(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】エンドトキシン検出のための混合領域を備えたカートリッジ
(51)【国際特許分類】
G01N 33/579 20060101AFI20221019BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
G01N33/579
G01N21/03 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505586
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020046049
(87)【国際公開番号】W WO2021034581
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512190365
【氏名又は名称】ロンザ ウォーカーズヴィル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サンド, ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】スタンボ, キャンディス
(72)【発明者】
【氏名】グランディソン, エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】タデッセ, レーベン
(72)【発明者】
【氏名】ソーニー, プジャ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ウィル
(72)【発明者】
【氏名】バートン, ルパート
【テーマコード(参考)】
2G057
【Fターム(参考)】
2G057AA01
2G057AB01
2G057AB03
2G057AC01
2G057BA01
2G057BB01
2G057BB06
2G057BD06
2G057CA01
2G057DA04
2G057GA04
(57)【要約】
本発明は、エンドトキシンを含む、微生物汚染物質の検出及び/又は定量化に有用な方法、組成物及びデバイスを対象とする。実施形態において、吸収度に基づくアッセイでは、携帯型リーダ/デバイスと組み合わせて有用な乾燥組成物を含むカートリッジが提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジであって、
a.光学的サンプルウェル、流体入口ポート及び前記流体入口ポートと前記光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備する、ハウジングと、
b.前記ハウジングに付随し、前記流体入口ポート、前記導管及び前記光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、
c.血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された前記導管に沿って配置された混合領域と、を具備する、カートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングは、4つの光学的サンプルウェルを含み、前記4つの光学的サンプルウェルの2つが、前記光学的サンプルウェル内で乾燥させられた前記微生物汚染物質を代表する作用物質を含むように構成される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記混合領域内で乾燥させられた発色基質をさらに含む、請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ハウジングは、互いに機械的に接続されたカバー区分と下部区分とを具備する、請求項1~3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記下部区分に機械的に接続されたマニホールド区分をさらに具備し、前記乾燥組成物は、前記マニホールド区分の混合部分上で乾燥させられる、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記混合部分は、その上で乾燥させられた前記発色基質をさらに含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記マニホールド区分は、前記マニホールド区分のサンプルウェル部分上で乾燥させられた前記微生物汚染物質を代表する前記作用物質をさらに含む、請求項5又は6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記混合領域は、その中に含まれる磁気攪拌要素を具備する、請求項1~7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記導管は、前記流体入口ポートと前記混合領域との間に配置される、吸引領域と流体制限器とを具備する、請求項1~8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記血球溶解物は、リムルス変形細胞溶解物である、請求項1~9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記微生物汚染物質を代表する前記作用物質は、細菌エンドトキシンである、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記ポンプ機構は、3位置シリンジであり、第1の位置が、真空を生成して、前記サンプルを前記吸引領域内へ導入し、第2の位置が、前記吸引領域から前記流体制限器を通過して前記混合領域への輸送を提供し、第3の位置が、前記混合領域から前記サンプルウェルへの輸送を提供する、請求項9~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジであって、
a.カバー区分、前記カバー区分に機械的に接続された下部区分及び前記下部区分に機械的に接続されたマニホールド区分を具備する、ハウジングであって、
i.前記下部区分は、2つの光学的サンプルウェル、流体入口ポート及び前記流体入口ポートと前記光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備し、
ii.前記導管は、吸引領域、流体制限器、及び混合領域を具備し、
iii.前記マニホールド区分は、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された混合部分を具備し、前記混合部分は、前記導管の前記混合領域に対応する、ハウジングと、
b.前記ハウジングに付随し、前記流体入口ポート、前記導管及び前記2つの光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、を具備する、カートリッジ。
【請求項14】
前記下部区分は、4つの光学的サンプルウェルを具備し、前記4つの光学的サンプルウェルの2つが、前記光学的サンプルウェル内で乾燥させられた前記微生物汚染物質を代表する作用物質を含むように構成される、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記マニホールド区分は、前記マニホールド区分のサンプルウェル部分上で乾燥させられた前記微生物汚染物質を代表する前記作用物質をさらに含む、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記マニホールド区分の前記混合部分上で乾燥させられた発色基質をさらに含む、請求項13~15のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記ポンプ機構は、前記下部区分に統合され、前記ポンプ機構は、3位置シリンジであり、第1の位置が、真空を生成して、前記サンプルを前記吸引領域内へ導入し、第2の位置が、前記吸引領域から前記流体制限器を通過して前記混合領域への輸送を提供し、第3の位置が、前記混合領域から前記サンプルウェルへの輸送を提供する、請求項13~16のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記血球溶解物は、リムルス変形細胞溶解物である、請求項13~17のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記作用物質は、細菌エンドトキシンである、請求項14~18のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項20】
サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法であって、
a.前記サンプルを、請求項3に記載のカートリッジの前記流体入口ポート内へ導入し、前記サンプルを前記導管へ伝達すること、
b.前記サンプルを前記導管の前記混合領域内へ伝達すること、
c.混合サンプルを生成するために、前記サンプルを前記血球溶解物及び前記発色基質と混合すること、
d.前記混合サンプルを前記混合領域から前記サンプルウェルへ伝達すること、及び
e.前記光学的サンプルウェル内の前記混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、前記光学的特性の変化が、前記サンプル中の前記微生物汚染物質の存在を示す、方法。
【請求項21】
前記光学的特性を前記測定することは、事前選択された波長における光の吸収度の変化である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記事前選択された波長における光の吸収度の変化は、検量線と比較される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記検量線は、保存検量線である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記サンプルを前記導入することは、前記サンプルを前記流体入口ポート及び前記導管内へ導入するために、前記ポンプ機構を介して真空を生成することを含む、請求項20~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記伝達することは、前記ポンプ機構を介して、前記サンプルを混合領域から前記光学的サンプルウェルへ輸送することを含む、請求項20~24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法であって、
a.前記サンプルを、請求項16に記載のカートリッジの前記流体入口ポート内へ導入し、前記サンプルを前記吸引領域へ伝達すること、
b.前記サンプルを前記吸引領域から前記流体制限器を通過して前記混合領域へ伝達すること、
c.混合サンプルを生成するために、前記サンプルを前記血球溶解物及び前記発色基質と混合すること、
d.前記混合サンプルを前記光学的サンプルウェルへ伝達すること、及び
e.前記光学的サンプルウェル内の前記混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、前記光学的特性の変化が、前記サンプル中の前記微生物汚染物質の存在を示す、方法。
【請求項27】
