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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】高循環を有する潮汐水ろ過タンク
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/04 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
A01K63/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506393
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 TH2020000061
(87)【国際公開番号】W WO2021040631
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】1901005341
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522040300
【氏名又は名称】オショー フィルトレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】シウィクール アジア
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104ED01
2B104EE05
(57)【要約】
水ろ過タンクは、ハウジングと、タンク内に水を受け入れるハウジングに設けられた水入口管(3)と、水入口管(3)よりも低い高さでタンク内に配置されるとともに水入口管を通って流れてきた水を受けるシートであって、このシート全体に配置された複数の細孔を含む配水シート(2)と、配水シート(2)よりも低い高さで配置され、下面が複数の孔を有し、配水シートを通って流れてきた水を受ける粗ろ過材を有する粗ろ過バスケット(1)と、粗ろ過バスケット(1)よりも低い高さで配置され、多層に配置されたろ過材で構成されたろ過材バスケットと、ハウジングに取り付けられ、水を放出する水出口管(7)と、ハウジングの下部に配置されたサイフォン管支持ベース(6)と、ベースに垂直に設置された水出口直立管(8)と、を備える。ハウジング内に充填された水位が水出口管(8)と同じ水位にある場合、水出口管(7)に接続された水出口直立管(8)を介してハウジングから水を吸引するように、水出口直立管(8)の高さは水入口管の高さよりも低い高さを有する。水ろ過タンクは、水出口直立管(8)を覆うサイフォン管(10)と、一端が所定の高さでサイフォン管と接続されたU字状のスナック管(11)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ろ過タンクのハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記タンク内に水を受け入れる水入口管(3)と、
前記水入口管(3)よりも低い高さで前記タンク内に配置されるとともに前記水入口管を通って流れてきた水を受けるシートであって、該シート全体に配置された複数の細孔を含む配水シート(2)と、
前記配水シート(2)よりも低い高さで配置され、下面が複数の孔を有し、前記配水シートを通って流れてきた水を受ける粗ろ過材を有する粗ろ過バスケット(1)と、
前記粗ろ過バスケット(1)よりも低い高さで配置され、多層に配置されたろ過材で構成されたろ過材バスケットと、
前記ハウジングに取り付けられ、水を放出する水出口管(7)と、
前記ハウジングの下部に配置されたサイフォン管支持ベース(6)と、
前記ベースに垂直に設置された水出口直立管(8)と、
を備え、
前記ハウジング内に充填された水位が前記水出口管(8)と同じ水位にある場合、前記水出口管(7)に接続された前記水出口直立管(8)を介して前記ハウジングから水を吸引するように、前記水出口直立管(8)の高さは前記水入口管の高さよりも低い高さを有し、
前記水出口直立管(8)を覆うサイフォン管(10)と、
一端が所定の高さで前記サイフォン管と接続されたU字状のスナック管(11)と、
を備えることを特徴とする水ろ過タンク。
【請求項2】
前記粗ろ過バスケット(1)は、その上面に分散して配置された複数のフィンを備える、請求項1に記載の水ろ過タンク。
【請求項3】
前記粗ろ過バスケット(1)は、その表面に垂直に設置されたオーバーフロー水管(4)を備える、請求項1又は2に記載の水ろ過タンク。
【請求項4】
前記ろ過材バスケット内の領域は、ろ過材を入れるための複数のスペースに分割されている、請求項1に記載の水ろ過タンク。
