(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】操向可能シース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/092 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61M25/092 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506752
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 US2020044578
(87)【国際公開番号】W WO2021026019
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322011058
【氏名又は名称】ビザラメド, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアム, ラジ
(72)【発明者】
【氏名】トゥン, ザヤ
(72)【発明者】
【氏名】クイントス, ロバート
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA05
4C267AA28
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB33
4C267CC08
4C267CC19
4C267EE03
(57)【要約】
操向可能シースは、細長いシャフトと、ハンドルと、ハンドル上のアクチュエータ要素と、細長いシャフトおよびアクチュエータ要素に動作可能に結合された複数の制御ワイヤとを含む。アクチュエータ要素の作動が、細長いシャフト上の近位曲線および遠位曲線の形状を調節する。一実施形態において、操向可能シースは、第1のアクチュエータに結合されたプッシャーロッドをさらに備え、第1の方向における第1のアクチュエータの作動は、プッシャーロッドを第2のアクチュエータと係合させ、第2のアクチュエータを第1のアクチュエータと連携して移動させ、それによって、第2のプルワイヤの緩みを防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操向可能シースであって、前記操向可能シースは、
近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と前記遠位部分との間に配置された中間部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びている管腔とを備えている細長いシャフトと、
近位端と遠位端とを有する第1のプルワイヤであって、前記第1のプルワイヤは、前記細長いシャフトに沿って延びている、第1のプルワイヤと、
近位端と遠位端とを有する第2のプルワイヤであって、前記第2のプルワイヤは、前記細長いシャフトに沿って延びている、第2のプルワイヤと、
前記細長いシャフトの前記近位部分と結合されたハンドルと、
前記ハンドル上に配置された第1のアクチュエータと、
前記ハンドル上に配置された第2のアクチュエータと
を備え、
前記第1のプルワイヤの前記遠位端は、前記細長いシャフトの前記中間部分に結合され、前記第1のプルワイヤの前記近位端は、前記第1のアクチュエータに結合され、
前記第2のプルワイヤの前記遠位端は、前記細長いシャフトの前記遠位部分に結合され、前記第2のプルワイヤの前記近位端は、前記第2のアクチュエータに結合され、
第1の方向における前記第1のアクチュエータの作動は、前記第1のプルワイヤを引っ張り、第1の平面内で前記細長いシャフトの中間部分に沿って第1の弧状方向に近位曲線を形成し、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記第1のアクチュエータの作動は、前記第1のプルワイヤの張力を解放し、前記近位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にし、
第1の方向における前記第2のアクチュエータの作動は、前記第2のプルワイヤを引っ張り、第2の平面内で前記細長いシャフトの遠位部分に沿って第1の湾曲方向に遠位曲線を形成し、前記第2のアクチュエータの第1の方向の反対の第2の方向における前記第2のアクチュエータの作動は、前記第2のプルワイヤの前記張力を解放し、前記遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする、操向可能シース。
【請求項2】
前記第2の平面は、前記第1の平面に対して横向きである、請求項1に記載のシース。
【請求項3】
前記第1のアクチュエータに結合されたプッシャーロッドをさらに備え、前記第1の方向における前記第1のアクチュエータの作動は、前記プッシャーロッドを前記第2のアクチュエータと係合させ、前記第2のアクチュエータを前記第1のアクチュエータと連携して移動させ、それによって、前記第2のプルワイヤの緩みを防止する、請求項1に記載のシース。
【請求項4】
近位端と遠位端とを有する第3のプルワイヤをさらに備え、前記第3のプルワイヤは、前記細長いシャフトに沿って延び、
前記第3のプルワイヤの前記遠位端は、前記第1のプルワイヤの反対の位置において、前記細長いシャフトの前記中間部分に結合され、前記第3のプルワイヤの前記近位端は、前記第1のアクチュエータに結合され、
前記第1の方向の反対の前記第2の方向における前記第1のアクチュエータの作動は、前記近位曲線が前記細長いシャフトの前記中間部分に沿って、前記第1の平面内で前記第1の弧状方向に対して反対方向に湾曲するように、前記第3のプルワイヤを引っ張る、請求項1に記載のシース。
【請求項5】
第4のプルワイヤと第3のアクチュエータとをさらに備え、前記第3のアクチュエータは、前記ハンドル上に配置され、前記第4のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、前記細長いシャフトに沿って延び、
前記第4のプルワイヤの前記遠位端は、前記第2のプルワイヤの反対の位置において前記細長いシャフトの前記遠位部分に結合され、前記第4のプルワイヤの前記近位端は、前記第3のアクチュエータに結合され、
第1の方向における前記第3のアクチュエータの作動は、前記遠位曲線が前記細長いシャフトの前記遠位部分に沿って、前記第2の平面内で前記第1の湾曲方向に対して反対方向に湾曲するように、前記第4のプルワイヤを引っ張り、
前記第3のアクチュエータの前記第1の方向と反対の第2の方向における前記第3のアクチュエータの作動は、前記第4のプルワイヤの前記張力を解放し、前記遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする、請求項1に記載のシース。
【請求項6】
第5のプルワイヤと第4のアクチュエータとをさらに備え、前記第4のアクチュエータは、前記ハンドル上に配置され、前記第5のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、前記細長いシャフトに沿って延び、
前記第5のプルワイヤの前記遠位端は、前記第2および第4のプルワイヤから円周方向にオフセットされた位置において前記細長いシャフトの前記遠位部分に結合され、前記第5のプルワイヤの前記近位端は、前記第4のアクチュエータに結合され、
第1の方向における前記第4のアクチュエータの作動は、前記遠位曲線が前記細長いシャフトの前記遠位部分に沿って、前記第1の平面内で第2の湾曲方向に湾曲するように、前記第5のプルワイヤを引っ張り、
前記第4のアクチュエータの前記第1の方向と反対の第2の方向における前記第4のアクチュエータの作動は、前記第5のプルワイヤの前記張力を解放し、前記遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする、請求項5に記載のシース。
【請求項7】
第6のプルワイヤと第5のアクチュエータとをさらに備え、前記第5のアクチュエータは、前記ハンドル上に配置され、前記第6のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、前記細長いシャフトに沿って延び、
前記第6のプルワイヤの前記遠位端は、前記第5のプルワイヤの反対の位置において前記細長いシャフトの前記遠位部分に結合され、前記第6のプルワイヤの前記近位端は、前記第5のアクチュエータに結合され、
第1の方向における前記第5のアクチュエータの作動は、前記遠位曲線が前記細長いシャフトの前記遠位部分に沿って、前記第1の平面内で前記第2の湾曲方向に対して反対方向に湾曲するように、前記第6のプルワイヤを引っ張り、前記第5のアクチュエータの前記第1の方向と反対の第2の方向における前記第5のアクチュエータの作動は、前記第6のプルワイヤの前記張力を解放し、前記遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする、請求項6に記載のシース。
【請求項8】
前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、前記第4のアクチュエータ、または前記第5のアクチュエータは、スライダを備えている、請求項7に記載のシース。
【請求項9】
前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、前記第4のアクチュエータ、または前記第5のアクチュエータは、それらのスライド可能な移動を防止するための係止部を備えている、請求項8に記載のシース。
【請求項10】
前記近位曲線が、ある曲率半径を有し、前記遠位曲線が、前記近位曲線の前記曲率半径より小さい曲率半径を有するか、または、前記近位曲線が、前記遠位曲線の前記曲率半径より小さい曲率半径を有する、請求項1に記載のシース。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータは、ねじ山付きシャトルとねじ式で係合される回転可能なホイールを備え、前記回転可能なホイールの回転が、前記シャトルの線形運動に変換される、請求項1に記載のシース。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータまたは前記第2のアクチュエータ上に印またはインジケータをさらに備え、前記印またはインジケータは、前記近位曲線または遠位曲線の形状の変化に伴って前記アクチュエータ要素の作動を識別するように構成されている、請求項1に記載のシース。
