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特表2022-545467T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤との併用療法および関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤との併用療法および関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20221020BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20221020BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221020BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221020BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20221020BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20221020BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20221020BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20221020BHJP
【FI】
A61K35/17 Z
A61K45/00
A61K31/5377
A61K31/7076
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K31/675
A61K31/443
C12N5/10 ZNA
C07K19/00
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511201
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020047537
(87)【国際公開番号】W WO2021035194
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/890,607
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/024,502
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/037,584
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516316897
【氏名又は名称】ジュノー セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】フィルヴァロフ エレン
(72)【発明者】
【氏名】フォックス ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】モハン アディティ
(72)【発明者】
【氏名】ニューホール ケイティ
(72)【発明者】
【氏名】オルソン ネルス エリック
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065BD25
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC202
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC73
4C086DA35
4C086EA18
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087CA04
4C087MA02
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZB27
4C087ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045EA20
(57)【要約】
がんを有するまたは有する疑いのある対象を処置するための、免疫療法および細胞療法、例えば養子細胞療法、例えばT細胞療法と、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤の使用とを伴う併用療法の方法、使用および製造品、ならびに関連する方法、使用、および製造品を提供する。T細胞療法は、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、がんを処置する方法:
(1)がんを有する対象に、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を投与する工程であって、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する、工程と;
(2)該対象にzesteホモログ2エンハンサー(enhancer of zeste homolog 2)(EZH2)の阻害剤を投与する工程。
【請求項2】
がんを有する対象にzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与する工程を含む、がんを処置する方法であって、該対象が、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を投与される候補であるかまたはそれを投与されている、方法。
【請求項3】
キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を、がんを有する対象に投与する工程を含む、該対象におけるがんを処置する方法であって、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、該対象が、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与されているかまたは投与される予定である、方法。
【請求項4】
以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を用いてがんを処置する方法:
(a)対象由来の腫瘍生検試料中の
(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合、
該対象を、細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象にT細胞療法を投与する工程。
【請求項5】
以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法とを用いてがんを処置する方法:
(a)対象由来の腫瘍生検試料中の
(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該対象を、処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象に、EZH2阻害剤およびT細胞療法を投与する工程。
【請求項6】
以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の腫瘍生検試料中の、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり;該対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法の投与を受ける予定であり、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、該腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程。
【請求項7】
対象がEZH2阻害剤による処置のために選択される場合、選択された対象に、EZH2阻害剤およびT細胞療法を投与する工程をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
対象がEZH2阻害剤による処置のために選択されない場合、T細胞療法のみを対象に投与する工程のみを含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
遺伝子参照値が、
(a)がんを有しない対象の集団、または
(b)がんを有しておりT細胞療法を投与された対象の集団であって、T細胞療法の投与後に部分奏効(PR)または完全奏効(CR)を示し続けた対象の集団
における1つまたは複数の遺伝子の平均レベルまたは量の25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である、請求項4~8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
がんを有する対象の集団が、T細胞療法の投与後、PRまたはCRを少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、またはそれ以上示し続けた、請求項9記載の方法。
【請求項11】
以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を用いてがんを処置する方法:
(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合、
該対象を、細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象にT細胞療法を投与する工程。
【請求項12】
以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法とを用いてがんを処置する方法:
(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象に、EZH2阻害剤およびT細胞療法を投与する工程。
【請求項13】
以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程であって、
該対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法の投与を受ける予定であり、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、該腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤およびT細胞療法による処置のために選択する工程。
【請求項14】
T細胞療法が、対象に対して自家である細胞を含む、請求項1~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
T細胞療法を対象に投与する前に、該対象から収集された生体試料由来の自家細胞からエクスビボでT細胞療法を生産し、任意で、該生体試料が、アフェレーシス産物であるかまたはそれを含む、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
T細胞療法のT細胞が、生体試料の自家細胞に由来する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
T細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
生体試料の収集後かつEZH2阻害剤および/またはT細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、請求項15~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
リンパ球枯渇療法が、T細胞療法の投与開始の2~7日前に終了する、請求項17または請求項18記載の方法。
【請求項20】
腫瘍生検試料が、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる、請求項4~19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される、請求項17~20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤の投与が、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する、請求項17~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始の約4週間前~T細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
EZH2阻害剤が、
T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後
の時点での該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~20、および22のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、T細胞療法の投与開始の2日または約2日前の時点での該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始前約5日以内または約5日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始前約2日以内または約2日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始前約1日以内または約1日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
EZH2阻害剤が、
T細胞療法の投与開始と同時または同日の該阻害剤の投与開始;および/または
T細胞療法と同時および/またはT細胞療法と同日のEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与
を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始の遅くとも2日後の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与され、任意で、該投与レジメンが、T細胞療法の投与開始後1日以内の該阻害剤の投与開始を含む、請求項3、5、7、9、10、12、および13~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
EZH2阻害剤が、T細胞療法の投与開始の少なくとも7日前、少なくとも5日前、少なくとも2日前、または少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む投与レジメンで投与される、請求項3、5、7、9、10、12、13~30、および32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
T細胞療法の投与が、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む、請求項1~33のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
T細胞療法が、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、請求項1~34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
T細胞療法が、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、請求項1~35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
T細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞が、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞、および/または、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
CARが、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインとITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、請求項1~37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
抗原が、B細胞抗原であり、任意で、抗原が、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30の中から選択される、請求項1~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む、請求項38または請求項39記載の方法。
【請求項41】
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激性のシグナル伝達領域をさらに含む、請求項38~40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
共刺激性のシグナル伝達領域が、CD28または4-1BBの、任意でヒトCD28またはヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
リンパ球枯渇療法が、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む、請求項17~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
(i)リンパ球枯渇療法が、2~4日間、任意で3日間の、約200~400mg/m2、任意で300mg/m2または約300mg/m2(両端の値を含む)のシクロホスファミド、および/または約20~40mg/m2、任意で30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含むか、リンパ球枯渇療法が、約500mg/m2のシクロホスファミドの投与を含む;および/または
(ii)リンパ球枯渇療法が、3日間の、300mg/m2または約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む;および/または
リンパ球枯渇療法が、3日間の、500mg/m2または約500mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む、
請求項17~43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
EZH2阻害剤が、1日当たり約800mgの該阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
EZH2阻害剤が、1日当たり約1600mgの該阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~44のいずれか一項記載の方法。
【請求項47】
EZH2阻害剤が、1日当たり約2400mgの該阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~44のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
前記阻害剤が、1つまたは複数の用量の該阻害剤を含む投与レジメンで投与され、用量が、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mgである、請求項1~3、5、7、9、10、12、および13~44のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
EZH2阻害剤が、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~44、および48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
前記阻害剤が、一日ごとに3用量(1日3回の投与)を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~44、および48のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である、請求項48~50のいずれか一項記載の方法。
【請求項52】
前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgである、請求項48~51のいずれか一項記載の方法。
【請求項53】
前記阻害剤の各用量が、800mgまたは約800mgである、請求項48~51のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~32、および34~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~32、および34~54のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~32、および34~55のいずれか一項記載の方法。
【請求項57】
投与レジメンが、対象が完全奏効を示すまでまたは対象が病勢進行を示すまでの、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~32、および34~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
投与レジメンが、対象が臨床的寛解を示したらEZH2阻害剤の投与を中断する工程を含む、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~32、および34~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
EZH2阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205、GSK343、GSK126、およびバレメトスタット(DS-3201b)からなる群の中から選択される、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~58のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
EZH2阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)である、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~59のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
EZH2阻害剤が、CPI-1205である、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~59のいずれか一項記載の方法。
【請求項62】
がんが、固形腫瘍である、請求項1~61のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
がんが、血液悪性腫瘍である、請求項1~61のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
がんが、B細胞悪性腫瘍である、請求項1~61および63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
がんが、骨髄腫、白血病またはリンパ腫である、請求項1~61、63、および64のいずれか一項記載の方法。
【請求項66】
がんが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、または大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項1~61および63~65のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
がんが、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1~61および63~66のいずれか一項記載の方法。
【請求項68】
NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、任意でDLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである、請求項67記載の方法。
【請求項69】
EZH2阻害剤による処置のための対象を、DLBCL、任意でDLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として選択する工程を含む、請求項1~3、5、7、9、10、12、13~68のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
対象が、がんを処置するための先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった、請求項1~69のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
がんが、T細胞療法単独による処置に抵抗性である、請求項1~70のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、対象の腫瘍微小環境(TME)に浸潤することができるCAR発現T細胞の数を増加させる;および/または
処置された複数の対象において、細胞療法のCAR発現T細胞の腫瘍微小環境(TME)への浸潤が、前記阻害剤の投与を伴わない方法と比較して増加する、
請求項1~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
腫瘍生検試料が、リンパ節生検である、請求項1~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
対象が、ヒトである、請求項1~73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるポリヌクレオチドのレベルまたは量である、請求項4~10および14~74のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
1つまたは複数の第1の遺伝子が、EZH2である、請求項4~10および14~75のいずれか一項記載の方法。
【請求項77】
1つまたは複数の第1の遺伝子が、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ(S. cerevisiae))(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ(Drosophila))(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
1つまたは複数の第1の遺伝子が、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
1つまたは複数の第1の遺伝子が、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、T細胞マーカー、任意でCD3εである、請求項4~10および14~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、CCL21、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、PDCD1、LAG3、TIGIT、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、FYN、TXK、ZBP1、TMEM71、KIAA1551、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~82のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様(sex comb on midleg-like)4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス(C. elegans))(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA 239(LINC00239);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
1つまたは複数の第2の遺伝子が、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4~10および14~84のいずれか一項記載の方法。
【請求項86】
1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74および86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74、86、および87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、およびLINC00239からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74および86~88のいずれか一項記載の方法。
【請求項90】
1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74および86~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、FYN、TXK、ZBP1、TMEM71、およびKIAA1551からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74および86~90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項11~74および86~91のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、PDCD1、LAG3、およびTIGITからなる群より選択される複数の遺伝子を含む、請求項4~10および14~92のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
複数の遺伝子が、約2個~約150個の遺伝子、約10個~約150個の遺伝子、約20個~約150個の遺伝子、約50個~約150個の遺伝子、約100個~約150個の遺伝子、約2個~100個の遺伝子、約10個~約100個の遺伝子、約20個~約100個の遺伝子、約50個~約100個の遺伝子、約2個~約50個の遺伝子、約10個~約50個の遺伝子、約20個~約50個の遺伝子、約2個~約20個の遺伝子、約10個~約20個の遺伝子、約2個~約10個の遺伝子を含む、請求項11~74および86~93のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
遺伝子セット中の複数の遺伝子が、5個もしくは約5個の遺伝子、10個もしくは約10個の遺伝子、20個もしくは約20個の遺伝子、50個もしくは約50個の遺伝子、100個もしくは約100個の遺伝子、または150個もしくは約150個の遺伝子である、請求項11~74および86~94のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
遺伝子セット発現が、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む方法によって判定される、請求項11~74および86~95のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月22日に出願された「T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤との併用療法および関連方法(COMBINATION THERAPY OF A T CELL THERAPY AND AN ENHANCER OF ZESTE HOMOLOG 2 (EZH2) INHIBITOR AND RELATED METHODS)」という名称の米国仮特許出願第62/890,607号、2020年5月13日に出願された「T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤との併用療法および関連方法(COMBINATION THERAPY OF A T CELL THERAPY AND AN ENHANCER OF ZESTE HOMOLOG 2 (EZH2) INHIBITOR AND RELATED METHODS)」という名称の米国仮特許出願第63/024,502号、および2020年6月10日に出願された「T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤との併用療法および関連方法(COMBINATION THERAPY OF A T CELL THERAPY AND AN ENHANCER OF ZESTE HOMOLOG 2 (EZH2) INHIBITOR AND RELATED METHODS)」という名称の米国仮特許出願第63/037,584号の優先権を主張するものであり、これらの内容は、すべての目的のために参照によりそれらの全体が組み入れられる。
【0002】
配列表の参照による組み入れ
本出願は、電子的フォーマットでの配列表と一緒に提出されている。配列表は、735042021440SeqList.TXT(2020年8月6日作成、サイズ:36,864バイト)と題されるファイルとして提供される。配列表の電子的フォーマットでの情報は参照によりその全体が組み入れられる。
【0003】
分野
本開示は、いくつかの局面では、白血病およびリンパ腫などのがんを有する対象を処置するための、免疫療法または細胞療法、例えば、T細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(enhancer of zeste homolog 2)(EZH2)の阻害剤の使用とを伴う併用療法の方法および使用、ならびに関連する方法、使用および製造品に関する。T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現する細胞を含む。
【背景技術】
【0004】
背景
がんを処置するための免疫療法および細胞療法、例えば、養子免疫療法(関心対象の疾患または障害に特異的なキメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)および/または他の組換え抗原受容体を発現する細胞の投与を伴うもの、ならびに他の養子免疫細胞療法および養子T細胞療法を含む)に様々な戦略が利用可能である。がんのサブセットは、そのような療法に対して抵抗性であるか、または抵抗性を発生する。それゆえ、例えば、この抵抗性に打ち勝ち、そのような方法の有効性を高めるために、改善された方法が必要とされている。そのような必要性を満たす方法および使用が提供される。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書において、NHLまたはそのサブタイプなどのがんを有するまたは有する疑いのある対象を処置するための併用療法を伴う方法が提供される。該方法および他の態様は、一般に、免疫療法または細胞療法である療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤とを対象に投与する工程を伴う併用に関する。いくつかの局面では、提供される方法は、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に結合する抗原結合ドメインを含むCAR発現T細胞などのT細胞療法の投与を伴う。
【0006】
本明細書において、がんを有する対象に、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を投与する工程であって、CARが、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する、工程と;対象に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与する工程とを含む、がんを処置する方法が提供される。
【0007】
本明細書において、がんを有する対象にzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与する工程を含む、がんを処置する方法であって、対象が、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を投与される候補であるかまたはそれを投与されている、方法が提供される。
【0008】
本明細書において、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を、がんを有する対象に投与する工程を含む、がんを処置する方法であって、CARが、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、対象が、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与されているかまたは投与される予定である、方法が提供される。
【0009】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始の14日または約14日前から、細胞療法の投与開始の14日または約14日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、細胞療法の投与開始の7日または約7日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、細胞療法の投与開始の1日または約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、2日または約2日前の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量は、細胞療法と同時におよび/または細胞療法と同日に投与される。
【0010】
いくつかの態様では、該方法は、対象の腫瘍微小環境(TME)に浸潤することができるCAR発現T細胞の数を増加させる。
【0011】
いくつかの態様では、細胞療法は、対象に対して自家である細胞を含む。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞を含む生体試料は、対象から収集される。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞を含む生体試料は、リンパ球枯渇療法の前に対象から収集される。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、細胞療法のT細胞は、生体試料の自家細胞に由来する。いくつかの態様では、細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後かつEZH2阻害剤および/または細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集およびEZH2の投与開始後に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、細胞療法の投与は、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞;約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞;約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞;または約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法の投与は、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法の投与は、約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法の投与は、約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法の投与は、約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD3+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD4+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD8+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている。
【0012】
いくつかの態様では、細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞は、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞、および/または、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む。いくつかの態様では、細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞は、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む。いくつかの態様では、比は、1:1であるかおよそ1:1である。いくつかの態様では、比は、およそ1:3~およそ3:1である。
【0013】
いくつかの態様では、細胞療法は、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されており、細胞療法の投与は、複数の別々の組成物を投与することを含み、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第1の組成物とCD4+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第2の組成物とを含む。
【0014】
いくつかの態様では、第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞は、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比で存在する;および/または、第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在し、その比は、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である。いくつかの態様では、第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在する。いくつかの態様では、第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在する。いくつかの態様では、比は、1:1であるかおよそ1:1である。いくつかの態様では、比は、およそ1:3~およそ3:1である。
【0015】
いくつかの態様では、細胞療法は、1×105個もしくは約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞、1×106個もしくは約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106個もしくは約5×106個~1×108個の総CAR発現T細胞、1×107個もしくは約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、または5×107個もしくは約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞(それぞれ両端の値を含む)の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×105個または約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×106個または約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、5×106個または約5×106個~1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×107個または約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、5×107個または約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。
【0016】
いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×105個もしくは少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×105個もしくは少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも5×105個もしくは少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも1×106個もしくは少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×106個もしくは少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも5×106個もしくは少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも1×107個もしくは少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×107個もしくは少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも5×107個もしくは少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも1×108個もしくは少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×108個もしくは少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞、または少なくとも5×108個もしくは少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×105個または少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×105個または少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×105個または少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×106個または少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×106個または少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×106個または少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×107個または少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×107個または少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×107個または少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×108個または少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×108個または少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×108個または少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。
【0017】
いくつかの態様では、細胞療法は、5×107個または約5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×108個または約1×108個のCAR発現細胞の投与を含む。
【0018】
いくつかの態様では、CARは、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインとITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの態様では、抗原は、腫瘍抗原であるか、またはがんの細胞上に発現されている。いくつかの態様では、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、これはCAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、これはNY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;これはFc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、Lewis Y、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマの優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、これは5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、これはTYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、これはドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)の中から選択される。いくつかの態様では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30の中から選択される。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。
【0019】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、共刺激性のシグナル伝達領域をさらに含む。いくつかの態様では、共刺激性のシグナル伝達領域は、CD28または4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激性のシグナル伝達領域は、CD28または4-1BBの、任意でヒトCD28またはヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、CD28のシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、ヒトCD28のシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、ヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。
【0020】
いくつかの態様では、該方法は、阻害剤の投与開始前に、対象に対して自家である細胞を含む生体試料を対象から収集する工程を含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。
【0021】
いくつかの態様では、該方法は、細胞療法の投与前に、リンパ球枯渇剤またはリンパ球枯渇療法を対象に投与する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法が終了した後に対象に投与される。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、細胞療法の投与開始の2~7日前に完了する。
【0022】
いくつかの態様では、細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後かつ細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、細胞療法の投与開始の2~7日前に終了する。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られる。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する。
【0023】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、シクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンおよびシクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、2~4日間、任意で3日間の、約200~400mg/m2、任意で300mg/m2または約300mg/m2(両端の値を含む)のシクロホスファミド、および/または約20~40mg/m2、任意で30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含むか、リンパ球枯渇療法は、約500mg/m2のシクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、3日間の、300mg/m2または約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む;および/または、リンパ球枯渇療法は、3日間の、500mg/m2または約500mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む。
【0024】
いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前5日以内または約5日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前2日以内または約2日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前1日以内または約1日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始と同時または同日である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後であり、任意で、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。
【0025】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始の約4週間前~細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、2日または約2日前の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始と同時または同日での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同時でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同日でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも7日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも5日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも2日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。
【0026】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する。
【0027】
いくつかの態様では、阻害剤の用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg、100mgまたは約100mgから、1200mgまたは約1200mg、100mgまたは約100mgから、800mgまたは約800mg、100mgまたは約100mgから、400mgまたは約400mg、100mgまたは約100mgから、200mgまたは約200mg、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mg、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg、200mgまたは約200mgから、800mgまたは約800mg、200mgまたは約200mgから、400mgまたは約400mg、400mgまたは約400mgから、1600mgまたは約1600mg、400mgまたは約400mgから、1200mgまたは約1200mg、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg、800mgまたは約800mgから、1600mgまたは約1600mg、800mgまたは約800mgから、1200mgまたは約1200mg、1200mgまたは約1200mgから、1600mgまたは約1600mg(それぞれ両端の値を含む)の阻害剤の量である。いくつかの態様では、用量は、約200mgである。いくつかの態様では、用量は、約400mgである。いくつかの態様では、用量は、約800mgである。
【0028】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約800mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約1600mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約2400mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。
【0029】
いくつかの態様では、阻害剤は、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、800mgまたは約800mgである。
【0030】
いくつかの態様では、阻害剤は、一日ごとに3用量(1日3回の投与)を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、800mgまたは約800mgである。
【0031】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大5ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大4ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象が完全奏効を示すまで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象が病勢進行を示すまで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、対象が臨床的寛解を示したら中断される。
【0032】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2および/または変異型EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、変異型EZH2を阻害し、任意で、該変異は、機能獲得変異である。
【0033】
いくつかの態様では、EZH2は、Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679Mの中から選択される1つまたは複数の変異を含む。いくつかの態様では、変異は、リジン27でのヒストン3のトリメチル化を増加させる。
【0034】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型および/または変異型EZH2に対して1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満もしくは約1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満、または5nM未満もしくは約5nM未満である半最大阻害濃度(IC50)でEZH2を阻害する。いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、EZH1に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い、任意で、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0035】
いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205、GSK343、GSK126、およびバレメトスタット(DS-3201b)からなる群の中から選択される。いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)である。いくつかの態様では、阻害剤は、CPI-1205である。いくつかの態様では、阻害剤は、GSK343である。いくつかの態様では、阻害剤は、GSK126である。いくつかの態様では、阻害剤は、バレメトスタット(DS-3201b)である。いくつかの態様では、がんは、固形腫瘍である。いくつかの態様では、固形腫瘍は、膀胱がん、乳がん、黒色腫、または前立腺がんである。いくつかの態様では、固形腫瘍は、前立腺がんである。いくつかの態様では、前立腺がんは、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である。
【0036】
いくつかの態様では、がんは、血液悪性腫瘍である。いくつかの態様では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様では、がんは、骨髄腫、白血病またはリンパ腫である。いくつかの態様では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、大細胞型B細胞リンパ腫である。
【0037】
いくつかの態様では、がんは、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの態様では、NHLは、濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの態様では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない。
【0038】
いくつかの態様では、対象は、DLBCLを有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、DLBCL様遺伝子発現シグネチャを伴う処置前腫瘍生検を有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、細胞療法による処置後3ヶ月目の病勢進行(PD)応答に関連する処置前腫瘍生検遺伝子発現シグネチャを有する対象として、処置のために選択される。
【0039】
いくつかの態様では、該方法は、EZH2阻害剤による処置のための対象を、DLBCLを有する対象として選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、EZH2阻害による処置のための対象を、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、DLBCL様遺伝子発現シグネチャを伴う処置前腫瘍生検を有する対象を選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、細胞療法による処置後3ヶ月目の病勢進行(PD)応答に関連する処置前腫瘍生検遺伝子発現シグネチャを有する対象を選択する工程を含む。
【0040】
いくつかの態様では、対象は、がんを処置するための先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった。いくつかの態様では、がんは、細胞療法単独による処置に抵抗性である。
【0041】
いくつかの態様では、がんは、細胞療法単独による処置に抵抗性である。いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現ならびに/またはY641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637AおよびV679Mの中から選択される1つもしくは複数の変異を含むEZH2の発現を示し、任意で、該変異は、機能獲得変異である。いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現を示す。いくつかの態様では、がんは、EZH2をコードする遺伝子の1つまたは複数の変異を示す。いくつかの態様では、1つまたは複数の変異は、機能獲得変異である。
【0042】
いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回の、阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、任意で毎日2回の、阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、対象が臨床的寛解を示すまでの阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンにおける阻害剤の投与は、対象が臨床的寛解を示したら中断される。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、対象が病勢進行を示すまでの阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンにおける阻害剤の投与は、対象が病勢進行を示したら中断される。
【0043】
いくつかの態様では、処置された複数の対象において、細胞療法のCAR発現T細胞の腫瘍微小環境(TME)への浸潤は、阻害剤の投与を伴わない方法と比較して増加する。いくつかの態様では、該方法は、対象の腫瘍微小環境(TME)に浸潤することができるCAR発現T細胞の数を増加させる。
【0044】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E4に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E5に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2Bに与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。
【0045】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。
【0046】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E3に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2Aに与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。
【0047】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E4によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてアップレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E5によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてアップレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2Bによって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてアップレギュレーションされる。そのような態様のいずれにおいても、遺伝子セットのアップレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定することができる。
【0048】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてダウンレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E3によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてダウンレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2Aによって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象においてダウンレギュレーションされる。そのような態様のいずれにおいても、遺伝子セットのダウンレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定することができる。
【0049】
いくつかの態様では、該方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%または少なくとも50%は、持続性の完全奏効(CR)、またはCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性の完全奏効(CR)を6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超達成する;および/または、6ヶ月までにCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%は、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超および/または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、応答を続ける、CRを続ける、および/または生存するもしくは進行せずに生存する;および/または、該方法に従って処置された対象の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%は、客観的奏効(OR)を達成し、任意で、ORは、6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、持続性である、またはORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性である;および/または、6ヶ月までにORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%は、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超、応答または生存を続ける。
【0050】
いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ節生検である。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、T細胞療法を対象に投与する前の時点、例えば、対象がT細胞療法を受ける前1ヶ月以内または約1ヶ月以内に得られる。いくつかの態様では、T細胞療法は、対象に対して自家であり、腫瘍生検試料は、T細胞療法、例えば組換え受容体(例えば、CAR)で操作されたT細胞療法を製造または生産するための対象からT細胞を得る工程(例えば、アフェレーシスによる)と同時であるまたはほぼ同時である時点に得られる。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られる。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる。
【0051】
いくつかの態様では、対象は、ヒトである。
【0052】
本明細書において、以下の工程を含む、T細胞療法による処置の方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または(ii)対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、対象が、B細胞悪性腫瘍を有するまたは有する疑いがあり、かつ、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合、対象を、T細胞療法による処置のために選択する工程と;(c)選択された患者にT細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0053】
また、本明細書において、以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を用いてがんを処置する方法も提供される:(a)対象由来の腫瘍生検試料中の(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合、対象を、T細胞療法による処置のために選択する工程と;(c)選択された対象にT細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。
【0054】
また、本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法とを用いてがんを処置する方法も提供される:(a)対象由来の腫瘍生検試料中の(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、対象を、処置のために選択する工程と;(c)選択された対象に、EZH2阻害剤および細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。
【0055】
本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤を投与するためのがんを有する対象を選択する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または(ii)対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、かつ、対象が、T細胞療法の投与を受ける予定であり、かつ、生体試料が、T細胞療法の投与前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、がんを有する対象を、EZH2阻害剤とT細胞療法とを併用した処置のために選択する工程。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0056】
また、本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法も提供される:(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または(ii)対象由来の生体試料中の、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である;対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法の投与を受ける予定であり、CARが、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、がんを有する対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程。いくつかの態様では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。
【0057】
いくつかの態様では、該方法は、選択された対象に、EZH2阻害剤をT細胞療法と併用して投与する工程をさらに含む。いくつかの態様では、対象がEZH2阻害剤による処置のために選択されない場合、該方法は、T細胞療法のみを対象に投与する工程を含む。
【0058】
本明細書において、以下の工程を含む、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有する対象を特定する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または(ii)対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、かつ、対象が、T細胞療法の用量を投与する候補であり、かつ、生体試料が、対象にT細胞療法の用量が投与される前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、対象を、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定する工程。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0059】
本明細書において、以下の工程を含む、がんを有する対象のT細胞療法に対する応答性を判定する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または(ii)対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、生体試料が、対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点に対象から得られ、かつ、対象が、T細胞療法による処置を受ける予定である、工程と;(b)(i)対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または(ii)対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、生体試料が、対象へのT細胞療法が対象に投与された後の第2の時点に対象から得られ、かつ、(b)の評価する工程の前に、対象にT細胞療法が投与されている、工程と;(c)(i)第2の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が、第1の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量より低い場合;および/または(ii)第2の時点での1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、第1の時点での1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量より高い場合、対象がT細胞療法に応答性であると判定する工程。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0060】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、EZH2である。
【0061】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、T細胞マーカーを含み、T細胞マーカーは、CD3ε、PDCD1、LAG3、およびTIGITの1つまたは複数である。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子の少なくとも1つは、PDCD1、LAG3、およびTIGITである。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子の少なくとも1つは、CD3εである。
【0062】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、表E2に示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、およびUHRF1からなる群より選択される。
【0063】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、表E2Aに示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6 ,UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される。
【0064】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、表E3に示される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ(S. cerevisiae))(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ(Drosophila))(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される。
【0065】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、T細胞マーカーである。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、T細胞マーカーを含み、T細胞マーカーは、CD3ε、PDCD1、LAG3、およびTIGITの1つまたは複数である。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子の少なくとも1つは、PDCD1、LAG3、およびTIGITである。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子の少なくとも1つは、CD3εである。
【0066】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、表E4に示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、およびLINC00239からなる群より選択される。
【0067】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、表E2Bに示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される。
【0068】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、表E5に示される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);膜貫通タンパク質71(TMEM71);およびKIAA1551(KIAA1551)からなる群より選択される。
【0069】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、PDCD1、LAG3、およびTIGITからなる群より選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21からなる群より選択される。
【0070】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、(a)がんまたはB細胞悪性腫瘍を有しない対象の集団、または(b)がんまたはB細胞悪性腫瘍を有しており療法を投与された対象の集団であって、療法の投与後に部分奏効(PR)または完全奏効(CR)を示し続けた対象の集団における1つまたは複数の遺伝子の平均レベルまたは量の25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、がんまたはB細胞悪性腫瘍を有する対象の集団は、療法の投与後、PRまたはCRを少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、またはそれ以上示し続けた。
【0071】
いくつかの態様では、第1の1つまたは複数の遺伝子および/または第2の1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた生体試料中で評価される。いくつかの態様では、第1の1つまたは複数の遺伝子および/または第2の1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られた腫瘍生検試料中で評価される。いくつかの態様では、第1の1つまたは複数の遺伝子および/または第2の1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた腫瘍生検試料中で評価される。
【0072】
本明細書において、以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を用いてがんを処置する方法が提供される:(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または(ii)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現を評価する工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合、対象を、細胞療法による処置のために選択する工程と;(c)選択された患者にT細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0073】
また、本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法とを用いてがんを処置する方法も提供される:(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または(ii)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現を評価する工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程と;(c)選択された患者にEZH2阻害剤およびT細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0074】
本明細書において、以下の工程を含む、T細胞療法による処置の方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、対象が、B細胞悪性腫瘍を有するまたは有する疑いがある、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合、対象を、T細胞療法による処置のために選択する工程と;(c)選択された患者にT細胞療法を投与する工程。いくつかの態様では、第1の遺伝子セットのアップレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、第2の遺伝子セットのダウンレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0075】
本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤を投与するためのがんを有する対象を選択する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、対象が、T細胞療法の投与を受ける予定であり、かつ、生体試料が、T細胞療法の投与前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットのレベルまたは量がアップレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、がんを有する対象を、EZH2阻害剤とT細胞療法とを併用した処置のために選択する工程。いくつかの態様では、第1の遺伝子セットのアップレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、第2の遺伝子セットのダウンレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0076】
本明細書において、以下の工程を含む、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有する対象を特定する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、対象が、T細胞療法の用量を投与する候補であり、かつ、生体試料が、対象にT細胞療法の用量が投与される前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、対象を、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定する工程。いくつかの態様では、第1の遺伝子セットのアップレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、第2の遺伝子セットのダウンレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0077】
本明細書において、以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法が提供される:(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または(ii)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現を評価する工程であって、対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法の投与を受ける予定であり、CARが、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に対象から得られる、工程と;(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットのレベルまたは量がアップレギュレーションされている場合;および/または(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、がんを有する対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0078】
いくつかの態様では、本明細書において、以下の工程を含む、がんを有する対象のT細胞療法に対する応答性を判定する方法が提供される:(a)(i)対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、生体試料が、対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点に対象から得られ、かつ、対象が、T細胞療法による処置を受ける予定である、工程と;(b)(i)対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、生体試料が、対象へのT細胞療法が対象に投与された後の第2の時点に対象から得られ、かつ、(b)の評価する工程の前に、対象にT細胞療法が投与されている、工程と;(c)(i)第2の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現が、第1の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現と比較して、より小さくアップレギュレーションまたはより大きくダウンレギュレーションされている場合;および/または(ii)第2の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現が、第1の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子セットと比較して、より大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている場合、対象がT細胞療法に応答性であると判定する工程。いくつかの態様では、第1の遺伝子セットのダウンレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、第2の遺伝子セットのアップレギュレーションは、遺伝子濃縮解析法によって判定される。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。いくつかの態様では、処置する方法は、B細胞悪性腫瘍であるがんを処置するためのものであり、CARは、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する。
【0079】
いくつかの態様では、該方法は、(b)の評価する工程の前に、対象にT細胞療法を投与する工程をさらに含む。
【0080】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、表E3によって与えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0081】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0082】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6 ,UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0083】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様(sex comb on midleg-like)4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス(C. elegans))(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0084】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0085】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、表E5によって与えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);膜貫通タンパク質71(TMEM71);およびKIAA1551(KIAA1551)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0086】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21からなる群より選択される複数の遺伝子を含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、PDCD1、LAG3、およびTIGITからなる群より選択される複数の遺伝子を含む。
【0087】
いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも2個の遺伝子、少なくとも5個の遺伝子、少なくとも10個の遺伝子、少なくとも20個の遺伝子、少なくとも30個の遺伝子、少なくとも40個の遺伝子、少なくとも50個の遺伝子、少なくとも60個の遺伝子、少なくとも70個の遺伝子、少なくとも80個の遺伝子、少なくとも90個の遺伝子、少なくとも100個の遺伝子、または少なくとも150個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも2個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも5個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも10個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも20個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも30個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも40個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも50個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも60個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも70個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも80個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも90個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも100個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、少なくとも150個の遺伝子を含む。
【0088】
いくつかの態様では、複数の遺伝子は、約2個~約150個の遺伝子、約10個~約150個の遺伝子、約20個~約150個の遺伝子、約50個~約150個の遺伝子、約100個~約150個の遺伝子、約2個~100個の遺伝子、約10個~約100個の遺伝子、約20個~約100個の遺伝子、約50個~約100個の遺伝子、約2個~約50個の遺伝子、約10個~約50個の遺伝子、約20個~約50個の遺伝子、約2個~約20個の遺伝子、約10個~約20個の遺伝子、約2個~約10個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、約2個の遺伝子~約150個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、約10個の遺伝子~約100個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、複数の遺伝子は、約20個の遺伝子~約50個の遺伝子を含む。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、5個または約5個の遺伝子である。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、10個または約10個の遺伝子である。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、20個または約20個の遺伝子である。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、50個または約50個の遺伝子である。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、100個または約100個の遺伝子である。いくつかの態様では、遺伝子セット中の複数の遺伝子は、150個または約150個の遺伝子である。
【0089】
いくつかの態様では、遺伝子セット発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む方法によって判定される。
【0090】
いくつかの態様では、対象がT細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定された場合、該方法は、特定された対象に代替処置を投与する工程をさらに含み、代替処置は、以下:T細胞療法とT細胞療法の活性をモジュレートもしくは増加させる追加の作用物質とを含む併用処置;増加した用量のT細胞療法;および/または化学療法剤の中から選択される。
【0091】
いくつかの態様では、代替処置は、T細胞療法とT細胞療法の活性をモジュレートまたは増加させる追加の作用物質とを含む併用処置であり、任意で、追加の作用物質は、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路のモジュレーター、アデノシン受容体拮抗薬、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体もしくは抗TGFβR抗体、サイトカイン、および/またはEZH2阻害剤である。いくつかの態様では、代替処置は、T細胞療法とEZH2阻害剤とを含む併用処置である。いくつかの態様では、代替処置は、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して増加した用量のT細胞療法であり、任意で、T細胞療法は、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に結合する組換え受容体を発現する細胞を含む。
【0092】
いくつかの態様では、増加した用量のT細胞療法は、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して増加した細胞数のT細胞療法を含む。
【0093】
いくつかの態様では、代替処置は、化学療法剤であり、任意で、化学療法剤は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン、ビンクリスチン、フルダラビン、ベンダムスチン、および/またはリツキシマブである。
【0094】
いくつかの態様では、対象がT細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった場合、該方法は、対象にT細胞療法の用量のみ投与する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、特定された対象にEZH2阻害剤を投与する工程をさらに含む。
【0095】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットおよび/または1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた生体試料中で評価される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットおよび/または1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られた腫瘍生検試料中で評価される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットおよび/または1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた腫瘍生検試料中で評価される。
【0096】
いくつかの態様では、生体試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前の時点に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に対象から得られる。いくつかの態様では、生体試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前の時点に対象から得られる。いくつかの態様では、生体試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる。
【0097】
いくつかの態様では、細胞療法は、対象に対して自家である細胞を含む。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞を含む生体試料は、対象から収集される。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞を含む生体試料は、リンパ球枯渇療法の前に対象から収集される。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、細胞療法のT細胞は、生体試料の自家細胞に由来する。いくつかの態様では、細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後かつEZH2阻害剤および/または細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集およびEZH2の投与開始後に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。
【0098】
いくつかの態様では、対象にT細胞療法とEZH2阻害剤の両方が投与される場合、EZH2阻害剤の投与レジメンは、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。
【0099】
いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後であり、任意で、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。
【0100】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与レジメンは、T細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始と同時または同日である。
【0101】
いくつかの態様では、投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量は、細胞療法と同時におよび/またはT細胞療法と同日に投与される。いくつかの態様では、投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量は、細胞療法と同時に投与される。いくつかの態様では、投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量は、T細胞療法と同日に投与される。
【0102】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始の約4週間前~細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、2日または約2日前の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始と同時または同日での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同時でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同日でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも7日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも5日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも2日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。
【0103】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する。
【0104】
いくつかの態様では、T細胞療法は、対象に対して自家である細胞を含む。いくつかの態様では、T細胞療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、内因性T細胞療法、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)療法、T細胞エンゲージング療法(これは、任意で二重特異性T細胞エンゲージング療法(BiTE)である)、および組換え受容体発現細胞療法(これは、任意でキメラ抗原受容体(CAR)発現細胞療法である)からなる群の中から選択される。いくつかの態様では、T細胞療法は、がんまたはB細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する組換え受容体を発現する細胞の用量を含む。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む。
【0105】
いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞;約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞;約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞;または約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。
【0106】
いくつかの態様では、T細胞療法は、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD3+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD4+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、細胞療法は、CD8+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、T細胞療法は、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている。いくつかの態様では、T細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞は、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞、および/または、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む。いくつかの態様では、T細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞は、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む。いくつかの態様では、比は、1:1であるかおよそ1:1である。いくつかの態様では、比は、およそ1:3~およそ3:1である。
【0107】
いくつかの態様では、T細胞療法は、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されており、T細胞療法の投与は、複数の別々の組成物を投与することを含み、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第1の組成物とCD4+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第2の組成物とを含む。
【0108】
いくつかの態様では、第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞は、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比で存在する;および/または、第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在し、その比は、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である。いくつかの態様では、第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在する。いくつかの態様では、第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞は、所定の比で存在する。いくつかの態様では、比は、1:1であるかおよそ1:1である。いくつかの態様では、比は、およそ1:3~およそ3:1である。
【0109】
いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、1×105個もしくは約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞、1×106個もしくは約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106個もしくは約5×106個~1×108の総CAR発現T細胞、1×107個もしくは約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、または5×107個もしくは約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞(それぞれ両端の値を含む)の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×105個または約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×106個または約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、5×106個または約5×106個~1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×107個または約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、5×107個または約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む。
【0110】
いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、少なくとも1×105個もしくは少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×105個もしくは少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも5×105個もしくは少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも1×106個もしくは少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×106個もしくは少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも5×106個もしくは少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも1×107個もしくは少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×107個もしくは少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも5×107個もしくは少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも1×108個もしくは少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×108個もしくは少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞、または少なくとも5×108個もしくは少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×105個または少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×105個または少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×105個または少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×106個または少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×106個または少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×106個または少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×107個または少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×107個または少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×107個または少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×108個または少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも2.5×108個または少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも5×108個または少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む。
【0111】
いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、5×107個または約5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、T細胞療法の投与は、1×108個または約1×108個のCAR発現細胞の投与を含む。
【0112】
いくつかの態様では、CARは、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインとITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。
【0113】
いくつかの態様では、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、これはCAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、これはNY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;これはFc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、Lewis Y、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマの優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、これは5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、これはTYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、これはドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)の中から選択される。いくつかの態様では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30の中から選択される。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。
【0114】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、共刺激性のシグナル伝達領域をさらに含む。いくつかの態様では、共刺激性のシグナル伝達領域は、CD28または4-1BBの、任意でヒトCD28またはヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、CD28のシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、ヒトCD28のシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、共刺激性ドメインは、ヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。
【0115】
いくつかの態様では、選択された対象および/またはT細胞療法による処置に抵抗性のがんを有すると特定された対象について、該方法は、EZH2阻害剤の投与開始前に、対象に対して自家である細胞を含む生体試料を対象から収集する工程を含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、対象由来の生体試料は、白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれを含む。
【0116】
いくつかの態様では、該方法は、T細胞療法の投与前に、リンパ球枯渇剤またはリンパ球枯渇療法を対象に投与する工程を含む。
【0117】
いくつかの態様では、対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法が終了した後に対象に投与される。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、T細胞療法の投与開始の2~7日前に完了する。いくつかの態様では、細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、生体試料の収集後かつ細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、細胞療法の投与開始の2~7日前に終了する。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られる。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する。
【0118】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、シクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンおよびシクロホスファミドの投与を含む。
【0119】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、2~4日間、任意で3日間の、約200~400mg/m2、任意で300mg/m2または約300mg/m2(両端の値を含む)のシクロホスファミド、および/または約20~40mg/m2、任意で30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含むか、リンパ球枯渇療法は、約500mg/m2のシクロホスファミドの投与を含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、3日間の、300mg/m2または約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む;および/または、リンパ球枯渇療法は、3日間の、500mg/m2または約500mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む。
【0120】
いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前5日以内または約5日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前2日以内または約2日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始前1日以内または約1日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始と同時または同日である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後であり、任意で、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後である。いくつかの態様では、阻害剤の投与開始は、細胞療法の投与開始後1日以内である。
【0121】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始の約4週間前~細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、2日または約2日前の時点での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始と同時または同日での阻害剤の投与開始を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同時でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンは、細胞療法と同日でのEZH2阻害剤の少なくとも1用量の投与を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも7日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも5日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも2日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで投与され、該投与レジメンは、細胞療法の投与開始の少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む。
【0122】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する。
【0123】
いくつかの態様では、阻害剤の用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg、100mgまたは約100mgから、1200mgまたは約1200mg、100mgまたは約100mgから、800mgまたは約800mg、100mgまたは約100mgから、400mgまたは約400mg、100mgまたは約100mgから、200mgまたは約200mg、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mg、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg、200mgまたは約200mgから、800mgまたは約800mg、200mgまたは約200mgから、400mgまたは約400mg、400mgまたは約400mgから、1600mgまたは約1600mg、400mgまたは約400mgから、1200mgまたは約1200mg、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg、800mgまたは約800mgから、1600mgまたは約1600mg、800mgまたは約800mgから、1200mgまたは約1200mg、1200mgまたは約1200mgから、1600mgまたは約1600mg(それぞれ両端の値を含む)の阻害剤の量である。いくつかの態様では、用量は、約200mgである。いくつかの態様では、用量は、約400mgである。いくつかの態様では、用量は、約800mgである。
【0124】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約800mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約1600mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、1日当たり約2400mgの阻害剤を投与する工程を含む投与レジメンで投与される。
【0125】
いくつかの態様では、阻害剤は、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日2回の投与の各用量は、800mgまたは約800mgである。
【0126】
いくつかの態様では、阻害剤は、一日ごとに3用量(1日3回の投与)を含む投与レジメンで投与される。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、200mgまたは約200mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、400mgまたは約400mgである。いくつかの態様では、阻害剤の1日3回の投与の各用量は、800mgまたは約800mgである。
【0127】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大5ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大4ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象が完全奏効を示すまで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象が病勢進行を示すまで投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、対象が臨床的寛解を示したら中断される。
【0128】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2および/または変異型EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、変異型EZH2を阻害し、任意で、該変異は、機能獲得変異である。いくつかの態様では、EZH2は、Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679Mの中から選択される1つまたは複数の変異を含む。いくつかの態様では、変異は、リジン27でのヒストン3のトリメチル化を増加させる。
【0129】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型および/または変異型EZH2に対して1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満もしくは約1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満、または5nM未満もしくは約5nM未満である半最大阻害濃度(IC50)でEZH2を阻害する。いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、EZH1に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い、任意で、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0130】
いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205、GSK343、GSK126、およびバレメトスタット(DS-3201b)からなる群の中から選択される。いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)である。いくつかの態様では、阻害剤は、CPI-1205である。
【0131】
いくつかの態様では、がんは、固形腫瘍である。いくつかの態様では、固形腫瘍は、膀胱がん、乳がん、黒色腫、または前立腺がんである。いくつかの態様では、固形腫瘍は、前立腺がんである。いくつかの態様では、前立腺がんは、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である。
【0132】
いくつかの態様では、がんは、血液悪性腫瘍である。いくつかの態様では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様では、がんは、骨髄腫、白血病またはリンパ腫である。いくつかの態様では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、大細胞型B細胞リンパ腫である。いくつかの態様では、がんは、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの態様では、NHLは、濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの態様では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない。
【0133】
いくつかの態様では、対象は、DLBCLを有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、DLBCL様遺伝子発現シグネチャを伴う処置前腫瘍生検を有する対象として、EZH2阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、細胞療法による処置後3ヶ月目の病勢進行(PD)応答に関連する処置前腫瘍生検遺伝子発現シグネチャを有する対象として、処置のために選択される。
【0134】
いくつかの態様では、該方法は、EZH2阻害剤による処置のための対象を、DLBCLを有する対象として選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、EZH2阻害による処置のための対象を、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、DLBCL様遺伝子発現シグネチャを伴う処置前腫瘍生検を有する対象を選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、細胞療法による処置後3ヶ月目の病勢進行(PD)応答に関連する処置前腫瘍生検遺伝子発現シグネチャを有する対象を選択する工程を含む。
【0135】
いくつかの態様では、対象は、がんを処置するための先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった。いくつかの態様では、がんは、細胞療法単独による処置に抵抗性である。
【0136】
いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現ならびに/またはY641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637AおよびV679Mの中から選択される1つもしくは複数の変異を含むEZH2の発現を示し、任意で、該変異は、機能獲得変異である。いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現を示す。いくつかの態様では、がんは、EZH2をコードする遺伝子の1つまたは複数の変異を示す。いくつかの態様では、1つまたは複数の変異は、機能獲得変異である。
【0137】
いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大6ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、対象にEZH2阻害剤が投与される場合、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、対象にEZH2阻害剤が投与される場合、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、任意で毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、毎日2回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、毎日3回の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、対象が臨床的寛解を示すまでの阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、対象にEZH2阻害剤が投与される場合、投与レジメンにおける阻害剤の投与は、対象が臨床的寛解を示したら中断される。いくつかの態様では、阻害剤の投与レジメンは、対象が病勢進行を示すまでの阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、投与レジメンにおける阻害剤の投与は、対象が病勢進行を示したら中断される。
【0138】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、細胞療法のCAR発現T細胞の腫瘍微小環境(TME)への浸潤は、阻害剤の投与を伴わない方法と比較して増加する。いくつかの態様では、該方法は、対象の腫瘍微小環境(TME)に浸潤することができるCAR発現T細胞の数を増加させる。
【0139】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E4に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E5に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2Bに与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E3に与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現は、表E2Aに与えられる遺伝子に関して、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する。
【0140】
任意の提供される態様のいくつかでは、1つまたは複数の第1の遺伝子は、表E2に示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子は、表E2Aに示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、T細胞マーカー、任意でCD3εである。任意の提供される態様のいくつかでは、1つまたは複数の第2の遺伝子は、表E4に示される遺伝子から選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子は、表E2Bに示される遺伝子から選択される。
【0141】
いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E4によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションされるまたはより小さくダウンレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E5によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションされるまたはより小さくダウンレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2Bによって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションされるまたはより小さくダウンレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションされるまたはより小さくアップレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E3によって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションされるまたはより小さくアップレギュレーションされる。いくつかの態様では、処置された複数の対象では、表E2Aによって与えられる遺伝子セットの発現は、阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションされるまたはより小さくアップレギュレーションされる。
【0142】
いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、表E2によって与えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の第1の遺伝子セットは、表E2Aによって与えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、表E4によって与えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の第2の遺伝子セットは、表E2Bによって与えられる。
【0143】
いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットの1つまたは複数に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してPDを示すと予測される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットの1つまたは複数に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害剤とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。
【0144】
いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットの各々に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してPDを示すと予測される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットの各々に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害剤とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。
【0145】
いくつかの態様では、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE遺伝子セットに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してCRを示すと予測される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。いくつかの態様では、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE遺伝子セットに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害剤とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択される対象において(例えば、処置前腫瘍生検において)アップレギュレーションされる。
【0146】
提供される態様のいずれでも、遺伝子セット発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む方法によって判定される。
【0147】
いくつかの態様では、該方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%または少なくとも50%は、持続性の完全奏効(CR)、またはCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性の完全奏効(CR)を6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超達成する;および/または、6ヶ月までにCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%は、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超および/または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、応答を続ける、CRを続ける、および/または生存するもしくは進行せずに生存する;および/または、該方法に従って処置された対象の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%は、客観的奏効(OR)を達成し、任意で、ORは、6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、持続性である、またはORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性である;および/または、6ヶ月までにORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%は、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超、応答または生存を続ける。
【0148】
いくつかの態様では、生体試料は、腫瘍生検、任意でリンパ節生検である。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に得られる。いくつかの態様では、腫瘍生検試料は、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる。
【0149】
いくつかの態様では、対象は、ヒトである
【図面の簡単な説明】
【0150】
図1A】初期コホートにおける患者のうち、処置後3ヶ月目に完全奏功(CR)または進行(PD)を示した対象での処置前腫瘍生検材料における差次的遺伝子発現プロファイルを示す。
図1B】処置後3ヶ月目にPDを呈した対象の処置前生検材料において、処置後3ヶ月にCRを呈した対象の処置前生検材料よりもEZH2の発現レベルが高かったことを示す。
図2A】大規模コホートにおける患者のうち、処置後3ヶ月目に完全奏功(CR)または進行(PD)を示した対象の処置前生検材料における差次的遺伝子発現プロファイルを示す。
図2B】処置後1、3、6、9、または12ヶ月目にPDを呈した対象とCRを呈した対象との間の処置前腫瘍生検材料における発現が異なる遺伝子の数を示す。
図2C】処置後3ヶ月目にPDまたはCRを呈した対象におけるT細胞スコアとCD3D遺伝子転写物数またはCAR転写物数との相関を示す。横線は、解析した対象についてのT細胞スコアの中央値を表す。丸および四角は、処置前腫瘍生検材料が入手可能であった対象を表し、そして、十字およびXは、処置前腫瘍生検材料が入手不可能であった対象を表す。
図2D図2Dおよび2Eは、細胞周期遺伝子、MTORC1シグナル伝達遺伝子、およびMYC標的遺伝子が、処置後の低T細胞浸潤と関連があったことを示す。
図2E図2Dの説明を参照のこと。
図2F】処置後3ヶ月目にPDまたはCRを呈した対象における、処置前(PRE)および処置後11日目(D11)の腫瘍生検試料におけるCD3D遺伝子発現を示す(マッチさせたPRE試料とD11試料との間に線を引く、n=26)。
図2G】処置後3ヶ月目にPDまたはCRを呈するようになった対象の処置前(PRE)および処置後11日目(D11)の試料におけるCD163発現を示す(TPM:100万あたりの転写物)。
図3】EZH2標的遺伝子(DLBCL_LINES_EZH2I_DNおよびNUYTTEN_EZH2_TARGETS_DN)、濾胞性リンパ腫細胞株試料と比較してびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞株試料でより高発現した遺伝子(FL;FL_DLBCL_DN)、細胞周期応答遺伝子(HALLMARK_E2F_TARGETSおよびHALLMARK_G2M_CHECKPOINT)、MTORC1シグナル伝達遺伝子(HALLMARK_MTORC1_SIGNALING)、およびMYC標的遺伝子(HALLMARK_MYC_TARGETS_V2)を含む、処置後3ヶ月目にPDと関連がある様々な濃縮された遺伝子セットを示す。
図4】処置前腫瘍生検材料の主成分分析(PCA)を示す。マーカーは、処置後3ヶ月目の対象の臨床応答を表示する(完全奏功(CR)、部分奏功(PR)、進行(PD)、評価不能(NE))。
図5A】初期コホートにおける患者のうち、EZH2標的遺伝子、FLよりもDLBCLでより高発現した遺伝子、細胞周期遺伝子、MTORC1シグナル伝達遺伝子、およびMYC標的遺伝子は、負のPC1値を結果としてもたらした処置前生検材料で濃縮されたが、インターフェロンα応答遺伝子(HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)は、正のPC1値を結果としてもたらした処置前生検材料で濃縮されたことを示す。
図5B】大規模コホートにおける患者のうち、処置後3ヶ月目にPDを呈した対象からの処置前生検材料では、EZH2標的遺伝子、FLよりもDLBCLでより高発現した遺伝子、細胞周期遺伝子、MTORC1シグナル伝達遺伝子、およびMYC標的遺伝子が濃縮されたことを示す。
図5C】3ヶ月目のCRアウトカムと3ヶ月目のPDアウトカムとの間で比較した、処置前試料についてのJerby-Arnon T細胞排除遺伝子セットのssGSEAスコアを示す。
図5D】CRまたはPDを呈するようになった対象の処置前腫瘍生検材料におけるT細胞を示す。
図5E】処置後11日目(D11)の腫瘍生検材料におけるCAR+ T細胞であったT細胞のパーセンテージを示す。
図5F】処置後1ヶ月目にCRを示した対象における、処置前(PRE)および処置後11日目(D11)の腫瘍生検材料における内因性T細胞を示す(マッチさせた試料間に線を引く)。
図5G】処置後9ヶ月目にPDまたはCRを示した対象における処置前(PRE)腫瘍生検材料における総マクロファージを示す。
図5H】処置後9ヶ月目にCRを呈するようになった対象における、処置前(PRE)および処置後11日目(D11)の腫瘍生検材料における総マクロファージ(左図)およびCD163+PD-L1+マクロファージ(右図)を示す。
図5I】処置後9ヶ月目にPDを呈した対象からの処置前腫瘍生検材料は、処置後9ヶ月目にCRを呈した対象からのものに比べてより高いレベルのKi67+腫瘍細胞を呈したことを示す。
図6A】公的なDLBCLデータセットからの試料におけるEZH2発現とCD3ε発現との間の相関を示す。
図6B】DLBCLを有する対象の大規模コホートからの腫瘍生検試料(n=74)におけるEZH2標的遺伝子発現とCD3ε発現との間の相関を示す。
図7】EZH2阻害でダウンレギュレートされる遺伝子、FLよりもDLBCLでより高発現した遺伝子、細胞周期遺伝子、MTORC1シグナル伝達遺伝子、およびMYC標的遺伝子は、CD3εの低い発現を有する処置前生検材料で濃縮されたが、インターフェロンα応答遺伝子およびEZH2阻害でアップレギュレートされる遺伝子は、CD3εの高い発現を有する処置前生検材料で濃縮されたことを示す。
図8】FL腫瘍細胞試料とDLBCL腫瘍細胞試料との間の差次的遺伝子発現を示す。
図9図9Aおよび9Bは、FL腫瘍細胞試料とDLBCL腫瘍細胞試料との間の、例示的な遺伝子であるEZH2(図9A)およびCD3ε(図9B)の差次的遺伝子発現を示す。
図10A図10Aおよび10Bは、DLBCLで上昇することが見出された遺伝子(「DLBCL様遺伝子セット」と命名;図10A)対FLで上昇することが見出された遺伝子(「FL様遺伝子セット」と命名;図10B)、そして、CRを呈するようになった対象またはPDを呈するようになった対象間の単一試料遺伝子セット濃縮解析(ssGSEA)スコアを示し、そして、DLBCLでみられる遺伝子と比較してFLでみられる遺伝子により類似している腫瘍遺伝子発現プロファイルを有する対象は、処置後3ヶ月目にCRを示す可能性がより高いことを図示する。
図10B図10Aの説明を参照のこと。
図10C】大規模コホートにおける対象では、処置後3ヶ月目にCRを呈するようになった対象は、DLBCLでみられるものに比べてFLでみられるものにより類似する処置前腫瘍遺伝子発現プロファイルを有していたことを示す。
図10D】最も高いFL様遺伝子発現を有した15名の対象と他の59名の対象との間で比較した、74名のDLBCL対象の無増悪生存期間(PFS)曲線を示す。
