(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】カンナビノイド酸エステル組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/352 20060101AFI20221020BHJP
A61K 31/235 20060101ALI20221020BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221020BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221020BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20221020BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20221020BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221020BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20221020BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20221020BHJP
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A61K 35/19 20150101ALI20221020BHJP
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A61K 8/37 20060101ALI20221020BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20221020BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20221020BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221020BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20221020BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221020BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20221020BHJP
A61P 27/04 20060101ALI20221020BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20221020BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20221020BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20221020BHJP
A21D 2/14 20060101ALI20221020BHJP
A23L 7/117 20160101ALI20221020BHJP
A21D 13/80 20170101ALI20221020BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20221020BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20221020BHJP
A23G 3/36 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K31/352
A61K31/235
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K36/185
A61K47/10
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A61K9/06
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/16
A61K9/14
A61K9/70 401
A61K9/10
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A61K9/12
A61K47/36
A61K35/19 Z
A61K35/17 Z
A61K8/49
A61K8/37
A61Q1/00
A61Q1/12
A61Q19/00
A61P25/04
A61P29/00
A61P25/00
A61P27/04
A61P1/08
A23L33/105
A23L2/52
A23L2/00 F
A21D2/14
A23L7/117
A21D13/80
A23L7/109 A
A23G3/34 101
A23G3/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512287
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020038748
(87)【国際公開番号】W WO2021034403
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521261670
【氏名又は名称】イーピーエム(アイピー), インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スウィサ,レシェフ
(72)【発明者】
【氏名】サカル,サロモン
(72)【発明者】
【氏名】シャーラバーニ,ロン
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4B025
4B032
4B046
4B117
4C076
4C083
4C084
4C086
4C087
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4C206
【Fターム(参考)】
4B014GK12
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4C206ZB11
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、カンナビノイド酸エステル化合物を単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステルである。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、カンナビゲロール(CBGA)酸エステルである。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、カンナビノール(CBNA)酸エステルである。また、カンナビノイド酸エステル化合物および1つ以上の追加の治療薬を使用する併用療法を含む、カンナビノイド酸エステル化合物および医薬組成物が使用される様々な治療用途も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステル化合物、
【化1】
式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物、
【化2】
式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物、
【化3】
それらの組み合わせ、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはそれらの薬学的に許容される塩と、
薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項2】
R
1が、C
1-C
6アルキルまたは置換C
1-C
6アルキルである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
R
1が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルから選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
R
1が、メチルである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
R
2が、C
1-C
10アルキルまたは置換C
1-C
10アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
R
2が、C
2-
6アルキルである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
R
2が、ペンチルである、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ia)のTHCAエステル化合物、
【化4】
、
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ib)のTHCAエステル化合物、
【化5】
、
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ic)のΔ
9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
9-THCA-Me)化合物、
【化6】
、
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Id)のΔ
8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
8-THCA-Me)化合物、
【化7】
、
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
式(II)の前記CBGAエステル化合物が、式(IIa)のカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物、
【化8】
、
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式(III)の前記CBNAエステル化合物が、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物、
【化9】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
1つ以上の追加の活性医薬成分(API)をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記1つ以上の追加のAPIが、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、Δ
8-テトラヒドロカンナビノール(Δ
8-THC)、Δ
9-テトラヒドロカンナビノール(Δ
9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ
9(11)-テトラヒドロカンナビノール(exo-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、それらのエステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、独立して、1つ以上の大麻植物抽出物に含まれる、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、高濃度のCBDを有する株、高濃度のTHCを有する株、およびそれらの組み合わせから選択される植物株から生成される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸、それらの酸のエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるカンナビノイド化合物を含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、約1%(w/w)以上のCBD、好ましくは約10%(w/w)以上のCBD、より好ましくは約25%(w/w)以上のCBDを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、約1%(w/w)以上のTHC、好ましくは約10%(w/w)以上のTHC、より好ましくは約25%(w/w)以上のTHCを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む前記1つ以上の大麻植物抽出物が、好適な溶媒、または溶媒の組み合わせによる大麻植物からの抽出によって生成される、請求項14~21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記溶媒が、極性溶媒、炭化水素溶媒、二酸化炭素、油、またはそれらの組み合わせである、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記溶媒が、極性溶媒である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記溶媒が、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記極性溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル(EtOAc)、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール、またはジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記溶媒が、ペンタン、ヘキサン、n-ヘキサン、キシレン、トルエン、およびベンゼンを含む炭化水素溶媒である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記溶媒が、植物油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、アボカド油、ピーナッツ油、カノーラ油、またはクルミ油を含む油である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(I)の前記THCAエステル化合物を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記THCAエステル化合物が、式(Ic)の前記Δ
9-THCA-Meエステル化合物である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記医薬組成物が、
1%~10%のΔ
9-THCA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記医薬組成物が、
2%~10%のΔ
9-THCA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記THCAエステル化合物が、式(Id)の前記Δ
8-THCA-Meエステル化合物である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記組成物が、
1%~10%のΔ
8-THCA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記医薬組成物が、
2%~10%のΔ
8-THCA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(I)の前記THCAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項29~37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(II)の前記CBGAエステル化合物を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
式(II)の前記CBGAエステル化合物が、式(IIa)の前記CBGA-Me化合物である、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記医薬組成物が、
1%~10%のCBGA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記医薬組成物が、
2%~10%のCBGA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(II)の前記CBGAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項39~43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(III)の前記CBNAエステル化合物を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
式(III)の前記CBNAエステル化合物が、式(IIIa)の前記CBNA-Me化合物である、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記医薬組成物が、
1%~10%のCBNA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記医薬組成物が、
2%~10%のCBNA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(III)の前記CBNAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項39~43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
脂質をさらに含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記脂質が、リン脂質、好ましくは天然に存在するリン脂質または合成リン脂質である、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記脂質が、大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせから選択される天然に存在するリン脂質である、請求項52に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項54】
前記脂質が、ホスホコリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスホグリセロール、ホスホセリン、混合鎖リン脂質、リゾリン脂質、ペグ化リン脂質、およびそれらの組み合わせから選択される合成リン脂質である、請求項52に記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記リン脂質が、ミセル、エマルションまたはリポソームを形成し得る、請求項52~54のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物をさらに含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項57】
シクロデキストリンをさらに含む、請求項56に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン、およびメチルβ-シクロデキストリン(MβCD)から選択される、請求項57に記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記薬学的に許容される賦形剤が、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~58のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記乳化剤が、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、水素化ヒマシ油、グルコン酸ナトリウム、アクリレート、C10-
30アルキルアクリレートクロスポリマー、ナトリウムカルボキシメチルベータグルカン、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、キサンタンガム、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル-6-ジステアレートホホバエステル、ポリグリセリル-3-蜜蜜蝋、PEG-800、ラウレス-7、C
13-
14イソパラフィン、ポリイソブテン、PEG-200水素化グリセリルパルメート、セルロースガム、PEG-7グリセリルココエート、アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記pH調整剤が、有機酸または鉱酸である、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項62】
前記組成物が、液体、ゲル、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ウエハ、コーティングされたかまたはコーティングされていないビーズ、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、浸透圧ポンプ、デポシステム、イオン泳動システム、パッチ、懸濁液、分散液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル、油、および坐剤から選択される形態である、請求項1~61のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記医薬組成物が、経口投与のために処方される、請求項1~62のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項64】
前記組成物が、4℃~37℃の範囲の温度で液体の形態で処方される、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
前記組成物が、生理学的温度でゲルの形態で処方される、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項66】
皮膚軟化剤ベースのクリーム、角質溶解剤、コールタール軟膏、ステロイド、ビタミンD類似体、アントラリン、およびレチノイドタザロテンをさらに含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記角質溶解剤が、尿素またはサリチル酸で処方される、請求項66に記載の医薬組成物。
【請求項68】
抗ヒスタミン薬、麻酔薬、またはテルペンをさらに含む、請求項1~67のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項69】
増粘剤をさらに含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項70】
前記増粘剤が、多糖類、多糖類塩、またはそれらの組み合わせである、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項71】
前記多糖類が、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、セルロース誘導体、コンドロイチン硫酸、ケラタン、ヘパリン、キサンタン、ガラクトマン、アルギネート、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項70に記載の医薬組成物。
【請求項72】
前記増粘剤が、1mg/ml~100mg/mlの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項71に記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記増粘剤が、10mg/ml~25mg/mlの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項72に記載の医薬組成物。
【請求項74】
粘度が、20℃で最大2,000センチポアズである、請求項73に記載の医薬組成物。
【請求項75】
多血小板血漿(PRP)または多血小板フィブリン(PRF)をさらに含む、請求項1~74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項76】
前記PRPが、白血球に富むPRP(L-PRP)、白血球が減少したPRP、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項75に記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記PRFが、白血球多血小板フィブリン、純粋な多血小板フィブリン、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項75に記載の医薬組成物。
【請求項78】
前記組成物が、
10%(w/w)以下の式(I)の前記THCAエステル化合物、
7%(w/w)以下の式(I)の前記THCAエステル化合物、
5%(w/w)以下の式(I)の前記THCAエステル化合物、または
1%(w/w)以下の式(I)の前記THCAエステル化合物を含む、請求項1~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記組成物が、
10%(w/w)以下の式(II)の前記CBGAエステル化合物、
7%(w/w)以下の式(II)の前記CBGAエステル化合物、
5%(w/w)以下の式(II)の前記CBGAエステル化合物、または
1%(w/w)以下の式(II)の前記CBGAエステル化合物を含む、請求項1~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項80】
前記組成物が、
10%(w/w)以下の式(III)の前記CBNAエステル化合物、
7%(w/w)以下の式(III)の前記CBNAエステル化合物、
5%(w/w)以下の式(III)の前記CBNAエステル化合物、または
1%(w/w)以下の式(III)の前記CBNAエステル化合物を含む、請求項1~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項81】
化粧品または食用組成物であって、
式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステル化合物、
【化10】
式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物、
【化11】
式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物、
【化12】
それらの組み合わせ、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはそれらの薬学的に許容される塩と、
生理学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤と、を含む、化粧品または食用組成物。
【請求項82】
R
1が、C
1-C
6アルキルまたは置換C
1-C
6アルキルである、請求項81に記載の組成物。
【請求項83】
R
1が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルから選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
R
1が、メチルである、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
R
2が、C
1-C
10アルキル、または置換C
1-C
10アルキルである、請求項81~84のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項86】
R
2が、C
2-
6アルキルである、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
R
2が、ペンチルである、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ia)のTHCAエステル化合物、
【化13】
、
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項89】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ib)のTHCAエステル化合物、
【化14】
、
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項90】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Ic)のΔ
9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
9-THCA-Me)化合物、
【化15】
、
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項91】
式(I)の前記THCAエステル化合物が、式(Id)のΔ
8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
8-THCA-Me)化合物、
【化16】
、
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項92】
式(II)の前記CBGAエステル化合物が、式(IIa)のカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物、
【化17】
、
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項93】
式(III)の前記CBNAエステル化合物が、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物、
【化18】
または生理学的に許容される担体、賦形剤、もしくは希釈剤である、請求項81~87のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項94】
1つ以上の追加のカンナビノイド化合物をさらに含む、請求項81~93のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項95】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、Δ
8-テトラヒドロカンナビノール(Δ
8-THC)、Δ
9-テトラヒドロカンナビノール(Δ
9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ
9(11)-テトラヒドロカンナビノール(exo-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、それらのエステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の組成物。
【請求項96】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-Me)である、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、独立して、1つ以上の大麻植物抽出物に含まれる、請求項95に記載の組成物。