前記光学的特性を前記測定することは、事前選択された波長における光の吸収度の変化である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記事前選択された波長における光の吸収度の変化は、検量線と比較される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記検量線は、保存検量線である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記サンプルを前記導入することは、前記サンプルを前記流体入口ポート及び前記吸引領域内へ導入するために、前記ポンプ機構を介して真空を生成することを含み、b)において前記伝達することは、前記ポンプ機構を介して、前記サンプルを前記吸引領域から前記混合領域へ輸送することを含み、d)において前記伝達することは、前記ポンプ機構を介して、前記混合サンプルを前記混合領域から前記光学的サンプルウェルへ輸送することを含む、請求項26~29のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドトキシンを含む、微生物汚染物質の検出及び/又は定量化に有用な方法、組成物及びデバイスを対象とする。実施形態において、吸収度に基づくアッセイでは、携帯型リーダ/デバイスと組み合わせて有用な乾燥組成物を好適に含むカートリッジが提供される。
【背景技術】
【0002】
グラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母、菌類、及びかびによる汚染を含む微生物汚染は、深刻な疾患を引き起こし得、人間が死ぬ場合すらある。製薬、医療デバイス、及び食品業界では、米国食品医薬品局(USFDA)又は環境保護庁により課される基準等の特定の基準を満たすために、このような微生物汚染物質の存在に関する、頻繁で、正確、且つ繊細な試験を要することが多い。
【0003】
好適には、様々な状況で容易に使用可能な小型の携帯型デバイスにより、微生物汚染物質の存在に対して、サンプルを分析する便利で迅速な方法が必要とされている。本発明は、これらのニーズを満たすものである。
【発明の概要】
【0004】
実施形態において、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジが本明細書に提供され、該カートリッジは、光学的サンプルウェル、流体入口ポート、及び流体入口ポートと光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備するハウジングと、ハウジングに付随し、流体入口ポート、導管及び光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された導管に沿って配置された混合領域と、を具備する。
【0005】
さらなる実施形態において、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジが本明細書に提供され、該カートリッジは、カバー区分、カバー区分に機械的に接続された下部区分、及び下部区分に機械的に接続されたマニホールド区分を具備するハウジングであって、下部区分は、2つの光学的サンプルウェル、流体入口ポート、及び流体入口ポートと光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備し、導管は、吸引領域、流体制限器、及び混合領域を具備し、マニホールド区分は、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された混合部分を具備し、混合部分は、導管の混合領域に対応する、ハウジングと、該ハウジングに付随し、流体入口ポート、導管及び2つの光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、を具備する。
【0006】
さらに、サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法が本明細書に提供され、該方法は、サンプルを、本明細書に記載するカートリッジの流体入口ポート内へ導入し、サンプルを導管へ伝達すること、サンプルを導管の混合領域内へ伝達すること、混合サンプルを生成するために、サンプルを血球溶解物及び発色基質と混合すること、混合サンプルを混合領域からサンプルウェルへ伝達すること、及び光学的サンプルウェル内の混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、光学的特性の変化が、サンプル中の微生物汚染物質の存在を示す。
【0007】
さらなる実施形態において、サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法が本明細書に提供され、該方法は、サンプルを、本明細書に記載するカートリッジの流体入口ポート内へ導入し、サンプルを吸引領域へ伝達すること、サンプルを吸引領域から流体制限器を通過して混合領域へ伝達すること、混合サンプルを生成するために、サンプルを血球溶解物及び発色基質と混合すること、混合サンプルを光学的サンプルウェルへ伝達すること、及び光学的サンプルウェル内の混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、光学的特性の変化が、サンプル中の微生物汚染物質の存在を示す。
【0008】
さらなる実施形態、該実施形態の特徴、及び利点は、様々な実施形態の構造や作用と同様に、添付図面に準拠して、以下詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1A~
図1Gは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジの様々な図及び構成要素を示す。
【
図2A】
図2A~
図2Dは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジの様々な図及び構成要素を示す。
【
図3A】
図3A及び
図3Bは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジで使用するための下部区分の様々な図及び構成要素を示す。
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジで使用するためのカバー区分の様々な図及び構成要素を示す。
【
図5A】
図5Aは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジで使用するためのマニホールド区分を示す。
【
図5B】
図5B及び
図5Cは、本明細書の実施形態に係る、エンドトキシン検出用のカートリッジで使用するための追加のマニホールド区分を示す。
【
図6】
図6は、本明細書に記載のカートリッジに使用するための典型的なリーダを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に図示及び説明する特定の実装は例であり、本出願の範囲をそれ以外の形で限定することを何ら意図するものではないことを理解されたい。
【0011】
本明細書に参照される公開特許、特許出願、ウェブサイト、会社名、及び科学文献は、各々が参照により組み込まれるように具体的且つ個別に記載されるとみなした場合と同じ程度に、完全な形で参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用する参照文献と本明細書の特定の教示との間にいかなる形でも矛盾がある場合は、後者の内容を優先して解決されるものとする。同様に、当技術分野で理解される単語又は語句の定義と、本明細書で具体的に記載される単語又は語句の定義との間にいかなる形で矛盾がある場合は、後者の内容を優先して解決されるものとする。
【0012】
本明細書で使用する単数形「a」、「an」及び「the」は、記載内容がそれ以外であると明白に指示しない限り、それらが言及する用語の複数形も具体的に包含する。本明細書において、用語「約」は、近似的に、~の範囲内、大まかに、又は前後を意味するために使用される。用語「約」が数値範囲とともに使用される場合、記載数値の上下に境界を延ばすことで、その範囲を修正する。一般的に、本明細書において、用語「約」は、記載数値の上下20%の変動内で数値を修正するために使用される。
【0013】
本明細書で使用する技術的及び科学的な用語は、別途定義しない限り、本出願の関連分野の当業者が一般的に理解する意味を有する。本明細書では、当業者に公知の様々な方法論及び材料に言及する。
【0014】
微生物汚染物質に関する試験
試験サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を検出するために、様々なアッセイが開発されてきた。多くの場合、甲殻類、例えば、カブトガニの血リンパから調製された血球溶解物が利用される。これらのアッセイは、典型的に、血球溶解物が微生物汚染物質に露出される場合に生じる凝固カスケードを様々な方法で利用する。血球溶解物の例には、リムルスポリフェムス、タキプレウスギガス、タキプレウストリデンタトゥス、及びカルシノスコルピウスロタンディカウダのカブトガニの血リンパから生成される変形細胞溶解物(AL)が含まれる。リムルス、タキプレウス、及びカルシノスコルピウス種の血リンパから生成される変形細胞溶解物を、それぞれリムルス変形細胞溶解物(LAL)、タキプレウス変形細胞溶解物(TAL)、及びカルシノスコルピウス変形細胞溶解物(CAL)と称する。
【0015】
LALを使用するアッセイには、例えば、ゲルクロットアッセイ、エンドポイント比濁アッセイ、カイネティック比濁アッセイ、及びエンドポイント発色アッセイ(Prior(1990)、「Clinical Applications of the Limulus Amoebocyte Lysate Test」、CRC PRESS 28-34)が含まれる。しかしながら、これらのアッセイには、試薬の費用、アッセイの速度、及び感度範囲の制限を含む1つ以上の瑕疵を抱えている。さらに、これらのアッセイの典型的な要件として、試験施設へ送られるサンプルを、試験対象のサンプルの供給源から除去する。
【0016】
エンドトキシン検出のためのカートリッジ
実施形態において、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジが本明細書に提供される。本明細書に記載の様々なカートリッジ、デバイス及び方法を使用して試験可能なサンプルは、生物学的プロセス、又は医薬製剤等からの液体サンプルを含み、大規模又は小規模のプロセスであり得る。
【0017】
図1Aに示す通り、実施形態において、カートリッジ100は、カートリッジに対して構造上の支持を提供するハウジング102を具備する。本明細書で使用する「カートリッジ」は、微生物汚染物質の存在及び/又は量に関して試験されるサンプルを受けて保持するための自立型の要素を意味する。
【0018】
ハウジング102は、様々なプラスチック又はガラスを含む任意の好適な材料から作製することができる。ハウジング102は、単一部の材料から作製可能で、又は本明細書に記載の通り、別個の部分、又はハウジング102、このため、カートリッジ100全体を作成するためにともに結合される区分を具備可能である。
【0019】
ハウジング102は、光学的サンプルウェル104を具備する。
