IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィッシャー アンド パイケル ヘルスケア リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-加湿装置 図1
  • 特表-加湿装置 図2
  • 特表-加湿装置 図3
  • 特表-加湿装置 図4
  • 特表-加湿装置 図5
  • 特表-加湿装置 図6
  • 特表-加湿装置 図7
  • 特表-加湿装置 図8
  • 特表-加湿装置 図9
  • 特表-加湿装置 図10
  • 特表-加湿装置 図11
  • 特表-加湿装置 図12
  • 特表-加湿装置 図13
  • 特表-加湿装置 図14
  • 特表-加湿装置 図15
  • 特表-加湿装置 図16
  • 特表-加湿装置 図17
  • 特表-加湿装置 図18
  • 特表-加湿装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A61M16/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511357
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 NZ2020050090
(87)【国際公開番号】W WO2021034202
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/889,288
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウォールズ ブルース マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グリルス ピーター ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ボルンホルト メリッサ キャサリン
(57)【要約】
本発明は、取外し可能な加湿チャンバを受け入れるコンパートメントを有する加湿装置に関する。本装置は、使用者により、加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるように操作することができる、アクチュエータを有する。動作位置では、加湿チャンバは、加湿コンパートメントによって受け入れられ、加湿装置を通して流路の一部を形成する。解除位置では、加湿チャンバは、動作位置から外側に変位し、それにより、使用者は、装置から加湿チャンバをより容易に取り外すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
患者へのガスの送達を可能にする装置出口ポートと、
水を収容する取外し可能な加湿チャンバと、
前記加湿チャンバを受け入れる加湿コンパートメントと、
前記ブロワから前記装置出口ポートまで前記装置を通る流路と、
使用者が前記加湿チャンバを、前記加湿チャンバが前記加湿コンパートメントによって受け入れられ、前記加湿チャンバが前記加湿装置を通る前記流路の一部を形成する、動作位置から、前記加湿チャンバが前記動作位置から外側に変位し、前記使用者が前記装置から前記加湿チャンバを取り外すことができる、解除位置まで、移動させるように操作することができるアクチュエータと、
を含む、加湿装置。
【請求項2】
前記装置が、前記加湿チャンバが動作位置にあるときに前記加湿チャンバ内の水を加熱するように動作可能である被給電デバイスを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータが、前記被給電デバイスが動作可能であるように前記被給電デバイスの少なくとも一部を前記動作位置で前記加湿チャンバに対して位置付ける、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記加湿チャンバが熱伝導性ヒータベースを有し、前記加湿コンパートメントがヒータ素子を有し、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記流路が、前記ブロワから前記加湿チャンバまで延在する第1部分を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流路が、前記装置出口ポートまで延在する第2部分を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記加湿チャンバが動作位置にあるとき、前記流路が、前記ブロワから前記第1部分を通り、前記加湿チャンバを通り、前記第2部分を通り前記装置出口ポートまで完成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記加湿コンパートメントが、呼吸可能ガスの流れを発生させるブロワの出口と連通している、以下出口ポートと称する流路出口ポートを有し、前記装置出口ポートが、コンパートメント出口ポート又は加湿チャンバ出口ポートのいずれかであり得る、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記加湿コンパートメントが、前記ガス流を使用者に供給するガス流導管と連通することができる、以下入口ポートと称する流路入口ポートを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記加湿チャンバがチャンバ入口及びチャンバ出口を有し、前記チャンバ入口が前記出口ポートと連通し、前記チャンバ出口が前記入口ポートと連通する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記動作位置にあるとき、前記流路の前記第1部分が前記加湿チャンバに封止され、前記封止が、前記解除位置にあるときは破断される、請求項5~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記動作位置にあるとき、前記流路の前記第2部分が前記加湿チャンバに封止され、前記封止が、前記解除位置にあるときは破断される、請求項5~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記アクチュエータが動作可能に接続されるベースを含み、前記加湿チャンバが、前記ベースの上に設置されている間に前記動作位置から前記解除位置まで移動することができる、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで手で移動させる、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記アクチュエータが作用力又は抵抗を有し、前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させる際に前記加湿チャンバを前記アクチュエータに押し付ける、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させるように前記アクチュエータを操作する、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記加湿チャンバが、前記解除位置と前記動作位置との間で前記加湿コンパートメントの内側及び外側に移動する、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記加湿チャンバが、前記解除位置と前記動作位置との間で上方及び下方に移動する、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記加湿チャンバが、前記動作位置と前記解除位置との間の解除距離を移動し、前記解除距離が、1~20cmの範囲、好適には2~10cmの範囲、さらにより好適には4~10cmの範囲である、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿チャンバが、前記加湿コンパートメントから突出しないように配置される、請求項1~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記加湿チャンバが、前記加湿コンパートメントから前記加湿チャンバを手で取り外すための把持部を有し、前記把持部が、前記加湿チャンバが前記解除位置にあるときに前記加湿コンパートメントから突出する、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記把持部が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記加湿コンパートメント内に配置される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記把持部が、前記加湿コンパートメントの開口部から外側に延在する前記チャンバの外側側壁の一部を含み、前記把持部が、前記加湿チャンバの隣接する面と比較して使用者の手に対してより高い摩擦を有する、請求項21又は22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記加湿コンパートメントと前記加湿チャンバとの間に延在する、前記流路を封止する封止アセンブリを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記封止アセンブリが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿コンパートメントの開口部と前記加湿チャンバとの間にシールを提供する、請求項1~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記封止アセンブリが、前記加湿チャンバの外壁の上部の周囲に延在するチャンバ封止部材を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記チャンバ封止部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿コンパートメントの内壁と封止係合する、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記封止アセンブリが、前記加湿コンパートメントの開口部を画定する側壁の上部の周囲に延在するコンパートメント封止部材を含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記コンパートメント封止部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿チャンバと封止係合する、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記チャンバ封止部材及び前記コンパートメント封止部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、封止係合する、請求項25に従属する場合の請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記封止アセンブリが、前記加湿コンパートメントの前記出口ポートと前記チャンバ入口との間の接続部を封止する流路封止部材を含む、請求項24~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記封止アセンブリが、前記チャンバ出口と前記コンパートメントの前記入口ポートとの間を封止する流路封止部材を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記アクチュエータが、使用者により、前記加湿チャンバを前記動作位置と前記解除位置との間で移動させるように前記ベースの移動を制御するように操作可能である、請求項13に従属する場合の請求項1~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記アクチュエータが、前記加湿チャンバを前記動作位置から前記解除位置に向かって付勢する非動力付勢デバイスである、請求項1~33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させる第1押圧力を前記加湿チャンバに加えることにより、前記アクチュエータを操作することができる、請求項1~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記アクチュエータが、前記使用者により、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させる第2押圧力を前記加湿チャンバに加え、その後、前記第2押圧力を取り除くことにより、前記加湿チャンバを前記動作位置から前記解除位置まで移動させるように操作することができ、前記第2押圧力が取り除かれると、