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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】一体型RFIDタグホルダ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/98 20160101AFI20221021BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
A61B90/98
G06K19/077 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511129
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2020073206
(87)【国際公開番号】W WO2021032782
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019122349.0
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローランド-アロイス ヒューゲル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ プフィステル
(57)【要約】
本願は、RFIDタグ(2)、特にガラスタグが設けられた器具本体(10)を有する医療器具に関し、床下タグホルダ(22)は、RFIDタグ(2)が、器具本体表面に形成された開口部(14’)を介して器具の周囲に露出される一方で、器具本体表面を越えて突出するのを好ましくは防止するため、この器具本体表面から器具本体内部の方向に対して退避するような位置に、RFIDタグ(2)を固定して受容するように設けられ、設計されており、RFIDタグ(2)を有する床下タグホルダ(22)の少なくとも一部は、信号透過性アパーチャ開口部(18)を有する別個の金属シールド(16)によって封入され、アパーチャ開口部(18)は、器具の周囲への開口部(14’)を形成する。本願は、さらに、追加の独立請求項による医療処置システムおよび組み立て方法に関する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ(2)、特にガラスタグが設けられた器具本体(10)を有する医療器具であって、床下タグホルダ(22)を特徴とし、前記床下タグホルダ(22)は、前記RFIDタグ(2)が、器具本体表面に形成された開口部(14’)を介して前記器具の周囲に露出される一方で、前記器具本体表面を越えて突出することを好ましくは回避するため、この器具本体表面に対して前記器具本体内部の方向に退避するように、位置固定方式で前記RFIDタグ(2)を受容するように設けられ形成されており、前記RFIDタグ(2)を備える前記床下タグホルダ(22)は、少なくとも部分的に、信号透過性アパーチャ開口部(18)を備える別個の金属シールド(16)によって囲まれており、前記アパーチャ開口部(18)は、前記器具の周囲に向いた前記開口部(14’)を形成する、医療器具。
【請求項2】
前記器具本体(10)は、前記開口部(14’)を介して前記器具の周囲にアクセスできる中空空間(12)を封入するか、または有しており、好ましくはカートリッジ状または円筒状のタグキャリアの形態の前記床下タグホルダ(22)は、好ましくは遊びなしで前記中空空間(12)に挿入されることを特徴とする、請求項1の医療器具。
【請求項3】
前記タグキャリアは、前記RFIDタグ(2)のための受容ポケット(14)を有しており、前記受容ポケット(14)は、好ましくはカートリッジ状または円筒状のタグキャリアの外側、好ましくは外側面に形成されており、前記受容ポケット(14)は、前記タグキャリアの外側に向かって開口しており、前記受容ポケット(14)は、前記タグキャリアが前記中空空間(12)に挿入されたときに、その開口部が前記器具本体(10)における前記開口部(14’)と重なるように、前記タグキャリア上に配置されることを特徴とする、請求項2の医療器具。
【請求項4】
前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記受容ポケット(14)の前記開口部よりも大きく、好ましくは幅が広く、さらに好ましくは長く、前記受容ポケット(14)の前記開口部は、前記受容ポケット(14)内に挿入された前記RFIDタグ(2)よりも小さく、好ましくは幅が狭いことを特徴とする、請求項3の医療器具。
【請求項5】
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記RFIDタグ(2)のコイル径と理想係数との積に対応する幅を有しており、前記理想係数は、1.3~2.2の範囲内にあり、好ましくは1.6~1.9の範囲内にあり、特に好ましくは1.75であることを特徴とする、請求項4の医療器具。
【請求項6】
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記RFIDタグ(2)のフェライトコア(6)の全長または前記RFIDタグ(2)全体の全長の-30%から+50%までの長さ、好ましくは0%から+30%までの長さ、特に好ましくは+15%の長さを有することを特徴とする、請求項4または5の医療器具。
【請求項7】
前記器具本体(10)には、前記RFIDタグ(2)の位置的に固定された直接的または間接的な受信のために、その外側に開口する受容ポケット(14)が形成されることを特徴とする、請求項1の医療器具。
【請求項8】
前記器具本体(10)の前記受容ポケット(14)に挿入されており、前記RFIDタグ(2)を挿入するための前記床下タグホルダ(22)を形成する、レセプタクルアダプタを備えることを特徴とする、請求項7の医療器具。
【請求項9】
信号透過性材料からなるカバーまたはカバー形状装填材(20)を備えており、前記カバーまたはカバー形状装填材(20)は、前記カバー(20)が、挿入された前記RFIDタグ(2)を外側から覆うとともに、前記器具本体(10)における前記開口部(14’)を囲む前記器具本体表面への面一移行部を成すように、前記受容ポケット(14)内に挿入または装填されることを特徴とする、請求項3から8の何れか1項の医療器具。
【請求項10】
前記床下タグホルダ(22)は、金属または信号透過性材料、好ましくはプラスチックを備えており、特に、全体がこの材料で作られることを特徴とする、請求項1から9の何れか1項の医療器具。
【請求項11】
前記金属シールド(16)は、周方向外側面を有するスリーブまたはブッシングとして形成されており、前記外側面に前記アパーチャ開口部(18)が形成されていることを特徴とする、請求項1から10の何れか1項の医療器具。
【請求項12】
前記金属シールドは、細長いワッシャの形態であるか、または環状金属シートの形態であることを特徴とする、請求項1から10の何れか1項の医療器具。
【請求項13】
前記アパーチャ開口部(18)は、細長いか、またはスロット状であり、特に、丸みを帯びた角部を備えており、前記アパーチャ開口部の長手軸を有しており、前記RFIDタグ(2)の長手軸は、前記アパーチャ開口部の前記長手軸と平行に配置され、そこから離間していることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項の医療器具。
【請求項14】
医療処置システムであって、請求項1から13のうちの何れか1項の医療器具と、読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)であって、前記医療器具の前記RFIDタグ(2)に信号技術的に結合することができ、器具ホルダを備えるか、または器具ホルダとして設計されており、前記器具ホルダは、前記医療器具を所定の位置に保持するか、または一時的に固定し、および/または、前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)に向けるように設けられ適合されている、前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)と、を備えており、前記RFIDタグ(2)と前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)との間の信号送信が可能であり、好ましくは、前記RFIDタグ(2)と前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(26)との間の距離が最小である、医療処置システム。
【請求項15】
請求項1から13の何れか1項の医療器具を組み立てるための、特に、医療器具においてRFIDタグと金属シールドを組み立てるための方法であって、
前記RFIDタグ(2)、前記医療器具および前記金属シールド(16)を互いに対して位置決めするステップと、
前記RFIDタグ(2)を前記医療器具の前記床下タグホルダ(22)内に配置するステップであって、特に径方向において配置するステップであり、好ましくは前記径方向においてそれを前記床下タグホルダ(22)内に押圧するステップと、
好ましくは、前記信号透過性アパーチャ開口部(18)と前記RFIDタグ(2)とが周方向において同じ位置になるまで、前記医療器具の軸線の周りに前記金属シールド(16)を回転させるステップと、
前記金属シールド(16)を軸方向において前記医療器具上にスライドさせるステップであって、前記アパーチャ開口部(18)および前記RFIDタグ(2)が長手軸方向に見て互いに径方向上に延在するように配置されるようにし、前記RFIDタグ(2)の位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記RFIDタグ(2)が紛失しないようにするための、前記スライドさせるステップと、
好ましくは、前記金属シールド(16)を固定するステップと、を備える方法。
【請求項16】
特に、前記スライドさせるステップに先立って、
信号透過性カバー(20)を前記金属シールド(18)に対して位置決めするステップと、
