(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】断路器を用いた電流遮断装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221014BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510201
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2020017240
(87)【国際公開番号】W WO2021112509
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0161949
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ボグ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・チャン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ジン・ソン
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053AA05
5G053AA08
5G053AA14
5G053BA01
5G053BA04
5G053BA06
5G053CA01
5G053EC01
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA16
5G503FA17
5G503FA18
5G503GD06
(57)【要約】
本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システム(ESS)は、複数のバッテリーモジュール及びバッテリー保護ユニットを備えてなり、前記バッテリー保護ユニットは、第1のヒューズ、第2のヒューズ、第1の断路器、第2の断路器、第1の主コンタクター、第2の主コンタクター、前記第1及び第2の主コンタクターのオンまたはオフを制御するマイクロコントロールユニット(MCU)及び前記第1及び第2の主コンタクターに所定の電源を供給する電源ラインを備えてなり、前記第1及び第2の主コンタクターは、前記電源ラインを介して所定の電源が供給される間にのみオンになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーモジュールを備えてなるエネルギー貯蔵システムにおいて、
前記エネルギー貯蔵システムは、
バッテリー保護ユニットを備えてなり、
前記バッテリー保護ユニットは、
前記エネルギー貯蔵システムの充放電を制御するマイクロコントロールユニットと、
前記マイクロコントロールユニットの制御に従って前記複数のバッテリーモジュールと前記エネルギー貯蔵システムの出力端とを接続または遮断する第1の主コンタクター及び第2の主コンタクターと、
前記第1の主コンタクターと前記第2の主コンタクターとの間に配備され、前記複数のバッテリーモジュールと、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターを接続または遮断する断路器と、
を備えてなり、
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターは、
所定の電圧の印加有無に応じてオンまたはオフになることを特徴とするエネルギー貯蔵システム(ESS)。
【請求項2】
前記断路器は、
第1の電流遮断スイッチであって、前記第1の電流遮断スイッチの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(+)端に接続され、前記第1の電流遮断スイッチの他方の端は前記第1の主コンタクターに接続されて、前記第1の主コンタクターを介して流れる電流パスを遮断する第1の電流遮断スイッチと、
第2の電流遮断スイッチであって、前記第2の電流遮断スイッチの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(-)端に接続され、前記第2の電流遮断スイッチの他方の端は前記第2の主コンタクターに接続されて、前記第2の主コンタクターを介して流れる電流パスを遮断する第2の電流遮断スイッチと、
を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記断路器は、
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターへの所定の電圧の印加有無を制御する補助スイッチを備えてなることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターは、
前記補助スイッチがオフになると、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターに供給されていた所定の電源が切れてオフになり、
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターがオフになると、前記エネルギー貯蔵システムは無負荷状態となることを特徴とする請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記第1の電流遮断スイッチ及び前記第2の電流遮断スイッチは、
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターがオフになった後にオフになることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記バッテリー保護ユニットは、
第1のヒューズであって、前記第1のヒューズの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(+)端に接続され、前記第1のヒューズの他方の端は前記断路器を介して前記第1の主コンタクターと接続される第1のヒューズと、
