IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノヴォ ノルディスク アー/エスの特許一覧

特表2022-545156GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物
<>
  • 特表-GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物 図1
  • 特表-GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20221019BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/7004 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20221019BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20221019BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P3/10 ZNA
A61P3/04
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K9/20
A61K47/18
A61K47/12
A61K47/14
A61K38/16
A61K31/7004
A61K31/7048
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502090
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2020072106
(87)【国際公開番号】W WO2021023811
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】19190623.9
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20172415.0
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン、ベティ、ロムシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】ニッセン、バージット
(72)【発明者】
【氏名】ガリベイ、パトリック、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ナエラペー、カイサ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッジ、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC21
4C076CC29
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD52
4C076FF04
4C076FF09
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA20
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084BA44
4C084MA02
4C084MA35
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA701
4C084ZA702
4C084ZC021
4C084ZC022
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA08
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA70
4C086ZC02
4C086ZC35
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む、固形医薬組成物に関する。本発明はさらに、そのような組成物の調製のためのプロセス、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)0.5~60mgのGLP-1作動薬と、
b)1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c)20~800mg、例えば50~600mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
d)0.6~30mg、例えば1~50mgの潤滑剤と、を含み、
前記NACの塩が、前記組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
【請求項2】
前記組成物が、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの潤滑剤から本質的になる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組成物が、経口投与用であり、前記組成物が、固形、例えば、錠剤の形態である、請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記NACの塩が、前記組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mgまたは2~3mgの潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む、請求項1~5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記GLP-1作動薬が、セマグルチドである、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される、請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記NACの塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記錠剤が、100~800mgの重量を有する、請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)50~600mgのSNACと、
d)1~50mgの潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)50~400mgのSNACと、
d)1~50mgの潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)100~300mgのSNACと、
d)1~30mgの潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬品における使用のための、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物、それらの調製方法、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「SEQUENCE LISTING」と題された配列表は、4KBであり、2020年7月14日に作成され、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ヒトGLP-1およびその類似体は、低い経口バイオアベイラビリティを有する。経口投与後のヒトGLP-1およびその類似体の曝露量およびバイオアベイラビリティは、非常に低い。したがって、ヒトGLP-1(およびその類似体)は、ある特定の吸収促進剤と特定の量で製剤化された場合、経口投与後に血漿中でのみ検出され得る。
【0004】
Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)は、GLP-1(7-36)アミドと、150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)とを含む錠剤の経口投与を開示している。
【0005】
国際公開第2010/020978号は、タンパク質と、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の特定の塩とを含む、経口医薬組成物を開示している。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)-アミノ)カプリル酸塩の塩を含有するGLP-1類似体の経口剤形を開示する特許出願には、国際公開第2012/080471号、同第2013/189988号、同第2013/139694号、同第2013/139695号、および同第2014/177683号が含まれる。
【0006】
これらの知見にもかかわらず、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の経口投与のためのさらに最適化された医薬組成物の余地は依然として存在し、GLP-1作動薬は、置換基を含むGLP-1類似体であってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010/020978号
【特許文献2】国際公開第2012/080471号
【特許文献3】国際公開第2013/189988号
【特許文献4】国際公開第2013/139694号
【特許文献5】国際公開第2013/139695号
【特許文献6】国際公開第2014/177683号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)
【発明の概要】
【0009】
本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、吸収促進剤(本明細書において送達剤とも称される)とを含む、組成物に関する。一実施形態の本発明による組成物は、送達剤の非常に高い含有量と、以下に記載されるさらなる賦形剤の最小限の含有量とを含む。提供される組成物は、インビトロでの放出の加速を示し、活性医薬成分の効率的な取り込みを可能にする。
【0010】
治療用ペプチドの経口投与は、胃腸系におけるそのようなペプチドの迅速な分解のために困難である。本明細書では、投与後15~30分以内にGLP-1作動薬の吸収を加速させ、それにより経口投与によるGLP-1作動薬の曝露量を改善する、医薬組成物が記載されている。これは、本明細書のアッセイIIIに記載される方法によって決定され得る。
【0011】
一態様では、本発明は、総組成物に対する、または特に組成物の他の賦形剤に対する、送達剤の重量比が非常に高い組成物に関する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、SNACなどの送達剤とを含む医薬組成物に関し、送達剤は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、SNACなどの送達剤とを含む医薬組成物に関し、送達剤は、組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。
【0014】
追加の実施形態では、組成物は、潤滑剤をさらに含む。
【0015】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法に関する。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療のためなどの、医薬品における使用のための、本明細書で定義される組成物または顆粒に関し、当該組成物は、経口投与される。
【0017】
さらなる態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療方法に関し、この方法は、その治療を必要とする患者に、本明細書で定義される組成物を投与することを含み、当該組成物は、錠剤であり、経口投与される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、組成物Aと比較した、本発明の組成物1~3からのGLP-1作動薬の累積放出を示す。
図2図2は、組成物Aと比較した、本発明の組成物1~3からのSGLT2阻害剤の累積放出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一態様は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、吸収促進剤および/または送達剤とを含む、組成物に関する。組成物は、錠剤、小袋、またはカプセルなど、経口投与に好適な形態であってもよい。一実施形態では、組成物は、経口組成物、または経口医薬組成物などの医薬組成物である。
【0020】
一実施形態の本発明による組成物は、送達剤の高い含有量と、以下に記載されるさらなる賦形剤の最小限の含有量とを含む。提供される組成物は、インビトロでの放出の加速を示し、活性医薬成分の効率的な取り込みを可能にする。本明細書の組成物はまた、経口投与後のGLP-1作動薬のより迅速な取り込みも提供する。
【0021】
GLP-1
本明細書で使用される場合、「GLP-1作動薬」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。したがって、この用語は、他の文書で使用される「GLP-1受容体作動薬」という用語に等しい。GLP-1作動薬という用語、ならびに本明細書に記載の特定のGLP-1作動薬はまた、この塩形態も包含するよう意図されている。
【0022】
その結果、GLP-1作動薬は、「GLP-1活性」を示すべきであるということになり、これは、GLP-1受容体に結合し、シグナル伝達経路を開始し、インスリン分泌促進作用または当該技術分野で公知のような他の生理学的効果をもたらす化合物、すなわち、GLP-1類似体またはGLP-1類似体を含む化合物の能力を指す。いくつかの実施形態では、「GLP-1作動薬」は、当該技術分野で公知の方法(例えば、国際公開第98/08871号を参照)によって測定したときに1μM未満、例えば100nM未満の、例えば親和性定数(K)で、GLP-1受容体に結合するか、またはその効力(EC50)で受容体を活性化し、インスリン分泌促進活性を示し、ここで、インスリン分泌促進活性は、当業者に公知のインビボまたはインビトロアッセイで測定され得る。例えば、GLP-1作動薬は、血糖が増加した動物(例えば、静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を使用して得られる)に投与されてもよい。当業者であれば、例えば、IVGTTに関する動物種に応じて)、好適なグルコース投与量および好適な採血方法を決定し、経時的な血漿インスリン濃度を測定することができる。
【0023】
好適なアッセイは、国際公開第2015/155151号などに記載されている。
【0024】
50%効果濃度(EC50)という用語は一般的に、用量反応曲線を参照することにより、ベースラインと最大との中間の反応を誘発する濃度を指す。EC50は、化合物の効力の尺度として使用され、その最大効果の50%が観察される濃度を表す。本明細書に記載の置換基を含むGLP-1作動薬のアルブミン結合効果のために、アッセイがヒト血清アルブミンを含むかどうかに注意することが重要である。
【0025】
GLP-1作動薬のインビトロ効力は、2015/155151、実施例29(HSAなし)に記載されるように決定されてもよく、かつEC50が決定されてもよい。EC50値がより低いほど、効力がより良好である。いくつかの実施形態では、(HSAなしで)決定された効力(EC50)は、5~1000pM、例えば10~750pM、10~500pM、または10~200pMである。いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大500pM、例えば最大300pM、例えば最大200pMである。
【0026】
いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、ヒトGLP-1(7-37)と同等である。
【0027】
いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大50pMである。さらなるそのような実施形態では、EC50は、最大40pM、例えば最大30pM、例えば最大20pM、例えば最大10pMである。いくつかの実施形態では、EC50は、約10pMである。
【0028】
必要な場合、公知のGLP-1受容体作動薬に関する倍数変動は、EC50(試験類似体)/EC50(公知の類似体)として計算され得、この比が0.5~1.5または0.8~1.2などである場合、効力は、同等であるとみなされる。
【0029】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、リラグルチドの効力と同等である。
【0030】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、セマグルチドの効力と同等である。
【0031】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、化合物Bの効力と同等である。
【0032】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、化合物Cの効力と同等である。
【0033】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、任意選択で1つの置換基を含む、GLP-1類似体である。GLP-1ペプチド(以下「ペプチド」)を参照して本明細書で使用される「類似体」という用語は、ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基で置換されている、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドから欠失している、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドに付加されている、および/またはペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、修飾されている、ペプチドを意味する。アミノ酸残基のそのような付加または欠失は、ペプチドのN末端および/またはペプチドのC末端に発生し得る。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬を記載するために単純な用語体系が使用され、例えば、[Aib8]GLP-1(7-37)は、GLP-1(7-37)の類似体を示し、8位の自然発生のAlaは、Aibで置換されている。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって変更された、最大12個、例えば最大10個、8個、または6個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、類似体は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、最大10個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、例えば最大9個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大8個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大7個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大6個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大5個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大4個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、または最大3個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入を含む。別段の定めのない限り、GLP-1は、L-アミノ酸のみを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「GLP-1類似体」または「GLP-1の類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))のバリアントである、ペプチド、または化合物を指す。GLP-1(7-37)は、配列HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号1)を有する。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または挿入を含む化合物を指す。
【0035】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)の全長にかけて、GLP-1(7-37)に対して少なくとも60%、65%、70%、80%、または90%の配列同一性を示す。2つの類似体の間の配列同一性の決定のための方法の一例として、2つのペプチド[Aib8]GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)を整列させる。GLP-1(7-37)に対する[Aib8]GLP-1(7-37)の配列同一性は、整列された同一の残基の数から異なる残基の数を減算し、GLP-1(7-37)中の残基の総数で除算することによって得られる。したがって、当該例では、配列同一性は、(31-1)/31である。
【0036】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬のC末端は、アミドである。
【0037】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-36)アミドである。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、エキセンディン-4であり、その配列は、HGEGTFITSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号2)である。
【0038】
GLP-1作動薬の効果を延長するために、GLP-1作動薬が、延長された半減期を有することが好ましい。半減期は、当該技術分野で公知の方法によって、かつ国際公開第2012/140117号に記載されるように、雄Sprague Dawleyラットまたはミニブタなどの適切なモデルにおいて、決定され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて24時間超の半減期を有する。いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて、30時間超、例えば36時間超、例えば42時間超、例えば48時間超、例えば54時間超、または例えば60時間超の半減期を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、ペプチドに共有結合した1つの置換基を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、脂肪酸または脂肪二酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂二肪酸を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)、
【化1】
を含み、式中、nは、少なくとも13であり、例えば、nは、13、14、15、16、17、18、または19である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13~19の範囲、例えば13~17の範囲である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13、15、または17である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、15である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、17である。
【0042】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)、
HOOC-(C)-O-(CH-CO-*(XIa)を含み、式中、mは、6~14の範囲の整数である。
【0043】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIb)、
【化2】
を含み、式中、カルボキシ基は、(C)基の2、3、または4位であり、式中、mは、8~11の範囲の整数である。
【0044】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、6~14の範囲、例えば8~11の範囲である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、8、10、または12である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、9である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、11である。
【0045】
いくつかの実施形態では、置換基は、2つのOEGなどの1つ以上の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0047】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0048】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)(配列番号4)としても公知のセマグルチドであり、これは、以下の構造
【化3】
を有して国際公開第2006/097537号の実施例4に記載されるように調製され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Bであり、これは、国際公開第2011/080103号の実施例2に示され、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)(配列番号5)、以下の構造
【化4】
を有するNε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-アセチル}-[Aib,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-ペプチドである。
【0050】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Cであり、これは、国際公開第2012/140117号の実施例31に示され、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(配列番号6)、以下の構造
【化5】
を有するNε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyである。
【0051】
一般に、GLP-1作動薬という用語は、GLP-1作動薬およびその任意の薬学的に許容可能な塩、アミド、またはエステルを包含するよう意図されている。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬および1つ以上の薬学的に許容可能な対イオンを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、国際公開第93/19175号、同第96/29342号、同第98/08871号、同第99/43707号、同第99/43706号、同第99/43341号、同第99/43708号、同第2005/027978号、同第2005/058954号、同第2005/058958号、同第2006/005667号、同第2006/037810号、同第2006/037811号、同第2006/097537号、同第2006/097538号、同第2008/023050号、同第2009/030738号、同第2009/030771号、および同第2009/030774号で言及されるGLP-1作動薬のうちの1つ以上から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタデカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22 Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン26-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{4-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ブチリル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(トランス-19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル[Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26[2-(2-[2-(2-[2-(2-((S)-2-[トランス-4-((9-カルボキシノナデカノイルアミノ]メチル)シクロヘキシルカルボニルアミノ]-4-カルボキシブタノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリル-アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys33,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-
