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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】減衰タービンブレードアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/22 20060101AFI20221019BHJP
   F01D 5/26 20060101ALI20221019BHJP
   F01D 11/00 20060101ALI20221019BHJP
   F01D 25/06 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
F01D5/22
F01D5/26
F01D11/00
F01D25/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512442
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020043165
(87)【国際公開番号】W WO2021040919
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】16/552,853
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020182
【氏名又は名称】ソウラー タービンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SOLAR TURBINES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズオン、ロック クアン
(72)【発明者】
【氏名】ラミク、オリバー ジャック
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202DA01
3G202DA07
3G202KK14
(57)【要約】

ガスタービンエンジン(100)用の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)が開示される。減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)は、第一のタービンブレード(440a)の第一の小さなスロット(481a)および第二のタービンブレード(440b)の第二の大きなスロット(486b、c、d)内に位置付けられたダンパー(495、496、497、498)を含む。ダンパー(495、496、497、498)の一部分は、第一のタービンブレード(440a)と第二のタービンブレード(440b)との間の半径方向接続および角接続を提供する第二の大きなスロット(486b、c、d)と摺動可能に嵌合することができ、一方、ガスタービンエンジン(100)の中心軸(95)の半径方向への接線方向の運動を可能にする。接線方向の運動は、ダンパー(495、496、497、498)間の摩擦によって抵抗され、動作中にタービンブレードが感じた振動に対する摩擦減衰をもたらす。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(100)で使用するための減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)であって、
基部(442)と、
前記基部(442)から延在する外板(460)を備える翼形部(441)と、
前記基部(442)と反対側に位置し、
第一の小さなスロット上面(482a)と、
前記第一の小さなスロット上面(482a)の反対側に位置する第一の小さなスロット底面(483a)と、
前記第一の小さなスロット上面(482a)から前記第一の小さなスロット底面(483a)に延在する、第一の小さなスロット側面(484a)と、を有する第一の小さなスロット(481a)を含む、上部シュラウド(465a、)と、を含む第一のタービンブレード(440a)と、
前記第一の小さなスロット(481a)内に位置付けられ、前記第一の小さなスロット上面(482a)、前記第一の小さなスロット底面(483a)、および前記第一の小さなスロット側面(484a)に同時に接触するように構成されたダンパー(495、496、497、498)と、を備える、減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項2】
前記ダンパー(495、496、497、498)が、前記ダンパー(495、496、497、498)を前記第一の小さなスロット(481a)内にプレス嵌合することによって前記第一の小さなスロット(481a)内に固定される、請求項1に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項3】
基部(442)と、
前記基部(442)から延在する外板(460)を含む翼形部(441)と、
前記基部(442)と反対の前記翼形部(441)から延在し、
前記第一の小さなスロット(481a)よりも大きくサイズ設定された第二の大きなスロット(486b、c、d)であって、前記第二の大きなスロット(486b、c、d)が、
第二の大きなスロット上面(487b、c、d)と、
前記第二の大きなスロット上面(487b、c、d)の反対側に位置する第二の大きなスロット底面(488b、c、d)と、
前記第二の大きなスロット上面(487b、c、d)から前記第二の大きなスロット底面(488b、c、d)に延在する、第二の大きなスロット側面(489b、c、d)と、を有する第二の大きなスロット(486b、c、d)と、を含む上部シュラウド(465b、465c)と、を含む第二のタービンブレード(440b)をさらに備える、請求項1に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項4】
前記第二の大きなスロット上面(487b、c、d)は、前記第一の小さなスロット上面(482a)よりも前記基部(442)からさらに遠くに位置する、請求項3に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項5】
前記ダンパー(495、496、497、498)が、前記ガスタービンエンジン(100)の動作中に前記第一の小さなスロット(481a)内の固定位置に留まるように構成される、請求項3に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項6】
前記ダンパー(495、496、497、498)が、前記ガスタービンエンジン(100)の動作中に、前記第一のタービンブレード(440a)と第二のタービンブレード(440b)との間の半径方向運動および角運動を軽減するように構成される、請求項3に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項7】
