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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】流体医療の識別
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20221020BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20221020BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61M5/168
A61M5/14 500
A61M5/168 540
A61M5/168 550
A61M5/172
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512303
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020070385
(87)【国際公開番号】W WO2021035234
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】16/548,347
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522139062
【氏名又は名称】シーエイチエス ヘルスケア ベンチャーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ウッツ ハンス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066DD15
4C066GG10
4C066HH07
4C066JJ02
4C066JJ04
4C066JJ10
4C066QQ14
4C066QQ24
4C066QQ52
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ92
(57)【要約】
本発明は、医療患者への薬液治療を識別する様々な実施形態を開示する。本発明は、複数の医療用輸液ラインから流体治療プロトコルを識別するシステム及びそれらの操作を開示する。このシステムは、医療用輸液ポンプと、照明医療用輸液ラインと、識別を開始するコンピューティングリソースとを含む。流体医療では、誤りを起こしやすく、認知負荷がヘルスケア操作において増加し、本明細書に開示される様々な実施形態は、薬液治療プロトコルを視覚的キューとして識別することにより誤りを減らし、認知負荷を減らすシステム及び方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用輸液ポンプを備えた薬液治療の識別システムであって、前記システムは、
薬液を投与するように構成された医療用輸液ポンプと、
前記医療用輸液ポンプに配置されて医療用輸液ラインを照明する照明灯と、
前記医療用輸液ポンプに配置された前記照明灯から照明される機能を備えた医療用輸液ラインと、
前記医療用輸液ポンプと通信するように設けられたコンピュータデバイスであって、
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ可読メモリと、
ユーザインタフェースと、
前記医療用輸液ポンプと通信するように設けられた通信アダプタと、を含むコンピュータデバイスと、を含む、システム。
【請求項2】
前記医療用輸液ラインを受け入れるように設けられたマニホールドを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
マニホールドから前記医療用輸液ポンプまでの前記医療用輸液ラインを照明することを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータデバイスは、移動性のコンピューティングデバイスであり、無線ネットワークを介して前記医療用輸液ポンプと通信するように設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記医療用輸液ラインには、その外部に照明を提供する光ファイバが設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
医療用輸液ポンプの薬液治療計画を識別する方法であって、前記方法は、
コンピューティングデバイスにより、少なくとも1つの医療用輸液ポンプで構成されるプログラム可能な命令を処理するステップと、
少なくとも1つの前記コンピューティングデバイスにより、少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプと通信するステップと、
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプにより、少なくとも1つの前記コンピューティングデバイスから、薬液治療計画に対応する、特定の照明医療用輸液ラインを照明する一組の命令を受信するステップと、
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプを介して、前記薬液治療計画に対応する照明医療用輸液ラインを照明するステップと、
少なくとも1つの前記コンピューティングデバイスに診断情報を表示するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
少なくとも1つの前記コンピューティングデバイスは、診断メニューからの入力を受信するように構成されたプログラム可能な命令を実行する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記コンピューティングデバイスは、複数の医療用輸液ポンプと通信して、医療用ラインの識別を提供するように構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記医療用輸液ポンプにより薬液治療の誤りを示すステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
薬液治療計画を識別する方法であって、
コンピューティングデバイスにより問い合わせるステップであって、問い合わせて薬液治療計画を取得するステップと、
前記コンピューティングデバイスによって、薬液治療計画を示す命令を医療用輸液ポンプに送信するステップと、
前記医療用輸液ポンプにより、薬液治療計画の命令を受信するステップと、
前記医療用輸液ポンプにより、薬液ラインの近くに配置された発光部品に信号伝達を行うステップであって、信号伝達を行って前記発光部品をオンにするか又はオフにする命令を、前記発光部品に提供するステップと、
