IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コリア・インスティテュート・オブ・ラディオロジカル・アンド・メディカル・サイエンシーズの特許一覧

特表2022-544841診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/06 20060101AFI20221014BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20221014BHJP
   G21K 1/04 20060101ALI20221014BHJP
   G21K 1/02 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
A61B6/06 300
A61B6/00 300G
G21K1/04 P
G21K1/02 R
A61B6/00 320Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511308
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2020007800
(87)【国際公開番号】W WO2021033900
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0101964
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518460417
【氏名又は名称】コリア・インスティテュート・オブ・ラディオロジカル・アンド・メディカル・サイエンシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヒョン・バク
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA32
4C093CA34
4C093CA36
4C093EA14
4C093EC03
4C093EC04
4C093EC16
4C093FA16
4C093FA18
4C093FB09
4C093FG04
(57)【要約】
本発明は、電源部と、診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量を調節できるように構成された多葉コリメータ(multi-leaf collimator)と、多葉コリメータに含まれた単葉(single-leaf)の位置をそれぞれ独立して調節できるように構成された駆動部と、外部と通信できるように構成された通信モジュールと、通信モジュールから受信された信号に応じて診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量が調節できるように駆動部を制御する制御部と、を含む診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムに関する。本発明に係る診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置及び線量調節システムは、放射線照射領域で部分別に被ばくを防止でき、診断用放射線装置に付着可能なモジュールで構成されるので、既存の装備の構造を変更することなく、容易に放射線遮蔽機能を追加できるという効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と、
診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量を調節できるように構成された多葉コリメータ(multi-leaf collimator)と、
前記多葉コリメータに含まれた単葉(single-leaf)の位置をそれぞれ独立して調節できるように構成された駆動部と、
外部と通信できるように構成された通信モジュールと、
前記通信モジュールから受信された信号に応じて前記診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量が調節できるように前記駆動部を制御する制御部と、を含む、診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項2】
前記線量調節装置は、
診断用放射線装置の放射線照射部と放射線検出部との間に備えられる、請求項1に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項3】
前記線量調節装置は、
前記診断用放射線装置の放射線照射部の端部に脱着可能に構成された連結部をさらに含む、請求項2に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項4】
前記単葉は、
それぞれ前記診断用放射線の照射方向に直交する平面上で延びて形成され、
互いに並んで、互いに密着して備えられる、請求項3に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項5】
前記駆動部は、前記単葉を前記単葉が延びた方向にそれぞれ移動させることができるように構成される複数の駆動ユニットを含む、請求項4に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項6】
