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特表2022-545114コンベア手段を作動させる方法、コンベア手段のための制御ユニット、及びコンベア手段
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(54)【発明の名称】コンベア手段を作動させる方法、コンベア手段のための制御ユニット、及びコンベア手段
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/46 20060101AFI20221018BHJP
   B66C 13/23 20060101ALI20221018BHJP
   B65G 43/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B66D1/46 B
B66C13/23 B
B66D1/46 E
B65G43/00 Z
B65G43/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512400
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2020072350
(87)【国際公開番号】W WO2021037530
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】102019122703.8
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522068533
【氏名又は名称】ヨハネス ヒュプナー ファブリーク エレクトリッシャー マシーネン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マーティス マンフレッド
【テーマコード(参考)】
3F027
3F204
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027DA01
3F027DA24
3F027DA33
3F027DA36
3F027EA01
3F027EA09
3F027FA01
3F204AA01
3F204CA07
3F204GA02
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等を作動させる方法及び制御ユニットに関し、コンベア手段は、駆動ユニット(21)と、駆動ユニットを制御する制御ユニット(20)とを備え、駆動ユニットは、少なくとも2つの駆動装置(43、44)を備え、駆動装置は、制御ユニットの制御装置(22)によって制御され、制御ユニットのロータリエンコーダ(25、38)は、駆動装置にそれぞれ割り付けられたコンベア手段の駆動ユニットのシャフト(29、42)に接続され、シャフトの回転を記録し、駆動装置を制御するために、対応するロータリエンコーダのエンコーダ装置(26、39)によって、回転角信号及び/又は回転速度信号を、制御装置に送信し、制御装置は、シャフトの対応する回転速度を決定し、これを基準回転速度と比較し、比較に応じて駆動装置を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等を作動させる方法であって、
前記コンベア手段は、駆動ユニット(21)と、前記駆動ユニットを制御する制御ユニット(20)とを備え、
前記駆動ユニットは、少なくとも2つの駆動装置(43、44)を備え、前記駆動装置は、前記制御ユニットの制御装置(22)によって制御され、
前記制御ユニットのロータリエンコーダ(25、35、38、49)は、前記駆動装置にそれぞれ割り付けられた前記コンベア手段の前記駆動ユニットのシャフト(29、42)に接続され、前記シャフトの回転を記録し、前記駆動装置を制御するために、対応するロータリエンコーダのエンコーダ装置(26、39)によって、回転角信号及び/又は回転速度信号を、前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記シャフトの対応する回転速度を決定し、これを基準回転速度と比較し、前記比較に応じて前記駆動装置を制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記制御装置(22)は、前記ロータリエンコーダ(25、42)のうちの1つの回転角信号及び/又は回転速度信号に従って前記基準回転速度を決定し、前記制御装置は、前記基準回転速度に応じて各駆動装置を調整することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記制御装置(22)は、前記シャフト(29、42)の対応する加速度を決定し、これを基準加速度と比較し、前記制御装置は、前記基準加速度に応じて、各駆動装置(43、44)を調整することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記制御装置(22)は、前記駆動装置(43,44)に割り当てられた前記制御ユニット(20)のセンサデバイス(23)の荷重センサ(36,37)からの荷重信号を記録し、これを基準荷重と比較し、前記制御装置は、前記基準荷重に応じて各駆動装置を調整することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記制御装置(22)では、回転速度、加速度及び/又は荷重の範囲パラメータが記憶され、前記基準回転速度、前記基準加速度及び/又は前記基準荷重は、それぞれ前記範囲パラメータによって制限されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の方法において、