【請求項13】
前記細長いシャフトの管腔内に配置された拡張器をさらに備え、前記拡張器は、近位端と、遠位端と、それらの間に配置された中央部分とを備え、前記中央部分は、前記拡張器の前記近位端または遠位端より可撓性であり、それによって、前記細長いシャフトの操向を促進する、請求項1に記載のシース。
【請求項14】
前記遠位曲線は、前記細長いシャフトを前記第2の平面内で湾曲させる第1の遠位曲線と、前記細長いシャフトを前記第1の平面に対して横向きの第3の平面内で湾曲させる第2の遠位曲線とを備え、それによって、無限に通行可能なシースを形成する、請求項1に記載のシース。
【請求項15】
シースを操向する方法であって、前記方法は、
近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に配置された中間部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びている管腔とを有する細長いシャフトを提供することと、
前記細長いシャフトの前記近位部分に結合されたハンドル上に配置された第1のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、前記中間部分に結合された第1のプルワイヤを引っ張ることと、
前記中間部分において第1の平面内で近位曲線を形成することと、
前記ハンドル上に配置された第2のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、前記遠位部分に結合された第2のプルワイヤを引っ張ることと、
前記遠位部分において第2の平面内で遠位曲線を形成することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のアクチュエータを作動させることは、回転可能なホイールを回転させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のアクチュエータを作動させることは、スライダをスライドさせることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の平面は、前記第2の平面に対して横向きである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記遠位曲線は、ある曲率半径を有し、前記近位曲線は、前記遠位曲線の前記曲率半径より大きい曲率半径を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のアクチュエータを前記第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、前記第1のプルワイヤ上の張力を解放し、前記中間部分に結合された第3のプルワイヤを引っ張り、前記中間部分において反対方向に、前記第1の平面内で前記近位曲線を再形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記ハンドル上に配置された第3のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、前記遠位部分に結合された第4のプルワイヤを引っ張り、前記遠位部分において反対方向に、前記第2の平面内で前記遠位曲線を再形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記ハンドル上に配置された第4のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、前記遠位部分に結合された第5のプルワイヤを引っ張り、前記遠位部分において前記第1の平面内で前記遠位曲線を再形成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ハンドル上に配置された第5のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、前記遠位部分に結合された第6のプルワイヤを引っ張り、前記遠位部分において反対方向に、前記第1の平面内で前記遠位曲線を再形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
係止部を用いて、前記第2のアクチュエータを定位置に係止することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
拡張器を前記管腔の中にスライド可能に挿入することをさらに備え、前記拡張器は、近位端と、遠位端と、それらの間に配置された中央部分とを備え、前記中央部分は、前記近位端または遠位端より可撓性である、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のアクチュエータを作動させることは、前記第1のアクチュエータに結合されたロッドを移動させ、前記ロッドを前記第2のアクチュエータと係合させ、それによって、前記第2のアクチュエータを第1のアクチュエータと連携して移動させ、前記第2のプルワイヤの緩みを防止することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のアクチュエータを前記第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、前記第1のプルワイヤの前記張力を解放し、前記近位曲線を付勢されていない位置に戻すことをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のアクチュエータを前記第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、前記第2のプルワイヤの張力を解放し、前記遠位曲線を付勢されていない位置に戻すことをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の平面に対して横向きの第3の平面内に配置された第2の遠位曲線を前記遠位曲線と同時に形成し、それによって、前記細長いシャフトの無限の通行を可能にすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2019年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/882,050号(弁理士整理番号第5540.001PRV号(以前は、第5171.001PRV号))の利益を主張する。
【0002】
(背景)
多くの低侵襲カテーテル手技は、レールとしての役割を果たすためのガイドワイヤを使用し、シースが、ガイドワイヤの上を標的治療エリアに向かって前進させられ得る。シースは、標的治療エリアへの療法または診断デバイスの送達を促進する。いくつかのシースは、患者の解剖学的構造に合致するように事前に湾曲させられ、カテーテルを標的エリアに方向付けることに役立ち得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
多くの低侵襲カテーテル手技は、レールとしての役割を果たすためのガイドワイヤを使用し、シースが、ガイドワイヤの上を標的治療エリアに向かって前進させられ得る。シースは、標的治療エリアへの療法または診断デバイスの送達を促進する。すなわち、シースは、標的治療エリアに療法または診断薬を送達するために使用され得る。いくつかのシースは、患者の解剖学的構造に合致するように事前に湾曲させられ、療法または診断デバイスを標的エリアに方向付けることに役立ち得る。種々の患者の解剖学的構造に合致するために、多くの形状が、要求され得、したがって、シースの大量の在庫品が、必要とされ得る。さらに、全ての患者の解剖学的構造に合致する事前に湾曲させられたシースを提供することは、厄介であり得る。したがって、より多様な解剖学的構造の組に適応し得るシースを提供することが、好ましいであろう。
【0004】
操向可能シースの例が、本明細書に開示され、それは、概して、移植片を含む診断または療法医療用デバイスを標的治療部位に送達するための長い管状導管に関する。本明細書に開示される操向可能シースは、標的化療法におけるもの等のある薬理学的薬品、または造影剤等の診断薬を送達することを補助するためにも使用され得る。シースは、随意に、止血弁を有し得、止血弁は、動脈または静脈、または血管系の他の部分を通して患者の心臓の中に挿入されるとき(それは、シースからの血液漏出をもたらす)、いかなる血液の喪失も防止するために完全に閉鎖され得る。シースは、ハンドルを有し得、ハンドルは、流体の吸引および注入のために、随意の三方活栓に取り付けられた随意の可撓性側面ポートを伴う。ハンドルは、シースの遠位区分におけるプルワイヤリングにおいて終端するプルワイヤ(本明細書では制御ワイヤとも称される)に接続された機構を格納する。ハンドル内のこれらの機構が作動させられると、シースの管状部分の遠位区分が、予測可能かつ制御された様式において偏向する(すなわち曲がる)であろう。
【0005】
必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない図面では、同様の番号が、異なる図内の類似する構成要素を説明し得る。異なる文字添字を有する同様の番号が、類似する構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、例として、限定としてではなく、本書において議論される種々の実施形態を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、操向可能シースのある例を図示する。
【0007】
【
図2-1】
図2A-2Eは、操向可能シースにおける曲線の例を示す。
【
図2-2】
図2A-2Eは、操向可能シースにおける曲線の例を示す。
【0008】
【
図3】
図3は、操向可能シースにおける曲線を制御するために使用され得るアクチュエータのある例を示す。
【0009】
【0010】
【
図5】
図5は、任意の操向可能シースを制御するために使用され得るアクチュエータを伴うハンドルの別の例を示す。
【0011】
【0012】
【0013】
【
図8】
図8A-8Cは、緩み防止機構のある例を示す。
