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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】中継器及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/155 20060101AFI20221017BHJP
   H04B 3/04 20060101ALI20221017BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H04B7/155
H04B3/04
H04B1/04 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507812
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2020010754
(87)【国際公開番号】W WO2021029699
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0099120
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522050295
【氏名又は名称】ヒューナジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ナックウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョングァン
【テーマコード(参考)】
5K046
5K060
5K072
【Fターム(参考)】
5K046EE51
5K060BB05
5K060CC04
5K060CC13
5K060DD04
5K060EE05
5K060HH32
5K060JJ21
5K060KK06
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB13
5K072BB27
5K072CC15
5K072DD16
5K072DD17
5K072GG02
5K072GG03
5K072GG09
5K072GG12
5K072GG13
5K072GG14
(57)【要約】
中継器及びその動作方法を提供する。
【課題】 TDD(Time Division Duplex)方式で動作する中継器の動作方法は、受信信号から同期信号を検出する段階と、検出された同期信号に基づいて通信期間の種類を判断する段階と、判断された通信期間の種類に基づいて信号線形化器の動作を制御する段階と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TDD(Time Division Duplex)方式で動作する中継器の動作方法において、
受信信号から同期信号を検出する段階と、
検出された同期信号に基づいて、通信期間の種類を判断する段階と、
判断された通信期間の種類に基づいて、信号線形化器の動作を制御する段階と、を含む、中継器の動作方法。
【請求項2】
前記通信期間の種類を判断する段階は、
前記同期信号に基づいて、前記通信期間の種類がダウンリンク通信期間であるかどうかを判断する、請求項1に記載の中継器の動作方法。
【請求項3】
前記信号線形化器の動作を制御する段階は、
前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間である場合に、前記信号線形化器の少なくとも一部の動作を活性化させる、請求項2に記載の中継器の動作方法。
【請求項4】
前記信号線形化器の動作を制御する段階は、
前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の少なくとも一部の動作を非活性化させる、請求項2に記載の中継器の動作方法。
【請求項5】
前記信号線形化器の動作は、
前記受信信号について、デジタル前置歪み(Digital Pre-Distortion(DPD))を行う動作である、請求項2に記載の中継器の動作方法。
【請求項6】
前記信号線形化器の動作を制御する段階は、
前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の前記デジタル前置歪みを行うための係数演算動作または係数アップデート動作を中止させる、請求項5に記載の中継器の動作方法。
【請求項7】
前記信号線形化器の動作は、
前記受信信号について、適応的前置歪み(Adaptive Pre-Distortion;APD)を行う動作である、請求項2に記載の中継器の動作方法。
【請求項8】
前記信号線形化器の動作を制御する段階は、
前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の前記適応的前置歪みを行うための係数演算動作または係数アップデート動作を中止させる、請求項7に記載の中継器の動作方法。
【請求項9】
前記中継器の動作方法は、
前記受信信号のサイズ変化が基準値を超える場合に、初期設定された係数値を用いて係数を設定する、請求項8に記載の中継器の動作方法。
【請求項10】
前記初期設定された係数値は、
ルックアップテーブルの形態に保存される、請求項9に記載の中継器の動作方法。
【請求項11】
TDD(Time Division Duplex)方式で動作する中継器において、
受信信号から同期信号を検出する同期検出器と、
検出された同期信号に基づいて通信期間の種類を判断し、判断された通信期間の種類に基づいて制御信号を生成するコントローラと、
