IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2022-545423リレー診断装置、リレー診断方法、バッテリーシステム及び電気車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】リレー診断装置、リレー診断方法、バッテリーシステム及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221020BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20221020BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/00 L
H02H7/18
H02J7/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510868
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2021006519
(87)【国際公開番号】W WO2021251653
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0069206
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン-イル
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053BA04
5G053DA01
5G053EC01
5G053FA05
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503FA06
5G503FA17
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
本発明によるリレー診断装置は、第1バッテリーモジュール及び第1ポジティブリレーを有する第1バッテリーパックと、第2バッテリーモジュール及び第2ポジティブリレーを有する第2バッテリーパックと、を含む並列パックアセンブリーのためのものであり、第1パック端子と第2パック端子との間に接続される診断スイッチ及び診断抵抗器を含む診断部と、第1バッテリーモジュールの電流を検出する第1検出器と、第2バッテリーモジュールの電流を検出する第2検出器と、第1及び第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ診断スイッチが閉動作状態である第1診断期間中に、第1検出器からの第1検出値及び第2検出器からの第2検出値を収集する制御部と、を含む。制御部は、第1検出値、第2検出値及び第1臨界値に基づき、第1ポジティブリレーの閉固着故障及び第2ポジティブリレーの閉固着故障を判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列で接続された第1バッテリーモジュール及び第1ポジティブリレーを有する第1バッテリーパックと、直列で接続された第2バッテリーモジュール及び第2ポジティブリレーを有する第2バッテリーパックと、を含む並列パックアセンブリーのためのリレー診断装置であって、
前記並列パックアセンブリーの第1パック端子と第2パック端子との間に直列で接続される診断スイッチ及び診断抵抗器を含む診断部と、
前記第1バッテリーモジュールを通して流れる電流である第1モジュール電流を検出するように構成される第1検出器と、
前記第2バッテリーモジュールを通して流れる電流である第2モジュール電流を検出するように構成される第2検出器と、
前記第1ポジティブリレー、前記第2ポジティブリレー、前記診断スイッチ、前記第1検出器及び前記第2検出器に動作可能に結合される制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1ポジティブリレー及び前記第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ前記診断スイッチが閉動作状態である第1診断期間中に、前記第1検出器からの第1検出値及び前記第2検出器からの第2検出値を収集し、
前記第1検出値と第1臨界値に基づき、前記第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定し、
前記第2検出値と前記第1臨界値に基づき、前記第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成される、リレー診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1検出値が前記第1臨界値よりも大きい場合、前記第1ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成される、請求項1に記載のリレー診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2検出値が前記第1臨界値よりも大きい場合、前記第2ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成される、請求項1または2に記載のリレー診断装置。
【請求項4】
前第1バッテリーモジュールの両端にかかった電圧である第1モジュール電圧を検出するように構成される第3検出器と、
前記第2バッテリーモジュールの両端にかかった電圧である第2モジュール電圧を検出するように構成される第4検出器と、をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のリレー診断装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1診断期間中に、前記第3検出器からの第3検出値及び前記第4検出器からの第4検出値を収集し、
前記第1ポジティブリレー及び前記第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ前記診断スイッチが開動作状態である第2診断期間中に、前記第3検出器からの第5検出値及び前記第4検出器からの第6検出値を収集し、
