(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】コイル駆動装置
(51)【国際特許分類】
H01H 47/32 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
H01H47/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511378
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2020005574
(87)【国際公開番号】W WO2021040184
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0104663
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジョングク
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ウジン
(72)【発明者】
【氏名】コ ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
5G057
【Fターム(参考)】
5G057AA01
5G057AA20
5G057KK01
5G057KK24
5G057RR10
5G057RS10
5G057XX11
5G057YY01
(57)【要約】
本発明は、入力電圧を検知する入力電圧検知部と、コイルに駆動電流を供給するためにスイッチング動作するスイッチ部と、前記スイッチ部のスイッチング動作のためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力するPWM回路部と、前記PWM信号が調節されるようにインピーダンス値を変化させ、前記駆動電流を制限するインピーダンス調節部と、前記入力電圧に基づいて前記インピーダンス調節部が前記インピーダンス値を変化させるようにし、前記PWM信号のデューティ比(Duty Ratio)及び周波数のうち少なくとも1つを調節する制御部とを含むコイル駆動装置を提供し、入力電圧を検知する入力電圧検知部と、コイルに駆動電流を供給するためにスイッチング動作するスイッチ部と、前記スイッチ部のスイッチング動作のためのPWM信号を出力するPWM回路部と、前記PWM信号が調節されるようにインピーダンス値を調節し、前記駆動電流を制限するインピーダンス調節部と、前記入力電圧に基づいて、前記PWM信号のデューティ比及び周波数のうち少なくとも1つが調節されるように、前記インピーダンス値を変化させて前記インピーダンス調節部を制御する制御部とを含む電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を検知する入力電圧検知部と、
コイルに駆動電流を供給するためにスイッチング動作するスイッチ部と、
前記スイッチ部のスイッチング動作のためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力するPWM回路部と、
前記PWM信号が調節されるようにインピーダンス値を変化させ、前記駆動電流を制限するインピーダンス調節部と、
前記入力電圧に基づいて前記インピーダンス調節部が前記インピーダンス値を変化させるようにし、前記PWM信号のデューティ比(Duty Ratio)及び周波数のうち少なくとも1つを調節する制御部とを含む、
コイル駆動装置。
【請求項2】
前記駆動電流は、
前記コイルに含まれる可動接触子(moving contactor)又は可動コア(moving core)の初期駆動のための突入電流、及び前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【請求項3】
前記PWM回路部は、
前記突入電流を供給するための第1PWM信号、及び前記保持電流を供給するための第2PWM信号の少なくとも1つを含む前記PWM信号を出力する、
請求項2に記載のコイル駆動装置。
【請求項4】
前記インピーダンス調節部は、
第1インピーダンス値を有する第1インピーダンス部と、
前記第1インピーダンス値より小さい第2インピーダンス値を有する第2インピーダンス部と、
前記第1及び第2インピーダンス部により変更された前記第1PWM信号を前記スイッチ素子に供給し、その後時間遅延させた前記第2PWM信号を供給する時間遅延部とを含む、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【請求項5】
前記第1及び第2インピーダンス部は、
互いに並列接続され、
前記第1インピーダンス部は、
前記第1インピーダンス値を有する第1抵抗と、前記第1抵抗に接続された第1スイッチとを含み、
前記第2インピーダンス部は、
前記第2インピーダンス値を有する第2抵抗と、前記第2抵抗に接続された第2スイッチとを含む、
請求項4に記載のコイル駆動装置。
【請求項6】
前記第1及び第2インピーダンス部は、
前記制御部の制御により前記第1及び第2スイッチがスイッチング動作し、前記第1及び第2インピーダンス値に応じて前記インピーダンス値を変化させ、前記PWM信号のデューティ比及び周波数のうち少なくとも1つを調節する、
請求項5に記載のコイル駆動装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記入力電圧が所定の第1、第2及び第3電圧範囲のいずれに属するかを判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に応じて前記第1及び第2インピーダンス部並びに前記時間遅延部を制御する駆動制御部とを含む、
