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特表2022-545610エッジ接点接続を採用するアンテナ要素及びICチップを有する集積構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】エッジ接点接続を採用するアンテナ要素及びICチップを有する集積構造
(51)【国際特許分類】
   H01Q 23/00 20060101AFI20221021BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20221021BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20221021BHJP
   H01Q 3/30 20060101ALI20221021BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20221021BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q13/08
H01Q21/06
H01Q3/30
H01P11/00
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504502
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 US2020045806
(87)【国際公開番号】W WO2021030370
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】16/538,197
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】フランソン、スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ、ダグラス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA04
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021CA06
5J021DB03
5J021FA13
5J021JA08
5J045DA10
5J045EA07
5J045FA02
(57)【要約】
【解決手段】 第1の外面に空洞を有する基板を含むアンテナ装置が開示される。基板は、空洞の一部を画定する側壁を有し、側壁に第1のエッジ接点が形成される。ICチップは、空洞内に配置され、側壁に面する側面と、第1のエッジ接点に電気的に接続された側面に形成された第2のエッジ接点とを有する。第1の外面に対向する基板の第2の外面に配置されたアンテナ要素は、基板内に延在する導電性ビアを介してICチップ内のRF回路に電気的に接続されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外面(135)に空洞(140)を有する基板(130)であって、前記空洞(140)の一部を画定する側壁(144)を有し、第1のエッジ接点(132)が前記側壁(144)に形成されている基板と、
前記空洞(140)内に配置された集積回路(IC)チップ(110)であって、前記側壁(144)に面する側面(117)と、前記第1のエッジ接点(132)に電気的に接続された前記側面(117)に形成された第2のエッジ接点(112)とを有する集積回路(IC)チップと、
前記第1の外面(135)に対向する前記基板(130)の第2の外面(139)に配置されたアンテナ要素(120)であって、前記基板(130)内に延在する導電性ビア(122)を介して前記ICチップ(110)内の無線周波数(RF)回路に電気的に接続されているアンテナ要素と、を備えるアンテナ装置。
【請求項2】
前記ICチップ(110)内の前記RF回路への前記アンテナ要素(120)の電気接続が、前記第1のエッジ接点及び前記第2のエッジ接点を介して行われる、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1の外面(135)上又は内部にあり、前記第1のエッジ接点(132)に接続される導電性トレース(165)を更に備え、前記RF回路への前記アンテナ要素(120)の電気接続が、前記導電性ビア(122)を通して前記導電性トレース(165)まで行われる、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記空洞(140)は、前記ICチップ(110)の底面に面する底面を有し、
前記導電性ビア(122)は、前記空洞(140)の前記底面まで延在し、かつ前記RF回路に接続された前記ICチップ(110)の前記底面にある接続要素に接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記接続要素は、はんだバンプを含む、請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記接続要素は、導電性ピラーを含む、請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記基板(130)内に接地平面(170)を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記空洞(140)は、前記ICチップ(110)の底面に面する底面を有し、前記接地平面(170)の一部は、前記空洞(140)の前記底面に形成されている、請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナ要素(120)は第1のアンテナ要素であり、前記アンテナ装置は、前記第2の外面(139)に配置された少なくとも1つの第2のアンテナ要素を更に備え、前記少なくとも1つの第2のアンテナ要素は、前記基板(130)内に延在し、かつ前記少なくとも1つの第2のアンテナ要素に接続される少なくとも1つの更なる導電性ビア(122)を介して前記ICチップ(110)内の前記RF回路に電気的に接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記第1のアンテナ要素及び前記第2のアンテナ要素は、アンテナアレイの一部であり、前記ICチップ(110)内の前記RF回路は、前記アンテナアレイによって形成されたビームを方向付けするためのビーム形成構成要素を備える、請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第1のエッジ接点及び前記第2のエッジ接点は、互いにはんだ付けされている、請求項1~10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記側壁(144)及び前記側面(117)は、相補的形状を有するそれぞれ第1のインターロック形状及び第2のインターロック形状を有し、前記第1のインターロック形状及び前記第2のインターロック形状は互いにインターロックされている、請求項1~11のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記第1のインターロック形状は、前記側壁(144)の凹部又は前記側壁(144)からの突出部であり、前記第2のインターロック形状は、それぞれ前記側面(117)からの相補的突出部又は前記側面(117)内の相補的凹部である、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記第1のエッジ接点及び前記第2のエッジ接点は、前記第1のインターロック形状及び前記第2のインターロック形状のそれぞれの表面上に配置されている、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記側壁(144)は第1の側壁であり、前記空洞(140)は前記第1の側壁に対向する第2の側壁を有し、第3のエッジ接点は前記第2の側壁に形成されており、
