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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】酵素阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20221019BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20221019BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20221019BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221019BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61P7/00
A61P7/02
A61P7/10
A61P9/00
A61P9/10
A61P17/00
A61P25/00
A61P25/06
A61P25/08
A61P25/28
A61P27/02
A61P31/04
A61P43/00 111
A61K31/4725
A61K31/506
A61K31/497
A61K31/501
C07D401/12
A61K31/5377
A61K31/496
A61P9/10 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503825
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 GB2020050332
(87)【国際公開番号】W WO2021032937
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】PCT/GB2019/052359
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515004935
【氏名又は名称】カルビスタ・ファーマシューティカルズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ハンナ・ジョイ
(72)【発明者】
【氏名】エバンス,デイビッド・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マッツァカニ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】オバラ,アリツィア・ステラ
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,デイビッド・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ガンシア,エマヌエーラ
(72)【発明者】
【氏名】ピッタウェイ,レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】ウリグルスワース,ジョーセフ・ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB07
4C063BB08
4C063CC15
4C063CC28
4C063CC31
4C063CC34
4C063DD10
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC30
4C086BC42
4C086BC48
4C086BC50
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA40
4C086ZA45
4C086ZA51
4C086ZA54
4C086ZA83
4C086ZA89
4C086ZB11
4C086ZB35
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は本明細書で定義された通りである)、このような化合物を含む組成物;治療におけるこのような化合物の使用;及びこのような化合物を用いて患者を処置する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
[式中、
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン及びトリアジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択され、
R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又は独立して、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
XがCである場合、R2及びR3のうちの一方は-L-V-R13であり、R2及びR3のうちの他方は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、又は
XがNである場合、R2は-L-V-R13であり、R3は存在せず、
R6、R7、R8、R9及びR10は、独立して、H、アルキル、アルコキシ,-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
Lは、結合、アルキレン及び-C(O)-から選択され、
Vは、存在しない、又はO及びNR12から選択され、
R12は、H及びアルキルから選択され、
R13は(CH0~3(ヘテロシクリル)であり、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素であり、又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、(C~C)アルコキシ、-OH、-CN、-NR14R15、-NHCOCH、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素、又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、-OH、-CN、-NHCOCH及びハロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキレンは、1~4個の炭素原子(C~C)を有する二価直鎖飽和炭化水素であり、又は3~4個の炭素原子(C~C)を有する分枝二価飽和炭化水素であり、
アルコキシは、1~3個の間の炭素原子(C~C)の直鎖O結合炭化水素又は3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝O結合炭化水素であり、アルコキシは、-OH、-CN、-CF、-N(R12)及びフルオロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
ハロはF、Cl、Br又はIであり、
ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4、5又は6員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
R14及びR15は、独立して、H及びアルキルから選択され、
R16は、H及びアルキルから選択される]
並びにその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体及び薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物。
【請求項2】
W、X、Y及びZを含有する環が、ベンゼン、ピリジン及びピリダジンから選択されるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項3】
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼンから選択されるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、請求項1若しくは請求項2に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項4】
W、X、Y及びZを含有する環がピリジンから選択されるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、請求項1若しくは請求項2に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項5】
W、X、Y及びZを含有する環がピラジンから選択されるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、請求項1若しくは請求項2に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項6】
R1、R4及びR5がHである、請求項3に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項7】
R1、R4及びR5のうちの1つが存在せず、他の2つがHである、請求項4に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項8】
R1、R4及びR5のうちの2つが存在せず、他の1つがHである、請求項5に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項9】
XがCである、請求項1~8のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項10】
R2が、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、R3が-L-V-R13である、請求項9に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項11】
R3が、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、R2が-L-V-R13である、請求項9に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項12】
Lが結合である、請求項1~11のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項13】
Lがメチレンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項14】
VがOである、請求項1~13のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項15】
R13がヘテロシクリルである、請求項1~14のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項16】
R13が-CH-ヘテロシクリルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項17】
R13上のヘテロシクリルがピペリジニルであり、ピペリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、請求項1~16のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項18】
存在する場合、NR16がNCHである、請求項1~17のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項19】
R6、R7、R8、R9及びR10がすべてHである、請求項1~18のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体及びラセミ又はスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【請求項20】
表1又は表2から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物並びに少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項22】
薬に使用するための請求項1~20のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物又は請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態の処置又は予防のための医薬の製造における、請求項1~20のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物又は請求項21に記載の医薬組成物の使用。
【請求項24】
第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1~20のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物又は請求項21に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項25】
第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態の処置の方法における使用のための、請求項1~20のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物又は請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態がブラジキニン媒介性血管性浮腫である、請求項23に記載の使用、請求項24に記載の方法又は請求項25に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項27】
ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫である、請求項26に記載の使用、請求項26に記載の方法又は請求項26に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項28】
ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性である、請求項26に記載の使用、請求項26に記載の方法又は請求項26に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項29】
第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態が、血管系透過性亢進;虚血性脳卒中及び出血を伴う事故を含む脳卒中;レチナール浮腫;糖尿病性網膜症;DME;網膜静脈閉塞;並びにAMDから選択される、請求項23に記載の使用、請求項24に記載の方法又は請求項25に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項30】
第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態が血栓性障害である、請求項23に記載の使用、請求項24に記載の方法又は請求項25に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項31】
血栓性障害が、血栓症;医療用具が血液と接触して血液を凝固させる傾向の増加に起因する血栓塞栓症;血栓形成促進性状態、例えば、汎発性血管内凝固(DIC)、静脈血栓塞栓症(VTE)、がんに伴う血栓症、機械心臓弁及び生体心臓弁に起因する合併症、カテーテルに起因する合併症、ECMOに起因する合併症、LVADに起因する合併症、透析に起因する合併症、CPBに起因する合併症、鎌状赤血球症、関節形成術、tPAに対して誘発される血栓症、パジェットシュレッター症候群及びバッドキアリ症候群;並びにアテローム動脈硬化症である、請求項30に記載の使用、請求項30に記載の方法又は請求項30に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項32】
第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態が、神経炎症;神経炎症/神経変性障害、例えば、MS(多発性硬化症);他の神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、てんかん及び片頭痛;敗血症;細菌性敗血症;炎症;血管系透過性亢進;並びにアナフィラキシーから選択される、請求項23に記載の使用、請求項24に記載の方法又は請求項25に記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【請求項33】
化合物がFXIIaを標的とする、請求項23若しくは26~32のいずれかに記載の使用、請求項24若しくは26~32のいずれかに記載の方法又は請求項25若しくは26~32のいずれかに記載の使用のための化合物、その薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物若しくは医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、因子XIIa(FXIIa)の阻害剤である酵素阻害剤及び医薬組成物及びこのような阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の化合物は因子XIIa(FXIIa)の阻害剤であり、よって、特に因子XIIa阻害が関与する疾患又は状態の処置において、いくつかの可能性のある治療上の用途を有する。
【0003】
FXIIaは、その酵素前駆体、因子XII(FXII)から誘導されるセリンプロテアーゼ(EC3.4.21.38)であり、F12遺伝子により発現する。単鎖FXIIは低レベルのアミド分解活性を有し、このアミド分解活性は負荷電の表面との相互作用により増加し、その活性化に関与してきた(Invanovら、blood.2017年3月16日;129巻(11号):1527~1537頁、doi:10.1182/blood-2016-10-744110を参照されたい)。FXIIの、FXIIaの重鎖及び軽鎖へのタンパク質分解的切断は、触媒活性を劇的に増加させる。その全重鎖を保持するFXIIaがαFXIIaである。その重鎖の小さな断片を保持するFXIIaがβFXIIaである。αFXIIa及びβFXIIaの別個の触媒活性は、FXIIaの活性化及び生化学的機能に寄与する。F12遺伝子における突然変異及び多形性はFXII及びFXIIaの切断を変化させ得る。
【0004】
FXIIaは、他の多くのセリンプロテアーゼとは異なる独特の及び特定の構造を有する。例えば、FXIIaのTyr99は活性部位の方向を向き、S2ポケットを部分的に遮断し、それに密閉特徴を付与する。Tyr99残基(例えばFXa、tPA及びFIXa)を含有する他のセリンプロテアーゼは、より開かれたS2ポケットを有する。さらに、いくつかのトリプシン様セリンプロテアーゼにおいて、P4ポケットは、P4推進性活性及び対応する阻害剤の選択性に関与する「芳香族ボックス」で覆われている。しかし、FXIIaの「芳香族ボックス」は不完全であり、その結果、より開かれたP4ポケットがもたらされる。例えば、「Crystal structures of the recombinant β-factor XIIa protease with bound Thr-Arg and Pro-Arg substrate mimetics」、M.Pathakら、Acta.Cryst.2019年、D75、 1~14頁; 「Structures of human plasma β-factor XIIa cocrystallized with potent inhibitors」、A Dementievら、Blood Advances 2018年、2巻(5号)、549~558頁;「Design of Small-Molecule Active-Site Inhibitors of the S1A Family Proteases as Procoagulant and Anticoagulant Drugs」、P.M.Fischer、J.Med.Chem.、2018年、61巻(9号)、3799~3822頁;「Assessment of the protein interaction between coagulation factor XII and corn trypsin inhibitor by molecular docking and biochemical validation」、B.K.Hamadら、Journal of Thrombosis and Haemostasis、15巻:1818~1828頁を参照されたい。
【0005】
FXIIaは、血漿プレカリクレイン(PK)を血漿カリクレイン(PKa)に変換し、この変換はFXIIのFXIIaへの正のフィードバック活性化をもたらす。FXII、PK及び高分子キニノゲン(HK)は総合して接触系を表す。接触系はいくつかの機序を介して活性化され、この機序は、接触系の構成成分の集合を媒介するような負荷電表面、負荷電分子、折り畳まれていないタンパク質、人工的表面、外来性組織(例えば生体プロテーゼの心臓弁及び臓器/組織移植を含む生物学的移植)、細菌及び生物学的表面(内皮及び細胞外マトリクスを含む)との相互作用を含む。加えて、接触系はプラスミンにより活性化され、他の酵素によるFXIIの切断はその活性化を促進することができる。
【0006】
接触系の活性化は、カリクレインキニン系(KKS)、補体システム及び内因性凝固経路(https://www.genome.jp/kegg-bin/show_pathway?map04610を参照されたい)の活性化もたらす。加えて、FXIIaは、直接的にも、PKaを介して間接的にも追加の基質を有し、これらの基質にはFXIIaの生物学的活性に寄与することができるプロテアーゼ活性化受容体(PAR)、プラスミノゲン及びニューロペプチドY(NPY)が含まれる。FXIIaの阻害は、これらの系、経路、受容体及びホルモンに関連する疾患及び状態を処置することによる臨床上の利益を提供することができる。
【0007】
PKaによるPAR2の活性化は神経炎症を媒介し、多発性硬化症を含む神経炎症障害の原因となり得る(Gobelら、Proc Natl Acad Sci USA.、2019年1月2日;116巻(1号):271~276頁、doi: 10.1073/pnas.1810020116を参照されたい)。血管平滑筋細胞上でのPKaによるPAR1及びPAR2の活性化は、血管系肥厚及びアテローム動脈硬化症に関与する(Abdallahら、J Biol Chem.、2010年11月5日;285巻(45号):35206~15頁、doi:10.1074/jbc.M110.171769を参照されたい)。FXIIaによるプラスミノゲンのプラスミンへの活性化は、線維素溶解の原因となる(Koningsら、Thromb Res.、2015年8月;136巻(2号):474~80頁、doi:10.1016/j.thromres.2015.06.028を参照されたい)。PKaはタンパク質分解性によりNPYを切断し、これによってNPY受容体へのその結合が変化する(Abidら、J Biol Chem.、2009年9月11日;284巻(37号):24715~24頁、doi:10.1074/jbc.M109.035253)。FXIIaの阻害は、PARシグナル伝達、NPY代謝及びプラスミノゲン活性化により引き起こされる疾患及び状態を処置することによる臨床上の利益を提供することができる。
【0008】