前記電源部、前記多葉コリメータ、前記通信モジュール、及び前記制御部を収容可能なように構成され、
中心部分に前記診断用放射線が通過可能なように構成される中空が形成された円筒形のハウジングをさらに含む、請求項5に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項7】
前記多葉コリメータは、前記平面上で2列で構成され、
それぞれの列は前記中空の半分領域の透過量を調節することができるように構成される、請求項6に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項8】
コリメータモジュール、前記電源部、前記通信モジュール、及び前記制御部は、前記ハウジングの内部で複数の段で積層されて備えられる、請求項7に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項9】
前記診断用放射線はX線である、請求項1に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項10】
前記単葉は、前記X線を遮蔽することができるように構成される、請求項9に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項11】
前記単葉は、前記X線が1乃至99%透過するように構成される、請求項9に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置。
【請求項12】
診断用放射線装置に脱着可能に構成される線量調節装置と、
前記線量調節装置と通信し、部分別に放射線の透過量を調節できるように調節量の入力を受けることができるように構成されるコントロールデバイスとを含んで構成され、
前記線量調節装置は、
電源部と、
診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量を調節できるように構成された多葉コリメータ(multi-leaf collimator)と、
前記多葉コリメータに含まれた単葉(single-leaf)の位置をそれぞれ独立して調節できるように構成された駆動部と、
前記コントロールデバイスと通信できるように構成された通信モジュールと、
前記通信モジュールから受信された信号に応じて前記診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量が調節できるように前記駆動部を制御する制御部と、を含む、診断用放射線装置に装着可能な線量調節システム。
【請求項13】
前記コントロールデバイスは、
ディスプレイ部を含んで構成され、
外部の前記診断用放射線装置から取得された診断映像を受信して前記ディスプレイ部に表示できるように構成される、請求項12に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節システム。
【請求項14】
前記コントロールデバイスは、ユーザが前記ディスプレイ部の映像でタッチアンドドラッグする場合、タッチした位置及びドラッグの量に応じて前記多葉コリメータを調節する調節信号を生成し、
前記制御部は、前記調節信号に応じて前記駆動部を駆動するように制御する、請求項13に記載の診断用放射線装置に装着可能な線量調節システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムに関し、より詳細には、診断用放射線装置に装着されて、放射線照射領域の線量を部分別に調節できる診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
診断用放射線装置は、放射線の透視造影及び介入放射線の施術時に非侵襲的に体内の情報を取得する装置である。診断用放射線装置は、リアルタイムで体内の情報を取得するように所定時間持続的に放射線を照射することになるので、低エネルギーの放射線を利用しても、かなりの被ばく量が発生することになる。
【0003】
従来は、診断用放射線装置の使用時に患者の被ばく量を減らすための努力として、遮蔽物質を患者の体に直接付着したり、保護服を着用する方式で放射線の曝露範囲を制限した。また、放射線照射部で固定されたフィールド形状を維持しつつ、制限された領域設定が可能なコリメータを使用して放射線の曝露範囲を制限した。このような診断用放射線装置の線量低減技術に関して、特許文献1(1997.10.21.登録)が開示されている。
【0004】
