する方法であって
スロット又はサブスロットにおいて、重複する時間ドメインリソース割当てを伴う1よりも大きいJ個の許可されたPDSCHの構成を受信すること(1200)、
前記スロット又はサブスロットにおける前記重複する時間ドメインリソース割当てを伴う許可されたPDSCHの前記個数Jに基づいて、HARQ ACKレポーティングのための半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)、及び、
アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて、前記ネットワークノードへ、前記半静的なHARQコードブックを送信すること(1204)、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて前記ネットワークノードへ前記半静的なHARQコードブックを送信すること(1204)は、ある順序でHARQコードブックエントリを並び替えるなどして、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて前記ネットワークノードへ前記半静的なHARQコードブックを送信すること、を含む、方法。
【請求項17】
請求項15~16のいずれか1項に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおける前記HARQ ACKレポーティングについてサービングセル向けにJ×M行及びN列の前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)、を含み、Mは、有効化されるトランスポートブロックの数であり、Nは、HARQ ACKレポーティングのための前記アップリンクのスロット又はサブスロットに関連付けられるダウンリンクのスロット又はサブスロットの数に前記スロット又はサブスロットにおける重複しない時間ドメインのリソース割当ての数を乗算したものである、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、さらに、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、さらに、前記スロット又はサブスロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記第1のSPS PDSCHは、最小のSPSインデックスを有し、前記第2のSPS PDSCHは、次の最小のSPSインデックスを有する、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、前記スロット又はサブスロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法であって、さらに、前記スロット又はサブスロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記第1のSPS PDSCH及び前記第2のSPS PDSCHは、相異なる無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を有する、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、前記スロット又はサブスロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【請求項26】
請求項15~17のいずれか1項に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、
動的にスケジューリングされるPDSCH及び前記SPS PDSCHについて別個のHARQサブコードブックを構築すること、及び、
前記別個のHARQサブコードブックを合成して、前記半静的なHARQコードブックを提供すること、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項27】
請求項15~26のいずれか1項に記載の方法であって、複数の送信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信について、前記半静的なHARQコードブック内のHARQビットは、まず前記TRP、次いでサービングセルか、又はまず前記サービングセル、次いで前記TRPか、のいずれかで並び替えられる、方法。
【請求項28】
ワイヤレスデバイス(1900)であって、
1つ以上のプロセッサ(1902)と、
前記1つ以上のプロセッサにより実行可能な命令群を記憶するメモリ(1904)と、
を備え、それにより、前記ワイヤレスデバイス(1900)は、
動的にスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関連付けられるハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答(ACK)ビットの第1のセット、及び半永続的スケジューリング(SPS)PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築し、
前記SPS PDSCHインデックスに従って、HARQ ACKビットの前記第2のセットを並び替える、
ように動作可能である、ワイヤレスデバイス。
【請求項29】
請求項28に記載のワイヤレスデバイス(1900)であって、前記命令群は、さらに、前記ワイヤレスデバイス(1900)に、請求項2~21のいずれか1項に記載の方法を実行させる、ワイヤレスデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2019年8月16日に出願された仮特許出願第62/888,095号の利益を主張し、その開示はここで全体として参照によりここに取り入れられる。
【0002】
本開示は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックに関連する。
【背景技術】
【0003】
概して、ここで使用される全ての用語は、異なる意味が明確に与えられていない限り、及び/又は使用されている文脈から異なる意味が示唆されていない限り、関係する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。あるエレメント、装置、コンポーネント、手段、ステップなどへの全ての言及は、別段の明示的な記述の無い限り、それらエレメント、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つの実例への言及としてオープンに解釈されるべきである。あるステップが他のステップに後続し若しくは先行するものとして明示的に説明されておらず、及び/又は、あるステップが他のステップに後続し若しくは先行しなければならないことが暗黙の了解でない限り、ここで開示されるいかなる方法のステップも、開示された厳密な順序で実行されなくてよい。ここで開示される任意の実施形態の任意の特徴が、適切であるならば、他の任意の実施形態へ適用されてよい。同様に、任意の実施形態の任意の利点が、他のどの実施形態にも当てはまり得るものであり、逆もまたしかりである。包含される実施形態の他の目的、特徴及び利点が以下の説明から明らかとなるであろう。
【0004】
次世代のモバイルワイヤレス通信システム(5G)あるいは新無線(NR)は、多様なユースケースの集合及び多様な配備シナリオの集合をサポートすることになる。後者は、低い周波数(6ギガヘルツ(GHz)以下)及び非常に高い周波数(数十GHzまで)の双方での配備を含む。
【0005】
NRのフレーム構造及びリソースグリッド:NRは、ダウンリンク(即ち、ネットワークノード、新無線基地局(gNB)又は基地局からユーザ機器(UE)へ)及びアップリンク(即ち、UEからgNBへ)の双方でサイクリックプレフィクス直交周波数多分割多重化(CP-OFDM)を使用する。アップリンクでは、離散フーリエ変換(DFT)拡散直交周波数分割多重化(OFDM)もまたサポートされる。時間ドメインにおいて、NRのダウンリンク及びアップリンクは、各々1ミリ秒(ms)である等サイズのサブフレームへ編成される。サブフレームは、さらに時間長の等しい複数のスロットへ分割される。スロット長は、サブキャリア間隔に依存する。Δf=15kHzというサブキャリア間隔の場合、サブフレームごとにスロットは1つだけ存在し、各スロットは14個のOFDMシンボルからなる。
【0006】
NRにおけるデータスケジューリングは、典型的には、スロットベースで行われる;図1に一例が示されており、15kHzのサブキャリア間隔及び14シンボルのスロットを伴うNRの時間ドメイン構造において、最初の2つのシンボルは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を含み、残りは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)か又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)かのいずれかである物理共有データチャネルを含むことが描かれている。
【0007】
NRでは、様々なサブキャリア間隔の値がサポートされる。サポートされるサブキャリア間隔の値(様々なヌメロロジーともいう)は、Δf=(15×2μ)kHzによって与えられ、∈0,1,2,3,4である。Δf=15kHzが、基本的なサブキャリア間隔である。様々なサブキャリア間隔におけるスロット時間長は、1/2μ[ms]によって与えられる。
【0008】
周波数ドメインでは、システム帯域幅は、各々が12本の連続するサブキャリアに対応する複数のリソースブロック(RB)へ分割される。RBは、システム帯域幅の一端から0で始まる形で付番される。基本的なNRの物理的な時間-周波数リソースグリッドが図2に描かれており、そこでは14シンボルのスロット内に1つのリソースブロック(RB)のみが示されている。1つのOFDMシンボルインターバルの期間中の1つのOFDMサブキャリアは、1つのリソースエレメント(RE)を形成する。
【0009】
ダウンリンク送信は、動的にスケジューリングされ、即ち、各スロットにおいて、gNBは、どのUEデータが送信される予定であり、現行のダウンリンクスロット内のどのRBにおいて当該データが送信されるのかに関するダウンリンク制御情報(DCI)を、PDCCH上で送信する。UEデータは、PDSCH上で搬送される。
【0010】
NRにおいて、PDSCHをスケジューリングするために2つのDCIフォーマットが定義されており、即ちDCIフォーマット1_0及びDCIフォーマット1_1である。DCIフォーマット1_0は、DCIフォーマット1_1よりもサイズが小さく、UEがネットワークには完全に接続状態ではない場合に使用されることができ、一方で、DCIフォーマット1_1は、2つのトランスポートブロック(TB)でのMIMO(Multiple-Input-Multiple-Output)送信をスケジューリングするために使用されることができる。
【0011】
CORESET及びサーチスペース:PDCCHは、以下の表1に示したように、1つ以上の制御チャネルエレメント(CCE)からなる。CCEは、6つのリソースエレメントグループ(REG)からなり、REGは1つのOFDMシンボルの期間中の1つのRBに等しい。
【表1】
【0012】
UEがモニタリングすべきPDCCH候補のセットは、PDCCHサーチスペースセットの観点で定義されている。サーチスペースセットは、共通サーチスペース(CSS)セット又はUE固有サーチスペース(USS)セットであり得る。UEを、PDCCH候補をモニタリングするために、帯域幅部分ごとに10セットまでのサーチスペースと共に構成することができる。
【0013】
サーチスペースセットは、制御リソースセット(CORESET)にわたって定義される。CORESETは、周波数ドメインにおいてNRB CORESET個のリソースブロック、時間ドメインにおいてNsymb CORESET∈{1,2,3}個の連続するOFDMシンボルからなる。NRリリース15では、UEを、帯域幅部分ごとに3個までのCORESETと共に構成することができる。各CORESETについて、UEは、CORESET情報エレメント(IE)を伴う無線リソース制御(RRC)シグナリングにより構成され、それは次のものを含む:
・CORESETインデックスp(0≦p<12);
・復調リファレンス信号(DM-RS)スクランブリングシーケンス初期化値;
・UEが同じDM-RSプリコーダの使用を想定できる、周波数ドメインにおけるREGの数についてのプリコーダ粒度;
・連続するシンボルの数;
・リソースブロックのセット;
・CCE対REGのマッピングパラメータ;
・64個までの送信構成インジケーション(TCI)状態のリストを、CORESETpにおいて構成することができる。それらTCI状態は、TCI状態における1つのRSセット内のソースダウンリンクリファレンス信号(RS)とPDCCH DMRSポートとの間の疑似コロケーション(QCL)関係を提供するために使用される(即ち、CORESETpに対し定義される複数のサーチスペースのうちの1つにおいて受信されるPDCCHについてのDMRSポート用である)。ソースダウンリンクRSは、チャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)か又は同期信号ブロック(SSB)かのいずれかであり得る;
・CORESETpにおいてPDCCHにより送信されるDCIフォーマット1_1について、送信構成インジケーション(TCI)フィールドの有無のためのインジケーション。
【0014】
各サーチスペースセットについて、UEは、次のものと共に構成される:
・サーチスペースセットインデックスs(0≦s<40)
・サーチスペースセットsとCORESETpとの間の関連付け
・k個のスロットというPDCCHモニタリング周期、及びo個のスロットというPDCCHモニタリングオフセット
・PDCCHモニタリングのためのスロット内のCORESETの最初のシンボルを示す、スロット内のPDCCHモニタリングパターン
・サーチスペースセットsが存在するスロットの個数を示す、kスロット未満のTという時間長
・CCEアグリゲーションレベルLごとのPDCCH候補の数M (L)
・サーチスペースセットがCSSセットか又はUSSセットかというインジケーション
・モニタリング向けのDCIフォーマット
【0015】
各サーチスペースセットsについて、UEは、(n・Nslot frame,μ+ns,f μ-o)mod(k)=0である場合のフレーム番号nを有するフレームにおいて、スロット番号ns,f μを有するスロット内にPDCCHモニタリング機会が存在すると判定する。UEは、スロットns,f μから開始しT個の連続するスロットについてサーチスペースセットのためにPDCCHをモニタリングし、次のk-T個の連続するスロットについてサーチスペースセットsのためにPDCCHをモニタリングしない。
【0016】
UEは、まず、PDCCHを検出し及び復号し、復号に成功すると、PDCCH内の復号した制御情報に基づいて、対応するPDSCHを復号する。PDSCHが成功裏に復号されると、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)ACKが物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上でgNBへ送信される。そうでなければ、PDSCHのデータをUEへ再送することができるように、PUCCH上でgNBへHARQ NACKが送信される。PUCCHがPUSCH送信と重複する場合、HARQフィードバックもまたPUSCH上で運ばれることができる。
【0017】
アップリンクのデータ送信もまた、PDCCHを用いて動的にスケジューリングされる。ダウンリンクについてPDSCHをスケジューリングする場合と同様に、UEは、まずPDCCHにおいてアップリンクグラントを復号し、アップリンクグラントにおいて復号した制御情報、例えば変調次数、符号化レート、アップリンクリソース割当てなどに基づいて、PUSCH上でデータを送信する。
【0018】
PDCCHを用いてアップリンク及びダウンリンクをスケジューリングするために、複数のダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットが定義されている。PDSCHのスケジューリング用には、2つのフォーマット1_0及び1_1が存在し、詳しくは以下の通りである。加えて、受信されるPDCCHが特定のUE向けを意図されていることを確実化するために、各UEは、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)のセットを有する。検出されたPDCCHのRNTIがUE向けのRNTIに適合する場合、UEは、そのDCI内の情報に基づくアクションを行うことになる。そうでない場合、UEは、そのDCIを無視することになる。
【0019】
