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特表2022-544920組織横断システム及びそれとともに使用するためのアンカー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】組織横断システム及びそれとともに使用するためのアンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507892
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020045674
(87)【国際公開番号】W WO2021026540
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/949,255
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/884,545
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518373829
【氏名又は名称】トランスミューラル システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Transmural Systems LLC
【住所又は居所原語表記】4 Dundee Park Drive,Suite 101,Andover,MA 01810 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー,ナッサー
(72)【発明者】
【氏名】ハウス,モーガン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC03
4C160DD55
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
本開示は、以下の新規なやり方を提供する。すなわち、緊張要素(テザーなど)及び配備可能なアンカーを、患者の解剖学的構造のなかの所望の場所に送達する。
もっと具体的に言うと、本開示は、以下のシステム及び方法を提供する。すなわち、配備可能なアンカーを解剖学的構造のなかの所望の場所に送達し、組織のなかを通り抜けて前記アンカーを一緒に係留する。
配備可能な前記アンカーは、以下のアンカーを含んでもよい。これは、配備前の細長い構成と、配備後の平面的な構成とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体のなかの場所で配備されるアンカーにおいて、前記アンカーは:
配備可能なフレームを備え、これは、細長い構成から拡大して、表面範囲を有する平面的な構成になるよう構成され、配備可能な前記フレームは、互いに結合された形状記憶材料の熱処理された複数のストラップを含み、前記ストラップは、非拘束時に非直線的に拡大された構成をとるよう熱処理され;
細長い前記構成において、配備可能な前記フレームは、カテーテルのなかに装填されることができ;
平面的な前記構成において、配備可能な前記フレームは、前記表面範囲にわたって力を分配するよう作用し;
カバーを備え、これは、配備可能な前記フレームのうち、少なくとも、組織に隣接した表面の上の部分の上に設けられている、
アンカー。
【請求項2】
請求項1の前記アンカーにおいて、配備可能な前記フレームは、網状である、アンカー。
【請求項3】
請求項1の前記アンカーにおいて、配備可能な前記フレームは、NiTi合金形状記憶材料から作製されている、アンカー。
【請求項4】
請求項3の前記アンカーにおいて、前記形状記憶材料は、重合体形状記憶材料を含む、アンカー。
【請求項5】
請求項2の前記アンカーにおいて、前記カバーは、織物カバーである、アンカー。
【請求項6】
請求項1の前記アンカーにおいて、更に、緊張可能なテザーを含み、これは、前記アンカーの上に画定されたテザー管腔によって受け入れられる、アンカー。
【請求項7】
請求項6の前記アンカーにおいて、前記テザー管腔は、テザー方向変えを容易にする、アンカー。
【請求項8】
請求項1の前記アンカーにおいて、更に、テザー管腔延長部を含み、これは、前記テザー管腔に結合されている、アンカー。
【請求項9】
請求項8の前記アンカーにおいて、前記テザー管腔延長部は、スネアを含み、これは、テザーを引き込むよう構成されている、アンカー。
【請求項10】
請求項1の前記アンカーにおいて、更に、テザーロックを含む、アンカー。
【請求項11】
請求項10の前記アンカーにおいて、配備可能な前記フレームは、周辺フレームを含み、これは、中心支持部に結合されている、アンカー。
【請求項12】
請求項11の前記アンカーにおいて、前記中心支持部は、前記周辺フレームを外側へ向けて拡大させて、平面的な構成にさせるよう構成されている、アンカー。
【請求項13】
組織横断システムにおいて:
ワイヤ送達カテーテルを備え;
第一のワイヤを備え、これは、前記ワイヤ送達カテーテルのなかを通り抜けて送達され;
アンカー送達カテーテルを備え;
第一のアンカーを備え、これは、組織に隣接して留置され、第一の前記アンカーは、配備可能なフレームを含み、これは、前記アンカー送達カテーテルから排出されたとき、配備前前記アンカー送達カテーテルのなかにおける細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され;
第一のテザーを備え、第一の前記テザーは、第一の前記アンカーに固定するよう構成されている、
組織横断システム。
【請求項14】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、更に:
第二のワイヤを備え;
第二のアンカーを備え、これは、第一の前記アンカーの配置に対して概して反対の位置にある組織に隣接して留置され、第二の前記アンカーは、配備可能なフレームを含み、これは、配備されたとき、配備前の細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され;
ロック要素を備え、これは、第一の前記テザーを第二の前記アンカーに固定する、組織横断システム。
【請求項15】
請求項14の前記組織横断システムにおいて、更に、直線化装置を備え、これは、第一の前記テザーと第二の前記ワイヤとの縺れを減少させる、組織横断システム。
【請求項16】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、更に:
第二のワイヤを備え;
第二のアンカーを備え、これは、第一の前記アンカーの配置に対して概して反対の位置にある組織に隣接して留置され、第二の前記アンカーは、配備可能なフレームを備え、これは、配備されたとき、配備前の細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され;
第二のテザーを備え、第二の前記テザーは、第二の前記アンカーに固定するよう構成され;
ロック要素を備え、これは、第一の前記テザーを第二の前記テザーに固定する、
組織横断システム。
【請求項17】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、更に、テザー管腔を備え、これは、第一の前記テザーを第一の前記アンカーに固定する、組織横断システム。
【請求項18】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、前記ワイヤは、帯電横断ワイヤである、組織横断システム。
【請求項19】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、前記組織保護装置は、第一の前記ワイヤの周りに位置付けられる、組織横断システム。
【請求項20】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、更に、捕捉バスケットを備え、これは、送達後に前記ワイヤを捕捉する、組織横断システム。
【請求項21】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、前記ワイヤ送達カテーテルは、偏向可能かつ捩じり可能であり、これにより、所望のベクトルを第一の前記ワイヤに達成できる、組織横断システム。
【請求項22】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、第一の前記テザーの先導端部が、複数の圧着部を含み、第一の前記ワイヤは、前記圧着部のうちの一つで第一の前記テザーに固定されることができ、これにより、第一の前記ワイヤを第一の前記テザーに交換することが容易になる、組織横断システム。
【請求項23】
請求項13の前記組織横断システムにおいて、更に、圧着コネクタを備え、これは、第一の前記ワイヤを第一の前記テザーに接続する、組織横断システム。
【請求項24】
請求項23の前記組織横断システムにおいて、前記圧着コネクタは、第一の前記ワイヤを第一のテザーに交換するのを容易にする、組織横断システム。
【請求項25】
組織を横断するための多アンカーシステムにおいて、前記システムは:
第一のアンカーを備え、これは、組織に隣接して留置され、第一の前記アンカーは、配備可能なフレームを含み、これは、組織に隣接して留置されたとき、配備前アンカー送達カテーテルのなかにおける細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され;
第一のテザーを備え、第一の前記テザーは、第一の前記アンカーに固定するよう構成され;
第二のアンカーを備え、これは、組織に隣接して留置され、第二の前記アンカーは、配備可能なフレームを含み、これは、組織に隣接して留置されたとき、配備前アンカー送達カテーテルのなかにおける細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され;
ロック要素を備える、
多アンカーシステム。
【請求項26】
請求項25の前記多アンカーシステムにおいて、前記ロック要素は、第一の前記テザーを第二の前記アンカーに固定するよう構成されている、多アンカーシステム。
【請求項27】
請求項25の前記多アンカーシステムにおいて、更に、第二のテザーを備え、第二の前記テザーは、第二の前記アンカーに固定するよう構成され、前記ロック要素は、第一の前記テザーを第二の前記テザーに結合する、多アンカーシステム。
【請求項28】
組織を横断し、緊張可能な要素及びアンカーを送達して配備する方法において、前記方法は:
組織を第一の横断ワイヤで横断することを備え;
第一の前記横断ワイヤを捕捉することを備え;
第一の前記横断ワイヤを緊張可能な要素に交換することを備え;