生成された前記制御信号に基づいて、前記受信信号の線形化動作を制御する信号線形化器と、を備える、中継器。
【請求項12】
前記信号線形化器は、
前記通信期間の種類がダウンリンク通信期間である場合に、少なくとも一部が活性化され、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、少なくとも一部が非活性化される、請求項11に記載の中継器。
【請求項13】
前記信号線形化器は、
前記受信信号について、デジタル前置歪み(Digital Pre-Distortion(DPD))を行う、請求項11に記載の中継器。
【請求項14】
前記信号線形化器は、
前記受信信号について、適応的前置歪み(Adaptive Pre-Distortion(APD))を行う、請求項11に記載の中継器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継器及びその動作方法に係り、さらに詳細には、同期信号に基づいて判断された通信期間の種類によって、信号線形化器の少なくとも一部の動作を制御することができる中継器及びその動作方法に関する。
【0002】
本発明は、民軍協力振興院の「TICN無線網で干渉信号除去技術を使った同一周波数再伝送方式の高出力、高効率、低遅延、デュアルモード(WiBro及びTD-LTE)のセルカバレッジ拡張装置の開発事業(民軍課題番号UM17408RD4)」の実行結果による発明である。
【背景技術】
【0003】
通信装備の主要構成である電力増幅器の効率改善のための線形化技術には、DPD(Digital Pre-Distortion)方式と、RFPAL(RF Power Amplifier Linearizer)を用いたAPD(Adaptive Pre-Distortion)方式が主に使われている。
【0004】
5G通信では、既存の3G通信、4G通信でより、伝送される通信信号の歪みがさらに激しいため、線形化装置の性能劣化が発生し、これによる通信装備の全体的な性能低下が問題になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、同期信号に基づいて判断された通信期間の種類によって、信号線形化器の少なくとも一部の動作を制御することができる中継器及びその動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によるTDD(Time Division Duplex)方式で動作する中継器の動作方法は、受信信号から同期信号を検出する段階と、検出された同期信号に基づいて通信期間の種類を判断する段階と、判断された通信期間の種類に基づいて信号線形化器の動作を制御する段階と、を含む。
【0007】
実施形態によって、前記通信期間の種類を判断する段階は、前記同期信号に基づいて、前記通信期間の種類がダウンリンク通信期間であるかどうかを判断する。
【0008】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作を制御する段階は、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間である場合に、前記信号線形化器の少なくとも一部の動作を活性化させる。
【0009】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作を制御する段階は、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の動作を少なくとも一部非活性化させる。
【0010】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作は、前記受信信号について、デジタル前置歪み(Digital Pre-Distortion;DPD)を行う動作である。
【0011】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作を制御する段階は、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の前記デジタル前置歪みを行うための係数演算動作または係数アップデート動作を中止させる。
【0012】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作は、前記受信信号について、適応的前置歪み(Adaptive Pre-Distortion;APD)を行う動作である。
【0013】
実施形態によって、前記信号線形化器の動作を制御する段階は、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、前記信号線形化器の前記適応的前置歪みを行うための演算動作または係数アップデート動作を中止させる。
【0014】
実施形態によって、前記中継器の動作方法は、前記受信信号のサイズ変化が基準値を超える場合に、初期設定された係数値を用いて係数を設定する。
【0015】
実施形態によって、前記初期設定された係数値は、ルックアップテーブルの形態に保存される。
【0016】
本発明の実施形態によるTDD方式で動作する中継器は、受信信号から同期信号を検出する同期検出器と、検出された同期信号に基づいて通信期間の種類を判断し、判断された通信期間の種類に基づいて制御信号を生成するコントローラと、生成された前記制御信号に基づいて前記受信信号の線形化動作を制御する信号線形化器と、を備える。
【0017】
