IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ コカ・コーラ カンパニーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】安定したクレアチン飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20221019BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20221019BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20221019BHJP
【FI】
A23L2/52
A23L2/00 F
A23L33/175
A23L33/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511375
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 US2020047591
(87)【国際公開番号】W WO2021041293
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/890,772
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カラーワ,ニーレシュ
(72)【発明者】
【氏名】シャンバッハ,ブラッドリー
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MD01
4B018MD02
4B018MD03
4B018MD04
4B018MD19
4B018ME14
4B117LC04
4B117LK01
4B117LK14
4B117LL02
(57)【要約】
クレアチン、少なくとも1つの電解質を含む、酸性及び中性付近のpHのそのまま飲める飲料が本明細書で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのクレアチン化合物と、少なくとも1つの電解質とを含む、そのまま飲める飲料であって、前記飲料のpHは、7未満であり、及び5℃で3ヶ月の貯蔵後の前記飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも90%であり、及び/又は周囲温度で3ヶ月の貯蔵後の前記飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも40%である、そのまま飲める飲料。
【請求項2】
スポーツドリンク及び強化水ドリンクから選択される、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項3】
前記クレアチン化合物は、クレアチン一水和物、クレアチン硝酸塩、クレアチンリン酸、クレアチンメチルエステル、クレアチンエチルエステル、クレアチンエチルエステルリンゴ酸塩、クレアチンリンゴ酸塩、クレアチングルコン酸塩、クレアチン塩酸塩、トリクレアチンリンゴ酸塩、トリクレアチンオロチン酸塩、クレアチンクエン酸塩、クレアチンピルビン酸塩、クレアチンαケトグルタル酸塩及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項4】
クレアチンの濃度は、約50mg/L~約5,000mg/Lである、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項5】
総電解質濃度は、少なくとも約200mg/Lである、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電解質は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、リン酸塩、重炭酸塩及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項7】
約5mg/L~約1,000mg/Lのカリウム、約5mg/L~約1,000mg/Lのナトリウム、約5mg/L~約1,000mg/Lのカルシウム及び約5mg/L~約1,000mg/Lのマグネシウムを含有する、請求項6に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項8】
約75mg/L~約300mg/Lのカリウム、約350mg/L~約700mg/Lのナトリウム、約5mg/L~約50mg/Lのカルシウム及び約5mg/L~約50mg/Lのマグネシウムを含有する、請求項7に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項9】
少なくとも1つの分岐鎖アミノ酸をさらに含む、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項10】
前記少なくとも1つの分岐鎖アミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、バリン及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項11】
少なくとも1つの分岐鎖アミノ酸の濃度は、約50mg/L~約5,000mg/Lである、請求項10に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項12】
少なくとも1つの甘味料をさらに含む、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項13】
少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項14】
少なくとも1つの機能性成分をさらに含む、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【請求項15】
フルカロリー飲料、中カロリー飲料、低カロリー飲料及びゼロカロリー飲料から選択される、請求項1に記載のそのまま飲める飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2019年8月23日に出願された米国仮特許出願第62/890,772号に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、クレアチンを含有する飲料及びそうした飲料を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
クレアチン(N-(アミノイミノメチル)-N-メチルグリシン;メチルグリコサミン又はN-メチルグアニド酢酸としても知られる)は、食肉及び魚に見出される天然に存在するアミノ酸であり、ヒトの身体において肝臓、腎臓及び膵臓中で生成される。クレアチンは、クレアチンリン酸にリン酸化され得、これは、筋肉に貯蔵される。高強度及び短時間の運動、例えばウェイトリフティング又は短距離走中、クレアチンリン酸は、リン酸基をアデノシン二リン酸(ADP)に付与し、それによりアデノシン三リン酸(ATP)及びクレアチンを形成する。ATPは、ヒト身体内の主要なエネルギー源である。クレアチンの可逆的なリン酸化(即ち正反応及び逆反応)は、いくつかのクレアチンキナーゼにより触媒される。
【化1】
【0004】
現代においてクレアチンがもたらし得る研究された利益に基づいて、クレアチン含有食品/栄養補助食品の消費は、非常に流行している。クレアチンのいずれかの生体利用可能な供給源を含む補給(即ちクレアチン補給)は、瞬発的な事象に関与する運動選手に向上をもたらすことができ、そうした事象には、数秒~数分にわたって持続する全ての事象(例えば、短距離走、水泳、ウェイトリフティングなど)が含まれる。約30分超にわたって持続する事象における持久運動能力は、それが短時間のエネルギー出力増加を伴う場合、特に局所的な筋肉炭水化物貯蔵が枯渇してきた場合を除いて、クレアチン補給によってそれほど影響されないと考えられる。
【0005】
クレアチンサプリメントの大部分は、消費者が水又は他の飲料に溶解させて、調製から短時間のうちに消費する粉末状の栄養補助食品である。そのまま飲めるクレアチン含有飲料が利用可能でないのは、主として、クレアチンのクレアチニンへの分解に起因する。クレアチニンへのクレアチン分解は、pH及び温度の両方に依存することがわかっている。pHが低いほど、クレアチニンへのクレアチン分解が速くなる(Edgar & Shiver, 1925 J. Am. Chem. Soc., 47, p. 1179-1188;Cannan & Shore 1928 Biochem. J. 22, p.920-929)。温度が高いほど、クレアチニンへのクレアチン分解が速くなる。本来、クレアチンの消耗は、筋肉代謝から生じる。身体のクレアチンの約2%がクレアチニンに毎日変換されている。クレアチニンは、血流を介して腎臓に輸送される。腎臓は、クレアチニンのほとんどを濾過し、尿中にそれを廃棄する。
【0006】
欧州特許第0669083号は、アルカリ水溶液中へのクレアチン含有飲料の配合を示している。米国特許第7,150,880号は、クレアチン及びクレアチニンの平衡化を利用して、飲料中の「十分に安定した」量のクレアチンを提供する。米国特許第7,150,880号は、クレアチンと、それに含まれるクレアチンを水性媒体中で実質的に安定させるのに十分な量のクレアチニンとを含む飲料組成物を記載しており、この組成物は、メチルキサンチン(例えば、カフェイン)をさらに含有する。組成物中に含有されるクレアチニンは、組成物の貯蔵中、クレアチンからクレアチニンへの変換の結果として生じるのではなく、最初から存在する。しかし、ヒトによる消費を目的とする飲料にヒト老廃物を意図的に添加することが適切であるかは、不明である。米国特許出願公開第2002/0055540号は、クレアチン消費により生じる疾患、即ち胃痙攣、浮腫、多血及び脱水についてクレアチニンが原因であると記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、クレアチンを含有するそのまま飲める飲料、特に酸性飲料が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
一態様では、本発明は、クレアチンを含有する、酸性及び中性付近のpHのそのまま飲める飲料を提供する。本発明の飲料は、7未満のpHを有し、少なくとも1つのクレアチン化合物と、少なくとも1つの電解質とを含有する。
【0009】
クレアチンは、約50mg/L~約5,000mg/Lの濃度で飲料中に存在し得る。少なくとも1つの電解質は、少なくとも約200mg/L、例えば約200mg/L~約1,000mg/Lの濃度で飲料中に存在する。例示的な電解質は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、リン酸塩、重炭酸塩及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0010】
飲料は、少なくとも1つの分岐鎖アミノ酸も含有し、任意選択で1つ又は複数の甘味料、機能性材料及び/又は添加剤を含有する。
【0011】
本発明の飲料は、貯蔵安定性を示し、冷蔵温度で安定している。例えば、5℃で3ヶ月の貯蔵後の本発明の飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも90%である。別の例では、周囲温度で3ヶ月の貯蔵後の本発明の飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも40%である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
1.定義
