(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20221017BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221017BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20221017BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20221017BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20221017BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20221017BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20221017BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20221017BHJP
H01M 50/375 20210101ALI20221017BHJP
H01M 50/383 20210101ALI20221017BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20221017BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20221017BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M10/613
H01M10/6563
H01M50/204 401H
H01M50/35 201
H01M50/262 E
H01M50/249
H01M10/625
H01M10/647
H01M50/375
H01M50/383
H01M50/30
H01M50/289
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509691
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 KR2020011127
(87)【国際公開番号】W WO2021107336
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0152649
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウン-ギュ・シン
(72)【発明者】
【氏名】スン-ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ミン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ソク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ユン-ク・イ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012CC10
5H031AA00
5H031CC05
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS02
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC34
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、火事または熱暴走に対する安全性を向上させたバッテリーモジュールを開示する。このような目的を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、少なくとも二つのバッテリーセルが備えられたセルアセンブリーと、セルアセンブリーを収納する内部空間が形成され、内部空間が外部と連通するように流通口が形成されたモジュールハウジングと、メッシュ構造を有し、モジュールハウジングの流通口に備えられたメッシュ部材と、メッシュ部材と対面する位置に備えられ、所定の温度以上で体積が膨張してメッシュ部材のメッシュの穴を密閉するように構成された密閉部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのバッテリーセルが備えられたセルアセンブリーと、
前記セルアセンブリーを収納する内部空間が形成され、前記内部空間が外部と連通するように流通口が形成されたモジュールハウジングと、
メッシュ構造を有し、前記モジュールハウジングの流通口に備えられたメッシュ部材と、
前記メッシュ部材と対面する位置に備えられ、所定の温度以上で体積が膨張して前記メッシュ部材のメッシュの穴を密閉するように構成された密閉部材と、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記密閉部材には、前記モジュールハウジングの内部で発生したガスを外部へ排出するように穿孔された複数のベントホールが備えられたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記モジュールハウジングは、前記メッシュ部材を前記流通口に固定するように構成された少なくとも二つの固定部材を備え、
前記少なくとも二つの固定部材の間に前記メッシュ部材が介在されることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記固定部材には、前記密閉部材が挿入されるように構成された開口が備えられたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記密閉部材は、所定の温度以上で体積膨張する炭化層が生成されるように構成され、