請求項5に記載のコイル駆動装置。
【請求項8】
前記駆動制御部は、
前記入力電圧が前記第1電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号がハイ(high)レベルに維持されるように、前記第1及び第2スイッチをスイッチターンオフ動作させ、前記インピーダンス値が高インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させる、
請求項7に記載のコイル駆動装置。
【請求項9】
前記駆動制御部は、
前記入力電圧が前記第2電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号が供給されるように、前記第1スイッチをスイッチターンオフ動作させると共に、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値が前記第2インピーダンス値により中インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させる、
請求項7に記載のコイル駆動装置。
【請求項10】
前記駆動制御部は、
前記入力電圧が前記第3電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号が供給されるように、前記第1スイッチをスイッチターンオフ動作させると共に、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値が前記第2インピーダンス値により中インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第1及び第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値を前記第1及び第2インピーダンス値により低インピーダンスに変化させる、
請求項7に記載のコイル駆動装置。
【請求項11】
前記駆動制御部は、
前記入力電圧が前記第1電圧範囲から前記第3電圧範囲になるほど、前記第1及び第2PWM信号のデューティ比が小さくなり、周波数のレベルが低くなるように制御する、
請求項7に記載のコイル駆動装置。
【請求項12】
交流電圧を直流タイプに整流した前記入力電圧を出力する整流部をさらに含む、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【請求項13】
前記入力電圧検知部は、
前記入力電圧を検知する電圧センサを含む、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【請求項14】
前記スイッチ部は、
前記インピーダンス調節部により変更された前記PWM信号によりスイッチングターンオン及びターンオフ動作する、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【請求項15】
前記インピーダンス調節部は、
複数のインピーダンス部と、
前記複数のインピーダンス部により変更された前記PWM信号を時間遅延させる時間遅延部とを含み、
前記複数のインピーダンス部は、
異なるインピーダンス値を有する、
請求項1に記載のコイル駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル駆動装置に関し、より詳細には、広い電圧範囲で一定の突入電流と保持電流を容易に供給することができるコイル駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁接触器(Magnetic Contactor, 以下「MC」という)及びリレー(Relay)は、内部のコイルがアクチュエータ(actuator)として働き、コイルに電流が流れるとスイッチが動作して通電させる役割を果たす。
【0003】
ここで、MCは、外部の信号に応じて負荷電流をオン・オフする機器であり、電磁石の原理を用いたものである。
【0004】
コイルが巻回されている固定コア(core)と、前記固定コアの磁力により動作する可動コアとからなる。電源がオンになると固定コアにより磁力が発生し、その磁力により可動コアが固定コアに引き付けられ、実質的に接触するように所定の接点が当接する。電源がオフになると磁力がなくなり、前記可動コアに取り付けられた復元用スプリングにより前記接点が離間する。
【0005】
固定コアと可動コアが離間している初期状態においては、電源をオンにして初期可動時間の間、復元用スプリングの作用力とは逆方向に前記可動コアを引き寄せるために、大きな磁力が必要である。また、前記固定コアと可動コアが当接した後、すなわち接点が接触した後は、小さな磁力でもその状態が続けて維持される。
【0006】
磁力は、コイルに流れる電流に比例する力を有する。入力電圧が変動しても、コイル電流の大きさが一定に保持されれば、磁力も一定に保持される。よって、電磁接触器の動作特性を一定に保持するためには、電流の大きさが一定になるように制御しなければならない。また、接点が離間したときと、接点が当接したときでは、必要とする磁力が異なるので、効率的な制御のためには、これらを区分して電流制御を行わなければならない。
【0007】
このような電流制御のために、コイル電流の検出によるパルス幅変調(Pulse Width Modulation, 以下「PWM」という)制御方式が用いられる。PWM制御においては、電流の設定値と検出値を比較して、電流スイッチング素子のオン・オフ時間を調整(パルス幅調整)する。オン時間が長いほど、スイッチング素子を介してより多くの電流が流れ、オフ時間が長いほど、それとは逆に電流が少なくなる。