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバを前記動作位置から前記解除位置まで移動させるように動作可能である、請求項1~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記アクチュエータが動力アクチュエータであり、前記アクチュエータが、前記動作位置と前記解除位置との間の前記加湿チャンバの移動の移動を制御するボタン、スイッチ又は制御つまみ等のコントローラによって操作することができる、請求項1~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記装置が、前記加湿チャンバと前記加湿コンパートメントとの間に作用するとともに、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように動作可能である、少なくとも1つの第1結合デバイスを有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記第1押圧力が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させ、前記第1結合デバイスを、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように作動させる、請求項35又は36に従属する場合の請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記第1押圧力が、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させて前記第1結合デバイスを作動させ、前記第1押圧力が取り除かれると、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバを、前記加湿チャンバが解除可能に係止される前記動作位置まで移動させることができる、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記第1結合デバイスが、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させる前記第2押圧力の作用により係止解除される、請求項39又は40に記載の装置。
【請求項42】
前記第1結合デバイスが、可動係止部材、及び前記係止部材を中間位置に向かって付勢する付勢部材と、前記係止部材が係合する作業面を有する固定カムとを有し、前記加湿チャンバが前記解除位置から前記動作位置に向かって移動する際に前記係止部材を前記中間位置から離れるように移動させ、前記作業面が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記係止部材を受け入れる凹面を含み、前記係止部材は、前記加湿チャンバを前記加湿コンパートメント内に内側に移動させることにより前記凹面から外すことができる、請求項39~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記固定カムが前記加湿コンパートメントの内面に配置され、前記係止部材が前記加湿チャンバに接続されている、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記固定カムの前記凹面が、前記加湿コンパートメントの内側方向に面している、請求項42又は43に記載の装置。
【請求項45】
前記係止部材が前記加湿コンパートメントの内面に配置され、前記固定カムが前記加湿チャンバに接続されている、請求項42又は43に記載の装置。
【請求項46】
前記凹面が、前記加湿コンパートメントの外側方向に面している、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記付勢部材が、前記係止部材が前記固定カムの上を摺動するとともに前記加湿チャンバが前記動作位置に向かって移動する際に増大する抵抗力を提供し、前記抵抗力が、少なくとも一部、前記係止部材を前記凹面内に保持する、請求項42~46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
前記付勢部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記係止部材を前記凹面内に押し込む、請求項42~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記アクチュエータが、前記解除位置から前記動作位置への方向において加湿チャンバに作用力又は抵抗を加えることにより、前記固定カムの前記凹面内に前記係止部材を保持するのに役立つ、請求項42~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
複数の前記第1結合デバイスが、前記加湿チャンバ及び前記加湿コンパートメントの周囲に配置されている、請求項42~49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記装置が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記加湿チャンバ内の水を加熱するよう動作可能である被給電デバイスを有し、前記被給電デバイスが、加熱するように通電することができるヒータ素子を含み、前記加湿チャンバが熱伝導性ヒータベースを有し、前記熱伝導性ヒータベースが、前記ヒータ素子の上にそれらが熱係合するように位置する、請求項1~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記アクチュエータが、前記動作位置から前記解除位置に向かう方向において前記加湿チャンバに作用力を加え、前記第1結合デバイスが、前記加湿コンパートメント内の適所で前記力に抗して前記加湿チャンバを固定し、それにより、前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧することができる、請求項4に従属する場合の請求項38~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記加湿チャンバが熱伝導性ヒータベースを有し、前記加湿コンパートメントがヒータ素子を有し、前記装置が、前記加湿チャンバと前記加湿コンパートメントとの間に作用するとともに、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように動作可能である、少なくとも1つの第1結合デバイスを有し、前記アクチュエータが前記加湿チャンバに作用力を加える一方で、前記第1結合デバイスが、前記加湿チャンバを前記作用力に抗して前記動作位置で固定し、それにより、前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧する、請求項1~52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
前記被給電デバイスが、前記加湿コンパートメント内の誘導発電機と、前記加湿チャンバ内の前記水を加熱するように前記誘導発電機からのエネルギーにさらされると加熱する、前記加湿チャンバの協働するヒータベースとを含む、請求項50に記載の装置。
【請求項55】
加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
前記ガス流のための流路と、
取外し可能な加湿チャンバを受け入れることができる加湿コンパートメントと、
前記加湿チャンバを移動させるアクチュエータであって、使用者により前記加湿チャンバを移動させるように操作することができ、それにより、前記加湿チャンバが、
i)前記加湿チャンバが前記加湿コンパートメントによって受け入れられ、前記流路が前記加湿チャンバと連通して、前記ガス流がそこを通過することができるようにする、動作位置から、
ii)前記加湿チャンバが前記動作位置から外側に変位し、前記使用者が、前記加湿チャンバを前記加湿コンパートメントから取り外すことができる解除位置まで
移動する、アクチュエータと、
を含む、加湿装置。
【請求項56】
前記装置が、前記加湿チャンバが動作位置にあるときに前記加湿チャンバ内の水を加熱するように動作可能である被給電デバイスを有する、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記アクチュエータが、前記被給電デバイスが動作可能であるように前記被給電デバイスの少なくとも一部を前記動作位置で前記加湿チャンバに対して位置付ける、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記加湿コンパートメントがヒータ素子を有し、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧する、請求項55~57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
装置がハウジングを有し、前記ブロワが前記ハウジングの内側に配置されている、請求項55~58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記加湿コンパートメントが、呼吸可能ガスの流れを発生させるブロワの出口と連通するとともに、チャンバ入口と連通することができる、以下出口ポートと称する流路出口ポートを有する、請求項55~59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記加湿コンパートメントが、チャンバ出口及び前記ガス流を使用者に供給するガス流導管と連通することができる、以下入口ポートと称する流路入口ポートを有する、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記加湿コンパートメントが、前記アクチュエータが動作可能に接続されるベースを含み、前記加湿チャンバが、前記ベースの上に設置されている間に前記動作位置から前記解除位置まで移動することができる、請求項55~61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記アクチュエータが作用力又は抵抗を有し、前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させる際に前記加湿チャンバを前記アクチュエータに押し付ける、請求項55~62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
前記アクチュエータが、使用者により、前記加湿チャンバを前記動作位置と前記解除位置との間で移動させるように前記ベースの移動を制御するように操作可能である、請求項55~63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記加湿チャンバが、前記解除位置と前記動作位置との間で前記加湿コンパートメントの内側及び外側に移動する、請求項55~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記加湿チャンバが、前記解除位置と前記動作位置との間で上方及び下方に移動する、請求項55~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記加湿チャンバが、前記動作位置と前記解除位置との間の解除距離を移動し、前記解除距離が、1~20cmの範囲、好適には2~10cmの範囲、さらにより好適には4~10cmの範囲である、請求項55~66のいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿チャンバが、前記加湿コンパートメントから突出しないように配置される、請求項55~67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
前記ハウジングが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記加湿コンパートメントと前記加湿チャンバとの間に延在する、前記流路を封止する封止アセンブリを含む、請求項55~68のいずれか一項に記載の装置。
【請求項70】
