(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】無線電力取引システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20221017BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535976
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 CA2020051126
(87)【国際公開番号】W WO2021030907
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521382001
【氏名又は名称】オカブ ディートリヒ インダクション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】オカブ、ハルーン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ディートリヒ、ジョージ ビー.
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】電力取引システムおよび方法が提供される。
【解決手段】本システムは、バイヤとサプライヤの間の無線電力取引を容易にする分散ブロックチェーンアプリケーションであって、ブロックチェーンアプリケーションは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳と、第1の通貨と第2の通貨を含む無線電力の二部構成のブロックチェーン通貨と、を含む、分散ブロックチェーンアプリケーションと、二部構成の通貨と法定通貨とを格納するトラストサーバと、第1のサーバとを含み、第1のサーバは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第1の取引でバイヤ取引デバイスから法定通貨を受け取り、法定通貨をトラストサーバからの二部構成の通貨と交換し、第1の通貨はバイヤ取引デバイスに提供され、第2の通貨は第1のサーバによって保持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイヤとサプライヤとの間の無線電力取引を容易にする分散型ブロックチェーンアプリケーションであって、前記ブロックチェーンアプリケーションは少なくとも1つのブロックチェーン台帳を含む、分散型ブロックチェーンアプリケーションと、
前記無線電力取引の記録および送信を容易にするための1つまたは複数のサーバであって、前記サーバは、電力の作成および使用に基づく通貨のデジタル交換を通じて無線電力取引を仲介する、サーバと、
を備える、無線電力取引システム。
【請求項2】
無線電力の二部構成のブロックチェーン通貨をさらに含み、前記二部構成の通貨は、第1の通貨および第2の通貨を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のサーバは、
前記二部構成の通貨および法定通貨を格納するトラストサーバと、
第1のサーバであって、前記第1のサーバは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第1の取引においてバイヤ取引デバイスから法定通貨を受け取り、前記トラストサーバからの前記法定通貨を二部構成の通貨と交換し、前記第1の通貨は前記バイヤ取引デバイスに提供され、前記第2の通貨は前記第1のサーバによって保持される、第1のサーバと、
を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
電力を受信および記憶するための少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスをさらに含み、前記少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスは電力を受け取ることができる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記バイヤは、前記少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第2の取引において、前記第1の通貨を前記少なくとも1つの無線電力サプライヤからの電力と交換する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスおよび前記第1のサーバは、前記第1の通貨と、前記少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第3の取引において前記法定通貨と引き換えに前記トラストサーバに提供される前記第2の通貨とを組み合わせ、前記法定通貨は前記少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された取引における前記第1のサーバによって前記無線電力サプライヤデバイスに提供され、前記システムは電力を送信するための少なくとも1つの無線電力トランスミッタをさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
航空機システムがポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる移動型の送電または受電ステーションとして構成された複数の半自律型デバイスをさらに含み、
前記複数の半自律型デバイスは少なくとも3つあり、前記半自律型デバイスは情報を交換するために量子もつれレーザービームを送受信するように構成され、前記半自律型デバイスは正三角形またはほぼ正三角形に配置され、量子もつれはデバイス間の安全かつ同時の通信を可能にし、
前記半自律型デバイスは、地上または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力およびデータをさらに分配する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電力トランスミッタは、少なくとも1つの太陽光電力衛生を含み、前記少なくとも1つの無線電力トランスミッタは、データおよび/または情報を送信する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
電力、データ、および/または情報を送受信するための基地局による無線電力転送のための複数のレトロディレクティブアンテナアレイをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの太陽光電力衛生から少なくとも1つの受信ステーションに電磁放射を転送するステップと、
バイヤ取引デバイスによるサプライヤ取引デバイスからの電力の購入を処理するステップと、
を含む、無線電力取引方法。
【請求項11】
航空機システムがポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成された複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスがあり、
前記複数の航空機システム、衛星システム、および地上ベースのデバイスは、少なくとも3つあり、前記航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、情報を交換するために量子もつれレーザービームを送受信するように構成され、前記航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、正三角形またはほぼ正三角形に配置され、その結果、量子もつれによりそのように構成および配置された衛星間の安全かつ同時の通信が可能になり、
前記複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、地上および/または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力および/またはデータをさらに分配する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電力の購入を処理するステップは、前記バイヤ取引デバイスによる二部構成の通貨のうちの第1の通貨の購入を処理するステップを含み、前記二部構成の通貨は、前記第1の通貨および第2の通貨を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記購入は、
前記バイヤ取引デバイスによって法定通貨を第1のサーバに転送するステップと、
前記第1のサーバによって前記法定通貨をトラストサーバに転送するステップと、
第1のエンティティによるトラストから第1の通貨および第2の通貨で構成される二部構成の通貨を受け取るステップと、
前記第1のサーバによって前記第1の通貨を前記バイヤ取引デバイスに転送するステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パブリックブロックチェーン上で第1の取引を記録するステップをさらに含み、前記第1の取引は、前記バイヤ取引デバイスによる前記第1のサーバへの前記法定通貨の転送と、前記第1のサーバによる前記バイヤ取引デバイスへの前記第1の通貨の転送と、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記購入は、前記バイヤ取引デバイスによって前記第1の通貨をサプライヤ取引デバイスに転送するステップと、
少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスから少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスに電力を転送するステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記購入は、パブリックブロックチェーン上で第2の取引を記録するステップを含み、前記第2の取引は、前記バイヤ取引デバイスによる前記サプライヤ取引デバイスへの前記第1の通貨の転送と、前記少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスによる前記少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスへの電力の転送と、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記購入は、
前記サプライヤ取引デバイスおよび前記第1のサーバによって、前記第1の通貨および前記第2の通貨を二部構成の通貨に組み合わせるステップと、
前記第1のサーバによって前記二部構成の通貨を前記トラストサーバに転送するステップと、
パブリックブロックチェーンに第3の取引を記録するステップであって、前記第3の取引は、前記第1のサーバによる前記トラストサーバへの前記二部構成の通貨の転送を含む、ステップと、
前記トラストサーバによって前記法定通貨を前記第1のサーバに転送するステップと、
前記第1のサーバによって前記法定通貨を前記サプライヤデバイスに転送するステップと、
プライベートブロックチェーンに第4の取引を記録するステップであって、前記第4の取引は、前記第1のサーバによる前記サプライヤ取引デバイスへの前記法定通貨の転送を含む、ステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
レシーバとトランスミッタとの間の無線エネルギー転送を容易にする分散型ブロックチェーンアプリケーションであって、前記ブロックチェーンアプリケーションは少なくとも1つのブロックチェーン台帳を含む、分散型ブロックチェーンアプリケーションと、
第1のサーバであって、前記第1のサーバは前記レシーバから無線エネルギーの要求を受信し、前記要求は前記少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録され、前記サーバは前記トランスミッタから前記レシーバへの無線エネルギーの転送を容易にする、第1のサーバと、
電力を受け取るおよび格納するための少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスであって、前記無線電力サプライヤデバイスから少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスが電力を受け取ることができる、無線電力サプライヤデバイスと、
