IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2022-544823複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック
<>
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図1
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図2
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図3
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図4
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図5
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図6
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図7
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図8
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図9
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図10
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図11
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図12
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図13
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図14
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図15
  • 特表-複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20221014BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20221014BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20221014BHJP
   H01M 50/509 20210101ALI20221014BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221014BHJP
   H01M 50/213 20210101ALN20221014BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/298
H01M50/249
H01M50/509
H01M50/284
H01M50/213
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510844
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2020018715
(87)【国際公開番号】W WO2021125897
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0172440
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ-ハン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-フン・ヤン
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD08
5H040DD26
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA03
5H043CA05
5H043FA04
(57)【要約】
本発明の一実施例による複数の単位モジュールを含むバッテリーモジュールアセンブリー及びBMSアセンブリーを含むサブパックは、バッテリーモジュールアセンブリーがサイドビームを含み、BMSアセンブリーがバッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングによって電気的に接続され、上部に複数のセンシング端子が備えられ、複数のセンシング端子が、コネクティングワイヤによってバッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングされることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位モジュールを含むバッテリーモジュールアセンブリーと、前記バッテリーモジュールアセンブリーの長手方向の一側に結合するBMSアセンブリーと、を含むサブパックであって、
前記バッテリーモジュールアセンブリーは、
前記複数の単位モジュールの少なくとも一側面に備えられるサイドビームを含み、
前記BMSアセンブリーは、
前記バッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングによって電気的に接続され、上部に複数のセンシング端子が備えられ、
前記複数のセンシング端子は、コネクティングワイヤによって前記バッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングされることを特徴とする、サブパック。
【請求項2】
前記バッテリーモジュールアセンブリーは、
長手方向に沿って連結される複数の単位モジュールを含む第1サブモジュールと、
複数の単位モジュールを含み、前記単位モジュールの幅方向に沿って第1サブモジュールと連結される第2サブモジュールと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサブパック。
【請求項3】
前記BMSアセンブリーは、
前記第1サブモジュールの充放電を制御する第1BMSと、
前記第2サブモジュールの充放電を制御する第2BMSと、
前記第1BMS及び前記第2BMSの周りを囲み、前記バッテリーモジュールアセンブリーの長手方向の一側に締結されるBMSフレームと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のサブパック。
【請求項4】
前記単位モジュールは、
複数のセルグループを形成する複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを支持する下部ハウジングと、
前記下部ハウジングの上部に結合し、前記複数のバッテリーセルの収容空間を提供する上部ハウジングと、
前記上部ハウジングの上面に取り付けられ、相互に離隔して並んで配置される複数の並列バスバーと、を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のサブパック。
【請求項5】
前記BMSアセンブリーは、
複数のBMSと、
前記複数のBMSを一括に囲んで固定するBMSフレームと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサブパック。
【請求項6】
前記第1サブモジュールと前記第2サブモジュールとは、相互に隣接する並列バスバー同士の電気的な接続によって直列に接続することを特徴とする、請求項2に記載のサブパック。
【請求項7】
同じ前記セルグループ内に含まれる複数のバッテリーセル同士の並列接続、同じサブモジュールに含まれる複数の単位モジュール同士の並列接続、及び相互に隣接する複数のサブモジュール同士の直列接続は、全てワイヤボンディングによって行われることを特徴とする、請求項4に記載のサブパック。
【請求項8】
前記第1BMS及び前記第2BMSの各々は、複数のセンシング端子を含み、
前記第1BMSの前記センシング端子は、前記第1サブモジュールの並列バスバーとワイヤボンディングによって電気的に接続され、
前記第2BMSのセンシング端子は、前記第2サブモジュールの並列バスバーとワイヤボンディングによって電気的に接続されることを特徴とする、請求項3に記載のサブパック。
【請求項9】
請求項1に記載のサブパックの一対が、前記サブパックの長手方向に平行する中心軸を基準で相互に鏡面対称の形態で結合したことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単位モジュールとBMSアセンブリーを含むサブパック及びそれを含むバッテリーパックに関し、より詳しくは、複数の単位モジュールをコネクティングワイヤによって直列と並列の混合形態で電気的に接続した構造を有するサブパック及びこのようなサブパックの一対を直列バスバーによって直列で接続した構造を有するバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2019年12月20日出願の韓国特許出願第10-2019-0172440号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックやバッテリーラックを構成する方法が一般的である。
【0006】
そこで、複数の単位モジュール同士の電気的/機械的締結、そして単位モジュールとBMS(Battery management system)との電気的/機械的締結を最大限に簡素にすることができる構造を有するバッテリーパックの開発によって、部品コスト節減及び管理的な面における損失を最小化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の単位モジュール同士の電気的/機械的締結、そして単位モジュールとBMSとの電気的/機械的締結を最大限に簡素にすることができる構造を有するサブパック及びそれを含むバッテリーパックを提供することで、部品コストの節減及び管理的な面における損失を最小化することを目的とする。
