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特表2022-545067レール監視素子を固定及び位置決めするための装置及び装置の使用法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(54)【発明の名称】レール監視素子を固定及び位置決めするための装置及び装置の使用法
(51)【国際特許分類】
   E01B 26/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
E01B26/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509644
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020072881
(87)【国際公開番号】W WO2021032627
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】19192517.1
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516217907
【氏名又は名称】タレス マネジメント アンド サービシズ ドイチュランド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Thales Management & Services Deutschland GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】シッカー カイ
(72)【発明者】
【氏名】オルデヴュルテル カッセン
(57)【要約】
レール底部(18)と、レールウェブ(16)と、レール頭部(34)とを備えるレール(12)のレールウェブ(16)上にレール監視素子(14)を固定及び位置決めするための装置(10)であって、装置(10)をレール(12)に締結することができるクランプ装置と、
レール監視素子(14)をレールウェブ(16)に押し付けるための押圧部材(22)と、
付勢要素(20)であって、装置が取付け状態にあるときのレールウェブ(16)に対し、付勢要素によって生じた力によって押圧部材(22)を押し付けることができる、付勢要素(20)と、
前記付勢要素を支えるための保持具(36、48、52)と
を有する、装置(10)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール底部(18)と、レールウェブ(16)と、レール頭部(34)とを備えるレール(12)の前記レールウェブ(16)上にレール監視素子(14)を固定及び位置決めするための装置(10)であって、
前記装置(10)を前記レール(12)に締結することができるクランプ装置と、
前記レール監視素子(14)を前記レールウェブ(16)に押し付けるための押圧部材(22)と、
付勢要素(20、54)であって、前記装置が取付け状態にあるときの前記レールウェブ(16)に対し、前記付勢要素により生じた力によって前記押圧部材(22)を押し付けることができる、付勢要素(20、54)と、
前記付勢要素(20、54)を支えるための保持具(36)と
を有する、装置(10)。
【請求項2】
前記クランプ装置が、前記装置(10)を前記レール(12)の前記レール底部(18)に締結することができるレール底部クランプ(26)であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプ装置が、前記装置を前記レール(12)に締結することができるレール頭部クランプ(44)であり、前記レール頭部クランプ(44)は、前記取付け状態において前記レール頭部(34)に上方から係合すると共に前記レールウェブ(16)を両側から把持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記付勢要素(20)が、前記取付け状態において前記レール(12)の前記押圧部材(22)と同じ側に位置することを特徴とする、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記付勢要素(20)が、前記取付け状態において前記レール(12)の前記押圧部材(22)とは反対側に位置することを特徴とする、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記付勢要素(20)が、空気圧式又は油圧式の付勢要素であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記付勢要素(20)が、前記押圧部材(22)に対して動作可能に接続された少なくとも1つのピストンロッド(24)を有する空気圧シリンダ又は油圧シリンダであることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記押圧部材(22)は、前記少なくとも1つのピストンロッド(24)に対して傾けることができることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのピストンロッド(24)は、前記押圧部材(22)に対して回転不能であるように構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記空気圧シリンダ又は前記油圧シリンダのストロークの調整が可能であることを特徴とする、請求項7、8、又は9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記押