を含む、無線エネルギー転送システム。
【請求項19】
電力、データ、および/または情報を送受信するための複数のノードによる無線電力転送のための量子的に保護されたブロックチェーンネットワークをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
航空機システムがポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成された複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスをさらに備え、
前記複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、少なくとも3つあり、前記航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、情報を交換するために量子もつれレーザービームを送受信するように構成され、前記航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、正三角形またはほぼ正三角形に配置され、その結果、量子もつれによりそのように構成および配置された衛星間の安全かつ同時の通信が可能になり、
前記複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、地上および/または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力および/またはデータをさらに分配する、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、電力取引、特に、ブロックチェーンを使用する無線電力、データ、および/または情報の取引のためのシステム、方法、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙ベースの高高度太陽光発電及び送電は、増大するエネルギー需要に効果的に対応することができ、安全でクリーンな無尽蔵の電気エネルギー源を提供する有望な技術である。宇宙で太陽光発電を行うことは、地球で太陽光発電を行うよりもメリットがある。これらの利点は、たとえば、大気の損失や天候などの障害物なしに太陽から直接太陽光電力を収集することと;地球上よりも長期間または発電衛星の場所に応じて常に、太陽光電力を収集することと;常に複数の軌道から太陽光電力を収集することと;受信ステーションとの間で電力を送る機能と、を含み得る。
【0003】
宇宙ベースの太陽光発電は潜在的なグローバル電力ソリューションを提示するため、グローバルな宇宙ベースの太陽光電力取引を促進するためのシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、本出願は、無線電力取引システムを記載する。本システムの別の態様では、本システムは、バイヤとサプライヤとの間の無線電力取引を容易にする分散ブロックチェーンアプリケーションを含み、ブロックチェーンアプリケーションは、無線電力取引の記録および送信を容易にするために少なくとも1つのブロックチェーン台帳および1つ又は複数のサーバを含む。ここで、サーバは、電力の生成及び使用に基づく通貨のデジタル交換を通じて、無線電力取引を仲介する。
【0005】
本システムの別の態様では、本システムは、二部構成の無線電力のブロックチェーン通貨をさらに含み、この二部構成の通貨は、第1の通貨および第2の通貨を含む。
【0006】
本システムの別の態様では、1つまたは複数のサーバは、二部構成の通貨および法定通貨を格納するトラストサーバを含む。第1のサーバは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第1の取引においてバイヤ取引デバイスから法定通貨を受け取り、法定通貨をトラストサーバからの二部構成の通貨と交換し、第1の通貨はバイヤ取引デバイスに提供され、第2の通貨は第1のサーバによって保持される。
【0007】
本システムの別の態様では、請求項1に記載のシステムは、電力を受信および記憶するための少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスをさらに含み、無線電力サプライヤデバイスから少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスが電力を受け取ることができる。
【0008】
本システムの別の態様では、バイヤは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第2の取引において、第1の通貨を少なくとも1つの無線電力サプライヤからの電力と交換する。
【0009】
本システムの別の態様では、少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスおよび第1のサーバは、第1の通貨と、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第3の取引において法定通貨と引き換えにトラストサーバに提供される第2の通貨とを組み合わせる。法定通貨は、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された取引において、第1のサーバによって無線電力サプライヤデバイスに提供される。
【0010】
本システムの別の態様では、本システムは、電力を送信するための少なくとも1つの無線電力トランスミッタをさらに含む。
【0011】
本システムの別の態様では、本システムは、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成された複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスをさらに含む。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスは、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成され、これを介して、航空機システムは、ポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスは、地上ベースおよび/または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力および/またはデータをさらに分配する。複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、少なくとも3つあり、航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、情報を交換するために量子もつれのレーザービームを送受信するように構成され、航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、正三角形またはほぼ正三角形に配置される。量子もつれは、そのように構成および配置されたデバイス間の安全かつ同時の通信を可能にし得る。
【0012】
本システムの別の態様では、少なくとも1つの電力トランスミッタは、少なくとも1つの太陽光電力衛生を含む。
【0013】
本システムの別の態様では、本システムは、電力および/またはデータを送受信するための基地局による無線電力転送のための複数のレトロディレクティブアンテナアレイをさらに含む。
【0014】
本システムの別の態様では、少なくとも1つの無線電力トランスミッタは、データを送信する。
【0015】
本システムの別の態様では、少なくとも1つのブロックチェーン台帳は、少なくとも1つのパブリックブロックチェーンおよび少なくとも1つのプライベートブロックチェーンを含む。
【0016】
別の態様では、本出願は、無線電力取引方法を記載する。本方法の別の態様では、本方法は、少なくとも1つの太陽光電力衛生から少なくとも1つの受信ステーションに電磁放射を転送するステップと、バイヤ取引デバイスによるサプライヤ取引デバイスからの電力の購入を処理するステップと、を含む。
【0017】
本方法の別の態様では、航空機システムがポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる受信ステーションとして機能する、複数の少なくとも3つの航空機、衛星、または地上ベースのデバイスがある。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスは、地上ベースおよび/または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力および/またはデータをさらに分配する。複数の少なくとも半自律型航空機システム、衛星システム、および地上ベースのデバイスは、少なくとも3つあり、航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、情報を交換するために量子もつれのレーザービームを送受信するように構成される。航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、正三角形またはほぼ正三角形に配置される。量子もつれは、そのように構成および配置された衛星間の安全かつ同時の通信を可能にし得る。
【0018】
本方法の別の態様では、本方法は、バイヤ取引デバイスによる二部構成の通貨のうちの第1の通貨の購入を処理するステップをさらに含み、二部構成の通貨は、第1の通貨および第2の通貨を含む。
【0019】
本方法の別の態様では、購入するステップは:バイヤ取引デバイスによって法定通貨を第1のサーバに転送するステップと;第1のサーバによって法定通貨をトラストサーバに転送するステップと;第1のエンティティによるトラストから第1の通貨および第2の通貨を含む二部構成の通貨を受け取るステップと;第1のサーバによって第1の通貨をバイヤ取引デバイスに転送するステップと;を含む。
【0020】
本方法の別の態様では、本方法は、パブリックブロックチェーン上で第1の取引を記録するステップをさらに含み、第1の取引は、バイヤ取引デバイスによる第1のサーバへの法定通貨の転送と、第1のサーバによるバイヤ取引デバイスへの第1の通貨の転送と、を含む。
【0021】
本方法の別の態様では、購入するステップは、バイヤ取引デバイスによって第1の通貨をサプライヤ取引デバイスに転送するステップと;少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスから少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスに電力を転送するステップと、を含む。
【0022】
本方法の別の態様では、購入するステップは、パブリックブロックチェーン上で第2の取引を記録するステップであって、第2の取引は、バイヤ取引デバイスによるサプライヤ取引デバイスへの第1の通貨の転送と、少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスによる少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスへの電力の転送とを含む、ステップを含む。
【0023】
本方法の別の態様では、購入するステップは、サプライヤ取引デバイスおよび第1のサーバによって、第1の通貨および第2の通貨を二部構成の通貨に統合するステップと、二部構成の通貨を第1のサーバによってトラストサーバに転送するステップと、を含む。
【0024】
本方法の別の態様では、購入するステップは、パブリックブロックチェーン上に第3の取引を記録するステップであって、第3の取引は、第1のサーバによる二部構成の通貨のトラストサーバへの転送を含む、ステップと;トラストサーバによって法定通貨を第1のサーバに転送するステップと;第1のサーバによって法定通貨をサプライヤデバイスに転送するステップと、を含む。
【0025】
本方法の別の態様では、購入するステップは、プライベートブロックチェーン上に第4の取引を記録するステップを含み、第4の取引は、第1のサーバによるサプライヤ取引デバイスへの法定通貨の転送を含む。
【0026】