【0014】
【0015】
【0016】
【
図11】
図11は、操向可能シース内の細長いシャフトの断面のある例を示す。
【0017】
【
図12】
図12は、シース内のプルワイヤルート決定のある例を示す。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、操向可能シース100のある例を示す。シース100は、近位部分102と、遠位部分106と、近位部分102と遠位部分106との間の中央または中間部分104とを有する細長いシャフト108を含む。
【0023】
遠位部分106と中間部分104との間に、遠位部分106または中間部分104のいずれとも異なるデュロメータを有する移行部分が、存在し得る。例えば、移行部分は、約55Shore Dのデュロメータを有し得、これは、捻じれを防止することに役立つのみならず、より円滑な追跡も可能にする。移行部分は、したがって、中間部分104より堅く、かつ近位部分102より堅くないこともある。
【0024】
管腔が、細長いシャフトの長さに沿って延び、療法または診断デバイスをスライド可能に受け取るようにサイズおよび形状を決定される。したがって、設置されると、シースは、標的治療エリアへの直接的経路を提供し、療法または診断デバイスが治療エリアに前進させられるとき、それらを保護するのみならず、療法または診断デバイスが送達されるとき、それらが組織への外傷を引き起こすことを防止する。
【0025】
細長いシャフト108の近位部分102は、ハンドル118の遠位端に結合される。ハンドル118は、アクチュエータ110の作動が、中間部分104に近位曲線を形成するであろうように、細長いシャフト108の中間部分104と動作可能に結合され得るアクチュエータ110または複数のアクチュエータを含む。ここで、アクチュエータは、近位曲線または複数の近位曲線を制御するための任意の機構であり得るが、ここでは、アクチュエータは、回転可能なホイールである。ハンドルは、細長いシャフト108の遠位部分106に動作可能に結合された1つ以上の追加のアクチュエータ112、114、116も含み得る。アクチュエータ112、114、116のうちの1つ以上のものの作動が、細長いシャフトの遠位部分106に沿った遠位曲線を形成するであろう。ここでは、3つのみの追加のアクチュエータ112、114、116が、示されるが、第4のアクチュエータも、ハンドル上に含まれているが、この図では可視ではない。アクチュエータは、遠位曲線を制御するための任意の機構であり得るが、ここでは、アクチュエータ112、114、116は、スライダである。ハンドルは、オペレータによる快適な取り扱いおよび操作のためにサイズおよび形状を決定された本体を含む。ハンドル118の近位端120は、血液または他の流体がシース内の管腔から退出することを防止し、カテーテル管腔の中に挿入され得るガイドワイヤまたは他のシャフトを保持することに役立つダックビル弁またはTuohy-Borst弁等の止血弁を含み得る。診断または療法デバイスは、ハンドルの近位端において管腔の中に挿入され、標的治療エリアに隣接して位置付けられたシースの遠位端から退出するまで、シース管腔を通して前進させられ得る。
【0026】
随意に、側面ポート124が、ハンドル118の近位端120に結合され得、一方活栓または多方活栓が、シースの管腔に流体的に結合された側面ポートの流体経路を開放および閉鎖するために使用され得る。したがって、側面ポートは、管腔の中に流体を導入するために、または管腔から血液等の流体を除去するために使用され得る。生理食塩水等の流体が、使用に先立って、管腔から空気を除去するために管腔を洗い流すために使用され得るか、または、療法薬が、側面ポートを介して管腔の中に導入され、治療領域に送達され得る。アクチュエータおよびそれらが近位曲線および遠位曲線を形成する方法についての追加の詳細が、下記に開示される。
【0027】
図2A-2Eは、
図1におけるもの等の操向可能シース200、または本明細書に開示される任意の操向可能シースにおいて形成され得る曲線の例を示す。
図2Aでは、近位曲線202が、第1の平面内に形成され、遠位曲線204が、同じ第1の平面内に形成される。遠位曲線は、近位曲線より小さい曲率半径を有する。
【0028】
図2Bでは、近位曲線202が、第1の平面内に形成され、遠位曲線204も、同じ第1の平面内に形成されるが、今回は、遠位曲線は、
図2Aの遠位曲線と反対方向にある。
図2Bの遠位曲線204は、近位曲線202より小さい曲率半径を有する。
【0029】
図2Cでは、近位曲線202が、第1の平面(図は、平面を視認する容易さのために、
図2A-2Bに対して回転させられている)内に形成され、遠位曲線204が、第1の平面に対して横である第2の平面内に形成され、第2の平面は、第1の平面に対して直交し得る。したがって、遠位曲線は、近位曲線が存在する平面から外に延びている。
【0030】
図2D(
図2Cにおけるものに類似する回転)では、近位曲線202が、第1の平面内に形成され、遠位曲線204が、第1の平面に対して横である第2の平面内に形成され、第2の平面は、第1の平面に対して直交し得る。これは、遠位曲線が
図2Cの遠位曲線と反対方向にあることを除いて、
図2Cの例に類似している。
図2Dの遠位曲線は、近位曲線より小さい曲率半径を有する。
【0031】
図2A-2Dは、単一方向における近位曲線を示す。しかしながら、近位曲線は、第1の方向の反対の第2の方向にも形成され、それによって、双方向の近位曲線を形成し得る。さらに、近位曲線および遠位曲線の任意の組み合わせが、形成され得る。例えば、近位曲線が、第1の方向、または第1の方向の反対の第2の方向に形成され得、第1または第2の方向における近位曲線が、第1の平面内に存在し得る。(本明細書に説明されるもの等の)近位曲線の曲線形成機構も、複製され、それによって、近位曲線が、第3の方向、および第3の方向の反対の第4の方向に形成されることを可能にし、それによって、第1の平面、または第1の平面に対して直交する、またはそれに対して横向きである第2の平面内での4方向曲線(多方向曲線とも称される)の形成を可能にし得る。これらの構成のうちのいずれかにおける近位曲線が、第1の方向、または第1の方向の反対の第2の方向に湾曲し得る遠位曲線と組み合わせられ得、遠位曲線が、第1の平面、または第1の平面に対して横向きであるか、またはそれに対して直交する第2の平面内に存在することができる。下で議論されるであろうように、種々の近位曲線および遠位曲線構成の形成を可能にする異なるアクチュエータが、開示される。
【0032】
図2Eは、近位曲線に加えて、2つ以上の遠位曲線を同時に偏向させることがシースが無数の平面内を通行することを可能にするある例を示す。ここでは、近位曲線202が、第1の平面内に形成される。第1の遠位曲線204aが、次いで、近位曲線202と同じ平面内に形成される。第2の遠位曲線204bも、形成され、シースの遠位端を第1の平面から外に、第1の平面に対して横向きである第2の平面内に曲げる。したがって、複雑な曲線が、形成され、これは、シースが、無数の平面を通行し得ることを実証している。
図2Eの例は、1つの近位曲線および2つの遠位曲線を用いて達成されるが、これは、2つの近位曲線および1つの遠位曲線を用いても遂行され得る。曲線の他の組み合わせも、無限に通行可能なシースを提供するために可能である。
【0033】
図3は、操向可能シース300における曲線を制御するために使用され得るアクチュエータのある例を示す。操向可能シース300は、近位部分と、遠位部分(図示せず)と、近位部分と遠位部分との間の中間部分(図示せず)とを有する細長いシャフト302を含む。細長いシャフト302の近位部分は、ハンドル310に結合されている。ハンドル310は、3つのアクチュエータ304、306、308を含む。ここでは、3つのアクチュエータ全てが、回転可能なホイールである。各ホイールは、内部表面上にねじ山を付けられ、ホイールの回転が、下記により詳細に議論されるであろうように、ハンドル内の第1の線形ねじ(本明細書ではシャトルとも称される)を用いて回転運動を線形運動に変換する。各アクチュエータは、ホイールの回転が、細長いシャフト302の遠位部分または中間部分にも結合されたプルワイヤに張力を加え、それによって、遠位部分または中間部分を曲げ、上記の
図2A-2Eに説明される遠位曲線または近位曲線を形成するように、シャトルに結合された1つのプルワイヤを有し得る。アクチュエータは、第1の線形ねじに対して平行である、第2の線形ねじ(本明細書ではシャトルとも称される)も有し得る。そして、第2のプルワイヤが、第2のシャトルに結合され、通常、第1のプルワイヤと同じ軸方向位置において、しかし、第1のプルワイヤの接続点から約180度反対側に円周方向にオフセットされた状態で、細長いシャフトの遠位部分または中間部分にも結合される。したがって、第1のプルワイヤの作動が、細長いシャフトを第1の平面内に第1の方向に曲げ、第2のプルワイヤの作動が、細長いシャフトを第1の平面内に反対方向に曲げる。第2のシャトル上のねじ山は、第1のシャトル上のねじ山の反対であり得、それによって、ホイールの回転が、1つのシャトルを一方向に移動させる一方、第2のシャトルが、反対方向に移動し、それによって、両方のプルワイヤを同時に制御する。
【0034】
第2のアクチュエータ306は、概して、第1のアクチュエータ304と同じ形態をとり、細長いシャフトの中間部分または遠位部分のいずれかに取り付けられた1つまたは2つのプルワイヤを有するが、この例では、各々が細長いシャフトの遠位部分に取り付けられている2つのプルワイヤが、存在する。第2のホイールの回転が、第1のプルワイヤを引っ張り、それによって、細長いシャフトの遠位部分を第1の平面内で遠位曲線に曲げ、反対方向における第2のホイールの回転が、第2のプルワイヤを引っ張り、それによって、遠位曲線を第1の平面内で反対方向に曲げる。2つのプルワイヤが、細長いシャフトの遠位部分に結合され、互いに、180度オフセットされた状態等、円周方向にオフセットされる。各々が他のシャトルと反対のねじ山を有する2つのシャトルも、含まれ、それによって、ホイールの作動が、シャトルを反対方向に(一方を前方に、他方を後方に)移動させる。
【0035】