前記カバー(20)を径方向内側から前記金属シールド(16)内に軸方向にスライドさせ、前記カバー(20)を前記アパーチャ開口部(18)内に向けて径方向外側にスライドさせることにより、前記カバー(20)を前記信号透過性アパーチャ開口部(18)内に配置するステップであって、前記カバー(20)が前記アパーチャ開口部(18)内へ挿入されるようにし、前記金属シールド(16)上でスライドさせるステップの後に前記カバー(20)の位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記カバー(20)が紛失しないようにするための、前記配置するステップと、をさらに備えることを特徴とする、請求項15の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、RFIDタグを医療器具に装着するための医療デバイスに関し、RFIDタグを受容するように設けられ、適合されるホルダまたはRFIDタグキャリアを含む。さらに、本願は、医療処置システムおよび組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグを有する医療(マーキング)デバイスは、既に知られている。例えば、欧州特許出願公開第3193284A1号は、外科用器具を装備するためのRFIDマーキングエレメントを開示しており、このマーキングエレメントは、その後、このような外科用器具の表面側に後付けで適用することができる。このRFIDマーキングエレメントは、非導電性カバーを有する金属フレームからなり、その内部空間にはRFIDチップが挿入されている。さらに、金属フレームの一方側が、例えば溶接によって外科用エレメントに取り付けられる。
【0003】
また、国際公開第2015/177538号は、RFIDタグアセンブリを開示しており、このRFIDタグアセンブリでは、金属フレームに無線周波数透過カバーが取り付けられており、RFIDチップが、これら2つの構成要素が共同で形成する中空空間内に収容されている。ここで、金属フレームは、外科用エレメントの表面側に後付けされる。
【0004】
このようなRFIDタグは、比較的小さな構成要素であるが、しかしながら従来技術において後付けで適用されるRFIDタグアセンブリやデバイスは、汚染物質のさらなる攻撃対象となる表面を形成し、外科用エレメントを取り扱う場合にも障害となる。追加で付けられるRFIDタグは、間隙および隙間を形成し得、そこでは、細菌などが堆積されるかもしれず、これは、明らかに、医学において非常に不利である。さらに、後付けされるRFIDタグは、人間工学的に形作られた外科用器具の取り扱いを制限する可能性があり、最悪の場合には、外科医の手袋が接触する際に損傷したり、穴または裂け目ができたりする可能性がある角部やエッジを形成する可能性がある。
【0005】
もちろん原則として、RFIDタグ、または場合によっては対応する(マーキング)デバイスを、機器取り扱いに際し可能な限り負の影響が小さいと予想され得るような医療器具上の対応する位置に配置することは、可能である。しかしながら、これは、機器の種類によっては、配置の選択肢を大きく制限し、例えば、データ送信能力などが減少するのもやむを得ない場合がある。
【0006】
従来技術におけるさらなる欠点は、受動RFIDタグが、時には送信範囲が短いために、読み取りデバイスから近い距離に配置されなければならないことである。このため、従来技術では、RFIDチップと読み取りデバイスとの間の距離を可能な限り短く保つために、RFIDタグを外科用器具の外面に後付けすることのみが可能であることが多い。上記の理由のために、この目的のために提供される外面が、器具の取り扱いにわずかな影響しか及ぼさず、なお十分な読み取り品質を可能にする器具の部位に配置されることを確実にするように注意しなければならない。
【0007】
従って、全ての医療器具が、本手順によるRFIDタグを後付けするのに適しているわけではないことが明らかになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本願の目的は、RFIDタグを有する医療デバイス、または場合によっては(任意のタイプの)医療/外科用器具、医療処置システム、ならびに取り付け/組み立てのための方法を提供することであり、これは、RFIDタグのデータ送信特性だけでなく、器具の特性に関しても、適切かつ安全な取り扱いを確実にする。好ましくは、本願のさらなる目的は、それを備えた医療器具の本願によるデバイスの良好な洗浄および/または滅菌を確実にすることである。本願のさらなる目的は、好ましくは、挿入された/付けられたRFIDタグの受信強化を確実にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、請求項1の特徴を有する医療デバイスまたは場合によっては医療/外科用器具によって解決される。
【0010】
本願のコアは本質的に、医療器具を、個別に選択された表面位置(干渉のないデータ伝達に特に適した)に、好ましくは溝/スリット形態の(器具一体型の)受容ポケットまたは凹部の形態、またはその下に位置する器具の中空空間における好ましくはスリット形状の切り欠きの形態のいずれかのホルダで装備されるように形成または提供することからなり、好ましくは溝/スリット形態の受容ポケットまたは凹部を有するタグキャリア/ホルダは、この中空空間に挿入される。
【0011】
対応する器具表面に対する受容ポケットの深さ並びにその(幅、高さ)寸法は、好ましくは、(単一の)RFIDタグを、バッテリレセプタクルのように受容ポケットに挿入/配置することができるように選択され、ここで、RFIDタグは、対応する器具表面の平面上でそのジャケット側で最大でも終端する(面一の状態となる)か、またはこの平面に対して凹んだまま、即ち受容ポケット内で凹んだままである(いわゆる床下配置)。このようにして、器具の表面構造(器具表面上にRFIDタグの突起/突出がない)は、本質的に影響を受けないままであり、それにもかかわらず、データ伝達特性は(最大に)保たれる。
【0012】
好ましい実施形態では、このように、医療デバイスは、医療器具の本体と一体化された、または(追加的に)挿入可能なホルダを備え、このホルダは、医療器具の表面にある上述した受容ポケットの開口部であるか、受容ポケットの開口部を形成し、この開口部は少なくとも1つの(単一の)RFIDタグを受容するように設けられ、適合される。
【0013】
換言すれば、医療デバイスは、医療器具に一体化された、または(追加的に)医療器具内に挿入される少なくとも1つのRFIDタグのためのホルダを有する。これは、本願によるホルダは、続いて取り付けられるRFIDタグによって医療器具の通常の(外側の)形状に影響を及ぼさないが、RFIDタグのホルダは、医療器具と一体化されているか、またはその外側表面の下に配置されていることを意味する。さらに換言すると、ホルダは、医療器具のハウジング/形状/構造/本体(以下単に「本体」とする)に一体化/内蔵/形成/形作られているか(以下単に「一体化」とする)、場合によっては医療器具の本体に一体化/挿入されている。ホルダは、医療器具と共に、医療器具自体の本体内にある材料の1ピース/単一部品として、すなわち、凹部/キャビティ/溝/くぼみ/中空空間/ポケット(以下、単に受容ポケットと呼ぶ)として一体化されてもよく(この場合、器具本体内に形成された受容ポケットならびに器具本体の表面上に形成された(タグ挿入)開口部は、タグ形状に実質的に適合される)、または、ホルダは、医療器具の本体内(例えば、医療器具内の中空空間内)の個々/別個の構成要素(タグキャリア)として一体化/挿入されてもよい(この場合、器具本体の表面上に形成された(信号通路)開口部の形状は、本質的にユニバーサルであってもよく、なぜなら、別個のホルダは、タグが既に装備されており、ホルダは、医療器具の中空空間内に(場合によっては別のアクセス経路を介して)挿入されているからである)。
【0014】
換言すれば、医療器具、または場合によっては器具本体または器具自体の一部には、ホルダとしてタグ受容ポケットが設けられてもよく、または、受容ポケットがその中に形成された別個のタグキャリアがホルダとして設けられてもよく、これは、医療器具内の(場合によっては既に存在する)中空空間に挿入されている/挿入される予定であり、ここで、この場合の医療器具は、この中空空間へ開口部/切り欠きを有し、この領域に、ホルダが挿入されるとRFIDタグが収まる。
【0015】
RFIDタグを備えた床下タグホルダは、少なくとも部分的に、特に、信号透過性のアパーチャ開口部を備えた別個の金属シールドによって囲まれており、ここで、アパーチャ開口部は、特に径方向外側の開口部であって、器具の周囲に向いた開口部を形成する。これにより、データ送信品質が向上し、有効な送信距離が増大する。
【0016】
RFIDタグは、好ましくは、RFIDタグが開口部の下に配置され、その上に突出しないように、常に床下方式で設置される(すなわち、器具表面に対して退避している)。
【0017】
好ましくは、医療器具は、外科用器具、単極HF器具、双極HF器具、超音波器具、電気外科用または純粋に機械的な器具、外科用クランプ、外科用鉗子、容器、外科用ハサミ、メスなどである。特に好ましくは、医療器具は、一体化されたモータを有するハンドピース、および/またはハンドピースとの係合によって結合可能なツールである。
【0018】
さらに好ましくは、RFIDタグは、特定の物体(この場合、医療器具)に関連する情報を格納するためのRFIDトランスポンダである。このいわゆる「識別子」は、それぞれのプロセスの要件に従って個別化することができる。
好ましくは、RFIDタグは、
好ましくは直径数ミリメートルのサイズの少なくとも1つのマイクロチップと、
好ましくはコイル状の少なくとも1つのアンテナと、
少なくとも1つのキャリアまたはハウジングであって、ハウジングは、好ましくは防水および/または気密であり、好ましくはトランスポンダ電子機器を周囲環境から保護するものである、少なくとも1つのキャリアまたはハウジングと、
活性RFIDタグの場合、追加的に少なくとも1つのエネルギー源、好ましくは電池/蓄電池またはコンデンサと、から成る。