【請求項98】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、高濃度のCBDを有する株、高濃度のTHCを有する株、およびそれらの組み合わせから選択される植物株から生成される、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸、それらの酸のエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるカンナビノイド化合物を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項100】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、約1%(w/w)以上のCBD、好ましくは約10%(w/w)以上のCBD、より好ましくは約25%(w/w)以上のCBDを含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項101】
前記1つ以上の大麻植物抽出物が、約1%(w/w)以上のTHC、好ましくは約10%(w/w)以上のTHC、より好ましくは約25%(w/w)以上のTHCを含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項102】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む前記1つ以上の大麻植物抽出物が、好適な溶媒または溶媒の組み合わせによる大麻植物からの抽出によって生成される、請求項97~101のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項103】
前記溶媒が、極性溶媒、炭化水素溶媒、二酸化炭素、油、またはそれらの組み合わせである、請求項102に記載の組成物。
【請求項104】
前記溶媒が、極性溶媒である、請求項103に記載の組成物。
【請求項105】
前記溶媒が、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールである、請求項103に記載の組成物。
【請求項106】
前記極性溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル(EtOAc)、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール、またはジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項103に記載の組成物。
【請求項107】
前記溶媒が、ペンタン、ヘキサン、n-ヘキサン、キシレン、トルエン、およびベンゼンを含む炭化水素溶媒である、請求項103に記載の組成物。
【請求項108】
前記溶媒が、植物油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、アボカド油、ピーナッツ油、カノーラ油、またはクルミ油を含む油である、請求項103に記載の組成物。
【請求項109】
前記賦形剤が、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリコール、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項81~108のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項110】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(I)の前記THCAエステル化合物を含む、請求項84~109のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項111】
前記THCAエステル化合物が、式(Ic)のΔ
9-THCA-Meエステル化合物である、請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
前記医薬組成物が、
1%~10%のΔ
9-THCA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項111に記載の組成物。
【請求項113】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項112に記載の組成物。
【請求項114】
前記医薬組成物が、
2%~10%のΔ
9-THCA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項113に記載の組成物。
【請求項115】
前記THCAエステル化合物が、式(Id)のΔ
8-THCA-Meエステル化合物である、請求項110に記載の組成物。
【請求項116】
前記組成物が、
1%~10%のΔ
8-THCA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項115に記載の組成物。
【請求項117】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項118】
前記医薬組成物が、
2%~10%のΔ
8-THCA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項117に記載の組成物。
【請求項119】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(I)の前記THCAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項110~118のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項120】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(II)の前記CBGAエステル化合物を含む、請求項81~109のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項121】
式(II)の前記CBGAエステル化合物が、式(IIa)の前記CBGA-Me化合物である、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記医薬組成物が、
1%~10%のCBGA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項122に記載の組成物。
【請求項124】
前記医薬組成物が、
2%~10%のCBGA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項123に記載の組成物。
【請求項125】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(II)の前記CBGAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項120~124のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項126】
前記医薬組成物が、1%~10%(w/w)の式(III)の前記CBNAエステル化合物を含む、請求項81~109のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項127】
式(III)の前記CBNAエステル化合物が、式(IIIa)の前記CBNA-Me化合物である、請求項126に記載の組成物。
【請求項128】
前記医薬組成物が、
1%~10%のCBNA-Me、
20%~60%のアルコール、および
0%~35%のプロピレングリコールを含む、請求項127に記載の組成物。
【請求項129】
5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む、請求項128に記載の組成物。
【請求項130】
前記医薬組成物が、
2%~10%のCBNA-Me、
30%~60%のエタノール、および
プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む、請求項129に記載の組成物。
【請求項131】
前記組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(III)の前記CBNAエステル化合物の比が、1.05:1~1,000:1である、請求項127~130のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項132】
脂質をさらに含む、請求項81~131のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項133】
前記脂質が、リン脂質、好ましくは天然に存在するリン脂質または合成リン脂質である、請求項132に記載の組成物。
【請求項134】
前記脂質が、大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせから選択される天然に存在するリン脂質である、請求項132に記載の組成物。
【請求項135】
前記脂質が、ホスホコリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスホグリセロール、ホスホセリン、混合鎖リン脂質、リゾリン脂質、ペグ化リン脂質、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項132に記載の組成物。
【請求項136】
前記リン脂質が、ミセル、エマルションまたはリポソームを形成し得る、請求項133~135のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項137】
トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸またはそれらの混合物をさらに含む、請求項81~136のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項138】
シクロデキストリンをさらに含む、請求項137に記載の組成物。
【請求項139】
前記シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン、およびメチルβ-シクロデキストリン(MβCD)から選択される、請求項138に記載の組成物。
【請求項140】
前記組成物が、液体、ミルク、ゲル、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、ムース、泡、噴霧、エアロゾル、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ウエハ、コーティングされたかまたはコーティングされていないビーズ、ロゼンジ、血清、サシェ、カシェ、エリキシル、浸透圧ポンプ、デポシステム、イオントフォレーシスシステム、パッチ、懸濁液、分散液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル、油、および坐剤からなる群から選択される形態である、請求項81~139のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項141】
日焼け止め剤、しわ防止剤および老化防止剤、皮膚剥離剤、美白剤および漂白剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、皮膚コンディショニング剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される美容活性成分をさらに含む、請求項81~140のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項142】
充填剤、乳化剤、固化防止剤、防腐剤、着色剤、香味剤、電解質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される食用賦形剤をさらに含む、請求項81~141のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項143】
前記乳化剤が、水添レシチン、リン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、ジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項142に記載の組成物。
【請求項144】
前記乳化剤が、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、水素化ヒマシ油、グルコン酸ナトリウム、アクリレート、C
10-
30アルキルアクリレートクロスポリマー、ナトリウムカルボキシメチルベータグルカン、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、キサンタンガム、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル-6-ジステアレートホホバエステル、ポリグリセリル-3-蜜蝋、PEG-800、ラウレス-7、C
13-
14イソパラフィン、ポリイソブテン、PEG-200水素化グリセリルパルメート、セルロースガム、PEG-7グリセリルココエート、アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項142に記載の組成物。
【請求項145】
前記固化防止剤が、セルロース、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項142に記載の組成物。
【請求項146】
前記防腐剤が、二酸化硫黄および亜硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項142に記載の組成物。
【請求項147】
前記着色剤が、ブリリアントブルー(E133)、インジゴチン(E132)、ファストグリーン(E143)、エリスロシン(E127)、アルラレッド(E129)、タートラジン(E102)、サンセットイエロー(E110)、および天然食用色素からなる群から選択される、請求項142に記載の組成物。
【請求項148】
前記天然食用色素が、アナトー(E160b)、キャラメル(E150a~d)、カーマイン(E120)、コチニールカイガラムシ、エルダーベリージュース(E163)、リコピン(E160d)、パプリカ(E160c)、ターメリック(E100)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項147に記載の組成物。
【請求項149】
前記香味剤が、リンゴ、チェリー、緑茶、シナモン、クローブ、紅茶、プラム、マンゴー、ナツメヤシ、スイカ、ココナッツ、ナシ、ジャスミン、ピーチ、フェンネル、メロン、ライチ、ミント、チョコレート、コーヒー、クリーム、バナナ、アーモンド、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、マツ、キウイ、サポテ、タロ、ハス、パイナップル、オレンジ、レモン、甘草、バニラ、バラ、オスマンサス、ジンセン、スペアミント、柑橘類、キュウリ、ハニーデューメロン、クルミ、ハチミツ、または任意のそれらの組み合わせから抽出される、請求項142に記載の組成物。
【請求項150】
ビタミン、ミネラル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養素をさらに含む、請求項81~149のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項151】
前記ビタミンが、ビタミンA(レチノールおよびカロテノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸または葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノール)、ビタミンK(キノン)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項150に記載の組成物。
【請求項152】
前記ミネラルが、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項150に記載の組成物。
【請求項153】
前記組成物が、粉末、フレーク、顆粒、カプセル、錠剤、シロップ、溶液、エマルションおよび懸濁液からなる群から選択される形態である、請求項81~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項154】
前記組成物が、パン、シリアル、パスタ、ペストリー、ビスケット、キャンディー、および菓子から選択される食品である、請求項81~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項155】
前記組成物が、飲料である、請求項81~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項156】
前記組成物が、対象の微生物叢に有益な効果を有する、請求項81~155のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項157】
前記組成物が、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料から選択される食用組成物である、請求項81~156のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項158】
前記組成物が、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品からなる群から選択される化粧品用組成物である、請求項81~141のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項159】
請求項1~80のいずれか一項に記載の治療有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、前記対象における疾患または障害を治療、緩和、または軽減する方法。
【請求項160】
前記疾患または障害が、疼痛、神経機能障害、炎症、吐き気、嘔吐、痙攣、精神障害、食欲不振、または緑内障からなる群から選択される、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記疾患または障害が、疼痛である、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記疾患または障害が、炎症である、請求項160に記載の方法。
【請求項163】
前記疾患または障害が、神経機能障害、精神障害または痙攣である、請求項160に記載の方法。
【請求項164】
前記疾患または障害が、吐き気、嘔吐または食欲不振である、請求項160に記載の方法。
【請求項165】
前記疾患または障害が、緑内障である、請求項160に記載の方法。
【請求項166】
前記医薬組成物が、経口、局所、全身、静脈内、皮下、経鼻、直腸、筋肉内、腹腔内、経皮、動脈内、鼻腔内、経膣、吸入により、または気化により投与される、請求項159~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
前記医薬組成物が、経腟投与に適したアプリケーターを使用して投与される、請求項159~166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
前記医薬組成物が、物品に埋め込まれている、請求項159~166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記医薬組成物が、1日に1回、1日に2回、1日に3回、または1日に4回投与される、請求項159~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記医薬組成物が、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される、請求項159~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記医薬組成物が、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回、5ヶ月に1回、または6ヶ月に1回投与される、請求項159~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
前記医薬組成物が、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される、請求項159~171のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
前記1つ以上の追加の薬剤が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記NSAIDが、アセチルサリチル酸、インドメタシン、スリンダク、フェニルブタゾン、ジクロフェナク、フェンチアザク、ケトロラク、ピロキシカム、テノキシカム、メコキシカム、メロキシカム、シンノキシカム、イブフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ナブメトン、ニフルミン酸、ニメスリド、およびそれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記NSAIDが、Cox-2阻害剤である、請求項173に記載の方法。
【請求項176】
前記Cox-2阻害剤が、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、およびバルデコキシブから選択される、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記1つ以上の追加の薬剤が、ホルモン剤である、請求項172に記載の方法。
【請求項178】
前記ホルモン剤が、ダナゾール、経口避妊薬、GnRHアゴニストおよびアンタゴニスト、プロゲスチン、抗プロゲスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ならびにアロマターゼ阻害剤を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
疾患または障害の軽減、緩和、または治療を必要とする対象において疾患または障害の軽減、緩和、または治療で使用するための医薬組成物であって、前記疾患または障害が、疼痛、神経機能障害、炎症、吐き気、嘔吐、痙攣、精神障害、食欲不振、および緑内障から選択され、前記医薬組成物が、請求項1~93のいずれか一項に記載されているものである、医薬組成物。
【請求項180】
対象における外観、ウェルビーイング、および/または健康状態を改善する方法であって、対象に請求項81~158のいずれか一項に記載の化粧品組成物または食用組成物を投与することを含む、方法。
【請求項181】
前記組成物が、局所的に投与される化粧品組成物である、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記化粧品組成物が、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品から選択される、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記組成物が、請求項141に記載されているものである、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記組成物が、経口投与される食用組成物である、請求項180に記載の方法。
【請求項185】
前記食用組成物が、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料から選択される、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記組成物が、請求項81~140、または142~158のいずれか一項に記載されているものである、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
対象の外観、ウェルビーイング、および/または健康状態を改善するのに使用するための化粧品組成物または食用組成物であって、前記化粧品組成物または食用組成物が、請求項81~158のいずれか一項に記載されているものである、化粧品組成物または食用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年8月22日に提出された米国仮特許出願第62/890,079号、2019年8月22日に提出された同62/890,080号、2019年8月22日に提出された同62/890,081、2019年8月22日に提出された同62/890,085号、2019年8月22日に提出された62/890,089号、2019年8月22日に提出された同62/890,090号、2020年1月19日に提出された同62/963,044号、2020年1月19日に提出された同62/963,041号、2020年1月19日に出願された同62/963,043号の利益を主張し、それらの出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
序文
テトラヒドロカンナビノール(THC)は、植物Cannabis sativaに存在する主要な非向精神性フィトカンナビノイド化合物であり、大麻のカンナビノイドの最大25%を構成する。一方、カンナビゲロール(CBG)およびカンナビノール(CBN)は、大麻に微量しか存在しないマイナーなカンナビノイドである。THCおよびCBNの両方が、CB2受容体との親和性が高いCB1受容体で部分アゴニストとして作用し、CBNはTHCと比較してCB2での親和性が低い。植物における2つの主要なカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)およびTHCである。
【0003】
大麻の別の成分は、天然カンナビノイドの前駆体であるテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、およびカンナビノール酸(CBNA)などのカンナビノイド酸である。例えば、THCは、THCAの脱炭酸によって植物内で生成される。CBGAは、天然のカンナビノイド酸の前駆体でもある。脱炭酸に対する相対的な不安定性のために、THCA、CBGA、およびCBNAの化学構造は、先ず、それらのエステル誘導体、すなわち、テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(THCA-Me)、カンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)、およびカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)の解析によって解明される。
【0004】
カンナビノイドベースの化合物は、様々な生物学的活性および効果を有する可能性がある。カンナビノイド酸化合物の望ましい非伝統的な生物学的活性の解明、およびそのような化合物の有用な治療用途の実証は、興味深いものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、カンナビノイド酸エステル化合物を単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステルである。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、カンナビゲロール酸(CBGA)エステルである。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、カンナビノール酸(CBNA)エステルである。また、カンナビノイド酸エステル化合物および1つ以上の追加の治療薬を使用する併用療法を含む、カンナビノイド酸エステル化合物および医薬組成物が使用される様々な治療用途も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
カンナビノイド酸エステル化合物
「カンナビノイド」という用語は、カンナビノイド受容体と相互作用し、かつ結合する化合物を指す。カンナビノイド受容体の結合化合物(すなわち、リガンド)には、エンドカンナビノイド(ヒトおよび動物によって体内で自然に産生される)、フィトカンナビノイド(大麻および他のいくつかの植物に見られる)、および合成カンナビノイド(人工的に製造される)が含まれるが、これらに限定されない。「カンナビノイド酸」という用語は、カンナビノイド化合物のカルボン酸置換形態または誘導体を指す。「カンナビノイド酸エステル」という用語は、カンナビノイド酸化合物のエステル形態を指し、親カンナビノイド酸のカルボン酸置換基はエステル形態である。
【0007】
「テトラヒドロカンナビノール」という用語は、フィトカンナビノイドテトラヒドロカンナビノール(THC)を指す。
【0008】
いくつかの実施形態では、THCは、6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール、またはΔ
9-テトラヒドロカンナビノール(THC)、および次の構造を有する:
【化1】
。
【0009】
いくつかの実施形態では、THCは、6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,10,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール、またはΔ
8-テトラヒドロカンナビノール(THC)、および次の構造を有する:
【化2】
。
【0010】
THCは、産業用麻抽出物または大麻抽出物から得られ得る。テトラヒドロカンナビノールは、植物抽出物から得られ得るか、または合成的に調製され得る(人工的に製造され得る)。
【0011】
「テトラヒドロカンナビノール酸」(THCA)という用語は、THCのカルボン酸形態、例えば、THC化合物の2-カルボキシ誘導体を指す。
【0012】
いくつかの実施形態では、Δ
9-THCAは、1-ヒドロキシ-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-2-カルボン酸と呼ばれ得、次の構造を有する:
【化3】
。
【0013】
いくつかの実施形態では、Δ
8-THCAは、1-ヒドロキシ-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,10,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-2-カルボン酸と呼ばれることがあり、次の構造を有する:
【化4】
。
【0014】
「テトラヒドロカンナビノール酸エステル」および「テトラヒドロカンナビノールエステル」という用語は互換的に使用され、THCAのエステルを指す。「THCA-Me」という用語は、THCAのメチルエステル形態であるテトラヒドロカンナビノール酸メチルエステルを指す。
【0015】
「カンナビゲロール」という用語は、フィトカンナビノイドカンナビゲロール(CBG)を指す。CBGは、(E)-2-[3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオールと呼ばれることがあり、次の構造を有する:
【化5】
。
【0016】
CBGは、(場合によっては、微量のTHCを含む)産業用麻抽出物からか、または大麻抽出物から得られ得る。カンナビゲロールは、植物抽出物から得られ得るか、または合成的に調製され得る(人工的に製造され得る)。
【0017】
カンナビゲロール酸(CBGA)は、CBGの酸形態である。CBGAは、(E)-3-[3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2,4-ジヒドロキシ-6-ペンチル安息香酸と呼ばれることがあり、次の構造を有する:
【化6】
。
【0018】