前記メッシュ部材には、前記密閉部材の生成された炭化層が前記メッシュ構造を貫通する場合、前記炭化層が所定の距離以上で貫通された方向へ移動することを阻止するように構成されたストッパが備えられたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記密閉部材は、各々の前記複数のベントホール内に位置し、所定の温度以上で体積が膨張して前記ベントホール及び前記メッシュ部材のメッシュの穴を密閉するように構成されたコアユニットを備えることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記密閉部材の外側に備えられ、前記密閉部材と所定の距離で離隔し、前記ガスが外部へ排出されるように複数の排出ホールが備えられた排出部材をさらに含み、
前記排出部材の外側面には、所定の温度以上で体積が膨張して前記密閉部材の複数のベントホールの各々を密閉するように外側方向へ突出した柱部が備えられたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記セルアセンブリーの少なくとも二つのバッテリーセルは、一方向へ積層され、
前記セルアセンブリーは、前記積層された少なくとも二つのバッテリーセルの間にバッテリーセルの体積変化を緩衝するように構成された弾性部材が備えられることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパックを含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より詳しくは、火事または熱暴走に対する安全性を向上させたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2019年11月25日出願の韓国特許出願第10-2019-0152649号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず充放電が自由で、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
二次電池は、製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度を有する電気的特性を有する。このような二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに適用されている。
【0005】
二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0006】
電気車両などに適用されるバッテリーパックは、高出力を得るために複数のバッテリーセルを含む複数のバッテリーモジュールを接続した構造を有している。そして、個々のバッテリーセルは電極組立体であって、正極及び負極集電体、セパレータ、活物質、電解液などを含んで構成要素間の電気化学的反応によって反復的な充放電が可能である。
【0007】
一方、最近、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高くなるにつれ、電気的に直列及び/または並列接続した複数のバッテリーモジュールに対する需要が増加しつつある。
【0008】
なお、このようなバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセル(二次電池)がモジュールハウジングの狭い空間に密集した形態で備えられ、一部のバッテリーセルで火事や熱暴走が発生する場合、火事や熱暴走が隣接するバッテリーセルへ速く伝播されるため、これを防止するために、各バッテリーセルで発生する高温のガスや火炎を外部へ迅速に放出することが重要である。
【0009】
また、従来技術のバッテリーモジュールは、内部に複数のバッテリーセルの充放電によって発生した熱が蓄積されやすく、熱の蓄積を減少させるために外部空気を内部へ流入し、内部空気を外部へ排出して冷却するように構成される場合が多かった。
【0010】
しかし、複数のバッテリーセルで火事が発生する場合にも、バッテリーモジュールの内部に外部空気が持続的に流入する場合があり、酸素供給が円滑になってしまい、火事がより大きくなり、周辺のバッテリーセルにも伝播される深刻な問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、火事や熱暴走に対する安全性を向上させたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、
少なくとも二つのバッテリーセルが備えられたセルアセンブリーと、
セルアセンブリーを収納する内部空間が形成され、内部空間が外部と連通するように流通口が形成されたモジュールハウジングと、
メッシュ構造を有し、モジュールハウジングの流通口に備えられたメッシュ部材と、
メッシュ部材と対面する位置に備えられ、所定の温度以上で体積が膨張してメッシュ部材のメッシュの穴を密閉するように構成された密閉部材と、を含み得る。
【0014】
また、密閉部材には、モジュールハウジングの内部で発生したガスを外部へ排出するように穿孔された複数のベントホールが備えられ得る。
【0015】
さらに、モジュールハウジングは、メッシュ部材を流通口に固定するように構成された少なくとも二つの固定部材を備え、
少なくとも二つの固定部材の間にメッシュ部材が介在され得る。
【0016】
そして、固定部材には、密閉部材が挿入されるように構成された開口が備えられ得る。
【0017】
また、密閉部材は、所定の温度以上で体積膨張する炭化層が生成されるように構成され、