(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-(3-((2-(2-(2-(2-(2-ヘキサデシルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ))プロピオニル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-アミド、N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ヘキサデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ヘキサデカノイルアミノ)-4-カルボキシ-ブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(オクタデカノイル-アミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-(2-{2-[2-((S)-4-カルボキシ-4-{(S)-4-カルボキシ-4-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-{2-[2-(2-{(S)-4-[(S)-4-(12-{4-[16-(2-tert-ブチル-2H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル]ブチリルアミノ}ドデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ]-4-カルボキシブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-アルファ37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,イプシロン-Lys37]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン36-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys36]GLP-1-(7-37)-Glu-Lysペプチド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Aib35,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[(S)-4-カルボキシ-4-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ブチリル][Aib8,Glu22,Arg26,34,Lys37]GLP-1(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリ-ルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][ImPr7,Glu22,Arg26,34,Lys37],GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}、N-イプシロン37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OH、N-イプシロン26(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-ペプチド、N-イプシロン26-(19-カルボキシノナデカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-(4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(15-カルボキシペンタ-デカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル[Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミ
ノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][3-(4-イミダゾリル)プロピオニル7,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-(カルボキシメチル-アミノ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-3(S)-スルホプロピオニルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-アミド、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34,Pro37]GLP-1-(7-37)アミド、Aib8,Lys26(N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ペンタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}),Arg34)GLP-1H(7-37)-OH、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、N-アルファ7-ホルミル,N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン2626-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(15-(N-((S)-1,3-ジカルボキシプロピル)カルバモイル)ペンタデカノイルアミノ)-(S)-4-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ](4(S)-カルボキシブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、N-イプシロン26-{(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[Aib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-[2-[4-(21-カルボキシウンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、およびN-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシウンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)からなる群から選択される。
【0054】
SGLT2阻害剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、SGLT1阻害剤でもある。SGLT2阻害剤およびSGLT1阻害剤は、ナトリウムグルコース結合輸送体を阻害する能力を有する化合物である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、グルコピラノシル置換ベンゼン誘導体である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エンパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エルツグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ソタグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤はイプラグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、トホグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ルセオグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ベキサグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、レモグロフロジンである。SGLT2阻害剤は、例えば、国際特許公開公報第2006/120208号、同第2007/031548号、または同第2008/002824号に示されるように、当該技術分野で公知の方法に従って調製されてもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、「SGLT2阻害剤」という用語は、ナトリウム-グルコース輸送体2(SGLT2)(ヒトSGLT2など)に対する阻害効果を提供する化合物に関する。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50として測定されるヒトSGLT2に対する阻害効果は、1000nM未満、例えば100nM未満または50nM未満である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50値は、少なくとも0.01nM、例えば少なくとも0.1nMである。ヒトSGLT2に対する阻害効果を決定する方法は、当該技術分野において公知である(例えば、国際公開第2007/093610号の23~24ページ)。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、非晶質形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、結晶形態、例えば、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、「共結晶」という用語は、本明細書で使用される場合、2つ以上の異なる分子化合物またはイオン化合物から構成される結晶性単相材料である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。
【0056】
ダパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンの構造は、式(XII):
【化6】
に示されるようなもの、またはその立体異性体である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、ダパグリフロジンのプロドラッグエステル(インビボ切断可能なエステルなど)であってもよい。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生してもよい。溶媒和物は、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物(ダパグリフロジンプロピレングリコール(1:1)など)を含むかまたはそれらからなってもよい。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、そのプロピレングリコール溶媒和物水和物(1:1:1)の形態である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態、(R)形態、またはその混合物である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、セリン、システイン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、およびリシンからなる群から選択されるアミノ酸とを含み、ダパグリフロジンおよびアミノ酸は、共結晶の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、およびトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸とを含む。アミノ酸は、そのLまたはD-立体異性体の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとL-プロリンとを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとD-プロリンとを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、1,2-アルカンジオールまたはその水和物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、および1,2-ヘプタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、1,2ブタンジオールまたはその水和物を含む溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、(S)-1,2-ブタンジオール、(R)-1,2-ブタンジオール、(S)-1,2-ペンタンジオール、(R)-1,2-ペンタンジオール、(S)-1,2-ヘキサンジオール、(R)-1,2-ヘキサンジオール、(S)-1,2-ヘプタンジオール、(R)-1,2-ヘプタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、(S)-1,2-ブタンジオールおよび(R)-1,2-ブタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとシトレートとを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、シトレートを含む共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg、例えば5~50mgの量のダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5mgまたは10mgの量のダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、0.5~200mg/日の用量(3~20mg/日、5mg/日、または10mg/日など)で投与される。
【0057】
エンパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンの構造は、式(XIII):
【化7】
に示されるようなもの、またはその立体異性体である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、エンパグリフロジンのプロドラッグエステル(インビボ切断可能なエステルなど)であってもよい。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生してもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg(5~50mgなど)の量のエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10mgまたは25mgの量でエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、0.5~200mg/日(5~50mg/日など)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、10mg/日または25mg/日の用量で投与される。
【0058】
送達剤
本発明で使用される送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の構造式を式(I)
【化8】
に示す。
【0059】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、1つの一価陽イオン、2つの一価陽イオン、または1つの二価陽イオンを含む。いくつかの実施形態では、NACの塩は、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の塩は、例えば、国際公開第96/030036号、同第00/046182号、同第01/092206号、または同第2008/028859号に記載される方法を使用して調製されてもよい。
【0060】
NACの塩は、結晶性および/または非晶質であってもよい。いくつかの実施形態では、送達剤は、NACの塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、または水和物の3分の1、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、国際公開第2007/121318号に記載されるNACの塩である。
【0061】
いくつかの実施形態では、送達剤は、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしても公知である、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書では「SNAC」と呼ばれる)である。
【0062】
組成物
本発明の組成物または医薬組成物は、本明細書で以下にさらに記載されるように、経口経路による投与に適した固形または乾燥組成物である。
【0063】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性治療成分または活性医薬成分(API)以外の任意の構成要素を広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、および/または治療的もしくは医薬的に活性でない物質であり得る。
【0064】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化抑制剤可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤、もしくはそれらの組み合わせとして、ならびに/または治療活性物質もしくは活性医薬成分の投与および/もしくは吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野の従来の範囲内で変化し得る。経口剤形を製剤化するために使用され得る技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th edition,Sheskey et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2017)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Remington and Allen,Eds.,Pharmaceutical Press(2013)に記載されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)など;充填剤、例えば、セルロース粉末、微結晶セルロース、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプンなど;潤滑剤および/または滑剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなど;流量制御剤、例えば、コロイダルシリカ、タルクなど;結晶化抑制剤、例えば、ポビドンなど;可溶化剤、例えば、プルロニック、ポビドンなど;着色剤、染料および色素、例えば、赤色または黄色酸化鉄、二酸化チタン、タルクなどを含む;pH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなど;界面活性剤および乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシ化および水添ヒマシ油など;ならびにこれらの賦形剤および/またはアジュバントのうちの2つ以上の混合物から選択され得る。
【0066】
組成物は、結合剤、例えば、ポビドン;デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、微結晶セルロース、例えば、FMC(Philadelphia,PA)製のAvicel PH、Dow Chemical Corp.(Midland,MI)製のヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースMETHOCEL;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;ポリサッカライド;ならびにゼラチンを含んでもよい。結合剤は、乾燥結合剤および/または湿式造粒結合剤からなる群から選択されてもよい。好適な乾燥結合剤は、例えば、セルロース粉末および微結晶セルロース、例えば、Avicel PH 102およびAvicel PH 200である。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 102などのAvicelを含む。湿式造粒または乾式造粒に好適な結合剤は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、ならびにセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポビドンを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、エリスリトール、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、例えば、カルシウム水素リン酸、微結晶セルロース、粉末セルロース、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、およびデキストロースから選択され得る充填剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 102またはAvicel PH 200などの微結晶セルロースを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、組成物は、潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、潤滑剤および/または滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、水添植物油、二酸化ケイ素、および/またはポリエチレングリコールなどを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリル(ジエステル画分が優勢であるベヘン酸(C22)のモノ-、ジ-、およびトリエステルからなる、製品Compritol 888 ATOなど)を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、組成物は、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または乾燥コーンスターチを含む。
【0070】
組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、または2つの異なる界面活性剤を含んでもよい。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、および脂溶性(親油性)部分からなる、任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および/または双性イオン界面活性剤からなる群から選択されてもよい。
【0071】
本明細書に記載のN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、送達剤として作用する賦形剤である。本明細書の実施例に示されるように、本発明の組成物は、送達剤の非常に高い含有量を有する。この非常に高い含有量は、活性医薬成分(すなわち、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤)も含む錠剤の全含有量に対して、または代替的に、活性医薬成分を除く賦形剤の全含有量に対して定義され得る。本明細書の以下の説明はまた、特定の成分、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および賦形剤からなる組成物も指し、「なる」という用語は、それでもなお、組成物の機能に影響を及ぼさない微量の任意の物質を包含すると理解されるべきであり、これはまた、「から本質的になる」とも呼ばれる場合がある。そのような物質は、GLP-1作動薬、SGLT 2阻害剤の調製物中に残っている不純物、またはNACの塩、もしくは製剤の品質もしくは吸収に影響を与えない、最小限の量(例えば、1%(w/w)未満)の任意の薬学的に許容可能な賦形剤の製造からの不純物であり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a.GLP-1作動薬と、
b.SGLT2阻害剤と、
c.NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超を構成する。
【0073】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の60%超、例えば75%(w/w)超または80%(w/w)超を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の85%超、例えば90%(w/w)超または95%(w/w)超を構成する。
【0074】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも65%(w/w)、例えば少なくとも70%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも85%(w/w)、例えば少なくとも90%(w/w)または少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0075】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬と、
SGLT2阻害剤と、
NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する。
【0076】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬、
SGLT2阻害剤、および
賦形剤からなり、賦形剤は、
NACの塩、および
1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する。
【0077】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも91%(w/w)、例えば少なくとも92%(w/w)、例えば少なくとも93%(w/w)、例えば少なくとも94%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0078】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬と、
SGLT2阻害剤と、
NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0079】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬、
SGLT2阻害剤、および
賦形剤からなり、賦形剤は、
NACの塩、および
1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0080】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の95%(w/w)超または96%(w/w)超を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の97%(w/w)超または98%(w/w)超を構成する。
【0081】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)または少なくとも96%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも97%(w/w)または少なくとも98%(w/w)を構成する。
【0082】
上述のように、送達剤以外の賦形剤の含有量は、本発明に従うものであり、好ましくは最小限である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの潤滑剤を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの潤滑剤、を含むか、またはそれらからなる。
【0084】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベへン酸グリセリルであってもよい。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ジベへン酸グリセリルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、当該NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超を構成する。
【0086】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超を構成し、当該NACの塩は、組成物の少なくとも75%(w/w)超を構成する。
【0087】
医薬組成物はさらに、NACの塩が、NACのナトリウム塩および/もしくはカリウム塩からなる群から、またはナトリウム塩およびカリウム塩のみからなる群から選択される、組成物であってもよい。いくつかの実施形態では、NACの塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である。
【0088】
NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する実施形態では、組成物は、最大10%(w/w)の結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超の送達剤、ならびに5%(w/w)未満の結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の潤滑剤を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも75%(w/w)を構成し、任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大25%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大25%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および15%(w/w)未満の潤滑剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)または75%(w/w)超の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)または75%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の潤滑剤を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成し、任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大10%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大10%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、ならびに5%(w/w)未満の結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の潤滑剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の潤滑剤を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、組成物の任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大5%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大5%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)または95%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の潤滑剤を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超の送達剤、および0.12~10%(w/w)または0.5~8%(w/w)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、1~5%(w/w)または2~3%(w/w)の潤滑剤を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および0.1~5%(w/w)、例えば0.5~4%(w/w)または1~3%(w/w)の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、2~2.6%(w/w)の潤滑剤を含む。
