(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(54)【発明の名称】自動車両ラチスフレーム
(51)【国際特許分類】
B62D 21/08 20060101AFI20221018BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20221018BHJP
F16B 11/00 20060101ALI20221018BHJP
B62D 27/02 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B62D21/08
F16B7/20 A
F16B11/00 C
B62D27/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567840
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2020056409
(87)【国際公開番号】W WO2021033039
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513318515
【氏名又は名称】シー.アール.エフ. ソシエタ コンソルティレ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッサン、ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】サンドリ、シルヴァノ
(72)【発明者】
【氏名】ロンゴ、ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】パラディソ、ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】カルチョッフィ、カルロ
【テーマコード(参考)】
3D203
3J023
3J039
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA05
3J023EA01
3J023FA03
3J023GA03
3J039AA07
3J039BB02
3J039LA02
(57)【要約】
複数の構造ノード(N1、N2)であって、各々が、中心ボディー(1)、および中心ボディー(1)から突出する少なくとも1つの中空アーム(2、3、4、30)を有する構造ノード(N1、N2)を含む自動車両ラチスフレーム(T)を本明細書では説明する。ラチスフレームはまた、中空突出アーム(2、3、4、30)によって互いに接続された複数のビーム要素(5、6、11、27)を含む。構造ノード(N1、N2)は、付加製造手法によって作成され、ノード(N1、N2)のうちの1つの少なくとも1つのアーム(2、3、4、30)は、前記中心ボディー(1)に対向する端部を有し、端部が、アーム(2、3、4、30)の前端(12)においてとアーム(2、3、4、30)の1つの側面(13)に沿ってとの両方で開放空隙を含むチャンネル形状(C)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構造ノードであって、各々が、中心ボディー、および前記中心ボディーから突出する少なくとも1つの中空突出アームを有する構造ノードと、
前記中空突出アームによって互いに接続された複数のビーム要素と
を備える自動車両ラチスフレームであって、
前記自動車両ラチスフレームは、前記構造ノードが、付加製造手法によって作成され、前記構造ノードのうちの1つの少なくとも1つの中空突出アームが、前記中心ボディーに対向する端部を有し、前記端部が、前記中空突出アームの前端においてと前記中空突出アームの1つの側面に沿ってとの両方で開放空隙を含むチャンネル形状(C)を有する、自動車両ラチスフレーム。
【請求項2】
チャンネル形状を有する前記端部が、2つの側面フランジであって、各々が、前記少なくとも1つの中空突出アームが前記端部でΩ断面を有するように、前記開放空隙のそれぞれの側面で、前記中空突出アームの1つの側面に沿って延びる、2つの側面フランジを含む、請求項1に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項3】
Ω断面を有する前記少なくとも1つの中空突出アームに接続された少なくとも1つのビーム要素が、前記側面フランジに対して当接して配置された2つの端フランジを含み、そのため、前記中空突出アームの内側面と前記チャンネル形状を有する端部の中に挿入された前記ビーム要素との間の空きスペースを画定する、請求項2に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項4】
