IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナショナル・インスティチュート・オブ・バイオロジカル・サイエンシズ,ベイジンの特許一覧

<>
  • 特表-前立腺炎の治療 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】前立腺炎の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20221020BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/4365 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/52 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20221020BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P13/08
A61K31/4178
A61K31/415
A61K31/4184
A61K31/4365
A61K31/428
A61K31/52
A61K45/06
A61K31/517
A61K31/18
A61P43/00 121
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511031
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2020108085
(87)【国際公開番号】W WO2021031893
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/101709
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516307666
【氏名又は名称】ナショナル・インスティチュート・オブ・バイオロジカル・サイエンシズ,ベイジン
(74)【代理人】
【識別番号】100113402
【弁理士】
【氏名又は名称】前 直美
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジユアン
(72)【発明者】
【氏名】レン, ヤン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084AA19
4C084AA20
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA81
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086BC39
4C086BC46
4C086BC50
4C086BC84
4C086CB07
4C086CB09
4C086CB26
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA13
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA81
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、RIP1、RIP3又はMLKLの阻害剤を含むネクロトーシス阻害剤を、それを必要とする男性に投与することを含む、前立腺炎の治療方法を提供する。本発明はまた、前立腺炎の治療のためのネクロトーシス阻害剤及び第二の異なる薬剤を含む医薬組成物を提供する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネクロトーシス阻害剤を、それを必要とする男性に投与することを含む、前立腺炎の治療方法。
【請求項2】
前記ネクロトーシス阻害剤が、RIP1、RIP3又はMLKL阻害剤である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ネクロトーシス阻害剤が、表1のRIP1阻害剤である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ネクロトーシス阻害剤が、表2のRIP3阻害剤である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ネクロトーシス阻害剤が、表3のMLKL阻害剤である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前立腺炎を治療するための第二の異なる薬剤を前記男性に投与することをさらに含む、請求項1、2、3、4又は5記載の方法。
【請求項7】
アルフゾシン、ドキサゾシン、シロドシン、タムスロシン、及びテラゾシンのような選択性α1遮断薬、フィナステリド及びデュタステリドのような5α還元酵素阻害剤、及びシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルのようなホスホジエステラーゼ5阻害剤から選択される、前立腺炎を治療するための第二の異なる薬剤を、前記男性に投与することをさらに含む、請求項1、2、3、4又は5記載の方法。
【請求項8】
前立腺炎を診断する先行工程、及び/又は結果的な前立腺炎の縮小又は反転を検出する後続工程をさらに含む、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の方法。
【請求項9】
前立腺炎の治療のための第二の異なる薬剤及びネクロトーシス阻害剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
前記異なる薬剤が、アルフゾシン、ドキサゾシン、シロドシン、タムスロシン、及びテラゾシンのような選択性α1遮断薬、フィナステリド及びデュタステリドのような5α還元酵素阻害剤、及びシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルのようなホスホジエステラーゼ5阻害剤から選択される、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
単位用量形態である、請求項9又は10記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序説
【0002】
受容体共役キナーゼ1(RIP1)のキナーゼ活性は、ネクロトーシス及び炎症の両方に必須である(Ofengeimら、2013)。RIP1、受容体共役キナーゼ3(RIP3)及び混合型キナーゼドメイン様タンパク質(MLKL)は、ネクロトーシス経路において鍵となるタンパク質である。RIP1-RIP3-MLKLカスケードの活性化は、サイトカインの腫瘍壊死因子ファミリーのシグナルを伝達し、細胞をネクロトーシス死に至らせる(Heら、2009;Sunら、2012)。壊死性細胞は、次に、炎症性応答を活性化し得る損傷関連分子パターン(DAMPs)を放出する(Pasparakisら、2015)。RIP1は、マクロファージ及びマウスにおいてLPSによって誘導される自然免疫応答を調節することもでき、これは、RIPK1及びRIPK3の両方のキナーゼ活性を要求するが、ネクロトーシスエフェクタータンパク質、MLKLを要求しない(Salehら、2017)。
【0003】
精嚢はマウスが老化するにつれて肥大することが知られている(Finchら、1974;Pettan-Brewerら、2011)。加齢した精巣において、精細管の細胞の枯渇が見い出された。男性については、男性生殖器系の加齢変化には、精巣組織の変化、前立腺の肥大(良性前立腺肥大症又はBPHと呼ばれる)が含まれることがある。BPHには、約50%の男性が罹患する。前立腺の体積は、40~49歳の5.5mlから70~80歳の11.1mlに増大し得る(Fukutaら、2011)。
【0004】