別の態様では、本出願は、無線エネルギー転送システムを記載する。本システムは、レシーバとトランスミッタとの間の無線エネルギー転送を容易にする分散型ブロックチェーンアプリケーションを含む。ブロックチェーンアプリケーションは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳を含む。第1のサーバは、第1のサーバがレシーバから無線エネルギーの要求を受信し、その要求は少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録され、サーバはトランスミッタからレシーバへの無線エネルギーの転送を容易にする。
【0027】
本システムの別の態様では、本システムは、電力を受け取りおよび格納するための少なくとも1つの無線電力サプライヤデバイスをさらに含み、無線電力サプライヤデバイスから少なくとも1つの無線電力バイヤデバイスが電力を受け取ることができる。
【0028】
本システムの別の態様では、トランスミッタは、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録された第2の取引において、第1の通貨を少なくとも1つの無線電力サプライヤからの電力と交換する。
【0029】
本システムの別の態様では、本システムは、電力、データ、および/または情報を送受信するための複数のノードによる無線電力転送のための量子安全ブロックチェーンネットワークをさらに含む。
【0030】
本システムの別の態様では、本システムは、航空機システムがポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる移動型の送電および/または受電ステーションとして構成される、複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスを含む。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスは、地上ベースおよび/または水中ベースのシステムとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電力およびデータハブとして機能し、複数のテザーに結合され、電力および/またはデータをさらに分配する。複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、少なくとも3つあり、航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、情報を交換するために量子もつれのレーザービームを送受信するように構成され、航空機、衛星、および地上ベースのデバイスは、正三角形またはほぼ正三角形に配置される。量子もつれは、そのように構成および配置された衛星間の安全かつ同時の通信を可能にし得る。
【0031】
別の態様では、本出願は、量子もつれの原理による無線データ転送および通信システムを記載する。一実施形態では、量子もつれは、衛星のグループ間で起こる。そのグループは、正三角形にできるだけ近い形で配置される。第1の衛星は、数ビットのもつれたビーム(例えば、レーザービーム)を第2の衛星に送る。第2の衛星は、ビームを第3の衛星に送る。第3の衛星は、その第1の衛星に送信を戻し続ける。より具体的には、その第1の衛星は、シーケンスをその第2の衛星に向けて偏波する。第2の衛星は、各ビットが反転したシーケンスを受信する。第2の衛星はそのシーケンスを再び偏波し、そのシーケンスをその第3の衛星に送信する。第3の衛星は、各ビットが反転した信号を受信する。その第3の衛星がその信号を偏波して第1の衛星に送信する。このシステムは、そのような三角形のフォーメーションともつれたビームとを使用して、ほぼ全ての距離でのリアルタイム通信を有利に可能にする。
【0032】
他の態様および特徴は、いくつかの例示的な実施形態の以下の説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。本明細書に含まれる図面は、本明細書の物品、方法、および装置の様々な例を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】一実施形態で使用され得る汎用コンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る、無線電力取引を容易にするためのブロックチェーンを含むネットワークシステムの概略図である。
【
図3】一実施形態に係る、太陽光ベースの宇宙発電および送電システムのブロック図である。
【
図4】一実施形態に係る、バイヤと電力サプライヤとの間の無線電力取引のブロック図である。
【
図5】一実施形態に係る、レシーバとサプライヤとの間の無線電力またはデータ転送のブロック図である。
【
図6】一実施形態に係る、無線電力取引のためのコンピュータシステム内のサーバのブロック図である。
【
図7】一実施形態に係る、ブロックチェーンを使用して無線電力契約を作成および承認する方法のフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る無線電力転送システムのためのビジネスコンソーシアムのブロック図である。
【
図9】一実施形態に係る、レシーバによってトランスミッタから電力/データを要求および受信する方法のフローチャートである。
【
図10A】一実施形態に係る、無線データ転送および通信のためのシステムのブロック図である。
【
図10B】一実施形態に係る、量子もつれパラダイムのより詳細な表示のための
図10Aのブロック図の選択である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
様々な装置またはプロセスを以下に説明して、請求された各実施形態の例を提供する。以下に記載される実施形態は、請求される実施形態を限定するものではなく、請求される実施形態は、以下に記載されるものとは異なるプロセスまたは装置をカバーすることができる。請求される実施形態は、以下に記載される任意の1つの装置またはプロセスの全ての特徴を有する装置またはプロセス、または以下に記載される複数または全ての装置に共通の特徴に限定されない。
【0035】
本明細書に記載の1つまたは複数のシステムは、プログラム可能なコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムに実装されることができ、それぞれは、少なくとも1つのプロセッサ、データ記憶システム(揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶要素を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスを備える。例えば、これらに限定されないが、プログラム可能なコンピュータは、プログラム可能な論理ユニット、メインフレームコンピュータ、サーバ、およびパーソナルコンピュータ、クラウドベースのプログラムまたはシステム、ラップトップ、パーソナルデータアシスタント、携帯電話、スマートフォン、またはタブレットデバイスであり得る。
【0036】
各プログラムは、コンピュータシステムと通信するために、高レベルの手続き型またはオブジェクト指向のプログラミングおよび/またはスクリプト言語で実装されることが好ましい。ただし、必要に応じて、プログラムはアセンブリ言語または機械語で実装されることができる。いずれの場合も、言語はコンパイルされた言語または翻訳された言語であり得る。そのような各コンピュータプログラムは、好ましくは、記憶媒体またはデバイスが本明細書に記載の手順を実行するためにコンピュータによって読み取られるときにコンピュータを構成および操作するための汎用または特殊目的のプログラム可能なコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体またはデバイスに格納される。
【0037】
互いに通信するいくつかの構成要素を有する実施形態の説明は、そのような全ての構成要素が必要とされることを意味するものではない。それどころか、本発明の多種多様な可能な実施形態を説明するために、様々な任意の構成要素が記載されている。
【0038】
さらに、プロセスステップ、方法ステップ、アルゴリズムなどは、(本開示および/または特許請求の範囲で)順番に記載され得るが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、交互の順序で機能するように構成され得る。言い換えれば、記述され得るステップの順序または順序は、必ずしもステップがその順序で実行されるという要件を示すわけではない。本明細書に記載のプロセスのステップは、実用的である任意の順序で実行され得る。さらに、いくつかのステップは同時に実行され得る。
【0039】
単一のデバイスまたは物品が本明細書に記載される場合、単一のデバイス/物品の代わりに(それらが協調するかどうかにかかわらず)複数のデバイス/物品を使用できることは容易に明らかであろう。同様に、複数のデバイスまたは物品が本明細書に記載されている場合(それらが協働するかどうかにかかわらず)、複数のデバイスまたは物品の代わりに単一のデバイス/物品を使用できることは容易に明らかであろう。
【0040】
以下に、宇宙ベースのエネルギーのエネルギー格納および使用取引の記録を確立および維持するためのシステムについて記載する。取引記録は、ブロックチェーンシステムによって維持される。システムは、エネルギーの生産、電力、データおよび/または情報の送信、価値の移転および/またはエネルギー、データおよび情報の格納によって生成される新しい通貨単位を利用する。
【0041】
システムは、分散ネットワーク上でグローバルに動作し得る。つまり、システムは、単一の国または特定の国のグループに監視されたり、その制御下に置かれたりするわけではない。
【0042】
システムは、転送されたエネルギーの所有権を確立する取引契約である「取引契約」を含む。転送されたエネルギーは、受領者によって使用または格納され得る。取引契約は、受け取ったエネルギーと引き換えに、受領者からエネルギー転送者への支払いを含み得る。
【0043】
システムは、地球及び宇宙で生成、使用、格納できるエネルギーを対象とする。システムは、地球上のポイントからポイントへの、例えば、地上から地上、地上から空気、空気から地上、地上から水、水から地上、空気から空気、空気から水、水から空気、または水から水への、エネルギーおよび/またはデータの転送を容易にすることができる。システムは、地球から宇宙(宇宙船、衛星)、宇宙から地球、宇宙から宇宙、地球から天体(月、火星、小惑星など)、天体から地球、宇宙から天体、または天体から宇宙への、エネルギーおよび/またはデータの転送を容易にすることができる。
【0044】
エネルギーの価値は、グローバルな評価システムの重要な要素である。したがって、使用可能なエネルギーの生産、使用、および格納に基づく通貨は、既存のシステムよりも国際取引において強力な基盤を持ち得る。有利には、本開示のシステムおよび方法を使用して、新しいグリーンエネルギーを含むより多くのエネルギーが生成されるにつれて、より多くの通貨が流通し得る。使用によって通貨が取り除かれると、赤字が発生し、エネルギーのさらなる生産を促進し得る。
【0045】
システムは、無線電力、データ、または情報の形式でのエネルギーの転送を伴う取引に使用できる。有益なことに、システムは、この電力、データ、または情報を同時に、または必要に応じて別々に転送できる。
【0046】
システムの使用例は、電力および/またはデータを移動型のフリート(車、ボート、電車、飛行機、宇宙船、ドローン、衛星など)に配信すること、モノのインターネット(IoT)デバイスに電力を供給すること、センサからのデータを収集すること、スマートシティでの電力および/またはデータの分散、ならびに地球上および宇宙での分散型電力生成および情報のための取引の上記の実施形態を含む。
【0047】
図1は、移動型デバイスまたは携帯型電子デバイスなどのデバイス1000の構成要素の簡略化されたブロック図を示す。デバイス1000は、デバイス1000の動作を制御するプロセッサ1020などの複数の構成要素を含む。データ通信、音声通信、またはその両方を含む通信機能は、通信サブシステム1040を介して実行され得る。デバイス1000によって受信されたデータは、デコーダ1060によって解凍および復号化され得る。通信サブシステム1040は、無線ネットワーク1500からメッセージを受信し、無線ネットワーク1500にメッセージを送信し得る。