メッシュ部材は、密閉部材の生成された炭化層がメッシュ構造を貫通する場合、炭化層が所定の距離以上で貫通された方向へ移動することを阻止するように構成されたストッパが備えられ得る。
【0018】
また、密閉部材は、各々の複数のベントホール内に位置し、所定の温度以上で体積が膨張してベントホール及びメッシュ部材のメッシュの穴を密閉するように構成されたコアユニットを備え得る。
【0019】
さらに、密閉部材の外側に備えられ、密閉部材と所定の距離で離隔し、ガスが外部へ排出されるように複数の排出ホールが備えられた排出部材をさらに含み得る。
【0020】
排出部材の外側面には、所定の温度以上で体積が膨張して密閉部材の複数のベントホールの各々を密閉するように外側方向へ突出した柱部が備えられ得る。
【0021】
さらに、セルアセンブリーの少なくとも二つのバッテリーセルは、一方向へ積層され、セルアセンブリーは、積層された少なくとも二つのバッテリーセルの間にバッテリーセルの体積変化を緩衝するように構成された弾性部材が備えられ得る。
【0022】
なお、上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーパックは、バッテリーモジュールを少なくとも一つ含み得る。
【0023】
また、上記の課題を達成するための本発明の自動車は、バッテリーパックを備え得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一面によると、本発明は、モジュールハウジングの流通口に備えられたメッシュ部材が所定の温度以上で体積膨脹して密閉するように構成された密閉部材を備えることで、セルアセンブリーに火事や熱暴走が発生する場合、高温のガスによって密閉部材の体積が膨脹して、体積膨張した密閉部材がメッシュ部材を密閉できるため、外部空気がモジュールハウジング内にこれ以上流入しないようにすることができる。これによって、外部と密閉されたモジュールハウジングは、セルアセンブリーの火事がさらに拡散することを防止し、究極的には自然消火するように誘導できる。
【0025】
また、本発明の他面によると、密閉部材には、モジュールハウジングの内部で発生したガスを外部へ排出するように穿孔された複数のベントホールが備えられることで、セルアセンブリーに火事や熱暴走が発生する場合、初期には高温のガスが密閉部材の複数のベントホールから外部へ排出できる。これによって、本発明のバッテリーモジュールは、高温のガスを迅速に排出してモジュールハウジング内部の温度が急上昇することを阻み、隣接するバッテリーセルへの火事や熱暴走の伝播を防止することができる。
【0026】
それから、高温のガスによって密閉部材が体積膨脹して、複数のベントホールを密閉できる。これによって、外部空気が密閉部材のベントホールへ流入できなくなり、モジュールハウジングの内部へ外部空気がこれ以上流入しないようにすることができる。これによって、外部と密閉されたモジュールハウジングは、セルアセンブリーの火事の拡散を防止し、究極的には自然消火するように誘導できる。
【0027】
さらに、本発明の他面によると、モジュールハウジングは、外周縁が少なくとも二回折り曲げられた折曲部を備える上部プレートと、上部が開放されたボックス状であり、上端部が上部プレートと結合し、上端部が折曲部の外面と対応するように少なくとも二回折り曲げられた構造を有する下部ケースと、を備えることで、モジュールハウジングの上部プレートと下部ケースとが気密に密閉された構造を有することができる。これによって、バッテリーモジュールは、内部で発生した高温のガスが漏れず、使用者の安全性を高めることができる。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールに適用された密閉部材の素材の体積膨張を概略的に示した模式図である。
【
図5】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成であるメッシュ部材を概略的に示した斜視図である。
【
図6】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの密閉部材の一部を概略的に示した正面図である。
【
図7】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分離斜視図である。
【
図8】
図7の密閉部材を水平方向へ切断した様子を概略的に示した水平断面図である。
【
図9】
図7の排出部材を水平方向へ切断した様子を概略的に示した水平断面図である。
【
図10】
図1の-A’線に沿って切断したバッテリーモジュールを概略的に示した断面図である。
【
図11】
図10のB領域を拡大して概略的に示した一部断面図である。
【
図12】
図10のC領域を拡大して概略的に示した一部断面図である。
【
図13】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
図2は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。そして、
図3は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0033】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール200は、セルアセンブリー100、モジュールハウジング220、メッシュ部材230及び密閉部材240を含む。
【0034】
ここで、セルアセンブリー100は、少なくとも二つのバッテリーセル110を備え得る。また、バッテリーセル110は、パウチ型バッテリーセル110であり得る。特に、このようなパウチ型バッテリーセル110は、電極組立体(図示せず)、電解質(図示せず)及びパウチ外装ケース115を備え得る。