実施形態によって、前記信号線形化器は、前記通信期間の種類がダウンリンク通信期間である場合に、少なくとも一部が活性化され、前記通信期間の種類が前記ダウンリンク通信期間ではない場合に、少なくとも一部が非活性化される。
【0018】
実施形態によって、前記信号線形化器は、前記受信信号について、DPDを行う。
【0019】
実施形態によって、前記信号線形化器は、前記受信信号について、APDを行う。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態による方法及び装置は、同期信号に基づいて判断された通信期間の種類によって信号線形化器の少なくとも一部の動作を制御することで、信号線形化器の不要な演算過程を低減させながらも、速い速度でアップリングク通信とダウンリンク通信とが転換されるTDD(Time Division Duplex)通信システムでの信号線形化の安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。
図2図1に示されている中継器の一実施形態によるブロック図である。
図3図2に示されているデジタル信号プロセッサの一実施形態によるブロック図である。
図4】TDD基盤の干渉除去中継器でのアップリンク通信及びダウンリンク通信のタイミングを示す図面である。
図5図2に示されている出力線形化器及び増幅器の一実施形態によるブロック図である。
図6図5に示されている信号線形化器の一実施形態によるブロック図である。
図7図6の係数ルックアップテーブルの一実施形態を示す図面である。
図8】本発明の一実施形態による中継器の動作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0023】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0024】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」か、または「接続する」などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0025】
また、本明細書に記載の「~部」、「~器」、「~子」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現され、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリと結合される形態で具現されてもよい。
【0026】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する二つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に二つ以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。
【0028】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による通信システム10は、基地局100、無線通信端末器200、及び中継器300を備える。
【0029】
無線通信端末器200は、多様な移動通信標準によって無線通信を行える装置を意味し、その形態は多様に変形される。
【0030】
中継器300は、基地局100と無線通信端末器200との通信を中継する。
【0031】
実施形態によって、中継器300は、GSM(global system for mobile communication)またはCDMA(code division multiple access)などの2G移動通信網、WCDMA(wideband code division multiple access)またはCDMA2000などの3G移動通信網、HSDPA(high speed downlink packet access)またはHSUPA(high speed uplink packet access)などの3.5G移動通信網、LTE(long term evolution)またはLTE-Advancedなどの4G移動通信網、5G移動通信網(NSA(Non-Stand Alone)またはSA(Stand Alone))、6G移動通信網、または以後世代の移動通信網、またはこれらの組み合わせなどで構成された通信網で通信信号を中継する。
【0032】
中継器300は、基地局100から伝送された通信信号(例えば、基地局信号)を、第1アンテナANT1を通じて受信し、受信された通信信号(例えば、基地局信号)を、第2アンテナANT2を通じて無線通信端末器200に中継する。
【0033】
実施形態によって、通信信号は、無線通信信号(例えば、RF(Radio Frequency)信号)である。
【0034】
第1アンテナANT1は、ドナーアンテナと呼ばれ、第2アンテナANT2は、サービスアンテナまたはカバレージアンテナと呼ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
実施形態によって、中継器300は、ICS(Interference Cancellation System)中継器として具現される。
【0036】
図1では、説明の便宜のために、中継器300が一つの基地局100と一つの無線通信端末器200との通信を中継すると示されているが、中継器300は、複数の基地局と複数の無線通信端末器との通信を中継してもよい。他の実施形態によって、中継器300は、基地局100と他の中継器(図示せず)との通信を中継してもよい。
【0037】