KKSのFXIIa媒介性活性化は、ブラジキニン(BK)の産生を結果として生じ、このブラジキニンは、例えば、血管性浮腫、疼痛、炎症、血管系透過性亢進及び血管拡張を媒介し得る(Kaplanら、Adv Immunol.、2014年;121巻:41~89頁、doi:10.1016/B978-0-12-800100-4.00002-7;及びHoppら、J Neuroinflammation.、2017年2月20日;14巻(1号):39頁、doi:10.1186/s12974-017-0815-8を参照されたい)。CSL-312、すなわちFXIIaに対する抗体阻害物質は現在、C1インヒビター欠損と正常C1インヒビター遺伝性血管性浮腫(HAE)との両方の予防法及び処置に対して治験を受けており、C1インヒビター欠損とHAEは、顔、手、喉、胃腸管及び生殖器の断続的腫脹を結果として生じる(https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03712228を参照されたい)。FXIIaへのその活性化を促進するFXIIの突然変異は、HAEの原因として特定された(Bjorkqvistら、J Clin Invest.、2015年8月3日;125巻(8号):3132~46頁.、doi:10.1172/JCI77139;及びde Maatら、J Allergy Clin Immunol.、2016年11月;138巻(5号):1414~1423頁、e9.doi:10.1016/j.jaci.2016.02.021を参照されたい)。FXIIaはPKのPKaへの産生を媒介するので、FXIIaの阻害剤は、HAE及び非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫(BK-AEnH)を含む、すべての形態のBK媒介性血管性浮腫の保護作用を提供することができる。
【0009】
「遺伝性血管性浮腫」は、遺伝性機能障害/欠陥/突然変異により引き起こされるブラジキニン媒介性血管性浮腫(例えば激しい腫脹)の再発エピソードを特徴とする任意の障害と定義することができる。現在HAEの3種の公知のカテゴリーが存在する:(i)HAE1型、(ii)HAE2型及び(iii)正常C1インヒビターHAE(正常C1-Inh HAE)。しかし、HAEの病因の特徴付けについての研究は進行中であるため、将来的にはさらなる種類のHAEが定義され得ることが予想される。
【0010】
理論に制約されることを望むことなく、HAE1型は、血液中のC1インヒビターレベルの減少をもたらすセルピンG1遺伝子における突然変異により引き起こされると考えられている。理論に制約されることを望むことなく、HAE2型は、血液中のC1インヒビターの機能障害をもたらすセルピンG1遺伝子の突然変異により引き起こされると考えられている。理論に制約されることを望むことなく、正常C1-Inh HAEの原因は、あまり十分に定義されておらず、根底にある遺伝的機能障害/欠陥/突然変異は時には未知のままであることもある。知られていることは、正常C1-Inh HAEの原因は、C1インヒビターのレベルの減少又は機能障害に関係していないということである(これはHAE1及び2型とは対照的である。)。正常C1-Inh HAEは、家族歴を見直し、血管性浮腫が過去の世代からの遺伝である(よって、それは遺伝性血管性浮腫である。)ことに注目することにより診断することができる。正常C1-Inh HAEはまた、C1インヒビターに関係するもの以外の遺伝子に機能障害/欠陥/突然変異があると判定することにより診断することができる。例えば、プラスミノゲンの機能障害/欠陥/突然変異は正常C1-Inh HAEを引き起こし得ることが報告されている(例えば、Veronezら、Front Med(Lausanne).、2019年2月21日;6巻:28頁.、doi:10.3389/fmed.2019.00028;又はReckeら、Clin Transl Allergy.、2019年2月14日;9:9.doi:10.1186/s13601-019-0247-x.を参照されたい)。因子XIIの機能障害/欠陥/突然変異は、正常C1-Inh HAEを引き起こし得ることもまた報告されている(例えば、Mansiら、2014 The Association for the Publication of the Journal of Internal Medicine Journal of Interna l Medicine、2015年、277巻;585~593頁;又はMaatら、J Thromb Haemost.、2019年1月;17巻(1号):183~194頁、doi:10.1111/jth.14325を参照されたい)。
【0011】
しかし、血管性浮腫は必ずしも遺伝するものではない。実際に、別のクラスの血管性浮腫はブラジキニン媒介性血管性浮腫非遺伝性(BK-AEnH)であり、これは遺伝性遺伝子機能異常/欠陥/突然変異により引き起こされたものではない。多くの場合、BK-AEnHの根底にある原因は未知であり及び/又は定義されていない。しかし、BK-AEnHの兆し及び症状はHAEのものと類似であり、理論に拘束されることなく、HAEとBK-AEnHとの間で共有されているブラジキニン媒介性経路によるものと考えられる。具体的には、BK-AEnHは、流体が血管の外側に蓄積し、血液又はリンパ液の正常な流れを遮断し、例えば、手、足、肢、顔、腸管、気道又は生殖器などの組織の急速な腫脹を引き起こす再発性急性発作を特徴とする。
【0012】
特定の種類のBK-AEnHとして以下が挙げられる:正常C1インヒビターを有する非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh)(環境性、ホルモン又は薬物誘発性であることができる);後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤誘発性血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)。しかし、これらの因子及び状態が比較的に小さな割合の個人にのみ血管性浮腫を引き起こす理由は未知である。
【0013】
AE-nC1 Inhを誘発することができる環境因子として、空気汚染(Kedarisettyら、Otolaryngol Head Neck Surg.、2019年4月30日:194599819846446.doi:10.1177/0194599819846446)及びヘルスケア製品、生物医学的製品及び消費者製品において抗菌剤の構成成分として使用されているような銀ナノ粒子(Longら、Nanotoxicology.、2016年;10巻(4号):501~11頁、doi:10.3109/17435390.2015.1088589)が挙げられる。
【0014】
様々な刊行物は、ブラジキニンと接触系経路とBK-AEnHとの間の関連、さらに処置の潜在的有効性を示唆している。例えば:Basら(N Engl J Med 2015年;Leibfried and Kovary.J Pharm Pract 2017年);van den Elzenら、(Clinic Rev Allerg Immunol 2018年);Hanら(JCI 2002年)を参照されたい。
【0015】
例えば、BK投薬治療を受けているAEは、血栓溶解療法により引き起こされる可能性がある。例えば、tPA誘発性血管性浮腫は、急性脳卒中の患者における血栓溶解療法後の潜在的に生命にかかわる合併症として、様々な刊行物において論じられている(例えば、Simaoら、Blood.2017年4月20日;129巻(16号):2280~2290頁. 、doi:10.1182/blood-2016-09-740670;Frohlichら、Stroke.2019年6月11日:STROKEAHA119025260.doi:10.1161/STROKEAHA.119.025260;Rathbun,Oxf Med Case Reports.、2019年1月24日;2019年(1巻):omy112.doi:10.1093/omcr/omy112;Lekoubouら、Neurol Res.、2014年7月;36巻(7号):687~94頁.、doi:10.1179/1743132813Y.0000000302;Hillら、Neurology.、2003年5月13日;60巻(9号):1525~7頁を参照されたい)。
【0016】
Stoneら(Immunol Allergy Clin North Am.、2017年8月;37巻(3号):483~495頁)は、ある特定の薬物は血管性浮腫を引き起こす可能性があることを報告している。
【0017】
Scottら(Curr Diabetes Rev.、2018年;14巻(4号):327~333頁、doi:10.2174/1573399813666170214113856)ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤誘発性血管性浮腫の症例を報告している。
【0018】
Hermanrudら、(BMJ Case Rep.2017年1月10日;2017.pii:bcr2016217802)はジペプチジルペプチダーゼIVの薬理学的阻害に伴う再発性血管性浮腫を報告し、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI-AAE)に関係した後天性血管性浮腫についても論じている。Kimら、(Basic Clin Pharmacol Toxicol.2019年1月;124巻(1号):115~122頁、doi:10.1111/bcpt.13097)はアンジオテンシンII受容体遮断剤(ARB)に関連した血管性浮腫について報告している。Reichmanら、(Pharmacoepidemiol Drug Saf.2017年10月;26巻(10号):1190~1196頁、doi:10.1002/pds.4260)もまたACE阻害剤、ARB阻害剤及びβ遮断剤を服用している患者に対する血管性浮腫の危険性について報告している。Diestroら(J Stroke Cerebrovasc Dis、2019年5月;28巻(5号):e44~e45頁、doi:10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2019.01.030)はまたある特定の血管性浮腫とARBとの間の可能性のある結合について報告している。
【0019】
Giardら(Dermatology.2012年;225巻(1号):62~9頁、doi:10.1159/000340029)は、エストロゲン避妊により沈殿し得るブラジキニン媒介性血管性浮腫、いわゆる「エストロゲンに伴う血管性浮腫」について報告している。
【0020】
KKSの接触系媒介性活性化もまたレチナール浮腫及び糖尿病性網膜症に関与する(Liuら、Biol Chem.、2013年3月;394巻(3号):319~28頁、doi:10.1515/hsz-2012-0316を参照されたい)。進行性糖尿病性網膜症を有する患者からの硝子体流体及び糖尿病性黄斑浮腫(DME)においてFXIIa濃度は増加している(Gaoら、Nat Med.、2007年2月;13巻(2号):181~8頁、Epub、2007年1月28日及びGaoら、J Proteome Res.、2008年6月;7巻(6号):2516~25頁、doi:10.1021/pr800112gを参照されたい)。FXIIaは、血管内皮成長因子(VEGF)の独立したDME(Kitaら、Diabetes.、2015年10月;64巻(10号):3588~99頁、doi:10.2337/db15-0317を参照されたい)とVEGF媒介性DME(Clermontら、Invest Ophthalmol Vis Sci.、2016年5月1日;57巻(6号):2390~9頁、doi:10.1167/iovs.15-18272を参照されたい)との両方の媒介に関与する。FXII欠損症は、マウスにおけるVEGF誘発性レチナール浮腫に対する防御である(Clermontら、ARVO talk 2019年)。したがって、FXIIa阻害は、DME、網膜静脈閉塞、加齢黄斑変性(AMD)を含むレチナール血管系透過性亢進により引き起こされる糖尿病性網膜症及びレチナール浮腫に対する治療効果を提供することが提案されてきた。
【0021】
上述のように、接触系は、細菌との相互作用により活性化され得るので、FXIIaは敗血症及び細菌性敗血症の処置に関与する(Morrisonら、J Exp Med.、1974年9月1日;140巻(3号):797~811頁を参照されたい)。したがって、FXIIa阻害剤は、敗血症、細菌性敗血症及び多発性血管内凝固(DIC)を処置することにおいて治療利益を提供することができる。
【0022】
KKSのFXIIa媒介性活性化及びBKの産生は、アルツハイマー病、多発性硬化症、てんかん及び片頭痛を含む神経変性疾患に関与する(Zamolodchikovら、 Proc Natl Acad Sci USA.2015年3月31日;112巻(13号):4068~73頁、doi:10.1073/pnas.1423764112; Simoesら、J Neurochem.、2019年8月;150巻(3):296~311頁、doi:10.1111/jnc.14793;Gobelら、Nat Commun.、2016年5月18日;7巻:11626頁、doi:10.1038/ncomms11626;及びhttps://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03108469を参照されたい)。したがって、FXIIa阻害剤は、これら神経変性疾患の進行及び臨床症候を減少させることにおいて治療利益を提供する。
【0023】
FXIIaはまたアナフィラキシーにも関与する(Benderら、Front Immunol.、2017年9月15日;8巻:1115頁、doi:10.3389/fimmu.2017.01115;及びSala-Cunillら、J Allergy Clin Immunol.、2015年4月;135巻(4号):1031~43頁、e6.doi:10.1016/j.jaci.2014.07.057を参照されたい)。したがって、FXIIa阻害剤は、アナフィラキシー反応の臨床的重症度及び発症率を減少させることにおいて治療利益を提供する。
【0024】
凝固におけるFXIIaの役割は50年以上も前に特定され、生化学的、薬理学的、遺伝的及び分子の実験を使用して刊行物に広範囲にわたり記録されてきた(Davieら、Science.、1964年9月18日;145巻(3638号):1310~2頁を参照されたい)。因子XI(FXI)のFXIIa媒介性活性化は内因性凝固経路を引き起こす。加えて、FXIIaは、FXIとは独立した方式で凝固を増加させることができる(Radcliffeら、Blood.、1977年10月;50巻(4号):611~7頁;及びPuyら、J Thromb Haemost.、2013年7月;11巻(7号):1341~52頁、doi:10.1111/jth.12295参照されたい)。FXII欠損症が、うっ血に悪影響を及ぼさずに活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を長引かせることは、ヒト実験でも実験動物モデル実験でも実証されている(Renneら、J Exp Med.、2005年7月18日;202巻(2号):271~81頁;及びSimaoら、Front Med(Lausanne).、2017年7月、31巻;4号:121頁、doi:10.3389/fmed.2017.00121を参照されたい)。FXIIaの薬理学的阻害はまた、出血を増加させずにAPTTを長引かせる(Wormら、Ann Transl Med.、2015年10月;3巻(17号):247頁、doi:10.3978/j.issn.2305-5839.2015.09.07を参照されたい)。これらのデータは、FXIIaの阻害が出血を阻害することなく血栓症に対する治療効果を提供することができることを示唆している。したがって、FXIIa阻害剤は、静脈血栓塞栓症(VTE);がんに伴う血栓症;機械心臓弁及び生体心臓弁、カテーテル、体外式膜型人工肺(ECMO)、左室補助人工心臓(LVAD)、透析、人工心肺(CPB)に起因する合併症;鎌状赤血球症、関節形成術、tPA誘発性血栓症、パジェットシュレッター症候群並びにバッドキアリ症候群を含む一連の血栓形成促進性の状態を処置するために使用することができる。FXIIa阻害剤は、これらの状態に伴う血栓症、浮腫及び炎症の処置及び/又は予防に使用することができる。
【0025】
血液と接触する医療用具の表面は血栓症を引き起こす可能性がある。FXIIa阻害剤はまた、デバイスが血液と接触し、血液を凝固する傾向を低下させることにより、血栓塞栓症を処置又は予防するのに有用となり得る。血液と接触するデバイスの例として、血管系グラフト、ステント、留置用カテーテル、外部カテーテル、整形外科用人工器官及び体外循環システムが挙げられる。
【0026】
FXIIaが虚血性脳卒中及び出血を伴う事故の後の脳卒中及びその合併症の一因となることを示すことが臨床前実験により示されている(Barbieriら、J Pharmacol Exp Ther.、2017年3月;360巻(3号):466~475頁、doi:10.1124/jpet.116.238493;Krupkaら、PLoS One.2016年1月27日;11巻(1号):e0146783頁、 doi:10.1371/journal.pone.0146783;Leungら、Transl Stroke Res.、2012年9月;3巻(3号):381~9頁、doi:10.1007/s12975-012-0186-5; Simaoら、Blood.、2017年4月20日;129巻(16号):2280~2290頁、doi:10.1182/blood-2016-09-740670;及びLiuら、Nat Med.、2011年2月;17巻(2号):206~10頁、doi:10.1038/nm.2295を参照されたい)。したがって、FXIIaの阻害は、脳卒中を有する患者の処置において臨床的神経系結果を改善することができる。
【0027】
FXII欠損症は、Apoe-/-マウスにおける動脈硬化性病変の形成を減少させることが示されている(Didiasovaら、Cell Signal.、2018年11月;51巻:257~265頁、doi:10.1016/j.cellsig.2018.08.006)。したがって、FXIIa阻害剤はアテローム動脈硬化症の処置に使用することができる。
【0028】
FXIIaは、直接的又はPKaを介して間接的に、補体系を活性化することが示されている(Ghebrehiwetら、Immunol Rev.、2016年11月;274巻(1号):281~289頁、doi:10.1111/imr.12469)。BKは網膜の補体C3を増加させ、硝子体における補体C3の増加はDMEに伴う(Murugesanら、Exp Eye Res.、2019年7月24日;186巻:107744頁、doi:10.1016/j.exer.2019.107744)。FXIIaもPKaも補体系を活性化する(Irmscherら、J Innate Immun.、2018年;10巻(2号):94~105頁、doi:10.1159/000484257及びGhebrehiwetら、J Exp Med.、1981年3月1日;153巻(3号):665~76頁を参照されたい)。
【0029】
FXIIa阻害剤と言われている化合物は、Raoら(「Factor XIIa Inhibitors」国際公開第2018/093695号)、Hicksら(「Factor XIIa Inhibitors」国際公開第2018/093716号)、Breslowら(「Aminotriazole immunomodulators for treating autoimmune diseases」国際公開第2017/123518号)及びPondaら(「Aminacylindazole immunomodulators for treatment of autoimmune diseases」国際公開第2017/205296号及び「Pyranopyrazole and pyrazolopyridine immunomodulators for treatment of autoimmune diseases」国際公開第2019/108565号)により記載されてきた。FXII/FXIIa阻害剤は、Nolteらにより記載されていると言われている(「Factor XII inhibitors for the administration with medical procedures comprising contact with artificial surfaces」国際公開第2012/120128号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】国際公開第2018/093695号
【特許文献2】国際公開第2018/093716号
【特許文献3】国際公開第2017/123518号
【特許文献4】国際公開第2017/205296号
【特許文献5】国際公開第2019/108565号
【特許文献6】国際公開第2012/120128号
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】Invanovら、blood.2017年3月16日;129巻(11号):1527~1537頁、doi:10.1182/blood-2016-10-744110
【非特許文献2】「Crystal structures of the recombinant β-factor XIIa protease with bound Thr-Arg and Pro-Arg substrate mimetics」、M.Pathakら、Acta.Cryst.2019年、D75、 1~14頁
【非特許文献3】「Structures of human plasma β-factor XIIa cocrystallized with potent inhibitors」、A Dementievら、Blood Advances 2018年、2巻(5号)、549~558頁
【非特許文献4】「Design of Small-Molecule Active-Site Inhibitors of the S1A Family Proteases as Procoagulant and Anticoagulant Drugs」、P.M.Fischer、J.Med.Chem.、2018年、61巻(9号)、3799~3822頁
【非特許文献5】「Assessment of the protein interaction between coagulation factor XII and corn trypsin inhibitor by molecular docking and biochemical validation」、B.K.Hamadら、Journal of Thrombosis and Haemostasis、15巻:1818~1828頁
【非特許文献6】Gobelら、Proc Natl Acad Sci USA.、2019年1月2日;116巻(1号):271~276頁、doi:10.1073/pnas.1810020116
【非特許文献7】Abdallahら、J Biol Chem.、2010年11月5日;285巻(45号):35206~15頁、doi:10.1074/jbc.M110.171769
【非特許文献8】Koningsら、Thromb Res.、2015年8月;136巻(2号):474~80頁、doi:10.1016/j.thromres.2015.06.028
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【非特許文献20】Basら(N Engl J Med 2015年;Leibfried and Kovary.J Pharm Pract 2017年)