DCIフォーマット1_0は、1つのダウンリンクセルにおけるPDSCHのスケジューリングのために使用される。巡回冗長検査(CRC)がセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、構成スケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)、又は変調符号化方式(MCS)セル無線ネットワーク一時識別子(MCS-C-RNTI)によりスクランブリングされているDCIフォーマット1-0によって、次の情報が送信される:
・DCIフォーマットのための識別子
・周波数ドメインリソース割当て
・時間ドメインリソース割当て
・変調符号化方式
・新規データインジケータ
・冗長性バージョン
・HARQプロセス番号
・ダウンリンク割当てインデックス-カウンタDAI(Downlink Assignment Index)として2ビット
・PUCCHリソースインジケータ
・PDSCH対HARQフィードバックタイミングインジケータ
【0020】
DCIフォーマット1_1は、1つのセルにおけるPDSCHのスケジューリングのために使用される。CRCがC-RNTI、CS-RNTI、又はMCS-C-RNTIによりスクランブリングされているDCIフォーマット1-1によって、次の情報が送信される:
・DCIフォーマットのための識別子
・キャリアインジケータ
・帯域幅部分インジケータ
・周波数ドメインリソース割当て
・時間ドメインリソース割当て(TDRA)
・トランスポートブロック(TB)1について:
-変調符号化方式-5ビット(IMCS
-新規データインジケータ(NDI)-1ビット
-冗長性バージョン-2ビット(rvid
・トランスポートブロック(TB)2について(maxNrofCodeWordsScheduledByDCI が2に等しい場合にのみ存在):
-変調符号化方式-5ビット(IMCS
-新規データインジケータ(NDI)-1ビット
-冗長性バージョン-2ビット(rvid
-HARQプロセス番号
-ダウンリンク割当てインデックス(DAI)-2ビットのカウンタDAI及び2ビットのトータルDAI(1つより多くのセルが構成される場合)
-PUCCHリソースインジケータ(PRI)
-PDSCH対HARQフィードバックタイミングインジケータ(k1)-0,1,2又は3ビット。このフィールドのためのビット幅は[log(I)]ビットとして決定され、Iは上位レイヤパラメータdl-DataToUL-ACK内のエントリの数である。
【0021】
DCIフォーマット1-1によりスケジューリングされ得るTB又はコードワードの最大数は、上位レイヤパラメータmaxNrofCodeWordsScheduledByDCIにより構成される。このパラメータを用いて、1個か又は2個かのいずれかのコードワードが構成され得る。2コードワード送信が有効化されることを上位レイヤパラメータmaxNrofCodeWordsScheduledByDCIが示すケースにおいて、対応するトランスポートブロックについてIMCS=26且つrvid=1であれば、DCIフォーマット1-1により2個のトランスポートブロックのうちの一方が無効化され、ここでIMCSはMCS(変調符号化方式)インデックスであり、rvidは冗長性バージョンであり、共にDCI1_1において示される。双方のトランスポートブロックが有効化される場合、トランスポートブロック1及び2は、それぞれコードワード0及び1にマッピングされる。トランスポートブロックが1つだけ有効化される場合、有効化されるトランスポートブロックは常に最初のコードワードにマッピングされる。
【0022】
時間ドメインにおけるPDSCHリソース割当て:DCIによりUEがPDSCHを受信するようにスケジューリングされる場合、当該DCIの時間ドメインリソース割当て(TDRA)フィールド値mが、割当てテーブルに対する行インデックスm+1を提供する。使用されるリソース割当てテーブルの判定法は、3GPP TS38.214v15.6.0の第5.1.2.1.1節において定義されており、テーブル5.1.2.1.1-2、5.1.2.1.1-3、5.1.2.1.1-4及び5.1.2.1.1-5に従って既定のPDSCH時間ドメイン割当てA、B若しくはCが適用されるか、又は、上位レイヤで構成されるパラメータであるpdsch-ConfigCommon若しくはpdsch-Config内のpdsch-TimeDomainAllocationListが適用されるかのいずれかである。
【0023】
CRCがC-RNTI、MCS-C-RNTI、CS-RNTIによりスクランブリングされているDCIについて、適用可能なTDRAは、表2に示されている。
【表2】
【0024】
表3には、通常CP用の既定のPDSCH時間ドメインリソース割当てAが示されており、インデックス付けされた行は、スロットオフセットk0、当該スロット内の開始シンボルS、及びシンボル数でPDSCH割当て長Lを、並びに、PDSCH受信において想定されるべきPDSCHマッピングタイプを直接的に定義している。タイプA(即ち、スロットベースのPDSCH送信)か又はタイプB(即ち、ミニスロットベースのPDSCH送信)かのいずれかが示され得る。
【表3】
【0025】
pdsch-TimeDomainAllocationListが構成されるケースでは、pdsch-TimeDomainAllocationListは、以下に示すようにPDSCH-Time Domain Resource Allocationという情報エレメント(IE)のリストを含み、その中で、開始/長さインジケータSLIVとしてのstartSymbolAndLengthにおいて開始シンボルS及び割当て長Lが結合的に符号化される。
【数1】
【0026】
PDSCHマッピングタイプA及びタイプBについて、有効なS及びLの値は以下の表4に示されている。
【表4】
【0027】
タイプAのPDSCHについて、pdsch-TimeDomainAllocationList内の又は表3に示した既定のテーブルA内のTDRAは、部分的に重複しており、NRリリース15では、サービングセルごとに1つのPDSCHのみをスロット内でスケジューリングすることができる。
【0028】
タイプBのPDSCHについては、PDSCHの開始位置がより柔軟に選択可能であるため、pdsch-TimeDomainAllocationList内の又は既定のテーブルA内のTDRAのうちのいくつかは重複無しとすることができ、そのため、1つよりも多くのPDSCHをスロット内でスケジューリングし得る。図3は、タイプA及びタイプBのPDSCHのいくつかの例を示しており、そのうち図3(d)において、2つのタイプBのPDSCHがスロット内でスケジューリングされている。
【0029】
ダウンリンク(DL)SPS:NRのダウンリンクでは、動的な割当てか又はDL半永続的スケジューリング(SPS)を使用するかのいずれかでPDSCHをスケジューリングすることができる。動的な割当てのケースでは、gNBは、各DL送信(即ち、PDSCH)についてUEへDL割当てを提供する。DL SPSのケースでは、送信パラメータのいくつか(即ち、動的なスケジューリングにおいてDCIにより示されるもの)はネットワークからUEへのRRCシグナリングを用いて事前に構成され、一方で、送信パラメータの残りはSPSアクティブ化の期間中に単一のDCIを介してL1シグナリングされる。DL SPSのために構成された後続のスロットにおいてSPS PDSCHのためにDCIが送信されることはなく、そのため、UEは、RRC及びSPSアクティブ化パラメータを用いて、DL SPSのために構成された後続のスロットにおけるSPS PDSCHの受信を行う。即ち、送信パラメータのうちのいくつかは、RRCを介して半静的に構成され、残りの送信パラメータは、DL SPSプロセスをアクティブ化するDCIにより提供される。こうしたDL SPS送信を停止するために、ネットワークからUEへ"リリース"が指示される。DL SPSプロセスのスケジューリングリリース(非アクティブ化ともいう)は、gNBによってUEへ、新たなDCIを用いてシグナリングされる。
【0030】
リリース15では、SPS-ConfigというIEが、ダウンリンクの半永続的な送信を構成するために使用されるRRCにおける情報エレメントである。理解され得るように、送信の周期、HARQプロセスの数、PUCCHリソース識別子、及び代替的なMCSテーブルを構成する可能性が、この情報エレメントによって構成され得る。ダウンリンクSPSは、SpCell(即ち、デュアルコネクティビティにおけるセカンダリセルグループに関するプライマリセル)に加えてセカンダリセル(SCell)上で構成され得るが、セルグループのうちの1つよりも多くのサービングセルに対して一度に構成されることはないものとされる。
【数2】
【0031】
PUCCH上でのNR HARQ ACK/NACKフィードバック:UEが受信したPDSCHに関連付けられるHARQ-ACKをいつ送信すべきかに関してNRではいくつかのルールが定義されている。
【0032】
PUCCH送信のためのスロットについていうと、UEは、スロットnで終了するPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1を検出し、又はスロットnで終了するPDCCH受信を通じたSPS PDSCHリリースを示すDCIフォーマット1_0を検出すると、スロットn+k内のPUCCH送信において対応するHARQ-ACK情報を提供し、ここでkは、スロット数であり、DCIフォーマット内に存在するならばPDSCH対HARQタイミングインジケータフィールドにより指し示され、存在しないならば上位レイヤの構成パラメータdl-DataToUL-ACKにより直接的に提供される。k=0が指し示される場合、それは、PDSCH受信に重複し又はSPS PDSCHリリースのケースではPDCCH受信と重複するPUCCH送信のアップリンクスロットにおいて、HARQ-ACKを伴うPUCCHを送信することに対応する。
【0033】
スロットnで終了するSPS PDSCH受信については、UEは、スロットn+kでPUCCHを送信し、ここでkは、DCIフォーマット1_0内のPDSCH対HARQタイミングインジケータフィールドにより、又は、SPS PDSCH受信をアクティブ化する際に使用されたDCIフォーマット1_1内に同フィールドが存在するならばそれにより提供される。
【0034】
パラメータkは、DCIの内容が議論される場合にはK1としても言及され、なぜならK1はオフセットを提供するDCI内のパラメータ名だからである。DCIフォーマット1_0について、K1は{1,2,3,4,5,6,7,8}のうちの1つであり得る。DCIフォーマット1_1について、K1は上位レイヤにより構成されるパラメータdl-DataToUL-ACKにおいて構成される通りの値のセットのうちの1つであり得る。当該値のセットは、{0,1,...,15}という範囲内あり得る。DCIではK1のために3ビットが存在するため、8個までの値を上記セットにおいて構成することができる。
【0035】
複数のキャリアを伴うキャリアアグリゲーション(CA)及び/又は時分割複信(TDD)動作のケースでは、複数の統合されたHARQ ACK/NACKビットを単一のPUCCHリソースにおいて送信する必要があり得る。
【0036】
NRでは、UEに対し4つまでのPUCCHリソースセットを構成することができる。pucch-ResourceSetId=0であるPUCCHリソースセットは、32個までのPUCCHリソースを有することができ、一方でpucch-ResourceSetId=1~3であるPUCCHリソースセットについては、各セットは8個までのPUCCHリソースを有することができる。UEは、スロット内で送信すべき統合されたアップリンク制御情報(UCI)ビットの数に基づいて、当該スロット内のPUCCHリソースセットを決定する。UCIビットは、HARQ ACK/NACK、スケジューリング要求(SR)及びチャネル状態情報(CSI)ビットからなる。
【0037】
UEは、OUCI個の情報ビットを送信する場合、PUCCHリソースセットを次のように決定する:
・1又は2個のHARQ-ACK情報ビット、並びにHARQ-ACK情報の送信及びSRが同時に生じるときはSR送信機会1回での肯定的な又は否定的なSRを含めて、OUCI≦2の場合、pucch-ResourceSetId=0を有するPUCCHリソースの1番目のセット、あるいは
・上位レイヤにより提供される場合であって、2<OUCI≦Nであれば、pucch-ResourceSetId=1を有するPUCCHリソースの2番目のセット、あるいは
・上位レイヤにより提供される場合であって、N<OUCI≦Nであれば、pucch-ResourceSetId=2を有するPUCCHリソースの3番目のセット、あるいは
・上位レイヤにより提供される場合であって、N<OUCI≦1706であれば、pucch-ResourceSetId=3を有するPUCCHリソースの4番目のセット、
ここで、N<N<Nは、上位レイヤシグナリングによりネットワークからUEへ提供されるパラメータである。
【0038】
HARQ-ACK情報を伴うPUCCH送信について、UEは、PUCCHリソースセットを決定した後に、PUCCHをリソースを決定する。PUCCHリソースの決定は、DCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1内の3ビットのPUCCHリソースインジケータ(PRI)フィールドに基づく。
【0039】
CA及び/又はTDDのケースにおいて、DCIフォーマット1_0又は1_1が1つよりも多く受信される場合、PUCCHリソースの決定は、複数受信されUEにより検出されたDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1-1のうちで最後のDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1-1内のPUCCHリソースインジケータ(PRI)フィールドに基づく。複数受信されるDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1は、PUCCH送信のために同じスロットを示すPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorフィールドの値を有する。PUCCHリソースの決定のために、検出されるDCIフォーマットは、まず同じPDCCHモニタリング機会について複数のサービングセルインデックスにわたって昇順でインデックス付けされ、次いで複数のPDCCHモニタリング機会インデックスにわたって昇順でインデックス付けされる。
【0040】
3ビットのPRIフィールドは、最大で8個のPUCCHリソースを有するPUCCHリソースのセット内のPUCCHリソースへマッピングされる。pucch-ResourceSetId=0であるPUCCHリソースの1番目のセットについて、当該セット内のPUCCHリソースの数RPUCCHが8よりも大きい場合、UEは、PUCCH送信について同じスロットを示すPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorフィールドの値を有する当該UEが受信したDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1のうちで、PDCCH受信における最後のDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1の検出に応じて、HARQ-ACK情報を搬送するために0≦rPUCCH<RPUCCH-1である次の通りのインデックスrPUCCHを有するPUCCHリソースを決定する。
【数3】
ここで、NCCE,pは、3GPP TS38.213v15.4.0の第10.1節に記述されている通り、そのDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1についてのPDCCH受信のCORESETp内のCCEの数であり、nCCE,pは、当該PDCCH受信についての最初のCCEのインデックスであり、ΔPRIは、そのDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1内のPUCCHリソースインジケータフィールドの値である。
【0041】
NR HARQ-ACKコードブック:NRリリース15は、1つ以上のコンポーネントキャリア(CC)の複数受信されるPDSCHについてのHARQ Ack/Nackの多重化のために、2種類のHARQコードブック、即ち、半静的なコードブック(タイプ1)及び動的なコードブック(タイプ2)をサポートする。UEは、HARQ Ack/Nackフィードバックのために、それら2種類のコードブックのうちのいずれか一方を使用するように構成され得る。
【0042】