第2のヒューズであって、前記第2のヒューズの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(-)端に接続され、前記第2のヒューズの他方の端は前記断路器を介して前記第2の主コンタクターと接続される第2のヒューズと、
をさらに備えてなることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記マイクロコントロールユニットは、
過電圧、過電流、高温のうちの少なくともいずれか一つ以上が感知される場合、
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターをオフにすることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1の主コンタクターに並列に接続されて、突入電流を防ぐプレチャージ電界効果トランジスターをさらに備えてなることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
断路器を備えてなるエネルギー貯蔵システムにおいてマニュアル電力遮断を行うための方法において、
前記断路器の後端を無負荷状態に切り替えるための主コンタクターオフステップと、
前記主コンタクターオフステップを行った後、前記断路器を用いて前記エネルギー貯蔵システムの出力電流パスを遮断する電流パス遮断ステップと、
を含んでなることを特徴とするエネルギー貯蔵システムのマニュアル電力遮断方法。
【請求項10】
前記主コンタクターオフステップにおいては、
主コンタクターに供給される電源を遮断して前記主コンタクターをオフにすることにより、前記断路器の後端を無負荷状態に切り替えることを特徴とする請求項9に記載のエネルギー貯蔵システムのマニュアル電力遮断方法。
【請求項11】
前記電流パス遮断ステップにおいては、
前記主コンタクターオフステップが行われた後、
前記断路器の第1の電流遮断スイッチ及び第2の電流遮断スイッチをオフにして前記エネルギー貯蔵システムの前記出力電流パスを遮断することを特徴とする請求項10に記載のエネルギー貯蔵システムのマニュアル電力遮断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵システム(ESS)において断路器を用いて電流を遮断する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)は、新再生エネルギーから生産される電力を電力系統に安定的につなぐために用いられる。新再生エネルギーは、太陽光や風力発電を通じて生じる電気エネルギーであって、電力生産の安定性に劣っているという欠点がある。このような欠点を解決するために、新再生エネルギーは、ESSと結合されて用いられる。ESSは、リチウムイオンバッテリー(LIB:Li-Ion Battery)などを用いたバッテリーに過剰に生産された電力を蓄えた後、電力が足りない場合に放電して電力の需給を安定化させる。すなわち、ESSは、電力の需要が少ないときに僅かに溜まる新再生エネルギーを蓄積して蓄えた後、電力の需要が多いピーク(peak)時間帯に蓄えられた電力を使用できるようにすることにより、電力の活用効率を改善する。
【0003】
このようなESSは、異常状況または点検のために使用者がマニュアルにて自ら電流を遮断する機能を必要とする。
【0004】
従来には、このような機能のために、サーキットブレーカー(circuit breaker)を用いていた。
【0005】
しかしながら、従来のサーキットブレーカーは、使用者がマニュアルにて自ら電流を遮断する機能の他にも、過電流の際に電流パスを遮断する機能をさらに含んでいるがゆえに、値段が高くつくという欠点がある。
【0006】
一方、高価なサーキットブレーカーの代わりに断路器を用いてマニュアルにて電流を遮断することはできるものの、断路器は無負荷状態でしかオンまたはオフにすることができないため、ESSが使用中であるときにオンまたはオフにすることができないという欠点がある。
【0007】
したがって、本発明においては、このような従来の高価なサーキットブレーカーの代わりに安価な断路器(disconnector)を用いて、たとえ無負荷状態ではないとしても、マニュアルにて電流を遮断する装置及び方法を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2015-0090371号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、たとえ無負荷状態ではないとしても、断路器を用いてESSに流れる電流をマニュアルにて遮断することのできる装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係るESSは、複数のバッテリーモジュール、バッテリー保護ユニットを備えてなり、前記バッテリー保護ユニットは、前記ESSの充放電を制御するMCUと、前記MCUの制御に従って前記複数のバッテリーモジュールと前記ESSの出力端とを接続または遮断する第1の主コンタクター及び第2の主コンタクターと、前記第1の主コンタクターと前記第2の主コンタクターとの間に配備され、前記複数のバッテリーモジュールと、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターを接続または遮断する断路器と、を備えていてもよい。
【0011】
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターは、電源ラインを介した所定の電圧の印加有無に応じてオンまたはオフになってもよい。
【0012】
前記断路器は、第1の電流遮断スイッチであって、前記第1の電流遮断スイッチの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(+)端に接続され、前記第1の電流遮断スイッチの他方の端は前記第1の主コンタクターに接続されて、前記第1の主コンタクターを介して流れる電流パスを遮断する第1の電流遮断スイッチと、第2の電流遮断スイッチであって、前記第2の電流遮断スイッチの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(-)端に接続され、前記第2の電流遮断スイッチの他方の端は前記第2の主コンタクターに接続されて、前記第2の主コンタクターを介して流れる電流パスを遮断する第2の電流遮断スイッチと、を備えていてもよい。