中継器300の詳細な構造及び動作については、図2を参照して詳細に説明される。
【0038】
図2は、図1に示されている中継器300の一実施形態によるブロック図である。
【0039】
図1及び図2を参照すれば、中継器300は、RF受信器310、入力減衰調節ユニット320、アナログ・デジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter;ADC)330、デジタル信号プロセッサ340、入力測定ユニット350、自動レベル制御器360、デジタル・アナログコンバータ(Digital-to-Analog Converter;DAC)370、出力利得調節ユニット380、出力線形化器及び増幅器390を備える。
【0040】
RF受信器310は、第1アンテナANT1を通じて受信された受信信号のノイズを除去し、ノイズ除去された受信信号を周波数下向き変換して出力する。
【0041】
実施形態によって、RF受信器310は、受信信号からサービス信号帯域のみを通過させるための帯域通過フィルタ(Band Pass Filter;BPF)、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier;LNA)、RF周波数帯域の受信信号を中間周波数(Intermediate Frequency;IF)帯域の信号に変化するための周波数下向き変換器、及び中間周波数帯域の信号を基底帯域信号に変換するための周波数下向き変換器などを備える。
【0042】
入力減衰調節ユニット320は、RF受信器310によって処理されて出力された受信信号を受信し、自動レベル制御器360の制御によって受信信号のサイズを、ADC 330の飽和レベルを超過しないように調節する。
【0043】
ADC 330は、入力減衰調節ユニット320によってサイズが調節された受信信号、すなわち、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0044】
デジタル信号プロセッサ340は、ADC 330によって変換されて出力されたデジタル信号に含まれている干渉信号をフィルタリングして出力する。実施形態によって、デジタル信号プロセッサ340は、DPD(Digital Pre-Distortion)動作、CFR(Crest Factor Reduction)動作などを行ってもよい。
【0045】
実施形態によって、デジタル信号プロセッサ340は、出力線形化器及び増幅器390から出力された信号をフィードバックされ、フィードバックされた信号をDPD動作またはCFR動作に使ってもよい。
【0046】
実施形態によって、デジタル信号プロセッサ340でDPD動作を行う場合、このための例示的な構成及び動作については、図3を参照して後述する。
【0047】
入力測定ユニット350は、デジタル信号プロセッサ340によって処理された入力信号のピークパワーを基準時間区間の途中で測定し、測定されたピークパワー値を自動レベル制御器360に出力する。
【0048】
実施形態によって、入力測定ユニット350は、入力信号のサイズによって前記基準時間区間の長さ、すなわち、入力信号のピークパワー測定周期を調節する。例えば、入力測定ユニット350は、入力信号のサイズが相対的に大きい場合、前記基準時間区間の長さを長め、入力信号のサイズが相対的に小さな場合、前記基準時間区間の長さを縮める。
【0049】
自動レベル制御器360は、入力測定ユニット350によって測定された入力信号のピークパワー値に基づいて、自動レベル制御(Auto Level Control;ALC)動作を行う。実施形態によって、自動レベル制御器360は、入力信号のピークパワーが基準値を超過した場合、入力信号のピーク値を次の基準時間区間の途中で制限するために、入力減衰調節ユニット320の減衰比及び出力利得制御ユニット380の利得を制御してもよい。
【0050】
DAC 370は、デジタル信号プロセッサ340によって処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0051】
出力利得制御ユニット380は、DAC 370によって変換されて出力された受信信号を受信し、自動レベル制御器360の制御によって、減衰制御ユニット320によって減衰された受信信号のサイズを補償する。
【0052】
出力線形化器及び増幅器390は、出力利得制御ユニット380によってそのサイズが補償された受信信号を増幅し、増幅される受信信号を線形化して出力する。実施形態によって、出力線形化器及び増幅器390は、増幅された信号をフィルタリングするためのフィルタをさらに備えてもよい。
【0053】
出力線形化器及び増幅器390の詳細な構造及び動作については、図5ないし図7を参照して詳細に説明される。
【0054】
図3は、図2に示されているデジタル信号プロセッサの一実施形態によるブロック図である。図4は、TDD基盤の干渉除去中継器でのアップリンク通信及びダウンリンク通信のタイミングを示す図面である。
【0055】
図2及び図3を参照すれば、デジタル信号プロセッサ340は、スケーラ342、DPD信号生成器344、信号加算器346、同期検出器347、及びコントローラ348を備える。
【0056】
図3では、説明の便宜のために、デジタル信号プロセッサ340でDPD動作を行うための例示的な構成のみを示したが、デジタル信号プロセッサ340には多様な構成がさらに備えられてもよい。
【0057】
