(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】診断情報生成装置及び方法、それを含む診断システム
(51)【国際特許分類】
H04L 47/43 20220101AFI20221019BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H04L47/43
H04L12/28 200Z
H04L12/28 100A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510800
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2021008462
(87)【国際公開番号】W WO2022010197
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0085462
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホ-デュク
【テーマコード(参考)】
5K030
5K033
【Fターム(参考)】
5K030GA01
5K030HB28
5K030HC14
5K033AA01
5K033BA06
5K033CB06
5K033CC02
(57)【要約】
本発明の一実施形態による診断情報生成装置は、診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及びデータ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受けるように構成された入力部と、入力部から診断要請情報を受信し、診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データに対する診断データ量を算出し、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択し、選択されたパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成するように構成された制御部と、外部の診断装置に前記制御部によって生成された通信パケットを診断対象に対する診断情報として出力するように構成された通信部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び前記データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受けるように構成された入力部と、
前記入力部から前記診断要請情報を受信し、前記診断要請情報に含まれた前記データ識別情報及び前記診断用データに対する診断データ量を算出し、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択し、選択されたパケット構造に応じて前記診断要請情報を含む通信パケットを生成するように構成された制御部と、
外部の診断装置に前記制御部によって生成された通信パケットを前記診断対象に対する診断情報として出力するように構成された通信部と、を備える、診断情報生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記算出された診断データ量に基づいて前記通信パケットに求められるパケットサイズを算出し、算出されたパケットサイズに基づいて一つのメッセージパケットを含む第1パケット構造及び一つのメッセージパケットと一つ以上のデータパケットを含む第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成された、請求項1に記載の診断情報生成装置。
【請求項3】
前記メッセージパケットは、
前記パケットサイズに関する情報が含まれるパケットサイズ領域、診断要請に関する識別情報が含まれる識別情報領域、及び前記診断要請情報が含まれる診断情報領域を含むように構成され、
前記データパケットは、
順番情報が含まれる順番情報領域、及び前記診断情報領域を含むように構成された、請求項2に記載の診断情報生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記入力部から受信した診断要請情報に複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが含まれた場合、前記メッセージパケットの診断情報領域及び前記データパケットの診断情報領域のうち少なくとも一部分に、対応するデータ識別情報及び診断用データを区分するための一つ以上の区分情報を含ませるように構成された、請求項3に記載の診断情報生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2パケット構造を選択した場合、前記通信部を通じて前記メッセージパケットを先に出力した後、前記データパケットを出力するように構成された、請求項3または4に記載の診断情報生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記データパケットが複数生成された場合、前記順番情報に従って生成された複数のデータパケットを前記通信部を通じて順次に出力するように構成された、請求項3から5のいずれか一項に記載の診断情報生成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
算出されたパケットサイズを既設定の基準値と比較し、比較結果に応じて前記第1パケット構造及び前記第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成された、請求項2から6のいずれか一項に記載の診断情報生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記算出されたパケットサイズが前記既設定の基準値以下であれば、前記第1パケット構造を選択し、
前記算出されたパケットサイズが前記既設定の基準値を超えれば、前記第2パケット構造を選択するように構成された、請求項7に記載の診断情報生成装置。
【請求項9】
診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び前記データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受ける診断要請情報入力段階と、
前記診断要請情報に含まれた前記データ識別情報及び前記診断用データに対する診断データ量を算出する診断データ量算出段階と、
算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択するパケット構造選択段階と、
選択されたパケット構造に応じて前記診断要請情報を含む通信パケットを生成する通信パケット生成段階と、