慢性の前立腺の炎症を含む前立腺炎の有病率(Nickel JC、2008; Gandaglia G、2013)は、男性総人口の2.2~9.7%の範囲であり(Kriegerら、2008)、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)と呼ばれる慢性非細菌性のもの(米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)により定義された前立腺炎のカテゴリーによるタイプIII)が、前立腺炎の約90%を占める。CP/CPPSは、原因不明の普通に見られる障害である。慢性前立腺炎の男性は、健康関連の生活の質の精神的及び身体的な領域で損失を経験する(McNaughton Collinsら、2001)。
【0005】
ネクロトーシス阻害、たとえばRIP3ノックアウト、MLKLノックアウト、ならびにRIP1阻害剤であるRIPA-56を用いる処理は、精嚢肥大、精細管細胞の喪失、精子産生の減退、及び生殖能力の減退から加齢マウスを保護することができる(Liら、2017);しかし、この著者らは、前立腺に対する効果を見出さなかった:「ヒトの生殖器の老化においてしばしば起こることとは異なり、前立腺の前方、背側、腹側、又は側方に明らかな解剖学的差異は認められなかった。」
【発明の概要】
【0006】
発明の概要
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
我々は、RIP1、RIP3及びMLKL阻害剤が前立腺炎を阻害することを開示し、ラット前立腺炎モデルにおける有効性を明らかにし、RIP1、RIP3及びMLKL阻害の前立腺炎における治療的適用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前立腺炎又はその症状もしくはマーカー(makers)を治療するための方法及び組成物を提供する。ある側面において、本発明は、ネクロトーシス阻害剤を、それを必要とする男性に投与することを含む、前立腺炎の治療方法を提供する。
【0009】
実施態様において:
【0010】
そのネクロトーシス阻害剤は、RIP1、RIP3又はMLKL阻害剤である;
【0011】
そのネクロトーシス阻害剤は、表1のRIP1阻害剤、表2のRIP3阻害剤、又は表3のMLKL阻害剤である;
【0012】
その方法は、アルフゾシン、ドキサゾシン、シロドシン、タムスロシン、及びテラゾシンのような選択性α1遮断薬、フィナステリド及びデュタステリドのような5α還元酵素阻害剤、及びシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルのようなホスホジエステラーゼ5阻害剤から選択される、前立腺炎を治療するための第二の異なる薬剤を、前記男性に投与することをさらに含む;及び/又は
【0013】
その方法は、前立腺炎を診断する先行工程、及び/又は結果的な前立腺炎の縮小又は反転を検出する後続工程をさらに含む。
【0014】
別の側面において、本発明は、アルフゾシン、ドキサゾシン、シロドシン、タムスロシン、及びテラゾシンのような選択性α1遮断薬、フィナステリド及びデュタステリドのような5α還元酵素阻害剤、及びシルデナフィル、バルデナフィル、及びタダラフィルのようなホスホジエステラーゼ5阻害剤から選択されるものなどの前立腺炎を治療するための第二の異なる薬剤及びネクロトーシス阻害剤を含む医薬組成物を提供する;及び/又は
【0015】
その組成物は単位用量形態である。
【0016】
本発明は、本明細書において説明される特定の実施態様のすべての組み合わせを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面の簡単な説明
【0018】
図1図1。前立腺の病理組織学的検査。A.シャム群。B.カラギーナン処理モデル群。C.RIPA-56(20mg/kg、i.p.、B.I.D)/カラギーナン処理群。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の特定の実施態様の説明
【0020】
以下の特定の実施態様及び実施例の記載は、説明のために提供されるものであり、限定のためのものではない。当業者は、本質的に同様の結果を得るために変更又は改変することができる様々な重要でないパラメータを認識するであろう。本明細書に引用されたすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それらにおける引用物を含め、すべての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。禁忌でない限り又は別段の記載がない限り、これらの記載において及び本出願全体を通じて、用語「a」及び「an」(一、1つの)は1つ又は複数を意味し、用語「or」(又は)は及び/又はを意味する。
【0021】
好適なRIP1、RIP3及びMLKL阻害剤は、当技術分野において公知であり、以下の参考文献及び代表的な阻害剤によって証明される:
【0022】
【表1】
【表2】
【表3】
【0023】
本方法及び組成物は、塩類、プロドラッグ類、立体異性体、アモルファス形態等を含む、あらゆる好適な形態及び用量単位でこれらの化合物を用いてもよい。
【0024】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物上に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒な酸又は塩基を用いて調製される活性化合物の塩類を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性形態を未処理で又は好適な不活性溶媒中で十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩もしくはマグネシウム塩、又はそれに類する塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、このような化合物の中性形態を未処理で又は好適な不活性溶媒中で十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などの無機酸に由来するもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸(p-tolylsulfonic)、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的無毒な有機酸に由来する塩が挙げられる。アルギン酸のようなアミノ酸などの塩、及びグルクロン酸又はガラクツノル酸(galactunoric acids)などの有機酸の塩なども挙げられる。本発明のある種の特定の化合物は、それらの化合物を塩基又は酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性及び酸性官能基の両方を含む。
【0025】
化合物の中性形態は、その塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することによって従来の方法で再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解性のようなある種の物理的特性が種々の塩形態と異なるが、それ以外は、それらの塩は、本発明の目的については化合物の親形態と等価である。
【0026】