【0013】
前記断路器は、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターへの所定の電圧の印加有無を制御する補助スイッチを備えていてもよい。
【0014】
前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターは、前記補助スイッチがオフになると、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターに供給されていた所定の電源が切れてオフになり、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターがオフになると、前記ESSは無負荷状態となってもよい。
【0015】
前記第1の電流遮断スイッチ及び前記第2の電流遮断スイッチは、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターがオフになった後にオフになってもよい。
【0016】
前記バッテリー保護ユニットは、第1のヒューズであって、前記第1のヒューズの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(+)端に接続され、前記第1のヒューズの他方の端は前記断路器を介して前記第1の主コンタクターと接続される第1のヒューズと、第2のヒューズであって、前記第2のヒューズの一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(-)端に接続され、前記第2のヒューズの他方の端は前記断路器を介して前記第2の主コンタクターと接続される第2のヒューズと、をさらに備えていてもよい。
【0017】
前記MCUは、過電圧、過電流、高温のうちの少なくともいずれか一つ以上が感知される場合、前記第1の主コンタクター及び前記第2の主コンタクターをオフにしてもよい。
【0018】
前記ESSは、前記第1の主コンタクターに並列に接続されて、突入電流を防ぐプレチャージ(Pre-Charge)FETをさらに備えていてもよい。
【0019】
本発明の実施形態に係る断路器を備えてなるESSにおいてマニュアル電力遮断(manual disconnect)を行うための方法は、前記断路器の後端を無負荷状態に切り替えるための主コンタクターオフステップと、前記主コンタクターオフステップを行った後、前記断路器を用いて前記ESSの出力電流パスを遮断する電流パス遮断ステップと、を備えていてもよい。
【0020】
前記主コンタクターオフステップは、主コンタクターに供給される電源を遮断して前記主コンタクターをオフにすることにより、前記断路器の後端を無負荷状態に切り替えてもよい。
【0021】
前記電流パス遮断ステップは、前記主コンタクターオフステップが行われた後、前記断路器の第1の電流遮断スイッチ及び第2の電流遮断スイッチをオフにして前記ESSの出力電流パスを遮断してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、高価なサーキットブレーカーを用いずに、ESSの電流をマニュアルにて遮断することができる。
【0023】
また、本発明は、従来のサーキットブレーカーの代わりに安価な断路器を適用してマニュアル電流遮断装置を適用できるようにESSを無負荷状態に切り替える回路を備えて、従来に比べて低廉なコストで電流遮断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係るESSを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るESSにおいて、マニュアルにて電流を遮断する方法を示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付図面に基づいて、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。なお、図中、本発明を明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の図面符号を付している。
【0026】
1.本発明の実施形態に係るESS
ESSは、上記の背景技術の欄において説明したように、ESSの異常または点検のために使用者または点検者がマニュアルにて出力電流を遮断しなければならない場合がある。
【0027】
マニュアルにて出力電流を遮断するためには、通常、サーキットブレーカーが用いられるが、サーキットブレーカーは、マニュアルにて電流を遮断する機能の他にも、過電流を感知して電流を自動的に遮断する機能などがさらに搭載されているため高価な部品である。
【0028】
一方、マニュアルにて電流を遮断するための他の素子としては、断路器が用いられる。
【0029】
しかしながら、断路器は安価であるというメリットはあるものの、断路器の電流遮断スイッチは、断路器が無負荷状態であるときにしかオンまたはオフにすることができないため、一般に、負荷に接続されて用いられるESSにおいて適用して使用するのに限界があった。
【0030】
この理由から、本発明においては、断路器がたとえ無負荷状態ではないとしても、断路器を用いてマニュアルにて電流を遮断する装置を開発した。
【0031】
すなわち、本発明は、断路器が接続された回路に補助スイッチを組み込んで、マニュアルにて電流の遮断が必要となる場合に、前記補助スイッチを制御して、断路器を無負荷状態に切り替えてマニュアルにて電流を遮断する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るESSを示す図である。
【0033】
以下では、
図1を参照して本発明の実施形態に係るESSについて説明する。
【0034】
本発明の実施形態に係るESS 10は、バッテリー保護ユニット200を備えていてもよい。
【0035】