【0048】
無線ネットワーク1500は、データ中心の無線ネットワーク、音声中心の無線ネットワーク、および音声通信とデータ通信との両方をサポートするデュアルモードネットワークを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの無線ネットワークであり得る。
【0049】
デバイス1000は、電池式のデバイスであることができ、示されるように、1つまたは複数の充電式電池1440を受けるための電池インターフェース1420を含む。
【0050】
プロセッサ1020は、ランダムアクセスメモリ(RAM)108、フラッシュメモリ1100、ディスプレイ1120(例えば、一緒にタッチセンシティブディスプレイ1180を構成する電子コントローラ1160に接続されたタッチセンシティブオーバーレイ1140)、アクチュエータアセンブリ1200、1つまたは複数の任意選択の力センサ1220、補助入力/出力(I/O)サブシステム1240、データポート1260、スピーカ1280、マイクロフォン1300、短距離通信システム1320、およびその他デバイスサブシステム1340などの追加のサブシステムと対話する。
【0051】
いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザ対話は、タッチセンシティブオーバーレイ1140を介して実行され得る。プロセッサ1020は、電子コントローラ1160を介してタッチセンシティブオーバーレイ1140と対話し得る。プロセッサ102によって生成された携帯型電子デバイス上に表示またはレンダリングされ得るテキスト、文字、記号、画像、アイコン、および他のアイテムなどの情報は、タッチセンシティブディスプレイ118上に表示され得る。さらに、ユーザとの対話は、複合現実環境で実行され得る。
【0052】
プロセッサ1020は、
図1に示されるように、加速度計1360と対話することができる。加速度計1360は、重力または重力によって誘発される反力の方向を検出するために利用することができる。
【0053】
本実施形態によるネットワークアクセスのためのサブスクライバを識別するために、デバイス1000は、ネットワーク(無線ネットワーク1500など)との通信のためにSIM/RUIMインターフェース1400に挿入されたサブスクライバ識別モジュールまたは取り外し可能ユーザ識別モジュール(SIM/RUIM)カード1380を使用し得る。代替的には、ユーザ識別情報は、フラッシュメモリ1100にプログラムされるか、または他の技術を使用して実行され得る。
【0054】
デバイス1000はまた、プロセッサ1020によって実行され、フラッシュメモリ1100などの持続的データ記憶装置に記憶され得るオペレーティングシステム1460およびソフトウェア構成要素1480を含む。追加のアプリケーションは、無線ネットワーク1500、補助I/Oサブシステム1240、データポート1260、短距離通信サブシステム1320、または任意の他の適切なデバイスサブシステム1340を介してデバイス1000にロードされ得る。
【0055】
例えば、使用中、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ウェブページのダウンロード、または他のデータなどの受信信号は、通信サブシステム1040によって処理され、プロセッサ1020に入力され得る。次に、プロセッサ1020は、受信信号を処理して、ディスプレイ1120または代替的には補助I/Oサブシステム1240に出力する。サブスクライバは、例えば、通信サブシステム1040を介して無線ネットワーク1500を介して送信され得る電子メールメッセージなどのデータ項目を構成し得る。
【0056】
音声通信の場合、携帯型電子デバイス1000の全体的な動作は同様であり得る。スピーカ128は、電気信号から変換された可聴情報を出力することができ、マイクロフォン1300は、処理のために可聴情報を電気信号に変換することができる。
【0057】
デバイス1000は、無線電力送信取引または転送において、バイヤ、サプライヤ、レシーバ、またはトランスミッタによって使用され得る。
【0058】
図2は、一実施形態に係る、無線電力取引システム200を示すブロック図を示す。無線電力は、無線送信されるエネルギーであって、デバイスを実行するために使用されるエネルギーである。システム200は、ネットワーク210を介して、複数のバイヤ取引デバイス204、複数のサプライヤ取引デバイス206、およびブロックチェーンコンピュータ208のネットワークと通信するサーバプラットフォーム202を含む。
【0059】
バイヤ取引デバイス204およびサプライヤ取引デバイス206は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット、PDA、スマートフォン、または別のコンピューティングデバイス(
図1のデバイス1000と同様)であり得る。デバイス204および206は、インターネットへの有線または無線接続などのサーバプラットフォーム202との接続を含み得る。場合によっては、サーバプラットフォーム202は、複数のサーバ若しくは他のタイプのコンピュータ、または電気通信ネットワークを含み得る。
【0060】
デバイス204および206は、メモリ、二次記憶装置、プロセッサ、入力デバイス、表示デバイス、および出力デバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または同様のタイプのメモリを含み得る。また、メモリは、プロセッサによる実行のために1つまたは複数のアプリケーションを記憶し得る。アプリケーションは、以下に記載する機能の処理を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアモジュールに対応し得る。二次格納デバイスは、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、Blu-ray(登録商標)ドライブ、またはその他の種類の不揮発性データストレージを含む。プロセッサは、アプリケーション、コンピュータで読み取り可能な命令、またはプログラムを実行し得る。
【0061】
アプリケーション、コンピュータ可読命令またはプログラムは、メモリまたは二次記憶装置に記憶され得るか、またはインターネットまたは他のサーバプラットフォーム202から受信され得る。入力デバイスは、デバイス204および206に情報を入力するための任意のデバイスを含み得る。たとえば、入力デバイスは、キーボード、キーパッド、カーソル制御デバイス、タッチスクリーン、カメラ、またはマイクである。ディスプレイデバイスは、視覚情報を提示するための任意のタイプのデバイスを含み得る。例えば、ディスプレイデバイスは、コンピュータモニタ、フラットスクリーンディスプレイ、プロジェクタまたはディスプレイパネルであり得る。出力デバイスは、たとえばプリンタなど、情報のハードコピーを表示するための任意のタイプのデバイスを含み得る。出力デバイスは、たとえばスピーカなど、他のタイプの出力デバイスを含み得る。場合によっては、デバイス204および206は、任意の1つまたは複数のプロセッサ、アプリケーション、ソフトウェアモジュール、第2の格納デバイス、ネットワーク接続、入力デバイス、出力デバイス、およびディスプレイデバイスのうちの複数を含み得る。
【0062】
デバイス204および206は様々な構成要素で説明されているが、当業者は、デバイス204および206が、場合によっては、より少ない、追加の、または異なる構成要素を含み得ることを理解するであろう。さらに、デバイス204および206の実装の態様は、メモリに記憶されていると説明することができるが、当業者は、これらの態様が、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVDを含む二次格納デバイスなどの他のタイプのコンピュータプログラム製品またはコンピュータ可読媒体、インターネットまたは他のネットワークからの搬送波、または他の形式のRAMまたはROMに記憶されるまたは読み取られることも理解するであろう。コンピュータ可読媒体は、特定の方法を実行するためにデバイス204および206および/またはプロセッサを制御するための命令を含み得る。
【0063】
以下の説明では、バイヤ取引デバイス204およびサプライヤ取引デバイス206は、特定の動作を実行することが記載されている。これらのデバイスの任意の1つまたは複数が、自動的に、またはそのデバイスのユーザによる対話に応答して、動作を実行し得ることが理解されよう。すなわち、デバイスのユーザは、1つまたは複数の入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、マウス、ボタン、またはジェスチャベースの対話)を操作して、記載された動作をデバイスに実行させることができる。多くの場合、この態様は以下に記載されていない場合があるが、それが理解されるであろう。
【0064】
一例として、デバイス204および206が情報をサーバプラットフォーム202に送信することができることを以下に記載する。例えば、バイヤ取引デバイス204を使用するバイヤは、1つまたは複数の入力デバイス(例えば、マウスおよびキーボード)を操作して、バイヤ取引デバイス204のディスプレイに表示されるユーザインターフェースと対話することができる。一般に、デバイスは、サーバプラットフォーム202から(例えば、ウェブページの形で)ユーザインターフェースを受け取ることができる。代替的には、またはさらに、ユーザインターフェースは、デバイス(例えば、ウェブページまたは移動型のアプリケーションのキャッシュ)にローカルに記憶され得る。
【0065】
サーバプラットフォーム202は、複数のバイヤ取引デバイス204およびサプライヤ取引デバイス206のそれぞれから、複数の情報を受信するように構成され得る。一般に、情報は、少なくともバイヤまたはサプライヤを識別するための識別子を含み得る。たとえば、情報は、ユーザ名、電子メールアドレス、パスワード、またはソーシャルメディアハンドルの1つ又は複数を含み得る。
【0066】
情報の受信に応答して、サーバプラットフォーム202は、情報を格納データベースに記憶し得る。一般に、格納データベースは、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、メモリカード、またはディスク(CD、DVD、Blu-ray(登録商標)など)などの適切な格納デバイスであり得る。また、格納データベースは、サーバプラットフォーム202にローカルに接続され得る。場合によっては、格納データベースは、サーバプラットフォーム202から離れて配置され、例えば、ネットワークを介してサーバプラットフォーム202にアクセス可能であり得る。場合によっては、格納データベースは、ネットワーク化されたクラウドストレージプロバイダに配置された1つ又は複数の格納デバイスを構成し得る。
【0067】
バイヤ取引デバイス204は、バイヤアカウントに関連付けられ得る。同様に、サプライヤ取引デバイス206は、サプライヤアカウントに関連付けられ得る。デバイスをアカウントに関連付けるための任意の適切なメカニズムが明確に企図されている。場合によっては、デバイスは、クレデンシャル(例えば、クッキー、ログイン、またはパスワードなど)をサーバプラットフォーム202に送信することによって、アカウントに関連付けられ得る。サーバプラットフォーム202は、クレデンシャルを検証し得る(例えば、受信したパスワードがアカウントに関連付けられたパスワードと一致することを決定する)。デバイスがアカウントに関連付けられている場合、サーバプラットフォーム202は、そのデバイスによるさらなる動作がそのアカウントに関連付けられていると見なし得る。
【0068】
サーバプラットフォーム202は、その作成および記録、ならびに前述のエネルギー取引または転送を容易にするためのデータの生成および記憶を含む、無線エネルギー取引または転送を管理するために特別に設計された専用のマシンであり得る。
【0069】
サーバ202は、ネットワーク210を介してブロックチェーンネットワーク208に接続されている。
【0070】