【請求項5】
前記サイフォン管(10)を前記サイフォン管支持ベース(6)に接続するように配置されたサイフォン管コネクタ(18)を備える、請求項1に記載の水ろ過タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水ろ過タンクに関連する工学
【背景技術】
【0002】
本発明の背景に関連する第1の主題は、低レベルのトレイに植え付け、同時に魚を飼育するアクアポニックスシステムである。前述の方法は、低水循環の原理を利用しており、水を植栽トレイに約30~40分間入れ、植栽トレイから水を約10~20分間排出する。これは、低レベルのベルサイフォンと小さな出口直立管を使用して行われる。これらは、低流量を有する上記トレイからの水の吸い上げを可能にし、これは、植栽及びエネルギー節約に適切な低レベルの水循環をもたらす。このシステムでは、1日あたり48回以下の低レベルの水循環により植栽が十分良好であるものの、水産養殖の目的でアンモニアを除去する程度の水処理では不十分であるという問題がある。したがって、アクアポニックスシステムを有する養殖池では、他のタイプの水処理システムを含む農業従事者がよく見られる。
【0003】
アクアポニックスシステムでは、植物根が酸素と接触して根腐れを防ぐために、植え付けトレイから水が放出される。これは良い側面である。しかしながら、トレイ内のろ過材は、ろ過材を常に水中に配置する方法と比較して、水と接触する時間が短い。その結果、水生動物用の通常のろ過タンクに比べて性能が低下するような、完全な水処理性能が得られない可能性がある。
【0004】
アクアポニックスシステムのサイフォンシリンダと出口直立管は、植栽に適した十分な低水循環を提供するために、植え付けトレイのサイズと比較すると小さい。しかし、これらは養殖のために水をきれいに処理するには不十分である。
【0005】
アクアポニックスシステムでは、水出口直立管は、トレイに取り付けるために、外部ねじ切りジョイント及び内部ねじ切りジョイントを利用する。長期的には、当該ジョイント周辺に漏えいが発生するおそれがある。
【0006】
アクアポニックスシステムにおける出口管は、トレイの底部から外側に向かう方向を向き、それによって、トレイベースを持ち上げる必要がある。したがって、これは安全な安定性の問題を引き起こし、システムに心地よい外観を提供しない可能性がある。
【0007】
アクアポニックスシステムでは、ベルサイフォンが空気塊のために停止したときに大きな音が出る。このような音は、夜間に大きくなったりはっきり聞こえたりすることがあり、近隣住民の人々に迷惑をかける可能性がある。
【0008】
本発明の背景に関連する第2の主題については、水生動物用の水ろ過タンクの一般原理に言及する。水は、火山石、ろ過繊維などのろ過材を通ってろ過タンクに放出された後、ろ過タンクからさらに放出される。3つのアプローチがある。1つ目は、上部から下部への流れを許容することである。2つ目は、下部から上部への流れを許容することである。3つ目は、高圧ろ過タンクを利用することである。この3つのアプローチには、以下にさらに述べるような問題点がある。
【0009】
ろ過材は、システムを一定期間使用した場合、有効に使用できなくなる。フィルタ内にごみが残っているため、ろ過材が部分的に詰まり、内部に悪臭が発生するためである。その後、水は、詰まっていないろ過材を通過するだけである。したがって、ろ過材は部分的にしか使用できず、完全な効率を提供しない。水循環は、一定期間のみ良好で、その後は悪化する。
【0010】
したがって、ろ過タンクに酸素を加えるためにエアポンプを使用する必要がある。これは完全な水処理のためである。しかし、エアポンプの使用に関連して、電気システムの追加の設置手順と共に、より多くのエネルギーとより大きな予算が必要となる。しかし、エアポンプがなければ、ろ過タンク内に悪臭と不完全な水処理が発生する。
【0011】
ろ過タンクに入った水は、ろ過材の特定の部分に含まれることがあり、これにより、材料が目詰まりし、性能が十分に発揮されない運転に至ることがある。これは、水が上部から下部に流れる第1の形態のろ過タンクに特に当てはまる。
【0012】
また、ろ過タンクが満杯になるまでろ過材を重ねて配置するため、清掃や管理が困難である。これは、メンテナンスの面で困難をもたらし、この目的のためにはより長い時間が必要とされる。
【0013】
