(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】バイオセンサインサータ装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1486 20060101AFI20221019BHJP
A61B 5/1473 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
A61B5/1486
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511081
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020073218
(87)【国際公開番号】W WO2021032787
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043328
【氏名又は名称】アセンシア・ディアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・エレコヴカンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン・アール・プレイス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エー・ジェイ・メイヤー・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン・エム・ヤング
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX04
(57)【要約】
バイオセンサインサータは、プッシュ要素を有するプッシュ部材と、ラッチを備える接触部材と、送信機/センサアセンブリを支持する送信機キャリアと、ラッチ端部を有するピボット部材とを備える。ピボット部材は、バイオセンサを挿入する最中に挿入デバイスを支持する。動作時に、プッシュ部材は、ユーザの皮膚と接触状態におかれた接触部材に対して、ユーザにより軸方向に入れ子式に動作される。これにより、バイオセンサの挿入の最中にプッシュ要素はピボット部材に対して押圧され、送信機キャリアが並進移動される。挿入デバイスの行程の第1の部分の最中に、バイオセンサの挿入が完了され、ピボット部材は枢動を防止される。行程の第2の部分で、ラッチ端部がラッチを越えて移動した後に、ピボット部材は枢動が可能となり、挿入デバイスは引き戻される。他のシステムおよび方法の実施形態が提示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオセンサインサータであって、
プッシュ要素を備えるプッシュ部材と、
前記プッシュ部材に対して並進移動可能な接触部材であって、ラッチを備える接触部材と、
前記接触部材に対して並進移動可能であり、バイオセンサの挿入の最中に送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、
前記送信機キャリア上に枢支されるように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、
前記バイオセンサを挿入するために前記ピボット部材により駆動可能な挿入デバイスと
を備え、
行程の第1の部分で前記バイオセンサを挿入する最中に、前記ピボット部材は枢動を防止され、
前記ピボット部材の前記ラッチ端部が前記ラッチを越えて移動すると、前記ピボット部材は、前記行程の第2の部分で枢動し、前記挿入デバイスを引き戻すことが可能となる、バイオセンサインサータ。
【請求項2】
前記プッシュ部材は、上部部材および下部部材を備え、前記下部部材は、前記上部部材に対して結合され、前記下部部材は、スリーブを備え、前記上部部材は、前記スリーブを覆って受けることが可能な反転カップを備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項3】
前記プッシュ部材は、第1の位置合わせ特徴部を備え、前記接触部材は、第2の位置合わせ特徴部を備え、前記第1の位置合わせ特徴部は、前記ラッチに前記ラッチ端部が鉛直方向に整列されるように前記第2の位置合わせ特徴部と連係するように構成される、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項4】
前記プッシュ要素は、剛性ポストとして構成される、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項5】
前記プッシュ要素は、上部部材の頂部部分の下面から垂直方向に延在する剛性ポストとして構成される、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項6】
前記プッシュ部材は、反転カップを備え、前記反転カップは、頂部部分および環状スリーブ部分を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項7】
前記プッシュ部材は、その下方端部の近傍に傾斜面を備え、前記接触部材は、組立て後に前記傾斜面に係合するように構成された第1の事前挿入ロック特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項8】
前記プッシュ部材は、第1の事前挿入ロック特徴部を備え、前記接触部材は、前記第1の事前挿入ロック特徴部に係合するように構成された第2の事前挿入ロック特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項9】
前記接触部材は、鉛直方向延在切欠部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項10】
前記接触部材は、前記ピボット部材の前記ラッチ端部と連係するように構成された内部ガイド特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項11】
前記内部ガイド特徴部は、内部溝を備える、請求項10に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項12】
前記送信機キャリアは、前記ピボット部材の枢動を停止させるように構成されたリミットストップ特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項13】
前記送信機キャリアは、ベースと、前記ベース上に配設された側部サポートとを備え、前記側部サポートは、前記挿入デバイスを案内するように構成された第1のガイドおよび第2のガイドを備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項14】
前記ピボット部材は、前記挿入の最中に前記挿入デバイスを支持するように構成された挿入デバイス支持特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項15】
前記挿入デバイス支持特徴部は、前記挿入デバイスの本体のレッグを中に受けるように構成されたフォークを備える、請求項14に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項16】
前記ピボット部材は、前記プッシュ要素の接触端部と連係するように構成されたポケットを備えるプッシュ要素連係特徴部を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項17】
前記挿入デバイスは、本体部分および挿入部分を備え、前記本体部分は、前記ピボット部材の挿入デバイス支持特徴部のフォークと連係するように構成されたレッグを備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項18】
前記挿入デバイスは、着脱可能ニードルカバーを備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項19】
前記挿入デバイスは、前記プッシュ部材に沿って周方向に延在するリブを備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項20】
前記接触部材は、内方エッジから外報エッジまで外方へと延在するW≧5mmの周縁フランジを備え、前記周縁フランジは、周縁部の少なくとも一部に沿って延在し、前記Wは、前記周縁フランジの幅である、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項21】
前記接触部材は、Ac≧500mm
2を有する周縁フランジを備え、前記Acは、挿入の最中にユーザの皮膚に接触するように構成された前記周縁フランジの接触面積である、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項22】
前記送信機キャリアは、複数のフィンを備え、各フィンは、前記接触部材中に形成された鉛直方向スロット内に受けられるように構成される、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項23】
4つの前記フィンを備え、前記フィンの対が同一面内に位置する、請求項22に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項24】
前記複数のフィンのそれぞれが、鉛直方向コネクタから構成され、前記鉛直方向コネクタは、前記鉛直方向コネクタから上方におよび側方外方に延在するパドルに対して連結し、前記パドルの最外部分が、前記鉛直方向スロット内に受けられ位置合わせされる、請求項22に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項25】