図11】4つのDLBCL細胞株の総タンパク質に対するEZH2阻害剤EPZ-6438の効果を示す。総タンパク質を総細胞数の代理として分析した。
図12】DMSO処理した(「D」)対照と比較した、野生型または変異型のEZH2のいずれかを保有するDLBCL細胞株の胚中心B細胞(GCB)および活性化B細胞(ABC)のサブタイプの細胞生存率に対するEZH2阻害剤EPZ-6438(「E」)およびCPI-1205(「C」)の効果を示す。
図13】DMSO処理した対照と比較した、4つのDLBCL細胞株におけるヒストン3リジン27のトリメチル化レベル(H3K27Me3)に対するEZH2阻害剤EPZ-6438の効果を示す。
図14図14Aおよび14Bは、DMSO処理した対照(「D」)と比較した、6つのDLBCL細胞株におけるヒストン3リジン27のトリメチル化レベル(H3K27Me3)に対するEZH2阻害剤EPZ-6438(「E」)およびCPI-1205(「C」)の効果を示す。
図15A図15A~15Eおよび15F~15Kは、DLBCL細胞株における、それぞれT細胞の浸潤と関連がある例示的な遺伝子およびT細胞の排除と関連がある例示的な遺伝子に対するEZH2阻害剤EPZ-6438およびCPI-1205の効果を示す。
図15B図15Aの説明を参照のこと。
図15C図15Aの説明を参照のこと。
図15D図15Aの説明を参照のこと。
図15E図15Aの説明を参照のこと。
図15F図15Aの説明を参照のこと。
図15G図15Aの説明を参照のこと。
図15H図15Aの説明を参照のこと。
図15I図15Aの説明を参照のこと。
図15J図15Aの説明を参照のこと。
図15K図15Aの説明を参照のこと。
【発明を実施するための形態】
【0151】
詳細な説明
本明細書において、がんを処置するための免疫療法または細胞療法とzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤、例えばEZH2阻害剤との投与を伴う、がんを有する対象を処置するための併用療法が提供される。いくつかの態様では、免疫療法または細胞療法は、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する任意のかかる療法を含む。特定の態様では、療法は、内因的にエンゲージメントされるまたは養子T細胞療法として投与されるT細胞であるか、またはそれを伴う。中でも、提供される態様は、T細胞機能または活性を伴う免疫療法(例えば、T細胞エンゲージング療法)またはT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)の投与とEZH2の阻害剤の投与とを伴う併用療法である。特定の態様では、提供される併用療法および方法は、対象の腫瘍微小環境中の細胞療法の細胞の数を増加させる阻害剤の活性によって療法に対する応答を向上させ、それにより、腫瘍を標的とした細胞溶解性エフェクター媒介殺傷を増加させるおよび/または腫瘍負荷量を減少させる。
【0152】
また、該療法を含む組成物および/またはEZH2阻害剤を含む組成物を含有する組み合わせおよび製造品(例えば、キット)、ならびにB細胞悪性腫瘍などのがんを治療または予防するためのそのような組成物および組み合わせの使用も提供される。
【0153】
T細胞ベースの療法、例えば、養子T細胞療法(関心対象のがんに特異的なキメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)および/または他の組換え抗原受容体を発現する細胞の投与を伴うもの、ならびに他の養子免疫細胞療法および養子T細胞療法を含む)などの細胞療法は、B細胞悪性腫瘍などの疾患および障害の処置において有効であり得る。T細胞の表面でのキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体の操作された発現は、T細胞特異性の再指向を可能にする。臨床研究において、CAR-T細胞、例えば抗CD19 CAR-T細胞は、白血病およびリンパ腫の両患者において持続性の完全奏効をもたらしてきた(Porter et al. (2015) Sci Transl Med., 7:303ra139; Kochenderfer (2015) J. Clin. Oncol., 33: 540-9; Lee et al. (2015) Lancet, 385:517-28; Maude et al. (2014) N Engl J Med, 371:1507-17)。
【0154】
ある特定の状況下では、養子細胞療法への利用可能なアプローチは、必ずしも十分に満足のいくものではない場合がある。いくつかの状況下では、最適な有効性は、投与された細胞が、腫瘍に輸送されるまたは浸潤する能力、標的(例えば、標的抗原)を認識してそれに結合する能力、ならびにがん細胞の細胞傷害性殺傷およびサイトカインなどの様々な因子の分泌を含めた様々なエフェクター機能を発揮する能力に依存し得る。しかしながら、いくつかの場合、ある特定のがん細胞は、免疫療法および細胞療法などのある特定の療法に抵抗性を示す。特に、本明細書における結果は、ある特定のがんがCAR T細胞媒介殺傷に抵抗性である一方で、他のがんはより感受性であることを実証している。
【0155】
いくつかの局面では、提供される方法、組み合わせおよび使用は、代替法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与のみを伴うものでzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と併用しない代替法と比較して、改善されたまたはより持続性の応答または有効性を提供するかまたは達成する。いくつかの態様では、該方法は、免疫療法または細胞療法の投与の前にまたは投与と同時にEZH2の阻害剤を投与することにより、細胞療法による処置に対して腫瘍を感受性にさせ、かつ/または、該処置に対する腫瘍の抵抗性を弱めるかより影響を受け易くするため有利である。
【0156】
いくつかの態様では、該方法は、免疫療法または細胞療法の投与の前にEZH2の阻害剤を投与する工程を伴い、これは、細胞療法(例えば、CAR T細胞)による処置(例えば、後続処置)に対して腫瘍を感受性にさせることができ、かつ/または、該処置に対する腫瘍の抵抗性を弱めるか応答し易くすることができる。本明細書に記載される結果は、処置前の腫瘍微小環境を、例えば、T細胞浸潤により寛容性になるように改変することによって、細胞療法による後続処置に対して腫瘍(例えば、DLBCL腫瘍)を感受性にさせることおよび/または該処置に対する腫瘍の抵抗性を弱めることを達成可能であることを示している。特に、本明細書において、EZH2阻害は、腫瘍微小環境(TME)の処置前遺伝子発現シグネチャを、CAR-T細胞単独療法による処置後3ヶ月目に完全奏効(CR)を示し続ける対象のものに近くなるように改変し得ることが見いだされる。加えて、本明細書に示されるように、処置前腫瘍生検遺伝子シグネチャは、より早期または後期の時点での応答よりも、3ヶ月目の応答(例えば、PD対CR)と関連することが見いだされた。さらに、報告書は、CAR T細胞による処置後3ヶ月目にCRを示している個体が、処置後6ヶ月目も寛解状態のままの可能性が高いことを示している(Hopfinger and Worel, Magazine Europ. Med. Oncol. (2020) 13:32-35; Hopfinger et al., Hemasphere (2019) 3(2):pe185; Boyiadzis et al., J. Immunother. Canc. (2018) 6:137)。したがって、提供される態様は、細胞療法(例えば、CAR T細胞)による処置後に改善されかつ持続性のアウトカムを得るために、特に、さもなくばT細胞浸潤により抵抗性であろうTMEを有し得る対象において、TMEの処置前遺伝子シグネチャを3ヶ月目のCR応答に関連する遺伝子シグネチャにより類似するように改変することに関する。
【0157】
特に、非炎症性および炎症性(亢進されたT細胞浸潤を含む)へと分類できるB細胞リンパ腫の腫瘍微小環境(TME)は、リンパ腫の兆候によって大きく変動する。この変動性は、新規免疫腫瘍薬および標的指向型阻害剤に対する予後およびアウトカムに影響を及ぼす(Cherkassky, Morello et al. 2016, Fowler, Cheah et al. 2016, de Charette and Houot 2018, Rafiq, Yeku et al. 2018, Mulder, Wahlin et al. 2019, Kline, Godfrey et al. 2020)。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の発症は、T細胞およびNK細胞による免疫認識の回避、ならびにPD-L1経路などの免疫抑制機構の発達が原因で生じ得る。また、TMEおよび腫瘍随伴マクロファージ(TAM)における間質遺伝子シグネチャもDLBCLにおける有害事象に関連する(Lenz, Wright et al. 2008)。濾胞性リンパ腫(FL)は、TAMだけでなく制御性T細胞(Treg)を含めた腫瘍浸潤リンパ球によっても特徴付けられ、腫瘍細胞は、生存および増殖をTMEに大きく依存する(Fowler, Cheah et al. 2016)。したがって、いくつかの局面では、腫瘍は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの局面では、本明細書に提供される方法は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を選択する工程を含む。
【0158】
リンパ腫でのチェックポイント遮断に対する応答との関係でTMEの役割が研究されてきた(Gravelle, Burroni et al. 2017, Wang, Wu et al. 2018, Kline, Godfrey et al. 2020)。しかしながら、CAR T療法(例えば、CD19指向CAR T療法)に対するアウトカムにおけるTMEの影響は、よく分かっていない。前臨床インビトロおよびインビボエビデンスは、免疫抑制マクロファージがCAR T細胞機能を阻害し得ることを示しており(Ruella, Klichinsky et al. 2017)、臨床研究からの橋渡しデータは、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)において、処置前の炎症性TMEおよび上昇したCD3+ T細胞がCAR T-細胞療法に対する応答と相関していることを実証した(Galon, Rossi et al. 2017, Rossi, Galon et al. 2019, Yan, Li et al. 2019)。しかしながら、CAR-T細胞療法に対する応答に関連するまたは相関するTME因子または遺伝子の正確な特性は知られていない。
【0159】
本明細書において実証されるように、処置前および注入後の腫瘍微小環境(TME)がCAR T細胞単独療法に対する応答および抵抗性において果たす役割を調べるために、CAR T細胞で処置して長期追跡調査したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)対象の大規模コホート由来の腫瘍生検を分析した。本明細書に記載されるように、処置前TMEが、CAR T細胞療法に対する応答に影響を与えることが観察された。とりわけ、CAR T細胞による処置後3ヶ月目にPD対CRを示し続けた対象の処置前TME内の別個の遺伝子発現シグネチャが、本明細書において特定される。したがって、3ヶ月目のPDまたはCRに関連する処置前腫瘍生検遺伝子シグネチャは、長期応答(例えば、3ヶ月後のPDまたはCR)の指標となり、それらを識別することができる。例えば、処置後3ヶ月目にPDを示し続けた対象の遺伝子発現シグネチャは、注入後腫瘍へのT細胞浸潤を妨げる遺伝子に関連する。関連して、処置前腫瘍生検におけるEZH2標的スコアは、処置後腫瘍生検におけるCD3発現と逆相関することが見いだされた。対照的に、上昇した免疫および間質遺伝子シグネチャは、CAR T細胞療法に対する処置後3ヶ月目の完全奏効(CR)に関連するが、EZH2標的、MYC、E2F、MTORC1などの転写調節因子、または他の増殖および細胞周期経路は、処置後3ヶ月目の病勢進行(PD)に関連することが発見された。したがって、いくつかの局面では、本明細書におけるデータは、CAR T細胞による処置前にEZH2阻害剤を投与することで、処置前TMEを処置後3ヶ月目のPD遺伝子シグネチャから処置後3ヶ月目のCR遺伝子シグネチャへと変換可能であり、それにより、後続のCAR T細胞処置に対するより長期の応答が改善されることを示している。
【0160】
いくつかの態様では、CAR-T細胞療法に対するPD応答の発生(例えば、CAR T細胞療法を受けた3ヶ月後または約3ヶ月後)と相関することが見いだされた処置前腫瘍生検遺伝子発現シグネチャを有する対象が、CAR T細胞療法と併用したEZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、3ヶ月目のPD応答に関連する処置前腫瘍生検(すなわち、TME)遺伝子シグネチャを対象が有する場合、CAR-T細胞療法を受ける予定である対象を、EZH2阻害剤との併用処置のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0161】
さらに、本明細書において、CAR T細胞処置後およそ3ヶ月目にPDを示し続けた対象のTME遺伝子発現シグネチャでは、濾胞性リンパ腫(FL)よりもびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)においてより高度に発現される遺伝子が濃縮されていたことが観察された。反対に、CAR T細胞処置後およそ3ヶ月目にCRを示し続けた対象のTME遺伝子発現シグネチャでは、DLBCLよりもFLにおいてより高度に発現される遺伝子が濃縮されていたことが観察された。特に、FLよりもDLBCLにおいてより高度に発現される遺伝子(本明細書において特定されかつ記載される「DLBCL様」シグネチャ)は、CAR T細胞処置に対するPD応答の発生(例えば、CAR T細胞投与のおよそ3ヶ月後)に関連することが見いだされたが、DLBCLよりもFLにおいてより高度に発現される遺伝子(本明細書において特定されかつ記載される「FL様」シグネチャ)は、CAR T細胞処置に対するCR応答の発生(例えば、CAR T細胞処置のおよそ3ヶ月後)に関連することが見いだされた。いくつかの局面では、それゆえ、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤との併用は、DLBCL様シグネチャを伴うTMEをFL様シグネチャを伴うTMEへと変換可能であり、それにより、後続のCAR T細胞処置に対するより長期の応答が改善される。
【0162】
いくつかの態様では、処置前腫瘍生検DLBCL様遺伝子シグネチャを有する対象が、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、DLBCL様遺伝子シグネチャを伴う処置前腫瘍生検(すなわち、TME)を有する対象を、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0163】
提供される方法は、T細胞媒介殺傷に抵抗性である特定のがんが、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)遺伝子およびEZH2阻害剤によって腫瘍微小環境においてダウンレギュレーションされる他の遺伝子(本明細書において以降「抵抗性遣伝子」と呼ばれる)の発現増加を示すという観察に基づく。また、本明細書において、ある特定の抵抗性遣伝子が、腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤および/または存在と反相関することもCD3発現による判定で見いだされ、それにより、T細胞を排除するまたはT細胞の腫瘍微小環境への浸潤を低減するこれらの遺伝子の役割が示される。本明細書において、EZH2発現および「抵抗性」遺伝子発現の増加が、再発または不応性(R/R)侵襲性非ホジキンリンパ腫(NHL)を有するヒト対象のCD19ターゲティングCAR T細胞の投与後3ヶ月目の悪化した応答(病勢進行;PD)、ならびに腫瘍微小環境へのCAR T細胞の低減された浸潤に関連することが見いだされる。
【0164】
特に、本明細書における観察は、異常な(例えば、増加した)EZH2経路発現が、DLBCLにおいて、腫瘍への基準T細胞浸潤の減少、より高い腫瘍増殖、およびCD19ターゲティングCAR T細胞単独療法に対するアウトカム不良に関連することを示している。いくつかの局面では、EZH2および/または抵抗性遣伝子が、例えばCAR T細胞療法による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してPDを示し続けた対象の処置前DLBCL腫瘍生検試料において増加することが観察された。同様に、CD3を含むT細胞遺伝子の発現が、例えばCAR T細胞療法による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してPDを示し続けた対象の処置前DLBCL腫瘍生検試料において減少することが観察された。いくつかの態様では、CD3などの1つまたは複数のT細胞遺伝子の発現減少を伴う処置前腫瘍生検を有する対象が、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、CD3などの1つまたは複数のT細胞マーカーの発現減少を伴う処置前腫瘍生検(すなわち、TME)を有する対象を、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0165】
反対に、提供される方法は、T細胞媒介殺傷に感受性である特定のがんが、EZH2の発現減少およびEZH2阻害剤によって腫瘍微小環境においてアップレギュレーションされる他の遺伝子(本明細書において以降「感受性遺伝子」と呼ばれる)の発現増加を示すという観察にもさらに基づく。また、本明細書において、ある特定の感受性遺伝子が、腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤および/または存在と相関することもCD3発現による判定で見いだされ、それにより、腫瘍微小環境へT細胞を浸潤させるまたはそれを増加させるこれらの遺伝子の役割が示される。本明細書において、EZH2の発現減少および「感受性」遺伝子発現の発現増加が、再発または不応性(R/R)侵襲性非ホジキンリンパ腫(NHL)を有するヒト対象のCD19ターゲティングCAR T細胞の投与後3ヶ月目のより良好な応答(完全奏効;CR)、ならびに腫瘍微小環境へのCAR T細胞の低減された浸潤に関連することが見いだされる。特に、本明細書に記載される観察は、EZH2経路発現の減少が、DLBCLにおいて、腫瘍への基準T細胞浸潤の増加、より高い腫瘍増殖、およびCD19ターゲティングCAR T細胞単独療法に対するより良好なアウトカムに関連することを示している。いくつかの局面では、EZH2および/または抵抗性遣伝子が、例えばCAR T細胞療法による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞療法に応答してCRを示し続けた対象のDLBCL処置前腫瘍生検試料において減少することが観察された。同様に、CD3を含むT細胞遺伝子の発現が、例えばCAR T細胞療法による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置後にCRを示し続けた対象の処置前DLBCL腫瘍生検試料において増加することが観察された。
【0166】
これらの結果は、EZH2の阻害剤を、特に、EZH2および/または「抵抗性」遺伝子の発現増加を有する個体に投与することで、腫瘍へのT細胞浸潤が増加することにより、ある特定のエフェクター媒介免疫療法、例えば、T細胞エンゲージャーまたはT細胞療法に対する応答が改善され得ることを示唆している。いくつかの局面では、T細胞療法による処置前のEZH2阻害剤の投与は、腫瘍微小環境を変化させ得るので、腫瘍微小環境がT細胞浸潤により寛容性になり、それにより、T細胞療法投与(例えば、後続のT細胞療法投与)に対する応答が改善される。いくつかの局面では、細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)による処置前のEZH2阻害剤の投与は、例えば処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してCRを示し続ける対象のものに近くなるように、腫瘍の遺伝子発現プロファイルを変化させ得る。したがって、いくつかの態様では、例えば細胞療法(例えば、CAR T細胞)による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してPDを示し続けるかまたはその可能性がより高い対象の遺伝子発現プロファイルに似ていると観察された遺伝子発現プロファイルを有する処置前腫瘍を有する対象に、EZH2阻害剤が処置前投与される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、例えば細胞療法(例えば、CAR T細胞)による処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してPDを示し続ける対象の遺伝子発現プロファイルを有する処置前腫瘍を有する対象を、細胞療法処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの局面では、EZH2阻害剤の処置前投与は、腫瘍微小環境遺伝子発現プロファイルを、例えば処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してPDを示し続ける対象のものから、例えば処置後およそ3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答してCRを示し続ける対象のものへと変換する。
【0167】
いくつかの態様では、高いEZH2および/またはEZH2標的遺伝子発現を伴う処置前腫瘍生検を有する対象が、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、EZH2および/またはEZH2標的遺伝子の高発現を伴う処置前腫瘍生検(すなわち、TME)を有する対象を、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、低いT細胞マーカー(例えば、CD3)遺伝子発現を伴う処置前腫瘍生検を有する対象が、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、T細胞マーカー遺伝子、例えばCD3の低発現を伴う処置前腫瘍生検(すなわち、TME)を有する対象を、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、低いT細胞マーカー(例えば、CD3)遺伝子発現ならびにより高いEZH2および/またはEZH2標的遺伝子発現を伴う処置前腫瘍生検を有する対象が、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択される。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法のいずれかは、T細胞マーカー遺伝子、例えばCD3の低発現ならびにEZH2および/またはEZH2標的遺伝子の高発現を伴う処置前腫瘍生検(すなわち、TME)を有する対象を、EZH2阻害剤の処置前投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0168】
他の遺伝子がCAR T細胞による処置後3ヶ月目のCRと関連することが本明細書において見いだされた。例示的な遺伝子は、提供される方法の諸態様と併せて本明細書に記載される。提供される方法は、T細胞療法に対する応答を予測するためにそのような遺伝子の1つもしくは複数または複数のそのような遺伝子を含有する遺伝子セットの発現を評価することに関連する方法を含む。いくつかの態様では、提供される方法は、T細胞療法(例えば、CAR-T細胞)または必要であれば記載したようなEZH2阻害剤と併用したT細胞療法(例えば、CAR-T細胞)による処置の対象を選択するためにそのような遺伝子の1つもしくは複数または複数のそのような遺伝子を含有する遺伝子セットの発現を評価することに関連する方法を含む。よって、また、T細胞療法に対する応答を予測するためにそのような遺伝子の1つもしくは複数または複数のそのような遺伝子を含有する遺伝子セットの発現を評価することに基づく処置の方法に関連する方法の諸態様も本明細書に提供される。
【0169】
特に、処置前腫瘍生検におけるPDCD1、LAG3およびTIGITなどのT細胞活性化マーカーの発現増加は、CAR T細胞処置に応答したCR、例えばCAR T細胞処置後3ヶ月目または約3ヶ月目のCRに関連することが見いだされた。したがって、いくつかの局面では、対象の腫瘍生検がPDCD1、LAG3および/またはTIGITの発現減少を示す場合、該対象が、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択される。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、PDCD1、LAG3および/またはTIGITの発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、PDCD1の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、LAG3の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、TIGITの発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0170】
追加の遺伝子が、例えばCAR T細胞による処置後3ヶ月目または約3ヶ月目にCAR T細胞処置に応答したCRと関連することが本明細書において見いだされた。特に、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28およびCCL21の処置前発現の増加は、CAR T細胞処置に応答したCR、例えばCAR T細胞処置後3ヶ月目または約3ヶ月目のCRに関連することが見いだされた。したがって、いくつかの局面では、対象の処置前腫瘍生検がKLRB1、CD40LG、ICOS、CD28および/またはCCL21の発現減少を示す場合、該対象が、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択される。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28および/またはCCL21の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、KLRB1の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、CD40LGの発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、ICOSの発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、CD28の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかについて、該方法は、CCL21の発現減少を示す処置前腫瘍生検を有する対象を、CAR T細胞処置前のEZH2阻害剤投与のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、EZH2阻害剤との併用は、CAR-T細胞療法の投与を受ける前のEZH2阻害剤の処置前投与を伴う。
【0171】
EZH2は、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ酵素であり、ポリコーム抑制複合体2(PRC2)の触媒成分(これは、胚性外胚葉発達(EED)およびzeste 12抑制因子(SUZ12)も含む)である。EZH2は、リジン27でのヒストン3(H3K27)のメチル化を触媒する。いくつかの場合、H3K27のトリメチル化(H3K27me3)は、腫瘍抑制遺伝子などの転写抑制に関連する(例えば、Bradley et al. (2014) Chemistry and Biology, 21:1463-75を参照のこと)。いくつかの場合、EZH2は、一部のがんにおいて過剰発現および/または変異し、リジン27でのヒストン3の過剰メチル化を促進し得る。いくつかの場合、EZH2は、がんにおいて過剰発現される。いくつかの場合、EZH2は、がんにおいて変異している(例えば、Bodor et al. (2013) Blood, 122:3165-68を参照のこと)。いくつかの場合、EZH2は、以下の変異の1つまたは複数を含む:Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679M。いくつかの場合、EZH2変異は、機能獲得変異である。いくつかの場合、tEZH2は、以下の機能獲得変異の1つまたは複数を含む:Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、およびA692V。いくつかの場合、EZH2の過剰発現および/または変異は、がん細胞の細胞死抵抗性の増加を支援し得る。いくつかの局面では、EZH2の過剰発現および/または変異は、がん細胞における腫瘍抑制遺伝子の阻害をもたらし得る。がん細胞の細胞死抵抗性は、いくつかの場合、ヒストン3がリジン27でトリメチル化されると生じ得る。ある特定の局面では、EZH2の過剰発現および/または変異は、腫瘍抑制遺伝子を阻害することによってがん細胞の生存を支援かつ増加させ得る。
【0172】
様々なEZH2阻害剤が公知である。EZH2阻害剤は、例えば、腫瘍抑制遺伝子を阻害するEZH2の役割に起因したがん細胞生存を改善するために、臨床試験において単独療法として使用されている。CPI-1205は、S-アデノシル-l-メチオニン(SAM)競合EZH2阻害剤である。CPI-1205は、B細胞リンパ腫、進行性固形腫瘍および転移去勢抵抗性前立腺がん(それぞれ、NCT02395601、NCT03525795およびNCT03480646)のために臨床試験中である。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)および辺縁帯リンパ腫を含むB細胞リンパ腫を有する対象に対する臨床試験において、CPI-1205は、800mg BIDで28日サイクルにて投与された(Harb et al. (2018) Annals of Oncology, 29:iii7-9)。タゼメトスタット(EPZ-6438)は、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の低分子阻害剤である。タゼメトスタットは、再発または不応性(R/R)B細胞非ホジキンリンパ腫を有する対象のための第II相試験を含め、臨床試験中である。再発または不応性(R/R)B細胞非ホジキンリンパ腫または進行性固形腫瘍を有する対象における第Ib/II相用量漸増試験は、推奨第II相用量800ミリグラム(mg)の毎日2回(BID)または毎日3回(TID)で28日サイクルと確立した(Italiano et al. (2018) Lancet Oncology, 19:649-59)。バレメトスタット(DS-3201b)は、EZH1およびEZH2の阻害剤である。バレメトスタットは、小細胞肺がん、白血病およびリンパ腫(それぞれ、NCT03879798、NCT03110354およびNCTNCT02732275)のために臨床試験中である。R/R非ホジキンリンパ腫を有する対象における用量漸増試験は、対象に、150mg、200mgまたは300mgを毎日1回、連続28日サイクルで病勢進行まで投与した(Maruyama et al. (2017) Blood, 130:4070)。GSK126(GSK2816126)は、EZH2の阻害剤である。第I相用量漸増試験は、R/R DLBCL、tFL、他のNHL、多発性骨髄腫および固形腫瘍を有する対象においてGSK126を評価した。対象に、50mg、100mg、200mg、400mg、800mg、1200mg、1800mg、2400mgまたは3000mgを28日サイクルで週2回静脈内(IV)投与し、3週間投与し1週間休薬した(Yap et al. (2016) Blood 128:4203; NCT 02082977)。例示的なEZH2阻害剤は、BIX-01294、カエトシン、CPI-169、CPI-905、CPI-360、CPI-209、CPI-1205、EPZ-6438(タゼメトスタット)、EPZ005687、EPZ011989、3-デアザンプラノシン(deazenplanocin)A(DZNep)、EI1、GSK503、GSK126、GSK926、GSK343、JQEZ5、MC3629、OR-S0、OR-S1、PF-06821497、PF-06726304アセテート、SAH-EZH2、SHR2554、シネフンギン、UNC1999、UNC2399、およびZLD1039を含むが、それらに限定されない。
【0173】
提供される態様は、T細胞療法(例えば、CAR-T細胞またはT細胞エンゲージング療法)とT細胞の腫瘍への浸潤を増加させるためのEZH2阻害剤との併用療法を伴う。いくつかの局面では、提供される併用療法は、EZH2発現がT細胞浸潤に負の影響を及ぼし得るという知見に基づく。提供される態様の中でも、該方法は、がんの細胞を標的とするかその殺傷に指向される免疫療法または細胞療法、例えばT細胞エンゲージング療法または細胞療法(CAR T細胞療法など)とEZH2の阻害剤との併用療法を伴う。いくつかの局面では、阻害剤は、zesteホモログ1エンハンサー(EZH1)、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)、またはそれらの組み合わせの活性を阻害する。いくつかの局面では、がんは、EZH2が過剰発現されているがんである。いくつかの局面では、がんは、EZH2が変異しているがんである。いくつかの局面では、阻害剤は、EZH1の活性を阻害または低減しない。いくつかの局面では、阻害剤は、EZH1よりもEZH2により選択的である。いくつかの局面では、阻害剤は、EZH2のS-アデノシル-l-メチオニン(SAM)競合阻害剤である(例えば、Tsang-Pai (2014) Anticancer Drugs, 26:139-47を参照のこと)。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、S-アデノシル-l-ホモシステイン(SAH)ヒドロラーゼ阻害剤である(例えば、Tsang-Pai (2014) Anticancer Drugs, 26:139-47を参照のこと)。
【0174】
いくつかの局面では、EZH2の過剰発現は、膀胱がん、乳がん、黒色腫および前立腺がんを含む多数のがんに関係している(例えば、Bradley et al. (2014) Chemistry and Biology, 21: 1463-75を参照のこと)。いくつかの場合、EZH2の過剰発現は、固形腫瘍の根底にある機序であり、過剰発現によってがん細胞の生存が促進される。いくつかの局面では、EZH2の変異は、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)および黒色腫を含む多数のがんに関係している(例えば、Bradley et al. (2014) Chemistry and Biology, 21:1463-75を参照のこと)。いくつかの場合、EZH2の変異は、リンパ腫および固形腫瘍の根底にある機序であり、変異によってEZH2の基質特異性が変化し、ジメチル化H3K27からトリメチル化H3K27への変換およびがん細胞の生存が促進される(例えば、Bradley et al. (2014) Chemistry and Biology, 21:1463-75を参照のこと)。いくつかの場合、EZH2阻害剤を用いる現行の方法は、阻害剤を種々のがんを処置するための治療薬として使用することを伴う。例えば、タゼメトスタットは、ヒト対象のR/R B細胞リンパ腫などのある特定のがんの処置において、用量100~1600ミリグラムを毎日2回の28日サイクルにより研究されている(例えば、Italiano et al. (2018) Lancet Oncology, 19:649-59を参照のこと)。タゼメトスタットの最大耐用量(MTD)は、800ミリグラムで毎日2回と確立された。追加の例として、CPI-1205は、ヒト対象のB細胞リンパ腫などのある特定のがんの処置において、用量200~1600ミリグラムを毎日2回または3回の28日サイクルにより研究されている(例えば、Harb et al. (2018) Annals of Oncology, 29:iii7-9を参照のこと)。さらなる例として、バレメトスタット(DS-3201b)は、ヒト対象のR/R非ホジキンリンパ腫などのある特定のがんの処置において、毎日150ミリグラム~毎日300ミリグラム用量を28日サイクルにより連続して病勢進行まで研究されている(Maruyama et al. (2017) Blood, 130:4070)。別の例として、GSK126は、R/R DLBCL、tFL、他のNHL、多発性骨髄腫(MM)および固形腫瘍などのある特定のがんの処置について、用量50mg~3000mgを静脈内で週2回、3週間投与し1週間休薬する28日サイクルで研究されている(Yap et al. (2016) Blood 128:4203; NCT 02082977)。用量3000mgを静脈内で週2回の28日サイクル(3週間投与し1週間休薬する)が研究拡大のために選択された。
【0175】
本明細書における観察は、CAR-T細胞療法などのT細胞療法を含む細胞療法とEZH2阻害剤との併用が有利であり得ることを示している。本明細書における結果は、EZH2遺伝子および/または「抵抗性」遺伝子のより高いレベルの発現が、CAR T細胞療法の投与後3ヶ月目のより応答不良に関連することを示す(すなわち、対象は、病勢進行;PDを示す可能性がより高い)。特に、処置前DLBCL腫瘍生検試料におけるEZH2遺伝子および/または「抵抗性」遺伝子のより高いレベルの発現は、細胞療法に対する、例えばCAR T細胞療法の投与後3ヶ月目または約3ヶ月目のより応答不良に関連する(すなわち、対象は、病勢進行;PDを示す可能性がより高い)。加えて、DLBCL腫瘍生検試料におけるDLBCL様遺伝子シグネチャは、細胞療法に対する、例えばCAR T細胞療法の投与後3ヶ月目または約3ヶ月目のより応答不良に関連する(すなわち、対象は、病勢進行;PDを示す可能性がより高い)。いくつかの局面では、提供される方法および使用は、ある特定の代替法と比較して、改善されたまたはより持続性の応答または有効性を提供するかまたは達成する。いくつかの局面では、提供される方法は、T細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)の投与に関連するような、腫瘍微小環境におけるT細胞の浸潤、持続性および/または細胞傷害性を増強するかまたはモジュレートする。いくつかの局面では、これは、細胞療法(例えば、CAR T細胞)による処置前に、EZH2阻害剤を対象に投与することによって達成される。
【0176】
いくつかの態様では、本明細書における観察は、EZH2阻害剤が、がん細胞に対するT細胞および/またはCAR T細胞の浸潤、持続性および/または細胞傷害性を改善し得ることを示している。提供される知見は、T細胞を伴う、例えば養子T細胞療法の投与を伴う方法における阻害剤の併用療法が、T細胞療法の改善された機能を達成することを示している。いくつかの態様では、細胞療法(例えば、操作されたT細胞の投与)とEZH2阻害剤との併用は、T細胞療法の1つまたは複数の機能および/または効果、例えば細胞傷害性および/または治療アウトカム、例えば、腫瘍または他の疾患または標的細胞を殺傷する能力またはその負荷量を低減する能力を改善するかまたは増強する。
【0177】
いくつかの局面では、そのような効果は、腫瘍または疾患または標的細胞それ自体が、療法、例えば免疫療法もしくは細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR T細胞)または阻害剤の用量がそれぞれ単独で投与された際に、それらに非感受性、抵抗性および/またはその他の点で十分に応答しないにもかかわらず観察される。いくつかの態様では、がんは、T細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)を含め、がんの殺傷に指向されるかそれを標的とするがんを処置するための療法による処置に、非感受性であるかまたは抵抗性になっている。いくつかの態様では、がんの細胞がEZH2を過剰発現するおよび/またはEZH2変異を有することにより、がんは、そのような療法に非感受性であるかまたは抵抗性になっている。例えば、いくつかの態様では、がんは、がん関連抗原、例えばCD19を標的とするCAR T細胞に非感受性であるかまたは抵抗性になっている。いくつかの態様では、提供される併用療法は、同じ投与レジメン(例えば、用量および頻度)で与えられる、療法(例えば、CAR T細胞療法)の投与のみを伴う療法またはEZH2阻害剤の投与のみを伴う療法と比較して、相乗的な効果および活性を達成する。
【0178】
いくつかの態様では、提供される方法、使用および併用療法は、EZH2阻害剤を、T細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)などのがんの殺傷に指向されるかそれを標的とするがんを処置するための療法と併用して、すでに該阻害剤または別のEZH2が投与されていた対象に投与することを含む。いくつかの態様では、併用療法、方法および使用は、EZH2阻害剤を、T細胞療法(例えば、CAR+ T細胞)と併用して、事前に該阻害剤の投与を受けている対象に、ただしT細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)などのがんの殺傷に指向されるかそれを標的とするがんを処置するための療法なしで(または併用せずに)継続投与することを含む。いくつかの態様では、提供される方法、使用および併用療法は、T細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)による処置前にのみ、EZH2阻害剤を投与することを含む。いくつかの局面では、提供される方法、使用および併用療法は、T細胞エンゲージング療法またはT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)による処置前にのみ、例えば、リンパ球枯渇療法の前および/または後に、EZH2阻害剤を投与することを含む。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、細胞療法(例えば、CAR T細胞)の開始の2~7日前に終了する。
【0179】
いくつかの態様では、該方法および併用は、がん細胞に対するT細胞媒介細胞傷害性の改善をもたらす。いくつかの態様では、該方法および併用は、任意でH3K27のトリメチル化を減少させることによって、がん細胞に対するT細胞媒介細胞傷害性の改善をもたらす。いくつかの態様では、該方法および併用は、任意でCAR T細胞の腫瘍環境への浸潤および/または持続性を増加させることによって、がん細胞に対するT細胞媒介細胞傷害性の改善をもたらす。そのような改善は、いくつかの局面では、機能性、例えば、CAR-T細胞の機能性、増殖および/または持続性の1つまたは複数の他の所望の特性を損なうことなく、または実質的に損なうことなくもたらされる。いくつかの態様では、阻害剤との併用は、T細胞の細胞傷害性を改善しながらも、細胞が活性化状態になる能力、1つまたは複数の所望のサイトカインを分泌する能力、拡大および/または持続する能力を低下させないことが、例えば、阻害剤の非存在下であるがその他の点では同じ条件下で培養されたそのような細胞と比較したインビトロアッセイで測定される。
【0180】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与開始の前に、それと同時におよび/またはその後に投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与開始前に投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与開始前に投与され、T細胞療法の投与前に中断される。いくつかの局面では、リンパ球枯渇療法は、T細胞療法の投与前に対象に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の前に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の後に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の前および後に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤の投与は、T細胞療法、例えば、CAR T細胞の投与前に中断される。
【0181】
いくつかの局面では、阻害剤は、毎日投与される。いくつかの局面では、阻害剤は、毎日1回、毎日2回、毎日3回、または毎日3回超投与される。いくつかの局面では、阻害剤は、毎日1回投与される。いくつかの局面では、阻害剤は、毎日2回投与される。いくつかの局面では、阻害剤は、毎日3回投与される。いくつかの局面では、阻害剤は、毎日4回投与される。
【0182】
いくつかの局面では、EZH2の阻害剤の投与、例えば毎日投与は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与開始の前に、それと同時におよび/またはその後に開始され、所定の日数まで継続される。いくつかの局面では、EZH2の阻害剤の投与、例えば毎日投与は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与前に開始され、所定の日数まで継続される。いくつかの局面では、所定の日数は、T細胞療法の投与開始後の所定の日数である。いくつかの態様では、阻害剤は、T細胞療法(CAR-T細胞)レベルが、T細胞(例えば、CAR発現T細胞)の投与後、対象の血中または疾患部位中で、ピークまたは最大(例えばCmax)レベルになる時点までまたはそうなった後の時点まで、投与される、例えば、毎日投与される。いくつかの局面では、阻害剤の投与は、T細胞療法の投与開始後、少なくとも14日もしくは少なくとも約14日、少なくとも30日もしくは少なくとも約30日、少なくとも60日もしくは少なくとも約60日、少なくとも90日もしくは少なくとも約90日、少なくとも120日もしくは少なくとも約120日、または少なくとも180日もしくは少なくとも約180日継続される。いくつかの態様では、阻害剤の投与は、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞の投与開始後、少なくとも90日または約少なくとも90日または約90日または90日継続される。いくつかの局面では、阻害剤の投与を中断する時点で、対象におけるT細胞療法の持続性が観察される。いくつかの態様では、阻害剤の投与を中断する時点で、対象がEZH2阻害剤の投与から恩恵を受けるかどうかを査定するために、対象を評価することができる。いくつかの態様では、阻害剤の投与を中断する時点で、対象が応答または応答の指標となる特定の程度もしくはアウトカム、例えばいくつかの態様ではCRを達成したかどうかを査定するために、対象が評価される。いくつかのそのような態様では、対象が応答の指標となるCRまたは他のアウトカムを達成したかCRまたはアウトカムの可能性を示す場合、提供される方法、組成物、製造品または使用は、阻害剤またはその投与の中断を許可するか、それを指定するか、またはそれを伴う。いくつかのそのような態様では、対象が臨床的寛解を達成した場合、提供される方法、組成物、製造品または使用は、阻害剤またはその投与の中断を許可するか、それを指定するか、またはそれを伴う。いくつかのそのような態様では、対象がCRを達成していない場合、提供される方法は、阻害剤の投与の継続を許可する。いくつかのそのような態様では、対象が病勢進行を示す場合、提供される方法、組成物、製造品または使用は、阻害剤またはその投与の中断を許可するか、それを指定するか、またはそれを伴う。したがって、いくつかの局面では、提供される方法および他の態様は、延長されたまたは過度に延長された阻害剤の投与を回避するかまたは低下させる。いくつかの局面では、そのような延長された投与は他の点で、療法が投与されている対象(患者など)にとって1つまたは複数の望ましくないアウトカム、例えば、副作用またはその生活の質の崩壊もしくは低下をもたらし得るかまたはその可能性を増加させ得る。いくつかの局面では、投与の設定された所定の時間、例えば最小時間は、患者コンプライアンスの可能性、または特に毎日投与の場合には、阻害剤が指示通りもしくは該方法に従って投与されるであろう可能性を増加させ得る。
【0183】
いくつかの態様では、提供される方法は、CAR-T細胞療法を強化することができ、それは、いくつかの局面では、他の療法に抵抗性もしくは不応性である、侵襲性もしくは高リスクがんである、および/または阻害剤なしで投与されたときにCAR-T細胞療法に対して比較的低い応答率を示すもしくはそれを示す可能性が高い、がんを有する対象の処置のアウトカムを改善することができる。いくつかの局面では、提供される方法に従ってEZH2阻害剤を投与することは、CAR T細胞療法に対するがん細胞の抵抗性を低下させることによって、任意でがん細胞におけるH3K27のトリメチル化状態を減少させることによって、がん、例えば、FLおよびDLBCLなどのサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞悪性腫瘍を処置するためのCAR発現細胞の活性を増加させ得る。いくつかの局面では、提供される方法に従ってEZH2阻害剤を投与することは、CAR T細胞療法に対するがん細胞の抵抗性を低下させることによって、任意でCAR T細胞の腫瘍環境への浸潤および/または持続性を増加させることによって、がん、例えば、FLおよびDLBCLなどのサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞悪性腫瘍を処置するためのCAR発現細胞の活性を増加させ得る。いくつかの局面では、投与されたCAR+ T細胞のヒトがん細胞に対する抗腫瘍活性が改善される。
【0184】
いくつかの態様では、増加した持続性を有する遺伝子操作された細胞は、それが投与される対象においてより良好な効力を示す。いくつかの態様では、CAR発現T細胞などの遺伝子操作された細胞の投与時の対象における持続性は、参照細胞組成物の投与を伴うなどの代替法によって達成されるものと比較してより大きい。いくつかの態様では、持続性は、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍もしくはそれ以上、または約少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍もしくはそれ以上増加する。
【0185】
いくつかの態様では、投与された細胞の持続性の程度または範囲は、対象に投与した後に検出または定量することができる。例えば、いくつかの局面では、対象の血液または血清または臓器または組織(例えば、疾患部位)中の組換え受容体を発現する細胞(例えば、CAR発現細胞)の量を査定するために定量PCR(qPCR)が使用される。いくつかの局面では、持続性は、DNA 1マイクログラム当たりの、受容体(例えば、CAR)をコードするDNAまたはプラスミドのコピー数として、あるいは、試料(例えば、血液もしくは血清)1マイクロリットル当たりの、または試料1マイクロリットルにつき末梢血単核細胞(PBMC)もしくは白血球もしくはT細胞の総数当たりの、受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)の数として定量される。いくつかの態様では、受容体を発現する細胞を一般に受容体に特異的な抗体を使用して検出するフローサイトメトリーアッセイを実施することもできる。また、疾患もしくは病態の細胞または受容体によって認識される抗原を発現する細胞に結合可能な、および/またはそれを中和可能な、および/またはそれに対して応答、例えば、細胞傷害性応答を誘導可能な細胞などの、機能的細胞の数または割合を検出するために細胞ベースアッセイを使用してもよい。そのような態様のいずれにおいても、組換え受容体(例えば、CAR発現細胞)に関連する別のマーカーの発現の範囲またはレベルを使用して、投与された細胞を対象中の内因性細胞と識別することができる。
【0186】
特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本出願において参照されるすべての刊行物は、それぞれの個々の刊行物が個々に参照により組み入れられていたかのように同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義に反する場合、または、そうでなければ、該定義と一致しない場合、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
【0187】
本明細書において使用されるセクション見出しは、構成を目的としたものにすぎず、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0188】
I. 併用療法の方法および使用
本明細書において、対象に、1)EZH2の阻害剤と、2)免疫療法または免疫治療剤、例えば養子免疫細胞療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現細胞、例えばT細胞))またはT細胞エンゲージングもしくは免疫調節療法(例えば、多重特異性T細胞リクルート抗体および/またはチェックポイント阻害剤)との併用療法を投与する工程を含む、疾患または病態(例えば、がんまたは増殖性疾患)を処置するための併用療法のための方法が提供される。いくつかの態様では、免疫療法は、疾患または障害(例えば、がんまたは増殖性疾患)に関連する抗原を特異的に認識および/または標的とするT細胞を含む、養子免疫細胞療法である。したがって、いくつかの態様では、該方法は、対象に、1)EZH2の阻害剤と、2)T細胞療法(例えば、CAR発現細胞、例えばT細胞)との併用療法を投与する工程を含み、T細胞療法による処置前にEZH2阻害剤の投与を含む、がん(例えば、DLBCL)を処置するための併用療法を含む。また、T細胞療法を含む組成物および/またはEZH2の阻害剤を含む組成物を含有する組み合わせおよび製造品(例えば、キット)、ならびに、血液悪性腫瘍を含むがんなどの疾患または病態を治療または予防するためのそのような組成物および組み合わせの使用も提供される。
【0189】
いくつかの態様では、方法は、阻害剤の投与を、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞エンゲージング療法などの他の療法の投与(例えば、投与開始)の前に、それと同時に、その途中に、その経過途中に(その経過途中に1回および/または定期的を含む)、および/またはそれに続いて含むことができる。いくつかの態様では、方法は、阻害剤の投与を、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)の投与(例えば、投与開始)の前に含むことができる。いくつかの態様では、投与は、阻害剤および/または免疫療法もしくは免疫治療剤(例えば、T細胞療法)の逐次的または断続的な投与を伴うことができる。
【0190】
いくつかの態様では、細胞療法は、養子細胞療法である。いくつかの態様では、細胞療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、トランスジェニックTCR療法または組換え受容体発現細胞療法(任意でT細胞療法)(これは、任意でキメラ抗原受容体(CAR)発現細胞療法である)であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、該療法は、CD19を標的とするか、またはB細胞標的指向型療法である。いくつかの態様では、養子細胞療法は、対象に対して自家である細胞を含む。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作される。いくつかの態様では、対象に対して自家である細胞は、CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作される。いくつかの態様では、CARを発現する自家T細胞が対象に提供される。いくつかの態様では、細胞および細胞を投与するための投与レジメンは、下記「免疫療法細胞療法の投与」のサブセクションBに記載されるようないずれかを含むことができる。
【0191】
いくつかの態様では、細胞療法は、腫瘍微小環境中に浸潤するおよび/または持続することによって、がん細胞死を媒介および/または誘導可能である。いくつかの態様では、がん細胞は、細胞療法の細胞が腫瘍微小環境中に浸潤するおよび/または持続することができないことにより、細胞死に抵抗性である。いくつかの態様では、阻害剤は、細胞療法の細胞が腫瘍微小環境中に浸潤するおよび/または持続する能力を増加させる。
【0192】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、EZH1、EZH2、またはそれらの組み合わせを阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH1よりもEZH2により選択的である。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH1を阻害しない。いくつかの態様では、細胞および阻害剤を投与するための投与レジメンは、下記「zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与」のサブセクションAに記載されるようないずれかを含むことができる。
【0193】
いくつかの態様では、細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞エンゲージング療法と阻害剤は、対象に投与するための薬学的組成物として提供される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、併用療法のための作用物質、例えば、記載されるような養子細胞療法のためのT細胞と阻害剤の一方または両方の治療上有効な量を含有する。いくつかの態様では、作用物質は、別々の薬学的組成物での投与のために製剤化される。いくつかの態様では、本明細書に提供される薬学的組成物はいずれも、各投与経路に適した剤形で製剤化することができる。
【0194】
いくつかの態様では、細胞療法(例えば、操作された細胞を含むT細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)と阻害剤を投与する工程を含む併用療法は、がんを有するまたはがんのリスクのある対象または患者に投与される。いくつかの態様では、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法)とEZH2阻害剤を投与する工程を含む併用療法は、非ホジキンリンパ腫(NHL)を有するとして選択された対象または患者に投与される。いくつかの態様では、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法)とEZH2阻害剤を投与する工程を含む併用療法は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有するとして選択された対象または患者に投与される。いくつかの態様では、該方法は、NHLを有する対象を併用療法のために選択する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、DLBCLを有する対象を併用療法のために選択する工程を含む。いくつかの局面では、該方法は、疾患または病態の1つまたは複数の症状を、細胞療法によって認識される、例えば操作されたT細胞によって認識される抗原を発現するがんにおける腫瘍負荷量を低下させるなどによって、処置する、例えば、改善する。
【0195】
いくつかの態様では、処置される疾患または病態は、抗原の発現が、がんなどの疾患、病態または障害の病因に関連するおよび/または関与する、例えば、そのような疾患、病態または障害を引き起こす、悪化させるまたはその他の点で関与するいずれであってもよい。例示的な疾患および病態は、細胞の悪性腫瘍または形質転換に関連する疾患または病態(例えば、がん)を含むことができる。処置できる様々な疾患および病態に関連する抗原を含む例示的な抗原は、本明細書に記載される抗原のいずれかを含む。特定の態様では、キメラ抗原受容体またはトランスジェニックTCRを含む、併用療法の操作された細胞上に発現される組換え受容体は、がんに関連する抗原に特異的に結合する。
【0196】
いくつかの態様では、疾患または病態は、腫瘍、例えば、固形腫瘍、リンパ腫、白血病、血液腫瘍、転移性腫瘍、または他のがんもしくは腫瘍タイプである。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、B細胞悪性腫瘍または血液悪性腫瘍である。いくつかの態様では、該方法は、骨髄腫、リンパ腫または白血病を処置するために使用することができる。いくつかの態様では、該方法は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、不応性濾胞性リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、または骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫(MM)を処置するために使用することができる。いくつかの態様では、がんは、リンパ腫である。いくつかの態様では、がんは、リンパ腫、例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの態様では、NHLは、NHLのサブタイプ、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの態様では、NHLは、NHLのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)サブタイプである。いくつかの態様では、NHLは、NHLのFLサブタイプではない。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCLのサブタイプ、例えば、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである。いくつかの態様では、DLBCLは、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない。いくつかの態様では、リンパ腫は、濾胞性リンパ腫(FL)である。
【0197】
いくつかの態様では、がんなどの疾患または障害に関連する抗原は、ROR1、B細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、L1-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEA、およびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3、もしくは4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、Lewis Y、L1細胞接着分子(L1-CAM)、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メラノーマの優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん-精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、腫瘍胎児性抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、および病原体特異抗原からなる群より選択される。いくつかの態様では、抗原は、ユニバーサルタグに関連するかまたはユニバーサルタグである。
【0198】
いくつかの態様では、米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス指標を使用して、処置のための対象、例えば、先行療法で成績不良であった対象を評価または選択することができる(例えば、Oken et al. (1982) Am J Clin Oncol. 5:649-655を参照のこと)。パフォーマンスステータスのECOGスケールは、患者自身の身のまわりのことをする能力、日常活動能力および身体能力(例えば、歩行、作業など)の観点から患者の機能性レベルを表す。いくつかの態様では、ECOGパフォーマンスステータス0は、対象が通常の活動を行うことができることを示す。いくつかの局面では、ECOGパフォーマンスステータス1を有する対象は、身体活動においていくらかの制限を示すが、対象は十分に歩行可能である。いくつかの局面では、ECOGパフォーマンスステータス2を有する患者は、50%よりも多く歩行可能である。いくつかの場合、ECOGパフォーマンスステータス2を有する対象はまた、身のまわりのことをすることが可能でもある;例えば、Sorensen et al., (1993) Br J Cancer 67(4) 773-775を参照されたい。ECOGパフォーマンスステータスを反映した基準を以下の表1に記載する。
【0199】
(表1)ECOGパフォーマンスステータス基準
【0200】
受容体(例えば、CAR)によって標的とされる抗原は、いくつかの態様では、多数の公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30であるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。
【0201】
特に、中でも提供される態様は、CLLまたはSLLを有する対象を処置する方法である。提供される方法のいくつかの態様では、対象は、高リスクCLLまたはSLLを有する。いくつかの態様では、対象は、過度に事前処置された高リスクCLL(またはSLL)を有する対象集団であり、それらはすべて、イブルチニブを含む1つまたは複数の先行療法を受けていた。いくつかの態様では、処置される対象は、イブルチニブでの初期寛解に続いて再発をきたした対象、またはイブルチニブによる処置に不応性または不耐容性である対象を含む。特定の態様では、処置される対象は、イブルチニブに加えて1つまたは複数のさらなる先行療法、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはより多くの先行療法に、寛解に続いて再発をきたした対象、または不応性または不耐容性である対象を含む。いくつかの態様では、対象は、イブルチニブおよびベネトクラクスの両先行処置に、再発をきたしたかまたは不応性である。いくつかの態様では、そのような処置に不応性である対象は、1つまたは複数の先行療法後に病勢進行が認められている。いくつかの態様では、1つまたは複数の先行療法(例えば、イブルチニブおよび/またはベネトクラクス)で処置される対象を含め、処置される対象は、TP53変異、複雑核型(すなわち、少なくとも3つの染色体変化)およびdel17(p)を含む高リスク細胞遺伝学を有する対象を含む。
【0202】
提供される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、CLLを有するかまたはCLLを有する疑いがある;または、対象は、CLLを有するとして特定または選択される。いくつかの態様では、CLLは、再発または不応性CLLである。
【0203】
いくつかの態様では、対象は、SLLを有するかまたはSLLを有する疑いがある;または、対象は、SLLを有するとして特定または選択される。いくつかの態様では、SLLは、再発または不応性SLLである。
【0204】
いくつかの態様では、操作されたT細胞の用量の投与前、対象は、療法(例えば、CARを発現する細胞の用量)またはリンパ球枯渇療法以外の、CLLまたはSLLのための1つまたは複数の先行療法で処置されていた。いくつかの態様では、1つまたは複数の先行療法は、少なくとも2つの先行療法、任意で3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたはそれ以上の先行療法を含む。
【0205】
いくつかの態様では、細胞の用量の投与時またはその直前に、対象は、CLLのための1つまたは複数の先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった。いくつかの態様では、対象は、2つ以上の先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった。いくつかの態様では、細胞の用量の投与時またはその直前に、対象は、3つ以上の先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった。いくつかの態様では、先行療法は、キナーゼ阻害剤、任意でブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤、任意でイブルチニブ;ベネトクラクス;フルダラビンとリツキシマブとを含む併用療法;放射線療法;および造血幹細胞移植(HSCT)から選択される。いくつかの態様では、先行療法は、イブルチニブおよびベネトクラクスを含む。いくつかの態様では、先行療法は、イブルチニブを含む。
【0206】
いくつかの態様では、対象は、イブルチニブ、リツキシマブおよび/またはベネトクラクスによる処置後の寛解に続いて再発をきたした、該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/またはそれらに不耐容性である。いくつかの態様では、対象は、イブルチニブによる処置後の寛解に続いて再発をきたした、該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/またはイブルチニブに不耐容性である。
【0207】
いくつかの態様では、細胞の用量の投与時または投与前:対象は、任意で高リスクCLLに関連する1つまたは複数の細胞遺伝学的異常(任意で、複雑核型または細胞遺伝学的異常、del 17p、未変異IGVH遺伝子、およびTP53変異の中から選択される)を有すると特定されるかまたは特定されていた;対象は、高リスクCLLを有すると特定されるかまたは特定されていた。
【0208】
いくつかの態様では、対象は、ECOGステータス0または1を有すると特定されるかまたは特定されていた;および/または、対象は、ECOGステータス>1を有しない。いくつかの態様では、操作された細胞の用量またはリンパ球枯渇療法の投与時またはその直前に、対象は、CLLまたはSLLのリヒター形質転換を有しない。
【0209】
いくつかの態様では、該方法は、リンパ腫または白血病、またはB細胞悪性腫瘍、例えば大細胞型B細胞リンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する対象を処置する工程を伴う。
【0210】
いくつかの態様では、提供される方法は、対象の特定の群またはサブセット、例えば、高リスク疾患、例えば、高リスクNHLまたは高リスク大細胞型B細胞リンパ腫を有すると特定された対象を処置する工程を伴う。いくつかの局面では、該方法は、標準療法を受けて再発をきたしたかそれに対して不応性である(R/R)および/または予後不良を有する、NHLなどの侵襲性および/または予後不良B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)の形態を有する対象を処置する。
【0211】
いくつかの態様では、対象は、B細胞悪性腫瘍、例えば、B細胞リンパ腫および/または非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する。いくつかの態様では、対象は、B細胞悪性腫瘍、例えば、大細胞型B細胞リンパ腫、例えば、再発/不応性(R/R)大細胞型B細胞リンパ腫を有する。いくつかの態様では、対象は、大細胞型B細胞リンパ腫、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、非特定型(NOS;デノボもしくはインドレントからの形質転換型)DLBCLまたは他のDLBCL)を有する。いくつかの態様では、対象は、大細胞型B細胞リンパ腫、例えば、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)を有する。いくつかの態様では、対象は、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)を有しない。いくつかの態様では、対象は、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)または濾胞性リンパ腫(FL)、例えば、濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)を有する。いくつかの局面では、B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫またはPBMCLであるか、またはそれを含む。いくつかの局面では、対象は、非特定型(NOS)DLBCLであるDLBCLを有する。いくつかの態様では、リンパ腫、例えばDLBCLは、デノボである。いくつかの態様では、リンパ腫、例えばDLBCLは、別のインドレントリンパ腫からの形質転換型である。いくつかの態様では、リンパ腫、例えばDLBCLは、濾胞性リンパ腫からの形質転換型(tFL)である。
【0212】
いくつかの態様では、該方法は、米国東海岸がん臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG)0~1または0~2を有する対象を処置する工程を伴う。いくつかの態様では、該方法は、米国東海岸がん臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG)0~1を有する対象を処置する工程を伴う。いくつかの態様では、該方法は、米国東海岸がん臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG)0~2を有する対象を処置する工程を伴う。いくつかの態様では、該方法は、DLBCL患者の予後不良集団、または療法もしくは特定の参照療法に対して一般に応答不良であるその対象、例えば、1つもしくは複数、例えば2つもしくは3つの染色体転座(いわゆる「ダブルヒット」または「トリプルヒット」リンパ腫など;MYC/8q24座の転座を、通常、t(14;18)(q32;q21)bcl-2遺伝子または/およびBCL6/3q27染色体の転座と組み合わせて有する;例えば、Xu et al. (2013) Int J Clin Exp Pathol. 6(4): 788-794を参照のこと)を有する対象、および/または自家幹細胞移植(ASCT)の投与に続いて再発(例えば12ヶ月以内に再発)をきたした対象、および/または化学療法抵抗性であるとみなされる対象を処置する。
【0213】
いくつかの態様では、本明細書に提供される併用療法は、療法、例えば組換え受容体を発現する細胞の投与前に、疾患または病態、例えば、大細胞型B細胞リンパ腫またはNHLを標的とする療法または治療剤で事前に処置されていた対象において行われる。いくつかの態様では、対象は、造血幹細胞移植(HSCT)、例えば、同種HSCTまたは自家HSCTで事前に処置されていた。いくつかの態様では、対象は、標準療法による処置後に予後不良を有していた、および/または1もしくは複数の種類の事前療法が奏効しなかった。いくつかの態様では、対象は、リンパ球枯渇療法および/または療法(例えば、抗原受容体を発現する細胞の用量)以外の、大細胞型B細胞リンパ腫またはNHLなどの疾患または障害を処置するための少なくとも1つ、2つ、3つもしくは4つ、または少なくとも約1つ、2つ、3つもしくは4つ、または約1つ、2つ、3つもしくは4つの他の療法で処置されていたか、またはその療法を事前に受けていた。いくつかの態様では、対象は、アントラサイクリン、CD20を標的とする作用物質および/またはイブルチニブを含む療法で処置されていたか、またはその療法を事前に受けていた。
【0214】
いくつかの態様では、対象は、化学療法または放射線療法で事前に処置されていた。いくつかの局面では、対象は、他の療法または治療剤に対して不応性または非応答性である。いくつかの態様では、対象は、例えば、化学療法または放射線を含む別の療法または治療的介入による処置後に、持続しているまたは再発をきたした疾患を有する。
【0215】
いくつかの態様では、対象は、移植に適格である、例えば、造血幹細胞移植(HSCT)、例えば同種HSCTに適格である、対象である。いくつかのそのような態様では、対象は、本明細書に提供されるような対象への療法、例えば、操作された細胞(例えば、CAR-T細胞)を含有する細胞療法または該細胞を含有する組成物の投与前に、適格であるにもかかわらず移植を事前に受けたことがない。
【0216】
いくつかの態様では、対象は、移植に適格でない、例えば、造血幹細胞移植(HSCT)、例えば同種HSCTに適格でない、対象である。
【0217】
いくつかの態様では、対象は、中枢神経系(CNS)障害に関連するかまたはそれを伴うリンパ腫を有し、対象は、ベチラセタムなどの抗てんかん薬で事前に処置されていた。
【0218】
いくつかの態様では、該方法は、高リスク大細胞型B細胞リンパ腫または高リスクNHLを有するとして選択されたまたは特定された対象への細胞の投与を含む。いくつかの態様では、対象は、B細胞悪性腫瘍、例えば高リスクB細胞リンパ腫または高リスクNHLに関連するなどの、1つまたは複数の細胞遺伝学的異常を示す。いくつかの態様では、対象は、侵襲性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球リッチ大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)および/または濾胞性リンパ腫(FL)であると特徴付けられたまたは判定された疾患または病態を有することに基づいて選択されるかまたは特定される。特定の態様では、本明細書に提供される方法を使用して処置されるべき対象は、侵襲性大細胞型B細胞リンパ腫または侵襲性NHLを有する、特に、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、非特定型(NOS;デノボもしくはインドレントからの形質転換型)、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)または濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)を有する対象を含む。特定の態様では、本明細書に提供される方法を使用して処置されるべき対象は、濾胞性リンパ腫(FL)または別のインドレントリンパ腫から形質転換したDLBCLを有する対象を含む。いくつかの態様では、対象は、辺縁帯リンパ腫(MZL)または慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、リヒター)から形質転換したDLBCLを有する。いくつかの態様では、CLLからの形質転換を有する対象は、CLLの侵襲性リンパ腫への、最も一般的にはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)への形質転換と定義されるリヒター症候群(RS)を示すことができる(例えば、Parikh et al. Blood 2014 123: 1647-1657を参照のこと)。いくつかの態様では、対象は、マントル細胞リンパ腫(MCL)を有する。いくつかの態様では、対象は、≧1種類の先行療法が奏効しなかった(再発/不応性、R/R)マントル細胞リンパ腫(MCL)を有する。いくつかの態様では、対象は、R/R疾患を伴うサイクリンD1発現MCLと確認されている。
【0219】
いくつかの態様では、対象は、パフォーマンスステータス不良を有する。いくつかの局面では、処置されるべき集団は、0~2の範囲にある米国東海岸がん臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG)を有する対象を含む。諸態様のいずれかの他の局面では、処置されるべき対象は、ECOG 0~1の対象を含む、またはECOG 2の対象を含まない。諸態様のいずれかのいくつかの局面では、処置されるべき対象は、2つ以上の先行療法が奏効しなかった。いくつかの態様では、対象は、辺縁帯リンパ腫(MZL)または慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、リヒター)から形質転換したDLBCLを有しない。いくつかの態様では、対象は、全生存期間不良と相関する特徴を有する。いくつかの態様では、対象は、完全奏効(CR)を達成したことがない、自家幹細胞移植(ASCT)を受けたことがない、1つまたは複数の第2選択肢の療法に不応性である、原発性不応性疾患を有する、かつ/またはECOGパフォーマンススコア2またはECOGスコア0~1を有する。
【0220】
いくつかの態様では、処置されるべき対象は、2種類の療法の不奏効後、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、デノボもしくはインドレントリンパ腫からの形質転換型(非特定型、NOS)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)および濾胞性リンパ腫グレード3b(FL3B)、ならびにECOGスコア0~2を有する対象群を含み、対象は、任意で同種幹細胞移植(SCT)で事前に処置されていてもよい。いくつかの態様では、対象がパフォーマンスステータス不良(例えば、ECOG 2)を有するおよび/または辺縁帯リンパ腫(MZL)もしくは慢性リンパ性白血病(CLL、リヒター)から形質転換したDLBCLを有する場合、対象は、処置のために選択されないかまたは処置から除外される。したがって、いくつかの態様では、対象が、2種類の療法の不奏効後、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、デノボもしくはインドレントリンパ腫からの形質転換型(NOS)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)および濾胞性リンパ腫グレード3b(FL3B)、ならびにECOGスコア0または1を有する場合、対象は、処置のために選択され、対象は、任意で同種幹細胞移植(SCT)で事前に処置されていてもよいが、辺縁帯リンパ腫(MZL)または慢性リンパ性白血病(CLL、リヒター)から形質転換したDLBCLを有しない。
【0221】
いくつかの態様では、処置されるべき対象は、濾胞性リンパ腫、不応性濾胞性リンパ腫および濾胞性リンパ腫グレード3b(FL3B)、ECOGスコア0~2を有する対象群を含み、対象は、任意で同種幹細胞移植(SCT)で事前に処置されていてもよい。いくつかの態様では、対象がパフォーマンスステータス不良(例えば、ECOG 2)を有するおよび/または辺縁帯リンパ腫(MZL)もしくは慢性リンパ性白血病(CLL、リヒター)から形質転換したDLBCLを有する場合、対象は、処置のために選択されないかまたは処置から除外される。したがって、いくつかの態様では、対象が濾胞性リンパ腫、不応性濾胞性リンパ腫または濾胞性リンパ腫グレード3b、ECOGスコア0または1を有する場合、対象は、処置のために選択され、対象は、任意で同種幹細胞移植(SCT)で事前に処置されていてもよいが、辺縁帯リンパ腫(MZL)または慢性リンパ性白血病(CLL、リヒター)から形質転換したDLBCLを有しない。
【0222】
いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現および/または変異によって特徴付けられる。いくつかの態様では、がんは、EZH2の過剰発現および/または変異によって特徴付けられる。いくつかの態様では、がんは、EZH2をコードする1つまたは複数の遺伝子の変異によって特徴付けられる。いくつかの態様では、がんは、EZH2タンパク質をコードする遺伝子の変異によって特徴付けられる。いくつかの態様では、がんは、細胞療法による処置に抵抗性である。いくつかの態様では、がんは、細胞療法、例えばCAR発現T細胞療法による処置に抵抗性である。いくつかの態様では、がんは、CD19ターゲティングCAR T細胞療法による処置に抵抗性である。いくつかの態様では、阻害剤は、免疫療法または細胞療法による処置に対してがんを感受性にさせる。いくつかの態様では、阻害剤は、細胞療法、例えばCAR発現T細胞療法による処置に対してがんを感受性にさせる。いくつかの態様では、阻害剤は、CD19ターゲティングCAR T細胞療法による処置に対してがんを感受性にさせる。
【0223】
いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、B細胞抗原を発現するがんではない。いくつかの態様では、B細胞抗原は、CD19、CD20、CD22およびROR1からなる群より選択される。いくつかの態様では がんまたは増殖性疾患は、非血液がんである。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、固形腫瘍である。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、CD19、CD20、CD22またはROR1を発現しない。いくつかの態様では、提供される方法は、CD19、CD20、CD22またはROR1を標的としないまたはそれに特異的に結合しない組換え受容体を発現するT細胞(例えば、CAR-T細胞)を用いる。
【0224】
いくつかの態様では、該方法は、固形腫瘍などの非血液がんを処置するために使用することができる。いくつかの態様では、該方法は、膀胱、肺、脳、黒色腫(例えば、小細胞肺、黒色腫)、乳房、子宮頸部、卵巣、結腸直腸、膵臓、子宮内膜、食道、腎臓、肝臓、前立腺、皮膚、甲状腺、または子宮のがんを処置するために使用することができる。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、がんであり、がんは、膀胱がん、乳がん、前立腺がん、または黒色腫である。いくつかの態様では、がんは、膀胱がんである。いくつかの態様では、がんは、乳がんである。いくつかの態様では、がんは、膵臓がんである。いくつかの態様では、がんは、前立腺がんである。いくつかの態様では、がんは、黒色腫などの皮膚がんである。
【0225】
いくつかの態様では、疾患または病態は、限定されないが、ウイルス、レトロウイルス、細菌および原生動物による感染症、免疫不全、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バールウイルス(EBV)、アデノウイルス、BKポリオーマウイルスなどの感染性疾患または病態である。いくつかの態様では、疾患または病態は、自己免疫性または炎症性の疾患または病態、例えば、関節炎、例えば、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患、乾癬、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、グレーブス病、クローン病、多発性硬化症、喘息、および/または移植に関連する疾患もしくは病態である。
【0226】
いくつかの態様では、本明細書に提供される併用療法は、EZH2の阻害剤で事前に処置されていた対象において、ただしT細胞療法(例えば、CAR+ T細胞)またはT細胞エンゲージング療法の投与なしで行われる。いくつかの場合、そのような事前処置後、対象は、そのような事前処置に不応性であるおよび/もしくは抵抗性を獲得する、寛解に続いて再発をきたした、そのような事前処置を受けた後少なくとも6ヶ月間CRを達成していない、かつ/または侵襲性疾患および/もしくはがんの高リスク特徴を示す。したがって、提供される併用療法は、EZH2の阻害剤の投与を事前に受けていた対象において行うことができると理解される。本開示における阻害剤の投与のタイミングへの言及は、提供される併用療法の方法に従う、免疫療法または免疫治療剤、例えばT細胞療法(例えば、CAR+ T細胞)またはT細胞エンゲージング療法に対するその投与のタイミングのことを指し、対象に追加でEZH2の阻害剤が事前に投与されているという可能性を排除するものではない。
【0227】
いくつかの態様では、本明細書に提供される併用療法は、T細胞療法(例えば、CAR+ T細胞)またはT細胞エンゲージング療法で事前に処置されていた対象において、ただしEZH2の阻害剤の投与なしで行われる。いくつかの場合、そのような事前処置後、対象は、そのような事前処置に不応性であるおよび/もしくは抵抗性を獲得する、寛解に続いて再発をきたした、そのような事前処置を受けた後少なくとも6ヶ月間CRを達成していない、かつ/または侵襲性疾患および/もしくはがんの高リスク特徴を示す。したがって、提供される併用療法は、細胞療法(例えば、CAR T細胞)の投与を事前に受けていた対象において行うことができると理解される。
【0228】
疾患の予防または治療について、EZH2の阻害剤および/または細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)もしくはT細胞エンゲージング療法の適切な投与量は、処置されるべき疾患のタイプ、特定の阻害剤、細胞および/または細胞上に発現される組換え受容体、疾患の重症度および経過、投与の経路、阻害剤および/または免疫療法、例えばT細胞療法が、予防目的で投与されるか治療目的で投与されるか、事前療法、投与の頻度、対象の病歴および細胞に対する応答、ならびに主治医の裁量に左右され得る。組成物および細胞は、いくつかの態様では、対象に、一度にまたは一連の処置を通して適切に投与される。提供される併用療法の例示的な投与レジメンおよびスケジュールが記載される。
【0229】
いくつかの態様では、免疫療法(例えば、T細胞療法)およびEZH2の阻害剤は、別の治療的介入と同時にまたはいずれかの順序で逐次的に投与できるさらなる併用処置の一部として投与される。いくつかの状況下では、免疫療法、例えば、CAR発現T細胞などの操作されたT細胞は、別の療法と共に、免疫療法が1つまたは複数の追加の治療剤の効果を増強する(逆もまた同様)するように時間的に十分に近接して共投与される。いくつかの態様では、細胞は、1つまたは複数の追加の治療剤の前に投与される。いくつかの態様では、免疫療法、例えば、CAR発現T細胞などの操作されたT細胞は、1つまたは複数の追加の治療剤の後に投与される。いくつかの態様では、併用療法の方法は、化学療法剤の投与などのリンパ球枯渇療法をさらに含む。いくつかの態様では、併用療法は、別の治療剤、例えば、抗がん剤、チェックポイント阻害剤または別の免疫調節剤を投与する工程をさらに含む。使用は、そのような方法および処置における併用療法の使用、ならびにそのような併用療法の方法を行うための医薬の調製におけるそのような組成物の使用を含む。いくつかの態様では、該方法および使用は、それにより、対象におけるがんまたは増殖性疾患などの疾患または病態または障害を処置する。
【0230】
免疫療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)および/またはEZH2の阻害剤の投与の前に、その途中にまたはその後に、免疫療法の生物活性、例えば、操作された細胞集団の生物活性が、いくつかの態様では、例えば、多数の公知の方法のいずれかによって測定される。評価するためのパラメーターは、例えば、さらに下記のセクションIIIに後述されるアッセイなどの当技術分野において公知である任意の好適な方法を使用して測定される、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力、T細胞の浸潤能力、拡大能力、T細胞活性の持続性および他の尺度を含む。いくつかの態様では、細胞、例えば、T細胞ベースの療法のために投与されるT細胞の生物活性は、細胞傷害性細胞殺傷、1つまたは複数のサイトカインの発現および/または分泌、増殖または拡大(例えば、抗原による再刺激時の)をアッセイすることによって測定される。いくつかの局面では 生物活性は、疾患負荷および/または臨床アウトカム、例えば腫瘍負荷量または量の低下をアッセイすることによって測定される。いくつかの局面では、生物活性は、細胞療法の細胞の腫瘍微小環境への浸潤をアッセイすることによって測定される。いくつかの局面では、生物活性は、細胞療法の細胞の腫瘍微小環境中での持続性をアッセイすることによって測定される。いくつかの態様では、併用療法の一方または両方の作用物質の投与および/または該療法の任意の反復投与を、併用療法の一方または両方の作用物質の投与の前に、その途中に、その経過途中にまたはその後にアッセイの結果に基づいて決定することができる。
【0231】
いくつかの態様では、細胞療法との併用での阻害剤の併用効果は、阻害剤のみまたは細胞療法による単独療法を伴う処置と比較して相乗的であり得る。例えば、いくつかの態様では、本明細書における提供される方法、組成物および製造品は、所望の治療効果の増加または改善、例えば、がんに関連する1つまたは複数の症状の軽減または抑制の増加または改善をもたらす。
【0232】
いくつかの態様では、阻害剤は、操作されたT細胞(例えば、CAR T細胞)の拡大、増殖、浸潤、持続性または細胞傷害性を増加させる。いくつかの態様では、拡大、増殖、浸潤、持続性または細胞傷害性の増加は、対象への投与時にインビボで観察される。いくつかの態様では、操作されたT細胞、例えば、CAR-T細胞の数の増加は、1.2倍超、1.5倍超、2.0倍超、3.0倍超、4.0倍超、5.0倍超、6.0倍超、7.0倍超、8.0倍超、9.0倍超、10.0倍超もしくはそれ以上、または約1.2倍超、1.5倍超、2.0倍超、3.0倍超、4.0倍超、5.0倍超、6.0倍超、7.0倍超、8.0倍超、9.0倍超、10.0倍超もしくはそれ以上増加する。いくつかの態様では、操作されたT細胞、例えば、CAR-T細胞のがん細胞に対する細胞傷害性の増加は、1.2倍超、1.5倍超、2.0倍超、3.0倍超、4.0倍超、5.0倍超、6.0倍超、7.0倍超、8.0倍超、9.0倍超、10.0超超もしくはそれ以上、または約1.2倍超、1.5倍超、2.0倍超、3.0倍超、4.0倍超、5.0倍超、6.0倍超、7.0倍超、8.0倍超、9.0倍超、10.0超超もしくはそれ以上増加する。
【0233】
A. zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤の投与
提供される併用療法の方法、組み合わせ、キットおよび使用は、細胞療法の投与、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞の投与の前に、それに続いて、その途中に、同時にもしくはほぼ同時に、逐次的におよび/または断続的に投与できる、EZH2の阻害剤の投与を伴い、かつ/または、その投与は、T細胞療法の投与の前に始めてT細胞療法の投与開始までまたはT細胞療法の投与開始後まで継続することができる。いくつかの態様では、EZH2は、がん細胞の生存を促進する能力を有する。いくつかの態様では、EZH2は、細胞療法の細胞の腫瘍環境への浸潤を阻害する能力を有する。
【0234】
いくつかの態様では、併用療法における阻害剤は、いくつかの場合にがん細胞におけるH3K27のトリメチル化状態を増加させることによりがん細胞における腫瘍抑制遺伝子の転写抑制に関与するEZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、併用療法における阻害剤は、いくつかの場合に腫瘍環境へのT細胞の浸潤抑制に関与するEZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、EZH2、またはEZH1およびEZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤、例えば、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205およびGSK 126は、EZH1よりもEZH2により選択的である。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤、例えば、バレメトスタット(DS-3201)は、EZH1およびEZH2を阻害する。
【0235】
いくつかの局面では、阻害剤は、S-アデノシル-l-メチオニン(SAM)競合阻害剤である(例えば、Tsang-Pai (2014) Anticancer Drugs, 26:139-47を参照のこと)。いくつかの局面では、阻害剤は、PRC2のS-アデノシル-l-メチオニン(SAM)競合阻害剤である。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、S-アデノシル-l-ホモシステイン(SAH)ヒドロラーゼ阻害剤である(例えば、Tsang-Pai (2014) Anticancer Drugs, 26:139-47を参照のこと)。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2とEEDとの間の相互作用を崩壊させるEZH2のアルファ-ヘリックス胚性外胚葉発達(EED)結合ドメインの模倣体である。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2と他のポリコーム抑制複合体2(PRC2)サブユニットとの間の相互作用を崩壊させる。
【0236】
いくつかの態様では、阻害剤は、H3K27のトリメチル化(H2K27me3)を減少させるかまたは妨害する。いくつかの態様では、阻害剤は、がんの細胞におけるH3K27のトリメチル化を減少させるかまたは妨害する。いくつかの態様では、阻害剤は、腫瘍抑制遺伝子の発現を増加させる。いくつかの態様では、阻害剤は、がんの細胞における腫瘍抑制遺伝子の発現を増加させる。いくつかの場合、H3K27me3の減少または妨害は、腫瘍抑制細胞の発現増加を導く。いくつかの場合、H3K27me3の減少または妨害は、細胞死に対してがん細胞を感受性にさせるおよび/または細胞死を増加させる。いくつかの場合、腫瘍抑制遺伝子発現の増加は、細胞死に対してがん細胞を感受性にさせるおよび/または細胞死を増加させる。いくつかの場合、阻害剤は、T細胞の腫瘍環境への浸潤を増加させる。いくつかの場合、T細胞の腫瘍環境への浸潤の増加は、がん細胞に対する増加したT細胞媒介細胞傷害性をもたらすおよび/または腫瘍負荷量を減少させる。
【0237】
いくつかの場合、EZH2阻害剤の対象への投与は、処置前TMEを、CAR T細胞処置後3ヶ月目のPD遺伝子発現シグネチャからCAR T細胞処置後3ヶ月目のCR遺伝子発現シグネチャへと変換する。いくつかの場合、EZH2阻害剤の対象への投与は、処置前TMEを、DLBCL様遺伝子発現シグネチャからFL様遺伝子発現シグネチャへと変換する。いくつかの態様では、対象は、CAR T細胞処置の前にEZH2阻害剤を投与することにより、CAR T細胞処置後に改善された長期応答を示す。
【0238】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、選択的EZH2阻害剤である。いくつかの態様では、選択的EZH2阻害剤は、EZH2の活性および/またはシグナル伝達をEZH1のものよりも大きな程度に低減または遮断する投与レジメン(例えば、用量および/または継続期間)で提供可能な化合物または作用物質である。いくつかの場合、選択的EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで提供された際にEZH2のシグナル伝達および/または活性を低減または遮断するが、同じ投与レジメンで提供された際のEZH1のシグナル伝達および/または活性を低減または遮断しない。いくつかの場合、選択的EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで提供された際に他のEZH1の活性および/またはシグナル伝達に対して最小限の効果を発揮するか効果が全くない。
【0239】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、非選択的EZH2阻害剤である。いくつかの態様では、非選択的EZH2阻害剤は、EZH1およびEZH2の活性を低減するまたは遮断する化合物または作用物質である。いくつかの場合、非選択的EZH2阻害剤は、EZH1の活性および/またはシグナル伝達を低減または遮断しかつ追加でEZH2の活性および/またはシグナル伝達も低減または遮断する投与レジメン(例えば、用量および/または継続期間)で提供可能な化合物または作用物質である。いくつかの場合、非選択的EZH2阻害剤は、ある投与レジメンで提供された際にEZH1の活性および/またはシグナル伝達を低減または遮断し、また同じ投与レジメンで提供された際にEZH2のシグナル伝達および/または活性も低減または遮断する。
【0240】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2を、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、0.1nM未満もしくは約0.1nM未満、または0.01nM未満もしくは約0.01nM未満の半最大阻害濃度(IC50)で阻害する。
【0241】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2に、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の解離定数(Kd)で結合する。
【0242】
いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満である。
【0243】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH1を、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、0.1nM未満もしくは約0.1nM未満、または0.01nM未満もしくは約0.01nM未満の半最大阻害濃度(IC50)で阻害する。
【0244】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH1に、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の解離定数(Kd)で結合する。
【0245】
いくつかの態様では、EZH1に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満である。
【0246】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2とEZH1の両方を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2とEZH1の両方を、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の半最大阻害濃度(IC50)で阻害する。
【0247】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2とEZH1の両方に、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の解離定数(Kd)で結合する。
【0248】
いくつかの態様では、EZH2とEZH1の両方に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満である。
【0249】
いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、EZH1に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い。いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、EZH1に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0250】
いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、EZH1に対する阻害剤の解離定数(Kd)より低い。いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、EZH1に対する阻害剤の解離定数(Kd)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0251】
いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、EZH1に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より低い。いくつかの態様では、EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、EZH1に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0252】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2と変異型EZH2の両方を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2と変異型EZH2の両方を、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の半最大阻害濃度(IC50)で阻害する。
【0253】
いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2と変異型EZH2の両方に、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満の解離定数(Kd)で結合する。
【0254】
いくつかの態様では、野生型EZH2と変異型EZH2の両方に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000nM未満もしくは約1000nM未満、900nM未満もしくは約900nM未満、800nM未満もしくは約800nM未満、700nM未満もしくは約700nM未満、600nM未満もしくは約600nM未満、500nM未満もしくは約500nM未満、400nM未満もしくは約400nM未満、300nM未満もしくは約300nM未満、200nM未満もしくは約200nM未満、100nM未満もしくは約100nM未満、90nM未満もしくは約90nM未満、80nM未満もしくは約80nM未満、70nM未満もしくは約70nM未満、60nM未満もしくは約60nM未満、50nM未満もしくは約50nM未満、40nM未満もしくは約40nM未満、30nM未満もしくは約30nM未満、20nM未満もしくは約20nM未満、10nM未満もしくは約10nM未満、9nM未満もしくは約9nM未満、8nM未満もしくは約8nM未満、7nM未満もしくは約7nM未満、6nM未満もしくは約6nM未満、5nM未満もしくは約5nM未満、4nM未満もしくは約4nM未満、3nM未満もしくは約3nM未満、2nM未満もしくは約2nM未満、1nM未満もしくは約1nM未満、0.9nM未満もしくは約0.9nM未満、0.8nM未満もしくは約0.8nM未満、0.7nM未満もしくは約0.7nM未満、0.6nM未満もしくは約0.6nM未満、0.5nM未満もしくは約0.5nM未満、0.4nM未満もしくは約0.4nM未満、0.3nM未満もしくは約0.3nM未満、0.2nM未満もしくは約0.2nM未満、または0.1nM未満もしくは約0.1nM未満である。
【0255】
いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、変異型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い。いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、変異型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0256】
いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、変異型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)より低い。いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、変異型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0257】
いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、変異型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より低い。いくつかの態様では、野生型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、変異型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0258】
いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、野生型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い。いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)は、野生型EZH2に対する阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0259】
いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、野生型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)より低い。いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、野生型EZH2に対する阻害剤の解離定数(Kd)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0260】
いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、野生型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より低い。いくつかの態様では、変異型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、野生型EZH2に対する阻害剤の阻害定数(Ki)より少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い。
【0261】
いくつかの態様では、IC50、Kdおよび/またはKiは、インビトロアッセイを使用して測定または判定される。記載されるようなタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の活性を評価または定量または測定するための様々なアッセイが、当技術分野において公知である。そのようなアッセイは、インビトロで実施することができ、作用物質が特定の生物学的機能または生化学的機能を阻害し得るかを評価するためのアッセイを含む。いくつかの態様では。いくつかの態様では、キナーゼ活性研究を実施することができる。タンパク質チロシンキナーゼは、アデノシン三リン酸(ATP)からキナーゼ自体または別のタンパク質基質のチロシン残基のヒドロキシル基への末端リン酸基の転移を触媒する。いくつかの態様では、キナーゼ活性を、キナーゼをATPの存在下で基質(例えば、阻害剤)とインキュベーションすることによって測定することができる。いくつかの態様では、特定のキナーゼによるリン酸化基質の測定を、比色法検出、放射能検出および蛍光光度法検出を含めたいくつかのレポーターシステムによって評価することができる(Johnson, S.A. & T. Hunter (2005) Nat. Methods 2:17.)。いくつかの態様では、阻害剤を、競合リガンド結合アッセイを使用することなどによって、特定のキナーゼ(1つまたは複数)に対するその親和性について評価することができる(Ma et al., Expert Opin Drug Discov. 2008 Jun; 3(6):607-621)。これらのアッセイから、半最大阻害濃度(IC50)を算出することができる。IC50は、生物学的または生化学的な応答または機能をその最大値の50%低下させる濃度である。いくつかの場合、キナーゼ活性研究などでは、IC50は、標的キナーゼ活性を50%阻害するために要求される化合物の濃度である。いくつかの場合、解離定数(Kd)および/または阻害定数(Ki値)を追加的にまたは代替的に判定することができる。IC50およびKdは、当技術分野において公知である多くの手段によって算出することができる。阻害定数(Ki値)は、Cheng-Prusoffの式:Ki=IC50/(1+L/Kd)(式中、Lは、阻害剤の濃度である)に従ってIC50およびKd値から算出することができる(Biochem Pharmacol 22: 3099-3108, 1973)。Kiは、リガンドまたは他の競合剤の非存在下で存在する結合部位の50%の占有を引き起こすであろう非標識阻害剤の濃度である。
【0262】
いくつかの態様では、阻害剤は、低分子である。
【0263】
いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、野生型EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、変異型EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、野生型および変異型のEZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、ピリジン核を含む。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2タンパク質の疎水性ポケットを占有する(Moritz et al. (2017) J. Biol. Chem., 293: 13805-814)。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2タンパク質のSETドメインに結合する。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH2タンパク質の触媒ポケットに結合する。いくつかの態様では、阻害剤は、PRC2複合体の補因子結合部位に結合する(Wu et al. (2013) PLoS One, 8:e83737)。
【0264】
いくつかの態様では、阻害剤は、限定されないが、米国特許第8,410,088号;第8,598,167号;第8,691,507号;第8,765,732号;第8,895,245号;第8,962,620号;第9,006,242号;第9,089,575号;第9,090,562号;第9,175,331号;第9,206,157号;第9,243,001号;第9,333,217号;第9,334,527号;第9,376,422号;第9,394,283号;第9,522,152号;第9,532,992号;第9,549,931号;第9,624,205号;第9,637,472号;第9,701,666号;第9,776,996号;第9,855,275号;第9,872,862号;第9,949,999号;第10,040,782号;第10,092572号;第10,150,759号;第10,150,764号;第10,155,002号;第10,273,223号;第10,988,888号;第9,051,269号;第9,085,583号;第9,206,128号;第9,371,331号;第9,409,865号;第9,469,646号;第9,745,305号;第9,969,716号;第9,980,952号;第10,016,405号;第9,889,180号;第8,975,291号、9,649,307号;第9,446,041号;第9,402,836号;第9,775,844号;第9,114,141号;第9,730,925号;第8,536179号;第9,708,348号;第9,828,377号;第9,359,365号;第9,751,888号;第9,242,962号;第9,895,390号;および第10,017,500号に記載されているものを含む、EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、限定されないが、PCT出願公開番号WO2011/140324、PCT出願公開番号WO2011/140325、PCT出願公開番号WO2012/005805、PCT出願公開番号WO2012/068589、PCT出願公開番号WO2013/075083、PCT出願公開番号WO2013/075084、PCT出願公開番号WO201378320、PCT出願公開番号WO2013/120104、PCT出願公開番号WO2014/151142、PCT出願公開番号WO2015/023915、PCT出願公開番号WO2015/141616、PCT出願公開番号WO2016/130396、PCT出願公開番号WO2017/018499、PCT出願公開番号WO2017/023671、PCT出願公開番号WO2017/40190、PCT出願公開番号WO2017/218953、PCT出願公開番号WO2018/135556、PCT出願公開番号WO2018/231973、PCT出願公開番号WO2019/094552(これらは各々参照によりその全体が組み入れられる)に記載されているものを含む、EZH2の阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国公開特許出願US20170056388、米国公開特許出願US20170073335、米国公開特許出願US20180200238、米国公開特許出願US20180282313、米国公開特許出願US20180311251、米国公開特許出願US20190125737、およびカナダ公開特許出願CA3039059;CA2910873;CA2965729(これらは各々参照によりその全体が組み入れられる)に記載されているEZH2阻害化合物である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第8,410,088号(これは参照によりその全体が組み入れられる)に記載されているEZH2阻害化合物である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第9,469,646号(これは参照によりその全体が組み入れられる)に記載されているEZH2阻害化合物である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第10,017,500号(これは参照によりその全体が組み入れられる)に記載されているEZH2阻害化合物である。
【0265】
いくつかの態様では、阻害剤は、以下:
から選択される構造を有する。
【0266】
いくつかの態様では、阻害剤、例えば、タゼメトスタット(EPZ-6438)は、EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤、例えば、CP-1205は、EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤、例えば、GSK126は、EZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤、例えば、バレメトスタット(DS-3201)は、EZH1およびEZH2を阻害する。いくつかの態様では、阻害剤は、EZH1、EZH2および/またはPRC2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤、例えば、タゼメトスタット(EPZ-6438)は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤、例えば、CPI-1205は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤、例えば、GSK126は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤、例えば、バレメトスタット(DS-3201)は、EZH2およびEZH1の活性を阻害するまたは低減する。
【0267】
いくつかの態様では、阻害剤、例えば、タゼメトスタット(EPZ-6438)は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)である。いくつかの場合、阻害剤は、構造:
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体もしくはラセミ混合物を有する(その組成物も含む)。
【0268】
いくつかの態様では、阻害剤、例えば、CPI-1205は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤は、CPI-1205である。いくつかの場合、阻害剤は、構造:
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体もしくはラセミ混合物を有する(がんを有する対象の処置のためのその組成物も含む)。
【0269】
いくつかの態様では、阻害剤、例えば、バレメトスタット(DS-3201)は、EZH1およびEZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤は、バレメトスタット(DS-3201)である。いくつかの場合、阻害剤は、構造:
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体もしくはラセミ混合物を有する(その組成物も含む)。
【0270】
いくつかの態様では、阻害剤、例えば、GSK126は、EZH2の活性を阻害するまたは低減する。いくつかの場合、阻害剤は、GSK126である。いくつかの場合、阻害剤は、構造:
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体もしくはラセミ混合物を有する(その組成物も含む)。
【0271】
いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第8,410,088号;第8,598,167号;第8,691,507号;第8,765,732号;第8,895,245号;第8,962,620号;第9,006,242号;第9,089,575号;第9,090,562号;第9,175,331号;第9,206,157号;第9,243,001号;第9,333,217号;第9,334,527号;第9,376,422号;第9,394,283号;第9,522,152号;第 9,532,992号;第9,549,931号;第9,624,205号;第9,637,472号;第9,701,666号;第9,776,996号;第9,855,275号;第9,872,862号;第9,949,999号;第10,040,782号;第10,092572号;第10,150,759号;第10,150,764号;第10,155,002号;第10,273,223号;および第10,988,888号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第8,410,088号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタット(EPZ-6438)であるか、またはそれを含む。
【0272】
いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第9,051,269号;第9,085,583号;第9,206,128号;第9,371,331号;第9,409,865号;第9,469,646号;第9,745,305号;第9,969,716号;第9,980,952号;および第10,016,405号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第9,469,646号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、CPI-1205であるか、またはそれを含む。
【0273】
いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第10,017,500号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、バレメトスタット(DS-3201)であるか、またはそれを含む。
【0274】
いくつかの態様では、阻害剤は、米国特許第9,889,180号;第8,975,291号、第9,649,307号;第9,446,041号;第9,402,836号;第9,775,844号;第9,114,141号;第9,730,925号;第8,536179号;第9,708,348号;第9,828,377号;第9,359,365号;第9,751,888号;第9,242,962号;および第9,895,390号に記載されているような阻害剤である。いくつかの態様では、阻害剤は、GSK126であるか、またはそれを含む。
【0275】
EZH2の例示的な阻害剤は、当技術分野において公知である。いくつかの態様では、阻害剤は、Vaswani et al. (2016) J. Med. Chem., 59:9928-41; Bisserier and Wajapeyee (2018) Blood, 131:2125-37; Arora et al. (2016) Blood, 128:5672; Italiano et al. (2018) The Lancet, 19:649-59; Campbell et al. (2015) American Chem. Society Lett., 6:491-95; Lue et al. (2018) Curr. Hematol. Malig. Rep., 13:369-82; Serresi et al. (2018) J. Exp. Med. 215:3115; Lu et al. (2018) American Chem. Society Med. Chem. Lett., 9:98-102; Maruyama et al. (2017) Blood, 130:470; Honma et al. (2018) Blood, 133:2217; Bradley et al. (2014) Chem. & Biol., 21:1463-75; Knutson et al. (2014) Small Molecule Therap., 13:842-54; Glazer et al. (1986) Biochem. Pharmacology, 35:4523-27; Knutson et al. (2012) Nature Chem. Biol., 8:980-96; Campbell et al. (2015) ACS Med. Chem. Lett., 6:491-95; Qi et al. (2012) Proc. Natl. Acad. Sci., 109:21360-65; Miele et al. (2017) Oncotarget, 8:68557-70; Verma et al. (2012) ACS Med. Chem. Lett., 3:1091-96; Konze et al. (2013) ACS Chem. Biol., 8:1324-34; Song et al. (2016) Sci. Rep., 6:20864; および Garapaty-Rao et al. (2013) Chem. & Biol., 20:1329-39に記載されているような阻害剤である。
【0276】
非限定例は、BIX-01294、カエトシン、CPI-169、CPI-905、CPI-360、CPI-209、CPI-1205、DS3201(バレメトスタット)、EPZ-6438(タゼメトスタット)、EPZ005687、EPZ011989、3-デアザンプラノシンA(DZNep)、EI1、GSK503、GSK126、GSK926、GSK343、JQEZ5、MC3629、OR-S0、OR-S1、PF-06821497、PF-06726304アセテート、SAH-EZH2、SHR2554、シネフンギン、UNC1999、UNC2399、およびZLD1039を含むが、それらに限定されない。
【0277】
a. 組成物および製剤
本明細書に提供される併用療法の方法、組み合わせ、キットおよび使用のいくつかの態様では、併用療法は、1つまたは複数の組成物、例えば、EZH2の阻害剤および/または細胞傷害性療法(例えば、T細胞療法)を含有する薬学的組成物で投与することができる。
【0278】
いくつかの態様では、組成物、例えば、EZH2阻害剤を含有する薬学的組成物は、EZH2阻害剤および/または細胞と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルなどの担体を含むことができる。適切な薬学的担体の例は、E. W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。そのような組成物は、一般に精製された形態の、治療上有効な量のEZH2阻害剤を、患者への適切な投与のための形態を提供するために適切な量の担体と共に含有する。そのような薬学的担体は、滅菌液体、例えば水、ならびに石油、動物、植物または合成起源のものを含む油、例えば落花生油、大豆油、鉱油、およびゴマ油であり得る。生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液もまた、特に注射用液剤用の液体担体として使用することができる。薬学的組成物は、希釈剤、アジュバント、付着防止剤、結合剤、コーティング剤、充填剤、香料、着色剤、潤滑剤、流動促進剤、防腐剤、界面活性剤、吸着剤、乳化剤、薬学的賦形剤、pH緩衝剤、または甘味料、およびそれらの組み合わせのいずれか1つまたは複数を含有することができる。いくつかの態様では、薬学的組成物は、液体、固体、凍結乾燥粉末、ゲル形態、および/またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの局面では、担体の選択は、一部には、特定の阻害剤および/または投与方法によって決定される。
【0279】
薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、これらは、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤、安定剤ならびに/または防腐剤を含むが、それらに限定されない。EZH2阻害剤を含有する組成物は、凍結乾燥することもできる。
【0280】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、筋肉内、静脈内、皮内、病巣内、腹腔内注射、皮下、腫瘍内、硬膜外、経鼻、経口、膣内、直腸内、外用、局所、耳、吸入、口腔(例えば、舌下)、および経皮投与または任意の経路を含む、当業者に公知の任意の経路による投与用に製剤化することができる。いくつかの態様では、他の投与様式も想定される。いくつかの態様では、投与は、ボーラス注入、注射、例えば静脈内または皮下注射、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、または後傍強膜送達による投与である。いくつかの態様では、投与は、非経口投与、肺内投与、および鼻腔内投与による、局所処置のために所望する場合は病巣内投与による投与である。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。いくつかの態様では、所与の用量は、単回ボーラス投与によって投与される。いくつかの態様では、それは、例えば3日以下の期間にわたる複数回のボーラス投与によって、または持続注入投与によって投与される。
【0281】
いくつかの態様では、投与は、処置の場所に応じて局所的、外用的または全身的であり得る。いくつかの態様では、治療を必要とする領域への局所投与は、例えば、限定されないが、外科手術中の局所注入、例えば外科手術後の創傷被覆材と組み合わせた外用適用によって、注射によって、カテーテルを用いて、坐剤を用いて、またはインプラントを用いて達成することができる。いくつかの態様では、組成物はまた、他の生物学的に活性な作用物質と共に、逐次的に、断続的に、または同じ組成物中で投与することができる。いくつかの態様では、投与はまた、制御放出製剤およびポンプなどによる装置制御放出を含む放出制御システムを含むことができる。いくつかの態様では、投与は経口投与である。
【0282】
いくつかの態様では、薬学的および治療的に活性な化合物およびその誘導体は、典型的には単位投与剤形または複数回投与剤形で製剤化および投与される。各単位用量は、必要な薬学的担体、ビヒクルまたは希釈剤と共に、所望の治療効果を生じさせるのに十分な所定量の治療的に活性な化合物を含有する。いくつかの態様では、単位投与剤形は、適切な量の化合物またはその薬学的に許容される誘導体を含有する、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口液剤または懸濁剤、および経口液剤または懸濁剤、および油・水乳剤を含むが、それらに限定されない。単位投与剤形は、封入されたアンプルおよび注射器、または個別に包装された錠剤もしくはカプセル剤であることができる。単位投与剤形は、その分数単位または倍数単位で投与することができる。いくつかの態様では、複数回投与剤形は、分離された単位投与剤形で投与されるように単一の容器に包装された複数の同一の単位投与剤形である。複数回投与剤形の例は、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトルまたはパイントもしくはガロン入りのボトルを含む。
【0283】
b. 投薬
いくつかの態様では、提供される併用療法の方法は、対象に、治療上有効な量のEZH2の阻害剤と、細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞エンゲージング療法とを投与する工程を伴う。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞エンゲージング療法の投与の前に、それに続いて、その途中に、その経過途中に、それと同時に、それとほぼ同時に、それと逐次的におよび/またはそれと断続的に投与される。いくつかの態様では、該方法は、T細胞療法の投与前に、EZH2の阻害剤を投与する工程を伴う。他の態様では、該方法は、T細胞療法の投与後に、EZH2の阻害剤を投与する工程を伴う。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、T細胞療法の開始後に、さらに投与されない。いくつかの態様では、投薬スケジュールは、T細胞療法の開始の前および後に、EZH2の阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの態様では、投薬スケジュールは、T細胞療法の投与と同時に、EZH2の阻害剤を投与する工程を含む。
【0284】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、複数用量で複数回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、1回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、毎日1回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、毎日2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、毎日3回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、毎日4回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与開始の前にまたはそれに続いて、毎日6回、毎日5回、毎日4回、毎日3回、毎日2回、毎日1回、1日おきに、3日毎に、週2回、週1回または1回だけ投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与期間の前に、その途中に、その経過途中に、および/またはその後に、一定の間隔で複数用量で投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与前に、一定の間隔で1つまたは複数の用量で投与される。例えば、EZH2阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)の投与前に1つまたは複数の用量で毎日投与され得る。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与後に一定の間隔で1つまたは複数の用量で投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤の用量の1つまたは複数を、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の用量の投与と同時に行うことができる。
【0285】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤の投与用量、投与頻度、投与継続期間、投与時期および/または投与順序は、スクリーニング工程の結果の特定の閾値もしくは判断基準および/または本明細書に記載される処置アウトカムの評価(例えば、本明細書においてセクションIIIに記載されるもの)に基づいて決定される。
【0286】
いくつかの態様では、該方法は、治療上有効な量の阻害剤が事前に投与されていた対象に細胞療法を投与する工程を伴う。いくつかの態様では、阻害剤は、組換え受容体を発現する細胞の用量を対象に投与する前に対象に投与される。いくつかの態様では、阻害剤による処置は、細胞の用量の投与開始と同時に行われる。いくつかの態様では、阻害剤は、細胞の用量の投与開始後に投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、併用療法の治療効果が増大するように細胞療法の前の十分な時間で投与される。
【0287】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与の前におよび/またはそれと同時に投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与前に投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の開始の0~90日前または約0~90日前、例えば、0~30日前、0~15日前、0~6日前、0~96時間前、0~72時間前、0~48時間前、0~24時間前、0~12時間前、0~6時間前、または0~2時間前、2時間~30日前、2時間~15日前、2時間~6日前、2時間~96時間前、2時間~24時間前、2時間~12時間前、2時間~6時間前、6時間~90日前、6時間~30日前、6時間~15日前、6時間~6日前、6時間~96時間前、6時間~24時間前、6時間~12時間前、12時間~90日前、12時間~30日前、12時間~15日前、12時間~6日前、12時間~96時間前、12時間~24時間前、24時間~90日前、24時間~30日前、24時間~15日前、24時間~6日前、24時間~96時間前、96時間~90日前、96時間~30日前、96時間~15日前、96時間~6日前、6日~90日前、6日~30日前、6日~15日前、15日~90日前、15日~30日前または30日~90日前に投与される。いくつかの局面では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の開始の最大でも約96時間前、72時間前、48時間前、24時間前、12時間前、6時間前、2時間前または1時間前に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)の開始の約4週間~1週間前に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の前に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法が実施された後かつ細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)の開始前に投与される。いくつかの局面では、EZH2阻害剤は、リンパ球枯渇療法の前に投与され、リンパ球枯渇療法の途中に投与されず、リンパ球枯渇療法が終了した後に再度投与され、細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)の投与開始前に中断される。
【0288】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与開始の少なくとも1時間もしくは約少なくとも1時間前、少なくとも2時間もしくは約少なくとも2時間前、少なくとも6時間もしくは約少なくとも6時間前、少なくとも12時間もしくは約少なくとも12時間前、少なくとも1日もしくは約少なくとも1日前、少なくとも2日もしくは約少なくとも2日前、少なくとも3日もしくは約少なくとも3日前、少なくとも4日もしくは約少なくとも4日前、少なくとも5日もしくは約少なくとも5日前、少なくとも6日もしくは約少なくとも6日前、少なくとも7日もしくは約少なくとも7日前、少なくとも12日もしくは少なくとも約12日前、少なくとも14日もしくは約少なくとも14日前、少なくとも15日もしくは少なくとも約15日前、少なくとも21日もしくは約少なくとも21日前、少なくとも24日もしくは少なくとも約24日前、少なくとも28日もしくは約少なくとも28日前、少なくとも30日もしくは約少なくとも30日前、少なくとも35日もしくは約少なくとも35日前、または少なくとも42日もしくは約少なくとも42日前、少なくとも60日もしくは約少なくとも60日前、または少なくとも90日もしくは約少なくとも90日前に投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与開始の最大1日前、最大2日前、最大3日前、最大4日前、最大5日前、最大6日前、最大7日前、最大8日前、最大12日前、最大14日前、最大15日前、最大21日前、最大24日前、最大28日前、最大30日前、最大35日前、最大42日前、最大60日前または最大90日前に投与される。
【0289】
EZH2の阻害剤が細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の前に与えられる任意のかかる態様のいくつかでは、EZH2の阻害剤の投与は、細胞療法の開始までは一定の間隔で、かつ/または細胞療法の開始後ではしばらくの間にわたって継続する。
【0290】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与後に投与されるか、またはさらに投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法)の投与開始後、1時間以内、2時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、48時間以内、72時間以内、96時間以内、4日以内、5日以内、6日以内もしくは7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、15日以内、21日以内、24日以内、28日以内、30日以内、36日以内、42日以内、60日以内、72日以内もしくは90日以内、または約1時間以内、2時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、48時間以内、72時間以内、96時間以内、4日以内、5日以内、6日以内もしくは7日以内、8日以内、9日以内、10日以内、11日以内、12日以内、13日以内、14日以内、15日以内、21日以内、24日以内、28日以内、30日以内、36日以内、42日以内、60日以内、72日以内もしくは90日以内に投与される。いくつかの態様では、提供される方法は、細胞療法の投与開始後、EZH2の阻害剤の継続投与、例えば一定間隔での継続投与を伴う。
【0291】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与後、最大1日もしくは最大約1日、最大2日もしくは最大約2日、最大3日もしくは最大約3日、最大4日もしくは最大約4日、最大5日もしくは最大約5日、最大6日もしくは最大約6日、最大7日もしくは最大約7日、最大12日もしくは最大約12日、最大14日もしくは最大約14日、最大21日もしくは最大約21日、最大24日もしくは最大約24日、最大28日もしくは最大約28日、最大30日もしくは最大約30日、最大35日もしくは最大約35日、最大42日もしくは最大約42日、最大60日もしくは最大約60日、または最大90日もしくは最大約90日、最大120日もしくは最大約120日、最大180日もしくは最大約180日、最大240日もしくは最大約240日、最大360日もしくは最大約360日、または最大720日もしくは最大約720日、またはそれ以上投与される、例えば、毎日投与される。
【0292】
任意のかかる上記態様のいくつかでは、EZH2の阻害剤は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)の投与開始の前および後に投与される。
【0293】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、細胞療法の開始後、1日数回、1日2回、毎日、1日おきに、週3回、週2回、または週1回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、週2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、毎日投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、1日2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、1日3回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、1日4回投与される。他の態様では、EZH2の阻害剤は、1日おきに投与される。
【0294】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、毎日1回の投薬として投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、毎日2回の投薬として投与される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、毎日3回の投薬として投与される。いくつかの態様では、各用量は、約200mgである。いくつかの態様では、各用量は、約400mgである。いくつかの態様では、各用量は、約600mgである。いくつかの態様では、各用量は、約800mgである。したがって、いくつかの局面では、対象に投与されるEZH2阻害剤の総1日量は、約200mg~約2400mgである。
【0295】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで毎日投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで1日2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで1日3回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで1日おきに投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24サイクルで投与される、例えば毎日投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、28日のサイクルで毎日2回投与される。
【0296】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで週2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、28日のサイクルで週2回投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、28日のサイクルで週2回投与され、3週間投与し1週間休薬する。
【0297】
本明細書に提供される方法のいくつかの態様では、EZH2の阻害剤および細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法などのT細胞療法)は、同時にまたはほぼ同時に投与される。
【0298】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、対象の体重1kg当たり0.2または約0.2mg(mg/kg)~200mg/kg、0.2mg/kg~100mg/kg、0.2mg/kg~50mg/kg、0.2mg/kg~10mg/kg、0.2mg/kg~1.0mg/kg、1.0mg/kg~200mg/kg、1.0mg/kg~100mg/kg、1.0mg/kg~50mg/kg、1.0mg/kg~10mg/kg、10mg/kg~200mg/kg、10mg/kg~100mg/kg、10mg/kg~50mg/kg、50mg/kg~200mg/kg、50mg/kg~100mg/kgまたは100mg/kg~200mg/kgの投与量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、対象の体重1kg当たり約0.2mg(mg/kg)~50mg/kg、0.2mg/kg~25mg/kg、0.2mg/kg~10mg/kg、0.2mg/kg~5mg/kg、0.2mg/kg~1.0mg/kg、1.0mg/kg~50mg/kg、1.0mg/kg~25mg/kg、1.0mg/kg~10mg/kg、1.0mg/kg~5mg/kg、5mg/kg~50mg/kg、5mg/kg~25mg/kg、5mg/kg~10mg/kg、または10mg/kg~25mg/kgの用量で投与される。