前記ダンパー(495、496、497、498)が、前記第二の大きなスロット底面(488b、c、d)および第二の大きなスロット上面(487b、c、d)に沿って摺動する前記ダンパー(495、496、497、498)からの摩擦減衰を通して、前記第一のタービンブレード(440a)および第二のタービンブレード(440b)の振動を減少させるように構成される、請求項3に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【請求項8】
前記ダンパー(495、496、497、498)が、前記第二の大きなスロット(486b、c、d)内に位置付けられた時に、予圧された力を提供するように形状設定されている、請求項3に記載の減衰タービンブレードアセンブリ(490、491、492、493)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ガスタービンエンジンに関する。より詳細には、本出願は、ガスタービンエンジン用の減衰タービンブレードアセンブリを対象とする。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、一般に、共通のディスク上に取り付けられた半径方向に延在するタービンブレードの少なくとも一つの環状アレイを備える軸流タービンを含む。各タービンブレードは、隣接するブレードのシュラウドが協働して、タービンブレード上のガス流への半径方向外周境界を画定するように、その半径方向外側先端にシュラウドを時として備える。動作中、タービンブレード上のガス流が、ある程度の減衰を必要とする程度までブレードを振動させる傾向があり得る。ブレードの任意の振動は、それらのシュラウド間、したがって通路間の相対的運動をもたらす。
【0003】
Hunt等の米国特許第8,231,352号は、隣接する間隔の空いた構成要素間の非同期振動を減衰させるための振動ダンパーアセンブリについて記載している。振動ダンパーアセンブリは、構成要素の各々の一対の概して対向する通路の両方に位置する振動ダンパーを備える。アセンブリは、ダンパーと構成要素との間の接触のための少なくとも二つの間隔の空いた接合面を備え、接合面の各々は、第一の方向に弓状であり、直交および第二の方向に実質的に直線的な部分を有することを特徴とする。これにより、接触領域が大きく拡大し、材料損失が最小化される。ダンパーまたは通路の断面形状は、非円状であり、ダンパーと通路との間に使用中に通路内のダンパーの回転を防止するのに十分に小さい隙間がある。
【0004】
本開示は、発明者によって発見された問題の一つまたは複数を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、ガスタービンエンジン用の減衰タービンブレードアセンブリが開示されている。第一のタービンブレードおよびダンパーを備える、減衰タービンブレードアセンブリ。基部と、基部から延在する外板を備える翼形部と、基部とは反対に位置する上部シュラウドとを含む、第一のタービンブレード。第一の小さなスロットを含む上部シュラウド。第一の小さなスロット上面、第一の小さなスロット上面の反対側に位置する第一の小さなスロット底面、および第一の小さなスロット上面から第一の小さなスロット底面に延在する第一の小さなスロット側面を有する、第一の小さなスロット。ダンパーは、第一の小さなスロット内に位置付けられ、同時に第一の小さなスロット上面、第一の小さなスロット底面、および第一の小さなスロット側面に接触するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の実施形態の詳細は、それらの構造および動作の両方に関して、添付の図面の検討によって部分的に収集することができ、同様の参照番号は同様の部品を指す。
【0007】
図1図1は、例示的なガスタービンエンジンの概略図である。
図2図2は、図1からの例示的なタービンロータアセンブリの一部分の断面図である。
図3図3は、図2からの第一のタービンブレードの斜視図である。
図4図4は、第二のタービンブレードを有する図2からの第一のタービンブレードの斜視図である。
図5図5は、図4の第一のタービンブレードおよび第二のタービンブレードの上面図である。
図6図6は、図5の線VI-VIに沿った例示的なダンパーがその間に位置するタービンブレードの断面図である。
図7図7は、図6と同様の、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。
図8図8は、ダンパーの別の実施形態の断面図である。
図9図9は、図8のダンパーを有する、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。
図10図10は、ダンパーの別の実施形態の断面図である。
図11図11は、図10のダンパーを有する、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、さまざまな実施形態の説明として意図されており、本開示が実施され得る唯一の実施形態を表すことを意図していない。詳細な説明は、実施形態の完全な理解を提供する目的での具体的な詳細を含む。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施できることは、当業者には明らかであろう。一部の実例では、周知の構造および構成要素は、説明の簡潔さのために簡略化された形態で示される。
【0009】
図1は、例示的なガスタービンエンジンの概略図である。説明の明確さおよび容易さのため、一部の表面は省かれ、または誇張される。また、本開示は、前方および後方の方向を指し得る。一般に、特に指定されない限り、全ての「前方」および「後方」への言及は、一次空気(すなわち、燃焼プロセスで使用される空気)の流れ方向に関連する。例えば、前方は一次空気流に対して“上流”であり、後方は一次空気流に対して「下流」である。
【0010】
さらに、本開示は、一般に、そのシャフト120(複数のベアリングアセンブリ150によって支持される)の長手方向軸によって一般に画定され得る、ガスタービンエンジンの回転の中心軸95を参照し得る。中心軸95は、さまざまな他のエンジン同心構成要素に共通であってもよく、またはそれらと共有され得る。特に指定されない限り、半径方向、軸方向、および周方向、ならびに測定値への全ての言及は、中心軸95を言及し、また「内側」および「外側」などの用語は、中心軸95からのより小さい半径方向距離、またはより大きい半径方向距離を一般的に示し、半径方向96は、中心軸95から垂直で外側に放射される任意の方向であり得る。
【0011】
