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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】ガス製造方法及びガス製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 65/02 20060101AFI20221014BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20221014BHJP
   B01D 63/04 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B01D65/02 520
B01J4/00 102
B01J4/00 103
B01J4/00 105D
B01D63/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022524589
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020080069
(87)【国際公開番号】W WO2021083841
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019129074.0
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522166046
【氏名又は名称】メムビオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォッセンカオル、クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルメリンク、ダーク
【テーマコード(参考)】
4D006
4G068
【Fターム(参考)】
4D006GA01
4D006GA03
4D006HA16
4D006JA02B
4D006KC02
4D006KC05
4D006KC14
4D006MA01
4D006MA03
4D006MA22
4D006PB08
4D006PB24
4D006PC67
4G068AA01
4G068AB01
4G068AB11
4G068AC20
4G068AD03
4G068AD05
(57)【要約】
ガス1を液体2内へ導入する方法であって、本方法は、液体2の表面4の下方に配置され且つ液体2のレベル5によって下方向に画定されるガス体積6を連続パルスのガス1で充填し、ガス1は同時に、レベル5がガス流出チャネル13、29、42、53、73の入口断面12、24、43、55、72の下方へ低下するまで、ガス上昇チャネル14、25、30、46、57、70の上から下へ液体2を置き換え、そしてガス1を、ガス体積6から下方へ流出させ、ガス上昇チャネル14、25、30、46、57、70、及びガス上昇チャネルの底部で隣接している偏向部11、45、56、71を通して上方向に流し入口断面12、24、43、55、72及び上部で入口断面12、24、43、55、72に隣接しているガス流出チャネル13、29、42、53、73を通し表面4まで流すことを備え、液体の遮断流18は、ガス上昇入口16、32、60、69の下方の補償入口17、21、33、48、62、75を通って入口断面12、24、43、55、72へ流れ、液体2が偏向部11、45、56、71を充填するまで、ガス1に沿って引っ張られることによって、ガス1の入口断面12、24、43、55、72を閉じる方法である。本発明は、また、本発明による方法を行うための下方開放ガス捕集空洞7を含むガス導入装置3に関する。ガス導入装置がガス体積流供給の広い変動範囲で安定的にパルスを流すことを保証するために提案された方法において、ガス1は、最初に、レベル5が入口断面12、24、43、55、72の下方へ低下した後でレベル5が補償入口17、21、33、48、62、75の上方へ上昇するまで、ガス出口チャネル13、29、42、53、73を通って流れるのみであり、そしてその場合にのみ遮断流18が、補償入口17、21、33、48、62、75を通って入口断面12、24、43、55、72へ流れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス(1)を液体(2)内へ導入する方法であって、
前記液体(2)の表面(4)の下方に配置され且つ前記液体(2)のレベル(5)によって下方向に画定されるガス体積(6)を連続パルスの前記ガス(1)で充填し、前記ガス(1)は同時に、前記レベル(5)がガス流出チャネル(13、29、42、53、73)の入口断面(12、24、43、55、72)の下方へ低下するまで、ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)の上から下へ前記液体(2)を置き換え、そして