サーバ202は、取引要求をブロックチェーンネットワーク208に送信する。取引要求は、バイヤ取引デバイス204によって表されるバイヤとサプライヤデバイス206によって表されるサプライヤとの間の提案された取引に関する様々な情報およびデータを含む。バイヤは、無線エネルギーを消費するか、または後で使用するために無線エネルギーを格納する個人またはエンティティである。
【0071】
ブロックチェーンネットワーク208は、サーバ202から取引要求を受信し、取引要求を承認または拒否する。
【0072】
ブロックチェーンネットワーク208は、少なくとも1つの分散型台帳を含む。分散型台帳はブロックチェーンであり得る。ブロックチェーンネットワーク208は、1つまたは複数のブロックチェーン台帳を含み得る。例えば、ブロックチェーン台帳は、ブロックチェーンネットワーク208内の複数のコンピュータに記憶され得る。
【0073】
ブロックチェーン台帳は、プライベート台帳またはパブリック台帳であり得る。一実施形態では、ブロックチェーンネットワーク208は、複数のブロックチェーン台帳を記憶し得る。このような実施形態では、ブロックチェーン台帳は、パブリック台帳およびプライベート台帳を含み得る。
【0074】
一実施形態では、ブロックチェーンネットワーク208は、分散型および非集中型のブロックチェーンを含む。他の実施形態では、他のブロックチェーンアーキテクチャが使用され得る。
【0075】
サーバ202、バイヤデバイス204、およびサプライヤデバイス206の間の対話は、ブロックチェーン台帳を使用して、ブロックチェーンネットワーク208によって精査され得る。デバイス202、204、206間の全ての対話は、成功したかどうかにかかわらず、ブロックチェーンネットワーク208によって実装されたブロックチェーン台帳に記録され得る。
【0076】
上記のように、システム200は、電力またはデータの転送を含む無線エネルギー取引を管理するように構成される。システム200によって管理される取引は、電力サプライヤから電力バイヤへの電力の転送を含み得る。電源(電力が生成されるデバイスまたは場所)からサプライヤ(エンドユーザに電力またはデータを供給する任意のエンティティ)または電力格納デバイス(電源ではなく、エンドユーザに直接電力を供給しない、電力が格納される任意のデバイス)への電力の転送は、同様の方法でサーバと少なくとも1つのブロックチェーン台帳とを使用して記録され得る。
【0077】
システム200のブロックチェーンネットワーク、および本明細書で論じられる他の任意の実施形態は、量子ブロックチェーンネットワークであり得る。ここで、任意または全ての取引または対話は、量子的に保護される。このブロックチェーンは、量子鍵暗号化を使用してセキュリティを維持する。これは、ハッキングに対して脆弱な非量子ブロックチェーンよりも優れている。
【0078】
ここで
図3を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態に係る、太陽ベースの宇宙発電および送電システム300のブロック図である。太陽ベースの宇宙発電および転送システム300は、太陽エネルギーを無線電力に変換し、次にその無線電力を格納および使用のために地球に送信する。この無線電力は、
図3に記載されている取引で売買されている電力である。
【0079】
太陽ベースの宇宙発電および送電システム300は、太陽光電力衛生304を含む。
【0080】
図3の実施形態では、単一の太陽光電力衛生が存在する。しかし、他の実施形態では、任意のタイプの軌道にあることができ、任意の数の軌道高さに配置され、相互におよび地球に対して任意の位置に配置されることができる、無線電力を生成および送信する衛星のアレイがあり得ることを理解されたい。
【0081】
太陽光電力衛生304は、太陽302から太陽エネルギーを受け取り、複数の基地局306、308、310、312、314、および316から情報を受け取る。
【0082】
複数の基地局は、移動型空中基地局306、基地局308、310、312、314、およびフェムト基地局316を含む。これらの基地局は、太陽光電力衛生304から無線電力を受け取り、その電力を他のデバイスに中継し、および/または無線電力を格納することができるデバイスである。基地局は、太陽光電力衛生304から無線電力を直接受け取るレシーバ(図示せず)を介して、太陽光電力衛生304から間接的に無線電力を受け取り得る。
【0083】
図3の実施形態では、無線電力の送信が論じられているが、太陽光電力衛生は任意の電磁エネルギーを送信することができ、エネルギーは無線電力、データ、またはその両方の形をとることができることを理解されたい。
【0084】
基地局308および310は、第1の領域318に配置されている。基地局312、314、および316は、第2の領域320に配置されている。
【0085】
太陽光電力衛生304は、太陽302からのエネルギーを動力源とする。太陽光電力衛星304は、太陽302からのエネルギーをマイクロ波エネルギーに変換する。マイクロ波エネルギーは、無線電力の一形態を表し得る。他の実施形態では、太陽光電力衛生は、太陽エネルギーを他の形態の電磁放射に変換し得る。
【0086】
太陽光電力衛生304は、変換された太陽エネルギー(無線電力)を、移動型空中基地局306、基地局308、基地局314、およびフェムト基地局316のうちの任意の1つまたは複数に送信することができる。太陽光電力衛生304は、地上または空中の基地局または他のデバイスに無線電力を送信し得る。太陽光電力衛生304は、他の衛星または宇宙船などの宇宙のデバイスに無線電力を送信し得る。さらに、太陽光電力衛生304は、中継システムを介して、移動型空中基地局306、基地局308、基地局314、およびフェムト基地局316のうちの任意の1つまたは複数に無線電力を送信し得る。
【0087】
太陽光電力衛生304は、静止軌道または太陽同期軌道などの太陽エネルギーの一定またはほぼ一定の供給を可能にする軌道上にある。つまり、太陽光電力衛生304は、遮るもののない太陽から常にまたはほぼ常に太陽エネルギーを受け取る。太陽エネルギーを収集する太陽光電力衛生304の能力は、地球上にある太陽エネルギー技術と比較して、ほぼ常に大きな利益を提供する。太陽光電力衛生304は、複数の軌道を占有して、無線電力を複数の移動型空中基地局306、基地局308、基地局314、およびフェムト基地局316に送信することができる。
【0088】
太陽光電力衛生304は、第1および第2の領域318および320に電力を送信するように示されている。太陽光電力衛生304は、無線電力を2つの領域318および320に同時にまたは別々の時間に送信し得る。領域318および320は、無線電力の同時送信を可能にしない距離によって分離されている。太陽光電力衛生304は、地球上の位置に対して空間内の位置を変更し得る。この位置の変更は、衛星304が軌道位置を変更することを必要とする場合があり(軌道が静止軌道である場合)、または単に時間の経過を必要とする場合がある(軌道が静止軌道でない場合)。
【0089】
地上と空中、地上と宇宙、宇宙と空中など、異なる地域または異なる場所にある複数の基地局に送信する能力は、太陽光電力衛生304が持つ送信出力の数に依存し得る。送信出力は、宛先に電力を送信またはビームする衛星304の出力である。すなわち、太陽光電力衛生304は、太陽光電力衛生304が複数の電力ビームを同時に送信することができるように、電力を送信することができる複数の出力を有し得る。太陽光電力衛生304は、送信出力の位置をデジタルビームで形成するか、またはアクティブおよびパッシブステーション保持技術を使用して、ターゲットの基地局を基準にして衛星304全体を変更する能力を有し得る。つまり、送信出力は衛星304の本体に対して操作され得るが、衛星304は地球に対して、別の事前定義された入力または基準点に移動することができ、その結果、送信出力からの電力の送信経路が変更されるか、または送信出力が衛星304の本体に対して明確に示し(articulating)、移動することができ、その結果、送信出力からの電力の送信経路は、衛星304および地球の両方に対して移動する。
【0090】
一度に複数の基地局に送信する衛星304の能力は、衛星の範囲によって制限され得る。たとえば、衛星は、互いに特定の距離内にある地域にある複数の基地局にのみ送信し得る。
【0091】
太陽光電力衛生304が異なる領域に同時にエネルギーを伝達する能力は、太陽光電力衛生304の位置およびその軌道に関して、領域の特定の位置に依存し得る。
【0092】
太陽光電力衛生304はまた、基地局306、308、310、312、314、および316にデータを送信し得る。送信されたデータは、無線電力として使用されるエネルギーとともに送信され得る。送信されたデータは、マイクロ波エネルギーとして送信され得る。
【0093】
基地局306、308、310、312、314、および316は、受信したデータを1つまたは複数の受領者デバイスに送信し得る。受領者デバイスは、サーバ、コンピュータ、電話、車、飛行機、ドローン、電車などであり得る。データは、基地局(306、308、310、312、314、または316)から任意の適切な形態で受信装置に送信され得る。
【0094】
送信されたデータは、無線電力として衛星304によって送信されているマイクロ波エネルギーと統合または組み合わされ得る。
【0095】
送信されたデータは、無線電力と同じビームからフィルタリングされ得る。送信されるデータは、パイロットビーム内にあるか、完全に含まれ得る。ここで、パイロットビームは、接続を確立および維持するためにトランスミッタからレシーバに送信されるビームである。
【0096】
衛星304は、マイクロ波エネルギーの特定の周波数を使用して、無線電力エネルギーのデータおよび他の周波数を表すように構成され得る。場合によっては、衛星は周波数の変動を利用してデータを送信し得る。
【0097】
現在、電力とデータとを一緒に受け取るテクノロジーの例は、非接触型カード上のチップである。チップは、無線周波数の磁場を介してデータと電力との両方を受け取る。
【0098】
太陽光電力衛生304からマイクロ波エネルギーとしてデータを送信することにより、より大きなデータファイルの送信が可能になり得る。たとえば、情報をストリーミングしたり、又は小さなパケットで情報を送信したりする代わりに、大きなファイルが一度に送信され得る。この方法で、例えば量子暗号を介して送信される場合、データはより安全に暗号化され得る。
【0099】
送信されるデータは、無線電力と一緒に送信されることも、単独で送信されることもできる。送信されるデータは多くの用途を有し得る。例えば、送信されたデータを使用して、衛星のアレイ上のセンサおよび/または地上のセンサを再較正することができる。太陽光電力衛生304は、アレイ内の全てのセンサが可能な限り正確であることを保証するために参照できる点である。
【0100】
システム300によって生成された無線電力は、すぐに使用されることも、バッテリー(例えば、自動車のバッテリー、家庭用バッテリー、電話のバッテリーなど)などのエネルギーを格納することができる任意のデバイスに格納され得る。
【0101】
他の実施形態では、太陽ベースの宇宙発電および送電システム300は、衛星のアレイを含み得る。衛星アレイ内の衛星は、異なる軌道位置にあり得る(たとえば、静止軌道(GEO)、中軌道(MEO)、または低軌道(LEO))。MEOおよびLEOは、衛星のために利用可能な空間および軌道のレギュレーションにおいてGEOよりも制限が少ないため、一連の衛星を作成するためのより多くの機会を提供する。
【0102】
衛星アレイ内の各衛星は、エネルギーを生成および格納するように、エネルギーのみを生成するように、または他の衛星から受信したエネルギーのみを格納するように構成され得る。宇宙でのエネルギーの格納は、エネルギーが地球に格納されるときに発生する格納電力の損失を改善するという追加の利点を有する。エネルギーは、大きな損失を被ることなく、または生成された他の電力の使用によって損失を補うことによって、宇宙に無期限に格納され得る。
【0103】
衛星アレイ内の各衛星は、エネルギーおよびデータを転送し、データを受信するように構成され得る。
【0104】
ここで
図4を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態に係る、無線電力取引400のブロック図である。取引400は、
図2のシステム200を使用して実装され得る。
【0105】