前記封止アセンブリが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿コンパートメントの開口部と前記加湿チャンバとの間にシールを提供する、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記封止アセンブリが、前記加湿コンパートメントの開口部を画定する側壁の上部の周囲に延在するコンパートメント封止部材を含む、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記コンパートメント封止部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿チャンバと封止係合する、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記封止アセンブリが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿コンパートメントの前記出口ポートと前記チャンバ入口との間の接続部を封止する流路封止部材を含む、請求項60に従属する場合の請求項70~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記封止アセンブリが、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるとき、前記加湿コンパートメントの前記入口ポートと前記チャンバ出口との間を封止する流路封止部材を含む、請求項61に従属する場合の請求項70~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
前記使用者が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させる第1押圧力を前記加湿チャンバに加えることにより、前記アクチュエータを操作することができる、請求項55~74のいずれか一項に記載の装置。
【請求項76】
前記アクチュエータが、前記使用者により、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させる第2押圧力を前記加湿チャンバに加え、その後、前記第2押圧力を取り除くことにより、前記加湿チャンバを前記動作位置から前記解除位置まで移動させるように操作することができ、前記第2押圧力が取り除かれると、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバを前記動作位置から前記解除位置まで移動させるように動作可能である、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記アクチュエータが動力アクチュエータであり、前記アクチュエータが、前記動作位置と前記解除位置との間の前記加湿チャンバの移動の移動を制御するボタン、スイッチ又は制御つまみ等のコントローラによって操作することができる、請求項55~76のいずれか一項に記載の装置。
【請求項78】
前記装置が、前記加湿コンパートメントと前記加湿チャンバとの間に作用するとともに、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように動作可能である、少なくとも1つの第1結合デバイスを有する、請求項55~77のいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記第1押圧力が、前記加湿チャンバを前記解除位置から前記動作位置まで移動させ、前記第1結合デバイスを、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように作動させる、請求項75又は76に従属する場合の請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記第1押圧力が、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させて前記第1結合デバイスを作動させ、前記第1押圧力が取り除かれると、前記アクチュエータが、前記加湿チャンバを、前記加湿チャンバが解除可能に係止される前記動作位置まで移動させることができる、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
前記第1結合デバイスが、前記加湿チャンバを前記動作位置の内側に移動させる前記第2押圧力の作用により係止解除され、その後、戦記第1押圧力が取り除かれる、請求項78~80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記第1結合デバイスが、可動係止部材、及び前記係止部材を中間位置に向かって付勢する付勢部材と、前記係止部材が係合する作業面を有する固定カムとを有し、前記加湿チャンバが前記解除位置から前記動作位置に向かって移動する際に前記係止部材を前記中間位置から離れるように移動させ、前記作業面が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記付勢部材の作用により前記係止部材を受け入れる凹面を含み、前記係止部材は、前記加湿チャンバを前記加湿コンパートメント内に内側に移動させることにより前記凹面から外すことができ、前記固定カムが前記加湿コンパートメントの内面に配置され、前記係止部材が前記加湿チャンバに接続されている、請求項78~80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記固定カムの前記凹面が、前記加湿コンパートメントの内側方向に面している、請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記第1結合デバイスが、可動係止部材、及び前記係止部材を中間位置に向かって付勢する付勢部材と、前記係止部材が係合する作業面を有する固定カムとを有し、前記加湿チャンバが前記解除位置から前記動作位置に向かって移動する際に前記係止部材を前記中間位置から離れるように移動させ、前記作業面が、前記加湿チャンバが前記動作位置にあるときに前記係止部材を受け入れる凹面を有し、前記係止部材は、前記加湿チャンバを前記加湿コンパートメント内に内側に移動させることにより前記凹面から外すことができ、前記係止部材は、前記加湿コンパートメントの内面に配置することができ、前記固定カムは、前記加湿チャンバに接続することができる、請求項82に記載の装置。
【請求項85】
前記凹面が、前記加湿コンパートメントの内側方向に面している、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
前記付勢部材が、前記加湿チャンバが前記動作位置に向かって移動する際に前記係止部材が前記固定カムの上を摺動する際に増大する抵抗力を提供し、前記抵抗力が、少なくとも一部、前記係止部材を前記凹面内に保持する、請求項82~85のいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記アクチュエータが、前記解除位置から前記動作位置への方向において加湿チャンバに作用力又は抵抗を加えることにより、前記固定カムの前記凹面内に前記係止部材を保持するのに役立つ、請求項82~86のいずれか一項に記載の装置。
【請求項88】
前記装置が、前記ガス流の加湿を増加又は制御するように前記加湿チャンバ内の水を加熱する被給電デバイスを含む、請求項55~87のいずれか一項に記載の装置。
【請求項89】
前記被給電デバイスが、前記加湿チャンバと熱係合するヒータ素子を含む、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記アクチュエータが、前記動作位置から前記解除位置に向かう方向において前記加湿チャンバに作用力を加えることができ、前記第1結合デバイスが、前記加湿コンパートメント内の適所で前記力に抗して前記加湿チャンバを固定し、それにより、前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧することができる、請求項58に従属する場合の請求項78~87のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
前記加湿コンパートメントが、前記加湿チャンバのヒータベースと熱係合するヒータ素子を有し、前記装置が、前記加湿チャンバと前記加湿コンパートメントとの間に作用するとともに、前記加湿チャンバを前記動作位置で解除可能に係止するように動作可能である、少なくとも1つの第1結合デバイスを有し、前記アクチュエータが前記加湿チャンバに作用力を加える一方で、前記第1結合デバイスが、前記加湿チャンバを前記作用力に抗して前記動作位置で固定し、それにより、前記ヒータベースに対して前記ヒータ素子を押圧する、請求項55~90のいずれか一項に記載の装置。
【請求項92】
前記被給電デバイスが、前記加湿コンパートメント内の誘導発電機を含み、前記誘導発電機が、前記加湿チャンバ内の前記水を加熱するように前記誘導発電機からのエネルギーにさらされると加熱する、前記加湿チャンバの協働するヒータベースを動作させる、請求項88に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/889288号明細書に対する優先権を主張し、その出願の全内容が直接参照することにより本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ガス流を加湿するために使用することができる加湿装置に関する。加湿されたガス流は、気道陽圧(PAP)療法のため等、呼吸補助のために患者に送達することができる。
【背景技術】
【0003】
加湿装置は、多くの場合、ある量の水を収容する加湿チャンバを有する。ガス流は、加湿チャンバを通過する際に加湿される。加湿チャンバを空にし、清掃し、再充填するプロセスを使用者にとって好都合なものとするために、チャンバは、通常、装置の残りの部分から取外し可能である。既存の装置の問題は、加湿チャンバの取外しが、特に手指の巧緻性が低い使用者には身体的に困難である可能性がある、ということである。したがって、チャンバを装置に挿入するとともに装置から取り外すことが直観的であり及び/又は比較的簡単明瞭である、代替装置が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
水を収容する取外し可能な加湿チャンバと、
加湿チャンバを受け入れる加湿コンパートメントと、
使用者が加湿チャンバを、加湿チャンバが加湿コンパートメントによって受け入れられ、加湿チャンバを通って延在する部分を含む流路がガス流のために提供される、動作位置から、加湿チャンバが動作位置から外側に変位し、使用者が本装置から加湿チャンバを取り外すことができる、解除位置まで、移動させるように操作することができるアクチュエータと、
を含む、加湿装置に関する。
【0005】
流路は、ブロワから延在する第1部分と、装置出口ポートまで延在する第2部分とを含むことができる。流路の第1部分及び第2部分は、加湿チャンバの位置とは無関係に存在し得る。加湿チャンバが動作位置にあるとき、流路は、ブロワから装置出口ポートまで装置を通して完成する。
【0006】
本発明の別の態様は、加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
患者へのガスの送達を可能にする装置出口ポートと、
水を収容する取外し可能な加湿チャンバと、
加湿チャンバを受け入れる加湿コンパートメントと、
ブロワから装置出口ポートまで装置を通る流路と、
使用者が加湿チャンバを、加湿チャンバが加湿コンパートメントによって受け入れられ、加湿チャンバが加湿装置を通る流路の一部を形成する、動作位置から、加湿チャンバが動作位置から外側に変位し、使用者が装置から加湿チャンバを取り外すことができる、解除位置まで、移動させるように操作することができるアクチュエータと、
を含む、加湿装置に関する。
【0007】
本装置は、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿チャンバ内の水を加熱するように動作可能である被給電(powered)デバイスを有することができる。
【0008】
アクチュエータは、被給電デバイスが動作可能であるように、動作位置にある加湿チャンバに対して被給電デバイスを位置付けることができる。
【0009】
加湿チャンバは熱伝導性ヒータベースを有することができ、加湿コンパートメントはヒータ素子を有することができ、アクチュエータは、加湿チャンバが動作位置にあるときにヒータベースに対してヒータ素子を押圧する。
【0010】
加湿コンパートメントは、呼吸可能ガスの流れを発生させるブロワの出口と連通している、以下出口ポートと称する流路出口ポートを有することができる。
【0011】
装置出口ポートはハウジング出口ポートであり得る。例えば、ハウジング出口ポートは、加湿コンパートメントにあり得る。
【0012】
装置出口ポートは加湿チャンバにあり得る。例えば、加湿チャンバの蓋に。
【0013】
加湿コンパートメントは、ガス流を使用者に供給するガス流導管と連通することができる、以下入口ポートと称する流路入口ポート、又は、ガス流導管を接続することができる装置出口ポートを有することができる。
【0014】
加湿チャンバは、チャンバ入口及びチャンバ出口を有することができ、そこでは、チャンバ入口は出口ポートと連通し、チャンバ出口は入口ポートと連通する。
【0015】
加湿チャンバが動作位置にあるとき、流路は、封止され、ブロワから、加湿チャンバを通って、装置出口ポート又はガス流導管まで延在する。