スケーラ342は、ADC 330から伝送された受信信号と、出力線形化器及び増幅器390からフィードバックされた歪まれた信号とのスケール差を補償するためのスケーリング動作を行う。スケーラ342は、スケーリングされた受信信号を出力する。
【0058】
DPD信号生成器344は、ADC 330から伝送された受信信号と、出力線形化器及び増幅器390からフィードバックされた歪まれた信号に基づいて、DPD処理のためのDPD信号を生成する。
【0059】
実施形態によって、DPD信号生成器344は、メモリ(図示せず)に予め保存されているルックアップテーブル(LUT)に保存されている係数値を用いて、受信信号に相応するDPD信号を生成してもよい。
【0060】
他の実施形態によって、DPD信号生成器344は、受信信号と、フィードバックされた歪まれた信号に基づいて、DPD信号の生成に用いられる係数値を演算してもよい。
【0061】
信号加算器346は、スケーリングされた受信信号とDPD信号とを結合して、DPD処理された信号をDAC 370側に出力する。
【0062】
スケーラ342、DPD信号生成器344、及び信号加算器346は、デジタルドメインで信号を線形化するための信号線形化器341の一例であり、その構成は多様に変形される。
【0063】
実施形態によって、信号線形化器341は、デジタル前置歪みを行ってもよい。
【0064】
同期検出器347は、受信信号から同期信号を検出する。
【0065】
同期検出器347が同期信号を検出する方式は、多様に具現することができる。
【0066】
実施形態によって、同期検出器347は、受信信号からPSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、SS(Synchronization Signal)/PBCH(Physical Broadcast Channel)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、及びCP(Cyclic Prefix)のうち少なくともいずれか一つを検出することで、同期信号を検出する。
【0067】
コントローラ348は、同期検出器347によって検出された同期信号に基づいて、通信期間の種類を判断する。
【0068】
図4を共に参照すれば、コントローラ348は、検出された同期信号(例えば、SYNC1またはSYNC2)に基づいて、受信信号内のフレーム境界(該フレームの開始点または終了点)を判断する。
【0069】
また、コントローラ348は、検出されたフレーム境界に関する情報と、受信信号のTDDパターン情報(例えば、UL-DL configuration情報など)を用いて、通信期間がダウンリンク通信期間(例えば、DL1またはDL2)であるか、アップリンク通信期間(例えば、UL1またはUL2)であるかを判断する。
【0070】
実施形態によって、コントローラ348は、ダウンリンク通信期間(例えば、DL1)とアップリンク通信期間(例えば、UL1)との間の区間を、ガード期間(例えば、GP1)と判断し、アップリンク通信期間(例えば、UL1)とダウンリンク通信期間(例えば、DL2)との間の区間を、アップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ(例えば、TG1)と判断してもよい。他の実施形態によって、コントローラ348は、前記と逆に判断してもよい。
【0071】
図3に戻って、コントローラ348は、判断された通信期間の種類に基づいて、通信期間の種類がダウンリンク通信期間であるかどうかを判断し、判断結果によって制御信号を生成する。
【0072】
実施形態によって、コントローラ348は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間である場合に、信号線形化器341の少なくとも一部(例えば、スケーラ342またはDPD信号生成器344)の動作を活性化させてもよい。
【0073】
実施形態によって、コントローラ348は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間ではない場合(例えば、アップリンク通信期間、ガード期間、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間など)に、信号線形化器341の少なくとも一部(例えば、スケーラ342またはDPD信号生成器344)の動作を非活性化(または中止)させてもよい。
【0074】
実施形態によって、コントローラ348は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間ではない場合(例えば、アップリンク通信期間、ガード期間、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間など)に、信号線形化器341でDPD信号を生成するために係数を演算する動作または係数をアップデートする動作を非活性化(または中止)させてもよい。
【0075】
実施形態によって、同期検出器347は、デジタル信号プロセッサ340の外部に別途に具現されることもある。
【0076】
図5は、図2に示されている出力線形化器及び増幅器の一実施形態によるブロック図である。図6は、図5に示されている信号線形化器の一実施形態によるブロック図である。図7は、図6の係数ルックアップテーブルの一実施形態を示す図面である。
【0077】
図2及び図5を参照すれば、出力線形化器及び増幅器390は、入力カプラ392、ディレー回路394、補正ユニット396、増幅器398、フィードバック・カプラ400、同期検出器402、コントローラ404、及び信号線形化器410を備える。