取引400は、システム100によって生成および格納された二部構成のブロックチェーン通貨を使用する。二部構成のブロックチェーン通貨は、第1の通貨および第2の通貨を含む。
【0106】
二部構成の通貨は、ここでは「ボルティエラ(voltierra)」と呼ばれる。第1の通貨は、本明細書では「ボルト(volt)」と呼ばれ、第2の通貨は、本明細書では「ティエラ(tierra)」と呼ばれる。ただし、これらの名前は単なる例であり、他の名前が二部構成の通貨、第1の通貨、または第2の通貨に使用され得る。
【0107】
図4では、ボルトは稲妻の形で表され、ティエラは楕円で表され、結合されたボルテッラ通貨は楕円の稲妻で表される。法定通貨はドル記号で表される。
【0108】
取引400は、バイヤ402、第1のサーバ404、トラストサーバ406、および電力サプライヤ408を含む。バイヤ402は、
図2のバイヤデバイス202と同様のバイヤデバイスを使用し得る。電力サプライヤ408は、
図2のサプライヤデバイス206と同様のサプライヤデバイスを使用し得る。第1のサーバ404またはトラストサーバ406は、
図2のサーバ202と同様であり得る。一般に、取引400において、バイヤ402は、電力サプライヤデバイス408から無線電力を購入することを望み、第1のサーバ404とやりとりし、間接的にサーバ406を信頼して、電力サプライヤデバイス408との無線電力取引を容易にする。取引の全ての態様は、ブロックチェーンに記録される。
【0109】
取引400は、バイヤ402、第1のサーバ404、トラストサーバ406、および電力サプライヤ408の間の複数の通貨交換を含む。通貨交換は矢印で表される。縞模様の矢印は、パブリックブロックチェーン台帳に記録された交換を表す。点線の矢印は、プライベートブロックチェーン台帳に記録された交換を表す。黒の実線の矢印は、ブロックチェーンを含まない交換を表す。無線電力410は、電力記号で表される。取引400は次のように発生する。
【0110】
バイヤ402は、以下のステップを介して、トラストサーバ406から第1のサーバ404を介してボルトを購入する。
【0111】
第1のサーバ404は、バイヤ402から法定通貨を受け取る。
【0112】
第1のサーバ404は、法定通貨を、トラストサーバ406からの同等量のボルティエラ(ボルト+ティエラ)と交換する。
【0113】
第1のサーバ404は、ティエラを保持しながら、バイヤ402にボルトを提供する。
【0114】
次に、バイヤ402は、以下のステップを介してボルトを使用して電力サプライヤ408から電力を購入する。
【0115】
バイヤ402は、電力サプライヤ408にボルトを供給する。
【0116】
電力サプライヤ408は、ボルトを第1のサーバ404からのティエラ(すなわち、サーバ404によって以前に保持されたティエラ)と組み合わせ、結果として生じるボルティエラは、トラストサーバ406に提供される。
【0117】
トラストサーバ406は、法定通貨を第1のサーバ404に送信する。法定通貨の金額は、受け取ったボルティエラから決定される。第1のサーバ404は、電力サプライヤ408に法定通貨を提供する。
【0118】
法定通貨を受け取った電力サプライヤ408は、無線電力410をバイヤ402に提供する。
【0119】
このような取引の例は、スマートフォンを使用してQRコード(登録商標)を介して取引を開始するバイヤおよびサプライヤを含み得る。サプライヤは、バイヤのスマートフォンによってスキャンされるスマートフォンにQRコード(登録商標)を有し得る。スキャンすると、資金はバイヤからサプライヤに送金され、上記のように、無線電力はサプライヤの格納場所からバイヤの所望のデバイスに送金される。取引は即時かつ安全である。
【0120】
図4の実施形態では、独自の二部構成の通貨が使用される。他の実施形態では、既存の暗号通貨または法定通貨が使用され得る。
【0121】
ここで
図5を参照すると、そこに示されているのは、一実施形態に係る、無線エネルギー転送500のブロック図である。無線エネルギー転送500は、
図2のシステム200を使用して実装され得る。転送500は取引400に似ているが、二部構成の通貨を含むわけではない。転送500はまた、無線電力、データおよび/または情報、または任意の他のタイプの無線エネルギーの転送を含み得る。転送500は、顧客502、第1のサーバ504、トラストサーバ506、およびサプライヤ508を含む。顧客502、第1のサーバ504、トラストサーバ506、およびサプライヤ508の間を通過するデータは、黒い矢印で表される。このデータは、要求、承認、承認の証明などであり得る。サプライヤ508から顧客502への電力、データ、および/または情報の形での無線エネルギーの転送は、縞模様の矢印で表される。
【0122】
顧客502は、
図4のバイヤ402と同様である。顧客502は、暗号通貨、他のデータなどの法定通貨以外のものと引き換えに、サプライヤ508から無線エネルギーを取得し得る。
【0123】
顧客502は、許可要求を第1のサーバ504に送信する。許可要求は、無線エネルギーを取得する許可を要求する。この許可要求は、非法定通貨またはある種のデータを含み得る。
【0124】
第1のサーバ504は、トラストサーバ506と対話して、許可要求を評価する。許可要求の評価は、許可要求に基づいて電力/データ/情報を受信するための顧客502の適格性(eligibility)を決定することを含む。
【0125】
顧客502、第1のサーバ504、およびトラストサーバ506の間の転送500における対話は、実線の矢印で表されている。これらの対話は記録され、実行されることができ、少なくとも1つのブロックチェーンで許可が与えられ得る。
【0126】
顧客502は、転送要求をサプライヤ508に送信する。転送要求は、サプライヤ508との無線エネルギー転送を要求する。
【0127】
サプライヤ508は、転送要求をトラストサーバ506に送信する。第1のサーバ504は、許可の証明をトラストサーバ506に送信する。要求および許可は、一緒にまたは別々にトラストサーバ506に送信され得る。要求および許可が一緒に送信される場合、要求は、第1のサーバ504によって受信されることができ、許可を伴ってトラストサーバ506に送信されることができる。
【0128】
転送要求および許可の送信を含む対話は、少なくとも1つのブロックチェーンに記録される。
【0129】
トラストサーバ508は、全ての関連データ(バイヤの識別、サプライヤの識別、要求の性質など)をチェックし、要求された転送を受け入れるかまたは拒否する。トラストサーバ508は、第1のサーバ504への要求された転送の受け入れまたは拒否の通知を提供する。この承認または拒否は、少なくとも1つのブロックチェーンに記録される。
【0130】
第1のサーバ504は、受け入れまたは拒否をサプライヤ508に送信する。転送が受け入れられた場合、サプライヤ508は無線電力を顧客502に転送する。
【0131】
承認メカニズムを含む転送500を実装することにより、システムは、無線エネルギーレシーバ(例えば、顧客502)を事前承認することができ、その結果、事前に承認されたレシーバのみがサプライヤに要求を行うことができる。
【0132】
場合によっては、顧客502は、サプライヤ508から無線電力のみを受け取ることができる。場合によっては、顧客502は、サプライヤ508からデータまたは情報のみを受け取ることができる。場合によっては、顧客502は、サプライヤ508から無線電力とデータの両方を受け取り得る。
【0133】
図6は、一実施形態に係る、無線電力取引のためのコンピュータシステム内のサーバ600のブロック図である。サーバ600は、
図2のサーバ202、
図4のサーバ404、および
図5のサーバ504と同様であり得る。
【0134】
サーバ600は、メモリ610およびプロセッサ620を含む。メモリ610は、その上に記憶された命令を有することができ、これは、実行されるときに、サーバ600に、本明細書で論じられる方法または他のアクションの機能を実行させる。
【0135】
メモリ610は、バイヤ識別データ611、バイヤ要求データ612、承認データ613、トラストサーバデータ614、サプライヤデータ615、取引データ616、ブロックチェーンデータ617、および通貨データ618を含む。
【0136】
プロセッサ620は、バイヤ承認モジュール621、トラストサーバ承認モジュール622、ブロックチェーンモジュール623、識別モジュール624、バイヤ取引モジュール625、トラストサーバ取引モジュール626、およびサプライヤ取引モジュール627を含む。
【0137】
「バイヤ」という用語は、
図6(バイヤ承認モジュール621など)を参照して使用されるが、この用語は、通貨と引き換えに電力またはデータを受け取る個人またはエンティティに限定されない。バイヤは、データなどの通貨以外のものと引き換えに電力またはデータを受け取っている任意の個人またはエンティティを含み得る。
【0138】
サーバ600が機能するコンピュータシステムは、
図2、
図4および
図5のコンピュータシステムと同様であり得る。
【0139】
サーバ600は、バイヤがサプライヤに無線電力を要求する無線電力取引(たとえば、
図4の取引400、
図6の取引600)に関連する様々な機能を実行するように構成される。
【0140】
サーバ600は、
図2のバイヤ取引デバイス104を介するなどして、バイヤからバイヤ識別データ611およびバイヤ承認データ612を受信する。サーバ600は、バイヤ識別データ611およびバイヤ承認データ612をメモリ610に格納する。
【0141】
バイヤ識別データ611は、バイヤを識別する任意のデータであり得る。例えば、バイヤ識別データ611は、個人識別情報、金融情報(例えば、銀行口座情報、クレジットカード情報など)などを含み得る。
【0142】
バイヤ承認データ612は、電力/データを受け取る資格があるとしてバイヤを承認するために使用することができる任意のデータであり得る。バイヤ承認データ612は、例えば、通貨、転送するために必要な資金またはデータを有するバイヤの証明、場所の証明、過去の成功した取引の証明などを含み得る。
【0143】
バイヤが送信するデータは、コンピュータ、電話、またはそのようなデータを送信できるその他のバイヤのデバイスから送信され得る。
【0144】
バイヤ承認モジュール621は、バイヤ識別データ611およびバイヤ承認データ612をトラストサーバ(例えば、
図4のトラストサーバ406または
図5のトラストサーバ506)に送信する。
【0145】
トラストサーバは、トラストサーバデータ613を生成する(バイヤ識別データ611およびバイヤ承認データ612を使用する)。トラストサーバは、トラストサーバデータ613をサーバ600に返す。トラストサーバデータ613は、トラストサーバ承認モジュール622への入力として提供される。トラストサーバデータ613は、バイヤを無線電力取引の潜在的な顧客として承認するか、またはバイヤを潜在的な顧客として拒否する(すなわち、承認しない)かのいずれかの情報を含む。
【0146】
サーバ600とトラストサーバとの間のこの対話、およびその後のバイヤの承認または拒否は、少なくとも1つのブロックチェーンで発生するか、または記録され得る。ブロックチェーンモジュール623は、バイヤの承認に関して、少なくとも1つのブロックチェーンとの間でデータを送信、受信、または送受信するかのいずれかである。少なくとも1つのブロックチェーンに関する、および/または少なくとも1つのブロックチェーンから受信されたブロックチェーンデータ616は、メモリ610に記憶される。
【0147】
図4の取引400のように、無線電力取引に二部構成の通貨が使用される実施形態では、バイヤの承認は、バイヤが法定通貨と引き換えに二部構成の通貨の第1の部分を受け取る取引であり得る。バイヤ承認データ612は、電子形式の法定通貨であり得る。これらの実施形態では、トラストサーバは、二部構成の通貨を格納し、バイヤからの法定通貨(バイヤ承認データ612)と引き換えに二部構成の通貨をサーバ600に提供する。サーバ600は、二部構成の通貨の第2の部分を保持する一方で、二部構成の通貨の第1の部分をバイヤに提供する。この実施形態では、トラストサーバデータ613は、二部構成の通貨を表す。
【0148】
一実施形態では、バイヤの承認は、バイヤの主張した識別が真実であること、および/またはバイヤが無線電力取引に必要なデータまたは資金を有することを確認することを要求し得る。
【0149】