NRのタイプ1HARQ-ACKコードブックの決定:時間におけるHARQコードブック(CB)サイズ(DLアソシエーションセット)は、HARQ-ACKタイミングK1の構成されたセットと、pdsch-ConfigCommon内のpdsch-TimeDomainAllocationListか又は既定のPDSCH時間ドメインリソース割当てAかのいずれかにより提供されるテーブルの行インデックスR、及びpdsch-Config内のpdsch-TimeDomainAllocationListのセットと、TDDのケースにおける半静的に構成されたTDDパターンとに基づいて決定される。PDSCHのためにスロットnで受信されるPDCCHについて、K1は、対応するDCIにおいてシグナリングされ、当該PDSCHについてのHARQ A/Nフィードバックはスロットn+K1において生じる。
【0043】
図4に、あるTDDパターンについての、タイプ1のHARQコードブックの一例が示されており、1から5までのK1のセットと、構成される時間ドメインリソース割当てテーブル、又は、重複しないPDSCH TDRA割当ての無いpdsch-TimeDomainAllocationListとを有し、即ちスロット内でPDSCHを1つだけスケジューリングできる。スロットn及びn+5に2つのPUCCHスロットが存在し、各々が先行する5スロットから受信されたPDSCHに関連付けられるAck/Nackビットを搬送する。この例において、タイプ1のHARQコードブックには各々1ビットを有する(即ち、PDSCHごとに高々1つのTBに対応する)5つのエントリが存在し、各K1の値に対して1つである。PDSCH送信無しのスロット、又はPDSCHが検出されないスロットについては、コードブック内の対応するエントリはNACKで埋められ、これは図中で"N"により示されている。PDSCHがスケジューリングされたスロットでは、対応するコードブックのエントリにおいてAck又はNackのいずれかがレポートされ、これは図中で"X"により示されている。
【0044】
UEがスロットごとに1つよりも多くのユニキャストのPDSCHの受信(即ち、タイプBスケジューリング)をサポートする場合、pdsch-TimeDomainAllocationList内又は既定のPDSCH時間ドメインリソース割当てAテーブル内の各重複しない時間ドメインリソース割当てについて、1つのHARQコードブックエントリがスロットごとに予約される。
【0045】
コードワード2個を伴うMIMOのケースでは、各K1値について追加的なエントリが加えられる。複数のCCのケースでは、HARQコードブック内に追加的な行が加えられる。コンポーネントキャリアの次元では、HARQコードブックサイズは、DLセルごとの構成(例えば、MIMO、空間バンドリング、TBごとの構成されたコードブロックグループ(CBG)の個数)に基づいて、DLセルの構成された個数及びHARQフィードバックビットの最大数により与えられる。一例が図5に示されており、UE向けの半静的なHARQコードブックが、3つのセル、即ちセル1~3と共に構成されている。セル1はPDSCHごとに高々2つのTBで、セル2はPDSCHごとに1つのTBで、セル3は1つのTB及び4つのCBGで構成されている。各K1値について、UEは、7ビットをフィードバックする必要があり、即ち、セル1向けに2ビット、セル2向けに1ビット、及びセル3向けに4ビットである(PDSCH時間ドメインリソース割当てテーブルに基づくスロットごとの潜在的に複数のエントリは考慮していない)。
【0046】
なおタイプ1のHARQコードブックサイズは、上位レイヤによる構成の後は固定的(フィードバックビット数が一定)であり、動的には変化しない。
【0047】
NRのタイプ2HARQ-ACKコードブックの決定:タイプ1のHARQコードブックとは異なり、タイプ2のHARQコードブックのサイズは、PDSCH受信又はSPS PDSCHリリースをスケジューリングし及びHARQ Ack/Nackフィードバックのために同じPUCCHリソースに関連付けられるDCIの数に基づいて、動的に変化する。DCIの数は、DCI内のカウンタDAI(ダウンリンク割当てインジケータ)フィールドに、及びDCIフォーマット1_1のケースで1つよりも多くのサービングセルが構成される場合にはトータルDAIフィールドにも基づいて、導出され得る。
【0048】
DCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1内のカウンタDAIフィールドの値は、現在のサービングセル及び現在のPDCCHモニタリング機会までの、DCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1に関連付けられるPDSCH受信又はSPS PDSCHリリースが現れる{サービングセル,PDCCHモニタリング機会}ペアの累積数を、まずサービングセルインデックスの昇順、次いでPDCCHモニタリング機会インデックスmの昇順で表し、ここで、0≦m<Mであり、MはPDCCHモニタリング機会の総数である。
【0049】
DCIフォーマット1_1内にトータルDAIが存在する場合、その値は、現在のPDCCHモニタリング機会mまでの、DCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1に関連付けられるPDSCH受信又はSPS PDSCHリリースが現れる{サービングセル,PDCCHモニタリング機会}ペアの総数を表し、PDCCHモニタリング機会からPDCCHモニタリング機会へと更新される。
【0050】
DAI割当ての一例が図6に示されており、ここではUEは2つのサービングセル及び3つのPDCCHモニタリング機会と共に構成されている。スケジューリングされる各DCIの後の対応するカウンタDAI及びトータルDAIの値が示されている。カウンタDAIは、スケジューリングされる各DCIの後に更新され、一方で、トータルDAIは、各モニタリング機会にだけ更新される。DCIにおいてカウンタDAI又はトータルDAIのいずれかに2ビットのみが割当てられることから、実際のDAIの値は、4を法とする演算によって巡回する。UEは、連続して未検出となるDCIが4個より少なければ、いくつかのDCIが未検出となっても、送信されたDCIの実際の数を把握することができる。
【0051】
スロットnでPUCCHにおいて送信されるHARQ-ACK情報のために、UEは、計oACK個のビットについて、動的にスケジューリングされたPDSCHに関連付けられるHARQ-ACK情報ビット
【数4】
を、まずサービングセルインデックスの昇順、次いでPDCCHモニタリング機会インデックスmの昇順という順序で決定する。図6に示した例において、両セルについて1つのTBが有効化される場合、HARQ情報ビット
【数5】
は、図7に示したようになる。
【0052】
UEのためにSPS PDSCH受信がアクティブ化されており、kをサービングセルcでのSPS PDSCHのためのPDSCH対HARQフィードバックタイミング値として、UEがサービングセルcについてスロットn-kにおいてSPS PDSCHを受信するように構成されている場合、
【数6】
の末尾に1つの追加的なビットが加えられる。SPS PDSCHが1つよりも多くのセルにおいてアクティブ化されており、対応するHARQ A/Nフィードバックがスロットn内となる場合、サービングセルインデックスの昇順で、SPS PDSCHの各々について1ビットが加えられる。図6における例を用いると、両セルにおいてSPSがアクティブ化され、UEがスロットnにおいて対応するHARQフィードバックと共にSPS PDSCHを受信するように構成されている場合(即ち、同じULスロット内にHARQフィードバックあり)、HARQ-ACK情報ビットは、図8に示したようになる。
【0053】
NRリリース16での拡張:リリース16では、産業上のIoT(Industrial Internet of Things,IIoT)のサポートのために、複数のDL SPS構成をサービングセルの帯域幅部分(BWP)において同時にアクティブにできることが合意された。サービングセルの所与のBWPについて、相異なるDL SPS構成に関しアクティブ化を別々に及びリリースを別々に行うことがサポートされることになる。その動機付けは、例えば、同じUEに対して同時に進行中であり得る相異なるIIoTサービスが、PDSCH受信のために相異なる周期を要し、潜在的には相異なるMCSテーブルを必要とするかもしれないことである。
【0054】
リリース15では、サービングセルにおけるBWPごとに単一のDL SPS構成のみがサポートされている。加えて、サービングセルにおける所与の時間ドメインリソース上のスロットにおいて1つのPDSCHのみをスケジューリングすることができ、即ち、重複しない送信のみが許可される。リリース16において1つよりも多くのSPSがサポートされる場合にはそれは問題であり、即ち、この場合にタイプ1又はタイプ2のHARQコードブックでのHARQ Ack/Nackフィードバックをいかにしてサポートするか、である。
【0055】
より具体的には、複数のSPS PDSCHが重複する時間ドメインリソースを伴う何らかのスロットにおいて生じるかもしれず、その取扱いが問題となる。リリース15のタイプ1のHARQコードブックでは、スロット内で重複する時間ドメインリソース割当てについてコードブック内で1つのHARQ ACKエントリのみが利用可能であり、よって1つのHARQ ACK情報ビットのみを送信することができる。ある時間的にクリティカルな超高信頼性低レイテンシ通信(URLLC)サービスについて1スロットの周期が許可されるとすると、相異なるDL SPS構成に属する複数のPDSCH送信の間の衝突、及びPDSCHのSPS送信とスロット内で動的にスケジューリングされるPDSCHとの間の衝突も回避することは困難となるはずである。
【0056】
タイプ2のHARQコードブックのケースでは、サービングセル内で同じPUCCHリソースに関連付けられる複数のSPS PDSCHについて複数のHARQ ACK情報ビットをいかに順序付けするかが、関連する他の問題である。
【発明の概要】
【0057】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックを構築するためのシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態において、ユーザ機器(UE)により実行される方法は、動的にスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関連付けられるHARQ A/Nビットの第1のセット、及び半永続的スケジューリング(SPS)PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築することと、SPS PDSCHインデックスに従って、HARQ A/Nビットの上記第2のセットを並び替えることと、を含む。いくつかの実施形態において、上記UEは、ネットワークノードから、各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、上記UEは、上記ネットワークノードへ、上記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを送信する。この手法で、重複する可能性のある時間ドメインリソース割当てを伴うUE向けに構成される複数のDL SPSに対してHARQ A/Nフィードバックが可能とされる。
【0058】
本開示のある観点及びそれらの実施形態は、上述した又は他の課題に対する解決策を提供し得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、タイプ1のHARQコードブックについて、提案される解決策は、スロット内で重複する時間ドメインリソース割当てを伴うJ個(J>1)のPDSCHを許可することと、DL SPS向けのコードブック内で定義された別個のエントリ又は行を伴う、NRリリース15のHARQコードブックと比較してJ倍のHARQコードブックエントリを、各K1に割り当てることと、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、タイプ2のHARQコードブックについて、提案されるのは、各サービングセルについて、動的にスケジューリングされるPDSCHのためのHARQ A/Nビットと多重化しつつ、昇順か降順かのいずれかで、DL SPS構成インデックスに基づいてDL SPSのためのHARQ A/Nビットを並び替える方法である。
【0061】
いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイスにおいて実行される、複数のダウンリンクSPS PDSCHをネットワークノードから受信し、上記ネットワークノードへ、上記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送するための方法は、
・スロット内で重複するTDRAを伴うJ個(J>1)の許可されたPDSCHの構成を受信することと、
・アップリンクスロットにおけるHARQ A/Nレポーティングのために、各サービングセルについて、J×M行N列の半静的なHARQコードブックを構築することであって、Mは、有効化されるトランスポートブロックの数であり、Nは、HARQ A/Nレポーティングのための上記アップリンクのスロットに関連付けられるダウンリンクのスロットの数にスロットにおける重複しないTDRAの数を乗算したものである、ことと、
・ある順序で上記HARQコードブックのエントリを並び替えることにより、上記アップリンクスロットにおいて上記半静的なHARQコードブックを送信することと、を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む。なお、いくつかの実施形態において、動的にスケジューリングされるPDSCHに対する最初のM個の行、及びSPS PDSCHに対する残りの行の上記関連付けは、上記半静的なHARQコードブックを構築するステップの一部として実行される。それは、SPS PDSCH及び動的にスケジューリングされるPDSCHが1スロット内で受信されるシナリオに対応する。
【0063】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、スロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、上記第1のSPS PDSCHは、最小のSPSインデックスを有し、上記第2のSPS PDSCHは、次の最小のSPSインデックスを有する。なお、いくつかの実施形態において、スロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合の、第1のSPS PDSCHに対するある列における第1のM個の行、及び第2のSPS PDSCHに対する第2のM個の行の上記関連付けは、上記半静的なHARQコードブックを構築するステップの一部である。それは、2つ以上のDL SPSが1スロット内で受信/構成されるシナリオに対応する。
【0064】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、スロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、上記第1のSPS PDSCH及び上記第2のSPS PDSCHは、相異なるRNTIを有する。なお、いくつかの実施形態において、スロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合の、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対するある列における第1のM個の行、及び第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対する第2のM個の行の上記関連付けは、上記半静的なHARQコードブックを構築するステップの一部として実行される。それは、2つ以上の動的にスケジューリングされるPDSCHが1スロット内で受信/構成されるシナリオに対応する。
【0065】
いくつかの実施形態において、上記半静的なHARQコードブックは、動的にスケジューリングされるPDSCH及びSPS PDSCHについて別々に構築される。
【0066】
いくつかの実施形態において、複数の送受信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信のケースにおいて、上記半静的なHARQコードブック内のHARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、次いでTRPか、のいずれかで並び替えられる。
【0067】
いくつかの実施形態において、ワイヤレスデバイスにおいて実行される、各々がSPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHをネットワークノードから受信し、上記ネットワークノードへ、上記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送するための方法は、