前記送信機キャリアは、前記挿入デバイスのレッグを受けるように構成された閉ガイド溝を備える、請求項1に記載のバイオセンサインサータ。
【請求項26】
持続測定送信機/センサアセンブリのバイオセンサを挿入するように構成されたバイオセンサインサータであって、
剛性プッシュ要素および第1の位置合わせ特徴部を有するプッシュ部材と、
ラッチおよび第2の位置合わせ特徴部を有する接触部材であって、前記プッシュ部材内で入れ子式に動作するように構成された接触部材と、
前記バイオセンサの挿入の最中に前記持続測定送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、
前記送信機キャリア上に枢支されるように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、
前記ピボット部材により支持された挿入デバイスと
を備え、
前記プッシュ部材の前記第1の位置合わせ特徴部は、前記ラッチにラッチ端部を整列させるように前記接触部材の前記第2の位置合わせ特徴部に連係するように構成され、
前記ピボット部材は、前記接触部材の内部ガイド特徴部に対して摺動するように構成され、前記バイオセンサの挿入の最中に行程の第1の部分で枢動を防止され、
前記ピボット部材の前記ラッチ端部が前記ラッチを越えて移動すると、前記ピボット部材は、前記行程の第2の部分で枢動し、前記挿入デバイスを引き戻して、前記バイオセンサを植え込まれた状態に留置することができる、バイオセンサインサータ。
【請求項27】
バイオセンサを挿入するためにバイオセンサインサータを使用する方法であって、
前記バイオセンサインサータを用意するステップであって、前記バイオセンサインサータは、プッシュ要素を備えるプッシュ部材と、前記プッシュ部材に対して並進移動可能である接触部材であって、ラッチを備える接触部材と、前記接触部材に対して並進移動可能であり、前記バイオセンサの挿入の最中に送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、前記送信機キャリアに対して枢動するように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、前記ピボット部材により駆動可能な挿入デバイスとを備える、ステップと、
ユーザの皮膚に対して前記接触部材を接触させるステップと、
行程の第1の部分の最中に前記プッシュ部材を押すことにより、前記プッシュ要素を前記ピボット部材に接触させ、前記送信機キャリアを並進移動させ、前記ユーザの皮膚に前記挿入デバイスおよび前記バイオセンサを挿通および挿入するステップであって、前記ピボット部材は、前記行程の前記第1の部分の最中に枢動を防止される、ステップと、
前記ラッチから前記ラッチ端部がラッチ解除されるまで前記プッシュ部材を押し続けるステップであって、前記ピボット部材は、前記行程の第2の部分の最中に枢動し、前記挿入デバイスを引き戻しつつ前記バイオセンサを植え込まれた状態に留置することが可能となる、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、「CONTINUOUS GLUCOSE MONITOR INSERTER APPARATUS AND METHODS」と題する2019年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/889,444号、「BIOSENSOR INSERTER APPARATUS AND METHODS」と題する2020年5月19日に出願された米国仮特許出願第63/027,346号、および「BIOSENSOR INSERTER APPARATUS AND METHODS」と題する2020年8月3日に出願された米国特許出願第16/984,125号に基づく優先権を主張する。これらの特許出願のそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書にすべての目的のために組み込まれる。
【0002】
本開示は、持続血糖測定器(CGM:continuous glucose monitor)の一部となり得るバイオセンサを挿入するために構成されたインサータに関する。
【背景技術】
【0003】
持続血糖測定器(CGM)などを用いた持続被分析物感知は、とりわけ糖尿病治療においてルーチンの感知作業となっている。グルコース濃度を経時的に提示するリアルタイム血糖値測定の実施により、例えばインスリン導入などの治療行為をタイムリーに行うことができ、血糖状態をより良好に管理することができる。
【0004】
CGM作業の最中に、送信機/センサアセンブリのバイオセンサが、皮下挿入され、組織および間質液(ISF)により囲まれた環境内で継続的に操作される。皮下挿入されたバイオセンサは、送信機/センサアセンブリの送信機に対して信号を送信し、この信号は、患者の血糖値を表すものとなり得る。これらの測定値は、24時間にわたり間断的および自動的に多数回にわたり計測され得る(例えば数分おきにまたは他の適切な時間間隔で)。
【0005】
送信機/センサアセンブリの送信機は、例えば腹部上、上腕背部上、または他の適切な位置になど、ユーザの皮膚の外方表面に対して固着され、その一方でバイオセンサは、ISFに接触するように皮膚に挿通される。この皮膚挿通プロセスは、「挿入」と呼ばれ得る。この挿入を実施するためのデバイスは、「インサータ」と呼ばれ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インサータの設計は、複雑となり製造が高額となる場合がある。したがって、インサータ装置の設計およびその操作方法を改良することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、バイオセンサインサータが、プッシュ要素を備えるプッシュ部材と、プッシュ部材に対して並進移動可能な接触部材であって、ラッチを備える接触部材と、接触部材に対して並進移動可能であり、バイオセンサの挿入の最中に送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、送信機キャリア上に枢支されるように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、バイオセンサを挿入するためにピボット部材により駆動可能な挿入デバイスとを備える。行程の第1の部分でバイオセンサを挿入する最中に、ピボット部材は枢動を防止され、ピボット部材のラッチ端部がラッチを越えて移動すると、ピボット部材は、行程の第2の部分で枢動し、挿入デバイスを引き戻すことが可能となる。
【0008】
他の実施形態では、持続測定送信機/センサアセンブリのバイオセンサを挿入するように構成されたバイオセンサインサータが提供される。このバイオセンサインサータは、剛性プッシュ要素および第1の位置合わせ特徴部を有するプッシュ部材と、ラッチおよび第2の位置合わせ特徴部を有する接触部材であって、プッシュ部材内で入れ子式に動作する構成された接触部材と、バイオセンサの挿入の最中に持続測定送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、送信機キャリアに対して枢動するように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、ピボット部材により支持された挿入デバイスとを備える。プッシュ部材の第1の位置合わせ特徴部は、ラッチにラッチ端部を整列させるように接触部材の第2の位置合わせ特徴部に連係するように構成され、ピボット部材は、接触部材の内部ガイド特徴部に対して摺動するように構成され、バイオセンサの挿入の最中に行程の第1の部分で枢動を防止され、ピボット部材のラッチ端部がラッチを越えて移動すると、ピボット部材は、行程の第2の部分で枢動し、挿入デバイスを引き戻して、バイオセンサを植え込まれた状態に留置することができる。
【0009】
他の実施形態では、バイオセンサを挿入するためにインサータ装置を使用する方法が提示される。この方法は、バイオセンサインサータを用意するステップであって、バイオセンサインサータが、プッシュ要素を備えるプッシュ部材と、プッシュ部材に対して並進移動可能である接触部材であって、ラッチを備える接触部材と、接触部材に対して並進移動可能であり、バイオセンサの挿入の最中に送信機/センサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアと、送信機キャリアに対して枢動するように構成されたピボット部材であって、ラッチ端部を備えるピボット部材と、ピボット部材により駆動可能な挿入デバイスとを備える、ステップと、ユーザの皮膚に対して接触部材を接触させるステップと、行程の第1の部分の最中にプッシュ部材を押すことにより、プッシュ要素をピボット部材に接触させ、送信機キャリアを並進移動させ、ユーザの皮膚に挿入デバイスおよびバイオセンサを挿通および挿入するステップであって、ピボット部材が、行程の第1の部分の最中に枢動を防止される、ステップと、ラッチからラッチ端部がラッチ解除されるまでプッシュ部材を押し続けるステップであって、ピボット部材が、行程の第2の部分の最中に枢動し、挿入デバイスを引き戻しつつバイオセンサを植え込まれた状態に留置することが可能となる、ステップとを含む。
【0010】
本開示による実施形態の他の特徴、態様、および利点が、以下の発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および複数の例示の実施形態を図示する添付の図面からさらに十分に明らかになろう。また、本開示による様々な実施形態は、他のおよび種々の適用が可能であってもよく、そのいくつかの細部が、特許請求の範囲およびその均等物から逸脱することなく様々な点において修正されてもよい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、事実上において例示とみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0011】