前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により、オンにするか又はオフにする信号を受信するステップと、
オンにする信号を受信したときに、前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により照明するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
前記医療用輸液ポンプにより一組の命令を受信するステップは、前記コンピューティングデバイスが前記一組の命令の受信確認を受信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記医療用輸液ポンプにより前記薬液ラインの近くの発光部品に信号伝達を行うステップは、治療計画に従って複数のラインの信号伝達を行うステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により受信するステップは、前記発光部品から放出される光の特定の色に関する命令を受信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により照明するステップは、光の特定の色を照明するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
医療用マニホールドと通信するステップを更に含み、前記医療用マニホールドが前記医療用輸液ポンプから信号を受信するように設けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記医療用輸液ポンプに構成された可聴警報モジュールにより警報を発するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記医療用輸液ポンプに構成された視覚的警報モジュールにより警報を発するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記発光部品に信号伝達を行ってオンにするか又はオフにするステップは、光の強度に関する命令を送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記発光部品に信号伝達を行ってオンにするか又はオフにするステップは、点滅パターンの外観を与えるための、オンにするか又はオフにするサイクルに関する命令を前記発光部品に伝達するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用チューブ及び医療用輸液ポンプの技術に関する。より具体的には、流体医療の識別のための医療用チューブ及び医療用輸液ポンプの技術の適用に関する。
【背景技術】
【0002】
流体医療プロトコル又は計画は、薬液治療としても知られており、様々な医療環境において利用されている。いくつかの例として、クリティカルケアユニット(critical care unit、CCU)、専門ケアユニット(specialty care unit、SCU)、投薬ケアユニット(medication care unit、MCU)及び腫瘍学ケアユニット(oncology care unit、OCIT)が挙げられる。薬液治療は、多くの場合、医療用輸液ポンプを利用して行われる。医療用輸液ポンプは、医療用輸液ポンプの注射器機構に取り付けられた医療用輸液ラインを有する。医療用輸液ラインは、多くの場合、マニホールドまで延在し、該マニホールドから薬液治療を受けている患者まで延在する。医療用輸液ラインは、多くの場合、フィルター、ポート、調整用ローラクランプ、逆流防止弁、点滴筒などのインライン部品を有する。
【0003】
所与の薬液治療環境において、患者は、複数の医療用輸液ポンプから延在する複数の医療用輸液ラインを経験することができる。これらのラインは、薬液治療計画を含む様々な流体治療用化合物を運ぶ。これらの化合物に対して、特定の投与要件があり、薬液治療が移動する特定の経路は、薬液治療計画に合わせて調整される。
【0004】
複数の輸液ラインを区別することは、ストレスが高くタイミングが速い雰囲気に置かれる難しい作業である。医療分野は、該雰囲気を、開業医に高い認知負荷をかけることと呼んでいる。この高い認知負荷は、ある医療用輸液ラインを他から不適切に区別した結果として、薬剤送達の誤り(error)につながることがある。間違いなく、ある医療用輸液ラインの他との混同は、予防可能な投薬の誤りの主な原因の1つである。複数の医療用輸液ラインとそれらに関連する流体源、出力とを区別する難しさ、更には互換性のない薬剤が同じ医療用輸液ラインを介して輸液された場合に発生する、潜在的に生命を脅かす可能性の結果として、医療用輸液ラインを正確に識別する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図面を参照して、本開示の多くの態様をよりよく理解することができる。図面における部品は、必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに、本開示の原理を明確に例示することに重点が置かれている。更に、図面では、いくつかの図を通して、同様の参照番号は、対応する部分を示す。
【0006】
図1】本開示の第1の実施形態における、薬液治療を管理する医療用輸液ポンプシステムの概略図である。
【0007】
図2】本開示の追加の実施形態としての、薬液治療計画に係る追加の技術を伴う医療用輸液ポンプシステムの概略図である。
【0008】
図3】本開示の追加の実施形態としての、医療用輸液ポンプのグラフィカルユーザインタフェースを伴う医療用輸液ポンプの概略図である。
【0009】
図4】本開示の追加の実施形態としての照明医療用輸液ラインの概略図である。
【0010】
図5】本開示の追加の実施形態としての、インライン部品を備えた照明医療用輸液ラインの概略図である。
【0011】
図6】本開示の追加の実施形態としてのコンピューティングデバイスの構成図である。
【0012】
図7】本開示の追加の実施形態としての、照明された医療用輸液ラインを備えた薬液治療の識別システム及び方法の流れのブロック図である。
【0013】
図8】本開示の追加の実施形態としての、照明医療用輸液ラインを利用する薬液治療の方法のフローチャートである。
【0014】
図9】本開示の追加の実施形態としての、照明医療用輸液ラインを利用する薬液治療の方法のフローチャートである。
【0015】
図10】本開示の追加の実施形態としての独立型の医療用輸液ラインの概略図である。
【0016】
図11】本開示の追加の実施形態としての照明医療用輸液ラインの概略断面図である。
【0017】
図12】本開示の追加の実施形態としての照明医療用輸液ラインの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