外部の診断装置に前記通信パケットを前記診断対象に対する診断情報として出力する診断情報出力段階と、を備える、診断情報生成方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の診断情報生成装置と、
前記診断情報生成装置から前記診断情報を受信し、受信した診断情報から前記診断要請情報を抽出し、抽出された診断要請情報に基づいてバッテリーパック及び電子制御装置のうち少なくとも一つを診断対象として決定し、前記抽出された診断要請情報に基づいて前記診断対象の状態を診断し、診断結果を前記診断情報生成装置に送信するように構成された診断装置と、を含む、診断システム。
【請求項11】
前記診断装置は、
前記診断要請情報から前記データ識別情報及び前記診断用データを抽出し、前記診断対象の複数の診断項目のうち前記データ識別情報に対応する項目の値を前記診断用データとして適用し、前記診断用データが適用された前記診断対象の状態を診断するように構成された、請求項10に記載の診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断情報生成装置及び方法、それを含む診断システムに関し、より詳しくは、一つ以上の診断情報に基づいて診断対象を効果的に診断することができる診断情報生成装置及び方法、それを含む診断システムに関する。
【0002】
本出願は、2020年7月10日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0085462号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどのバッテリーが商用化しているが、中でもリチウムバッテリーはニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
一方、このようなバッテリーが備えられた装置には、多様なECU(Electronic Control Unit)が含まれる。ECUは、互いに通信しながら情報を提供するか又は他のECUから情報の提供を受けることができる。車両を例に挙げると、多様な機能と制御が増加し、特にバッテリーが搭載された電気自動車の実用化に伴ってECU同士のデータ送受信量が増加している。したがって、ECU同士の間のデータ通信の効率を向上させるための通信規格及び技術などが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、CAN(Controller Area Network)通信を用いて、データを受信する側で高速モードまたは一般モードに受信モードを変更する構成が開示されている。ただし、特許文献1は、受信モードの変更によってトラフィック負荷を改善するため、多様な情報がリアルタイムで提供される電気自動車のような装置には適用し難いという問題がある。
【0007】
すなわち、特許文献1では、送信側が単一情報をそれぞれの通信パケットを通じて伝送する。したがって、特許文献1を用いる場合、診断用データを迅速に生成及び送信し、このような診断用データを用いて多様なECUの状態を診断すべき状況では相当な時間がかかってしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許第10-1573637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数のバッテリー状態情報に基づいて通信チャネルを弾力的に選択することで、複数のバッテリー状態情報の送信時間を短縮することができるバッテリー検査装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による診断情報生成装置は、診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び該データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受けるように構成された入力部と、入力部から診断要請情報を受信し、診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データに対する診断データ量を算出し、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択し、選択されたパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成するように構成された制御部と、外部の診断装置に制御部によって生成された通信パケットを診断対象に対する診断情報として出力するように構成された通信部と、を含む。
【0012】
制御部は、算出された診断データ量に基づいて通信パケットに求められるパケットサイズを算出し、算出されたパケットサイズに基づいて一つのメッセージパケットを含む第1パケット構造及び一つのメッセージパケットと一つ以上のデータパケットを含む第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成され得る。
【0013】
メッセージパケットは、パケットサイズに関する情報が含まれるパケットサイズ領域、診断要請に関する識別情報が含まれる識別情報領域、及び診断要請情報が含まれる診断情報領域を含むように構成され得る。
【0014】
データパケットは、順番情報が含まれる順番情報領域、及び診断情報領域を含むように構成され得る。
【0015】
制御部は、入力部から受信した診断要請情報に複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが含まれた場合、メッセージパケットの診断情報領域及びデータパケットの診断情報領域のうち少なくとも一部分に、対応するデータ識別情報及び診断用データを区分するための一つ以上の区分情報を含ませるように構成され得る。
【0016】
制御部は、第2パケット構造を選択した場合、通信部を通じてメッセージパケットを先に出力した後、データパケットを出力するように構成され得る。
【0017】
制御部は、データパケットが複数生成された場合、順番情報に従って生成された複数のデータパケットを通信部を通じて順次に出力するように構成され得る。
【0018】
制御部は、算出されたパケットサイズを既設定の基準値と比較し、比較結果に応じて第1パケット構造及び第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成され得る。
【0019】
制御部は、算出されたパケットサイズが既設定の基準値以下であれば、第1パケット構造を選択するように構成され得る。
【0020】
制御部は、算出されたパケットサイズが既設定の基準値を超えれば、第2パケット構造を選択するように構成され得る。
【0021】