前記ビーム要素が、接着剤層の補助のみによって、チャンネル形状を有する端部を有する前記少なくとも1つの中空突出アームに接続される、請求項3に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項5】
前記チャンネル形状を有する端部が、2つの対向する側壁部を含み、前記側壁部上で、少なくとも1つの開口が、前記接着剤層が通ることのために形成される、請求項4に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項6】
前記接着剤層が、前記中空突出アームの前記内側面と前記チャンネル形状を有する端部内に挿入された前記ビーム要素との間の前記空きスペース内で拡散される、請求項5に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの中空突出アームが、
前記チャンネル形状を有する端部上に摺動可能に取り付けられ、前記開放空隙の上方、および前記開放空隙内に配置されたビーム要素の上方で、前記中空突出アームの少なくとも1つの側面に沿って配置された剛性の被覆要素を含んで、前記ビーム要素を係止する、請求項1から6のいずれか1項に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項8】
前記構造ノードのうちの1つの少なくとも1つの中空突出アームが、事前の機械的連結によって、および接着材によって、それぞれの中空ビーム要素に接続され、前記少なくとも1つの中空突出アームが、それぞれの中空ビーム要素内に配置される、請求項1に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項9】
前記事前の機械的連結が、前記少なくとも1つの中空突出アームの前記側面上に配置された弾性アーム、およびビーム要素の1つの側面に得られた開口を含む接続部材によって実行され、そのため、組み立てられた状態で、前記少なくとも1つの中空突出アームが、前記開口が設けられた前記ビーム要素の壁部に隣接して係合された壁部を有する、請求項8に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの中空突出アームが、前記接着材を注入するための少なくとも1つの注入口と、前記中空突出アームの内側に延びる、前記接着材を供給するための軸チャネルと、前記中空突出アームの壁部を通って形成された穴から成る複数の放出口であって、前記中空突出アームの拡張部すべてに沿って分布し、前記接着材を供給するための前記軸チャネルと前記少なくとも1つの中空突出アームの外側面との間で半径方向に延びる放出口とを含む、請求項8または9に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの中空突出アームが、中空突出アームのペアであって、並んで配置され、単一のビーム要素内に取り付けられるように構成された中空突出アームのペアによって形成される、請求項9または10に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項12】
少なくとも1つの中空突出アームが、ビーム要素の端部内に配置され、前記中空突出アームの拡張部に沿って配置された複数のスペーサ要素が設けられ、前記スペーサ要素が、取り付けられた状態で、前記中空突出アームの内側面と前記ビーム要素の外側面との間の空きスペースを画定するように構成される、請求項1に記載の自動車両ラチスフレーム。
【請求項13】
少なくとも1つの、請求項1から12のいずれか1項に記載の自動車両ラチスフレームを含む、自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して自動車両フレームに関し、より詳細には自動車両ラチスフレームであって、
複数の構造ノードであって、各々が、中心ボディー、および中心ボディーから突出する少なくとも1つの中空アームを有する、複数の構造ノードと、
突出アームによって互いに接続された複数のビーム要素とを備える自動車両ラチスフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4355844号明細書は、上で示した特性を有する自動車両フレームを示す。
【0003】