図面は、事実上において例示とみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。これらの図面は、必ずしも縮尺通りではない。同様の参照数字が、同様の要素を示すために複数の図面にわたり使用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータの側方斜視図である。
【
図1B】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、ニードルカバーを備えるバイオセンサインサータの下方斜視図である。
【
図1C】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による挿入デバイスのインサータ部分が露出された、ニードルカバーが除去された状態におけるバイオセンサインサータの下方斜視図である。
【
図1D】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、様々な構成要素およびそれらの相互連結部を示す、バイオセンサインサータの側方断面斜視図である。
【
図1E】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、様々な構成要素を示すバイオセンサインサータの部分断面側方斜視図、および接触部材および送信機キャリアのアセンブリの斜視図である。
【
図1F】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、様々な構成要素を別様に図示する、バイオセンサインサータの部分分解部分斜視図である。
【
図1G】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、バイオセンサインサータの接触部材の第1の側方斜視図である。
【
図1H】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、
図1Gの接触部材の対向側側部の第2の側方斜視図である。
【
図1I】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータの送信機キャリアの底面図である。
【
図1J】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、切断ライン1J-1Jに沿った
図1Iの送信機キャリアの側方断面図である。
【
図1K】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータの送信機キャリアの側方斜視図である。
【
図1L】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータの接触部材/キャリアアセンブリのアッセンブリの側方斜視図である。
【
図1M】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータのキャリアアセンブリの側方斜視図である。
【
図1N】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータのピボット部材の平面図である。
【
図1O】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、切断ライン1O-1Oに沿った
図1Nのピボット部材の側方断面図である。
【
図1P】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、ピボット部材の斜視図である。
【
図1Q】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、挿入デバイスが結合された送信機/センサアセンブリを備える送信機挿入アセンブリの側面図である。
【
図1R】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、送信機挿入アセンブリの斜視図である。
【
図1S】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、挿入デバイスの第1の側面図である。
【
図1T】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、挿入デバイスの第2の側面図である。
【
図1U】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、バイオセンサのルーティングを示す挿入デバイスの側方斜視図である。
【
図1V】本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による、バイオセンサのルーティングを示す挿入デバイスの拡大側方部分断面図である。
【
図2A】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図2B】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図2C】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図2D】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図2E】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図2F】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサの挿入方法の一段階の最中における、バイオセンサインサータの側方断面図である。
【
図3】本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサを挿入するためにバイオセンサインサータを使用する方法の流れ図である。
【
図4A】本開示によるバイオセンサインサータの代替的な一実施形態の上方斜視図である。
【
図4B】本開示による、送信機/バイオセンサアセンブリが図示のために除去された、
図4Aのバイオセンサインサータの下方斜視図である。
【
図5A】本開示の1つまたは複数の実施形態によるプッシュ部材およびプッシュ要素の代替的な一実施形態の下方斜視図である。
【
図5B】本開示によるT字形状断面を有するプッシュ要素の代替的な一実施形態の部分平面図である。
【
図5C】本開示による、フランジおよびフィンサポートを備える接触部材の代替的な一実施形態の前方斜視図である。
【
図6A】本開示によるフィンおよび閉ガイドを備える送信機キャリアの代替的な一実施形態の一部分の前方斜視図である。
【
図6B】本開示による代替的な2ピース送信機キャリアの前方斜視図である。
【
図6C】本開示によるインサータデバイスの一実施形態の前方斜視図である。
【
図6D】本開示による挿入ニードルの一実施形態の前方斜視図である。
【
図7】本開示によるバイオセンサインサータの代替的な一実施形態の分解前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態では、安価に製造され得るバイオセンサインサータが提示される。このバイオセンサインサータは、ヒトの皮膚中にバイオセンサを植え込む(挿入する)ように構成される。例えばいくつかの実施形態では、バイオセンサインサータは、バイオセンサの挿入の最中に送信機/センサアセンブリを保持する送信機キャリアと、バイオセンサインサータの行程の第1の部分の最中にユーザの皮膚に向かって送信機キャリアを並進移動させるプッシュ要素とを備え得る。1つまたは複数の実施形態では、このプッシュ要素は、剛性材料ピースから形成されてもよく、この剛性材料ピースは、プッシュ部材と一体であってもまたはプッシュ部材に対して剛体結合されてもよい。プッシュ要素は、バイオセンサの中心軸からオフセットされ得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、バイオセンサインサータの挿入デバイスに接触しこの挿入デバイスを動作的に駆動するピボット部材は、バイオセンサインサータの行程の第1の部分(挿入部分)の最中に送信機キャリアがユーザの皮膚に向かって並進移動するときに、枢動を阻止されるが、バイオセンサがユーザの皮膚中に植え込まれた後では、ラッチ解除されることにより枢動可能となる。ラッチ解除されると、ピボット部材は、バイオセンサインサータの行程の第2の部分で枢動し得るため、これにより挿入デバイスが引き戻され(引戻し部分)、バイオセンサはユーザの皮膚中に挿入された状態で留置される。したがって、ピボット部材は、行程の第1の部分では枢動しない。
【0015】
以下、
図1A~
図7を参照して、インサータの実施形態のこれらのおよび他の構造的特徴および機能的特徴を説明する。
【0016】
図1A~
図1Cは、本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態によるバイオセンサインサータ100の斜視図を示す。バイオセンサインサータ100は、プッシュ部材102を備え、このプッシュ部材102は、図示する実施形態では2つの結合されたピースを、すなわち共に結合された上部部分102Tおよび下部部分102Bを備えるものとして図示される。さらに、バイオセンサインサータ100は、矢印107により示される方向においてプッシュ部材102に対して軸方向に(軸方向軸105に沿って)並進移動可能な接触部材106を備える。したがって、接触部材106は、プッシュ部材102内に軸方向に受けられることが可能であり、プッシュ部材102と入れ子式であり得る。プッシュ部材102は、バイオセンサ挿入の最中にユーザによる接触および押圧を受ける部分である。任意には、プッシュ部材102は、単体ピースとして構成されてもよい。