前記第1検出値、前記第3検出値、前記第5検出値、前記第1臨界値及び第2臨界値に基づき、前記第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定し、
前記第2検出値、前記第4検出値、前記第6検出値、前記第1臨界値及び前記第2臨界値に基づき、前記第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成される、請求項4に記載のリレー診断装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1検出値が前記第1臨界値よりも大きく、かつ前記第3検出値と前記第5検出値との差が前記第2臨界値よりも大きい場合、前記第1ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成される、請求項5に記載のリレー診断装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2検出値が前記第1臨界値よりも大きく、かつ前記第4検出値と前記第6検出値との差が前記第2臨界値よりも大きい場合、前記第2ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成される、請求項5に記載のリレー診断装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の前記リレー診断装置を含む、バッテリーシステム。
【請求項9】
請求項8に記載の前記バッテリーシステムを含む、電気車両。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載のリレー診断装置によって実行されるリレー診断方法であって、
前記制御部が、前記第1ポジティブリレー及び前記第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ前記診断スイッチが閉動作状態である第1診断期間中に、前記第1検出器からの第1検出値及び前記第2検出器からの第2検出値を収集する段階と、
前記制御部が、前記第1検出値及び第1臨界値に基づき、前記第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定する段階と、
前記制御部が、前記第2検出値及び前記第1臨界値に基づき、前記第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定する段階と、を含む、リレー診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列で接続された複数のバッテリーパックに各々設けられたリレーアセンブリーの故障を診断する技術に関する。
【0002】
本出願は、2020年6月8日出願の韓国特許出願第10-2020-0069206号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
電気車両などに搭載されるバッテリーシステムは、長距離走行などのような高容量の要求に答えて複数のバッテリーパックが並列で接続された並列パックアセンブリーを含み得る。
【0006】
各バッテリーパックと電気負荷との接続と分離を担当するリレーの故障を診断する必要がある。
【0007】
バッテリーシステムが単一のバッテリーパックのみを含む場合には、単一バッテリーパックに設けられたリレーにおける負荷側の接点の電圧に基づいてリレーの故障を検出し得る。
【0008】
しかし、並列パックアセンブリーにおいては、複数のバッテリーパックに各々設けられた複数のリレーの負荷側の接点が互いに共通して接続される。これによって、負荷側の接点の電圧に基づいて複数のリレーのうち少なくとも一つの故障を把握することはできるが、どのリレーが故障しているかは正確に識別することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、並列パックアセンブリーの複数のバッテリーパックに設けられた複数のリレーの故障有無を個別的に診断可能なリレー診断装置、リレー診断方法、バッテリーシステム及び電気車両を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一面によるリレー診断装置は、直列で接続された第1バッテリーモジュール及び第1ポジティブリレーを有する第1バッテリーパックと、直列で接続された第2バッテリーモジュール及び第2ポジティブリレーを有する第2バッテリーパックと、を含む並列パックアセンブリーのためのものである。リレー診断装置は、並列パックアセンブリーの第1パック端子と第2パック端子との間に直列で接続される診断スイッチ及び診断抵抗器を含む診断部と、第1バッテリーモジュールを通して流れる電流である第1モジュール電流を検出するように構成される第1検出器と、第2バッテリーモジュールを通して流れる電流である第2モジュール電流を検出するように構成される第2検出器と、第1ポジティブリレー、第2ポジティブリレー、診断スイッチ、第1検出器及び第2検出器に動作可能に結合される制御部と、を含む。制御部は、第1ポジティブリレー及び第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ診断スイッチが閉動作状態である第1診断期間中に、第1検出器からの第1検出値及び第2検出器からの第2検出値を収集するように構成される。また、制御部は、第1検出値と第1臨界値に基づき、第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成される。制御部は、第2検出値と第1臨界値に基づき、第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成される。
【0012】
制御部は、第1検出値が第1臨界値よりも大きい場合、第1ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成され得る。
【0013】