前記荷重センサからの前記荷重信号は、前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)によって記録され、前記ロータリエンコーダはそれぞれ、前記回転角信号及び/又は前記回転速度信号に応じて荷重依存変数を決定し、前記駆動装置(43、44)を制御するために、それを前記制御装置(22)に送信することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の方法において、
前記制御装置(22)は、荷重を超えたときに、前記駆動装置(43,44)の回転速度を制限するか、又は前記駆動装置をオフにすることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項4~7のいずれか1項に記載の方法において、
荷重信号が、各駆動装置(43、44)に割り当てられた複数の荷重センサ(36、37)によって、作業点、ロープ荷重、及び/又は巻き荷重について記録されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法において、
荷重信号は、対応する前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)の安全要素(27、40)によって前記駆動装置(43、44)に割り当てられた前記荷重センサ(36、37)によって記録され、前記安全要素は、前記回転角信号及び/又は前記回転速度信号及び前記荷重信号に応じて、荷重依存最大閾値回転速度を決定し、それを、前記駆動装置を制御するために、前記制御装置(22)に送信することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記安全要素(27、40)は、前記回転角信号及び/又は前記回転速度信号及び前記荷重信号から前記閾値回転速度の関数を決定することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法において、
前記安全要素(27、40)は、前記コンベア手段での作用荷重の加速度を計算に入れながら、荷重センサ(36、37)の荷重信号を補正することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか1項に記載の方法において、
前記安全要素(27、40)は、前記回転角信号及び/又は前記回転速度信号及び/又は前記荷重信号に応じて、前記駆動装置(43、44)の動作タイプとして、持ち上げ、下降、過荷重、弛みロープ又は空走行を決定し、それを前記制御装置(22)に送信することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか1項に記載の方法において、
前記センサデバイスのターミナルスイッチのスイッチ信号は、前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)によって記録され、前記ロータリエンコーダは、前記スイッチ信号に応じて前記コンベア手段上の作用荷重の相対位置を決定し、前記安全要素(27、40)は、前記荷重依存閾値回転速度を決定するときに前記スイッチ信号を計算に入れることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9~13のいずれか1項に記載の方法において、
前記ロータリエンコーダ(25、35、48、49)のカウンタ(28、41)によって前記荷重信号が記録され、このカウンタは運転時間中、前記回転角信号及び/又は前記回転速度信号及び前記荷重信号を格納し、荷重に依存するダメージ値を決定し、それを前記駆動装置(43、44)を制御するために前記制御装置(22)に送信することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9~14のいずれか1項に記載の方法において、
前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)の評価装置によって前記荷重信号が記録され、前記評価装置は、前記荷重信号から前記コンベア手段における作用荷重の重さを決定し、それを前記制御装置(22)に送信することを特徴とする方法。
【請求項16】
コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等のための制御ユニット(20)であって、
前記コンベア手段は、制御装置(22)と、少なくとも2つのロータリエンコーダ(25、35、38、49)とを備え、前記ロータリエンコーダは、対応するシャフトの回転を記録するために駆動ユニット(21)の各々の駆動装置(43、44)に割り当てられたコンベア手段のシャフト(29、42)に接続可能であり、
前記ロータリエンコーダは、前記駆動ユニットを制御するために、前記制御装置(22)に回転角信号及び/又は回転速度信号を出力するエンコーダ装置(26、39)を備え、
前記シャフトの対応する回転速度は前記制御装置によって決定可能であり、かつ基準回転速度と比較でき、前記駆動装置は、前記比較に応じて前記制御装置によって制御可能であることを特徴とする制御ユニット。
【請求項17】
請求項16に記載の制御ユニットにおいて、
前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)の1つは、前記制御装置(22)を含むことを特徴とする制御ユニット。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の制御ユニットにおいて、
前記ロータリエンコーダ(25、35、38、49)は、インクリメンタルエンコーダ及び/又はアブソリュートエンコーダであることを特徴とする制御ユニット。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか1項に記載の制御ユニットにおいて、