【0035】
ここで、電極組立体は、一つ以上の正極板及び一つ以上の負極板がセパレーターを挟んで配置された形態で構成され得る。より具体的には、電極組立体は、一枚の正極板と一枚の負極板がセパレーターと共に巻き取られた巻取型、及び複数の正極板と複数の負極板がセパレーターを挟んで相互に積層されたスタック型などに分けられ得る。
【0036】
また、パウチ外装ケース115は、外部絶縁層、金属層及び内部接着層を備える形態で構成され得る。このようなパウチ外装ケース115は、電極組立体と電解液などの内部構成要素を保護し、電極組立体と電解液による電気化学的性質に対する補完及び放熱性などを向上させるために、金属薄膜、例えば、アルミニウム薄膜が含まれた形態で構成され得る。そして、このようなアルミニウム薄膜は、電極組立体及び電解液のようなバッテリーセル110の内部の構成要素やバッテリーセル110の外部の他の構成要素との電気的絶縁性を確保するために、絶縁物質から形成された絶縁層の間に介在され得る。
【0037】
特に、パウチ外装ケース115は、二つのパウチで構成され得、そのうち少なくとも一つには、凹んだ形態の内部空間が形成され得る。そして、このようなパウチの内部空間には、電極組立体が収納され得る。そして、二つのパウチの外周縁にはシーリング部が備えられ、このようなシーリング部が相互に溶着することで、電極組立体が収容された内部空間が密閉され得る。即ち、外装ケース115は、電極組立体及び電解液が収容された収容部115cが形成され得る。
【0038】
各々のパウチ型バッテリーセル110は、前後方向の両端部に各々電極リード111が備えられ得、このような電極リード111には、電気極性に応じて正極リードまたは負極リードであり得る。
【0039】
より具体的には、電極リード111は、パウチ外装ケース115の前方または後方の外周縁に位置したシーリング部から前方または後方へ突出するように構成され得る。そして、このような電極リード111は、バッテリーセル110の電極端子として機能し得る。例えば、
図2に示したように、一つの電極リード111がバッテリーセル110から前方へ突出するように構成され得、他の一つの電極リード111がバッテリーセル110から後方へ突出するように構成され得る。
【0040】
したがって、本発明のこのような構成によると、一つのバッテリーセル110において、正極リードと負極リードとの干渉がなくなり、電極リード111の面積を広げることができ、複数の電極リード111同士、または電極リード111とバスバー(図示せず)との溶接工程などがより容易に行われる。
【0041】
また、パウチ型バッテリーセル110は、バッテリーモジュール200に複数個が含まれ、少なくとも一方向へ積層されるように配列され得る。例えば、
図2に示したように、複数のパウチ型バッテリーセル110が上下方向へ積層されるように構成され得る。この際、各々のパウチ型バッテリーセル110は、F 方向から見たとき、二つの広い面が上下に各々位置し、左側、右側、前方及び後方には、シーリング部が位置するように地面にほぼ水平に横たえられた形態で配置され得る。
【0042】
一方、本明細書で記載された、前、後、左、右、上、下のように方向を示す用語は、観測者の位置や対象が置かれた形態によって変わり得る。但し、本明細書では、説明の便宜のために、F方向から見た場合を基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示す。
【0043】
前述したパウチ型バッテリーセル110の構成については、本願発明が属する技術分野における当業者に自明な事項であるので、より詳細な説明を省略する。そして、本発明によるセルアセンブリー100には、本願発明の出願時点における公知の多様なバッテリーセル(二次電池)が採用され得る。
【0044】
一方、バッテリーモジュール200は、セルアセンブリー100の二つ以上のバッテリーセル110同士を電気的に接続するバスバー(図示せず)をさらに含み得る。バスバーは、複数のバッテリーセル110を電気的に接続するように伝導性金属を含み得る。例えば、伝導性金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはニッケルなどが挙げられる。
【0045】
さらに
図1及び
図2を参照すると、モジュールハウジング220は、バッテリーモジュール200において、外部衝撃から内部構成を保護するか、または異物が流入することを防止する役割を果たすことができる。これによって、モジュールハウジング220は、バッテリーモジュール200に構造的な安定性を付与し、衝撃や異物などの外部の物理的な要素からセルアセンブリー100のような内部構成要素を保護する役割を果たす。このために、モジュールハウジング220は、スチールまたはアルミニウムのような金属材質から構成され得る。
【0046】
特に、アルミニウムを含む金属材質からモジュールハウジング220を構成する場合、アルミニウムの高い熱伝導性を用いてセルアセンブリー100で発生した熱をモジュールハウジング220の外部へ効果的に放出できる。例えば、モジュールハウジング220は、F方向から見たとき、セルアセンブリー100を基準で、前壁220a、後壁220b、上壁220c、下壁220d、左側壁220e及び右側壁220fを備え得る。
【0047】
そして、モジュールハウジング220には、セルアセンブリー100を収納するように側壁によって限定された内部空間が形成され得る。具体的には、内部空間は、セルアセンブリー100の外観形状と対応する内部構造を有し得る。
【0048】
例えば、