バイヤが承認されるか、二部構成の通貨の第1の部分を受け取ると、バイヤは無線電力(またはデータ)を受け取るための要求をサプライヤに送信する。要求は、取引データ615として表される。サプライヤデータ614は、サーバ600のメモリ610に記憶される。サプライヤデータは、サプライヤに関する任意の識別データであることができるか、またはサプライヤが現在利用可能な電力/データに関するデータであることができる。サプライヤは、取引データ615をサーバ600に送信する。取引データ615は、サーバ600のメモリ610に記憶される。
【0150】
サプライヤ取引モジュール625は、サプライヤから取引データ615を受け取り、バイヤ識別データ611およびサプライヤデータ614に対して取引の詳細をチェックして、当事者の識別を確認する。
【0151】
トラストサーバ取引モジュール626は、バイヤ識別データ611、トラストサーバデータ613、サプライヤデータ614、および取引データ614をトラストサーバに送信する。トラストサーバは、全てのデータを、バイヤと、サプライヤと、バイヤとサプライヤとが適格である取引とに関するその所有するデータと照合する。適格性の決定は、メモリ610に記憶されるより多くのトラストサーバデータ613としてサーバ600に返される。
【0152】
ブロックチェーンモジュール623は、バイヤ識別データ611、トラストサーバデータ613、サプライヤデータ614、およびブロックチェーンデータ616を使用して、提案された取引をブロックチェーン上で公開する。ブロックチェーンネットワークのノードは、取引に関するコンセンサス決定が行われるまで、取引を承認または拒否する。コンセンサス決定は、追加のブロックチェーンデータ616としてサーバ600に返される。
【0153】
取引がブロックチェーンネットワークによって承認された場合、バイヤ取引モジュール627は、バイヤおよびサプライヤに承認を送信し、取引が進行する。
【0154】
取引がブロックチェーンネットワークによって拒否された場合、バイヤ取引モジュール627は、バイヤおよびサプライヤに拒否を送信し、取引は発生しない。
【0155】
サーバ600は、サプライヤからバイヤ/受信者への電力またはデータの転送を容易にし得る。サーバ600は、格納のために電源からサプライヤ(すなわち、電力サプライヤ)への電力の転送を容易にし得る。
【0156】
図6の実施形態では、サーバ600は、
図4のような無線電力取引を容易にするが、他の実施形態では、サーバ600と同様のサーバは、電力、データ、または他の情報を含む二者間の任意の形態または無線エネルギーの転送を容易にし得る。
【0157】
ここで
図7を参照すると、そこに示されているのは、ブロックチェーンを使用して無線電力契約を作成および承認する方法700のフローチャートである。方法700は、
図2のシステム100などの無線電力取引システムによって実行され得る。
【0158】
702で、バイヤは無線電力契約を作成する。無線電力契約は、要求された無線電力取引に関するデータを含む。データは、バイヤのID、バイヤが無線電力を購入する方法(つまり、無線電力と引き換えに提供する通貨またはデータの種類)、要求された無線電力の正確な量、要求された無線電力を送信する日時、特定のサプライヤ、電力を受信するためのデバイスタイプ、およびその他の関連情報を含み得る。
【0159】
704で、契約はブロックチェーンで公開される。ブロックチェーンは、分散型の非集中的なブロックチェーンであり得る。
【0160】
706で、契約モデラは契約データをダウンロードし、モデルを訓練する。モデルは、バイヤから提供された契約データに固有のものである。
【0161】
契約モデラは、機械学習エンジニア、ソフトウェアエンジニア、および/または対象分野の専門家などのモデルを訓練するタスクに熟練した人間であり得る。契約モデラはソフトウェア(ニューラルネットワークなど)であり得る。ソフトウェアは、タスクに熟練した人間、たとえば機械学習エンジニアによって訓練され得る。
【0162】
708で、モデルは、ブロックチェーンに提出される。モデルは、契約モデラによってブロックチェーンに提出され得る。
【0163】
710で、モデルは、ブロックチェーンで実行される。モデルの実行は、モデルをチェックし、モデルを承認または拒否するブロックチェーンネットワーク上のノードを含み得る。モデルのチェックは、多数決を生成することを含み得る。多数決は、ブロックチェーンネットワーク上の全てのノードからの決定を表し得る。多数決は、モデルが承認されるか拒否されるかどうかを決定し得る。
【0164】
712で、契約の全ての条件が満たされると、モデルがバイヤに送信される。支払いは契約モデラに送られる。
【0165】
714で、契約は履行される。バイヤはサプライヤから無線電力を受け取る。一実施形態では、バイヤは、無線電力の代わりにサプライヤから無線データを受け取ることができ、またはバイヤは、サプライヤからデータと電力との両方を受け取ることができる。
【0166】
図8は、一実施形態に係る、無線電力転送システムのための例示的なビジネスコンソーシアム800のブロック図である。
【0167】
コンソーシアム800は、無線電力転送システムのビジネスモデルの一実施形態を表す。コンソーシアム800は、ガバナンスボード802、創設メンバー804、コンソーシアムプロモータ806、参加メンバー808、コンソーシアム決定810、運用ルール812、コンソーシアム合意814、コンソーシアムマネージャ816、共有台帳プラットフォーム818、台帳での実装に関する決定820、スマート契約システム822、ルールエンジン824、技術サプライヤ826、非参加メンバー828、および参加者合意830を含む。コンソーシアム800は、以下のように機能する。
【0168】
ガバナンスボード802は、コンソーシアム800がどのように運営されるかに関して決定を下す複数のメンバーを含む。ガバナンスボード802は、コンソーシアム700に既得権を持つ3つのグループのメンバー、すなわち、創設メンバー804、コンソーシアムプロモータ806、および参加メンバー808を含み得る。ガバナンスボード802はまた、3つのグループ(804、806、808)のうちの1つに属さないメンバーを含み得る。
【0169】
創設メンバー804は、最初の設立からビジネスモデルの一部であったコンソーシアムのメンバーである。コンソーシアムプロモータ806は、コンソーシアム800の設立に直接関与しておらず、ビジネスモデルに直接参加することはできないが、投資家またはコンソーシアム800のプロモータであるメンバーである。参加メンバー808は、コンソーシアムに参加しているが、ビジネスモデルの創設時にはまだメンバーではなかったメンバーである。参加メンバー808は、コンソーシアム800内で、創設メンバー803よりも少ない特権を有し得る。
【0170】
ガバナンスボード802は、コンソーシアムの決定810に責任がある。これらの決定810は、ビジネスモデルおよびコンソーシアム800が実行される方法に影響を与える任意の決定であり得る。コンソーシアム決定810は、コンソーシアム800の運用ルール812に影響を与え得る。運用ルール812は、コンソーシアム合意814に含まれている。コンソーシアム800の全てのメンバー(たとえば、創設メンバー804、コンソーシアムプロモータ806、および参加メンバー808)は、コンソーシアム合意814に同意し、したがって、運用ルール812に従うことに同意する。運用ルール812は、技術サプライヤ826も従わなければならない。
【0171】
コンソーシアム800は、ブロックチェーン技術およびシステムを使用して、無線電力取引を実装する。
【0172】
コンソーシアムマネージャ816は、共有台帳プラットフォーム818の段階でコンソーシアム800の運用を管理し、ガバナンスボード802からの決定および情報に直接応答してこれを行う。コンソーシアムマネージャ816は、決定を実施する少なくとも1人の人間であり得るか、またはコンソーシアムマネージャ816は、決定を実施するように設計されたコンピュータプログラムであり得る。
【0173】
共有型台帳プラットフォーム818は、取引を記録および記憶するための少なくとも1つのブロックチェーン台帳を含む。ブロックチェーン台帳は、パブリック分散型台帳またはプライベート分散型台帳であり得る。ブロックチェーンシステムは、複数の台帳を含み得る。複数の台帳を使用する実施形態では、台帳は、パブリック、プライベート、またはその両方であり得る。
【0174】
ガバナンスボード802はまた、台帳での実装の決定820を下す。台帳での実装の決定820は、ブロックチェーンのスマート契約システム822、およびブロックチェーンのルールエンジン824で実装される。
【0175】
スマート契約システム822およびルールエンジン824は、ブロックチェーンシステムのコンピュータ構成要素であり、サーバ、コンピュータ、および他のタイプの電気通信デバイス、ならびに人工知能または機械学習構成要素を含み得る。
【0176】
共有型台帳プラットフォーム818、スマート契約システム822、およびルールエンジン824が協働して、どの取引を完了できるかを決定する。コンソーシアムの顧客への無線電力のサプライヤを含み得る技術サプライヤ826は、取引がブロックチェーンによって承認された後、取引の発生を許可する決定について通知される。
【0177】
上記のメンバーに加えて、非参加メンバーは、参加メンバー808になるために参加者合意830に署名することによってコンソーシアムに参加し得る。
【0178】
コンソーシアム800はグローバルに配布され得る。創設メンバー804、コンソーシアムプロモータ806、参加メンバー808、非参加メンバー828、技術サプライヤ826、および共有台帳プラットフォーム818内のノードは、どこにでも配置され得る。コンソーシアム800のローカル制御の欠如は、無線電力のコストが独占によって決定されないグリーンエネルギー消費のためのグローバルシステムを有利に促進し得る。
【0179】
ここで
図9を参照すると、そこに示されているのは、レシーバによってトランスミッタから電力/データを要求および受信する方法900のフローチャートである。方法900は、
図4の電力サプライヤ408若しくは
図5のサプライヤ508またはトランスミッタなどのサプライヤから電力/データを受信する
図4のバイヤ402または
図5の顧客502など、無線電力のバイヤまたはレシーバに必要なステップを説明する。
【0180】
902で、パイロット信号がレシーバによって送信される。パイロット信号は、トランスミッタとの接続を要求する。トランスミッタは、電力、データ、または電力およびデータを送信するように構成される。パイロット信号は、レシーバの識別情報を含み得る。
【0181】
904で、双方向通信リンクがレシーバとトランスミッタとの間で確立される。
【0182】
トランスミッタがトランスミッタに送信された識別情報または特定の要求情報に基づいてレシーバを認識および承認する場合、双方向通信リンクが確立され得る。
【0183】
906で、レシーバによって要求された電力および/またはデータは、トランスミッタからレシーバに送られる。パイロット信号は、ロケーションビーコンとして使用される。電力および/またはデータは、電力および/またはデータがレシーバによって確実に受信されるように、パイロット信号の逆経路でトランスミッタからレシーバに送信され得る。レシーバとトランスミッタとの間の接続は、少なくとも、要求された電力および/またはデータがトランスミッタからレシーバに転送されるのに必要な限り維持され得る。
【0184】
908で、「支払い」が処理される。要求された電力および/またはデータがレシーバに配信されると、支払いはレシーバからトランスミッタに処理される。支払いは、法定通貨、二部構成の通貨(たとえば、
図4の二部構成の通貨「ボルティエラ」)、または別の形式の暗号通貨(たとえば、ビットコインのような確立された暗号通貨)の形式で行われ得る。支払いは、受信電力および/またはデータと引き換えに、レシーバからトランスミッタに転送される他の形式のデータで行われ得る。たとえば、電力および/またはデータの転送は、電源から格納ポイントへの転送であり得る。したがって、電力/データが顧客に転送されていないため、通貨の交換は発生しない場合がある。
【0185】
910で、レシーバとトランスミッタとの間の取引は、少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録される。