【0016】
流路の第1部分は、動作位置にあるとき、加湿チャンバに封止することができる。
【0017】
流路の第2部分は、動作位置にあるとき、加湿チャンバに封止することができる。第2部分はハウジング内にあり得る。ハウジングは加湿コンパートメントを画定することができ、装置出口ポートはハウジングにあり得る。
【0018】
装置出口ポートが加湿チャンバにある場合、流路の第2部分は加湿チャンバ内に配置することができる。
【0019】
解除位置では、流路の第1部分は加湿チャンバから遮断することができる。
【0020】
解除位置では、流路の第2部分は加湿チャンバから遮断することができる。すなわち、加湿チャンバと流路の第1部分及び第2部分との間の流路は、加湿チャンバが解除位置にあるとき、封止されなくなり得る。流路が遮断されているとき、加湿チャンバと加湿コンパートメントとの間の有効な流れ連通は存在しない。
【0021】
本装置は、アクチュエータが動作可能に接続される可動ベースも含むことができ、加湿チャンバは、ベースの上に位置している間に動作位置から解除位置まで移動することができる。
【0022】
1つの例では、使用者は、加湿チャンバを解除位置から動作位置まで手で移動させることができる。この状況では、アクチュエータは、オフとされ、切断されている等、停止状態であり得るか、又は、アクチュエータは、受動モードを有することができる。アクチュエータは、作用力又は抵抗も有することができ、使用者は、アクチュエータに対して加湿チャンバを押し付ける。
【0023】
別の例では、使用者は、加湿チャンバを解除位置から動作位置まで移動させるようにアクチュエータを操作することもできる。
【0024】
加湿チャンバは、解除位置と動作位置との間で上方及び下方に移動することができる。
【0025】
加湿コンパートメントは、加湿チャンバを受け入れる、以下上部開口部と称する、上方に向いた開口部を有する、凹部を有することができる。
【0026】
1つの例では、ベースは、加湿チャンバが解除位置と動作位置との間で移動する際、コンパートメント内を移動することができる。
【0027】
加湿チャンバは、動作位置と解除位置との間で解除位置を移動する。解除距離は、2~20cmの範囲、好適には3~10cmの範囲、さらにより好適には4~10cmの範囲であり得る。
【0028】
動作位置では、加湿チャンバは流路の別の部分を画定する。
【0029】
動作位置では、加湿チャンバは、加湿コンパートメントから突出しないように配置することができる。1つの例では、動作位置では、チャンバ蓋等の加湿チャンバの外面が加湿コンパートメントと同一平面であり得る。
【0030】
動作位置では、加湿チャンバは、加湿コンパートメント内に配置することができる。
【0031】
加湿チャンバは、加湿チャンバが解除位置にあるとき、加湿コンパートメントから突出する把持部を有することができる。言い換えれば、解除位置では、加湿チャンバの把持部は、使用者が、把持部を保持することにより加湿チャンバをコンパートメントから手で取り外すことができるように、加湿コンパートメントから突出する。
【0032】
動作位置では、把持部は、加湿コンパートメント内に配置することができる。すなわち、把持部を視界から隠すことができる。
【0033】
把持部は、加湿コンパートメントの開口部の外側に延在するチャンバの外側側壁の一部を含むことができる。
【0034】
把持部は、チャンバの外側側壁の上方周辺部分を含むことができる。
【0035】
把持部は、加湿チャンバの上のカバーを含むことができる。
【0036】
把持部は、使用者の指先を受け入れるようなサイズである指かけ凹部を有することができる。
【0037】
把持部は、加湿チャンバの隣接面と比較して使用者の手に対してより高い摩擦を有する摩擦面を有することができる。例えば、摩擦誘導面は、波形、隆起、トラフ及びリブ等の構造を有することができる。
【0038】
把持部は、弾性的に圧縮可能な材料、例えば、ゴム引き材料、独立気泡フォーム、又はシリコーンを含む材料を有することもできる。
【0039】
把持部は、加湿チャンバから延在する少なくとも1つのハンドルを含むことができる。
【0040】
アクチュエータは、使用者により、加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるようにベースの移動を制御するように操作可能であり得る。
【0041】
アクチュエータは、使用者により、ベースの上に配置された加湿チャンバの、加湿チャンバが加湿コンポーネントから突出しないように配置される動作位置から、加湿チャンバが加湿コンパートメントから突出する解除位置までの移動を制御するように、操作可能であり得る。
【0042】
アクチュエータは、ベースを解除距離にわたって移動させるように動作可能であり得る。
【0043】
例えば、アクチュエータは、ベース、さらには加湿チャンバを、動作位置と解除位置との間で1~20cm(すなわち、0.39~7.86インチ)の範囲にわたって移動させるように動作可能であり得る。さらにより好適には、アクチュエータは、ベース、さらには加湿チャンバを、2~10cm、3~10cm、又は4~10cm、又は4~6cm(すなわち、1.57~2.36インチ)の範囲にわたり、移動させるように動作可能であり得る。
【0044】
使用者は、加湿チャンバに、加湿チャンバを解除位置から動作位置まで移動させる第1押圧力を加えることにより、アクチュエータを操作することができる。アクチュエータは、使用者により、加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるように選択的に操作することもできる。
【0045】
アクチュエータは、加湿チャンバを動作位置から解除位置に向かって移動させるようにベースを付勢する付勢デバイス等、任意の好適な非動力アクチュエータであり得る。
【0046】
付勢デバイスは、加湿チャンバが動作位置にあるときは負荷がかけられ、加湿チャンバが解除位置にあるときは比較的応力が加えられないようにすることができる。付勢デバイスは、負荷がかけられると、応力が加えられ、無負荷であるとき、比較的応力が加えられない。
【0047】
付勢デバイスは、加湿チャンバが動作位置及び解除位置にあるとき、応力が加えられないようにすることができ、動作位置と解除位置との間で移行するとき、比較的負荷がかけられるようにすることができる。
【0048】
アクチュエータは、使用者により、最初に加湿チャンバを動作位置の内側に移動させる第2押圧力を加湿チャンバに加え、その後、第2押圧力を取り除くことにより、加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるように、選択的に操作することができる。加湿チャンバを内側に押すことにより、加湿チャンバは加湿コンパートメント内にさらに移動する。
【0049】
第2押圧力が取り除かれると、アクチュエータは、ベースを移動させ、次いで加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるように、動作可能である。
【0050】
ベースは、加湿チャンバが動作位置にあるとき、加湿コンパートメント内で固定位置に保持することができる。
【0051】
付勢デバイスは、圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、皿ばね、ガスストラット、空気圧コンデンサ、油圧コンデンサ又ははさみばね等、任意の1つ又は複数のデバイスを含むことができる。
【0052】
1つの例では、付勢デバイスは、並列に配置された複数のばねを含むことができる。例えば、付勢デバイスは、ベースに動作可能に接続される4~8個の圧縮ばねを含むことができる。
【0053】
別の例では、アクチュエータは、任意の好適な動力アクチュエータであり得る。好適な動力アクチュエータの例としては、動力駆動スクリューラム、動力駆動車、動力駆動ラック及びピニオン、及び動力駆動スライダ、動力駆動プーリ及びケーブルシステム、動力駆動ピストン及びシリンダアセンブリ、又は動力駆動カムアセンブリが挙げられる。これらの例では、動力駆動は、電気駆動、空気圧駆動又は液圧駆動等であり得る。
【0054】
アクチュエータは、ベースの移動、さらには加湿チャンバの動作位置と解除位置との間の移動を制御する、ボタン、スイッチ又は制御つまみ等のコントローラによって操作することができる。例えば、コントローラを使用して、動力アクチュエータの形態である場合のアクチュエータの動作を制御することができる。
【0055】
別の例では、ベースは、動作位置と解除位置との間で横向きに移動することができる。例えば、ベースは、水平に移動する引出し(draw)の一部を形成することができる。この例では、コンパートメントは、側壁に、加湿チャンバを受け入れる開口部を有することができる。加湿チャンバが解除位置に配置されると、ベースは、側壁の開口部を貫通して延在することができ、それにより、使用者は、ベースの上の加湿チャンバを手で取り外して交換することができる。この場合、アクチュエータは、水平面において作用力又は抵抗を加えることができる。
【0056】
本装置は、ガス流の加湿を増加又は制御するように、加湿チャンバ内の水を加熱する被給電デバイスを含むことができる。被給電デバイスは、加湿チャンバ内に配置された加熱素子及び/又は加湿チャンバと熱係合するヒータプレートを含む、ヒータアセンブリを含むことができる。
【0057】
例えば、被給電ヒータアセンブリは、ベース上に、加熱するように通電することができる被給電ヒータプレートを含むことができ、加湿チャンバは熱伝導性ヒータベースを有することができ、ヒータベースは、ヒータプレートの上に、それらが熱係合するように位置する。
【0058】
例えば、被給電ヒータアセンブリは、加湿チャンバ内に配置された被給電加熱素子と、加熱素子を電源に電気的に接続する電気結合部とを含むことができる。電気結合部は、継手、ソケット、シールド付き及びシールドなし継手、リード線上の継手等を含む任意の好適なコネクタであり得る。
【0059】
電気結合部は、加湿チャンバをベースの上の正確な位置に配置することにより接続することができる。
【0060】
例えば、電気結合部は、加湿チャンバの底壁のソケットによって受け入れられる、ベース上の電気的に活性の中心ポストを含むことができる。
【0061】
例えば、電気結合部は、加湿チャンバが動作位置でコンパートメントによって受け入れられると電気的に接続され、加湿チャンバが解除位置にあるときは電気的に切断される、加湿チャンバ及び加湿コンパートメント上のコネクタを有することができる。
【0062】
例えば、コネクタは、加湿チャンバの側壁と、加湿チャンバに面する加湿コンパートメントの部分とに配置することができる。理想的には、加湿チャンバ上のコネクタは、加湿コンパートメントのベースからある高さに配置される。電気接続部が下方の底壁ではなく加湿チャンバの側壁に配置されていることにより、電気コネクタ内への水の浸入のリスクを低下させることができる。
【0063】
別の例では、加湿チャンバ上のコネクタは、加湿チャンバの底壁に又は底壁に向かって配置することができ、加湿コンパートメント上のコネクタは、加湿チャンバが動作位置にあるときに接続するように位置決めされる。
【0064】
一実施形態では、被給電デバイスは、加湿コンパートメント内の誘導発電機と、加湿チャンバ内の水を加熱するように誘導発電機からのエネルギーにさらされると加熱する、加湿チャンバの協働するヒータベースとを含むことができる。「誘導発電機」という用語は、加湿チャンバのヒータベース等の目標抵抗材料内に電流を発生させ、それにより加湿チャンバ内に熱を発生させる電磁石を通して、高周波交流電流を発生させるデバイスを包含することが理解されよう。誘導を使用して加湿チャンバ内の水を加熱する利点は、水を加熱する効率が、加湿チャンバとの伝導性熱係合に依存しないということである。
【0065】
本装置は、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿コンパートメントと加湿チャンバとの間に延在する、流路を封止する封止アセンブリを含むことができる。
【0066】
封止アセンブリは、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿コンパートメントの上部開口部と加湿チャンバとの間にシールを提供することもできる。
【0067】
封止アセンブリは、加湿チャンバの外壁の一部の周囲に延在するチャンバ封止部材を含むことができる。好適には、チャンバ封止部材は、加湿チャンバの外壁の上部の周囲に配置される。
【0068】
チャンバ封止部材は、加湿チャンバの外壁の上部の外周部に配置することができる。
【0069】
1つの例では、チャンバ封止部材は、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿コンパートメントの内壁と封止係合することができる。
【0070】