本発明の他の態様による診断情報生成方法は、診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び該データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受ける診断要請情報入力段階と、診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データに対する診断データ量を算出する診断データ量算出段階と、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択するパケット構造選択段階と、選択されたパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成する通信パケット生成段階と、外部の診断装置に通信パケットを診断対象に対する診断情報として出力する診断情報出力段階と、を含む。
【0022】
本発明のさらに他の態様による診断システムは、本発明の一態様による診断情報生成装置と、診断情報生成装置から診断情報を受信し、受信した診断情報から診断要請情報を抽出し、抽出された診断要請情報に基づいてバッテリーパック及び電子制御装置のうち少なくとも一つを診断対象として決定し、抽出された診断要請情報に基づいて診断対象の状態を診断し、診断結果を診断情報生成装置に送信するように構成された診断装置と、を含む。
【0023】
診断装置は、診断要請情報からデータ識別情報及び診断用データを抽出し、診断対象の複数の診断項目のうちデータ識別情報に対応する項目の値を診断用データとして適用し、診断用データが適用された診断対象の状態を診断するように構成され得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、通信パケットのパケットサイズを考慮して好適なパケット構造の通信パケットを生成することで、診断情報を効果的に送信することができる。
【0025】
本発明の効果は上記の効果に制限されず、他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による診断情報生成装置を概略的に示した図である。
【
図2】メッセージパケットの例示的構成を概略的に示した図である。
【
図3】メッセージパケットの他の例示的構成を概略的に示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態による診断情報生成装置によって生成された通信パケットの一例を概略的に示した図である。
【
図5】データパケットの例示的構成を概略的に示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態による診断情報生成装置によって生成された通信パケットの他の一例を概略的に示した図である。
【
図7】本発明の他の実施形態による診断情報生成方法を概略的に示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態による診断情報生成装置を含む診断システムを概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0032】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
また、明細書に記載された制御部のような用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せで具現され得る。
【0034】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけではなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100を概略的に示した図である。
【0037】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100は、入力部110、制御部120、及び通信部130を含み得る。
【0038】
入力部110は、診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び該データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受けるように構成され得る。
【0039】
具体的には、入力部110は、外部からの診断要請情報の入力を受け得る。例えば、入力部110は、PC(Personal Computer)、モバイル、タッチスクリーン、またはその他の装置などに接続され、これら装置からデータ識別情報及び診断用データに関する情報を受信し得る。また、入力部110は、キーボード、マウス、タッチパッドなどの入力装置に接続され、これら入力装置からデータ識別情報及び診断用データに関する情報の入力を受けてもよい。
【0040】
望ましくは、データ識別情報は、診断対象の複数の診断項目に対応し得る。例えば、データ識別情報はバッテリーパックの電圧、電流、絶縁抵抗または温度などの項目に対応し得る。また、データ識別情報は、電気自動車のECUのリンク電圧などの項目に対応し得る。また、データ識別情報は、外にもバッテリーパック及び電気自動車などに対して設定可能な多様な項目に対応し得る。
【0041】
望ましくは、診断用データは、データ識別情報に対応する値であり得る。例えば、データ識別情報がバッテリーパックの電圧である場合、診断用データは診断用電圧値であり得る。
【0042】
制御部120は、入力部110から診断要請情報を受信するように構成され得る。
【0043】
具体的には、制御部120は、入力部110と通信可能に接続され得る。制御部120と入力部110とは有線または無線で接続されて互いにデータ通信が可能である。したがって、制御部120は、入力部110から診断要請情報を受信し得る。
【0044】
また、制御部120は、診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データに対する診断データ量を算出するように構成され得る。
【0045】
具体的には、制御部120は、バイト(Byte)単位で診断要請情報に対する診断データ量を算出し得る。制御部120は、データ識別情報に対するバイトサイズを算出し、診断用データに対するバイトサイズを算出し得る。
【0046】
望ましくは、データ識別情報は、診断対象の複数の診断項目に対応する値であるため、固定されたサイズを有し得る。例えば、データ識別情報のサイズは2バイトであり得る。
【0047】
一方、診断用データは、データ識別情報に対応する診断用値であるため、入力される値に応じて多様なサイズを有し得る。例えば、診断用データが2Vである場合、診断用データのサイズは1バイトであり得る。他の例として、診断用データが2.5Vである場合、診断用データのサイズは3バイトであり得る。
【0048】
このような方式で、制御部120は、データ識別情報のサイズと診断用データのサイズを算出し、算出された値を合算して診断要請情報の総サイズを算出し得る。すなわち、制御部120は、データ識別情報のサイズと診断用データのサイズとを合算し、診断データ量を算出し得る。
