(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】遠心沈降による粒子の分離
(51)【国際特許分類】
B04B 5/02 20060101AFI20221020BHJP
B04B 13/00 20060101ALI20221020BHJP
B04B 7/12 20060101ALI20221020BHJP
B04B 9/08 20060101ALI20221020BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B04B5/02 Z
B04B13/00
B04B7/12
B04B9/08
G01N1/10 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503920
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 SE2020050779
(87)【国際公開番号】W WO2021034249
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521325558
【氏名又は名称】3ナイン アーベー
【氏名又は名称原語表記】3NINE AB
【住所又は居所原語表記】Box 1163, 131 27 Nacka Strand (SE)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】インジ,クレース
(72)【発明者】
【氏名】フランツェン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ハーグマーク,カール ペトラス
【テーマコード(参考)】
2G052
4D057
【Fターム(参考)】
2G052AA31
2G052AA36
2G052AD29
2G052ED17
2G052JA07
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE12
4D057AF01
4D057BA13
4D057BB11
4D057CA00
(57)【要約】
遠心沈降により、液体試料(30)中の沈降速度が異なる粒子(P)を分離する方法であって、試料(30)を封入することと、各粒子(P)が粒子の沈降速度に依存する位置に沈降するまで、試料をさまざまな遠心力場に移動させるために、第1の回転速度(Ω)で試料の外側の第1の軸(12)を中心に試料を回転させ、第2の回転速度(ξ)で試料の中心に位置する第2の軸(22)を中心に試料を回転させることと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心沈降により、液体試料(30)中の沈降速度が異なる粒子(P)を分離する方法であって、
a)前記試料(30)を封入することと、
b)各粒子が前記粒子の前記沈降速度に依存する位置に沈降するまで、前記試料をさまざまな遠心力場に移動させるために、第1の回転速度(Ω)で前記試料の外側の第1の軸(12)を中心に前記試料を回転させ、第2の回転速度(ξ)で前記試料の中心に位置する第2の軸(22)を中心に前記試料を回転させることと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
c)前記試料における沈降画分中の前記粒子(P)を見分けることと、
d)前記第2の軸(22)からの各粒子の距離(r)を測定することと、
e)前記距離を、前記方法に理論的に従った既知の粒子について計算により得られた距離と照合することにより、前記粒子を特定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
c)前記試料における沈降画分中の前記粒子(P)を見分けることと、
d)前記第2の軸(22)からの各粒子の距離(r)を測定することと、
f)前記距離を、既知の粒子に対して上記ステップa~dを実行することによって得られた距離と照合することによって、前記粒子を特定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記試料の異なる領域(42)が互いに混合しないようにブロックすることをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記試料を区画によって規定される前記領域(42)に分割するために、軸方向に開いた区画(42)のフレームワーク(40)を前記沈降画分を有する前記試料(30)の中に挿入することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
分離試料の異なる領域(42)からの粒子をサンプリングすることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の回転速度(ξ)は、前記第1の回転速度(Ω)よりも早い、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記試料は、血液試料である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法を実行するための装置であって、
前記試料(10)を封入するための円筒容器(20)と、
前記第1の軸(12)を中心に前記容器(20)を回転させるための第1の回転体(10、14)と、
前記第2の軸(22)を中心に前記容器(20)を回転させるための第2の回転体(16;24)と、を特徴とする、装置。