封止アセンブリは、加湿コンパートメントの上方に向いた開口部の周囲に延在するコンパートメント封止部材を含むことができる。好適には、コンパートメント封止部材は、加湿コンパートメントの上部開口部の周囲に配置することができる。
【0071】
コンパートメント封止部材は、加湿コンパートメントの上部開口部の外周部の周囲に配置することができる。
【0072】
1つの例では、コンパートメント封止部材は、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿チャンバと封止係合することができる。この状況では、加湿チャンバは、チャンバ封止部材を有していても有していなくてもよい。
【0073】
同様に、コンパートメント封止部材がチャンバ封止部材なしに存在することも可能である。
【0074】
1つの例では、チャンバ封止部材及びコンパートメント封止部材は、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿コンパートメントを封止するように封止係合することができる。
【0075】
チャンバ封止部材は、直立面、水平面、又は直立面に対して角度をなして延在する角度付き面のいずれか1つ又は組合せを含む、加湿チャンバの任意の好適な面に配置することができる。
【0076】
同様に、コンパートメント封止部材は、直立面、水平面、又は直立面に対して角度をなして延在する角度付き面のいずれか1つ又は組合せを含む、加湿コンパートメントの任意の好適な面に配置することができる。
【0077】
封止アセンブリは、加湿コンパートメントの出口ポートとチャンバ入口との間の接続部を封止する流路封止部材も含むことができる。
【0078】
例えば、封止アセンブリは、
i)加湿コンパートメントの出口ポートにおける出口ポート封止部材と、
ii)チャンバ入口における入口封止部材と、
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0079】
出口ポート封止部材及び入口封止部材のうちのいずれか一方又は両方は、チャンバ入口及びコンパートメントの出口ポートの周囲に延在し、加湿チャンバが動作位置にあるときに加湿コンパートメントと加湿チャンバとの間に延在する流路を封止することができる。
【0080】
封止アセンブリは、チャンバ出口とコンパートメントの入口ポートとの間を封止する流路封止部材を含むことができる。
【0081】
例えば、封止アセンブリは、
i)加湿コンパートメントの入口ポートにおける入口ポート封止部材と、
ii)チャンバ出口における出口封止部材と、
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0082】
入口ポート封止部材及び出口封止部材のうちのいずれか一方又は両方は、コンパートメントの入口ポート及びチャンバ出口の周囲に延在し、加湿チャンバが動作位置にあるとき、加湿コンパートメントと加湿チャンバとの間に延在する流路を封止することができる。
【0083】
流路は、上記で概説したような封止選択肢のうちの1つ又は組合せによって封止することができることが理解されよう。例えば、流路は、以下のうちの1つにより封止することができる。
a)加湿コンパートメントの上部開口部及び加湿チャンバの周囲のシール。このシールを形成する利点のうちの1つは、加湿コンパートメント及び加湿チャンバを、ともに同様の圧力まで加圧することができ、それにより、コンパートメント出口ポートとチャンバ入口との間のシールのある程度の不完全、又はコンパートメント入口ポートとチャンバ出口との間のシールにおけるある程度の不完全を可能にする、ということである。
b)コンパートメント出口ポート及びチャンバ入口の周囲のシール、並びにチャンバ出口のコンパートメント入口ポートの周囲のシール。このシールを形成する利点のうちの1つは、加湿コンパートメントの上部開口部と加湿チャンバとの間のシールが冗長であり得ることである。
c)加湿コンパートメントの上部開口部及び加湿チャンバの周囲のシール、並びにコンパートメント出口ポート及びチャンバ入口の周囲のシール。
d)加湿コンパートメントの上部開口部及び加湿チャンバの周囲のシール、並びにコンパートメント入口ポート及びチャンバ出口の周囲のシール。
【0084】
本装置は、加湿チャンバと加湿コンパートメントとの間に作用する第1結合デバイスを有することができる。
【0085】
第1結合デバイスは、加湿チャンバを動作位置で解除可能に係止するように動作可能であり得る。
【0086】
第1押圧力は、加湿チャンバを解除位置から動作位置まで移動させ、加湿チャンバを動作位置で解除可能に係止するように第1結合デバイスを作動させることができる。
【0087】
第1押圧力は、加湿チャンバを動作位置の内側に移動させて第1結合デバイスを動作/作動させることができ、第1押圧力が取り除かれると、アクチュエータにより、加湿チャンバは動作位置まで移動することができ、そこで加湿チャンバは解除可能に係止される。
【0088】
アクチュエータは、加湿チャンバが動作位置にあるときに開口部に向かって作用力又は抵抗を加えることができ、第1結合デバイスは、その力に抗して加湿コンパートメント内で加湿チャンバを適所に固定し、それにより加湿チャンバに対してヒータプレートを押圧することができる。これが提供する1つの利点は、アクチュエータによって加えられる力を増大させることにより、ヒータプレートと加湿チャンバとの熱係合の程度を増大させることができるということである。作用力又は抵抗は、動作位置から解除位置までの方向に作用することができる。すなわち、加湿チャンバが加湿コンパートメント内で上方及び下方に移動するとき、作用力は、ヒータ素子を加湿チャンバの上に上向きに押圧することができる。
【0089】
加湿チャンバは、熱伝導性ヒータベースを有することができ、加湿コンパートメントはヒータ素子を有することができ、本装置は、加湿チャンバと加湿コンパートメントとの間に作用するとともに、加湿チャンバを動作位置で解除可能に係止するように動作可能な、少なくとも1つの第1結合デバイスを有することができ、アクチュエータは、加湿チャンバに作用力を加え、その一方で、第1結合デバイスは、その作用力に抗して加湿チャンバを動作位置で固定し、それにより、ヒータ素子をヒータベースに対して押圧する。
【0090】
ヒータ素子はヒータプレートを含むことができる。
【0091】
第1結合デバイスは、加湿チャンバを動作位置の内側に移動させる第2押圧力の作用により、係止解除することができる。
【0092】
第1結合デバイスは、可動係止部材、及び係止部材を中間位置に向かって付勢する付勢部材と、係止部材が係合する作業面を有する固定カムとを有し、加湿チャンバが解除位置から動作位置に向かって移動する際に、係止部材を中間位置から離れるように移動させ、作業面は、係止部材を受け入れる凹面を含み、係止部材は、加湿チャンバを加湿コンパートメント内に内側に移動させることにより凹面から外すことができる。
【0093】
別の例では、固定カムは、加湿コンパートメントの内面に配置することができ、係止部材は、加湿チャンバに接続することができる。
【0094】
この場合では、固定カムの凹面は、加湿コンパートメントの床に向かう等、加湿コンパートメントの内側方向に面することができる。言い換えれば、凹面は、加湿チャンバの解除位置から動作位置まで移動する移動に対して平行な方向に面することができる。
【0095】
別の例では、係止部材は、加湿コンパートメントの内面に配置することができ、固定カムは、加湿チャンバに接続することができる。
【0096】
この場合では、凹面は、加湿コンパートメントの外側方向に面することができる。言い換えれば、凹面は、加湿チャンバの動作位置から解除位置まで移動する移動に対して平行な方向に面することができる。
【0097】
付勢部材は、加湿チャンバが動作位置に向かって移動する際に係止部材が固定カムの上を摺動する際に増大する抵抗力を提供することができる。
【0098】
さらに、アクチュエータは、加湿チャンバを動作位置に向かって移動させるときに使用者が押し返す作用力又は抵抗も有することができる。
【0099】
付勢部材は、加湿チャンバが動作位置にあるときに係止部材を凹面内に押し込むことができる。
【0100】
アクチュエータは、解除位置から動作位置までの方向において加湿チャンバに作用力又は抵抗を加えることにより、固定カムの凹面内に係止部材を保持するのに役立つことができる。
【0101】
アクチュエータは、第1結合デバイスが作動停止したときに加湿チャンバを動作位置から解除位置に向かって移動させるように動作可能であり得る。
【0102】
係止部材は、可撓性アームから延在する突起であり得る。
【0103】
加湿チャンバと加湿コンパートメントとの間に、複数の第1結合デバイスを配置することができる。この場合、第1結合デバイスは、加湿チャンバ及び加湿コンパートメントの周囲に等間隔に配置することができる。
【0104】
本装置は、加湿チャンバが動作位置にあるときにベースの位置を解除可能に係止するようにベースと加湿コンパートメントとの間に作用する第2結合デバイスを含むことができる。
【0105】
第2結合デバイスは、加湿チャンバ(及びベース)を内側に移動させる第2押圧力により解除することができ、それにより、アクチュエータは、ベース及び加湿チャンバを解除位置まで移動させることができる。
【0106】
第2結合デバイスは、アクチュエータに接続された突起を含むことができ、突起は、加湿チャンバが動作位置にあるときに開口部によって受け入れることができ、突起は、第2押圧力により開口部から外すことができる。
【0107】
第2結合デバイスは付勢デバイスに接続することができる。
【0108】
本装置は、加湿コンパートメントの開口部の上に延在する蓋を有することができる。
【0109】
蓋は、開放位置と閉鎖位置との間で移動し、加湿コンパートメントと封止係合してコンパートメントを閉鎖位置で密閉することができる。1つの例では、蓋は、加湿チャンバを押圧することができ、それにより、ヒータベースがヒータ素子に対して保持される。
【0110】
加湿チャンバは、加湿チャンバを開閉することができるチャンバ蓋も有することができる。
【0111】
本発明の別の態様は、
水を収容する取外し可能な加湿チャンバと、
加湿チャンバを受け入れる加湿コンパートメントと、
ガス流のための流路と、
アクチュエータと、加湿チャンバを配置することができるベースとを有するローダであって、アクチュエータが、使用者により、ベースを移動させ、i)加湿チャンバが加湿コンパートメントによって受け入れられるとともに、流路と連通してガス流が加湿チャンバを通過するのを可能にする動作位置から、ii)使用者により加湿コンパートメントから加湿チャンバを取り外すことができる解除位置まで、加湿チャンバを移動させるように操作することができる、ローダと、
を含む加湿装置に関する。
【0112】
本発明の別の態様は、加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
ガス流のための流路と、
取外し可能な加湿チャンバを受け入れることができる加湿コンパートメントと、
加湿チャンバを移動させるアクチュエータであって、使用者により加湿チャンバを移動させるように操作することができ、それにより、加湿チャンバが、
i)加湿チャンバが加湿コンパートメントによって受け入れられ、流路が加湿チャンバと連通して、ガス流がそこを通過することができるようにする、動作位置から、
ii)加湿チャンバが動作位置から外側に変位し、使用者が、加湿チャンバを加湿コンパートメントから取り外すことができる解除位置まで
移動する、アクチュエータと、
を含む加湿装置に関する。
【0113】
本発明の別の態様は、加湿装置であって、
ガス流を発生させるブロワと、
患者へのガスの送達を可能にする装置出口ポートと、
水を収容するとともに熱伝導性ヒータベースを含む、取外し可能な加湿チャンバと、
加湿チャンバを受け入れるとともにヒータ素子を含む、加湿コンパートメントと、
ブロワから装置出口ポートまで装置を通る流路と、
加湿チャンバを、加湿チャンバが加湿コンパートメントによって受け入れられ、加湿チャンバが加湿装置を通る流路の一部を形成する、動作位置から、加湿チャンバが動作位置から外側に変位し、使用者が装置から加湿チャンバを取り外すことができる、解除位置まで、移動させるアクチュエータであって、動作位置でヒータ素子をヒータベースに対して付勢するアクチュエータと、
を含む、加湿装置に関する。
【0114】
段落[0111]~[0113]に記載する加湿装置は、本明細書に記載する特徴のうちの任意の1つ又は組合せを含むことができる。
【0115】
本明細書を通して、「加湿コンパートメント」及び「コンパートメント」という用語は、同義で使用する。同様に、「加湿チャンバ」及び「チャンバ」という用語は同義で使用し、「加湿装置」及び「装置」という用語もまた同義で使用する。
【0116】