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書において記載される化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で化学変化を起こして本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、エクスビボ環境下での化学的又は生化学的方法により本発明の化合物に変換されることができる。たとえば、プロドラッグは、好適な酵素又は化学試薬と共に経皮吸収パッチリザーバーに置かれた場合、本発明の化合物に徐々に変換されることができる。プロドラッグは、いくつかの状況においては、親薬剤よりも投与が容易であり得るため、しばしば有用である。それらは、たとえば親薬剤よりも経口投与による生物学的利用能が高い可能性がある。プロドラッグはまた、薬理学的組成物において親薬剤よりも改善された溶解性を有する可能性がある。プロドラッグの加水分解切断又は酸化的活性化に依存するものなどの、多様なプロドラッグ誘導体が当技術分野において公知である。制限されないが、プロドラッグの一例は、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、次いで代謝的に加水分解されて活性体であるカルボン酸となる本発明の化合物である。さらなる例としては、本発明の化合物のペプチジル誘導体が挙げられる。
【0027】
本発明のある種の化合物は、非溶媒和形態で、ならびに水和形態を含む溶媒和形態で、存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本発明のある種の化合物は、複数の結晶形態又はアモルファス形態で存在してもよい。一般に、すべての物理的形態は、本発明によって企図される用途について等価であり、本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0028】
本発明のある種の化合物は、非対称な炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体及び個別異性体はすべて、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0029】
「治療的(に)有効(な)量」という用語は、研究者、獣医師、医学博士又は他の臨床医により探索されている、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を、ある程度有意に誘起する対象化合物の量、たとえば、投与された場合、治療されている状態又は障害の1以上の症状の発生を防止するか、又はある程度軽減するのに十分であるような対象化合物の量を指す。治療的有効量は、化合物、疾患及びその重篤度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変化するであろう。
【0030】
本発明は、対象化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、特に単位用量の対象化合物を含むそのような組成物、特に(本明細書中の)適用される疾患又は状態を治療するための組成物の用途を記載する説明書と共包されたそのような組成物も提供する。
【0031】
投与のための組成物は、バルク液体溶液又は懸濁液、又はバルク粉末の形態をとることができる。しかし、より一般的には、組成物は、正確な投薬を容易にするために、単位用量形態で提示される。「単位用量形態」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳類のためのユニタリー用量として好適な物理的に区別された単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有する。典型的な単位用量形態としては、予め充填され予め計量された、液体組成物のアンプル又はシリンジ、又は固体組成物の場合はピル、錠剤、カプセル、ロゼンジなどが挙げられる。そのような組成物において、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%、又は好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは種々のビヒクル又は担体及び所望の投薬形態の形成に有用な加工助剤である。
【0032】
好適な賦形剤又は担体及び投与可能な組成物の調製方法は、当業者に公知又は明らかであり、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」、Mack Publishing Co, NJ (1991)のような刊行物により詳細に記載されている。さらに、化合物は、本明細書に記載されている又は当技術分野で公知の他の治療剤、特に他の抗壊死剤と組み合わせて有利に使用してもよい。それゆえ、組成物は、別個に投与し、共に投与し、又は単一用量単位に組み合わせて投与してもよい。
【0033】
投与される量は、化合物の剤形、投与経路などに依存し、一般にルーチンの臨床試験において経験的に決定され、標的、宿主、及び投与経路などに応じて必然的に変動が生ずるであろう。一般に、調製物の単位用量中の活性化合物の量は、特定の適用に従って、約1、3、10又は30から約30、100、300又は1000mgまで変動又は調整してもよい。特定の実施態様において、単位用量形態は、少なくとも6、9又は12の単位用量形態のシートを含むブリスターパックなど、連続使用に適合したマルチパックに包装される。用いられる実際の投与量は、患者の要求及び治療される状態の重篤度に依存して変動させてもよい。特定の状況に対する適正な投与量の決定は、当業者の技術力の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適投与量より少ない投与量で開始される。その後、投与量は、その状況下での最適な効果に達するまで、少量ずつ増加される。便宜上、望ましい場合は、1日の総投与量をその日中に分割して投与してもよい。
【0034】
化合物は、エアロゾル又は経皮によるような、非経口、局所、経口又は局所投与を含むがこれらに限定されない種々の方法によって、予防的及び/又は治療的処置のために投与することができる。また、当業者臨床医の知識に従って、投与された治療剤の患者に対する観察された効果の観点から、及び投与された治療剤に対する疾患の観察された応答の観点から、治療プロトコール(たとえば、投与量及び投与回数)を変動させることが可能である。
【0035】
本発明の治療薬は、患者の治療のための治療的に有効なプロトコールの過程で、治療的に有効な投与量及び量で投与することができる。より強力な化合物の場合、患者1kgあたりのマイクログラム(μg)量は、たとえば、約1、10又は100μg/kg~約0.01、0.1、1、10又は100mg/患者体重のkgの範囲で十分であり得るが、最適な投与量は化合物固有であり、一般に、各化合物について経験的に決定される。
【0036】
一般に、臨床試験におけるルーチンの実験により、各治療剤、各管理プロトコールについて最適な治療効果のための具体的な範囲が決定され、具体的な患者への投与も、患者の状態及び初期投与に対する応答性に応じて、有効かつ安全な範囲に調整されることになる。しかし、最終的な投与プロトコールは、患者の年齢、状態及び体格、ならびに化合物の強度、治療される疾患の重篤度などの要因を考慮し、担当臨床医の判断で調節されることになる。たとえば、化合物の投与量レジメンは、10mg~2000mg/日、好ましくは10~1000mg/日、より好ましくは50~600mg/日の経口投与を、2~4回(好ましくは2回)に分割した投薬とすることが可能である。また、間欠療法(たとえば、3週間のうち1週間、又は4週間のうち3週間)を用いてもよい。
【0037】
対象化合物は、単独で用いてもよく、又は他の治療剤と組み合わせて用いてもよい。したがって、組み合わせ療法は、少なくとも1つの薬学的に許容される結晶又はアモルファス形態の化合物及び少なくとも1つの他の治療活性剤の投与を含む。対象化合物及び他の治療活性剤(複数可)は、単一の医薬組成物中で一緒に投与されてもよく、別々に投与されてもよく、別々に投与される場合、これは同時に又は任意の順序で逐次行うことができる。対象化合物及び他の治療活性剤(複数可)の量及び投与の相対的なタイミングは、所望の複合治療効果を達成するために選択されるであろう。したがって、さらなる側面において、化合物の薬学的に許容される結晶又はアモルファス形態を、1つ又は複数の他の治療活性剤と共に含む組み合わせが提供される。
【0038】