前記制御ユニット(20)は、4つ以上のロータリエンコーダ(25、35、38、49)を備えることを特徴とする制御ユニット。
【請求項20】
コンベア手段、特にホイスト、クレーン等であって、
請求項16に記載の制御ユニット(20)と、
少なくとも2つの電気モータ(34、48)、トランスミッション、及び2つのロープドラム(30、45)を有する駆動ユニット(21)とを備えるコンベア手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア手段のための制御ユニットと、コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等を作動させる方法とに関し、前記コンベア手段は、駆動ユニットと、前記駆動ユニットを制御する制御ユニットとを備え、前記駆動ユニットは、少なくとも2つの駆動装置を備え、前記駆動装置は、前記制御ユニットの制御装置によって制御され、前記制御ユニットのロータリエンコーダは、前記駆動装置にそれぞれ割り付けられた前記コンベア手段の前記駆動ユニットのシャフトに接続され、前記シャフトの回転を記録し、前記駆動装置を制御するために、対応するロータリエンコーダのエンコーダ装置によって、回転角信号及び/又は回転速度信号を、前記制御装置に送信する。
【背景技術】
【0002】
このような制御ユニット及び方法は従来技術から周知であり、本質的に、シャフトの位置及び回転速度を記録するために使用される。制御ユニットのロータリエンコーダは、機械と連結することができるか又は前記機械のシャフト上に直接配置される少なくとも1つのシャフトを備える。さらに、ロータリエンコーダは、機械的、光学的、又は磁気式のエンコーダ装置又は記録要素を備える。エンコーダ装置は例えば、インクリメンタルエンコーダ又はアブソリュートエンコーダを構成できる。機械的な実施形態では、エンコーダ装置がスイッチ又はカウンタであってもよい。エンコーダ装置は、シャフトの回転に対して、回転角信号又は回転速度角度のような信号を得ることができる。これらの信号から、ロータリエンコーダが信号線を介して接続されている制御ユニットの制御装置によって、シャフトの回転角位置又はシャフトの回転速度を決定できる。
【0003】
ロータリエンコーダは、とりわけ、ロープホイスト、クレーン、ジブ、クラブ、ウインチ等を有するホイストのようなコンベア手段の中又は上で、及びコンベアベルトの中又は上で使用され、動作中に大きな荷重を受ける。従って、ロータリエンコーダのケーシングは一般に金属製であり、ロータリエンコーダは機械的及び熱的応力に対して比較的弾性を有するものとなる。エンコーダ装置の信号をコンベア手段の制御装置に伝達するために、ロータリエンコーダは必要に応じて信号出力装置を有し、この信号出力装置は、制御装置への伝達のために信号を前処理する。このことは、特に光ファイバケーブルで使用するために必要とされる。
【0004】
コンベア手段上のロータリエンコーダは、主として、ロープドラムの回転速度、又はロープドラムを駆動するためのモータ又は電気モータのような、コンベア手段の特別な動作パラメータを得るのに役立つ。そこで、軸受荷重を持ち上げるためのロープと、ロープドラムと、電気モータと、これらの間で切り換えられるトランスミッションとを有する駆動ユニットが形成されたコンベア手段が知られている。電気モータのシャフト及び/又はロープドラムのシャフトには、それぞれ、割り当てられた電気モータを制御するために、回転角信号及び/又は回転速度信号をコンベア手段の制御装置に送信するロータリエンコーダを配置できる。したがって、コンベア手段は一般に、いくつかのこのような駆動装置又は電気モータを有し、これは、いくつかのロータリエンコーダがホイストに取り付けられることを意味する。その結果、制御装置はロータリエンコーダと連動して制御ユニットを形成し、制御ユニットは、軸受荷重に応じて駆動ユニットを調整する。制御装置はそれぞれのロータリエンコーダから、電気モータによって駆動されるパワートランスミッションのそれぞれの駆動装置又はシャフトの回転速度に関する情報を受信する。例えば、大きな軸受荷重では、制御装置が、軸受荷重を昇降させるときに特定の速度を超えないように、又はロープドラムの回転速度を超えないように、それぞれの電気モータの回転モータ速度を調整する。空容器のように軸受荷重が比較的小さい場合には、軸受荷重をより高速で、すなわちより高い回転モータ速度で上げることができる。それぞれの電気モータは、それぞれの回転速度に応じて、常に互いに別々に調整される。したがって、制御装置による駆動ユニットの調整は常時、コンベア手段又はホイストによって軸受荷重をできるだけ迅速に搬送できるように、駆動ユニットの性能を軸受荷重に合わせることを目的とする。ホイスト上のこのような駆動装置の調整に加えて、制御ユニットを、連続コンベア又はベルトコンベアなどの他のコンベア手段上に設けることもできる。この場合も、荷重や作用荷重を搬送するための複数の駆動装置が正式に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術から公知のホイストでは、制御装置は一般にコンベア手段の制御盤内に配置され、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)とすることができ、制御装置は標準化されたコンピュータのような外部プログラミング装置を介してプログラマブルである。プログラマブルロジックコントローラ又はむしろ制御装置には、コンベア手段のロータリエンコーダからの回転角信号及び/又は回転速度信号を処理し、制御装置を介して回転速度に応じた駆動装置の制御が可能になるようにそれらを変換するプロセッシング要素が組み込まれている。ここでの欠点は、プログラマブルロジックコントローラの個々のプログラムが常に必要とされることである。制御装置のこのプログラムは一般に、一般的な安全規則を考慮に入れることを必要とし、その結果、このように実現された制御装置は、さらに安全上の理由から個別に制御されなければならない。さらに、コンベア速度は、プログラマブルロジックコントローラ又は制御装置を有する個々の駆動装置の規則によって制限される。
