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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】人間工学的横方向手動清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/38 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A47L13/38 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512367
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020048228
(87)【国際公開番号】W WO2021041698
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】16/552,229
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522067868
【氏名又は名称】バーナール,エリク
【氏名又は名称原語表記】BARNAAL, Erik
【住所又は居所原語表記】133 S. Ogden St, Denver, Colorado 80209 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】バーナール,エリク
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074FF06
3B074FF07
(57)【要約】
人間工学的横方向清掃装置が記載される。一実施形態では、装置は、箒又は熊手ヘッドなどの清掃ヘッドと、ヘッドに装着された細長ポールとを有する。パドルは、ヘッドの反対側で細長ポールに装着され、細長ポールよりも幅広である。いくつかの実施形態は、細長ポールに装着され、細長ポールに垂直に延在する水平ハンドルも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃装置であって、
清掃ヘッドと、
前記清掃ヘッドに装着された細長ポールと、
前記清掃ヘッドの反対側で前記細長ポールの一端部に装着されたパドルであって、前記パドルが前記細長ポールよりも幅広であり、前記パドルが、前記細長ポールに対して水平及び垂直に延在する前面と後面とを、前記細長ポールのそれぞれの対向側に有し、前記パドルが、前記前面と前記後面との間の距離が前記清掃ヘッドの反対側の頂部においてより狭く、前記細長ポールに近接する底部においてより広くなるような楔型形状を有する、パドルと、
を備える清掃装置。
【請求項2】
前記パドルの前記前面と前記後面が、前記細長ポールの少なくとも3倍幅広である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パドルの前記前面と前記後面が、前記前面と前記後面との間の側面よりも幅広であり、前記パドルが、前記前面及び前記後面から前記側面までの丸みのある遷移領域を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記パドルが、ゴム、シリコーンゴム、及び軟質シリコーンからなる群から選択される材料で覆われている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記前面と前記後面との間の前記距離が、前記前面と前記後面の中心においてより小さく、前記前面と前記後面の縁部においてより大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記前面と前記後面が、前記前面と前記後面の前記中心から前記前面と前記後面の前記縁部まで凹形状に湾曲している、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記パドルを前記細長ポールに装着するコネクタを更に備え、前記パドルが前記コネクタによって前記細長ポールに連結されると、前記コネクタは、前記パドルが前記細長ポールを中心に回転することを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記細長ポールに装着されて、前記細長ポールに垂直に延在する水平ハンドルを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記水平ハンドルが、前記細長ポールの両側から反対方向に均等に延在する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記細長ポールが、前記パドルに装着された上側ポールセクションと、前記清掃ヘッドに装着された下側ポールセクションとを有し、
前記水平ハンドルが、前記上側ポールセクションに装着された上側バーと、前記下側ポールセクションに装着された下側バーと、前記上側バーと前記下側バーとの間のハンドグリップと、を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記水平ハンドルが、前記上側バー及び前記下側バーと前記ハンドグリップの一方の側とに固定された第1の垂直支持体と、前記上側バー及び前記下側バーと前記ハンドグリップの反対側とに固定された第2の垂直支持体と、を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記細長ポールが、前記パドル及び前記水平ハンドルに装着された上側セクションと、前記清掃ヘッド及び前記水平ハンドルに装着された下側セクションと、を有し、
前記上側セクションが異なる長さに伸縮する、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記下側セクションが異なる長さに伸縮する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記上側セクションが、互いに対して摺動する2つの同心管と、前記2つの同心管を異なる相対位置に保持する固定装置と、を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記固定装置が、前記同心管の一方に装着されて、前記同心管の他方を締め付ける梃子作用迅速クランプである、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記パドルが第3種梃子の支点であり、前記清掃ヘッドが作用点である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記パドルと前記清掃ヘッドとの間に力点としてのハンドルを更に備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
清掃装置であって、
清掃ヘッドと、
前記清掃ヘッドから延在する箒の柄と、
前記清掃ヘッドの反対側の前記箒の柄に装着されたパドルであって、前記パドルが、前記パドルの厚さよりも広い前面を有し、前記箒の柄が、前記清掃ヘッドが地面と接触しているときに肘の上方でユーザの胴と腕との間に前記パドルを配置させるように選択された長さを有し、前記パドルが、前記ユーザの胴の周囲で湾曲するように構成された凹形状を有する、パドルと、
前記清掃ヘッドと前記パドルとの間で前記箒の柄に装着されたハンドルと、
を備える清掃装置。
【請求項19】
清掃装置であって、
ユーザの胴と腕との間で細長ポールの一端部を固定するための、前記細長ポールに装着された固定手段であって、前記固定手段が水平方向及び垂直方向に延在して、前記胴によりかかる、固定手段と、
地面に沿って物体を清掃するための、前記細長ポールに装着された清掃手段と、
前記腕の握る手を受けとめて、前記握る手からの力に応答して前記清掃手段を移動させるための、前記細長ポールに装着された手段と、
を備える清掃装置。
【請求項20】