【0094】
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する実施形態では、組成物は、最大5%(w/w)の結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および8%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の潤滑剤を含む。
【0095】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、本明細書で以下に記載される経口投与に好適な剤形で製造される。以下では、本発明の組成物の成分の絶対量は、投与単位の、すなわち、錠剤、カプセル、または小袋当たりの含有量を参照して提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物のNACの塩の量は、用量単位当たり、最大1000mgの当該NACの塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、用量単位が最大600mgの当該NACの塩を含む組成物に関する。
【0097】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、少なくとも20mg、例えば少なくとも25mg、例えば少なくとも50mg、例えば少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、および少なくとも300mgである。
【0098】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、最大800mg、例えば最大600mg、例えば最大575mg、例えば最大550mg、最大525mg、最大500mg、最大475mg、最大450mg、最大425mg、最大400mg、最大375mg、最大350mg、最大325mg、または用量単位当たり最大300mgである。
【0099】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、20~800mg、例えば25~600mg、例えば50~500mg、例えば50~400mg、例えば75~400mg、例えば80~350mg、または例えば約100~約300mgの範囲である。
【0100】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、20~200mg、例えば25~175mg、例えば75~150mg、例えば80~120mgの範囲、例えば約100mgである。
【0101】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、200~800mg、例えば250~400mg、例えば250~350mg、例えば275~325mgの範囲、例えば約300mgである。
【0102】
一実施形態では、本発明の医薬組成物の用量単位は、0.1~100mgまたは0.2~100mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.2~60mgまたは1~40mgの範囲のGLP-1作動薬の量を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~60mgのGLP-1作動薬、例えば1~50mgまたは1.5~40mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~30mgのGLP-1作動薬、例えば2~25mgまたは3~20mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、3~20mgのGLP-1作動薬、例えば4~15mgまたは5~10mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~5mgのGLP-1作動薬、例えば0.75~4.5mg、例えば1、1.5、2、2.5、もしくは3mg、または3.5、4、4.5mg、例えば1~3mgもしくは3~5mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~20mgのGLP-1作動薬、例えば2~15mg、例えば2、3、4、5、6、もしくは7mg、例えば2、3、4、もしくは5mg、または例えば8、10、12、もしくは14mg、例えば15mgもしくは20mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5~50mgのGLP-1作動薬、例えば10~45mg、例えば20、30、もしくは40mg、または例えば25、35、もしくは45mg、または例えば30~50mg、または例えば20~40mgのGLP-1作動薬を含む。GLP-1作動薬の量は、GLP-1作動薬の同一性および所望の効果に応じて変化し得る。すなわち、より高い含有量は、糖尿病と比較して肥満の治療に適している可能性がある。
【0103】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、1~50mg、例えば3~30mgまたは5~25mgのSGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5または10mgのSGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、10または25mgのSGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、0.5~30mgの潤滑剤、例えば1~20mg、例えば2~8mgまたは2~5mgの潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤の量は、NACの塩の量に対して決定されるため、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり、0.5~30mgまたは1~20mgの潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば4~8mgまたは2~5mgまたは2~3mgの潤滑剤を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、0.5~30mgのステアリン酸マグネシウム、例えば1~20mg、例えば2~8mg、または例えば2~5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムの量は、NACの塩の量に対して決定されるため、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり0.5~30mgまたは1~20mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり1~10mg、例えば4~8mgまたは2~5mgまたは2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~800mgのSNAC、0.5~60mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、および1~50mgの潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、300~600mgのSNAC、0.5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~30mgの潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、0.5~14mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~10mgの潤滑剤を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、0.5~5mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~15mgの潤滑剤を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~30mgの潤滑剤を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビトロでの迅速な放出を有する。放出または溶解は、当該技術分野で公知のように、かつ本明細書のアッセイIに記載されるように試験されてもよい。放出は、組成物のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の総含有量に対して、所与の期間後に溶液中で測定されたGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の量として、それぞれ表されてもよい。相対量は、パーセンテージで与えられてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物からのGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出は、15分以内に少なくとも85%、または30分以内に少なくとも95%である。そのような一実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0118】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出は、15分以内に85%、または30分以内に95%に達する。いくつかの実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでのGLP-1作動薬の早期の曝露量を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでのGLP-1作動薬の曝露量の増加を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでの早期の曝露量の増加を提供する。そのようなインビボ曝露量は、本明細書に記載のアッセイIIIなどの関連モデルで試験されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、t=30分での用量補正された血漿曝露量が、追加の賦形剤である微結晶セルロースおよびポビドンを含む国際公開第2013/139694号に記載される組成物と比較して増加する、医薬組成物に関する。所与のGLP-1作動薬の参照組成物は、好ましくは、国際公開第2013/139694号でタイプFおよびHについて開示される2つの顆粒で調製され、セマグルチド/化合物Aを、対象とするGLP-1作動薬で置換することによって調製されるべきである。
【0121】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
t=30分での用量補正された血漿曝露量は、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの組成物と比較して増加する。
【0122】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
t=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)は、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの組成物と比較して増加する。
【0123】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セマグルチドおよびダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セマグルチドおよびエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GLP-1作動薬Cおよびダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GLP-1作動薬Cおよびエンパグリフロジンを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、t=0~30分の用量補正された曝露量(AUC)は、国際公開第2013/139694号のタイプF/Hの組成物と比較して、少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加する。
【0125】
剤形
組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、小袋、または硬質もしくは軟質シェルカプセルなどのカプセルとして、いくつかの剤形で投与され得る。
【0126】
組成物は、例えば、安定性および/または溶解度を改善するために、またはバイオアベイラビリティをさらに改善するために、薬物担体または薬物送達系でさらに配合され得る。組成物は、凍結乾燥または噴霧乾燥組成物であってもよい。
【0127】
組成物は、錠剤などの用量単位の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、50mg~1000mgの範囲、例えば50~750mgの範囲、または例えば約100~600mgの範囲である。
【0128】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、75mg~350mgの範囲、例えば100~300mgの範囲、または例えば約200~350mgの範囲である。
【0129】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、100mg~400mgの範囲、例えば50~300mgの範囲、または例えば約200~400mgの範囲である。
【0130】
いくつかの実施形態では、組成物は、圧縮される前に造粒されてもよい。組成物は、粒内部分および/または粒外部分を含んでもよく、粒内部分は造粒され、粒外部分は造粒後に添加されている。
【0131】
粒内部分は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、ならびに/または潤滑剤および/もしくは滑剤などの賦形剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒内部分は、GLP-1作動薬、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、粒内部分は、送達剤ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む。
【0132】
粒外部分は、GLP-1作動薬、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および/もしくは滑剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒外部分は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および/もしくは滑剤を含む。いくつかの実施形態では、粒外部分は、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および/または滑剤などの賦形剤を含む。
【0133】
さらなる実施形態では、粒内部分は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、潤滑剤および/または滑剤を含む。そのような実施形態では、造粒物は、錠剤に直接圧縮されてもよく、錠剤は、粒外部分を有しない。
【0134】
組成物の調製
本発明による組成物の調製は、当該技術分野で公知の方法に従って実施され得る。
【0135】
錠剤成形材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な構成要素を計量し、任意選択で砕塊またはふるい分けし、次いで組み合わせる。構成要素の混合は、均質なブレンドが得られるまで行われてもよい。
【0136】
錠剤成形材料に顆粒が使用される場合、顆粒は、例えば、「蓄積(built-up)」顆粒または「分解(broken-down)」顆粒の製造について公知の湿式造粒法を使用して、当業者に公知の方法で製造され得る。蓄積顆粒の形成のための方法は、連続的に動作し、例えば同時に、造粒物塊に造粒溶液を噴霧し、例えば、ドラム型造粒機中で、パン造粒機中で、ディスク型造粒機上で、流動床中で、噴霧乾燥、噴霧造粒、または噴霧凝固によって乾燥させることを含み得るか、あるいは例えば、流動床、回転式流動床、バッチミキサ、例えば、高剪断ミキサもしくは低剪断ミキサ、または噴霧乾燥ドラム中で、不連続的に動作し得る。分解顆粒の製造のための方法は、不連続的に行われ得、造粒物塊が最初に造粒溶液と湿潤凝集体を形成し、これが続いて粉砕されるか、または他の手段によって所望のサイズの顆粒に形成され、次いで、顆粒が乾燥され得る。湿式造粒工程に好適な設備は、遊星型ミキサ、低剪断ミキサ、高剪断ミキサ、押出機、およびスフェロナイザ、例えば、Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、Collette、Aeschbach、Alexanderwerk、Ytron、Wyss & Probst、Werner & Pfleiderer、HKD、Loser、Fuji、Nica、Caleva and Gablerの会社製の装置であるが、これらに限定されない。顆粒はまた、賦形剤および/または活性医薬成分のうちの1つ以上が、圧縮されて比較的大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これが、すりつぶすことによって粉砕され、すりつぶした材料が、後に圧縮される錠剤成形材料の役割を果たす、乾式造粒技法によっても形成され得る。乾式造粒に好適な設備は、Gerteis MICRO-PACTOR、MINI-PACTOR、およびMACRO-PACTORなどのGerteis製のローラ圧縮装置であるが、これらに限定されない。
【0137】
「造粒物」および「顆粒」という用語は、上述のように調製され得る組成物材料の粒子を指すために、本明細書では互換的に使用される。
【0138】
錠剤成形材料を固形経口剤形、例えば、錠剤へと圧縮するために、錠剤プレスが使用されてもよい。錠剤プレスでは、錠剤成形材料は、ダイキャビティに充填される(例えば、強制供給または重力供給)。次いで、錠剤成形材料は、圧力を印加する一組のパンチによって圧縮される。その後、得られた圧縮物、つまり錠剤は、錠剤プレスから排出される。上述の錠剤成形プロセスは、本明細書ではこれ以降、「圧縮プロセス」と呼ばれる。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤プレスの例としては、Fette 102i(Fette GmbH)、Korsch XL100、Korsch PH 106回転式錠剤プレス(Korsch AG,Germany)、Korsch EK-O偏心錠剤成形プレス(Korsch AG,Germany)、およびManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.,United Kingdom)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの造粒物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つのタイプの造粒物を含む。組成物は、代替的に、2つのタイプの造粒物を含んでもよい。組成物は、代替的に、1つまたは2つのタイプの造粒物および粒外材料を含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法に関する。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)工程a)で得られた造粒物を、SGLT2阻害剤および任意選択で潤滑剤とブレンドする工程と、c)工程b)で得られたブレンドを錠剤に圧縮し、任意選択で、圧縮前にさらなる潤滑剤を造粒物に添加する工程とを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)工程a)で得られたブレンドを錠剤に圧縮し、任意選択で、圧縮前にさらなる潤滑剤を造粒物に添加する工程とを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)をGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択でさらなる潤滑剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)をSGLT2阻害剤、および任意選択でさらなる潤滑剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)を任意選択でさらなる潤滑剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)送達剤、SGLT2阻害剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、c)造粒物a)およびb)ならびに任意選択でさらなる潤滑剤をブレンドする工程と、d)ブレンドc)を錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒する工程と、b)a)の造粒物を錠剤に圧縮し、任意選択で、さらなる潤滑剤を含む工程とを含む。
【0148】
概して、造粒物は、湿式、溶融、または乾式造粒、好ましくは乾式造粒によって調製されてもよい。
【0149】
医薬品の適応症
本発明はまた、薬剤として使用するための本発明の組成物に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下の医学的処置に使用され得、すべては、好ましくは何らかの方法で糖尿病および/または肥満に関する。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/もしくは治療、ならびに/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)β細胞アポトーシスの減少、β細胞機能および/もしくはβ細胞質量の増加、ならびに/またはβ細胞へのグルコース感受性の回復などのβ細胞機能の改善、
(iv)認知障害の予防および/または治療、
(v)肥満などの摂食障害の予防および/もしくは治療(例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による)、抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された過食性障害、神経性大食症、および/もしくは肥満の治療もしくは予防、胃の運動の減少、ならびに/または胃内容排出の遅延、
(vi)末梢神経障害を含む神経障害、腎症、または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/または治療、
(vii)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/もしくは治療、総血清脂質の低下、HDLの低下、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、HDLの増加、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/もしくはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(iix)心血管疾患(X症候群、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈性心疾患、脳卒中、脳虚血、早期心臓または早期心血管疾患(左室肥大など)、虚血性心疾患、本態性高血圧、急性高血圧性発作、心筋症、心機能不全、運動耐性、慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、アテローム性動脈硬化、軽度の慢性心不全、狭心症、心臓バイパス再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、および/または収縮機能障害の予防および/または治療、
(ix)炎症性腸症候群、小腸症候群、クローン病、消化不良、および/または胃潰瘍などの胃腸疾患の予防および/または治療、
(x)重症疾患の予防および/または治療(重症患者、重症疾患の多発性神経障害(CIPNP)患者、および/もしくは潜在的なCIPNP患者の治療、重症疾患もしくはCIPNPの発症の予防、患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療、および/もしくは治癒、ならびに/または患者が入院中に菌血症、敗血症、および/もしくは敗血症性ショックを患うことの予防またはその可能性の低減など)、ならびに/または
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防および/または治療。
【0150】
いくつかの実施形態では、適応症は、適応症(i)、(ii)、および/もしくは(iii)、または適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、および/もしくは適応症(iix)など、(i)~(iii)および(v)~(iix)からなる群から選択される。別の特定の実施形態では、適応症は(i)である。いくつかの実施形態では、適応症は、(v)である。なおさらなる特定の実施形態では、適応症は(iix)である。いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病および/または肥満である。
【0151】
本発明は、治療を必要とする対象の治療方法にさらに関し、当該対象に本発明による治療有効量の組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、糖尿病もしくは肥満および/または上記で特定されたさらなる適応症の治療のためのものである。
【0152】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、治療を必要とする対象に、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、NACの塩と、任意選択で潤滑剤と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、治療を必要とする対象に、0.5~50mgのGLP-1作動薬と、1~50mgのSGLT2阻害剤と、50~600mgのNACの塩と、1~20mgの潤滑剤とを含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、方法は、NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、組成物を投与することを含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法は、治療を必要とする対象に、約1~60mgのGLP-1作動薬と、約1~50mgのSGLT2阻害剤と、約100~600mgのNACの塩と、約1~30mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、GLP-1作動薬であるセマグルチド、SGLT2阻害剤であるダパグリフロジン、およびNACの塩であるSNACを含む組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、GLP-1作動薬であるセマグルチド、SGLT2阻害剤であるエンパグリフロジン、およびNACの塩であるSNACを含む組成物の投与を含む。ステアリン酸マグネシウムを含む、潤滑剤の様々な例が記載されている。組成物は、経口投与され、錠剤、カプセル、または小袋の形態であってもよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、1つ以上の用量単位が、それを必要とする当該対象に投与されてもよい。
【0156】
併用療法
本発明による組成物を用いた治療はまた、抗糖尿病薬、肥満抑制薬、食欲調整薬、高血圧治療薬、糖尿病に起因または関連する合併症の治療および/または予防のための薬剤、ならびに肥満に起因または関連する合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤から選択される、1つ以上の追加の活性医薬成分と組み合わされてもよい。これらの薬理活性物質の例は、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤、ナトリウムグルコース結合輸送体2(SGLT2)阻害剤;カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジンおよびソタグリフロジン、特にダパグリフロジンおよびエンパグリフロジン、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節剤、HMG CoA阻害剤としての抗高脂血症薬(スタチン)などの脂質代謝を修正する化合物、消化管抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取量を低下させる化合物、RXR作動薬、およびβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ネテグリニド、レパグリニド;β遮断薬、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、およびラミプリル、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミル、およびα遮断薬、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)作動薬、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、PYY作動薬、Y2受容体作動薬、Y4受容体作動薬、混合Y2/Y4受容体作動薬、MC4(メラノコルチン4)作動薬、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)作動薬、CRF(コルチコトロピン放出因子)作動薬、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン作動薬、β3作動薬、オキシントモジュリンおよび類似体、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)作動薬、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)作動薬、ボンベシン作動薬、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、UCP 2または3(非カップリングタンパク質2または3)調節剤、レプチン作動薬、DA作動薬(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節剤、TR β作動薬;ヒスタミンH3アンタゴニスト、消化管抑制ポリペプチド作動薬またはアンタゴニスト(GIP類似体)、ガストリンおよびガストリン類似体である。
