(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】染色組成物、染色方法、その使用及び染色組成物のキットオブパーツ
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20221017BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20221017BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20221017BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/06
A61K8/34
A61K8/73
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509187
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2020072744
(87)【国際公開番号】W WO2021028530
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネッカー,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ブレイクスピア,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ギアシ,ファリバ
(72)【発明者】
【氏名】ノイ,アンナ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA162
4C083AB012
4C083AB032
4C083AB081
4C083AB082
4C083AB411
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC182
4C083AC521
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC742
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083AD092
4C083AD261
4C083AD271
4C083AD282
4C083AD351
4C083AD352
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE03
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、染色組成物、染色方法及び、その使用及びキットに関し、これらは特定の直接染料を用いる染色を改善する。本発明組成物はベンジルアルコールと増粘ポリマーを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するための、pHが7~12の範囲である非酸化性水性組成物であって、
-HCレッド18、HCブルー18、HCイエロー16及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の直接染料、
-ノニオン性増粘ポリマー及び/又はアニオン性増粘ポリマー及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマー、
-1種以上のアルカリ剤、及び
-ベンジルアルコールを含む、非酸化性水性組成物。
【請求項2】
ブリーチ化合物を1重量%以下含み、好ましくはブリーチ化合物を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを1重量%以下含み、好ましくは酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを含まないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
25℃におけるコーンプレート粘度測定、例えば#5スピンドルを用いるブルックフィールド粘度計により行われる粘度測定による絶対粘度を10,000mPa・s~50,000mPa・sの範囲に有することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度が、1重量%~12重量%、より好ましくは2重量%~10重量%、更に好ましくは3重量%~8重量%であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記ノニオン性増粘ポリマーが、セルロース系ポリマーであることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記アニオン性増粘ポリマーが、天然系アニオン性ポリマー及び/又は合成アニオン性ポリマーから選択されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記天然系アニオン性ポリマーが、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースから選択されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記合成アニオン性ポリマーが、非会合性のアニオン性ポリマーから選択されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の総重量に対して計算される前記組成物中の前記増粘ポリマーの総濃度が、0.1重量%~15重量%、好ましくは0.25重量%~12重量%、より好ましくは0.5重量%~10重量%であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
