(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】新しい無線(NR)の使用状況の表示をアプリケーション機能(AF)に拡張するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 8/18 20090101AFI20221014BHJP
H04W 4/24 20090101ALI20221014BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20221014BHJP
【FI】
H04W8/18
H04W4/24
H04W88/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508580
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2020034705
(87)【国際公開番号】W WO2021034367
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タークル,ラグーバムシ・バスデブ・シング
(72)【発明者】
【氏名】アラバムダーン,ベンカテシュ
(72)【発明者】
【氏名】プラバカラン,サティシュ・クマール
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067EE04
5K067EE16
(57)【要約】
新しい無線(NR)使用状況の表示をアプリケーション機能(AF)に拡張するための方法は、少なくとも1つのプロセッサを含むポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)において、ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信することを備える。ステップはさらに、UEについてNR使用状況の表示を受信するために、AFがサブスクライブされていると判断することを含む。ステップはさらに、UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされているという判断に応じて、NR使用状況の表示をAFに伝達することを含む。ステップはさらに、AFからメッセージを受信して、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。ステップはさらに、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい無線(NR)使用状況の表示をアプリケーション機能(AF)に拡張するための方法であって、
少なくとも1つのプロセッサを含むポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)において、
ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信することと、
前記UEについてNR使用状況の表示を受信するために、AFがサブスクライブされていると判断することと、
前記UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされているという判断に応じて、前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することと、
前記AFからメッセージを受信して、前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供されるサービスの変更を実行することと、
前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供される前記サービスの変更を実行することとを備える、方法。
【請求項2】
前記UEによる前記NR使用状況の表示を受信することは、前記NR使用状況の表示を含むクレジット制御要求更新(CCR-U)メッセージを受信すること含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することは、再認証要求メッセージで運ばれる拡張された特定のアクションの属性値ペア(AVP)で、前記NR使用状況の表示を伝達することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することは、前記拡張された特定のアクションのAVPに、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性を示す値を挿入することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することは、前記拡張された特定のアクションのAVPで運ばれるセカンダリ無線アクセスタイプとして、NRの可用性の喪失を示す値を挿入することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することは、前記NR使用状況の表示を、Rxインターフェイスを介して前記AFに伝達することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することは、前記PCRFに対して前記AFと表示されるSCEF(service capability exposure function)またはNEF(network exposure function)に、前記NR使用状況の表示を伝達することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記AFからメッセージを受信して前記UEに提供されるサービスの変更を実行することは、前記AFから、AAR-U(authentication authorization request-update)メッセージを受信することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記AAR-Uメッセージは、強化されたサービス品質を前記UEに提供するために、NR帯域幅へのアクセスを要求するメディアコンポーネント記述を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記メディアコンポーネント記述は、前記NRによって提供される帯域幅を利用するコーデックを指定する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
新しい無線(NR)使用状況の表示をアプリケーション機能(AF)に拡張するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサを含むポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)と、
NR対応ポリシーコントローラとを備え、前記NR対応ポリシーコントローラは、ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信し、前記UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされていると判断し、前記UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされているという判断に応じて、前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達し、前記AFからメッセージを受信して、前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供されるサービスの変更を実行し、前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供される前記サービスの変更を実行するために実現される、システム。
【請求項12】