制御部は、第2検出値が第1臨界値よりも大きい場合、第2ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成され得る。
【0014】
制御部は、前第1バッテリーモジュールの両端にかかった電圧である第1モジュール電圧を検出するように構成される第3検出器と、第2バッテリーモジュールの両端にかかった電圧である第2モジュール電圧を検出するように構成される第4検出器と、をさらに含み得る。
【0015】
制御部は、第1診断期間中に、第3検出器からの第3検出値及び第4検出器からの第4検出値を収集するように構成され得る。制御部は、第1ポジティブリレー及び第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ診断スイッチが開動作状態である第2診断期間中に、第3検出器からの第5検出値及び第4検出器からの第6検出値を収集するように構成され得る。また、制御部は、第1検出値、第3検出値、第5検出値、第1臨界値及び第2臨界値に基づき、第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成され得る。制御部は、第2検出値、第4検出値、第6検出値、第1臨界値及び第2臨界値に基づき、第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定するように構成され得る。
【0016】
制御部は、第1検出値が第1臨界値よりも大きく、かつ第3検出値と第5検出値との差が第2臨界値よりも大きい場合、第1ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成され得る。
【0017】
制御部は、第2検出値が第1臨界値よりも大きく、かつ第4検出値と第6検出値との差が第2臨界値よりも大きい場合、第2ポジティブリレーを閉固着故障と判定するように構成され得る。
【0018】
本発明の他面によるバッテリーシステムは、リレー診断装置を含む。
【0019】
本発明のさらに他面による電気車両は、バッテリーシステムを含む。
【0020】
なお、本発明のさらに他面によるリレー診断方法は、リレー診断装置によって実行可能に提供される。リレー診断方法は、リレー診断方法は、制御部が、第1ポジティブリレー及び第2ポジティブリレーが開動作状態であり、かつ診断スイッチが閉動作状態である第1診断期間中に、第1検出器からの第1検出値及び第2検出器からの第2検出値を収集する段階と、制御部が、第1検出値及び第1臨界値に基づき、第1ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定する段階と、制御部が、第2検出値及び第1臨界値に基づき、第2ポジティブリレーが閉固着故障であるか否かを判定する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例のうち少なくとも一つによると、並列パックアセンブリーの複数のバッテリーパックに設けられた複数のリレーの故障有無を個別的に診断することができる。
【0022】
発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0023】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による電力システムの構成を例示した図である。
図2図1の第1検出器及び第2検出器の構成を例示した図である。
図3図1の第3検出器及び第4検出器の構成を例示した図である。
図4】第1実施例によるリレー診断方法を例示したフローチャートである。
図5】第2実施例によるリレー診断方法を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0026】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0027】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0028】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御部」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0029】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0030】
図1は、本発明による電力システムの構成を例示した図であり、図2は、図1の第1検出器及び第2検出器の構成を例示した図であり、図3は、図1の第3検出器及び第4検出器の構成を例示した図である。
【0031】
図1を参照すると、電力システム1は、例えば、エネルギー貯蔵システム、電気車両であり得る。電力システム1は、バッテリーシステム10、インバータ2及び電気負荷3を含む。電気負荷3は、例えば、電気モーターであり得る。
【0032】
バッテリーシステム10は、並列パックアセンブリー20及びリレー診断装置100を含む。バッテリーシステム10は、メインリレーアセンブリー(MR)をさらに含み得る。本明細書において、並列パックアセンブリー20とは、並列で接続された二つ以上のバッテリーパック、即ち、第1バッテリーパック21及び第2バッテリーパック22の並列回路を含むパック群を指す。
【0033】
メインリレーアセンブリーMRは、並列パックアセンブリー20に設けられた一対のパック端子P1、P2とインバータ2に設けられた一対の電力端子との間に接続され得る。メインリレーアセンブリーMRは、第1メインリレーMR1を含む。第1メインリレーMR1の両接点は、第1パック端子P1及び一対の電力端子のいずれか一つに各々接続される。メインリレーアセンブリーMRは、第2メインリレーMR2をさらに含み得る。第2メインリレーMR2の両接点は、第2パック端子P2及び一対の電力端子の残りの一つに各々接続される。
【0034】
インバータ2は、並列パックアセンブリー20から供給される直流電力を交流電力に変換して電気負荷3に供給する。
【0035】
第1バッテリーパック21は、第1バッテリーモジュール31及び第1リレーアセンブリー41を含む。第1バッテリーモジュール31は、電気的に直列及び/または並列で接続される複数のバッテリーセルを含む。