ここで、本発明の好ましい実施形態について、以下のように要約する添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
図1】加湿コンパートメントと、動作位置でコンパートメント内に位置決めされる取外し可能な加湿チャンバと、加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させるために使用者により操作可能であるアクチュエータと、呼吸可能ガスの流れを発生させるブロワと、加湿されたガス流を使用者に供給する導管とを有する装置を含む、呼吸機器の概略図である。
図2】加湿チャンバが、加湿チャンバの頂部が加湿コンパートメントの頂部と同一平面に位置する動作位置にある、図1に示す装置の概略斜視図である。
図3】使用者が加湿チャンバをコンパートメント内に最初に装填している、図1及び図2に示す装置の概略断面図である。
図4】加湿チャンバが、チャンバがコンパートメントの頂部から突き出ている解除位置に配置されており、使用者が矢印Aの方向において第1押圧力を加えている、図3に示す装置の概略断面図である。
図5】第1押圧力が、加湿チャンバを解除位置から動作位置を越えて内側に第1結合デバイスと係合する最内位置まで(すなわち、最下位置まで)移動させた、図4に示す装置の概略断面図である。
図6】使用者が第1押圧力を加えるのを停止し、加湿チャンバが第1及び/又は第2結合デバイスにより動作位置において解除可能に係止されている、図5に示す装置の概略断面図である。加湿チャンバは、アクチュエータの作用により、図5に示すような最内位置から図6に示すような動作位置まで移動する。
図7】使用者が、矢印Aの方向において第2押圧力を加えて、加湿チャンバを動作位置から内側に第1及び/又は第2結合デバイスを分離する最内位置まで移動させる、図6に示す装置の概略断面図である。
図8】使用者が第2押圧力を加えるのを停止し、その後、アクチュエータが加湿チャンバを動作位置から解除位置まで移動させた、図7に示す装置の概略断面図である。
図9】加湿チャンバをコンパートメント内において動作位置で解除可能に係止する第1結合デバイスを有する、別の例による図1に示す装置の概略斜視図である。コンパートメントの壁は透明な態様で示されており、図の明確さを維持するために、ガス流及びチャンバの蓋に関連する特徴を含む複数の詳細は省略されている。加湿チャンバは、解除位置で示されており、チャンバの周囲に3つの第1結合デバイスが間隔を空けて配置されている。
図10】加湿チャンバが解除位置で示されている、図9に示す装置の側面図である。
図11】第1結合デバイスが動作位置で加湿チャンバを解除可能に結合している、加湿チャンバを含む図9に示す装置の側面図である。
図12】加湿チャンバが動作位置から内側に押されて第1結合デバイスを解除した、加湿チャンバを含む図9に示す装置の側面図である。
図13図9に示す第1結合デバイスと、第1結合デバイスの係止部材が移動する経路とのより詳細な図である。
図14】加湿チャンバが解除位置にあり、チャンバの上方部分の周囲に第1封止部材を有する、1つの例による図8に示す装置の概略斜視図である。
図15】加湿チャンバが解除位置にあり、加湿コンパートメントの開口部の周囲に第2封止部材を有する、別の例による図8に示す装置の概略斜視図である。
図16】加湿チャンバが解除位置にあり、加湿チャンバの上方部分の周囲の第1封止部材と加湿コンパートメントの開口部の周囲の第2封止部材とを有する、別の例による図8に示す装置の概略斜視図である。
図17】加湿チャンバ及びコンパートメントの上面が垂直に配置されている、例による図1図13に示す装置の概略断面図である。図14図16に示す第1封止部材及び/又は第2封止部材は、垂直面に配置することができる。
図18】加湿チャンバ及びコンパートメントの上面が、垂直面に対して角度をなして配置されている、例による図1図13に示す装置の概略断面図である。図14図16に示す第1封止部材及び/又は第2封止部材は、角度面に配置することができる。
図19】加湿チャンバ及びコンパートメントの上面が水平に配置されている、例による図1図13に示す装置の概略断面図である。図14図16に示す第1封止部材及び/又は第2封止部材は、水平面に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0118】
ここで、添付の図に示す特徴に対応する参照番号を含む以下の本文において、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかしながら、図の明確さを維持するために、各図にはすべての参照番号が含まれているとは限らない。
【0119】
図1は、加湿コンパートメント12と、加湿コンパートメント12によって受け入れられる取外し可能な加湿チャンバ14とを含む加湿装置11を備える、呼吸機器10を示す概略ブロック図である。装置11は、ブロワ17を収容するハウジング13を有し、ハウジングの一部は、上部開口部31を含む加湿コンパートメント12を画定し、上部開口部31により、加湿コンパートメント12は加湿チャンバ14を受け入れることができる。ハウジング13は、ブロワ17からガス流15を搬送する流路42の一部も画定する。加湿コンパートメント12は、加湿チャンバ14を動作位置から解除位置まで移動させるように使用者18によって操作可能であるアクチュエータ16を含む。加湿チャンバ14は、図1では動作位置で示されており、この位置では流路42の一部を形成する。チャンバ14は、加湿チャンバ14を通過するガス流15を加湿するある量の水も収容する。加湿装置11は、加湿された呼吸可能ガスの流れを使用者に搬送する、ハウジング出口ポート41においてハウジング13から出るか又はハウジング13に接続された導管23も有する。
【0120】
ハウジング13は、外壁に空気取入口21も有し、ブロワはそこからガスを受け取る。ブロワの出口は、出口ポート24まで延在する通路22に封止接続されている。図1に示すように、加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、出口ポート24はチャンバ入口25と連通し、それにより、チャンバ入口25はブロワ17と流体連通する。
【0121】
加湿チャンバ14は、加湿コンパートメント12の入口ポート27と連通するチャンバ出口26も含み、入口ポート27は、加湿ガスの流れを使用者18に搬送するために導管23が接続されているハウジング出口41と連通する。
【0122】
加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、出口ポート24は、チャンバ入口25に接続するか又は接触することができ、入口ポート27は、チャンバ出口26に接続するか又は接触して、流れ連通を提供することができる。言い換えれば、加湿チャンバ14は、動作位置に配置されたとき、流路42の一部を形成する。
【0123】
加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、出口ポート24をチャンバ入口25から間隔をあけて配置することができ、且つ/又は入口ポート27をチャンバ出口26から間隔を空けて配置することができることも可能であり、それらの間の流れ連通は、例えば図14図17に示すように、加湿コンパートメント12と加湿チャンバ14との間が封止されているため、依然として発生する。しかしながら、出口ポート24がチャンバ入口25に対して封止し、チャンバ出口26が入口ポート27に対して封止するときであっても、加湿コンパートメント12と加湿チャンバ14との間の封止を提供することができることが理解されよう。
【0124】
加湿チャンバ14における水位は、必要に応じて補充することができ、加湿チャンバ14はまた、衛生標準を維持するために清掃するべきである。両方の作業は、通常、特に機器が家庭環境で使用されている場合、機器10の使用者18、すなわち、医師又は看護師等の医療従事者ではなく患者により、実施される。しかしながら、使用者18は、高齢者であることが多く、例えば、関節炎等の他の病気により、手の動きが損なわれている可能性があるため、加湿チャンバ14を容易に取り外して再装填することが必要である。
【0125】
この必要性に対処するために、装置11のアクチュエータ16は、加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内で下降した動作位置から上昇した解除位置まで上方に移動させるように、使用者により制御及び操作される。好ましい実施形態によれば、アクチュエータ16は、図8に示すように、ベース28を矢印Bの方向において上方に付勢するために加湿コンパートメント12の床29とベース28との間に配置されている一組のばね(図では個々に示されていない)を備える無動力アクチュエータ16である。別の実施形態では、アクチュエータ16は、電気モータによって駆動されるスライダ等、動力アクチュエータであり得る。
【0126】
図には示さないが、ベース28は、コンパートメント12の床29のアパーチャ内に配置することができ、動作位置では、ベース28は、床29の高さと一致して又はそれよりも下方に配置することができる。この配置では、アクチュエータ16は、ベース28の周縁部とアパーチャの周縁部との間に配置することができる。
【0127】
図4及び図8は、解除位置にある、ベース28上の加湿チャンバ14を示す。
【0128】
図6は、動作位置にある、ベース28上の加湿チャンバ14を示す。
【0129】
図3は、使用者18がベース28上に加湿チャンバ14を手で装填している状態を示し、図4は、使用者が、矢印Aの方向に、すなわち、コンパートメント12の床29に向かって、加湿チャンバ14に第1押圧力を加えている状態を示す。第1押圧力は、ベース28及び加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内で、動作位置の内側である、図5に示すような最下位置まで下方に移動させる。加湿チャンバ14を最下位置まで移動させることにより、使用者18は、第1結合デバイス35を作動させる。
【0130】
言い換えれば、使用者18は、加湿チャンバ14を解除位置から最下位置まで移動させることにより、第1結合デバイス35を作動させる。図には示さないが、第1結合デバイス35は、使用者18が加湿チャンバ14を解除位置から解除位置の内側の任意の位置まで移動させることにより、動作させることができることが理解されよう。図には示さない別のあり得る変形形態は、第1押圧力Aが、アクチュエータ16に直接、又は、例えば、加湿チャンバ14を押圧するのではなくベース28から延在しているハンドルを介して、アクチュエータ16に間接的に、加えることができる、というものである。
【0131】
図には示さないが、第1結合デバイス35は、開口部内に受け入れられる突起を有するプッシュラッチデバイスであってもよく、例えば、ベースが、図5に示すもの等、最下位置まで動作位置の内側に移動することにより、突起を開口部内に受け入れることができる。第1結合デバイス35の好ましい詳細については、図9図13を参照して記載する。
【0132】
理想的には、インジケータが、第1結合デバイス35が作動したことを使用者に知らせる、視覚、触覚又は可聴出力等の出力を発する。インジケータの出力が検出されると、それにより、使用者は、第1押圧力を加えるのをやめることができ、加湿チャンバは、図6に示すように、アクチュエータ16の作用により、最下位置から動作位置まで移動し、そこで加湿コンパートメント12内で解除可能に係止される。
【0133】
加湿チャンバ14をコンパートメント12から取り外すために、使用者18は、矢印Aの方向に、すなわち、図7に見られるように、コンパートメント12の床29に向かう方向に、第2押圧力を加え、それにより、第1結合デバイス35は作動停止し、アクチュエータ16は、図8に示すように、ベース28及び加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内で矢印Bの方向において上方に移動させることができる。特に、加湿チャンバ14の頂部が、例えば1~20cmの範囲であり、好適には4~8cmの範囲であり得る解除距離だけ、加湿コンパートメント12の開口部31の上方に延在するように、アクチュエータ16は、加湿コンパートメント12内の上昇位置にベース28を配置するように構成されている。加湿コンパートメントの開口部の上方に延在する加湿チャンバ14の部分は、使用者18が、加湿チャンバ14をコンパートメント12から取り外すために自身の指で容易に握ることができる把持部32である。把持部32は、加湿コンパートメント12の開口部32よりも上方に延在するチャンバ14の外壁の任意の周縁部分であり得る。図には示さないが、把持部32は、使用者18が加湿チャンバ14を容易に扱うことができるようにする、指かけ凹部及び/又はアンダカット部を含む、任意の好適な輪郭を有することができる。図には示さないが、加湿チャンバ14はハンドルを含むこともできる。
【0134】
