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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】二次電池およびそれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20221019BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20221019BHJP
   H01M 50/59 20210101ALI20221019BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20221019BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20221019BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20221019BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20221019BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/586
H01M50/59
H01M10/04 W
H01M50/531
H01M50/107
H01M10/0587
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508940
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2020014318
(87)【国際公開番号】W WO2021101082
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0149721
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ドゥク ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンソー
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンイ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD06
5H011DD15
5H028AA08
5H028CC08
5H028CC12
5H028EE06
5H029AJ12
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM12
5H029AM16
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029DJ04
5H029DJ14
5H029DJ15
5H029EJ12
5H043AA02
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA02
5H043CA12
5H043EA06
5H043GA22
5H043GA24
5H043HA06E
5H043HA09E
5H043HA22E
5H043JA02E
5H043JA13E
5H043JA17E
5H043KA15E
5H043KA24E
5H043KA28E
5H043KA33E
(57)【要約】
本発明の一実施形態による二次電池はジェリーロール型の電極組立体;前記電極組立体の上端に位置した上端絶縁部材(Top insulator);および前記電極組立体の下端に位置した下端絶縁部材(Bottom insulator)を含み、前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材のうち少なくとも一つは温度上昇に応じて膨らむ温度感応性高分子を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェリーロール型の電極組立体;
前記電極組立体の上端に位置した上端絶縁部材(Top insulator);および
前記電極組立体の下端に位置した下端絶縁部材(Bottom insulator)
を含み、
前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材のうち少なくとも一つは温度上昇に応じて膨らむ温度感応性高分子を含む、
二次電池。
【請求項2】
前記温度感応性高分子は、pNIPAAm(Poly(N-isopropylacrylamide))、pDEAM(Poly(N,N-diethylacrylamide))、pNEMAM(Poly(N-ethylmethacrylamide))、pMVE(Poly(methyl vinyl ether))、pEOVE(Poly(2-ethoxyethyl vinyl ether))、pNVCa(Poly(N-vinylcaprolactam))、pNVIBAM(Poly(N-vinylisobutyramide))およびpNVBAM(Poly(N-vinyl-n-butyramide))の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材のうち少なくとも一つは、絶縁性繊維および前記絶縁性繊維の表面にコートされたコート層を含み、
前記コート層が前記温度感応性高分子を含む、
請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記絶縁性繊維は、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ガラス繊維(Glass fiber)、天然ゴムおよび合成ゴムのうち少なくとも一つを含む、
請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記電極組立体で上部方向に延びた正極タブをさらに含み、
前記上端絶縁部材に前記正極タブが貫く開放部が形成された、
請求項1から4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記開放部の内壁と前記正極タブの間にゲルタイプ部材が位置する、
請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記ゲルタイプ部材は前記温度感応性高分子を含む、
請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記開放部の内壁に自己回復バインダを含む内壁コート層が形成される、
請求項5から7のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記自己回復バインダは、CMC(Ceramic Matrix Composite)素材、アルギネート(Arginate)素材およびキトサン(Chitosan)素材のうち少なくとも一つを含む、
請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記電極組立体を収納する円筒形ケースをさらに含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電極組立体は、前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材の間で固定される、