【0006】
そこで、コンベア手段をより効率的に作動できるコンベア手段を作動させる方法、制御ユニット、及びコンベア手段を提案することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する方法、請求項16の特徴を有する制御ユニット、及び請求項20の特徴を有するコンベア手段によって達成される。
【0008】
コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等を作動させる本発明に係る方法では、前記コンベア手段は、駆動ユニットと、前記駆動ユニットを制御する制御ユニットとを備え、前記駆動ユニットは、少なくとも2つの駆動装置を備え、前記駆動装置は、前記制御ユニットの制御装置によって制御され、前記制御ユニットのロータリエンコーダは、前記駆動装置にそれぞれ割り付けられた前記コンベア手段の前記駆動ユニットのシャフトに接続され、前記シャフトの回転を記録し、前記駆動装置を制御するために、対応するロータリエンコーダのエンコーダ装置によって、回転角信号及び/又は回転速度信号を、前記制御装置に送信し、前記制御装置は、前記シャフトの対応する回転速度を決定し、これを基準回転速度と比較し、前記比較に応じて前記駆動装置を制御する。
【0009】
本発明に係る方法では、少なくとも1つのロータリエンコーダが、各駆動装置又はパワートランスミッションに、少なくとも1つのシャフト上で1つ又は複数のシャフトと共に設けられ、ロータリエンコーダのパワートランスミッションのシャフトの回転速度を決定するために使用され、したがって駆動装置のために使用される。対応するロータリエンコーダは、ロータリエンコーダのエンコーダ装置の回転角信号及び/又は回転速度信号を制御装置に送信する。この目的のために、ロータリエンコーダは回転角信号及び/又は回転速度信号自体を処理することができ、また、回転速度値又は回転速度情報を含む値を制御装置に送信することができる。したがって、制御装置は、シャフト、従って個々の駆動装置の対応する回転速度を決定することができる。制御装置はさらに、シャフト及び駆動装置の対応する回転速度を比較し、それらを基準回転速度と比較する。制御装置は結果的に、基準回転速度を参照して各駆動装置の回転速度に対する差分回転速度を検出できる。前記制御装置は、前記基準回転速度に対する前記シャフトの駆動装置の検出回転速度の比較に応じてそれぞれの駆動装置を制御する。これにより、基準回転速度に応じて駆動ユニットの全駆動装置を同期させることが可能となる。したがって、割り当てられたロータリエンコーダの回転速度に応じて各駆動装置を個別に調整する場合に発生する可能性のある,駆動装置間の回転速度の相違が回避される。全体的に、駆動ユニット内の最低回転速度を有する駆動装置が、もはやコンベアの最高速度を決めないので、より高いコンベア速度を達成することもできる。基準回転速度は例えば、最も高い回転速度を有する駆動装置に合わせることができ、このことは、残りの駆動装置の回転速度が、制御装置によって、できる限り高い回転速度に調整されることを意味する。
【0010】
その結果、制御装置は、ロータリエンコーダのうちの1つの回転角信号及び/又は回転速度信号に従って基準回転速度を決定することができ、制御装置は、基準回転速度に応じて各駆動装置を調整することができる。制御装置は、それぞれ割り当てられたロータリエンコーダを介して、シャフト又はパワートランスミッションの全ての回転速度を同時に記録し、例えば、残りの駆動装置の回転速度がそれぞれ従って調整される基準回転速度として、最も高い回転速度を定義できる。その結果、全ての駆動装置は、ほぼ一致する同期回転速度で動作できる。また、性能の低下につながる可能性がある駆動装置間の駆動ユニットの起こりうるスリップを防ぐことができる。
【0011】
制御装置が、シャフトの対応する加速度を決定し、それを基準加速度と比較することができる場合には、制御装置が基準加速度に応じて各駆動装置を調整することができることが、有利である。制御装置は、回転角信号及び/又は回転速度信号によって、時間周期と関連させて、加速度を決定又は調整することができる。これにより、基準加速度に応じて駆動装置の対応するシャフトの加速度を調整することもできる。この場合も、制御装置は、シャフトの測定された加速度のうちの1つに従って基準加速度を定義又は選択することができる。基準加速度に応じて駆動装置を制御することで、駆動装置又はシャフトの回転速度をより正確に同期させることができる。
【0012】
制御装置が、それぞれの駆動装置に割り当てられた制御ユニットのセンサデバイスの荷重センサからの荷重信号を記録し、それらを基準荷重と比較することができる場合には、制御装置が基準荷重に応じて各駆動装置を調整できることが、特に有利である。この駆動装置又は割り当てられたシャフトの作用荷重を検出し、荷重信号を制御装置に送信する荷重センサを、各駆動装置又はパワートランスミッションに割り当てることができる。この場合、制御装置は対応する荷重信号を相互に比較し、それらを基準荷重と相関させることができる。荷重信号の1つを基準荷重とすることもできる。次に、すべての荷重は例えば、それぞれの駆動装置の回転速度を調整することによって、基準荷重に応じて制御装置によって調整することができる。
【0013】