圧部材(22)に及ぼされる圧力を表示及び/又は設定する制御ユニット(28)が設けられることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記押圧部材(22)は、前記レール監視素子(14)用の収容部を有し、前記押圧部材(22)は、前記レールウェブ(16)に対して均一に押し付けられるように構成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記保持部具(36)は、前記取付け状態において、前記クランプ装置に対して、前記レールの下面に対して垂直な方向の調整が可能であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記クランプ装置は、前記装置(10)を前記レール(12)の前記レール底部(18)に締結することができる磁石(54)を備えることを特徴とする、請求項1から5及び12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記レール監視素子(14)を前記レール(12)の前記レールウェブ(16)に接着接合するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置(10)の使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールのレールウェブ上にレール監視素子を固定及び位置決めするための装置に関する。レールのレールウェブは、レールのレール底部とレール頭部との間に配置される。本発明はさらに、レールのレールウェブ上にレール監視素子を固定及び位置決めするための装置の使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
レール監視素子を固定するための装置は、特許文献3により知られている。
【0003】
鉄道輸送をより安全にするために、例えば、車軸カウンタ用のセンサ素子などのレール監視素子が使用される。車軸カウンタは、特に、車軸カウンタの位置を列車が完全に通過したかどうか確認するために使用することができ、例えば、関連する路線区間が空いているかふさがっているかを判定するために使用することができる。そのようなレール監視素子は、一般的に、レールに締結されるセンサ素子を備える。
【0004】
レール監視において光ファイバセンサの重要性はますます高まってきている。ファイバブラッググレーティング(FBG)などの、光ファイバに埋め込まれた1つ又は複数のセンサは、機械的変量によって引き起こされる光ファイバのひずみ又は圧縮を検出するために使用され、したがって、力、トルク、加速度、負荷、圧力状態などを検出することができる。
【0005】
FBGセンサを有するレール監視素子は、例えば、特許文献2により知られている。特許文献2は、レール監視素子をレールに接着固定すること、すなわち、接着剤により接合することを提案している。しかしながら、これを行うためには、レール監視素子を取付け部位に位置決めして固定しなければならない。
【0006】
クランプ装置によって軸カウンタのセンサ素子をレールに固定することは、特許文献3により知られている。特許文献3により知られている装置は、センサをレールウェブ上で支持する又はセンサをレールウェブ上に締結するために使用され、この目的のための設計がなされている。この装置は、水平方向の力を吸収するようには設計されていない。さらに、この装置は、特定のレール底部に合わせて構成されている。しかしながら、取付けツールは、多数の異なるレール断面に適合する必要がある。特許文献3の装置はまた、レールの下にある程度の空間を必要とし、必ずしもその空間を確保できるとは限らない。
【0007】
平面インダクタをレールのレールウェブ上に保持することができる誘導加熱装置を固定するためのL字形弾性クランプが、特許文献1から知られている。クランプの第1の脚部は、レール底部の周りに下方から係合する。クランプの第2の脚部は、前記インダクタがレールのレールウェブに押し付けられるように、インダクタに横方向の予圧を加える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3169138号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102017216811号明細書
【特許文献3】独国特許第102015209721号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、レールのレールウェブ上へのレール監視素子の固定及び位置決めをより効率的に、簡単に、かつ、より正確にする装置を提供することである。さらに、本発明が解決しようとする課題は、そのような装置の使用法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1によるレール監視素子を固定及び位置決めするための装置、及び請求項14による当該装置の使用法によって解決される。従属請求項には、本発明の有利な実施形態が規定されている。
【0011】
本発明による装置は、本装置をレールに締結することができるクランプ装置を有する。クランプ装置は、好ましくは、その上を鉄道車両が通ることができるように構成される。本装置はまた、レール監視素子をレールウェブに押し付けるための押圧部材と、付勢要素とを有する。本装置が取付け状態にあるとき、付勢要素により生じた力によって押圧部材をレールウェブに押し付けることができる。本装置は、好ましくは、付勢要素を支えるための保持具をさらに備える。付勢要素は、押圧部材に接続され、押圧部材に圧力を加えるように構成されている。