図1に最もよく見ることができるように、ベース28は、熱を発生させるように電力が供給されるヒータ素子33も含む。加湿チャンバ14のヒータベース34は、熱伝導性であり、使用中、ヒータ素子33からの熱を加湿チャンバ14内の水に伝達し、それにより、チャンバ14内の水の蒸発を増加させるとともに、使用者18に送達するために呼吸可能なガス流を加湿する。しかしながら、加湿チャンバ14内の水を他の手段を介して加熱することができることが理解されよう。例えば、1つの例では、加湿チャンバ14内に加熱素子を収容することができ、ベース28と加湿チャンバ14の加熱素子とに、協働する電気結合部を設けることができる。協働する電気結合部は、加湿チャンバ14がベース28の上に位置決めされたときに接続される。別の例では、電気結合部は、加湿コンパートメント12の側壁と加湿チャンバ14の側壁とに設けることができ、加湿チャンバが動作位置にあるときに接続される。
【0135】
第1結合デバイス35は、加湿チャンバ14とコンパートメント12との間に作用し、ヒータ素子33に対してヒータベース34を保持するように動作可能である。これにより、アクチュエータ16は、ヒータベース24に対してヒータ素子33を押圧して、それらの間の熱係合を促進することができる。言い換えれば、アクチュエータ16は、第1結合デバイス35が作動停止したときに加湿チャンバ14を動作位置から解除位置まで移動させることと、第1結合デバイス35が作動したときにヒータ素子33をヒータベース34に対して押圧することとの二重の目的を有することができる。
【0136】
図9図13は、加湿チャンバ14と加湿コンパートメント12との間に作用する第1結合デバイス35の詳細を示す。第1結合デバイス35は、加湿チャンバ14に取り付けられる突起を含む係止部材44が係合する、加湿コンパートメント12の内面に取り付けられた固定カム43を有し、係止部材44は、加湿チャンバ14が加湿コンパートメント12の内側及び外側に移動するときに固定カム43と係合する。好ましい実施形態の場合、加湿チャンバ14は、解除位置と動作位置との間で上方及び下方に移動し、係止部材44は、加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、固定カム43の先端部51における凹面50に解除可能に固定される(図13を参照)。
【0137】
係止部材44は、係止部材44を中間位置に向かって付勢する付勢部材45により、加湿チャンバ14に対して弾性的に移動可能である。理想的には、付勢部材45は、弾性的可撓性アーム45を有し、弾性的可撓性アーム45は、加湿チャンバ14に取り付けられ、加湿チャンバ14の解除位置と動作位置との間の移動の方向に対して横切る方向に撓むことができる。弾性的可撓性アーム45は、加湿チャンバ14の外面の窪み52内に配置されており、加湿チャンバ14に固定して取り付けることができる。弾性的可撓性アーム45は、加湿チャンバ14の外側連続面と一体的に、すなわち、窪みなしに形成し、且つ/又は、要求に応じて交換することができるように加湿チャンバ14に着脱可能に接続することができる。
【0138】
可撓性アーム45は、係止部材44が中間位置にあるとき、湾曲した板ばね片等の湾曲輪郭を含む、任意の初期形態を有することができることが理解されよう。しかしながら理想的には、アーム45は、アーム45が図9図10及び図12に示すような中間位置にあるとき、図13における軸X-Xに対して平行な直線長手方向軸を有する。
【0139】
可撓性アーム45は、任意の好適な材料から作製することができる。例として、ポリマー材料、又は鋼板ばねを含む金属材料が挙げられる。他の例では、付勢部材は、引張ばね又は圧縮ばね(図には示さず)のうちの1つ又は複数であり得る。
【0140】
固定カム43は、5つの作業面を有する楔形本体を有し、加湿チャンバ14が加湿コンパートメント12を出入りして移動する間に、係止部材44はその作業面の上を摺動する。図13に見ることができるように、固定カム43の作業面は、頂点P1から外側点P2及びP2までカム43に沿って延在する第1側面46及び第2側面47をそれぞれ含む。外側点P2は、軸X-Xから外側点P3よりもさらに離れて配置されている。固定カム43の先端部51は、点P2において第1側面46から軸X-Xに向かって延在する第1端面48と、点P3において第2側面47から延在する第2端面49とを有する。図13にもっともよく見ることができるように、第1端面48は、軸X-Xに対して垂直に延在し、第2端面49は、軸X-Xに対して横方向に延在する。固定カム43の先端部51は、第1結合デバイス35が作動したときに係止部材44が解除可能に配置される、第1端面48と第2端面49との間の凹面50の形態の保持構造も有する。
【0141】
係止部材44がカム43の表面46、47、48及び49の上を摺動する際、アーム45は軸X-Xから弾性的に撓み、表面46、47、48及び49に対して係止部材44を保持し、これは、第1結合デバイス35が作動したか否かに関して使用者に対するインジケータとして作用することができる。具体的には、係止部材44が第1端面48の上を凹面50内に移動すると、加湿チャンバ14は、動作位置を越える位置から動作位置まで上方に移動する。
【0142】
加湿チャンバ14が加湿コンパートメント12に装填されるとともに加湿コンパートメント12から取り出される手順は、以下の通りである。まず、使用者は、加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内に配置し、係止部材44は、最初に、図9及び図10に示すように加湿コンパートメント12の開口部の方に面するカム43の第1側面46と接触する。係止部材44が第1側面46と接触したとき、加湿チャンバ14の把持部32は、加湿コンパートメント12から突出する。
【0143】
第1結合デバイス35は、使用者が、加湿チャンバ14を図9及び図10に示す解除位置から下方に押し下げることにより作動し、それにより、係止部材44は、第1側面46の上を摺動し、点P2に達する。この段階で、加湿チャンバ14は、動作位置よりも加湿コンパートメント12のさらに内側に配置される。第1側面46の勾配及び輪郭と、係止部材44と第1側面46との間の摩擦とは、加湿チャンバ14が内側に押される際に使用者に所望の力及び触覚フィードバックを提供するように選択することができる。さらに、アーム45が撓む程度は、使用者が、第1結合デバイス35を作動させるために加湿チャンバ14を押圧しなければならない力の量に影響を与える。矢印D1によって表される、点P2における軸X-Xからの係止部材44の変位により、アーム45の最大撓み、したがって、加湿コンパートメント12内に移動している加湿チャンバ14に対して作用しているアーム45からの抵抗力が点P2でピークに達する点が決まる。アクチュエータ16からの抵抗力、存在する場合は第2結合デバイス30、又はヒータ素子33の付勢のうちの任意のもの又は組合せ等の他の力もまた、使用者が第1結合デバイス35を作動させるために加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内に押し込むときに使用者が知覚する可能性がある抵抗力に、寄与することができる。
【0144】
係止部材44が点P2を横切ると、図11に示すように、アーム45は軸X-Xに向かって係止部材44を付勢し、係止部材44は、係止部材44が凹面50によって受け入れられるまで第1端面48の上を摺動する。上述したように、加湿チャンバ14は、係止部材44が凹面50内に受け入れられる際に上方に移動する。第2端面49は、頂点P1から離れる方向に凹面50の縁部に対して鋭角で延在し、それにより、係止部材44が当接する障壁又は止め部を提供する。言い換えれば、凹面50及び第2端面49は、係止部材44が凹面50から不注意で分離するか又は外れるのを防止し、それにより、第1結合デバイス35を作動させるとともに加湿チャンバ14を動作位置で係止する。係止部材44は、動作位置にあるとき、軸X-Xから距離D2だけ変位し、アーム45からの付勢力は、凹面50及び第2端壁49に対して係止部材44を押圧する。上述したように、アクチュエータ16、存在する場合は第2結合デバイス30、又はヒータ素子33の付勢の力等、加湿コンパートメント12の開口部31に向かう方向における他の抵抗力もまた、図11に示すように動作位置にあるときに加湿チャンバ14に作用している可能性があり、それにより、係止部材44を凹面50内に押し込む。
【0145】
理想的には、加湿コンパートメント12上の固定カム43の位置と、アーム45の長さと、加湿チャンバ14の高さとは、第1結合デバイス45が作動したときに、加湿チャンバ14の上縁部が加湿コンパートメント12の頂部と同一平面であるように選択される。
【0146】
第1結合デバイス35を作動停止させるために、使用者は、加湿チャンバ14を加湿コンパートメント12内で内側に移動させる内向き押圧力を加え、それにより、係止部材44は、第2端面49に沿い、係止部材44が軸X-Xから距離D3だけ変位している点P3を越えて移動する。アーム45は、係止部材44をP3から軸X-Xに向かって移動させる付勢力を加える。そして、アクチュエータ16の作用力又は抵抗力は、加湿チャンバ14を動作位置から解除位置まで移動させることができる。解除位置にあるとき、係止部材44は、凹面50によって受け入れられておらず、係止部材44は、第1側面46及び第2側面47の上端部に向かって位置決めすることができる。
【0147】
矢印X-Xに対して平行な方向における第2端面49の長さにより、使用者が、第1結合デバイス35を作動停止させるように加湿チャンバ14を動作位置から加湿コンパートメント12内に内側に押さなければならない距離が決まる。第2端面49の曲率及び勾配と、係止部材44と第2端面49との間の摩擦とは、加湿チャンバ14が解除位置まで移動する際に使用者に対する力及び触感を変更するように選択又は調整することができる。
【0148】
図13において最もよく見ることができるように、第2端面49は、頂点P1に向かう方向に進んで右手側から左側へ軸X-Xを横切って延在している。加湿コンパートメント12から加湿チャンバ14を取り外すために、使用者は、加湿チャンバ14を持ち上げなければならず、それにより、係止部材44は、係止部材44が固定カム43の上点P1に達する際に距離D4だけ第2端面47の上を軸X-Xに対して横方向に摺動する。言い換えれば、第1結合デバイス35は、加湿チャンバ14が加湿コンパートメント12から引き抜かれる際にも抵抗力を提供する。それにより、加湿チャンバ14が加湿コンパートメント12から不注意で傾くことが防止される。好適には、加湿チャンバ14を取り外すための抵抗力は、加湿チャンバ14を動作位置に位置付けるための抵抗力よりも小さく、すなわち、D4は、軸X-XからD1よりも小さい。
【0149】
図9に見ることができるように、加湿チャンバ14及び加湿コンパートメント12の外周部に、複数の第1結合デバイス35を配置することができる。図9は、加湿チャンバ14及び加湿コンパートメント12の周囲に等間隔に配置された3つの第1結合デバイス35を示す。
【0150】
図には示さないが、固定カム43及び弾性的に移動可能な係止部材44の位置は、図に示すものと逆にすることができる。例えば、固定カム43は、頂点P1が加湿チャンバ14の底壁に向かい、係止部材44を受け入れる凹面50が加湿チャンバ14の頂部の方に面しているように、加湿チャンバ14の上に配置することができる。そして、加湿コンパートメント12の内面にアーム45を取り付けることができ、そこで、アーム45は、コンパートメント12に取り付けられた箇所から上方に延在し、係止部材44は、アーム45の先端部に向かって位置決めすることができる。
【0151】
図9図13に示す実施形態は、係止部材44が、加湿チャンバ14の壁に対しておよそ接線方向の平面において撓む弾性的可撓性アーム45に取り付けられている状態を示す。図に示さない別の変形形態は、係止部材44が、加湿コンパートメント12及び加湿チャンバ14の壁に向かい及び/又は壁から離れる方向に弾性的に移動することができる、というものである。この変形形態によれば、固定カム43の作業面が加湿コンパートメント12及び加湿チャンバ14の壁に対して横方向に配置される代わりに、カム43の作業面は、加湿コンパートメント12の壁に対して鋭角に配置することができ、弾性的に移動可能な係止部材44及びアーム可撓性アーム45は、加湿コンパートメント12の壁に向かって且つ/又は壁から離れるように移動することができる。加湿コンパートメントが円形断面を有する例では、アームは、半径方向に撓むことができる。
【0152】
望ましい場合は、可撓性アーム45、係止部材44、固定カム43のうちの1つ又は複数は、それぞれの加湿コンパートメント12及び/又は加湿チャンバ14に取外し可能に取り付けることができる。
【0153】
