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  • 特表-純植物性微生物培養物の生産方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】純植物性微生物培養物の生産方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/00 20060101AFI20221020BHJP
   C12N 1/04 20060101ALI20221020BHJP
   C12N 1/16 20060101ALN20221020BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20221020BHJP
【FI】
C12N1/00 A
C12N1/04
C12N1/16 A
C12N1/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507434
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 KR2020010197
(87)【国際公開番号】W WO2021025405
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0095469
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522150067
【氏名又は名称】ファーミング スター アグリカルチュラル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】サン,デ-サン
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA15X
4B065AA30X
4B065AA73X
4B065AA75X
4B065AA80X
4B065AA81X
4B065AC20
4B065BB18
4B065BB26
4B065BD11
4B065CA42
(57)【要約】
本発明は、純植物性微生物培養物の生産方法であって、植物由来の果汁及び食物纎維物質を全部利用した培養技術の適用と植物由来のビタミン、機能性多糖類を全部利用することができる形態に加工するための培養及び加工工程を提示し、純植物性食物纎維に微生物培養物が吸着されているので、口腔及び消化器管内で有害菌による利用が最大限に抑制され、有益菌の生育に選択的に活用されるので、口腔及び消化器管内のマイクロコスモにおいて有益菌優先の選択的生育をより強く誘導することにより、有益菌を主とするマイクロコスモを生成するようにしたのである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の果菜を約0.01~10mmの大きさに破砕するようにする破砕工程(S1)と、
破砕された果菜で、加圧、減圧抽出方式を通じて果汁を抽出し、繊維成分を濾過、分離させるようにする抽出分離工程(S2)と、
抽出分離工程(S2)で抽出、分離された果汁液は、滅菌過程を通じて微生物を滅菌させるようにする殺菌工程(S3)と、
殺菌された果汁液に水分を添加して、ブリックス(brix)1~25の範囲に合わせ、乳酸菌及びバチルスと酵母を接種し、培養液1リットル当たり、0.01~100gの酵母抽出物、0.001~10gのビタミン複合体、0.01~100gの炭酸カルシウム、0.01~100gの炭酸水素ナトリウム、0.01~100gの塩化マグネシウム、0.01~100gのグルコン酸亜鉛を添加して、12~120時間培養するようにする培養工程(S4)と、
培養工程(S4)で培養された培養液と微細に粉砕された乾燥纎維粉末を1:1~1:1.5の比率で組成、混合して、再培養を経る食物纎維及び多糖類バインダにバイオコロニーの形成を誘導する培養過程を1~48時間の間行うようにする混合培養工程(S5)と、
混合培養工程(S5)で混合再培養された培養物を凍結乾燥させるようにする凍結乾燥工程(S6)と、で構成される、ことを特徴とする純植物性微生物培養物の生産方法。
【請求項2】
抽出分離工程(S2)は、
抽出分離工程(S2)で抽出、分離された繊維成分の固形物を低温冷風乾燥方式を通じて乾燥させるようにするが、
固形物の性状の変化を最小化するために、5~28度の温度で48時間以上乾燥して水分率が約10~30%に乾燥するようにする乾燥工程(S2-1)と、
乾燥した固形物を微細な粉末形態に粉碎するようにする粉砕工程(S2-2)と、で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の純植物性微生物培養物の生産方法。
【請求項3】
培養工程(S4)で、乳酸菌類は、