ゲル状、好ましくはヒト肉眼で前記組成物の1cm厚を観測して決定される透光性のゲル状であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記アルカリ剤が、アンモニア及び/又はその塩、有機アルキル又はアルカノールアミン及び/又はこれらの塩、及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物の総重量に対して計算されるアルカリ剤の総濃度が、1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%、更に好ましくは3重量%~12重量%であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
1種以上の疎水性化合物を含むゲルエマルジョンであることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
第一パートとして請求項1~14に定義される組成物、第二パートとして1種以上のグアニジン化合物及び/又はその塩、及び任意的に過酸化水素を含む酸性水性組成物を含む、ケラチン繊維用2剤式染色組成物。
【請求項16】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
a)請求項1~14に定義される第一の非酸化性水性組成物を提供すること、
b)請求項15に第二パートとして定義される第二の酸性水性組成物を提供すること、
c)ステップa)の組成物とステップb)の組成物を混合して、pH7~12を有するすぐに使用可能な組成物を得ること、
d)前記すぐに使用可能な組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
e)任意的に前記ケラチン繊維をすすぎ洗いすること、
を含む方法。
【請求項17】
前記ステップb)の組成物が水中油型エマルジョンであることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
f)請求項1~14のいずれかに定義される前記組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
g)任意的に前記ケラチン繊維をすすぎ洗いすること、及び任意的に前記ケラチン繊維を乾燥させること、
を含む方法。
【請求項19】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するための、請求項1~14のいずれかに定義される組成物の使用。
【請求項20】
独立梱包された請求項1~14に定義される第一の組成物と、独立梱包され、任意的に酸化剤を含む第二の酸性水性組成物とを含むキットオブパーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維を染色するための組成物、染色方法、その使用及び染色用のキットオブパーツに関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維を着色するには一般に直接染料が使用される。このような染料は、染色プロセスにおいてケラチン繊維へのダメージが少ない点で酸化染料より有利である。直接染料を使用すると、染色後、特に染色を繰り返し行った後の見た目は美容的により魅力的となる。
【0003】
直接染料に関する一般的な問題は、ケラチン繊維の染色性が不十分なことであり、特に濃い色合いにしたい場合に問題となる。従来技術はこの問題に対処してきたが、満足いく解決は部分的にしか得られていない。
【0004】
特許文献1は、直接染料を非水組成物に含ませたブリーチ/カラー組成物を開示している。この組成物は続いて酸化性組成物及び酸化可能な溶媒と混合されるが、本発明は特定の直接染料を含むアルカリ性の非酸化性水性組成物に関する。
【0005】
特許文献2及び3は、本発明のHC染料とベンジルアルコールとの組み合わせを開示する。しかし、特許文献2及び3は増粘ポリマーの存在については開示していない。
特許文献4は、ベンジルアルコールを含む水性染色組成物中のHCブルー18を開示している。しかし、この開示組成物は増粘ポリマーを含まない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2793817号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1240891号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1275367号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1847249号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するための、pHが7~12の範囲である非酸化性水性組成物であって、
-HCレッド18、HCブルー18、HCイエロー16及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の直接染料、
-ノニオン性増粘ポリマー及び/又はアニオン性増粘ポリマー及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマー、
-1種以上のアルカリ剤、及び
-ベンジルアルコール
を含む組成物である。
【0008】
本発明の第二の目的は、第一パートとして上に定義される組成物、及び第二パートとして1種以上のグアニジン化合物及び/又はその塩を含む酸性水性組成物を含む、ケラチン繊維用2剤式染色組成物である。
【0009】