本発明は、迅速で低コストな製造方法および組み立て方法であって、これらの方法により自動車両ラチスフレームの機能のために設計された機能を実行するのにより効果的でないようにならない、方法を有する、自動車両ラチスフレームを提供する要件に基づいている。
【0004】
本発明の追加の目的は、異なるフレーム形状寸法を作成するために好適なコンポーネントから成る自動車両ラチスフレームを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記物体の1または複数を実現すべく、本発明は、本明細書の始めで示したタイプの自動車両ラチスフレームであり、また上記構造ノードが付加製造手法によって作成されることを特徴とする、自動車両ラチスフレームに関し、ノードのうちの1つの少なくとも1つのアームが、中心ボディーに対向する端部を有し、端部が、アームの前端においてとアームの1つの側面に沿ってとの両方で開放空隙を含むチャンネル形態を有する。
【0006】
好ましくは、チャンネル形状構成を有する上記端部は、2つの側面フランジであって、各々が、上記少なくとも1つのアームが上記端部でΩ断面を有するように、上記開放空隙のそれぞれの側面で、アームの1つの側面に沿って延びる、2つの側面フランジを含む。
【0007】
Ω断面を有する上記少なくとも1つのアームに接続されたビーム要素は、上記側面フランジに対して当接して配置された2つの端フランジを含み得る、そのため、中空アームの内側面と上記チャンネル形状端部の中に挿入されたビーム要素との間の空きスペースを画定する。
【0008】
更なる好ましい特性によれば、上記ビーム要素は、接着剤層の補助のみによって、チャンネル形状端部を上記少なくとも1つのアームに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の更なる特性および利点は、非限定的な例としてのみ提供される、以下の添付図面を参照する以下の説明から明らかとなる。
【
図1】本発明による、自動車両ラチスフレームの概略図である。
【
図2】第1の実施形態による、自動車両ラチスフレームのいくつかのコンポーネントを示す斜視図である。
【
図3】
図2に示すいくつかの詳細を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示すいくつかの詳細を示す斜視図である。
【
図5】
図2に示すいくつかの詳細を示す斜視図である。
【
図6】前の図に示したものに対する変形形態による、フレームのいくつかのコンポーネントの概略断面図である。
【
図7】前の図に示したものに対する更なる変形形態による、フレームのいくつかのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図8】組み立てられた状態の、
図7で示した詳細の断面図である。
【
図9】組み立てられた状態の、
図7で示した詳細の断面図である。
【
図10】本発明による、自動車両ラチスフレームの一部の斜視図である。
【
図11】本発明による、自動車両ラチスフレームの一部の断面斜視図である。
【
図12】本発明による、自動車両ラチスフレームの部分の斜視図である。
【
図13A】本発明による、自動車両ラチスフレームのいくつかの詳細の組立段階を示す図である。
【
図13B】本発明による、自動車両ラチスフレームのいくつかの詳細の組立段階を示す図である。
【
図13C】本発明による、自動車両ラチスフレームのいくつかの詳細の組立段階を示す図である。
【
図13D】本発明による、自動車両ラチスフレームのいくつかの詳細の組立段階を示す図である。
【
図13E】本発明による、自動車両ラチスフレームのいくつかの詳細の組立段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、様々な具体的な詳細を、複数の実施形態の完全な理解を目的として示す。実施形態は、1または複数の具体的な詳細を用いることなく、または、他の方法、コンポーネント、材料等を用いて実装され得る。他の場合には、実施形態の様々な態様を不明瞭にすることを回避すべく、既知の構造、材料または動作は示されないまたは詳細に説明されない。本明細書の文脈における「実施形態」への参照は、実施形態に関連して説明された特定の構成、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、本明細書の異なる箇所に存在する可能性がある「実施形態では」のような語句は、必ずしも同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の形態、構造、または特性が、1または複数の実施形態において適切な方式で組み合わせられ得、および/または、本明細書で示しているものとは異なる方法で実施形態と関連付けられ得る。例えば、ある図に関連して本明細書で例示する特性が、異なる図で例示する1または複数の実施形態に適用され得る。