【0299】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、25mgまたは約25mg~5000mg、25mg~4000mg、25mg~3000mg、25mg~2400mg、25mg~2000mg、25mg~1600mg、25mg~1000mg、25mg~800mg、25mg~500mg、25mg~400mg、25mg~300mg、25mg~200mg、25mg~150mg、25mg~100mg、25mg~50mg、50mg~5000mg、50mg~4000mg、50mg~3000mg、50mg~2400mg、50mg~2000mg、50mg~1600mg、50mg~1000mg、50mg~800mg、50mg~500mg、50mg~400mg、50mg~300mg、50mg~200mg、50mg~100mg、50mg~150mg、100mg~5000mg、100mg~4000mg、100mg~3000mg、100mg~2400mg、100mg~2000mg、100mg~1600mg、100mg~1000mg、100mg~800mg、100mg~500mg、100mg~400mg、100mg~300mg、100mg~200mg、100mg~150mg、150mg~5000mg、150mg~4000mg、150mg~3000mg、150mg~2400mg、150mg~2000mg、150mg~1600mg、150mg~1000mg、150mg~800mg、150mg~500mg、150mg~400mg、150mg~300mg、150mg~200mg、200mg~5000mg、200mg~4000mg、200mg~3000mg、200mg~2400mg、200mg~2000mg、200mg~1600mg、200mg~1000mg、200mg~800mg、200mg~500mg、200mg~400mg、200mg~300mg、300mg~5000mg、300mg~4000mg、300mg~3000mg、300mg~2400mg、300mg~2000mg、300mg~1600mg、300mg~1000mg、300mg~800mg、300mg~500mg、300mg~400mg、400mg~5000mg、400mg~4000mg、400mg~3000mg、400mg~2400mg、400mg~2000mg、400mg~1600mg、400mg~1000mg、400mg~800mg、400mg~500mg、500mg~5000mg、500mg~4000mg、500mg~3000mg、500mg~2400mg、500mg~2000mg、500mg~1600mg、500mg~1000mg、500mg~800mg、800mg~5000mg、800mg~4000mg、800mg~3000mg、800mg~2400mg、800mg~2000mg、800mg~1600mg、800mg~1000mg、1000mg~5000mg、1000mg~4000mg、1000mg~3000mg、1000mg~2400mg、1,000mg~2000mg、1000mg~1600mg、1600mg~5000mg、1600mg~4000mg、1600mg~3000mg、1600mg~2400mg、2000mg~5000mg、2000mg~4000mg、2000mg~3000mg、2000mg~2400mg、2400mg~5000mg、2400mg~4000mg、2400mg~3000mg、3000mg~5000mg、3000mg~4000mg、または4000mg~5000mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、200mgまたは約200mg~800mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、200mgまたは約200mg~1600mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、200mgまたは約200mg~2400mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。
【0300】
いくつかの態様では、阻害剤は、タゼメトスタットであり、それは、100mgまたは約100mg~1600mg、150mg~1600mg、200mg~1600mg、300mg~1600mg、400mg~1600mg、500mg~1600mg、600mg~1600mg、600mg~1600mg、800mg~1600mg、1000mg~1600mg、1200mg~1600mg、100mg~1200mg、150mg~1200mg、200mg~1200mg、300mg~1200mg、400mg~1200mg、500mg~1200mg、600mg~1200mg、600mg~1200mg、800mg~1200mg、1000mg~1200mg、100mg~1000mg、150mg~1000mg、200mg~1000mg、300mg~1000mg、400mg~1000mg、500mg~1000mg、600mg~1000mg、600mg~1000mg、800mg~1000mg、100mg~800mg、150mg~800mg、200mg~800mg、300mg~800mg、400mg~800mg、500mg~800mg、600mg~800mg、100mg~600mg、150mg~600mg、200mg~600mg、300mg~600mg、400mg~800mg、100mg~500mg、150mg~500mg、200mg~500mg、300mg~500mg、100mg~400mg、150mg~400mg、200mg~400mg、300mg~400mg、100mg~300mg、150mg~300mg、200mg~300mg、100mg~200mg、150mg~200mg、100mg~150mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、タゼメトスタットは、約200mg~800mgの投与量で投与される。
【0301】
いくつかの態様では、阻害剤は、CPI-1205であり、それは、100mgまたは約100mg~1600mg、150mg~1600mg、200mg~1600mg、300mg~1600mg、400mg~1600mg、500mg~1600mg、600mg~1600mg、600mg~1600mg、800mg~1600mg、1000mg~1600mg、1200mg~1600mg、100mg~1200mg、150mg~1200mg、200mg~1200mg、300mg~1200mg、400mg~1200mg、500mg~1200mg、600mg~1200mg、600mg~1200mg、800mg~1200mg、1000mg~1200mg、100mg~1000mg、150mg~1000mg、200mg~1000mg、300mg~1000mg、400mg~1000mg、500mg~1000mg、600mg~1000mg、600mg~1000mg、800mg~1000mg、100mg~800mg、150mg~800mg、200mg~800mg、300mg~800mg、400mg~800mg、500mg~800mg、600mg~800mg、100mg~600mg、150mg~600mg、200mg~600mg、300mg~600mg、400mg~800mg、100mg~500mg、150mg~500mg、200mg~500mg、300mg~500mg、100mg~400mg、150mg~400mg、200mg~400mg、300mg~400mg、100mg~300mg、150mg~300mg、200mg~300mg、100mg~200mg、150mg~200mg、100mg~150mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、CPI-1205であり、それは、200mgまたは約200mg~1600mgの投与量で投与される。
【0302】
いくつかの態様では、阻害剤は、バレメトスタットであり、それは、100mgまたは約100mg~500mg、150mg~500mg、200mg~500mg、300mg~500mg、400mg~500mg、100mg~400mg、150mg~400mg、200mg~400mg、300mg~400mg、100mg~300mg、150mg~300mg、200mg~300mg、100mg~200mg、150mg~200mg、100mg~150mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。
【0303】
いくつかの態様では、阻害剤は、GSK126であり、それは、50mgまたは約50mg~3000mg、100mg~3000mg、200mg~3000mg、400mg~3000mg、800mg~3000mg、1200mg~3000mg、1800mg~3000mg、2400mg~3000mg、50mg~2400mg、100mg~2400mg、200mg~2400mg、400mg~2400mg、800mg~2400mg、1200mg~2400mg、1800mg~2400mg、50mg~1800mg、100mg~1800mg、200mg~1800mg、400mg~1800mg、800mg~1800mg、1200mg~1800mg、50mg~1200mg、100mg~1200mg、200mg~1200mg、400mg~1200mg、800mg~1200mg、50mg~800mg、100mg~800mg、200mg~800mg、400mg~800mg、50mg~400mg、100mg~400mg、200mg~400mg、50mg~200mg、50mg~100mg、または100mg~200mg(それぞれ両端の値を含む)の投与量で投与される。いくつかの態様では、GSK126は、3000mgで週2回投与される。いくつかの態様では、GSK126は、3000mgで週2回、28日のサイクルで投与され、3週間投与し1週間休薬する。
【0304】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤は、少なくとも50mg/日、100mg/日、150mg/日、175mg/日、200mg/日、250mg/日、300mg/日、325mg/日、350mg/日、375mg/日、400mg/日、425mg/日、450mg/日、475mg/日、500mg/日、525mg/日、550mg/日、575mg/日、600mg/日、625mg/日、650mg/日、675mg/日、700mg/日、725mg/日、750mg/日、775mg/日、800mg/日、825mg/日、850mg/日、875mg/日、900mg/日、925mg/日、950mg/日、975mg/日、1000mg/日、1100mg/日、1200mg/日、1300mg/日、1400mg/日、1500mg/日、1600mg/日、1700mg/日、1800mg/日、1900mg/日、2000mg/日、2100mg/日、2200mg/日、2300mg/日もしくは2400mg/日、または少なくとも約50mg/日、100mg/日、150mg/日、175mg/日、200mg/日、250mg/日、300mg/日、325mg/日、350mg/日、375mg/日、400mg/日、425mg/日、450mg/日、475mg/日、500mg/日、525mg/日、550mg/日、575mg/日、600mg/日、625mg/日、650mg/日、675mg/日、700mg/日、725mg/日、750mg/日、775mg/日、800mg/日、825mg/日、850mg/日、875mg/日、900mg/日、925mg/日、950mg/日、975mg/日、1000mg/日、1100mg/日、1200mg/日、1300mg/日、1400mg/日、1500mg/日、1600mg/日、1700mg/日、1800mg/日、1900mg/日、2000mg/日、2100mg/日、2200mg/日、2300mg/日もしくは2400mg/日の総1日投与量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、400mg/日または約400mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、800mg/日または約800mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、1200mg/日または約1200mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、1600mg/日または約1600mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、2400mg/日または約2400mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、3000mg未満/日もしくは約3000mg未満/日かつ少なくとも約100mg/日または少なくとも100mg/日である量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、100mg/日もしくは約100mg/日、または少なくとも100mg/日もしくは少なくとも約100mg/日の量で投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、3000mg以下/日の量で投与される。
【0305】
いくつかの態様では、阻害剤は、毎日1回投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、毎日2回投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、毎日3回投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、週2回投与される。
【0306】
前述の態様のいずれかにおいて、CPI-1205は、経口投与され得る。前述の態様のいずれかにおいて、タゼメトスタットは、経口投与され得る。前述の態様のいずれかにおいて、バレメトスタットは、経口投与され得る。前述の態様のいずれかにおいて、GSK126は、静脈内投与され得る。
【0307】
いくつかの態様では、投薬量、例えば1日投薬量は、1もしくは複数の分割用量、例えば2、3もしくは4用量、または単一製剤で投与される。阻害剤は、単独で、薬学的に許容される担体の存在下で、または他の治療剤の存在下で投与することができる。
【0308】
当業者であれば、例えば、具体的な作用物質および投与経路に応じて、より多いまたはより少ない投薬量の阻害剤を使用できることを認識するであろう。いくつかの態様では、阻害剤は、単独で、または化合物が1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤と混和もしくは混合された薬学的組成物の形態で投与され得る。いくつかの態様では、阻害剤は、全身にまたは処置される器官または組織に局部的に投与してよい。例示的な投与経路は、局所、注射(皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、腫瘍内、および静脈内等)、経口、舌下、直腸内、経皮、鼻腔内、膣内、および吸入の経路等を含むが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、投与の経路は、経口、非経口、直腸内、鼻腔内、局所、もしくは眼球内の経路、または吸入によるものである。いくつかの態様では、阻害剤は、経口投与される。いくつかの態様では、阻害剤は、カプセル剤、錠剤、および粉剤等の固体剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤、および懸濁剤等の液体剤形で経口投与される。
【0309】
一旦患者の疾患が改善したら、予防的または維持的処置用に用量を調整してよい。例えば、投薬量もしくは投与頻度またはこれらの両方を、症状に応じて、所望の治療または予防の効果が維持されるレベルに低減してよい。症状が適切なレベルまで緩和された場合、処置を停止してもよい。しかし、患者は、症状の任意の再発時には、長期的に断続的な処置を必要とする場合もある。また、患者は、長期的に慢性処置を必要とする場合もある。
【0310】
B. 免疫療法または細胞療法の投与
本明細書で提供される方法、組成物、組み合わせ、キット、および使用のいくつかの態様では、併用療法は、療法、例えば免疫療法または細胞療法を、対象に投与することを含む。いくつかの態様では、療法は、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞エンゲージング療法である。このような療法は、記載されているようなEZH2の1つまたは複数の阻害剤の投与の前、後、または同時に投与することができる。
【0311】
1. T細胞エンゲージング療法
いくつかの態様では、免疫療法は、T細胞上で発現する表面分子に結合することができる結合分子であるかまたはそれを含むT細胞エンゲージング療法であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表面分子は、T細胞受容体複合体の構成要素等、T細胞の活性化構成要素である。いくつかの態様では、表面分子は、CD3またはCD2である。いくつかの態様では、T細胞エンゲージング療法は、抗体もしくは抗原結合断片であるかまたはそれを含む。
【0312】
いくつかの態様では、T細胞エンゲージング療法は、T細胞の活性化構成要素(例えば、T細胞表面分子、例えば、CD3またはCD2)に結合する少なくとも1つの抗原結合ドメインと、標的細胞上の表面抗原、例えば、腫瘍またはがん細胞上の表面抗原、例えば、CD19等の本明細書に記載の列挙された抗原のいずれかに結合する少なくとも1つの抗原結合ドメインとを含有する二重特異性抗体である。いくつかの態様では、このような抗体がその標的の両方に同時にまたはほぼ同時に結合することで、標的細胞とT細胞の間に一時的な相互作用が生じ、それによって、T細胞の例えば細胞傷害性活性が活性化され、続いて、標的細胞が溶解する。
【0313】
いくつかの態様では、提供される方法、使用、製品に関連して、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)が使用される。いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーは、2つの特定の抗原(またはマーカーもしくはリガンド)に対する特異性を有する。いくつかの態様では、抗原は、特定の種類の細胞の表面上で発現する。特定の態様では、第1の抗原は、免疫細胞または遺伝子操作免疫細胞と会合し、そして、第2の抗原は、がん等の特定の疾患または病態の標的細胞と会合する。
【0314】
2つの異なるハイブリドーマの融合(Milstein and Cuello, Nature 1983;305:537-540)およびヘテロ二官能性架橋剤を通した化学的テザリング(Staerz et al. Nature 1985; 314:628-631)を含む、二重特異性T細胞エンゲージャーを生成する方法が数多く知られている。例示的な二重特異性抗体T細胞エンゲージング分子の中には、柔軟性リンカーによって融合したタンデムscFv分子(例えば、Nagorsen and Bauerle, Exp Cell Res 317, 1255-1260 (2011)を参照;例えば、柔軟性リンカーを介して互いに融合し、そして、安定的に会合することができる第1および第2のサブユニットで構成されるFcドメインを更に含有するタンデムscFv分子(国際公開公報第2013026837号);タンデムダイアボディを含む、ダイアボディおよびその誘導体(Holliger et al, Prot Eng 9, 299-305 (1996); Kipriyanov et al, J Mol Biol 293, 41-66 (1999));C末端ジスルフィド架橋を有するダイアボディフォーマットを含み得る二重親和性再ターゲティング(DART)分子;またはハイブリッドマウス/ラットIgG分子全体を含むトリオマブ(Seimetz et al, Cancer Treat Rev 36, 458-467 (2010)を含有するものがある。
【0315】
ある特定の態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーは、ポリペプチドコンストラクトによってコードされている分子である。ある特定の態様では、ポリペプチドコンストラクトは、免疫細胞または遺伝子操作免疫細胞の活性化部分に結合する抗原結合ドメインを含む第1の構成要素と、特定の疾患または病態(例えば、がん)に関連する表面抗原(例えば、標的または腫瘍関連抗原(TAA))に結合する抗原結合ドメインを含む第2の構成要素とを含有する。いくつかの態様では、第1のおよび第2の構成要素はリンカーによってカップリングされる。いくつかの態様では、第1の構成要素は、CD33シグナルペプチドをコードしているリーダー配列にカップリングされる。
【0316】
いくつかの態様では、ポリペプチドは、N末端からC末端に向かって:T細胞の活性化部分に結合する抗原結合ドメインを含む第1の構成要素と、ペプチドリンカーと、疾患または病態(例えば、がん)に関連する表面抗原(例えば、標的または腫瘍関連抗原(TAA))に結合する抗原結合ドメインを含む第2の構成要素とを含有するコンストラクトである。
【0317】
いくつかの局面では、T細胞の活性化構成要素は、CD3またはCD2等のT細胞表面分子である。いくつかの態様では、標的細胞の表面抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)である。いくつかの局面では、TAAは、1つまたは複数のエピトープを含有する。いくつかの態様では、ペプチドリンカーは、切断可能なペプチドリンカーであるかまたはそれを含む。
【0318】
いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーの第1の構成要素の抗原結合ドメインは、腫瘍の周辺における内因性免疫細胞上の受容体とエンゲージする。いくつかの態様では、内因性免疫細胞は、T細胞である。いくつかの局面では、内因性T細胞受容体のエンゲージメントにより、内因性T細胞が腫瘍に対してリダイレクトされる。いくつかの局面では、内因性T細胞受容体のエンゲージメントにより、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が腫瘍に動員される。いくつかの局面では、内因性T細胞受容体の会合により、内因性免疫レパートリーが活性化される。
【0319】
いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーがその標的の両方(例えば、免疫細胞およびTAA)に同時にまたはほぼ同時に結合した結果、標的細胞とT細胞の間に一時的な相互作用が生じ、それによって、T細胞が活性化(例えば、細胞傷害性活性、サイトカイン放出)され、続いて、標的細胞が溶解する。
【0320】
いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーの第1の構成要素は、T細胞の活性化構成要素に結合する抗原結合ドメインであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、T細胞の活性化構成要素は、表面分子である。いくつかの態様では、表面分子は、T細胞抗原であるかまたはそれを含む。例示的なT細胞抗原は、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD44、CD45、CD69、およびCD90を含むが、それに限定されるわけではない。いくつかの局面では、二重特異性T細胞エンゲージング分子とT細胞抗原との結合が、T細胞を刺激および/または活性化する。
【0321】
いくつかの態様では、抗T細胞結合ドメインは、Fab断片、F(ab')2断片、Fv断片、scFv、scAb、dAb、単一ドメイン重鎖抗体、および単一ドメイン軽鎖抗体からなる群より選択される抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0322】
いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャー上のT細胞結合ドメインは、抗CD3である。いくつかの局面では、抗CD3ドメインは、scFvである。いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーの抗CD3ドメインは、T細胞上の受容体におけるCD3複合体のサブユニットに結合する。いくつかの局面では、受容体は、内因性T細胞上にある。いくつかの態様では、受容体は、組み換え受容体を更に発現する遺伝子操作免疫細胞上にある。T細胞のCD3エンゲージメントの効果は、当技術分野において公知であり、そして、T細胞の活性化および他の下流の細胞シグナル伝達を含むが、それに限定されるわけではない。本明細書で提供される開示では、このような二重特異性T細胞エンゲージャーのいずれを使用してもよい。
【0323】
いくつかの態様では、疾患または病態に関連する表面抗原に結合する抗原結合ドメインを含む二重特異性T細胞エンゲージャーの第2の構成要素は、腫瘍またはがんの抗原である。いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーが標的とする抗原の中には、養子細胞療法を介して標的とされる疾患、病態、または細胞の種類の状況で発現するものがある。疾患および病態の中には、増殖性、新生物性、および悪性の疾患および障害があり、血液がん、免疫系のがん、例えば、リンパ腫、白血病、および/または骨髄腫、例えばB、T、および骨髄性の白血病、リンパ腫、ならびに多発性骨髄腫を含むがんおよび腫瘍が含まれる。
【0324】
いくつかの態様では、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9;CAIXまたはG250としても知られている)、癌-精巣抗原、癌/精巣抗原1B(CTAG;NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、癌胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、切断型上皮成長因子タンパク質(tEGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、melan A(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG;5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1;TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2;ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、又はDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子を含む。いくつかの態様における受容体が標的とする抗原は、多数の公知のB細胞マーカーのいずれか等、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79b、もしくはCD30であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。
【0325】
いくつかの態様では、第1の抗原結合ドメインおよび第2の抗原結合ドメインを含む両抗原結合ドメインが、抗体または抗原結合断片を構成する。
【0326】
用語「抗体」は、本明細書では最も広義の意味で使用され、そして、断片抗原結合(Fab)断片、F(ab')2断片、Fab'断片、Fv断片、組み換えIgG(rIgG)断片、抗原に特異的に結合することができる可変重鎖(VH)領域、一本鎖可変断片(scFv)を含む一本鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv)、または断片を含む、インタクトな抗体および機能的な(抗原結合)抗体断片を含む、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む。該用語は、遺伝子操作および/または他の方法で改変された形態の免疫グロブリン、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムジscFv、タンデムトリscFvを包含する。特に記載がない限り、用語「抗体」は、その機能的な抗体断片を包含すると理解されるべきである。また、該用語は、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、インタクトまたは完全長の抗体を包含する。
【0327】
いくつかの態様では、抗原結合タンパク質、抗体およびその抗原結合断片は、完全長抗体の抗原を特異的に認識する。いくつかの態様では、抗体の重鎖および軽鎖は完全長であってもよく、または抗原結合部分(Fab、F(ab')2、Fv、または一本鎖Fv断片(scFv))であってもよい。他の態様では、抗体重鎖定常領域は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEから選択され、具体的には、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択され、より具体的には、IgG1(例えば、ヒトIgG1)である。別の態様では、抗体軽鎖定常領域は、例えば、カッパまたはラムダから選択され、特にカッパである。
【0328】
提供される抗体の中には、抗体断片がある。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する該インタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、Fv、Fab、Fab’、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線状抗体;可変重鎖(VH)領域、scFvおよび単一ドメインVH単一抗体等の一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、それに限定されるわけではない。特定の態様では、抗体は、scFv等の可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む一本鎖抗体断片である。
【0329】
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)は、一般的に類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存フレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む。(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照。単一のVHまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。更に、それぞれ相補的なVLまたはVHのドメインのライブラリをスクリーニングするために特定の抗原に結合する抗体由来のVHまたはVLのドメインを用いて、該抗原に結合する抗体を単離することができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol.150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照。
【0330】
単一ドメイン抗体(sdAb)は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部または軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部を含む抗体断片である。ある特定の態様では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である。いくつかの態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーは、本明細書に記載されているかまたは公知の標的抗原のいずれか等、腫瘍細胞またはがん細胞等、標的となる細胞または疾患のがんマーカーまたは細胞表面抗原等の抗原に特異的に結合する抗体重鎖ドメインを含む。例示的なシングルドメイン抗体は、sdFv、ナノボディ、VHH、またはVNARを含む。
【0331】
抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解消化ならびに組換え宿主細胞による生成を含むがそれに限定されるわけではない、様々な技術によって作製することができる。いくつかの態様では、抗体は、組み換えにより生成された断片、例えば、2つまたはそれ以上の抗体の領域または鎖が合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって接合されたもの等、天然には存在しない配置を含む断片、および/または天然に存在するインタクトな抗体の酵素消化では生成することができない断片等である。いくつかの態様では、抗体断片は、scFvである。
【0332】
「ヒト化」抗体は、全てまたは実質的に全てのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、そして、全てまたは実質的に全てのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。非ヒト抗体の「ヒト化型」とは、親の非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、典型的にはヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化を受けた非ヒト抗体のバリアントを指す。いくつかの態様では、例えば抗体の特異性または親和性を回復させるまたは改善するために、ヒト化抗体における一部のFR残基を非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)における対応する残基で置換する。
【0333】
ある特定の態様では、抗原結合ドメインは、一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの態様では、scFvは、重鎖および軽鎖を含有するタンデムscFvである。いくつかの態様では、重鎖および軽鎖は、ペプチドリンカーによって接続されている。いくつかの態様では、リンカーは、主にセリンおよびグリシンで構成される。いくつかの局面では、重鎖および軽鎖の連結によって、単一のポリペプチド抗原結合ドメインが形成される。
【0334】
ある特定の態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーの第1の抗原結合ドメインは、抗CD3 scFvである。ある特定の態様では、二重特異性T細胞エンゲージャーの第2の抗原結合ドメインは、抗CD19 scFvである。
【0335】
いくつかの局面では、二重特異性T細胞エンゲージャーポリペプチドコンストラクトは、T細胞の活性化部分に結合する抗原結合ドメインを含む第1の構成要素を、特定の疾患または病態に関連する表面抗原(例えば、標的または腫瘍関連抗原(TAA))に結合する抗原結合ドメインを含む第2の構成要素に接合するリンカーを含有する。いくつかの局面では、リンカーは、短い、中程度の、または長いリンカーである。
【0336】
いくつかの態様では、リンカーは、切断可能なペプチドリンカーである。いくつかの局面では、切断可能なリンカーは、プロテアーゼの基質となる配列を含む。いくつかの態様では、配列は、インビボ条件下で破壊され得る結合を含む。いくつかの場合では、リンカー配列は、生理学的環境に存在するプロテアーゼによって選択的に切断される。いくつかの局面では、環境は、腫瘍の微小環境から分離している。いくつかの態様では、プロテアーゼは、腫瘍の周辺部にみられる。
【0337】
いくつかの態様では、選択的に切断可能なリンカーは、腫瘍と共局在しない細胞によって生成されるプロテアーゼによって切断される。いくつかの態様では、選択的に切断可能なリンカーは、腫瘍の微小環境に近接しているプロテアーゼによって切断されない。いくつかの態様では、プロテアーゼによってリンカーが切断されると、二重特異性T細胞エンゲージング分子は不活性になる。いくつかの態様では、プロテアーゼは、対象の循環血液中にみられる。いくつかの態様では、プロテアーゼは、内在性または外在性の凝固経路の一部である。いくつかの局面では、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼである。いくつかの局面では、プロテアーゼは、トロンビン、第X因子、第XI因子、第XII因子、およびプラスミンを含むが、それに限定されるわけではない。
【0338】
このような例示的な二重特異性抗体T細胞エンゲージャーの中には、柔軟性リンカーによって融合したタンデムscFv分子(例えば、Nagorsen and Bauerle, Exp Cell Res 317, 1255-1260 (2011)を参照;例えば、柔軟性リンカーを介して互いに融合し、そして、安定的に会合することができる第1および第2のサブユニットで構成されるFcドメインを更に含有するタンデムscFv分子(国際公開公報第2013026837号);タンデムダイアボディを含む、ダイアボディおよびその誘導体(Holliger et al, Prot Eng 9, 299-305 (1996); Kipriyanov et al, J Mol Biol 293, 41-66 (1999));C末端ジスルフィド架橋を有するダイアボディフォーマットを含み得る二重親和性再ターゲティング(DART)分子;またはハイブリッドマウス/ラットIgG分子全体を含むトリオマブ(Seimetz et al, Cancer Treat Rev 36, 458-467 (2010)を含有する二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)分子がある。いくつかの態様では、T細胞エンゲージング療法は、ブリナツモマブまたはAMG 330である。このようなT細胞エンゲージャーのいずれを、提供される方法で使用してもよい。
【0339】
免疫系刺激因子および/またはT細胞エンゲージング療法は、例えば、ボーラス注入、注射、例えば、静脈内または皮下への注射、眼内注射、眼窩周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下(subconjectval)注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、または後強膜近傍送達による等の任意の好適な手段によって投与することができる。いくつかの態様では、免疫療法は、非経口、肺内、および鼻腔内、そして局部的な処置が望ましい場合は、病巣内投与によって投与される。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、胸腔内、頭蓋内、または皮下への投与を含む。
【0340】
ある特定の態様では、1または複数の用量のT細胞エンゲージング療法が投与される。特定の態様では、0.001μgもしくは約0.001μgから、5,000μgもしくは約5,000μg(両端の値を含む)のT細胞エンゲージング療法が投与される。特定の態様では、0.001μg~1,000μg、0.001μg~1μg、0.01μg~1μg、0.1μg~10μg、0.01μg~1μg、0.1μg~5μg、0.1μg~50μg、1μg~100μg、10μg~100μg、50μg~500μg、100μg~1,000μg、1,000μg~2,000μg、もしくは2,000μg~5,000μg、または約0.001μg~1,000μg、約0.001μg~1μg、約0.01μg~1μg、約0.1μg~10μg、約0.01μg~1μg、約0.1μg~5μg、約0.1μg~50μg、約1μg~100μg、約10μg~100μg、約50μg~500μg、約100μg~1,000μg、約1,000μg~2,000μg、もしくは約2,000μg~5,000μgのT細胞エンゲージング療法が投与される。いくつかの態様では、T細胞エンゲージング療法の用量は、0.01μg/kg~100mg/kg、0.1μg/kg~10μg/kg、10μg/kg~50μg/kg、50μg/kg~100μg/kg、0.1mg/kg~1mg/kg、1mg/kg~10mg/kg,10mg/kg~100mg/kg、100mg/kg~500mg/kg、200mg/kg~300mg/kg、100mg/kg~250mg/kg、200mg/kg~400mg/kg、250mg/kg~500mg/kg、250mg/kg~750mg/kg、50mg/kg~750mg/kg、1mg/kg~10mg/kg、もしくは100mg/kg~1,000mg/kg、または約0.01μg/kg~100mg/kg、約0.1μg/kg~10μg/kg、約10μg/kg~50μg/kg、約50μg/kg~100μg/kg、約0.1mg/kg~1mg/kg、約1mg/kg~10mg/kg、10mg/kg~100mg/kg、約100mg/kg~500mg/kg、約200mg/kg~300mg/kg、約100mg/kg~250mg/kg、約200mg/kg~400mg/kg、約250mg/kg~500mg/kg、約250mg/kg~750mg/kg、約50mg/kg~750mg/kg、約1mg/kg~10mg/kg、もしくは約100mg/kg~1,000mg/kg(両端の値を含む)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、T細胞エンゲージング療法の投与量は、少なくとも0.1μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、700mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、もしくは1,000mg/kg、または少なくとも約0.1μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、700mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、もしくは1,000mg/kg、または0.1μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、700mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、もしくは1,000mg/kg、または約0.1μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、700mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、もしくは1,000mg/kgである。特定の態様では、T細胞エンゲージング療法は、経口、静脈内、腹腔内、経皮、髄腔内、筋肉内、鼻腔内、経粘膜、皮下、または直腸に投与される。
【0341】
2. 細胞療法
いくつかの態様では、療法は、腫瘍またはがん等の病変の表面上で発現する分子を標的とする免疫細胞、例えばT細胞等の細胞の投与であるかまたはそれを含む細胞ベースの療法である。いくつかの局面では、細胞療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、ナチュラルキル(NK)細胞療法、トランスジェニックTCR療法、または組み換え受容体発現細胞療法であり、これは、任意でT細胞療法であり、任意でキメラ抗原受容体(CAR)発現細胞療法である。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子操作されたT細胞を投与することを含む。いくつかの局面では、T細胞療法は、B細胞悪性腫瘍、例えば慢性リンパ球性白血病(CLL)または非ホジキンリンパ腫(NHL)またはそのサブタイプに関連する抗原等、がんに関連する抗原を特異的に認識および/または標的とするT細胞を含む養子T細胞療法である。いくつかの局面では、T細胞療法は、抗原に結合する、例えば特異的に結合する抗原結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)で遺伝子操作されたT細胞を含む。いくつかの場合では、T細胞療法の標的となる抗原は、CD19である。
【0342】
いくつかの態様では、免疫細胞は、T細胞受容体(TCR)または他の抗原結合受容体を発現する。いくつかの態様では、免疫細胞は、トランスジェニックTCRまたはキメラ抗原受容体(CAR)等の組換え受容体を発現する。いくつかの態様では、細胞は、対象に対して自己である。いくつかの態様では、細胞は、対象と同種である。提供される方法で使用するためのこのような細胞療法、例えばT細胞療法の例示を以下に記載する。
【0343】
いくつかの態様では、提供される細胞は、リガンド結合ドメインもしくはその結合断片を含有するものを含む組換え受容体、ならびにT細胞受容体(TCR)およびその構成要素、ならびに/またはキメラ抗原受容体(CAR)等の機能的な非TCR抗原受容体等の受容体を発現するおよび/または発現するように遺伝子操作される。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外リガンド結合ドメインを含有する。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインを含有するCARである。いくつかの態様では、抗原等のリガンドは、細胞の表面上で発現するタンパク質である。いくつかの態様では、CARは、TCR様CARであり、そして、抗原は、TCRのように主要組織適合性複合体(MHC)分子の状況において細胞表面上で認識される、細胞内タンパク質のペプチド抗原等の加工されたペプチド抗原である。
【0344】
いくつかの態様では、提供される方法に関連して使用するまたは投与するための細胞は、遺伝子操作受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)等の遺伝子操作抗原受容体、またはT細胞受容体(TCR)を含有するまたは含有するように遺伝子操作される。組成物の中には、養子細胞療法用等、投与のための薬学的組成物および製剤がある。また、提供された方法、および/または提供された製品もしくは組成物を踏まえて、対象、例えば患者に細胞および組成物を投与する処置方法も提供される。
【0345】
組み換え受容体を含有する遺伝子操作細胞を含む遺伝子操作細胞の中には、以下のセクションIIで説明されるものがある。CARおよび組換えTCRを含む組換え受容体、ならびに受容体を遺伝子操作し、そして、細胞に導入するための方法の例示は、例えば、国際公開公報第200014257号、国際公開公報第2013126726号、国際公開公報第2012/129514号、国際公開公報第2014031687号、国際公開公報第2013/166321号、国際公開公報第2013/071154号、国際公開公報第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、米国特許出願公開第2013287748号、米国特許出願公開第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願第2537416号に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398; Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338; Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 633-39; Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2): 160-75に記載されているものを含む。いくつかの局面では、遺伝子操作された抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されているCAR、および国際公開公報第2014055668 A1号に記載されているものを含む。
【0346】
養子細胞療法のための細胞の投与または使用の方法は公知であり、そして、提供される方法、組成物、および製品、およびキットと関連して使用することができる。例えば、養子T細胞療法の方法は、例えば、Gruenbergらの米国特許出願公開第2003/0170238号;Rosenbergの米国特許第4,690,915号;Rosenberg (2011) Nat Rev Clin Oncol.8(10):577-85)に記載されている。例えば、Themeli et al. (2013) Nat Biotechnol. 31(10): 928-933; Tsukahara et al. (2013) Biochem Biophys Res Commun 438(1): 84-9; Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338を参照。
【0347】
いくつかの態様では、細胞療法を受ける予定の対象またはこのような対象に由来する試料から細胞を単離および/または他の方法で調製する細胞療法、例えば養子T細胞療法は、自己移植によって実行される。したがって、いくつかの局面では、細胞は、処置を必要とする対象、例えば患者に由来し、そして、細胞は、単離および加工の後、同じ対象に投与される。
【0348】
いくつかの態様では、細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞療法を受ける予定の対象または最終的に受ける対象以外の対象、例えば第1の対象から細胞を単離および/または他の方法で調製する同種移植によって実行される。このような態様では、細胞は、次いで、同じ種の異なる対象、例えば、第2の対象に投与される。いくつかの態様では、第1および第2の対象は、遺伝的に同一である。いくつかの態様では、第1および第2の対象は、遺伝的に類似している。いくつかの態様では、第2の対象は、第1の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプを発現する。
【0349】
T細胞療法の細胞は、投与のために製剤化された組成物で投与されてもよく、あるいは、別々の投与のために製剤化された1つより多い組成物(例えば、2つの組成物)で投与されてもよい。細胞の用量は、特定の数もしくは相対数の細胞もしくは遺伝子操作細胞、および/またはCD4T細胞対CD8 T細胞等、規定の比もしくは組成の組成物内の2つもしくはそれ以上のサブタイプを含み得る。
【0350】
細胞は、任意の好適な手段によって投与することができる。細胞は、腫瘍量の低減等の処置効果を達成するための投薬レジメンで投与される。投薬および投与は、細胞療法、例えばCAR T細胞療法等のT細胞療法の投与を開始する前、後、および/または同時に投与することができる、EZH2の阻害剤の投与スケジュールに部分的に依存し得る。細胞療法の様々な投薬スケジュールは、単回投与または様々な時点に及ぶ複数回投与、ボーラス投与、およびパルス注入を含むが、それに限定されるわけではない。
【0351】
a. 組成物および製剤
いくつかの態様では、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含むT細胞療法などの細胞療法の細胞の用量は、薬学的組成物または製剤などの組成物または製剤として提供される。そのような組成物は、B細胞悪性腫瘍の治療などにおいて、提供される方法および/または提供される製品もしくは組成物に従って使用することができる。
【0352】
「薬学的製剤」という用語は、その中に含まれる有効成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、および製剤が投与される対象に対して許容できないほどに毒性であるさらなる成分を含まない調製物を示す。
【0353】
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して非毒性である、有効成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝剤、賦形剤、安定剤または防腐剤が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0354】
いくつかの態様では、操作されたT細胞(例えばCAR T細胞)などの細胞療法は、薬学的に許容される担体と共に製剤化される。いくつかの局面では、担体の選択は、一部には特定の細胞もしくは剤によって、および/または投与方法によって決定される。したがって、種々の適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は防腐剤を含み得る。適切な防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが挙げられ得る。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の防腐剤の混合物が使用される。防腐剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.0001重量%から約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed.(1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤。
【0355】
いくつかの局面では緩衝剤が組成物に含まれる。適切な緩衝剤としては、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他の様々な酸および塩が挙げられる。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.001重量%から約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams &Wilkins; 21st ed. (May 1,2005)においてより詳細に記載されている。
【0356】
製剤は水溶液を含み得る。製剤または組成物はまた、それぞれの活性が互いに悪影響を及ぼさない場合、細胞または剤で治療される特定の適応症、疾患、または状態に有用な複数の活性成分を含み得る。そのような活性成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。したがって、いくつかの態様では、薬学的組成物は、化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどのような他の薬学的に活性な剤または薬物をさらに含む。
【0357】
いくつかの態様で薬学的組成物は、治療上有効な量または予防上有効な量などの、疾患または状態を治療するために有効な量の細胞を含有する。いくつかの態様で治療有効性は、治療対象の定期的な評価によってモニタリングされる。数日間またはそれ以上にわたる反復投与については、状態に応じて、疾患の症状の所望の抑制が起こるまで、治療が繰り返される。しかしながら、他の投与レジメンも有用であり得、決定され得る。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与によって、組成物の複数回ボーラス投与によって、または組成物の持続注入投与によって送達することができる。
【0358】
細胞は、標準的な投与技術、製剤、および/または装置を用いて投与され得る。組成物の保存および投与のための、注射器およびバイアルなどの製剤および装置が提供される。細胞に関して、投与は自己由来または異種であり得る。例えば、免疫応答性細胞または前駆体は、一対象から得ることができ、同じ対象または異なる、適合性の対象に投与され得る。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えばインビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)は、カテーテル投与、全身注入、局所注入、静脈内注射、または非経口投与を含む局所注入によって投与することができる。治療用組成物(例えば遺伝子改変された免疫応答性細胞を含む薬学的組成物)を投与する場合、治療用組成物は一般に単位投与注射形態(溶液、懸濁液、エマルジョン)に製剤化される。
【0359】
製剤には、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔投与、舌下投与、または坐剤投与用のものが含まれる。いくつかの態様では、剤または細胞集団は非経口投与される。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、膣内投与、および腹腔内投与を含む。いくつかの態様では、剤または細胞集団は、静脈内、腹腔内、または皮下注射による末梢全身送達を用いて対象に投与される。
【0360】
いくつかの態様で組成物は、いくつかの局面では選択されたpHに緩衝され得る、滅菌液体製剤、例えば等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、または粘性組成物として提供される。液体製剤は通常、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物よりも調製が容易である。さらに、液体組成物は、特に注射によって投与するのにいくぶんより便利である。他方で、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供する適切な粘度範囲内に製剤化することができる。液体または粘性組成物は担体を含むことができ、担体は、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0361】
滅菌注射溶液は、適切な担体、希釈剤、または賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどとの混合物などの溶媒中に細胞を組み込むことによって調製することができる。
【0362】
インビボ投与に使用される製剤は一般に無菌である。無菌性は、例えば滅菌濾過膜を通して濾過することによって容易に達成され得る。
【0363】
b. 投薬
細胞は、任意の適切な手段、例えばボーラス注入によって、注射、例えば静脈内もしくは皮下注射、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、または後傍強膜送達によって投与することができる。いくつかの態様では、それらは、非経口投与、肺内投与、および鼻腔内投与によって、ならびに局所治療のために所望する場合は、病巣内投与によって投与される。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。いくつかの態様では、細胞の単回ボーラス投与によって所与の用量が投与される。いくつかの態様では、所与の用量は、例えば3日以下の期間にわたる細胞の複数回ボーラス投与によって、または細胞の持続注入投与によって投与される。いくつかの態様では、細胞用量の投与または任意のさらなる療法、例えばリンパ球除去療法、介入療法および/または併用療法の投与は、外来患者送達によって実施される。
【0364】
疾患の治療のために、適切な投与量は、治療される疾患の種類、細胞または組換え受容体の種類、疾患の重症度および経過、過去の療法、対象の病歴および細胞に対する応答、ならびに主治医の裁量に依存し得る。組成物および細胞は、いくつかの態様では、一度にまたは一連の治療にわたって対象に適切に投与される。
【0365】
いくつかの態様では、細胞の用量は、提供される方法に従って、および/または提供される製品もしくは組成物に従って対象に投与される。いくつかの態様では、用量のサイズまたはタイミングは、対象における特定の疾患または状態(例えばがん、例えばB細胞悪性腫瘍)に応じて決定される。いくつかの場合には、提供される説明を考慮して、特定の疾患の用量のサイズまたはタイミングは経験的に決定され得る。
【0366】
いくつかの態様では、細胞の用量は、2×105細胞/kgもしくは約2×105細胞/kgから2×106細胞/kgもしくは約2×106細胞/kg、例えば4×105細胞/kgもしくは約4×105細胞/kgから1×106細胞/kgもしくは約1×106細胞/kg、または6×105細胞/kgもしくは約6×105細胞/kgから8×105細胞/kgもしくは約8×105細胞/kgを含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、対象の体重1キログラム当たり(細胞/kg)2×105以下の細胞(例えばCAR発現細胞などの抗原発現細胞)、例えば3×105細胞/kg以下もしくは約3×105細胞/kg、4×105細胞/kg以下もしくは約4×105細胞/kg以下、5×105細胞/kg以下もしくは約5×105細胞/kg以下、6×105細胞/kg以下もしくは約6×105細胞/kg以下、7×105細胞/kg以下もしくは約7×105細胞/kg以下、8×105細胞/kg以下もしくは約8×105細胞/kg以下、9×105細胞/kg以下もしくは約9×105細胞/kg以下、1×106細胞/kg以下もしくは約1×106細胞/kg以下、または2×106細胞/kg以下もしくは約2×106細胞/kg以下を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、対象の体重1キログラム当たり(細胞/kg)少なくとも2×105細胞/kg(例えばCAR発現細胞などの抗原発現細胞)もしくは少なくとも約2×105細胞/kgもしくは2×105細胞/kgもしくは約2×105細胞/kg、例えば少なくとも3×105細胞/kgもしくは少なくとも約3×105細胞/kgもしくは3×105細胞/kgもしくは約3×105細胞/kg、少なくとも4×105細胞/kgもしくは少なくとも約4×105細胞/kgもしくは4×105細胞/kgもしくは約4×105細胞/kg、少なくとも5×105細胞/kgもしくは少なくとも約5×105細胞/kgもしくは5×105細胞/kgもしくは約5×105細胞/kg、少なくとも6×105細胞/kgもしくは少なくとも約6×105細胞/kgもしくは6×105細胞/kgもしくは約6×105細胞/kg、少なくとも7×105細胞/kgもしくは少なくとも約7×105細胞/kgもしくは7×105細胞/kgもしくは約7×105細胞/kg、少なくとも8×105細胞/kgもしくは少なくとも約8×105細胞/kgもしくは8×105細胞/kgもしくは約8×105細胞/kg、少なくとも9×105細胞/kgもしくは少なくとも約9×105細胞/kgもしくは9×105細胞/kgもしくは約9×105細胞/kg、少なくとも1×106細胞/kgもしくは少なくとも約1×106細胞/kgもしくは1×106細胞/kgもしくは約1×106細胞/kg、または少なくとも2×106細胞/kgもしくは少なくとも約2×106細胞/kgもしくは2×106細胞/kgもしくは約2×106細胞/kgを含む。
【0367】
特定の態様では、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団は、100万個~1000億個もしくは約10万個~約1000億個の細胞の範囲で、および/または対象の体重1キログラム当たりその量の細胞で、例えば100万個~約500億個の細胞(例えば5百万個もしくは約5百万個の細胞、2500万個もしくは約2500万個の細胞、5億個もしくは約5億個の細胞、10億個もしくは約10億個の細胞、10億個もしくは約50億個の細胞、10億個もしくは約200億個の細胞、50億個もしくは約50億個の細胞、200億個もしくは約200億個の細胞、300億個もしくは約300億個の細胞、400億個もしくは約400億個の細胞、または前記値のいずれか2つによって定義される範囲)、100万個~500億個もしくは約100万個~約500億個の細胞(例えば100万個もしくは約500万個の細胞、2500万個もしくは約2500万個の細胞、5億個もしくは約5億個の細胞、10億個もしくは約10億個の細胞、50億個もしくは約50億個の細胞、200億個もしくは約200億個の細胞、300億個もしくは約300億個の細胞、400億個もしくは約400億個の細胞、または前記値のいずれか2つによって定義される範囲)、例えば1000万個~1000億個もしくは約1000万個~約1000億個の細胞(例えば2000万個もしくは約2000万個の細胞、3000万個もしくは約3000万個の細胞、4000万個もしくは約4000万個の細胞、6000万個もしくは約6000万個の細胞、7000万個もしくは約7000万個の細胞、8000万個もしくは約80000万個の細胞、9000万個もしくは約9000万個の細胞、100億個もしくは約100億個の細胞、250億個もしくは約250億個の細胞、500億個もしくは約500億個の細胞、750億個もしくは約750億個の細胞、900億個もしくは約900億個の細胞、または前記値のいずれか2つによって定義される範囲)の量で、およびいくつかの場合には、1億個の細胞~500億個の細胞もしくは約1億個の細胞~約500億個の細胞(例えば1億2000万個もしくは約1億2000万個の細胞、2億5000万個もしくは約2億5000万個の細胞、3億5000万個もしくは約3億5000万個の細胞、4億5000万個もしくは約4億5000万個の細胞、6億5000万個もしくは約6億5000万個の細胞、8億個もしくは約8億個の細胞、9億個もしくは約9億個の細胞、30億個もしくは約30億個の細胞、300億個もしくは約300億個の細胞、450億個もしくは約450億個の細胞)、またはこれらの範囲の間の任意の値および/または体重1キログラム当たりの任意の値の量で対象に投与される。投与量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の治療に特有の属性に依存して異なり得る。
【0368】
いくつかの態様では、細胞の用量は、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108の総CAR発現T細胞、1×105~2.5×108もしくは約1×105~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×105~1×108もしくは約1×105~約1×108の総CAR発現T細胞、1×105~5×107もしくは約1×105~約5×107の総CAR発現T細胞、1×105~2.5×107もしくは約1×105~約2.5×107の総CAR発現T細胞、1×105~1×107もしくは約1×105~約1×107の総CAR発現T細胞、1×105~5×106もしくは約1×105~約5×106の総CAR発現T細胞、1×105~2.5×106もしくは約1×105~約2.5×106の総CAR発現T細胞、1×105~1×106もしくは約1×105~約1×106の総CAR発現T細胞、1×106~5×108もしくは約1×106~約5×108の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×108もしくは約1×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×106~1×108もしくは約1×106~約1×108の総CAR発現T細胞、1×106~5×107もしくは約1×106~約5×107の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×107もしくは約1×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107の総CAR発現T細胞、1×106~5×106もしくは約1×106~約5×106の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×106もしくは約1×106~約2.5×106の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×108もしくは約2.5×106~約5×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×108もしくは約2.5×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~1×108もしくは約2.5×106~約1×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×107もしくは約2.5×106~約5×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×107もしくは約2.5×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~1×107もしくは約2.5×106~約1×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×106もしくは約2.5×106~約5×106の総CAR発現T細胞、5×106~5×108もしくは約5×106~約5×108の総CAR発現T細胞、5×106~2.5×108もしくは約5×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、5×106~1×108もしくは約5×106~約1×108の総CAR発現T細胞、5×106~5×107もしくは約5×106~約5×107の総CAR発現T細胞、5×106~2.5×107もしくは約5×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、5×106~1×107もしくは約5×106~約1×107の総CAR発現T細胞、1×107~5×108もしくは約1×107~約5×108の総CAR発現T細胞、1×107~2.5×108もしくは約1×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×107~1×108もしくは約1×107~約1×108の総CAR発現T細胞、1×107~5×107もしくは約1×107~約5×107の総CAR発現T細胞、1×107~2.5×107もしくは約1×107~約2.5×107の総CAR発現T細胞、2.5×107~5×108もしくは約2.5×107~約5×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~2.5×108もしくは約2.5×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~1×108もしくは約2.5×107~約1×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~5×107もしくは約2.5×107~約5×107の総CAR発現T細胞、5×107~5×108もしくは約5×107~約5×108の総CAR発現T細胞、5×107~2.5×108もしくは約5×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、5×107~1×108もしくは約5×107~約1×108の総CAR発現T細胞、1×108~5×108もしくは約1×108~約5×108の総CAR発現T細胞、1×108~2.5×108もしくは約1×108~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×108~5×108もしくは約2.5×108~約5×108の総CAR発現T細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、約1×108のCAR発現細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、約5×107のCAR発現細胞を含む。
【0369】
いくつかの態様では、細胞の用量は、少なくとも1×105もしくは少なくとも約1×105のCAR発現細胞、少なくとも2.5×105もしくは少なくとも約2.5×105のCAR発現細胞、少なくとも5×105もしくは少なくとも約5×105のCAR発現細胞、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106のCAR発現細胞、少なくとも2.5×106もしくは少なくとも約2.5×106のCAR発現細胞、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106のCAR発現細胞、少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107のCAR発現細胞、少なくとも2.5×107もしくは少なくとも約2.5×107のCAR発現細胞、少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107のCAR発現細胞、少なくとも1×108もしくは少なくとも約1×108のCAR発現細胞、少なくとも2.5×108もしくは少なくとも約2.5×108のCAR発現細胞、または少なくとも5×108もしくは少なくとも約5×108のCAR発現細胞を含む。
【0370】
いくつかの態様では、細胞の用量は、細胞の用量が対象の体表面積または体重にしばられないまたは基づかないように、細胞の均一な用量または細胞の固定された用量である。
【0371】
いくつかの態様では、例えば対象がヒトである場合、用量は、5×108未満もしくは約5×108未満の総組換え受容体(例えばCAR)発現細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)、例えば1×106~5×108もしくは約1×106~約5×108の範囲のそのような細胞、例えば2×106もしくは約2×106、5×106もしくは約5×106、1×107もしくは約1×107、5×107もしくは約5×107、1×108もしくは約1×108、2×108もしくは約2×108、3×108もしくは約3×108、4×108もしくは約4×108、5×108もしくは約5×108のそのような総細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のそのような細胞を含む。いくつかの態様では、対象がヒトである場合、用量は、1×106~3×108もしくは約1×106~約3×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現細胞、例えば1×107~2×108もしくは約1×107~約2×108の範囲のそのような細胞、例えば1×107もしくは約1×107、5×107もしくは約5×107、1×108もしくは約1×108、または1.5×108もしくは約1.5×108のそのような総細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のそのような総細胞を含む。いくつかの態様では、患者は複数用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様では、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞もしくは総T細胞、1×105~1×108もしくは約1×105~約1×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞もしくは総T細胞、5×105~1×107もしくは約5×105~約1×107の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞もしくは総T細胞、または1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞もしくは総T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、約1×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、約5×107の総組換え受容体(例えばCAR)発現T細胞の投与を含む。
【0372】
いくつかの態様では、用量のT細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+およびCD8+T細胞を含む。
【0373】
いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量中を含む、用量のCD8+T細胞は、1×106~1×108もしくは約1×106~約1×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現CD8+細胞、例えば5×106~1×108もしくは約5×106~約1×108のそのような細胞、例えば1×107もしくは約1×107のそのような細胞、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、1×108もしくは約1×108、または1.5×108もしくは約1.5×108、または5×108もしくは約5×108のそのような総細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のそのような細胞を含む。いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量中を含む、用量のCD8+T細胞は、約5×107の総組換え受容体(例えばCAR)発現CD8+細胞を含む。いくつかの態様では、患者は複数用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様では、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の総組換え受容体発現CD8+T細胞、1×107~2.5×107または約1×107~約2.5×107の総組換え受容体発現CD8+T細胞、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の総組換え受容体発現CD8+T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、1×107もしくは約1×107、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、1×108もしくは約1×108、1.5×108もしくは約1.5×108、または5×108もしくは約5×108の総組換え受容体発現CD8+T細胞の投与を含む。
【0374】
いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量中を含む、用量のCD4+T細胞は、1×106~1×108もしくは約1×106~約1×108の総組換え受容体(例えばCAR)発現CD4+細胞、例えば5×106~1×108もしくは約5×106~約1×108のそのような細胞、例えば1×107もしくは約1×107、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、1×108もしくは約1×108、1.5×108もしくは約1.5×108、または5×108もしくは約5×108のそのような総細胞、または前記値のいずれか2つの間の範囲のそのような細胞を含む。いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+T細胞を含む用量中を含む、用量のCD4+T細胞は、約5×107の総組換え受容体(例えばCAR)発現CD4+細胞を含む。いくつかの態様では、患者は複数用量を投与され、それぞれの用量または総用量は、前記値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様では、細胞の用量は、それぞれ両端の値を含む、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の総組換え受容体発現CD4+T細胞、1×107~2.5×107または約1×107~約2.5×107の総組換え受容体発現CD4+T細胞、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の総組換え受容体発現CD4+T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、1×107もしくは約1×107、2.5×107もしくは約2.5×107、5×107もしくは約5×107、7.5×107もしくは約7.5×107、1×108もしくは約1×108、1.5×108もしくは約1.5×108、または5×108もしくは約5×108の総組換え受容体発現CD4+T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、5×107または約5×107の総組換え受容体発現CD4+T細胞および5×107または約5×107の総組換え受容体発現CD8+T細胞の投与を含む。
【0375】
いくつかの態様では、細胞、例えば組換え受容体発現T細胞)の用量は、単一用量として対象に投与されるか、または2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年もしくはそれ以上の期間内に1回だけ投与される。
【0376】
養子細胞療法の文脈において、所与の「用量」の投与は、単一組成物としての所与の量または数の細胞の投与、および/または単一の中断されない投与、例えば単回注射もしくは持続注入としての所与の量または数の細胞の投与を包含し、また、3日以下などの指定される期間にわたって複数の個別の組成物または注入で提供される、分割用量としてまたは複数の組成物としての所与の量または数の細胞の投与も包含する。したがって、いくつかの状況では、用量は、ある1つの時点で与えられるかまたは開始される、指定される数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、いくつかの状況では、用量は、3日間もしくは2日間の1日1回などの3日以下の期間にわたる複数回の注射もしくは注入で、または1日の期間にわたる複数回の注入によって投与される。
【0377】
したがって、いくつかの局面では、用量の細胞は単一の薬学的組成物で投与される。いくつかの態様では、用量の細胞は、用量の細胞を集合的に含む複数の組成物で投与される。
【0378】
「分割用量」という用語は、1日を超えて投与されるように分割されている用量を指す。この種の投与は本発明の方法に包含され、単一用量であると見なされる。
【0379】
したがって、細胞の用量は、分割用量として、例えば経時的に投与される分割用量として投与され得る。例えば、いくつかの態様では、用量は、2日間または3日間にわたって対象に投与され得る。分割投与のための例示的な方法は、1日目に用量の25%を投与し、2日目に用量の残りの75%を投与する工程を含む。他の態様では、1日目に用量の33%を投与し、2日目に残りの67%を投与し得る。いくつかの局面では、1日目に用量の10%を投与し、2日目に用量の30%を投与し、3日目に用量の60%を投与する。いくつかの態様では、分割用量は3日間を超えない。
【0380】
いくつかの態様では、用量の細胞は、それぞれが用量の一部の細胞を含む、第1および第2、任意でそれ以上などの、複数の組成物または溶液の投与によって投与され得る。いくつかの局面では、それぞれが細胞の異なる集団および/またはサブタイプを含む複数の組成物は、別々にまたは独立して、任意で特定の期間内に投与される。例えば、細胞の集団またはサブタイプは、それぞれCD8およびCD4T細胞、ならびに/またはそれぞれCD8+および/またはCD4+に富む集団、例えばそれぞれ個別に組換え受容体を発現するように遺伝子操作された細胞を含むCD4+および/またはCD8+T細胞を含み得る。いくつかの態様では、用量の投与は、用量のCD8+T細胞または用量のCD4+T細胞を含む第1の組成物の投与、ならびに用量のCD4+T細胞およびCD8+T細胞の他方を含む第2の組成物の投与を含む。
【0381】
いくつかの態様では、組成物または用量の投与、例えば複数の細胞組成物の投与は、細胞組成物を別々に投与することを含む。いくつかの局面では、別々の投与は、同時に、または任意の順序で連続的に行われる。いくつかの態様では、用量は、第1の組成物と第2の組成物を含み、第1の組成物と第2の組成物は、0~12時間もしくは約0~約12時間の間隔で、0~6時間もしくは約0~約6時間の間隔で、または0~2時間もしくは約0~約2時間の間隔で投与される。いくつかの態様では、第1の組成物の投与開始と第2の組成物の投与開始は、2時間以内もしくは約2時間以内、1時間以内もしくは約1時間以内、または30分以内もしくは約30分以内、15分以内もしくは約15分以内、10分以内もしくは約10分以内、または5分以内もしくは約5分以内の間隔で行われる。いくつかの態様では、第1の組成物の投与の開始および/または完了ならびに第2の組成物の投与の完了および/または開始は、2時間以内もしくは約2時間以内、1時間以内もしくは約1時間以内、または30分以内もしくは約30分以内、15分以内もしくは約15分以内、10分以内もしくは約10分以内、または5分以内もしくは約5分以内の間隔で行われる。
【0382】
いくつかの態様では、第1の組成物と第2の組成物は、対象への投与の前に混合される。いくつかの態様では、第1の組成物と第2の組成物は、投与の少し前に(例えば6時間以内もしくは約6時間以内、5時間以内もしくは約5時間以内、4時間以内もしくは約4時間以内、3時間以内もしくは約3時間以内、2時間以内もしくは約2時間以内、1.5時間以内もしくは約1.5時間以内、1時間以内もしくは約1時間以内、または0.5時間以内もしくは約0.5時間以内に)混合される。いくつかの態様では、第1の組成物と第2の組成物は、投与の直前に混合される。
【0383】
いくつかの組成物では、第一の組成物、例えば前記用量の第一の組成物はCD4+T細胞を含む。いくつかの組成物では、第一の組成物、例えば前記用量の第一の組成物はCD8+T細胞を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は第二の組成物の前に投与される。
【0384】
いくつかの態様では、細胞の用量または組成物は、組換え受容体を発現するCD4+細胞対組換え受容体を発現するCD8+細胞、および/またはCD4+細胞対CD8+細胞の所定の比または標的比を含み、この比は、任意で約1:1であるか、または約1:3~約3:1、例えば約1:1である。いくつかの態様では、細胞の用量または組成物は、組換え受容体を発現するCD4+細胞対組換え受容体を発現するCD8+細胞、および/またはCD4+細胞対CD8+細胞の所定の比または標的比を含み、この比は、任意で約1:1である。いくつかの局面では、異なる細胞集団の標的または所望の比(例えばCD4+:CD8+比またはCAR+CD4+:CAR+CD8+比、例えば1:1)を有する組成物または用量の投与は、一方の集団を含む細胞組成物の投与、次いで他方の集団を含む別の細胞組成物の投与を含み、投与は標的または所望の比またはそれに近い比においてである。いくつかの局面において、定義された比での細胞の用量または組成物の投与により、T細胞療法の改善された拡大、持続性および/または抗腫瘍活性がもたらされる。
【0385】
いくつかの態様において、対象は、細胞の多数の用量、例えば、2以上の用量または多数の連続する用量を受ける。いくつかの態様において、2用量が対象に投与される。いくつかの態様において、対象は、連続する用量、例えば、2回目の用量を、最初の用量のおよそ4日後に、5日後に、6日後に、7日後に、8日後に、9日後に、10日後に、11日後に、12日後に、13日後に、14日後に、15日後に、16日後に、17日後に、18日後に、19日後に、20日後に、または21日後に受ける。いくつかの態様において、多数の連続する用量が最初の用量の後で投与され、その結果、さらなる1または複数の用量が、前記連続する用量の投与の後で投与されるようにされる。いくつかの局面において、さらなる用量で対象に投与される細胞の数は、最初の用量および/または連続する用量と同じであり、あるいは類似している。いくつかの態様において、前記さらなる1または複数の用量は以前の用量よりも大きい。
【0386】
いくつかの局面において、最初の用量および/または連続する用量の大きさが、1つまたは複数の基準に基づいて、例えば、先行処置(例えば、化学療法)に対する対象の応答、対象における疾患負荷(例えば、腫瘍の量、嵩、大きさ、または転移の程度、範囲、もしくはタイプなど)、病期、ならびに/あるいは対象が毒性転帰(例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性、ならびに/あるいは細胞および/または組換え受容体が投与されることに対する宿主免疫応答)を発達させる可能性または発生頻度などに基づいて決定される。
【0387】
いくつかの局面において、最初の用量の投与と、連続する用量の投与との間の期間が、約9日~約35日、約14日~約28日、または15日~27日である。いくつかの態様において、連続する用量の投与が、最初の用量を投与した後の約14日超で、約28日未満である時点においてである。いくつかの局面において、最初の用量と、連続する用量との間の期間が、約21日である。いくつかの態様において、さらなる1つまたは複数の用量(例えば、連続する用量)が、連続する用量を投与した後で投与される。いくつかの局面において、さらなる連続する1つまたは複数の用量は、以前の用量を投与した後の少なくとも約14日で、かつ約28日未満で投与される。いくつかの態様において、さらなる用量は、以前の用量の後の約14日未満で投与され、例えば、以前の投与の4日後に、5日後に、6日後に、7日後に、8日後に、9日後に、10日後に、11日後に、12日後に、または13日後に投与される。いくつかの態様において、用量は前回用量の後の約14日未満で投与されず、および/または、用量は前回用量の後の約28日を超えて投与されない。
【0388】
いくつかの態様において、細胞(例えば、組換え受容体発現細胞)の用量は、T細胞の最初の用量と、T細胞の1つの連続する用量とを含む2用量(例えば、2回分の用量)を含み、この場合、最初の用量および2回目の用量の一方または両方がT細胞の分割用量の投与を含む。
【0389】
いくつかの態様では、細胞の用量は一般に、疾患負荷を軽減するうえで有効であるのに十分な量である。
【0390】
いくつかの態様では、細胞は所望の投与量で投与され、これは、いくつかの局面では所望の用量もしくは数の細胞もしくは細胞型(複数可)および/または所望の比の細胞型を含む。したがって、いくつかの態様では細胞の投与量は、細胞の総数(または体重1kg当たりの数)および個々の集団またはサブタイプの所望の比、例えばCD4+対CD8+比に基づく。いくつかの態様では、細胞の投与量は、個々の集団または個々の細胞型における細胞の所望の総数(または体重1kg当たりの数)に基づく。いくつかの態様では、投与量は、個々の集団における全細胞の所望の数、所望の比、および細胞の所望の総数などの特徴の組み合わせに基づく。
【0391】
いくつかの態様では、CD8およびCD4T細胞などの細胞の集団またはサブタイプは、T細胞の所望の用量などの全細胞の所望の用量の許容差でまたは許容差内で投与される。いくつかの態様では、所望の用量は、細胞の所望の数または細胞が投与される対象の単位体重当たりの細胞の所望の数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、細胞の最小数もしくは最小数より上、または単位体重当たりの細胞の最小数もしくは最小数より上である。いくつかの局面では、所望の用量で投与される全細胞のうち、個々の集団またはサブタイプは、所望の産生比(CD4対CD8比など)またはそれに近い比で、例えばそのような比のある特定の許容差内または誤差内で存在する。
【0392】
いくつかの態様では、細胞は、所望の用量のCD4+細胞および/または所望の用量のCD8+細胞などの、1つまたは複数の個々の集団またはサブタイプの細胞の所望の用量の許容差でまたは許容範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の用量は、サブタイプまたは集団の細胞の所望の数、または細胞が投与される対象の単位体重当たりのそのような細胞の所望の数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、集団もしくはサブタイプの細胞の最小数もしくは最小数より上、または単位体重当たりの集団もしくはサブタイプの細胞の最小数もしくは最小数より上である。
【0393】
したがって、いくつかの態様では、投与量は、全細胞の所望の固定用量および所望の比に基づき、ならびに/または個々のサブタイプもしくは亜集団の1つもしくは複数、例えば各々の、所望の固定用量に基づく。したがって、いくつかの態様では、投与量は、T細胞の所望の固定用量もしくは最小用量およびCD4対CD8細胞の所望の比に基づき、ならびに/またはCD4および/またはCD8細胞の所望の固定用量もしくは最小用量に基づく。
【0394】
いくつかの態様では、細胞は、CD4+およびCD8+細胞またはサブタイプなどの複数の細胞集団またはサブタイプの所望の産生比の許容範囲でまたは許容範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の比は特定の比であり得るかまたは比の範囲であり得、例えばいくつかの態様では、所望の比(例えばCD4対CD8細胞の比)は、5:1~5:1もしくは約5:1~約5:1(もしくは約1:5より大きく約5:1より小さい)、または1:3~3:1もしくは約1:3~約3:1(もしくは約1:3より大きく約3:1より小さい)、例えば2:1~1:5もしくは約2:1~約1:5(もしくは約1:5より大きく約2:1より小さい、例えば5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、もしくは1:5、またはおよそ前記比である。いくつかの態様では、所望の比(例えばCD4対CD8細胞の比)は、1:1または約1:1である。いくつかの局面では、許容差は、所望の比の約1%以内、約2%以内、約3%以内、約4%以内、約5%以内、約10%以内、約15%以内、約20%以内、約25%以内、約30%以内、約35%以内、約40%以内、約45%以内、約50%以内であり、これらの範囲の間の任意の値を含む。
【0395】
特定の態様では、細胞の数および/または濃度は、組換え受容体(例えばCAR)発現細胞の数を指す。他の態様では、細胞の数および/または濃度は、投与されるすべての細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)の数または濃度を指す。
【0396】
いくつかの局面では、投与量のサイズは、以前の治療、例えば化学療法に対する対象の応答、対象における疾患負荷、例えば腫瘍の量、体積、大きさ、または転移の程度、範囲もしくは種類、病期、および/または毒性転帰、例えばCRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、神経毒性を発症する対象の可能性もしくは発生率、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主の免疫応答などの、1つまたは複数の基準に基づいて決定される。
【0397】
いくつかの態様では、方法はまた、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞の1つもしくは複数の用量および/もしくはリンパ球除去療法を投与する工程を含み、ならびに/または方法の1つもしくは複数の工程が繰り返される。いくつかの態様では、1つまたは複数のさらなる用量は、初期用量と同じである。いくつかの態様では、1つまたは複数のさらなる用量は、初期用量とは異なり、例えば初期用量より高い、例えば2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍もしくは10倍もしくはそれ以上高いか、または初期用量より低い、例えば2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍もしくは10倍もしくはそれ以上低い。いくつかの態様では、1つまたは複数のさらなる用量の投与は、初期治療または任意の以前の治療に対する対象の応答、例えば対象における疾患負荷、例えば腫瘍の量、体積、サイズ、または転移の程度、範囲もしくは種類、病期、ならびに/または毒性転帰、例えばCRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、神経毒性、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主の免疫応答を発症する対象の可能性または発生率に基づいて決定される。
【0398】
細胞の投与に続いて、いくつかの態様では操作された細胞集団の生物学的活性を、例えば多くの公知の方法のいずれかによって測定する。評価するパラメーターには、インビボでは、例えば画像化による、またはエクスビボでは、例えばELISAもしくはフローサイトメトリーによる、操作されたもしくは天然のT細胞または他の免疫細胞の抗原への特異的結合が含まれる。特定の態様では、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力を、任意の適切な公知の方法を使用して、例えばKochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32(7): 689-702(2009)、およびHerman et al. J. Immunological Methods, 285(1): 25-40(2004)に記載されている細胞毒性アッセイを使用して測定することができる。特定の態様では、細胞の生物学的活性は、CD107a、IFNγ、IL-2、およびTNFなどの1つまたは複数のサイトカインの発現および/または分泌を検定することによって測定される。いくつかの局面では、生物学的活性は、腫瘍負荷または腫瘍量の減少などの臨床転帰を評価することによって測定される。
【0399】
C. リンパ球枯渇処理
幾つかの局面では、提供される方法および使用は、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)等の細胞療法の投与の開始前または投与と同時等に、1つまたは複数のリンパ球枯渇療法を投与することを更に含み得る。幾つかの局面では、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)等の細胞療法の投与開始前に、リンパ球枯渇療法の投与を開始する。幾つかの局面では、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)等の細胞療法の投与開始前に、リンパ球枯渇療法を終了する。幾つかの局面では、リンパ球枯渇療法の投与前に、EZH2阻害剤の投与を開始する。幾つかの局面では、リンパ球枯渇療法の投与後、例えば終了後に、EZH2阻害剤の投与を開始する。幾つかの態様では、リンパ球枯渇療法は、シクロホスファミド等のホスファミドの投与を含む。幾つかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンの投与を含み得る。
【0400】
いくつかの局面において、対象を免疫枯渇(例えば、リンパ球枯渇)療法によりプレコンディショニングすることは養子細胞療法(ACT)の効果を改善することができる。シクロスポリンおよびフルダラビンの組み合わせを含めて、リンパ球枯渇剤によるプレコンディショニングは、移入された細胞の応答および/または持続性を改善するためにであることを含めて、細胞療法における移入された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)細胞の効力を改善することにおいてこれまで効果的であった。例えば、Dudley et al., Science, 298, 850-54(2002); Rosenberg et al., Clin Cancer Res, 17(13):4550-4557(2011)を参照のこと。同様に、CAR+T細胞の状況において、いくつかの研究が、様々なリンパ球枯渇剤を、最も一般的にはシクロホスファミド、フルダラビン、ベンダムスチン、またはそれらの組み合わせを、時には低線量の照射を伴って組み入れている。Han et al. Journal of Hematology & Oncology, 6:47(2013); Kochenderfer et al., Blood, 119: 2709-2720(2012); Kalos et al., Sci Transl Med, 3(95):95ra73(2011); Clinical Trial Study Record Nos.: NCT02315612; NCT01822652を参照のこと。
【0401】
そのようなプレコンディショニングを、治療の効力を弱め得るであろう様々な結果の1つまたは複数の危険性を減らすことを目的にして行うことができる。これらには、T細胞、B細胞、NK細胞が、恒常性、およびサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7および/またはIL-15など)を活性化することについてTILと競合する「サイトカインシンク(cytokine sink)」として知られている現象;調節性T細胞、NK細胞、または免疫系の他の細胞によるTILの抑制;腫瘍微小環境における負の調節因子の影響が含まれる。Muranski et al., Nat Clin Pract Oncol. December; 3(12): 668-681(2006)。
【0402】
したがって、いくつかの態様では、提供される方法は、対象にリンパ枯渇療法を投与することを更に含む。いくつかの態様では、方法は、用量の細胞の投与を開始する前に、対象にリンパ球枯渇療法を投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、EZH2阻害剤の投与を開始する前に、対象にリンパ球枯渇療法を投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、EZH2阻害剤の投与前後(prior after)に、対象にリンパ球枯渇療法を投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、リンパ球枯渇療法の投与の前および後に、EZH2阻害剤を投与することを含む。いくつかの局面では、リンパ球枯渇療法、EZH2阻害剤、および用量の細胞を、順々にかつ重複することなく対象に投与する。いくつかの局面では、EZH2阻害剤、リンパ球枯渇療法、および用量の細胞を、順々にかつ重複することなく対象に投与する。いくつかの局面では、EZH2阻害剤、リンパ球枯渇療法、EZH2阻害剤、および用量の細胞を、順々にかつ重複することなく対象に投与する。いくつかの態様では、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミド等の化学療法剤を含有する。いくつかの態様では、細胞および/またはリンパ球枯渇療法の投与は、外来患者への送達を介して行われる。
【0403】
いくつかの態様において、方法は、プレコンディショニング剤(例えば、リンパ球枯渇剤または化学療法剤など、例えば、シクロホスファミド、フルダラビンまたはそれらの組み合わせなど)を、細胞の用量の投与を開始するのに先立って対象に投与することを含む。例えば、対象が、最初の用量または後続用量の少なくとも2日前に、例えば、最初の用量または後続用量の少なくとも3日前、4日前、5日前、6日前または7日前などに、プレコンディショニング剤を投与される場合がある。いくつかの態様において、対象が、細胞の用量の投与を開始する最大でも7日前に、例えば、細胞の用量の投与を開始する最大でも6日前、5日前、4日前、3日前または2日前などに、プレコンディショニング剤を投与される。いくつかの態様において、対象が、細胞の用量の投与を開始する前の、両端の値を含む2日~7日の間で、例えば、細胞の用量の投与を開始する2日前、3日前、4日前、5日前、6日前または7日前などにおいて、プレコンディショニング剤を投与される。
【0404】
いくつかの態様では、対象は、20mg/kg~100mg/kgまたは約20mg/kg~100mg/kg、例えば40mg/kg~80mg/kgまたは約40mg/kg~80mg/kgの用量のシクロホスファミドでプレコンディショニングされる。いくつかの局面では、対象は、60mg/kgまたは約60mg/kgのシクロホスファミドでプレコンディショニングされる。いくつかの態様では、シクロホスファミドは、単回投薬で投与してもよく、または毎日、1日おき、もしくは3日おきに与える等、複数回投薬で投与してもよい。いくつかの態様では、シクロホスファミドを1日1回、1または2日間投与する。いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤がシクロホスファミドを含む場合、100mg/m2~500mg/m2または約100mg/m2~500mg/m2、例えば、200mg/m2~400mg/m2もしくは約200mg/m2~400mg/m2または250mg/m2~350mg/m2もしくは約250mg/m2~350mg/m2(両端の値を含む)の用量のシクロホスファミドを対象に投与する。いくつかの例では、対象に約300mg/m2のシクロホスファミドを投与する。いくつかの態様では、シクロホスファミドは、単回投薬で投与してもよく、または毎日、1日おき、もしくは3日おきに与える等、複数回投薬で投与してもよい。いくつかの態様では、シクロホスファミドを毎日、例えば1~5日間、例えば3~5日間投与する。いくつかの例では、細胞療法を開始する前に、3日間、約300mg/m2のシクロホスファミドを毎日対象に投与する。
【0405】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤がフルダラビンを含む場合、1mg/m2~100mg/m2、または約1mg/m2~100mg/m2、例えば、10mg/m2~75mg/m2もしくは約10mg/m2~75mg/m2、15mg/m2~50mg/m2もしくは約15mg/m2~50mg/m2、20mg/m2~40mg/m2もしくは約20mg/m2~40mg/m2、24mg/m2~35mg/m2もしくは約24mg/m2~35mg/m2、20mg/m2~30mg/m2もしくは約20mg/m2~30mg/m2、または24mg/m2~26mg/m2もしくは約24mg/m2~26mg/m2の用量のフルダラビンを対象に投与する。いくつかの例では、対象に25mg/m2のフルダラビンを投与する。いくつかの例では、対象に約30mg/m2のフルダラビンを投与する。いくつかの態様では、フルダラビンは、単回投薬で投与してもよく、または毎日、1日おき、もしくは3日おきに与える等、複数回投薬で投与してもよい。いくつかの態様では、フルダラビンを毎日、例えば1~5日間、例えば3~5日間投与する。いくつかの例では、細胞療法を開始する前に、3日間、約30mg/m2のフルダラビンを毎日対象に投与する。
【0406】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤は、シクロホスファミドおよびフルダラビンの組み合わせ等の作用物質の組み合わせを含む。したがって、作用物質の組み合わせは、上記のもの等の任意の用量または投与スケジュールのシクロホスファミドと、上記のもの等の任意の用量または投与スケジュールのフルダラビンとを含み得る。例えば、いくつかの局面では、細胞を投薬する前に、60mg/kg(約2g/m2)のシクロホスファミドと、25mg/m2のフルダラビンの3~5用量とを、対象に投与する。いくつかの態様では、約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンをそれぞれ3日間、毎日対象に投与する。いくつかの態様では、プレコンディショニングの投与スケジュールは、用量の細胞の投与を開始する2、3、4、5、6、または7日前等、2~7日間前(両端の値を含む)に終了する。
【0407】
例示的な一投薬レジメンでは、初回投薬を受ける前に、対象は、CAR発現細胞の初回投薬の少なくとも2日前、そして、一般的には細胞投与の7日以下前に投与される、シクロホスファミドおよびフルダラビン(CY/FLU)のリンパ球枯渇プレコンディショニング化学療法を受ける。いくつかの場合では、対象は、シクロホスファミドおよびフルダラビン(CY/FLU)のリンパ球枯渇プレコンディショニング化学療法を受ける前に、EZH2阻害剤で処置され、該阻害剤の処置は、対象がリンパ球枯渇療法を受ける少なくとも約3日前に休止または終了する。プレコンディショニング処置後、対象は、上記のように該用量のCAR発現T細胞を投与される。いくつかの場合では、シクロホスファミドおよびフルダラビン(CY/FLU)のリンパ球枯渇プレコンディショニング化学療法を受けた後であるが、用量のCAR発現T細胞を対象に投与する前に、対象をEZH2阻害剤で処置する。いくつかの場合では、シクロホスファミドおよびフルダラビン(CY/FLU)のリンパ球枯渇プレコンディショニング化学療法を受ける前および後であるが、用量のCAR発現T細胞を対象に投与する前に、対象をEZH2阻害剤で処置する。
【0408】
いくつかの態様において、細胞の用量の注入に先立つプレコンディショニング剤の投与により、処置の転帰が改善される。例えば、いくつかの局面において、プレコンディショニングは用量による処置の効力を改善するか、または対象における組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞、例えば、CAR発現T細胞など)の持続性を増大させる。いくつかの態様において、プレコンディショニング処置は、無病生存率(例えば、細胞の用量の後における所与の期間の後で生存しており、かつ最小限の残存疾患または分子的に検出可能な疾患を何ら示さない対象の割合など)を増大させる。いくつかの態様において、メジアン無病生存期間までの時間が増大する。
【0409】
細胞が対象(例えば、ヒト)に投与されると、操作細胞集団の生物学的活性がいくつかの局面においては、多くの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメーターには、操作されたT細胞または天然のT細胞または他の免疫細胞の、抗原に対する特異的な結合であって、インビボでは、例えば、画像化による特異的な結合、またはエクスビボでは、例えば、ELISAもしくはフローサイトメトリーによる特異的な結合が含まれる。ある特定の態様において、操作された細胞が標的細胞を破壊し得るかを、当技術分野において公知である任意の好適な方法を使用して、例えば、Kochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32(7):689-702(2009)、およびHerman et al. J. Immunological Methods, 285(1):25-40(2004)に記載される細胞傷害性アッセイなどを使用して測定することができる。ある特定の態様において、細胞の生物学的活性はまた、ある特定のサイトカイン(例えば、CD107a、IFNγ、IL-2およびTNFなど)の発現および/または分泌をアッセイすることによって測定することができる。いくつかの局面において、生物学的活性が、臨床転帰(例えば、腫瘍負荷量または腫瘍量における低下など)を評価することによって測定される。いくつかの局面において、毒性転帰、細胞の持続性および/または拡大、ならびに/あるいは宿主免疫応答の有無が評価される。
【0410】
いくつかの態様において、細胞の用量の注入に先立つプレコンディショニング剤の投与は、処置の転帰を、例えば、用量による処置の効力を改善するなどによって改善するか、または対象における組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞、例えば、CAR発現T細胞など)の持続性を増大させる。したがって、いくつかの態様において、EZH2阻害剤および細胞療法による併用療法である方法において与えられるプレコンディショニング剤の用量は、Btk阻害剤を伴わない方法で与えられる用量よりも大きい。
【0411】
II. 細胞療法および細胞の遺伝子操作
いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)等の遺伝子操作抗原受容体、またはT細胞受容体(TCR)を含有するまたは含有するように遺伝子操作される。また、このような細胞の集団、このような細胞を含有するおよび/またはこのような細胞が濃縮された組成物、例えば、T細胞またはCD8+もしくはCD4+細胞等の特定の種類の細胞が濃縮または選択された組成物も提供される。組成物の中には、養子細胞療法用等、投与のための薬学的組成物および製剤がある。また、対象、例えば患者に細胞および組成物を投与するための処置方法も提供される。
【0412】
いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それにより、そのような核酸の組換え産物または遺伝子操作された産物を発現する。いくつかの態様では、遺伝子導入は、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるように、細胞を増殖、生存、および/または活性化などの応答を誘導する刺激と組み合わせることなどによって、最初に細胞を刺激し、続いて活性化された細胞を形質導入し、培養下で臨床適用に十分な数まで拡大させることによって達成される。
【0413】
A. 組み換え受容体
いくつかの態様では、提供される併用療法の方法を踏まえて使用するための細胞療法、例えばT細胞療法は、がん等の疾患または病態に関連する分子を認識および/または特異的に結合し、そして、このような分子に結合したときにこのような分子に対する免疫応答等の応答が生じるように設計された組換え受容体を発現する遺伝子操作細胞を投与することを含む。受容体は、キメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含む他のトランスジェニック抗原受容体を含んでいてもよい。
【0414】
1. キメラ抗原受容体
提供される方法および使用のいくつかの態様では、T細胞などの操作された細胞は、所望の抗原(例えば腫瘍抗原)に対する特異性を提供するリガンド結合ドメイン(例えば抗体または抗体断片)を細胞内シグナル伝達ドメインと組み合わせる1つまたは複数のドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)などのキメラ受容体を発現する。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞活性化ドメインなどの活性化細胞内ドメイン部分であり、一次活性化シグナルを提供する。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、エフェクター機能を促進するための共刺激シグナル伝達ドメインを含むか、または付加的に含む。分子、例えば抗原に特異的に結合すると、受容体は一般に、ITAM形質導入シグナルなどの免疫刺激シグナルを細胞内に送達し、それにより疾患または状態を標的とする免疫応答を促進する。いくつかの態様では、免疫細胞に遺伝子操作された場合のキメラ受容体は、T細胞活性を調節することができ、いくつかの場合には、T細胞分化またはホメオスタシスを調節することができ、それにより、養子細胞療法の方法における使用などのために、インビボでの寿命、生存および/または持続性が改善された遺伝子操作細胞をもたらす。
【0415】
CARを含む例示的な抗原受容体、およびそのような受容体を操作して細胞に導入するための方法は、例えば国際公開公報第200014257号、同第2013126726号、同第2012/129514号、同第2014031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、および欧州特許出願第2537416号に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398; Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4): e61338;Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 633-39; Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2):160-75によって記載されているものを含む。いくつかの局面では、抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されているCAR、および国際公開公報第2014055668 A1号に記載されているものを含む。CARの例には、国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、同第8,389,282号、Kochenderfer et al., 2013, Nature Reviews Clinical Oncology, 10, 267-276(2013); Wang et al.(2012)J. Immunother. 35(9): 689-701; およびBrentjens et al., Sci Transl Med. 2013 5(177)などの前述の刊行物のいずれかに開示されているCARが含まれる。国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照のこと。
【0416】
いくつかの態様では、T細胞などの操作された細胞は、特定の抗原(またはマーカーまたはリガンド)、例えば特定の細胞型の表面に発現される抗原に対する特異性を有するキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現する。いくつかの態様では、受容体によって標的とされる抗原はポリペプチドである。いくつかの態様では、抗原は炭水化物または他の分子である。いくつかの態様では、抗原は、正常または非標的細胞または組織と比較して、疾患または状態の細胞、例えば腫瘍または病原性細胞上に選択的に発現されるかまたは過剰発現される。他の態様では、抗原は、正常細胞上に発現され、および/または操作された細胞上に発現される。
【0417】
CARなどのキメラ受容体は、一般に、抗体分子の1つまたは複数の抗原結合部分である細胞外抗原結合ドメインを含む。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは抗体分子の一部であり、一般に、抗体の可変重(VH)鎖領域および/または可変軽(VL)鎖領域、例えばscFv抗体断片である。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、sdFv、ナノボディ、VHHおよびVNARなどの単一ドメイン抗体(sdAb)である。いくつかの態様では、抗原結合断片は、柔軟なリンカーによって連結された抗体可変領域を含む。
【0418】
CAR等のキメラ受容体は、一般的に、細胞外抗原結合ドメイン、例えば抗体分子の一部、一般的に抗体の可変重(VH)鎖領域および/または可変軽(VL)鎖領域、例えばscFv抗体断片を含む。いくつかの態様では、CARは、細胞の表面上で発現するインタクトな抗原等の抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合断片(例えばscFv)を含有する。
【0419】
抗原受容体の中には、TCR様CARと称される場合もある、ペプチド-MHC複合体に対してTCR様の特異性を呈する抗体または抗原結合断片等の細胞外抗原結合ドメインを含有するCARがある。いくつかの態様では、TCR様CARのMHC-ペプチド複合体に特異的な細胞外抗原結合ドメインは、いくつかの局面ではリンカーおよび/または膜貫通ドメインを介して、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達構成要素に連結される。いくつかの態様では、このような分子は、典型的には、TCR等の天然抗原受容体を通じてシグナルを、任意で、共刺激性受容体と組み合わせてこのような受容体を通じてシグナルを模倣または近似することができる。
【0420】
「主要組織適合複合体」(MHC)に対する言及は、いくつかの場合では、細胞機械によって加工されるペプチド抗原を含むポリペプチドのペプチド抗原と複合体を形成することができる、多形ペプチド結合部位または結合溝を含有するタンパク質、一般的には糖タンパク質を指す。いくつかの場合では、MHC分子は、TCRまたはTCR様抗体等のT細胞上の抗原受容体によって認識可能な高次構造で抗原を提示するために、ペプチドとの複合体、すなわちMHC-ペプチド複合体として、細胞表面上に提示または発現され得る。一般的に、MHCクラスI分子は、いくつかの場合では3つのαドメインを有する膜横断α鎖と、非共有結合的に会合しているβ2ミクログロブリンとを有するヘテロダイマーである。一般的に、MHCクラスII分子は、2つの膜貫通糖タンパク質αおよびβで構成され、これらはいずれも典型的には膜を横断している。MHC分子は、ペプチドに結合する抗原結合部位と、適切な抗原受容体による認識に必要な配列とを含有するMHCの有効部分を含んでいてよい。いくつかの態様では、MHCクラスI分子は、細胞質で発生したペプチドを細胞表面に送達し、そこで、MHC-ペプチド複合体が、一般的にはCD8+T細胞であるが、場合によってはCD4+T細胞等のT細胞によって認識される。いくつかの態様では、MHCクラスII分子は、小胞系で発生したペプチドを細胞表面に送達し、そこで典型的にはCD4+T細胞によって認識される。一般的に、MHC分子は、マウスではH-2、そして、ヒトではヒト白血球抗原(HLA)と総称される一群の連結した遺伝子座によってコードされている。したがって、典型的に、ヒトMHCは、ヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる場合もある。
【0421】
用語「MHC-ペプチド複合体」もしくは「ペプチド-MHC複合体」、またはこれらの変形は、例えば、一般的にはMHC分子の結合溝または裂溝内でのペプチドの非共有結合性相互作用による、ペプチド抗原とMHC分子との複合体または会合を指す。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体は、細胞の表面上に存在するまたは提示される。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体は、TCR、TCR様CAR、またはその抗原結合部分等の抗原受容体によって特異的に認識され得る。
【0422】
いくつかの態様では、ポリペプチドのペプチド抗原またはエピトープ等のペプチドは、抗原受容体による認識のため等に、MHC分子と会合することができる。一般的に、ペプチドは、ポリペプチドまたはタンパク質等、より長い生物学的分子の断片に由来するかまたはそれをベースにする。いくつかの態様では、ペプチドは、典型的には、約8~約24アミノ酸長である。いくつかの態様では、ペプチドは、MHCクラスII複合体での認識のために、9~22アミノ酸または約9~22アミノ酸の長さを有する。いくつかの態様では、ペプチドは、MHCクラスI複合体での認識のために、8~13アミノ酸または約8~13アミノ酸の長さを有する。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体等のMHC分子の状況においてペプチドを認識すると、TCRまたはTCR様CAR等の抗原受容体が、T細胞増殖、サイトカイン産生、細胞傷害性T細胞応答、または他の応答等のT細胞応答を誘導するT細胞への活性化シグナルを生成または誘発する。
【0423】
いくつかの態様では、TCR様抗体または抗原結合部分は、公知であるかまたは公知の方法によって生成され得る(例えば、米国公開出願公開第2002/0150914号;同第2003/0223994号;同第2004/0191260号;同第2006/0034850号;同第2007/00992530号;同第20090226474号;同第20090304679号;および国際公開公報第03/068201号を参照)。
【0424】
いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分は、特異的なMHC-ペプチド複合体を含有する有効量の免疫原で宿主を免疫することによって生成することができる。いくつかの場合では、MHC-ペプチド複合体のペプチドは、MHCに結合することができる抗原のエピトープであり、例えば、腫瘍抗原、例えばユニバーサル腫瘍抗原、骨髄腫抗原、または以下に記載する他の抗原である。いくつかの態様では、免疫応答を惹起するために、次いで、有効量の免疫原を宿主に投与し、該免疫原は、MHC分子の結合溝におけるペプチドの3次元提示に対して免疫応答を惹起するのに十分な期間、その3次元形態を保持する。次いで、宿主から回収した血清をアッセイして、MHC分子の結合溝におけるペプチドの3次元提示を認識する所望の抗体が生成されているかどうかを判定する。いくつかの態様では、生成された抗体を評価して、抗体が、MHC-ペプチド複合体をMHC分子単独、関心対象のペプチド単独、およびMHCと無関係なペプチドとの複合体と区別できることを確認することができる。次いで、所望の対象の抗体を単離することができる。
【0425】
いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分は、ファージ抗体ライブラリ等の抗体ライブラリディスプレイ法を使用することによって生成することができる。いくつかの態様では、例えば、ライブラリのメンバーが1つまたは複数のCDRの1つまたは複数の残基で変異している、変異体Fab、scFv、または他の抗体形態のファージディスプレイライブラリを生成することができる。例えば、米国公開出願公開第20020150914号、同第2014/0294841号;およびCohen CJ.et al. (2003) J Mol. Recogn. 16:324-332を参照。
【0426】
用語「抗体」は、本明細書では最も広義の意味で使用され、そして、断片抗原結合(Fab)断片、F(ab')2断片、Fab'断片、Fv断片、組み換えIgG(rIgG)断片、抗原に特異的に結合することができる可変重鎖(VH)領域、一本鎖可変断片(scFv)を含む一本鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む、インタクトな抗体および機能的な(抗原結合)抗体断片を含む、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む。該用語は、遺伝子操作および/または他の方法で改変された形態の免疫グロブリン、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムジscFv、タンデムトリscFvを包含する。特に記載がない限り、用語「抗体」は、その機能的な抗体断片を包含すると理解されるべきである。また、該用語は、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、インタクトまたは完全長の抗体を包含する。
【0427】
いくつかの態様では、抗原結合タンパク質、抗体およびその抗原結合断片は、完全長抗体の抗原を特異的に認識する。いくつかの態様では、抗体の重鎖および軽鎖は完全長であってもよく、または抗原結合部分(Fab、F(ab')2、Fv、または一本鎖Fv断片(scFv))であってもよい。他の態様では、抗体重鎖定常領域は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEから選択され、具体的には、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択され、より具体的には、IgG1(例えば、ヒトIgG1)である。別の態様では、抗体軽鎖定常領域は、例えば、カッパまたはラムダから選択され、特にカッパである。
【0428】
提供される抗体の中には、抗体断片がある。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する該インタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、Fv、Fab、Fab’、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線状抗体;可変重鎖(VH)領域、scFvおよび単一ドメインVH単一抗体等の一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、それに限定されるわけではない。特定の態様では、抗体は、scFv等の可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む一本鎖抗体断片である。
【0429】
「超可変領域」または「HVR」と同義である「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、いくつかの場合には、抗原特異性および/または結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の非隣接配列を指すことが公知である。一般に、各重鎖可変領域には3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)があり、各軽鎖可変領域には3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)がある。「フレームワーク領域」および「FR」は、いくつかの場合には、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが公知である。一般に、各完全長重鎖可変領域には4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)があり、各完全長軽鎖可変領域には4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)がある。
【0430】
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al.(1991), 「Sequences of Proteins of Immunological Interest」, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」番号付けスキーム); Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273, 927-948(「Chothia」番号付けスキーム); MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262: 732-745(1996),「Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography」, J. Mol. Biol. 262, 732-745”(「Contact」番号付けスキーム); Lefranc MP et al.,「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」, Dev Comp Immunol, 2003 Jan; 27(1): 55-77(「IMGT」番号付けスキーム); Honegger A and Pluckthun A, 「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool」, J Mol Biol, 2001 Jun 8; 309(3): 657-70(「Aho」番号付けスキーム); Martin et al.,「Modeling antibody hypervariable loops: a combined algorithm」, PNAS, 1989, 86(23): 9268-9272(「AbM」番号付けスキーム)によって記載されているものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを用いて容易に決定することができる。
【0431】
所与のCDRまたはFRの境界は、同定のために使用されるスキームによって異なり得る。例えば、Kabatスキームは構造アラインメントに基づいており、一方Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatスキームとChothiaスキームの両方の番号付けは、最も一般的な抗体領域の配列の長さに基づいており、挿入には挿入文字、例えば「30a」によって対応し、一部の抗体では欠失が出現する。2つのスキームは、特定の挿入と欠失(「インデル」)を異なる位置に配置するため、結果として異なる番号付けになる。Contactスキームは、複雑な結晶構造の分析に基づいており、多くの点でChothia番号付けスキームに類似する。AbMスキームは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアで使用されているものに基づく、KabatとChothiaの定義の折衷案である。
【0432】
以下の表10は、それぞれKabat、Chothia、AbM、およびContactスキームによって同定されたCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な位置境界を列挙する。CDR-H1については、KabatとChothiaの両方の番号付けスキームを使用した残基番号付けが列挙されている。FRはCDRの間に位置し、例えばFR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2の間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置する、などである。示されているKabat番号付けスキームではH35AとH35Bに挿入を配置しているため、示されているKabat番号付け規則を使用して番号付けした場合のChothia CDR-H1ループの末端は、ループの長さに依存してH32とH34の間で異なることに注意されたい。
【0433】
(表10)様々な番号付けスキームによるCDRの境界
【0434】
したがって、特に指定されない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」または個々の指定されるCDR(例えばCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される、(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解されるべきである。例えば、特定のCDR(例えばCDR-H3)が、所与のVHまたはVL領域のアミノ酸配列内の対応するCDRのアミノ酸配列を含むと述べられている場合、そのようなCDRは、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される、可変領域内の対応するCDR(例えばCDR-H3)の配列を有すると理解される。いくつかの態様では、特定のCDR配列が指定される。提供される抗体の例示的なCDR配列は、様々な番号付けスキームを使用して表されるが、提供される抗体は、他の前述の番号付けスキームのいずれかまたは当業者に公知の他の番号付けスキームに従って表されるCDRを含み得ることが理解される。
【0435】
同様に、特に指定されない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域のFRまたは個々の指定されるFR(1つもしくは複数)(例えばFR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知のスキームのいずれかによって定義される、(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解されるべきである。いくつかの場合には、Kabat、Chothia、AbMもしくはContact法、または他の公知のスキームによって定義されるCDRなどの、特定のCDR(1つもしくは複数)またはFR(1つもしくは複数)を同定するためのスキームが指定される。他の場合には、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が与えられる。
【0436】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は、一般に類似の構造を有し、各ドメインは4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む。(例えばKindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91(2007)参照。)単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体を、抗原に結合する抗体からのVHまたはVLドメインを用いて単離して、それぞれ相補的VLまたはVHドメインのライブラリをスクリーニングし得る。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887(1993); Clarkson et al., Nature 352: 624-628(1991)参照。
【0437】
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部もしくは一部、または軽鎖可変ドメインの全部もしくは一部を含む抗体断片である。特定の態様では、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である。いくつかの態様では、CARは、がんマーカーまたは標的とされる細胞もしくは疾患、例えば腫瘍細胞もしくはがん細胞の細胞表面抗原などの抗原、例えば本明細書に記載されるもしくは公知の標的抗原のいずれかに特異的に結合する、抗体重鎖ドメインを含む。
【0438】
抗体断片は、無傷の抗体のタンパク質分解消化、ならびに組換え宿主細胞による産生を含むがこれらに限定されるわけではない、様々な技術によって作製することができる。いくつかの態様では、抗体は、合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって連結された2つもしくはそれ以上の抗体領域もしくは鎖を有するものなどの、天然には生じない配置を含む断片、および/または天然の無傷の抗体の酵素消化によっては生成され得ない断片などの、組換えによって作製された断片である。いくつかの態様では、抗体断片はscFvである。
【0439】
「ヒト化」抗体は、すべてまたは実質的にすべてのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、すべてまたは実質的にすべてのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化型」は、親の非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、典型的にはヒトに対する免疫原性を低下させるために、ヒト化を受けた非ヒト抗体の変異体を指す。いくつかの態様では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば抗体特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えばCDR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換される。
【0440】
いくつかの態様では、キメラ受容体(例えば、CAR)等の組換え受容体は、抗原(またはリガンド)に結合する、例えば特異的に結合する、抗体または抗原結合断片(例えば、scFv)などの細胞外抗原結合ドメインを含む。キメラ受容体が標的とする抗原の中には、養子細胞療法を介して標的とされる疾患、病態、または細胞の種類の状況で発現するものがある。疾患および病態の中には、増殖性、新生物性、および悪性の疾患および障害があり、血液がん、免疫系のがん、例えば、リンパ腫、白血病、および/または骨髄腫、例えばB、T、および骨髄性の白血病、リンパ腫、ならびに多発性骨髄腫を含むがんおよび腫瘍が含まれる。
【0441】
いくつかの態様では、受容体が標的とする抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9;CAIXまたはG250としても知られている)、癌-精巣抗原、癌/精巣抗原1B(CTAG;NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、癌胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、melan A(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG;5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1;TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2;ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、又はDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子から選択されるものであるかまたはそれを含む。いくつかの態様における受容体が標的とする抗原は、多数の公知のB細胞マーカーのいずれか等、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、受容体が標的とする抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79b、もしくはCD30であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、疾患または病態は、大細胞型B細胞性リンパ腫(例えば、DLBCL)等のB細胞悪性腫瘍であり、そして、抗原はCD19である。
【0442】
いくつかの態様における受容体が標的とする抗原は、多数の公知のB細胞マーカーのいずれか等、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、受容体が標的とする抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79b、またはCD30である。特定の局面では、抗原は、CD19である。いくつかの態様では、このような抗原のいずれかが、ヒトB細胞上で発現する抗原である。
【0443】
いくつかの態様では、抗体または抗原結合断片(例えば、scFvまたはVHドメイン)は、CD19等の抗原を特異的に認識する。いくつかの態様では、抗体または抗原結合断片は、CD19に特異的に結合する抗体または抗原結合断片に由来する、またはそのバリアントである。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。いくつかの態様では、scFvは、CD19に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様では、CD19に結合する抗体または抗体断片は、FMC63およびSJ25C1等のマウス由来の抗体である。いくつかの態様では、抗体または抗体断片は、例えば、米国特許公開第2016/0152723号に記載されているようなヒト抗体である。
【0444】
いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、FMC63に由来するVHおよび/またはVLを含み、これは、いくつかの局面では、scFvであってよい。FMC63は、一般的に、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対するマウスモノクローナルIgG1抗体を指す(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III. 302)。いくつかの態様では、FMC63抗体は、それぞれSEQ ID NO:38および39に記載のCDR-H1およびCDR-H2と、SEQ ID NO:40または54に記載のCDR-H3と、SEQ ID NO:35に記載のCDR-L1と、SEQ ID NO:36または55に記載のCDR-L2と、SEQ ID NO:37または56に記載のCDR-L3の配列とを含む。いくつかの態様では、FMC63抗体は、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。
【0445】
いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:35のCDR-L1配列、SEQ ID NO:36のCDR-L2配列、およびSEQ ID NO:37のCDR-L3配列を含有する可変軽鎖ならびに/もしくはSEQ ID NO:38のCDR-H1配列、SEQ ID NO:39のCDR-H2配列、およびSEQ ID NO:40のCDR-H3配列を含有する可変重鎖、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有する前述のもののいずれかのバリアントを含む。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:41に記載のFMC63の可変重鎖領域およびSEQ ID NO:42に記載のFMC63の可変軽鎖領域、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有する前述のもののいずれかのバリアントを含む。いくつかの態様では、可変重鎖および可変軽鎖はリンカーによって接続される。いくつかの態様では、リンカーは、SEQ ID NO:59に記載されている。いくつかの態様では、scFvは、順に、VH、リンカー、およびVLを含む。いくつかの態様では、scFvは、順に、VL、リンカー、およびVHを含む。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:57に記載のヌクレオチドの配列またはSEQ ID NO:57に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を呈する配列によってコードされている。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:43に記載のアミノ酸の配列またはSEQ ID NO:43に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を呈する配列を含む。
【0446】
いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、SJ25C1に由来するVHおよび/またはVLを含み、これは、いくつかの局面では、scFvであってよい。SJ25C1は、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対するマウスモノクローナルIgG1抗である(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III.302)。いくつかの態様では、SJ25C1抗体は、それぞれSEQ ID NOS:47~49に記載のCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3と、それぞれSEQ ID NOS:44~46に記載のCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3の配列とを含む。いくつかの態様では、SJ25C1抗体は、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:44のCDR-L1配列、SEQ ID NO:45のCDR-L2配列、およびSEQ ID NO:46のCDR-L3配列を含有する可変軽鎖ならびに/もしくはSEQ ID NO:47のCDR-H1配列、SEQ ID NO:48のCDR-H2配列、およびSEQ ID NO:49のCDR-H3配列を含有する可変重鎖、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有する前述のもののいずれかのバリアントを含む。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:50に記載のSJ25C1の可変重鎖領域およびSEQ ID NO:51に記載のSJ25C1の可変軽鎖領域、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有する前述のもののいずれかのバリアントを含む。いくつかの態様では、可変重鎖および可変軽鎖はリンカーによって接続される。いくつかの態様では、リンカーは、SEQ ID NO:52に記載されている。いくつかの態様では、scFvは、順に、VH、リンカー、およびVLを含む。いくつかの態様では、scFvは、順に、VL、リンカー、およびVHを含む。いくつかの態様では、scFvは、SEQ ID NO:53に記載のアミノ酸の配列またはSEQ ID NO:53に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を呈する配列を含む。
【0447】
いくつかの態様では、抗原は、CD20である。いくつかの態様では、scFvは、CD20に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様では、CD20に結合する抗体または抗体断片は、リツキシマブであるかまたは由来する抗体である、例えば、リツキシマブscFvである。
【0448】
いくつかの態様では、抗原は、CD22である。いくつかの態様では、scFvは、CD22に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様では、CD22に結合する抗体または抗体断片は、m971であるかまたは由来する抗体である、例えば、m971 scFvである。
【0449】
いくつかの態様では、抗原または抗原結合ドメインは、BCMAである。いくつかの態様では、scFvは、BCMAに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様では、BCMAに結合する抗体または抗体断片は、国際公開公報第2016/090327号および国際公開公報第2016/090320号に記載されている抗体または抗体断片からのVHおよびVLであるかまたは含有する。
【0450】
いくつかの態様では、抗原または抗原結合ドメインは、GPRC5Dである。いくつかの態様では、scFvは、GPRC5Dに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様では、GPRC5Dに結合する抗体または抗体断片は、国際公開公報第2016/090329号および国際公開公報第2016/090312号に記載されている抗体または抗体断片からのVHおよびVLであるかまたは含有する。
【0451】
いくつかの局面では、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体は、抗体またはその断片等の1つまたは複数のリガンド(例えば、抗原)結合ドメインを含有する細胞外部分と、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達の領域またはドメイン(互換的に細胞質シグナル伝達ドメインまたは領域とも呼ばれる)とを含む。いくつかの態様では、抗体または断片は、scFvを含む。いくつかの局面では、キメラ抗原受容体は、抗体または断片を含有する細胞外部分と、細胞内シグナル伝達領域とを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む。いくつかの局面では、組換え受容体、例えばCARは、スペーサーおよび/または膜貫通のドメインもしくは部分を更に含む。いくつかの局面では、スペーサーおよび/または膜貫通ドメインは、リガンド(例えば、抗原)結合ドメインを含有する細胞外部分と、細胞内シグナル伝達の領域またはドメインとを連結することができる。
【0452】