本発明の化合物は、全身投与及び局所投与の両方を含む任意の好適な投与経路によって投与され得る。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与、及び吸入による投与が挙げられる。非経口投与とは、経腸、経皮、又は吸入以外の投与経路を指し、典型的には注射又は点滴による投与である。非経口投与としては、静脈内、筋肉内、及び皮下への注射又は点滴が挙げられる。吸入とは、口からの吸入であるか、鼻腔からの吸入であるにかかわらず、患者の肺への投与を指す。局所投与としては、皮膚への適用が挙げられる。
【0039】
本発明の化合物は、1回投与してもよく、所定の期間に多数の用量を様々な間隔で投与する投薬レジメンに従って投与してもよい。たとえば、用量は、1日当たり1回、2回、3回、又は4回投与してもよい。用量は、所望の治療効果が達成されるまで、又は所望の治療効果を維持するために無期限で、投与してもよい。本発明の化合物の好適な投薬レジメンは、その化合物の薬物動態学的特性、たとえば吸収、分布、及び半減期に依存し、これは当業者によって決定されることができる。さらに、本発明の化合物のための、そのようなレジメンが投与される期間を含む、好適な投薬レジメンは、治療される疾患又は障害、治療される疾患又は障害の重篤度、治療される患者の年齢及び身体状態、治療される患者の病歴、同時の療法の性質、所望の治療効果、及び当業者の知見及び専門性の範囲内の同様の要因に依存する。好適な投薬レジメンは、投薬レジメンに対する個々の患者の応答を考慮して、又は個々の患者のニーズの変化につれて経時的に、調整を必要とし得ることが、このような当業者にはさらに理解されるであろう。1日の総投与量は、1mg~2000mgの範囲である。
【0040】
療法における使用のために、本発明の化合物は、必ずしもそうではないが、通常、患者への投与前に、医薬組成物又は投与単位に製剤化される。したがって、本発明はまた、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に向けられている。本発明はまた、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む投与単位にも向けられている。
【0041】
本発明の医薬組成物又は投与単位は、本発明の化合物の有効量を引き出して、粉末、シロップ、注射用溶液などと共に患者に与えることができるバルク形態に調製及び包装されてもよい。あるいは、本発明の医薬組成物又は投与単位は、単位用量形態に調製及び包装されてもよい。経口適用の場合、たとえば、1つ以上の錠剤又はカプセルを投与してもよい。1用量の医薬組成物は、少なくとも治療的有効量の本発明の化合物を含む。単位用量形態に調製される場合、医薬組成物又は投与単位は、1mg~1000mgの対象化合物を含んでもよい。
【0042】
本明細書で提供されるように、1mg~1000mgの化合物を含む単位用量形態(医薬組成物又は投与単位)は、1日当たり1回、2回、3回又は4回、好ましくは1日当たり1回、2回又は3回、及びより好ましくは1日当たり1回又は2回投与してもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」とは、組成物に形態又は一貫性を与えることに関与する材料、組成物又はビヒクルを意味する。各賦形剤は、患者に投与された場合に本発明の化合物の有効性を実質的に低減させるような相互作用及び薬学的に許容されない医薬組成物をもたらすような相互作用が回避されるように、混合されたときに医薬組成物の他の成分と適合性でなければならない。さらに、各賦形剤は、当然ながら、薬学的に許容されるように十分に高い純度でなければならない。
【0044】
本発明の化合物及び薬学的に許容される賦形剤又は複数の賦形剤は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適合した投与形態に製剤化される。従来の投与形態としては、(1)錠剤、カプセル、カプレット、ピル、トローチ、粉末、シロップ、エリキシル、懸濁液、溶液、エマルジョン、サシェ及びカシェなどの経口投与に適合したもの;(2)滅菌溶液、懸濁液及び再構成用の粉末などの非経口投与に適合したもの;(3)経皮吸収パッチなどの経皮投与に適合したもの;(4)坐剤などの直腸投与に適合したもの;(5)エアロゾル及び溶液などの吸入に適合したもの;及び(6)クリーム、軟膏、ローション、溶液、ペースト、スプレー、フォーム、ゲルなどの局所投与に適合したものが挙げられる。
【0045】
好適な薬学的に許容される賦形剤は、選択された特定の投与形態によって変動する。さらに、好適な薬学的に許容される賦形剤は、それらが組成物において果たし得る特定の機能について選択されてもよい。たとえば、ある種の薬学的に許容される賦形剤は、均一な投与形態の製造を容易にする能力のために選択されてもよい。ある種の薬学的に許容される賦形剤は、安定な投与形態の製造を容易にする能力のために選択されてもよい。ある種の薬学的に許容される賦形剤は、いったん患者に投与された本発明の化合物又は複数の化合物を、ある器官又は身体の一部から、別の器官又は身体の一部へ運ぶ、又は輸送することを容易にする能力のために選択されてもよい。ある種の薬学的に許容される賦形剤は、患者のコンプライアンスを向上させる能力のために選択されてもよい。
【0046】
好適な薬学的に許容される賦形剤としては、以下のタイプの賦形剤:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶剤、共溶剤、懸濁剤、乳化剤、甘味料、香味剤、フレーバーマスキング剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、界面活性剤及び緩衝剤が挙げられる。当業者は、ある種の薬学的に許容される賦形剤は複数の機能を果たすことがあり、その賦形剤がその剤形中にどのくらい存在するか、及びその剤形中に他のどの成分が存在するかによって代替的な機能を果たし得ることを理解するであろう。当業者は、本発明で使用するために適切な量の好適な薬学的に許容される賦形剤を選択することを可能にする当技術分野の知識及び技術を有している。さらに、薬学的に許容される賦形剤を記載し、好適な薬学的に許容される賦形剤を選択する際に有用であり得る、当業者が利用可能な多くの情報源が存在する。例としては、レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)(Mack Publishing Company)、薬学的添加物のハンドブック(The Handbook of Pharmaceutical Additives)(Gower Publishing Limited)、及び薬学的賦形剤のハンドブック(The Handbook of Pharmaceutical Excipients)(the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)などが挙げられる。
【0047】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術及び方法を用いて調製される。当技術分野で一般的に使用される方法のいくつかは、レミントンの薬科学(前出)に記載されている。したがって、本発明の別の実施態様は、薬学的に許容される結晶形態の対象化合物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合する工程を含む医薬組成物又は投与単位を調製する方法である。
【0048】