【0008】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するための本発明の一実施例による複数の単位モジュールを含むバッテリーモジュールアセンブリーと、バッテリーモジュールアセンブリーの長手方向の一側に結合するBMSアセンブリーと、を含むサブパックであって、バッテリーモジュールアセンブリーは、複数の単位モジュールの少なくとも一側面に備えられるサイドビームを含み、BMSアセンブリーは、バッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングによって電気的に接続され、上部に複数のセンシング端子が備えられ、複数のセンシング端子は、コネクティングワイヤによってバッテリーモジュールアセンブリーとワイヤボンディングされることを特徴とするサブパックを提供する。
【0010】
バッテリーモジュールアセンブリーは、長手方向に沿って連結される複数の単位モジュールを含む第1サブモジュールと、複数の単位モジュールを含み、単位モジュールの幅方向に沿って第1サブモジュールと連結される第2サブモジュールと、を含み得る。
【0011】
BMSアセンブリーは、第1サブモジュールの充放電を制御する第1BMSと、第2サブモジュールの充放電を制御する第2BMSと、第1BMS及び第2BMSの周りを囲み、バッテリーモジュールアセンブリーの長手方向の一側に締結されるBMSフレームと、を含み得る。
【0012】
単位モジュールは、複数のセルグループを形成する複数のバッテリーセルと、複数のバッテリーセルを支持する下部ハウジングと、下部ハウジングの上部に結合し、複数のバッテリーセルの収容空間を提供する上部ハウジングと、上部ハウジングの上面に取り付けられ、相互に離隔して並んで配置される複数の並列バスバーと、を含み得る。
【0013】
BMSアセンブリーは、複数のBMSと、複数のBMSを一括に囲んで固定するBMSフレームと、を含み得る。
【0014】
サブパックは、第1サブモジュールと第2サブモジュールとは、相互に隣接する並列バスバー同士の電気的な接続によって直列に接続し得る。
【0015】
同じセルグループ内に含まれる複数のバッテリーセル同士の並列接続、同じサブモジュールに含まれる複数の単位モジュール同士の並列接続及び相互に隣接する複数のサブモジュール同士の直列接続は、全てワイヤボンディングによって行われ得る。
【0016】
第1BMS及び第2BMSの各々は、複数のセンシング端子を含み、第1BMSのセンシング端子は、第1サブモジュールの並列バスバーとワイヤボンディングによって電気的に接続され、第2BMSのセンシング端子は、第2サブモジュールの並列バスバーとワイヤボンディングによって電気的に接続され得る。
【0017】
なお、本発明は、バッテリーパックであって、前述したサブパックの一対が、サブパックの長手方向に平行する中心軸を基準で相互に鏡面対称の形態で結合したことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0018】
また、本発明は、自動車であって、前述した実施例によるバッテリーパックを含むことを特徴とする自動車を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一面によると、バッテリーパックを構成する複数の単位モジュール同士の電気的/機械的締結、そして単位モジュールとBMSとの電気的/機械的締結を最大限に簡素にすることができ、これによって、部品コストの節減及び管理的な面における損失を最小化することができる。
【0020】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックを示す斜視図である。
図2図1に示したバッテリーパックの前面をより詳しく示した部分斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるサブパックを示す斜視図である。
図4図3に示したサブパックの下面斜視図である。
図5】本発明の一実施例によるサブパックに適用されるバッテリーモジュールアセンブリーの斜視図である。
図6図5に示したバッテリーモジュールアセンブリーに適用される単位モジュールの斜視図である。
図7図6に示した単位モジュールの下面図である。
図8図5に示したバッテリーモジュールアセンブリーに適用されるサブモジュールを構成するための一対の単位モジュールの結合関係を示す図である。
図9図6に示した単位モジュールの上面構造の一部を拡大して示した部分拡大図である。
図10図5に示したバッテリーモジュールアセンブリーを構成する単位モジュール同士の電気的接続関係を示す図である。
図11図5に示したバッテリーモジュールアセンブリーに適用される後方ブロックを示した図である。
図12図3に示したサブパックを構成するBMS組立体の斜視図である。