・動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第1のセット、及びSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築することと、
・上記SPS PDSCHインデックスに従って、昇順か又は降順かのいずれかで、HARQ A/Nビットの上記第2のセットを並び替えることと、
・上記アップリンクスロットにおいて、上記HARQコードブックを送信することと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、複数のTRPにわたるSPS PDSCH送信のケースでは、上記HARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、そしてTRPか、のいずれかで並び替えられ得る。
【0069】
ある実施形態は、次の技術的利点のうちの1つ以上を提供し得る。上記解決策は、重複する可能性のある時間ドメインリソース割当てを伴うUE向けに構成される複数のDL SPSに対してHARQ A/Nフィードバックを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本明細書に取り入れられその一部をなす添付図面の図は、本開示のいくつかの観点を示しており、その説明と共に本開示の原理の説明に供される。
【0071】
図1】15kHzのサブキャリア間隔及び14シンボルのスロットを伴うNRの時間ドメイン構造を示しており、最初の2つのシンボルは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を含み、残りは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)か又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)かのいずれかである物理共有データチャネルを含む;
図2】基本的なNRの物理的な時間-周波数リソースグリッドを示しており、14シンボルのスロット内にリソースブロック(RB)は1つだけである;
図3】タイプA及びタイプBのPDSCHのいくつかの例を示しており、そのうち図3(d)において、2つのタイプBのPDSCHがスロット内でスケジューリングされている;
図4】あるTDDパターンについての、タイプ1のHARQコードブックの一例を示しており、1から5までのK1のセットと、構成される時間ドメインリソース割当てテーブル、又は、重複しないPDSCH TDRA割当ての無いpdsch-TimeDomainAllocationListとを有し、即ちスロット内でPDSCHを1つだけスケジューリングできる;
図5】3つのセル、即ちセル1~3と共に構成されたUE向けの半静的なHARQコードブックを示している;
図6】DAI割当ての一例を示しており、UEは2つのサービングセル及び3つのPDCCHモニタリング機会と共に構成されている;
図7図6に示した例について、両セルのために1つのTBが有効化される場合のHARQ情報ビット
【数7】
を示している;
図8】両セルにおいてSPSがアクティブ化され、UEがスロットnにおいて対応するHARQフィードバックと共にSPS PDSCHを受信するように構成されている場合(即ち、同じULスロット内にHARQフィードバックあり)の、図6における例を用いるHARQ-ACK情報ビットを示している;
図9】本開示の実施形態を実装し得るセルラー通信システムの1つの例を示している;
図10】本開示のいくつかの実施形態に係る動的にスケジューリングされたPDSCH及びDL SPSによってスケジューリングされたPDSCHの混成を伴うPDSCHの一例を示している;
図11】本開示のいくつかの実施形態に従って、J=2でPDSCHごとに単一のTBが想定されることを示している;
図12】本開示のいくつかの実施形態に従って、UEがネットワークノード(例えば、基地局)から複数のDL SPS PDSCHを受信し、ネットワークノードへそれらSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送する動作を示すフローチャートである;
図13】本開示のいくつかの実施形態に従って、UEがネットワークノード(例えば、基地局)から各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、ネットワークノードへそれらSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送する動作を示すフローチャートである;
図14】本開示のいくつかの実施形態に従って、1つのセルの複数のHARQ-ACKビットが共にグループ化される、2つのTRP及び2つのセルについての統合HARQ-ACKビットの一例を示している;
図15】本開示のいくつかの実施形態に従って、1つのTRPの複数のHARQ-ACKビットが共にグループ化される、2つのTRP及び2つのセルについての統合HARQ-ACKビットの一例を示している;
図16】本開示のいくつかの他の実施形態に係る無線アクセスノードの概略ブロック図である。
図17】本開示のいくつかの実施形態に係る無線アクセスノードの仮想化された実施形態を示す概略ブロック図である。
図18】本開示のいくつかの他の実施形態に係る無線アクセスノードの概略ブロック図である。
図19】本開示のいくつかの実施形態に係るUEの概略ブロック図である。
図20】本開示のいくつかの実施形態に係るUEの概略ブロック図である。
図21図21及び図22は、本開示のいくつかの実施形態に係るセルラー通信システムの例を示している。
図22図21及び図22は、本開示のいくつかの実施形態に係るセルラー通信システムの例を示している。
図23図23図26は、本開示のいくつかの実施形態に係る通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
図24図23図26は、本開示のいくつかの実施形態に係る通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
図25図23図26は、本開示のいくつかの実施形態に係る通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
図26図23図26は、本開示のいくつかの実施形態に係る通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下に説示する実施形態は、当業者がそれら実施形態を実践することを可能にする情報を表現し、及びそれら実施形態の実践の最良の形態を示す。添付図面の図を踏まえて以下の説明を読めば、当業者は、本開示の概念を理解し、及びここで具体的には扱われていないそれら概念の応用を認識するであろう。それら概念及び応用は本開示のスコープの範囲内に入ることが理解されるべきである。
【0073】
[無線ノード]:ここで使用されるところでは、"無線ノード"は、"無線アクセスノード"か又は"ワイヤレスデバイス"かのいずれかである。
【0074】
[無線アクセスノード]:ここで使用されるところでは、"無線アクセスノード"あるいは"無線ネットワークノード"は、信号をワイヤレスに送信し及び/又は受信するように動作する、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)内の任意のノードである。無線アクセスノードのいくつかの例は、限定ではないものの、基地局(例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project )の第5世代(5G)NRネットワークにおける新無線(NR)基地局(gNB)、又は、3GPP LTE(Long Term Evolution)ネットワークにおける拡張若しくは進化型ノードB(eNB)、高電力若しくはマクロ基地局、低電力基地局(例えば、マイクロ基地局、ピコ基地局、若しくはホームeNBなど)、及びリレーノードを含む。
【0075】
[コアネットワークノード]:ここで使用されるところでは、"コアネットワークノード"は、コアネットワーク内の任意のタイプのノード、又はコアネットワーク機能を実装する任意のノードである。コアネットワークノードのいくつかの例は、例えば、モビリティ管理エンティティ(MME)、パケットデータネットワークゲートウェイ(PGW)、サービスケイパビリティ露出機能(SCEF)、又はホーム加入者サーバ(HSS)などを含む。コアネットワークノードのいくつかの他の例は、アクセス及びモビリティ機能(AMF)、UPF、セッション管理機能(SMF)、認証サーバ機能(AUSF)、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワーク露出機能(NEF)、ネットワーク機能(NF)リポジトリ機能(NRF)、ポリシー制御機能(PCF)、又は統一データ管理(UDM)などを実装するノードを含む。
【0076】
[ワイヤレスデバイス]:ここで使用されるところでは、"ワイヤレスデバイス"は、無線アクセスノードに対し信号をワイヤレスに送信し及び/又は受信することによりセルラ通信ネットワークへのアクセスを有する(即ち、それによりサービスされる)任意のタイプのデバイスである。ワイヤレスデバイスのいくつかの例は、限定ではないものの、3GPPネットワークにおけるユーザ機器(UE)、及びマシンタイプ通信(MTC)デバイスを含む。
【0077】
[ネットワークノード]:ここで使用されるところでは、"ネットワークノード"は、セルラ通信ネットワーク/システムの無線アクセスネットワーク又はコアネットワークのいずれかの部分である任意のノードである。
【0078】
なお、ここで与えられる説明は、3GPPセルラ通信システムに焦点を当てており、そのため、3GPPの専門用語又は3GPPの専門用語に類似する専門用語がしばしば使用される。しかしながら、ここで開示される概念は、3GPPシステムには限定されない。
【0079】
なお、ここでの説明において"セル"との用語への言及がなされるかもしれないが、特に5G NRの概念に関して、セルの代わりにビームを使用してもよく、そのため、ここで説明される概念はセル及びビームの双方に等しく適用可能であることに留意することが重要である。
【0080】
この点において、図9は、本開示の実施形態が実装され得るセルラー通信システム900の1つの例を示している。ここで説明される実施形態において、セルラー通信ネットワーク900は、NRの無線アクセスネットワーク(RAN)を含む5Gシステム(5GS)である。この例において、RANは、対応する(マクロ)セル904-1及び904-2を制御する基地局902-1及び902-2を含み、それらを5G NRではgNBという。基地局902-1及び902-2を、概して、ここではまとめて複数の基地局902といい、個別に基地局902という。同様に、マクロセル904-1及び904-2を、概して、ここではまとめて複数のマクロセル904といい、個別にマクロセル904という。RANは、対応するスモールセル908-1~908-4を制御する複数の低電力ノード906-1~906-4をも含んでよい。低電力ノード906-1~906-4は、(ピコ若しくはフェムト基地局などの)スモール基地局又はリモート無線ヘッド(RRH)などであることができる。とりわけ、図示してはいないものの、スモールセルル908-1~908-4のうちの1つ以上は、代替的に基地局902により提供されてもよい。低電力ノード906-1~906-4を、概して、ここではまとめて複数の低電力ノード906といい、個別に低電力ノード906という。同様に、スモールセル908-1~908-4を、概して、ここではまとめて複数のスモールセル908といい、個別にスモールセル908という。セルラー通信システム900もまた、5GSでは5Gコア(5GC)というコアネットワーク910を含む。基地局902(及び随意的に低電力ノード906)は、コアネットワーク910へ接続される。
【0081】
基地局902及び低電力ノード906は、対応するセル904及び908内のワイヤレスデバイス912-1~912-5へサービスを提供する。ワイヤレスデバイス912-1~912-5を、概して、ここではまとめて複数のワイヤレスデバイス912といい、個別にワイヤレスデバイス912という。ワイヤレスデバイス912をUEということもある。
【0082】
リリース15では、サービングセルにおけるBWPごとに単一のDL SPS構成のみがサポートされている。加えて、サービングセルにおける所与の時間ドメインリソース上のスロットにおいて1つのPDSCHのみをスケジューリングすることができ、即ち、重複しない送信のみが許可される。リリース16において1つよりも多くのSPSがサポートされる場合にはそれは問題であり、即ち、この場合にタイプ1又はタイプ2のHARQコードブックでのHARQ Ack/Nackフィードバックをいかにしてサポートするか、である。
【0083】
より具体的には、複数のSPS PDSCHが重複する時間ドメインリソースを伴う何らかのスロットにおいて生じるかもしれず、それをいかに取扱うかが問題となる。リリース15のタイプ1のHARQコードブックでは、スロット内で重複する時間ドメインリソース割当てについてコードブック内で1つのHARQ ackエントリのみが利用可能であり、よって1つのHARQ ACK情報ビットのみを送信することができる。ある時間的にクリティカルなURLLCサービスについて1スロットの周期が許可されるとすると、相異なるDL SPS構成に属する複数のPDSCH送信の間の衝突、及びPDSCHのSPS送信とスロット内で動的にスケジューリングされるPDSCHとの間の衝突も回避することは困難となるはずである。
【0084】
タイプ2のHARQコードブックのケースでは、サービングセル内で同じPUCCHリソースに関連付けられる複数のSPS PDSCHについて複数のHARQ ACK情報ビットをいかに順序付けするかが、関連する他の問題である。
【0085】
本開示では、複数のDL-SPS構成がアクティブ化される場合に、HARQ-ACKコードブックを構築する方法が説明される。HARQ-ACKコードブックは、タイプ1(半静的なコードブックとも呼ばれる)又はタイプ2(動的なコードブックとも呼ばれる)であり得る。
【0086】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックを構築するためのシステム及び方法が提供される。いくつかの実施形態において、ユーザ機器(UE)により実行される方法は、動的にスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関連付けられるHARQ A/Nビットの第1のセット、及び半永続的スケジューリング(SPS)PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築することと、上記SPS PDSCHインデックスに従って、HARQ A/Nビットの上記第2のセットを並び替えることと、を含む。いくつかの実施形態において、上記UEは、ネットワークノードから、各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、上記UEは、上記ネットワークノードへ、上記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを送信する。この手法で、重複する可能性のある時間ドメインリソース割当てを伴うUE向けに構成される複数のDL SPSに対してHARQ A/Nフィードバックが可能とされる。
【0087】
上記方法をいくつかの変形例で適用することができる。ある例において、上記方法を、相異なるサービスタイプのPDSCHに適用することができる。例えば、あるHARQ-ACKコードブックは、拡張モバイルブロードバンドサービスのために構築され、他のHARQ-ACKコードブックは、URLLCサービスのために構築される。それらコードブックの各々が、ここで開示される方法を使用することができる。他の例において、上記方法を、HARQ-ACKコードブックがサブスロットにおいて送信されるように、サブスロットの単位を用いて構築されるHARQ-ACKコードブックに適用することができ、恐らくはスロット内で複数のHARQ-ACKコードブックが送信されることにつながる。サブスロットごとのHARQ-ACKコードブックの各々が、ここで開示される方法を使用することができる。また別の例において、上記方法を、ネットワークノードが複数のTRPを含むときに構築されるHARQ-ACKコードブックに適用することができる。
【0088】
実施形態1:半静的な(タイプ1)HARQコードブック:タイプ1のHARQコードブックは固定的なサイズを有することから、同じPUCCHリソースに関連付けられるあり得るPDSCH受信の各々についてコードブックエントリが必要とされる。NRのリリース15では、UEは、スロット内で重複する時間ドメインリソース割当てを伴う2つのPDSCHを受信することを予期されていない。例えば、(動的にスケジューリングされるPDSCH及びDL SPSでスケジューリングされるPDSCHの混成を伴うPDSCHの一例を示した)図10におけるスロット#i、#i+1、#i+2及び#i+6内のPDSCH送信は、リリース15のUEにより予期されない。リリース16では、そうした送信をサポートする必要がある。
