(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】航空機の客室
(51)【国際特許分類】
B64D 11/06 20060101AFI20221021BHJP
【FI】
B64D11/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510099
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 GB2020051943
(87)【国際公開番号】W WO2021032954
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522059966
【氏名又は名称】サフラン シーツ ジービー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAFRAN SEATS GB LIMITED
【住所又は居所原語表記】Kestrel House, Llantarnam Industrial Park, Cwmbran NP44 3HQ United Kingdom
(71)【出願人】
【識別番号】513096624
【氏名又は名称】サフラン シーツ
(71)【出願人】
【識別番号】522059977
【氏名又は名称】ゾディアック アエロスペース エクイップメント デ メヒコ, エセ.デ.エレ.エレ.デ.セ.ウベ
【氏名又は名称原語表記】ZODIAC AEROSPACE EQUIPMENT DE MEXICO, S. DE R.L. DE C.V.
【住所又は居所原語表記】Ishikawa 1201, Parque Industrial Supra, Chihuahua, CP 31183 Mexico
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウッディントン, ジェームズ バイロン
(72)【発明者】
【氏名】マドリガル, ジョゼ
(72)【発明者】
【氏名】ベルムデス, クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】リョン, チョ キウ ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, ライアン
(72)【発明者】
【氏名】フルステル, ポール
(57)【要約】
【課題】 改良された航空機の客室および/または改良された航空機の乗客収容ユニットを提供する。
【解決手段】 本発明は、通路軸103を規定する通路102、通路に隣接する座席列104に配置され、通路からアクセス可能な複数の航空機の乗客用座席220を備える航空機の客室100を提供し、乗客用座席の各々は、シートパン221と、座席の向き225を規定する前面223および背面224を備えた背もたれ222と、を備え、乗客用座席は、座席構成とベッド構成との間で変換可能である。座席列の乗客用座席の各々は、座席の向きが通路の軸から少なくとも30度の角度280をなすように通路から離れる方向に角度を付けることができ、当該角度にあるとき乗客用座席の各々はベッド構成になり得る。また、航空機の乗客収容ユニット200、航空機1000、部品のキット、および航空機の乗客収容ユニットへの乗客アクセスを向上する方法を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路軸を規定する通路と、
前記通路に隣接する座席列に配置されており前記通路からアクセス可能な複数の航空機の乗客用座席と、を備え、前記航空機の乗客用座席の各々は、シートパンと、座席の向きの方向を規定する前面および背面を有する背もたれと、を含み、前記航空機の乗客用座席の各々は、座席構成とベッド構成との間で変換可能であり、
前記座席列内の前記航空機の乗客用座席の各々は、前記座席の向きの方向が、前記通路軸から少なくとも30度の角度をなすように、前記通路に対して角度を付けることができ、前記航空機の乗客用座席の各々が当該角度のとき、前記ベッド構成になり得る、航空機の客室。
【請求項2】
前記座席列内の前記航空機の乗客用座席の各々は、前記座席の向きの方向が、前記通路軸から少なくとも35度、40度、45度、および、好ましくは50度の角度をなすように、前記通路に対して角度を付けることができ、前記航空機の乗客用座席の各々が当該角度のとき、前記ベッド構成になり得る、請求項1に記載の航空機の客室。
【請求項3】
前記座席列内の前記航空機の乗客用座席の各々は、1つの航空機の乗客用座席のある点から、前記列の中で隣接する航空機の乗客用座席の対応する点までの、座席列軸に沿った寸法として定義される座席ピッチを有し、当該座席ピッチは、110cm未満、好ましくは90cm未満である、請求項1または2に記載の航空機の客室。
【請求項4】
前記複数の航空機の乗客用座席の各々は、航空機の乗客収容ユニットの一部であり、前記ユニットはシェルをさらに含み、前記シェルは主シェル部分および前記背もたれの前記背面を少なくとも部分的に取り囲む後部シェル部分を含み、前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に対して、前記後部シェル部分が前記通路と前記座席との間のアクセス経路を遮断する閉位置、および前記後部シェル部分が前記通路と前記座席との間のアクセス経路を遮断しない開位置、の間で移動可能である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の航空機の客室。
【請求項5】
前記航空機の乗客用座席の各々の前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に枢動可能に取り付けられており、前記後部シェル部分は前記閉位置と前記開位置との間で枢動し得る、請求項4に記載の航空機の客室。
【請求項6】
前記後部シェル部分は、前記後部シェル部分の枢動軸が前記座席配置面に対して直立した方向に延在するように、前記後部シェル部分に枢動可能に取り付けられている、請求項5に記載の航空機の客室。
【請求項7】
前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に取り外し可能に取り付けられている、請求項4に記載の航空機の客室。
【請求項8】
前記航空機の乗客用座席の各々は、前記通路に隣接する肘掛けをさらに備え、前記肘掛けは前記シートパンおよび前記背もたれに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記第1位置では、前記肘掛けが前記通路と前記シートパンとの間を遮断して乗客に肘掛け面を提供しており、前記第2位置では、前記肘掛けが前記通路を遮断しない、請求項1から7までのいずれか1項に記載の航空機の客室。
【請求項9】
前記肘掛けは前記シートパンに対して、摺動可能である、請求項8に記載の航空機の客室。
【請求項10】
前記航空機の乗客用座席の各々は、前記座席配置面に対する直立軸を中心に自在回転できるように回転可能に取り付けられており、前記座席の向きが前記客室に対して回転可能である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の航空機の客室。
【請求項11】
前記航空機の乗客用座席の各々は、前記後部シェル部分に取り付けられており、前記航空機の乗客用座席は前記主シェル部分に対して枢動可能に取り付けられている、請求項5を引用する場合の請求項10に記載の航空機の客室。
【請求項12】
前記背もたれは、前記シートパンに枢動可能に取り付けられ、前記シートパンが前記客室に対して静止している間は、前記シートパンに対して枢動させながら倒して前記シートパンと実質的に平坦な表面を形成可能である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の航空機の客室。
【請求項13】