前記固定手段が、楔形形状と、前記腕によって前記胴に当たって保持されるように構成された凹面と、を有する、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、箒や熊手などの手動清掃装置、特に、頂部パドルを備えた人間工学的清掃装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な清掃装置は、一端にヘッドと称されることがある清掃部分と、清掃部分から延びる長い箒の柄又はハンドルと、を有する箒又は熊手である。長い直線状の箒の柄により、多くの異なる清掃動作のために多数の異なる様式で人が清掃装置を保持することができる。箒の柄は、各々の手が肘の高さ近傍の別々の位置で柄を握って、柄に対して異なる運動を加える両手作業に特に適する。箒の柄は、簡略かつ安価であり、調節せずに多数の様々な人々によって使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明は、以下の説明と、本発明の実施形態を例示するのに使用される添付図面と、を参照することによって最も良く理解することができ、図面内の同様の参照符号は類似の対象を指すために使用される。
【0004】
図1】本発明の一実施形態に係る、ちり取りにごみを掃き入れることを示す等角図である。
【0005】
図2】本発明の一実施形態に係る、人間工学的清掃装置を持った清掃者の等角図である。
【0006】
図3】本発明の一実施形態に係る、清掃装置での使用に適したパドルの一実施例の等角前面図である。
【0007】
図4】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの上面図である。
【0008】
図5】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの底面図である。
【0009】
図6】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの前面図である。
【0010】
図7】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの側面図である。
【0011】
図8】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの側断面図である。
【0012】
図9】本発明の一実施形態に係る、図3のパドルの前断面図である。
【0013】
図10】本発明の一実施形態に係る、清掃装置での使用に適した例示的なハンドルの等角図である。
【0014】
図11】本発明の一実施形態に係る、図10のハンドルの前面図である。
【0015】
図12】本発明の一実施形態に係る、図10のハンドルの側面図である。
【0016】
図13】本発明の一実施形態に係る、図10のハンドルの上面図である。
【0017】
図14】本発明の一実施形態に係る、図10のハンドルの前断面図である。
【0018】
図15】本発明の一実施形態に係る、人間工学的箒全体の分解前面図である。
【0019】
図16】本発明の一実施形態に係る、組み立てられた図15の箒の前面図である。
【0020】
図17】本発明の一実施形態に係る、組み立てられた図15の箒の側面図である。
【0021】
図18】本発明の一実施形態に係る、伸縮及び係止ポールを備えた人間工学的箒の前面図である。
【0022】
図19】本発明の一実施形態に係る、図18の箒の伸縮ポールの前断面図である。
【0023】
図20】本発明の一実施形態に係る、図18の箒の伸縮ポールの側面図である。
【0024】
図21】本発明の一実施形態に係る、代替の伸縮及び係止ポールを備えた人間工学的箒の前面図である。
【0025】
図22】本発明の一実施形態に係る、清掃装置での使用に適した代替のハンドルの前面図である。
【0026】
図23】本発明の一実施形態に係る、清掃装置での使用に適した別のハンドルの前面図である。
【0027】
図24】本発明の一実施形態に係る、清掃装置での使用に適した熊手ヘッド及び取付ソケットの前面図である。
【0028】
図25】本発明の一実施形態に係る、図24の熊手ヘッド及び取付ソケットの分解側面図である。
【0029】
図26】本発明の一実施形態に係る、図24の熊手ヘッド及び取付ソケットの組立側面図である。
【0030】
図27】本発明の一実施形態に係る、熊手ヘッドを備えた人間工学的清掃装置の前面図である。
【0031】
図28】本発明の一実施形態に係る、熊手ヘッドを備えた人間工学的清掃装置の前面図である。
【0032】
図29】本発明の一実施形態に係る、ちり取りにごみを掃き入れることを示す別の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
記載される人間工学的横方向清掃装置は、片手、片腕、及び胴の側部を用いて容易に使用され、力点の力が梃子システムの中心である効率的に設計された第3種梃子として動作する。頂部パドルを軽く圧迫する胴又は腕の上部と腋窩との摩擦力と、箒又は熊手の力点の力から頂部パドル及び胴へと移動する力とが、支点を確実に固定するように作用する。手は、箒又は熊手の中間近傍の水平ハンドル上に、縦軸に沿った中心に位置決めされ、力点として作用する。箒ヘッド又は熊手によって行われる作業が作用点である。
【0034】
一般的な清掃装置がちり取り又は掬いと共に横方向に使用されるとき、ユーザは、一方の手に箒を、他方の手にちり取りを保持しがちである。片手のみが箒の柄に対して使用されているとき、単純な単方向清掃動作はより難しくなる。両腕の力を共に使用する代わりに、ユーザは、ずっと小さな指、手、手首、及び前腕の筋肉に頼って、箒ヘッド又は熊手に剛性だけでなく有用な力を提供しなければならない。箒の柄を握るユーザの背が高いほど、即ち、ユーザの手がヘッドから離れるほど、この力を加えるのが困難になる。次いで、ユーザは、清掃しながら、箒ハンドルを箒ヘッドに近づけて保持するために前かがみになるか、又は楽な高さで箒の柄に大きな力を加えなければならない。長時間の清掃の場合、箒の柄は、ちり取りと一緒に使用するのに厄介である。このため、清掃に費やす時間が減少し、その期間の清掃の効果も低下する。長時間の清掃はまた、手根管症候群などの手首と手の小さな筋肉への生理学的傷害の機会を増大させる。
【0035】
箒又は熊手などの単方向清掃装置として記載される実施形態は使用し易く、より高い効率性を可能にし、腰の高さの箒、従来の箒、又はアームリング付き箒が他方の手によって保持される長いハンドルのちり取りと併せて使用されるときには得られない人間工学的利点を提供する。また、この清掃装置は、第2の手又は腕の使用が制限される障害を有する人を含め、片手だけで清掃する人にとって使用し易い。
【0036】
清掃装置は、固定された支点、力点、及び作用点を有する梃子として横方向に動作する。梃子は、様々な様式で設計され、機械的利益の観点で様々な成果を提供することができる。この清掃装置は、梃子力学の利点を考慮に入れ、この知識を人間の身体構造に効率的に適用するように設計されている。
【0037】
記載される実施形態は、固定された支点と、最長の実現可能な力点アームと、ユーザに適合する作用点アームと、を有する横方向第3種梃子として動作する清掃装置である。起動力の大半は、前腕、手首、手、及び指などの腕の下側の筋肉ではなく、上腕、肩、及び胴の大きな筋肉(腕全体を上下させるのに使用される筋肉)から生じる。この設計は、下腕の比較的小さな筋肉及び関節への負担、疲労、怪我を低減する。これらの小さな筋肉及び関節は、特に箒の柄が片腕で使用されるとき、垂直な箒の柄で酷使される。
【0038】
標準的な箒の柄を用いる片手作業は、指、手、手首、及び前腕の筋肉に頼って、箒ヘッド又は熊手に対して剛性だけでなく有用な横方向力を提供する。手首と隣接する身体部分は、清掃ヘッド全体に剛性を維持し、ツールを操作しながら起動動作を提供するために多大なトルクに耐えなければならない。トルクはハンドグリップから箒ヘッドまでの距離に比例するため、手首は、作用点に加えられる力の約3倍に耐えなければならない。一般的に、人々は、作用点までの距離を低減しようと人差し指をツールの軸に位置合わせすることによって、トルクを低減し、安定性を高める。しかしながら、これにより、大きな力が位置合わせされた伸張指を通じて加えられて、身体の最も小さい筋肉のうちの1つにかかる負担を増大させる。
【0039】
図1は、水平ハンドルちり取りと共に使用される、箒ヘッドを備えた人間工学的単方向清掃装置の等角図である。本図は、一例示的な使用シナリオにおける清掃装置を示す。清掃者、オペレータ、ユーザ、又は人物122は、片手でちり取り112を保持している。この例示的なちり取りは、清掃者122が直立しているときにちり取りを操作させることができる水平ハンドル116付きの長い垂直ポール114を 有する。ハンドルの高さは、固定されてもよく、又は調節可能であってもよく、様々な他の種類のハンドル又はちり取りのうちの任意のものが使用されてもよい。清掃装置102は、下から上へ順に、箒又は熊手ヘッド104、垂直な箒の柄又は下側連結ポール120、水平ハンドル106、箒の柄又は連結ポール110の第2の上側部分、及び頂部パドル108を有する。図示されるように、水平ハンドル106により、清掃者は、頂部パドル108に対する梃子作用を利用して、ちり取り112に向かって地面全体にわたって箒ヘッドを掃くように動かすことができる。これにより、清掃者は、片手のみを用いて、ごみ124をちり取り内へ人間工学的に掃き入れることができる。