しかしながら、このような従来の診断用放射線装置は、定型的な形状に曝露範囲が決定され、診断と関係ない領域の被ばくを減らすことには限界点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国登録特許第US5680434号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した従来の診断用放射線装置の限界点を解決し、部分別に遮蔽量を調節できる診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題の解決手段として、電源部と、診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量を調節できるように構成された多葉コリメータ(multi-leaf collimator)と、多葉コリメータに含まれた単葉(single-leaf)の位置をそれぞれ独立して調節できるように構成された駆動部と、外部と通信できるように構成された通信モジュールと、通信モジュールから受信された信号に応じて、診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量が調節できるように駆動部を制御する制御部と、を含む診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置が提供され得る。
【0008】
ここで、線量調節装置は、診断用放射線装置の放射線照射部と放射線検出部との間に備えられ得る。
【0009】
さらに、線量調節装置は、診断用放射線装置の放射線照射部の端部に脱着可能に構成された連結部をさらに含んで構成され得る。
【0010】
一方、単葉は、それぞれ放射線の照射方向に直交する平面上で延びて形成され、互いに並んで、互いに密着して備えられ得る。
【0011】
一方、駆動部は、単葉を単葉が延びた方向にそれぞれ移動させることができるように構成される複数の駆動ユニットを含み得る。
【0012】
一方、電源部、多葉コリメータ、通信モジュール、及び制御部を収容可能なように構成され、中心部分に診断用放射線が通過可能なように構成される中空が形成された円筒形のハウジングをさらに含み得る。
【0013】
さらに、多葉コリメータは、平面上で2列で構成され、それぞれの列は中空の半分領域の透過量を調節し得る。
【0014】
コリメータモジュール、電源部、通信モジュール、及び制御部は、ハウジングの内部で複数の段で積層されて備えられ得る。
【0015】
一方、放射線はX線であり得る。
【0016】
一方、単葉は、X線を遮蔽することができるように構成され得る。
【0017】
また、単葉は、X線が1乃至99%透過するように構成され得る。
【0018】
さらに、診断用放射線装置に脱着可能に構成される線量調節装置と、線量調節装置と通信し、部分別に放射線の透過量を調節できるように調節量の入力を受けることができるように構成されるコントロールデバイスとを含んで構成され、ここで、線量調節装置は、電源部と、診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量を調節できるように構成された多葉コリメータ(multi-leaf collimator)と、多葉コリメータモジュールに含まれた単葉(single-leaf)の位置をそれぞれ独立して調節できるように構成された駆動部と、コントロールデバイスと通信できるように構成された通信モジュールと、通信モジュールから受信された信号に応じて診断用放射線の照射領域のうち部分別に透過量が調節できるように駆動部を制御する制御部と、を含む診断用放射線装置に装着可能な線量調節システムが提供され得る。
【0019】
ここで、コントロールデバイスはディスプレイ部を含んで構成され、外部の診断用放射線装置から取得された診断映像を受信してディスプレイ部に表示できるように構成され得る。
【0020】
また、コントロールデバイスは、ユーザがディスプレイ部の映像でタッチアンドドラッグする場合、タッチした位置及びドラッグの量に応じて多葉コリメータを調節する調節信号を生成し、制御部は、調節信号に応じて駆動部を駆動するように制御し得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムは、放射線照射領域で部分別に被ばくを防止することができ、診断用放射線装置に付着可能なモジュールで構成されるので、既存の装備の構造を変更することなく、容易に放射線遮蔽機能を追加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る線量調節装置が備えられたモバイル診断用放射線装置の斜視図である。
図2図1のC-arm部分を拡大して示した図である。
図3】本発明に係る一実施形態である線量調節装置の構成を示したブロック図である。
図4】本発明に係る線量調節装置の分解斜視図である。
図5a】多葉コリメータモジュールを拡大して示した平面図である。
図5b】多葉コリメータモジュールを拡大して示した平面図である。
図6a】本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムの使用状態図である。
図6b】本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムの使用状態図である。
図7a】本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムの使用状態図である。
図7b】本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムの使用状態図である。
図8a】本発明に係る別の実施形態である線量調節装置の適用前後の比較映像である。
図8b】本発明に係る別の実施形態である線量調節装置の適用前後の比較映像である。
図9a】本発明に係るまた別の実施形態である線量調節装置の適用前後の比較映像である。