請求項1から10のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の二次電池を一つ以上含む、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
【0002】
本出願は2019年11月20日付韓国特許出願第10-2019-0149721号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0003】
本発明は二次電池およびそれを含むデバイスに関し、詳細には外部衝撃や振動に対する安全性が向上した二次電池およびそれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
近来、ノートブック、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に増大し、電気自動車、エネルギ貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、その駆動電源として使われる二次電池について多くの研究がなされている。
【0005】
電池ケースに内蔵される前記電極組立体は正極/分離膜/負極の積層構造からなる充放電が可能な発電素子として、ジェリーロール型、スタック型およびスタック/フォールディング型に分類される。ジェリーロール型は活物質が塗布された長いシート型の正極と負極の間に分離膜を介在して巻き取りした形態で、スタック型は所定の大きさの多数の正極と負極を分離膜が介在した状態で順次積層した形態であり、スタック/フォールディング型はジェリーロール型とスタック型の複合構造である。そのうちジェリーロール型電極組立体は製造が容易で重量当たりエネルギ密度が高い長所を有している。
【0006】
このような二次電池には例えばニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。これらのうちリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起きず充放電が自由で、自己放電率が非常に低く、作動電圧が高く、単位重量当たりエネルギ密度が高い長所を有するため先端電子機器分野で広く使われている。
【0007】
二次電池は電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒形金属缶に内蔵されている円筒形電池、電極組立体が角型の金属缶に内蔵されている角形電池および電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類される。そのうち円筒形電池は相対的に容量が大きく構造的に安定するという長所を有する。ただし、円筒形電池はその構造上、左右よりは上下方向に対する振動と衝撃に大きな影響を受ける。上下方向に対する振動と衝撃に特に対処せず露出する場合、電極組立体や内部部品に損傷が発生して性能が低下し得る。
【0008】
したがって、強い振動や衝撃にもその性能を維持できる二次電池に対する開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は前記のような問題を解決するために提案されたものとして内部の電極組立体を固定し、外部振動や衝撃にも安全性が向上した二次電池およびそれを含むデバイスを提供することをその目的とする。
【0010】
ただし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による二次電池は、ジェリーロール型の電極組立体;前記電極組立体の上端に位置した上端絶縁部材(Top insulator);および前記電極組立体の下端に位置した下端絶縁部材(Bottom insulator)を含み、前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材のうち少なくとも一つは温度上昇に応じて膨らむ温度感応性高分子を含む。
【0012】
前記温度感応性高分子は、pNIPAAm(Poly(N-isopropylacrylamide))、pDEAM(Poly(N,N-diethylacrylamide))、pNEMAM(Poly(N-ethylmethacrylamide))、pMVE(Poly(methyl vinyl ether))、pEOVE(Poly(2-ethoxyethyl vinyl ether))、pNVCa(Poly(N-vinylcaprolactam))、pNVIBAM(Poly(N-vinylisobutyramide))およびpNVBAM(Poly(N-vinyl-n-butyramide))の少なくとも一つを含み得る。
【0013】
前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材のうち少なくとも一つは、絶縁性繊維および前記絶縁性繊維の表面にコートされたコート層を含み、前記コート層が前記温度感応性高分子を含み得る。
【0014】
前記絶縁性繊維はポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ガラス繊維(Glass fiber)、天然ゴムおよび合成ゴムのうち少なくとも一つを含み得る。
【0015】
前記電極組立体で上部方向に延びた正極タブをさらに含み、前記上端絶縁部材に前記正極タブが貫く開放部が形成され得る。
【0016】
前記開放部の内壁と前記正極タブの間にゲルタイプ部材が位置し得る。
【0017】
前記ゲルタイプ部材は前記温度感応性高分子を含み得る。
【0018】
前記開放部の内壁に自己回復バインダを含む内壁コート層が形成され得る。
【0019】
前記自己回復バインダは、CMC(Ceramic Matrix Composite)素材、アルギネート(Arginate)素材およびキトサン(Chitosan)素材のうち少なくとも一つを含み得る。
【0020】
前記二次電池は前記電極組立体を収納する円筒形ケースをさらに含み得る。
【0021】
前記電極組立体は、前記上端絶縁部材および前記下端絶縁部材の間で固定され得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態によれば、温度感応性高分子を含む絶縁部材により外部振動や衝撃にも電極組立体の固定が可能な二次電池を提供することができる。そのため二次電池およびそれを含むデバイスの安全性および耐久性が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による二次電池の断面斜視図である。
図2図1の二次電池に含まれた上端絶縁部材を示す平面図である。
図3図2のA-A'線を沿って切断した切断面の一部を示す図である。
図4図1の「A」部分を拡大して示す部分図である。
図5図1の「A」部分を拡大して示す部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0026】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0027】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるというとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるというときには中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0028】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0029】