【0008】
一般に、PWM制御方式によるPWM回路においては、パルス幅を調節するために、電力用半導体素子(Power Transistor)をスイッチングすることによりコイルに流れる電流量を調節する。
【0009】
また、コイル電流を監視するための電流センサ(抵抗など)、フィードバック(Feedback)回路、フォトカプラなどが必要である。
【0010】
MC及びリレーは、コイル駆動のための高い突入電流を必要とし、駆動後は、コイル内部の可動接触子(Moving Contactor)又は可動コア(Moving Core)が通電を保持するように、突入時の電流より低い保持電流への変動を必要とする。また、通電を保持しているときは高い電流が求められないので、電流を低くしてコイルの温度を低下させなければならない。
【0011】
近年、入力電圧が低い又は高い電圧領域において、PWM回路はパルス幅の最大デューティ比(Duty Ratio)に制限があるので、低い電圧領域における、必要な駆動電流が制限され、コイルに十分な電流を供給することができないという問題と、高い電圧領域における、電流増加による消費電力増加、発熱及びコイルの寿命の問題を解決するための研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、広い電圧範囲で一定の突入電流と保持電流を容易に供給することができるコイル駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、一定の突入電流と保持電流を供給すると共に、温度変化に鈍感であり、コイルの温度上昇に対して高い信頼性が保障されるコイル駆動装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の目的は、これらの目的に限定されるものではなく、言及していない本発明の他の目的及び利点は、以下の説明により理解され、本発明の実施形態によりさらに明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び利点は、請求の範囲に示す手段及びその組み合わせにより実現可能であることが容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によるコイル駆動装置は、入力電圧を検知する入力電圧検知部と、コイルに駆動電流を供給するためにスイッチング動作するスイッチ部と、前記スイッチ部のスイッチング動作のためのPWM信号を出力するPWM回路部と、前記PWM信号が調節されるようにインピーダンス値を変化させ、前記駆動電流を制限するインピーダンス調節部と、前記入力電圧に基づいて前記インピーダンス調節部が前記インピーダンス値を変化させるようにし、前記PWM信号のデューティ比及び周波数のうち少なくとも1つを調節する制御部とを含むようにしてもよい。
【0016】
前記駆動電流は、前記コイルに含まれる可動接触子又は可動コアの初期駆動のための突入電流、及び前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流の少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0017】
前記PWM回路部は、前記突入電流を供給するための第1PWM信号、及び前記保持電流を供給するための第2PWM信号の少なくとも1つを含む前記PWM信号を出力するようにしてもよい。
【0018】
前記インピーダンス調節部は、第1インピーダンス値を有する第1インピーダンス部と、前記第1インピーダンス値より小さい第2インピーダンス値を有する第2インピーダンス部と、前記第1及び第2インピーダンス部により変更された前記第1PWM信号を前記スイッチ素子に供給し、その後時間遅延させた前記第2PWM信号を供給する時間遅延部とを含むようにしてもよい。
【0019】
前記第1及び第2インピーダンス部は、互いに並列接続され、前記第1インピーダンス部は、前記第1インピーダンス値を有する第1抵抗と、前記第1抵抗に接続された第1スイッチとを含み、前記第2インピーダンス部は、前記第2インピーダンス値を有する第2抵抗と、前記第2抵抗に接続された第2スイッチとを含むようにしてもよい。
【0020】
前記第1及び第2インピーダンス部は、前記制御部の制御により前記第1及び第2スイッチがスイッチング動作し、前記第1及び第2インピーダンス値に応じて前記インピーダンス値を変化させ、前記PWM信号のデューティ比及び周波数のうち少なくとも1つを調節するようにしてもよい。
【0021】
前記制御部は、前記入力電圧が所定の第1、第2及び第3電圧範囲のいずれに属するかを判断する判断部と、前記判断部の判断結果に応じて前記第1及び第2インピーダンス部並びに前記時間遅延部を制御する駆動制御部とを含むようにしてもよい。
【0022】
前記駆動制御部は、前記入力電圧が前記第1電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号がハイ(high)レベルに維持されるように、前記第1及び第2スイッチをスイッチターンオフ動作させ、前記インピーダンス値が高インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させるようにしてもよい。
【0023】
前記駆動制御部は、前記入力電圧が前記第2電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号が供給されるように、前記第1スイッチをスイッチターンオフ動作させると共に、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値が前記第2インピーダンス値により中インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させるようにしてもよい。