第3のアクチュエータ308は、概して、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータ304、306と同じ形態をとり、細長いシャフトの中間部分または遠位部分のうちのいずれかに取り付けられた1つまたは2つのプルワイヤを有するが、この例では、各々が細長いシャフトの遠位部分に取り付けられた2つのプルワイヤが、存在する。第3のホイールの回転が、第1のプルワイヤを引っ張り、それによって、細長いシャフトの遠位部分を第2の平面内で遠位曲線に曲げ、反対方向における第2のホイールの回転が、第2のプルワイヤを引っ張り、それによって、遠位曲線を第2の平面内で反対方向に曲げる。第2の平面は、第1の平面に対して直交し(またはそれに対して横向きであり)得る。2つのプルワイヤが、細長いシャフトの遠位部分に結合され、互いに、180度オフセットされた状態等、円周方向にオフセットされる。それらは、第2のアクチュエータにおける2つのプルワイヤからも円周方向にオフセットされている。したがって、例えば、第2および第3のアクチュエータ内の4つのプルワイヤが、同じ軸方向位置においてであるが、90度互いに円周方向にオフセットされた状態で、細長いシャフトの遠位部分に結合され得る。これは、限定することを意図しておらず、任意の角距離が、使用され得る。ホイールの作動が、シャトルを反対方向に(一方を前方に、他方を後方に)移動させるように、各々が、他のシャトルと反対のねじ山を有する2つのシャトルも、使用される。回転可能なホイールおよびプルワイヤの作動を説明する、追加の図および詳細が、下記に提供される。
【0036】
ハンドル310の近位端は、オペレータにハンドルの内側が見え、任意の空気泡が存在するかどうかを決定することを可能にする窓316を含み得る。代替として、ハンドルアセンブリの一部またはその全体が、オペレータが空気泡の偶発的導入をスクリーニングすることを可能にする透明な材料から作製されることができる。該当する場合、空気泡は、細長いシャフト管腔に流体的に結合された側面ポート312を用いて洗い流され、または吸い出され得る。(一方または多方)活栓が、側面ポートに結合され、流体流を制御し得る。ダックビル弁またはTuohy-Borst弁等の止血弁314が、血液がシース内の管腔から外に流出することを防止するために使用され得る。
【0037】
図4は、
図3のハンドル300の分解図を示す。ここでは、アクチュエータ304、306、308が、ハンドルの周囲にクランプ締めされた上側回転可能ホイール半体と、下側回転可能ホイール半体とを有する。各上側回転可能ホイールおよび下側回転可能ホイール304、306、308の内側表面が、ねじ山が付けられ、それによって、ホイールの円形回転が、各シャトル334、336の線形運動に転換され、ここでは、各アクチュエータ304、306、308は、2つのシャトルを含み、ホイールの回転は、一方のシャトルを遠位に移動させる一方、他方のシャトルは、近位に移動する。反対方向におけるホイールの回転が、シャトルを反対方向に移動させ、従って、ここで、一方のシャトルが、近位に移動する一方、他方が、遠位に移動する。ねじ山は、標準的な螺旋状のねじ山であり得るか、または、ここでは、ねじ山は、菱形形状の突出部342であり、菱形の4つの辺が、曲がりを伴う傾いた表面を提供し、それによって、斜面の傾きが、正から負、または負から正に変化する。したがって、菱形形状の突出部が、シャトル上のねじ山と連携すると、ホイールの回転が、シャフト330に沿ったシャトルの線形運動に転換されるであろう。プルワイヤ(この図に図示せず)が、各シャトルに取り付けられ、したがって、シャトルの移動が、プルワイヤに張力を加え、またはその張力を解放し、それによって、細長いシャフトにおける近位曲線または遠位曲線を形成する。ハブ338、340(ここでは3つのハブ)が、ハブを通して配置された開口を有し、プルワイヤが、本明細書においてより詳細に示されるであろうように、ハブを通過し得る。ハブは、回転可能なホイールを固定することにも役立つ。シャフト330は、シース内の管腔と流体的に結合された中心管腔332を含む。ハンドル310の近位部分は、管腔(または上で開示される、透明なハンドル)内の気泡の可視化を可能にする窓と、
図3に示される側面ポートまたは止血弁とを含み得る。
【0038】
図5は、任意の操向可能シースを制御するために使用され得るアクチュエータを伴うハンドル500の別の例を示す。ハンドル500が、本明細書に開示される操向可能シースのうちのいずれかの近位端502に結合され、アクチュエータ504、506の作動が、本明細書に開示される近位曲線または遠位曲線のうちのいずれかを形成するために使用され得る。ハンドルの近位端512は、側面ポート516または止血弁514を含み得る。側面ポート516は、前述に開示されるものと実質的に同じであり、ハンドル500の近位端に結合された短い長さの管類を含み、操向可能シースの細長いシャフトの管腔に流体的に結合され、管腔の中への流体の導入または管腔からの流体の除去を可能にする。一方活栓または多方活栓が、流体流を制御するために、側面ポート管類の自由端に結合され得る。止血弁514は、ハンドルの中へのカテーテルまたは他のデバイスの導入を可能にする一方、ハンドルの近位端から外への血液等の流体流を制御する、ダックビル弁、Tuohy-Borst弁、または他の弁であり得る。止血弁は、止血弁が堅く締められるとき、例えば、Tuohy-Borst弁を使用するとき、ガイドワイヤまたは細長いシャフトをハンドル内に保持し、移動を防止することに役立つために使用され得る。
【0039】
最遠位アクチュエータ504は、オペレータが、操向可能シースにおける近位曲線を制御するために回転させる作動可能ホイールであり得る。
図4の例と同様に、作動可能ホイールの回転移動が、細長いシャフトの中間部分に接続されるプルワイヤに取り付けられた1つ、2つ、またはそれを上回るシャトルの線形運動に転換される。したがって、第1の方向におけるホイールの回転が、第1のプルワイヤを引っ張り、第1の方向に、かつ第1の平面内で、操向可能シースの中間部分に沿った、近位曲線を形成する一方、反対方向におけるホイールの回転が、第1のプルワイヤ上の張力を解放し、近位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にし、ホイールのさらなる作動が、次いで、随意の第2のプルワイヤ(第2のシャトルが、存在する場合)に張力を加え、それは、次いで、第1の方向の反対の第2の方向に、かつ同じ第1の平面内で近位曲線を形成する。追加の開示は、プルワイヤ構成に関し、操向可能シースへの取り付けが、下記に提供される。
【0040】
追加のアクチュエータ506も、ハンドルに結合され、この例では、4つの追加のアクチュエータ506が、存在する。2つが、この図では可視であり、他方の2つが、可視ではない。ここでは、アクチュエータ506は、アクチュエータの遠位端上のテクスチャ加工された遠位傾斜部分508と、遠位傾斜部分508とスライド可能に結合された近位傾斜部分510とを含む。近位傾斜部分510を遠位に押すことは、近位傾斜部分510の最近位端を上方に、かつラック(ハンドル内に配置され、この図では可視ではない)から離れるように持ち上げる。これは、近位傾斜部分と結合される歯をラックから係合解除させ、スライダが遠位に前進させられることを可能にする。遠位前進は、スライダおよび操向可能シースの細長いシャフトの遠位部分に結合されるプルワイヤの張力の解放を可能にし、それによって、遠位曲線を付勢されていない構成に戻すことを可能にする。
【0041】
近位傾斜部分508の近位後退は、それが近位に後退させられると、歯がラックの上を容易に滑動するカム表面を形成するように湾曲させられているので、スライダをラックに沿って近位に引き寄せる。近位傾斜部分508の近位後退は、スライダを近位に移動させ、それは、そのスライダに接続されたプルワイヤに張力を加え、それは、次いで、操向可能シースの細長いシャフトの遠位部分内に遠位曲線を形成する。この曲線は、近位曲線と同じ第1の平面内にあり得るか、または、それは、第1の平面に対して横向きである、またはそれに対して直交する第2の平面内にあり得る。第2のスライダが、円周方向にオフセットされてハンドル上に配置され得、従って、それは、ほぼ180度オフセットされ、第2のスライダは、第1の方向と反対方向に、かつ同じ平面内で遠位曲線を形成するために使用され得る。2つの追加のスライダも、ハンドル上に含まれ、第1の方向、または第1の方向の反対の第2の方向のいずれかにおいて、および第1の平面内、または第1の平面に対して横向きである、またはそれに対して直交する第2の平面内のいずれかに遠位曲線を形成し得る。したがって、例えば、4つのスライダが、存在する場合、2つのスライダが、第1または第2の反対方向に、第1の平面(近位曲線と同じ平面)内に遠位曲線を形成し、他の2つのスライダが、第1または第2の反対方向に、第1の平面に対して直交する、またはそれに対して横向きである第2の平面内で遠位曲線を形成する。各スライダは、プルワイヤに取り付けられ、従って、4つのプルワイヤが、存在し、それらは、例えば、90度毎に円周方向にオフセットされた位置において、シースの細長いシャフトの遠位部分に結合され得、プルワイヤの連携する対が、180度オフセットされる。加えて、近位曲線に加えて、遠位曲線のうちの2つ以上のものを同時に偏向させることは、シースが、上記の
図2Eに見られるような、無数の平面を通行することを可能にする。すなわち、2つ以上の近位曲線を1つの遠位曲線と同時に偏向させることも、無限に通行可能なシースを可能にする。
【0042】
図6は、
図5のハンドルの分解図を示し、アクチュエータの動作をより明確に図示する。前述に開示されるように、ハンドル500は、歯を用いた、ラック604に沿ったスライダの係止、係止解除、前進、および後退のための近位部分および遠位部分510、508を伴うスライダ506を含む。近位部分510の底部上の歯602が、ラック604上の歯止部に係合する。スライダの近位部分510が、遠位に押されると、それは、スライダの近位部分を上方に持ち上げ、ラック604上の歯から歯602を係合解除させる。近位部分と遠位部分との間に配置されたばねが、近位部分を下方に押し戻すように付勢されており、それによって、歯602が、ラック604内の歯に係合し、スライダを係止し、遠位移動を防止する。これは、下記により詳細に説明される。ここでは、ハンドル500は、4つのスライダを含む。2つのスライダが、この図内で可視であるが、他の2つは、可視ではない。スライダは、ハンドル本体内のチャネルに沿ってスライドし、円滑な線形運動を確実にする。プルワイヤが、各スライダに取り付けられ、プルワイヤは、次いで、ハブ618、610内の孔620、614を通して、ハンドルに沿って遠位に延び、プルワイヤの遠位端は、細長いシャフトの遠位部分に結合されている。