いくつかの態様では、CARなどの組換え受容体は、スペーサーをさらに含み、スペーサーは、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、ならびに/またはCH1/CLおよび/もしくはFc領域などの、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部またはその変異体もしくは修飾型であり得るかまたはそれを含み得る。いくつかの態様では、組換え受容体は、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む。いくつかの態様では、定常領域またはその部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。いくつかの局面では、定常領域の一部は、抗原認識成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域として機能する。スペーサーは、スペーサーが存在しない場合と比較して、抗原結合後の細胞の応答性の増加をもたらす長さのものであり得る。いくつかの例では、スペーサーは、12アミノ酸もしくは約12アミノ酸の長さであるか、または12アミノ酸以下の長さである。例示的なスペーサーには、少なくとも約10~229個のアミノ酸、少なくとも約10~200個のアミノ酸、少なくとも約10~175個のアミノ酸、少なくとも約10~150個のアミノ酸、少なくとも約10~125個のアミノ酸、少なくとも約10~100個のアミノ酸、少なくとも約10~75個のアミノ酸、少なくとも約10~50個のアミノ酸、少なくとも約10~40個のアミノ酸、少なくとも約10~30個のアミノ酸、少なくとも約10~20個のアミノ酸、または少なくとも約10~15個のアミノ酸を有するもの、および列挙された範囲のいずれかの両端の間の任意の整数個のアミノ酸を含むものが含まれる。いくつかの態様では、スペーサー領域は、約12個もしくはそれ以下のアミノ酸、約119個もしくはそれ以下のアミノ酸、または約229個もしくはそれ以下のアミノ酸を有する。例示的なスペーサーには、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが含まれる。例示的なスペーサーには、Hudecek et al.(2013)Clin.Cancer Res.,19:3153、Hudecek et al.(2015)Cancer Immunol Res.3(2):125-135、または国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,822,647号、または公開出願番号US2014/0271635号に記載されているものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0453】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:1に示され、SEQ ID NO:2に示される配列によってコードされるヒンジのみのスペーサーのような、IgG4またはIgG1のヒンジのみなどのIgGのヒンジ領域のみを含む。いくつかの態様では、スペーサーは、例えば、CH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:4に示されるような、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:3に示されるような、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または公知の柔軟なリンカーなどの他の柔軟なリンカーであるか、またはこれを含む。いくつかの態様では、定常領域またはその部分は、IgDのものである。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:5に示される配列を有する。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:1、3、4および5のいずれかと少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有する。
【0454】
いくつかの局面では、スペーサーは、(a)免疫グロブリンヒンジの全部もしくは一部またはその修飾型を含むかまたはそれからなるか、または約15アミノ酸もしくはそれ以下のアミノ酸を含み、CD28細胞外領域またはCD8細胞外領域を含まず、(b)免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4ヒンジの全部もしくは一部またはその修飾型を含むかまたはそれからなり、および/または約15アミノ酸もしくはそれ以下のアミノ酸を含み、CD28細胞外領域またはCD8細胞外領域を含まず、あるいは(c)12アミノ酸長もしくは約12アミノ酸長であり、および/または免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4の全部もしくは一部またはその修飾型を含むかまたはそれからなり、あるいは(d)SEQ ID NO:1、3~5、27~34または58に示されるアミノ酸の配列、または前記配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を有する前記配列のいずれかの変異体からなるかまたはそれを含み、あるいは(e)式X1PPX2Pを含むかまたはそれからなり、X1はグリシン、システインまたはアルギニンであり、X2はシステインまたはトレオニンである、ポリペプチドスペーサーである。
【0455】
いくつかの態様では、抗原受容体は、細胞外ドメインに直接または間接的に連結された細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインはITAMを含む。例えば、いくつかの局面では、抗原認識ドメイン(例えば細胞外ドメイン)は一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分、例えばCARの場合には、TCR複合体などの抗原受容体複合体を介して活性化を模倣し、および/または別の細胞表面受容体を介してシグナル伝達するシグナル伝達成分に連結されている。いくつかの態様では、キメラ受容体は、細胞外ドメイン(例えばscFv)と細胞内シグナル伝達ドメインとの間に連結または融合された膜貫通ドメインを含む。したがって、いくつかの態様では、抗原結合成分(例えば抗体)は、1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結されている。
【0456】
一態様では、受容体、例えばCAR中のドメインの1つと天然に関連する膜貫通ドメインが使用される。いくつかの場合には、膜貫通ドメインは、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるように選択されるかまたはアミノ酸置換によって改変される。
【0457】
いくつかの態様における膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、いくつかの局面におけるドメインは、任意の膜結合タンパク質または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域は、T細胞受容体、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137(4-1BB)、またはCD154のα鎖、β鎖またはζ鎖に由来する(すなわち少なくともその膜貫通領域を含む)ものを含む。あるいは、いくつかの態様における膜貫通ドメインは合成である。いくつかの局面では、合成膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主に含む。いくつかの局面では、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが合成膜貫通ドメインの各末端に見出される。いくつかの態様では、結合は、リンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメイン(1つまたは複数)による。いくつかの局面では、膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通部分またはその変異体を含む。細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、直接または間接的に連結され得る。いくつかの態様では、細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、本明細書に記載されるいずれかなどのスペーサーによって連結されている。
【0458】
いくつかの態様では、受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28の膜貫通ドメインまたはその変異体、例えばヒトCD28の27アミノ酸の膜貫通ドメイン(アクセッション番号:P10747.1)であるか、またはSEQ ID NO:8に示されているアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:8の配列と少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む膜貫通ドメインである。いくつかの態様では、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、SEQ ID NO:9に示されているアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:9の配列と少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む。
【0459】
いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARは、細胞内シグナル伝達領域またはドメインなどの少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分を含む。T細胞活性化は、いくつかの局面では、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介して抗原依存性の一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)、および抗原非依存的に作用して二次または共刺激シグナルを提供するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。いくつかの局面では、CARは、そのようなシグナル伝達成分の一方または両方を含む。細胞内シグナル伝達領域の中には、天然の抗原受容体を介するシグナル、共刺激受容体と組み合わせてそのような受容体を介するシグナル、および/または共刺激受容体のみを介するシグナルを模倣するまたはそれらに近似するものがある。いくつかの態様では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えばグリシンおよびセリンを含むもの、例えばグリシン-セリンダブレットなどの2~10アミノ酸長のリンカーが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間の結合を形成する。
【0460】
いくつかの態様では、CARの連結時に、CARの細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達領域は、免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、いくつかの状況では、CARは、T細胞の機能、例えば細胞溶解活性またはTヘルパー活性、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。いくつかの態様では、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達領域の短縮部分は、例えばそれがエフェクター機能シグナルを伝達する場合、無傷の免疫刺激鎖の代わりに使用される。いくつかの態様では、例えば1つまたは複数の細胞内ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域は、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、ならびにいくつかの局面では、自然の状況において、そのような受容体と協調的に作用して抗原受容体係合後にシグナル伝達を開始する共受容体のもの、および/またはそのような分子の任意の誘導体もしくは変異体、および/または同じ機能的能力を有する任意の合成配列を含む。いくつかの態様では、例えば1つまたは複数の細胞内ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域は、共刺激シグナルの提供に関与する領域またはドメインの細胞質配列を含む。
【0461】
いくつかの局面では、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激性に作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含み得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含むITAMの例には、CD3ζ鎖、FcRγ、CD3γ、CD3δおよびCD3εに由来するものが含まれる。いくつかの態様では、CAR中の細胞質シグナル伝達分子(1つまたは複数)は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、またはCD3ζに由来する配列を含む。
【0462】
いくつかの態様では、受容体は、T細胞活性化および細胞毒性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ζ鎖などの、TCR複合体の細胞内成分を含む。したがって、いくつかの局面では、抗原結合部分は、1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結されている。いくつかの態様では、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8α、CD8β、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数のさらなる分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面では、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3ゼータ(CD3ζ)またはFc受容体γとCD8α、CD8β、CD4、CD25またはCD16との間のキメラ分子を含む。
【0463】
いくつかの態様では、細胞内(または細胞質)シグナル伝達領域は、ヒトCD3鎖、任意でCD3ζ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体、例えばヒトCD3ζのアイソフォーム3の112アミノ酸細胞質ドメイン(アクセッション番号P20963.2)、または米国特許第7,446,190号もしくは米国特許第8,911,993号に記載されているCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、SEQ ID NO:13、14もしくは15に示されているアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:13、14もしくは15と少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
【0464】
天然のTCRの状況では、完全な活性化は一般に、TCRを介したシグナル伝達だけでなく、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様では、完全な活性化を促進するために、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分もCARに含まれる。他の態様では、CARは、共刺激シグナルを生成するための成分を含まない。いくつかの局面では、さらなるCARが同じ細胞中で発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分を提供する。
【0465】
いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、CARは、CD28、4-1BB、OX40(CD134)、CD27、DAP10、DAP12、ICOSおよび/または他の共刺激受容体などの共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分を含む。いくつかの態様では、CARは、CD28または4-1BB、例えばヒトCD28またはヒト4-1BBの共刺激領域またはドメインを含む。
【0466】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域またはドメインは、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体またはその一部、例えばその41アミノ酸ドメインおよび/または天然CD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するそのようなドメインを含む。例えば、いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:10もしくは11に示されるアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:10もしくは11と少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み得る。いくつかの態様では、細胞内領域は、4-1BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体またはその一部、例えばヒト4-1BBの42アミノ酸の細胞質ドメイン(アクセッション番号Q07011.1)またはその機能的変異体もしくは一部、例えばSEQ ID NO:12に示されるアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:12と少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
【0467】
いくつかの局面では、同じCARは、一次(または活性化)細胞質シグナル伝達領域および共刺激シグナル伝達成分の両方を含む。
【0468】
いくつかの態様では、活性化ドメインは1つのCAR内に含まれ、一方共刺激成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様では、CARは、両方とも同じ細胞上に発現される、活性化または刺激性CAR、共刺激性CARを含む(国際公開公報第2014/055668号参照)。いくつかの局面では、細胞は、1つまたは複数の刺激性もしくは活性化CARおよび/または共刺激性CARを含む。いくつかの態様では、細胞は、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(December,2013)参照)、例えば疾患もしくは状態に関連するおよび/または疾患もしくは状態に特異的な抗原以外の抗原を認識するCARをさらに含み、それにより疾患ターゲティングCARを介して送達される活性化シグナルが、阻害性CARのそのリガンドへの結合によって減少または阻害されて、例えばオフターゲット効果が低減される。
【0469】
いくつかの態様では、2つの受容体はそれぞれ、細胞への活性化シグナルおよび阻害性シグナルを誘導し、その結果、一方の受容体によるその抗原への結合は、細胞を活性化するまたは応答を誘導するが、第2の阻害性受容体によるその抗原への結合は、その応答を抑制または減弱させるシグナルを誘導する。例は、活性化CARと阻害性CAR(iCAR)の組合せである。そのような戦略は、例えば、活性化CARが、疾患または状態において発現されるが正常細胞上でも発現される抗原に結合し、阻害性受容体が、正常細胞上で発現されるが疾患または状態の細胞上では発現されない別の抗原に結合する状況で、オフターゲット効果の可能性を低減するために使用され得る。
【0470】
いくつかの局面では、キメラ受容体は、阻害性CAR(例えばiCAR)であるかまたはそれを含み、ならびに細胞内のITAMおよび/または共刺激促進応答などの免疫応答を減弱または抑制する細胞内成分を含む。そのような細胞内シグナル伝達成分の例は、PD-1、CTLA4、LAG3、BTLA、OX2R、TIM-3、TIGIT、LAIR-1、PGE2受容体、A2ARを含むEP2/4アデノシン受容体を含む、免疫チェックポイント分子上に見出されるものである。いくつかの局面では、操作された細胞は、そのような阻害分子のシグナル伝達ドメインまたはそのような阻害分子に由来するシグナル伝達ドメインを含む阻害性CARを含み、その結果、例えば活性化および/または共刺激性CARによって誘導される細胞の応答を減弱させる働きをする。
【0471】
いくつかの場合には、CARは、第1、第2、および/または第3世代のCARと称される。いくつかの局面では、第1世代のCARは、抗原結合の際にCD3鎖誘導シグナルのみを提供するものである;いくつかの局面では、第2世代のCARは、そのようなシグナルと共刺激シグナルを提供するもの、例えばCD28またはCD137などの共刺激受容体由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものである;いくつかの局面では、第3世代のCARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
【0472】
いくつかの態様では、CARは、細胞質部分に1つまたは複数、例えば2つまたはそれ以上の共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを包含する。例示的なCARは、CD3ζ、CD28、および4-1BBの細胞内成分を含む。
【0473】
いくつかの態様では、抗原受容体はマーカーをさらに含み、および/またはCARもしくは他の抗原受容体を発現する細胞は、受容体を発現するための細胞の形質導入または操作を確認するために使用し得る細胞表面マーカーなどの代理マーカーをさらに含む。いくつかの局面では、マーカーは、CD34、NGFR、または上皮成長因子受容体の全部または一部(例えば切断型)、例えばそのような細胞表面受容体の切断型(例えばtEGFR)を含む。いくつかの態様では、マーカーをコードする核酸は、リンカー配列、例えば切断可能なリンカー配列、例えばT2Aをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。例えば、マーカー、および任意でリンカー配列は、国際公開公報第2014031687号に開示されている任意のものであり得る。例えば、マーカーは、任意でリンカー配列、例えばT2A切断可能リンカー配列に連結された切断型EGFR(tEGFR)であり得る。
【0474】
切断型EGFR(例えばtEGFR)の例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:7もしくは16に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:7もしくは16と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。例示的なT2Aリンカー配列は、SEQ ID NO:6もしくは17に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:6もしくは17と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0475】
いくつかの態様では、マーカーは、天然ではT細胞上に見出されない、もしくは天然ではT細胞の表面上に見出されない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその一部である。いくつかの態様では、分子は非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されないものである。
【0476】
いくつかの態様では、マーカーは、治療機能を果たさない、および/または例えば遺伝子操作のため、例えば成功裏に操作された細胞を選択するためのマーカーとして使用されること以外には作用をもたらさない。他の態様では、マーカーは、治療用分子または何らかの所望の作用を及ぼす分子、例えば細胞がインビボで遭遇するリガンド、例えば養子移入時およびリガンドとの遭遇時に細胞の応答を増強するおよび/または減弱させる共刺激分子または免疫チェックポイント分子であり得る。
【0477】
いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびにCD28のシグナル伝達部分またはその機能的変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびに4-1BBのシグナル伝達部分またはその機能的変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかのそのような態様では、受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
【0478】
いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28(例えば、アクセッション番号P01747.1)またはそのバリアントの膜貫通ドメイン、例えば、SEQ ID NO:8に記載のアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:8に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む膜貫通ドメインであるかまたは含み;いくつかの態様では、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、SEQ ID NO:9に記載のアミノ酸の配列、あるいはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む。
【0479】
いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達構成要素は、ヒトCD28の細胞内共刺激性シグナル伝達ドメイン、またはその機能的バリアントもしくは部分、例えば、ネイティブCD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するドメインを含有する。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:10もしくは11に記載のアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:10もしくは11に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含み得る。いくつかの態様では、細胞内ドメインは、4-1BBの細胞内共刺激性シグナル伝達ドメイン(例えば、アクセッション番号Q07011.1)またはその機能的バリアントもしくは部分、例えば、SEQ ID NO:12に記載のアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:12に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。
【0480】
いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ刺激性シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント、例えば、ヒトCD3ζのアイソフォーム3の112AA細胞質ドメイン(アクセッション番号P20963.2)または米国特許第7,446,190号もしくは米国特許第8,911,993号に記載のCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。例えば、いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15に記載のアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:13、14、もしくは15に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。
【0481】
いくつかの態様では、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えば、IgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えば、SEQ ID NO:1に記載のヒンジのみのスペーサーを含有し、そして、SEQ ID NO:2に記載の配列によってコードされている。いくつかの態様では、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えば、IgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、例えばSEQ ID NO:4に記載されている、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、例えばSEQ ID NO:3に記載されている、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えば、IgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または公知の柔軟性リンカー等の他の柔軟性リンカーであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、定常の領域または部分は、IgDのものである。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:5に記載の配列を有する。いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:1、3、4、および5のいずれかに対して、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列を有する。
【0482】
例えば、いくつかの態様では、CARは、scFvを含む抗体断片等の抗体と、スペーサー、例えば、ヒンジ領域および/または重鎖分子の1つまたは複数の定常領域等の免疫グロブリン分子の一部を含有するスペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサーと、CD28由来の膜貫通ドメインの全てまたは一部を含有する膜貫通ドメインと、CD28由来の細胞内シグナル伝達ドメインと、CD3ゼータシグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの態様では、CARは、抗体またはscFv等の断片と、Igヒンジ含有スペーサーのいずれか等のスペーサーと、CD28由来の膜貫通ドメインと、4-1BB由来の細胞内シグナル伝達ドメインと、CD3ゼータ由来のシグナル伝達ドメインとを含む。
【0483】
いくつかの態様では、このようなCARコンストラクトをコードしている核酸分子は、例えば、CARをコードしている配列の下流に、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列をコードしている配列を更に含む。いくつかの態様では、配列は、SEQ ID NO:6もしくは17に記載のT2Aリボソームスキップエレメント、またはSEQ ID NO:6もしくは17に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列をコードしている。いくつかの態様では、抗原受容体(例えばCAR)を発現するT細胞は、(例えば、同じコンストラクトから2つのタンパク質を発現させるためにT2Aリボソームスイッチによって分離されたCARおよびEGFRtをコードしているコンストラクトを導入することによって)非免疫原性選択エピトープとして切断型EGFR(EGFRt)を発現するように生成することもでき、これは、次いで、このような細胞を検出するためのマーカーとして使用することができる(例えば米国特許第8,802,374号を参照)。いくつかの態様では、配列は、SEQ ID NO:7もしくは16に記載のtEGFR配列、またはSEQ ID NO:7もしくは16に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を呈するアミノ酸の配列をコードしている。いくつかの場合では、T2A等のペプチドが、リボソームに2AエレメントのC末端でのペプチド結合の合成をスキップ(リボソームスキッピング)させ、2A配列の末端と下流の次のペプチドとの間を分離させる場合がある(例えば、de Felipe. Genetic Vaccines and Ther. 2:13 (2004)およびdeFelipe et al.Traffic 5:616-626 (2004)を参照)。多くの2Aエレメントが公知である。本明細書に開示される方法および核酸で使用することができる2A配列の例は、米国特許出願公開第20070116690号に記載されている通り、口蹄疫ウイルス(F2A、例えばSEQ ID NO:21)、ウマ鼻炎Aウイルス(E2A、例えばSEQ ID NO:20)、Thosea asignaウイルス(T2A、例えばSEQ ID NO:6または17)、およびブタテッショウウイルス-1(P2A、例えばSEQ ID NO:18または19)からの2A配列を含むが、それに限定されるわけではない。
【0484】
態様のいずれかのうちのいくつかでは、CARは、順に、抗原に特異的なscFv、膜貫通ドメイン、任意で4-1BBであるかまたはそれを含む共刺激性分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメイン、および任意でCD3ゼータシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む一次シグナル伝達ITAM含有分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメインを含み、そして、任意で、膜貫通ドメインとscFvの間にスペーサーを更に含む。
【0485】
態様のいずれかのうちのいくつかでは、CARは、順に、抗原に特異的なscFv、膜貫通ドメイン、任意で4-1BBシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む共刺激性分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメイン、および任意でCD3ゼータシグナル伝達ドメインである一次シグナル伝達ITAM含有分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメインを含む。
【0486】
態様のいずれかのうちのいくつかでは、CARは、順に、抗原に特異的なscFv、スペーサー、膜貫通ドメイン、任意で4-1BBシグナル伝達ドメインである共刺激性分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメイン、および任意でCD3ゼータシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む一次シグナル伝達ITAM含有分子に由来する細胞質シグナル伝達ドメインを含むかまたはそれらからなる。いくつかの局面では、スペーサーは、(a)免疫グロブリンヒンジもしくはその改変バージョンの全てもしくは一部を含むかもしくはからなる、または約15アミノ酸以下を含み、そして、CD28細胞外領域もCD8細胞外領域も含まない、(b)免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4ヒンジもしくはその改変バージョンの全てもしくは一部を含むかもしくはからなる、および/または約15アミノ酸以下を含み、そして、CD28細胞外領域もCD8細胞外領域も含まない、あるいは(c)12アミノ酸長もしくは約12アミノ酸長である、および/または免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4ヒンジもしくはその改変バージョンの全てもしくは一部を含むかもしくはからなる;あるいは(d)SEQ ID NO:1の配列、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34によってコードされている配列、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有する前述のもののいずれかのバリアントを有するかまたはそれからなる、あるいは(e)式X1PPX2P(式中、X1は、グリシン、システイン、またはアルギニンであり、そして、X2は、システインまたはスレオニンである)を含むかまたはそれからなる、ポリペプチドスペーサーである;ならびに/あるいは共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含む;ならびに/あるいは一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13もしくは14もしくは15、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するこれらのバリアントを含む;ならびに/あるいはscFvは、RASQDISKYLN(SEQ ID NO:35)のCDRL1配列、SRLHSGV(SEQ ID NO:36)のCDRL2配列、および/またはGNTLPYTFG(SEQ ID NO:37)のCDRL3配列、および/またはDYGVS(SEQ ID NO:38)のCDRH1配列、VIWGSETTYYNSALKS(SEQ ID NO:39)のCDRH2配列、および/またはYAMDYWGのCDRH3配列(SEQ ID NO:40)を含む、あるいはscFvは、FMC63の可変重鎖領域およびFMC63の可変軽鎖領域、ならびに/もしくはFMC63のCDRL1配列、FMC63のCDRL2配列、FMC63のCDRL3配列、FMC63のCDRH1配列、FMC63のCDRH2配列、およびFMC63のCDRH3配列を含むか、または前述のもののいずれかと同じエピトープに結合するかもしくは前述のもののいずれかと結合について競合し、そして、任意で、scFvは、順に、VH、任意でSEQ ID NO.59を含むリンカー、およびVLを含む、ならびに/またはscFvは、柔軟性リンカーを含むおよび/もしくはSEQ ID NO:59に記載のアミノ酸配列を含む。
【0487】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:1を含むかまたはそれからなり、共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、膜貫通ドメインは、CD28のものであるか、あるいはSEQ ID NO:9、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、scFvは、FMC63の結合ドメインまたはCDRまたはVHおよびVLを含有し、一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含有する。
【0488】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:30を含むかまたはそれからなり、共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、膜貫通ドメインは、CD28のものであるか、あるいはSEQ ID NO:9、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、scFvは、FMC63の結合ドメインまたはCDRまたはVHおよびVLを含有し、一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15、および/またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含有する。
【0489】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:31を含むかまたはそれからなり、共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、膜貫通ドメインは、CD28のものであるか、あるいはSEQ ID NO:9、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、scFvは、FMC63の結合ドメインまたはCDRまたはVHおよびVLを含有し、一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15、および/またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含有する。
【0490】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:33を含むかまたはそれからなり、共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、膜貫通ドメインは、CD28のものであるか、あるいはSEQ ID NO:9、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、scFvは、FMC63の結合ドメインまたはCDRまたはVHおよびVLを含有し、一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15、および/またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含有する。
【0491】
いくつかの態様では、スペーサーは、SEQ ID NO:34を含むかまたはそれからなり、共刺激性ドメインは、SEQ ID NO:12、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、膜貫通ドメインは、CD28のものであるか、あるいはSEQ ID NO:9、またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含み、scFvは、FMC63の結合ドメインまたはCDRまたはVHおよびVLを含有し、一次シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO:13、14、もしくは15、および/またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するそのバリアントを含有する。
【0492】
対象に投与された細胞によって発現されるCAR等の組換え受容体は、一般的に、処置される疾患もしくは病態またはその細胞において発現する、会合する、および/または特異的な分子を認識するかまたは特異的に結合する。分子、例えば抗原に特異的に結合すると、受容体は、一般的に、ITAM形質導入シグナル等の免疫刺激シグナルを細胞内に送達し、それによって、疾患または病態を標的とした免疫応答を促進する。例えば、いくつかの態様では、細胞は、疾患もしくは病態の細胞もしくは組織が発現する、または疾患もしくは病態に関連する抗原に特異的に結合するCARを発現する。
【0493】
2. T細胞受容体
いくつかの態様では、提供される方法、使用、製品、または組成物に関連して使用されるT細胞等の遺伝子操作細胞は、腫瘍、ウイルス、または自己免疫タンパク質の抗原等の標的ポリペプチドのペプチドエピトープまたはT細胞エピトープを認識するT細胞受容体(TCR)またはその抗原結合部分を発現する細胞である。
【0494】
いくつかの態様では、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変αおよびβ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られている)もしくは可変γおよびδ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られている)、またはその抗原結合部分を含有し、そして、MHC分子に結合したペプチドに特異的に結合することができる分子である。いくつかの態様では、TCRは、αβ型である。典型的には、αβ型およびγδ型で存在するTCRは、一般的に、構造的に類似しているが、それらを発現するT細胞は、異なる解剖学的な位置または機能を有する場合がある。TCRは、細胞の表面にみられる場合もあり、可溶性の形態である場合もある。一般的に、TCRは、T細胞(またはTリンパ球)の表面にみられ、一般的に、そこで主要組織適合性複合体(MHC)分子に結合した抗原を認識する役割を担っている。
【0495】
特に断りのない限り、用語「TCR」は、完全なTCRだけでなく、その抗原結合部分または抗原結合断片も包含すると理解されるべきである。いくつかの態様では、TCRは、αβ型またはγδ型のTCRを含む、インタクトまたは完全長のTCRである。いくつかの態様では、TCRは、完全長TCRよりも短いが、MHC分子に結合した特定のペプチドに結合する、例えば、MHC-ペプチド複合体に結合する抗原結合部分である。いくつかの場合では、TCRの抗原結合部分または断片は、完全長またはインタクトなTCRの構造ドメインの一部しか含有し得ないが、完全なTCRが結合するMHC-ペプチド複合体等のペプチドエピトープに結合することができる。いくつかの場合では、抗原結合部分は、特定のMHC-ペプチド複合体に結合するための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えば、TCRの可変α鎖および可変β鎖を含有する。一般的に、TCRの可変鎖は、ペプチド、MHCおよび/またはMHC-ペプチド複合体の認識に関与する相補性決定領域を含有する。
【0496】
いくつかの態様では、TCRの可変ドメインは、超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)を含有し、それは一般的に、抗原の認識および結合の能力および特異性に主に貢献する。いくつかの態様では、TCRのCDRまたはその組み合わせは、所与のTCR分子の抗原結合部位の全てまたは実質的に全てを形成する。TCR鎖の可変領域内の様々なCDRは、一般的に、フレームワーク領域(FR)によって分離されており、FRは、一般的に、CDRと比較してTCR分子間のばらつきが少ない(例えば、Jores et al., Proc. Nat'l Acad. Sci.U.S.A.87:9138, 1990; Chothia et al., EMBO J. 7:3745, 1988を参照;またLefranc et al., Dev. Comp. Immunol.27:55, 2003も参照)。いくつかの態様では、CDR3は、抗原結合もしくは特異性を担う主なCDRであるか、または抗原認識および/もしくはペプチド-MHC複合体の加工されたペプチド部分との相互作用のために、所与のTCR可変領域上の3つのCDRの中で最も重要である。いくつかの状況では、α鎖のCDR1は、特定の抗原ペプチドのN-末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、β鎖のCDR1は、ペプチドのC末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、CDR2は、MHC-ペプチド複合体のMHC部分との相互作用または認識に最も強く寄与するか、または担う主なCDRである。いくつかの態様では、β鎖の可変領域は、一般的に、超抗原結合に関与し、そして、抗原認識には関与しない更なる超可変領域(CDR4またはHVR4)を含有していてもよい(Kotb(1995)Clinical Microbiology Reviews, 8:411-426)。
【0497】
いくつかの態様では、TCRは、定常ドメイン、膜貫通ドメイン、および/または短い細胞質尾部も含有し得る(例えば、Janeway et al., Immunobiology: The Immune System in Health and Disease, 3rd Ed., Current Biology Publications, p. 4:33, 1997を参照)。いくつかの局面では、TCRの各鎖は、1つのN末端免疫グロブリン可変ドメイン、1つの免疫グロブリン定常ドメイン、膜貫通領域、およびC末端の短い細胞質尾部を保有し得る。いくつかの態様では、TCRは、シグナル伝達の媒介に関与するCD3複合体のインバリアントタンパク質に会合する。
【0498】
いくつかの態様では、TCR鎖は、1つまたは複数の定常ドメインを含有する。例えば、所与のTCR鎖(例えば、α鎖またはβ鎖)の細胞外部分は、2つの免疫グロブリン様ドメイン、例えば、可変ドメイン(例えば、VαまたはVβ;典型的には、Kabat付番Kabat et al., "Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, Public Health Service National Institutes of Health, 1991, 5th ed.に基づくアミノ酸1~116)と、細胞膜に隣接している定常ドメイン(例えば、α鎖定常ドメインもしくはCα、典型的には、Kabat付番に基づく鎖の117~259位、またはβ鎖定常ドメインもしくはCβ、典型的にはKabatに基づく鎖の117~295位)とを含有し得る。例えば、いくつかの場合では、2本の鎖によって形成されるTCRの細胞外部分は、2つの膜近位定常ドメインおよび2つの膜遠位可変ドメインを含有し、これら可変ドメインはそれぞれCDRを含有する。TCRの定常ドメインは、システイン残基がジスルフィド結合を形成し、それによって、TCRの2本の鎖を連結する短い接続配列を含有し得る。いくつかの態様では、TCRは、α鎖およびβ鎖のそれぞれに追加のシステイン残基を有していてもよく、その結果、TCRは定常ドメインに2つのジスルフィド結合を含有する。
【0499】
いくつかの態様では、TCR鎖は、膜貫通ドメインを含有する。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは、正に帯電している。いくつかの場合では、TCR鎖は、細胞質尾部を含有する。いくつかの場合では、この構造によって、TCRがCD3およびそのサブユニットのような他の分子と会合することが可能になる。例えば、膜貫通領域を有する定常ドメインを含有するTCRは、タンパク質を細胞膜に固定し、そして、CD3シグナル伝達装置または複合体のインバリアントサブユニットと会合することができる。CD3シグナルサブユニット(例えば、CD3γ、CD3δ、CD3ε、およびCD3ζの鎖)の細胞内尾部は、TCR複合体のシグナル伝達能力に関与する1つまたは複数の免疫受容体チロシン系活性化モチーフ、すなわちITAMを含有する。
【0500】
いくつかの態様では、TCRは、2本の鎖αおよびβ(または任意でγおよびδ)のヘテロ二量体であってもよく、または一本鎖のTCRコンストラクトであってもよい。いくつかの態様では、TCRは、ジスルフィド結合等によって連結された2本の別々の鎖(α鎖およびβ鎖またはγ鎖およびδ鎖)を含有するヘテロ二量体である。
【0501】
いくつかの態様では、TCRは、実質的に完全長のコーディング配列が容易に入手可能であるVα,β鎖の配列等の公知のTCR配列から生成することができる。V鎖配列を含む完全長TCR配列を細胞源から入手する方法は周知である。いくつかの態様では、TCRをコードしている核酸は、所与の細胞内のもしくは該細胞から単離されたTCRをコードしている核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅または公に入手可能なTCR DNA配列の合成等、様々な起源から入手することができる。
【0502】
いくつかの態様では、TCRは、生物学的起源、例えば、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、T細胞ハイブリドーマ、または他の公に利用可能な起源等の細胞から入手される。いくつかの態様では、T細胞は、インビボで単離された細胞から入手することができる。いくつかの態様では、TCRは、胸腺で選択されたTCRである。いくつかの態様では、TCRは、ネオエピトープ拘束性TCRである。いくつかの態様では、T細胞は、培養されたT細胞ハイブリドーマまたはクローンであってよい。いくつかの態様では、TCR、またはその抗原結合部分、またはその抗原結合断片は、TCRの配列の知識から合成で生成することができる。
【0503】
いくつかの態様では、TCRは、標的ポリペプチド抗原またはその標的T細胞エピトープに対する候補TCRのライブラリのスクリーニングから同定または選択されたTCRから生成される。TCRライブラリは、PBMC、脾臓、または他のリンパ器官に存在する細胞を含む、対象から単離されたT細胞からのVαおよびVβのレパートリーを増幅することによって生成することができる。いくつかの場合では、T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から増幅することができる。いくつかの態様では、TCRライブラリは、CD4+細胞またはCD8+細胞から作製することができる。いくつかの態様では、TCRは、正常な健常対象のT細胞源、すなわち正常TCRライブラリから増幅することができる。いくつかの態様では、TCRは、疾患対象のT細胞源、すなわち、疾患TCRライブラリから増幅することができる。いくつかの態様では、ヒトから得られたT細胞等の試料においてRT-PCR等によってVαおよびVβの遺伝子レパートリーを増幅するために、縮重プライマーが使用される。いくつかの態様では、scTvライブラリは、リンカーによって分離されるように増幅産物がクローニングまたは組み立てられたナイーブなVαおよびVβライブラリから組み立てることができる。対象および細胞の起源によっては、ライブラリは、HLA対立遺伝子特異的であってもよい。あるいは、いくつかの態様では、TCRライブラリは、親またはスカフォールドのTCR分子の変異誘発または多様化によって生成することができる。いくつかの局面では、TCRは、例えばα鎖またはβ鎖の変異誘発等によって、指向性進化法に供される。いくつかの局面では、TCRのCDR内の特定の残基が変更される。いくつかの態様では、選択されたTCRを親和性成熟によって改変することができる。いくつかの態様では、ペプチドに対するCTL活性を評価するためのスクリーニング等により、抗原特異的T細胞を選択することができる。いくつかの局面では、例えば抗原特異的T細胞上に存在するTCRは、結合活性、例えば抗原に対する特定の親和性または結合力等によって選択されてもよい。
【0504】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、改変または遺伝子操作されたものである。いくつかの態様では、特定のMHC-ペプチド複合体に対してより高い親和性を有する等、特性が変化したTCRを作製するために、指向性進化法が使用される。いくつかの態様では、指向性進化は、酵母ディスプレイ(Holler et al. (2003) Nat Immunol, 4, 55-62; Holler et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A, 97, 5387-92)、ファージディスプレイ(Li et al.(2005) Nat Biotechnol, 23, 349-54)、またはT細胞ディスプレイ(Chervin et al.(2008) J Immunol Methods, 339, 175-84)を含むがそれに限定されるわけではないディスプレイ法によって達成される。いくつかの態様では、ディスプレイアプローチは、公知の親または参照のTCRを遺伝子操作または改変することを伴う。例えば、いくつかの場合では、CDRの1つまたは複数の残基が変異している変異誘発されたTCRを生成するためのテンプレートとして野生型TCRを使用することができ、そして、所望の標的抗原に対する高い親和性等、所望の変化した特性を有する変異体を選択する。
【0505】
いくつかの態様では、関心対象のTCRの生成または作製において使用するための標的ポリペプチドのペプチドは、公知であるかまたは容易に同定することができる。いくつかの態様では、TCRまたは抗原結合部分の作製に使用するのに好適なペプチドは、以下に説明する標的ポリペプチド等の関心対象の標的ポリペプチドにおけるHLA拘束性モチーフの存在に基づいて決定することができる。いくつかの態様では、利用可能なコンピュータ予測モデルを用いてペプチドを同定する。いくつかの態様では、MHCクラスI結合部位を予測するために、このようなモデルは、ProPred1(Singh and Raghava (2001) Bioinformatics 17(12):1236-1237、およびSYFPEITHI(see Schuler et al. (2007) Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, 409(1): 75-93 2007)を含むが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、MHC拘束性エピトープはHLA-A0201であり、これは、全てのコーカサス人のおよそ39~46%で発現するので、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子の調製に使用するためのMHC抗原の好適な選択肢となる。
【0506】
コンピュータ予測モデルを用いたプロテアソームおよび免疫プロテアソームのためのHLA-A0201結合モチーフおよび切断部位は、公知である。MHCクラスI結合部位を予測するために、このようなモデルは、ProPred1(ProPred1(Singh and Raghava, ProPred: prediction of HLA-DR binding sites. BIOINFORMATICS 17(12):1236-1237 2001により詳細に記載)、およびSYFPEITHI(Schuler et al. SYFPEITHI, Database for Searching and T-Cell Epitope Prediction. in Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, vol 409(1): 75-93 2007を参照)を含むが、それに限定されるわけではない。
【0507】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、組換えで生成される天然タンパク質、または結合特徴等の1もしくは複数の特性が変化しているその変異型であってよい。いくつかの態様では、TCRは、ヒト、マウス、ラット、または他の哺乳類等の様々な動物種のうちの1つに由来していてよい。TCRは、細胞に結合していてもよく、可溶性の形態であってもよい。いくつかの態様では、提供される方法の目的のために、TCRは、細胞の表面上で発現する細胞結合型である。
【0508】
いくつかの態様では、TCRは、完全長TCRである。いくつかの態様では、TCRは、抗原結合部分である。いくつかの態様では、TCRは、二量体TCR(dTCR)である。いくつかの態様では、TCRは、一本鎖TCR(sc-TCR)である。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRは、国際公開公報第03/020763号、国際公開公報第04/033685号、国際公開公報第2011/044186号に記載の構造を有する。
【0509】
いくつかの態様では、TCRは、膜貫通配列に対応する配列を含有する。いくつかの態様では、TCRは、細胞質配列に対応する配列を含有する。いくつかの態様では、TCRは、CD3とTCR複合体を形成することができる。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRを含むTCRのいずれかが、T細胞の表面上で活性TCRをもたらすシグナル伝達ドメインに連結され得る。いくつかの態様では、TCRは、細胞の表面上で発現する。
【0510】
いくつかの態様では、dTCRは、TCRα鎖の可変領域配列に対応する配列がTCRα鎖の定常領域の細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第1のポリペプチドと、TCRβ鎖の可変領域配列に対応する配列がTCRβ鎖の定常領域の細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第2のポリペプチドとを含有し、該第1のポリペプチドおよび該第2のポリペプチドは、ジスルフィド結合によって連結されている。いくつかの態様では、結合は、ネイティブな二量体αβTCRに存在するネイティブな鎖間ジスルフィド結合に対応し得る。いくつかの態様では、鎖間ジスルフィド結合は、ネイティブTCRには存在しない。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数のシステインをdTCRポリペプチド対の定常領域の細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合では、ネイティブなジスルフィド結合および非ネイティブなジスルフィド結合の両方が望ましいこともある。いくつかの態様では、TCRは、膜に固定するための膜貫通配列を含有する。
【0511】
いくつかの態様では、dTCRは、可変αドメイン、定常αドメイン、および定常αドメインのC末端に付着した第1の二量化モチーフを含有するTCRα鎖と、可変βドメイン、定常βドメイン、および定常βドメインのC末端に付着した第1の二量化モチーフを含むTCRβ鎖とを有し、第1および第2の二量化モチーフは、容易に相互作用して、第1の二量化モチーフのアミノ酸と第2の二量化モチーフのアミノ酸との間に共有結合を形成し、TCRα鎖とTCRβ鎖を互いに連結する。
【0512】
いくつかの態様では、TCRは、scTCRである。典型的には、公知の方法を用いてscTCRを作製することができ、例えば、Soo Hoo, W. F. et al. PNAS (USA) 89, 4759 (1992); Wulfing, C. and Pluckthun, A., J. Mol. Biol. 242, 655 (1994); Kurucz, I. et al. PNAS (USA) 90 3830 (1993);国際公開公報第96/13593号、国際公開公報第96/18105号、国際公開公報第99/60120号、国際公開公報第99/18129号、国際公開公報第03/020763号、国際公開公報第2011/044186号;およびSchlueter, C. J. et al. J. Mol. Biol.256, 859 (1996)を参照。いくつかの態様では、scTCRは、TCR鎖の会合を促進するために、導入された非ネイティブなジスルフィド鎖間結合を含有する(例えば、国際公開公報第03/020763号を参照)。いくつかの態様では、scTCRは、そのC末端に融合した異種ロイシンジッパーが鎖の会合を促進する、非ジスルフィド連結した切断型TCRである(例えば、国際公開公報第99/60120号を参照)。いくつかの態様では、scTCRは、ペプチドリンカーを介してTCRβ可変ドメインに共有結合性連結したTCRα可変ドメインを含有する(例えば、国際公開公報第99/18129号を参照)。
【0513】
いくつかの態様では、scTCRは、TCRα鎖の可変領域に対応するアミノ酸配列によって構成された第1のセグメント、TCRβ鎖の定常ドメインの細胞外配列に対応するアミノ酸配列のN末端に融合したTCRβ鎖の可変領域の配列に対応するアミノ酸配列によって構成された第2のセグメント、および第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
【0514】
いくつかの態様では、scTCRは、α鎖の細胞外定常ドメインの配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成された第1のセグメント、配列β鎖の細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したβ鎖の可変領域の配列によって構成された第2のセグメント、および任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
【0515】
いくつかの態様では、scTCRは、β鎖の細胞外定常ドメインの配列のN末端に融合したTCRβ鎖の可変領域の配列によって構成された第1のセグメント、および配列α鎖の細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したα鎖の可変領域の配列によって構成された第2のセグメント、および任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
【0516】
いくつかの態様では、第1および第2のTCRセグメントを連結するscTCRのリンカーは、TCR結合特異性を保持しつつ、単一のポリペプチド鎖を形成することができる任意のリンカーであってよい。いくつかの態様では、リンカー配列は、例えば、式-P-AA-P-(式中、Pはプロリンであり、そして、AAはアミノ酸がグリシンおよびセリンであるアミノ酸配列を表す)を有していてよい。いくつかの態様では、第1および第2のセグメントは、その可変領域配列がこのような結合のために配向されるように対合する。したがって、いくつかの場合では、リンカーは、第1のセグメントのC末端と第2のセグメントのN末端との間の距離に及ぶのに十分な長さを有しており、逆もまた同様であるが、scTCRの標的リガンドへの結合をブロックまたは低減するほど長くはない。いくつかの態様では、リンカーは、10~45個のアミノ酸または約10~45個のアミノ酸、例えば10~30個のアミノ酸または26~41個のアミノ酸の残基、例えば29、30、31、または32個のアミノ酸を含有し得る。いくつかの態様では、リンカーは、式-PGGG-(SGGGG)5-P-(式中、Pはプロリンであり、Gはグリシンであり、Sはセリンである)(SEQ ID NO:22)を有する。いくつかの態様では、リンカーは、配列
を有する。
【0517】
いくつかの態様では、scTCRは、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基をβ鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結させる共有結合性ジスルフィド結合を含有する。いくつかの態様では、ネイティブなTCRに鎖間ジスルフィド結合は存在しない。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数のシステインをscTCRポリペプチドの第1および第2のセグメントの定常領域の細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合では、ネイティブなジスルフィド結合および非ネイティブなジスルフィド結合の両方が望ましいこともある。
【0518】
導入された鎖間ジスルフィド結合を含有するdTCRまたはscTCRのいくつかの態様では、ネイティブなジスルフィド結合は存在しない。いくつかの態様では、ネイティブな鎖間ジスルフィド結合を形成するネイティブなシステインのうちの1つまたは複数が、セリンまたはアラニン等の別の残基に置換される。いくつかの態様では、第1および第2のセグメントにおける非システイン残基をシステインに変異させることによって、導入されたジスルフィド結合を形成することができる。例示的なTCRの非ネイティブなジスルフィド結合は、国際公開公報第2006/000830号に記載されている。
【0519】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合断片は、標的抗原に対する平衡結合定数が10-5~10-12Mまたは約10-5~10-12M、およびその内の全ての個々の値および範囲である親和性を呈する。いくつかの態様では、標的抗原は、MHC-ペプチド複合体またはリガンドである。
【0520】
いくつかの態様では、α鎖およびβ鎖等のTCRをコードしている核酸を、PCR、クローニング、または他の好適な手段によって増幅し、そして、好適な発現ベクターにクローニングすることができる。発現ベクターは、任意の好適な組み換え発現ベクターであってよく、そして、任意の好適な宿主を形質転換またはトランスフェクトするために使用することができる。好適なベクターは、プラスミドおよびウイルス等、伝播および拡大用、もしくは発現用、または両方のために設計されたものを含む。
【0521】
いくつかの態様では、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene, LaJolla, Calif.)、pETシリーズ(Novagen, Madison, Wis.)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)、またはpEXシリーズ(Clontech, Palo Alto, Calif.)のベクターであってよい。いくつかの場合では、λG10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、およびλNM1149等のバクテリオファージベクターを使用してもよい。いくつかの態様では、植物発現ベクターを使用してもよく、そして、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121、およびpBIN19(Clontech)を含む。いくつかの態様では、動物発現ベクターは、pEUK-Cl、pMAM、およびpMAMneo(Clontech)を含む。いくつかの態様では、レトロウイルスベクター等のウイルスベクターが使用される。
【0522】
いくつかの態様では、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA技術を用いて調製することができる。いくつかの態様では、ベクターは、必要に応じて、そして、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮して、ベクターが導入される宿主の種類(例えば、細菌、真菌、植物、または動物)に特異的な制御配列、例えば、転写および翻訳の開始および終止コドンを含有していてよい。いくつかの態様では、ベクターは、TCRまたは抗原結合部分(または他のMHC-ペプチド結合分子)をコードしているヌクレオチド配列に機能的に連結された非ネイティブプロモーターを含有していてよい。いくつかの態様では、プロモータは、非ウイルスプロモータであってもよく、ウイルスプロモータ、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモータ、SV40プロモータ、RSVプロモータ、およびマウス幹細胞ウイルスの末端反復配列にみられるプロモータであってもよい。他の公知のプロモータも企図される。
【0523】
いくつかの態様では、TCRをコードしているベクターを作製するために、関心対象のTCRを発現するT細胞クローンから単離された全cDNAからα鎖およびβ鎖をPCR増幅し、そして、発現ベクターにクローニングする。いくつかの態様では、α鎖およびβ鎖は、同じベクターにクローニングされる。いくつかの態様では、α鎖およびβ鎖は、異なるベクターにクローニングされる。いくつかの態様では、作製されたα鎖およびβ鎖は、レトロウイルス、例えばレンチウイルスのベクターに組み込まれる。遺伝的に操作された細胞および細胞の生成方法
【0524】
いくつかの態様では、提供される方法は、組換え抗原受容体を発現する細胞を、疾患または病態を有する対象に投与することを伴う。遺伝的に操作された構成要素、例えば組み換え受容体、例えばCARまたはTCRを導入するための様々な方法は周知であり、そして、提供される方法および組成物と共に使用することができる。例示的な方法は、受容体をコードしている核酸を移入させるためのものを含み、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾン、およびエレクトロポレーション等を介するものが含まれる。
【0525】
受容体を発現し、そして、提供される方法によって投与される細胞の中には、遺伝子操作細胞がある。遺伝子操作は、一般的に、レトロウイルス形質導入、トランスフェクション、または形質転換等により、組換えまたは遺伝子操作された構成要素をコードしている核酸を、細胞を含有する組成物に導入することを伴う。
【0526】
B. 遺伝子操作の方法
特定の態様では、遺伝子操作細胞は、1つもしくは複数のインプット組成物からおよび/または単一の生物学的試料からT細胞を多く含むアウトプット組成物を作製するプロセスによって生成される。ある特定の態様では、アウトプット組成物は、組換え受容体、例えば、抗CD19 CAR等のCARを発現する細胞を含有する。特定の態様では、アウトプット組成物の細胞は、療法、例えば、自家細胞療法として対象に投与するのに好適である。いくつかの態様では、アウトプット組成物は、CD4+T細胞またはCD8+T細胞を多く含む組成物である。
【0527】
いくつかの態様では、遺伝子操作細胞を作製または生成するためのプロセスは、生物学的試料を収集もしくは取得する工程;生物学的試料からインプット細胞を単離、選択、もしくは濃縮する工程;インプット細胞を凍結保存および保管する工程;刺激条件下でインプット細胞を解凍および/もしくはインキュベーションする工程;刺激された細胞を組換えポリヌクレオチド、例えばCAR等の組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを発現または含有するように遺伝子操作する工程;遺伝子操作された細胞を、例えば閾値の量、密度、もしくは拡大まで培養する工程;培養された細胞をアウトプット組成物に製剤化する工程;ならびに/または細胞が注入用に放出されるまでおよび/もしくは対象に投与するのに適した状態になるまで、製剤化されたアウトプット細胞を凍結保存および保管する工程のうちのいくつかまたは全てを含むプロセスによる。ある特定の態様では、プロセスは、同じ出発または初期の生物学的試料から別々に加工および遺伝子操作され、そして、所定の比、例えば1:1のCD4+T細胞のCD8+T細胞に対する比で対象に再注入される、濃縮T細胞の2つまたはそれ以上のインプット組成物、例えば別個のCD4+組成物および別個のCD8+組成物を用いて実施される。いくつかの態様では、濃縮T細胞は、遺伝子操作T細胞、例えば組換え受容体を発現するように形質導入されたT細胞であるかまたはそれらを含む。
【0528】
特定の態様では、組換え受容体(例えば、抗CD19 CAR)を発現する遺伝子操作細胞のアウトプット組成物は、細胞の初期および/またはインプットの組成物から生成される。いくつかの態様では、インプット組成物は、濃縮CD3+T細胞、濃縮CD4+T細胞、および/または濃縮CD8+T細胞の組成物(以下、それぞれ濃縮T細胞の組成物、濃縮CD4+T細胞の組成物、および濃縮CD8+T細胞の組成物とも称される)である。いくつかの態様では、CD4+T細胞を多く含む組成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または99.9%のCD4+T細胞を含有する。特定の態様では、濃縮CD4+T細胞の組成物は、約100%のCD4+T細胞を含有する。ある特定の態様では、濃縮CD4+T細胞の組成物は、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+T細胞を含むもしくは含有する、および/またはCD8+T細胞を含有しない、および/またはCD8+T細胞フリーであるかもしくは実質的にCD8+T細胞フリーである。いくつかの態様では、濃縮CD4+T細胞の集団は、CD4+T細胞から本質的になる。いくつかの態様では、CD8+T細胞を多く含む組成物は、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは99.9%のCD8+T細胞を含有する、または100%のCD8+T細胞を含有するもしくは約100%のCD8+T細胞を含有する。ある特定の態様では、濃縮CD8+T細胞の組成物は、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+T細胞を含むもしくは含有する、および/またはCD4+T細胞を含有しない、および/またはCD4+T細胞フリーであるかもしくは実質的にCD4+T細胞フリーである。いくつかの態様では、濃縮CD8+T細胞の集団は、CD8+T細胞から本質的になる。
【0529】
いくつかの態様では、CD3+T細胞を多く含む組成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または99.9%のCD3+T細胞を含有する。特定の態様では、濃縮CD3+T細胞の組成物は、約100%のCD3+T細胞を含有する。ある特定の態様では、濃縮CD3+T細胞の組成物は、およそ1:3~およそ3:1、例えばおよそ1:1のCD4+T細胞のCD8+T細胞に対する比でCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。
【0530】
ある特定の態様では、遺伝子操作細胞を生成するためのプロセスは、細胞、例えばインプット組成物の細胞を活性化および/もしくは刺激すること;活性化および/もしくは刺激された細胞を遺伝的に操作して、例えば、組換えタンパク質をコードしているポリヌクレオチドを形質導入もしくはトランスフェクションによって導入すること;ならびに/または遺伝子操作細胞を、例えば、増殖および/もしくは拡大を促進する条件下で培養すること、のうちの1つまたは複数を更に含んでいてもよい。特定の態様では、提供される方法は、細胞をインキュベーション、活性化、刺激、遺伝子操作、形質導入、トランスフェクション、および/または培養した後に生成されたアウトプット組成物を収集、回収、および/または製剤化することに関連して使用することができる。
【0531】
いくつかの態様では、提供される方法に合わせて使用される抗CD19 CARを発現するもの等の遺伝子操作細胞は、細胞を選択、単離、活性化、刺激、拡大、培養、および/または製剤化するためのプロセスによって生成または作製される。いくつかの態様では、このような方法は、記載されているいずれかを含む。
【0532】
いくつかの態様では、単一の生物学的試料、例えば、患者または健常個体等の同じドナーからのPBMCまたは他の白血球の試料から、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの別個の組成物が単離、選択、濃縮、または取得される。いくつかの態様では、濃縮CD4+T細胞の別個の組成物および濃縮CD8+T細胞の別個の組成物は、単一の対象から取得、回収、および/または採取された単一の生物学的試料等の同じ生物学的試料を起源とする、例えば、最初に単離、選択、および/または濃縮される。いくつかの態様では、まず、陰性画分および陽性画分の両方を保持するCD4+T細胞の選択に生物学的試料を供し、そして、陰性画分をCD8+T細胞の選択に更に供する。他の態様では、まず、陰性画分および陽性画分の両方を保持するCD8+T細胞の選択に生物学的試料を供し、そして、陰性画分をCD4+T細胞の選択に更に供する。いくつかの態様では、選択の方法は、国際公開公報第2015/164675号に記載の通り実施される。いくつかの局面では、濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの組成物および濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの組成物が、同じ生物学的試料、例えば同じドナー患者または健常個体からの別個の組成物になるように、まず、生物学的試料をCD8+T細胞について正に選択して、濃縮CD8+T細胞の少なくとも1つの組成物を作製し、そして、次いで、陰性画分をCD4+T細胞について正に選択して、濃縮CD4+T細胞の少なくとも1つの組成物を作製する。いくつかの局面では、例えば、少なくとも1つが濃縮CD4+T細胞の組成物であり、そして、少なくとも1つが同じドナーからの濃縮CD8+T細胞の別個の組成物である、濃縮T細胞の2つまたはそれ以上の別個の組成物を、凍結保存媒体中で別々に凍結させる、例えば、凍結保護または凍結保存する。
【0533】
いくつかの局面では、例えば、少なくとも1つが濃縮CD4+T細胞の組成物であり、そして、少なくとも1つが同じ生物学的試料からの濃縮CD8+T細胞の別個の組成物である、濃縮T細胞の2つまたはそれ以上の別個の組成物を、刺激試薬と接触させることにより(例えば、T細胞を活性化させるためのCD3/CD28コンジュゲート磁気ビーズと共にインキュベーションすることにより)活性化および/または刺激する。いくつかの局面では、活性化/刺激された細胞組成物のそれぞれを、例えば組換えタンパク質(例えばCAR)をコードしているウイルスベクターを用いて遺伝子操作、形質導入、および/またはトランスフェクションして、各細胞組成物のCD4+T細胞およびCD8+T細胞において同じ組換えタンパク質を発現させる。いくつかの局面では、方法は、刺激試薬、例えば磁気ビーズを細胞組成物から除去することを含む。いくつかの局面では、遺伝子操作CD4+T細胞を含有する細胞組成物および遺伝子操作CD8+T細胞を含有する細胞組成物を、例えば、その中のCD4+T細胞およびCD8+T細胞の集団を別々に拡大するために別々に培養する。ある特定の態様では、例えば、細胞組成物を製剤化バッファで洗浄することにより、培養からの細胞組成物を収集および/または回収および/または製剤化する。ある特定の態様では、CD4+T細胞を含む製剤化された細胞組成物およびCD8+T細胞を含む製剤化された細胞組成物を、凍結保存媒体中で凍結させる、例えば凍結保護または凍結保存する。いくつかの局面では、各製剤中の遺伝子操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞は、同じドナーまたは生物学的試料を起源とし、そして、同じ組換えタンパク質(例えば、抗CD19 CAR等のCAR)を発現する。いくつかの局面では、別個の人工CD4+製剤および別個の人工CD8+製剤を、所定の比、例えば1:1で、同じドナー等のそれを必要とする対象に投与する。
【0534】
いくつかの局面では、例えば、少なくとも1つが濃縮CD4+T細胞の組成物であり、そして、少なくとも1つが同じ生物学的試料からの濃縮CD8+T細胞の別個の組成物である、濃縮T細胞の2つまたはそれ以上の別個の組成物を、対象由来の試料から選択し、次いで、所定の比、例えば1:1で合わせる。いくつかの態様では、刺激試薬と接触させることにより(例えば、T細胞を活性化させるためのCD3/CD28コンジュゲート磁気ビーズと共にインキュベーションすることにより)、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を多く含む、合わせられた組成物を活性化および/または刺激する。いくつかの局面では、活性化/刺激された細胞組成物を、例えば組換えタンパク質(例えばCAR)をコードしているウイルスベクターを用いて遺伝子操作、形質導入、および/またはトランスフェクションして、細胞組成物のCD4+T細胞およびCD8+T細胞において組換えタンパク質を発現させる。いくつかの局面では、方法は、刺激試薬、例えば磁気ビーズを細胞組成物から除去することを含む。いくつかの局面では、遺伝子操作CD4+T細胞および遺伝子操作CD8+T細胞を含有する細胞組成物を、例えば、その中のCD4+T細胞およびCD8+T細胞の集団を拡大するために培養する。ある特定の態様では、例えば、細胞組成物を製剤化バッファで洗浄することにより、培養からの細胞組成物を収集および/または回収および/または製剤化する。ある特定の態様では、組み換え受容体(例えばCAR)で遺伝子操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む製剤化された細胞組成物を、凍結保存媒体中で凍結させる、例えば凍結保護または凍結保存する。いくつかの局面では、製剤中の遺伝子操作されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞は、同じドナーまたは生物学的試料を起源とし、そして、同じ組換えタンパク質(例えば、抗CD19 CAR)等のCAR)を発現する。
【0535】
いくつかの局面では、濃縮CD3+T細胞の組成物は、対象からの試料から選択される。いくつかの態様では、刺激試薬と接触させることにより(例えば、T細胞を活性化させるためのCD3/CD28コンジュゲート磁気ビーズと共にインキュベーションすることにより)、CD3+T細胞を多く含む組成物を活性化および/または刺激する。いくつかの局面では、活性化/刺激された細胞組成物を、例えば組換えタンパク質(例えばCAR)をコードしているウイルスベクターを用いて遺伝子操作、形質導入、および/またはトランスフェクションして、細胞組成物のT細胞において組換えタンパク質を発現させる。いくつかの局面では、方法は、刺激試薬、例えば磁気ビーズを細胞組成物から除去することを含む。いくつかの局面では、遺伝子操作CD3+T細胞を含有する細胞組成物を、例えば、その中のT細胞の集団を拡大するために培養する。ある特定の態様では、例えば、細胞組成物を製剤化バッファで洗浄することにより、培養からの細胞組成物を収集および/または回収および/または製剤化する。ある特定の態様では、組み換え受容体(例えばCAR)で遺伝子操作されたCD3+T細胞を含む製剤化された細胞組成物を、凍結保存媒体中で凍結させる、例えば凍結保護または凍結保存する。いくつかの局面では、製剤中の遺伝子操作CD3+T細胞は、抗CD19 CAR等のCARを発現する。
【0536】
1. 細胞および遺伝子操作のための細胞の調製
いくつかの態様では、提供される方法、使用、製品、または組成物に関連して使用されるT細胞等の細胞は、本明細書に記載の組換え受容体、例えばCARまたはTCRを発現するように遺伝的に操作された細胞である。いくつかの態様では、遺伝子操作細胞は、細胞療法、例えば、養子細胞療法の状況で使用される。いくつかの態様では、遺伝子操作細胞は、免疫細胞である。いくつかの態様では、遺伝子操作細胞は、CD4+およびCD8+T細胞、CD4+T細胞、またはCD8+T細胞等のT細胞である。
【0537】
いくつかの態様では、組換え受容体をコードする核酸などの核酸は異種であり、すなわち通常は細胞または細胞から得られる試料中には存在せず、例えば操作されている細胞中に通常は認められない別の生物もしくは細胞、またはそのような細胞が由来する生物から得られるものである。いくつかの態様では、複数の異なる細胞型からの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含有するものを含む、天然には認められない核酸などの核酸は、天然には存在しない。
【0538】
細胞は通常、哺乳動物細胞などの真核細胞であり、典型的にはヒト細胞である。いくつかの態様では、細胞は、血液、骨髄、リンパ、またはリンパ系器官に由来し、先天性または適応免疫の細胞などの免疫系の細胞、例えばリンパ球を含む骨髄またはリンパ系細胞、典型的にはT細胞および/またはNK細胞である。他の例示的な細胞としては、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む多能性幹細胞などの幹細胞が挙げられる。細胞は、典型的には、対象から直接単離されたもの、および/または対象から単離されて凍結されたものなどの初代細胞である。いくつかの態様では、細胞は、T細胞または他の細胞型の1つまたは複数のサブセット、例えば全T細胞集団、CD4細胞、CD8細胞、およびそれらの亜集団、例えば機能、活性化状態、成熟度、分化、拡大、再循環、局在化、および/もしくは持続能力についての潜在能、抗原特異性、抗原受容体の種類、特定の器官もしくは区画における存在、マーカーもしくはサイトカイン分泌プロフィール、ならびに/または分化の程度によって定義されるものを含む。治療される対象に関して、細胞は同種異系および/または自己由来であり得る。方法の中には、既製の方法が含まれる。既製の技術などに関するいくつかの局面では、細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)などの幹細胞のような多能性である。いくつかの態様では、方法は、凍結保存の前または後に、対象から細胞を単離すること、それらを調製し、処理し、培養し、および/または操作すること、ならびにそれらを同じ対象に再導入することを含む。
【0539】
T細胞ならびに/またはCD4および/もしくはCD8T細胞のサブタイプおよび亜集団の中には、ナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)細胞、セントラルメモリーT(TCM)細胞、エフェクターメモリーT(TEM)細胞、または最終分化エフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、自然発生および適応制御性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えばTH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、濾胞性ヘルパーT細胞、α/βT細胞、およびδ/γT細胞がある。
【0540】
いくつかの態様では、細胞はナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様では、細胞は、単球または顆粒球、例えば骨髄細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、および/または好塩基球である。
【0541】
いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それによってそのような核酸の組換え産物または遺伝子操作された産物を発現する。いくつかの態様では、核酸は異種であり、すなわち通常は細胞または細胞から得られる試料中には存在せず、例えば操作されている細胞中に通常は認められない別の生物もしくは細胞、またはそのような細胞が由来する生物から得られるものである。いくつかの態様では、複数の異なる細胞型からの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含有するものを含む、天然には認められない核酸などの核酸は、天然には存在しない。
【0542】
いくつかの態様では、操作された細胞の調製は、1つまたは複数の培養および/または調製工程を含む。CARなどのトランスジェニック受容体をコードする核酸を導入するための細胞は、生物学的試料などの試料、例えば対象から得られたまたは対象に由来するものから単離され得る。いくつかの態様では、細胞が単離される対象は、疾患もしくは状態を有するか、または細胞療法を必要とするか、または細胞療法が投与される対象である。いくつかの態様における対象は、細胞が単離、処理、および/または操作されている養子細胞療法などの特定の治療的介入を必要とするヒトである。
【0543】
したがって、いくつかの態様における細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。試料には、組織、体液、および対象から直接採取した他の試料、ならびに分離、遠心分離、遺伝子操作(例えばウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、および/またはインキュベーションなどの1つまたは複数の処理工程から得られる試料が含まれる。生物学的試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または処理された試料であり得る。生物学的試料には、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗などの体液、組織および臓器に由来する処理された試料を含む組織および臓器試料が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0544】
いくつかの局面では、細胞が由来するまたは単離される試料は、血液もしくは血液由来の試料であるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシスの産物であるかもしくはそれに由来する。例示的な試料としては、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検材料、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸、精巣、卵巣、扁桃腺、または他の臓器、および/またはそれに由来する細胞が挙げられる。試料には、細胞療法、例えば養子細胞療法に関連して、自己由来および同種異系供給源由来の試料が含まれる。
【0545】
いくつかの態様では、細胞は細胞株、例えばT細胞株に由来する。いくつかの態様における細胞は、異種供給源、例えばマウス、ラット、非ヒト霊長動物、およびブタから得られる。
【0546】
いくつかの態様では、細胞の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例では、細胞は、例えば不要な成分を除去する、所望の成分を濃縮する、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、洗浄、遠心分離、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベートされる。いくつかの例では、細胞は、密度、付着特性、サイズ、感受性、および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて分離される。
【0547】
いくつかの例では、対象の循環血液由来の細胞は、例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。試料は、いくつかの局面では、T細胞を含むリンパ球、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含み、いくつかの局面では、赤血球および血小板以外の細胞を含む。
【0548】
いくつかの態様では、対象から採集された血球を、例えば血漿画分を除去し、その後の処理工程のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために洗浄する。いくつかの態様では、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で細胞を洗浄する。いくつかの態様では、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多くのもしくはすべての二価カチオンを含まない。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って半自動「フロースルー」遠心分離機(例えばCobe 2991細胞プロセッサ、Baxter)によって達成される。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って接線流ろ過(TFF)によって達成される。いくつかの態様では、細胞は、洗浄後に、例えばCa++/Mg++を含まないPBSなどの様々な生体適合性緩衝液に再懸濁される。特定の態様では、血球試料の成分を除去し、細胞を培地に直接再懸濁する。
【0549】
いくつかの態様では、方法は、密度に基づく細胞分離方法、例えば赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製、およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離を含む。
【0550】
いくつかの態様では、選択工程の少なくとも一部は、細胞を選択試薬と共にインキュベーションすることを含む。例えば、1つまたは複数の特定の分子、例えば表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸等の細胞内または細胞上での発現または存在に基づいて1つまたは複数の異なる細胞型を選択するための1つまたは複数の選択試薬を使用して実施することができる選択方法の一部としての、選択試薬とのインキュベーション。いくつかの態様では、このようなマーカーに基づいて分離するための選択試薬を使用する任意の公知の方法を使用してよい。いくつかの態様では、選択試薬は、親和性または免疫親和性ベースの分離である分離をもたらす。例えば、選択は、いくつかの局面では、例えば、1つもしくは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーと共にインキュベーションし、続いて、一般には洗浄工程を行い、そして、抗体または結合パートナーに結合していない細胞から抗体または結合パートナーに結合している細胞を分離することにより、細胞のこのようなマーカーの発現または発現レベルに基づいて細胞および細胞集団を分離するための試薬と共にインキュベーションすることを含む。
【0551】
このようなプロセスのいくつかの局面では、ある体積の細胞を、ある量の所望の親和性ベースの選択試薬と混合する。免疫親和性ベースの選択は、分離される細胞と、細胞上のマーカーに特異的に結合する分子、例えば、粒子等の固体表面上の抗体または他の結合パートナーとの間に好ましいエネルギー的相互作用を生じさせる任意の系または方法を用いて実行することができる。いくつかの態様では、細胞のマーカーに特異的な選択作用物質(例えば抗体)でコーティングされた粒子、例えば、磁気ビーズ等のビーズを用いて方法を実行する。エネルギー的に好ましい相互作用の促進を支援するために一定の細胞密度対粒子(例えばビーズ)比で、振盪または混合しながら、チューブまたはバッグ等の容器内で粒子(例えばビーズ)を細胞とインキュベーションまたは混合してよい。他の場合では、方法は、遠心チャンバの内部キャビティ内で、例えば遠心回転下で選択の全てまたは一部が実行される、細胞の選択を含む。いくつかの態様では、遠心チャンバ内で、免疫親和性ベースの選択試薬等の選択試薬と共に細胞をインキュベーションする。ある特定の態様では、国際公開公報第2009/072003号または米国特許出願公開第20110003380 A1号に記載されているシステム、装置、または機器を使用して、単離または分離を実行実施する。一例では、システムは、国際公開公報第2016/073602号に記載のシステムである。
【0552】
いくつかの態様では、このような選択工程またはその一部(例えば、抗体でコーティングされた粒子、例えば磁気ビーズとのインキュベーション)を遠心チャンバのキャビティ内で行うことにより、ユーザーは、様々な溶液の体積、加工中の溶液の添加およびそのタイミング等の特定のパラメータを管理することができ、これにより、他の利用可能な方法と比較して利点を提供することができる。例えば、インキュベーション中にキャビティ内の液体の体積を減少させる能力は、キャビティ内の細胞の総数に影響を与えることなく、選択に使用される粒子(例えばビーズ試薬)の濃度、ひいては溶液の化学ポテンシャルを高めることができる。これにより、次に、加工される細胞と選択に使用される粒子との間の対相互作用を強化することができる。いくつかの態様では、チャンバ内でインキュベーション工程を実行することで、例えば、本明細書において記載のシステム、回路、および管理に関連するとき、インキュベーション中の所望の時間にユーザーが溶液の撹拌を行うことが可能になり、これも相互作用を改善することができる。
【0553】
いくつかの態様では、選択工程の少なくとも一部は遠心チャンバ内で実行され、これは、細胞を選択試薬と共にインキュベーションすることを含む。このようなプロセスのいくつかの局面では、製造業者の指示に従って、同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞を選択するためにチューブまたは容器内で同様の選択を実施する際に通常使用される量よりもはるかに少ない量の所望の親和性ベースの選択試薬と、ある体積の細胞とを混合する。いくつかの態様では、製造業者の指示に従って、同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞のためにチューブまたは容器ベースのインキュベーションにおいて細胞を選択するために使用される同じ選択試薬の量の5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、50%以下、60%以下、70%以下、または80%以下の量の選択試薬を使用する。
【0554】
いくつかの態様では、細胞の選択、例えば免疫親和性ベースの選択の場合、選択試薬、例えば、濃縮および/または枯渇させることが望ましい細胞上の表面マーカーには特異的に結合するが、組成物中の他の細胞上の表面マーカーには結合しない分子、例えば、ポリマーまたは表面、例えばビーズ、例えば磁気ビーズ、例えばCD3、CD4、および/またはCD8に特異的なモノクローナル抗体にカップリングしている磁気ビーズ等のスカフォールドに任意でカップリングしていてもよい抗体を含む選択バッファも含有する組成物において、細胞をチャンバのキャビティ内でインキュベーションする。いくつかの態様では、記載した通り、振盪または回転させながらチューブ内で選択を実施する場合、典型的に使用されるか、または同じ数の細胞もしくは同じ体積の細胞の選択とほぼ同じもしくは類似の効率を達成するために必要となる選択試薬の量と比較して実質的に少ない量(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以下の量)の選択試薬を、チャンバのキャビティ内の細胞に添加する。いくつかの態様では、例えば10mL~200mL、例えば少なくとも10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または少なくとも約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mLの試薬のインキュベーションで標的体積を達成するために、細胞および選択試薬に選択バッファを添加して、インキュベーションを実施する。いくつかの態様では、選択バッファおよび選択試薬は、細胞に添加する前に予め混合される。いくつかの態様では、選択バッファおよび選択試薬は、別々に細胞に添加される。いくつかの態様では、選択インキュベーションは、定期的に穏やかに混合する条件を用いて実行され、これは、エネルギー的に有利な相互作用の促進を支援することができ、そして、それによって高い選択効率を達成しながら、全体的な選択試薬の使用を少なくすることができる。
【0555】
いくつかの態様では、選択試薬とのインキュベーションの合計時間は、5分~6時間または約5分~6時間、例えば30分~3時間、例えば少なくとも30分、60分、120分、もしくは180分、または少なくとも約30分、60分、120分、もしくは180分である。
【0556】
いくつかの態様では、インキュベーションは、一般的に、一般的に比較的少ない力または遅い速度、例えば、細胞をペレット化するために使用される速度よりも遅い速度、例えば、600rpm~1700rpmまたは約600rpm~1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm)で、例えば、80g~100gまたは約80g~100g(例えば、80g、85g、90g、95g、もしくは100g、または約80g、85g、90g、95g、もしくは100g、または少なくとも80g、85g、90g、95g、もしくは100g)の試料またはチャンバもしくは他の容器の壁におけるRCFで、混合条件下、例えばスピンの存在下で実行される。いくつかの態様では、このような低速でのスピンに続く静止期間の繰り返し間隔、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間のスピンおよび/または静止を使用して、例えば、およそ1または2秒間スピンさせた後におよそ5、6、7、または8秒間静止させることによって、スピンを実行する。
【0557】
いくつかの態様では、このようなプロセスは、チャンバが一体化している完全閉鎖系内で実行される。いくつかの態様では、このプロセスは(いくつかの局面では、1つまたは複数の追加工程、例えば、アフェレーシス試料等の細胞を含有する試料を洗浄する事前洗浄工程も)、自動化された方式で実施され、その結果、自動化されたプログラムを使用して単一の閉鎖系内で洗浄および結合の工程を完了するように、細胞、試薬、および他の構成要素が適切な時間にチャンバに引き込まれ、チャンバから押し出され、そして、遠心分離される。
【0558】
いくつかの態様では、細胞と選択試薬とをインキュベートおよび/または混合した後、インキュベーションされた細胞を分離に供して、特定の試薬の存在または不在に基づいて細胞を選択する。いくつかの態様では、分離は、細胞を選択試薬と共にインキュベーションしたのと同じ閉鎖系で実施される。いくつかの態様では、選択試薬と共にインキュベーションした後、選択試薬が結合した細胞を含むインキュベーションされた細胞を、細胞の免疫親和性ベースの分離のための系に移す。いくつかの態様では、免疫親和性ベースの分離のための系は、磁気分離カラムであるか、または磁気分離カラムを含有する。
【0559】
いくつかの態様では、単離方法は、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸などの1つまたは複数の特定の分子の細胞における発現または存在に基づく種々の細胞型の分離を含む。いくつかの態様では、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の公知の方法を使用し得る。いくつかの態様では、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面における単離は、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの細胞での発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離、例えばそのようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、続いて一般に、洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合していない細胞からの抗体または結合パートナーに結合した細胞の分離によるものを含む。
【0560】
そのような分離工程は、試薬に結合した細胞をさらなる使用のために保持する陽性選択、および/または抗体もしくは結合パートナーに結合しなかった細胞を保持する陰性選択に基づき得る。いくつかの例では、両方の画分をさらなる使用のために保持する。いくつかの局面では、陰性選択は、分離が、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて最も良好に行われるように、異種集団において細胞型を特異的に同定する抗体が利用可能でない場合に特に有用であり得る。
【0561】
分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%の濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陽性選択または濃縮は、そのような細胞の数または割合を増加させることを指すが、マーカーを発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陰性選択、除去、または枯渇は、そのような細胞の数または割合を減少させることを指すが、そのような細胞すべての完全な除去をもたらす必要はない。
【0562】
いくつかの例では、1回の工程から陽性または陰性選択された画分が、その後の陽性または陰性選択などの別の分離工程に供される、複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが陰性選択の標的となるマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることなどによって、複数のマーカーを同時に発現する細胞を単一の分離工程で枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上に発現された複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に陽性選択することができる。
【0563】
例えば、いくつかの局面では、T細胞の特定の亜集団、例えば陽性または高レベルの1つまたは複数の表面マーカー、例えばCD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD4、CD8、CD45RA、および/またはCD45ROT細胞を発現する細胞は、陽性または陰性選択技術によって単離される。
【0564】
いくつかの態様では、単離は、陽性選択による特定の細胞集団の濃縮、または陰性選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様では、陽性または陰性選択は、それぞれ陽性または陰性選択された細胞上に発現される(マーカー)または比較的高いレベルで発現される(マーカー)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤と共に細胞をインキュベートすることによって達成される。
【0565】
特定の態様では、生物学的試料、例えばPBMCまたは他の白血球細胞の試料を、陰性画分および陽性画分の両方を保持するCD4+T細胞の選択に供する。ある特定の態様では、CD8+T細胞は、陰性画分から選択される。いくつかの態様では、生物学的試料を、陰性画分および陽性画分の両方を保持するCD8+T細胞の選択に供する。ある特定の態様では、CD4+T細胞は、陰性画分から選択される。
【0566】
いくつかの態様では、T細胞は、B細胞、単球、またはCD14などの他の白血球のような非T細胞上に発現されるマーカーの陰性選択によってPBMC試料から分離される。いくつかの局面では、CD4またはCD8選択工程を用いてCD4ヘルパーT細胞とCD8細胞傷害性T細胞を分離する。そのようなCD4およびCD8集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、メモリーT細胞、および/またはエフェクターT細胞亜集団上に発現されるまたは比較的高い程度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって、さらに亜集団に分類することができる。
【0567】
いくつかの態様では、CD8細胞は、それぞれの亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性選択または陰性選択などによって、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、および/またはセントラルメモリー幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、いくつかの局面ではそのような亜集団において特に堅固である、投与後の長期生存、増殖、および/または生着を改善するためなどの有効性を高めるために行われる。Terakura et al., (2012) Blood.1:72-82;Wang et al.,(2012) J Immunother. 35(9):689-701参照。いくつかの態様では、TCMに富むCD8T細胞とCD4T細胞とを組み合わせることは、有効性をさらに増強する。
【0568】
態様では、メモリーT細胞は、CD8末梢血リンパ球のCD62LおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を使用して、CD62L-CD8および/またはCD62LCD8画分を濃縮または枯渇させることができる。
【0569】
いくつかの態様では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高表面発現に基づく;いくつかの局面では、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するかまたは高発現する細胞についての陰性選択に基づく。いくつかの局面では、TCM細胞が濃縮されたCD8集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。一局面では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性画分から出発して、これをCD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lの発現に基づく陽性選択に供して行われる。いくつかの局面ではそのような選択は同時に行われ、他の局面では連続的にどちらの順序でも行われる。いくつかの局面では、CD8細胞集団または亜集団を調製するのに使用されるのと同じCD4発現に基づく選択工程が、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択工程後に、CD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、方法のその後の工程で使用されるように、CD4細胞集団または亜集団を生成するためにも用いられる。
【0570】
特定の例では、PBMCの試料または他の白血球試料を、陰性画分と陽性画分の両方が保持されるCD4細胞の選択に供する。次いで、陰性画分を、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7などのセントラルメモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供し、ここで陽性選択と陰性選択はどちらの順序でも行われる。
【0571】
CD4Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞に分類される。CD4リンパ球は標準的な方法によって得ることができる。いくつかの態様では、ナイーブCD4Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA、CD62L、CD4T細胞である。いくつかの態様では、セントラルメモリーCD4細胞はCD62LおよびCD45ROである。いくつかの態様では、エフェクターCD4細胞はCD62L-およびCD45RO-である。
【0572】
一例では、陰性選択によってCD4細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的にはCD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様では、抗体または結合パートナーは、陽性および/または陰性選択のための細胞の分離を可能にする、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合される。例えば、いくつかの態様では、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術(Methods in Molecular Medicine, vol.58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In vitro and In vivo, p 17-25 Edited by: S.A. Brooks and U. Schumacher(著作権)Humana Press Inc., Totowa, NJに総説されている)を用いて分離または単離される。
【0573】
いくつかの局面では、分離される細胞の試料または組成物は、小型の磁化可能または磁気応答性材料、例えば磁気応答性粒子または微粒子、例えば常磁性ビーズ(例えばDynalbeadsまたはMACSビーズなど)と共にインキュベートされる。磁気応答性材料、例えば粒子は、一般に、分離することを所望する、例えば陰性または陽性選択することを所望する1つまたは複数の細胞、または細胞集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接または間接的に結合される。
【0574】
いくつかの態様では、磁性粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーなどの特異的結合成員に結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離方法に使用される多くの周知の磁気応答性材料がある。適切な磁性粒子としては、参照により本明細書に組み入れられる、Moldayの米国特許第4,452,773号、および欧州特許第452342B号に記載されているものが挙げられる。Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されているもののようなコロイドサイズの粒子が他の例である。
【0575】
インキュベーションは、一般に、抗体もしくは結合パートナー、または磁性粒子もしくはビーズに付着している、そのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する二次抗体もしくは他の試薬などの分子が、試料中の細胞上に存在する場合は細胞表面分子に特異的に結合する条件下で行われる。
【0576】
いくつかの局面では、試料を磁場中に置き、磁気応答性粒子または磁化可能粒子が付着している細胞を磁石に引きつけ、非標識細胞から分離する。陽性選択の場合は、磁石に引き寄せられる細胞が保持される;陰性選択の場合は、引き寄せられない細胞(非標識細胞)が保持される。いくつかの局面では、陽性選択と陰性選択の組み合わせは同じ選択工程の間に行われ、この場合は陽性画分と陰性画分が保持され、さらに処理されるかまたはさらなる分離工程に供される。
【0577】
特定の態様では、磁気応答性粒子は、一次抗体または他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンで被覆されている。特定の態様では、磁性粒子は、1つまたは複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に付着している。特定の態様では、ビーズではなく細胞を一次抗体または結合パートナーで標識し、次いで細胞型特異的二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)で被覆した磁性粒子を添加する。特定の態様では、ストレプトアビジン被覆磁性粒子を、ビオチン化一次抗体または二次抗体と組み合わせて使用する。
【0578】
いくつかの態様では、磁気応答性粒子は、その後インキュベート、培養および/または操作されることになる細胞に付着したままである;いくつかの局面では、粒子は患者への投与のための細胞に付着したままである。いくつかの態様では、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去する方法は公知であり、例えば競合する非標識抗体、および磁化可能粒子または切断可能なリンカーに結合した抗体の使用を含む。いくつかの態様では、磁化可能粒子は生分解性である。
【0579】
いくつかの態様では、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)による。磁気活性化細胞選別(MACS)システムは、磁化された粒子が付着した細胞の高純度の選択が可能である。特定の態様では、MACSは、外部磁場の印加後に非標的種と標的種が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁化粒子に付着した細胞は、付着していない種が溶出されている間、適所に保持される。次に、この最初の溶出工程が完了した後、磁場に捕捉されて溶出が妨げられていた種は、それらが溶出され、回収され得るように何らかの方法で解放される。特定の態様では、非標的細胞は標識され、細胞の不均一な集団から除去される。
【0580】
特定の態様では、単離または分離は、本発明の方法の単離、細胞調製、分離、処理、インキュベーション、培養、および/または製剤化工程のうちの1つまたは複数を実行するシステム、機器、または装置を用いて実施される。いくつかの局面では、システムは、例えばエラー、使用者の取り扱い、および/または汚染を最小限に抑えるために、これらの工程のそれぞれを閉鎖環境または無菌環境で実行するために使用される。一例では、システムは、国際特許出願公開番号第2009/072003号、またはUS20110003380A1号に記載されているシステムである。
【0581】
いくつかの態様では、システムまたは装置は、統合システムもしくは自己完結型システムで、および/または自動化されたもしくはプログラム可能な方式で、単離、処理、操作、および製剤化工程のうちの1つまたは複数、例えば全部を実行する。いくつかの局面では、システムまたは装置は、システムまたは装置に接続されたコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者が処理、単離、操作および製剤化工程をプログラムする、制御する、そのアウトカムを評価する、および/またはその様々な局面を調整することが可能になる。
【0582】
いくつかの局面では、分離および/または他の工程は、例えば閉鎖系および無菌系における臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotec)を用いて行われる。構成要素には、統合マイクロコンピュータ、磁気分離ユニット、蠕動ポンプ、および様々なピンチバルブが含まれ得る。統合コンピュータは、いくつかの局面では、機器のすべての構成要素を制御し、標準化された順序で反復手順を実行するようにシステムに指示する。いくつかの局面における磁気分離ユニットは、可動永久磁石と選択カラム用のホルダとを含む。蠕動ポンプはチューブセット全体の流速を制御し、ピンチバルブと共に、システムを通る緩衝液の制御された流れおよび細胞の継続的な懸濁を確実にする。
【0583】
いくつかの局面におけるCliniMACSシステムは、滅菌非発熱性溶液中で供給される抗体結合磁化可能粒子を使用する。いくつかの態様では、細胞を磁性粒子で標識した後、細胞を洗浄して過剰の粒子を除去する。続いて細胞調製バッグをチューブセットに接続し、次に緩衝剤を含むバッグおよび細胞収集バッグにチューブセットを接続する。チューブセットは、プレカラムと分離カラムを含むあらかじめ組み立てられた滅菌チューブからなり、使い捨て専用である。分離プログラムの開始後、システムは自動的に細胞試料を分離カラムに適用する。標識細胞はカラム内に保持され、非標識細胞は一連の洗浄工程によって除去される。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されておらず、カラム内に保持されない。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されており、カラム内に保持される。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。
【0584】
特定の態様では、分離および/または他の工程は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を使用して行われる。いくつかの局面におけるCliniMACS Prodigyシステムは、遠心分離による細胞の自動洗浄および分画を可能にする細胞処理ユニットを備える。CliniMACS Prodigyシステムはまた、ソース細胞産物の巨視的層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを決定する搭載カメラおよび画像認識ソフトウェアを含み得る。例えば、末梢血は自動的に赤血球、白血球および血漿層に分離される。CliniMACS Prodigyシステムはまた、例えば細胞分化および増殖、抗原負荷、ならびに長期細胞培養などの細胞培養プロトコルを達成する統合細胞培養チャンバを含み得る。入力ポートは培地の無菌除去および補充を可能にし、細胞は統合顕微鏡を使用してモニタリングすることができる。例えばKlebanoff et al., (2012)J Immunother. 35(9): 651-660, Terakura et al., Blood.(2012) 1: 72-82およびWang et al.,(2012)J Immunother. 35(9): 689-701参照。
【0585】
いくつかの態様では、本明細書に記載の細胞集団はフローサイトメトリーによって収集および濃縮(または枯渇)され、フローサイトメトリーでは、複数の細胞表面マーカーについて染色された細胞が流体流中で運ばれる。いくつかの態様では、本明細書に記載の細胞集団は、分取規模(FACS)選別によって収集および濃縮(または枯渇)される。特定の態様では、本明細書に記載の細胞集団は、FACSに基づく検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップの使用によって収集および濃縮(または枯渇)される(例えば国際公開公報第2010/033140号、Cho et al.,(2010)Lab Chip 10, 1567-1573;およびGodin et al.,(2008)J Biophoton. 1(5): 355-376参照)。どちらの場合も、細胞を複数のマーカーで標識して、明確に定義されたT細胞サブセットを高純度で単離することができる。
【0586】
いくつかの態様では、抗体または結合パートナーは、陽性選択および/または陰性選択のための分離を容易にするために、1つまたは複数の検出可能なマーカーで標識される。例えば、分離は蛍光標識抗体への結合に基づき得る。いくつかの例では、1つまたは複数の細胞表面マーカーに特異的な抗体または他の結合パートナーの結合に基づく細胞の分離は、例えばフローサイトメトリー検出システムと組み合わせた、分取規模(FACS)および/または微小電気機械システム(MEMS)チップを含む蛍光活性化細胞選別(FACS)などによって流体流中で行われる。そのような方法は、同時に複数のマーカーに基づく陽性選択および陰性選択を可能にする。
【0587】
いくつかの態様では、調製方法は、単離、インキュベーション、および/または操作の前または後のいずれかに、細胞を凍結する、例えば凍結保存する工程を含む。いくつかの態様では、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球および、ある程度まで、単球を除去する。いくつかの態様では、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後に、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面では様々な公知の凍結溶液およびパラメーターのいずれを使用してもよい。一例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地を使用することを含む。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を一般に毎分1度の速度で-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相中で保存する。
【0588】
いくつかの態様では、単離および/または選択の結果、濃縮T細胞、例えば、CD3+T細胞、CD4+T細胞、および/またはCD8+T細胞の1つまたは複数のインプット組成物が得られる。いくつかの態様では、単一の生物学的試料から、2つまたはそれ以上の別個のインプット組成物が単離、選択、濃縮、または取得される。いくつかの態様では、同じ対象から回収、採取、および/または取得された別個の生物学的試料から、別個のインプット組成物が単離、選択、濃縮、および/または取得される。
【0589】
ある特定の態様では、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD3+T細胞を含む濃縮T細胞の組成物であるかまたはそれを含む。特定の態様では、濃縮T細胞のインプット組成物は、CD3+T細胞から本質的になる。
【0590】
ある特定の態様では、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+T細胞を含む濃縮CD4+T細胞の組成物であるかまたはそれを含む。特定の態様では、CD4+T細胞のインプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD8+T細胞を含む、および/またはCD8+T細胞を含有しない、および/またはCD8+T細胞フリーであるかもしくは実質的にCD8+T細胞フリーである。いくつかの態様では、濃縮T細胞の組成物は、CD4+T細胞から本質的になる。
【0591】
ある特定の態様では、1つまたは複数の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+T細胞であるかまたはそれらを含むCD8+T細胞の組成物であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+T細胞を含有する、および/またはCD4+T細胞を含有しない、および/またはCD4+T細胞フリーであるかもしくは実質的にCD4+T細胞フリーである。いくつかの態様では、濃縮T細胞の組成物は、CD8+T細胞から本質的になる。
【0592】
2. 活性化および刺激
いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作の前またはそれに関連してインキュベートおよび/または培養される。インキュベーション工程は、培養、刺激、活性化、および/または増殖を含み得る。インキュベーションおよび/または操作は、ユニット、チャンバ、ウェル、カラム、チューブ、チューブセット、バルブ、バイアル、培養皿、バッグ、または細胞を培養するための他の容器などの培養容器中で実施され得る。いくつかの態様では、組成物または細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下でインキュベートされる。そのような条件には、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のために細胞をプライミングするように設計されたものが含まれる。
【0593】
条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。
【0594】
いくつかの態様では、刺激条件または刺激物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを刺激または活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面では、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動または開始させる。そのような作用物質には、TCRに特異的なものなどの抗体、例えば抗CD3が含まれ得る。いくつかの態様では、刺激条件は、共刺激受容体、例えば抗CD28を刺激することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの態様では、そのような作用物質および/またはリガンドは、ビーズなどの固体支持体および/または1つもしくは複数のサイトカインに結合し得る。任意で、増殖方法は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に(例えば少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様では、刺激物質は、IL-2、IL-15、および/またはIL-7を含む。いくつかの局面において、IL-2濃度は、少なくとも約10単位/mLである。
【0595】
例えば、刺激条件は、抗CD3/抗CD28結合磁気ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)を用いたインキュベーションを含み得る。
【0596】
いくつかの局面では、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.,(2012)J Immunother. 35(9): 651-660,Terakura et al.,(2012) Blood.1:72-82および/またはWang et al.,(2012)J Immunother. 35(9): 689-701に記載されているような技術に従って行われる。
【0597】
いくつかの態様では、T細胞は、培養開始組成物に、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダ細胞を添加すること(例えば、得られる細胞集団が、増殖させるべき初期集団中の各Tリンパ球につき少なくとも約5、10、20、または40またはそれ以上のPBMCフィーダ細胞を含むように)、および培養物をインキュベートすること(例えばT細胞の数を増やすのに十分な時間)によって増殖される。いくつかの局面では、非分裂フィーダ細胞は、γ線照射PBMCフィーダ細胞を含み得る。いくつかの態様では、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲のγ線を照射される。いくつかの局面では、フィーダ細胞は、T細胞集団の添加の前に培地に添加される。
【0598】
いくつかの態様では、刺激条件は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。任意で、インキュベーションは、非分裂EBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダ細胞として添加することをさらに含み得る。LCLは、約6000~10,000ラドの範囲のγ線で照射することができる。いくつかの局面におけるLCLフィーダ細胞は、少なくとも約10:1のLCLフィーダ細胞対初期Tリンパ球の比率などの、任意の適切な量で提供される。
【0599】
態様では、抗原特異的CD4および/またはCD8T細胞などの抗原特異的T細胞は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得られる。例えば、サイトメガロウイルス抗原に対する抗原特異的T細胞株またはクローンは、感染した対象からT細胞を単離し、同じ抗原で細胞をインビトロで刺激することによって生成することができる。
【0600】
いくつかの態様では、1つまたは複数の刺激条件または刺激性物質の存在下でのインキュべーションの少なくとも一部は、国際公開公報第WO2016/073602号に記載されているような、遠心チャンバの内部キャビティ内、例えば、遠心回転下で行われる。いくつかの態様では、遠心チャンバ内で実施されるインキュべーションの少なくとも一部は、刺激および/または活性化を誘導する試薬(1つまたは複数)と混合することを含む。いくつかの態様では、細胞、例えば、選択された細胞は、遠心チャンバ内で刺激条件または刺激性物質と混合される。そのようなプロセスのいくつかの局面では、一定体積の細胞は、細胞培養プレートまたは他の系において同様の刺激を実施する際に通常使用されるよりもはるかに少ない量の1つまたは複数の刺激条件または刺激物質と混合される。
【0601】
いくつかの態様では、刺激物質は、選択が、周期的に振盪または回転しながら遠心チャンバ内、例えば、チューブまたはバッグ内で混合することなく実施される場合に、同じ数の細胞または同じ体積の細胞の選択についてほぼ同じまたは同様の効率を達成するために典型的に使用されるまたは必要となるであろう刺激物質の量と比較して実質的により少ない量(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%以下の量)で、チャンバのキャビティ内の細胞に加えられる。いくつかの態様では、インキュべーションは、細胞および刺激物質へのインキュべーション緩衝液の添加により実施されて、例えば、10mLから200mL、例えば少なくとも10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または少なくとも約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mLの試薬のインキュベーションで標的体積を達成する。いくつかの態様では、インキュべーション緩衝液および刺激物質は、細胞に添加する前に予め混合される。いくつかの態様では、インキュべーション緩衝液および刺激物質は、細胞に別々に加えられる。いくつかの態様では、刺激インキュべーションは、周期的な穏やかな混合条件により行われ、このことは、エネルギー的に有利な相互作用を促進することを助け、それにより、細胞の刺激および活性化を達成しながら、より少ない全体的な刺激物質の使用を可能し得る。
【0602】
いくつかの態様では、インキュべーションは、一般に、混合条件下、例えば、スピンの存在下、一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpmから1700rpmまたは約600rpmから1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm)で、例えばチャンバまたは他の容器の試料または壁での80gから100gまたは約80gから100g(例えば、80g、85g、90g、95gもしくは100g、または約80g、85g、90g、95gもしくは100g、または少なくとも80g、85g、90g、95gもしくは100g)のRCFで行われる。いくつかの態様では、スピンは、そのような低い速度でのスピンとそれに続く休止期間、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間のスピンおよび/または休止、例えば大体1または2秒間のスピンとそれに続く大体5、6、7、または8秒間の休止という間隔の繰り返しを用いて行われる。
【0603】
いくつかの態様では、インキュべーション(例えば、刺激物質との)の総持続時間は、1時間~96時間、1時間~72時間、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間、または約1時間~96時間、1時間~72時間、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間、例えば少なくとも6時間、12時間、18時間、24時間、36時間もしくは72時間、または少なくとも約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間もしくは72時間である。いくつかの態様では、さらなるインキュべーションは、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間(両端の値を含む)、または約1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間(両端の値を含む)の時間である。
【0604】
特定の態様では、刺激条件は、濃縮されたT細胞の組成物を1つまたは複数のサイトカインと共におよび/またはその存在下でインキュベートすること、培養すること(culturing)、および/またはカルチベーションすること(cultivating)を含む。特定の態様では、1つまたは複数のサイトカインは、組換えサイトカインである。いくつかの態様では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えサイトカインである。ある特定の態様では、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現されるおよび/またはそれに対して内因性である受容体に結合するおよび/またはそれに結合可能である。特定の態様では、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーは、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を含むが、それらに限定されない。
【0605】
いくつかの態様では、刺激は、例えば、形質導入の前に、細胞の活性化および/または増殖をもたらす。
【0606】
3. 遺伝子操作のためのベクターおよび方法
いくつかの態様では、提供される方法、使用、製造品または組成物に関連して使用される操作された細胞、例えばT細胞は、組換え受容体、例えば、本明細書に記載のCARまたはTCRを発現するように遺伝子操作されている細胞である。いくつかの態様では、細胞は、組換え受容体および/または他の分子をコードする核酸配列の導入、送達または移入によって操作される。
【0607】
いくつかの態様では、操作された細胞を産生するための方法は、組換え受容体(例えば、抗CD19 CAR)をコードするポリヌクレオチドを、細胞、例えば、刺激された細胞または活性化された細胞などに導入することを含む。特定の態様では、組換えタンパク質は、組換え受容体、例えば、記載しているいずれかの組換え受容体である。組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞への導入は、多数の公知のベクターのいずれかを使用して行われ得る。そのようなベクターは、レンチウイルスおよびガンマレトロウイルスシステムのみならず、PiggyBacまたはSleeping Beauty系遺伝子移入システムなどのトランスポゾン系システムも含めた、ウイルスおよび非ウイルスのシステムを含む。例示的な方法は、ウイルス、例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾン、およびエレクトロポレーションを介することを含む、受容体をコードする核酸の移入のための方法を含む。いくつかの態様では、操作することは、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の操作された組成物を産生する。
【0608】
ある特定の態様では、刺激されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮されたT細胞の2つの別々の刺激された組成物であるかまたはそれらを含む。特定の態様では、濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物、例えば、同じ生体試料から選択、単離および/または濃縮されている濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物は、別々に操作される。ある特定の態様では、2つの別々の組成物は、濃縮されたCD4+ T細胞の組成物を含む。特定の態様では、2つの別々の組成物は、濃縮されたCD8+ T細胞の組成物を含む。いくつかの態様では、濃縮されたCD4+ T細胞および濃縮されたCD8+ T細胞の2つの別々の組成物は、別々に遺伝子操作される。
【0609】
いくつかの態様では、遺伝子移入は、最初に、増殖、生存および/または活性化などの応答を誘導する刺激(例えば、サイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるような)と組み合わせるなどによって細胞を刺激し、続いて、活性化された細胞を形質導入し、臨床適用に十分な数まで培養中で拡大増殖させることによって成し遂げられる。ある特定の態様では、遺伝子移入は、最初に、記載される方法のいずれかによるなど、細胞を刺激条件下でインキュベートすることによって成し遂げられる。
【0610】
いくつかの態様では、遺伝子操作のための方法は、組成物の1つまたは複数の細胞と、組換えタンパク質、例えば、組換え受容体をコードする核酸分子とを接触させることによって行われる。いくつかの態様では、接触させることは、スピノキュレーション(例えば、遠心接種)などの遠心により達成することができる。そのような方法は、国際公開公報第WO2016/073602号に記載されているような方法のいずれかを含む。例示的な遠心チャンバは、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムと共に使用するためのものを含め、Biosafe SAによって製造販売されているものを含み、A-200/FおよびA-200遠心チャンバならびにそのようなシステムと共に使用するための様々なキットを含む。例示的なチャンバ、システムならびに処理機器およびキャビネットは、例えば、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および公開米国特許出願公開番号US 2008/0171951、ならびに公開国際特許出願公開番号WO 00/38762に記載されており、それらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。そのようなシステムと共に使用するための例示的なキットは、BioSafe SAによって製品名CS-430.1、CS-490.1、CS-600.1またはCS-900.2で販売されている使い捨てキットを含むが、それらに限定されない。
【0611】
いくつかの態様では、接触させることは、スピノキュレーション(例えば、遠心接種)などの遠心により達成することができる。いくつかの態様では、細胞を含有する組成物、ベクター、例えば、ウイルス粒子および試薬を、一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpmから1700rpmまたは約600rpmから1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm)で回転させることができる。いくつかの態様では、回転は、例えばチャンバまたはキャビティの内壁または外壁で測定された場合に100gから3200gまたは約100gから3200g(例えば、100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200g、または約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200g、または少なくとも100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200g、または少なくとも約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200g)の力、例えば、相対遠心力で行われる。「相対遠心力」またはRCFという用語は、一般に、回転軸と比較して、空間中の特定の点における、地球の重力に対する、物体または物質(細胞、試料もしくはペレットおよび/または回転させられるチャンバもしくは他の容器中の点など)に加えられる有効力であると理解される。その値は、重力、回転速度および回転の半径(回転軸と、RCFが測定されるところの物体、物質または粒子との間の距離)を考慮に入れ、周知の公式を使用して決定され得る。
【0612】
いくつかの態様では、システムは、形質導入工程およびシステムにおいて実施される1つまたは複数の様々な他の処理工程、例えば、本明細書または国際公開公報第WO2016/073602号に記載されるような遠心チャンバシステムと共にまたはそれに関連して行うことができる1つまたは複数の処理工程の諸局面を操作、自動化、制御および/またはモニタリングするための機器を含む、他の機器と共に備えられるおよび/またはそれに関連して配置される。この機器は、いくつかの態様では、キャビネット内に含有される。いくつかの態様では、機器は、制御回路を含有する筺体を含むキャビネット、遠心機、カバー、モータ、ポンプ、センサ、ディスプレイおよびユーザインタフェースを含む。例示的なデバイスは、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号およびUS 2008/0171951に記載されている。
【0613】
いくつかの態様では、システムは、一連の容器、例えば、バッグ、チューブ、ストップコック、クランプ、コネクターおよび遠心チャンバを含む。いくつかの態様では、容器、例えばバッグは、形質導入されるべき細胞およびウイルスベクター粒子を同じ容器または別々の容器、例えば同じバッグまたは別々のバッグに含有する、1つまたは複数の容器、例えばバッグを含む。いくつかの態様では、システムはさらに、チャンバに引き込まれる媒体、例えば希釈剤および/もしくは洗浄液、ならびに/または、該方法の間に成分および/もしくは組成物を希釈、懸濁および/もしくは洗浄するための他の成分を含有する、1つまたは複数の容器、例えばバッグを含む。容器は、システム内の1つまたは複数の位置で、例えば、注入ライン、希釈剤ライン、洗浄ライン、廃棄物ラインおよび/または排出ラインに対応する位置で接続することができる。
【0614】
いくつかの態様では、チャンバは、遠心機に関連付けられ、チャンバの、例えばその回転軸を中心にした回転が達成可能となる。回転は、細胞の形質導入に関連するインキュべーションの前、その途中および/もしくはその後で、ならびに/または、他の処理工程の1つもしくは複数において行われ得る。したがって、いくつかの態様では、様々な処理工程の1つまたは複数は、回転下で、例えば、特定の力で行われる。チャンバは、典型的には、垂直またはほぼ垂直に回転可能であり、その結果、遠心中、チャンバは垂直に座し、側壁および軸は垂直またはほぼ垂直でなり、端壁は水平またはほぼ水平である。
【0615】
いくつかの態様では、遺伝子操作の少なくとも一部(例えば、形質導入)の間および/または遺伝子操作に続いて、細胞は、遺伝子操作された細胞の培養のために、例えば細胞のカルチベーションまたは拡大増殖のために、バイオリアクターバッグアセンブリに移される。
【0616】
いくつかの態様では、組換え核酸は、組換え感染性ウイルス粒子、例えばシミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターなどを使用して、細胞に移入される。いくつかの態様では、組換え核酸は、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクターを使用して、T細胞に移入される(例えば、Koste et al. (2014) Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt.2014.25;Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46;Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93;Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557を参照のこと)。
【0617】
いくつかの態様では、レトロウイルスベクター、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)または脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)に由来するレトロウイルスベクターは、長い末端反復配列(LTR)を有する。大部分のレトロウイルスベクターは、ネズミ科レトロウイルスに由来する。いくつかの態様では、レトロウイルスは、任意の鳥類または哺乳動物細胞源に由来するものを含む。レトロウイルスは、典型的には、両種指向性であり、このことは、これらがヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染可能であることを意味する。一態様では、発現されるべき遺伝子は、レトロウイルスのgag、polおよび/またはenv配列と置き換わる。多数の例示的なレトロウイルスシステムが記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号;第6,207,453号;第5,219,740号;Miller and Rosman (1989) BioTechniques 7:980-990;Miller, A. D. (1990) Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al. (1991) Virology 180:849-852;Burns et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8033-8037;および Boris-Lawrie and Temin (1993) Cur. Opin. Genet. Develop. 3:102-109)。
【0618】
レンチウイルスによる形質導入の方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701;Cooper et al. (2003) Blood. 101:1637-1644;Verhoeyen et al. (2009) Methods Mol Biol. 506: 97-114;および Cavalieri et al. (2003) Blood. 102(2): 497-505に記載されている。
【0619】
いくつかの態様では、ウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノム系ベクターに由来する、例えばレンチウイルスゲノム系ベクターに由来するゲノムを含有する。提供されるウイルスベクターのいくつかの局面では、抗原受容体(CARなど)などの組換え受容体をコードする異種核酸は、ベクターゲノムの5’LTR配列と3’LTR配列の間に含有されるおよび/または位置する。