【0017】
図1Gおよび
図1Hにおいて最もよく示されるように、接触部材106は、上方端部106Uおよび下方端部106Lを備える。下方端部106Lは、ユーザの皮膚113中にバイオセンサ150(
図2Bおよび
図2Cを参照)を植え込むために、挿入デバイス120の挿入および引戻しの最中にユーザの皮膚113に接触し得る(
図2A~
図2F)。さらに、接触部材106はラッチ109を備え(
図1D)、このラッチ109はラッチ表面(下方ラッチ表面)であり、本明細書においてさらに説明されるように、ピボット部材116(
図1N~
図1P)のラッチ端部117(
図1L~
図1M)の移動を介してこのラッチ表面を通過することにより、ピボット部材116の回転が可能となる(
図2D~
図2F)。ラッチ端部117がラッチ109を通過するまでは、ピボット部材116は回転を阻止される。接触部材106のラッチ109(
図1D)は、鉛直方向延在切欠部106C(
図1A~
図1C)の一部として形成されることが可能であり、ラッチ109は、ピボット部材116のラッチ端部117よりも幅広である周方向配設された表面を備え得る。鉛直方向延在切欠部106Cは、下方端部106Lにて開口し得る。
【0018】
図1A~
図1Fに示すように、プッシュ部材102は、上部部材102Tおよび下部部材102Bを備える。下部部材102Bは、図示するように上部部材102Tに対して結合される。下部部材102Bは、スリーブ形状部を備え、上部部材102Tは、このスリーブを覆うように受けられ得る反転カップを備え得る。さらに詳細には、この反転カップは、円形平坦表面を備え得る頂部部分121(
図1D)と、環状スリーブ部分102Sとを備える。プッシュ要素104(
図1D~
図1E)が、プッシュ部材102から下方に延在し、接触端部104Cを備える。プッシュ要素104は、剛性部材であり、頂部部分121の下面121Uから下方に(図の配向で見て)延在し、ピボット部材116と接触状態に設けられる。
【0019】
図1A~
図1Cおよび
図1Eにおいて最もよく示されるように、上部部材102Tおよび下部部材102Bは、例えば下部部材102B中に形成されたスロットまたは溝などの保持特徴部108R内に着座される内方突出部108Pをそれぞれが備える2つ以上のばねタブ108備えることによってなど、任意の適切な手段により共に結合され得る。内方突出部108Pは、下部部材102Bのそれぞれの保持特徴部108R内へと機能的にスナップ挿入されロックされて、これら2つの部分を単体ピースとして共に保持する。しかし、任意には、プッシュ部材102は、いくつかの実施形態では単体ピースとして成形され得る。さらに、下部部材102Bに対して上部部材102Tをスナップ嵌め連結するのを可能にするための、または上部部材102Tおよび下部部材102Bを他の方法で共に結合するための他の手段が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、
図1Fに示すように、プッシュ部材102は、その下方端部102Lの近傍に傾斜面128を備えることが可能であり、接触部材106は、組立て後にこの傾斜面128に係合するように構成されたスナップ嵌めフックなどの内方突出部142を備え得る。複数の内方突出部108Pが使用される場合には、それぞれに対して対応する傾斜面128が存在し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、プッシュ部材102および/または接触部材106は、生分解性材料および/または再生利用可能材料(例えば再生利用可能プラスチック、生分解性紙製品、竹等)から形成され得る。他の実施形態では、プッシュ部材102および/または接触部材106は、1つまたは複数のポリマー材料から形成され得るものであり、例えば限定するものではないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などから形成され得る。他の適切な材料が、プッシュ部材102および/または接触部材106に対して使用されてもよい。
【0021】
図1Bは、本明細書において提示される1つまたは複数の実施形態による例のバイオセンサインサータ100の下方斜視図を示す。
図1Bを参照すると、バイオセンサインサータ100は、凹部118(
図1D)内などにおいて送信機キャリア114(
図1Cおよび
図1Dをさらに参照)に対して着脱可能に取り付けられた送信機/センサアセンブリ115を備え得る。送信機キャリア114は、接触部材106に対して軸方向に並進移動可能であり、バイオセンサ150U(
図1U、
図1V、および
図2A~
図2D)の挿入の最中に送信機/センサアセンブリ115を支持するように構成される。具体的には、送信機/センサアセンブリ115は、送信機電子機器と、電源と、バイオセンサ150を備えるセンサアセンブリとを備え得る。したがって、送信機/センサアセンブリ115は、バイオセンサ150を挿入する最中に支持される。
【0022】
いくつかの実施形態では、送信機/センサアセンブリ115は、送信機電子機器、電源(例えば1つまたは複数のバッテリ)、およびセンサアセンブリ(例えば1つまたは複数の被分析物の濃度を判定するための被分析物センサなどのバイオセンサ)を支持するベースを備え得る。送信機電子機器の例としては、被分析物センサを付勢し、バイオセンサ150を通過する電流を感知するためのアナログ前方端部が含まれ、例えば演算増幅器、電流感知回路等が含まれ得る。他の送信機回路は、電流信号をデジタル化するためのアナログデジタル変換器などの処理回路と、デジタル化された電流信号を記憶するためのメモリと、測定された電流信号に基づき被分析物濃度数値を場合によっては演算するためのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ等のコントローラと、外部デバイス(例えば被分析物濃度を記憶および/または表示するためのスマートフォンまたは他の適切な外部デバイスなど)に対して被分析物濃度数値を送信するための送信機回路とを備え得る。いくつかの実施形態では、送信機電子機器は、再利用可能であり得る、ならびに電源およびセンサアセンブリを有するベースユニットのセンサユニットと結合された、独立した送信機ユニットを形成してもよい。このベースユニットは、使い捨て式であってもよい。かかる実施形態では、送信機ユニットは、バイオセンサ150がバイオセンサインサータ100を使用して挿入される前または後にベースユニットに対して装着され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、送信機/センサアセンブリ115内で使用されるセンサ(例えばバイオセンサ150)は、2つの電極を備えてもよく、バイアス電圧が、これらの電極対間に印加され得る。かかる例では、電流がこのセンサにより測定され得る。他の実施形態では、センサは、例えば作業電極、対電極、および基準電極などの3つの電極を備えてもよい。例えばかかる例では、バイアス電圧は、作業電極と基準電極との間に印加され、電流は、作業電極を介して測定され得る。センサは、検出対象の製品との間で被分析物-酵素反応を被る1つまたは複数の化学物質を備える活性領域を備え得る。この酵素は、被分析物との間で反応(例えば酸化還元反応)を引き起こし、1つまたは複数の電極に電流を発生させるように、これらの電極上に固定化される。例えば、この反応は、センサの電荷キャリア濃度および時間依存インピーダンスに影響を及ぼし得る。化学物質の例としては、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ等が含まれる。いくつかの実施形態では、フェリシアン化物またはフェロセンなどの媒介物が、活性領域にて使用され得る。1つまたは複数の実施形態では、センサが、マイクロニードルまたは例えばマイクロニードルアレイなどの複数のマイクロニードルを備え得る。一般的に、適切なセンサを用いた検出および/または測定の対象となり得る被分析物としては、グルコース、コレステロール、乳酸塩、尿酸、またはアルコール等が含まれる。本明細書では、被分析物は、分析手技で測定可能な構成成分、物質、化学種、または化学成分として定義される。
【0024】
一例のバイオセンサ150(
図1U)は、例えば挿入デバイス120の挿入部分120Iの内部に受けられ得るおよび皮膚113下の間質液の被分析物濃度読取値を感知し得るストランド形状センサなどの、ユーザの皮膚113(
図2A)中に植え込まれることが可能な任意の適切な植え込み可能センサであることが可能であり、例えばグルコースセンサまたは乳酸塩センサ等が可能である。
【0025】
図1Qおよび
図1Rに示すように、いくつかの実施形態では、挿入デバイス120(
図1S~
図1Vに示す)および送信機/センサアセンブリ115のアセンブリである送信機挿入アセンブリ119が提供される。この送信機挿入アセンブリ119は、ニードルカバー124を備えることが可能であり、ニードルカバー124は、挿入方法の実施前にユーザにより除去され得る。ニードルカバー124は、挿入デバイス120から着脱可能であり、挿入デバイス120の挿入部分120I(例えばニードル部分)を保護する。したがって、ニードルカバー124は、挿入デバイス120の本体120B上に形成されたねじ山または他のスナップ嵌め特徴部120Tから着脱可能である。他の構成のニードルカバー124が使用されてもよい。
【0026】