【0078】
入力カプラ392は、出力利得制御ユニット380から出力されて入力された入力RF信号RF_INをカップリングして、ディレー回路394及び信号線形化器410に伝送する。
【0079】
ディレー回路394は、信号線形化器410で信号線形化のための演算を行うときに必要な時間ほど、ディレー回路394に入力された入力RF信号を遅延させて出力する。
【0080】
補正ユニット396は、信号線形化器410から出力された補正RF信号RF_CRに基づいて、ディレー394によって遅延された入力RF信号が線形化されるように補正する。
【0081】
増幅器398は、補正ユニット396によって補正された入力RF信号を増幅して出力する。
【0082】
フィードバック・カプラ400は、増幅器398によって増幅された入力RF信号をカップリングして、一側には、第2アンテナANT2を通じて無線通信端末器300に伝送し、他側には、信号線形化器410にフィードバックする。すなわち、入力RF信号RF_INに相応してフィードバック・カプラ400によってフィードバックされたフィードバックRF信号RF_FBは、入力RF信号RF_INと共に信号線形化器410に入力される。
【0083】
同期検出器402は、受信信号から同期信号を検出する。図3の同期検出器347と実質的に同じ機能を行ってもよい。
【0084】
実施形態によって、同期検出器402は、出力線形化器及び増幅器390の外部に別途に具現されてもよい。
【0085】
コントローラ404は、同期検出器402によって検出された同期信号に基づいて、通信期間の種類を判断する。コントローラ404は、判断された通信期間の種類に基づいて、信号線形化器410の動作を制御するための制御信号を生成する。
【0086】
実施形態によって、コントローラ404は、図3のコントローラ348と制御対象が異なるという点を除いては、実質的に同じ動作を行ってもよい。
【0087】
実施形態によって、コントローラ404は、出力線形化器及び増幅器390の外部に別途に具現されるか、または、デジタル信号プロセッサ(図2の340)の一機能として具現されてもよい。
【0088】
信号線形化器410は、入力された入力RF信号RF_IN及びフィードバックRF信号RF_FBに基づいて、補正RF信号RF_CRを生成する。
【0089】
実施形態によって、信号線形化器410は、コントローラ404によって生成された制御信号に基づいて、線形化動作が制御される。
【0090】
実施形態によって、信号線形化器410は、出力線形化器及び増幅器390ではない他の位置に配置されて具現されてもよい。
【0091】
図6を共に参照すれば、信号線形化器410は、入力パワー測定ユニット412、プロセッサ414、係数LUT 416、係数演算器418、係数選択器420、及び補正信号生成器422を備える。
【0092】
入力パワー測定ユニット412は、入力RF信号のパワー、すなわち、入力RF信号RF_INのサイズを測定する。入力パワー測定ユニット412は、測定された入力RF信号RF_INのサイズをプロセッサ414に伝送する。
【0093】
プロセッサ414は、入力パワー測定ユニット412から伝送された入力RF信号RF_INのサイズに基づいて、単位時間内の入力RF信号RF_INのサイズ変化値と基準値とを比べる。
【0094】
プロセッサ414は、単位時間内の入力RF信号RF_INのサイズ変化値が基準値を超えるかどうかによって、信号線形化に使われる係数を出力するモードを選択する。
【0095】
実施形態によって、プロセッサ414は、単位時間内の入力RF信号RF_INのサイズ変化値が基準値を超える場合、係数LUT 416から第1線形化係数CE1を読み取り、読み取った第1線形化係数CE1を出力してもよい。
係数LUT 416は、入力RF信号RF_INのサイズによる第1線形化係数の集合を含む。この時、係数LUT 416に保存されている第1線形化係数は、初期設定された係数値でもある。
【0096】
図7を共に参照すれば、係数LUT 416は、入力RF信号RF_INのサイズ別の第1線形化係数を表の形態に保存する。例えば、入力RF信号RF_INのサイズが最大(maximum)である時、第1線形化係数は「a」と設定され、入力RF信号RF_INのサイズが最小(minimum)である時、第1線形化係数は「z」と設定される。
【0097】
図6に戻って、他の実施形態によって、係数LUT 416は、他のパラメータ(例えば、温度など)による第1線形化係数の集合を備えてもよい。この場合、入力パワー測定ユニット412は省略される。
【0098】
係数演算器418は、入力カプラ392から伝送された入力RF信号RF_INと、フィードバック・カプラ400から伝送されたフィードバックRF信号RF_FBとを共に受信する。係数演算器418は、受信された入力RF信号RF_INとフィードバックRF信号RF_FBとを比べ、比較結果によって第2線形化係数CE2を生成する。
【0099】
実施形態によって、係数演算器418で第2線形化係数CE2が生成された場合、プロセッサ414は、入力RF信号RF_INのサイズ及び第2線形化係数CE2を用いて、係数LUT 416の第1線形化係数CE1をアップデートしてもよい。例えば、係数LUT 416に入力RF信号RF_INのサイズ「A」に相応して保存された第1線形化係数CE1が「a」であり、同じ入力RF信号RF_INのサイズ「A」について係数演算器418によって演算された第2線形化係数CE2が「a1」である場合、係数LUT 416に保存された値である「a」は、「a1」にアップデートされる。