Leuconostoc citreum、Leuconostoc lactis、Leuconostoc mesenteroides subsp.dextranicum、Leuconostoc mesenteroides subsp.Mesenteroides、Leuconostoc carnosum、Leuconostoc gellidum、Leuconostoc kimchii及びLeuconostoc inhaeの中で選択された1種以上のもの、
Lactobacillus paracasei、Lactobacills casei、Lacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus kimchii、Lactobacillus brevis、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.Lactis、Lactobacillus gassari、Streptococcus salivarius、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus ruburum、Weisella koreensis、Weisella cibaria、Weisella paramesenteroidesの中で選択された1種以上のもの、
バチルスは、Bacillus subtillis、Bacillus subtillis natto、Bacillus amyloliquegaciens、Bacillus subtillis sakei、Bacillus polyfermenticus及びBacillus pumilusの中で選択された1種以上のもの、
酵母類は、Candida mogii、Candida tropicalis、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces calsbergensisの中で選択された1種以上のものを含んで混合、接種するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の純植物性微生物培養物の生産方法。
【請求項4】
培養工程(S4)で培養された培養液を、使用用途と最終加工形態に応じて、液状状態の包装方式、凍結乾燥状態で包装する方式の何れか一つの状態で用いる方式を含んで構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の純植物性微生物培養物の生産方法。
【請求項5】
混合培養工程(S5)で混合、培養されたコロイド形態の培養物を、使用用途と加工形態に応じて包装して液状加工品で用いる方式を含んで構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の純植物性微生物培養物の生産方法。
【請求項6】
凍結乾燥工程(S6)で凍結乾燥されたされた乾燥物を、使用用途と加工形態に応じて、粉末化、液状化、丸、タブレット形態の何れか一つの形態に加工する方式を含んで構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の純植物性微生物培養物の生産方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純植物性微生物培養物を生産する方法に関し、特に、果菜類や穀物などの食物纎維及び多糖体物質を微生物の保存体及びコーティング成分の役割を果たす担体として活用して、純植物性微生物培養物を生産するように形成することにより、微生物の保存性と人畜内腸内拡張性及び定着性能を高めるための媒体として役割を果たす原料として活用し、微生物の培養時から食物纎維の纎維質及び纎維質の間に定着させることにより、生育向上と保存性向上及びビタミンなどの物質の含有及び保全性にまで効果を及ぼして、高品質の新型微生物培養物を生産するようにしたのである。
【背景技術】
【0002】
従来の乳酸菌などの食品、化粧品用、飼料用微生物培養物は、大部分乳糖体、乳タンパクを利用して培養した後、凍結乾燥方式などを利用して長期保管、接種可能な形態に変換して製品に利用されている。
【0003】
従来の乳酸菌の凍結乾燥において主に用いられる全脂粉乳、乳カゼイン等は、動物性原料として、種菌培養時には植物性乳酸菌を活用できるが、厳密に言うと、植物性培地に接種して発酵したのでないため、これは純植物性培養物と言えない。
【0004】
または、大豆タンパク質を利用して培養した後、これをさらに液状の乳酸菌飲料に製造する場合はあるが、これは、凍結乾燥に活用する例になれなく、また凍結乾燥を行う場合、バインダーまたは生菌の破壊を阻むための物質としてタンパク質を利用するため、これも純粋な植物性培養物と言いにくいのである。
【0005】