前記側面(117)は第1の側面であり、前記ICチップ(110)は、前記第1の側面に対向する第2の側面と、前記第3のエッジ接点に接続された前記第2の側面上の第4のエッジ接点とを有する、請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記空洞(140)は、第2の空洞部分の直接下に第1の空洞部分を有する二重空洞構造を有し、前記第1の空洞部分は、前記第2の空洞部分の第2の周長よりも小さい第1の周長を有し、
前記側壁(144)は、前記第1の空洞部分の一部を画定する第1の側壁であり、前記基板(130)は、前記第2の空洞部分の一部を画定する第2の側壁を有し、第3のエッジ接点が前記第2の側壁に形成されており、
前記ICチップ(110)は、前記第1の空洞部分内に配置された第1のICチップであり、
前記アンテナ装置は、第2のICチップを更に備え、該第2のICチップは、前記第2の空洞部分内に配置されており、前記第3のエッジ接点に電気的に接続された第4のエッジ接点を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記第1のICチップ及び前記第2のICチップは、互いに電気的に接続されている、請求項16に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前記第1のICチップは、前記アンテナ要素(120)に電気的に接続された増幅器を備え、前記第2のICチップは、前記増幅器に接続されたビーム形成ネットワーク回路を備える、請求項17に記載のアンテナ装置。
【請求項19】
前記第1のICチップは、第1の半導体材料を含み、前記第2のICチップは、前記第1の半導体IC材料とは異なる第2の半導体材料を含む、請求項18に記載のアンテナ装置。
【請求項20】
前記第1のICチップの上面は、エアギャップ又はアンダーフィル材料によって前記第2のICチップの底面から分離されている、請求項18に記載のアンテナ装置。
【請求項21】
アンテナ装置を製造する方法であって、
基板(130)の第1の外面(135)に空洞(140)を形成することと、
前記第1の外面(135)に対向する前記基板(130)の第2の外面(139)上にアンテナ要素(120)を形成することと、
前記空洞(140)の側壁(144)に第1のエッジ接点(132)を形成することと、
側面(117)に形成された第2のエッジ接点(112)を有し、無線周波数(RF)回路を備える集積回路(IC)チップ(110)を提供することと、
前記ICチップ(110)を前記空洞(140)に配置することと、
前記第1のエッジ接点と前記第2のエッジ接点とを電気的に接続することと、
前記第2の外面(139)から前記基板(130)内に延在する導電性ビア(122)を形成することと、
前記アンテナ要素(120)を前記導電性ビア(122)を介して前記RF回路に電気的に接続することと、を含む方法。
【請求項22】
前記基板(130)内に導電性トレース(165)を形成し、前記基板(130)の前記第1の外面(135)上で又は前記基板の内部で、前記第1のエッジ接点(132)に接続することと、
前記導電性ビア(122)を前記導電性トレース(165)に接続することと、
前記アンテナ要素(120)を前記導電性ビア(122)を介して前記導電性トレース(165)に電気的に接続し、それによって前記アンテナ要素(120)を前記RF回路に接続することと
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記空洞(140)が底面を備えるように形成されており、前記ICチップ(110)は、当該ICチップ(110)が前記空洞の中に配置されたときに当該空洞(140)の前記底面に面する底面を有する、請求項22に記載の方法であって、前記方法は、
前記空洞(140)の前記底面に接続要素を形成することと、
前記ICチップ(110)の前記底面の電気接点を介して前記接続要素を前記RF回路に電気的に接続することと、
前記導電性ビア(122)を前記接続要素に接続し、それによって前記アンテナ要素(120)を前記RF回路に接続することと
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記空洞(140)が、第2の空洞部分の直接下にある第1の空洞部分を有する二重空洞構造を有するように形成されており、前記第1の空洞部分は、前記第2の空洞部分の第2の周長よりも小さい第1の周長を有し、前記ICチップは第1のICチップであり、前記ICチップの配置は、前記第1のICチップを前記第1の空洞部分内に配置することを含み、
前記空洞(140)は、前記第1の空洞部分の一部を画定する第1の側壁である前記側壁(144)と、前記第2の空洞部分の一部を画定する前記基板(130)の第2の側壁とで形成されている、請求項22に記載の方法であって、前記方法は、
前記第2の側壁に第3のエッジ接点を形成することと、
第4のエッジ接点を側面(117)に有する第2のICチップを前記第2の空洞部分に配置することと、
前記第4のエッジ接点を前記第3のエッジ接点に電気的に接続することと
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記側壁(144)に第1のインターロック形状を形成することと、
前記第1のインターロック形状と相補的な形状を有する第2のインターロック形状を前記側面に形成することと、
前記空洞(140)への前記ICチップ(110)の配置は、前記第1のインターロック形状と前記第2のインターロック形状とがインターロックされるように、前記ICチップを前記空洞(140)にスナップ嵌めすることを含むことと
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のインターロック形状は、レーザ穴あけを使用して形成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のインターロック形状は、光露光及びエッチングを使用して形成される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のインターロック形状をめっきして、前記第1のインターロック形状の表面に前記第1のエッジ接点(132)を形成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記基板(130)は、上部基板(130b)と、下部基板(130a)と、前記上部基板と前記下部基板との間にある接地平面(170)とを含み、前記空洞(140)の形成、前記アンテナ要素(120)の形成、前記第1のエッジ接点(132)の形成、及び前記導電性ビア(122)の形成は、
前記下部基板(130a)の底面に前記アンテナ要素(120)を形成することと、
少なくとも1つの開口部を有する前記下部基板(130a)の上面に前記接地平面(170)を形成することと、
前記上部基板に少なくとも1つのノッチをカッティングし、前記少なくとも1つのノッチを金属化することと、
前記ノッチに隣接する領域で前記上部基板(130b)に切り欠きを作製し、前記切り欠きが作製された後、前記少なくとも1つのノッチが前記第1のエッジ接点(132)を形成することと、
前記上部基板(130b)を前記下部基板(130a)に接合することであって、接合後に、前記上部基板(130b)から切り取られた領域が前記空洞(140)を形成する、ことと、
前記接地平面(170)内の前記少なくとも1つの開口部を通して前記導電性ビア(122)を形成することと
を含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