前記シートパンは、前記シートパンの前記通路に隣接する前方角部が、前記シートパンの前記通路に隣接しない前方角部に対して、より丸くなるように形成されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載の航空機の客室。
【請求項14】
航空機の客室において通路に隣接して配置される航空機の乗客収容ユニットであって、
前記ユニットは、航空機の乗客用座席とシェルとを備え、
前記航空機の乗客用座席は、シートパンと、座席の向きの方向を規定する前面と背面とを有する背もたれと、を含み、前記航空機の乗客用座席は、座席構成とベッド構成との間で変換可能であり、
前記シェルは、主シェル部分と、前記背もたれの前記背面を少なくとも部分的に取り囲む後部シェル部分と、を含み、前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に対して、前記後部シェル部分が前記通路と前記座席の間のアクセス経路を遮断する閉位置、および前記後部シェル部分が前記通路と前記座席の間のアクセス経路を遮断しない開位置、の間で移動可能である、航空機の乗客収容ユニット。
【請求項15】
前記航空機の乗客用座席の各々は、前記座席の向きの方向が、通路軸から少なくとも30度、35度、40度、好ましくは少なくとも45度、および、より好ましくは50度の角度をなすように、前記通路に対して角度を付けることができ、前記航空機の乗客用座席の各々が当該角度のとき、前記ベッド構成になり得る、請求項14に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項16】
前記航空機の乗客用座席の各々は、1つの航空機の乗客用座席のある点から、前記列の中で隣接する航空機の乗客用座席の対応する点までの寸法として定義される座席ピッチを有し、当該座席ピッチは、105cm未満、好ましくは90cm未満である、請求項14または15に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項17】
前記航空機の乗客用座席の前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に枢動可能に取り付けられており、前記後部シェル部分は前記閉位置と前記開位置との間で枢動し得る、請求項14、15または16のいずれかに記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項18】
前記後部シェル部分は、前記後部シェル部分の枢動軸が前記座席配置面に対して直立した方向に延在するように、前記後部シェル部分に枢動可能に取り付けられている、請求項17に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項19】
前記後部シェル部分は、前記主シェル部分に取り外し可能に取り付けられている、請求項14、15または16のいずれかに記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項20】
前記航空機の乗客用座席は、肘掛けをさらに備え、前記肘掛けは前記シートパンおよび/または前記背もたれに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記第1位置では、前記肘掛けが前記通路と前記シートパンとの間のアクセス経路を遮断して乗客に肘掛け面を提供しており、前記第2位置では、前記肘掛けが前記アクセス経路を遮断しない、請求項14から19までのいずれか1項に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項21】
前記肘掛けは前記シートパンに対して、摺動可能である、請求項17に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項22】
前記航空機の乗客用座席は、前記座席配置面に対して直立軸を中心に自在回転できるように回転可能に取り付けられており、前記座席の向きが前記シェルに対して回転可能である、請求項16から21までのいずれか1項に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項23】
前記航空機の乗客用座席は、前記後部シェル部分に取り付けられており、前記航空機の乗客用座席は前記主シェル部分に対して枢動可能に取り付けられている、請求項17を引用する請求項22に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項24】
前記背もたれは、前記シートパンに枢動可能に取り付けられ、前記シートパンが前記客室に対して静止している間は、前記シートパンに対して枢動させながら倒して前記シートパンと実質的に平坦な表面を形成可能である、請求項14から23までのいずれか1項に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項25】
前記シートパンは、前記シートパンの前記通路に隣接させて配置可能な前方角部が、前記シートパンの前記通路に隣接させずに配置可能な反対側の前方角部に対して、より丸くなるように形成されている、請求項14から24までのいずれか1項に記載の航空機の乗客収容ユニット。
【請求項26】
請求項1から13までのいずれかに記載の前記航空機の客室、または請求項14から25までのいずれかに記載の前記航空機の乗客収容ユニットを備える、航空機。
【請求項27】
請求項1から13までのいずれかに記載の前記航空機の客室、請求項14から25までのいずれかに記載の前記航空機の乗客収容ユニット、または請求項26に記載の前記航空機を組み立てるための部品のキット。
【請求項28】
航空機の乗客用座席とシェルとを備えており、航空機の客室の通路に隣接する、航空機の乗客収容ユニットへの乗客アクセスを向上する方法であって、
前記シェルの後部シェル部分を移動するステップであって、前記後部シェル部分が前記通路と前記座席との間のアクセス経路を遮断する閉位置および前記後部シェル部分が前記通路と前記座席との間の前記アクセス経路を遮断しない開位置から、移動するステップを備える方法。
【請求項29】
前記航空機の乗客用座席の肘掛けを第1位置と第2位置との間で移動させるステップであって、
前記第1位置では、前記肘掛けが前記通路と前記シートパンとの間のアクセス経路を遮断して乗客に肘掛け面を提供しており、前記第2位置では、前記肘掛けが前記アクセス経路を遮断しないステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
座席が向く方向が、前記客室に対して回転するように、前記航空機の乗客用座席を自在回転させるステップをさらに備える、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シートパンが前記客室に対して静止している間に、前記背もたれを前記シートパンに対して枢動させながら倒して、前記シートパンと実質的に平坦な表面を形成するステップをさらに備える、請求項28から30までのいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用旅客航空機の客室に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、航空機の客室および航空機の客室で使用する航空機の乗客収容ユニットに関する。より具体的には、これに限定するものではないが、本発明は、通路軸を規定する通路を含む航空機の客室、および通路に隣接する座席列に配置されていて通路からアクセス可能な複数の航空機の乗客用座席に関する。航空機の乗客用座席は、シートパンと、座席の向きの方向を規定する前面と背面とを有する背もたれと、を含む。航空機の乗客用座席の各々は座席構成とベッド構成との間で変換可能である。
【0003】
本発明はまた、航空機の乗客収容ユニット、航空機、部品のキット、および航空機の乗客収容ユニットへの乗客アクセスを向上する方法に関する。