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかし、広範囲な障害、特に血管性浮腫;以下を含むHAE:(i)HAE1型、(ii)HAE2型及び(iii)正常C1インヒビターHAE(正常C1-Inh HAE);AE-nC1 Inh、ACE及びtPA誘発性血管性浮腫を含むBK-AEnH;血管系透過性亢進;虚血性脳卒中及び出血を伴う事故を含む脳卒中;レチナール浮腫;糖尿病性網膜症;DME;網膜静脈閉塞;AMD;神経炎症;神経炎症/神経変性障害、例えば、MS(多発性硬化症);他の神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、てんかん及び片頭痛;敗血症;細菌性敗血症;炎症;アナフィラキシー;血栓症;医療用具が血液と接触して血液を凝固させる傾向の増加に起因する血栓塞栓症;汎発性血管内凝固(DIC)、静脈血栓塞栓症(VTE)、がんに伴う血栓症、機械心臓弁及び生体心臓弁に起因する合併症、カテーテルに起因する合併症,ECMOに起因する合併症、LVADに起因する合併症、透析に起因する合併症、CPBに起因する合併症、鎌状赤血球症、関節形成術、tPAに対して誘発される血栓症、パジェットシュレッター症候群及びバッドキアリ症候群を含む血栓形成促進性状態;並びにアテローム動脈硬化症を処置する有用性を有する新規FXIIa阻害剤を開発する必要性が依然として存在する。特に、新規FXIIa阻害剤を開発する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、第XIIa因子(FXIIa)の阻害剤である一連のアミン誘導体に関する。本発明の化合物は、因子XIIa阻害が関与する疾患又は状態の処置に潜在的に有用である。本発明は、阻害剤の医薬組成物、組成物の治療剤としての使用及びこれらの組成物を使用する処置の方法にさらに関する。
【0034】
本発明は、式(I)の化合物
【0035】
【化1】
[式中、
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン及びトリアジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択され、
R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又は独立して、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
XがCである場合、R2及びR3のうちの一方は-L-V-R13であり、R2及びR3のうちの他方は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、又は
XがNである場合、R2は-L-V-R13であり、R3は存在せず、
R6、R7、R8、R9及びR10は、独立して、H、アルキル、アルコキシ,-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
Lは、結合、アルキレン及び-C(O)-から選択され、
Vは存在しない、又はO及びNR12から選択され、
R12は、H及びアルキルから選択され、
R13は(CH0~3(ヘテロシクリル)であり、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、(C~C)アルコキシ、-OH、-CN、-NR14R15、-NHCOCH、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、-OH、-CN、-NHCOCH及びハロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキレンは、1~4個の炭素原子(C~C)を有する二価直鎖飽和炭化水素又は3~4個の炭素原子(C~C)を有する分枝二価飽和炭化水素であり、
アルコキシは、1~3個の間の炭素原子(C~C)の直鎖O結合炭化水素又は3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝O結合炭化水素であり、アルコキシは、-OH、-CN、-CF、-N(R12)及びフルオロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
ハロはF、Cl、Br又はIであり、
ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4、5又は6員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
R14及びR15は、独立して、H及びアルキルから選択され、
R16は、H及びアルキルから選択される]
並びにその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体及び薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の化合物は、FXIIaの阻害剤となるよう開発されてきた。上述のように、FXIIaは独特な特異結合部位を有し、小分子FXIIa阻害剤に対する必要性が存在する。
【0037】
本発明はまた、本明細書で定義された化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物のプロドラッグを提供する。
【0038】
本発明はまた、本明細書で定義された化合物のN-オキシド又はそのプロドラッグ又は薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物を提供する。
【0039】
本発明のある化合物は、溶媒和形態、例えば水和形態並びに非溶媒和形態で存在し得ることを理解されたい。本発明はすべてのこのような溶媒和形態を包含することを理解されたい。
【0040】
「その薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物」とは、「その薬学的に許容される塩」、「その薬学的に許容される溶媒和物」及び「その塩の薬学的に許容される溶媒和物」を意味することを理解されたい。
【0041】
置換基は、その遊離の未結合構造(例えばピペリジン)として又はその結合構造(例えばピペリジニル)により命名することができることを理解されたい。いかなる差異も意図されてはいない。
【0042】
本発明の化合物はいくつかの置換基を含むことを理解されたい。これらの置換基のいずれかが本明細書でより具体的に定義されている場合、特に他の記載がない限り、上記に記載されているこれらの基に対する置換基/任意選択の置換基もまた適用される。例えば、R13は-(CH0~3ヘテロシクリルであることができ、より具体的にはピペリジニルであることができる。この場合、ピペリジニルは「ヘテロシクリル」と同じ方式で任意選択的に置換されていてもよい。
【0043】
「アルキレン」は2つの遊離原子価を有する、すなわち、アルキレンは二価であり、これは二度結合することが可能であることを意味することを理解されたい。例えば、A’’上の2個の隣接する環原子がアルキレンで連結されて、シクロペンタンを形成する場合、アルキレンは-CHCHCH-である。
【0044】
任意の変数(例えばアルキル)が一度より多く生じる場合、存在する各々におけるその定義はすべての他の存在とは無関係であることを理解されたい。
【0045】
置換基及び変数の組合せは、このような組合せが安定した化合物をもたらす場合のみ許容できることを理解されたい。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫」という用語は、遺伝性血管性浮腫及び任意の非遺伝性ブラジキニン-媒介性血管性浮腫を意味する。例えば、「ブラジキニン媒介性血管性浮腫」は未知の起源の遺伝性血管性浮腫及び急性ブラジキニン媒介性血管性浮腫を包含する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「遺伝性血管性浮腫」という用語は、遺伝性遺伝子機能異常、欠陥又は突然変異に起因する任意のブラジキニン媒介性血管性浮腫を意味する。その結果、「HAE」という用語は、少なくともHAE1型、HAE2型及び正常C1インヒビターHAE(正常C1-Inh HAE)を含む。
【0048】
本発明はまた、付随する番号付けされた実施形態でも記載されている。
【0049】
上述のように、式(I)において、W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン及びトリアジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0050】
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン及びピラジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよい。
【0051】
特に、W、X、Y及びZを含有する環がベンゼンであるように、W、X、Y及びZは、それぞれ独立して、Cであってよい。
【0052】
代わりに、W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0053】
代わりに、W、X、Y及びZを含有する環がピリダジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0054】
代わりに、W、X、Y及びZを含有する環がピリミジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0055】
代わりに、W、X、Y及びZを含有する環がピラジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0056】
代わりに、W、X、Y及びZを含有する環がトリアジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択される。
【0057】
WがNである場合、R1は存在しない。
【0058】
XがNである場合、R3は存在しない。
【0059】
YがNである場合、R4は存在しない。
【0060】
ZがNである場合、R5は存在しない。
【0061】
上記に記載されているW、X、YZに対する可能性のある選択肢と組み合わせて、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又は独立して、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択される。
【0062】
上に記載されているように、WがNである場合、R1は存在しない。代わりに、WがCである場合、R1は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択されてもよい。
【0063】
R1はHであってよい。代わりに、R1はアルキルであってよく、特にメチル又はエチルであってよい。代わりに、R1はアルコキシであってよく、特にメトキシであってよい。代わりに、R1は-OHであってよい。代わりに、R1は-CFであってよい。代わりにR1は-CNであってよい。代わりにR1はハロであってよく、特にCl又はFであってよい。代わりに、R1は-COOR12であってよい。代わりに、R1は-CONR14R15であってよく、特に、-CONHであってよい。
【0064】
上に記載されているように、YがNである場合、R4は存在しない。代わりに、YがCである場合、R4は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択されてもよい。
【0065】
R4はHであってよい。代わりに、R4はアルキルであってよく、特にメチル又はエチルであってよい。代わりに、R4はアルコキシであってよく、特にメトキシであってよい。代わりに、R4は-OHであってよい。代わりに、R4は-CFであってよい。代わりにR4は-CNであってよい。代わりにR4はハロであってよく、特にCl又はFであってよい。代わりに、R4は-COOR12であってよい。代わりに、R4は-CONR14R15であってよく、特に、-CONHであってよい。
【0066】
上に記載されているように、ZがNである場合、R4は存在しない。代わりに、ZがCである場合、R5はH、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択されてもよい。
【0067】
R5はHであってよい。代わりに、R5はアルキルであってよく、特にメチル又はエチルであってよい。代わりに、R5はアルコキシであってよく、特にメトキシであってよい。代わりに、R5は-OHであってよい。代わりに、R5は-CFであってよい。代わりにR5は-CNであってよい。代わりにR5はハロであってよく、特にCl又はFであってよい。代わりに、R5は-COOR12であってよい。代わりに、R5は-CONR14R15であってよく、特に、-CONHであってよい。
【0068】
好ましくは、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHである。
【0069】
W、X、Y、Z、R1、R4及びR5に対する上記の定義と組み合わせて、XがCである場合、R2及びR3のうちの一方は-L-V-R13であり、R2及びR3のうちの他方は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、又はXがNである場合、R2は-L-V-R13であり、R3は存在しない。
【0070】
一実施形態では、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、R3は-L-V-R13である。このような実施形態では、R2はH又はアルキルであってよく、特にメチル又はエチルであってよい。好ましくは、R2はHである。
【0071】
代わりに、XはCであり、R2は-L-V-R13であり、R3は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、R3は-L-V-R13である。このような実施形態では、R3はH又はアルキルであってよく、特にメチル又はエチルであってよい。好ましくは、R2はHである。
【0072】
好ましくは、XがCである場合、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、R3は-L-V-R13である。このような好ましい実施形態では、R2は好ましくはHである。
【0073】
-L-V-R13基において、Lは、結合、アルキレン及び-C(O)-から選択され、Vは存在しない、又はO及びNR12から選択され、R12はH及びアルキルから選択され、R13は(CH0~3(ヘテロシクリル)である。
【0074】
好ましくは、Lは結合又はメチレンである。
【0075】
好ましくは、Vは存在しない、又はOである。
【0076】
R13は(CH0~3(ヘテロシクリル)であり、好ましくはCH(ヘテロシクリル)又は-(ヘテロシクリル)である。
【0077】
好ましいヘテロシクリル基は、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する6員炭素含有非芳香環を含み、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。好ましくは、ヘテロシクリルはピペリジニル、すなわち1つのNR16を含有する、6員炭素含有非芳香族である。好ましくは、R16はCHである。
【0078】
一部の実施形態では、Lは結合であり、VはOであり、R13はCH(ヘテロシクリル)であり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0079】
代替の実施形態では、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0080】
さらなる実施形態では、Lはアルキレンであり、好ましくはメチレンであり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0081】
上に記載されているように、R6、R7、R8、R9及びR10は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択される。
【0082】
好ましくはR6、R7、R8、R9及びR10は、独立して、H及びアルキルから選択され、好ましくはHである。
【0083】
一実施形態では、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。
【0084】
R14及びR15は、独立して、H及びアルキルから選択される。R14及びR15は、同一であっても又は異なっていてもよい。一実施形態では、R14及びR15は同一であり、Hである。
【0085】
R16はH及びアルキルから選択される。好ましくは、R16はアルキルであり、特に、-CHである。
【0086】
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン及びピラジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2はH、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、より好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はCH(ヘテロシクリル)であり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0087】
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン及びピラジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0088】
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン及びピラジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、
R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lはアルキレンであり、好ましくはメチレンであり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0089】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がベンゼンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5はすべてHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択される、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0090】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0091】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されていてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lはアルキレンであり、好ましくはメチレンであり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0092】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はCH(ヘテロシクリル)であり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0093】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R3は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R2は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0094】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピラジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はCH(ヘテロシクリル)であり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHである。特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0095】
好ましくは、W、X、Y及びZを含有する環がピラジンであるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択されてもよく、R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又はHであり、XはCであり、R2は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、好ましくはH又はアルキルであり、好ましくはHであり、R3は-L-V-R13であり、Lは結合であり、VはOであり、R13はヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは上で定義されたように置換されていてもよく、好ましくは、ヘテロシクリルはNR16を含有する6員炭素含有非芳香環であり、R16はアルキルであり、好ましくはメチルであり、R6、R7、R8、R9及びR10はすべて同一であり、すべてHであり、特に、R13上のヘテロシクリルはピペリジニルであり、ピペリジニルはヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよく、好ましくはピペリジニルのN原子はアルキル基で置換されており、好ましくはメチルで置換されているのが好ましい。
【0096】
本発明はまた、これらに限定されないが、以下の表1又は表2の中の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物を包含する。
【0097】
本発明の化合物は、表1並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物から選択することができる。
【0098】
本発明の化合物は、表2並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物から選択することができる。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
好ましくは、式(I)の化合物は、
【0102】
【化2】
並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物から選択される。
【0103】
本発明の化合物は、実施例18.03、18.04、18.05、18.08、18.1、18.11、18.12、18.15、18.17、18.18、18.202、18.01、18.06、18.07、18.14、18.206、18.209、18.21、18.211及び18.212;並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物から選択することができる。
【0104】
好ましくは、本発明の化合物は、実施例18.03、18.04、18.05、18.08、18.1、18.11、18.12、18.15、18.17、18.18及び18.202;並びにその薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物から選択することができる。
【0105】
治療上の用途
上述のように、本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)及びこの化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を含む医薬組成物はFXIIaの阻害剤である。したがって、これらはFXIIaが原因因子である疾患状態の処置に有用である。
【0106】
したがって、本発明は、薬に使用するための、本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)又は本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を含む医薬組成物を提供する。
【0107】