本発明の第三の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
a)上に定義される第一の非酸化性水性組成物を提供すること、
b)上に定義される第二の酸性水性組成物を提供すること、
c)ステップa)の組成物とステップb)の組成物を混合して、pH7~12を有するすぐに使用可能な(ready-to-use)組成物を得ること、
d)このすぐに使用可能な組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
e)任意的にこのケラチン繊維をすすぎ洗いすること、
を含む方法である。
【0010】
本発明の第四の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
f)上に定義される組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
g)任意的にケラチン繊維をすすぎ洗いすること、及び任意的にケラチン繊維を乾燥させること、
を含む方法である。
【0011】
本発明の第五の目的は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するための、上に定義される組成物の使用である。
【0012】
本発明の第六の目的は、独立梱包された(separately packed)上に定義される第一の組成物、独立梱包された上に定義される第二の酸性水性組成物及び任意的に酸化剤を含むキットオブパーツである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の発明者らは、予期せぬことに、特定の直接染料、アルカリ剤、増粘ポリマー及びベンジルアルコールを含むアルカリ性の水性組成物が、ケラチン繊維に大きなダメージを与えることなく美しい輝くトーンを実現しつつ、ケラチン繊維に深く濃い色合いを提供することを見出した。
【0014】
ケラチン繊維染色用組成物
本発明の組成物は、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するため、pHが7~12の範囲である非酸化性水性組成物であって、
-HCレッド18、HCブルー18、HCイエロー16及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の直接染料、
-ノニオン性増粘ポリマー及び/又はアニオン性増粘ポリマー及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマー、
-1種以上のアルカリ剤、及び
-ベンジルアルコール
を含む組成物である。
【0015】
「非酸化性」とは、本発明組成物のブリーチ化合物含有量が1重量%以下であるか、好ましくは本発明組成物がブリーチ化合物を含まないことと理解されたい。
【0016】
ブリーチ化合物は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の過酸基塩及び/又はパーオキシ酸塩である。
【0017】
非酸化性の観点から、本発明組成物は、好ましくは酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーの含有量が1重量%以下であり、より好ましくは酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを含まない。
【0018】
ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪に対するダメージ軽減の観点から、本組成物のpHは好ましくは8~11、より好ましくは8.5~10である。
【0019】
毛髪直接染料
本発明組成物の1種以上の直接染料は、HCレッド18、HCブルー18、HCイエロー16及び/又はこれらの混合物から選択される。
【0020】
好ましくは、ケラチン繊維に十分な色濃度を与える観点から、組成物の総重量に対して計算される直接染料の総濃度は、0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.2重量%以上である。
【0021】
好ましくは、ケラチン繊維への十分な色濃度付与及び製品コストの観点から、組成物の総重量に対して計算される直接染料の総濃度は10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。
【0022】
上述の効果を達成するため、組成物の総重量に対して計算される直接染料の総濃度は、0.05重量%~10重量%が好ましく、0.1重量%~5重量%がより好ましく、0.2重量%~3重量%が更に好ましい。
【0023】
増粘ポリマー
本発明組成物は、ノニオン性増粘ポリマー及び/又はアニオン性増粘ポリマー及び/又はこれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマーを含む。
【0024】
本増粘ポリマーは、pH8~10において少なくとも5,000mPa・sの粘度を有する水溶液及び/又は水性分散液を生じるポリマーから選択されることが好ましい。この粘度は、25℃の水中におけるポリマー濃度1重量%において、適切なスピンドルを備えるブルックフィールド粘度計(例えば1分間10回転)で25℃にて測定され、組成物の総重量に対して計算される。
【0025】
ノニオン性増粘ポリマーとしては、セルロース系ポリマーが好適である。セルロース系ポリマーの好適な例としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース及びアルキル化ヒドロキシルセルロース((C2-C8)-アルキルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース等)が挙げられる。