「カンナビゲロール酸エステル」および「カンナビゲロールエステル」という用語は互換的に使用され、CBGAのエステルを指す。「CBGA-Me」という用語は、CBGAのメチルエステル形態であるカンナビゲロール酸メチルエステルを指す。
【0019】
「カンナビノール」という用語は、フィトカンナビノイドカンナビノール(CBN)を指す。いくつかの実施形態では、CBNは、6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オールと呼ばれることがあり、次の構造を有する:
【化7】
。
【0020】
CBNは、(場合によっては、微量のTHCを含む)産業用麻抽出物からか、または大麻抽出物から得られ得る。カンナビノールは、植物抽出物から得られ得るか、または合成的に調製され得る(人工的に製造され得る)。
【0021】
カンナビノール酸(CBNA)は、CBNの酸形態である。CBNAは、1-ヒドロキシ-6,6,9-トリメチルエ-3-ペンチル-6H-ベンゾ[c]クロメン-2-カルボン酸と呼ばれることがあり、次の構造を有する:
【化8】
。
【0022】
「カンナビノール酸エステル」および「カンナビノールエステル」という用語は、互換的に使用され、CBNAのエステルを指す。「CBNA-Me」という用語は、CBNAのメチルエステル形態であるカンナビノール酸メチルエステルを指す。
【0023】
本開示は、例えば、本明細書に記載されるように、様々な治療用途での使用を見出すカンナビノイド酸エステル化合物を含む組成物を提供する。本発明者らは、例えば本明細書に記載されるように、カンナビノイド酸エステル化合物の様々な望ましい生物学的活性および新しい治療用途を発見し、かつ解明した。カンナビノイド酸化合物のエステル形態は、(例えば、本明細書に記載されるように)治療用途における対象への投与に適した生物活性化合物の望ましくかつ有用な形態であり得る。場合によっては、エステル形態は、一般に、親カンナビノイド酸化合物よりも、例えば、インビボでより安定である。
【0024】
いくつかの実施形態では、カンナビノール酸エステル化合物は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステルである。
【0025】
いくつかの実施形態では、カンナビノール酸エステル化合物は、カンナビゲロール酸エステル(CBGAエステル)である。
【0026】
いくつかの実施形態では、カンナビノール酸エステル化合物は、カンナビノール酸エステル(CBNAエステル)である。
【0027】
様々なカンナビノイド酸化合物を、エステル形態で本明細書に記載の治療方法で使用するために適応させることができる。カンナビノイド酸化合物の任意の便利なエステル形態を利用することができる。カンナビノイド酸化合物の特定のエステル形態は、投与された薬物およびその任意の活性代謝物の所望の安定性プロファイルおよびインビボでの半減期を提供するように選択することができる。
【0028】
本明細書に記載されるように、対象となるカンナビノイド酸化合物には、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、および同じコア構造を有するが、例えば、THCAのペンチル基の置換のように異なる置換基を含むTHCAの類似体、および異性体が含まれる。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、式(I)のTHCAエステルもしくはその類似体、
【化9】
、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0029】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ia)のTHCAエステル化合物:
【化10】
、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0030】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ib)のTHCAエステル化合物:
【化11】
、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0031】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ
9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
9-THCA-Me)化合物である:
【化12】
。
【0032】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Id)のΔ
8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
8-THCA-Me)化合物である:
【化13】
。
【0033】
本明細書に記載されるように、対象となるカンナビノイド酸化合物には、カンナビゲロール酸(CBGA)、および同じコア構造を有するが、例えば、CBGAのペンチル基の置換のように異なる置換基を含むCBGAの類似体、および異性体が含まれる。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、式(II)のCBGAエステルまたはその類似体:
【化14】
、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0034】
いくつかの実施形態では、式(II)のCBGAエステル化合物は、式(IIa)のCBGAエステル化合物である:
【化15】
。
【0035】
本明細書に記載されるように、対象となるカンナビノイド酸化合物には、カンナビゲロール酸(CBNA)、および同じコア構造を有するが、例えば、CBNAのペンチル基の置換のように異なる置換基を含むCBNAの類似体、および異性体が含まれる。いくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物は、式(III)のCBNAエステルまたはその類似体:
【化16】
、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0036】
いくつかの実施形態では、式(III)のCBNAエステル化合物は、式(IIIa)のCBNAエステル化合物である:
【化17】
。
【0037】
カンナビノイド酸エステル化合物の重水素化類似体もまた提供される。
【0038】
場合によっては、化合物は、THCAエステル化合物の重水素化類似体である。式(I)~(Id)の化合物の重水素化類似体は、1つ以上の水素原子が重水素で置換されている化合物である。いくつかの実施形態では、重水素化類似体は、重水素化R1基を含む式(I)の化合物である。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD3である。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD2-CD3である。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物の重水素化類似体は、重水素化されるR2基を含む。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(I)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC2-C6アルキルまたは置換C2-C6アルキルである。
【0039】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IV)のTHCA-Meエステルの重水素化類似体:
【化18】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0040】
式(IV)のいくつかの実施形態では、THCA-Meエステルの重水素化類似体は、式(IVa)の化合物:
【化19】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0041】
式(IV)のいくつかの実施形態では、THCA-Meの重水素化類似体は、式(IVb)の化合物:
【化20】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0042】
式(IV)のいくつかの実施形態では、THCA-Meの重水素化類似体は、式(IVc)の化合物:
【化21】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0043】
式(IV)のいくつかの実施形態では、THCA-Meの重水素化類似体は、式(IVd)の化合物:
【化22】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0044】
場合によっては、化合物は、CBGAエステル化合物の重水素化類似体である。式(II)または(IIa)の化合物の重水素化類似体は、1つ以上の水素原子が重水素で置換されている化合物である。いくつかの実施形態では、重水素化類似体は、重水素化R1基を含む式(II)の化合物である。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD3である。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD2-CD3である。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物の重水素化類似体は、重水素化されるR2基を含む。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC2-C6アルキルまたは置換C2-C6アルキルである。
【0045】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(V)のCBGA-Meエステルの重水素化類似体:
【化23】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0046】
場合によっては、化合物は、CBNAエステル化合物の重水素化類似体である。式(III)または(IIIa)の化合物の重水素化類似体は、1つ以上の水素原子が重水素で置換されている化合物である。いくつかの実施形態では、重水素化類似体は、重水素化R1基を含む式(III)の化合物である。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。式(II)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD3である。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R1は、-CD2-CD3である。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物の重水素化類似体は、重水素化されるR2基を含む。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC1-C10アルキルまたは置換C1-C10アルキルである。式(III)の重水素化類似体のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つの重水素原子を含むC2-C6アルキルまたは置換C2-C6アルキルである。
【0047】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VI)のCBNA-Meエステルの重水素化類似体:
【化24】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0048】
カンナビノイド酸エステル化合物のフッ素化類似体もまた提供される。
【0049】
場合によっては、化合物は、THCAエステル化合物の重水素化類似体である。式(I)~(Id)の化合物のフッ素化類似体は、1つ以上の水素原子がフッ素で置換されている化合物である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、フッ素化類似体は、フッ素化されるR1基を含む。式(I)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(I)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C6アルキルである。式(I)のいくつかの実施形態では、R1は、-CF3である。式(I)のいくつかの実施形態ではR1は、-CF2-CF3である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物のフッ素化類似体は、フッ素化されるR2基を含む。式(I)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(I)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C2-C6アルキルである。
【0050】
式Iの化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、THCAエステルのフッ素化類似体である。別の実施形態では、THCAエステルのフッ素化類似体は、式(VII)の化合物:
【化25】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0051】
式(VII)の化合物のいくつかの実施形態では、THCAエステルのフッ素化類似体は、式(VIIa)の化合物:
【化26】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0052】
式(VII)の化合物のいくつかの実施形態では、THCAエステルのフッ素化類似体は、式(VIIb)の化合物:
【化27】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0053】
式(VII)の化合物のいくつかの実施形態では、THCAエステルのフッ素化類似体は、式(VIIc)の化合物:
【化28】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0054】
式(VII)の化合物のいくつかの実施形態では、THCAエステルのフッ素化類似体は、式(VIId)の化合物:
【化29】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0055】
場合によっては、化合物は、CBGAエステル化合物のフッ素化類似体である。式(II)または(IIa)の化合物のフッ素化類似体は、1つ以上の水素原子がフッ素で置換されている化合物である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、フッ素化類似体は、フッ素化されるR1基を含む。式(II)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(II)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C6アルキルである。式(II)のいくつかの実施形態では、R1は、-CF3である。式(II)のいくつかの実施形態では、R1は、-CF2-CF3である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物のフッ素化類似体は、フッ素化されるR2基を含む。式(II)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(II)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C2-C6アルキルである。
【0056】
式IIの化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、CBGAエステルのフッ素化類似体である。別の実施形態では、CBGAエステルのフッ素化類似体は、式(VIII)の化合物:
【化30】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0057】
場合によっては、化合物は、CBNAエステル化合物のフッ素化類似体である。式(III)または(IIIa)の化合物のフッ素化類似体は、1つ以上の水素原子がフッ素で置換されている化合物である。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、フッ素化類似体は、フッ素化されるR1基を含む。式(III)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(III)のいくつかの実施形態では、R1は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C6アルキルである。式(III)のいくつかの実施形態では、R1は、-CF3である。式(III)のいくつかの実施形態では、R1は、-CF2-CF3である。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、カンナビノイド酸エステル化合物のフッ素化類似体は、フッ素化されるR2基を含む。式(III)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C1-C10アルキルである。式(III)のいくつかの実施形態では、R2は、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む置換C2-C6アルキルである。
【0058】
式IIIの化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、CBNAエステルのフッ素化類似体である。別の実施形態では、CBNAエステルのフッ素化類似体は、式(IX)の化合物:
【化31】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0059】
式(I)のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ic)のΔ
9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
9-THCA-Me)化合物:
【化32】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0060】
式(I)のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Id)のΔ
8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
8-THCA-Me)化合物:
【化33】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0061】
式(II)のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIa)のカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物:
【化34】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0062】
式(III)のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物:
【化35】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0063】
本開示の態様は、化合物(例えば、本明細書に記載される)、その塩(例えば、薬学的に許容される塩)、および/またはその溶媒和物もしくは水和物の形態を含む。塩、溶媒和物および水和物のすべての順列は、本開示に包含されることを意味することが理解されよう。いくつかの実施形態では、主題の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で提供される。
【0064】
医薬組成物
本開示は、カンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載されるように、式(I)~(IX)のいずれか1つの化合物など)、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。主題の医薬組成物は、様々な治療適応症および他の使用(例えば、本明細書に記載される)での用途を見出す。
【0065】
第1の態様では、本開示は、
式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステル化合物、
【化36】
式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物、
【化37】
式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物、
【化38】
それらの組み合わせ、
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1-C
10アルキル、置換C
1-C
10アルキル、C
2-C
10アルケニル、置換C
2-C
10アルケニル、C
2-C
10アルキニル、および置換C
2-C
10アルキニルから選択される)、またはそれらの薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物を提供する。
【0066】
組成物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルから選択される。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチルである。
【0067】
組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C1-C10アルキル、または置換C1-C10アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C2-6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、ペンチルである。
【0068】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ia)のTHCAエステル化合物:
【化39】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0069】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ib)のTHCAエステル化合物:
【化40】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0070】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、THCA-Me化合物は、鏡像異性的に純粋なTHCA-Me、THCA-Meの立体異性混合物、THCA-Meのジアステレオマー混合物、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ
9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
9-THCA-Me)化合物:
【化41】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0072】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Id)のΔ
8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ
8-THCA-Me)化合物:
【化42】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0073】
いくつかの実施形態では、式(II)のCBGAエステル化合物は、式(IIa)のカンナビゲロ-ル酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物:
【化43】
、
またはその薬学的に許容される塩である。
【0074】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、CBGA-Me化合物は、CBGA-Meのジアステレオマー混合物、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0075】
いくつかの実施形態では、式(III)のCBNAエステル化合物は、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物:
【化44】
またはその薬学的に許容される塩である。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、薬学的に許容される賦形剤は、水溶液または担体である。いくつかの実施形態では、水溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの生理学的またはほぼ生理学的pHを有する緩衝液である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、張性調節剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、およびそれらの組み合わせから選択される。主題の医薬組成物の例示的な賦形剤、添加剤、および追加の成分は、以下でさらに詳細に説明される。
【0077】
いくつかの実施形態では、主題の医薬組成物は、1つ以上の追加の活性医薬成分(API)をさらに含み得る。別の実施形態では、1つ以上の追加のAPIは、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、主題の医薬組成物は、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物をさらに含むことができる。追加のカンナビノイド化合物は、単離された化合物、または複合混合物の一部であり得る。追加のカンナビノイド化合物は、粗成分または組成成分、あるいは精製サンプルの一部であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、医薬組成物に含まれる1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、1つ以上の大麻植物抽出物に含まれる。大麻植物抽出物は、任意の便利な供給元から得ることができる。いくつかの実施形態では、大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、高濃度のカンナビジオール(CBD)を有する株、高濃度のテトラヒドロカンナビノール(THC)を有する株、およびそれらの組み合わせから選択される植物株から生成される。
【0080】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸、それらの酸のエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるカンナビノイド化合物を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、カンナビジオール(CBD)、カンビゲロール(CBG)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(エキソ-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、およびそれらのエステル、それらの立体異性体、それらの重水素化類似体、それらのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0082】
いくつかの実施形態では、医薬組成物に組み込まれる1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のCBDなどの、約1%(w/w)以上のCBDを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のCBDを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のTHCなどの、約1%(w/w)以上のTHCを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のTHCを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む1つ以上の大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせによる大麻植物からの抽出によって生成される。いくつかの実施形態では、溶媒は、薬学的に許容される溶媒であり、例えば、許容されない副作用なしに哺乳動物への投与に適した無毒性溶媒であるが、これに限定されない。溶媒は、水性または非水性溶媒であり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒、二酸化炭素、油、またはそれらの組み合わせである。
【0086】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、極性溶媒である。
【0087】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールである。
【0088】
いくつかの実施形態では、抽出のための極性溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル(EtOAc)、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert-ブタノール、またはジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、溶媒は、アルコール溶媒である。いくつかの実施形態では、アルコール溶媒は、エタノールである。
【0090】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、ペンタン、ヘキサン、n-ヘキサン、キシレン、トルエン、またはベンゼンを含む炭化水素溶媒である。
【0091】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、コパイバ油、植物油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、アボカド油、ピーナッツ油、カノーラ油、綿実油、大豆油、サフラワー油、サンフラワー油、ヒマシ油、コーン油、パーム油、けし油、またはクルミ油を含む油である。別の実施形態では、医薬組成物は、コパイバ油を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1%~20%(w/w)のカンナビノイド酸エステル化合物および50%~90%の植物油を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1%~10%(w/w)の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ9-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、医薬組成物は、1%~10%のΔ9-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、2%~10%のΔ9-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Id)のΔ8-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、医薬組成物は、1%~10%のΔ8-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、2%~10%のΔ8-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(I)のTHCAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0097】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1%~10%(w/w)の式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、CBGAエステル化合物は、式(IIa)のCBGA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、医薬組成物は、1%~10%のCBGA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、2%~10%のCBGA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0099】