【0049】
もし、診断要請情報に複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが含まれた場合、制御部120は、診断要請情報に含まれたすべてのデータ識別情報のサイズ及びすべての診断用データのサイズを算出し、これらを合算して診断データ量を算出し得る。
【0050】
例えば、診断要請情報に2個のデータ識別情報としてバッテリーパックの電圧及び電流が含まれ、2個の診断用データとして2V及び5mAが含まれたと仮定する。この場合、制御部120は、2個のデータ識別情報のサイズを「2バイト×2」の数式によって4バイトと算出し、2個の診断用データのサイズを「1バイト×2」の数式によって2バイトと算出し得る。そして、制御部120は、診断データ量を「4バイト+2バイト」の数式によって6バイトと算出し得る。
【0051】
また、制御部120は、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択し、選択されたパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成するように構成され得る。
【0052】
具体的には、制御部120は、算出された診断データ量を考慮して複数のパケット構造のうちの一つを選択し得る。そして、制御部120は、選択したパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成し得る。すなわち、制御部120によって生成された通信パケットには、外部から入力部110に入力された一つ以上のデータ識別情報及び一つ以上の診断用データがすべて含まれ得る。
【0053】
通信部130は、外部の診断装置に制御部120によって生成された通信パケットを診断対象に対する診断情報として出力するように構成され得る。
【0054】
具体的には、通信部130は、制御部120と接続され得る。そして、制御部120は、生成した通信パケットを通信部130を通じて診断装置に出力し得る。この場合、通信部130を通じて出力された通信パケットは、診断装置に対する診断情報であり得る。その後、診断装置は、通信部130から診断情報を受信し、受信した診断情報に基づいて対応する診断を行い得る。
【0055】
本発明の一実施形態による診断情報生成装置100は、複数のパケット構造のうち診断要請情報のサイズに適したパケット構造を選択し、選択したパケット構造に応じて診断情報を生成することができる。すなわち、診断情報生成装置100は、診断要請情報を外部の診断装置に迅速且つ効率的に送信することができる。
【0056】
例えば、自動車のECUの診断サービス(UDS、Unified diagnostic services)に関するISO標準(ISO 14229)を参照すると、0x2Eサービスでは一つの通信パケットが一つのデータ識別項目(例えば、DID)及びそれに対応する一つの診断用データ(例えば、DIDの値)を含み得る。すなわち、ISO 14229の0x2Eサービスによれば、複数のデータ識別項目及びそれに対応する複数の診断用データの送信が必要な場合であっても、一つの通信パケットには一つのデータ識別項目及び診断用データのみが含まれ得る。したがって、診断情報生成装置100が複数の通信パケットをそれぞれ送信し、診断装置が受信した複数の通信パケットのそれぞれから診断に必要なデータを抽出する過程で、相当な時間遅延(time delay)が引き起こされるおそれがある。
【0057】
本発明の一実施形態による診断情報生成装置100は、ISO 14229の0x2Eサービスを用いる場合に引き起こされ得る問題を解決するため、診断データ量に好適なパケット構造に基づいて通信パケットを生成することで、診断装置に診断情報を効果的に送信できるという長所がある。
【0058】
したがって、本発明の一実施形態によれば、診断情報を送信し、診断装置が診断情報を受信し、診断装置が受信した診断情報から診断に必要な情報を抽出する一連の過程をより迅速に行うことができるため、診断対象に対する診断にかかる総時間を効果的に節約することができる。
【0059】
一方、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100に備えられた制御部120は、本発明で実行される多様な制御ロジックを実行するため、当業界に知られたプロセッサ、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、制御部120はプログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、制御部120によって実行され得る。メモリは制御部120の内部または外部に備えられ得、周知の多様な手段で制御部120と接続され得る。
【0060】
制御部120は、算出された診断データ量に基づいて通信パケットに求められるパケットサイズを算出するように構成され得る。
【0061】
例えば、制御部120は、診断要請情報が含まれる通信パケットの総パケットサイズを算出し得る。ここで、通信パケットには、診断要請情報だけでなく、通信パケットに含まれるべきパケット識別情報などが含まれ得る。すなわち、制御部120は、診断要請情報を含めて生成可能な通信パケットの総パケットサイズを算出し得る。
【0062】
そして、制御部120は、算出されたパケットサイズに基づいて一つのメッセージパケットを含む第1パケット構造及び一つのメッセージパケットと一つ以上のデータパケットを含む第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成され得る。
【0063】
図2はメッセージパケットの例示的構成を概略的に示した図であり、
図3はメッセージパケットの他の例示的構成を概略的に示した図である。
【0064】
図2及び
図3を参照すると、メッセージパケットは、パケットサイズに関する情報が含まれるパケットサイズ領域、診断要請に関する識別情報が含まれる識別情報領域、及び診断要請情報が含まれる診断情報領域を含むように構成され得る。
【0065】
具体的には、パケットサイズ領域には、通信パケットのパケットサイズに対する値が含まれ得る。望ましくは、パケットサイズはバイト単位で表され得る。例えば、通信パケットの総パケットサイズが10バイトである場合、パケットサイズ領域には10に対する値が含まれ得る。すなわち、パケットサイズ領域には、通信パケットのデータ長コード(DLC;Data Length Code)が含まれ得る。
【0066】
また、
図2及び
図3を参照すると、パケットサイズ領域には、通信パケットの総パケットサイズに応じて、1バイトが割り当てられてもよく、2バイトが割り当てられてもよい。
【0067】
例えば、
図2によるメッセージパケットには、1バイトサイズのパケットサイズ領域が割り当てられ、6バイトサイズの診断情報領域が割り当てられ得る。一方、