【0024】
前記駆動制御部は、前記入力電圧が前記第3電圧範囲に属すると判断すると、前記突入電流の供給のための前記第1PWM信号が供給されるように、前記第1スイッチをスイッチターンオフ動作させると共に、前記第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値が前記第2インピーダンス値により中インピーダンスを維持するようにし、前記第1PWM信号の供給後に前記時間遅延部を制御して時間遅延させ、次いで前記保持電流の供給のための前記第2PWM信号が供給されるように、前記第1及び第2スイッチをスイッチターンオン動作させ、前記インピーダンス値を前記第1及び第2インピーダンス値により低インピーダンスに変化させるようにしてもよい。
【0025】
前記駆動制御部は、前記入力電圧が前記第1電圧範囲から前記第3電圧範囲になるほど、前記第1及び第2PWM信号のデューティ比が小さくなり、周波数のレベルが低くなるように制御するようにしてもよい。
【0026】
また、本発明によるコイル駆動装置は、交流電圧を直流タイプに整流した前記入力電圧を出力する整流部をさらに含むようにしてもよい。
【0027】
前記入力電圧検知部は、前記入力電圧を検知する電圧センサを含むようにしてもよい。
【0028】
前記スイッチ部は、前記インピーダンス調節部により変更された前記PWM信号によりスイッチングターンオン及びターンオフ動作をするようにしてもよい。
【0029】
前記インピーダンス調節部は、複数のインピーダンス部と、前記複数のインピーダンス部により変更された前記PWM信号を時間遅延させる時間遅延部とを含み、前記複数のインピーダンス部は、異なるインピーダンス値を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるコイル駆動装置は、広い電圧範囲で安定して突入電流及び保持電流を供給することができるので、製品の信頼性を確保することができるという利点がある。
【0031】
また、本発明によるコイル駆動装置は、入力された電圧に応じてPWM回路に入力されたパルス幅又は周波数を変更し、安定した突入電流及び保持電流を供給することができるので、低い電圧での動作、並びに高い電圧でのコイルのストレス、寿命延長及び発熱の問題を解決できるという利点がある。
【0032】
さらに、本発明によるコイル駆動装置は、交流電圧の場合に直流に整流する整流用コンデンサが小さいコンデンサ、すなわちリップルが多い整流回路でも動作するように考案されているので、小型化及びコスト低減が可能である。
【0033】
さらに、本発明によるコイル駆動装置は、従来技術において必要とされる、コイル電流を監視するための電流センサ(抵抗など)、フィードバック回路、フォトカプラなどが必要とされないので、製品の単純化及び小型化が可能である。
【0034】
これらの効果と共に、本発明の具体的な効果については、発明を実施するための具体的な事項について説明する際に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の制御構成を示す制御ブロック図である。
【
図2】本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置を示す回路図である。
【
図3】本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第1実施形態を示す動作回路図である。
【
図4】
図3の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【
図5】本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第2実施形態を示す動作回路図である。
【
図6】
図5の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【
図7】本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第3実施形態を示す動作回路図である。
【
図8】
図7の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明においては、本発明の実施形態を理解する上で必要な部分のみ説明し、本発明の要旨を不明にする恐れのあるそれ以外の部分についての説明は省略する。
【0037】
以下で説明する本明細書及び請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常の又は辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味及び概念で解釈すべきである。よって、本明細書に記載する実施形態や図面に示す構成は本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本発明の出願時点でこれらを代替する様々な均等物や変形例があり得ることを理解すべきである。
【0038】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0039】
図1は本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の制御構成を示す制御ブロック図であり、
図2は本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置を示す回路図である。
【0040】