「クレアチン化合物」は、本明細書で使用される場合、クレアチン(N-(アミノイミノメチル)-N-メチルグリシン;メチルグリコサミン又はN-メチルグアニド酢酸)及びそれらのあらゆる生体利用可能な誘導体を指す。クレアチン化合物の例としては、限定されないが、クレアチン一水和物、クレアチン硝酸塩、クレアチンリン酸、クレアチンメチルエステル、クレアチンエチルエステル、クレアチンエチルエステルリンゴ酸塩、クレアチンリンゴ酸塩、クレアチングルコン酸塩、クレアチン塩酸塩、トリクレアチンリンゴ酸塩、トリクレアチンオロチン酸塩、クレアチンクエン酸塩、クレアチンピルビン酸塩及びクレアチンαケトグルタル酸塩が挙げられる。
【0013】
「飲料」は、本明細書で使用される場合、ヒトの消費に適した液体を指す。
【0014】
II.飲料
本発明は、少なくとも1つのクレアチン化合物と、少なくとも1つの電解質とを含む、酸性のそのまま飲める飲料を提供する。
【0015】
そのまま飲める飲料は、炭酸飲料及び非炭酸飲料を含む。炭酸飲料としては、限定されないが、冷凍炭酸飲料、強化スパークリング飲料、コーラ、果物風味のスパークリング飲料(レモンライム、オレンジ、ブドウ、イチゴ及びパイナップル)、ジンジャーエール、ソフトドリンク及びルートビアが挙げられる。非炭酸飲料としては、限定されないが、果物ジュース、果物風味のジュース、ジュース飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜風味のジュース、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化水ドリンク、ビタミンを含む強化水ドリンク、ニアウォータードリンク(例えば、天然又は合成香味料を含む水)、ココナッツウォーター、ティータイプの飲料(例えば、ブラックティー、緑茶、紅茶、ウーロン茶)、コーヒー、ココア飲料、牛乳成分を含有する飲料(例えば、ミルク飲料、牛乳成分を含有するコーヒー、カフェオレ、ミルクティー、フルーツミルク飲料)、穀物エキスを含有する飲料及びスムージーが挙げられる。
【0016】
特定の実施形態では、本発明は、スポーツドリンク又は強化水ドリンクに関する。
【0017】
飲料は、8oz当たり最大約120カロリーを有するフルカロリー飲料であり得る。
【0018】
飲料は、8oz当たり最大約60カロリーを有する中カロリー飲料であり得る。
【0019】
飲料は、8oz当たり最大約40カロリーを有する低カロリー飲料であり得る。
【0020】
飲料は、8oz当たり約5カロリー未満を有するゼロカロリー飲料であり得る。
【0021】
別の特定の実施形態では、飲料は、牛乳及び/又は乳成分を含有しない。別の特定の実施形態では、飲料は、添加されたクレアチニンを含有しない。
【0022】
一実施形態では、飲料のpHは、7未満であり、例えば、飲料のpHは、<7である。本発明の飲料の例示的なpH範囲は、約1~<7、約2~<7、約3~<7、約4~<7、約5~<7及び約6~<7である。
【0023】
さらに具体的な実施形態では、飲料のpHは、約1~約6、約1~約5、約1~約4、約1~約3、約1~約2、約2~約6、約2~約5、約2~約4、約2~約3、約3~約6、約3~約5、約3~約4、約4~約6、約4~約5又は約5~約6である。
【0024】
一部の実施形態では、飲料のpHは、飲料が調製された時点において、即ち最初に測定される。他の実施形態では、pHは、別の時点において、例えば調製から24時間後、調製から48時間後、調製から1週間後、調製から2週間後、調製から3週間後、調製から4週間後、調製から5週間後、調製から6週間後、調製から7週間後、調製から8週間後又は調製から3ヶ月後に測定することができる。
【0025】
飲料のpHは、クレアチンからクレアチニンへの分解により影響を及ぼされ得る。従って、pHを用いて、飲料の安定性を測定することができる。一部の実施形態では、飲料のpHは、調製後少なくとも48時間、例えば調製後少なくとも1週間、調製後少なくとも2週間、調製後少なくとも3週間、調製後少なくとも4週間、調製後少なくとも5週間、調製後少なくとも6週間、調製後少なくとも7週間、調製後少なくとも8週間又は調製後少なくとも3ヶ月にわたって実質的に変化しない。pHの「実質的な変化」は、本明細書において、初期測定値後の測定値の±1.0を超える変化として定義される。
【0026】
クレアチン安定性は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりサンプル中のクレアチンの濃度を決定することにより測定することもできる。HPLCによりクレアチンを測定する方法は、当技術分野、例えばAnalytical Biochemistry 214, pp. 278-283 (1993)で公知である。例示的な方法は、実施例1(後掲)にも記載される。
【0027】
本発明の飲料は、5℃で少なくとも3ヶ月の期間にわたって最小のクレアチン分解を示す。特定の実施形態では、5℃で3ヶ月の貯蔵後の飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも90%、初期クレアチン濃度の少なくとも95%、初期クレアチン濃度の少なくとも97%、初期クレアチン濃度の少なくとも98%又は初期クレアチン濃度の少なくとも99%である。「初期濃度」は、調製時、例えば飲料の製造から24時間以内に測定されたクレアチンの濃度を指す。
【0028】
他の実施形態では、飲料のクレアチン濃度は、5℃で4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月又は12ヶ月にわたって貯蔵したとき、初期クレアチン濃度の少なくとも90%である。
【0029】
また別の実施形態では、飲料のクレアチン濃度は、5℃で4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月又は12ヶ月にわたって貯蔵したとき、初期クレアチン濃度の少なくとも75%である。
【0030】
本発明の飲料は、貯蔵安定性も示す。即ち、周囲温度(約20℃)で3ヶ月の貯蔵後の飲料のクレアチン濃度は、初期クレアチン濃度の少なくとも40%、初期クレアチン濃度の少なくとも45%又は初期クレアチン濃度の少なくとも50%である。より具体的な実施形態では、飲料のクレアチン濃度は、周囲温度で4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月又は12ヶ月にわたって貯蔵したとき、初期クレアチン濃度の少なくとも40%である。
【0031】
飲料中のクレアチンの濃度は、約50mg/L~約5,000mg/L、例えば約100mg/L~約5,000mg/L、約500mg/L~約5,000mg/L、約1,000mg/L~約5,000mg/L、約2,000mg/L~約5,000mg/L、約3,000mg/L~約5,000mg/L及び約4,000mg/L~約5,000mg/Lであり得る。特定の実施形態では、クレアチンの濃度は、クレアチンの初期濃度を指す。
【0032】
本発明の酸性飲料調製物の安定性は、クレアチン電解質の存在によると考えられる。理論に束縛されることを望むものではないが、塩の形態の電解質は、以下に示す部位での結合によりクレアチン分子を安定化し、以下に示すように、クレアチニン中で分子内反応が起こることを防ぐと考えられる。
【化2】
【0033】
A.電解質
本発明のそのまま飲める飲料は、少なくとも1つの電解質を含有する。電解質の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、リン酸塩、重炭酸塩及びそれらの組合せが挙げられる。本発明の電解質及びイオン成分は、通常、しかし必ずしもそうではないが、それらの対応する水溶性及び非毒性塩から取得可能である。別に定義されない限り、飲料中の電解質又はイオン成分の量は、最終飲用飲料組成物中に存在するものに基づく。電解質濃度は、イオンのみの濃度であり、塩の濃度ではない。
【0034】
本発明の飲料は、好ましくは、少なくとも約200mg/L、少なくとも約300mg/L、少なくとも約400mg/L、少なくとも約500mg/L、少なくとも約600mg/L、少なくとも約700mg/L又は少なくとも約800mg/Lの総電解質濃度を含有する。特定の実施形態では、飲料は、約400mg/L~約1,000mg/L、約400mg/L~約900mg/L、約400mg/L~約800mg/L、約400mg/L~約700mg/L、約400mg/L~約600mg/L、約400mg/L~約500mg/L、約500mg/L~約1,000mg/Lの電解質濃度を含有する。
【0035】
カリウムイオン成分は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸水素、酒石酸塩、ソルビン酸塩又はそれらの組合せなどの任意の塩により取得することができる。カリウムイオンは、好ましくは、少なくとも0.0025重量%~約0.08重量%、約0.0075%~約0.06%又は約0.0075%~約0.015%の量で本発明の飲料中に存在する。
【0036】
本発明の飲料は、約5mg/L~約1,000mg/Lのカリウム、より好ましくは約50mg/L~約300mg/L、例えば約100mg/L~約300mg/L、約200mg/L~約300mg/L、約50mg/L~約200mg/L、約100mg/L~約200mg/L又は約100mg/L~約200mg/Lのカリウムを含有し得る。
【0037】
ナトリウムイオン成分は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸水素、酒石酸塩、ソルビン酸塩又はそれらの組合せなどの任意の塩により取得することができる。ナトリウムイオンは、好ましくは、少なくとも約0.005重量%~約0.1重量%、約0.0075%~約0.075%又は約0.015%~約0.05%の量で本発明の飲料中に存在する。
【0038】
本発明の飲料は、約5mg/L~約1,000mg/Lのナトリウム、より好ましくは約300mg/L~約800mg/Lのナトリウム、例えば約300mg/L~約700mg/L、約300mg/L~約600mg/L、約300mg/L~約500mg/L、約300mg/L~約400mg/L、約400mg/L~約800mg/L、約400mg/L~約700mg/L、約400mg/L~約600mg/L、約400mg/L~約500mg/L、約500mg/L~約800mg/L、約500mg/L~約700mg/L、約500mg/L~約600mg/L、約600mg/L~約800mg/L、約600mg/L~約700mg/L及び約700mg/L~約800mg/Lのナトリウムを含有し得る。特定の実施形態では、本発明の飲料は、約600mg/L~約700mg/Lのナトリウムを含有する。
【0039】
カルシウムイオン成分は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸水素、酒石酸塩、ソルビン酸塩又はそれらの組合せなどの任意の塩により取得することができる。カルシウムイオンは、好ましくは、少なくとも0.0005重量%~約0.010重量%の量で本発明の飲料中に存在する。
【0040】
本発明の飲料は、約5mg/L~約1,000mg/Lのカルシウム、より好ましくは約1mg/L~約50mg/L、例えば約5mg/L~約10mg/Lのカルシウムを含有し得る。
【0041】
マグネシウムイオン成分は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸水素、酒石酸塩、ソルビン酸塩又はそれらの組合せなどの任意の塩により取得することができる。マグネシウムイオンは、好ましくは、少なくとも0.0005重量%~約0.010重量%の量で本発明の飲料中に存在する。
【0042】
本発明の飲料は、約5mg/L~約1,000mg/Lのマグネシウム、より好ましくは約1mg/L~約50mg/L、例えば約5mg/L~約20mg/Lのマグネシウムを含有し得る。
【0043】
飲料は、約0.005重量%~約0.20重量%、約0.01%~約0.15%、約0.02%~約0.075%の塩化物イオンを含有し得る。塩化物イオン成分は、塩化ナトリウム、塩化カリウム又はそれらの組合せなどの塩により取得することができる。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の飲料は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの電解質を含有する。別の特定の実施形態では、本発明の飲料は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの電解質を含有し、その場合、各電解質の量は、前述の通りである。