図3によるメッセージパケットには、2バイトサイズのパケットサイズ領域が割り当てられ、5バイトサイズの診断情報領域が割り当てられ得る。
【0068】
識別情報領域には、該当通信パケットが診断対象の診断情報である点を示す識別情報が含まれ得る。例えば、識別情報領域には、送信する診断情報がISO 14229標準による0x2Eサービスであることを示すため、0x2Eに対する値が含まれ得る。
【0069】
そして、診断情報領域には、診断要請情報が含まれ得る。すなわち、診断情報領域には、データ識別項目及び診断用データが含まれ得る。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100によって生成された通信パケットの一例を概略的に示した図である。
【0071】
具体的には、
図4は、パケットサイズ領域に1バイトが割り当てられ、識別情報領域に1バイトが割り当てられ、診断情報領域に6バイトが割り当てられたメッセージパケットを含む通信パケットを概略的に示した図である。すなわち、
図4の実施形態の通信パケットは、メッセージパケットのみを含む第1パケット構造に対応し得る。
【0072】
図4の実施形態において、パケットサイズ領域にはパケットサイズに対する値が書き込まれ得る。例えば、パケットサイズ領域に書き込まれたパケットサイズは7バイトであり得る。そして、識別情報領域には識別情報に対する値が書き込まれ得る。例えば、識別情報領域に書き込まれた識別情報は0x2Eであり得る。そして、診断情報領域には、データ識別情報及び診断用データに対する値が書き込まれ得る。
【0073】
図5は、データパケットの例示的構成を概略的に示した図である。
【0074】
図5を参照すると、データパケットは、順番情報が含まれる順番情報領域、及び診断情報領域を含むように構成され得る。
【0075】
順番情報領域は、データパケットのフロー制御のための順番情報が含まれ得る。
【0076】
図2及び
図5を参照すると、メッセージパケットと異なって、データパケットには、パケットサイズ領域及び識別情報領域の代わりに、順番情報領域が含まれ得る。すなわち、データパケットは、診断データ量が一つのメッセージパケットが収容可能なサイズを超える場合に補充的に生成され得る。そして、順番情報領域は、一つ以上のデータパケット間の順番情報を含み得る。
【0077】
例えば、制御部120によって1個のメッセージパケットと2個のデータパケットを含む通信パケットが生成されたと仮定する。この場合、2個のデータパケットのそれぞれには三つのデータパケット間の順番情報が含まれ得る。
【0078】
具体的には、制御部120は、メッセージパケットに診断要請情報を書き込み得る。もし、診断要請情報の診断データ量がメッセージパケットの収容可能なサイズを超えた場合、制御部120は、診断要請情報のうちの一部をメッセージパケットの診断情報領域に書き込み得る。そして、制御部120は、残りの診断要請情報を第1データパケットに書き込み得る。ここでも、残りの診断要請情報の診断データ量が第1データパケットで収容可能なサイズを超えた場合、制御部120は、残りの診断要請情報のうちの一部を第1データパケットの診断情報領域に書き込み得る。その後、制御部120は、残った診断要請情報を第2データパケットの診断情報領域に書き込み得る。
【0079】
すなわち、複数のデータパケットは、制御部120によって診断要請情報が書き込まれた順に順番を有し得る。したがって、制御部120は、データパケットにこのような順番情報を書き込み可能な順番情報領域を割り当てることで、複数のデータパケットを受信した診断装置が順番情報に従って複数のパケットから診断要請情報を正確に抽出できるようにする。
【0080】
図6は、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100によって生成された通信パケットの他の一例を概略的に示した図である。
【0081】
具体的には、
図6は、パケットサイズ領域に2バイトが割り当てられ、識別情報領域に1バイトが割り当てられ、診断情報領域に6バイトが割り当てられたメッセージパケット、及び順番情報領域に1バイトが割り当てられ、診断情報領域に7バイトが割り当てられた複数のデータパケットを含む通信パケットを概略的に示した図である。すなわち、
図6の実施形態の通信パケットは、メッセージパケットと一つ以上のデータパケットを含む第2パケット構造に対応し得る。
【0082】
図6の実施形態において、第1データパケットは第1順番情報を含み、第2データパケットは第2順番情報を含み、第3データパケットは第3順番情報を含み得る。
【0083】
図6には制御部120によって生成された通信パケットに三つのデータパケットの含まれる実施形態が示されたが、通信パケットに含まれるデータパケットの個数は診断データ量に応じて減少又は増加し得ることは当然である。
【0084】
制御部120は、第2パケット構造を選択した場合、通信部130を通じてメッセージパケットを先に出力した後、データパケットを出力するように構成され得る。
【0085】
図6の実施形態において、制御部120は、入力部110から受信した診断要請情報の診断データ量に基づいて、通信パケットを生成するためのパケット構造として第2パケット構造を選択し得る。そして、制御部120は、一つのメッセージパケットと三つのデータパケットを含む通信パケットを生成し得る。その後、制御部120は、通信部130を通じてメッセージパケットを先に出力し、次に三つのデータパケットを出力し得る。
【0086】
例えば、
図6の実施形態において、メッセージパケットのパケットサイズ領域に含まれたパケットサイズは32バイトであり得る。そして、メッセージパケットの識別情報領域に含まれた識別情報は0x2Eであり得る。
【0087】
すなわち、通信パケットのパケットサイズ及び通信パケットの識別情報はメッセージパケットのみに含まれるため、制御部120は、通信部130を通じてメッセージパケットを先に出力した後にデータパケットを出力し得る。
【0088】
図6の実施形態において、制御部120が通信部130を通じて通信パケットに含まれた複数のデータパケットを先に出力した後に、メッセージパケットを出力したと仮定する。この場合、診断装置は、メッセージパケットを受信してパケットサイズ及び識別情報を確認するまで、通信パケットの受信が完了した否かを確認できないという問題がある。すなわち、データパケットには順番情報、データ識別情報、及び診断用データのみが含まれているため、診断装置は、メッセージパケットに含まれたパケットサイズ及び識別情報を確認するまでは、通信パケットの受信が完了した否かを全く判断することができない。
【0089】
したがって、制御部120は、診断要請情報の診断データ量に基づいて第2パケット構造を選択した場合、通信部130を通じてメッセージパケットを先に出力した後に、一つ以上のデータパケットを出力することができる。
【0090】