【0040】
箒の柄は、圧入円柱又は同種のコネクタを用いて、頂部パドル108に装着されてもよい。箒の柄は、パドルーハンドル連結ポール110と、ハンドル-箒又は熊手ヘッド連結ポール120と、で構成され、これらの連結ポールは、水平ハンドル106のどちらかの端部に一緒に装着される。箒は斜めの毛を有してもよく、熊手はハンドル-箒又は熊手ヘッド連結ポールまで延びる斜めの歯を有してもよい。
【0041】
図2は、人間工学的単方向清掃装置を持った清掃者又はユーザ122の図である。ハンドル106により、ユーザ122はハンドルに対して、矢印130で示されるような清掃方向に力を加えることができる。この力は、一部には地面に対する箒ヘッド又は熊手104の摩擦、及び一部には反対向きの矢印134で示されるように掃かれたごみによって生じる反対方向の力の抵抗を受ける。
【0042】
パドル108は、図示されるように、腕と胴との間の腋窩の直下に置かれたときに快適に嵌合するように人間工学的に設計された形状を有する。パドルは、清掃時にも休止時にも高い安定性をもたらす設計と手段の組み合わせを提供する。一般に、パドルは、腕が胴を内方に優しく締め付ける動作の力138からの摩擦によって適所に固定される。ハンドル上の手の穏やかな上向きの力136が存在するだけでなく、人が掃くにつれて、作用点の作業134の増大する力130がパドル108における支点まで移動して、胴に対する圧力132を増大させる。このようにして、この動作は、支点である頂部パドルを安定化させ、適所に固定する摩擦力を増大させる。
【0043】
図3は、本明細書に記載の清掃システムでの使用に適したパドル202の一実施例の等角前面図である。パドルは、大きな前面204と丸みのある側部212とを有する。パドルの前面204と後面は、ゴム、シリコーンゴム、又は軟質シリコーンなどの比較的摩擦係数の高い材料でパドルの外部を覆うことによって、パドルを適所に保持する摩擦力を増大するように設計され、快適さを高めることもできる。表面は、垂直リブ又は別のテクスチャを用いて、図示されるようにテクスチャ付けされて、表面摩擦を更に増大させることができる。パドルの側部又は縁部212は、類似の材料又はより剛性の高い材料で構築されてもよい。
【0044】
図4は、パドルの大きな前面204まで徐々に拡張する狭い上側遷移面206を示すパドルの上面図である。図示されるように、パドルの側部204が任意選択的にわずかに水平方向に窪んだ形状を有するとき、快適さと制御性が向上し、この場合、パドルの中間部が最も狭い箇所であり、パドルの側部に平行である。言い換えると、パドルが前面と後面の中心で幅狭になり、前面及び後面の縁部で幅広になるように、パドルの前面と後面は湾曲している。このため、ユーザがパドルの中心を把持し易くなって、腕と胴との間にパドルを保つのを助ける。あるいは、パドルは、パドルの縁部に垂直隆起部を有してもよい、又は直線状のV字形状を有してもよく、Vの中心がパドルの水平方向中心で最も狭い地点であり、縁部が最も広い地点である。
【0045】
図5は、下面が上面よりもずっと広いことを示す底面図である。この形状は、腋窩近傍では腕と胴の間の距離が狭いことに関連し、肘に近いほどユーザにとって広い把持面を提供するという点で、より人間工学的である。パドルの底面208は、直接、又は圧入、又は任意の他の適切な種類のコネクタを用いて、パドル連結ポール110を受け入れる穴210を有する。
【0046】
図6は、パドルの側部又は縁部212までの丸みのある遷移領域206と共に広い前面204を示すパドルの前面図である。幅広の表面により、広い表面にわたって腕と胴の間でパドルを把持して、身体上のどの特定の地点でも圧力を低減することができる。また、多くの異なる位置でパドルを把持して、様々な方向及び様々な場所での清掃動作を行うことができる。
【0047】
たとえ単純な矩形又は類似の形状であっても、パドルとして機能し、清掃用の支点を提供する。図示される形状は、前面204及び後面までの低角(5~10度)の、鈍い縁部を有した楔形形状であり、頂部が楔形の狭い部分で、底面208が楔形の広い部分である(図7に示す)。したがって、縁部の広い方の部分がポールに近接する下面であり、狭い方の部分がポールの反対側の頂部である。
【0048】
図7は、縁部212及び遷移領域206を示すパドルの側面図である。パドルの底面208から頂部へのテーパ形状が明瞭に示されている。
【0049】
図8は、底面穴210及び内部ポールコネクタ214を示すパドルの側断面図である。ポールコネクタの具体的な構造は、ポールに合うように適合される。コネクタはパドルの中心に来るように示されているが、コネクタ位置は様々な構造に合うように適合させてもよい。
【0050】
図9は、底面穴210と、パドルの中心に位置し、穴を通ってアクセス可能であるポールコネクタ214と、を示すパドルの前断面図である。
【0051】
パドルの摩擦又は感知される把持力は、表面の摩擦係数と接触面積のサイズに関連し、例えば、摩擦=μ*N=μ*圧力*面積であって、但し、μは腕及び胴に対するパドル面の摩擦係数であり、Nは物体間の力である。したがって、広い把持面が使用され、パドルはユーザが腕及び胴をパドルの広い表面に接触させることができる十分な大きさにされる。パドルは、接触に利用可能な面積を最大化する。パドルの設計は他の設計よりも広い利用可能な表面を利用して、ユーザの腕の下でパドルを適所に保持するように生成される摩擦を増大させる。
【0052】
パドルの大きな表面積は、胴と腕の比較的大きな面積にわたって加えられる力を更に分散させる。このため、圧力を分散させることによってユーザの身体にかかる圧力が低減され、ユーザにとっての快適さが高まる。圧力=力/面積であるため、任意の所与の力の場合、接触面積に加えられる圧力は接触面積に反比例する。パドルの接触面積は通常の箒又は熊手のハンドルの接触面積よりも大きいため、任意の所与の力の場合、パドルと身体との間の圧力は箒又は熊手の圧力よりも小さい。
【0053】
パドルは、金属、プラスチック、ゴム、又は木材などの剛体又は半剛体材料から構築されてもよい。様々な他の薄い半剛体材料のうちの任意のものが使用されてもよい。この材料は、比較的高い摩擦係数を有し、縦穴210の外部を被覆するが内部を被覆しないゴム又はシリコーンなどの層で被覆されてもよい。あるいは、被覆材料は、摩擦を増大させるためにテクスチャ付けされる、又は表面仕上げされてもよい。
【0054】
パドルは、予測されるユーザにとって快適になるように構成される。大柄の人物は、小柄の人物よりも大きなパドルを望むであろう。多数のユーザにとって標準的な寸法は、約5.25インチ長又は幅、4.5インチ高、及び1~1.5インチ深又は厚である。箒の柄は典型的には、約1インチ径である。よって、パドルは、1インチの箒の柄の5倍よりも若干幅広である。パドルは、1.5インチの箒の柄よりも3倍強幅広である。更に、パドルは、典型的なユーザの腕よりも20%~100%幅広である。この幅は、腕を用いて腕と胴との間の腋窩下にパドルを配置し易くし、胴の幅全体にわたって清掃圧力を分散させる。
【0055】
縦穴210は、底面の中央において約0.75インチ径であり、底面から約1.3インチ上方に延びる。この0.75インチの穴の上部は、特定の種類のポールコネクタを収容するように、わずかに大きい0.875インチの径を有する。あるいは、穴は、0.75インチの穴の上部に大きな径を有さずに、約0.75インチ径と1.3インチ高でパドルの底面に構築されてもよい。
【0056】
パドルは、箒又は他の清掃装置の作業のために快適かつ容易に固定される旋回点又は支点として機能する。パドルは腕と胴の間に固定し易く、効率的な支点としての役割を果たす。パドルは、効率的な梃子としての箒の使用を促進する。腕が腋窩に近づくほど、腕と胴との間の距離が狭くなるために、上述の楔形状はユーザにとって良好なフィット性を提供する。
【0057】
記載されるようなパドルの前面及び後面にわたる横方向の凹形状もまた、フィット性を向上させる。また、パドルは上腕の凸状湾曲と胴の側部の凸状湾曲を同時に抱え込むために、接触面積が増大する。更に、パドルは腕と胴の中心に位置する傾向がある。記載されるパドルは、静止時にはユーザの上腕と胴の側部との間に広い有効接触面積を提供し、又は使用時には腋窩に優しく押し込まれて、腕と胴の間で締め付けられる。