【0045】
B.分岐鎖アミノ酸(BCAA)
分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、1つの枝(3個以上の炭素原子に結合した中心炭素原子)を含む脂肪族側鎖を有するアミノ酸である。本発明のそのまま飲める飲料は、少なくとも1つの分岐鎖アミノ酸を含む。3つのタンパク質構成BCAA:ロイシン、イソロイシン及びバリンがある。非タンパク質構成BCAAとしては、2-アミノイソ酪酸がある。特定の実施形態では、飲料は、ロイシン、イソロイシン及び/又はバリンを含む。より具体的な実施形態では、飲料は、ロイシン、イソロイシン及びバリンを含む。BCAAは、D又はL立体配置であり得る。
【0046】
本発明の飲料は、好ましくは、約50mg/L(ppm)~約5,000mg/L、例えば約1,000mg/L~約5,000mg/L、約2,000mg/L~約5,000mg/L、約3,000mg/L~約5,000mg/L、約4,000mg/L~約5,000mg/L、約1,000mg/L~約4,000mg/L、約2,000mg/L~約4,000mg/L、約3,000mg/L~約4,000mg/L、約1,000mg/L~約3,000mg/L、約2,000mg/L~約3,000mg/L又は約1,000mg/L~約2,000mg/Lの総BCAA濃度を含有する。
【0047】
特定の実施形態では、本発明の飲料は、約2,000mg/L~約3,000mg/LのBCAAを含有する。
【0048】
C.飲料成分
本発明のそのまま飲める飲料は、さらに別の典型的な飲料成分、例えば少なくとも1つの甘味料、及び/又は少なくとも1つの機能性成分、及び/又は少なくとも1つの添加剤を含有し得る。
【0049】
甘味料は、天然甘味料、天然高甘味度甘味料又は合成甘味料であり得る。本明細書で使用される場合、「天然高甘味度甘味料」(NHPS)という語句は、天然に見出される任意の甘味料を指し、特徴として、スクロース、フルクトース又はグルコースより高い甘味度を有するが、より低カロリーを有する。天然高甘味度甘味料は、純粋な化合物として又は代わりにエキスの一部として提供され得る。本明細書で使用される場合、「合成甘味料」という語句は、自然界に天然に存在しない任意の組成物を指し、特徴として、スクロース、フルクトース又はグルコースより高い甘味度を有するが、より低カロリーを有する。
【0050】
NHPSの非限定的な例としては、ステビア及びステビオール配糖体、例えばレバウジオシドM、レバウジオシドD、レバウジオシドA、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドE、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドB、ズルコシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドG、ステビオシド、レバウジオシドC、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドM2、レバウジオシドD2、レバウジオシドS、レバウジオシドT、レバウジオシドU、レバウジオシドV、レバウジオシドW、レバウジオシドZ1、レバウジオシドZ2、レバウジオシドIX、酵素グリコシル化ステビオール配糖体及びそれらの組合せが挙げられる。
【0051】
特定の実施形態では、ステビオール配糖体ブレンドは、少なくとも約5重量%のステビオール配糖体、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は少なくとも約97%のステビオール配糖体を含む。
【0052】
例示的な実施形態では、ステビオール配糖体ブレンドは、少なくとも約50重量%のステビオール配糖体、例えば約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約50%~約60%、約60%~約90%、約60%~約80%、約60%~約70%、約70%~約90%、約70%~約80%及び約80%~約90%のステビオール配糖体を含む。
【0053】
別の例示的なNHPSは、ラカンカ(Luo Han Guo)及びその関連モグロシド化合物、例えばグロスモグロシドI、モグロシドIA、モグロシドIE、11-オキソモグロシドIA、モグロシドII、モグロシドII A、モグロシドII B、モグロシドII E、7-オキソモグロシドII E、モグロシドIII、モグロシドIIIe、11-オキソモグロシドIIIE、11-デオキシモグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドIVA、11-オキソモグロシドIV、11-オキソモグロシドIVA、モグロシドV、イソモグロシドV、11-デオキシモグロシドV、7-オキソモグロシドV、11-オキソモグロシドV、イソモグロシドV、モグロシドVI、モグロール、11-オキソモグロール、シアメノシドI、シアメノシドIの異性体(例えば、20170119032に開示されたもの;その全体が参照により組み込まれる)、(3β,9β,10α,11α,24R)-3-[(4-O-β-D-グルコスピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル]-25-ヒドロキシル-9-メチル-19-ノルラノスト-5-エン-24-イル-[2-O-β-D-グルコピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル]-β-D-グルコピラノシド);(3β,9β,10α,11α,24R)-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)オキシ]-25-ヒドロキシ-9-メチル-19-ノルラノスト-5-エン-24-イル-[2-O-β-D-グルコピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル]-β-D-グルコピラノシド);及び(3β,9β,10α,11α,24R)-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)オキシ]-25-ヒドロキシ-9-メチル-19-ノルラノスト-5-エン-24-イル-[2-O-β-D-グルコピラノシル-6-O-β-D-グルコピラノシル]-β-D-グルコピラノシド)である。
【0054】
特定の実施形態では、モグロシドブレンドは、少なくとも約5重量%のモグロシド、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は少なくとも約97%のモグロシドを含む。
【0055】
他の例示的なNHPSは、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリチン酸及びその塩、ソーマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンドゥルシン、フィロドゥルシン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA及びシクロカリオシドIが挙げられる。
【0056】
一実施形態では、甘味料は、炭水化物甘味料である。好適な炭水化物甘味料としては、限定されないが、スクロース、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリスロース、トレオース、エリスルロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘルツロース、オクトロース、フコース、ラムノース、アラビノース、ツラノース、シアロース及びそれらの組合せからなる群を含む。
【0057】
他の好適な甘味料としては、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、モグロシド、グリシルリチン酸及びその塩、ソーマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンドゥルシン、フィロドゥルシン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、ステビオールビオシド及びシクロカリオシドI、糖アルコール、例えばエリスリトール、スクラロース、アセスルファムカリウム、アセスルファム酸及びその塩、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン及びその塩、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、チクロ、シクラミン酸及びその塩、ネオテーム、アドバンテーム、グルコシル化ステビオールグリコシド(GSG)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0058】
一実施形態では、甘味料は、カロリー甘味料又はカロリー甘味料の混合物である。別の実施形態では、カロリー甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、高フルクトースコーン/スターチシロップ、テンサイ糖、甘蔗糖及びそれらの組合せから選択される。
【0059】
別の実施形態では、甘味料は、アルロース、グロース、コウジビオース、ソルボース、リキソース、リブロース、キシロース、キシルロース、D-アロース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アラビノース、ツラノース及びそれらの組合せから選択される希少糖である。
【0060】
そのまま飲める飲料中の甘味料の量は、具体的な甘味料及び所望の甘味料のレベルに応じて変動する。好ましい実施形態では、甘味料は、甘くなる量、即ち甘さが検出可能な濃度で存在する。
【0061】
当業者に理解されるように、高甘味度甘味料は、甘味度がより高いことから、特定のスクロース等価(SE)を達成するためにより低い濃度が必要である。非スクロース甘味料の甘味料は、非スクロース甘味料のスクロース等価(SE)を決定することにより、スクロース基準に対して測定することができる。典型的には、1~15%スクロース(w/v)を含有する基準スクロース溶液の甘味を検知するように味覚試験員を訓練する。次に、他の非スクロース甘味料を段階希釈で味見して、所定パーセントのスクロース基準と同等に甘い非スクロース甘味料の濃度を決定する。例えば、非スクロース甘味料の1%溶液が10%スクロース溶液と同等に甘ければ、その甘味料は、スクロースの10倍強力であると考えられ、10%スクロース等価を有する。
【0062】
一実施形態では、1つ又は複数の甘味料は、約1%(w/v)、例えば約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%又はこれらの間の任意の範囲のスクロース等価を備えるそのまま飲める飲料を提供する。
【0063】
別の実施形態では、そのまま飲める飲料は、約2%~約14%、例えば約2%~約10%、約2%~約5%、約5%~約15%、約5%~約10%又は約10%~約15%のSEを有する。
【0064】
基準溶液中のスクロースの量、従って甘味料の別の尺度は、Brix(゜Bx)で表され得る。1度Brixは、溶液100グラム中1グラムのスクロースであり、重量(厳密には質量)当たりのパーセンテージ(%w/w)としての溶液の強度を表す。そのまま飲める飲料にスクロースが甘味料として用いられる実施形態では、飲料は、約1度Brix、約2度Brix、約3度Brix、約4度Brix、約5度Brix、約6度Brix、約7度Brix、約8度Brix、約9度Brix、約10度Brix、約11度Brix、約12度Brix、約13度Brix、約14度Brix又はこれらの間の任意の範囲であり得る。