【0157】
本明細書に記載の本発明は、これに限定されないが、本明細書で以下に記載される実施形態および本文書の特許請求の範囲によってさらに定義される。
【0158】
実施形態
1.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の少なくとも60%(w/w)を構成する、医薬組成物。
2.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
3.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、および
c)賦形剤からなり、賦形剤が、
i.NACの塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
4.組成物が、少なくとも1つの潤滑剤を含む、実施形態1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
5.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの潤滑剤からなる、医薬組成物。
6.潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態4および5に記載の医薬組成物。
7.組成物が、NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
8.当該NACの塩が、組成物の少なくとも90%(w/w)を構成する、実施形態2~7のいずれかに記載の医薬組成物。
9.当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、実施形態1、5~8のいずれかに記載の医薬組成物。
10.NACの塩が、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩からなる群から選択される、実施形態1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
11.NACの塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、実施形態1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
12.用量単位が、最大1000mgの当該NACの塩を含む、実施形態1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
13.用量単位が、1~60mgのGLP-1作動薬および1~50mgのSGLT2阻害剤を含む、実施形態1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
14.GLP-1作動薬が、ミニブタにおいて少なくとも24時間のT1/2を有する、実施形態1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
15.GLP-1作動薬が、最大100pM、例えば最大50のEC50(HSAなし)を有する、実施形態1~14のいずれかに記載の医薬組成物。
16.GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれかに記載の医薬組成物。
17.GLP-1作動薬が、セマグルチドおよびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~16のいずれかに記載の医薬組成物。
18.SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれかに記載の医薬組成物。
19.SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物水和物、クエン酸ダパグリフロジン(1:1)、およびダパグリフロジンジL-プロリン(1:2)からなる群から選択される、実施形態1~18のいずれかに記載の医薬組成物。
20.SGLT2阻害剤が、塩、共結晶、または水和物の形態である、実施形態1~19のいずれかに記載の医薬組成物。
21.組成物が、少なくとも1つの造粒物を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の医薬組成物。
22.少なくとも1つの造粒物が、NACの塩を含む、実施形態19に記載の医薬組成物。
23.少なくとも1つの造粒物が、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤をさらに含む、実施形態19または20に記載の医薬組成物。
24.少なくとも1つの造粒物が、GLP-1作動薬および任意選択で潤滑剤をさらに含む、実施形態19~21のいずれかに記載の医薬組成物。
25.少なくとも1つの造粒物が、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で潤滑剤をさらに含む、実施形態19~22のいずれかに記載の医薬組成物。
26.少なくとも1つの造粒物が、乾式造粒によって、例えばローラ圧縮によって調製される、実施形態19~23のいずれかに記載の医薬組成物。
27.組成物が、粒外部分を含む、実施形態19~24のいずれかに記載の医薬組成物。
28.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤もしくは滑剤、および/またはGLP-1作動薬を含む、実施形態19~25のいずれかに記載の医薬組成物。
29.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤もしくは滑剤、GLP-1作動薬、および/またはSGLT2阻害剤を含む、実施形態19~25のいずれかに記載の医薬組成物。
30.医薬組成物であって、
d)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)20~800mg、例えば25~700、例えば50~600mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
31.医薬組成物であって、
e)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)50~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
32.医薬組成物であって、
f)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~150mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
33.医薬組成物であって、
g)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~125mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
34.医薬組成物であって、
h)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)80~120mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
35.医薬組成物であって、
i)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)200~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
36.医薬組成物であって、
j)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)250~350mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
37.医薬組成物であって、
k)0.1~50mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)20~800mg、例えば25~700、50~600mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
38.医薬組成物であって、
l)1~25mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)50~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
39.医薬組成物であって、
m)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~150mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
40.医薬組成物であって、
n)1~15mgのGLP-1作動薬と、
c)SGLT2阻害剤と、
d)75~125mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
41.医薬組成物であって、
o)1~15mgのGLP-1作動薬と、
c)SGLT2阻害剤と、
d)80~120mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
42.医薬組成物であって、
p)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)200~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
43.医薬組成物であって、
q)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)250~350mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
44.1~50mg、例えば2~40mg、または例えば3~30mgの潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態28~41のいずれかに記載の医薬組成物。
45.NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態28~41のいずれかに記載の医薬組成物。
46.組成物が、経口投与用である、実施形態1~45のいずれかに記載の医薬組成物。
47.組成物が、固形組成物である、実施形態1~46のいずれかに記載の医薬組成物。
48.組成物が、錠剤、カプセル、または小袋などの固形組成物である、実施形態1~47に記載の医薬組成物。
49.医薬組成物であって、
r)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
GLP-1作動薬の放出が、15分以内に85%、または30分以内に95%に達する、医薬組成物。
50.医薬組成物であって、
s)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
t=30分での用量補正された血漿曝露量が、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの参照組成物と比較して増加する、医薬組成物。
51.医薬組成物であって、
t)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
t=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)が、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの参照組成物と比較して増加する、医薬組成物。
52.T=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)が、少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加する、実施形態49に記載の医薬組成物。
53.実施形態8、10、11、19~27、および44~50のうちの1つ以上の特徴によってさらに定義される、実施形態28~43のいずれかに記載の医薬組成物。
54.実施形態4、6~27、および44~46のうちの1つ以上の特徴によってさらに定義される、実施形態47、48、49、または50に記載の医薬組成物。
55.医薬組成物であって、
a.GLP-1作動薬と、
b.SGLT2阻害剤と、
c.NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
56.少なくとも1つの潤滑剤をさらに含む、実施形態53に記載の医薬組成物。
57.医薬組成物であって、
a.GLP-1作動薬、
b.SGLT2阻害剤、
c.NACの塩、および
d.少なくとも1つの潤滑剤からなる、医薬組成物。
58.当該NACの塩が、組成物の60%(w/w)超を構成する、実施形態1~57のいずれかに記載の医薬組成物。
59.潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態1~58のいずれかに記載の医薬組成物。
60.用量単位が、
a.1~50mgのGLP-1作動薬と、
b.1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c.50~600mgの当該NACの塩と、を含む、実施形態1~59のいずれかに記載の医薬組成物。
61.用量単位が、
a.1~50mgのGLP-1作動薬と、
b.1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c.50~600mgの当該NACの塩と、
d.0.6~50mgの潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、実施形態1~60のいずれかに記載の医薬組成物。
62.GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~61のいずれかに記載の医薬組成物。
63.組成物が、経口投与用の錠剤などの固形組成物である、実施形態1~62のいずれかに記載の医薬組成物。
64.組成物が、実施形態1~63のいずれかの特徴のうちの1つ以上を有する、実施形態61に記載の医薬組成物。
65.医薬品における使用のための、実施形態1~64のいずれかに記載の医薬組成物。
66.糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための、実施形態1~65のいずれかに記載の医薬組成物。
67.治療を必要とする対象における治療方法であって、実施形態1~66のいずれかに記載の治療活性量の組成物を当該対象に投与することを含む、方法。
【0159】
方法および実施例
検出および特徴付けの一般的方法
アッセイI:溶解試験
溶解試験を、適切な溶解装置、例えば、USP溶解装置2で実施し、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACのインビトロでの放出を測定するために、欧州薬局方(Ph Eur 2.9.3)に従った標準溶解試験を実施し得る。
【0160】
本明細書に記載のデータは、50rpmのパドル回転速度を使用して、米国薬局方35に従って装置2を使用して得られる。pH6.8で試験するために、0.05Mのリン酸緩衝液の500mLの溶解媒体を、37±0.5℃の温度で使用する。溶解媒体は、0.1% Brij35の含有量を有する。試料採取を適切な間隔で行った。GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの三重検出のためのRP-UHPLC方法を使用して、試料含有量を決定する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの参照のピーク面積のそれぞれに対する、クロマトグラム中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの放出量を、錠剤中の実際の含有量、すなわち、100//300mg/錠剤のSNACおよび3/12/1mg/錠剤のGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)のパーセンテージとして計算する。錠剤中の実際の含有量を、アッセイIIを使用して決定する。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の累積放出量を、3錠の平均として報告し、本明細書に提示されるデータを、最も高い値に正規化する。
【0161】
アッセイII:GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの量の分析
GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACを錠剤から抽出する。錠剤を、20%のアセトニトリルで、pH7.4の0.05Mのリン酸緩衝液の関連する量中に溶解する。2時間の抽出時間を使用し、分析前に試料を遠心分離する。関連するGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの標準を、試料と同じ希釈剤を使用することによって調製する。UV検出器または蛍光検出器を有するUHPLCを、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNAC含有量を決定するために使用する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの参照のピーク面積のそれぞれに対する、クロマトグラム中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。含有量を、3錠の平均として報告する。
【0162】
アッセイIII:ビーグル犬における薬物動態研究
ビーグル犬における薬物動態(PK)研究を行って、異なる剤形の経口投与後のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の曝露量を決定する。
【0163】
薬物動態研究のために、研究開始時に2~7、例えば1~5歳で、体重約10~15、例えば10~12kgの雄ビーグル犬を使用する。イヌを囲いに群収容し(12時間明:12時間暗)、Royal Canin Medium Adult dog(Royal Canin Products,China Branch、またはBrogaarden A/S,Denmark)を個別かつ制限的に1日1回給餌する。運動および群の社交を、可能なときはいつでも毎日許可する。イヌを、連続投与間の好適なウォッシュアウト期間を伴う反復薬物動態研究のために使用する。最初の薬物動態研究の開始前に、適切な順応期間を与える。動物の取り扱い、投薬、および採血はすべて、訓練を受けた熟練したスタッフによって実施される。研究前、イヌは一晩、および投薬後0~4時間絶食する。また、イヌは投薬1時間前から投薬4時間後まで水に制限されるが、それ以外、全期間を通して水に自由にアクセスできる。
【0164】
本明細書に記載の経口研究に使用されるGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の錠剤は、経口投与される即放性SNAC系錠剤である。
【0165】
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤を含有する錠剤を、以下の様式で投与する:錠剤投与の10分前、組成物A1、B、および4などについて、約3nmol/kgの配列番号3)をイヌに皮下投与してもよい。GLP-1およびSGLT2阻害剤の錠剤をイヌの口の奥に置いて、噛むのを防ぐ。次いで、口を閉じ、10mLまたは50mLの水道水を注射器または強制投与によって与えて、錠剤の嚥下を促進する。
【0166】
血液試料採取
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の完全な血漿濃度-時間吸収プロファイルを十分に網羅するために、投与後240時間まで、例えば10時間までの所定の時点で血液を採取する。
【0167】
各採血時点について、約0.8mLの全血を1.5mLのEDTAコーティングチューブに採取し、チューブを静かに回転させてEDTAと混合させる。血液試料(例えば、0.8mL)をEDTA緩衝液(8mM)中に採取し、次いで、4℃および2000Gで10分間遠心分離する。血漿をドライアイス上のMicronicチューブにピペットで移し、分析まで-20℃に維持する。
【0168】
血液試料を必要に応じて、例えば、前脚の橈側皮静脈のベンフロンから最初の2時間、次いで、残りの時点については頸静脈から注射器で採取する(最初の数滴をベンフロンから排出させて、試料中のベンフロンからのヘパリン生理食塩水を防ぐ)。
【0169】
錠剤調製のための一般的方法
方法1:乾式造粒
乾式造粒を、Gerteis MINI-PACTORまたはMICRO-PACTOR上でのローラ圧縮によって行う。ローラ速度を1~7.1rpm、ローラ圧縮力を6~10kN/cm、ギャップを1~2.7mmに設定する。乾式造粒に続いて、0.63もしくは0.8mmのワイヤメッシュスクリーンまたは0.8mmのコニデュールスクリーンを使用して、成形物を顆粒に粉砕する。
【0170】
乾式造粒の前に、SNAC、MCCの一部、およびステアリン酸マグネシウムの一部をブレンドし、1つの造粒物(組成物A1、AおよびB)を構成する。さらに、乾式造粒の前に、GLP-1作動薬およびポビドン、ならびにMCCの一部をブレンドし、別の造粒物(組成物A1、A、および任意選択でSGLT2阻害剤、組成物B)を構成する。さらに、乾式造粒の前に、SNACおよびステアリン酸マグネシウム(組成物2)、ならびに任意選択でGLP-1作動薬(組成物1および3)、ならびに任意選択でSGLT2阻害剤(組成物4~7)をブレンドし、造粒物を構成する。TurbulaミキサまたはPharmatech Vシェルブレンダなどの好適なブレンダを使用する。
【0171】
方法2:錠剤調製
錠剤を、Fette 102iまたは単一パンチが取り付けられたFette 102iをシミュレートしたKilian Style One上で製造し、7mmの円形または7.2×12mmもしくは7.5×12.5mmの楕円形のスコアのない錠剤をもたらす。パンチサイズを、錠剤総重量に応じて選択する。プレス速度を20rpmに設定する。充填体積を、118.3mg~409.8mgの目標重量を有する錠剤を得るために調整する。錠剤サイズに対応して、約57~156N、例えば57~108Nの粉砕強度を有する錠剤を得るために、約7~11kN、例えば7~9.2kNの圧縮力を印加する。
【実施例
【0172】
[実施例1-組成物の調製]
異なる量のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、SNAC、およびさらなる賦形剤を有する錠剤を調製した。調製した組成物の含有量が表1に提供される。GLP-1作動薬は、セマグルチドであった。セマグルチドは、国際公開第2006/097537号、実施例4に記載される方法に従って調製され得る。SNACを、国際公開第2008/028859号に記載される方法に従って調製した。SGLT2阻害剤Aは、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物水和物であり、SGLT2阻害剤Bは、クエン酸ダパグリフロジン(1:1)であり、SGLT2阻害剤Cは、ダパグリフロジンジL-プロリン(1:2)であった。
【0173】
組成物AおよびA1を、国際公開第2013/139694号に記載されるように概して調製し、SGLT2阻害剤を、ブレンド工程中に粒外に添加した。造粒物2を、MICRO-PACTORを使用して調製したことを除いて、組成物Bを、国際公開第2013/139694号に記載されるように概して調製した。組成物1~7を、ローラ圧縮および錠剤調製前のプロセスの以下に示されるようなわずかな変化を伴い、上記の方法1および2に記載されるように概して調製した。
【表1】
【0174】
組成物1~7を、以下の手順によって調製した。SGLT2阻害剤を、250μmまたはより細かいふるいに通した。SNACならびにステアリン酸マグネシウム(組成物2)および/またはGLP-1作動薬(組成物1および3)の正しい量を計量した。幾何学的混合原理に従って、SGLT2阻害剤(組成物1および3)ならびにGLP-1作動薬(組成物2)を、SNACならびにステアリン酸マグネシウム(組成物2)およびGLP-1作動薬(組成物1および3)造粒物と手動で混合した。幾何学的希釈の3サイクルを適用した。得られたブレンドを、25rpmで7分間など、Turbulaミキサ中で混合した。組成物4~7を、正しい量のSGLT2阻害剤、GLP-1作動薬、およびSNACを計量することによって調製した。続いて、幾何学的混合原理に従って手動で混合する。得られたブレンドを、25rpmで7分間など、Turbulaミキサ中で混合した。ステアリン酸マグネシウムをブレンド中に混合し、ブレンドを、25rpmでさらに2分間、Turbulaミキサ中で混合した。得られたブレンドの乾式造粒を方法1に従って行い、その後、錠剤を方法2に従ってこの造粒物から調製した。
【0175】
[実施例2-溶解試験]
本研究の目的は、実施例1に記載の一連の錠剤組成物の溶解を評価することであった。
【0176】
アッセイIに従って溶解を測定した。表2および表3は、上記の実施例1に従って調製された錠剤の結果を示し、ここで、放出は、実験開始時の錠剤中のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の総量に対して、15、30、および60分後の溶液中のGLP-1作動薬およびSLGT2阻害剤の累積量をそれぞれ説明する、「溶液中のGLP-1作動薬(%)」および「溶液中のSGLT2阻害剤(%)」として提示される。錠剤中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの総量を、アッセイIIに従って任意選択で決定した。
【表2】
【表3】
【0177】
得られた結果は、試験した組成物が、参照組成物AおよびBについて観察されたものと比較して、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤(1-7)の両方のより迅速な放出を示すことを示す。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の有意により迅速な放出が、早期の時点、すなわち、15および30分で観察される。放出の差は、60分後にはあまり有意ではない。錠剤中のSNACの量は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出に影響を与えなかった。すなわち、100mgのSNACを含む錠剤は、15分後以降に測定した場合、300mgのSNACを含む錠剤と同じくらい迅速に溶解する。
【0178】
本明細書のアッセイIに従って、組成物1~7ならびに参照AおよびBについて、5、10、15、20、30、45、および60分後に得られたさらなるデータが、図1および2に示され、参照製剤と比較した試験組成物についての、70分でのインフィニティスピン前のすべての時点におけるGLP-1作動薬(図1)およびSGLT2阻害剤(図2)の放出の増加、ならびにGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤のより早期の放出を実証する。
【0179】
[実施例3-経口曝露量]
実施例1に記載の組成物の経口曝露量は、イヌへの投与のために10mLの水を使用して、ビーグル犬において評価されてもよい。各製剤に対して実施される試験の数をnによって示す。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の血漿濃度を、ELISAまたはLOCIもしくはLCMSなどの類似の抗体ベースのアッセイを使用して分析する。個々の血漿濃度-時間プロファイルを、WinNonlin v.5.0またはPhoenix v.6.2もしくは6.3(Pharsight Inc.,Mountain View,CA,USA)、あるいはPK分析のための他の関連ソフトウェアにおいて、非区画モデルによって分析する。t=30分で測定した化合物曝露量を、用量/kg体重によって決定および正規化する。最初の30分間の血漿濃度-時間曲線下面積(AUC、[時間×濃度])を、経口投与後に(Pharsightプログラムによって)計算し、((用量/kg体重)*100)によって正規化して、用量補正された曝露量を得る。得られた平均値が表4に提供される。
【表4】
【0180】
組成物A1およびAと比較して、本発明に従った組成物について、加速および増加した曝露量が観察された。
【0181】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるこうしたすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
図1
図2
【配列表】
2022545156000001.app
【誤訳訂正書】
【提出日】2022-06-01
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)0.5~60mgのGLP-1作動薬と、
b)1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c)20~800mg、例えば50~600mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
d)0.6~30mg、例えば1~50mgの滑沢剤と、を含み、
前記NACの塩が、前記組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
【請求項2】