図2に示したように、モジュールハウジング220は、大略的な全体形状が直方体に形成されたセルアセンブリー100を内部に収容するように、モジュールハウジング220の前壁220a、後壁220b、上壁220c、下壁220d、左側壁220e及び右側壁220fが相互に直角をなすように連結された構造であり得る。
【0049】
一方、モジュールハウジング220には、内部空間が外部と連通するように流通口H4が形成され得る。流通口H4は、モジュールハウジング220に穿孔された形態で前壁220aに備えられ得る。流通口H4は、内部で発生したガスを外部へ排出するか、または外部の冷却された空気がモジュールハウジング220の内部へ流入可能に構成され得る。例えば、流通口H4の外側には、外部空気をモジュールハウジング220の内部へ注入するように構成された冷却ファン(図示せず)が備えられ得る。
【0050】
また、メッシュ部材230は、モジュールハウジング220の流通口H4に備えられ得る。メッシュ部材230は、メッシュ構造を有し得る。メッシュの目開きは0.5~2mmであり得る。メッシュ部材230は、周縁にメッシュ構造と連結された針金230aが備えられ得る。メッシュ部材230は、流通口H4から排出されたガスが通過するように構成され得る。または、メッシュ部材230は、外部空気がモジュールハウジング220の流通口H4に流入する前に外部物質が濾過されるようにフィルターの役割を果たし得る。
【0051】
例えば、
図2に示したように、バッテリーモジュール200は、二つのメッシュ部材230がモジュールハウジング220の流通口H4の外側に備えられ得る。
【0052】
さらに、密閉部材240は、メッシュ部材230と対面する位置に備えられ得る。例えば、
図2に示したように、二つのメッシュ部材230の間に密閉部材240が介在され得る。即ち、密閉部材240は、二つのメッシュ部材230の一面と密着するように位置し得る。
【0053】
そして、密閉部材240は、所定の温度以上で体積が膨張してメッシュ部材230のメッシュの穴を密閉するように構成され得る。例えば、所定の温度は、200℃以上であり得る。また、密閉部材240は、火炎、煙、そして高熱のガスが漏れないように塞ぐことができる。密閉部材240は、容易に変形され、元の状態に戻る弾性を有し得る。
【0054】
さらに、密閉部材240は、モジュールハウジング220を断熱するように断熱性を有し得る。密閉部材240は、少なくとも一部分が、例えば、Saint-Gobain社の製品FS1000の素材であり得る。または、密閉部材240は、所定の温度で体積が膨脹する片状黒鉛(Graphite Flake)を備え得る。
【0055】
図4は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールに適用された密閉部材の素材の体積膨張を概略的に示した模式図である。
【0056】
図4を参照すると、密閉部材240の少なくとも一部は、所定の温度以上で体積膨張した炭化層241が生成されるように構成され得る。炭化層241は、密閉部材240の少なくとも一部が炭化して体積膨張した層であり得る。例えば、
図4のように、密閉部材240の中央部位を200℃以上に加熱する場合、中央部が炭化して体積膨張が起こり、炭化層241が生成され得る。
【0057】
したがって、本発明このような構成によると、本発明は、モジュールハウジング220の流通口H4に備えられたメッシュ部材230が所定の温度以上で体積が膨脹して密閉するように構成された密閉部材240を備えることで、セルアセンブリー100に火事や熱暴走が発生する場合、高温のガスによって密閉部材240が体積膨脹し、体積膨張した密閉部材240がメッシュ部材230を密閉できるため、外部空気がモジュールハウジング220内へこれ以上流入しないようにすることができる。これによって、外部と密閉されたモジュールハウジング220は、セルアセンブリー100の火事の更なる拡散を防止し、窮極的には自然消火するように誘導できる。
【0058】
図3をさらに参考すると、密閉部材240には、穿孔された複数のベントホールH1が備えられ得る。ベントホールH1は、モジュールハウジング220の内部で発生したガスを外部へ排出するように構成され得る。または、ベントホールH1は、外部空気がモジュールハウジング220の内部へ流入するようにし得る。例えば、
図3に示したように、密閉部材240には、22個のベントホールH1が前後方向へ穿孔されて形成され得る。
【0059】
また、密閉部材240は、所定の温度以上で体積が膨張して複数のベントホールH1を密閉し得る。ここで、所定の温度は、200℃以上であり得る。
【0060】
したがって、本発明のこのような構成によると、密閉部材240は、モジュールハウジング220の内部で発生したガスを外部へ排出するように穿孔された複数のベントホールH1が備えられることで、セルアセンブリー100に火事や熱暴走が発生する場合、初期には高温のガスが密閉部材240の複数のベントホールH1から外部へ排出できる。これによって、本発明のバッテリーモジュール200は、高温のガスを迅速に排出し、モジュールハウジング220の内部温度が急上昇することを阻み、隣接するバッテリーセル110への火事や熱暴走の伝播を阻むことができる。
【0061】
また、その後、高温のガスによって、密閉部材240が体積膨脹しながら、複数のベントホールH1を密閉することができる。これによって、外部空気が密閉部材240のベントホールH1に流入されず、モジュールハウジング220の内部へ外部空気がこれ以上流入しないようにすることができる。これによって、外部と密閉されたモジュールハウジング220は、セルアセンブリー100の更なる火事を防止し、窮極的には自然消火するように誘導できる。
【0062】
そして、
図2及び
図3をさらに参照すると、モジュールハウジング220は、メッシュ部材230を流通口H4に固定するように構成された少なくとも二つの固定部材250を備え得る。固定部材250は、上下左右へ延びたプレート本体を有し得る。