【0036】
第1リレーアセンブリー41は、第1バッテリーモジュール31に直列で接続される。第1リレーアセンブリー41は、第1ポジティブリレー41Aを含む。第1ポジティブリレー41Aの両接点は、第1バッテリーモジュール31の正極端子と第1パック端子P1に各々接続される。第1リレーアセンブリー41は、第1ネガティブリレー41Bをさらに含み得る。第1ネガティブリレー41Bの両接点は、第1バッテリーモジュール31の負極端子と第2パック端子P2に各々接続される。
【0037】
第2バッテリーパック22は、第2バッテリーモジュール32及び第2リレーアセンブリー42を含む。第2バッテリーモジュール32は、電気的に直列及び/または並列で接続される複数のバッテリーセルを含む。
【0038】
第2リレーアセンブリー42は、第2バッテリーモジュール32に直列で接続される。第2リレーアセンブリー42は、第2ポジティブリレー42Aを含む。第2ポジティブリレー42Aの両接点は、第2バッテリーモジュール32の正極端子と第1パック端子P1に各々接続される。第2リレーアセンブリー42は、第2ネガティブリレー42Bをさらに含み得る。第2ネガティブリレー42Bの両接点は、第2バッテリーモジュール32の負極端子と第2パック端子P2に各々接続される。
【0039】
第1バッテリーモジュール31及び第2バッテリーモジュール32の各バッテリーセルは、例えば、リチウムイオンセルのように反復的に充放電が可能であれば、その種類は特に限定されない。
【0040】
リレー診断装置100は、第1検出器110、第2検出器120、診断部150及び制御部160を含む。リレー診断装置100は、第3検出器130、第4検出器140及びインターフェース部170のうち少なくとも一つをさらに含み得る。
【0041】
診断部150は、第1パック端子P1と第2パック端子P2との間に接続される。診断部150は、互いに直列で接続される診断スイッチSWD及び診断抵抗器RDを含む。診断スイッチSWDとしては、例えば、電界効果トランジスター(FET:Field Effect Transistor)のような公知のスイチング素子が用いられ得る。診断部150は、メインリレーアセンブリーMRが開動作状態である場合、第1パック端子P1と第2パック端子P2との間の電流経路を提供する機能を担当し得る。
【0042】
第1検出器110は、第1バッテリーモジュール31を通して流れる電流である第1モジュール電流I1を検出するように構成される。第1検出器110は、第1バッテリーモジュール31の負極側ラインに設けられ得る。第1検出器110は、第1モジュール電流I1を示す検出信号S1を生成する。
【0043】
第2検出器120は、第2バッテリーモジュール32を通して流れる電流である第2モジュール電流I2を検出するように構成される。第2検出器120は、第2バッテリーモジュール32の負極側ラインに設けられ得る。第2検出器120は、第2モジュール電流I2を示す検出信号S1を生成する。
【0044】
図2を参照すると、第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含む場合、第1検出器110は、第1ネガティブリレー41Bに並列で接続され得る。第1検出器110は、第1抵抗器R1及び第1スイッチSW1を含み得る。第1抵抗器R1及び第1スイッチSW1の直列回路は、第1ネガティブリレー41Bに並列で接続され得る。第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含まない場合、第1スイッチSW1は、第1検出器110から除去されてもよい。この場合、第1抵抗器R1は、第1バッテリーモジュール31の負極端子と第2パック端子P2との間に直列で接続され得る。
【0045】
第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含む場合、第2検出器120は、第2ネガティブリレー42Bに並列で接続され得る。第2検出器120は、第2抵抗器R2及び第2スイッチSW2を含み得る。第2抵抗器R2及び第2スイッチSW2の直列回路は、第2ネガティブリレー42Bに並列で接続され得る。第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含まない場合、第2スイッチSW2は、第2検出器120から除去されてもよい。この場合、第2抵抗器R2は、第2バッテリーモジュール32の負極端子と第2パック端子P2との間に直列で接続され得る。
【0046】
第3検出器130は、第1バッテリーモジュール31の両端にかかった電圧である第1モジュール電圧V1を検出するように構成される。第3検出器130は、第1モジュール電圧V1を示す検出信号S3を生成する。図3を参照すると、第3検出器130は、第3スイッチSW3、第3抵抗器R3及び第4抵抗器R4を含み得る。第3スイッチSW3、第3抵抗器R3及び第4抵抗器R4の直列回路は、第1バッテリーモジュール31に並列で接続され得る。制御部160は、第1モジュール電圧V1を示す検出信号S3が生成されるように、第3スイッチSW3を閉動作状態に制御し得る。制御部160は、第3スイッチSW3が閉動作状態に制御される場合、第3抵抗器R3または第4抵抗器R4の両端にかかった電圧から第1モジュール電圧V1を決定し得る。閉動作状態は、電流の流れが許容されるON状態を指す。
【0047】
第4検出器140は、第2バッテリーモジュール32の両端にかかった電圧である第2モジュール電圧V2を検出するように構成される。第4検出器140は、第2モジュール電圧V2を示す検出信号S4を生成する。図3を参照すると、第4検出器140は、第4スイッチSW4、第5抵抗器R5及び第6抵抗器R6を含み得る。第4スイッチSW4、第5抵抗器R5及び第6抵抗器R6の直列回路は、第2バッテリーモジュール32に並列で接続され得る。制御部160は、第2モジュール電圧V2を示す検出信号S4が生成されるように、第4スイッチSW4を閉動作状態に制御し得る。制御部160は、第4スイッチSW4が閉動作状態に制御される場合、第5抵抗器R5または第6抵抗器R6の両端にかかった電圧から第2モジュール電圧V2を決定し得る。