本発明はまた、FXIIa活性が関与する疾患又は状態の処置又は予防のための医薬の製造における、本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)又は本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を含む医薬組成物の使用を提供する。
【0108】
本発明はまた、FXIIa活性が関与する疾患又は状態の処置の方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)又は本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0109】
上で論じられた通り、FXIIaは、血漿プレカリクレインからの血漿カリクレインの変換を媒介することができる。次いで、血漿カリクレインは、高分子キニノゲンの切断を引き起こして、強力な炎症性ホルモンであるブラジキニンを産生することができる。FXIIaの阻害は、血漿カリクレイン産生を阻害する(又は予防さえもする)能力を有する。よって、FXIIa活性が関与する疾患又は状態はブラジキニン媒介性血管性浮腫であり得る。
【0110】
ブラジキニン媒介性血管性浮腫は非遺伝性であり得る。例えば、非遺伝性ブラジキニン媒介性血管性浮腫は、正常C1インヒビターを有する非遺伝性血管性浮腫(AE-nC1 Inh)、(環境性、ホルモン又は薬物誘発性で有り得る);後天性血管性浮腫;アナフィラキシーに伴う血管性浮腫;アンジオテンシン変換酵素(ACE又はace)阻害剤誘発血管性浮腫;ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤誘発性血管性浮腫;及びtPA誘発性血管性浮腫(組織プラスミノゲン活性因子誘発性血管性浮腫)から選択することができる。
【0111】
代わりに及び好ましくは、ブラジキニン媒介性血管性浮腫は、遺伝性血管性浮腫(HAE)である場合もあり、遺伝性血管性浮腫は、遺伝性遺伝子機能障害/欠陥/突然変異により引き起こされる血管性浮腫である。本発明による化合物で処置することができるHAEの型は、HAE1型、HAE2型及び正常C1インヒビターHAE(正常C1 Inh HAE)を含む。
【0112】
FXIIa活性が関与する疾患又は状態は、血管系透過性亢進、虚血性脳卒中及び出血を伴う事故を含む脳卒中;レチナール浮腫;糖尿病性網膜症;DME;網膜静脈閉塞;並びにAMDから選択することができる。これらの状態もまたブラジキニン媒介性であり得る。
【0113】
上で論じられた通り、FXIIaは、FXIaを活性化して、血液凝固カスケード引き起こすことができる。血栓性障害はこのカスケードと連結している。よって、FXIIa活性が関与する疾患又は状態は血栓性障害であり得る。より具体的には、血栓性障害は、血栓症;医療用具が血液と接触して血液を凝固させる傾向の増加に起因する血栓塞栓症;血栓形成促進性状態、例えば、汎発性血管内凝固(DIC)、静脈血栓塞栓症(VTE)、がんに伴う血栓症、機械心臓弁及び生体心臓弁に起因する合併症、カテーテルに起因する合併症、ECMOに起因する合併症、LVADに起因する合併症、透析に起因する合併症、CPBに起因する合併症、鎌状赤血球症、関節形成術、tPAに対して誘発される血栓症、パジェットシュレッター症候群及びバッドキアリ症候群;並びにアテローム動脈硬化症であることができる。
【0114】
血液に接触する医療用具の表面は血栓症を引き起こす可能性がある。本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)及び医薬組成物は、血液と接触するデバイスの表面にコーティングして、デバイスが血栓症を引き起こす危険性を緩和することができる。例えば、本発明の化合物は、これらデバイスが血液を凝固し、したがって血栓症を引き起こす傾向を低下させることができる。血液と接触するデバイスの例として、血管系グラフト、ステント、留置用カテーテル、外部カテーテル、整形外科用人工器官、心臓人工器官及び体外循環システムが挙げられる。
【0115】
FXIIaが原因因子である他の疾患状態として以下が挙げられる:神経炎症;神経炎症/神経変性障害、例えば、MS(多発性硬化症);他の神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、てんかん及び片頭痛;敗血症;細菌性敗血症;炎症;血管系透過性亢進;並びにアナフィラキシー。
【0116】
併用療法
本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)は、他の治療剤と併用して投与することができる。適切な併用療法として、血小板由来増殖因子(PDGF)、内皮細胞成長因子(VEGF)、インテグリンアルファ5ベータ1を阻害する薬剤、ステロイド、FXIIaを阻害する他の薬剤及び他の炎症阻害剤から選択される1種以上の薬剤と併用した任意の本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が挙げられる。
【0117】
本発明の化合物と併用することができる治療剤の一部の具体例として、EP2281885A及びS. Patel in Retina、2009年6月;29巻(付録6):S45~8頁で開示されたものが挙げられる。
【0118】
他の適切な併用療法として、HAE(本明細書で全般的に定義されている通り)を処置する薬剤、例えばブラジキニンB2アンタゴニスト、例えば、イカチバント(Firazyr(登録商標));血漿カリクレイン阻害剤、例えば、エカランチド(Kalbitor(登録商標))及びラナデルマブ(Takhzyro(登録商標));又はC1エステラーゼ阻害剤、例えば、Cinryze(登録商標)及びHaegarda(登録商標)及びBerinert(登録商標)及びRuconest(登録商標)から選択される1種以上の薬剤と併用した本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が挙げられる。
【0119】
他の適切な併用療法として、抗血栓(上記に概説されている通り)、例えば他の第XIIa因子阻害剤、トロンビン受容体アンタゴニスト、トロンビン阻害剤、第VIIa因子阻害剤、第Xa因子阻害剤、第XIa因子阻害剤、第IXa因子阻害剤、アデノシン二リン酸抗血小板剤(例えば、P2Y12アンタゴニスト)、フィブリノゲン受容体アンタゴニスト(例えば、不安定狭心症を処置若しくは予防する、又は血管形成及び再狭窄後の再閉塞を予防するため)及びアスピリン並びに血小板凝集阻害剤である薬剤から選択される1種以上の薬剤と併用した本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物)が挙げられる。
【0120】
併用療法が利用される場合、本発明の化合物及び前記併用薬剤は、同一であり又は異なる医薬組成物中に存在してもよいし、別々に、逐次的に又は同時に投与されてもよい。
【0121】
本発明の化合物は、網膜のレーザー処置と併用して投与することができる。糖尿病性黄斑浮腫の処置のために、レーザー療法をVEGFの阻害剤の硝子体内注射と併用することは公知である(Elman M、Aiello L、BeckRら、「Randomized trial evaluating ranibizumab plus prompt or deferred laser or triamcinolone plus prompt laser for diabetic macular edema」Ophthalmology、2010年4月27日)。
【0122】
定義
上述のように、「アルコキシ」は1~3個の間の炭素原子(C~C)の直鎖O結合炭化水素又は3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝O結合炭化水素であり、アルコキシは、-OH、-CN、-CF、-N(R12)及びフルオロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。このようなアルコキシ基の例として、これらに限定されないが、直鎖アルコキシに対してC-メトキシ、C-エトキシ及びC-n-プロポキシ並びに分枝アルコキシに対してC-イソ-プロポキシ及びC-sec-ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられ、これらは上述のように任意選択的に置換されている。より具体的には、アルコキシは、1~3個の間の炭素原子(C~C)の直鎖の基であることができる。より具体的には、アルコキシは、3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝の基であることができ、これらは上述のように任意選択的に置換されている。
【0123】
上述のように、「アルキル」は4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは(C~C)アルコキシ、-OH、-CN、-NR14R15、-NHCOCH3、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。上述のように、「アルキル」は4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、-OH、-CN、-NHCOCH及びハロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。このようなアルキル又はアルキル基の例として、これらに限定されないが、C-メチル、C-エチル、C-プロピル及びC-n-ブチル、C-イソ-プロピル、C-sec-ブチル、C-イソ-ブチル及びC-tert-ブチルが挙げられ、これらは上述のように任意選択的に置換されている。より具体的には、「アルキル」又は「アルキル」は、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であることができ、これらは上述のように任意選択的に置換されている。
【0124】
上述のように、「アルキレン」は1~4個の炭素原子(C~C)を有する二価直鎖飽和炭化水素又は3~4個の炭素原子(C~C)を有する分枝二価飽和炭化水素である。より具体的には、アルキレンは、2~4個の炭素原子(C~C)を有する、より具体的には2~3個の炭素原子(C~C)を有する二価直鎖飽和炭化水素であることができ、これらは上述のように任意選択的に置換されている。
【0125】
ハロはCl、F、Br及びIから選択することができる。より具体的には、ハロはCl及びFから選択することができる。好ましくは、ハロはClである。
【0126】
上述のように「ヘテロシクリル」はN、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4、5又は6員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4員炭素含有非芳香環であってよく、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。このようなヘテロシクリル基の例として、上で定義されたような任意選択的に置換されているアゼチジニル及びオキセタニルが挙げられる。代わりに、ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する5員の炭素含有非芳香環であってよく、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。このようなヘテロシクリル基の例として、上で定義されたように任意選択的に置換されているピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル及び3-ジオキソラニルが挙げられる。代わりに、ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する6員炭素含有非芳香環であってよく、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい。このようなヘテロシクリル基の例として、上で定義されたように任意選択的に置換されているピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及び1,4-ジオキサニルが挙げられる。
【0127】
例えば、「O結合している炭化水素残基」などの「O結合している」という用語は、炭化水素残基が酸素原子を介して分子の残りに連結していることを意味する。
【0128】
例えば、「N結合しているピロリジニル」などの「N結合している」という用語は、ヘテロシクロアルキル基が環窒素原子を介して分子の残りに連結していることを意味する。
【0129】
-(CH1~3(ヘテロシクリル)などの基における、「-」は、置換基の分子の残りに対する結合点を表す。
【0130】
上記定義から明白なように、及びいずれの疑念も回避するため、「Y」は、上で定義された通りであり、イットリウムを包含しないことを理解されたい。
【0131】
「薬学的に許容される塩」は、生理学的又は毒物学に許容される塩を意味し、適当な場合には、薬学的に許容される塩基付加塩及び薬学的に許容される酸付加塩を含む。例えば(i)本発明の化合物が1種以上の酸性基、例えばカルボキシ基を含有する場合、形成され得る薬学的に許容される塩基付加塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアンモニウム塩又は有機アミンとの塩、例えば、ジエチルアミン、N-メチル-グルカミン、ジエタノールアミン又はアミノ酸(例えばリシン)などが挙げられる;(ii)本発明の化合物が塩基性基、例えば、アミノ基を含有する場合、形成され得る薬学的に許容される酸付加塩として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸、酒石酸塩、メシル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、エシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレン二スルホン酸塩、マレイン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、馬尿酸塩、カンファー酸塩、キシナホ酸塩、p-アセトアミド安息香酸塩、ジヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、重硫酸塩などが挙げられる。
【0132】
酸及び塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩もまた形成することができる。
【0133】
適切な塩の概説として、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use」、Stahl及びWermuth(Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002年)を参照されたい。
【0134】
「プロドラッグ」とは、インビボで代謝性手段により(例えば、加水分解、還元又は酸化により)本発明の化合物へと変換可能な化合物を指す。プロドラッグを形成するのに適した基は、The Practice of Medicinal Chemistry、第2版.、561~585頁(2003年)及びinF.J.Leinweber、Drug Metab.Res.、1987年、18巻、379頁に記載されている。
【0135】
本発明の化合物は非溶媒和形態でも溶媒和形態でも存在することができる。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物及び化学量論的量の1種以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えば、エタノールを含む分子複合体について記載するために本明細書で使用されている。「水和物」という用語は溶媒が水の場合に利用される。
【0136】
本発明の化合物は、これらに限定されないが、cis形態及びtrans形態、E形態及びZ形態、R形態、S形態及びメソ形態、ケト形態及びエノール形態を含む、1種以上の幾何学形態、光学形態、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態及び互変異性形態で存在する。特に他の記載がない限り、特定の化合物についての言及は、ラセミ及びこれらの他の混合物を含めた、すべてのこのような異性体形態を含む。適切な場合には、このような異性体は、公知の方法(例えばクロマトグラフィー技術及び再結晶化技術)の適用又は採用により、これらの混合物から分離することができる。適切な場合にはこのような異性体は、公知の方法(例えば不斉合成)の用途又は採用により調製することができる。
【0137】
特に他の記載がない限り、本発明の化合物は、1種以上の同位体濃縮された原子の存在のみが異なる化合物を含む。例えば、水素が重水素又はトリチウムで置き換えられた又は炭素が13C又は14Cで置き換えられた化合物は本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、生物学的アッセイでの分析用ツール又はプローブとして有用である。
【0138】
本発明との関連で、本明細書での「処置」についての言及は治癒的、症状緩和のための及び予防的処置についての言及を含む。
【0139】
一般的方法
本発明の化合物は、単独で又は1種以上の他の本発明の化合物と併用して又は1種以上の他の薬物(又はその任意の組合せとして)と併用して投与することができる。一般的に、本発明の化合物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒に製剤として投与することができる。「賦形剤」という用語は、機能的(すなわち、薬物放出速度の制御)及び/又は非機能的(すなわち、加工助剤又は希釈剤)特徴のいずれかを製剤に付与することができる本発明の化合物(複数可)以外の任意の成分について記載するために本明細書で使用されている。賦形剤の選択は、特定の投与モード、溶解度及び安定性に対する賦形剤の作用並びに剤形の性質などの要素に大幅に依存する。
【0140】
医薬品としての使用を目的とする本発明の化合物は、固体又は液体、例えば、錠剤、カプセル剤又は液剤として投与することができる。本発明の化合物の送達に適した医薬組成物及びこれらの調製のための方法は当業者には容易に明らかである。このような組成物及びこれらの調製のための方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版(Mack Publishing Company、1995年)に見出すことができる。
【0141】
したがって、本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0142】
例えば、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫に伴う網膜血管透過性などの状態の処置のため、本発明の化合物は、患者の眼の領域への注射に適した形態で、特に硝子体内注射に適した形態で投与することができる。このような使用に適した製剤は、適切な水性ビヒクル中での本発明の化合物の無菌溶液という形態を取ると想定される。組成物は、担当医の監視下で患者に投与することができる。
【0143】
本発明の化合物はまた、血流、皮下組織、筋肉又は内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適した手段として、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、側脳室内、尿道内、胸骨内、脳内、筋肉内、滑液包内及び皮下への投与が挙げられる。非経口投与に適したデバイスとして、針(マイクロニードルを含む)付きの注射器、針無し注射器及び点滴技法が挙げられる。
【0144】
非経口製剤は通常水性又は油性溶液である。溶液が水性の場合、賦形剤、例えば、糖(これらに限定されないが、グルコース、マンニトール、ソルビトールなどを含む)、塩、炭水化物及び緩衝剤(好ましくはpH3~9まで)、ただし一部の用途に対しては、これらは非水性滅菌溶液として又は適切なビヒクル、例えば、パイロジェンを含まない滅菌水と併せて使用される乾燥形態としてより適切に製剤化することができる。
【0145】
非経口製剤として、分解性ポリマー、例えばポリエステル(すなわち、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート)、ポリオルトエステル及びポリ酸無水物由来のインプラントを挙げることができる。これらの製剤は、手術による切開を介して皮下組織、筋肉組織又は直接特定の臓器へと投与することができる。
【0146】
例えば、凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な医薬品技術を使用して容易に達成することができる。
【0147】
非経口液剤の調製に使用される本発明の化合物の溶解度は、適当な製剤技術、例えば、共溶媒及び/又は溶解度を促進する薬剤、例えば、界面活性剤、ミセル構造及びシクロデキストリンの組込みを使用することによって増加させることができる。
【0148】
本発明の化合物は経口投与することができる。経口投与は、嚥下により化合物が消化管に入るようにしたり及び/又は口腔内頬側、舌若しくは舌下投与により化合物が口から直接血流に入るようにしたりすることを含み得る。
【0149】
経口投与に適した製剤として、固形プラグ、固形ミクロ微粒子、半固体及び液体(複数の相又は分散系を含む)が挙げられる。経口投与に適した例示的な製剤として、錠剤;マルチ微粒子若しくはナノ微粒子、液体、乳剤又は粉末を含有する軟質カプセル若しくは硬質カプセル;ロゼンジ剤(液体を充填したものを含む);咀嚼錠;ゲル;急速分散剤形;フィルム;オビュレン;スプレー;及び口腔内頬側/粘膜付着性パッチが挙げられる。
【0150】
液体(複数の相及び分散系を含む)製剤として、乳剤、液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。このような製剤は、軟質カプセル又は硬質カプセル(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製されたもの)内の充填剤として提示されてもよく、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース又は適切な油並びに1種以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を通常含む。液体製剤はまた、固体、例えば、サシェ剤からの再構成により調製することもできる。
【0151】
本発明の化合物はまた、速溶性、高速崩壊性の剤形、例えば、Liang及びChen、Expert Opinion in Therapeutic Patents、2001年、11巻(6号)、981~986頁に記載されている剤形などで使用することができる。
【0152】
錠剤の製剤は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、1巻、H.Lieberman及びL.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980年)で論じられている。
【0153】
ヒト患者への投与に対して、本発明の化合物の総1日用量は通常、0.1mg~10,000mgの範囲又は1mg~5000mgの間又は10mg~1000mgの間であり、当然これは投与モードに依存する。
【0154】
全用量は単回用量又は分割用量で投与することができるが、医師の判断によって、本明細書で付与された典型的な範囲の外であってもよい。これらの用量は約60kg~70kgの体重を有する平均のヒト対象に基づく。医師であれば、体重がこの範囲外の対象、例えば、乳児及び高齢者に対する用量を容易に決定することができる。
【0155】
合成法