【0058】
前述のように、箒の頂部におけるパドルとの広い表面接触面積は、箒の頂部の移動に抵抗する大きな摩擦力を生成するため、パドルは固定された状態を保ち、箒又は熊手の意図される梃子作用のための支点として最適に機能する。パドルを締めつける胴上部と上腕の筋肉からの力だけでなく、パドルが腋窩と接触するように箒をわずかに引き上げることによって生じる上向きの力が、ユーザの身体に対するパドルの摩擦を大幅に増大させる。これにより、腕と胴との間のパドルの摺動が防止される。加えて、箒の他端で作用点の力に作用する際、ハンドルに加えられる力点の力から胴及びパドルへと移動する力は、腕と胴に対するパドルの摩擦を大きく増大させる。
【0059】
パドルと胴又は腕などの2つの物体を互いに対して固定させるために、摩擦力は、接触面積に水平に加えられる力よりも大きくなくてはならない。
力=圧力*面積(式1)
摩擦力=μ*N(但し、Nは物体間の力である)(式2)
式1と式2を組み合わせると(但し、Nは力として定義される)、式3となる。
摩擦力=μ*圧力*面積(式3)
したがって、ある面積にわたる任意の所与の圧力及び所与の摩擦係数(μ)では、摩擦力は表面接触面積に比例して増大すると言える。
【0060】
また、上述したように、パドルと胴との間の摩擦力は、作用点に加えられる力点の力が増大するにつれて増大する。力点の力は、作用点に加えられる力と支点に加えられる力の合計に等しい。第3種梃子システムでは、力点アームは、中間の力点の力と一端にある支点との間の距離であり、作用点アームは、端部作用点抵抗と支点である他端部との間の距離である。作用点アームは常に力点アームよりも長いため、第3種梃子は常に1未満の機械的利益を有する。
MA=(力点アームの長さ)/(作用点アームの長さ)(式4)
F(作用点)*(作用点アームの長さ)=F(力点)*(力点アームの長さ)(式5)
F(作用点)=F(力点)*MA(式6)
F(力点)=F(作用点)+F(支点)(式7)
F(支点)=F(力点)-F(作用点)(式8)
F(支点)=F(力点)-{F(作用点)*MA}(式9)
したがって、支点での力は力点の力に比例する。即ち、力点の力の増大は支点での力の増大をもたらし、よって、パドルと胴との間の摩擦力を増大させる。
【0061】
力が上記の式9によって計算される同等の方法で使用されるとき、パドルは、通常の箒の頂部ハンドル又は類似の設計におけるアームリングよりも快適である。
【0062】
このことと式1に鑑み、任意の所与の力では、接触面積に加えられる圧力は接触面積に反比例する。即ち、任意の所与の力が印加される面積が増加すると、接触面積上の圧力は減少する。
【0063】
通常の箒の柄又はハンドル又はアームリングの接触面積は記載されるパドルよりも何分の1も小さいため、任意の所与の力の場合、腕及び胴にかかる圧力(例えば、平方インチ当たりのポンド)は、腕及び胴へのパドルの圧力よりも大きい。
【0064】
また、アームリング設計は本明細書に記載の設計よりも短い力点アームを使用するため、長い力点アームを利用するパドルから胴に移動するよりも、より大きな割合の力点の力が腕に移動する。式9によって示されるように、機械的利益が小さいほど、F(力点)のより大きな部分が支点へと移動する。任意の所与の力点の力の場合、圧力が高いほど、アームリングが腕に食い込む力が大きくなり、通常の箒の例では、パドル設計による低い圧力と比べて、ハンドルが胴と腋窩に食い込むため、パドルは、通常の箒ハンドル頂部又はアームリング設計よりも、箒の支点として利用するのに快適である。
【0065】
以下より詳細に記載する実施形態では、パドルは箒ポールの縦軸を中心に自由に回転できるように構成される。このため、ハンドルを捩ることによって箒ヘッドを回転させることができる。パドルの位置を腕と胴の間に維持しながら、様々な清掃手段を採用することができる。例えば、セメント面の伸縮目地からタバコの吸い殻を取り出すために実行可能な方法は、毛が目地と平行になるように箒ヘッドを捩ることである。箒又は熊手ヘッドは、1回の掃き又は掃き間に回転させてもよい。
【0066】
あるいは、パドルは、上側連結ポールにしっかりと固定されてもよい。パドルの位置は調節されて、パドル-ハンドル連結ポールの中心に装着される簡易な梃子管クランプを用いて(例えば、図21に示す)異なる回転位置に固定されてもよい。わずかに小さい方の上側管は、底部で大きい方の管に嵌合する。この構造は、ユーザが様々な清掃手段に対する捩り動作を実行せず、パドルがハンドル及び箒又は熊手ヘッドの位置に対して好ましい位置にあるという状況に適する。
【0067】
図10は、ユーザの手によって保持されて、箒又は熊手ヘッドの清掃動作を行わせるハンドル106としての使用に適した例示的なハンドル302の等角図である。
【0068】
図11は、対向する垂直支持管304、306間の管状構造の形態のハンドグリップ316を示すハンドル302の前面図である。垂直支持体は、ハンドグリップに平行である上側バー308と下側バー310によってそれぞれ適所に保持される。上側バー308は、ハンドグリップから離れるように上方に延在して、パドル連結ポール110に連結される中央管312を有する。下側バー310は、ハンドグリップから離れるように下方に延在して、箒ヘッド連結ポール120に連結される中央管314を有する。ハンドグリップは円形管として示されているが、手の形状により適合するように様々な形状をとることができる。ハンドグリップはまた、指の輪郭及びその他の表面仕上げを有して、より確実な把持をユーザに提供することもできる。
【0069】
ハンドルは、金属、プラスチック、木材、ガラス繊維、又は他の複合材料などの強靭で軽量な剛体材料から構築されてもよい。ハンドルは、快適さを高めるために、ゴム、シリコン、又は軟質プラスチックで被覆されてもよい。ハンドルは、清掃装置を効率的に保持及び操作できるように自然に位置決めされた快適な把持を提供する。ユーザの手とハンドルとの間の摩擦力を増大させるため、ハンドルを作製する木材、プラスチック又は金属よりも高い摩擦係数を有するように、より軟らかい材料が選択されてもよい。これにより、ハンドグリップとの有用な接触だけでなく快適さも向上する。
【0070】
ハンドルは水平に位置決めされ、人間工学的グリップを提供する。グリップは、手に効率的に適合するように設計される。例えば、グリップの寸法は、バイクのハンドル又はD字状のショベルハンドルに類似するように構成されてもよい。ハンドルのハンドグリップは、ゴム又はシリコンなどのより軟らかい材料で被覆されて、快適性を高めるだけでなく、手とハンドルとの間の摩擦力を増大させることができる。ハンドグリップの水平位置により、ユーザは、手首を屈曲又は回転させずにハンドルを自然に把持することができる。実施形態では、ハンドルは、地面に置かれた箒ヘッドの底部と地面を離れた掌又は手の高さとの間の距離が弛緩した腕と手の位置をもたらす自然な位置にある。
【0071】
図示されるように、ハンドルは、ハンドグリップと下側バーとの間に小さい下側開口部を有する。下側開口部は、グリップの下で指に適合し、指が開口部を容易に貫通できる十分な大きさを有する。ハンドルは、グリップの上方で上側バーとハンドグリップとの間に掌に適合する大きい上側開口部を有する。掌は指よりも厚く、より大きな空間を占める。大きい方の開口部はまた、手首がハンドルの上側水平バーに接触することを可能にする。あるいは、ハンドル302は、図示されるような矩形の代わりに円形又は楕円形で形成されてもよい。これにより、美観又は機能を向上させることができる。快適さを高めるために、上側バー308及び下側バー310の端部は、図示される水平構造から湾曲又は傾斜させてもよい。
【0072】
ハンドルはまた、箒又は熊手の垂直長に対して明確に位置決めされる。ハンドルは、パドルの頂部から測定される際の掌と腋窩との間の距離にある。ハンドルへの距離が長いほど、力点アームに利用可能な距離が長くなり、最大の機械的利益(MA)、但し、MA=(力点アーム)/(作用点アーム)、を可能にする。
【0073】
ハンドルの幅により、ユーザの手は連結ポールの軸を中心に清掃ヘッドを回転させる又は捩ることができる。広いハンドグリップを有するハンドルは、通常の垂直箒ハンドルを超える追加の機械的利益をもたらす。ハンドルは箒の縦軸の中心に置かれるため、ハンドグリップにわたる手の幅は、箒の軸の両側で均等にレバーアームとして機能する。これは、軸を中心に所望の位置まで箒又は熊手ヘッドを捩るのを助ける有用なトルクを提供し、清掃中に不均一な力が清掃ヘッドからハンドルへ移動したときに軸を中心に箒又は熊手ヘッドを捩る不所望のトルクに抵抗する。ハンドグリップがユーザの手より幅広であるとき、ユーザはハンドグリップに沿って一方の側又は多方の側に手を動かして、清掃ヘッドに加えられる一方向の回転力を更に増大させることができる。