緊張可能な前記要素に取り付けられた第一のアンカーを送達することを備え、第一の前記アンカーは、送達されると、細長い構成から消費して、平面的な構成になり;
組織を第二の横断ワイヤで横断することを備え;
第二の前記横断ワイヤを捕捉することを備え;
第二の前記横断ワイヤを緊張可能な要素に交換することを備え;
緊張可能な前記要素に取り付けられた第二のアンカーを送達することを備え、第二の前記アンカーは、送達されると、細長い構成から消費して、平面的な構成になる、
方法。
【請求項29】
請求項28の前記方法において、第一の前記横断ワイヤを交換する緊張可能な前記要素と、第二の前記横断ワイヤを交換する緊張可能な前記要素とは、同一の緊張可能な要素である、方法。
【請求項30】
近位端部と遠位端部とを有する細長いカテーテルにおいて:
a)細長い管状本体を備え、これは、近位端部と遠位端部とを有し、そのなかを通り抜ける細長い少なくとも一つの通路を画定し、細長い前記管状本体は、その長さに沿って長手方向軸を画定し;
b)アンカーを備え、これは、細長い前記通路のなかを通り抜けて方向付けられるよう構成され、前記アンカーは、配備可能なフレームを含み、これは、扁平な細長い構成から拡大して、平面的な構成になるよう構成され、前記アンカーは、緊張可能なテザーに結合されている、
カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本開示は、仮特許出願第62/884,545号(2019年8月8日提出)と、米国仮特許出願第62/949,255号(2019年12月17日提出)の優先権を主張する。
上述の特許出願は、それぞれ、ここでは、すべての目的のため、その全体をこのなかに参照により組み込まれる。
【0002】
本開示の分野
[002]本開示は、新規で有利なシステム及び方法に関する。これは、器官又は管腔構造を整形し又は移動させる。
もっと具体的に言うと、本開示は、新規な配備可能なアンカーと、以下の方法とに関する。すなわち、そのようなアンカーを配備し、組織を横切ってそれらを係留し、これにより、器官又は管腔構造を整形し又は移動させる。
【背景技術】
【0003】
背景
[003]このなかに提供された背景の記述は、本開示の文脈を概して提示する目的のためである。
本発明者がした仕事は、この背景の節において記述された範囲で、また、それ以外に出願時には先行技術として適格でない記述の態様で、明示的にも暗黙的にも、本開示に反して先行技術として認められることはない。
【0004】
[004]様々な状況において、身体のなかの組織を横断する必要がある。
例えば、器官又は管腔構造(又は器官又は管腔構造の一部分)を整形し又は移動する必要がある構造的な条件の治療において、その器官又は構造の組織を横断することが必要になることがある。
例えば、心臓の構造を整形することが望ましい状況がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[005]したがって、当分野において、組織を横断するシステム及び方法が必要とされている。
もっと具体的に言うと、当分野において、組織を横切るテザーなどの緊張要素を定着するシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の概要
[006]以下は、本開示の一つ以上の実施形態の簡略化された概要を提示する。これは、そのような実施形態の基本的な理解を提供するためである。
この概要は、考えられるすべての実施形態を広範に概観するものではない。すべての実施形態の鍵となり又は決定的な要素を同定することを意図するものではないし、任意の又はすべての実施形態の範囲を叙述することを意図するものでもない。
【0007】
[007]本開示は、以下の新規なやり方を提供する。すなわち、緊張要素(テザーなど)及び配備可能なアンカーを、患者の解剖学的構造のなかの所望の場所に送達する。
もっと具体的に言うと、本開示は、以下のシステム及び方法を提供する。すなわち、配備可能なアンカーを、解剖学的構造のなかの所望の場所に送達し、組織のなかを通り抜けて前記アンカーを一緒に係留する。
配備可能な前記アンカーは、以下のアンカーを含んでもよい。これは、配備前の細長い構成と、配備後の平面的な構成とを有する。
【0008】
[008]本開示は、構造的な心臓の用途におけるそのようなアンカー及びテザーの送達を志向している。一方、開示した実施形態を、他の用途に使用してもよい。例えば、前立腺の圧迫又は管腔構造の移動などである。
開示した実施形態を、以下の任意の器官又は管腔構造のなかで使用してもよい。すなわち、整形する必要があり、あるいは、器官又は管腔構造の一部分を一時的に又は永久に移動する必要があるものである。
したがって、開示した実施形態は、例示的なものにすぎないことを意味する。
【0009】
[009]一つの実装において、組織横断システムを開示する。これは、ワイヤ送達カテーテルと、第一のワイヤと、アンカー送達カテーテルと、第一のアンカーと、第一のテザーとを含む。
第一の前記ワイヤは、以下のように構成してもよい。すなわち、前記ワイヤ送達カテーテルのなかを通り抜けて送達される。
第一の前記アンカーは、以下のように構成してもよい。すなわち、組織に隣接して留置される。そして、配備可能なフレームを含んでもよい。
配備可能な前記フレームは、以下のように構成してもよい。すなわち、前記アンカー送達カテーテルから排出されたとき、前記アンカー送達カテーテル配備前における細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。
第一の前記テザーは、以下のように構成してもよい。すなわち、第一の前記アンカーに固定する。
【0010】
[010]別の実施形態において、患者の身体のなかの場所で配備されるアンカーを開示する。
前記アンカーは、配備可能なフレームと、テザー管腔と、カバーとを有してもよい。
配備可能な前記フレームは、以下のように構成してもよい。すなわち、細長い構成から拡大して、表面範囲を有する平面的な構成になる。
細長い前記構成において、配備可能な前記フレームを、カテーテルのなかに装填してもよい。
平面的な前記構成において、配備可能な前記フレームは、以下のように作用する。すなわち、表面範囲の力を分配する。
前記カバーは、配備可能な前記フレームのうち、少なくとも、組織に隣接する表面の上の部分の上に設けてもよい。
【0011】
[011]更に別の実施形態において、組織を横断するための多アンカーシステムを提供する。
前記多アンカーシステムは、第一のアンカーと、第一のテザーと、第二のアンカーと、ロック要素とを含んでもよい。
第一の前記アンカーは、組織に隣接して留置されるよう構成してもよい。そして、配備可能なフレームを含んでもよい。これは、以下のように構成される。すなわち、組織に隣接して留置されたとき、前記アンカー送達カテーテル配備前における細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。
第一の前記テザーは、以下のように構成してもよい。すなわち、第一の前記アンカーに固定する。
第二の前記アンカーは、組織に隣接して留置されるよう構成してもよい。そして、配備可能なフレームを含んでもよい。これは、以下のように構成される。すなわち、組織に隣接して留置されたとき、前記アンカー送達カテーテル配備前における細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。
【0012】
[012]更なる実施形態において、緊張可能な要素及びアンカーを送達し配備する方法を提供する。
前記方法は、以下を含む。すなわち、第一の横断ワイヤで組織を横断する。第一の前記横断ワイヤを捕捉する。第一の前記横断ワイヤを緊張可能な要素に交換する。
第一のアンカーを、緊張可能な前記要素に取り付けて送達する。第一の前記アンカーは、送達されると、細長い構成から消費して、平面的な構成になる。
前記方法は、更に以下を含む。すなわち、第二の横断ワイヤで組織を横断する。第二の前記横断ワイヤを捕捉する。第二の前記横断ワイヤを緊張可能な要素に交換する。
第二のアンカーを、緊張可能な前記要素に取り付けて送達する。第二の前記アンカーは、送達されると、細長い構成から消費して、平面的な構成になる。
【0013】
[013]別の実施形態において、近位端部と遠位端部とを有する細長いカテーテルを提供する。
細長い前記カテーテルは、細長い管状本体と、アンカーとを含んでもよい。
細長い前記管状体は、近位端部と、遠位端部と、そのなかを通り抜ける細長い少なくとも一つの通路とを有してもよい。細長い前記管状本体は、前記カテーテルの長さに沿って長手方向軸を画定する。
前記アンカーは、以下のように構成してもよい。すなわち、細長い前記通路のなかを通り抜けて方向付けられる。前記アンカーは、配備可能なフレームを含む。これは、以下のように構成される。すなわち、扁平な細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。前記アンカーは、緊張可能なテザーに結合される。
【0014】
[014]複数の実施形態を開示しているが、本開示の更に他の実施形態は、以下の詳細な記述から当業者に明らかになるであろう。これは、本発明の例示的な実施形態を示し記述する。
実現されるであろうとおり、本開示の様々な実施形態は、すべて本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様において改変することが可能である。
したがって、図面及び詳細な記述は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0015】
図面の簡潔な記述
[015]本明細書は、本開示の様々な実施形態を形成するとみなされる発明主題を特に指摘し明確に主張する請求項で完結する。一方、本発明は、添付した図とともに取られる以下の記述から、もっと良く理解されるであろうと考えられる:
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1a】[016]図1aは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。テザーが、そこから延びている;
図1b】[017]図1bは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、制御された配備のために近位に保持されている;
図1c】[018]図1cは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、制御された配備のために近位に保持されている;