【0043】
最遠位アクチュエータは、回転可能なホイール504を含み、回転可能なホイール504は、シャトル608(主ねじとも称される)の周囲に配置された2つの半体におけるものであり、シャトル608は、回転運動を線形運動に転換する。ホイール504の内側表面上のねじ山606が、正方形または長方形の断面を有するシャフト616の上をスライドするシャトル608上の連携するねじ山に係合する。シャトルは、シャフト616の周囲で回転できないので、ホイール504の回転が、シャフト616に沿った、シャトル608の線形運動に転換される。プルワイヤが、シャトルの遠位部分に取り付けられ、プルワイヤは、ハブ610内の開口614を通過し得、プルワイヤの自由端は、次いで、操向可能シースの細長いシャフトの中間部分に結合される。ハブ618、610が、回転可能なホイールが回転しかできないように、回転可能なホイールを拘束し、ホイールの線形運動を防止し得る。ハブ618、610は、構成要素を一緒に固定することにも役立つ。ハブ618、610内の開口620、614は、プルワイヤが妨害されずにハブを通過し、プルワイヤのもつれを防止することも可能にする。遠位キャップ612が、ハンドルの遠位端をシールする。歯を伴う円筒形ロッドが、シャフト616から近位に延び、歯を伴う円筒形ロッドは、その上をスライダが移動するラック604としての機能を果たす。各スライダ506上の歯602は、ラック上の歯と係合されると、スライダが遠位に移動することを防止し、それは、スライダを定位置に係止し、それによって、プルワイヤの張力を保持し、そのプルワイヤによって形成される曲線を保持する。近位移動は、歯のラック上の歯との係合によって抑制されない。この係止機構は、下記により詳細に説明される。
図6は、単一のシャトル608のみを伴う回転可能なホイールを示すが、しかしながら、それは、限定することを意図しておらず、第2のシャトルが、シースの細長いシャフトの中間部分に結合された第2のプルワイヤを制御するために追加され得る。第2のシャトル上のねじ山は、ホイールの回転が、1つのシャトルを近位に移動させる一方、第2のシャトルが反対方向に、遠位に移動するように、第1のシャトルのねじ山の反対であり得る。または、シャトルのねじ山は、同じであり得、従って、両方のシャトルが、ホイールによって作動させられると、同じ方向に移動する。
【0044】
図7は、
図6のハンドル500の側面図を示し、ハンドル500は、上で説明されるものと同じ様式において動作する。
図7は、単一のシャトル608を示し、歯602とラック604上の歯の係合も示す。2つのスライダ506は、互いに、ここでも、180度オフセットされた状態で、円周方向にオフセットされて示され、それは、各スライダが曲がりを制御する方向のインジケータとして、オペレータに対して役立ち得るが、それは、限定することを意図しておらず、スライダは、任意の所望の構成に間隔を置かれ得る。
【0045】
図8A-8Cは、
図6-7のハンドルに類似するが、ハンドルの別の例を示し、大きな差異は、随意の緩み防止特徴の追加である。回転可能なホイールの作動が、操向可能シースの細長いシャフトの1つの部分、例えば、中間部分に湾曲を形成するので、シャフトは、丸みを帯びた曲線を形成し、それは、スライダに結合されるプルワイヤの緩みをもたらす。スライダが作動させられるとき、スライダは、それらがそれらのそれぞれのプルワイヤを引っ張り、操向可能シースの細長いシャフトの他の部分に湾曲を形成できる前、余剰な緩みを取り去るために最初に移動させられなければならない。したがって、緩み防止特徴の追加は、回転可能なホイールがそのプルワイヤを作動させるとき、スライダプルワイヤから緩みを除去し、したがって、スライダの作動は、操向可能シースにおける曲線の形成との近接な対応を維持し、緩みが除去されることを要求しない。
【0046】
図8Aは、最遠位アクチュエータを示し、最遠位アクチュエータは、移動するシャトル608を伴う回転可能なホイール504を含み、移動するシャトルは、シャフト616に沿ってスライドする。ハンドル800は、スライダ506も含み、スライダ506は、近位スライダ部分および遠位スライダ部分508、510と、ラック内の歯820に解放可能に係合する係止歯602とを伴う。最遠位アクチュエータおよびスライダの動作は、
図6-7において上で既に説明されたものと同じである。緩み機構は、シャトル608の近位端に結合されたハイポチューブまたは他の管のような管等のプッシャー806を含む。スライダに接続されたプルワイヤは、遠位曲線の作動を妨害しないように、自由にハイポチューブ806を通過し得る。シャトル608が、近位に移動すると、プッシャー806は、スライダ506の遠位端に接触し、シャトルの近位移動を継続し、それに対応して、スライダ506を近位に押し、それによって、そのスライダに結合されたプルワイヤの任意の緩みを排除する。したがって、プルワイヤに緩みが存在しておらず、結果として生じる曲線の制御が、スライダの作動と緊密に対応するので、そのスライダが、近位に後退させられ、そのそれぞれのプルワイヤを引っ張ると、張力が、即座に加えられる。シャトルが、反対方向に遠位に移動させられると、プッシャー806が、スライダから係合解除し、スライダは、遠位に移動させられ得る。この緩み防止特徴は、本明細書に開示されるハンドル例のうちのいずれにおいても使用され得る。
図8Aは、2つのみのスライダを示すが、合計4つのスライダを含み得、他の2つのものは、この図では見えない。加えて、単一のシャトルのみが、緩み防止特徴を伴って示されているが、第2のシャトルも、緩み防止特徴の有無にかかわらず、追加され得る。緩み防止特徴は、シャトルあたり2つのプッシャーを含み、2つのプッシャーが2つのスライダに接触し、それらを押し得、したがって、2つのシャトルが存在するとき、緩みは、スライダに結合される4つのプルワイヤ全てにおいて回避され得る。スライダに結合されるプルワイヤ802が、プッシャー内のチャネルまたは管腔を通して延び、上で説明されるように、ハブ618、610およびシャトル内の開口を通過し得る。プルワイヤ804は、シャトル608に結合され、シャトルおよび遠位ハブ610内の開口を通過し得る。
図8Aの他の側面は、概して、
図6-7のハンドルと同じである。
【0047】
図8Bは、
図8Aのハンドルの上面図を示し、シャトル608の近位端に結合され、スライダ506と接触させられたプッシャー806を強調する。ここでは、単一のプッシャーが、示されているが、当業者は、プッシャーが、対応するスライダを押すために各シャトルに結合され得ることを理解するであろう。この図では、シャトル608を強調するために、回転可能なホイールが、除去されている。
図8Bの他の側面は、概して、
図8Aにおけるものと同じである。
【0048】
図8Cは、
図8A-8Bのハンドル800の側面図を示す。ハンドルの他の側面は、概して、
図8A-8Bにおけるものと同じである。
【0049】
図9A-9Dは、本明細書に開示されるハンドルのうちのいずれにおいても使用され得るスライダのある例を示す。
図9Aは、スライダ900を示し、スライダ900は、近位スライダ部分904と、遠位スライダ部分902と、ばね906と、歯908と、ヒンジまたは旋回軸910とを含む。上で既に議論されるように、近位部分904は、親指または指による容易な作動のために構成され、スライダの係止を制御する傾斜部分を含む。遠位部分902も、傾斜部分を含み、傾斜部分は、指または親指が近位スライダ部分を容易に握持し、移動させ得るように、テクスチャ加工されるか、または、刻みを付けられ得る。ヒンジまたはピンおよび旋回軸910が、スライダの2つの半体を一緒に結合し、従って、それらは、互いに対して旋回することが可能である。ばね906が、スライダの両方の部分に結合され、2つの半体を互いに離れるように押すように付勢され、従って、両方のスライダ半体は、平坦であり、概して、互いに同じ直線上にある。これは、歯908が、ハンドル内のラック上の歯に係合することを確実にする。歯908は、平坦な遠位面を含み、平坦な遠位面は、近位スライダ部分904が、遠位に押され、近位スライダ部分904の近位端がわずかに上向きに旋回させること(歯908がラック内の歯から係合解除し、スライダが遠位に前進させられることを可能にするほど十分に)を引き起こさない限り、スライダ機構の遠位作動を防止する。歯908は、近位端上の湾曲形状も有し、それは、カムとしての機能を果たし、スライダが近位に押されると、カムは、ラックにおける歯の上を円滑にスライドし、スライダの近位移動は、妨げられない。
【0050】
【0051】
図9Cは、本明細書に開示されるハンドルのうちのいずれかにおけるラック920上の歯のある例を示し、スライダ上の歯908が、それに係合し得る。歯は、歯908のカム状の表面が、スライダの近位後退中、容易にスライドすることを可能にする角度付けられた前縁と垂直の後縁とを有し、垂直の後縁は、スライダに係合し、
図9Aに関して上で開示されるように、歯がラック上の歯から係合解除しない限り、遠位スライダ移動を防止する。
【0052】
図9Dは、ラック920上の歯920と係合された、スライダ900を示す。
【0053】
図10A-10Bは、
図5-7に開示されるもの等、回転可能なホイールアクチュエータおよびスライダアクチュエータを使用する操向可能シースの作動のある例を示す。