一側面において、本発明は、有効量の本発明の化合物及び希釈剤又は充填剤を含む錠剤又はカプセルのような固体経口投与形態に向けられている。好適な希釈剤及び充填剤としては、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(たとえば、コーンスターチ、ポテトスターチ、及びアルファ化デンプン)、セルロース及びその誘導体(たとえば、微結晶セルロース)、硫酸カルシウム、及びリン酸水素カルシウムが挙げられる。経口固体投与形態は、結合剤をさらに含んでいてもよい。好適な結合剤としては、デンプン(たとえば、コーンスターチ、ポテトスターチ、及びアルファ化デンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアーガム、ポビドン、及びセルロース及びその誘導体(たとえば、微結晶セルロース)などが挙げられる。経口固体投与形態は、崩壊剤をさらに含んでいてもよい。好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、アルギン酸、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。経口固体投与形態は、潤滑剤をさらに含んでいてもよい。好適な潤滑剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びタルクが挙げられる。
【実施例
【0049】
実施例
【0050】
前立腺炎ラットの前立腺重量はRIPA-56処理により低減した
【0051】
実験的自己免疫性前立腺炎(EAP)モデル、加齢性前立腺炎モデル、ホルモン及び去勢誘発性前立腺炎モデル、及び化学性前立腺炎モデルを含む、慢性前立腺炎のいくつかの動物モデルが病因研究及び薬剤開発のために開発されている(Wang 及び Naveedら、2018)。カラギーナンは、げっ歯類モデルにおいて炎症及びそれに続く疼痛を誘発するために一般に使用される多糖であり、成体雄Sprague-Dawleyラットにおいて非細菌性前立腺炎を誘発することができる(Radhakrishnanら、2009; Zengら、2014)。我々のケースでは、前立腺はカラギーナン注射後に肥大し、前立腺湿潤重量は、647.8±93.7mgから864.9±133.2mgに増大した。モデル群の前立腺インデックス(前立腺湿潤重量/体重の比)は、シャム群よりも38%高かった。一方、RIP1阻害剤、RIPA-56(Renら、J Med Chem. 2017 Feb 9;60(3):972-986)での処理は、前立腺肥大及び浮腫に対し用量依存的な阻害を示した。前立腺インデックスは、12.5mg/kg及び25mg/kgのRIPA-56の腹腔内処理(B.I.D)により、2.15±0.30mg/gからそれぞれ1.99±0.41mg/g及び1.82±0.22mg/gへ低減することができる。
【0052】
フィナステリドは、5α還元酵素の選択的阻害剤であり、正常及び異常な前立腺の成長に関与する主要なアンドロゲンであるジヒドロテストステロン(DHT)へのテストステロンの変換を阻害することができる。したがって、フィナステリドは、成人男性の肥大した前立腺(BPH)を縮小させるために使用される(Smithら、2009)。我々の研究におけるコントロール化合物として、フィナステリドは、5mg/kg(B.I.D)の用量でラットに経口投与した場合、カラギーナン処理ラットの前立腺インデックスを23%低減することができる。慢性炎症及びBPHの患者は、いずれも前立腺の体積がより大きいことが示されている(Mishraら、2007; Gandagliaら、2013)。カラギーナンモデルにおけるラットの前立腺肥大に対するフィナステリドの阻害は、ヒトのBPH及び慢性前立腺炎とラットモデルとの類似性を示した。そして、ラットモデルにおけるRIP1阻害剤RIPA-56の有効性は、関連する前立腺疾患の治療にそれが有用であることを示した。
【0053】
ラット前立腺炎モデルの前立腺におけるTNFαの増大は、RIPA-56処理により阻害される
【0054】
前立腺液及び精液中の上昇したサイトカインは、前立腺炎の男性において頻繁に見い出される(Nadlerら、2000; Heら、2010)。前立腺分泌物中のIL-1β及びTNFαは、慢性前立腺炎の男性の評価の指標であり得ることが報告されている。慢性前立腺炎患者の前立腺圧出液(EPS)中のTNFα及びIL-10レベルは、タイプII及びタイプIIIaにおいてタイプIIIb及びコントロール群よりも有意に高かった。我々の研究において、カラギーナン前立腺疾患モデルラットの前立腺ホモジネート中のTNFαレベルは、シャム群よりも有意に高かった(3.04±2.28pg/mg対0.52±0.26pg/mg前立腺ホモジネートタンパク質)。そして、25mg/kgのRIPA-56の腹腔内注射(B.I.D)は、TNFαレベルを1.02±0.37pg/mgに劇的に低減することができる。
【0055】
慢性前立腺炎の治療のための、TNFα抗体であるMercureid(マーキュレイド)(MSC-428)のランダム化比較プラセボ-コントロール臨床研究により、患者の治療において、プラセボ(治療的有効性44%)と比較して薬剤Mercureidを適用した場合には治療的有効性74%であることが、前立腺分泌物中のTNFαの57%低減と共に示された(Drannikら、2019)。閉塞性BPHの患者におけるTNFαは、無症候性炎症性前立腺炎及び前立腺の石灰化のより高い発症率と関連することが見出された(Engelhardtら、2015)。我々の研究は、カラギーナンラット前立腺炎モデルの前立腺においてTNFαレベルを低減させることもできるRIP1阻害剤が、慢性前立腺炎及びBPH療法において潜在的な有効性を有することを示唆する。
【0056】
ラット全血中の白血球及び好中球パーセンテージ、及び血清中のラットTNFα、PSA、及び前立腺ホモジネート中のIL-1β、IL-6も測定された。しかし、シャム群及びモデル群間でも、化合物処理群とも明確な差異は見られなかった。
【0057】
RIPA-56はラット前立腺のカラギーナン誘発性炎症を阻害した
【0058】
前立腺炎は、多病因学的な前立腺の炎症であり、組織学的には、腺房又は管の周辺の間質性結合組織における多核細胞及び単核細胞浸潤(好中球、リンパ球、マクロファージ及び形質細胞)を特徴とする(Vykhovanetsら、2007);BPH患者の大部分は、BPH組織に浸潤する炎症細胞(リンパ球及びマクロファージも有していた。IPSSスコア及び前立腺体積は、前立腺の炎症の等級との強い相関を示した(Robertら、2009)。
【0059】
前立腺の腹側葉及び背側外側葉の病理組織学的検査により、前立腺内のカラギーナン注射が前立腺において組織過形成、管拡張、前立腺乳頭変形及び細胞壊死を誘導し、実験的自己免疫性前立腺炎(EAP)のラットモデル(Wangら、2015)と同様の炎症パターンを示すことが示された。リンパ球、単球及び好中球を含む増大した炎症細胞は、間充織内に拡散して蓄積した(図1、B)。炎症細胞浸潤又は浮腫は、シャム群には観察できなかったが、腺腔は規則的であった(図1、A)。RIPA-56処理ラットの前立腺における炎症性応答は、疾患モデル群よりも重篤ではなかった。わずかな炎症細胞のみが間質腔に見られた(図1、C)。RIPA-56は、カラギーナン誘発性前立腺疾患モデルにおいて抗炎症有効性を示した。α遮断薬タムスロシンは、前立腺及び膀胱において筋肉を緩めることによりBPHの症状を治療するために使用されるものであり、ラットEAPモデルにおいて部分的な抗炎症有効性をも示す(Wangら、2015)。
【0060】
代表的なRIP1阻害剤は前立腺肥大、TNFα増大及び前立腺炎症を阻害する
【0061】
RIPA-56の結果と一致して、N1-尿素ジヒドロピラゾール誘導体、及びN1-アミドジヒドロピラゾール誘導体(たとえばGSK’547)(Wangら、2018)を含むRIP1の例示的阻害剤は、前立腺肥大、TNFα増大及び前立腺炎症の縮小を含む、カラギーナン誘発性雄ラット前立腺疾患モデルに対する同様の有効性を有する。表1の化合物のための実験プロトコールは、RIPA-56について使用されたものに基づいていた。各阻害剤は、20mg/kg~100mg/kgの用量でカラギーナン処理の前に腹腔内又は経口でラットに投与された。カラギーナン及び阻害剤処理の7日後、ラット前立腺重量、TNFαレベル、及び前立腺炎症は、すべてカラギーナンモデル群と比較して阻害される。
【0062】
代表的なRIP3及びMLKL阻害剤は前立腺肥大、TNFα増大及び前立腺炎症を阻害する