【0089】
ある実施形態において、リリース15のタイプ1のHARQコードブックが、サービングセルの各スロット内の重複する時間ドメインリソースにおけるJ個(J>1)のPDSCH送信又は受信を許可することにより拡張され得る。いくつかの実施形態において、J個のPDSCHの各々は、異なるトランスポートブロック(TB)を搬送する。Jは、UEのケイパビリティに基づいて、半静的に構成され得る。この実施形態によれば、所与のサービングセルについて、半静的なHARQコードブック内のHARQ-ACKエントリの数は、1スロットに対しJ倍に増加するはずである。J=1は、リリース15のタイプ1のHARQコードブックに対応する。
【0090】
図11には、J=2として、PDSCHごとに単一のTBが想定される一例が示されている。この例において、コードブックは2つの行からなり、スロット内の重複する時間ドメインリソースにおけるあり得るPDSCH受信の各々について1つである。UEの観点から、スロット内のPDSCH受信について若干のシナリオが存在する:
1.単一の動的にスケジューリングされるPDSCH。例えば、図11におけるスロット#(n-5)でのPDSCH受信。
2.1つのDL SPS構成に対応する単一のSPS PDSCH。例えば、図11におけるスロット#(n-4)でのPDSCH受信。
3.動的にスケジューリングされるPDSCH及び1つのDL SPS構成に対応する単一のSPS PDSCH。例えば、図11におけるスロット#(n+3)でのPDSCH受信。
4.2つ(以上)の動的にスケジューリングされるPDSCH。
5.2つ(以上)のDL SPS構成に対応するSPS PDSCH。例えば、図11におけるスロット#(n-3)でのPDSCH受信。
【0091】
シナリオ1、3及び4について、1つの動的にスケジューリングされるPDSCHが送信されたもののUEにより検出されなかった可能性がある。よって、gNBとUEとの間の不一致を防止するために、いくつかの実施形態において、あるPDSCHが未検出であれば対応するHARQコードブックエントリにおいてNACKが送信されるという形で、PDSCHから行へのマッピングは確定的(deterministic)とされる。
【0092】
原理的には、動的にスケジューリングされるPDSCH及びSPS PDSCHのためのHARQサブコードブックは別々に構築され、送信の前に、それら2つのHARQサブコードブックが(完全な)HARQコードブックを提供するために連結される。ある実施形態において、動的にスケジューリングされるPDSCHのためのサブコードブックに属するHARQ-ACKは、SPS PDSCHのためのサブコードブックのHARQ-ACKの前方に配置される。例えば、図11に示したように、シナリオ3を想定すると、動的にスケジューリングされるPDSCHは第1行へマッピングされ、SPS PDSCHは第2行へマッピングされる。代替的に、動的にスケジューリングされるPDSCHのためのサブコードブックは、SPS PDSCHのためのサブコードブックの後方に配置されてもよい。
【0093】
2つのSPS構成があるスロットにおいて生じるPDSCHを有するケースでは、より小さいSPS構成インデックス値を有するSPSが第1行へマッピングされ、より大きい構成インデックス値を有するものが第2行へマッピングされる。同様に、あるスロットにおいてPDSCHを有する2つよりも多くのSPS構成が存在する場合、各SPS構成の対応するHARQ-ACKビットが別々の行へマッピングされ、SPSの構成インデックスが増加するほど、HARQ-ACKコードブック内のマッピング先の行インデックスが増加する。複数のDL SPSは、各々HARQ-ACKフィードバックを提供される。SPS PDSCHの存在はPDCCH検出が無くともUEにとって既知であるため、PDCCHの検出ミスに起因するSPS HARQ-ACKのエラーケースは存在しない。
【0094】
スロット内で2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信されるケースでは、確定的なやり方で、一方のPDSCHが第1行へマッピングされ、他方のPDSCHが第2行へマッピングされるように、いくつかのルールが定義され得る。ある実施形態において、RNTIが使用されてもよい。例えば、C-RNTIを伴うPDSCHは第1行へマッピングされ、CS-RNTI又はMCS-RNTIは第2行へマッピングされる。代替的に、スロット内で2つの動的にスケジューリングされるPDSCHは、許可されなくてもよい。
【0095】
他の実施形態において、スロット内で2つよりも多くのSPS構成がPDSCH機会を有するケースでは、より小さいSPSインデックス値を有する2つのPDSCHのみがマッピングされ、SPS PDSCHの残りについてHARQ ACKフィードバックは行われない。これが生じることが稀である場合、性能の劣化は扱い得る程度であるはずである。実際上は、2つよりも多くのSPSがスロット内で生じるのは稀な機会に過ぎない可能性が高い。よって、この実施形態では、DL SPSの数に比例してHARQ ACKフィードバックのオーバヘッドを増加させることなく、複数のDL SPSをサポートすることができる。代替的に、構成された周期が低い方から2つのSPS構成について、HARQ-ACKのフィードバックが行われるであろう。それ以外については行われず、なぜなら、それらはレイテンシ要件の小さい方のサービスに関連付けられ得るからである。
【0096】
なお、実際のコードブックは、HARQ ACK情報ビットのベクトルからなり、図中に示した行及び列は、あり得るPDSCH受信についてのコードブックエントリの関連付けに関する例示のために使用されているに過ぎない。また、議論を簡略化するために、スロットにおいて重複するリソースのみが想定されている。スロット内で重複しない2つのリソースが構成される場合には、J=1であれば重複しないそれらリソースの各々について1つとして、各K1値について2つのエントリが必要とされ、J=2であれば4つのエントリが必要とされる。
【0097】
図12は、上述した実施形態1の少なくともいくつかの観点に従って、UE(例えば、UE912)がネットワークノード(例えば、基地局902)から複数のDL SPS PDSCHを受信し、ネットワークノードへそれらSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送する動作を示すフローチャートである。図示したように、この処理のステップ群は次の通りである:
・ステップ1200:UEは、スロット(又はサブスロット)内で重複するTDRAを伴うJ個(J>1)の許可されたPDSCHの構成を受信する。
・ステップ1202:UEは、スロット内で重複するTDRAと共に許可されたPDSCHの個数Jに基づいて、半静的なHARQコードブックを構築する。いくつかの実施形態において、UEは、アップリンクスロットにおけるHARQ A/Nレポーティングのために、各サービングセルについて、J×M行N列の半静的なHARQコードブックを構築する。Mは、有効化されるトランスポートブロックの数であり、Nは、HARQ A/Nレポーティングのための上記アップリンクのスロットに関連付けられるダウンリンクのスロットの数にスロットにおける重複しないTDRAの数を乗算したものである。
・ステップ1204:UEは、ある順序でHARQコードブックのエントリを並び替えることにより、上記アップリンクスロットにおいて半静的なHARQコードブックをネットワークノードへ送信する。
【0098】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、動的にスケジューリングされるPDSCHに対する最初のM個の行、及びSPS PDSCHに対する残りの行の上記関連付けは、ステップ1202において半静的なHARQコードブックを構築する際に実行される。よって、いくつかの実施形態において、ステップ1202で半静的なHARQコードブックを構築することは、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、第1のM個の行及び第2のM個の行は、異なる種類のRNTIを有するPDSCHに関連付けられる。例えば、一方はC-RNTIであり、他方はSPS-RNTIである。
【0099】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、スロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、上記第1のSPS PDSCHは、最小のSPSインデックスを有し、上記第2のSPS PDSCHは、次の最小のSPSインデックスを有する。いくつかの実施形態において、スロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合の、第1のSPS PDSCHに対するある列における第1のM個の行、及び第2のSPS PDSCHに対する第2のM個の行の上記関連付けは、ステップ1202において半静的なHARQコードブックを構築する際に行われる。よって、いくつかの実施形態において、ステップ1202で半静的なHARQコードブックを構築することは、スロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、スロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。いくつかの実施形態において、上記第1のPDSCH及び上記第2のPDSCHは、相異なるRNTIを有する。いくつかの実施形態において、スロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合の、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対するある列における第1のM個の行、及び第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対する第2のM個の行の上記関連付けは、ステップ1202において半静的なHARQコードブックを構築する際に行われる。よって、いくつかの実施形態において、ステップ1202で半静的なHARQコードブックを構築することは、スロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、ステップ1202で半静的なHARQコードブックを構築する際に、UEは、動的にスケジューリングされるPDSCH及びSPS PDSCHについて別個のHARQサブコードブックを構築し、それらサブコードブックを合成(例えば、連結)して、ネットワークノードへの返送のための半静的なHARQコードブックを提供する。
【0102】
いくつかの実施形態において、複数の送受信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信のケースでは、半静的なHARQコードブック内のHARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、次いでTRPか、のいずれかで並び替えられる。
【0103】
実施形態2:動的な(タイプ2)HARQコードブック:タイプ2のHARQコードブックについての主な課題は、複数のSPSに関連付けられる複数のHARQ ACKビットをどのように並び替えるかである。ある実施形態において、リリース15のタイプ2のHARQコードブックを、動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるHARQ ACKビット
【数8】
の末尾に、DL SPS PDSCHに対応する複数のHARQ ACKビットを追加することにより拡張することができる。これら複数のHARQ ACKビットの並び替えは、まずDL-SPS構成インデックスの昇順、次いでサービングセルインデックスの昇順であり得る。なお、この実施形態は、他の並び替えの手法(例えば、降順、又は、まずサービングセルインデックスの並び替え、次いでDL-SPS構成インデックスの並び替え)も考慮される場合であっても適用可能である。
【0104】
より具体的には、ULスロットn内のPUCCHリソースにおいて送信すべきHARQ ACKビット
【数9】
に対してSPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットを追加するために、次の擬似コードが使用されてもよい:
【数10】
cells DLは、UEに対し構成されているDLサービングセルの総数である。ここで、jは、DL-SPS構成のインデックスへの参照であり、j=1,...,MSPS,cである。
【0105】
上記擬似コードでは、アップリンクスロットnにおいてA/Nが送信されるべきi番目のDL-SPS構成についてスロットn-K1,c(i)内に高々1つのPDSCH受信が存在することが想定されており、これはi番目のDL-SPSの周期が1スロット以上であって、同じSCSがDLキャリア及びULキャリアにおいて使用される場合に該当する。DL-SPSの周期が1スロットよりも短く、又はDL SCSがUL SCSよりも大きい場合、i番目のDL-SPS構成についてスロットn-K1,c(i)内のPDSCH受信のための複数のHARQ-ACKビットが存在する。このケースでは、上記擬似コードは、i番目のDL-SPS構成についてスロットn-K1,c(i)内のPDSCH受信の回数が増加する順にHARQ-ACKビットを配置することにより拡張され得る。
【0106】
j,cを整数として、スロットの1/Zj,cという周期を有する、j番目のアクティブ化されたDL-SPS構成のケースを検討したい。このケースでは、j番目のアクティブ化されたDL-SPS構成について、スロットn-K1,c(i)内のPDSCH受信のためにZj,c個のHARQ-ACKビットが存在する。ある実施形態において、リリース15のタイプ2のHARQコードブックを、動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるHARQ ACKビット
【数11】
の末尾に対し、DL SPS PDSCHに対応する複数のHARQ ACKビットを、スロットの範囲内のDL-SPSピリオドの昇順(例えば、スロット内の1番目のDL-SPS PDSCHピリオド、スロット内の2番目のDL-SPS PDSCHピリオド、...、スロット内のZj,c番目のDL-SPS PDSCHピリオドという順序)、DL-SPS構成インデックスjの昇順、及びサービングセルインデックスの昇順で追加することにより、拡張することができる。なお、この実施形態は、他の並び替えの手法(例えば、降順、又は、スロット内のDL-SPS PDSCHピリオド、サービングセルインデックス順、及びDL-SPS構成インデックス順に関わる任意の順序)も考慮される場合であっても適用可能である。
【0107】
より具体的には、ULスロットn内のPUCCHリソースにおいて送信すべきHARQ ACKビット
【数12】
に対してSPS PDSCHに関連付けられるHARQ ACKビットを追加するために、次の擬似コードが使用されてもよい:
【数13】
cells DLは、UEに対し構成されているDLサービングセルの総数である。ここで、jはDL-SPS構成のインデックスへの参照、j=1,...,MSPS,c、zはスロット{n-K1,c(i)}の範囲内のSPS PDSCHピリオドへの参照である。
【0108】
図13は、上述した実施形態2の少なくともいくつかの観点に従って、UE(例えば、UE912)がネットワークノード(例えば、基地局902)から各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、ネットワークノードへそれらSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送する動作を示すフローチャートである。図示したように、上記処理は、次のステップ群を含む:
・ステップ1300:UEは、動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第1のセット、及びSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築する。
・ステップ1302:UEは、SPS PDSCHインデックスに従って、昇順か又は降順かのいずれかで、HARQ A/Nビットの第2のセットを並び替える。なお、いくつかの実施形態において、ステップ1302は、ステップ1300の一部として実装されてもよい。
・ステップ1304:UEは、アップリンクのスロットにおいて、ネットワークノードへ、上記HARQコードブックを送信する。
【0109】