【0186】
ブロックチェーン台帳は、パブリック台帳またはプライベート台帳であり得る。ブロックチェーン台帳のユーザ、電力および/またはデータのサプライヤ、およびブロックチェーンのレギュレータまたは(
図8のような)無線電力/データコンソーシアムは、取引を検討および検証して、電力および/またはデータの送信が期待通りに行われたことを確認できる。発生している取引が顧客を含まないが単に例えば電源から格納ポイントへの電力の移動または格納ポイントから別の格納ポイントへの電力の移動を含む場合でも、電力/データの転送は少なくとも1つのブロックチェーン台帳に記録される。
【0187】
912で、電力および/またはデータの正しい転送が確認されると、レシーバとトランスミッタとの間の接続が終了する。
【0188】
ここで
図10Aを参照すると、そこに示されているのは、一実施形態に係る、無線データ転送および通信システム1000のブロック図である。また、
図10Bも参照すると、そこに示されているのは、
図10Aのブロック図の選択1020である。
図10Bの選択1020は、3つの衛星1004、1006、および1008の所望の三角形の配置を、それらの衛星間で送信されているもつれたビーム1014c、1014d、1014eなどのそれぞれの識別を可能にするようなスケールで示している。
【0189】
システム1000は、いくつかの衛星1018a、1018bなどの間の量子もつれの原理に従っている。衛星1018a、1018bなどの各グループは、正三角形にできるだけ近い形で配置される。
【0190】
システム1000はさらに、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成された複数の少なくとも半自律型航空機、衛星、または地上ベースのデバイス1018a、1018bなどを含む。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイスは、移動型の送電および/または受電ステーションとして構成され、これを介して、航空機システムは、ポイントツーポイントで案内、操縦、ビームライド、および再充電することができる。複数の少なくとも半自律型の航空機、衛星、または地上ベースのデバイス1018a、1018bなどは、地上ベースおよび/または水中ベースのシステム1018kまたは1018iなどとの間で電力およびデータを送受信するように構成され、電源およびデータハブとして機能し、複数のテザー1014a、1014bなどに結合され、電力および/またはデータをさらに分散する。複数の航空機、衛星、および地上ベースのデバイス1018a、1018bなどは、少なくとも3つあり、航空機、衛星、および地上ベースのデバイス1018a、1018bなどは、情報を交換するために量子もつれのレーザービーム1014a、1014bなどを送受信するように構成される。航空機、衛星、および地上ベースのデバイス1018a、1018bなどは、グループ1012のように正三角形またはほぼ正三角形に配置される。量子もつれは、そのように構成および配置されたデバイス間の安全かつ同時の通信を可能にし得る。
【0191】
選択1020内で、衛星1004、1006、および1008は、衛星1012のグループを構成する。グループ1012は、正三角形にできるだけ近い形で配置される。グループ1012は地球1002の近くに位置付けられる。グループ1012は、空中の衛星1004、宇宙空間に配置された衛星1006、および地上に配置された衛星1008からなる。これらの衛星は、正三角形の形に配置される。正三角形の形状により、衛星、航空機、および地上のデバイスの連続的なアレイが、示されているように配置されるか、宇宙空間に配置されるか、または惑星若しくは天体に配置されているかどうかにかかわらず、ノード間を切り替える能力を介してほぼ同時に通信を行うことを可能にする。量子もつれを使用して、この通信パラダイムは、もつれたビーム1014c、1014d、1014eなどの衛星間の送信を通じて安全かつ同時に行われる。
【0192】
衛星1006は、衛星1004からもつれたビーム1014cを受信する。ビーム1014cは、例えば100011のようなシーケンスを含む。次に、衛星1006は、シーケンス100011を偏波(polarize)して、情報011100として送信する。衛星1006は、偏波を変化させることによってシーケンス100011を偏波する。衛星1006は、接続が決定されるまで偏波を連続的に変化させる。接続が決定されるまで偏波を変化させるステップは、ビーム1014c、1014d;1014e、1014f;および1014g、1014hの3つの対によって示されるように、接続の6つのポイント全てで実行される。衛星1008は、衛星1006からの信号1014e、例えば、011100を、逆偏波ビームとして即座に受信する。衛星1008は信号を偏波し、例えば100011、それはビーム1014gを介して衛星1004から受信する。衛星1006は、逆の方法で、例えば0111100などの偏波ビーム1014fを受信する。グループ1012の正三角形の形成における衛星の動作を通して、3つの衛星1004、1006、および1008全てが同じ情報を持つことができる。衛星1004、1006、および1008は、ビーム1014のソースを決定し、必要に応じてそのビームを反転させることによって同じ情報を達成する。受信衛星1004、1006、または1008はまた、逆の順序で応答することができる。これらの操作は全て、衛星間の実際の距離に関係なく実行され得る。
【0193】
別の態様では、本願は、フィールドに配備されることができ、システムを使用して相互に通信する自律型または半自律型の衛星などのノードのセットを説明する。量子もつれを使用すると、システムはもつれた安全な同時通信を可能にし得る。この通信を同時に行うために、ノードを任意のサイズの正三角形に配置する必要がある。ノードが動き回り、それぞれの三角形の辺を伸ばすと、システムはノードを切り替え得る。この方法を使用すると、宇宙船および場所(小惑星、衛星など)の連続的なアレイは、ノードを切り替える機能を介してほぼ同時の通信を可能にし得る。同時性が必要ない場合、セキュリティのために全てのノードに同じ接続が使用され得る。
【0194】
別の態様では、ノードのセットは、三角形に配置された3つの衛星からなる。各衛星は、量子もつれによってもつれたレーザービームを介して他の衛星にメッセージを送る。本態様で可能なもつれた通信の例として、第1の衛星は、シーケンス100011を第3の衛星に偏波する。第3の衛星は、第1の衛星によって送信されたそのシーケンスの反転011100に対応するシーケンスを受信する。第3の衛星は、シーケンスを再偏波し、このシーケンス100011を第2の衛星に送信する。第2の衛星は、再偏波されたシーケンス011100を受信し、このシーケンスを偏波し、シーケンス100011を第1の衛星に送信する。レーザービームは量子もつれであるため、三角形は任意のサイズにし得る。
【0195】
レイテンシは深刻な問題になり得る。三角形、または高次のジオメトリを使用して、ほぼ全ての距離でリアルタイム通信を作成する機能は同じ概念に基づく。このようなリアルタイム通信をほぼ全ての距離で作成するには、ビームを適切な場所に配置し、三角形をできるだけ正三角形に近づける必要がある。このようなアプローチは、移動レーザーで接続されたシステムのグループが、単一のワークテーブル上にあるかのように1つのシステムとして動作させることを可能にする。このような機能は、宇宙空間に配置されたシステムにとって重要である。
【0196】
本態様で可能なもつれた通信のさらなる例として、第1の衛星は、第2の衛星からもつれたビームを受信する。第2の衛星は、バイナリ信号010などのシーケンスを偏波して情報として送信する。第2の衛星は、偏波を変化させ、接続が決定されるまで継続的に偏波を行うことにより、シーケンスを偏波する。このプロセスは、3つの衛星間の6つの接続ポイントの全てに対して実行される。次に、偏波シーケンスは、逆偏波シーケンス101として、第3の衛星で第2の衛星から直ちに受信される。次に、第3の衛星は、第1の衛星から受信したもつれたビームを010として偏波する。この後者のもつれたビームは、第2の衛星で101として受信される。この態様は、3つのノードの全てが、送信のソースを知り、必要に応じてその送信を反転するだけで、同じ情報を持つことを可能にする。ノードは逆の順序で応答することもできる。この例は、ノード間の距離に関係なく可能である。
【0197】
別の態様では、ノードのセットは、ドローンおよび/または飛行船の群れが3の倍数であるという条件で、ドローンおよび/または飛行船の群れであり得る。
【0198】
一実施形態では、電力/データの転送が開始され得る前に、レシーバとトランスミッタとの間の提案された取引の適格性の少なくとも1つのブロックチェーン台帳に関する検討および検証が行われ得る。取引が有効および可能であるとみなされた場合にのみ、送金が行われる。
【0199】
一実施形態では、電力および/またはデータのトランスミッタは、元の電源(すなわち、電力が生成される場所)であり得るか、または電力/データが(生成されるのではなく)格納されるトランスミッタであり得る。
【0200】
トランスミッタが電力格納装置である場合、電力格納装置は、時々、電源からの電力/データのレシーバとしても機能し得る。電源は、太陽から電力を生成し、その電力を電磁スペクトル内の使用可能なエネルギーまたはデータソースに変換できる宇宙ベースの衛星、宇宙船、またはその他のデバイスであり得る。たとえば、衛星は、
図3の太陽光電力衛生304と同様であり得る。送信電力(またはデータ)はマイクロ波エネルギーであり得る。他の実施形態では、送信電力は、マイクロ波以外のエネルギーの波長を含み得る。
【0201】
電源が宇宙に配置されている場合、電源は、分散ネットワーク内の複数の電力格納装置に電力/データを送信し得る。分散ネットワークは、宇宙、天体、または地球のいずれか、空中、地上、または水中に配置され得る。
【0202】
電力格納トランスミッタは、宇宙の衛星または宇宙船、天体の格納装置、または地球の格納装置であり得る。
【0203】
電力格納装置は、電力格納装置のアレイを含み得る。そのアレイは、例えば、グローバルにまたは広いエリアに配置されたドローンを含み得る。
【0204】
電力格納装置は移動可能であり得る(例えば、自動車、ボート、飛行機など)。電力格納装置は、固定および定置型(stationary)であり得る(たとえば、発電所、建物内のエネルギーバンク、またはスマートシティなど)。電力格納装置は、「定置型」電源が固定された場所に保持されておらず、むしろ移動可能であるか、または移動可能な電源が固定された場所に保持されるハイブリッドまたはテザーシステムであり得る。
【0205】
一実施形態では、レシーバはトランスミッタでもある。電力および/またはデータは、レシーバ/トランスミッタのアレイ全体に転送され得る。レシーバ/トランスミッタは、様々な2次元または3次元のトポロジにあり得る。各レシーバ/トランスミッタは、ネットワーク内のノードであり得る。レシーバ/トランスミッタは、少なくとも1つの電源または少なくとも1つの他のノードから電力/データを受信し、および/または電力/データを少なくとも1つの他のノードに送信する。この実施形態は、単一の電源から電力を供給されるように、広い領域に分散され得るノードのアレイ全体(例えば、ドローン)を可能にし得る。この実施形態はまた、単一の電源が単一の場所から複数のシステムに電力を供給することを可能にし得る。さらに、この実施形態は、複数の電源が単一の場所に電力を供給することを可能にし得る。
【0206】
一実施形態では、ネットワークセキュリティは、量子物理学の法則に基づいて確立される。
【0207】
一実施形態では、ネットワークは、量子鍵配送(QKD)を使用する。認証のために、QKDは、量子チャネルおよびパブリッククラシックチャネルによって接続された2つのパーティ間で、それぞれ量子状態の送信と後処理手順とのための秘密鍵を生成する。量子安全ブロックチェーンは、電力、データ、および/または情報を送受信するために、複数のノードに多層ネットワークを使用する。
【0208】
上記の説明は、1つまたは複数の装置、方法、またはシステムの例を提供するが、他の装置、方法、またはシステムは、当業者の1人によって解釈される特許請求の範囲内にあり得ることが理解されよう。
【国際調査報告】