【0019】
受動トランスポンダの場合、エネルギー供給はアンテナを介して外部から提供される。好ましくは、本願のRFIDタグは、受動的RFIDタグである。好ましくは、RFIDタグは、コイルが巻かれた(棒状の)フェライトコアをさらに備える。好ましくは、RFIDタグは、NFCタグ、または場合によってはNFCチップ(近距離無線通信)の形態であってもよい。
【0020】
RFIDタグは、以下の情報、特に暗号化された情報の少なくとも1つを記憶するために提供され、適合され、または場合によっては、以下の記憶データ、
一般的な条件と、
寿命/寿命末期と、
メンテナンス間隔と、
性能およびその後の操作に対する適性と、
該当する場合、製品メンテナンス不足および製品損傷と、
該当する場合、温度オーバーシュートおよびアンダーシュートおよび製品の損傷と、
製品番号と、
シリアル番号と、
顧客番号と、によって特徴づけられる。
【0021】
好ましくは、本医療デバイスでは、少なくとも1つのRFIDタグがホルダに挿入されるか、または場合によっては受容ポケットに挿入され、さらに好ましくは、RFIDタグは、丸みを帯びた端部を備える円筒形状を有する。換言すれば、医療デバイスにおいて、好ましくは、RFIDタグは、既に収容/設置/挿入されている。RFIDタグの形状は、さらに、ピル形態であることが好ましい。
【0022】
さらに好ましくは、医療器具内またはタグキャリア内の受容ポケットは、好ましくは円筒形/ピル型RFIDタグが「横たわる」状態、すなわち(平坦な)バッテリレセプタクルの態様で、受容するように適合された細長いスリットまたは溝の形状を有する。
【0023】
好ましくは、RFIDタグは、無線周波数に対して透過性であり、さらに好ましくは防水性および/または気密性のある材料で作られた外面/ハウジングを有する。換言すれば、RFIDタグのハウジングは、無線周波数透過性/信号透過性材料、例えば、ガラス、セラミック、プラスチック、熱可塑性、デュロプラスト、通常のプラスチック、および/またはシリコン、特に好ましくは非金属材料から作製され、コイルと一緒になったフェライトコアおよびそれに巻き付けられたチップは、それに封入される。
【0024】
原則として、医療器具およびRFIDタグまたは場合によっては本体の幾何学的形状および材料、ならびに対応する器具表面に対する受容ポケットの向きは、自由に選択可能である。しかしながら、好ましくは、RFIDタグが医療器具の本体の外面に平行に(すなわち「横たわって」)その長手方向に向くように、受容ポケットは、RFIDタグ、特にRFIDタグのコイルに平行である。受容ポケットは、任意に、外部に対して開放している/開いているままであってもよく、または信号透過性材料で埋められ/閉じられてもよい。換言すれば、医療器具に形成された受容ポケット、または場合によっては受容ポケットへの開口部は、信号透過性材料で作られたカバーを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。最後に、RFIDタグは、RFIDタグが受容ポケットに挿入されると、このポケット、または場合によってはその開口部が、RFIDタグ自体によって外部に対して密封(水密/気密)されるように、シーリングキャップの方法で既に形成されていてもよい。
【0025】
RFIDタグまたはカバーは、医療器具の(外側)表面と、平坦/水平/終端/同一平面となってもよい。カバーは、上述したように、好ましくは、無線周波透過性の材料で作られ、さらに好ましくは、医療器具の外面に、水密におよび/または気密に受容ポケット/ホルダを密封する。さらに、別個のタグキャリアの場合、器具の中空空間を外部に接続する器具内の開口部/切り抜き部、および場合によっては関連するカバーは、もちろん、任意の幾何学的形状を有してよい、なぜなら、追加の別個のホルダ/タグキャリアは、器具の中空空間に、見たところアダプタとして挿入され、RFIDタグに適合した受容ポケットが、タグキャリア内に形成されている(すなわち、医療器具自体に受容ポケットが形成されていない)からである。この場合、開口部は、もはやRFIDタグを受信ポケットに挿入する役割を果たさず(器具一体型受容ポケットと必然的に同様に)、単に無線周波数信号の入出力(通路)として機能する。
【0026】
信号透過性コアおよび/またはソケットがRFIDタグ(例えば、熱可塑性、デュロプラスト、通常のプラスチック、シリコンなど)のタグキャリア/ホルダとして選択される場合、読み取りおよび書き込み距離は、キャリアを少なくとも部分的に取り囲む金属シールド/リフレクタによって最適化され、この金属シールド/リフレクタは、別個のタグキャリア内の受容ポケットの領域に幾何学的に規定された開口部を用いて、RFIDタグを読み取り/書き込みデバイス(以下、単に、読み取りデバイスと呼ぶ)から遠ざける。換言すれば、一実施形態では、ホルダ/タグキャリアは、医療器具に配置されるか、または器具の中空空間に挿入されている/される予定の信号透過性コア(例えば、プラスチック)として形成されてもよい。ホルダ(タグキャリア内の受容ポケット)は、少なくとも1つのRFIDタグを受容するように設けられ、適合される。
【0027】
さらに好ましくは、ホルダの開口部、すなわち、器具本体に一体的に形成されている受容ポケットの開口部、または無線信号の通路となる、別個のホルダ/タグキャリアの場合は器具に形成された開口部/スリット/切り抜き部は、コイル径と理想係数との積に対応する(スリット)幅を有し、ここで理想係数は1.3~2.2の範囲内にあり、より好ましくは1.6~1.9の範囲内にあり、特に好ましくは1.75である。換言すれば、RFIDタグに平行な医療器具上の開口部は、RFIDタグのコイル径および/またはRFIDタグ自体のコイル径よりも大きい幅を有する。
【0028】
さらに好ましくは、器具本体一体型受容ポケットの場合のホルダの開口部、または、無線信号の通路となる別個のホルダ/タグキャリアの場合の器具に形成された開口部/スリット/切り抜きは、フェライトコアの全長の-30%から+50%までの長さ、さらに好ましくはフェライトコアの全長の0%から+30%までの長さ、特に好ましくはフェライトコアの全長の+15%の長さを有する。換言すれば、RFIDタグと平行である医療器具上の開口部は、好ましくはフェライトコアおよび/またはRFIDタグの長さよりも長い長さを有する。
【0029】
さらに、RFIDタグは、好ましくは12~15MHzの範囲内、有利には13~14MHzの範囲内、さらに好ましくは13.4~13.7MHzの範囲内、特に好ましくは13.56MHzの周波数帯域を使用する。
【0030】
さらに好ましくは、本願は、上記特徴を有する医療デバイスと、この医療デバイスに結合可能な読み取りデバイスとからなるシステムに関する。換言すれば、医療デバイスは、RFIDタグに近接させることができる読み取りデバイスによって、すなわち1センチメートルよりも小さい距離で読み出されてもよい。接続、例えば、空気供給/電力供給および/またはデータ交換のための接続を有する医療デバイスの場合、この読み取りデバイスは、接続相手のための結合可能なプラグ/ソケット内で医療デバイスに取り付けられてもよい。
【0031】
さらに、本願は、本願による医療器具を取り付ける/組み立てるための方法に関する。取り付け方法に関する本願の課題は、独立請求項15の特徴による発明にしたがって解決される。まず、RFIDタグ、医療器具および金属シールドを互いに対して位置決めする工程が実行される。特に、医療器具の終端結合部、または場合によっては器具本体は、長手軸/軸方向軸を有し、その延在部分に金属シールドが、好ましくは同軸上に配置される。この後、RFIDタグは、特に、それを径方向において配置し、好ましくは、それを径方向において床下タグホルダ内に押圧することで、それのために設けられた医療器具の床下タグホルダ内に配置される。さらに、医療器具の長手軸/軸方向軸の周りに金属シールドを回転させる工程は、好ましくは、信号透過性アパーチャ開口部とRFIDタグとが周方向において同じ位置になるまで実行されてもよい。このとき、長手軸方向に見て、アパーチャ開口部およびRFIDタグは、周方向において、または場合によっては径方向延在部において互いに同じ角度である。最後に、金属シールドを軸方向(器具本体の、RFIDタグを受容する部分の長手軸方向)において医療器具上にスライドさせて、アパーチャ開口部およびRFIDタグが互いに径方向上に延在するようにし、特に、互いに対して同軸の位置に配置されるようにし、金属シールドによってRFIDタグの位置が医療器具内に固定されるようにしてRFIDタグが紛失しないようにする。好ましくは、この方法は、金属シールドを医療器具に、または場合によっては器具本体に固定する工程を備えてもよい。
【0032】
好ましい実施形態によれば、本方法は、特に、スライドさせる工程に先立って、信号透過性カバーを金属シールドに対して位置決めする工程と、カバーを径方向内側から金属シールド内に軸方向にスライドさせ、カバーをアパーチャ開口部内に向けて径方向外側にスライドさせることにより、カバーを信号透過性アパーチャ開口部内に配置する工程であって、カバーがアパーチャ開口部内へ挿入されるようにし、金属シールド上でスライドさせる工程の後にカバーの位置が医療器具内に固定されるようにしてカバーが紛失しないようにするための、配置する工程と、をさらに備えてもよい。アパーチャ開口部に対するアンダーカットを有するカバーの協調的な幾何学的形状によって、カバーは、径方向の外側に、または長手軸に垂直に変位することができず、紛失に対して安全に保持される、なぜなら、スライドさせる工程の後、RFIDタグは径方向内側にとどまり、軸方向においてカバーは、アパーチャ開口部のエッジに当接するからである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本願は、好ましい構成例に基づいて、添付の図を参照して、以下により詳細に説明される。
【0034】
図1】本願により使用可能なRFIDタグを示す図である。
図2】本願により使用可能なRFIDタグを示す別の図である。
図3】医療器具の本体内に一体化されたRFIDタグを有する医療器具の一例を示す図である。