また、明細書全体で、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態による二次電池100の断面斜視図である。
【0031】
図1を参照すると、本実施形態による二次電池100はジェリーロール型の電極組立体120、電極組立体120の上端に位置した上端絶縁部材(160,Top insulator)および電極組立体120の下端に位置した下端絶縁部材(170,Bottom insulator)を含む。
【0032】
電極組立体120は多数の正極121および負極122の間に分離膜123を介在して巻き取りしたジェリーロール型の構造であり、その中心部にセンターピン150が挿入される。
【0033】
上端絶縁部材160および下端絶縁部材170の少なくとも一つは温度上昇に応じて膨らむ温度感応性高分子を含み得る。ただし、振動などに対する安全性のために上端絶縁部材160および下端絶縁部材170はいずれも温度感応性高分子を含むことが好ましい。
【0034】
前記温度感応性高分子は、多様な刺激の中でも温度に敏感に反応して小さい温度刺激によっても急激に物理的または化学的な変化が起きる高分子を意味する。
【0035】
温度に応じて体積変化を起こす前記温度感応性高分子は、pNIPAAm(Poly(N-isopropylacrylamide))、pDEAM(Poly(N,N-diethylacrylamide))、pNEMAM(Poly(N-ethylmethacrylamide))、pMVE(Poly(methyl vinyl ether))、pEOVE(Poly(2-ethoxyethyl vinyl ether))、pNVCa(Poly(N-vinylcaprolactam))、pNVIBAM(Poly(N-vinylisobutyramide))およびpNVBAM(Poly(N-vinyl-n-butyramide))の少なくとも一つを含み得る。
【0036】
このような温度感応性高分子は外部温度に応じてその性質が変わる高分子として特定温度で可逆的な体積相転移(volume phase transition)が起きる。すなわち、温度感応性高分子を含む本発明での上端絶縁部材160および下端絶縁部材170は温度上昇によって膨らんで、温度復元時に再び元の状態に戻ることができる。
【0037】
したがって、外部振動や衝撃と共に二次電池100の温度が上昇する場合、前記温度感応性高分子を含む上端絶縁部材160および下端絶縁部材170が膨らんで、その間に位置した電極組立体120を固定する。特に、上下方向の振動に対する緩衝作用を起こして二次電池100の性能維持を助ける。
【0038】
一方、温度感応性高分子を含む上端絶縁部材160および下端絶縁部材170は概ね45℃以上であるとき膨らんで、電極組立体120を振動から保護することができる。
【0039】
図2図1の二次電池100に含まれた上端絶縁部材160を示す平面図である。以下では説明の重複を避けるために上端絶縁部材160について説明するが、下端絶縁部材170にも後述する上端絶縁部材160と相互同一又は類似の特徴が適用される。図3図2のA-A'線を沿って切断した切断面の一部を示す図である。
【0040】
図2および図3を参照すると、上端絶縁部材160は絶縁性繊維180を含み得、このような絶縁性繊維180が方向性を有さずに絡み合わされて不織布のような形態を形成し得る。絶縁性繊維180はポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ガラス繊維(Glass fiber)、天然ゴムおよび合成ゴムのうち少なくとも一つを含み得る。
【0041】
このような絶縁性繊維180により上端絶縁部材160は電気的絶縁性を帯び、図1で電極組立体120がキャップアセンブリ140と接触して短絡が起きることを防止することができる。
【0042】
一方、具体的に示していないが、下端絶縁部材170も前記絶縁性繊維を含み得、電気的絶縁性を帯びて電極組立体120が電池ケース130の底部131と接触して短絡が起きることを防止することができる。
【0043】
絶縁性繊維180の間には多数の空の空間が形成され得、このような上端絶縁部材160を温度感応性高分子を含む溶液に含浸させた後、洗浄および乾燥を行い、絶縁性繊維180上に温度感応性高分子を含むコート層190を形成することができる。すなわち、上端絶縁部材160が方向性を有さずに絡み合わされた絶縁性繊維180および絶縁性繊維180の表面にコートされたコート層190を含み得、このようなコート層190が前記温度感応性高分子を含み得る。
【0044】
ただし、絶縁性繊維180の間の多数の空の空間により上端絶縁部材160は開かれた気孔300が形成される。本実施形態における気孔300は絶縁性繊維180の間の空の空間の一部が互いに連結され、上端絶縁部材160の上部表面と下部表面を貫けるように形成された通路のような構成を意味する。
【0045】
図3のように、絶縁性繊維180の表面にコート層190が形成されても、上端絶縁部材160に形成された開かれた気孔300を塞がず、ガスの流れを妨げないため、上端絶縁部材160のガスに対する通気度(Permeability)が低下しない。
【0046】
一方、図1を再び参照すると、二次電池100は電極組立体120を電池ケース130に収納し、電池ケース130内に電解液を注入した後に、電池ケース130の上端にキャップアセンブリ140を結合して製作されることができる。
【0047】
この際、電池ケース130はビーディング部132およびクリンピング部133を含み得る。
【0048】
ビーディング部132は電池ケース130の一部が電極組立体120の中心方向に湾入した部分をいい、キャップアセンブリ140の安定した結合および電極組立体120の流動防止のためのものである。
【0049】
クリンピング部133はビーディング部132の上部に位置し、キャップアセンブリ140を囲む部分をいい、キャップアセンブリ140の安定した結合のためのものである。
【0050】
キャップアセンブリ140は正極端子を形成する上端キャップ141、電極組立体120で上部方向に延びた正極タブ144が接続されるキャッププレート142および気密維持用ガスケット143を含み得る。
【0051】
ガスケット143はクリンピング部133とビーディング部132の上部内面に取り付けられ、キャップアセンブリ140と電池ケース130の間の密封力を増大させる。
【0052】
電池ケース130は円筒形ケースまたは角型ケースであり得るが、図1に示すように円筒形ケースであることが好ましい。
【0053】
上述したように、正極タブ144は電極組立体120で上部方向に延びる。具体的には電極組立体120の正極121から延び得る。
【0054】
このような正極タブ144がキャッププレート142と接続され、上端キャップ141が正極端子として作動し得る。上端絶縁部材160には開放部161が形成され、正極タブ144が開放部161を貫いてキャッププレート142と接続される。