【0065】
例示的な機能性成分としては、限定されないが、サポニン、抗酸化剤、食物繊維供給源、脂肪酸、ビタミン、グルコサミン、ミネラル、保存料、水分補給剤、プロバイオティクス、プレバイオティクス、体重管理物質、骨粗鬆症管理物質、植物エステロゲン、長鎖第1級脂肪族飽和アルコール、フィトステロール及びそれらの組合せが挙げられる。
【0066】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つのサポニンである。本明細書で使用される場合、少なくとも1つのサポニンは、本明細書に記載の組成物用の機能性成分としての単一のサポニン又は複数のサポニンを含み得る。サポニンは、アグリコン環構造及び1つ又は複数の糖部分を含むグリコシドの天然植物製品である。本発明の特定の実施形態に使用される具体的なサポニンの非限定的な例としては、グループAアセチルサポニン、グループBアセチルサポニン及びグループEアセチルサポニンが挙げられる。いくつかの一般的なサポニンの供給源としては、ダイズ(約5乾燥重量%のサポニン含有率を有する)、シャボンソウ植物(サポナリア(Saponaria))(その根は、歴史的に石鹸として使用されていた)及びアルファルファ、アロエ、アスパラガス、ブドウ、ヒヨコマメ、ユッカ並びに他の多様なマメ及び雑草が挙げられる。サポニンは、当業者に周知の抽出技術を用いることにより、これらの供給源から取得され得る。従来の抽出技術の説明は、米国特許出願公開第2005/0123662号に見出すことができる。
【0067】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの抗酸化剤である。本明細書で使用される場合、「抗酸化剤」は、細胞又は生体分子に対する酸化的損傷を阻害、抑制又は低減する任意の物質である。
【0068】
本発明の実施形態に好適な抗酸化剤の例としては、限定されないが、ビタミン、ビタミン補因子、ミネラル、ホルモン、カロテノイド、カロテノイドテルペノイド、非カルテノイドテルペノイド、フラボノイド、フラボノイドポリフェノール類(例えば、バイオフラボノイド)、フラボノール、フラボン、フェノール、ポリフェノール、フェノールのエステル、ポリフェノールのエステル、非フラボノイドポリフェノール類、イソチオシアネート及びそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、抗酸化剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ユビキノン、ミネラルセレニウム、マンガン、メラトニン、α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアンチン(zeanthin)、クリポキサンチン、レスベラトロール、オイゲノール、ケルセチン、カテキン、ゴシポール、ヘスペレチン、クルクミン、フェルラ酸、チモール、ヒドロキシチロゾール、ウコン、チミン、オリーブオイル、リポ酸、グルタチオン、グタミン、シュウ酸、トコフェロール由来化合物、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、tert-ブチルヒドロキノン、酢酸、ペクチン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、サポニン、リモノイド、ケンペロール、ミリセチン、イソラムネチン、プロアントシアニジン、ケルセチン、ルチン、ルテオリン、アピゲニン、タンゲリチン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エロジクチオール、フラバン-3-オール(例えば、アントシアニジン)、ガロカテキン、エピカテキン及びその没食子酸塩形態、エピガロカテキン及びその没食子酸塩形態(ECGC)、テアフラビン及びその没食子酸塩形態、テアルビギン、イソフラボン、植物エステロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、アニトシアニン、シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、エラグ酸、没食子酸、サリチル酸、ロスマリン酸、ケイ皮酸及びその誘導体(例えば、フェルラ酸)、クロロゲン酸、チコリ酸、ガロタンニン、エラジタンニン、アントキサンチン、ベタシアニン及び他の植物色素、シリマリン、クエン酸、リグナン、反栄養素、ビリルビン、尿酸、R-α-リポ酸、N-アセチルシステイン、エンブリカニン、リンゴエキス、リンゴ果皮エキス(アップルフェノン)、ルイボスエキス赤、ルイボスエキス、緑、サンザシエキス、レッドラズベリーエキス、グリーンコーヒー抗酸化剤(GCA)、アロニア(Aronia)属エキス20%、ブドウ種子エキス(VinOnseed)、カカオエキス、ホップエキス、マンゴスチンエキス、マンゴスチン外皮エキス、クランベリーエキス、ザクロエキス、ザクロ外皮エキス、ザクロ種子エキス、サンザシエキス、ポメラザクロエキス、シナモン樹皮エキス、ブドウ果皮エキス、ビルベリーエキス、マツ樹皮エキス、ピクノジェノール、エルダーベリーエキス、マグワ根皮エキス、ウルフベリー(クコ)エキス、ブラックベリーエキス、ブルーベリーエキス、ブルーベリー葉エキス、ラズベリーエキス、ウコンエキス、シトラスバイオフラボノイド、クロスグリ、ショウガ、アサイパウダー、グリーンコーヒー豆エキス、緑茶エキス及びフィチン酸又はそれらの組合せである。別の実施形態では、抗酸化剤は、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン又はブチル化ヒドロキシアニソールなどの合成抗酸化剤である。本発明の実施形態に好適な抗酸化剤の他の例としては、限定されないが、果物、野菜、茶、カカオ、チョコレート、香辛料、ハーブ、コメ、家畜からの内蔵肉、酵母、全粒穀物又は穀粒が挙げられる。
【0069】
特定の抗酸化剤は、ポリフェノール(「ポリフェノール類」としても知られる)と呼ばれる植物栄養素のクラスに属し、これらは、1分子当たり2つ以上のフェノール基の存在を特徴とする、植物中に見出される化学物質の群である。本発明の実施形態に好適なポリフェノールとしては、カテキン、プロアントシアニジン、プロシアニジン、アントシアニン、ケルセチン、ルチン、レスベラトロール、イソフラボン、クルクミン、プニカラギン、エラジタンニン、ヘスペリジン、ナリンギン、シトラスフラボノイド、クロロゲン酸、他の類似物質及びそれらの組合せが挙げられる。
【0070】
一実施形態では、抗酸化剤は、例えば、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)などのカテキンである。別の実施形態では、抗酸化剤は、プロアントシアニジン、プロシアニジン又はそれらの組合せから選択される。特定の実施形態では、抗酸化剤は、アントシアニンである。また別の実施形態では、抗酸化剤は、ケルセチン、ルチン又はそれらの組合せから選択される。一実施形態では、抗酸化剤は、レスベラトロールである。別の実施形態では、抗酸化剤は、イソフラボンである。また別の実施形態では、抗酸化剤は、クルクミンである。さらに別の実施形態では、抗酸化剤は、プニカラギン、エラジタンニン又はそれらの組合せから選択される。また別の実施形態では、抗酸化剤は、クロロゲン酸である。
【0071】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの食物繊維である。組成及び結合の両方で有意に異なる構造を有する多くの高分子炭水化物が食物繊維の定義に含まれる。こうした化合物は、当業者に周知であり、その非限定的な例としては、非デンプン多糖、リグニン、セルロース、メチルセルロース、ヘミセルロース、β-グルカン、ペクチン、ゴム、粘液、蝋、イヌリン、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、シクロデキストリン、キチン及びそれらの組合せが挙げられる。食物繊維は、一般に、植物供給源から得られるが、キチンなどの難消化性動物製品も食物繊維として分類される。キチンは、セルロースの結合と類似するβ(1-4)結合により連結されたアセチルグルコサミンの単位から構成される多糖である。
【0072】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの脂肪酸である。本明細書で使用される場合、「脂肪酸」は、任意の直鎖モノカルボン酸を指し、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸、脂肪酸前駆体(ω-9脂肪酸前駆体)及びエステル化脂肪酸を含む。本明細書で使用される場合、「長鎖多価不飽和脂肪酸」は、長い脂肪族末端を有する任意の多価不飽和カルボン酸又は有機酸を指す。本明細書で使用される場合、「ω-3脂肪酸」は、その炭素鎖の末端メチル端部から3番目の炭素-炭素結合として第1の二重結合を有する任意の多価不飽和脂肪酸を指す。特定の実施形態では、ω-3脂肪酸は、長鎖ω-3脂肪酸を含み得る。本明細書で使用される場合、「ω-6脂肪酸」は、その炭素鎖の末端メチル端部から6番目の炭素-炭素結合として第1の二重結合を有する任意の多価不飽和脂肪酸を指す。
【0073】
本発明の実施形態で使用するのに好適なω-3脂肪酸は、例えば、藻類、魚、動物、植物又はそれらの組合せから得ることができる。好適なω-3脂肪酸の例としては、限定されないが、リノレン酸、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸及びそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、好適なω-3脂肪酸は、魚油、(例えば、メンハーデン油、マグロ油、サケ油、カツオ油及びタラ油)、微細藻類ω-3油又はそれらの組合せに提供することができる。特定の実施形態では、好適なω-3脂肪酸は、微細藻類DHA油(Martek, Columbia, MDから)、Omegapure(Omega Protein, Houston, TXから)、Marinol C-38(Lipid Nutrition, Channahon, ILから)、カツオ油及びMEG-3(Ocean Nutrition, Dartmouth, NS)、Evogel(Symrise, Holzminden, Germanyから)、マグロ又はサケ由来の魚油(Arista Wilton, CTから)、OmegaSource 2000、メンハーデン由来の魚油及びタラ由来の魚油(OmegaSource, RTP, NCから)などの市販のω-3脂肪酸油から得ることができる。
【0074】
好適なω-6脂肪酸としては、限定されないが、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸及びそれらの組合せが挙げられる。
【0075】
本発明の実施形態のための好適なエステル化脂肪酸としては、限定されないが、ω-3及び/又はω-6脂肪酸を含有するモノアシルグリセロール、ω-3及び/又はω-6脂肪酸を含有するジアシルグリセロール、又はω-3及び/又はω-6脂肪酸を含有するトリアシルグリセロール並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0076】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つのビタミンである。好適なビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7,ビタミンB9、ビタミンB12及びビタミンCが挙げられる。
【0077】