ガスタービンエンジン100は、入口110、ガス生成器またはコンプレッサ200、燃焼器300、タービン400、排気500、および電力出力カップリング50を含む。コンプレッサ200は、一つまたは複数のコンプレッサロータアセンブリ220を含む。燃焼器300は、一つまたは複数の注入器600を含み、一つまたは複数の燃焼チャンバ390を含む。タービン400は、一つまたは複数のタービンロータアセンブリ420を含む。排気500は、排気ディフューザ510および排気収集器520を含む。
【0012】
図示するように、コンプレッサロータアセンブリ220およびタービンロータアセンブリ420の両方が軸流ロータアセンブリであり、各ロータアセンブリは、複数の翼形部(「ロータブレード」)を円周方向に配置したロータディスクを含む。設置される時、一つのロータディスクと関連付けられたロータブレードは、環状筐体内に円周方向に分布する固定静翼250および450(「静翼」または「固定子」)によって、隣接するディスクと関連付けられたロータブレードと軸方向に分離される。
【0013】
ガス(典型的には、空気10)は、入口110に「作動流体」として進入し、コンプレッサ200によって圧縮される。コンプレッサ200では、空気10は、一連のコンプレッサロータアセンブリ220によって環状流路115内で圧縮される。具体的には、空気10は、番号付けされた「段階」で圧縮され、段階は各コンプレッサロータアセンブリ220と関連付けられる。例えば、「第4段階空気」は、入口110から排気500に向かって進む、下流または「後方」方向の第4のコンプレッサロータアセンブリ220と関連付けられてもよい。同様に、各タービンロータアセンブリ420は、番号付けされた段階と関連付けられてもよい。例えば、第一段階タービンロータアセンブリ421は、タービンロータアセンブリ420の最も前方である。しかし、他の番号付け/命名の規則も使用され得る。
【0014】
圧縮空気10がコンプレッサ200を去ると、燃焼器300に進入し、そこで圧縮空気10は拡散され、燃料が加えられる。空気10および燃料は、注入器600を介して燃焼チャンバ390内に注入され、点火される。燃焼反応後、次に、一連のタービンロータアセンブリ420の各段階で、タービン400を介して燃焼された燃料/空気混合物からエネルギーが抽出される。次いで、排気ガス90は、排気ディフューザ510内で拡散され、収集され、方向転換され、排気収集器520を経由してシステムを出ることができる。排気ガス90はさらに処理されてもよい(例えば、有害な放射を低減するため、および/または排気ガス90から熱を回収するため)。
【0015】
上記の構成要素(またはそのサブ構成要素)のうちの一つまたは複数は、ステンレス鋼および/または「超合金」として知られる耐久性のある高温の材料から作製されてもよい。超合金、すなわち高性能合金は、高温、良好な表面安定性、および耐腐食性および耐酸化性において、優れた機械的強度および耐クリープ性を示す合金である。超合金の例としては、HASTELLOY、INCONEL、WASPALOY、RENE合金、HAYNES合金、INCOLOY、MP98T、TMS合金、およびCMSX単結晶合金を挙げることができる。
【0016】
図2は、図1からの例示的なタービンロータアセンブリの一部分の断面図である。具体的には、図1に概略的に図示したタービンロータアセンブリ420の一部分が、ここではより詳細に示されているが、残りのガスタービンエンジン100とは分離して示されている。図2に示すタービンロータアセンブリ420の一部分は、第一のタービンブレード440aの下の領域にほぼ対応する両側に断面を画定されたタービンロータディスク430の一部分または断片を含む。第一のタービンブレード440aは、プラットフォーム443およびブレードルート451を含む基部442を含み得る。例えば、ブレードルート451は、例を挙げると、「クリスマスツリー」、「球根」、または「ダヴテール」のルートを組み込んでもよい。それに応じて、タービンロータディスク430は、第一のタービンブレード440aを受容および保持するように構成された円周方向に分布したスロットまたはブレード取り付け溝432を含み得る。具体的には、ブレード取り付け溝432は、ブレードルート451と嵌合するように構成されてもよく、両方とも相反形状を有する。さらに、ブレードルート451は、例えば、前方から後方への方向に、ブレード取り付け溝432と滑動可能に係合されてもよい。
【0017】
第一のタービンブレード440aは、プラットフォーム443から半径方向外側に延在し、タービンロータディスク430から離れる翼形部441をさらに含み得る。翼形部441は、半径方向に変化する複雑な幾何学形状を有してもよい。例えば、翼形部441の断面は、半径方向に上部シュラウド465aから内側のプラットフォーム443に近づくにつれて、形状を延ばし、厚くし、ねじれ、および/または変化させてもよい。翼形部441の全体的な形状はまた、用途によって変化し得る。
【0018】
第一のタービンブレード440aは、その設置および動作を参照して本明細書に一般的に記述される。具体的には、第一のタービンブレード440aは、中心軸95(図1)の半径方向96および翼形部441の空気力学的特徴の両方を参照して説明される。翼形部441の空気力学的特徴は、前縁446、後縁447、圧力側448、および持ち上げ側449(吸引側とも呼ぶ)を含む。上で論じたように、翼形部441はまた、プラットフォーム443と先端端部上部シュラウド465aとの間に半径方向に延在する。上部シュラウド465aは、翼形部441から外側に位置してもよく、ルート端444とは反対に配置される。上部シュラウド465aは、上部シュラウド465aの側面上に位置するアバットメント471aを含み得る。上部シュラウド465aは、各タービンブレード440aの一部分として形成されてもよく、翼形部441の外向き端部と接合してもよい。したがって、第一のタービンブレード440aをユニットとして記述する場合、内向きの方向は、中心軸95(図1)に向かって概して半径方向内側であり、その関連する端部は、「ルート端」444と呼ばれる。同様に、外向き方向は概して中心軸95(図1)から半径方向外側であり、その関連する端部はシュラウド465aによって画定される。
【0019】
さらに、翼形部441を記述する場合、前方方向および後方方向は、その前縁446(前方)と後縁447(後方)との間で一般的に測定される。翼形部441の流れ特徴を記述する場合、内側方向および外側方向は、中心軸95(図1)に対して半径方向に一般的に測定される。
【0020】
最後に、特定の従来の空気力学的用語を、本明細書の明瞭さのために使用することができるが、限定されるものではない。例えば、(第一のタービンブレード440a全体と共に)翼形部441は、単一の金属鋳物として作製され得るが、(その厚さと共に)翼形部441の外面は、本明細書では、翼形部441の「外板」460と記述的に呼ばれる。
【0021】