【0074】
水平グリップ上で中心に位置する手のいずれかの側の手の各縁部から箒の中心軸までの距離は、中心軸からの通常の箒ハンドル上の垂直グリップの距離よりも大きい。このため、箒の軸に沿ったハンドルの中心水平配置によって、より大きな機械的利益が発現される。結果的に、調節中又は清掃時の箒の回転位置が更に制御される。MA=(力点アーム/作用点アーム)により、(長いアーム)/(作用点アーム)>(短いアーム)/(作用点アーム)となり、あるいは、長い作用点アームMAは、短い作用点アームMAより大きいと言える。
【0075】
また、更なる機械的利益が、箒の連結ポールの軸に沿ったハンドルの中心位置から得られる。この中心位置のおかげで、ユーザは、手首を中心として両方向に均等に手を自由に移動して、手からの回転力の移動を箒ポール軸に集中させ、清掃ヘッドを回転させて清掃ヘッドを異なる回転位置とすることができる。このことは、箒ヘッドの毛を様々に回転させる利用法や、トルクを生成する又はトルクに抵抗する簡易かつ効率的な方法を促進することによって、箒又は熊手のより効率的な使用を提供する。
【0076】
図11に示す実施例では、ハンドルは、各部が4つの円柱、パイプ、又は管、及びハンドグリップ用の中央円柱から構成される中実の矩形フレームから成る。フレームの寸法は、約8.5インチ垂直高×4.7インチ水平方向外幅を有する。円柱の外周は円形又は楕円形であり、約1インチの直径を有する。第5のハンドグリップ円柱は矩形フレームの内側にあり、約4インチ長、約1インチ径で、外周は円形又は楕円形である。第5の円柱は、底部の6インチのフレーム円柱の最上部から約1インチ上方において水平姿勢で、各端部で8インチの垂直円柱に内部接続される。ハンドグリップの径及び外周は、垂直箒ハンドルよりも大きくなるように構成されてもよい。このようにすれば、より握り易く効率的なグリップの使用が提供される。
【0077】
ハンドグリップを備える上側バー及び下側バーは、矩形の円柱フレーム内に2つの矩形開口部を生成する。ハンドグリップ上方の大きい上側開口部は、約2.3インチ高×3.3インチ幅×1インチ深の寸法を有する。ハンドグリップの下方の下側開口部は、約1インチ高×3.3インチ幅×1インチの寸法を有する。これらの寸法は、様々なサイズの手及び他の実施態様に合うように適合させることができる。開口部の高さは、手を操作する空間を増やすため、又は構造上の理由から増大させてもよい。
【0078】
約2インチ長及び1インチ径のパイプ又は管などの追加の中空円柱が、円柱フレームの頂部で上側水平管に装着される。本実施形態では、内径は約0.85インチである。この円柱は、円柱フレームの外側上部の中心に垂直に位置決めされ、任意選択的に、上側の6インチ円柱の径の例えば半分まで貫入する。
【0079】
同様に、別の約2インチ長及び1インチ径の中空円柱、パイプ、又は管が、円柱フレームの底部に装着される。この内径も約0.85インチである。この円柱は、円柱フレームの外側下部の中心に垂直に位置決めされ、任意選択的に、下側の6インチ円柱の径に貫入する。これらの垂直円柱は、連結ポール120、110を装着するために、垂直円柱の外周に均等に位置決めされた約0.2インチ径の1つ以上の水平穴を中心近傍に設けて構成することができる。
【0080】
図12は、パイプ状の垂直支持体304、上側中央管312、下側中央管314を1つずつ示す図11のハンドルの側面図である。これらの管は、対応する上側連結ポール320及び下側連結ポール322の保持ピンを受け入れる穴324、326を有する(図14に示す)。
【0081】
図13は、ハンドル302を横断して延びる上側バー308を示す同じハンドルの上面図である。中央管312は、上側バーと同じ直径を有し、上側連結ポール320を受け入れる中央開口部を備えるように図示されている。
【0082】
図14は、ハンドル302と上側管312及び下側管314とを示す前断面図である。上側連結ポール320及び下側連結ポール322の一部が管に挿入されて図示されている。ポールは、各管の穴324、326にそれぞれ係合するピンを用いて適所に係止される。本実施例では、各管に2つの穴が設けられ、管の反対側に1つずつ穴がある。ピンは、管内のポールの回転及び垂直移動を防止する。管の長さは、ポールの水平移動を防止する。
【0083】
図15は、一実施形態に係る、人間工学的清掃箒402全体の分解前面図である。箒は、底部に毛404を備えた箒ヘッドを有する。箒ヘッドは、垂直レシーバ406を通って箒ハンドルに装着される。箒の柄の箒ヘッド-ハンドルポール410は、レシーバ406内に配置される。ポールは、ポールを通ってレシーバに挿入されて箒ヘッドを箒の柄に装着するピン又はネジ408によって、適所に保持される。釘、リベット、又は接着剤を含め、図示されるネジの代わりに、様々な異なる固定具が使用されてもよい。箒ヘッドソケットへの標準的な箒ハンドルのネジ式連結も使用され得る。あるいは、より詳細に後述するものを含め、様々なクリップ、クランプ、及びバネピンが使用されてもよい。
【0084】
上述のハンドルなどのハンドル420は、箒ヘッド404の反対側で箒ヘッド-ハンドルポール410に装着される。ハンドルは、ハンドルの底部から延びて、箒ヘッド-ハンドルポール410の上端を受け入れる垂直管424を有する。ポールは、箒ヘッドレシーバ用のものと類似するネジ又はピンによって保持される。同様に、パドル-ハンドルポール412も上側垂直管422に挿入されて、ハンドルの上方に箒の柄を拡張させる。パドル-ハンドルポール412はまた、他の実施例のように、管を通ってポール内へ延在する、ポールの反対側に1つずつある2つ以上のネジ426を用いて、固定されてもよい。ポールはハンドル及び箒ヘッドのレシーバに挿入されて図示されているが、管がそれぞれのポールの大きい方の端部に挿入されるように、相互連結は入れ替えられてもよい。上述されるように、ネジ又は任意の他の固定具が使用されてもよい。
【0085】
図1の使用シナリオの場合、箒ヘッドは、毛束が約1インチ幅、8インチ長、及び6インチ高である両手清掃箒用の標準的な寸法を有し得る。これらの寸法は、具体的な使用設計に応じて、40%以上大きく又は小さく修正されてもよい。他の用途の場合、別の箒ヘッドのサイズ及び形状が使用されてもよい。
【0086】
パドル-ハンドルポール412は、ハンドルから上方に延び、ハンドル420の反対側の端部でパドル416を受け入れる。パドル固定具は、他のポール連結のために記載されるような1つ以上のネジであってもよく、又は別の連結が使用されてもよい。図示される実施例では、圧入コネクタ414が使用されて、頂部ポール412をパドル416に連結する。コネクタにより、パドルは箒の柄の縦軸を中心に自由に回転することができる。回転は、腕と胴との間のパドルの最適位置を維持しながら、様々な清掃方法を容易にする。
【0087】
円柱形圧入コネクタは、金属、プラスチック、又は木材などの半剛体材料で構築されてもよい。本明細書における寸法に一致させるため、コネクタは、約2.25インチ高及び0.75インチ径の円柱を含む。内側の上部1.25インチは中空であり、内径は約0.5インチである。下部1インチは中実であってもよい。
【0088】
上部0.75インチは、外径が底部の約0.875インチから上部の0.7インチまで均等にテーパ状になり、楔形状を形成する。4つの0.15インチ幅の縦切込みが、コネクタの上部1インチの場所に等間隔で配置される。
【0089】
圧入コネクタは、パドルをパドル-ハンドル連結ポールに連結して、パドルが中心縦軸を中心に回転することを可能にする。上部1.25インチは、パドルの下部縦穴に嵌合する。下部1インチは類似の形状のポールに嵌合し、ネジ又は接着剤などの任意の適切な固定具を用いて装着される。上部の4つの楔状「タブ」は、内方に屈曲してパドルの下部縦穴に嵌合した後、コネクタが図8及び図9に示すようなパドルの縦穴の大径上部に入ると、反発して元の形状に戻る。
【0090】
図16は、一緒に組み立てられた例示的な清掃装置の構成要素の前面図である。箒ヘッド404は、レシーバ406によって、ハンドル420に装着される下側ポール410に装着される。ハンドルは、頂部パドル416に装着される上側ポール412に装着される。実施態様に応じて、より多い又はより少ない構成要素又は連結部が使用され得る。構成要素のうちのいくつかは、一体構造に組み合わされてもよい。