いくつかの機関により、様々な他の化合物がビタミンとして分類されている。これらの化合物は、プソイドビタミンと呼ばれることもあり、限定されないが、ユビキノン(コエンザイムQ10)、パンガミン酸、ジメチルグリシン、タエストリル(taestrile)、アミグダリン、フラボノイド、パラ-アミノ安息香酸、アデニン、アデニル酸及びs-メチルメチオニンが挙げられる。本明細書で使用される場合、ビタミンという用語は、プソイドビタミンを含む。一部の実施形態では、ビタミンは、ビタミンA、D、E、K及びそれらの組合せから選択される脂溶性ビタミンである。他の実施形態では、ビタミンは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC及びそれらの組合せから選択される水溶性ビタミンである。
【0078】
特定の実施形態では、機能性成分は、グルコサミンであり、任意選択で硫酸コンドロイチンをさらに含有する。
【0079】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つのミネラルである。本発明の教示に従うミネラルは、生体により必要とされる無機化学元素を含む。ミネラルは、多様な組成物(例えば、元素、単塩及び複合ケイ酸塩)から構成され、結晶項構造も大きく異なる。ミネラルは、食品及び飲料中に天然に存在するものであり得るか、サプリメントとして添加され得るか、又は食品若しくは飲料とは別に消費又は投与され得る。
【0080】
ミネラルは、多量ミネラル(比較的多量に必要とされる)又は微量ミネラル(比較的少量が必要とされる)のいずれかとして分類され得る。多量ミネラルは、概して、1日当たり約100mg以上の量が必要とされ、微量ミネラルは、1日当たり約100mg未満の量が必要とされるミネラルである。
【0081】
一実施形態では、ミネラルは、多量ミネラル、微量ミネラル又はそれらの組合せから選択される。多量ミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、クロリン、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム及び硫黄が挙げられる。微量ミネラルの非限定的な例としては、クロミウム、コバルト、銅、フッ素、鉄、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛及びヨウ素が挙げられる。ヨウ素は、一般に、微量ミネラルとして分類されるが、他の微量ミネラルより多量に必要とされ、多量ミネラルとして分類されることも多い。
【0082】
特定の実施形態では、ミネラルは、ヒトの栄養に必要であると考えられる微量ミネラルであり、その非限定的な例としては、ビスマス、ホウ素、リチウム、ニッケル、ルビジウム、ケイ素、ストロンチウム、テルル、スズ、チタン、タングステン及びバナジウムが挙げられる。
【0083】
本明細書で具体化されるミネラルは、当業者に周知の任意の形態であり得る。例えば、一実施形態では、ミネラルは、そのイオン形態であり得、正又は負電荷のいずれかを有する。別の実施形態では、ミネラルは、その分子形態であり得る。例えば、硫黄及びリンは、多くの場合、硫酸塩、硫化物及びリン酸塩として天然に存在する。
【0084】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの保存料である。特定の実施形態では、保存料は、抗菌剤、抗酸化剤、抗酵素剤又はそれらの組合せから選択される。抗菌剤の非限定的な例としては、亜硫酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、ソルビン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、バクテリオシン、塩、糖、酢酸、二炭酸ジメチル(DMDC)、エタノール及びオゾンが挙げられる。一実施形態では、保存料は、亜硫酸塩である。亜硫酸塩としては、限定されないが、二酸化硫黄、亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素カリウムが挙げられる。別の実施形態では、保存料は、プロピオン酸塩である。プロピオン酸塩としては、限定されないが、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム及びプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。また別の実施形態では、保存料は、安息香酸塩である。安息香酸塩としては、限定されないが、安息香酸ナトリウム及び安息香酸が挙げられる。また別の実施形態では、保存料は、ソルビン酸塩である。ソルビン酸塩としては、限定されないが、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム及びソルビン酸が挙げられる。またさらに別の実施形態では、保存料は、硝酸塩及び/又は亜硝酸塩である。硝酸塩及び亜硝酸塩としては、限定されないが、硝酸ナトリウム及び亜硝酸ナトリウムが挙げられる。別の実施形態では、少なくとも1つの保存料は、例えば、ナイシンなどのバクテリオシンである。さらに別の実施形態では、保存料は、エタノールである。また別の実施形態では、保存料は、オゾンである。本発明の特定の実施形態で保存料として使用するのに適した抗酵素剤の非限定的な例としては、アスコルビン酸、クエン酸及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの金属キレート剤が挙げられる。
【0085】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの水分補給剤である。別の特定の実施形態では、水分補給剤は、筋肉により燃焼されるエネルギー貯蔵を補充するための炭水化物である。本発明の特定の実施形態で使用するのに好適な炭水化物は、米国特許出願公開第4,312,856号、同第4,853,237号、同第5,681,569号及び米国特許第6,989,171号に記載されている。好適な炭水化物の非限定的な例としては、単糖、二糖、オリゴ糖、複合多糖類又はそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態で使用するのに好適なタイプの単糖の非限定的な例としては、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース及びノノースが挙げられる。好適な単糖の具体的なタイプの非限定的な例としては、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、トレオース、エリトルロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘルツロース、オクトロース及びシアロースが挙げられる。好適な二糖の非限定的な例としては、スクロース、ラクトース及びマルトースが挙げられる。好適なオリゴ糖の非限定的な例としては、サッカロース、マルトトリオース及びマルトデキストリンが挙げられる。他の特定の実施形態では、炭水化物は、コーンシロップ、テンサイ糖、甘蔗糖、ジュース又は茶により提供される。
【0086】
別の具体的な実施形態では、水分補給剤は、細胞の再水和を達成するフラボノールである。フラボノールは、植物中に存在する天然の物質のクラスであり、概して1つ又は複数の化学部分に結合された2-フェニルベンゾピロン分子骨格を含む。本発明の特定の実施形態で使用するのに好適なフラボノールの非限定的な例としては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、3-没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、3-没食子酸テアフラビン、3’-没食子酸テアフラビン、3,3’-没食子酸テアフラビン、テアルビギン又はそれらの組合せが挙げられる。フラボノールのいくつかの一般的供給源としては、茶植物、果物、野菜及び花が挙げられる。好ましい実施形態では、フラボノールは、緑茶から抽出される。
【0087】
特定の実施形態では、水分補給剤は、運動耐久力を増強するためのグリセロール溶液である。グリセロール含有溶液の摂取は、血液容量の拡大、心拍数の低下及び直腸温度の低下など、有益な生理学的効果をもたらすことが証明されている。
【0088】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つのプロバイオティクス、プレバイオティクス及びそれらの組合せから選択される。プロバイオティクスは、ヒトの天然に存在する胃腸内細菌叢に影響を与える有益な微生物である。プロバイオティクスの例としては、限定されないが、ヒトに有益な作用を付与する以下の属:ラクトバシラス(Lactobacilli)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacteria)属、レンサ球菌(Streptococci)属の細菌又はそれらの組合せが挙げられる。本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つのプロバイオティクスは、ラクトバシラス(Lactobacilli)属から選択される。本発明の別の特定の実施形態によれば、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム(Bifidobacteria)属から選択される。特定の実施形態では、プロバイオティクスは、レンサ球菌(Streptococcus)属から選択される。
【0089】
本発明に従って使用することができるプロバイオティクスは、当業者に周知である。プロバイオティクスを含む食品の非限定的な例としては、ヨーグルト、ザウアークラウト、ケフィア、キムチ、発酵野菜及び腸内微生物バランスを改善することによって宿主動物に有益に作用する微生物要素を含有する他の食品が挙げられる。
【0090】
本発明の実施形態に従うプレバイオティクスとしては、限定しないが、ムコ多糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ビタミン、栄養素前駆体、タンパク質及びそれらの組合せが挙げられる。本発明の特定の実施形態によれば、プレバイオティクスは、食物繊維から選択され、そうしたものとしては、限定しないが、多糖及びオリゴ糖が挙げられる。本発明の特定の実施形態に従ってプレバイオティクスとして分類されるオリゴ糖の非限定的な例としては、フラクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルト-オリゴ糖、ラクチトール、乳果オリゴ糖、ラクツロース、ピロデキストリン、ダイズオリゴ糖、トランスガラクト-オリゴ糖及びキシロ-オリゴ糖が挙げられる。他の実施形態では、プレバイオティクスは、アミノ酸である。いくつかの既知プレバイオティクスは、分解して、プロバイオティクスのための炭水化物を提供するが、一部のプロバイオティクスは、栄養のためにアミノ酸も必要とする。
【0091】
プレバイオティクスは、多様な食物に天然に存在し、そうしたものとしては、限定しないが、バナナ、ベリー類、アスパラガス、ニンニク、コムギ、オーツ麦、オオムギ(及び他の全粒穀物)、亜麻仁、トマト、キクイモ(Jerusalem artichoke)、タマネギ及びチコリ、葉野菜(例えば、タンポポの若葉、ホウレンソウ、コラードの若葉、フダンソウ、ケール、カラシ菜、カブラ菜)並びにマメ類(例えば、レンズマメ、インゲンマメ、ヒヨコマメ、シロインゲンマメ、ホワイトビーンズ、クロインゲンマメ)が挙げられる。
【0092】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの体重管理物質である。本明細書で使用される場合、「体重管理物質」は、食欲抑制剤及び/又は熱産生物質を含む。本明細書で使用される場合、「食欲抑制剤」、「食欲充足組成物」、「満腹剤」及び「満腹成分」という語句は、同義である。「食欲抑制剤」という語句は、有効量で送達されると、人の食欲を抑制するか、阻害するか、低減するか又は他に減弱させる主要栄養素、ハーブエキス、外性ホルモン、食欲減退薬、食欲抑制薬、医薬品及びそれらの組合せを表す。「熱産生物質」という語句は、有効量で送達されると、ヒトの熱産生又は代謝を活性化又は他に増強する主要栄養素、ハーブエキス、外性ホルモン、食欲減退薬、食欲抑制薬、医薬品及びそれらの組合せを表す。