図4】医療器具の本体内に一体化されたRFIDタグを有する医療器具の一例を示す別の図である。
図5】本体および外側ハウジングに一体化されたRFIDタグを有する医療器具の例を示す別の図である。
図6】本体および外側ハウジングに一体化されたRFIDタグを有する医療器具の一例を示す別の図である。
図7】医療器具の本体内に一体化されたRFIDタグとカバーとを有する医療器具の一例を示す図である。
図8】医療機器の本体内に一体化されたRFIDタグとカバーとを有する医療器具の一例を示す図である。
図9】医療器具の本体に一体化されたホルダを備えた医療器具の一例を示す図である。
図10】ホルダに一体化されたRFIDタグを有する図9のホルダの図である。
図11】ホルダ上にカバーを有する図9のホルダ内のRFIDタグの図である。
図12】医療器具の本体に一体化されたRFIDタグを有する医療機器の一例を示す別の図である。
図13】医療器具の本体に一体化されたバネ力を受けるRFIDタグを有する医療器具の例を示す別の図である。
図14】医療器具の本体に一体化されたRFIDタグを有する医療器具の一例を示す別の斜視図である。
図15図14の医療器具の側面図である。
図16】接続が外れた状態で示される、医療器具とそれに結合可能な結合部とからなるシステムの例を示す図である。
図17】接続された状態で示される、医療器具とそれに結合可能な結合部とからなるシステムの例を示す図である。
図18】医療器具および読み取りデバイスからなるシステムの一例を示す図である。
図19図18の詳細な図である。
図20】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図21】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図22】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図23】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図24】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図25】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図26】RFIDタグホルダを有する医療器具の一例を示す図である。
図27】別の好ましい実施形態による医療器具の部分斜視図であって、好ましい実施形態を実装するための方法に従った上記医療器具の段階的な組み立てを示す図である。
図28】別の好ましい実施形態による医療器具の部分斜視図であって、好ましい実施形態を取り付けるための方法に従った上記医療器具の段階的な組み立てを示す図である。
図29】別の好ましい実施形態による医療器具の部分斜視図であって、好ましい実施形態を実装するための方法に従った上記医療器具の段階的な組み立てを示す図である。
図30】別の好ましい実施形態による医療器具の部分斜視図であって、好ましい実施形態を実装するための方法に従った上記医療器具の段階的な組み立てを示す図である。
図31】別の好ましい実施形態による医療器具の部分斜視図であって、好ましい実施形態を実装するための方法に従った上記医療器具の段階的な組み立てを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(好ましい構成例の詳細な説明)
【0036】
本開示の構成例は、添付の図に基づいて以下に記載される。
【0037】
図1は、本願に従って使用可能なRFIDタグ2を示す図である。ここでは、RFIDタグ2の様々なサイズ、特にいわゆるガラスRFIDタグが、市販のマッチ棒の横に示されている。従って、RFIDタグ2は、丸みを帯びた端部を有する円筒形状を有し、ロッドまたはピル形状に似ている。このようなRFIDタグは、本質的に従来技術に属し、したがって、さらなる説明を必要としない。それにもかかわらず、図2は、閉じた/封入状態で本願に従って使用可能なRFIDタグ2(図2、上部)およびRFIDタグの(ガラス)ハウジング内に位置する構成要素(図2、下部)の少なくとも基本的な例示のための別の図を示す。従って、コイル4が設けられ、これは、棒状フェライトコア6を中心に巻き付けられ、RFIDチップ8と接触している。RFIDチップ8は、ここではフェライトコア6の軸方向のおける端部に配置される。フェライトコア6と、それを部分的に取り囲むコイル4と、端部に軸方向に配置されたRFIDチップ8とからなるこの構造は、例えば、RFIDタグ2のハウジングを形成するガラス材料などの電波透過性材料で包まれている。
【0038】
図3は、図3に更に示されない医療器具のための本願による医療デバイスの第1の例を説明するための図であり、それは、別個の構成要素または場合によってはタグキャリア22として形成されるホルダを有し、このホルダは医療器具における(既に存在する)中空空間12への挿入のために設けられ、適応される場合には、その別個のホルダ/タグキャリア22にRFIDタグ2用の(単一の)スリット形状/溝形状の受容ポケット14が形成されるように適合される。本実施例におけるカートリッジ形状の別個のホルダ/タグキャリア22は、この場合、(円筒状)金属ブロックからなり、その外側面において、細長い溝/受容ポケット14が金属ブロックの長手軸に平行に導入され、その中にRFIDタグ2が軸方向に挿入/スライドして入れられる。細長い受容ポケット/溝14は、RFIDタグ2を受容するように提供され、適合され、従って、RFIDタグ2の形状に対応する形状を有する。受容ポケット14は、金属ブロックの外面を貫通し、このように細長いスリットを形成するように設計される。スリットまたは場合によっては溝開口は、受容ポケット14自体よりも幅が狭いので、受容ポケット14に挿入されたRFIDタグ2は、スリット状の開口から脱落することはなく、または場合によっては押し出されることもない。従って、細長い受容ポケット/溝14の少なくとも1つの軸方向端部は、金属ブロックの前側で開口しているので、RFIDタグ2を受容ポケット/溝14に軸方向に挿入することができる。したがって、RFIDタグ2は、スリット/溝の開口部を通して、金属ブロックのジャケット側外面に沿って外側から見ることができる。
【0039】
図4は、それによって形成された医療器具(図4には示されていない)の本体内、または場合によっては中空空間12内に挿入可能な別個のタグキャリア22を有する医療器具または場合によっては医療デバイスの第2の例を示すさらなる図であり、ここでタグキャリア22にはまた、前述の構成例によるRFIDタグ2のための溝形状の受容ポケット14が形成されている。しかしながら、先の構成例とは対照的に、この場合のタグキャリア22は、非金属製、または場合によっては信号透過性、好ましくはプラスチック製のブロックからなり、その中に、細長い溝形状の受容ポケット14が、プラスチック製ブロックの長手軸に平行に挿入され、その中に、RFIDタグ2が軸方向に挿入される。したがって、図4による実施形態(構成)は、タグキャリア22の材料を除いて、図3と同様である。タグキャリア22の材料が信号透過性であることにより、RFIDタグ2のより良好な受信性が達成される。
【0040】
図5は、医療器具(図5および図6にさらに図示せず)の本体(または、場合によってはその中空空間12)内に挿入可能な別個のタグキャリア22を有する医療器具または場合によっては医療デバイスの第3例を示すさらなる図であり、ここでタグキャリア22には、上述した第2の構成例によるRFIDタグ2のための溝状の受容ポケット14が形成されている。この場合、タグキャリア22は、図4による直前に説明した第2の構成例と同等の、金属材料で作られた追加の外側ハウジングまたは外側スリーブ16を有する、円筒状の非金属の、好ましくはプラスチックブロックからなる。外側ハウジング16は、スリット状の外側ハウジング開口部18を有し、これは、プラスチックブロック内の受容ポケット14と平行にまたは場合によっては重複/被覆し、したがって、受容ポケット14に配置されたRFIDタグ2と平行に延びる。しかしながら、この第3の例では、外側ハウジング開口部18の長さはRFIDタグ2よりも長く、外側ハウジング開口部18の幅は、(ちょうど)受容ポケット14のスリット状開口部の幅に対応する。したがって、上述したように、RFIDタグ2がタグキャリア(別個のホルダ)22から、または場合によってはその中に形成された受容ポケット14から脱落するのを防止するために、受容ポケット14のスリット形状の開口部、したがって外側ハウジング開口部18の幅は、RFIDタグ2の直径よりも小さい。しかしながら、受容ポケット14に比べて外側ハウジング開口部18の長さが長いため、図3に係る第1の構成例に比べて受信性が向上する。金属製の外側スリーブ16は、RFIDタグ2の読み取りデバイス(図5および図6には図示されていない)の方向における送受信特性(指向性)を更に向上させるためのリフレクタまたは金属シールドとしても機能する。
【0041】
図6は、医療器具の本体または場合によっては中空空間12に挿入可能であり、直上に記載された第3の構成例によるRFIDタグ2のための溝状の受容ポケット14が形成され、その結果、金属製の外側スリーブまたは外側ハウジング16を備える、別個のタグキャリアを有する医療器具または場合によっては医療デバイスの第4の例を示す別の図である。したがって、構造は、図6によるスリット形状の外側ハウジング開口18の幅が、プラスチックブロック内の受容ポケット14の開口部の幅、および/またはRFIDタグ2自体の幅よりも大きいことを除いて、図5による第3の実施形態と同様である。タグキャリア22の材料は信号透過性(例えば、プラスチック材料)であり、外側ハウジング開口部18は、タグキャリア22内のスリット幅よりも広いので、RFIDタグ2の更に良好な受信性が達成され、指向性は、依然として、リフレクタとして作用する金属製の外側スリーブ16によって維持される。
【0042】