前記ガス(1)を、前記ガス体積(6)から下方へ流出させ、前記ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)、及び前記ガス上昇チャネルの底部で隣接している偏向部(11、45、56、71)を通して上方向に流し前記入口断面(12、24、43、55、72)及び上部で前記入口断面(12、24、43、55、72)に隣接している前記ガス流出チャネル(13、29、42、53、73)を通し前記表面(4)まで流すことを備え、前記液体の遮断流(18)は、ガス上昇入口(16、32、60、69)の下方の補償入口(17、21、33、48、62、75)を通って前記入口断面(12、24、43、55、72)へ流れ、前記液体(2)が前記偏向部(11、45、56、71)を充填するまで、前記ガス(1)に沿って引っ張られることによって、前記ガス(1)の前記入口断面(12、24、43、55、72)を閉じる方法であって、
前記ガス(1)は、最初に、前記レベル(5)が前記入口断面(12、24、43、55、72)の下方へ降下した後で前記レベル(5)が前記補償入口(17、21、33、48、62、75)の上方へ上昇するまで、前記ガス出口チャネル(13、29、42、53、73)を通って流れるのみであり、そして、
その場合にのみ前記遮断流(18)は前記補償入口(17、21、33、48、62、75)を通って前記入口断面(12、24、43、55、72)へ流れることを特徴とする、ガスを液体内へ導入する方法。
【請求項2】
液体(2)に浸漬された膜フィルター(64)であって、複数の膜(76)を含む膜フィルターにおいて液体(2)を濾過するための方法であって、ガス(1)を、前記膜(76)を洗浄するために、下方から前記膜フィルター(64)内へ導入する方法において、
前記ガス(1)を請求項1に記載の方法により前記ガス流出チャネル(13、29、42、53、73)に流し、次に前記膜フィルター(64)内へ導入することを特徴とする、膜フィルターにおいて液体を濾過するための方法。
【請求項3】
ガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)であって、
上壁(8、22、39、54、68)及び横壁(9、20、40、47、52、66)によって画定される下方開放ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)と、
前記ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)内へガス(1)を導入するように構成されたガス入口(10、36、37、38、67)と、
前記ガスを前記ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)から上昇させ且つ前記ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)を空にするように構成されたガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)であって、前記ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)の上部にガス上昇入口(16、32、60、69)を含むガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)と、
前記ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)の下部における偏向部(11、45、56、71)と、
前記偏向部(11、45、56、71)の上部に配置され、ガス出口チャネル(13、29、42、53、73)が前記偏向部の上部に隣接する入口断面(12、24、43、55、72)と、
前記ガス上昇入口(16、32、60、69)の下方に配置され且つ前記入口断面(12、24、43、55、72)へ流動可能である補償入口(17、21、33、48、62、75)と、を備えるガス導入装置において、
前記補償入口(17、21、33、48、62、75)は前記入口断面(12、24、43、55、72)のレベル以上に配置されることを特徴とする、ガス導入装置。
【請求項4】
前記補償入口(17、21、33、48、62、75)は前記ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)に構成されることを特徴とする、請求項3に記載のガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)。