【0620】
いくつかの態様では、ウイルスベクターゲノムは、HIV-1ゲノムまたはSIVゲノムなどのレンチウイルスゲノムである。例えば、レンチウイルスベクターは、毒性遺伝子を多重弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpuおよびnefを欠失させることができ、このことにより、ベクターは治療目的により安全になる。レンチウイルスベクターは公知である。Naldini et al., (1996 and 1998);Zufferey et al., (1997);Dull et al., 1998、米国特許第6,013,516号;および第5,994,136号を参照されたい。いくつかの態様では、これらのウイルスベクターは、プラスミド系またはウイルス系であり、外来核酸の組み込み、選択および宿主細胞への核酸の移入に不可欠な配列を担持するように構成される。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd., Manassas, Va. 20110-2209)などの寄託機関または保存機関から容易に得ることができ、または広く利用可能な技法を使用して公知の供給源から単離することができる。
【0621】
レンチウイルスベクターの非限定例は、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球指向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2またはウマ伝染性貧血ウイルス(E1AV)などのレンチウイルスに由来するものを含む。例えば、レンチウイルスベクターは、HIV毒性遺伝子を多重弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefを欠失させることで、ベクターは治療目的により安全になる。レンチウイルスベクターは当技術分野において公知であり、Naldini et al., (1996 and 1998);Zufferey et al., (1997);Dull et al., 1998、米国特許第6,013,516号;および第5,994,136号を参照されたい。いくつかの態様では、これらのウイルスベクターは、プラスミド系またはウイルス系であり、外来核酸の組み込み、選択および宿主細胞への核酸の移入に不可欠な配列を担持するように構成される。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd., Manassas, Va. 20110-2209)などの寄託機関または保存機関から容易に得ることができ、または広く利用可能な技法を使用して公知の供給源から単離することができる。
【0622】
いくつかの態様では、ウイルスゲノムベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスの5’LTRおよび3’LTRの配列を含有することができる。いくつかの局面では、ウイルスゲノム構築物は、レンチウイルスの5’LTRおよび3’LTR由来の配列を含有し得、特に、レンチウイルスの5’LTR由来のRおよびU5配列ならびにレンチウイルス由来の不活性化されたまたは自己不活性化3’LTRを含有することができる。LTR配列は、任意の種由来の任意のレンチウイルス由来のLTR配列であることができる。例えば、これらは、HIV、SIV、FIVまたはBIV由来のLTR配列であり得る。典型的には、LTR配列は、HIV LTR配列である。
【0623】
いくつかの態様では、HIVウイルスベクターなどのウイルスベクターの核酸は、追加の転写ユニットを欠いている。ベクターゲノムは、不活性化されたまたは自己不活性化3’LTRを含有することができる(Zufferey et al. J Virol 72: 9873, 1998;Miyoshi et al., J Virol 72:8150, 1998)。例えば、ウイルスベクターRNAを産生するために使用される核酸の3’LTRのU3領域における欠失を、自己不活性化(SIN)ベクターを生成するために使用することができる。次いで、この欠失は、逆転写の間にプロウイルスDNAの5’LTRに移入され得る。自己不活性化ベクターは、一般に、3’の長い末端反復配列(LTR)からのエンハンサーおよびプロモーター配列の欠失を有し、これは、ベクター組み込みの間に5’LTRの中にコピーされる。いくつかの態様では、TATAボックスの除去を含め、LTRの転写活性を無効にするのに十分な配列を排除することができる。これは、形質導入された細胞における完全長ベクターRNAの産生を防止することができる。いくつかの局面では、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、TATAボックス、Sp1、およびNF-カッパB部位の欠失を含有する。自己不活性化3’LTRの結果として、侵入および逆転写の後に生成されたプロウイルスは、不活性化された5’LTRを含有する。このことは、ベクターゲノムの可動化のリスクおよび近傍の細胞性プロモーターへのLTRの影響を低減することによって安全性を改善することができる。自己不活性化3’LTRは、当技術分野において公知の任意の方法によって構築することができる。いくつかの態様では、このことは、ベクター力価またはベクターのインビトロもしくはインビボ特性に影響を及ぼさない。
【0624】
任意で、レンチウイルスの5’LTR由来のU3配列を、ウイルス構築物中のプロモーター配列、例えば異種プロモーター配列と置き換えることができる。これは、パッケージング細胞株から回収されたウイルスの力価を増加させることができる。また、エンハンサー配列を含めることもできる。パッケージング細胞株中のウイルスRNAゲノムの発現を増加させる任意のエンハンサー/プロモーターの組み合わせが使用され得る。一例として、CMVエンハンサー/プロモーター配列が使用される(米国特許第5,385,839号および米国特許第5,168,062号)。
【0625】
ある特定の態様では、レンチウイルスベクターゲノムなどのレトロウイルスベクターゲノムを組み込み欠陥となるように構築することによって、挿入変異誘発のリスクを最小限に抑えることができる。非組み込みベクターゲノムを産生するために多種多様なアプローチを遂行することができる。いくつかの態様では、不活性インテグラーゼを有するタンパク質をコードするように、pol遺伝子のインテグラーゼ酵素成分に変異を作り出すことができる。いくつかの態様では、ベクターゲノムそれ自体を、例えば、付着部位の一方もしくは両方を変異または欠失させるか、欠失または修飾を通じて3’LTR近位ポリプリントラクト(PPT)を非機能的にすることによって修飾して、組み込みを防止することができる。いくつかの態様では、非遺伝的アプローチが利用可能である;これらには、インテグラーゼの1つまたは複数の機能を阻害する薬理学的作用物質が含まれる。これらのアプローチは、相互排他的ではない;すなわち、それらの1つより多くを一度に使用することができる。例えば、インテグラーゼと付着部位の両方が非機能的であることも、またはインテグラーゼおよびPPT部位が非機能的であることも、または付着部位およびPPT部位が非機能的であることも、またはそれらのすべてが非機能的であることもできる。そのような方法およびウイルスベクターゲノムは、公知で利用可能である(Philpott and Thrasher, Human Gene Therapy 18:483, 2007;Engelman et al. J Virol 69:2729, 1995;Brown et al J Virol 73:9011 (1999);WO 2009/076524;McWilliams et al., J Virol 77:11150, 2003;Powell and Levin J Virol 70:5288, 1996を参照のこと)。
【0626】
いくつかの態様では、ベクターは、原核生物宿主細胞などの宿主細胞における伝播のための配列を含有する。いくつかの態様では、ウイルスベクターの核酸は、細菌細胞などの原核生物細胞における伝播のための1つまたは複数の複製起点を含有する。いくつかの態様では、原核生物の複製起点を含むベクターはまた、その発現が薬物耐性などの検出可能または選択可能なマーカーを付与する遺伝子を含有し得る。
【0627】
ウイルスベクターゲノムは、典型的には、パッケージング細胞株または産生細胞株へトランスフェクトできるプラスミドの形態で構築される。そのゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含有するレトロウイルス粒子を産生するために、多種多様な公知の任意の方法を使用することができる。いくつかの態様では、ウイルス系遺伝子送達システムの作製に少なくとも2つの成分が関与する:第一、ウイルスベクター粒子を生成するのに必要な構造タンパク質ならびに酵素を包含する、パッケージングプラスミドと、第二、ウイルスベクターそれ自体、すなわち、移入されるべき遺伝子物質。これらの成分の一方または両方の設計においてバイオセーフティー予防措置を導入することができる。
【0628】
いくつかの態様では、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外のすべてのレトロウイルス(例えば、HIV-1)タンパク質を含有することができる(Naldini et al., 1998)。他の態様では、ウイルスベクターは、追加のウイルス遺伝子、例えば病原性に関連するもの、例えば、vpr、vif、vpuおよびnef、ならびに/またはTat(HIVの一次トランス活性化因子)を欠き得る。いくつかの態様では、HIV系レンチウイルスベクターなどのレンチウイルスベクターは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、polおよびrevのみを含み、このことは、組換えによる野生型ウイルスの再構成の可能性を減らすかまたは排除する。
【0629】
いくつかの態様では、ウイルスベクターゲノムは、ウイルスベクターゲノムから転写されたウイルスゲノムRNAをウイルス粒子にパッケージングするのに必要な成分すべてを含有するパッケージング細胞株に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、関心対象の1つまたは複数の配列、例えば、組換え核酸に加えて、ウイルス成分をコードする1つまたは複数の遺伝子を含み得る。しかしながら、いくつかの局面では、標的細胞におけるゲノムの複製を防止するために、複製に必要とされる内因性ウイルス遺伝子は除去され、パッケージング細胞株に別々に提供される。
【0630】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、粒子を生成するのに必要な成分を含有する1つまたは複数のプラスミドベクターでトランスフェクトされる。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、LTR、シス作用型パッケージング配列および関心対象の配列、すなわちCARなどの抗原受容体をコードする核酸を含む、ウイルスベクターゲノムを含有するプラスミド;ならびにウイルス酵素成分および/または構造成分、例えばGag、polおよび/またはrevをコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドでトランスフェクトされる。いくつかの態様では、レトロウイルスベクター粒子を生成する様々な遺伝成分を分離するために、複数のベクターが利用される。いくつかのそのような態様では、別々のベクターをパッケージング細胞に提供することは、他のやり方では複製能を有するウイルスを生成し得る組換え事象の機会を低減する。いくつかの態様では、レトロウイルス成分のすべてを有する単一のプラスミドベクターを使用することができる。
【0631】
いくつかの態様では、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を高めるためにシュードタイピングされる。例えば、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、いくつかの態様では、VSV-G糖タンパク質でシュードタイピングされ、これは、形質導入できる細胞タイプを広げる広範な細胞宿主範囲を提供する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、例えば異種指向性、多種指向性または両種指向性のエンベロープ、例えばSindbisウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gを含むように、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドでトランスフェクトされる。
【0632】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、ウイルスゲノムRNAのレンチウイルスベクター粒子へのパッケージングにトランスで必要とされる、ウイルス調節タンパク質および構造タンパク質を含めた成分を提供する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、レンチウイルスタンパク質を発現可能でかつ機能的レンチウイルスベクター粒子を産生可能な任意の細胞株であり得る。いくつかの局面では、適切なパッケージング細胞株は、293(ATCC CCL X)、293T、HeLA(ATCC CCL 2)、D17(ATCC CCL 183)、MDCK(ATCC CCL 34)、BHK(ATCC CCL-10)およびCf2Th(ATCC CRL 1430)細胞を含む。
【0633】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、ウイルスタンパク質を安定に発現する。例えば、いくつかの局面では、gag、pol、revおよび/または他の構造遺伝子を含有するがLTRおよびパッケージング成分のないパッケージング細胞株を構築することができる。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、異種タンパク質をコードする核酸分子、および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含有するウイルスベクターゲノムと一緒に、1つまたは複数のウイルスタンパク質をコードする核酸分子で一過性にトランスフェクトすることができる。
【0634】
いくつかの態様では、ウイルスベクターならびにパッケージングおよび/またはヘルパープラスミドは、トランスフェクションまたは感染を介してパッケージング細胞株に導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含有するウイルスベクター粒子を産生する。トランスフェクションまたは感染のための方法は周知である。非限定例は、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストランおよびリポフェクション法、エレクトロポレーションならびにマイクロインジェクションを含む。
【0635】
組換えプラスミドならびにレトロウイルスLTRおよびパッケージング配列が特定の細胞株に導入されると(例えば、リン酸カルシウム沈降などによって)、パッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子にパッケージングされることを可能にし、次いで、これが培養培地に分泌され得る。組換えレトロウイルスを含有する培地は、いくつかの態様では、その後、収集され、任意で濃縮され、遺伝子移入に使用される。例えば、いくつかの局面では、パッケージングプラスミドおよび移入ベクターのパッケージング細胞株への同時トランスフェクション後、培養培地からウイルスベクター粒子が回収され、当業者によって使用される標準法によって力価測定される。
【0636】
いくつかの態様では、レンチウイルスベクターなどのレトロウイルスベクターは、レンチウイルス粒子の生成を可能にするプラスミドの導入によって、例示的なHEK 293T細胞株などのパッケージング細胞株において産生させることができる。いくつかの態様では、パッケージング細胞は、gagおよびpolをコードするポリヌクレオチド、ならびに抗原受容体(例えば、CAR)などの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはこれらを含有する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加で、revタンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはこれを含有する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加で、VSV-Gなどの非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされるおよび/またはこれを含有する。いくつかのそのような態様では、細胞、例えば、HEK 293T細胞のトランスフェクションの大体2日後、細胞上清は、組換えレンチウイルスベクターを含有し、これを回収および力価測定することができる。
【0637】
回収および/または産生されたレトロウイルスベクター粒子を使用し、記載されるような方法を使用して標的細胞を形質導入することができる。標的細胞に入ると、ウイルスRNAは、逆転写され、核に輸送され、宿主ゲノムに安定に組み込まれる。ウイルスRNAの組み込みの1日または2日後、組換えタンパク質、例えば、抗原受容体(例えば、CAR)の発現を検出することができる。
【0638】
いくつかの態様では、提供される方法は、複数の細胞を含む細胞組成物とウイルス粒子とを接触させる、例えば、インキュベートすることによって細胞を形質導入する方法を伴う。いくつかの態様では、トランスフェクトまたは形質導入されるべき細胞は、対象から得られた初代細胞、例えば対象から濃縮および/または選択された細胞であるかまたはそれを含む。
【0639】
いくつかの態様では、組成物の形質導入されるべき細胞の濃度は、1.0×105個の細胞/mLから1.0×108個の細胞/mLまたは約1.0×105個の細胞/mLから1.0×108個の細胞/mL、例えば、少なくとも1.0×105個の細胞/mL、5×105個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mLもしくは1×108個の細胞/mL、または少なくとも約1.0×105個の細胞/mL、5×105個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mLもしくは1×108個の細胞/mL、または約1.0×105個の細胞/mL、5×105個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mLもしくは1×108個の細胞/mLである。
【0640】
いくつかの態様では、ウイルス粒子は、ウイルスベクター粒子のコピーまたはその感染単位(IU)/形質導入される細胞の総数(IU/細胞)の特定の比率で提供される。例えば、いくつかの態様では、ウイルス粒子は、接触の間、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、もしくは60 IUのウイルスベクター粒子/細胞1個、または約0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、もしくは60 IUのウイルスベクター粒子/細胞1個、または少なくとも0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、もしくは60 IUのウイルスベクター粒子/細胞1個、または少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、もしくは60 IUのウイルスベクター粒子/細胞1個で存在する。
【0641】
いくつかの態様では、ウイルスベクター粒子の力価は、1×106 IU/mL~1×108 IU/mLまたは約1×106 IU/mL~1×108 IU/mL、例えば、5×106 IU/mL~5×107 IU/mLまたは約5×106 IU/mL~5×107 IU/mL、例えば、少なくとも6×106 IU/mL、7×106 IU/mL、8×106 IU/mL、9×106 IU/mL、1×107 IU/mL、2×107 IU/mL、3×107 IU/mL、4×107 IU/mL、または5×107 IU/mLである。
【0642】
いくつかの態様では、形質導入は、100未満、例えば一般に60、50、40、30、20、10、5未満またはそれ以下の感染多重度(MOI)で達成することができる。
【0643】
いくつかの態様では、該方法は、細胞とウイルス粒子とを接触させることまたはインキュベートすることを伴う。いくつかの態様では、接触させることは、30分間から72時間、例えば30分間から48時間、30分間から24時間または1時間から24時間、例えば少なくとも30分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、36時間もしくはそれ以上、または少なくとも約30分間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、36時間もしくはそれ以上の期間である。
【0644】
いくつかの態様では、接触させることは、溶液中で実施される。いくつかの態様では、細胞とウイルス粒子は、0.5mLから500mLまたは約0.5mLから500mL、例えば、0.5mLから200mL、0.5mLから100mL、0.5mLから50mL、0.5mLから10mL、0.5mLから5mL、5mLから500mL、5mLから200mL、5mLから100mL、5mLから50mL、5mLから10mL、10mLから500mL、10mLから200mL、10mLから100mL、10mLから50mL、50mLから500mL、50mLから200mL、50mLから100mL、100mLから500mL、100mLから200mLもしくは200mLから500mL、または約0.5mLから200mL、0.5mLから100mL、0.5mLから50mL、0.5mLから10mL、0.5mLから5mL、5mLから500mL、5mLから200mL、5mLから100mL、5mLから50mL、5mLから10mL、10mLから500mL、10mLから200mL、10mLから100mL、10mLから50mL、50mLから500mL、50mLから200mL、50mLから100mL、100mLから500mL、100mLから200mLもしくは200mLから500mLの体積で接触されられる。
【0645】
ある特定の態様では、インプット細胞は、ウイルスDNAによってコードされる組換え受容体に結合するかそれを認識する結合分子を含む粒子で処理される、それとインキュベートされる、またはそれと接触させられる。
【0646】
いくつかの態様では、細胞とウイルスベクター粒子とのインキュべーションは、ウイルスベクター粒子で形質導入された細胞を含むアウトプット組成物をもたらすまたは産生する。
【0647】
いくつかの態様では、組換え核酸は、エレクトロポレーションを介してT細胞に移入される(例えば、Chicaybam et al, (2013) PLoS ONE 8(3): e60298 and Van Tedeloo et al. (2000) Gene Therapy 7(16): 1431-1437を参照のこと)。いくつかの態様では、組換え核酸は、転位を介してT細胞に移入される(例えば、Manuri et al. (2010) Hum Gene Ther 21(4): 427-437;Sharma et al. (2013) Molec Ther Nucl Acids 2, e74;および Huang et al. (2009) Methods Mol Biol 506: 115-126を参照のこと)。免疫細胞において遺伝子物質を導入および発現する他の方法は、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York. N.Y.に記載されているような)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクション;タングステン粒子促進微粒子衝突(Johnston, Nature, 346: 776-777 (1990));およびリン酸ストロンチウムDNA共沈(Brash et al., Mol. Cell Biol., 7: 2031-2034 (1987))を含む。
【0648】
組換え産物をコードする核酸の移入のための他のアプローチおよびベクターは、例えば、国際特許出願公開番号WO2014055668、および米国特許第7,446,190号に記載されているものである。
【0649】
いくつかの態様では、細胞、例えば、T細胞は、拡大増殖の途中またはその後のいずれかに、例えば、T細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)でトランスフェクトされ得る。所望の受容体の遺伝子の導入のためのこのトランスフェクションは、例えば、任意の適切なレトロウイルスベクターで行うことができる。次に、遺伝子改変された細胞集団を初期刺激(例えば、抗CD3/抗CD28刺激)から解放し、その後、第2のタイプの刺激で、例えばデノボ導入された受容体を介して刺激することができる。この第2のタイプの刺激は、ペプチド/MHC分子、遺伝子導入された受容体の同族(架橋)リガンド(例えば、CARの天然リガンド)または新たな受容体のフレームワーク内に直接結合する(例えば、受容体内の定常領域を認識することによって)任意のリガンド(例えば、抗体)の形態の抗原刺激を含み得る。例えば、Cheadle et al, “Chimeric antigen receptors for T-cell based therapy” Methods Mol Biol. 2012; 907:645-66またはBarrett et al., Chimeric antigen receptors Therapy for Cancer Annual Review of Medicine Vol. 65: 333-347 (2014) を参照されたい。
【0650】
いくつかの場合に、細胞、例えば、T細胞が活性化されることを必要としないベクターが使用され得る。いくつかのそのような例では、細胞は、活性化の前に、選択および/または形質導入され得る。したがって、細胞は、細胞の培養の前にまたはそれに続いて、いくつかの場合には、培養の少なくとも一部と同じ時点またはその間に操作され得る。
【0651】
中でも、追加の核酸、例えば、導入のための遺伝子は、移入された細胞の生存率および/または機能を促進するなどによって治療の有効性を改善するためのもの;インビボ生存または局在を評価するなどのための、細胞の選択および/または評価のための遺伝子マーカーを提供するための遺伝子;例えば細胞をインビボでの陰性選択に感受性にすることによって、安全性を改善する遺伝子である(Lupton S. D. et al., Mol. and Cell Biol., 11:6 (1991);および Riddell et al., Human Gene Therapy 3:319-338 (1992)に記載されているとおり);また、ドミナントな陽性選択可能マーカーと陰性選択可能マーカーとを融合することから誘導される二官能性の選択可能融合遺伝子の使用を説明しているLuptonらのPCT/US91/08442およびPCT/US94/05601の公開公報も参照されたい。例えば、Riddellらの米国特許第6,040,177号の14~17行を参照されたい。
【0652】
4. 操作された細胞のカルチベーション、拡大増殖および製剤化
いくつかの態様では、提供される方法、使用、製造品または組成物のいずれかに従う操作された細胞(例えば、細胞療法のための)を生成するための方法は、細胞をカルチベーションするための、例えば、細胞を増殖および/または拡大増殖を促進する条件下でカルチベーションするための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作する工程、例えば、組換えポリペプチドを形質導入またはトランスフェクションによって細胞に導入する工程に続いて、増殖および/または拡大増殖を促進する条件下でカルチベーションされる。特定の態様では、細胞は、細胞が刺激条件下でインキュベートされて組換えポリヌクレオチド、例えば、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドで形質導入またはトランスフェクトされた後に、カルチベーションされる。したがって、いくつかの態様では、CARをコードする組換えポリヌクレオチドによる形質導入またはトランスフェクションによって操作されているCAR陽性T細胞の組成物は、増殖および/または拡大増殖を促進する条件下でカルチベーションされる。
【0653】
ある特定の態様では、操作されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)をコードするポリヌクレオチドで操作されている濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物であるかまたはそれらを含む。特定の態様では、濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物、例えば、同じ生体試料から選択、単離および/または濃縮された濃縮されたT細胞の2つの別々の組成物は、例えば、遺伝子操作する工程、例えば、組換えポリペプチドを形質導入またはトランスフェクションによって細胞に導入する工程に続いて、刺激条件下で別々にカルチベーションされる。ある特定の態様では、2つの別々の組成物は、濃縮されたCD4+ T細胞の組成物、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)をコードするポリヌクレオチドで操作されている濃縮されたCD4+ T細胞の組成物を含む。特定の態様では、2つの別々の組成物は、濃縮されたCD8+ T細胞の組成物、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)をコードするポリヌクレオチドで操作されている濃縮されたCD4+ T細胞の組成物を含む。いくつかの態様では、濃縮されたCD4+ T細胞および濃縮されたCD8+ T細胞の2つの別々の組成物、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)をコードするポリヌクレオチドで各々別々に操作されている濃縮されたCD4+ T細胞の組成物および濃縮されたCD8+ T細胞の組成物は、例えば、増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で、別々にカルチベーションされる。
【0654】
いくつかの態様では、カルチベーションは、増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で行われる。いくつかの態様では、そのような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の態様では、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、ならびに/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞の成長、分裂および/または拡大増殖を促進するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
【0655】
特定の態様では、細胞は、1つまたは複数のサイトカインの存在下でカルチベーションされる。特定の態様では、1つまたは複数のサイトカインは、組換えサイトカインである。いくつかの態様では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えサイトカインである。ある特定の態様では、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現されるおよび/またはそれに対して内因性である受容体に結合するおよび/またはそれに結合可能である。特定の態様では、1つまたは複数のサイトカイン、例えば、組換えサイトカインは、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーは、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、1つまたは複数の組換えサイトカインは、IL-2、IL-7および/またはIL-15を含む。いくつかの態様では、細胞、例えば、操作された細胞は、サイトカイン、例えば、組換えヒトサイトカインの存在下、1 IU/mL~2,000 IU/mL、10 IU/mL~100 IU/mL、50 IU/mL~200 IU/mL、100 IU/mL~500 IU/mL、100 IU/mL~1,000 IU/mL、500 IU/mL~2,000 IU/mL、または100 IU/mL~1,500 IU/mLの濃度でカルチベーションされる。
【0656】
いくつかの態様では、カルチベーションは、一般に、初代免疫細胞、例えばヒトTリンパ球の成長に適した温度、例えば、少なくとも約25セルシウス度、一般に少なくとも約30度、一般に37セルシウス度または約37セルシウス度を含む、条件下で実施される。いくつかの態様では、濃縮されたT細胞の組成物は、25から38℃、例えば30から37℃、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃の温度でインキュベートされる。いくつかの態様では、インキュべーションは、培養、例えば、カルチベーションまたは拡大増殖が、所望または閾値の密度、数または用量の細胞をもたらすまで一定期間行われる。いくつかの態様では、インキュべーションは、24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上を超える、または約24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上を超える、あるいは、約24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上、または24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上の期間である。
【0657】
特定の態様では、カルチベーションは、閉鎖系において実施される。ある特定の態様では、カルチベーションは、無菌条件下の閉鎖系において実施される。特定の態様では、カルチベーションは、提供されるシステムの1つまたは複数の工程と同じ閉鎖系において実施される。いくつかの態様では、濃縮されたT細胞の組成物は、閉鎖系から取り出され、カルチベーションのためにバイオリアクターに入れられるおよび/または接続される。カルチベーションのための適切なバイオリアクターの例は、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20|50、Finesse SmartRockerバイオリアクターシステム、およびPall XRSバイオリアクターシステムを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、バイオリアクターは、カルチベーション工程の少なくとも一部の間に細胞をかん流および/または混合するために使用される。
【0658】
いくつかの態様では、混合は、揺動および/または運動であるかまたはそれを含む。いくつかの場合に、バイオリアクターを、運動または揺動に供することができ、このことは、いくつかの局面では、酸素移入を高めることができる。バイオリアクターを運動させることは、バイオリアクターの水平軸に沿って回転させること、垂直軸に沿って回転させること、斜めになったもしくは傾斜した水平軸に沿った揺動運動、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。いくつかの態様では、インキュべーションの少なくとも一部は、揺動しながら行われる。揺動速度および揺動角度は、所望の撹拌を達成するために調整され得る。いくつかの態様では、揺動角度は、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°または1°である。ある特定の態様では、揺動角度は、6~16°である。他の態様では、揺動角度は、7~16°である。他の態様では、揺動角度は、8~12°である。いくつかの態様では、揺動速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40rpmである。いくつかの態様では、揺動速度は、4~12rpm、例えば4~6rpm(両端の値を含む)である。
【0659】
いくつかの態様では、バイオリアクターは、0.01 L/分、0.05 L/分、0.1 L/分、0.2 L/分、0.3 L/分、0.4 L/分、0.5 L/分、1.0 L/分、1.5 L/分、もしくは2.0 L/分、約0.01 L/分、0.05 L/分、0.1 L/分、0.2 L/分、0.3 L/分、0.4 L/分、0.5 L/分、1.0 L/分、1.5 L/分、もしくは2.0 L/分、または少なくとも0.01 L/分、0.05 L/分、0.1 L/分、0.2 L/分、0.3 L/分、0.4 L/分、0.5 L/分、1.0 L/分、1.5 L/分、もしくは2.0 L/分、または2.0 L/分を超える定常空気流で温度を37℃または37℃近くに、CO2レベルを5%または5%近くに維持する。ある特定の態様では、カルチベーションの少なくとも一部は、例えば、カルチベーションの開始に関するタイミングおよび/またはカルチベーションされた細胞の密度に依存して、かん流により、例えば290ml/日、580ml/日および/または1160ml/日の速度で実施される。いくつかの態様では、細胞培養拡大増殖の少なくとも一部は、揺動運動により、例えば、5°~10°、例えば6°の角度で、一定の揺動速度、例えば5~15RPM、例えば6RMPまたは10RPMの速度で実施される。
【0660】
いくつかの態様では、提供される方法、使用または製造品に従う、細胞療法および/または操作された細胞を製造、生成または生産するための方法は、インキュベート工程、操作工程およびカルチベーション工程の前または後の処理工程、ならびに/または記載されるような1つもしくは複数の他の処理工程から生じる、遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。いくつかの態様では、細胞の製剤化を含む処理工程の1つまたは複数は、閉鎖系において行うことができる。いくつかの場合に、培養、例えば、カルチベーションおよび拡大増殖の前または後の形質導入処理工程、ならびに/または記載されるような1つもしくは複数の他の処理工程から生じる、遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る、細胞療法および/または操作された細胞を製造、生成または産生させるための1つまたは複数の工程(例えば、遠心チャンバおよび/または閉鎖系において行われる)において、細胞が処理される。いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞は、所与の用量またはその分割量で投与するための細胞数を含む単位剤形組成物として製剤化される。
【0661】
いくつかの態様では、組換え抗原受容体(例えば、CARまたはTCR)で操作された細胞を含む細胞の用量は、組成物または製剤、例えば薬学的組成物または薬学的製剤として提供される。そのような組成物は、提供される方法に従って、例えば、疾患、病態および障害の処置において、または検出、診断および予後判定法において、ならびに使用および製造品に従って使用することができる。いくつかの場合に、細胞は、単回単位用量投与または複数回用量投与などの用量投与のための量で製剤化することができる。
【0662】
いくつかの態様では、細胞は、バッグまたはバイアルなどの容器に製剤化することができる。いくつかの態様では、バイアルは、点滴用バイアルであり得る。いくつかの態様では、バイアルは、所与の用量またはその分割量で投与するための細胞数などを含む、操作された細胞の単回単位用量で製剤化される。
【0663】
いくつかの態様では、細胞は、いくつかの局面では薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容される緩衝液中に製剤化される。いくつかの態様では、処理は、薬学的に許容されるまたは対象への投与に望まれる培地または製剤化緩衝液への培地交換を含む。いくつかの態様では、処理工程は、形質導入および/または拡大増殖された細胞を洗浄して、その細胞を1つまたは複数の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含むことができる薬学的に許容される緩衝液中へ入れ替えることを伴うことができる。薬学的に許容される担体または賦形剤を含む例示的なそのような薬学的形態は、細胞および組成物を対象に投与するのに許容される形態と併せて後述される任意のものであることができる。薬学的組成物は、いくつかの態様では、疾患または病態を処置または予防するのに有効な量、例えば、治療上有効な量または予防上有効な量で細胞を含有する。
【0664】
いくつかの態様では、製剤化緩衝液は、凍結保存剤を含有する。いくつかの態様では、細胞は、1.0%~30%のDMSO溶液、例えば5%~20%のDMSO溶液または5%~10%のDMSO溶液を含有する凍結保存溶液で製剤化される。いくつかの態様では、凍結保存溶液は、例えば、20%のDMSOおよび8%のヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBSまたは他の適切な細胞凍結培地であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、凍結保存溶液は、例えば、少なくとも7.5%または約7.5%のDMSOであるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、処理工程は、形質導入および/または拡大増殖された細胞を洗浄して、その細胞を凍結保存溶液中へ入れ替えることを伴うことができる。いくつかの態様では、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%もしくは5.0%、または約12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%もしくは5.0%、または1%~15%、6%~12%、5%~10%もしくは6%~8%のDMSO終濃度の培地および/または溶液中に凍結される、例えば、凍結保護または凍結保存される。特定の態様では、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%もしくは0.25%、または約5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%もしくは0.25%、または0.1%~5%、0.25%~4%、0.5%~2%もしくは1%~2%のHAS終濃度の培地および/または溶液中に凍結される、例えば、凍結保護または凍結保存される。
【0665】
いくつかの態様では、製剤化は、細胞、例えば培養または拡大増殖された細胞を洗浄、希釈または濃縮することを含む1つまたは複数の処理工程を使用して行われる。いくつかの態様では、処理は、所望の濃度または数、例えば所与の用量またはその分割量で投与するための細胞数を含む単位剤形組成物へと細胞を希釈または濃縮することを含むことができる。いくつかの態様では、処理工程は、体積減少を含み、それによって細胞の濃度を望まれるように増加させることができる。いくつかの態様では、処理工程は、体積追加を含み、それによって細胞の濃度を望まれるように減少させることができる。いくつかの態様では、処理は、形質導入および/または拡大増殖された細胞に一定体積の製剤化緩衝液を加えることを含む。いくつかの態様では、その製剤化緩衝液の体積は、10mLから1000mLまたは約10mLから1000mL、例えば、少なくとも50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mL、または少なくとも約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mL、または約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mL、または50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mLである。
【0666】
いくつかの態様では、細胞組成物を製剤化するためのそのような処理工程は、閉鎖系において行われる。例示的なそのような処理工程は、Sepax(登録商標)またはSepax 2(登録商標)細胞処理システムと共に使用するためのものを含め、Biosafe SAによって製造販売されている遠心チャンバなどの細胞処理システムに関連する1つまたは複数のシステムまたはキットと組み合わされた遠心チャンバを使用して実施することができる。例示的なシステムおよびプロセスは、国際公開公報第WO2016/073602号に記載されている。いくつかの態様では、該方法は、遠心チャンバの内部キャビティからの、上述の態様のいずれかにおける製剤化された組成物(薬学的に許容される緩衝液などの製剤化緩衝液中に製剤化されたことで得られた細胞の組成物である)の圧出を達成することを含む。いくつかの態様では、製剤化された組成物の圧出は、閉鎖系の一部として遠心チャンバと動作可能に連結されている容器への、例えば、本明細書に記載の医用材料ケースのバイアルへの圧出である。いくつかの態様では、医用材料ケースは、統合および/または動作可能な接続のために構成され、かつ/または、1つまたは複数の処理工程を行う閉鎖系またはデバイスに統合または動作可能に接続される。いくつかの態様では、医用材料ケースは、排出ラインまたは排出位置でシステムに接続される。いくつかの場合に、閉鎖系は、注入チューブで医用材料ケースのバイアルに接続される。本明細書に記載の医用材料ケースと共に使用するための例示的な閉鎖系は、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムを含む。
【0667】
いくつかの態様では、閉鎖系、例えば、遠心チャンバまたは細胞処理システムに関連する閉鎖系は、製剤化された組成物の圧出のために1つまたは複数の容器を接続することができるポートとチューブラインの各端部で接続された多方向チューブマニホールドを含有する、多ポート排出キットを含む。いくつかの局面では、所望の数または複数のバイアルを、1つまたは複数、一般に2つ以上、例えば少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つまたはそれ以上の多ポート排出のポートに無菌的に接続することができる。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数の容器、例えば、医用材料ケースを、ポートに、または全ポートよりも少ないポートに取り付けることができる。したがって、いくつかの態様では、システムは、医用材料ケースの複数のバイアルへの排出組成物の圧出を達成することができる。
【0668】
いくつかの局面では、細胞は、複数の排出容器、例えば、バイアルの1つまたは複数に、単回単位用量投与または複数回用量投与などの用量投与のための量で圧出させることができる。例えば、いくつかの態様では、バイアルは各々、所与の用量またはその分割量で投与するための細胞数を含有し得る。したがって、各バイアルは、いくつかの局面では、投与のための単回単位用量を含有してもよく、複数のバイアルのうち1を超える、例えば2つのバイアルまたは3つのバイアルが一緒になって投与のための一用量を構成するように所望の用量の分割量を含有してもよい。いくつかの態様では、4つのバイアルが一緒になって投与のための一用量を構成する。
【0669】
したがって、容器、例えば、バッグまたはバイアルは、一般に、投与されるべき細胞、例えば、その1つまたは複数の単位用量を含有する。単位用量は、対象に投与されるべき細胞の量もしくは数、またはその投与されるべき細胞の数の2倍(もしくはそれ以上)であり得る。単位用量は、対象に投与されるだろう細胞の最低用量または最低可能用量であり得る。いくつかの局面では、提供される製造品は、複数の排出容器の1つまたは複数を含む。
【0670】
いくつかの態様では、容器、例えば、バッグまたはバイアルの各々は、単位用量の細胞を別々に含む。したがって、いくつかの態様では、容器の各々は、同じまたは大体もしくは実質的に同じ数の細胞を含む。いくつかの態様では、各単位用量は、1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または約1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または少なくとも1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または少なくとも約1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個の操作された細胞、総細胞、T細胞、またはPBMCを含有する。いくつかの態様では、各単位用量は、1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または約1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または少なくとも1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個、または少なくとも約1×106、2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108個のCAR+ T細胞(CD3+、例えばCD4+またはCD8+、またはその生存サブセットである)を含有する。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、10mLまたは約10mL~100mLまたは約100mL、例えば、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mL、または約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mL、または少なくとも20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mL、または少なくとも約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、1mLまたは約1mL~10mLまたは約10mL、例えば1mLまたは約1mL~5mLまたは約5mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4mLまたは約4mL~5mLまたは約5mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.4mLであるかまたは約4.4mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.5mLであるかまたは約4.5mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.6mLであるかまたは約4.6mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.7mLであるかまたは約4.7mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.8mLであるかまたは約4.8mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、4.9mLであるかまたは約4.9mLである。いくつかの態様では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、5.0mLであるかまたは約5.0mLである。
【0671】
いくつかの態様では、製剤化された細胞組成物は、0.5×106個または約0.5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、1.0×106個または約1.0×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、1.5×106個または約1.5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.0×106個または約2.0×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.5×106個または約2.5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.6×106個または約2.6×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.7×106個または約2.7×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.8×106個または約2.8×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、2.9×106個または約2.9×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、3.0×106個または約3.0×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、3.5×106個または約3.5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、4.0×106個または約4.0×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、4.5×106個または約4.5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える、あるいは5×106個または約5×106個の組換え受容体発現(例えば、CAR+)/CD3+細胞またはそのような生存細胞/mLを超える濃度を有する。いくつかの態様では、CD3+細胞は、CD4+ T細胞である。いくつかの態様では、CD3+細胞は、CD8+ T細胞である。いくつかの態様では、CD3+ T細胞は、CD4+およびCD8+ T細胞である。
【0672】
いくつかの態様では、容器、例えば、バッグまたはバイアル中の細胞を凍結保存することができる。いくつかの態様では、容器、例えば、バイアルは、さらなる使用まで液体窒素中で貯蔵することができる。
【0673】
いくつかの態様では、該方法によって産生されたそのような細胞、またはそのような細胞を含む組成物は、疾患または病態を処置するために、例えば、本明細書に記載の方法、使用および製造品に従って対象に投与される。
【0674】
III. 処置のアウトカムを評価および予測し、そして、処置の対象を選択する方法
また、併用療法で処置するおよび/もしくは併用療法を継続する対象を同定するため、ならびに/または処置に対する応答(例えば、処置に対する応答性または抵抗性)を予測もしくは評価するため、ならびに/または処置のアウトカムをモニタリングするための、1つまたは複数の評価またはスクリーニング工程を含む方法が本明細書において提供される。提供される方法は、1つまたは複数の生存促進遺伝子(すなわち、抗アポトーシス遺伝子、例えば「抵抗性遺伝子」)の発現(例えば、発現の増加)が、CAR-T細胞等の細胞傷害性療法に対する抵抗性の増大または応答の欠如と関連がある可能性があるという知見に基づいている。提供される方法は、更に、3ヶ月PD遺伝子シグネチャを有する処置前DLBCL腫瘍生検材料が、CAR-T細胞等の細胞傷害性療法に対する抵抗性の増大または応答の欠如と関連があり、一方、3ヶ月CR遺伝子シグネチャを有する処置前DLBCL腫瘍生検材料が、CAR-T細胞等の細胞傷害性療法に対する抵抗性または応答性の低下と関連があるという知見に基づいている。特に、T細胞マーカー、例えばCD3の発現の増加は、CAR T細胞処置のアウトカムの改善(例えば、CR)と関連があり、一方、T細胞マーカー、例えばCD3の発現の減少は、CAR T細胞処置のアウトカムの悪化(例えば、PD)と関連がある。更に、EZH2およびEZH2標的遺伝子の発現の減少は、CAR T細胞処置のアウトカムの改善(例えば、CR)と関連があり、一方、EZH3およびEZH2標的遺伝子の発現の増加は、CAR T細胞処置のアウトカムの悪化(例えば、PD)と関連がある。いくつかの態様では、方法は、対象におけるT細胞療法の応答の可能性または効力を改善する。
【0675】
いくつかの態様では、記載されているいずれか、例えばCAR T細胞等のT細胞療法で処置するための対象を選択する工程を含む方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、方法は、(a)がんを有するかもしくは有すると疑われる対象からの生物学的試料中のEZH2もしくは表E2に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の遺伝子のレベルもしくは量、および/または該対象からの生物学的試料中のT細胞マーカー、任意でCD3εもしくは表E4に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量を評価する工程、ならびに(b)T細胞療法と組み合わせてEZH2阻害剤で処置するための、がんを有する対象を選択する工程を含む。いくつかの態様では、方法は、(a)がんを有するかもしくは有すると疑われる対象からの生物学的試料中の表E2によって与えられる1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または該対象からの生物学的試料中の表E4によって与えられる1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程、ならびに(b)T細胞療法と組み合わせてEZH2阻害剤で処置するための、がんを有する対象を選択する工程を含む。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)によって決定される。
【0676】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤で処置するための対象を選択する方法であって、該対象が、記載されているいずれか、例えばCAR T細胞等のT細胞療法の投与を受ける方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、対象は、がんを有する。いくつかの態様では、方法は、(a)がんを有するかもしくは有すると疑われる対象からの生物学的試料中のEZH2もしくは表E2に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の遺伝子のレベルもしくは量、および/または該対象からの生物学的試料中のT細胞マーカー、任意でCD3εもしくは表E4に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量を評価する工程であって、1つもしくは複数の遺伝子のレベルもしくは量が、1つもしくは複数の遺伝子によってコードされているタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、そして、対象がT細胞療法の投与を受けることになっており、そして、生物学的試料がT細胞療法の投与の前に対象から得られたものである工程、ならびに(b)1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量が遺伝子基準値を上回る場合、および/または1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量が遺伝子基準値を下回る場合、T細胞療法と組み合わせてEZH2阻害剤で処置するための、がんを有する対象を選択する工程を含む。いくつかの場合では、方法は、例えば提供される方法のいずれかに従って、選択された対象にT細胞療法と組み合わせて阻害剤を投与する工程を更に含む。他の場合では、対象が、提供された方法に従って阻害剤で処置するために選択されない場合、阻害剤と組み合わせて投与することなしにT細胞療法のみが対象に投与される。
【0677】
いくつかの態様では、T細胞療法療法による処置に対して抵抗性であると予測されるがんを有する対象を同定する方法であって、(1)そのように予測される場合、T細胞療法の計画または予定された投薬以外の代替処置を対象に提供し、そして、(2)そのように予測されない場合、計画または予定された投薬等でT細胞療法を対象に提供する方法が本明細書において提供される。このような態様では、方法は、(a)(i)対象からの生物学的試料中のEZH2もしくは表E2に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量、および/または(ii)該対象からの生物学的試料中のT細胞マーカー、任意でCD3εもしくは表E4に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量を評価する工程であって、1つもしくは複数の遺伝子のレベルもしくは量が、該遺伝子によってコードされているタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、そして、対象が、用量のT細胞療法の投与の候補であり、そして、生物学的試料が、用量のT細胞療法を対象に投与する前に対象から得られたものである工程、ならびに(b)(i)1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量が遺伝子基準値を上回る場合、および/または(ii)1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量が遺伝子基準値を下回る場合、対象を、T細胞療法による処置に対して抵抗性であると予測されるがんを有すると同定する工程を含む。いくつかの態様では、方法は、(a)(i)対象からの生物学的試料中の表E2によって与えられる1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象からの生物学的試料中の表E4によって与えられる1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、対象が、用量のT細胞療法の投与の候補であり、そして、生物学的試料が、用量のT細胞療法を対象に投与する前に対象から得られたものである工程、ならびに(b)(i)1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレートされる場合、および/または(ii)1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレートされる場合、対象を、T細胞療法による処置に対して抵抗性であると予測されるがんを有すると同定する工程を含む。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)によって決定される。
【0678】
いくつかの態様では、対象が、T細胞療法による処置に対して抵抗性であると予測されるがんを有すると同定された場合、方法は、同定された対象に代替処置を投与する工程を更に含み、代替処置は、以下:T細胞療法とT細胞療法の活性を調節もしくは増加させる追加の剤とを含む併用療法、T細胞療法の用量の増加、および/または化学療法剤の中から選択される。いくつかの態様では、代替処置は、T細胞療法による処置に対して抵抗性ではないと予測されるがんを有すると同定された対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して増加させた用量のT細胞療法である。いくつかの局面では、T細胞療法の用量の増加は、細胞傷害性療法による処置に対して抵抗性ではないと予測されるがんを有すると同定された対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して、T細胞療法の細胞数を増加させることを含む。いくつかの態様では、代替処置は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン、ビンクリスチン、フルダラビン、ベンダムスチン、および/またはリツキシマブ等の化学療法剤による処置である。いくつかの態様では、代替処置は、T細胞療法と、T細胞療法の活性を調節または増加させる追加の剤、例えば、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路の調節作用物質、アデノシン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体、または抗TGFβR抗体、サイトカインである追加の剤とを含む併用処置である。いくつかの態様では、代替処置は、例えば、提供される方法のいずれかに従う、T細胞療法およびEZH2阻害剤の併用処置を含む。任意のそのような態様のいくつかでは、細胞傷害性処置は、がんの細胞に関連する、がんの細胞によって発現される、またはがんの細胞上に存在する抗原に結合する組換え受容体を発現する細胞を含む。
【0679】
いくつかの態様では、対象がT細胞療法による処置に対して抵抗性ではないと予測されるがんを有すると同定された場合、計画された用量またはスケジュールで対象にT細胞療法が投与される。
【0680】
いくつかの態様では、がんを有する対象のT細胞療法に対する応答性を判定する方法であって、対象がT細胞療法の投与を受けたことがあるものである方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、方法は、(a)(i)対象からの生物学的試料中のEZH2もしくは表E2に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量、および/または(ii)対象からの生物学的試料中のT細胞マーカー、任意でCD3εもしくは表E4に記載の遺伝子セットから選択される1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量を評価する工程であって、1つもしくは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つもしくは複数の遺伝子によってコードされているタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、生物学的試料が、対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点で対象から得られ、そして、対象がT細胞療法による処置を受けることになっている工程、(b)(i)対象からの生物学的試料中の1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量、および/または(ii)対象からの生物学的試料中の1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量を評価する工程であって、1つもしくは複数の遺伝子のレベルまたは量が、1つもしくは複数の遺伝子によってコードされているタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、生物学的試料が、対象にT細胞療法が投与された後の第2の時点で対象から得られ、そして、(b)における評価の前に対象にT細胞療法が投与されたことがある工程、ならびに(c)(i)第2の時点における1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量が、第1の時点における1つもしくは複数の第1の遺伝子のレベルもしくは量よりも少ない、および/または(ii)第2の時点における1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量が、第1の時点における1つもしくは複数の第2の遺伝子のレベルもしくは量よりも多い場合、対象がT細胞療法に対して応答すると判定する工程を含む。いくつかの態様では、方法は、(a)(i)対象からの生物学的試料中の表E2によって与えられる1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象からの生物学的試料中の表E4によって与えられる1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、生物学的試料が、対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点で対象から得られ、そして、対象がT細胞療法による処置を受けることになっている工程、(b)(i)対象からの生物学的試料中の1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または(ii)対象からの生物学的試料中の1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現を評価する工程であって、生物学的試料が、対象にT細胞療法が投与された後の第2の時点で対象から得られ、そして、(b)における評価の前に対象にT細胞療法が投与されたことがある工程、ならびに(c)(i)第2の時点における1つもしくは複数の第1の遺伝子セットの発現が、第1の時点における第1の遺伝子セットの発現と比較してダウンレギュレートされる、および/または(ii)第2の時点における1つもしくは複数の第2の遺伝子セットの発現が、第1の時点における第2の遺伝子セットの発現と比較してアップレギュレートされる場合、対象がT細胞療法に対して応答すると判定する工程を含む。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)によって決定される。
【0681】
以下のサブセクションでは、提供される方法のいずれかを実行するための具体的な特徴を提供する。
【0682】
A. 試料
特定の態様では、試料において1つまたは複数の遺伝子産物の発現を測定、評価、および/または判定する。特定の態様では、試料において(例えば、遺伝子セットに含まれる)複数の遺伝子産物の発現を測定、評価、および/または判定する。いくつかの局面では、遺伝子セットは、複数の遺伝子を含む。いくつかの局面では、複数の遺伝子は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも150個の遺伝子を含む。特定の態様では、試料において1つまたは複数の遺伝子セットの発現を測定、評価、および/または判定する。提供される態様では、試料は、対象から採取、収集、および/または入手された生物学的試料である。具体的な態様では、試料は、腫瘍試料、例えば、腫瘍生検試料である。具体的な態様では、試料は、血液試料である。特定の態様では、対象は、疾患もしくは病態を有する、および/または疾患もしくは病態を有すると疑われる。いくつかの態様では、対象は、療法を受けたことがある、受ける予定である、または受ける候補である。具体的な態様では、試料は、療法が投与されたことがある、投与される予定である、または投与される候補である対象から採取、収集、および/または入手される。具体的な態様では、試料は、療法による処置または投与の前に採取、収集、および/または入手される。
【0683】
具体的な態様では、対象は、まだ療法を受けたことがない。いくつかの態様では、対象は、評価後の後続の時点で療法を受けることが予定されているか、または受ける予定である。他の態様では、対象は、療法を受ける候補であり、そして、提供される方法に従った評価の結果に応じて、療法を受けてもよく、代替の療法または処置を受けてもよい。このような態様のいずれかにおいて、試料は、療法の投与を受ける前の対象からの試料である。いくつかの態様では、試料は、腫瘍試料、例えば、腫瘍生検試料である。いくつかの態様では、試料は、血液試料である。
【0684】
特定の態様では、方法は、療法の投与を受けたことがある対象における応答をモニタリングする工程を含む。そのような態様では、方法は、療法を投与する前の時点での第1の試料および療法を投与した後の時点での第2の試料の評価を含む。いくつかの態様では、第1の試料は、療法の投与を受ける前の対象からの試料である。いくつかの態様では、第2の試料は、療法の投与を受けた後の対象からの試料である。いくつかの態様では、試料は、腫瘍試料、例えば、生検試料である。いくつかの態様では、試料は、血液試料である。
【0685】
いくつかの態様では、療法は、細胞療法の投与である。具体的な態様では、療法は、免疫療法の投与である。具体的な態様では、療法は、EZH2阻害剤の投与である。具体的な態様では、療法は、細胞療法およびEZH2阻害剤の投与を含む併用療法である。具体的な態様では、療法は、免疫療法およびEZH2阻害剤の投与を含む併用療法である。特定の態様では、細胞療法は、疾患または病態を処置するおよび/または処置することができる。いくつかの態様では、療法は、1つまたは複数の遺伝子操作細胞を含有する細胞療法である。いくつかの態様では、遺伝子操作細胞は、組み換え受容体を発現する。具体的な態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。特定の態様では、免疫療法は、疾患または病態を処置するおよび/または処置することができる。いくつかの態様では、免疫療法は、T細胞エンゲージング療法、例えば、二重特異性T細胞エンゲージャ(BiTE)療法である。
【0686】
具体的な態様では、試料は、療法が投与されたことがある、投与される予定である、または投与される候補である対象から採取、収集、および/または入手される。具体的な態様では、試料は、療法、例えば、細胞療法または免疫療法による処置または投与の前に採取、収集、および/または入手される。具体的な態様では、療法、例えば、細胞療法または免疫療法による処置または投与の前に第1の試料を採取、収集、および/または入手し、そして、療法による処置または投与の後に第2の試料を採取、収集、および/または入手する。本明細書において記載される方法、キット、および製品に従って、臨床的アウトカムと関連があるおよび/または相関がある1つまたは複数の遺伝子産物について試料を評価することができる。療法を受ける前に対象から収集または入手した試料における発現に基づいて臨床的アウトカムと関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子産物は、EZH2、ならびに表E2、E3、E4、およびE5に記載されているものを含む。療法を受ける前に対象から収集または入手した試料における発現に基づいて臨床的アウトカムと関連があるおよび/または相関がある追加の例示的な遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれか、ならびにこれらの組み合わせを含む。療法を受ける前に対象から収集または入手した試料における発現に基づいて臨床的アウトカムと関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子セットは、表E2、E3、E4、およびE5のそれぞれによって与えられるものを含む。療法を受ける前に対象から収集または入手した試料における発現に基づいて臨床的アウトカムと関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子セットは、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれか、ならびにこれらの組み合わせを含む。したがって、いくつかの局面では、提供される方法は、免疫療法または細胞療法(例えば、CAR-T細胞)を受ける前に、特定の臨床的アウトカム、例えば、完全奏功(CR)または進行(PD)を達成する可能性が高い対象を同定することに関する。本明細書において他の箇所に記載されているように、方法を使用して、対象が免疫療法もしくは細胞療法の投与の候補であるかどうか、対象が免疫療法もしくは細胞療法およびEZH2阻害剤を含む併用療法の投与の候補であるかどうか、ならびに/または対象が療法に応答して臨床的アウトカムを呈する、例えば、細胞療法または免疫療法の投与に応答してCRまたはPDを呈する可能性が高いかどうかを判定することができる。
【0687】
いくつかの局面では、提供される方法は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法)等の療法を受ける前に、療法に対する応答、例えば完全奏功(CR)を呈する可能性がある対象、または療法の投与に対して完全奏功(CR)を呈する可能性が高い対象を同定することに関する。いくつかの局面では、提供される方法は、細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法)等の療法を受ける前に、療法に対して抵抗性である可能性があるまたは抵抗性であると予測される、例えば、療法により部分奏功(PR)を呈する可能性があるもしくは呈すると予測される、療法により非奏功/安定(NR/SD)を呈する可能性があるもしくは呈すると予測される、療法により不完全奏功/安定(SD)を呈する可能性があるもしくは呈すると予測される、または療法後に進行(PD)を呈する可能性があるもしくは呈すると予測される対象、および/あるいは療法の投与により完全奏功(CR)を呈さない可能性が高い対象を同定することに関する。本明細書において他の箇所に記載されているように、方法を使用して、療法、例えば、細胞療法または免疫療法の投与に応答して、対象が完全奏功(CR)、部分奏功(PR)、非奏功/安定(NR/SD)、不完全奏功/安定(SD)、および/または進行(PD)を呈する可能性が高いかどうかを判定することができる。
【0688】
いくつかの態様では、試料は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法による処置または投与の前に採取、収集、および/または入手される。本明細書において記載される方法、キット、および製品に従って、免疫療法を受けた後の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)と関連があるおよび/または相関がある1つまたは複数の遺伝子産物について試料を評価することができる。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子産物は、EZH2、ならびに表E2、E3、E4、およびE5に記載されているものである。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれか、ならびにこれらの組み合わせである。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子セットは、表E2、E3、E4、およびE5のそれぞれによって与えられるものである。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子セットは、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれか、ならびにこれらの組み合わせである。いくつかの態様では、試料は、療法、例えば免疫療法または細胞療法の投与開始前の0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上以内、あるいは投与開始前の約0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上以内、あるいは投与開始の約0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上前に収集される。
【0689】
いくつかの態様では、試料は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法による処置または投与の後に採取、収集、および/または入手される。本明細書において記載される方法、キット、および製品に従って、免疫療法を受けた後の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)と関連があるおよび/または相関がある1つまたは複数の遺伝子産物について試料を評価することができる。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子産物は、EZH2、ならびに表E2、E3、E4、およびE5に記載されているものである。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれか、ならびにこれらの組み合わせである。免疫療法または細胞療法を受けた後に対象から収集または入手された試料における発現に基づいて臨床的アウトカムの可能性および/または確率と関連があるおよび/または相関がある例示的な遺伝子セットは、EZH2、ならびに表E2、E3、E4、およびE5のそれぞれによって与えられるものである。いくつかの態様では、試料は、療法の投与開始後の0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上以内、あるいは投与開始後の約0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上以内、あるいは投与開始の約0、1、2、3、4、5、6、9、12、18、もしくは24時間、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、21、28日、またはそれ以上後に対象から収集、採取、および/または入手される。いくつかの局面では、試料は、対象が、療法の投与後に応答、例えば、CR、PR、NR/SD、SD、および/またはPDの兆候または徴候を呈する前に収集される。
【0690】
いくつかの態様では、試料は、病態または疾患を有するかまたは有すると疑われる対象から採取、収集、および/または入手される。いくつかの態様では、対象は、がんまたは増殖性疾患を有するかまたは有すると疑われる。具体的な態様では、対象は、抗原に関連するおよび/または抗原を発現する疾患細胞に関連する疾患または病態を有するかまたは有すると疑われる。いくつかの態様では、疾患または病態、例えば、がんまたは増殖性障害は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9;CAIXまたはG250としても知られている)、がん-精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG;NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerbB2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG;5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1;TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2;ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、又はDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、および/または病原体特異的なもしくは病原体で発現する抗原に関連する。いくつかの態様では、抗原は、CD19である。いくつかの態様では、抗原は、ウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBV等からのウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。特定の態様では、対象は、CD19に関連するおよび/またはCD19を発現する疾患細胞に関連する疾患もしくは病態を有するかまたは有すると疑われる。特定の態様では、対象は、EZH2に関連するおよび/またはEZH2を発現する疾患細胞に関連する疾患もしくは病態を有するかまたは有すると疑われる。特定の態様では、対象は、EZH2の過剰発現に関連するおよび/またはEZH2を過剰発現する疾患細胞に関連する疾患もしくは病態を有するかまたは有すると疑われる。特定の態様では、対象は、変異型EZH2の発現に関連するおよび/または変異型EZH2を発現する疾患細胞に関連する疾患もしくは病態を有するかまたは有すると疑われる。
【0691】
いくつかの態様では、試料は、B細胞悪性腫瘍または血液悪性腫瘍であるがんまたは増殖性疾患を有するかまたは有すると疑われる対象から採取、収集、および/または入手される。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)、リンパ腫または白血病、リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)および/または急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの態様では、がんまたは増殖性疾患は、NHLである。いくつかの態様では、対象は、NHLを有するかまたは有すると疑われる。いくつかの態様では、NHLは、DLBCLである。いくつかの態様では、NHLは、DLBCLの胚中心B細胞様(GCB)サブタイプである。いくつかの態様では、NHLは、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない。いくつかの態様では、NHLは、成人DLBCLである。具体的な態様では、NHLは、FLである。具体的な態様では、NHLは、小児FLである。
【0692】
特定の態様では、試料は、生物学的試料である。特定の態様では、試料は、組織試料である。具体的な態様では、試料は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患していると疑われる組織であるかまたは含む。いくつかの態様では、試料は、がんまたは増殖性疾患に罹患しているかまたは罹患していると疑われる組織であるかまたは含む。いくつかの態様では、試料は、生検材料である。
【0693】
特定の態様では、試料は、腫瘍を有するかまたは有すると疑われる組織から収集される。具体的な態様では、試料は、腫瘍および/または腫瘍微小環境であるかまたは含む。具体的な態様では、腫瘍は、前がん性もしくはがん性であるか、またはがん性もしくは前がん性であると疑われる。特定の態様では、腫瘍は、原発性腫瘍である、すなわち、腫瘍は、病変が最初に発症または出現した解剖学的部位にみられる。いくつかの態様では、腫瘍は、続発性腫瘍、例えば、体内の異なる部位内に位置する原発性腫瘍内の細胞から発生したがん性腫瘍である。いくつかの態様では、試料は、がん細胞および/または腫瘍細胞である1つまたは複数の細胞を含有する。
【0694】
具体的な態様では、試料は、非血液がん、例えば固形腫瘍に関連するかもしくはそれによって引き起こされる、または関連するかもしくはそれによって引き起こされると疑われる病変および/または腫瘍から収集される。いくつかの態様では、腫瘍は、膀胱がん、肺がん、脳がん、メラノーマ(例えば、小細胞肺がん、メラノーマ)、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、子宮内膜がん、食道がん、腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、皮膚がん、甲状腺がん、リンパ節がん、または子宮がんに関連するかもしくはそれによって引き起こされる、または関連するかもしくはそれによって引き起こされると疑われる。いくつかの態様では、病変は、膵臓がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頸部がん、メラノーマ、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟部組織肉腫に関連するかまたはそれによって引き起こされる。特定の態様では、試料は、リンパ節組織、例えば、リンパ節生検材料を含有する。特定の態様では、試料は、1つまたは複数のがん細胞を含有する。いくつかの態様では、試料は、がん性であると疑われる1つまたは複数の細胞を含有する。
【0695】
いくつかの態様では、試料は、B細胞悪性腫瘍または血液悪性腫瘍に関連するかまたはそれによって引き起こされる病変または腫瘍から収集される。いくつかの態様では、病変または腫瘍は、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)、リンパ腫または白血病、リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、および/または急性骨髄性白血病(AML)に関連する。いくつかの態様では、病変または腫瘍は、NHL、例えば、DLBCLまたはFLに関連するかまたはそれによって引き起こされる。いくつかの態様では、病変または腫瘍は、DLBCLである。いくつかの態様では、病変または腫瘍は、FLである。
【0696】
いくつかの態様では、試料は、組織試料、例えば、組織生検材料である。具体的な態様では、試料は、結合組織、筋肉組織、神経組織、または上皮組織から入手、収集、または採取される。特定の態様では、病変は、心臓、血管系、唾液腺、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、結腸、直腸、視床下部、下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎、腎臓、尿管、膀胱、乳房、尿道、リンパ系、皮膚、筋肉、脳、脊髄、神経、卵巣、子宮、精巣、前立腺、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、骨、軟骨、靭帯、または腱に存在する。具体的な態様では、試料は、骨髄から入手、収集、または採取される。いくつかの態様では、試料は、骨髄穿刺液である。
【0697】
いくつかの態様では、試料は、対象からの体液である。いくつかの態様では、試料は、血液、血清、血漿、または尿の試料である。いくつかの態様では、試料は、血漿試料である。
【0698】
具体的な態様では、試料は、療法、例えば、細胞療法または免疫療法を含有しない。具体的な態様では、試料は、細胞療法の任意の細胞、例えば、遺伝子操作細胞を含有しない。具体的な態様では、療法は、T細胞療法を含み、そして、試料は、療法の任意の遺伝子操作T細胞および/または任意のT細胞を含有しない。具体的な態様では、試料は、組換え受容体、例えばCARを発現する任意の遺伝子操作細胞を含有しない。いくつかの態様では、試料は、CARを発現する細胞を含有しない。特定の態様では、試料は、セクションI、セクションII、またはセクションIV等、本明細書において記載される任意の療法も療法の構成要素も含有しない。
【0699】
提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの骨髄穿刺液であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。
【0700】
提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えばRNA、例えばmRNAである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からのリンパ節生検材料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。
【0701】
提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、NHLを有する対象、またはNHLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチドである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、DLBCLを有する対象、またはDLBCLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチドである。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、タンパク質である。提供される態様のいずれかにおいて、試料は、FLを有する対象、またはFLを有する可能性が高いもしくは有すると疑われる対象からの体液試料であり、そして、遺伝子産物は、ポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、体液試料は、血漿試料である。いくつかの態様では、体液試料は、血液試料である。
【0702】
B. 遺伝子産物および遺伝子セット
いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、処置(例えば、療法または併用療法)に対する応答(例えば、臨床応答)を評価、予測、推測、および/または推定するために、試料の1つまたは複数の遺伝子の発現(本明細書において互換的に1つまたは複数の「遺伝子産物」と称される)を測定、評価、決定、および/または定量する、例えば、遺伝子発現プロファイルを決定する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、処置(例えば、療法または併用療法)に対する応答(例えば、臨床応答)を評価、予測、推測、および/または推定するために、試料のセットの複数の遺伝子の発現(本明細書において1つまたは複数の「遺伝子セット」と称される)を測定、評価、決定、および/または定量する、例えば、遺伝子発現プロファイルを決定する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様では、試料は、療法、例えば免疫療法または細胞療法、例えばCAR-T細胞療法を投与されたことがある、投与される、投与される予定である、または投与される候補である対象から採取、収集、および/または入手される。いくつかの態様では、試料は、療法、例えばEZH2阻害剤を投与されたことがある、投与される、投与される予定である、または投与される候補である対象から採取、収集、および/または入手される。いくつかの態様では、試料は、併用療法、例えばCAR-T細胞療法およびEZH2阻害剤を投与されたことがある、投与される、投与される予定である、または投与される候補である対象から採取、収集、および/または入手される。
【0703】
具体的な態様では、試料は、細胞療法または免疫療法(例えば、CAR-T細胞療法)等の療法を受ける前、例えば、療法を受ける前0~7日以内、例えば、療法を受ける前1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、または7日以内の対象からのものである。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子の発現は、臨床的アウトカム、療法に対するT細胞応答、およびNHLのサブタイプ(例えば、DLBCLまたはFL)のうちの1つまたは複数を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子の発現は、対象が療法に対する応答(例えば、臨床応答)、例えば、完全奏功(CR)、完全奏功不明(CRU)、部分奏功(PR)、非奏功/安定(NR/SD)、不完全奏功/安定(SD)、および/または進行(PD)を有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子の発現は、対象が療法に対するT細胞応答、例えば、対象におけるTMEへのT細胞の浸潤または対象におけるTMEからのT細胞の排除を有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子の発現は、対象がNHLのサブタイプ、例えば、DLBCLまたはFLを有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、臨床的アウトカム、療法に対するT細胞応答、およびNHLのサブタイプ(例えば、DLBCLまたはFL)のうちの1つまたは複数を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、対象が療法に対する応答(例えば、臨床応答)、例えば、完全奏功(CR)、完全奏功不明(CRU)、部分奏功(PR)、非奏功/安定(NR/SD)、不完全奏功/安定(SD)、および/または進行(PD)を有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、対象が療法に対するT細胞応答、例えば、対象におけるTMEへのT細胞の浸潤または対象におけるTMEからのT細胞の排除を有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、対象がNHLのサブタイプ、例えば、DLBCLまたはFLを有する可能性および/または確率を予測する、相関がある、および/または関連がある。
【0704】
具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現が、療法の投与に対する臨床的アウトカム、例えば、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPD、例えば、療法的処置の投与に対する臨床応答を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、特定の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、特定の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連があるEZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連があるCD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連があるPDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のうちの1つまたは複数の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある表1aおよび/または表E2Aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現が、療法の投与に対する臨床的アウトカム、例えば、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPD、例えば、療法的処置の投与に対する臨床応答を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、特定の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子セットを含む。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、特定の臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子セットを含む。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRの可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある表1aおよび/またはE2Aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。
【0705】
具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRと負の相関があるEZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRと負の相関がある表1aおよび/または表E2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDと負の相関があるCD3等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDと負の相関がある表2aおよび/または表E2Bによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRと負の相関がある表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、CRと負の相関がある表1aおよび/または表E2aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDと負の相関がある表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDと負の相関がある(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、PDと負の相関がある表2aおよび/または表E2Bのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0706】
特定の態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表4aおよび/または表E2Aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、CD3等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGIT等のT細胞活性化マーカー遺伝子を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある。特定の態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGIT等のT細胞活性化マーカー遺伝子を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある。特定の態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表3aおよび/または表E2Bによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表4aおよび/または表E2Aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表3aおよび/または表E2Bのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0707】
具体的な態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表4aおよび/または表E2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGIT等のT細胞活性化マーカー遺伝子を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある。いくつかの態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGIT等のT細胞活性化マーカー遺伝子を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある。いくつかの態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表3aおよび/または表E2Bによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるPDの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表4aおよび/または表E2aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるCRの可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表3aおよび/または表E2Bのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。
【0708】
いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットのうちの1つまたは複数に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してPDを呈することが予測される対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットのうちの1つまたは複数に含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害剤とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択された対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットのそれぞれに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してPDを呈することが予測される対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。いくつかの態様では、HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットのそれぞれに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害剤とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択された対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。
【0709】
いくつかの態様では、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE遺伝子セットに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)に応答してCRを呈することが予測される対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。いくつかの態様では、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE遺伝子セットに含まれる遺伝子から選択される複数の遺伝子は、EZH2阻害作用とT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)との組み合わせによる処置のために選択された対象(例えば、処置前の腫瘍生検材料)においてアップレギュレートされる。
【0710】
具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む(すなわち、1つまたは複数の遺伝子の発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置によってダウンレギュレートされる)。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む(すなわち、1つまたは複数の遺伝子の発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置によってアップレギュレートされる)。具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子セットを含む(すなわち、1つまたは複数の遺伝子の発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置によってダウンレギュレートされる)。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む(すなわち、1つまたは複数の遺伝子の発現が、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置によってアップレギュレートされる)。
【0711】
特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からのEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からのEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。
【0712】
具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からのEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と負の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からのEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と負の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0713】
特定の態様では、対象から入手された試料におけるEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料におけるEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0714】
具体的な態様では、対象から入手された試料におけるEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料におけるEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。
【0715】
具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現が、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子の発現は、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。具体的な態様は、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現が、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除を予測する、相関がある、および/または関連があることを企図する。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、療法後の対象におけるT細胞応答、例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある1つまたは複数の遺伝子を含む。
【0716】
特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表1aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表1aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。
【0717】
具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、表1aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、表2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、表1aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、表2aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0718】
特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、PDの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、CRの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0719】
具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、PDの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、CRの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。
【0720】
特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、FLの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、DLBCLの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、FLの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、DLBCLの可能性および/または確率の低さ、低下、または減少を予測するおよび/または関連がある。
【0721】
具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、FLの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、DLBCLの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEへのT細胞の浸潤と負の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、FLの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの、TMEからのT細胞の排除と負の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、DLBCLの可能性または確率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0722】
特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、DLBCLの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、FLの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、DLBCLの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、FLの可能性の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0723】
具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、EZH2ならびに表E2および/またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、DLBCLの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4および/またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、FLの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEからのT細胞の排除の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E2および/またはE3のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、DLBCLの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。具体的な態様では、対象から入手された試料における、TMEへのT細胞の浸潤の可能性、確率、および/または発生率と正の相関がある、表E4および/またはE5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、FLの可能性または確率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。
【0724】
特定の態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも120個の遺伝子の発現を、評価、測定、検出、および/または定量する。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と負の相関があるおよび/または負の関連がある1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、45、55、65、75、85、95、105、115個、またはそれ以上の遺伝子を、評価、測定、検出、および/または定量する。具体的な態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と正の相関があるおよび/または正の関連がある少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも120個の遺伝子を、評価、測定、検出、および/または定量する。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と正の相関があるおよび/または負の関連がある1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、45、55、65、75、85、95、105、115個、またはそれ以上の遺伝子を、評価、測定、検出、および/または定量する。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と正の相関がある、記載されている1つまたは複数の遺伝子を評価、測定、検出、および/または定量し、そして、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性および/または発生率と負の相関がある、記載されている1つまたは複数の遺伝子を評価、測定、検出、および/または定量する。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または発生率と正の相関がある、記載されている1つまたは複数の遺伝子セットを評価、測定、検出、および/または定量し、そして、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性および/または発生率と負の相関がある、記載されている1つまたは複数の遺伝子セットを評価、測定、検出、および/または定量する。
【0725】
いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答(例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除)、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または確率と負の相関があるかまたは負の関連がある遺伝子の発現は、完全奏功(CR)である臨床的アウトカムの可能性および/または確率を有する、有する可能性が高い、または負の相関があると判定されている。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または確率と負の相関があるかまたは負の関連がある遺伝子の発現は、進行(PD)である臨床的アウトカムの可能性および/または確率を有する、有する可能性が高い、または負の相関があると判定されている。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答(例えば、TMEへのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除)、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または確率と負の相関があるかまたは負の関連がある遺伝子セットの発現は、完全奏功(CR)である臨床的アウトカムの可能性および/または確率を有する、有する可能性が高い、または負の相関があると判定されている。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の可能性および/または確率と負の相関があるかまたは負の関連がある遺伝子セットの発現は、進行(PD)である臨床的アウトカムの可能性および/または確率を有する、有する可能性が高い、または負の相関があると判定されている。いくつかの態様では、遺伝子の発現と臨床的アウトカムとの間の負の相関は、-0.25もしくは-0.25未満、-0.3もしくは-0.3未満、-0.4もしくは-0.4未満、-0.5もしくは-0.5未満、-0.55もしくは-0.55未満、-0.6もしくは-0.6未満、-0.65もしくは-0.65未満、-0.7もしくは-0.7未満、-0.75もしくは-0.75未満、-0.8もしくは-0.8未満、-0.85もしくは-0.85未満、-0.90もしくは-0.90未満、-0.95もしくは-0.95未満、-0.97もしくは-0.97未満、-0.98もしくは-0.98未満、-0.99もしくは-0.99未満、または約-1.0の相関係数(R)の値を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現と臨床的アウトカムとの間の負の相関は、-0.25もしくは-0.25未満、-0.3もしくは-0.3未満、-0.4もしくは-0.4未満、-0.5もしくは-0.5未満、-0.55もしくは-0.55未満、-0.6もしくは-0.6未満、-0.65もしくは-0.65未満、-0.7もしくは-0.7未満、-0.75もしくは-0.75未満、-0.8もしくは-0.8未満、-0.85もしくは-0.85未満、-0.90もしくは-0.90未満、-0.95もしくは-0.95未満、-0.97もしくは-0.97未満、-0.98もしくは-0.98未満、-0.99もしくは-0.99未満、または約-1.0の相関係数(R)の値を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。
【0726】
いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、研究、例えば、臨床研究からのデータに基づいて同定されている。いくつかの態様では、遺伝子の発現は、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の発生率と負の相関がある。いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子セットの発現は、研究、例えば、臨床研究からのデータに基づいて同定されている。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数の発生率と負の相関がある。特定の態様では、臨床的アウトカムは、完全奏功(CR)である。特定の態様では、臨床的アウトカムは、進行(PD)である。特定の態様では、T細胞応答は、TMEへのT細胞の浸潤である。特定の態様では、T細胞応答は、TMEからのT細胞の排除である。具体的な態様では、遺伝子の発現と臨床的アウトカムとの間の負の相関は、-0.25もしくは-0.25未満、-0.3もしくは-0.3未満、-0.4もしくは-0.4未満、-0.5もしくは-0.5未満、-0.55もしくは-0.55未満、-0.6もしくは-0.6未満、-0.65もしくは-0.65未満、-0.7もしくは-0.7未満、-0.75もしくは-0.75未満、-0.8もしくは-0.8未満、-0.85もしくは-0.85未満、-0.90もしくは-0.90未満、-0.95もしくは-0.95未満、-0.97もしくは-0.97未満、-0.98もしくは-0.98未満、-0.99もしくは-0.99未満、または約-1.0の相関係数(R)を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。具体的な態様では、遺伝子セットの発現と臨床的アウトカムとの間の負の相関は、-0.25もしくは-0.25未満、-0.3もしくは-0.3未満、-0.4もしくは-0.4未満、-0.5もしくは-0.5未満、-0.55もしくは-0.55未満、-0.6もしくは-0.6未満、-0.65もしくは-0.65未満、-0.7もしくは-0.7未満、-0.75もしくは-0.75未満、-0.8もしくは-0.8未満、-0.85もしくは-0.85未満、-0.90もしくは-0.90未満、-0.95もしくは-0.95未満、-0.97もしくは-0.97未満、-0.98もしくは-0.98未満、-0.99もしくは-0.99未満、または約-1.0の相関係数(R)を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。
【0727】
いくつかの態様では、臨床的アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法に対するT細胞応答、およびEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置のうちの1つまたは複数と負の相関があるかまたは負の関連がある遺伝子の発現は、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数の発現を含む。いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、EZH2阻害と負の相関があるかまたは負の関連がある(すなわち、遺伝子の発現がEZH2阻害によってダウンレギュレートされる)と同定され、そして、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(
CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数の発現を含む。いくつかの態様では、完全奏功(CR)およびEZH2阻害と負の相関があるかまたは負の関連がある(すなわち、遺伝子の発現がEZH2阻害によってダウンレギュレートされる)と同定された遺伝子の発現は、更に、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定され、そして、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0728】
いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、AURKA、BRCA2、CCP110、CENPE、CKS2、DCLRE1B、DNMT1、DONSON、EED、GINS1、GINS4、H2AFZ、LIG1、MAD2L1、MCM2、MCM4、MCM5、MCM7、MELK、MMS22L、NAA38、NASP、NUDT21、NUP205、ORC6、PCNA、PLK4、POLE、PRIM2、RAD51AP1、RFC2、RPA2、RPA3、SUV39H1、TMPO、UBE2T、WDR90、CDK1、MCM3、TOP2A、MCM6、BIRC5、CCNB2、RRM、HMGB2、BUB1B、RFC3、EZH2、CHEK1、SMC4、MKI67、CDC20、PLK1、KIF2C、DLGAP5、AURKB、CDC25A、TRIP13、H2AFX、HMMR、E2F8、BRCA1、MYBL2、POLD1、RACGAP1、CKS1B、KPNA2、MSH2、CDKN3、ATAD2、RPA1、STMN1、TIPIN、TK1、CDCA8、ESPL1、NCAPD2、RANBP1、MRE11A、KIF4A、LMNB1、KIF22、UNG、SMC1A、CCNE1、CDCA3、ASF1B、POLA2、TIMELESS、HELLS、UBE2S、PRKDC、RAN、USP1、SPAG5、POLD3、DUT、TACC3、KIF18B、CDC25B、SRSF1、GINS3、NOLC1、SLBP、CHEK2、SPC25、BARD1、DCTPP1、SMC3、RNASEH2A、DEK、CENPM、RAD51C、CBX5、RFC1、POLD2、DSCC1、ILF3、DEPDC1、DCK、CDKN2C、MYC、TCF19、RAD1、LBR、NBN、PTTG1、UBR7、POLE4、TUBG1、CTCF、RQCD1、TUBB、SMC6、ZW10、PA2G4、SSRP1、NAP1L1、ANP32E、HMGB3、IPO7、RAD21、CDK4、CDKN1A、BRMS1L、RAD50、TRA2B、CSE1L、PAICS、STAG1、LUC7L3、PPM1D、NME1、SRSF2、XPO1、HNRNPD、PMS2、ASF1A、EXOSC8、MLH1、NUP107、ORC2、TP53、TFRC、HMGA1、PSIP1、DDX39A、SNRPB、CDKN1B、MTHFD2、WEE1、PRDX4、PHF5A、TBRG4、SHMT1、PRPS1、DIAPH3、NUP153、PSMC3IP、XRCC6、PNN、HUS1、RBBP7、PDS5B、NOP56、MXD3、PPP1R8、GSPT1、CDKN2A、AK2、CIT、ING3、HN1、POP7、SYNCRIP、EIF2S1、LYAR、PAN2、およびSPC24のうちの1つまたは複数である。
【0729】
いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、AURKA、BRCA2、CCP110、CENPE、CKS2、DCLRE1B、DNMT1、DONSON、EED、GINS1、GINS4、H2AFZ、LIG1、MAD2L1、MCM2、MCM4、MCM5、MCM7、MELK、MMS22L、NAA38、NASP、NUDT21、NUP205、ORC6、PCNA、PLK4、POLE、PRIM2、RAD51AP1、RFC2、RPA2、RPA3、SUV39H1、TMPO、UBE2T、WDR90、CDK1、MCM3、TOP2A、MCM6、BIRC5、CCNB2、RRM、HMGB2、BUB1B、RFC3、EZH2、CHEK1、SMC4、MKI67、CDC20、PLK1、KIF2C、DLGAP5、AURKB、CDC25A、TRIP13、H2AFX、HMMR、E2F8、BRCA1、MYBL2、POLD1、RACGAP1、CKS1B、KPNA2、MSH2、CDKN3、ATAD2、RPA1、STMN1、TIPIN、TK1、CDCA8、ESPL1、NCAPD2、RANBP1、MRE11A、KIF4A、LMNB1、KIF22、UNG、SMC1A、CCNE1、CDCA3、ASF1B、POLA2、TIMELESS、HELLS、UBE2S、PRKDC、RAN、USP1、SPAG5、POLD3、DUT、TACC3、KIF18B、CDC25B、SRSF1、GINS3、NOLC1、SLBP、CHEK2、SPC25、BARD1、DCTPP1、SMC3、RNASEH2A、DEK、CENPM、RAD51C、CBX5、RFC1、POLD2、DSCC1、ILF3、DEPDC1、DCK、CDKN2C、MYC、TCF19、RAD1、LBR、NBN、PTTG1、UBR7、POLE4、TUBG1、CTCF、RQCD1、TUBB、SMC6、ZW10、PA2G4、SSRP1、NAP1L1、ANP32E、HMGB3、IPO7、RAD21、CDK4、CDKN1A、BRMS1L、RAD50、TRA2B、CSE1L、PAICS、STAG1、LUC7L3、PPM1D、NME1、SRSF2、XPO1、HNRNPD、PMS2、ASF1A、EXOSC8、MLH1、NUP107、ORC2、TP53、TFRC、HMGA1、PSIP1、DDX39A、SNRPB、CDKN1B、MTHFD2、WEE1、PRDX4、PHF5A、TBRG4、SHMT1、PRPS1、DIAPH3、NUP153、PSMC3IP、XRCC6、PNN、HUS1、RBBP7、PDS5B、NOP56、MXD3、PPP1R8、GSPT1、CDKN2A、AK2、CIT、ING3、HN1、POP7、SYNCRIP、EIF2S1、LYAR、PAN2、およびSPC24のうちの1つまたは複数である。
【0730】
いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、AURKA、CCNA2、TOP2A、CCNB2、CENPA、BIRC5、CDC20、PLK1、TTK、PRC1、NDC80、KIF11、NUSAP1、CKS2、KIF2C、MKI67、AURKB、TPX2、SMC4、BUB1、CENPF、RACGAP1、CENPE、KIF23、UBE2C、MCM6、MCM3、PTTG1、CDK1、KIF4A、ESPL1、MAD2L1、NEK2、KIF22、HMMR、KPNA2、CDKN3、CDC25A、H2AFX、CDC25B、PLK4、CDC6、CCNF、MCM5、LMNB1、E2F3、KIF15、CHEK1、UBE2S、WHSC1、HMGB3、DBF4、TACC3、MCM2、CDKN2C、CDKN1B、FANCC、NASP、STAG1、GINS2、FBXO5、POLQ、EZH2、RAD21、STMN1、SUV39H1、PRIM2、E2F1、CHAF1A、NOLC1、GSPT1、BUB3、SMC1A、ILF3、CDC7、INCENP、CKS1B、EXO1、H2AFZ、TFDP1、CCND1、KPNB1、HN1、LBR、HUS1、KIF20B、TOP1、DS5B、SRSF1、STIL、ABL1、DTYMK、CDC27、BARD1、ATF5、CDC45、ODC1、XPO1、SFPQ、TMPO、PML、BRCA2、CTCF、CASC5、SETD8、SLC38A1、TRA2B、MYBL2、TROAP、PAPD7、CUL3、MAPK14、HIST1H2BK、MYC、AMD1、CBX1、CHMP1A、DKC1、YTHDC1、CCNT1、TGFB1、ATRX、LIG3、NUP50、SLC7A5、RBL1、NUMA1、RAD54L、EFNA5、PRPF4B、UCK2、ARID4A、CUL1、UPF1、DR1、MNAT1、SMC2、RBM14、RPA2、SQLE、ORC6、CDK4、POLE、RASAL2、HOXC10、RPS6KA5、CUL4A、SLC7A1、FOXN3、HMGA1、SS18、TRAIP、PRMT5、CUL5、DDX39A、MARCKS、PBK、ORC5、SAP30、KATNA1、HNRNPD、POLA2、HIRA、HIF1A、SYNCRIP、TLE3、NCL、RAD23B、E2F2、HMGN2、SRSF10、SNRPD1、CASP8AP2、SMARCC1、SLC12A2、NOTCH2、TNPO2、SMAD3、HSPA8、G3BP1、DMD、MEIS1、HNRNPU、SRSF2、MT2A、NUP98、EWSR1、KIF5B、MTF2、E2F4、BCL3、PURA、MEIS2、PAFAH1B1、WRN、H2AFV、およびDF2のうちの1つまたは複数である。
【0731】
いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、FADS1、DDIT4、CALR、HK2、PGK1、SLC7A5、CTSC、ACSL3、SLC1A5、M6PR、TFRC、DDIT3、TMEM97、IFRD1、PLOD2、TUBA4A、PSAT1、CORO1A、LDHA、MTHFD2、FADS2、VLDLR、WARS、SCD、P4HA1、ACTR2、IDH1、SLC2A1、GBE1、SERPINH1、NUPR1、PSMG1、PSPH、NAMPT、CDKN1A、BHLHE40、HSPA9、HSPA5、EGLN3、LGMN、PNP、XBP1、SLA、DDX39A、HSPE1、ACLY、SLC7A11、SSR1、GLA、SQSTM1、PDK1、PSMC2、PRDX1、SERP1、TRIB3、NFIL3、HMGCS1、GOT1、TPI1、ELOVL6、ASNS、PSMD14、PSMA4、PPA1、HPRT1、AURKA、HMGCR、GAPDH、DHFR、DHCR7、IMMT、UCHL5、YKT6、INSIG1、SQLE、IGFBP5、IFI30、CYP51A1、FGL2、ENO1、IDI1、CYB5B、SHMT2、TXNRD1、G6PD、SLC9A3R1、RAB1A、EBP、PNO1、PIK3R3、ACTR3、LDLR、SLC2A3、UBE2D3、ELOVL5、CACYBP、EDEM1、ATP6V1D、TES、TM7SF2、PSMA3、ITGB2、AK4、SLC1A4、TOMM40、SLC6A6、PPIA、ADD3、ME1、CCNF、SLC37A4、ALDOA、BTG2、UFM1、CCNG1、STC1、NMT1、PSMC6、FDXR、RRM2、DHCR24、PSMC4、CTH、PSME3、CFP、POLR3G、ACACA、QDPR、MCM2、PSMD12、CANX、RPN1、HSPA4、FAM129A、TBK1、SEC11A、BCAT1、PSMB5、PSMD13、PGM1、PLK1、GLRX、COPS5、ETF1、GSK3B、NUP205、SORD、PHGDH、GMPS、RRP9、EEF1E1、LTA4H、SDF2L1、FKBP2、RDH11、CXCR4、MLLT11、GCLC、TCEA1、MAP2K3、HSPD1、SYTL2、MCM4、PPP1R15A、USO1、NFKBIB、UNG、GTF2H1、RPA1、HSP90B1、GSR、PITPNB、EPRS、SRD5A1、TUBG1、MTHFD2L、ADIPOR2、NUFIP1、CDC25A、PDAP1、STARD4、BUB1、ARPC5L、GPI、EIF2S2、CD9、ATP2A2、GGA2、HMBS、RIT1、SKAP2、STIP1、DAPP1、ABCF2、NFYC、ATP5G1、PFKL、およびCCT6Aのうちの1つまたは複数である。
【0732】
いくつかの態様では、完全奏功(CR)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、SLC19A1、MRTO4、TMEM97、RRP9、PES1、TFB2M、EXOSC5、IPO4、NDUFAF4、NOC4L、MYC、SRM、PA2G4、GNL3、NOLC1、WDR43、RABEPK、NOP16、TBRG4、DDX18、NIP7、WDR74、BYSL、HSPD1、PLK4、NOP2、PPAN、NOP56、RCL1、NPM1、AIMP2、RRP12、PPRC1、TCOF1、MCM5、HK2、CBX3、PLK1、PHB、MCM4、CDK4、DUSP2、MYBBP1A、UTP20、PRMT3、FARSA、MAP3K6、LAS1L、PUS1、HSPE1、SLC29A2、DCTPP1のうちの1つまたは複数である。いくつかの態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、T細胞の浸潤と正の相関があるかまたは正の関連があると同定され、そして、CD3、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0733】
いくつかの態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の浸潤と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、EZH2阻害と正の相関があるかまたは正の関連がある(すなわち、遺伝子の発現がEZH2阻害によってアップレギュレートされる)と同定され、そして、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0734】
いくつかの態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があり、そして、T細胞の排除と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、MX1、ISG15、OAS1、IFIT3、IFI44、IFI35、IRF7、RSAD2、IFI44L、IFITM1、IFI27、IRF9、OASL、EIF2AK2、IFIT2、CXCL10、TAP1、SP110、DDX60、UBE2L6、USP18、PSMB8、IFIH1、BST2、LGALS3BP、ADAR、ISG20、GBP2、IRF1、PLSCR1、PSMB9、HERC6、SAMD9、CMPK2、IFITM3、RTP4、STAT2、SAMD9L、LY6E、IFITM2、CXCL11、TRIM21、PARP14、TRIM26、PARP12、NMI、RNF31.HLA-C、CASP1、TRIM14、TDRD7、DHX58、PARP9、PNPT1、TRIM25、PSME1、WARS、EPSTI1、UBA7、PSME2、B2M、TRIM5、C1S、LAP3、GBP4、NCOA7、TMEM140、CD74、GMPR、PSMA3、PROCR、IL7、IFI30、IRF2、CSF1、IL15、CNP、FAM46A、IL4R、CD47、LPAR6、MOV10、CASP8、TXNIP、SLC25A28、SELL、TRAFD1、BATF2、RIPK2、CCRL2、NUB1、OGFR、およびELF1のうちの1つまたは複数である。
【0735】
発現がCRと負の相関がありEZH2阻害と負の相関がある遺伝子の遺伝子産物の完全な名称および遺伝子記号を表1に示す。発現がPDと負の相関がありT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子の遺伝子産物の完全な名称および遺伝子記号を表2に示す。
【0736】
(表1)発現がCRおよびEZH2阻害と負の相関がある遺伝子
【0737】
(表2)発現がPDと負の相関がありT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子
【0738】
発現がCRと負の相関がありT細胞の浸潤と負の相関がある遺伝子セットを表1aに示す。発現がPDと負の相関がありT細胞の排除と負の相関がある遺伝子セットを表2aに示す。
【0739】
(表1a)発現がCRと負の相関がありT細胞の浸潤と負の相関がある遺伝子セット
【0740】
(表2a)発現がPDと負の相関がありT細胞の排除と負の相関がある遺伝子セット
【0741】
特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子の発現は、療法的処置の投与後の特定の臨床的アウトカムと正の相関がある。いくつかの態様では、対象から入手された試料における、特定の臨床的アウトカムと正の相関がある1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの低下、減少、または低さは、臨床的アウトカム、例えば、CRまたはPDの可能性または発生率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。いくつかの態様では、対象から入手された試料における、特定の臨床的アウトカムと正の相関がある1つまたは複数の遺伝子の発現の量またはレベルの上昇、増加、または高さは、臨床的アウトカム、例えば、CRまたはPDの可能性または発生率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、療法的処置の投与後の特定の臨床的アウトカムと正の相関がある。いくつかの態様では、対象から入手された試料における、特定の臨床的アウトカムと正の相関がある1つまたは複数の遺伝子セットの発現のダウンレギュレーション(例えば、低下、減少、または低さ)は、臨床的アウトカム、例えば、CRまたはPDの可能性または発生率の低さまたは低下を予測するおよび/または関連がある。いくつかの態様では、対象から入手された試料における、特定の臨床的アウトカムと正の相関がある1つまたは複数の遺伝子セットの発現のアップレギュレーション(例えば、上昇、増加、または高さ)は、臨床的アウトカム、例えば、CRまたはPDの可能性または発生率の高さ、増加、または上昇を予測するおよび/または関連がある。
【0742】
特定の態様では、特定の臨床的アウトカムと正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、その臨床的アウトカムの可能性または発生率と正の相関がある遺伝子発現を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。特定の態様では、特定の臨床的アウトカムと正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子セットの発現は、その臨床的アウトカムの可能性または発生率と正の相関がある遺伝子発現を有する、有する可能性が高い、または有すると判定されている。特定の態様では、臨床的アウトカムは、完全奏功(CR)である。特定の態様では、臨床的アウトカムは、進行(PD)である。具体的な態様では、正の相関は、臨床的アウトカムと正の相関がある、ある可能性が高い、またはあると判定されており、相関係数(R)は、少なくとも0.25、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.55、少なくとも0.6、少なくとも0.65、少なくとも0.7、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.85、少なくとも0.90、少なくとも0.95、少なくとも0.97、少なくとも0.98、少なくとも0.99、または約1.0である。
【0743】
いくつかの態様では、特定の臨床的アウトカムの可能性および/または確率と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、研究、例えば、臨床研究からのデータに基づいて同定されている。いくつかの態様では、遺伝子の発現は、臨床的アウトカムの発生率と正の相関がある。特定の態様では、臨床的アウトカムは、完全奏功(CR)である。いくつかの態様では、特定の臨床的アウトカム可能性および/または確率と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子セットの発現は、研究、例えば、臨床研究からのデータに基づいて同定されている。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、臨床的アウトカムの発生率と正の相関がある。特定の態様では、臨床的アウトカムは、完全奏功(CR)である。特定の態様では、臨床的アウトカムは、進行(PD)である。いくつかの態様では、正の相関は、毒性の発生率と正の相関がある、ある可能性が高い、またはあると判定されており、相関係数(R)は、少なくとも0.25、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.55、少なくとも0.6、少なくとも0.65、少なくとも0.7、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.85、少なくとも0.90、少なくとも0.95、少なくとも0.97、少なくとも0.98、少なくとも0.99、または約1.0である。
【0744】
いくつかの態様では、臨床的アウトカムと正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、EZH2、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0745】
特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、PDCD1、LAG3、および/またはTIGITである。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、PDCD1である。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、LAG3である。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、TIGITである。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、PDCD1、LAG3、および/またはTIGITである。特定の態様では、完全奏功進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、PDCD1である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、LAG3である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、TIGITである。
【0746】
特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21である。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、KLRB1である。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、CD40LGである。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、ICOSである。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、CD28である。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、CCL21である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、KLRB1である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、CD40LGである。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、ICOSである。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、CD28である。特定の態様では、進行(PD)と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、CCL21である。
【0747】
特定の態様では、遺伝子の発現は、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定される。特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、T細胞の浸潤と正の相関があるかまたは正の関連があると同定され、そして、CD3、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数の発現を含む。特定の態様では、CRおよびT細胞の浸潤と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、EZH2阻害と正の相関があるかまたは正の関連がある(すなわち、遺伝子の発現がEZH2阻害によってアップレギュレートされる)と同定され、そして、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0748】
特定の態様では、完全奏功(CR)と正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、T細胞の浸潤と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、MX1、ISG15、OAS1、IFIT3、IFI44、IFI35、IRF7、RSAD2、IFI44L、IFITM1、IFI27、IRF9、OASL、EIF2AK2、IFIT2、CXCL10、TAP1、SP110、DDX60、UBE2L6、USP18、PSMB8、IFIH1、BST2、LGALS3BP、ADAR、ISG20、GBP2、IRF1、PLSCR1、PSMB9、HERC6、SAMD9、CMPK2、IFITM3、RTP4、STAT2、SAMD9L、LY6E、IFITM2、CXCL11、TRIM21、PARP14、TRIM26、PARP12、NMI、RNF31.HLA-C、CASP1、TRIM14、TDRD7、DHX58、PARP9、PNPT1、TRIM25、PSME1、WARS、EPSTI1、UBA7、PSME2、B2M、TRIM5、C1S、LAP3、GBP4、NCOA7、TMEM140、CD74、GMPR、PSMA3、PROCR、IL7、IFI30、IRF2、CSF1、IL15、CNP、FAM46A、IL4R、CD47、LPAR6、MOV10、CASP8、TXNIP、SLC25A28、SELL、TRAFD1、BATF2、RIPK2、CCRL2、NUB1、OGFR、およびELF1のうちの1つまたは複数を含む。