別の実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(II)のCBGAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0100】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1%~10%(w/w)の式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、CBNAエステル化合物は、式(IIIa)のCBNA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、医薬組成物は、1%~10%のCBNA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、2%~10%のCBNA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(III)のCBNAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0103】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カンナビノイド、医薬担体、共溶媒、浸透促進剤、および乳化剤の組み合わせを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、約5%~80%の医薬担体、約50%の共溶媒、約1%~5%の浸透促進剤、約0.1%~20%の乳化剤、および0.001%~10%カンナビノイドの組み合わせを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5%~60%の無水ラノリン、約5%~80%のオリーブ油、約0.2%~20%のポリソルベート、約0.001%~10%のカンナビノイドの組み合わせ、およびホホバ油を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5%~60%の無水ラノリン、約5%~80%の白色ワセリン、約5%~80%のホワイトオリーブ油、約0.2%~20%のポリソルベート80、および約0.001%~10%のカンナビノイドの組み合わせを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0%~50%のエタノール、約5%~30%のグリセロール、約10%~90%のプロピレングリコール、および約0.2%~25%のシクロスポリンA粉末を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~1,000:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(I)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~5:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(I)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、5:1~50:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(I)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、50:1~500:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(I)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、500:1~1,000:1である。
【0108】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(II)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~1,000:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(II)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~5:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(II)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、5:1~50:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(II)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、50:1~500:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(II)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、500:1~1,000:1である。
【0109】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(III)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~1,000:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(III)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、1.05:1~5:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(III)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、5:1~50:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(III)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、50:1~500:1である。別の実施形態では、医薬組成物中の式(III)のカンナビノイド酸エステル化合物と追加のカンナビノイド化合物との比は、500:1~1,000:1である。
【0110】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、脂質をさらに含む。脂質は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物であり得る。
【0111】
別の実施形態では、脂質は、リン脂質、好ましくは天然に存在するリン脂質または合成リン脂質である。別の実施形態では、脂質は、大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせから選択される天然に存在するリン脂質である。別の実施形態では、脂質は、ホスホコリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスホグリセロール、ホスホセリン、混合鎖リン脂質、リゾリン脂質、ペグ化リン脂質、およびそれらの組み合わせから選択される合成リン脂質である。
【0112】
いくつかの実施形態では、リン脂質は、ミセル、エマルション、またはリポソームを形成し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカンナビノイド酸エステル化合物は、マイクロカプセル化粒子で提供される。カプセル化は、リポソームカプセル粒子または他のタイプの粒子中のカンナビノイド材料に存在するカンナビノイドおよび他の材料をもたらす可能性がある。
【0113】
いくつかの実施形態では、マイクロカプセル化またはナノカプセル化は、カンナビノイドの生物学的利用能を増加させ、それによって、粘膜を介した吸収後のカンナビノイドの効力を増加させ得る。マイクロカプセル化またはナノカプセル化は、20~40nmのサイズの粒子がもたらされる可能性がある。マイクロカプセル化またはナノカプセル化は、水性環境でのカンナビノイド粒子の溶解を促進する。
【0114】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ポリオキシエチレンエーテル、エステル、またはアルコールから選択される少なくとも1つのミセル形成化合物、アルカリ金属アルキルサルフェート、胆汁酸、レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の薬学的に許容される塩、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、グリコール酸、乳酸、カモミール抽出物、キュウリ抽出物、オレイン酸、リノレン酸、ボラージ油、月見草油、トリヒドロキシオキソコラニルグリシン、グリセリン、ポリグリセリン、リジン、ポリリジン、トリオレイン、それらの塩、およびそれらの混合物を含む。ある特定の実施形態によれば、胆汁酸または胆汁酸塩は、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、タウロコール酸(TCA)、グリココール酸(GCA)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0115】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物をさらに含む。医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、シクロデキストリン、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、シクロデキストリンをさらに含む。別の実施形態では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン、およびメチルβ-シクロデキストリン(MβCD)から選択される。
【0117】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、水性である。別の実施形態では、薬学の許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、可溶化剤、張性増強剤、着色剤、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0118】
いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、グリシン、α-トコフェロールもしくはアスコルビン酸塩、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、またはそれらの混合物である。
【0119】
いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD(例えば、ビタミンD1、D2、D3、D4、および/またはD5)、ビタミンE、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(例えば、リボフラビン)、ビタミンB3(例えば、ナイアシンまたはナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンD6(ピリドキシン)、ビタミンD7(ビオチン)、ビタミンB9(例えば、葉酸塩または葉酸)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンK(例えば、K1、K2、K3、K4、およびK5)、およびコリンから選択される。
【0120】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、水素化ヒマシ油、グルコン酸ナトリウム、アクリレート、C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、ナトリウムカルボキシメチルベータグルカン、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、キサンタンガム、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル-6-ジステアレートホホバエステル、ポリグリセリル-3-蜜蝋、PEG-800、ラウレス-7、C13-14イソパラフィン、ポリイソブテン、PEG-200水素化グリセリルパルメート、セルロースガム、PEG-7グリセリルココエート、アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0121】
本明細書に記載されるように、可溶化剤および乳化剤を使用して、カンナビノイド酸エステル化合物の生物学的利用能を改善することができる。生物学的利用能とは、活性部分(薬物または代謝物)が体循環に入り、それによって作用部位にアクセスする程度および速度を指す。所与の製剤の生物学的利用能は、体循環に吸収される経口投与された用量の相対的割合の推定値を提供する。生物学的利用能の低さは、水溶性が低く、吸収が遅い薬物の経口投薬形態で最も一般的である。胃腸管での吸収時間が不十分であることが、生物学的利用能の低さの一般的な原因である。薬物が容易に溶解しないか、上皮膜に浸透できない場合(例えば、高度にイオン化され、かつ極性がある場合)、吸収部位での時間が不十分である可能性がある。経口投与された薬物は、腸壁の後、肝臓への門脈循環を通過しなければならず、これらは両方とも初回通過代謝(薬物が体循環に到達する前に生じる代謝)の一般的な部位である。
【0122】
いくつかの実施形態では、生物学的利用能増強剤は、食用油もしくは脂肪、保護コロイド、または保護コロイドおよび食用油の両方もしくは脂肪である。別の実施形態では、生物学的利用能増強剤はまた、親油性活性剤矯味剤である。別の実施形態では、対象における親油性活性剤の生物学的利用能は、生物学的利用能増強剤の非存在下での対象における親油性活性剤の生物学的利用能より最後には約2倍、5倍、または10倍大きい。
【0123】
いくつかの実施形態では、張性増強剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハロゲン化物、尿素、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、およびデキストロースなどのイオン性および非イオン性薬剤を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、防腐剤は、塩化物、塩化ベンゾキソニウム、チオメルサール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルアルコール、クロロヘキシジン、またはポリヘキサメチレンビグアニドを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、香味剤は、スクラロースなどの甘味剤、ならびに合成香味油および香味芳香族化合物、天然油、植物、葉、花、および果実からの抽出物、ならびにそれらの組み合わせを含む。例示的な香味剤には、シナモン油、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、クローバー油、干し草油、アニス油、ユーカリ、バニラ、レモン油などの柑橘油、オレンジ油、グレープおよびグレープフルーツ油、ならびにリンゴ、桃、梨、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、およびアプリコットを含む果実エッセンスが含まれる。
【0126】
いくつかの実施形態では、着色剤は、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、アンナット抽出物、炭酸カルシウム、カンタキサンチン、キャラメル、β-カロテン、コチニール抽出物、カーマイン、カリウムナトリウム銅クロロフィリン(クロロフィリン銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、合成鉄酸化物、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、雲母ベース真珠光沢顔料、パイロフィライト、雲母、歯磨剤、タルク、二酸化チタン、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、および酸化亜鉛を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、pH調整剤は、有機酸または鉱酸である。
【0128】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、経口、局所、全身、静脈内、皮下、経鼻、直腸、筋肉内、腹腔内、経皮、動脈内、鼻腔内、膣内、気化による、または吸入による投与のために処方される。
【0129】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、液体、ゲル、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ウエハ、コーティングされたかまたはコーティングされていないビーズ、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、浸透圧ポンプ、デポシステム、イオン泳動システム、パッチ、懸濁液、分散液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル、油、および坐剤から選択される形態である。
【0130】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために処方される。いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤またはカプセルとして処方される。いくつかの実施形態では、経口投与された製剤は、任意にコーティングまたはスコアリングされ、そこに含まれる活性成分の持続放出、遅延放出、または制御放出を提供するように処方され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、経口投与に適した製剤は、フィルム形成剤としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムと、ヒドロキシプロピルセルロースまたはメチルセルロースとの混合物を含む。製剤を製造するために使用されるカルボキシメチルセルロースナトリウムとヒドロキシプロピルセルロース(またはメチルセルロース)の比率は、フィルムに所望の溶解時間および口あたりをもたらし、さらに許容される生成物取り扱い特性を与えるように選択される。製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロース(またはメチルセルロース)の製剤の重量に基づいて、約5重量%~75重量%、特に約15~50重量%を含み得る。ペクチンはまた、約4~25重量%の範囲の量で、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースまたはメチルセルロースと組み合わせることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4℃~37℃の範囲の温度で液体の形態で処方される。
【0133】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、生理学的温度でゲルの形態で処方される。別の実施形態では、医薬組成物は、カンナビノイド成分またはその塩がゲルマトリックスに封入されているゲルである。別の実施形態では、ゲル組成物は、水中油型(o/w)エマルションを含み得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カンナビノイド酸エステルの徐放のために処方される。別の実施形態では、医薬組成物は、放出遅延剤または放出遅延剤の混合物をさらに含む。別の実施形態では、医薬組成物は、腸溶コーティング剤によって少なくとも部分的にコーティングされている。
【0135】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化剤ベースのクリーム、角質溶解剤、コールタール軟膏、ステロイド、ビタミンD類似体、アントラリン、レチノイドタザロテン、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0136】
別の実施形態では、角質溶解剤は、尿素またはサリチル酸で処方される。
【0137】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、抗ヒスタミン薬、麻酔薬、テルペン、またはそれらの組み合わせをさらに含む
【0138】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに増粘剤である。
【0139】
いくつかの実施形態では、増粘剤は、多糖類、多糖類塩、またはそれらの組み合わせである。別の実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、セルロース誘導体、コンドロイチン硫酸、ケラタン、ヘパリン、キサンタン、ガラクトマン、アルギネート、およびそれらの組み合わせから選択される
【0140】
いくつかの実施形態では、増粘剤は、1mg/ml~100mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する別の実施形態では、増粘剤は、10mg/ml~25mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0141】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大1,800センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大1,600センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大1,500センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。
【0142】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の粘度は、4℃~12℃で5,000センチポアズ未満である。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、4℃~12℃で500センチポアズ未満である。
【0143】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の粘度は、37℃で500,000センチポアズ超である。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、37℃で1x103センチポアズ超である。別の実施形態では、医薬組成物の粘度は、37℃で3.5x103センチポアズ超である。
【0144】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの生理学的に許容されるフィルム形成剤を含む。いくつかの実施形態では、生理学的に許容されるフィルム形成剤は、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、カラギーナン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、グリコリド、ポリラクチド、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、アルギン酸、エンドウ豆デンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、およびそれらの混合物から選択される。製剤に、キサンタンガム、トラガカンスガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム、アラビアガム、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、ホエイタンパク質分離物、カゼイン、およびそれらの混合物のような薬剤を含む二次的なフィルム形成剤を加えて、引張強度、安定性、柔軟性、および脆性などのウエハ特性を最適化することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、組成物は、多血小板血漿(PRP)または多血小板フィブリン(PRF)をさらに含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、PRPは、白血球に富むPRP(L-PRP)、白血球が減少したPRP、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0147】
いくつかの実施形態では、PRFは、白血球多血小板フィブリン、純粋な多血小板フィブリン、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0148】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、10%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、7%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.5%(w/w/)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.01%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.001%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、10%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、7%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.01%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.001%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、10%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、7%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.5%(w/w/)以下の式(I III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む 別の実施形態では、医薬組成物は、0.1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.01%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.001%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0151】
治療方法
本開示の態様は、標的疾患または障害(例えば、本明細書に記載されるもの)を治療、緩和、または軽減する方法を含み、この方法は、その治療を必要とする対象に、主題のカンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載されるもの)または主題の医薬組成物(例えば、本明細書に記載されるもの)を投与することを含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、疾患、障害または症状は、フィトカンナビノイドCB受容体1に関連している。別の実施形態では、疾患、障害または症状は、フィトカンナビノイドCB受容体2に関連している。別の実施形態では、疾患、障害、または症状は、フィトカンナビノイド受容体GPR55に関連している。別の実施形態では、疾患、障害、または症状は、フィトカンナビノイド受容体5HT3Aに関連している。さらに別の実施形態では、疾患、障害、または症状は、フィトカンナビノイド受容体PPARγに関連している。
【0153】
主題のカンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載されるもの)または主題の医薬組成物の投与は、標的の適応症および対象に応じて、任意の便利な方法を介して実施することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与される。別の実施形態では、組成物は、局所投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、全身投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、皮下投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、吸入投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、気化投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、経鼻投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、直腸投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、局所投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、筋肉内投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、腹腔内投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、経皮投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、動脈内投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、膣内投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、物品に埋め込まれている。
【0154】