前記NR対応ポリシーコントローラは、再認証要求メッセージで運ばれる拡張された特定のアクションの属性値ペア(AVP)で、前記NR使用状況の表示を伝達するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記NR対応ポリシーコントローラは、前記拡張された特定のアクションのAVPで、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性を示す値を伝達するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記NR対応ポリシーコントローラは、前記拡張された特定のアクションのAVPに、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性の喪失を示す値を挿入するように構成される、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記NR対応ポリシーコントローラは、前記NR使用状況の表示を、Rxインターフェイスを介して前記AFに伝達するように構成される、請求項11~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記NR対応ポリシーコントローラは、前記PCRFに対して前記AFと表示されるSCEF(service capability exposure function)またはNEF(network exposure function)に、前記NR使用状況の表示を伝達する、請求項11~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記NR対応ポリシーコントローラは、前記AFから、AAR-U(authentication authorization request-update)メッセージを受信するように構成される、請求項11~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記AAR-Uメッセージは、強化されたサービス品質を前記UEに提供するために、NR帯域幅へのアクセスを要求するメディアコンポーネント記述を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記メディアコンポーネント記述は、前記NRによって提供される帯域幅を利用するコーデックを指定する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータのプロセッサによって実行されるとステップを行うように前記コンピュータを制御する実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記ステップは、
ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信することと、
前記UEについてNR使用状況の表示を受信するために、アプリケーション機能(AF)がサブスクライブされていると判断することと、
前記UEについてのNR使用状況の表示を受信するために、AFがサブスクライブされていると判断することに応じて、前記NR使用状況の表示を前記AFに伝達することと、
前記AFからメッセージを受信して、前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供されるサービスの変更を実行することと、
前記NR使用状況の表示に基づいて、前記UEに提供される前記サービスの変更を実行することとを含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権主張
本願は、2019年8月20日に出願された米国特許出願継続番号第16/546,223号に基づく利益を主張し、その開示全体を本明細書に引用により援用する。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の主題は、NR使用状況の表示の4Gネットワーク要素への伝達に関する。より特定的に、本明細書に記載の主題は、Rxまたは他のノースバウンドインターフェイス上で、新しい無線(new radio:NR)の使用状況の表示をポリシーおよび課金ルール機能(policy and charging rules function:PCRF)からアプリケーション機能(application function:AF)に拡張するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。
【0003】
背景
5Gネットワークが使用できるようになると共に、ユーザ装置(user equipment:UE)は、4Gネットワークに加えて5Gネットワークへの接続性をサポートする場合がある。5Gネットワーク接続性は、新しい無線、すなわち、NR接続性と呼ばれる。4Gネットワーク接続性は、evolved universal terrestrial radio access(E-UTRA)接続性と呼ばれる。NRネットワークにおいてエアインターフェイス接続性を提供する無線アクセスノードは、g-node B(gNB)である。4Gネットワークにおいてエアインターフェイス接続性を提供する無線アクセスノードは、eNB(evolved node B)である。
【0004】
一部のネットワーク事業者は、E-UTRAネットワークをプライマリ接続として、かつ、NRネットワークをセカンダリ接続として用いることで、E-UTRA接続性およびNR接続性の両方が可能なデュアルモードUEをサポートする。そのような状況では、E-UTRA接続性を提供するeNBは、マスタeNB(MeNB)と呼ばれる。セカンダリ接続性をNRネットワークに提供するgNBは、セカンダリgNBまたはSgNBと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
E-UTRAとNRとの間のインターワーキングを改善し、NRネットワークがより良好なサービス品質(quality of service:QoS)を提供する場合にUEがNRネットワークを利用できるようにすることが望ましい。PCRFは、UEのNR接続性を認識可能である。しかしながら、PCRFが、NRネットワークによって提供される強化されたQoSから恩恵を受けてUEに提供される特定のサービスをサポートし得るARに、NR使用状況または可用性の表示を報告するためのメカニズムは、4Gネットワークでは現在利用できない。たとえば、AFは、NRネットワークによって提供されるより高いQoSから恩恵を受けることができるビデオ通話または他の帯域幅集約型アプリケーションをサポート可能である。NR可用性または不可用性の表示をAFに伝達するためのメカニズムがないことを考えると、AFは、NRによって提供される強化されたQoSを使用できない可能性がある。
【0006】
AF上のアプリケーションにNR使用状況の表示を伝達する標準的な方法の問題と同様に、PCRFに対してAFと表示される可能性のあるSCEF(service capability exposure function)に、NR使用状況の表示を伝達するための標準的なメカニズムも不足している。AFと同様に、SCEFは、Rxインターフェイスを介してPCRFと通信する。しかしながら、NR可用性をSCEFに伝達するための、Rxインターフェイス上で定義されたメカニズムはない。SCEFはNR可用性または不可用性の表示を受信しないため、SCEFからUEに関する情報を受信するアプリケーションサーバ(application server:AS)も同様に、NR可用性または不可用性の表示を受信できない。
【0007】
したがって、NR使用状況の表示をAFに拡張するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要約