図1d】[019]図1dは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、配備され拡大された構成にある;
図1e】[020]図1eは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、配備され拡大された構成にある;
図1f】[021]図1fは、図1aの前記アンカーの前記フレームワークを描いている。これは、拡大された構成にある。
図1g】[022]図1gは、本開示にしたがい、アンカーの変形例のフレームワークを描いている。
図2a】[023]図2aは、一実施形態にしたがい、方法のブロック図を例示している。これは、第一のアンカーを送達する;
図2b】[024]図2bは、一実施形態にしたがい、方法のブロック図を例示している。これは、第二のアンカーを送達する
図3】[025]図3は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。捕捉バスケットが、横断ワイヤを捕捉している;
図4】[026]図4は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。横断ワイヤをテザーに交換している;
図5】[027]図5は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。第一のアンカーを中隔壁に送達している;
図6】[028]図6は、組織横断システムを例示している。範囲アクセスを達成し、第二の横断ワイヤを配備することを例示している;
図7】[029]図7は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。横断ワイヤをテザーに交換している;
図8】[030]図8は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。第二のアンカーを配備し、ロックしている;
図9】[031]図9は、更なる実施形態にしたがい、方法ブロック図を例示している。これは、第二のアンカーを送達する;
図10】[032]図10は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。捕捉バスケットが、横断ワイヤを捕捉している;
図11】[033]図11は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。これは、第二のアンカーを導入するときである;
図12】[034]図12は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。これは、ロックを送達したのちである;
図13】[035]図13は、一実施形態にしたがい、配備された組織横断システムを例示している;
図14】[036]図14aは、一実施形態にしたがい、アンカー及びロックを例示している。アンカーが、実質的に平面的に配備された位置にある。そして、前記アンカーの片側を示す。これは、配備されると、組織から離れて留置される側である;[037]図14bは、一実施形態にしたがい、アンカー及びロックを例示している。アンカーが、実質的に平面的に配備された位置にある。そして、前記アンカーの片側を示す。これは、配備されると、組織へ向けて留置される側である;
図15a】[038]図15aは、一実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、テザー方向変え機構を有する;
図15b】[039]図15bは、一実施形態にしたがい、図15aの前記アンカーを例示している。更に、テザーロックを例示している;
図16a】[040]図16aは、更なる実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、テザー方向変え機構を有する;
図16b】[041]図16bは、一実施形態にしたがい、図16aの前記アンカーを例示している。前記テザー方向変え機構が、回動位置にある;
図17a】[042]図17aは、一実施形態にしたがうアンカーを例示している。これは、蜂の巣状の支持パターンを有するフレームを有する;
図17b】[043]図17bは、一実施形態にしたがい、図17aの前記アンカーを例示している。材料カバーが、前記フレームの上を覆っている;
図18a】[044]図18aは、一実施形態にしたがい、ワイヤ送達カテーテルを例示している;
図18b】[045]図18bは、一実施形態にしたがい、ワイヤ送達カテーテルを例示している;
図19】[046]図19は、一実施形態にしたがい、ワイヤを例示している。これは、ワイヤ送達カテーテルから延びて、スネアに至る;
図20a】[047]図20aは、一実施形態にしたがい、ワイヤ送達カテーテルと、ワイヤと、保護要素とを例示している;
図20b】[048]図20bは、一実施形態にしたがい、保護要素を例示している;
図20c】[049]図20cは、更なる実施形態にしたがい、保護要素を例示している;
図20d】[050]図20dは、更なる実施形態にしたがい、保護要素を例示している;
図21a】[051]図21aは、一実施形態にしたがい、アンカー送達カテーテルと、ワイヤと、テザーと、保護要素とを例示している;
図21b】[052]図21bは、更なる実施形態にしたがい、取り付け機構を例示している;
図22】[053]図22は、一実施形態にしたがい、撤退可能なアンカー及びテザーを配備するところを例示している;
図23】[054]図23は、一実施形態にしたがい、組織横断システムの態様を例示している。一つのアンカーを配備している;
図24】[055]図24は、一実施形態にしたがい、組織横断システムの態様を例示している。一つのアンカーを配備している
図25】[056]図25は、一実施形態にしたがい、組織横断システムを例示している。第一及び第二のアンカーを配備している;
図26a】[057]図26aは、更なる実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、平面的な構成にある;
図26b】[058]図26bは、図26aの前記アンカーの図を例示している。
図26c】[059]図26cは、図26aの前記アンカーを例示している。これは、細長い構成にある。
図27a】[060]図27aは、別の実施形態にしたがい、アンカーを例示している。これは、平面的な構成にある;
図27b】[061]図27bは、図27aの前記アンカーを例示している。これは、部分的に潰れた位置にある;
図27c】[062]図27cは、図27aの前記アンカーを例示している。これは、細長い構成にある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な記述
[063]本開示は、以下の新規なやり方を提供する。すなわち、緊張要素(テザーなど)及び配備可能なアンカーを、患者の解剖学的構造のなかの所望の場所に送達する。これは、例えば、図1~13を参照して議論される。
もっと具体的に言うと、本開示は、以下のシステム及び方法を提供する。すなわち、配備可能なアンカーを解剖学的構造のなかの所望の場所に送達し、組織のなかを通り抜けて前記アンカーを一緒に係留する。
配備可能な前記アンカーは、その例示的な実施形態が図14~27を参照して記述される。これは、以下のアンカーを含んでもよい。すなわち、配備前の細長い構成と配備後の平面的な構成とを有する。
配備後の平面的な前記構成において、前記アンカーは、以下のように作用する。すなわち、前記組織の表面範囲にわたって力を分配する。
特に、このなかに開示された新規な前記アンカーは、以下のように構成されている。すなわち、外形が小さいカテーテルを用いて送達され、拡大して特に広いかなりの範囲になる。その結果、当分野で知られている多くのアンカーよりもはるかに広い範囲の組織にわたって、応力を分配する。
【0018】
[064]本開示は、構造的心臓用途におけるそのようなアンカー及びテザーの送達を志向している。一方、開示した実施形態を、他の用途に使用してもよい。例えば、前立腺の圧迫又は管腔構造の移動などである。
開示した実施形態を、以下の任意の器官又は管腔構造のなかで使用してもよい。すなわち、整形する必要があり、あるいは、器官又は管腔構造の一部分を一時的に又は永久に移動する必要があるものである。
したがって、開示した実施形態は、例示的なものにすぎないことを意味する。
【0019】
[065]様々な実施形態において、前記組織横断システムは、以下を含んでもよい。すなわち、ワイヤ送達カテーテルと、前記ワイヤ送達カテーテルのなかを通り抜けて送達される第一のワイヤと、アンカー送達カテーテルと、組織に隣接して留置される第一のアンカーと、第一の前記アンカーが留置されたところに対して概して反対の位置で組織に隣接して留置される第二のアンカーとである。
第一のテザーを設けてもよい。これは、第一の前記アンカーを固定する。そして、ロック要素を設けてもよい。これは、第一の前記テザーを第二の前記テザーに固定する。
用語「テザー」をこのなかで使用しているが、以下のことを認識するべきである。すなわち、すべての例において、「テザー」は緊張可能な要素を意味し、特に議論しない限り特定の構成を必要としない。
前記アンカーは、配備可能なフレームを有してもよい。これは、以下のように構成される。すなわち、配備されたとき、細長い構成配備前から拡大して、平面的な構成になる。
このような構成要素を、以下に示し記述する。
【0020】
[066]図1a~1eは、アンカー1を例示している。これは、このなかに示し記述したようなシステムとともに使用してもよい。
図1a~1eはアンカーの具体的な一実施形態を示しているが、以下のことを認識するべきである。すなわち、配備前の細長い構成と、配備された実質的に平面的な構成とを有するよう構成された他のアンカー構成を使用してもよい。
図1a~1eは、アンカーを例示している。これは、制御されたやり方で、前記アンカーに近位のアタッチメントとともに、前記カテーテルから配備される。
【0021】
[067]図1aは、アンカー1を例示している。そこから緊張可能な要素又はテザー3が延びている。
前記テザー3は、第二のアンカー又は別の構造に接続してもよい。
前記アンカー1は、アンカー送達カテーテル5又はシースの内部に位置付けられている。
図1aにおいて、前記アンカーは、配備前の細長い構成にある。
【0022】
[068]図1b及び1cは、前記アンカー1を例示している。これは、制御された配備をするために、前記アンカー送達カテーテルのなかに近位に保持されている。
前記アンカー1は、フレーム2を有していてもよい。これは、圧縮され又は折り畳まれて、これにより、配備前の細長い前記構成を達成してもよい。そして、(それ自体で又は手動で)拡大して、これにより、配備の実質的に平面的な構成を達成する。