しかしながら、腸内細菌や体内に定着する微生物群は食物纎維や植物性多糖類によってさらに生存しやすく、定着環境の造成も食物纎維または植物性多糖類による効果がより高いことが多数の研究結果で現れたので、このような培養と生産に関する研究及び開発が必要な実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記した問題点を解決するために、本発明は、食物纎維または食物纎維由来の多糖類に直接微生物が吸着、生長してバイオコロニーを生成するように誘導し、これに基づいて、液状または凍結乾燥を通じて、胃腸内生存率を極大化し、腸内での増殖と定着を最大化することができる形態で培養及び加工過程を最適化して、完全に植物性原料のみを活用した新型微生物培養物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、植物の果菜を約0.01~10mmの大きさに破砕するようにする破砕工程と、
破砕された果菜で加圧または減圧抽出方式を通じて果汁を抽出し、繊維成分を濾過、分離させるようにする抽出分離工程と、
抽出分離工程で抽出、分離された果汁液は、滅菌過程を通じて微生物を滅菌させるようにする殺菌工程と、
殺菌された果汁液に水分を添加してブリックス(brix)1~25の範囲に合わせ、乳酸菌及びバチルスと酵母を接種し、培養液1リットル当たり、0.01~100gの酵母抽出物、0.001~10gのビタミン複合体、0.01~100gの炭酸カルシウム、0.01~100gの炭酸水素ナトリウム、0.01~100gの塩化マグネシウム、0.01~100gのグルコン酸亜鉛を添加して、12~120時間培養するようにする培養工程と、
培養工程で培養された培養液と微細に粉砕された乾燥纎維粉末を1:1~1:1.5の比率で組成、混合して、再培養を経る食物纎維及び多糖類バインダにバイオコロニー形成を誘導する培養過程を1時間~48時間行うようにする混合培養工程と、
混合培養工程(S5)で混合再培養された培養物を凍結乾燥させるようにする凍結乾燥工程と、で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上で説明したように、本発明は、まず植物で抽出した液状と食餌纎維成分を全部加工過程で利用して生菌を培養する原料として利用し、その他のミネラルと複合ビタミン成分などを除いた全ての原料を植物由来成分を利用して培養し、再び食物纎維をバインダーとして利用してこれに微生物を吸着、培養させてこれを凍結乾燥のバインダーまたは保持物質として活用することにより、完全な純植物性培養物を作り、これを微生物プロバイオティクスと食物纎維及び植物由来成分のプロバイオティクスの性質を全部持っているシンバイオティクスの新しい加工法を提供することができ、水に溶けやすい性質を持っていて、これを利用したその他の加工においても活用することができるという長所を有する有益な発明である。
【0009】
そして、本発明は、果菜類や穀物などの食物纎維及び多糖体物質を微生物の保存体及びコーティング成分の役割を果たす担体として活用して純植物性微生物培養物を生産するように形成することにより、微生物の保存性と人畜内腸内拡張性及び定着性能を高めるための媒体として役割を果たす原料として活用し、微生物の培養時から食物纎維の纎維質及び纎維質の間に定着させることにより、生育向上と保存性向上及びビタミンなどの物質の含有及び保全性にまで効果を及ぼして、高品質の新型微生物培養物を生産するようにした有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態を示したブロック図である。
図2a】本発明に係るシンバイオティクスの拮抗力を検定した結果の試験成績書の2の1ページである。
図2b】本発明に係るシンバイオティクスの拮抗力を検定した結果の試験成績書の2の2ページである。
図3】本発明に係るシンバイオティクスを口腔内に適用した試験結果である。
【0011】
まず、各図面の構成要素に参照符号を付け加える際において、同一構成要素に対してたとえ他の図面上に表示されてもなるべく同一符号を付けるようにしていることに留意すべきである。
【0012】
また、本発明を説明する際において、係わる公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳しく説明すれば、次の通りである。
【0014】
破砕工程(S1)
植物の果菜を約0.01~10mmの大きさに破砕するようにする。
【0015】
抽出分離工程(S2)
破砕された果菜で加圧または減圧抽出方式を通じて果汁を抽出して、繊維成分を濾過、分離させるようにする。
【0016】
乾燥工程(S2-1)
抽出分離工程(S2)で抽出、分離された繊維成分の固形物を低温冷風乾燥方式を通じて乾燥させるようにする。
【0017】
この時、固形物の褐変などの性状の変化を最小化するために、5~28度の温度で48時間以上乾燥して、水分率を約10~30%にする。
【0018】
粉砕工程(S2-2)
乾燥された固形物を微細な粉末形態に粉碎するようにする。
【0019】
殺菌工程(S3)
抽出分離工程(S2)で抽出、分離された果汁液は、加圧、加温滅菌または減圧低温滅菌過程を通じて微生物を滅菌させるようにする。
【0020】
培養工程(S4)