望ましくは、制御部120は、データパケットが複数で生成された場合、順番情報に従って生成された複数のデータパケットを通信部130を通じて順次に出力するように構成され得る。
【0091】
具体的には、複数のデータパケットはそれぞれ順番情報を含み得る。したがって、複数のデータパケットがランダムな順序で診断装置に送信されても、診断装置は、複数のデータパケットのそれぞれに含まれた順番情報を確認して複数のデータパケットに対するフロー制御を行い得る。
【0092】
ただし、制御部120は、診断装置による診断をより迅速に実行できるように、複数のデータパケットを生成した場合は、複数のデータパケットを順番情報に従って順次に出力するように通信部130を制御することができる。
【0093】
例えば、
図6の実施形態において、制御部120は、メッセージパケット、第1データパケット、第2データパケット、及び第3データパケットを生成し得る。そして、制御部120は、通信部130を用いて診断装置にメッセージパケットを先に出力し得る。その後、制御部120は、通信部130を用いて診断装置に第1データパケット、第2データパケット、及び第3データパケットの順に複数のデータパケットを出力し得る。
【0094】
制御部120は、入力部110から受信した診断要請情報に複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが含まれた場合、メッセージパケットの診断情報領域及びデータパケットの診断情報領域のうち少なくとも一部分に、対応するデータ識別情報及び診断用データを区分するための一つ以上の区分情報を含ませるように構成され得る。
【0095】
具体的には、外部から入力部110に入力された診断要請情報には複数のデータ識別情報及びそれぞれのデータ識別情報に対応する診断用データが含まれ得る。すなわち、診断要請情報にはデータ識別情報とそれに対応する診断用データとの対が複数個含まれ得る。したがって、制御部120は、診断要請情報が含まれるメッセージパケットの診断情報領域及び/またはデータパケットの診断情報領域の一部分に、対応するデータ識別情報及び診断用データを区分するための一つ以上の区分情報を書き込み得る。
【0096】
例えば、
図6の実施形態において、メッセージパケットの第4~5バイト領域に第1データ識別情報が書き込まれ、第6~7バイト領域に第1診断用データが書き込まれ得る。ここで、第1診断用データは2バイトで表されるデータであり得る。その後、メッセージパケットの第8バイト領域には、第1診断用データと第2データ識別情報とを区分するための区分情報が含まれ得る。
【0097】
また、第1データパケットの第1バイト領域には第1順番情報が書き込まれ、第2~3バイト領域には第2データ識別情報が書き込まれ得る。すなわち、メッセージパケットの第8バイト領域に書き込まれた区分情報を基準にして第1診断用データと第2データ識別情報とが区分され得る。第1データパケットの第4~5バイト領域には第2診断用データが書き込まれ、第6バイト領域には第2診断用データと第3データ識別情報とを区分するための区分情報が書き込まれ得る。そして、第1データパケットの第7~8バイト領域には第3データ識別情報が書き込まれ得る。
【0098】
また、第2データパケットの第1バイト領域には第2順番情報が書き込まれ、第2~4バイト領域には第3診断用データが書き込まれ得る。ここで、第3診断用データは3バイトで表される値であり得る。第2データパケットの第5バイト領域には、第3診断用データと第4データ識別情報とを区分するための区分情報が書き込まれ得る。そして、第2データパケットの第6~7バイト領域には第4データ識別情報が書き込まれ、第8バイト領域には第4診断用データの一部が書き込まれ得る。
【0099】
また、第3データパケットの第1バイト領域には第3順番情報が書き込まれ、第2バイト領域には第4診断用データの一部が書き込まれ得る。第3データパケットの第3バイト領域には第4診断用データと第5データ識別情報とを区分するための区分情報が書き込まれ得る。そして、第3データパケットの第4~5バイト領域には第5データ識別情報が書き込まれ、第6~8バイト領域には第5診断用データが書き込まれ得る。ここで、第5診断用データは3バイトで表される値であり得る。
【0100】
もし、メッセージパケット及び/またはデータパケットに区分情報が含まれないと、診断装置が第2データパケットの第8バイトに書き込まれた第4診断用データの一部と第3データパケットの第2バイト領域に書き込まれた第4診断用データの残りの一部とを別個のデータとして誤って認識するおそれがある。
【0101】
一方、本発明の一実施形態によれば、メッセージパケット及び/またはデータパケットの診断情報領域に、第N診断用データと第N+1データ識別情報とを区分するための区分情報が含まれる。したがって、
図6の実施形態において、診断装置は第2データパケットと第3データパケットとに分けられて書き込まれた第4診断用データを一つのデータとして容易に認識できる。
【0102】
したがって、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100は、メッセージパケット及び/またはデータパケットに区分情報を書き込むことで、診断装置が診断用データを誤って認識することを予め防止することができる。これにより、外部から入力された診断要請情報によって意図された診断過程が正確に実行できる。
【0103】
制御部120は、算出されたパケットサイズを既設定の基準値と比べるように構成され得る。そして、制御部120は、比較結果に応じて第1パケット構造及び第2パケット構造のうちの一つを選択するように構成され得る。
【0104】
具体的には、制御部120は、入力部110から受信した診断要請情報に対する診断データ量を先に算出し得る。そして、制御部120は、算出した診断データ量に基づいて通信パケットの総パケットサイズを算出し得る。
【0105】
例えば、
図4及び
図6の実施形態において、通信パケットに含まれる診断データ量に応じて、メッセージパケットのパケットサイズ領域に含まれるパケットサイズは1バイトまたは2バイトであり得る。したがって、制御部120は、診断要請情報に対する診断データ量を先に算出し、算出した診断データ量を考慮して診断要請情報が含まれる通信パケットのサイズを算出し得る。
【0106】
また、既設定の基準値は、入力部110に外部から入力された診断要請情報を一つのメッセージパケットを通じて伝送可能であるか否かを決定する基準になる値であり得る。例えば、
図4及び
図6の実施形態において、既設定の基準値は8バイトであり得る。
【0107】
望ましくは、制御部120は、算出されたパケットサイズが既設定の基準値以下であれば、第1パケット構造を選択するように構成され得る。
【0108】
具体的には、制御部120は、診断要請情報の診断データ量に基づいて算出された通信パケットの総パケットサイズが既設定の基準値以下であれば、診断要請情報を一つのメッセージパケットに書き込み可能と判断し得る。したがって、制御部120は、第1パケット構造を選択し、第1パケット構造に応じて通信パケットを生成し得る。