【0004】
座席および/またはフルフラットベッドに変換可能である座席を少なくとも部分的に取り囲むシェルを含む航空機の乗客収容ユニットは、一般に、長距離フライトのビジネスクラスおよび/またはファーストクラスでのみ使用される。これは、長距離フライトではプライバシーやフルフラットベッドの必要性が高まるためである。これらの長距離フライトは、通常、エアバスA380などの複数の通路(2列通路など)を備えた航空機で行われる。
【0005】
これらの長距離フライトに使用される航空機の客室および航空機の乗客収容ユニットのいくつかの事例が、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に示されている。
【0006】
これらの例のすべてにおいて、ビジネスクラスおよびファーストクラスの客室で期待されるような、フルフラットベッド、プライバシーシェル、および直接的な通路アクセスが提供される。ビジネスクラスの座席では、客室の経済性のために、座席の十分な高密度配置を実現し得ることも重要である。
【0007】
ただし、直近では、エアバスA320またはボーイング737などの最新のエンジンを備えた1列通路(ナローボディ)航空機が、より長い距離を飛行することができ、例えば、5時間以上の飛行に使用し得る。これにより、これらの1列通路航空機(少なくとも部分的に座席を囲むシェルおよび/またはフラットベッドに変換可能である座席を含む)に航空機の乗客収容ユニットを提供することが有利である。
【0008】
しかしながら、これを合理的な座席密度で達成することは非常に困難であり、特に、1列の通路からそのようなすべてのユニットへの直接的な通路アクセスを提供する一方で、フルフラットベッドおよびプライバシースクリーンを提供する。身体の不自由な乗客がユニットにアクセスできるようにすることも重要である。例えば、ユニットは、車椅子のユーザーが、通路にある車椅子からユニットの座席へ直接移動できるようにする必要がある。また、座席が認定され得ることも重要であり、そのため、TTL(タキシング、離陸、着陸)の最中に必要な力に耐え得ることが必須である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】英国特許出願公開第2362095号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0086864号明細書
【特許文献3】国際公開第2003/013903号
【特許文献4】国際公開第2018/078377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的とするところは、上記の問題を軽減することであり、代替的または追加的に、本発明は、改良された航空機の客室および/または改良された航空機の乗客収容ユニットを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の態様によれば、通路軸を規定する通路と、通路に隣接する座席列に配置され、通路からアクセス可能な複数の航空機の乗客用座席とを備える航空機の客室を提供する。航空機の乗客用座席の各々は、シートパンと、座席が向く方向を規定する前面と背面とを含む背もたれで構成され、航空機の乗客用座席の各々は、座席構成とベッド構成の間で変換可能である。ここで、座席列の中の航空機の乗客用座席の各々は、座席の向きの方向が通路軸から離れる方向に少なくとも30度の角度をなすように、通路に対して角度をつけることができ、航空機の乗客用座席の各々が当該角度のときにベッド構成になり得る。
【0012】
そのような航空機の客室は、例えば、ビジネスクラスの座席のために、1列通路の客室に適度な密度で座席を提供可能であるとともに、フルフラットベッドおよびプライバシースクリーンを提供可能である。また、座席を通路から離れる方向に角度をつけることにより、さらなるプライバシーおよび/または窓に面した座席を提供することも有利である。
【0013】
座席が向く方向は、一般に、背もたれの前面に垂直であり、通常どおり背もたれの前面に背を向けて座席に座ったときに、その人が直面する方向である。各座席は通路から離れる方向に傾けられている。換言すれば、各座席の座席が向く方向は、通路から離れる方向に向けられている。つまり、各座席(背もたれの前面)は通路から反対側を向いている。つまり、背もたれの背面が通路に面する。たとえば、各座席は窓や客室の壁に面していてもよい。
【0014】
座席は回転自在であり、座席のいくつかの自在回転位置でベッド構成になり得る。ただし、客室の縦軸に対して30度以上の角度をなすときは、座席がベッド構成になっていることが必須である。特許文献1に開示されている配置では、座席は、より浅い(20度)TTL角度のときだけベッド構成になり得る。特に、通路からより大きな角度で自在回転した位置では、引用文献1の座席は、座席構成でなければならない。そうしないと、引用文献1の座席はより大きな角度の自在回転位置に配置できない。引用文献1の座席は、TTLのとき、完全に前向き(0度)の位置になければならないことにも注意されたい。
【0015】
認定要件は、TTLでの異なるシート角度とは異なることに留意されたい。例えば、座席の角度が0~18度の場合、座席は前向きに分類される。18度から30度の間で、座席は斜め向きとして分類される。30度を超える角度では、座席は横向きとして分類される。したがって、30度を超える場合(横向き座席)、TTLの浅い角度(前向きまたは斜め向き座席)の座席よりも、認定要件が煩雑になる。
【0016】
客室は、1列の通路または複数の通路を有する場合があり、例えば、客室は、2列通路の客室であり得る。客室は、客室のいくつかまたはすべての通路の両側に沿ってそのように配置された座席を含み得る。換言すれば、上述のように、客室の通路の1つに隣接し、そこからアクセス可能ないくつかの座席列に配置された複数の航空機の乗客用座席があることである。例えば、通路が1つしかない場合は、通路の両側にそのような座席が存在し得る。例えば、2列通路の客室の場合、両方の通路の片側または両側にそのような座席があってよい。客室内の通路(または複数の通路)は、客室の長さ方向の軸に実質的に平行であり得る。
【0017】
ベッド構成では、実質的に平坦なベッド表面を提供し得る。ベッド表面は、183cmより長く、好ましくは191cmより長く、さらにより好ましくは201cmより長くてもよい。
【0018】
ベッド表面は、オットマンによって提供される表面を含み得る。オットマンは足元空間内に配置し得る。足元空間は、棚またはテーブルの表面を提供する上部カバーを備え得る。この棚またはテーブルの表面は、前方のシートユニットに座っている乗客が使用するため、および/または乗客がアクセスするためのものであり得る。
【0019】
座席列の航空機の乗客用座席の各々は、好ましくは、座席が向く方向が、通路に対して少なくとも35度、40度、または45度、好ましくは少なくとも50度の角度をなすように傾け得る。そして、航空機の乗客用座席の各々は、当該角度にあるときにベッド構成になり得る。このようなより大きな角度は、特に1列通路の客室に対して、客室内の座席ユニットの密度を高めます。ここでは、座席ユニットに使用し得る横方向の寸法が効果的に定められている(通路と客室の窓側の間の距離として)。したがって、座席角度を大きくすることにより、シートピッチを小さくすることができ、より大きな座席密度を達成することができる。
【0020】
座席列の航空機の乗客用座席の各々は、好ましくは、1つの航空機の乗客用座席のある点から、その列の中で隣接する航空機の乗客用座席の対応する点までの、座席列軸に沿った寸法として定義される座席ピッチを有し、当該座席ピッチは、110cm未満、好ましくは90cm未満である。
【0021】
座席列の軸は、座席列に沿った軸として規定される。これは、通路軸および/または客室の長さ方向の軸と並行で有り得る。
【0022】
座席ピッチは、100cmまたは95cm未満であり得る。座席ピッチは83cmから110cmの間であってよい。