電子的に方向付け可能なアンテナアレイを製造する方法であって、
基板(130)内に、前記基板(130)の第1の外面(135)に沿って空間的に配置された複数の空洞を形成することと、
前記第1の外面(135)に対向する前記基板(130)の第2の外面(139)上に空間的に配置された複数のアンテナ要素(120)を形成することと、
複数の集積回路(IC)チップ(110)を提供し、各々がそれぞれ第2のエッジ接点(112)を備えた側面を有し、各ICチップがビーム形成構成要素を含むことと、
前記空洞の各々に対して、
前記空洞(140)の側壁(144)に第1のエッジ接点(132)を形成することと、
前記複数のICチップ(110)のそれぞれ1つを前記空洞(140)に配置することと、
それぞれの前記第1のエッジ接点と前記第2のエッジ接点(112)とを電気的に接続することと、
内部に配置された前記ICチップ(110)の前記ビーム形成構成要素を、前記アンテナ要素(120)のそれぞれ少なくとも1つに電気的に接続することと
を含む、方法。
【請求項31】
前記ICチップ(110)の各々の側面に第1のインターロック形状を形成することと、
前記空洞の各々に対して、
前記側壁(144)上に、内部に配置されたそれぞれの前記ICチップ(110)の前記第1のインターロック形状と相補的な形状を有する第2のインターロック形状を形成することと、
前記空洞(140)へのそれぞれの前記ICチップ(110)の配置は、それぞれの前記第1のインターロック形状と前記第2のインターロック形状とがインターロックされるように、それぞれの前記ICチップ(110)を前記空洞(140)にスナップ嵌めすることを含むことと
を更に含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ICチップと、プリントアンテナ要素などの基板によって支持される他の回路構成要素との間の接続技術及び配置に関する。
関連技術の考察
【0002】
無線通信では、典型的には、アンテナ要素がビーム形成構成要素を含むICチップと統合された小型のアンテナ機器を提供することが望ましい。衛星用途では、例えば、典型的には、基板上に多くのマイクロストリップパッチアンテナ要素を備えたフェーズドアレイを用いる。アンテナ要素は、RF電力を供給する分散型電力増幅器と、プロセッサによって制御される位相シフタとに電気的に接続することができ、結果として生じるアンテナビームを動的に方向付けすることができる。電力増幅器、位相シフタ、及び受信回路などの他のフロントエンド機器は、単一構造のアンテナ要素と統合されたICチップに提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の技術の一態様では、アンテナ装置は、第1の外面に空洞を有する基板を含む。基板は、空洞の一部を画定する側壁を有し、側壁に第1のエッジ接点が形成されている。ICチップは、空洞内に配置されており、側壁に面する側面と、第1のエッジ接点に電気的に接続された側面に形成された第2のエッジ接点とを有する。第1の外面に対向する基板の第2の外面に配置されたアンテナ要素は、基板内に延在する導電性ビアを介してICチップ内のRF回路に電気的に接続されている。
【0004】
ICチップ内のRF回路へのアンテナ要素の電気接続は、第1のエッジ接点及び第2のエッジ接点を介して行うことができる。あるいは、アンテナ要素の接続は、ICチップの底面の電気接点から行ってもよい。
【0005】
別の態様では、アンテナ装置を製造する方法は、基板の第1の外面に空洞を形成することと、第1の外面に対向する基板の第2の外面上にアンテナ要素を形成することとを含む。空洞の側壁に第1のエッジ接点が形成される。ICチップは空洞内に配置され、ICチップは、その側面に形成された第2のエッジ接点を有し、RF回路を含む。第1のエッジ接点と第2のエッジ接点とは電気的に接続されている。第2の外面から延在する導電性ビアが基板内に形成されており、アンテナ要素は、導電性ビアを介してRF回路に電気的に接続されている。
【0006】
別の態様では、電子的に方向付け可能なアンテナアレイを製造する方法は、基板の第1の外面に沿って空間的に配置された複数の空洞を基板内に形成することと、第1の外面に対向する基板の第2の外面上に空間的に配置された複数のアンテナ要素を形成することと、複数のICチップを提供し、各々がそれぞれ第1エッジ接点を備えた側面を有し、各ICチップがビーム形成構成要素を含むことと、空洞の各々に対して、空洞の側壁に第2のエッジ接点を形成することと、複数のICチップのそれぞれ1つを空洞内に配置することと、それぞれの第1のエッジ接点と第2のエッジ接点とを電気的に接続することと、内部に配置されたICチップのビーム形成構成要素を、アンテナ要素のそれぞれの少なくとも1つに電気的に接続することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
開示された技術の上記及び他の態様及び特徴は、同様の参照符号が同様の素子又は特徴を示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。同じ又は類似の形式の様々な素子は、同じ/類似の素子を区別するダッシュ及び第2のラベル(例えば、-1、-2)を参照ラベルに付加することによって区別することができる。しかしながら、所与の説明が第1の参照ラベルのみを使用する場合、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同じ/類似の素子のいずれか1つに適用可能である。素子及び特徴は、図面内で一定の縮尺で描かれていないことがある。
【0008】
図1図1は、一実施形態による例示的なアンテナ装置の分解斜視図である。
【0009】
図2図2は、組み立てられた状態の図1のアンテナ装置の平面図である。
【0010】
図3図3は、空洞側壁上の例示的な第1のエッジ接点を示す斜視図である。
【0011】
図4図4は、ICチップの側面に形成された第2のエッジ接点の例を示す斜視図である。
【0012】
図5図5は、図2のアンテナ装置の線5-5に沿った断面図である。
【0013】
図6図6は、図1図5のアンテナ装置を形成する例示的な方法の流れ図である。
【0014】
図7A図7Aは、例示的なアンテナ装置の多層基板の一部を形成する下部基板の一部の上面図であり、図6の方法のステップS602の後の中間構成を示す。
【0015】
図7B図7Bは、線7B-7Bに沿った図7Aの下部基板の断面図である。
【0016】
図7C図7Cは、図7Aの下部基板の底面図である。
【0017】
図7D図7Dは、図6のステップS604の後の中間プロセスにおける多層基板の上部基板の一部の平面図であり、エッジ接点を形成するためのノッチが切り取られて金属化された後の構成を示す。
【0018】
図7E図7Eは、線7E-7Eに沿った図7Dの上部基板の断面図である。
【0019】
図7F図7Fは、図6のステップS606の後の図7Dの上部基板の平面図である。
【0020】
図7G図7Gは、線7G-7Gに沿った図7Fの上部基板の断面図である。
【0021】
図7H図7Hは、図6の方法のステップS612の後に形成された例示的な多層基板の一部の上面図である。
【0022】
図7I図7Iは、線7I-7Iに沿った図7Hの断面図である。
【0023】
図7J図7Jは、図6のステップS614の後の図7Iの断面図に対応する断面図である。
【0024】
図8A図8Aは、別の実施形態による電子デバイスの平面図である。
【0025】
図8B図8Bは、図8Aの線8B-8B’に沿った断面図である。
【0026】
図9図9は、図8A図8Bの電子デバイスを製造する例示的な方法を示す流れ図である。
【0027】
図10A図10Aは、一実施形態による、埋め込まれたチップを備えた電子デバイスの分解断面図である。