図10Aでは、操向可能シース1000は、管腔を有する細長いシャフト1006と、ハンドル1020とを含む。細長いシャフト1006の近位端が、ハンドル1020に結合される。ハンドル1020は、回転可能なホイール1010等の2つのアクチュエータと、スライダ1018とを含む。ダックビル弁またはTuohy-Borst弁等の止血弁1022が、ハンドルの近位端上に含まれ、流体の漏出を防止し、かつ操向可能シースの管腔内にスライド可能に配置され得るガイドワイヤ、カテーテル、または他の細長い器具を固定し得る。近位リング1004および遠位リング1002が、細長いシャフトに結合され、プルワイヤのための接続点としての役割を果たす。例えば、ここでは、遠位リング1002が、細長いシャフトの遠位部分に結合され、近位リング1004が、細長いシャフトの近位部分と遠位部分との間に配置された細長いシャフトの中間部分または中央部分に結合される。プルワイヤ1016が、遠位リング1002およびスライダ1018に結合され、別のプルワイヤ1008が、近位リング1004およびシャトル1012に結合される。回転可能なホイール1010の回転が、シャトル1012の線形運動に変換される。したがって、回転可能なホイールの作動が、近位曲線を形成するように細長いシャフトの中間部分の曲がりを制御し、スライダの作動が、遠位曲線を形成するように細長いシャフトの遠位部分の曲がりを制御する。加えて、プッシャー1014も、シャトル1012と結合され、それによって、シャトル1012が近位に移動すると、プッシャー1014を近位に、スライダ1018に接触するように移動させ、ホイール1010の回転と連携して、スライダを押し戻す。したがって、スライダが、プッシャー1014によって近位に押されるので、プルワイヤ1008の張力が、増大させられ、近位曲線が、形成されるにつれて、プルワイヤ1016に結果として生じる任意の緩みが、取り去られる。従って、スライダ1018が、作動させられると、スライダは、プルワイヤが遠位曲線を制御する前、緩みを取り去るための近位後退を要求しないであろう。スライダの作動は、遠位曲線の即時の応答をもたらすであろう。
図10Aの例は、単一のシャトルのみを示すが、当業者は、2つ以上のシャトルが、上で既に開示されるように使用され得ることを理解するであろう。加えて、
図10Aは、単一のスライダのみを示すが、それは、限定することを意図しておらず、2つ、または3つ、または4つ、またはそれを上回るスライダも、
図5-7におけるもの等の任意の数の他の方向における遠位曲線を制御するために使用され得る。代替として、種々の場所における複数のスライダを制御することによって、シースが、任意の数の他の方向に操向することを可能にする。
【0054】
図10Bは、シャトル1012を近位に移動させ、それによって、操向可能シースの細長いシャフト1006の中間部分に近位曲線を形成するための回転可能なホイール1010の作動を示す。第2のシャトルが、回転可能なホイール1010内に含まれる場合、反対方向におけるホイールの作動が、反対方向に、しかし、同じ平面内で近位曲線を形成し、第2のプルワイヤ(図示されず)が、第1のプルワイヤから円周方向にオフセットされた位置において近位リングに結合される場合、およそ180度オフセットされるであろう。
図10Bは、スライダと接触させられ、スライダを近位に押し、プルワイヤ1016から緩みを除去するプッシャー1014も示す。スライダは、不要な移動を防止するための係止部を伴う
図9A-9Dにおけるものと同じであり得る。
【0055】
図11は、操向可能シースの細長いシャフト1102の断面を示す。細長いシャフト1102は、いくつかの材料層から形成され得、例えば、操向可能シースのための管腔を形成する最内層1106は、円滑な表面を提供するためのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層の管類であり得る。次に、ポリイミドまたはPTFE管等の1つ、または2つ、または3つ、または4つ、またはそれを上回る小径管1112が、最内層1106の表面の上に配置され、これらの管は、遠位曲線プルワイヤのための管腔を形成する。使用される管の数は、使用されるプルワイヤの数に依存する。ここでは、4つの管が、4つのプルワイヤを収容するために使用される。管は、およそ90度毎に間隔を置かれるが、それは、限定ではなく、任意の所望の間隔が、使用され得る。内側編組層1104が、次いで、管1112の上に配置され、次いで、ポリイミド、PTFE、または他のフッ素ポリマー管等、1つ、または2つ、3つ、4つ、またはそれを上回る他の小径管1114が、内側編組1104の上に配置される。管1114は、近位曲線プルワイヤのための管腔を提供し、ここでは、180度円周方向にオフセットされる2つの管1114が、存在する。任意の位置付けが、使用され得、管の数は、近位曲線プルワイヤの数に依存する。外側編組1110が、近位曲線プルワイヤの上に配置され、最終外側ポリマー層1108が、全てのものの上に配置される。したがって、各プルワイヤは、各プルワイヤの作動が円滑であり、摩擦が低減させられることを確実にし、およびプルワイヤのもつれを回避するために、別個の管腔内にスライド可能に配置される。
【0056】
図12は、シースが異なる構成に湾曲させられるとたに結果として生じ得るいくつかのプルワイヤの緩みに対処する方法としてのプルワイヤが、本明細書に開示される操向可能シースのうちのいずれかの細長いシャフト1202を通してルート決定され得る方法のある例を示す。プルワイヤは、細長いシャフトを通して、かつ細長いシャフトの長手方向軸と平行に、線形方式においてルート決定され得るか、または、プルワイヤのルート決定が、改変され、緩みを最小化し得る例のうちのいずれかでは、プルワイヤリング1204が、遠位曲線を制御するために、細長いシャフトの遠位部分に結合され、プルワイヤリング1206が、近位曲線を制御するために、細長いシャフトの中間部分に結合される。
【0057】
近位双方向曲線が、このページの平面内にある場合、同じ平面内で遠位曲線を制御する2つのプルワイヤ1218、1220が、緩みまたは張力を経験するであろう。それが起こることを防止するために、これらのプルワイヤ1218、1220は、近位プルワイヤリング1206内のチャネルを通してルート決定される。遠位曲線面内プルワイヤ1218、120は、次いで、それらの元の軸から円周方向にオフセットされ、近位曲線の平面に対して直交する、またはそれに対して横向きである平面を画定する経路に沿って再度ルート決定される。これは、それらの初期の軸から約90度プルワイヤ1218、1220をオフセットすることによって遂行され得る。近位曲線が、作動させられると、再ルート決定されたプルワイヤの緩みまたは張力が、したがって、最小化される。
【0058】
この例では、2つのプルワイヤ1208、1210が、線形に、かつ細長いシャフトと平行に伸び、両方が、プルワイヤリング1204の近位にあるプルワイヤリング1206に結合されている。接続点1214、1216が、この例では、約180度円周方向にオフセットされている。2つの追加のプルワイヤ1218、1220も、線形に、かつ細長いシャフトの長手方向軸と平行に伸びているが、次いで、プルワイヤ1218、1220は、プルワイヤリング1206に隣接して再度ルート決定される(1222)。両方のプルワイヤは、次いで、それらがプルワイヤリング1206の遠位にあるプルワイヤリング1204に取り付けられる(1224、1226)まで、線形に、かつ細長いシャフトと平行に伸び続ける。接続点が、互いに約180度円周方向にオフセットされている。プルワイヤを再度ルート決定することが、プルワイヤの張力および緩みを制御することに役立ち得、偏向および曲がりのより良好な制御を提供し得る。
【0059】
図13は、本明細書に開示される操向可能シースの例のうちのいずれにおいてもプルワイヤの操作を促進するような、プーリの使用のある例を示す。細長いシャフト1316が、ハンドル1302に結合されている。プルワイヤ1310、1312が、細長いシャフトと結合され、ハンドル1308にも結合される(1314)。プーリ1306が、プルワイヤ1310、1312に動作可能に結合され、それによって、プーリが矢印1304によって示されるように作動させられると、機械的利点を提供する。プーリ構成の使用は、短い作動に伴う非常に応答性の偏向を可能にする。いくつかの例では、偏向と作動との比率は、1:1より大きい一方、他の例では、その比率は、1:1より小さくあり得る。この例は、プーリを伴う2つのプルワイヤを示すが、しかしながら、それは、限定することを意図しておらず、一方のプルワイヤが、プーリを有し得る一方、他方のプルワイヤは、プーリを有していないこともある。3つ以上のプルワイヤを有する例では、1つのプーリが、任意の数のそれらのプルワイヤとともに使用され得る。
【0060】
図14A-14Bは、可変湾曲シース1400のある例を示す。デバイスは、シース1404内にスライド可能に配置された内側の堅いシャフト1402を含む。曲線が、内側シャフト1402において予め設定されている。内側シャフト1402が、外側シャフト1404を通して前進させられ、内側シャフト1402の遠位部分が、外側シース1404によって拘束されない状態になると、内側シャフト1402の遠位部分が、その付勢されていない自然曲線1406に曲がり始めるであろう。曲線1406の曲率半径は、露出させられる遠位部分の量に依存する。
図14Aでは、内側シャフトの遠位端の比較的に大きい部分が、拘束されず、したがって、曲線は、比較的に大きい曲げ半径を有するであろう。
【0061】
図14Bでは、内側シャフトの遠位端の比較的により短い区分が、拘束されず、したがって、曲線は、比較的に小さい曲げ半径を有するであろう。所望の曲がりが形成されると、カテーテルまたは他の診断または介入デバイスが、内側シャフト内の管腔の中に挿入され得、曲線が、標的治療エリアへの送達を促進するであろう。ハンドルが、内側シャフトおよび外側シャフトおよびシースに結合され、相対運動を制御することに役立ち得る。可変湾曲シースは、他の作動機構のうちのいずれとも使用され、さらに、操向可能シースにおける曲線を制御し得る。
【0062】
図15A-15Bは、本明細書に開示される操向可能シースのうちのいずれとも使用され得るディンプルが付けられた拡張器を図示する。
図15Aでは、拡張器1502は、テーパ状の遠位非外傷性先端1504を伴う細長いシャフトと、拡張器の近位端1508上のハブまたは他のコネクタとを含む。拡張器の遠位部分の周囲に円周方向に配置されたディンプル、または環状の溝1506が、より良好かつより円滑な拡張器シース移行をもたらす操向可能シースの遠位先端を受け取るためのレセプタクルを提供する。
【0063】