図9b】本発明に係るまた別の実施形態である線量調節装置の適用前後の比較映像である。
図10】本発明に係る線量調節システムが備えられた固定型診断用放射線装置を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に診断用放射線装置に装着可能な線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムについて、添付された図面を参照として詳細に説明する。そして、以下の実施形態の説明において、それぞれの構成要素の名称は、当業界で他の名称で称され得る。しかしながら、これらの機能的類似性及び同一性があれば、変形された実施形態を採用しても、均等な構成と見ることができる。また、それぞれの構成要素に付加された符号は、説明の便宜のために記載される。しかしながら、これらの符号が記載された図面上の図示内容がそれぞれの構成要素を図面内の範囲に限定しない。同様に、図面上の構成を一部変形した実施形態が採用されても、機能的類似性及び同一性があれば、均等な構成と見ることができる。また、当該技術分野の一般的な技術者の水準から鑑みて、当然含まれるべき構成要素と認められる場合、これについては説明を省略する。
【0024】
以下では、図1乃至図5bを参照して、本発明に係る多葉コリメータモジュールについて詳細に説明するようにする。
【0025】
図1は、本発明に係る線量調節装置が備えられたモバイル診断用放射線装置の斜視図である。
【0026】
示したように、本発明に係る線量調節装置は、診断用放射線装置にAdd-onされることができるように構成され、放射線の照射領域内で部分的な放射線の遮蔽量を調節する機能を追加することができるように構成される。
【0027】
一方、本発明が適用される診断用放射線装置は、治療用放射線装置と区別され得る。治療用放射線装置は、高エネルギーの放射線を利用するので、加速管、コリメータ、コリメータ駆動部、電源部などの必須の構成要素が相当の規模で設置されて使用されている。しかしながら、診断用放射線装置は低エネルギーの放射線を使用することになるので、サイズが小型化され、移動式で実現されている。従って、本発明に係るコリメータモジュールは、コンパクト且つ小型化され、独立して駆動が可能な構成でモジュール化されて構成され得る。
【0028】
図2は、図1のC-arm部分を拡大して示した図である。本発明に係る線量調節装置は、診断用放射線装置で放射線照射部と放射線検出部との間の空間に備えられ得る。一例として、図2に示したように、放射線照射部の端部に備えられ得、別途構造を変更することなく、簡便に部分別に放射線の遮蔽率調節機能を追加することができるようになる。
【0029】
図3は、本発明に係る一実施形態である線量調節装置の構成を示したブロック図である。
【0030】
示したように、本発明に係る線量調節装置は、多葉コリメータモジュール、通信モジュール、電源部、及び制御部を含んで構成され得る。
【0031】
多葉コリメータモジュールは、多葉コリメータ(multi-leaf collimator)及び駆動部を含んで構成され得る。多葉コリメータは、複数の単葉を含んで構成され、複数の単葉が組み合わせられて、部分別に放射線の遮蔽量を調節することができるように構成される。多葉コリメータは、放射線の照射方向と直交する平面上で並んで備えられ得る。それぞれの単葉220は、それぞれの長さ方向に所定の長さに延びて形成され、幅方向に他の単葉220コリメータと密着して備えられ得る。単葉220の配列は、平面上で左右対称に備えられ得る。左右それぞれの単葉220は、複数の分割された放射線照射領域を両分し、両側でそれぞれ遮蔽領域を調節できるように構成される。単葉220の放射線遮蔽率は、単葉220の材質、厚さに応じて変わり得る。単葉220の構成によって遮蔽領域の映像が不透明又は半透明に選択されて取得され得る。一方、このようなコリメータの作動については、追って詳細に説明するようにする。
【0032】
駆動部240は、単葉220を長さ方向に移動させることができるように構成される。駆動部240は単葉220をそれぞれ独立して移動させることができるように単葉220の数と同じ数で構成された駆動ユニット241を含み得る。それぞれの駆動ユニット241は、単葉220の一側に連結されて、後述する制御部300の信号により駆動量が決定され得る。
【0033】
通信モジュール400は外部機器と通信できるように構成される。通信モジュール400は、ユーザが入力したコリメータの位置による信号を受信して制御部300に送信することになる。
【0034】
電源部500は、駆動部240、通信モジュール400、及び制御部300を含む電気的構成要素に電源を供給するように構成され得る。電源部500は2次電池を含んで構成され得、別途の電源供給がなくても、充電されているエネルギーを使用するように構成され得る。
【0035】
制御部300は、通信モジュール400及び駆動部240を制御するように構成され得る。制御部300は通信モジュール400によりユーザの入力が受信されると、それによる駆動量を決定し、最終的に多葉コリメータの位置組み合わせを変形させることになる。
【0036】
以下では、図4及び図5bを参照し、本発明に係る線量調節装置1000の構造及び形状について詳細に説明するようにする。