前記組成物が、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの滑沢剤から本質的になる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組成物が、経口投与用であり、前記組成物が、固形、例えば、錠剤の形態である、請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記NACの塩が、前記組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mgまたは2~3mgの滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む、請求項1~5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記GLP-1作動薬が、セマグルチドである、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される、請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記NACの塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記錠剤が、100~800mgの重量を有する、請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)50~600mgのSNACと、
d)1~50mgの滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)50~400mgのSNACと、
d)1~50mgの滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
用量単位が、
a)1~60mgのセマグルチドと、
b)5~25mgのSGLT2阻害剤(10mgのダパグリフロジンまたは25mgのエンパグリフロジンなど)と、
c)100~300mgのSNACと、
d)1~30mgの滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、請求項1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬品における使用のための、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物、それらの調製方法、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「SEQUENCE LISTING」と題された配列表は、4KBであり、2020年7月14日に作成され、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ヒトGLP-1およびその類似体は、低い経口バイオアベイラビリティを有する。経口投与後のヒトGLP-1およびその類似体の曝露量およびバイオアベイラビリティは、非常に低い。したがって、ヒトGLP-1(およびその類似体)は、ある特定の吸収促進剤と特定の量で製剤化された場合、経口投与後に血漿中でのみ検出され得る。
【0004】
Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)は、GLP-1(7-36)アミドと、150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)とを含む錠剤の経口投与を開示している。
【0005】
国際公開第2010/020978号は、タンパク質と、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の特定の塩とを含む、経口医薬組成物を開示している。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)-アミノ)カプリル酸塩の塩を含有するGLP-1類似体の経口剤形を開示する特許出願には、国際公開第2012/080471号、同第2013/189988号、同第2013/139694号、同第2013/139695号、および同第2014/177683号が含まれる。
【0006】
これらの知見にもかかわらず、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の経口投与のためのさらに最適化された医薬組成物の余地は依然として存在し、GLP-1作動薬は、置換基を含むGLP-1類似体であってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010/020978号
【特許文献2】国際公開第2012/080471号
【特許文献3】国際公開第2013/189988号
【特許文献4】国際公開第2013/139694号
【特許文献5】国際公開第2013/139695号
【特許文献6】国際公開第2014/177683号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)
【発明の概要】
【0009】
本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、吸収促進剤(本明細書において送達剤とも称される)とを含む、組成物に関する。一実施形態の本発明による組成物は、送達剤の非常に高い含有量と、以下に記載されるさらなる賦形剤の最小限の含有量とを含む。提供される組成物は、インビトロでの放出の加速を示し、活性医薬成分の効率的な取り込みを可能にする。
【0010】
治療用ペプチドの経口投与は、胃腸系におけるそのようなペプチドの迅速な分解のために困難である。本明細書では、投与後15~30分以内にGLP-1作動薬の吸収を加速させ、それにより経口投与によるGLP-1作動薬の曝露量を改善する、医薬組成物が記載されている。これは、本明細書のアッセイIIIに記載される方法によって決定され得る。
【0011】
一態様では、本発明は、総組成物に対する、または特に組成物の他の賦形剤に対する、送達剤の重量比が非常に高い組成物に関する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、SNACなどの送達剤とを含む医薬組成物に関し、送達剤は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、SNACなどの送達剤とを含む医薬組成物に関し、送達剤は、組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。
【0014】
追加の実施形態では、組成物は、滑沢剤をさらに含む。
【0015】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法に関する。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療のためなどの、医薬品における使用のための、本明細書で定義される組成物または顆粒に関し、当該組成物は、経口投与される。
【0017】
さらなる態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療方法に関し、この方法は、その治療を必要とする患者に、本明細書で定義される組成物を投与することを含み、当該組成物は、錠剤であり、経口投与される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、組成物Aと比較した、本発明の組成物1~3からのGLP-1作動薬の累積放出を示す。
図2図2は、組成物Aと比較した、本発明の組成物1~3からのSGLT2阻害剤の累積放出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一態様は、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、吸収促進剤および/または送達剤とを含む、組成物に関する。組成物は、錠剤、小袋、またはカプセルなど、経口投与に好適な形態であってもよい。一実施形態では、組成物は、経口組成物、または経口医薬組成物などの医薬組成物である。
【0020】
一実施形態の本発明による組成物は、送達剤の高い含有量と、以下に記載されるさらなる賦形剤の最小限の含有量とを含む。提供される組成物は、インビトロでの放出の加速を示し、活性医薬成分の効率的な取り込みを可能にする。本明細書の組成物はまた、経口投与後のGLP-1作動薬のより迅速な取り込みも提供する。
【0021】
GLP-1
本明細書で使用される場合、「GLP-1作動薬」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。したがって、この用語は、他の文書で使用される「GLP-1受容体作動薬」という用語に等しい。GLP-1作動薬という用語、ならびに本明細書に記載の特定のGLP-1作動薬はまた、この塩形態も包含するよう意図されている。
【0022】
その結果、GLP-1作動薬は、「GLP-1活性」を示すべきであるということになり、これは、GLP-1受容体に結合し、シグナル伝達経路を開始し、インスリン分泌促進作用または当該技術分野で公知のような他の生理学的効果をもたらす化合物、すなわち、GLP-1類似体またはGLP-1類似体を含む化合物の能力を指す。いくつかの実施形態では、「GLP-1作動薬」は、当該技術分野で公知の方法(例えば、国際公開第98/08871号を参照)によって測定したときに1μM未満、例えば100nM未満の、例えば親和性定数(K)で、GLP-1受容体に結合するか、またはその効力(EC50)で受容体を活性化し、インスリン分泌促進活性を示し、ここで、インスリン分泌促進活性は、当業者に公知のインビボまたはインビトロアッセイで測定され得る。例えば、GLP-1作動薬は、血糖が増加した動物(例えば、静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を使用して得られる)に投与されてもよい。当業者であれば、例えば、IVGTTに関する動物種に応じて)、好適なグルコース投与量および好適な採血方法を決定し、経時的な血漿インスリン濃度を測定することができる。
【0023】
好適なアッセイは、国際公開第2015/155151号などに記載されている。
【0024】
50%効果濃度(EC50)という用語は一般的に、用量反応曲線を参照することにより、ベースラインと最大との中間の反応を誘発する濃度を指す。EC50は、化合物の効力の尺度として使用され、その最大効果の50%が観察される濃度を表す。本明細書に記載の置換基を含むGLP-1作動薬のアルブミン結合効果のために、アッセイがヒト血清アルブミンを含むかどうかに注意することが重要である。
【0025】
GLP-1作動薬のインビトロ効力は、2015/155151、実施例29(HSAなし)に記載されるように決定されてもよく、かつEC50が決定されてもよい。EC50値がより低いほど、効力がより良好である。いくつかの実施形態では、(HSAなしで)決定された効力(EC50)は、5~1000pM、例えば10~750pM、10~500pM、または10~200pMである。いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大500pM、例えば最大300pM、例えば最大200pMである。
【0026】
いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、ヒトGLP-1(7-37)と同等である。
【0027】
いくつかの実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大50pMである。さらなるそのような実施形態では、EC50は、最大40pM、例えば最大30pM、例えば最大20pM、例えば最大10pMである。いくつかの実施形態では、EC50は、約10pMである。
【0028】
必要な場合、公知のGLP-1受容体作動薬に関する倍数変動は、EC50(試験類似体)/EC50(公知の類似体)として計算され得、この比が0.5~1.5または0.8~1.2などである場合、効力は、同等であるとみなされる。
【0029】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、リラグルチドの効力と同等である。
【0030】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、セマグルチドの効力と同等である。
【0031】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、化合物Bの効力と同等である。
【0032】
いくつかの実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、化合物Cの効力と同等である。
【0033】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、任意選択で1つの置換基を含む、GLP-1類似体である。GLP-1ペプチド(以下「ペプチド」)を参照して本明細書で使用される「類似体」という用語は、ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基で置換されている、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドから欠失している、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドに付加されている、および/またはペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、修飾されている、ペプチドを意味する。アミノ酸残基のそのような付加または欠失は、ペプチドのN末端および/またはペプチドのC末端に発生し得る。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬を記載するために単純な用語体系が使用され、例えば、[Aib8]GLP-1(7-37)は、GLP-1(7-37)の類似体を示し、8位の自然発生のAlaは、Aibで置換されている。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって変更された、最大12個、例えば最大10個、8個、または6個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、類似体は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、最大10個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、例えば最大9個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大8個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大7個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大6個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大5個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大4個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、または最大3個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入を含む。別段の定めのない限り、GLP-1は、L-アミノ酸のみを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「GLP-1類似体」または「GLP-1の類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))のバリアントである、ペプチド、または化合物を指す。GLP-1(7-37)は、配列HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号1)を有する。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または挿入を含む化合物を指す。
【0035】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)の全長にかけて、GLP-1(7-37)に対して少なくとも60%、65%、70%、80%、または90%の配列同一性を示す。2つの類似体の間の配列同一性の決定のための方法の一例として、2つのペプチド[Aib8]GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)を整列させる。GLP-1(7-37)に対する[Aib8]GLP-1(7-37)の配列同一性は、整列された同一の残基の数から異なる残基の数を減算し、GLP-1(7-37)中の残基の総数で除算することによって得られる。したがって、当該例では、配列同一性は、(31-1)/31である。
【0036】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬のC末端は、アミドである。
【0037】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-36)アミドである。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、エキセンディン-4であり、その配列は、HGEGTFITSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号2)である。
【0038】
GLP-1作動薬の効果を延長するために、GLP-1作動薬が、延長された半減期を有することが好ましい。半減期は、当該技術分野で公知の方法によって、かつ国際公開第2012/140117号に記載されるように、雄Sprague Dawleyラットまたはミニブタなどの適切なモデルにおいて、決定され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて24時間超の半減期を有する。いくつかの実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて、30時間超、例えば36時間超、例えば42時間超、例えば48時間超、例えば54時間超、または例えば60時間超の半減期を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、ペプチドに共有結合した1つの置換基を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、脂肪酸または脂肪二酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂二肪酸を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)、
【化1】
を含み、式中、nは、少なくとも13であり、例えば、nは、13、14、15、16、17、18、または19である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13~19の範囲、例えば13~17の範囲である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13、15、または17である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、13である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、15である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)を含み、式中、nは、17である。
【0042】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)、
HOOC-(C)-O-(CH-CO-*(XIa)を含み、式中、mは、6~14の範囲の整数である。
【0043】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIb)、
【化2】
を含み、式中、カルボキシ基は、(C)基の2、3、または4位であり、式中、mは、8~11の範囲の整数である。
【0044】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、6~14の範囲、例えば8~11の範囲である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、8、10、または12である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、9である。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)を含み、式中、mは、11である。
【0045】
いくつかの実施形態では、置換基は、2つのOEGなどの1つ以上の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0047】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0048】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)(配列番号4)としても公知のセマグルチドであり、これは、以下の構造
【化3】
を有して国際公開第2006/097537号の実施例4に記載されるように調製され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Bであり、これは、国際公開第2011/080103号の実施例2に示され、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)(配列番号5)、以下の構造
【化4】
を有するNε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-アセチル}-[Aib,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-ペプチドである。
【0050】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Cであり、これは、国際公開第2012/140117号の実施例31に示され、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(配列番号6)、以下の構造
【化5】
を有するNε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyである。
【0051】
一般に、GLP-1作動薬という用語は、GLP-1作動薬およびその任意の薬学的に許容可能な塩、アミド、またはエステルを包含するよう意図されている。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬および1つ以上の薬学的に許容可能な対イオンを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、国際公開第93/19175号、同第96/29342号、同第98/08871号、同第99/43707号、同第99/43706号、同第99/43341号、同第99/43708号、同第2005/027978号、同第2005/058954号、同第2005/058958号、同第2006/005667号、同第2006/037810号、同第2006/037811号、同第2006/097537号、同第2006/097538号、同第2008/023050号、同第2009/030738号、同第2009/030771号、および同第2009/030774号で言及されるGLP-1作動薬のうちの1つ以上から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタデカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22 Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン26-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{4-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ブチリル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(トランス-19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル[Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26[2-(2-[2-(2-[2-(2-((S)-2-[トランス-4-((9-カルボキシノナデカノイルアミノ]メチル)シクロヘキシルカルボニルアミノ]-4-カルボキシブタノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリル-アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys33,Arg34]GLP-1-(7-34)、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(



7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-(3-((2-(2-(2-(2-(2-ヘキサデシルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ))プロピオニル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-アミド、N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ヘキサデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ヘキサデカノイルアミノ)-4-カルボキシ-ブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(オクタデカノイル-アミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン37-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-(2-{2-[2-((S)-4-カルボキシ-4-{(S)-4-カルボキシ-4-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-{2-[2-(2-{(S)-4-[(S)-4-(12-{4-[16-(2-tert-ブチル-2H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル]ブチリルアミノ}ドデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ]-4-カルボキシブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-アルファ37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,イプシロン-Lys37]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン36-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys36]GLP-1-(7-37)-Glu-Lysペプチド、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Aib35,Lys37]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン37-[(S)-4-カルボキシ-4-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ブチリル][Aib8,Glu22,Arg26,34,Lys37]GLP-1(7-37)、N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリ-ルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][ImPr7,Glu22,Arg26,34,Lys37],GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}、N-イプシロン37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OH、N-イプシロン26(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-ペプチド、N-イプシロン26-(19-カルボキシノナデカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-(4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(15-カルボキシペンタ-デカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル[Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ



]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][3-(4-イミダゾリル)プロピオニル7,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-(カルボキシメチル-アミノ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-3(S)-スルホプロピオニルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-アミド、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34,Pro37]GLP-1-(7-37)アミド、Aib8,Lys26(N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ペンタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}),Arg34)GLP-1H(7-37)-OH、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、N-アルファ7-ホルミル,N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン2626-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(15-(N-((S)-1,3-ジカルボキシプロピル)カルバモイル)ペンタデカノイルアミノ)-(S)-4-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ](4(S)-カルボキシブチリル-アミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、N-イプシロン26-{(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[Aib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37,Lys26]GLP-1(7-37)アミド、N-イプシロン26-[2-(2-[2-[4-(21-カルボキシウンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)、およびN-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシウンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)からなる群から選択される。
【0054】
SGLT2阻害剤
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、SGLT1阻害剤でもある。SGLT2阻害剤およびSGLT1阻害剤は、ナトリウムグルコース結合輸送体を阻害する能力を有する化合物である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、グルコピラノシル置換ベンゼン誘導体である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ダパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エンパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、エルツグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ソタグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤はイプラグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、トホグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ルセオグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、ベキサグリフロジンである。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、レモグロフロジンである。SGLT2阻害剤は、例えば、国際特許公開公報第2006/120208号、同第2007/031548号、または同第2008/002824号に示されるように、当該技術分野で公知の方法に従って調製されてもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、「SGLT2阻害剤」という用語は、ナトリウム-グルコース輸送体2(SGLT2)(ヒトSGLT2など)に対する阻害効果を提供する化合物に関する。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50として測定されるヒトSGLT2に対する阻害効果は、1000nM未満、例えば100nM未満または50nM未満である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤のIC50値は、少なくとも0.01nM、例えば少なくとも0.1nMである。ヒトSGLT2に対する阻害効果を決定する方法は、当該技術分野において公知である(例えば、国際公開第2007/093610号の23~24ページ)。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、非晶質形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤は、結晶形態、例えば、その薬学的に許容可能な塩、水和物、および/または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、「共結晶」という用語は、本明細書で使用される場合、2つ以上の異なる分子化合物またはイオン化合物から構成される結晶性単相材料である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。
【0056】
ダパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンの構造は、式(XII):
【化6】
に示されるようなもの、またはその立体異性体である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、ダパグリフロジンのプロドラッグエステル(インビボ切断可能なエステルなど)であってもよい。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生してもよい。溶媒和物は、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物(ダパグリフロジンプロピレングリコール(1:1)など)を含むかまたはそれらからなってもよい。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、そのプロピレングリコール溶媒和物水和物(1:1:1)の形態である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態、(R)形態、またはその混合物である。いくつかの実施形態では、プロピレングリコールは、(S)形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、セリン、システイン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、およびリシンからなる群から選択されるアミノ酸とを含み、ダパグリフロジンおよびアミノ酸は、共結晶の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、およびトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸とを含む。アミノ酸は、そのLまたはD-立体異性体の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとL-プロリンとを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとD-プロリンとを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、1,2-アルカンジオールまたはその水和物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、および1,2-ヘプタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、1,2ブタンジオールまたはその水和物を含む溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、(S)-1,2-ブタンジオール、(R)-1,2-ブタンジオール、(S)-1,2-ペンタンジオール、(R)-1,2-ペンタンジオール、(S)-1,2-ヘキサンジオール、(R)-1,2-ヘキサンジオール、(S)-1,2-ヘプタンジオール、(R)-1,2-ヘプタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンと、(S)-1,2-ブタンジオールおよび(R)-1,2-ブタンジオール、またはそれらの水和物もしくは混合物からなる群から選択される化合物とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダパグリフロジンとシトレートとを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、シトレートを含む共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg、例えば5~50mgの量のダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5mgまたは10mgの量のダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、ダパグリフロジンは、0.5~200mg/日の用量(3~20mg/日、5mg/日、または10mg/日など)で投与される。
【0057】
エンパグリフロジン
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、SGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンの構造は、式(XIII):
【化7】
に示されるようなもの、またはその立体異性体である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物もしくは共結晶の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または溶媒和物の形態である。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンまたはその薬学的に許容可能な塩は、連続的および/もしくは非連続的な非晶質形態であるか、または共結晶の形態である。エステルは、エンパグリフロジンのプロドラッグエステル(インビボ切断可能なエステルなど)であってもよい。薬学的に許容可能なエステルは、ヒトまたは動物の体内で切断されて、親酸(例えば、当該エステルがメトキシメチルである場合)、またはヒドロキシ基(例えば、当該エステルがアセチルエステルである場合)を産生してもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5~200mg(5~50mgなど)の量のエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10mgまたは25mgの量でエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、0.5~200mg/日(5~50mg/日など)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、エンパグリフロジンは、10mg/日または25mg/日の用量で投与される。
【0058】
送達剤
本発明で使用される送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の構造式を式(I)
【化8】
に示す。
【0059】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、1つの一価陽イオン、2つの一価陽イオン、または1つの二価陽イオンを含む。いくつかの実施形態では、NACの塩は、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NACの塩は、ナトリウム塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の塩は、例えば、国際公開第96/030036号、同第00/046182号、同第01/092206号、または同第2008/028859号に記載される方法を使用して調製されてもよい。
【0060】
NACの塩は、結晶性および/または非晶質であってもよい。いくつかの実施形態では、送達剤は、NACの塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、または水和物の3分の1、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、国際公開第2007/121318号に記載されるNACの塩である。
【0061】
いくつかの実施形態では、送達剤は、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしても公知である、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書では「SNAC」と呼ばれる)である。
【0062】
組成物
本発明の組成物または医薬組成物は、本明細書で以下にさらに記載されるように、経口経路による投与に適した固形または乾燥組成物である。
【0063】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性治療成分または活性医薬成分(API)以外の任意の構成要素を広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、および/または治療的もしくは医薬的に活性でない物質であり得る。
【0064】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、滑沢剤流動化剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化抑制剤可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤、もしくはそれらの組み合わせとして、ならびに/または治療活性物質もしくは活性医薬成分の投与および/もしくは吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野の従来の範囲内で変化し得る。経口剤形を製剤化するために使用され得る技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th edition,Sheskey et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2017)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Remington and Allen,Eds.,Pharmaceutical Press(2013)に記載されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)など;充填剤、例えば、セルロース粉末、微結晶セルロース、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプンなど;滑沢剤および/または流動化剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなど;流量制御剤、例えば、コロイダルシリカ、タルクなど;結晶化抑制剤、例えば、ポビドンなど;可溶化剤、例えば、プルロニック、ポビドンなど;着色剤、染料および色素、例えば、赤色または黄色酸化鉄、二酸化チタン、タルクなどを含む;pH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなど;界面活性剤および乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシ化および水添ヒマシ油など;ならびにこれらの賦形剤および/またはアジュバントのうちの2つ以上の混合物から選択され得る。
【0066】
組成物は、結合剤、例えば、ポビドン;デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、微結晶セルロース、例えば、FMC(Philadelphia,PA)製のAvicel PH、Dow Chemical Corp.(Midland,MI)製のヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースMETHOCEL;スクロース;デキストロース;コーンシロップ;ポリサッカライド;ならびにゼラチンを含んでもよい。結合剤は、乾燥結合剤および/または湿式造粒結合剤からなる群から選択されてもよい。好適な乾燥結合剤は、例えば、セルロース粉末および微結晶セルロース、例えば、Avicel PH 102およびAvicel PH 200である。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 102などのAvicelを含む。湿式造粒または乾式造粒に好適な結合剤は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、ならびにセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポビドンを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、エリスリトール、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、例えば、カルシウム水素リン酸、微結晶セルロース、粉末セルロース、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、およびデキストロースから選択され得る充填剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 102またはAvicel PH 200などの微結晶セルロースを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または流動化剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または流動化剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、水添植物油、二酸化ケイ素、および/またはポリエチレングリコールなどを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリル(ジエステル画分が優勢であるベヘン酸(C22)のモノ-、ジ-、およびトリエステルからなる、製品Compritol 888 ATOなど)を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、組成物は、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または乾燥コーンスターチを含む。
【0070】
組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、または2つの異なる界面活性剤を含んでもよい。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、および脂溶性(親油性)部分からなる、任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および/または双性イオン界面活性剤からなる群から選択されてもよい。
【0071】
本明細書に記載のN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、送達剤として作用する賦形剤である。本明細書の実施例に示されるように、本発明の組成物は、送達剤の非常に高い含有量を有する。この非常に高い含有量は、活性医薬成分(すなわち、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤)も含む錠剤の全含有量に対して、または代替的に、活性医薬成分を除く賦形剤の全含有量に対して定義され得る。本明細書の以下の説明はまた、特定の成分、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および賦形剤からなる組成物も指し、「なる」という用語は、それでもなお、組成物の機能に影響を及ぼさない微量の任意の物質を包含すると理解されるべきであり、これはまた、「から本質的になる」とも呼ばれる場合がある。そのような物質は、GLP-1作動薬、SGLT 2阻害剤の調製物中に残っている不純物、またはNACの塩、もしくは製剤の品質もしくは吸収に影響を与えない、最小限の量(例えば、1%(w/w)未満)の任意の薬学的に許容可能な賦形剤の製造からの不純物であり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a.GLP-1作動薬と、
b.SGLT2阻害剤と、
c.NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超を構成する。
【0073】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の60%超、例えば75%(w/w)超または80%(w/w)超を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の85%超、例えば90%(w/w)超または95%(w/w)超を構成する。
【0074】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも65%(w/w)、例えば少なくとも70%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも85%(w/w)、例えば少なくとも90%(w/w)または少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0075】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬と、
SGLT2阻害剤と、
NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する。
【0076】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬、
SGLT2阻害剤、および
賦形剤からなり、賦形剤は、
NACの塩、および
1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する。
【0077】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも91%(w/w)、例えば少なくとも92%(w/w)、例えば少なくとも93%(w/w)、例えば少なくとも94%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0078】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬と、
SGLT2阻害剤と、
NACの塩と、を含み、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0079】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
GLP-1作動薬、
SGLT2阻害剤、および
賦形剤からなり、賦形剤は、
NACの塩、および
1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する。
【0080】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の95%(w/w)超または96%(w/w)超を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の97%(w/w)超または98%(w/w)超を構成する。
【0081】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)または少なくとも96%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも97%(w/w)または少なくとも98%(w/w)を構成する。
【0082】
上述のように、送達剤以外の賦形剤の含有量は、本発明に従うものであり、好ましくは最小限である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの滑沢剤を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの滑沢剤、を含むか、またはそれらからなる。
【0084】
いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベへン酸グリセリルであってもよい。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、滑沢剤は、ジベへン酸グリセリルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、当該NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超を構成する。
【0086】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超を構成し、当該NACの塩は、組成物の少なくとも75%(w/w)超を構成する。
【0087】
医薬組成物はさらに、NACの塩が、NACのナトリウム塩および/もしくはカリウム塩からなる群から、またはナトリウム塩およびカリウム塩のみからなる群から選択される、組成物であってもよい。いくつかの実施形態では、NACの塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である。
【0088】
NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成する実施形態では、組成物は、最大10%(w/w)の結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超の送達剤、ならびに5%(w/w)未満の結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の滑沢剤を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも75%(w/w)を構成し、任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大25%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大25%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および15%(w/w)未満の滑沢剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)または75%(w/w)超の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも75%(w/w)または75%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の滑沢剤を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)を構成し、任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大10%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大10%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、ならびに5%(w/w)未満の結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の滑沢剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90%(w/w)または90%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の滑沢剤を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、当該NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、組成物の任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大5%(w/w)を構成し、例えば、結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤を含むさらなる賦形剤は、組成物の賦形剤の最大5%(w/w)を構成してもよい。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)の送達剤、および0.1~5%(w/w)または0.5~4%(w/w)の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95%(w/w)または95%(w/w)超の送達剤、および1~3%(w/w)または2~2.5%(w/w)の滑沢剤を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)または60%(w/w)超の送達剤、および0.12~10%(w/w)または0.5~8%(w/w)の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、1~5%(w/w)または2~3%(w/w)の滑沢剤を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、少なくとも75%(w/w)の送達剤、および0.1~5%(w/w)、例えば0.5~4%(w/w)または1~3%(w/w)の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、NACの塩100mg当たり、2~2.6%(w/w)の滑沢剤を含む。
【0094】
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する実施形態では、組成物は、最大5%(w/w)の結合剤、充填剤、および/または滑沢剤流動化剤などの任意のさらなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および10%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および8%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および5%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)の送達剤、および3%(w/w)未満の滑沢剤を含む。