図3は、図2からの第一のタービンブレードの斜視図である。具体的には、この図は、上部シュラウド465aの側面に位置するアバットメント471aを示す。第二のアバットメント472aは、上部シュラウド465aの両側にアバットメントがあるように、アバットメント471aの反対側に位置することができる。アバットメント471aは、圧力側448に近接して位置することができ、アバットメント472aは、時には吸引側と称される、持ち上げ側449に近接して位置することができる。別段の記載がない限り、アバットメント471aの説明は、アバットメント472aに適用することができる。アバットメント471aは、中心軸95に対してある角度であってもよい。アバットメント471aは、タービンロータアセンブリ430内に位置付けられた時に、別のタービンブレードのアバットメントの表面と嵌合するように構成された嵌合面を有し得る。アバットメント471aは、嵌合面を通してアバットメント471aの一部分に沿って延在し、空隙を提供する、第一の小さなスロット481aを有してもよい。アバットメント472aは、第一の小さなスロット481aの代わりに、第一の大きなスロット(図示せず)を有することができる。第一の小さなスロット481aは、アバットメント471aの表面の少なくとも二つを通って延在し得る。第一の小さなスロット481aは、長方形または湾曲した形状を有することができる。
【0022】
図4は、第二のタービンブレードを有する図2からの第一のタービンブレードの斜視図である。実施形態では、第二のタービンブレード440bは、図2および他の図に示す第一のタービンブレード440aと同じまたは類似の特徴を含み得る。タービンブレード440a、bおよびそれらのサブ構成要素は、関連付けおよび説明を容易にするために、文字および数字を使用して本明細書で順次参照することができる。例えば、第一のタービンブレード440aは、アバットメント471aおよび上部シュラウド465aを含む。さらなる実施例では、タービンブレード440bは、第二のタービンブレード440bとして参照され得る。説明において、サブ文字のない参照番号の使用は、こうした各要素または構成要素に適用される。
【0023】
前述の実施形態に関連して前述した構造および特徴は、適切な場合、図4から図7に示す実施形態に前述の説明が適用されるという理解で、ここでは繰り返さない場合がある。さらに、以下の説明の強調は、以前に導入された特徴または要素の変形形態に関するものである。また、以前に記述された特徴のいくつかの参照番号は省略される。
【0024】
実施形態では、第一のタービンブレード440aの上部シュラウド465aは、第二のタービンブレード440bの上部シュラウド465bと連動する。いくつかの実施形態では、複数のシュラウド付きタービンブレード440は、タービンディスク430の周りに円周方向に設置されてもよく、各シュラウド付きタービンブレード440は、隣接するアバットメント471、472で隣接するシュラウド付きタービンブレード440と連動して、連続的な環状配置を形成してもよい。
【0025】
図5は、図4の第一のタービンブレードおよび第二のタービンブレードの上面図である。一実施形態では、第一のタービンブレード440aの上部シュラウド465aは、第二のタービンブレード440bの上部シュラウド465bと連動する。第一のタービンブレード440aのアバットメント面471aは、第二のタービンブレード440bのアバットメント472bと接触して位置合わせするように構成され得る。アバットメントギャップ485は、二つのアバットメント471a、472bの間の空間によって形成され得る。一実施形態では、アバットメントギャップ485は、いくつかの「曲がり」を有することができ、かつ「S」形状または「Z」形状を有することができる。他の例では、アバットメントギャップ485は、直線状であってもよく、曲線、または二つの隣接するアバットメント471a、472bの間の界面によって形成される他の形状を有してもよい。明確にするために、アバットメントギャップ485を図5に示すが、タービンブレード400a、440bは、タービンディスクアセンブリ430内に組み立てられた時に互いに接触することができ、アバットメントギャップ485を提供しないことがある。
【0026】
図6は、図5の線VI-VIに沿った例示的なダンパーがその間に位置するタービンブレードの断面図である。第一のタービンブレード440aからのアバットメント471aは、第一の小さなスロット481aを有してもよく、第二のタービンブレード440bからのアバットメント472bは、第一の小さなスロット481aよりも大きいサイズとすることができる第二の大きなスロット486bを有してもよい。図示されていないが、第一のタービンブレード440aはまた、アバットメント472a内の第一の小さなスロット481aとは反対側に位置する第一の大きなスロットを有してもよい。第一の大きなスロットは、第二の大きなスロット486bと類似または同一の特徴を有し得る。図示されていないが、第二のタービンブレード440bはまた、第二の大きなスロット486bとは反対側に位置する第二の小さなスロットを有してもよい。第二の小さなスロットは、第一の小さなスロット481aと類似または同一の特徴を有し得る。
【0027】
第一の小さなスロット481aは、第一の小さなスロット上面482a、第一の小さなスロット底面483a、および第一の小さなスロット側面484aによって部分的に形成され得る。第一の小さなスロット底面483aは、第一の小さなスロット上面482aの反対側および内側に位置することができる。第一の小さなスロット側面484aは、第一の小さなスロット上面482aから、第一の小さなスロット底面483aへ内側に延在し得る。
【0028】
第二の大きなスロットは、組立中、タービンブレード440の位置決めを容易にするために、第一の小さなスロットよりもわずかに大きくサイズ設定することができる。第二の大きなスロット486bは、第二の大きなスロット上面487b、第二の大きなスロット底面488b、および第二の大きなスロット側面489bによって部分的に形成され得る。第二の大きなスロット底面488bは、第二の大きなスロット上面487bの反対側および内側に位置し得る。第二の大きなスロット上面487bおよび第二の大きなスロット底面488bは、それぞれ第一の小さなスロット上面482aおよび第一の小さなスロット底面483aよりも大きな寸法を有する。第二の大きなスロット側面489bは、第二の大きなスロット上面487bから第二の大きなスロット底面488bへ内側に延在し得る。第二の大きなスロット側面489bは、第一の小さなスロット側面483aよりもさらに半径方向に延在し得る。
【0029】