本発明の化合物は、適当な材料を使用して、以下のスキーム及び実施例の手順に従い調製することができ、本明細書に提供されている以下の具体例によりさらに例示される。さらに、本明細書に記載されている手順を利用することにより、当業者は、本明細書で特許請求された本発明の範囲内に入る追加の化合物を容易に調製することができる。しかし、実施例に例示されている化合物は、本発明と考えられる唯一の属を形成すると解釈されるべきではない。実施例は、本発明の化合物の調製に対する詳細をさらに例示している。当業者であれば、合成ステップが実施される条件、プロセス及び順序の公知の変化形が以下の調製手順においてこれらの化合物を調製するために使用することができることを容易に理解している。
【0156】
本発明の化合物及び中間体は、これらの薬学的に許容される塩、例えば、本明細書で上記に以前記載されたものなどの形態で単離することができる。遊離形態と塩形態との間の相互変換は当業者には容易に公知である。
【0157】
本発明の化合物の調製に使用される中間体において、反応性官能基(例えばヒドロキシ、アミノ、チオ又はカルボキシ)を保護して、化合物の形成をもたらす反応へのこれらが望ましくない参加を回避することが必要となり得る。従来の保護基、例えば、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、「Protective groups in organic chemistry」John Wiley and Sons、第4版、2006年に記載されているものなどを使用することができる。例えば、本明細書での使用に適した一般的なアミノ保護基はtert-ブトキシカルボニル(Boc)であり、この保護基は、ジクロロメタンなどの有機溶媒中で、トリフルオロ酢酸又は塩化水素などの酸で処理することにより容易に除去される。代わりにアミノ保護基は、水素雰囲気下でのパラジウム触媒を用いた水素付加により除去できるベンジルオキシカルボニル(Z)基であってもよし、又は有機溶媒中でジエチルアミン若しくはピペリジンなどの第2級有機アミンの溶液により除去できる9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基であってもよい。カルボキシル基は、メチル、エチル、ベンジル又はtert-ブチルなどのエステルで通常保護され、これらエステルはすべて、リチウム又は水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下、加水分解により除去することができる。ベンジル保護基はまた、水素雰囲気下でパラジウム触媒を用いた水素付加により除去することができる一方、tert-ブチル基はまたトリフルオロ酢酸により除去することもできる。代わりにトリクロロエチルエステル保護基は酢酸中亜鉛を用いて除去する。本明細書での使用に適した一般的ヒドロキシ保護基はメチルエーテルであり、脱保護条件は、48%水性HBr中での還流、又はDCMなどの有機溶媒中での三臭化ホウ素との撹拌によるものを含む。代わりにヒドロキシ基がベンジルエーテルとして保護されている場合、脱保護条件は、水素雰囲気下でのパラジウム触媒での水素付加を含む。
【0158】
一般式Iによる化合物は、従来の合成法、例えば、これらに限定されないが、スキーム1~5に概説されている経路を使用して調製することができる。
【0159】
【化3】
【0160】
アリール(又はヘテロアリール)アルコール1は、アルコール2と、Mitsunobu条件下で反応させて、フェノール系エーテル3を得る(ステップA)。このような変換のための方法は、例えば、THF中でDIAD及びトリフェニルホスフィンを使用する方法などが当技術分野で公知である。塩化物又は代わりに臭化物3を、アミン4と、Buchwaldカップリング条件下で反応させる(ステップB)。このBuchwaldカップリングは、例えば、BrettPhos Pd G3触媒を使用して、NaOtBu又はカリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)などの塩基の存在下、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で行う。アミン4は、WO2016083816に記載されているような当技術分野で公知の方法を使用して、容易に入手できる出発材料から調製することができる。
【0161】
中央の環内で酸素連結置換基が窒素に隣接する場合、代替の条件が可能である。例えば、スキーム2a及び2bに示されている通り、正式の脱プロトン化を介した標準的アルキル化反応が好ましい経路である。このような変換のための方法、例えば、塩基としてNaHを、代わりに、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸セシウムを、DMF、ジオキサン又はアセトニトリルなどの溶媒中で使用する方法が当技術分野で公知である(ステップC)。
【0162】
【化4】
【0163】
スキーム2aでは、フッ化ヘテロアリール又は塩化フッ化ヘテロアリール6をアルコール2と、例えばNaHなどの存在下、DMFなどの溶媒中で反応させる(ステップC)。前述のBuchwaldカップリング(ステップB)により合成が完了する。
【0164】
【化5】
【0165】
スキーム2bでは、スキーム2aと類似の条件下で、アリール又はヘテロアリールアルコール8を臭化アルキル9と反応させてもよい(ステップC)。前述のBuchwaldカップリング(ステップB)により合成は完了する。
【0166】
ベンジリックCHが存在する実施例の場合、スキーム2aと類似の条件をスキーム3に示されているように利用することができる。
【0167】
【化6】
【0168】
ハロゲン化アルキル10は、前述の標準的アルキル化条件を、例えばNaHの存在下で使用して、アルコール2と反応させる(ステップC)。塩化ヘテロアリールを前述のBuchwaldカップリングに供することにより、合成が完了する(ステップB)。
【0169】
さらなる変化形は、スキーム4aに示されている通り、又はスキーム4bの最終ステップに示されている通り、中間体に対して完了させることができる。
【0170】
【化7】
【0171】
スキーム4aでは、トリフルオロ酢酸又はHClなどの酸性条件を使用して、Boc保護基を除去することによって(ステップD)、アミン14を得る。通常、この中間体はトリフルオロ酢酸塩又はHClなどの酸性塩の形態で単離する。アミン14のアルキル化(ステップE)は、このような変換に対して標準的な条件を使用して行うことができる。例えば、アミン14は適当な溶媒中、ホルムアルデヒド(水中)で処理し、これに続いて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を添加して、化合物15を得る。代替のアルキル化は適当なアルカノンの使用により行うことができ、例えば、アミン14をDCMなどの有機溶媒中、アセトンなどのアルカノンで処理し、これに続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を添加して、化合物15を得る。代替の還元剤として、水素化ホウ素ナトリウム及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
【0172】
類似の変換は、スキーム4bに示されているような合成の最終段階において可能である。
【0173】
【化8】
【0174】
スキーム4bでは、Boc保護されたアミン16を、標準的な酸性条件を使用して脱保護して、アミン17(ステップD)を得、これに続いてスキーム4aに対して記載されている前述の条件下でアルキル化を行う(ステップE)。
【0175】
アミド基が存在する場合、スキーム5a及び5bに記載されているような代替の合成経路が利用可能である。
【0176】
【化9】
【0177】
フッ化ヘテロアリール19は、このような変換に対して標準的なアルキル化条件下でアミン4と反応させる(ステップF)。通常、炭酸カリウム又はDIPEAなどの塩基の存在下、DMF、NMP又は1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、熱的又はマイクロ波照射の両方を使用して加熱する。エステル20は、NaOH、KOH、LiOH又はTMSOKなどの標準的な文献条件を使用して加水分解する(ステップG)。酸(又は塩)21はアミン(又は塩)22とカップリングして、化合物23を得る(ステップH)。このカップリングは通常、例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及びカルボジイミド、例えば、水溶性カルボジイミドなどを使用した標準的カップリング条件を使用して、有機塩基の存在下で行う。他の標準的カップリング法として、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)又はベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)又はブロモ-トリスピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)又は2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(HATU)又は1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はN-メチルモルホリンなどの有機塩基の存在下での、酸とアミンとの反応が挙げられる。代わりに,アミド形成は、酸塩化物を介して、有機塩基の存在下で行うこともできる。このような酸塩化物は、文献で周知の方法、例えば、酸と塩化オキサリル又は塩化チオニルとの反応により形成することができる。代わりに、カルボン酸は1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)を使用して活性化し、次いでアミンを加えることができる。
【0178】
酸21はまた、スキーム5bに示されている通り、ニトリル24からも入手可能である。
【0179】
【化10】
【0180】
このような変換に対して標準的な条件を使用して、ニトリル24を酸21に変換する(ステップI)。酸性及び塩基性加水分解条件は文献において周知である。通常一般的手順(ステップI)はKOHなどの塩基を、エタノールなどの溶媒中で使用する。
【実施例
【0181】
本発明は、以下の非限定例によって例示され、以下の略語及び定義が使用される:
【0182】
【表3】
【0183】
特に指定しない限り、全ての反応は窒素雰囲気下で実施した。
【0184】
H NMRスペクトルは、Bruker(500MHz又は400MHz)分光計で記録し、化学シフト(ppm)として報告した。
【0185】
分子イオンは、以下から選択される適切な条件を用いLCMSを使用して得られた。
- Chromolith Speedrod RP-18eカラム、50×4.6mm、13分かけて0.1%HCOH/HO中の0.1%HCOH/MeCNを10%~90%までの直線濃度勾配を用いる、流速1.5mL/分;
- Agilent、X-Select、酸性、4分かけて5~95%MeCN/水。Thermofinnigan Surveyor LCシステムと接続したエレクトロスプレーイオン化によるThermofinnigan Surveyor MSQ質量分析計を使用して、データを採取した;
- LCMS(Waters Acquity UPLC、C18、Waters X-Bridge UPLC C18、1.7μm、2.1×30mm、塩基性(0.1%重炭酸アンモニウム)3分方法;
- LCMS(Agilent、X-Select、Waters X-Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性4分方法、95~5MeCN/水);
- LCMS(Agilent、塩基性、Waters X-Bridge C18、2.5μm、4.6×30mm、塩基性4分方法、5~95MeCN/水;
- Acquity UPLC BEH C18 1.7μMカラム、50×2.1mm、3分かけて0.1%HCOH/HO中の0.1%HCOH/MeCNを10%~90%までの直線濃度勾配を用いる、流速1mL/分。四重極ダルトン、フォトダイオードアレイ及びエレクトロスプレーイオン化検出器を有するWaters Acquity UPLC質量分析計を使用して、データを採取した。
【0186】
フラッシュクロマトグラフィーは通常、「シリカ」(クロマトグラフィー用のシリカゲル、0.035~0.070mm(220~440メッシュ)(例えば、Merckシリカゲル60)上で実施し、最大10p.s.iの窒素を適用した圧力により、カラム溶出を加速した。代替として、予め調製したシリカゲルのカートリッジを使用した。逆相分取HPLC精製は、Waters2996光ダイオードアレイ検出器を使用し、通常20mL/分の流速において、Waters2525バイナリーグラジエントポンプ送液システムを使用して実施した。
【0187】
全ての溶媒及び市販試薬は、入手してそのまま使用した。
【0188】
化学名は、ChemDraw(PerkinElmer)若しくはMDL Information Systems製のISIS Drawパッケージの一部として提供されているAutonomソフトウェアなどの自動化ソフトウェア、又はMarvinSketchの構成要素として若しくはIDBS E-WorkBookの構成要素として提供されているChemaxonソフトウェアを使用して生成した。
【0189】
中間体の合成
一般的方法A:光延
2-クロロ-4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン
【0190】
【化11】
【0191】
1-メチルピペリジン-4-オール(889mg、7.72mmol)のTHF(20mL)中溶液に、0℃で2-クロロピリジン-4-オール(500mg、3.86mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.0g、11.44mmol)を加えた。次いでDIAD(2.3mL、11.8mmol)を5分間かけて滴下添加した。溶液を室温に加温し、50℃に18時間加熱した。反応物を冷却し、SCXに通して直接加え、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~10%MeOH)により精製して、(622mg、収率64%)を無色透明油状物として得た。
[M+H]=227.1
【0192】
一般的方法B:バックワルドカップリング
[実施例18.03]
6-(((5-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0193】
【化12】
【0194】
2-クロロ-5-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン(50mg、0.208mmol)、6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(36mg、0.208mmol)、BrettPhos Pd G3(19mg、0.021mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(38mg、0.395mmol)の無水1,4-ジオキサン(3mL)中溶液を、N下120℃に3時間加熱した。反応混合物をMeOH(5mL)で希釈し、SCXに通して直接加え、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(MeCN/EtOAc(50:50)中0~50%(MeOH中10%NH))により精製して、表題化合物(16mg、収率20%)を黄色固体として得た。
[M+H]=378.4
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.37 - 1.51 (2H, m), 1.75 - 1.86 (2H, m), 1.94 - 2.01 (2H, m), 2.12 (3H, s), 2.54 - 2.61 (2H, m), 3.27 - 3.31 (1H, m), 4.27 (2H, s), 4.60 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.53 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.68 (2H, s), 6.82 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.17 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.35 (1H, dd, J = 8.6, 2.3 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.56 (1H, s), 7.74 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.89 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0195】
一般的方法C:O-アルキル化
2-クロロ-6-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン
【0196】
【化13】
【0197】
水素化ナトリウム(鉱油中60%)(135mg、3.38mmol)を、0℃で1-メチルピペリジン-4-オール(400mg、3.47mmol)のDMF(3mL)中溶液に加え、30分間撹拌した。溶液を室温に加温し、30分間撹拌した後、2,6-ジクロロピリジン(500mg、3.38mmol)のDMF(2mL)中溶液を加えた。反応物を80℃に加熱し、17時間撹拌した。反応物を冷却し、HO(2mL)でクエンチした後、SCXに直接通し、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~10%(MeOH中1%NH))により精製して、表題化合物(438mg、収率56%)を白色固体として得た。
[M+H]=227.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.61 - 1.71 (2H, m), 1.91 - 1.99 (2H, m), 2.13 - 2.20 (5H, m), 2.56 - 2.67 (2H, m), 4.86 - 4.97 (1H, m), 6.79 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.05 (1H, d, J = 7.8, 1.5 Hz), 7.71 - 7.77 (1H, m).
【0198】
一般的方法D:Boc脱保護化
2-クロロ-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン
【0199】
【化14】
【0200】
TFA(0.7mL、9.09mmol)を、tert-ブチル4-(((6-クロロピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(287mg、0.88mmol)のDCM(2mL)中溶液に加え、室温で60分間撹拌した。MeOH(2mL)を反応混合物に加え、溶液をSCXに直接通し、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮した。溶出した生成物を真空で濃縮して、表題化合物(198mg、収率95%)を白色固体として得た。
[M+H]=227.1
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.25 - 1.38 (2H, m), 1.77 - 1.88 (2H, m), 1.89 - 2.00 (1H, m), 2.62 - 2.73 (2H, m), 3.10 - 3.19 (2H, m), 3.80 - 3.86 (2H, m), 7.18 (1H, dd), 7.22 - 7.26 (1H, m), 8.04 - 8.07 (1H, m).
【0201】
一般的方法E:還元的アミノ化
2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン
【0202】
【化15】
【0203】
2-クロロ-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン(198mg、0.87mmol)、パラホルムアルデヒド(105mg、3.49mmol)及び酢酸(50μL、0.87mmol)のDCM(4.5mL)及びDMF(0.5mL)中溶液を、室温で5分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(740mg、3.49mmol)を加え、反応混合物を40℃に加熱し、2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水(20mL)中でクエンチし、EtOAc(30mL)で希釈した後、1M HCl(水溶液、20mL)で洗浄した。水性層をNaCO(飽和水溶液)でpH10に塩基性化し、次いでDCM(3×50mL)で抽出した。有機層を相分離器に通し、得られた濾液を濃縮した。粗生成物をSCXに直接通し、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮して、表題化合物(152mg、収率69%)を白色固体として得た。
[M+H]=241.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.22 - 1.35 (2H, m), 1.64 - 1.75 (3H, m), 1.80 - 1.89 (2H, m), 2.15 (3H, s), 2.74 - 2.80 (2H, m), 3.90 (2H, d, J = 6.1 Hz), 7.41 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 8.8, 3.1 Hz), 8.11 (1H, d, J = 3.1 Hz)
【0204】
一般的方法F:SNAr
メチル6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ニコチネート
【0205】
【化16】
【0206】
6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン二塩酸塩(349mg、1.42mmol)及び炭酸カリウム(891mg、6.45mmol)のDMF(5mL)中懸濁液に、メチル6-フルオロニコチネート(200mg、1.29mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、次いで室温に冷却した。反応物をNaCO(飽和水溶液、20mL)でクエンチし、EtOAc(5×20mL)で抽出した。合わせた有機層を脱水(NaSO)し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~20%(MeOH中1%NH))により精製して、表題化合物(364mg、収率83%)を淡白色固体として得た。
[M+H]=309.3
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 3.77 (3H, s), 4.70 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.71 (2H, s), 6.84 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.8 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.76 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.85 (1H, dd, J = 8.9, 2.3 Hz), 8.03 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.13 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.57 (1H, d, J = 2.3 Hz).