【0063】
RIPA-56の結果と一致して、RIP3及びMLKLの例示的阻害剤は、前立腺肥大、TNFα増大及び前立腺炎症を含む、カラギーナン誘発性雄ラット前立腺疾患モデルに対する同様の有効性を有する。表2及び表3の化合物のための実験プロトコールは、RIPA-56について使用されたものに基づいていた。各阻害剤は、20mg/kg~100mg/kgの用量でカラギーナン処理の前に腹腔内又は経口でラットに投与された。カラギーナン及び阻害剤処理の7日後、ラット前立腺重量、TNFαレベル、及び前立腺炎症は、カラギーナンモデル群と比較して阻害される。
【0064】
実験動物
【0065】
成体雄Sprague-Dawleyラット(250~350g体重)を実験に使用した。すべての動物は、実験手順の前に1週間順応させた。
【0066】
カラギーナン誘導性ラット前立腺炎モデル
【0067】
すべてのSDラットを、異なる群:コントロール群、モデル群、及び化合物処理群にランダムに分けた(n=8~10)。カラギーナン又は生理食塩水の注射のために、ラットを4%抱水クロラールで麻酔し、仰臥位に固定した。次に、ラットの陰茎の上の下腹部を剃り、75%医療用アルコールの3回塗布を用いてこのエリアの皮膚を滅菌した。滅菌したエリアに、小さい正中線切開を作製し、次に膀胱及び前立腺を注意深く露出させた。30ゲージ針を用いて、50μlの3%カラギーナン(Sigma、MO、USA)又は生理食塩水(シャム群)の滅菌懸濁液を、前立腺の左右両方の腹葉に注射した。異なる用量のRIPA-56(12.5mg/kg、25mg/kg、IP)又はフィナステリド(5mg/kg、PO)を、カラギーナン注射の前(-17分)及び後(12時間ごとに1回)にラットに投与した。一方、等量の溶剤を、腹腔内及び経口でコントロールラットに注射した。
【0068】
全血及び血清の収集
【0069】
カラギーナン注射の7日後、ラットの全血を集め、白血球カウント及び好中球パーセンテージについて解析した。血液の一部を微量遠心管に集め、室温で30分間、凝血させ、次に3500rpmで10分間遠心分離した。次に血清(上清)を移し、使用時まで-80℃の冷凍庫で保管した。
【0070】
前立腺重量の評価
【0071】
カラギーナン注射の7日後、ラットを犠牲にし、前立腺を収穫した。前立腺の腹側葉及び背側外側葉を、尿道結合で管を切断することにより除去し、除去直後に計量した。前立腺インデックス(前立腺湿潤重量/体重の比)を算出した。
【0072】
前立腺ホモジネート又は血清中のラットTNFα、IL-1β及びIL-6の測定
【0073】
ラット前立腺の一部を計量し、細胞溶解緩衝液(100mgの組織あたり500μlの緩衝液)と混合し、FastPrep-24ホモジナイザー(MP Biomedicals)を使用してホモジナイズした。この組織ホモジネートを、13,000rpmで10分間遠心分離した。上清を集め、ブラッドフォードタンパク質アッセイ法で総タンパク質濃度を測定した。サンプルは調製の間中4℃に維持した。サイトカインのレベルは、ラットTNFα、IL-1β及びIL-6 ELISAキット(Biolegend又はProteinTech)を使用して決定し、前立腺タンパク質濃度に対して正規化した。
【0074】
組織学的解析
【0075】
組織学的解析のために、前立腺の一部分を10%中性緩衝ホルマリン中で24時間固定し、エタノール中で脱水し、キシレン中で透明化し、パラフィンブロック中に包埋した。5マイクロメーターの切片を切り出し、接着(adhesion)顕微鏡スライドに載せ、次にヘマトキシリン-エオシン(H&E)で染色した。各スライドを、動物群を知らない独立した研究者が、顕微鏡を使用して3つの異なるエリアでランダムに評価した。
【0076】
活性RIP1阻害剤
5-((1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチル-2-チオキソイミダゾリジン-4-オン (Nec-1)
(S)-フェニル(5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-イル)メタノン
5-((1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチル-2-チオキソイミダゾリジン-4-オン (Nec-1s)
3-メチル-5-((7-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル)イミダゾリジン-2,4-ジオン
(R)-5-((7-クロロ-1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン
(R)-5-((7-クロロ-1H-インドール-3-イル)メチル)-3-(4-(3-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イルエチニル)-4-メチルフェニル)ブチル)イミダゾリジン-2,4-ジオン (ポナチニブ-Nec1s)
(S)-2,2-ジメチル-1-(5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オン (GSK963)
(S)-2,2-ジメチル-1-(5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オン
(S)-1-(4-(5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-カルボニル)ピペリジン-1-イル)エタノン
(S)-2,2-ジメチル-1-(5-(ピリジン-2-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オン
(S)-1-(4-(5-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-カルボニル)ピペリジン-1-イル)エタノン
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド
(S)-5-ベンジル-N-(8-クロロ-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-7-(1H-テトラゾール-5-イル)-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド
8-ブロモ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド (GSK481)
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b]-[1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド (GSK2982772)
1-(4-(4-アミノフロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)フェニル)-3-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)尿素(Cpd27)
3-メチル-5-((7-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル)イミダゾリジン-2,4-ジオン
(R)-5-((7-クロロ-1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン
3-ベンジル-6,7-ジヒドロ-3H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(5H)-オン
N-(3-クロロ-2,6-ジフルオロベンジル)-4-シクロプロピル-1,2,3-チアジアゾール-5-カルボキサミド
(S)-N-(1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチル)-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキサミド
(S)-N-(1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エチル)-4-シクロプロピル-1,2,3-チアジアゾール-5-カルボキサミド
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
N-(4-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
N-(2,4-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
N-(3,4-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(2,3,4-トリフルオロベンジル)ブタンアミド
N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ブタンアミド
N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(2,3,5-トリフルオロベンジル)ブタンアミド
(2-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-1-イル)(1-(トリフルオロメチル)シクロペンチル)メタノン
(2-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-1-イル)(1-(トリフルオロメチル)シクロブチル)メタノン
(S)-1-(2,2-ジメチルブト-3-エノイル)-4-フェニルアゼチジン-2-オン
(S)-2,2-ジメチル-1-(2-フェニルアゼチジン-1-イル)ブト-3-イン-1-オン
(S)-1-(2,2-ジメチルブタノイル)-4-フェニルアゼチジン-2-オン、
RIP1阻害剤 1~151及びS1~S20、表1; WO2016/101885
RIP1阻害剤 1~78及びS1~S17、表1; WO2016/101887
【0077】
活性RIP3阻害剤
tert-ブチル 2-(4-(5-(メチルカルバモイル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)フェニル)アセテート (GSK’840)
3-(ベンゾ[d]チアゾール-5-イル)-7-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン(GSK’843)
N-(6-(イソプロピルスルホニル)キノリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-5-アミン (GSK’872)
N-[3-[5-(2-アミノ-4-ピリミジニル)-2-(1,1-ジメチルエチル)-4-チアゾリル]-2-フルオロフェニル]-2,6-ジフルオロ-ベンゼンスルホンアミド (ダブラフェニブ)
3-(2-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イルエチニル)-4-メチル-N-[4-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-ベンズアミド(ポナチニブ)
5-[[4-[(2,3-ジメチル-2-H-インダゾール-6-イル)メチルアミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-2-メチル-ベンゼンスルホンアミド (パゾパニブ)
【0078】
活性MLKL阻害剤
(2E)-N-[4-[[(3-メトキシ-2-ピラジニル)アミノ]スルホニル]フェニル]-3-(5-ニトロ-2-チエニル)-2-プロペンアミド (ネクロスルホンアミド(Necrosulfonamide))
1,3,7-トリメチル-8-(メチルスルホニル)-1H-プリン-2,6(3H,7H)-ジオン (TC13-4)
(2,5-ジメトキシベンジルスルホニル)-1,3,7-トリメチル-1H-プリン-2,6(3H,7H)-ジオン (TC13-58)
7-エチル-1,3-ジメチル-8-(メチルスルホニル)-1H-プリン-2,6(3H,7H)-ジオン (TC13-74)
1,7-ジメチル-8-(メチルスルホニル)-3-(プロプ-2-イニル)-1H-プリン-2,6(3H,7H)-ジオン (TC13-106)
2-(1,7-ジメチル-8-(メチルスルホニル)-2,6-ジオキソ-1H-プリン-3(2H,6H,7H)-イル)アセトニトリル (TC13-107)
3-(3-(3-クロロフェニル)プロプ-2-イン-1-イル)-8-((シクロプロピルメチル)スルホニル)-1,7-ジメチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン (TC13-119)
8-((2,5-ジメトキシベンジル)スルホニル)-1,7-ジメチル-3-(3-(2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)プロプ-2-イン-1-イル)-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン (TC13-127)
3-(3-(3-ヒドロキシフェニル)プロプ-2-イン-1-イル)-1,7-ジメチル-8-(メチルスルホニル)-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン (TC13-172)
3-((4-(メチル(4-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド (化合物1)
シリーズ1 MLKL阻害剤 1~176; 表1; シリーズ2 MLKL阻害剤 1~120、表2; WO2018/157800
【0079】
参考文献
【0080】
Drannik, G., Gorpinchenko, I., Kurchenko, A. 及び Gusev, S. (2019) “Efficacy study of new drug Mercureid (MSC-428) in anti-TNFα therapy for chronic prostatitis". Acta Scientific Cancer Biology 3(5), 09-16.
【0081】
Engelhardt, P., Seklehner, S., Brustmann, H., Riedl, C., Lusuardi, L. (2015) Tumor necrosis factor-α expression in patients with obstructive benign prostatic hyperplasia is associated with a higher incidence of asymptomatic inflammatory prostatitis NIH category IV and prostatic calcification Scand J Urol. 49(6), 472-478.
【0082】
Finch, C.E., 及び Girgis, F.G. (1974). Enlarged seminal vesicles of senescent C57BL-6J mice. J Gerontol 29, 134-138.
【0083】
Fukuta, F., Masumori, N., Mori, M. 及び Tsukamoto T. (2011) Internal prostatic architecture on transrectal ultrasonography predicts future prostatic growth natural history of prostatic hyperplasia in a 15-year longitudinal community-based study. Prostate 71, 597-603.