1) 本発明のバッテリー保護ユニット200
バッテリー保護ユニット200は、ESS 10の充放電を制御するMCU 230と、前記MCU 230の制御に従って前記複数のバッテリーモジュール100とESSの出力端とを接続または遮断する第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222と、前記第1の主コンタクター221と第2の主コンタクター222との間に配備され、前記複数のバッテリーモジュール100と、第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222を接続または遮断する断路器240と、を備えてなる。
【0036】
1-1 MCU 230
本発明の実施形態に係るMCU 230は、ESS 10が充電または放電を必要とする場合、第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオンにしてESSを充電または放電し、ESS 10が充電または放電される間に過電圧、過電流、高温のうちの少なくともいずれか一つ以上が感知される場合、前記第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオフにしてESS 10の充電または放電を遮断してもよい。
【0037】
1-2) 第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222
第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222は、上述したMCU 230の制御を受けて、複数のバッテリーモジュールとESSの出力端とを接続または短絡してもよい。
【0038】
例えば、第1の主コンタクター221は、前記複数のバッテリーモジュールの(+)出力端とESSの(+)出力端とを接続する構成要素であり、第2の主コンタクター222は、前記複数のバッテリーモジュールの(-)出力端とESSの(-)出力端とを接続する構成要素である。
【0039】
一方、第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222に所定の電源が供給される場合にオンまたはオフになるリレーから構成してもよい。
【0040】
前記第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222は、正常に運用されるときに、前記MCU 230の制御を受けてESSを充電または放電パスを接続または遮断する。
【0041】
本発明においては、これに加えて、後述する断路器240の補助スイッチ243を介して接続される外部電源の供給有無に応じて第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオンまたはオフにするさらなる機能を有して、断路器が電流を遮断するときにESSを無負荷状態に切り替える
【0042】
1-3) 断路器240
断路器240は、前記複数のバッテリーモジュール100と第1の主コンタクター221との間、及び前記複数のバッテリーモジュールと第2の主コンタクター222との間に配備されて、バッテリーモジュールからの出力を遮断する。
【0043】
このような断路器240は、バッテリーモジュールと第1の主コンタクター221との接続を遮断する第1の電流遮断スイッチ241と、バッテリーモジュールと第2の主コンタクター222との接続を遮断する第2の電流遮断スイッチ242及び前記第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオフにして断路器240の後端を無負荷状態にするための補助スイッチ243を備えてなる。
【0044】
1-3-1) 第1の電流遮断スイッチ241及び第2の電流遮断スイッチ242
具体的に、第1の電流遮断スイッチ241は、前記複数のバッテリーモジュール100の(+)端と第1の主コンタクター221との間に接続されて、第1の主コンタクター221を介して流れる電流パスを遮断する。
【0045】
第2の電流遮断スイッチ242は、前記複数のバッテリーモジュール100の(-)端と第2の主コンタクター222との間に接続されて、第2の主コンタクター222を介して流れる電流パスを遮断する。
【0046】
これらの第1及び第2のスイッチの遮断の制御を通して断路器ESSの出力電流を遮断する。
【0047】
一方、前記第1の電流遮断スイッチ241及び第2の電流遮断スイッチ242は、断路器240が無負荷状態である場合にのみオンまたはオフになる素子から構成されてもよい。
【0048】
本発明においては、前記第1の電流遮断スイッチ241及び第2の電流遮断スイッチ242をオンまたはオフにするために第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオフの状態にして断路器を無負荷状態に切り替える。
【0049】
1-3-2) 補助スイッチ243
断路器240を無負荷状態に切り替えるために、前記補助スイッチ243を用いて、第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオフの状態にする。
【0050】
具体的に、補助スイッチ243は、回転するハンドルを備えていてもよい。前記ハンドルが回転することにより、前記補助スイッチがオンまたはオフになることができる。
【0051】
例えば、ESS 10が正常状態である場合、前記補助スイッチ243はオン状態で動作して、前記第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222に所定の電圧を印加して第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222はオンの状態になって、前記第1のヒューズ211→第1の電流遮断スイッチ241→第1の主コンタクター221が接続された第1の電流パス及び第2のヒューズ212→第2の電流遮断スイッチ242→第2の主コンタクター222が接続された第2の電流パスが形成される。
【0052】