投与される化合物または組成物の量は、選択された投与経路、年齢、体重、および標的疾患に対する対象の症状の重症度を含む様々なパラメータに従って、医師によって決定されることを理解されたい。
【0155】
投与量とレジメンは、標的の適応症および治療される対象に応じて異なるであろう。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、または月に1回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回、5ヶ月に1回、または6ヶ月に1回投与される。
【0156】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、食物の摂取の少なくとも30分前に投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、食物の摂取の少なくとも1時間、2時間、または3時間前に投与される。
【0157】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1週間を超える期間投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4週間を超える期間投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2ヶ月を超える期間投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、3、4、5、または6ヶ月を超える期間投与される。
【0158】
いくつかの実施形態では、テトラヒドロカンナビノール酸エステルの有効用量は、体重の0.1~500mg/kg/日、体重の1~250mg/kg/日、体重の2~100mg/kg/日、または5~50mg/kg/日の範囲であり、単回投与または1日を通して分割投与してもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、カンナビゲロリン酸エステルの有効用量は、体重の0.1~500mg/kg/日、体重の1~250mg/kg/日、体重の2~100mg/kg/日、または5~50mg/kg/日の範囲であり、単回投与または1日を通して分割投与してもよい。
【0160】
いくつかの実施形態では、カンナビノール酸エステルの有効用量は、体重の0.1~500mg/kg/日、体重の1~250mg/kg/日、体重の2~100mg/kg/日、または5~50mg/kg/日の範囲であり、単回投与または1日を通して分割投与してもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.02g/kg/日~約0.5g/kg/日の単位剤形で投与される。別の実施形態では、単位剤形は、1日の任意の時間に食物と一緒に、1日の任意の時間に食物なしで、または一晩の断食後に食物一緒に(例えば、朝食一緒に)投与される。
【0162】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0163】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の賦形剤に加えて成分を含み得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、投与単位である。いくつかの実施形態では、投与単位は、本明細書に記載されるような活性医薬成分および1つ以上の追加の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、投与単位の1つ以上の治療薬は、任意に、徐放性製剤または制御放出製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカンナビノイド化合物は、制御放出製剤または徐放性製剤のいずれかに含まれる場合も含まれない場合もある別の薬剤と同じ投与単位で徐放性製剤または徐放性製剤に存在し得る。いくつかの実施形態では、単位剤形は、即時放出のために処方された本明細書に記載の1つ以上の治療薬、および制御放出または徐放性のために処方された本明細書に記載の1つ以上の他の治療薬を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約20mgのカンナビノイド酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物の単位剤形を含む。別の実施形態では、単位剤形は、約20mg~約2,000mgのカンナビノイド酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約20mgのテトラヒドロカンナビノール酸エステルまたはテトラヒドロカンナビノール酸エステルを含むカンナビノイドの混合物の単位剤形を含む。別の実施形態では、単位剤形は、約20mg~約2,000mgのテトラヒドロカンナビノール酸エステルまたはテトラヒドロカンナビノール酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。ある特定の実施形態では、単位剤形は、約50mg、100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600、約700mg、約800mg、約900mg、または約1000mgのテトラヒドロカンナビノール酸エステルまたはテトラヒドロカンナビノール酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約20mgのカンナビゲロリン酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物の単位剤形を含む。別の実施形態では、単位剤形は、約20mg~約2,000mgのカンナビゲロリン酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。ある特定の実施形態では、単位剤形は、約50mg、100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600、約700mg、約800mg、約900mg、または約1000mgのカンナビゲロリン酸エステルまたはカンナビネロリン酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約20mgのカンナビノイド酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物の単位剤形を含む。別の実施形態では、単位剤形は、約20mg~約2000mgのカンナビノイド酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。ある特定の実施形態では、単位剤形は、約50mg、100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600、約700mg、約800mg、約900mg、または約1000mgのカンナビノール酸エステルまたはカンナビノイド酸エステルを含むカンナビノイドの混合物を含む。
【0169】
主題のカンナビノイド化合物およびそれを含む医薬組成物を使用する方法のさらなる態様を以下で論じる。
【0170】
疼痛
疼痛性障害は、1つ以上の領域で患者が経験する急性および/または慢性の疼痛であり、心理的ストレスを含むがこれに限定されない様々な因子によって引き起こされると考えられる。疼痛性障害は、患者が適切に機能するのを妨げ得る。疼痛の持続時間は、数日の短さまたは数年の長さであり得る。疼痛は、いずれかの年齢でかつ性別を問わず始まる対象における経験であり得る。疼痛性障害は、疼痛を引き起こす病気の間に発生し得る。場合によっては、疼痛性障害は、多発性硬化症、線維筋痛症、がん、および末梢神経障害によって引き起こされる。
【0171】
本開示の態様は、主題の化合物および医薬組成物を使用して、疼痛性障害または症状を治療する方法を含む。この方法は、疼痛性障害または症状を有する対象に、治療有効量の本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、疼痛の治療に使用するためのものである。別の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、疼痛の軽減に使用するためのものである。別の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、疼痛の緩和に使用するためのものである。
【0173】
神経機能障害
神経障害は、神経系(神経)症状を特徴とし、脳がどのように機能するかに関連している。兆候および症状は、機能性神経障害の種類に応じて異なり、特定のパターンが含まれる場合がある。通常、これらの障害は、歩く、飲み込む、見る、聞く能力など、患者の動きや感覚に影響を与える。症状は重症度が異なる場合があり、現れたり消えたりする場合もあれば持続する場合もあり、これには、脱力感および麻痺、振戦もしくは歩行困難などの異常な動き、平衡障害、嚥下困難、発作もしくは震えのエピソード、非てんかん性発作、無反応のエピソード、しびれもしくは触覚の喪失、発話、視覚および聴覚問題などの明らかな意識の喪失が含まれるが、これらに限定されない。
【0174】
機能性神経障害の原因は不明であり、その状態は神経障害によって、またはストレスや心理的または身体的外傷への反応によって引き起こされる可能性がある。機能性神経障害は、脳がどのように機能するかに関係する。
【0175】
本開示の態様は、主題の化合物および医薬組成物を使用して、神経疾病または障害を治療する方法を含む。この方法は、疼痛性障害または症状を有する対象に、治療有効量の本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、脳卒中、外傷、パーキンソン病、血管性痴呆、老人性痴呆、アルツハイマー病、軽度認知障害、ハンチントン病、筋萎縮性側方硬化症(ALS)、てんかん、多発性硬化症、および精神障害からなる群から選択される神経機能障害の治療に使用するためのものである。
【0177】
いくつかの実施形態では、神経機能障害は、てんかんである。
【0178】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の投与は、対象の神経機能障害を改善する。別の実施形態では、医薬組成物は、歩くおよび飲み込む能力などの対象の動き、見る、聞く、平衡などの能力、てんかんエピソード、震えのエピソード、および非てんかん発作、無反応のエピソード、しびれもしくは触覚の喪失、発話、視覚および聴覚問題などの明らかな意識の喪失を改善する。別の実施形態では、医薬組成物は、発作エピソードの数を減らす。別の実施形態では、医薬組成物は、震えの頻度および明らかな意識エピソードの喪失を低減させる。別の実施形態では、医薬組成物は、非てんかん発作の頻度を低減させる。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、不応答性エピソードの頻度を低減させる。
【0179】
いくつかの実施形態では、精神障害は、鬱病、不安、急性または慢性ストレス、統合失調症、パニック発作、ADHA、双極性障害、強迫性障害、および人格障害からなる群から選択される。
【0180】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の投与は、精神障害およびその症状を改善する。
【0181】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、週に2日に1回、週に3日に1回、週に4日に1回、または週に5日に1回投与される。
【0182】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療上有効な量で局所投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、最大1日約4回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、1日2回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、約12時間の間隔で1日2回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、1日1回投与される。
【0183】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、神経疾患または障害を治療するのに適した1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0184】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、神経疾患または障害を治療するのに適した1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0185】
自己免疫疾患および炎症
自己免疫疾患は、免疫系が自身の組織を異物と間違え、体に不適切な付着を開始する場合に発生する。過度な炎症は、これらの慢性疾患の共通の特徴である。自己免疫疾患の例には、多発性硬化症、1型糖尿病、クローン病、狼瘡、および関節リウマチが含まれるが、これらに限定されない。自己免疫疾患では、サイトカインやケモカインの過剰産生が体組織の炎症を引き起こす。この状態は、マクロファージ、好中球、およびT細胞などの細胞である、ケモカインがより破壊的な免疫系構成要素を呼び寄せるときに、炎症部位に対して悪化させ、炎症応答性を増幅させる。
【0186】
本開示の態様は、主題の化合物および医薬組成物を使用して、神経疾患または自己免疫疾患を治療する方法を含む。この方法は、炎症および/または自己免疫疾患を有する対象に、治療有効量の本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、1型糖尿病、リウマチ性関節炎(RA)、乾癬/乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患(IBD)、アディソン病、グレイブス病、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、自己免疫性血管炎、悪性貧血、およびセリアック病から選択される。
【0188】
いくつかの実施形態では、自己免疫疾患の症状は、倦怠感、筋肉痛、腫れおよび発赤、微熱、集中力欠如、手足のしびれおよびうずき、脱毛、および皮膚発疹から選択される。
【0189】
いくつかの実施形態では、本開示は、炎症性皮膚疾患または障害を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、炎症性皮膚疾患または障害は、乾癬、アトピー性皮膚炎(AD)、湿疹、光線性角化症、魚鱗癬、尋常性天疱瘡、にきび、グローバー病(一過性棘融解性皮膚症)、ケラトアカントーマ、化膿性汗腺炎、脂漏性角化症、苔癬状粃糠疹、円形脱毛症、基底細胞がん、ボーエン病、先天性赤血球生成性ポルフィリン症、接触性皮膚炎、ダリエ病、栄養障害型表皮水疱症、単純性膿疱性水疱症、赤血球生成性プロトポルフィリン症、爪の真菌感染症、単純ヘルペス、化膿性汗腺炎、魚鱗癬、膿痂疹、ケロイド、毛孔性苔癬、扁平苔癬、硬化性苔癬、尋常性天疱瘡、足底疣贅(疣贅)、苔癬状粃糠疹、多形日光疹、壊疽性膿皮症、酒さ、帯状疱疹、扁平上皮細胞がん、スイート症候群、および白斑から選択される。別の実施形態では、炎症性皮膚疾患は、微生物感染によって誘発される皮膚炎、日光性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、またはアレルギー性接触皮膚炎によって引き起こされる。
【0190】
この方法のいくつかの実施形態では、皮膚疾患または障害は、表皮の過剰増殖または皮膚炎症である。
【0191】
いくつかの実施形態では、この方法は、皮膚疾患または障害に関連する症状を減少させるか、または少なくとも緩和する。別の実施形態では、この方法は、皮膚疾患または障害に関連する疼痛を減少させる。
【0192】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与のために処方される。別の実施形態では、医薬組成物は、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、およびゲルから選択される形態で処方される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、クリームとして処方される。
【0193】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、週に2日に1回、週に3日に1回、週に4日に1回、または週に5日に1回投与される。
【0194】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療上有効な量で局所投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、最大1日約4回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、1日2回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、約12時間の間隔で1日2回投与される。別の実施形態では、治療有効量の医薬組成物は、1日1回投与される。
【0195】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮膚疾患または障害を治療または予防するのに適した1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0196】
吐き気、嘔吐または食欲不振
吐き気または食欲不振は、対象または患者が受けている病状または治療のために対象または患者が経験する可能性がある。吐き気は、しばしば、多くの人が気分が悪いと呼ぶ、口、喉の奥、胃の感覚である。吐き気は時々、嘔吐につながる可能性がある。吐き気を伴う可能性のある他の症状は、めまい、嚥下困難、過剰な唾液の分泌、およびベトベトした肌である。食欲不振とは、空腹を感じない、通常よりもはるかに少ない量を食べる、またはまったく食べないことを指す。人は、食べ物に興味がないか、食べたくない場合がある。多くの場合は短期間の食欲不振であるが、長期にわたる食欲不振は、体重減少、疲労感、脱水症状を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態では、吐き気、嘔吐および/または食欲不振の原因には、風邪、インフルエンザ、呼吸器感染症、細菌またはウイルス感染症、便秘、胃のむかつき、消化不良、呑酸、食中毒、食物不耐性、胃の虫または胃腸炎、妊娠、ホルモンの不均衡、ストレス、薬の副作用、アルコール消費、薬物使用、喘息、糖尿病、慢性肝臓または腎臓病、血中の高カルシウムレベル、HIV、AIDS、甲状腺機能低下または甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進または甲状腺機能亢進症、COPD、心不全、胃がん、および結腸がんが含まれるが、これらに限定されない。
【0197】
特定の医学的治療にはまた、そのような医学的治療を受けている対象において、吐き気、嘔吐、および/または食欲不振を誘発する可能性がある。いくつかの実施形態では、対象において吐き気、嘔吐、および/または食欲不振を引き起こす可能性のある医学的治療には、化学療法が含まれるが、これに限定されない。
【0198】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、吐き気、嘔吐、および/または食欲不振ならびにそれらの症状を治療、緩和および/または軽減する。
【0199】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、週に2日に1回、週に3日に1回、週に4日に1回、または週に5日に1回投与される。
【0200】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮膚疾患または障害を治療または予防するのに適した1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0201】
緑内障
緑内障は、良好な視力に不可欠である視神経を損傷させる目の状態である。この損傷は、多くの場合、目における異常な高圧によって引き起こされる。緑内障は60歳以上の人々の失明の主な原因のうちの1つであるが、人種や性別を問わず、いずれの年齢でも発生する可能性がある。緑内障の多くの形態では、状態が進んだ段階になるまで、影響が緩やかであり、かつ視力の変化が検出されない可能性があるため、警戒の兆候はない。緑内障による視力喪失は、元に不可逆的であるが、遅らせることが可能であり、早期に診断される場合には、予防することが可能である。
【0202】
緑内障は、視神経の損傷の結果であり、眼圧の増加に関連する。眼圧の上昇は、眼の内部全体にわたって流れる液体(房水)の蓄積によるものである。視神経が徐々に悪化するにつれて、視野に盲点が発生する。いくつかの種類の緑内障には、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障、色素性緑内障、および小児の緑内障が含まれるが、これらに限定されない。
【0203】
緑内障の症状には、両眼の周辺視野もしくは中心視野の斑状の盲点またはトンネル状視野が観察される開放隅角緑内障症状、および重度の頭痛、眼痛、吐き気と嘔吐、霧視、ライトの周りのハロー、目の赤みなどの急性閉塞隅角緑内障症状が含まれるが、これらに限定されない。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、緑内障およびその症状を治療、緩和、および/または軽減する。
【0205】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、週に2日に1回、週に3日に1回、週に4日に1回、または週に5日に1回投与される。
【0206】
この方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物が、緑内障またはその兆候を治療、緩和、および/または軽減するのに適した1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0207】
化粧品組成物
本開示はまた、カンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載されるように、式(I)~(IX)のうちのいずれか1つの化合物など)、および薬学的に許容される賦形剤を含む化粧品組成物を提供する。主題の化粧品組成物は、様々な治療適応症および他の使用(例えば、本明細書に記載される)での用途を見出す。
【0208】
したがって、本開示は、
式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステル化合物、
式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物、
式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物、もしくは
それらの組み合わせ、
(式中、R1およびR2が、独立して、C1-C10アルキル、置換C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、置換C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、および置換C2-C10アルキニルから選択される)、またはそれらの生理学的に許容される塩と、生理学的に許容される賦形剤と、を含む、化粧品組成物を提供する。
【0209】
組成物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルから選択される。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチルである。
【0210】
組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C1-C10アルキル、または置換C1-C10アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C2-6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、ペンチルである。
【0211】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ia)のTHCAエステル化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0212】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ib)のTHCAエステル化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0213】
化粧品組成物のいくつかの実施形態では、THCA-Me化合物は、鏡像異性的に純粋なTHCA-Me、THCA-Meの立体異性混合物、THCA-Meのジアステレオマー混合物、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0214】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ9-THCA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0215】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Id)のΔ8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ8-THCA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0216】
いくつかの実施形態では、式(II)のCBGAエステル化合物は、式(IIa)のカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0217】
化粧品組成物のいくつかの実施形態では、CBGA-Me化合物は、CBGA-Me、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせのジアステレオマー混合物から選択される。
【0218】
いくつかの実施形態では、式(III)のCBNAエステル化合物は、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0219】
いくつかの実施形態によれば、薬学的に許容される賦形剤は、水溶液または担体である。いくつかの実施形態では、水溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの生理学的またはほぼ生理学的pHを有する緩衝液である。いくつかの実施形態では、生理学的に許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、張性調節剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、およびそれらの組み合わせから選択される。主題の生理学的組成物の例示的な賦形剤、添加剤、および追加の成分は、以下でさらに詳細に説明される。
【0220】
いくつかの実施形態では、主題の化粧品組成物は、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物をさらに含み得る。追加のカンナビノイド化合物は、単離された化合物、または複合混合物の一部であり得る。追加のカンナビノイド化合物は、粗成分または組成成分、あるいは精製サンプルの一部であり得る。
【0221】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物に含まれる1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、1つ以上の大麻植物抽出物に含まれる。大麻植物抽出物は、任意の便利な供給元から得ることができる。いくつかの実施形態では、大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、高濃度のカンナビジオール(CBD)を有する株、高濃度のテトラヒドロカンナビノール(THC)を有する株、およびそれらの組み合わせから選択される植物株から生成される。
【0222】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸、それらの酸のエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるカンナビノイド化合物を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、カンナビジオール(CBD)、カンビゲロール(CBG)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(エキソ-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、およびそれらのエステル、それらの立体異性体、それらの重水素化類似体、それらのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0224】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物に組み込まれる1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のCBDなどの、約1%(w/w)以上のCBDを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のCBDを含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のTHCなどの、約1%(w/w)以上のTHCを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のTHCを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む1つ以上の大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせによる大麻植物からの抽出によって生成される。いくつかの実施形態では、溶媒は、生理学的に許容される溶媒であり、例えば、許容されない副作用なしに哺乳動物への投与に適した無毒性溶媒であるが、これに限定されない。溶媒は、水性または非水性溶媒であり得る。
【0227】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒、二酸化炭素、油、またはそれらの組み合わせである。