任意選択的に、装置11は、加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、アクチュエータ16、したがってベース28を係止するように作用する、第2結合デバイス30も含むことができる。第2結合デバイス30は、第1結合デバイス35に加えて、又はその代わりに設けることができる。しかしながら、好ましい実施形態では、第1結合デバイス35のみが設けられる。
【0154】
第1結合デバイス35及び/又は第2結合デバイス30は、スライドコネクタ、ねじコネクタ、バヨネットコネクタ、磁石コネクタ、プッシュラッチコネクタ、オス-メス締り嵌めコネクタ及びスナップフィットコネクタを含む、任意の協働するコネクタを備えることができる。
【0155】
さらに、本装置は、加湿コンパートメント12が加湿チャンバ14を受け入れるとともに第1結合デバイス35が作動するのを可能にするために位置合せしなければならない、図には示さないロケータ構造を有することができる。ロケータ構造は、図9図13に示すように、加湿チャンバ14及び加湿コンパートメント12が丸みのある断面を有する場合、必要である可能性がある。しかしながら、加湿コンパートメント14及び加湿チャンバ12が矩形断面を有する場合、ロケータ構造は不要である可能性がある。
【0156】
装置11は、加湿チャンバ14が動作位置にあるときに加湿コンパートメント12の上部開口部31を封止する封止アセンブリも含むことができる。加湿コンパートメント12と加湿チャンバ14との間のシールを形成する主な理由は、流路からの漏れを最小限にすることである。流路のいかなる漏れも、ガス流に圧力降下をもたらし、それにより、ブロワが、使用者に送達されているガス流の所望の圧力を維持するためにより多くの電力を消費しなければならないことになる。加湿コンパートメント12を封止する別の理由は、ブロワ17によって発生する騒音と装置11を通過するガス流によって発生する騒音とを減衰させることである。加湿コンパートメント12を封止するいくつかのあり得る封止アセンブリがある。
【0157】
図14図16は、封止アセンブリが、加湿チャンバの上方部分と加湿コンパートメント12の対応する上方部分との間に作用する、3つの例を概略的に示す。具体的には、図14は、加湿チャンバ14の外周部の周囲に延在するチャンバシール36を含む封止アセンブリの一例である。チャンバシール36は、加湿チャンバ14が解除位置にあるとき、コンパートメント12の開口部31よりも上方に変位している。しかしながら、チャンバ14が図2に示すような動作位置にあるとき、チャンバシール36は、コンパートメント12の開口部31を封止するためにコンパートメント12の上方部分と係合する。
【0158】
図15は、コンパートメント12の開口部31の外周部の周囲に延在するコンパートメントシール37を含む封止アセンブリの一例である。加湿チャンバ14が、図2に示すように動作位置にあるとき、コンパートメントシールは、チャンバ14の側壁と接触して側壁に対して封止し、それにより、コンパートメント12を封止する。
【0159】
図16は、チャンバ14に取り付けられた内部シール38と、コンパートメント12の開口部31に取り付けられた外部シール39とを含む、封止アセンブリの一例である。加湿チャンバ14が、図2に示すように動作位置にあるとき、内部シール38及び外部シール39は係合して、コンパートメント12を封止することができる。
【0160】
図17は、図14図16の例のうちの任意の1つの概略断面図である。
【0161】
図18は、垂直面に対して角度をなして配置されている加湿チャンバ14及び加湿コンパートメント12の上方部分の代替構成である。結果として、加湿チャンバ14が上方に、特にコンパートメント12内に下方に移動することにより、チャンバシール36又はコンパートメントシール37のいずれか一方又は両方が、ある程度の力でそれぞれのシール38及び39と係合することができ、それにより、コンパートメント12の封止を改善することができる可能性がある。
【0162】
図19は、チャンバシール36又はコンパートメントシール37のいずれか一方又は両方に水平構成部分を含む、加湿チャンバ14及び加湿コンパートメント12の上方部分の代替構成である。コンパートメント12内でチャンバ14を動作位置まで下方に移動させることにより、シール36及び37に対して容易に力をかけることができ、それにより、シールの係合、さらにはコンパートメント12の封止を改善することができる。
【0163】
図1を参照して上述したように、加湿チャンバ14が動作位置にあるとき、加湿コンパートメント12の入口ポート24は、加湿チャンバ14の入口25に接続し、加湿コンパートメント12の出口ポート27は、加湿チャンバ14の出口26に接続する。加湿コンパートメント12の入口ポート24及び出口ポート27は、第1シール(図示せず)を含むことができ、加湿チャンバ14の入口25及び出口26は、第2シール(図示せず)を含むことができる。
【0164】
シールは、加湿チャンバが動作位置にあるときに封止係合し、加湿チャンバが解除位置にあるときに係合解除する、可撓性、剛性又は膨張シールであり得る。加湿チャンバ及び加湿コンパートメントの壁の構成に応じて、第1シール及び第2シールは、図17に示すように直立面に、図18に示すように傾斜面に、図19に示すように水平面に、配置することができる。図17図19における矢印は、それぞれ、出口ポートから入口ポートへのガス流の流れの方向を示す。
【0165】
加湿チャンバの入口及び出口とともに加湿コンパートメント12の入口ポート27及び出口ポート24を封止する第1及び第2シールは、図14図16を参照して上述したように加湿コンパートメントを封止する封止アセンブリと組み合わせて又はその代わりに使用することができる。同様に、図14図16を参照して記載した封止アセンブリは、コンパートメントの入口ポート及び出口ポートが加湿チャンバの入口及び出口とともに完全に封止されることなく、使用することができる。
【0166】
さらに、封止アセンブリは、加湿コンパートメント12の出口ポート24とチャンバ入口25との間の接続部を封止する流路封止部材(図示せず)も含むことができる。例えば、封止アセンブリは、加湿チャンバ14が動作位置にあるときに封止係合する、加湿コンパートメントの出口ポート24における出口ポート封止部材とチャンバ入口25における入口封止部材とを含むことができる。
【0167】
出口ポート封止部材及び入口ポート封止部材は、それぞれコンパートメントの出口ポート24及びチャンバ入口25の周囲に延在することができる。
【0168】
さらに、流路封止部材は、加湿チャンバが動作位置にあるときに封止係合する、加湿コンパートメントの入口ポートにおける入口ポート封止部材と、加湿チャンバの出口における出口封止部材とを含むことができる。
【0169】
入口ポート封止部材及び出口封止部材は、コンパートメントの入口ポート27及びチャンバ出口26の周囲に延在することができる。
【0170】
コンパートメント12の出口ポート24及び入口ポート27とチャンバ入口25及びチャンバ出口26とは、i)図17に示す実施形態によって示すような垂直面に、ii)図19に示す実施形態によって示すような水平面に、又はiii)図18に示す実施形態によって示すような垂直面及び水平面に対して角度をなして、配置することができる。
【0171】
図には詳細に示さないが、ヒータベース及び/又はベース28は、ベース28上の加湿チャンバ14の相対位置決めを容易にするように、加湿チャンバ14の底壁上の第2ロケータと相互嵌合する第1ロケータを含むことができる。1つの例では、第1ロケータは、ヒータ素子及び/又はベースから上方に延在する中心ペグを含むことができ、加湿チャンバのヒータベースは、中心ペグと協働する凹部を含む第2ロケータを有することができる。中心ペグ及び凹部のいずれか一方又は両方は、テーパ状輪郭を有することができ、それにより、最初に加湿チャンバ14の粗い位置合せを行い、続けて、ペグが凹部内により深く受け入れられるに従いより細かい位置合せを行うことができる。
【0172】
別の例では、第1ロケータは、加湿チャンバ14が内部に配置される、ベース28の周囲の障壁部又はベース28の外周部の周囲のフェンスを含むことができる。
【0173】
図1及び図3図8は、加湿コンパートメント12の床29とベース28との間に配置された1つ又は複数の付勢要素としてのアクチュエータ16を示す。しかしながら、アクチュエータ16は、装置の他の部分に配置することができることが理解されよう。例えば、アクチュエータは、加湿チャンバを上方に移動させるために、i)加湿チャンバ14の底部、ii)加湿コンパートメント12の側壁、及びiii)封止アセンブリのうちの1つ又は複数に取り付けることができる。
【0174】
図2図14図15及び図18は、各々、円形、三角形及び正方形を含む、オペレータパネル40又はディスプレイを含む。円形、三角形及び正方形は、表示パネル又は制御スイッチを配置することができる領域を表すように含まれていることが留意されるべきである。しかしながら、表示パネル又は制御スイッチは、円形、三角形又は正方形の幾何学的形状に決して限定されるものではないことが理解されよう。
【0175】
本発明の技術分野の当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、好ましい実施形態に対して多くの変形及び変更を行うことができることを理解するであろう。
【0176】
図には詳細に示さないが、加湿チャンバは上壁を含むことができ、上壁は、それ自体が取外し可能なカバーであるか、又は、チャンバ内に水を注ぎこむため若しくはチャンバを清掃するための取外し可能なパネルを含む。
【0177】
さらに、図には示さないが、加湿チャンバ14の上壁は、外面に、拡大操作ボタンに類似する窪みを含むことができ、それにより、チャンバ14を押し、さらには上方及び下方に移動させることができる視覚的手がかりが使用者に提供される。
【0178】
以下の特許請求の範囲において、且つ先行する記載において、明確な言い回し又は必要な含意により別段文脈から必要である場合を除き、「備える、含む(comprise)」という語及び「備える、含む(comprises)」又は「備える、含む(comprising)」等の変形は、包括的な意味で、すなわち、述べられている特徴の存在を明記するが、本明細書に開示する装置及び方法のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在又は追加を排除するものではないように、使用されている。
【0179】
好ましい実施形態の上述した記載では、明確にするために所定の術語に頼っている。しかしながら、本発明は、そのように選択された所定の用語に限定されるように意図されておらず、各所定の用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の態様に動作するすべての技術的均等物を含むことが理解されるべきである。「前」及び「後」、「内」及び「外」、「上」及び「下」、「上方」及び「下方」等の用語は、参照点を提供するための便宜上の語として使用されており、限定的な用語として解釈されるべきではない。特許請求の範囲を含む本明細書を通して加湿装置に関して用いる場合の「垂直」及び「水平」という用語は、通常の動作向きに対する向きを指す。
【0180】
さらに、本発明について、目下最も実際的且つ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して記載しており、本発明は、開示した実施形態に限定されるべきではなく、逆に、本発明の趣旨及び範囲内に含まれるさまざまな変形形態及び等価配置を包含するように意図されていることが理解されるべきである。また、上述したさまざまな実施形態は、他の実施形態とともに実施することができ、例えば、1つの実施形態の態様を別の実施形態を組み合わせて、さらに他の実施形態を具現化することができる。さらに、任意の所与のアセンブリの各独立した特徴又は構成要素は、さらなる構成要素を構成することができる。
【符号の説明】
【0181】
10 呼吸機器
11 加湿装置
12 加湿コンパートメント
13 ハウジング
14 加湿チャンバ
15 ガス流
16 アクチュエータ
17 ブロワ
18 使用者
21 空気取入口
22 通路
23 導管
24 出口ポート
25 チャンバ入口
26 チャンバ出口
27 入口ポート
28 ベース
29 床
30 第2結合デバイス
31 上部開口部
32 把持部
33 ヒータ素子
34 ヒータベース
35 第1結合デバイス
36 チャンバシール
37 コンパートメントシール
38 内部シール
39 外部シール
40 オペレータパネル
41 ハウジング出口ポート
42 流路
43 経路部材/突起
44 固定カム
45 付勢部材/アーム
46 (固定カムの)第1側面
47 (固定カムの)第2側面
48 第1端面
49 第2端面
50 凹面
51 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】