薬液ポンプ及び照明薬液ラインを備えた薬液治療の識別のシステム及び方法は開示されている。以下の説明では、システムとその部品の一般的な説明を提供し、続いてその操作について説明する。
【0019】
薬液治療は、一般的に膠質液と晶質液に分類される。膠質溶液は、半透膜を通過できない大分子を含有し、高浸透圧によって血管外の空間から流体を吸引することにより、血管内容積を拡大するために使用される。膠質溶液の例として、アルブミン、デキストラン及びヒドロキシエチルデンプンが挙げられる。晶質溶液は、混合されやすく、溶液に溶解しやすい電解質又はデキストロースなどの溶質を含有する。晶質液は、半透膜を通過しやすい小分子を含有するため、血流から細胞及び組織へ移動することを可能にする。晶質液は、間質及び血管内空間の液量を増加させてもよい。晶質液の例として、等張液、低張液及び高張液が挙げられる。
【0020】
等張液の浸透圧は、250~375mOsm/Lである。等張液は、血漿と同じ浸透圧を有し、細胞の内外に一定の圧力を生み出すことにより、細胞が同じままになるとともに、隔室内に流体が移動しない。等張液は、血管内容積を増やすのに役立ち、嘔吐、下痢、ショック及び代謝性アシドーシスの治療、蘇生の目的、並びに血液及び血液製剤の投与に利用される。
【0021】
低張液は、溶質の濃度又は張度が低く、浸透圧が250mOsm/L以下である。低張液の輸液は、血管空間内の浸透圧を低下させ、流体を細胞内及び間質空間に移動させる。細胞は、膨張するが、血管空間内の流体を除去する。
【0022】
高張液は、溶質の濃度又は張度が高く、浸透圧が375mOsm/L以上である。浸透圧勾配は、細胞内空間から細胞外空間に水を引き込む。
【0023】
一次医療用輸液ラインは、連続的又は断続的な流体又は薬剤を輸液するために使用される。それらは、追加の部品で構成されてもよい。例えば、流体又は薬剤が間違った方向に移動するのを防止するために、逆流防止弁が設けられてもよい。アクセスポートは、多くの場合、医療用輸液ラインに沿って配置されて、二次薬剤を投与し、薬剤を押す。ローラクランプは、重力ベースの輸液の速度を調整したり、輸液を停止又は開始したりするために使用される。更に、二次医療用輸液ラインは、一次医療用輸液ラインからのものであってもよく、断続的な流体又は薬剤を輸液するために使用されてもよい。
【0024】
医療用輸液ラインは、連続滅菌交換を必要とする。疾病管理センターでは、次のタイムラインに従って医療用輸液ラインを交換することが推奨される。低張性、等張性又は高張性の連続溶液を有する一次チューブを、72~96時間ごとに交換する必要がある。二次又は断続的なIV溶液又は薬剤を24時間ごとに交換することが推奨される。二次又は断続的な医療用輸液ラインは、多くの場合、繰り返し接続され分離されるため、汚染の問題が発生し、より頻繁に交換する必要がある。脂肪エマルジョンを含有する輸液ラインを24時間ごとに交換することを推奨する。血液製剤の場合、4時間又は4単位のいずれか早い方で交換することが推奨される。これらの交換は、誤りのリスクを高め、医療施設の動作に混同をもたらす。本明細書の開示は、これらのリスクに対処し、薬液ラインの交換を解釈するのに役立つ実施形態を提供する。
【0025】
図1の例示的な実施形態に焦点を当てる。図1は、薬液治療プロトコルを管理する医療用輸液ポンプシステムの概略図を開示する。図1に示すような状況で、医療用輸液ラインを管理する典型的なプロトコルは、医療用輸液ラインの供給源から患者までずっとラインを物理的に処理するか又は追跡するように医師に指示して、輸液とその送達が適切であることを保証する。この例示的な実施形態では、医療用輸液ポンプラック(102)は、薬液(106)容器及び複数の医療用輸液ポンプ(104)を保持するように構成される。医療用輸液ラックは通常、薬液治療のための様々な物体の位置決めを保持し維持する金属製のアセンブリである。図1では、医療用ラック(102)は、薬液バッグ(106)及び複数の医療用輸液ポンプ(104)を保持するように構成される。多くの場合、図1に示すように、1つの医療用輸液ラックは、いくつかの医療用輸液ポンプを同時に保持してもよい。医療用輸液ポンプ(104)は、照明医療用輸液ライン(110、112)に接続するように構成される。照明医療用輸液ライン(110、112)は、医療用輸液ポンプ(104)に接続され、マニホールド(118)で終端する。他の実施形態では、照明医療用輸液ラインは、医療患者(132)で終端し、医療用マニホールド(118)が存在しない。
【0026】
図1では、ユーザ(100)は、コンピューティングデバイス(101)と対話する。コンピューティングデバイス(101)は、ユーザから命令を受信し、該命令を物理媒体において処理することができる任意のデバイスであってもよい。典型的なコンピューティングデバイスは、Windows10(登録商標)、GoogleChromeOS(登録商標)又はMacOSX(登録商標)などのオペレーティングシステムで構成されたパーソナルコンピュータを含む。コンピューティングデバイスの追加の実施形態には、オペレーティングシステムで構成されたモバイルデバイス及びタブレットが含まれる。典型的なタブレットデバイスは、Samsung Galaxy Tablet(登録商標)、Apple iPad(登録商標)、又は任意の他の移動性のコンピューティングデバイス(mobile computing device)である。更に、移動性のコンピューティングデバイスは、Apple iPhone(登録商標)及びSamsung Galaxy(登録商標)を含む。他の多くの移動性のコンピューティングデバイスが利用可能であるため、本明細書の説明は、移動性のコンピューティングデバイスのタイプを限定する要因ではない。
【0027】
コンピューティングデバイス(101)は、ネットワークアダプタ(103)を介して接続して、複数の医療用輸液ポンプ(104)と通信するように構成される。ネットワークアダプタは、ローカルエリアネットワークや無線ネットワークを介して、及びBluetooth(登録商標)プロトコルを介して通信するように構成される。セルラー、ワイヤレス、ローカル、リージョナル、接続されたネットワーク及び接続されていないネットワークを含むがこれらに限定されない、追加のネットワーキングの実施形態は、本明細書に開示され、本開示によって企図される。ネットワークアダプタ(103)を介して通信するコンピューティングデバイス(101)は、複数の医療用輸液ポンプ(104)に対して情報を送受信する。
【0028】
図1の例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス(101)は、ユーザ(100)から薬液治療計画を受信する。例示的な実施形態における薬液治療計画は、医療患者(132)に投与される特定の薬液のセットである。薬液治療計画は、使用及び有効期限後に医療用ラインを簡単に交換する計画を含むことができる。また、特定の照明医療用輸液ラインを照明する診断要求を更に含んでもよい。この実施形態における治療計画は、コンピューティングデバイス(101)から医療用輸液ポンプ(104)に転送され、照明医療用輸液ライン(110、112)からの動作又は非動作を引き起こす任意の信号として広く定義される。