制御装置は、回転速度、加速度及び/又は荷重の範囲パラメータを記憶でき、範囲パラメータによって基準回転速度、基準加速度及び/又は基準荷重を制限できる。したがって、制御装置は、駆動装置又はパワートランスミッションのロータリエンコーダ及び/又は荷重センサを介して検出された回転速度、加速度及び/又は荷重を、駆動装置を調整するための基準回転速度、基準加速度及び/又は基準荷重として考慮に入れる必要がなくなる。範囲パラメータは例えば、コンベア手段の動作中に範囲パラメータの範囲内で、全ての駆動装置がそれらの回転速度、加速度及び/又は荷重に関して調整され得るように、制御装置に記憶され得る。それにもかかわらず、この場合、駆動装置を同期させることができる範囲パラメータ又は範囲を十分近くに選択できるので、それぞれの駆動装置を同期させることができる。
【0014】
ロータリエンコーダによって、荷重信号は駆動装置に割り当てられた荷重センサによって記録されることができ、ロータリエンコーダは回転角信号及び/又は回転速度信号と荷重信号とに応じて荷重依存変数を決定し、それらを制御装置に送信して装置を制御することができる。これによれば、ロータリエンコーダのエンコーダ装置の回転角信号及び/又は回転速度信号と、制御装置内で通常発生することが意図された荷重センサの荷重信号との併合を、ロータリエンコーダ内で行うことができる。その結果、各ロータリエンコーダは、それぞれ割り当てられた荷重センサの荷重信号を受信し、これらを、それぞれのロータリエンコーダの回転角信号及び/又は回転速度信号に関連するデータ処理によって処理して、荷重依存変数を生成し、これを制御装置に送信することができる。荷重依存変数は、対応する信号を併合するために制御装置の特定の個別プログラムを必要とすることなく、それぞれの駆動装置を直接制御するために制御装置によってさらに処理することができる。コンベア手段に設置されるロータリエンコーダは、標準化されたロータリエンコーダであってもよく、これは、信号処理又はプログラミングに関する安全上の理由のために、単に1回限りの制御を必要とするに過ぎない。したがって、制御装置のプログラマブルロジックコントローラは、著しく少ない労力でプログラミングすることができる。それぞれのロータリエンコーダにおける信号処理は、制御装置がもはやこの信号処理を行わなくてもよいので、総合的に見れば、制御装置の処理速度をより速くすることを可能にする。荷重依存変数はそれぞれのロータリエンコーダによって制御装置に信号として伝送することもでき、この信号は、作用荷重に直接関係する情報が信号に含まれているという点で、回転角信号及び/又は回転速度信号とは異なる。
【0015】
制御装置は、荷重を超えたときに、駆動装置の回転速度を制限するか、又は駆動装置をオフにすることができる。これにより、搬送される作用荷重に対して、例えば閾値回転速度などの最大許容回転速度をコンベア手段で超えないようにすることができる。したがって、コンベア手段にとって大きすぎる作用荷重は、コンベア装置を用いて搬送することができない。
【0016】
駆動装置にそれぞれ割り当てられた複数の荷重センサによって、荷重信号は、作業点、ロープ荷重、及び/又は巻き荷重について記録されることができる。これらの荷重センサは例えば、ホイストのロープドラム上に配置することができ、又は巻線荷重を導出するための巻線速度を測定することさえできる。さらに、シャフトの破損、またはホイストのカンチレバーの移動等の機械的干渉に関係する荷重センサを使用して、荷重事例を測定することができる。このように、種々の荷重事例を測定するために、複数の荷重センサをホイストまたはコンベア手段上に配置することができる。
【0017】
荷重プラグゲージ又は荷重測定セルを荷重センサとして使用できる。駆動ユニット又は複数の駆動装置がロープを保持する場合、例えば、荷重センサの冗長性を達成するために、ロープごとに2つの荷重信号を記録してもよい。
【0018】
荷重信号が、各ロータリエンコーダの安全要素によって各駆動装置に割り当てられた荷重センサによって記録される場合には、安全要素が回転角信号及び/又は回転速度信号及び荷重信号に応じて、荷重依存最大閾値回転速度を決定することができ、駆動装置を制御するために、それらを制御装置に送信できることが、特に好都合である。それぞれの閾値回転速度がロータリエンコーダの安全要素によって計算されるという事実に起因して、制御装置のプログラミング労力及びエラー傾向が著しく減少する。次に、制御装置はロータリエンコーダから直接最大閾値回転速度に値を採用し、さらにこの値を処理して、駆動装置を制御することができる。ロータリエンコーダがこれらの信号を処理できるので、制御装置がもはや、特別なタイプの回転角又は回転速度信号、又は荷重信号に合わせて調整される必要がなくなり、また、もはや安全性を保証される必要がなくなることによって、コンベア手段を送り出すための労力が大幅に低減され得る。従って、ロータリエンコーダは、それぞれ、ワンオフ安全チェックのみを必要とする自己完結型ロータリエンコーダシステムとすることができる。
【0019】
安全要素は、回転角信号及び/又は回転速度信号及び荷重信号から閾値回転速度の関数を決定することができる。閾値回転速度の数学的規制関数は例えば、駆動装置の電気モータの性能特定カーブに合わせて調整できる。閾値回転速度は次いで、無限に可変的に、かつ電気モータの可能な最大性能に適合した方法で決定することができる。これは、駆動装置又は駆動ユニットのコンベア速度を有利に増加させることができる。
【0020】
安全要素は、コンベア手段での作用荷重の加速度を計算に入れながら、荷重センサの荷重信号を補正することができる。したがって、安全要素は例えば、その自重が閾値回転速度の決定に関連し得るロープの加速度、及び駆動装置によって作用荷重を昇降させるときの作用荷重の加速度を計算に入れることができる。また、安全要素は、正味荷重及び/又は全荷重を決定することができる。さらに、安全要素が個々の荷重値から合計及び差分を計算することが予定され得る。