【0093】
好適な体重管理物質としては、タンパク質、炭水化物、食物脂肪及びそれらの組合せからなる群から選択される主要栄養素が挙げられる。タンパク質、炭水化物及び食物脂肪の消費は、食欲抑制効果のあるペプチドの放出を刺激する。例えば、タンパク質及び食物繊維の消費は、消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)の放出を刺激するのに対して、炭水化物及び食物脂肪の消費は、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の放出を刺激する。
【0094】
好適な主要栄養素体重管理物質としては、炭水化物も挙げられる。炭水化物は、一般に、糖、デンプン、セルロース及びゴムを含み、身体は、これらをエネルギーのためにグルコースに変換する。炭水化物は、多くの場合、2つのカテゴリー、即ち消化性炭水化物(例えば、単糖、二糖及びデンプン)と、難消化性炭水化物(例えば、食物繊維)とに分類される。研究から、難消化性炭水化物と、小腸内での吸収及び消化性が低い複合ポリマー炭水化物とは、食物摂取を阻害する生理学的反応を刺激する。従って、本明細書で具体化される炭水化物は、難消化性炭水化物又は消化性が低い炭水化物を含むことが望ましい。こうした炭水化物の非限定的な例としては、ポリデキストロース;イヌリン;単糖由来のポリオール、例えばエリスリトール、マンニトール、キシリトール及びソルビトール;二糖由来のアルコール、例えばイソマルト、ラクチトール及びマルチトール;並びに水添デンプン加水分解物が挙げられる。炭水化物については、本明細書において以下にさらに詳細に説明する。
【0095】
別の特定の実施形態では、体重管理物質は、食物脂肪である。食物脂肪は、飽和及び不飽和脂肪酸の組合せを含む脂質である。多価不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸よりも高い満腹効果を有することがわかっている。従って、本明細書で具体化される食物脂肪は、多価不飽和脂肪酸を含むことが望ましく、その非限定的な例としては、トリアシルグリセロールが挙げられる。
【0096】
別の特定の実施形態では、体重管理物質は、ハーブエキスである。多種の植物からのエキスが、食欲抑制特性を備えるものとして確認されている。エキスが食欲抑制特性を有する植物の非限定的な例としては、以下の属:フーディア(Hoodia)、トリコカウロン(Trichocaulon)、カラルマ(Caralluma)、スタペリア(Stapelia)、オルベア(Orbea)、アスクレピアス(Asclepias)及びカメリア(Camelia)の植物が挙げられる。他の実施形態は、ギムネマ・シルベスタ(Gymnema Sylvestre)、コーラ・ナッツ(Kola Nut)、ダイダイ(Citrus Auran tium)、イェルバ・マテ (Yerba Mate)、グリフォニア・ シンプリシフォリア(Griffonia Simplicifolia)、ガラナ(Guarana)、ミルラ(myrrh)、ググル脂質(guggul Lipid)及びクロフサスグリ種子油から得られるエキスを含む。
【0097】
ハーブエキスは、任意のタイプの植物材料又は植物バイオマスから調製され得る。植物材料及びバイオマスの非限定的な例としては、茎、根、葉、植物材料から得られる乾燥粉末及び樹液又は乾燥樹液が挙げられる。ハーブエキスは、一般に、植物から樹液を抽出した後、樹液を噴霧乾燥することによって調製される。代わりに、溶媒抽出手順を使用し得る。初期抽出後、活性が増強されたハーブエキスを得るために、初期エキスをさらに分画する(例えば、カラムクロマトグラフィにより)ことが望ましい場合もある。このような技術は、当業者に周知である。
【0098】
一実施形態では、ハーブエキスは、フーディア(Hoodia)属の植物に由来する。P57として知られるフーディア(Hoodia)のステロールグリコシドは、フーディア(Hoodia)種の食欲抑制効果の原因となると考えられる。別の実施形態では、ハーブエキスは、カラルマ(Caralluma)属の植物に由来し、その非限定的な例としては、カラツベルシドA、カラツベルシドB、ボウセロシドI、ボウセロシドII、ボウセロシドIII、ボウセロシドIV、ボウセロシドV、ボウセロシドVI、ボウセロシドVII、ボウセロシドVIII、ボウセロシドIX及びボウセロシドXが挙げられる。別の実施形態では、少なくとも1つのハーブエキスは、トリコカウロン(Trichocaulon)属の植物に由来する。トリコカウロン(Trichocaulon)植物は、フーディア(Hoodia)と同様に、概して南アフリカ原産の多肉植物であり、T.ピリフェルム(T. piliferum)種及びセイヨウタンポポ(T. officinale)種が含まれる。別の実施形態では、ハーブエキスは、スタペリア(Stapelia)属又はオルベア(Orbea)属の植物に由来する。いずれの理論にも束縛されることを望むものではないが、食欲抑制活性を示す化合物は、プレグナングリコシドなどのサポニンであると考えられ、スタバロシド(stavaroside)A、B、C、D、E、F、G、H、I、J及びKが挙げられる。別の実施形態では、ハーブエキスは、アスクレピアス(Asclepias)属の植物に由来する。いずれの理論にも束縛されることを望むものではないが、これらのエキスは、プレグナングリコシド及びプレグナンアグリコンなどの食欲抑制効果を有するステロイド系化合物を含むと考えられる。
【0099】
別の特定の実施形態では、体重管理物質は、体重管理効果を有する外性ホルモンである。こうしたホルモンの非限定的な例としては、CCK、ペプチドYY、グレリン、ボンベシン及びガストリン放出ペプチド(GRP)、エンテロスタチン、アポリポタンパク質A-IV、GLP-1、アミリン、ソマスタチン並びにレプチンが挙げられる。
【0100】
別の実施形態では、体重管理物質は、医薬品である。非限定的な例としては、フェンテニム(phentenime)、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、シブトラミン、リモナバン、オキシントモジュリン、フロキセチン塩酸塩、エフェドリン、フェネチルアミン又は他の刺激薬が挙げられる。
【0101】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの骨粗鬆症管理剤である。特定の実施形態では、骨粗鬆症管理剤は、少なくとも1つのカルシウム供給源である。特定の実施形態によれば、カルシウム供給源は、カルシウムの塩錯体、可溶化種及び他の形態などのカルシウムを含有する任意の化合物である。カルシウム供給源の非限定的な例としては、アミノ酸キレートカルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、これらの可溶化種及びそれらの組合せが挙げられる。
【0102】
特定の実施形態によれば、骨粗鬆症管理剤は、マグネシウム供給源である。マグネシウム供給源は、マグネシウムの塩錯体、可溶化種及び他の形態などのマグネシウムを含有する任意の化合物である。マグネシウム供給源の非限定的な例としては、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルセプト酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムピコラート(magnesium picolate)、硫酸マグネシウム、これらの可溶化種及びそれらの混合物が挙げられる。別の特定の実施形態では、マグネシウム供給源は、アミノ酸キレート又はクレアチンキレートマグネシウムが挙げられる。
【0103】
他の実施形態では、骨粗鬆症剤は、ビタミンD、C、K、これらの前駆体及び/又はベータ-カロテン並びにそれらの組合せから選択される。
【0104】
多くの植物及び植物エキスも骨粗鬆症の予防及び治療に有効であることが確認されている。骨粗鬆症管理剤として好適な植物及び植物エキスの非限定的な例としては、米国特許出願公開第2005/0106215号に開示されるように、タンポポ(Taraxacum)属及びザイフリボク(Amelanchier)属の種並びに米国特許出願公開第2005/0079232号に開示されるようにクロモジ(Lindera)属、ヨモギ(Artemisia)属、ショウブ(Acorus)属、ベニバナ(Carthamus)属、カルム(Carum)属、ハマゼリ(Cnidium)属、クルクマ(Curcuma)属、カヤツリグサ(Cyperus)属、ビャクシン(Juniperus)属、プルヌス(Prunus)属、アヤメ(Iris)属、キクニガナ(Cichorium)属、ドドナエア(Dodonaea)属、イカリソウ(Epimedium)属、エリゴヌム(Erigonoum)属、ダイズ(Soya)属、メンタ(Mentha)属、オシマム(Ocimum)属、ティムス(thymus)属、タナセタム(Tanacetum)属、オオバコ(Plantago)属、スペアミント(Spearmint)属、ベニノキ(Bixa)属、ビティス(Vitis)属、ロスマリヌス(Rosemarinus)、ヌルデ(Rhus)属及びイノンド(Anethum)属の種が挙げられる。
【0105】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの植物エストロゲンである。植物エストロゲンは、植物中に見出される化合物であり、これらは、典型的には、植物エストロゲンを有する植物又は植物部分の摂取によって人体内に送達され得る。本明細書で使用される場合、「植物エストロゲン」は、体内に導入されると、いずれかの程度のエストロゲン様効果を引き起こす任意の物質を指す。例えば、植物エストロゲンは、体内のエストロゲン受容体に結合して、小さいエストロゲン様効果を有すると考えられる。
【0106】
本発明の実施形態に好適な植物エストロゲンの例としては、限定されないが、イソフラボン、スチルベン、リグナン、レソルシル酸ラクトン、クメスタン、クメストロール、エコール及びそれらの組合せが挙げられる。適切な植物エストロゲンの供給源としては、限定されないが、全粒穀物、穀類、繊維、果物、野菜、ブラックコホシュ、リュウゼツランの根、クロフサスグリ、ブラックホー、チェストベリー、クランプバーク、トウキの根、デビルズクラブの根、フォルスユニコーンの根、朝鮮ニンジンの根、グランドセルハーブ、甘草、ライフルート(liferoot)ハーブ、マザーワートハーブ、シャクヤクの根、ラズベリー葉、バラ科植物、セージ葉、サルサパリラの根、ソーパルメットベリー、自然薯の根、ノコギリソウの花、マメ類、ダイズ、ダイズ製品(例えば、みそ、ダイズ粉、豆乳、ダイズナッツ、ダイズタンパク質単離物、テンペ又は豆腐)、ヒヨコマメ、ナッツ、レンズマメ、種子、クローバー、ムラサキツメクサ、タンポポ葉、タンポポ根、コロハ種子、緑茶、ホップ、赤ワイン、亜麻仁、ニンニク、タマネギ、アマニ、ルリヂサ、ヤナギトウワタ、キャラウェー、チェストツリー、バイテックス、ナツメヤシ、ディル、フェネル種子、ゴツコラ、オオアザミ、ペニーロイヤル、ザクロ、サザンウッド、ダイズ粉、ヨモギギク及びクズの根(プエラリア根)など、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0107】
イソフラボンは、ポリフェノールと呼ばれる植物性栄養素の群に属する。一般に、ポリフェノール(「ポリフェノール類」としても知られている)は、1分子当たり2つ以上のフェノール基の存在を特徴とする、植物中に見出される化学物質の群である。
【0108】
本発明の実施形態に従う好適な植物エストロゲンのイソフラボンとしては、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、これらのそれぞれの天然に存在するグリコシド及びグリコシド抱合体、マタイレシノール、セコイソラリシレシノール、エンテロラクトン、エンテロジオール、テキスチャード植物性タンパク質並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0109】