図1Fは、ハウジング102の上面と下面との間の容器又はアンプルの形状である、光学的サンプルウェル104の側面図を示す。光学的サンプルウェル104は、好適には、プラスチック又はガラス材料から構成され、好適には、光学的に透明又は透過性であり、光が光学的サンプルウェルの下部及び上部を通過することを可能にし、これによって、光が光学的サンプルウェル内に収容されたサンプルに接触することを可能にする。実施形態において、光学的サンプルウェル104、並びにハウジング102の残部は、黄色に着色されたガラス又は高分子から作製することができ、好適には、約400nm~約450nm(すなわち、405nm)の光が通過することを阻止するものの、他の波長が通過することも可能にする。このような実施形態は、光学的サンプルウェル104を通過する光の量を低減させ、クロストークを低減させ、迷光を低減させることによって、本明細書に記載する方法の感度を増大させる。光学的ウェル104は、好適には、外壁を有するシリンダ形状であって、上面及び下面は、ウェルの上部及び下部として、好適には、ハウジング102の様々な要素から形成される。
【0020】
カートリッジ100のハウジング102はまた、流体入口ポート106及び導管108をさらに具備する。流体入口ポート106は、好適には、ハウジング102の長い又は細い区間119の端部で管材、スリット、孔又は他の好適な開口部であり、流体入口ポート106の内側には、導管108が収容されており、流体入口ポートは、サンプルに接触するために使用される。流体入口ポート106は、サンプルがサンプル導入方向114(
図1F)へ上方に流体入口ポート内へ引き込まれることを可能にするように設計される。導管108は、流体入口ポート106及び光学的サンプルウェル104を流体的に接続する。すなわち、導管108は、流体入口ポート106の先端と光学的サンプルウェル104との間に管状又はマイクロ流体の接続を提供し、ポート内へ引き込まれた後、導管108を通過して光学的サンプルウェル104内へ液体サンプルを伝達可能にする。実施形態において、導管108は、ハウジング102の表面に切り込まれたチャネルとして形成可能で、又はポリ(スチレン)等の様々な高分子から管材又はマイクロ管材として形成可能である。
【0021】
実施形態において、導管108は、好適には、流体入口106への導入後に流体サンプルを保持するために使用可能な第1の区分を具備する。
図1F及び
図1Gに示す通り、サンプルをサンプル導入方向114の流体入口ポート106内へ導入時に、サンプルは、吸引領域140、すなわち、導管108内の初期位置へ進み、サンプルは、さらに導管108へ伝達する前に、その位置で保持及び維持される。好適には、吸引領域140は、約0.05μL~約500μLの体積を有し、カートリッジ内へ導入後に、サンプルに対して初期体積の容器として使用される。この吸引領域140は、カートリッジが、試験サンプルに挿入され、所望の体積が初期に、後の試験用にサンプル入口ポート106に引き込まれる場合、カートリッジのユーザにより嵌入可能である。典型的な実施形態において、吸引領域140の体積は、約10μL~約200μL、より好適には、約30μL~約100μL、約30μL~約80μL、約30μL~約50μL、又は約30μL、約40μL、若しくは約50μLである。
【0022】
カートリッジ100は、好適には、導管108に沿って配置された混合領域142をさらに具備する。混合領域142は、好適には、流体制限器144により、サンプル入口ポート106及び吸引領域140(具備されれば)から分離される。混合領域142は、血球溶解物を含む乾燥組成物を含む(典型的な実施形態において、好適に含む)ように構成される。本明細書に記載の通り、混合領域は、微生物汚染物質を含むと考えられるサンプルが、サンプルを、血球溶解物を含む乾燥組成物と混合可能なように、導入される、導管108の部分を提供する。本明細書に記載の通り、混合領域142はまた、発色基質をさらに含む。このため、混合領域142は、試験サンプルが、血球溶解物及び発色基質の両方、好適には、両方とも乾燥させられた状態で(別個の構成要素として乾燥又は同一の乾燥組成物においてともに乾燥させられる状態のいずれかで)、その後、血球溶解物及び発色基質と混合されるサンプルと接触可能である、領域を提供する。様々な機構は、液体試験サンプル、血球溶解物及び発色基質を混合するために使用可能で、例えば、攪拌子、攪拌棒、又は小さい磁気ビーズ若しくは球等の磁気攪拌要素146(
図1Gを参照)を具備可能である。例えば、カートリッジ100が、リーダ又は他の好適な機構に設置される場合、磁石は、混合領域142の下方、上方又は周りに設置可能で、磁気攪拌要素146は、混合領域内で回転、並進又はそれ以外の方法で移動され、試験サンプルを攪拌・移動し、サンプルを、乾燥させられた(又はそれ以外では混合領域に付加された)構成要素と混合する。他の混合機構は、タッピング機構、攪拌又は振動機構、超音波機構等を含む、外部又は内部のいずれかの様々な攪拌器を具備可能である。典型的な実施形態において、混合領域142の体積は、約10μL~約200μL、より好適には、約30μL~約100μL、約30μL~約80μL、約30μL~約50μL、又は約30μL、約40μL、若しくは約50μLである。
【0023】
典型的な実施形態において、流体制限器144は、吸引領域140と混合領域142との間に配置され、サンプル入口ポート106/吸引領域140と、さらに下流の混合領域142との間の流れを低減する任意の好適な機構又は構造体であり得る。実施形態において、流体制限器144は、導管108内に設置されたプラスチック製の部分若しくは要素であり、又は導管108の部分であり得、或いは他の実施形態においては、単に、サンプル入口ポート106に入る流体がさらに導管108に沿って進むのを遅らせ、その代わりに、流体サンプルが吸引領域140内で回収され得る方法として作用する、導管108の絞りであり得る。実施形態において、流体制限器144は、吸引領域と混合領域との間で緩衝器として作用する。実施形態において、流体制限器144は、オン・オフに切替不能ではあるが、むしろ、様々な構成要素を導管に沿って適切に充填可能にするため、流体の移動を遅らせる機構を提供することを理由として、バルブではない。しかしながら、さらなる実施形態において、バルブ構造体は、導管108に付加可能で、導管の長さに沿って任意の様々な構成要素間の流体の流れを制御する。
【0024】
実施形態において、カートリッジ100は、ハウジング102に付随するポンプ機構110をさらに具備する。ポンプ機構110は、好適には、3位置シリンジ(1位置、2位置、4位置、5位置等のシリンジも使用可能)であって、バレル118(
図1G及び
図3Aを参照)と、バレル内で摺動可能なプランジャ116と、を含む。ポンプ機構110は、好適な機構(例:のり、接着剤、機械的なバンド、ラップ、又はステープル等)を介して、ハウジング102に直接取り付け可能で、又はハウジング102の一体部分として(例えば、ハウジングの下部区分186の部分として)作製された要素であり得る。ポンプ機構110は、流体入口ポート106、導管108及び光学的サンプルウェル104に流体的に接続され、それにより、ポンプ機構110を作動すると、本明細書に記載の通り、例えば、114がサンプル導入方向を示す
図1Fに示す通り、サンプルを流体入口ポート106内へ、その後、導管108内へ、さらにはサンプルウェル104内へ引き込むことができる。
【0025】
典型的な実施形態において、ポンプ機構110は、好適には3位置シリンジであって、サンプルを、流体入口ポート106と導管108に、好適には、吸引領域140へ伝達させるが、流体制限器144内、上方又は周りを通過させない第1の位置に移動する。例えば、3位置シリンジによって真空を生成して、サンプルを流体入口ポート106内へ、その後、導管108及び吸引領域140内へ導入又は引き込むことができる。ポンプ機構110は、好適には、吸引領域140から、流体制限器144を通過して混合領域142にサンプルの輸送を提供する、第2の位置に移動する。サンプルを様々な乾燥構成要素と混合後に、ポンプ機構100は、好適には、混合サンプルが、光学的サンプルウェル104に(再度、導管108の別の区分を通過して)輸送される、第3の位置に移動する。
【0026】
サンプルを流体入口ポート106内へ、その後、導管108内へ導入又は引き込み、好適には、ポンプ機構110が第1の位置にある状態でサンプルを吸引領域140内に維持することで、サンプリングの場所(例:組立てライン、工場、施設、サンプル槽、又は貯蔵タンク)でサンプルを有するカートリッジ100を作製し、その後、準備が整った状態で検出又は測定前に維持することが可能になる。この設計の利点は、サンプルの測定前に、サンプルをカートリッジ100内で一定期間(好適には、数分(例:10~30分)から最長約1~2時間、又はそれ以上)にわたって保持することができ、このため、サンプル品質を損なう恐れがなく、複数の異なるサンプルを得ることが可能になることである。さらに、サンプルを得た後にさらなる動作が必要な場合、これらの動作を実施し、その後、サンプルを分析することができる。
【0027】
実施形態において、流体入口ポート106の先端からサンプルウェル104までの長さを含み得る導管108の長さは、約1cm~約15cm、より好適には、約1cm~約10cm又は約1cm~約5cm程度である。導管108は、導管108の全長が約5mm~約50mm程度の状態で、長さ約0.2mm~約10mmの程度である吸引領域140及び混合領域142(所望であれば、他の領域又は区分も同様に)を具備可能である。導管108の直径又は断面幅は、好適には、約0.1mm~約1mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約0.8mm、又は約0.1mm、約0.2mm、約0.3、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm又は約0.8mmの程度である。約0.5mm程度の導管108の断面幅を使用すると、ウィッキングの低減と、サンプル損失防止の一助となる。実施形態において、流体制限器144は、好適には、流体を、約0.05mm~約1mmの直径を通過して、制限器上方又は内を通過させる。実施形態において、導管108は、屈曲又は折曲げパターン(又は導管108の長さを最大にしながら表面積を最小にする他の類似の配向)を含むことができ、他の実施形態では、導管108は、流体入口ポートの先端からサンプルウェルまで略直線チャネルであり得る。他の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、又はそれ以上の導管等、2つ以上の導管が存在することができる。約0.2mm~約1mm程度の長さを有する導管108の区分を使用することで、本明細書に記載のデバイス/リーダを含めて、サンプルが分析のために読み取られている間に、ウィッキング、エアポケットの形成、及びサンプルの損失を低減させる一助となる。
【0028】
測定及び分析の前に導管108内で維持可能なサンプルの大きさは、好適には、約25μl~約200μl、より好適には、約50μl~約150μl、約50μl~約100μl、約50μl~約80μl、又は約40μl、約50μl、約60μl、約65μl、約70μl、約75μl、約80μl、約90μl、若しくは約100μl程度である。実施形態において、カートリッジ100内に収容可能な全体積は、好適には、約50μl~約150μl、約50μl~約100μl、約50μl~約80μl、又は約40μl、約50μl、約60μl、約65μl、約70μl、約75μl、約80μl、約90μl、若しくは約100μlである。