【0021】
安全要素は、荷重信号から、ホイスト上の作用荷重又は軸受荷重の偏心を決定することができる。例えば、いくつかの荷重センサが設けられるか、又は駆動ユニットが軸受荷重を持ち上げるためのいくつかのロープを有する場合、ロープ又は荷重センサ上の荷重の分布が決定され得る。軸受荷重のタイプ、例えば、不均一に分布した荷重を有する容器又は異なる物体に応じて、異なるロープに対向する1つのロープにおいて、より大きな荷重を測定することができる。次に、安全要素はこの荷重分布を計算に入れ、次に、測定された最大荷重に応じてロープのそれぞれの駆動装置の閾値回転速度を調整することができる。
【0022】
制御装置は、駆動装置の動作タイプに関する情報を含むステータス信号を安全要素に転送することができ、安全要素は、荷重依存閾値回転速度を決定するときにステータス信号を計算に入れることができる。動作タイプは例えば、閾値荷重又は過荷重を超える軸受荷重の持ち上げ又は下降、弛みロープ、空走行、又はそれぞれの駆動装置の高速駆動とすることができる。例えば、荷重依存閾値回転速度は、ロープ重量から導出された荷重が特に低い場合、空走行中に完全に無視することもできる。
【0023】
安全要素は、回転角信号及び/又は回転速度信号及び/又は荷重信号に応じて、駆動装置の動作タイプとして、持ち上げ、下降、過負荷、弛みロープ又は空走行を決定することができ、この情報を制御装置に送信することができる。これによれば、安全要素は対応する信号を評価し、そこから起こりうる動作タイプを導出することによって、動作タイプ自体を決定することができる。この目的のために、特定の値範囲又は信号パターンを安全要素に格納することができる。これにより、比較によって動作タイプを決定することができる。制御装置が、動作タイプを安全要素に伝達すれば、妥当性の比較を安全要素で実行させることができる。結果が一致しない場合、例えば、対応する駆動装置又は駆動ユニット全体を制御装置によって遮断することができる。
【0024】
ロータリエンコーダにより、センサデバイスのターミナルスイッチのスイッチ信号を記録することができ、ロータリエンコーダはスイッチ信号に応じてコンベア手段上の駆動荷重の相対位置を決定でき、安全要素は、荷重依存閾値回転速度を決定するときにスイッチ信号を計算に入れることができる。ターミナルスイッチを介して、例えば、ホイストのカンチレバーのクラブの相対位置を決定することができる。従って、例えば、軌道がホイスト等の下方に位置する場合等、安全関連領域において、作用荷重又は軸受荷重がより低い閾値回転速度で移動することを確証することもできる。また、ターミナルスイッチはホイストの特定の位置におけるロープのあり得る長さを決定することを可能にし、且つ閾値回転速度を決定する際に考慮されることを可能にする。
【0025】
安全要素は、各動作タイプ又は相対位置に最大閾値荷重を割り当てることができる。対応する最大閾値荷重により、それに依存する閾値回転速度を順番に決定することができる。最大閾値荷重は、特に安全面を考慮しながら定義でき、対応する動作タイプ又は相対位置に対して安全要素に格納される。この状況では、対応する最大閾値荷重に達したときに、荷重センサの荷重信号が考慮されないことも意図され得る。
【0026】
荷重信号がロータリエンコーダのカウンタによって記録される場合には、このカウンタが運転時間中、回転角信号及び/又は回転速度信号及び荷重信号を格納し、荷重に依存するダメージ値を決定し、それを駆動装置を制御するために制御要素に送信することができると、特に好都合である。次いで、カウンタは、運転時間中、個々の又は全ての信号、荷重信号、回転角度信号及び/又は回転速度信号を格納でき、これらを一緒に合計できる。カウンタ要素は、荷重に依存するダメージ値に対応する合計荷重又は荷重集合を検出することができる。したがって、例えば、軸受荷重を持ち上げるたびに、ホイストで部品の疲労が進行し、特定の数の値又は移動した軸受荷重の合計に達したときに、安全上の理由から部品を点検又は交換しなければならない。
【0027】
カウンタは、格納された信号から駆動装置又は他の部品が摩耗した時点を確定できる。この時点で、必要に応じて部品の交換を含む点検又はサービスが必要である。カウンタはその時点又はその時点自体の差し迫った到達を知らせることができ、ダメージ値を制御装置に送信することによって、駆動装置又は駆動ユニットの運転のスイッチオフ又は性能の低減を開始させることができる。
【0028】
荷重信号はロータリエンコーダの評価要素によって記録することもでき、評価要素は荷重信号からコンベア手段における作用荷重の重さを決定し、それを制御装置に送信することができる。従って、評価要素は、作用荷重又は軸受荷重の重量測定に使用される評価要素の荷重信号によって正味重量を決定することができる。軸受荷重の計量及びコンベア手段の部品への荷重の確定のためだけに機能する荷重センサを使用することもはや要求されない。その結果、別な方法では計量に使用される荷重センサは、もはや不要になる。
【0029】
また、制御ユニットの別のロータリエンコーダが駆動装置の別のシャフトに接続され、他のシャフトの回転を記録することを意図することもでき、回転速度及び/又は荷重信号は、他のロータリエンコーダによって記録され、他のロータリエンコーダは別の回転角信号及び/又は別の回転速度信号及び荷重信号に応じて別の荷重依存変数を決定し、駆動装置を制御するために、それらを制御装置に送信することができる。駆動ユニットは、個々の作用荷重を搬送する役割を果たすいくつかのロープロール、電気モータ及びトランスミッションを備えることができる。制御装置は対応するロータリエンコーダから最新の荷重依存変数を受け取り、その変数は、駆動ユニット全体又は駆動ユニットの個々のモータ及び/又は駆動装置を制御するために制御装置によって使用することができる。