【0063】
また、固定部材250のプレート本体の中央には、外部空気が流通可能に開放された開口H2が形成され得る。例えば、固定部材250の開口H2は、流通口H4の大きさと対応する大きさを有し得る。固定部材250の上端及び下端には各々、モジュールハウジング220とボルト締結可能に締結口H5が形成され得る。二つ以上の固定部材250の開放された開口H2内には、密閉部材240が挿入され得る。例えば、
図1に示したように、4個の固定部材250に開放された開口H2には、密閉部材240が挿入されて位置し得る。
【0064】
二つ以上の固定部材250の間には、メッシュ部材230が介在され得る。例えば、
図3に示したように、二つの固定部材250の間には、一つのメッシュ部材230が介在され、メッシュ部材230の位置を固定し得る。
【0065】
図5は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成であるメッシュ部材を概略的に示した斜視図である。
【0066】
図3と共に
図5を参照すると、
図5の他の一実施例によるバッテリーモジュールのメッシュ部材230Aは、
図3のメッシュ部材230と比較する場合、複数のストッパ245がさらに備えられたことを除いては、残りの構成は同一であり得る。
【0067】
ストッパ245は、メッシュ部材230Aの密閉部材240が位置した方向の反対側の外面に備えられ得る。ストッパ245は、密閉部材240の生成された炭化層241(
図4)がメッシュ部材230Aのメッシュ構造m1を貫通する場合、炭化層が所定の距離以上で貫通した方向へ移動することを阻止するように構成され得る。
【0068】
例えば、ストッパ245は、L字形であり得る。即ち、ストッパ245は、メッシュ部材230Aの外側方向の一面と連結された下部245a及び下部245aの外側方向の端部から上方へ延びた後方部245bを備え得る。例えば、
図5に示したように、メッシュ部材230Aの外側面には、6個のストッパ245が備えられ得る。
【0069】
したがって、本発明のこのような構成によると、メッシュ部材230Aには、密閉部材240に生成された炭化層がメッシュ構造m1を貫通する場合、炭化層が所定の距離以上に貫通した方向へ移動することを阻止するように構成されたストッパ245が備えられることで、密閉部材240の炭化層がメッシュ構造m1を貫通して脱離することを防止できる。これによって、密閉部材240がメッシュ部材230Aを完全に密閉する信頼性を高めることができる。窮極的には、バッテリーモジュール200の安全性を向上させることができる。
【0070】
図6は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの密閉部材の一部を概略的に示した正面図である。
【0071】
図6を参照すると、
図6の他の一実施例によるバッテリーモジュールの密閉部材240Aは、
図3の密閉部材240と比較する場合、コアユニット247をさらに備える点で相違する。なお、
図6の密閉部材240Aの残りの構成は、
図3の密閉部材240と同一であり得る。
【0072】
コアユニット247は、各々の複数のベントホールH1内に位置し得る。コアユニット247は、ベントホールH1の一部と連結された形態を有し得る。
図6に示したように、コアユニット247は、平面視で、上下左右方向へ延びた十字架の形態を有し得る。コアユニット247は、ベントホールH1の上内面、下内面、左側内面及び右側内面と連結されるように構成され得る。コアユニット247は、所定の温度以上で体積が膨張してベントホールH1及びメッシュ部材230のメッシュの穴を密閉するように構成され得る。
【0073】
したがって、本発明のこのような構成によると、密閉部材240Aは、各々の複数のベントホールH1内に位置し、所定の温度以上で体積が膨張され、ベントホールH1及びメッシュ部材230のメッシュの穴を密閉するように構成されたコアユニット247を備えることで、密閉部材240Aが所定の温度以上でベントホールH1の密閉をより迅速に行うようにすることができる。また、コアユニット247は、ベントホールH1がさらに完全な密閉をなすように助ける。
【0074】
図7は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。そして、
図8は、
図7の密閉部材を水平方向へ切断した様子を概略的に示した水平断面図である。
図9は、
図7の排出部材を水平方向へ切断した様子を概略的に示した水平断面図である。
【0075】
図7~
図9を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュール200は、複数の排出ホールH3が備えられた排出部材260をさらに含み得る。排出部材260は、密閉部材240Bの外側に備えられ得る。排出部材260は、密閉部材240Bと所定の距離で離隔して位置し得る。複数の排出ホールH3は、セルアセンブリー100の火事や熱暴走によって形成された高温のガスが外部へ排出されるように構成され得る。この際、排出部材260と密閉部材240Bは各々、所定の温度以上で体積が膨張して排出ホールH3とベントホールH1とを相互に密閉可能な距離で離隔して配置され得る。
【0076】
排出部材260の外側面には、外側へ突出した柱部265が備えられ得る。柱部265は、所定の温度以上で体積が膨張して密閉部材240Bの複数のベントホールH1を各々密閉するように構成され得る。例えば、排出部材260は、少なくとも一部が、例えば、Saint-Gobain社の製品FS1000の素材であり得る。または、排出部材260は、所定の温度で体積膨脹する片状黒鉛を備え得る。
【0077】