前記フレーム2は、材料4(織物カバーなど)を、少なくともその片側で支持してもよい。
いくつかの実施形態において、前記材料は、生分解可能又は吸収可能であってもよい。
【0023】
[069]前記アンカーの前記フレーム又はフレームワーク2は、好ましくは、形状記憶材料(NiTi合金など)の複数の小片から作製される。
しかし、以下のことが認識されるであろう。すなわち、形状記憶重合体を使用してもよい。例えば、直鎖ブロック共重合体(ある種のポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレンオキシド(PEO)とのブロック共重合体、ポリスチレンとポリ(1,4-ブタジエン)とを含有するブロック共重合体、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)とポリテトラヒドロフランとから作製されたABAトリブロック共重合体など)などである。
【0024】
[070]図1の例示的な実施形態の前記フレームワークは、図1Fで詳細に示されている。
この実施形態の前記フレームワークは、NiTi合金の平坦なストリップAから作製されている。これらは、多数の点で圧着によって接合されている。
前記フレームワークは、以下のように熱処理されている。すなわち、非拘束時に、図1Fに例示した形状をとる。
例示したとおり、実際に六(6)本の長手方向ストラップAがある。外側のストラップA1は、外側の周辺を形成し、第一及び第二の端部を有する。これらは、前記構造の両端部で管状カップリングEのなかに受け入れられる。
対をなす管状カップリングEは、それぞれ、ヒンジ点(又はヒンジピン)Bで接合されている。これにより、前記フレームワークが側方向又は横断方向に圧縮されたとき、前記カップリングが内側へ向けて折り畳まれて潰れ、これにより、長手方向にわずかに拡大する。
前記カップリングEは、また、内側の一対のストラップA2の両端部を受ける。内側の前記ストラップは、前記フレームワークの中心で、一緒にクリップされている。これは、前記ストラップA2のほぼ中間点にある。そして、図1Fに描かれたとおり、中心から外側へ向けて斜めに進み、「X」構成になっている。内側の前記ストラップA2の両端部は、前記カップリングEのなかに、外側の前記ストラップA1の前記両端部とともに受け入れられている。
また、中間の一対のストラップA3もある。
中間のストラップA3は、それぞれ、そのほぼ中間点で、対応する外側のストラップA1のほぼ中間点に、クリップ又は圧着Cによって結合されている。
中間のそれぞれのストラップA3の両端部又は端部領域は、今度は、内側のストラップA2に、それぞれのカップリングEに近い端部領域でクリップされている。具体的に言うと、外側の前記ストラップA1の内側へ向けて面した表面は、中間の前記ストラップA3の外側へ向けて面した表面に面し接触している。これらは、それらに対応する中間点で、一緒にクリップされている。
中間のそれぞれのストラップの内側へ向けて面した表面(又は面)は、内側の前記ストラップA2の外側へ向けて面した表面にクリップされている。前記ストラップA2の内側へ向けて面した表面は、前記フレームワークの中心で、互いに面し、一緒にクリップされている。
望むなら、管状部材又はハトメDを、前記フレームワークの前記中心に設けてもよい。これにより、そのなかを通り抜けるテザー又は縫合材を経路付ける。
前記管状部材Dは、(例えば、内側の前記ストラップA2に対して)その位置に固定してもよい。あるいは、回動軸の周りで回転してもよい。これにより、任意の所望の方向に面する。
図1Fにおける前記チューブ又はスリーブDは、以下のように構成されている。すなわち、テザーがそのなかを通り抜けて、前記フレームの中心領域から、径方向外側へ向かい、前記フレームワークの長手方向軸に平行になることができる。
当業者に認識されるであろうとおり、図1Fの前記フレームワークは、以下のように熱処理されている。すなわち、非拘束時に、図1Fに描かれた拡大された構成をとる。しかし、前記NiTi材料は、その幅に沿って圧縮することができる。これにより、前記ストラップA1,A2,A3を潰して、積み重ねられた構成にし、これにより、前記チューブDのなかを通り抜けて前記送達カテーテルの前記管状部分のなかへ入るテザー(図1Fでは不図示)を引くことにより、前記構造が、送達カテーテルの管状部分の遠位端部のなかへ退却できる。
プッシュロッド(不図示)を、前記フレームワークの一端部に(又は所望により管状部材Dに)、解放可能に結合してもよい。これにより、前記フレームワークを前記送達カテーテルから押し出すことができ、これにより、配備することができる。
以下のことが認識されるであろう。すなわち、前記織物は、通常、図1A~1Eに描かれたとおり、図1Fの前記フレームワークの上を覆って縫い付けられるであろう。
図1Gは、図1Fの前記フレームワークの変形例を描いている。
似た構成要素は、似た参照マークで注記する。
図1Gの前記フレームワークの動作及び構造は、図1Fのものとほとんど同じである。ただし、前記アンカーフレームのほうが、全体的な形状が丸く、それほど楕円的ではない。
図1GのカップリングDは、しかしながら、実際に回動することができ、ピンの上に回転的に取り付けられている。
このフレームワークは、図16及び17に関して、以下でもっと詳細に記述する。
【0025】
[071]前記テザー3は、編組縫合材などの縫合材を含んでもよい。これは、所望により、その長さに沿って放射線不透過性の材料を含んでもよい。
望むなら、前記縫合材料を、粉末状の放射線不透過性の粉末材料でドープしてもよい。
更なる例を経由して、前記テザーを、DSM、ダイニーマ又はテレフレックス製の超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)無芯円形編組から作製してもよい。
いくつかの実装において、前記テザーに少なくとも20重量%のビスマスを装填して、放射線不透過性を増強してもよい。
例えば、前記テザーに、約20から約70%の間の(又は、その間の約1重量%刻みの任意の度合いの)ビスマス又は硫酸バリウムを装填してもよい。
それに加えて又はその代わりとして、放射線不透過性の材料を、前記テザーなど、前記アンカーや送達装置などこのなかに示された器具の一部分に組み込んでもよい。例えば、タングステン、タンタル、及び硫酸バリウムなどである。
これらの材料は、伸線した金属(例えば、白金など放射線不透過性の材料)製のワイヤとして組み込んでもよい。これは、以下の手段により前記編組のなかに組み込まれる。例えば、伸線した前記ワイヤを編み込み、あるいは、前記テザーのなかに画定された中心チャネルに沿って方向付ける。
編組材料を前記緊張テザーとして例示している。一方、以下のことが認識されるであろう。すなわち、他の任意の適切な材料を使用してもよい。
【0026】
[072]図1a~1eを続けて参照する。前記テザー3は、送達されている前記アンカーのなかを縫い通されてもよい。
縫い通しをするは、接続点8のなかを通り抜けてであってもよい。これは、前記フレーム2の概して中心にあってもよい。
図1bは、前記アンカー1を例示している。これは、遷移中の構成にある。一方、図1cは、前記アンカー1を例示している。これは、実質的に平面的な構成にある。
平面的な前記構成において、前記アンカーは、以下のように作用する。すなわち、前記表面範囲にわたって力を分配する。
前記アンカーを留置する方法に関して以下でもっと十分に記述するとおり、前記テザーを、前記アンカー送達カテーテルの外側で送達してもよい。この補助により、前記送達カテーテルに接続されている間にロックする。
【0027】
[073]図1d及び図1eは、前記アンカー1を例示している。これは、前記送達カテーテル5から完全に解放されて、拡大された構成にある。
いくつかの実施形態において、前記アンカー1は、カップリングを有してもよい。これは、ロックが配備されている間、位置を維持する。
更に、前記アンカー1を、近位カップリング6を使用して、前記横断部位の周りで回転させてもよい。
ロック9を、前記テザー3に沿って送達してもよい。これにより、前記テザー3の緊張をロックする。
図1eに示した実施形態において、前記ロックを、前記テザー3に沿って、接続点8に送達する。
その代わりとなる実施形態において、前記ロックは、前記テザーに沿った他の点に位置付けてもよい。
【0028】
[074]配備可能な前記アンカーは、細長い配備前の構成から拡大して、平面的な配備された構成になる。これを、様々な処置で使用してもよい。
一般に、これらは、組織の表面範囲にわたって力を分配するのに有用であり得る。
更に、緊張可能な要素やその間を延びるテザーとともに使用されるこのようなアンカーを、任意の組織横断処置に使用してもよい。
例示的な目的のため、心臓組織を横断する方法を記述する。
【0029】
[075]したがって、前記組織横断システム及びそれとともに使用するためのアンカーを、例えば、心臓を整形するための心臓処置において使用してもよい。
前記システムを使用する方法の一つは、低侵襲性/ハイブリッドアプローチである。これは、図2a~2b及び3~8に関して示し記述する。
【0030】
[076]図2a及び2bは、前記方法のブロック図である。これは、低侵襲/ハイブリッドアプローチの実施形態にしたがい、組織のなかを通り抜けて、縫合材を縫い通し、アンカーを接続する。
図2aは、第一のアンカーを送達する方法100を例示している。
図2bは、第二のアンカーを送達する方法200を例示している。
以下のことを認識するべきである。すなわち、図2a及び2bに示した前記方法は、心臓組織を横断することに関して具体的に記述している。しかし、組織を横断する必要がある任意の状況で使用してもよい。
組織の横断は、第一のアンカーの送達と、第二のアンカーの送達とを含んでもよい。前記アンカーは、前記組織を横切る放射線不透過性のテザーによって係留される。
【0031】
[077]第一又は左側の前記アンカーの送達を、図2aに関して示し記述する。
シースやガイドを配備する103。これは、身体のなかに配備する第一の横断ワイヤを受け入れる。
前記シースやガイドは、例えば、大腿動脈又は静脈のなかを通り抜けて配備してもよい。
前記組織を、第一の横断ワイヤで横断する105。
心臓の実施形態において、この工程105は、横断ワイヤを用いて前記心臓組織を基部前壁中隔で横断することを含んでもよい。
前記横断ワイヤは、103で配備された前記ガイド又はカテーテルのなかを通り抜けて配備してもよい。
捕捉機構(米国特許第10,433,962号に示されているような捕捉バスケット又はスネアなど)を、その後、使用して、前記横断ワイヤを捕捉してもよい110。
前記捕捉バスケットを、大腿静脈から延びるガイド12のなかを通り抜けて配備してもよい。