【0029】
照明されていない照明医療用輸液ライン(110)は、医療用輸液ラインの流体伝達チャネルの表面上又はその近くに配置された対応する照明灯伝達チャネルを備えた医療用輸液ラインである。照明された照明医療用輸液ライン(112)は、識別のための照明灯伝達チャネルを有する医療用輸液ラインの流体伝達チャネルの表面上又はその近くに配置された対応する照明灯伝達チャネルを備えた医療用輸液ラインである。図4、5、11及び12の例示的な実施形態は、光伝達チャネル及び流体伝達チャネルに関する追加の開示を追加する。それに応じて、光伝達チャネルが照明源に曝されると、光伝達チャネルは、照明される。このように、照明源が照明輸液ラインに適用されると、輸液ラインは照明されて、医師が患者への医療サービスの輸液ラインをより容易に識別することを可能にする。医師が行う医療サービスは、患者への流体の送達の調整、医療用輸液ポンプの医療警報への応答、医療用輸液ラインの交換、及び当業者が想起する他のそのような操作などを含む。
【0030】
本明細書で使用されるチャネルという用語は、流体、光、情報、又は当業者が想起する他の任意の伝達可能なものの経路、通路、媒体、又は他の形態の伝達を意味する。いくつかの実施形態では、チャネルは、光の伝達を可能にする導管、例えば、光ファイバ光伝達用の光ファイバとして実装されてもよい。本発明の実施形態に係るチャネルの別の例は、導管を通る流体の流れ又は伝達を可能にする中空流体伝達ラインを含む導管として実装される。或いは、チャネルは、伝達用の媒体として単純に実装されてもよい。例えば、流体伝達ラインの周りに導管を形成する構造は、以下でより詳細に論じるように、それ自体が、導管自体を照明するための光を伝達するチャネルであってもよい。
【0031】
照明源は、医療用輸液ポンプの内部、外部、又は近くに収容されており、照明モジュールと呼ばれる。照明モジュールは、様々な発光物質、材料、及びデバイスで構成できる光源である。光源は、いくつかの医療用輸液ラインの長さを横断するのに十分な光源を挙げると、レーザ、発光ダイオード(「LED」)、有機発光ダイオード(「OLED」)、化学ルミネッセンス又はエレクトロルミネッセンスであってもよい。
【0032】
図1の例では、医療用マニホールド(118)は、医療用輸液ライン(114)で終端し、該医療用輸液ラインは、医療患者(132)で終端する。例示的な実施形態では、末梢挿入中心静脈カテーテル(134)が開示されている。いくつかの例を挙げると、末梢ライン、中心ライン、トンネルライン、埋め込み型ポート、及び正中線カテーテルなど、医療患者への追加の入口ポート領域(132)は、利用可能であり、本明細書に開示されている。
【0033】
図1では、ユーザ(100)は、コンピューティングデバイス(101)に薬液治療計画を問い合わせると、ネットワークを介して複数の医療用輸液ポンプ(104)に情報を送信する。それに応じて、医療用輸液ポンプは、薬液治療計画に対応する照明医療用輸液ラインを照明する。照明は、医療用輸液ポンプの各蠕動ポンプに登録されている特定の薬液に対応する。コンピューティングデバイス(101)及び医療用輸液ポンプ(104)は、対応する薬液を識別し、かつその薬液治療計画に対応する照明医療用輸液ラインを照明するために、他方に対して命令を送受信する双方向通信を行うことができる。更に、コンピューティングデバイス(101)及び複数の医療用輸液ポンプ(104)は、診断、識別、サービス、及び流体治療計画によって考慮される他の責任のために、様々な照明医療用輸液ラインを照明することができる。例えば、使用期間に応じて薬液ラインを交換することは、疾病管理センターでは必要な要件である。この開示は、指定された米国疾病管理センターのプロトコル(United States Center for Disease Control protocols)に基づいて特定の医療用輸液ラインを交換することを支援する。
【0034】
図2の例示的な実施形態では、医療用輸液ポンプシステムの概略図は、薬液治療計画に係る追加の技術とともに開示されている。例示的な実施形態では、医療用輸液ポンプ(202)は、コンピューティングデバイス(210)と通信する医療用輸液ポンプの無線通信アセンブリ(204)を備える。追加の実施形態には、コンピューティングデバイス(210)から医療用輸液ポンプ(202)へのローカルエリアネットワーク接続が含まれる。医療用輸液ポンプの例として、Medtronic(登録商標)、Smiths Medical(登録商標)、Benton Dickinson(登録商標)などのメーカーのモデルが挙げられる。医療用輸液ポンプは、制御された正確な方法で薬液を医療患者の体内に送達することを目的とする。したがって、多くの異なるタイプの医療用輸液ポンプがあり、本明細書の開示は、様々な医療用輸液ポンプに適用される。例えば、いくつかの医療用輸液ポンプは、医療患者のベッドサイドテーブルに固定するように設計される。他は、様々な環境に適応するためにポータブルでウェアラブルになるように設計される。液体栄養素及び薬剤を患者の消化管に送達するために使用される経腸ポンプなどの専用輸液ポンプもある。鎮痛剤の送達に使用される患者管理鎮痛ポンプは、患者が薬剤の制御された量を自己管理することを可能にする機能を備える。通常、糖尿病患者にインスリンを送達するインスリンポンプは、ほとんどの場合、家庭の場で見られる。
【0035】
本明細書の開示に係る医療用輸液ポンプは、電気的又は機械的、又はその両方で駆動されてもよい。例えば、注射器型の医療用輸液ポンプは、注射器のリザーバに流体を保持し、可動ピストンは、流体の送達を制御する。エラストマーポンプでは、薬液は、伸縮可能なバルーンリザーバに保持され、バルーンの弾性壁からの圧力が流体の送達を促進する。蠕動ポンプでは、一組のローラが可撓性チューブの長さをピンチダウンすることにより、流体をリズミカルに前方に押し出す。マルチチャンネルポンプでは、流体を複数のリザーバから複数の速度で送達することができる。本開示は、ソフトウェアで定義された方法及び監視を含むコンピューティングデバイスへの適合性及び構成機能とともに、照明医療用輸液ラインの機能を備えたスマートポンプの実施形態を含む。
【0036】