【0023】
好ましくは、複数の航空機の乗客用座席の各々は、航空機の乗客収容ユニットの一部であり、このユニットはシェルをさらに含み、シェルは主シェル部分および背もたれの背面を少なくとも部分的に取り囲む後部シェル部分を含む。その後部シェル部分は、主シェル部分に対して、後部シェル部分が通路と座席の間のアクセス経路を遮断する閉位置、および後部シェル部分が通路と座席の間のアクセス経路を遮断しない開位置、の間で移動可能である。そのような後部シェル部分は、例えば、車いすに座っている障がいがある乗客が通路から座席へのアクセス(出ること)を向上させる。
【0024】
上記の段落で言及されているアクセス経路は、通路と座席との間の多くのアクセス経路のうちの1つであるか、またはより大きなアクセス経路のより小さな部分であり得る。例えば、アクセス経路がより大きなアクセス通路の一部であるとき、アクセス通路は、後部シェル部分の開位置に移動することで効果的に拡張され得る。例えば、アクセス経路の幅は7cmであり得るが、後部シェル部分の開位置に移動すると、アクセス通路の幅は41cmから48cmに拡幅される。例えば、後部シェル部分が開位置に移動すると、アクセス経路の幅が5cmであり得るが、アクセス通路の幅は36cmから41cmに拡幅される。
【0025】
重要なのは、閉位置にあるときのアクセス経路は、通路を横切って通路から座席への(乗客の退出のための)アクセスがないように遮断されること、さらに、開位置にあるときは、通路からアクセス経路を横切って座席にアクセスできるように、(乗客の退出のための)アクセス経路は遮断されないことである
【0026】
後部シェル部分を移動可能にすることにより、背もたれの背面を部分的に取り囲んでいる(または、取り囲んでいた)部品を移動させることが可能となる。したがって、閉位置にあるとき、後部シェル部分は、乗客の頭/顔の近くの視線などを遮断するためのプライバシースクリーンとして提供可能である。開位置では、背もたれの背面に隣接する場所にアクセス経路を設けることが可能である。このことは、シートパンへのアクセスを容易にして、および/または背もたれへのアクセスを容易にして、座席へのアクセスを支援する。
【0027】
より好ましくは、航空機の乗客用座席の各々の後部シェル部分は、主シェル部分に枢動可能に取り付けられており、後部シェル部分が閉位置と開位置との間で枢動し得る。
【0028】
したがって、閉位置では、後部シェル部分が背もたれの背面に隣接しており、開位置では、後部シェル部分が、開位置から背もたれの背面から離れる方向へ枢動されている。
【0029】
さらにより好ましくは、後部シェル部分の枢動軸が座席配置面に対して直立した方向に延在するように、後部シェル部分が主シェル部分に枢動可能に取り付けられる。換言すれば、枢動軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に、少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0030】
枢動軸は、背もたれの、通路に対して反対側に配置し得る。後部シェル部分は、閉位置と開位置との間で、20度を超えて概ね30度未満、好ましくは概ね25度の角度まで移動し得る。
【0031】
あるいは、枢動軸は、背もたれの、通路に対して同じ側に配置され得る。後部シェル部分は、閉位置と開位置の間で、90度を超える角度であって、概ね180度まで移動し得る。後部シェル部分は、開位置にあるときに、主シェル部分に隣接して対向するパネルとなり得る。
【0032】
あるいは、後部シェル部分は、主シェル部分に取り外し可能に取り付けられる。
【0033】
好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、通路に隣接する肘掛けをさらに備える。その肘掛けはシートパンおよび/または背もたれに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置では、肘掛けが通路とシートパンとの間を遮断して乗客に肘掛け面を提供する。第2位置では、肘掛けが通路を遮断しない。
【0034】
そのような肘掛けは、例えば、車いすに座る障がいがある乗客が通路から座席へアクセスすることを可能にする。
【0035】
この「肘掛け」アクセス経路は、上記のアクセス経路(「後部シェル部分」アクセス経路)とは異なるが、重複してもよい。肘掛けアクセス経路および後部シェル部分アクセス経路はいずれも、同一のより大きなアクセス通路の一部で有り得る。
【0036】
肘掛けアクセス経路は、通路と座席との間の多数のアクセス経路の内の1つに過ぎないか、より大きなアクセス通路の中の小さな一部分で有り得る。例えば、肘掛けアクセス経路がより大きなアクセス通路の中の小さな一部分であるとき、アクセス通路は肘掛けが開位置に移動することで効果的に拡大され得る。例えば、肘掛けアクセス経路が5cm幅であるとき、肘掛けが開位置に移動すると、アクセス通路は33cmから38cmに拡大される。
【0037】
重要なのは、閉位置にあるとき、肘掛けアクセス経路は遮断され、通路を横切って通路から座席への(乗客の退出のための)アクセスがないこと、さらに、開位置にあるとき、通路からアクセス経路を横切って座席にアクセスする、肘掛けアクセス経路は遮断されず、アクセスできる(乗客の退出のために)ことである。
【0038】
肘掛けを移動可能にすることにより、座席を部分的に遮断している(または遮断していた)部品を、シートパンに隣接して移動させることが可能である。したがって、閉位置にあるとき、肘掛けは乗客に肘掛け表面を提供可能である。開位置では、シートパンに隣接する場所にアクセス経路を設けることが可能である。このことは、シートパンへのアクセスを容易にして、座席へのアクセスを支援する。
【0039】
肘掛けおよび後部シェル部分が閉位置にあるとき、アクセス経路はわずか33cm幅であり得る。肘掛けを開位置にするとアクセス通路が38cmに拡幅され、後部シェル部分を開位置にするとさらに45cmに拡幅される。
【0040】
好ましくは、肘掛けの各々は、シートパンに対して摺動可能である。例えば、肘掛けは、座席が面する方向と実質的に平行に前方および後方に並進し得る。あるいは、肘掛けは枢動可能であり、肘掛けが背もたれと実質的に整列する位置に移動し得る。
【0041】
好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、座席配置面に対して直立した軸を中心に自在回転できるように回転可能に取り付けられており、座席の向きは客室に対して回転可能である。換言すれば、直立した軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0042】
座席は、20度を超えて、40度まで、さらには50度まで自在回転し得る。座席は、座席に面する方向が、通路軸および/または長手方向の客室軸、および/または座席列軸に実質的に平行になるように自在回転し得る。これはTTLにとって有用であり得る。さらに、特にシートパンの片側が通路に隣接して整列した位置にあるとき、通路から座席へのより容易なアクセスが可能になり得る。
【0043】
より好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、後部シェル部分に取り付けられており、航空機の乗客用座席は主シェル部分に対して枢動可能に取り付けられている。したがって、航空機の乗客用座席は、主シェル部分に対して後部シェル部分と一緒に回転可能である。
【0044】
座席の枢動軸は、座席配置面に対して直立した方向に延在し得る。換言すれば、枢動軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0045】
枢動軸は、背もたれの、通路に対して反対側の部分に配置し得る。座席は、20度を超えて概ね30度未満、好ましくは概ね25度の角度まで回転可能である。
【0046】