本明細書に記載の主題は、NR使用状況の表示をAFに拡張するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体を含む。ある方法は、少なくとも1つのプロセッサを含むPCRFにおいて行われるステップを備える。ステップは、ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信することを含む。ステップはさらに、UEについてNR使用状況の表示を受信するために、AFがサブスクライブされていると判断することを含む。ステップはさらに、UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされているという判断に応じて、NR使用状況の表示をAFに伝達することを含む。ステップはさらに、AFからメッセージを受信して、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。ステップはさらに、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。
【0009】
本明細書に記載の主題の他の態様によると、UEによるNR使用状況の表示を受信することは、NR使用状況の表示を含むクレジット制御要求更新(credit control request-update:CCR-U)メッセージを受信することを含む。
【0010】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR使用状況の表示をAFに伝達することは、再認証要求メッセージで運ばれる拡張された特定のアクション(extended-specific-action)の属性値ペア(AVP)で、NR使用状況の表示を伝達することを含む。
【0011】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR使用状況の表示をAFに伝達することは、拡張された特定のアクションのAVPに、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性を示す値を挿入することを含む。
【0012】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR使用状況の表示をAFに伝達することは、拡張された特定のアクションのAVPで運ばれるセカンダリ無線アクセスタイプとして、NRの可用性の喪失を示す値を挿入することを含む。
【0013】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR使用状況の表示をAFに伝達することは、NR使用状況の表示を、Rxインターフェイスを介してAFに伝達することを含む。
【0014】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR使用状況の表示をAFに伝達することは、PCRFに対してAFと表示されるSCEF(service capability exposure function)またはNEF(network exposure function)に、NR使用状況の表示を伝達することを含む。
【0015】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、AFからメッセージを受信してUEに提供されるサービスの変更を実行することは、AFから、AAR-U(authentication authorization request-update)メッセージを受信することを含む。
【0016】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、AAR-Uメッセージは、強化されたサービス品質をUEに提供するために、NR帯域幅へのアクセスを要求するメディアコンポーネント記述を含む。
【0017】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、メディアコンポーネント記述は、NRによって提供される帯域幅を利用するコーデックを指定する。
【0018】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、新しい無線(NR)使用状況の表示をAFに拡張するためのシステムが提供される。システムは、少なくとも1つのプロセッサを含むPCRFを備える。PCRFはNR対応ポリシーコントローラを備え、NR対応ポリシーコントローラは、ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信し、UEについてNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされていると判断し、AFがUEについてNR使用状況の表示を受信するためにサブスクライブされているという判断に応じて、NR使用状況の表示をAFに伝達し、AFからメッセージを受信して、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行し、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行するために実現される。
【0019】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、再認証要求メッセージで運ばれる拡張された特定のアクションの属性値ペア(AVP)で、NR使用状況の表示を伝達するように構成される。
【0020】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、拡張された特定のアクションの属性値ペア(AVP)で、NRの可用性を示す値をセカンダリ無線アクセスタイプとして伝達するように構成される。
【0021】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、拡張された特定のアクションのAVPに、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性の喪失を示す値を挿入するように構成される。
【0022】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、NR使用状況の表示を、Rxインターフェイスを介してAFに伝達するように構成される。
【0023】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、PCRFに対してAFと表示されるSCEF(service capability exposure function)またはNEF(network exposure function)に、NR使用状況の表示を伝達するように構成される。
【0024】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、NR対応ポリシーコントローラは、AFから、AAR-U(authentication authorization request-update)メッセージを受信するように構成される。
【0025】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、AAR-Uメッセージは、強化されたサービス品質をUEに提供するために、NR帯域幅へのアクセスを要求するメディアコンポーネント記述を含む。
【0026】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、メディアコンポーネント記述は、NRによって提供される帯域幅を利用するコーデックを指定する。
【0027】
本明細書に記載の主題のさらに他の態様によると、コンピュータのプロセッサによって実行されるとステップを行うようにコンピュータを制御する実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供される。ステップは、ユーザ装置(UE)によるNR使用状況の表示を受信することを含む。ステップはさらに、UEについてのNR使用状況の表示を受信するために、アプリケーション機能(AF)がサブスクライブされていると判断することを含む。ステップはさらに、UEについてのNR使用状況の表示を受信するためにAFがサブスクライブされていると判断することに応じて、NR使用状況の表示をAFに伝達することを含む。ステップはさらに、AFからメッセージを受信して、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。ステップはさらに、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行することを含む。