既述のように、バイオセンサインサータ100は、送信機キャリア114の上でおよび送信機キャリア114に対して枢動するように構成されたピボット部材116をさらに備える。ピボット部材116は、
図1N~
図1Pにおいて最もよく示されるように、第1の端部上にラッチ端部117を備え、第1の端部の対向側の端部上に挿入デバイス支持特徴部139を備え得る。挿入デバイス支持特徴部139は、挿入方法の最中に挿入デバイス120に接触する、挿入デバイス120を支持する、および挿入デバイス120を駆動する(挿入するおよび引き戻す)ように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、挿入デバイス支持特徴部139は、フォーク139Fを備え、このフォーク139Fは、中に挿入デバイス120の本体120Bのレッグ120L(
図1Q~
図1Uを参照)を受けるように構成される。フォーク139Fは、第1の延在スロットを備えることが可能であり、この第1の延在スロットは、ピボット部材116の横幅全体にわたり延在し、ピボット部材116のラッチ端部117の対向側の端部上に開口端部を有してもよく、したがってフォーク139Fを形成する。フォーク139Fの上方プロング139FUおよび下方プロング139FLは、それらの間に本体120Bのレッグ120Lを受けるように構成され得る。レッグ120Lが側方に延在する起点となる本体120Bのステム120S(
図1S~
図1U)が、鉛直方向隙間139C(
図1N~
図1P)の中におよびそれを貫通して受けられ得る。第2の延在スロットが、側方延在スロットと交差し鉛直方向隙間139Cを形成するように、少なくとも下方フォーク部材139FLを鉛直方向に貫通して延在し得る。これらのスロットは、挿入デバイス120の本体部分120Bのレッグ120Lおよびステム120Sを受けるようにサイズ設定され得る。本明細書において、上方および下方は、
図2Bに示す配向を基準とするが、ピボット部材116および他の要素が、使用時に他の配向で配向されてもよい点を理解されたい。
【0028】
ピボット部材116は、ピボット部材116が送信機キャリア114に対して枢動することを可能にする1つまたは複数の枢動特徴部を備え得る。例えば、ピボット部材116は、側方延在特徴部125(例えばポスト)を備えてもよく、この側方延在特徴部125は、送信機キャリア114の第1の側部サポート135および第2の側部サポート136中の穴127(
図1Kを参照)と連係して、枢動軸125Aを形成する。したがって、ピボット部材116は、枢動軸125Aを中心として枢動可能であり、送信機キャリア114上に枢支される。
【0029】
ピボット部材116の枢支位置は、ピボット部材116の第1の端部と対向側の端部との間に形成され得る。例えば、枢動軸125A(
図1N)が、ピボット部材116の本体のそれぞれの側部から突出する円筒状ポスト延在部などの側方延在特徴部125により形成されてもよい。側方延在特徴部125は、送信機キャリア114の両側部サポート135、136中に形成された穴127(
図1J~
図1M)内に受けられ得る。ピボット部材116は、プッシュ要素連係特徴部140を備えることが可能であり、このプッシュ要素連係特徴部140は、プッシュ要素104の接触端部104Cと連係し接触するように構成された、枢動軸125Aとラッチ端部117との間に形成されたポケットまたは他の連係特徴部を備え得る。他の適切な側方延在特徴部は、ピボットを形成するために使用され得る。例えば取外し可能車軸等の、他のピボット機構が使用されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、送信機キャリア114および/またはピボット部材116は、プラスチック材料から形成され得るものであり、例えば限定するものではないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などから形成され得る。他の材料が、送信機キャリア114および/またはピボット部材116に対して使用されてもよい。
【0031】
動作時に、挿入デバイス120は、
図2Bおよび
図2Cに示すように、ユーザの皮膚113中にバイオセンサ150を挿入するための挿入行程において、ピボット部材116により接触されることにより駆動可能である。挿入デバイス120は、本体120Bのレッグ120Lがピボット部材116のフォーク139F内に受けられることにより駆動可能である。さらに、各レッグ120Lは、送信機キャリア114のガイド135G、136G(
図1M)内に受けられるそれらの各外方端部に位置する矩形部分を備えてもよい。これらのガイド135G、136Gは、鉛直配向に配向されたスロットであることが可能であり、頂部端部にて開口し得る。これらの矩形部分とガイド135G、136Gとの嵌合は、スリップ嵌めであってもよく、このスリップ嵌めは、挿入の最中における挿入デバイス120の回転を阻止するのを補助し得る。したがって、ガイド135G、136Gおよびレッグ120L上の矩形端部は、連係し、レッグ120Lを側方に貫通する軸に沿った回転防止サポートを形成する。送信機キャリア114は、例えば鉛直方向延在リブ(例えば図示する丸みリブ)などの凸状整列部材138V(
図1I、
図1K、および
図1M)をさらに備えてもよく、この凸状整列部材138Vは、
図1Lに示す凹部などの接触部材106の凹状整列部材138Cと連係するように構成される。
【0032】
図1Dおよび
図1Eにおいて最もよく示されるように、接触部材106は、プッシュ部材102と同心状になるように構成されてもよく、プッシュ部材102と入れ子式であり得る。いくつかの実施形態では、プッシュ部材102は、例えば鉛直方向延在溝または鉛直方向延在凹部などの第1の位置合わせ特徴部122(
図1Eおよび
図2Aを参照)を備えてもよく、接触部材106は、第1の位置合わせ特徴部122と連係する例えば垂直方向延在リブなどの第2の位置合わせ特徴部123(
図2A)を備え得る。かかる位置合わせ特徴部122、123は、プッシュ部材102および接触部材106を回転方向において整列状態に保持することにより、例えば行程の挿入部分および引戻し部分など最中におけるプッシュ部材102内での接触部材106の回転を防止し得る。プッシュ部材102および接触部材106は、横断面において円筒形状、楕円形状、偏長形状、長円形状、または任意の他の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、プッシュ部材102および接触部材106は、同心状でなくてもよい。
【0033】
さらに詳細には、
図1I~
図1Mに示す送信機キャリア114は、送信機/センサアセンブリ115のバイオセンサ150の挿入の最中に送信機/センサアセンブリ115を支持するように構成される。送信機キャリア114は、
図1Lに示すように接触部材106内に嵌入するようにサイズ設定され得る。
図1Lは、接触部材106、送信機キャリア114、ピボット部材116、および挿入デバイス120のアセンブリ141を示す。
【0034】
図1A~
図1Eにおいて最もよく示されるように、いくつかの実施形態では、接触部材106は、ある一定の事前設定された軸方向力を超過するまでプッシュ部材102に対して接触部材106を保持するように構成された第1の事前挿入ロック特徴部142を備えてもよい。この事前設定された力の超過後に、接触部材106は、プッシュ部材102内へとさらに軸方向に移動し得る。
図2A~
図2Fを参照して以下で説明されるように、例えば、第1の事前挿入ロック特徴部142は、例えば図示する窓またはプッシュ部材102中に形成された溝などの第2の事前挿入ロック特徴部144内へと延在することにより、挿入前にプッシュ部材102が接触部材106上を摺動するのを防止するように構成され得る。しかし、事前設定された力が、ユーザによるプッシュ部材102に対する軸方向力Fの印加によって克服された後では、第1の事前挿入ロック特徴部142は、撓曲し、プッシュ部材102の内方表面の内部においておよびこの内方表面に沿って軸方向に移動することが可能となり、それにより接触部材106のプッシュ部材102内への相対的な軸方向摺動運動が可能となる。第1の事前挿入ロック特徴部142は、
図1Eに示すような溝またはスロット内に着座したフック等を備えるばねタブであってもよい。事前設定された力が克服されると、軸方向力Fは、行程の残りの部分にわたり若干変化し得る。
【0035】
図1Fは、本明細書において提示される実施形態による、外方部材102および内方部材106の一部分が図示のために除去された、例示のバイオセンサインサータ100の分解部分断面側方斜視図である。
図1Fおよび
図1Gは、接触部材106の内部表面上に形成された内部ガイド特徴部132を示し、本明細書においてさらに説明されるように、ピボット部材116の端部(例えば平坦状端部116E、
図1O)が、挿入方法の行程の少なくとも一部分の最中においてこの内部ガイド特徴部132に沿って軸方向に摺動し得る。ガイド特徴部132は、ピボット部材116の幅よりも若干幅広い平坦底部を有する溝であってもよい。ガイド特徴部132は、その下方端部にてラッチ109(
図1G)と交差し得る。内部ガイド特徴部132は、軸方向に配設され、ピボット部材116の端部116Eを受け、行程の第1の部分の間にわたりピボット部材116の回転を阻止し得る。端部116Eは、回転するのではなく、ガイド特徴部132に沿って鉛直方向に摺動し、回転を阻止される。他のタイプの内部ガイド特徴部132が使用されてもよい点に留意されたい。例えば、内方部材106は、ピボット部材116を案内するためにピボット部材116の端部に形成された溝内に受けられたリブなどの突出位置合わせ特徴部を有してもよい。
【0036】