図1及び
図2に示すように、電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置100は、入力電圧検知部110と、PWM回路部120と、インピーダンス調節部130と、スイッチ部140と、制御部150とを含む。
【0041】
入力電圧検知部110は、電源部Vccから入力された入力電圧Vinを検知する。実施形態における電源部Vccは、直流タイプの入力電圧Vinを出力するバッテリ又はDC/DCコンバータであるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
また、電源部Vccは、入力された交流電圧を直流タイプの入力電圧Vinに整流する整流部を含む。
【0043】
入力電圧検知部110は、入力電圧Vinを検知するための電圧センサであるが、これに限定されるものではない。ここで、電圧センサは、入力電圧Vinに対応する電流を測定することにより、入力電圧Vinを検知することができる。
【0044】
PWM回路部120は、コイル160に含まれる可動接触子又は可動コアの初期駆動のための突入電流Ip、及び前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流Idが供給されるように、PWM信号pwmを出力する。
【0045】
ここで、PWM信号pwmは、突入電流Ipの供給のための第1PWM信号pwm_1と、保持電流Idの供給のための第2PWM信号pwm_2とを含む。
【0046】
PWM回路部120は、単一PWM素子で実現され、制御部150の制御によりPWM信号pwmを出力する。
【0047】
インピーダンス調節部130は、PWM回路部120から出力されたPWM信号pwmのデューティ比及び周波数のうち少なくとも1つを変化させてスイッチ部140に供給する。
【0048】
まず、インピーダンス調節部130は、第1インピーダンス部132と、第2インピーダンス部134と、時間遅延部136とを含む。
【0049】
第1インピーダンス部132は、第1スイッチSW1と、第1抵抗R1とを含み、第2インピーダンス部134は、第1インピーダンス部132に並列接続され、第2スイッチSW2と、第2抵抗R2とを含む。
【0050】
ここで、第1インピーダンス部132は、第1インピーダンス値を有し、第2インピーダンス部134は、第1インピーダンス値より小さい第2インピーダンス値を有する。すなわち、第1抵抗R1は、第2抵抗R2より抵抗値が大きい。
【0051】
時間遅延部136は、第1PWM信号pwm_1が供給されてから、時間遅延させて第2PWM信号pwm_2が供給されるようにする。
【0052】
スイッチ部140は、PWM信号pwmによりスイッチターンオン及びターンオフ動作し、PWM信号pwmは、PWM回路部120により出力された信号であるか、又はインピーダンス調節部130により変更された信号であるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
ここで、スイッチ部140は、PWM信号pwmによりスイッチターンオン及びターンオフ動作し、コイル160に突入電流Ip及び保持電流Idを供給する。
【0054】
PWM回路部120とスイッチ部140間には、ダイオードDが接続される。ダイオードDは、PWM回路部120に供給されるサージ電圧を防止するために用いられる。
【0055】
制御部150は、判断部152と、駆動制御部154とを含む。
【0056】
判断部152は、入力電圧検知部110で検知された入力電圧Vinが所定の第1、第2及び第3電圧範囲のいずれに属するかを判断する。
【0057】
ここで、前記第2電圧範囲とは、基準電圧範囲を意味し、前記第1電圧範囲とは、前記基準電圧範囲より低い低電圧範囲を意味し、前記第3電圧範囲とは、前記基準電圧範囲より高い高電圧範囲を意味する。
【0058】
判断部152は、入力電圧Vinが前記第1電圧範囲に属する場合は第1判断信号sp1を出力し、入力電圧Vinが前記第2電圧範囲に属する場合は第2判断信号sp2を出力し、入力電圧Vinが前記第3電圧範囲に属する場合は第3判断信号sp3を出力する。
【0059】
駆動制御部154は、判断部152の判断結果に応じてインピーダンス調節部130を制御する。
【0060】
第1判断信号sp1が入力されると、駆動制御部154は、突入電流Ipの供給のための第1PWM信号pwm_1がハイレベルに維持されるように、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2をスイッチターンオフ動作させる。
【0061】
その後、駆動制御部154は、第1PWM信号pwm_1を供給し、時間遅延部136を制御して時間遅延させ、次いで保持電流Idの供給のための第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0062】
すなわち、第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0063】
第2判断信号sp2が入力されると、駆動制御部154は、突入電流Ipの供給のための第1PWM信号pwm_1が供給されるように、第1スイッチSW1をスイッチターンオフ動作させると共に、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させる。
【0064】
その後、駆動制御部154は、第1PWM信号pwm_1を供給し、時間遅延部136を制御して時間遅延させ、次いで保持電流Idの供給のための第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0065】