【0011】
本明細書で示している参照は、単に便宜上のためであり、従って、実施形態の保護領域または範囲を定めるものではない。
【0012】
本明細書および続く特許請求の範囲では、「付加製造法」という用語は、当技術分野では周知の方法を意味し、この方法では、レーザまたはプラズマビーム等のエネルギー源を使用して、様々なサイズの、金属またはプラスチックの、粉末またはワイヤを選択的に溶融して、層を1つずつ順番に形成し、金属部品またはプラスチック部品を形成する。
【0013】
例えば、付加製造法を使用してコンポーネントを作成するためのデバイスは、欧州特許出願公開第3148784(A1)号明細書から知られる。もちろん、本文書で示す技術は単なる例であり、なぜなら、異なる付加製造技術が、本発明による自動車両ラチスフレームを作成するために適用され得るからである。
【0014】
添付図面は、本発明による自動車両ラチスフレームTの好ましい実施形態を示す。本発明は、任意のタイプの自動車両フレーム、例えば、自動車の構造物のフレーム、または自動車両に取り付けられたコンポーネントを支持するフレームに関し得る。
【0015】
図1の概略図において特に示すように、自動車両ラチスフレームTは、複数の構造ノードN1、N2であって、各々が、中心ボディー1を有し、中心ボディー1から少なくとも2つの中空アーム2、3、4、30が突出する、複数の構造ノードN1、N2を備える。ラチスフレームTはまた、突出アーム2、3、4、30によって互いに接続された多数のビーム要素5、6、11、27を含む。ノードのそれぞれのアームに接続されたビーム要素は、異なる形状(例えば、四角形または円形)の断面を有し得る。
【0016】
以下の説明では、本発明による自動車両のラチスフレームTを提供するための、構造ノードN1、N2の様々な実施形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明の本質的特徴によれば、ラチスフレームTの構造ノードN1、N2は、付加製造法の構築技術を用いて得られる。付加製造手法によって構造ノードを作成することによって、従来の製造方法に対して多くの利点を得ることが可能であり、この利点は、より簡易な形状寸法を有するコンポーネントの製造に対して、時間またはコストの観点において不利益を生じることなしに、複雑な形状寸法を有するコンポーネントを加工することを含む。本発明の場合では、構造ノードは、構造ノードによって互いに接続されたビーム要素が例えば、アルミニウム合金から作成され得る一方、金属材料またはプラスチック材料から作成され得る。
【0018】
図2は、自動車両構造ノードN1の第1の実施形態の斜視図を示す。上で示したように、ビーム要素とともにラチスフレームTを構成する各構造ノードは、中心ボディー1、および中心ボディー1から突出する複数の2、3、4、30を含む。中空アームは、複数の構成による中心ボディーの周囲に配置され、そのため、フレームの要求される形状寸法を実現し得る。
【0019】
本発明によるフレームTの重要な特性によれば、ノードのうちの1つの少なくとも1つのアーム2は、中心ボディー1に対向する端部を有し、端部が、アーム2の前端12においてとアーム2の側面13に沿ってとの両方で開放空隙を有するCチャンネル形状を含む(
図2~
図4)。
【0020】
開放空隙を有するCチャンネル形態は、その中にそれぞれのビーム要素6を収容するように配置され、Cチャンネル形態の対向する端の1つで別の構造ノードに接続されることを意図する。
【0021】
ビーム要素6は、接着剤層の補助のみにより、アーム2に接続される。依然として
図2~
図4を参照すると、アーム2とビーム要素6との間の結合を作成すべく、Cチャンネル形状端部は、2つの対向する側壁部14を含み、側壁部14上で、少なくとも1つの開口7が作成され、接着剤層が通ることが可能になる。もちろん、接着材を導くための開口7の構成は、添付図面において示すものに対して、大きく異なり得、異なっていても本発明の範囲から逸脱することはない。
【0022】
上記Cチャンネル形態を有する端部を有する構造ノードの少なくとも1つのアームを提供する特性のおかげで、フレームの様々な形状寸法を作成することが可能であり、フレームには、45°の角度で互いに拘束され、上記角度を画定する端で単一の構造ノードと一緒に接続されることを意図する2つのビーム要素を有するフレームが含まれる。