【0100】
係数選択器420は、プロセッサ414から伝送された選択信号SELに基づいて、係数LUT 416から獲得されてプロセッサ414から出力された第1線形化係数CE1と、係数演算器418の演算結果によって生成された第2線形化係数CE2のうちいずれか一つを選択して、補正信号生成器422に出力する。
【0101】
実施形態によって、係数選択器420は、プロセッサ414の内に含まれる形態で具現されるか、または係数演算器418に含まれる形態などで多様に具現されることもある。
【0102】
補正信号生成器422は、係数選択器420によって選択されて出力された線形化係数、例えば、第1線形化係数CE1または第2線形化係数CE2を受信し、受信された線形化係数(CE1またはCE2)を用いて補正RF信号RF_CRを生成する。
【0103】
補正信号生成器422によって生成された補正RF信号RF_CRは、補正ユニット396に伝送され、補正ユニット396は、補正RF信号RF_CRを用いて入力RF信号RF_INの線形化のための補正を行う。
【0104】
実施形態によって、信号線形化器410の少なくとも一部(例えば、プロセッサ414、または係数演算器418など)は、コントローラ404の制御によって動作が活性化または非活性化(または中止)されることもある。
【0105】
実施形態によって、コントローラ404は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間である場合に、信号線形化器410の少なくとも一部(例えば、プロセッサ414、または係数演算器418など)の動作を活性化させてもよい。
【0106】
実施形態によって、コントローラ404は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間ではない場合(例えば、アップリンク通信期間、ガード期間、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間など)に、信号線形化器404の少なくとも一部(例えば、プロセッサ414、または係数演算器418など)の動作を非活性化(または中止)させてもよい。
【0107】
実施形態によって、コントローラ404は、判断された通信期間の種類がダウンリンク通信期間ではない場合(例えば、アップリンク通信期間、ガード期間、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間など)に、係数演算器418で信号線形化のために係数を演算する動作、またはプロセッサ414が係数をアップデートする動作を非活性化(または中止)させてもよい。
【0108】
実施形態によって、信号線形化器410は、適応的前置歪み(Adaptive Pre-Distortion;APD)を行える。
【0109】
実施形態によって、信号線形化器410は、RFPAL(RF Power Amplifier Linearizer)に具現されることもある。
【0110】
図8は、本発明の一実施形態による中継器の動作方法のフローチャートである。
【0111】
図1ないし図8を参照すれば、中継器300は、受信信号から同期信号を検出する(S810)。
【0112】
実施形態によって、中継器300は、受信信号から同期信号を検出してもよい。例えば、同期検出器は、PSS、SSS、SS/PBCH、DMRS、及びCPのうち少なくともいずれか一つである。
【0113】
中継器300は、検出された同期信号に基づいて、通信期間の種類を判断する(S820)。
【0114】
実施形態によって、中継器300は、同期信号に基づいて、通信期間がダウンリンク通信期間(例えば、DL1またはDL2)であるか、アップリンク通信期間(例えば、UL1またはUL2)であるか、ガード期間(例えば、GP1)であるか、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間(例えば、TG1)であるかを判断してもよい。
【0115】
実施形態によって、中継器300は、同期信号に基づいて、受信信号内のフレーム境界(該フレームの開始点または終了点)を判断し、検出されたフレーム境界に関する情報と、受信信号のTDDパターン情報(例えば、UL-DL configuration情報など)を用いて、通信期間の種類を判断してもよい。
【0116】
中継器300は、判断された通信期間の種類に基づいて、信号線形化器の動作を制御する(S830)。
【0117】
実施形態によって、中継器300は、判断された通信期間がダウンリンク通信期間である場合に、信号線形化器(例えば、341または410)の少なくとも一部の動作を活性化してもよい。
【0118】
他の実施形態によって、中継器300は、判断された通信期間がダウンリンク通信期間ではない場合(例えば、アップリンク通信期間、ガード期間、またはアップリンク-ダウンリンク・トランジションギャップ区間など)に、信号線形化器(例えば、341または410)の少なくとも一部の動作を非活性化(または中止)してもよい。例えば、中継器300は、信号線形化器(例えば、341または410)の動作の途中でも係数演算動作または係数アップデート動作を中止させることができる。
【0119】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によって様々な変形及び変更ができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】