すなわち、第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0066】
第3判断信号sp3が入力されると、駆動制御部154は、突入電流Ipの供給のための第1PWM信号pwm_1が供給されるように、第1スイッチSW1をスイッチターンオフ動作させると共に、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させる。
【0067】
その後、駆動制御部154は、第1PWM信号pwm_1を供給し、時間遅延部136を制御して時間遅延させ、次いで保持電流Idの供給のための第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0068】
すなわち、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第1抵抗R1及び第2抵抗R2による第1及び第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0069】
つまり、入力電圧Vinが第1電圧範囲から第3電圧範囲になるほど、PWM信号pwmは、周波数のレベルが低くなり、デューティ比が小さくなるように調節される。
【0070】
前述したように、入力電圧Vinは、第1電圧範囲から第3電圧範囲に分けて説明したが、3つより多くの電圧範囲にしてもよく、これらに限定されるものではない。
【0071】
図3は本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第1実施形態を示す動作回路図であり、
図4は
図3の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【0072】
なお、
図3及び
図4は入力電圧Vinが第1電圧範囲に属する場合の回路動作及びPWM信号を示す図である。
【0073】
まず、PWM回路部120は、入力電圧Vinに応じて、コイル160に含まれる可動接触子又は可動コアの初期駆動のための突入電流Ipが供給されるように、第1PWM信号pwm_1を出力する。
【0074】
ここで、制御部150は、入力電圧検知部110で検知された入力電圧Vinが第1電圧範囲に属すると、入力電圧Vinが正常電圧より低い電圧であると確認することができる。
【0075】
制御部150は、第1PWM信号pwm_1の周波数レベルがハイレベルを維持するように、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がスイッチターンオフするように制御する。
【0076】
ここで、PWM回路部120とスイッチ部140間には、ダイオードDが接続される。ダイオードDは、PWM回路部120に供給されるサージ電圧を防止するために用いられる。
【0077】
第1PWM信号pwm_1は、時間遅延部136の後段に配置されるコンデンサ及びインダクタの少なくとも1つにより周波数レベルがハイレベルに維持されるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
すなわち、
図4に示すように、第1PWM信号pwm_1は、所定の周波数及びデューティ比を有して出力されるが、スイッチ部140に入力される第1PWM信号pwm_1は、周波数レベルがハイレベルに維持される。
【0079】
次いで、第1PWM信号pwm_1の供給後に時間遅延部136で時間遅延され、PWM回路部120は、前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流Idが供給されるように、第2PWM信号pwm_2を出力する。
【0080】
制御部150は、第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0081】
すなわち、第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0082】
すなわち、
図4に示すように、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2は、周波数レベルがハイレベルであるが、スイッチ部140に供給される第2PWM信号pwm_2は、周波数レベルがハイレバルより低いレベルに変更される。
【0083】
図5は本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第2実施形態を示す動作回路図であり、
図6は
図5の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【0084】
なお、
図5及び
図6は入力電圧Vinが第2電圧範囲に属する場合の回路動作及びPWM信号を示す図である。
【0085】
まず、PWM回路部120は、入力電圧Vinに応じて、コイル160に含まれる可動接触子又は可動コアの初期駆動のための突入電流Ipが供給されるように、第1PWM信号pwm_1を出力する。
【0086】
ここで、制御部150は、入力電圧検知部110で検知された入力電圧Vinが第2電圧範囲に属すると、入力電圧Vinが正常電圧であると確認することができる。
【0087】
制御部150は、第1PWM信号pwm_1がスイッチ部140に供給されるように、第1スイッチSW1をスイッチターンオフ動作させると共に、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させる。
【0088】