図15Bでは、拡張器1502が、本明細書に開示される操向可能シースのうちのいずれかの中に挿入されている。操向可能シースの遠位先端は、シースのメイン区分の直径より小さい直径に崩れるように付勢された弾力的な料から形成されている。したがって、拡張器が、シース内の管腔を通してスライド可能に前進させられているとき、シースの遠位端1512は、そのより大きい直径構成内に留まるようにされ。しかしながら、拡張器が、シース1512の遠位端が環状の溝1506に到達するほど十分に遠く前進させられると、シース1512の遠位端は、その付勢されていないより小さい直径に崩れ、環状の溝の中に崩れ、それによって、凹凸のあるまたは不連続な移行を伴わずに、シースの前縁を溝内にシールドし、拡張器からシースへの円滑な移行を提供するであろう。
【0064】
図16は、本明細書に開示されるいかなる操向可能シースとも使用され得る可変剛度拡張器のある例を示す。拡張器1602は、テーパ状の遠位非外傷性先端1606と、近位端上のハブまたは他のコネクタ1612とを含む。拡張器の細長いシャフトは、近位部分1610と、遠位部分1604と、近位部分と遠位部分との間に配置された中央または中間部分1608とに分割され得る。拡張器は、細長いシャフトが、細長いシャフトに沿った任意の所望の剛度プロファイルを有するように製造され得る。例えば、中間部分1608は、近位部分または遠位部分1610、1604より軟質かつより弾力的であり得る。拡張器が、本明細書に開示される操向可能シースのうちのいずれかの中に挿入されると、より軟質の中間部分が、したがって、操向可能シースが曲げられるにつれて、より容易に曲がる(および撓曲する)であろう。近位部分は、送達中に拡張器に押動性を与えるために、最も堅くあり得る一方、遠位部分は、その近位部分が、組織に対する不要な外傷を引き起こすことなく、組織に対して押すために十分な堅さを提供するために、所望に応じてより軟質であるか、または、別様に調整され得るので、同じ剛度であり得る。任意のデュロメータが、拡張器シャフトの近位部分、遠位部分、または中間部分内で使用され得る。したがって、操向可能シースは、操向可能シース内に配置された拡張器を用いて操向され得る。
【0065】
本明細書に開示される操向可能シースの任意の例では、プルワイヤは、任意の数の異なる材料から作製され得る。例えば、ステンレス鋼等の丸みを帯びた、または平坦な金属ワイヤ、またはケブラー等の高強度ポリマーフィラメントが、使用され得る。
【0066】
本明細書に開示される操向可能シースの任意の例では、(
図11におけるもの等の)編組層が、任意の数の異なる材料から作製され得る。例えば、捻じれを回避するために、ステンレス鋼またはニチノール等の丸みを帯びた、または平坦な金属ワイヤが、使用されることができる。代替えとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高強度モノフィラメントポリマー、またはケブラーおよびVectran等のマルチフィラメントが、非磁性であるために使用されることができる。
【0067】
本明細書に開示される操向可能シースの任意の例では、シースは、任意の直径または長さを有し得る。例えば、8.5~15.5フレンチの範囲に及ぶシースが、使用され得る。同様に、近位曲線および遠位曲線の曲率半径は、特定の手技または解剖学的構造のために必要とされる、任意の半径であり得る。
【0068】
本明細書に開示される操向可能シースの任意の例では、アクチュエータのうちのいずれも、オペレータに、どのアクチュエータがどの曲線のどの方向を制御するかを示すための印刷、マーキング、色等の印を含み得る。
【0069】
本明細書に開示される操向可能シースの任意の例では、操向可能シースの細長いシャフトの近位部分および遠位部分は、任意の所望の長さを有し得、それは、実施されている手技または解剖学的構造に基づき得る。例えば、操向可能シースの遠位部分は、遠位曲線が形成される遠位部分を有し得、遠位部分は、細長いシャフトの最遠位の2~4センチメートルであり得る。同様に、近位曲線が形成される細長いシャフトの中間部分は、遠位部分の近位にある細長いシャフトの次の4~10センチメートルであり得る。
(注記および実施例)
【0070】
以下の非限定的な実施例は、とりわけ、課題を解決し、本明細書に議論される恩恵を提供するために、本主題のある側面を詳述する。
【0071】
実施例1は、操向可能シースであり、操向可能シースは、近位部分と、遠位部分と、近位部分と遠位部分との間に配置された中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延びている管腔とを備えている細長いシャフトと、近位端と遠位端とを有する第1のプルワイヤであって、細長いシャフトに沿って延びている第1のプルワイヤと、近位端と遠位端とを有する第2のプルワイヤであって、細長いシャフトに沿って延びている第2のプルワイヤと、細長いシャフトの近位部分と結合されたハンドルと、ハンドル上に配置された第1のアクチュエータと、ハンドル上に配置された第2のアクチュエータとを備え、第1のプルワイヤの遠位端は、細長いシャフトの中間部分に結合され、第1のプルワイヤの近位端は、第1のアクチュエータに結合され、第2のプルワイヤの遠位端は、細長いシャフトの遠位部分に結合され、第2のプルワイヤの近位端は、第2のアクチュエータに結合され、第1の方向における第1のアクチュエータの作動は、第1のプルワイヤを引っ張り、第1の平面内で、細長いシャフトの中間部分に沿った、第1の弧状方向に近位曲線を形成し、第1の方向の反対の第2の方向における第1のアクチュエータの作動は、第1のプルワイヤの張力を解放し、近位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にし、第1の方向における第2のアクチュエータの作動は、第2のプルワイヤを引っ張り、第2の平面内で、細長いシャフトの遠位部分に沿った、第1の湾曲方向に遠位曲線を形成し、第2のアクチュエータの第1の方向の反対の第2の方向における第2のアクチュエータの作動は、第2のプルワイヤの張力を解放し、遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする。
【0072】
実施例2は、第2の平面が、第1の平面に対して横向きである実施例1に記載のシースである。
【0073】
実施例3は、第1のアクチュエータに結合されたプッシャーロッドをさらに備え、第1の方向における第1のアクチュエータの作動は、プッシャーロッドを第2のアクチュエータと係合させ、第2のアクチュエータを第1のアクチュエータと連携して移動させ、それによって、第2のプルワイヤの緩みを防止する、実施例1-2のいずれかに記載のシースである。
【0074】
実施例4は、近位端と遠位端とを有する第3のプルワイヤをさらに備え、第3のプルワイヤは、細長いシャフトに沿って延び、第3のプルワイヤの遠位端は、第1のプルワイヤの反対の位置において、細長いシャフトの中間部分に結合され、第3のプルワイヤの近位端は、第1のアクチュエータに結合され、第1の方向の反対の第2の方向における第1のアクチュエータの作動は、近位曲線が、細長いシャフトの中間部分に沿って、かつ第1の平面内で第1の弧状方向に対して反対方向に湾曲するように、第3のプルワイヤを引っ張る、実施例1-3のいずれかに記載のシースである。
【0075】
実施例5は、第4のプルワイヤと第3のアクチュエータとをさらに備え、第3のアクチュエータは、ハンドル上に配置され、第4のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、細長いシャフトに沿って延び、第4のプルワイヤの遠位端は、第2のプルワイヤの反対の位置において細長いシャフトの遠位部分に結合され、第4のプルワイヤの近位端は、第3のアクチュエータに結合され、第1の方向における第3のアクチュエータの作動は、遠位曲線が、細長いシャフトの遠位部分に沿って、かつ第2の平面内で第1の湾曲方向に対して反対方向に湾曲するように、第4のプルワイヤを引っ張り、第3のアクチュエータの第1の方向と反対の第2の方向における第3のアクチュエータの作動は、第4のプルワイヤの張力を解放し、遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする実施例1-4のいずれかに記載のシースである。
【0076】
実施例6は、第5のプルワイヤと第4のアクチュエータとをさらに備え、第4のアクチュエータは、ハンドル上に配置され、第5のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、細長いシャフトに沿って延び、第5のプルワイヤの遠位端は、第2および第4のプルワイヤから円周方向にオフセットされた位置において細長いシャフトの遠位部分に結合され、第5のプルワイヤの近位端は、第4のアクチュエータに結合され、第1の方向における第4のアクチュエータの作動は、遠位曲線が、細長いシャフトの遠位部分に沿って、かつ第1の平面内で第2の湾曲方向に湾曲するように、第5のプルワイヤを引っ張り、第4のアクチュエータの第1の方向と反対の第2の方向における第4のアクチュエータの作動は、第5のプルワイヤの張力を解放し、遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする実施例1-5のいずれかに記載のシースである。
【0077】
実施例7は、第6のプルワイヤと第5のアクチュエータとをさらに備え、第5のアクチュエータは、ハンドル上に配置され、第6のプルワイヤは、近位端と遠位端とを有し、細長いシャフトに沿って延び、第6のプルワイヤの遠位端は、第5のプルワイヤの反対の位置において細長いシャフトの遠位部分に結合され、第6のプルワイヤの近位端は、第5のアクチュエータに結合され、第1の方向における第5のアクチュエータの作動は、遠位曲線が、細長いシャフトの遠位部分に沿って、かつ第1の平面内で第2の湾曲方向に対して反対方向に湾曲するように、第6のプルワイヤを引っ張り、第5のアクチュエータの第1の方向と反対の第2の方向における第5のアクチュエータの作動は、第6のプルワイヤの張力を解放し、遠位曲線が付勢されていない構成に戻ることを可能にする実施例1-6のいずれかに記載のシースである。
【0078】
実施例8は、第2のアクチュエータ、第3のアクチュエータ、第4のアクチュエータ、または第5のアクチュエータが、スライダを備えている、実施例1-7のいずれかに記載のシースである。
【0079】
実施例9は、第2のアクチュエータ、第3のアクチュエータ、第4のアクチュエータ、または第5のアクチュエータは、それらのスライド可能な移動を防止するための係止部を備えている、実施例1-9のいずれかに記載のシースである。
【0080】