図7は、医療器具/ハンドピースの本体10内に一体化されたRFIDタグ(図示せず)と、RFIDタグ上の(選択的に)カバー20とを備えた、この場合、(モータ装備/装着可能)ハンドピースである、器具の中空空間12を有する医療器具の第5の例を示す図である。カバー20は、医療器具/ハンドピースまたは場合によってはその本体10の外面上に形成された開口部14’内に、本体10の外面と面一の状態で好ましくは挿入される。
【0043】
このようなハンドピースは、従来技術から十分に知られており、したがって、詳細な説明を必要としない。しかしながら、原則として、図7によるハンドピースは、好ましくは円筒状/スリーブ状の把持部を有し、その遠位端にはツール結合部が配置され、その近位端にはモータ結合部が配置されている。これらの常に同一に設計されたハンドピースの接続/結合部分、および特にモータの近位結合領域において、RFIDタグは、一体化されるか、または場合によっては挿入することができる。好ましくは、第1~第4の構成例のうちの1つによる別個のRFIDタグキャリア22が、この目的のために使用されるが、これは、しかしながら、さらに好ましくは、上記の説明による取り囲む金属シールドを有するプラスチックコアである。すでに説明したように、プラスチックコアは、RFIDタグが挿入され、スリット状の開口部を有する溝形状の受容ポケット14を組み込んでいる。
【0044】
ハンドピースは、また、その近位結合部分に、長手方向のスリット14’を備えて形成され、スリット14’は、近位結合部分によって形成される器具の中空空間12を、周囲とつなぎ、中空空間12(図3図6参照)に既に挿入されているRFIDタグキャリア内のスリット状の開口部と重なり、これにより、RFIDタグを外側に露出させる。ハンドピース内に、または場合によってはその近位結合部分内に、および任意選択的に、挿入されたタグキャリア10内にその下に位置する受容ポケット14内に形成された長手方向スリット14’は、好ましくは、実質的に平滑/平坦な表面が長手方向スリット14’の領域でハンドピースの外側に生じるような方法で、プラスチック部品/カバー20によって閉じられる。
【0045】
図8は、医療器具の第5の例の全体図の別の図であり、より具体的には、図8には示されていない接続可能なモータを備えた図7によるハンドピースの図であり、ここで、図8からはハンドピース上/内のRFIDタグの配置は、より明確に視認できる。従って、RFIDタグは、ハンドピース内に、または、場合によっては、その中空空間12内に、ハンドピースのハンドル部分、詳細にはハンドピースのその軸方向部分、または、場合によっては、下記に詳細に記載するように、モータハウジング内に結合する方式で挿入される本体10の軸方向部分、の近位に位置するように配置される。
【0046】
図9は、医療器具の本体10に一体化されたタグキャリア/ホルダ22を有する医療器具の第6の例を示す図である。タグキャリア22は、それ自体別個の構成要素であり、本体10の好ましくはスリット状の開口部14’にアダプタの態様で設置/挿入される。すなわち、図9に記載の医療器具は、図8に記載のものに相当し、この場合、前述のタグキャリア/ホルダ22の形態の受容ポケットが、医療器具の本体に組み込まれるか、または場合によっては、本体自体のスリットに挿入され、このとき挿入された別個の受容ポケットが、器具の外面で開口している。器具一体型または場合によっては本体一体型スリット/開口部14’は、そこに配置されるタグに個別に適合されていない(大きすぎる)。このため、追加のタグキャリア22が受容ポケットとしてスリット/開口部14’に挿入され、ここでタグキャリア22は、実質的にタグに適合したレセプタクルを形成する。
【0047】
従って、ホルダ/タグキャリア22は、器具本体内の(ユニバーサル寸法の)スリット14’とホルダ/タグキャリア22内の(個別に形成された)レセプタクルとの間のアダプタまたは中間片の様式で、RFIDタグ(図示せず)を受容するように備えられ、適合されている。本ケースでは、ホルダ/タグキャリア22は、本体10の外面より下側に位置する、すなわち、外面に対して退避している。ホルダ22内のレセプタクルによって形成される挿入部/開口部の形状は、RFIDタグの形状に対応しており、これは、ホルダ/タグキャリア22の挿入部/開口部に簡単に挿入することができ、場合によっては、器具本体に形成されたスリット14’の形状とは無関係に、そこに保持することができる。
【0048】
図10は、ホルダ22内に一体化/挿入されたRFIDタグ2を有する、図9の医療器具12の本体10内のホルダ22の図である。この図10から分かるように、別個の部品として形成され、器具本体10内のスリット14’内に挿入されるホルダ/タグキャリア22内のレセプタクルは、RFIDタグが器具本体10の外面の裏側に位置するように寸法決めされていた。これは、カバー材が装填され得るレセプタクルの領域を残すという点で、この構成例では必要なものであり、そしてそれは、一方では平坦な器具表面を確保し、他方では、RFIDタグ2をレセプタクル内に保持するものである。
【0049】
図11は、RFIDタグがホルダ22内に一体化/挿入された、図10の医療器具の本体10内のホルダ22(図11には示されていない)上/内のこのカバー20の図である。カバー22は、本体10の外面と平坦である。
【0050】
図12は、医療器具の本体10内に一体化/挿入されたRFIDタグ2を有する医療器具の一例を示す別の図である。この例では、ホルダ22は、図3から図6に示す例の1つによるタグキャリアの形態であり、器具の中空空間12、特に図8に示すようなハンドピースの近位結合部分に挿入される。従って、中空空間12を周囲に接続するスリット14’が器具本体10内に形成される。さらに、ハウジングまたは場合によっては、ハンドピースの結合部分に取り付けられたモータの結合部分10’が、図12に示される。
【0051】
カバー20がホルダ22に付けられるか、または場合によってはスリット14’に挿入される。カバー20の表面は、本体10の外面と面一/平面であり、これにより、カバー20は本体10の外面と共に、平面/水平面、または場合によってはギャップのない/段差のない表面を形成する。図12によるホルダ22、または場合によってはタグキャリアは弾性特性も有し、これは、器具の中空空間12内にホルダ22が設置されている状態においてRFIDタグにバネ力が作用し、それをカバー20に対して径方向外側に押圧し、自体とカバー20との間にそれをクランプするという効果を有する。
【0052】
図13は、(カートリッジ状の)ホルダ22を介して医療器具の本体10に挿入され、上述のバネ力を受けるRFIDタグ2を有する、図12による例を示すための図である。構造は図12の表現に類似しているが、ホルダ22は、カバー20をスリット14’内に付けるか、または場合によっては押圧することによって、バネ力FがRFIDタグ2をカバー20に押し付けて、自由な移動を阻害し、したがって機械的損傷を防止するように変形される。バネ力はタグキャリア22の弾性特性によって必ずしも発生する必要はないが、別個のバネ、例えばガスクッション等もタグキャリア22内のスリット形状の受容ポケット14内に配置することができることを明示的に記載しておく。また、タグのハウジングを弾性材料から製造することも可能である。
【0053】
図14は、医療器具の本体10、または場合によっては図3から図6に係る実施例の1つによるその中空空間12に挿入された(カートリッジ形状の)、タグキャリア(ホルダ)22を有する医療器具の一例を示すためのさらなる斜視図で、部分的に分解された図であり、ここでは受容ポケット14にRFIDタグ2がすでに挿入されている。本体10の外面には、スリット形状の開口部14’があり、この開口部は、ホルダ/タグキャリア22内のRFIDタグ2の上方に位置し、受容ポケット14よりも幅および長さにおいてその寸法に関して大きい。器具本体10内の開口部14’のみが、この実施形態で提供され、カバー(図示せず)を受容するように適合されている。すなわち、開口部14’は、器具の中空空間12内に挿入されたホルダ/タグキャリア22とともにオフセット/階段状の凹部を形成し、それにより、挿入されたホルダ22内の受容ポケット14内に開口部14’を介してRFIDタグ2を挿入するとともに、その後に器具本体10内の開口部14’内にカバーを挿入することができる。換言すれば、RFIDタグ2は、器具の中空空間12に挿入された後、ホルダ/タグキャリア22内の開口/受容ポケット14に挿入することもでき、RFIDタグ2のホルダ22、または場合によっては形成された受容ポケット14は、追加の保持用のデバイスを必要とせずにRFIDタグ2の安全な保持を確実にする。ホルダ22の、または場合によってはこの場合はタグキャリア22のベース材料は、理想的には、図4に示すように、信号透過性材料からなる。この実施形態では、RFIDタグ2は、中空空間12を形成する本体10の内径に対して床下配置されている。
【0054】
図15は、図14の医療器具の断面図であり、図14による、医療器具の本体10に一体化された、または場合によっては器具の中空空間12に挿入されたRFIDタグ2を有する医療器具の例をさらに示す。これから分かるように、タグキャリア(ホルダ)22内に形成された受容ポケット14は、挿入されたRFIDタグ2よりも僅かに狭い開口スリットを以て長手方向の溝を形成し、一方で、器具本体10内のスリット14’は、受容ポケット14およびその中に位置するRFIDタグ2よりも著しく広い。この実施形態は、器具のスリット14’を通してRFIDタグ2を受容ポケット14に押し込むことを可能にし(ポケット開口部14をわずかに広げながら)、ここで、RFIDタグは、続いて、開口断面部で受容ポケット14内に保持される。
【0055】