図2の例示的な実施形態では、医療用輸液ポンプ(202)は、医療用輸液ポンプの無線通信アセンブリ(204)を介して、コンピューティングデバイスの無線通信アセンブリ(212)から命令を受信する。該命令は、薬液治療計画、診断命令、操作命令及び保守命令を含んでもよい。例示的な実施形態では、医療用輸液ポンプ(202)によって受信された命令は、医療用輸液ポンプが、医療用輸液ポンプチャンバ1(230)内の医療用輸液ポンプ(202)に取り付けられた照明輸液ラインを照明すべきであることを示す。その結果として、医療用輸液ポンプ(202)に取り付けられ、医療用輸液ポンプチャンバ1(230)で終端する医療用輸液ラインは、照明医療用輸液ライン(206)を照明する。照明輸液ラインは、治療計画又はプロトコルの識別、特定のラインの交換又は置換などの診断上の理由-各ラインの始点及び終点を識別するなどの情報提供の目的-及び当業者が知っている他の目的とのために照明される。
【0037】
図2では、医療用マニホールド(216)は、任意の照明されていない照明医療用輸液ライン(208)と共に、照明された照明医療用輸液ライン(206)を受け入れるように設けられる。医療用マニホールドは、小さい照明医療用輸液ラインが接続される幅の広いチャンバ又はチャネルである。追加の実施形態では、医療用マニホールド(216)は存在せず、照明された照明医療用輸液ライン(206)及び照明されていない医療用輸液ライン(208)は、医療患者(214)で終端する。
【0038】
図2の例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス(210)は、開業医がコンピューティングデバイス(210)と対話して、流体治療計画、診断テスト、又は医療用輸液ポンプ(202)における識別テストなどの操作を実行して、照明医療用輸液ラインに代わって動作をトリガーすることができるユーザインタフェース(222)を有するように示される。
【0039】
図2の例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス(210)から医療用輸液ポンプ(202)に送信された信号により照明される照明医療用輸液ラインが開示される。代替の実施形態では、医療用輸液ポンプ(202)は、コンピューティングデバイス(210)を必要とせずに信号を送信する。これらの医療用輸液ポンプは、多くの場合、専用コンピューティングデバイスが組み込まれているため、スマートポンプと呼ばれる。したがって、医療用輸液ポンプ(202)にコンピューティングデバイス(210)を組み込む機能は開示されており、コンピューティングデバイス(210)によって記述されるすべての機能は、医療用輸液ポンプ(202)から、多くの場合、医療用輸液ポンプ上又はその近くのユーザインタフェースに直接的にアクセスすることによって実行することができる。照明医療用輸液ラインの信号伝達をトリガーするためのインタフェースは必要がなく、追加の実施形態は、信号を医療用輸液ポンプ(202)に送信して、照明医療用輸液ラインの照明源をオンにするコンピューティングデバイス又はユーザによってアクティブ化することができる簡単なトリガー又はボタンを含む。
【0040】
図3は、医療用輸液ポンプのユーザインタフェース(310)を伴う医療用輸液ポンプ(300)の概略図の例示的な実施形態である。例示的な医療用輸液ポンプは、前述したとおりである。この実施形態は、医療用輸液ポンプ(300)の対話領域及びスマートポンプと呼ばれるものに焦点を当てる。ユーザインタフェース(310)は、ユーザが使用して薬液の使用及び治療に更に適応する多数の機能及び設定を提供する。この実施形態では、コンピューティングデバイスから信号を受信する医療用輸液ポンプ(300)に焦点を当てる。受信された信号をユーザインタフェース(310)に投影して、各蠕動ポンプ(302、303)の照明モジュール(316)としても知られている光源をオンにする動作又は非動作を示すことができる。
【0041】
図3では、蠕動ポンプ(302)は、照明モジュール(316)によって照明され、その見返りに、照明医療用輸液ライン(306)を照明する。照明信号と照明しない信号とを比較すると、蠕動ポンプ(303)は、照明しない信号を受信するか、又は信号をまったく受信せず、照明モジュール(316)は、照明しないままであり、照明されていない照明医療用輸液ライン(308)を形成する。照明された照明医療用輸液ラインと照明されていない照明医療用輸液ラインは、交換可能であり、いずれも同じ機能を有する。本実施形態では、相違点は、照明モジュール(316)としても知られる照明源によって示され、医療用輸液ポンプ(300)から信号を受信して照明源をオンにするか又はオフにすることである。
【0042】
図3は、医療用輸液ポンプ(300)の組み立てとしての緊急インジケータ(304)を更に開示する。緊急インジケータ(304)は、医療用輸液ポンプの必要性と使用法に応じて、聴覚的、視覚的又はそれらの両方であってもよい。多くの場合、緊急インジケータ(304)は、医療用輸液ポンプから発せられ、問題が解決されるまで特定の反復時間パターンで警報を発する可聴キューを伴う赤色の点滅光である。
【0043】
図3の例示的な実施形態の重要な態様は、輸液流量(314)及び輸液量(312)インジケータである。スマートポンプシステムでは、これらの測定基準をスマートポンプ医療用輸液ポンプに関連付けてプログラムし、それに応じて照明医療用輸液ラインに対して動作を実行することができる。つまり、輸液流量は、光の強度を変化させて、流量が高くなると明るさを強くし、流量が減少するにつれて明るさを低下させることができる。同様に、輸液量は、量が高いときに輝きを強くしたり、光を急激に点滅させたりし、かつ量が減少するにつれて輝きを低下させることができる。照明の多くの機能をスマートポンプに関連付けて、医師に視覚的な識別とキューを提供して、医師が薬液治療の状況をよりよく理解することができる。
【0044】
更なる説明のために、図4は、照明源(414)が医療用輸液ポンプの範囲から取り外された、照明医療用輸液ライン(400)の概略図を開示する。図4の例示的な実施形態は、医療用輸液ポンプへの流体伝達チャネル(412)の取り付け、及び照明モジュールとも呼ばれる照明源(414)への光伝達チャネル(410)の取り付けを開示する。
【0045】
図4の例示的な実施形態では、輸液ライン構造(408)は、光伝達チャネル(410)及び流体伝達チャネル(412)で構成される。同時に、輸液ライン構造は、照明医療用輸液ライン(400)を形成する。輸液ライン構造は、多くの場合、伝達チャネルを介して供給される薬液に対して不活性な医療グレードのプラスチック又は他の樹脂である。他のタイプの複合材料及び金属は、薬液を医療用輸液ポンプから医療患者に安全に輸送するように輸液ライン構造(408)を形成するために使用することができる。
【0046】
図1を参照して上述したように、医療輸液は、多くの場合、輸液ポンプ、注射器、又は他の医療輸液源と輸液を受ける患者との間に存在し得るインライン部品を利用する。そのようなインライン部品の例として、フィルター、弁、アクセスポイント、マニホールド、及び当業者が想起する他のインライン部品が挙げられる。図5では、照明医療用輸液ライン(500)がインライン部品をどのように横断するかについての更なる説明が開示されている。