【0037】
図4は、本発明に係る線量調節装置1000の分解斜視図である。
【0038】
示したように、本発明に係る線量調節装置1000は、一体形に構成されて診断用放射線装置10に装着できる。一例として、線量調節装置1000は、高さの低い円筒形に構成され、中心部分に放射線が通過できる中空140が形成され得る。
【0039】
線量調節装置1000は、ハウジング100の内側に多葉コリメータモジュール200、制御部300、通信モジュール400、及び電源部500が配置され得る。
【0040】
ハウジング100は、上部キャップ110、下部キャップ120、及び連結部130を含んで構成され得る。上部キャップ110は、ハウジング100の上面を含んで構成され、下部キャップ120は、ハウジング100の下面を含むように構成され得る。上面と下面にはそれぞれ所定の内径で中空140が形成されて放射線が通過できるように構成される。上部キャップ110の両側には、放射線照射部11に連結が容易なように突出した連結部130が備えられ得る。但し、ハウジング100の構造について図4に示した形状を例を挙げて説明したが、内側に多葉コリメータ、駆動部240及び制御部300が積載できる多様な構成に変形され得、連結部130の構成もまた放射線照射部11の端部に連結できる多様な構成に変形されて適用され得る。
【0041】
ハウジング100の内側には、バッテリー、制御部300及び多葉コリメータモジュール200が積層されて構成され得る。線量調節装置1000が放射線照射部11の端部に装着の容易性及び装着後に診断用放射線装置10の操作の容易性を維持できるようになる。
【0042】
バッテリーはハウジング100の内側に積載され、空間効率を高めることができるように円板状に構成され得る。具体的に、外部の電源と連結される構成を同じ層に配置できるように円板の一部を構成する形態で構成され得る。
【0043】
制御部300と通信モジュール400は基板に備えられ得る。基板もまた中心部分に放射線が通過できるように中空140が形成された円板の形態で構成され得る。
【0044】
多葉コリメータモジュール200は、中心部分に中空140が形成された円板状のベース210と、ベース210上に配置される多葉コリメータ、シャフト230及び駆動部240を含んで構成され得る。ベース210は、平面を両分する中心軸が対称軸となり、対称軸を基準に多葉コリメータと駆動部240が左右対称に備えられ得る。ベース210の外径は、単葉220が中空140を完全に遮蔽した状態と完全に開放した状態との間を往復できる大きさに決定され得る。ベース210には単葉220が決められた経路で往復移動できるように移動方向を拘束するリニアガイド(図示せず)が備えられ得る。
【0045】
駆動部240は、前述したように単葉220のそれぞれを移動させることができる複数の駆動ユニット241を含んで構成され得る。複数の駆動ユニット241はそれぞれ単葉220の長さ方向に並んで配置され、ベース210の平面上で外郭側に配置され得る。シャフト230は、駆動ユニット241と単葉220の一側をそれぞれ連結できるように複数で構成され得る。但し、シャフト230の構成は一例であり、駆動ユニット241が単葉220を移動させることができる多様な連結構成に変形され得る。
【0046】
以下では、多葉コリメータモジュール200の動作について詳細に説明するようにする。
【0047】
図5a及び図5bは、多葉コリメータモジュール200を拡大して示した平面図である。
【0048】
図5aを参照すると、多葉コリメータモジュール200が中心部分の放射線照射領域を完全に遮蔽した状態が示されている。示したように、複数の単葉220は放射線照射領域を分割された領域を専担して選択的に遮蔽できるように構成される。
【0049】
図5bを参照すると、放射線照射領域のうち、中心部分の一部領域が開放された形状が示されている。示したように、中心部分の左右それぞれの3個の単葉220が開放位置に移動されており、中心部分にのみ開放された領域が形成され得る。
【0050】
以下では、図6a乃至図8bを参照し、線量調節システムの動作について詳細に説明するようにする。
【0051】
図6a及び図7bは、本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムの使用状態図である。
【0052】
示したように、本発明に係る第2の実施形態である線量調節システムは、診断用放射線装置10に装着可能な線量調節装置1000とコントロールデバイス600とを含んで構成され得る。
【0053】
コントロールデバイス600は、ユーザから線量調節装置1000の調節量の入力を受け、線量調節装置1000を調節する調節信号を発生させるように構成され得る。コントロールデバイス600は、ディスプレイ部610、タッチパネル及び通信モジュール400を含んで構成され得る。コントロールデバイス600は、診断用放射線照射装置で取得された診断映像を受信してディスプレイできるように構成される。また、線量調節装置1000の調節量を共にディスプレイできるように構成される。
【0054】