【0030】
コンベア手段、特にホイスト、クレーン、連続コンベア等のための制御ユニットは、制御装置と、少なくとも2つのロータリエンコーダとを備え、ロータリエンコーダは、対応するシャフトの回転を記録するために、駆動ユニットの各々の駆動装置に割り当てられたコンベア手段のシャフトに接続可能であり、ロータリエンコーダは、駆動ユニットを制御するために、制御装置に回転角信号及び/又は回転速度信号を出力するエンコーダ装置を備え、シャフトの対応する回転速度は制御装置によって決定可能であり、かつ基準回転速度と比較でき、駆動装置は、比較に応じて、制御装置によって制御可能である。本発明に係る制御ユニットの利点の詳細については、本発明に係る方法の利点の説明を参照されたい。
【0031】
有利には、ロータリエンコーダのうちの1つは制御装置を備えることができる。この場合、制御ユニットは、いずれか1つのロータリエンコーダに内蔵されている1つの制御装置のみを必要とする。残りのロータリエンコーダは、制御装置を構成するロータリエンコーダに直接接続することができる。その上、残りのロータリエンコーダの回転角信号及び/又は回転速度信号は、1つのロータリエンコーダの制御装置に直接送信することができ、制御装置は、対応する信号を併合するために特定の方法で個別にプログラムされるのを必要とすることなく、駆動ユニット又は個々の駆動装置を制御するための信号をさらに処理することができる。コンベア手段に設置されたロータリエンコーダは、信号処理又はプログラムに関して安全上の理由からワンオフチェックのみを必要とする標準化されたロータリエンコーダとすることができる。制御装置のプログラマブルロジックコントローラは、著しく少ない労力でプログラムすることができる。また、ロータリエンコーダでの信号処理は、制御装置がもはや信号処理を行わなくてもよいので、制御装置の全体的なより迅速な処理速度を可能にする。荷重依存変数は荷重センサによる信号として1つのロータリエンコーダの制御装置に伝達することもでき、この信号は、作用荷重に関する関連情報を信号に直接含めることができるという点で、回転角信号及び/又は回転速度信号とは異なる。制御ユニットの全てのロータリエンコーダは、フィールドバスを介してデータを交換するためのフィールドバスインタフェースを介して制御装置と簡単に連結できる。一般に、制御装置をロータリエンコーダとは別に配置することも可能である。
【0032】
ロータリエンコーダはまた、パラメータ化可能な荷重依存出力値を超えるか又は下回るかのスイッチ出力を備えることができる。スイッチ出力には、セーフティリレー又は半導体リレーを取り付けることができる。パラメータ化可能な出力値は、回転速度値、高過ぎるか又は低過ぎる回転速度値、回転角度値又は回転速度微分値であり得る。
【0033】
ロータリエンコーダは、インクリメンタルエンコーダ及び/又はアブソリュートエンコーダであり得る。インクリメンタルエンコーダは、例えば、ロータリエンコーダが駆動装置上又は駆動ユニットの電気モータ上に配置されている場合に有利に使用することができる。インクリメンタル信号及び/又はアブソリュート信号は、ロータリエンコーダが例えば駆動ユニットのロープドラム上に配置されている場合に更に有利に処理することができる。エンコーダ装置は、これらの信号を、回転角信号及び/又は回転速度信号又は荷重依存変数と並行に出力できる。アブソリュート信号は、シャフトの単一回転を参照するシングルターンシグナル、又はシャフトの複数回転を参照するマルチターンシグナルとして知られる信号とすることができる。さらに、ロータリエンコーダは、アブソリュート信号又はインクリメンタル信号用のデジタル又はアナログ出力を備え得る。アナログ出力は、電力出力又は電圧出力にすることができる。
【0034】
また、制御ユニットは、4つ以上のロータリエンコーダを備えることができる。例えば、制御ユニットは2つのインクリメンタルエンコーダ及び2つのアブソリュートエンコーダで構成することができ、これらは、2つのパワートランスミッションに割り当てられるか、又はこれらに接続される。しかしながら、コンベア手段が、多くの駆動装置が設置されているベルトコンベアのような連続コンベアである場合には、ロータリエンコーダの数が、はるかに大きくなる可能性がある。
【0035】
制御ユニットのさらなる有利な実施形態は、請求項16の装置に関連する従属請求項の特徴の説明から得られる。
【0036】
本発明に係るコンベア手段、特にホイスト、クレーン等は、本発明に係る制御ユニットと、少なくとも2つの電気モータ、トランスミッション、及び2つのロープドラムを有する駆動ユニットとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1図1は、従来技術に係る制御ユニットの構成の概略図である。
図2図2は、制御ユニットの構成の概略図である。
図3図3は、駆動ユニットの簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1には、図示していない駆動装置を有する駆動ユニット11と併せて、従来技術に係る制御ユニット10を示す。制御ユニット10は、制御装置12と、荷重センサ(図示せず)を有するセンサデバイス13と、プログラミング装置14と、ロータリエンコーダ15とを備える。さらに、駆動ユニット11の駆動装置に接続されたロータリエンコーダ15を制御装置12に接続することができる。制御装置12は、センサデバイス13から荷重センサの荷重信号を受け取ることができるプロセッシング要素16を備える。さらに、プロセッシング要素16は、ロータリエンコーダ15のエンコーダ装置17の回転角信号及び/又は回転速度信号を受信することができる。この場合、ロータリエンコーダ15はシャフト18を介して駆動ユニット11に連結されており、駆動ユニット11はロープドラム(図示せず)と電気モータ(図示せず)とトランスミッション(図示せず)とを備えて構成されている。制御ユニット10及び駆動ユニット11はホイスト又はクレーンの一部であり、これらはいずれもこの例では図示されていない。