【0028】
図10B図10Bは、組み立てられた状態の図10Aの電子デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明は、添付の図面を参照して、例示目的のために本明細書に開示される技術の特定の例示的実施形態の包括的な理解を支援するために提供される。本明細書は、技術を理解する当業者を支援するための様々な具体的な詳細を含むが、これらの詳細は単なる例示であると見なされるべきである。簡潔さ及び明瞭さのために、周知の機能及び構造の説明は、当業者が技術を理解することを不明瞭にし得る場合には、周知の機能及び構造の説明を省略することができる。
【0030】
図1は、一実施形態による、例示的なアンテナ装置100の分解斜視図である。アンテナ装置100は、基板130、及びICチップ110内のRF回路に電気的に接続された少なくとも1つのアンテナ要素120(例えば、2つのアンテナ要素120-1、120-2)を含む。各アンテナ要素120は、基板130の下面139(「第2の外面」)に印刷されたマイクロストリップパッチ要素として例示される。長方形の形状で描写されているが、アンテナ要素120は、所望の放射パターンを形成するための任意の他の適切な形状を有し得る。更に、ダイポール又はスロットアンテナ要素などの他のタイプのアンテナ要素を、目標性能メトリックを実現するために代用してもよい。
【0031】
基板130は、その上面135(「第1の外面」)内に形成された空洞140を有し、空洞は、接地平面170の上面と一致し得る底面まで延在する深さを有する。アンテナ装置100の組み立てられた状態では、ICチップ110は、空洞140内に配置されており、ICチップ110の上面115は、基板130の上面135と実質的に同一平面上にある。組み立てられた状態では、ICチップ110の底面119は、接地平面170に面し、隣接していてもよい。少なくとも1つの第1のエッジ接点132は、空洞140の側壁144に配置されている。少なくとも1つの第2のエッジ接点112は、ICチップ110の側面117上に配置されており、隣接する第1のエッジ接点132に電気的に接続されている。1つのアンテナ要素120には、基板貫通ビア(TSV)(以下、「導電性ビア」又は単に「ビア」)122として具体化されたプローブフィードによって(送信及び/又は受信方向で)RF信号をフィードすることができる。ビア122は、短い導電性トレース168に電気的に接続することができ、これは次に、第1のエッジ接点132に電気的に接続され、これにより、アンテナ要素120と、第2のエッジ接点112に接続されたICチップ110内のRF回路との間の電気接続を完了する。
【0032】
本明細書では、ICチップという用語は、半導体材料の小さな平坦部分内に具体化された1つ以上の電子回路を指す。例えば、ICチップ110は、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、又は窒化ガリウム(GaN)からなるモノリシックマイクロ波IC(MMIC)であってもよい。ICチップ110は、アンテナ要素120への送信経路信号出力を増幅するための電力増幅器を含んでもよく、及び/又はアンテナ要素120によって受信された受信経路信号を増幅するための低ノイズ増幅器(LNA)を含んでもよい。
【0033】
図示の例では、2つのアンテナ要素120-1、120-2は、ビア122-1、122-2の組み合わせを介して単一のICチップ110、空洞140の対向する側壁144-1、144-2上の第1のエッジ接点132、ICチップ110の対向する側面117-1、117-2上の第2のエッジ接点112に、それぞれ接続される。また、ICチップ110は、隣接する第1のエッジ接点132を介して1つの導電性トレース165に各々接続された別の一対の第2のエッジ接点112を含む。各導電性トレース165は、増幅器又は動的に制御される位相シフタなどのICチップ110内のRF構成要素に印加されるバイアス電圧又は制御信号を受信する端子などの構成要素(図示せず)に電気的に接続してもよい。他の例では、ICチップ110は、特定の用途で所望されるように、構成要素へのより多くの又はより少ない接続を行うために、より多くの又はより少ないエッジ接点112を含み、より多くの又はより少ないアンテナ要素120が、ICチップ110に接続されている。RF接続のために、マイクロストリップ又はコプレーナ導波管(CPW)伝送を実行してもよい。例えば、本明細書の図面の導電性トレース165及び168は、単一の線として示され、マイクロストリップの場合、導電性トレース165は、接地平面(例えば、170)上のマイクロストリップ線であってもよい。CPWの場合、導電性トレース165は各々、一対の外側導電性接地トレースの間にある内側導電性トレースであってもよい(図には示されていない)。
【0034】
アンテナ装置100は、図1に示すように、少なくとも1つのICチップ110及び少なくとも1つのアンテナ要素120から構成される。典型的な用途では、アンテナ装置110は、いくつか、数十、又は数百個のICチップ110から構成される。ICチップ110の各々は、基板130に沿って空間的に配置されたそれぞれの空洞140内にある。この典型的な用途では、ICチップ110の少なくともいくつか又は全てが、基板130の下面139に沿って空間的に配置された1つ以上のアンテナ要素120にそれぞれ接続され、それによってアンテナアレイを形成する。アンテナアレイは、ICチップ110内又はアンテナ装置100内の他の場所に集合的に配置された位相シフタによって動的に方向付けされるフェーズドアレイなどの電子的に方向付けされるアンテナであってもよい。基板130は、ICチップ110に電気的に接続されたビーム形成回路を含んでもよく、送信動作中に入力RF信号を分割し、及び/又は受信動作中にICチップ110によって、アンテナ要素120から受信され、処理された(例えば、増幅、フィルタリング、位相シフト、ダウンコンバートなど)複数のRF信号を結合する。
【0035】
図2は、組み立てられた状態の図1のアンテナ装置100の平面図である。図3は、空洞側壁上の例示的な第1のエッジ接点132を示す斜視図である。図4は、ICチップ110の側面に形成された例示的な第2のエッジ接点112を示す斜視図である。図5は、図2の線5-5に沿った断面図である。まとめて図1図5を参照すると、第1のエッジ接点132と、隣接する第2のエッジ接点112とは、相補的な幾何学的形状を有することができる。各第1のエッジ接点132は、3次元(3D)構造、例えば、側面、ベース、及び背面の金属周辺表面を形成するようにめっきされた3D構造の金属周辺表面を有し得る。相補的な幾何学的構造の寸法は、ICチップ110を空洞140内に配置することを可能にするために締まりばめを形成することができ、その結果、第2のエッジ接点112は、第1のエッジ接点132に「スナップイン」する。これは、はんだ付け、熱圧着、超音波熱圧着などによってエッジ接点112、132間で電気接続強化を行う前に、ICチップ110を空洞140内の所定の位置に確保するのに役立つことができる。あるいは、完全な電気接続を、はんだ付けなどを行わずに、エッジ接点構造間の圧入嵌合だけで行うことができる。隣接する第1及び第2のエッジ接点132、112間の締まりばめにより、それぞれのエッジ接点をインターロックすることができる。例えば、図3に見られるように、第1のエッジ接点132は、空洞側壁144-2内の凹部である、スロット付きのフレア状開口部149を有し得る。図4に最もよく見られるように、隣接する第2のエッジ接点112は、側面117-2からのフレア状突起の形態とすることができ、これは、スロット付き開口部149内に締まりばめする。第2のエッジ接点112の外面が対応する第1のエッジ接点132の内面と密接に接触している状態で、はんだ又は他の導電性接合材料190(図2を参照)をそれらの間に適用して、電気接続を完了又は強化してもよい。導電性接合材料はまた、ICチップ110の基板130への機械的接続として少なくとも部分的に用いることができる。ICチップ110の外側寸法はまた、空洞140の側壁144に対して締まりばめ、又は更に圧入嵌合を形成することができる。ICチップ110の側面117と側壁144との間に小さな間隙「g」が存在して、熱膨張又は製造公差を許容してもよい。