【0029】
実施形態において、ハウジング102は、好適には、4つの光学的サンプルウェル104を具備し、4つの光学的サンプルウェルの2つは、光学的サンプルウェル内で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含む(かつ、好適に含む)ように構成される。他の実施形態において、ハウジング102は、2つの光学的サンプルウェル104を具備し得、2つの光学的サンプルウェルの1つは、光学的サンプルウェル内で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含む(かつ、好適に含む)ように構成される。
【0030】
光学的サンプルウェル104の大きさ、このため、好適には、ウェルと維持可能な体積は、ウェル壁の高さ、及びウェルの上部及び下部の直径により決定される。好適には、光学的サンプルウェル104は、約100μm~約20mm、より好適には、約100μm~約10mm又は約100μm~約5mmの程度の高さ、及び約100μm~約20mm、より好適には、約100μm~約10mm又は約100μm~約5mmの程度の直径を有する。実施形態において、光学的サンプルウェル104は、好適には、サンプルの約1μl~約5mL、又は約1μl~約1mL若しくは約1μl~約500μL、約1μl~約50μL、約1μl~約20μL、約1μl~約10μL、若しくは約1μl、約2μl、約3μl、約4μl、約5μl、約6μl、約7μl、約8μl、約9μl、約10μl、約11μl、約12μl、約13μl、約14μl、若しくは約15μlを保持する。
【0031】
本明細書に記載の通り、好適には、混合領域142は、血球溶解物を含む乾燥組成物を含む。本明細書で使用する「乾燥組成物」は、乾燥ケーク、粉末、結晶、又はフィルムを形成するために、凍結乾燥、冷凍乾燥、又はガラス化される物質を含む。冷凍乾燥又はガラス化の方法は、当業では公知である。乾燥組成物は、好適には、混合領域142上に(すなわち、領域の側面に)乾燥され、或いは本明細書に記載の通り、マニホールド区分188上で乾燥させられるものとして提供可能であり、或いは混合領域とともに/内に含まれるフリーペレットの形態であり得、或いは所望/必要に応じて、混合領域に付加可能である。
【0032】
本明細書で使用する用語「血球溶解物」は、(i)甲殻類若しくは昆虫からの抽出、及び/又は(ii)ホストからの抽出後の生体外培養によって得られる、血球、例えば、変形細胞及び血リンパ細胞の溶解及び/又は膜透過化によって生成されるいかなる溶解物、又はその一部分若しくは成分を意味する。Ca2+イオノフォア等の膜透過化剤との接触によって血リンパ細胞から押し出された(すなわち、溶解以外によって押し出された)、又は細胞溶解なしのそれ以外の他の形で抽出された血球細胞物質も、血球溶解物であるとみなされる。
【0033】
典型的な血球溶解物は、甲殻類、例えば、カブトガニ又はイチョウガニの血液から調製された変形細胞溶解物である。本明細書で使用する用語「変形細胞溶解物」は、甲殻類、例えば、カブトガニから抽出された変形細胞からの細胞内容物の溶解、押出し、又は抽出によって生成されるいかなる溶解物、又はその一部分若しくは成分を意味すると理解される。変形細胞溶解物は、酵素カスケードの少なくとも1つの成分を含み、且つ/或いは、酵母又はかびによって生成されるエンドトキシン、例えば、グラム陰性菌エンドトキシン及び/又はグルカン、例えば、(1→3)-β-Dグルカンの存在下で凝固をもたらす。典型的な変形細胞溶解物は、リムルス属、例えば、リムルスポリフェムス、タキプレウス属、例えば、タキプレウスギガス及びタキプレウストリデンタトゥス、並びにカルシノスコルピウス属、例えば、カルシノスコルピウスロタンディカウダに属するカニを含むカブトガニから導出可能である。
【0034】
リムルス変形細胞溶解物(LAL)は、その感度、特異性、及びサンプル中に存在しうる他の成分による干渉の回避のための相対的な容易さを理由に、多くの細菌エンドトキシンアッセイにおいて最適な変形細胞溶解物として用いられる。LALは、細菌エンドトキシンを含むサンプル、及びオプションとして、特定のLAL基質と組み合わせられる場合、サンプル中のエンドトキシンと反応して、ゲル等の検出可能な生成物、混濁度の増大、又は合成発色基質の場合は着色された若しくは発光する生成物をもたらす。生成物は、例えば、目視又は光検出器の使用のいずれかによって検出され得る。
【0035】
細菌エンドトキシンがLALに接触した場合、エンドトキシンは、当業分野でC因子経路と称される一連の酵素反応を開始し、これらの酵素反応は、C因子、B因子、及びプロ凝固酵素と称される3つのセリンプロテアーゼ酵素前駆体を伴うことができる。エンドトキシンに露出されると、エンドトキシン感受性因子であるC因子が活性化される。その後、活性化されたC因子は、加水分解してB因子を活性化し、その結果、活性化されたB因子は、プロ凝固酵素を活性化して凝固酵素を生成する。その後、凝固酵素は、無脊椎動物のフィブリノゲン様の凝固性タンパクであるコアグロゲンの特有の箇所、例えば、Arg18-Thr19及びArg46-Gly47を加水分解して、コアギュリンゲルを生成する。米国特許第5,605,806号等を参照されたい。
【0036】
エンドトキシンに対する血球溶解物の感度を高めるための方法には、例えば、無制限に、未精製血球溶解物の経年劣化、pHの調整、二価カチオンの濃度の調整、コアグロゲンの濃度の調整、クロロホルム抽出、並びに血清アルブミン、生体適合緩衝剤、及び/又は生物学的洗剤の添加が含まれる。
【0037】
例えば、実施形態において、本明細書に記載する乾燥組成物で使用するための血球溶解物は、コアグロゲンを実質上含まない精製血球溶解物であり得る。別の実施形態において、コアグロゲンを実質上含まない血球溶解物は、コアグロゲンを実質上含まないLALである。当業者であれば、本開示の解釈時に、様々な量のコアグロゲンが低減すると、その結果、発色アッセイ、例えば、LALアッセイにおける速度、感度、及び/又は分離のレベルが増大することが理解されよう。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認された血球溶解物中の総タンパクに対して、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、又は0.5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有する血球溶解物を指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認されたLAL中の総タンパクに対して、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、又は0.5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有するLALを指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認されたLAL中の総タンパクに対して、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、又は0.5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有する精製LALを指す。
【0038】
いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認された血球溶解物中の総タンパクに対して、10%未満又は5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有する血球溶解物を指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認されたLAL中の総タンパクに対して、10%未満又は5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有するLALを指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、タンパク染色によるSDS-PAGEにより測定され、ウエスタンブロットにより確認されたLAL中の総タンパクに対して、10%未満又は5%未満(wt/wt)のコアグロゲンを有する精製LALを指す。
【0039】
いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」という用語は、約20μg/μL未満、約15μg/μL未満、約10μg/μL未満、約5μg/μL未満、約4μg/μL未満、約3μg/μL未満、約2μg/μL未満、又は約1μg/μL未満の濃度のコアグロゲンを有する血球溶解物を指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」は、約20μg/μL未満、約15μg/μL未満、約10μg/μL未満、約5μg/μL未満、約4μg/μL未満、約3μg/μL未満、約2μg/μL未満、又は約1μg/μL未満の濃度のコアグロゲンを有するLALを指す。いくつかの実施形態において、用語「実質上含まない」という用語は、約20μg/μL未満、約15μg/μL未満、約10μg/μL未満、約5μg/μL未満、約4μg/μL未満、約3μg/μL未満、約2μg/μL未満、又は約1μg/μL未満の濃度のコアグロゲンを有する精製LALを指す。
【0040】
コアグロゲンを実質上含まない典型的なLALは、米国特許出願第2018/0208964号及び2018/0038864号に記載され、両方の開示は、完全な形で参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
血球溶解物、例えば、LALからコアグロゲンを除去するために、異なる方法を使用可能なことが、当業者には理解されよう。これらの方法は各々、効率、精製速度、コスト、及び労力に関して異なることがあるが、当業者の知識の範囲内である。いくつかの実施形態において、血球溶解物、例えば、LALは、コアグロゲンを実質上含まず、該組成物は、(a)リムルスポリフェムスからの溶解変形細胞から導出された溶液を取得すること、(b)(a)からの溶液を緩衝剤と組み合わせること、(c)保持液を生成するために、(b)からの組合せを、20kDa~50kDaのメンブレンフィルタを使用する連続タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)にかけること、及び(d)上澄み液を生成するために、(c)からの保持液を20,000×g超で25分超にわたって遠心分離すること、を含む方法によって作られ、該上澄み液が、コアグロゲンを実質上含まない精製LALである。
【0042】