【0048】
インターフェース部170は、制御部160と上位コントローラー4(例えば、ECU:Electronic Control Unit,電気制御装置)との有線通信または無線通信を支援するように構成される。上位コントローラー4は、電力システム1の全般的な動作を統合管理するように提供される。通信プロトコールの種類は特に限定されず、有線通信は、例えば、CAN(controller area network,コントローラエリアネットワーク)通信であり得、無線通信は、例えば、ジグビーやブルートゥース(登録商標)通信であり得る。インターフェース部170は、制御部160からのメッセージに対応する情報を使用者が認識可能な形態で提供するディスプレイや、スピーカーなどのような出力デバイスを含み得る。
【0049】
制御部160は、第1ポジティブリレー41A、第2ポジティブリレー42A、診断スイッチSWD、第1検出器110及び第2検出器120に動作可能に結合する。二つの構成が動作可能に結合するということは、単方向または双方向に信号を送受信可能に二つの構成が直・間接的に接続していることを意味する。制御部160は、第3検出器130、第4検出器140及びインターフェース部170に動作可能にさらに結合し得る。制御部160は、第1メインリレーMR1、第2メインリレーMR2、第1ネガティブリレー41B及び第2ネガティブリレー42Bに動作可能にさらに結合し得る。即ち、制御部160は、リレー診断装置100に含まれた各検出器からの検出信号を受信し、各リレー及び各スイッチのオン/オフを制御し得る。
【0050】
制御部160は、「制御回路」と称し得、ハードウェア的に、ASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor,デジタルシグナルプロセッサ)、DSPD(digital signal processing device,デジタル信号処理デバイス)、PLD(programmable logic device,プログラマブルロジックデバイス)、FPGA(field programmable gate array,フィールドプログラマブルゲートアレイ)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、その他の機能遂行のための電気的ユニットの少なくとも一つを用いて具現され得る。
【0051】
制御部160には、メモリーが内蔵され得る。メモリーには、後述する方法を行うためのプログラム及び各種データが保存され得る。メモリーは、例えば、フラッシュメモリー(登録商標)タイプ(flash(登録商標) memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、SSDタイプ(Solid State Disk type,ソリッドステートディスクタイプ)、SDDタイプ(Silicon Disk Drive type,シリコンディスクドライブタイプ)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、RAM(random access memory,ランダムアクセスメモリー)、SRAM(static random access memory,スタティックランダムアクセスメモリー)、ROM(read‐only memory,リードオンリーメモリー)、EEPROM(electrically erasable programmable read‐only memory,エレクトリカリーイレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリー)、PROM(programmable read‐only memory,プログラマブルリードオンリーメモリー)の少なくとも一つのタイプの保存媒体を含み得る。
【0052】
制御部160は、電力システム1に搭載された上位コントローラー4からの命令に応じて、メインリレーアセンブリーMRを開動作状態に制御し得る。開動作状態は、電流の流れが遮断されるオフ状態を称する。勿論、代案的に、メインリレーアセンブリーMRは、電力システム1によってオンオフ制御され得る。
【0053】
制御部160は、メインリレーアセンブリーMRが開動作状態に制御される間に、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aの少なくとも一つの故障を検出するための、後述する第1診断プロセス及び第2診断プロセスのうち一つを実行し得る。
【0054】
<第1診断プロセス>
第1診断プロセスは、第1検出器110及び第2検出器120を用いて、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aの各々の閉固着故障を診断するためのプロセスである。閉固着故障とは、接点の溶着などによって閉動作状態から開動作状態への転換が不可能になり、該当のリレーに開動作状態を命令する信号が入力されても、閉動作状態に維持される故障である。閉固着故障は「短絡回路故障」とも称し得る。
【0055】
第1診断プロセスは、リレー診断装置100が第3検出器130及び第4検出器140を含まない場合に活用され得る。
【0056】
制御部160は、上位コントローラー4からのリレー診断命令に応じて、第1診断期間の間、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aを開動作状態に制御し、診断スイッチSWDを閉動作状態に制御し得る。第1診断期間は、所定の時間の長さを有し得る。制御部160は、第1診断期間の間、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を閉動作状態に制御し得る。
【0057】
制御部160は、第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含む場合、第1診断期間の間、第1ネガティブリレー41Bを開動作状態に制御し得る。制御部160は、第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含む場合、第1診断期間の間、第2ネガティブリレー42Bを開動作状態に制御し得る。