【請求項10】
前記第1の回転体は、前記第1の軸(12)を中心に回転させるための支持されたディスク(10)と、前記ディスク(10)を回転させるための電気モータ(14)とを含み、前記第2の回転体は、前記ディスクに支持された前記円筒容器(20)を前記第2の軸(22)を中心に回転させるための第2の電気モータ(24)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の回転体は、前記第1の軸(12)を中心に回転させるための支持されたディスク(10)と、前記ディスク(10)を回転させるための電気モータ(14)とを含み、前記第2の回転体は、前記ディスクに支持された前記円筒容器(20)を前記電気モータ(14)により前記第2の軸(22)を中心に回転させるためのギアまたはベルトトランスミッション(16)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の回転体は、前記第1の軸(12)を中心に回転させるための支持されたディスク(10)と、前記ディスク(10)を回転させるための電気モータ(14)とを含み、前記第2の回転体は、前記ディスクに支持された前記円筒容器(20)を前記第2の軸(22)を中心に回転させるための前記第1の軸と同心でギア(16’’)とギア係合する静止ギア(16’)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の軸(12)の周りに周辺的に分布する複数の前記容器(20)を含む、請求項9~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
分離された領域(42)の前記試料を分割する手段(40)を含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記試料を分割する前記手段(30)は、前記容器(20)の沈降試料に挿入される軸方向に開いた区画(42)のフレームワーク(40)を含む、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心沈降により、液体試料中の異なる沈降速度を有する粒子を分離する方法に関する。本発明はまた、この方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、敗血症を治すときは、血球の中から病原菌を検出する必要がある。その場合、バクテリアは通常、採血から培養する必要がある。しかしながら、場合によっては、培養プロセスに非常に長い時間がかかるため、バクテリアが特定される前に患者が敗血症で死亡するリスクがあります。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、血液などの液体試料中のバクテリアなどの粒子を、新規で時間を節約した遠心方式で血球などの他の粒子から分離することができる方法を開発することである。
【0004】
本発明の態様では、方法は、
a)試料(30)を封入することと、
b)各粒子が粒子の沈降速度に依存する位置に沈降するまで、試料をさまざまな遠心力場に移動させるために、第1の回転速度で試料の外側の第1の軸を中心に試料を回転させ、第2の回転速度で試料の中心に位置する第2の軸を中心に試料を回転させることと、を含む。
【0005】
これにより、試料は2つの異なる軸を中心に回転させられるため、粒子は第1の軸と円筒の中心軸の間に位置することもあれば、両軸の半径方向外側に位置することもある。このため、粒子は円筒の軸から離れる方向と向かう方向に交互に移動する。これにより、ある大きさの粒子の沈降は、ある時点で第2の軸の回転によって打ち消され、その結果、粒子は第1の軸に対して静止することになる。各大きさの粒子は、試料中に沈降したとき、その平衡位置を持つ。計算は、粒子が試料のどの位置から出発しても、平衡位置を探し出すことを示す。平衡位置は、とりわけ粒子の沈降速度に依存し、結果それは大きさに影響される。粒子が大きくなるほど、それは第2の軸から遠ざかり、常に第2の軸から一直線上にあるはずである。
【0006】
本方法を実行するために必ずしも必要ではないが、第1の軸と第2の軸は、都合よく互いに平行である。
【0007】
本発明の根底にあるのは、沈降速度にわずかな差があれば、バクテリアなどの粒子と血球を分離することが可能であるという知見である。つまり、異なる大きさの粒子を分別することができるはずである。ある大きさの粒子は、平衡状態を探すが、それにかかる時間を計算することができるのです。
【0008】
別の用途は、単分散粒子、すなわちすべての粒子が同じ大きさの粒子または粒子クラスターを製造することである。このような粒子は、特に、特定の大きさを有する粒子の頻度を分析する粒子分析器を較正するために使用される。さらに他の用途も考えられ得る。
【0009】
本発明の別の態様では、本方法の以前の操作によって計算されたまたは得られた粒子の平衡または終点位置は、その後、さらに分析され、最終的に識別される関心のある粒子をより容易に見つけるまたは見分けるために使用され得る。次いで、本方法は、さらに以下を含み得る:
c)試料における沈降画分中の粒子を見分けることと、
d)第2の軸からの各粒子の距離を測定することと、
e)前記距離を、同じ方法に理論的に従った既知の粒子について計算により得られた距離と照合することにより、粒子を特定すること。
【0010】
代替的に、本方法は、以下を含み得る:
c)試料における沈降画分中の粒子を見分けることと、
d)第2の軸からの各粒子の距離を測定することと、
f)前記距離を、既知の粒子に対して上記ステップa~dを実行することによって得られた距離と照合することによって、前記粒子を特定すること。
【0011】
そして、特定を容易にするため、ステップeおよびfは、関心のある領域における既知の粒子のセットに関する表データを含み得る。
【0012】
距離を測定するステップは、ここでは、与えられた条件下での沈降速度(rate)/速度(velocity)を決定することと本質的に等価であると考えられる。
【0013】
セパレータを停止させると、円筒形の容器に流れが発生するだろう。この流れは、分別された粒子を混ぜることになるだろう。これを避けるために、試料の異なる領域が互いに混ざらないようにブロックすることで、沈殿した画分の粒子の見分けまたは発見を容易にすることができる。
【0014】
特に、ブロックすることは、試料を区画によって規定される領域に分割するために、軸方向に開いた区画のフレームワークまたはグリッドを沈降画分を有する試料の中に挿入することによって得られ得る。次いで、半径方向に連続した区画は、そこで発見された粒子の特定を容易にする多段フィルタとして機能し得る。ある区画で見つかった粒子は、関心のある既知の粒子の沈降速度または終了位置の近い範囲にあることによって、より容易に特定され得る。
【0015】
バクテリア用途では、バクテリアの量を濃縮し、その後の分析の妨げとなり得る血球の量を少なくすることを目的とする。分離処理後は、他の方法でバクテリアの種類が分析される。
【0016】
また、別々の試料の異なる領域から粒子をサンプリングすることも可能であろう。
【0017】
第2の回転速度は、第1の回転速度よりも早い。これに対し、試料の相対回転速度ωは、主回転速度Ω、すなわち第1の回転速度に対して非常に小さい方がよい。しかしながら、後でさらに説明するように、ωは、分離プロセスを長引かせないために小さすぎてはならない。
【0018】
試料は血液試料であり得る。その用途では、上述したように血球から細菌が分離され得る。
【0019】
本発明の方法を実行するための装置は、試料を封入するための円筒容器と、容器を第1の軸を中心に回転させるための第1の回転体と、容器を第2の軸を中心に回転させるための第2の回転体とを含む。
【0020】
第1の回転体は、第1の軸を中心に回転させるための支持されたディスクと、ディスクを回転させるための第1の電気モータとを含み、第2の回転体は、ディスクに支持された円筒容器を第2の軸を中心に回転させるための第2の電気モータを含む。
【0021】
別の実施形態では、第1の回転体はまた、第1の軸を中心に回転するように支持されたディスクと、ディスクを回転させるための電気モータとを含み、第2の回転体は、ディスクに支持された円筒容器を第2の軸を中心に回転させるための第1の軸と同心でギアとギア係合する静止ギアを含む。重要なことは、このような配置によって、第1および第2の回転速度が確実に同期することである。他の配置、例えばベルト配置も同様に実用的であり得る。
【0022】
また、装置は、第1の軸の周りに周辺的に分布する複数の前記容器(20)を含み得る。それによって、1回の分離プロセスでより大量の試料を処理することが可能となろう。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の請求項から明らかとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る遠心分別装置の斜視側面図である。
【0025】
【
図2】
図1に示す装置に対応する装置のやや上方からの破断斜視図である。
【0026】
【
図3】本発明に係るマルチサンプル処理装置のやや上方からの高透過率図である。
【0027】
【
図4】
図3に示す装置のやや下方から見た高透過率図である。
【0028】
【0029】
【
図6】分別された試料が区画に分割された
図5中の囲み領域6の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
図1および
図2に示す分別装置は、第1の軸12を中心に回転するように支持されたディスク10を有する。比較的平坦な容器または中空円筒20は、第1の軸12から距離Rで第2の軸22を中心として回転するディスク10の周縁部に支持される。
図2に示す例では、ディスク10および容器20は、それぞれの電気モータ14および24によって回転される。
【0031】
他の配置も同様に適用可能であり、例えば、単一の電気モータ14によってディスク10と容器20を異なる速度で同期して回転させるための様々なギアまたはベルトトランスミッションが挙げられる。
【0032】
その場合、
図1にファントムで示されるように、ギアトランスミッション16は、次いで電気モータ14によって回転されるディスク20と同期して容器20を回転させるためのギア16’’と噛み合う静止ギア16’を含み得る。
【0033】
また、
図3および
図4に示すように、各容器が共通の静止ギア16’を有するギアトランスミッション16によって回転される第1の軸12の周りに複数の容器20を周辺的に分布させて配置することによって、複数の試料が同時に処理され得る。
【0034】
本発明による分別装置は、以下のように操作され得る。
【0035】