コントロールデバイス600は、ディスプレイ部610上で多葉コリメータモジュール200による遮蔽領域と開放領域との境界線(L)を表示できるように構成される。一例として、境界線(L)はそれぞれの単葉220が対称軸を眺める面の中心を結んだ線で構成され得る。ディスプレイ部610で表示される診断映像には実際に遮蔽された状態で映像が取得されるので、遮蔽部分に対する映像を肉眼で取得することができる。また、遮蔽領域と開放領域との間の境界線(L)が表示されるので、認識がさらに容易になる。
【0055】
図6aを参照すると、患部を対象に取得した診断映像が表示されており、図6bを参照すると、図6aに対応する線量調節装置1000の多葉コリメータの位置組み合わせが示されている。示したように、境界線(L)を基準に遮断領域と開放領域に陰影の差が発生することになり、映像が必要な部分、例えば、血管を含む領域を除いた領域は、放射線が遮蔽されている。
【0056】
図7aを参照すると、ユーザはコントロールデバイス600の画面をタッチアンドドラッグ(drag)して境界線(L)を移動させることができるようになる。コントロールデバイス600は、境界線(L)調節の入力を受信すると、線量調節装置1000と通信して、調節の対象になる単葉220及び移動量を決定して駆動ユニット241を駆動させる。図7bを参照すると、図7aのようにユーザの入力によって放射線を利用した診断映像の取得時、リアルタイムで遮蔽領域を調節される。
【0057】
図8a及び図8bは、本発明に係る別の実施形態である線量調節装置1000の適用前後の比較映像である。図8aを参照すると、従来の方式が示されている。図8bを参照すると、従来と異なり、多葉コリメータモジュール200の放射線遮蔽率が100%にならないように構成される。従って、多葉コリメータモジュール200で放射線照射領域を遮断しても、一定量の放射線が多葉コリメータを透過することができる。結局のところ、放射線診断映像では肉眼で確認が可能な半透明映像を取得できるようになる。本実施形態は、ユーザに関心領域外部の大まかな映像の確認が必要な場合、単葉220の材質又は厚さを放射線が一定量透過できるように構成することができる。具体的に、多葉コリメータモジュール200はX線の透過率が1乃至99%の範囲内になることができるように構成され得る。
【0058】
図9a及び図9bは、本発明に係るまた別の実施形態である線量調節装置の適用前後の比較映像である。示したように、本実施形態には多葉コリメータモジュール200が診断用放射線を完全に遮蔽する場合について例を挙げている。図9aを参照すると、従来技術で多葉コリメータが適用されていない場合が示されている。図9bを参照すると、本発明によって多葉コリメータが適用された際、取得された診断映像にはひたすら多葉コリメータにより開放された領域のみの映像が取得され、ユーザにより選択された遮断領域が設定され、当該領域に対する放射線の遮蔽が行われる。本実施形態に係ると、関心領域外部の領域には放射線被ばくを根本的に防止できるようになる。
【0059】
以下では、図10を参照し、本発明が固定型診断放射線装置10に適用される例について説明するようにする。
【0060】
図10は、本発明に係る線量調節システムが備えられた固定型診断用放射線装置10を示した概念図である。
【0061】
示したように、診断用放射線装置10の多様なタイプのうち一つとして、C-arm14は天井固定型に構成され、複数のリニアガイドにより診断室内部の平面上で移動されることができるように構成される。C-arm14は平面上に移動され、患者支持部15に寝ている患者の放射線診断映像を取得することができるように構成される。ユーザが診断用放射線装置10を使用することができるようにディスプレイ部610とコントロールパネル13が天井から連結されて配置され得る。
【0062】
本発明に係る線量調節システムは、線量調節装置1000が前述した実施形態と同様にC-arm14の放射線照射部11の端部に装着され得る。一方、コントロールデバイス600は、診断用放射線装置10を利用することができる。この場合、別途のコントロールデバイス600なしで診断用放射線装置10のコントロールパネル13を利用して線量調節装置1000を制御できるようになる。
【0063】
以上で説明したように、本発明に係る線量調節装置、及びこれを含む線量調節システムは、診断映像の取得時にリアルタイムでユーザの入力に応じて部分別に遮蔽率を調節することができ、患者の放射線被ばくを減らすことができる。また、一体形に構成された線量調節装置を診断用放射線装置に装着して線量を調節することができるので、従来の診断用放射線装置の設計変更なしでも機能を追加することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0064】
10 診断用放射線装置
11 放射線照射部
13 コントロールパネル
15 患者支持部
100 ハウジング
110 上部キャップ
120 下部キャップ
130 連結部
140 中空
200 多葉コリメータモジュール
210 ベース
220 単葉
230 シャフト
240 駆動部
241 駆動ユニット
300 制御部
400 通信モジュール
500 電源部
600 コントロールデバイス
610 ディスプレイ部
1000 線量調節装置
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
【国際調査報告】