【請求項5】
前記偏向部(11、45、56、71)に向かう方向に前記補償入口(17、21、33、48、62、75)に隣接する補償チャネル(15、35、49、61、74)を特徴とする、請求項3に記載のガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)。
【請求項6】
前記補償チャネル(15、35、49、61、74)は前記ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)内へ通じることを特徴とする、請求項5に記載のガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)。
【請求項7】
前記補償チャネル(15、35、49、61、74)は、前記ガス上昇チャネル(14、25、30、46、57、70)に平行な前記偏向部(11、45、56、71)内へ通じることを特徴とする、請求項5に記載のガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)。
【請求項8】
前記補償入口(17、21、33、48、62、75)の断面が、前記補償チャネル(15、35、49、61、74)の最小断面よりも大きいことを特徴とする、請求項5から7までの一項に記載のガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)。
【請求項9】
液体(2)を濾過するように構成され且つ複数の膜(76)を含む膜フィルター(64)と、前記膜(76)の下方に配置され且つガス(1)を導入するように構成されたガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)と、を備えるフィルター装置(84)であって、前記ガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)は請求項3から8までの一項により構成されることを特徴とする、フィルター装置。
【請求項10】
前記膜(76)を横方向に囲み且つ上部で前記ガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)に隣接する筐体(80)を特徴とし、前記ガス導入装置(3、19、26、27、28、41、50、63)は、前記ガス捕集空洞(7、23、34、44、51、65)を垂直に貫通し且つ前記液体(2)を前記膜フィルターの底部で前記膜フィルター(64)内へ流入させるように構成される液体流チャネル(83)を含む、請求項9に記載のフィルター装置(84)。
【請求項11】
前記筐体(80)は連続管(81)として構成されることを特徴とする、請求項10に記載のフィルター装置(84)。
【請求項12】
前記膜(76)の下方に配置されたガス分配器(82)を特徴とし、前記ガス出口チャネル(13、29、42、53、73)は前記ガス分配器(82)内へ通じる、請求項9から11までの一項に記載のフィルター装置(84)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを液体内へ導入する方法に関する。本方法は、液体の表面の下方に配置され且つ液体のレベルによって下方向に画定されるガス体積を連続パルスのガスで充填し、ガスは同時に、レベルがガス流出チャネルの入口断面の下方へ低下するまで、ガス上昇チャネルの上から下へ液体を置き換え、そしてガスを次にガス体積から下方へ流出させ、ガス上昇チャネル及びガス上昇チャネルの底部で隣接している偏向部を通して上方向に流し、入口断面及び入口断面の上部に隣接しているガス流出チャネルを通し表面まで流し、液体の遮断流は、ガス上昇入口の下方の補償入口を通って入口断面へ流れ、液体が偏向部を充填するまでガスに沿って引っ張られることによってガスの入口断面を閉じる。
【0002】
本発明はさらに、ガス導入装置に関し、本装置は、上壁及び横壁によって画定される下方開放ガス捕集空洞と、ガス捕集空洞内へガスを導入するためのガス入口と、ガスを上昇させることによってガス捕集空洞を空にするためのガス上昇チャネルであって、ガス捕集空洞の上部にガス上昇入口と、ガス上昇チャネルの底部における偏向部と、偏向部の上部において、ガス流出チャネルが偏向部の上部に隣接する入口断面と、ガス上昇入口の下方の補償入口であって、入口断面へ流動可能である補償入口とを含む。
【背景技術】
【0003】
一般的な方法及び一般的なガス導入装置は、US2015/0265973A1、CN104084049A及びCN105854619Aから知られている。
【0004】