【0091】
図17は、固定具426と、固定具が挿入されてポールをハンドルに連結する穴と、を示す図16の箒の側面図である。図示されるものの代わりに、他の種類の固定具が使用されてもよい。取外し可能又は解放可能な固定具を用いることによって、様々なユーザに適合するように異なる長のポール410、412が使用され得る。様々なタスクに適合するように、様々なヘッド404が使用され得る。異なるユーザ及び異なるタスクに適合するように、異なるハンドル420及びパドル416も使用され得る。
【0092】
図18は、上側連結ポール512、514及び下側連結ポール506、508が調節可能な高さを有する代替の清掃装置構造の前面図である。両連結ポールは、2ピースの同心伸縮ポールとして構築される。長さは、異なるユーザに応じて調節され得る。様々な異なる伸縮ポール構造のいずれかを使用することができる。ポールは、様々な異なる装置のいずれかを用いて、互いに対して相対位置で固定されてもよい。円形管クランプ、楕円回転管、ネジ式回転係止リング、又は任意の他の固定装置が使用され得る。図18の実施例では、二重押しボタン機構518が使用される。クリップは、中間で曲げられた板バネと、バネの各端のボタンと、を有する。ボタンは、バネによって押圧されて各ポールの2つの管の対向穴に挿通される。
【0093】
各ポールは、管の一端から同じ長さに位置決めされ、相互に180度離間した、2つの穴520を備えた同心内側管506、514を有する。簡易なレバーバネ518が内側管内に配置され、反対方向に外方に向かい、内側管の2つの穴に嵌合されるレバーアームのそれぞれの端部に、ボタンが設けられる。これらのボタンは、内側管の2つの穴に適合するようにサイズ決め及び調節されて、2つの穴に嵌合する。ボタンは、管の外装又は壁の幅の約3倍の長さ分、それぞれの穴を通って管の外に突出する。
【0094】
大きい方の外側管508、512は、対応する内側管506、514の外径よりもわずかに大きい内径と、内側管と同様の管外装幅とを有し、内側管の上を摺動する。外側管は、内側管の2つの穴と同じサイズの2セット以上の180度対向穴を有する。正しく位置決めされると、簡易なレバーバネのボタンは、内側管及び外側管の穴を貫通して、管を一緒に係止する。次に、ボタンを押して、ボタンの外側を外側管の内径内に位置させ外側管に対して内側管を移動可能とすることによって、内側管の位置を調節することができる。ボタンが外側管の異なるセットの穴に合致すると、ボタンは異なるセットの穴を通って板バネによって押されて飛び出し、新たな位置で内側管を外側管に係止する。
【0095】
代替例として、1つ以上の上述の外側管508、520が、ハンドル510に装着されてもよく、又は一体化されてもよい。一実施例では、ハンドルの型はまた、複数セットの穴を有する大きい管を含む。あるいは、内側管506、514は、外側管がパドル及び清掃ヘッドに装着されるように、ハンドルに装着又は一体化されてもよい。
【0096】
図19は、図18のハンドル及び連結ポールの前面断面図である。上側外側管512と下側外側管508は同心であり、それぞれが各側に一連の5つの穴520を有して、上側内側管514と下側内側管506を、それぞれ外側管に対して5つの異なる位置まで移動できるようになっている。特定の実施態様に合わせて、より多い又はより少ない穴及び位置が使用されてもよい。上側連結ポールと下側連結ポールの両方の調節を可能にすることによって、箒の全長に加えて、ハンドル510の位置も調節することができる。これにより、掌から腋窩まで及び地面から掌までの両方だけでなく地面から腋窩の全長で、異なるユーザ腕長に適合させることができる。上側ポールと下側ポールの両方について調節可能な範囲が8インチであれば、大半のユーザに合わせて清掃装置を調節するのに適する。一実施例として、箒とハンドルの高さに応じて、ポールはそれぞれ、例えば、12インチから20インチの間の範囲で変動させることができる。2つの伸縮ポールにより、全長で16インチの変動が可能である。このように調節可能であることで、保管のために清掃装置のサイズを低減することもできる。
【0097】
図20は、ハンドル510と、図17の連結ポールの上側外側管512及び下側外側管508の側面図である。外側管のそれぞれの側部に沿って5つの穴520が明瞭に示されている。
【0098】
図21は、図18のバネ式ボタンの代わりに梃子作用迅速クランプを用いる代替の調節可能清掃装置の前面図である。箒ヘッド544又は任意の他の清掃ヘッドは、相互に対して摺動して様々な長を達成する内側管548と外側同心管546とを有する下側連結ポールに装着される。図示されるように、外側管548又は内側管は、水平ハンドグリップを備えた人間工学的ハンドル550に連結される。第2の上側連結ポールもまた、相互に対して摺動して様々な長を与える内側管554と外側管552とを有する。外側管552又は内側管は、ハンドル550の頂部に装着される。内側管554は、清掃装置を把持するための第2の位置を提供する頂部パドル556に装着される。
【0099】
内側管及び外側管は、菅の下側部分あるいは上側部分に固定された簡易な梃子作用管クランプ560を用いて、互いに対して適所に固定される。わずかに小径の管548、554は、管クランプ560を通して下側管546、552に上から挿入される。小さい管の外径は大きい管の内径よりもわずかに小さく、管クランプ上のレバー564が開放されているときは縦方向及び回転方向の両方に自由に動くことができる。次いで、管クランプ上のレバーが閉鎖されて上側ポールを圧迫すると、小さい管は大きい管に対して適所に固定される。図示される実施例では、レバー564は、内側管が挿入されているクランプ560の上側部分566の直径を低減させる。径が低減されたクランプは内側管を把持して、適所に保持する。
【0100】
この種の伸縮ポールが上側連結ポール552、554のために使用されて、パドルが上側ポール上の適所に固定されると、パドルは自由に回転する代わりに任意の回転位置に固定され得る。あるいは、追加のレバークランプ(図示せず)を上側連結ポール554の頂部とパドルとの間に使用して、上側連結ポール552、554の長さ調節に影響を及ぼさずに、パドルの回転位置を制御してもよい。
【0101】
本明細書に示されるように、箒の柄全体は中央ハンドル550を有し、パドル556-ハンドル連結ポール552、554がハンドルの上側に、ハンドル-清掃ヘッド544連結ポール546、548がハンドルの他方の下側に設けられる。パドル-ハンドル連結ポールは、パドル(支点)と梃子システムの力点であるハンドルとの間の強固で剛体のレバーアームとしての役割を果たす。上側連結ポールは力点アームであり、頂部の支点から清掃ヘッドの底部の作用点まで延在する作用点アームの上側部分としても機能する。
【0102】
パドルとハンドルとの間の距離は調節可能であり、パドルが腋窩の下方1~2インチにとどまるように調節されてもよい。ポールは、ハンドルのハンドグリップが手の中に快適に収まるように更に調節される。
【0103】
ハンドル-清掃ヘッド連結ポールは、水平ハンドルを清掃ヘッドに連結する。該ポールは、ハンドル(梃子システムの力点)と梃子システムの作用点である箒又は熊手ヘッドとの間の強固で剛体のレバーアームとしての役割を果たす。作用点アームの下部は、ハンドルから下部の作用点まで延在する。パドルから清掃ヘッドまでの全長は、作用点アーム全体を構成する。ハンドルと清掃ヘッドとの間の距離は、腕が弛緩しているときにヘッドの底部が地面に均等に置かれ、ヘッドがユーザの最も近い足から約12インチに置かれるように調節されてもよい。
【0104】
管は、半可撓構造として形成されてもよい。例えば、管は半剛体であって、箒又は熊手ヘッドが操作されるのに伴うわずかなバネ様の動きを可能にしてもよい。ポールは、清掃動作の開始時に箒又は熊手がまず地面の最初の数インチに接触するとき、わずかに屈曲するように構成されてもよい。そして、このエネルギーは、掃き又は掻き動作の終了時に箒ヘッド又は熊手ヘッドが地面との接触を減少させるまで、ポール内に蓄えられる。その位置で、ポールは元の直線性を取り戻して蓄えられたエネルギーを解放し、それにより、ごみをちり取り内へ掃き入れる箒又は熊手ヘッドの速度を上昇させる。
【0105】
本明細書に記載のハンドル550は、意図される使用及び実施態様に応じて、様々な異なる様式のいずれかで修正されてもよい。他の設計はより製造し易く、適切に位置決めされたパドルが固定された支点として機能することを可能にする。いくつかの実施形態では、垂直な箒の柄は、特定のハンドル無しで使用されてもよい。この場合は手首を捩って垂直な箒の柄を把持する必要があるが、パドルは依然として、パドルの無い従来の細い箒の柄よりもはるかに優れた梃子作用とヘッドの制御を可能とする。