【0026】
好適なアニオン性増粘ポリマーは、天然系アニオン性ポリマー及び/又は合成アニオン性ポリマーから選択される。
【0027】
好適には、この天然系アニオン性ポリマーは、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、スターチ系ポリマー(植物由来デンプン等)及び/又はこれらの合成的修飾誘導体(ヒドロキシプロピルデンプンリン酸等)から選択することができる。同様に好適な天然系アニオン性ポリマーは、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリシウム、アラビアガム及びグアーガムである。
【0028】
生分解性の観点及び環境への影響の低さの観点から、本発明組成物に好ましい増粘ポリマーは、天然系アニオン性ポリマー、より好ましくはキサンタンガム及び/又はデヒドロキサンタンガムである。
【0029】
好ましくは、本組成物に十分な粘度を提供する観点から、組成物の総重量に対して計算される本発明の増粘ポリマーの総濃度は、0.1重量%以上、より好ましくは0.25重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上である。
【0030】
好ましくは、本組成物に十分な粘度を提供する観点及び製品コストの観点から、組成物の総重量に対して計算される本発明の増粘ポリマーの総濃度は、15重量%以下、より好ましくは12重量%以上、更に好ましくは10重量%以下である。
【0031】
上述の効果を達成するため、組成物の総重量に対して計算される本発明組成物の増粘ポリマーの総濃度は、0.1重量%~15重量%が好ましく、0.25重量%~12重量%がより好ましく、0.5重量%~10重量%が更に好ましい。
【0032】
アルカリ剤
本発明組成物は1種以上のアルカリ剤を含む。
好適なアルカリ剤は、アンモニア及び/又はその塩、グアニジン及び/又はその塩、及び/又は一般構造式
【0033】
【0034】
〔式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、H、水酸基1個が置換していてもよい直鎖C1~C6アルキル、並びに分枝鎖C3~C12アルキル及びアルカノールから選択され、少なくとも1個のR1、R2及びR3はH及び/又はそれらの塩ではない。〕
で表される有機アルキルアミン及び/又はアルカノールアミン及び/又はこれらの塩である。
【0035】
上の構造に該当する有機アルキルアミン及び/又はアルカノールアミンは、モノ及び/又はジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モノエチルアミン、ジエチルアミン及びトリエチルアミンから選択することができる。同様に好適なのは、対イオンが好ましくは塩化物イオン及び/又は塩化水素、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、クエン酸イオン、酢酸イオン、亜硫酸イオン、安息香酸イオン及びサリチル酸イオンから選択される、アルキル及び/又はアルカノールアミンの塩である。
【0036】
十分なアルカリ性を提供する観点から、アルカリ剤は、アンモニア及び/又はその塩、有機アミン、アルカノールアミン及び/又はこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0037】
染色効率の観点から、最も好ましいアルカリ剤はアンモニア及び/又はその塩である。
【0038】
好ましくは、十分なアルカリ性と染色効率を提供する観点から、組成物の総重量に対して計算されるアルカリ剤の総濃度は、1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上である。
【0039】
好ましくは、ヘアダメージを低減する観点から、組成物の総重量に対して計算されるアルカリ剤の総濃度は、20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、更に好ましくは12重量%以下である。
【0040】
上述の効果を達成するため、組成物の総重量に対して計算されるアルカリ剤の総濃度は、1重量%~20重量%が好ましく、2重量%~15重量%がより好ましく、3重量%~12重量%が更に好ましい。
【0041】
ベンジルアルコール
毛髪繊維への染料の浸透を向上させる観点から、本発明組成物はベンジルアルコールを含む。
【0042】
好ましくは、染色効率の観点から、組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度は、1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上である。
【0043】
好ましくは、染色効率及び製品コストの観点から、組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度は、12重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは8重量%以下である。
【0044】
好ましくは、上述の効果を達成するため、組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度は、1重量%~12重量%、より好ましくは2重量%~10重量%、更に好ましくは3重量%~8重量%である。
【0045】
粘度
染料の取り込み向上とケラチン繊維からの垂れ防止の観点から、25℃におけるコーンプレート粘度測定による本組成物の絶対粘度は、10,000mPa・s~50,000mPa・sであることが好ましい。粘度測定は、例えば、ブルックフィールド粘度計と#5スピンドルにより行われ、剪断速度は10rpmが好ましい。