一実施形態では、第二の大きなスロット底面488bは、第一の小さなスロット底面483aのわずかに半径方向外側にあり、二つのスロット481a、486bの間に段差を作り出す。他の実施例では、第二の大きなスロット上面487bは、第一の小さなスロット上面482aのわずかに半径方向内側にあり、二つのスロット481a、486bの間に段差を作り出す。一実施形態では、第二の大きなスロット上面487bは、第一の小さなスロット上面482aの半径方向外側に位置する。言い換えれば、第二の大きなスロット上面487bは、第一の小さなスロット上面482aよりも基部442からさらに遠くに位置することができる。
【0030】
タービンブレード440a、440bおよびダンパー495は、減衰タービンブレードシステム490の一部とすることができる。ダンパー495は、第一の小さなスロット481a内に位置付けられ、第二の大きなスロット486b内に延在することができる。ダンパー495は、長方形ストリップとして形状設定することができ、二つのアバットメント471a、472bの間に延在する略長方形の断面を有する。ダンパー495は、第一の小さなスロット481aから延在して第二の大きなスロット486bに移行するように、その形状を曲げて変更するよう構成され得る。ダンパー495は、様々な形状を有してもよく、第一の小さなスロット481aおよび第二の大きなスロット486bの形状および位置決めに適合するように形状設定されてもよい。
【0031】
一実施形態では、ダンパー495の一部分は、第一の小さなスロット上面482aおよび第一の小さなスロット底面483aに同時に接触する。一実施形態では、ダンパー495は、第一の小さなスロット側面484aに接触する。一実施形態では、ダンパー495は、第一の小さなスロット側面484aと接触している間、第二の大きなスロット側面489bと接触しない。ダンパー495は、鋼などの金属を含むことができる。一実施形態では、ダンパー495の一部分は、ダンパー495が、ガスタービンエンジン100の動作中に第一の小さなスロット481a内で移動しないように、第一の小さなスロット481a内に固定されるように構成され得る。一実施形態では、ダンパー495の一部分は、第二の大きなスロット486bと摺動可能に嵌合するように構成され得る。
【0032】
図7は、図6と同様の、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。前述の実施形態に関連して以前に説明した構造および特徴は、適切な場合、図7に示す実施形態に前述の説明が適用されるという理解で、ここでは繰り返さない場合がある。さらに、以下の説明の強調は、以前に導入された特徴または要素の変形形態に関するものである。また、以前に記述された特徴のいくつかの参照番号は省略される。
【0033】
一実施形態では、上部シュラウド465cは、アバットメント472cを含む。アバットメント472cは、第二の大きなスロット486cを含む。第二の大きなスロット486cは、第二の大きなスロット上面487c、第二の大きなスロット底面488c、および第二の大きなスロット側面489cによって部分的に形成され得る。
【0034】
第一の小さなスロット底面483aおよび第二の大きなスロット底面488cは、半径方向に位置合わせし、アバットメントギャップ485にわたって均等な遷移を生成できる。一例では、第一の小さなスロット上面482aおよび第二の大きなスロット上面487cは、半径方向に位置合わせし、アバットメントギャップ485にわたって均等な遷移を生成できる。
【0035】
一実施形態では、減衰タービンブレードシステム491は、ダンパー496、第一の小さなスロット481a、および第二の大きなスロット486cを含み得る。一実施形態では、ダンパー496は、半径方向に曲がった状態で、半径方向に外向きまたは内側に湾曲して形状設定することができ、第二の大きなスロット486b内に位置付けられるように構成することができる。
【0036】
図8は、ダンパーの別の実施形態の断面図である。ダンパー497は、本体部分513、第一の脚部分511、および第二の脚部分512を有し得る。ダンパー497は、その長手方向軸に対して垂直に切り取られた断面を有してもよく、これは、プラトー様形状などの逆方向に延在する二つの脚部分511、512を有する半六角形として形状設定され得る。言い換えれば、ダンパー497の断面は、その脚部分511、512が互いに反対の方向に離れて伸長したオメガシンボルに似て形状設定される。第二の脚部分512は、第一の脚部分の形状511の鏡像である形状を有し得る。第一の脚部分511、第二の脚部分512、および本体部分513は、実質的に等しい厚さを有し得る。一実施形態では、第一の脚部分511は、第一のスロット481a内に位置付けられ、第一のスロット上面482aではなく、第一のスロット底面483aに接触するように構成され得る。
【0037】
ダンパー497は、ダンパー上面516およびダンパー上面516の反対側のダンパー底面517を有し得る。ダンパー上面516は、第一の脚部分511の上部、本体部分513の上部、および第二の脚部分512の上部にわたって延在し得る。ダンパー底面517は、第一の脚部分511の底部、本体部分513の底部、および第二の脚部分512の底部にわたって延在し得る。
【0038】
ダンパー497の高さH1は、ダンパー上面516とダンパー底面517との間の最大距離とすることができる。言い換えれば、高さH1は、本体部分513の上部と第一の脚部分511および第二の脚部分512の底部との間の距離とすることができる。
【0039】
図9は、図8のダンパーを有する、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。前述の実施形態に関連して以前に説明した構造および特徴は、適切な場合、図9に示す実施形態に前述の説明が適用されるという理解で、ここでは繰り返さない場合がある。さらに、以下の説明の強調は、以前に導入された特徴または要素の変形形態に関するものである。また、以前に記述された特徴のいくつかの参照番号は省略される。
【0040】
実施形態では、上部シュラウド465dは、アバットメント472dを含む。アバットメント472dは、第二のスロット486dとも呼ばれる第二の大きなスロット486dを含む。第二のスロット486dは、第二の大きなスロット上面487d、第二の大きなスロット底面488d、および第二の大きなスロット側面489dによって部分的に形成され得る。第二の大きなスロット上面487d、第二の大きなスロット底面488d、および第二の大きなスロット側面489dはそれぞれ、第二のスロット上面487d、第二のスロット底面488d、および第二のスロット側面489dと呼ばれてもよい。
【0041】
一実施形態では、第二のスロット486dは、第一の小さなスロット481aと同じか、または類似のサイズであり、第一のスロット481aとも呼ばれる。一実施形態では、第二のスロット上面487d、第二のスロット底面488d、および第二のスロット側面489dは、第一の小さなスロット上面482a、第一の小さなスロット底面483a、および第一の小さなスロット底面484aと同じまたは類似の寸法および配向を有する。第一の小さなスロット上面482a、第一の小さなスロット底面483a、および第一の小さなスロット底面484aは、第一のスロット上面482a、第一のスロット底面483a、および第一の小さな底面484aと丁重に呼ぶことができる。