【0228】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、コパイバ油、植物油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、アボカド油、ピーナッツ油、カノーラ油、綿実油、大豆油、サフラワー油、サンフラワー油、ヒマシ油、コーン油、パーム油、けし油、またはクルミ油を含む油である。別の実施形態では、化粧品組成物は、コパイバオイルを含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、1%~20%(w/w)のカンナビノイド酸エステル化合物および50%~90%の植物油を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%(w/w)の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ9-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%のΔ9-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、2%~10%のΔ9-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Id)のΔ8-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%のΔ8-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、2%~10%のΔ8-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(I)のTHCAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0234】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%(w/w)の式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物を含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、CBGAエステル化合物は、式(IIa)のCBGA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%のCBGA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、2%~10%のCBGA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0236】
別の実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(II)のCBGAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0237】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%(w/w)の式(III)のカンナビゲロール酸(CBNA)エステル化合物を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、CBNAエステル化合物は、式(IIIa)のCBNA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%~10%のCBNA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、2%~10%のCBNA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(III)のCBNAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0240】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、脂質をさらに含む。脂質は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物であり得る。
【0241】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物をさらに含む。医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、シクロデキストリン、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、シクロデキストリンをさらに含む。別の実施形態では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン、およびメチルβ-シクロデキストリン(MβCD)から選択される。
【0243】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、水溶性である。別の実施形態では、生理学的に許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、可溶化剤、張性増強剤、着色剤、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0244】
いくつかの実施形態では、着色剤は、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、アンナット抽出物、炭酸カルシウム、カンタキサンチン、キャラメル、β-カロテン、コチニール抽出物、カーマイン、カリウムナトリウム銅クロロフィリン(クロロフィリン銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、合成鉄酸化物、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、雲母ベース真珠光沢顔料、パイロフィライト、雲母、歯磨剤、タルク、二酸化チタン、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、および酸化亜鉛を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、pH調整剤は、有機酸または鉱酸である。
【0246】
化粧品組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、局所的または経皮的な投与のために処方される。
【0247】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、液体、ゲル、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ウエハ、コーティングされたかまたはコーティングされていないビーズ、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、浸透圧ポンプ、デポシステム、イオン泳動システム、パッチ、懸濁液、分散液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル、油、および坐剤から選択される形態である。
【0248】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、4℃~37℃の範囲の温度で処方される。
【0249】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、生理学的温度でゲルの形態で処方される。別の実施形態では、化粧品組成物は、カンナビノイド成分またはその塩がゲルマトリックスに封入されているゲルである。別の実施形態では、ゲル組成物は、水中油型(o/w)エマルションを含み得る。
【0250】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、カンナビノイド酸エステルの徐放のために処方される。別の実施形態では、化粧品組成物は、放出遅延剤または放出遅延剤の混合物をさらに含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、腸溶コーティング剤によって少なくとも部分的にコーティングされている。
【0251】
化粧品組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化剤ベースのクリーム、角質溶解剤、コールタール軟膏、ステロイド、ビタミンD類似体、アントラリン、レチノイドタザロテン、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0252】
別の実施形態では、角質溶解剤は、尿素またはサリチル酸で処方される。
【0253】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、さらに増粘剤である。いくつかの実施形態では、増粘剤は、多糖類、多糖類塩、またはそれらの組み合わせである。別の実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、セルロース誘導体、コンドロイチン硫酸、ケラタン、ヘパリン、キサンタン、ガラクトマン、アルギネート、およびそれらの組み合わせから選択される
【0254】
いくつかの実施形態では、増粘剤は、1mg/ml~100mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する別の実施形態では、増粘剤は、10mg/ml~25mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0255】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大1,800センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大1,600センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大1,500センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。
【0256】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物の粘度は、4℃~12℃で5,000センチポアズ未満である。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、4℃~12℃で500センチポアズ未満である。
【0257】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物の粘度は、37℃で500,000センチポアズ超である。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、37℃で1x103センチポアズ超である。別の実施形態では、化粧品組成物の粘度は、37℃で3.5x103センチポアズ超である。
【0258】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、少なくとも1つの生理学的に許容されるフィルム形成剤を含む。いくつかの実施形態では、生理学的に許容されるフィルム形成剤は、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、カラギーナン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、グリコリド、ポリラクチド、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、アルギン酸、エンドウ豆デンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、およびそれらの混合物から選択される。製剤に、キサンタンガム、トラガカンスガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム、アラビアガム、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、ホエイタンパク質分離物、カゼイン、およびそれらの混合物のような薬剤を含む二次的なフィルム形成剤を加えて、引張強度、安定性、柔軟性、および脆性などのウエハ特性を最適化することができる。
【0259】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、日焼け止め剤、しわ防止剤および老化防止剤、皮膚剥離剤、美白剤および漂白剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、皮膚コンディショニング剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化粧品活性成分をさらに含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、10%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、7%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、5%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.5%(w/w/)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.01%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.001%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、10%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、7%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.01%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.001%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、10%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、7%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、5%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.5%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.01%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、化粧品組成物は、0.001%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0263】
食用組成物
本開示はまた、カンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載されるように、式(I)~(IX)のいずれか1つの化合物など)、および薬学的に許容される賦形剤を含む食用組成物を提供する。主題の食用組成物は、様々な治療適応症および他の使用(例えば、本明細書に記載される)での用途を見出す。
【0264】
したがって、本開示はまた、
式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)エステル化合物、
式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物、
式(III)のカンナビノール酸(CBNA)エステル化合物、もしくは
それらの組み合わせ、
(式中、R1およびR2が、独立して、C1-C10アルキル、置換C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、置換C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、および置換C2-C10アルキニルから選択される)、またはそれらの生理学的に許容される塩と、生理学的に許容される賦形剤と、を含む、食用組成物を提供する。
【0265】
組成物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-C6アルキルまたは置換C1-C6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルから選択される。組成物のいくつかの実施形態では、R1は、メチルである。
【0266】
組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C1-C10アルキル、または置換C1-C10アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、C2-6アルキルである。組成物のいくつかの実施形態では、R2は、ペンチルである。
【0267】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ia)のTHCAエステル化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0268】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ib)のTHCAエステル化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0269】
食用組成物のいくつかの実施形態では、THCA-Me化合物は、鏡像異性的に純粋なTHCA-Me、THCA-Meの立体異性混合物、THCA-Meのジアステレオマー混合物、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0270】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ9-THCA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0271】
いくつかの実施形態では、式(I)のTHCAエステル化合物は、式(Id)のΔ8-テトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(Δ8-THCA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0272】
いくつかの実施形態では、式(II)のCBGAエステル化合物は、式(IIa)のカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0273】
食用組成物のいくつかの実施形態では、CBGA-Me化合物は、CBGA-Me、その塩、その重水素化類似体、そのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせのジアステレオマー混合物から選択される。
【0274】
いくつかの実施形態では、式(III)のCBNAエステル化合物は、式(IIIa)のカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)化合物、またはその生理学的に許容される塩である。
【0275】
いくつかの実施形態によれば、薬学的に許容される賦形剤は、水溶液または担体である。いくつかの実施形態では、水溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの生理学的またはほぼ生理学的pHを有する緩衝液である。いくつかの実施形態では、生理学的に許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、張性調節剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、およびそれらの組み合わせから選択される。主題の生理学的組成物の例示的な賦形剤、添加剤、および追加の成分は、以下でさらに詳細に説明される。
【0276】
いくつかの実施形態では、主題の食用組成物は、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物をさらに含み得る。追加のカンナビノイド化合物は、単離された化合物、または複合混合物の一部であり得る。追加のカンナビノイド化合物は、粗成分または組成成分、あるいは精製サンプルの一部であり得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物に含まれる1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、1つ以上の大麻植物抽出物に含まれる。大麻植物抽出物は、任意の便利な供給元から得ることができる。いくつかの実施形態では、大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、高濃度のカンナビジオール(CBD)を有する株、高濃度のテトラヒドロカンナビノール(THC)を有する株、およびそれらの組み合わせから選択される植物株から生成される。
【0278】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸、それらの酸のエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるカンナビノイド化合物を含む。
【0279】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物は、独立して、カンナビジオール(CBD)、カンビゲロール(CBG)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(エキソ-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、およびそれらのエステル、それらの立体異性体、それらの重水素化類似体、それらのフッ素化類似体、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0280】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物に組み込まれる1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のCBDなどの、約1%(w/w)以上のCBDを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のCBDを含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約2%(w/w)、約3%(w/w)以上、約4%(w/w)以上、約5%(w/w)以上、約6%(w/w)以上、約7%(w/w)以上、約8%(w/w)以上、約9%(w/w)以上、約10%(w/w)以上、約15%(w/w)、約20%(w/w)以上、または約25%(w/w)以上のTHCなどの、約1%(w/w)以上のTHCを含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の大麻植物抽出物は、約30%(w/w)以下のTHCを含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物を含む1つ以上の大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせによる大麻植物からの抽出によって生成される。いくつかの実施形態では、溶媒は、生理学的に許容される溶媒であり、例えば、許容されない副作用なしに哺乳動物への投与に適した無毒性溶媒であるが、これに限定されない。溶媒は、水性または非水性溶媒であり得る。
【0283】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒、二酸化炭素、油、またはそれらの組み合わせである。
【0284】
いくつかの実施形態では、抽出のための溶媒は、コパイバ油、植物油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、アボカド油、ピーナッツ油、カノーラ油、綿実油、大豆油、サフラワー油、サンフラワー油、ヒマシ油、コーン油、パーム油、けし油、またはクルミ油を含む油である。別の実施形態では、化粧品組成物は、コパイバオイルを含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、1%~20%(w/w)のカンナビノイド酸エステル化合物および50%~90%の植物油を含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、1%~10%(w/w)の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Ic)のΔ9-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、食用組成物は、1%~10%のΔ9-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、食用組成物は、2%~10%のΔ9-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、食用組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、THCAエステル化合物は、式(Id)のΔ8-THCA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、食用組成物は、1%~10%のΔ8-THCA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、食用組成物は、2%~10%のΔ8-THCA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、食用組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(I)のTHCAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0290】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、1%~10%(w/w)の式(II)のカンナビゲロール酸(CBGA)エステル化合物を含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、CBGAエステル化合物は、式(IIa)のCBGA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、食用組成物は、1%~10%のCBGA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、食用組成物は、2%~10%のCBGA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、食用組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0292】
別の実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(II)のCBGAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0293】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、1%~10%(w/w)の式(III)のカンナビゲロール酸(CBNA)エステル化合物を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、CBNAエステル化合物は、式(IIIa)のCBNA-Meエステル化合物である。別の実施形態では、食用組成物は、1%~10%のCBNA-Me、20%~60%のアルコール、および0%~35%のプロピレングリコールを含む。別の実施形態では、食用組成物は、2%~10%のCBNA-Me、30%~60%のエタノール、およびプロピレングリコールとポリエチレングリコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、食用組成物は、5%~20%のポリエチレングリコールをさらに含む。
【0295】
いくつかの実施形態では、組成物中の追加のカンナビノイド化合物に対する式(III)のCBNAエステル化合物の比は、1.05:1~1,000:1である。
【0296】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、脂質をさらに含む。脂質は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物であり得る。
【0297】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、トリグリセリド、脂肪、油、脂肪酸、またはそれらの混合物をさらに含む。医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、シクロデキストリン、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、シクロデキストリンをさらに含む。別の実施形態では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン、およびメチルβ-シクロデキストリン(MβCD)から選択される。
【0299】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、水溶性である。別の実施形態では、生理学的に許容される賦形剤は、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、電解質、ビタミン、ミネラル、香味剤、可溶化剤、張性増強剤、着色剤、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0300】
いくつかの実施形態では、着色剤は、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、アンナット抽出物、炭酸カルシウム、カンタキサンチン、キャラメル、β-カロテン、コチニール抽出物、カーマイン、カリウムナトリウム銅クロロフィリン(クロロフィリン銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、合成鉄酸化物、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、雲母ベース真珠光沢顔料、パイロフィライト、雲母、歯磨剤、タルク、二酸化チタン、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、および酸化亜鉛を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、pH調整剤は、有機酸または鉱酸である。
【0302】
食用組成物のいくつかの実施形態では、組成物は経口投与用に処方される。
【0303】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、液体、ゲル、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ウエハ、コーティングされたかまたはコーティングされていないビーズ、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、浸透圧ポンプ、デポシステム、イオン泳動システム、パッチ、懸濁液、分散液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル、油、および坐剤から選択される形態である。
【0304】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、4℃~37℃の範囲の温度で処方される。
【0305】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、生理学的温度でゲルの形態で処方される。別の実施形態では、食用組成物は、カンナビノイド成分またはその塩がゲルマトリックスに封入されているゲルである。別の実施形態では、ゲル組成物は、水中油型(o/w)エマルションを含み得る。