図6に示すように、第1PWM信号pwm_1は、所定の周波数及びデューティ比を有して出力されるが、スイッチ部140に入力される第1PWM信号pwm_1は、第2スイッチSW2のスイッチターンオン動作により、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが変更され、周波数レベルが低くなる。
【0089】
次いで、第1PWM信号pwm_1の供給後に時間遅延部136で時間遅延され、PWM回路部120は、前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流Idが供給されるように、第2PWM信号pwm_2を出力する。
【0090】
制御部150は、第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0091】
すなわち、第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0092】
すなわち、
図6に示すように、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2は、周波数レベルがハイレベルであるが、スイッチ部140に供給される第2PWM信号pwm_2は、周波数レベルがハイレバルより低いレベルに変更される。
【0093】
図7は本発明による電磁接触器及びリレー用コイル駆動装置の第3実施形態を示す動作回路図であり、
図8は
図7の動作回路図における、PWM信号、及びスイッチ部に入力されるPWM信号を示す図である。
【0094】
なお、
図7及び
図8は入力電圧Vinが第3電圧範囲に属する場合の回路動作及びPWM信号を示す図である。
【0095】
まず、PWM回路部120は、入力電圧Vinに応じて、コイル160に含まれる可動接触子又は可動コアの初期駆動のための突入電流Ipが供給されるように、第1PWM信号pwm_1を出力する。
【0096】
ここで、制御部150は、入力電圧検知部110で検知された入力電圧Vinが第3電圧範囲に属すると、入力電圧Vinが過電圧であると確認することができる。
【0097】
制御部150は、第1PWM信号pwm_1がスイッチ部140に供給されるように、第1スイッチSW1をスイッチターンオフ動作させると共に、第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させる。
【0098】
図8に示すように、第1PWM信号pwm_1は、所定の周波数及びデューティ比を有して出力されるが、スイッチ部140に入力される第1PWM信号pwm_1は、第2スイッチSW2のスイッチターンオン動作により、第2抵抗R2による第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが変更され、周波数レベルが低くなる。
【0099】
次いで、第1PWM信号pwm_1の供給後に時間遅延部136で時間遅延され、PWM回路部120は、前記可動接触子又は前記可動コアの接触を保持する保持電流Idが供給されるように、第2PWM信号pwm_2を出力する。
【0100】
制御部150は、第2PWM信号pwm_2が供給されるように、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2をスイッチターンオン動作させ、第2PWM信号pwm_2の周波数レベルを低くする。
【0101】
すなわち、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がスイッチターンオン動作すると、第2PWM信号pwm_2は、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2より、第1抵抗R1及び第2抵抗R2による第1及び第2インピーダンス値に応じてインピーダンスが調節され、周波数レベルが低くなるように調節される。
【0102】
すなわち、
図8に示すように、PWM回路部120から出力された第2PWM信号pwm_2は、周波数レベルがハイレベルであるが、スイッチ部140に供給される第2PWM信号pwm_2は、
図6に示す第2PWM信号pwm_2より、周波数レベルが低いレベルに変更される。
【0103】
また、
図3~
図8に示す第1PWM信号pwm_1及び第2PWM信号pwm_2は、デューティ比及び周波数のうち少なくとも1つが入力電圧Vinに応じて変更されるので、入力電圧Vinが変化しても、コイル160に入力される突入電流Ip及び保持電流Idが一定に保持されるという利点がある。
【0104】
前述した実施形態において説明した特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるものであり、必ずしも1つの実施形態に限定されるものではない。さらに、各実施形態において例示した特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野における通常の知識を有する者であれば、それらの組み合わせや変形により他の実施形態として実施することができるであろう。よって、それらの組み合わせや変形に関する内容は本発明に含まれるものと解釈すべきである。
【0105】
また、ここまで実施形態を中心に説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、これらの実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で例示していない様々な変形や応用が可能であることを理解するであろう。例えば、実施形態に具体的に示した各構成要素は、変形して実施することができる。また、そのような変形や応用における相違点は、請求の範囲に規定する本発明に含まれるものと解釈すべきである。
【国際調査報告】