【0042】
第一のスロット底面483aおよび第二のスロット底面488dは、半径方向に位置合わせし、均等な遷移を生成できる。一例では、第一のスロット上面482aおよび第二のスロット上面487dは、半径方向に位置合わせし、均等な遷移を生成できる。
【0043】
図示の実施形態では、減衰タービンブレードシステム492は、ダンパー497、第一の小さなスロット481a(時には第一のスロットとも呼ばれる)、および第二の大きなスロット486dを含み得る。図示の実施形態では、ダンパー497は、曲げを用いて形状設定され、第一のスロット481aおよび第二のスロット486d内に圧縮されて、二つのスロット481a、489d内に予圧された力を提供することができる。
【0044】
図示の実施形態では、スロット481a、489dは高さH2を有する。実施形態では、スロット481a、489dの高さH2は、ダンパー497の高さH1よりも低くてもよい。
【0045】
一実施形態では、ダンパー上面516は、第一のスロット上面482aおよび第二のロット上面487dと接触し、ダンパー底面517は、第一のスロット底面483aおよび第二のスロット底面488dと接触する。他の実施形態では、ダンパー497が反転され、ダンパー底面517が第一のスロット上面482aおよび第二のロット上面487aと接触し、ダンパー上面516が第一のスロット底面483aおよび第二のスロット底面488dと接触する。
【0046】
一実施形態では、第一の脚部分511は、第一のスロット上面482aに接触することなく、第一のスロット481a内に位置付けられ、第一のスロット底面483aに接触するように構成され得る。第一の脚部分511および第二の脚部分512は、第一のスロット481aおよび第二のスロット486dそれぞれに対して、実質的に平行に配向され得る。一実施形態では、第一の脚部分511に近接するダンパー底面517は、第一のスロット底面483aと実質的に平行であってもよく、基部に近接するダンパー上面516は、第二のスロット上面487dと実質的に平行であってもよい。一実施形態では、ダンパー497は、第一のスロット側面484aに接触し得る。一実施形態では、ダンパー497は、第二のスロット側面489dに接触し得る。
【0047】
図10は、ダンパーの別の実施形態の断面図である。ダンパー498は、本体部分523、第一の脚部分521、および第二の脚部分522を有し得る。ダンパー498は、z形状のカンチレバーなどの「z」と類似した形状にすることができる、その長手方向に対して垂直に切り取られた断面を有し得る。第一の脚部分521および第二の脚部分522は、互いに持続的に平行に配置され得る。本体部分523は、第一の脚部分521から第二の脚部分522へ対角線上に延在し得る。第一の脚部分521、第二の脚部分522、および本体部分523は、実質的に等しい厚さを有し得る。
【0048】
ダンパー498は、ダンパー上面526およびダンパー上面526の反対側のダンパー底面527を有し得る。ダンパー上面526は、第一の脚部分521の上部、本体部分523の上部、および第二の脚部分522の上部にわたって延在することができる。ダンパー底面527は、第一の脚部分521の底部、本体部分523の底部、および第二の脚部分522の底部にわたって延在することができる。
【0049】
ダンパー498の高さH3は、ダンパー上面526とダンパー底面527との間の最大距離とすることができる。言い換えれば、高さH3は、第二の脚部分522の上部と第一の脚部分521の底部との間の距離とすることができる。
【0050】
図11は、図10のダンパーを有する、別の減衰タービンブレードアセンブリの断面図である。前述の実施形態に関連して以前に説明した構造および特徴は、適切な場合、図11に示す実施形態に前述の説明が適用されるという理解で、ここでは繰り返さない場合がある。さらに、以下の説明の強調は、以前に導入された特徴または要素の変形形態に関するものである。また、以前に記述された特徴のいくつかの参照番号は省略される。
【0051】
図示の実施形態では、減衰タービンブレードシステム493は、ダンパー498、第一の小さなスロット481a(時には第一のスロットとも呼ばれる)、および第二の大きなスロット486dを含み得る。図示の実施形態では、ダンパー498は、第一のスロット481aおよび第二のスロット486d内に圧縮されて、二つのスロット481a、489d内に予圧された力を提供するように形状設定されてもよい。
【0052】
図示の実施形態では、スロット481a、489dは高さH2を有する。実施形態では、スロット481a、489dの高さH2は、ダンパー498の高さH3よりも低くてもよい。
【0053】
一実施形態では、第二の脚部分522に近接するダンパー上面526は、第二のロット上面487dと接触し、第一の脚部分521に近接するダンパー底面527は、第一のスロット底面483aと接触することができる。他の実施形態では、ダンパー498が反転され、ダンパー上面526が第一のスロット上面482aと接触し、ダンパー底面527が第二のスロット底面488dと接触する。
【0054】
一実施形態では、第一の脚部分521は、第一のスロット上面482aに接触することなく、第一のスロット481a内に位置付けられ、第一のスロット底面483aに接触するように構成され得る。第一の脚部分521および第二の脚部分522は、第一のスロット481aおよび第二のスロット486dそれぞれに対して実質的に平行に配向され得る。一実施形態では、第一の脚部分521に近接するダンパー底面527は、第一のスロット底面483aと実質的に平行であってもよく、第二の脚部分522に近接するダンパー上面526は、第二のスロット上面487dと実質的に平行であってもよい。一実施形態では、ダンパー498は、第一のスロット側面484aに接触することができる。一実施形態では、ダンパー498は、第二のスロット側面489dと接触することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本開示は、概して、ガスタービンエンジン100用の減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493に適用される。説明した実施形態は、特定のタイプのガスタービンエンジン100と共に使用することに限定されず、むしろ、静止もしくは動作中のガスタービンエンジンまたはその任意の変形に適用され得る。ガスタービンエンジン、およびそれゆえその構成要素は、限定されるものではないが、いくつか例を挙げると、石油および天然ガス産業の様々な態様(石油および天然ガスの輸送、収集、貯蔵、回収、および持ち上げを含む)、発電産業、コジェネレーション、航空宇宙および運輸産業などの、任意の数の産業用途に適し得る。