いくつかの実施形態において、複数のTRPにわたるSPS PDSCH送信のケースでは、HARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、そしてTRPか、のいずれかで並び替えられ得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、タイプ1のHARQコードブックについて、提案される解決策は、スロット内で重複する時間ドメインリソース割当てを伴うJ個(J>1)のPDSCHを許可することと、DL SPS向けのコードブック内で定義された別個のエントリ又は行を伴う、NRリリース15のHARQコードブックと比較してJ倍のHARQコードブックエントリを、各K1に割り当てることと、を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、タイプ2のHARQコードブックについて、各サービングセルについて、動的にスケジューリングされるPDSCHのためのHARQ A/Nビットと多重化しつつ、昇順か降順かのいずれかで、DL SPS構成インデックスに基づいてDL SPSのためのHARQ A/Nビットを並び替える方法が提案される。
【0112】
複数のTRPの場合のHARQコードブックの構築:SPSを伴うマルチTRPのケースでは、SPS PDSCHを送信するいくつかのあり得る手法が存在する。マルチTRPの1つの実装例は、キャリアアグリゲーションのフレームワークを使用するものであり、例えば2つのサービングセルオブジェクトが同じキャリア周波数で構成される。よって、それらをそれぞれTRP1及びTRP2と表す。
・あるオプションにおいて、全てのアクティブなSPS構成が1つのTRP上で送信される。選択されるTRPを、アクティブ化DCIのTCIフィールドにおいて指し示すことができ、又は、RRCシグナリングを介して構成することができる。TRPのインジケーションは暗黙的であってもよく、どのTRPがSPS構成を送信しているのかを暗黙的に指し示すやり方の1つの例では、それは最も小さいIDを有するサービングセルである。
・他のオプションにおいて、アクティブなSPS構成のうちのあるサブセットがあるTRP上で送信され、アクティブなSPS構成のうちの他のサブセットが異なるTRP上で送信される。j番目のDL SPS構成の各々について、選択されるTRPを、j番目のアクティブ化DCIのTCIフィールドにおいて指し示すことができ、又はj番目のSPS構成のRRCシグナリングを介して提供することができる。
・他のオプションにおいて、単一のSPSについて、そのPDSCHが、空間分割多重化(SDM)、周波数分割多重化(FDM)、若しくは時分割多重化(TDM)のいずれかのアプローチ、又はSDM/FDM/TDMの組合せを使用して、相異なるTRP上で送信されてもよい。それらTRPを、動的なスケジューリングと同様に、アクティブ化DCIのTCIフィールドにおいて指し示すことができる。
【0113】
ネットワークノードにおいて複数のTRPが存在する場合、HARQ-ACKフィードバックを各TRPについて別々に送信することができる。代替的に、2つ以上のTRPについてのHARQ-ACKフィードバックを結合的に送信することができる。
【0114】
別々のフィードバックのケースでは、各TRPについて1つのHARQ-ACKコードブックが別々に生成される。複数のTRPについて個別のHARQ-ACKコードブックが、TDM形式で、即ち時間的な重複無しで送信される。HARQ-ACKコードブックは、別々のPUCCHを介して及び/又はPUSCHを介して送信される。
【0115】
結合的なフィードバックのケースでは、2つ以上のTRPについてのHARQ-ACKフィードバックが統合される。統合されたHARQ-ACKビットは、1つのPUCCHリソースにおいて送信され、又は1つのPUSCHへ多重化される。HARQ-ACKビットを統合する2つの例が、図14及び図15に示されている。具体的には、図14は、1つのセルの複数のHARQ-ACKビットが共にグループ化される、2つのTRP及び2つのセルについての統合HARQ-ACKの一例を示している。図15は、1つのTRPの複数のHARQ-ACKビットが共にグループ化される、2つのTRP及び2つのセルについての統合HARQ-ACKの一例を示している。
【0116】
図16は、本開示のいくつかの他の実施形態に係る無線アクセスノード1600の概略ブロック図である。無線アクセスノード1600は、例えば、基地局902又は906であり得る。図示したように、無線アクセスノード1600は、1つ以上のプロセッサ1604(例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及び/又はFPGA(Field Programmable Gate Array)など)と、メモリ1606と、ネットワークインタフェース1608とを含む制御システム1602を含む 1つ以上のプロセッサ1604を、ここでは処理回路ともいう。加えて、無線アクセスノード1600は、1つ以上の送信機1612及び1つ以上の受信機1614を各々含む1つ以上の無線ユニット1610を含み、それらは1つ以上のアンテナ1616へ連結される。無線ユニット1610は、無線インタフェース回路として言及されてもよく、その一部であってもよい。いくつかの実施形態において、無線ユニット1610は、制御システム1602の外部にあり、例えば有線接続(例えば、光ケーブル)を介して制御システム1602へ接続される。一方で、いくつかの実施形態において、無線ユニット1610及び潜在的にはアンテナ1616は、制御システム1602と一体化される。1つ以上のプロセッサ1604は、ここで説明したような無線アクセスノード1600の1つ以上の機能を提供するように動作する。いくつかの実施形態において、それら機能は、例えばメモリ1606内に記憶され、1つ以上のプロセッサ1604により実行されるソフトウェアで実装される。
【0117】
図17は、本開示のいくつかの実施形態に係る無線アクセスノード1600の仮想化された実施形態を示す概略ブロック図である。この議論は、他のタイプのネットワークノードに等しく適用可能である。さらに、他のタイプのネットワークノードが類似の仮想化されたアーキテクチャを有していてもよい。
【0118】
ここで使用されるところによれば、"仮想化された"無線アクセスノードとは、無線アクセスノード1600の機能性の少なくとも一部が仮想的なコンポーネントとして(例えば、ネットワーク内の物理的な処理ノード上で稼働する仮想マシンを介して)実装される、無線アクセスノード1600の実装である。図示したように、この例において、無線アクセスノード1600は、上述したような、1つ以上のプロセサ1604(例えば、CPU、ASIC、及び/又はFPGAなど)と、メモリ1606と、ネットワークインタフェース1608と、1つ以上のアンテナ1616へ連結された1つ以上の送信機1612及び1つ以上の受信機1614を各々含む1つ以上の無線ユニット1610と、を含む制御システム1602を含む。制御システム1602は、例えば光ケーブルなどを介して、無線ユニット1610へ接続される。制御システム1602は、ネットワークインタフェース1608を介して、ネットワーク1702へ連結されており又はネットワーク1702の一部として含まれる1つ以上の処理ノード1700へ接続される。各処理ノード1700は、1つ以上のプロセッサ1704(例えば、CPU、ASIC、及び/又はFPGAなど)と、メモリ1706と、ネットワークインタフェース1708とを含む。
【0119】
この例において、ここで説明した無線アクセスノード1600の機能1710は、1つ以上の処理ノード1700に実装され、又は、任意の所望の形で制御システム1602及び1つ以上の処理ノード1700をまたいで分散される。いくつかの具体的な実施形態では、ここで説明した無線アクセスノード1600の機能1710のいくつか又は全てが、処理ノード1700によりホスティングされる仮想環境内に実装される1つ以上の仮想マシンにより実行される仮想コンポーネントとして実装される。当業者により理解されるように、処理ノード1700と制御システム1602との間の追加的なシグナリング又は通信が、所望の機能1710の少なくともいくつかを遂行するために使用される。とりわけ、いくつかの実施形態に制御システム1602は含まれなくてもよく、そのケースでは、無線ユニット1610が適切なネットワークインタフェースを介して処理ノード1700と直接的に通信する。
【0120】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサにより実行された場合に、当該少なくとも1つのプロセッサに、ここで説明した実施形態のいずれかに従って、無線アクセスノード1600、又は、仮想環境において無線アクセスノード1600の機能1710のうちの1つ以上を実装するノード(例えば、処理ノード1700)の機能性を遂行させる命令群、を含むコンピュータプログラムが提供される。いくつかの実施形態において、前述したコンピュータプログラムプロダクトを含む担体が提供される。当該担体は、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、メモリなどの、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体)のうちの1つである。
【0121】
図18は、本開示のいくつかの他の実施形態に係る無線アクセスノード1600の概略ブロック図である。無線アクセスノード1600は、1つ以上のモジュール1800を含み、その各々はソフトウェアで実装される。モジュール1800は、ここで説明した無線アクセスノード1600の機能性を提供する。この議論は、図17の処理ノードに等しく適用可能であり、モジュール1800は、処理ノード1700のうちの1つにおいて実装されてもよく、複数の処理ノード1700をまたいで分散されてもよく、並びに/又は、処理ノード1700及び制御システム1602をまたいで分散されてもよい。
【0122】
図19は、本開示のいくつかの実施形態に係るUE1900の概略ブロック図である。図示したように、UE1900は、1つ以上のプロセサ1902(例えば、CPU、ASIC、及び/又はFPGAなど)と、メモリ1904と、1つ以上のアンテナ1912へ連結された1つ以上の送信機1908及び1つ以上の受信機1910を各々含む1つ以上の送受信機1906と、を含む 送受信機1906は、当業者により理解されるであろうように、アンテナ1912とプロセッサ1902との間でやり取りされる信号を調整するように構成される、アンテナ1912へ接続される無線フロントエンド回路を含む。プロセッサ1902を、ここでは処理回路ともいう。送受信機1906を、ここでは無線回路ともいう。いくつかの実施形態において、UE1900の上述した機能性(例えば、図12及び図13に関して上述した、例えばUEの機能性)は、完全に又は部分的に、例えばメモリ1904内に記憶され、プロセッサ1902により実行されるソフトウェアで実装され得る。なお、UE1900は、例えば、1つ以上のユーザインタフェースコンポーネント(例えば、ディスプレイ、ボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン、及び/若しくはスピーカなど、並びに/又は、UE1900への情報の入力を可能にし及び/若しくはUE1900からの情報の出力を可能にするための他のコンポーネント)や、電源(例えば、バッテリ及び関連付けられる電力回路)などといった、図19には示されていない追加的なコンポーネントを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサにより実行された場合に、当該少なくとも1つのプロセッサに、ここで説明した実施形態のいずれかに従って、UE1900の機能性(例えば、図12及び図13に関して上述した、例えばUEの機能性)を遂行させる命令群、を含むコンピュータプログラムが提供される。いくつかの実施形態において、前述したコンピュータプログラムプロダクトを含む担体が提供される。当該担体は、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、メモリなどの、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体)のうちの1つである。
【0124】
図20は、本開示のいくつかの他の実施形態に係るUE1900の概略ブロック図である。UE1900は、1つ以上のモジュール2000を含み、その各々はソフトウェアで実装される。モジュール2000は、ここで説明されるUE1900の機能性(例えば、図12及び図13に関して上述した、例えばUEの機能性)を提供する。
【0125】
図21を参照すると、一実施形態によれば、通信システムは、3GPP型のセルラーネットワークといった電気通信ネットワーク2100を含み、電気通信ネットワーク2100は、RANといったアクセスネットワーク2102とコアネットワーク2104とを含む。アクセスネットワーク2102は、ノードB、eNB、gNG、又は他のタイプの無線アクセスポイント(AP)といった複数の基地局2106A、2106B、2106Cを含み、その各々が対応するカバレッジエリア2108A、2108B、2108Cを定義する。各基地局2106A、2106B、2106Cは、有線又は無線接続2110上でコアネットワーク2104へ接続可能である。カバレッジエリア2108Cに位置する第1のUE2112は、対応する基地局2106Cへワイヤレスに接続され又は対応する基地局2106Cによりページングされるように構成される。カバレッジエリア2108A内の第2のUE2114は、対応する基地局2106Aへワイヤレスに接続可能である。この例では、複数のUE2112、2114が図示されているものの、開示される実施形態は、カバレッジエリア内に単一のUEがある状況、又は対応する基地局2106へ単一のUEが接続している状況へ等しく適用可能である。
【0126】
電気通信ネットワーク2100は、それ自体がホストコンピュータ2116へ接続され、ホストコンピュータ2116は、スタンドアローンのサーバのハードウェア及び/若しくはソフトウェア、クラウド実装のサーバ、分散型サーバで具現化されてもよく、又はサーバファーム内の処理リソースとして具現化されてもよい。ホストコンピュータ2116は、サービスプロバイダの所有下にあってもその制御下にあってもよく、又はサービスプロバイダにより若しくはサービスプロバイダのために運用されてもよい。電気通信ネットワーク2100とホストコンピュータ2116との間の接続2118及び2120は、コアネットワーク2104からホストコンピュータ2116へ直接的に伸びていてもよく、オプションとしての中間ネットワーク2122を介してつながっていてもよい。中間ネットワーク2122は、パブリック、プライベート又はホステッドネットワークのうちの1つ又はそれらの複数の組合せであってもよく、中間ネットワーク2122は、もしあればバックボーンネットワーク又はインターネットであってもよく、具体的には、中間ネットワーク2122は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでもよい。
【0127】
図21の通信システムは、全体として、接続されるUE2112、2114とホストコンピュータ2116との間の接続性を可能にする。その接続性は、オーバーザトップ(OTT)接続2124として説明されてよい。ホストコンピュータ2116及び接続されるUE2112、2114は、アクセスネットワーク2102、コアネットワーク2104、任意の中間ネットワーク2122及びあり得るさらなる基盤(図示せず)を途中段階として用いて、OTT接続2124を介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTT接続2124は、OTT接続2124の通過途上の参加している通信デバイスがアップリンク及びダウンリンクの通信のルーティングを意識しないという意味において、透過的であり得る。例えば、基地局2106は、ホストコンピュータ2116から発して接続されるUE2112へ転送(例えば、ハンドオーバ)されるべきデータを伴うインカミングのダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されなくてよく又はその通知を必要としない。同様に、基地局2106は、UE2112から発してホストコンピュータ2116へ向かうアウトゴーイングのアップリンク通信の将来のルーティングを認識することを必要としない。
【0128】