【0028】
本明細書に記載の主題は、ハードウェアおよび/またはファームウェアと組合わせてソフトウェアにおいて実現されてもよい。たとえば、本明細書に記載の主題は、プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実現されてもよい。ある実現例では、本明細書に記載の主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されるとステップを実行するようにコンピュータを制御するコンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ読取可能媒体を使用して実現されてもよい。本明細書に記載の主題を実現するのに好適なコンピュータ読取可能媒体として、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブルロジックデバイス、および、特定用途向け集積回路といった非一時的なデバイスが挙げられる。これらに加えて、本明細書に記載の主題を実現するコンピュータ読取可能媒体は、単一のデバイスもしくはコンピューティングプラットフォーム上に位置してもよい、または、複数のデバイスもしくはコンピューティングプラットフォームにわたって分散されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】NR使用状況の表示がAFではなくPCRFに伝達される、EPCコアに対する5G NRシグナリングを示すネットワーク図である。
【
図2A】NR使用状況の表示を受信するためにAFがPCRFとサブスクライブする、メッセージフロー図である。
【
図2B】NR使用状況の表示のPCRFおよびAFへの提供と関連する例示的なメッセージングを示すメッセージフロー図である。
【
図3】NR使用状況の表示を、PCRFに対してAFと表示されるSCEF/NEFに拡張するPCRFを示すネットワーク図である。
【
図4】NR使用状況の表示をAFに拡張するための例示的なPCRFを示すブロック図である。
【
図5】PCRFから受信したNR使用状況の表示を利用するための例示的なAFのブロック図である。
【
図6】NR使用状況の表示をAFに拡張するためにPCRFによって行われる例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図7】NR使用状況の表示を取得および利用するためにAFによって行われる例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
上述のように、一部のUEは、E-UTRAネットワークとNRネットワークとの両方に接続可能である。そのようなUEは、AFがNRを利用して良好なQoSをUEに提供できるように、NR使用状況の表示をAFに提供することが望ましい。本明細書で用いるように、「NR使用状況の表示」という用語は、UEがNRネットワークに接続されているという表示、UEがNRネットワークから切断されたという表示、または、UEに対するNRネットワークの可用性と関連する他の表示を含む。以下で詳細に説明するように、表示は、DiameterメッセージまたはAFに送られる他のプロトコルメッセージで運ばれる属性値ペア(attribute value pair:AVP)を用いて、AFに伝達可能である。
【0031】
図1は、E-UTRAネットワークとNRネットワークとの両方に接続されたUEを示すネットワーク図であり、E-UTRAネットワークへの接続がプライマリネットワーク接続であり、NRネットワークへの接続がセカンダリネットワーク接続である。
図1を参照すると、UE100が、MeNB102を介してE-UTRAネットワークに接続される。MeNB102は、E-UTRA MAC(media access control)層104、E-UTRA RLC(radio link control)層106、およびE-UTRA PDCP(packet data connectivity protocol)層108を実現する。
図1では詳細に示されていないが、UE100は、E-UTRAネットワークとNRネットワークとの両方のための物理層、MAC層、RLC層、およびPDCP層機能を含む。なお、UE100は、携帯電話、IoT(Internet of things)デバイス、またはE-UTRAネットワークおよびNRネットワークを介した無線接続性が可能な他のデバイスでもよい。
【0032】
図示された例では、S-gNB110は、UE100のセカンダリ接続性をNRネットワークに提供する。S-gNB110は、NR MAC層112、NR RLC層114およびNR PDCP層116を含む。MeNB102とSgNB110との間のインターフェイスは、X2インターフェイスと呼ばれる。図示された例では、X2インターフェイスは、X2制御(X2-C)インターフェイスとX2ユーザプレーン(X2-U)インターフェイスとに分けられる。X2インターフェイスは、ハンドオーバが発生したときに、MeNB102とSgNB110との間のネゴシエーションに使用される。また、X2インターフェイスは、セル間干渉の表示を交換するために使用可能である。
【0033】
セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRネットワークを用いるデュアルコネクティビティのサポートは、3GPP TS 23.401,Technical Specification Group Services and System Aspects;General Packet Radio Service(GPRS)Enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)access(Release 16),V16.3.0(2019-06)で定義されており、その開示全体を本明細書に引用により援用する。3GPP TS23.401によると、UEがNRとのデュアルコネクティビティのサポートを有する場合、UEは、eNBにこの能力を報告する。eNBはその後、NRがUEのためのセカンダリ無線アクセスタイプとして機能できるように、デュアルコネクティビティをサポートするシグナリングゲートウェイ(signaling gateway:SGW)およびパケットゲートウェイ(packet gateway:PGW)を選択する。
【0034】
モビリティ管理エンティティ(MME)115は、E-UTRAネットワークに接続されたUEのモビリティ管理機能を行う。シグナリングゲートウェイ(SGW)117は、UEがE-UTRAからNR接続性に、またはその逆に切替えるときを判断する。PGW118は、S5インターフェイスを介してSGW117と通信し、パケットデータをUE100に伝達する。また、PGW118は、Gxインターフェイスまたは参照点を介してPCRF120と通信して、UEのQoSを制御するために使用されるポリシーをPCRF120から受信する。PGW118は、Gxインターフェイスを介してPCRF120から受信したポリシーを施行するためのポリシーおよび課金ルール機能(PCEF)として機能する。PCRF120は、Rxインターフェイスまたは参照点を介してAF122と通信する。PCRF120は、UE100のためにポリシー制御機能を実行するため、UE100が利用可能なエアインターフェイス接続性のタイプ(複数可)を認識する必要がある。NR使用状況の表示をPCRFに伝達するためにGxインターフェイス上で定義される既存のメカニズムがある一方で、Rxインターフェイスなどのノースバウンドインターフェイスを介して、AF122などのアプリケーションにNR使用状況の表示を伝達するために定義されたメカニズムはない。