【0046】
好ましくは、製品としての粘性を提供する観点から、25℃におけるコーンプレート粘度測定による本発明組成物の粘度は、12,500mPa・s以上、より好ましくは15,000mPa・s以上である。
【0047】
好ましくは、製品としての粘性を提供する観点及びケラチン繊維への適用し易すさの観点から、上述の25℃におけるコーンプレート粘度測定による本発明組成物の粘度は、45,000mPa・s以下、更に好ましくは40,000mPa・s以下である。
【0048】
上述の効果を達成するため、上述の25℃におけるコーンプレート粘度測定による本発明組成物の粘度は、12,500mPa・s~45,000mPa・sが好ましく、15,000mPa・s~40,000mPa・sがより好ましい。
【0049】
製品形状
本発明組成物は、ケラチン繊維への適用を容易とするいずれかの形状であることが好適である。
【0050】
化粧料としての外観の観点から、本組成物はゲル状、より好ましくは透光性(ヒト肉眼で本組成物1cm厚を観測して決定)のゲル形状であることが好ましい。
【0051】
他の態様において本発明組成物は、1種以上の疎水性化合物、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、鉱物油及び/又はこれらの混合物を含むゲルエマルジョンである。組成物の総重量に対して計算される疎水性化合物の好適な濃度は、1重量%~20重量%、好ましくは2重量%~15重量%である。本組成物は1種以上の界面活性剤を乳化の目的で含むことが好ましい。界面活性剤は以下に示す界面活性剤のリストから選択することができる。
【0052】
界面活性剤
本発明の一態様において、本組成物は1種以上の界面活性剤を含む。
【0053】
好適な界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性及び/又は双性イオン性/両性の各界面活性剤及び/又はこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、エトキシ化又は非エトキシ化アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤、アルキル硫酸塩、エトキシ化及び/又は非エトキシ化アルキルカルボン酸塩、エトキシ化又は非エトキシ化アミノ酸界面活性剤及び/又はこれらの混合物から選択することができる。
【0055】
好適な例としては、アルキル鎖長C10~C22のアルキル硫酸塩(又は好ましくはエトキシ化されたアルキルエーテル硫酸塩)界面活性剤、或いはこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
好適なノニオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、エトキシ化トリグリセリド、エトキシ化脂肪族アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル及び/又はこれらの混合物から選択することができる。
【0057】
好適なカチオン性界面活性剤としては、炭素鎖長C12~C22の四級アンモニウム界面活性剤、又は三級アミン基とC12~C22の炭素鎖のアルキル鎖を少なくとも1個有する界面活性剤(アルキルアミドアルキルアミン界面活性剤等)が挙げられる。好適な例はセトリモニウムクロリドである。
【0058】
好適な両性/双性イオン性界面活性剤はベタイン型の界面活性剤である。好適な化合物は、アルキルベタイン及び/又はアルキルアミドベタインから選択することができる。アルキルベタインから選択される好ましい化合物は、ラウリルベタインである。アルキルアミドベタインから選択される好ましい化合物は、コカミドプロピルベタインである。本開示はこれら化合物の塩にも関する。
【0059】
ケラチン繊維の濡れ性を向上させる観点から、組成物の総重量に対して計算される界面活性剤の濃度は、0.1重量%~10重量%が好適である。
【0060】
2剤式組成物
本発明はまた、第一パートとして上に定義される組成物、及び第二パートとして1種以上のグアニジン化合物及び/又はその塩を含む酸性水性組成物を含む、ケラチン繊維用2剤式染色組成物に関する。
【0061】
好ましくは、化粧料としての安全性及び第一組成物との混合性の観点から、第二の酸性水性組成物のpHは1~6、より好ましくは2~5、更に好ましくは2.5~4.5である。
【0062】
好ましくは、ケラチン繊維の色強度向上の観点から、グアニジン化合物及び/又はその塩は、グアニジン、炭酸グアニジン、塩酸グアニジン、硫酸グアニジン、リン酸グアニジン及び/又はこれらの混合物から選択される。ケラチン繊維の色強度向上及び直接染料の洗浄堅牢性向上の観点から、グアニジン化合物及び/又はその塩としては硫酸グアニジンが最も好ましい。
【0063】
ケラチン繊維の色強度向上の観点から、好ましくは、組成物の総重量に対して計算されるグアニジン化合物及び/又はその塩の総濃度は、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
【0064】
ケラチン繊維の色強度向上及び化合物の溶解性の観点から、組成物の総重量に対して計算されるグアニジン化合物及び/又はその塩の総濃度は、10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好ましくは6%重量%以下であることが好ましい。
【0065】