図3(以下でもっと完全に記述する)は、前記システムを例示している。これは、前記方法におけるほぼこの時点にある。
【0032】
[078]図2aに戻り、第一の前記横断ワイヤを捕捉したのち、第一の前記横断ワイヤを外部化する115。
やらなくてもよいが、先端が柔らかいカテーテルを使用して、組織を横断点で保護してもよい。
前記ガイド又はシースのうちの一つ以上を除去してもよい120。
いくつかの実施形態において、前記ガイド又はシースを除去することは、大腿動脈からガイドを除去することを含んでもよい。
【0033】
[079]次に、第一の前記横断ワイヤを、緊張可能な要素又はテザーに交換する125。
いくつかの実施形態において、前記テザーは、放射線不透過性であってもよい。
図4(以下でもっと完全に記述する)は、この段階における前記システムを例示している。
前記横断ワイヤをテザーに交換したのち、前記テザーを外部化してもよい130。
いくつかの実施形態において、前記テザーを、大腿静脈から外に外部化してもよい。
【0034】
[080]第一のアンカー送達カテーテルを導入する135。
心臓の実施形態において、これは、大腿動脈などの菅腔のなかを通り抜けて第一又は左側の送達カテーテルを導入することを含んでもよい。
第一のアンカーを、その後、前記アンカー送達カテーテルのなかを通り抜けて所望の場所に送達してもよい140。
前記アンカー送達カテーテルのなかにあるとき、前記アンカーは、配備前の側方向に潰れた細長い構成にある。
送達されると、前記アンカーは拡大して、配備後の平面的な構成になる。
これは、カテーテルから吐き出されたとき自動的に起こってもよいし、手動でしてもよい。
図5に示した実施形態(以下でもっと完全に記述する)において、左側のアンカーを中隔壁に送達する。
この時点で、第一又は左側の前記アンカーの送達が完了する。そして、第一の前記アンカー送達カテーテルを除去してもよい145。
【0035】
[081]第二又は右側の前記アンカーを送達する一実施形態200を、図2bに関して示し記述する。
この実施形態において、第二の前記アンカーを送達するのは、第一の前記アンカーを送達したのちであってもよい。
【0036】
[082]第二の前記アンカーを送達するための範囲アクセスを達成する205。
これをするのは、前記範囲に送気し、小開胸術を実行することによってであってもよい。
例えば、二酸化炭素の送気を、右心耳のなかを通り抜けてしてもよい。そして、小開胸術を実行して、剣状突起下シースで剣状突起下軸を得てもよい。
【0037】
[083]ワイヤ送達カテーテルを、工程210で配備する。
前記ワイヤ送達カテーテルを配備210するのは、大腿静脈及び下大静脈(IVC)のなかを通り抜けてであってもよい。
前記ワイヤ送達カテーテルは、節合カテーテルであってもよい。そして、右心室に面した自由壁のなかに位置付けてもよい。
横断ワイヤを、前記ワイヤ送達カテーテルのなかを通り抜けて配備する215。
前記横断ワイヤは、例えば、帯電横断ワイヤであってもよい。
前記横断ワイヤを捕捉する220。
捕捉スネアを使用して、前記帯電横断ワイヤを捕捉してもよい。
いくつかの実施形態において、前記捕捉スネアを、剣状突起下シースのなかを通り抜けて配備してもよい。
この時点における前記システムの位置を図6に示す。
【0038】
[084]前記横断ワイヤを、放射線不透過性のテザーに交換する225。
これをするのは、自由壁のなかを通り抜けてであってもよい。
いくつかの実施形態において、放射線不透過性の前記テザー及び前記横断ワイヤの自由端部同士を、交換に先立って(圧着などにより)結合する。
図7(以下でもっと完全に記述する)は、前記横断ワイヤを放射線不透過性の前記テザーに交換することを例示している。
【0039】
[085]第二のアンカー送達カテーテルを導入する230。
第二の前記アンカー送達カテーテルを、剣状突起下シースのなかを通り抜けて導入し、自由壁又は右心室へ向けて節合してもよい。
第二の前記アンカーを送達する235。
前記アンカー送達カテーテルのなかにあるとき、前記アンカーは、配備前の細長い構成にある。
送達されると、前記アンカーは拡大して、配備後の平面的な構成になる。
これは、カテーテルから吐き出されたとき自動的に起こってもよいし、手動でしてもよい。
心臓の実施形態において、第二の前記アンカーは、右側のアンカーであってもよく、自由壁の上に送達してもよい。
送達をしている間及びそののちに、緊張を、放射線不透過性の前記テザーに維持してもよい。
ロックを、第二の前記アンカーに送達してもよい240。
前記ロックのロック機構を作動させて245、放射線不透過性の前記テザーの緊張を固定する。
このような作動245をするのは、前記テザーに印加された緊張が満足のいくものであるときであってもよい。
余ったテザーを切断する250。
図8(吹いてもっと完全に紀述する。)は、前記方法におけるこの時点での前記システムを例示している。
ロックと、ロック送達カテーテルと、縫合材切断カテーテルとの適当な例は、米国特許第10,433,962号に見出すことができる。
【0040】
[086]以下のことを認識するべきである。すなわち、前記ワイヤ送達カテーテルと、前記横断ワイヤと、前記ガイドと、前記剣状突起下シースとは、前記処置をしている間やそののちに、適宜除去される。これにより、第一の前記アンカーと、前記テザーと、第二の前記アンカーと、前記ロックとだけが、その場に残る。
【0041】
[087]さて、図3~8に示したような前記システムの描写に移ると、心臓組織を横断するところは、図2a及び2bに記述したとおり、基部前壁中隔であってもよい。
前記組織横断システム及びアンカーは、前記アンカーが大動脈弁に影響するのを避けながら、このような横断を達成する。
図1は、前記組織横断システムの配備の初期段階を例示している。
示したとおり、ガイド10,12を、大腿動脈及び静脈のなかをそれぞれ通り抜けて心臓に配備する。
前記ガイドの正確な構成は、様々であってもよい。
一実施形態において、前記ガイドは、16Fシースのなかを通り抜けて配備される14Fガイドであってもよい。
ワイヤ送達カテーテルを、大腿動脈から延びる第一の前記ガイド10のなかを通り抜けて配備する。
捕捉バスケット16を、大腿静脈から延びる第二の前記ガイド12のなかを通り抜けて配備する。
第一の横断ワイヤ18を、前記ワイヤ送達カテーテル14のなかを通り抜けて配備する。
前記捕捉バスケット16を使用して、第一の前記横断ワイヤ18を捕まえてもよい。
いくつかの実施形態において、前記横断ワイヤに、通電してもよい。
【0042】
[088]図4に示すとおり、前記横断ワイヤ18をテザー20に交換することは、保護カテーテル22を大腿静脈のなかの前記ガイド12のなかに挿通することを含んでもよい。
コネクタ24(圧着コネクタなど)を、前記保護カテーテル22のなかを通り抜けて、前進させる。
一実施形態において、前記コネクタは24、前記横断ワイヤ18の上に圧着され、これにより、接続を達成する。
前記テザー20及び左側のアンカー(図5参照)を、その後、前進させてもよい。
【0043】
[089]図5は、一実施形態にしたがい、第一のアンカーを送達しているところを例示している。
もっと具体的に言うと、図5は、一実施形態にしたがい、アンカー26を例示している。これは、中隔壁に送達される。
前記アンカー26は、このなかで、第一のアンカー又は左側のアンカーとして言及される。しかし、以下のことを認識するべきである。すなわち、そのような参照は、例示的な目的のみを意図している。
アンカー送達カテーテル28(左側のアンカー送達カテーテルと呼ばれる。)は、大腿動脈のなかを通り抜けて導入してもよい。そして、左側の前記アンカー26は、そのなかを通り抜けて、以下の手段により中隔壁に配備される。すなわち、前記アンカー26が取り付けられた放射線不透過性のテザー20を、ガイド12のなかを通して引き抜く。
アンカー保持縫合材30を使用して、左側の前記アンカー26をその位置に固定してもよい。
前記アンカー送達カテーテル28を除去してもよい。
大腿静脈のなかを通り抜ける前記テザー20の前記自由端部を固定して、これにより、前記システムにかかる緊張を維持してもよい。
【0044】
[090]図6は、一実施形態にしたがい、範囲アクセスを達成し、第二の横断ワイヤを配備するところを例示している。
図2aに関して記述したとおり、小開胸術を実行して、剣状突起下アクセスを得てもよい。
図6は、前記剣状突起下シース32を例示している。
スネア34を、前記剣状突起下シース32のなかを通り抜けて配備してもよい。
前記スネア34は、例えば、捕捉バスケット又はグースネック型スネアであってもよい。
前記シース12のなかを通り抜けるワイヤ送達カテーテル36を使用して、横断ワイヤ38(これは、第二の横断ワイヤと呼ばれることがある。)を、大腿静脈アクセス及び下大静脈のなかを通り抜けて前進させる。
前記横断ワイヤ38は、例えば、0.014インチの帯電横断ワイヤであってもよい。
前記ワイヤ送達カテーテル36は、カテーテルを節合する位置であってもよい。
示した実施形態において、前記ワイヤ送達カテーテル36は、右心室に面した自由壁のなかに位置付ける。
第二の前記横断ワイヤ38は、以下のように位置付ける。すなわち、自由壁のなかを横切り、剣状突起下軸のなかを通り抜けて捕まえる。
この段階において、放射線不透過性の前記テザー20は、まだ、前記ガイド12から延びて、前記アンカー26に達している。
捕捉スネア34を、剣状突起下シース32のなかを通り抜けて配備してもよい。これは、前記帯電横断ワイヤ38を捕捉する。
前記スネア34は、例えば、捕捉バスケット又はグースネック型スネアであってもよい。
【0045】
[091]図7は、前記帯電横断ワイヤ38を放射線不透過性のテザー20に交換することを例示している。
これをするのは、自由壁のなかを通り抜けてであってもよい。
いくつかの実施形態において、放射線不透過性の前記テザー20及び前記横断ワイヤ38の前記自由端部同士を、交換に先立って、(圧着などにより)結合する。
コネクタ40を示す。これは、前記横断ワイヤ38と放射線不透過性の前記テザー20とを接続する。
矯正スネア42又はカテーテルを使用して、放射線不透過性の前記テザー20及びワイヤ38が縺れるのを実質的に防止してもよい。
【0046】
[092]図8は、前記システムを例示している。これは、第二の前記アンカーを位置付けて、前記アンカーをロックしたのちである。
第一の前記アンカー26を、中隔壁の上に位置付ける。
第二の前記アンカー50を、自由壁の上に位置付ける。
テザー20(例えば、放射線不透過性のテザー)が、第一の前記アンカー26と第二の前記アンカー50との間に延びている。
ロック52が、前記テザー20を所望の緊張でロックする。