【0047】
図6は、薬液治療計画、医療診断情報、又は医療施設内のそれらの汎用コンピューティング条件のための命令を処理し実行する機能を備えたコンピューティングデバイスの例示的な実施形態の構成図である。図6の例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス(600)のコンピュータシステム(612)は、いくつかの部品で構成される。コンピュータシステム(612)は、ソリッドステートドライブ技術で構成されるか、又はコンピューティング情報を記憶するための他のハードドライブ技術を備えてもよい記憶システム(602)を含む。例えば、薬液治療アプリケーションも、長期ストレージ(602)に存在してもよい。例示的な実施形態のモバイルコンピューティングシステム(612)のメモリ(610)は、処理ユニット(616)への命令フローをバッファリングするキャッシュ(608)と共にプログラム命令を保持するランダムアクセスメモリ(606)を更に含む。多くの場合、実行された薬液治療アプリケーションモジュール(604)は、命令が処理ユニット(616)によって実行されるときに、ランダムアクセスメモリ(606)に存在する。
【0048】
図6の例示的な実施形態では、処理ユニットは、バスを介してネットワークアダプタ(614)に移動し、該ネットワークアダプタ(614)は、ネットワークカード、無線、Bluetooth(登録商標)及びローカルエリアネットワークアダプタを介した通信を容易にする。処理ユニット(616)は更に、バスを介して入出力インタフェースモジュール(IO’)(618)に構成される。IOモジュールは、薬液治療アプリケーションのGUIを表示するディスプレイ(622)に接続される。IOモジュール(618)は更に、ユニバーサルシリアルバスアダプタ、ライトニングポート、電源ポート、並びに汎用及び/又は専用コンピューティングデバイスとのインタフェースとして従来から見られる多くの追加のIOデバイスなど、他の多くの外部デバイス(620)とインタフェースするように構成される。図6は、構成されたコンピューティングデバイス(600)の一例示的な実施形態に過ぎない。汎用及び専用コンピューティングデバイスの追加の構成及び部品は、本明細書に開示されている。
【0049】
更なる説明のために、図7は、例示的な実施形態としての、照明された医療用輸液ラインを備えた薬液治療の識別システム及び方法の流れのブロック図を開示する。前述したように、コンピューティングデバイス(702)は、医療用輸液ポンプ(706)と通信できる技術を備えた汎用又は専用コンピューティングデバイスである。例示的な実施形態では、コンピューティングデバイス(702)は、コンピューティングネットワーク(704)を介して複数の医療用輸液ポンプ(706)に命令又は信号を送信する。医療用輸液ポンプ(706)は、コンピューティングネットワーク(704)を介して、又は直接、コンピューティングデバイスから信号又は命令を受信する。
【0050】
コンピュータネットワークがクラウドベースのネットワークであってもよく、リソースがクラウドベースのサーバに接続して信号又は命令を取得してもよいことに注意することが重要である。同様に、追加の開示では、コンピューティングネットワーク(704)は、ローカルエリアネットワークであり、複数の医療用輸液ポンプ(706)に配線で接続される。更に、有線ネットワークは、医療分野に使用される機器による無線通信の無線妨害を克服するのに有益であることが知られている。当業者であれば、それぞれのコンピューティングネットワークの様々な長所及び短所を知っている。
【0051】
医療用輸液ポンプ(706)は、治療計画の信号又は命令を受信した後、対応する照明医療用輸液ライン(720)を照明しながら、照明されていない照明医療用輸液ライン(722)としても知られる、照明するように特定されていないラインをオフ状態のままにする。照明された医療用輸液ラインへの照明は、薬液治療計画の様々なイベントを象徴し、又は、診断や他の医療目的となる様々な光の色、明るさ、強度、及びパターンベースの照明である。照明された照明医療用輸液ラインの重要な目的は、医師の認知負荷を軽減し、医療の誤りを減らすことを支援することである。診断、機器試験、情報提供及び教育などの追加の利点もまた、本開示において企図されている。
【0052】
図7では、照明された照明医療用輸液ライン(720)及び照明されていない照明医療用輸液ライン(722)は、医療用マニホールド(724)で終端し、医療用マニホールド(724)は、医療患者(728)に到達する追加の医療用輸液ライン(726)につながる。追加の実施形態では、照明された照明医療用輸液ライン(720)及び照明されていない照明医療用輸液ライン(722)は、医療患者(728)で直接終端する。また、照明医療用輸液ラインは、注射器、ポート、フィルター、チャンバ、及び薬液ラインに通常見られる他のインライン部品などのインライン医療部品を横断してもよいことに注意することが重要である。
【0053】
更なる説明のために、図8は、照明医療用輸液ラインを利用する薬液治療の方法の例示的な実施形態のフローチャートを開示する。コンピューティングデバイスは、ユーザからの、又は治療計画の事前定義された動作としての、プログラム可能な命令を処理する(802)。命令には、コンピューティングデバイスが通信するように構成される対応する医療用輸液ポンプが含まれる。次に、コンピューティングデバイスは、命令又は信号を含む通信を医療用輸液ポンプに伝達するか又は送信する(804)。医療用輸液ポンプは、これらの通信を信号又はプログラム可能な命令として受信し、通信を解釈して、特定の照明医療用輸液ラインを照明するか、又は照明しない(806)。この照明設定は、治療計画、診断計画、ユーザの教育目的、又は当業者によって知られている任意の追加の目的に対応する。
【0054】
図8を参照し続けて、医療用輸液ポンプは、コンピューティングデバイスから信号を受信した後、治療計画に従って、対応する照明医療用輸液ラインを照明する(808)。その後、コンピューティングデバイスは、治療計画に関連付けられる薬液ポンプからの結果、信号、又は解釈を表示する。結果は、単に光源が照明医療用輸液ラインに照明されることの検証であってもよく、信号が送信されたことの単純な検証であってもよい。検証は、本質的に無音であってもよく、プログラム可能な命令のみによって観察されてもよい。折り返し診断は、ユーザが結果を解釈するのを支援する機能をインタフェースに追加し、かつシステムを使用してヒューマンコンピュータインタラクションを改善することにより、薬液ラインの識別を継続的に改善することを目的とする。