上述の効果を達成するために、好ましくは、組成物の総重量に対して計算されるグアニジン化合物及び/又はその塩の総濃度は、0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~8重量%、より好ましくは1重量%~6重量%であることが好ましい。
【0066】
好ましくは、ケラチン繊維に輝きを与える観点から、第二の酸性組成物は1種以上の酸化剤、より好ましくは過酸化水素を含むことができる。
【0067】
ケラチン繊維に輝きを与える観点から、第二の酸性組成物の総重量に対して計算される1種以上の酸化剤(好ましくは過酸化水素)の第二の酸性組成物中の適切な濃度は、1重量%以上、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上である。
【0068】
ケラチン繊維に輝きを与える観点及び化粧料としての安全性の観点から、第二の酸性組成物の総重量に対して計算される1種以上の酸化剤(好ましくは過酸化水素)の第二の酸性組成物中の適切な濃度は、20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下である。
【0069】
第二の酸性組成物の総重量に対して計算される1種以上の酸化剤(好ましくは過酸化水素)の第二の酸性組成物中の適切な濃度は、1重量%~20重量%、好ましくは2重量%~15重量%、より好ましくは3重量%~12重量%である。
【0070】
化粧料としての相溶性及びコンディショニング効果付与の観点から、第二の酸性水性組成物は、1種以上の疎水性化合物を含む水中油型エマルジョンであることが好ましい。疎水性化合物としては、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、鉱物油及び/又はこれらの混合物が好適である。本組成物は1種以上の界面活性剤を乳化の目的で含むことが好ましい。界面活性剤は上に示した界面活性剤のリストから選択することができる。
【0071】
染色方法
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
a)上に定義される第一の非酸化性水性組成物を提供すること、
b)上に定義される第二の酸性水性組成物を提供すること、
c)ステップa)の組成物とステップb)の組成物を混合して、pH7~12を有するすぐに使用可能な組成物を得ること、
d)前記すぐに使用可能な組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
e)任意的にこのケラチン繊維をすすぎ洗いすること、
を含む方法に関する。
【0072】
ステップb)の水性組成物は、1種以上の疎水性化合物を含む水中油型エマルジョンであることが好ましい。疎水性化合物としては、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセリド、鉱物油及び/又はこれらの混合物が好適である。本組成物は1種以上の界面活性剤を乳化の目的で含むことが好ましい。界面活性剤は上に示した界面活性剤のリストから選択することができる。
【0073】
本発明の一態様において、染色性能向上の観点から、ステップb)の水性組成物は1種以上のグアニジン化合物及び/又はその塩を含む。
【0074】
ケラチン繊維の染色のみが望まれる場合、ステップb)の水性組成物は酸化剤を含まない。
【0075】
ケラチン繊維への輝きの付与が望まれる場合、ステップb)の水性組成物は1種以上の酸化剤を含む。
【0076】
後者の目的のために、毛髪に輝きを与える観点と化粧料としての安全性の観点から、酸化剤としては過酸化水素が好ましく、その濃度は第二の酸性組成物について上に述べたとおりである。
【0077】
ステップa)の組成物とステップb)の組成物は混合され、pH7~12であるすぐに使用可能な組成物が得られる。ヘアダメージ及び染色強度の観点から、すぐに使用可能な組成物のpHは8~11、より好ましくは8.5~10.5であることが好ましい。
【0078】
好ましくは、すぐに使用可能な組成物はケラチン繊維上に1分~60分の間放置される。プロセスの経済性の観点から、ケラチン繊維上に2分~45分、より好ましくは5分から30分放置される。
【0079】
化粧料としての安全性の観点から、すぐに使用可能な組成物はステップe)にて洗い落とされることが好ましい。
【0080】
しかし、ステップb)の組成物が酸化剤を含まないならば、すぐに使用可能な組成物をステップe)で洗い落とす必要はない。
【0081】
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色する方法であって、次の各ステップ:
f)上に定義される組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
g)任意的に前記ケラチン繊維をすすぎ洗いすること、及び任意的に前記ケラチン繊維を乾燥させること、
を含む方法に関する。
【0082】
染色強度及びヘアダメージの観点から、好ましくは、ステップf)の組成物のpHは7~12、より好ましくは8~11、更に好ましくは8.5~10.5である。
【0083】
ステップf)の組成物は、ケラチン繊維上に1分~60分の間放置することが好適である。プロセスの経済性の観点から、前記組成物はケラチン繊維上に2分~45分、より好ましくは5分から30分放置する。
【0084】
組成物の使用
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくはヒトのケラチン繊維、より好ましくはヒトの毛髪を染色するための、上に定義される組成物の使用に関する。
本発明の実施例で説明するように、本発明組成物はケラチン繊維への直接染料の取り込みを増加させる。
【0085】
キットオブパーツ