【0023】
図6の断面図に示す、本発明の好ましい特性によれば、上記Cチャンネル形状端部は、2つの側面フランジ10であって、各々が、中心ボディー1から突出するアームが上記端部でΩ状の断面を有するように、Cチャンネル形態の開放空隙のそれぞれの側面でアーム2の1つの側面に沿って離間されている、2つの側面フランジ10を含む。
【0024】
依然として
図6の断面図を参照して、Ω断面を有するアームに接続されたビーム要素6はまた、ノードの中心ボディー1から突出するアームの側面フランジ10に対して当接して配置された2つの端フランジ33を含み、そのため、中空アームの内側面と、Cチャンネル形態を有する端部内に挿入されたビーム要素との間の空きスペースを画定する。従って、1つの実施形態では、開口7内に挿入された接着剤層が、中空アームの内側面と、Cチャンネル形態を有する端部内に挿入されたビーム要素との間で形成された上記空きスペース内で広がることが理解されるだろう。
【0025】
図5の斜視図に示す本発明の別の好ましい特性によれば、Cチャンネル形態を含むアーム2は、Cチャンネル形態を有するアーム2の端部に接続された剛性の被覆要素8を含んでもよい。剛性の被覆要素8は、上記開放空隙の上方、および空隙内に配置されたビーム要素の上方で、アームの少なくとも1つの側面に沿って離間している。好ましくは、被覆要素8は、上記空隙内でビーム要素6の1つの端の位置合わせが発生した後に、それぞれのガイド24上に摺動可能に取り付けられる。被覆要素8は、(例えば、円錐の)ガイド上を摺動し、ガイド24上およびビーム要素6上に締まりばめを用いるとブロックされたままにあるように構成される。このように、ビーム要素6は、接着材が注入されるまで、位置で係止される。
【0026】
以下の説明では、本発明による自動車両のラチスフレームTを提供するための、構造ノードの様々な追加の実施形態を説明する。
【0027】
特に
図2~
図4に示すように、ノードのうちの1つの1つのアーム3は、中空アーム3の空隙内に配置された端部14であって、構造ノードの中心ボディー1に対して対向する方向に突出する端部14を有してもよい。端部14は、それぞれの中空ビーム要素5を用いて取り付けられるように構成され、そのため、構造ノードと連結されたビーム要素5の1つの端は、中空アーム3の壁部の間に挟まれ、端部14は、中心ボディー1に対向する方向に突出する。
【0028】
中空ビーム要素5は、並んで配置されたいくつかの空隙15であって、少なくとも1つの中間壁部16によって互いから隔離されて配置されたいくつかの空隙15を画定してもよい。この場合、中空アーム3の空隙内に配置された上記端部14は、構造ノードのアーム3とともに締まりばめを用いて取り付けられたビーム要素6の中間壁部16を収容するために配置された、空きスペース25によって分割されたそれぞれの突出する区域画定する。
【0029】
添付図面は、本発明によるラチスフレームにおいて含まれた構造ノードの別の実施形態を示し、構造ノードにおいて、少なくとも1つのアーム4は、アーム4の壁部がビーム要素11のそれぞれの端部内に配置されるように、接着材によってそれぞれのビーム要素11に接続され得る。このアーム4は、接着材を注入するための1または複数の注入口19と、アーム4の内側に延びる接着材のための軸供給チャネル20と、接着材ための複数の放出口21とを含んでもよい(
図5、7~9、12)。
【0030】
注入口19は、ノードの中心ボディーの近くに配置され得て、アーム4を画定する壁部から突出するピンの形態で作成され得る。
図7の例において示すように、アーム4の2つの対向する側面から突出する、2つの注入口19がある場合がある。
【0031】
図8、
図9において示すように、供給チャネル20は、注入口19と一致する流入端と、アーム4の長さに対応する拡張部全体とを有する。
図8、9に示す場合では、アーム4の内側で、チャネル20は、アーム4の内側部26を囲むので、アーム4の外壁部と内側部26との間で延びる。
【0032】
接着材のための放出口21は、アーム4の壁部を通って形成された穴によって構成され得て、拡張部に沿って分布し、接着材の軸供給チャネル20とアーム4の外壁部との間で半径方向に延びる。この特性のおかげで、それぞれのビーム要素11内でアーム4を接着剤で接着することは、接着材の均一な分散がアーム4の拡張部すべてに沿って得られるので、極めて効果的で長持ちするようになる。