図1Dをさらに参照すると、送信機キャリア114は、ベース134を備える円筒状本体から形成されてもよく、このベース134は、挿入の最中に送信機/センサアセンブリ115を支持するために使用される(本明細書においてさらに説明されるように)。また、ベース134は、支持構造体に対して結合され、この支持構造体は、ピボット部材116を支持するように構成される。
図1J~
図1Kにおいて最もよく示されるように、支持構造体は、第1のガイド135Gを有する第1のサポート135と、第2のガイド136Gを有する第2のサポート136とを備え得る。ガイド135Gおよび136Gは、軸方向に配向され延在し得るスロットを備えてもよく、本明細書においてさらに説明されるように挿入方法の最中において挿入デバイス120(
図1S~
図1U)を案内するために使用され得る。挿入デバイス120は、ピボット部材116の挿入デバイス支持特徴部139内へと(例えばフォーク139F内へと)、およびさらにはピボット部材116を跨ぐ第1の側部サポート135および第2の側部サポート136のガイド135Gおよび136G内へと摺動する。
【0037】
図1Dにおいて最もよく示されるように、プッシュ要素104は、頂部部分121の下面121Uから下方に延在してもよく、接触端部104Cを備え得る。プッシュ要素104は、実質的に剛性であってもよく、下面121Uからほぼ垂直方向に延在してもよく、図示するように軸方向軸105からオフセットされ得る。プッシュ要素104は、挿入方法の最中にピボット部材116に接触し押圧する接触端部104Cを備え得る。いくつかの実施形態では、接触端部104Cは、プッシュ要素連係特徴部140(例えば
図1Lに示すようなポケット)に接触する円筒状端部部分を備え得る。挿入の最中に、プッシュ要素104は実質的に屈曲または変形せず、それにより、プッシュ部材102を押圧することによって、接触部材106はプッシュ部材102内において入れ子式に動作し、行程の挿入部分の最中にユーザの皮膚113に向かってピボット部材116および送信機キャリア114の両者に対して線形方向に並進移動する。
【0038】
プッシュ要素104の寸法例は、約25mm~35mmの長さ、5mm~15mmの幅、および3mm~10mmの厚さに及ぶ。他の寸法が使用されてもよい。プッシュ要素104およびピボット部材116の材料例としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)が含まれ得る。他の材料が使用されてもよい。
【0039】
次に、
図2A~
図2Fを参照してバイオセンサインサータ100の組立ておよび動作(挿入方法)を説明する。これらの図は、本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサ150の挿入方法の最中におけるバイオセンサインサータ100の側方断面図を示す。
【0040】
バイオセンサインサータ100を組み立てるために、挿入デバイス120(
図1S~
図1V)を有する送信機/センサアセンブリ115(
図1Q~
図1R)から構成された送信機挿入アセンブリ119は、挿入デバイス120の本体120Bが、
図1Jの破線矢印147により示される経路に沿って、アパーチャ145(
図1I)を通りスロット端部146を通過して送信機キャリア114のガイド135G、136G内へと進むように、底部から挿入される。したがって、レッグ120Lの端部は、スロット端部146内に受けられ、
図1Jでは上方および右方へと進みガイド135G、136Gに進入する。送信機/センサアセンブリ115および挿入デバイス120からなる送信機挿入アセンブリ119が、ガイド135G、136G内に適切に位置決めされると、この送信機挿入アセンブリ119は、例えば凹部118内の軽度の締まり嵌め(
図1Dを参照)または場合によっては少量の両面接着テープもしくは適切な低強度接着剤などの、任意の適切なクイックリリース特徴部を用いて送信機キャリア114内で定位置に保持され得る。
【0041】
次に、ピボット部材116の挿入デバイス支持特徴部139のフォーク139F(
図1M)が、レッグ120Lを覆うように受けられ、ピボット部材116の側方延在特徴部125が、側部サポート135、136中の穴127内へとスナップ嵌めされて、枢動軸125Aと整列されたピボットを形成する。
【0042】
次に、ピボット部材116、挿入部材120、および送信機/センサアセンブリ115を有する送信機キャリア114から構成されたキャリアアセンブリ137(
図1M)が、
図1Lに示すように接触部材106内に挿入されてアセンブリ141を形成する。キャリアアセンブリ137は、送信機キャリア114の第1の停止特徴部148(
図1I~
図1J)が、接触部材106の切欠部分106Cの端部に形成された1つまたは複数の第2の停止特徴部151(
図1Gおよび
図1Hを参照)に接触するまで、接触部材106の底部内へと挿入され得る。キャリアアセンブリ137が接触部材106内に挿入され得る度合いを制限するために、他の適切な停止特徴部が使用されてもよい。軽度の締まり嵌めが、キャリアアセンブリ137の外部表面と接触部材106の内部表面との間に設けられて、接触部材106の内部にアセンブリ137が保持され得る。
【0043】
次に、プッシュ部材102のいくつかまたはすべてが、
図1Dに示されるようにアセンブリ141(
図1L)を覆うように設置され得る。このプッシュ部材102は、第1の事前挿入ロック特徴部142が第2の事前挿入特徴部144内にスナップ嵌めされるまで、最初にアセンブリ141を覆うように下部部分102Bを設置することによって設置され得る。例えば、第1の事前挿入ロック特徴部142は、スナップ嵌めフックであることが可能であり、第2の事前挿入特徴部144は、スロットまたは溝であることが可能である。
【0044】
次に、上部部分102Tが、下部部材102Bを覆うように設置され得る。適切に整列した後に、内方突出部108Pをそれぞれ備える2つ以上のばねタブ108が、それぞれの保持特徴部108R内に着座され得る。設置後に、プッシュ要素104が、ピボット部材116のプッシュ要素連係特徴部140に整列され、このプッシュ要素連係特徴部140の近傍に位置するかまたはちょうど接触状態におかれる。図示するように、接触部材106は、プッシュ部材102内に嵌入するようにサイズ設定され、例えば強度の滑り嵌めまたはさらには軽度の締まり嵌めを有してもよい。
【0045】
次に、
図1D、
図1I、
図1J、および
図1Uを参照すると、挿入デバイス120が、ピボット部材116の挿入デバイス支持特徴部139(例えばフォーク139F)内に位置する主要本体部分120Bと、送信機キャリア114のベース134中のアパーチャ145(
図1I)を通り送信機キャリア114から延在可能である挿入部分120Iとを有する。挿入デバイス120の挿入部分120Iは、先鋭端部(
図1U)を有することが可能であり、この先鋭端部は、本明細書においてさらに説明されるようにユーザの皮下領域113S中にバイオセンサ150を導入するためにユーザの皮膚113(
図2A~
図2F)を穿刺する。また、挿入部分120Iは、挿入シャフト、ニードル、トロカール、シャープ等と呼ばれる場合がある。挿入部分120Iを引戻し後には、挿入部分120Iの長さ方向に沿って形成された開口150O(例えば
図1Uおよび
図1Vに示されるようなスロット、細長空洞部、または溝)内に受けられたバイオセンサ150が、ユーザの皮下領域113S内に留置される。
【0046】
いくつかの実施形態では、
図2Aに示すように、挿入の最中に挿入部分120Iがほぼ鉛直方向に(および/または挿入部分120Iが挿入されることとなる領域に対してほぼ垂直方向に)留まるように、送信機キャリア114のベース134中のアパーチャ145が、第1のサポート135および第2のサポート136のガイド135G、136Gの下方に位置決めおよび/または芯合わせされる。挿入デバイス120の本体部分120Bは、送信機に対する挿入部分120Iのほぼ垂直な配向を実現するのを補助するための整列ガイドとしての役割を果たすように、送信機/センサアセンブリ115の頂部表面と連係し得るフランジ120F(
図1S~
図1V)を備えてもよい。
【0047】
挿入デバイス120の挿入部分120Iは、例えばステンレス鋼などの金属またはプラスチックなどの非金属から作製されてもよい。他の適切な材料が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入デバイス120の挿入部分120Iは、丸形C字形状チャネルチューブ、丸形U字形状チャネルチューブ、U字形状プロファイル断面へと折り曲げられたプレス加工金属シートパーツ、U字形状プロファイル断面を有する成形/鋳造金属パーツ、またはU字形状断面を与えるエッチングまたは研磨により形成されたチャネルを有する固体金属シリンダであってもよいが、これらに限定されない。挿入および引戻しを可能にしつつ、植え込まれたバイオセンサ150を留置させる他の挿入部分形状が使用されてもよい。
【0048】
挿入デバイス120の主要本体部分120Bは、プラスチックから形成されてもよく、例えば限定するものではないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などから形成され得る。他の適切な材料が使用されてもよい。
【0049】
図1Uおよび
図1Vにおいて最もよく示されるように、バイオセンサ150は、挿入部分120Iの開口150O内に受けられ、挿入部分120Iの長さ方向に沿って延在し、ねじ山部分102T中に形成された通路152内に進み、次いで通路152から側方に出て、コネクタ、電子パネルボード、または、送信機/センサアセンブリ115の送信機電子機器を備えるかもしくはこの送信機電子機器に対して結合されたもしくは結合するように構成された同様の電子構成要素154に対して連結される。したがって、ユーザの皮膚113中への挿入部分120Iの挿入と、次ぐユーザの皮膚113からの挿入部分120Iの引戻しとの後に、バイオセンサ150は、通路152および開口150Oから除去されることによって定位置に留まり得る。