【0056】
概して、本開示の減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493の実施形態は、ガスタービンエンジン100の使用、組立、製造、運用、保守、修理、および改善に適用可能で、性能および効率を改善し、保守および修理を低減し、ならびに/またはコストを低減するために使用され得る。さらに、本開示の減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493の実施形態は、設計からプロトタイピングおよび第一の製造まで、ならびにその後の寿命末期まで、ガスタービンエンジン100の寿命のいずれの段階においても、適用可能である。したがって、減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493は、第一の製品において、既存のガスタービンエンジンへの改造または改良として、予防策として、または事象に対する応答においてさえ使用され得る。これは特に、本開示の減衰タービンブレードアセンブリ490のタービンブレード440a、440bのが、より早期のタイプのタービンブレードと交換可能な同一のインターフェースを都合よく含んでもよいため、真実である。
【0057】
上で論じたように、タービンブレード440a、440bは、鋳造成形されてもよい。一実施形態によれば、タービンブレード440a、440bは、インベストメント鋳造法で作製されてもよい。例えば、タービンブレード440a、440b全体は、セラミックコアまたは一過性パターンを使用して、ステンレス鋼および/または超合金から鋳造されてもよい。特に、構造/特徴は、明確にするために別個の部材として上述されているが、単一の鋳造として、構造/特徴は外板460と一体化されてもよい。あるいは、特定の構造/特徴を鋳型コアに加え、複合構造を形成してもよい。
【0058】
本開示の実施形態では、タービンブレード440a、440bは、関連するガスタービンエンジン100の速度が増加するにつれて、概して静止している(休止/非励起)いくつかの固有周波数およびモーダル応答を有する。これらのモーダル応答には、第一のねじりモーダル応答、第一の屈曲モーダル応答、および第一の曲げ応答が含まれ、これはモーダル応答のうち最も強力なものであり得る。タービンブレード440a、440bはまた、第二、第三、およびさらなる連続的なモーダル応答を有し得るが、これらは典型的には、軽減されように考慮されるほど十分に強力ではない。第一のモーダル応答が、ガスタービンエンジン100の動作速度(典型的には毎分回転、RPMで報告される)範囲内で発生する場合、高サイクル疲労およびブレード故障が発生する可能性がより高い。動作速度範囲は、ガスタービンエンジン100が長時間動作するように設計されている速度の範囲である。したがって、これらの固有周波数およびモーダル応答が、ガスタービンエンジン100の動作速度範囲内で発生するのを防ぐことが有益であろう。動作速度範囲は、ガスタービンエンジン100の最大RPM能力の80%~100%とすることができる。
【0059】
開示された実施形態では、タービンブレード440a、440bは、タービン400の第3または第4の段階に位置することができ、またはタービン400内のある段階に位置する上部シュラウド465を有する任意のタービンブレードとすることができる。
【0060】
一実施形態では、ダンパー495、496、497、498は、第一のタービンブレード440aのアバットメント471aと第二のタービンブレード440bのアバットメント472b、472c、472dとの間に位置付けられ、減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493を形成する。ダンパー495、496、497、498の使用は、回転剛性の増加および維持を助け、クーロン摩擦を通して振動の減衰を提供し、干渉から外れた共振モードを維持することができる。ダンパー495、496、497、498は、第一の小さなスロット481aおよび第二の大きなスロット486b、c、d内に位置付けられた時に、予圧を提供するように形状設定され得る。予圧されたダンパー495、496、497、498は、クーロン摩擦減衰のための独自の力成分を提供し、タービンディスクアセンブリ420の高速回転によって生成される力を必要としない。
【0061】
一実施形態では、ダンパー495、496の一部分は、第一の小さなスロット481a内にプレス嵌合されるように構成され、かつ、ガスタービンエンジン100の動作中に第一のタービンブレード440aに対してこの固定位置に留まることができる。ダンパー495、496を第一の小さなスロット481a内に嵌合し、ダンパー495、496の位置をアバットメント471aと定位置に固定することによって、二つのタービンブレード440a、440bとダンパー495、496との間の相対変位を生じさせることができる。固定構成のダンパー495、496では、減衰タービンアセンブリ490、491は、ガスタービンエンジン100のRPMとは独立して、共振を損なうことなく動作することができる。固定構成のダンパー495、496は、動作中に移動できず、タービンブレードのタービン回転ディスク430への組み立て中に予圧され得る。固定構成のダンパー495、496は、ダンパー495,496に負荷されたプレストレスの大きさを制御する能力を増加させることができる。
【0062】
ダンパー495、496、497、498は、第二の大きなスロット486b、c、d内に位置付けられ、ガスタービンエンジンの動作中に、第二の大きなスロット486b、c、dの第二の大きなスロット上面487b、c、dおよびの第二の大きなスロット底面488b、c、dのうちの少なくとも一つと接触して、摩擦およびタービンブレード440a、440bの動作を通して減衰をもたらすように構成され得る。減衰の強度は、ダンパー495、496、497、498から、第二の大きなスロット上面487b、c、dおよび第二の大きなスロット底面488b、c、dのうちの少なくとも一つに加えられる力ならびにダンパー495、496、497、498と、第二の大きなスロット上面487b、c、dおよび第二の大きなスロット底面488b、c、dのうちの少なくとも一つとの間の摩擦係数に依存する。ダンパー495、496、497、498は、ダンパー495、496、497、498と第二の大きなスロット486b、c、dとの間の摩擦の通常力成分を制御するように、形状設定されるおよび/または予めストレスをかけることができる。
【0063】