【0036】
先に述べたように、コプレーナ導波管(CPW)伝送がエッジ接点112、132に使用される場合、対応するエッジ接点112、132間で接地-信号-接地(GSG)スナップ接続が行われてもよい。この構成では、電気接続毎に3つの接続点がある。言い換えれば、第2のエッジ接点112は、3つの接点から構成することができる。すなわち、2つの「接地」接点と、それらから電気的に絶縁された、それらの間の1つの「信号」接点である。対応する第1のエッジ接点132はまた、2つの接地接点間の1つの信号接点から構成される3つの接続点を含む。
【0037】
代替の実施形態では、対応する第1及び第2のエッジ接点112、132は各々、光ファイバに類似した光導管などの誘電体導波管構造で具体化される。この場合、導電性トレース165は、光導管(以下、この文脈では光導管165)により置換され、外部に提供されたRF変調レーザが、第1及び第2のエッジ接点112、132の光導管接続を介してICチップ110内の電子機器に伝播することを可能にする。ICチップ110内の光/RFコンバータは、光信号をRF信号に変換し、RF信号は、別の一対のエッジ接点112、132を介してアンテナ要素120に出力される。したがって、この実施形態では、信号は、ICチップ110に「RF over fiber」として入力され、次いでICチップ110内でRFに変換され、送信方向にアンテナ要素120を介して放射される。受信方向では、アンテナ要素120によって受信されたRF信号は、一対のエッジ接点112、132を介してICチップ110にルーティングされる。次いで、ICチップ110は、受信経路RF信号を、同じ又は異なる光導管165を通して処理のために外部システムにルーティングされる光信号に変換する。この手法により、高帯域幅システムを実現することができる。
【0038】
図3に示されるような第1のエッジ接点132のテーパ状スロット設計では、第1のエッジ接点132は、レーザ穴あけ、光露光及びエッチングなどによって、エッジ接点のための所望の形状の基板130の上面135内にノッチを最初に形成することによって形成されている。次いで、ノッチは、電気めっきによって金属化され、導電性側壁及び導電性ベースを形成しており、ノッチの前部はスライス除去されて前方開口部を形成している。これにより、側面144-2とほぼ同一平面上にある前面146、深さd1(図5参照)、及び背面171を有する第1のエッジ接点132が得られる。あるいは、ノッチは、金属により完全に充填され、後にレーザ穴あけされ、所望の形状を有する導電性構造を形成する。第1のエッジ接点132を形成する更なる議論は、後で図6に関連して提供される。第2のエッジ接点112に関して、これらは、様々な技術を使用して形成してもよい。例えば、エッジ接点112は、キルトパッケージノジュールであってもよい。
【0039】
第1及び第2のエッジ接点132、112の他の形状及び他の形式の構造も考えられる。例えば、凹部/突出部の形状は、上述のフレア形状の代わりに、長方形、円形、楕円形、三角形、及び/又は何らかの他の形状であってもよい。単一の集中スロット149の代わりに、エッジ接点132は、いくつかの金属「フィンガ」又は隆起部及びチャネルを有する嵌合構造を有し得る。この場合、隣接するエッジ接点112はまた、相補的なインターロックフィンガ又はチャネル及び隆起部を有する相互嵌合構造を有し得る。他の例では、空洞140の1つ以上の側壁144及びチップ110の1つ以上の側面117上のインターロック構造は、ほとんど又は全体が誘電体又は半導体材料により形成してもよい。この場合、エッジ接点132及び112は、インターロック構造よりも小さくてもよく、インターロック構造自体の表面上、側壁144/側面117の他の部分上に位置してもよく、又はそれらは他の完全なインターロック構造を形成してもよい。より小さいエッジ接点は、存在する場合、互いに隣接する平坦なエッジを有してもよく、又は小さい相補的な形状を有してもよい。更に別の例では、第2の接点132を凹部として形成する代わりに、第2のエッジ接点112を凹部として形成し、第2の接点132は突出部として形成してもよい。あるいは、エッジ接点112、132の各々は、それぞれ隣接するエッジ接点132、112と接する、例えば平坦又は傾斜した突出部である。一般に、エッジ接点112、132は、DCからmm波周波数までのエネルギーを伝達するために使用することができ、mm波周波数で低損失接続を形成するのに特に有用である。隣接するエッジ接点112と132との間の電気接続は、ボンドワイヤ又はリボンボンドを使用せずに作製されるため、それらの技術によって追加されるインダクタンスは排除される。これにより、少なくとも200GHzまでの周波数で非常に低損失の接続がもたらされる。更に、空洞140、第1のエッジ接点132、及び第2のエッジ接点112を備えたICチップ110を含む全体構成は、チップ110の上面115が基板130の上面と実質的に同一平面上にあるコンパクトで薄い構造を形成する。ICチップ110の基板130への電気的及び機械的接続は、エッジ接点112、132のインターロックを介してICチップ110を空洞140に単にスナップ嵌めしてもよく、機械的及び電気接続の両方を完了するため、単純化される。
【0040】
基板130は、回路が異なる層に配置された多層基板であってもよい。基板130は、任意の好適な誘電体材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、基板130は、石英、アルミナ、ガラス、又は溶融シリカなどの硬質基板であり、薄膜めっきに適しており、微細な形態を形成する。図5に見られるように、例えば、基板130は、下層(互換的に、「下部基板」)130a及び上層(「上部基板」)130bから構成され、接地平面170がそれらの間に挟まれている。基板130は、最初に下層130aを提供し、下層130aの上面を金属化して接地平面170を形成し、その後、適切な方法を使用して接地平面170上に上層130bを形成又は接合することによって形成することができる。そのような接合のためのいくつかの例示的な方法としては、dbi接合、フリット接合、金バンプ接合、はんだバンプ接合、及び銅ピラー接合が挙げられる。あるいは、上層130bは、別々に提供してもよく、好適な接着剤を使用して接地平面170に接着してもよい。接地平面170は、ビア122-1及び122-2を収容するための円形開口部182を有し得る。開口部182は、ビア122-1、122-2が接地平面170に接触することなく貫通するのに十分に直径が大きく、それによってビア122-1、122-2がアンテナ要素120-1、120-2のプローブフィードとして機能することを可能にする。接地平面170は、アンテナ要素120によって送信/受信されるRFエネルギーを反射するマイクロストリップ接地平面として機能し得る。マイクロストリップ接地平面はまた、導電性トレース165が導体であるマイクロストリップ伝送線の接地平面を形成することができる。
【0041】