【0012】
レール監視素子を固定及び位置決めするための装置は、取付け状態において、自身のクランプ装置を介してレールに固定される。そのため、クランプ装置は、レールの一部分用の収容部を形成する。これは、例えば、レール底部又はレール頭部としてもよい。クランプ装置をレールウェブに対して固定してもよい。クランプ装置は、様々なレール幅及びレール断面に据え付けることができる。
【0013】
本発明による装置の構成により、例えば、レール監視素子を接着接合プロセスのためにレール上に固定し、位置決めするときに、取付け状態において付勢要素に押圧部材に対する圧力を発生させることが可能になる。一方、押圧部材はレールウェブにレール監視素子を押し付ける。レール監視素子は、好ましくは、押圧部材の収容部内に配置される。この状態において、レール監視素子への圧力は、例えば、接着接合プロセスが完了するまで維持される。
【0014】
本発明の一実施形態では、クランプ装置は、本装置をレールのレール底部に締結することができるレール底部クランプである。レール底部クランプとして構成しても、鉄道車両がクランプの上を通れることがこの構成の利点である。レール底部クランプは底部を備えており、この底部は、取付け状態において、レールのレール底部の下に係合し、レール底部用収容部を形成する。レール監視素子をレール構造の枕木の上方に固定し、位置決めする必要がある場合、レール底部クランプは2部品式であってもよい。2部品式とは、レール底部クランプの第1の部品を枕木の一方の側に取り付けることができ、レール底部クランプの第2の部品を枕木の他方の側に取り付けることができることを意味する。
【0015】
本発明の別の実施形態では、クランプ装置はレール頭部クランプである。レール頭部クランプを介して本装置をレールに締結することができ、レール頭部クランプは、取付け状態において、レール頭部に上方から係合すると共にレールウェブを両側から把持する。この構成は、概して、鉄道車両がその上を通ることはできないが、レールの下の空きスペースが必要ないという利点を有する。レール頭部クランプは、好ましくは、レールウェブを把持するクランプあごを有する。これらのクランプあごは、レールウェブの形状に適合する斜面を有してもよい。これにより、レール頭部クランプが常に同じ高さで、特に好ましくは所望の高さでレールを確実に把持することができる。クランプあごは、材料消費量及びクランプの重量を低減するために、凹部を有し、いわゆる「C字形」を形成してもよい。レール頭部クランプを有する本装置は、例えば、地下鉄又は第三軌条方式で使用することができる。
【0016】
付勢要素をレールの押圧部材と同じ側に取り付けてもよい。この実施形態では、付勢要素が押圧部材に直接力を及ぼす。
【0017】
本発明のさらなる実施形態では、付勢要素を押圧部材とは反対側のレールの側面に取り付けてもよい。この実施形態では、付勢要素用の保持具がレールから引き離されることによって、レールウェブに対する圧力を付勢要素に発生させるように構成されている。レールの反対側に位置する保持具の側面は、同じ方向に同じように移動し、その結果、付勢要素の反対側のレールの側面に位置する押圧部材は、レールウェブに押し付けられる。レール監視素子が取り付けられる環境によっては、この実施形態は、例えば、レール監視素子が取り付けられるレールの側面に利用可能な十分な空間がない場合に有利であり得る。ただし、この実施形態は、レール監視素子の反対側のレールの側面に空間を必要とする。
【0018】
付勢要素は、例えば、空気圧式又は油圧式の付勢要素、すなわち空気圧シリンダ又は油圧シリンダであってもよい。空気圧シリンダ又は油圧シリンダは、好ましくは、ピストンロッドを有し、そのピストンロッドは、押圧部材に対して動作可能に接続され、付勢要素によって生じた力を押圧部材に伝達することができる。ピストンロッドは、好ましくは、押圧部材に機械的に接続される。
【0019】
本発明の一実施形態では、押圧部材は、少なくとも1つのピストンロッドに対して傾けることができる。したがって、押圧部材を加圧シリンダの軸線に対して相対的に移動させることができる。これは、センサ素子をピストンロッドの方向にまっすぐ押し付けることができず、レール監視素子を押し付ける平面がピストンロッドの押圧方向に対してわずかに傾くことを補うためのものである。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのピストンロッドは、押圧部材に対して回転不能であるように構成される。ここで、回転不能とは、この少なくとも1つのピストンロッドの方向に回転軸を有する意図しない回転が生じ得ないことを意味する。これは、例えば、少なくとも1つのピストンロッドが角張った又は楕円形の断面を有すること、ピストンロッドが案内溝によって案内されること、又は、例えば、押圧力を押圧部材に伝達する2つの平行なピストンロッドが設けられることによって実現することができる。少なくとも1つのピストンロッドの押圧方向の回転軸線を中心とした回転を防止するこの種の非回転性により、レール監視素子をレールコースに対してまっすぐになるようレールに確実に取り付けることができるという利点がある。
【0021】
本発明の一実施形態では、空気圧シリンダ又は油圧シリンダのストロークの調整が可能である。これにより、本装置を、様々な要件及びレール形状及び/又は様々なレール監視素子の形状に対して調整することができる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、押圧部材に及ぼされる圧力を表示及び/又は設定する制御ユニットが設けられる。例えば、トリガ閾値を恒久的に予め設定することができる圧力リリーフ弁によって圧力を制限することも可能である。空気圧シリンダが付勢要素として使用される場合、制御ユニットは、例えば、圧力計を有するか、又は圧力計と協働してもよい。空気圧シリンダによって加えられる圧力は、圧力計を介して表示してもよい。