【0109】
例えば、
図4の実施形態のように、制御部120は、一つのメッセージパケットに診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データをすべて書き込み得る。
【0110】
一方、制御部120は、算出されたパケットサイズが既設定の基準値を超えれば、第2パケット構造を選択するように構成され得る。
【0111】
具体的には、制御部120は、診断要請情報の診断データ量に基づいて算出された通信パケットの総パケットサイズが既設定の基準値を超えれば、診断要請情報を一つのメッセージパケットに書き込み難いと判断し得る。すなわち、制御部120は、診断要請情報をすべて書き込むためには一つのメッセージパケットと一つ以上のデータパケットが必要であると判断し得る。したがって、制御部120は、第2パケット構造を選択し、第2パケット構造に応じて通信パケットを生成し得る。
【0112】
例えば、
図6の実施形態のように、制御部120は、一つのメッセージパケットと三つのデータパケットに診断要請情報に含まれた第1データ識別情報~第5データ識別情報及び第1診断用データ~第5診断用データを書き込み得る。
【0113】
図7は、本発明の他の実施形態による診断情報生成方法を概略的に示した図である。
【0114】
望ましくは、本発明の他の実施形態による診断情報生成方法の各段階は、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100によって実行できる。ただし、以下では、説明の便宜上、上述した内容と重なる部分は簡略に説明することにする。
【0115】
図7を参照すると、診断情報生成方法は、診断要請情報入力段階、診断データ量算出段階、パケット構造選択段階、通信パケット生成段階、及び診断情報出力段階を含み得る。
【0116】
診断要請情報入力段階は、診断対象の複数の診断項目のうち少なくとも一つに対するデータ識別情報、及び該データ識別情報に対応する診断用データを含む診断要請情報の入力を受ける段階であって、入力部110によって実行できる。
【0117】
例えば、入力部110は、外部からデータ識別情報及び診断用データが含まれた診断要請情報の入力を受け得る。そして、診断要請情報には、複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが含まれ得る。
【0118】
診断データ量算出段階は、診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データに対する診断データ量を算出する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0119】
例えば、データ識別情報は2バイトの固定されたサイズを有するように設定され得る。一方、診断用データは、1バイト以上のサイズを有するように設定され得る。すなわち、診断用データは、値の桁及び小数点表現によって相異なるサイズを有し得る。
【0120】
もし、制御部120が診断要請情報に含まれたデータ識別情報及び診断用データの個数のみによって診断データ量を算出すると、実際の診断要請情報の診断データ量と算出された診断データ量とが相異なるものになり得る。したがって、制御部120は、データ識別情報の個数及び診断用データを表すためのデータサイズを直接考慮して診断要請情報に対する診断データ量を算出し得る。
【0121】
パケット構造選択段階は、算出された診断データ量に対応するパケット構造を複数のパケット構造から選択する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0122】
具体的には、制御部120は、算出された診断データ量に基づいて診断要請情報が含まれたときの通信パケットの総パケットサイズを算出し得る。そして、制御部120は、算出したパケットサイズと既設定の基準値とを比べた結果に応じて、第1パケット構造及び第2パケット構造のうちの一つを選択し得る。
【0123】
通信パケット生成段階は、選択されたパケット構造に応じて診断要請情報を含む通信パケットを生成する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0124】
例えば、制御部120によって第1パケット構造が選択された場合、制御部120は、一つのメッセージパケットを含む通信パケットを生成し得る。ここで、メッセージパケットにはパケットサイズ領域、識別情報領域、及び診断情報領域が含まれ得る。
【0125】
他の例として、制御部120によって第2パケット構造が選択された場合、制御部120は、一つのメッセージパケットと一つ以上のデータパケットを含む通信パケットを生成し得る。ここで、データパケットには順番情報領域、及び診断情報領域が含まれ得る。
【0126】
診断情報出力段階は、外部の診断装置に通信パケットを診断対象に対する診断情報として出力する段階であって、通信部130によって実行できる。
【0127】
具体的には、制御部120が生成した通信パケットを診断装置に出力するために通信部130を制御し得る。
【0128】
本発明の他の実施形態による診断情報生成方法は、診断情報のサイズ、すなわち、通信パケットのパケットサイズに好適なパケット構造を用いて、診断装置に診断情報を効果的に送信することができる。
【0129】
図8は、本発明の一実施形態による診断情報生成装置100を含む診断システム10を概略的に示した図である。以下では、説明の便宜上、上述した内容と重なる部分は簡略に説明することにする。
【0130】
図8を参照すると、診断システム10は、診断情報生成装置100及び診断装置200を含み得る。
【0131】
診断装置200は、診断情報生成装置100から診断情報を受信するように構成され得る。
【0132】
具体的には、診断情報生成装置100と診断装置200とは通信バスを介して通信可能に接続され得る。具体的には、診断情報生成装置100と診断装置200とは、CAN通信可能な通信バスを介して互いに接続され得る。
【0133】
例えば、
図8の実施形態において、診断装置200は、診断情報生成装置100から診断情報を受信し得る。具体的には、診断装置200は、診断情報生成装置100の通信部130を通じて通信バスに出力された診断情報を受信し得る。
【0134】
診断装置200は、受信した診断情報から診断要請情報を抽出するように構成され得る。
【0135】
具体的には、診断装置200は受信した診断情報からメッセージパケットに含まれたパケットサイズを先に確認し得る。もし、パケットサイズが既設定の基準値以下であれば、診断装置200は、メッセージパケットに含まれた診断要請情報のみを抽出し得る。もし、パケットサイズが既設定の基準値を超えれば、診断装置200は、メッセージパケットだけでなく、データパケットに含まれた診断要請情報をすべて抽出し得る。