【0055】
更なる説明のために、図9の例示的な実施形態は、照明薬液ラインを利用する薬液治療の方法のフローチャートである。例示的な実施形態では、コンピューティングデバイスは、治療計画を問い合わせる(902)。問い合わせることにより、コンピューティングデバイスは、特定の計画を特定するか、又は薬液若しくは診断治療計画のユーザからの命令を受信する。そして、コンピューティングデバイスは、問い合わせられた命令を、無線又は有線手段を介して医療用輸液ポンプに送信する(904)。医療用輸液ポンプは、コンピューティングデバイスから一組の命令を受信し、該命令を解釈する(906)。そして、医療用輸液ポンプは、医療用輸液ポンプアセンブリの発光部品に信号を伝達する(908)。発光モジュールは、医療用輸液ポンプ内に統合されたり、製造後に既存の医療用輸液ポンプに追加されるか又は設けられたり、照明医療用輸液ラインと接触できるように医療用輸液ポンプの近く又は隣に組み立てられたりされてもよい。
【0056】
図9の例では、発光部品は、医療用輸液ポンプから信号を受信し(910)、そして、コンピューティングデバイスに由来する薬液ポンプからの照明する信号に応答して照明する(912)。追加の実施形態では、発光部品は、コンピューティングデバイスから信号を直接受信し、信号を解釈して照明の結果を生成するハードウェア及びソフトウェアを備える。本明細書で説明されるようなハードウェア及びソフトウェアの多くの解釈及び組み合わせは、情報を転送し、照明された医療用輸液ラインを照明するタスクを達成することができる。これらの異なる実施形態は、非限定的であり、異なる組み合わせは、本開示から知られている。
【0057】
薬液治療システムにおける部品の更なる説明及び明確化のために、図10は、独立型の医療用輸液ラインの概略図である。図10は、異なる部品を紹介するためのものであり、本システムに見出され得る多くの部品の例示的な実施形態である。ラインエクステンダー(1002)は、一次IVバッグ(1006)の高さを下げる金属製又はプラスチック製のエクステンダーである。特に、医療用輸液ポンプは、医療用輸液ポンプの周囲の部品を明確にするために、この図から削除される。一次IVバッグ(1006)は、一次IV薬液を保持する。二次IVバッグ(1010)は、二次チューブ(1014)を介して一次IVチューブに入る。点滴筒(1018)、逆流防止弁(1020)、ポート(1022)、スライダークランプ(1024)及びローラクランプ(1028)などの様々なインライン障害物が開示されている。照明された医療用輸液ラインは、う蝕のインライン障害物と連続して動作し、ラインの識別を達成することができる。IVポール(1026)は、薬液を保持し続けるという点でIVラックと同義である。Luer Lock(登録商標)(1032)は、薬液チューブ用の標準化されたフィッティングであり、照明薬液ラインの様々な接合部全体に見られる。延長チューブ(1034)は、チューブを患者まで延長するために利用される医療用チューブである。薬液ラインを所定の位置に保持するクランプ(1036)を医療患者又は医療患者の近くにクランプする。カニューレ(1038)は、薬液を送達するために医療患者に挿入できる細いチューブである。図10の実施形態は、本開示の追加の実施形態であり、限定する要因としてのものではない。他の実施形態に適用される図10内の任意の数の部品が存在してもよい。
【0058】
図11は、照明医療用輸液ライン(1100)の断面の例示的な実施形態である。当業者であれば、輸液ラインを照明することにより、輸液ラインを介して患者に投与される溶液の起点からラインを追跡する医師に更なる支援を提供することを認識するであろう。当業者であれば、流体伝達ラインと統合された輸液ラインを照明する光伝達チャネルを有することは、輸液ライン自体にライン識別システムが取り付けられていないリスクを最小限に抑え、ラインを追跡する際に医師に更なる支援を提供するため、患者の安全性を高めることも認識するであろう。
【0059】
本発明の実施形態に係る照明輸液ラインにおける光伝達チャネル及び流体伝達チャネルの統合は、いくつかの形態で実施されてもよい。図11の例示的な実施形態では、流体伝達チャネル(1102)は、共押出された光伝達チャネル(1104)と隣接して、単一の連続照明医療用輸液ライン(1100)を形成する。追加の実施形態は、別個のチャネルを独立して形成した後、光伝達チャネル(1104)を流体伝達チャネル(1102)に固定する機能を含む。
【0060】
図12は、照明医療用輸液ライン(1200)の断面の例示的な実施形態である。図12の例示的な実施形態では、光伝達チャネル(1204)は、表面近くにあり、流体伝達チャネル(1202)に沿って連続的に続く。照明医療用輸液ラインの製造プロセスは、光伝達チャネル(1204)及び流体伝達チャネル(1202)に対して別個のチャネルの取り付け及び製造を可能にする。現在の薬液ラインを光伝達チャネルの技術により改造して照明医療用輸液ライン(1200)を形成する機能を含む、このプロセスの多くの利点は、当業者には明らかである。
【0061】
本開示の上記実施形態は、本開示の原理の明確な理解のために記載された、実施可能な例に過ぎないことが強調されるべきである。本開示の精神及び原理から実質的に逸脱することなく、上記実施形態に対して多くの変更及び修正を行ってもよい。そのようなすべての修正及び変更は、本開示の範囲内に本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液治療の識別システムであって、前記システムは、
複数の医療用輸液ポンプであって、前記複数の医療用輸液ポンプの一部は、それぞれ医療用輸液ポンプのユーザインタフェースを含み、前記医療用輸液ポンプのユーザインタフェースは命令を受信し、受信した命令に基づいて前記複数の医療用輸液ポンプの他の一部を更新するように構成され、前記複数の医療用輸液ポンプの一部は、それぞれコンピューティングデバイスからの命令を受信するように設けられる複数の医療用輸液ポンプと、
少なくとも流体伝達チャネル及び光伝達チャネルを含む医療用輸液ラインと、
前記複数の医療用輸液ポンプの一部にそれぞれ配置されて前記医療用輸液ラインの長さ全体に沿って前記光伝達チャネルを照明する照明灯と、
前記複数の医療用輸液ポンプと通信するように設けられたコンピューティングデバイスであって、前記コンピューティングデバイスにはユーザインタフェース及び入力デバイスが設けられたコンピューティングデバイスと、を含む、システム。
【請求項2】
前記医療用輸液ラインを受け入れるように設けられたマニホールドを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