円筒容器20には、検出および特定される粒子を有する液体試料または懸濁液30が充填される。容器20は、蓋21によって閉じられる。そして、容器20は、ディスク20の速度Ωとは異なり、かつ、それより早い速度ξで回転される。第1の軸12を中心とした回転により、血液中の細菌および血球など、液体と密度の異なる粒子は、液体に対して半径方向外側に沈降するだろう。液体は、円筒が第1の軸12の周りを回るのとまったく同じ回転を持たないという事実により、粒子Pは、第1の軸と第2の軸の間にある場合もあれば、両方の軸の半径方向外側に位置する場合もあるだろう。このため、粒子は第2の軸から離れる方向と向かう方向に交互に移動する。上述のように、ある大きさの粒子の沈降は、ある時点で第2の軸の回転によって打ち消され、その結果、粒子は第1の軸に対して静止することになる。各大きさの粒子は、試料中に沈降したとき、その平衡位置を持つ。計算は、粒子が試料のどの位置から出発しても、平衡位置を探し出すことを示した。平衡位置は、とりわけ粒子の沈降速度に依存し、結果それは大きさに影響される。
図5に示されるように、粒子が大きくなるほど、それは第2の軸から遠ざかり、常に第2の軸から一直線上にあるはずである。
【0036】
以上のような遠心分離の動作が終了すると、粒子は見分けて識別され得る。
【0037】
特定の用途で必要であれば、例えば、試料と一緒に回転するカメラ(図示せず)により、遠心分離プロセス中に粒子が見分けられ得る。
【0038】
見分ける粒子を容易に分類するために、容器20内の沈降試料30には、沈降速度フィルタ40が挿入される。示される実施形態では、フィルタは、軸方向に開いた区画42(
図6)を規定するフレームワーク40として形成されており、このフレームワーク40は、沈降試料30を半径方向および接線方向に分離した領域を分割する。こうして特定の領域に固定された粒子を見分けたとき、その領域の位置の情報は、例えば、その位置を、同じ遠心操作に供された既に特定された粒子の位置を開示する表内の位置と照合することによって、粒子の特定を容易にし得る。これらの表中の位置は、数値的に計算されたものであってもよいし、特定される粒子と同じ条件下で既知の粒子に対して分別装置を操作させることによって決定されたものであってもよい。
【0039】
フレームワーク40の代わりとして、単一のバルブ44をファントムで示す
図6に図式的に示されるように、例えば容器20の底部に、区画42に実質的に対応するパターンで配置されたバルブを通して沈降試料の標本を吸引することも可能であろう。
【0040】
本発明による分別装置の操作に供される粒子の挙動を計算する例を以下に説明する。
【0041】
第1の軸を中心とした回転Ωと、第2の軸、すなわち円筒の軸を中心とした液体の回転ξとの回転速度の差をωとする。時間t=π/ωの間、遠心力は粒子を円筒軸から遠ざけ、同じ時間、それは、粒子を円筒軸の方へ動かすだろう。また、粒子は液体を追って円筒軸の周りを回る。遠心力によって粒子が円筒の中心から離れれば離れるほど、液体の回転によってそれは速く戻される。これにより、平衡位置に向かう螺旋状の運動が発生するだろう。
【0042】
円筒の中心にその中心を持ち、(円筒のはるか外側の距離Rに位置する)主中心の中心を円筒の回転速度Ωで回転するx-y座標系が導入され得る(図示せず)。この座標系では、遠心力は常にy方向に向いている。
【0043】
粒子は、沈降速度にほぼ比例する円筒中心からの距離に行着く。半径が2倍の粒子は、円筒中心から4倍近く離れたところに行着く。粒子の開始位置が異なっても、粒子の行着く位置には影響がないようである。
【0044】
以下を示すことが可能である:
【0045】
【0046】
式中、
【0047】
aは、粒子半径であり、
【0048】
Rは、2つの軸間の距離であり、
【0049】
Δρは、粒子および液体試料間の質量密度の差であり、
【0050】
ρは、液体試料の質量密度であり、
【0051】
vは、液体の動的粘度である。
【0052】
rは、粒子半径の2乗に比例する。したがって、ほぼ同じ半径aの粒子を分離できるはずである。
【0053】
粒子が最終目的地に到着するまでの時間は、1/ωに比例することが示され得る。
【0054】
また、
【数2】
は、容器20内のどこで粒子が行着くかを決定することも示され得る。
【0055】
遠心力RΩ2は、相対回転ωに比べて、粒子が円筒の中心から十分離れてしまうほど大きくなければならない。同時に、ωは小さすぎてはならない。なぜなら処理に時間がかかりすぎるからである。
【0056】
R=0.1m、
【数3】
で、時間150/ωで粒子が比較的安定した状態になるには、25回の回転が必要である。主回転Ω=100rad/s=955rpmの場合、ω=0.20rad/s=1.9rpmとなる。時間は、150/ω=12分である。粒子の端は円筒の中心軸から5mm左側にある。Ω=400rad/s=3820rpmとω=3.20rad/s=31rpmでも状況は同じであるが、時間はわずか150/ω=47秒である。
【0057】
もし、粒子が液体中を何度も循環することなくその最終目的地に到達することを望むのであれば、
【数4】
は高い値を持つべきであるが、その場合はrがかなり大きくなる。
【0058】
前述の詳細な説明は、主に理解を明確にするために行われたものであり、そこから不必要な制限を受けることはないと理解される。改変は、本開示を読めば当業者には明らとなり得、添付の請求項の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【国際調査報告】