この時点で、前記ガイド12と、前記剣状突起下シース32とを除去してもよい。
【0047】
[093]前記システムを使用する別の方法は、右側の前記アンカーを送達する完全に経皮的なアプローチを使用する。
このアプローチを、図9~13に関して示し記述する。
以下のことを認識するべきである。すなわち、この方法は、心臓の実施形態における右側のアンカーの送達に具体的に焦点を当てている。
したがって、図9~13に関して示し記述した前記方法を開始するのに先立って、図2a及び3~5に関して示し記述した前記方法を使用して、左側のアンカーを送達してもよい。
【0048】
[094]図9は、以下の方法のブロック図である。すなわち、組織のなかを通り抜けて縫合材を縫い通し、アンカーを接続する。これには、心臓の実施形態における右側のアンカーを送達する完全に経皮的なアプローチを使用する。
組織の横断は、第一のアンカーの送達と、第二のアンカーの送達とを含んでもよい。前記アンカーは、前記組織を横切る放射線不透過性によって係留される。
【0049】
[095]第一又は左側のアンカーの送達を、図2a~5に関して示し記述する。
図9に関して示し記述した方法は、したがって、前記システムが概して図5に示した構成にあるときに開始してもよい。もっと具体的に言うと、前記方法は、左側の前記アンカー26が中隔壁でその場にあるときに始めてもよい。
【0050】
[096]第二の前記アンカーを送達するための範囲アクセスを達成する305。
これをするのは、前記範囲に送気することによってもよい。これをするのは、概して、生来の心膜に対してのみである。
ガイドを、その後、配備し310、そのなかを通り抜けて、ワイヤ送達カテーテルを配備する315。
横断ワイヤを、右心耳のなかを通り抜けて送達し、心膜空間のなかに入れる320。これには、前記ワイヤ送達カテーテル及び頸ガイドを使用する。
前記横断ワイヤを、その所望の位置に送達する325。
これは、以下を含んでもよい。すなわち、前記ワイヤ送達カテーテル及び前記横断ワイヤを、心膜空間のなかを通り抜けて横切らせ、心尖に向かわせる。
前記ワイヤ送達カテーテルは、右心室及び前記帯電横断ワイヤに向かって節合してもよい。これは、自由壁のなかを通り抜けて送達され、右心室のなかへ入る。
前記横断ワイヤを捕捉する330。
これは、以下を含んでもよい。すなわち、前記横断ワイヤを前記ワイヤ送達カテーテル又は前記ガイドのなかに捕まえる。これには、ワイヤ捕捉バスケットを使用する。
前記横断ワイヤを外部化する335。
図10(以下でもっと完全に記述する)は、前記システムを例示している。これは、前記方法におけるこの段階にある。
【0051】
[097]前記横断ワイヤを、テザーに交換する340。
これは、以下を含んでもよい。すなわち、テザー(放射線不透過性のテザーなど)及び前記横断ワイヤの自由端部同士を一緒に圧着する。これには、圧着コネクタを使用する。
前記横断ワイヤを前記テザーに交換するのは、自由壁のなかを通り抜け、大腿静脈アクセスシースから外に出てであってもよい。
【0052】
[098]第二のアンカー送達カテーテルを導入する345。
これをするのは、頸静脈アクセスのなかを通り抜けてであってもよい。
第二の前記アンカーを送達する350。
これは、以下を含んでもよい。すなわち、右心耳を心膜空間のなかに送達し、自由壁の上に配備されるまで、心膜空間のなかを通り抜けて横切らせる。
緊張を、放射線不透過性の前記テザーに維持してもよい。
図11(以下でもっと完全に記述する)は、前記システムを例示している。これは、第二(又は右側)の前記アンカーを導入したのちであるが、第二の前記アンカーを完全に配備するよりも前である。
【0053】
[099]ロックを送達する355。
いくつかの実施形態において、これは、第一及び第二の放射線不透過性のテザーの両方の上を越えてロックを送達することを含んでもよい。第一のものは、第一の前記アンカーから延びる。第二のものは、第二の前記アンカーから延びる。
前記ロックを送達355するのには、ロック送達カテーテルを使用してもよい。
図12は、前記システムを例示している。これは、前記ロックを配備したのちである。
前記ロック機構を作動させる360。
いくつかの実施形態において、前記ロック機構を作動させるよりも前に、前記テザーを引いて、満足のいく緊張を達成してもよい。
余った前記テザーを切断する365。これには、例えば、テザーカッターを使用する。
図13は、完全に配備された前記システムを例示している。
【0054】
[0100]さて、図9に示した前記方法の間の前記システムの例示に移り、図10は、前記システムを例示している。これは、右側のアンカーを送達する初期段階にある。これには、完全に経皮的なアプローチを使用する。
示したとおり、左側のアンカー26を、中隔壁に配備する。
テザー20が、前記アンカー26から延びて、カテーテル22のなかに入っている。
前記カテーテル22及びテザー20が延びて、今度は、ガイド12のなかに入っている。
前記ガイド12は、大腿静脈アクセスシースであってもよい。
【0055】
[0101]ガイド60(14Fガイドであってもよい。頸シースとも呼ばれる。)を、頸静脈のなかに配備する。
ワイヤ送達カテーテル62を、前記ガイド60のなかに挿通し、横断ワイヤ64を前記ワイヤ送達カテーテル62のなかを通り抜けて配備する。
前記横断ワイヤ64は、いくつかの実施形態において、0.014インチの帯電ガイドワイヤであってもよい。
前記ワイヤ送達カテーテル62及び横断ワイヤ64は、右心耳から出て、心膜空間のなかに入る。
前記横断ワイヤは、自由壁を横断する。
ワイヤ捕捉スネア66及び捕捉バスケット68を、前記ガイド12のなかを通り抜けて送達する。
前記捕捉バスケット68は、前記横断ワイヤが自由壁を横断したのち、前記横断ワイヤを捕捉する。
【0056】
[0102]図11は、前記システムを例示している。これは、第二(又は右側)のアンカーを導入するときである。
第一(又は左側)の前記アンカー26は、中隔壁でその場にある。そこから第一のテザー20が延びている。
右側のアンカー送達カテーテル72が、頸シース60のなかを通り抜けて延びる。
第二のアンカー70を、前記アンカー送達カテーテル72のなかを通り抜けて送達する。
テザー74(放射線不透過性のテザーなど)は、第二の前記アンカー70から延びて、前記横断ワイヤ64に至る。
前記エーテル74は、心膜空間のなかを通り抜けて横切る。
コネクタ76(圧着コネクタなど)は、前記テザー74を前記横断ワイヤ64に接続する。
前記横断ワイヤは、したがって、心膜空間を横切って、前記テザーに交換されてもよい。これにより、第二の前記アンカー70を自由壁の上に配備する。
【0057】
[0103]図12は、前記システムを例示している。これは、図9の工程355で前記ロックを送達したのちである。第一(又は左側)の前記アンカー26は、中隔壁でその場にある。そこから第一のテザー20が延びている。
第二(又は右側)の前記アンカー70は、自由壁の上でその場にある。そこから第二のテザー74が延びている。
示した実施形態において、第一の前記テザー20及び第二の前記テザー74の両方が、対応するアンカーから延びて、大腿アクセスシース12のなかへ入っている。
前記ロック80は、第一の前記テザー20と第二の前記テザー74とを結合する。
前記ロック80は、第一の前記テザー20及び第二の前記テザー74と関連付けられたとおり。
例えば、前記ロック80を、第一の前記テザー20及び第二のテザー74の上を摺動させ、所望の場所に送達してもよい。
前記ロック80を送達するのに、ロック送達カテーテル82を使用してもよい。
いくつかの実施形態において、前記ロック送達カテーテル82を、大腿静脈アクセスシース12のなかを通り抜けて延ばしてもよい。
【0058】
[0104]図13は、完全に配備された前記システムを例示している。
示したとおり、第一(又は左側)の前記アンカー26は、中隔壁でその場にある。第二(又は右側)の前記アンカー70は、自由壁の上でその場にある。
第一のテザー20が、第一の前記アンカー26から延びている。第二のテザー74が、第二の前記アンカー70から延びている。
第一の前記テザー20及び第二の前記テザー74を緊張し、ロック80で一緒にロックする。
【0059】
[0105]さて、前記システムの構成要素を、もっと具体的に示し、記述しよう。
一般に、アンカーを、アンカー送達カテーテルのなかを通り抜けて配備してもよい。
前記アンカー送達カテーテルは、細長いカテーテルであってもよい。これは、近位端部と遠位端部とを有する。
細長い前記カテーテルは、細長い管状本体と、アンカーとを含んでもよい。
細長い前記管状体は、近位端部と、遠位端部と、そのなかを通り抜ける細長い少なくとも一つの通路とを有してもよい。細長い前記管状本体は、前記カテーテルの長さに沿って長手方向軸を画定する。
前記アンカーは、以下のように構成してもよい。すなわち、細長い前記通路のなかを通り抜けて方向付けられる。
前記アンカーは、配備可能なフレームを含んでもよい。これは、以下のように構成される。すなわち、平坦化された細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。前記アンカーは、緊張可能なテザーに結合される。
平面的な構成において、配備可能な前記フレームは、以下のように作用する。すなわち、表面範囲にわたって力を分配する。
【0060】
[0106]図1F及び1Gを参照して以上で詳しく議論したとおり、図14a及び14bは、アンカー400及びロック402を例示している。前記アンカー400は、実質的に平面的に配備された構成にある。
図14aは、前記アンカー400の片側を例示している。これは、配備されると、組織から離れて留置される側であってもよい。
図14bは、前記アンカー400の片側を例示している。これは、配備されると、組織へ向けて留置される側であってもよい。
この実施形態において、前記アンカー400を、前記ロック402とは別に送達するのではなく、取り付けて送達してもよい。
いくつかの実施形態において、前記ロック402は、テザーロックと呼ばれてもよい。
前記アンカー400は、網状部又はフレーム404(以上で詳細に記述した)を有する。これは、圧縮され又は折り畳まれて、これにより、配備前の細長い構成を達成してもよい。そして、(それ自体で又は手動で)拡大して、これにより、配備の実質的に平面的な構成を達成してもよい。
前記網状部又はフレーム404は、材料406(織物カバーなど)を支持してもよい。
【0061】
[0107]テザー408が、前記アンカー400に結合されている。
前記テザー408は、接続点又はスリーブ410のなかを通り抜けて前記アンカー400のなかを縫い通ってもよい。