低水循環、特に高圧ろ過タンクを利用する第3のアプローチでは、運転中、高圧水がろ過タンク内の層状のろ過材に放出される。前記ろ過材は、水の流れを妨げ、ろ過タンクから放出される水の速度を著しく低下させ、それによって、水の循環が少量となり、また、電力を浪費させることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
先行技術の2つの主題に基づいて、これは、より複雑な方法で発明を発展させ、改良するインスピレーションを引き起こした。そこで、本発明者は、水産動物用の新しい水ろ過タンクを発明し、前記2つのシステムに見られる、トレイに植えることに関連する水生アポニックスシステムと、養殖魚と、水産動物用の旧ろ過タンクシステムとに見られる問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
養殖魚と一緒にトレイに植えるアクアポニックスシステムと、養殖魚の旧ろ過タンクシステムの2系統の問題を解決するため、循環率の高い潮水ろ過タンクを開発した。発明者は、高水位タンク内部の潮汐水を入れることができるように、水生動物用の新しい水ろ過タンクを設計した。この構成部品は、高水循環および大量の水処理を可能にするために、互いに最適に適合するように設計された。大型のサイフォン管が、大型のカプラとトレッドカプラでろ過タンクに接続されている。これにより、アクアポニクスシステムで使用されるベルサイフォンと比較した場合、空気と水の循環に関して5~10倍の増加が可能になる。この水ろ過タンクは、水の循環量が多く、1回の運転で1分以内に水タンクから放水する。有毒なアンモニアは、水生動物、特に、コイのような装飾魚の飼育に使用できる程度まで、水からろ過される。
【0016】
水ろ過タンクは、ハウジングと、
前記タンク内に水を受け入れる前記ハウジングに設けられた水入口管(3)と、
前記水入口管(3)よりも低い高さで前記タンク内に配置されるとともに前記水入口管を通って流れてきた水を受けるシートであって、該シート全体に配置された複数の細孔を含む配水シート(2)と、
前記配水シート(2)よりも低い高さで配置され、下面が複数の孔を有し、前記配水シートを通って流れてきた水を受ける粗ろ過材を有する粗ろ過バスケット(1)と、
前記粗ろ過バスケット(1)よりも低い高さで配置され、多層に配置されたろ過材で構成されたろ過材バスケットと、
前記ハウジングに取り付けられ、水を放出する水出口管(7)と、
前記ハウジングの下部に配置されたサイフォン管支持ベース(6)と、
前記ベースに垂直に設置された水出口直立管(8)と、
を備え、
前記ハウジング内に充填された水位が前記水出口管(8)と同じ水位にある場合、前記水出口管(7)に接続された前記水出口直立管(8)を介して前記ハウジングから水を吸引するように、前記水出口直立管(8)の高さは前記水入口管の高さよりも低い高さを有し、
前記水出口直立管(8)を覆うサイフォン管(10)と、
一端が所定の高さで前記サイフォン管と接続されたU字状のスナック管(11)と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
一態様では、前記粗ろ過バスケット(1)は、その上面に分散して配置された複数のフィンを備える。
【0018】
他の態様では、前記粗ろ過バスケット(1)は、その表面に垂直に設置されたオーバーフロー水管(4)を備える。
【0019】
他の態様では、前記ろ過材バスケット内の領域は、ろ過材を入れるための複数のスペースに分割されている。
【0020】
他の態様では、前記サイフォン管(10)を前記サイフォン管支持ベース(6)に接続するように配置されたサイフォン管コネクタ(18)を更に備える。
【0021】
循環性の高い潮汐水ろ過タンクは、循環の各ラウンドで部分的な水を放出し、それによってろ過材がより長い時間水と接触することを可能にする。これは、より良い水処理とより多くの水循環、また、ろ過システムへの空気の追加につながる。アクアポニックスシステムと比較すると、水はトレイから完全に放出され、ろ過材が水と接触する時間が少なくなる。
【0022】
発明者は、Uターン形状のスノック管(20)を使用することにより、タンク内の残りの水を所望のレベルに制御することができる。この管はまた、空気塊によるサイフォンの停止から生じる大きな音を低減する。騒音レベルの低下は、前述の防音又は低減装置のないアクアポニックスシステムでベルサイフォンを使用することによって引き起こされるものと比較して、70パーセント以上である。
【0023】
循環性の高い潮水ろ過タンクの水出口管の位置は、タンクの側面に配置されている。したがって、ろ過タンク自体を床に配置することができる。このような配置により、ろ過タンクを支えるためにベースやスタンドを使用する必要なしに、強力で安定した設置が可能になる。これは、水出口管が下部に配置されているため、支持ベースを使用してトレイを持ち上げる必要があるアクアポニックスシステムとは異なる。