好ましくは、背もたれは、シートパンに対して枢動可能に取り付けられており、シートパンが客室に対して静止しているときにシートパンに対して枢動しながら倒してシートパンと実質的に平坦な表面を形成可能である。換言すれば、背もたれは、例えば、シートパンが前方に移動することなく、ベッド構成にリクライニングし得る(実質的に平坦なベッド表面を提供するために)。
【0047】
好ましくは、シートパンは、そのシートパンの通路に隣接する前方角部が、そのシートパンの通路に隣接しない前方角部に対して、より丸くなるように形成されている。これにより、通路から座席へのアクセスがより容易になる。例えば、シートパンの通路側の前方角部は、シートパンの非通路側の前方角部よりも曲率半径が大きくてよい。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、航空機の客室において通路に隣接して配置される航空機の乗客収容ユニットが提供される。このユニットは、航空機の乗客用座席とシェルとを備える。航空機の乗客用座席は、シートパンと、座席の向きの方向を規定する前面と背面とを有する背もたれと、を含み、座席構成とベッド構成との間で変換可能である。シェルは、主シェル部分と、背もたれの背面を少なくとも部分的に取り囲む後部シェル部分と、を含む。ここで、後部シェル部分は、主シェル部分に対して、後部シェル部分が通路と座席の間のアクセス経路を遮断する閉位置、および後部シェル部分が通路と座席との間のアクセス経路を遮断しない開位置、の間で移動可能である。
【0049】
上記の段落で言及されたアクセス経路は、通路と座席との間の多くのアクセス経路のうちの1つであるか、またはより大きなアクセス経路のより小さな一部分であり得る。例えば、アクセス経路がより大きなアクセス通路の一部分であるとき、アクセス通路は、後部シェル部分を開位置に移動することで効果的に拡張され得る。例えば、アクセス経路の幅は7cmであり得るが、後部シェル部分の開位置に移動すると、アクセス通路の幅は41cmから48cmに拡幅される。例えば、後部シェル部分が開位置に移動すると、アクセス経路の幅が5cmであり得るが、アクセス通路の幅は36cmから41cmに拡幅される。
【0050】
重要なのは、閉位置にあるときのアクセス経路が、通路を横切って通路から座席への(乗客の退出のための)アクセスがないように遮断されること、さらに、開位置にあるときは、通路からアクセス経路を横切って座席にアクセスできるように、(乗客の退出のための)アクセス経路は遮断されないことである。
【0051】
後部シェル部分を移動可能とすることにより、背もたれの背面を部分的に取り囲んでいる(または、取り囲んでいた)部品を移動させることが可能となる。したがって、閉位置にあるとき、後部シェル部分は、乗客の頭/顔の近くの視線などを遮断するためのプライバシースクリーンとして提供可能である。開位置では、背もたれの背面に隣接する場所にアクセス経路を設けることが可能である。このことは、シートパンへのアクセスを容易にして、および/または背もたれへのアクセスを容易にして、座席へのアクセスを支援する。
【0052】
座席が面する方向は、一般に、背もたれの前面に垂直であり、通常、背もたれの前面に背を向けて座席に座ったときに、その人が直面する方向である。
【0053】
好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、座席の向きの方向が、通路軸から少なくとも30度、35度、40度、好ましくは少なくとも45度、および、より好ましくは50度の角度をなすように、通路に対して角度を付けることができる。航空機の乗客用座席の各々が当該角度のとき、ベッド構成になり得る。
【0054】
そのような座席は、例えば、ビジネスクラスの座席のために、1列通路の客室に適度な密度で座席を提供可能であるとともに、フルフラットベッドおよびプライバシースクリーンを提供可能である。また、座席に通路から離れる方向に角度を付けることにより、さらなるプライバシーおよび/または窓に面した座席を提供することも有利である。したがって、座席角度を大きくすることにより座席ピッチを小さくすることができ、より高い座席密度を達成可能である。
【0055】
座席は回転自在であり、座席のいくつかは自在回転位置でベッド構成になり得る。ただし、通路に対して30度以上の角度をなすときは、座席がベッド構成になっていることが必須である。これは、上述したように、特許文献1に開示されている配置と対比される。
【0056】
ベッド構成では、実質的に平坦なベッド表面を提供し得る。ベッド表面は、183cmより長く、好ましくは191cmより長く、さらにより好ましくは201cmより長い。
【0057】
ベッド表面は、オットマンによって提供される表面を含み得る。オットマンは足元空間内に配置し得る。足元空間には、棚またはテーブルの表面を提供する上部カバーが備えられてもよい。この棚またはテーブルの表面は、前方のシートユニットに座っている乗客が使用するため、および/または乗客がアクセスするためのものであり得る。
【0058】
好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、1つの航空機の乗客用座席のある点から航空機の乗客用座席の反対側の点までの寸法が、座席ピッチとして定義される、当該座席ピッチは、105cm未満、好ましくは90cm未満である。反対側の点とは、列状に配置された複数の座席の列軸の方向に座席ユニットを横断するものであり得る。
【0059】
座席ピッチは、100cmまたは95cm未満であり得る。
【0060】
好ましくは、航空機の乗客用座席の後部シェル部分は、主シェル部分に枢動可能に取り付けられており、後部シェル部分は閉位置と開位置との間で枢動し得る。
【0061】
したがって、閉位置では、後部シェル部分は背もたれの背面に隣接しており、開位置では、後部シェル部分は、開位置から背もたれの背面から離れる方向に枢動されている。
【0062】
さらにより好ましくは、後部シェル部分の枢動軸が座席配置面に対して直立した方向に延在するように、後部シェル部分が主シェル部分に枢動可能に取り付けられる。換言すれば、枢動軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0063】
枢動軸は、通路からみて背もたれの反対側に配置し得る。後部シェル部分は、閉位置と開位置との間で、20度を超えて概ね30度未満、好ましくは概ね25度の角度まで移動可能である。
【0064】
あるいは、枢動軸は、通路に対して背もたれの同じ側に配置され得る。後部シェル部分は、閉位置と開位置の間で、90度を超える角度で概ね180度まで移動し得る。後部シェル部分は、開位置にあるときに主シェル部分に隣接して対向するパネルであり得る。
【0065】
あるいは、後部シェル部分は、主シェル部分に取り外し可能に取り付けられている。
【0066】
好ましくは、航空機の乗客用座席は、肘掛けをさらに備える。その肘掛けはシートパンおよび/または背もたれに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置では、肘掛けが通路とシートパンとの間を遮断して乗客に肘掛け面を提供する。第2位置では、肘掛けが通路を遮断しない。
【0067】
そのような肘掛けは、例えば、車いすに座る障がいがある乗客が通路から座席へアクセスすることを可能にする。
【0068】
この「肘掛け」アクセス経路は、上記のアクセス経路(「後部シェル部分」アクセス経路)とは」異なるが、重複してもよい。肘掛けアクセス経路および後部シェル部分アクセス経路は、どちらも、同一のより大きなアクセス通路の一部で有り得る。
【0069】
肘掛けアクセス経路は、通路と座席との間の多数のアクセス経路の内の1つに過ぎないか、より大きなアクセス通路の中の小さな一部分で有り得る。例えば、肘掛けアクセス経路がより大きなアクセス通路の中の小さな一部分であるとき、アクセス通路は肘掛けが開位置に移動することで効果的に拡大され得る。例えば、肘掛けアクセス経路が5cm幅であるとき、肘掛けが開位置に移動すると、アクセス通路は33cmから38cmに拡大される。