公知の方法及び公知のガス導入装置は、例えば、膜バイオリアクター(MBR)において見つけられることができる膜フィルター内へガスを導入するために構成される。ガス導入装置は、膜フィルターの下方に位置決めされ、本質的に一定の空気体積流が供給され、この流れは次にパルス状にガス導入装置から流出する。
【0005】
濾過された物質で膜が詰まることを防止するために、空気は、下方から膜フィルター内へ導入される。液体の表面に向かう経路上で、ガスは、ガス導入装置の上部に設置された膜フィルターを通って流れる。このように濾過される空気及び液体から作られた2相流によって生成された剪断力によって膜を洗浄する。
【0006】
液体のパルスの出口が、空気のチャネル形成を同時に防止しながら、連続ガス導入よりも高い剪断力を生成し、これは、上昇する気泡が常に新たに形成され、したがって、常に膜フィルターを通る新しい経路を見つける必要があることを意味する。
【0007】
常に空気が供給され、且つ空気をパルス状に放出するガス導入装置は、間欠泉としても指定される。
【0008】
ガス捕集空洞内に蓄積されたガス体積は、ガスがガス捕集空洞を実質上、空にするようにパイプを連通させる原理によって、ガス導入装置から流出する場合に、入口断面へ接続されたガス上昇チャネルを通して引っ張られる。
【0009】
ガス捕集空洞を空にする間、流出するガス体積流は、補償入口から液体を吸引し、空気上昇ポンプ効果を用いて流出チャネルを通して液体を搬送する。これにより、ガス体積流は、ガス導入装置がより高いガス流で操作されることができるようにガス捕集空洞を空にした後、より迅速に治まるという利点がある。
【0010】
公知のガス導入装置の補償入口の構成は、ガス捕集空洞を空にする工程が、エネルギーを節約するために、例えば、膜フィルターの低濾過性能に対して必要である低ガス供給体積流では開始しないという欠点があるが、これは、吸引効果によりガス捕集空洞から排気する場合、液体への開放接続により十分な吸引効果がこれ以上発現できないためである。この場合、少量の空気が、導入された空気の洗浄力が著しく低下するようにガス流出チャネルにパルスを流すことなく、流れる。
【0011】
公知のガス導入装置では、補償入口のサイズ決めにおいて妥協点を見つける必要がある。このような妥協は、しかしながら、空気体積流導入の部分が制限されるという結果をもたらす。ガス体積流が小さすぎると、ガス捕集空洞を空にすることは開始しないが、ガス体積流が大きすぎると、出口ガス体積流は停止しない。いずれの場合も、これは、間欠泉が脈動を停止し、膜の洗浄効果を著しく低下させることを意味する。
【0012】
公知の方法によれば、補償入口は、操作の任意点の間、液体連通状態にあるので、ガス体積流供給の変動は、記載された効果のために制限される。
【0013】
したがって、膜バイオリアクターは、特に地方自治体の生物学的廃棄物処理プラントの分野において、しばしば、雨季又は乾季に廃棄物処理プラントへ供給する水に応じて大きな変動を受け得る高い可変スループットで操作される。したがって、膜バイオリアクターを操作する上で不可欠な経済的側面は、膜モジュールへ空気を供給するためのそれらのエネルギー要件であることが理解された。膜によって保持される固体の体積も、したがって膜フィルターの洗浄要件が、スループットの増加につれて増加するので、原則として、膜モジュール用の洗浄空気の要件は、それらのスループットの関数である。
【0014】
エネルギーの、ひいては経済的観点からも、膜フィルターのスループットへ導入される洗浄空気の体積を可変的に適合させることができることが望ましい。
【0015】
この装置は、安定的にパルスを流すように供給されたガス体積流の制限された変動範囲でのみ操作させることができるので、これは、公知のガス導入装置の限界を示す。
【0016】
一般的なガス導入装置は、WO2016/064466A(Koch Membrane Systems)、US2009/0194477A1(Asahi Kasai)、US10,179,311B2(住友電工)、CN10451998B(Samsung Cheil Industries)、KR20190002717A(三菱化学)及びWO2011/028341A1(Zenon Technology Partnership)に記載され、補償入口を含まないので、脈動方式でむしろ少量のガス体積供給でのみ操作されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0265973号
【特許文献2】中国特許出願公開第104084049号
【特許文献3】中国特許出願公開第105854619号
【特許文献4】国際特許出願公開第2016/064466号
【特許文献5】米国特許出願公開第2009/0194477号
【特許文献6】米国特許出願公告第10,179,311号