【0084】
Gandaglia, G., Briganti, A., Gontero, P., Mondaini, N., Novara, G., Salonia, A., Sciarra, A. 及び Montorsi, F. (2013) The role of chronic prostatic inflammation in the pathogenesis and progression of benign prostatic hyperplasia (BPH). BJU Int. 112, 432-441.
【0085】
He, L., Wang, Y., Long, Z. 及び Jiang, C. (2010) Clinical significance of IL-2, IL-10, and TNF- in prostatic secretion of patients with chronic prostatitis. Urology 75, 654-657.
【0086】
He, S., Wang, L., Miao, L., Wang, T., Du, F., Zhao, L., Wang, X. (2009) Receptor interacting protein kinase-3 determines cellular necrotic response to TNF-alpha. Cell 137(6), 1100-1111.
【0087】
Krieger, J., Lee, S., Jeon, J., Cheah, P., Liong, M. 及び Riley, D. (2008) Epidemiology of prostatitis. Int J Antimicrob Agents 31(suppl 1), S85-S90.
【0088】
Li, D., Meng, L., Xu, T., Su, Y., Liu, X., Zhang, Z., 及び Wang, X. (2017) RIPK1-RIPK3-MLKL-dependent necrosis promotes the aging of mouse male reproductive system. eLife 6, e27692.
【0089】
McNaughton Collins, M., Pontari, M., O’Leary, M., Calhoun, E., Santanna, J., Landis, J., Kusek, J. 及び Litwin, M. (2001) Quality of life is impaired in men with chronic prostatitis: the Chronic Prostatitis Collaborative Research Network. J Gen Intern Med. 16(10), 656-662.
【0090】
Mishra, V.C., Allen, D.J., Nicolaou, C. Sharif, H., Hudd, C., Karim, O.M.A., Motiwala, H. G. 及び Laniado, M. E. (2007) Does intraprostatic inflammation have a role in the pathogenesis and progression of benign prostatic hyperplasia? BJU Int. 100, 327-331.
【0091】
Nadler, R., Koch, A., Calhoun, E., Campbell, P., Pruden, D., Bennett, C., Yarnold, P. 及び Schaeffer, A. (2000) IL-1beta and TNF-alpha in prostatic secretions are indicators in the evaluation of men with chronic prostatitis. J Urol. 164(1), 214-218.
【0092】
Nickel, J., Roehrborn, C., O’Leary, M., Bostwick, D., Somerville, M. 及び Rittmaster, R. (2008) The relationship between prostate inflammation and lower urinary tract symptoms: examination of baseline data from the REDUCE trial. Eur Urol 54, 1379-1384.
【0093】
Ofengeim, D. 及び Yuan, J. (2013) Regulation of RIP1 kinase signalling at the crossroads of inflammation and cell death. Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 14, 727-736.
【0094】
Pasparakis, M. 及び Vandenabeele, P. (2015) Necroptosis and its role in inflammation. Nature 517, 311-320.
【0095】
Pettan-Brewer, C., 及び Treuting, P.M. (2011). Practical pathology of aging mice. Pathobiol Aging Age Relat Dis. 1.
【0096】
Radhakrishnan, R., Nallu, R. (2009) Development and characterisation of a novel animal model of prostate inflammation-induced chronic pelvic pain. Inflammopharmacology 17(1), 23-28.
【0097】
Robert, G., Descazeaud, A., Nicolaiew, N., Terry, S., Sirab, N., Vacherot, F., Maille, P., Allory, Y. 及び Taille, A. (2009) Inflammation in benign prostatic hyperplasia: a 282 patients' immunohistochemical analysis. Prostate 69 (16), 1774-1780.
【0098】
Saleh, D., Najjar, M., Zelic, M., Shah, S., Nogusa, S., Polykratis, A., Paczosa, M., Gough, P., Bertin, J., Whalen, M., ら. (2017) Kinase Activities of RIPK1 and RIPK3 Can Direct IFN-β Synthesis Induced by Lipopolysaccharide. J Immunol. 198(11), 4435-4447.
【0099】
Smith, A. 及び Carson, C. (2009) Finasteride in the treatment of patients with benign prostatic hyperplasia: a review. Ther Clin Risk Manag. 5, 535-545.
【0100】
Sun, L., Wang, H., Wang, Z., He, S., Chen, S., Liao, D., Wang, L., Yan, J., Liu, W., Lei, X., Wang, X. (2012) Mixed lineage kinase domain-like protein mediates necrosis signaling downstream of RIP3 kinase. Cell 148 (1-2), 213-227.
【0101】
Vykhovanets, E., Resnick, M., MacLennan, G. 及び Gupta, S. (2007) Experimental rodent models of prostatitis: limitations and potential. Prostate Cancer and Prostatic Diseases 10, 15-29.
【0102】
Wang, W., Marinis, J., Beal, A., Savadkar, S., Wu, Y., Khan, M., Taunk, P., Wu, N., Su, W., Wu, J. ら. (2018) RIP1 kinase drives macrophage-mediated adaptive immune tolerance in pancreatic cancer. Cancer Cell 34 (5), 757-774.
【0103】
Wang, W., Naveed, M., Baig, M., Abbas, M. 及び Zhou, X. (2018) Experimental rodent models of chronic prostatitis and evaluation criteria. Biomedicine & Pharmacotherapy 108, 1894-1901
【0104】
Wang, X., Zhong, S., Xu, T., Xia, L., Zhang, X., Zhu, Z., Zhang, M. 及び Shen, Z. (2015) Histopathological classification criteria of rat model of chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome. Int Urol Nephrol. 47(2), 307-316.
【0105】
Zeng, F., Chen, H., Yang, J., Wang, L., Cui, Y., Guan, X., Wang, Z., Niu, J., Zu, X., Qi, L., Zhang, X., Tang, Z., 及び Liu, L. (2014) Development and validation of an animal model of prostate inflammation-induced chronic pelvic pain: evaluating from inflammation of the prostate to pain behavioral modifications. PLoS ONE 9(5), e96824.

図1
【国際調査報告】