前の段落で議論したUE、基地局及びホストコンピュータの一実施形態に係る例示的な実装が、これより図22を参照しながら説明される。通信システム2200において、ホストコンピュータ2202は、通信システム2200の異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線の接続をセットアップし及び維持するように構成される通信インタフェース2206を含むハードウェア2204を備える。ホストコンピュータ2202は、さらに、記憶及び/又は処理のケイパビリティを有し得る処理回路2208を備える。とりわけ、処理回路2208は、命令群を実行するように適合される、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、ASIC、FPGA又はそれらの組み合わせ(図示せず)を含み得る。ホストコンピュータ2202は、さらに、ホストコンピュータ2202内に記憶され又はホストコンピュータ2202によりアクセス可能なソフトウェア2210であって、処理回路2208により実行可能な当該ソフトウェア2210を備える。ソフトウェア2210は、ホストアプリケーション2212を含む。ホストアプリケーション2212は、UE2214及びホストコンピュータ2202で終端するOTT接続2216を介して接続しているUE2214といったリモートユーザへサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザへのサービスの提供中に、ホストアプリケーション2212は、OTT接続2216を用いて送信されるユーザデータを提供し得る。
【0129】
通信システム2200は、電気通信システムにおいて提供される基地局2218をさらに含み、基地局2218は、ホストコンピュータ2202及びUE2214と通信することを可能にするハードウェア2220を備える。ハードウェア2220は、通信システム2200の異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又は無線の接続をセットアップし及び維持するための通信インタフェース2222、並びに、基地局2218によりサービスされるカバレッジエリア(図22には示していない)内に位置するUE2214との少なくとも無線接続2226をセットアップし及び維持するための無線インタフェース2224を含み得る。通信インタフェース2222は、ホストコンピュータ2202への接続2228を促進するように構成され得る。接続2228は、直接的なものであってもよく、又は、電気通信システムのコアネットワーク(図22には示されていない)及び/若しくは電気通信システム外の1つ以上の中間ネットワークを通過してもよい。図示した実施形態において、基地局2218のハードウェア2220は、命令群を実行するように適合される、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、ASIC、FPGA又はそれらの組み合わせ(図示せず)を含み得る処理回路2230をさらに含む。基地局2218は、内部的に記憶され又は外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア2232をさらに有する。
【0130】
通信システム2200は、既に言及したUE2214をさらに含む。UEのハードウェア2234は、UE2214がその時点で位置するカバレッジエリアへサービスする基地局との無線接続2226をセットアップし及び維持するように構成される無線インタフェース2236を含み得る。UE2214のハードウェア2234は、命令群を実行するように適合される、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、ASIC、FPGA又はそれらの組み合わせ(図示せず)を含み得る処理回路2238をさらに含む。UE2214は、さらに、UE2214内に記憶され又はUE2214によりアクセス可能なソフトウェア2240であって、処理回路2238により実行可能な当該ソフトウェア2240を備える。ソフトウェア2240は、クライアントアプリケーション2242を含む。クライアントアプリケーション2242は、ホストコンピュータ2202のサポートと共に、人間の又は非人間のユーザへUE2214を介してサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ2202において、実行対象のホストアプリケーション2212は、実行対象のクライアントアプリケーション2242とUE2214及びホストコンピュータ2202で終端するOTT接続2216を介して通信し得る。ユーザへのサービス提供中に、クライアントアプリケーション2242は、ホストアプリケーション2212からリクエストデータを受信し、当該リクエストデータへの応答としてユーザデータを提供し得る。OTT接続2216は、リクエストデータ及びユーザデータの双方を移送し得る。クライアントアプリケーション2242は、自身が提供するユーザデータを生成するために、ユーザとインタラクションし得る。
【0131】
なお、図22に示したホストコンピュータ2202、基地局2218及びUE2214は、それぞれ図21のホストコンピュータ2116、基地局2106A、2106B、2106Cのうちの1つ、及びUE2112、2114のうちの1つと類似し又は同一であってもよい。言うなれば、これらエンティティの内部的な作用は図22に示した通りであってよく、それとは独立して、周囲のネットワークトポロジーは図21のそれであってよい。
【0132】
図22では、ホストコンピュータ2202とUE2214との間の基地局2218を介する通信を、いかなる中間的なデバイス及びそれらデバイスを介するメッセージの正確なルーティングへの明示的な言及も無く例示するために、OTT接続2216が抽象的に描かれている。ルーティングを決定するのはネットワーク基盤であってよく、ネットワーク基盤は、UE2214若しくはホストコンピュータ2202を動作させるサービスプロバイダ又はそれら双方からルーティングを隠蔽するように構成されてよい。OTT接続2216がアクティブである間、ネットワーク基盤は、(例えば、負荷分散の考慮又はネットワークの再構成に基づいて)ルーティングを動的に変更するための決定をさらに行ってよい。
【0133】
UE2214と基地局2218との間の無線接続2226は、本開示を通じて説明した実施形態の教示に従う。多様な実施形態の1つ以上が、OTT接続2216を用いてUE2214へ提供されるOTTサービスの性能を改善し、無線接続2226はその最後のセグメントを形成する。
【0134】
データレート、レイテンシ及び1つ以上の実施形態により改善される他の要因を監視する目的で、測定手続が提供されてもよい。測定結果の変動に応じてホストコンピュータ2202とUE2214との間のOTT接続2216を再構成するためのオプションとしてのネットワークの機能性がさらに存在してもよい。上記測定手続及び/又はOTT接続2216を再構成するためのネットワーク機能性は、ホストコンピュータ2202のソフトウェア2210及びハードウェア2204、若しくはUE2214のソフトウェア2240及びハードウェア2234、又はそれらの双方において実装されてもよい。いくつかの実施形態において、通信デバイス内に又は通信デバイスに関連付けて、OTT接続2216が通過するセンサ(図示せず)が配備されてもよく、それらセンサは、上で例示した監視結果の数量の値を供給し又は他の物理量の値を供給することにより上記測定手続に参加してもよく、それらからソフトウェア2210、2240により監視対象の量が計算され又は推定され得る。OTT接続2216の再構成は、メッセージフォーマット、再送設定、好適なルーティングなどを含んでよく、その再構成は、基地局2218には影響しなくてもよく、基地局2218にとっては未知であるか又は感知不能であってもよい。そうした手続及び機能性は、当分野において既知であり又は実用されているかもしれない。ある実施形態において、測定は、ホストコンピュータ2202によるスループット、伝播時間及びレイテンシなどの測定を容易化する独自のUEシグナリングを包含してもよい。その測定は、ソフトウェア2210及び2240がOTT接続2216を用いて具体的には空であり又は"ダミー"のメッセージであるメッセージを送信しつつ、伝播時間や誤りなどを監視する形で実装されてもよい。
【0135】
図23は、1つの実施形態に従った、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図21及び図22を参照しながら説明したものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡明にするために、図23の図への参照のみが本セクションに含められるであろう。ステップ2300において、ホストコンピュータは、ユーザデータを提供する。ステップ2300のサブステップ2302(オプションであり得る)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによりユーザデータを提供する。ステップ2304において、ホストコンピュータは、ユーザデータを搬送するUEへの送信を開始する。ステップ2306(オプションであり得る)において、基地局は、本開示を通じて説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した上記送信において搬送されたユーザデータをUEへ送信する。ステップ2308(やはりオプションであり得る)において、UEは、ホストコンピュータにより実行されるホストアプリケーションに関連付けられるクライアントアプリケーションを実行する。
【0136】
図24は、1つの実施形態に従った、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図21及び図22を参照しながら説明したものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡明にするために、図24の図への参照のみが本セクションに含められるであろう。本方法のステップ2400において、ホストコンピュータは、ユーザデータを提供する。随意的なサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによりユーザデータを提供する。ステップ2402において、ホストコンピュータは、ユーザデータを搬送するUEへの送信を開始する。その送信は、本開示を通じて説明される実施形態の教示に従って、基地局を通過し得る。ステップ2404(オプションであり得る)において、UEは、上記送信において搬送されるユーザデータを受信する。
【0137】
図25は、1つの実施形態に従った、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図21及び図22を参照しながら説明したものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡明にするために、図25の図への参照のみが本セクションに含められるであろう。ステップ2500(オプションであり得る)において、UEは、ホストコンピュータにより提供される入力データを受信する。追加的に又は代替的に、ステップ2502において、UEがユーザデータを提供する。ステップ2500のサブステップ2504(オプションであり得る)において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによりユーザデータを提供する。ステップ2502のサブステップ2506(オプションであり得る)において、UEは、ホストコンピュータにより提供される入力データの受信へのリアクションにおいて、ユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータの提供中に、実行されるクライアントアプリケーションは、ユーザから受け付けられるユーザ入力をさらに考慮してもよい。ユーザデータが提供された具体的なやり方に関わらず、UEは、サブステップ2508(オプションであり得る)において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を開始する。本方法のステップ2510において、ホストコンピュータは、本開示を通じて説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されるユーザデータを受信する。
【0138】
図26は、1つの実施形態に従った、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図21及び図22を参照しながら説明したものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、及びUEを含む。本開示を簡明にするために、図26の図への参照のみが本セクションに含められるであろう。ステップ2600(オプションであり得る)において、本開示を通じて説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからのユーザデータを受信する。ステップ2602(オプションであり得る)において、基地局は、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。ステップ2604(オプションであり得る)において、ホストコンピュータは、基地局により開始される上記送信において搬送されるユーザデータを受信する。
【0139】
ここで開示されるいかなる適切なステップ、方法、特徴、機能又は恩恵が、1つ以上の仮想的な装置の1つ以上の機能ユニット又はモジュールを通じて実行されてもよい。各仮想的な装置は、複数のそれら機能ユニットを含んでもよい。それら機能ユニットは、1つ以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含み得る処理回路、並びに、デジタル信号プロセッサ(DSP)及び特殊目的デジタルロジックなどを含み得る他のデジタルハードウェアを介して実装されてもよい。上記処理回路は、メモリ内に記憶されるプログラムコードを実行するように構成されてもよく、当該メモリは、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなどといった、1つ又は複数のタイプのメモリを含み得る。メモリ内に記憶されるプログラムコードは、1つ以上の電気通信及び/又はデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、並びに、ここで説明される技法の1つ以上を遂行するための命令を含む。いくつかの実施形態において、上記処理回路は、本開示の1つ以上の実施形態に従って、それぞれの機能ユニットに対応する機能を実行させるために使用され得る。
【0140】
図中の処理は本開示のある実施形態により実行される動作の具体的な順序を示しているかもしれないが、そうした順序は例示的なものであることが理解されるべきである(例えば、代替的な実施形態は、異なる順序で動作を実行してもよく、ある複数の動作を組合せてもよく、ある複数の動作を重複させるなどしてもよい)。
【0141】
<実施形態>
グループAの実施形態
実施形態1:UE(912)により実行される方法であって、ネットワークノード(例えば、基地局902)から、複数のDL SPS PDSCHを受信し、前記ネットワークノードへ、前記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送するものであり、スロット又はサブスロットにおいて、重複する時間ドメインリソース割当てを伴う1よりも大きいJ個の許可されたPDSCHの構成を受信すること(1200)、スロット又はサブスロットにおける重複する時間ドメインリソース割当てを伴う許可されたPDSCHの前記個数Jに基づいて、HARQ A/Nレポーティングのための半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)、及び、アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて、前記ネットワークノードへ、前記半静的なHARQコードブックを送信すること(1204)、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【0142】
実施形態2:実施形態1に記載の方法であって、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて前記ネットワークノードへ前記半静的なHARQコードブックを送信すること(1204)は、ある順序で前記HARQコードブックのエントリを並び替えるなどして、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて前記ネットワークノードへ前記半静的なHARQコードブックを送信することを含む、方法。
【0143】
実施形態3:実施形態1又は2に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、前記アップリンクのスロット又はサブスロットにおけるHARQ A/Nレポーティングについて各サービングセル向けにJ×M行及びN列の前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)を含み、Mは、有効化されるトランスポートブロックの数であり、Nは、HARQ A/Nレポーティングのための前記アップリンクのスロット又はサブスロットに関連付けられるダウンリンクのスロット又はサブスロットの数にスロット又はサブスロットにおける重複しない時間ドメインのリソース割当ての数を乗算したものである、方法。
【0144】
実施形態4:実施形態3に記載の方法であって、さらに、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む、方法。