ICチップ110は、基板130の上面135から空洞140のベースにおける接地平面170の上面までの深さd2にほぼ等しい厚さを有し得る。そのような寸法では、ICチップ110の底面119を、接地平面170上に置いてもよく、ICチップ110の上面115は、基板130の上面135とほぼ同一平面上にあってもよい。あるいは、ICチップ110の厚さは、深さd2よりも小さく、接地平面170と底面119との間に間隙が存在する。そのような間隙は、エアギャップ、又は断熱材料の層により満たされた間隙であってもよい。いくつかの設計では、ICチップ110がICチップ110の底面119上に1つ以上の電気接点を有していて、アンテナ装置100の他の構成要素への電気接続を行うことが望ましいことがある。この場合、電気接続を容易にするために、接地平面170に対応する開口部を形成してもよい。
【0042】
導電性ビア122-1、122-2は、導体の例であり、アンテナ要素120-1、120-2のプローブフィードを形成する。以下で更に説明するように、ビア122は、最初に基板130の外面上にパッドを形成することによって形成してもよく、次いで、基板130に穴をあけ、電気めっきなどによって金属で穴を充填することによって形成してもよい。基板130の上面135上の短い導電性トレース168は、そのようなビアパッドの延長部(又は導電性トレース168自体をビアパッドと見なしてもよい)であってもよく、例えば、第1のエッジ接点132に重なり合うエッジ171によって、ビア122を近接する第1のエッジ接点132と相互接続してもよい。アンテナ要素120以外の回路構成要素又は端子(図示せず)に接続された他の導電性トレース165もまた、接続された第2のエッジ接点112への電気接続のために、第1のエッジ接点132のエッジ171と重なる表面135上に形成することができる。任意の導電性トレース165は、基板130を通る(図示しない)別のビアを介して、又はサイドポートを介してそのような電気接続を行ってもよい。任意の導電性トレース165は、RF信号、DCバイアス電圧、又は時間変化する制御信号を、ICチップ110及び他の回路構成要素との間でルーティングしてもよい。
【0043】
図6は、アンテナ装置100を形成する例示的な方法600の流れ図である。図7A図7Iは、それぞれ、方法600の各々のステップに対応する構造を示す断面図又は平面図である。方法600について以下に説明される様々なプロセスステップの順序は、他の例示的な実施形態において必要に応じて変更されてもよいことに留意されたい。
【0044】
アンテナ装置100の多層基板130を形成するために、下部基板130a及び上部基板130bを別々に処理し、次いで互いに接合することができる。図7Aは、上面及び底面をパターン金属化した後の、プロセス段階中の下部基板130aの一部の上面図である。図7Bは、線7B-7Bに沿った図7Aの下部基板130aの断面図であり、図7Cは、図7Aの下部基板130aの底面図である。図6及び図7A図7Cを参照すると、下部基板130aが提供され(S602)、下部基板130aの上面及び底面は、選択的領域でマスクされ、金属化され、底面上のアンテナ要素120と、上面上の接地平面170とを形成する。この金属化の前に、接地平面170に開口部182を形成するための領域を上面でマスクすることができ、アンテナ要素120の境界の外側の領域を底面上でマスクしてもよい。開口部182は、後で形成されるより小さな直径を有する第2のビア穴に対応するための第1の直径を有する。より大きな直径の開口部182は、アンテナ要素120へのプローブフィードを形成する後続のビア122(図1図5に示される)が、接地平面170に電気的に短絡するのを防ぐ。
【0045】
上面及び底面を有する上部基板は、別々に提供され、処理される(S604)。このプロセスは、レーザ穴あけ、機械的穴あけ、光露光若しくはエッチング、又は他の適切な技術を使用して、各々が第1の幾何学的形状を有する上面の左右のノッチをカッティングすることを含んでもよい。次に、ノッチが金属化され、第1のエッジ接点132が形成される(その後、別の切り欠きプロセス中に一部の金属化部がスライス除去される)。例えば、図7Dは、ノッチ711が深さd1(上部基板130bの厚さd2未満)に切り出され、金属化された後の上部基板130bの一部の平面図である。図7Eは、線7E-7Eに沿った図7Dの上部基板130bの断面図である。この例では、ノッチ711はフレアの形態であるが、相互嵌合接続を形成するためのマルチフィンガなどの他の構造も利用可能である。拡大部Aに見られるように、電気めっきなどによる任意のノッチ711の金属化により、側壁金属化領域717s、前壁金属化領域717f、後壁金属化領域717r、及びノッチ711内のベース金属化領域717bを形成することができる。
【0046】
次に、ICチップの中央切り欠きが上部基板を貫通して形成される(S604)。例えば、図7Fは、左のノッチ711と右のノッチ711との間に長方形の切り欠き740が作製された後の基板130bの平面図である。図7Gは、この段階における線7G-7Gに沿った上部基板130bの断面図である。切り欠き740は、後に、前述の空洞140を形成する。拡大部Bに示されるように、切り欠き740が形成されるときに、ノッチ711の前部をそぎ落としてもよく、よってノッチ711の前部金属化部717fが除去される。これにより、ノッチ711内にスロットが開き、それにより、第1のエッジ接点132が形成され、その中に、ICチップ110の第2のエッジ接点112が後で挿入される。
【0047】
ノッチ711に隣接する領域は、パターン金属化によって金属化され(S608)、ノッチ内の金属化部に電気的に接続された隣接する上部ビアパッド168又は導電性トレース165のいずれかを形成することができる。そのような金属化の前又は後に、上部基板130bは、適切な接合方法又は非導電性接着剤を使用して下部基板130a(S610)に取り付け/接合され、多層基板130を形成する。次に、ビア穴が、各ビアパッド168と、対応するアンテナ要素120との間に穿孔され(S612)、ビア穴は、プローブフィードを完成するために金属化してもよい。
【0048】
例えば、図7Hは、ステップS612の後の例示的な構成における多層基板の一部の上面図である。図7Iは、線7I-7Iに沿った図7Hの断面図である。この例では、一対の導電性トレース165及び一対のビアパッド168が各々、上部基板130bの上面に形成されている。それにより、ビアパッド168/導電性トレース165は、隣接する第1のエッジ接点132の後壁金属化表面717rに重なり、電気的に接続することができる。あるいは、ノッチ711が最初に形成される場合、同じレーザ穴あけ又はエッチングプロセスを使用して、ビアパッド168/導電性トレース165を形成するための隣接する浅いチャネルを同時に形成してもよい。次いで、ノッチ711が金属化されると、より浅いチャネルは、同じ金属化プロセス中に金属化され、それによって、後壁金属化717rの上面と同一平面上に上面を有するビアパッド168/導電性トレース165を形成する。更に別の代替例では、ビアパッド168及び導電性トレース165は、ノッチ711及び第1のエッジ接点132を形成する前に完了する。
【0049】
ビアパッド168が形成されると、ビア穴を、ステップS612において、多層構造を貫通して穿孔することができる。各ビア穴は、ビアパッド168、上部基板130b、開口部182、下部基板130a、及びアンテナ要素120を通して垂直経路に穿孔してもよい。次に、ビア穴を電気めっきして、それぞれのアンテナ要素120へのプローブフィードビアを完成してもよい。このプロセスでは、金属化部を、アンテナ要素120のビア領域731に形成してもよく、次いで、化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスにより、アンテナ要素120及びビア領域731の下面が平坦化され、アンテナ要素120の平坦な連続した下部金属表面をもたらす。
【0050】
このように形成された多層基板130により、ICチップ110に、隣接する第1のエッジ接点132の第1の幾何学的形状に相補的な第2の幾何学的形状を各々有する第2のエッジ接点112を設けることができる(S614)。ICチップは、図1に示すように空洞140にスナップ嵌めされ、図7Jに示されるような構造をもたらし、この図は、第1のエッジ接点132の金属化壁717r、717s及び717bと電気的に接触する第2のエッジ接点112を示す。