本発明の実施形態に好適なイソフラボンの供給源としては、限定されないが、ダイズ、ダイズ製品、マメ類、アルファルファの芽、ヒヨコマメ、ピーナッツ及びムラサキツメクサが挙げられる。
【0110】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つの長鎖第1級脂肪族飽和アルコールである。長鎖第1級脂肪族飽和アルコールは、有機化合物の多様な群である。アルコールという用語は、これらの化合物が炭素原子に結合したヒドロキシル基(-OH)を特徴とするという事実を指す。本発明の特定の実施形態で使用するための特定の長鎖第1級脂肪族飽和アルコールの非限定的な例としては、炭素原子8個の1-オクタノール、炭素9個の1-ノナノール、炭素原子10個の1-デカノール、炭素原子12個の1-ドデカノール、炭素原子14個の1-テトラデカノール、炭素原子16個の1-ヘキサデカノール、炭素原子18個の1-オクタデカノール、炭素原子20個の1-エイコサノール、炭素22個の1-ドコサノール、炭素24個の1-テトラコサノール、炭素26個の1-ヘキサコサノール、炭素27個の1-ヘプタコサノール、炭素28個の1-オクタノソール、炭素29個の1-ノナコサノール、炭素30個の1-トリアコンタノール、炭素32個の1-ドトリアコンタノール及び炭素34個の1-テトラコンタノールが挙げられる。
【0111】
一実施形態では、長鎖第1級脂肪族飽和アルコールは、ポリコサノールである。ポリコサノールは、主に、炭素28個の1-オクタノソール及び炭素30個の1-トリアコンタノールと、より低濃度の、炭素22個の1-ドコサノール、炭素24個の1-テトラコサノール、炭素26個の1-ヘキサコサノール、炭素27個の1-ヘプタコサノール、炭素29個の1-ノナコサノール、炭素32個の1-ドトリアコンタノール及び炭素34個の1-テトラコンタノールなどの他のアルコールとから構成される長鎖第1級脂肪族飽和アルコールの混合物を示す用語である。
【0112】
特定の実施形態では、機能性成分は、少なくとも1つのフィトステロール、フィトスタノール又はそれらの組合せである。本明細書で使用される場合、「スタノール」、「植物スタノール」及び「フィトスタノール」という語句は、同義である。植物ステロール及びスタノールは、様々な果物、野菜、ナッツ、種子、穀類、マメ類、植物油、木の皮及び他の植物源において天然に少量で存在する。ステロールは、C-3にヒドロキシル基を有するステロイドの亜群である。一般に、フィトステロールは、コレステロールのようにステロイド核内に二重結合を有するが;フィトステロールは、C-24において、エチル若しくはメチル基などの置換側鎖(R)又は付加的な二重結合を含み得る。フィトステロールの構造は、当業者に周知である。
【0113】
少なくとも44の天然に存在するフィトステロールが発見されており、一般にコーン、ダイズ、小麦及び木油などの植物に由来するが;これらは、天然のものと同一であるか、又は天然に存在するフィトステロールと同様の特性を有する組成物を形成するように合成により製造され得る。非限定的な好適なフィトステロールとしては、限定されないが、4-デスメチルステロール(例えば、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、22-デヒドロブラシカステロール及びΔ5-アベナステロール)、4-モノメチルステロール及び4,4-ジメチルステロール(トリテルペンアルコール)(例えば、シクロアルテノール、24-メチレンシクロアルタノール及びシクロブラノール)が挙げられる。
【0114】
本明細書で使用される場合、「スタノール」、「植物スタノール」及び「フィトスタノール」という語句は、同義である。フィトスタノールは、天然に微量にのみ存在する飽和ステロールアルコールであり、フィトステロールの水素化などにより合成的に製造され得る。好適なフィトスタノールとしては、限定されないが、β-シトスタノール、カンペスタノール、シクロアルタノール及び他のトリテルペンアルコールの飽和形態が挙げられる。
【0115】
フィトステロール及びフィトスタノールの両方は、本明細書で使用される場合、α及びβ異性体などの多様な異性体を含む。本発明のフィトステロール及びフィトスタノールは、そのエステル形態でもあり得る。フィトステロール及びフィトスタノールのエステルを誘導するための好適な方法は、当業者によく知られており、米国特許第6,589,588号、同第6,635,774号、同第6,800,317号及び米国特許出願公開第2003/0045473号に開示されている。好適なフィトステロール及びフィトスタノールのエステルの非限定的な例としては、酢酸シトステロール、オレイン酸シトステロール、オレイン酸スチグマステロール及びこれらの対応するフィトスタノールエステルが挙げられる。本発明のフィトステロール及びフィトスタノールは、その誘導体も含み得る。
【0116】
例示的な添加剤としては、限定されないが、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びその対応する塩、ポリアミノ酸及びその対応する塩、糖酸及びその対応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機酸塩及び有機塩基塩を含む有機塩、無機塩、苦味化合物、カフェイン、香味料及び香味成分、渋味化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解物、界面活性剤、乳化剤、植物エキス、フラボノイド、アルコール、ポリマー並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0117】
一実施形態では、組成物は、1つ又は複数のポリオールをさらに含有する。「ポリオール」という用語は、本明細書で使用される場合、2つ以上のヒドロキシル基を含有する分子を指す。ポリオールは、ジオール、トリオール又はテトラオールであり得、それぞれ2、3及び4つのヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、5つ以上のヒドロキシル基も含有し得、例えばペンタオール、ヘキサオール、ヘプタオールなどがあり、それぞれ5、6又は7つのヒドロキシル基を含有する。さらに、ポリオールは、炭水化物の還元形態である糖アルコール、多価アルコール又はポリアルコールであり得、この場合、カルボニル基(アルデヒド又はケトン、還元糖)は、第1級又は第2級ヒドロキシル基に還元されている。一部の実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルト-オリゴ糖、還元キシロ-オリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ及び味に悪影響を与えることなく還元することが可能な糖アルコール又は任意の他の炭水化物が挙げられる。
【0118】
好適なアミノ酸添加剤としては、限定されないが、アスパラギン酸、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、プロリン、トレオニン、テアニン、システイン、シスチン、アラニン、バリン、チロシン、ロイシン、アラビノース、トランス-4-ヒドロキシプロリン、イソロイシン、アスパラギン、セリン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、メチオニン、カルニチン、アミノ酪酸(α、β及び/又はδ異性体)、グルタミン、ヒドロキシプロリン、タウリン、ノルバリン、サルコシン及びこれらの塩形態、例えばナトリウム若しくはカリウム塩又は酸性塩が挙げられる。アミノ酸添加剤は、D又はL立体配置であり、同一の又は異なるアミノ酸のモノ、ジ又はトリ形態でもあり得る。さらに、アミノ酸は、適切な場合、α、β、γ及び/又はδ異性体であり得る。上記のアミノ酸及びその対応する塩(例えば、そのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又は他のアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩又は酸性塩)の組合せも一部の実施形態では好適な添加剤である。アミノ酸は、天然又は合成であり得る。アミノ酸はまた、修飾され得る。修飾アミノ酸は、少なくとも1個の原子が付加、除去、置換されるか又はこれらの組合せである任意のアミノ酸(例えば、N-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸又はN-メチルアミノ酸)を指す。修飾アミノ酸の非限定的な例としては、トリメチルグリシン、N-メチル-グリシン及びN-メチル-アラニンなどのアミノ酸誘導体が挙げられる。本明細書で使用される場合、修飾アミノ酸は、修飾及び非修飾アミノ酸の両方を包含する。本明細書で使用される場合、アミノ酸は、グルタチオン及びL-アラニル-L-グルタミンなどのペプチド及びポリペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド及びペンタペプチド)の両方を包含する。好適なポリアミノ酸添加剤には、ポリ-L-アスパラギン酸、ポリ-L-リジン(例えば、ポリ-L-α-リジン又はポリ-L-ε-リジン)、ポリ-L-オルニチン(例えば、ポリ-L-α-オルニチン又はポリ-L-ε-オルニチン)、ポリ-L-アルギニン、アミノ酸の他の高分子形態並びにこれらの塩形態(例えば、カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩又はマグネシウム塩、例えばL-グルタミン酸モノナトリウム塩など)が含まれる。ポリアミノ酸添加剤は、D又はL立体配置でもあり得る。さらに、ポリアミノ酸は、適切な場合、α、β、γ、δ及びε異性体であり得る。上記のポリアミノ酸及びその対応する塩(例えば、そのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又は他のアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩又は酸性塩)の組合せも一部の実施形態では好適な添加剤である。本明細書に記載されるポリアミノ酸は、異なるアミノ酸のコポリマーを含有し得る。ポリアミノ酸は、天然又は合成であり得る。ポリアミノ酸は、少なくとも1個の原子が付加、除去、置換されるか又はこれらの組合せであるようにも修飾され得る(例えば、N-アルキルポリアミノ酸又はN-アシルポリアミノ酸)。本明細書で使用される場合、ポリアミノ酸は、修飾及び非修飾ポリアミノ酸の両方を包含する。例えば、修飾ポリアミノ酸としては、限定されないが、様々な分子量(MW)のポリアミノ酸、例えばMW1,500、MW6,000、MW25,200、MW63,000、MW83,000又はMW300,000のポリ-L-α-リジンなどが挙げられる。
【0119】
好適な糖酸添加剤としては、限定されないが、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、アルギン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸及びこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又は他の生理学的に許容される塩)並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0120】
好適なヌクレオチド添加剤としては、限定されないが、イノシン一リン酸(「IMP」)、グアノシン一リン酸(「GMP」)、アデノシン一リン酸(「AMP」)、シトシン一リン酸(CMP)、ウラシル一リン酸(UMP)、イノシン二リン酸、グアノシン二リン酸、アデノシン二リン酸、シトシン二リン酸、ウラシル二リン酸、イノシン三リン酸、グアノシン三リン酸、アデノシン三リン酸、シトシン三リン酸、ウラシル三リン酸、これらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩及びそれらの組合せが挙げられる。本明細書に記載されるヌクレオチドは、ヌクレオチド関連添加剤、例えばヌクレオシド又は核酸塩基(例えば、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、ウラシル)なども含み得る。