【0035】
Rxインターフェイスは、3GPP TS 29.214,Technical Specification Group Core Network and Terminals;Policy and Charging Control Over Rx Reference Point(Release 15),V15.6.0(2019-03)で定義されており、その開示全体を本明細書に引用により援用する。3GPP TS29.214では、Rx参照点を介したPCRFとAFとの間のやり取りが定義されている。3GPP TS29.214では、extended-min-requested-BW-NRなどのAVPが定義されており、AVPによって、AFは、NRによって提供されてポリシー内にある帯域幅を、PCRFに要求可能になる。しかしながら、PCRFがNR使用状況の表示をAFに報告するためのAVPまたは他のメカニズムは、3GPP TS29.214では定義されていない。たとえば、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性を、またはセカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性の喪失を、PCRFがAFに報告するためのAVPはない。さらに、そのような通知を受信するためにAFがPCRFとサブスクライブするためのメカニズムも定義されていない。
【0036】
E-UTRAとNRとの間のインターワーキングは、E-UTRAおよびNRを用いたマルチ無線アクセスタイプ(RAT)デュアルコネクティビティ(MR-DC)動作でサポートされる。マスタネットワーク(この場合、E-UTRA)は、通信のセカンダリネットワークへのハンドオーバを担当する。セカンダリネットワーク(SN)(この場合、NR)は、全体のデータレートを向上させるためにオフロードを提供する。NRとE-UTRAとの間のハンドオーバは、RAT間ハンドオーバによってサポートされる。
【0037】
E-UTRAおよびNRを用いたデュアルコネクティビティは、3GPP TS 37.340,Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA) and NR;Multi-connectivity;Stage 2(Release 15),V15.6.0(2019-06)に記載されており、その開示全体を本明細書に引用により援用する。TS37.340に記載されるNRを伴うデュアルコネクティビティは3種類ある。これらの種類は、マスターノードとして機能する1つのeNBとセカンダリノードとして機能する1つのgNBとにUEが接続されるE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ、マスタノードとして機能する1つのgNBとセカンダリノードとして機能する1つのeNBとにUEが接続されるNR-EUTRAデュアルコネクティビティ、およびマスターノードとして機能する1つのgNBとセカンダリノードとして機能する1つのgNBとにUEが接続されるNR-NRデュアルコネクティビティである。以下で説明する例は主に、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRを用いることに関するが、本明細書に記載の主題は、このデュアルコネクティビティシナリオのみに限定されない。本明細書に記載の主題は、NRがプライマリ、セカンダリ、または両方の無線アクセスタイプとして機能している任意のデュアルコネクティビティシナリオについて、AFにNR使用状況の表示を提供し得る。
【0038】
あるベアラについてSgNB(これはNR使用状況を提供する)が追加または削除されるたびに、それに応じて、ポリシーを形成するためにPCRF120への表示が必要である。しかしながら、AF122によって提供されるもののようなOTT(over-the-top)アプリケーションは、AF122にそのような表示を伝達するためのメカニズムがRxインターフェイス上で定義されていないため、NR使用状況のそのような表示を受信できない場合がある。本明細書に記載の主題は、PCRFがRxまたは他の好適なインターフェイスを介してAF122にNR接続性を通知するためのメカニズムを提供する。
【0039】
NR使用状況の表示がPCRFに伝達されなければならない1つの理由は、eNBへのLTEハンドオーバ時にNRを測定することなくブラインドでSgNBを追加することのみが、3GPPで定義されていることである。NR使用状況の表示がPCRFに伝達されなければならない別の理由は、セカンダリノード追加手順がMeNBによって開始され、SgNBとしてUEコンテキストを確立してSgNBからUEへ無線リソースを提供するために用いられることである。また、3GPPによって定義されるオプション3XでのNR使用状況の場合は、更新されたポリシーをフェッチするために、NR接続性の表示をPCRFに伝達する必要がある。オプション3Xによって、
図1に示すもののような4Gコアネットワークによって、NR接続性を管理可能になる。
【0040】
前述の通り、Rxインターフェイス仕様では、PCRFがNR使用状況をAFに示す方法は指定されていない。NRネットワークは、ダウンリンクでは毎秒20ギガビットおよびアップリンクでは毎秒10ギガビットを目標にしている。PGWからPCRFへのセカンダリRATとしてNRの可用性を示して、PDPセッション用に実施されるQoSを再評価するために、複数のメカニズムが定義されている。Gxインターフェイスまたは参照点は、3GPP TS 29.212,Technical Specification Group Core Network and Terminal;Policy and Charging Control(PCC);Reference Points(Release 16),V16.0.0(2019-06)で定義されており、その開示全体を本明細書に引用により援用する。3GPP TS29.212によると、インターネットプロトコル・コネクティビティ・アクセスネットワーク(IP CAN)セッションが確立されているときに、PCEFがNRによって提供される拡張帯域幅をサポートする場合、PCEFは、3GPP TS29.212で定義されているAVPを用いて、NR帯域幅サポートをPCRFに示すことができる。しかしながら、3GPP TS29.212では、AFに対するNR帯域幅能力の伝達が提供されていない。Rxインターフェイスが、上述のextended-min-requested-BW-NR AVPのような拡張QoSパラメータを有していても、3GPPは、PCRFがNRの可用性をAFに伝達するための手続きを特定しない。AFがUEの接続性の高いデータレートの可能性を識別可能であれば、AFは、利用可能なリソースに基づいて、より良好なQoSの実現、または異なるコードのネゴシエーションが可能になる。したがって、Rxまたは他のノースバウンドインターフェイスは、NR使用状況の表示をAFに提供するために向上することができる。AFは、この表示に基づいて、さらに良好なサービス品質のためにセッションのリネゴシエーションが可能である。下位互換性の問題を回避するために、NRへのアクセスの可用性を示すように、新しいAVPである「拡張された特定のアクション(extended-specific-action)」が提案される。新しいAVPは、ベンダIDが「Oracle Tekelec」(323)の列挙型であり、以下の値を有し得る。
【0041】
1.Indication_of_NR_AS_secondary_RAT;および
2.Indication_of_loss_of_connectivity_to_NR_AS_secondary_RAT