【0051】
前述のように、第2のエッジ接点112は、第1のエッジ接点132にスナップ嵌合し、それによってインターロック関係を形成することができる。接点112、132の間の圧入嵌合は、場合によっては、それらの間に電気接続を形成し、アンテナ装置100を完全に形成するのに十分である。他の場合では、第1のエッジ接点112と第2のエッジ接点132との間の電気接続は、先に説明した図2に示されるように、はんだ又は他の導電性接合材料190を使用して強化される。
【0052】
方法600は、上記と同じ手順を使用して、電子的に方向付け可能なアンテナアレイを製造する方法に拡張することができるが、拡張されたスケールでは、(i)基板130内に少なくとも1つの第2のエッジ接点132を各々有する複数の空洞140を形成することであって、複数の空洞140が、基板130の上面に沿って空間的に配置されている、ことと、(ii)空洞130の底面に沿って(すなわち、下部基板130aの底面に沿って)空間的に配置された複数のアンテナ要素120又はアンテナ要素120の複数のセットを形成することと、(iii)複数のICチップ110の各々をそれぞれの空洞140にスナップ嵌めして、各ICチップ110内のビーム形成構成要素が、少なくとも1つのそれぞれの導電性ビア122を介して少なくとも1つのアンテナ要素120に電気的に接続されるようにすることとによって、電子的に方向付け可能なアンテナアレイを製造する方法に拡張する。言い換えれば、拡張された方法は、空洞140の各々に対して、空洞140の側壁に第2のエッジ接点132を形成することと、ICチップ110のそれぞれ1つを空洞140に配置することと、それぞれの第1のエッジ接点132と第2のエッジ接点112とを電気的に接続することと(これは、ICチップ110が空洞140にスナップ嵌めされるときに行うことができる)、内部に配置されたICチップ110のビーム形成構成要素を、アンテナ要素120のそれぞれの少なくとも1つに電気的に接続することと(これもまた、ICチップ110が空洞140にスナップ嵌めされたときに行うことができる)、を含む。
【0053】
図8Aは、別の実施形態による、電子デバイス800の平面図である。図8Bは、図8Aの線8B-8Bに沿った断面図である。一実現態様では、電子デバイス800は、少なくとも1つのアンテナ要素、例えば、ICチップ110’に電気的に接続されたアンテナ要素820-1、820-2、820-3、820-4を有するアンテナ装置である。この実施例は、以下で主に説明される。以下で論じられる他の実施形態では、電子デバイス800は、アンテナ要素820-1~820-4を省略した非アンテナ実装例である。以下、アンテナ実装例を考察する場合、電子デバイス800は、アンテナ装置800と呼ばれる。
【0054】
アンテナ装置800は、主に、少なくとも1つの構成要素、例えば、アンテナ要素への接続にプローブフィードを使用する点で、すなわちエッジ接点112、132を介するのではなく、ICチップ110’の底面における接続を介する点で、上述のアンテナ装置100とは異なる。基板130’は、下部基板130a’が上部基板130b’に結合された多層基板であり、埋め込まれた接地平面870内の開口部840-1、840-2、840-3、840-4の位置を除いて、基板130と実質的に同じであってもよい。例えば、第1~第4のアンテナ要素820-1~820-4は、基板130’の底面139上に配置することができる。ICチップ110’は、少なくとも1つの底部接点、例えば、接地平面870内のそれぞれの開口部840-1~840-4内の中央に位置する第1~第4の底部接点830-1、830-2、830-3、830-4を含むことができる。底部接点830-1~830-4は各々、それぞれビア822-1、822-2、822-3、及び822-4への電気接続のために、その外面にはんだバンプ又は銅ピラーなどの接続要素を含むことができる。あるいは、接続要素(例えば、はんだバンプ/銅ピラー)は、初めはビア822のエッジに形成されている(この場合、図示された各接点830は、ICチップ110’の底部接点及び接続要素を含むと理解される)。ビア822-1~822-4は、アンテナ要素820-1~820-4のそれぞれのフィードポイントと電気接点830-1~830-4との間に各々電気的に接続されたプローブフィードである。電気接点830は、アンテナ要素820に関連する信号の送受信を処理するために、ICチップ110’内に配置されたRF送信及び/又は受信回路に各々接続することができる。
【0055】
アンテナ装置800は、ICチップ110’の対応する少なくとも1つの第2のエッジ接点112に接続するために、空洞140の側壁144に形成された少なくとも1つの第1のエッジ接点132を含む。各導電性トレース165は、アンテナ装置800の別の構成要素/端子とICチップ110’内のRF回路との間の電気接続を完了するために、上記の同じ方法で隣接する第1のエッジ接点132に接続される。図示の例では、4つの導電性トレース165が、それぞれ第2のエッジ接点112への接続のために提供される。任意の導電性トレース165を、基板130’上の側部接点を介して、又はビア(図示せず)を通して構成要素/端子に接続してもよい。
【0056】
図8A及び図8Bに示される実施形態に対する代替の実施形態では、最大3つの底部接点830が、ビア822を介して最大3つのアンテナ要素820に接続されているが、少なくとも1つの他のアンテナ要素820が、1組のエッジ接点132、112と、基板130’の上面から延在するビアとを介してICチップ110’に電気的に接続されている。これらの場合のいずれでも、少なくとも1つの他の底部接点830を、RF信号、制御信号、又はDCバイアスを交換するための別の構成要素に接続するために下部基板130a’内に埋め込まれた導電性トレース165(図示せず)に接続するか、又は接地接続を行うために接地平面870に接続することができる。
【0057】
1つの非アンテナ実装例では、少なくとも1つの底部接点830は、下部基板層130a'内に延在する導電性トレース165(両方とも示されていない)に接続する層間ビア(例えば、ビア822-1の短縮バージョン)に接続される。更に別の非アンテナ実装例では、接地平面870又はその一部分は、ICチップ110’を冷却するための熱ヒートシンクとして構成された金属層によって置き換えられ、一方、少なくとも1つの底部接点830は、導電性トレース165に同様に接続された層間ビアに接続されている。
【0058】
図9は、電子デバイス800を製造する例示的な方法900を示す流れ図である。方法900では、下部基板130a’及び上部基板130b’を別々に処理し、次いで互いに接合することができる。次に、ICチップ110’が中央空洞140にスナップ嵌めされ、ICチップ110’のそれぞれの接点と基板130’内に形成された接点との間の電気接続が行われる。
【0059】
詳細には、上面及び底面を有する下部基板130a’が提供される(S902)。上面及び底面の領域は、パターン金属化のためにマスクされ、底面にアンテナ要素120を形成し、開口部840、及び開口部内のビアパッド(ビア830の上部)を備えた上面に接地平面870を形成する。次に、アンテナ要素へのフィードポイントで、ビアパッドを通して底面までビア穴が穿孔される(S903)。ビア穴は金属化され、プローブフィードを完成させる。次いで、上部基板130b’を、各エッジ接点132がビア168の代わりに導電性トレース165に接続してもよいことを除いて、ステップS604、S606、S608及びS608と同じ様式で、ステップS904、S906、S908、及びS908で処理することができる。一部のエッジ接点132が隣接するビア168に接続される代替構成を形成するために、プロセスステップS904~S908はS604~S608と同じであってもよい。