一方、ESSの非正常動作または点検が必要であるとき、断路器240に配備された補助スイッチ243をマニュアルにてオフの状態に切り替えて断路器を無負荷状態に切り替える。
【0053】
具体的に、マニュアルにて補助スイッチ243がオフになると、電源ライン300を介して前記第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222に供給される電源が遮断されて第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222がオフになって断路器240を無負荷状態に切り替える。
【0054】
このように、第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222をオフにすることにより、断路器が無負荷状態になると、前記第1の電流遮断スイッチ241及び第2の電流遮断スイッチ242を制御してオフにする。
【0055】
これにより、ESSの非正常動作または点検が必要であるとき、断路器240を用いて第1の主コンタクター221及び第2の主コンタクター222の電源を遮断することができる。
【0056】
換言すれば、上述した構成要素を用いて、従来のサーキットブレーカーがマニュアルにて電流パスを遮断する機能を実現することができる。
【0057】
1-4) 第1のヒューズ211及び第2のヒューズ212
一方、本発明のバッテリー保護ユニットは、一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(+)端に接続され、他方の端は前記断路器を介して第1の主コンタクターと接続される第1のヒューズ及び一方の端は前記複数のバッテリーモジュールの(-)端に接続され、他方の端は前記断路器を介して第2の主コンタクター接続される第2のヒューズをさらに備えてなる。
【0058】
前記第1のヒューズ211及び第2のヒューズ212は、従来のサーキットブレーカーに過電流が流れるときに過電流を遮断する機能を実現してもよい。
【0059】
1-5) プレチャージFET 223
一方、本発明の実施形態に係るESS 10は、突入電流を防ぐために前記第1の主コンタクター221と並列に接続されるプレチャージ(Pre-Charge)FET 223をさらに備えていてもよい。
【0060】
2.本発明の実施形態に係るESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法
本発明の実施形態に係るESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法は、サーキットブレーカーを用いずに、断路器を用いてESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法である。
【0061】
より具体的には、高価なサーキットブレーカーの代わりに断路器を無負荷状態ではないときにもオン/オフにできるように構造を変更することにより、ESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法である。
【0062】
図2は、本発明の実施形態に係る断路器を備えるESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法を示す手順図である。
【0063】
以下では、
図2を参照して本発明の実施形態に係る断路器を備えるESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法について説明する。
【0064】
本発明の実施形態に係る断路器を備えるESSにおいてマニュアルにて電流を遮断する方法は、断路器の後端を無負荷状態にするための主コンタクターオフステップ(S100)及び前記主コンタクターオフステップを行った後、前記断路器を用いてESSの出力電流パスを遮断する電流パス遮断ステップ(S200)を含んでいてもよい。
【0065】
断路器は、無負荷状態であるときにしかスイッチの制御を行うことができないため、断路器を用いてマニュアルにて電流を遮断するためには、断路器を無負荷状態にしなければならない。
【0066】
前記主コンタクターオフステップ(S100)が断路器を無負荷状態にするステップである。
【0067】
具体的に、前記主コンタクターオフステップ(S100)は、主コンタクターに供給される電源を遮断して、主コンタクターをオフにすることにより、断路器の後端を無負荷状態に切り替えるステップである。
【0068】
一方、前記電流パス遮断ステップ(S200)は、前記主コンタクターオフステップを行って、主コンタクターがオフになって、断路器の後端が無負荷状態となった後、断路器の第1の電流遮断スイッチ及び第2の電流遮断スイッチをオフにしてESSの出力電流パスを遮断するステップである。
【0069】
このように、主コンタクターオフステップ(S100)及び電流パス遮断ステップ(S200)をこの順に行うことにより、断路器を用いて、従来のサーキットブレーカーがESSの出力電流パスを遮断する機能を実現することができる。
【0070】
一方、本発明の技術的思想は、前記実施形態に基づいて具体的に記述されたが、前記実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないということに留意すべきである。なお、本発明の技術分野における当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において種々の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。
【符号の説明】
【0071】
10 ESS
100 バッテリーモジュール
200 バッテリー保護ユニット
211 第1のヒューズ
212 第2のヒューズ
221 第1の主コンタクター
222 第2の主コンタクター
223 プレチャージFET、プレチャージ(Pre-Charge)FET
230 MCU
240 断路器
241 第1の電流遮断スイッチ
242 第2の電流遮断スイッチ
243 補助スイッチ
300 電源ライン
【国際調査報告】