【0207】
一般的方法G:エステル加水分解
リチウム6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ニコチネート
【0208】
【化17】
【0209】
メチル6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ニコチネート(50mg、0.16mmol)のMeOH(0.2mL)とTHF(1mL)との混合物中懸濁液に、LiOH、水中2M(0.5mL、1.00mmol)を加えた。反応物を60℃で16時間撹拌し、次いで真空で濃縮して、表題化合物(49mg、収率97%)を灰白色固体として得た。
[M+H]=295.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.63 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.34 - 6.44 (1H, m), 6.69 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.16 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.42 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.6 Hz), 7.74 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.81 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.45 (1H, d, J = 2.2 Hz).
【0210】
一般的方法H:アミドカップリング-実施例18.201参照
【0211】
一般的方法I:ニトリル加水分解
6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピコリン酸
【0212】
【化18】
【0213】
6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピコリノニトリル(240mg、0.872mmol)をエタノール(5mL)と水酸化カリウム(4M)(2mL、8.00mmol)との混合物に溶解し、マイクロ波中100℃で2時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮して、表題化合物(257mg、収率89%)を得た。
[M+H]=295.1
【0214】
中間体
6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン
【0215】
【化19】
【0216】
炭酸ナトリウム(飽和水溶液、40mL)を、pHが10になるまで6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン二塩酸塩(2.50g、10.2mmol)に加えた。水性懸濁液をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO)し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(1.24g、収率71%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.88 (2H, s), 3.84 (2H, s), 6.66 (2H, s), 6.84 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.43 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.59 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0217】
2-クロロ-5-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン
【0218】
【化20】
【0219】
塩化チオニル(300μL、4.11mmol)を、室温で(6-クロロピリジン-3-イル)メタノール(500mg、3.48mmol)のDCM(3mL)中溶液に滴下添加し、溶液を3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、MeCN(3×5mL)と共沸させた。この中間体を一般的方法C下1-メチルピペリジン-4-オール(415mg、3.60mmol)と80℃で18時間反応させた。表題化合物(166mg、収率19%)を黄色油状物として単離した。
[M+H]=241.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 - 1.56 (2H, m), 1.81 - 1.92 (2H, m), 1.95 - 2.06 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.54 - 2.64 (2H, m), 3.38 (1H, tt, J = 8.6, 3.2 Hz), 4.53 (2H, s), 7.50 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (1H, dd, J = 8.2, 2.5 Hz), 8.37 (1H, d, J = 2.5 Hz).
【0220】
tert-ブチル4-(((6-クロロピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0221】
【化21】
【0222】
一般的方法Cに従って、6-クロロピリジン-3-オール(498mg、3.85mmol)をtert-ブチル4-(ブロモメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.07g、3.85mmol)と反応させた。表題化合物(364mg、収率28%)を灰白色固体として単離した。
[M(-tBu)+H]=271.0
【0223】
本発明の具体例
【0224】
[実施例18.01]
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0225】
【化22】
【0226】
2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン
【0227】
【化23】
【0228】
一般的方法Aに従って、1-メチルピペリジン-4-オール(889mg、7.72mmol)を6-クロロピリジン-3-オール(500mg、3.86mmol)と反応させた。表題化合物(786mg、収率72%)を無色透明油状物として単離した。
[M+H]=227.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.56 - 1.71 (2H, m), 1.90 - 1.99 (2H, m), 2.17 (3H, s), 2.57 - 2.65 (2H, m), 2.72 - 2.80 (2H, m), 4.41 - 4.51 (1H, m), 7.41 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.52 (1H, dd, J = 8.7, 3.2 Hz), 8.12 (1H, d, J = 3.2 Hz).
【0229】
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0230】
【化24】
【0231】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン(224mg、0.825mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(150mg、0.866mmol)と反応させた。表題化合物(17mg、収率6%)を白色固体として単離した。
[M+H]=364.1
1H NMR (DMSO) δ: 1.61 - 1.50 (2H, m), 1.86 - 1.79 (2H, m), 2.11 - 2.02 (2H, m), 2.14 (3H, s), 2.60 - 2.54 (2H, m), 4.08 - 4.00 (1H, m), 4.55 - 4.52 (2H, m), 6.52 - 6.49 (1H, m), 6.68 - 6.65 (2H, m), 6.81 (2H, t, J = 6.1 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 3.0, 9.0 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 1.6, 8.6 Hz), 7.56 (1H, s), 7.69 (1H, d, J = 2.9 Hz), 7.74 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.12 - 8.08 (1H, m).
【0232】
[実施例18.02]
6-[({5-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]イソキノリン-1-アミン
【0233】
【化25】
【0234】
2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリミジン
【0235】
【化26】
【0236】
一般的方法Aに従って、1-メチルピペリジン-4-オール(485mg、4.21mmol)を2-クロロピリミジン-5-オール(500mg、3.83mmol)と反応させた。表題化合物(496mg、収率56%)を暗オレンジ色油状物として単離した。
[M+H]=228.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.60 - 1.71 (2H, m), 1.92 - 2.00 (2H, m), 2.13 - 2.21 (5H, m), 2.56 - 2.65 (2H, m), 4.53 - 4.61 (1H, m), 8.52 - 8.59 (2H, m).
【0237】
6-[({5-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]イソキノリン-1-アミン
【0238】
【化27】
【0239】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリミジン(50mg、0.220mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(38mg、0.219mmol)と反応させた。表題化合物(15mg、収率18%)を黄色固体として単離した。
[M+H]=365.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.57 - 1.67 (2H, m), 1.81 - 1.94 (2H, m), 2.14 - 2.31 (5H, m), 2.60 - 2.74 (2H, m), 4.06 - 4.19 (1H, m), 4.56 - 4.60 (2H, m), 6.67 - 6.72 (2H, m), 6.81 - 6.84 (1H, m), 7.38 - 7.43 (1H, m), 7.50 - 7.55 (2H, m), 7.73 - 7.76 (1H, m), 8.08 - 8.12 (3H, m)
【0240】
[実施例18.04]
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0241】
【化28】
【0242】
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0243】
【化29】
【0244】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン(50mg、0.21mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(36mg、0.21mmol)と反応させた。表題化合物(28mg、収率35%)を黄色固体として単離した。
[M+H]=378.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.18 - 1.32 (2H, m), 1.54 - 1.65 (1H, m), 1.65 - 1.73 (2H, m), 1.77 - 1.87 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.71 - 2.78 (2H, m), 3.71 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.54 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.51 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.68 (2H, s), 6.77 (1H, t, J = 6.1 Hz), 6.82 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.13 (1H, dd, J = 9.0, 3.0 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.56 (1H, s), 7.68 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.74 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0245】
[実施例18.08]
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)フェニル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0246】
【化30】
【0247】
4-(4-ブロモフェノキシ)ピペリジン
【0248】
【化31】
【0249】
一般的方法Dに従って、tert-ブチル4-(4-ブロモフェノキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(CAS769944-78-7、500mg、1.40mmol)を、TFA(1.5mL)を使用して脱保護化した。表題化合物(352mg、収率98%)を無色透明油状物として単離した。
[M+H]=255.8/257.8
【0250】
4-(4-ブロモフェノキシ)-1-メチルピペリジン
【0251】
【化32】
【0252】
一般的方法Eに従って、4-(4-ブロモフェノキシ)ピペリジン(350mg、1.37mmol)をパラホルムアルデヒド(160mg、5.33mmol)と反応させた。表題化合物(271mg、収率70%)を白色固体として単離した。
[M+H]=270.0/272.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.75 - 1.87 (2H, m), 1.95 - 2.01 (2H, m), 2.23 - 2.28 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.63 - 2.72 (2H, m), 4.21 - 4.31 (1H, m), 6.76 - 6.80 (2H, m), 7.33 - 7.38 (2H, m).
【0253】
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)フェニル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0254】
【化33】
【0255】
一般的方法Bに従って、4-(4-ブロモフェノキシ)-1-メチルピペリジン(50mg、0.19mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(32mg、0.19mmol)と反応させた。表題化合物(20mg、収率28%)を灰白色固体として単離した。
[M+H]=363.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.46 - 1.57 (2H, m), 1.77 - 1.87 (2H, m), 2.03 - 2.11 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.54 - 2.63 (2H, m), 3.97 - 4.07 (1H, m), 4.30 - 4.39 (2H, m), 5.94 - 6.02 (1H, m), 6.49 - 6.54 (2H, m), 6.64 - 6.73 (4H, m), 6.79 - 6.85 (1H, m), 7.40 - 7.49 (1H, m), 7.61 (1H, s), 7.71 - 7.78 (1H, m), 8.12 (1H, dd, J = 8.5, 3.7 Hz).
【0256】
[実施例18.09]
6-(((5-(2-モルホリノエトキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0257】
【化34】
【0258】
4-(2-((6-クロロピリジン-3-イル)オキシ)エチル)モルホリン
【0259】
【化35】
【0260】
変更した一般的手順Cに従って、4-(2-クロロエチル)モルホリン(462mg、3.09mmol)を40℃で6-クロロピリジン-3-オール(400mg、3.09mmol)及び炭酸カリウム(640mg、4.63mmol)と反応させた。表題化合物(517mg、収率66%)を淡黄色透明油状物として単離した。
[M+H]=243.3
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 2.46 (4H, t, J = 4.7 Hz), 2.69 (2H, t, J = 5.7 Hz), 3.57 (4H, t, J = 4.7 Hz), 4.17 (2H, t, J = 5.7 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 8.8, 3.2 Hz), 8.13 (1H, d, J = 3.1 Hz).
【0261】
6-(((5-(2-モルホリノエトキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0262】
【化36】
【0263】
一般的手順Bに従って、6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(40mg、0.23mmol)を4-(2-((6-クロロピリジン-3-イル)オキシ)エチル)モルホリン(50mg、0.21mmol)と反応させた。表題化合物(15mg、収率17%)を淡黄色固体として単離した。
[M+H]=380.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 2.41 - 2.46 (4H, m), 2.62 (2H, t, J = 5.8 Hz), 3.52 - 3.61 (4H, m), 3.98 (2H, t, J = 5.8 Hz), 4.54 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.51 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.67 (2H, s), 6.79 (1H, t, J = 6.1 Hz), 6.82 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 9.0, 3.0 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.56 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.70 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.74 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.6 Hz)
【0264】
[実施例18.10]
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピラジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0265】
【化37】
【0266】
2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピラジン
【0267】
【化38】
【0268】
一般的手順Cに従って、(1-メチルピペリジン-4-イル)メタノール(900μL、6.76mmol)を2,5-ジクロロピラジン(1.0g、6.71mmol)と反応させた。表題化合物(827mg、収率51%)を灰白色固体として単離した。
[M+H]=242.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.21 - 1.34 (2H, m,), 1.66 - 1.75 (3H, m), 1.79 - 1.87 (2H, m), 2.14 (3H, s), 2.73 - 2.79 (2H, m), 4.14 (2H, d, J = 6.2 Hz), 8.17 (1H, d, J = 1.3 Hz), 8.33 (1H, d, J = 1.3 Hz).
【0269】
6-(((5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピラジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0270】
【化39】
【0271】
一般的手順Bに従って、6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(1,4-ジオキサン中0.58M)(360μL、0.21mmol)を2-クロロ-5-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピラジン(50mg、0.21mmol)と反応させた。表題化合物(11mg、収率12%)をオレンジ色固体として単離した。
[M+H]=379.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ: 1.18 - 1.28 (2H, m), 1.57 - 1.70 (3H, m), 1.78 - 1.85 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.71 - 2.77 (2H, m), 3.95 (2H, d, J = 6.2 Hz), 4.55 (2H, d, J = 6.2 Hz), 6.69 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.09 (1H, t, J = 6.2 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.8 Hz), 7.57 - 7.58 (1H, m), 7.58 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.70 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0272】
[実施例18.11]
6-(((6-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0273】
【化40】
【0274】
5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン
【0275】
【化41】
【0276】
一般的手順Cに従って、5-ブロモ-2-フルオロピリジン(0.30mL、2.91mmol)を(1-メチルピペリジン-4-イル)メタノール(0.40mL、3.00mmol)と反応させた。表題化合物(102mg、収率12%)を灰白色固体として単離した。
[M+H]=285.0/287.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.21 - 1.34 (2H, m), 1.66 - 1.73 (3H, m), 1.81 - 1.93 (2H, m), 2.16 (3H, s), 2.73 - 2.83 (2H, m), 4.08 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.82 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.88 (1H, dd, J = 8.8, 2.6 Hz), 8.26 (1H, d, J = 2.6 Hz).
【0277】
6-(((6-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0278】
【化42】
【0279】
一般的手順Bに従って、6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(1,4-ジオキサン中0.58M)(300μL、0.17mmol)を5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン(50mg、0.18mmol)と反応させた。表題化合物(6mg、収率7%)を黄色固体として単離した。
[M+H]=378.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 - 1.51 (2H, m), 1.77 - 1.82 (2H, m), 1.92 - 2.00 (2H, m), 2.11 (3H, s), 2.54 - 2.59 (3H, m), 4.34 (2H, s), 4.43 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.59 (1H, t, J = 6.2 Hz), 6.70 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 6.91 (1H, dd, J = 8.5, 2.9 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.5, 1.7), 7.61 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.92 (1H, d, J = 2.8 Hz), 8.14 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0280】
[実施例18.15]
(5-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)メタノール
【0281】
【化43】
【0282】
メチル5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ベンゾエート
【0283】
【化44】
【0284】
一般的手順Aに従って、メチル5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾエート(250mg、1.08mmol)を(1-メチルピペリジン-4-イル)メタノール(210mg、1.62mmol)と反応させた。表題化合物(377mg、収率100%)を無色ゴム状物として単離した。
[M+H]=342.0
【0285】
(5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)メタノール
【0286】
【化45】
【0287】
メチル5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ベンゾエート(200mg、0.58mmol)のTHF(10mL)中溶液に、0℃で水素化アルミニウムリチウム(THF中2M)(450μL、0.90mmol)を20分かけて加え、次いで反応混合物を5分間撹拌した後、室温に加温し、60分間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、次いでブライン(0.5mL)で処理した後、濾過し、MgSOで脱水し、再度濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~10%(MeOH中1%NH))により、表題化合物(101mg、収率52%)を無色ゴム状物として得た。
[M+H]=340.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.26 - 1.35 (2H, m), 1.62 - 1.73 (3H, m), 1.80 - 1.88 (2H, m), 2.15 (3H, s), 2.74 - 2.80 (2H, m), 3.82 (2H, d, J = 5.8 Hz), 4.48 (2H, d, J = 5.7 Hz), 5.16 (1H, t, J = 5.6 Hz), 6.90 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.34 (1H, dd, J = 8.7, 2.7 Hz), 7.47 (1H, d, J = 2.6 Hz).