【0749】
特定の態様では、進行(PD)と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、EZH2阻害と負の相関があるかまたは負の関連があると同定され(すなわち、遺伝子の発現がEZH2阻害によってダウンレギュレートされ)、そして、EZH2、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0750】
特定の態様では、PDと正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、EZH2阻害と負の相関があるかまたは負の関連があると同定された遺伝子の発現は、更に、T細胞の浸潤の発現と負の相関があるかまたは負の関連があると同定され、そして、EZH2、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数の発現を含む。
【0751】
いくつかの態様では、進行(PD)と正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、T細胞の排除と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、AURKA、BRCA2、CCP110、CENPE、CKS2、DCLRE1B、DNMT1、DONSON、EED、GINS1、GINS4、H2AFZ、LIG1、MAD2L1、MCM2、MCM4、MCM5、MCM7、MELK、MMS22L、NAA38、NASP、NUDT21、NUP205、ORC6、PCNA、PLK4、POLE、PRIM2、RAD51AP1、RFC2、RPA2、RPA3、SUV39H1、TMPO、UBE2T、WDR90、CDK1、MCM3、TOP2A、MCM6、BIRC5、CCNB2、RRM、HMGB2、BUB1B、RFC3、EZH2、CHEK1、SMC4、MKI67、CDC20、PLK1、KIF2C、DLGAP5、AURKB、CDC25A、TRIP13、H2AFX、HMMR、E2F8、BRCA1、MYBL2、POLD1、RACGAP1、CKS1B、KPNA2、MSH2、CDKN3、ATAD2、RPA1、STMN1、TIPIN、TK1、CDCA8、ESPL1、NCAPD2、RANBP1、MRE11A、KIF4A、LMNB1、KIF22、UNG、SMC1A、CCNE1、CDCA3、ASF1B、POLA2、TIMELESS、HELLS、UBE2S、PRKDC、RAN、USP1、SPAG5、POLD3、DUT、TACC3、KIF18B、CDC25B、SRSF1、GINS3、NOLC1、SLBP、CHEK2、SPC25、BARD1、DCTPP1、SMC3、RNASEH2A、DEK、CENPM、RAD51C、CBX5、RFC1、POLD2、DSCC1、ILF3、DEPDC1、DCK、CDKN2C、MYC、TCF19、RAD1、LBR、NBN、PTTG1、UBR7、POLE4、TUBG1、CTCF、RQCD1、TUBB、SMC6、ZW10、PA2G4、SSRP1、NAP1L1、ANP32E、HMGB3、IPO7、RAD21、CDK4、CDKN1A、BRMS1L、RAD50、TRA2B、CSE1L、PAICS、STAG1、LUC7L3、PPM1D、NME1、SRSF2、XPO1、HNRNPD、PMS2、ASF1A、EXOSC8、MLH1、NUP107、ORC2、TP53、TFRC、HMGA1、PSIP1、DDX39A、SNRPB、CDKN1B、MTHFD2、WEE1、PRDX4、PHF5A、TBRG4、SHMT1、PRPS1、DIAPH3、NUP153、PSMC3IP、XRCC6、PNN、HUS1、RBBP7、PDS5B、NOP56、MXD3、PPP1R8、GSPT1、CDKN2A、AK2、CIT、ING3、HN1、POP7、SYNCRIP、EIF2S1、LYAR、PAN2、およびSPC24のうちの1つまたは複数である。
【0752】
いくつかの態様では、進行(PD)と正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、T細胞の排除と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、AURKA、CCNA2、TOP2A、CCNB2、CENPA、BIRC5、CDC20、PLK1、TTK、PRC1、NDC80、KIF11、NUSAP1、CKS2、KIF2C、MKI67、AURKB、TPX2、SMC4、BUB1、CENPF、RACGAP1、CENPE、KIF23、UBE2C、MCM6、MCM3、PTTG1、CDK1、KIF4A、ESPL1、MAD2L1、NEK2、KIF22、HMMR、KPNA2、CDKN3、CDC25A、H2AFX、CDC25B、PLK4、CDC6、CCNF、MCM5、LMNB1、E2F3、KIF15、CHEK1、UBE2S、WHSC1、HMGB3、DBF4、TACC3、MCM2、CDKN2C、CDKN1B、FANCC、NASP、STAG1、GINS2、FBXO5、POLQ、EZH2、RAD21、STMN1、SUV39H1、PRIM2、E2F1、CHAF1A、NOLC1、GSPT1、BUB3、SMC1A、ILF3、CDC7、INCENP、CKS1B、EXO1、H2AFZ、TFDP1、CCND1、KPNB1、HN1、LBR、HUS1、KIF20B、TOP1、DS5B、SRSF1、STIL、ABL1、DTYMK、CDC27、BARD1、ATF5、CDC45、ODC1、XPO1、SFPQ、TMPO、PML、BRCA2、CTCF、CASC5、SETD8、SLC38A1、TRA2B、MYBL2、TROAP、PAPD7、CUL3、MAPK14、HIST1H2BK、MYC、AMD1、CBX1、CHMP1A、DKC1、YTHDC1、CCNT1、TGFB1、ATRX、LIG3、NUP50、SLC7A5、RBL1、NUMA1、RAD54L、EFNA5、PRPF4B、UCK2、ARID4A、CUL1、UPF1、DR1、MNAT1、SMC2、RBM14、RPA2、SQLE、ORC6、CDK4、POLE、RASAL2、HOXC10、RPS6KA5、CUL4A、SLC7A1、FOXN3、HMGA1、SS18、TRAIP、PRMT5、CUL5、DDX39A、MARCKS、PBK、ORC5、SAP30、KATNA1、HNRNPD、POLA2、HIRA、HIF1A、SYNCRIP、TLE3、NCL、RAD23B、E2F2、HMGN2、SRSF10、SNRPD1、CASP8AP2、SMARCC1、SLC12A2、NOTCH2、TNPO2、SMAD3、HSPA8、G3BP1、DMD、MEIS1、HNRNPU、SRSF2、MT2A、NUP98、EWSR1、KIF5B、MTF2、E2F4、BCL3、PURA、MEIS2、PAFAH1B1、WRN、H2AFV、およびDF2のうちの1つまたは複数である。
【0753】
いくつかの態様では、進行(PD)と正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、T細胞の排除と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、FADS1、DDIT4、CALR、HK2、PGK1、SLC7A5、CTSC、ACSL3、SLC1A5、M6PR、TFRC、DDIT3、TMEM97、IFRD1、PLOD2、TUBA4A、PSAT1、CORO1A、LDHA、MTHFD2、FADS2、VLDLR、WARS、SCD、P4HA1、ACTR2、IDH1、SLC2A1、GBE1、SERPINH1、NUPR1、PSMG1、PSPH、NAMPT、CDKN1A、BHLHE40、HSPA9、HSPA5、EGLN3、LGMN、PNP、XBP1、SLA、DDX39A、HSPE1、ACLY、SLC7A11、SSR1、GLA、SQSTM1、PDK1、PSMC2、PRDX1、SERP1、TRIB3、NFIL3、HMGCS1、GOT1、TPI1、ELOVL6、ASNS、PSMD14、PSMA4、PPA1、HPRT1、AURKA、HMGCR、GAPDH、DHFR、DHCR7、IMMT、UCHL5、YKT6、INSIG1、SQLE、IGFBP5、IFI30、CYP51A1、FGL2、ENO1、IDI1、CYB5B、SHMT2、TXNRD1、G6PD、SLC9A3R1、RAB1A、EBP、PNO1、PIK3R3、ACTR3、LDLR、SLC2A3、UBE2D3、ELOVL5、CACYBP、EDEM1、ATP6V1D、TES、TM7SF2、PSMA3、ITGB2、AK4、SLC1A4、TOMM40、SLC6A6、PPIA、ADD3、ME1、CCNF、SLC37A4、ALDOA、BTG2、UFM1、CCNG1、STC1、NMT1、PSMC6、FDXR、RRM2、DHCR24、PSMC4、CTH、PSME3、CFP、POLR3G、ACACA、QDPR、MCM2、PSMD12、CANX、RPN1、HSPA4、FAM129A、TBK1、SEC11A、BCAT1、PSMB5、PSMD13、PGM1、PLK1、GLRX、COPS5、ETF1、GSK3B、NUP205、SORD、PHGDH、GMPS、RRP9、EEF1E1、LTA4H、SDF2L1、FKBP2、RDH11、CXCR4、MLLT11、GCLC、TCEA1、MAP2K3、HSPD1、SYTL2、MCM4、PPP1R15A、USO1、NFKBIB、UNG、GTF2H1、RPA1、HSP90B1、GSR、PITPNB、EPRS、SRD5A1、TUBG1、MTHFD2L、ADIPOR2、NUFIP1、CDC25A、PDAP1、STARD4、BUB1、ARPC5L、GPI、EIF2S2、CD9、ATP2A2、GGA2、HMBS、RIT1、SKAP2、STIP1、DAPP1、ABCF2、NFYC、ATP5G1、PFKL、およびCCT6Aのうちの1つまたは複数である。
【0754】
いくつかの態様では、進行(PD)と正の相関があるかまたは正の関連があり、そして、T細胞の排除と正の相関があるかまたは正の関連があると同定された遺伝子の発現は、SLC19A1、MRTO4、TMEM97、RRP9、PES1、TFB2M、EXOSC5、IPO4、NDUFAF4、NOC4L、MYC、SRM、PA2G4、GNL3、NOLC1、WDR43、RABEPK、NOP16、TBRG4、DDX18、NIP7、WDR74、BYSL、HSPD1、PLK4、NOP2、PPAN、NOP56、RCL1、NPM1、AIMP2、RRP12、PPRC1、TCOF1、MCM5、HK2、CBX3、PLK1、PHB、MCM4、CDK4、DUSP2、MYBBP1A、UTP20、PRMT3、FARSA、MAP3K6、LAS1L、PUS1、HSPE1、SLC29A2、DCTPP1、SUPV3L1、SORD、IMP4、GRWD1、UNG、およびMPHOSPH10のうちの1つまたは複数である。
【0755】
発現がCRおよびT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子の遺伝子産物の完全な名称および遺伝子記号を表3に示す。発現がPDと正の相関がありEZH2阻害と負の相関がある遺伝子の遺伝子産物の完全な名称および遺伝子記号を表4に示す。
【0756】
(表3)発現がCRおよびT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子
【0757】
(表4)発現がPDと正の相関がありEZH2阻害と負の相関がある遺伝子
【0758】
発現がCRと正の相関がありT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子セットを表3aに示す。発現がPDと正の相関がありT細胞の排除と正の相関がある遺伝子セットを表4aに示す。
【0759】
(表3a)発現がCRと正の相関がありT細胞の浸潤と正の相関がある遺伝子セット
【0760】
(表4a)発現がPDと正の相関がありT細胞の排除と正の相関がある遺伝子セット
【0761】
いくつかの態様では、療法の投与後および/または療法に関連した臨床的アウトカムの確率および/または可能性を評価するための、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子産物の測定、評価、および/または決定において使用するためのパネル、プロファイル、および/またはアレイが、本明細書において提供される。特定の態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象から等の試料、例えば、BMA試料または血清試料における1つまたは複数の遺伝子産物のレベルおよび/または量を測定、評価、検出、および/または定量するために使用するのに好適である。特定の態様では、遺伝子産物は、タンパク質および/またはポリペプチドである。いくつかの態様では、遺伝子産物は、ポリヌクレオチド、例えば、mRNAまたはmRNAに由来するcDNAである。特定の態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10個より多い、または20個より多い遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、遺伝子産物は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、および表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、または表E5に列挙されているものを含む遺伝子のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、遺伝子産物は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている遺伝子のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、療法の投与後および/または療法に関連した臨床的アウトカムの確率および/または可能性を評価するための、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象からの試料における1つまたは複数の遺伝子セットの測定、評価、および/または決定において使用するためのパネル、プロファイル、および/またはアレイが、本明細書において提供される。特定の態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、例えば、療法、例えば細胞療法を受ける前の対象から等の試料、例えば、BMA試料または血清試料における1つまたは複数の遺伝子セットのレベルおよび/または量を測定、評価、検出、および/または定量するために使用するのに好適である。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10個より多い、または20個より多い遺伝子セットの測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、遺伝子セットは、表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、または表E5のそれぞれによって与えられるものを含む遺伝子セットのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、遺伝子セットは、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aのそれぞれによって与えられる遺伝子セットのうちの1つまたは複数を含む。
【0762】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、EZH2、T細胞マーカー遺伝子、ならびに表E2および/または表E4に列挙されているものを含む1つまたは複数の遺伝子からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、EZH2、T細胞マーカー遺伝子、ならびに表E3および/または表E5に列挙されているものを含む1つまたは複数の遺伝子遺伝子からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E2および/または表E4のそれぞれによって与えられるものを含む遺伝子セットの測定、評価、および/または定量を含む。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E3および/または表E5のそれぞれによって与えられるものを含む遺伝子セットの測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、EZH2、CD3E、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0763】
特定の態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0764】
いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0765】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0766】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0767】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0768】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セットからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セット、ならびに(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21によって与えられるものからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0769】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E2Aに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セットからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0770】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表E2Bに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セットからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0771】
具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表1aおよび/または表2aに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セットからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。具体的な態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、表3aおよび/または表4aに列挙されている1つまたは複数の遺伝子セットからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、遺伝子セットHALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2のうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、遺伝子セットHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEからの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。いくつかの態様では、パネル、プロファイル、および/またはアレイは、遺伝子セットHALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2、およびHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEのうちの1つまたは複数からの遺伝子産物の測定、評価、および/または定量を含む。
【0772】
特定の態様では、試料は、療法、例えば、免疫療法および/または細胞療法による処置の前に対象から入手、収集、または採取される。具体的な態様では、試料は、細胞療法による処置の前に対象から入手、収集、および/または採取される。具体的な態様では、細胞療法は、T細胞療法である。特定の態様では、T細胞療法は、1つまたは複数の遺伝子操作細胞を含有する。具体的な態様では、療法的T細胞療法は、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞を含有する。いくつかの態様では、試料は、任意の遺伝子操作細胞も、組み換え受容体を発現する細胞も、CARを発現する細胞も含有しない。
【0773】
特定の態様では、試料は、療法、例えば、免疫療法および/または細胞療法による処置の後に対象から入手、収集、または採取される。特定の態様では、試料は、細胞療法による処置後、例えば、細胞療法の投与開始後に対象から入手、収集、および/または採取される。具体的な態様では、細胞療法は、T細胞療法である。特定の態様では、T細胞療法は、1つまたは複数の遺伝子操作細胞を含有する。具体的な態様では、療法的T細胞療法は、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞を含有する。いくつかの態様では、試料は、任意の遺伝子操作細胞も、組み換え受容体を発現する細胞も、CARを発現する細胞も含有しない。
【0774】
特定の態様では、生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子産物が測定される。特定の態様では、生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子セットが測定される。具体的な態様では、試料は、骨髄であるかまたは含有する。いくつかの態様では、試料は、骨髄穿刺液であるかまたは含有する。いくつかの態様では、骨髄試料は、少なくとも1つの疾患細胞またはがん細胞を含有するかまたは含有すると疑われる。具体的な態様では、疾患細胞またはがん細胞は、B細胞である。具体的な態様では、骨髄試料は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、および表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、または表E5に列挙されているものを含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。具体的な態様では、骨髄試料は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。具体的な態様では、骨髄試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている遺伝子セットのいずれかからの1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。特定の態様では、遺伝子産物は、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドである。いくつかの態様では、遺伝子産物は、mRNAである。具体的な態様では、骨髄試料は、表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、または表E5のそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットを含有する。具体的な態様では、骨髄試料は、表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、もしくは表E5のそれぞれによって与えられるもの、(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子セットを含有する。具体的な態様では、骨髄試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aのそれぞれによって与えられる1つまたは複数の遺伝子セット、ならびに(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含有する。
【0775】
特定の態様では、生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子産物が測定される。特定の態様では、生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子セットが測定される。具体的な態様では、試料は、腫瘍試料または病変試料である。いくつかの態様では、試料は、リンパ節生検材料である。いくつかの態様では、試料は、腫瘍または病変の細胞を含有する。いくつかの態様では、試料は、腫瘍組織であるかまたは含有する。いくつかの態様では、試料は、血液であるかまたは含有する。いくつかの態様では、試料は、少なくとも1つの疾患細胞またはがん細胞を含有するかまたは含有すると疑われる。具体的な態様では、疾患細胞またはがん細胞は、B細胞である。具体的な態様では、試料は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、および表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、または表E5に列挙されているものを含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。具体的な態様では、試料は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。具体的な態様では、試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている遺伝子セットのいずれかからの1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物、ならびにならびに(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含有する。特定の態様では、遺伝子産物は、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドである。いくつかの態様では、遺伝子産物は、mRNAである。具体的な態様では、試料は、表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、もしくは表E5のそれぞれによって与えられるもの、(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子セットを含有する。具体的な態様では、試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セット、ならびに(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含有する。
【0776】
特定の態様では、生物学的試料は、リンパ節、例えば、リンパ節生検材料であるか、それに由来するか、またはそれから採取される。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3E、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)、またはこれらの一部もしくは断片から選択されるmRNAまたはタンパク質である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KRLB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21から選択されるmRNAまたはタンパク質である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITから選択されるmRNAまたはタンパク質である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KRLB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21から選択されるmRNAまたはタンパク質である。
【0777】
特定の態様では、生物学的試料は、リンパ節であるか、それに由来するか、またはそれから採取され、例えば、リンパ節生検材料である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、以下の遺伝子セットのいずれかに含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である:HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2、およびHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、HALLMARK_E2F_TARGETSに含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、HALLMARK_G2M_CHECKPOINTに含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、HALLMARK_MTORC1_SIGNALINGに含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2に含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEに含有される1つまたは複数の遺伝子から選択されるmRNAまたはタンパク質である。
【0778】
特定の態様では、生物学的試料は、リンパ節であるか、それに由来するか、またはそれから採取され、例えば、リンパ節生検材料である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2のうちの1つまたは複数から選択されるmRNAまたはタンパク質である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2のうちの1つまたは複数から選択されるmRNAまたはタンパク質である。
【0779】
いくつかの態様では、試料は、血液試料である。特定の態様では、試料は、血清試料である。いくつかの態様では、試料は、末梢血液試料である。いくつかの態様では、末梢血液試料は、少なくとも1つの疾患細胞またはがん細胞を含有するかまたは含有すると疑われる。具体的な態様では、疾患細胞またはがん細胞は、B細胞である。いくつかの態様では、血液又は血清の試料は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、および表1、表2、表3、表4、表EA、表E3、表E4、または表E5に列挙されているものを含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。具体的な態様では、血液又は血清の試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに列挙されている遺伝子セットのいずれかからの1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。いくつかの態様では、血液又は血清の試料は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KRLB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。いくつかの態様では、血液または血清の試料は、PDCD1、LAG3、およびTIGITを含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。いくつかの態様では、血液または血清の試料は、KRLB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物を含有する。特定の態様では、遺伝子産物は、ポリペプチドである。いくつかの態様では、血液または血清の試料は、表1、表2、表3、表4、表EA、表E3、表E4、または表E5のそれぞれによって与えられるもの、または(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;または(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子セットを含有する。具体的な態様では、血液又は血清の試料は、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aのそれぞれによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セット、ならびに(i)PDCD1、LAG3、およびTIGIT;ならびに(ii)、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含有する。
【0780】
特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子産物が測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子セットが測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、1つまたは複数のタンパク質が測定される。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、EZH2、CD3E、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA239(LINC00239)、またはこれらの一部もしくは断片から選択されるタンパク質の全タンパク質、および/または変異、バージョン、アイソフォーム、もしくは断片である。
【0781】
特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子産物が測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子セットが測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、1つまたは複数のタンパク質が測定される。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、以下の遺伝子セットのいずれかに含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている、選択されるタンパク質の全タンパク質、および/または変異、バージョン、アイソフォーム、もしくは断片である:HALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2、およびHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、HALLMARK_E2F_TARGETSに含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、HALLMARK_G2M_CHECKPOINTに含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、HALLMARK_MTORC1_SIGNALINGに含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2に含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている。具体的な態様では、1つまたは複数のタンパク質は、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEに含有される1つまたは複数の遺伝子によってコードされている。
【0782】
特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子産物が測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、血液、例えば、血漿または血清の試料から採取されたかまたは由来する生物学的試料において、1つまたは複数の遺伝子セットが測定、評価、定量、または検出される。特定の態様では、1つまたは複数のタンパク質が測定される。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2のうちの1つまたは複数から選択されるmRNAまたはタンパク質である。具体的な態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2のうちの1つまたは複数から選択されるmRNAまたはタンパク質である。
【0783】
特定の態様では、採取された生物学的試料において測定される1つまたは複数のタンパク質は、可溶性であり、膜貫通ドメインがなく、および/または細胞表面で切断される。特定の態様では、1つまたは複数のタンパク質は、血管内皮細胞で発現する、ならびに/または内皮細胞の活性化、血管透過性および/もしくは血管新生に関連する。
【0784】
いくつかの態様では、1つまたは複数のタンパク質または遺伝子のレベルの増加は、完全奏功(CR)または進行(PD)等の特定の臨床的アウトカムの可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数のタンパク質または遺伝子のレベルの増加は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の特定のサブタイプ、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または濾胞性リンパ腫(FL)の可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数のタンパク質または遺伝子のレベルの増加は、腫瘍微小環境(TME)へのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除等のT細胞応答の可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数のタンパク質または遺伝子のレベルの増加は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子セットのアップレギュレーションは、完全奏功(CR)または進行(PD)等の特定の臨床的アウトカムの可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子セットのアップレギュレーションは、非ホジキンリンパ腫(NHL)の特定のサブタイプ、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または濾胞性リンパ腫(FL)の可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子セットのアップレギュレーションは、腫瘍微小環境(TME)へのT細胞の浸潤またはTMEからのT細胞の排除等のT細胞応答の可能性の増加と関連がある。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子セットのアップレギュレーションは、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と関連がある。
【0785】
いくつかの局面では、対象が療法、例えばCAR-T細胞の細胞療法等を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料から、1つまたは複数の遺伝子産物の発現を測定、評価、決定、および/または定量する方法も本明細書において提供される。本明細書において示すように、療法、例えば、細胞療法(例えばCAR-T細胞)の投与の前および/または後の対象からの試料から入手された特定の遺伝子産物の発現は、臨床的アウトカムの可能性または確率と関連があるおよび/または相関がある。いくつかの局面では、対象が療法、例えばCAR-T細胞の細胞療法等を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料から、1つまたは複数の遺伝子セットの発現を測定、評価、決定、および/または定量する方法も本明細書において提供される。本明細書において示すように、療法、例えば、細胞療法(例えばCAR-T細胞)の投与の前および/または後の対象からの試料から入手された特定の遺伝子セットの発現は、臨床的アウトカムの可能性または確率と関連があるおよび/または相関がある。
【0786】
いくつかの局面では、試料、例えばリンパ節生検材料は、療法の投与開始後1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、10日以内、12日以内、14日以内、28日以内、もしくはそれ以上以内、または約1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、8日以内、10日以内、12日以内、14日以内、28日以内、もしくはそれ以上以内に、対象から入手または収集される。いくつかの局面では、試料、例えばリンパ節生検材料は、療法の投与開始後14日以内、例えば、7日以内、3日以内、2日以内、もしくは1日以内に、および/または対象が臨床応答の兆候もしくは徴候を呈する前に、対象から入手または収集される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、ならびに表1~4および表E2~E5のいずれかによって与えられるもののいずれかを含む遺伝子から選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aのいずれかによって与えられる遺伝子セットのいずれかから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子セットは、表1~4および表E2~E5によって与えられるもののいずれかから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子セットは、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aのいずれかによって与えられる遺伝子セットのいずれかから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)、またはこれらの一部もしくは断片から選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受けた後または投与された後に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21から選択される。いくつかの態様では、そのような1つまたは複数の遺伝子産物は、細胞療法等の療法を受けた後に、対象が特定の臨床応答、例えば、CRまたはPDを呈する可能性を評価またはモニタリングするために、提供される方法において使用することができる。いくつかの態様では、そのような1つまたは複数の遺伝子セットは、細胞療法等の療法を受けた後に、対象が特定の臨床応答、例えば、CRまたはPDを呈する可能性を評価またはモニタリングするために、提供される方法において使用することができる。
【0787】
いくつかの局面では、試料、例えばリンパ節生検材料は、療法の投与開始前1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、14日以内、28日以内、もしくはそれ以上以内、または約1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、7日以内、14日以内、28日以内、もしくはそれ以上以内に、対象から入手または収集される。いくつかの局面では、試料、例えばリンパ節生検材料は、療法の投与開始前14日以内、例えば、7日以内、2日以内、もしくは1日以内に、および/または対象が臨床応答の兆候もしくは徴候を呈する前に、対象から入手または収集される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、ならびに表1~4および表E2~E5のいずれかによって与えられるものを含む遺伝子に加えて、EZH2およびCD3E等のT細胞マーカー遺伝子から選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aによって与えられる遺伝子セットのいずれかから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子セットは、表1~4および表E2~E5のいずれかによって与えられるものから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子セットは、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aによって与えられる遺伝子セットのいずれかから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)、またはこれらの一部もしくは断片から選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITから選択される。いくつかの態様では、対象が療法を受ける前または投与される前に収集された対象からの試料において評価される遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21から選択される。いくつかの態様では、そのような1つまたは複数の遺伝子産物は、細胞療法等の療法を受ける前に、対象が特定の臨床応答、例えば、CRまたはPDを呈する可能性を評価またはモニタリングするために、提供される方法において使用することができる。いくつかの態様では、そのような1つまたは複数の遺伝子セットは、細胞療法等の療法を受ける前に、対象が特定の臨床応答、例えば、CRまたはPDを呈する可能性を評価またはモニタリングするために、提供される方法において使用することができる。
【0788】
C. 遺伝子発現または遺伝子産物の測定または評価
ある特定の態様では、本明細書に提供される方法は、試料中の1つまたは複数の遺伝子の発現を評価、測定、判定および/または定量する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様では、遺伝子、例えば、臨床成果と正にまたは負に相関する発現を有する遺伝子の発現は、試料中の遺伝子産物のレベル、量または濃度を評価、測定、判定および/または定量することであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、遺伝子発現は、遺伝子の情報が遺伝子産物の合成に使用されるプロセスであるかまたはそれを含む。したがって、いくつかの態様では、遺伝子産物は、遺伝子によってコードされる情報でアセンブル、生成および/または合成される任意の生体分子であり、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを含み得る。特定の態様では、遺伝子発現を評価、測定および/または判定することは、遺伝子産物のレベル、量または濃度を判定または測定することであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、遺伝子産物のレベル、量または濃度は、変換(例えば、正規化)されても、直接分析(例えば、生)されてもよい。いくつかの態様では、遺伝子産物は、該遺伝子によってコードされるタンパク質である。ある特定の態様では、遺伝子産物は、該遺伝子によってコードされるポリヌクレオチド、例えば、mRNAまたはタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、該遺伝子によって発現されるおよび/または該遺伝子によってコードされるポリヌクレオチドである。ある特定の態様では、ポリヌクレオチドは、RNAである。いくつかの態様では、遺伝子産物は、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA、核内低分子RNA、核小体低分子RNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA、マイクロRNA、Piwi干渉RNA、低分子干渉RNA、および/または小ヘアピンRNAである。特定の態様では、遺伝子産物は、mRNAである。
【0789】
特定の態様では、本明細書において提供される方法は、試料における1つまたは複数の遺伝子セットの発現を評価、測定、決定、および/または定量する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様では、表現型と正または負の相関がある遺伝子セットの発現は、試料における遺伝子セットの遺伝子産物のそれぞれのレベル、量、または濃度を評価、測定、決定、および/または定量することであるかまたは含む。いくつかの態様では、遺伝子セットの発現は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含むプロセスによって決定される。いくつかの態様では、GSEAを使用して、差次的に発現する遺伝子を決定する。一態様では、本明細書において提供される方法は、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む。(Subramamian, Tamayo, et al 2005, PNAS 102, 15554-15550およびMootha, Lindgren, et al 2003 Nat Genet 34, 267-273)。いくつかの態様では、2つのグループの試料を比較する場合、フィルタリングされたSTARアウトプットからの生の遺伝子レベルカウントとともに、DEseq(Bioconductorバージョン1.24.0)を使用してよい。
【0790】
いくつかの態様では、事前に定義された遺伝子のセットSを仮定して、Sのメンバー(例えば、個々の遺伝子)がリストL全体にランダムに分布しているかまたはリストLの上位もしくは下位に主にみられるかを、GSEAによって決定する。いくつかの態様では、遺伝子セットSのメンバーがリストLの下位の上位に向かって出現する傾向がある場合、その遺伝子セットは表現型のクラス判別と相関がある。いくつかの態様では、これは、順位付けされたリストL全体の極端(上位または下位)においてセットSが大きな割合を占める程度を反映するエンリッチメントスコア(ES)を計算することによって決定され、スコアは、リストLをウォークダウンし、Sにおける遺伝子に遭遇したときに累積和統計値を増加させ、そして、Sには含まれない遺伝子に遭遇したときに累積和統計値を減少させることによって計算される。増分の大きさは、遺伝子と表現型との相関に依存する。いくつかの態様では、エンリッチメントスコアは、ランダムウォークで遭遇したゼロからの最大偏差であり、加重コルモゴロフ・スミルノフ様統計値に対応する。いくつかの態様では、次いで、遺伝子発現データの複雑な相関構造を保持する、経験的な表現型に基づく並べ替え検定手順によってESの統計的有意性(名目上のP値)を推定する。いくつかの態様では、表現型ラベルを並べ替え、そして、並べ替えたデータについての遺伝子セットのESを再計算して、ESについての帰無分布を作成する。次いで、帰無分布に対する相対値として、観察されたESの経験的な名目上のP値を計算することができる。いくつかの態様では、例えば、遺伝子セットのデータベース全体を評価する場合、多重仮説検定を考慮するために推定有意水準を調整する。例えば、まず、セットのサイズを考慮して各遺伝子セットのESを正規化して、正規化されたエンリッチメントスコア(NES)を得る。次いで、各NESに対応する偽陽性率(FDR)を計算することによって偽陽性の比率を制御する。このように、FDRは、所与のNESを有するセットが偽陽性結果を示す推定確率であり、それは、NESの観察分布および帰無分布の尾部を比較することによって計算される。(Subramamian, Tamayo, et al 2005, PNAS 102, 15554-15550)。
【0791】
いくつかの態様では、GSEAは、i)データセット、例えば、DNAマイクロアレイ分析の遺伝子発現プロファイルにおける遺伝子を、選択された表現型とのそれらの相関に基づいて順位付けし、ii)遺伝子セットの全てのメンバーを同定し、そして、in)観察された順位とランダム分布と仮定した場合に予測される順位との間の差を表す、正規化されたエンリッチメントスコア(NES)であってもよいエンリッチメントスコア(ES)を計算することによって実施される。いくつかの態様では、ESおよび/またはNESを計算した後、方法は、試料ラベルをランダム化し、そして、ランダム分布に基づいて遺伝子セットのESおよび/またはNESを計算する。いくつかの態様では、このプロセスを複数回繰り返して、ランダム化されたESスコアの分布を作成する。ランダム化されたESおよび/またはNESスコアを有意に上回る観察されたESおよび/またはNESのスコアは有意であるとみなされ、それにより、生物学的表現型の間で所与の遺伝子セットがアップレギュレートまたはダウンレギュレートまたは差次的に発現していることが示される。エンリッチメントスコアとは、ある遺伝子セットにおける遺伝子が、順位付けされた遺伝子リストの上位または下位において大きな割合を占める程度を反映し、正のエンリッチメントスコアは、遺伝子セットが順位付けされた遺伝子リストの上位において大きな割合を占めることを反映し(例えば、アップレギュレートされた遺伝子セット)、そして、負のエンリッチメントスコアは、遺伝子セットが順位付けされた遺伝子リストの下位において大きな割合を占めることを反映する(例えば、ダウンレギュレートされた遺伝子セット)。
【0792】
いくつかの態様では、アップレギュレートされた遺伝子セットは、表現型と正の相関がある遺伝子セットである。いくつかの態様では、アップレギュレートされた遺伝子セットは、正のエンリッチメントスコア(ES)を有し、その結果、順位付けされたリストの上位にまたは上位に向かって順位付けされる遺伝子セットである。いくつかの態様では、アップレギュレートされた遺伝子セットは、正に濃縮される遺伝子セットである。いくつかの態様では、ダウンレギュレートされた遺伝子セットは、表現型と負の相関がある遺伝子セットである。いくつかの態様では、ダウンレギュレートされた遺伝子セットは、負のエンリッチメントスコア(ES)を有し、その結果、順位付けされたリストの下位にまたは下位に向かって順位付けされる遺伝子セットである。いくつかの態様では、ダウンレギュレートされた遺伝子セットは、負に濃縮される遺伝子セットである。例えば、表現型は、がん、がんの種類(例えば、FLまたはDLBCL)、T細胞の浸潤のレベル(例えば、高いまたは低い)、または処置に対する応答(例えば、CRまたはPD)であってよい。いくつかの態様では、表現型は、がんである。いくつかの態様では、表現型は、がんの種類である。いくつかの態様では、表現型は、T細胞の浸潤である。いくつかの態様では、表現型は、処置に対する応答である。
【0793】
いくつかの態様では、グループ間で潜在的に差次的に発現する遺伝子を順位付けするために、偽発見率(FDR)およびlog2倍数変化カットオフが使用される。いくつかの場合では、全トランスクリプトームの差分解析からの順位付けされた遺伝子リストを、高速遺伝子セット濃縮解析(fGSEA)解析(Bioconductorバージョン1.10.1)に使用して、各遺伝子セットについての正または負の正規化されたエンリッチメントスコア(NES)および多重検定調整p値を得る。
【0794】
特定の態様では、試料中のポリヌクレオチドの量またはレベルは、当技術分野において公知の任意の適切な手段によって評価、測定、判定および/または定量され得る。例えば、いくつかの態様では、ポリヌクレオチド遺伝子産物の量またはレベルは、以下によって評価、測定、判定および/または定量することができる:逆転写酵素(rt)PCR、ドロップレットデジタルPCR、リアルタイムおよび定量的PCR(qPCR)法を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、TAQMAN(登録商標)、モレキュラービーコン、LIGHTUP(商標)、SCORPION(商標)、SIMPLEPROBES(登録商標)を含む;例えば、米国特許第5,538,848号;第5,925,517号;第6,174,670号;第6,329,144号;第6,326,145号および第6,635,427号を参照のこと);ノーザンブロッティング;サザンブロッティング(例えば、逆転写産物および誘導体の);アレイに基づく方法(ブロットアレイ、マイクロアレイ、またはインサイチュー合成アレイを含む);ならびにシーケンシング法、例えば、合成時解読法(sequencing by synthesis)、パイロシーケンシング法、ジデオキシシーケンシング法もしくはライゲーションによるシーケンシング法(sequencing by ligation)、または当技術分野において公知の任意の他の方法、例えば、HELICOS(登録商標)、ROCHE(登録商標)454、ILLUMINA(登録商標)/SOLEXA(登録商標)、ABI SOLiD(登録商標)、およびPOLONATOR(登録商標)シーケンシング法のような特殊なプラットフォームを含め、Shendure et al., Nat. Rev. Genet. 5:335-44 (2004)またはNowrousian, Euk. Cell 9(9): 1300-1310 (2010)において議論されているもの。特定の態様では、核酸遺伝子産物のレベルは、qRT-PCRなどの定量的PCR(qPCR)法によって測定される。いくつかの態様では、qRT-PCRは、各遺伝子について3つの核酸セットを使用し、ここで、3つの核酸は、プライマー対を、プライマーが結合する標的核酸の領域間で結合するプローブと一緒に含む(TAQMAN(登録商標)アッセイとして商用上知られている)。
【0795】
特定の態様では、RNA遺伝子産物の量またはレベルを評価、測定、判定および/または定量することは、RNA遺伝子産物からcDNAポリヌクレオチドおよび/またはcDNAオリゴヌクレオチドを生成、重合および/または誘導する工程を含む。ある特定の態様では、RNA遺伝子産物は、RNA遺伝子産物から誘導されるcDNAポリヌクレオチドおよび/またはcDNAオリゴヌクレオチドを直接評価、測定、判定および/または定量することによって、評価、測定、判定および/または定量される。
【0796】
いくつかの態様では、RNA遺伝子産物のレベル、量または濃度を評価、測定、判定および/または定量するために、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、RNA遺伝子産物および/またはRNA遺伝子産物から誘導されるcDNAポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドに接触させられる。いくつかの態様では、RNA遺伝子産物(またはそれらから誘導されるcDNA)のレベル、量または濃度を評価、測定、検出および/または定量するのに適したオリゴヌクレオチドプライマーが本明細書に提供される。ある特定の態様では、オリゴヌクレオチドプライマーは、RNA遺伝子産物および/またはそれらから誘導されるcDNAにハイブリダイズするおよび/またはハイブリダイズ可能である。特定の態様では、オリゴヌクレオチドは、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、または表1~4もしくは表E2~E5のいずれかに列挙されているもののいずれかを含む遺伝子によって発現および/またはコードされるRNA遺伝子産物またはそれに由来するcDNAにハイブリダイズするおよび/またはハイブリダイズすることができる。特定の態様では、オリゴヌクレオチドは、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aのいずれかに列挙されているもののいずれかを含む遺伝子によって発現および/またはコードされるRNA遺伝子産物またはそれに由来するcDNAにハイブリダイズするおよび/またはハイブリダイズすることができる。いくつかの態様では、EZH2、CD3E等のT細胞マーカー遺伝子、あるいは表1~4もしくは表E2~E5のいずれかに列挙されているかまたは本願のどこかに記載されているもののいずれかを含む遺伝子のいずれかによってコードされるRNA遺伝子産物のいずれかに対してオリゴヌクレオチドプライマーのセットを調製してよい。いくつかの態様では、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aのいずれかに列挙されているもののいずれかを含む遺伝子のいずれかによってコードされるRNA遺伝子産物のいずれかに対してオリゴヌクレオチドプライマーのセットを調製してよい。いくつかの態様では、PDCD1、LAG3、TIGITを含む遺伝子のいずれかによってコードされるRNA遺伝子産物のいずれかに対してオリゴヌクレオチドプライマーのセットを調製してよい。いくつかの態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む遺伝子のいずれかによってコードされるRNA遺伝子産物のいずれかに対してオリゴヌクレオチドプライマーのセットを調製してよい。いくつかの態様では、所与のRNA遺伝子産物に特異的なプライマーに到達するために、分子生物学分野の通常の技能を使用してオリゴヌクレオチドプライマーを容易に設計することができる。いくつかの態様では、オリゴヌクレオチドプライマーは、約10~100ヌクレオチド長、例えば、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100ヌクレオチドまたはそれ以上を有し、所望の融解温度(「Tm」;例えば、約45~72℃、例えば、約45、50、55、60、65、70、72℃またはそれ以上)および特異性を達成するためにプライマーの配列を容易に調整することができる。当業者であれば、二次構造、プライマー二量体、塩濃度、核酸濃度などの要因の把握は容易であろう。本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドプライマーは、天然に存在するデオキシリボヌクレオチドからなり得る(または本質的になり得る)か、任意で、非天然ヌクレオチド、人工骨格(PNAなど)および検出可能標識、例えば蛍光標識などの修飾を含み得る。特定の態様では、蛍光標識は、オリゴヌクレオチドプライマーに付着される、例えば、共有結合により付着される。
【0797】
特定の態様では、遺伝子の2つ以上の発現が同時に測定または評価される。ある特定の態様では、マルチプレックスPCR、例えば、マルチプレックスrt-PCRは、2つ以上の遺伝子産物のレベル、量または濃度を評価し、または、マルチプレックス定量的PCR(qPCR)は、それらを測定、判定および/または定量する。いくつかの態様では、マイクロアレイ(例えば、AFFYMETRIX(登録商標)、AGILENT(登録商標)およびILLUMINA(登録商標)-スタイルアレイ)が、2つ以上の遺伝子産物のレベル、量または濃度を評価、測定、判定および/または定量するために使用される。いくつかの態様では、マイクロアレイが、RNA遺伝子産物から誘導されるcDNAポリヌクレオチドのレベル、量または濃度を評価、測定、判定および/または定量するために使用される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物、例えば、ポリヌクレオチド遺伝子産物の発現は、遺伝子産物をシーケンシングすることによって、および/または遺伝子産物から誘導されるcDNAポリヌクレオチドをシーケンシングすることによって判定される。いくつかの態様では、シーケンシングは、非サンガーシーケンシング法および/または次世代シーケンシング(NGS)技術によって実施される。次世代シーケンシング技術の例は、超並列シグネチャシーケンシング(MPSS)、Polonyシーケンシング、パイロシーケンシング、リバーシブル・ダイ・ターミネーター・シーケンシング、SOLiDシーケンシング、イオン半導体シーケンシング、DNAナノボールシーケンシング、Helioscope単分子シーケンシング、単分子リアルタイム(SMRT)シーケンシング、単分子リアルタイム(RNAP)シーケンシング、およびナノポアDNAシーケンシングを含むが、それらに限定されない。
【0798】
いくつかの態様では、NGS技術は、RNAシーケンシング(RNA-Seq)である。特定の態様では、1つまたは複数のポリヌクレオチド遺伝子産物の発現は、RNA-Seqによって測定、判定および/または定量される。全トランスクリプトームショットガンシーケンシングとも呼ばれるRNA-Seqは、試料中のRNAの存在および量を判定する。RNAシーケンシング法は、最も一般的なDNAシーケンシングプラットフォーム[HiSeqシステム(Illumina)、454 Genome Sequencer FLX System(Roche)、Applied Biosystems SOLiD(Life Technologies)、IonTorrent(Life Technologies)]に適応されている。これらのプラットフォームは、RNAからcDNAへの初期逆転写を必要とする。反対に、単分子シーケンサーHeliScope(Helicos BioSciences)は、シーケンシングの鋳型としてRNAを使用することができる。PacBio RSプラットフォームにおける直接RNAシーケンシングについての原理証明もまた実証されている(Pacific Bioscience)。いくつかの態様では、1つまたは複数のRNA遺伝子産物は、RNA-seqによって評価、測定、判定および/または定量される。いくつかの態様では、RNA-seqは、タグベースのRNA-seqである。タグベースの方法では、各転写物は、固有のタグによって表される。当初、タグベースのアプローチは、タグ(カウント)の数がmRNA分子の存在量に直接対応すると仮定し、転写物存在量を測定して差次的に発現された遺伝子を特定する配列ベースの方法として開発された。明確な領域をシーケンシングすることによって得られる試料の複雑性の低下は、サンガーベースの方法を利用し易くするのに不可欠であった。NGS技術が利用可能になると、生成され得る多数のリードは、差次的遺伝子発現の分析を容易にした。ショットガン法に関して観察されるような遺伝子発現レベルの定量における転写物長の偏りは、タグベースの方法において遭遇することはない。すべてのタグベースの方法は、その名のとおり鎖特異的である。特定の態様では、1つまたは複数のRNA遺伝子産物は、タグベースのRNA-seqによって評価、測定、判定および/または定量される。
【0799】
いくつかの態様では、RNA-seqは、ショットガンRNA-seqである。ショットガンRNA-seqに関して多数のプロトコルが記載されているが、これらは共通して多くの工程を有する:断片化(RNAレベルまたはcDNAレベルで行われ得る)、RNAからcDNAへの変換(オリゴdTまたはランダムプライマーによって実施される)、第2鎖合成、3’および5’末端でのアダプター配列のライゲーション(RNAまたはDNAレベルでの)および最終増幅。いくつかの態様では、RNA-seqは、ポリ(A)+ RNAが断片化の前に選択された場合には、ポリアデニル化RNA分子(主にmRNAであるが、一部、lncRNA、snoRNA、偽遺伝子およびヒストンも)にのみ焦点を合わせることができ、または選択が実施されない場合には非ポリアデニル化RNAを含んでもよい。後者の場合、リボソームRNA(総RNAプールの80%超)が断片化の前に枯渇される必要がある。それゆえ、トランスクリプトームのmRNA部分の捕捉に差があれば、検出される転写物のタイプに部分的な重なりが生じることは明らかである。さらに、異なるプロトコルは、配列決定されたリードの存在量および分布に影響を及ぼし得る。これは、異なるライブラリー調製プロトコルを用いた実験結果の比較を困難にする。
【0800】
いくつかの態様では、各試料、例えば各リンパ節生検試料からRNAを得て、断片化し、これを使用して、シーケンシングのための相補的DNA(cDNA)試料、例えばcDNAライブラリーを生成する。リードを処理してヒトゲノムにアラインしてもよく、遺伝子/アイソフォーム当たりの予想されるマッピング数を推定し、これを使用してリードカウントを決定する。いくつかの態様では、リードカウントを、遺伝子/アイソフォームの長さおよびライブラリー中のリードの数によって正規化し、正規化されたFPKM(例えば、遺伝子/アイソフォームの長さおよびライブラリー中のリードによって)を得ると、遺伝子長および総マップリードに従って100万マップリード当たりのエクソンのキロベース当たりのフラグメント(FPKM)が得られる。いくつかの局面では、試料間正規化は、75th分位正規化などの正規化によって達成され、ここで、各試料は、全試料からの75th分位の中央値によってスケーリングされ、例えば、分位正規化FPKM(FPKQ)値が得られる。FPKQ値は、対数変換(log2)してもよい。
【0801】
いくつかの態様では、ヌクレオチドアプタマーを伴う技術および方法が、ポリヌクレオチド遺伝子産物のレベル、量または濃度を測定、評価、定量および/または判定するために使用される。適切なヌクレオチドアプタマーは、公知であり、Cox and Ellington, Bioorganic & Medicinal Chemistry. (2001) 9 (10): 2525-2531;Cox et al., Combinatorial Chemistry & High Throughput Screening. (2002) 5 (4): 289-29;Cox et al., Nucleic Acids Research. (2002) 30(20): e108に記載されているものを含む。
【0802】
いくつかの態様では、RNA-seqは、トータルRNA、例えば、試料のトータルRNAをシーケンシングするために実施される。特定の態様では、RNA-seqは、mRNA、tRNA、リボソームRNA、核内低分子RNA、核小体低分子RNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA、マイクロRNA、Piwi干渉RNA、低分子干渉RNAおよび/または小ヘアピンRNAの1つまたは複数をシーケンシングするために実施される。ある特定の態様では、RNA-seqは、mRNA、tRNA、リボソームRNA、核内低分子RNA、核小体低分子RNA、アンチセンスRNA、長鎖非コードRNA、マイクロRNA、Piwi干渉RNA、低分子干渉RNAおよび/または小ヘアピンRNAのみをシーケンシングするために実施される。特定の態様では、RNA-seqは、mRNA遺伝子産物をシーケンシングするために実施される。
【0803】
いくつかの態様では、RNAの抽出後、Illumina RNA Access Kitによって発現を解析して、バーコード付きライブラリを得、次いで、これを定量する。いくつかの局面では、試料が複数のレーンにわたって分布し、そして、レーンごとに多重化されるように、ライブラリ材料を装置(例えば、Illumina Hiseq 4000、Hiseq X、またはNextSeq)にロードする。いくつかの場合では、最小シーケンシング深度は、最初の3つのバッチでは2,000万ペアエンドリード、そして、残りのバッチでは4,000万ペアエンドリードであり、シーケンシング長さは50塩基対(bp)である。
【0804】
いくつかの態様では、配列のアライメントを実施する。いくつかの場合では、FastqQC(v 0.11.5)を用いてfastqファイルにおけるリードの品質を評価し、そして、bbmap reformat(v.37.24)を用いてfastqファイルがfastqフォーマットに準拠しているかどうかについて検定し、そして、必要に応じて品質エンコーディングをq33に変換する。いくつかの場合では、cutadapt(v1.15)を用いてIlluminaアダプターをトリミングし、そして、得られたfastqファイルをSalmon、STAR、および任意の他の下流プロセスのために使用する。
【0805】
いくつかの態様では、hg38の一次アセンブリ(ENCODE GRCh38.p5)およびGencode Release 24からのアノテーションを使用する。キメラ抗原受容体(CAR)T細胞を注入した後に収集した試料が定量されたCAR配列を有し得るように、CARの配列をゲノムに接合させることができる。STAR(v2.5.2b)の2パスモードを用いて全ゲノムに対してアライメントを行うことができ、そして、quantmode GeneCountsオプションを用いてカウントを取得することができ;STARは、clip3pAdapterSequenceオプションを用いてフライにおけるリードをトリミングするためにも使用される。Salmon(v 0.7)を用いて、トリミングされたfastqファイルの転写物および遺伝子に対する疑似アラインメントを得ることができる。いくつかの場合では、picardツール(v2.18)、特に、重複リードをマークするが削除しないMarkDuplicates、InsertSizeMetrics、CollectAlignmentSummaryMetrics、およびCollectRNAseqMetricsを使用してアライメントの品質を評価する。
【0806】
いくつかの態様では、RNA-Accessライブラリの調製にエクソームアレイを使用して、エクソンをコードしているRNA断片を捕捉する。したがって、いくつかの場合では、CARコンストラクトのリードカウントを保持することを除いて、RNA-Accessプローブセットの一部ではないSTARおよびSalmonのアウトプットからの全ての遺伝子を削除する。
【0807】
いくつかの態様では、遺伝子産物は、該遺伝子によってコードされるおよび/またはそれによって発現される、タンパク質、すなわち、ポリペプチドであるかまたはそれを含む。特定の態様では、遺伝子産物は、細胞の表面に局在するおよび/または発現されるタンパク質をコードする。いくつかの態様では、タンパク質は、可溶性タンパク質である。ある特定の態様では、タンパク質は、細胞によって分泌される。
【0808】
特定の態様では、遺伝子発現は、該遺伝子によってコードされるタンパク質の量、レベルおよび/または濃度である。ある特定の態様では、1つまたは複数のタンパク質遺伝子産物は、当技術分野において公知の任意の適切な手段によって測定される。1つまたは複数のタンパク質遺伝子産物のレベル、量または濃度を評価、測定、判定および/または定量するための適切な方法は、イムノアッセイ、核酸ベースまたはタンパク質ベースのアプタマー技術、HPLC(高精度液体クロマトグラフィー)、ペプチドシーケンシング(任意でHPLCに接続された、Edman分解シーケンシングまたは質量分析法(MS/MSなど)など)、および前述のいずれかのマイクロアレイ適応(核酸、抗体またはタンパク質-タンパク質(すなわち、非抗体)アレイを含む)による検出を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、イムノアッセイは、タンパク質を免疫反応に基づいて、例えば、抗体または抗原結合抗体断片の遺伝子産物への結合を検出することによって検出する方法またはアッセイであるかまたはそれを含む。イムノアッセイは、定量的免疫細胞化学または免疫組織化学、ELISA(直接的、間接的、サンドイッチ、競合的、マルチプルおよびポータブルELISAを含む(例えば、米国特許第7,510,687号を参照のこと))、ウェスタンブロッティング(1、2またはより高次元ブロッティングまたは他のクロマトグラフ手段を含む、任意でペプチドシーケンシングを含む)、酵素イムノアッセイ(EIA)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、およびSPR(表面プラズモン共鳴)を含むが、それらに限定されない。
【0809】
いくつかの態様では、遺伝子発現産物はタンパク質である。特定の態様では、遺伝子発現産物は、タンパク質、例えば、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、および/もしくは表E5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子によってコードされるタンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームである。特定の態様では、遺伝子発現産物は、タンパク質、例えば、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aに示される遺伝子のいずれかによってコードされるタンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームである。特定の態様では、遺伝子発現産物は、タンパク質、例えば、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21を含む遺伝子によってコードされるタンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームである。特定の態様では、遺伝子発現産物は、タンパク質、例えば、PDCD1、LAG3、および/またはTIGITを含む遺伝子によってコードされるタンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームである。特定の態様では、タンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームは、可溶性である。いくつかの態様では、タンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームは、膜貫通ドメインを欠如する。ある特定の態様では、タンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームは、細胞表面上または細胞表面内に発現されていない。いくつかの態様では、タンパク質の画分、一部、バリアント、バージョン、および/またはアイソフォームは、細胞表面から切断されている。
【0810】
本明細書に提供される方法、キット、および組成物の実施はまた、従来の生物学的方法、ソフトウェアおよびシステムを採用する場合がある。例えば、遺伝子、例えば、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、および/もしくは表E5のいずれかに記載されるもののいずれか、PDCD1、LAG3、およびTIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む遺伝子、または表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および表4aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子の転写物または部分転写物の発現レベルを測定するための手段;発現レベルを、療法の投与後の、および/またはそれと関連する、確率および/または可能性(例えば、臨床アウトカム、例えばCRもしくはPDの、NHLサブタイプの、EZH2阻害剤による処置の、および/またはT細胞応答、例えばTME中への浸潤もしくはTMEからの排除の確率および/または可能性)の分類と関連付けるための手段;ならびに確率および/または可能性をアウトプットするための手段は、本明細書に記載される、またはさもなければ公知の従来的な生物学的方法、ソフトウェアおよびシステムを採用する場合がある。提供される方法、組成物、およびキットでの使用のためのコンピュータソフトウェア製品は、典型的には、本発明の方法の論理ステップを行うためのコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ可読媒体を含む。適切なコンピュータ可読媒体は、フロッピーディスク、CD-ROM/DVD/DVD-ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリー、ROM/RAM、磁気テープ、その他を含む。コンピュータ実行可能な命令は、適切なコンピュータ言語またはいくつかの言語の組み合わせで書かれる場合がある。基礎的な計算生物学的方法は、例えば、Setubal and Meidanis et al., Introduction to Computational Biology Methods (PWS Publishing Company, Boston, 1997); Salzberg, Searles, Kasif, (Ed.), Computational Methods in Molecular Biology, (Elsevier, Amsterdam, 1998); Rashidi and Buehler, Bioinformatics Basics: Application in Biological Science and Medicine (CRC Press, London, 2000)およびOuelette and Bzevanis Bioinformatics: A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins (Wiley & Sons, Inc., 2.sup.nd ed., 2001)に記載されている。米国特許第6,420,108号を参照されたい。
【0811】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法は、試料中の対応する1つまたは複数の遺伝子産物の量を評価、測定、決定、および/または定量することによる、試料中の1つまたは複数の遺伝子を評価する工程を含む。ある特定の態様では、臨床応答、例えば、CRまたはPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある、試料中の1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中の1つまたは複数の対応する遺伝子産物の量またはレベルを決定することによって測定される。ある特定の態様では、NHLのサブタイプ、例えばDLBCLまたはFLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある、試料中の1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中の1つまたは複数の対応する遺伝子産物の量またはレベルを決定することによって測定される。ある特定の態様では、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある、試料中の1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中の1つまたは複数の対応する遺伝子産物の量またはレベルを決定することによって測定される。ある特定の態様では、T細胞応答、例えば、TME中への浸潤またはTMEからの排除と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある、試料中の1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中の1つまたは複数の対応する遺伝子産物の量またはレベルを決定することによって測定される。ある特定の態様では、試料中の遺伝子発現は、遺伝子によってコードされる遺伝子産物のレベル、量、または濃度である。
【0812】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えば、CRまたはPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中で測定される。いくつかの態様では、臨床アウトカムと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコード、産生、および/または発現される産物の量またはレベルを決定することによって評価、測定、決定、および/または定量される。特定の態様では、NHLサブタイプ、例えばDLBCLまたはFLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中で測定される。いくつかの態様では、NHLサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコード、産生、および/または発現される産物の量またはレベルを決定することによって評価、測定、決定、および/または定量される。特定の態様では、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中で測定される。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコード、産生、および/または発現される産物の量またはレベルを決定することによって評価、測定、決定、および/または定量される。特定の態様では、T細胞応答、例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中で測定される。いくつかの態様では、T細胞応答と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコード、産生、および/または発現される産物の量またはレベルを決定することによって評価、測定、決定、および/または定量される。
【0813】
いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、およびE5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aに記載される1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現される。ある特定の態様では、遺伝子産物は、遺伝子によってコードされる2つ以上のアイソフォームのうちの1つである。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)、またはこれらの一部のうち1つまたは複数の産物である。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、TIGIT、またはこれらの一部のうち1つまたは複数の産物である。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21、またはこれらの一部のうち1つまたは複数の産物である。
【0814】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えばPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるRNA産物の量またはレベルを決定することによって、評価、測定、決定、および/または定量される。ある特定の態様では、遺伝子産物はmRNAである。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、および/もしくはE5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む1つまたは複数の遺伝子によって産生またはコードされるmRNAである。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表2a(例えば、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)に記載される1つまたは複数の遺伝子によって産生またはコードされるmRNAである。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表E2Bに記載される1つまたは複数の遺伝子によって産生またはコードされるmRNAである。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうち1つまたは複数によってコードされるmRNA産物である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のうち1つまたは複数によってコードされるmRNA産物である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITのうち1つまたは複数によってコードされるmRNA産物である。
【0815】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えばPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、1つまたは複数の遺伝子によってコードまたは発現されるタンパク質の量またはレベルを決定することによって評価、測定、決定、および/または定量される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、および/もしくはE5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質、またはその一部もしくはバリアントである。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表2a(例えば、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)に記載される1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質、またはその一部もしくはバリアントである。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表E2Bに記載される1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質、またはその一部もしくはバリアントである。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)より選択される1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21より選択される1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質である。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITより選択される1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質である。
【0816】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えばCRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、試料中で測定される。いくつかの態様では、毒性と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコード、産生、および/または発現される産物の量またはレベルを決定することによって、評価、測定、決定、および/または定量される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、および/もしくはE5のうちいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子によって、コード、産生、および/または発現される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表3a(例えば、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)に記載される遺伝子によって、コード、産生、および/または発現される。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表E2Bに記載される遺伝子によって、コード、産生、および/または発現される。ある特定の態様では、遺伝子産物は、遺伝子によってコードされる2つ以上のアイソフォームのうちの1つである。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうち1つまたは複数の産物である。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のうち1つまたは複数の産物である。特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、およびTIGITのうち1つまたは複数の産物である。
【0817】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えばCRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、1つまたは複数の遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるRNA産物の量またはレベルを決定することによって、評価、測定、決定、および/または定量される。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、および/もしくはE5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む1つまたは複数の遺伝子のmRNAまたはその一部もしくは部分転写物のうち1つまたは複数である。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表3a(例えば、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)に記載される1つまたは複数の遺伝子のmRNAまたはその一部もしくは部分転写物のうち1つまたは複数である。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、表E2Aに記載される1つまたは複数の遺伝子のmRNAまたはその一部もしくは部分転写物のうち1つまたは複数である。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)のうち1つまたは複数によって産生またはコードされるmRNAまたはその一部もしくは部分転写物である。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21の1つまたは複数によって産生またはコードされるmRNAまたはその一部もしくは部分転写物である。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物は、PDCD1、LAG3、またはTIGITのうち1つまたは複数によって産生またはコードされるmRNAまたはその一部もしくは部分転写物である。
【0818】
特定の態様では、臨床アウトカム、例えばCRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の発現は、遺伝子によってコードまたは発現されるタンパク質の量またはレベルを決定することによって、評価、測定、決定、および/または定量される。いくつかの態様では、遺伝子産物は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、および/もしくはE5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、表3a(例えば、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE)に記載される遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、表E2Bに記載される遺伝子によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、またはCCL21によってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、遺伝子産物は、PDCD1、LGA3、またはTIGITによってコード、産生、および/または発現されるタンパク質である。
【0819】
ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法後のT細胞応答、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置、およびNHLサブタイプのうち1つまたは複数と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子、ならびに臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、療法後のT細胞応答、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置、およびNHLサブタイプのうち1つまたは複数と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。ある特定の態様では、EZH2ならびに表E2および/または表E3のいずれかに記載されるものを含む1つまたは複数の遺伝子、ならびにCD3EなどのT細胞マーカー遺伝子および表E4または表E5に記載されるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子産物が、試料中で測定される。ある特定の態様では、表1aおよび/または表2aに記載される1つまたは複数の遺伝子の遺伝子産物は、試料中で測定される。ある特定の態様では、表E2Aおよび/または表E2Bに記載される1つまたは複数の遺伝子の遺伝子産物は、試料中で測定される。いくつかの態様では、EZH2、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)、およびカルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2)の1つまたは複数の遺伝子産物;アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);CD3E、ならびに長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA 239(LINC00239)のうち、1つまたは複数の遺伝子産物は、試料中で測定される。
【0820】
いくつかの態様では、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物は、試料中で測定され、SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);および膜貫通タンパク質71(TMEM71);KIAA1551(KIAA1551)によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0821】
いくつかの態様では、AURKA、BRCA2、CCP110、CENPE、CKS2、DCLRE1B、DNMT1、DONSON、EED、GINS1、GINS4、H2AFZ、LIG1、MAD2L1、MCM2、MCM4、MCM5、MCM7、MELK、MMS22L、NAA38、NASP、NUDT21、NUP205、ORC6、PCNA、PLK4、POLE、PRIM2、RAD51AP1、RFC2、RPA2、RPA3、SUV39H1、TMPO、UBE2T、WDR90、CDK1、MCM3、TOP2A、MCM6、BIRC5、CCNB2、RRM、HMGB2、BUB1B、RFC3、EZH2、CHEK1、SMC4、MKI67、CDC20、PLK1、KIF2C、DLGAP5、AURKB、CDC25A、TRIP13、H2AFX、HMMR、E2F8、BRCA1、MYBL2、POLD1、RACGAP1、CKS1B、KPNA2、MSH2、CDKN3、ATAD2、RPA1、STMN1、TIPIN、TK1、CDCA8、ESPL1、NCAPD2、RANBP1、MRE11A、KIF4A、LMNB1、KIF22、UNG、SMC1A、CCNE1、CDCA3、ASF1B、POLA2、TIMELESS、HELLS、UBE2S、PRKDC、RAN、USP1、SPAG5、POLD3、DUT、TACC3、KIF18B、CDC25B、SRSF1、GINS3、NOLC1、SLBP、CHEK2、SPC25、BARD1、DCTPP1、SMC3、RNASEH2A、DEK、CENPM、RAD51C、CBX5、RFC1、POLD2、DSCC1、ILF3、DEPDC1、DCK、CDKN2C、MYC、TCF19、RAD1、LBR、NBN、PTTG1、UBR7、POLE4、TUBG1、CTCF、RQCD1、TUBB、SMC6、ZW10、PA2G4、SSRP1、NAP1L1、ANP32E、HMGB3、IPO7、RAD21、CDK4、CDKN1A、BRMS1L、RAD50、TRA2B、CSE1L、PAICS、STAG1、LUC7L3、PPM1D、NME1、SRSF2、XPO1、HNRNPD、PMS2、ASF1A、EXOSC8、MLH1、NUP107、ORC2、TP53、TFRC、HMGA1、PSIP1、DDX39A、SNRPB、CDKN1B、MTHFD2、WEE1、PRDX4、PHF5A、TBRG4、SHMT1、PRPS1、DIAPH3、NUP153、PSMC3IP、XRCC6、PNN、HUS1、RBBP7、PDS5B、NOP56、MXD3、PPP1R8、GSPT1、CDKN2A、AK2、CIT、ING3、HN1、POP7、SYNCRIP、EIF2S1、LYAR、PAN2、およびSPC24によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0822】
いくつかの態様では、AURKA、CCNA2、TOP2A、CCNB2、CENPA、BIRC5、CDC20、PLK1、TTK、PRC1、NDC80、KIF11、NUSAP1、CKS2、KIF2C、MKI67、AURKB、TPX2、SMC4、BUB1、CENPF、RACGAP1、CENPE、KIF23、UBE2C、MCM6、MCM3、PTTG1、CDK1、KIF4A、ESPL1、MAD2L1、NEK2、KIF22、HMMR、KPNA2、CDKN3、CDC25A、H2AFX、CDC25B、PLK4、CDC6、CCNF、MCM5、LMNB1、E2F3、KIF15、CHEK1、UBE2S、WHSC1、HMGB3、DBF4、TACC3、MCM2、CDKN2C、CDKN1B、FANCC、NASP、STAG1、GINS2、FBXO5、POLQ、EZH2、RAD21、STMN1、SUV39H1、PRIM2、E2F1、CHAF1A、NOLC1、GSPT1、BUB3、SMC1A、ILF3、CDC7、INCENP、CKS1B、EXO1、H2AFZ、TFDP1、CCND1、KPNB1、HN1、LBR、HUS1、KIF20B、TOP1、DS5B、SRSF1、STIL、ABL1、DTYMK、CDC27、BARD1、ATF5、CDC45、ODC1、XPO1、SFPQ、TMPO、PML、BRCA2、CTCF、CASC5、SETD8、SLC38A1、TRA2B、MYBL2、TROAP、PAPD7、CUL3、MAPK14、HIST1H2BK、MYC、AMD1、CBX1、CHMP1A、DKC1、YTHDC1、CCNT1、TGFB1、ATRX、LIG3、NUP50、SLC7A5、RBL1、NUMA1、RAD54L、EFNA5、PRPF4B、UCK2、ARID4A、CUL1、UPF1、DR1、MNAT1、SMC2、RBM14、RPA2、SQLE、ORC6、CDK4、POLE、RASAL2、HOXC10、RPS6KA5、CUL4A、SLC7A1、FOXN3、HMGA1、SS18、TRAIP、PRMT5、CUL5、DDX39A、MARCKS、PBK、ORC5、SAP30、KATNA1、HNRNPD、POLA2、HIRA、HIF1A、SYNCRIP、TLE3、NCL、RAD23B、E2F2、HMGN2、SRSF10、SNRPD1、CASP8AP2、SMARCC1、SLC12A2、NOTCH2、TNPO2、SMAD3、HSPA8、G3BP1、DMD、MEIS1、HNRNPU、SRSF2、MT2A、NUP98、EWSR1、KIF5B、MTF2、E2F4、BCL3、PURA、MEIS2、PAFAH1B1、WRN、H2AFV、またはDF2によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0823】
ある態様では、FADS1、DDIT4、CALR、HK2、PGK1、SLC7A5、CTSC、ACSL3、SLC1A5、M6PR、TFRC、DDIT3、TMEM97、IFRD1、PLOD2、TUBA4A、PSAT1、CORO1A、LDHA、MTHFD2、FADS2、VLDLR、WARS、SCD、P4HA1、ACTR2、IDH1、SLC2A1、GBE1、SERPINH1、NUPR1、PSMG1、PSPH、NAMPT、CDKN1A、BHLHE40、HSPA9、HSPA5、EGLN3、LGMN、PNP、XBP1、SLA、DDX39A、HSPE1、ACLY、SLC7A11、SSR1、GLA、SQSTM1、PDK1、PSMC2、PRDX1、SERP1、TRIB3、NFIL3、HMGCS1、GOT1、TPI1、ELOVL6、ASNS、PSMD14、PSMA4、PPA1、HPRT1、AURKA、HMGCR、GAPDH、DHFR、DHCR7、IMMT、UCHL5、YKT6、INSIG1、SQLE、IGFBP5、IFI30、CYP51A1、FGL2、ENO1、IDI1、CYB5B、SHMT2、TXNRD1、G6PD、SLC9A3R1、RAB1A、EBP、PNO1、PIK3R3、ACTR3、LDLR、SLC2A3、UBE2D3、ELOVL5、CACYBP、EDEM1、ATP6V1D、TES、TM7SF2、PSMA3、ITGB2、AK4、SLC1A4、TOMM40、SLC6A6、PPIA、ADD3、ME1、CCNF、SLC37A4、ALDOA、BTG2、UFM1、CCNG1、STC1、NMT1、PSMC6、FDXR、RRM2、DHCR24、PSMC4、CTH、PSME3、CFP、POLR3G、ACACA、QDPR、MCM2、PSMD12、CANX、RPN1、HSPA4、FAM129A、TBK1、SEC11A、BCAT1、PSMB5、PSMD13、PGM1、PLK1、GLRX、COPS5、ETF1、GSK3B、NUP205、SORD、PHGDH、GMPS、RRP9、EEF1E1、LTA4H、SDF2L1、FKBP2、RDH11、CXCR4、MLLT11、GCLC、TCEA1、MAP2K3、HSPD1、SYTL2、MCM4、PPP1R15A、USO1、NFKBIB、UNG、GTF2H1、RPA1、HSP90B1、GSR、PITPNB、EPRS、SRD5A1、TUBG1、MTHFD2L、ADIPOR2、NUFIP1、CDC25A、PDAP1、STARD4、BUB1、ARPC5L、GPI、EIF2S2、CD9、ATP2A2、GGA2、HMBS、RIT1、SKAP2、STIP1、DAPP1、ABCF2、NFYC、ATP5G1、PFKL、またはCCT6Aによって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0824】
いくつかの態様では、SLC19A1、MRTO4、TMEM97、RRP9、PES1、TFB2M、EXOSC5、IPO4、NDUFAF4、NOC4L、MYC、SRM、PA2G4、GNL3、NOLC1、WDR43、RABEPK、NOP16、TBRG4、DDX18、NIP7、WDR74、BYSL、HSPD1、PLK4、NOP2、PPAN、NOP56、RCL1、NPM1、AIMP2、RRP12、PPRC1、TCOF1、MCM5、HK2、CBX3、PLK1、PHB、MCM4、CDK4、DUSP2、MYBBP1A、UTP20、PRMT3、FARSA、MAP3K6、LAS1L、PUS1、HSPE1、SLC29A2、DCTPP1、SUPV3L1、SORD、IMP4、GRWD1、UNG、またはMPHOSPH10によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0825】
いくつかの態様では、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、またはHK2によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0826】
いくつかの態様では、MX1、ISG15、OAS1、IFIT3、IFI44、IFI35、IRF7、RSAD2、IFI44L、IFITM1、IFI27、IRF9、OASL、EIF2AK2、IFIT2、CXCL10、TAP1、SP110、DDX60、UBE2L6、USP18、PSMB8、IFIH1、BST2、LGALS3BP、ADAR、ISG20、GBP2、IRF1、PLSCR1、PSMB9、HERC6、SAMD9、CMPK2、IFITM3、RTP4、STAT2、SAMD9L、LY6E、IFITM2、CXCL11、TRIM21、PARP14、TRIM26、PARP12、NMI、RNF31、HLA-C、CASP1、TRIM14、TDRD7、DHX58、PARP9、PNPT1、TRIM25、PSME1、WARS、EPSTI1、UBA7、PSME2、B2M、TRIM5、C1S、LAP3、GBP4、NCOA7、TMEM140、CD74、GMPR、PSMA3、PROCR、IL7、IFI30、IRF2、CSF1、IL15、CNP、FAM46A、IL4R、CD47、LPAR6、MOV10、CASP8、TXNIP、SLC25A28、SELL、TRAFD1、BATF2、RIPK2、CCRL2、NUB1、OGFR、またはELF1によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0827】
いくつかの態様では、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、またはIRF2によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。いくつかの態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、またはCCL21によって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。いくつかの態様では、PDCD1、LAG3、またはTIGITによって発現される1つまたは複数の遺伝子産物が、試料中で測定される。
【0828】
いくつかの態様では、試料中の遺伝子産物のうち1つまたは複数を測定、評価、決定、および/または定量することは、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答、EZH2阻害剤の使用もしくはそれによる処置、および試料が対象から収集されるときのNHLサブタイプのうち1つもしくは複数を予測しない、ならびに/またはそれと関連もしくは相関しない。いくつかの態様では、対象が、療法、例えば、CAR-T細胞を含有する細胞療法による処置を受ける間または受けた後に試料が収集される場合、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1、2、3、4、E2、E3、E4、もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子のいずれかの遺伝子発現プロファイルは、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答、EZH2阻害剤の使用もしくはそれによる処置、およびNHLサブタイプのうち1つもしくは複数を予測しない、それと相関関係にない、および/またはそれと関連しない。
【0829】
1. 対照値に対する正規化
いくつかの態様では、試料の遺伝子産物、例えば、RNAまたはタンパク質遺伝子産物の評価、決定、測定、および/または定量は、対照値に対して正規化される。ある特定の態様では、1つまたは複数の対照値に対する正規化は、遺伝子発現が上昇もしくは減少しているか、および/または高いもしくは低いかを遺伝子産物の量またはレベルが示すかを、分析、評価、または決定するために行われ得る。特定の態様では、対照値に対する正規化は、試料の遺伝子の遺伝子発現を異なる試料の遺伝子発現と比較するために使用され得る。
【0830】
特定の態様では、対照値は、異なる遺伝子産物の測定または測定値である。いくつかの態様では、異なる遺伝子産物は、ハウスキーピング遺伝子の遺伝子産物である。ある特定の態様では、ハウスキーピング遺伝子は、構成的活性型遺伝子、例えば、基本的細胞機能の維持に必要とされる遺伝子である。適切なハウスキーピング遺伝子の例は、当技術分野において公知であり、それらは、ACTB(ベータ-アクチン)、B2M(ベータ-2-ミクログロブリン)、GAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ)、RPLP0(60S酸性リボソームタンパク質P0)、GUSB(ベータ-グルクロニダーゼ)、HMBS(ヒドロキシメチル-ビランシンターゼ)、HPRT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)、RPL13A(リボソームタンパク質L13a)、SDHA(コハク酸デヒドロゲナーゼ複合体サブユニットA)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)、TFRC(トランスフェリン受容体1)、およびUBC(ユビキチンC)をコードする遺伝子を含むが、それに限定されるわけではない。いくつかの態様では、対照値は、遺伝子産物と同じ試料中で測定される。
【0831】
ある特定の態様では、遺伝子産物は、同じ遺伝子からの遺伝子産物の測定または測定値である対照値と比較される、および/またはそれに対して正規化される。いくつかの態様では、対照値は、1つまたは複数の対照試料から得られた測定または測定値である。ある特定の態様では、遺伝子産物および対照値は、異なる試料中で測定される。いくつかの態様では、1つまたは複数の対照試料は、試料と同一、同じ、または類似の組織組成物および/または細胞組成物を有する。いくつかの態様では、試料および対照試料は、同じ対象からの同じ、類似の、および/または同一の組織からの異なる試料である。特定の態様では、試料および対照試料は、異なる対象における同じ組織からの異なる試料である。特定の態様では、試料および対照試料は、異なる対象からの同じ、類似の、および/または同一の組織からの異なる試料である。いくつかの態様では、1つまたは複数の試料は、リンパ節生検試料であり、1つまたは複数の対照試料は、リンパ節生検試料である。特定の態様では、1つまたは複数の試料は、血液試料、例えば、末梢血試料であり、1つまたは複数の対照試料は、血液試料である。
【0832】
ある特定の態様では、対照試料は、状態および/またはがんを有しない対象から得られる。特定の態様では、対照試料は、FLまたはDLBCLなどのNHLを有しない対象から得られる。いくつかの態様では、対照試料は、1つもしくは複数の腫瘍細胞を有しない、および/または有する疑いがない。特定の態様では、試料および対照試料は、異なる対象からの同じ、類似の、および/または同一の組織からの異なる試料である。ある特定の態様では、対照試料は、EZH2阻害剤により処置された対象から得られる。ある特定の態様では、対照試料は、EZH2阻害剤により処置されない対象から得られる。ある特定の態様では、対照試料は、療法、例えば細胞療法または免疫療法による処置後に完全奏効(CR)を示さない対象から得られる。ある特定の態様では、対照試料は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後に進行(PD)を示さない対象から得られる。ある特定の態様では、対照試料は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後に腫瘍微小環境(TME)中へのT細胞の浸潤を示さない対象から得られる。ある特定の態様では、対照試料は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後に腫瘍微小環境(TME)中へのT細胞の浸潤を示す対象から得られる。
【0833】
ある特定の態様では、試料の遺伝子産物、例えば、RNAまたはタンパク質遺伝子産物の評価、決定、測定、および/または定量は、2つ以上の対照値に対して正規化および/または比較される。いくつかの態様では、2つ以上の対照値は、同じ遺伝子産物の測定または測定値である対照値、および異なる遺伝子産物の測定または測定値である対照値を含む。
【0834】
いくつかの態様では、対照値は、以前に決定されている。ある特定の態様では、1つまたは複数の対照値は、試料中の1つまたは複数の遺伝子産物の評価、測定、決定、および/または定量と並行して測定される、または得られる。
【0835】
特定の態様では、対照値は、複数の対照試料から得られる1つまたは複数の遺伝子産物の発現の量またはレベルの平均(例えば算術平均)または中央値である。いくつかの態様では、複数の対照試料は、個別の対照対象から得られる。特定の態様では、複数の個別の対照対象は、状態または疾患を有しない、および/または有する疑いがない対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、がんを有しない、および/または有する疑いがない対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、NHLを有しない、および/または有する疑いがない対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、FLまたはDLBCLなどのNHLの特定のサブタイプを有しない、および/または有する疑いがない対象である。特定の態様では、NHLのサブタイプは、NHLの濾胞性リンパ腫(FL)サブタイプである。特定の態様では、NHLのサブタイプは、NHLのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)サブタイプである。
【0836】
ある特定の態様では、複数の個別の対照対象は、がんを有する、および/または有する疑いがある複数の対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する、および/または有する疑いがある対象である、またはそれを含む。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、NHLの特定のサブタイプを有する、および/または有する疑いがある対象である、またはそれを含む。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、NHLを有するおよび/または有する疑いがあるが、NHLの特定のサブタイプを有しないおよび/または有する疑いがない対象である、またはそれを含む。特定の態様では、NHLのサブタイプは、ALLのDLBCLサブタイプである。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、DLBCLの対象である、またはそれを含む。特定の態様では、NHLのサブタイプは、ALLのFLサブタイプである。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、FLの対象である、またはそれを含む。
【0837】
ある特定の態様では、複数の個別の対照対象は、がんを有する、および/または有する疑いがある複数の対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有するおよび/または有する疑いがある対象である、またはそれを含む。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、DLBCLの特定のサブタイプを有するおよび/または有する疑いがある対象である、またはそれを含む。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、DLBCLを有するおよび/または有する疑いがあるが、DLBCLの特定のサブタイプを有しないおよび/または有する疑いがない対象である、またはそれを含む。特定の態様では、DLBCLのサブタイプは、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、GCB DLBCLの対象である、またはそれを含む。特定の態様では、DLBCLのサブタイプは、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプである。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、ABC DLBCLの対象である、またはそれを含む。
【0838】
いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、EZH2阻害剤により処置されていない、または処置されていなかった対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、EZH2阻害剤により処置される、または処置されていた対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後にCRを示さない、または示さなかった対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後にPDを示さない、または示さなかった対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後にT細胞応答、例えば、腫瘍微小環境中へのT細胞浸潤を示さない、または示さなかった対象である。いくつかの態様では、複数の個別の対照対象は、療法、例えば免疫療法または細胞療法による処置後にT細胞応答、例えば、腫瘍微小環境中へのT細胞浸潤を示す、または示した対象である。
【0839】
いくつかの態様では、対照値は、複数の対照試料から得られる。ある特定の態様では、複数の対照試料は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも200個、少なくとも300個、少なくとも400個、または少なくとも500個の対照試料を含有する。
【0840】
ある特定の態様では、遺伝子発現、例えば、1つまたは複数の遺伝子産物の量またはレベルの評価、測定、決定、または定量は、当技術分野における任意の手段によって分析することができる。いくつかの態様では、分析の前に、遺伝子発現の生データ、例えば、遺伝子産物の測定および/または定量されたレベル、量、または濃度の値を、正規化または変換すること、例えば、対数正規化すること、発現比として表現すること、パーセンタイル順位を付けること、および/または分位数スケーリングを行うことができる。いくつかの態様では、遺伝子発現データは、さらに、任意のノンパラメトリックなデータスケーリングアプローチによって改変され得る。いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物の発現の測定または評価の変換は、対照に対する任意の正規化の前に起こる。ある特定の態様では、1つまたは複数の遺伝子産物の発現の測定または評価の変換は、対照値に対する正規化の後に起こる。いくつかの態様では、変換は、対数変換、べき変換、またはロジット変換である。いくつかの態様では、対数変換は、常用対数(log10(x))、自然対数(ln(x))、または二進対数(log2(x))である。
【0841】
発現パターンは、一般線形モデル(GLM)、ANOVA、回帰(ロジスティック回帰を含む)、サポートベクターマシン(SVM)、線形判別分析(LDA)、主成分分析(PCA)、k近傍法(kNN)、ニューラルネットワーク(NN)、近傍平均/重心法(NM)、およびベイジアン共変量予測変数(BCP)などの多様な手段によって評価および分類されることができる。SVMなどのモデルを、本発明の教示に基づき、本明細書に記載される遺伝子のサブセットおよび組み合わせのいずれかを使用して開発することができる。より特定の態様では、発現パターンは、遺伝子の対数正規化発現レベルの平均として評価される。
【0842】
いくつかの態様では、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)の可能性および/または確率を決定するために、正の相関関係にある1つまたは複数の遺伝子と、負の相関関係にある1つまたは複数の遺伝子との組み合わせが測定される。いくつかの態様では、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の可能性および/または確率を決定するために、正の相関関係にある1つまたは複数の遺伝子と、負の相関関係にある1つまたは複数の遺伝子との組み合わせが測定される。
【0843】
ある特定の態様では、発現プロファイルおよび/または遺伝子発現プロファイルは、少なくとも2つの遺伝子の発現を評価、測定、決定、および/または定量することによる、またはそれによって示される。例えば、いくつかの態様では、試料の遺伝子発現プロファイルを評価または決定することは、臨床アウトカム、例えば、CRまたはPDと関連する、および/またはそれと相関関係にある少なくとも2つの遺伝子を評価、測定、決定、および/または定量することを含み得る。例えば、いくつかの態様では、試料の遺伝子発現プロファイルを評価または決定することは、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つまたは複数と関連する、および/またはそれと相関関係にある少なくとも2つの遺伝子を評価、測定、決定、および/または定量することを含み得る。ある特定の態様では、遺伝子発現プロファイルは、臨床アウトカム、例えば、CRまたはPDを示す可能性および/または確率と正の相関関係にある、2つ以上の遺伝子の発現を測定、決定、および/または定量することによって、例えば、2つ以上の遺伝子の遺伝子産物を測定、決定、および/または定量することによって得られる。ある特定の態様では、遺伝子発現プロファイルは、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の可能性および/または確率と正の相関関係にある、2つ以上の遺伝子の発現を測定、決定、および/または定量することによって、例えば、2つ以上の遺伝子の遺伝子産物を測定、決定、および/または定量することによって得られる。
【0844】
D. 遺伝子参照値
いくつかの態様では、1つまたは複数の遺伝子産物の測定と、1つまたは複数の遺伝子産物の参照値との比較は、療法の投与後、および/またはそれと関連する、臨床アウトカム(例えば、CRまたはPD)、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の確率および/または可能性の評価、測定、および/または決定を可能にする。いくつかの態様では、試料中の遺伝子産物の発現は、参照値、例えば、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、遺伝子産物のレベル、量、もしくは濃度の値、および/またはその変換である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、RNA遺伝子産物またはタンパク質遺伝子産物の量もしくはレベルである、またはそれから導出されたものである。特定の態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つもしくは複数の可能性、ならびに/または臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つもしくは複数の増加した、上昇した、もしくは高い確率を示す遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、療法の投与後の、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、T細胞療法などの療法に対するT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、およびNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の不可能性もしくは低い可能性および/または減少した、低減した、もしくは低い確率を示す遺伝子発現の値または測定との間の境界、またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、1つまたは複数の臨床応答の多数が起こる、または以前に起こった遺伝子産物の量またはレベルと、1つまたは複数の臨床応答の少数が起こる、または以前に起こった遺伝子産物の量またはレベルとの間の境界、分岐点、および/または閾値である。
【0845】
ある特定の態様では、遺伝子参照値は、特定の種類の臨床応答と関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、1つまたは複数の他の種類の臨床応答と関連する量またはレベルとの境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、CRと関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、他の臨床応答、例えば、CRU、PR、NR/SD、SD、および/もしくはPDと関連する量もしくはレベルとの境界、またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、PDと関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、他の臨床応答、例えば、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはCRと関連する量またはレベルとの境界、またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。
【0846】
ある特定の態様では、遺伝子参照値は、療法による処置またはその使用と関連する、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、療法による処置またはその使用の非存在と関連する、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、EZH2阻害剤による処置またはその使用と関連する、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、EZH2阻害剤による処置またはその使用の非存在と関連する、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。
【0847】
ある特定の態様では、遺伝子参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤と関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、T細胞のTMEからの排除と関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界、またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、CD3の発現と相関関係にある遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、CD3の発現と反相関関係にある遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。
【0848】
ある特定の態様では、遺伝子参照値は、疾患のサブタイプと関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、同じ疾患の他のサブタイプと関連する量またはレベルとの境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、NHLのサブタイプと関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、異なるNHLのサブタイプと関連する量またはレベルとの境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、NHLのDLBCLサブタイプと関連する遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、NHLのFLサブタイプと関連する量またはレベルとの境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。
【0849】
いくつかの態様では、参照値は、セクションIIIに記載される1つまたは複数の方法などによって検出することができる最小のレベル、量、または濃度である、またはそれから導出される。ある特定の態様では、比較が、試料中の、遺伝子産物のレベル、量、または濃度の測定が参照値を下回ることを示す場合、試料は、遺伝子産物の発現について陰性である。特定の態様では、比較が、試料中の、遺伝子産物のレベル、量、または濃度の測定が参照値を上回ることを示す場合、試料は、遺伝子産物の発現について陽性である。
【0850】
いくつかの態様では、遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答(例えば、CRまたはPD)の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答の低減した、減少したおよび/または低い可能性および/または確率が示される。ある特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、遺伝子参照値と比較され、特定の臨床応答の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、特定の臨床応答は、以下:CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDの中より選択される。
【0851】
いくつかの態様では、遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の低減した、減少したおよび/または低い可能性および/または確率が示される。ある特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、遺伝子参照値と比較され、EZH2阻害の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、EZH2阻害は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置を含む。
【0852】
いくつかの態様では、遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の低減した、減少したおよび/または低い可能性および/または確率が示される。ある特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、遺伝子参照値と比較され、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤の低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、T細胞のTME中への浸潤は、CD3遺伝子またはタンパク質の発現のレベルまたは量によって決定される。いくつかの態様では、T細胞のTME中への浸潤は、CD3ε遺伝子またはタンパク質の発現のレベルまたは量によって決定される。
【0853】
いくつかの態様では、遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプ(例えば、DLBCLまたはFL)の上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプの低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプの上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、対照に対して正規化された遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプの低減した、減少したおよび/または低い可能性および/または確率が示される。ある特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、参照値および/または遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプの上昇した、増加したおよび/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、正規化または変換された遺伝子産物の発現の値は、遺伝子参照値と比較され、NHLのサブタイプの低減した、減少したおよび/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはDLBCLである。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはFLである。
【0854】
いくつかの態様では、臨床応答(例えば、CRまたはPD)と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、表1~4または表E2~E5のいずれかに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGITのいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答(PD)の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21のいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答(PD)の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表1~4または表E2~E5のいずれかに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、PDCD1、LAG3、および/またはTIGITのいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答(CR)の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、および/またはCCL21のいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答(CR)の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、特定の臨床応答は、以下:CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDの中より選択される。
【0855】
特定の態様では、特定の臨床応答(例えば、CRまたはPD)と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、および表1~4または表E2~E5のいずれかに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、および表1~4または表E2~E5のいずれかに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aのいずれかに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、特定の臨床応答の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aのいずれかに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、特定の臨床応答の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、特定の臨床応答は、以下:CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDより選択される。
【0856】
いくつかの態様では、NHLのサブタイプ(例えば、DLBCLまたはFL)と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、および表1~4または表E2~E5のいずれかに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、NHLのサブタイプの減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、および表1~4または表E2~E5のいずれかに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、NHLのサブタイプの上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはDLBCLである。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはFLである。
【0857】
特定の態様では、NHLのサブタイプ(例えば、DLBCLまたはFL)と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1~4もしくは表E2~E5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、NHLのサブタイプの増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表1~4もしくは表E2~E5のいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、NHLのサブタイプの減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはDLBCLである。いくつかの態様では、NHLのサブタイプはFLである。
【0858】
いくつかの態様では、EZH2阻害と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物の発現(すなわち、遺伝子産物の発現は、EZH2阻害によってダウンレギュレーションされる)は、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、EZH2阻害と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2またはE3に記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2A、1a、または4aに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、EZH2または表E2もしくはE3のいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E2A、1aまたは4aのいずれかに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子または表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2B、2a、または3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E4またはE5に記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E2B、2a、または3aに記載される遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、T細胞の浸潤は、腫瘍微小環境(TME)中へのものである。いくつかの態様では、T細胞の排除は、腫瘍微小環境(TME)からのものである。
【0859】
特定の態様では、EZH2阻害と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物の発現(すなわち、遺伝子産物の発現は、EZH2阻害によってアップレギュレーションされる)は、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2A、1a、または4aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、表E2B、2a、または3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2B、2a、または3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、T細胞の浸潤は、腫瘍微小環境(TME)中へのものである。いくつかの態様では、T細胞の排除は、腫瘍微小環境(TME)からのものである。
【0860】
いくつかの態様では、T細胞の浸潤と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2A、1a、または4aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E2A、1aまたは4aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、表E2B、2a、または3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率および/または可能性が示される。特定の態様では、表E2B、2a、または3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の上昇した、増加した、および/または高い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、T細胞の浸潤は、腫瘍微小環境(TME)中へのものである。いくつかの態様では、T細胞の排除は、腫瘍微小環境(TME)からのものである。いくつかの態様では、T細胞の浸潤と正の相関関係にある、および/またはそれと正の関連性がある遺伝子産物は、CD3である。いくつかの態様では、T細胞の浸潤と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物は、CD3εである。
【0861】
特定の態様では、T細胞の浸潤と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物の発現は、遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3に記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、表1aまたは4aに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、EZH2および表E2またはE3に記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。ある特定の態様では、表1aまたは4aに記載されるものを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、PDおよび/またはT細胞の排除の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。いくつかの態様では、表2aまたは3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値よりも大きい、それを超える、および/またはそれを上回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の増加した、上昇した、および/または高い確率および/または可能性が示される。ある特定の態様では、CD3EなどのT細胞マーカーまたは表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。ある特定の態様では、表2aまたは3aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現が、遺伝子参照値に満たない、それより低い、および/またはそれを下回る場合、CRおよび/またはT細胞の浸潤の減少した、低減した、および/または低い確率または可能性が示される。いくつかの態様では、T細胞の浸潤は、腫瘍微小環境(TME)中へのものである。いくつかの態様では、T細胞の排除は、腫瘍微小環境(TME)からのものである。いくつかの態様では、T細胞の排除は、腫瘍微小環境(TME)からのものである。いくつかの態様では、T細胞の浸潤と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物は、CD3である。いくつかの態様では、T細胞の浸潤と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物は、CD3εである。
【0862】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、所定の値である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験からのデータから計算および/または導出されたものである。いくつかの態様では、試験は臨床試験である。特定の態様では、臨床試験は、完了した臨床試験である。ある特定の態様では、試験からのデータは、試験における対象から取得されたまたは得られた試料中の遺伝子発現、例えば遺伝子産物の発現を含んでいた。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験される臨床応答の数および種類を含む。ある特定の態様では、臨床試験における対象は、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDなどの臨床応答を有した、または有する。いくつかの態様では、臨床応答はCRである。いくつかの態様では、臨床応答は、CRではない。ある特定の態様では、臨床試験における対象は、がんなどの疾患または状態を有したまたは有する。いくつかの態様では、疾患または状態は、NHLなどのがんである。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験されるNHLサブタイプの数および種類を含む。いくつかの態様では、がんは、DLBCLまたはFLなどのNHLのサブタイプである。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験される処置の数および種類を含む。ある特定の態様では、対象は、EZH2阻害剤により処置される、または処置された。ある特定の態様では、対象は、EZH2阻害剤により処置されない、または処置されなかった。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって示されるT細胞応答(例えば、T細胞の腫瘍微小環境中への浸潤またはそれからの排除)の数および種類を含む。