【0023】
本発明の一実施形態では、押圧部材は、レール監視素子用の収容部を有し、収容部を有する押圧部材は、レールウェブに対して均一に押圧され得るように構成されている。このような押圧部材の形状は、所定の圧力で均一に押圧することが接着接合プロセスに特に有利であるため、レール監視素子のレールに対する確実で効率的な接着接合プロセスをもたらすのに特に有利である。
【0024】
本発明の一実施形態では、保持具はクランプ装置に対して調整が可能である。この調整は、取付け状態において、レールの下面に対して垂直な方向に行われ、これによりレール監視素子をレールに押し付ける高さを設定することができる。つまり、様々なレール寸法及びレール形状に対応することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、付勢要素は、レールと磁石との間の引力によって圧縮力を生じる磁石として構成される。磁石は、例えば、オーバーヘッドクランプのクランプあごに配置され、好ましくはレールウェブに当接する。
【0026】
本装置は、レール監視素子をレールのレールウェブに接着接合するのに特に適している。接着接合プロセスは、通常、所定の圧力で均一に押圧することを必要とする。そのような効果は、理想的には、本発明による装置を使用して実現することができる。したがって、接着接合のために本装置を使用することは特に有利である。
【0027】
本発明のさらなる利点は、特許請求の範囲、明細書及び図面から明らかになる。同様に、上述の特徴及びさらに詳しく説明する特徴は、本発明に従ってそれぞれ単独で、又はいくつかを任意に組み合わせて使用することができる。図示及び説明される実施形態は、すべてを網羅して列挙していると理解されるべきではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的な性格を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】レール底部クランプを有する本発明による装置の一実施形態を示す概略図である。
図2】揺動継手を備えた押圧部材を有する本発明による装置の一実施形態の概略図である。
図3】レール底部クランプを有する、レール監視素子を固定及び位置決めするための装置のさらなる実施形態を示す図である。
図4図3の実施形態の上面図である。
図5図3及び図4の実施形態の側面図である。
図6】オーバーヘッドクランプの一例を示す図である。
図7】オーバーヘッドクランプを有する本発明による装置のさらなる実施形態を示す図である。
図8図7の実施形態の押圧部材の概略斜視図である。
図9】レール底部クランプを有する本発明の一実施形態の概略図である。
図10図9の板状シリンダ用の保持要素の概略図である。
図11】付勢要素として磁石を有する本発明の一実施形態の概略図である。
図12】磁石の付勢要素を備えた保持具を示す図である。
図13図12の保持具の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、レール監視素子14を固定及び位置決めするための装置10を概略的に示している。レール監視素子14はレール12のレールウェブ16に押し付けられている。レール12のレールウェブ16はレール頭部34とレール底部18との間に位置する。装置10は付勢要素20を有する。付勢要素20は、例えば、油圧シリンダ又は空気圧シリンダであってもよい。付勢要素20はピストンロッド24を介して押圧部材22に力を及ぼす。押圧部材22は、レール監視素子14用の収容部を有する。付勢要素20用の保持具36は、この実施形態ではレール底部クランプ26によってレール12に、より正確にはレール12のレール底部18に締結される。保持具36は、レール底部18が置かれた平面に対して垂直方向の調整が可能である。垂直方向の調整機能により、レール監視素子14を所望の高さに位置決めすることができる。付勢要素20によって、レール監視素子14は、押圧部材22を介して所望の圧力でレールウェブ16に押し付けられ得る。空気圧シリンダが使用される場合、装置10はベローズ30も有する。付勢要素20によって加えられる力は、制御ユニット28を介して制御される。空気圧シリンダが使用される場合、空気圧シリンダによって加えられている圧力を測定及び表示するために圧力計が使用される。圧力は、ベローズ30を介して増加させることができる。また、圧力計を介して圧力を低下させることも可能であり、例えば、空気圧シリンダから空気を放出することによって、圧力を低下させることができる。
【0030】
図2は、押圧部材22が揺動継手38によって回転自在に取り付けられている装置10の詳細を概略的に示している。これにより、押圧部材22は、付勢要素20及びピストンロッド24からなる平面に対して揺動することができる。このようにして、押圧部材22の傾き、ひいてはレール監視素子14がレールウェブ16に押し付けられる傾きを調整することができる。
【0031】
図3は、付勢要素20と押圧部材22とがレールウェブ16の反対側に配置されている、レール監視素子(明確にするために図3には示されていない)を固定及び位置決めするための装置10の実施形態を示している。保持具36は、レール底部クランプ26を介してレール12のレール底部18に締結される。付勢要素20は、そのピストンロッド24でレールウェブ16の片側を押圧する。その結果、押圧部材22は、レールウェブ16の反対側で保持具36を介してレールウェブ16に押し付けられる。