【特許文献7】中国特許出願公告第10451998号
【特許文献8】韓国特許出願公開第20190002717号
【特許文献9】国際特許出願公開第2011/028341号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、ガス体積流供給の広い変動範囲で安定的に脈動するガス導入装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
公知の方法を改善して、本発明により、ガスが、レベルが入口断面の下方へ低下した後でガス出口チャネルを通って流れるのみであり、最初は、ガスのみが、レベルが補償入口の上方へ上昇するまでガス出口チャネルを通って流れ、そして、その場合にのみ、遮断流が補償入口から入口断面へ流れるということが提案される。
【0020】
これは、本発明による方法によって、ガス出口チャネルを通るガス流の開始時に、補償チャネルがガス連通状態にあることを意味し、これは、ガス充填捕集空洞にあることを意味する。これにより、極端に低いガス体積流でもガス体積を空にすることを確実に開始することを保証するが、それは液体流がガス吸引効果、ひいてはガス体積の上昇及び空にすることを制限しないからである。
【0021】
本発明による方法によれば、ガス導入装置におけるレベルは、ガス体積を空にする時に再び上昇し、ここで、ガス体積は、下方から流入する液体によって変位する。したがって、レベルはある時点で補償入口より上方へ上昇し、補償入口を液体と連通させる。この瞬間から、出口チャネルで上昇するガスの吸引効果により、液体の遮断流が補償入口から引っ張られ、入口断面へ流れる。液体のこの遮断流は、液体が偏向部を充填することにより、入口断面を充填し、ガスのバルブのように、閉じるまで、ガスに沿って引っ張られる。
【0022】
したがって、本発明による方法によれば、ガスの流出は、ガス体積が、高いガス体積供給であっても実質的に引っ張られて空にされる場合に、ある時点で、中断されてガス体積が再び充填されることができることを保証する。これにより、ガスの脈動も、高いガス体積流供給においても保証される。
【0023】
本発明による方法は、有利には、液体内へ浸漬され且つ複数の膜を含む膜フィルターにおいて液体を濾過するための工程において使用され、ガスを、膜を洗浄するために、下方から膜フィルター内へ導入し、本発明による方法により流出チャネルを通し、次に膜フィルターへ導入する。
【0024】
したがって、本発明による方法は、実質的に一定のガス体積流供給が広い範囲で可変であり、次に膜フィルターの安定した脈動内へ導入するという利点を有する。これにより、膜フィルターを通る脈動ガス体積流は、広範囲の濾過性能のばらつきにわたってそれぞれの濾過性能に適合されることができる。
【0025】
本発明によるガス導入装置と、その上方に配置された膜フィルターとの組み合わせは、膜フィルターが、可変濾過力及び可変ガス体積流で脈動状態において確実に操作させることもできるという利点を有するので、膜の効果的な洗浄は低エネルギー消費で実施されることができる。
【0026】
公知のガス導入装置を改善して、本発明により、補償入口は入口断面のレベル以上にあることが提案される。
【0027】
補償入口は、したがって、上壁の下方であって入口断面の上方又は同じレベルにある。したがって、補償入口は、ガス捕集空洞がガスで充填されるときにガスと連通し、ガス捕集空洞が空にされると流体と連通する。これは、ガス捕集空洞を脈動により空にして補充する間欠泉工程の開始及び停止工程について前掲に記載された利点を有する。
【0028】
本発明によるガス導入装置の簡単な構成では、補償入口は、ガス上昇チャネル内へ通じる。液体は、この場合、ガス上昇チャネルにおける、高い、下方に流れるガス体積流内へ直接導入されるので、ガスに沿って引っ張る効果は比較的高く、ガス体積流供給の増加を制限する。この効果は、補償入口を増加することによって打ち消すことができるが、補償入口の上方のガス体積が排気されないように、下方向へのガス体積の流れを制限する。
【0029】
本発明によるガス導入装置の別の実施例では、補償チャネルは、偏向部に向かう方向に補償入口へ結合される。補償チャネルは、補償入口の位置と、液体遮断流の出口ガス流への導入の位置とを分離し、ガス体積供給の変動の拡大をもたらす。
【0030】
このガス導入装置の有利な実施例では、補償チャネルは、ガス上昇チャネルに平行な偏向部内へ通じる。これにより、遮断液体流を導入する位置が可能な限り下方に移動する。これにより、液体は、ガス体積流とは別に、液体がガスに対する遮断効果を発生させる位置へ正確に通されて、より高いガス体積流供給においてもガス流出の停止を容易にするという利点を有する。
【0031】