【0306】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、カンナビノイド酸エステルの徐放のために処方される。別の実施形態では、食用組成物は、放出遅延剤または放出遅延剤の混合物をさらに含む。別の実施形態では、食用組成物は、腸溶コーティング剤によって少なくとも部分的にコーティングされている。
【0307】
食用組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、皮膚軟化剤ベースのクリーム、角質溶解剤、コールタール軟膏、ステロイド、ビタミンD類似体、アントラリン、レチノイドタザロテン、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0308】
別の実施形態では、角質溶解剤は、尿素またはサリチル酸で処方される。
【0309】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、さらに増粘剤である。いくつかの実施形態では、増粘剤は、多糖類、多糖類塩、またはそれらの組み合わせである。別の実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)、キトサン、セルロース誘導体、コンドロイチン硫酸、ケラタン、ヘパリン、キサンタン、ガラクトマン、アルギネート、およびそれらの組み合わせから選択される
【0310】
いくつかの実施形態では、増粘剤は、1mg/ml~100mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する。別の実施形態では、増粘剤は、10mg/ml~25mg/mlの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0311】
いくつかの実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大1,800センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大1,600センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大1,500センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、20℃で最大2,000センチポアズである。
【0312】
いくつかの実施形態では、食用組成物の粘度は、4℃~12℃で5,000センチポアズ未満である。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、4℃~12℃で500センチポアズ未満である。
【0313】
いくつかの実施形態では、食用組成物の粘度は、37℃で500,000センチポアズ超である。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、37℃で1x103センチポアズ超である。別の実施形態では、食用組成物の粘度は、37℃で3.5x103センチポアズ超である。
【0314】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、少なくとも1つの生理学的に許容されるフィルム形成剤を含む。いくつかの実施形態では、生理学的に許容されるフィルム形成剤は、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、カラギーナン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、グリコリド、ポリラクチド、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、アルギン酸、エンドウ豆デンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、およびそれらの混合物から選択される。製剤に、キサンタンガム、トラガカンスガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム、アラビアガム、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、ホエイタンパク質分離物、カゼイン、およびそれらの混合物のような薬剤を含む二次的なフィルム形成剤を加えて、引張強度、安定性、柔軟性、および脆性などのウエハ特性を最適化することができる。
【0315】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、充填剤、乳化剤、固化防止剤、防腐剤、着色剤、香味剤、電解質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される食用賦形剤をさらに含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、水素化ヒマシ油、グルコン酸ナトリウム、アクリレート、C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、ナトリウムカルボキシメチルベータグルカン、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、キサンタンガム、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル-6-ジステアレートホホバエステル、ポリグリセリル-3-蜜蝋、PEG-800、ラウレス-7、C13-14イソパラフィン、ポリイソブテン、PEG-200水素化グリセリルパルメート、セルロースガム、PEG-7グリセリルココエート、アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0317】
いくつかの実施形態では、固化防止剤は、セルロース、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、重曹、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0318】
いくつかの実施形態では、防腐剤は、二酸化硫黄および亜硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0319】
いくつかの実施形態では、着色剤は、ブリリアントブルー(E133)、インジゴチン(E132)、ファストグリーン(E143)、エリスロシン(E127)、アルラレッド(E129)、タートラジン(E102)、サンセットイエロー(E110)、および天然食用色からなる群から選択される。
【0320】
いくつかの実施形では、天然食用色素は、アナトー(E160b)、キャラメル(E150a~d)、カーマイン(E120)、コチニールカイガラムシ、エルダーベリー果汁(E163)、リコピン(E160d)、パプリカ(E160c)、ターメリック(E100)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0321】
いくつかの実施形態では、香味剤は、リンゴ、チェリー、緑茶、シナモン、クローブ、紅茶、プラム、マンゴー、ナツメヤシ、スイカ、ココナッツ、ナシ、ジャスミン、ピーチ、フェンネル、メロン、ライチ、ミント、チョコレート、コーヒー、クリーム、バナナ、アーモンド、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、マツ、キウイ、サポテ、タロ、ハス、パイナップル、オレンジ、レモン、甘草、バニラ、バラ、オスマンサス、ジンセン、スペアミント、柑橘類、キュウリ、ハニーデューメロン、クルミ、ハチミツ、または任意のそれらの組み合わせから抽出される。
【0322】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、ビタミン、ミネラル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養素をさらに含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA(レチノールおよびカロテノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸または葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノール)、ビタミンK(キノン)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0324】
いくつかの実施形態では、ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0325】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、粉末、フレーク、顆粒、カプセル、錠剤、シロップ、溶液、エマルションおよび懸濁液からなる群から選択される形態である。
【0326】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、パン、シリアル、パスタ、ペストリー、ビスケット、キャンディー、および菓子である。
【0327】
いくつかの実施形態において、食用組成物は飲料である。
【0328】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、対象の微生物叢に有益な効果を有する。
【0329】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、10%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、7%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、5%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.5%(w/w/)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.1%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.01%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.001%(w/w)以下の式(I)のテトラヒドロカンナビノール酸エステル化合物を含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、10%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、7%(w/w)以下の式(II)のカンナビ酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.5%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.1%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.01%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.001%(w/w)以下の式(II)のカンナビゲロール酸エステル化合物を含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、10%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、7%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、5%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、食用組成物は、0.5%(w/w/)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む 別の実施形態では、食用組成物は、0.1%(w/w)以下の式(III)のカンナビノール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.01%(w/w)以下の式(III)のカンナビジオール酸エステル化合物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、0.001%(w/w)以下の式(III)のカンナビジオール酸エステル化合物を含む。
【0332】
使用方法
本開示の態様は、対象のカンナビノイド酸エステル化合物(例えば、本明細書に記載される)、または対象の化粧品組成物(例えば、本明細書に記載される)、または対象の食用組成物(例えば、本明細書に記載される)の、それを必要とする対象への投与を含む、対象(例えば、本明細書に記載される)における外観、ウェルビーイング、および/または健康状態を改善する方法を含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、化粧品組成物は、局所的または経皮的に投与される。特定の実施形態では、化粧品組成物は、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品から選択される。
【0334】
いくつかの実施形態では、食用組成物は、経口投与される。特定の実施形態では、食用組成物は、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料から選択される。
【0335】
調製の方法
本開示の組成物は、単相水性、エマルションまたは複数のエマルションとして処方することができる。いくつかの実施形態によれば、組成物は、エマルションとして処方される。これらのエマルションは、水中油型(o/w)(水中シリコーン型を含む)エマルション、油中水型(シリコーン中水型を含む)(w/o)エマルション、または油中水中油(o/w/o)型もしくは水中油中水(w/o/w)型などの多重エマルションであり得る。油相は、シリコーン油、非シリコーン有機油、またはそれらの混合物を含み得ることを理解されたい。組成物は、使用時に振盪することによって混合される2つの非混和性相を含むことができる。各可能性は、本開示の別個の実施形態を表す。
【0336】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、好適な溶媒(分散剤)中で各成分の分散液を調製し、pH調整剤で分散液のpHを調整し、必要に応じて、分散液を剪断により混合して所望のマトリックスの形成を可能にすることによって作製される。
【0337】
医療大麻の一般的な投与方法は、大麻抽出物または純粋なカンナビノイドを植物油などのトリグリセリド油に溶解して経口送達および投与することである。油は、カプセルに充填されるか、様々な量でそのまま使用される。吸入による投与とは対照的に、経口投与経路は、ピル、錠剤、またはカプセルの摂取などの許容されるセルフメディケーションの方法として認識される。そのような場合、カンナビノイドの即時放出が得られ、吸収が速く、活性の持続時間は中間的であるが、喫煙または気化よりも長い。
【0338】
当業者は、使用される成分の性質および組成物の使用目的を考慮して、一般的な知識に基づいて、適切な提示または投与形態、およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0339】
本開示はまた、上記の組成物を含むキットを提供する。本明細書に記載の組成物は、別個に、または容器と一緒にキットの形態のいずれかで、本明細書に記載の組成物を使用するための説明書または指示パンフレットを含むように包装することができる。
【0340】
併用療法
本開示の組成物は、本明細書に記載されるような疾患または障害を治療するためにも有用であり得る他の治療薬との医薬の組み合わせで使用され得る。そのような治療薬は、本明細書に記載の組成物と同時にまたは連続して、その一般的に使用される治療有効量の経路によって投与することができる。
【0341】
本開示に記載される組成物は、単位剤形中の1つ以上の他の治療薬と同時に使用され得る。本明細書に記載の併用療法はまた、本明細書に記載の組成物および1つ以上の他の治療薬が同時に投与される療法を含み得、1つ以上の他の治療薬は、本明細書に記載の組成物と同じまたは異なるスケジュールで投与される。
【0342】
経口製剤が使用される場合、本明細書に記載の組成物および他の治療薬は、単一の組み合わせ錠剤もしくは他の経口剤形に組み合わされ得るか、または他の治療薬は、別個の錠剤もしくは他の経口剤形として一緒に包装され得る。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低用量で使用され得る。
【0343】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の様々な疾患および障害を治療するための1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて使用される。
【0344】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物および1つ以上の追加の治療薬は、同時に、並行して、交互に、連続して、または次々に投与される。別の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物および1つ以上の追加の治療薬は、重複するスケジュールに従って投与される。
【0345】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、別の治療の前の任意の時点で投与することができ、別の治療前の時間は、他の治療の150時間、145時間、140時間、135時間、130時間、125時間、120時間、115時間、110時間、105時間、100時間、95時間、90時間、85時間、80時間、75、70時間、65時間、60時間、55時間、50時間、45時間、40時間、35時間、30時間、25時間、20時間、15時間、10時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、50分、40分、30分、20分、15分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、または1分前である。
【0346】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の医薬組成物の第2の治療の前の任意の時点で投与することができ、第2の治療の前の時間は、約150時間、145時間、140時間、135時間、130時間、125時間、120時間、115時間、110時間、105時間、100時間、95時間、90時間、85時間、80時間、75、70時間、65時間、60時間、55時間、50時間、45時間、40時間、35時間、30時間、25時間、20時間、15時間、10時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、50分、40分、30分、20分、15分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、または1分である。
【0347】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物または1つ以上の追加の治療薬の投与経路は、任意の経路によることができ、医師および対象に基づいて個別に決定される。本明細書に記載の治療有効量の薬剤または医薬組成物の他のすべての投与経路は、本開示に含まれる。
【0348】
定義
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0349】
本明細書で提供される定義は、相互に排他的であることを意図するものではないことが理解される。したがって、いくつかの化学部分は、2つ以上の用語の定義に含まれる場合がある。
【0350】
本明細書で使用される場合、記号
【化45】
は、単結合または二重結合を含む共有結合を指す。
【0351】
「アルキル」という用語は、非分岐または分岐飽和炭化水素鎖を指す。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるアルキルは、1~50個の炭素原子((C1-C50)アルキル)、1~20個の炭素原子((C1-C20)アルキル)、1~10個の炭素原子((C1-C10)アルキル)、1~8個の炭素原子((C1-C8)アルキル)、1~6個の炭素原子((C1-C6)アルキル)、または1~4個の炭素原子((C1-C4)アルキル)を有する。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、および3-メチルペンチルが挙げられる。特定の数の炭素を有するアルキル残基が命名される場合、その数の炭素を有するすべての幾何異性体が包含され得る。したがって、例えば、「ブチル」は、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、およびt-ブチルを含み得、「プロピル」は、n-プロピルおよびイソプロピルを含み得る。
【0352】
「置換アルキル」という用語は、本明細書に記載のアルキル鎖を指し、アルキル鎖の1つ以上の炭素原子は、任意に、O-、N-、S-、-S(O)n-(nが、0~2である)、-NR-(Rが、水素またはアルキルである)などのヘテロ原子で置換され、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-アリール、SO2-ヘテロアリール、および-NR´R”からなる群から選択される1~5個の置換基を有し、R´およびR”は、同一または異なっていてもよく、水素、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式から選択される。
【0353】
「アルキレン」という用語は、ジラジカルアルキル基を指す。特に明記しない限り、そのような基は、1~24個の炭素原子を含む飽和炭化水素鎖を含み、これらは、置換または非置換であってもよく、1つ以上の脂環式基を含んでいてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。「低級アルキレン」は、1~6個の炭素原子を含むアルキレン結合を指す。例としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、2-メチルプロピレン(-CH2-CH(CH3)-CH2-)、ヘキシレン(-(CH2)6-)などが挙げられる。
【0354】
「アルケニル」という用語は、直鎖、分岐鎖および環状アルケニル基を含む少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(C2-10アルケニル)。別の実施形態では、アルケニル基は、鎖中に2~4個の炭素原子を有する(C2-4アルケニル)。例示的なアルケニル基には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、i-ブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキシル-ブテニルおよびデセニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキルアルケニルは、本明細書で定義されるようなアルケニル基に結合した、本明細書で定義されるようなアルキル基である。アルケニル基は、非置換であり得るか、またはアルキルについて上で定義した1つ以上の基で、利用可能な炭素原子を介して置換され得る。
【0355】
「アルキニル」という用語は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個のアセチレン(C≡C-)不飽和部位を有する直鎖または分岐鎖の一価ヒドロカルビル基を指す。そのようなアルキニル基の例は、アセチレニル(C≡CH)およびプロパルギル(CH2C≡CH)が含まれるが、これらに限定されない。
【0356】
「アルケニレン」、「アルキニレン」、「アリーレン」、「アリールアルキレン」、および「アルキルアリーレン」という用語は、それぞれ、ジラジカルアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基を指す。
【0357】
「シクロアルキル」および「ビシクロアルキル」という用語は、縮合、架橋、およびスピロ環系を含む単一または多環状環を有する3~10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。好適なシクロアルキル基の例には、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどが含まれるが、これらに限定されない。そのようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどの単一環構造、またはアダマンタニルなどの多環構造が含まれる。
【0358】
「置換シクロアルキル」および「置換ビシクロアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリール、および-SO2-ヘテロアリールから選択される1~5個の置換基または1~3個の置換基を有するシクロアルキル基を指す。
【0359】
「置換された」という用語は、指定された原子の通常の結合価を超えないという条件で、指定された原子または基上の任意の1つ以上の水素原子が、水素以外の1つ以上の置換基で置き換えられることを指す。1つ以上の置換基には、アルキルアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、アミノ、アミド、アミジノ、アリール、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、へテロシクロアルキル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、アルキルスルフィニル、スルホン酸、アルキルスルホニル、チオシアネート、チオール、チオン、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例として、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の置換基があり得る。
【0360】
「任意に置換された」という句は、非水素置換基が所与の原子上に存在し得るか、または存在し得ないことを意味し、したがって、説明は、非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。
【0361】
「式の」および「構造の」という句は、限定することを意図するものではなく、「含む」という用語が一般的に使用されるのと同じ方法で使用される。「独立して、から選択される」という用語は、本明細書では、列挙された要素、すなわち、R基などが同一または異なることができることを示すために使用される。
【0362】
「異性体」という用語は、同じ数およびタイプの原子、基または成分を含むが、原子の構造的配置および結合性が異なる2つ以上の化合物を指す。
【0363】
「互変異性体」という用語は、ある異性体形態から別の異性体形態に容易に変換され、平衡状態で存在する2つ以上の構造異性体のうちの1つを指す。
【0364】
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合された同じ原子からなるが、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を想定し、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
【0365】
本開示の化合物の個々の鏡像異性体およびジアステレオマーは、非対称または不斉中心を含む市販の出発物質から合成的に、またはラセミ混合物の調製とそれに続く当業者に周知の分割方法によって調製することができる。これらの分割方法は、(1)キラル補助剤への鏡像異性体の混合物の付着、再結晶もしくはクロマトグラフィーによるジアステレオマーの得られた混合物の分割、および補助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、(2)光学的に活性な分離剤を利用する塩形成、(3)キラル液体クロマトグラフィーカラムでの光学鏡像異性体の混合物の直接分割、または(4)立体選択的化学もしくは酵素試薬を使用した速度論的光学分割によって例証される。ラセミ混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィーまたはキラル溶媒中での化合物の結晶化などの周知の方法によって、それぞれの鏡像異性体に分解することもできる。新しい立体中心の作成中または既存の立体中心の変換中に、単一の反応物が立体異性体の不均等な混合物を形成する化学的または酵素的反応である、立体選択的合成は、当技術分野で周知である。立体選択的合成は、エナンチオ選択的変換とジアステレオ選択的変換の両方を包含する。例えば、Carreira and Kvaerno,Classics in Stereoselective Synthesis,Wiley-VCH:Weinheim,2009を参照されたい。
【0366】
炭素-炭素二重結合の周りの置換基の配置、またはシクロアルキルもしくは複素環の周りの置換基の配置から生じる幾何異性体もまた、本開示の化合物に存在することができる。記号=は、本明細書に記載の単結合、二重結合、または三重結合であり得る結合を意味する。炭素-炭素二重結合の周りの置換基は、「Z」または「E」構成にあるものとして指定され、「Z」および「E」という用語は、IUPAC規格に従って使用される。特に明記しない限り、二重結合を表す構造には、「E」異性体および「Z」異性体の両方を包含する。
【0367】
あるいは、炭素-炭素二重結合の周りの置換基は、「シス」または「トランス」と呼ばれることがあり、「シス」は二重結合の同じ側の置換基を表し、「トランス」は二重結合の反対側の置換基を表す。炭素環の周りの置換基の配置は、「シス」または「トランス」として指定することもできる。「シス」という用語は、環の平面の同じ側にある置換基を表し、「トランス」という用語は、環の平面の反対側にある置換基を表す。置換基が環の平面の同じ側と反対側の両方に配置されている化合物の混合物は、「シス/指定されたトランス」と呼ばれる。
【0368】
本開示はまた、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子量または質量数(「アイソトポログ」)とは異なる原子量または質量数を有する原子によって置き換えられることを除いて、本明細書に列挙されるそれらの化合物と同一の同位体標識化合物を包含する。本明細書に記載の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ、2H(「D」)、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、および塩素の同位体が挙げられる。例えば、本明細書に記載の化合物は、重水素で置き換えられた1つ以上のH原子を有することができる。
【0369】
例えば3Hおよび14Cで標識されたものなどの、ある特定の同位体標識化合物は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用であることができる。トリチウム化(3H)および炭素-14(14C)同位体は、調製しやすくかつ検出しやすいため、特に好ましい場合がある。さらに、重水素などのより重い同位体での置換は、インビボ半減期の増加または投与量要件の減少など、より大きな代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況で好ましい場合がある。同位体標識化合物は、一般に、本明細書に開示される手順と類似の手順、例えば、実施例の項に、同位体標識試薬を非同位体標識試薬に置き換えることによって調製することができる。