【0106】
垂直な箒の柄上のユーザのグリップは、箒の柄の周囲に把持面を追加することによって向上させることができる。箒の柄を囲む拡張クッション付きカバーは快適性を高め得る。図18及び図21の実施例では、グリップは、一方の側で上側連結ポールに連結し、他方の側で下側連結ポールに連結する別個の片として垂直ハンドルの形態をとってもよい。このような垂直グリップは、垂直ハンドル構造の外周を囲む1~1.5インチ径及び約5インチ高を有することができる。
【0107】
更なる代替物は、箒の柄の縦軸から一方向又は両方向に延在する水平グリップである。例示の実施例と同様に、このような水平グリップは、平均的な手に快適に適合するようにサイズ決めされ得る。垂直な箒の柄の片側からのみ延在する水平グリップは、片手で把持するのに快適であるが、清掃動作時にユーザがハンドルを押すときに箒の柄が回転しがちである。水平グリップを両方向に設けることによって、ユーザは、指を箒の柄の各側に置いて、垂直な箒の柄の中心に手を位置させることができる。これにより、捩り動作が排除されるが、箒の柄が指の間を通過しなければならないために、時間の経過とともに不快感が生じ得る。水平グリップは、垂直ハンドルの型に製造されてもよく、又は様々な様式で、垂直な箒の柄に装着されてもよい。水平グリップは、ハンドルの一方の側で、箒の柄にねじ込まれてもよく、又は簡易な管クランプを用いて締め付けられてもよい。クランプにより、ユーザは、異なるユーザに適合するように、異なる垂直位置にハンドルを装着することができる。
【0108】
図22は、別の代替の水平ハンドルの前面図である。このハンドルは、図18及び図21のハンドルと類似する、箒の柄に関して中心に位置するハンドグリップ602を提供する。このハンドルは、ハンドルの1つの垂直縁部又は側部が取り除かれており、水平ハンドルと類似するとみなされてもよい。その結果、ハンドグリップは依然として、水平方向には箒又は熊手ヘッドの縦軸の中心に位置決めされて、上述のハンドルの利点の全てを得ることができる。
【0109】
ハンドグリップ602は、2つではなく1つの垂直支持体604に装着される。垂直支持体は、一方の側で上側バー610に、他方の側で下側バー612に装着される。上側バーは上側中央連結管606に装着される。パドル-ハンドル連結ポールは、本明細書に記載の様式のいずれかでこの管に装着される。同様に、下側バーは下側中央連結管608に装着される。下側管も、本明細書に記載されるようにハンドル-ヘッド連結ポールに装着される。上側バーと下側バーは、例えば、図11に示されるように、水平であってもよい。あるいは、上側バー、又は下側バー、又はその両方は、図示されるように水平から60度又は別の角度で傾斜していてもよい。この傾斜構造は、ユーザの手により大きな空間を提供し、ハンドグリップを把持し易くする。
【0110】
加えて、上側バー及び下側バーは1つの垂直支持体のみに連結されるため、1つの垂直支持体から連結ポールの中心縦軸までのみ延在する。水平ハンドグリップの他方の側の別の垂直支持体まで更に延びる必要はない。このため、ハンドルの材料と重量が軽減され得る。図示される実施例では、垂直支持体と上側バー及び下側バーは、半円の3つのほぼ直線状弦の形状を有する。いくつかの実施態様では、垂直支持体と上側バー及び下側バーは、半円又は大円の一部などの単独の湾曲構造として形成されてもよい。丸みのある又は円形形状は、直線状バーと比較して構造上の利点を有するが、製造するのにより費用がかかり得る。
【0111】
図23は、別の代替のハンドルの前面図である。このハンドルは、垂直支持体の上半分が一方の側で取り外され、垂直支持体の下半分が他方の反対側で取り外されていることを除けば、図11のハンドルに類似するとみなすことができる。これにより、水平グリップが「S」の真ん中である略「S」字状ハンドルが形成される。
【0112】
ハンドグリップ632は、一方の側で上半分垂直支持体634に、他方の側で下半分垂直支持体636に装着される。上半分垂直支持体は、水平であってもよく、又は図示されるように水平から約60度又は別の角度で傾斜していてもよい上側バー638に装着される。上側バーは上側管642に連結されて、パドル-ハンドル連結ポールに連結される。下半分垂直支持体636は、水平であってもよく、又は図示されるように傾斜していてもよい下側バー640に装着され、下側バーは更に下側管644に装着される。このS字状ハンドルは直線管で形成されているが、代わりに、管間に直線状の水平ハンドグリップを備えた湾曲管で形成されてもよい。
【0113】
本明細書に記載のハンドル設計は全て、シリコーン又はゴムなどの摩擦係数の高い半軟質被覆材料をグリップ上に組み込んで、快適さを向上させるだけでなく、ユーザの手とグリップとの間のより安定した連結を提供することができる。更なる拡張として、グリップは、ユーザの手の4本の指に適合するように構成されたハンドグリップの底部に、約0.25インチ深の4つの凹状窪みを有してもよい。
【0114】
図24は、熊手ヘッド及び取付ソケットの前面分解図である。歯704を備えた熊手ヘッドの形態の代替の清掃ヘッド702が図示されている。熊手ヘッドの歯は、一緒に一群として縛られ、固定具穴708又は他の種類の固定具を用いて熊手ヘッド取付具706に連結される。
【0115】
熊手ヘッド取付具706の固定具穴708は、清掃装置のハンドル-熊手ヘッド連結ポールの取付ソケット710の固定板712の固定具穴714と係合するように構成される。熊手ヘッドの歯はまた、コンパクトな熊手の標準的な寸法を有し、地面上に位置する歯が約8インチ幅及び6インチ長である。これらの寸法は、具体的な使用設計に応じて、40%以上大きく又は小さく変更することができる。あるいは、各種実施態様に対して、異なる種類の熊手ヘッドが使用されてもよい。
【0116】
図25は、図24の、熊手の歯704を備えた熊手ヘッド702と、固定板712を備えた取付ソケット710と、を示す分解側面図である。取付アームと固定板は、様々な異なる様式のいずれかで装着され得る。いくつかの実施形態では、取付ソケットは、取付アームのソケットにネジをねじ込む大きな箒の柄を有する。ネジ又は接着剤を含め、様々な迅速解放クランプ及びその他の固定具が使用されてもよい。
【0117】
例示の実施例では、ねじ込みボルト720は、固定板712と取付アーム706のそれぞれの固定具穴714、708を貫通する。ワッシャ722と蝶ナット724は、ねじ込みボルトの反対端にねじ込まれて、固定板と取付アームを一緒に保持する。穴及び蝶ナットの代わりに、ハンドル-箒又は熊手ヘッド連結ポールの下部2~3インチは、箒又は熊手ヘッドの頂部に嵌合するように構成され、ハンドル及びポールを貫通するネジを用いてしっかりと固定されてもよく、又は適切な接着剤又はエポキシ樹脂を用いて固定されてもよい。
【0118】
図26は、ボルト及び蝶ナットによって一緒に固定される固定板と取付アームの側面図である。蝶ナットにより、ツールを使用せずに熊手ヘッドを取り外し、交換することができる。蝶ナットはまた、蝶ナットを緩めて、熊手ヘッドを移動させ、次いで、蝶ナットを再度締めることによって、垂直線に対する熊手ヘッドの角度を修正することができる。図27は傾斜位置を示す一方、図28は代替の熊手ヘッド設計の直線垂直位置を示す。選択位置セットのうちの1つに熊手ヘッドを保持するタブが使用されてもよく、他の種類の固定具が使用されてもよい。
【0119】
図27は、本明細書に記載の原理による、熊手ヘッド清掃装置全体の前面図である。清掃装置は、図26に示されるように、ボルト及び蝶ナットで底部ソケット710に装着された熊手ヘッド702を有する。ソケットは、水平ハンドグリップを備えたハンドル732に装着される熊手ヘッド-ハンドル連結ポール730に装着される。ハンドルは、パドル736に装着されるハンドル-パドル連結ポール734に装着される。図示されるように、熊手ヘッド702は、ポール730、734の縦軸に対して斜めに装着される。この角度は、上述するように自由に選択及び変更することができる。
【0120】