【0121】
好適な有機酸添加剤には、-COOH部分を含む任意の化合物、例えばC2~C30カルボン酸、置換ヒドロキシルC2~C30カルボン酸、酪酸(エチルエステル)、置換酪酸(エチルエステル)、安息香酸、置換安息香酸(例えば、2,4-ジヒドロキシ安息香酸)、置換ケイ皮酸、ヒドロキシ酸、置換ヒドロキシ安息香酸、アニス酸置換シクロヘキシルカルボン酸、タンニン酸、アコニット酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アジピン酸、ヒドロキシクエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸(fruitaric acid)(リンゴ酸、フマル酸及び酒石酸のブレンド)、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クロロゲン酸、サリチル酸、クレアチン、カフェイン酸、胆汁酸、酢酸、アスコルビン酸、アルギン酸、エリトルビン酸、ポリグルタミン酸、グルコノデルタラクトン及びそれらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩誘導体などが含まれる。加えて、有機酸添加剤は、D又はL立体配置のいずれでもあり得る。
【0122】
好適な有機酸添加剤としては、限定されないが、全ての有機酸のナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸(例えば、乳酸ナトリウム)、アルギン酸(例えば、アルギン酸ナトリウム)、アスコルビン酸(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)、安息香酸(例えば、安息香酸ナトリウム又は安息香酸カリウム)、ソルビン酸及びアジピン酸の塩などが挙げられる。記載される有機酸添加剤の例は、任意選択により、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホ、チオール、イミン、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルファミル、カルボキサルコキシ(carboxalkoxy)、カルボキサミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィノ、チオエステル、チオエーテル、無水物、オキシイミノ、ヒドラジノ、カルバミル、リン光体又はホスホナトから選択される少なくとも1つの基で置換され得る。特定の実施形態では、有機酸添加剤は、例えば、飲料などの消費可能物品中に存在する場合、約10ppm~約5,000ppmの濃度を付与するのに有効な量で甘味料組成物中に存在する。
【0123】
好適な無機酸添加剤としては、限定されないが、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、塩酸、硫酸、炭酸、リン酸二水素ナトリウム及びこれらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩(例えば、イノシトール6リン酸Mg/Ca)が挙げられる。
【0124】
好適な苦味化合物添加剤としては、限定されないが、カフェイン、キニーネ、尿素、ビターオレンジオイル、ナリンギン、カシア及びこれらの塩が挙げられる。
【0125】
好適な香味料及び香味成分添加剤としては、限定されないが、バニリン、バニラエキス、マンゴーエキス、シナモン、シトラス、ココナッツ、ショウガ、ビリジフロロール、アーモンド、メントール(ミントなしのメントールを含む)、ブドウの皮エキス及びブドウ種子エキスが挙げられる。「香味料」及び「香味成分」は、同義であり、天然若しくは合成物質又はそれらの組合せを含み得る。香味料は、香味を付与する任意の他の物質も含み、一般に許容される範囲で用いられる場合、ヒト又は動物にとって安全である天然又は非天然(合成)物質を含み得る。専有の香味料の非限定的な例としては、Doehler(商標)Natural Flavoring Sweetness Enhancer K14323(Doehler(商標), Darmstadt, Germany)、Symrise(商標)Natural Flavor Mask for Sweeteners 161453及び164126(Symrise(商標)、Holzminden, Germany)、Natural Advantage(商標)Bitterness Blockers 1、2、9及び10(Natural Advantage(商標)、Freehold, New Jersey, U.S.A.)並びにSucramask(商標)(Creative Research Management, Stockton, California, U.S.A.)が挙げられる。
【0126】
好適なポリマー添加剤としては、限定されないが、キトサン、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、ポリウロン酸、ポリガラクツロン酸、デンプン、食品親水コロイド又はその粗エキス(例えば、アカシアセネガルガム(Fibergum(商標))、アカシアセイヤルガム、カラギーナン)、ポリ-L-リジン(例えば、ポリ-L-α-リジン又はポリ-L-ε-リジン)、ポリ-L-オルニチン(例えば、ポリ-L-α-オルニチン又はポリ-L-ε-オルニチン)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコールメチルエーテル)、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリエチレンイミン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール及びポリエチレングリコールアルギニン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びその塩並びに他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーが挙げられる。
【0127】
好適なタンパク質又はタンパク質加水分解物添加剤としては、限定されないが、ウシ血清アルブミン(BSA)、乳清タンパク質(90%インスタント乳清タンパク質単離物、34%乳清タンパク質、50%加水分解乳清タンパク質及び80%乳清タンパク質濃縮物などのその画分又は濃縮物を含む)、可溶性米タンパク質、ダイズタンパク質、タンパク質単離物、タンパク質加水分解物、タンパク質加水分解物の反応生成物、糖タンパク質及び/又はアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、ノルバリン、メチオニン、プロリン、チロシン、ヒドロキシプロリンなど)を含有するプロテオグリカン、コラーゲン(例えば、ゼラチン)、部分加水分解コラーゲン(例えば、加水分解魚コラーゲン)並びにコラーゲン加水分解物(例えば、ブタコラーゲン加水分解物)が挙げられる。
【0128】
好適な界面活性剤添加剤としては、限定されないが、ポリソルベート(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)、ポリソルベート20、ポリソルベート60)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシナート又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム(塩化ヘキサデシルピリジニウム)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、コール酸ナトリウム、カルバモイル、塩化コリン、グリココール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ラウリン酸アルギネート、ステアロイル乳酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、レシチン、スクロースオレイン酸エステル、スクロースステアリン酸エステル、スクロースパルミチン酸エステル、スクロースラウリン酸エステル及び他の乳化剤などが挙げられる。
【0129】
好適なフラボノイド添加剤は、フラボノール、フラボン、フラバノン、フラバン-3-オール、イソフラボン又はアントシアニジンとして分類されている。フラボノイド添加剤の非限定的な例としては、限定されないが、カテキン(例えば、Polyphenon(商標)60、Polyphenon(商標)30及びPolyphenon(商標)25(Mitsui Norin Co., Ltd.、日本)、ポリフェノール、ルチン(例えば、酵素修飾ルチンSanmelin(商標)AO(San-fi Gen F.F.I., Inc.、大阪、日本)などの緑茶エキス)、ネオヘスペリジン、ナリンギン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどが挙げられる。
【0130】
好適なアルコール添加剤としては、限定されないが、エタノールが挙げられる。
【0131】
好適な渋味化合物添加剤としては、限定されないが、タンニン酸、塩化ユウロピウム(EuCl3)、塩化ガドリニウム(GdCl3)、塩化テルビウム(TbCl3)、ミョウバン、タンニン酸及びポリフェノール(例えば、茶ポリフェノール)が挙げられる。
【0132】
III.方法
本発明は、そのまま飲める飲料を調製する方法も提供し、これは、(i)飲料マトリックスを提供することと、(ii)前述の飲料成分を飲料マトリックスに添加することにより、そのまま飲める飲料を取得することとを含む。本方法は、任意選択で、さらなる混合ステップも含み、それにより飲料成分とマトリックスとを混合して溶解を促進する。本方法は、任意選択で、加熱ステップも含み得、それにより飲料成分とマトリックスとを加熱して溶解を促進する。
【0133】
飲料成分を飲料マトリックスに溶解させる。例示的な飲料マトリックスとしては、飲料品質の水、例えば脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、活性炭処理水、精製水、脱塩水及びそれらの組合せが挙げられる。別の好適なマトリックスとしては、限定されないが、リン酸、リン酸緩衝液、クエン酸、クエン酸緩衝液及び活性炭処理水が挙げられる。
【0134】
本方法は、そのまま飲める飲料を調製するのに必要な任意の温度で実施することができる。例えば、温度感受性である成分の場合、本方法は、70℃未満で実施される。同様に、飲料成分は、任意の順序で飲料マトリックスに添加することができる。
【実施例
【0135】
実施例
実施例1:そのまま飲める飲料の調製
以下に示す2つのそのまま飲める飲料調製物は、全ての成分が完全に溶解するまでそれらを混合することにより調製した。次に、飲料をさらに15分混合した。飲料を195+/-2°Fで21~23秒にわたって熱処理し、180°F~185°Fで充填した後、室温まで急速に冷却した。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】
実施例2:そのまま飲める飲料の安定性試験
実施例1に記載した2つのそのまま飲める飲料の安定性を試験した。飲料を、表示した時間にわたって5℃又は21℃で静置した。Analytical Biochemistry 2014, pp. 278-283 (1993)に記載される方法に従い、UV検出を用いるHPLCによりクレアチンを測定した。手短には、勾配溶出及び210nmでのUV検出を用いることにより、C18カラム上での逆相クロマトグラフィーを使用した。5分未満で分離が達成された。結果を以下の表1及び2に記載する。
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【国際調査報告】