テザー管腔延長部412(テザー管腔とも呼ばれる)は、スリーブの形態をとってもよい。これは、前記ロック402と前記接続点410との間に延びる前記テザー408の上を覆って設けられる。
前記テザー管腔延長部412は、可撓性であってもよい。そして、前記接続点410の周り(又は、もっと一般的に、前記アンカー400の中心の周り)を旋回してもよい。この助けにより、前記アンカーを位置付け、方向づけ、概して、前記アンカーを送達する。
スネア414を、前記ロック402の近くに設けてもよい。そして、これを使用して、前記アンカー400及びロック402の組立体のなかを通り抜けて前記テザー408を引いてもよい。
【0062】
[0108]以上で記述したとおり、前記アンカー400を、以下のように構成されたカテーテルで、標的となる部位に送達してもよい。すなわち、前記テザー408を固定し、前記ロック402を作動させて、緊張を保持する。
前記フレーム404は、図1F及び1Gの以上の議論で詳しく示したとおり、潰れることができる。これにより、前記アンカー400を前記カテーテルのなかに、送達のための潰れた細長い構成で装填できる。
前記フレームは、前記テザー408の方向(又は配備されたときの緊張方向)において、比較的硬い。
前記材料406(又は織物カバー)の助けにより、負荷又は組織を守り、そして、永久的な固着を提供してもよい。
しかし、以下のことを認識するべきである。すなわち、いくつかの実施形態において、材料や織物カバーを使用しなくてもよい。
【0063】
[0109]図15a,15b,16a,16b,17a及び17bは、更なるアンカー変形例や機構を例示している。
一般に、前記アンカーは、配備可能なフレームを含む。これは、以下のように構成されている。すなわち、前記アンカー送達カテーテルから排出されたとき、前記アンカー送達カテーテル配備前における細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。
前記アンカーは、自己拡大してもよい。これには、ニチノールなどの形状記憶材料を使用する。
その代わりとして、前記アンカーを手動で拡大可能であれ。これには、押し引き機構を使用する。これにより、使用者が形状及び大きさを制御できる。
【0064】
[0110]フレームの構造のパターンは、用途の必要に応じて、変わってもよい。
いくつかの実施形態において、前記フレームは、レーザ切断される。したがって、支持の多数のパターンのうち任意のものを達成してもよい。
前記フレームの梁は、以下のように設計してもよい。すなわち、一つの方向に容易に屈曲して、カテーテルのなかに装填できる。しかし、他の方向(負荷又は係留方向など)ではもっと硬くてもよい。
いくつかの実施形態において、これらの方向は、互いに対して垂直であってもよい。
その代わりとして、前記方向は、互いに対して別の角度で設けてもよい。
【0065】
[0111]図15a及び15bは、アンカー500を例示している。これは、図1Fの要素Dを参照して、テザー方向変え機構502又はガイドを有する。
示された実施形態において、前記テザー方向変え機構又はガイド502は、前記アンカー500の前記フレーム503の概して中心に設けられている。
前記テザー方向変え機構は、前記テザーが前記システムのなかで移動するのを増強してもよい。これにより、スムーズな締め付けと調整をすることが容易になる。
これは、送達部位への通常のアクセスが制限されている場合に有用であり得る。
示した実施形態において、前記テザー方向変え機構又はの補助により、90度など真っ直ぐではない角度で緊張する。
図15bは、テザーロック506を例示している。これは、前記アンカーを送達するよりも前又はそのあとに、例えばテザー方向変え機構502において取り付けてもよい。
したがって、前記テザーロック506を、アンカー送達とは別個の工程で送達してもよい。あるいは、アンカー送達に先立って、前記アンカーと組み合わせてもよい。
【0066】
[0112]図16a及び16bは、アンカー520を例示している。これは、テザー方向変え機構522を有する。
示した実施形態において、前記テザー方向変え機構又はガイド522は、前記アンカー520の前記フレーム523の概して中心に設けられている。
前記テザー方向変えガイドは、前記テザーが前記システムのなかで移動するのを増強してもよい。これにより、スムーズな締め付けと調整をすることが容易になる。
これは、送達部位への通常のアクセスが制限されている場合に有用であり得る。
示した実施形態において、前記テザー方向変えガイドは、傾斜/回動テザーガイドである。これは、万能な方向づけを容易にする。
図16bは、前記テザー方向機構522を例示している。これは、回動された位置にある;
【0067】
[0113]図17a及び17bは、更なる実施形態にしたがい、アンカー540を例示している。
示したとおり、前記アンカー540は、(図1Gを参照して以上で記述した)フレーム542を含んでもよい。これは、蜂の巣状の支持パターンを有する。
このパターンは、以下のように変更してもよい。すなわち、様々な用途において望まれるとおり、もっと多くの支持やもっと多くの可撓性を提供する。
前記アンカー540は、更に、テザー管腔延長部544を含む。これは、前記フレーム542の上の概して中心の位置から延びて、テザーロック546に至る。
前記テザー管腔延長部は、可撓性であってもよい。
図17bは、材料カバー548を例示している。これは、前記フレーム542の上を覆っている。
前記材料カバー548は、織物カバーや重合体構造などであってもよい。これは、クッション、固着、視認性、内方成長の制御、付着の制御など所望の機構を提供する。
いくつかの実施形態において、前記材料カバー548は、生分解可能/吸収可能な材料を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、前記フレーム542の上を覆う材料カバーを設けなくてもよい。
【0068】
[0114]図18a,18b及び19は、ワイヤ横断のための装置の態様を例示している。
図18a及び18bは、ワイヤ送達カテーテル560を例示している。
前記ワイヤ送達カテーテル560は、遠位カテーテル562と、近位カテーテル564とを含んでもよい。
前記遠位カテーテル562は、内部カテーテルであってもよい。そして、以下のように構成してもよい。すなわち、偏向し、回転し、前進し、又は、撤退する。
前記近位カテーテル564は、外部カテーテルであってもよい。そして、以下のように構成してもよい。すなわち、偏向し、回転し、前進し、又は、撤退する。
単一の一体ワイヤ送達カテーテル560と呼ばれる一方で、前記カテーテル560は、したがって、偏向可能で捩じり可能な独立したカテーテルの組み合わせであってもよい。これを使用して、前記ワイヤに所望のベクトルを達成してもよい。
このベクトルは、アンカー(例えば第一の前記アンカー)が配備された場所に相関してもよい。
【0069】
[0115]図19は、ワイヤ566を例示している。これは、前記ワイヤ送達カテーテル560から延び、組織567のなかを通り抜けて、スネア568に至る。
前記ワイヤが前記組織567のなかを通り抜けて前進し、前記組織567の反対側で(例えば前記スネア568で)捕捉されると。
適切なスネア568を図19に示す。しかし、他のスネア機構を、その代わりとして使用してもよい。
いくつかの実施形態において、RFなどのエネルギー源を使用してもよい。この補助により、ワイヤが横断する。
図19は、ワイヤ566を例示している。これは、前記スネア568によって捕捉される。
【0070】
[0116]いくつかの実施形態において、保護要素を設けることが有用であり得る。これにより、前記組織横断部位を、ワイヤ及び縫合材の前進から生じる損傷から保護する。
図20a,20b,20c及び20dは、このような保護要素の実施形態を例示している。
図20aは、ワイヤ566を例示している。これは、前記カテーテル560から前進して、前記組織横断部位567に至る。
保護要素570を、前記組織横断部位567の近位側の上に設ける。
前記ワイヤ566は、前記保護要素570及び前記組織横断部位567のなかを通り抜けて延び、反対側に出る。
【0071】
[0117]図20b,20c及び20dは、適切な保護要素570(スリーブやグロメットなど)の様々な実施形態を例示している。
前記組織保護装置を、前記ワイヤの周りに設けてもよい。そして、前記組織を横切って前記ワイヤが前進するよりも前、又は、それよりもあとに、前進させてもよい。
前記保護装置の補助により、前記ワイヤ及びテザーの長さが前記組織を横断する際、及び、その後、組織が移動している間、組織を保護する。
一実施形態において、前記保護要素は、軟かい円板である。
他の実施形態において、前記保護要素は、コイルでも、ねじ状であっても、漏斗形状であっても、t形状であっても、潰れ可能であってもよい。
前記保護要素570の助けにより、前記アンカーの位置を維持しつつ、意図した経路のなかを通って前記テザーを縫い抜けさせる。
前記保護要素570の助けにより、また、前記組織を前記アンカーから守ってもよい。
【0072】
[0118]図20b,20c及び20dは、それぞれ、保護要素570を例示している。これは、円板572と、延長部574とを含む。
図20bの実施形態において、前記延長部574は、潰れることができ、これにより、完全に延びた位置から、潰れた位置になる。
図20cの実施形態において、前記保護要素570は、更に、コイル576を含む。これは、前記延長部574の周りに設けられている。
図20dの実施形態において、前記延長部は、その周りに峰部578が設けられている。
いくつかの構成において、前記峰部578は、ねじを提供してもよい。
【0073】
[0119]図21a,21b及び22は、前記アンカー送達システムの更なる態様を例示している。
図21aに示したとおり、前記ワイヤ602は、近位端部612を有し、前記組織604及び保護要素606のなかを通り抜けて延びている。
アンカー送達カテーテル608が、前記ワイヤ602の上でその場にある。
テザー611が、前記ワイヤ602の上を覆って延び、前記組織604のなかを通り抜けて延びている。
複数の圧着部610を、前記テザー611に沿って設けてもよい。
図21bは、その代わりとなる取り付け機構を例示している。前記テザー611は、特有の圧着部616に結び付けられ、これにより、前記ワイヤ602を前記テザーに接続する。
【0074】
[0120]前記アンカー送達システムは、テザー614を確実に取り付けるのを容易にする。これにより、前記横断ワイヤ602の後に続いて、保護要素606(なくてもよい)及び組織604のなかを通り抜ける。
前記横断ワイヤ602が標的となる前記組織604の反対側で捕捉されると、前記ワイヤの前記近位端部612を、テザー614(放射線不透過性でもよい)の前記先導端部に取り付けてもよい。これを、別のアンカーに取り付ける。あるいは、取り付けてもよい。