図28は、本明細書に記載の原理による、代替の熊手ヘッド738を備えた熊手ヘッド清掃装置全体の前面図である。熊手ヘッドは、上側連結ポール730及び下側連結ポール734と垂直方向に位置合わせして固定される。ポールは、ハンドル732を一端で熊手ヘッド738に、反対端でパドル736に連結する。本実施例では、図27の実施例と同様に、ポールは、上述したような調節可能又は伸縮式ポールではない。しかしながら、調節可能な又は伸縮ポールが代わりに使用されてもよい。これにより、より単純で、軽量で、安価な構造のポールが可能になる。ポールは、最初に適切な長さに切断された又は適切な長さで製造された後、パドル736、ハンドル732、及びソケット710に永久的に装着されてもよい。あるいは、ポールは、様々な用途又はユーザに合わせて異なる長さ及び材料が使用され得るように、取り外し可能であってもよい。
【0121】
本実施例又は任意の他の実施例のポールは、より良い把持と操作性のために、円形水平断面、又は正方形、矩形、若しくは任意の他の幾何学形状などの任意の他の所望の形状を有してもよい。ポールは中空又は中実であってもよく、木材、ガラス繊維、金属、プラスチック、又は様々な複合材料のいずれかから作製されてもよい。
【0122】
図29は、水平ハンドルのちり取り804を持ったユーザ806が使用中の、熊手ヘッド803を備えた人間工学的単方向清掃装置802の等角図である。図示されるように、斜めの毛を備えた箒ヘッド又は斜めの歯を備えた熊手ヘッドの上部が、しっかりとハンドル-箒ヘッド連結ポールの底部に連結され、ヘッドの長は水平配置のハンドルのグリップと平行である。
【0123】
地面に対する毛又は歯の角度は、軸が垂直である場合、箒ヘッド又は熊手が最も近いユーザの足から約12インチにあるときのユーザの身体806の縦軸と箒の軸との間の角度に近い。このため、片腕でツールを動作させる際に生じる最も自然な位置で横方向に掃く又は掻くとき、箒の毛又は熊手の歯を地面に対して均等に置くことができる。
【0124】
箒ヘッドの底面は等辺形であるため、ユーザが身体の一方の側から他方の側へ切り替えるために特別な設計変更が必要とされない。しかしながら、熊手は、歯が一方向のみに向いているため、等辺形ではない。身体のどちらの側でも歯が地面に均等に置かれるようにしてユーザが熊手を効率的に使用できるようにするために、特別な設計考慮事項を考慮に入れてもよい。
【0125】
1つの熊手設計は、歯が各側で中心から上方に上述の角度で傾斜している熊手である。したがって、ユーザは、歯の半分が地面上に均等に置かれるように、身体のいずれかの側で熊手の半分を使用することができる。
【0126】
もう1つの熊手設計は、歯の長が直線を成す一般的な設計の熊手である。しかしながら、熊手ヘッドの角度は、熊手ヘッドとハンドルに連結されるポールとの間の回転自在接合部上で締まる簡易な蝶ナット及びキャリッジボルトを用いて調節することができる。
【0127】
箒又は熊手清掃装置は、伸縮ポールを介してある範囲の高さに構成する又は調節することができ、この高さ範囲は、パドル-ハンドル連結ポール長とハンドル-箒又は熊手ヘッド連結ポール長に依存する。どの人にとっても最適な全長は、水平ハンドルのグリップが地面から掌のアーム静止位置までの距離に位置する状態で、地面から腋窩の約1~2インチ下までの距離であろう。
【0128】
したがって、頂部から底部までの概算的な全長は、背の低い人物用の40インチから背の高い人物用の65インチまで変動させることができる。上述のパドル及び水平ハンドルの寸法は、異なるユーザに適合するように修正されてもよい。
【0129】
本明細書に記載されるツールは、機械的利益を最大化し、小さい筋肉の使用を最小化し、小さい下側の腕の筋肉及び関節にかかる負担を最小化し、大きい筋肉及び関節への依存を最大化する。これにより、身体への不快な圧力が軽減されて、ユーザにとっての使い易さが向上する。更に、ユーザの使い易さを向上させつつ、怪我の可能性も低減される。パドルは、広い接触面積、高い摩擦係数、及び腋窩下での人間工学的なフィット性を提供して、固定された支点を生成する。この結果、身体への不快な圧力が軽減されて、ユーザにとっての使い易さが向上し、梃子システムの安定した支点を提供することによって機械的利益が最大化される。パドル-ハンドル連結ポールは、腋窩と掌との間の全距離を使用することで、梃子システムの比較的長い力点アームを生成するため、機械的利益を最大化する。MA=(力点アーム)/(作用点アーム)
【0130】
水平ハンドルは、ツールの縦軸に沿ってほぼ中心に位置決めされ、更なる機械的利益を与える。これは、ユーザが手の幅の半分を縦軸のいずれかの側に置くことができるためである。ユーザは、箒又は熊手ヘッド上のトルクに均等に抵抗する、又はトルクを生成する比較的長いレバーアームを用いて、縦軸を中心にハンドルを容易に回転させることができる。回転のための梃子作用は、従来の箒又は熊手ハンドルの周囲の垂直グリップの比較的短いレバーアームで可能になるよりもずっと大きい。
【0131】
より簡易な水平ハンドルは、垂直な箒の柄から、一方又は対向する両方の水平方向に延在する。箒の柄は、例えば、図1に示されるように、ハンドルを中心位置で把持させなくする。また、このような片側ハンドルが使用されるとき、ハンドルを通じて動作する起動力の一部が、箒の柄の軸を中心としたトルクを生成する。これは、箒又は熊手のヘッドの不所望の捩り及び下手な制御を引き起こす。ユーザは捩り動作を回避するために比較的小さい筋肉を使用しなければならず、これによりユーザのストレスは増大する。
【0132】
記載される清掃ツールは、小さな筋肉の使用を最小化し、大きな筋肉の使用を最大化する。清掃動作の起動力は、主にユーザの腕の上下動作から生じる。パドルを固定された支点として適所に保持する力は、腕の上側部分で胴を圧迫する動作と、使用時に力点からパドル及び胴へと移動する力と、から生じる。これらの動作は、肩、背中、及び胴の大きな筋肉を使用する。指、手、手首、及び前腕の小さな筋肉が起動動作や屈曲を行って、肩と手をつなぐ強固な力点アームを提供する必要がないため、小さな筋肉の使用は最小限にとどまる。
【0133】
外転は、腕を持ち上げて身体から離すなど、身体の中心から身体の一部を遠ざけるように移動させることを指す。内転は、腕を胴に押し当てるなど、身体の中心に身体の一部を近づけるように移動させることを指す。肩の外転の結果、腕が側外方に持ち上がる。この動作に使用される主要な筋肉は三角筋である。三角筋は、腕の最上部と肩の頂部に位置する大きな丸みを帯びた三角形の筋肉である。
【0134】
肩の内転の結果、腕は側方に降下する。この動作に使用される主要な筋肉は、大胸筋と広背筋である。大胸筋は、肩から胸骨まで胸全体に扇形に広がる胸上部の大きな筋肉である。広背筋は、背中の真ん中に位置する背中で最大の筋肉の1つであり、部分的に僧帽筋によって覆われる。記載される清掃ツールを使用する清掃動作の大部分は、肩の外転と肩の内転によって達成され得る。これにより、他の種類の箒又は熊手を用いるよりも長時間で快適な清掃が可能になる。
【0135】
上述の実施例よりも少ない又は多いハンドル、パドル、清掃ヘッド、又はポールが、特定の実施態様にとって望ましい場合がある。したがって、システムの構造は、価格の制約、性能要件、技術的改善、及び/又はその他の状況などの多くの要因に応じて、実施態様毎に変動する。
【0136】
本明細書は、梃子、力、力点、単方向掃き、清掃ヘッド、ハンドル、ポール、パドルなど特定の用語を用いて実施例を提示する。これらの用語は一貫した明確な例を提供するために使用されるが、本発明はどの特定の用語にも限定されない。全部又は一部、異なる用語を用いて、同様の概念、原理、方法、装置、及びシステムを展開することもできる。加えて、本発明は、様々な使用モデル及びハードウェア構造の周辺で開発される概念、原理、方法、装置、及びシステムに適用することができる。
【0137】
本明細書では、説明目的で、本発明を完全に理解してもらうために、多くの具体的な詳細を記載している。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細のいくつかを含めずに実施することができる。他の例では、既知の構造及び装置はブロック図の形態で示されている。具体的な詳細は、任意の特定の実施態様に適するように、平均的な当業者によって提供され得る。
【0138】
本開示は本発明の例示的な実施形態を詳細に記載しているが、本発明は記載されるとおりの実施形態に限定されないことを理解すべきである。したがって、明細書と図面は、限定的ではなく例示的であるとみなすべきである。様々な適合、修正、及び変更は、添付の請求項によって定義される本発明の範囲内で実行され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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【国際調査報告】