【0058】
第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障である場合、第1診断期間の間、第1バッテリーモジュール31、第1ポジティブリレー41A、診断スイッチSWD、診断抵抗器RD及び第1検出器110による閉回路が形成される。これによって、0A(ampere)より大きい第1モジュール電流I1が第1検出器110を通して流れるようになる。
【0059】
第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障である場合、第1診断期間の間、第2バッテリーモジュール32、第2ポジティブリレー42A、診断スイッチSWD、診断抵抗器RD及び第2検出器120による閉回路が形成される。これによって、0Aより大きい第2モジュール電流I2が第2検出器120を通して流れるようになる。
【0060】
制御部160は、第1診断期間内に、検出信号S1及び検出信号S2に基づき、第1検出器110からの第1検出値及び第2検出器120からの第2検出値を収集(決定)する。第1検出値は、第1モジュール電流I1の大きさに比例し得る。第1検出値は、第1診断期間における第1抵抗器R1の両端にかかった電圧を示し得る。第2検出値は、第2モジュール電流I2の大きさに比例し得る。第2検出値は、第1診断期間における第2抵抗器R2の両端にかかった電圧を示し得る。
【0061】
制御部160は、第1検出値と第1臨界値に基づき、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であるか否かを判定し得る。制御部160は、第2検出値と第1臨界値に基づき、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障であるか否かを判定し得る。
【0062】
第1臨界値は、第1バッテリーモジュール31及び第2バッテリーモジュール32が各々第1診断期間の間に診断部150から電気的に完全に分離された状態であるかを確認するために活用される所定の値である。即ち、第1臨界値は、第1モジュール電流I1及び第2モジュール電流I2が各々第1ポジティブリレー41Aと第2ポジティブリレー42Aによって遮断された状態であるかを検出するのに利用される。
【0063】
第1ポジティブリレー41Aが正常に開動作状態に制御される場合、第1モジュール電流I1は、第1ポジティブリレー41Aによって完全に遮断され、第1抵抗器R1の両端にかかった電圧は0Vになる。また、第2ポジティブリレー42Aが正常に開動作状態に制御される場合、第2モジュール電流I2は、第2ポジティブリレー42Aによって完全に遮断され、第2抵抗器R2の両端にかかった電圧は0Vになる。したがって、第1臨界値は0Vに設定され得る。または、第1臨界値は、制御部160の電圧分解能及び/または測定ノイズを考慮して、0Vより大きい所定の値(例えば、0.01V)に設定されることも可能である。
【0064】
第1検出値が第1臨界値より大きいということは、第1ポジティブリレー41Aが開動作状態に制御されるうちにも、第1モジュール電流I1が流れていることを意味する。したがって、制御部160は、第1検出値が第1臨界値より大きい場合、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であると判定する。
【0065】
第2検出値が第1臨界値より大きいということは、第2ポジティブリレー42Aが開動作状態に制御されるうちにも、第2モジュール電流I2が流れていることを意味する。したがって、制御部160は、第2検出値が第1臨界値より大きい場合、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障であると判定する。
【0066】
<第2診断プロセス>
第2診断プロセスは、第1検出器110、第2検出器120、第3検出器130及び第4検出器140を用いて、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aの各々の閉固着故障を診断するためのプロセスである。第2診断プロセスは、リレー診断装置100が第3検出器130及び第4検出器140をさらに含む場合に活用され得る。勿論、リレー診断装置100が第3検出器130及び第4検出器140を含むとしても、第2診断プロセスの代わりに第1診断プロセスが実行され得る。
【0067】
第2診断プロセスを説明することにおいて、前述した第1診断プロセスと同じ用語についての反復的な説明は省略する。制御部160は、第1診断期間の間、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4を閉動作状態に制御し得る。
【0068】
制御部160は、第1診断期間内に、検出信号S1、検出信号S2、検出信号S3及び検出信号S4に基づいて、第1検出器110からの第1検出値、第2検出器120からの第2検出値、第3検出器130からの第3検出値及び第4検出器140からの第4検出値を決定する。第3検出値は、第1診断期間における第1バッテリーモジュール31の第1モジュール電圧V1を示し得る。第4検出値は、第1診断期間における第2バッテリーモジュール32の第2モジュール電圧V2を示し得る。
【0069】
制御部160は、第2診断期間の間、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aを開動作状態に制御し、診断スイッチSWDを開動作状態に制御し得る。第2診断期間は、第1診断期間の開始時点前または第1診断期間の終了時点後の、所定の時間長さを有する期間であり得る。
【0070】