【0024】
循環性の高い潮流ろ過タンク内では、常に水位が変化し、酸素ポンプを使用せずに自然に空気や水をろ過システムに循環させている。これにより、完全なろ過効率とろ過材を通る水の完全な流れが可能になり、エネルギーの節約にもなる。
【0025】
循環性の高いこれらの潮流水ろ過タンクでは、水と空気が一定の速度でろ過システムに分配され循環する。したがって、ろ過材は水と空気に完全に接触し、悪臭を引き起こすことなくろ過材の完全なろ過性能を可能にする。これは、循環が少なく、ろ過材が目詰まりし、酸素が不足し、悪臭が発生する可能性が高い水生動物用の一般的な水ろ過タンクとは異なる。
【0026】
循環性の高い潮水ろ過タンクは、他のろ過システムに比べて簡単に洗浄できる。ろ過材を異なる層に分離するバスケットを使用すると、メンテナンスと清掃が容易になる。これは、ろ過材が重なり合うように配置されている他のシステムとは異なる。このような配置は、メンテナンスとクリーニングの困難につながる。
【0027】
本発明の目的、固有の特徴及び他の態様について、実施例及び図面を用いてより詳細に説明され、最良の形態についてもさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、高循環を有する潮汐水濾過タンクの3D斜視図である。
図2図2は、粗ろ過バスケット及び配水シートを示す図である。
図3図3は、図2に示された配水シートの別々の構成要素及び部分的構成要素を示す図である。
図4図4は、ろ過材バスケットを示す図である。
図5図5は、サイフォン管の支持ベースを示す図である。
図6図6は、サイフォン管の支持ベースを追加的に示す図である。
図7図7は、サイフォン管の支持ベースの下部を示す図である。
図8図8は、図1の断面図及び垂直図である。
図9図9は、高循環を有する潮汐水濾過タンクの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好ましい実施形態をより良く理解し、それがどのように実施され得るかを示すために、添付の図面のみを参照して、実施例によってさらに詳細に説明する。図面に示されている部品は、参照番号によって表される。しかし、明細書は、限定を意味するものではなく、本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲に従う。
【0030】
水ろ過タンクは、水ろ過タンクのハウジング、水入口管(3)、配水シート(2)、粗ろ過バスケット(1)、及びろ過材バスケットを備えている。水入口管(3)は、タンク内に水を受け入れるハウジングに取り付けられている。配水シート(2)は、タンク内において水入口管(3)よりも低い高さに配置され、入口から水流を受け入れ、シート全体に配置された複数の細孔を含む。粗ろ過バスケット(1)は、支持下面に複数の細孔を含み、配水シートよりも低い高さでバスケット内に配置された粗ろ過材を内部に含み、配水シートを介して水流を受け入れる。ろ過材バスケットは、粗ろ過バスケット(1)よりも低い高さでバスケット内に配置され、複数の層に配置されたろ過材と、ハウジングに取り付けられた水出口管(7)で構成され、水を放出する。水ろ過バスケットは、サイフォン管支持ベース(6)を含むことを特徴とする。サイフォン管支持ベース(6)は、ハウジングの下部に配置され、そのベースに垂直に設置された水出口直立管(8)と、サイフォン管(10)とをさらに備えている。サイフォン管支持ベース(6)は、ハウジング内に充填された水位が水出口直立管(8)と同じ水位にあるとき、水出口管(7)に接続された水出口直立管(8)を介してハウジングから水を吸い出すように入口の高さよりも低い高さを有している。サイフォン管(10)は、水出口直立管(8)を覆い、さらに、一端が所定の高さでサイフォン管に接続されたU字形のスノック管(11)を備えている。
【0031】
図1は、粗ろ過バスケット(1)、配水シート(2)、水入口管(3)、オーバーフロー水管(4)、ろ過バスケット(5)、サイフォン管ベース(6)及び水出口管(7)を備える高循環を有する潮水ろ過タンクの3D斜視図を示す。作動原理として、水は、水入口管(3)を通ってタンクに流入し、配水トレイ(2)によって分配され、配水シート(2)と粗ろ過バスケット(1)との間に配置された粗ろ過材に流入する。その後、図8に示すように、タンク内部の水位が水出口直立管(8)の開口部に達するまで、水は雨のようにろ過バスケット(5)の各層のろ過材を通って流れる。その後、水は、ろ過タンクから水出口管(7)を通って高速で吸い上げられる。次いで、サイフォン処理が停止され、U字形のスノック管(20)内の水が完全に吸い上げられ、空気がサイフォン管に流れ込み、それによってサイフォン処理が停止される。