AA要求内で、AFは、拡張された特定のアクションのAVPを用いて、PCRFがAFにNR使用状況を通知するように要求することができる。PCRFが開始された再認証要求内で、拡張された特定のアクションのAVPは、通知されるイベントのタイプを決定可能である。これは、3GPP TS29.214の5.3.13節で特定のアクションAVPについて定義されている動作と同様である。3GPP TS29.214の5.3.13節によると、PCRFは、AFに送信される再認証要求に、AVPコード518を有する特定のアクションAVPを含めることが可能である。特定のアクションAVPは、再認証要求で要求されるアクションの種類を判断する。3GPP TS29.214では、最初のAA要求内で、AFは特定のアクションAVPを用いて、ベアライベントで、サーバに任意の特定のアクション(この場合はPCRF)を要求し、そのような特定のアクションが必要とされるベアライベントに対するコンタクトを制限可能であると記載されている。この特定のアクションAVPが最初のAA要求から省略される場合、3GPP TS29.214で定義されるイベントの通知は要求されない。3GPP TS29.214で定義される特定のアクションの例は、アクセスネットワーク課金識別子をAFに報告するための課金相互交換、UEとのベアラの喪失を報告するためのベアラの喪失表示、ベアラの回復を示すためのベアラの回復表示、UEとのベアラチャネルの解放を示すためのベアラの解放表示などである。新しい拡張された特定のアクションのAVPには、NR使用状況の表示、具体的には、セカンダリRATとしてのNRの表示と、セカンダリRATとしてのNRへの接続性の喪失の表示とが含まれる。
【0042】
図2Aは、NR使用状況の表示を受信するためにAFがPCRFとサブスクライブすることを示すメッセージフロー図である。
図2Aを参照すると、ライン1において、AF122はDiameter AAR(authentication authorization request)メッセージをPCRF120に送信する。AARメッセージは、通常AARメッセージで運ばれる認証パラメータに加えて、以下の値を有する、先に参照された拡張された特定のアクションのAVPを特定し得る。
【0043】
indication_of_NR_as_secondary_RAT、および
indication_of_loss_of_connectivity_to_NR_as_secondary_RAT
これらは、AFがNR可用性およびNR可用性の喪失の通知の受信を希望していると示す。
【0044】
メッセージを受信すると、PCRF120は送信者を認証し、AF122が認証されたこと、およびNR使用状況の表示を受信するためのサブスクリプションが正常に生成されたことを確認するAAA(authorization authentication answer)メッセージをAF122に送信する。
図2Aに示す呼出しフローの後で、PCRF120は、サブスクリプション要求で特定された1つまたは複数のUEについてのNR使用状況の表示をPCRF120が受信するときを、AF122に通知する。
【0045】
図2Bは、NR使用状況の表示のAFへの拡張を示すメッセージフロー図である。
図2Bを参照すると、UE(図示せず)がMeNB102を介してE-UTRAにプライマリ接続を有し、UEがE-UTRAおよびNRを介してデュアルコネクティビティを有することが可能であり、かつ、NRをUEが現在利用可能であると想定されている。NRを用いてデュアルコネクティビティを開始するために、メッセージフロー図のライン1において、MeNB102は、SgNB追加要求をSgNB110に送信する。SgNB追加要求は、SgNBが特定のUEのために新しい無線接続性用にリソースを割り当てるように要求するためのSgNB追加準備手順の一部である。ライン2において、SgNB110は、UEのためのNR接続性リソースの割当てを確認するSgNB追加応答メッセージをMeNB102に送信することによって、SgNB追加要求を確認する。
【0046】
ライン3において、MeNB102は、SgNB再構成完了メッセージをSGNB110に送信する。SgNB再構成完了メッセージは、UEがNR接続性用にそれ自体を正常に構成したという確認を、SgNB110に提供する。
【0047】
メッセージフロー図のライン4において、MeNB102は、e-UTRAN無線アクセスベアラ(eRAB)修正指示をMME115に送信する。e-RAB修正指示は、UEとの通信用にNRを使用するためにユーザプレーンパスを更新するパス更新手順の一部である。ライン5において、MME115は、修正ベアラ要求メッセージをPGW118に送信する。
【0048】
ライン6において、PGW118は、クレジット制御要求更新(CCR-U)メッセージをPCRF120に送信する。CCR-Uメッセージは、セカンダリRATとしてのNRの可用性を示し得る。メッセージフロー図のライン7において、PCRF120は、クレジット制御応答更新(credit control answer update:CCA-U)メッセージをPGW118に送信することによって、CCR-Uメッセージを確認する。ライン8において、PGW118は、修正ベアラ応答メッセージをMME115に送信する。ライン9において、MME115は、eRAB修正確認メッセージをMeNB102に送信する。ライン9以降で、NRを介したUEのセカンダリコネクティビティが利用可能である。
【0049】
ライン10において、PCRF120は、再認証要求(RAR)メッセージを、Rxインターフェイスを介してAF122に送信する。RARメッセージは、拡張された特定のアクションのAVPを含む。この例では、拡張された特定のアクションのAVPは、セカンダリRATとしてNR可用性の表示を運ぶ。ライン11において、AF122は、再認証応答(RAA)メッセージをPCRF120に送信することによって、RARメッセージを確認する。
【0050】
NR可用性の表示を受け取った後、AF122は、NRによって提供されるより高い接続性を利用し得る。ライン12において、AF122は、AAR-U(authentication authorization request-update)メッセージをPCRF120に送信する。AAR-Uメッセージは、強化されたQoSを有するメディアコンポーネント記述を含む。たとえば、メディアコンポーネント記述は、NRネットワークによって提供される付加的な帯域幅を消費する、より高品質のコーデックを含んでもよい。ライン13において、PCRF120は、AAA-UメッセージでAF122に応答する。
【0051】
ライン14において、PCRF120は、RAR-UメッセージをPGW118に送信する。RAR-Uメッセージは、UEおよびAFがNRを用いて通信することを可能にするポリシーパラメータを含む。NRの利用を示すために、MME、SgNB、MeNB、およびUEなどのダウンリンクネットワーク要素間の付加的なシグナリングも行われ得る。ライン15において、PGW118は、RAA-UメッセージをPCRF120に送信する。
【0052】
ライン15以降で、AF122は、NRネットワークによって提供される強化されたサービス品質を用いてUEと通信可能である。たとえば、AF122は、集約帯域幅を必要とする、ボイスオーバーIPアプリケーション、ビデオアプリケーション、またはゲームアプリケーションでもよい。NR接続性の可用性を通知された後、AF122は、ライン12および13と同様に、PCRF120とネゴシエートして、強化されたサービス品質をアプリケーションに提供し得る。同様に、PCRF120がRxまたは他のインターフェイスを介してAF122にNR接続性の喪失の表示を伝達する場合、AF122は、PCRF120とネゴシエートして、NRネットワークの使用を中止し、UEと通信するために既存のE-UTRAネットワーク接続の使用にフォールバックし得る。このような場合の呼出しフローは、セカンダリNFとしての可用性NRの表示が、セカンダリRATとしてのNRに対する接続性の喪失の表示に置き換えられることを除いて、
図2Bに示すものと同じとなる。
【0053】