【0039】
プロセッシング要素16は、センサデバイス13の荷重信号及びロータリエンコーダ15の回転角信号及び/又は回転速度信号から、最大閾値回転速度等の荷重依存変数を計算し、その変数に基づいた制御信号を制御ユニット11に送信し、駆動ユニット11からステータス信号を受信する。制御装置12は、コンピュータ(図示せず)であってもよいプログラム装置14によってプログラム可能である。さらに、制御ユニット10は、カウンタ19を備え、これは、プロセッシング装置16内に存在するセンサデバイス13の荷重信号を運転時間中、合計することができ、したがって、合計荷重を決定することができる。これにより、例えばスイッチオフ信号の形式で、カウンタ19からプロセッシング装置16に戻すことができるダメージ値が得られる。
【0040】
図2は、簡略化した図で、駆動ユニット21と連動する制御ユニット20を示す。制御ユニット20は、制御装置22と、荷重センサ36,37を有するセンサデバイス23と、プログラミング装置24と、ロータリエンコーダ25及び38とを備える。ロータリエンコーダ25及び38自体は、それぞれエンコーダ装置26及び39、それぞれ安全要素27及び40、ならびに、それぞれカウンタ28及び41を備え、それぞれ、シャフト29及び42を介して駆動ユニット21の駆動装置43及び44と連結されている。
【0041】
駆動ユニット21又は駆動装置43及び44を作動させるとき、駆動装置43に連結されたロータリエンコーダ25と駆動装置44に連結されたロータリエンコーダ38とが、対応するエンコーダ装置26及び39によって、対応する回転角信号及び/又は回転速度信号を検出し、これらを制御装置22に伝達する。さらに、ロータリエンコーダ25及び38はそれぞれ、センサデバイス22又はそれぞれの荷重センサ36及び37から荷重信号を受信し、安全装置27及び40はそれぞれ、それぞれの回転角信号及び/又はそれぞれの回転速度信号及びそれぞれの荷重信号から、それぞれの駆動装置43及び44に対する最大閾値回転速度等の荷重依存変数を決定し、最大閾値回転速度はそれぞれ、駆動ユニット21又は駆動装置43及び44を制御するために、制御装置22に送信される。
【0042】
さらに、それぞれのカウンタ28及び41はそれぞれ、駆動装置43及び44の運転時間内に対応する荷重信号を合計し、ダメージ値を制御装置22に送信する。あるダメージ値に達すると、制御装置22は、例えば駆動ユニットをオフにすることができる。制御装置22は、プログラミング装置24によってプログラム可能である。また、制御装置22はセンサデバイス23から荷重信号を直接受信し、さらに処理することができる。制御装置22は、駆動ユニット21又は駆動装置43及び44からステータス信号を受け取り、これらを対応するロータリエンコーダ25及び38に転送する。ステータス信号は、軸受荷重又は弛みロープの昇降のような駆動装置43及び44の動作タイプに関する。
【0043】
ロータリエンコーダ25及び38によって制御装置22に送信される回転角信号及び/又は回転速度信号は、対応する駆動装置43及び44の回転速度が各駆動装置43及び44に対して決定されるように、制御装置によってさらに処理される。制御装置22は、対応する回転速度を基準回転速度と比較し、これを範囲パラメータの形式で制御装置22に記憶させることができる。さらに、制御装置22からの2つの回転速度のうちの1つを基準回転速度として規定することが予定されてもよい。制御装置22は、基準回転速度との対応する回転速度の比較に応じて駆動装置43及び44を制御することが不可欠である。例えば、駆動装置43及び44が、ロータリエンコーダ25及び38の対応する回転角信号及び/又は回転速度信号によってもたらされる駆動装置43及び44の回転速度に起因して制御装置22を使用して調整される場合、制御装置22は、駆動装置43に割り当てられた回転速度を基準回転速度として定義することができる。ここで、回転速度は、基準回転速度、回転速度、及び結果的に駆動装置43において同一の基準回転速度と比較される。駆動装置44の回転速度は、基準回転速度に応じて調整される。さらに、制御装置が加速度及び/又は荷重に応じて補助的な調整を行うことを予定してもよい。
【0044】
図3は、ロータリエンコーダ25及び38を有する駆動ユニット21の概略図である。ロータリエンコーダ25及び38は、それぞれロープ31及び46を介し、かつそれぞれシャフト29及び42を介してロープドラム30及び45に連結され、それは、ロータリエンコーダ25及び38がそれぞれロープドラム30及び45の回転角度及び/又は回転速度を検出することができることを意味する。ロープドラム30及び45はそれぞれ、ロープ破断部32及び47を有し、それぞれ電気モータ34及び48に連結され、トランスミッション33を介してロープドラム40及び45を駆動する。任意に、別のロータリエンコーダ35を電気モータ34に連結することができ、別のロータリエンコーダ49を電気モータ48に連結することができ、その結果、電気モータ34及び48の回転速度がロータリエンコーダ35及び49によって検出可能となる。次いで、ロータリエンコーダ35及び49は、基本的にロータリエンコーダ25及び38のように実現することができ、制御ユニット20の構成要素とすることができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】