マニホールドをさらに含み、前記マニホールドは前記医療用輸液ラインを照明するように設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスは、移動性のコンピューティングデバイスであり、さらに無線ネットワークを介して前記複数の医療用輸液ポンプと通信するように設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記医療用輸液ラインの前記光伝達チャネルは、前記医療用輸液ラインの外部表面の光ファイバである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
医療用輸液ポンプの薬液治療計画を識別する方法であって、前記方法は、
第1のコンピューティングデバイスにより、少なくとも1つの医療用輸液ポンプに設けられた第2のコンピューティングデバイスで構成されるプログラム可能な命令を処理するステップと、
第1のコンピューティングデバイスにより、少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプの前記第2のコンピューティングデバイスと通信するステップであって、通信するステップが前記第1のコンピューティングデバイス及び前記第2のコンピューティングデバイスのネットワーク接続を確立するステップと、
前記薬液治療計画に対応する医療用輸液ラインの全体に沿って光伝達チャネルを照明するため、少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプの前記第2のコンピューティングデバイスにより、前記第1のコンピューティングデバイスから、薬液治療計画に対応する一組の命令を受信するステップと、
前記第1のコンピューティングデバイスからの命令により、少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプに設けられた照明モジュールを照明し、前記薬液治療計画に対応する前記医療用輸液ラインの前記光伝達チャネルを照明するステップと、
前記第1のコンピューティングデバイスにおいて、グラフィカルユーザインタフェース前記薬液治療計画に関する情報を含む診断情報を表示するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
前記第1のコンピューティングデバイスは、ユーザからの入力を受信するように設けられた診断メニューからの入力を受信するように構成されたプログラム可能な命令を実行する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコンピューティングデバイスは、複数の医療用輸液ポンプと通信して、複数の医療用輸液ラインの識別を提供するように構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプにより前記薬液治療計画の誤りを示すステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
薬液治療計画を識別する方法であって、前記方法は、
第1のコンピューティングデバイスにより問い合わせるステップであって、問い合わせて薬液治療計画を取得するステップと、
前記第1のコンピューティングデバイスによって、前記薬液治療計画を示す命令を少なくとも1つの医療用輸液ポンプに送信するステップと、
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプにより、前記薬液治療計画の命令を受信するステップと、
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプにより、少なくとも流体伝達チャネル及び光伝達チャネルを含む薬液ラインの近くに配置された発光部品に信号伝達を行うステップであって、信号伝達を行って命令を、前記発光部品に提供するステップと、
少なくとも1つの前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により信号を受信するステップと、
少なくとも1つの前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により照明するステップであって、前記薬液ラインの全体に沿って、前記薬液ラインの前記光伝達チャネルを照明するステップと、
ユーザインタフェースの前記第1のコンピューティングデバイスによって、前記信号が少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプの前記発光部品により受信されたという診断情報を表示するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプにより前記命令を受信するステップは、前記第1のコンピューティングデバイスが前記命令の受信確認を受信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記医療用輸液ポンプを含む信号伝達を行うステップは、前記薬液治療計画に従って複数の薬液ラインの近くの前記発光部品に信号伝達を行うステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により受信するステップは、前記発光部品から放出される光の特定の色又はパターンに関する命令を受信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記薬液ラインの近くに配置された前記発光部品により照明するステップは、前記発光部品により特定の波長を照明するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
医療用マニホールドと通信するステップを更に含み、前記医療用マニホールドが少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプから信号を受信するように設けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプに構成された可聴警報モジュールにより警報を発するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの前記医療用輸液ポンプに構成された視覚的警報モジュールにより警報を発するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記発光部品に信号伝達を行ステップは、光の照明強度に関する命令を送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記発光部品に信号伝達を行ステップは、点滅パターンの外観を与えるための、オンにするか又はオフにするサイクルに関する命令を前記発光部品に伝達するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】