【0050】
次に、
図2A~
図2Fおよび
図3を参照して、バイオセンサインサータ100の動作を説明する。これらの図面は、本明細書において提示される実施形態によるバイオセンサ150を挿入するためにバイオセンサインサータ100を使用する方法300の流れ図を示す。
【0051】
動作時に、送信機/センサアセンブリ115(
図2A~
図2Fにて破線で図示)は、送信機キャリア114に対して着脱可能に結合されることが可能であり、いくつかの実施形態では送信機キャリア114の下方領域中の凹部118内に位置決めされ得る。送信機/センサアセンブリ115は、挿入デバイス120の引戻し後に、ユーザの皮膚113に対して送信機/センサアセンブリ115を固着させるための接着層を備える。しかし、明らかなように、凹部は任意であり、送信機/センサアセンブリ115は、任意の適切な手段により送信機キャリア114の下方領域に対して単に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0052】
図3の挿入方法300を開始するために、ニードルカバー124が、挿入デバイス120の挿入部分120Iから除去され、バイオセンサインサータ100の接触部材106が、例えば上腕部、腹部領域、または筋肉中への挿入を回避するために適した他の位置などの、ユーザの挿入部位110を囲む皮膚113と接触状態に配置される。これは、
図2Aに示される。
【0053】
挿入を開始するために、力Fがユーザによりプッシュ部材102に対して印加されることによって、プッシュ部材102は、接触部材106上を摺動され、挿入部位110に向かって移動される。接触部材106上におけるプッシュ部材102の移動により、プッシュ要素104が、ピボット部材116のプッシュ要素連係特徴部140(
図1N~
図1Pをさらに参照)に接触し、それにより送信機キャリア114およびピボット部材116が、
図2Bに示すように挿入部位110に向かって並進移動および移動される。このとき、ラッチ端部117は、接触部材106のラッチ109に対して線形的におよびこのラッチ109に向かって移動し、一方で端部116Eは、ガイド特徴部132に沿って摺動する。
【0054】
挿入方法300によれば、かかる軸方向移動は、印加される力Fが、第1の事前挿入ロック特徴部142(例えば
図1Aに示すようなフック)を内方へ、およびプッシュ部材102の事前挿入ロック特徴部144(例えばスロットまたは溝)外へ撓曲させるのに十分な大きさになった後に、可能となる。挿入方法300の行程のこの第1の部分の最中に、ピボット部材116は、送信機キャリア114およびピボット部材116が挿入部位110に向かって並進移動するときに、接触部材106の壁部表面(例えば内方ガイド溝132)に端部116Eが接触することによって枢動するのを防止される。
【0055】
図2Cに示すように、送信機キャリア114およびピボット部材116は、挿入部分120Iが挿入部位110に接触し挿入部位110に進入するまで、ならびに送信機/センサアセンブリ115の底部表面が挿入部位110の周囲の皮膚113に接触するまで、挿入部位110に向かって移動し続ける。いくつかの実施形態では、送信機/センサアセンブリ115の底部表面は、挿入部位110を囲むユーザの皮膚113に対して接着し得る(例えば接着材料により)。挿入部分120Iおよびバイオセンサ150は、バイオセンサ150が皮下領域113Sの間質液と接触し得る挿入部位110に進入する。バイオセンサ150は、例えば4mm~6mmだけ皮膚113中へと配置されることが可能であるが、他の深さが使用されてもよい。
【0056】
図2Cに示すように、ピボット部材116の端部116Eは、内方部材106の内方表面(例えばラッチ109のガイド表面132)と接触状態に留まり、行程の第1の部分で枢動を防止される。したがって、バイオセンサ150の挿入の最中には、ピボット部材116は、枢動を防止される。これにより、挿入部分120Iは、ピボット部材116および送信機キャリア114に対して固定位置に留まり、フランジ120Fは、送信機/センサアセンブリ115の頂部表面に対接した状態におかれる。
【0057】
図2Dに示すように、バイオセンサ150の挿入後に(および/または挿入部位110の周囲の皮膚113に対する送信機/センサアセンブリ115の接着後に)、外方部材102は、行程の第2の部分で内方部材106上を挿入部位110に向かって移動し続ける。ピボット部材116のラッチ端部117が、行程の第2の部分の開始時にラッチ109を越えて移動すると、ピボット部材116は、プッシュ要素104による押しによって枢動し、ラッチ109下でおよび切欠部分106C内へ回転することが可能となる。この枢動により、行程の第2の部分で挿入デバイス120の引戻しが生じる。
【0058】
引戻しの最中に、ピボット部材116は、ピボット部材116に対してプッシュ要素104により印加された力によって送信機キャリア114上で枢動する(
図2Dに示すように)。これが生じることにより、挿入デバイス120の挿入部分120Iは、挿入部位110から引き戻され、フランジ120Fは、送信機/センサアセンブリ115から離れるように移動する。外方部材102が内方部材106上を挿入部位110に向かって移動し続けることにより、プッシュ要素104は、ピボット部材116を押圧し続ける。最終的には、
図2Fに示すように、ピボット部材116は、挿入デバイス120が、ユーザの皮膚113から完全に除去され、植え込まれたバイオセンサ150が皮膚113中に留置されるのに十分なだけ枢動する。プッシュ部材102がさらに押されると、挿入デバイス120は、アパーチャ145の上方へと完全に引き戻される。そのため、挿入デバイス120の挿入部分120Iは、挿入部位110中へと誤って再度挿入されることが不可能となる。さらに、プッシュ部材102が挿入部位110に向かって移動し続けることにより、挿入後に、送信機キャリア114の軸方向停止特徴部155(
図1Jおよび
図2F)は、ピボット部材116に接触し、挿入デバイス120がさらに引き戻されるのを防止することが可能となる。
【0059】
次いで、バイオセンサインサータ100が除去されて、送信機/センサアセンブリ115が定位置に留置され得る。このとき、送信機/センサアセンブリ115の底部表面は、挿入部位110にてユーザの皮膚113に対して接着され、バイオセンサ150は、間質液と接触状態におかれる(
図2Fに示すように)。プッシュ部材102および接触部材106が再生可能材料または生分解性材料から形成されるいくつかの実施形態では、これらの構成要素は再生利用または堆肥化され得る。
【0060】
次に
図3を参照すると、バイオセンサ(バイオセンサ150)を挿入するためにバイオセンサインサータ(例えばバイオセンサインサータ100)を使用する方法300の一実施形態を説明する。この方法300は、ブロック302にて、バイオセンサインサータ100を用意することを含む。このバイオセンサインサータ100は、プッシュ要素(例えばプッシュ要素104)を備えるプッシュ部材(例えばプッシュ部材102)と、プッシュ部材に対して並進移動可能である接触部材(例えば接触部材106)であって、ラッチ(例えばラッチ109)を備える接触部材と、接触部材に対して並進移動可能であり、バイオセンサ(例えばバイオセンサ150)の挿入の最中に送信機/センサアセンブリ(例えば送信機/センサアセンブリ115)を支持するように構成された送信機キャリア(例えば送信機キャリア114)と、送信機キャリアに対して枢動するように構成されたピボット部材(例えばピボット部材116)であって、ラッチ端部(例えばラッチ端部117)を備えるピボット部材と、ピボット部材により駆動可能な挿入デバイス(挿入デバイス120)とを備える。
【0061】
さらに、方法300は、ブロック304にて、ユーザの皮膚(例えば
図2Aに図示されるような皮膚113)に対して接触部材(例えば接触部材106)を接触させることを含む。この接触後に、ブロック306にて、プッシュ部材(例えばプッシュ部材102)を押すことにより、プッシュ要素104をピボット部材116に(例えばポケットなどのプッシュ要素連係特徴部140にて)接触させ、送信機キャリアを並進移動させ(例えば接触部材106内において送信機キャリア114を軸方向に並進移動させ)、挿入デバイス(例えば挿入デバイス120の挿入部分120I)およびバイオセンサ150をユーザの皮膚113に挿通する。ピボット部材(例えばピボット部材116)は、枢動を防止される。具体的には、ピボット部材(例えばピボット部材116)は、行程の第1の部分にわたり枢動を防止される。
【0062】
さらに、方法300は、ブロック308にて、ラッチ(例えば接触部材106のラッチ109)からのラッチ端部(例えばラッチ端部117)のラッチ解除が生じるまで、プッシュ部材(例えばプッシュ部材102)を押し続けることをさらに含む。ピボット部材116は、枢動し、ユーザの皮膚113中にバイオセンサ150を植え込まれた状態に留置しつつ挿入デバイス120を引き戻すことが可能となる。このラッチ解除は、行程の第1の部分の後に、プッシュ要素104がピボット部材116を押す結果としてラッチ端部117がラッチ109を越えて移動し、ラッチ109の下方へ回転し得るときに生じる。プッシュ部材102の行程の第2の部分でピボット部材116が枢動することにより、挿入デバイス120の挿入部分120Iがユーザの皮膚113から動作的に引き戻され、植え込まれたセンサ150が留置される。
【0063】
図4Aおよび