図16および図17は、図8に既に示されているような医療器具と、それと離れた(図16に示されているような)状態および結合した(図17に示されているような)状態で連結可能なモータ26とからなるシステム24の一例を示す図である。あるいは、連結可能なモータ26の代わりに、連結コネクタまたは連結接続エレメントが設けられてもよく、それを介して駆動力が作動可能に連結され、医療器具に導入されてもよい。モータ26、または場合によってはその結合部分は、医療器具の一部、すなわち、図7図11によるその近位結合部分を受容するように設けられ、適合されている。モータ26は、その結合部分の領域に、好ましくはその内側に、図示しない読み取りデバイスを有しており、この読み取りデバイスは、図17による結合状態において、読み取りデバイスとRFIDタグ(図示せず)とが、互いに対向している/平行な状態で、径方向においてすぐ近傍に位置するように配置されている。あるいは、読み取りデバイスがモータ26に一体化されていなくてもよく、この場合、RFIDタグは、差し込み処理前の時間に関してのみ読み取り可能となる。器具を扱っている間、(モータ)結合部26はモータのコネクタ/本体/医療器具の一部に押し付けられており、RFIDタグ2は、読み取られないようにシールドされると同時に、機械的に保護される。
【0056】
図18および図19は、それぞれ、(電動)ハンドピースとして構成された器具本体10と、器具ホルダとして構成された読み取りデバイス28とを有する医療器具からなる例示的な器具システムの図を示す。RFIDタグが配置されている医療器具上の位置は、読み取りデバイス28に可能な限り近づけられ、それによって、RFIDタグを読み取ることができる。
【0057】
図19は、医療器具および読み取りデバイス28からなる図18のシステムの詳細な図である。したがって、この好ましい例による読み取りデバイス28は、ラックまたはフレーム28aを有しており、ラックまたはフレーム28aには、少なくとも1つの器具取付部が好ましくはクランプまたはクリップ28bの形態で固定されており、クランプまたはクリップ28bの中に、医療器具、または場合によってはその器具本体10をクランプすることができる(このクランプされている状態は、図19で拡大されて示される)。さらに、図19では、読み取りデバイス28を見ることができ、これは、医療器具が器具取付部28bに挿入されたときに医療器具の下に位置する。ここで決定的な要因は、発明による医療器具上のその配置、すなわち床下方式によって、RFIDタグは、器具が器具取付部28bに挿入されたときに、読み取りデバイス28のちょうど上方にくるように、(所望の通り)配置することができ、このように、RFIDタグと読み取りデバイス28との間の送信距離を最小化することである。
【0058】
図20は、RFIDタグホルダ22を有する医療器具の一例を示す図であり、医療器具はコードレスドリルである。この好ましい例では、ホルダ22は、器具スリットに埋め込まれたレセプタクルアダプタによって提供され、その中にRFIDタグが挿入され、装填材によって覆われる。RFIDタグの位置は、任意ではないが、読み取りデバイスを用いて可能な限り容易かつ精密にデータを読み出すことができるように、選択される。
【0059】
特に、この例において、コードレスドリルには、コードレスドリルのハンドル内に形成された取付スロットに挿入可能な取り外し可能な蓄電池/電池が設けられていることが提供される。これにより、蓄電池の遠位端/端部に読み取りデバイス、または少なくとも読み取りデバイスのアンテナを配置して、それを取付シャフトに完全に挿入することで、読み取りデバイス/アンテナがRFIDタグの近くに静止するようになる。したがって、干渉のないデータ送信が可能になる。
【0060】
図21は、ハサミの形態の医療器具の一例を示す図であり、その2つのハンドル分岐部は、床下方式でRFIDタグを受容するための器具本体10として適している。この好ましい例では、ホルダ22は、2つのハンドル分岐部のうちの1つ、特にはさみヒンジと指穴との間の分岐部の領域に受容ポケットの形態で形成される。図18によるホルダと同等の適切な保持システムに関連して、ハサミの規定位置(例えば、半開き)を指定することができ、それによって、ハサミがホルダに挿入されるときに、必然的に、読み取りデバイスがRFIDタグの下に配置されるようになる。
【0061】
図22および図23は、それぞれ、鉗子ハンドルおよびパンチキャリッジから成るパンチの形態の別の医療器具の図を示しており、このパンチは、キャリッジシャフト内で長手方向に案内され、鉗子ハンドルを介して作動される。この例では、RFIDタグホルダ22は、好ましくは、器具スリットに挿入されたレセプタクルアダプタの形態であり、器具スリットはキャリッジシャフト内に位置する。これは、RFIDタグの「床下」レセプタクルのための十分な壁厚を有する上に、鉗子ハンドルが動かされるときにその位置も変化しない点で特に適している。したがって、この器具は、鉗子ハンドルの現在の作動状態を考慮する必要なく、図18に示すような読み取りデバイスを備えた器具ホルダに挿入することができ、ここで、RFIDタグは、常に読み取りデバイスの上方に位置している。
【0062】
図24は、器具本体10内にRFIDタグホルダ22を有する医療器具の一例を示す図であり、前記医療器具はアングルプライヤである。アングルプライヤの場合、RFIDタグは、プライヤの係合部分の領域において「床下」でプライヤの2つの分岐のうちの1つの表面に挿入され、上記図18に記載されるような器具ホルダと同等の適切な読み取りデバイスによって読み取ることができる。
【0063】
図25は、器具本体10内にRFIDタグホルダ22を有する医療器具の一例を示す図であり、前記医療器具は、切断鉗子または把持鉗子である。図示の切断鉗子または把持鉗子では、RFIDタグは鉗子の分岐部の表面、詳細には前記鉗子分岐部のハンドル部分に「床下」方式で埋め込まれ、適切な読み取りデバイスによって読み取ることができる。図18の意味での保管システム、または場合によっては保持システムに関連して、鉗子の規定された作動位置も、この場合、指定されてもよく、これにより、RFIDタグが読み取りデバイスの直上に配置されることを可能にする。
【0064】
図26は、器具本体10内にRFIDタグホルダ22を有する医療器具の一例を示す図であり、前記医療器具は一対のピンセットである。ピンセットでは、RFIDタグは、詳細には、ピンセットの分岐部の、近位ピンセットハンドルと遠位係合部分との間の分岐中央部分において、ピンセットの分岐部の表面に「床下」方式で挿入され、図18の意味で適切な読み取りデバイスによって読み取ることができる。
【0065】
図27図31は、さらなる好ましい実施形態による本願による医療器具、ならびに、好ましい実施形態による医療器具を取り付けるための本願による方法を、部分斜視図で示し、図27図31では、段階的な組み立てが図示されている。まず、医療器具、次いで組み立て方法について下記で説明する。
【0066】
具体的には、医療器具は、器具本体10と、ピル型ガラスタグの形態のRFIDタグ2と、クリップ可能な、または場合によっては形状嵌合的にラッチ可能な金属ブッシングの形態の別個の金属シールド16と、ゴム、シリコーンおよび/またはプラスチックを材料とする信号透過性カバー20とを備えており、図27は、上記構成要素が別個に存在する組み合わされていない状態を分解図で示す。器具本体10は、長手軸を有する、先端の、近位の、実質的に円筒状の結合部を有し、それの径方向における外周壁に、スリット状の溝、または場合によっては凹部の形態の床下タグホルダ22が受容ポケット14として設けられている。この実施形態では、器具本体10の結合部の径方向外側部分は、プラスチック製であり、したがって、信号透過性である。溝形状の受容ポケット14は、ピル形状のRFIDタグ2を(少なくとも部分的に)受容するように適合されるか、または場合によってはRFIDタグ2を受容ポケット14に挿入することができる。
【0067】
金属シールド16は、その軸方向において、近位シールド部30と遠位ラッチ部31とに分割される。スリーブ形状のシールド部30は、細長い穴の形態の細長い軸方向に延びる信号透過性アパーチャ開口部18を有しており、その金属材料により、信号遮蔽のために使用され、規定された信号透過性アパーチャ開口部18をもって、データ送信品質だけでなく、読み取りおよび/または書き込みデバイス(図示せず)までの有効な距離を増加させる。一方、ラッチ部31は、金属シールド16を器具本体10に軸方向に固定するために使用され、他方では、周方向における相対的な位置を規定するために使用される。
【0068】
特に、シールド部30は、閉じたシェルを有するブッシング形状/スリーブ形状であり、その中で、規定された開口部または凹部は、個々の地点にのみ導入される。これらは、主に、アパーチャ開口部18と、近位端から遠位方向に軸方向に延びる切開部33である。アパーチャ開口部18から長手軸の周りに90°回転した場所にあるこの切開部33は、例えば、周方向における相対的な位置を規定するために使用され得、例えば、径方向内側に延びて規定された突出部を有し、その結合部と相補的である結合部が、接続相手に対するハンドピースの相対的な回転方向における位置を幾何学的に予め決定するために切開部33に導入される場合に使用され得る。
【0069】
ラッチ部31は、シールド部30と遠位で直接隣接し、軸方向に延びる4つの部分的円形のラッチアーム32を有し、これは、特に周方向に見ると等間隔で分布している。各ラッチアーム32は、アンダーカットを介して形状嵌合的に係合するために、その遠位端部において径方向外側に突出する戻り止めを有する。アパーチャ開口部18の延在部において、2つのそのようなラッチアーム32の間に長手方向の凹部34が設けられ、その結果、金属シールド16は、RFIDタグ2が挿入されているとき、周方向に固定されたこの位置でのみ器具本体10上に押し込むことができる。このように金属シールド16は、回転方向における所定の1つの位置のみでスライドされ固定されるように適合されている。図31に示されるように、RFIDタグ2およびアパーチャ開口部18は、互いに平行であり、および、互いに径方向に延びている。これは、アパーチャ開口部18がRFIDタグ2に対して対称的かつ中央に配置されることを確実にし、ここで、開口部18は、器具の周囲に向いた開口部14’を形成する。それらの幾何学的設計により、ラッチアーム32は、それらの固有の張力に抗して一時的に歪められるために、径方向において、ある一定の、固有の弾性を有している。好ましくは、シールド部30のみが金属でできていてもよく、ラッチ部31は、他の材料、例えばプラスチックでできていてもよい。
【0070】