ガス体積流供給は、さらに本発明によるガス導入装置の代替構成によって脈動を確実に維持しながらでさえ増加させることができ、補償入口の断面は、偏向部を有するガス上昇チャネルに対して補償チャネルを平行に接続するために、補償チャネルの最小断面よりも大きい。これにより、液体の遮断流が増加し、より高いガス体積流供給においても、ガスの入口断面をより迅速且つより確実に閉じる。
【0032】
本発明はさらに、複数の膜を有する膜フィルター及び本発明による特徴によって構成される膜の下方に配置されたガス導入装置に関する。
【0033】
膜フィルターは、したがって、例えば、中空糸膜、板膜、クッション膜又はカーテン内へ接続された中空糸膜のような様々な種類の膜で構成されることができる。膜は、有利には、0.02μmから1μmの間の孔径を有する限外又は精密濾過膜の属に由来する。しかしながら他の膜又は低圧逆浸透膜も含まれる。
【0034】
その下に設置された本発明によるガス導入装置を備える膜フィルターの別の実施例では、膜フィルターは、膜を横方向に囲み、上方からガス導入装置に結合する筐体を含み、ここでガス導入装置は、流体を下方から膜フィルター内へ流入させるためにガス捕集空洞を垂直に貫通する液体流チャネルを含む。
【0035】
本発明によるガス導入装置を備える膜フィルターのこの構成の利点は、膜フィルター内へ導入されたガスが、膜を横方向に囲む筐体のために膜フィルターから出ることができず、ガスは、したがって、膜を洗浄するために効率的に使用されることである。膜フィルター内の液体体積も、膜によって保持される膜フィルターにおける物質の濃縮を防止するためにガスで膜を洗浄するときに置き換えられる必要があるので、ガス導入装置は、底部の液体を膜フィルター内へ導入するためにガス捕集空洞を垂直に貫通する液体流チャネルを含む。
【0036】
上方に設置された膜フィルターと組み合わされる本発明によるガス導入装置の有利な実施例では、膜フィルターの筐体はパイプとして構成される。この種類のパイプは、円形、長方形、又は任意の断面を有することができる。このパイプの利点は、例えば、押出による費用対効果の高い生産である。
【0037】
ガス導入装置から膜フィルター内へ導入された空気を分配するために、上方に設置された膜フィルターと組み合わされる本発明によるガス導入装置の実施例は、膜の下方にガス分配器を備え、流出チャネルがガス分配器内へ通じる。
【0038】
このように、流チャネルがガス導入装置の筐体の壁によって部分的又は完全に形成されていることが本発明によるガス導入装置の特徴である。これらの流チャネルの中には、流出チャネル、ガス上昇チャネル、補償チャネル及び偏向部がある。
【0039】
本発明によるガス導入装置を構成する場合、ガス入口を異なる構成とすることができる。第1の実施例では、ガス入口は、ガス捕集空洞の下方にガス導入装置の別部分として取り付けられる。別の実施例では、ガス入口は、ガス捕集空洞の上壁又は横壁を貫通し、壁に接続されるガス導入装置の一部としてガス捕集空洞内へ通じる。本発明によるガス導入装置は、他の液体内へ脈動でガスを導入するために代替的に使用されることもできる。
【0040】
本発明は、続いて、以下の図面を参照して有利な実施例に基づいてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1a-iは、本発明による第1のガス導入装置における本発明による第1の方法の工程ステップを断面図で示す。
図2】本発明による他のガス導入装置の断面図を示す。
図3図3a-cは、本発明による他のガス導入装置の断面図を示す。
図4】本発明による他のガス導入装置の断面図を示す。
図5】本発明による他のガス導入装置の断面図を示す。
図6】本発明による他のガス導入装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面は縮尺どおりではない。その後に記載される方法又はガス導入装置の全ての詳細は、前掲に記載した本発明によるガス導入装置の実施例と同一である。
【0043】
図1aは、本発明による第1のガス導入装置3を用いて液体2内へガス1を導入するための本発明による第1の方法の工程ステップを断面図に示す。
【0044】
ガス導入装置3は、液体2の表面4の下方に配置され且つ液体2のレベル5によって下方向に画定されるガス体積6を含む。ガス体積6は、上壁8及び側壁9によって画定されるガス捕集空洞7に配置される。ガス捕集空洞7の下方に且つガス捕集空洞7から離れて設置されたガス入口10を通して、ガス1はガス捕集空洞7内へ導入されるので、液体2のレベル5が低下するようにガス体積6を充填する。これにより、ガス捕集空洞7にある液体2は、この時点において順次、ガス1を下方向に流入させることによって変位し、ガス1に置き換えられる。