なお、本明細書に記載の主題によって、AFは、NRおよびE-UTRANの両方を用いてアプリケーションに必要なQoSを提供可能である。そのような例では、NRは、アプリケーションによって提供される帯域幅の一部を提供するために使用されてもよく、E-UTRANは、アプリケーションが必要とする帯域幅の残りを提供するために用いられてもよい。このように、NRが利用可能だからといって、NRがアプリケーションの帯域幅ニーズを満たすために排他的に使用されるわけではない。
【0054】
他の例では、PCRFは、NR使用状況の表示をSCEF(service capability exposure function)またはNEF(network exposure function)に拡張してもよく、SCEF/NEFは、UEに対するバックグラウンドデータ転送を強化するためにその情報を利用してもよい。
図3は、そのようなユースケースを示すネットワーク図である。
図3を参照すると、UE100は、SgNB110およびMeNB102を介してNRおよびE-UTRAへのデュアルコネクティビティを確立しているものとする。MME115は、NR可用性の表示をセカンダリ無線アクセスタイプとしてSGW117に伝達し、SGW117は、その表示をPGW118に伝達し、PGW118は、その表示をPCRF120に伝達する。NR可用性の表示のPCRF120への伝達は、
図2Bに示すステップ1~7を用いて行われてもよい。
【0055】
図3に示すメッセージフローを参照すると、ステップ1において、PCRF120は、NR可用性の表示をSCEF/NEF300に伝達する。この伝達は、3GPP TS 23.682,Technical Specification Group Services and System Aspects;Architecture Enhancements to Facility Communications with Packet Data Networks and Applications(Release 16),V16.3.0(2019-06)に記載の監視イベント手順を用いて行われ、その開示全体を本明細書に引用により援用する。3GPP TS23.682によると、監視イベント手順は、UE到達可能性を監視するために使用可能である。本明細書に記載の主題によると、監視イベント手順は、上述のNR可用性の表示と拡張された特定のアクションのAVPとを用いて拡張可能である。手順によると、SCEFはAFとして動作し、イベントの通知を受信するためにPCRFとアクティブなRxセッションを確立し得る。そのようなセッションは、AFがAFとして機能するSCEFに置き換えられることを除いて、
図2Aに示すAARおよびAAAメッセージングを用いて確立されてもよい。サブスクリプションが作成されると、PGW118がPCRF120にNR可用性を通知するときに、PCRF120は、NR可用性の表示をSCEF/NEF300に通知し得る。
【0056】
図3のメッセージフローを続けると、SCEF/NEF300は、T8インターフェイスを介してNR可用性の表示をアプリケーションサーバ(AS)302に通知し得る。T8インターフェイスまたは参照点は、3GPP TS 29.122,Technical Specification Group Core Network and Terminals;T8 Reference Point for Northbound APIs(Release 16),V16.2.0(2019-06)に記載されており、その開示全体を本明細書に引用により援用する。3GPP TS29.122によると、ASは、SCEFがUEに関する特定のイベントをASに通知するように要求可能である。そのようなイベントの例としては、到達可能性および位置の変更が挙げられる。監視イベント手順は、上述したNR可用性または可用性の喪失の通知を含むように拡張可能である。
図3では、AS302は、SCEF/NEF300からNR可用性または不可用性の表示を受信するように事前にサブスクライブしており、かつ、SCEF/NEF300は、PCRF120の対応する監視イベント通知サブスクリプションを確立していると仮定される。
図3のメッセージフローを続けると、ステップ2において、SCEF/NEF300は、NR可用性の表示をAS302に通知する。ステップ3において、AS302は、AS302がNRによって提供される増加した帯域幅の使用を希望しているという表示で、SCEF/NEF300と通信する。ステップ4において、SCEF/NEF300は、AF302が強化されたNR帯域幅の使用を希望しているという表示をPCRF120に伝達する。PCRF120は、そのポリシーデータストアから適切なポリシーを選択し、そのポリシーをPGW118に伝達する。PGW118は、UEに提供されるべき増加した帯域幅について、SGW117と信号を送り得る。SGW117は、MME115と信号を送ってもよく、MME115は、NRがアプリケーションに使用されると示すために、MeNB102およびSgNB110と信号を送ることが可能である。最後に、MeNB102およびSgNB110は、NRがアプリケーションに使用されると示すために、UE100と信号を送る。
【0057】
図4は、NR使用状況の表示をAFに拡張するための例示的なPCRFを示すブロック図である。
図4を参照すると、PCRF120は、少なくとも1つのプロセッサ400とメモリ402とを含む。PCRF120は、メモリ402内に位置し得る、ネットワークリソースを使用しようとするUEおよびアプリケーションに関するポリシー決定を行うためのポリシーデータストア404を含む。PCRF120はさらに、Gxインターフェイスを介してPGW118と通信するためのGxインターフェイスモジュール406を含む。また、PCRF120は、AFと、および/または、AFと表示されるSCEF/NEF300と通信するためのノースバウンドインターフェイスモジュール408を含む。ノースバウンドインターフェイス408モジュールは、一例では、Rxインターフェイスを介してAFと、またはSCEF/NEF300と通信可能である。しかしながら、本明細書に記載の主題は、Rxインターフェイスを介したNR使用状況の表示の伝達に限定されない。PCRFがNR使用状況をアプリケーション、SCEF、またはNFに伝達可能になるインターフェイスは本明細書に記載の主題の範囲内であることが意図される。
【0058】
PCRF120はさらに、PGWからNR使用状況の表示を受信し、1つまたは複数のAFがURについてNR使用状況の表示を受信するようにサブスクライブされているかどうかを判断し、NR使用状況の表示をAFに伝達するためのNR対応ポリシーコントローラ410を含む。たとえば、NR対応ポリシーコントローラ410は、PCRFからNR使用状況の表示を受信するように構成され得る。NR対応ポリシーコントローラ410は、NR使用状況を示すPGWからのメッセージからUE識別子(たとえば、国際移動電話加入者識別番号(IMSI)または外部識別子)を抽出し、UE識別子を用いてポリシーデータストア404内の検索を実行して、1つまたは複数のAFがUEについてNR使用状況の表示を受信するようにサブスクライブされているかどうかを判断し得る。検索の結果が、1つ以上のAFがNR使用状況の表示を受信するためにサブスクライブされているという結果である場合、NR対応ポリシーコントローラ410は、Rxインターフェイスを介してサブスクライブされたAF(複数可)に、NR使用状況の表示を伝達するように構成され得る。NR対応ポリシーコントローラ410は、拡張された特定のアクションのAVPに、NRの可用性を示す値をセカンダリ無線アクセスタイプとして、またはNR可用性の喪失を示す値をセカンダリ無線アクセスタイプとして挿入することによって、NR使用状況の表示をAFに伝達し得る。
【0059】
また、NR対応ポリシーコントローラ410は、PCRF120に対してAFと表示されるSCEFまたはNEFと通信するように構成され得る。たとえば、NR対応ポリシーコントローラ410は、SCEFまたはNEFがUEについてNR使用状況の表示を受信するようにサブスクライブされていることを示すサブスクリプションデータを、SCEFまたはNEFから受信および格納し、NR使用状況の表示がUEについて受信されるときにSCEFまたはNEFに連絡するために、サブスクリプションデータを使用し得る。