ゴム製のカバー20は、径方向に周縁の段差を有するか、または場合によっては、一方が他方の上に重なっている2つの板状の長方形であって、丸まった角部を備え、径方向の外側に向かって減少する寸法を備える2つの板状の長方形を有しており、その径方向外側の方の長方形は、アパーチャ開口部18をぴったりと嵌合して閉じるために、開口部18と全く同じ寸法を有する。径方向内側の、形の大きい方の長方形がシールド部30の内壁に当接する。この設計により、アパーチャ開口部18内の金属シールド16の内側にカバー20を挿入することができ、組み立て状態では、対応部分となるRFIDタグ2のみにより、カバー20を開口部18内に適切な位置で保持することができる。金属シールド16は、ハンドピースの接続相手への挿入を容易にするために、その近位端に丸みを帯びたエッジ34を有する。
【0071】
本願による組み立て方法を以下に説明する。図27には、RFIDタグ2と、医療器具と、金属シールド16と、信号透過性カバー20とを互いに相対的に位置決めする第1の工程が示されている。金属シールドは、器具本体の長手軸と同軸に配置される。図28には、RFIDタグ2を医療器具の床下タグホルダ22内に径方向に配置する工程、この場合、床下タグホルダ22内に径方向に圧入する工程が示されている。もちろん、RFIDタグ2を配置する工程が最初に実行され、位置決めの工程が後に続いてもよい。金属シールド16は、既に器具本体10に対して正しい回転方向における位置にあるので、信号透過性のアパーチャ開口部18およびRFIDタグ2が周方向において同じ位置になるまで、金属シールド16を医療器具、または場合によっては器具本体10の軸方向軸線/長手軸線の周りに回転させる工程を省略することができる。図29は、カバー20を径方向内側から金属シールド16内に軸方向に移動させ、そしてカバー20をアパーチャ開口部16内に向けて径方向外側に移動させることによって、カバー20を信号透過性アパーチャ開口部18内に部分的に配置しているところを示す。このカバー20は、アパーチャ開口部18内にまだ完全に挿入されていない。加えて、図29は、挿入されたRFIDタグ2を軸方向に置きながら、金属シールド16をハンドピース、または場合によっては医療器具上へ部分的にスライドしているところを示す。最後に、図30は、カバー20をアパーチャ開口部18に挿入するのが終了した工程を示し、アパーチャ開口部18は面一に閉じている。
【0072】
図31は、金属シールド16を器具本体1上にスライドさせる工程が終わった組み立て状態を示しており、それにより、アパーチャ開口部18とRFIDタグ2とが互いに平行かつ径方向に延びて配置されており、RFIDタグ2は、このようにして、紛失することがないように、その位置が医療器具内に固定されている。また、金属シールド16を器具本体10に対して固定する工程は、戻り止め32をラッチ止めして行われている。
【0073】
最後に、用語「ホルダ」および「タグキャリア」は、同義であり、同じ構成要素を表すことに留意されたい。さらに、例示的に図示された医療器具は限定的ではなく、任意の他の器具、および可能性としては、心臓ペースメーカ、人工関節などの装具またはインプラントにさえ、「床下」方式で配置されたRFIDタグを装備することができる。要約すると、本願は、RFIDタグ2が設けられた器具本体10を有する医療器具に関する。本願によれば、RFIDタグホルダ22は、器具本体10内に設けられ、または形成されており、そしてRFIDタグホルダ22は、RFIDタグ2が器具本体表面に形成された開口部14’を介して器具の周囲に露出される一方で、器具本体表面を越えて(RFIDタグ2が)突出するのを好ましくは回避するため、この器具本体表面に対して器具本体表面内部の方向に退避するように、位置固定方式でRFIDタグ2を受容するように意図され、形成/適合されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2022-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが設けられた器具本体を有する医療器具であって、床下タグホルダを特徴とし、前記床下タグホルダは、前記RFIDタグが、器具本体表面に形成された開口部を介して前記器具の周囲に露出される一方で、前記器具本体表面を越えて突出することを好ましくは回避するため、この器具本体表面に対して前記器具本体内部の方向に退避するように、位置固定方式で前記RFIDタグを受容するように設けられ形成されており、前記RFIDタグを備える前記床下タグホルダは、少なくとも部分的に、信号透過性アパーチャ開口部を備える別個の金属シールドによって囲まれており、前記アパーチャ開口部は、前記器具の周囲に向いた前記開口部を形成する、医療器具。
【請求項2】
前記器具本体は、前記開口部を介して前記器具の周囲にアクセスできる中空空間を封入するか、または有しており、カートリッジ状または円筒状のタグキャリアの形態の前記床下タグホルダは、前記中空空間に挿入されることを特徴とする、請求項1の医療器具。
【請求項3】
前記タグキャリアは、前記RFIDタグのための受容ポケットを有しており、前記受容ポケットは、前記タグキャリアの外側に形成されており、前記受容ポケットは、前記タグキャリアの前記外側に向かって開口しており、前記受容ポケットは、前記タグキャリアが前記中空空間に挿入されたときに、その開口部が前記器具本体における前記開口部と重なるように、前記タグキャリア上に配置されることを特徴とする、請求項2の医療器具。
【請求項4】
前記器具本体における前記開口部は、前記受容ポケットの前記開口部よりも大きく、前記受容ポケットの前記開口部は、前記受容ポケット内に挿入された前記RFIDタグよりも小さいことを特徴とする、請求項3の医療器具。
【請求項5】
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体における前記開口部は、前記RFIDタグのコイル径と理想係数との積に対応する幅を有しており、前記理想係数は、1.3~2.2の範囲内にあることを特徴とする、請求項4の医療器具。
【請求項6】
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体における前記開口部は、前記RFIDタグのフェライトコアの全長または前記RFIDタグ全体の全長の-30%から+50%までの長さを有することを特徴とする、請求項4または5の医療器具。
【請求項7】
前記器具本体には、前記RFIDタグの位置的に固定された直接的または間接的な受信のために、その前記外側に開口する受容ポケットが形成されることを特徴とする、請求項1の医療器具。
【請求項8】
前記器具本体の前記受容ポケットに挿入されており、前記RFIDタを挿入するための前記床下タグホルダを形成する、レセプタクルアダプタを備えることを特徴とする、請求項7の医療器具。
【請求項9】
信号透過性材料からなるカバーまたはカバー形状装填材を備えており、前記カバーまたはカバー形状装填材は、前記カバーが、挿入された前記RFIDタグを外側から覆うとともに、前記器具本体における前記開口部を囲む前記器具本体表面への面一移行部を成すように、前記受容ポケット内に挿入または装填されることを特徴とする、請求項3から8の何れか1項の医療器具。
【請求項10】
前記床下タグホルダは、金属または信号透過性材料を備えており、全体がこの材料で作られることを特徴とする、請求項1から9の何れか1項の医療器具。
【請求項11】
前記金属シールドは、周方向外側面を有するスリーブまたはブッシングとして形成されており、前記外側面に前記アパーチャ開口部が形成されていることを特徴とする、請求項1から10の何れか1項の医療器具。
【請求項12】
前記金属シールドは、細長いワッシャの形態であるか、または環状金属シートの形態であることを特徴とする、請求項1から10の何れか1項の医療器具。
【請求項13】
前記アパーチャ開口部は、細長いか、またはスロット状であり、前記アパーチャ開口部の長手軸を有しており、前記RFIDタグの長手軸は、前記アパーチャ開口部の前記長手軸と平行に配置され、そこから離間していることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項の医療器具。
【請求項14】
医療処置システムであって、請求項1から13のうちの何れか1項の医療器具と、読み取りおよび/または書き込みデバイスであって、前記医療器具の前記RFIDタグに信号技術的に結合することができ、器具ホルダを備えるか、または器具ホルダとして設計されており、前記器具ホルダは、前記医療器具を所定の位置に保持するか、または一時的に固定し、および/または、前記読み取りおよび/または書き込みデバイスに向けるように設けられ適合されている、前記読み取りおよび/または書き込みデバイスと、を備えており、前記RFIDタグと前記読み取りおよび/または書き込みデバイスとの間の信号送信が可能である、医療処置システム。
【請求項15】
請求項1から13の何れか1項の医療器具を組み立てるための方法であって、
前記RFIDタグ、前記医療器具および前記金属シールドを互いに対して位置決めするステップと、
前記RFIDタグを前記医療器具の前記床下タグホルダ内に配置するステップであって、径方向において配置するステップと
前記金属シールドを軸方向において前記医療器具上にスライドさせるステップであって、前記アパーチャ開口部および前記RFIDタグが長手軸方向に見て互いに径方向上に延在するように配置されるようにし、前記RFIDタグの位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記RFIDタグが紛失しないようにするための、前記スライドさせるステップと、を備える方法。
【請求項16】
前記位置決めするステップの後、前記信号透過性アパーチャ開口部と前記RFIDタグとが周方向において同じ位置になるまで、前記医療器具の軸線の周りに前記金属シールドを回転させるステップと、
前記金属シールドを前記医療器具上にスライドさせるステップの後、前記金属シールドを固定するステップと、をさらに備えることを特徴とする、請求項15の方法。
【請求項17】
記スライドさせるステップに先立って、