【0136】
例えば、
図4の実施形態による通信パケットに対応する診断情報が診断装置200に送信された場合、診断装置200は、メッセージパケットの診断情報領域に含まれたデータ識別情報及び診断用データを抽出し得る。具体的には、診断装置200は、通信パケットの第3~4バイト領域に書き込まれたデータ識別情報を抽出し、通信パケットの第5~7バイト領域に書き込まれた診断用データを抽出し得る。
【0137】
他の例として、
図6の実施形態による通信パケットに対応する診断情報が診断装置200に送信された場合、診断装置200は、メッセージパケットの診断情報領域に含まれた第1データ識別情報及び第1診断用データを抽出し得る。そして、診断装置200は、第1データパケットの診断情報領域に含まれた第2データ識別情報、第2診断用データ、及び第3データ識別情報を抽出し得る。また、診断装置200は、第2データパケットの診断情報領域に含まれた第3診断用データ、第4データ識別情報、及び第4診断用データの一部を抽出し得る。最後に、診断装置200は、第3データパケットの診断情報領域に含まれた第4診断用データの残りの一部、第5データ識別情報、及び第5診断用データを抽出し得る。
【0138】
通信パケットに含まれた複数のデータ識別情報及び複数の診断用データが抽出される過程で、診断装置200は、区分情報を用いて第N診断用データと第N+1データ識別情報とを正確に区分し得る。例えば、診断装置200は、第2データパケットの診断情報領域から抽出した第4診断用データの一部と第3データパケットの診断情報領域から抽出した第4診断用データの残り一部とを組み合わせて第4診断用データを構成し得る。
【0139】
診断装置200は、抽出された診断要請情報に基づいてバッテリーパック及び電子制御装置(ECU;Electronic Control Unit)のうち少なくとも一つを診断対象として決定するように構成され得る。
【0140】
上述したように、通信パケットに含まれたデータ識別情報は、診断対象に対する複数の診断項目に対応し得る。したがって、診断装置200は、抽出したデータ識別情報に基づいて、現在受信した診断情報に基づいて状態を診断すべき診断対象を正確に決定することができる。
【0141】
例えば、診断対象にはバッテリーパック及び電子制御装置が含まれ得る。ここで、バッテリーパックは、一つ以上のバッテリーセルが含まれたセルアセンブリであり得る。具体的には、バッテリーセルは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、一つのパウチ型リチウムポリマーセルをバッテリーセルとして見なし得る。また、バッテリーパックは、二つ以上のバッテリーセルが直列及び/または並列で接続されたバッテリーモジュールも含み得る。
【0142】
また、電子制御装置には、電気自動車に搭載可能なACU(Airbag Control Unit)、BCM(Body Control Module)、ECU(Engine Control Unit)、PCM(Powertrain Control Module)、TCU(Transmission Control Unit)、ABS(Anti-lock Braking System)、ESC(Electronic Stability Control)、HPCU(Hybrid Power Control Unit)、BMS(Battery Management System)、及びMCU(Motor Control Unit)などが含まれ得る。ただし、本発明による診断システム10は、電気自動車のみに制限的に適用されるシステムではないため、設定可能な項目を含んでおり、診断装置200によって状態を診断可能な電子制御装置であれば、本発明による診断システム10によって診断対象として選定され得る。
【0143】
また、診断装置200は、抽出された診断要請情報に基づいて診断対象の状態を診断するように構成され得る。
【0144】
具体的には、診断装置200は、診断要請情報からデータ識別情報及び診断用データを抽出するように構成され得る。
【0145】
そして、診断装置200は、診断対象の複数の診断項目のうちデータ識別情報に対応する項目の値を診断用データとして適用するように構成され得る。
【0146】
すなわち、診断装置200は、診断対象の複数の診断項目のうちデータ識別情報に対応する項目の値に診断用データを適用し、診断対象の状態を診断用状態に切り換え得る。
【0147】
例えば、データ識別情報に対応する診断用データが、診断対象の複数の診断項目のうち対応する診断項目に対する欠陥値である場合、診断装置200は、抽出した診断用データに基づいて診断対象に対する欠陥を強制に発生させ得る。すなわち、診断装置200は、診断対象の状態を臨時に欠陥状態に切り換え得る。
【0148】
他の例として、データ識別情報に対応する診断用データが単純シミュレーションのための値である場合、診断装置200は、抽出した診断用データに基づいて診断対象の状態を臨時にシミュレーション用状態に切り換え得る。
【0149】
また、診断装置200は、診断用データが適用された診断対象の状態を診断するように構成され得る。具体的には、診断装置200は、診断情報に基づいて臨時に切り換えられた診断対象の状態を診断し得る。
【0150】
最後に、診断装置200は、診断結果を診断情報生成装置100に送信するように構成され得る。
【0151】
具体的には、診断装置200は、診断情報生成装置100から受信した診断情報に基づいて診断対象の状態を診断し、診断結果を診断情報生成装置100に送信し得る。
【0152】
例えば、診断装置200が診断情報生成装置100に送信する診断結果は、欠陥が発見されなかったことを示す第1診断結果または欠陥が発見されたことを示す第2診断結果を含み得る。
【0153】
診断情報生成装置100は、診断装置200から診断結果を受信し、受信した診断結果をユーザに提供し、入力部110を通じて入力された診断要請情報に基づいた診断対象に対する診断を終了し得る。
【0154】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
【0155】
以上で本発明はたとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明これによって限定されず、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって本発明の技術思想と下に記載する特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能さは勿論だ。
【0156】
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0157】
10:診断システム
100:診断情報生成装置
110:入力部
120:制御部
130:通信部
200:診断装置
【国際調査報告】