【0045】
本発明によるガス導入装置は、上部に入口断面12を含む偏向部11を含み、ガス流出チャネル13は、上部の入口断面に結合する。ガス上昇チャネル14及び補償チャネル15が偏向部11内へ通じる。ガス上昇チャネル14は、ガス捕集空洞7の上部に開放ガス上昇入口16を含み、補償チャネル15は、ガス捕集空洞7において上壁8の下方に補償入口17を含み、ここで補償入口17の断面は、補償チャネル15の最小断面よりも大きいサイズである。さらに、ガス出口チャネル13は、上壁8を貫通する。
【0046】
図1b-1dは、ガス1によるガス捕集空洞7の追加充填、したがってガス体積6の追加充填及び液体2のレベル5の追加的な低下を示す。図1bに例示するように、ガス1は、ガス上昇チャネル14がガス1で上から下へ充填されるようにガス体積6を充填すると、上方からガス上昇入口16を通りガス上昇チャネル14内へ移動する。
【0047】
図1cでは、レベル5は補償入口17の下方に低下し、ガス1は上方から補償チャネル15内へ移動する。図1a-1cに示す方法ステップの間、ガス流出チャネル13は流体2で充填されたままであり、これはガス導入装置3からガスが流出しないことを意味する。
【0048】
図1dでは、液体2のレベル5は、入口断面12の下方に低下した。この瞬間からガス1は、ガス体積6からガス上昇チャネル14及び補償チャネル15を通って下方向に偏向部11へ流出した後、入口断面12、その後、ガス流出チャネル13を通り表面4へ流れる。
【0049】
図1eは、ガス捕集空洞7におけるガス体積6が流出ガス1によって減少する様子を示す。これにより、ガス捕集空洞7から流出するガス1は、液体2のレベル5が再び上昇するように、下方から流入する液体2に順次置き換えられる。
【0050】
ガス流出チャネル13を通って流出するガス1は、ガス流出チャネル13内及び隣接するガス上昇チャネル14内及び補償チャネル15内を真空にする。ガス上昇入口16並びに補償入口17は、この時点ではガス捕集空洞7においてガス1で充填されたガス体積6に配置されているので、最初にガス1のみが、作成された吸引によって誘起されてガス出口チャネル13を流れる。
【0051】
図1fは、液体2のレベル5が補償入口17に到達する瞬間を示す。この時点までは、ガス1のみがガス出口チャネル13を流れた。
【0052】
図1gは、補償入口17が、ガス上昇チャネル14を通って流出するガスによってレベル5がさらに増加する間に、流体2であふれている様子を示す。
【0053】
図1hは、液体2の遮断流18が、ガス流出チャネル13から流出するガス1の吸引効果によって補償入口17を通して引っ張られるので、液体2の遮断流18が補償チャネル15を通って入口断面12へ流れ、流出ガス1に沿って引っ張られ、液体2の遮断流18が図1iの偏向部11を充填し、ガス1の入口断面12をバルブのように閉じる様子を示す。
【0054】
図2は、一辺長12cmの長方形チャネルとして構成される横壁20を有する本発明による別のガス導入装置19を示す。また、ここで、ガス捕集空洞23において上壁22の約6cm下方に位置決めされ、且つ入口断面24の上方に配置される補償入口21がある。この場合、補償入口21は、ガス上昇チャネル25内へ直接通じる。
【0055】
図3a-3cは、ほとんどの部品が同一である3つのガス導入装置26、27、28を示す。この場合、流出チャネル29及びガス上昇チャネル30は、横壁31の外側に実質的に配置され、ここで、ガス上昇入口32及び補償入口33は、本発明による側壁31内のガス捕集空洞34内へ通じる。さらに、補償チャネル35は、補償入口33に隣接し、ここで、補償チャネルは、ガス上昇チャネル30内へ通じる。この場合、ガス上昇チャネル30及び補償チャネル35は側壁31を貫通する。
【0056】
変形例3a-3cは、ガス入口36、37、及び38の位置決めにおいてのみ異なる。変形例3aでは、ガス入口36は、第1のガス導入装置3と同様にガス捕集空洞34の下方に別に位置決めされる。変形例3bでは、ガス入口37が上壁39を貫通し、変形例3cではガス入口38が側壁40を貫通する。ガス入口36、37、38の異なる図示された位置は、本発明による全てのガス導入装置において原則的に可能であり、したがって、いくつかの図面では詳細に示されていない。
【0057】
図4は、本発明による別のガス導入装置41を示し、流出チャネル42及び入口断面43がガス捕集空洞44の外側に全体的に位置決めされ、下方から偏向部45に隣接するガス上昇チャネル46が、このように側壁47を貫通するガス捕集空洞44内に配置されている。
【0058】
また、本発明によるガス導入装置41では、補償チャネル49が補償入口48に隣接し、ここで、補償チャネル49は、ガス上昇チャネル46内へ通じるので、入口断面43まで流動可能である。