【0060】
NR対応ポリシーコントローラ410はさらに、AFからのメッセージを受信して、UEに提供されるサービスの変更を実行し、要求されたサービスの変更を実行するように構成され得る。たとえば、NR対応ポリシーコントローラ410は、AFからAAR-Uメッセージを受信してもよく、AAR-Uメッセージは、強化されたサービス品質をUEに提供するためにNR帯域幅へのアクセスを要求するメディアコンポーネント記述を含む。一例では、メディアコンポーネント記述は、NRによって提供される帯域幅を利用するコーデックを指定し、NR対応ポリシーコントローラ410は、メディアコンポーネント記述をUEに伝達するために、PGWでもよいPCEFと信号を送ってもよい。その後、UEは、NRによって提供される強化された帯域幅を利用する新しいコーデックをネゴシエートするために、gNBなどのエアインターフェイスノードと信号を送ってもよい。
【0061】
図5は、PCRF120と通信してNR使用状況の表示を取得し、それらの表示を用いてUEのサービス品質を強化するための例示的なAFを示すブロック図である。
図5を参照すると、AF122は、少なくとも1つのプロセッサ500とメモリ502とを含む。また、AF122は、ボイスオーバーIP、ゲーミング、またはビデオアプリケーションなどのOTT(over the top)アプリケーション504を含み得る。AF122はさらに、PCRFからNR可用性の表示を受信し、NR使用状況の表示をOTTアプリケーション504に伝達するためのNR使用状況表示インターフェイス506を含む。OTTアプリケーション504はその後、NR使用状況の表示を用いて、UEに提供するサービス品質を強化するためにPCRFとネゴシエートし得る。一例では、NR使用状況表示インターフェイス506は、上述のNR使用状況の表示をサポートするように修正されたRxインターフェイスでもよい。
【0062】
図6は、NR使用状況をAFに伝達し、NR使用状況の表示を利用し、AFがNR使用状況の表示を利用して、UEに提供されるサービスの品質を変更することを可能にするための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図6を参照すると、ステップ600において、PCRFは、UEに関するNR使用状況の表示を受信する。たとえば、PCRF120は、Gxまたは他のインターフェイスを介して、UEがNR接続性を有していること、または、NR接続性を有していたUEがNR接続性を喪失したという表示を受信してもよい。この表示は、上述の2つの値のうちの1つを含む、拡張された特定のアクションのAVPを用いて伝達されてもよい。
【0063】
ステップ602において、PCRFは、いずれかのAFがNR使用状況の表示を受信するようにサブスクライブしているかどうか判断する。
図2Aに関して上述したように、AFまたはPCRFに対してAFと表示されるSCEF/NEFは、UEがセカンダリRATとしてNR接続性を有するまたは喪失するときに通知を受けるために、PCRF120をサブスクライブし得る。ステップ602において、NR使用状況の表示を受信するためにサブスクライブされたAFがない場合、制御はステップ604に進む、または、PCRFは、表示をAFに伝達することなく、UEについてPCRF機能を実行するために表示を使用する。通常のPCRF機能を行うための表示の使用は、表示に基づいて、UEに適用されるポリシーを選択することを含み得る。
【0064】
ステップ604において、AFがNR使用状況の表示を受信するためにサブスクライブしていると判断される場合、制御はステップ606に進み、PCRFは、NR使用状況の表示をサブスクライブされたAFに伝達する。NR使用状況の表示をサブスクライブされたAFに伝達することは、Rxまたは他のインターフェイスを介して、サブスクライブしたAFにRARまたは他のメッセージを送信して、AFにNR使用状況の表示を通知することを含み得る。NR使用状況の表示は、拡張された特定のアクションのAVPで運ばれてもよく、セカンダリ接続としてのNRの可用性、またはセカンダリ接続としてのNRの可用性の喪失を示してもよい。
【0065】
ステップ608において、PCRFはAFから、以前にAFに伝達されたNR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されたサービスを変更する要求を受信する。たとえば、PCRF120は、UEに提供されるサービスを変更するために、AAR-UメッセージをRxまたは他のインターフェイス上で受信し得る。この要求は、NRによって提供される強化されたコーデックまたは増加した帯域幅を利用する要求を含み得る。
【0066】
ステップ610において、PCRF120は、NR使用状況の表示に基づいて、UEに提供されるサービスの変更を実行する。UEに提供されるサービスの変更を実行することは、PCRFのポリシーデータストアにアクセスすることと、ポリシーを抽出して、AFが要求するサービスの変更を実行することと、このポリシーをポリシーおよび課金ルール機能(PCEF)(この場合、PGW118である)に伝達することとを含み得る。たとえば、PCRF120はRARメッセージをPGW118に送信してもよく、RARメッセージは、NRによって提供される増加した帯域幅を利用するために強化されたQoSパラメータを有するポリシーを含む。また、PCRF120は、強化されたQoSの要求の受信を確認するAAAメッセージを、AF122に送信し得る。
【0067】
図7は、UEがPCRFからNR使用状況の表示を受信することに応じて、AFが行う例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図7を参照すると、ステップ700において、AFは、UEによるNR使用状況の表示をPCRFから受信する。たとえば、AF122は、Rxまたは他のノースバウンドインターフェイスを介して、PCRF120から、セカンダリ無線アクセスタイプとしてのNRの可用性またはセカンダリ無線アクセスタイプとしてのNRの可用性の喪失を示すメッセージを受信し得る。この表示は、上述の拡張された特定のアクションのAVPでAFに送信または伝達されてもよい。
【0068】
ステップ702および704において、AFは、NR使用状況の表示が、UEに提供されるサービスの変更を要求するかどうか判断する。ステップ704において、サービスの変更が要求されない場合、制御はステップ700に戻って次の通知を処理する。
【0069】
サービスの変更が要求される場合、制御はステップ706に進み、AFは、UEに提供されるサービスの変更に影響を及ぼすために、PCRFと信号を送る。たとえば、AF122は、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性の表示を受信することに応じて、UEに提供されるサービスの品質を増強するために、PCRF120と信号を送り得る。代替例では、AF122は、セカンダリ無線アクセスタイプとしてNRの可用性の喪失の通知を受信することに応じて、UEに与えられるサービスの品質を低下させるために、PCRF120と信号を送ってもよい。
【0070】
本明細書に記載の主題は、ASセッションが強化されたQoSで通信されるようにすることによって、さらに良好なユーザエクスペリエンスを提供する。これは、IoTデバイスに対する通信がより高い帯域幅を要求するIoTのユースケースに特に有益である。より良好なコーデックおよびQoSも提供され得る。SCEF-NEFは、バックグランドデータ転送に関するユースケースを調整し、ネットワークリソースを最適化するために、情報を使用可能である。
【0071】
本明細書に記載の主題のさまざまな詳細事項は本明細書に記載の主題の範囲を超えることなく変更し得ることが理解されるであろう。さらに、本明細書に記載の主題は下記請求項によって定められるため、上記説明は制限を目的としているのではなく専ら例示を目的としている。
【国際調査報告】