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特表2022-545198風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験するための方法
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  • 特表-風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験するための方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 17/00 20160101AFI20221019BHJP
   F03D 80/30 20160101ALI20221019BHJP
【FI】
F03D17/00
F03D80/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509732
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020073353
(87)【国際公開番号】W WO2021032846
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019122583.3
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
【住所又は居所原語表記】Borsigstrasse 26, 26607 Aurich Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン ゲルハルト
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB43
3H178BB59
3H178CC02
3H178DD51X
(57)【要約】
風力タービンロータブレード(200)内の雷保護システム(400)を試験するための方法が提供される。雷保護システム (400) は、ロータブレード根元部(210)の領域で接触する。導電性先端部(340)を有する測定ライン(330)は、導電性先端部(340)が雷保護システム(400)の要素と接触するまで、ロータブレード(200)の内部又はロータブレードの外側に位置決めされる。ロータブレード(200)内の雷保護システム(400)の動作モードを確認するために、測定ライン(330)を介して信号が供給され、ロータブレード根元部(210)の領域で雷保護システム(400)に到達する信号が測定される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンロータブレード(200)内の雷保護システム(400)を試験するための方法であって、
ロータブレード根元部(210)の領域の前記雷保護システム(400)に接触することと、
前記雷保護システム(400)の要素に電気導電性先端部(340)が接触するまで、前記ロータブレード(200)の内部に前記電気導電性先端部(340)を有する測定ライン(330)を位置決めすることと、
前記ロータブレード(200)の領域の前記雷保護システム(400)の動作モードを確認するために、前記測定ライン(330)を介して信号を送付し、前記ロータブレード根元部(210)の領域で前記雷保護システム(400)に到達した前記信号を測定することと、
前記雷保護システムの機能試験の終了後に前記測定ライン(330)を取り除くことと、
をさらに含む方法。
【請求項2】
前記風力タービンロータブレード(200)は、ロータブレード先端部(220)の領域に少なくとも1つの雷レセプタ(430)と、前記ロータブレード(200)の内部に雷保護ケーブル又はライン(410)とを有し、
前記導電性先端部(340)と前記少なくとも1つの雷レセプタ(430)との間の電気的接触を行う、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性先端部(340)は、導電性ブラシとして構成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電性先端部(340)は、煙突掃除ブラシ又は煙突ブラシとして構成される、求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記測定ラインと前記先端部との前記位置決めは、前記ロータブレードの内側又は外側の可動位置決めユニット(350)によって達成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記可動位置決めユニット(350)は、前記位置決めユニット(350)を前記ロータブレード内又は上に保持するための保持ユニット(352)を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
風力タービンロータブレードの雷保護システムを試験するための測定システムであって、
電気システムを生成するための測定ユニット(310)と、導電性ブラシ(340)を有する第1の測定ライン(330)と、前記ロータブレード根元部(230)の領域の雷保護システムの一部に接触するための第2の測定ライン(320)を備える、測定システム。
【請求項8】
前記第1の測定ラインを、前記ロータブレードの内側又は外側に先端部と共に位置決めするための位置決めユニット(350)をさらに備える、請求項7に記載の測定システム。
【請求項9】
前記位置決めユニット(350)は、保持ユニット(352)を含む、請求項8に記載の測定システム。
【請求項10】
風力タービンロータブレード内部の雷保護システム(400)のセクションに接触するための第1の測定ラインとして煙突掃除ブラシを使用することであって、
第2の測定ラインがロータブレード根元部(210)の領域の前記雷保護システムのさらなるセクションに接触し、
測定ユニットが、前記第1の測定ライン及び前記第2の測定ラインに接続され、前記雷保護システムを試験するための信号を出力するように構成される、煙突掃除ブラシの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験又はチェックする方法に関する。
【0002】