いくつかの実施形態において、血球溶解物は、精製されたリムルス変形細胞溶解物である。コアグロゲンを実質上含まない用語「精製されたリムルス変形細胞溶解物」(又は「精製LAL」)は、LALの外観を曇らせる成分を除去するためにさらに処理された、上記記載のコアグロゲンを実質上含まないLALを指す。実施形態において、精製LALは、コアグロゲンを実質上含まないLALを遠心分離することで生成される。いくつかの実施形態において、用語「精製LAL」は、酵素を損傷することなく、LALを目に見えて透明にするのに十分な期間にわたって、1800g超(すなわち、1800×重力)、2200g超、2600g超、3000g超、3400g超、3800g超、4200g超、4600g超、5000g超、5400g超、5800g超、6000g超、6100g超、又は6200g超で遠心分離されたLALを指す。いくつかの実施形態において、用語「精製LAL」は、酵素を損傷することなく、LALを目に見えて透明にするのに十分な期間にわたって、1800~8000g、2200g~7600g、2600g~7200g、3000g~7200g、3400g~7200g、3800g~7200g、4200g~7200g、4600g~7200g、5000g~7200g、5400g~7200g、5800g~7200g、又は6100g~7200gで遠心分離されたLALを指す。
【0043】
いくつかの実施形態において、コアグロゲンを実質上含まない用語「精製されたリムルス変形細胞溶解物」(又は「精製LAL」)は、コアグロゲンを実質上含まないLALを20,000×g超、22,000×g超、24,000×g超、25,000×g超、26,000×g超、28,000×g超、30,000×g超、35,000×g超、40,000×g超、45,000×g超、又は50,000×g超で遠心分離することで、LALの外観を曇らせる成分を除去するためにさらに処理された、上記記載のコアグロゲンを実質上含まないLALを指す。いくつかの実施形態において、コアグロゲンを実質上含まないLALは、20,000~50,000×g、20,000~40,000×g、25,000~50,000×g、25,000~40,000×g、又は30,000~40,000×g超で遠心分離される。いくつかの実施形態において、コアグロゲンを実質上含まないLALは、20分超、30分超、40分超、又は60分超にわたって遠心分離される。いくつかの実施形態において、コアグロゲンを実質上含まないLALは、20~120分、20~90分、20~60分、20~40分、又は約30分にわたって遠心分離される。
【0044】
いくつかの実施形態において、用語「精製LAL」は、3分超、4分超、5分超、6分超、7分超、8分超、9分超、又は10分超にわたって遠心分離されたLALを指す。いくつかの実施形態において、用語「精製LAL」は、3分~30分、4分~25分、4分~20分、5分~15分、又は5分~10分にわたって遠心分離されたLALを指す。遠心分離速度をより遅くすると、遠心分離時間をより長く必要とする場合があり、それに応じて、時間及び/又は速度を調整することで、LALの視覚的な曇りが低減されることが、当業者には理解されよう。いくつかの実施形態において、用語「精製LAL」は、約3分~約10分にわたって約5000g~約7000gで、又は5分にわたって約6120gで遠心分離されたコアグロゲンを実質上含まないLALを指す。実施形態において、コアグロゲンを実質上含まない精製LALは、リムルスポリフェムスからの溶解変形細胞から導出された溶液を2,000rpm(980g)で8分にわたって4℃で遠心分離することで作られる。精製LALは、遠心分離後の上澄み液中に確認される。いくつかの実施形態において、その結果得られる上澄み液を、その後、緩衝剤と組み合わせ、その結果得られる上澄み液及び緩衝剤の組合せを、その後、保持液を生成するために、30kDaのメンブレンフィルタを使用するタンジェンシャルフローフィルトレーションにかけて、上澄み液を生成するために、保持液を5,000rpm(6120g)で5分にわたって4℃で遠心分離して、この上澄み液を、コアグロゲンを実質上含まない精製LALとする。実施形態において、リムルスポリフェムスからの溶解変形細胞から導出された溶液は、複数のリムルスポリフェムス溶解変形細胞のプールである。
【0045】
いくつかの実施形態において、血球溶解物は、リムルスポリフェムスからの溶解変形細胞から導出された溶液を取得することで取得される。いくつかの実施形態において、該溶液を、その後、緩衝剤と組み合わせ、その結果得られる溶液及び緩衝剤の組合せを、その後、保持液を生成するために、20kDa~50kDaのメンブレンフィルタを使用する連続タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)にかけて、上澄み液を生成するために、保持液を20,000×g超で25分超にわたって4℃で遠心分離して、この上澄み液を、コアグロゲンを実質上含まない精製LALとする。実施形態において、溶解物は、リムルスポリフェムスからの溶解変形細胞又は複数のリムルスポリフェムス溶解変形細胞のプールから導出される。いくつかの実施形態において、連続TFFは、少なくとも4つのダイアフィルトレーション体積(DV)を含む。いくつかの実施形態において、連続TFFは、少なくとも5つのダイアフィルトレーション体積を含む。いくつかの実施形態において、連続TFFは、少なくとも6つのダイアフィルトレーション体積を含む。いくつかの実施形態において、連続TFFは、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、又は少なくとも15個のダイアフィルトレーション体積を含む。
【0046】
本明細書に記載のカートリッジ、方法、及び組成物では、血球溶解物の凝固酵素によって切断される任意の発色基質を使用可能である。米国特許第5,310,657号は、例えば、式R1-A1-A2-A3-A4-B-R2を有する典型的な発色基質を記載しており、ここでR1は、水素、ブロッキング芳香族炭化水素、又はアシル基を表し、A1は、Ile、Val、又はLeuから選択されたL又はDアミノ酸を表し、A2は、Glu又はAspを表し、A3は、Ala又はCysを表し、A4は、Argを表し、Bは、エステル及びアミドから選択された連鎖を表し、R2は、B連鎖を通過してアルギニンのCカルボキシル末端に共有結合で取り付けられる発色又は発光発生基を表し、発光発生又は発色部分は、発色基質の残部から切断されて、クロモゲン又はフルオロゲンを生成することが可能である。典型的な発色基質は、コンセンサス配列、酢酸-Ile-Glu-Ala-Arg-pNAを有し、ここでpNAは、パラニトロアニリン基を表す。米国特許第4,188,264号は、配列R1-Gly-Arg-R2のLアミノ酸からなる構造を有するペプチド基質を記載しており、ここでR1は、N末端修飾アミノ酸を表し、R2は、酵素加水分解により解放されて、着色化合物HR2を発生可能な基である。米国特許第4,510,241号は、配列内でGly部分がAla又はCysに置き換えられている理由で、以前の基質とは異なる発色ペプチド基質を開示している。その代わりとして、発色基質は、フルオロフォア、例えば、7-アミノ-4-メチルクマリン、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、及び4-メトキシ-2-ナフチルアミンを含み得る。
【0047】
様々な濃度の発色基質を使用可能である。いくつかの実施形態において、発色基質の濃度は、0.1g/l~0.5g/l、0.1g/l~0.4g/l、0.2g/l~0.4g/l、0.2g/l~0.3g/l、又は0.2g/l~0.25g/lである。
【0048】
アッセイの抑制又は促進は、試験サンプル中の物質が血球溶解物の反応と干渉する場合に生じる。抑制の結果、反応時間がより長くなり、試験サンプル中に実際に存在し得るものよりも微生物汚染レベルが低いことを示す。促進の結果、反応時間がより短くなり、試験サンプル中に実際に存在し得るものよりも微生物汚染レベルが高いことを示す。
【0049】
様々な乾燥組成物内で乾燥可能な血球溶解物、発色基質、及び/又は微生物汚染物質を代表する作用物質の典型的な量は、本明細書に記載されており、又はそれ以外では、当業者であれば容易に判定することができる。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約30%~50%の比の血球溶解物及び10%~30%の比の発色基質(v/v)が提供されるような量の成分を含む。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約35%~約45%の比の血球溶解物及び15%~25%の比の発色基質、又は約40%の比の血球溶解物及び20%の比の発色基質(wt/wt)が提供されるような量の成分を含む。他の実施形態において、乾燥組成物は、約30%~50%の比のコアグロゲンを実質上含まないLAL及び10%~30%の比の発色基質(v/v)が提供されるような量の成分を含む。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約35%~約45%の比のコアグロゲンを実質上含まないLAL及び15%~25%の比の発色基質、又は約40%の比のコアグロゲンを実質上含まないLAL及び20%の比の発色基質(wt/wt)が提供されるような量の成分を含む。他の実施形態において、乾燥組成物は、約30%~50%の比の精製LAL及び10%~30%の比の発色基質(v/v)が提供されるような量の成分を含む。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約35%~約45%の比の精製LAL及び15%~25%の比の発色基質、又は約40%の比の精製LAL及び20%の比の発色基質(wt/wt)が提供されるような量の成分を含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約1μg~約50μgの血球溶解物及び約0.1μg~5μgの発色基質、約1μg~約30μgの血球溶解物及び約0.5μg~4.0μgの発色基質、又は約2μg~約20μgの血球溶解物及び約1.0μg~約3.0μgの発色基質、又は約4μg~約25μgの血球溶解物及び約1.0μg~約2μgの発色基質を含む。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約1μg~約50μgのコアグロゲンを実質上含まないLAL及び約0.1μg~約5μgの発色基質、又は約1μg~約30μgのコアグロゲンを実質上含まないLAL及び約0.5μg~約5μgの発色基質、又は約2μg~約20μgのコアグロゲンを実質上含まないLAL及び約1.0μg~約3.0μgの発色基質、又は約1μg~約30μgのコアグロゲンを実質上含まないLAL及び約1.0μg~約2.0μgの発色基質を含み、発色基質はAc-Ile-Glu-Ala-Arg-pNAである。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約4μg~約25μgのコアグロゲンを実質上含まないLAL及び約1μg~約1.5μgの発色基質を含み、発色基質はAc-Ile-Glu-Ala-Arg-pNAである。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約1μg~約50μgの精製LAL及び約0.1μg~約5μgの発色基質、又は約1μg~約30μgの精製LAL及び約0.5μg~約5μgの発色基質、又は約2μg~約20μgの精製LAL及び約1.0μg~約3.0μgの発色基質、又は約1μg~約30μgの精製LAL及び約1.0μg~約2.0μgの発色基質を含み、発色基質はAc-Ile-Glu-Ala-Arg-pNAである。いくつかの実施形態において、乾燥組成物は、約4μg~約25μgの精製LAL及び約1μg~約1.5μgの発色基質を含み、発色基質はAc-Ile-Glu-Ala-Arg-pNAである。