この場合、補償チャネル49は垂直に延び、さらに下方のガス上昇チャネル46内へ通じる。
【0059】
図5は、本発明による他のガス導入装置50を断面図で示す。本明細書では、ガス捕集空洞51は、直径約17cmの円形管状側壁52によって画定され、上壁54を貫通するガス流出チャネル53が中央に位置する。ガス流出チャネル53は、底部の偏向部56に隣接した底部に入口断面を含む。ガス上昇チャネル57は、上方から偏向部内へ通じ、ここで、ガス上昇チャネルは、この場合、ガス流出チャネル53の外壁58と下方からガス流出チャネル53にわたって置かれたベル状部59との間の環状の隙間として構成されている。ガス上昇チャネル57は、上部に環状の開放ガス上昇入口60を含む。補償チャネル61はベル状部59の底部で偏向部56に隣接し、ここで、補償チャネル61の補償入口62はガス捕集空洞51内へ通じる。
【0060】
ガス流出チャネル53は、底部に入口断面55を含み、ここで、偏向部56は、入口断面55に隣接する。
【0061】
図6は、膜フィルター64の下方に取り付けられる本発明による他のガス導入装置63の断面図を示す。ガス導入装置63は、横幅20cmの長方形管として構成された横壁66によって横方向に画定されるガス捕集空洞65を有する。ガス捕集空洞65は下方向に開口しており、その下方に配置され且つ操作時にガスでガス捕集空洞65を充填するように構成されたガス入口67を有する。ガス上昇入口69は、上部で、上壁68の下方のガス捕集空洞65内へ通じ、ここで、ガス上昇チャネル70は、ガス上昇入口69に隣接する。ガス上昇チャネル70は、上部の入口断面82に隣接している偏向部71内へ底部で通じる。偏向部71は、底部の横壁66を貫通する。ガス出口チャネル73は、上部で入口断面72へ接続されている。さらに、ガス導入装置63は、側壁66内に配置される補償チャネル74を含む。補償チャネル74は、ガス捕集空洞65の上部に補償入口75を含み、底部で偏向部71内へ通じる。
【0062】
膜フィルター64は、底部で基部要素78内へ鋳造される中空糸膜77として構成された複数の膜76を含む。基部要素78は、中空糸膜77が中空糸膜77の管腔から濾液を抽出するために浸透捕集空洞へ開放管腔側で接続している浸透捕集空洞79を含む。中空糸膜77は、上部で個々に閉じられ、横壁66と同じ断面寸法を有し且つ上部で横壁66に隣接する長方形管81として構成される筐体80によって横方向に囲まれている。基部要素78の下方で、膜フィルター64は、ガス分配器82を含み、ガス流出チャネル73がガス分配器82内へ通じる。ガス導入装置63は、膜フィルター63の底部内へ液体を流入させるために、ガス捕集空洞65及び上壁68を垂直に貫通する液体流チャネル83を含む。ガス導入装置63と膜フィルター64との組み合わせにより、濾過装置84を共同で形成する。
【符号の説明】
【0063】
1 ガス
2 液体
3 ガス導入装置
4 表面
5 レベル
6 ガス体積
7 ガス捕集空洞
8 上壁
9 側壁
10 ガス入口
11 偏向部
12 入口断面
13 ガス流出チャネル
14 ガス上昇チャネル
15 補償チャネル
16 ガス上昇入口
17 補償入口
18 遮断流
19 ガス導入装置
20 横壁
21 補償入口
22 上壁
23 ガス捕集空洞
24 入口断面
25 ガス上昇チャネル
26 ガス導入装置
27 ガス導入装置
28 ガス導入装置
29 ガス流出チャネル
30 ガス上昇チャネル
31 横壁
32 ガス上昇入口
33 補償入口
34 ガス捕集空洞
35 補償チャネル
36 ガス入口
37 ガス入口
38 ガス入口
39 上壁
40 側壁
41 ガス導入装置
42 ガス流出チャネル
43 入口断面
44 ガス捕集空洞
45 偏向部
46 ガス上昇チャネル
47 側壁
48 補償入口
49 補償チャネル
50 ガス導入装置
51 ガス捕集空洞
52 横壁
53 ガス流出チャネル
54 上壁
55 入口断面
56 偏向部
57 ガス上昇チャンネル
58 外壁
59 ベル状部
60 ガス上昇入口
61 補償チャネル
62 補償入口
63 ガス導入装置
64 膜フィルター
65 ガス捕集空洞
66 側壁
67 ガス入口
68 上壁
69 ガス上昇入口
70 ガス上昇チャネル
71 偏向部
72 入口断面
73 ガス出口チャネル
74 補償チャネル
75 補償入口
76 膜
77 中空フィルター膜
78 基部要素
79 浸透捕集空洞
80 筐体
81 管
82 ガス分配器
83 液体流チャネル
84 フィルター装置
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
【国際調査報告】