【0145】
実施形態5:実施形態3に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、動的にスケジューリングされるPDSCHに対し最初のM個の行を、SPS PDSCHに対し残りの行を関連付けること、を含む、方法。
【0146】
実施形態6:実施形態3に記載の方法であって、さらに、スロット又はサブスロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【0147】
実施形態7:実施形態6に記載の方法であって、前記第1のSPS PDSCHは、最小のSPSインデックスを有し、前記第2のSPS PDSCHは、次の最小のSPSインデックスを有する、方法。
【0148】
実施形態8:実施形態3に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、スロット又はサブスロットにおいて2つのSPS PDSCHが受信される場合に、第1のSPS PDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2のSPS PDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【0149】
実施形態9:実施形態3に記載の方法であって、さらに、スロット又はサブスロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【0150】
実施形態10:実施形態9に記載の方法であって、前記第1のSPS PDSCH及び前記第2のSPS PDSCHは、相異なるRNTIを有する、方法。
【0151】
実施形態11:実施形態3に記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、スロット又はサブスロットにおいて2つの動的にスケジューリングされるPDSCHが受信される場合に、第1の動的にスケジューリングされるPDSCHに対しある列における第1のM個の行を、第2の動的にスケジューリングされるPDSCHに対し第2のM個の行を関連付けること、を含む、方法。
【0152】
実施形態12:実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法であって、前記半静的なHARQコードブックを構築すること(1202)は、動的にスケジューリングされるPDSCH及びSPS PDSCHについて別個のHARQサブコードブックを構築すること、及び、前記別個のHARQサブコードブックを合成(例えば、連結)して、前記半静的なHARQコードブックを提供すること、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【0153】
実施形態13:実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法であって、複数の送信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信について、前記半静的なHARQコードブック内のHARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、次いでTRPか、のいずれかで並び替えられる、方法。
【0154】
実施形態14:UE(912)により実行される方法であって、ネットワークノード(例えば、基地局902)から、各々SPS構成インデックスを伴う複数のダウンリンクSPS PDSCHを受信し、前記ネットワークノードへ、前記SPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nフィードバックを返送するものであり、動的にスケジューリングされるPDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第1のセット、及びSPS PDSCHに関連付けられるHARQ A/Nビットの第2のセットで、動的HARQコードブックを構築すること(1300)と、前記SPS PDSCHインデックスに従って、昇順か又は降順かのいずれかで、HARQ A/Nビットの前記第2のセットを並び替えること(1302)と、アップリンクのスロット又はサブスロットにおいて、ネットワークノードへ、前記HARQコードブックを送信すること(1304)と、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【0155】
実施形態15:実施形態14に記載の方法であって、複数の送信ポイント(TRP)にわたるSPS PDSCH送信について、前記半静的なHARQコードブック内のHARQビットは、まずTRP、次いでサービングセルか、又はまずサービングセル、次いでTRPか、のいずれかで並び替えられる、方法。
【0156】
実施形態16:前述した実施形態のいずれかの方法であって、さらに、ユーザデータを提供することと、当該ユーザデータを前記基地局への前記送信を介してホストコンピュータへ転送することと、を含む方法。
【0157】
グループBの実施形態
実施形態17:ワイヤレスデバイスであって、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行するように構成される処理回路と、前記ワイヤレスデバイスへ電力を供給するように構成される電力供給回路と、を備えるワイヤレスデバイス。
【0158】
実施形態18:ユーザ機器(UE)であって、ワイヤレス信号を送信し及び受信するように構成されるアンテナと、前記アンテナ及び処理回路へ接続され、前記アンテナ及び前記処理回路の間でやり取りされる信号を調整するように構成される無線フロントエンド回路と、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行するように構成される前記処理回路と、前記処理回路へ接続され、前記UEへの情報の入力が前記処理回路により処理されることを可能にするように構成される入力インタフェースと、前記処理回路へ接続され、前記処理回路により処理された情報を前記UEから出力するように構成される出力インタフェースと、前記処理回路へ接続され、前記UEへ電力を供給するように構成されるバッテリと、を備えるUE。
【0159】
実施形態19:ホストコンピュータを含む通信システムであって、前記ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように構成される処理回路と、ユーザデータをユーザ機器(UE)への送信のためにセルラーネットワークへ転送するように構成される通信インタフェースと、を備え、前記UEは、無線インタフェースと処理回路とを備え、前記UEのコンポーネントは、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行するように構成される、通信システム。
【0160】
実施形態20:前述した実施形態の通信システムであって、前記セルラーネットワークは、前記UEと通信するように構成される基地局をさらに含む、通信システム。
【0161】
実施形態21:前述した2つの実施形態の通信システムであって、前記ホストコンピュータの前記処理回路は、ホストアプリケーションを実行することにより前記ユーザデータを提供するように構成され、前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられるクライアントアプリケーションを実行するように構成される、通信システム。
【0162】
実施形態22:ホストコンピュータ、基地局及びユーザ機器(UE)を含む通信システムにおいて実装される方法であって、前記ホストコンピュータにおいて、ユーザデータを提供することと、前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局を含むセルラーネットワークを介して、前記UEへの前記ユーザデータを搬送する送信を開始することと、を含み、前記UEは、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行する、方法。
【0163】
実施形態23:前述した実施形態の方法であって、前記UEにおいて、前記基地局から前記ユーザデータを受信すること、をさらに含む、方法。
【0164】
実施形態24:ホストコンピュータを含む通信システムであって、前記ホストコンピュータは、ユーザ機器(UE)から基地局への送信に由来するユーザデータを受信するように構成される通信インタフェース、を備え、前記UEは、無線インタフェースと処理回路とを備え、前記UEの処理回路は、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行するように構成される、通信システム。
【0165】
実施形態25:前述した実施形態の通信システムであって、前記UEをさらに含む、通信システム。
【0166】
実施形態26:前述した2つの実施形態の通信システムであって、前記基地局をさらに含み、前記基地局は、前記UEと通信するように構成される無線インタフェースと、前記UEから前記基地局への送信により搬送される前記ユーザデータを前記ホストコンピュータへ転送するように構成される通信インタフェースと、を備える、通信システム。
【0167】
実施形態27:前述した3つの実施形態の通信システムであって、前記ホストコンピュータの前記処理回路は、ホストアプリケーションを実行するように構成され、前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられるクライアントアプリケーションを実行することにより前記ユーザデータを提供するように構成される、通信システム。
【0168】
実施形態28:前述した4つの実施形態の通信システムであって、前記ホストコンピュータの前記処理回路は、ホストアプリケーションを実行することによりリクエストデータを提供するように構成され、前記UEの処理回路は、前記ホストアプリケーションに関連付けられるクライアントアプリケーションを実行することにより前記リクエストデータへの応答として前記ユーザデータを提供するように構成される、通信システム。
【0169】
実施形態29:ホストコンピュータ、基地局及びユーザ機器(UE)を含む通信システムにおいて実装される方法であって、前記ホストコンピュータにおいて、前記UEから前記基地局へ送信されるユーザデータを受信すること、を含み、前記UEは、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行する、方法。
【0170】
実施形態30:前述した実施形態の方法であって、前記UEにおいて、前記基地局へ前記ユーザデータを提供すること、をさらに含む、方法。
【0171】
実施形態31:前述した2つの実施形態の方法であって、前記UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行することにより送信されるべき前記ユーザデータを提供することと、前記ホストコンピュータにおいて、前記クライアントアプリケーションに関連付けられるホストアプリケーションを実行することと、をさらに含む、方法。
【0172】
実施形態32:前述した3つの実施形態の方法であって、前記UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行することと、前記UEにおいて、前記ホストコンピュータにおいて前記クライアントアプリケーションに関連付けられるホストアプリケーションを実行することにより提供される、前記クライアントアプリケーションへの入力データを受信することと、をさらに含み、送信されるべき前記ユーザデータは、前記入力データへの応答として前記クライアントアプリケーションにより提供される、方法。
【0173】
実施形態33:ホストコンピュータ、基地局及びユーザ機器(UE)を含む通信システムにおいて実装される方法であって、前記ホストコンピュータにおいて、前記基地局から、前記基地局が前記UEから受信した送信信号に由来するユーザデータを受信すること、を含み、前記UEは、グループAの実施形態のいずれかのステップ群のいずれかを実行する、方法。
【0174】
実施形態34:前述した実施形態の方法であって、前記基地局において、前記UEから前記ユーザデータを受信すること、をさらに含む、方法。
【0175】
実施形態35:前述した2つの実施形態の方法であって、前記基地局において、受信した前記ユーザデータの前記ホストコンピュータへの送信を開始すること、をさらに含む、方法。
【0176】
以下の略語のうちの少なくともいくつかが本開示において使用されているかもしれない。略語の間で不整合がある場合には、上でそれがどのように使用されているかが優先されるべきである。以下で複数回挙示されている場合、最初に挙示されたものが後から挙示されたどれよりも優先されるべきである。
・ 3GPP 第三世代パートナーシッププロジェクト
・ 5G 第五世代
・ 5GC 第五世代コア
・ 5GS 第五世代システム
・ ACK 確認応答
・ AF アプリケーション機能
・ AMF アクセス及びモビリティ機能
・ AN アクセスネットワーク
・ AP アクセスポイント
・ ASIC 特定用途向け集積回路
・ AUSF 認証サーバ機能
・ BWP 帯域幅部分
・ CA キャリアアグリゲーション
・ CB コードブック
・ CBG コードブロックグループ
・ CC コンポーネントキャリア
・ CCE 制御チャネルエレメント
・ CORESET 制御リソースセット
・ CP-OFDM サイクリックプレフィクス直交周波数分割多重化
・ CPU 中央処理ユニット
・ CRC 巡回冗長検査
・ RNTI 無線ネットワーク一時識別子
・ CSI チャネル状態情報
・ CSI-RS チャネル状態情報リファレンス信号
・ CS-RNTI 構成スケジューリング無線ネットワーク一時識別子
・ CSS 共通サーチスペース
・ DAI ダウンリンク割当てインデックス
・ DCI ダウンリンクチャネル情報
・ DFT 離散フーリエ変換
・ DMRS 復調リファレンス信号
・ DN データネットワーク
・ DSP デジタル信号プロセッサ
・ eNB 拡張又は進化型ノードB
・ FDM 周波数分割多重化
・ FPGA フィールドプログラマブルゲートアレイ
・ GHz ギガヘルツ
・ gNB 新無線基地局
・ HARQ ハイブリッド自動再送要求
・ HSS ホーム加入者サーバ
・ IE 情報エレメント
・ IIoT 産業上のモノのインターネット
・ IoT モノのインターネット
・ IP インターネットプロトコル
・ LTE ロングタームエボリューション
・ MCS 変調符号化方式
・ MCS-C-RNTI MCSセル無線ネットワーク一時識別子
・ MIMO 複数入力複数出力
・ MME モビリティ管理エンティティ
・ ms ミリ秒
・ MTC マシンタイプ通信
・ NDI 新規データインジケータ
・ NEF ネットワーク露出機能
・ NF ネットワーク機能
・ NR 新無線
・ NRF ネットワーク機能リポジトリ機能
・ NSSF ネットワークスライス選択機能
・ OFDM 直交周波数分割多重化
・ OTT オーバーザトップ
・ PCF ポリシー制御機能
・ PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
・ PDSCH 物理ダウンリンク共有チャネル
・ PGW パケットデータネットワークゲートウェイ
・ PRI PUCCHリソースインジケータ
・ PUCCH 物理アップリンク制御チャネル
・ PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
・ QCL 疑似コロケーテッド
・ QoS サービス品質
・ RAM ランダムアクセスメモリ
・ RAN 無線アクセスネットワーク
・ RB リソースブロック
・ RE リソースエレメント
・ REG リソースエレメントグループ
・ RNTI 無線ネットワーク一時識別子
・ ROM 読み取り専用メモリ
・ RRC 無線リソース制御
・ RRH リモート無線ヘッド
・ RTT ラウンドトリップ時間
・ SCEF サービスケイパビリティ露出機能
・ SCell セカンダリセル
・ SDM 空間分割多重化
・ SMF セッション管理機能
・ SPS 半永続的スケジューリング
・ SSB 同期信号ブロック
・ TB トランスポートブロック
・ TCI 送信構成インジケーション
・ TDD 時分割複信
・ TDM 時分割多重化
・ TDRA 時間ドメインリソース割当て
・ TRP 送受信ポイント
・ UDM 統一データ管理
・ UE ユーザ機器
・ UPF ユーザプレーン機能
・ USS UE固有サーチスペース
【0177】
当業者は、本開示の実施形態に対する改善及び修正を認識するであろう。全てのそうした改善及び修正は、ここで開示した概念のスコープの範囲内であるものと考えられる。
図1
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【国際調査報告】