乳酸菌類は、Leuconostoc citreum、Leuconostoc lactis、Leuconostoc mesenteroides subsp.extranicum、Leuconostoc mesenteroides subsp.mesenteroides、Leuconostoc carnosum、Leuconostoc gellidum、Leuconostoc kimchii及びLeuconostoc inhaeの中で選択された1種以上のもの、
Lactobacillus paracasei、Lactobacills casei、Lacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus kimchii、Lactobacillus brevis、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.Lactis、Lactobacillus gassari、Streptococcus salivarius、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus ruburum、Weisella koreensis、Weisella cibaria、Weisella paramesenteroidesの中で選択された1種以上のもの、
バチルスは、Bacillus subtillis、Bacillus subtillis natto、Bacillus amyloliquegaciens、Bacillus subtillis sakei、Bacillus polyfermenticus及びBacillus pumilusの中で選択された1種以上のもの、
酵母類は、Candida mogii、Candida tropicalis、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces calsbergensisの中で選択された1種以上のものを含み、
殺菌された果汁液に水分を添加してブリックス(brix)1~25の範囲に合わせ、その後、培養液1リットル当たり、0.01~100gの酵母抽出物、0.001~10gのビタミン複合体、0.01~100gの炭酸カルシウム、0.01~100gの炭酸水素ナトリウム、0.01~100gの塩化マグネシウム、0.01~100gのグルコン酸亜鉛を添加して、12~120時間の間培養するようにする。
【0021】
この時、培養された培養液は、使用用途と最終加工形態によって、液状の状態で用いることができ、凍結乾燥することもできるが、必ず限定されるのではない。
【0022】
混合培養工程(S5)
培養工程(S4)で培養された培養液と、粉砕工程(S2-2)で微細に粉砕された乾燥纎維粉末を1:1~1:2の比率で組成、混合して、再培養を経る食物纎維及び多糖類バインダにバイオコロニーの形成を誘導する培養過程を1時間~48時間行うようにする。
【0023】
培養液と果菜の纎維粉末の混合の比率は、その用途に応じて多様な形態で添加して組成、混合することができ、混合された培養物の食物纎維物質が混合されている形態の液状加工品で用いることができる。
【0024】
このような形態の加工における長所は、食物纎維と多糖類の間に混在された微生物、ビタミンなどの物質は、混合バインダーと団結されたコロイド形態で存在するようになるので、それによって、多糖類コーティングまたは食物纎維の間の体液が抜け出る間に多孔質に存在するようになることにより、胃液などの外部刺激物質に死滅しにくく、腸内に円滑に供給され、生存性が向上されて腸内供給及び定着が円滑になる。
【0025】
凍結乾燥工程(S6)
混合培養工程(S5)で混合再培養された培養物を凍結乾燥されたさせるようにする。
【0026】
凍結乾燥された後には固形物の凍結乾燥物を攝取に有用な形態に粉末化、液状化、丸、タブレット形態に加工するために、適当な形態に粉砕加工すれば完了される。
【0027】
このような食物纎維及び植物性多糖類を主としたシンバイオティクスは、口腔及び消化器管内の微生物叢において食物纎維を基質として活用することができる菌株を優先的に占めることができるように誘導するので、それによって、食物競争及びバイオフィルムの生成において有益菌を主とする生育を主導し、培養に利用されたプロバイオティクス微生物がより容易に粘着、生育、拡散に到逹することができるようにする補助者の役割を果たす。
【0028】
また、既に食物纎維を利用した培養を通じて食物纎維と吸着されたプロバイオティクスは、口腔内環境及び消化器官(胃、腸、十二指膓)でより容易に適応可能で、それによってシンバイオティクスとしての効果が極大化されることができる。
【0029】
以下、本発明に係る真桑瓜を利用したシンバイオティクス培養物生産方法を、図2及び図3を参照して詳しく説明すれば次の通りである。
【0030】