【0070】
重要なのは、閉位置にあるときのアクセス経路は、通路を横切って通路から座席への(乗客の退出のための)アクセスがないように遮断されること、さらに、開位置にあるときは、通路からアクセス経路を横切って座席にアクセスできるように、(乗客の退出のための)アクセス経路は遮断されないことである。
【0071】
肘掛けを移動可能にすることにより、座席を部分的に遮断している(または遮断していた)部品を、シートパンに隣接して移動させることが可能である。したがって、閉位置にあるとき、肘掛けは乗客に肘掛け表面を提供可能である。開位置では、シートパンに隣接する場所にアクセス経路を設けることが可能である。このことは、シートパンへのアクセスを容易にして、座席へのアクセスを支援する。
【0072】
肘掛けおよび後部シェル部分が閉位置にあるとき、アクセス経路はわずか33cm幅であり得る。肘掛けを開位置にするとアクセス通路が38cmに拡幅され、後部シェル部分を開位置にするとさらに45cmに拡幅される。
【0073】
好ましくは、肘掛けの各々は、シートパンに対して摺動可能である。例えば、肘掛けは、座席に面する方向に実質的に平行に前方および後方に並進し得る。あるいは、肘掛けは、肘掛けが背もたれと実質的に整列する位置に移動するように枢動可能であり得る。
【0074】
好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、座席配置面に対して直立した軸を中心に自在回転できるように回転可能に取り付けられており、座席の向きは客室に対して回転可能である。換言すれば、直立した軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0075】
座席は、20度を超えて、40度、さらには50度まで回転自在である。座席は、座席に面する方向が、通路軸および/または長手方向の客室軸、および/または座席列軸に実質的に平行になるように回転自在である。これはTTLにとって有用で有り得る。さらに、特にシートパンの片側を通路に隣接させて整列可能であれば、通路から座席への容易なアクセスが可能になり得る。
【0076】
より好ましくは、航空機の乗客用座席の各々は、後部シェル部分に取り付けられており、航空機の乗客用座席は主シェル部分に対して枢動可能に取り付けられている。したがって、航空機の乗客用座席は、主シェル部分に対して後部シェル部分と一緒に回転可能である。
【0077】
座席の枢動軸は、座席配置面に対して直立した方向に延在し得る。換言すれば、枢動軸は、座席構成にあるとき、直立した背もたれの方向に少なくとも部分的に、または実質的に延在する。
【0078】
枢動軸は、通路からみて背もたれの反対側に配置し得る。座席は、20度を超えて概ね30度未満、好ましくは概ね25度の角度まで回転可能である。
【0079】
好ましくは、背もたれは、シートパンに枢動可能に取り付けられ、シートパンが客室に対して静止しているときは、シートパンに対して枢動しながら倒してシートパンと実質的に平坦な表面を形成可能である。換言すれば、背もたれは、例えば、シートパンが前方に移動することなく、ベッド構成にリクライニングし得る(実質的に平坦なベッド表面を提供するために)。
【0080】
好ましくは、シートパンは、そのシートパンの通路に隣接する前方角部が、そのシートパンの通路に隣接しない前方角部に対して、より丸くなるように形成されている。これにより、通路から座席へのアクセスがより容易になる。例えば、シートパンの通路側の前方角部は、シートパンの非通路側の前方角部よりも曲率半径が大きくてよい。
【0081】
本発明の第3の態様によれば、上記の航空機の客室または航空機の乗客収容ユニットを含む航空機も提供される。
【0082】
本発明の第4の態様によれば、上記の航空機の乗客収容ユニット、航空機の客室または航空機を組み立てるための部品のキットも提供される。
【0083】
本発明の第5の態様によれば、航空機の乗客用座席とシェルとを備えており、航空機の客室の通路に隣接している航空機の乗客収容ユニットへの乗客アクセスを向上する方法が提供される。この方法は、シェルの後部シェル部分を移動するステップであって、後部シェル部分が通路と座席との間のアクセス経路を遮断する閉位置および後部シェル部分が通路と座席との間のアクセス経路を遮断しない開位置から、移動させるステップを備える。
【0084】
後部シェル部分は、背もたれの背面を少なくとも部分的に取り囲む。後部シェル部分は、このシェルの主シェル部分に対して移動可能である。
【0085】
好ましくは、この方法は、肘掛けがシートパンおよび/または背もたれに対して、第1位置と第2位置との間で移動するステップをさらに備える。第1位置では、肘掛けが通路とシートパンとの間を遮断して乗客に肘掛け面を提供する。第2位置では、肘掛けが通路を遮断しない。
【0086】
好ましくは、この方法は、座席が向く方向が、前記客室に対して回転するように、航空機の乗客用座席を自在回転させるステップをさらに備える。
【0087】
好ましくは、この方法は、シートパンが客室に対して静止しているときに、背もたれをシートパンに対して枢動しながら倒して、シートパンと実質的に平坦な表面を形成するステップをさらに備える。
【0088】
本発明の一態様に関連して説明された特徴は、本発明の他の態様に組み込まれ得ることが当然理解されよう。例えば、本発明の方法は、本発明の装置に関して記載された特徴のいずれかを組み込むことができ、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
本発明の実施形態は、ここで、以下に添付された概略図で参照されることのみを例として説明する。
【0090】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による、航空機の乗客収容ユニットを含む航空機の客室の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の航空機の客室の一部の概略平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態による航空機の客室の一部の概略平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3の実施形態による航空機の客室の一部の概略平面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室で使用され得る航空機の乗客収容ユニットの2つの状態の概略平面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室で使用され得る航空機の乗客収容ユニットの航空機において、乗客用座席が通路軸に対して45度の角度で自在回転された場合の概略平面図である。
【
図7】
図7は、
図6の航空機の乗客収容ユニットにおいて、航空機の乗客用座席が通路軸に対して30度の角度に自在回転された場合の概略平面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室を含む航空機の概略平面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の乗客収容ユニットを含む異なる航空機の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1に、本発明の第1の実施形態による、航空機の乗客収容ユニット200を含む航空機の客室100の平面図を示す。
【0092】
客室100は、その中央の長手方向に客室軸101を有する。客室100は中央に1列の通路102を有し、その通路は客室軸101と同一である通路軸103を規定する。通路102の両側には座席列104がある。第1座席列104a(