制御部160は、第2診断期間の間、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4を閉動作状態に制御し得る。第2診断期間の間には、診断スイッチSWDが開動作状態に維持される。したがって、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であるとしても第1モジュール電流I1は遮断され、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障であるとしても第2モジュール電流I2は遮断される。
【0071】
制御部160は、第2診断期間内に、検出信号S3及び検出信号S4に基づいて、第3検出器130からの第5検出値及び第4検出器140からの第6検出値を決定する。第5検出値は、第2診断期間における第1バッテリーモジュール31の第1モジュール電圧V1を示し得る。第6検出値は、第2診断期間における第2バッテリーモジュール32の第2モジュール電圧V2を示し得る。第5検出値と第6検出値は各々、第1バッテリーモジュール31の開放電圧(OCV:open circuit voltage)と第2バッテリーモジュール32の開放電圧を示し得る。
【0072】
制御部160は、第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含む場合、第2診断期間の間、第1ネガティブリレー41Bを開動作状態に制御し、第1スイッチSW1を閉動作状態に制御し得る。
【0073】
制御部160は、第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含む場合、第2診断期間の間、第2ネガティブリレー42Bを開動作状態に制御し、第2スイッチSW2を閉動作状態に制御し得る。
【0074】
制御部160は、第1検出値、第1臨界値、第3検出値、第5検出値及び第2臨界値に基づき、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であるか否かを判定する。
【0075】
第2臨界値は、バッテリーの内部抵抗に関わる電圧降下現象に基づき、第1バッテリーモジュール31及び第2バッテリーモジュール32が各々、第1診断期間の間、診断部150から電気的に完全に分離した状態であるかを追加的に確認するために活用される所定の値である。電圧降下現象は、オームの法則によって、バッテリーの電流とバッテリーの内部抵抗との積に対応する大きさだけ、バッテリーの両端にかかった電圧が瞬間的に変化する現象である。
【0076】
第1ポジティブリレー41Aが正常に開動作状態に制御される場合、診断スイッチSWDが閉動作状態であるか、それとも開放動作状態であるかに関係なく、第1モジュール電流I1は遮断(例えば、0Aに維持)される。即ち、第1ポジティブリレー41Aが正常に開動作状態に制御される場合、診断スイッチSWDの動作状態が変更されても、第1モジュール電流I1による第1バッテリーモジュール31の電圧降下現象は発生しない。
【0077】
一方、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障である場合には、第1モジュール電流I1は遮断されない。したがって、診断スイッチSWDが開動作状態から閉動作状態へ、または閉動作状態から開動作状態へ切り換えられることに応じて、第1バッテリーモジュール31の第1モジュール電圧V1が瞬間的に変化する。
【0078】
第2ポジティブリレー42Aが正常に開動作状態に制御される場合、診断スイッチSWDが閉動作状態であるか、それとも開放動作状態であるかに関係なく、第2モジュール電流I2は遮断される。即ち、第2ポジティブリレー42Aが正常に開動作状態に制御される場合、診断スイッチSWDの動作状態が変更されても、第2モジュール電流I2による第2バッテリーモジュール32の電圧降下現象は発生しない。
【0079】
一方、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障である場合には、第2モジュール電流I2は遮断されない。したがって、診断スイッチSWDが開動作状態から閉動作状態へ、または閉動作状態から開動作状態へ切り換えられることに応じて、第2バッテリーモジュール32の第2モジュール電圧V2が瞬間的に変化する。
【0080】
第3検出値と第5検出値との差が第2臨界値より大きいということは、第1ポジティブリレー41Aによって第1モジュール電流I1が遮断されない状態であることを意味する。したがって、制御部160は、第1検出値が第1臨界値より大きく、第3検出値と第5検出値との差が第2臨界値より大きい場合、第1ポジティブリレー41Aを閉固着故障と判定する。
【0081】
第4検出値と第6検出値との差が第2臨界値より大きいということは、第2ポジティブリレー42Aによって第2モジュール電流I2が遮断されない状態であることを意味する。したがって、制御部160は、第2検出値が第1臨界値より大きく、第4検出値と第6検出値との差が第2臨界値より大きい場合、第2ポジティブリレー42Aを閉固着故障と判定する。
【0082】
制御部160は、第1診断プロセスまたは第2診断プロセスの終了後、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aが各々閉固着故障であるか否かを示す診断メッセージをインターフェース部170を介して上位コントローラー4に伝送し得る。上位コントローラー4は、診断メッセージが第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aの少なくとも一つが閉固着故障であることを示す場合、メインリレーアセンブリーMRに対する閉鎖禁止命令を制御部160に伝送し得る。
【0083】
図4は、第1実施例によるリレー診断方法を例示したフローチャートである。図4の方法は、前述した第1診断プロセスに対応する。
【0084】
図1図2及び図4を参照すると、段階S410で、制御部160は、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aを開動作状態に制御する。制御部160は、第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含む場合、第1ネガティブリレー41Bを開動作状態に制御し得る。制御部160は、第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含む場合、第2ネガティブリレー42Bを開動作状態に制御し得る。