【0863】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、所定の値である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験からのデータから計算および/または導出されたものである。いくつかの態様では、試験は臨床試験である。特定の態様では、臨床試験は、完了した臨床試験である。ある特定の態様では、試験からのデータは、試験における対象から取得されたまたは得られた試料中の遺伝子発現、例えば、遺伝子産物の発現を含んでいた。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験されるNHLサブタイプの数および種類を含む。ある特定の態様では、臨床試験における対象はFLまたはDLBCLなどのNHLサブタイプを有したまたは有する。いくつかの態様では、NHLサブタイプはFLである。いくつかの態様では、臨床応答は、DLBCLではない。いくつかの態様では、NHLサブタイプはDLBCLである。いくつかの態様では、臨床応答は、FLではない。特定の態様では、試験からのデータは、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDなどの、試験中に対象によって経験される臨床応答の数および種類を含む。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって示されるT細胞応答(例えば、T細胞の腫瘍微小環境中への浸潤またはそれからの排除)の数および種類を含む。特定の態様では、試験からのデータは、EZH2阻害剤による処置などの、試験中に対象によって経験される療法の数および種類を含む。
【0864】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、所定の値である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験からのデータから計算および/または導出されたものである。いくつかの態様では、試験は臨床試験である。特定の態様では、臨床試験は、完了した臨床試験である。ある特定の態様では、試験からのデータは、試験における対象から取得されたまたは得られた試料における遺伝子発現、例えば、遺伝子産物の発現を含んでいた。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験される療法の数および種類を含む。ある特定の態様では、臨床試験における対象は、EZH2阻害剤により処置されるまたは処置された。いくつかの態様では、臨床試験における対象は、EZH2阻害剤により処置されないまたは処置されなかった。特定の態様では、試験からのデータは、DLBCLまたはFLなどの、試験中に対象によって経験されるNHLサブタイプの数および種類を含む。特定の態様では、試験からのデータは、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDなどの、試験中に対象によって経験される臨床応答の数および種類を含む。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって示されるT細胞応答(例えば、T細胞の腫瘍微小環境中への浸潤またはそれからの排除)の数および種類を含む。
【0865】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、所定の値である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験からのデータから計算および/または導出されたものである。いくつかの態様では、試験は臨床試験である。特定の態様では、臨床試験は、完了した臨床試験である。ある特定の態様では、試験からのデータは、試験における対象から取得されたまたは得られた試料における遺伝子発現、例えば、遺伝子産物の発現を含んでいた。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって示されるT細胞応答(例えば、T細胞の腫瘍微小環境中への浸潤またはそれからの排除)の数および種類を含む。ある特定の態様では、臨床試験における対象は、T細胞のTME中への浸潤を示した。いくつかの態様では、臨床試験における対象は、T細胞のTMEからの排除を示した。特定の態様では、試験からのデータは、試験中に対象によって経験される臨床応答の数および種類を含む。ある特定の態様では、臨床試験における対象は、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、および/またはPDなどの臨床応答を有したまたは有する。ある特定の態様では、試験からのデータは、DLBCLまたはFLなどの、試験中に対象によって経験されるDLBCLサブタイプの数および種類を含む。ある特定の態様では、試験からのデータは、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置などの、試験中に対象によって経験される処置の数および種類を含む。
【0866】
いくつかの態様では、参照値は、遺伝子発現の検出可能な最小のレベル、値、または量、例えば、正または負の発現の境界として役立つ値である、またはそれを反映する。ある特定の態様では、遺伝子産物の発現の測定は、遺伝子発現、例えば、遺伝子産物の発現の検出可能な最小のレベル、値、または量である、またはそれを反映する参照値と比較され、測定が、参照値を上回る値である場合に、遺伝子は正に発現されると決定され、および/または測定が参照値を下回る値である場合に、遺伝子は負に発現されると決定される。
【0867】
特定の態様では、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、該対象と同じ疾患または状態を有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、同じ疾患または状態はがんである。特定の態様では、同じ疾患または状態はNHLである。特定の態様では、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、該対象と同じ疾患または状態を有するが、該対象と同じ疾患または状態の異なるサブタイプを有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、同じ疾患または状態は、がんである。特定の態様では、同じ疾患または状態はNHLである。特定の態様では、NHLのDLBCLサブタイプを有する対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、NHLのFLサブタイプを有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。特定の態様では、NHLのFLサブタイプを有する対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、NHLのDLBCLサブタイプを有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。
【0868】
特定の態様では、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、該対象と同じ臨床応答を有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、同じ臨床応答はCRである。ある特定の態様では、同じ臨床応答はPDである。特定の態様では、CRを有する対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、PDを有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。特定の態様では、PDを有する対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、CRを有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。
【0869】
特定の態様では、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、該対象と同じ処置を受ける対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、同じ処置は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置である。ある特定の態様では、同じ処置は、EZH2阻害剤による使用でも、それによる処置でもない。特定の態様では、EZH2阻害剤により処置された対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、EZH2阻害剤により処置されていない対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。特定の態様では、EZH2阻害剤により処置されていない対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、EZH2阻害剤により処置された対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。
【0870】
特定の態様では、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、該対象と同じT細胞応答を有する対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。ある特定の態様では、同じ処置は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤である。ある特定の態様では、同じ処置は、T細胞のTMEからの排除である。特定の態様では、T細胞のTME中への浸潤を示している、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、T細胞のTMEからの排除を示している対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。特定の態様では、T細胞のTMEからの排除を示している、対象から取得されるまたは得られる試料中の遺伝子産物の発現は、T細胞のTME中への浸潤を示している、処置された対象を含んでいた試験から計算および/または導出された遺伝子参照値と比較される。
【0871】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、1つの対照試料または複数の対照試料における発現のレベル、濃度、または量へのアルゴリズムの適用によって決定される。いくつかの態様では、1つの対照試料または複数の対照試料は、対象が臨床応答についてモニタリングされた、完了した試験、例えば、完了した臨床試験の対象または対象の群から得られる。特定の態様では、1つの試料または複数の試料は、対象が療法を受ける前に収集されたものである。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法が投与された後、臨床応答を示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法の投与開始の1ヶ月以内、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、またはそれ以上で臨床応答を示し続けた。ある特定の態様では、対象または対象の群は、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、またはPDの臨床応答を発生および/または経験した。いくつかの態様では、対象または対象の群は、CRの臨床応答を発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、CRUの応答を発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、PRの応答を発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、NR/SDの応答を発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、SDの応答を発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、PDの応答を発生および/または経験した。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、2つ以上の異なる対象または異なる対象群から得られる2つ以上の対照試料または複数へのアルゴリズムの適用によって決定される。
【0872】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、1つの対照試料または複数の対照試料における発現のレベル、濃度、または量へのアルゴリズムの適用によって決定される。いくつかの態様では、1つの対照試料または複数の対照試料は、対象がNHLサブタイプについてモニタリングされた完了した試験、例えば、完了した臨床試験の対象または対象の群から得られる。特定の態様では、試料または複数の試料は、対象が療法を受ける前に収集されたものである。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法を受ける前のNHLサブタイプを示した。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法が投与された後にNHLのサブタイプを示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法を受ける前にNHLサブタイプを示し、療法が投与された後に、異なるNHLサブタイプを示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法の投与の開始の1ヶ月以内、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、またはそれ以上でNHLサブタイプを示し続けた。ある特定の態様では、対象または対象の群は、DLBCLというNHLサブタイプまたはNHLを発生および/または経験した。いくつかの態様では、対象または対象の群は、DLBCLというNHLサブタイプを発生および/または経験した。ある特定の態様では、対象または対象の群は、FLというNHLサブタイプを発生および/または経験した。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、2つ以上の異なる対象または異なる対象群から得られる2つ以上の対照試料または複数へのアルゴリズムの適用によって決定される。
【0873】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、対照試料または複数の対照試料における発現のレベル、濃度、または量へのアルゴリズムの適用によって決定される。いくつかの態様では、1つの対照試料または複数の対照試料は、対象が、処置、例えば、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の種類についてモニタリングされた、完了した試験、例えば、完了した臨床試験の対象または対象の群から得られる。特定の態様では、試料または複数の試料は、対象が処置を受ける前に収集されたものである。特定の態様では、試料または複数の試料は、対象が処置を受けた後に収集されたものである。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、2つ以上の異なる対象または異なる対象群から得られる2つ以上の対照試料または複数へのアルゴリズムの適用によって決定される。
【0874】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、1つの対照試料または複数の対照試料における発現のレベル、濃度、または量へのアルゴリズムの適用によって決定される。いくつかの態様では、1つの対照試料または複数の対照試料は、対象が、T細胞応答、例えば、T細胞のTME中への浸潤またはT細胞のTMEからの排除についてモニタリングされた、完了した試験、例えば、完了した臨床試験の対象または対象の群から得られる。特定の態様では、試料または複数の試料は、対象が療法を受けた後、任意で、対象への療法の投与開始後に収集されたものである。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法が投与された後にT細胞のTME中への浸潤を示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法が投与された後にTMEからのT細胞の排除を示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法の投与開始から1日以内、3日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、またはそれ以上でT細胞のTME中への浸潤を示し続けた。いくつかの態様では、対象または対象の群は、療法の投与開始から1日以内、3日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、6ヶ月以内、7ヶ月以内、8ヶ月以内、9ヶ月以内、またはそれ以上でT細胞のTMEからの排除を示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、2つ以上の異なる対象または異なる対象群から得られる2つ以上の対照試料または複数へのアルゴリズムの適用によって決定される。
【0875】
ある特定の態様では、例示的なアルゴリズムは、主成分分析アルゴリズム、部分的最小二乗法、および独立成分分析アルゴリズムなどの変数の数を低減する方法を含むが、それに限定されるわけではない。例示的なアルゴリズムは、統計手法および機械学習技術に基づく方法などの、多数の変数を直接的に処理する方法をさらに含むが、それに限定されるわけではない。統計手法は、罰則付きロジスティック回帰、マイクロアレイ予測分析(PAM)、収縮重心(shrunken centroid)ベースの方法、サポートベクターマシン分析、および正則化線形判別分析を含む。機械学習技術は、バギング手続き、ブースティング手続き、ランダムフォレストアルゴリズム、およびそれらの組み合わせを含む。本発明のいくつかの態様では、サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、またはそれらの組み合わせが、マイクロアレイデータまたはRNA-seqデータの分類のために使用される。いくつかの態様では、試料またはサブタイプを識別する同定されたマーカーは、統計的有意性に基づき選択される。場合によっては、偽発見率(FDR)のためのBenjamini Hochberg補正を適用した後に、統計的有意性の選択が行われる。ある特定の態様では、アルゴリズム技術が、試料中の1つまたは複数の遺伝子産物、例えば、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、ならびに表1、表2、表3、表4、表E2、表E3、表E4、および/または表E5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の発現プロファイルに適用され得る。ある特定の態様では、アルゴリズム技術が、試料中の1つまたは複数の遺伝子産物、例えば、表E2A、表E2B、表1a、表2a、表3a、および/または表4aに記載される遺伝子産物の発現プロファイルに適用され得る。ある特定の態様では、アルゴリズム技術が、試料中の1つまたは複数の遺伝子産物、例えば、PDCD1、LAG3、およびTIGITのいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現プロファイルに適用され得る。ある特定の態様では、アルゴリズム技術が、試料中の1つまたは複数の遺伝子産物、例えば、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれかによってコードされる遺伝子産物の発現プロファイルに適用され得る。
【0876】
いくつかの態様では、アルゴリズムに、Fishel and Kaufman et al. 2007 Bioinformatics 23(13): 1599-606によって記載されるものなどの、メタ分析アプローチが補足され得る。同様に、分類器アルゴリズムに、繰り返し性分析などのメタ分析アプローチが補足され得る。場合によっては、繰り返し性分析は、少なくとも1つの予測発現産物マーカーセット中に出現するマーカーを選択する。
【0877】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、臨床応答のすべてまたは多数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、臨床応答の少数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験において生じた臨床応答、例えば、CRまたはPDの実例の半分超、および/または50%、60%、70%、80%、90%、95%よりも大きく、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。いくつかの態様では、臨床応答は、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、またはPDである。いくつかの態様では、臨床応答はCRである。いくつかの態様では、臨床応答はPDである。いくつかの態様では、臨床応答は、CRではない。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、CR、CRU、PR、NR/SD、SD、またはPDなどの臨床応答の頻度の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%もしくは約100%と関連する、遺伝子発現の値または測定を分割するまたは分離する。
【0878】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、NHLサブタイプの全てまたは多数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、NHLサブタイプの少数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験において生じたNHLサブタイプの実例の半分超、および/または50%、60%、70%、80%、90%、95%超、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。いくつかの態様では、NHLサブタイプは、DLBCLまたはFLである。いくつかの態様では、NHLサブタイプはDLBCLである。いくつかの態様では、NHLサブタイプはFLである。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、DLBCLまたはFLなどのNHLサブタイプの頻度の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割するまたは分離する。
【0879】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、処置の種類のすべてまたは多数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、処置の種類の少数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験において生じたEZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の実例の半分超、および/または50%、60%、70%、80%、90%、95%超、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、EZH2阻害剤の使用またはそれによる処置の頻度の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。
【0880】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、T細胞応答のすべてまたは多数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換と、T細胞応答の少数が起こるまたは以前に起こった遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換との境界またはそれらを分離する閾値である、遺伝子産物の量もしくはレベル、またはその変換である。特定の態様では、遺伝子参照値は、試験において生じたT細胞応答の実例の半分超、および/または50%、60%、70%、80%、90%、95%超、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。いくつかの態様では、T細胞応答は、T細胞のTME中への浸潤である。いくつかの態様では、T細胞応答は、T細胞のTMEからの排除である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、T細胞のTME中への浸潤のまたはT細胞のTMEからの排除などの、T細胞応答の頻度の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%もしくは約100%と関連する遺伝子発現の値または測定を分割または分離する。
【0881】
特定の態様では、遺伝子参照値は、対照試料中の遺伝子発現の25%以内、20%以内、15%以内、10%以内または5%以内である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料における遺伝子発現のレベル、濃度または量の平均または中央値の25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料における遺伝子発現の、レベル、濃度、または量の平均または中央値の2、1.5、1.25、1、0.75、0.5、0.25、または0.1標準偏差以内であり、その際、群の対象の各々は、同じ疾患または状態を処置するための免疫療法または細胞療法を受けた後に、臨床応答、例えば、CRまたはPDを示し続けた。
【0882】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前に対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、PDを示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子または表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、表2aまたは表E2Bに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料における遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内であり、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%において観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0883】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、PDを示し続けなかった。いくつかの態様では、対象は、CRを示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、PDを示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、PDを示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、PDを示し続けなかった、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%において観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0884】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、CRを示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するCRと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するCRと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、表1aまたは表E2Aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内であり、および/または平均レベル、濃度もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0885】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連するCRと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、CRを示し続けなかった。いくつかの態様では、対象は、PDを示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、CRを示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、CRを示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、CRを示し続けなかった細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%において観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0886】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、DLBCLを示した、または示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法もしくは細胞療法の投与前もしくは後の、および/またはそれと関連するDLBCLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子または表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内もしくは5%以内、および/または平均レベル、濃度もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、または0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度もしくは量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度または量を上回る。
【0887】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与前もしくは後の、および/またはそれと関連するDLBCLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、DLBCLを示さなかったまたは示し続けなかった。いくつかの態様では、対象は、FLを示したまたは示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、DLBCLを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、DLBCLを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、DLBCLを示さなかったまたは示し続けなかった、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0888】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、FLを示した、または示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法もしくは細胞療法の投与前もしくは後の、および/またはそれと関連するFLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内であり、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度または量を上回る。
【0889】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与前もしくは後の、および/またはそれと関連するFLと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、FLを示さなかったまたは示し続けなかった。いくつかの態様では、対象は、DLBCLを示したまたは示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、FLを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、FLを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、FLを示さなかったまたは示し続けなかった、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0890】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除を示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連する、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表E4もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法もしくは細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連する、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、表2aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である、および/または平均レベル、濃度もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度または量を上回る。
【0891】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連する、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除を示さなかった。いくつかの態様では、対象は、T細胞のTME中への浸潤を示した。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除を示さなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除を示さなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)からの排除を示さなかった細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0892】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤を示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するT細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、EZH2または表E2もしくはE3に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連する、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、表1aに記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、もしくは量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度または量を上回る。
【0893】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連する、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤を示さなかった。いくつかの態様では、対象は、T細胞のTMEからの排除を示した。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察された少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤を経験しなかったまたは示さなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤を示さなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、T細胞の腫瘍微小環境(TME)中への浸潤を示さなかった細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0894】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連する臨床応答と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、PDを発生しなかった、または発生し続けなかった。いくつかの態様では、対象は、療法を受けた後にCRを示した、または示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、参照値は、重度の神経毒性を経験しなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかったまたは示し続けなかった細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0895】
ある特定の態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象は、PDを示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、EZH2または表E2および/もしくはE3に記載されるものを含む遺伝子産物の値である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法、例えば、免疫療法または細胞療法の投与後の、および/またはそれと関連するPDと正の相関関係にある、および/もしくは正の関連性がある遺伝子の遺伝子産物、例えば、表4aまたは表E2Aに記載されるものを含む遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度、もしくは量から下に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から下に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度または量を下回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0896】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、療法の投与後の、および/またはそれと関連する臨床応答と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、組み換え受容体を有するように遺伝的に操作された細胞を含有する細胞療法を受ける前の対象の群から得られ、その際、群の対象の各々は、CRを示し続けた。いくつかの態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。ある特定の態様では、値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、PDを示し続けなかった療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0897】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象の各々は、NHLのDLBCLサブタイプを示したまたは示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、負の関連性がある遺伝子、例えば、DLBCL NHLの対象からの試料中に発現されないもしくは低レベルで発現される遺伝子、CD3EなどのT細胞遺伝子マーカー、ならびに/または表E4および/もしくはE5に記載される遺伝子の遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度、もしくは量から下に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、もしくは量から下に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0898】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象の各々は、NHLのDLBCLサブタイプを示した、または示し続けた。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、正の関連性がある遺伝子、例えば、DLBCL NHLの対象からの試料中に発現されるもしくは高度に発現される遺伝子、EZH2、ならびに/または表E2および/もしくはE3に記載される遺伝子の遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度、もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、または量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかったもしくは示し続けなかった、またはDLBCL NHLと関連しない、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0899】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、DLBCL NHLと正の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、NHLを有するが、DLBCL NHLを有しない対象の群から得られる。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。ある特定の態様では、参照値は、PDを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、DLBCL NHLを有しない対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0900】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象の各々は、NHLのDLBCLサブタイプを有する。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、正の関連性がある遺伝子、例えば、DLBCL NHLの対象からの試料中に発現されるもしくは高度に発現される遺伝子、EZH2、ならびに/または表E2および/もしくはE3に記載される遺伝子の遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度、もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、もしくは量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかったもしくは示し続けなかった、またはDLBCL NHLと関連しない、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0901】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、DLBCL NHLと正の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、NHLを有するが、DLBCL NHLを有しない対象の群から得られる。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。ある特定の態様では、参照値は、PDを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、PDを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、DLBCL NHLを有しない対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0902】
いくつかの態様では、参照値は、療法の投与前の対象から得られた対照試料から得られ、および/または導出され、その際、群の対象の各々は、NHLのFLサブタイプを有する。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、正の関連性がある遺伝子、例えば、FL NHLの対象からの試料中に発現されるもしくは高度に発現される遺伝子、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、ならびに/または表E4および/もしくはE5に記載される遺伝子の遺伝子産物の値である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料中の遺伝子産物の平均レベル、濃度、もしくは量から上に2倍以内、1.5倍以内、1.0倍、100%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、もしくは5%以内である、および/または平均レベル、濃度、もしくは量から上に2.0、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5、もしくは0.25標準偏差以内である。ある特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。特定の態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量から上に100%以内、75%以内、50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、CRを示さなかったもしくは示し続けなかった、またはFL NHLと関連しない、細胞療法を受ける前の対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を上回る。
【0903】
いくつかの態様では、遺伝子参照値は、FL NHLと正の関連性がある遺伝子の遺伝子産物の値であり、複数の対照試料は、NHLを有するが、FL NHLを有しない対象の群から得られる。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、複数の対照試料の中からの試料中で観察される少なくとも1つの遺伝子産物の最高のレベル、濃度、または量を上回る。ある特定の態様では、参照値は、CRを示さなかったもしくは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量を下回る。いくつかの態様では、参照値は、CRを示さなかったまたは示し続けなかった複数の対照試料の中からの試料中で観察される遺伝子産物の最低のレベル、濃度、または量から下に50%以内、40%以内、30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である。いくつかの態様では、参照値は、FL NHLを有しない対象の群から得られる複数の対照試料の中からの試料の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%で観察されるレベル、濃度、または量を下回る。
【0904】
いくつかの態様では、対象が臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を示す確率、リスク、または可能性を決定するために、対象から得られる試料中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現が、対応する遺伝子参照値、例えば、同じ遺伝子に対する遺伝子参照値と比較される。いくつかの態様では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも25個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現と、対応する遺伝子参照値との比較により、発現が臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の上昇した、増加した、および/または高いリスクと関連することが示される場合に、対象は、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数の上昇した、増加した、および/または高いリスクがある。
【0905】
いくつかの態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある少なくとも1つの遺伝子産物の発現、ならびに臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数と負の相関関係にある、および/または負の関連性がある少なくとも1つの遺伝子産物の発現は、対象が臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を経験する確率、リスク、または可能性を決定するために対応する参照値と比較される。ある特定の態様では、表E2および/または表E3に記載される少なくとも1つの遺伝子産物の発現と、表4および/または表E5に記載される少なくとも1つの遺伝子産物の発現とは、対象が、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を示す確率、リスク、または可能性を決定するために、対応する参照値と比較される。ある特定の態様では、表E2A、E2B、1a、2a、3a、および4aのいずれかに記載される少なくとも1つの遺伝子産物の発現は、対象が、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)または療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)のうち1つまたは複数を示す確率、リスク、または可能性を決定するために分析される。いくつかの態様では、表E2および/もしくは表E3に記載される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、もしくは20個超の遺伝子産物の発現ならびに/または表E4および/もしくは表E5に記載される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、もしくは20個超の遺伝子産物の発現は、対象が、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を示す確率、リスク、または可能性を決定するために、対応する参照値と比較される。いくつかの態様では、表E2A、E2B、1a、2a、3a、または4aに記載されるすべての遺伝子産物の発現は、対象が臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)または療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)のうち1つまたは複数を示す確率、リスク、または可能性を決定するために分析される。
【0906】
特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を下回る場合に、対象は、該アウトカム、応答、またはサブタイプのうち1つまたは複数を示す、高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現が、参照値を下回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を発生する高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。
【0907】
いくつかの態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を上回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数を発生する高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現が、参照値を上回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数の高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。
【0908】
特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を上回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数の低い、減少した、および/または低減したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現が、参照値を上回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数を発生する、低い、減少した、および/または低減したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。
【0909】
いくつかの態様では、遺伝子産物は、タンパク質、例えば、細胞療法の投与の前または後に対象から得られる血漿試料から測定されるタンパク質であり、遺伝子参照値は、血清中のタンパク質の濃度である。ある特定の態様では、タンパク質は、CRと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物、例えば、EZH2ならびに表E2およびE3に記載されるものを含む遺伝子産物である。ある特定の態様では、タンパク質は、CRと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある遺伝子産物、例えば、EZH2および表1aまたは表E2Aに記載されるものを含む遺伝子産物である。ある特定の態様では、タンパク質は、CRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物、例えば、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子ならびに表E4およびE5に記載されるものを含む遺伝子産物である。ある特定の態様では、タンパク質は、CRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物、例えば、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子および表3aまたは表E2Bに記載されるものを含む遺伝子産物である。ある特定の態様では、タンパク質は、CRと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある遺伝子産物、例えば、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれかによってコードされる遺伝子産物である。ある特定の態様では、血漿試料は、細胞療法の投与前に、例えば1日前に、対象から得られる。ある特定の態様では、血漿試料は、細胞療法の投与後に、例えば、細胞療法の投与の2日、4日、または7日後に、対象から得られる。
【0910】
ある特定の態様では、血漿試料は、細胞療法の投与前に対象から得られる。ある特定の態様では、タンパク質は、EZH2、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子、または表E2、E3、E4、および/もしくはE5に記載されるもののいずれかを含む遺伝子産物のタンパク質または一部である。ある特定の態様では、タンパク質は、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21のいずれかによってコードされる遺伝子産物のタンパク質または一部である。いくつかの態様では、遺伝子参照値は、血清中の遺伝子産物、例えば、タンパク質またはその一部の濃度である。
【0911】
いくつかの態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が参照値を下回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数の低い、減少した、および/または低減したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、または少なくとも120個の遺伝子産物の発現が、参照値を下回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数の高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。
【0912】
ある特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を上回り、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、またはNHLのサブタイプのうち1つまたは複数と正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を上回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数を発生する高い、上昇した、および/または増加したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。特定の態様では、臨床アウトカム(例えば、CRもしくはPD)、療法後のT細胞応答(例えば、T細胞のTME中への浸潤もしくはTMEからの排除)、および/またはNHLのサブタイプと負の相関関係にある、および/または負の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を上回り、該臨床アウトカム、T細胞応答、および/またはNHLサブタイプと正の相関関係にある、および/または正の関連性がある1つまたは複数の遺伝子産物の発現が、参照値を下回る場合に、対象は、該臨床アウトカム、T細胞応答、またはNHLサブタイプのうち1つまたは複数の低い、低減した、および/または減少したリスクがある、および/またはそれを有すると考えられる。
【0913】
E. 応答、有効性、および生存率
本明細書に提供される方法、組み合わせ、使用、キットおよび製造品のいくつかの態様では、提供される併用療法は、下記の療法または処置と関連するパラメーターのうち任意の1つまたは複数と関連する特徴などの、1つまたは複数の処置アウトカムを結果としてもたらす。いくつかの態様では、方法は、がん細胞に向けたT細胞、例えば、T細胞ベースの療法のために投与されたT細胞の細胞傷害性の評価を含む。いくつかの態様では、方法は、T細胞、例えば、T細胞ベースの療法のために投与されたT細胞の曝露、浸潤、持続性、および増殖の評価を含む。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法における細胞の曝露、または長期拡大増殖、浸潤、および/もしくは持続性、ならびに/あるいは細胞、例えば、免疫療法、例えばT細胞療法のために投与される細胞の細胞表現型または機能的活性における変化は、T細胞の特性をインビトロまたはエクスビボで評価することによって測定することができる。いくつかの態様では、そのようなアッセイは、本明細書に提供される併用療法を投与する前、途中、または後に、T細胞、例えばT細胞療法の機能を決定または確認するために使用することができる。
【0914】
いくつかの態様では、処置アウトカムの評価のための工程は、処置を評価および/もしくはモニタリングするため、ならびに/あるいは療法のさらなるもしくは残りの工程の施行および/または繰り返し療法のための対象を同定するための工程を含むことができる。いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価を使用して、本明細書に提供される併用療法の用量、頻度、持続期間、タイミング、および/または順序を決定することができる。
【0915】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるスクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価のいずれかを、提供される療法の1つまたは複数の工程の施行、例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)の投与、および/またはEZH2阻害剤の投与の前、途中、経過途中、または後に使用することができる。いくつかの態様では、評価は、本明細書に提供される方法のいずれかを遂行する前、途中、経過途中、または後に行われる。いくつかの態様では、評価は、本明細書に提供される方法を遂行する前に行われる。いくつかの態様では、評価は、本明細書に提供される方法の1つまたは複数の工程を遂行した後に行われる。いくつかの態様では、評価は、提供される療法の1つまたは複数の工程の施行前に、例えば、療法、例えば併用療法を受けるために適切な、および/または受けやすい患者をスクリーニングおよび同定するために遂行される。いくつかの態様では、評価は、提供される療法の1つまたは複数の工程の施行の途中、経過途中、または後に、例えば、中間または最終処置アウトカムを評価するため、例えば、処置の有効性を決定するため、および/または処置を継続もしくは反復するかを決定するため、および/または療法の残りの工程を施行すべきか決定するために遂行される。
【0916】
いくつかの態様では、処置アウトカムは、改善された、免疫機能、例えば、細胞ベース療法のために投与されたT細胞および/または体内の内因性T細胞の免疫機能を含む。いくつかの態様では、例示的な処置アウトカムは、増強されたT細胞増殖、腫瘍中への増強されたT細胞の浸潤、増強されたT細胞機能的活性、免疫細胞表現型マーカーの発現における変化を含むが、それに限定されるわけではなく、例えば、そのような特徴は、対象に投与された操作T細胞、例えばCAR-T細胞と関連する。いくつかの態様では、例示的な処置アウトカムは、減少した疾病負荷、例えば、腫瘍量、改善された臨床アウトカム、および/または療法の増強された有効性を含む。
【0917】
いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価は、細胞ベース療法のために投与されたT細胞の生存率および/または機能を評価することを含む。いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価は、サイトカインまたは増殖因子のレベルを評価することを含む。いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価は、疾病の負荷および/または改善を評価すること、例えば、腫瘍量および/または臨床アウトカムを評価することを含む。いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価のいずれかは、本明細書に記載されるおよび/または当技術分野において公知の評価方法および/またはアッセイのいずれかを含むことができ、例えば、併用療法の1つまたは複数の工程の施行の前、途中、経過途中、または後に、1回または複数回遂行することができる。本明細書に提供される方法のいくつかの態様で評価することができる処置アウトカムと関連するパラメーターの例示的なセットは、末梢血免疫細胞集団プロファイルおよび/または腫瘍量を含む。
【0918】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤を用いる方法における細胞の用量の投与後の対象における、組み換え受容体を発現している、例えば、CARを発現している、細胞の細胞傷害性は、阻害剤を投与しない方法を介して達成されるものと比較して、大きい。いくつかの態様では、対象における、投与されたT細胞療法、例えば、CAR発現T細胞の細胞傷害性は、T細胞療法がEZH2の阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して評価される。いくつかの態様では、方法は、T細胞療法が阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、投与されたT細胞が、対象における増加したまたは長期の細胞傷害性を示すことを結果としてもたらす。
【0919】
いくつかの態様では、EZH2の阻害剤の投与は、組み換え受容体を発現している細胞の用量が、EZH2阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、対象における疾病負荷、例えば腫瘍量を減少させる。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、組み換え受容体を発現している細胞の用量が、EZH2阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、対象における骨髄中の芽球を減少させる。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、組み換え受容体を発現している細胞の用量が、EZH2阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、改善された臨床アウトカム、例えば、奏効率(ORR)、無増悪生存率(PFS)および全生存率(OS)を結果としてもたらす。
【0920】
いくつかの態様では、対象を、療法の1つまたは複数の工程の施行の前にスクリーニングすることができる。例えば、療法を投与する妥当性、応答性、および/または感受性を決定するために、療法の投与前に、対象を疾患および/または疾病負荷の特性、例えば、腫瘍量についてスクリーニングすることができる。例えば、療法を投与する妥当性、応答性、および/または感受性を決定するために、併用療法の投与前に、対象を疾患の特性、例えば、EZH2の過剰発現または変異についてスクリーニングすることができる。いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価を使用して、本明細書に提供される療法の用量、頻度、持続期間、タイミング、および/または順序を決定することができる。
【0921】
いくつかの態様では、療法の工程のうち1つの施行後に、対象をスクリーニングして、療法の残りの工程を受けるため、および/または療法の有効性をモニタリングするために対象を決定および同定することができる。いくつかの態様では、投与されたT細胞の数、レベル、もしくは量、ならびに/または投与されたT細胞の増殖および/もしくは活性が、EZH2の阻害剤の投与前および/または投与後に評価される。
【0922】
いくつかの態様では、異なる評価時点、異なる条件、参照点および/または異なる対象における同じパラメーターまたはアウトカムのレベル、値または測定と比較された、パラメーターまたはアウトカムのレベル、値または測定における変化および/または変更、例えば増加、上昇、減少、または低減が、決定または評価される。例えば、いくつかの態様では、変化倍率、例えば、異なる条件、例えば、EZH2阻害剤の投与前における同じパラメーターと比較された特定のパラメーター、例えば、EZH2の発現における増加または減少を決定することができる。いくつかの態様では、2つ以上のパラメーターのレベル、値または測定が決定され、相対レベルが比較される。いくつかの態様では、パラメーターの決定されたレベル、値または測定が、対照試料または未処置試料からのレベル、値または測定と比較される。いくつかの態様では、パラメーターの決定されたレベル、値または測定が、同じ対象からであるが異なる時点における試料からのレベルと比較される。疾患評価の目的で、個別のパラメーターの定量で得られる値を、例えば、マルチパラメトリック分析を使用することによって、パラメーターのレベル、値または測定に算術演算または論理演算を形成することによって組み合わせることができる。いくつかの態様では、2つ以上の特定のパラメーターの比を計算することができる。
【0923】
T細胞の健康、機能、活性、および/またはアウトカム、例えば、応答、有効性、および/または毒性アウトカムと関連するパラメーターの評価および決定を、様々な時点で評価することができる。いくつかの局面では、評価は、複数回、例えば、細胞療法の投与前、細胞の製造前、途中もしくは後、ならびに/またはEZH2阻害剤の投与開始時、EZH2阻害剤の継続投与、投与再開および/もしくはさらなる投与の途中、細胞療法の投与開始時、ならびに/または細胞療法の投与の開始前、途中、もしくは後に遂行することができる。
【0924】
いくつかの態様では、投与された細胞および/または細胞組成物の機能的属性は、細胞の薬物動態(PK)パラメーター、拡大増殖および持続性をモニタリングすること、細胞の機能的アッセイ(例えば、細胞傷害性アッセイ、サイトカイン分泌アッセイ、およびインビボアッセイなどの、本明細書に記載されるいずれか)、高次元T細胞シグナル伝達評価、ならびにT細胞の消耗表現型および/またはシグネチャの評価を含む。いくつかの局面では、評価またはモニタリングすることができる他の属性は、微小残存病変(MRD)のモニタリングおよび評価を含む。いくつかの局面では、評価またはモニタリングすることができる他の属性は、EZH2阻害剤の薬力学パラメーターを含む。
【0925】
いくつかの態様では、スクリーニングする工程および/または処置アウトカムの評価および/または処置アウトカムをモニタリングすることのために評価することができるパラメーターを含む、療法または処置アウトカムと関連するパラメーターは、腫瘍または疾病負荷を含む。T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)などの免疫療法もしくは細胞療法である療法および/またはEZH2阻害剤の投与は、対象における疾患または状態の拡大または負荷を低減または防止することができる。例えば、疾患または状態が腫瘍である場合、方法は、一般的に、腫瘍のサイズ、かさ、転移、骨髄もしくは分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍中の芽球のパーセンテージを低減する、および/または予後もしくは生存率もしくは腫瘍量と関連する他の症状を改善する。
【0926】
いくつかの局面では、提供される方法および/または提供される製造品もしくは組成物による投与は、一般的に、対象における疾患または状態の拡大または負荷を低減または防止する。例えば、疾患または状態が腫瘍である場合、方法は、一般的に、腫瘍サイズ、かさ、転移、骨髄、もしくは分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍中の芽球のパーセンテージを低減する、および/または予後もしくは生存率もしくは腫瘍量と関連する他の症状を改善する。
【0927】
いくつかの態様では、提供される方法は、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)などの療法がEZH2阻害剤の投与なしに与えられる代替方法と比較して、処置された対象において減少した腫瘍量を結果としてもたらす。いくつかの態様では、提供される方法は、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)などの免疫療法がEZH2阻害剤の投与なしに与えられる代替方法と比較して、治療有効量を下回るEZH2阻害剤により処置された対象において減少した腫瘍量を結果としてもたらす。併用療法を受けているすべての対象において腫瘍量が実際に低減される必要はないが、腫瘍量は、例えば、そのような併用療法により処置された対象のうち多数が低減した腫瘍量を示すという臨床データに基づき、処置された対象において平均して低減され、例えば、併用療法により処置された対象の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上は、低減した腫瘍量を示すことが必要である。
【0928】
いくつかの態様では、提供される方法は、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)などの療法がEZH2阻害剤の投与なしに与えられる代替方法と比較して、細胞傷害療法の細胞傷害活性の増加を結果としてもたらす。場合によっては、提供される方法は、任意で、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)などの免疫療法がEZH2阻害剤の投与なしに与えられる代替方法と比較して、腫瘍環境中へのT細胞の浸潤増加により、細胞傷害療法の増加した細胞傷害性をもたらす。細胞傷害性が、併用療法を受けているすべての対象において実際に増加することは必要ないが、そのような併用療法により処置された対象の多数が、低減した腫瘍量を示し、例えば、併用療法により処置された対象の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上が低減した腫瘍量を示す、臨床データに基づくなどして、細胞傷害性が、処置された対象において平均して増加することが必要である。腫瘍環境のT細胞の浸潤は、併用療法を受けているすべての対象において実際に増加することは必要ないが、そのような併用療法により処置された対象の多数が、低減した腫瘍量を示す、例えば、併用療法により処置された対象の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上が、低減した腫瘍量を示す臨床データに基づくなどして、細胞傷害性が、処置された対象において平均して増加することが必要である。
【0929】
疾患負荷は、対象における、または対象の器官、組織もしくは体液、例えば腫瘍の器官もしくは組織もしくは、例えば転移を示す別の場所における、疾患の全細胞数を包含し得る。例えば、腫瘍細胞は、特定の血液学的悪性腫瘍の状況で血液、リンパまたは骨髄において検出および/または定量化され得る。疾患負荷は、いくつかの態様では、腫瘍の量、転移の数もしくは範囲および/または骨髄に存在する芽細胞の割合を含み得る。
【0930】
いくつかの態様では、対象は、骨髄腫、リンパ腫または白血病を有する。疾患負荷の程度は、血液または骨髄における残存白血病の評価によって決定することができる。いくつかの態様では、対象は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)を有する。いくつかの態様では、対象は白血病またはリンパ腫を有する。いくつかの態様では、対象は白血病を有する。いくつかの場合では、白血病はCLLである。いくつかの態様では、対象はリンパ腫を有する。いくつかの場合では、対象は、DLCBLおよびFLを含むNHLを有する。いくつかの態様では、対象は、DLBCLを有する。いくつかの態様では、対象は、FLを有する。
【0931】
いくつかの局面では、NHLを有する対象などの対象における奏効率は、Lugano基準に基づく。(Cheson et al.,(2014)JCO., 32(27):3059-3067; Johnson et al.,(2015)Radiology 2: 323-338; Cheson, B.D. (2015)Chin Clin Oncol. 4(1):5)。いくつかの局面では、応答評価は、臨床的方法、血液学的方法、および/または分子的方法のいずれかを利用する。いくつかの局面では、Lugano基準を使用して評価される応答は、必要に応じて陽電子放射断層撮影法(PET)-コンピュータ断層撮影法(CT)および/またはCTの使用を含む。PET-CT評価は、FDG-avidリンパ腫のためのフルオロデオキシグルコース(FDG)の使用をさらに含み得る。いくつかの局面では、FDG-avid組織学において応答を評価するためにPET-CTが使用される場合、5段階尺度が使用され得る。いくつかの点で、5段階尺度は以下の評価基準を含む;1、バックグラウンドを上回る取り込みなし;2、縦隔以下の取り込み;3、縦隔を超えるが肝臓以下の取り込み;4、肝臓を控えめに超える取り込み;5、取り込みは肝臓および/または新しい病変よりも著しく高い;X、リンパ腫に関連する可能性が低い新しい取り込み領域。
【0932】
いくつかの局面では、Lugano基準を使用して表される完全奏効は、様々な測定可能な部位における完全な代謝的応答および完全な放射線学的応答を含む。いくつかの局面では、これらの部位にはリンパ節およびリンパ節外部位が含まれ、PET-CTが使用される場合、CRは、残留塊の有無にかかわらず、5段階尺度で1、2または3のスコアとして表される。いくつかの局面では、高い生理学的取り込みまたは脾臓内もしくは骨髄内での活性化(例えば化学療法または骨髄性コロニー刺激因子による)を有するワルダイエル輪またはリンパ節外部位では、取り込みは、正常な縦隔および/または肝臓を上回り得る。この状況では、組織が高い生理的取り込みを有する場合でも、最初の関与部位での取り込みが周囲の正常組織と同程度であれば、完全な代謝的応答が推測され得る。いくつかの局面では、応答はCTを使用してリンパ節で評価され、CRは疾患のリンパ節外部位がないと表され、標的リンパ節/リンパ節塊は、病変の最長横径(LDi)で1.5cm以下まで退縮しなければならない。さらなる評価部位には骨髄が含まれ、PET-CTに基づく評価は、骨髄におけるFDG-avid疾患の証拠の欠如を示すべきであり、CTに基づく評価は正常な形態を示すべきであり、これは、不確定な場合はIHC陰性であるべきである。さらなる部位には器官拡張の評価が含まれてもよく、これは正常まで退縮すべきである。いくつかの局面では、測定されていない病変と新しい病変が評価され、これらは、CRの場合には非存在でなければならない(Cheson et al.,(2014)JCO., 32(27): 3059-3067; Johnson et al.,(2015)Radiology 2: 323-338; Cheson, B.D.(2015)Chin. Clin. Oncol. 4(1): 5)。
【0933】
いくつかの局面では、Lugano基準を使用して表される部分奏効(PR)は、様々な測定可能な部位における部分的な代謝的応答および/または放射線学的応答を含む。いくつかの局面では、これらの部位にはリンパ節およびリンパ節外部位が含まれ、PET-CTが使用される場合、PRは、ベースラインおよび任意のサイズの残留塊と比較して減少した取り込みを伴う4または5のスコアとして表される。暫定的に、そのような所見は応答性疾患を示す可能性がある。治療の終了時には、そのような所見は残存疾患を示す可能性がある。いくつかの局面では、応答は、CTを使用してリンパ節で評価され、PRは、標的となる6つまでの測定可能なリンパ節およびリンパ節外部位のSPDの50%以上の減少と表される。病変が小さすぎてCTで測定できない場合は、5mm×5mmがデフォルト値として割り当てられる;病変がもはや視認されない場合は、値は0mm×0mmである;5mm×5mmを超えるが、正常よりも小さいリンパ節については、実測値が計算に使用される。さらなる評価部位には骨髄が含まれ、PET-CTに基づく評価は、正常な骨髄での取り込みよりも大きいが、ベースラインと比較して減少した残留取り込み(許容される化学療法からの反応性変化と矛盾しない広範な取り込み)を示すべきである。いくつかの局面では、リンパ節応答の状況で骨髄に持続的な限局性変化がある場合、MRIもしくは生検によるさらなる評価、またはインターバルスキャンが検討されるべきである。いくつかの局面では、さらなる部位には器官拡張の評価が含まれてもよく、脾臓が正常を50%未満上回る長さに退縮していなければならない。いくつかの局面では、測定されていない病変と新しい病変が評価され、これらは、PRの場合には非存在/正常、退縮でなければならず、増加があってはならない。無反応/安定(SD)または進行性疾患(PD)もまた、PET-CTおよび/またはCTに基づく評価を使用して測定することができる。(Cheson et al.,(2014)JCO., 32(27): 3059-3067; Johnson et al.,(2015)Radiology 2: 323-338; Cheson, B.D. 2015)Chin. Clin. Oncol., 4(1):5)。
【0934】
いくつかの点で、無増悪生存期間(PFS)は、B細胞悪性腫瘍などの疾患の治療中および治療後に、対象が疾患を有しながら生存するが、疾患が悪化しない期間の長さとして表される。いくつかの局面では、客観的奏効(OR)は測定可能な応答として表される。いくつかの局面では、客観的奏効率(ORR)は、CRまたはPRを達成した患者の割合として表される。いくつかの局面では、全生存期間(OS)は、B細胞悪性腫瘍などの疾患の診断日または治療開始日のいずれかからの、疾患と診断された対象が依然として生存している期間の長さとして表される。いくつかの局面では、無事象生存期間(EFS)は、B細胞悪性腫瘍の治療が終了した後に、対象が、治療が防止するまたは遅延させることを意図された特定の合併症または事象を有さないままである期間の長さとして表される。これらの事象には、B細胞悪性腫瘍の再発、または骨に転移したB細胞悪性腫瘍による骨の痛み、または死亡などの特定の症状の発症が含まれ得る。
【0935】
いくつかの態様では、奏効期間(DOR)の測定尺度には、腫瘍応答の文書化から疾患進行までの時間が含まれる。いくつかの態様では、応答を評価するためのパラメーターは、持続性応答、例えば療法の開始からある一定期間後に持続する応答を含み得る。いくつかの態様では、持続性応答は、療法の開始後約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、または24ヶ月での奏効率によって示される。いくつかの態様では、応答は3ヶ月超または6ヶ月超にわたって持続性である。
【0936】
いくつかの局面では、客観的腫瘍応答を決定するためにRECIST基準が使用される。(Eisenhauera et al., European Journal of Cancer 45(2009)228-247)。いくつかの局面では、RECIST基準は、標的病変についての客観的腫瘍応答を決定するために使用される。いくつかの点で、RECIST基準を使用して決定される完全奏効は、すべての標的病変の消失として表され、病的リンパ節はいずれも(標的または非標的にかかわらず)、短軸が10mm未満に減少しなければならない。他の局面では、RECIST基準を使用して決定される部分奏効は、ベースラインの合計直径を参照として、標的病変の直径の合計の少なくとも30%の減少として表される。他の局面では、進行性疾患(PD)は、試験時の最小合計を参照として(試験時に最小である場合はベースライン合計を含む)、標的病変の直径の合計の少なくとも20%の増加として表される。20%の相対的増加に加えて、合計はまた、少なくとも5mmの絶対的増加を示さなければならない(いくつかの局面では、1つまたは複数の新しい病変の出現も進行と見なされる)。他の局面では、安定(SD)は、試験中の最小合計直径を参照として、PRに適格とするための十分な収縮、またはPDに適格とするための十分な増加のいずれでもないと表される。
【0937】
いくつかの局面では、FLを有する対象などの対象における生存率は、Italian Lymphoma Intergroup(ILI)および/またはInternational Follicular Lymphoma Prognostic Factor Project(IFLPFP)によって開発されたスコアリングシステムに基づく(Luminari et al., (2012) Rev. Brad. Hematol. Hemoter., 34:54-59)。いくつかの局面では、ILIスコアは、年齢、性別、B症状、節外部位の数、赤血球沈降速度(ESR)および乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の独立した予後役割に基づく。いくつかの局面では、IFLPFPスコアは、年齢、Ann Arborステージ、ヘモグロビンレベル、リンパ節部位の領域数、および血清LDHレベルというリスク因子に基づく。場合によっては、IFLPFPスコアは、FLを有する対象の全生存率を特徴付けまたは予測するために使用され得る。
【0938】
MMの場合、疾患負荷の程度を評価するための例示的なパラメーターには、クローン性形質細胞の数(例えば骨髄生検で、または他の組織からの生検の任意の量で>10%;形質細胞腫)、血清または尿のいずれかにおけるモノクローナルタンパク質(パラプロテイン)の存在、形質細胞障害に関連すると考えられる末端器官障害の証拠(例えば高カルシウム血症(補正カルシウム>2.75mmol/l);骨髄腫に起因する腎不全;貧血(ヘモグロビン<10g/dl);および/または骨病変(溶解性病変または圧迫骨折を伴う骨粗鬆症)などのパラメーターが含まれる。
【0939】
DLBCLの場合、疾患負荷の程度を評価するための例示的なパラメーターには、細胞形態(例えば、中心芽細胞、免疫芽細胞および未分化細胞)、遺伝子発現、miRNA発現、およびタンパク質発現(例えばBCL2、BCL6、MUM1、LMO2、MYCおよびp21の発現)などのパラメーターが含まれる。
【0940】
FLの場合、疾病負荷の程度を評価するための例示的なパラメーターは、ヘモグロビンレベル(例えば、<12g/dLまたは<10g/dL)、赤血球沈降速度(ESR)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベル、およびβ2-ミクログロブリン(B2M)値、遺伝子発現、一塩基多型(SNP;例えば、IL-8、IL-2、Il-12B、およびIL1RNにおける)、miRNA発現、およびタンパク質発現(例えば、CD68、STAT1、FOXP3、CD57)などのパラメーターを含む。(Salles (2007) ASH Educatoin Book, 2007:216-25)。FLの場合、疾患の進展は、Ann Arborステージングシステム、腫瘍量、かさばり病変、病変の節もしくは節外部位の数、および/または骨髄併発によって評価され得る。
【0941】
いくつかの局面では、対象、例えばCLLを有する対象における奏効率は、慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップ(International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia)(IWCLL)の応答基準に基づく(Hallek, et al., Blood 2008, Jun 15; 111(12): 5446-5456)。いくつかの局面では、これらの基準は次のように表される:完全寛解(CR)、これは、いくつかの局面では免疫表現型検査による末梢血のクローン性リンパ球の非存在、リンパ節症の非存在、肝腫大または巨脾腫の非存在、全身症状の非存在および十分な血球数を必要とする;不完全な骨髄回復を伴う完全寛解(CRi)、これは、いくつかの局面では上記のCRと表されるが、正常な血球数を伴わない;部分寛解(PR)、これは、いくつかの局面では末梢血球数の改善を伴う、リンパ球数の50%以上の減少、リンパ節症の50%以上の減少、または肝臓もしくは脾臓の50%以上の減少として表される;進行性疾患(PD)、これは、いくつかの局面ではリンパ球数の5×109/Lを超える50%以上の増加、リンパ節症の50%以上の増加、肝臓もしくは脾臓のサイズの50%以上の増加、リヒター形質転換、またはCLLによる新たな血球減少症として表される;および安定疾患、これは、いくつかの局面ではCR、CRi、PRまたはPDの基準に合致しないものと表される。
【0942】
いくつかの態様では、細胞の用量の投与から1ヶ月以内に、対象のリンパ節が20mm未満もしくは約20mm未満のサイズ、または10mm未満もしくは約10mm未満のサイズ、または10mm未満もしくは約10mm未満のサイズである場合、対象はCRまたはORを示す。
【0943】
いくつかの態様では、CLLの指標クローンは、対象の骨髄において(または本方法に従って治療された対象の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、またはそれ以上の骨髄において)検出されない。いくつかの態様では、CLLの指標クローンは、IgHディープシークエンシングによって評価される。いくつかの態様では、指標クローンは、細胞の投与後1ヶ月もしくは約1ヶ月もしくは少なくとも1ヶ月もしくは少なくとも約1ヶ月、2ヶ月もしくは約2ヶ月もしくは少なくとも2ヶ月もしくは少なくとも約2ヶ月、3ヶ月もしくは約3ヶ月もしくは少なくとも3ヶ月もしくは少なくとも約3ヶ月、4ヶ月もしくは約4ヶ月もしくは少なくとも4ヶ月もしくは少なくとも約4ヶ月、5ヶ月もしくは約5ヶ月もしくは少なくとも5ヶ月もしくは少なくとも約5ヶ月、6ヶ月もしくは約6ヶ月もしくは少なくとも6ヶ月もしくは少なくとも約6ヶ月、12ヶ月もしくは約12ヶ月もしくは少なくとも12ヶ月もしくは少なくとも約12ヶ月、18ヶ月もしくは約18ヶ月もしくは少なくとも18ヶ月もしくは少なくとも約18ヶ月、または24ヶ月もしくは約24ヶ月もしくは少なくとも24ヶ月もしくは少なくとも約24ヶ月の時点で検出されない。
【0944】
いくつかの態様では、例えば光学顕微鏡検査によって検出されるように、骨髄中に5%もしくはそれ以上の芽細胞、例えば骨髄中に10%もしくはそれ以上の芽細胞、骨髄中に20%もしくはそれ以上の芽細胞、骨髄中に30%もしくはそれ以上の芽細胞、骨髄中に40%もしくはそれ以上の芽細胞、または骨髄中に50%もしくはそれ以上の芽細胞が存在する場合、対象は形態学的疾患を示す。いくつかの態様では、5%未満の芽細胞が骨髄中に存在する場合、対象は完全寛解または臨床的寛解を示す。
【0945】
いくつかの態様では、対象は完全寛解を示し得るが、小さな割合の形態学的に検出不能な(光学顕微鏡検査技術によって)残存白血病細胞が存在する。対象が骨髄中で5%未満の芽細胞を示し、分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍を示す場合、対象は最小残存病変(MRD)を示すと言われる。いくつかの態様では、分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍は、少数の細胞の高感度検出を可能にする様々な分子技術のいずれかを使用して評価することができる。いくつかの局面では、そのような技術は、染色体転座によって生成される独特のIg/T細胞受容体遺伝子再構成または融合転写物を決定することができるPCRアッセイを含む。いくつかの態様では、フローサイトメトリーは、白血病特異的な免疫表現型に基づいてB細胞悪性腫瘍の細胞を同定するために使用することができる。いくつかの態様では、B細胞悪性腫瘍の分子検出は、100,000個の正常な細胞中にわずか1個の白血病細胞を検出することができる。いくつかの態様では、PCRまたはフローサイトメトリーなどによって、100,000個の細胞中に少なくとも1個または1個より多い白血病細胞が検出される場合、対象は、分子的に検出可能なMRDを示す。いくつかの態様では、対象の疾患負荷は分子的に検出不可能またはMRD-であり、そのため、いくつかの場合には、PCRまたはフローサイトメトリー技術を用いて対象において白血病細胞を検出することができない。
【0946】
白血病の場合、疾患負荷の程度は、血液または骨髄中の残存白血病の評価によって決定することができる。いくつかの態様では、例えば光学顕微鏡検査によって検出されるように、5%またはそれ以上の芽細胞が骨髄中に存在する場合、対象は形態学的疾患を示す。いくつかの態様では、5%未満の芽細胞が骨髄中に存在する場合、対象は完全寛解または臨床的寛解を示す。
【0947】
いくつかの態様では、白血病の場合、対象は完全な寛解を示し得るが、小さな割合の形態学的に検出不可能な(光学顕微鏡検査技術によって)残存白血病細胞が存在する。対象が骨髄中で5%未満の芽細胞を示し、分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍を示す場合、対象は最小残存病変(MRD)を示すと言われる。いくつかの態様では、分子的に検出可能なB細胞悪性腫瘍は、少数の細胞の高感度検出を可能にする様々な分子技術のいずれかを使用して評価することができる。いくつかの局面では、そのような技術は、染色体転座によって生成される独特のIg/T細胞受容体遺伝子再構成または融合転写物を決定することができるPCRアッセイを含む。いくつかの態様では、フローサイトメトリーは、白血病特異的な免疫表現型に基づいてB細胞悪性腫瘍の細胞を同定するために使用することができる。いくつかの態様では、B細胞悪性腫瘍の分子検出は、100,000個の正常な細胞中にわずか1個の白血病細胞を検出することができる。いくつかの態様では、PCRまたはフローサイトメトリーなどによって、100,000個の細胞中に少なくとも1個または1個より多い白血病細胞が検出される場合、対象は、分子的に検出可能なMRDを示す。いくつかの態様では、対象の疾患負荷は分子的に検出不可能またはMRD-であり、そのため、いくつかの場合には、PCRまたはフローサイトメトリー技術を用いて対象において白血病細胞を検出することができない。
【0948】
いくつかの態様では、細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)および/またはEZH2阻害剤の方法および/または投与は、免疫療法、例えばT細胞療法および/またはEZH2阻害剤の投与の直前の時間の疾病負荷と比較して疾病負荷を減少させる。
【0949】
いくつかの局面では、免疫療法、例えばT細胞療法および/またはEZH2阻害剤の投与は、疾病負荷の増加を防止し得、これは、疾病負荷の変化なしによって証明され得る。
【0950】
いくつかの態様では、該方法は、疾患または病態の負荷、例えば、腫瘍細胞の数、腫瘍のサイズ、患者の生存期間または無イベント生存期間を、代替療法、例えば、対象が、EZH2阻害剤の投与の非存在下で免疫療法、例えばT細胞療法単独を受ける代替療法を使用した同等の方法により観察されるであろう低減と比較して、より大きな程度および/またはより長い期間まで低減する。いくつかの態様では、免疫療法、例えばT細胞療法、およびEZH2阻害剤の投与の併用療法後、疾病負荷は、作用物質の各々単独の投与、例えばEZH2阻害剤の、免疫療法、例えばT細胞療法を受けていない対象への投与;または免疫療法、例えばT細胞療法の、EZH2阻害剤を受けていない対象への投与によって達成されるであろう低減と比較して、より大きな程度またはより長い期間まで低減する。
【0951】
いくつかの態様では、対象における疾患または病態の負荷が検出、評価または測定される。疾病負荷は、いくつかの局面では、対象におけるまたは対象の臓器、組織もしくは体液(血液もしくは血清など)における疾患細胞または疾患関連細胞、例えば、腫瘍細胞の総数を検出することによって検出され得る。いくつかの態様では、疾病負荷、例えば、腫瘍負荷は、転移の数または程度を測定することによって評価される。いくつかの局面では、対象の生存、ある特定の期間内の生存、生存の程度、無事象生存もしくは無症状生存、または無再発生存の存在または継続期間が評価される。いくつかの態様では、疾患または病態の任意の症状が評価される。いくつかの態様では、疾患または病態の負荷の測定基準が規定される。いくつかの態様では、判定のための例示的なパラメーターは、疾患または病態、例えば、腫瘍における回復または改善の指標となる特定の臨床成果を含む。そのようなパラメーターは、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)または病勢安定(SD)(例えば、固形腫瘍効果判定基準(RECIST)ガイドラインを参照のこと)を含めた疾患抑制期間、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を含む。これらのパラメーターについての具体的な閾値を、本明細書に提供される併用療法の方法の有効性を判定するために設定することができる。
【0952】
いくつかの局面では、疾病負荷は、免疫療法、例えばT細胞療法の投与の前、免疫療法、例えばT細胞療法の投与の後であるがEZH2阻害剤の投与の前、および/または、免疫療法、例えばT細胞療法とEZH2阻害剤の両方の投与の後に測定または検出される。併用療法の1つまたは複数の工程の複数回投与という状況下で、いくつかの態様では、疾病負荷は、任意の工程、用量および/または投与サイクルの投与の前または後に測定されても、任意の工程、用量および/または投与サイクルの投与の間のある時点に測定されてもよい。いくつかの態様では、EZH2阻害剤の投与は、少なくとも1サイクル(例えば、28日サイクル)行われ、各サイクルの前、その途中および/またはその後に、疾病負荷が測定または検出される。
【0953】
いくつかの態様では、EZH2阻害剤および免疫療法、例えばT細胞療法の投与の直前と比較して、提供される方法によって、負荷が、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100パーセント、または少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100パーセント、または少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100パーセント減少する。いくつかの態様では、疾病負荷、腫瘍サイズ、腫瘍体積、腫瘍質量および/または腫瘍負荷もしくは嵩は、免疫療法、例えばT細胞療法、およびEZH2阻害剤の投与後に、免疫療法、例えばT細胞療法、および/またはEZH2阻害剤の投与の直前と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90%もしくはそれ以上、または少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90%もしくはそれ以上低減する。
【0954】
いくつかの態様では、本方法による疾患負荷の低減は、例えば併用療法の投与後、例えば開始後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、または6ヶ月超で評価されるように、形態学的完全寛解の誘導を含む。
【0955】
いくつかの局面では、例えばマルチパラメトリックフローサイトメトリーによって測定されるような、微小残存病変についてのアッセイは陰性であるか、または微小残存病変のレベルは約0.3%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、または約0.05%未満である。
【0956】
いくつかの態様では、対象の無事象生存率または全生存率は、他の方法と比較して、本発明の方法によって改善される。例えば、いくつかの態様では、本明細書で提供される併用療法の方法後6ヶ月で、本方法によって治療された対象の無事象生存率または確率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの局面では、全生存率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの態様では、この方法で治療された対象は、少なくとも6ヶ月まで、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10年までの無事象生存期間、無再発生存期間、または生存期間を示す。いくつかの態様では、進行までの時間が改善され、例えば進行までの時間は、6ヶ月超もしくは約6ヶ月超、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10年である。
【0957】
いくつかの態様では、本方法による治療後、他の方法と比較して再発の可能性が低下する。例えば、いくつかの態様では、併用療法の方法後6ヶ月での再発の可能性は、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、または約10%未満である。
【0958】
いくつかの場合には、投与された細胞、例えば養子移入された細胞の薬物動態が、投与された細胞のアベイラビリティ、例えばバイオアベイラビリティを評価するために決定される。養子移入された細胞の薬物動態を決定するための方法は、操作された細胞を投与された対象から末梢血を採取し、末梢血中の操作された細胞の数または比率を決定することを含み得る。細胞を選択および/または単離するためのアプローチは、キメラ抗原受容体(CAR)特異的抗体(例えばBrentjens et al., Sci. Transl. Med. 2013 Mar; 5(177):177ra38)、プロテインL(Zheng et al., J. Transl. Med. 2012 Feb; 10:29)、CARの特定の部位に直接導入され、それによりStrepタグの結合試薬を使用してCARを直接評価する、Strepタグ配列などのエピトープタグ(Liu et al. (2016) Nature Biotechnology, 34: 430; 国際公開公報第2015095895号)、およびCARポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体(国際公開公報第2014190273号参照)の使用を含み得る。外因性のマーカー遺伝子は、いくつかの場合には細胞の検出または選択を可能にするために、およびいくつかの場合には細胞自殺を促進するためにも、操作された細胞療法に関連して利用され得る。いくつかの場合には、切断型上皮増殖因子受容体(EGFRt)は、形質導入された細胞において関心対象の導入遺伝子(例えばCAR)と共発現させることができる(例えば米国特許第8,802,374号参照)。EGFRtは、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体または結合分子によって認識されるエピトープを含み得、これは、EGFRt構築物およびキメラ抗原受容体(CAR)などの別の組換え受容体で操作された細胞の同定もしくは選択するために、ならびに/または受容体を発現する細胞を排除または分離するために使用することができる。米国特許第8,802,374号、およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434参照。
【0959】
いくつかの態様では、患者から得られた生物学的試料中、例えば血液中のCAR+T細胞の数は、例えば細胞の薬物動態を決定するために、細胞療法の投与後の期間に決定され得る。いくつかの態様では、対象の血液中で、またはこの方法によってそのように治療された対象の大多数において検出可能なCAR+T細胞、任意でCAR+CD8+T細胞および/またはCAR+CD4+T細胞の数は、1μL当たり1細胞を超えるか、1μL当たり5細胞を超えるか、または1μL当たり10細胞を超える。
【0960】
F. 対象の選択
いくつかの態様では、免疫療法または細胞療法(例えばCAR-T細胞療法)の投与後に完全寛解(CR)を示しているまたは示し続けている高い、上昇した、および/または増加した可能性を有する対象は、PDまたはPDのリスクを治療、予防、遅延、または減弱するために、EZH2阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、免疫療法または細胞療法(例えばCAR-T細胞療法)の投与後に進行(PD)を示すまたは示し続ける高い、上昇した、および/または増加したリスクを有する対象は、PDまたはPDのリスクを治療、予防、遅延、または減弱するためにEZH2阻害剤を投与される。したがって、いくつかの態様では、進行(PD)の発生またはそれが発生するリスクを治療、予防、遅延、または減弱するための、免疫療法または細胞療法と、EZH2阻害剤との投与を含む併用療法が、本明細書に提供される。1つまたは複数の作用物質を含む組成物および製剤、例えば薬学的製剤もまた提供される。
【0961】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法は、免疫療法または細胞療法の投与後に、進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加したリスク、確率、もしくは可能性を有する対象を同定することによって、免疫療法または細胞療法の投与後に、進行(PD)の発生または発生リスクを治療、予防、遅延、低減または減弱するための併用療法、例えば、免疫療法または細胞療法とEZH2阻害剤との投与のための対象の選択を可能にする。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象への免疫療法または細胞療法の投与を開始する(i)前に、(ii)1、2、もしくは3日以内に、(iii)それと同時に、および/または(iv)後に投与される。
【0962】
いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与前に、進行(PD)の発生またはそのリスクを治療、予防、遅延、低減または減弱することが可能なEZH2阻害剤を投与されない、または提供されない。いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与開始前のある期間、EZH2阻害剤を投与または提供されない。いくつかの態様では、期間は、免疫療法または細胞療法の投与前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日である、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日である、および/あるいは1、2、3、4、5、6週間、もしくは6週間超である、または約1、2、3、4、5、6週間、もしくは6週間超である。いくつかの態様では、対象が進行(PD)の徴候または症候を示す前に、または示さないかぎり、対象は、免疫療法または細胞療法の投与前にEZH2阻害剤を投与または提供されない。
【0963】
いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与前に、進行(PD)の発生またはそのリスクを治療、予防、遅延、低減または減弱することが可能なEZH2阻害剤を投与または提供される。いくつかの態様では、対象は、PDについて高い、増加した、または上昇したリスクを有すると決定されていた。いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与前に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日以内、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日以内、および/あるいは1、2、3、4、5、6週間以内、もしくは6週間以上、または約1、2、3、4、5、6週間以内、もしくは6週間以上など、免疫療法または細胞療法の投与の開始前の期間以内にEZH2阻害剤を投与または提供される。いくつかの態様では、対象は、PDの最初の徴候または症候においてEZH2阻害剤を投与または提供される。
【0964】
いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量もしくはレベルに基づき、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルに基づき、免疫療法または細胞療法の投与の3ヶ月後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3により与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aによって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して増加しているまたは高い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが対照値と比較して増加しているまたは高い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子および表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2B、2a、または3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子および表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して減少しているまたは低い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E3B、2a、または3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが対照値と比較して減少しているまたは低い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。
【0965】
いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルに基づき免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと同定される。いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルに基づき免疫療法または細胞療法の投与の3ヶ月後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと同定される。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、PDCD1、LAG3、TIGIT、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して減少しているまたは低い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して減少しているまたは低い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、CD3EなどのT細胞マーカー遺伝子および表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2Bによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して増加しているまたは高い場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表2aまたは3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表2aまたは3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して増加または上昇している場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。
【0966】
いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aによって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、EZH2および表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2B、2a、または3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E3B、2a、または3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、対象は、対象における発現に基づいて免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと同定される。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2A、1a、または4aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2Bによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表2aまたは3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表2aまたは3aによって与えられるものを含む1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、免疫療法または細胞療法の投与後に進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。
【0967】
いくつかの態様では、FLを有する対象、または濾胞性リンパ腫(FL)を示す、もしくは示し続ける高い、上昇した、および/もしくは増加したリスクを有する対象は、FLを治療するため、またはFLもしくはFLのリスクを予防、遅延、もしくは減弱するためにEZH2阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、FL様の処置前腫瘍遺伝子発現シグネチャを有する、または濾胞性リンパ腫(FL)を示す、もしくは示し続ける高い、上昇した、および/もしくは増加したリスクを有する対象は、DLBCLなどのがんを治療、予防、遅延または減弱するためにEZH2阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、DLBCLを有する対象、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を示し続ける高い、上昇した、および/もしくは増加したリスクを有する対象は、DLBCLまたはDLBCLのリスクを治療、予防、遅延または減弱するためにEZH2阻害剤を投与される。いくつかの態様では、DLBCL様の処置前腫瘍遺伝子発現を有する対象は、DLBCLなどのがんを治療、予防、遅延または減弱するために、EZH2阻害剤を投与される。したがって、いくつかの態様では、DLBCLの発生またはそれを発生するリスクを治療、予防、遅延または減弱するために、免疫療法または細胞療法と、EZH2阻害剤との投与を含む併用療法が、本明細書に提供される。1つまたは複数の作用物質を含む組成物および製剤、例えば、薬学的製剤もまた提供される。
【0968】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法は、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加したリスク、確率、もしくは可能性を有する対象を同定することによって、併用療法、例えば、DLBCLを治療するため、またはDLBCLの発生もしくはその発生リスクを予防、遅延、低減、もしくは減弱するための免疫療法または細胞療法と、EZH2阻害剤との投与のための対象の選択を可能にする。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、DLBCLを処置するための対象への免疫療法または細胞療法の投与開始の(i)前、(ii)1、2、もしくは3日以内、(iii)それと同時に、および/または(iv)後に投与される。
【0969】
いくつかの態様では、対象は、DLBCLを治療すること、またはDLBCLの発生もしくはその発生リスクを予防、遅延、低減、もしくは減弱することが可能なEZH2阻害剤を投与または提供されない。いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与の開始前の期間に、EZH2阻害剤を投与または提供されない。いくつかの態様では、期間は、免疫療法または細胞療法の投与前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日である、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日である、および/あるいは1、2、3、4、5、6週間、もしくは6週間超である、または約1、2、3、4、5、6週間、もしくは6週間超である。いくつかの態様では、対象がDLBCLの徴候もしくは症候を表す前に、または対象がそれを表さないかぎり、対象は、免疫療法または細胞療法の投与前にEZH2阻害剤を投与または提供されない。
【0970】
いくつかの態様では、対象は、対象におけるDLBCLを処置するための免疫療法または細胞療法の投与前に、DLBCLを治療する、またはDLBCLの発生もしくはその発生リスクを予防、遅延、低減、もしくは減弱することが可能なEZH2阻害剤を投与または提供される。いくつかの態様では、対象は、DLBCLを有する、またはDLBCLについて高い、増加した、もしくは上昇したリスクを有すると決定されている。いくつかの態様では、対象は、免疫療法または細胞療法の投与開始前の期間内に、例えば、免疫療法または細胞療法投与前、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日以内、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15日以内、および/あるいは1、2、3、4、5、6週間以内、もしくは6週間超、または約1、2、3、4、5、6週間以内、もしくは6週間超、EZH2阻害剤を投与または提供される。いくつかの態様では、対象は、DLBCLの最初の徴候または症候においてEZH2阻害剤を投与または提供される。
【0971】
いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルに基づき、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して増加しているまたは高い場合、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが対照値と比較して減少しているまたは低い場合、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子セットの発現に基づき、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、DLBCLを有する、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有すると対象を同定する。
【0972】
いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルに基づき、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと同定される。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが、対照値と比較して減少しているまたは低い場合、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子の遺伝子転写またはタンパク質発現の量またはレベルは、量またはレベルが対照値と比較して増加しているまたは高い場合、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、対象は、対象における遺伝子セットの発現の量またはレベルに基づき、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと同定される。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E2またはE3によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がダウンレギュレーションされている場合、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。いくつかの態様では、表E4またはE5によって与えられる1つまたは複数の遺伝子セットの発現は、発現がアップレギュレーションされている場合、DLBCLを有しない、あるいはDLBCLを発生または経験する可能性および/または増加した確率もしくは可能性を有しないと対象を同定する。
【0973】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法は、免疫療法または細胞療法の投与後に、進行(PD)を発生または経験する可能性および/または増加したリスク、確率、もしくは可能性を有する対象を同定することによって、免疫療法または細胞療法の投与後に、進行(PD)を治療するため、または進行PDの発生もしくはその発生リスクを予防、遅延、低減、もしくは減弱するための併用療法、例えば、免疫療法または細胞療法とEZH2阻害剤との投与のための対象の選択を可能にする。いくつかの態様では、EZH2阻害剤は、対象への免疫療法または細胞療法の投与開始の(i)前、(ii)1、2、もしくは3日以内、(iii)それと同時、および/または(iv)その後に、投与される。
【0974】
いくつかの態様では、対象は、対象のEZH2の遺伝的状態または発現レベルに基づき免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有する、またはPDを示す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象は、対象のEZH2の遺伝的状態またはEZH2遺伝子の発現レベルに基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のEZH2遺伝子の発現レベルに基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のEZH2遺伝子の過剰発現に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のEZH2遺伝的状態に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象がEZH2遺伝子に変異を有することに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。場合によっては、EZH2変異は、機能獲得型変異である。場合によっては、機能獲得型変異は、以下:Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679Mのうち1つまたは複数である。
【0975】
いくつかの態様では、対象は、対象の細胞中のH3K27の対象のメチル化状況に基づき、免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有する、またはPDを表す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象は、対象の細胞中のH3K27のメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のがん細胞中のH3K27のメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象の細胞中のH3K27のトリメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のがん細胞中のH3K27のトリメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象の細胞中のH3K27の増加したトリメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象は、対象のがん細胞中のH3K27の増加したトリメチル化状況に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。
【0976】
いくつかの態様では、対象は、濾胞性リンパ腫(FL)を有する対象に基づき、免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有すると同定されない、またはPDを示す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定されない。いくつかの態様では、対象が処置前のFL様腫瘍遺伝子発現シグネチャを有することに基づき、対象は、免疫療法または細胞療法の投与後に、PDを有すると同定されない、またはPDを示す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定されない。いくつかの態様では、対象は、新たに診断された濾胞性リンパ腫、不応性濾胞性リンパ腫、または濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)などのFLを有する対象に基づき、EZH2の阻害剤による処置のために選択されない。いくつかの態様では、対象がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択されない。いくつかの態様では、対象がFLを有し、DLBCLを有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択されない。いくつかの態様では、対象が、処置前のFL様腫瘍遺伝子発現シグネチャを有し、処置前のDLBCL様腫瘍遺伝子発現シグネチャを有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択されない。
【0977】
いくつかの態様では、対象が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有することに基づき、対象は、免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有する、またはPDを示す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象が処置前のDLBCL様腫瘍遺伝子発現シグネチャを有することに基づき、対象は、免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有する、またはPDを示す増加したリスク、確率、または可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有することに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象が処置前のDLBCL様腫瘍遺伝子発現シグネチャを有することに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象が濾胞性リンパ腫(FL)を有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象がDLBCLを有し、FLを有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象が胚中心B細胞(GCB)または活性化B細胞(ABC)DLBCLなどのDLBCLを有することに基づき、対象は、免疫療法または細胞療法の投与後にPDを有する、またはPDを示す増加したリスク、確率、もしくは可能性を有すると同定される。いくつかの態様では、対象が胚中心B細胞(GCB)DLBLまたは活性化B細胞(ABC)DLBCLなどのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有することに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象がGCB DLBCLを有することに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象がABC DLBCLを有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。いくつかの態様では、対象がGCB DLBCLを有し、ABC DLBCLを有しないことに基づき、対象は、EZH2の阻害剤による処置のために選択される。
【0978】
IV. 組み合わせ、製造品およびキット
EZH2の阻害剤と、免疫療法または細胞療法のための成分、例えば、抗体もしくはその抗原結合断片、またはT細胞療法、例えば操作細胞、および/またはその組成物とを含有する製造品もまた、提供される。製造品は、容器と、容器上または容器に付随するラベルまたは添付文書とを含む場合がある。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV溶液バッグなどを含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料から形成されている場合がある。容器は、いくつかの態様で、それ自体である、または状態を治療、予防および/もしくは診断するために有効な別の組成物と組み合わせた、組成物を収容する。いくつかの態様では、容器は無菌アクセスポートを有する。例示的な容器は、静脈内溶液バッグ、バイアル(注射針で刺通可能なストッパーを有するものを含む)、または経口投与される作用物質用のボトルもしくはバイアルを含む。ラベルまたは添付文書は、組成物が疾患または状態を処置するために使用されることを示す場合がある。
【0979】
製造品は、(a)その中に含有される組成物を有する第1の容器であって、組成物が免疫療法、例えばT細胞療法のために使用される操作細胞を含む、第1の容器;および(b)その中に含有される組成物を有する第2の容器であって、組成物がEZH2の阻害剤を含む、第2の容器を含み得る。
【0980】
製造品は、(a)その中に含有される組成物をそれぞれが有する第1の容器および第2の容器であって、組成物が免疫療法、例えばT細胞療法のために使用される操作細胞を含む、第1の容器および第2の容器;ならびに(b)その中に含有される組成物を有する第3の容器であって、組成物がEZH2の阻害剤を含む、第3の容器を含み得る。
【0981】
いくつかの態様では、第1の容器は、第1の組成物および第2の組成物を含み、その際、第1の組成物は、免疫療法、例えばCD4+ T細胞療法のために使用される操作細胞の第1の集団を含み、第2の組成物は、操作細胞の第2の集団を含み、第2の集団は、第1の集団と別に操作される場合があり、例えば、CD8+ T細胞療法であり得る。いくつかの態様では、第1および第2の細胞組成物は、所定の比の操作細胞、例えば、CD4+およびCD8+細胞(例えば、1:1比のCD4+:CD8+ CAR+ T細胞)を含有する。
【0982】
製造品は、さらに、組成物が特定の状態を処置するために使用することができることを示す添付文書を含み得る。代替的または追加的に、製造品は、薬学的に許容される緩衝液を含む別の容器または同じ容器をさらに含み得る。これは、さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、および/またはシリンジなどの他の材料を含み得る。
【0983】
V. 定義
特に定義されないかぎり、本明細書において使用されるすべての専門用語、表記法、ならびに他の技術用語および科学用語または用語法は、請求された対象が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般に理解されている意味を有する用語が、明快さのために、かつ/または即座の参照のために本明細書において定義されており、そして、そのような定義が本明細書に含まれることは、当技術分野において一般に理解されていることを超える実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。
【0984】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、互換的に使用されて、アミノ酸残基のポリマーを指し、最小長に限定されない。提供される受容体および他のポリペプチド、例えば、リンカーまたはペプチドを含むポリペプチドは、天然および/または非天然アミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。これらの用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、およびリン酸化を含む。いくつかの局面では、タンパク質が所望の活性を維持するかぎり、ポリペプチドはネイティブな配列または天然配列に関して修飾を含有する場合がある。これらの修飾は、部位特異的変異誘発により意図的な場合も、タンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅によるエラーなどにより偶発的な場合がある。
【0985】
本明細書において使用される「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは他の動物であり、典型的にはヒトである。いくつかの態様では、EZH2の阻害剤、操作細胞または組成物が投与される対象、例えば患者は、哺乳動物、典型的には霊長類、例えばヒトである。いくつかの態様では、霊長類はサルまたは類人猿である。対象は雄性または雌性であることができ、乳児、若年、青年、成体および老齢の対象を含む任意の適切な年齢であることができる。いくつかの態様では、対象は非霊長類の哺乳動物、例えば、齧歯動物である。
【0986】
本明細書において使用される「処置」(およびその文法上の変形、例えば、「処置する(treat)」または「処置すること(treating)」は、疾患もしくは状態もしくは障害、あるいはそれに伴う症状、有害作用もしくは転帰、または表現型の完全または部分的な改善または低減を指す。処置の望ましい効果には、疾患の発生または再発を予防すること、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果を軽減すること、転移を予防すること、疾患進行の速度を減少させること、病状の改善または緩和、および寛解または改善された予後が含まれるが、それに限定されるわけではない。これらの用語は、疾患を完全に治癒させること、あるいは任意の症状またはすべての症状もしくは結果に対する作用の完全な除去を暗示していない。
【0987】
本明細書に使用される「疾患の発生を遅らせること」は、疾患(例えばがん)の発生を先延ばしすること、妨げること、遅くすること、遅延させること、安定させること、抑制すること、および/または延期させることを意味する。この遅れは、疾患歴および/または処置されている個体に依存して、様々な時間の長さであることができる。いくつかの態様では、十分または顕著な遅れは、事実上、個体が疾患を発生しない予防を包含することができる。例えば、末期がん、例えば転移の発生が遅くされる場合がある。
【0988】
「予防すること」は、本明細書において使用する場合、疾患素因があり得るが、まだ該疾患と診断されていない対象における該疾患の発生または再発に関して予防を提供することを含む。いくつかの態様では、提供される細胞および組成物は、疾患の発生を遅らせるために、または疾患の進行を減速するために使用される。
【0989】
本明細書に使用される、機能もしくは活性を「抑制する」ことは、対象となる条件もしくはパラメーターを除いて他の点では同じ条件と比較したときに、またはその代わりに別の条件と比較して、この機能もしくは活性を低減することである。例えば、腫瘍成長を抑制する細胞は、該細胞の非存在下での腫瘍の成長速度と比較して腫瘍の成長速度を低減する。
【0990】
作用物質、例えば操作細胞もしくはEZH2の阻害剤、またはその薬学的製剤もしくは組成物の「有効量」は、投与との関連において、所望の結果、例えば、治療結果または予防結果を達成するために必要な投薬量/量および期間で有効な量を指す。
【0991】
作用物質、例えば操作細胞もしくはEZH2の阻害剤、またはその薬学的製剤もしくは組成物の「治療有効量」は、例えば疾患、状態もしくは障害の処置のために望ましい治療結果および/または処置の薬物動態学的もしくは薬力学的効果を達成するための、必要な投薬量および期間で有効な量を指す。治療有効量は、対象の病状、年齢、性別および体重、ならびに投与される細胞集団などの要因に応じて変動する場合がある。いくつかの態様では、提供される方法は、細胞および/または組成物を有効量で、例えば治療有効量で投与することを伴う。いくつかの態様では、提供される方法は、EZH2、操作細胞(例えば細胞療法)、または組成物を有効量、例えば治療有効量で投与することを伴う。「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するために必要な投薬量および期間での有効量を指す。典型的であるが、そうとは限らずに、予防用量は疾患の前または早期に対象に使用されるので、予防有効量は治療有効量よりも少ない。より低い腫瘍負荷量の状況において、予防有効量は、いくつかの局面で治療有効量よりも高い。
【0992】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定化剤または保存剤が含まれるが、それに限定されるわけではない。
【0993】
用語「約」は、本明細書に使用される場合、この技術分野における当業者には容易に分かるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の付いた値またはパラメーターへの参照は、その値またはパラメーター自体に向けられる態様を含む(かつ記載する)。
【0994】
本明細書において使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が他のことを明確に示す場合を除き、複数形の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書において記載される局面および変形は、局面および変形から「なること」、ならびに/またはそれら「から本質的になること」を含むことが理解される。
【0995】
本開示の全体を通して、請求される対象の様々な局面が範囲形式で示される。範囲形式での記載は単に便宜および簡潔性のためであると理解されるべきであり、請求された対象の範囲に関して柔軟性のない限定として解釈されるべきではない。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値をすべて具体的に開示したと見なされるべきである。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と、下限との間の各介在値、およびその指定された範囲内の任意の他の指定された値または介在値が、請求される対象の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限がこれらのより小さい範囲に独立して含まれる場合があり、これらもまた、指定された範囲内の任意の具体的に除外された限度を条件にして、請求される対象内に包含される。指定された範囲が限度の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限度の一方または両方を除外する範囲もまた、請求される対象に含まれる。これは、範囲の広さにかかわらず、当てはまる。
【0996】
本明細書に使用される場合、組成物は、細胞を含む、2つまたはそれよりも多い産物、物質、または化合物の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0997】
1つまたは複数の特定の細胞型または細胞集団を指す場合に本明細書に使用される「濃縮すること」は、例えば集団もしくは細胞によって発現されるマーカーに基づく正の選択によって、または枯渇されるべき細胞集団もしくは細胞上に存在しないマーカーに基づく負の選択によって、例えば、組成物中の総細胞数もしくは組成物の体積と比較して、または他の細胞型と比べて、細胞型または集団の数またはパーセンテージを増加させることを指す。この用語は、組成物からの他の細胞、細胞型、または集団の完全な除去を必要とせず、そのように濃縮された細胞が濃縮された組成物中に100%または100%近くであっても存在することを必要としない。
【0998】
本明細書に使用される、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陽性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞上または細胞中に検出可能に存在することを指す。表面マーカーに言及する場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の存在を指し、その際、染色は、フローサイトメトリーによって、アイソタイプがマッチする対照もしくはFMO(fluorescence minus one)ゲーティング対照をそれ以外の点では同一の条件下で用いる同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルで、および/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルと実質的に類似のレベルで、および/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に高いレベルで、検出可能である。
【0999】
本明細書に使用される、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陰性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞上または細胞中に実質的に検出可能に存在しないことを指す。表面マーカーに言及する場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の非存在を指し、その際、染色は、フローサイトメトリーによって、アイソタイプがマッチする対照もしくはFMO(fluorescence minus one)ゲーティング対照をそれ以外の点では同一の条件下で用いる同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルで、および/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に低いレベルで、および/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルと比較して実質的に類似するレベルで、検出されない。
【1000】
用語「ベクター」は、本明細書において使用される場合、連結される別の核酸を増やす能力がある核酸分子を指す。この用語には、自己複製する核酸構造物としてのベクターのみならず、そのベクターが導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターが含まれる。ある種のベクターは、機能的に連結される核酸の発現を指示する能力がある。そのようなベクターは本明細書において「発現ベクター」と称される。
【1001】
本明細書に使用される組成物は、細胞を含む2つまたはそれ以上の産物、物質、またはEZH2の阻害剤の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【1002】
本明細書において使用される「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは他の動物、典型的にはヒトである。
【1003】
VI. 例示的態様
提供される態様には以下が含まれる。
【1004】
1. 以下の工程を含む、がんを処置する方法:
(1)がんを有する対象に、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を投与する工程であって、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する、工程と;
(2)該対象にzesteホモログ2エンハンサー(enhancer of zeste homolog 2)(EZH2)の阻害剤を投与する工程。
【1005】
2. がんを有する対象にzesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与する工程を含む、がんを処置する方法であって、該対象が、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を投与される候補であるかまたはそれを投与されている、方法。
【1006】
3. キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を、がんを有する対象に投与する工程を含む、該対象におけるがんを処置する方法であって、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、該対象が、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤を投与されるかまたは投与される予定である、方法。
【1007】
4. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~3のいずれかの方法。
【1008】
5. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始の約4週間前~細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~4のいずれかの方法。
【1009】
6. EZH2阻害剤の投与レジメンが、細胞療法の投与開始の14日または約14日前から、細胞療法の投与開始の14日または約14日後の時点での該阻害剤の投与開始を含む、態様1~3のいずれかの方法。
【1010】
7. EZH2阻害剤の投与レジメンが、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、細胞療法の投与開始の7日または約7日後の時点での該阻害剤の投与開始を含む、態様1~4のいずれかの方法。
【1011】
8. EZH2阻害剤の投与レジメンが、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、細胞療法の投与開始の1日または約1日後の時点での該阻害剤の投与開始を含む、態様1~3のいずれかの方法。
【1012】
9. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~4のいずれかの方法。
【1013】
10. EZH2阻害剤の投与レジメンが、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、2日または約2日前の時点での該阻害剤の投与開始を含む、態様1~4および6~8のいずれかの方法。
【1014】
11. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約5日以内または約5日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~4および6~10のいずれかの方法。
【1015】
12. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約2日以内または約2日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~4および6~11のいずれかの方法。
【1016】
13. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約1日以内または約1日の該阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様1~4、6~9、11および12のいずれかの方法。
【1017】
14. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始の少なくとも7日前、少なくとも5日前、少なくとも2日前、または少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む投与レジメンで投与される、態様1~5および9~13のいずれかの方法。
【1018】
15. 投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量が、細胞療法と同時におよび/または細胞療法と同日に投与される、態様1~13のいずれかの方法。
【1019】
16. 対象の腫瘍微小環境(TME)に浸潤することができるCAR発現T細胞の数を増加させる、態様1~15のいずれかの方法。
【1020】
17. 細胞療法が、対象に対して自家である細胞を含む、態様1~16のいずれかの方法。
【1021】
18. 対象に対して自家である細胞を含む生体試料が該対象から収集され、任意で、該生体試料がアフェレーシス産物であるかまたはそれを含む、態様1~17のいずれかの方法。
【1022】
19. 細胞療法のT細胞が、生体試料の自家細胞に由来する、態様18の方法。
【1023】
20. 細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、態様1~19のいずれかの方法。
【1024】
21. 生体試料の収集後かつEZH2阻害剤および/または細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、態様18~20のいずれかの方法。
【1025】
22. リンパ球枯渇療法が、細胞療法の投与開始の2~7日前に終了する、態様20または態様21の方法。
【1026】
23. EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される、態様20~22のいずれかの方法。
【1027】
24. EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤の投与が、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する、態様20~23のいずれかの方法。
【1028】
25. 細胞療法の投与が、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞;約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞;約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞;または約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む、態様1~24のいずれかの方法。
【1029】
26. 細胞療法の投与が、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞の投与を含む、態様1~24のいずれかの方法。
【1030】
27. 細胞療法が、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、態様1~25のいずれかの方法。
【1031】
28. 細胞療法が、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、態様1~27のいずれかの方法。
【1032】
29. 細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞が、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞、および/または、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む、態様28の方法。
【1033】