風力タービンの高さと風力タービンのロータブレードの長さの結果として、すべての風力タービンは、落雷が風力タービンを損傷する可能性があるので、効果的な雷保護システムを有していなければならない。
【0003】
雷保護システム(lightning protection system)の動作原理を試験することができなければならない。これは典型的には外部から達成され、ここで、雷保護システムへの接触は、ロータブレード先端の領域で行われなければならない。この目的のために、高所での作業は、例えば、アブセーラー(abseiler)、プラットフォーム、クライマ、又は代替的にドローン技術の形で必要とされる。この目的のため、ドイツ風力エネルギー協会(BWE)は、雷保護システムを試験するための作業指針を発行した。この場合、例えば、遮断装置(レセプタ)及びロータブレードの避雷器セクションを試験しなければならない。これは、例えば、タワーの足元の接地端子ラグ(突起)までの遮断装置(レセプタ)における体積耐性の計測値の手段によって達成される。これは、遮断装置が接触されていることを仮定する。このためには、高所作業を行わなければならない。
【0004】
このような測定では、測定が上手くいかないことが起こり得る。従って、これは、雷保護システムの動作原理が異なる方法で試験されなければならないという結果をもたらしうる。
【0005】
優先権を主張するドイツ特許出願において、ドイツ特許商標庁は、以下の文献を引用している:独国特許出願公開第102005017865号明細書、独国特許出願公開第102017120407号明細書及び米国特許出願公開第2013/0336786号明細書。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験するための方法を改善することである。特に、本発明の目的は、雷保護システムを簡単かつ確実に試験することを可能にする、雷保護システムを試験するための対応する方法を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1に記載の風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験する方法によって達成される。
【0008】
従って、風力タービンロータブレードにおける雷保護システムを試験するための方法が提供される。雷保護システムは、ロータブレード根元部の領域で接触する。導電性先端部を有する測定ラインが、導電性先端部が雷保護システムの要素に電気的に接触するまで、ロータブレードの内部に導入される。ロータブレードにおける雷保護システムの動作原理を試験するために、測定ラインを介して信号を供給し、ロータブレード根元部の領域で雷保護システムに到達する信号を測定する。次に、測定ラインを除去する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ロータブレードは、ロータブレード先端の領域に少なくとも1つの雷レセプタと、ロータブレードの内部に雷保護ケーブル又は雷導体とを有する。測定ラインの導電性先端部と少なくとも1つの雷レセプタとの間に電気的接触がなされる。
【0010】
この目的のために、例えば、測定ユニットを、雷保護システムの一部として、ロータブレード根元部の避雷器リングに電気的に接続することができる。測定ユニットはさらに、測定ラインと導電性先端部(例えば、導電性ブラシの形で)に接続される。任意選択で、重りを導電性ブラシに取り付けることができる。次いで、測定ラインによって、導電性ブラシをロータブレードの内部に導入することができる。この目的のために、ロータブレードは、例えば、導電性ブラシを持つ測定ラインが雷保護システム(例えば、ロータブレード先端の領域)と電気的に接触するまで、重力の結果として、下方に導くことができるように、6時の位置に配置することができる。次いで、測定ユニットは、例えば、パルス発生器を使用して雷保護システムの伝送測定を行うことができる。代替方法として、ドイツ風力エネルギー協会のガイドラインのように抵抗測定を行うことができる。さらに、代替の方法を実施することができる。この目的のために、例えば、インパルスをパルス発生器によって発生させ、雷保護システムを介して(例えば、避雷器リングから遠くのロータブレード先端部から)伝達することができる。次いで、測定ユニットは体積抵抗を記録し、雷保護システムに欠陥があるか否かを判定することができる。代替方法として、避雷器セクションの状態を評価することを可能にする適切な信号を生成することができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、測定ラインは、煙突掃除用ブラシ、炉床ブラシ、又は煙突用ブラシ、ならびに任意選択で重りを有するケーブルとして構成される。
【0012】
従って、本発明は、風力タービンロータブレードにおける雷保護システムの動作原理を試験するための、電気ケーブルを備えた煙突ブラシの使用に関する。このように、電気ケーブルを備えた煙突ブラシは例えば、雷保護システムの体積抵抗を決定し、又は適切な信号を伝送することができるようにするために、測定ラインとしての役割を果たす。
【0013】
本発明の一態様によれば、測定ライン及び先端部の位置決めは、ロータブレード上の内側又は外側の可動位置決めユニットによって達成される。
【0014】
任意選択で、可動位置決めユニットは、位置決めユニットをロータブレード内又はロータブレード上に保持するための保持ユニットを備えることができる。
【0015】
本発明のさらなる構成は、従属請求項の主題である。
【0016】
以下で図面を参照して、本発明の利点及び実施の形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の1つの例示的な実施形態による風力タービンの概略図を示す。
図2】風力タービンロータブレードの断面の概略断面図を示す。
図3】風力タービンロータブレードの断面の概略断面図を示す。
図4】本発明に係る測定システムの一部としての導電性ブラシの概略図を示す。
図5】本発明に係る測定ユニットの断面の概略図を示す。
【0018】
図1は、本発明の1つの例示的な実施形態による風力タービンの概略図を示す。風力タービン100は、タワー102と、ナセル104と、スピナ110と、スピナ又は空力ロータ106に連結されている3つのロータブレード200とを備えている。発電機(図示せず)がナセルの内側に設けられ、そのロータは空力ロータに連結され、その結果、電力が空力ロータ106の移動によって生成される。