【0051】
いくつかの実施形態において、微生物汚染物質制御は、約0.1EU/ml~1EU/mlである。いくつかの実施形態において、微生物汚染物質は、約0.1EU/ml~1EU/mlの濃度の細菌エンドトキシンであり、1μl~10μlを使用する。
【0052】
好適な実施形態において、約10%~約60%の血球溶解物若しくは約20%~約50%の血球溶解物若しくは約30%~約40%の血球溶解物、又は約10%~約60%のコアグロゲンを実質上含まないLAL若しくは約20%~約50%のコアグロゲンを実質上含まないLAL若しくは約30%~約40%のコアグロゲンを実質上含まないLALを含む製剤を、冷凍乾燥させて乾燥組成物を得る。いくつかの実施形態において、約10%~約60%の精製LAL又は約20%~約50%の精製LAL又は約30%~約40%の精製LALを含む製剤を、冷凍乾燥させる。冷凍乾燥させられる血球溶解物、コアグロゲンを実質上含まないLAL製剤、又は精製LAL製剤の体積は、一般的に、約1μL~約10μL程度である。さらなる実施形態において、該製剤は、約20%~約30%又は約25%~約30%の血球溶解物又はコアグロゲンを実質上含まないLALを含むことができ、堆積体積は、約3μL~約10μL、又は約3μL~約8μL、又は約3.5μL~約7μLである。さらなる実施形態において、該製剤は、約20%~約30%又は約25%~約30%の精製LALを含むことができ、堆積体積は、約3μL~約10μL、又は約3μL~約8μL、又は約3.5μL~約7μLである。
【0053】
カートリッジ100はまた、pH試験紙又はサンプルのpHを直接判定するために使用可能な他の好適な化合物又は組成物等のpH指示薬を含むことができる。pH指示薬は、光学的サンプルウェル104に直接付随し得るが、カートリッジ100の配向によって、導管108にも付随し得る。いずれの実施形態においても、pH指示薬は、サンプルのpHを測定するために容易に使用可能である。カートリッジ100はまた、貯蔵及び自動データ収集等を容易にするために、カートリッジを識別するのに有用なバーコードを含むことができる。
【0054】
追加の実施形態において、例えば、
図1A及び
図1Bに示す通り、ハウジング102は、4つの光学的サンプルウェルを含むが、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10等、他の又は追加の数の光学的サンプルウェルを利用することもできる。本明細書に記載の通り、実施形態において、4つの光学的サンプルウェルの2つは、光学的サンプルウェル上で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質をさらに含み、この作用物質は、様々な基質、溶解物等と同様に、本明細書に記載する方法が正確に機能していることを検証するための対照として作用することができる。他の実施形態において、ハウジング102は、2つの光学的サンプルウェルを含むことができ、一方のサンプルウェルは対照として、他方は試験ウェルとして作用し、又は4、6、8、10、12、14個等の光学的サンプルウェルを含むことができ、光学的サンプルウェルの一部(例:2、4、6、8個等)は対照として機能し、他の光学的サンプルウェルは試験ウェルとして機能する。
【0055】
抑制又は促進の欠如を検証するために、対照用の光学的サンプルウェルは、好適には、測定すべき微生物汚染物質を代表する既知量の作用物質で「スパイク」される。好適には、微生物汚染物質のスパイクの結果、サンプル中の最終微生物汚染物質濃度が、ログベースで、検量線における微生物汚染物質濃度の最高標準と最低標準との間の中間点に近づく。例えば、検量線が50エンドトキシン単位(EU)/mL~0.005EU/mLに及ぶアッセイにおいて、サンプルをスパイクして、約0.5EU/mLの最終微生物汚染物質濃度を含むことができる。検量線が1EU/mL~0.01EU/mLに及ぶアッセイにおいて、微生物汚染物質によるスパイクの結果、約0.1EU/mLの最終微生物汚染物質濃度を得ることができる。
【0056】
好適には、「スパイク」又は既知量の測定対象の微生物汚染物質を代表する作用物質が、光学的サンプルウェル上で乾燥させられる。スパイクされたサンプル(複数含む)は、スパイクされていないサンプル又は試験サンプルと並行して分析される。その後、結果得られるスパイクされていないサンプル中の微生物汚染物質濃度、及びスパイクされたサンプル中で回収された微生物汚染物質が計算及び比較される。回収された微生物汚染物質は、好適には、約50%~200%の範囲内でスパイクの既知濃度に等しい。サンプル(又は希釈液)が反応を抑制又は促進することが確認されたら、該サンプルは、抑制又は促進が解消されるまで、さらなる希釈液を必要とすることがある。最初は、サンプルの10倍の希釈液を試験することで、抑制又は促進を検査することが望ましい場合がある。
【0057】
追加の実施形態において、混合領域142中の乾燥組成物は、本明細書に記載するカートリッジを追加の反応に使用可能なように、他の様々な試薬/反応物質を含むことができる。このような実施形態において、冷凍乾燥又はガラス化された乾燥組成物として所定の量の所望の反応物質(例:緩衝剤、酵素、安定剤等)が含まれている混合領域142へサンプルを導入することができると、エンドトキシン検出以外に様々な追加の試験の機会のためのプラットホームが提供される。
【0058】
実施形態において、
図1Fに示す通り、ハウジング102は、サンプル遮断機構、好適には、光学的サンプルウェル104内のサンプル体積の充填及び維持の一助となる液体不透過性膜121を含む。本明細書で使用する「液体不透過性膜」は、空気が基質を通過することを可能にするが、液体はほとんど通さず、好適には、いかなる液体も膜を通過させない基質を指す。このような膜の例には、例えば、ポリ(プロピレン)膜、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)膜、他のフルオロポリマー等を含む様々なゴム及びポリマーが含まれる。好適には、液体不透過性膜121は、光学的サンプルウェル104に流体的に接続されており、それにより、光学的サンプルウェルを充填する液体サンプルは、液体不透過性膜に接触し、液体不透過性膜に当たると流れを停止し、このため、光学的サンプルウェルの各々の中のサンプルの体積(複数含む)を同じ(又は同じ体積の約1~10%の範囲内)になるように維持し、その結果、サンプル同士を互いに比較することができる。
【0059】
実施形態において、
図1C~
図1Eに示す通り、カートリッジ100は、ハウジング102を具備し、好適には、カートリッジ100を形成するように互いに機械的に接続された3つの個々の区分、例えばカバー区分184、下部区分186及びマニホールド区分188から作製される。ともに接続された3つの区分を利用することで、カートリッジ100の様々な部分をより容易に作製し、並びに組み立てることが可能になる。例えば、導管108、流体入口ポート106、並びに光学的サンプルウェル104を構成するチャネル、マイクロチャネル又は管材は、下部区分186に事前に形成又は配置することができ、その後、カバー区分184及びマニホールド区分188とともに接続して、完成したカートリッジ100を形成することができる。
【0060】
カートリッジ100の区分を機械的に接続する方法には、様々な接着剤若しくはのり、レーザ溶接、超音波溶接、機械式ねじ、又は自己嵌合式コネクタ、並びにバンド又はクリップが含まれる。追加の実施形態において、2つの区分間の機械的接続は、熱溶融又は熱接合により実施することができる。実施形態において、ハウジング102の様々な区分(184、186、188)を射出成形し、その後、互いに熱接合又は溶融接合することができ、それによって、好適には、導管108、光学的サンプルウェル104、及び流体入口ポート106を封じることができる。さらなる実施形態において、ハウジング102のカバー区分184、下部区分186及びマニホールド区分188のうちの1つ又は全部は、不透明なプラスチックを使用して作製可能で、それにより、測定中にハウジングを通過する望ましくない光を低減させ、クロストークを低減させる。
【0061】
実施形態において、
図1A~
図1Eに示す通り、本明細書に提供されるのは、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジ100であって、該カートリッジは、カバー区分184、カバー区分184に機械的に接続された下部区分186及び下部区分186に機械的に接続されたマニホールド区分188を具備するハウジング102を具備する。
【0062】
図1A~
図1Bは、カバー区分184が可視で(
図1A)、下部区分186及びマニホールド区分188が可視である(
図1B)、該区分の各々を含むカートリッジ100の図を示す。
【0063】
カバー区分184は、好適には、様々な構成要素を接続するための様々な切欠き及び接続点(
図1Cを参照)を含み、好適には、透明なプラスチック又は高分子組成物から構成される。
【0064】
下部区分186は、好適には、4つの光学的サンプルウェル104と、流体入口ポート106と、流体入口ポート及び光学的サンプルウェルを流体的に接続する導管108と、を具備するプラスチック要素である。
図1Fを参照されたい。導管108は、好適には、下部区分186の構造体内に形成された切欠き又はチャネルであるが、他の実施形態において、下部区分に付加されるマイクロ流体チャネル又は管材であり得る。
図1F~
図1Gは、導管108が下部区分186の1つの側面に沿って連続的に通過し、導管内に、吸引領域140、流体制限器144、及び混合領域142を含む、下部区分186の1つの実施形態を示す。導管108のこの単一平面の実施形態は、導管108の構成要素のすべてが同一平面に存在する
図1Gにさらに示され得る。
図2A及び
図2Bはまた、導管108が流体入口ポート106からサンプルウェル104にわたって、下部区分186の全長を通過する、この平面の実施形態を示す。
図2Bは、導管108を通過した、下部区分186の断面を示す。
図2Aに示すサンプルウェル104は、本質的に、サンプルウェルの側壁であり、ウェルの上部及び下部は、それぞれカバー区分184及びマニホールド区分188により提供される。
図2Aは、導管108の長さに沿った、吸引領域140、流体制限器144及び混合領域142の典型的な位置を示す。
【0065】
別の実施形態において、
図1Dに示す通り、下部区分186は、下部区分の1つの側面上で開始し、その後、下部区分186を通過して、他の側面まで横断する導管108を具備可能である。例えば、
図2C及び
図2Dに示す通り、導管は、サンプル入口ポート106に接続された、下部区分186の「上部」で開始する。導管108は、その後、第1の貫通孔206での下部区分186を通過して、下部区分186の「下部」側面まで、さらに、サンプルウェル104に接続する前に、第2の貫通孔206で後退し、下部区分の「上部」側面まで横断する。この「通過」はまた、
図1A、
図1B及び
図1Dで見ることができる。
図2Cは、下部区分186の「上部」の吸引領域140及び流体制限器144の位置を示す。混合領域142は、
図2Dに示す断面で、下部区分186の下方で見ることができる。
【0066】