【0288】
(5-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)メタノール
【0289】
【化46】
【0290】
一般的手順Bに従って、(5-ブロモ-2-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)メタノール(50mg、0.16mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミンと反応させた。表題化合物(5mg、収率7%)を白色固体として単離した。
[M+H]=407.2
1H NMR (500 MHz, MeOD, d4) δ 0.74 - 0.55 (2H, m), 1.16 - 0.91 (3H, m), 1.35 - 1.20 (2H, m), 1.49 (3H, s), 2.16 - 2.06 (2H, m), 2.94 (2H, d, J = 6.1 Hz), 3.65 (2H, s), 3.77 (2H, s), 5.74 (1H, dd, J = 8.7, 3.0 Hz), 5.91 (1H, d, J = 8.7 Hz), 6.01 (1H, d, J = 2.9 Hz), 6.12 (1H, d, J = 6.0 Hz), 6.76 - 6.72 (1H, m), 6.91 - 6.86 (2H, m), 7.24 (1H, d, J = 8.6 Hz)
【0291】
[実施例18.18]
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0292】
【化47】
【0293】
4-((4-ブロモフェノキシ)メチル)-1-メチルピペリジン
【0294】
【化48】
【0295】
一般的方法Cに従って、(1-メチルピペリジン-4-イル)メタノール(206μL、1.55mmol)を1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(204μL、1.86mmol)と反応させた。表題化合物(280mg、収率64%)を無色固体として単離した。
[M+H]=384.2/386.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.15 - 1.34 (2H, m), 1.58 - 1.74 (3H, m), 1.77 - 1.90 (2H, m), 2.15 (3H, s), 2.69 - 2.86 (2H, m), 3.80 (2H, d, J = 6.3 Hz), 6.83 - 6.94 (2H, m), 7.36 - 7.47 (2H, m)
【0296】
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ)フェニル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0297】
【化49】
【0298】
一般的方法Bに従って、4-((4-ブロモフェノキシ)メチル)-1-メチルピペリジン(50mg、0.18mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(34mg、0.20mmol)と反応させた。表題化合物(6mg、収率8%)を無色固体として単離した。
[M+H]=377.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.14 - 1.29 (2H, m), 1.53 - 1.63 (1H, m), 1.64 - 1.73 (2H, m), 1.75 - 1.89 (2H, m), 2.14 (3H, s), 2.68 - 2.80 (2H, m), 3.64 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.34 (2H, d, J = 6.0 Hz), 5.93 (1H, t, J = 6.2 Hz), 6.48 - 6.55 (2H, m), 6.65 - 6.67 (2H, m), 6.68 (2H, s), 6.82 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.60 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0299】
[実施例18.19]
6-(((5-((ピペリジン-4-イルオキシ)メチル)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0300】
【化50】
【0301】
tert-ブチル4-((6-クロロピリジン-3-イル)メトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0302】
【化51】
【0303】
一般的方法Cに従って、tert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(650mg、3.23mmol)を2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリジン(500mg、3.09mmol)と反応させた。表題化合物(755mg、収率64%)を暗茶褐色油状物として単離した。
[M-tBu+H]=270.9
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.15 - 1.28 (2H, m), 1.34 - 1.46 (9H, m), 1.74 - 1.88 (2H, m), 2.98 - 3.12 (2H, m), 3.50 - 3.72 (3H, m), 4.56 (2H, s), 7.51 (1H, dd, J = 8.2, 0.7 Hz), 7.83 (1H, dd, J = 8.2, 2.5 Hz), 8.35 - 8.40 (1H, m).
【0304】
tert-ブチル4-((6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピリジン-3-イル)メトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0305】
【化52】
【0306】
一般的方法Bに従って、tert-ブチル4-((6-クロロピリジン-3-イル)メトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、1.53mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(292mg、1.68mmol)と反応させた。表題化合物(274mg、収率36%)を灰白色固体として単離した。
[M+H]=461.7
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.27 - 1.37 (2H, m), 1.39 (9H, s), 1.71 - 1.85 (2H, m), 2.92 - 3.08 (2H, m), 3.46 - 3.53 (1H, m), 3.56 - 3.65 (2H, m), 4.30 (2H, s), 4.61 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.54 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.68 (2H, s), 6.82 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.18 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 8.5, 2.4 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.56 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.90 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0307】
6-(((5-((ピペリジン-4-イルオキシ)メチル)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0308】
【化53】
【0309】
一般的方法Dに従って、tert-ブチル4-((6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピリジン-3-イル)メトキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.216mmol)を、TFA(3mL)を使用して脱保護化した。表題化合物(82mg、収率99%)を濃茶褐色油状物として単離した。
[M+H]=364.4
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.28 - 1.38 (2H, m), 1.79 - 1.86 (2H, m), 2.51 - 2.56 (2H, m), 2.88 - 2.98 (2H, m), 3.35 - 3.43 (1H, m), 4.29 (2H, s), 4.61 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.53 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.68 (2H, s), 6.82 (1H, d, J = 5.9 Hz), 7.18 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.36 (1H, dd, J = 8.5, 2.4 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.56 (1H, s), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.89 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz)
【0310】
実施例18.201及び一般的方法H:アミドカップリング
6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)-N-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)ピコリンアミド
【0311】
【化54】
【0312】
(1-メチルピペリジン-4-イル)メタンアミン(112mg、0.87mmol)、6-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピコリン酸(257mg、0.87mmol)、DIPEA(0.50mL、2.86mmol)のDMF(5mL)中溶液を、室温で5分間撹拌した後、HATU(516mg、1.36mmol)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。粗製の反応物をMeOH(10mL)で希釈し、SCXに通して直接加え、MeOH(50mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(30mL)で溶出し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~20%(MeOH中1%NH))により、表題化合物(115mg、収率29%)を黄色固体として得た。
[M+H]=405.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.02 - 1.10 (2H, m), 1.22 - 1.36 (1H, m), 1.37 - 1.45 (2H, m), 1.66 - 1.78 (2H, m), 2.12 (3H, s), 2.61 - 2.69 (2H, m), 3.05 - 3.12 (2H, m), 4.65 - 4.71 (2H, m), 6.69 (2H, s), 6.72 - 6.78 (1H, m), 6.79 - 6.84 (1H, m), 7.11 - 7.18 (1H, m), 7.40 - 7.48 (1H, m), 7.49 - 7.58 (2H, m), 7.60 - 7.64 (1H, m), 7.72 - 7.77 (1H, m), 8.10 - 8.15 (2H, m).
【0313】
[実施例18.202]
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0314】
【化55】
【0315】
2-クロロ-4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン
【0316】
【化56】
【0317】
一般的方法Aに従って、1-メチルピペリジン-4-オール(889mg、7.72mmol)を2-クロロピリジン-4-オール(500mg、3.86mmol)と反応させた。表題化合物(622mg、収率64%)を無色透明油状物として単離した。
[M+H]=227.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.10 - 1.20 (2H, m), 1.59 - 1.69 (2H, m), 1.90 - 1.96 (2H, m), 2.18 (3H, s), 2.56 - 2.61 (2H, m), 4.59 (1H, tt, J = 8.4, 4.0 Hz), 7.01 (1H, dd, J = 5.8, 2.3 Hz), 7.13 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.18 (1H, d, J = 5.8 Hz).
【0318】
6-(((4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0319】
【化57】
【0320】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-4-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピリジン(50mg、0.20mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(34mg、0.20mmol)と反応させた。表題化合物(12mg、収率15%)を無色固体として単離した。
[M+H]=364.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.58 - 1.62 (2H, m), 1.82 - 1.93 (2H, m), 2.14 - 2.22 (5H, m), 2.57 - 2.61 (2H, m), 4.26 - 4.34 (1H, m), 4.55 - 4.58 (2H, m), 6.00 - 6.03 (1H, m), 6.13 - 6.17 (1H, m), 6.67 - 6.71 (2H, m), 6.82 - 6.85 (1H, m), 6.97 (1H, t, J = 6.2 Hz), 7.39 - 7.43 (1H, m), 7.55 - 7.57 (1H, m), 7.73 - 7.78 (2H, m), 8.10 - 8.13 (1H, m)
【0321】
[実施例18.204]
2-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソニコチンアミド
【0322】
【化58】
【0323】
2-クロロ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソニコチンアミド
【0324】
【化59】
【0325】
CDI(566mg、3.49mmol)を、室温で2-クロロイソニコチン酸(500mg、3.17mmol)のDMF(20mL)中溶液に加えた。溶液を70℃に30分間加熱した後、室温に冷却し、1-メチルピペリジン-4-アミン(400mg、3.50mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応物をSCXに直接通し、MeOH(20mL)で洗浄した。必要な化合物をMeOH中7M NH(50mL)で溶出し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中0~10%(MeOH中1%NH))により、表題化合物(616mg、収率74%)を白色固体として得た。
[M+H]=254.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.50 - 1.64 (2H, m), 1.74 - 1.80 (2H, m), 1.91 - 1.99 (2H, m), 2.17 (3H, s), 2.74 - 2.81 (2H, m), 3.64 - 3.78 (1H, m), 7.76 (1H, dd, J = 5.1, 1.5 Hz), 7.86 (1H, s), 8.55 (1H, d, J = 5.1 Hz), 8.63 (1H, d, J = 7.6 Hz).
【0326】
2-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソニコチンアミド
【0327】
【化60】
【0328】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)イソニコチンアミド(100mg、0.39mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(69mg、0.40mmol)と反応させた。表題化合物(75mg、収率41%)を黄色固体として単離した。
[M+H]=391.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 - 1.64 (2H, m), 1.64 - 1.78 (2H, m), 1.92 (2H, td, J = 11.8, 2.5 Hz), 2.15 (3H, s), 2.72 - 2.80 (2H, m), 3.61 - 3.74 (1H, m), 4.65 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.68 (2H, s), 6.79 - 6.86 (2H, m), 6.91 (1H, s), 7.37 - 7.43 (2H, m), 7.56 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.5 Hz), 8.02 (1H, d, J = 5.5 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.0 Hz).
【0329】
[実施例18.206]
6-(((4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0330】
【化61】
【0331】
2-クロロ-4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン
【0332】
【化62】
【0333】
塩化チオニル(300μL、4.11mmol)を、室温で(2-クロロピリジン-4-イル)メタノール(500mg、3.48mmol)のDCM(3mL)中溶液に滴下添加し、溶液を3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、MeCN(3×5mL)と共沸させた。この中間体を一般的方法C下1-メチルピペリジン-4-オール(415mg、3.60mmol)と80℃で18時間反応させた。一般的手順Cに従って、表題化合物(43mg、収率3%)を茶褐色油状物として単離した。
[M+H]=241.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 1.48 - 1.58 (2H, m), 1.83 - 1.90 (2H, m), 1.92 - 2.00 (2H, m), 2.15 (3H, s), 2.56 - 2.63 (2H, m), 3.35 - 3.46 (1H, m), 4.58 (2H, s), 7.36 (1H, dd, J = 5.0, 1.3 Hz), 7.42 (1H, s), 8.37 (1H, d, J = 5.1 Hz)
【0334】
6-(((4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0335】
【化63】
【0336】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-4-(((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)メチル)ピリジン(43mg、0.179mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(31mg、0.179mmol)と反応させた。表題化合物(16mg、収率18%)を黄色ガラス状物として単離した。
[M+H]=378.2
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 - 1.54 (2H, m), 1.77 - 1.87 (2H, m), 1.90 - 2.02 (2H, m), 2.06 - 2.14 (3H, m), 2.54 - 2.60 (2H, m), 3.26 - 3.31 (1H, m), 4.37 (2H, s), 4.60 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.41 (1H, dd, J = 5.3, 1.4 Hz), 6.51 (1H, s), 6.68 (2H, s), 6.82 (1H, d, J = 5.9 Hz), 7.16 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.8 Hz), 7.55 (1H, s), 7.75 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.88 (1H, d, J = 5.2 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0337】
[実施例18.207]
6-(((6-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0338】
【化64】
【0339】
2-クロロ-6-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン
【0340】
【化65】
【0341】
一般的方法Cに従って、1-メチルピペリジン-4-オール(387mg、3.36mmol)を2,6-ジクロロピラジン(500mg、3.36mmol)と反応させた。表題化合物(309mg、収率39%)を淡オレンジ色油状物として単離した。
[M+H]=228.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.65 - 1.79 (2H, m), 1.92 - 2.02 (2H, m), 2.14 - 2.25 (5H, m), 2.55 - 2.67 (2H, m), 4.88 - 5.02 (1H, m), 8.24 - 8.34 (2H, m).
【0342】
6-(((6-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0343】
【化66】
【0344】
一般的方法Bに従って、2-クロロ-6-((1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン(60mg、0.264mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(46mg、0.266mmol)と反応させた。表題化合物(38mg、収率39%)を黄色固体として単離した。
[M+H]=365.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 - 1.52 (2H, m), 1.67 - 1.76 (2H, m), 1.89 - 2.00 (2H, m), 2.12 (3H, s), 2.45 - 2.50 (2H, m), 4.55 (2H, d, J = 5.9 Hz), 4.61 - 4.69 (1H, m), 6.70 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.23 (1H, s), 7.40 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.53 - 7.58 (2H, m), 7.72 - 7.78 (2H, m), 8.12 (1H, d, J = 8.5 Hz)
【0345】
[実施例18.213]
6-(((4-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0346】
【化67】
【0347】
tert-ブチル4-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0348】
【化68】
【0349】
一般的方法Cに従って、tert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(700mg、3.48mmol)を2-クロロ-4-ニトロピリジン(500mg、3.15mmol)と反応させた。表題化合物(6mg、収率8%)を淡黄色固体として単離した。
[M+H]=313.0
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (9H, s), 1.45 - 1.58 (2H, m), 1.86 - 1.98 (2H, m), 3.08 - 3.22 (2H, m), 3.62 - 3.73 (2H, m), 4.72 - 4.83 (1H, m), 7.03 (1H, dd, J = 5.8, 2.3 Hz), 7.17 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.20 (1H, d, J = 5.8 Hz).