【0019】
ロータブレード200はそれぞれ、ロータブレード根元部210及びロータブレード先端部220を有する。さらにロータブレード200の内側には、ロータブレード先端部220の領域に雷レセプタ430を設けることができ、ロータブレード根元部の領域に避雷器リング240を設けることができる。雷保護ケーブル410は、雷レセプタ430と避雷器リング240とを接続する。
【0020】
図2及び図3はそれぞれ、風力タービンロータブレードの概略断面図を示す。特に図2には、ロータ根元部210の領域が示されている。雷保護システムの避雷器リング240は、ロータブレード根元部210の領域に設けられている。避雷器リング240は、ケーブル接続420を介して、ロータブレード200の長手方向に沿って延在する雷保護ケーブル410に接続される。
【0021】
代替方法として、アルミニウムプロファイルを避雷器セクションとして使用することができる。ロータブレードの長さの結果として、これらは、ウェブセグメントとウェブセグメントの接続部として機能し得るねじ接続部を備えることができる。
【0022】
さらに、アルミニウムプロファイルは、ケーブルツリーと組み合わせることができる。ここでも、露出したネジ接続を接続要素として設け、ロータブレード先端部の領域で少なくとも1つの雷保護レセプタ430に接続することができる。
【0023】
本発明によれば、一方で測定ライン320を介して避雷器リング240に結合された測定ユニット310を設けることができる。さらなる測定ライン330は、その自由端に、例えば煙突掃除ブラシの形の、例えばブラシのような導電性先端部を有する。ブラシ340は、測定ライン330の手段によってロータブレード200の内部に導入される。この目的のために、例えば、ロータブレード200を6時の位置に配置することができるので、ブラシ340を備えた測定ライン330を重力によって下方に引っ張ることができる。任意選択で、ブラシ342を測定ライン330と共に下方に引っ張るために、ブラシ342の領域に重り343を設けることができる。
【0024】
本発明によれば、測定ライン330は、従って、導電性ケーブルとして構成され、その自由端に重り343を備えた煙突掃除ブラシ342を有する。測定ライン330の導電性先端部は、ブラシとして構成することができる。ここで重要なことは、先端部/ブラシが導電性であり、測定ライン330に導電性の方法で接続されていることである。導電性ブラシ340を有する測定ライン330は、導電性ブラシ340が例えば、ロータブレード先端部220の領域内の雷レセプタ430のうちの1つに電気的に接触するまで、ロータブレード200の内部に導入される。レセプタ及び接続点は、ロータブレード全体に分散させることができる。次いで、例えば、パルス発生器を備える測定ユニット310は、パルス又は測定信号を測定ライン330を通して送出することができ、このパルス又は測定信号は電気的結合の結果として、同様に雷保護システム400を通して、更なる測定ライン320を介して測定ユニット300に戻るように導く。
【0025】
本発明に係る測定方法により、このようにロータブレード内部の雷保護システムを試験することができる。このように、ロータブレードの外側で雷保護システムを試験する場合に、さもなければ必要であった高所での作業を免れることが可能である。さらに、本発明によるシステムでは、雷保護システムの試験が、アクセスが困難であるか、又は高コストでしかアクセスできないこれらの点でも達成することができる。これらは、例えば、スピナ内の避雷器セクションと、基礎までのスパークギャップとすることができる。さらに、本発明による方法によれば、多くの移行点(ネジ接続、スパークギャップ、接続要素)が設けられた避雷システムのセクションを容易に試験することができる。
【0026】
図4は、本発明による測定システムの一部としての導電性ブラシの概略図を示す。
【0027】
図5は、本発明に係る測定ユニットのセクションの概略図を示す。図5による測定ユニットは、導電性先端部340と、測定ライン330と、及び選択部による可動位置決めユニット350とを含み、その先端部340は、ロータブレード上又はロータブレードの内側で移動及び/又は位置決めすることができる。
【0028】
導電性先端部は、図2及び図3によるブラシ340の形を有することができる。可動位置決めユニット350は、例えば、手段可動ユニット350がロータブレードに沿って移動できるホイール351等を有することができる。
【0029】
可動位置決めユニット350は、遠隔操作可能に構成することができる。
【0030】
任意選択で、可動位置決めユニット350は、可動位置決めユニット350の先端部340がロータブレードの表面から落下するのを防止する保持ユニット352を有することができる。保持ユニット352は、例えば、可動位置決めユニット350がロータブレードの面上に押圧又は吸引されることによる真空ユニットを備えることができる。代替方法として、保持ユニット352が少なくとも1つのマグネットを備えることができ、それによって、保持ユニット352をブレードのメタル要素上に保持することができる。さらに、保持部352は、傾斜検出を有することができる。代替的に又は追加的に、位置決めユニットが壁に対して落下又は移動するのを防止する境界検出を設けることができる。
【0031】
任意選択で、可動位置決めユニット350は、カメラ353を有することができ、そのカメラの動きによって、測定先端部340が避雷システムの所望のセクションに電気的に接触させられることを確実にするために、先端部340の動きを確認することができる。
【0032】
位置決めユニット350は、特に、ロータブレード200が3時又は9時の位置(すなわち、実質的に水平)に位置するときに使用することができる。代替的には、位置決めユニットが、例えば、ロータブレードが垂直な位置に配置されている場合に使用することができる。
【0033】
本発明の一態様によれば、雷保護システムの試験を完了した後、測定ラインは再び除去される。従って、測定ラインは、一時的にのみ使用され、従って、固定的に設置されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】