【0033】
図面に示す別の好ましい特性によれば、ノードのうちの1つのアーム4は、接着材の補助を用いてだけでなく事前の機械的連結によっても、それぞれの中空ビーム要素11に接続される。事前の機械的連結は、アーム4の1つの側面上に配置された弾性アーム17とビーム要素の1つの側面上に形成された開口18とを含み得る接続部材によって実現され、そのため、組み立てられた状態で、弾性アーム17が開口18と連結されるので、アーム4とビーム要素11との間の機械的係合をつくる。
【0034】
好ましくは、供給チャネル20、および放出口21を構成する穴が設けられた上記アーム4のうちの少なくとも1つは、並んで配置されたアーム4のペアであって、単一のビーム要素11内に取り付けられるように構成されたアーム4のペアによって形成される(
図5、
図12)。
【0035】
好ましくは、本発明によるラチスフレームTの構造ノードN2のうちの少なくとも1つは、供給チャネル20、および放出口21を構成する穴が設けられた複数の上記アーム4を備える(
図10)。この場合、ノードN2は、中心チャンバ23と連通する、接着材のための単一の注入口19を備えてもよく、中心チャンバ23は、ノードN2の中心ボディー1内に位置し、中心チャンバ23からそれぞれのアーム4の供給チャネル20が延びる。もちろん、アームの数および構成は、
図10および
図11に示すものに対して大きく異なり得る。例えば、
図10および
図11に示す供給チャネル20を有する3つのアーム4とともに、Cチャンネル形状を有するアーム2が追加され得、同一の中心ボディー1から突出し、3つのアーム4も同一の中心ボディー1から突出する。
【0036】
図13A~
図13Eは、本発明によるラチスフレームの更なる実施形態を構成するいくつかのコンポーネントを示し、このコンポーネントにおいて、ノードの1つのアーム30は、ビーム要素27内に配置される。アーム30は、アーム30の拡張部に沿って配置された複数のスペーサ要素22が設けられ、複数のスペーサ要素22が、組み立てられた状態で、ビーム要素27の内側面とアーム30の外側面との間の空きスペースを画定するように構成される。ビーム要素27は、1または複数の注入口が設けられ得(
図13A~
図13Eでは不図示)、注入口において、接着材が導かれ得、上記空きスペース内に流れ、ビーム要素27とアーム30との間を接着剤で接着する。好ましくは、スペーサ要素22は、形状が円錐であり、この形状によって、中空アーム27の拡張部すべてに沿って、空きスペースの中に接着剤層が通ることが可能になる。
【0037】
上述のものと同様に、ビーム要素27は、アーム30の1つの側面上に配置された弾性アーム29を収容するように構成された、ビーム要素27の側面のうちの1つの上に形成された開口28を有し得、そのため、アーム30とビーム要素27との間の機械的連結を提供する。
【0038】
従って、本発明による自動車両ラチスフレームが、迅速で低コストな、製造工程および組立工程を有し、これにより自動車両ラチスフレームが設計された機能を実行するのにより効果的でなくなることがないことが守られるだろう。
【0039】
付加製造構築手法によって構造ノードを作成することは、従来の製造方法に対して多くの利点を得ることが可能であることを意味し、この利点は、より簡易な形状寸法を有するコンポーネントの製造に対して、時間またはコストの観点において不利益を生じることなしに、複雑な形状寸法を有するコンポーネントを加工することを含む。
【0040】
上記Cチャンネル形態を有する端部を有する構造ノードの少なくとも1つのアームを提供する特性のおかげで、様々なフレーム形状寸法を作成することが可能であり、フレームには、45°の角度で互いに拘束され、上記角度を画定するビーム要素の端で単一の構造ノードと一緒に接続されることを意図する2つのビーム要素を有するフレームが含まれる。
【0041】
拡張部に沿って分布し、接着材の供給するための軸チャネルとアームの外壁部との間に半径方向に延びる、アームの壁部を通って形成された穴で構成された放出口を、構造ノードの少なくとも1つのアームに提供する特性のおかげで、それぞれの中空ビーム要素内でアームを接着剤で接着することは、極めて効果的で長持ちするようになる。なぜなら、アームの全長に沿って接着材の均一な分散が確実にされるからである。
【0042】
もちろん、本発明の原理を損なうことなく、本発明の範囲から逸脱せずに、構造の詳細および実施形態は、専ら例示として記載および図示されたものに対して大きく異なってもよい。
【国際調査報告】