カートリッジ100のマニホールド区分188は、好適には、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された混合部分520を具備し、混合部分520は、導管108の混合領域142に対応する。すなわち、マニホールド区分188の混合部分520は、該区分が接続されて、カートリッジを形成する場合、下部区分186内の導管108の混合領域142に一致する。好適な実施形態において、マニホールド区分188はまた、サンプルウェル部分504を具備する。
【0067】
図3Aは、下部区分186を示し、導管108は、下部区分186の1つの側面に沿って、サンプル入口ポート106からサンプルウェル104まで、ハウジング102の長い又は細い区間119の長さを通る単一チャネルである。
図3Aは、下部区分186の図を示し、導管108は、下部区分186内に形成されたチャネルである。
図5Aは、
図3Aの切欠き302で下部区分186内に装入するであろうマニホールド区分188の実施形態を示す。
図5Aに示すマニホールド区分188は、好適には、カバー区分184と下部区分186とともに接続される場合、サンプルウェル104の「下部」を形成する、サンプルウェル部分504を具備する。
【0068】
図3Bは、導管108が第1及び第2の貫通孔206を介して、下部区分を通過して横断する、下部区分186の別の実施形態を示す。
図3Bに記載の通り、導管108は、下部区分186内に形成されたチャネルとして開始し、その後、第1の貫通孔206を介して通過する。
図3Bは、
図5B記載のマニホールド区分188がその中に配置可能な切欠き304を示す。
図5Bのマニホールド区分188は、好適には、カバー区分184及び下部区分186、並びに下部区分186の混合領域142に対応する(すなわち、合致する)混合部分520とともに接続される場合、サンプルウェル104の「下部」を形成する、サンプルウェル部分504を具備する(
図1B、
図1E、
図2D及び
図3Bを参照)。
図1Eはまた、完全なカートリッジ100を形成するために、カバー区分184及び下部区分186に接続される前の、
図5Bからのマニホールド188を示す(マニホールド区分188が好適に装入するカートリッジの「下部」の図を示す
図1Bも参照)。
【0069】
図4A及び
図4Bは、典型的なカバー区分184を示し、
図4Aのカバー区分が単一チャネル導管108と嵌合し、
図5Bのカバー区分が下部区分を通過する導管108と嵌合する。レーザ溶接402が生じ得る典型的な領域を示す。
【0070】
本明細書に記載の通り、カートリッジ100は、好適には、ハウジング102に付随し、流体入口ポート106、導管108及び(2つの)光学的サンプルウェル104に流体的に接続されたポンプ機構110を具備する。いずれかの設計により、ポンプ機構110は、好適には、
図3A及び
図3Bに示す通り、下部区分186へ一体型となる(すなわち、下部区分186の部分をなす)。実施形態において、ポンプ機構は、3位置シリンジであって、第1の位置が、真空を生成して、サンプルを吸引領域140内へ導入し、第2の位置が、吸引領域140から流体制限器144を通過して混合領域142への輸送を提供し、第3の位置が、混合領域142からサンプルウェル104への輸送を提供する。
【0071】
好適には、典型的な実施形態と図に示す通り、下部区分186は、4つの光学的サンプルウェルを具備し、4つの光学的サンプルウェルの2つが、光学的サンプルウェル内で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含むように構成される。実施形態において、マニホールド区分188は、好適には、マニホールド区分のサンプルウェル部分504上で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含む(
図5A又は
図5B)。実施形態において、マニホールド区分188は、カートリッジの要素が接続される場合、マニホールドが構成要素の両方を混合領域142に提供するように、マニホールド区分188の混合部分520上で乾燥させられた発色基質をさらに含む。好適な実施形態において、血球溶解物は、リムルス変形細胞溶解物であり、サンプルウェル内の作用物質は、細菌エンドトキシンである。
【0072】
このため、実施形態において、マニホールド区分188は、好適には、本明細書に記載のアッセイに有用な乾燥構成要素のすべてで作製される。好適には、マニホールド188のサンプルウェル部分504は、その上で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含み、マニホールド区分188の混合部分520は、その上で乾燥させられた混合領域142に提供される血球溶解物及び発色基質の両方を含む。マニホールド区分188は、このため、カートリッジの別個に提供された要素であり得、取外し・置き換え可能なもので、所望であれば、カートリッジの再利用を可能にする。
【0073】
マニホールド区分188はまた、レンズ502を具備可能で、混合領域142に流入及び/又はそこから流出するサンプル流体の監視を可能にする。このレンズ502は、レーザ又は他の光に基づいた機構により光学的に監視可能で、分析処置の間、流体サンプルの位置及び配置を確認する。
【0074】
検出方法
さらに、本明細書に提供されるのは、サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法である。実施形態において、該方法は、好適には、サンプルを本明細書に記載のカートリッジの流体入口ポート内へ導入することを含む。例えば、サンプルは、容器内に保持され得、或いは反応プロセス若しくはバッチ、又は薬剤溶液から直接引かれ得る。好適には、サンプルを、ポンプ機構110、好適には、3位置シリンジを介して真空を生成することで、サンプル導入方向114を介して導入し、サンプルを流体入口ポート106内へ導入する。サンプルはまた、さらに好適には、ポンプ機構により生成される真空により、この初期プロセスにおいて導管108へ伝達される。好適には、サンプルは、導管108の吸引領域140へ伝達される。
【0075】
その後、ポンプ機構110は、好適には、3位置シリンジであって、第2の位置に配置され、サンプルを導管108(好適には、吸引領域140)から導管108の混合領域142まで伝達する。実施形態において、この伝達は、吸引領域140から流体制限器144を通過して混合領域142まで生じる。
【0076】
該サンプルは、その後、好適には、混合サンプルを生成するために、血球溶解物及び発色基質と混合される。本明細書に記載の通り、この混合は、好適には、例えば、磁石により混合領域内で、要素を回転又は並進させることで、磁気混合要素146により生じる。混合サンプルは、その後、混合領域から光学的サンプルウェル104まで伝達される。好適には、サンプルの伝達又は輸送は、光学的サンプルウェルに流体的に接続される、液体不透過性膜121により停止される。本明細書に記載の通り、該輸送を停止することで、光学的サンプルウェルの各々が、体積を略均一として充填可能で(体積が互いの約10%以内、好適には、約5%、又は約1%以内で変化するように)、光学的サンプルウェル間の比較を可能にする。
【0077】
方法は、光学的サンプルウェル内のサンプルの光学的特性を測定することをさらに含む。微生物汚染物質の存在を検出する方法において、光学的特性の変化が、サンプル中の微生物汚染物質の存在を示す。
【0078】
本明細書に記載の通り、光学的特性は、好適には、事前選択された光の波長におけるサンプルの吸収度であって、光学的特性の変化は、吸収度の変化である。測定される光学的特性は、特定の波長における吸収度、特定の波長における透過度、特定の波長における蛍光性、又は光学的密度の変化(例:増大又は減少)であり得る。例えば、光学的特性は、約200nm~約700nmの範囲内、より好適には、約350nm~約450nmの範囲内、若しくは約400nm~約410nm、又は約405nmの波長における吸収度又は透過度の変化であり得る。
【0079】
本明細書に記載の通り、カートリッジ100のカバー区分184、下部区分186及びマニホールド区分188を封止又は接続するための典型的な機構には、レーザ溶接及び超音波溶接が含まれる。好適には、これらの区分の1つ以上は、少量(例:0.5~10重量%、好適には、2~5重量%)のカーボンブラックを含有するポリスチレン等の高分子材料から作製される。該区分の1つ以上にカーボンブラックを含有することで、該区分をともにレーザ溶接することが可能になる。レーザ溶接を実施する方法は、例えば、開示が完全な形で参照により本明細書に組み込まれている、Klienの「Laser Welding of Plastics」、Wiley-VCH、ドイツ(2012)に開示されているように、当業分野では公知である。レーザ溶接を使用することで、液体不透過性膜の熱に起因する劣化に関係する問題が緩和される。
【0080】
超音波溶接の方法は、例えば、開示が完全な形で参照により本明細書に組み込まれている、Shohの「Welding of thermoplastics by ultrasound」、Ultrasonics 14:209-217(1976)に開示されているように、当業分野では公知である。超音波溶接を使用することで、液体不透過性膜の熱に起因する劣化に関係する問題が緩和される。
【0081】
典型的な実施形態において、光学的サンプルウェル104内にサンプルを含む、本明細書に記載のカートリッジ100は、
図6に示す等により、測定デバイス又はリーダデバイス600内へ挿入可能である。
図6のリーダデバイス600は、例示のみを目的として提供されており、本明細書に記載のカートリッジの読み取り又は分析の方法を含めて、本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。カートリッジ100は、好適には、サンプルの光学的特性の測定が実施可能なように、リーダデバイス600に挿入可能である。図示の通り、リーダデバイス600は、好適には、手持ち式又は容易に携帯可能なデバイスであり、様々な研究室又は臨床環境に採用可能で、簡便なタッチスクリーンコマンドを介して容易に操作・制御することができる。リーダデバイス600の典型的な構成要素は、約350nm~約450nm、若しくは約400nm~約410nm、又は約405nmの波長の光を生成可能な光源、好適には、LED光源を含むことができる。さらに、リーダデバイス600内には、ライトパネル(例えば、ライトガイド、鏡、プリズム等)が含まれ、光学的サンプルウェル104の各々に照明を提供して、検出器、好適には、フォトダイオードのアレイにより読み取り可能な信号チャネルを提供する。正しい光の強度及び波長が提供されているか否かを判定するための対照として、さらなる基準チャネルが提供される。リーダデバイス600はまた、例えば、サンプルの温度を、好適には、約25℃~約40℃に維持するために加熱器を具備可能で、酵素反応を容易にする。典型的な加熱器は、ポリイミド、例えば、デュポンカプトン(DUPONT KAPTON)(登録商標)、及びシリコーンゴムの可撓性フィルムから作製可能である。吸収量の判定及び/又は定量化を実行するためのコンピュータ回路等のリーダデバイス600の他の様々な構成要素は、当業分野では公知であり、このようなデバイス内へ容易に組み込むことができる。
【0082】