【0350】
tert-ブチル4-((2-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0351】
【化69】
【0352】
一般的方法Bに従って、tert-ブチル4-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、1.60mmol)を6-(アミノメチル)イソキノリン-1-アミン(305mg、1.76mmol)と反応させた。表題化合物(365mg、収率48%)を灰白色固体として単離した。
[M+H]=450.5
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (9H, s), 1.43 - 1.51 (2H, m), 1.78 - 1.94 (2H, m), 3.07 - 3.17 (2H, m), 3.58 - 3.70 (2H, m), 4.47 - 4.54 (1H, m), 4.57 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.03 (1H, d, J = 2.2 Hz), 6.18 (1H, dd, J = 5.9, 2.2 Hz), 6.69 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.00 (1H, t, J = 6.1 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.78 (1H, d, J = 5.9 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0353】
6-(((4-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピリジン-2-イル)アミノ)メチル)イソキノリン-1-アミン
【0354】
【化70】
【0355】
一般的方法Dに従って、tert-ブチル4-((2-(((1-アミノイソキノリン-6-イル)メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.222mmol)を、TFA(3mL)を使用して脱保護化した。表題化合物(81mg、収率97%)を淡茶褐色固体として単離した。
[M+H]=350.1
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 - 1.59 (2H, m), 1.87 - 1.96 (2H, m), 2.67 - 2.77 (2H, m), 2.95 - 3.07 (2H, m), 4.38 - 4.48 (1H, m), 4.57 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.03 (1H, d, J = 2.2 Hz), 6.17 (1H, dd, J = 5.9, 2.2 Hz), 6.69 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 5.8 Hz), 6.99 (1H, t, J = 6.2 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.75 (1H, d, J = 5.8 Hz), 7.78 (1H, d, J = 5.9 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz)
【0356】
【表4】
【0357】
生物学的方法
FXIIaに対する阻害%の決定
第XIIa因子のインビトロ阻害活性を公開された標準的方法を使用して決定した(例えば、Shoriら、Biochem.Pharmacol.、1992年、43巻、1209頁;Baeriswylら、ACS Chem.Biol.、2015年、10巻(8号)1861年;Bouckaertら、European Journal of Medicinal Chemistry、110巻(2016年)181号を参照されたい)。ヒト第XIIa因子(Enzyme Research Laboratories)を蛍光発生基質H-DPro-Phe-Arg-AFC及び様々な濃度の試験化合物と共に25℃でインキュベートした。410nmにおける光学的吸光度の変化を測定することにより、残留する酵素活性(初期の反応速度)を決定し、試験化合物に対するIC50値を決定した。
【0358】
本アッセイから取得したデータは、以下の基準を使用して以下の表2に示されている:
【0359】
【表5】
【0360】
【表6】
【0361】
FXIaに対する阻害%の決定
FXIaのインビトロ阻害活性は、公開された標準的な方法を使用して決定した(例えば、Johansenら、Int.J.Tiss.Reac.、1986年、8巻、185頁;Shoriら、Biochem.Pharmacol.、1992年、43巻、1209頁;Sturzebecherら、Biol.Chem.Hoppe-Seyler、1992年、373巻、1025頁を参照されたい)。ヒトFXIa(Enzyme Research Laboratories)を蛍光発生基質Z-Gly-Pro-Arg-AFC及び様々な濃度の試験化合物と共に25℃でインキュベートした。410nmにおける蛍光の変化を測定することにより、残留する酵素活性(初期の反応速度)を決定し、試験化合物に対するIC50値を決定した。
【0362】
【表7】
【0363】
番号付き実施形態
1.式(I)の化合物
【0364】
【化71】
[式中、
W、X、Y及びZを含有する環がベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン及びトリアジンから選択されるように、W、X、Y及びZは、独立して、C及びNから選択され、
R1、R4及びR5は、独立して、存在しない、又は独立して、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
XがCである場合、R2及びR3のうちの一方は-L-V-R13であり、R2及びR3のうちの他方は、H、アルキル、アルコキシ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、又は
XがNである場合、R2は-L-V-R13であり、R3は存在せず、
R6、R7、R8、R9及びR10は、独立して、H、アルキル、アルコキシ,-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から選択され、
Lは、結合、アルキレン及び-C(O)-から選択され、
Vは存在しない、又はO及びNR12から選択され、
R12は、H及びアルキルから選択され、
R13は(CH0~3(ヘテロシクリル)であり、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素、又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、(C~C)アルコキシ、-OH、-CN、-NR14R15、-NHCOCH、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキルは、4個までの炭素原子(C~C)を有する直鎖飽和炭化水素又は3若しくは4個の炭素原子(C~C)の分枝飽和炭化水素であり、アルキルは、-OH、-CN、-NHCOCH及びハロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
アルキレンは、1~4個の炭素原子(C~C)を有する二価直鎖飽和炭化水素であり、又は3~4個の炭素原子(C~C)を有する分枝二価飽和炭化水素であり、
アルコキシは、1~3個の間の炭素原子(C~C)の直鎖O結合炭化水素であり、又は3~4個の間の炭素原子(C~C)の分枝O結合炭化水素であり、アルコキシは、-OH、-CN、-CF、-N(R12)及びフルオロから独立して選択される1又は2つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
ハロはF、Cl、Br又はIであり、
ヘテロシクリルは、N、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4、5又は6員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよく、
R14及びR15は、独立して、H及びアルキルから選択され、
R16は、H及びアルキルから選択される]
並びにその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体及び薬学的に許容される塩及び/又は溶媒和物。
【0365】
2.W、X、Y及びZを含有する環がベンゼンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0366】
3.W、X、Y及びZを含有する環がピリジンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0367】
4.W、X、Y及びZを含有する環がピリダジンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0368】
5.W、X、Y及びZを含有する環がピリミジンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0369】
6.W、X、Y及びZを含有する環がピラジンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0370】
7.W、X、Y及びZを含有する環がトリアジンであるように、W、X、Y及びZが、独立して、C及びNから選択される、番号付き実施形態1に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0371】
8.WがN及びR1が存在しない、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0372】
9.R1がHである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0373】
10.R1がアルキルである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0374】
11.R1がメチルである、番号付き実施形態10に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0375】
12.R1がエチルである、番号付き実施形態10に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0376】
13.R1が-OHで置換されている、番号付き実施形態10~12のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0377】
14.R1が-OMeで置換されている、番号付き実施形態10~12のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0378】
15.R1がアルコキシである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0379】
16.R1が-CFである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0380】
17.R1が-OHである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0381】
18.R1が-CNである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0382】
19.R1がハロである、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0383】
20.R1が-COOR12である、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0384】
21.R1が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0385】
22.R1が-CONHである、番号付き実施形態21に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0386】
23.YがN及びR4が存在しない、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0387】
24.R4がHである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0388】
25.R4がアルキルである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0389】
26.R4がメチルである、番号付き実施形態25に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0390】
27.R4がエチルである、番号付き実施形態25に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0391】
28.R4が-OHで置換されている、番号付き実施形態25~27のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0392】
29.R4が-OMeで置換されている、番号付き実施形態25~27のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0393】
30.R4がアルコキシである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0394】
31.R4が-CFである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0395】
32.R4が-OHである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0396】
33.R4が-CNである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0397】
34.R4がハロである、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0398】
35.R4が-COOR12である、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0399】
36.R4が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0400】
37.R4が-CONHである、番号付き実施形態36に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0401】
38.ZがNであり、R5が存在しない、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0402】
39.R5がHである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0403】
40.R5がアルキルである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0404】
41.R5がメチルである、番号付き実施形態40に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0405】
42.R5がエチルである、番号付き実施形態40に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0406】
43.R5が-OHで置換されている、番号付き実施形態40~42のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0407】
44.R5が-OMeで置換されている、番号付き実施形態40~42のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0408】
45.R5がアルコキシである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0409】
46.R5が-CFである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0410】
47.R5が-OHである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0411】
48.R5が-CNである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0412】
49.R5がハロである、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0413】
50.R5が-COOR12である、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0414】
51.R5が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0415】
52.R5が-CONHである、番号付き実施形態51に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0416】
53.XがCであり、R2が-L-V-R13である、番号付き実施形態1~52のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0417】
54.XがCであり、R3が-L-V-R13である、番号付き実施形態1~52のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0418】
55.XがNであり、R2が-L-V-R13であり、R3が存在しない、番号付き実施形態1~52のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0419】
56.WがCである、番号付き実施形態1~55のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0420】
57.WがNであり、R1が存在しない、番号付き実施形態1~7及び23~55のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0421】
58.YがCである、番号付き実施形態1~57のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0422】
59.YがNであり、R4が存在しない、番号付き実施形態1~22及び38~57のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0423】
60.ZがCである、番号付き実施形態1~59のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0424】
61.ZがNであり、R5が存在しない、番号付き実施形態1~37及び53~59のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0425】
62.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つがHである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0426】
63.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つがアルキルである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0427】
64.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つがアルコキシである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0428】
65.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つが-CFである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0429】
66.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つが-OHである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0430】
67.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つが-CNである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0431】
68.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つがハロである、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0432】
69.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つが-COOR12である、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0433】
70.-L-V-R13ではないR2又はR3のうちの1つが-CONR14R15である、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0434】
71.Lが結合である、番号付き実施形態1~70のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0435】
72.Lがアルキレンである、番号付き実施形態1~70のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0436】
73.Lがメチレンである、番号付き実施形態72に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0437】
74.Lが-C(O)-である、番号付き実施形態1~70のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0438】
75.Vが存在しない、番号付き実施形態1~74のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0439】
76.VがOである、番号付き実施形態1~74のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0440】
77.VがNR12である、番号付き実施形態1~74のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0441】
78.R12がHである、番号付き実施形態77に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0442】
79.R12がアルキルである、番号付き実施形態77に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0443】
80.R13がヘテロシクリルである、番号付き実施形態1~79のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0444】
81.R13が-CH-ヘテロシクリルである、番号付き実施形態1~79のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0445】
82.R13が-(CH-ヘテロシクリルである、番号付き実施形態1~79のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0446】
83.R13が-(CH-ヘテロシクリルである、番号付き実施形態1~79のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0447】
84.R13上のヘテロシクリルがN、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する4員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルが、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態1~83のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0448】
85.R13上のヘテロシクリルがアゼチジニルであり、アゼチジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態84に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0449】
86.R13上のヘテロシクリルがオキセタニルであり、オキセタニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態84に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0450】
87.R13上のヘテロシクリルがN、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する5員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルが、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態1~83のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0451】
88.R13上のヘテロシクリルがピロリジニルであり、ピロリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態87に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0452】
89.R13上のヘテロシクリルがテトラヒドロフラニルであり、テトラヒドロフラニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態87に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0453】
90.R13上のヘテロシクリルがピラゾリジニルであり、ピラゾリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態87に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0454】
91.R13上のヘテロシクリルがイミダゾリジニルであり、イミダゾリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態87に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0455】
92.R13上のヘテロシクリルが3-ジオキソラニルであり、3-ジオキソラニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態87に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0456】
93.R13上のヘテロシクリルがN、NR16及びOから選択される1又は2環員を含有する6員炭素含有非芳香環であり、ヘテロシクリルが、アルキル、アルコキシ、オキソ、-CF、-OH、-CN、ハロ、-COOR12及び-CONR14R15から独立して選択される1、2、3又は4つの置換基で任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態1~83のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0457】
94.R13上のヘテロシクリルがピペリジニルであり、ピペリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態93に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0458】
95.R13上のヘテロシクリルがピペラジニルであり、ピペラジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態93に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0459】
96.R13上のヘテロシクリルがモルホリニルであり、モルホリニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態93に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0460】
97.R13上のヘテロシクリルが1,4-ジオキサニルであり、1,4-ジオキサニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態93に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0461】
98.R13上のヘテロシクリルがピペリジニルであり、ピペリジニルがヘテロシクリルのように任意選択的に置換されていてもよい、番号付き実施形態93に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0462】
99.R13上のヘテロシクリルがオキソで置換されている、番号付き実施形態1~98のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0463】
100.存在する場合、NR16がNHである、番号付き実施形態1~99のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0464】
101.存在する場合、NR16がN(アルキル)である、番号付き実施形態1~99のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0465】
102.存在する場合、NR16がNCHである、番号付き実施形態101に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0466】
103.存在する場合、NR16がNCHCHである、番号付き実施形態101に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0467】
104.存在する場合、NR16がNCHCHOHである、番号付き実施形態101に記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0468】
105.R6がHである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0469】
106.R6がアルキルである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0470】
107.R6がアルコキシである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0471】
108.R6が-CFである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0472】
109.R6が-OHである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0473】
110.R6が-CNである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0474】
111.R6がハロである、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0475】
112.R6が-COOR12である、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0476】
113.R6が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~104のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0477】
114.R7がHである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0478】
115.R7がアルキルである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0479】
116.R7がアルコキシである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0480】
117.R7が-CFである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0481】
118.R7が-OHである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0482】
119.R7が-CNである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0483】
120.R7がハロである、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0484】
121.R7が-COOR12である、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0485】
122.R7が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~113のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0486】
123.R8がHである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0487】
124.R8がアルキルである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0488】
125.R8がアルコキシである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0489】
126.R8が-CFである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0490】
127.R8が-OHである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0491】
128.R8が-CNである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0492】
129.R8がハロである、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0493】
130.R8が-COOR12である、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0494】
131.R8が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~122のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0495】
132.R9がHである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0496】
133.R9がアルキルである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0497】
134.R9がアルコキシである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0498】
135.R9が-CFである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0499】
136.R9が-OHである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0500】
137.R9が-CNである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0501】
138.R9がハロである、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0502】
139.R9が-COOR12である、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0503】
140.R9が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~131のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0504】
141.R10がHである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0505】
142.R10がアルキルである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0506】
143.R10がアルコキシである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0507】
144.R10が-CFである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0508】
145.R10が-OHである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0509】
146.R10が-CNである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0510】
147.R10がハロである、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0511】
148.R10が-COOR12である、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0512】
149.R10が-CONR14R15である、番号付き実施形態1~140のいずれかに記載の式(I)の化合物又はその互変異性体、異性体、立体異性体(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及びスケールミック混合物を含む)、重水素化同位体並びに薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物。
【0513】
150.表1又は表2から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。
【0514】
151.番号付き実施形態1~150のいずれかに記載の化合物。
【0515】
152.番号付き実施形態1~151のいずれかに記載の薬学的に許容される塩。
【0516】
153.番号付き実施形態1~151のいずれかに記載の薬学的に許容される溶媒和物。
【0517】
154.番号付き実施形態1~151のいずれかに記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物。
【0518】
155.(i)番号付き実施形態151に記載の化合物、番号付き実施形態152に記載の薬学的に許容される塩、番号付き実施形態153に記載の薬学的に許容される溶媒和物、又は番号付き実施形態154に記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物及び
(ii)少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
【0519】
156.薬に使用するための、番号付き実施形態151に記載の化合物、番号付き実施形態152に記載の薬学的に許容される塩、番号付き実施形態153に記載の薬学的に許容される溶媒和物、番号付き実施形態154に記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物又は番号付き実施形態155に記載の医薬組成物。
【0520】
157.第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態の処置又は予防のための医薬を製造するための、番号付き実施形態151に記載の化合物、番号付き実施形態152に記載の薬学的に許容される塩、番号付き実施形態153に記載の薬学的に許容される溶媒和物、番号付き実施形態154に記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物又は番号付き実施形態155に記載の医薬組成物の使用。
【0521】
158.第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の番号付き実施形態151に記載の化合物、番号付き実施形態152に記載の薬学的に許容される塩、番号付き実施形態153に記載の薬学的に許容される溶媒和物、番号付き実施形態154に記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物又は番号付き実施形態155に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【0522】
159.第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態を処置する方法において使用するための、番号付き実施形態151に記載の化合物、番号付き実施形態152に記載の薬学的に許容される塩、番号付き実施形態153に記載の薬学的に許容される溶媒和物、番号付き実施形態154に記載の塩の薬学的に許容される溶媒和物又は番号付き実施形態155に記載の医薬組成物。
【0523】
160.第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態がブラジキニン媒介性血管性浮腫である、番号付き実施形態157に記載の使用、番号付き実施形態158に記載の方法、又は番号付き実施形態159に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0524】
161.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が遺伝性血管性浮腫である、番号付き実施形態160に記載の使用、番号付き実施形態160に記載の方法、又は番号付き実施形態160に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0525】
162.ブラジキニン媒介性血管性浮腫が非遺伝性である、番号付き実施形態160に記載の使用、番号付き実施形態160に記載の方法、又は番号付き実施形態160に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0526】
163.第XIIa因子活性が関与している疾患又は状態が、血管系透過性亢進;虚血性脳卒中及び出血を伴う事故を含む脳卒中;レチナール浮腫;糖尿病性網膜症;DME;網膜静脈閉塞;並びにAMDから選択される、番号付き実施形態157に記載の使用、番号付き実施形態158に記載の方法、又は番号付き実施形態159に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0527】
164.第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態が血栓性障害である、番号付き実施形態157に記載の使用、番号付き実施形態158に記載の方法又は番号付き実施形態159に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0528】
165.血栓性障害が、血栓症;医療用具が血液と接触して血液を凝固させる傾向の増加に起因する血栓塞栓症;血栓形成促進性状態、例えば、汎発性血管内凝固(DIC)、静脈血栓塞栓症(VTE)、がんに伴う血栓症、機械心臓弁及び生体心臓弁に起因する合併症、カテーテルに起因する合併症、ECMOに起因する合併症、LVADに起因する合併症、透析に起因する合併症、CPBに起因する合併症、鎌状赤血球症、関節形成術、tPAに対して誘発される血栓症、パジェットシュレッター症候群及びバッドキアリ症候群;並びにアテローム動脈硬化症である、番号付き実施形態164に記載の使用、番号付き実施形態164に記載の方法又は番号付き実施形態164に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0529】
166.第XIIa因子活性が関与する疾患又は状態が、神経炎症;神経炎症/神経変性障害、例えば、MS(多発性硬化症);他の神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、てんかん及び片頭痛;敗血症;細菌性敗血症;炎症;血管系透過性亢進;並びにアナフィラキシーから選択される、番号付き実施形態157に記載の使用、番号付き実施形態158に記載の方法又は番号付き実施形態159に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【0530】
167.化合物がFXIIaを標的とする、番号付き実施形態157若しくは160~166のいずれかに記載の使用、番号付き実施形態158若しくは160~166のいずれかに記載の方法又は番号付き実施形態159若しくは160~166のいずれかに記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、塩の薬学的に許容される溶媒和物若しくは医薬組成物。
【国際調査報告】