【0095】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、本明細書で以下に記載される経口投与に好適な剤形で製造される。以下では、本発明の組成物の成分の絶対量は、投与単位の、すなわち、錠剤、カプセル、または小袋当たりの含有量を参照して提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物のNACの塩の量は、用量単位当たり、最大1000mgの当該NACの塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、用量単位が最大600mgの当該NACの塩を含む組成物に関する。
【0097】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、少なくとも20mg、例えば少なくとも25mg、例えば少なくとも50mg、例えば少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、および少なくとも300mgである。
【0098】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、最大800mg、例えば最大600mg、例えば最大575mg、例えば最大550mg、最大525mg、最大500mg、最大475mg、最大450mg、最大425mg、最大400mg、最大375mg、最大350mg、最大325mg、または用量単位当たり最大300mgである。
【0099】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、20~800mg、例えば25~600mg、例えば50~500mg、例えば50~400mg、例えば75~400mg、例えば80~350mg、または例えば約100~約300mgの範囲である。
【0100】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、20~200mg、例えば25~175mg、例えば75~150mg、例えば80~120mgの範囲、例えば約100mgである。
【0101】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、200~800mg、例えば250~400mg、例えば250~350mg、例えば275~325mgの範囲、例えば約300mgである。
【0102】
一実施形態では、本発明の医薬組成物の用量単位は、0.1~100mgまたは0.2~100mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.2~60mgまたは1~40mgの範囲のGLP-1作動薬の量を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~60mgのGLP-1作動薬、例えば1~50mgまたは1.5~40mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~30mgのGLP-1作動薬、例えば2~25mgまたは3~20mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、3~20mgのGLP-1作動薬、例えば4~15mgまたは5~10mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~5mgのGLP-1作動薬、例えば0.75~4.5mg、例えば1、1.5、2、2.5、もしくは3mg、または3.5、4、4.5mg、例えば1~3mgもしくは3~5mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~20mgのGLP-1作動薬、例えば2~15mg、例えば2、3、4、5、6、もしくは7mg、例えば2、3、4、もしくは5mg、または例えば8、10、12、もしくは14mg、例えば15mgもしくは20mgのGLP-1作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5~50mgのGLP-1作動薬、例えば10~45mg、例えば20、30、もしくは40mg、または例えば25、35、もしくは45mg、または例えば30~50mg、または例えば20~40mgのGLP-1作動薬を含む。GLP-1作動薬の量は、GLP-1作動薬の同一性および所望の効果に応じて変化し得る。すなわち、より高い含有量は、糖尿病と比較して肥満の治療に適している可能性がある。
【0103】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、1~50mg、例えば3~30mgまたは5~25mgのSGLT2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5または10mgのSGLT2阻害剤ダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、10または25mgのSGLT2阻害剤エンパグリフロジンを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、0.5~30mgの滑沢剤、例えば1~20mg、例えば2~8mgまたは2~5mgの滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、滑沢剤の量は、NACの塩の量に対して決定されるため、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり、0.5~30mgまたは1~20mgの滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば4~8mgまたは2~5mgまたは2~3mgの滑沢剤を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、0.5~30mgのステアリン酸マグネシウム、例えば1~20mg、例えば2~8mg、または例えば2~5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムの量は、NACの塩の量に対して決定されるため、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり0.5~30mgまたは1~20mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、SNACなどのNACの塩100mg当たり1~10mg、例えば4~8mgまたは2~5mgまたは2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~800mgのSNAC、0.5~60mgのGLP-1作動薬、1~50mgのSGLT2阻害剤、および1~50mgの滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、300~600mgのSNAC、0.5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~30mgの滑沢剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、0.5~14mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの滑沢剤を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの滑沢剤を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~3mgの滑沢剤を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および2~10mgの滑沢剤を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、0.5~5mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの滑沢剤を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの滑沢剤を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの滑沢剤を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~15mgの滑沢剤を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~30mgの滑沢剤を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、1.5~10mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの滑沢剤を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、組成物の単位用量は、400~600mgのSNAC、5~50mgのGLP-1作動薬、1~25mgのSGLT2阻害剤、および3~10mgの滑沢剤を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビトロでの迅速な放出を有する。放出または溶解は、当該技術分野で公知のように、かつ本明細書のアッセイIに記載されるように試験されてもよい。放出は、組成物のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の総含有量に対して、所与の期間後に溶液中で測定されたGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の量として、それぞれ表されてもよい。相対量は、パーセンテージで与えられてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物からのGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出は、15分以内に少なくとも85%、または30分以内に少なくとも95%である。そのような一実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0118】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出は、15分以内に85%、または30分以内に95%に達する。いくつかの実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでのGLP-1作動薬の早期の曝露量を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでのGLP-1作動薬の曝露量の増加を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでの早期の曝露量の増加を提供する。そのようなインビボ曝露量は、本明細書に記載のアッセイIIIなどの関連モデルで試験されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、t=30分での用量補正された血漿曝露量が、追加の賦形剤である微結晶セルロースおよびポビドンを含む国際公開第2013/139694号に記載される組成物と比較して増加する、医薬組成物に関する。所与のGLP-1作動薬の参照組成物は、好ましくは、国際公開第2013/139694号でタイプFおよびHについて開示される2つの顆粒で調製され、セマグルチド/化合物Aを、対象とするGLP-1作動薬で置換することによって調製されるべきである。
【0121】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
t=30分での用量補正された血漿曝露量は、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの組成物と比較して増加する。
【0122】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
t=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)は、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの組成物と比較して増加する。
【0123】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セマグルチドおよびダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セマグルチドおよびエンパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GLP-1作動薬Cおよびダパグリフロジンを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、GLP-1作動薬Cおよびエンパグリフロジンを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、t=0~30分の用量補正された曝露量(AUC)は、国際公開第2013/139694号のタイプF/Hの組成物と比較して、少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加する。
【0125】
剤形
組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、小袋、または硬質もしくは軟質シェルカプセルなどのカプセルとして、いくつかの剤形で投与され得る。
【0126】
組成物は、例えば、安定性および/または溶解度を改善するために、またはバイオアベイラビリティをさらに改善するために、薬物担体または薬物送達系でさらに配合され得る。組成物は、凍結乾燥または噴霧乾燥組成物であってもよい。
【0127】
組成物は、錠剤などの用量単位の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、50mg~1000mgの範囲、例えば50~750mgの範囲、または例えば約100~600mgの範囲である。
【0128】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、75mg~350mgの範囲、例えば100~300mgの範囲、または例えば約200~350mgの範囲である。
【0129】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、100mg~400mgの範囲、例えば50~300mgの範囲、または例えば約200~400mgの範囲である。
【0130】
いくつかの実施形態では、組成物は、圧縮される前に造粒されてもよい。組成物は、粒内部分および/または粒外部分を含んでもよく、粒内部分は造粒され、粒外部分は造粒後に添加されている。
【0131】
粒内部分は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、ならびに/または滑沢剤および/もしくは流動化剤などの賦形剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒内部分は、GLP-1作動薬、送達剤、ならびに滑沢剤および/または流動化剤を含む。いくつかの実施形態では、粒内部分は、送達剤ならびに滑沢剤および/または流動化剤を含む。
【0132】
粒外部分は、GLP-1作動薬、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤および/もしくは流動化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒外部分は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤および/もしくは流動化剤を含む。いくつかの実施形態では、粒外部分は、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤および/または流動化剤などの賦形剤を含む。
【0133】
さらなる実施形態では、粒内部分は、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、送達剤、滑沢剤および/または流動化剤を含む。そのような実施形態では、造粒物は、錠剤に直接圧縮されてもよく、錠剤は、粒外部分を有しない。
【0134】
組成物の調製
本発明による組成物の調製は、当該技術分野で公知の方法に従って実施され得る。
【0135】
錠剤成形材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な構成要素を計量し、任意選択で砕塊またはふるい分けし、次いで組み合わせる。構成要素の混合は、均質なブレンドが得られるまで行われてもよい。
【0136】
錠剤成形材料に顆粒が使用される場合、顆粒は、例えば、「蓄積(built-up)」顆粒または「分解(broken-down)」顆粒の製造について公知の湿式造粒法を使用して、当業者に公知の方法で製造され得る。蓄積顆粒の形成のための方法は、連続的に動作し、例えば同時に、造粒物塊に造粒溶液を噴霧し、例えば、ドラム型造粒機中で、パン造粒機中で、ディスク型造粒機上で、流動床中で、噴霧乾燥、噴霧造粒、または噴霧凝固によって乾燥させることを含み得るか、あるいは例えば、流動床、回転式流動床、バッチミキサ、例えば、高剪断ミキサもしくは低剪断ミキサ、または噴霧乾燥ドラム中で、不連続的に動作し得る。分解顆粒の製造のための方法は、不連続的に行われ得、造粒物塊が最初に造粒溶液と湿潤凝集体を形成し、これが続いて粉砕されるか、または他の手段によって所望のサイズの顆粒に形成され、次いで、顆粒が乾燥され得る。湿式造粒工程に好適な設備は、遊星型ミキサ、低剪断ミキサ、高剪断ミキサ、押出機、およびスフェロナイザ、例えば、Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、Collette、Aeschbach、Alexanderwerk、Ytron、Wyss & Probst、Werner & Pfleiderer、HKD、Loser、Fuji、Nica、Caleva and Gablerの会社製の装置であるが、これらに限定されない。顆粒はまた、賦形剤および/または活性医薬成分のうちの1つ以上が、圧縮されて比較的大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これが、すりつぶすことによって粉砕され、すりつぶした材料が、後に圧縮される錠剤成形材料の役割を果たす、乾式造粒技法によっても形成され得る。乾式造粒に好適な設備は、Gerteis MICRO-PACTOR、MINI-PACTOR、およびMACRO-PACTORなどのGerteis製のローラ圧縮装置であるが、これらに限定されない。
【0137】
「造粒物」および「顆粒」という用語は、上述のように調製され得る組成物材料の粒子を指すために、本明細書では互換的に使用される。
【0138】
錠剤成形材料を固形経口剤形、例えば、錠剤へと圧縮するために、錠剤プレスが使用されてもよい。錠剤プレスでは、錠剤成形材料は、ダイキャビティに充填される(例えば、強制供給または重力供給)。次いで、錠剤成形材料は、圧力を印加する一組のパンチによって圧縮される。その後、得られた圧縮物、つまり錠剤は、錠剤プレスから排出される。上述の錠剤成形プロセスは、本明細書ではこれ以降、「圧縮プロセス」と呼ばれる。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤プレスの例としては、Fette 102i(Fette GmbH)、Korsch XL100、Korsch PH 106回転式錠剤プレス(Korsch AG,Germany)、Korsch EK-O偏心錠剤成形プレス(Korsch AG,Germany)、およびManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.,United Kingdom)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの造粒物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つのタイプの造粒物を含む。組成物は、代替的に、2つのタイプの造粒物を含んでもよい。組成物は、代替的に、1つまたは2つのタイプの造粒物および粒外材料を含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法に関する。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)工程a)で得られた造粒物を、SGLT2阻害剤および任意選択で滑沢剤とブレンドする工程と、c)工程b)で得られたブレンドを錠剤に圧縮し、任意選択で、圧縮前にさらなる滑沢剤を造粒物に添加する工程とを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)工程a)で得られたブレンドを錠剤に圧縮し、任意選択で、圧縮前にさらなる滑沢剤を造粒物に添加する工程とを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)をGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択でさらなる滑沢剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)をSGLT2阻害剤、および任意選択でさらなる滑沢剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)造粒物a)を任意選択でさらなる滑沢剤とブレンドする工程と、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)送達剤、SGLT2阻害剤、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、c)造粒物a)およびb)ならびに任意選択でさらなる滑沢剤をブレンドする工程と、d)ブレンドc)を錠剤に圧縮する工程とを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、および任意選択で滑沢剤を含む混合物を造粒する工程と、b)a)の造粒物を錠剤に圧縮し、任意選択で、さらなる滑沢剤を含む工程とを含む。
【0148】
概して、造粒物は、湿式、溶融、または乾式造粒、好ましくは乾式造粒によって調製されてもよい。
【0149】
医薬品の適応症
本発明はまた、薬剤として使用するための本発明の組成物に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下の医学的処置に使用され得、すべては、好ましくは何らかの方法で糖尿病および/または肥満に関する。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/もしくは治療、ならびに/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)β細胞アポトーシスの減少、β細胞機能および/もしくはβ細胞質量の増加、ならびに/またはβ細胞へのグルコース感受性の回復などのβ細胞機能の改善、
(iv)認知障害の予防および/または治療、
(v)肥満などの摂食障害の予防および/もしくは治療(例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による)、抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された過食性障害、神経性大食症、および/もしくは肥満の治療もしくは予防、胃の運動の減少、ならびに/または胃内容排出の遅延、
(vi)末梢神経障害を含む神経障害、腎症、または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/または治療、
(vii)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/もしくは治療、総血清脂質の低下、HDLの低下、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、HDLの増加、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/もしくはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(iix)心血管疾患(X症候群、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈性心疾患、脳卒中、脳虚血、早期心臓または早期心血管疾患(左室肥大など)、虚血性心疾患、本態性高血圧、急性高血圧性発作、心筋症、心機能不全、運動耐性、慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、アテローム性動脈硬化、軽度の慢性心不全、狭心症、心臓バイパス再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、および/または収縮機能障害の予防および/または治療、
(ix)炎症性腸症候群、小腸症候群、クローン病、消化不良、および/または胃潰瘍などの胃腸疾患の予防および/または治療、
(x)重症疾患の予防および/または治療(重症患者、重症疾患の多発性神経障害(CIPNP)患者、および/もしくは潜在的なCIPNP患者の治療、重症疾患もしくはCIPNPの発症の予防、患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療、および/もしくは治癒、ならびに/または患者が入院中に菌血症、敗血症、および/もしくは敗血症性ショックを患うことの予防またはその可能性の低減など)、ならびに/または
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防および/または治療。
【0150】
いくつかの実施形態では、適応症は、適応症(i)、(ii)、および/もしくは(iii)、または適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、および/もしくは適応症(iix)など、(i)~(iii)および(v)~(iix)からなる群から選択される。別の特定の実施形態では、適応症は(i)である。いくつかの実施形態では、適応症は、(v)である。なおさらなる特定の実施形態では、適応症は(iix)である。いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病および/または肥満である。
【0151】
本発明は、治療を必要とする対象の治療方法にさらに関し、当該対象に本発明による治療有効量の組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、糖尿病もしくは肥満および/または上記で特定されたさらなる適応症の治療のためのものである。
【0152】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、治療を必要とする対象に、GLP-1作動薬と、SGLT2阻害剤と、NACの塩と、任意選択で滑沢剤と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法が記載され、この方法は、治療を必要とする対象に、0.5~50mgのGLP-1作動薬と、1~50mgのSGLT2阻害剤と、50~600mgのNACの塩と、1~20mgの滑沢剤とを含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、NACの塩は、組成物の少なくとも60%(w/w)、例えば少なくとも75%(w/w)または少なくとも80%(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、方法は、NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、組成物を投与することを含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法は、治療を必要とする対象に、約1~60mgのGLP-1作動薬と、約1~50mgのSGLT2阻害剤と、約100~600mgのNACの塩と、約1~30mgのステアリン酸マグネシウムとを含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、GLP-1作動薬であるセマグルチド、SGLT2阻害剤であるダパグリフロジン、およびNACの塩であるSNACを含む組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、GLP-1作動薬であるセマグルチド、SGLT2阻害剤であるエンパグリフロジン、およびNACの塩であるSNACを含む組成物の投与を含む。ステアリン酸マグネシウムを含む、滑沢剤の様々な例が記載されている。組成物は、経口投与され、錠剤、カプセル、または小袋の形態であってもよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、1つ以上の用量単位が、それを必要とする当該対象に投与されてもよい。
【0156】
併用療法
本発明による組成物を用いた治療はまた、抗糖尿病薬、肥満抑制薬、食欲調整薬、高血圧治療薬、糖尿病に起因または関連する合併症の治療および/または予防のための薬剤、ならびに肥満に起因または関連する合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤から選択される、1つ以上の追加の活性医薬成分と組み合わされてもよい。これらの薬理活性物質の例は、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤、ナトリウムグルコース結合輸送体2(SGLT2)阻害剤;カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジンおよびソタグリフロジン、特にダパグリフロジンおよびエンパグリフロジン、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節剤、HMG CoA阻害剤としての抗高脂血症薬(スタチン)などの脂質代謝を修正する化合物、消化管抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取量を低下させる化合物、RXR作動薬、およびβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ネテグリニド、レパグリニド;β遮断薬、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、およびラミプリル、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミル、およびα遮断薬、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)作動薬、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、PYY作動薬、Y2受容体作動薬、Y4受容体作動薬、混合Y2/Y4受容体作動薬、MC4(メラノコルチン4)作動薬、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)作動薬、CRF(コルチコトロピン放出因子)作動薬、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン作動薬、β3作動薬、オキシントモジュリンおよび類似体、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)作動薬、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)作動薬、ボンベシン作動薬、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、UCP 2または3(非カップリングタンパク質2または3)調節剤、レプチン作動薬、DA作動薬(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節剤、TR β作動薬;ヒスタミンH3アンタゴニスト、消化管抑制ポリペプチド作動薬またはアンタゴニスト(GIP類似体)、ガストリンおよびガストリン類似体である。