【0032】
図2に、粗ろ過バスケット及び配水シートを示す。
【0033】
一般的なろ過システムでは、水入口管の部分では、ろ過材に詰まりが生じることがある。このため、粗ろ過バスケット(1)は、均一な方法でろ過材上への水の分配を補助するために使用される。これは、さらに、配水シート全体に孔を有するふるい(sieve)シートの形態の配水トレイ(2)を含む。水入口管(3)から水を分配するために、同じものが上部に配置される。配水シートには、水入口管(3)及びオーバーフロー水管(4)の周りの中央及びと浮き上がりエッジに2つの穴が形成されている。配水シート(2)は、粗ろ過バスケット(1)及び配水シート(2)の間に配置された粗ろ過材に均一に水を分配するのを補助する。これにより、粗ろ過材シートのプロファイルを介したろ過効率が向上する。粗ろ過バスケット(1)の上部には、粗ろ過材をバスケット自体から持ち上げるために、意図的にフィンが配置されており、これにより粗ろ過材とバスケットとの間に直接付着することを防止している。粗ろ過バスケットの中央には、中実部がある。これらの孔は、特に水の流れを下方に位置決めされたろ過材に向けるために、ふるいの形態で中実部の周囲に設けられている。
【0034】
図3は、図2(配水シート)に部分的に見られる別々の構成要素を示している。配水シートは、粗ろ過材シート上に均一に水を分配するために、パンチされたふるいの形態で提供される。配水シートの下部には、シートの周囲に配置された多くのフィンが設けられている。これは、粗ろ過シートに付着しないように持ち上げて、水の流れを良くするためである。配水シート自体にも中央に2つの穴が設けられ、配水シートにおいて、水入口管(2)及びオーバーフロー水管(4)の周囲にエッジが浮き上がっている。粗ろ過材シートが目詰まりする場合、直接下方に位置するろ過材バスケット(1)内のろ過材に向かってオーバーフロー水管(4)を通って水が溢れ出す。その後、ろ過材シートが詰まった場合であっても、ろ過タンクの外に水があふれ出ることがない。
【0035】
図4は、ろ過材を収容するためのバスケットを示す。
【0036】
このバスケット自体は、種々のタイプのフィルタ材を分離するために使用され、フィルタ材のメンテナンスを容易にする。バスケットのベースは、水を均一に分配するために使用されるパンチされたふるいの形態である。バスケットの側面は、バスケットを容易に輸送することができるように、持ち上げるための開口部を備えている。このバスケットは、ろ過材を収容するために6つのセクションに分けられる。バスケットの中央には、サイフォン管(16)及び水入口管(17)用のスペースが設けられている。
【0037】
図5に、サイフォン管の支持ベースを示す。
【0038】
サイフォン管の支持ベースは、水入口管(3)、水出口直立管(8)、サイフォン制御管(9)、サイフォン管カプラ(18)、及び水出口管(7)を備えている。水をタンクに流入させるための水入口管が設けられている。水は均一に分配される。水位が水出口直立管(8)の開口部と同じ水位に達すると、水出口管(7)に接続された水出口直立管(8)を介して、タンクから水が吸引される。サイフォン管(6)の支持ベースの機能は、サイフォン管(10)、水入口管(3)、及び水出口直立管(8)を一緒に安全な方法で適切なバランス位置に保持することである。また、ベースは、サイフォン管(10)を持ち上げるのに役立つため、サイフォン管の支持ベースの下部領域は、水入口管(3)及び水出口管(7)の通路として作用する。加えて、サイフォン管ベース(6)は、また、タンクの側部又は壁へのサイフォン作用を助けるように有意に機能する。したがって、作動時には、ろ過タンクは、アクアポニックスシステムと同様にベースなしで壁に配置することができる。サイフォン管カプラ(18)は、安定した方法でバランスの取れた位置でサイフォン管(10)を接続するために使用される。サイフォン制御管(9)は、タンクからのサイフォンを停止し、サイフォン停止によって生じる音を低減し、また、水位を所望の水位に制御することができる。サイフォン制御管(13)の底部の孔は、サイフォン制御管(9)に水を充填する際の停止位置である。サイフォン制御管(9)内の水がスノック管(11)を使用して完全に吸い上げられると、空気がサイフォン管の内側に流れ、それによってサイフォン処理が停止する。これにより、ろ過タンク内の残水量を任意にコントロールすることができる。上部のセクションは水位の変化がある部分で、下部のセクションは常に水が入っている部分である。上部のセクションの水位を連続的に変化させると、自然に空気や水も連続的にタンク内に循環する。したがって、このろ過システムには酸素ポンプは不要である。ろ過タンクから放水する場合は、下部のセクションから放水することで部分的に放水し、セクションの水を下部に流す。満水になるまで常時上部のセクションに水が満たされ、その後ろ過タンクから水が放出される。プロセスのラウンドが繰り返される。この考え方に基づき、ろ過材に空気と水を徹底的に浸透させ、ろ過材を最大限の効率で使用できるようにする。