【0370】
要素を説明する文脈における「a」、「an」、「the」などの単数形の冠詞、および同様の指示対象は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形と複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲の上限および下限を含む、範囲内にある各別個の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図し、各別個の値は、本明細書に個別に記載されているかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(すなわち、「など」)の使用は、単に実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲に制限を課さない。
【0371】
いくつかの実施形態では、「約」という用語の使用が定量値の前にある場合、本開示は、特に明記しない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、他に示されないかまたは推論されない限り、公称値からの±10%の変動を指す。組成物中の成分または材料の量に関してパーセンテージが提供される場合、そのパーセンテージは、文脈から特に明記または理解されない限り、重量に基づくパーセンテージであると理解されるべきである。
【0372】
例えばポリマーの絶対値ではなく分子量が提供される場合、文脈から特に明記または理解されない限り、分子量は平均分子量であると理解されるべきである。
【0373】
本開示が機能し続ける限り、ステップの順序またはある特定のアクションを実行するための順序は、重要ではないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたはアクションを同時に実行できる。
【0374】
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「-」)記号は、置換基の結合点または付着点を指す。例えば、-NH2は、窒素原子を介して結合されている。
【0375】
「活性剤」、「薬物」、「薬理学的活性剤」、および「活性医薬成分」という用語は、対象に投与されたときに、局所もしくは全身作用またはその両方によって、所望の薬理学的または生理学的効果を誘導する化合物または組成物を指すために交換可能に使用される。
【0376】
「個体」、「宿主」、および「対象」という用語は、交換可能に使用され、サルおよびヒトを含むヒトおよび非ヒト霊長類、ラットおよびマウスを含むげっ歯類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、などを含むがこれらに限定されない、動物を指す。「哺乳動物」は、任意の哺乳動物種の1つ以上のメンバーを意味し、例として、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、げっ歯類などおよび霊長類、すなわち非ヒト霊長類、ならびにヒトを含む。非ヒト動物モデル、すなわち、哺乳動物、非ヒト霊長類、マウス、ウサギなどを、実験的調査に使用することができる。
【0377】
「患者」とは、ヒト対象を指す。
【0378】
「治療する」、「治療」などの用語は、疾患または障害の1つ以上の症状の減少など、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防するという点で予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害効果の部分的または完全な治癒に関して治療的であり得る。本明細書で使用される「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を網羅し、(a)疾患の素因となる可能性があるが、まだ疾患を有するとは診断されていない対象において、疾患または疾患の症状が発生するのを予防すること(すなわち、原発性疾患に関連するか、またはそれによって引き起こされる可能性のある疾患を含む)、(b)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、および(c)疾患を和らげること、すなわち、疾患の退行を引き起こすこと(すなわち、疼痛または他の症状の減少)を含む。
【0379】
「緩和」という用語またはその文法的変形(例えば、緩和する、緩和すること、および緩和など)には、疾患または状態(例えば、下痢、細菌血症、および/または内毒素血症)の発症を遅らせるか、または重症度を減少することが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される緩和は、症状が完全にないことを必要としない。
【0380】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象への投与に許容される塩を指す。対イオンを含むそのような塩は、所与の投与レジメンに対して許容される哺乳動物の安全性を有すると理解されている。そのような塩はまた、薬学的に許容される無機または有機塩基、および薬学的に許容される無機または有機酸から誘導することができ、有機および無機の対イオンを含み得る。本明細書に記載の化合物の中性形態は、化合物を塩基または酸と接触させ、得られた塩を単離することにより、対応する塩形態に変換することができる。
【0381】
塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタノ酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩ト、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。
【0382】
塩の他の例としては、N+、NH4
+、およびNW4
+(Wが、C1-C8アルキル基であり得る)などの好適なカチオンと配合された本開示の化合物のアニオンが挙げられる。治療的使用のために、本開示の化合物の塩は、薬学的に許容され得る。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において使用を見出すことができる。
【0383】
本質的に塩基性である本組成物に含まれる化合物は、様々な無機および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために使用できる酸は、無毒性の酸付加塩、すなわち、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ3-ナフトエート))塩を含むがこれらに限定されない、薬理学的に許容されるアニオンを含む塩である。
【0384】
本質的に酸性である本組成物に含まれる化合物は、様々な薬理学的に許容されるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウム、および鉄の塩が挙げられる。
【0385】
塩基性または酸性部分を含む本組成物に含まれる化合物はまた、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。本開示の化合物は、酸性基と塩基性基の両方、例えば、1つのアミノ基と1つのカルボン酸基を含むことができる。そのような場合、化合物は、酸付加塩、双性イオン、または塩基塩として存在することができる。
【0386】
「治療有効量」という句は、疾患、状態、または障害を治療するために哺乳動物または他の対象に投与されたときに、疾患、状態、または障害のそのような治療に影響を与えるのに十分な化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療対象の年齢、体重などに応じて異なるであろう。
【0387】
「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される希釈剤」、「薬学的に許容される担体」、および「薬学的に許容されるアジュバント」という用語は交換可能に使用され、一般に安全で無毒性であり、かつ生物学的にもその他の点でも望ましくないことはない医薬組成物を調製するのに有用である賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントを指し、獣医学使用およびヒト薬学的使用に許容される賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントを含む。「薬学的に許容される賦形剤」という句は、そのような賦形剤、希釈剤、担体、および/またはアジュバントの1つおよび2つ以上の両方を含む。
【0388】
「医薬組成物」という用語は、哺乳動物、特にヒトなどの対象への投与に適した組成物を包含することを意味する。一般に、「医薬組成物」は無菌であり、好ましくは、対象内で望ましくない応答を誘発する可能性のある汚染物質を含まない(すなわち、医薬組成物中の化合物は、医薬品グレードである)。医薬組成物は、それを必要とする対象または患者に、経口、頬側、直腸、非経口、腹腔内、皮内、気管内、筋肉内、皮下などを含む多数の異なる投与経路を介して投与するために設計することができる。
【0389】
本明細書で使用される場合、「持続放出」、「遅延放出」、および「制御放出」という用語は、治療薬または製剤のAPIの持続放出性または徐放性を指す。これらの用語は、治療有効量の本明細書に記載の活性医薬成分を含む医薬組成物の薬物動態(PK)パラメータなど、持続性または徐放性作用持続時間を提供する組成物をさらに指す場合がある。
【0390】
本明細書で使用される場合、「抽出物」という用語は、物理的手段による(例えば、粉砕、プレス、加熱、パルス電界支援処理、剪断処理および圧力波処理による)、化学的手段による(例えば、酸、塩基、溶媒による処理による)および/または生化学的手段による(例えば、加水分解酵素、微生物を用いた処理による)抽出によって調製される生成物を指す。この用語は、所与の物質からの抽出によって得られる液体物質、または溶媒を含まない、もしくは実質的に含まない濃縮物もしくはエッセンスを指す。抽出物という用語は、特定の抽出ステップまたは一連の抽出ステップから得られる単一の抽出物であり得る。抽出物はまた、別々の抽出ステップまたは別々の原料から得られる抽出物の組み合わせであり得る。したがって、そのような組み合わされた抽出物もまた、「抽出物」という用語に包含される。好適な溶媒を用いた任意の抽出の方法が包含される。例示的な抽出方法は、例えば、米国特許第6,403,126号に見出すことができる。抽出物は、植物の任意の部分から、例えば、葉、花、茎、根、果実および種子から得ることができる。抽出物は水性または油性であり得る。
【0391】
本明細書で使用される場合、「大麻抽出物」という用語は、大麻植物からの1つ以上の植物抽出物を指す。大麻抽出物は、1つ以上のカンナビノイドに加えて、植物材料からカンナビノイドと共抽出される1つ以上の非カンナビノイド成分を含む。それらのそれぞれの重量範囲は、出発植物材料と使用する抽出方法とによって異なるであろう。カンナビノイド含有植物抽出物は、大麻植物材料の様々な抽出手段によって得ることができる。そのような手段には、CO2による超臨界または亜臨界抽出、高温または低温ガスによる抽出、および溶媒による抽出が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、この用語は、2つ以上の異なる大麻種からの抽出によって得られる液体または半固体の樹脂性物質の混合物を指す。いくつかの実施形態では、この用語は、抽出物から精製された化合物も指す。
【0392】
本明細書で使用される場合、「半固体」という用語は、それ自体の重量を支え、その形状を保持することができるか、または他の形状に適合することができる形態を指す。
【0393】
本明細書で使用される場合、「大麻植物」という用語は、Cannabis sativa、Cannabis indica、およびCannabis ruderalisを含むがこれらに限定されない、大麻属の植物を指す。いくつかの実施形態によれば、大麻植物は、大麻植物のCBDリッチ株または大麻植物のTHCリッチ株である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0394】
本明細書で使用される場合、「ハイブリッド株」は、異なる量および/または比率の様々なカンナビノイド化合物を含む大麻の異なる株を指す。例えば、Cannabis sativaは、通常、比較的高いTHC/CBD比を有する。逆に、Cannabis indicaは、一般に、Cannabis sativaと比べると比較的低いTHC/CBD比を有する(ただし、THCの絶対量はCannabis sativaよりもCannabis indicaの方が高い可能性がある)。
【0395】
本明細書で使用される場合、「高CBD株」および「CBDリッチ株」という用語は、CBDと、任意選択的に1つ以上の追加のカンナビノイド、例えば、限定されないが、THC、CBN等を含む大麻植物の株を指す。
【0396】
本明細書で使用される場合、「高THC株」および「THCリッチ株」という用語は、THCと、任意に1つ以上の追加のカンナビノイド、例えば、限定されないが、CBD、CBN等を含む大麻植物の株を指す。
【0397】
本開示のカンナビノイド成分の組み合わせは、上記の比率で混合物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、THCA、CBGA、またはCBNAエステルと、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物、または1つ以上の大麻植物の抽出物とを、1つ以上のステップで混合して比較的均一な状態にすることを含む。
【0398】
上記の定義は、許容されない置換パターン(すなわち、5個のフッ素または2個の隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基で置換されたメチル)を含むことを意図するものではない。そのような許容されない置換パターンは、当業者に周知である。化学基を修飾するために使用される場合、「置換された」という用語は、本明細書で定義される他の化学基を説明し得る。例えば、「置換アリール」という用語は、「アルキルアリール」を含むが、これに限定されない。特に明記しない限り、基が任意に置換されていると記載されている場合、その基の任意の置換基はそれ自体が非置換である。
【0399】
一般に、水素またはHなどのある特定の元素への言及または描写は、その元素のすべての同位体を含むことを意味する。例えば、R基が水素またはHを含むように定義されている場合、重水素およびトリチウムも含まれる。したがって、トリチウム、14C、32P、および35Sなどの放射性同位体を含む化合物は、本技術の範囲内である。本技術の化合物にそのような標識を挿入するための手順は、本明細書の開示に基づいて当業者には容易に明らかであろう。
【0400】
特定の立体化学が明示的に示されていない限り、化合物のすべてのキラル、ジアステレオマー、およびラセミ形態を意図している。したがって、本明細書に記載の化合物は、描写から明らかなように、任意のまたはすべての非対称原子に濃縮または分解された光学異性体を含む。R-鏡像異性体およびS-鏡像異性体のラセミ混合物、およびS-およびR-鏡像異性体からなるエナンチオ濃縮立体異性体混合物、ならびに個々の光学異性体は、それらの鏡像異性体またはジアステレオマーパートナーを実質的に含まないように単離されるか、または合成することができ、これらの立体異性体はすべて本技術の範囲内にある。
【0401】
本明細書に記載の化合物は、溶媒和物、特に水和物として存在する可能性があり、特に明記しない限り、そのようなすべての溶媒和物および水和物が意図している。水和物は、化合物または化合物を含む組成物の製造中に形成され得るか、または水和物は、化合物の吸湿性のために経時的に形成され得る。本技術の化合物は、とりわけ、DMF、エーテル、およびアルコール溶媒和物を含む、有機溶媒和物としても存在し得る。特定の溶媒和物の同定および調製は、合成有機または医薬品化学の当業者の技能の範囲内である。
【0402】
本明細書に記載されるように、本文は、本発明の化合物、組成物、および方法の様々な実施形態を指す。記載されている様々な実施形態は、様々な例示的な例を提供することを意図しており、代替種の説明として解釈されるべきではない。むしろ、本明細書で提供される様々な実施形態の説明は、重複する範囲のものであり得ることを留意すべきである。本明細書で論じられる実施形態は、単に例示的なものであり、本技術の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0403】
以下の実施例は、本開示を説明するために提供されており、本技術の範囲を制限するものとして決して解釈されるべきではない。機能的に同等である任意の方法は、本技術の範囲内にある。実際、本明細書に記載されたものに加えて、本技術の様々な修正が、前述の説明および添付の図面から当業者には明らかである。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【0404】
特に明記されない限り、すべての温度は、摂氏である。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力がされてきたが、若干の実験誤差および偏差は許容されるべきである。
【0405】
すべての実験は、意識のある動物の調査に関する倫理的ガイドラインに準拠し、central Israeli animal care commissionに完全に準拠した。
【0406】
以下の実施例では、略語が定義されていない場合、一般的に受け入れられている意味を有する。
【0407】
一般的な合成方法
化合物の特性決定
最終化合物は、HPLC/MS(高速液体クロマトグラフィー/質量分析)分析によって確認され、≧90重量%純度であることが決定された。1Hおよび13C NMRスペクトルを、CDCl3(残留内部標準CHCl3=δ7.26)、DMSO-d6(残留内部標準CD3SOCD2H=δ2.50)、メタノール-d4(残留内部標準CD2HOD=δ3.20)、またはアセトン-d6(残留内部標準CD3COCD2H=δ2.05)に記録した。報告されている化学シフト(δ)は、百万分率(ppm)で示され、結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)で示される。スピン多重度は、s=一重項、bs=幅広い一重項、bm=幅広い多重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、dd=二重項の二重項、ddd=二重項の二重項の二重項、dt=三重項の二重項、td=二重項の三重項、tt=三重項の三重項、およびm=多重項として報告される。
【0408】
生物学的研究
CBDA-Meなどの目的のカンナビノイド酸エステル化合物の生物学的活性は、例えば、以下の実施例に記載されるように、様々な方法に従って評価される。
【0409】
実施例1-カンナビノイド酸(CBDA)の合成
PCT公開WO2018/235079号に記載されている調製プロセスを適用した。ジメチルホルムアミド(DMF)中のカンナビジオール(CBD、314mg、1mmol)と炭酸マグネシウムメチルの2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)との混合物を130℃で3時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル-石油エーテル)により洗浄した。
【0410】
上記の合成方法は、目的の様々なカンナビノイド酸化合物を調製するために適合されている。
【0411】
実施例2-カンナビノイド酸メチルエーテル(CBDA-Me)の合成
PCT公開WO2018/235079号に記載されている調製プロセスを適用した。2.5mlのジクロロメタン(CH2Cl2)中のカンナビジオール酸(CBDA)の溶液(175mg、0.488mmol)に、0.02mlのメタノール(CH3OH,0.488mmol)および7.2mgの4-ピロリジノピリジン(0.048mmol)を加えた。反応物を室温で5分間撹拌し、続いてカップリング剤、N、N’ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CH2Cl2)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3)で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル-石油エーテル)により洗浄する。
【0412】
上記の合成方法は、目的の様々なカンナビノイド酸エステル化合物を調製するために適合されている。
【0413】
実施例3-カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-Me)からのテトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(THCA-Me)の合成
PCT出願公開WO2002/070506に記載されているものと同様の調製プロセスを適用した。BF3Et2O(50μl)を窒素雰囲気下で、乾燥塩化メチレン(15ml)中のCBDAの氷冷溶液(355mg)に加える。溶液を0℃で1時間撹拌する。NaHCO3の飽和水溶液(2ml)を加える。有機層を除去し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発させる。オイルをシリカゲルカラム(20g)でクロマトグラフィーにかけ、石油エーテルで溶出し、続いて石油エーテル中のエーテルの段階的混合物でTHCAメチルエステルを単離する。
【0414】
実施例4-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の合成
ジメチルホルムアミド(DMF)中のテトラヒドロカンナビジオール(THC、314mg、1mmol)と炭酸マグネシウムメチルの2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)との混合物を130℃で3時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題化合物を単離する。
【0415】
実施例5-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)からのテトラヒドロカンナビノール酸メチルエステル(THCA-Me)の合成
2.5mlのジクロロメタン(CH2Cl2)中のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の溶液(175mg、0.488mmol)に、0.02mlのメタノール(CH3OH,0.488mmol)および7.2mgの4-ピロリジノピリジン(0.048mmol)を加えた。反応物を室温で5分間撹拌し、続いてカップリング剤、N、N’ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CH2Cl2)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3)で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題の化合物を単離する。
【0416】
実施例6-カンナビゲロール酸(CBGA)の合成
ジメチルホルムアミド(DMF)中のカンナビゲロール(CBG、316mg、1mmol)と炭酸マグネシウムメチルの2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)の混合物を130℃で3時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題の化合物を単離する。
【0417】
実施例7-カンナビゲロール酸(CBGA)からのカンナビゲロール酸メチルエステル(CBGA-Me)の合成
2.5mlのジクロロメタン(CH2Cl2)中のカンナビゲロール酸(CBGA)(180mg、0.5mmol)の溶液に、0.02mlのメタノール(CH3OH,0.5mmol)および7.2mgの4-ピロリジノピリジン(0.048mmol)を加えた。反応物を室温で5分間撹拌し、続いてカップリング剤、N、N’ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CH2Cl2)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3)で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題の化合物を単離する。
【0418】
実施例8-カンナビゲロール酸(CBNA)の合成
ジメチルホルムアミド(DMF)中のカンナビノール(CBN、310mg、1mmol)と炭酸マグネシウムメチルの2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)の混合物を130℃で3時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題の化合物を単離する。
【0419】
実施例9-カンナビノール酸(CBNA)からのカンナビノール酸メチルエステル(CBNA-Me)の合成
2.5mlのジクロロメタン(CH2Cl2)中のカンナビノール酸(CBNA)の溶液(177mg、0.5mmol)に、0.02mlのメタノール(CH3OH,0.5mmol)および7.2mgの4-ピロリジノピリジン(0.048mmol)を加えた。反応物を室温で5分間撹拌し、続いてカップリング剤、N、N’ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CH2Cl2)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3)で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル-石油エーテル)によって洗浄して、表題の化合物を単離する。
【0420】
例10-疼痛のインビボモデル
THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかの疼痛に対する治療効果は、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかの鎮痛活性を測定するホットプレートテストの実験モデルで、アルミニウムホットプレート上に置かれ、米国特許第5,338,753号に記載されているように約55℃に維持された後、前足をなめるおよび/またはジャンプするマウスの反応時間に基づき、若干の改良を伴って調べられる。金属内の通路に水を循環させることにより、アルミニウムの表面を約55℃に維持する。逃げるのを防ぐために、透明なプラスチック製シリンダーを表面上に置いている。マウスが後足をなめるか、表面から飛び降りると、終点に到達し、いかなる場合でも、動物はプレート上に30秒以上保持されない。対照値を、検定値の3時間前に測定する。ホットプレート試験の90分前に、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせで異なる用量でマウスを治療する。応答時間(潜伏期)の変化率は、対照値の平均を検定値の平均および対応のあるt検定によって決定された統計的有意性と比較することによって計算される。
【0421】
実施例11-炎症のインビボモデル
THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせの炎症に対する治療効果は、米国特許第5,338,753号に記載されている、アラキドン酸または血小板活性化因子(PAF)を注射したマウスの炎症(足浮腫)の実験モデルで調べられる。簡単に説明すると、生理食塩水中の5%エタノール50μLに溶解したPAF(1.0μg)またはアラキドン酸(1.0mg)を、エーテル麻酔したCD-1雌マウス(20~25g)の右後足の足底表面に皮下注射する。右足の体積を、治療前、PAF注射の15分後、またはアラキドン酸注射の30分後の水置換によって側方くるぶしのレベルまで測定する。次いで、マウスを、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかの異なる用量の注射で治療する。足の体積の変化は各マウスについて計算され、各グループの有意性は対応のあるt検定によって決定される。
【0422】
実施例12-全身性発作のインビボペンチレンテトラゾール誘発(PTZ)モデル
THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせの抗てんかん効果を、Obay et.al(Peptides,2007,28,1214-1219)に記載されている、ペンチレンテトラゾール(PTZ)を注射したラットの急性実験てんかんモデルで試験する。簡単に言えば、成体の雄のウィスターアルビノラットを対照群と4つの実験群に分け、各群は7匹のラットを有する。てんかん発作を起こすために、PTZ(50mg/kg)を腹腔内注射する。実験群は、PTZ注射の30分前に、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかを異なる用量で腹腔内注射する。PTZ注射後、ラットをケージに入れ、その行動を30分間観察する。潜伏期は3つの構成要素、すなわち、最初のミオクローヌスジャーキング(FMJ)、全身性間代性発作(GCS)および強直性全身性伸展(TGE)に分けられる。
【0423】
実施例13-リップクリームとして使用するための化粧品配合
一般的な手順
第1のビーカー内で、蜜蝋、ラノリンおよびカルナウバワックスの混合物を65℃に加熱混合し、次いで約35℃まで冷却する。第2のビーカーで、カカオバター、種子油、トコフェロール、およびTHCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかの混合物を40℃に加熱混合し、次いで、この混合物を第1のビーカーに注ぎ、次いで、芳香油を加えて混合物中に混合させる。最後に、得られた混合物を円筒形の型に注ぎ入れ、室温まで冷却する。混合物中でのTHCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせの割合は、約3%(重量/重量)である。
【0424】
THCA-Meを含む例示的な処方を以下の表1に示す。
【表1】
【0425】
CBGA-Meを含む例示的な処方を以下の表2に示す。
【表2】
【0426】
CBNA-Meを含む例示的な処方を以下の表3に示す。
【表3】
【0427】
実施例14-粉末状食用添加剤
粉末状添加剤は、タピオカマルトデキストリンまたは微結晶性セルロースまたはそれらの混合物などの充填剤、大豆レシチン顆粒などの乳化剤、香味剤、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせを配合することによって処方される。すべての成分を、上で詳述したように、室温で高速剪断装置に加える。
【0428】
実施例15-飲料水添加剤の処方
飲料水添加剤は、THCA-Me、CBGA-Me、CBNA-Me、またはそれらの組み合わせのいずれかがロードされたリポソームを形成することによって処方され、次いで、リポソームは水に分散される。任意選択的に、エタノールまたはPEG等の承認された食品に許容される有機溶媒を追加する。
【0429】
同等物および参考文献による組み込み
本発明は、好ましい実施形態および様々な代替の実施形態を参照して特に示され、説明されてきたが、関連技術の当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを理解する。
【0430】
本明細書の本文内に引用されているすべての参考文献、発行された特許、および特許出願は、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】