カートリッジ100をリーダデバイス600内に挿入すると、加熱器により加熱を行い、所望の酵素反応を容易にすることができる。サンプルを含む光学的サンプルウェル104を介して、光が提供され、検出器、好適には、フォトダイオードで吸収度が読み取られる。その後、様々な光学的サンプルウェルからの吸収度が比較され、好適には、光学的サンプルウェルのうちの1つ以上が、微生物汚染物質を含む対照として作用する。その後、例えば、標準較正検量線に対して、サンプル中の量と対照中の量を比較することで、サンプル中のエンドトキシンの存在及び/又は量を判定可能である。当業者であれば、既知量のエンドトキシンの吸収度を使用して、このような標準較正検量線を容易に作製可能である。追加の実施形態において、リーダデバイス600には、試験サンプル中のエンドトキシンの量を判定するために、オペレータが使用可能な保存(すなわち、リーダデバイスに保持され、当初提供される)検量線、又は所定の検量線も提供可能である。このような保存検量線又は所定の検量線は、様々なエンドトキシンに対して提供可能で、必要に応じて、ユーザが、例えば、保守データベースから検量線をダウンロードすること等によって更新可能である。複数のカートリッジ100をリーダデバイス600内へ挿入し、同時に読み取ることができ、多くの異なるサンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は数量を同時に判定可能にする。
追加の典型的な実施形態
【0083】
実施形態は、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジであって、光学的サンプルウェル、流体入口ポート及び流体入口ポートと光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備する、ハウジングと、ハウジングに付随し、流体入口ポート、導管及び光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された導管に沿って配置された混合領域と、を具備する、カートリッジである。
【0084】
実施形態2は、ハウジングが、4つの光学的サンプルウェルを具備し、4つの光学的サンプルウェルの2つが、光学的サンプルウェル内で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含むように構成される、実施形態1に記載のカートリッジを具備する。
【0085】
実施形態3は、混合領域内で乾燥させられた発色基質をさらに含む、実施形態1又は2に記載のカートリッジを具備する。
【0086】
実施形態4は、ハウジングが、互いに機械的に接続されたカバー区分と下部区分とを具備する、実施形態1~3のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0087】
実施形態5は、ハウジングが、下部区分に機械的に接続されたマニホールド区分をさらに具備し、乾燥組成物が、マニホールド区分の混合部分上で乾燥させられる、実施形態4に記載のカートリッジを具備する。
【0088】
実施形態6は、混合部分が、その上で乾燥させられた発色基質をさらに含む、実施形態5に記載のカートリッジを具備する。
【0089】
実施形態7は、マニホールド区分が、マニホールド区分のサンプルウェル部分上で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質をさらに含む、実施形態5又は6に記載のカートリッジを具備する。
【0090】
実施形態8は、混合領域が、その中に含まれる磁気攪拌要素を具備する、実施形態1~7のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0091】
実施形態9は、導管が、流体入口ポートと混合領域との間に配置される、吸引領域と流体制限器とを具備する、実施形態1~8のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0092】
実施形態10は、血球溶解物が、リムルス変形細胞溶解物である、実施形態1~9のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0093】
実施形態11は、微生物汚染物質を代表する作用物質が、細菌エンドトキシンである、実施形態2に記載のカートリッジを具備する。
【0094】
実施形態12は、ポンプ機構が、3位置シリンジであり、第1の位置が、真空を生成して、サンプルを吸引領域内へ導入し、第2の位置が、吸引領域から流体制限器を通過して混合領域への輸送を提供し、第3の位置が、混合領域からサンプルウェルへの輸送を提供する、実施形態9~11のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0095】
実施形態13は、サンプル中の微生物汚染物質の存在及び/又は量を判定するためのカートリッジであって、カバー区分、カバー区分に機械的に接続された下部区分及び下部区分に機械的に接続されたマニホールド区分を具備する、ハウジングであって、下部区分が、2つの光学的サンプルウェル、流体入口ポート、及び流体入口ポートと光学的サンプルウェルとを流体的に接続する導管を具備し、導管が、吸引領域、流体制限器及び混合領域を具備し、マニホールド区分が、血球溶解物を含む乾燥組成物を含むように構成された混合部分を具備し、混合部分が、導管の混合領域に対応する、ハウジングと、ハウジングに付随し、流体入口ポート、導管及び2つの光学的サンプルウェルに流体的に接続されたポンプ機構と、を具備する、カートリッジである。
【0096】
実施形態14は、下部区分が、4つの光学的サンプルウェルを具備し、4つの光学的サンプルウェルの2つが、光学的サンプルウェル内で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質を含むように構成される、実施形態13に記載のカートリッジを具備する。
【0097】
実施形態15は、マニホールド区分が、マニホールド区分のサンプルウェル部分上で乾燥させられた微生物汚染物質を代表する作用物質をさらに含む、実施形態14に記載のカートリッジを具備する。
【0098】
実施形態16は、マニホールド区分の混合部分上で乾燥させられた発色基質をさらに含む、請求項13~15のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0099】
実施形態17は、ポンプ機構が、下部区分に統合され、ポンプ機構が、3位置シリンジであり、第1の位置が、真空を生成して、サンプルを吸引領域内へ導入し、第2の位置が、吸引領域から流体制限器を通過して混合領域への輸送を提供し、第3の位置が、混合領域からサンプルウェルへの輸送を提供する、請求項13~16のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0100】
実施形態18は、血球溶解物が、リムルス変形細胞溶解物である、実施形態13~17のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0101】
実施形態19は、作用物質が、細菌エンドトキシンである、実施形態14~18のいずれかに記載のカートリッジを具備する。
【0102】
実施形態20は、サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法であって、サンプルを、実施形態3に記載のカートリッジの流体入口ポート内へ導入し、サンプルを導管へ伝達すること、サンプルを導管の混合領域内へ伝達すること、混合サンプルを生成するために、サンプルを血球溶解物及び発色基質と混合すること、混合サンプルを混合領域からサンプルウェルへ伝達すること、及び光学的サンプルウェル内の混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、光学的特性の変化が、サンプル中の微生物汚染物質の存在を示す、方法である。
【0103】
実施形態21は、光学的特性を測定することが、事前選択された波長における光の吸収度の変化である、実施形態20に記載の方法を含む。
【0104】
実施形態22は、事前選択された波長における光の吸収度の変化が、検量線と比較される、実施形態21に記載の方法を含む。
【0105】
実施形態23は、検量線が、保存検量線である、実施形態22に記載の方法を含む。
【0106】
実施形態24は、サンプルを導入することが、サンプルを流体入口ポート及び導管内へ導入するために、ポンプ機構を介して真空を生成することを含む、実施形態20~23のいずれかに記載の方法。
【0107】
実施形態25は、伝達することが、ポンプ機構を介して、サンプルを混合領域から光学的サンプルウェルへ輸送することを含む、実施形態20~24のいずれかに記載の方法。
【0108】
実施形態26は、サンプル中の微生物汚染物質の存在を検出するための方法であって、サンプルを、実施形態16に記載のカートリッジの流体入口ポート内へ導入し、サンプルを吸引領域へ伝達すること、サンプルを吸引領域から流体制限器を通過して混合領域へ伝達すること、混合サンプルを生成するために、サンプルを血球溶解物及び発色基質と混合すること、混合サンプルを光学的サンプルウェルへ伝達すること、及び光学的サンプルウェル内の混合サンプルの光学的特性を測定すること、を含み、光学的特性の変化が、サンプル中の微生物汚染物質の存在を示す、方法である。
【0109】
実施形態27は、光学的特性を測定することが、事前選択された波長における光の吸収度の変化である、実施形態26に記載の方法を含む。
【0110】
実施形態28は、事前選択された波長における光の吸収度の変化が、検量線と比較される、実施形態27に記載の方法を含む。
【0111】
実施形態29は、検量線が、保存検量線である、実施形態28に記載の方法を含む。
【0112】
実施形態30は、サンプルを導入することが、サンプルを流体入口ポート及び吸引領域内へ導入するために、ポンプ機構を介して真空を生成することを含み、b)において伝達することが、ポンプ機構を介して、サンプルを吸引領域から混合領域へ輸送することを含み、d)において伝達することが、ポンプ機構を介して、混合サンプルを混合領域から光学的サンプルウェルへ輸送することを含む、実施形態26~29のいずれかに記載の方法を含む。
【0113】
本実施形態のいずれかの範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及び用途に他の好適な修正及び適合を加えることができることが、関連技術の当業者には容易に明らかである。
【0114】
特定の実施形態について本明細書に図示及び説明をしたが、特許請求の範囲又は項目は、説明及び図示される部分の特定の形態又は配列に限定されるものではないことを理解されたい。本明細書において、例示的な実施形態を開示しており、特定の用語を用いたが、これらの用語は、限定の目的ではなく、一般的且つ記述的な意味でのみ使用される。上記の教示を鑑みて、実施形態の修正及び変更が可能である。したがって、具体的に記載したもの以外の方法でも実施形態を実施可能であることを理解されたい。
【0115】
本明細書に記載のすべての公報、特許、及び特許出願は、それぞれ個々の公報、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的且つ個別に指摘された場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【国際調査報告】