例えば、
図7及び
図9に示したように、排出部材260は、密閉部材240Bの複数のベントホールH1の個数分の複数の柱部265を備え得る。複数の柱部265は、複数のベントホールH1と各々前後方向に対面する位置に形成され得る。
【0078】
また、
図7の密閉部材240Bは、
図3の密閉部材240と比較して、複数の挿入部246をさらに備え得る。複数の挿入部246は、排出部材260と対面する密閉部材240Bの一面に形成され得る。挿入部246は、所定の温度以上で体積が膨張して排出部材260の複数の排出ホールH3を各々密閉するように複数の排出ホールH3の各々に向かって突出した柱構造を有し得る。複数の挿入部246は、密閉部材240Bの複数の排出ホールH3と各々対応する位置に形成され得る。
【0079】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明のバッテリーモジュールが排出部材260の外側に備えられ、排出部材260と所定の距離で離隔され、ガスが外部へ排出されるように複数の排出ホールH3が備えられた排出部材260をさらに含み、排出部材260の外側面には所定の温度以上で体積が膨張して密閉部材240Bの複数のベントホールH1を各々密閉するように外側方向へ突出した柱部265が備えられることで、排出部材260が密閉部材240Bの複数のベントホールH1を効果的に密閉でき、外部空気が密閉部材240BのベントホールH1へ流入しないように阻むことができる。
【0080】
これによって、モジュールハウジング220の内部へ外部空気がこれ以上に流入しないようになり、外部から密閉されたモジュールハウジング220は、セルアセンブリー100の火事の更なる伝播を防止し、窮極的には自然消火するように誘導できる。
【0081】
また、密閉部材240Bには、所定の温度以上で排出部材260に形成された複数の排出ホールH3を各々密閉するように複数の挿入部246が備えられることによって、外部空気が排出部材260の排出ホールH3に流入できず、モジュールハウジング220の内部へ外部空気がこれ以上流入しないようにすることができる。これによって、外部と密閉されたモジュールハウジング220は、セルアセンブリー100の火事の更なる拡散を防止し、窮極的には自然消火するように誘導できる。
【0082】
図10は、
図1のA-A’線に沿って切断したバッテリーモジュールを概略的に示した断面図である。
【0083】
図2と共に
図10をさらに参照すると、セルアセンブリー100の少なくとも二つのバッテリーセル110は、一方向へ積層され得る。例えば、
図2に示したように、6個のバッテリーセル110は、モジュールハウジング220内で上下方向へ積層した形態で収容され得る。セルアセンブリー100は、積層された少なくとも二つのバッテリーセル110の間に、バッテリーセル110の体積変化を緩衝するように構成された弾性部材270がさらに備えられ得る。
【0084】
弾性部材270は、少なくとも二つのバッテリーセル110の内部にガスが発生して膨張される場合、圧縮され得る。その後、弾性部材270は、少なくとも二つのバッテリーセル110からガスが排出される場合、元の状態に戻りながら、少なくとも二つのバッテリーセル110に圧力(弾性力)を加え得る。これによって、弾性部材270は、セルアセンブリー100に備えられた少なくとも二つのバッテリーセル110の各々からガスが外部へ排出されることを助けることができる。
【0085】
したがって、本発明のこのような構成によると、セルアセンブリー100は、積層された少なくとも二つのバッテリーセル110の間にバッテリーセル110の体積変化を緩衝するように構成された弾性部材270が備えられることで、セルアセンブリー100に火事や熱暴走が発生する場合、少なくとも二つのバッテリーセル110からガス排出を助け、速かにモジュールハウジング220の外部へガスを排出できる。これによって、本発明のバッテリーモジュール200は高温のガスを迅速に排出し、モジュールハウジング220の内部温度が急上昇することを防止し、隣接するバッテリーセル110への火事や熱暴走の伝播を阻むことができる。
【0086】
図11は、
図10のB領域を拡大して概略的に示した一部断面図である。
【0087】
図2及び
図10と共に
図11を参照すると、モジュールハウジング220は、上部プレート226及び下部ケース227を備え得る。具体的には、上部プレート226は、外周縁が時計回りにまたは反時計回りに少なくとも二回折り曲げられた折曲部226bを備え得る。また、下部ケース227は、上部が開放されたボックス状であり得る。
【0088】
また、下部ケース227のボックス状の上端部が上部プレート226と結合し得る。ボックス状の上端部は、上部プレート226の折曲部226bの外面と対応するように少なくとも二回折り曲げられた構造227bを有し得る。上部プレート226及び下部ケース227は、単にこのように折り曲げられた結合構造のみに限定されず、例えば、上部プレート226と下部ケース227とは、シーミング(seaming)構造、クランピング(clamping)構造またはヘミング(hemming)構造で結合し得る。
【0089】
モジュールハウジング220は、折曲部226bと、折曲部226bの外面と対応するように折り曲げられた下部ケース227の外周縁の間に介在されたシーリング部材(図示せず)をさらに備え得る。シーリング部材は、例えばシリコーン素材を含むガスケットであり得る。
【0090】