【0060】
次いで、上部基板130b’は、接合方法又は非導電性接着剤789を使用して、下部基板130a’(S910)に取り付け/接合される。上述のように、この目的のための好適な接合方法には、dbi接合、フリット接合、金バンプ接合、はんだバンプ接合、及び銅ピラー接合が含まれる。
【0061】
ICチップ110’は、相補的な(第2の)エッジ接点112と、はんだバンプ又は銅ピラーが取り付けられた底部接点830-1~830-4とを備えてもよい(S912)。ICチップ110’は、空洞140にスナップ嵌めされ、前述の様式で対応する第1及び第2のエッジ接点132、112間で電気接続が行われる。底部電気接点830とそれぞれのビア822との間の電気接続は、電気接点830に取り付けられたはんだバンプ/銅ピラーを加熱及び冷却することによって行ってもよい。はんだバンプ/銅ピラーは、それらの形成後に、電気接点830ではなくビア822のエッジに代替的に取り付けてもよく、その後、電気接点830へのビア822の電気接続は、同じ加熱及び冷却技術を使用して行ってもよいことに留意されたい。
【0062】
図10Aは、別の実施形態による、埋め込まれたICチップを備えた電子デバイス10の分解断面図である。図10Bは、組み立てられた状態の電子デバイス10の断面図である。図10A及び図10Bを参照すると、電子デバイス10は、上面35内に形成された二重空洞構造を有する多層基板30と、第1のICチップ60と、第2のICチップ50とを含む。第1及び第2のICチップ60、50は、二重空洞構造のそれぞれの第1及び第2の空洞部分80、70内に配置されている。第1の空洞部分80は、第2の空洞部分70の直接下にあり、第2の空洞部分70の周長よりも小さい周長を有する。
【0063】
第1の空洞部分80は、1つ以上の第1のエッジ接点132が配置されている少なくとも1つの側壁81を有し、各第1のエッジ接点132は、ICチップ60の側面62に配置された隣接する第2のエッジ接点112に電気的に接続することができる。同様に、第2の空洞部分60は、ICチップ50の側面52の少なくとも1つの第2のエッジ接点112’に電気的に接続された少なくとも1つの第1のエッジ接点132’を有する。図示の例では、空洞部分80は、対向する側壁81-1、81-2の各々に少なくとも1つの第1のエッジ接点132を含み、第2の空洞部分70は、対応する第2のエッジ接点に接続するために対向する側壁71-1、71-2の各々に少なくとも1つの第1のエッジ接点132’を含む。エッジ接点132、132’、112、112’は、前述のものと同じ又は同様の構造を有してもよく、既に記載されたものと同じ又は同様の様式で製造及び互いに電気的に接続してもよい。
【0064】
任意のエッジ接点132又は132’は、基板30内のビア及び/又は導電性トレースを介して電子デバイス10の別の構成要素に電気的に接続することができる。例えば、ICチップ50及び60は、1つ以上のセットのエッジ接点112、132、132’及び112’を介して互いに電気的に接続することができる。例えば、図10A及び図10Bに示されるように、基板30は、下層30a、中央層30b、及び上層30cから構成されている。導電性トレース165は、層30aと30bとの間、及び層30bと30cとの間に配置してもよい。示される例では、第1のICチップ60内の回路は、第2のエッジ接点112、第1のエッジ接点132、第1の導電性トレース165、基板層30cを通って延在するブラインドビア22、ビアパッド/第2の導電性トレース168、第1のエッジ接点132’、及び第2のエッジ接点112’を含む経路を介して、第2のICチップ50内の回路に電気的に接続することができる。
【0065】
1つの例示的な実装態様では、第1のICチップ60は、基板層30aの下面に配置された1つ以上のアンテナ要素(図示せず)に電気的に接続された増幅器を含む。この場合、第1のICチップ60の増幅器は、上記の接続経路を介して、第2のICチップ50内に含まれるビーム形成ネットワーク回路に電気的に接続することができる。更に、数個、数十個、又は多数のICチップ50及び60を、フェーズドアレイなどのアンテナアレイを駆動するために、基板30にわたる空洞に空間的に配置することができる。
【0066】
第1のICチップ60は、第2のICチップ50の半導体材料とは異なる半導体材料から構成してもよい。一例では、第1のICチップ60はInPで構成され、第2のICチップ50はSiGeで構成される。
【0067】
第1のICチップ60は、第1の空洞部分80内に組み立てられたときに、第1の空洞部分80の上面とほぼ同一平面上にある上面を有し得る。第2のICチップ50は、第2の空洞部分70の深さよりも小さい厚さ寸法を有してもよく、その結果、第2のICチップ50が第2の空洞部分70内に組み立てられたとき、その上面は、基板30の上面35とほぼ同一平面上にあってもよいが、その底面は、間隙97によって第2の空洞部分70の上面から離間してもよい。一例では、間隙97は、エアギャップである。他の例では、間隙97は、第1のICチップ60が第1の空洞部分80内に組み立てられた後に第1のICチップ60上に形成される絶縁アンダーフィル材料であり、後者の場合、第2のICチップ50は、第2の空洞部分50内の組み立てのために、アンダーフィル材料の上に配置してもよい。例えば、アンダーフィル材料は、第1のICチップ60上に形成された上部接点と第2のICチップ50上に形成された下部接点との間の電気接続を可能にする開口部を有し得る。
【0068】
材料の層87は、第1の空洞部分80の底面に配置してもよい。一例では、層87は、上述の実施形態において、接地平面170又は870に類似する接地平面の一部である。この場合、他の接地平面部分(図示せず)は、層30aと30bとの間で層87の周囲に配置され、全ての接地平面部分は、基板層30aの下面に配置されたアンテナ要素の接地平面として共に機能する。非アンテナ実装例では、集合的な接地平面は、回路構成要素間の回路経路のための接地平面だけを形成してもよい。代替的に、層87は、熱ヒートシンクとして機能するように構成してもよい。
【0069】
他の例では、層87は、接地平面ではないが、第1のIC60内の回路と電子デバイス10内の他の回路要素との間のRF、DC、又は制御信号を接続するための1つ以上の導電性トレースを形成するようにパターン化されている。
【0070】
上記のような現在開示されている技術による電子デバイス及びアンテナ装置は、従来のデバイスに対して特定の利点を示し得る。例えば、説明されるようなコンパクトな構成により、実施形態は、例えば、200GHzのオーダーで、非常に高い周波数での高性能信号ルーティングを可能にし得る。そのような高性能は少なくとも部分的に、そうでない場合に用いられる可能性がある基板上のチップと導電性トレース/ビアとの間のボンドワイヤからのインダクタンスの排除又は最小化に起因する。実施形態は、次世代のそのような超高周波フェーズドアレイ及び他の構成要素を支援してもよい。コンパクトな薄い構成は、ICチップの外面が外側基板表面と実質的に同一平面上にあることで実現できる。ICチップが単に多層基板の空洞にスナップ嵌めされ、第1及び第2のエッジ接点のインターロックを通じて機械的接続と電気接続の両方を同時に完了することによって、製造が簡略化される。
【0071】
本明細書に記載の技術は、その例示的な実施形態を参照して特に示され説明されているが、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される特許請求の範囲に記載の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】