ダンパー495と第二の大きなスロット486bとの間の力は、第一の小さなスロット481aと第二の大きなスロット486bのオフセット幾何学形状によって提供され得る。図6では、ダンパー495は、平坦な長方形の輪郭を有し、第一の小さなスロット481aと第二の大きなスロット486bの半径方向および幾何学的アライメントの違いにより、タービンブレード440a、440bのタービンディスク430への組み立て中に予圧される。アライメントにおけるこの差異は、第二の大きなスロット486b内に嵌合するために、ダンパー495を曲げて形状を変化させる。この曲げおよび形状適合は、ダンパー495と第二の大きなスロット486bとの間に力を誘発し、その力は、タービンブレード440a、440bが、ガスタービンエンジン100の動作中に半径方向に対して接線方向に移動するときに摩擦減衰の構成要素となる。
【0064】
図7では、第一の小さなスロット481aおよび第二の大きなスロット486cは半径方向に位置合わせし、ダンパー496は湾曲した幾何学形状を有するかまたは曲げを有する。ダンパー496は、その形状に曲げを有するようにミリングされてもよく、または予めストレスをかけられ、所定の位置に曲げられてもよい。ダンパー496の非平坦な形状は、第二の大きなスロット486c内に位置付けられてもよく、変形、湾曲、または適合し、およびダンパー496と第二の大きなスロット486cとの間の力を誘発してもよい。
【0065】
図9を参照すると、第一のスロット481aおよび第二のスロット486dのより低い高さH2内のダンパー497の配置は、ダンパー497を圧縮し、ダンパー497の形状および剛性に基づいて、第一のスロット上面482a、第一のスロット底面483a、第二のスロット上面487d、および第二のスロット底面488dに同時に反力を提供することを必要とする。ダンパー497は、所望の摩擦減衰効果を提供するために必要とされる必要な剛性および予圧を提供するように、異なるように形状設定され、異なる材料で作製され得る。
【0066】
図11を参照すると、第一のスロット481aおよび第二のスロット486dのより低い高さH2内のダンパー498の配置は、ダンパー498を圧縮し、ダンパー498の形状および剛性に基づいて、第一のスロット底部および第二のスロット上面487dに同時に反力を提供することを必要とする。ダンパー498は、所望の摩擦減衰効果を提供するために必要とされる必要な剛性および予圧を提供するために、異なるように形状設定され、異なる材料で作製され得る。
【0067】
図6図7図9、および図11を参照すると、ダンパー495、496、497、498および第二の大きなスロット486b、c、dは、ダンパー495、496、497、498と第二の大きなスロット486b、c、dとの間の移動を、半径方向96に対して概して正接し、かつ中心軸95に対して概して垂直な方向で提供するようにサイズ設定することができる。
【0068】
ダンパー495、496、497、498および第二の大きなスロット486b、c、dは、半径方向のダンパー495、496、497、498と第二の大きなスロット486b、c、dとの間の移動を制限するようにサイズ設定することができ、第一のタービンブレード440aおよび第二のタービンブレード440bの半径方向の剛性を増加させ得る。言い換えれば、第一のタービンブレード440aおよび第二のタービンブレード440bは、それらの間に延在するダンパー495、496、497、498に起因して、ガスタービンエンジンの動作中に同じ半径方向変位を有することになる。一実施形態では、ダンパー495、496、497、498は、第二の大きなスロット上面487b、c、dと第二の大きな底面488b、c、dの両方と同時に接触するように構成され、かつ、ガスタービンエンジン100の動作中に第二の大きなスロット486b、c、dに対して半径方向に移動しない。
【0069】
ダンパー495、496、497、498および第二の大きなスロット486b、c、dは、第一のタービンブレード440aと第二のタービンブレード440bとの間の角運動を低減および防止し、第一のタービンブレード440aおよび第二のタービンブレード440bの角剛性を増加させるようにサイズ設定することができる。ダンパー495、496、497、498がなければ、第一のブレード440aは、動作中にガスタービンエンジン100の後方端部に向かって曲がる可能性があり、第二のブレード440bは、動作中にガスタービンエンジン100の前方端部に向かって曲がる可能性がある。ダンパー495、496、497、498を第一の小さなスロット481aおよび第二の大きなスロット486b、c、d内に位置付けることで、ダンパー495、496、497、498によって、第一のタービンブレード440aおよび第二のタービンブレード440bは、接続されたままであり、ガスタービンエンジン100の動作中に同様の角運動を有し、ダンパー495、496、497、498を有さないことに対して角剛性を増大させることができる。減衰タービンブレードアセンブリ490、491、492、493は、第一のタービンブレード440aおよび第二のタービンブレード440bのブレード間半径方向ロックを含み、その結果、ガスタービンエンジン100の動作中、それらの角運動は、同じ方向であり、共振角周波数を上回るように動作角周波数を維持する。言い換えれば、ダンパー495、496、497、498は、ガスタービンエンジン100の動作中、第二のタービンブレード440bに対する第一のタービンブレード440aの相対半径方向運動および角運動を減少させるように構成および位置付けられ得る。
【0070】
本発明はその詳細な実施形態に関して示され、説明されてきたが、当業者であれば、その形態および詳細のさまざまな変更が、特許請求された発明の範囲および精神から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。例えば、スロット481a、489b、c、dは、ロータ軸に対して傾けて、組立を容易にし、および/またはスロット断面長さを延長することができる。従って、前述の詳細な説明は、単に本質的に例示的なものであり、本発明または本発明の用途および使用を制限することを意図していない。具体的には、説明した実施形態は、特定のタイプのガスタービンエンジンと併用して使用することに限定されない。例えば、説明した実施形態は、静止もしくは動作中のガスタービンエンジン、またはその任意の変形に適用され得る。さらに、前項に提示されたいずれの理論にも拘束される意図はない。当然のことながら、図は、示される参照される項目をより良く図示するための誇張された寸法およびグラフィック表現を含んでもよく、明示的にそのように記載されない限り、制限を考慮されない。
【0071】
上述の利益および利点は、一実施形態に関連してもよく、またはいくつかの実施形態に関連し得ることが理解されよう。実施形態は、記載される問題のいずれかまたは全てを解決するもの、または記載される利益および利点のいずれかまたは全てを有するものに限定されるものではない。
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【国際調査報告】