図13図3に示したサブパックを構成するBMS組立体の斜視図である。
図14図12及び図13に示したBMS組立体と、図5に示したバッテリーモジュールアセンブリーとの電気的な結合関係を示す図である。
図15】本発明の一実施例による一対のサブパック同士の電気的接続関係を示す図である。
図16】本発明の一実施例によるサブパックを構成するBMS組立体とバッテリーモジュールアセンブリーとの結合構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0023】
図1図5を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパックは、一対のサブパック1、ヒートシンク2、直列バスバー3及び複数の締結ボルト4を含む。
【0024】
一対のサブパック1は、その間にヒートシンク2を介在した状態でバッテリーパックの幅方向(Y軸方向)に平行する中心軸を基準で相互に鏡面対称形態で結合する。即ち、一対のサブパック1は、各々の底面が互いに対面した状態で結合する。以下、説明の便宜のために、必要な場合、上部に位置するサブパック1を第1サブパックと称し、下部に位置するサブパック1を第2サブパックと称することがある。サブパック1の具体的な構造については、図3以下を参照して詳しく後述する。
【0025】
ヒートシンク2は、バッテリーパックの冷却のために適用される構成要素であって、一対のサブパック1の間に介在され、これによってその両面が一対のサブパック1の各々と接触する。
【0026】
一方、ヒートシンク2は、一対のサブパック1と直接的に接触する代わりに、熱伝達物質を介して間接的に接触するように配置されることも可能である。例えば、熱伝達物質が一対のサブパック1とヒートシンク2との間に配置され得る。
【0027】
直列バスバー3は、互いに鏡面対称の形態で結合した一対のサブパック1を直列で接続する。即ち、第1サブパック1の幅方向(Y軸に平行する方向)の一側最外郭に位置する並列バスバー114と、第2サブパック1の幅方向(Y軸に平行する方向)の一側最外郭に位置する並列バスバー114とは、相異なる極性を有し、直列バスバー3は、このような一対の並列バスバー114を連結することで、一対のサブパック1が互いに直列で接続するようにする。
【0028】
締結ボルト4は、一対のサブパック1の締結に用いられ得る。また、締結ボルト4は、これとは異なり、単位モジュール110同士の締結及びバッテリーモジュールアセンブリー10とBMSアセンブリー20との締結に用いられ、これによって完成された一対のサブパック1の結合は、第1サブパック1とヒートシンク2との間、第2サブパック1とヒートシンク2との間に介在される接着層によって行われ得る。また、結合力の極大化のために、ボルト締めによる締結及び接着層の介在による結合を共に適用することも可能である。
【0029】
以下、図3図5を参照して、本発明の一実施例によるサブパック1の概略的な構造を説明する。
【0030】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例によるサブパック1は、バッテリーモジュールアセンブリー10及びBMSアセンブリー20を含む。
【0031】
バッテリーモジュールアセンブリー10は、複数のサブモジュール100、後方ブロック200及びサイドビーム300を含む。
【0032】
複数のサブモジュール100は、互いに直列で接続され、各々のサブモジュール100は、互いに並列で接続される複数の単位モジュール110を含む。本発明の図面においては、一つのサブモジュール100が二つの単位モジュール110を結合した形態を有し、また、一つのバッテリーモジュールアセンブリー10が二つのサブモジュール100を結合した形態を有する場合のみを図示しているが、本発明はこれに限定されない。即ち、一つのサブモジュール100が、三つ以上の単位モジュール110が結合した形態を有し得、また、一つのバッテリーモジュールアセンブリー10が、三つ以上のサブモジュール100を結合した形態を有することも可能である。一方、説明の便宜のために、図5に示した一対のサブモジュール100の各々を第1サブモジュール100及び第2サブモジュール100に区分して称する。
【0033】
後方ブロック200は、複数のサブモジュール100の機械的な締結のために適用される部品であり得る。以下、後方ブロック200については後述の関連説明でより具体的に説明する。
【0034】
サイドビーム300は、複数の単位モジュール110の少なくとも一側面または両側面に備えられ得る。このようなサイドビーム300は、複数の単位モジュール110をより安定的に支持できる。また、サイドビーム300は、複数の単位モジュール110側へ伝達される外部衝撃などを緩衝し、複数の単位モジュール110側への衝撃伝達を最小化できる。
【0035】
以下、図6図9を参照して、単位モジュール110の具体的な構造について説明する。
【0036】
図6図9を参照すると、単位モジュール110は、複数のバッテリーセル111、下部ハウジング112、上部ハウジング113及び複数の並列バスバー114を含む。