【0032】
図4は、図3のこの実施形態の上面図である。付勢要素20は、ここでは支持具40上に取り付けられている。この支持具40は、レール底部クランプ26に取り付けられたレール底部の下に延びている。支持具40は保持具36の一部であり、支持具40を介して押圧部材22がレールウェブ16に押し付けられる。
【0033】
図5は、支持具40が押圧部材22とともにレール底部クランプ26にどのように取り付けられるかを概略的に示す。図示されている例では、押圧部材20は、レール12のレールウェブ16に対して外側から押圧される。ここで外側とは、鉄道軌道の2本の平行なレール(図示せず)の外側を意味する。レール頭部34上を走行する鉄道車両の車輪42も概略的に示されている。レール底部クランプ26は、レール底部18に締結される。
【0034】
図6は、C字形クランプあご45を有するレール頭部クランプ44の一例を示す側面図である。オーバーヘッドクランプ44のC字形クランプあご45は、レール12を把持してクランプするために使用され、それらの両端が面取りされており、したがって例えばレール12の形状に適合している。C字形状は、例えば、材料及びコストを節約するために、完全に充填された形状よりも好ましい。
【0035】
図7では、オーバーヘッドクランプ44を用いた本発明による装置10を実施するため、図6のレール頭部クランプ44が2つ使用されている。図7は、オーバーヘッドクランプ44がレール12のレール頭部34に上方から係合すると共にレールウェブ16を把持することを示す。この実施形態は、例えば、レール12の下で係合することができないために、レール底部クランプ26をレール12に取り付けることができない場合に選択される。オーバーヘッドクランプ44同士は、付勢要素20が締結されるブリッジ52によって接続されている。オーバーヘッドクランプ44は、それらのクランプあご45及びブリッジ52とともに、保持具36の一実施形態を形成する。押圧部材22をレールウェブ16に押し付けることができるようにするために、付勢要素20のピストンロッド24は、ブリッジ52を貫通する。
【0036】
図8は、C字形要素45及び付勢要素20を有するブリッジ52の拡大斜視図である。ブリッジ52及びC字形要素45はともに、保持具36の一実施形態を形成する。
【0037】
図9は、本発明による装置10のさらなる実施形態を示し、その実施形態では、枕木50の上方に位置する押圧部材22によって、レール監視素子14を固定及び位置決めすることが可能になる。押圧部材22は、ここでは枕木50の真上でレール12のレールウェブ16に押し付けられる。レール底部18への締結は、板状シリンダ48用の2つの保持要素46によって行われる。保持要素46及び板状シリンダ48はともに、保持具36の一実施形態を形成する。付勢要素20は、板状シリンダ48に締結される。付勢要素20は、そのピストンロッド24とともに板状シリンダ48を貫通することにより、押圧部材22をレールウェブ16に押し付ける。
【0038】
図10には、板状シリンダ48用の保持要素46が再び概略的に示されている。
【0039】
図11は、ブリッジ52及びC字形クランプあご45を有する保持具36の概略図である。各クランプあご45内には磁石54が配置されている。図11の左側には、C字形クランプあご45の空洞を完全に埋める磁石54の一例が示されている。右側は、取付け状態において、レール12に面する側に位置する磁石54によってC字形クランプあご45の空洞が一部だけしか埋まっていない例である。取付け状態において、磁石54は、レールウェブ16に接触している。レール12と磁石54との間の引力により、ブリッジ52を介して保持要素22に圧縮力が加えられ、保持要素はレールウェブ(ここでは図示せず)に押し付けられる。
【0040】
図12は、ブリッジ52と、クランプあご45と、クランプあご内に配置された磁石54とを有する保持具36を示す。この実施形態では、磁石は、C字形クランプあご45の空洞を完全には埋めてはいない。磁石54に加えて、この実施形態は、加圧シリンダ20の形態のさらなる付勢要素を有する。
【0041】
磁石54は、レールウェブ52上で装置全体を保持する。加圧シリンダ20は、作動時に装置を「押しやる」ことをしてはならない。したがって、磁石54及び加圧シリンダ20は、好ましくは、「磁石によって生じる力>加圧シリンダ20によって生じる力」が適用されるように互いに整合される。原則として、磁石54の押圧力は、加圧シリンダ20の押圧力よりも大きい。押圧力が大きいため、この実施形態は、例えば、接着剤が加熱されなければならない固定用接着接合に特に適している。
【0042】
図13は、C字形クランプあご45及びブリッジ54を有する保持具36の上面図を示す。ここで、押圧力は、クランプあご45内に配置された磁石54によってのみ発生する。この実施形態は、例えば、接着剤が固定だけを必要とする固定用接着接合に特に適している。
【符号の説明】
【0043】
10 固定及び位置決めするための装置
12 レール
14 レール監視素子
16 レールウェブ
18 レール底部
20 付勢要素
22 押圧部材
24 ピストンロッド
26 レール底部クランプ
28 制御ユニット
30 ベローズ
32 接着剤層
34 レール頭部
36 付勢要素用の保持具
38 揺動継手
40 支持具
42 車輪
44 レール頭部クランプ
45 C字形クランプあご
46 板状シリンダ用の保持要素
48 板状シリンダ
50 枕木
52 ブリッジ
54 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】