信号透過性カバーを前記金属シールドに対して位置決めするステップと、
前記カバーを径方向内側から前記金属シールド内に軸方向にスライドさせ、前記カバーを前記アパーチャ開口部内に向けて径方向外側にスライドさせることにより、前記カバーを前記信号透過性アパーチャ開口部内に配置するステップであって、前記カバーが前記アパーチャ開口部内へ挿入されるようにし、前記金属シールド上でスライドさせるステップの後に前記カバーの位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記カバーが紛失しないようにするための、前記配置するステップと、をさらに備えることを特徴とする、請求項15または16の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
最後に、用語「ホルダ」および「タグキャリア」は、同義であり、同じ構成要素を表すことに留意されたい。さらに、例示的に図示された医療器具は限定的ではなく、任意の他の器具、および可能性としては、心臓ペースメーカ、人工関節などの装具またはインプラントにさえ、「床下」方式で配置されたRFIDタグを装備することができる。要約すると、本願は、RFIDタグ2が設けられた器具本体10を有する医療器具に関する。本願によれば、RFIDタグホルダ22は、器具本体10内に設けられ、または形成されており、そしてRFIDタグホルダ22は、RFIDタグ2が器具本体表面に形成された開口部14’を介して器具の周囲に露出される一方で、器具本体表面を越えて(RFIDタグ2が)突出するのを好ましくは回避するため、この器具本体表面に対して器具本体表面内部の方向に退避するように、位置固定方式でRFIDタグ2を受容するように意図され、形成/適合されている。
以下の項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載されていた項目である。
(項目1)
RFIDタグ(2)、特にガラスタグが設けられた器具本体(10)を有する医療器具であって、床下タグホルダ(22)を特徴とし、前記床下タグホルダ(22)は、前記RFIDタグ(2)が、器具本体表面に形成された開口部(14’)を介して前記器具の周囲に露出される一方で、前記器具本体表面を越えて突出することを好ましくは回避するため、この器具本体表面に対して前記器具本体内部の方向に退避するように、位置固定方式で前記RFIDタグ(2)を受容するように設けられ形成されており、前記RFIDタグ(2)を備える前記床下タグホルダ(22)は、少なくとも部分的に、信号透過性アパーチャ開口部(18)を備える別個の金属シールド(16)によって囲まれており、前記アパーチャ開口部(18)は、前記器具の周囲に向いた前記開口部(14’)を形成する、医療器具。
(項目2)
前記器具本体(10)は、前記開口部(14’)を介して前記器具の周囲にアクセスできる中空空間(12)を封入するか、または有しており、好ましくはカートリッジ状または円筒状のタグキャリアの形態の前記床下タグホルダ(22)は、好ましくは遊びなしで前記中空空間(12)に挿入されることを特徴とする、項目1の医療器具。
(項目3)
前記タグキャリアは、前記RFIDタグ(2)のための受容ポケット(14)を有しており、前記受容ポケット(14)は、好ましくはカートリッジ状または円筒状のタグキャリアの外側、好ましくは外側面に形成されており、前記受容ポケット(14)は、前記タグキャリアの外側に向かって開口しており、前記受容ポケット(14)は、前記タグキャリアが前記中空空間(12)に挿入されたときに、その開口部が前記器具本体(10)における前記開口部(14’)と重なるように、前記タグキャリア上に配置されることを特徴とする、項目2の医療器具。
(項目4)
前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記受容ポケット(14)の前記開口部よりも大きく、好ましくは幅が広く、さらに好ましくは長く、前記受容ポケット(14)の前記開口部は、前記受容ポケット(14)内に挿入された前記RFIDタグ(2)よりも小さく、好ましくは幅が狭いことを特徴とする、項目3の医療器具。
(項目5)
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記RFIDタグ(2)のコイル径と理想係数との積に対応する幅を有しており、前記理想係数は、1.3~2.2の範囲内にあり、好ましくは1.6~1.9の範囲内にあり、特に好ましくは1.75であることを特徴とする、項目4の医療器具。
(項目6)
前記医療器具の外側に形成された前記器具本体(10)における前記開口部(14’)は、前記RFIDタグ(2)のフェライトコア(6)の全長または前記RFIDタグ(2)全体の全長の-30%から+50%までの長さ、好ましくは0%から+30%までの長さ、特に好ましくは+15%の長さを有することを特徴とする、項目4または5の医療器具。
(項目7)
前記器具本体(10)には、前記RFIDタグ(2)の位置的に固定された直接的または間接的な受信のために、その外側に開口する受容ポケット(14)が形成されることを特徴とする、項目1の医療器具。
(項目8)
前記器具本体(10)の前記受容ポケット(14)に挿入されており、前記RFIDタグ(2)を挿入するための前記床下タグホルダ(22)を形成する、レセプタクルアダプタを備えることを特徴とする、項目7の医療器具。
(項目9)
信号透過性材料からなるカバーまたはカバー形状装填材(20)を備えており、前記カバーまたはカバー形状装填材(20)は、前記カバー(20)が、挿入された前記RFIDタグ(2)を外側から覆うとともに、前記器具本体(10)における前記開口部(14’)を囲む前記器具本体表面への面一移行部を成すように、前記受容ポケット(14)内に挿入または装填されることを特徴とする、項目3から8の何れか1項の医療器具。
(項目10)
前記床下タグホルダ(22)は、金属または信号透過性材料、好ましくはプラスチックを備えており、特に、全体がこの材料で作られることを特徴とする、項目1から9の何れか1項の医療器具。
(項目11)
前記金属シールド(16)は、周方向外側面を有するスリーブまたはブッシングとして形成されており、前記外側面に前記アパーチャ開口部(18)が形成されていることを特徴とする、項目1から10の何れか1項の医療器具。
(項目12)
前記金属シールドは、細長いワッシャの形態であるか、または環状金属シートの形態であることを特徴とする、項目1から10の何れか1項の医療器具。
(項目13)
前記アパーチャ開口部(18)は、細長いか、またはスロット状であり、特に、丸みを帯びた角部を備えており、前記アパーチャ開口部の長手軸を有しており、前記RFIDタグ(2)の長手軸は、前記アパーチャ開口部の前記長手軸と平行に配置され、そこから離間していることを特徴とする、項目1から12の何れか1項の医療器具。
(項目14)
医療処置システムであって、項目1から13のうちの何れか1項の医療器具と、読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)であって、前記医療器具の前記RFIDタグ(2)に信号技術的に結合することができ、器具ホルダを備えるか、または器具ホルダとして設計されており、前記器具ホルダは、前記医療器具を所定の位置に保持するか、または一時的に固定し、および/または、前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)に向けるように設けられ適合されている、前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)と、を備えており、前記RFIDタグ(2)と前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(28)との間の信号送信が可能であり、好ましくは、前記RFIDタグ(2)と前記読み取りおよび/または書き込みデバイス(26)との間の距離が最小である、医療処置システム。
(項目15)
項目1から13の何れか1項の医療器具を組み立てるための、特に、医療器具においてRFIDタグと金属シールドを組み立てるための方法であって、
前記RFIDタグ(2)、前記医療器具および前記金属シールド(16)を互いに対して位置決めするステップと、
前記RFIDタグ(2)を前記医療器具の前記床下タグホルダ(22)内に配置するステップであって、特に径方向において配置するステップであり、好ましくは前記径方向においてそれを前記床下タグホルダ(22)内に押圧するステップと、
好ましくは、前記信号透過性アパーチャ開口部(18)と前記RFIDタグ(2)とが周方向において同じ位置になるまで、前記医療器具の軸線の周りに前記金属シールド(16)を回転させるステップと、
前記金属シールド(16)を軸方向において前記医療器具上にスライドさせるステップであって、前記アパーチャ開口部(18)および前記RFIDタグ(2)が長手軸方向に見て互いに径方向上に延在するように配置されるようにし、前記RFIDタグ(2)の位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記RFIDタグ(2)が紛失しないようにするための、前記スライドさせるステップと、
好ましくは、前記金属シールド(16)を固定するステップと、を備える方法。
(項目16)
特に、前記スライドさせるステップに先立って、
信号透過性カバー(20)を前記金属シールド(18)に対して位置決めするステップと、
前記カバー(20)を径方向内側から前記金属シールド(16)内に軸方向にスライドさせ、前記カバー(20)を前記アパーチャ開口部(18)内に向けて径方向外側にスライドさせることにより、前記カバー(20)を前記信号透過性アパーチャ開口部(18)内に配置するステップであって、前記カバー(20)が前記アパーチャ開口部(18)内へ挿入されるようにし、前記金属シールド(16)上でスライドさせるステップの後に前記カバー(20)の位置が前記医療器具内に固定されるようにして前記カバー(20)が紛失しないようにするための、前記配置するステップと、をさらに備えることを特徴とする、項目15の方法。
【国際調査報告】