【0037】
バッテリーセル111は、例えば、円筒型バッテリーセルであり得る。バッテリーセル111は、単位モジュール110の長手方向(図6のX軸に平行する方向)に沿って複数個が備えられ得、また、単位モジュール110の幅方向(図6のY軸に平行する方向)に沿って複数個が備えられ得る。複数のバッテリーセル111は、下部ハウジング112の上に立てられて配置される。複数のバッテリーセル111は各々、上部ハウジング113の上面から外部に露出する正極端子111a及び負極端子111bを備える。バッテリーセル111が円筒型バッテリーセルである場合、電極組立体を収容する缶が負極端子111bとして機能できる。
【0038】
単位モジュール110の長手方向に沿って配置される複数のバッテリーセル111は、互いに並列で接続して一つのセルグループCを形成する。また、単位モジュール110の幅方向に沿って配置される複数のセルグループCは、互いに直列で接続される。以下、説明の便宜上、必要な場合、複数のセルグループCのうち互いに隣接する二つのセルグループCを第1セルグループ及び第2セルグループに区分して称する。
【0039】
図9を参照すると、このような並列/直列接続は、複数の並列バスバー114及びコネクティングワイヤWを用いて具現される。各々のセルグループCの両側には、並列バスバー114が配置される。第1セルグループCを構成するバッテリーセル111の正極端子111aは、第1セルグループCの一側に位置する並列バスバー114とワイヤボンディング(wire bonding)によって接続される。第1セルグループCを構成するバッテリーセル111の負極端子111bは、第1セルグループCの他側に位置する並列バスバー114とワイヤボンディングによって接続する。これによって第1セルグループCを構成する複数のバッテリーセル111は、互いに並列で接続される。
【0040】
また、第1セルグループCと隣接する第2セルグループCを構成する複数のバッテリーセル111の正極端子111aは、第2セルグループの一側に位置する並列バスバー114、即ち、第1セルグループCの他側に位置する並列バスバー114とワイヤボンディングによって接続される。第2セルグループCを構成する複数のバッテリーセル111の負極端子111bは、第2セルグループCの他側に位置する並列バスバー114とワイヤボンディングによって接続される。これによって第2セルグループCをなす複数のバッテリーセル111は互いに並列接続をなし、また第1セルグループCと第2セルグループCとは、互いに直列接続をなす。
【0041】
図6図9を参照すると、下部ハウジング112は、複数のバッテリーセル111を支持し、締結突出部112a、固定突出部112b、第1締結収容部112c及び第1固定収容部112dを備え得る。固定突出部112b及び第1固定収容部112dは必須の構成要素ではないが、単位モジュール110同士の締結の便利性のために備えられ得る構成要素である。
【0042】
締結突出部112aは、下部ハウジング112の長手方向(図6のX軸に平行する方向)の一側に少なくとも一つが備えられ、下部ハウジング112の外側へ突出して形成される。締結突出部112aは、単位モジュール110の高さ方向(図6のZ軸に平行する方向)に沿って締結ボルト4(図1参照)が挿入され得るボルト孔H1を備える。固定突出部112bは、下部ハウジング112の長手方向の一側に少なくとも一つが備えられ、下部ハウジング112の外側へ突出して形成される。固定突出部112bは、上方(図6のZ軸に平行する方向)へ突出して形成された固定突起fを備え得る。
【0043】
第1締結収容部112cは、下部ハウジング112の長手方向の他側に備えられ、締結突出部112aと対応する位置に対応する形状で備えられる。したがって、サブモジュール100の形成のために複数の単位モジュール110を長手方向に沿って締結する場合において、一つの単位モジュール110の締結突出部112aは、隣接する他の単位モジュール110の第1締結収容部112c内に挿入される。また、上部ハウジング113は、第1締結収容部112cと対応する位置に形成されるボルト孔H2を備える。これによって、一対の単位モジュール110が結合したとき、下部ハウジング112に備えられるボルト孔H1と上部ハウジング113に備えられるボルト孔H2とは、一つの締結ボルト4(図1参照)が挿通できるように互いに同じ位置に置かれる。
【0044】
第1固定収容部112dは、下部ハウジング112の長手方向の他側に備えられ、固定突出部112bと対応する位置に対応する形状で備えられる。したがって、サブモジュール100の形成のために複数の単位モジュール110を長手方向に沿って締結する場合において、一つの単位モジュール110の固定突出部112bは、隣接する他の単位モジュール110の第1固定収容部112d内に挿入される。また、上部ハウジング113は、第1固定収容部112dと対応する位置に形成される突起収容溝Gを備える。これによって、一対の単位モジュール110が結合したとき、下部ハウジング112に備えられる固定突起fは、上部ハウジング113に備えられる突起収容溝G内に挿入され、これによって一対の単位モジュール110が水平方向(図6のX-Y平面に平行する方向)に沿って動かないように固定される。