【0039】
図6に、サイフォン管のベースを追加的に示す。図5からの追加点は、水出口直立管(8)を覆うサイフォン管(10)があり、サイフォン制御管(9)にUタム(U-tum)形状のスノック管(20)が挿入されている点である。水の循環は次のように説明できる。水は、サイフォン管支持ベースのふるいを通って流れ、さらにサイフォン管支持ベースの中心に向かって流れ、次に、上向きに流れ、サイフォン管(10)及び水出口直立管(8)を通過し、水出口直立管(8)を通って水出口パイプ(7)に向かって再び下向きに流れる。
【0040】
図7は、12のセクションを含むサイフォン管の支持ベースの下部の画像を示す。水入口管(3)及び水出口管(7)の通路として使用するために、4つのセクションが空のままになっている。他の8つのセクションは、ろ過タンク内の全ての領域を効率的に使用するために、フィルタ材を充填するためのベース(12)の下に取り付けられたふるいシートを備えている。サイフォン管の支持ベースの中央には、サイフォン管(19)と水出口直立管(8)に向かう給水口が設けられている。これは、サイフォン管カプラの周囲の中央領域において、サイフォン管の中心に向かって流れる前に外側の縁のふるいを通る水の流れを導くために、前記領域の周囲に打ち抜かれたふるいを有する中実領域になるように設計されている。この原理は、死角を生じることなく、タンク内のろ過材を通して水が完全に流れるように導く。
【0041】
図8は、図1の断面図及び垂直図を示す。
【0042】
高循環を有する潮汐水ろ過タンクの断面図から、水出口管(7)が水入口管(3)を横切って配置されていることが分かる。水が水入口管(3)を通ってタンクに流入すると、配水シート(2)によって配水される。配水シートには、粗ろ過材が詰まった場合にろ過タンクの外に水があふれないようにするオーバーフロー水管(4)がある。目詰まりがある場合、水位が上昇し、オーバーフロー水管(4)からろ過材バスケット(5)に向かって水が直接あふれる。平常時は、粗ろ過材シートの配水シート(2)を用いて配水する。その後、水は、粗ろ過バスケット(1)を通って流れ、ろ過材バスケットの各層のろ過材に降雨様式で分配される。タンク内の水位が水出口直立管(8)の最上部に等しいレベルまで高くなると、水はサイフォン管(19)に吸い出される。水は、サイフォン管(10)と水出口直立管(8)の間を高速で流れ、水出口管(7)に接続された水出口直立管に高速で戻り、ろ過タンクから水を放出する。
【0043】
サイフォン制御管(9)は、ろ過タンクからのサイフォン処理を停止し、サイフォン処理の停止によって生じる音を低減する。タンク内の残水のレベルは、以下のように制御することができる。サイフォン制御管(13)の下の穴は、サイフォン制御管(9)に水を充填する際の停止位置である。制御パイプ(9)内の水がスノック管(11)で完全に吸い上げられると、空気が流れてサイフォン管内に侵入することになり、それによってサイフォン処理が停止され、残りの水位を所望に制御できる。また、タンク内のすべての配管を隠すことにより、安全、安定、美しさを追求した設計になっている。したがって、他のろ過システムに存在するようにタンクから外側に延びる管は存在しない。
【0044】
図9に、高循環型潮汐水ろ過タンクの外観を示す。
【0045】
高循環を有する潮汐水ろ過タンクの外壁は、高循環を有する潮汐水ろ過タンクの内部の操作とともにろ過タンクの内部を見るための透明な開口部を備えている。
【0046】
当業者には、本発明は、本明細書に特に記載されたものによって限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述した特徴の組合せおよびサブコンビネーション、ならびに上述した説明を読んだ上で当業者に生じ、先行技術には含まれないそれらの修正および変形の両方を含む。
【0047】
最良の実施の形態は、好ましい実施形態として詳細な説明に開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】