30. 細胞療法が、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されており、細胞療法の投与が、複数の別々の組成物を投与することを含み、複数の別々の組成物が、CD8+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第1の組成物と、CD4+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第2の組成物とを含む、態様1~29のいずれかの方法。
【1034】
31. 第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞が、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比で存在する;および/または
第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞が、所定の比で存在し、その比が、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である、
態様30の方法。
【1035】
32. 細胞療法が、1×105個もしくは約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞、1×106個もしくは約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106個もしくは約5×106個~1×108の総CAR発現T細胞、1×107個もしくは約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、または5×107個もしくは約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞(それぞれ両端の値を含む)の投与を含む、態様1~31のいずれかの方法。
【1036】
33. 細胞療法が、少なくとも1×105個もしくは少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×105個もしくは少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも5×105個もしくは少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも1×106個もしくは少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×106個もしくは少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも5×106個もしくは少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも1×107個もしくは少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×107個もしくは少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも5×107個もしくは少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも1×108個もしくは少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×108個もしくは少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞、または少なくとも5×108個もしくは少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む、態様1~32のいずれかの方法。
【1037】
34. 細胞療法が、5×107個または約5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む、態様1~33のいずれかの方法。
【1038】
35. 細胞療法が、1×108個または約1×108個のCAR発現細胞の投与を含む、態様1~33のいずれかの方法。
【1039】
36. CARが、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインとITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、態様1~35のいずれかの方法。
【1040】
37. 抗原が、腫瘍抗原であるかまたはがんの細胞上に発現されている、態様1~36のいずれかの方法。
【1041】
38. 抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、これはCAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、これはNY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;これはFc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、Lewis Y、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマの優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、これは5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、これはTYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、これはドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)の中から選択される、態様1~37のいずれかの方法。
【1042】
39. 抗原が、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30の中から選択される、態様1~38のいずれかの方法。
【1043】
40. 抗原が、CD19である、態様1~39のいずれかの方法。
【1044】
41. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む、態様36~40のいずれかの方法。
【1045】
42. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激性のシグナル伝達領域をさらに含む、態様36~41のいずれかの方法。
【1046】
43. 共刺激性のシグナル伝達領域が、CD28または4-1BBの、任意でヒトCD28またはヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む、態様42の方法。
【1047】
44. 共刺激性ドメインが、4-1BBのシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様42または態様43の方法。
【1048】
45. 共刺激性ドメインが、CD28のシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様42または態様43の方法。
【1049】
46. 前記阻害剤の投与開始前に、対象に対して自家である細胞を含む生体試料を該対象から収集する工程を含む、態様1~45のいずれかの方法。
【1050】
47. 対象由来の生体試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物であるかまたはそれを含む、態様46の方法。
【1051】
48. 生体試料がアフェレーシス産物である、態様47の方法。
【1052】
49. 細胞療法の投与前に、リンパ球枯渇剤またはリンパ球枯渇療法を対象に投与する工程を含む、態様1~48のいずれかの方法。
【1053】
50. EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法が終了した後に対象に投与される、態様49の方法。
【1054】
51. リンパ球枯渇療法が、細胞療法の投与開始の2~7日前に完了する、態様49または態様50の方法。
【1055】
52. リンパ球枯渇療法が、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む、態様20~51のいずれかの方法。
【1056】
53. リンパ球枯渇療法が、2~4日間、任意で3日間の、約200~400mg/m2、任意で300mg/m2または約300mg/m2(両端の値を含む)のシクロホスファミド、および/または約20~40mg/m2、任意で30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含むか、リンパ球枯渇療法が、約500mg/m2のシクロホスファミドの投与を含む、態様20~52のいずれかの方法。
【1057】
54. リンパ球枯渇療法が、3日間の、300mg/m2または約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む;および/または
リンパ球枯渇療法が、3日間の、500mg/m2または約500mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む、
態様20~53のいずれか1つの方法。
【1058】
55. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始前5日以内または約5日以内である、態様1~4および5~54のいずれかの方法。
【1059】
56. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始前2日以内または約2日以内である、態様1~4、6~12、および14~55のいずれかの方法。
【1060】
57. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始前1日以内または約1日以内である、態様1~4、および6~57のいずれかの方法。
【1061】
58. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始と同時または同日である、態様1~3、6~8、および15~5739のいずれかの方法。
【1062】
59. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始の遅くとも2日後であり、任意で、該阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始後1日以内である、態様1~3、6、7、および16~54のいずれかの方法。
【1063】
60. EZH2阻害剤が、1日当たり約800mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様1~59のいずれかの方法。
【1064】
61. EZH2阻害剤が、1日当たり約1600mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様1~59のいずれかの方法。
【1065】
62. EZH2阻害剤が、1日当たり約2400mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様1~59のいずれかの方法。
【1066】
63. 前記阻害剤の用量が、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg、100mgまたは約100mgから、1200mgまたは約1200mg、100mgまたは約100mgから、800mgまたは約800mg、100mgまたは約100mgから、400mgまたは約400mg、100mgまたは約100mgから、200mgまたは約200mg、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mg、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg、200mgまたは約200mgから、800mgまたは約800mg、200mgまたは約200mgから、400mgまたは約400mg、400mgまたは約400mgから、1600mgまたは約1600mg、400mgまたは約400mgから、1200mgまたは約1200mg、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg、800mgまたは約800mgから、1600mgまたは約1600mg、800mgまたは約800mgから、1200mgまたは約1200mg、1200mgまたは約1200mgから、1600mgまたは約1600mg(それぞれ両端の値を含む)の阻害剤の量である、態様1~62のいずれかの方法。
【1067】
64. 前記阻害剤が、1または複数の用量の該阻害剤を含む投与レジメンで投与され、用量が、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mgである、態様1~63のいずれかの方法。
【1068】
65. 前記阻害剤が、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される、態様1~64のいずれかの方法。
【1069】
66. 前記阻害剤が、一日ごとに3用量(1日3回の投与)を含む投与レジメンで投与される、態様1~65のいずれかの方法。
【1070】
67. 前記阻害剤の各用量が、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である、態様63~66のいずれかの方法。
【1071】
68. 前記阻害剤の各々が、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である、態様63~67のいずれかの方法。
【1072】
69. 前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である、態様63~68のいずれかの方法。
【1073】
70. 前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgである、態様63~69のいずれかの方法。
【1074】
71. 前記阻害剤の1日2回の投与の各用量が、800mgまたは約800mgである、態様63~69のいずれかの方法。
【1075】
72. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様1~71のいずれかの方法。
【1076】
73. 投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様1~71のいずれかの方法。
【1077】
74. 投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様1~71のいずれかの方法。
【1078】
75. 投与レジメンが、対象が完全奏効を示すまでまたは対象が病勢進行を示すまでの、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様1~74のいずれかの方法。
【1079】
76. 投与レジメンが、対象が臨床的寛解を示したらEZH2阻害剤の投与を中断する工程を含む、態様1~74のいずれかの方法。
【1080】
77. 前記阻害剤が、野生型EZH2および/または変異型EZH2を阻害する、態様1~76のいずれかの方法。
【1081】
78. 前記阻害剤が、野生型EZH2を阻害する、態様1~77のいずれかの方法。
【1082】
79. 前記阻害剤が、変異型EZH2を阻害し、任意で、該変異が、機能獲得変異である、態様1~478のいずれかの方法。
【1083】
80. EZH2が、Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679Mの中から選択される1つまたは複数の変異を含む、態様77~79のいずれかの方法。
【1084】
81. 変異が、リジン27でのヒストン3のトリメチル化を増加させる、態様77~80のいずれかの方法。
【1085】
82. 前記阻害剤が、野生型および/または変異型EZH2に対して1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満もしくは約1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満、または5nM未満もしくは約5nM未満である半最大阻害濃度(IC50)でEZH2を阻害する、態様1~81のいずれかの方法。
【1086】
83. EZH2に対する前記阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)が、EZH1に対する該阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い、任意で、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い、態様1~82のいずれかの方法。
【1087】
84. 前記阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205、GSK343、GSK126、およびバレメトスタット(DS-3201b)からなる群の中から選択される、態様1~83のいずれかの方法。
【1088】
85. 前記阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)である、態様1~84のいずれかの方法。
【1089】
86. 前記阻害剤が、CPI-1205である、態様1~84のいずれかの方法。
【1090】
87. がんが、固形腫瘍である、態様1~86のいずれかの方法。
【1091】
88. 固形腫瘍が、膀胱がん、乳がん、黒色腫、または前立腺がんである、態様87の方法。
【1092】
89. 固形腫瘍が、前立腺がんである、態様87または態様88の方法。
【1093】
90. 前立腺がんが、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、態様89の方法。
【1094】
91. がんが、血液悪性腫瘍である、態様1~86のいずれかの方法。
【1095】
92. がんが、B細胞悪性腫瘍である、態様1~86または91のいずれかの方法。
【1096】
93. がんが、骨髄腫、白血病またはリンパ腫である、態様1~86、91、または92のいずれかの方法。
【1097】
94. がんが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、大細胞型B細胞リンパ腫である、態様1~86または91~93のいずれかの方法。
【1098】
95. がんが、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、態様1~86または91~94のいずれかの方法。
【1099】
96. NHLが、濾胞性リンパ腫(FL)である、態様9の方法。
【1100】
97. NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、態様95の方法。
【1101】
98. DLBCLが、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである、態様97の方法。
【1102】
99. EZH2阻害剤による処置のための対象を、DLBCL、任意でDLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として選択する工程を含む、態様1~95、97、および98のいずれかの方法。
【1103】
100. DLBCLが、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない、態様697の方法。
【1104】
101. 対象が、がんを処置するための先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった、態様1~100のいずれかの方法。
【1105】
102. がんが、細胞療法単独による処置に抵抗性である、態様1~101のいずれかの方法。
【1106】
103. がんが、EZH2の過剰発現ならびに/またはY641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637AおよびV679Mの中から選択される1つもしくは複数の変異を含むEZH2の発現を示し、任意で、該変異が、機能獲得変異である、態様1~102のいずれかの方法。
【1107】
104. 処置された複数の対象では、細胞療法のCAR発現T細胞の腫瘍微小環境(TME)への浸潤が、前記阻害剤の投与を伴わない方法と比較して増加する、態様1~103のいずれかの方法。
【1108】
105. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E4に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様1~104のいずれかの方法。
【1109】
106. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E5に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様1~105のいずれかの方法。
【1110】
107. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2Bに与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様1~106のいずれかの方法。
【1111】
108. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様1~107のいずれかの方法。
【1112】
109. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E3に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様1~108のいずれかの方法。
【1113】
110. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2Aに与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様1~109のいずれかの方法。
【1114】
111. 処置された複数の対象では、表E4によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様1~110のいずれかの方法。
【1115】
112. 処置された複数の対象では、表E5によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様1~111のいずれかの方法。
【1116】
113. 処置された複数の対象では、表E2Bによって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様1~112のいずれかの方法。
【1117】
114. 処置された複数の対象では、表E2によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様1~113のいずれかの方法。
【1118】
115. 処置された複数の対象では、表E3によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様1~114のいずれかの方法。
【1119】
116. 処置された複数の対象では、表E2Aによって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様1~115のいずれかの方法。
【1120】
117. 前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%または少なくとも50%が、持続性の完全奏効(CR)、またはCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性の完全奏効(CR)を6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超達成する;および/または
6ヶ月までにCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%が、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超および/または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、応答を続ける、CRを続ける、および/または生存するもしくは進行せずに生存する;および/または
該方法に従って処置された対象の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%が、客観的奏効(OR)を達成し、任意で、ORが、6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、持続性である、またはORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性である;および/または
6ヶ月までにORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%が、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超、応答または生存を続ける、
態様1~116のいずれかの方法。
【1121】
118. 以下の工程を含む、T細胞療法による処置の方法:
(a)(i)対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、該対象が、B細胞悪性腫瘍を有するまたは有する疑いがあり、かつ、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合、
該対象を、T細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された患者にT細胞療法を投与する工程。
【1122】
119. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤を投与するためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、かつ、該対象が、T細胞療法の投与を受ける予定であり、かつ、該生体試料が、T細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤とT細胞療法とを併用した処置のために選択する工程。
【1123】
120. 選択された対象に、EZH2阻害剤をT細胞療法と併用して投与する工程をさらに含む、態様119の方法。
【1124】
121. 対象がEZH2阻害剤による処置のために選択されない場合、T細胞療法のみを対象に投与する、態様119の方法。
【1125】
122. 以下の工程を含む、T細胞療法による処置の方法:
(a)(i)対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現
を評価する工程であって、該対象が、B細胞悪性腫瘍を有するまたは有する疑いがある、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合、
該対象を、T細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された患者にT細胞療法を投与する工程。
【1126】
123. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤を投与するためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現
を評価する工程であって、
該対象が、T細胞療法の投与を受ける予定であり、かつ、該生体試料が、T細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットのレベルまたは量がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤とT細胞療法とを併用した処置のために選択する工程。
【1127】
124. 以下の工程を含む、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有する対象を特定する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、かつ、該対象が、T細胞療法の用量を投与する候補であり、かつ、該生体試料が、該対象にT細胞療法の用量が投与される前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該対象を、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定する工程。
【1128】
125. 以下の工程を含む、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有する対象を特定する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現
を評価する工程であって、該対象が、T細胞療法の用量を投与する候補であり、かつ、該生体試料が、該対象にT細胞療法の用量が投与される前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該対象を、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定する工程。
【1129】
126. 対象がT細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定された場合、特定された対象に代替処置を投与する工程をさらに含み、該代替処置が、T細胞療法とT細胞療法の活性をモジュレートもしくは増加させる追加の作用物質とを含む併用処置;増加した用量のT細胞療法;および/または化学療法剤の中から選択される、態様124または態様125の方法。
【1130】
127. 代替処置が、T細胞療法とT細胞療法の活性をモジュレートまたは増加させる追加の作用物質とを含む併用処置であり、任意で、該追加の作用物質が、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路のモジュレーター、アデノシン受容体拮抗薬、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体もしくは抗TGFβR抗体、サイトカイン、および/またはEZH2阻害剤である、態様126の方法。
【1131】
128. 代替処置が、T細胞療法とEZH2阻害剤とを含む併用処置である、態様126または態様127の方法。
【1132】
129. 代替処置が、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して増加した用量のT細胞療法であり、任意で、T細胞療法が、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に結合する組換え受容体を発現する細胞を含む、態様126の方法。
【1133】
130. 増加した用量のT細胞療法が、T細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった対象に与えられるT細胞療法の用量と比較して増加した細胞数のT細胞療法を含む、態様128の方法。
【1134】
131. 代替処置が、化学療法剤であり、任意で、該化学療法剤が、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン、ビンクリスチン、フルダラビン、ベンダムスチン、および/またはリツキシマブである、態様126の方法。
【1135】
132. 対象がT細胞療法による処置に抵抗性と予測されるがんを有すると特定されなかった場合、対象にT細胞療法の用量のみ投与する、態様124または態様125の方法。
【1136】
133. 特定された対象にEZH2阻害剤を投与する工程をさらに含む、態様124~129のいずれかの方法。
【1137】
134. 以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含むT細胞療法を用いてがんを処置する方法:
(a)対象由来の腫瘍生検試料中の
(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合、
該対象を、細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象に細胞療法を投与する工程。
【1138】
135. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法とを用いてがんを処置する方法:
(a)対象由来の腫瘍生検試料中の
(i)EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量である、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該対象を、処置のために選択する工程と;
(c)選択された対象に、EZH2阻害剤および細胞療法を投与する工程。
【1139】
136. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の腫瘍生検試料中の、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量;および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、
1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり;該対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法の投与を受ける予定であり、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、該腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を上回る場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が遺伝子参照値を下回る場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程。
【1140】
137. 遺伝子参照値が、
(a)がんもB細胞悪性腫瘍も有しない対象の集団、または
(b)がんもしくはB細胞悪性腫瘍を有しており療法を投与された対象の集団であって、療法の投与後に部分奏効(PR)または完全奏効(CR)を示し続けた対象の集団
における1つまたは複数の遺伝子の平均レベルまたは量の25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内である、態様118~136のいずれかの方法。
【1141】
138. がんもしくはB細胞悪性腫瘍を有する対象の集団が、療法の投与後、PRまたはCRを少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、またはそれ以上示し続けた、態様137の方法。
【1142】
139. 第1の1つまたは複数の遺伝子および/または第2の1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた生体試料中で評価される、態様118~138のいずれかの方法。
【1143】
140. 以下の工程を含む、がんを有する対象のT細胞療法に対する応答性を判定する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の、EZH2、表E2に示される遺伝子および/または表E2Aに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の、T細胞マーカー、任意でCD3ε、表E4に示される遺伝子および/または表E2Bに示される遺伝子から選択される1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、該生体試料が、該対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点に該対象から得られ、かつ、該対象が、T細胞療法による処置を受ける予定である、工程と;
(b)(i)該対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量
を評価する工程であって、1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるタンパク質および/またはポリヌクレオチドのレベルまたは量であり、該生体試料が、該対象へのT細胞療法が該対象に投与された後の第2の時点に該対象から得られ、かつ、(b)の評価する工程の前に、該対象にT細胞療法が投与されている、工程と;
(c)(i)第2の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量が、第1の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子のレベルまたは量より低い場合;および/または
(ii)第2の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量が、第1の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子のレベルまたは量より高い場合
該対象がT細胞療法に応答性であると判定する工程。
【1144】
141. 以下の工程を含む、がんを有する対象のT細胞療法に対する応答性を判定する方法:
(a)(i)該対象由来の生体試料中の表E2および/または表E2Aによって与えられる1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の表E4および/または表E2Bによって与えられる1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現
を評価する工程であって、該生体試料が、該対象にT細胞療法が投与される前の第1の時点に該対象から得られ、かつ、該対象が、T細胞療法による処置を受ける予定である、工程と;
(b)(i)該対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現、および/または
(ii)該対象由来の生体試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現
を評価する工程であって、該生体試料が、該対象へのT細胞療法が該対象に投与された後の第2の時点に該対象から得られ、かつ、(b)の評価する工程の前に、該対象にT細胞療法が投与されている、工程と;
(c)(i)第2の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現が、第1の時点での1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現と比較して、より大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)第2の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現が、第1の時点での1つまたは複数の第2の遺伝子セットと比較して、より大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている場合、
該対象がT細胞療法に応答性であると判定する工程。
【1145】
142. (b)の評価する工程の前に、対象にT細胞療法を投与する工程をさらに含む、態様140または態様141の方法。
【1146】
143. 以下の工程を含む、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法を用いてがんを処置する方法:
(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合、
該対象を、細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された患者に細胞療法を投与する工程。
【1147】
144. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)の阻害剤と、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法とを用いてがんを処置する方法:
(a)(i)対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程と;
(c)選択された患者に、EZH2阻害剤および細胞療法を投与する工程。
【1148】
145. 以下の工程を含む、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤の投与のためのがんを有する対象を選択する方法:
(a)(i)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、EZH2、E2F2、RAD51、POLQ、POLD1、MCM10、TRIP13、TFRC、MCM2、ENO1、GTSE1、UBE2T、CAD、ORC1、TPX2、ICAM1、KIF4A、CDC6、CENPM、POLE2、MTHFD1、GINS1、MYBL2、E2F1、FAM83D、CENPI、OIP5、RNASEH2A、ASF1B、CCNE1、SLC1A5、MRPL4、NAMPT、NPM3、TMEM97、NCAPG、CDCA3、MCM3、GMNN、VEGFA、SLC29A1、KIF20A、CENPA、CDC20、DUSP1、CDK2、XPO5、PAICS、E2F8、TUBG1、TOP2A、PCNA、RFC3、CCNB1、SLC43A3、TROAP、ESPL1、TCF19、SLC39A8、DIAPH3、KIF2C、NUF2、DTL、CDCA5、NCAPG2、GINS4、PLIN2、MKI67、CENPU、SKA1、MAPK13、TAGLN2、FDPS、RECQL4、ATF3、IER5、TKT、CDC25A、E2F7、RRM1、CDT1、SLC3A2、FEN1、ATF5、FASN、CDK1、POLH、RRM2、TYMS、GSG2、JUN、AURKB、GINS3、UPP1、KIF18B、KLHL23、KIFC1、NME1、UHRF1、UBE2S、SPC24、H2AFX、DDX39A、TK1、CDK4、DNMT1、SNRPB、RAD54L、GINS2、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、EBP、GLA、STC1、HSPE1、ACLY、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、FARSA、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現;および/または
(ii)該対象由来の腫瘍生検試料中の1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現であって、各遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、IL6ST、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、ICOS、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CCD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、LINC00239、PDCD1、LAG3、KLRB1、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、発現
を評価する工程であって、
該対象が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む細胞療法の投与を受ける予定であり、該CARが、該がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、かつ、該腫瘍生検試料が、細胞療法の投与前に該対象から得られる、工程と;
(b)(i)1つまたは複数の第1の遺伝子セットの発現がアップレギュレーションされている場合;および/または
(ii)1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現がダウンレギュレーションされている場合、
該がんを有する対象を、EZH2阻害剤および細胞療法による処置のために選択する工程。
【1149】
146. 1つまたは複数の第1の遺伝子セットおよび/または1つまたは複数の第2の遺伝子セットの発現が、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られた生体試料中で評価される、態様141~145のいずれかの方法。
【1150】
147. 生体試料および/または腫瘍生検試料が、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前の時点に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に対象から得られる、態様118~146のいずれかの方法。
【1151】
148. 1つまたは複数の遺伝子のレベルまたは量が、該1つまたは複数の遺伝子によってコードされるポリヌクレオチドのレベルまたは量である、態様118~140のいずれかの方法。
【1152】
149. 1つまたは複数の第1の遺伝子が、EZH2である、態様118~140および148のいずれかの方法。
【1153】
150. 1つまたは複数の第1の遺伝子が、表E3に示される、態様118~140、148、および149のいずれかの方法。
【1154】
151. 1つまたは複数の第1の遺伝子が、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148のいずれかの方法。
【1155】
152. 1つまたは複数の第1の遺伝子が、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);PHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~151のいずれかの方法。
【1156】
153. 1つまたは複数の第1の遺伝子が、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、HK2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~152のいずれかの方法。
【1157】
154. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、T細胞マーカー、任意でCD3εである、態様118~140および148~153のいずれかの方法。
【1158】
155. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、表E5に示される、態様118~140および148~154のいずれかの方法。
【1159】
156. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、CCL21、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~155のいずれかの方法。
【1160】
157. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、PDCD1、LAG3、TIGIT、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様4118~140および148~156のいずれかの方法。
【1161】
158. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、FYN、TXK、ZBP1、TMEM71、KIAA1551、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~157のいずれかの方法。
【1162】
159. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、カルシウムチャネル、電位依存性、アルファ2/デルタサブユニット2(CACNA2D2);アミノアジピン酸-セミアルデヒドシンターゼ(AASS);テネウリン膜貫通タンパク質1(TENM1);TRAF3相互作用タンパク質3(TRAF3IP3);SRC、FGR、YESに関連するFYNがん遺伝子(FYN);CD6分子(CD6);プロテインキナーゼC、イータ(PRKCH);RhoGAPドメイン、アンキリンリピート、およびPHドメインを有するArfGAP 2(ARAP2);プロテインキナーゼC、シータ(PRKCQ);サイトヘシン交換因子のための相互作用タンパク質1(IPCEF1);TXKチロシンキナーゼ(TXK);Rho GTPase活性化タンパク質15(ARHGAP15);トリヌクレオチドリピート含有6C(TNRC6C);転写因子7(T細胞特異的、HMGボックス)(TCF7);コレステリルエステル転送タンパク質、血漿(CETP);シグナル調節タンパク質ガンマ(SIRPG);リングフィンガータンパク質125、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(RNF125);CD40リガンド(CD40LG);RNAポリメラーゼI転写因子ホモログ(S. セレビシエ)偽遺伝子2(RRN3P2);オルファクトメジン2(OLFM2);GATA結合タンパク質3(GATA3);キュビリン(内因子-コバラミン受容体)(CUBN);sparc/オステオネクチン、cwcv、およびkazal様ドメインプロテオグリカン(テスチカン)2(SPOCK2);イノシトールポリリン酸-4-ホスファターゼ、II型、105kDa(INPP4B);CD5分子(CD5);ST8アルファ-N-アセチル-ノイラミニドアルファ-2,8-シアリルトランスフェラーゼ1(ST8SIA1);補体成分7(C7);IL2-誘導性T細胞キナーゼ(ITK);白血病抑制因子受容体アルファ(LIFR);ホスホリパーゼC様1(PLCL1);CD2分子(CD2);サイクリンD2(CCND2);クラスタリン(CLU);Z-DNA結合タンパク質1(ZBP1);B細胞CLL/リンパ腫11B(ジンクフィンガータンパク質)(BCL11B);キメリン1(CHN1);catsperチャネル補助サブユニットベータ(CATSPERB);インターロイキン6シグナル伝達因子(gp130、オンコスタチンM受容体)(IL6ST);ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド21(CCL21);ホスホリパーゼC、ベータ2(PLCB2);シグナル伝達および転写活性化因子4(STAT4);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーG、メンバー1(KLRG1);溶質キャリアファミリー12(カリウム/クロリド輸送体)、メンバー6(SLC12A6);フィビュリン7(FBLN7);中脚上性櫛様4(ショウジョウバエ)(SCML4);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー3(SLC22A3);Gタンパク質共役受容体174(GPR174);テトラトリコペプチドリピートドメイン12(TTC12);ホスホリパーゼC、イータ2(PLCH2);コイルドコイルドメイン含有102B(CCDC102B);システイニルロイコトリエン受容体2(CYSLTR2);N-ミリストイルトランスフェラーゼ2(NMT2);CD8a分子(CD8A);アンキリンリピートドメイン29(ANKRD29);テトラトリコペプチドリピートドメイン39B(TTC39B);トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ、3(ADAMTS3);シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A);ユビキチン関連およびSH3ドメイン含有A(UBASH3A);血管細胞接着分子1(VCAM1);トランスフォーミング増殖因子、ベータ受容体II(70/80kDa)(TGFBR2);T細胞受容体関連膜貫通アダプター1(TRAT1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS);CD200受容体1(CD200R1);タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体13型(APO-1/CD95(Fas)関連ホスファターゼ)(PTPN13);デオキシリボヌクレアーゼI様3(DNASE1L3);凝固因子II(トロンビン)受容体様2(F2RL2);アシル-CoAシンテターゼ長鎖ファミリーメンバー6(ACSL6);ステライルアルファモチーフドメイン含有3(SAMD3);カリウムチャネル、サブファミリーK、メンバー5(KCNK5);膜貫通タンパク質71(TMEM71);タンデムC2ドメイン、核(TC2N);シュラーフェンファミリーメンバー5(SLFN5);eva-1ホモログC(C. エレガンス)(EVA1C);低分子量Gタンパク質シグナル伝達モジュレーター1(SGSM1);CD3d分子、デルタ(CD3-TCR複合体)(CD3D);ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー3(ABCA3);Gタンパク質共役受容体183(GPR183);アンキリンリピートおよびキナーゼドメイン含有1(ANKK1);嗅覚受容体、ファミリー2、サブファミリーA、メンバー20偽遺伝子(OR2A20P);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1(S1PR1);ジンクフィンガータンパク質483(ZNF483);ケモカイン(Cモチーフ)受容体1(XCR1);CD7分子(CD7);KIAA1551(KIAA1551);グルコサミニル(N-アセチル)トランスフェラーゼ4、コア2(GCNT4);カリウム電位開口型チャネル、シェーカー関連サブファミリー、メンバー2(KCNA2);CD28分子(CD28);GTPase、IMAPファミリーメンバー7(GIMAP7);アンキリンリピートドメイン18A(ANKRD18A);IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体4(CCR4);SH2ドメイン含有1A(SH2D1A);インターロイキン3受容体、アルファ(低親和性)(IL3RA);GPRINファミリーメンバー3(GPRIN3);エコトロピックウイルス組み込み部位2B(EVI2B);ヌクレオソーム集合タンパク質1様2(NAP1L2);セレクチンL(SELL);デスドメイン含有1(DTHD1);C型レクチンドメインファミリー4、メンバーC(CLEC4C);アルファキナーゼ2(ALPK2);CD3e分子、イプシロン(CD3-TCR複合体)(CD3E);l(3)mbt様3(ショウジョウバエ)(L3MBTL3);アレスチンドメイン含有5(ARRDC5);T細胞活性化のためのリンカー(LAT);トポイソメラーゼII関連タンパク質ホモログ2(酵母)(PATL2);A2MアンチセンスRNA 1(A2M-AS1);LINC01550(LINC01550);GTPase、特大インターフェロン誘導性偽遺伝子1(GVINP1);長鎖遺伝子間非タンパク質コーディングRNA 239(LINC00239);およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~158のいずれかの方法。
【1163】
159. 1つまたは複数の第2の遺伝子が、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、IRF2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様118~140および148~158のいずれかの方法。
【1164】
160. 1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、表E3によって与えられる、態様141~147のいずれかの方法。
【1165】
161. 1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160のいずれかの方法。
【1166】
162. 1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、E2F転写因子2(E2F2);RAD51リコンビナーゼ(RAD51);ポリメラーゼ(DNA指向性)、シータ(POLQ);ポリメラーゼ(DNA指向性)、デルタ1、触媒サブユニット(POLD1);ミニ染色体維持複合体成分10(MCM10);甲状腺ホルモン受容体相互作用物質13(TRIP13);トランスフェリン受容体(TFRC);ミニ染色体維持複合体成分2(MCM2);エノラーゼ1、(アルファ)(ENO1);G-2およびS期発現1(GTSE1);ユビキチン結合酵素E2T(推定)(UBE2T);カルバモイル-リン酸シンテターゼ2、アスパラギン酸トランスカルバミラーゼ、およびジヒドロオロターゼ(CAD);複製開始点認識複合体、サブユニット1(ORC1);TPX2、微小管関連(TPX2);細胞間接着分子1(ICAM1);キネシンファミリーメンバー4A(KIF4A);細胞分裂周期6(CDC6);セントロメアタンパク質M(CENPM);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イプシロン2、アクセサリーサブユニット(POLE2);メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ(NADP+依存性)1、メテニルテトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、ホルミルテトラヒドロ葉酸シンテターゼ(MTHFD1);GINS複合体サブユニット1(Psf1ホモログ)(GINS1);v-mybトリ骨髄芽球症ウイルス性がん遺伝子ホモログ様2(MYBL2);E2F転写因子1(E2F1);配列類似性を有するファミリー83、メンバーD(FAM83D);セントロメアタンパク質I(CENPI);Opa相互作用タンパク質5(OIP5);リボヌクレアーゼH2、サブユニットA(RNASEH2A);抗サイレンシング機能1Bヒストンシャペロン(ASF1B);サイクリンE1(CCNE1);溶質キャリアファミリー1(中性アミノ酸輸送体)、メンバー5(SLC1A5);ミトコンドリアリボソームタンパク質L4(MRPL4);ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT);ヌクレオフォスミン/ヌクレオプラスミン3(NPM3);膜貫通タンパク質97(TMEM97);非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットG(NCAPG);細胞分裂周期関連3(CDCA3);ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3);ジェミニン、DNA複製阻害因子(GMNN);血管内皮増殖因子A(VEGFA);溶質キャリアファミリー29(受動拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー1(SLC29A1);キネシンファミリーメンバー20A(KIF20A);セントロメアタンパク質A(CENPA);細胞分裂周期20(CDC20);二重特異性ホスファターゼ1(DUSP1);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);エクスポーチン5(XPO5);ホスホリボシルアミノイミダゾールカルボキシラーゼ、ホスホリボシルアミノイミダゾールスクシノカルボキサミドシンテターゼ(PAICS);E2F転写因子8(E2F8);チューブリン、ガンマ1(TUBG1);トポイソメラーゼ(DNA)IIアルファ170kDa(TOP2A);増殖性細胞核抗原(PCNA);複製因子C(活性化因子1)3、38kDa(RFC3);サイクリンB1(CCNB1);溶質キャリアファミリー43、メンバー3(SLC43A3);トロフィニン関連タンパク質(TROAP);過剰紡錘極体ホモログ1(S. セレビシエ)(ESPL1);転写因子19(TCF19);溶質キャリアファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー8(SLC39A8);diaphanous関連フォルミン3(DIAPH3);キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);NUF2、NDC80動原体複合体成分(NUF2);denticleless E3ユビキチンタンパク質リガーゼホモログ(ショウジョウバエ)(DTL);細胞分裂周期関連5(CDCA5);非SMCコンデンシンII複合体、サブユニットG2(NCAPG2);GINS複合体サブユニット4(Sld5ホモログ)(GINS4);ペリリピン2(PLIN2);増殖マーカーKi-67(MKI67);セントロメアタンパク質U(CENPU);紡錘体および動原体関連複合体サブユニット1(SKA1);分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ13(MAPK13);トランスゲリン2(TAGLN2);ファルネシル二リン酸シンターゼ(FDPS);RecQタンパク質様4(RECQL4);活性化転写因子3(ATF3);最初期応答5(IER5);トランスケトラーゼ(TKT);細胞分裂周期25A(CDC25A);E2F転写因子7(E2F7);リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1);クロマチンライセンシングおよびDNA複製因子1(CDT1);溶質キャリアファミリー3(アミノ酸輸送体重鎖)、メンバー2(SLC3A2);フラップ構造特異的エンドヌクレアーゼ1(FEN1);活性化転写因子5(ATF5);脂肪酸シンターゼ(FASN);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ポリメラーゼ(DNA指向性)、イータ(POLH);リボヌクレオチドレダクターゼM2(RRM2);チミジル酸シンテターゼ(TYMS);生殖細胞関連2(ハスピン)(GSG2);jun原がん遺伝子(JUN);オーロラキナーゼB(AURKB);GINS複合体サブユニット3(Psf3ホモログ)(GINS3);ウリジンホスホリラーゼ1(UPP1);キネシンファミリーメンバー18B(KIF18B);kelch様ファミリーメンバー23(KLHL23);キネシンファミリーメンバーC1(KIFC1);NME/NM23ヌクレオシド二リン酸キナーゼ1(NME1);ならびにPHDおよびリングフィンガードメインを有するユビキチン様1(UHRF1)からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147、160、および161のいずれかの方法。
【1167】
163. 1つまたは複数の第1の遺伝子セットが、MCM3、CENPM、TRIP13、UBE2S、SPC24、CDC25A、RFC3、ASF1B、H2AFX、DDX39A、GINS1、UBE2T、POLD1、TK1、CDK4、RNASEH2A、KIF18B、DNMT1、ESPL1、SNRPB、MCM3、CDC6、UBE2S、CDC25A、H2AFX、DDX39A、CDK4、E2F2、RAD54L、E2F1、ESPL1、MCM2、GINS2、POLQ、CDKN2C、RACGAP1、SLC7A1、CHAF1A、MT2A、CDK1、EBP、SLC1A5、CDC25A、DDX39A GLA、STC1、MCM2 RRM2、HSPE1、ACLY、TMEM97、MCM4、UNG、DHCR24、HSPA9、INSIG1、ATP5G1、SLC37A4、CANX、CACYBP、BYSL、PHB、CDK4、HSPE1、FARSA、TMEM97、MCM4、UNG、NOP56、PA2G4、SORD、EXOSC5、TBRG4、TCOF1、MRTO4、SRM、RRP12、HSPD1、NOP16、およびHK2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~162のいずれかの方法。
【1168】
164. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、表E5によって与えられる、態様141~147および160~163のいずれかの方法。
【1169】
165. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、CACNA2D2、AASS、TENM1、TRAF3IP3、FYN、CD6、PRKCH、ARAP2、PRKCQ、IPCEF1、TXK、ARHGAP15、TNRC6C、TCF7、CETP、SIRPG、RNF125、CD40LG、RRN3P2、OLFM2、GATA3、CUBN、SPOCK2、INPP4B、CD5、ST8SIA1、C7、ITK、LIFR、PLCL1、CD2、CCND2、CLU、ZBP1、BCL11B、CHN1、CATSPERB、CCL21、PLCB2、STAT4、KLRG1、SLC12A6、FBLN7、SCML4、SLC22A3、GPR174、TTC12、PLCH2、CCDC102B、CYSLTR2、NMT2、CD8A、ANKRD29、TTC39B、ADAMTS3、SV2A、UBASH3A、VCAM1、TGFBR2、TRAT1、CTLA4、CD200R1、PTPN13、DNASE1L3、F2RL2、ACSL6、SAMD3、KCNK5、TMEM71、TC2N、SLFN5、EVA1C、SGSM1、CD3D、ABCA3、GPR183、ANKK1、OR2A20P、S1PR1、ZNF483、XCR1、CD7、KIAA1551、GCNT4、KCNA2、CD28、GIMAP7、ANKRD18A、TIGIT、CCR4、SH2D1A、IL3RA、GPRIN3、EVI2B、NAP1L2、SELL、DTHD1、CLEC4C、ALPK2、CD3E、L3MBTL3、ARRDC5、LAT、PATL2、A2M-AS1、LINC01550、GVINP1、およびLINC00239からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~164のいずれかの方法。
【1170】
166. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、LAP3、LGALS3BP、ADAR、ELF1、TRIM14、USP18、TDRD7、PROCR、TMEM140、IFI35、TRIM25、TRIM5、CXCL10、PARP12、C1S、NCOA7、GBP2、UBA7、IFI44L、およびIRF2からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~165のいずれかの方法。
【1171】
167. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、FYN、TXK、ZBP1、TMEM71、およびKIAA1551からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~166のいずれかの方法。
【1172】
168. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21からなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~167のいずれかの方法。
【1173】
169. 1つまたは複数の第2の遺伝子セットが、PDCD1、LAG3、およびTIGITからなる群より選択される複数の遺伝子を含む、態様141~147および160~168のいずれかの方法。
【1174】
170. 複数の遺伝子が、約2個~約150個の遺伝子、約10個~約150個の遺伝子、約20個~約150個の遺伝子、約50個~約150個の遺伝子、約100個~約150個の遺伝子、約2個~100個の遺伝子、約10個~約100個の遺伝子、約20個~約100個の遺伝子、約50個~約100個の遺伝子、約2個~約50個の遺伝子、約10個~約50個の遺伝子、約20個~約50個の遺伝子、約2個~約20個の遺伝子、約10個~約20個の遺伝子、約2個~約10個の遺伝子を含む、態様141~147および160~169のいずれかの方法。
【1175】
171. 遺伝子セット中の複数の遺伝子が、5個もしくは約5個の遺伝子、10個もしくは約10個の遺伝子、20個もしくは約20個の遺伝子、50個もしくは約50個の遺伝子、100個もしくは約100個の遺伝子、または150個もしくは約150個の遺伝子である、態様141~147および160~170のいずれかの方法。
【1176】
172. 遺伝子セット発現が、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む方法によって判定される、態様141~147および160~171のいずれかの方法。
【1177】
173. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様118~172のいずれかの方法。
【1178】
174. 対象に投与される場合、EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始の約4週間前~細胞療法の投与開始の約1週間前のEZH2阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様118~173のいずれかの方法。
【1179】
175. 対象に細胞療法とEZH2阻害剤の両方が投与される場合、EZH2阻害剤の投与レジメンが、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日前、7日もしくは約7日前、または1日もしくは約1日前から、T細胞療法の投与開始の14日もしくは約14日後、7日もしくは約7日後、または1日もしくは約1日後の時点での阻害剤の投与開始を含む、態様118~171のいずれかの方法。
【1180】
176. EZH2阻害剤の投与レジメンが、細胞療法の投与開始の7日または約7日前から、細胞療法の投与開始の7日または約7日後の時点での阻害剤の投与開始を含む、態様118~171のいずれかの方法。
【1181】
177. EZH2阻害剤の投与レジメンが、T細胞療法の投与開始の7日もしくは約7日前、5日もしくは約5日前、3日もしくは約3日前、2日もしくは約2日前、または1日もしくは約1日前での阻害剤の投与開始を含む、態様176の方法。
【1182】
178. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約5日以内または約5日の阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様177の方法。
【1183】
179. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約2日以内または約2日の阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様177の方法。
【1184】
180. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始前約1日以内または約1日の阻害剤の投与開始を含む投与レジメンで投与される、態様177の方法。
【1185】
181. EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始の少なくとも7日前、少なくとも5日前、少なくとも2日前、または少なくとも1日前にEZH2阻害剤の投与を停止する工程を含む投与レジメンで投与される、態様118~173のいずれかの方法。
【1186】
182. 前記阻害剤の投与開始が、細胞療法の投与開始と同時または同日である、態様118~173の方法。
【1187】
183. 投与レジメンにおけるEZH2阻害剤の少なくとも1用量が、細胞療法と同時におよび/またはT細胞療法と同日に投与される、態様118~180および182のいずれかの方法。
【1188】
184. 細胞療法が、対象に対して自家である細胞を含む、態様118~183のいずれかの方法。
【1189】
185. 対象に対して自家である細胞を含む生体試料が該対象から収集され、任意で、該生体試料がアフェレーシス産物であるかまたはそれを含む、態様118~184のいずれかの方法。
【1190】
186. 細胞療法のT細胞が、生体試料の自家細胞に由来する、態様185の方法。
【1191】
187. 細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、態様118~186のいずれかの方法。
【1192】
188. 生体試料の収集後かつEZH2阻害剤および/または細胞療法の投与開始前に、対象にリンパ球枯渇療法が投与される、態様185~187のいずれかの方法。
【1193】
189. リンパ球枯渇療法が、細胞療法の投与開始の2~7日前に終了する、態様187または態様188の方法。
【1194】
190. 腫瘍生検試料が、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前に、任意で、リンパ球枯渇療法が対象に投与される前7日以内、前6日以内、前5日以内、前4日以内、前3日以内、前2日以内、前1日以内、前16時間以内、前12時間以内、前6時間以内、前2時間以内、または前1時間以内に得られる、態様118~189のいずれかの方法。
【1195】
191. EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与開始前かつ投与開始まで対象に投与される、態様187~190のいずれかの方法。
【1196】
192. EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法の投与終了後に対象に投与され、任意で、EZH2阻害剤の投与が、リンパ球枯渇療法の終了後に再開する、態様187~191のいずれかの方法。
【1197】
193. T細胞療法が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、内因性T細胞療法、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)療法、T細胞エンゲージング療法(これは、任意で二重特異性T細胞エンゲージング療法(BiTE)である)、および組換え受容体発現細胞療法(これは、任意でキメラ抗原受容体(CAR)発現細胞療法である)からなる群の中から選択される、態様118~133、137~142、および146~192のいずれかの方法。
【1198】
194. T細胞療法が、がんまたはB細胞悪性腫瘍に関連する抗原、その細胞によって発現される抗原またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合する組換え受容体を発現する細胞の用量を含む、態様118~193のいずれかの方法。
【1199】
195. 細胞療法が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む、態様118~133、137~142、および146~194のいずれかの方法。
【1200】
196. 細胞療法の投与が、約1×105個の総CAR発現T細胞~約5×108個の総CAR発現T細胞;約約1×105個の総CAR発現T細胞~約2×108個の総CAR発現T細胞;約1×106個の総CAR発現T細胞~約1×108個の総CAR発現T細胞;または約1×106個の総CAR発現T細胞~5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む、態様118~195のいずれかの方法。
【1201】
197. T細胞療法が、CD3+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、態様118~196のいずれかの方法。
【1202】
198. T細胞療法が、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されている、態様118~197のいずれかの方法。
【1203】
199. T細胞療法のCD4+およびCD8+ T細胞が、所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞、および/または、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比のCD4+ CAR発現T細胞 対 CD8+ CAR発現T細胞を含む、態様198の方法。
【1204】
200. T細胞療法が、CD4+およびCD8+ T細胞について濃縮されており、T細胞療法の投与が、複数の別々の組成物を投与することを含み、複数の別々の組成物が、CD8+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第1の組成物と、CD4+ T細胞を含むかまたはそれについて濃縮されている第2の組成物とを含む、態様118~199のいずれかの方法。
【1205】
201. 第1および第2の組成物の一方の中のCD4+ CAR発現T細胞と第1および第2の組成物の他方の中のCD8+ CAR発現T細胞が、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である所定の比で存在する;および/または
第1および第2の組成物中のCD4+ CAR発現T細胞とCD8+ CAR発現T細胞が、所定の比で存在し、その比が、1:1であるかおよそ1:1であるかおよそ1:3~およそ3:1である、
態様200の方法。
【1206】
202. T細胞療法の投与が、1×105個もしくは約1×105個~5×108個の総CAR発現T細胞、1×106個もしくは約1×106個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106個もしくは約5×106個~1×108の総CAR発現T細胞、1×107個もしくは約1×107個~2.5×108個の総CAR発現T細胞、または5×107個もしくは約5×107個~1×108個の総CAR発現T細胞(それぞれ両端の値を含む)の投与を含む、態様118~201のいずれかの方法。
【1207】
203. T細胞療法の投与が、少なくとも1×105個もしくは少なくとも約1×105個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×105個もしくは少なくとも約2.5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも5×105個もしくは少なくとも約5×105個のCAR発現T細胞、少なくとも1×106個もしくは少なくとも約1×106個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×106個もしくは少なくとも約2.5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも5×106個もしくは少なくとも約5×106個のCAR発現T細胞、少なくとも1×107個もしくは少なくとも約1×107個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×107個もしくは少なくとも約2.5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも5×107個もしくは少なくとも約5×107個のCAR発現T細胞、少なくとも1×108個もしくは少なくとも約1×108個のCAR発現T細胞、少なくとも2.5×108個もしくは少なくとも約2.5×108個のCAR発現T細胞、または少なくとも5×108個もしくは少なくとも約5×108個のCAR発現T細胞の投与を含む、態様118~202のいずれかの方法。
【1208】
204. 細胞療法の投与が、5×107個または約5×107個の総CAR発現T細胞の投与を含む、態様118~203のいずれかの方法。
【1209】
205. 細胞療法の投与が、1×108個または約1×108個のCAR発現細胞の投与を含む、態様118~204のいずれかの方法。
【1210】
206. 細胞療法が、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインとITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含むCARを含むT細胞を含む、態様118~205のいずれかの方法。
【1211】
207. 細胞療法が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含み、該CARが、がんに関連する抗原、その細胞によって発現される抗原、またはその細胞上に存在する抗原に特異的に結合し、該抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、これはCAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、これはNY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;これはFc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、Lewis Y、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマの優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)、受容体型チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、これは5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、これはTYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、これはドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)の中から選択される、態様118~206のいずれかの方法。
【1212】
208. 抗原が、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30の中から選択される、態様207の方法。
【1213】
209. 抗原が、CD19である、態様207または208の方法。
【1214】
210. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む、態様206~209のいずれかの方法。
【1215】
211. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激性のシグナル伝達領域をさらに含む、態様206~210のいずれかの方法。
【1216】
212. 共刺激性のシグナル伝達領域が、CD28または4-1BBの、任意でヒトCD28またはヒト4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む、態様211の方法。
【1217】
213. 共刺激性のシグナル伝達領域が、4-1BBのシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様211または態様212の方法。
【1218】
214. 共刺激性ドメインが、CD28のシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様212または213の方法。
【1219】
215. 共刺激性ドメインが、4-1BBのシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様212または213の方法。
【1220】
215. 選択された対象および/またはT細胞療法による処置に抵抗性のがんを有すると特定された対象について、EZH2阻害剤の投与開始前に、対象に対して自家である細胞を含む生体試料を対象から収集する工程を含む、態様118~214のいずれかの方法。
【1221】
216. 対象由来の生体試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物であるかまたはそれを含む、態様215の方法。
【1222】
217. 細胞療法の投与前に、リンパ球枯渇剤またはリンパ球枯渇療法を対象に投与する工程を含む、態様118~216のいずれかの方法。
【1223】
218. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、リンパ球枯渇療法が終了した後に対象に投与される、態様217の方法。
【1224】
219. リンパ球枯渇療法が、T細胞療法の投与開始の2~7日前に完了する、態様217または態様218の方法。
【1225】
220. リンパ球枯渇療法が、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む、態様217~219のいずれかの方法。
【1226】
221. リンパ球枯渇療法が、2~4日間、任意で3日間の、約200~400mg/m2、任意で300mg/m2または約300mg/m2(両端の値を含む)のシクロホスファミド、および/または約20~40mg/m2、任意で30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含むか、リンパ球枯渇療法が、約500mg/m2のシクロホスファミドの投与を含む、態様217~220のいずれかの方法。
【1227】
222. リンパ球枯渇療法が、3日間の、300mg/m2または約300mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む;および/または
リンパ球枯渇療法が、3日間の、500mg/m2または約500mg/m2のシクロホスファミドおよび約30mg/m2のフルダラビンの毎日の投与を含む、
態様217~221のいずれか1つの方法。
【1228】
223. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、1日当たり約800mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様118~222のいずれかの方法。
【1229】
224. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、1日当たり約1600mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様118~222のいずれかの方法。
【1230】
225. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、1日当たり約2400mgの阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様118~222のいずれかの方法。
【1231】
226. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、該阻害剤の用量が、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg、100mgまたは約100mgから、1200mgまたは約1200mg、100mgまたは約100mgから、800mgまたは約800mg、100mgまたは約100mgから、400mgまたは約400mg、100mgまたは約100mgから、200mgまたは約200mg、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mg、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg、200mgまたは約200mgから、800mgまたは約800mg、200mgまたは約200mgから、400mgまたは約400mg、400mgまたは約400mgから、1600mgまたは約1600mg、400mgまたは約400mgから、1200mgまたは約1200mg、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg、800mgまたは約800mgから、1600mgまたは約1600mg、800mgまたは約800mgから、1200mgまたは約1200mg、1200mgまたは約1200mgから、1600mgまたは約1600mg(それぞれ両端の値を含む)の該阻害剤の量であり、任意で、該阻害剤が、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される、態様118~225のいずれかの方法。
【1232】
227. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、該阻害剤が、1つまたは複数の用量の該阻害剤を含む投与レジメンで投与され、該用量が、200mgまたは約200mgから、1600mgまたは約1600mgである、態様118~226のいずれかの方法。
【1233】
228. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、該阻害剤が、一日ごとに2用量(1日2回の投与)を含む投与レジメンで投与される、態様118~227のいずれかの方法。
【1234】
229. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、該阻害剤が、一日ごとに3用量(1日3回の投与)を含む投与レジメンで投与される、態様118~228のいずれかの方法。
【1235】
230. 前記阻害剤の各用量が、100mgまたは約100mgから、1600mgまたは約1600mg(両端の値を含む)である、態様226~229のいずれかの方法。
【1236】
231. 前記阻害剤の各用量が、200mgまたは約200mgから、1200mgまたは約1200mg(両端の値を含む)である、態様226~230のいずれかの方法。
【1237】
232. 前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgから、800mgまたは約800mg(両端の値を含む)である、態様226~231のいずれかの方法。
【1238】
233. 前記阻害剤の各用量が、400mgまたは約400mgである、態様226~232のいずれかの方法。
【1239】
234. 前記阻害剤の各用量が、800mgまたは約800mgである、態様226~232のいずれかの方法。
【1240】
235. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、EZH2阻害剤が、細胞療法の投与開始後、最大3ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む投与レジメンで投与される、態様118~234のいずれかの方法。
【1241】
236. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大2ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様118~234のいずれかの方法。
【1242】
237. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、投与レジメンが、細胞療法の投与開始後、最大1ヶ月間の、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様118~234のいずれかの方法。
【1243】
238. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、投与レジメンが、対象が完全奏効を示すまでまたは対象が病勢進行を示すまでの、任意で毎日2回または毎日3回の、EZH2阻害剤の投与を含む、態様118~234のいずれかの方法。
【1244】
239. 対象にEZH2阻害剤が投与される場合、投与レジメンが、対象が臨床的寛解を示したらEZH2阻害剤の投与を中断する工程を含む、態様118~234のいずれかの方法。
【1245】
240. 前記阻害剤が、野生型EZH2および/または変異型EZH2を阻害する、態様118~239のいずれかの方法。
【1246】
241. 前記阻害剤が、野生型EZH2を阻害する、態様118~240のいずれかの方法。
【1247】
242. 前記阻害剤が、変異型EZH2を阻害し、任意で、該変異が、機能獲得変異である、態様118~241のいずれかの方法。
【1248】
243. EZH2が、Y641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637A、およびV679Mの中から選択される1つまたは複数の変異を含む、態様240~242のいずれかの方法。
【1249】
244. 変異が、リジン27でのヒストン3のトリメチル化を増加させる、態様240~243のいずれかの方法。
【1250】
245. 前記阻害剤が、野生型および/または変異型EZH2に対して1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満もしくは約1000nM、900nM、800nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、10nM未満、または5nM未満もしくは約5nM未満である半最大阻害濃度(IC50)でEZH2を阻害する、態様118~244のいずれかの方法。
【1251】
246. EZH2に対する前記阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)が、EZH1に対する該阻害剤の半最大阻害濃度(IC50)より低い、任意で、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1,000倍低い、少なくとも5,000倍低い、少なくとも10,000倍低い、または少なくとも20,000倍低い、態様118~245のいずれかの方法。
【1252】
247. 前記阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)、CPI-1205、GSK343、GSK126、およびバレメトスタット(DS-3201b)からなる群の中から選択される、態様118~246のいずれかの方法。
【1253】
248. 前記阻害剤が、タゼメトスタット(EPZ-6438)である、態様118~247のいずれかの方法。
【1254】
249. 前記阻害剤が、CPI-1205である、態様118~247のいずれかの方法。
【1255】
250. がんが、固形腫瘍である、態様118~149のいずれかの方法。
【1256】
251. 固形腫瘍が、膀胱がん、乳がん、黒色腫、または前立腺がんである、態様250の方法。
【1257】
252. 固形腫瘍が、前立腺がんである、態様250または251の方法。
【1258】
253. 前立腺がんが、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)である、態様252の方法。
【1259】
254. がんが、血液悪性腫瘍である、態様118~249のいずれかの方法。
【1260】
255. がんが、B細胞悪性腫瘍である、態様118~249および254のいずれかの方法。
【1261】
256. がんが、骨髄腫、白血病またはリンパ腫である、態様118~249、254、および255のいずれかの方法。
【1262】
257. がんが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、大細胞型B細胞リンパ腫である、態様118~249および254~256のいずれかの方法。
【1263】
258. がんが、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、態様118~249および254~257のいずれかの方法。
【1264】
259. NHLが、濾胞性リンパ腫(FL)である、態様258の方法。
【1265】
260. NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、態様258の方法。
【1266】
261. DLBCLが、DLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプである、態様260の方法。
【1267】
262. DLBCLが、DLBCLの活性化B細胞(ABC)サブタイプではない、態様180または態様181の方法。
【1268】
263. EZH2阻害剤による処置のための対象を、DLBCL、任意でDLBCLの胚中心B細胞(GCB)サブタイプを有する対象として選択する工程を含む、態様118~262のいずれかの方法。
【1269】
264. 対象が、がんを処置するための先行療法による処置後の寛解に続いて再発をきたした、または該処置に不応性になった、該処置が奏効しなかった、および/または該処置に不耐容性であった、態様118~263のいずれかの方法。
【1270】
265. 生体試料または腫瘍生検試料が、リンパ節生検である、態様118~264のいずれか1つの方法。
【1271】
266. 対象が、ヒトである、態様1~265のいずれか1つの方法。
【1272】
267. がんが、EZH2の過剰発現ならびに/またはY641C、Y641F、Y641H、Y641N、Y641S、Y646C、Y646F、Y646H、Y646N、Y646S、A677G、A682G、A687V、A692V、K634E、V637AおよびV679Mの中から選択される1つもしくは複数の変異を含むEZH2の発現を示し、任意で、該変異が、機能獲得変異である、態様118~266のいずれかの方法。
【1273】
268. 処置された複数の対象では、細胞療法のCAR発現T細胞の腫瘍微小環境(TME)への浸潤が、前記阻害剤の投与を伴わない方法と比較して増加する、態様118~267のいずれかの方法。
【1274】
269. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E4に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様118~268のいずれかの方法。
【1275】
270. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E5に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様118~269のいずれかの方法。
【1276】
271. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2Bに与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において増加する、態様118~270のいずれかの方法。
【1277】
272. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様118~271のいずれかの方法。
【1278】
273. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E3に与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様118~272のいずれかの方法。
【1279】
274. 処置された複数の対象では、遺伝子転写および/またはタンパク質発現が、表E2Aに与えられる遺伝子に関して、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子の遺伝子転写および/またはタンパク質発現と比較して、対象において減少する、態様118~273のいずれかの方法。
【1280】
275. 処置された複数の対象では、表E4によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様118~274のいずれかの方法。
【1281】
276. 処置された複数の対象では、表E5によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様118~275のいずれかの方法。
【1282】
277. 処置された複数の対象では、表E2Bによって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくアップレギュレーションまたはより小さくダウンレギュレーションされている、態様118~276のいずれかの方法。
【1283】
278. 処置された複数の対象では、表E2によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様118~277のいずれかの方法。
【1284】
279. 処置された複数の対象では、表E3によって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様118~278のいずれかの方法。
【1285】
280. 処置された複数の対象では、表E2Aによって与えられる遺伝子セットの発現が、前記阻害剤の投与前の対象における該遺伝子セットの発現と比較して、対象においてより大きくダウンレギュレーションまたはより小さくアップレギュレーションされている、態様118~279のいずれかの方法。
【1286】
281. 前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%または少なくとも50%が、持続性の完全奏効(CR)、またはCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性の完全奏効(CR)を6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超達成する;および/または
6ヶ月までにCRを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%が、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超および/または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、応答を続ける、CRを続ける、および/または生存するもしくは進行せずに生存する;および/または
該方法に従って処置された対象の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%が、客観的奏効(OR)を達成し、任意で、ORが、6ヶ月間もしくは6ヶ月間超または9ヶ月間もしくは9ヶ月間超、持続性である、またはORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90もしくは95%において持続性である;および/または
6ヶ月までにORを達成している対象の少なくとも60、70、80、90または95%が、3ヶ月間もしくは3ヶ月間超および/または6ヶ月間もしくは6ヶ月間超、応答または生存を続ける、
態様118~280のいずれかの方法。
【1287】
282. 遺伝子セット発現が、遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を含む方法によって判定される、態様118~281のいずれかの方法。
【実施例
【1288】
VII. 実施例
以下の実施例は、単に例示的な目的のために含まれるのであって、本発明の範囲を限定する意図はない。
【1289】
実施例1:処置前および処置後の生検の遺伝子発現プロファイルおよび臨床応答
CD19に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現している自己T細胞を含有する治療用CAR T細胞組成物を、B細胞悪性腫瘍を有する対象に投与し、CAR T細胞組成物を投与された対象における応答と相関関係にあった、処置前の腫瘍生検中の遺伝子発現を決定した。
【1290】
具体的には、デノボまたはインドレントリンパ腫から転化した(NOS)びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、MYCとBCL2および/またはBCL6との再構成を有し、DLBCLの組織型を有する高グレードB細胞リンパ腫(ダブル/トリプルヒット)、慢性リンパ性白血病(CLL)または辺縁帯リンパ腫(MZL)から転化したDLBCL、縦隔原発大細胞型b細胞性リンパ腫(PMBCL)、ならびに2種類の治療の不成功後の濾胞性リンパ腫グレード3b(FL3B)を含む、再発または不応性(R/R)侵襲性非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する成人ヒト対象を処置するために、CD19に対する自家治療用T細胞組成物を生成して使用した。処置された対象の中に、0~2の米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)スコア(経過観察期間中央値3.2ヶ月)を有する対象が含まれた。以前の同種幹細胞移植(SCT)、二次中枢神経系(CNS)併発またはECOGスコア2に基づき排除された対象はおらず、アフェレーシスに関してリンパ球絶対数(ALC)の最低値は必要とされなかった。
【1291】
処置されるべき個々の対象からの白血球アフェレーシス試料からのCD4+細胞およびCD8+細胞の免疫親和性ベース(例えば、免疫磁気選択)の濃縮を含むプロセスによって、投与された治療用T細胞組成物を生成した。単離されたCD4+細胞およびCD8+T細胞を、抗CD3/抗CD28磁気ビーズを用いて別々に活性化させ、抗CD19 CARをコードするウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター)を独立して形質導入し、続いて操作された細胞集団を別々に拡大増殖させ、凍結保存した。CARは、マウス抗体由来の抗CD19 scFv(FMC63由来の可変領域、VL-リンカー-VHの向き)、免疫グロブリン由来スペーサー、CD28由来の膜貫通ドメイン、4-1BB由来の共刺激性領域、およびCD3ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインを含有した。ウイルスベクターは、CARの発現のための代用マーカーとして役立った切断型受容体をコードする配列をさらに含有し、その配列は、T2Aリボソームスキップ配列によってCAR配列から隔てられていた。
【1292】
凍結保存された細胞組成物を静脈内投与前に解凍した。およそ1:1の標的比で投与される製剤化CD4+ CAR+細胞集団および製剤化CD8+ CAR+集団を投与することによって、治療用T細胞の用量を所定の細胞組成物として投与した。対象に、以下のように単回または2回用量(各単回用量は、それぞれCD4+ CAR発現T細胞およびCD8+ CAR発現T細胞の別々の注入による)のCAR発現T細胞を投与した:5×107個の総CAR発現T細胞を含有する用量レベル1(DL-1)の単回用量、各用量をおよそ14日離して投与した(1日目および14日目に投与)DL1の2回用量、または1×108個の総CAR発現T細胞を含有する用量レベル2(DL-2)の単回用量。投与された組成物についての標的用量レベルおよびT細胞サブセットの数を表E1に示す。
【1293】
(表E1)抗CD19 CAR T細胞を含有する細胞組成物についての標的用量レベルおよびT細胞サブセットの数
【1294】
CAR+ T細胞注入の前に開始して、対象は、フルダラビン(flu、30mg/m2)およびシクロホスファミド(Cy、300mg/m2)によるリンパ球枯渇化学療法を3日間受けた。対象は、リンパ球枯渇の2~7日後にCAR発現T細胞の投与を受けた。
【1295】
CAR T細胞組成物の投与後、投与の3ヶ月後を含む臨床応答について対象をモニタリングし、対象が進行(PD)または完全奏効(CR)を有したかどうか評価することによって、CAR T細胞組成物に対する応答を決定した。処置された患者のうち53%が、CAR T細胞組成物による処置後に持続的なCRを達成し、高リスク侵襲性再発/不応性大細胞型B細胞性リンパ腫を有する患者の中で重度のサイトカイン放出症候群(CRS)および神経学的イベントの発生率は低かった。一部の患者は、CAR T細胞処置の1年後にCRを達成しなかった。
【1296】
リンパ球枯渇化学療法の投与前、およびCAR T細胞投与の約11日後に、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する50人の対象の初期コホートからの腫瘍生検を収集し、遺伝子発現についてRNAシークエンシング(RNA-seq)によって分析した。具体的には、腫瘍生検から単離されたRNAから相補的DNA(cDNA)試料を調製し、RNA-seqによって分析した。処置後にCRまたはPDのいずれかを示している患者の群に試料を分けたのに対し、安定(SD)または部分奏効(PR)を示している対象からの試料は、分析に入れなかった。処置前の腫瘍生検からRNA-seqを使用して決定された遺伝子発現レベルは、自己治療用CAR T細胞組成物の投与後の応答と、事後に相関関係を示した。
【1297】
図1Aは、処置の3ヶ月後にCRまたはPDを示している対象での処置後の腫瘍生検における遺伝子発現プロファイルの差を示す。Log2変化倍率のカットオフを0.6超または-0.6未満に、および偽発見率(FDR)を10%以下に設定することによって、処置の3ヶ月後にCRを示している対象からの処置前生検(n=16)に高度に発現された360個の遺伝子、および処置の3ヶ月後にPDを有する対象からの処置前生検(n=29)に高度に発現された380個の遺伝子が明らかとなった。発現差がある遺伝子のうち、T細胞と関連する遺伝子の発現は、処置の3ヶ月後にCRを示した対象からの処置前生検においてより高かった。EZH2およびEZH2の標的である遺伝子の発現は、処置の3ヶ月後にPDを示した対象についての処置前生検でより高かった。図1Bは、PDまたはCRを発生し続けた対象における処置前腫瘍生検中のEZH2の発現レベルを示し、処置の3ヶ月後にCRを示した対象の処置前生検よりも、処置の3ヶ月後にPDを示した対象についての処置前生検において発現レベルが高かったことを示す。
【1298】
同じ研究からの追加的な24人の患者を有する、より大きなコホート(総対象74人;「より大きなコホート」)の分析において、類似の結果が観察された。上記と同様に、この対象セットにおいて、74人の対象について処置前に、56人の対象について処置の約11日後に、腫瘍生検試料を採取し、上記のRNAシークエンシングのために、これらの対象のうち28人について、処置前および処置の約11日後にマッチする生検を採取した。より大きなコホートの中で、処置前生検を受けた患者の46%は、処置の3ヶ月後にCRを示し、11日目に生検を受けた患者の56%は、処置の3ヶ月後にCRを示した。RNA-seq試料が得られなかった対象の集団と比較して、RNA-seq研究集団の応答アウトカムにバイアスがあったかどうか決定するために、CR、PD、部分奏効(PR)、および無増悪生存率(PFS)のアウトカムをこれら2つの集団の間で比較した。有意差は観察されなかった。
【1299】
より大きなコホートの処置前腫瘍生検に関しても遺伝子発現差の分析を行って、処置の3ヶ月後にCRを示している対象においてより高かった遺伝子、および処置の3ヶ月後にPDを示している対象においてより高かった遺伝子を同定した。この対象群では、Log2変化倍率カットオフを0.6超または-0.6未満に、FDR率を10%以下に設定することによって、処置の3ヶ月後にCRを示している対象からの処置前生検(n=22)により高度に発現された230個の遺伝子、および処置の3ヶ月後にPDを示している対象からの処置前生検(n=40)により高度に発現された271個の遺伝子が明らかとなった(図2A)。下記の実施例2に記載される遺伝子セット濃縮解析のために、この差の試験からの遺伝子の順位付き全リストを使用した。処置の3ヶ月後にCRを示している患者からの処置前腫瘍中により高いレベルで発現される遺伝子は、T細胞関連遺伝子および間質関連遺伝子およびインターフェロン応答遺伝子を含んでいた。処置の3ヶ月後にPDを示している患者からの処置前腫瘍中により高いレベルで発現される遺伝子は、細胞周期遺伝子、mTORC1シグナル伝達遺伝子、EZH2標的、およびMYC標的を含んでいた。
【1300】
同じより大きなコホートにおいて、処置の1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、および12ヶ月後にCRを示している患者と、PDを示している患者との間の、処置前の腫瘍生検に遺伝子発現の差の試験も行って、処置後の様々な時点での応答と関連した、差のある遺伝子の数を評価した。この対象群では、Log2変化倍率のカットオフを≧0.58に、および調整後のpを≦0.1に設定することによって、CRを示している患者とPDを示している患者との間で処置前腫瘍生検中の差のある遺伝子の数は、処置の3ヶ月後の時点で最高であることが見出された(図2B)。発現差のある遺伝子の数は、試験した時点の間で異なったものの、それらの間に有意な重複があった。
【1301】
3ヶ月の遺伝子リストと高く一致した遺伝子を同定するためにも、無増悪生存率(PFS)についての連続コックス比例モデルを使用した。データは、処置前生検が、評価された初期時点またはより後期の時点での応答よりも、3ヶ月の応答とより大きく関連したことを示している。
【1302】
より大きなコホート中の対象について、CD3D、CD3E、およびCD8A遺伝子ならびにCAR転写物のlog2(100万あたりの転写物[TPM]+1)の中央値としてT細胞スコアを計算した。図2Cに示すように、T細胞スコアと、CD3D遺伝子またはCAR転写物のいずれかについての転写物数との間の相関を分析した(横線は、すべての対象についてのT細胞スコアの中央値を表し;マッチした試料を○で示し、マッチしていない試料を×で示す)。データは、CD3D遺伝子の転写物レベルが、試料にわたりT細胞スコアと正の相関関係にあったことを示している。とりわけ、処置の3ヶ月後にCRを示している対象の多数は、すべての対象について計算されたT細胞スコアの中央値を上回るT細胞スコアを有し、これは、処置後のT細胞浸潤の増加が、より良好な応答と関連することを示している。
【1303】
上記の、処置前と処置の11日後との28個のマッチした試料について、CAR転写物を含むいくつかのT細胞遺伝子の平均を使用して、処置の11日後での免疫浸潤を推定した。この浸潤レベルの中央値を使用して、対象を、高い浸潤を有する対象(n=14)、および低い浸潤を有する対象(n=14)の2群に分割した。抗CD19 CAR T細胞の投与後のT細胞浸潤と関連した、処置前生検中の遺伝子発現を同定するために、それらを11日目の「高」浸潤レベルまたは「低」浸潤レベルとマッチさせることによって群分けされた28個の処置前試料に関して、遺伝子発現差の分析を行った。図2Dおよび2Eに示すように、他の遺伝子セットのうち、MYC標的遺伝子および細胞周期関連遺伝子に関係する2つの公的に入手可能な「Hallmark」遺伝子セット(それぞれ、www.broadinstitute.org/gsea/msigdb/cards/HALLMARK_MYC_TARGETS_V2およびwww.broadinstitute.org/gsea/msigdb/cards/HALLMARK_E2F_TARGETSから入手可能なHALLMARK_MYC_TARGETS_V2およびHALLMARK_E2F_TARGETS)は、低T細胞浸潤群中の処置の11日後の試料において濃縮されていた。これらの分析により、細胞周期遺伝子、mTORC1シグナル伝達遺伝子、EZH2標的、およびMYC標的遺伝子の高い発現が、抗CD19 CAR T細胞の投与後の、より低いT細胞浸潤と関連することが示され、これは、これらの遺伝子の高い発現を有する対象におけるCAR-T細胞に対するより低い応答率が、CAR-T細胞処置後の不十分な免疫浸潤が原因であり得ると示唆している。
【1304】
処置の3ヶ月後にCRまたはPDのいずれかを示している対象の処置前(PRE)の試料および11日目の(D11)試料において、CD3D遺伝子の発現を評価した。図2Fに示すように、処置の3ヶ月後にCRを示している患者は、処置前の腫瘍生検試料中でより高いレベルのCD3D遺伝子を発現し、処置の3ヶ月後にPDを示している患者と比較して、処置後に遺伝子発現のより大きな増加を示した(マッチしたPRE試料とD11試料(n=26)との間に線を引いた)。PDCD1、LAG3、およびTIGITなどのT細胞活性化と関連した他の遺伝子は、すべて、腫瘍生検試料において類似のパターンを示した。
【1305】
マクロファージ関連遺伝子もまた、処置の3ヶ月後にCRを示している患者からの処置11日後の腫瘍生検試料中で一般的に高かった。そのような遺伝子はまた、処置の3ヶ月後にCRを示している患者において、PDを示している患者と比較して処置前レベルから処置の11日後のレベルにかけて、より大きく増加した(図2G)。他の骨髄系発現遺伝子は、類似のパターンを示した。
【1306】
EZH2阻害剤EPZ-6438で処理されたことがあり、それに感受性であった、公的に入手可能で、分析済みのリンパ腫細胞株WSU-DLCL2、KARPAS-422、およびSu-DHL-6に関するマイクロアレイ遺伝子発現データ(遺伝子発現データは、Knutson et al., Mol Cancer Ther. 2014;13(4):842-54に記載;主として4日目および6日目時点の遺伝子発現データを使用した)由来の遺伝子濃縮解析によって、2つのEZH2関連遺伝子セットを創出した。2つのEZH2関連遺伝子セットは、(1)EZH2阻害剤の存在下でダウンレギュレーションされることが見出されたEZH2標的遺伝子セット(「DLBCL_LINES_EZH2I_DN」遺伝子セットと称する)、およびEZH2阻害剤の存在下でアップレギュレーションされることが見出された遺伝子セット(「DLBCL_LINES_EZH2I_UP」遺伝子セットと称する)であった。具体的には、3つの細胞株の各々について公的に入手可能なデータを分析して、各細胞株においてEZH2阻害によってもっとも大きくダウンレギュレーションされる、またはもっとも大きくアップレギュレーションされた上位250個の遺伝子を同定した。次いで、250個のダウンレギュレーションされる遺伝子またはアップレギュレーションされる遺伝子の3つの個別のリストを併合し、3つの細胞株すべてにわたり、EZH2阻害によってもっとも大きくダウンレギュレーションまたはもっとも大きくアップレギュレーションされた上位250個の遺伝子を、それぞれ、DLBCL_LINES_EZH2I_DNおよびDLBCL_LINES_EZH2I_UP遺伝子セットとして同定した。
【1307】
上記の自己治療用CAR T細胞組成物を投与された対象の分析に基づき、DLBCL_LINES_EZH2I_DN遺伝子セットが、処置の3ヶ月後にPDと関連した遺伝子の間で高度に濃縮されていたことが見出された(図3)。DLBCL_LINES_EZH2I_DN遺伝子セット中のこれらの250個の遺伝子のうち、98個の遺伝子が、処置の3ヶ月後に進行(PD)を示している対象においてもっとも高度にアップレギュレーションされる遺伝子(図1のボルカノプロットの左側に出現)に含まれた。これらの98個の遺伝子を、下の表E2に示す。これらの観察は、これらの98個の遺伝子が、処置前腫瘍生検におけるT細胞療法に対するより大きなアウトカム不良または応答不良と関連するマーカーであり、臨床アウトカムを改善するためのEZH2阻害の標的として役立ち得ることを示している。
【1308】
(表E2)処置後3カ月でPDを有する対象においてアップレギュレーションされた遺伝子
【1309】
図3にも示すように、処置の3ヶ月後にPDを示し続けた患者からの処置前生検の分析は、前立腺がん細胞株においてEZH2阻害によってダウンレギュレーションされることが見出された遺伝子を含んでいた遺伝子シグネチャの濃縮を示した(Nuytten et al., Oncogene (2008) 27, 1449-1460から改変され、gsea-msigdb.org/gsea/msigdb/cards/NUYTTEN_EZH2_TARGETS_DNからも入手可能な「NUYTTEN_EZH2_TARGETS_DN;」を参照されたい)。FLと比較してDLBCLにおいてより高いレベルで発現された遺伝子として同定された追加的な遺伝子セット(「FL_DLBCL_DN」遺伝子セットと称する;下の実施例4に記載される、約75個の利用可能なDLBCL腫瘍細胞試料および75個の利用可能なFL腫瘍細胞試料における遺伝子発現差の分析から)もまた、処置の3ヶ月後にPDを示している対象からの生検と関連した遺伝子が高度に濃縮されていることが見出された(図3)。
【1310】
加えて、図3にも示されるように、いくつかの公的に入手可能な遺伝子セットは、処置の3ヶ月後にPDを示している対象の処置前生検で濃縮されていることが見出された。これらは、細胞周期関連遺伝子に関係する「Hallmark」遺伝子セット(HALLMARK_E2F_TARGETSおよびHALLMARK_G2M_CHECKPOINT;後者は、broadinstitute.org/gsea/msigdb/cards/HALLMARK_G2M_CHECKPOINTから入手可能)、MTORC1シグナル伝達遺伝子(HALLMARK_MTORC1_SIGNALING;broadinstitute.org/gsea/msigdb/cards/HALLMARK_MTORC1_SIGNALINGから入手可能)、および上記のMYC標的遺伝子セット(HALLMARK_MYC_TARGETS_V2)を含んでいた。これらの4つの遺伝子セット中の遺伝子のうち、処置の3ヶ月後に進行(PD)を示している対象における各遺伝子セットのもっとも高度にアップレギュレーションされた上位20個の遺伝子を下の表E2Aに示す。
【1311】
(表E2A)処置の3ヶ月後にPDを有する対象においてアップレギュレーションされた遺伝子
【1312】
対照的に、インターフェロンアルファ応答遺伝子に関係する「Hallmark」遺伝子セット、HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE(broadinstitute.org/gsea/msigdb/cards/HALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEから入手可能)は、処置の3ヶ月後にCRを示している対象の処置前生検中に濃縮されていることが見出された。この遺伝子セット内の遺伝子のうち、処置の3ヶ月後に完全奏効(CR)を示している対象においてもっとも高度にアップレギュレーションされた上位20個の遺伝子を、下の表E2Bに示す。
【1313】
(表E2B)処置の3ヶ月後にCRを有する対象においてアップレギュレーションされた遺伝子
【1314】
これらの結果は、3ヶ月でのPDと関連する遺伝子のうち、EZH2標的遺伝子が処置前生検試料中で濃縮されていたこと、およびEZH2阻害剤の使用が、CAR-T細胞の投与後に対象の応答を改善し得ることを裏付けている。結果は、3ヶ月でのPDと関連した遺伝子のうち、細胞周期関連遺伝子、MTORC1シグナル伝達関連遺伝子、およびMYC標的関連遺伝子が、処置前の生検試料中で濃縮されていたことをさらに実証している。
【1315】
実施例2:処置前生検の遺伝子発現プロファイルおよび臨床応答の教師なし分析
CD19に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現している自己T細胞を含有する治療用CAR T細胞組成物を、上の実施例1に記載されるように、B細胞悪性腫瘍を有する対象に投与した。リンパ球枯渇化学療法の投与前、および患者のサブセットについてはCAR T細胞投与の11日後に、実施例1に記載されるように腫瘍生検を収集し、腫瘍生検から単離されたRNAから調製された相補的DNA(cDNA)試料に関して、遺伝子発現についてRNAシークエンシング(RNA-seq)によって分析した。処置前生検の遺伝子発現プロファイルと臨床応答との関係を評価するために、処置前の腫瘍生検から得られたRNA-seqデータに主成分分析(PCA)を行った。処置前の腫瘍生検からのRNA-Seqによる遺伝子発現は、事後に、自己治療用CAR-T細胞組成物の投与後の応答と相関関係にあった。
【1316】
図4は、初期コホート中の各生検についてのPC1と対比したPC2を示し、処置の3ヶ月後の対象の臨床応答(完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、進行(PD)、評価不能(NE))も表示する。CRまたはPRを示した対象の多数は、正のPC1値を有する傾向があった一方で、PD対象の大部分は負のPC1値を有する傾向があった。この結果は、処置前の腫瘍の生物学的性質(biology)(すなわち、正のPC1値)がCAR T細胞の浸潤と相関関係にあるという知見と一致している。図4に示すように、CRを示し続けた対象の約80%は、正のPC1値を有した。PC2値は、骨髄系遺伝子と対応し、負の値は、高い発現を示す。
【1317】
PC1のローディングの評価によって、EZH2標的およびEZH2阻害によってダウンレギュレーションされることが見出された遺伝子を含む、上記実施例1に記載されるDLBCL_LINES_EZH2I_DN、NUYTTEN_EZH2_TARGETS_DN、およびFL_DLBCL_DN遺伝子セットが、負のPC1値を結果としてもたらした処置前生検からのデータセットに濃縮されていたことが示された(図5A)。
【1318】
加えて、実施例1に記載されるHALLMARK_E2F_TARGETS、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARK_MTORC1_SIGNALING、およびHALLMARK_MYC_TARGETS_V2遺伝子セットもまた、負のPC1値を結果としてもたらした処置前生検からのデータセットで濃縮されていることが見出された(図5A)。比較して、実施例1に記載されるHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSEおよびDLBCL_LINES_EZH2I_UP遺伝子セットのみならず、NUYTTEN_EZH2_TARGETS_UP遺伝子セット(gsea-msigdb.org/gsea/msigdb/cards/NUYTTEN_EZH2_TARGETS_UPから入手可能)は、正のPC1値を結果としてもたらした処置前生検からのデータセットで濃縮されていることが見出された(図5A)。
【1319】
実施例1に記載される患者のより大きなコホートの類似の分析では、類似の遺伝子セットは、処置の3ヶ月後にPDを示している患者と比較して、処置の3ヶ月後にCRを示している患者において濃縮されていることが見出された(図5B)。特に、処置の3ヶ月後にCRを示している患者において濃縮されている遺伝子セットの最上位は、下の実施例5に「FL様」遺伝子シグネチャとして記載される、DLBCL腫瘍試料と比較してFL腫瘍試料中に、より高度に発現される遺伝子のセット(FL_LIKE_vs_DLBCL)であった。一般に、処置の3ヶ月後にCRを示している患者からの処置前腫瘍中に、より高いレベルで発現される他の遺伝子は、T細胞関連遺伝子および間質関連遺伝子(例えば、Lenz間質1および間質2シグネチャ; Lenz, Wright et al. 2008)、ならびにインターフェロン応答遺伝子(例えば、Hallmarkインターフェロンアルファおよびガンマ応答遺伝子セット)を含んでいた。Immunosign遺伝子セット(Galon, Rossi et al. 2017; Rossi, Galon et al. 2019)、およびDLBCL細胞株におけるEZH2阻害によってアップレギュレーションされる遺伝子のセット(DLBCL_LINES_EZH2I_UP)もまた、処置の3ヶ月後にCRを示している患者において濃縮されていた。一般に、処置前試料中の、3ヶ月のCRと3ヶ月のPDとの間でもっとも差がある遺伝子は、T細胞関連遺伝子であった。例えば、3ヶ月のCRを有する患者の処置前の腫瘍生検試料中でより高かった、もっとも強力な個々の遺伝子のいくつかは、KLRB1、CD40LG、ICOS、CD28、およびCCL21を含んでいた。CCL21は、腫瘍流入領域リンパ節におけるT細胞輸送と関係する間質細胞によって発現されるT細胞化学誘引物質である(Riedel, Shorthouse et al. 2016)が、悪性リンパ球の遊走にも関連する(Hashikawa, Yasumoto et al. 2014, Hong, Lin et al. 2019)。これらのデータは、CAR T細胞療法の3ヶ月後にCRを示し続けた患者の処置前腫瘍が、3ヶ月のPDを有する患者の腫瘍と比較して、より高い免疫および間質活性を有し得ることを示している。
【1320】
対照的に、処置の3ヶ月後にPDを示している患者からの処置前の腫瘍においてより高レベルで発現される遺伝子は、細胞周期遺伝子、mTORC1シグナル伝達遺伝子、EZH2標的、およびMYC標的を含んでいた。特に、処置の3ヶ月後にPDを示している対象においてもっとも濃縮された遺伝子セットは、下の実施例5に「DLBCL様」シグネチャとして記載される、FL腫瘍試料と比較してDLBCL腫瘍試料中の方が高い遺伝子(DLBCL_LIKE_vs_FL)を含む。3ヶ月でPDを示している患者において2番目に高く濃縮されている遺伝子セット(DLBCL_LINES_EZH2i_DN)は、DLBCL細胞株においてEZH2阻害剤によってダウンレギュレーションされる遺伝子を含み(Knutson, Kawano et al. 2014)、これは、EZH2阻害剤が、DLBCL患者においてこれらの遺伝子の発現レベルを潜在的に低減することもできることを示している。腫瘍細胞内因性プログラムとして黒色腫で同定され、より少ないT細胞を有する腫瘍中でアップレギュレーションされる、Jerby-Arnon T細胞排除遺伝子セットの発現もまた、3ヶ月目にPDまたはCRを示している対象からの試料中で分析した。(Jerby-Arnon, Shah et al. 2018)。発現変動遺伝子セット分析(GSVA)アルゴリズムを用いて計算したJerby-Arnon遺伝子セットのスコアもまた、処置の3ヶ月後にPDを示している対象において増加した(図5C)。
【1321】
これらのデータは、処置前の腫瘍生検中でのEZH2およびEZH2標的のアップレギュレーションまたは比較的高い発現が、腫瘍標的免疫療法に対する腫瘍抵抗性および応答不良をもたらす場合があり、EZH2標的遺伝子発現プロファイルが、処置に対する応答を予測し得るという知見と一致する。これらの結果もまた、処置前の腫瘍生検中の、細胞周期関連遺伝子、MTORC1シグナル伝達関連遺伝子、およびMYC標的関連遺伝子のアップレギュレーションもしくは高い発現レベル、またはインターフェロンアルファ応答遺伝子のダウンレギュレーションもしくはより低い発現が、また、腫瘍の抵抗性および応答不良をもたらす場合があり、T細胞療法による処置に対する応答を予測し得るという知見と一致する。さらに、処置前の腫瘍生検中のより高い免疫または間質活性は、応答の改善をもたらす場合があり、T細胞療法による処置に対する応答を予測し得る。
【1322】
実施例3:マルチプレックス免疫蛍光によるT細胞腫瘍の浸潤と関連する遺伝子の評価
実施例1に記載された処置前および処置の11日後の腫瘍生検をマルチプレックス免疫蛍光によって分析して、PDまたはCRを示し続けた対象の腫瘍微小環境内の免疫細胞サブセットの種類および位置を評価した。2つのマーカーの組み合わせもまた使用して、細胞密度(個/mm2)を計算した。例えば、Ki67+/CD3-を使用して、非T細胞の増殖密度を推定し、これを腫瘍細胞の増殖として解釈した。他の評価されたペアは、CD3+/PD1+(活性化T細胞または疲弊したT細胞)、CD3+/グランザイムB+(細胞溶解性T細胞)、CD20+/CD19-(CD19陰性腫瘍細胞)、およびCD163+PDL1+(活性化マクロファージ)を含んでいた。マーカーのパネルまたは組み合わせを使用して、ウィルコクソン検定により、試料の群間の差の分析を行った。
【1323】
処置の1ヶ月後にCRを示し続けた対象の処置前の腫瘍生検が、処置の1ヶ月後にPDを示し続けた対象と比較して、高いT細胞、特に、高いPD1+/グランザイムB+ T細胞を有することが観察された(図5D)。PD-1+およびグランザイム B+についての染色は、T細胞がエフェクター状態にあり得たことを示した。
【1324】
処置の11日後の生検の中で、腫瘍中へのCAR T細胞の浸潤が、CAR T細胞処置に対する応答と関連することが観察された。CD3+およびCARについて染色して(CAR発現の代用として使用される切断型受容体(Rt)についての染色に基づく)、CAR T細胞が、処置の1ヶ月後にCRを示した対象からの11日目(D11)の生検中の総T細胞の約5~10%であったことが観察された(図5E)。処置前(PRE)の腫瘍生検および11日目(D11)の腫瘍生検を比較して(マッチする試料の間を線でつなぐ)、CAR T細胞の注入後の腫瘍微小環境中で、内因性T細胞(CD3+Rt-)もまた増加し、この増加が、注入の1ヶ月後にCRを示し続けた対象においてより大きかったことが観察された(図5F)。
【1325】
マクロファージのサブセットCD163+IDO1+は、CRを示し続けた対象と比較して、PDを示し続けた対象からの処置前試料においてより高いように見えた。しかし、処置前の総マクロファージ数CD163+IDO(+/-)は、9ヶ月目にPDを示し続けた対象において、同時点でCRを示し続けた対象と比較して高いことが観察されなかった(図5G)。注目すべきことに、CD163+PD-L1+サブセットおよびCD163+IDO+サブセットを含む総マクロファージ数は、処置の9ヶ月後にCRを示し続けた対象において、処置前の試料から処置の11日後の試料へと増加した(図5H)。
【1326】
最終的に、処置前の腫瘍生検試料中のKi67+/CD3-細胞を測定することによって、増殖中の腫瘍細胞を推定した。ベースラインでの増殖中の推定腫瘍細胞の細胞密度がより高い対象は、処置の9ヶ月後にPDを示す傾向にあった(図5I)。
【1327】
実施例4:市販の腫瘍細胞試料中のT細胞の腫瘍浸潤および排除と関連する遺伝子の評価
処置前の腫瘍の生物学的性質と、T細胞の腫瘍浸潤および排除との関係を評価するために、RNA-seq遺伝子発現データを、商業的供給源から入手可能な114個の胚中心B細胞(GBC)腫瘍細胞試料(腫瘍生検)から得た。遺伝子発現データを、生検試料中のCD3E発現(腫瘍生検中のT細胞の存在の指標)と対比させて、CD3Eとの正の相関関係がもっとも大きな1,000個の遺伝子およびCD3Eとの負の相関関係がもっとも大きな1,000個の遺伝子を同定した。
【1328】
図6Aは、EZH2の発現がCD3Eと負の相関関係にあったことを示す。この知見は、EZH2によって正の調節を受ける遺伝子の高い発現を有する試料が、より低いレベルの浸潤T細胞を有する傾向にあったという点で、実施例1に記載された対象のより大きなコホートからの腫瘍生検試料(n=74)において、EZH2標的の遺伝子発現のダウンレギュレーションが、ベースラインでのT細胞と反相関の関係にあったことを示すデータと一致した(図6B)。
【1329】
実施例1および2に記載されるHALLMARK_MTORC1_SIGNALING、HALLMARK_MYC_TARGETS_V2、HALLMARK_G2M_CHECKPOINT、HALLMARKED_E2F_TARGETS、DLBCL_LINES_EZH2I_DN、NUYTTEN_EZH2_TARGETS_DN、およびFL_DLBCL_DN遺伝子セットの分析によって、CD3Eの低い発現を有する腫瘍生検中にこれらが大きく濃縮されていたことが明らかとなった(図7)。対照的に、実施例1および2に記載されたHALLMARK_INTERFERON_ALPHA_RESPONSE、DLBCL_LINES_EZH2I_UP、およびNUYTTEN_EZH2_TARGETS_UP遺伝子セットの分析によって、CD3Eの高い発現を有する腫瘍生検中に両方の遺伝子セットが濃縮されていることが明らかとなった(図7)。
【1330】
表E2によって与えられる遺伝子セット(DLBCL_LINES_EZH2I_DN)の比較により、これらの遺伝子のうち72個が低いCD3発現と関連したことが示された(表E3)。この結果は、EZH2阻害剤処置によってダウンレギュレーションされるある特定の遺伝子がまた、CD3の発現と反相関の関係にあることを実証した。まとめると、これらの結果は、EZH2およびEZH2標的を含むこれらの遺伝子のより高い発現が、腫瘍中のT細胞のより低い存在と関連し、腫瘍環境からのT細胞の排除およびT細胞療法への抵抗性に関与し得るという知見と一致する。
【1331】
(表E3)処置の3ヶ月後にPDを有する対象においてアップレギュレーションされ、EZH2阻害剤処置によりダウンレギュレーションされ、CD3の発現と反相関の関係にある遺伝子
【1332】
対照的に、処置の3ヶ月後に完全奏効(CR)を示している対象においてアップレギュレーションされた(図1のボルカノプロットの右側の)、実施例1で同定された遺伝子の比較によって、約110個の遺伝子がCD3の発現と相関関係にあったことが示された。これらの遺伝子を、下の表E4に示す。表E4に同定および提供される110個の遺伝子のうち、5つの遺伝子だけが、EZH2阻害剤処置によってもアップレギュレーションされた(例えば、Knutsonらの結果に基づく)。これらの5つの遺伝子は、下の表E5に確認される。
【1333】
(表E4)処置の3ヶ月後にCRを有する対象においてアップレギュレーションされ、CD3の発現と相関関係にある遺伝子
【1334】
(表E5)処置の3ヶ月後にCRを有する対象においてアップレギュレーションされ、EZH2阻害剤処置によってアップレギュレーションされ、CD3発現と相関関係にある遺伝子
【1335】
これらの分析は、T細胞療法(例えば、CAR T細胞処置)に対する応答と関連する遺伝子発現シグネチャを同定し、腫瘍の生物学的性質およびTMEが、CAR T細胞などのT細胞療法の養子移入に対する応答にどのように影響し得るかについての洞察を与えるものである。まとめると、これらのデータは、表E3に提供される遺伝子セット中の遺伝子(これらに加えて、細胞周期関連遺伝子およびMYC標的関連遺伝子)のアップレギュレーションまたは高い発現が、T細胞浸潤の低減をもたらす場合があり、一方で、表E4および/または表E5に提供される遺伝子セット中の遺伝子のアップレギュレーションまたは高い発現が、T細胞浸潤の増加をもたらし得るという観察と一致する。これらの知見は、さらに、表E2に示される遺伝子セット中の遺伝子(表E3により示される遺伝子セット中の遺伝子を含む)のアップレギュレーションが、腫瘍抵抗性および腫瘍標的T細胞療法に対する応答不良をもたらし得ることを示している。逆に、表E4により示される遺伝子セット中の遺伝子(表E5により示される遺伝子セット中の遺伝子を含む)のアップレギュレーションは、腫瘍感受性および腫瘍標的T細胞療法に対する応答の改善を生じ得る。
【1336】
実施例5:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と比べた濾胞性リンパ腫(FL)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と濾胞性リンパ腫(FL)との間の生物学的性質の差異を調査するために、内部データセットを使用して研究を実行した。
【1337】
上の実施例2に記載した、約75個の濾胞性リンパ腫(FL;グレード1~3A)および約75個のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の入手可能な腫瘍細胞試料(ホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍生検)から単離されたRNAから調製した相補的DNA(cDNA)試料に、遺伝子発現のためのRNA-Seqを実行した。分析された腫瘍細胞試料は、野生型または変異型EZH2のいずれかを内部に有し、DLBCLの胚中心B細胞様(GCB)サブタイプおよび活性化B細胞(ABC)サブタイプの両方を含んでいた。図8に示すように、DLBCLおよびFL腫瘍細胞試料中で遺伝子発現の差が観察され、DLBCL(「DLBCL様」)およびFL(「FL様」)腫瘍細胞試料中で異なるセットの遺伝子が高まっていた。FL腫瘍細胞試料とDLBCL腫瘍細胞試料との間で発現の差を示した遺伝子の中に、EZH2(図9A)およびCD3E(図9B)があった。示したように、FL腫瘍細胞試料は、DLBCL腫瘍細胞試料と比較して、EZH2のより低い発現レベルおよびCD3Eのより高い発現レベルを示した。DLBCL様遺伝子セットおよびFL様遺伝子セットは、公的に入手可能なDLBCL遺伝子セットおよびFL遺伝子セットと一致することが確認された(Shipp, Ross et al. 2002)。
【1338】
75個のDLBCL腫瘍細胞試料および75個のFL腫瘍細胞試料から得られ、実施例2に記載されたデータセットを使用して、実施例1に記載されるDLBCL対象における処置前の腫瘍生検試料のすべてについての集合体「FL様」遺伝子発現スコアを計算した。実施例1に記載され、次いで、記載のような抗CD19治療用T細胞組成物を投与された対象からの処置前の腫瘍生検でのRNA-Seqによる遺伝子発現プロファイルを、FLと比べてDLBCLで高まる(「DLBCL様」シグネチャもしくは「DLBCL_LIKE_vs_FL」遺伝子セットと称する)、またはDLBCLと比べてFLで高まる(「FL様」シグネチャもしくは「FL_LIKE_vs_DLBCL」遺伝子セットと称する)ことが見出された、図8に記載される研究からの遺伝子の発現について分析した。単一試料遺伝子セット濃縮解析(ssGSEA)を実行して、試料と、それぞれの遺伝子セットとの各ペアについて別々のエンリッチメントスコアを計算した。
【1339】
実施例1で分析された対象の初期コホート(n=50)についての結果を図10Aおよび10Bに示す。図10Aに示すように、実施例1に記載された研究においてCRを示し続けた対象は、PDを示し続けた対象と比較して、DLBCL様遺伝子セット(DLBCL_LIKE_vs_FL)についてより低いssGSEAスコアを有した。逆に、図10Bに示すように、実施例1に記載される研究においてCRを示し続けた対象は、PDを示し続けた対象と比較して、FL様遺伝子セット(FL_LIKE_vs_DLBCL)についてより高いssGSEAスコアを有した。
【1340】
実施例1に記載される対象のより大きなコホート(n=74)のさらなるデータセットの分析では、類似の結果が観察された。処置の3ヶ月後にCRを示した対象は、FL様遺伝子セットについて有意に高いエンリッチメントスコアを有した(図10C;n=62)。加えて、患者のうち8人は、明確に「FL様」の遺伝子発現スコアを有した。最高の「FL様」遺伝子発現を有するこれらの対象は、非「FL様」の対象(CR=22%)と比較して、処置の3ヶ月後に高いCR率(CR=100%)を示した。高いFL様スコアを有するDLBCL対象の何人かは、組織学的に形質転換した濾胞性リンパ腫(tFL)を有したが、低いFL様スコアを有した他のtFL対象も存在した。同様に、何人かの非tFL対象は、高いFL様スコアを有した。もっとも高いFL様スコアを有した15人の対象および残りの59人の対象について無増悪生存率(PFS)曲線を比較し、高いFL様遺伝子発現を有する対象が、有意に高いPFSを示した(図10D)。
【1341】
これらのデータは、DLBCLおよびFLを有する対象の遺伝子発現プロファイルが異なることを実証している。具体的には、DLBCL腫瘍生検とFL腫瘍生検との間の遺伝子発現の差は、免疫もしくは間質内容物の量または腫瘍細胞の状態と関係する。これらのデータは、FLを有する対象、またはDLBCL対象と比較してFL対象で高まることが見出された遺伝子のより高い発現を有する対象が、DLBCLを有する対象、またはFLと比較してDLBCLで高まることが見出された遺伝子を発現している対象よりも、腫瘍環境中へのT細胞浸潤への抵抗性が低い場合があるという観察と一致する。さらに、FL腫瘍により大きく類似するように見えるDLBCL腫瘍を有する対象は、CAR T細胞処置後にPFSアウトカムの改善を有し得る。
【1342】
実施例6:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞株へのEZH2阻害の効果
A. 細胞生存率
EZH2阻害のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞に及ぼす影響を評価するために、4つのDLBCL細胞株をEZH2阻害剤EPZ-6438で処理した。これらの細胞株のうち2つ、SUDHL5およびFarageは、野生型EZH2を発現した。その他の2つの細胞株は、変異型のEZH2を発現し、結果として細胞中のEZH2の機能獲得型過剰発現をもたらした。具体的には、KARPAS422細胞株は、Y646N変異型のEZH2を発現し、WSUDLBCL2細胞株は、Y646F変異型のEZH2を発現した。
【1343】
1日目に、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に可溶化したEPZ-6438(0.1μMもしくは1.0μM)、または対照として等量のDMSOで細胞株を処理した。4日後、細胞を新鮮培地中に再懸濁し、阻害剤を1日目に提供されたものと同じ濃度で再供給した。EZH2阻害剤による処理を合計6日行った後、タンパク質およびRNAの分析のために細胞を採集した。総細胞数の代理として総タンパク質を定量した。図11に示すように、4つのDLBCL細胞株のすべては、DMSO対照で処理された細胞と比較して、細胞中の総タンパク質のレベル低減によって証明されるように、1.0μM EPZ-6438を用いた処理に感受性であり、これは、細胞の増殖が減少していることと一致する。変異型EZH2を発現している細胞株は、阻害剤に対して最大の感受性を示した。この結果は、野生型DLBCL細胞株と変異型DLBCL細胞株との両方が、EZH2阻害剤による処理に感受性であることを示唆している。
【1344】
EZH2の阻害が、DLBCLの異なるサブタイプの増殖に、異なる影響を及ぼしたかどうかを追加的に決定するために、胚中心B細胞様(GCB)細胞株および活性化B細胞(ABC)細胞株を、実質的に上に記載されるように2つの異なるEZH2阻害剤(CPI-1205およびEPZ-6438)で6日間処理した。GCB細胞株(WSU-DLCL2、Farage、KARPAS-422、およびSU-DHL-5)ならびにABC細胞株(SU-DHL-2およびOCI-LY3)を、1.0μM EPZ-6438、0.1μM CPI-1205、または1.0μM CPI-1205で処理した。発光ベースのアッセイによって定量したATPの量に基づき、細胞生存率を決定した。図12に示すように、EZH2阻害剤は両方とも、変異型および野生型GCB細胞株における細胞生存率を減少させた。しかし、ABC細胞株(両方とも野生型EZH2を発現)は、EPZ-6438およびCPI-1205による処理の両方に抵抗性であった。これらのデータは、DLBCLのGCBサブタイプが、DLBCLのABCサブタイプよりも、EZH2阻害に対して感受性が高い場合があるという観察と一致する。
【1345】
B. メチル化状態
GCB DLBCL細胞株におけるEZH2阻害のヒストン3リジン27のトリメチル化状態(H3K27Me3)に及ぼす影響を評価するために、実質的に上に記載されるように、細胞を0.1μMまたは1.0μMのEPZ-6438で6日間処理した。細胞を採集し、H3K27Me3のレベルをウエスタンブロットによって評価した。H3K27Me3レベルにおける減少によって実証されるように、全部で4つの被験DLBCL細胞株は、EPZ-6438によるEZH2阻害に感受性であった(図13)。総H3レベルおよびGAPDHレベルを内部対照として分析したが;両方とも処理により変化しなかった。
【1346】
類似の実験で、2つの異なるEZH2阻害剤、EPZ-6438およびCPI-1205が、GCB DLBCL細胞株およびABC DLBCL細胞株におけるH3K27Me3に及ぼす効果を分析した。GCB細胞株、WSU-DLCL2、Farage、KARPAS-422、およびSU-DHL-5を、1.0μMのEPZ-6438、0.1μM CPI-1205、または1.0μM CPI-1205で6日間処理した。ABC細胞株、SU-DHL-2およびOCI-LY3を、0.1または1.0μMのEPZ-6438またはCPI-1205で6日間処理した。図14Aおよび14Bに示すように、試験したすべての細胞株において、両方のEZH2阻害剤は、ウエスタンブロット解析によって決定された場合のH2K27Me3レベルを減少させた。総H3レベルおよびβ-アクチンレベルを内部対照として分析したが;両方とも処理により変化しなかった。
【1347】
C. T細胞浸潤関連遺伝子およびT細胞排除関連遺伝子
T細胞の浸潤および排除と関連する遺伝子に及ぼすEZH2阻害の効果を評価した。合計6つの異なるDLBCL細胞株を評価した:SU-DHL-5細胞株およびFarage GCB型細胞株は、野生型EZH2を内部に有し、WSU-DLCL2 GCB型細胞株は、変異型EZH2を内部に有し、OCI-LY3およびSU-DHL-3 ABC型細胞株は、野生型EZH2を内部に有した。GCB DLBCL細胞株を、1.0μM EPZ-6438、0.1μM CPI-1205、または1.0μM CPI-1205で6日間処理した。ABC DLBCL細胞株を、0.1μMまたは1.0μMのEPZ-6438またはCPI-1205で処理した。処理後、細胞を採集し、下流の分析のためにRNAを抽出した。
【1348】
T細胞浸潤と関連する5つの例示的な遺伝子(ABAT、SESN3、YPEL2、TP53INP1、ZMAT1、およびYPEL5)について、およびT細胞の排除と関連する6つの例示的な遺伝子(PCNA、UHRF1、PAICS、NCAPG2、CDC6、およびCHEK1)について、定量的PCR(qPCR)によってRNA発現レベルを分析した。DMSO処理細胞と比べたRNA転写物レベルを、対照としての18Sに対して正規化した。結果を図15A(ABAT)、図15B(SESN3)、図15C(YPEL2)、図15D(TP53INP1)、図15E(ZMAT1)、図15F(PCNA)、図15G(UHRF1)、図15H(PAICS)、図15I(NCAPG2)、図15J(CDC6)、および図15K(CHEK1)に示す。T細胞の浸潤と関連する遺伝子は、DMSO処理対照と比較してEZH2阻害によってアップレギュレーションされたのに対し、T細胞の排除と関連する遺伝子は、DMSO処理対照と比較して、EZH2阻害によりダウンレギュレーションされた(それぞれ図15A~Eおよび図15F~K)。野生型EZH2細胞株および変異型EZH2細胞株で類似の結果が観察された。この結果は、EZH2の阻害が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現しているT細胞などのT細胞の腫瘍微小環境中に浸潤する能力を増加させ得るという知見と一致する。
【1349】
本発明は、例えば本発明の様々な局面を例示するために提供される、特定の開示された態様に範囲を限定することを意図しない。記載される組成物および方法への様々な改変は、本明細書における説明および教示から明らかになるであろう。そのような変動は、本開示の真の範囲および精神から逸脱せずに実施される場合があり、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【1350】
配列
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図15I
図15J
図15K
【配列表】
2022545467000001.app
【国際調査報告】