実施例10は、近位曲線が、ある曲率半径を有し、遠位曲線が、近位曲線の曲率半径より小さい曲率半径を有するか、または、近位曲線が、遠位曲線の曲率半径より小さい曲率半径を有する実施例1-9のいずれかに記載のシースである。
【0081】
実施例11は、第1のアクチュエータが、ねじ山付きシャトルとねじ式で係合される回転可能なホイールを備え、回転可能なホイールの回転が、シャトルの線形運動に変換される、実施例1-10のいずれかに記載のシースである。
【0082】
実施例12は、近位曲線または遠位曲線の形状の変化に伴ってアクチュエータ要素の作動を識別するように構成されている第1のアクチュエータまたは第2のアクチュエータ上の印またはインジケータをさらに備えている、実施例1-11のいずれかに記載のシースである。
【0083】
実施例13は、細長いシャフトの管腔内に配置された拡張器をさらに備え、拡張器は、近位端と、遠位端と、それらの間に配置された中央部分とを備え、中央部分は、拡張器の近位端または遠位端より可撓性であり、それによって、細長いシャフトの操向を促進する、実施例1-12のいずれかに記載のシースである。
【0084】
実施例14は、遠位曲線が、細長いシャフトを第2の平面内で湾曲させる第1の遠位曲線と、細長いシャフトを第1の平面に対して横向きの第3の平面内で湾曲させる第2の遠位曲線とを備え、それによって、無限に通行可能なシースを形成する、実施例1-13のいずれかに記載のシースである。
【0085】
実施例15は、シースを操向する方法であり、方法は、近位部分と、遠位部分と、近位部分と遠位部分との間に配置された中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延びている管腔とを有する細長いシャフトを提供することと、細長いシャフトの近位部分に結合されたハンドル上に配置された第1のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、中間部分に結合された第1のプルワイヤを引っ張ることと、中間部分において第1の平面内で近位曲線を形成することと、ハンドル上に配置された第2のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、遠位部分に結合された第2のプルワイヤを引っ張ることと、遠位部分において第2の平面内で遠位曲線を形成することとを含む。
【0086】
実施例16は、第1のアクチュエータを作動させることが、回転可能なホイールを回転させることを含む、実施例15に記載の方法である。
【0087】
実施例17は、第2のアクチュエータを作動させることが、スライダをスライドさせることを含む、実施例15-16のいずれかに記載の方法である。
【0088】
実施例18は、第1の平面が、第2の平面に対して横向きである実施例15-17のいずれかに記載の方法である。
【0089】
実施例19は、遠位曲線が、ある曲率半径を有し、近位曲線が、遠位曲線の曲率半径より大きい曲率半径を有する、実施例15-18のいずれかに記載の方法である。
【0090】
実施例20は、第1のアクチュエータを第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、第1のプルワイヤ上の張力を解放し、中間部分に結合された第3のプルワイヤを引っ張り、中間部分において反対方向に、第1の平面内で近位曲線を再形成することをさらに含む、実施例15-19のいずれかに記載の方法である。
【0091】
実施例21は、ハンドル上に配置された第3のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、遠位部分に結合された第4のプルワイヤを引っ張り、遠位部分において反対方向に、第2の平面内で遠位曲線を再形成することをさらに含む、実施例15-20のいずれかに記載の方法である。
【0092】
実施例22は、ハンドル上に配置された第4のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、遠位部分に結合された第5のプルワイヤを引っ張り、遠位部分において第1の平面内で遠位曲線を再形成することをさらに含む、実施例15-21のいずれかに記載の方法である。
【0093】
実施例23は、ハンドル上に配置された第5のアクチュエータを第1の方向に作動させ、それによって、遠位部分に結合された第6のプルワイヤを引っ張り、遠位部分において反対方向に、第1の平面内で遠位曲線を再形成することをさらに含む、実施例15-22のいずれかに記載の方法である。
【0094】
実施例24は、係止部を用いて、第2のアクチュエータを定位置に係止することをさらに含む、実施例15-23のいずれかに記載の方法である。
【0095】
実施例25は、拡張器を管腔の中にスライド可能に挿入することをさらに備え、拡張器は、近位端と、遠位端と、それらの間に配置された中央部分とを備え、中央部分は、近位端または遠位端より可撓性である、実施例15-24のいずれかに記載の方法である。
【0096】
実施例26は、第1のアクチュエータを作動させることが、第1のアクチュエータに結合されたロッドを移動させる、ロッドを第2のアクチュエータと係合させ、それによって、第2のアクチュエータを第1のアクチュエータと連携して移動させ、第2のプルワイヤの緩みを防止することを含む、実施例15-25のいずれかに記載の方法である。
【0097】
実施例27は、第1のアクチュエータを第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、第1のプルワイヤの張力を解放することと、近位曲線を付勢されていない位置に戻すこととをさらに含む、実施例15-26のいずれかに記載の方法である。
【0098】
実施例28は、第2のアクチュエータを第1の方向の反対の第2の方向に作動させ、それによって、第2のプルワイヤの張力を解放し、遠位曲線を付勢されていない位置に戻すことをさらに含む、実施例15-27のいずれかに記載の方法である。
【0099】
実施例29は、第2の平面に対して横向きの第3の平面内に配置された第2の遠位曲線を遠位曲線と同時に形成し、それによって、細長いシャフトの無限の通行を可能にすることをさらに含む、実施例15-28のいずれかに記載の方法である。
【0100】
実施例30では、実施例1-29のうちのいずれか1つまたはそれらの任意の組み合わせに記載の装置または方法は、随意に、列挙される要素または選択肢全てが、使用または選択するために利用可能であるように構成されることができる。
【0101】
上記の詳述される実施形態は、本詳細な説明の一部を形成する、付随の図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では、「例」とも称される。そのような例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含み得る。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明される要素のみが提供される、例を考慮している。また、本発明者らはまた、本明細書に示される、または説明される、特定の例(またはそれらの1つ以上の側面)に関するか、または他の例(またはそれらの1つ以上の側面)に関するかのいずれかの示される、または説明されるそれらの要素(またはそれらの1つ以上の側面)の任意の組み合わせまたは並び替えを使用する例も考慮している。
【0102】
参照することによってそのように組み込まれる、本書と任意の文書との間に矛盾する使用法が生じた場合、本書での使用法が、優先される。
【0103】
本書では、用語「a」または「an」が、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」の任意の他の事例または使用法から独立して、「1つ」または「1つを上回る」を含むように使用される。本書では、用語「または(or)」は、別様に示されない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」と、「AではなくB」と、「AおよびB」とを含むように、「非排他的または」を指すために使用される。本書では、用語「~を含む(including)」および「その中で(in which)」は、それぞれの用語「~を備えている(comprising)」および「その中で(wherein)」の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、用語「~を含む(including)」および「~を備えている(comprising)」は、非制約的であり、すなわち、請求項内でそのような用語の後に列挙されるものに加えて、要素を含む、システム、デバイス、物品、組成、形成、またはプロセスも、依然として、その請求項の範囲内にあると見なされる。また、以下の請求項では、用語「第1」、「第2」、および「第3」等は、標識として使用されるにすぎず、それらの目的に数値要件を課すことを意図していない。
【0104】
上記の説明は、例証的であり、制限的ではないことを意図している。例えば、上記に説明される例(またはそれらの1つ以上の側面)は、互いにの組み合わせにおいて使用され得る。他の実施形態も、上記の説明の精査に応じて、当業者等によって使用されることができる。要約が、読者が本技術的開示の本質を迅速に確認することを可能にするために提供される。それが、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないであろうという理解を伴って思量されたい。また、上記の詳細な説明では、種々の特徴は、本開示を簡潔にするために、ともに群化されている場合がある。これは、請求されていない開示された特徴がいずれの請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものにあり得る。したがって、以下の請求項は、本明細書では、例または実施形態として詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立し、そのような実施形態が、種々の組み合わせまたは並び替えにおいて互いに組み合わせられ得ることが考慮される。本発明の範囲は、そのような請求項が享有する均等物の全範囲とともに、添付される請求項を参照して決定されるべきである。
【国際調査報告】