【0045】
上部ハウジング113は、複数のバッテリーセル111を収容可能な空間を提供し、少なくとも一つのボルト孔H2及び上面に形成される複数のセル露出部113aを備える。
【0046】
ボルト孔H2は、前述したように、下部ハウジング112の第1締結収容部112cと対応する位置に形成され、締結ボルト4(図1参照)が挿入される空間を提供する。
【0047】
セル露出部113aは、上部ハウジング113の長手方向(図6のX軸に平行する方向)に沿って延びた形態を有し、セルグループCと対応する位置にセルグループCの個数と同じ個数で備えられる。セル露出部113aは、バッテリーセル111の正極端子111a及び負極端子111bが上部ハウジング113の上面から外部に露出するように複数のスリットSを備える。
【0048】
一つの単位モジュール110内に備えられる複数のバッテリーセル111は、スリットSから露出した正極端子111a及び負極端子111bが並列バスバー114とワイヤボンディングによって接続することで、直列/並列が混合した形態で電気的な接続をなす。
【0049】
並列バスバー114は、セル露出部113aに平行する方向へ延びた形態を有し、上部ハウジング113の上面に取り付けられる。並列バスバー114は、複数のセル露出部113aの各々の両側に配置される。複数の並列バスバー114のうち単位モジュール110の幅方向(図6のY軸に平行する方向)の一側端部に配置される並列バスバー114と他側端部に配置される並列バスバー114とは相異なる極性を有する。これは、単位モジュール110の幅方向に沿って複数のサブモジュール100を接続するに際し、互いに直列接続を可能にするためである。図10を参照すると、互いに隣接するサブモジュール100の各々の最外側に備えられた一対の並列バスバー114が互いに接触するか、またはワイヤボンディングによって接続されることで、隣接するサブモジュール100同士が直列接続される。
【0050】
図11を参照すると、後方ブロック200は、複数の後方締結部210及び複数の後方固定部220を備える。
【0051】
後方締結部210は、下部ハウジング112の第1締結収容部112cと対応する位置に対応する形状で備えられる。後方締結部210は、上部ハウジング113のボルト孔H2と対応する位置に対応するサイズで形成されるボルト孔H3を備える。
【0052】
後方固定部220は、下部ハウジング112の第1固定収容部112dと対応する位置に対応する形状で備えられる。図示していないが、後方固定部220は、上部ハウジング113の突起収容溝G(図7参照)と対応する位置に対応するサイズに形成される固定突起を備え得る。
【0053】
以下、図12図16を参照して、BMSアセンブリー20について詳しく説明する。
【0054】
図12図16を参照すると、BMSアセンブリー20は、複数のBMS(battery management system)21及び複数のBMS21を一括に囲んで固定するBMSフレーム22を含む。BMSアセンブリー20は、バッテリーモジュールアセンブリー10(図5参照)の長手方向(図5のX軸に平行する方向)の一側に結合する。即ち、BMSアセンブリー20は、サブパック1の個数と同じ個数で備えられる。
【0055】
BMS21は複数個が備えられ、各々のBMS21は、上部に備えられた複数のセンシング端子Tを介して各々のサブモジュール100と1対1に接続される。即ち、BMS21は、サブモジュール100の個数と同数で備えられる。図14に示したように、BMS21のセンシング端子Tは、コネクティングワイヤWを用いたワイヤボンディングによって並列バスバー114と1対1に接続する。これによって、BMS21は、複数のセルグループC(図7参照)の電圧及び/または電流をセンシングし、これによってサブモジュール100の充放電を制御することができる。本発明の図面においては、一つのBMSアセンブリー20毎にBMS21が二個ずつ備えられる場合を例示しているが、この場合、各々のBMS21を、説明の便宜上、第1BMS21及び第2BMS21に称する。
【0056】
第1BMS21は、第1サブモジュール100(図5参照)の充放電を制御し、第2BMS21は、第1サブモジュール100に隣接する第2サブモジュール100(図5参照)の充放電を制御する。
【0057】
BMSフレーム22は、複数のBMS21を一括に囲んで固定し、バッテリーモジュールアセンブリー10(図5参照)の長手方向の一側に結合する。BMSフレーム22は、バッテリーモジュールアセンブリー10(図5参照)の幅方向(図5のY軸に平行する方向)に沿って延びた形態を有し、バッテリーモジュールアセンブリー10の幅と対応する長さを有する。
【0058】
BMSフレーム22は、複数の前方締結部22a、複数の第2締結収容部22b、複数の第2固定収容部22c及びバスバー取付け部22dを備え得る。