いくつかの実施形態において、前記ワイヤ602を、更なる組織横断のために、前記テザー614に取り付けたままにしてもよい。
他の実施形態において、前記ワイヤ602を、更なる組織横断のために、置き換えてもよい。
【0075】
[0121]図21aに戻り、前記テザー611の先導端部は、直列した複数の圧着部610を有する。
遠位にある前記圧着部を最初に使用し、その後、前記ワイヤ602及びテザー611から切断してもよい。
同じ又は新しいワイヤを、残った圧着部を使用して、前記テザーに取り付けてもよい。
これを、着脱されるワイヤごとに繰り返してもよい。
前記圧着部610は、金属チューブを含んでもよい。これは、圧着したのちの前記ワイヤ602に保持強度を提供した。
前記圧着部610は、更に、重合体被覆を有してもよい。これにより、密着している前記テザー611の材料とよく付着し遷移する。
【0076】
[0122]図21bは、その代わりとなる機構を例示している。これは、前記テザー611を前記ワイヤ602に取り付ける。
示したとおり、特有のワンタッチ圧着取り付け装置616は、ループカップリングを有する。これにより、任意のテザーを結ぶことができる。
この小片を、前記ワイヤ及びテザーから切断してもよい。そして、新しいものを、同じ又は新しいワイヤ及びテザーに取り付けてもよい。
【0077】
[0123]図22は、撤退可能なアンカー620及びテザー622を配備するところを例示している。
撤退可能な前記アンカー620を配備する。そして、前記保護要素606(なくてもよい)及び組織604のなかを通り抜けて前記テザーを引くにつれて、残った弛みを除去してもよい。
【0078】
[0124]図23,24及び25は、第二のアンカー720を送達する送達システムの態様を例示している。
図23は、外部化された第一の横断から第一の前記アンカー700及びテザー702を例示している。
第二のワイヤの横断をするのに、図18a,18b,19及び20a~20dに関して前に記述したようなワイヤ横断システムを使用する。
前記ワイヤ704は、組織706のなかを通り抜けて横断する。そして、前記組織706の反対側で捕捉される。そして、外部化される。
前記ワイヤを捕捉するのには、例えば、スネア708を用いてもよい。
【0079】
[0125]図24は、前記テザー702を例示している。これは、前記先導ワイヤ704に取り付けられている。
ワイヤ/テザー接続を、710で示す。
この接続をするのは、図21bに示すようなループを介してであってもよい。
この取り付けをするのは、横断するときに前記ワイヤが外れた場合は、前記ワイヤが横断したのちであってもよい。
図24は、更に、なくてもよい直列した圧着コネクタ705を例示している。これは、前記テザー702の上にある。
カテーテル712を配備してもよい。これにより、前記ワイヤ及びテザーが組織の次の層のなかを縫って通り抜けるとき、前記ループ又は弛みを制御する。
前記アンカーは、制御されたやり方で、前記アンカーに近位のアタッチメントとともに、前記カテーテルから配備される。これは、例えば図1a~1eに示すとおりである。
前記アンカー700及び720は、前記テザー702にあらかじめ取り付けておいてもよい。あるいは、結び目又はロックを介して取り付けてもよい。
図24は、アンカーを例示している。これは、独立したロックを伴う。
図25は、アンカーを例示している。ロック722が取り付けられている。
【0080】
[0126]図26a~26c及び27a~27cは、その代わりとなるアンカー実施形態の様々な透視図を例示している。
前記アンカー750は、組織に隣接して留置するのに適している。
前記アンカー750は、配備可能なフレーム752を含む。これは、以下のように構成されている。すなわち、アンカー送達カテーテルから排出されたとき、前記アンカー送達カテーテル配備前における細長い構成から拡大して、平面的な構成になる。
前記フレーム752は、外側のリング又は周辺フレーム754を含む。これは、例えば、NiTiストラップ構成要素から形成されている。そして、中心部材又は中心支持部756を含む。
前記フレーム752の小片は、NiTi合金などの記憶形状材料で形成してもよい。
一実施形態において、外側のリング754は、向かい合ったリブ部材757を含む。
一実施形態において、前記中心部材は、中心螺旋状ばねである。
前記中心部材756を、向かい合ったリブ部材757に両側で接続してもよい。これをするところは、図26bに示すとおり、前記フレームワークの両端部にある回動点である。これにより、外側の二つの前記ストラップ752,754が、前記装置の長手方向軸を画定する軸又はヒンジピンの周りで互いに対して回転でき摺動できる。
これは、接続を達成し、また、以下のように機能する。すなわち、反対側の前記リブ部材757を動かして離し、これにより、外側の前記リング754を形成する。
テザー758を、前記中心部材756に取り付けてもよい。
図26cは、前記アンカー750を例示している。これは、扁平な細長い構成にある。
示したとおり、この実施形態において、向かい合った前記リブ部材757及び中心部材756は、それぞれ、長さが同様であり又は同じである。
【0081】
[0127]図27a~27cの実施形態は、図26a~26cの実施形態とは異なり、前記中心部材756が、向かい合った前記リブ部材757と接続している。
図27aは、前記フレーム752を例示している。これは、拡大された平面的な構成にある。
図27bは、前記フレーム752を例示している。これは、部分的に潰れた構成にある。
図27cは、前記フレーム752を例示している。これは、細長い構成にある。
【0082】
[0128]したがって、緊張要素(テザー及び配備可能なアンカーなど)を患者の解剖学的構造のなかの所望の場所に送達するためのシステム及び方法を記述する。
もっと具体的に言うと、配備可能なアンカーを解剖学的構造のなかの所望の場所に送達し、組織のなかを通り抜けて前記アンカーを一緒に係留するためのシステム及び方法を開示する。
配備可能な前記アンカーは、以下のアンカーを含んでもよい。これは、配備前の細長い構成と、配備後の平面的な構成とを有する。
配備後の平面的な前記構成において、前記アンカーは、以下のように作用する。すなわち、前記組織の表面範囲にわたって力を分配する。
このようなアンカー及びテザーは、構造的な心臓の用途において有用であり得る。しかし、器官又は管腔構造の圧迫、整形又は移動が望まれる範囲においても、使用し得る。
【0083】
[0129]本開示は、構造的な心臓の用途におけるそのようなアンカー及びテザーの送達を志向している。一方、開示した実施形態を、他の用途に使用してもよい。例えば、前立腺の圧迫又は管腔構造の移動などである。
開示した実施形態を、以下の任意の器官又は管腔構造のなかで使用してもよい。すなわち、整形する必要があり、あるいは、器官又は管腔構造の一部分を一時的に又は永久に移動する必要があるものである。
したがって、開示した実施形態は、例示的なものにすぎないことを意味する。
【0084】
[0130]このなかで使用したとおり、用語「実質的に」又は「概して」は、作用、特徴、性質、状態、構造、項目又は結果の完全な又はほぼ完全な程度又は度合いを意味する。
例えば、「実質的に」又は「概して」囲まれた物体は、前記物体が完全に囲まれているか、あるいは、ほぼ完全に囲まれているかのいずれかであることを意味するであろう。
絶対的完全性からの逸脱が正確にどの程度許容されるかは、場合によって、特定の文脈に依存することがある。
しかしながら、一般的に言うと、完全に近いということは、絶対的及び全体的な完全が得られた場合と概して同じ全体的な結果を有するようになることであろう。
「実質的に」又は「概して」の使用は、否定的な意味で使用される場合に、等しく適用可能である。これは、作用、特徴、特性、状態、構造、項目又は結果の完全な又はほぼ完全な欠如を意味する。
例えば、要素が「実質的にない」又は「概してない」要素、組合せ、実施形態又は組成物は、概してその有意な効果がない限りにおいて、そのような要素をまだ実際に含んでもよい。
【0085】
[0131]特許庁及び本出願に関して発行された特許の読者がここに添付された請求項を解釈するのを助けるため、出願人は、以下のことを特筆したい。すなわち、「~する手段」又は「~する工程」という語が特定の請求項において明示的に使用されていない場合、添付した請求項や請求項の要素は、いずれも、米国特許法112条(f)を援用することを意図するものではない。
【0086】
[0132]それに加えて、このなかで使用されるとおり、「[X]及び[Y]のうちの少なくとも一つ」という句は、X及びYが本開示の実施形態のなかに含まれる可能性のある異なる構成要素である場合、以下を意味する。すなわち、前記実施形態は、構成要素Xを含み、構成要素Yを含まなくてもよい。前記実施形態は、構成要素Yを含み、構成要素Xを含まなくてもよい。又は、前記実施形態は、構成要素X及びYの両方を含んでもよい。
同様に、三つ以上の構成要素に関して使用する場合(「[X]、[Y]及び[Z]のうちの少なくとも一つ」など)、前記句は、以下を意味する。すなわち、前記実施形態は、三つ以上の前記構成要素のうちの任意の一つを含んでも、前記構成要素のうちのいくつかの任意の組合せ又は部分的組合せを含んでも、前記構成要素のすべてを含んでもよい。
【0087】
[0133]以上の記述において、本開示の様々な実施形態は、例示及び記述の目的のために提示されている。
それらは、網羅的であること意図するものではないし、発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものでもない。
以上の教示に照らして、自明な修正や変更が可能である。
様々な実施形態を選択し記述した。これにより、本開示の原理及びその実践的用途の最良の例示を提供した。そして、これにより、当業者がこの様々な実施形態を、様々な改変を伴って利用して、意図する特定の使用に適合させることができる。
そのような修正及び変更は、すべて、添付の請求項によって決定されるとおり、本開示の範囲内である。これは、公正かつ適法かつ公平に権利を有する範囲にしたがって解釈される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1F
図1G
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図16a
図16b
図17a
図17b
図18a
図18b
図19
図20a
図20b
図20c
図20d
図21a
図21b
図22
図23
図24
図25
図26a
図26b
図26c
図27a
図27b
図27c
【国際調査報告】