本発明はまた、本発明組成物として上に定義した、独立梱包された第一の組成物、及び任意的に酸化剤を含有する、独立梱包された第二の酸性水性組成物を含むキットオブパーツである。
【0086】
第二の組成物は、2剤式染色組成物の第二の酸性組成物として定義された組成物であることが好ましい。
【0087】
第二の酸性組成物中に酸化剤が存在する場合、酸化剤は過酸化水素が好ましい。
【0088】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0089】
各毛髪染料はアンモニア水を含む水に溶解させた。その後、ベンジルアルコールと増粘ポリマーを(含有する場合には)、定常的攪拌下で加えた。最終ステップでpHを調整した。
【0090】
【0091】
実施例1の組成物と比較例2の組成物の絶対粘度は約20,000mPa・sであった。他の2つの組成物の絶対粘度は500~1,000mPa・sであった。
【0092】
結果の検討
表1に示す各実施例のL*値から、実施例1と比較例1は同程度の染料の取り込みを示したが、他の2つの組成物はそれより低い染料の取り込みであった。黒系の染色とするには、低いL*値が優れており、黒に近い色であることを示している。
実施例1は、全ての実施例・比較例中最も低いC*値を示した。理想的な黒色毛髪のC*値は0である。従って、C*値が低いほど、黒色に近づく。
このため、本発明実施例1は比較例より優れている。
【0093】
方法
染毛実験
ボランティアから白色人種のブロンドのヘアストリークを得て、一束当たり2gの毛束にまとめた。各ストリークを市販のシャンプー(商品名:ゴールドウエル・デュアルセンシズ・カラー・シャンプー)で洗髪し、良く洗い落とし、完全にエアドライした。ヘアストリークの完全エアドライ後、データカラー45G CT(データカラー社、ローレンスヴィル、NJ、米国)による分光学的分析にて毛髪の色を測定した。
ヘアストリーク当たり5点で測定し、平均を取った(a1、b1)。
【0094】
次に、上の各実施例組成物1gをヘアストリークに適用し、1分間マッサージした後15分間休ませた。その後、ストリークを1分間ぬるま湯で洗い、ブローで乾燥させた。このヘアストリークを櫛で梳かし、ヘアストリーク当たり異なる5点で色を測定した(a2、b2)。
測定で得たCIE*Lab色空間に基づき、色差に関するC*値及びh値は次の式で計算される。
【0095】
【0096】
粘度測定
上の各組成物50gを細く高いビーカーに入れ、ブルックフィールド粘度計とスピンドル#5による粘度測定に供した。25℃における剪断速度は10rpmとした。
測定は1分間行い、絶対粘度の測定値を1分間の剪断後に取得した。3回測定の平均値を記載した。
【0097】
【0098】
結果の検討
表2に示す各実験は異なるpHで記録した。
表2の実施例のL*値の状況は表1と同様であり、実施例は同様の染料取り込みを示した。
表2の実施例は比較例に比べ、低いC*値を示した。理想的な黒色毛髪のC*値は0である。従って、C*値が低いほど、黒色に近づく。
a*及びb*は視覚的な色シフトも示すとされている。a*が高い程、毛髪の見た目はより赤くなり、b*が高い程、ヘアストリークの見た目はより黄色くなる。従ってこれらの数値が低いことが、黒髪の消費者は赤や黄色のトーンの見た目を望まないことから特に望ましい。
【0099】
方法
表1の実施例と同じ方法を採用した。
【0100】
次の実施例は本発明の範囲内に含まれる。
【0101】
実施例9
第一パート
重量%
HCブルー18 1.0
HCイエロー16 0.08
HCレッド18 0.05
モノエタノールアミン 5.0
ヒドロキシプロピルキサンタンガム 0.5
ベンジルアルコール 3.0
プロピレングリコール 3.0
NaOH/HCl pH9.5とする適量
水 全量を100.0に
【0102】
第二の酸性パート
重量%
硫酸グアニジン 3.0
NaOH/HCl pH3.5とする適量
水 全量を100.0に
【0103】
第一組成物と第二の酸性組成物とを重量比1:1で混合する。
第二の酸性組成物は、過酸化水素を1重量%~20重量%(第二の酸性組成物の総重量基準)で追加的に含んでいても良い。
【0104】
実施例10
第一パート
重量%
HCブルー18 0.1
HCイエロー16 0.1
HCレッド18 0.25
アンモニア(有効量24.5%) 8.0
キサンタンガム 4.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
ベンジルアルコール 6.0
鉱物油 8.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
セテアレス-30 1.0
NaOH/HCl pH9.5とする適量
水 全量を100.0に
【0105】
第二の酸性パート
重量%
硫酸グアニジン 3.0
塩酸グアニジン 1.0
NaOH/HCl pH2.5とする適量
水 全量を100.0に
【0106】
第一組成物と第二の酸性組成物とを重量比1:1で混合する。
第二の酸性組成物は、過酸化水素を1重量%~20重量%(第二の酸性組成物の総重量基準)で追加的に含んでいても良い。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊
維を染色するための、pHが7~12の範囲である非酸化性水性組成物であって、
-HCレッド18、HCブルー18、HCイエロー16及
びこれらの混合物から選択される1種以上の直接染料、
-ノニオン性増粘ポリマー
、アニオン性増粘ポリマー及
びこれらの混合物から選択される1種以上の増粘ポリマー、
-1種以上のアルカリ剤、及び
-ベンジルアルコールを含む、非酸化性水性組成物。
【請求項2】
ブリーチ化合物を1重量%以下含
むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを1重量%以下含
むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
酸化染料前駆体及び/又は酸化染料カプラーを含まないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
25℃におけるコーンプレート粘度測
定による絶対粘度を10,000mPa・s~50,000mPa・sの範囲に有することを特徴とする、
請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度が、1重量%~12重量
%であることを特徴とする、
請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の総重量に対して計算されるベンジルアルコールの総濃度が、3重量%~8重量%であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記ノニオン性増粘ポリマーが、セルロース系ポリマーであることを特徴とする、
請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記アニオン性増粘ポリマーが、天然系アニオン性ポリマー及
び合成アニオン性ポリマーから選択されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記天然系アニオン性ポリマーが、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム
及びカルボキシメチルセルロースから選択されることを特徴とする、
請求項1~9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記合成アニオン性ポリマーが、非会合性のアニオン性ポリマーから選択されることを特徴とする、
請求項1~10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の総重量に対して計算される前記組成物中の前記増粘ポリマーの総濃度が、0.1重量%~15重量
%であることを特徴とする、
請求項1~11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
ゲル
状であることを特徴とする、
請求項1~12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
ヒト肉眼で前記組成物の1cm厚を観測して決定される透光性のゲル状であることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記アルカリ剤が、アンモニ
ア又はその塩、有機アルキル又はアルカノールアミ
ン又はこれらの塩、及
びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、
請求項1~14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物の総重量に対して計算されるアルカリ剤の総濃度が、1重量%~20重量
%であることを特徴とする、
請求項1~15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
1種以上の疎水性化合物を含むゲルエマルジョンであることを特徴とする、
請求項1~16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
第一パートとして請求項1~
17に定義される組成物、第二パートとして1種以上のグアニジン化合物及び/又はその塩、及び任意的に過酸化水素を含む酸性水性組成物を含む、ケラチン繊維用2剤式染色組成物。
【請求項19】
ケラチン繊
維を染色する方法であって、次の各ステップ:
a)請求項1~
17に定義される第一の非酸化性水性組成物を提供すること、
b)請求項
18に第二パートとして定義される第二の酸性水性組成物を提供すること、
c)ステップa)の組成物とステップb)の組成物を混合して、pH7~12を有するすぐに使用可能な組成物を得ること、
d)前記すぐに使用可能な組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
e)任意的に前記ケラチン繊維をすすぎ洗いすること、
を含む方法。
【請求項20】
前記ステップb)の組成物が水中油型エマルジョンであることを特徴とする、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
ケラチン繊
維を染色する方法であって、次の各ステップ:
f)請求項1~
17のいずれかに定義される前記組成物をケラチン繊維に適用し、1分~60分の間放置すること、
g)任意的に前記ケラチン繊維をすすぎ洗いすること、及び任意的に前記ケラチン繊維を乾燥させること、
を含む方法。
【請求項22】
ケラチン繊
維を染色するための、請求項1~
17のいずれかに定義される組成物の使用。
【請求項23】
独立梱包された請求項1~
17に定義される第一の組成物と、独立梱包され、任意的に酸化剤を含む第二の酸性水性組成物とを含むキットオブパーツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
好ましくは、本組成物に十分な粘度を提供する観点及び製品コストの観点から、組成物の総重量に対して計算される本発明の増粘ポリマーの総濃度は、15重量%以下、より好ましくは12重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
【国際調査報告】