【0059】
前方締結部22aは、締結突出部112aと対応する位置に備えられ、ボルト孔H4を備える。前方締結部22aに形成されたボルト孔H4は、下部ハウジング112に形成されたボルト孔H1と対応する位置に対応する形状で備えられる。これによって、一つの締結ボルト4(図1及び図2参照)が前方締結部22aに形成されたボルト孔H4と下部ハウジング112に形成されたボルト孔H1とを同時に通過でき、これによって、バッテリーモジュールアセンブリー10とBMSアセンブリー20が締結される。
【0060】
第2締結収容部22bは、前方締結部22a及び締結突出部112aと対応する位置に溝状で備えられる。第2締結収容部22bは、締結突出部112aと対応する形状を有し、これによって締結突出部112aが第2締結収容部22b内に挿入され、BMSアセンブリー20とバッテリーモジュールアセンブリー10とが互いに密着できる。
【0061】
第2固定収容部22cは、固定突出部112bと対応する位置に溝状で備えられる。第2固定収容部22cは、固定突出部112bと対応する形状を有し、これによって、固定突出部112bが第2固定収容部22c内に挿入され、BMSアセンブリー20とバッテリーモジュールアセンブリー10とが互いに密着できる。
【0062】
バスバー取付け部22dは、BMSフレーム22の長手方向の一側に溝状で備えられる。バスバー取付け部22dは、互いに鏡面対称の形態で結合した一対のサブパック1を直列で接続する直列バスバー3が取り付けられる空間を提供する。図15に示したように、一対のBMSアセンブリー20は、バッテリーパックの幅方向(図5のY軸に平行する方向)に平行する中心軸を基準で互いに鏡面対称の形態で結合する。このように結合した一対のBMSアセンブリー20の各々に備えられたバスバー取付け部22dが互いに接続して直列バスバー3が取り付けられる空間を提供する。
【0063】
このようにバスバー取付け部22dに取り付けられた直列バスバー3は、一対のサブパック1の各々の最外郭に備えられた並列バスバー114同士を接続し、これによって一対のサブパック1は相互に直列で接続される。直列バスバー3と並列バスバー114との電気的接続は、コネクティングワイヤWを用いたワイヤボンディングによって行われる。
【0064】
上述したように、本発明の一実施例によるバッテリーパックは、複数の単位モジュール110がボルト締め結合によって簡単に締結可能な構造を有するのみならず、複数の単位モジュール110が結合して形成されたバッテリーモジュールアセンブリー10とBMSアセンブリー20との結合も、ボルト締め結合によって簡単に締結可能になる構造を有する。
【0065】
即ち、本発明の一実施例によるバッテリーパックは、図1及び図2に示したように、一対のサブパック1が互いに鏡面対称の形態で対面した状態で締結ボルト4をボルト孔H1~H4内に挿入することで一対のサブパック1が締結される構造を有する。また、本発明の一実施例によるバッテリーパックは、このような一対のサブパック1の締結によって各々のサブパック1を構成する単位モジュール110同士の締結及びバッテリーモジュールアセンブリー10とBMSアセンブリー20との締結も同時に行われる構造を有する。
【0066】
また、本発明の一実施例によるバッテリーパックによると、並列バスバー114及び直列バスバー3を用いて構成要素同士の電気的接続にワイヤボンディングを適用することで、複数の単位モジュール110を簡単に直列と並列の混合形態にすることができ、これによって、必要に応じる容量及び出力電圧の拡大が非常に容易になる。
【0067】
一方、本発明の一実施例による自動車は、上述した本発明の実施例によるバッテリーパックを含む。
【0068】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0069】
1 サブパック、第1サブパッ第2サブパックク、
2 ヒートシンク
3 直列バスバー
4 締結ボルト
10 バッテリーモジュールアセンブリー
20 BMSアセンブリー
21 BMS、第1BMS、第2BMS
22 BMSフレーム
22a 前方締結部
22b 第2締結収容部
22c 第2固定収容部
22d バスバー取付け部
100 サブモジュール、第1サブモジュール、第2サブモジュール
110 単位モジュール
111 バッテリーセル
111a 正極端子
111b 負極端子
112 下部ハウジング
112a 締結突出部
112b 固定突出部
112c 第1締結収容部
112d 第1固定収容部
113 上部ハウジング
113a セル露出部
114 並列バスバー
200 後方ブロック
210 後方締結部
220 後方固定部
300 サイドビーム
C セルグループ、第1セルグループ、第2セルグループ
f 固定突起
G 突起収容溝
H1 ボルト孔
H2 ボルト孔
H3 ボルト孔
H4 ボルト孔
S スリット
T センシング端子
W コネクティングワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】