【0085】
段階S420で、制御部160は、診断スイッチSWDを閉動作状態に制御する。
【0086】
段階S430で、制御部160は、第1検出器110からの第1検出値及び第2検出器120からの第2検出値を収集する。
【0087】
段階S440で、制御部160は、第1検出値が第1臨界値より大きいか否かを判定する。段階S440の値が「はい」である場合、段階S452に進む。段階S440の値が「いいえ」である場合、段階S454へ進む。
【0088】
段階S452で、制御部160は、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であることを示す第1値を第1フラグに設定する。
【0089】
段階S454で、制御部160は、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障ではないことを示す第2値を第1フラグに設定する。
【0090】
段階S460で、制御部160は、第2検出値が第1臨界値より大きいか否かを判定する。段階S460の値が「はい」である場合、段階S472へ進む。段階S460の値が「いいえ」である場合、段階S474へ進む。
【0091】
段階S472で、制御部160は、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障であることを示す第3値を第2フラグに設定する。第3値は、第1値と同一であり得る。
【0092】
段階S474で、制御部160は、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障ではないことを示す第4値を第2フラグに設定する。第4値は、第2値と同一であり得る。
【0093】
段階S480で、制御部160は、第1フラグ及び第2フラグを含む診断メッセージを出力する。診断メッセージは、インターフェース部170によって受信され得る。インターフェース部170は、診断メッセージに応じて、診断メッセージに対応する情報を使用者に出力し得る。インターフェース部170は、診断メッセージを上位コントローラー4に伝送し得る。
【0094】
図5は、第2実施例によるリレー診断方法を例示したフローチャートである。図5の方法は、前述した第2診断プロセスに対応する。
【0095】
図1図2図3及び図5を参照すると、段階S510で、制御部160は、第1ポジティブリレー41A及び第2ポジティブリレー42Aを開動作状態に制御する。制御部160は、第1リレーアセンブリー41が第1ネガティブリレー41Bを含む場合、第1ネガティブリレー41Bを開動作状態に制御し得る。制御部160は、第2リレーアセンブリー42が第2ネガティブリレー42Bを含む場合、第2ネガティブリレー42Bを開動作状態に制御し得る。
【0096】
段階S520で、制御部160は、診断スイッチSWDを閉動作状態に制御する。
【0097】
段階S522で、制御部160は、第1検出器110からの第1検出値、第2検出器120からの第2検出値、第3検出器130からの第3検出値及び第4検出器からの第4検出値を収集する。
【0098】
段階S530で、制御部160は、診断スイッチSWDを開動作状態に制御する。
【0099】
段階S532で、制御部160は、第3検出器130からの第5検出値及び第4検出器140からの第6検出値を収集する。
【0100】
段階S540で、制御部160は、第1検出値が第1臨界値より大きくて、第3検出値と第5検出値との差が第2臨界値より大きいか否かを判定する。段階 S540の値が「はい」である場合、段階S552へ進む。段階S540の値が「いいえ」である場合、段階S554へ進む。
【0101】
段階S552で、制御部160は、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障であることを示す第1値を第1フラグに設定する。
【0102】
段階S554で、制御部160は、第1ポジティブリレー41Aが閉固着故障ではないことを示す第2値を第1フラグに設定する。
【0103】
段階S560で、制御部160は、第2検出値が第1臨界値より大きく、第4検出値と第6検出値との差が第2臨界値より大きいか否かを判定する。段階 S560の値が「はい」である場合、段階S572へ進む。段階S560の値が 「いいえ」である場合、段階S574へ進む。
【0104】
段階S572で、制御部160は、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障であることを示す第3値を第2フラグに設定する。第3値は、第1値と同一であり得る。
【0105】
段階S574で、制御部160は、第2ポジティブリレー42Aが閉固着故障ではないことを示す第4値を第2フラグに設定する。第4値は、第2値と同一であり得る。
【0106】
段階S580で、制御部160は、第1フラグ及び第2フラグを含む診断メッセージを出力する。診断メッセージは、インターフェース部170によって受信され得る。インターフェース部170は、診断メッセージに応じて、診断メッセージに対応する情報を使用者に出力し得る。インターフェース部170は、診断メッセージを上位コントローラー4に伝達し得る。
【0107】
図4及び図5において、第1ポジティブリレー41Aを第2ポジティブリレー42Aより先に診断することに説明したが、これに限定されることではない。例えば、第2ポジティブリレー42Aを第1ポジティブリレー41Aよりも先に診断するか、または、第1ポジティブリレー41Aと第2ポジティブリレー42Aとを同時に診断してもよい。
【0108】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0109】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0110】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
【国際調査報告】