まず、星州郡で生産された真桑瓜を等級外のプロデューサーを利用して洗浄した後破砕し、加圧搾汁機を利用して、果汁と固形物を分離した。
【0031】
搾汁された果汁に水分を添加してブリックス(brix)1~25の範囲に合わせた後、酵母抽出物、ビタミン複合体、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化マグネシウム、グルコン酸亜鉛を一部添加し、プロバイオティクス菌体を添加して3日間培養して、植物性原料培養液を得た。
【0032】
培養された原液をそのまま凍結乾燥しても食物纎維が多量に存在する形態に加工され得るが、最大限のシンバイオティクス効果を得るために、分離された固形物を、まず後で乾燥された固形物を加圧、加温滅菌または減圧低温滅菌を通じて滅菌し、低温冷風乾燥を通じて変色や変質を最大限に抑制した状態で乾燥過程を経た後、微細に破砕する。
【0033】
微細に破砕された固形物を培養液と混合して、そのまま凍結乾燥過程に移行するか、さらに1~2日間の培養過程を経た後、凍結乾燥過程を行う。
【0034】
その後、凍結乾燥された培養物を破砕して包装過程に移行する。
【0035】
この時、その他の補助物質として、オリゴ糖または他の甘味料、その他同じ工程で製造された食物纎維培養物を混合することができる。
【0036】
このように製造された複合微生物食物纎維シンバイオティクスを利用した有害菌抑制活性に対して、口腔内有害微生物であるアグリゲイティバクターアクチノミセテムコミタンス(Aggretibactor actinomycetemcomitans)、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、タンネレラフォーサイシア(Tannerella forsythia)、トレポネーマデンティコラ(Treponema denticola)菌に対する拮抗、抑制実験を行った。
【0037】
まず、ラミネート層構造に各有害菌株を培養して培養層を作り、これに複合微生物食物纎維シンバイオティクスを精製水に溶かしてラミネート層の上部に1日間培養した後、拮抗力を検定した結果を見れば図2通りである。
【0038】
それにより、1日間培養した後の変化を観察した結果は図2の通りである。
【0039】
アグリゲイティバクターアクチノミセテムコミタンス(Aggretibactor actinomycetemcomitans)に対して、90%以上の拮抗力を見せ、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)に対して30%以上の拮抗力、タンネレラフォーサイシア(Tannerella forsythia)に対して50%の拮抗力、トレポネーマデンティコラ(Treponema denticola)菌に約70%の直接拮抗力を見せた。また、直接口腔内に適用した試験結果は図3の通りである。
【0040】
図3は、30代後半の男性の口腔にシンバイオティクスを直接約2週間(2018.07.21~2018.07.30~2018.08.08)3回適用した後、口腔内微生物叢の変化を示した図で、PCR 分析を通じて表で示したものである。
【0041】
アグリゲイティバクターアクチノミセテムコミタンス(Aggretibactor actinomycetemcomitans)は完全に消えたことで表示されず、Pg(ポルフィロモナスジンジバリス)の場合、10^5から10^4で10分の1に減少し、Pgの減少によって、その他の菌が増加し、最終的に、2週後に全ての有害菌が減少した結果を図3を通じて分かることができる。
【0042】
これは、当該発明に複合有益菌食物纎維培養物が口腔内の有害細菌を抑制し、有益菌の優占を形成することができることを示す事例である。
【0043】
これは、口腔の微生物が結局腸内の微生物と関連されることを考慮する時、口腔や腸内で有益菌の優占状況を造成するにおいて当該発明の効果が非常に高いことを立証する資料である。
【0044】
以上の説明は、本発明の技術的思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であるはずである。
【0045】
したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術的思想を限定するためのものでなく、説明するためのものであって、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるのではない。
【0046】
本発明の保護範囲は特許請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることに解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
S1:破砕工程
S2:抽出分離工程
S2-1:乾燥工程
S2-2:粉砕工程
S3:殺菌工程
S4:培養工程
S5:混合培養
S6:凍結乾燥工程

図1
図2a
図2b
図3
【国際調査報告】