図1に通路の上方の列として図示されている)は、航空機の客室の正面に向かって(すなわち、飛行方向に)前方を向いたとき、客室の右側にある。第2座席列104b(
図1に通路の下方の列として図示されている)は、航空機の客室の正面に向かって(すなわち、飛行方向に)前方を向いたとき、客室の左側にある。座席列の各々は、座席列の軸に沿って延在する座席列軸105を規定する。図に明示したのは列軸105bのみである。座席列軸105は、客室軸101および通路軸103に平行である。
【0093】
各々の座席列104には、航空機の乗客収容ユニット200が多数あり、
図1では列毎に6つが示されている。ユニット200は、座席列軸105を形成するように互いに隣接して配置されている。ユニット200のそれぞれは実質的に同一であるので、以下では、その1つのみについて説明する。
【0094】
ユニット200は、座席220およびシェル210を備える。座席220は、通路102から離れる方向である客室100の窓側(図示せず)を向いている。シェル210は、通路軸103に隣接する側で座席220の後方を囲んで延在し、そこから、客室軸101および通路軸103に対して実質的に垂直な方向に延在し、客室の外側(窓)に向かう。
【0095】
ユニット200はまた、座席220の前方のシェル210の内側(座席側)に設けられたコンソール230を備える。このコンソール230は、ユニットの乗客のための収納スペースを提供し、また、乗客が使用する展開可能なテーブル250を収容する。オットマンを含む足元空間240が、シェル210の外側(座席の後方)に取り付けられて提供される。足元空間240は、後方の座席ユニット200を使用する乗客が使用するためのものである。足元空間240の上面には、(前方の)座席ユニットを使用している乗客が使用するテーブルまたは棚を提供する。
【0096】
図1に示されるように、座席220は、座席構成にある。その構成では、背もたれ222をシートパン221に対して枢動しながら倒して、ベッド構成(図示せず)に移動可能である。ベッド構成では、シートパン221がユニット内で足元空間240の近くまで前方に動かされ平坦なベッドが提供される。ベッドの長さ(足元空間240の遠端から背もたれ222のヘッドレスト226の上部まで)は202cmである。
【0097】
ユニット200の各々では、前方のユニットのシェルと関連するユニット200のシェル210との間にあって通路に隣接するアクセス通路260から出入りする。アクセス通路幅は39cmである。
【0098】
図2に、
図1における、航空機の客室の右側の列104aのユニット200のうちの3つの概略平面図を示す。ここでは、ユニット200の詳細が示され、1つのユニットに関して説明される。
【0099】
ここでは、ユニット200の座席ピッチ290が示されている。これは、ユニット200の座席列軸105の方向での寸法であり、客室100の窓に隣接する1つのシェル210の後部から、後方のユニットの対応する点までを測定して示されている。この座席ピッチ寸法は89cmである。
【0100】
各座席220は、シートパン221および背もたれ222を備える。背もたれは、前面223および背面224を有する。前面223は、座席の向き225(前面223に垂直)を規定する。
図2の左端のユニット200について示されているように、ユニットはTTL(タキシング、離陸、および着陸)のときの配置であり、この座席向き225は、通路軸103に対して角度280をなす。角度280は49.5度である。
【0101】
図2の中央ユニット200について符号が付されているように、シートパン221は、一般に、丸みを帯びた2つの前方角部を備えた長方形である。通路102に近接する前方角部221aは、反対側の前方角部221bよりも丸みを帯びている。より丸みを帯びることにより、前方のシェル210の後方側にそれほど長く延在せず、通路102から座席220へのアクセスを支援する。したがって、前方のシェルの後部に対して、ユニットへの通路がより広くなる。
【0102】
シェル210は、主シェル部分211および後部シェル部分212の2つの部分に分割される。後部シェル部分212は、ほぼ直立した枢動軸213を軸として、主シェル部分に対して枢動可能に取り付けられている。枢動軸213は、背もたれ222の、通路102から反対側に配置されている。後部シェル部分212は、背もたれ222の背面224を囲んで延在するコーナーシェルを形成する。コーナーシェルの前半部は、背もたれの通路側ではない側部に沿って通路102まで、そして、座席220の中央の後方まで延在する。コーナーシェルの後半部は、通路102に沿って、背もたれ222の通路側近くの座席220の反対側まで延在する。
【0103】
左右のユニットについては、
図2に示すように、後部シェル部分212はその閉位置にあり、コーナーシェルの前半部は主シェル部分211および通路102に平行に延びるコーナーシェルの後半部と一直線上にある。
【0104】
中央ユニットでは、
図2に示されるように、後部シェル部分212は、枢動軸213において25度の角度で後部シェル部分212が枢動され、その開位置に移動される。したがって、後部シェル部分212は、後方のユニットのアクセス通路260にくい込んでから通路102側へ移動する。重要なのは、後部シェル部分212が移動すると、閉位置では後部シェル部分212によって遮断されていたアクセス経路261が、この開位置では遮断されていないことである。このアクセス経路261の幅は5cmである。したがって、後部シェル部分212を開くことで、特に、障がいのある乗客にとって通路102から座席222へのアクセス(出口)が改善される。現状44cm幅のアクセス通路が利用可能となる。
【0105】
図2の中央ユニット200に見られるように、座席220は、後部シェル部分212に取り付けられているので、後部シェル部分を開位置に移動するときに25度回転する。したがって、中央ユニットの座席220は、通路軸103に対して24.5度の角度にある。
【0106】
図3に、本発明の第2の実施形態による航空機の客室の一部の概略平面図を示す。この客室は
図1および
図2の客室に類似しているため、同様の部品に同じ符号を付した。ここでは、第2の実施形態の態様のうち第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。他のすべての態様は、第1の実施形態と同一である。
【0107】
この実施形態では、シェル210は、異なる位置で2つの部分に分割される。すなわち、後部シェル部分212は、座席向き225が通路軸103に対して49.5度にあるときに、背もたれ222が通路側でシェル210に隣接する領域で、通路102に隣接して配置された直立した枢動軸213で、主シェル部分211に対して枢動可能に取り付けられている。
【0108】
後部シェル部分212は、主シェル部分211上に隣接して横たわるような
図3の中央ユニットに示される開位置まで、主シェル部分211に対して180度後方に枢動可能である。
【0109】
座席220は、後部シェル部分212に取り付けられておらず、代わりに、シートパン221の中心に位置する自在回転軸270に対して回転可能である。
【0110】
座席アクセスの向上が必要なとき、後部シェル部分212は開位置に枢動され、座席220は、座席の向き225が通路軸103に対して平行(前方向き)になるように自在回転軸270を中心に枢動される。これは、通路102から座席220にアクセスするための追加のアクセス経路262を提供する。このアクセス経路262は、幅7cmである。したがって、座席へのアクセス通路は39cmから46cmに増加する。
【0111】
座席220はまた、TTL向けに、前向きの方向に枢動可能である。
【0112】
図4に、本発明の第3の実施形態による航空機の客室の一部の概略平面図を示す。この客室は
図1および
図2の客室に類似しており、同様の部品に同じ符号が使用されている。第3の実施形態では第1の実施形態とは異なる態様のみを説明する。他のすべての態様は、第1の実施形態と同一である。