図4Bは、バイオセンサインサータ400の代替的な一実施形態を示す。この実施形態は、本明細書で先述した実施形態に比較して人間工学的および/または機能的に有利な複数の特徴を有する。具体的には、プッシュ部材402および接触部材406の形状を含む全体形状は、
図1A~
図1Cに示すバイオセンサインサータ100の実施形態の丸形形状に比べて横断面において細長い。この細長形状により、プッシュ部材402を人間工学的により確実に把持することが可能となる。さらに、送信機/センサアセンブリ115(
図4Bには図示せず)が矩形の回路構成要素から構成される傾向があることを前提とした場合に、細長形状によりさらにコンパクトな全体構成が実現可能となる。プッシュ部材402の人間工学的把持をさらに改良するために、挿入デバイス400は、プッシュ部材402の上方周縁部に周方向に延在する複数のリブ454を備え得る。図示するように、リブ454は、プッシュ部材402の頂部部分の周囲において150度超にわたり延在し得る。同様のリブ454が、プッシュ部材402の対向側に設けられる。図示するように、3つのリブが、成形により各側に形成され、プッシュ部材402の周縁部に周方向に延在し、端部リブ455A、455Bに連結する。端部リブ455A、455Bは、図示するように垂直方向に整列され得る。リブ454の高さは、端部リブ455A、455B上に構成されているものとして最もよく図示されるような弧状鉛直方向把持プロファイルを実現するためにそれぞれ異なってもよい。リブ454の高さは、例えば各リブ454ごとに1mm~3mmの範囲であってもよい。リブ454の幅は、例えば1mm~5mmの範囲であってもよい。
【0064】
次に
図4A~
図4Bおよび
図5Cを参照すると、周縁フランジ458を備え得る接触部材406の代替的な一実施形態が提示される。周縁フランジ458は、接触部材406の本体部分406Bの一部または全体から外方に延在し得る。
図4Bにおいて最もよく示されるように、周縁フランジ458は、内方エッジ458iから外方エッジ458oにかけてフランジ458の平面に沿って測定される幅Wだけ外方に延在し得る。幅Wは、この周縁部の少なくとも一部において5mm以上であることが可能であり、ここではWは、周縁フランジ458の幅である。いくつかの実施形態では、周縁フランジ458は、周方向外縁部の全体に沿って延在してもよく、すべての位置で5mm以上の幅を有し得る。内方エッジ458iは、送信機キャリア414に係合するためのいくつかの凹部および突出部を備え得る。いくつかの実施形態では、周縁フランジ458を有する接触部材406は、Ac≧500mm
2を有することが可能であり、ここでAcは、バイオセンサを挿入する最中にユーザの皮膚に接触するように構成された周縁フランジ458の接触面積である。
【0065】
次に
図5Aおよび
図5Bを参照すると、プッシュ部材402の下面521Uから延在するプッシュ要素504は、
図5Bにおいて最もよく示されるようにその長さの少なくとも一部に沿ってT字形状断面を備えることが可能であり、これにより剛性を向上させつつプロファイルの縮小化を可能にし、それにより成形における課題をさらに削減させ得る。プッシュ要素504は、接触端部504Cを備える主要部分504Mを備えることが可能であり、この接触端部504Cは、プッシュ要素連係特徴部(例えば
図6Bに示すようなピボット部材616のポケット640)に接触する円筒状端部構成を備え得る。また、プッシュ部材402は、支持部分504Sを備えることが可能であり、この支持部分504Sは、T字形状断面を形成するように直角などで主要部分504Mに対して結合される。支持部分504Sは、ピボット部材616が回転するときに接触端部504Cがポケット640内での回転を妨げないように、主要部分504Mよりも幾分か短くてもよい。プッシュ部材402は、型からの取外しを改善し得るように、全表面上に抜き勾配を有してもよい。
【0066】
次に
図6A~
図6Bを参照すると、接触部材406中に形成された鉛直方向スロット562内に受けられ摺動するように構成された複数のフィン660を備える送信機キャリア614の代替的な一実施形態が示される。図示するように、4つのフィン660が存在する。これらのフィン660の各対が、同一の鉛直方向面内に位置し得る。各フィン660は、ベース664から延在する鉛直方向コネクタ662から構成される。各鉛直方向コネクタ662は、コネクタ662から上方におよび側方外方に延在するパドル665に対して連結され、パドル665の最外部分が、鉛直方向スロット562内に受けられ位置合わせされる。
【0067】
さらに、
図6A~
図6Bに図示する実施形態では、送信機キャリア614は、
図6Cおよび
図6Dに示すような挿入デバイス620のレッグ620Lを受けるように構成された閉ガイド溝635、636を備える。これらの閉ガイド溝635、636は、相互に対面する開部分を備え、これらの溝は、図示のように鉛直方向に延在し、挿入および引戻しの両方の最中に挿入デバイス620を案内する形状を有する。各閉ガイド溝635、636は、開部分の対向側に閉部分を有し、挿入デバイス620のレッグ620Lの端部に隣接して位置決めされる。
【0068】
図6Cおよび
図6Dに示すように、挿入デバイス620は、例えば限定するものではないがアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリマー材料から作製された主要本体620Bと、ステンレス鋼等であり得る挿入ニードル660Iとを備える。他の適切な材料を使用することが可能である。主要本体620Bは、側部から延在するレッグ620Lを備え、これらのレッグ620Lは、閉ガイド溝635、636(例えば
図6A~
図6B)内に受けられる。主要本体620Bは、挿入ニードル660Iの横方向部分620Tを受けるようにサイズ設定された凹部620Rと、センサ担持部分620Sを貫通させて受ける位置合わせ部分661を貫通する穴(図示せず)とを備える。挿入後に、接着剤または埋込用樹脂が、凹部620R内に挿入ニードル620Iの横方向部分620Tを固定し、したがって主要本体620Bに対して挿入ニードル620Iを固定するために使用され得る。
【0069】
図7は、バイオセンサインサータ400の様々な構成要素の分解図を示す。ユーザによりしっかりと把持されるように構成されたプッシュ部材402と、バイオセンサの挿入後に挿入デバイス620の引戻しを実現するように枢動するピボット部材416と、送信機キャリア414A、414Bの第1のパーツおよび第2のパーツと、挿入デバイス620と、側方延在周縁フランジ458を有する接触部材406とが図示される。
【0070】
前述の説明は、例示の実施形態を開示するにすぎない。本開示の範囲内に含まれる上記に開示した装置および方法の修正は、当業者には容易に明らかになろう。
【符号の説明】
【0071】
100 バイオセンサインサータ
102 プッシュ部材、外方部材
102B 下部部分、下部部材
102L 下方端部
102S 環状スリーブ部分
102T 上部部分、上部部材、ねじ山部分
104 プッシュ要素
104C 接触端部
105 軸方向軸
106 接触部材、内方部材
106C 鉛直方向延在切欠部、切欠部分
106L 下方端部
106U 上方端部
107 矢印
108 タブ
108P 内方突出部
108R 保持特徴部
109 ラッチ
110 挿入部位
113 皮膚
113S 皮下領域
114 送信機キャリア
115 送信機/センサアセンブリ
116 ピボット部材
116E 平坦状端部、端部
117 ラッチ端部
118 凹部
119 送信機挿入アセンブリ
120 挿入デバイス、挿入部材
120B 本体、本体部分、主要本体部分
120F フランジ
120I 挿入部分
120L レッグ
120S ステム
120T スナップ嵌め特徴部
121 頂部部分
121U 下面
122 第1の位置合わせ特徴部
123 第2の位置合わせ特徴部
124 ニードルカバー
125 側方延在特徴部
125A 枢動軸
127 穴
128 傾斜面
132 ガイド特徴部、内方ガイド溝、ガイド表面、内部ガイド特徴部
134 ベース
135 第1の側部サポート
135G 第1のガイド
136 第2の側部サポート
136G 第2のガイド
137 キャリアアセンブリ
138C 凹状整列部材
138V 凸状整列部材
139 挿入デバイス支持特徴部
139C 鉛直方向隙間
139F フォーク
139FL 下方プロング、下方フォーク部材
139FU 上方プロング
140 プッシュ要素連係特徴部
141 アセンブリ
142 第1の事前挿入ロック特徴部、内方突出部
144 第2の事前挿入ロック特徴部、第2の事前挿入特徴部
144 事前挿入ロック特徴部
145 アパーチャ
146 破線矢印
146 スロット端部
148 第1の停止特徴部
150 バイオセンサ
150O 開口
150U バイオセンサ
151 第2の停止特徴部
152 通路
154 電子構成要素
155 軸方向停止特徴部
400 バイオセンサインサータ、挿入デバイス
402 プッシュ部材
406 接触部材
406B 本体部分
414 送信機キャリア
414A 送信機キャリア
414B 送信機キャリア
416 ピボット部材
454 リブ
455A 端部リブ
455B 端部リブ
458 周縁フランジ
458i 内方エッジ
458o 外方エッジ
504 プッシュ要素
504C 接触端部
504M 主要部分
504S 支持部分
521U 下面
562 鉛直方向スロット
614 送信機キャリア
616 ピボット部材
620 挿入デバイス
620B 主要本体
620I 挿入ニードル
620L レッグ
620R 凹部
620S センサ担持部分
620T 横方向部分
635 閉ガイド溝
640 ポケット
660 フィン
661 位置合わせ部分
660I 挿入ニードル
662 鉛直方向コネクタ
664 ベース
665 パドル
【国際調査報告】