したがって、本発明のこのような構成によると、モジュールハウジング220は、外周縁が少なくとも二回折り曲げられた折曲部226bを備えた上部プレート226と、上部が開放されたボックス状の上端部が上部プレート226と結合し、上端部が折曲部226bの外面と対応するように少なくとも二回折り曲げられた構造227bを有する下部ケース227と、を備えることで、モジュールハウジング220の上部プレート226と下部ケース227とが気密に密閉された構造を有することができる。これによって、バッテリーモジュールは、内部で発生した高温のガスが漏れず、使用者の安全性を向上させることができる。
【0091】
図12は、
図10のC領域を拡大して概略的に示した一部断面図である。
【0092】
図10と共に
図12をさらに参照すると、本発明のバッテリーモジュール200は、熱伝達シート280及び冷却フィン285をさらに含み得る。熱伝達シート280は、モジュールハウジング220の内側面に密着して位置するように構成され得る。熱伝達シート280は、モジュールハウジング220の左側内面及び右側内面に各々備えられ得る。
【0093】
冷却フィン285は、プレート状であり得る。プレート状は、バッテリーセル110の一側面と対応する大きさを有し得る。冷却フィン285の一部は、少なくとも二つのバッテリーセル110の間に介在され得る。冷却フィン285は、外周縁が一方向へ折り曲げられた構造285bを有し得る。折曲構造285bによって、冷却フィン285の外周縁は、熱伝達シート280と接触するように構成され得る。
【0094】
したがって、本発明のこのような構成によると、モジュールハウジング220の内側面に密着して位置するように構成された熱伝達シート280と、プレート状であり、少なくとも二つのバッテリーセル110の間に介在されて外周縁が熱伝達シート280と接触するように一方向へ折り曲げられた冷却フィン285と、をさらに含むことで、セルアセンブリー100の充放電時に生成された熱をモジュールハウジング220へ効果的に伝達できる。これによって、バッテリーモジュール200の冷却効率を向上させることができる。
【0095】
図13は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0096】
図13を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュール200Aのモジュールハウジング220は、中間ケース229と、トッププレート228と、下部プレート225と、を備え得る。
【0097】
中間ケース229は、上部と下部が開放され、内部空間を形成するように水平方向へ延びた側壁229aを備え得る。側壁229aの上端部及び下端部には各々外側方向へ少なくとも二回折り曲げられた結合部229bが備えられ得る。ここで、「外側方向」とは、セルアセンブリー100が位置した方向の反対方向を意味する。
【0098】
また、トッププレート228は、中間ケース229の上部に搭載されるように構成されたプレート状であり得る。トッププレート228は、外周縁が結合部229bの外面と対応するように少なくとも二回折り曲げられた構造228bを有し得る。このような中間ケース229の上端部に形成された結合部229bと折り曲げられた構造228bとが相互に結合しながらトッププレート228と中間ケース229とを密閉できる。
【0099】
さらに、下部プレート225は、中間ケース229の下部に位置するように構成されたプレート状であり得る。下部プレート225は、外周縁が結合部229bの外面と対応するように少なくとも二回折り曲げられた構造225bを有し得る。このような中間ケース229の下端部に形成された結合部229b及び折り曲げられた構造225bによって、下部プレート225と中間ケース229とを密閉できる。
【0100】
したがって、本発明のこのような構成によると、トッププレート228及び下部プレート225が各々中間ケース229の結合部229bと結合するように構成された折曲構造228b、225bを有することで、モジュールハウジング220は、気密の密閉構造を有することができる。これによって、バッテリーモジュール200Aは、内部で発生した高温のガスが漏れず、使用者の安全性を向上させることができる。
【0101】
なお、本発明によるバッテリーパック(図示せず)は、バッテリーモジュール200を少なくとも一つ含み得る。さらに、本発明によるバッテリーパックは、このようなバッテリーモジュール200に加え、バッテリーモジュール200を収納するためのパックケース、バッテリーモジュール200の充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどがさらに含まれ得る。
【0102】
そして、本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。即ち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含み得る。
【0103】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0104】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、バッテリーモジュールに関する。また、本発明は、バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0106】
100 セルアセンブリー
110 バッテリーセル
111 電極リード
200 バッテリーモジュール
220 モジュールハウジング
225 下部プレート
226 上部プレート
227 下部ケース
228 トッププレート
229 中間ケース
230 メッシュ部材
240 密閉部材
245 ストッパ
247 コアユニット
250 固定部材
260 排出部材
265 柱部
270 弾性部材
280 熱伝達シート
285 冷却フィン
H1 ベントホール
H2 開口
H3 排出ホール
H4 流通口
【国際調査報告】