【0113】
この実施形態では、シェル210は、異なる位置で2つの部分に分割される。さらに、後部シェル部分212は、主シェル部分211から取り外し可能である。座席220は、後部シェル部分212に取り付けられていない。
【0114】
図4の右端のユニット200に斜線で示されているように、後部シェル部分212は、背もたれ222の後方のシェル210に空間を提供するために取り外されている。そして、背もたれ222は、シートパン221に対して枢動されることで、空間をとおって通路102内にまで倒すことが可能である。このように背もたれ222を倒しても、シートパン221はユニット内で前方に移動しない。換言すれば、この動きは、シートパン221が足元空間240の近くまで前方に移動するベッド構成を有する座席220の動きとは異なる。
【0115】
座席アクセスの向上が必要なとき、後部シェル部分212が取り外され、背もたれ22が倒される。これは、通路102から座席220にアクセスするための追加のアクセス経路262を提供する。このアクセス経路262は、幅7cmである。また、主シェル部分211の端部の高さは低いため、シートパン221の高さより上方に設けられたアクセス通路の幅は実際には86cmであることに留意されたい。
【0116】
図5に、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室100、またはそれらの任意の代替物とともに使用され得る航空機の乗客収容ユニット200の2つの状態の概略平面図を示す。
【0117】
図5は、座席の通路側に肘掛け227を備えた座席220を示している。肘掛け227は、形状が三角形であり、座席に面する方向225において前後に並進可能である。この動きは矢印228で示されている。
図5の右側のユニットでは前方に移動し、
図5の左側のユニットでは後方に移動している。肘掛け227を後方に動かすと、前方位置では遮断されていたアクセス経路262が開放される。アクセス経路262は幅3cmであるので、このことにより、アクセス通路260を広げ、通路102からのシートパン221へのアクセスを向上させることが見て取れる。
【0118】
図6に、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室で使用できる航空機の乗客収容ユニット200において、航空機の乗客用座席220が通路軸103に対して45度の角度で自在回転された、概略平面図を示す。ここで、座席の向き225は、通路軸103に対して45度の角度208にある。換言すれば、座席は、自在回転軸270を中心に通路102に向かって4.5度自在回転されている。これは、アクセスを向上させるため、および/またはTTL向けに実施し得る。
【0119】
図7は、
図6の航空機の乗客収容ユニット200の概略平面図を示しており、航空機の乗客用座席220は、通路軸103に対して30度の角度に自在回転されている。ここで、座席向き225は、通路軸103に対して30度の角度208にある。換言すれば、座席は、通路102に向かって(
図6から)自在回転軸270を中心に15度自在回転されている。これは、アクセスを向上させるため、および/またはTTL向けに実施し得る。
【0120】
図8に、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の客室100を含む航空機1000の概略平面図を示す。
【0121】
1列の通路102の両側の2つの座席列104a、104bのそれぞれに8つのユニット200があることが見てとれる。航空機はエアバスA320である。
【0122】
図9に、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の航空機の乗客収容ユニット200を含む、異なる航空機1000の概略平面図である。この航空機1000は
図8の航空機1000と類似点があり、同様の部品に同じ符号が使用されている。部品が異なるときは、´を付加した同じ符号を使用し得る。航空機1000とは異なるこの航空機1000´の側面のみについて説明する。他のすべての側面は同じです。
【0123】
ここで、航空機1000´は、2列通路102a、102bのボーイング777航空機である。客室100´は、4つの座席列104a、104b、104c、104dを有する。第1右側座席列104aは、(航空機の飛行方向を向いているとき)客室の右側壁を向き、座席列軸105aを規定する。第2右側中央座席列104bは、第1通路102aに対して第1右側座席列104aの反対側にあり、航空機の客室軸101´側へ向く位置にあり、座席列軸105bを規定する。第3左側中央座席列104cは、第2右側中央座席列104bに対して客室軸101´の反対側にあり、航空機の客室軸101´に隣接しており、座席列軸105cを規定する。第4左側座席列104dは、客室の左側壁を向いており、第2通路102bの第3左側中央座席列104cとは反対側にあって、座席列軸105dを規定する。
【0124】
ユニット200は、
図8のように、通路102a、102bとは反対側を向いた座席を備える4つの座席列に配列されている。
【0125】
本発明は、特定の実施形態を参照して説明および図示されてきたが、本発明は、本明細書に具体的に図示されていない多くの異なる変形に役立つことが当業者によって理解されるであろう。一例としてのみ、特定の可能な変形例を次に説明する。
【0126】
第3の実施形態では、座席220は、例えば、シートパン221の中心に配置された自在回転軸270に対して回転可能であり得る。
【0127】
任意の適切な寸法(例えば、ベッドの長さ、アクセス経路およびアクセス通路の幅、座席ピッチ)および角度(例えば、通路軸に対する座席の向きの角度、自在回転角度、後部シェル部分の移動角度)を使用し得る。
【0128】
枢動軸の位置(例えば、枢動軸213、自在回転軸270)は、任意の適切な位置にあってもよい。
【0129】
代替として、肘掛けは、移動可能というよりはむしろ、背もたれ222に対して枢動可能として、それにより、背もたれ222と実質的に整列し得る。したがって、通路とシートパン221との間にアクセス経路262を提供し得る。
【0130】
可動ドアは、アクセス通路260を横切って提供し得る、または、し得ない。
【0131】
足元空間240の上面は、(前方ではなく)後方の座席ユニットを使用する乗客が使用し得る。
【0132】
エアバスA330またはボーイング787などの2列通路航空機では、3つの座席列しかないことがある。特に、この配置は、第2右側中央座席列104bまたは第2左側中央座席列104cの1つが取り外され、通路および座席列が客室100´の幅内に等間隔に配置された
図9の配置と等価とすることが好適である。
【0133】
通路軸、客室軸および座席列軸は、平行ではなくてもよい。
【0134】
航空機は、ボーイング737(1列通路)またはボーイング787、エアバスA350、エアバスA330、ボーイング747またはエアバスA380(2列通路)などの任意の適切な航空機であり得る。
【0135】
ここまでの説明において、既知の、明白な、または予見可能な等価物を有する完成品または部品に言及されるとき、そのような等価物は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するための特許請求の範囲を参照されるべきであり、それは、そのような等価物を包含するように解釈されるべきである。読者は、好ましい、有利な、便利ななどとして記載されている本発明の完成品または特徴は任意であり、独立請求項の範囲を限定しないことも理解されたい。さらに、そのような任意の完成品または特徴は、本発明のいくつかの実施形態において可能な利益はあるが、他の実施形態においては望ましくない可能性があり、したがって存在しない可能性があることを理解されたい。
【0136】
本明細書全体を通して、「または」は「および/または」として解釈されるべきであることに留意されたい。
【国際調査報告】