【0055】
図4および図5は、それぞれ本発明の変形実施形態を説明するための図面であり、図1の「A」部分を拡大して示す部分図である。
【0056】
まず、図4を参照すると、開放部161の内壁と正極タブ144の間にゲルタイプ部材210が位置する。
【0057】
上述したように正極タブ144がキャッププレート142と接続されるために開放部161を貫くが、正極タブ144に対する別途の固定装置がない場合は外部振動や衝撃によって正極タブ144の短絡が起きる。
【0058】
そのため本実施形態では開放部161の内壁と正極タブ144の間に位置するゲルタイプ部材210を備え、開放部161の内部空間を埋める。したがって、正極タブ144を強く固定できるので、外部振動や衝撃による正極タブ144の短絡を防止することができる。
【0059】
このようなゲルタイプ部材210は前記温度感応性高分子を含み得、前記温度感応性高分子は、pNIPAAm(Poly(N-isopropylacrylamide))、pDEAM(Poly(N,N-diethylacrylamide))、pNEMAM(Poly(N-ethylmethacrylamide))、pMVE(Poly(methyl vinyl ether))、pEOVE(Poly(2-ethoxyethyl vinyl ether))、pNVCa(Poly(N-vinylcaprolactam))、pNVIBAM(Poly(N-vinylisobutyramide))およびpNVBAM(Poly(N-vinyl-n-butyramide))の少なくとも一つを含み得る。
【0060】
したがって、外部振動や衝撃と共に二次電池100の温度が上昇する場合、ゲルタイプ部材210が膨らんで開放部161が形成する空間をすべて埋めることができるため、正極タブ144をより堅固に固定することができる。
【0061】
次に、図5を参照すると、開放部161の内壁に自己回復バインダを含む内壁コート層220が形成される。
【0062】
前記自己回復バインダは、CMC(Ceramic Matrix Composite)素材、アルギネート(Arginate)素材およびキトサン(Chitosan)素材のうち少なくとも一つを含み得る。そのため、内壁コート層220に可逆的な共有結合を用いた自己復原性を付与して内壁コート層220が温度感応性の性質を示すことができる。
【0063】
可逆的な共有結合の一例として、親水性のPEO(polyethylene oxide)高分子が約摂氏15度以上で疎水性のPPO(polyphenyleneoxide)に変化することにより温度感応性の性質を示すことができる。
【0064】
温度が上昇すると、温度感応性の性質により内壁コート層220が膨張して正極タブ144を強く固定することができ、外部振動や衝撃による正極タブ144の短絡を防止することができる。
【0065】
一方、図1を再び参照すると、センターピン150は一般的に所定の強度を付与するために金属素材を含み、板材を丸く曲げた円筒形構造で形成されている。このようなセンターピン150は、後述する自己発熱以外に、電極組立体120を固定および支持し、充放電および作動時内部反応によって発生するガスを放出する通路として機能することができる。
【0066】
一方、電池ケース130内に注入される電解液はリチウム塩含有非水系電解液であり得、前記リチウム塩含有非水系電解液は非水系電解液とリチウム塩からなる。非水系電解液としては非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などが使用されるが、これらだけに限定されるものではない。
【0067】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ホルム酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用される。
【0068】
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリアジテーションリジン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリふっ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合体などが使用される。
【0069】
前記無機固体電解質としては、例えば、Li3N、LiI、Li5NI2、LiN-LiI-LiOH、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、LiSiS、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、LiPO-LiS-SiSなどのLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などが使用される。
【0070】
前記リチウム塩は前記非水系電解質に溶解しやすい物質として、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、CFSOLi、(CFSONLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルホウ酸リチウム、イミドなどが使用される。
【0071】
また、非水系電解液には充放電特性、難燃性などの改善を目的に、例えば、ピリジン、トリメチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グライム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されることもできる。場合によっては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含めることもでき、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含めることもでき、FEC(Fluoro-Ethylene Carbonate)、PRS(Propene sultone)などをさらに含めることができる。
【0072】
一つの具体的な例で、LiPF、LiClO、LiBF、LiN(SOCFなどのリチウム塩を、高誘電性溶媒であるECまたはPCの環状カーボネートと底粘度溶媒であるDEC、DMCまたはEMCの線状カーボネートの混合溶媒に添加してリチウム塩含有非水系電解質を製造することができる。
【0073】
前述した二次電池は多様なデバイスに適用することができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるが、これに制限されず二次電池を使用できる多様なデバイスへの適用が可能である。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0075】
100 二次電池
120 電極組立体
130 電池ケース
131 底部
132 ビーディング部
133 クリンピング部
140 キャップアセンブリ
150 センターピン
160 上端絶縁部材
161 開放部
170 下端絶縁部材
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】