【0157】
本明細書に記載の本発明は、これに限定されないが、本明細書で以下に記載される実施形態および本文書の特許請求の範囲によってさらに定義される。
【0158】
実施形態
1.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の少なくとも60%(w/w)を構成する、医薬組成物。
2.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬と、
b)SGLT2阻害剤と、
c)NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
3.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、および
c)賦形剤からなり、賦形剤が、
i.NACの塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤、であり、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
4.組成物が、少なくとも1つの滑沢剤を含む、実施形態1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
5.医薬組成物であって、
a)GLP-1作動薬、
b)SGLT2阻害剤、
c)NACの塩、および
d)少なくとも1つの滑沢剤からなる、医薬組成物。
6.滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態4および5に記載の医薬組成物。
7.組成物が、NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
8.当該NACの塩が、組成物の少なくとも90%(w/w)を構成する、実施形態2~7のいずれかに記載の医薬組成物。
9.当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、実施形態1、5~8のいずれかに記載の医薬組成物。
10.NACの塩が、NACのナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩からなる群から選択される、実施形態1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
11.NACの塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、実施形態1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
12.用量単位が、最大1000mgの当該NACの塩を含む、実施形態1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
13.用量単位が、1~60mgのGLP-1作動薬および1~50mgのSGLT2阻害剤を含む、実施形態1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
14.GLP-1作動薬が、ミニブタにおいて少なくとも24時間のT1/2を有する、実施形態1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
15.GLP-1作動薬が、最大100pM、例えば最大50のEC50(HSAなし)を有する、実施形態1~14のいずれかに記載の医薬組成物。
16.GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれかに記載の医薬組成物。
17.GLP-1作動薬が、セマグルチドおよびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~16のいずれかに記載の医薬組成物。
18.SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、エルツグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、およびレモグロフロジンからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれかに記載の医薬組成物。
19.SGLT2阻害剤が、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物水和物、クエン酸ダパグリフロジン(1:1)、およびダパグリフロジンジL-プロリン(1:2)からなる群から選択される、実施形態1~18のいずれかに記載の医薬組成物。
20.SGLT2阻害剤が、塩、共結晶、または水和物の形態である、実施形態1~19のいずれかに記載の医薬組成物。
21.組成物が、少なくとも1つの造粒物を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の医薬組成物。
22.少なくとも1つの造粒物が、NACの塩を含む、実施形態19に記載の医薬組成物。
23.少なくとも1つの造粒物が、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤をさらに含む、実施形態19または20に記載の医薬組成物。
24.少なくとも1つの造粒物が、GLP-1作動薬および任意選択で滑沢剤をさらに含む、実施形態19~21のいずれかに記載の医薬組成物。
25.少なくとも1つの造粒物が、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤、ならびに任意選択で滑沢剤をさらに含む、実施形態19~22のいずれかに記載の医薬組成物。
26.少なくとも1つの造粒物が、乾式造粒によって、例えばローラ圧縮によって調製される、実施形態19~23のいずれかに記載の医薬組成物。
27.組成物が、粒外部分を含む、実施形態19~24のいずれかに記載の医薬組成物。
28.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もしくは流動化剤、および/またはGLP-1作動薬を含む、実施形態19~25のいずれかに記載の医薬組成物。
29.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もしくは流動化剤、GLP-1作動薬、および/またはSGLT2阻害剤を含む、実施形態19~25のいずれかに記載の医薬組成物。
30.医薬組成物であって、
d)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)20~800mg、例えば25~700、例えば50~600mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
31.医薬組成物であって、
e)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)50~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
32.医薬組成物であって、
f)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~150mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
33.医薬組成物であって、
g)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~125mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
34.医薬組成物であって、
h)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)80~120mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
35.医薬組成物であって、
i)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)200~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
36.医薬組成物であって、
j)1~60mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)250~350mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、セマグルチドである、医薬組成物。
37.医薬組成物であって、
k)0.1~50mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)20~800mg、例えば25~700、50~600mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
38.医薬組成物であって、
l)1~25mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)50~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
39.医薬組成物であって、
m)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)75~150mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
40.医薬組成物であって、
n)1~15mgのGLP-1作動薬と、
c)SGLT2阻害剤と、
d)75~125mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
41.医薬組成物であって、
o)1~15mgのGLP-1作動薬と、
c)SGLT2阻害剤と、
d)80~120mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
42.医薬組成物であって、
p)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)200~400mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90%(w/w)、例えば少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
43.医薬組成物であって、
q)1~15mgのGLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)250~350mgのNACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成し、GLP-1作動薬が、GLP-1作動薬Cである、医薬組成物。
44.1~50mg、例えば2~40mg、または例えば3~30mgの滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態28~41のいずれかに記載の医薬組成物。
45.NACの塩100mg当たり、1~10mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態28~41のいずれかに記載の医薬組成物。
46.組成物が、経口投与用である、実施形態1~45のいずれかに記載の医薬組成物。
47.組成物が、固形組成物である、実施形態1~46のいずれかに記載の医薬組成物。
48.組成物が、錠剤、カプセル、または小袋などの固形組成物である、実施形態1~47に記載の医薬組成物。
49.医薬組成物であって、
r)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
GLP-1作動薬の放出が、15分以内に85%、または30分以内に95%に達する、医薬組成物。
50.医薬組成物であって、
s)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
t=30分での用量補正された血漿曝露量が、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの参照組成物と比較して増加する、医薬組成物。
51.医薬組成物であって、
t)GLP-1作動薬と、
a)SGLT2阻害剤と、
b)NACの塩と、を含み、
t=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)が、国際公開第2013/139694号のF/Hタイプの参照組成物と比較して増加する、医薬組成物。
52.T=0~30分の用量補正された血漿曝露量(AUC)が、少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍または少なくとも2倍増加する、実施形態49に記載の医薬組成物。
53.実施形態8、10、11、19~27、および44~50のうちの1つ以上の特徴によってさらに定義される、実施形態28~43のいずれかに記載の医薬組成物。
54.実施形態4、6~27、および44~46のうちの1つ以上の特徴によってさらに定義される、実施形態47、48、49、または50に記載の医薬組成物。
55.医薬組成物であって、
a.GLP-1作動薬と、
b.SGLT2阻害剤と、
c.NACの塩と、を含み、
当該NACの塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95%(w/w)を構成する、医薬組成物。
56.少なくとも1つの滑沢剤をさらに含む、実施形態53に記載の医薬組成物。
57.医薬組成物であって、
a.GLP-1作動薬、
b.SGLT2阻害剤、
c.NACの塩、および
d.少なくとも1つの滑沢剤からなる、医薬組成物。
58.当該NACの塩が、組成物の60%(w/w)超を構成する、実施形態1~57のいずれかに記載の医薬組成物。
59.滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態1~58のいずれかに記載の医薬組成物。
60.用量単位が、
a.1~50mgのGLP-1作動薬と、
b.1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c.50~600mgの当該NACの塩と、を含む、実施形態1~59のいずれかに記載の医薬組成物。
61.用量単位が、
a.1~50mgのGLP-1作動薬と、
b.1~50mgのSGLT2阻害剤と、
c.50~600mgの当該NACの塩と、
d.0.6~50mgの滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムと、を含む、実施形態1~60のいずれかに記載の医薬組成物。
62.GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cからなる群から選択される、実施形態1~61のいずれかに記載の医薬組成物。
63.組成物が、経口投与用の錠剤などの固形組成物である、実施形態1~62のいずれかに記載の医薬組成物。
64.組成物が、実施形態1~63のいずれかの特徴のうちの1つ以上を有する、実施形態61に記載の医薬組成物。
65.医薬品における使用のための、実施形態1~64のいずれかに記載の医薬組成物。
66.糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための、実施形態1~65のいずれかに記載の医薬組成物。
67.治療を必要とする対象における治療方法であって、実施形態1~66のいずれかに記載の治療活性量の組成物を当該対象に投与することを含む、方法。
【0159】
方法および実施例
検出および特徴付けの一般的方法
アッセイI:溶解試験
溶解試験を、適切な溶解装置、例えば、USP溶解装置2で実施し、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACのインビトロでの放出を測定するために、欧州薬局方(Ph Eur 2.9.3)に従った標準溶解試験を実施し得る。
【0160】
本明細書に記載のデータは、50rpmのパドル回転速度を使用して、米国薬局方35に従って装置2を使用して得られる。pH6.8で試験するために、0.05Mのリン酸緩衝液の500mLの溶解媒体を、37±0.5℃の温度で使用する。溶解媒体は、0.1% Brij35の含有量を有する。試料採取を適切な間隔で行った。GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの三重検出のためのRP-UHPLC方法を使用して、試料含有量を決定する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの参照のピーク面積のそれぞれに対する、クロマトグラム中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの放出量を、錠剤中の実際の含有量、すなわち、100//300mg/錠剤のSNACおよび3/12/1mg/錠剤のGLP-1作動薬(例えば、セマグルチド)のパーセンテージとして計算する。錠剤中の実際の含有量を、アッセイIIを使用して決定する。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の累積放出量を、3錠の平均として報告し、本明細書に提示されるデータを、最も高い値に正規化する。
【0161】
アッセイII:GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの量の分析
GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACを錠剤から抽出する。錠剤を、20%のアセトニトリルで、pH7.4の0.05Mのリン酸緩衝液の関連する量中に溶解する。2時間の抽出時間を使用し、分析前に試料を遠心分離する。関連するGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの標準を、試料と同じ希釈剤を使用することによって調製する。UV検出器または蛍光検出器を有するUHPLCを、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNAC含有量を決定するために使用する。試料含有量を、GLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの参照のピーク面積のそれぞれに対する、クロマトグラム中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。含有量を、3錠の平均として報告する。
【0162】
アッセイIII:ビーグル犬における薬物動態研究
ビーグル犬における薬物動態(PK)研究を行って、異なる剤形の経口投与後のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の曝露量を決定する。
【0163】
薬物動態研究のために、研究開始時に2~7、例えば1~5歳で、体重約10~15、例えば10~12kgの雄ビーグル犬を使用する。イヌを囲いに群収容し(12時間明:12時間暗)、Royal Canin Medium Adult dog(Royal Canin Products,China Branch、またはBrogaarden A/S,Denmark)を個別かつ制限的に1日1回給餌する。運動および群の社交を、可能なときはいつでも毎日許可する。イヌを、連続投与間の好適なウォッシュアウト期間を伴う反復薬物動態研究のために使用する。最初の薬物動態研究の開始前に、適切な順応期間を与える。動物の取り扱い、投薬、および採血はすべて、訓練を受けた熟練したスタッフによって実施される。研究前、イヌは一晩、および投薬後0~4時間絶食する。また、イヌは投薬1時間前から投薬4時間後まで水に制限されるが、それ以外、全期間を通して水に自由にアクセスできる。
【0164】
本明細書に記載の経口研究に使用されるGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の錠剤は、経口投与される即放性SNAC系錠剤である。
【0165】
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤を含有する錠剤を、以下の様式で投与する:錠剤投与の10分前、組成物A1、B、および4などについて、約3nmol/kgの配列番号3)をイヌに皮下投与してもよい。GLP-1およびSGLT2阻害剤の錠剤をイヌの口の奥に置いて、噛むのを防ぐ。次いで、口を閉じ、10mLまたは50mLの水道水を注射器または強制投与によって与えて、錠剤の嚥下を促進する。
【0166】
血液試料採取
GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の完全な血漿濃度-時間吸収プロファイルを十分に網羅するために、投与後240時間まで、例えば10時間までの所定の時点で血液を採取する。
【0167】
各採血時点について、約0.8mLの全血を1.5mLのEDTAコーティングチューブに採取し、チューブを静かに回転させてEDTAと混合させる。血液試料(例えば、0.8mL)をEDTA緩衝液(8mM)中に採取し、次いで、4℃および2000Gで10分間遠心分離する。血漿をドライアイス上のMicronicチューブにピペットで移し、分析まで-20℃に維持する。
【0168】
血液試料を必要に応じて、例えば、前脚の橈側皮静脈のベンフロンから最初の2時間、次いで、残りの時点については頸静脈から注射器で採取する(最初の数滴をベンフロンから排出させて、試料中のベンフロンからのヘパリン生理食塩水を防ぐ)。
【0169】
錠剤調製のための一般的方法
方法1:乾式造粒
乾式造粒を、Gerteis MINI-PACTORまたはMICRO-PACTOR上でのローラ圧縮によって行う。ローラ速度を1~7.1rpm、ローラ圧縮力を6~10kN/cm、ギャップを1~2.7mmに設定する。乾式造粒に続いて、0.63もしくは0.8mmのワイヤメッシュスクリーンまたは0.8mmのコニデュールスクリーンを使用して、成形物を顆粒に粉砕する。
【0170】
乾式造粒の前に、SNAC、MCCの一部、およびステアリン酸マグネシウムの一部をブレンドし、1つの造粒物(組成物A1、AおよびB)を構成する。さらに、乾式造粒の前に、GLP-1作動薬およびポビドン、ならびにMCCの一部をブレンドし、別の造粒物(組成物A1、A、および任意選択でSGLT2阻害剤、組成物B)を構成する。さらに、乾式造粒の前に、SNACおよびステアリン酸マグネシウム(組成物2)、ならびに任意選択でGLP-1作動薬(組成物1および3)、ならびに任意選択でSGLT2阻害剤(組成物4~7)をブレンドし、造粒物を構成する。TurbulaミキサまたはPharmatech Vシェルブレンダなどの好適なブレンダを使用する。
【0171】
方法2:錠剤調製
錠剤を、Fette 102iまたは単一パンチが取り付けられたFette 102iをシミュレートしたKilian Style One上で製造し、7mmの円形または7.2×12mmもしくは7.5×12.5mmの楕円形のスコアのない錠剤をもたらす。パンチサイズを、錠剤総重量に応じて選択する。プレス速度を20rpmに設定する。充填体積を、118.3mg~409.8mgの目標重量を有する錠剤を得るために調整する。錠剤サイズに対応して、約57~156N、例えば57~108Nの粉砕強度を有する錠剤を得るために、約7~11kN、例えば7~9.2kNの圧縮力を印加する。
【実施例
【0172】
[実施例1-組成物の調製]
異なる量のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、SNAC、およびさらなる賦形剤を有する錠剤を調製した。調製した組成物の含有量が表1に提供される。GLP-1作動薬は、セマグルチドであった。セマグルチドは、国際公開第2006/097537号、実施例4に記載される方法に従って調製され得る。SNACを、国際公開第2008/028859号に記載される方法に従って調製した。SGLT2阻害剤Aは、ダパグリフロジンプロピレングリコール溶媒和物水和物であり、SGLT2阻害剤Bは、クエン酸ダパグリフロジン(1:1)であり、SGLT2阻害剤Cは、ダパグリフロジンジL-プロリン(1:2)であった。
【0173】
組成物AおよびA1を、国際公開第2013/139694号に記載されるように概して調製し、SGLT2阻害剤を、ブレンド工程中に粒外に添加した。造粒物2を、MICRO-PACTORを使用して調製したことを除いて、組成物Bを、国際公開第2013/139694号に記載されるように概して調製した。組成物1~7を、ローラ圧縮および錠剤調製前のプロセスの以下に示されるようなわずかな変化を伴い、上記の方法1および2に記載されるように概して調製した。
【表1】
【0174】
組成物1~7を、以下の手順によって調製した。SGLT2阻害剤を、250μmまたはより細かいふるいに通した。SNACならびにステアリン酸マグネシウム(組成物2)および/またはGLP-1作動薬(組成物1および3)の正しい量を計量した。幾何学的混合原理に従って、SGLT2阻害剤(組成物1および3)ならびにGLP-1作動薬(組成物2)を、SNACならびにステアリン酸マグネシウム(組成物2)およびGLP-1作動薬(組成物1および3)造粒物と手動で混合した。幾何学的希釈の3サイクルを適用した。得られたブレンドを、25rpmで7分間など、Turbulaミキサ中で混合した。組成物4~7を、正しい量のSGLT2阻害剤、GLP-1作動薬、およびSNACを計量することによって調製した。続いて、幾何学的混合原理に従って手動で混合する。得られたブレンドを、25rpmで7分間など、Turbulaミキサ中で混合した。ステアリン酸マグネシウムをブレンド中に混合し、ブレンドを、25rpmでさらに2分間、Turbulaミキサ中で混合した。得られたブレンドの乾式造粒を方法1に従って行い、その後、錠剤を方法2に従ってこの造粒物から調製した。
【0175】
[実施例2-溶解試験]
本研究の目的は、実施例1に記載の一連の錠剤組成物の溶解を評価することであった。
【0176】
アッセイIに従って溶解を測定した。表2および表3は、上記の実施例1に従って調製された錠剤の結果を示し、ここで、放出は、実験開始時の錠剤中のGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の総量に対して、15、30、および60分後の溶液中のGLP-1作動薬およびSLGT2阻害剤の累積量をそれぞれ説明する、「溶液中のGLP-1作動薬(%)」および「溶液中のSGLT2阻害剤(%)」として提示される。錠剤中のGLP-1作動薬、SGLT2阻害剤、およびSNACの総量を、アッセイIIに従って任意選択で決定した。
【表2】
【表3】
【0177】
得られた結果は、試験した組成物が、参照組成物AおよびBについて観察されたものと比較して、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤(1-7)の両方のより迅速な放出を示すことを示す。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の有意により迅速な放出が、早期の時点、すなわち、15および30分で観察される。放出の差は、60分後にはあまり有意ではない。錠剤中のSNACの量は、GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の放出に影響を与えなかった。すなわち、100mgのSNACを含む錠剤は、15分後以降に測定した場合、300mgのSNACを含む錠剤と同じくらい迅速に溶解する。
【0178】
本明細書のアッセイIに従って、組成物1~7ならびに参照AおよびBについて、5、10、15、20、30、45、および60分後に得られたさらなるデータが、図1および2に示され、参照製剤と比較した試験組成物についての、70分でのインフィニティスピン前のすべての時点におけるGLP-1作動薬(図1)およびSGLT2阻害剤(図2)の放出の増加、ならびにGLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤のより早期の放出を実証する。
【0179】
[実施例3-経口曝露量]
実施例1に記載の組成物の経口曝露量は、イヌへの投与のために10mLの水を使用して、ビーグル犬において評価されてもよい。各製剤に対して実施される試験の数をnによって示す。GLP-1作動薬およびSGLT2阻害剤の血漿濃度を、ELISAまたはLOCIもしくはLCMSなどの類似の抗体ベースのアッセイを使用して分析する。個々の血漿濃度-時間プロファイルを、WinNonlin v.5.0またはPhoenix v.6.2もしくは6.3(Pharsight Inc.,Mountain View,CA,USA)、あるいはPK分析のための他の関連ソフトウェアにおいて、非区画モデルによって分析する。t=30分で測定した化合物曝露量を、用量/kg体重によって決定および正規化する。最初の30分間の血漿濃度-時間曲線下面積(AUC、[時間×濃度])を、経口投与後に(Pharsightプログラムによって)計算し、((用量/kg体重)*100)によって正規化して、用量補正された曝露量を得る。得られた平均値が表4に提供される。
【表4】
【0180】
組成物A1およびAと比較して、本発明に従った組成物について、加速および増加した曝露量が観察された。
【0181】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるこうしたすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
【国際調査報告】